JP2015028457A - 欠陥検査装置および欠陥検査方法 - Google Patents

欠陥検査装置および欠陥検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料全面を短時間で走査し,試料に熱ダメージを与えることなく微小な欠陥を検出できる欠陥検査装置を提供する。【解決手段】試料上にパルス状のレーザ照明を行う照明光学系と、レーザ照明された該試料からの反射光または散乱光を検出する検出光学系と、該反射光または散乱光に基づく出力信号を処理して該試料上の欠陥を検出する信号処理系と、を備える欠陥検査装置であって、前記照明光学系は、パルス毎に照明位置を切り替える照明位置切替系を備え、信号処理系は、照明光学系によるレーザ照明により発生する該試料の表面の異なる位置に照明された複数の照明光により発生する反射光または散乱光に基づき欠陥候補を検出する欠陥候補検出部と、該欠陥候補検出部により検出された該欠陥候補のうち異なるタイミングで検出した欠陥候補を用いて、近接した欠陥候補の情報をマージして再度欠陥判定を行う欠陥判定部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1A

Description

本発明は欠陥検査装置および欠陥検査方法に関する。
半導体基板や薄膜基板等の製造ラインにおいて,製品の歩留まりを維持・向上するために,半導体基板や薄膜基板等の表面に存在する欠陥の検査が行われている。欠陥検査の従来技術としては短波長レーザ照明において,高出力レーザではパルス発光レーザが多く,この瞬間的な発光による試料の急激な温度上昇による,試料の熱ダメージを低減させるため,光路を分割,その光路長の違いを利用してパルスを分割することで試料のダメージを低減する手法(特許文献1)が述べられている。
特開2011−252841号公報
半導体等の製造工程で用いられる欠陥検査には,微小な欠陥を検出すること,検出した欠陥の寸法を高精度に計測すること,試料を非破壊で(あるいは試料を変質させること無く)検査すること,同一の試料を検査した場合に常に一定の検査結果(検出欠陥の個数,位置,寸法,欠陥種)が得られること,一定時間内に多数の試料を検査することなどが求められる。
特許文献1は、ビームスポットの照明効率をあげることができ、調整難易度を低減することが可能ではあるが、やはり、小ビームスポットを得ることが困難である。また、パルスレーザにより発生する瞬間的な温度上昇を抑制することはできるものの、ビームが照射されている期間の平均的な温度上昇を抑制することは困難である。
本発明の目的は、試料全面を短時間で走査し,試料に熱ダメージを与えることなく微小な欠陥を検出することができる欠陥検査方法及びその装置を提供することにある。
レーザ光源からレーザ光を射出し試料上にパルス状のレーザ照明を行う照明光学系と、前記照明光学系によりレーザ照明された該試料からの反射光また散乱光を検出する検出光学系と、前記検出光学系により検出された該反射光または散乱光に基づく出力信号を処理して該試料上の欠陥を検出する信号処理系と、を備える欠陥検査装置であって、前記照明光学系は、パルス毎に照明位置を切り替える照明位置切替系を備え、前記信号処理系は、前記照明光学系によるレーザ照明により発生する該試料の表面の異なる位置に照明された複数の照明光により発生する反射光または散乱光に基づき欠陥候補を検出する欠陥候補検出部と、該欠陥候補検出部により検出された該欠陥候補のうち異なるタイミングで検出した欠陥候補を用いて、近接した欠陥候補の情報をマージして再度欠陥判定を行う欠陥判定部と、を備えることを特徴とする欠陥検査装置である。
本発明によれば,試料全面を短時間で走査し,試料に熱ダメージを与えることなく,微小な欠陥を検出することができる欠陥検査装置および欠陥検査方法を提供することが可能である。
本発明の実施形態に係る欠陥検査装置の全体概略構成を示すブロック図である。 アッテネータの構成を示すブロック図である。 信号処理部の構成を示すブロック図である。 集光制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る検出部の配置および検出方向を示す検出部のブロック図である。 パルス分割部の構成を示すブロック図である。 パルス分割部の光路内のビームの一方のみの偏光を回転させるユニットの概念図である。 パルス分割部の構成を示すブロック図である。 パルス分割部の光路内のビームの一方のみの偏光を回転させるユニットの概念図である。 パルス分割部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る試料上の照明パターンである。 本発明の実施例に係る試料を回転とともに並進させた場合の検査位置の軌跡である。 本発明の実施例に係るタイミング発生回路のブロック図である。 図5Aのタイミング発生回路ブロックの入力と出力のタイミングチャートである。 本発明の実施例に係る後処理部のブロック図である。 異なる光路を介した照明によって得られた欠陥マップに基づく照明位置のずれ量算出部の説明図である。 本発明の実施例に係る検出部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係るアナログ処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係るデジタル処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係るデジタル処理部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る、分岐光路からの照明による欠陥信号強度プロファイルとその統合方法の説明図である。 本発明の実施例に係る欠陥検査装置の全体概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る欠陥検査装置の全体概略構成を示すブロック図である。 図13Bの構成例における基板面高さ検出方式のブロック図である。
本発明の実施形態の概略構成を図1で説明する。
図1Aは、本発明の実施形態に係る欠陥検査装置の全体概略構成を示すブロック図である。
照明部101,検出部102,試料Wを載置して回転して回転中心軸に直角な方向に可能なステージ103,信号処理部105,後処理部106、制御部53,表示部54,入力部55を備える。
照明部101はレーザ光源2,アッテネータ3,出射光調整部4,パルス分割部8,光束拡大部5,偏光制御部6,照明集光制御部7を備える。レーザ光源2はパルス発振あるいは擬似連続発振レーザであり,典型的には発光時間は15ps以下であり,10ns毎の間隔でパルス状の光が出力される。また,レーザ光源2からはコリメートされたレーザ光が照射される。発射される光がコリメートされた光でないレーザ光源の場合,別途コリメータレンズを設け,照明をコリメートする。
レーザ光源2から射出されたレーザ光ビームは,アッテネータ3で所望のビーム強度に調整され,出射光調整部4で所望のビーム位置,ビーム進行方向に調整され,パルス分割部8でパルス状のレーザ光の1つのパルスを時分割された複数のパルスに分割する。この光束は,光束拡大部5で光束を拡大するとともにパルス分割部で分割された各パルスの光束の照射方向の角度ずれを低減した後,偏光制御部6で所望の偏光状態に調整され,照明集光制御部7で所望の強度分布に調整され,試料Wの検査対象領域に照明される。
本発明の特徴の一つであるパルス分割部8は,各時分割されたパルス光の光軸を適切に制御し、照明集光制御部7で集光させたのち,試料W上に微小なスポットを異なる位置に形成する。パルス分割部は、分割されたパルスがそれぞれ角度の差をもつように調整される。典型的には、試料の半径方向に照明スポットが分離されて照明するようにする。これを回転方向に分割して照明しても良い。さらに、照明スポットは分離せずに,ビームプロファイルが重なりあうように配置しても良い。試料Wはステージ103によって高速に回転するため、半径方向に分離されて照明されると照明スポット位置の温度上昇を抑制することができるが、重なりあうようにするとこの効果が得られにくくなる。
図1Dは集光制御部の構成を示すブロック図、図1Bはアッテネータの構成を示すブロック図である。
試料上の照明形状は,熱に対するダメージを最小にするにはアスペクト比の高い矩形形状にすることが一般的である。このため,照明集光制御部7としては典型的には2組のアナモフィックプリズム71及び72で照明光束を整形したのち,集光レンズ73で照明する。また,集光レンズ73の代わりに回折光学素子を用いても良い。
