JP2015027640A - 濾過フィルター材 - Google Patents

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Abstract

【課題】不織布を用いた、濾過フィルター材において、濾過処理の残渣であるケーキの剥離性を改良する。【解決手段】長繊維の不織布を基材とする、濾過フィルター材であって、不織布の少なくとも一つの表面が、熱平滑化処理されている濾過フィルター材である。【選択図】図1

Description

本発明は、濾過フィルター材、詳しくは、濾過後の残渣として残るケーキの剥離性に優れた濾過フィルター材に関する。
従来、濾過フィルター材として不織布を用いる技術が知られている。具体的には、例えば、下記特許文献1は、グルコース単位中の水酸基が実質的にC6位のみで酸化されている酸化セルロース繊維を含む不織布からなり、優れた親水性を有することを特徴とする水処理不織布フィルター材を開示する。
また、下記特許文献2は、濾過性能を維持しながら目詰まりを著しく改善した濾過材として、繊維基材の表層部および内層部を構成する繊維の表面にシリコンオイル等の油剤である平滑剤が付与されてなることを特徴とする濾過材を開示する。
特開2011−125853号公報 特開2006‐297292号公報
濾過フィルター材として不織布を用いた場合、濾過後の残渣として残るケーキを剥離しにくいことがあった。本発明は、不織布を用いた、濾過フィルター材において、濾過処理の残渣であるケーキの剥離性を改良することを目的とする。
本発明者らは、不織布を用いた濾過フィルター材において、ケーキの剥離性を改善することを鋭意検討した結果、その表面の平滑性がケーキの剥離性に影響を大きく与えることに気付いた。不織布は、一般的な製造工程においては、厚みを調整したり、表面の面出しをしたりするために、バフィング処理やスライス処理が行われる。このような処理を行った場合、不織布の表層の繊維が立ち上がって立毛を形成させたり、表層の繊維が過度にほぐれたりする。本発明者らは、このような不織布を濾過フィルターとして用いた場合には、表面に存在する立毛や表層のほぐれた繊維がケーキに把持されて、ケーキの剥離性を低下させていることに気付き、本発明に想到するに至った。
すなわち、本発明に係る濾過フィルター材は、長繊維の不織布を基材とし、長繊維不織布の少なくとも一つの表面が、熱平滑化処理されている濾過フィルター材である。なお、熱平滑化処理とは、不織布の空隙を閉塞させることなく、表面の立毛を実質的に消失させるための加熱処理を意味する。このような濾過フィルター材は、不織布表面の立毛が熱平滑化処理により消失されている。そのために、濾過処理の残渣であるケーキが立毛を把持しないために、濾過後にケーキを容易に剥離できる。また、表面が平滑化されているために、スクレバーなどを用いて掻き落とす場合にも軽く掻き落とすことができる。また、長繊維の不織布は、繊維密度が高く、繊維の抜けを起こしにくいために、強度が高く長寿命の濾過フィルター材が得られる。
熱平滑化処理としては、火炎バーナーを用いたフレーム処理や電熱ヒーターを用いた非接触加熱処理が、不織布の空隙を塞ぐことなく、表面の立毛を実質的に消失させやすい点から好ましい。
このように熱平滑化処理された不織布の表面は、立毛を有さない、または、立毛長が100μm以下の立毛を有する場合には、ケーキに表面の立毛がより把持されにくいために、濾過後にケーキがより剥離しやすくなる点から好ましい。
また、熱平滑化された不織布の表面は、その表面に存在する繊維同士が互いに融着されている場合には、表面の繊維がケーキにより把持されにくくなるとともに、ケーキが不織布の内部に侵入しにくくなって、濾過後にケーキがより剥離しやすくなる点から好ましい。
また、不織布が繊維径3.5μm以下の極細繊維の長繊維を含み、見掛け密度0.5g/cm3以上である場合には、フィルタープレスのような強度、耐圧性、耐久性等が要求されるような濾過処理に用いた場合にも長寿命を維持できる点から好ましい。
また、不織布を形成する極細繊維は、その表面の少なくとも一部分に水溶性熱可塑性樹脂が付着した繊維であることが、不織布の親水性が向上することにより、濾過効率が向上する点から好ましい。
また、本発明に係るフィルタープレス用濾布は、上記何れかの濾過フィルター材を備える。このようなフィルタープレス用濾布は、強度、耐圧性、耐久性等が要求されるフィルタープレスに好ましく用いられる。
本発明によれば、濾過処理の残渣であるケーキの剥離性に優れ、且つ、強度の高い濾過フィルター材を得ることができる。
図1は、実施例1で得られた濾過フィルター材を斜視した走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図2は、実施例1で得られた濾過フィルター材の断面のSEM写真である。
