JP2015027130A - 非接触電力伝送装置、送電機器及び受電機器 - Google Patents

非接触電力伝送装置、送電機器及び受電機器 Download PDF

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Abstract

【課題】非接触の電力伝送に用いられるユニットの位置を好適に検出できる非接触電力伝送装置、送電機器及び受電機器を提供すること。
【解決手段】非接触電力伝送装置10は、高周波電力が入力される1次側コイル13aを有する送電ユニット13を備えた送電機器11と、1次側コイル13aから非接触で高周波電力を受電可能な2次側コイル23aを有する受電ユニット23を備えた受電機器21とを備えている。これらのユニット13,23には、位置検出に用いられる検出ビームBの照射方向と交差する方向に突出したマーカ71,72が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非接触電力伝送装置、送電機器及び受電機器に関する。
電源コードや送電ケーブルを用いない非接触電力伝送装置として、例えば、交流電力が入力される1次側コイルを有する送電機器と、1次側コイルから非接触で交流電力を受電可能な2次側コイルを有する受電機器とを備えているものが知られている(例えば特許文献1参照)。かかる非接触電力伝送装置においては、例えば1次側コイルと2次側コイルとが磁場共鳴することにより、送電機器から受電機器に非接触で交流電力が伝送される。
特開2009−106136号公報
ここで、1次側コイルを有する送電ユニットと、2次側コイルを有する受電ユニットとの相対位置に応じて、伝送効率が変動する。このため、これら非接触の電力伝送に用いられる上記各ユニットの少なくとも一方の位置を精度よく検出することが求められる。
これに対して、本発明者らは、例えば検出ビームを照射して、反射された反射ビームに基づいて、非接触の電力伝送に用いられるユニットの位置を検出することに着目した。しかしながら、拡散角度が大きい検出ビームを用いる場合、検出対象以外のものに検出ビームが照射され易く、誤検出となり易い。かといって、拡散角度が小さい検出ビームを用いると、ユニットに検出ビームが照射されず、その結果ユニットを検出できないといった事態が生じ得る。
本発明の目的は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、非接触の電力伝送に用いられるユニットの位置を好適に検出できる非接触電力伝送装置、送電機器及び受電機器を提供することである。詳細には、本発明の目的は、送電ユニット及び受電ユニットの少なくとも一方の位置を好適に検出できる非接触電力伝送装置を提供することである。また、本発明の目的は、送電ユニットの位置を好適に検出できる送電機器、受電ユニットの位置を好適に検出できる受電機器を提供することである。
上記目的を達成する非接触電力伝送装置は、交流電力が入力される1次側コイルを有する送電ユニットと、前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルを有する受電ユニットと、を備え、前記送電ユニット及び前記受電ユニットの少なくとも一方には、位置検出に用いられる検出ビームの照射方向と交差する方向に突出した突出部が設けられており、前記検出ビームを照射するものであって、前記検出ビームを照射した場合に発生する前記突出部からの反射ビームに基づいて、前記突出部が設けられている前記送電ユニット及び前記受電ユニットの少なくとも一方の位置を検出する検出部を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、検出ビームの照射方向と交差する方向に突出した突出部が設けられているため、突出部に検出ビームが照射され易い。これにより、拡散角度が小さい検出ビームを用いる場合であっても、突出部が設けられているユニットの位置を容易に検出することができる。よって、突出部が設けられているユニットの位置を好適に検出することができる。
上記非接触電力伝送装置について、前記突出部として、前記送電ユニットに設けられた送電側突出部と、前記受電ユニットに設けられた受電側突出部と、を備え、前記検出部は、前記検出ビームを照射した場合に発生する前記送電側突出部からの反射ビーム、及び、前記受電側突出部からの反射ビームに基づいて、前記送電ユニット及び前記受電ユニットの位置を検出するとよい。かかる構成によれば、送電ユニットに送電側突出部が設けられ、受電ユニットに受電側突出部が設けられているため、検出部は、送電ユニットの位置及び受電ユニットの位置の双方を好適に検出することができる。
特に、同一の検出部を用いて、送電ユニットの位置及び受電ユニットの位置の双方を検出する構成を採用することにより、2つの検出部を用いてそれぞれの位置を個別に検出する構成と比較して、構成の簡素化を図ることができるとともに、検出部ごとの検出誤差の影響を低減できる。
上記非接触電力伝送装置について、前記受電ユニットは車両の底部に配置されており、前記送電ユニットは、前記車両が設置される設置面に配置されており、前記検出部は、前記車両の底部と前記設置面との間に前記検出ビームを照射するものであり、前記送電側突出部は上方に向けて突出しており、前記受電側突出部は下方に向けて突出しているとよい。かかる構成によれば、車両の底部に配置された受電ユニットと、設置面に配置された送電ユニットとを、好適に検出することができる。
上記非接触電力伝送装置について、前記検出部は、前記検出ビームの照射方向と直交する方向を軸線方向として回転可能であるとよい。かかる構成によれば、検出ビームの照射方向と直交する方向を軸線方向として検出部が回転することにより、軸線方向と直交する方向における検出ビームの照射範囲を広げることができる。よって、検出部が検出可能な範囲の拡大を図ることができる。
上記非接触電力伝送装置について、前記送電ユニットが設置される設置面と直交する方向を軸線方向として、前記送電ユニットを回転させるユニット回転機構と、前記ユニット回転機構とは別に、前記設置面と直交する方向を軸線方向として、前記検出部を回転させる検出回転機構と、を備えているとよい。かかる構成によれば、送電ユニットを回転させるユニット回転機構と、検出部を回転させる検出回転機構とが別々になっているため、送電ユニット及び検出部を個別に回転させることができる。これにより、送電ユニットと検出部とが一体的に回転することに起因して、送電ユニットの位置を検出できない等の不都合を回避できる。
上記非接触電力伝送装置について、前記送電ユニットを移動させる移動機構と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記移動機構を制御する制御部と、を備えているとよい。かかる構成によれば、検出部の検出結果に基づいて移動機構を制御することにより、送電ユニットを、受電ユニットとの電力伝送が好適に行われる位置に移動させることができる。これにより、仮に送電ユニットと受電ユニットとが位置ずれした状態で配置されていたとしても、電力伝送を好適に行うことができる。
上記目的を達成する非接触電力伝送装置は、交流電力が入力される1次側コイルを有する送電ユニットと、前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルを有する受電ユニットと、を備え、前記受電ユニットは、車両の底部に配置されており、前記非接触電力伝送装置は、前記車両の底部に設けられ、下方に突出した突出部と、前記車両が設置される設置面に沿う方向に検出ビームを照射するものであって、前記検出ビームを照射した場合に発生する前記突出部からの反射ビームに基づいて、前記突出部の位置を検出する検出部と、前記検出部の検出結果、及び、前記突出部と前記受電ユニットとの相対位置に基づいて、前記受電ユニットの位置を特定する特定部と、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、車両の底部に、下方に突出した突出部が設けられているため、設置面に沿う方向に検出ビームが照射された場合、当該検出ビームは突出部に照射され易い。これにより、拡散角度が小さい検出ビームを用いる場合であっても、突出部の位置を容易に検出することができる。よって、その突出部の位置と、突出部及び受電ユニットの相対位置とに基づいて、受電ユニットの位置を好適に検出することができる。
上記目的を達成する送電機器は、交流電力が入力される1次側コイルを有する送電ユニットを備え、2次側コイルを有する受電機器に対して非接触で前記交流電力を送電可能なものであって、前記送電ユニットには、位置検出に用いられる検出ビームの照射方向と交差する方向に突出した送電側突出部が設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、検出ビームの照射方向と交差する方向に突出した送電側突出部が設けられているため、検出ビームは送電側突出部に照射され易い。これにより、拡散角度が小さい検出ビームを用いる場合であっても、送電ユニットを容易に検出することができる。よって、送電ユニットの位置を好適に検出することができる。