照明部101の光路中の反射ミラーの位置と角度により、試料表面に対する照明光の入射角(試料表面の法線方向に対する傾き角)が決められる。照明光の入射角は、微小な欠陥の検出に適した角度に設定される。照明入射角が大きいほど,すなわち照明仰角(試料表面と照明光軸との成す角)が小さいほど,試料表面上の微小異物からの散乱光に対してノイズとなる試料表面の微小凹凸からの散乱光(ヘイズと呼ばれる)が弱まるため,微小な欠陥の検出に適する。このため,試料表面の微小凹凸らの散乱光が微小欠陥検出の妨げとなる場合には,照明光の入射角は75度以上(仰角15度以下)に設定する。
一方,斜入射照明においては、照明入射角が小さいほど微小異物からの散乱光の絶対量が大きくなるため,欠陥からの散乱光量の不足が微小欠陥検出の妨げとなる場合には,照明光の入射角は60度以上75度以下(仰角15度以上30度以下)に設定される。また,斜入射照明を行う場合,照明部101の偏光制御部6における偏光制御により,照明の偏光をP偏光とすることで,その他の偏光と比べて試料表面上の欠陥からの散乱光が増加する。
図示していないミラーの駆動手段により、ミラーを照明部101の光路中に挿入することにより,照明光路が変更され,試料面に垂直な方向から照明光が照射される(垂直照明)。このとき,照明集光制御部7vにより,試料面上の照明強度分布は斜入射照明と同様に制御される。試料面の凹み状の欠陥(研磨キズや結晶材料における結晶欠陥)からの散乱光を得るには,試料表面に実質的に垂直に入射する垂直照明が適する。
レーザ光源2としては,試料表面近傍の微小な欠陥を検出するには,試料内部に浸透しづらい波長として,短波長(波長355nm以下)の紫外または真空紫外のレーザビームを発振し,かつ出力2W以上の高出力のものが用いられる。出射ビーム径は1mm程度である。試料内部の欠陥を検出するには,試料内部に浸透しやすい波長として,可視あるいは赤外のレーザビームを発振するものが用いられる。
図1Bに示すように、アッテネータ3は,第一の偏光板31と,照明光の光軸周りに回転可能な1/2波長板32と,第二の偏光板33とを備える。アッテネータ3に入射した光は,第一の偏光板31により直線偏光に変換され,1/2波長板32の遅相軸方位角に応じて偏光方向が任意の方向に回転され,第二の偏光板33を通過する。1/2波長板32の方位角を制御することで,光強度が任意の比率で減光される。アッテネータ3に入射する光の直線偏光度が十分高い場合は第一の偏光板31は必ずしも必要ない。アッテネータ3は入力信号と減光率との関係が事前に較正されたものを用いる。アッテネータ3として,グラデーション濃度分布を持つNDフィルタを用いることも可能である。
出射光調整部4は複数枚の反射ミラーを備える。ここでは二枚の反射ミラー41と42とで構成した場合の実施例を説明する。ここで,三次元の直交座標系(XYZ座標)を仮に定義し,反射ミラーへの入射光が+X方向に進行しているものと仮定する。第一の反射ミラー41は入射光を+Y方向に偏向するよう設置され(XY面内での入射・反射),第二の反射ミラー42は第一の反射ミラー41で反射した光を+Z方向に偏向するよう設置される(YZ面内での入射・反射)。各々の反射ミラー41と42とは平行移動とあおり角調整により,出射調整部4から出射する光の位置,進行方向(角度)が調整される。前記のように,第一の反射ミラー41の入射・反射面(XY面)と第二の反射ミラー42の入射・反射面(YZ面)が直交するような配置とすることで,出射調整部4から出射する光(+Z方向に進行)のXZ面内の位置,角度調整と,YZ面内の位置,角度調整とを独立に行うことができる。
発光タイミングモニタ手段22は、数ns程度以下の応答特性をもつフォトダイオードや光電子増倍管を用いる。
タイミング信号発生部23は、フォトダイオードの出力信号と同期して、分周、あるいは逓倍したパルスを生成する。逓倍数はパルス分割部の分割数と線形の対応関係になる。分周数はパルス分割部に備えた図3Eで後述する330の偏光切り替え手段の偏光の状態数と等しくする。
図3Eは、パルス分割部の構成を示すブロック図である。分周した信号は、パルス分割部8に伝送し偏光の切り替えに用い、逓倍した信号は信号処理部105に伝送し、アナログ信号のサンプリングに用いる。信号処理部105は欠陥候補を検出し、その欠陥候補評価値と検出座標を算出する。本願では、パルス分割部8で分割したパルス毎に、試料上の照明位置が異なり、検査時の環境、たとえば温度によるミラーの膨張や大気の屈折率の変化、レーザ光源2の発光点の微動によりこの位置は変化する。そこで、予め、異なる光路を通って照明されるパルス毎の照明の相対ずれを検査前に計測しておき、それぞれのパルス毎に位置ずれ量を補正して欠陥位置を算出する。
図8は、本発明の実施例に係る検出部の構成を示すブロック図である。
検出部102は,照明領域20から発する複数の方向の散乱光を検出するよう,複数配置される。検出部102の試料Wおよび照明領域20に対する配置を図8を用いて説明する。
図8(a)に検出部102の配置の側面図を示す。照明領域20は図8(a)の紙面に対して垂直な方向に長い形状を有している。試料Wの法線に対して,検出部102による検出方向(検出開口の中心方向)のなす角を,検出天頂角と定義する。検出部102は,検出天頂角が45度以下の高角検出部102hと,検出天頂角が45度以上の低角検出部102lを備えて構成される。高角検出部102h,低角検出部102l各々は,各々の検出天頂角において多方位に散乱する散乱光をカバーするよう,複数の検出部を備える。
図8(b)に,低角検出部102lの配置の平面図を示す。照明領域20は矢印で示した斜入射照明進行方向に沿って長い形状をしている。試料Wの表面と平行な平面内において,斜入射照明の進行方向と検出方向とのなす角を検出方位角と定義する。低角検出部102は,低角前方検出部102f,低角側方検出部102s,低角後方検出部102b,およびそれらと照明入射面に関して対称な位置にある低角前方検出部102f’,低角側方検出部102s’,低角後方検出部102b’を備える。低角前方検出部102fは検出方位角が0度以上60度以下,低角側方検出部102sは検出方位角が60度以上120度以下,低角後方検出部102bは検出方位角が120度以上180度以下に設置される。
図8(c)に,高角検出部102hの配置の平面図を示す。高角検出部102は,高角前方検出部102f,高角側方検出部102s,高角後方検出部102b,および高角側方検出部102sと照明入射面に関して対称な位置にある高角側方検出部102s’を備える。高角前方検出部102fは検出方位角が0度以上45度以下,高角側方検出部102sは検出方位角が45度以上135度以下,高角後方検出部102bは検出方位角が135度以上180度以下に設置される。
図2は、本発明の実施例に係る検出部の配置および検出方向を示す検出部のブロック図である。
検出部102の具体的な構成を図2を用いて説明する。図2(a)は位置情報の検出ができないポイントセンサー204を用いた場合の実施例,図2(b)はラインセンサー(複数画素センサ)208を用いた実施例である。
照明領域20から発生する散乱光を対物レンズ201によって集光し,偏光フィルタ202を通過させた後,結像レンズ203によってセンサ204の受光面に導かれ,検出される。散乱光を効率良く検出するため,対物レンズ201の検出NAは0.3以上である。低角度検出部の場合,対物レンズ201の下端が試料面Wに干渉しないよう,必要に応じて対物レンズの下端を切り欠く。偏光フィルタ202は偏光板あるいは偏光ビームスプリッタからなり,任意の方向の直線偏光成分をカットするよう設置される。偏光板として,透過率80%以上のワイヤグリッド偏光板などが用いられる。楕円偏光を含む任意の偏光成分をカットする場合は,波長板と偏光板からなる偏光フィルタ202を設置する。
ポイントセンサ204,複数画素センサ208は、高感度検出を行うため,量子効率が高く(30%以上の),光電変換後の電子を電気的に増幅可能なもの,また,高速化のため,複数がその信号を並列して読み出し可能なもの,また,検出ダイナミックレンジ確保のため,検出感度(電気的な増幅のゲイン)が電気的手段などにより短時間で容易に変更可能であるもの,が望ましい。ポイントセンサー204は光電子増倍管やアバランシェフォトダイオードが用い,複数の画素センサーより構成されるセンサー208としてはマルチアノード光電子増倍管,アバランシェフォトダイオードアレイ,信号の並列読み出しが可能なリニアEMCCD(Electron Multiplying CCD),信号の並列読み出しが可能なリニアEBCCD(Electron Bombardment CCD)を用いる。