本発明に係る濾過フィルター材は、長繊維の不織布を基材とする、濾過フィルター材であって、長繊維の不織布の少なくとも一つの表面が、不織布の空隙を塞ぐことなく、表面の立毛を実質的に消失させるための加熱処理である熱平滑化処理が施されている。このような熱平滑化処理によれば、不織布表面の空隙を閉塞させることによる濾過性能の低下を招くことなく、表面の繊維を軟化または融着させて平滑な表面を形成することができる。
ここで、長繊維とは、所定の長さで切断処理された短繊維ではないことを意味する。長繊維の長さとしては、100mm以上、さらには、200mm以上であることが、極細単繊維の繊維密度を充分に高めることができる点から好ましい。上限は、特に限定されないが、例えば、連続的に紡糸された数m、数百m、数kmあるいはそれ以上の繊維長であってもよい。
不織布を形成する長繊維としては、繊維径10μm超のようなレギュラー繊維の長繊維であっても、繊維径10μm以下のような極細繊維の長繊維であってもよい。なお、極細繊維の長繊維の不織布を用いた場合には、繊維密度を緻密にすることができるために、充実感のある不織布が得られる。このような充実感のある不織布は、フィルタープレスのような強度、耐圧性、耐久性等が要求されるような濾過処理に用いた場合に長寿命を維持できる点から特に好ましい。本実施形態においては、代表例として、極細繊維の長繊維の不織布を用いる場合について、詳しく説明する。
極細繊維の長繊維の不織布は、例えば、海島型複合繊維のような極細繊維発生型繊維を絡合処理してウェブ絡合シートを形成し、極細繊維化処理することにより得られる。詳しくは、例えば、以下の各工程:(1)溶融紡糸により極細繊維発生型繊維の長繊維ウェブを製造する工程、(2)長繊維ウェブを複数枚重ねて絡合させることによりウェブ絡合シートを形成する工程、(3)ウェブ絡合シートを緻密化させる工程、必要に応じて設けられる(4)バインダを付与する工程、(5)緻密化されたウェブ絡合シート中の極細繊維発生型繊維を極細繊維化することにより、極細繊維の長繊維の不織布を得る工程、(6)不織布の表面を熱平滑化処理する工程、を経て製造される。以下、本実施形態の濾過フィルター材の基材となる極細繊維の長繊維の不織布の製造の各工程について説明する。
(1)溶融紡糸により極細繊維発生型繊維の長繊維ウェブを製造する工程
本実施形態の極細繊維の長繊維の不織布の製造においては、はじめに、溶融紡糸により海島型複合繊維等の極細繊維発生型繊維からなる長繊維ウェブを製造する。本工程においては、例えば、いわゆるスパンボンド法を用いて、極細繊維発生型繊維を溶融紡糸法により紡糸し、これを意図的に切断することなく捕集することにより長繊維ウェブを形成するような方法が好ましく用いられる。
極細繊維発生型繊維とは、紡糸後の未処理繊維に化学的な後処理または物理的な後処理を施すことにより、繊度のより小さい極細繊維を形成する繊維である。その具体例としては、例えば、繊維断面において、マトリクスとなる海成分のポリマー中に、海成分とは異なる種類のドメインとなる島成分のポリマーが分散されており、後に海成分を除去することにより、島成分のポリマーを主体とする繊維束状の極細繊維を形成する海島型複合繊維や、繊維外周に複数の異なる樹脂成分が交互に配置されて花弁形状や重畳形状を形成しており、物理的処理により各樹脂成分が剥離することにより分割されて束状の極細繊維を形成する剥離分割型複合繊維、等が挙げられる。海島型複合繊維によれば、後述するニードルパンチ処理等の繊維絡合処理を行う際に、割れ、折れ、切断などの繊維損傷が抑制されるために、繊度のより低い緻密な極細繊維を形成できる点から好ましい。また、剥離分割型複合繊維によれば、軽くて、薄い不織布を得ることができる点から好ましい。本実施形態では、代表例として海島型複合繊維を用いて極細繊維を得る場合について詳しく説明する。
海島型複合繊維は、後の適当な段階で海成分のポリマーを選択的に抽出または分解して除去することにより、繊維束状の極細繊維に変換される。このような海島型複合繊維は、従来公知のチップブレンド(混合紡糸)方式や複合紡糸方式で代表される多成分系複合繊維の紡糸方法を用いて紡糸することができる。
海島型複合繊維の島成分を形成するポリマーの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)や変性PET等の芳香族ポリエステル系樹脂;脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;変性ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよい。