上記目的を達成する受電機器は、交流電力が入力される1次側コイルを有する送電機器から非接触で前記交流電力を受電可能なものであって、前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルを有する受電ユニットを備え、前記受電ユニットには、位置検出に用いられる検出ビームの照射方向と交差する方向に突出した受電側突出部が設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、検出ビームの照射方向と交差する方向に突出した受電側突出部が設けられているため、検出ビームは受電側突出部に照射され易い。これにより、拡散角度が小さい検出ビームを用いる場合であっても、受電ユニットを容易に検出することができる。よって、受電ユニットの位置を好適に検出することができる。
この発明によれば非接触の電力伝送に用いられるユニットの位置を好適に検出できる。
非接触電力伝送装置を模式的に示す側面図。 非接触電力伝送装置を模式的に示す平面図。 各ユニット及び検出部を模式的に示す斜視図。 電源側コントローラにて実行される位置調整処理のフローチャート。 (a),(c),(e)は各ユニット及び検出部の位置関係を模式的に示す平面図であり、(b),(d),(f)は検出部の検出結果を模式的に示すグラフ。 (a),(c),(e)は第2実施形態における各ユニット及び検出部の位置関係を模式的に示す平面図であり、(b),(d),(f)は検出部の検出結果を模式的に示すグラフ。 (a)〜(c)は第3実施形態における各ユニット及び検出部の位置関係を模式的に示す平面図。 第4実施形態の各ユニット及び検出部を模式的に示す平面図。 第5実施形態の各ユニットを模式的に示す斜視図。 (a),(c),(e)は第5実施形態における各ユニット及び検出部の位置関係を模式的に示す平面図であり、(b),(d),(f)は検出部の検出結果を模式的に示すグラフ。
(第1実施形態)
以下、非接触電力伝送装置(非接触電力伝送システム)、送電機器(送電装置)及び受電機器(受電装置)の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、非接触電力伝送装置10は、非接触で電力伝送が可能な送電機器11(地上側機器)及び受電機器21(車両側機器)を備えている。送電機器11は、地上、詳細には車両Cが設置(駐車)される設置面Gに設けられている。受電機器21は、車両Cに搭載されている。
送電機器11は、所定の周波数の高周波電力(交流電力)を出力可能な高周波電源12(交流電源)を備えている。高周波電源12は、インフラとしての系統電源から供給される系統電力を高周波電力に変換し、その変換された高周波電力を出力可能に構成されている。
高周波電源12から出力された高周波電力は、非接触で受電機器21に伝送され、受電機器21に設けられた車両用バッテリ22の充電に用いられる。具体的には、送電機器11は、高周波電源12から高周波電力が入力される1次側コイル13aを有する送電ユニット13(送電器)を備えている。受電機器21は、1次側コイル13aから非接触で高周波電力を受電可能な2次側コイル23aを有する受電ユニット23(受電器)を備えている。送電ユニット13及び受電ユニット23は円板状に形成されている。
送電ユニット13及び受電ユニット23は磁場共鳴可能に構成されている。例えば、送電ユニット13は、1次側コイル13aと、その1次側コイル13aに直列又は並列に接続された1次側コンデンサ(図示略)とを含む共振回路を有している。受電ユニット23は、2次側コイル23aと、その2次側コイル23aに直列又は並列に接続された2次側コンデンサ(図示略)とを含む共振回路を有している。両者の共振周波数は同一に設定されている。
かかる構成によれば、送電ユニット13及び受電ユニット23が磁場共鳴可能な位置に配置されている状況において高周波電力が送電ユニット13(1次側コイル13a)に入力された場合、送電ユニット13の共振回路と受電ユニット23の共振回路とが磁場共鳴する。これにより、受電ユニット23は、非接触で送電ユニット13から高周波電力を受電する。
ちなみに、送電ユニット13は設置面Gに設置されており、その底面には車輪13bが設けられている。受電ユニット23は、設置面Gと対向する部位、詳細には車両Cの底部C0に配置されている。この場合、送電ユニット13と受電ユニット23とは鉛直方向(車高方向)に対向し得る。なお、車輪13bは、例えば自在輪やオムニホイール等で構成されている。
なお、図1においては、受電ユニット23は、当該受電ユニット23の底面が車両Cの底部C0から突出するように配置されているが、これに限られず、受電ユニット23の底面が車両Cの底部C0と同一平面上又はそれよりも上方に配置されるよう、車両Cに埋め込まれた状態で配置されていてもよい。「受電ユニットは、車両の底部に配置されている」とは、上記2つの態様を含む。
受電ユニット23にて受電された高周波電力は、受電機器21に設けられた整流器24によって整流されて、車両用バッテリ22に入力される。これにより、車両用バッテリ22が充電される。
送電機器11は、高周波電源12の制御等を行う電源側コントローラ14を備えている。また、受電機器21は、電源側コントローラ14と無線通信可能な車両側コントローラ25を備えている。非接触電力伝送装置10は、各コントローラ14,25間で情報のやり取りを行いながら、車両用バッテリ22の充電の開始又は終了等を行う。なお、本実施形態では、電源側コントローラ14が「制御部」に対応する。
ここで、図1及び図2に示すように、送電機器11は枠状のフレーム30を備えている。フレーム30は、全体として直方体状の枠であり、設置面Gから起立した複数(4つ)の脚31と、これらの脚31を連結するものであって、上方から見て矩形枠状の連結フレーム32とを備えている。図2に示すように、連結フレーム32は、一方向に延び、互いに対向する第1対向フレーム32a,32bと、第1対向フレーム32a,32bと直交する方向に延び、互いに対向する第2対向フレーム32c,32dとを備えている。
ここで、説明の便宜上、以降の説明において、第1対向フレーム32a,32bに沿う方向をX方向とも言い、第2対向フレーム32c,32dに沿う方向をY方向とも言う。X方向及びY方向は、設置面Gに沿う方向であり、鉛直方向と直交する方向である。また、X方向及びY方向は互いに直交している。
送電機器11は、送電ユニット13を移動させる移動機構として、設置面Gと直交する方向を軸線方向として送電ユニット13を回転させるユニット回転機構40と、送電ユニット13を設置面Gに沿う方向に直動させる直動機構50とを備えている。以下、これらについて説明する。
図1及び図2に示すように、ユニット回転機構40は、フレーム30の上に配置され、設置面Gと直交する方向である鉛直方向を軸線方向として回転可能なユニット回転板41を備えている。ユニット回転板41は円板状に形成されており、フレーム30に対して回転可能な状態で取り付けられている。以降の説明において、ユニット回転板41の回転中心線を第1回転中心線A1と言う。また、図1に示すように、ユニット回転機構40は、第1回転中心線A1を中心としてユニット回転板41を回転させる回転モータ42を備えている。
直動機構50は、ユニット回転板41の上に設けられ、送電ユニット13を押し引きする直動駆動部51を備えている。直動駆動部51は、設置面Gと交差する方向、詳細には設置面Gと直交する方向である鉛直方向に延びた略直方体形状である。直動駆動部51は、その底面の中心がユニット回転板41の回転中心(第1回転中心線A1上)に配置された状態で、ユニット回転板41に固定されている。これにより、直動駆動部51は、ユニット回転板41の回転に伴い回転する。
図1に示すように、直動機構50は、長尺状のアーム部52を備えている。アーム部52は、ユニット回転板41に形成された貫通孔41aを貫通しており、延設方向(長手方向)の一端部が直動駆動部51内に収容され、延設方向の他端部が送電ユニット13に接続されている。アーム部52は、その延設方向の両端部間にて湾曲している。アーム部52において湾曲箇所よりも送電ユニット13側の部位(延設方向の他端部側の部位)は設置面Gに沿う方向(詳細には水平方向)に延び、アーム部52において湾曲箇所よりも直動駆動部51側の部位(延設方向の一端部側の部位)は、設置面Gと交差する方向(詳細には鉛直方向)に延びている。直動駆動部51は、収容されているアーム部52の延設方向の一端部を上方から下方に向けて直動させることにより、送電ユニット13を押し出す。一方、直動駆動部51は、収容されているアーム部52の延設方向の一端部を下方から上方に向けて直動させることにより、送電ユニット13を引き戻す。これにより、送電ユニット13は、直動駆動部51(第1回転中心線A1)に近い位置と、直動駆動部51から離れた位置との間を直動可能となっている。この場合、アーム部52の延設方向の一端部の直動距離が、送電ユニット13の直動距離となる。