対物レンズ201および結像レンズ203によって,試料面の像が試料面共役面205に結像される。試料面に対して傾斜した結像する。このため,走査方向S1に関して,像高の大きい位置にある物体はデフォーカスにより複数画素センサ205の受光面に像を結ばずにボケるが,走査方向S1は照明領域20の寸法が短いため,像高の大きい位置にある物体は検出に影響を与えない。
図2(b)に,センサーとして複数画素センサーを用いた場合の構成を示す。照明領域20から発生する散乱光を対物レンズ201によって集光し,偏光フィルタ202通過させた後,結像レンズ203によって,試料面と共役な面に設置された回折格子206上に試料面の像(中間像)が結像される。回折格子206上に形成された試料面の像は,結像系207によって複数画素センサ208の受光面上に投影され,検出される。複数画素センサ208は,一方向に長い照明領域20の形状に合わせ,画素の配列方向が照明領域20の像の長手方向に一致するよう,試料面に共役な面内に設置される。回折格子206は,結像レンズ203によって導かれ中間像を形成する光を回折格子206の表面の法線方向に回折させるため,結像レンズ203によって導かれ中間像を形成する光の光軸に沿った入射光のN次回折光が回折格子206の表面の法線方向に向かうよう,回折格子形状が形成されたものを用いる。回折効率を高めるため,ブレーズ回折格子が用いられる。なお,検出方位角90度の低角および高角の側方検出部102ls,102hs(図8(b)及び(c)参照)に関しては像高が小さく抑えられるため,回折格子206,結像系207を省いて回折格子206の位置に複数画素センサー208を配置しても良い。
以上の構成をとり試料面に共役な面に複数画素センサ208を設置することで,試料面上のS1方向についてもピントのずれを抑えて広い範囲で有効視野を確保することができ,かつ光量ロスを少なく散乱光を検出することができる。
パルス分割部8を,図3A〜3Eを用いて説明する。
図3Aはパルス分割部の構成を示すブロック図、図3Bはパルス分割部の光路内のビームの一方のみの偏光を回転させるユニットの概念図、図3Cはパルス分割部の光路内のビームの一方のみの偏光を回転させるユニットの概念図、図3Dはパルス分割部の光路内のビームの一方のみの偏光を回転させるユニットの概念図、図3Eはパルス分割部の構成を示すブロック図である。
パルス分割部は、準密閉構造容器に収め,不活性ガスで充填しておくなどして、異物が付着しない環境に配置する。コリメート光300は、出射光調整部4から出射された照明光であり、直線偏光である。照明光300は,1/2波長板301により,偏光方向を45度回転させると偏光ビームスプリッタ302によって,光がほぼ同一の光量で2つの光路に分岐する。なお、1/2波長板301は、回転制御手段(図示せず)により偏光の回転角度を制御可能にし、偏光ビームスプリッタ302で分岐する光量の比を制御できるようにする。ミラー304と305を介して偏光ビームスプリッタ307に入射される光と,偏光ビームスプリッタ302から直接偏光ビームスプリッタ307に入射される光との間で光路差が発生し,パルスの試料面に到達する時間が変化する。
本実施例では、斜方からの照明と上方からの照明が可能であるが、照明を斜方から入射した場合には、異なる光路を通過した照明光間で照明集光制御部7と試料W間の距離が変化する。そこで、異なる位置に照明されても、2つの光路を通過した光がともにW上で集光されるように、焦点位置補正手段306を設けている。偏光ビームスプリッタ307は、分岐された光路を再度同一の光路に戻す。同一の光路に戻った光はそれぞれ偏光方向が90度異なっている。一般に試料面上の微小異物はP偏光照明の方が大きな散乱光量を得ることが可能であり、また、別の種類の欠陥、特に散乱光が試料面の法線方向に散乱しやすい欠陥では、S偏光照明の方が強い散乱強度を得られる場合もある。検出すべき欠陥種類が決定されていた場合には、いずれの光路を通った光も偏光方向を揃えておくと、後段で平均化処理等により感度を向上させることができる。偏光制御手段303は、それぞれの光路を通った光のうちいずれかに対してのみ偏光方向を変え、偏光方向を揃えられるようにする。図3Bを用いて偏光制御手段303の構成を示す。偏光制御手段303は照明光が透過する物質によって製造されており、領域350は1/2波長板と同等の機能をもつ。1/2波長板は領域350を通過する光の偏光方向に対して遅相軸が45度になるように設定する。これにより、領域350を通過する光は偏光方向が90度回転し、ミラー304,305を経由した光と偏光ビームスプリッタ302から直接入射した光の両方を同じ偏光方向に揃えることが可能になる。偏光制御手段303は、光路から着脱を可能にする制御機構(図示せず)を備える。多様な欠陥種に対応する場合には、偏光制御手段303を外し、P偏光照明、S偏光照明の両方を交互に試料に照射する。
ミラー309は、図示していない制御機構により光路への挿入および取り外しの制御が可能である。レンズ310によりCCDカメラ311での照明光の撮影が可能である。
角度制御機構312および313は、それぞれミラー304,305の角度を制御する機構であり、CCDカメラ311でモニタリングする照明の調整状態に基づき、適正な角度にミラーの調整を行うことを可能にする。光束拡大部5を通過した光は、図1Aの照明集光制御部7の試料面と反対側の焦点位置付近で光束がクロスするようにミラーの角度制御機構312、313を調整する。ミラー304,305を介して光束拡大部5に入射するパルス光は、ここを経由しないパルス光に対して、およそパルス発光周期の1/2の時間だけ遅延するようにミラー305,306の位置を設定する。以下、レーザ光源2が120MHzの周期でパルス発光する場合について述べる。このとき、光路によって遅延させる時間はおよそ4.15nsとする。これはミラー304,305を経由する光路を1.25mほど長くすることで得られ、偏光ビームスプリッタ302、ミラー304間の距離が0.62m程度になるようミラー304,305を配置する。
図3Bでは光路を2つに分岐する実施例を示したが、図3Cでは光路を3つに分岐する実施例を示す。図3Bと3Cの基本構成は同一であるが、パルス発光間隔を3等分するため、偏光ビームスプリッタ302とミラー304間の距離は0.83mに拡大し、直進する光に対して、ミラー304,305を経由する光路を通った光が5.56ns遅延するようにする。1/2波長板301の角度は、1/2波長板301以降の偏光が35.3度程度回転、すなわち、入射する偏光に対して遅相軸が17.65度の角度をもつように設定する。このとき、偏光ビームスプリッタ302のビームスプリッタにおいて、直進する光と分岐する光の割合が2:1になる。なお、この1/2波長板301の回転角度は偏光ビームスプリッタ302で分岐される光量を制御するため、図示していない制御機構によって変更可能にしておく。λ/2板321は、偏光ビームスプリッタ302から出た直線偏光の光を45度回転させる。λ/2板321にも、図示はしていないが回転角度制御機構を持たせ、偏光ビームスプリッタ318で分岐する2つの光路への光量の配分を変更できるようにしておく。偏光ビームスプリッタ318は、直進する光路とミラー314に分岐する光路に分岐する。ミラー314の方に分岐した光はミラー315と焦点位置補正手段320を介してビームスプリッタ319で元の光路に戻される。ミラー314,315を通る光路は2.78ns程度遅延させる必要があり、これは、この光路の長さを直進する光路に対して0.83m程度長くすることにより実現できる。機構322は特定の光路を通った光のみ偏光を回転させる機構であり、図3Aの303とほぼ同一の構成をとる。機構322の詳細を図3Dで説明する。ここでではミラー314、315を経由しなかった光は、303で同一の偏光方向に揃えられているため、ミラー314、315を経由した光のみ偏光方向が異なっているため、この光路からの光のみ領域351を通るようにしておき、偏光方向を回転させる。領域351は領域350と同一の構造を持ち、領域351に入射される光の偏光方向と遅相軸が45度の角度をもつように設定されている。
同様の拡張により、更に多くの分岐光路を設定することも可能であるが、図2で説明した検出系の帯域に対して、試料Wに照射されるパルス周期が早くなると検出が困難になる。例えば高ゲインでの微小光量検出に優れた特性をもつことで知られている光電子増倍管の場合、入手が容易なものは0.5nsから1ns程度の立ち上がり時間と、増倍管を電子が通過する走行時間数nsの遅延が発生する。特に走行時間は電子増倍管における各電子の走行経路により、時間変動が発生し、遅延光路によるパルスを分離しても、センサーの遅延により異なるパルスを弁別できなくなる恐れがある。