海島型複合繊維の海成分を形成するポリマーとしては、島成分との組み合わせにおいて、後に選択的に除去できる樹脂であれば、特に限定なく用いられる。このような海成分を形成するポリマーの具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂等の水溶性熱可塑性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレンエチレン共重合体、スチレンアクリル共重合体等が挙げられる。これらの中では、濾過フィルター材を形成する繊維表面に親水性を付与できる点からポリビニルアルコール系樹脂等の水溶性熱可塑性樹脂、特に島成分を構成するポリマーが湿熱や熱水で収縮し易い点から、エチレン変性ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよい。
スパンボンド法により、極細繊維発生型繊維の長繊維ウェブを製造する方法の具体例としては、例えば、多数のノズル孔が、所定のパターンで配置された複合紡糸用口金を用いて、極細繊維発生型繊維を個々のノズル孔からコンベヤベルト状の移動式のネット上に連続的に吐出させ、高速気流を用いて冷却しながら堆積させる方法が挙げられる。このような方法により長繊維ウェブが形成される。
また、長繊維ウェブには、形態安定性を付与するために、必要に応じて融着処理が施されることが好ましい。融着処理の具体例としては、例えば、例えば、カレンダーロールを使用し、所定の圧力と温度をかけて処理する熱プレス処理等が挙げられる。
熱プレス処理する温度は、海島型複合繊維の場合、海成分の融点よりも10℃以上低いことが、長繊維ウェブの良好な形態安定性を維持しながら、積重後の長繊維ウェブを絡合する際の絡合不良や針穴の形成を防ぐことができる点から好ましい。熱プレス後の長繊維ウェブの目付としては、20〜60g/m2であることが、後述する、長繊維ウェブを複数枚積重した際に良好な形態保持性を維持できる点から好ましい。
(2)長繊維ウェブを複数枚積重して絡合させることによりウェブ絡合シートを形成する工程
本実施形態の製造方法においては、得られた長繊維ウェブを複数枚積重し、積重された長繊維ウェブを絡合させることによりウェブ絡合シートを形成する。
本工程において積重される長繊維ウェブの枚数は特に限定されず、所望の厚さや目付けに合わせて適宜調整される。具体的には、例えば、5〜100枚程度重ねることが好ましい。
ウェブ絡合シートは、積重された長繊維ウェブに、ニードルパンチや高圧水流処理等の公知の不織布製造方法を用いて絡合処理を施すことにより形成される。以下に、代表例として、積重された長繊維ウェブのニードルパンチによる絡合処理について詳しく説明する。
ニードルパンチによる絡合処理は、積重された長繊維ウェブに針折れ防止油剤、帯電防止油剤、絡合向上油剤などのシリコーン系油剤や鉱物油系油剤等の油剤を付与した後、ニードルパンチにより三次元的に繊維を絡合させる。ニードルパンチ処理により、繊維密度が高く、繊維の抜けを起こしにくいウェブ絡合シートが得られる。
ニードルパンチにおけるニードル形状、ニードル深度、パンチ数などのニードル条件は、ウェブ絡合シートの層間剥離力が高くなるような条件が適宜選択される。具体的には、例えば、バーブ数は針折れが生じない範囲で多い方が好ましく、1〜9バーブの中から選ぶことが好ましい。また、ニードル深度は積重された長繊維ウェブにバーブが貫通するような条件であって、得られるウェブ絡合シートの表面にニードルパンチ後の模様が強く形成されないような範囲で設定することが好ましい。さらにニードルパンチ数は、ニードル形状等の他の条件に応じて適宜調整されるが、具体的には、例えば、400〜8000パンチ/cm2、さらには、1000〜4000パンチ/cm2であることが好ましい。
また、必要に応じて、幅方向の目付を均一化して、その伸長特性の縦横の異方性を低減するために、幅方向にパンチ密度が異なるよう幅方向で針密度の異なるニードルボードを用いてもよい。
このようにして得られるウェブ絡合シートの目付は、特に限定されないが、例えば500〜2000g/m2であることが取り扱い性に優れる点から好ましい。
(3)ウェブ絡合シートを緻密化させる工程
本工程は、得られたウェブ絡合シートを熱収縮処理などにより絡合状態をより緻密化するための工程である。長繊維ウェブのウェブ絡合シートを用いているために、短繊維ウェブのウェブ絡合シートを熱収縮させた場合に比べて著しく繊維密度を高くすることができる。そしてこのように緻密化された長繊維ウェブのウェブ絡合シートを極細繊維化することにより、繊維密度が高い極細繊維の不織布が得られる。