ちなみに、図1に示すように、アーム部52の湾曲箇所には、当該アーム部52の湾曲を補助する補助ローラ53が設けられている。補助ローラ53は、アーム部52の湾曲箇所を挟むように配置されており、回転可能となっている。これにより、アーム部52は、湾曲した状態で、その延設方向に移動可能となっている。また、図示は省略するが、補助ローラ53は、連結部材によってユニット回転板41に連結されている。したがって、ユニット回転板41の回転に伴って補助ローラ53の枠状のフレーム30に対する相対位置が変更される。
ここで、送電ユニット13は、ユニット回転板41の回転に伴う直動駆動部51及び補助ローラ53の枠状のフレーム30に対する相対位置の変更に伴って、第1回転中心線A1を軸線方向として回転する。これにより、送電ユニット13の直動方向が変更される。つまり、ユニット回転機構40は、第1回転中心線A1に対して周方向に送電ユニット13を移動させることを通じて、設置面Gに沿う方向における送電ユニット13の直動方向を変更するものである。そして、直動機構50は、第1回転中心線A1に対して径方向に送電ユニット13を移動させるものである。
以上の通り、送電ユニット13は、第1回転中心線A1に対して径方向及び周方向の双方に移動可能となっている。これにより、送電ユニット13は、設置面Gに沿って、2次元的に移動可能となっている。
なお、アーム部52は中空の筒状であり、その内部には、送電ユニット13と高周波電源12とを接続するものであって高周波電力が伝送されるケーブルが収容されている。つまり、ケーブルは、直動駆動部51内及びアーム部52内を通って、高周波電源12及び送電ユニット13に接続されている。なお、アーム部52は、その延設方向に対する応力に起因して縮まないよう剛性を有するもので形成されている。そして、アーム部52は、その短手方向の一方(送電ユニット13の直動方向及び鉛直方向の双方に直交する方向、詳細にはX方向)には湾曲しにくい。
次に送電ユニット13及び受電ユニット23の位置検出に係る構成について説明する。
図1〜図3に示すように、非接触電力伝送装置10は、送電ユニット13の位置及び受電ユニット23の位置を検出するのに用いられる検出ビームBを照射する検出部60を備えている。検出部60は、設置面Gに沿う方向である水平方向(X方向及びY方向)に検出ビームBを照射する照射部と、検出ビームBを照射した場合に発生する反射ビームBrを受信する受信部とを備えており、受信部にて受信された反射ビームBrに基づいて検出対象の位置を検出する。
なお、検出ビームBの具体的な態様については任意であるが、例えば光、超音波、電波等が考えられる。なお、光には、可視光、紫外線、赤外線等、任意の波長のものが含まれる。例えば、検出ビームBとして赤外線を用いる場合には、反射光の遅延時間により光路長を計算する方式が考えられる。また、検出ビームBとして超音波を用いる場合には、超音波ホーン等を用いて指向性を高め、その超音波の反射波の遅延時間により伝播長を計算する方式が考えられる。
図1に示すように、検出部60の取付位置は、検出ビームBの照射範囲Sが車両Cの底部C0(詳細には受電ユニット23)と設置面G(詳細には送電ユニット13)との間となるよう設定されている。つまり、検出部60は、鉛直方向において送電ユニット13と受電ユニット23との間に配置されている。検出ビームBの照射範囲Sは、検出部60が検出可能な範囲とも言える。
検出ビームBは、鉛直方向の拡散角度が「0」又は「0」に近い比較的指向性(直進性)の高いものが用いられる。このため、検出ビームBの照射範囲Sの鉛直方向の長さSzは、検出部60からの距離によらずほぼ一定値となっている。
なお、Y方向において、検出部60は、アーム部52の鉛直方向に延びた部位よりも送電ユニット13側に配置されている。そして、検出部60は、検出ビームBを送電ユニット13側に向けて照射する。これにより、検出ビームBがアーム部52によって阻害されにくくなっている。
検出部60は、検出ビームBの照射方向と直交する方向である鉛直方向を軸線方向として回転可能である。詳細には、図2に示すように、第1対向フレーム32aの中央部には、対向する第1対向フレーム32b側(後方)に延出した延出部61が設けられている。延出部61の底面には、検出回転機構としての検出回転板62及び回転モータ(図示略)が設けられている。検出回転板62は、延出部61の底面に回転可能な状態で取り付けられており、回転モータにより回転する。検出部60は、検出回転板62の底面に固定されており、検出回転板62の回転に伴って回転する。以降の説明において、検出部60(検出回転板62)の回転中心線を第2回転中心線A2と言う。本実施形態では、第1回転中心線A1と第2回転中心線A2とは、一致しておらずY方向にずれて配置されている。
図2に示すように、検出部60が鉛直方向を軸線方向として回転することにより、検出ビームBの照射範囲Sは、上方から見て、第2回転中心線A2を中心とした扇状となる。
図1〜図3に示すように、送電ユニット13には、検出ビームBの照射方向と交差する方向、詳細には上方に向けて突出した送電側突出部(1次側突出部)としての送電マーカ71が設けられている。本実施形態では、送電マーカ71は円柱状であり、送電マーカ71の底面における中心(以下、送電マーカ71の中心)が円板状の送電ユニット13の上面の中心と一致するように設けられている。なお、送電ユニット13の中心は1次側コイル13aの中心と一致している。
また、受電ユニット23には、検出ビームBの照射方向と交差する方向、詳細には下方に向けて突出した受電側突出部(2次側突出部)としての受電マーカ72が設けられている。本実施形態では、受電マーカ72は円柱状であり、受電マーカ72の上面における中心(以下、受電マーカ72の中心)が円板状の受電ユニット23の底面の中心と一致するように設けられている。受電マーカ72は、車両Cの底部C0よりも下方に突出している。なお、受電ユニット23の中心は2次側コイル23aの中心と一致している。
各マーカ71,72は、可倒性の材料で形成されており、具体的には弾性変形可能な樹脂で形成されている。このため、仮に各マーカ71,72が何らかの障害物にあたった場合には、各マーカ71,72は倒れる。その後、障害物が除去された場合には、各マーカ71,72はそれぞれ、突出した状態に復帰する。なお、受電マーカ72の先端に錘を設け、受電マーカ72が下方に垂れるようにしてもよい。
ここで、図1に示すように、マーカ71,72の突出寸法Z1,Z2は、各マーカ71,72が検出ビームBの照射範囲Sに突出するよう設定されている。詳細には、送電マーカ71の突出寸法Z1は、送電マーカ71の先端(上端)が、照射範囲Sの下端面S1と照射範囲Sの上端面S2との間に配置されるよう設定されている。また、受電マーカ72の突出寸法Z2は、受電マーカ72の先端(下端)が照射範囲Sの上端面S2と下端面S1との間に配置されるよう設定されている。
かかる構成によれば、検出ビームBが照射された場合、検出ビームBは、送電マーカ71に照射されるとともに受電マーカ72に照射される。この場合、各マーカ71,72によって検出ビームBが反射され、その反射された反射ビームBrが検出部60の受信部によって受信される。これにより、送電マーカ71の位置、及び、受電マーカ72の位置を検出できる。そして、マーカ71,72とユニット13,23との位置関係は決まっている。詳細には、水平方向において、マーカ71,72の中心座標とユニット13,23の中心座標とは一致している。このため、検出部60によってマーカ71,72の位置が検出されることにより、ユニット13,23の位置が推定(検出)できる。
なお、各突出寸法Z1,Z2は、設置面Gに対する送電マーカ71の上端の高さ位置が、設置面Gに対する受電マーカ72の下端の高さ位置と同一又はそれよりも低くなるよう設定されているとよい。これにより、各マーカ71,72が鉛直方向に対向した場合に、両者が干渉しにくい。
ちなみに、設置面Gと受電マーカ72の底面との間の距離は、予め定められた最低値よりも高く設定されている。最低値とは、例えば道路運送車両の保安基準に設定されている最低地上高(例えば90mm)等が考えられる。
ここで、図2に示すように、本実施形態では一例として、第2回転中心線A2を通過し、且つ、Y方向に延びる直線を基準線L1とする。そして、上方から見て、送電ユニット13が直動駆動部51(又は検出部60、第1回転中心線A1)に最も近づいた位置であって、且つ、送電マーカ71の中心が基準線L1上にある送電ユニット13の位置を初期位置とする。なお、送電ユニット13が初期位置に配置されている状況において、送電マーカ71は検出ビームBの照射範囲S内にある。
また、送電マーカ71が送電ユニット13の中心に配置されている関係上、第1回転中心線A1と送電マーカ71の中心とを通り、且つ、水平方向と平行に延びる直線L2は、送電ユニット13の直動方向と一致している。換言すれば、送電マーカ71は、直線L2が送電ユニット13の直動方向と一致する位置に配置されていると言える。以降の説明において、上記直線L2を直動線L2と言う。なお、送電ユニット13が初期位置に配置されている状況において、基準線L1と直動線L2とは一致している。換言すれば、基準線L1とは、初期位置における送電ユニット13の直動方向と一致する線である。