これに対応した実施例が図3Eである。直線偏光のコリメート光は偏光切り替え手段330によって、タイミング発生回路23が出力する電気制御信号を切替えることにより、偏光方向を90度交互に切り替えるようにする。偏光切り替え手段330は例えばポッケルスセルを用いる。特にレーザの繰り返し周波数が高く、照明光が紫外光である場合には、BBO(メタホウ酸バリウム)結晶を用いたポッケルスセルとし、制御電圧を低く抑えるため、これを2重に並べた構造として、それぞれの結晶で45度ずつ偏光方向を変えるようにすると良い。偏光切り替え手段330から出射した光は偏光ビームスプリッタ302によって、1/2波長板321を配置した光路か1/2波長板331を配置した光路のいずれかを選択的に通るようになる。1/2波長板331には図示していない回転角制御機構が備えられており、ビームスプリッタ332によって分岐する光路への光量の配分が調整可能にしてある。ビームスプリッタ332を通過した光の一方はビームスプリッタ333に導かれ、もう一方はミラー304,305、焦点位置制御手段306を経由してビームスプリッタ333に導かれる。ビームスプリッタ332からミラー304およびミラー305からビームスプリッタ333までの距離によりパルスが遅延し、この遅延時間はレーザの発振繰り返し周期の半分とする。120MHzのレーザの場合、この遅延光路の設定は図3Aの遅延光路と同じ距離、すなわち、1.25mである。1/2波長板338−0と338−1は、偏光方向を90度回転させる。ビームスプリッタ333に入射する光の偏光方向はそれぞれ90度の角度をなし、この状態で偏光制御手段339に導かれる。偏光制御手段339は303とほぼ同一の構造により、ミラー305を経由する光のみ偏光を90度回転させ、偏光ビームスプリッタ335に導く。
1/2波長板321は典型的には偏光を45度回転させ、ビームスプリッタ318で二つの光路に光を分岐する。1/2波長板336は、図示していない回転制御機構を備え、分岐される光量の配分を変化できるようにしておく。ここで、偏光を90度回転させ、ミラー314,315、焦点位置制御手段343を経由して偏光ビームスプリッタ334に導く。偏光ビームスプリッタ334に入射する光はそれぞれの光路で偏光方向が90度異なるため、この後段の偏光制御手段340で偏光方向を揃える。偏光制御手段340は303とほぼ同一の構造を持ち、ミラー314,315を経由した光の偏光方向のみ90度回転させ、偏光方向を揃える。偏光ビームスプリッタ335に導かれた光は偏光制御手段339からの光と偏光制御手段340からの光で偏光方向が90度異なる。ミラー341は303とほぼ同一の構造をもつ偏光制御手段であり、偏光制御手段340を経由する光のみ偏光方向を90度回転させる。これにより、4つの分岐光路を通過したすべての光を同一の偏光方向に揃える。ミラー341には光路への挿入を制御する制御機構(図示せず)を備わっており、ミラー341を外すと、試料Wに偏光方向が異なる照明が行われることになり、多様な欠陥への対応が可能になり、また、ミラー341を挿入すると同一の偏光方向が照明され、その偏光方向で散乱光が発生しやすい欠陥で微弱光を検出しやすくなる。
図4Aに分割されて照明される照明の例を示す。照明スポット401は図3Aの構成で照明される照明スポットで、各照明スポットを異なるタイミングで分岐されたそれぞれの光路から照明する。照明スポット402は図3Cの構成で照明される照明スポットで、照明スポット403は図3Eの構成で照明される照明スポットである。回転する試料を検査する場合、試料は回転方向、すなわちθ方向に移動する。このため、照明スポットによる試料面の熱上昇を抑制するため、試料の半径方向、r方向に分離して照明するようにした。照明スポット404は、センサーに結像検出系を用いた場合の照明の例である。結像検出系の場合、センサーの各画素の位置が固定であり、照明スポットが検出系に対して相対的に移動すると検出が困難になる。そこで、画素の並びに対して照明を直交方向に移動することが必要になる。一般には試料の回転方向であるθ方向に移動させることになる。照明スポット405は同時に取得する画素の並列数を3としたものであり、r方向の3つの照明スポットは同時に照明され、光路の分岐によりθ方向に移動して照明がされる。同時照明する3つのスポットを分離することで、検出系の1つの画素の検出範囲を広く設定する。結像検出で焦点位置がずれると、像がぼけてしまい高い解像度のデータを取得することが困難であるが、照明スポット405に取得したようにスポットを分離して照射、それぞれのスポットを分離検出すれば、各スポットがセンサーの画素並びと平行に配置されずに焦点ずれが発生した場合であっても、スポット間が焦点ずれによるボケ量よりも広ければスポット間で散乱光の混入を防げるため、照明の解像度で画像を検出することが可能である。
照明スポット403に示すパルス分割光路で4分岐させた場合に試料面における照明の軌跡を図4Bに示す。軌跡406、407、408、409はそれぞれ、パルス分割部8で4分岐されたそれぞれの光路を通った光の試料面を通過する軌跡を示している。軌跡410は、すべてのパルス照明の軌跡を試料面上で示したものである。パルス分割部8は多少の温度の変化等により、軌跡406〜409の相対位置が変化し、r方向の間隔は必ずしも等間隔にならず、常に相対的な位置が一定でもないが、平均的に軌跡410のパルス照明照射密度は、軌跡406〜409のそれに対して4倍となっている。
光束拡大部5は二群以上のレンズ群を有し,入射する平行光束の直径を拡大する機能を持つ。図1Aには、凹レンズ501と凸レンズ502の組合せを備えるガリレオ型のビームエキスパンダの例を示す。光束拡大部5は二軸以上の並進ステージ(図示せず)上に設置され,所定のビーム位置と中心が一致するように位置調整が可能なように構成されている。また,光束拡大部5の光軸とパルス分割部8から偏向制御部6に至るビーム光軸が一致するように光束拡大部5全体のあおり角調整機能機構(図示せず)が備えられる。凹レンズ501と凸レンズ502の間隔を調整することにより,光束直径の拡大率を制御することが可能である(ズーム機構)。
光束拡大部5によるビーム径の拡大倍率は10倍から20倍であり、光源2から出射した径1mmのビームが10mmから20mm程度に拡大される。このとき,パルス分割部8で1つのパルスを時分割したことによって発生する各分割したパルスの光軸の傾きは逆に1/10から1/20に減少する。図4で分割する照明スポットを試料面での偏光を揃えるためには、図3Bで説明した機構303や図3Dの機構322等の偏光制御手段で各光路の光が交じわること無く空間的に分離されている必要がある。光束拡大部をパルス分割部の後段に置くことで、パルス分割部での機構303や機構322における各分割光路を出力された光の進行方向のなす角度は大きくなり、また、光のビーム径は試料面に比較して相対的に小さくなるため、偏光制御手段での各光路の光の分離を容易にする。
偏光制御部6は,1/2波長板61,1/4波長板62を備えて構成され,照明光の偏光状態を任意の偏光状態に制御する。
信号処理部105は、図1Cに示すように、アナログ処理部51とデジタル処理部52とを備えている。アナログ処理部51について図9を用いて説明する。ここでは簡単のため複数の検出部102のうち検出部102a(図8の102lsに相当),102b(図8の102hsに相当)の二系統備えた場合のアナログ処理部51の構成について説明する。検出部102a,102b各々に備えられた検出器(図8の102ls及び102hs)から出力された信号電流500a,500bは,プリアンプ部501a,501bにより各々電圧に変換されて増幅される。ここで、プリアンプ部501a、501bの通過帯域はレーザ光源2の出力するパルス間隔に対して相対的に高い帯域を有することが必要である。一般的に用いられるナイキストのサンプリング定理では、エリアシングの防止のため、サンプリング周波数の1/2以下に帯域を抑制するよう、低周波数フィルタを適用することが必要であるが、本願ではこれを行うと異なる光路を通過したパルス照明の散乱光を分離できなくなる。このため、パルス分割部8での分割数をnとした場合、センサとプリアンプを結合した回路の帯域は少なくともレーザ光源2のパルス周波数のn倍程度以上に設定する。
該増幅されたアナログ信号は,AD変換部502でアナログからデジタル信号に変換される。このAD変換のタイミングは各光路を通ったパルスの信号に同期するよう、図1に示したタイミング発生回路23の発生する信号に同期してアナログデータをサンプリングする。