ウェブ絡合シートを緻密化させる方法としては、ウェブ絡合シートが充分に収縮することにより緻密化するような熱処理が挙げられる。このような熱処理の具体例としては、例えば、温風や加温ローラーを接触させる乾熱処理や、温水や蒸気を接触させる湿熱処理や、赤外線やマイクロ波を照射する電磁波処理等が挙げられる。例えば、温水中へ導入して収縮処理するような湿熱処理の場合には70〜150℃の温度で収縮処理する方法が挙げられる。また、蒸気による湿熱処理の場合には、温度60〜100℃、相対湿度20〜100%RHの雰囲気下で60〜600秒間加熱するような方法が挙げられる。このように緻密化されたウェブ絡合シートは、極細繊維発生型繊維の熱変形温度以上の温度で加熱ロールや加熱プレスすることにより、さらに、緻密化されてもよい。
緻密化させる前後のウェブ絡合シートの目付の変化としては、処理前の目付に対して、1.1倍以上、さらには1.3倍以上であり、2.0倍以下、さらには1.6倍以下であることが緻密な不織布が得られる点から好ましい。
(4)バインダを付与する工程
本工程は、不織布の機械的強度や形態安定性を向上させることを目的として、後述する(5)緻密化されたウェブ絡合シート中の極細繊維発生型繊維を極細繊維化する工程の前工程において、または後工程において、あるいは前工程と後工程の2回の工程に分けて、必要に応じてバインダを含浸付与する工程である。
バインダの種類は特に限定されないが、具体的には、例えば、ポリウレタンエラストマー、アクリロニトリルエラストマー、オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、アクリルエラストマー等の高分子弾性体が結着性に優れる点から好ましく用いられる。
ポリウレタンエラストマーの具体例としては、例えば、平均分子量500〜3000の高分子ポリオールと有機ポリイソシアネートと鎖伸長剤とを、所定のモル比で重合反応させることにより得られる各種のポリウレタンエラストマーが挙げられる。
高分子ポリオールの具体例としては、平均分子量500〜3000の、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリカーボネートジオール等のポリマーポリオール等が挙げられる。また、有機ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系イソシアネート等が挙げられる。また、鎖伸長剤としては、エチレングリコール、エチレンジアミン等の2個以上の活性水素原子を有する低分子化合物等が挙げられる。
緻密化されたウェブ絡合シート、または後述する極細繊維化後の不織布にバインダを付与する方法としては、ウェブ絡合シート、または極細繊維化後の不織布をバインダの溶液またはエマルジョン等の分散液中に含浸し、従来公知の乾式法または湿式法により凝固させる方法等が挙げられる。具体的には、バインダの溶液または分散液で満たされた浴中へ緻密化されたウェブ絡合シート、または極細繊維化後の不織布を浸した後、プレスロール等で所望の含浸状態になるように液を絞る処理を、1回又は複数回行うディップニップ法が好ましい方法として挙げられる。その他の含浸方法として、バーコーティング法、ナイフコーティング法、ロールコーティング法、コンマコーティング法、スプレーコーティング法等が挙げられ、ディップニップ法を含め、それら含浸方法を単独あるいは組み合わせて用いてもよい。
緻密化されたウェブ絡合シート、または極細繊維化後の不織布にバインダを含浸させる場合、その割合は、濾過フィルター材としての通液性や通気性を損なわない範囲であれば特に限定されないが、例えば、緻密化されたウェブ絡合シートの質量に対して、5〜15質量%であることが、フィルター性能を低下させずに、機械的強度や形態安定性を適度に向上させることができる点から好ましい。
(5)緻密化されたウェブ絡合シート中の極細繊維発生型繊維を極細繊維化することにより、極細繊維の長繊維の不織布を得る工程
本工程は、緻密化されたウェブ絡合シート中の極細繊維発生型繊維を極細繊維化することにより、極細繊維の長繊維の不織布を形成する工程である。例えば、極細繊維発生型繊維として海島型複合繊維を用いた場合には、海成分を水や溶剤等で抽出除去または分解除去することにより、海島型複合繊維を極細繊維化する工程である。
本実施形態においては、代表例として、海成分のポリマーとしてポリビニルアルコール系樹脂のような水溶性熱可塑性樹脂を用いた、海島型複合繊維を用いた緻密化されたウェブ絡合シートの場合について代表例として詳しく説明する。
本工程においては、緻密化された海島型複合繊維のウェブ絡合シートを、水,アルカリ性水溶液,酸性水溶液等で熱水処理することにより、海成分である水溶性熱可塑性樹脂を選択的に除去することができる。