なお、図5に示すように、第2回転中心線A2と送電マーカ71の中心とを結び、且つ、水平方向と平行に延びる直線を直線L3とする。また、第2回転中心線A2と受電マーカ72の中心とを結び、且つ、水平方向と平行に延びる直線を直線L4とし、第1回転中心線A1と受電マーカ72の中心とを結び、且つ、水平方向と平行に延びる直線をL5とする。
ちなみに、図示は省略するが、送電機器11は、ユニット回転板41の回転角度を検出する回転角度センサと、直動駆動部51によって鉛直方向に直動するアーム部52の直動距離を検出する直動距離センサとを備えている。これら各センサは、検出結果を電源側コントローラ14に送信する。このため、電源側コントローラ14は、送電ユニット13の初期位置からの直動距離と、基準線L1と直動線L2とのなす角度とを把握可能となっている。
検出部60は、検出ビームBを照射した場合に発生する送電マーカ71からの反射ビームBrに基づいて、送電マーカ71の位置として送電マーカ71の外形に沿った位置情報を検出する。同様に、検出部60は、検出ビームBを照射した場合に発生する受電マーカ72からの反射ビームBrに基づいて、受電マーカ72の位置として受電マーカ72の外形に沿った位置情報を検出する。
ちなみに、照射範囲S内に2つのマーカ71,72が存在する場合、検出部60は、2つのマーカ71,72を検出する。この場合、送電ユニット13の初期位置は検出部60に最も近づいた位置であるため、基本的には、検出部60に近い側のマーカを送電マーカ71とみなし、検出部60に対して遠い側のマーカを受電マーカ72とみなす。
ここで、本実施形態では、検出部60は、第2回転中心線A2を中心に所定の走査角ずつ回転しながら、検出ビームBを照射して、各走査角における検出対象までの距離を検出する。この場合、同一走査角上に送電マーカ71及び受電マーカ72の双方が存在する場合には、検出部60は近い側のもの(送電マーカ71)を検出する。つまり、検出部60が距離を検出可能なものは、1つの走査角につき1つであり、1の走査角で送電マーカ71及び受電マーカ72の双方を検出することはできない。
電源側コントローラ14は、所定の頻度で、検出回転板62を回転させながら検出部60から検出ビームBを照射させることにより、受電ユニット23の受電マーカ72が検出されたか否か、詳細には照射範囲S内に2つのマーカ71,72が検出されたか否かを判定する。そして、電源側コントローラ14は、検出部60により受電マーカ72が検出された場合には、送電ユニット13の位置を調整する位置調整処理を実行する。以下、位置調整処理について説明する。なお、本実施形態において、位置調整処理の開始タイミングでは、送電ユニット13は初期位置にある。また、位置調整処理の実行前(検出部60による受電マーカ72の検出が行われている期間中)、及び、位置調整処理の実行中は、高周波電源12からの高周波電力の出力は停止している。
また、本実施形態では、車両Cは、検出部60が送電マーカ71と受電マーカ72とを区別して検出できる位置に駐車されているものとする。「検出部60が送電マーカ71と受電マーカ72とを区別して検出できる位置」とは、検出部60が受電マーカ72の少なくとも一部を検出できるように、検出部60から見て受電マーカ72が送電マーカ71に対してずれている位置である。
位置調整処理では、まず、検出部60を用いて、送電ユニット13及び受電ユニット23の位置を推定する。詳細には、図4及び図5(a),(b)に示すように、ステップS101にて、検出部60の検出結果を用いて、送電マーカ71の位置、詳細には第2回転中心線A2(検出部60)と送電マーカ71の中心との距離である送電側距離r1、及び、基準線L1と直線L3とのなす角度である送電側角度θ1を推定する。なお、本実施形態では、送電ユニット13が初期位置に配置されているため、送電側角度θ1は「0」である。その後、ステップS102にて、受電マーカ72の位置、詳細には第2回転中心線A2(検出部60)と受電マーカ72の中心との距離である受電側距離r2、及び、基準線L1と直線L4とのなす角度である受電側角度θ2を推定する。
図4に示すように、続くステップS103では、推定結果に基づいて、目標角度θxを算出する。目標角度θxは、図5(a)に示すように、現状の直動線L2と直線L5とのなす角度である。換言すれば、図5(c)に示すように、目標角度θxは、受電マーカ72の中心が直動線L2上に配置されるのに要する送電ユニット13の回転角度である。
ここで、検出部60(第2回転中心線A2)から見て基準線L1に対して左側の角度を「正(+)」とし、基準線L1に対して右側の角度を「負(−)」とする。この場合、目標角度θxは、基準線L1と直線L5とのなす角度から、基準線L1と直動線L2とのなす角度を引いた角度である。すなわち、仮に検出部60から見て基準線L1よりも右側に送電マーカ71が配置されている場合、基準線L1と直動線L2とのなす角度は「負」である。また、検出部60から見て基準線L1よりも左側に受電マーカ72が配置されている場合、基準線L1と直線L5とのなす角度は「正」である。この場合、目標角度θxは両角度の差であるため、絶対値としては加算された値となる。
電源側コントローラ14は、各回転中心線A1,A2間の距離Y1、各距離r1,r2及び各角度θ1,θ2に基づいて、三角関数を用いて目標角度θxを算出する。各回転中心線A1,A2間の距離Y1は、電源側コントローラ14の所定の記憶領域に記憶されている。
ここで、目標角度θxが各距離r1,r2及び各角度θ1,θ2に基づいて算出されることに着目すれば、目標角度θxは、送電ユニット13及び受電ユニット23の相対位置に基づいて算出されるものであると言える。つまり、電源側コントローラ14は、送電ユニット13及び受電ユニット23の相対位置を推定し、その推定結果に基づいて目標角度θxを算出している。
図4に示すように、目標角度θxの算出後は、ステップS104にて、回転モータ42を制御して、目標角度θxだけ送電ユニット13を回転させる。この場合、送電ユニット13の回転方向は、目標角度θxが正である場合には左回転とし、目標角度θxが負である場合には右回転とする。目標角度θxだけ回転したか否かは、回転角度センサからユニット回転板41の回転角度を取得して判断する。
送電ユニット13が目標角度θxだけ回転した後は、ステップS105にて、送電ユニット13が受電ユニット23の直下に位置するための目標距離rxを算出する。図5(c)に示すように、目標距離rxは、直動線L2上に送電マーカ71及び受電マーカ72が配置されている状況における各マーカ71,72の中心間の距離である。詳細には、目標距離rxは、第1回転中心線A1と受電マーカ72の中心との距離から、初期位置における第1回転中心線A1と送電マーカ71の中心との距離rkを差し引いた値である。なお、第1回転中心線A1と受電マーカ72の中心との距離は、受電側距離r2、受電側角度θ2、及び各回転中心線A1,A2間の距離Y1に基づいて算出される。また、第1回転中心線A1と送電マーカ71の中心との距離rkは、電源側コントローラ14の所定の記憶領域に予め記憶されていてもよいし、送電側距離r1、送電側角度θ1及び各回転中心線A1,A2間の距離Y1に基づき算出される構成でもよい。
その後、ステップS106にて、算出された目標距離rxだけ送電ユニット13が直動するよう直動駆動部51を制御して、本処理を終了する。なお、目標距離rxだけ移動したか否かは、直動距離センサの検出結果を取得して判断する。
電源側コントローラ14は、送電ユニット13の位置調整が終了したことに基づいて、車両用バッテリ22の充電を開始する。詳細には、電源側コントローラ14は、高周波電源12から高周波電力が出力されるよう高周波電源12を制御する。当該高周波電力の出力は、充電終了条件が成立するまで継続される。なお、充電終了条件とは、例えば車両用バッテリ22のSOC(充電状態)が予め定められた終了契機状態となったこと等が考えられる。
電源側コントローラ14は、車両用バッテリ22の充電が終了した場合には、高周波電源12からの高周波電力の出力を停止させ、その後、送電ユニット13が初期位置に配置されるよう当該送電ユニット13を移動させる。
次に本実施形態の作用として、送電ユニット13の一連の動作について図5を用いて説明する。なお、図示の都合上、図5においては、検出部60及び各マーカ71,72を図1等よりも拡大して示す。
図5(a)及び図5(b)に示すように、送電ユニット13が初期位置に配置されており、受電ユニット23が検出部60に対して受電側距離r2及び受電側角度θ2の位置に配置されている。この場合、図5(b)に示すように、検出部60により各マーカ71,72の外形に沿った位置情報(角度分布)が検出される。そして、各距離r1,r2及び各角度θ1,θ2が推定される。その後、図5(c)に示すように、送電ユニット13は、目標角度θxだけ回転する。