タイミング発生回路23のブロック図を図5Aに示す。分周器2301はであり、典型的には、発光タイミングモニタ手段22の出力の2倍の周期の信号を発生し、増幅器2305で増幅しパルス分割部8の偏光切り替え手段330に出力する。なお、増幅器では機構330において各パルス毎に偏光が切り替えられるように、パルスの遅延量を調整できる機構を設けるようにする。位相比較器2302は、発光タイミングモニタ22からの入力パルスと分周器2304からの出力パルス2304の位相のずれに応じた電圧を出力する。電圧制御発振器2303は、分周器2304からの出力電圧に応じて周波数を制御する回路である。分周器2304は、パルス分割部8の分岐光路数を偏光切り替え手段がある場合は2、そのほかの場合は1で除算した値分だけ分周する。例えば、分岐光路が4で偏光切り替え手段ありの場合は2倍の周期になるよう分周する。増幅器2306は、信号処理部105に転送し、デジタルデータのサンプリングタイミングの設定に用いる。なお、図1、22や信号の転送における遅延を考慮して、タイミング信号発生部23にはタイミングの遅延量を調整する機構を設ける。図3Eの構成に対応した本回路の入力と出力のタイミングチャートを図5Bに示す。入力23−iは発光タイミングモニタ22からの入力である。偏光切り替え手段330に出力する信号が23−o1であり、各23−iの入力に対して毎回出力が切り替わるようになる。23−o2が信号処理部105でのサンプリングに用いる信号である。
次に,信号処理部105を構成するデジタル処理部52について図10を用いて説明する。本願では,パルス分割部8で分割したパルスによる照明を分離して処理することに特徴がある。ここでは,図3に示したパルス分割部によって,パルスを4分割した場合について説明する。デジタル処理部52は、基本デジタル処理部5201、データ蓄積部612、欠陥候補データ出力部613を備えて構成される。
アナログ処理部51からの各々の出力信号は,デジタル処理部52において,まず記憶部601、602に蓄積され、FIFO形式で最初に入ったものから順次処理部に出力される。記憶部601には、各分岐光路からの照明による散乱光が順次出力されるため、一般的なローパスフィルタやハイパスフィルタでは、試料面で空間的に連続した領域のローパスフィルタ、ハイパスフィルタにはならない。そこで、記憶部601、602に蓄積された信号を、パルス分割部8におけるいずれの分岐光路の照明による散乱光であるかによって弁別しておき、その弁別信号毎にローパスフィルタ601a、601b、ハイパス・フィルタ603a、603bをかけるようにする。最も容易な実装方法としては、分岐数が4であった場合は、蓄積されたデータのインデックスを光路の分岐数4で除算し、その余りでグルーピングして、グルーピングしたデータ毎にフィルタリングをかけることである。例えば[ 0 4 8 12 ...][1 5 9 13...][2 6 10 14 ...][3 7 11 15...]といったようにシーケンシャルに入力したデータから分岐光路数の数だけ間隔を空けたデータのみのグルーピングを作成し、フィルタリングを行えば試料面における連続領域でのフィルタリングして結果を4セット実行することになる。
ハイパスフィルタ603a、603bの各々よりハイパスフィルターをかけて得られる欠陥信号604a,604bの各々が抽出され,欠陥一次判定部605に入力される。また、ローパスフィルタ601a、601bをかけて得られたローパスフィルタからの出力信号604c,604dは、欠陥が得られた位置における背景散乱光量とみなすことができる。欠陥は照野20によりS1方向に走査されるため,欠陥信号の波形は照野20のS1方向の照度分布プロファイルを拡大縮小したものとなる。従って,ハイパスフィルター603a,603bの各々により,欠陥信号波形の含まれる周波数帯域を通し,ノイズが相対的に多く含まれる周波数帯域および直流成分をカットすることで,欠陥信号604a,604bのS/Nが向上する。各ハイパスフィルター603a,603bとしては,特定のカットオフ周波数を持ちその周波数以上の成分を遮断するよう設計されたハイパスフィルタ,あるいはバンドパスフィルタを用いる。典型的には、照明領域20の形状が反映された欠陥信号の波形と相似形を成すフィルタを用いる。
欠陥統合部605は605−1,605−2よりなり、ハイパスフィルター604a,604bの各々から出力された欠陥波形を含む信号の入力に対して加算処理を行う。各検出光学系は信号強度やノイズ強度が異なるため、ノイズに対する欠陥信号強度を最大にできるよう、それぞれの入力に対して重み係数を乗じて加算ができるようにしておく。欠陥からの散乱光の分布は例えば異物やスクラッチといった欠陥種類毎に異なるため、ノイズに対して欠陥信号を最適化する重み演算は一意には決定できない。よって、605−1、605−2のように各欠陥種別に最適化した統合部を持たせる。図では2つの統合部をもたせる例を示しているが、検出すべき欠陥種が多い場合、これをさらに増加させて対応する。また、必ずしも線形和である必要はなく、欠陥統合部605は、RBFカーネルのSVMやマハラノビス距離等のノンリニアな統合を行なっても良い。
ローパスフィルター601a,601bの各々において,ウェハ上の照明領域20における微小ラフネスからの散乱光量(ヘイズ)に対応する周波数の低い成分および直流成分が出力される。このようにローパスフィルター601a,601bの各々からの出力はヘイズデータ処理部606に入力されてヘイズ情報の処理が行われる。即ち,ヘイズ処理部606は,ローパスフィルター601a,601bの各々から得られる入力信号の大きさからウェハ上の場所ごとのヘイズの大小に対応する信号をヘイズ信号として出力する。また,微小ラフネスの空間周波数分布に応じてラフネスからの散乱光量の角度分布が変わるため,図8に示したように,互いに異なる方位,角度に設置された複数の検出部102の各検出器からのヘイズ信号をヘイズ処理部606への入力とすることで,ヘイズ処理部606からはそれらの強度比などから微小ラフネスの空間周波数分布に関する情報を得ることができる。更にヘイズ処理部606は、ローバスフィルタの出力である604c、604dに対して欠陥一次判定部605と同じ方式での統合も行い、記憶部608に転送する。このデータは後段での浮動しきい値の決定に用いる。
607、608は記憶部であり、記憶部607は607−1,607−2で構成され、ハイパスフィルタの出力を記憶する。また、記憶部608は608−1,608−2で構成され、ローパスフィルタの結果を記憶する。607−1、608−1はそれぞれ、605−1,606−1の結果を入力、607−2,608−2はそれぞれ、605−2,606−2の結果を入力し、入力信号をFIFO形式で記憶する。本願の検査では試料を回転させながら照明を照射する位置をらせん状に変化させながら検査をするが、半径方向、以下r方向に異なる複数回、例えば1〜16程度の回転分をここでバッファリングできるようにする。
以降同様に2系統の演算が行われるが、それぞれ異なる統合部605−1,605−2の出力に対して処理するために備えている。なお、系統数が増加した場合、その系統数分増加することになる。
内挿補間部及び欠陥一次判定部609は、パルス分割部8の各分岐光路から出射したパルス照明からの散乱光毎に、図4に示したr方向に隣接する散乱光を、たとえばパルス照明がスポットであることを想定したガウス補間を行い、欠陥候補のピーク強度および欠陥ピーク位置を算出して、しきい値処理を行う。
内挿補間部610は、ヘイズデータ処理部606の出力に対して典型的には線形補間を行う。なお、線形補間以外の内挿補間、例えば、B-スプライン補間や、lanczos法を用いても良い。欠陥一次判定部609では、しきい値処理で欠陥を判定する。このしきい値は欠陥一次判定部609で算出した欠陥候補のピーク位置に対応する位置の散乱光強度610を求め、この散乱光強度に対するノイズ成分を推定して、欠陥一次判定部609にて欠陥判定を制御する。典型的には、ローパスフィルターを適用した散乱光強度の0.5乗の値に乗数をかけたものをしきい値として、ハイパスフィルタ610から出力された欠陥一次判定部609で求めた欠陥候補位置の散乱光強度と、しきい値を比較して欠陥判定を行う。ただし、装置の設置されている環境により、0.5を0.4や0.6等に変更して、感度が最大になるようなチューニングをできるようにしておく。