海成分のポリマーとしてポリビニルアルコール系樹脂のような水溶性熱可塑性樹脂を用いた場合、処理条件の具体例としては、緻密化された海島型複合繊維のウェブ絡合シートを90℃程度の熱水に1〜3分間浸漬させ、絞液処理を実施するような、操作を複数回繰り返すことにより、海成分である水溶性熱可塑性樹脂が除去されて島成分のポリマーからなる極細繊維が形成される。
なお、形成される極細繊維の表面の少なくとも一部分には、水溶性熱可塑性樹脂を残存させておくことが、不織布の親水性が向上することにより、水系の処理液の濾過効率が向上する点から好ましい。極細繊維の表面に残存する水溶性熱可塑性樹脂の量は、処理条件により調整することができる。具体的には、例えば、90℃程度の熱水に1〜3分間浸漬させた後絞液処理する操作を5〜7回繰り返した場合には、形成される島成分からなる極細繊維に対して、水溶性熱可塑性樹脂を0.1〜0.5質量%残存させることができる。形成される極細繊維に、水溶性熱可塑性樹脂を0.1〜0.5質量%、さらには、0.1〜0.3質量%残存させた場合には、極細繊維が充分に形成されるとともに、親水性が付与される点から好ましい。
このようにして形成される極細繊維の繊維径は10μm以下、さらには7μm以下、とくには3.5μm以下であることが好ましい。また、下限は1μm以上、さらには2μm以上であることが好ましい。繊維径が大きすぎる場合には緻密な不織布が得られにくくなり、フィルタープレスのような強度、耐圧性、耐久性等が要求される濾過処理に用いた場合に長寿命を維持しにくくなる傾向がある。また、繊維径が小さすぎる場合には、不織布の生産性が低下する傾向がある。
また、このようにして形成される極細繊維は、極細繊維が束状になった繊維束として存在することが、耐久性や機械的特性がさらに向上する点から好ましい。このような繊維束の直径としては、10〜25μm程度であることが生産性と耐久性や機械的特性等の性能バランスに優れている点から好ましい。
このようにして得られた極細繊維の長繊維の不織布は、通常、スライス処理またはサンドペーパー等の研磨布でバフィング処理されることにより、厚さ調整及び平坦化処理される。このようにして、熱平滑化処理前の極細繊維の長繊維の不織布が得られる。
(6)不織布の表面を熱平滑化処理する工程
本工程においては、工程(5)で得られた極細繊維の長繊維の不織布の表面を熱平滑化処理することにより、不織布の表層の繊維が立ち上がって形成された立毛を実質的に消失させるとともに、ほぐれすぎた繊維も固定される。このように熱平滑化処理された不織布を濾過フィルターとして用いた場合には、表面に存在する立毛や表層のほぐれすぎた繊維がケーキに把持されにくくなって、ケーキの剥離性に優れた濾過フィルターになる。
熱平滑化処理としては、不織布表面の空隙を閉塞させることなく、表面の繊維を軟化または融着させることにより、不織布の表面の立毛を実質的に消失させて、平滑な表面を形成させるような熱処理であれば特に限定されない。
熱平滑化処理の具体例としては、火炎バーナーを用いたフレーム処理、電熱ヒーターを用いた非接触加熱処理、加熱ローラーや熱板等に直接接触させる接触加熱処理が挙げられる。これらの中ではフレーム処理及び非接触加熱処理が、不織布表面の空隙を閉塞させにくい点から好ましい。
フレーム処理に用いられる火炎バーナーとしては、繊維織物表面の毛焼等に使用される工業用バーナーや、ウレタンフォームをフレームラミネートする際に用いられるフレームラミネートバーナー等が挙げられる。また、非接触加熱処理に用いられる電熱ヒーターとしては、高温用熱風ヒーター、遠赤外線ヒーター、熱反射型電気ヒーター等が挙げられる。工業的には、火炎バーナーまたは電熱ヒーターは、メッシュコンベアを備えた被処理物を連続搬送する連続加熱炉として構成され、その加熱炉温度、加熱炉を通過する時間、及び、ヒーターまたはバーナーから処理対象物までの距離等により、熱処理条件を調整することができる。
具体的な条件は不織布表面の空隙を閉塞させることなく、表面の繊維を軟化または融着させることにより、不織布の表面の立毛を実質的に消失させて、平滑な表面を形成させるような条件であれば特に限定されず、長繊維を形成する樹脂の種類や繊維径等に応じて適宜調整される。例えば、軟化温度(融点)125℃の変性PETからなる繊維径3.5μm以下の極細繊維の長繊維の不織布の場合、加熱ロールの場合には100℃程度、火炎バーナーのときには温度1400〜1800℃、加熱炉通過時間0.03〜3秒間等のような条件が選ばれる。
このように熱平滑化処理された不織布の表面は、立毛を有さない、または、立毛を有する場合でも100μm以下の立毛を有することが好ましい。表面に立毛を有しないか、長い立毛を有さない場合には、立毛がケーキに把持されにくいために、濾過後にケーキがより剥離しやすくなる点から好ましい。