そして、図5(e)に示すように、送電ユニット13は、直動線L2に沿って直動する。この場合、図5(d)及び図5(f)に示すように、送電側距離r1が受電側距離r2に近づき、送電側角度θ1が受電側角度θ2に近づく。そして、送電ユニット13は、目標距離rxだけ直動して停止する。この場合、送電側距離r1と受電側距離r2とが一致し、且つ、送電側角度θ1と受電側角度θ2とが一致しており、送電ユニット13と受電ユニット23とが鉛直方向に対向する。なお、各角度θ1,θ2が同一である場合(θ1=θ2=0)、目標角度θxは「0」となり、送電ユニット13は回転することなく直動する。
以上詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
(1)送電ユニット13に、検出ビームBの照射方向と交差(より好ましくは直交)する方向に突出した送電マーカ71を設け、受電ユニット23に、検出ビームBの照射方向と交差(より好ましくは直交)する方向に突出した受電マーカ72を設けた。そして、検出部60は、検出ビームBを照射した場合に発生するマーカ71,72からの反射ビームBrに基づいて、送電ユニット13の位置及び受電ユニット23の位置を検出する構成とした。これにより、ユニット13,23にマーカ71,72が設けられている分だけ、検出ビームBが各マーカ71,72に照射され易い。よって、拡散角度が小さい検出ビームBを用いる場合であっても、各ユニット13,23を好適に検出することができる。
詳述すると、仮に指向性が低い(拡散角度が大きい)検出ビームBを用いる場合、検出ビームBの照射範囲Sが、検出部60から遠ざかるに従って徐々に広がってしまう。この場合、検出対象以外のものが照射範囲Sに含まれ易くなり、各ユニット13,23の誤検出等の事態が発生し得る。かといって、指向性が高い検出ビームBを用いる場合、各ユニット13,23に検出ビームBが照射されず、送電ユニット13及び受電ユニット23を検出できないおそれがある。
これに対して、本実施形態では、検出ビームBの照射方向と交差する方向に突出した各マーカ71,72が設けられているため、照射範囲Sが狭い検出ビームBを用いた場合であっても、当該照射範囲S内に各マーカ71,72が含まれ易い。これにより、指向性が高い検出ビームBを用いる場合において、各ユニット13,23を容易に検出することができる。よって、各ユニット13,23の双方の位置を好適に検出することができる。
(2)特に、送電ユニット13に送電マーカ71が設けられ、受電ユニット23に受電マーカ72が設けられているため、送電ユニット13の位置及び受電ユニット23の位置の双方を好適に検出することができる。そして、同一の検出部60を用いて、送電ユニット13の位置及び受電ユニット23の位置の双方を検出することを通じて、それぞれの位置を個別に検出する2つの検出部を設ける構成と比較して、構成の簡素化を図ることができるとともに、検出部ごとの検出誤差の影響を低減できる。
(3)検出部60は、検出ビームBの照射方向と直交する方向を軸線方向として回転可能である構成とした。詳細には、検出部60は、水平方向に検出ビームBを照射するものであって、鉛直方向を軸線方向として回転可能である。これにより、軸線方向と直交する方向、本実施形態では水平方向における照射範囲Sを広げることができる。よって、検出部60が検出可能な範囲の拡大を図ることができる。
(4)非接触電力伝送装置10は、送電ユニット13が設置される設置面Gと直交する方向(鉛直方向)を軸線方向として、送電ユニット13を回転させるユニット回転機構40と、当該ユニット回転機構40とは別に、設置面Gと直交する方向を軸線方向として、検出部60を回転させる検出回転機構としての検出回転板62とを備えている。これにより、送電ユニット13及び検出部60を個別に回転させることができる。よって、送電ユニット13の位置を検出できない等の不都合を回避できる。
詳述すると、仮に送電ユニット13及び検出部60が一体的に回転する場合、送電ユニット13の位置を検出しようとして検出部60を回転させると、送電ユニット13が一体的に回転する。この場合、検出部60の検出結果は、回転角度に関わらず送電ユニット13が検出される、又は、回転角度に関わらず送電ユニット13が検出されない、のいずれかである。このため、検出部60は、基準線L1に対する送電ユニット13の角度である送電側角度θ1を検出することができない。かといって、検出部60ではなく別のセンサを用いて送電ユニット13の位置を検出する構成では、上記(2)の効果を得ることができない。これに対して、本実施形態では、送電ユニット13及び検出部60が個別に回転可能となっているため、上記のような各不都合を回避できる。
(5)受電ユニット23は車両Cの底部C0に配置されており、送電ユニット13は車両Cが設置される設置面Gに配置されている。これにより、送電ユニット13と受電ユニット23とは鉛直方向(車高方向)に対向し得る。かかる構成において、検出部60は車両Cの底部C0と設置面Gとの間に検出ビームBを照射するものであり、送電マーカ71は上方に向けて突出しており、受電マーカ72は下方に向けて突出している。これにより、検出ビームBの照射範囲Sに、各マーカ71,72を突出させ易い一方、車両Cの底部C0にある凹凸(例えばスペアタイヤの収容スペースを区画する凹凸、電池パック、サスペンションの各種部品、マフラー等)や設置面G等は含まれにくい。よって、送電ユニット13及び受電ユニット23のみを好適に検出することができる。
(6)送電ユニット13を移動させる移動機構として、設置面Gと直交する方向を軸線方向として送電ユニット13を回転させるユニット回転機構40と、送電ユニット13の回転中心線(第1回転中心線A1)に対して径方向に送電ユニット13を移動させる直動機構50と、を設けた。そして、電源側コントローラ14は、検出部60の検出結果に基づいて、直動機構50の直動駆動部51及びユニット回転機構40の回転モータ42を制御する構成とした。これにより、送電ユニット13と受電ユニット23との位置合わせを好適に行うことができる。よって、仮に車両Cの駐車態様のばらつき等によって、送電ユニット13と受電ユニット23とが位置ずれしている場合であっても、送電ユニット13を移動させることにより、電力伝送を好適に行うことができる。
(7)各マーカ71,72は可倒性である。これにより、仮に障害物等に衝突した場合には、各マーカ71,72は倒れて、その後復帰する。よって、各マーカ71,72を設けることによって生じ得る不都合、詳細には各マーカ71,72が障害物等と衝突する等といったことを回避できる。
(8)非接触電力伝送装置10は、各ユニット13,23の位置を検出する検出部60を用いて、電力伝送対象の車両Cを検出する構成とした。詳細には、電源側コントローラ14は、検出部60により受電マーカ72が検出されたことに基づいて、位置調整処理を実行し、その後高周波電源12から高周波電力を出力させる。これにより、各ユニット13,23の位置検出に係る構成と、電力伝送対象の検出に係る構成とが兼用されている。よって、構成の簡素化を図ることができる。また、高周波電力の出力は、電力伝送対象が検出され、位置調整処理が終了するまで、停止している。これにより、感電や漏電等を抑制できるとともに、待機電力の低減を図ることができる。
(9)送電ユニット13の回転中心である第1回転中心線A1と、検出部60の回転中心である第2回転中心線A2とがずれている。これにより、検出部60の配置の自由度の向上を図ることができる。しかしながら、各回転中心線A1,A2がずれている場合、受電側角度θ2と、直動線L2上に受電マーカ72の中心が配置されるための目標角度θxとが異なる。
これに対して、本実施形態では、電源側コントローラ14は、検出部60の検出結果から推定される各情報(各距離r1,r2及び各角度θ1,θ2)、及び、各回転中心線A1,A2間の距離Y1に基づいて、目標角度θxを算出する。これにより、上記のように各回転中心線A1,A2がずれている場合であっても、目標角度θxを算出することができ、送電ユニット13及び受電ユニット23の位置合わせを好適に行うことができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、検出部60の位置が第1実施形態と異なっている。詳細には、図6(a)等に示すように、検出部60は、検出部60(検出回転板62)の第2回転中心線A2と送電ユニット13の回転中心線である第1回転中心線A1とが一致する位置に配置されている。
本実施形態における位置調整処理について説明する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、まず、電源側コントローラ14は、検出部60を用いて、送電ユニット13の位置(送電側距離r1,送電側角度θ1)及び受電ユニット23の位置(受電側距離r2,受電側角度θ2)を推定する。そして、電源側コントローラ14は、目標角度θxを算出する。
ここで、各回転中心線A1,A2が一致しているため、目標角度θxは、送電側角度θ1と受電側角度θ2との差である。特に、送電ユニット13が初期位置に配置されている場合には送電側角度θ1は「0」であるため、目標角度θxは受電側角度θ2と一致する(θx=θ2)。
図6(c)及び図6(d)に示すように、目標角度θxが算出された場合には、送電側角度θ1が目標角度θxと一致するよう、送電ユニット13を回転させる。