欠陥判定結果は欠陥候補データ出力部613に出力する。データ蓄積部612は、アナログ処理部51から出力された散乱光データを記憶する。複数の検出系からのデータが入力されるため、このそれぞれを記憶し、また、パルス分割部8の異なる分岐光路では、照明位置が異なるため、どの分岐光路の照明で得たのかあとで判別できるようにして記憶する。欠陥候補データ出力部613は、欠陥一次判定部609での判定結果を入力し、いずれかの分岐光路の照明で欠陥と判定された場合、該当する位置に対応するすべての分岐光路の照明で得られた散乱光データをまとめて、蓄積部612にデータの転送を要求し、このデータを後処理部106に出力する。出力するデータは欠陥を取得した位置とその周囲のデータ51からの入力データ、欠陥一次判定部609で算出した欠陥候補の位置、信号強度、判定に用いたしきい値、ローパスフィルタを適用した散乱光(背景散乱光)である。それぞれの分岐光路の照明に対応した散乱光の欠陥一次判定部609での欠陥一次判定結果は、異なるタイミングで二次欠陥判定部613に到着するが、各分岐光路からの照明に対する散乱光のうち、最後に試料面を検査するデータの判定結果を待って、後処理部106に出力するようにする。また、二次欠陥判定部613は二次欠陥判定も行う。
ここでは、同一の位置で欠陥候補として判定された欠陥候補の欠陥散乱光量と背景散乱光量を足しあわせ、足しあわされた欠陥散乱光量を足しあわされた背景散乱光量より推定されるノイズ量とを比較して欠陥判定を実施する。ただし、異なった分岐光路で得られた散乱光データを完全に対応付するのは一般には困難である。試料面は高速に回転するが、駆動系の振動や、試料の不均一性によって、マイクロメートルオーダで試料面が振動する試料に起因する課題と、周辺温度の変化に伴い、照明系の熱膨張、気圧の変化による空気の屈折率の変化による照明スポット位置の変化が発生するためである。そこで、二次欠陥判定部613は、たとえ、異なった分岐光路を通過した散乱光によって得られた欠陥候補の位置が完全に一致しなかった場合であっても、上記原因による位置ずれの可能範囲内にある場合には、これらを同一の欠陥候補として判定する。この方式は、許容範囲内にある、本来は異なる位置で検出したノイズ同士を重ねあわせ、強めてしまうという虚報増大要因になるが、これに対しては後述する後処理部106で実施する後処理での欠陥三次判定で虚報を除去することで対応する。また、後処理部106の欠陥三次判定で、この位置ずれに対応できるよう、後処理部106に対して、上記の原因による位置ずれの発生量を考慮し、算出された欠陥位置に対して、この最大ずれ量の範囲を加えてデータを転送する。
図10でのこの処理は、パルス分割部で分岐したすべての光路からの照明に対応したデータに対して行う。フィルタリングの際に説明したのと同様に、それぞれの分岐光路は試料面の離れた位置に照明するため、欠陥一次判定部605、ヘイズデータ処理部606、記憶部607、記憶部608、欠陥一次判定部609、内挿補間部610はパルス分割部のそれぞれの光路の照明毎に実施する。
図10ではパルス分割部で4系統の例について示したが、系統数を変えるだけで、2系統の場合や3系統の場合に対しても同様の構成で検査が可能となる。
図2(b)に示す、複数画素センサーを用いた場合の構成のデジタル処理部を図11に示す。アナログ処理部51は複数の複数画素センサー208からの出力をデジタル処理部52に転送する。デジタル処理部52は、複数の処理ユニット5201−1〜5201−4を図示している。このユニットの数は複数画素センサ208の画素数をnとした場合、適切な乗数をMとおいた場合M(n−1)+1の個数とする。ここでMは典型的には2であり、図11ではこれを図示しているが、1、3、4などを設定しても良い。1101は内挿ユニットである。複数画素センサを用いた場合、欠陥の散乱光が2つの画素の中間に結像する場合があり、このとき、1つの画素の結果のみから欠陥を判定すると欠陥信号が2つに分離してしまい、欠陥信号を弱めてしまう。そこで、2つのセンサーにそれぞれゲインを乗じて足し合わせ出力する。処理ユニット5201−1〜5201−4は図10で説明した処理ユニット5201と同様の動作を行う。
後処理部106での処理を図6に示す。まず、1061において、r方向、θ方向のサンプリングピッチよりも高分解能で欠陥判定を行うためサブサンプリングを実施する。後処理部106に入力されるデータには、r方向にはスパイラル状に走査することにより発生するr方向ピッチ、θ方向には、パルスレーザのpsオーダの発光時間に起因するサンプリングにより、離散的なデータ点列が入力されることになり、高スループットな検査が要求されるほど、サンプリングピッチが粗くなる傾向がある。パルス分割部8で4つの光路に分岐する場合には、典型的にはr方向、θ方向とも、はじめのピッチの1/2程度にサブサンプリングを行う。後処理部106からの入力データに内挿補間を行い、1/2のサブサンプリングを行う場合にはサンプリング点の中間点のデータを、B-スプライン関数やLanczos関数を適用して算出する。信号処理部105からは複数の検出器のデータが出力される。そこで、このサブサンプリングは、それぞれの検出器のデータ毎に実施する。
データの位置ずれ量検出部1062について、図7を用いて説明する。パルス分割部8のそれぞれ異なる光路からの照明により検出された欠陥候補701〜704は、欠陥候補データ出力部613の二次欠陥判定結果である。それぞれの欠陥候補は基本的には同一の検出条件で取得されているため、類似した欠陥分布となるが、検出が困難な、散乱光強度の弱い欠陥候補は、欠陥候補から散乱する光のフォトン数のばらつきにより、検出の可否がばらつく。一般に一次欠陥判定、二次欠陥判定は、最後の三次欠陥判定で正確な欠陥判定を実施するため、通常よりも低いしきい値で欠陥候補を検出するため、得られた欠陥候補にはノイズも含まれる。一般にノイズは熱雑音起因で発生するため、ノイズ701〜704の同一の座標でノイズが同時に検出されることは稀である。ただし、欠陥候補データ出力部613における欠陥二次判定においては、ある一定範囲を8のパルス分割部での調整状態の変動を許容するため、必ずしも同一位置にない欠陥候補のマージを実施するため、欠陥二次判定ではノイズ同士が強め合って出力をされる場合がある。
この現象を回避するには、それぞれの光路で検出された欠陥候補間のずれを最小にすることが必要である。このため、位置ずれ量検出部1062で異なる分岐光路で検出した、同一欠陥であることが期待される欠陥候補のずれ量を算出する。なお、基本的に欠陥候補の位置はセンサーとしてポイントセンサを用いた場合も、ラインセンサーを用いた場合でも、欠陥候補の位置は照明の位置のみで決定されるので、各検出系毎の位置ずれ量を算出する必要はない。よって、欠陥統合部605で線形和を算出した結果によって得られた欠陥座標のみを用いてずれ量を算出して問題がなく、また、この方法がノイズを抑制できるため、高精度な位置決めが期待できる。
まず、欠陥候補701〜704の座標において、検出限界近辺の散乱光しか得られなかった欠陥候補点と、次いで、センサーが飽和、または飽和点に近い散乱光を得た欠陥候補点をアライメントに用いる欠陥候補点から除く。検出限界近辺の散乱光しか得られなかったものは、必ずしもすべての光路からの照明で検出できているとは限らないため、ノイズとの対応をとってしまう恐れがある。また、飽和した欠陥では、欠陥位置検出精度が悪化する傾向がある。
第iの各分岐光路の照明がXY平面上で所定の照明位置に対して(Δx_i, Δy_i)のずれを持っているとする。本検査装置は検査対象試料を回転させながら、スパイラル状に検査を行うため、このずれをr−θ空間において表現する。705に示すようにθとrを定義する。このとき、ある欠陥j、第iの分岐光路の照明によって、r−θ座標において(r_j,θ_j)で検出された場合、この座標の、所定の座標位置からのずれ量は以下の式(数1、数2)で表すことができる。
Figure 2015028457
Figure 2015028457
と表される。上記の式より、ほぼ静的に一定量となることが期待される(Δx_i, Δy_i)と一致する値は(r_jΔθ_i, Δr_i)であることがわかる。そこで、いずれかの分岐光路で得られた欠陥候補位置を基準として、これ以外の分岐光路iの照明によって得られた欠陥候補位置(r_j, θ_j)の差分、(Δr_j, Δθ_j)より、(Δr_j, r_jΔθ_j)を算出し、Δr_jおよびr_jΔθ_j頻度分布のピークの位置をそれぞれΔy_i、Δx_iとして算出する。これより、欠陥候補701〜704の座標の各欠陥候補におけるずれ量をr−θ座標において
Δθ_j_fin=Δx_i/r_j
Δr_j_fin=Δy_i
とする。
これにより、パルス分割部8で分割して照明した照明スポットの位置が比較的、短期間で変動してしまう場合においても、各ウェハ毎に照明スポットの変動をモニタし、この結果を用いて、異なる分岐光路を通った欠陥候補毎のマージ処理が可能になる。なお、図6では1061の後に位置ずれ量検出部1062を実施するとしているが、これは、逆にしても良いし、並列に実行しても良い。算出した各光路の照明位置の期待値からのずれは、次回以降の検査における、分岐光路毎の照明位置のずれの期待値として105で用いるようにする。