このようにして、長繊維の不織布の表面を熱平滑化処理した、濾過フィルター材として用いられる不織布基材が得られる。このような不織布基材の見掛け密度としては、0.5g/cm3以上、さらには、0.55〜0.60g/cm3であることが、繊維密度が緻密になるために、充実感が高く、フィルタープレスのような強度、耐圧性、耐久性等が要求される濾過処理の濾布として用いた場合にも長寿命を実現できる点から好ましい。なお、見掛け密度が低すぎる場合には、濾過の際に目詰まりがしにくくなるという利点はあるが、強度、耐圧性、耐久性等が低下する傾向がある。また、見掛け密度が高すぎる場合には、処理液によっては、濾過の際に目詰まりしやすくなることにより、濾過効率が低下する傾向がある。
また、濾過フィルター材として用いられる長繊維の不織布の厚みは、特に限定されないが、0.35〜5.0mm、さらには0.65〜2.5mmであることが充分な機械的強度と扱いやすさを保持できる点から好ましい。
また、濾過フィルター材として用いられる長繊維の不織布の濾過性の目安になる、JIS L 1906「一般織物試験方法」の「8.27.1 A法(フラジール形法)」により測定された透気度としては1〜100cc/cm2/sec、さらには5〜20cc/cm2/secであることが充分な濾過性能が得られる点から好ましい。
本実施形態で得られた濾過フィルター材はケーキの剥離性に優れるために、固液分離による各種濾過処理の濾布、具体的には、たとえば、加圧濾過処理によりケーキを回収するための濾布として好ましく用いられる。とくには、濾板に濾布を挟んだ単位構造を複数構造繰り返した構造を有し、スラッジ(汚泥)を含むスラリーを一定量通過させた後、液を含むケーキを加圧脱水を繰り返すことにより脱水されたケーキを形成し、濾板を開くことによりケーキを回収するような、いわゆるフィルタープレス用の濾布として好ましく用いられる。
なお、フィルタープレスに用いられる濾布は、加圧脱水の工程における背圧及びケーキ回収時の濾板の開閉により機械的な外力を繰りかえし受ける。そのために、フィルタープレスに用いられる濾布には、高い強度、耐圧性、耐久性等が要求される。上述したような、繊維径3.5μm以下の極細繊維の長繊維を含み、見掛け密度0.5g/cm3以上であるような緻密な不織布を基材とする濾過フィルター材によれば、長寿命の濾過フィルターが得られる点から特に好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は以下の実施例の内容により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
海成分の熱可塑性樹脂としてエチレン変性ポリビニルアルコール(エチレン単位の含有量8.5モル%、重合度380、ケン化度98.7モル%)、島成分の熱可塑性樹脂としてイソフタル酸変性したポリエチレンテレフタレート(イソフタル酸単位の含有量6.0モル%)を、それぞれ個別に溶融させた。そして、海成分中に均一な断面積の島成分が25個分布した断面を形成しうるような、多数のノズル孔が並列状に配置された複数紡糸用口金に、それぞれの溶融樹脂を供給した。このとき、断面における海成分と島成分との平均面積比が海成分/島成分=25/75となるように圧力調整しながら供給した。そして、口金温度250℃に設定されたノズル孔より吐出させた。
そして、ノズル孔から吐出された溶融繊維を平均紡糸速度が3600m/分となるように気流の圧力を調整したエアジェット・ノズル型の吸引装置で吸引することにより延伸し、平均断面積が177μm2(約2.4dtex)の海島型複合繊維を紡糸した。紡糸された海島型複合繊維は、可動型のネット上に、ネットの裏面から吸引しながら連続的に堆積された。堆積量はネットの移動速度を調整することにより調節された。そして、堆積された長繊維を80℃に保温したエンボスロールにより線圧70kg/cmで押さえることにより、目付30g/m2の一部の長繊維同士が融着した長繊維ウェブが得られた。
次に、得られた長繊維ウェブの表面に、帯電防止剤を混合した油剤をスプレー付与した後、クロスラッパー装置を用いて長繊維ウェブを連続的に折りたたみ、14層の層状長繊維ウェブの積層体を形成した。そして、得られた積層体は、ニードルパンチングすることにより三次元絡合処理された。なお、ニードルパンチングは2段階で行われた。具体的には、はじめに、ニードル番手40番のニードルAを用い、積層体の両面側からバーブが厚さ方向に貫通するパンチ深さでニードルパンチングすることにより、折り畳んだ長繊維ウェブがずれない程度に絡合させた。次に、ニードル番手42番のニードルBを用い、積層体の両面側からバーブが厚さ方向に貫通するパンチ深さでニードルパンチを行うことにより、厚さ方向に充分に絡合させた。ニードルBでのニードルパンチングは、両面側から合計で1700パンチ/cm2のパンチ数で行った。このようにして、海島型複合繊維の繊維密度が500本/mm2で、見掛け密度0.220g/cm3であるウェブ絡合シートが得られた。