その後、電源側コントローラ14は、第1実施形態と同様に目標距離rxを算出する。図6(c)に示すように、目標距離rxは、受電側距離r2と送電側距離r1との差である。この目標距離rxの算出は、送電マーカ71と受電マーカ72との相対位置の検出(導出)とも言える。
そして、図6(e)及び図6(f)に示すように、電源側コントローラ14は、その目標距離rxだけ送電ユニット13を直動させる。
本実施形態の作用について説明する。
送電ユニット13の回転中心線である第1回転中心線A1と、検出部60の回転中心線である第2回転中心線A2とが一致している。このため、目標角度θxは、検出部60の検出結果から推定された各角度θ1,θ2の差となり、目標距離rxは、各距離r1,r2の差となる。
以上詳述した本実施形態によれば、(1)〜(8)の効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。
(10)各回転中心線A1,A2が一致している。これにより、三角関数を用いることなく、単純な加減算にて目標角度θx及び目標距離rxを算出することができる。よって、目標角度θx及び目標距離rxに係る処理の簡素化を図ることができ、それを通じて処理負荷の軽減及び目標角度θx及び目標距離rxの算出に係る時間の短縮化を図ることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、非接触電力伝送装置10は、設置面Gに沿う方向に検出ビームBを照射する検出部として、第1検出部81及び第2検出部82を備えている。
図7(a)等に示すように、第1検出部81の検出ビーム(以降単に第1検出ビームB1という)は、送電マーカ71の中心及び第1回転中心線A1を結ぶ直線状に照射されるものであり、送電ユニット13の直動方向(直動線L2)に沿うように照射される。送電ユニット13が初期位置に配置されている場合、第1検出ビームB1の照射方向は基準線L1に沿っている。
第2検出部82の検出ビーム(以降第2検出ビームB2という)は、第1回転中心線A1にて、第1検出ビームB1と交差するよう照射されている。この場合、各検出ビームB1,B2でなす角度を交差角度θmとする。電源側コントローラ14(図1参照)の所定の記憶領域には、交差角度θmに関する情報が記憶されている。
ここで、各検出部81,82は、送電ユニット13の回転に伴い回転する。詳細には、各検出部81,82は、ユニット回転板41(図1参照)の底面において、当該底面の中央を中心とする所定の半径の円弧(図7の2点鎖線参照)上に並んで配置されている。この場合、各検出部81,82の回転中心線である第2回転中心線A2は、送電ユニット13の回転中心線である第1回転中心線A1と一致している。なお、本実施形態では、検出回転板62は省略されている。また、アーム部52は、検出部81,82の後方(検出ビームB1,B2の照射方向とは反対側)を通って送電ユニット13に接続されている。
かかる構成によれば、送電ユニット13と各検出部81,82とが一体的に回転するため、送電ユニット13及び各検出部81,82の角度関係は固定されている。つまり、ユニット回転板41の回転角度に関わらず、第1検出ビームB1は、送電マーカ71に照射される。このため、第1検出部81は、ユニット回転板41の回転角度に関わらず、送電マーカ71の位置を検出する。一方、第2検出ビームB2は、ユニット回転板41の回転角度に関わらず、送電マーカ71には照射されない。つまり、第2検出部82にて検出されるマーカは受電マーカ72のみである。
次に、本実施形態における位置調整処理について説明する。
まず図7(a)に示すように、電源側コントローラ14は、送電ユニット13が初期位置に配置されている状況から、送電ユニット13及び各検出部81,82を回転させる。すると、図7(b)に示すように、第2検出ビームB2の照射方向と直線L4,L5とが一致する箇所にて、第2検出ビームB2の照射線上に受電マーカ72が配置される。そして、第2検出部82は、受電マーカ72の位置を検出した場合に、受電マーカ72を検出したことを電源側コントローラ14に送信する。
電源側コントローラ14は、第2検出部82により受電マーカ72の位置が検出された場合、受電マーカ72の中心が直動線L2上に配置されるように、交差角度θmだけ送電ユニット13等を回転させる。なお、送電ユニット13等が交差角度θmだけ回転したか否かの判定は、回転角度センサの検出結果に基づいて行われる。
図7(c)に示すように、送電ユニット13等の回転が完了した場合、第1検出ビームB1の照射線上に、送電マーカ71の中心及び受電マーカ72の中心が並んで配置される。この場合、電源側コントローラ14は、目標距離rx(=r2−r1)を算出し、送電ユニット13が目標距離rxだけ直動するよう直動駆動部51を制御する。なお、受電側距離r2は、第1検出部81の検出結果に基づいて推定される。
次に本実施形態の作用について説明する。
第1検出部81によって送電マーカ71が検出され、第2検出部82によって受電マーカ72が検出される。このため、各検出部81,82が送電ユニット13の回転に伴って回転する場合であっても、送電ユニット13の位置及び受電ユニット23の位置が検出可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、(1)〜(3)、(5)〜(8)及び(10)の効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。
(11)送電ユニット13が設置面Gと直交する方向を軸線方向として回転する構成において、第1検出部81及び第2検出部82は、送電ユニット13の回転に伴って回転する構成とした。これにより、検出回転板62を省略することができ、構成の簡素化を図ることができる。
かかる構成において、第1回転中心線A1と送電マーカ71の中心とを結ぶ直線状の第1検出ビームB1を照射する第1検出部81と、第1回転中心線A1にて第1検出ビームB1と交差する第2検出ビームB2を照射する第2検出ビームB2を照射する第2検出部82とを設けた。これにより、各検出部81,82が送電ユニット13の回転に伴って回転する場合であっても、各マーカ71,72を検出することができる。
特に、各検出部81,82を回転させるための検出回転機構(検出回転板62や当該検出回転板62を回転させる回転モータ)は、検出部81,82と比較して、大型で複雑なものとなり易い。この点、本実施形態では、上記検出回転機構を設けなくても、各ユニット13,23の位置検出を実現でき、構成の簡素化を図ることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、図8に示すように、受電マーカ91は、送電マーカ71よりも突出方向と直交する方向に大きく形成されている。詳細には、受電マーカ91の径は、送電マーカ71の径よりも長く設定されている。この場合、第2回転中心線A2と受電マーカ91の中心とを結ぶ直線L4上に送電マーカ71の中心が配置されている状況において、検出部60から見て、送電マーカ71の両側に受電マーカ91の一部が配置されている。詳細には、受電マーカ91は、直線L4上に送電マーカ71の中心が配置されている状況における第2回転中心線A2を中心とする送電マーカ71の投影領域よりも大きく形成されている。なお、図8に示すように、各回転中心線A1,A2は一致しているが、これに限られず、第1実施形態のように各回転中心線A1,A2がずれていてもよい。
本実施形態の作用について説明する。
受電マーカ91に係る検出値の角度分布は、送電マーカ71に係る検出値の角度分布よりも広くなっている。このため、仮に第2回転中心線A2を通る同一直線上に各マーカ71,91の中心が配置されている場合であっても、検出部60において、ある走査角では送電マーカ71からの反射ビームBrが検出され、別の走査角では受電マーカ91からの反射ビームBrが検出される。このため、送電マーカ71と受電マーカ91とを区別して把握可能となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、(1)〜(8)等の効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。
(12)受電マーカ91を、送電マーカ71よりも、突出方向と直交する方向に大きくした。これにより、受電マーカ91の中心と第2回転中心線A2とを結ぶ直線L4上に送電マーカ71の中心が配置された場合であっても、送電マーカ71及び受電マーカ91の双方を検出することができる。よって、検出部60(第2回転中心線A2)、送電マーカ71の中心及び受電マーカ91の中心が同一直線上に重なることに起因して各マーカ71,91を区別して検出することができないといった不都合を回避できる。
詳述すると、第1実施形態では、送電マーカ71の突出寸法Z1は、送電マーカ71の先端が検出ビームBの照射範囲Sの上端面S2よりも下方となるよう設定されているため、検出ビームBの一部は、送電マーカ71に阻害されることなく、受電マーカ91に照射される。しかしながら、検出部60は、1つの走査角において距離が異なる2つの物体を検出できない。このため、検出部60は、完全に同一直線上に同一形状の物体が並んでいる場合、両者を区別して検出することができない。