データマージ部1063は、位置ずれ量検出部1062で算出した位置ずれ量だけ、1061でサブサンプリングしたデータをずらし、1061のサブサンプリング位置で、データを足し合わせる。
データ統合部1064は、基本デジタル処理部5201内の605−1,605−2、あるいは606−1、606−2と同様の処理を行い、複数の統合結果を出力する。基本デジタル処理部5201ではフィルタリングの後に統合を行ったが、この構成では統合の後にフィルタリングを行なっている。これはどちらの構成をとっても、等価な処理が可能である。
1065はハイパスフィルター、1066はローパスフィルターであり、それぞれ、異なる統合データに対してフィルタリング処理を行う。欠陥候補ピーク位置はいずれの統合データでも原理的には同一位置になるため、欠陥候補ピーク位置算出部1067では、ローパスフィルタをかけた信号に対して、相対的にハイパスフィルタの結果が最も高い値を算出した統合データで欠陥ピーク位置を算出するのが高感度化のうえで有利である。なお、計算の容易化などのために、それぞれの統合データでピーク位置を求めることも可能ではある。欠陥ピーク位置は、例えば、1061で実施したサブサンプリングに対して、例えばガウス補間を行い、欠陥ピーク強度と欠陥ピーク位置を求める。この得られた欠陥ピーク位置をもとに、他の統合データは欠陥ピーク強度のみを求める。
しきい値算出部1068は、ローパスフィルタの出力に対して、典型的にはその平方根を算出して、これに定数を乗じた値をしきい値とするが、これ以外の方法、例えば予め定められた定数をしきい値としても良い。欠陥判定部1069は、各統合データに対して、ピーク強度1067、1068で算出したしきい値を比較して大きいものを欠陥と判断する欠陥判定を行い、制御部53に転送する。制御部53では、典型的には各統合データの判定結果のor論理で欠陥をGUIに出力、あるいはファイルにして出力するが、ユーザの入力にしたがって、特定の統合データのみのorで判定、あるいはand論理を用いて欠陥を出力できるようにしておく。
また、欠陥判定部はそのピーク強度より、欠陥として判定された欠陥候補に対して、そのサイズを推定して制御部53に転送する。欠陥の光量と欠陥サイズとの対応関係は、予め、サイズが既知の欠陥サンプル、典型的にはサイズが既知の標準粒子の散乱光量をもとに求めておき、このテーブルを欠陥判定部1069に持たせることで出力させる。
欠陥の光量は微小な粒子では欠陥サイズの6乗に比例する。このため、欠陥サイズが大きくなると急激に検出する散乱光量が増大する。微小な粒子を検出するために検出器のゲインを大きく設定していると、センサの飽和が発生し、欠陥のサイズが正確に求められないことになる。この場合には、光路の分岐における割合を調整し、意図的に弱い照明の照射する光路を設定することで飽和を引き起こしにくいデータを設定するモードを設けることで対応する。例えば図3Cの構成のパルス分割部の場合、1/2波長板301の回転角を調整することで、偏光ビームスプリッタで分岐される光量をミラー304側に46.5%、1/2波長板321方向に53.3%に分割されるようにする。次いで、1/2波長板の回転角を調整することで偏光ビームスプリッタ307側に87%、ミラー314側に13%透過するように調整すると、各分岐光路を通過して試料に到着する光量はおよそ、46.5%, 46.5%,7%づつの配分になる。試料を回転させながらスパイラル状に照明位置を変化させたとき、各分岐光路を通過して欠陥が存在する位置近傍に照明される光強度を1201〜1203に示す。ミラー314を介して照明されるパルス光1203は、他の2つの光路を通過する光に対して15%程度の強度と弱くなっている。すなわち、他の2つの光路を通過する光ではセンサが飽和する巨大な欠陥があったとしても、パルス光1203の光路を通って照明された検出では飽和をしにくくなる。この結果を統合したのが1204である。そこで、図6の後処理部106では各分割光路の光量を1061でサブサンプリングする際に求めておき、センサーの飽和が発生していた場合には、試料面への照明が弱い光路のデータのみを用いて162の1062以降の処理を実施する。このようにしてセンサの飽和に影響を受けること無く、欠陥のサイズを求めることが可能になる。
ここまでは、1回の検査において、複数の光路を介して照明した照明スポットの相対位置は定まっていることを前提に説明したが、図1に示したように、斜方から照明してスパイラル状に走査、検査する本検査方式では、試料面の上下方向の変動により照明位置が変化してしまう。本願の基本方式は、光路を分岐することで同一のタイミングで異なる位置を照明し、異なるタイミングで取得した同一の試料面位置の散乱光をマージして検査することである。よって、試料面の上下により、照明位置、すなわち検査をする箇所が変動してしまうと、後処理部106のデータマージ部1063が正確に行えなくなり、感度が想定どおりに向上できなくなる。そこで、高さセンサを備えておき、位置ずれ量を補正する。本実施例を図13Aで説明する。照明手段71は、典型的には白色レーザ光源であり、s偏光照明を斜方から入射し、試料W上にスポットを形成する。なお、スポットではなく、ライン照明にしても良い。位置検出手段72は、典型的には結像用のレンズセットと、その結像面に備えられたPSD(Position sensitive Device)によって構成される。なお、これをラインセンサ、あるいは二次元センサで代用しても良い。試料面上に集光した点、あるいはラインはこのセンサ上で結像される。高さ変換部73であり、PSDの出力、またはラインセンサあるいは二次元センサの検出光量分布より、照明手段71の照明スポットの像の位置を得て三角測量の原理でスポット位置の高さを算出し、試料面における照明部101のスポットのずれ量を算出、この信号を信号処理部105に転送する。信号処理部105は検出部102からのデータの入力と高さ変換部73からの高さデータの入力を対応づける。信号処理部105では、その内部の欠陥候補データ出力部613においてそれぞれの分岐光路からの散乱光データを集計する際に、位置検出手段72で算出したずれ量を補正して対応付けを行う。また、欠陥候補の特徴量と検出部102からのデータを後処理部106に転送する際に、欠陥候補の特徴量として高さ変換部73の高さデータを含めて転送する。後処理部106は、位置ずれ量算出部1062において、各欠陥候補位置に高さデータの変化による照明スポットのずれを算出し、これに基づき、欠陥候補位置のずれを補正した後に、各分岐光路の相対的な位置ずれ量を求める。こののち、データマージ部1063では、それぞれの欠陥候補をその時点での高さ変化に基づく位置ずれ量だけ補正して、各分岐光路で得られた欠陥候補のデータをずらして、マージをする。
図13Bは図13Aの変形例である。図13Aの構成とは異なり、照明手段71を備えていない。一般に、多様な欠陥を検出するためには、試料からの散乱光をできるだけ多く検出することが必要であり、照明手段71を備えると、検出系をこの部分に実装することが困難になる。この代わりとして、位置検出手段72を照明部101の直接反射光のあたる領域に配置し、高さ検出を行う。図14にこの構成例を示す。ここではパルス分割部において光路を2つに分岐した場合の例を示している。位置検出部72は、照明部101が照明する分岐光路からの異なる位置への照明を分離して検出する必要がある。そこで、位置検出器としては応答周波数が数百MHzのものを適用する。具体的には、フォトダイオードアレイ、フォトマルアレイ、APDアレイ、MPPCアレイ等が少なくとも1次元方向に分離して、それぞれを同時に検出できる高速リニアセンサタイプのものが適用可能である。なお、PSDであったとしてもパルス発光周波数に対して十分高い帯域をもっているものであれば適用かのうである。位置検出部72の出力は高さ変換部74に入力される。高さ変換部74にはAD変換器を備えておき、タイミング信号発生部23からの同期信号を入力してサンプリングし、パルス分割部8の各分岐光路からの照明毎に散乱光をグルーピングし、光を検出した位置、典型的には重心位置を算出する。重心位置より三角測量の要領で高さを算出する。高さ変換部においては、このすべてにもとづき、照明光のあたった位置の高さを求める方法と、このうちの1つ等いくつかの照明スポットのみで高さを求める方法と両方の手法を採用することができる。複数の照明スポットを処理する場合には、それぞれの高さより平均値を算出すれば、その分、誤差が小さくなる傾向があり、それよりも少ないスポットを処理する場合には処理回路の規模を小さくできるメリットがある。各ビームスポットは近接しているため、各試料面高さはほぼ一定と考えることができるため、平均化して1つの高さを算出して出力して良いが、試料面に大きな荒れや段差がある場合には、それぞれの高さを算出して出力しても良い。図14で図示した方式はそれぞれの照明位置で高さを求める方式である。計測した結果は信号処理部105に出力し、図13Aの説明と同様にして処理を行う。