得られたウェブ絡合シートは、以下のようにして湿熱収縮処理されることにより、緻密化された。具体的には、ウェブ絡合シートの両面に18℃の水を均一にスプレーした後、温度75℃相対湿度95%の雰囲気中に4分間かけて連続的に通過させた。湿熱収縮処理の後、さらに、ウェブ絡合シートは120℃に保温した金属ロール間でプレス処理された。そして、引き続き、120℃で乾燥された。このような工程により、目付1250g/m2であり、厚さ方向に平行な断面における、海島型繊維の繊維密度が1900本/mm2であるような極めて高密度化されたウェブ絡合シートが得られた。
次に、緻密化されたウェブ絡合シートにポリウレタンエラストマーを以下のようにして含浸させた。高分子弾性体液として、ポリカーボネート/エーテル系ポリウレタンを主体とするポリウレタン組成物の水分散液(固形分濃度16.5%)を用いた。高分子弾性体液を緻密化されたウェブ絡合シート100質量部に対して高分子弾性体液50質量部を含浸させた。そして、緻密化されたウェブ絡合シートは、温度75℃相対湿度95%の雰囲気中に2分間かけて連続的に通過させ、120℃の乾燥炉で水分を乾燥させることにより、キュア処理され、ポリウレタンエラストマーを緻密化されたウェブ絡合シートの空隙に含浸させた。得られた緻密化されたウェブ絡合シートに存在するポリウレタン固形分は、緻密化されたウェブ絡合体中に11質量%含浸されていた。
次に、ポリウレタンエラストマーが含浸された緻密化されたウェブ絡合シートを90℃の熱水中に20分間浸漬しディップニップを繰り返すことにより海島型複合繊維中に含まれる海成分を抽出除去した。そして、120℃の乾燥炉で乾燥することにより、厚さ1.75mmの、平均直径2.5μm(繊度0.07dtex)の極細繊維の長繊維の不織布が得られた。得られた不織布の見掛け密度は0.594g/cm3であった。なお、形成された不織布からエチレン変性ポリビニルアルコール熱水抽出したところ、極細繊維の表面には、極細繊維の重量に対して約0.2質量%のエチレン変性ポリビニルアルコールが残存していた。
次に、得られた極細繊維の長繊維の不織布の裏側の面を#120の研磨紙で研削することにより、厚さ1.68mmに調整した。さらに、不織布の表側の面を#240の研磨紙で粗起毛した後、#600の研磨紙で仕上げた。その結果、表側の面に400μmの立毛が均一分散した、目付921g/m2であり、厚さ1.55mmの極細繊維の長繊維の不織布が得られた。
そして、ウレタンフォームをフレームラミネートする際に用いられる、メッシュコンベアにより被処理物を一定速度で搬送して加熱炉を通過させるフレームラミネートバーナーに極細繊維の長繊維の不織布を通過させた。具体的には、メッシュコンベアに極細繊維の長繊維の不織布を、その表側の面が熱源であるガスバーナーに対向するように配置し、ガスバーナー温度1400〜1800℃になるように設定された加熱炉に0.06秒間通過させた。このようにして、極細繊維の長繊維の不織布の表側の面を熱平滑化処理することにより、濾過フィルター材を得た。濾過フィルター材の斜視面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図1に、断面のSEM写真を図2に示す。
図1及び図2に示すように、熱平滑化処理された濾過フィルター材の表面には、立毛していた繊維が軟化または溶融されて表面に立毛が全く見られなかった。なお、熱平滑化処理によっても空隙は閉塞されず、維持されていた。また、表面に存在する繊維同士は互いに融着されていた。
このようにして得られた濾過フィルター材を以下のようにして評価した。
<ケーキ剥離性>
一般的なフィルタープレス装置の濾板間に装着するための濾布の形状に濾過フィルター材を裁断及び縫製した。そして、工場排水処理施設から採集された汚泥をフィルタープレス装置に注入し、一定量の汚泥を注入して残渣を濾過した後、水を含む残渣を圧縮空気で加圧することにより、脱水されたケーキを生成させた。ケーキは濾板を開くことにより、自重で落下させた。このような工程を、100サイクル繰り返したときの、濾布に対するケーキの剥離性を以下の基準で評価した。
A:全サイクルにおいて、ケーキの剥離性が良好であった。
B:何れかのサイクルにおいてケーキ断片が剥離せず、表面にケーキが残された。また、剥離したケーキ断片をスクレバーで掻き取る際にスクレバーが引っ掛かりやすかった。
<引張特性(引張強力、20%引張強力、引裂強力)>