また、上記のように送電マーカ71の突出寸法Z1を設定した場合であっても、設置面Gの起伏や、検出部60と送電ユニット13との位置ずれ等によっては、送電マーカ71の上端が照射範囲Sの上端面S2よりも上方に突出する場合がある。また、送電マーカ71の上端が照射範囲Sの上端面S2よりも上方に突出するよう送電マーカ71の突出寸法Z1を積極的に長くしたり、検出ビームBの照射範囲Sの鉛直方向の長さSzを短くしたりする場合もある。この場合、1つの走査角において距離が異なる2つの物体を検出できる検出部であっても送電マーカ71の奥側の受電マーカ72を検出することができない。
これに対して、本実施形態では、受電マーカ91の中心と検出部60とを結ぶ直線上に送電マーカ71の中心が配置された場合であっても、検出部60から見て、受電マーカ91の一部が、送電マーカ71よりも突出方向と直交する方向に存在し、その部分に検出ビームBが照射される。これにより、送電マーカ71の上端が照射範囲Sの上端面S2よりも上方に突出している場合等であっても、送電マーカ71及び受電マーカ91を区別して検出することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、図9に示すように、受電ユニット23に複数(詳細には2つ)の受電マーカ101,102が設けられている。これらの受電マーカ101,102は、受電ユニット23の中心に対してずれた位置に配置されている。受電マーカ101,102は、受電ユニット23の中心に対して点対称の位置に配置されている。各受電マーカ101,102間の距離は、送電マーカ71の直径と同一又はそれよりも若干長い。
なお、本実施形態では、各回転中心線A1,A2は一致しており、検出部60と送電ユニット13とは個別に回転可能である。なお、これに限られず、第1実施形態のように、各回転中心線A1,A2は、ずれて配置されていてもよい。
次に、図10を用いて位置調整処理について説明する。なお、図示の簡略化のため、図10(b)、図10(d)及び図10(f)においては、各受電マーカ101,102の距離は同一に示したが、実際には若干異なっている。
ちなみに、位置調整処理においては、受電ユニット23は、検出部60から見て各受電マーカ101,102が個別に検出可能な位置に配置されているとする。「検出部60から見て各受電マーカ101,102が個別に検出可能な位置」とは、同一直線上に各受電マーカ101,102及び検出部60が配置されないような位置であり、例えば各受電マーカ101,102の対向方向がX方向に沿っている位置等が考えられる。
まず、図10(a)及び図10(b)に示すように、電源側コントローラ14は、検出部60を用いて、送電マーカ71及び各受電マーカ101,102の位置を推定する。そして、電源側コントローラ14は、各受電マーカ101,102の相対位置関係に基づいて、検出部60に対する各受電マーカ101,102の中心位置Pの距離(中心距離rc)及び、中心位置Pと各回転中心線A1,A2とを結び且つ水平方向に延びた直線と、基準線L1とのなす角度を目標角度θxとして算出する。
その後、図10(c)及び図10(d)に示すように、電源側コントローラ14は、中心位置Pと各回転中心線A1,A2とを結ぶ直線上に送電マーカ71の中心が配置されるよう送電ユニット13を回転させる。具体的には、電源側コントローラ14は、目標角度θxだけ送電ユニット13を回転させる。
送電ユニット13が目標角度θxまで回転した場合には、電源側コントローラ14は、目標距離rx(=rc−r1)を算出し、その目標距離rxだけ送電ユニット13を直動させる。詳細には、図10(e)及び図10(f)に示すように、電源側コントローラ14は、中心位置Pと各回転中心線A1,A2とを結ぶ直線に沿って送電ユニット13を直動させる。
次に本実施形態の作用について説明する。
各受電マーカ101,102の中心位置Pが、送電マーカ71が向かうべき目標位置として設定される。このため、同一直線上に、送電マーカ71と受電マーカ101,102とが配置されにくい。
以上詳述した本実施形態によれば、(1)〜(8)等の効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。
(13)受電ユニット23に複数の受電マーカ101,102を設けた。そして、電源側コントローラ14は、各受電マーカ101,102の相対位置関係に基づいて目標距離rx及び目標角度θxを算出する。詳細には、各受電マーカ101,102を受電ユニット23の中心に対して点対称に配置した。そして、電源側コントローラ14は、各受電マーカ101,102の中心位置Pを算出し、その中心位置Pに基づいて目標距離rx及び目標角度θxを算出する。これにより、送電ユニット13が目標角度θxに回転した場合に、検出部60から見て、送電マーカ71と各受電マーカ101,102とが重なりにくい。よって、(12)にて説明した効果を奏する。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 受電マーカ72は、受電ユニット23に設けられている必要はない。例えば、受電マーカ72は、車両Cの底部C0のうち受電ユニット23に対して離れた位置に配置されていてもよい。この場合、検出部60は、受電マーカ72からの反射ビームBrに基づいて、受電マーカ72の位置を検出する。そして、電源側コントローラ14は、検出部60の検出結果、及び、受電マーカ72と受電ユニット23との相対位置に基づいて、受電ユニット23の位置を特定すればよい。この場合、電源側コントローラ14が特定部に対応する。
なお、受電マーカ72と受電ユニット23との相対位置に関するパラメータとしては、例えば両者間の距離、及び、両者を結ぶ直線と車両Cの前後方向とのなす角度等が考えられる。この場合、電源側コントローラ14は、基準線L1と車両Cの前後方向とのなす角度を把握し、その把握結果及び上記相対位置に基づいて受電ユニット23の位置を特定すればよい。「基準線L1と車両Cの前後方向とのなす角度」は、例えば検出部60を用いて車両Cの一対の後輪タイヤの各位置を検出し、その検出結果から導出してもよいし、車両のGPS情報等を用いてもよい。また、少なくとも2つの受電マーカを設け、これらの各位置から車両Cの前後方向を導出してもよい。
○ 各マーカ71,72のいずれか一方を省略してもよい。要は、送電ユニット13及び受電ユニット23の少なくとも一方に、検出ビームBの照射方向と交差する方向に突出したマーカが設けられていればよい。この場合であっても、マーカが設けられたユニットの位置を好適に検出することができる。
○ 第1実施形態等では、送電ユニット13の中心に送電マーカ71が配置され、受電ユニット23の中心に受電マーカ72が配置されていたが、これに限られず、配置位置については任意である。例えば送電マーカ71及び受電マーカ72のいずれか一方を、中心からずれた位置に配置してもよい。
○ ここで、送電マーカ71が送電ユニット13の中心よりも外周側に偏倚した位置にある場合、直線L2と、送電ユニット13の直動方向とが異なる。この場合、目標角度θxの調整等の際に別途補正するとよい。
○ 各マーカ71,72の形状は円柱状であったが、これに限られず、検出ビームBの照射方向と交差する方向に突出していれば、各マーカ71,72の形状は任意である。例えば角柱状であってもよいし、筒状であってもよい。また、各マーカ71,72の構成材料は、可倒性のものであったが、これに限られず、任意である。
○ ユニット回転機構40を省略して、手動で送電ユニット13の回転方向の位置合わせを行う構成としてもよい。例えば送電機器11に鏡を設け、当該鏡を見ながら手動で送電ユニット13の角度を調整してもよい。
○ ステップS101にて推定された送電側距離r1及び送電側角度θ1から、送電ユニット13が初期位置に配置されていることを確認してもよい。この場合、仮に送電ユニット13が初期位置に対してずれた位置に配置されている場合には、初期位置に配置されるよう位置合わせを行なってもよい。
○ 送電ユニット13の初期位置は任意である。例えば、受電マーカ72が配置可能な範囲外の位置を初期位置としてもよい。この場合、送電ユニット13が初期位置に配置されている状況において、検出部60から見て、送電マーカ71と受電マーカ72とが重なることを回避できる。
○ ステップS101及びステップS102にて、送電マーカ71と受電マーカ72とを個別に検出できない場合には、送電ユニット13を回転させてもよい。これにより、検出部60から見た各マーカ71,72の重なりを回避することができる。
○ 第2実施形態において、受電側角度θ2に対して若干ずれた角度を目標角度θxとしてもよい。この場合、送電ユニット13が目標角度θxまで回転した場合、検出部60から見て送電マーカ71と受電マーカ72とがずれている。かかる構成において、電源側コントローラ14は、両者の距離r1,r2を推定しながら、送電ユニット13を直動させ、両者の距離r1,r2が一致した場合には、送電ユニット13の直動を停止させる。そして、電源側コントローラ14は、角度ずれを低減させるべく、目標角度θxと受電側角度θ2とのずれ方向とは逆方向に再度送電ユニット13を回転させてもよい。これにより、各マーカ71,72の重なりに起因して、各マーカ71,72を検出できない事態を回避できる。