2・・・光源 3・・・アッテネータ 4・・・出射光調整部 5・・・光束拡大部 6・・・偏光制御部 7・・・照明集光制御部 7v・・・照明集光制御部 8・・・パルス分割部 22・・・発光タイミングモニタ 23・・・タイミング信号発生部、31・・・ミラー53・・・制御部 54・・・表示部 55・・・入力部 101・・・照明部 102・・・検出部 103・・・ステージ部 105・・・信号処理部 106・・・後処理部

Claims (16)

  1. レーザ光源からレーザ光を射出し試料上にパルス状のレーザ照明を行う照明光学系と、
    前記照明光学系によりレーザ照明された該試料からの反射光また散乱光を検出する検出光学系と、
    前記検出光学系により検出された該反射光または散乱光に基づく出力信号を処理して該試料上の欠陥を検出する信号処理系と、を備える欠陥検査装置であって、
    前記照明光学系は、パルス毎に照明位置を切り替える照明位置切替系を備え、
    前記信号処理系は、前記照明光学系によるレーザ照明により発生する該試料の表面の異なる位置に照明された複数の照明光により発生する反射光または散乱光に基づき欠陥候補を検出する欠陥候補検出部と、該欠陥候補検出部により検出された該欠陥候補のうち異なるタイミングで検出した欠陥候補を用いて、近接した欠陥候補の情報をマージして再度欠陥判定を行う欠陥判定部と、を備えることを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 請求項1記載の欠陥検査装置において、
    前記照明光学系は、前記レーザ光源から出力された発光パルスを異なる偏光の光に分離して光路を分岐し、該分離した発光パルスを近接しかつ異なる偏光状態の1つの光路に戻し、該近接した状態の偏光の異なるパルス光を同一の偏光に変換することを特徴とする欠陥検査装置。
  3. 請求項1記載の欠陥検査装置において
    前記照明光学系は、該パルス状のレーザ照明に同期して偏光方向を変化させ、偏光状態を切り替え、光路を分岐する偏光切替部を備えることを特徴とする欠陥検査装置。
  4. 請求項1記載の欠陥検査装置であって、
    さらに、前記レーザ光源の発光信号をモニタする発光タイミングモニタと、
    前記発光タイミングモニタへ入力される発光信号にもとづき、該発光信号の発光間隔よりも短い間隔の同期信号を生成するタイミング信号発生部と、を備え、
    前記信号処理系は、前記タイミング信号発生部にて生成する同期信号と同期しては前記検出光学系にて検出した反射光または散乱光に基づく信号をサンプリングすることを特徴とする欠陥検査装置。
  5. 請求項3記載の欠陥検査装置であって、
    さらに、前記レーザ光源の発光信号をモニタする発光タイミングモニタと、
    前記発光タイミングモニタへ入力される発光信号にもとづき、該発光信号の発光間隔よりも長い間隔の同期信号を生成するタイミング信号発生部と、を備え、
    前記偏光切替部は、前記タイミング信号発生部にて生成する同期信号に同期して偏光を切り替えることを特徴とする欠陥検査装置。
  6. 請求項1記載の欠陥検査装置は、
    前記照明光学系により照明した該試料の高さを検出する高さ検出系と、
    前記照明光学系により照明されたパルス状のレーザ照明の位置を、前記高さ検出手段にて検出した高さに基づき推定するレーザ照明位置変動計測系と、を備え、
    前記欠陥判定部は、前記レーザ照明位置変動計測系により推定された照明位置に基づき、異なるタイミングで検出した近接した欠陥候補の反射光または散乱光の対応付けを行うことを特徴とする欠陥検査装置。
  7. 請求項1記載の欠陥検査装置は、
    前記照明光学系にて異なる光路を介して照明し、前記検出光学系により検出した反射光または散乱光に基づく信号から検出した欠陥候補について、予め期待する欠陥候補位置に対する距離に基づき該欠陥候補をグルーピングし、グルーピングした欠陥候補数により各光路を介して照明したレーザ照明の照明位置を求め、前記欠陥判定部に入力された散乱光データのアライメントを行うことを特徴とする欠陥検査装置。
  8. 請求項1記載の欠陥検査装置であって、
    前記照明光学系は、パルス毎に切り替わる照明光の光量を非均一に照明し、
    前記欠陥判定部は、前記検出光学系に備えられたセンサにおいて飽和した反射光または散乱光に基づく信号を認識し、欠陥の寸法または欠陥信号を算出することを特徴とする欠陥検査装置。
  9. レーザ光源からレーザ光を射出し試料上にパルス状のレーザ照明を行う照明工程と、
    前記照明工程によりレーザ照明された該試料からの反射光また散乱光を検出する検出工程と、
    前記検出工程により検出された該反射光または散乱光に基づく出力信号を処理して該試料上の欠陥を検出する信号処理工程と、を備える欠陥検査方法であって、
    前記照明工程は、パルス毎に照明位置を切り替える照明位置切替工程を備え、
    前記信号処理工程は、前記照明工程によるレーザ照明により発生する該試料の表面の異なる位置に照明された複数の照明光により発生する反射光または散乱光に基づき欠陥候補を検出する欠陥候補検出工程と、該欠陥候補検出工程により検出された該欠陥候補のうち異なるタイミングで検出した欠陥候補のうち、近接した欠陥候補の情報をマージして再度欠陥判定を行う欠陥判定工程と、を備えることを特徴とする欠陥検査方法。
  10. 請求項9記載の欠陥検査方法において、
    前記照明光学系は、前記レーザ光源から出力された発光パルスを異なる偏光の光に分離して光路を分岐し、該分離した発光パルスを近接しかつ異なる偏光状態の1つの光路に戻し、該近接した状態の偏光の異なるパルス光を同一の偏光に変換することを特徴とする欠陥検査方法。
  11. 請求項9記載の欠陥検査方法において
    前記照明光学工程では、該パルス状のレーザ照明に同期して偏光方向を変化させ、偏光状態を切り替え、光路を分岐する偏光切替工程を備えることを特徴とする欠陥検査方法。
  12. 請求項9記載の欠陥検査方法であって、
    さらに、前記レーザ光源の発光信号をモニタする発光タイミングモニタ工程と、
    前記発光タイミングモニタ工程へ入力される発光信号にもとづき、該発光信号の発光間隔よりも短い間隔の同期信号を生成するタイミング信号発生工程と、を備え、
    前記信号処理工程は、前記タイミング信号発生工程にて生成する同期信号と同期して前記検出工程にて検出した反射光または散乱光に基づく信号をサンプリングすることを特徴とする欠陥検査方法。
  13. 請求項11記載の欠陥検査方法であって、
    さらに、前記レーザ光源の発光信号をモニタする発光タイミングモニタ工程と、
    前記発光タイミングモニタ工程へ入力される発光信号にもとづき、該発光信号の発光間隔よりも長い間隔の同期信号を生成するタイミング信号発生工程と、を備え、
    前記偏光切替工程は、前記タイミング信号発生工程にて生成する同期信号に同期して偏光を切り替えることを特徴とする欠陥検査方法。
  14. 請求項9記載の欠陥検査方法は、
    前記照明工程により照明した該試料の高さを検出する高さ検出工程と、
    前記照明工程により照明されたパルス状のレーザ照明の位置を、前記高さ検出工程にて検出した高さに基づき推定するレーザ照明位置変動計測工程と、を備え、
    前記欠陥判定工程は、前記レーザ照明位置変動計測工程により推定された照明位置に基づき、異なるタイミングで検出した近接した欠陥候補の反射光または散乱光の対応付けを行うことを特徴とする欠陥検査方法。
  15. 請求項9記載の欠陥検査方法は、
    前記照明工程にて異なる光路を介して照明し、前記検出工程により検出した反射光または散乱光に基づく信号から検出した欠陥候補について、予め期待する欠陥候補位置に対する距離に基づき該欠陥候補をグルーピングし、グルーピングした欠陥候補数により各光路を介して照明したレーザ照明の照明位置を求め、前記欠陥判定部に入力された散乱光データのアライメントを行うことを特徴とする欠陥検査方法。
  16. 請求項9記載の欠陥検査方法であって、
    前記照明工程は、パルス毎に切り替わる照明光の光量を非均一に照明し、
    前記欠陥判定工程は、前記検出工程に備えられたセンサにおいて飽和した反射光または散乱光に基づく信号を認識し、欠陥の寸法または欠陥信号を算出することを特徴とする欠陥検査方法。
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