「2000年JIS L 1906 一般長繊維不織布試験方法」に準じて、引張試験機を用いてS−S曲線を取得し、引張強力、20%引張強力、引裂強力を測定した。なお各特性は、不織布の製造時のテンションの掛かった方向を縦方向とし、縦方向に垂直な方向を横方向として、各方向毎に測定した。
<透気度>
濾過フィルター材を200mm×200mmに切り出し、JIS L 1906「一般織物試験方法」の「8.27.1 A法(フラジール形法)」に準じて透気度を測定した。
<吸水率>
濾過フィルター材を20mm×20mmに切り出し、温度100℃雰囲気下で2時間加熱乾燥した。そして、イオン交換水中に24時間浸漬して吸水させたときにおける、吸水前後の不織布の重量変化を測定し、下記式からの吸水率を算出した。
吸水率(%)=(吸水後の重量−吸水前の重量)/吸水前の重量×100。
評価結果を表1にまとめて示す。
[実施例2]
実施例1において、極細繊維の長繊維の不織布の表側の面を熱平滑化処理する条件を変更することにより付与する熱量を減少させた以外は、実施例1と同様にして濾過フィルター材を得た。なお、得られた濾過フィルター材の表面には、立毛していた繊維が軟化または溶融されて表面に立毛が殆ど見られなかったが、立毛長が約50μm程度の繊維がわずかに残っていた。そして、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、極細繊維の長繊維の不織布を用いた代わりに、平均直径60μmのPET繊維の長繊維から形成された、厚さ1.4mm、見掛け密度0.47g/cm3のレギュラー繊維の不織布を準備した。
なお、レギュラー繊維の長繊維の不織布の表面は、裏側の面を#180の研磨紙で研削することにより、厚さ1.68mmに調整した。さらに、不織布の表側の面を#240の研磨紙で粗起毛した後、#400の研磨紙で仕上げた。表側の面に120μmの立毛が均一に分散していた。
そして、実施例1と同様にして熱平滑化処理を施し、濾過フィルター材を得た。なお、得られた濾過フィルター材の表面には、立毛していた繊維が軟化または溶融されて表面に立毛が殆ど見られなかったが、立毛長が約50μm以下の繊維がわずかに残っていた。そして、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、熱平滑化処理前の不織布を用いて得られた濾過フィルター材を実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
極細繊維発生型長繊維に変えて、繊維長を50mmにカットした繊度4.0dtexの極細繊維発生型短繊維を使用してウェブを形成した以外は、実施例1と同様にして、平均直径2.5μmの極細繊維の短繊維の不織布を作成した。そして、極細繊維の短繊維の不織布用いて得られた濾過フィルター材を実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例3において、熱平滑化処理前の不織布を用いて得られた濾過フィルター材を実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
本発明に係る実施例1〜3で得られた熱平滑化処理された濾過フィルター材は、いずれもケーキ剥離性に優れていた。一方、比較例1で得られた熱平滑化処理しなかった濾過フィルター材は、ケーキ剥離性がわるく、特に、ケーキ断片が自重で剥離しなかった場合にスクレバーで掻き取る際に引っ掛かり、剥離しにくかった。また、比較例2で得られた熱平滑化処理したが、短繊維の不織布を用いた場合には、強度が低すぎて濾過フィルター材としての実用性が低かった。

Claims (7)

  1. 長繊維の不織布を基材とする、濾過フィルター材であって、
    前記不織布の少なくとも一つの表面が、熱平滑化処理されていることを特徴とする濾過フィルター材。
  2. 前記熱平滑化処理が非接触加熱処理である請求項1に記載の濾過フィルター材。
  3. 前記表面は、立毛を有さない、または、立毛長が100μm以下の立毛を有する請求項1または2に記載の濾過フィルター材。
  4. 前記表面は、該表面に存在する繊維同士が互いに融着されている請求項1〜3の何れか1項に記載の濾過フィルター材。
  5. 前記不織布は、繊維径3.5μm以下の極細繊維の長繊維を含み、見掛け密度0.5g/cm3以上である請求項1〜4の何れか1項に記載の濾過フィルター材。
  6. 前記極細繊維は、その表面の少なくとも一部分に水溶性熱可塑性樹脂が付着した繊維からなる請求項5に記載の濾過フィルター材。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の濾過フィルター材を備えたことを特徴とするフィルタープレス用濾布。
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