○ ステップS102にて推定された受電側角度θ2、又は、ステップS103にて算出された目標角度θxが、予め定められた許容範囲外である場合には、エラーとして位置調整処理を終了してもよい。上記許容範囲としては、例えば送電ユニット13が回転可能な角度範囲が考えられる。
○ 受電ユニット23は車両Cの底部C0に設置されていたが、これに限られず、受電ユニット23の設置位置は任意である。例えば、受電ユニット23を車両Cの後部又は側部に設置してもよい。この場合、設置面Gに対して起立し、且つ、車両Cの後部又は側部に対向し得る壁部を設け、当該壁部に送電ユニット13を配置してもよい。この場合、例えば、受電マーカ72は、壁部に向けて突出しており、検出部60は受電マーカ72の突出方向と交差する方向に検出ビームBを照射すればよい。
○ 移動機構として直動機構50及びユニット回転機構40が設けられていたが、これに限られず、送電ユニット13を移動させる機構は任意である。例えば送電ユニット13をX方向及びY方向に移動可能なアクチュエータを設ける構成であってもよい。
○ 直動機構50及びユニット回転機構40の具体的な構成は実施形態のものに限られず、任意である。例えば、送電ユニット13を直動させるものとして、設置面Gに沿う方向に伸縮可能なアーム部を用いてもよい。
○ 直動機構50及びユニット回転機構40の少なくとも一方を省略してもよい。
○ 直動駆動部51及び回転モータ42の制御主体は任意である。例えば、車両側コントローラ25が、電源側コントローラ14を介して、これら直動駆動部51及び回転モータ42に指令を送信してもよい。同様に、位置調整処理の実行主体は任意である。例えば車両側コントローラ25が位置調整処理を実行してもよい。この場合、電源側コントローラ14は、定期的に検出部60の検出結果を車両側コントローラ25に送信する。車両側コントローラ25は、電源側コントローラ14から受信した情報に基づいて、目標角度θx等を算出し、その算出結果に基づいて、電源側コントローラ14を介して、各種指令を送信するとよい。上記別例においては、車両側コントローラ25が「制御部」に対応する。要は、検出部60と、位置調整処理の実行主体とは、同一機器にある必要はなく、別機器にあってもよい。この場合、検出部60が設けられている機器のコントローラが、検出部60の検出結果を位置調整処理の実行主体に送信すればよい。
○ 検出部60は送電機器11に設けられていたが、これに限られず、車両Cに設けられていてもよい。
○ 送電ユニット13を移動させるのに代えて又は加えて、受電ユニット23を移動させてもよい。
○ 第5実施形態においては、受電ユニット23を回転させる回転機構を設けてもよい。この場合、位置調整を行う場合には、受電マーカ101,102の対向方向がX方向に沿うように受電ユニット23を回転させるとよい。これにより、仮に受電マーカ101,102の対向方向がX方向と交差するように受電ユニット23が配置されている場合であっても、位置調整を好適に行うことができる。
○ 第5実施形態では、受電マーカ101,102は2つ設けられていたが、これに限られず、3つ以上であってもよい。また、送電マーカを複数設けてもよい。
○ 設置面Gに対する送電マーカ71の上端の高さ位置が、受電マーカ72の下端の高さ位置よりも高くてもよい。
○ 検出部60は、同一走査角において、送電マーカ71及び受電マーカ72の双方を区別して検出可能なものであってもよい。
○ 電源側コントローラ14は、検出部60の検出結果を参照しながら、送電マーカ71の中心が、第1回転中心線A1と受電マーカ72の中心とを結ぶ直線L5上に配置されるよう送電ユニット13の回転のフィードバック制御を行ってもよい。同様に、電源側コントローラ14は、検出部60の検出結果を参照しながら、送電側距離r1と受電側距離r2とが同一となるよう、送電ユニット13の直動のフィードバック制御を行なってもよい。
○ 検出部の具体的な構成として、例えば可視光又は赤外光の検出ビームを照射し、その反射ビームを2台以上のカメラ等で撮影し、その画像における各マーカ71,72の座標情報から、各マーカ71,72の位置を検出するものであってもよい。なお、カメラに代えて、ラインセンサ等で受光して上記座標情報を特定するものであってもよい。かかる構成によれば、マーカ71,72とその他の部分とのコントラストの差が大きい場合には、反射ビームの時間差から距離を検出する方式と比較して、要求される信号処理精度が低くて済む。よって、検出部の低コスト化を図ることができる。
○ 検出ビームBの照射方向は、設置面Gに沿う方向に限られず、設置面Gに対して交差する方向であってもよい。
○ 第4実施形態において、送電マーカを受電マーカよりも大きく形成してもよい。
○ 電源側コントローラ14は、検出部60の検出結果から、各距離r1,r2及び各角度θ1,θ2を推定したが、これに限られず、検出部60の検出結果をそのまま各ユニット13,23の位置として採用し、それに基づき目標角度θx等を算出してもよい。
○ 送電ユニット13に1次側コンデンサが設けられており、受電ユニット23に2次側コンデンサが設けられていたが、これらを省略してもよい。この場合、各コイル13a,23aの寄生容量を用いて磁場共鳴させる。
○ 送電ユニット13の共振回路の共振周波数と受電ユニット23の共振回路の共振周波数とは、電力伝送が可能な範囲内で異なってもよい。
○ 非接触の電力伝送を実現させるために電磁誘導を用いてもよい。
○ 2次側コイル23aによって受電された高周波電力を、充電以外の用途に用いてもよい。
○ 受電機器21の搭載対象は任意であり、例えばロボット等の他の装置に搭載されていてもよい。
○ 送電ユニット13は、1次側コイル13a及び1次側コンデンサからなる共振回路と、その共振回路と電磁誘導で結合する1次側結合コイルとを有する構成であってもよい。この場合、上記共振回路は、上記1次側結合コイルから電磁誘導によって高周波電力を受ける構成とする。同様に、受電ユニット23は、2次側コイル23a及び2次側コンデンサからなる共振回路と、その共振回路と電磁誘導で結合する2次側結合コイルとを有し、2次側結合コイルを用いて受電ユニット23の共振回路から高周波電力を取り出してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)前記非接触電力伝送装置は、
前記送電ユニットを、当該送電ユニットが設置される設置面と直交する方向を軸線方向として回転させるユニット回転機構と、
前記検出部として、前記設置面に沿う方向に前記検出ビームを照射するものであって、前記送電ユニットの回転に伴い回転する第1検出部及び第2検出部と、
を備え、
前記第1検出部の検出ビームは、前記送電側突出部と前記送電ユニットの回転中心線とを結ぶ直線状であり、
前記第2検出部の検出ビームは、前記送電ユニットの回転中心線にて、前記第1検出部の検出ビームと交差している請求項4に記載の非接触電力伝送装置。
(ロ)前記移動機構は、
前記送電ユニットを、当該送電ユニットが設置される設置面と直交する方向を軸線方向として回転させるユニット回転機構と、
前記送電ユニットの回転中心線に対して径方向に前記送電ユニットを移動させる直動機構と、
を備えている請求項6に記載の非接触電力伝送装置。
10…非接触電力伝送装置、11…送電機器、12…高周波電源、13…送電ユニット、13a…1次側コイル、14…電源側コントローラ、21…受電機器、23…受電ユニット、23a…2次側コイル、25…車両側コントローラ、40…ユニット回転機構、50…直動機構、60…検出部、62…検出回転板、71…送電マーカ、72…受電マーカ、C…車両、C0…車両の底部、G…設置面、A1,A2…回転中心線、B…検出ビーム、Br…反射ビーム、S…照射範囲。

Claims (9)

  1. 交流電力が入力される1次側コイルを有する送電ユニットと、
    前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルを有する受電ユニットと、
    を備えた非接触電力伝送装置において、
    前記送電ユニット及び前記受電ユニットの少なくとも一方には、位置検出に用いられる検出ビームの照射方向と交差する方向に突出した突出部が設けられており、
    前記検出ビームを照射するものであって、前記検出ビームを照射した場合に発生する前記突出部からの反射ビームに基づいて、前記突出部が設けられている前記送電ユニット及び前記受電ユニットの少なくとも一方の位置を検出する検出部を備えていることを特徴とする非接触電力伝送装置。
  2. 前記突出部として、
    前記送電ユニットに設けられた送電側突出部と、
    前記受電ユニットに設けられた受電側突出部と、
    を備え、
    前記検出部は、前記検出ビームを照射した場合に発生する前記送電側突出部からの反射ビーム、及び、前記受電側突出部からの反射ビームに基づいて、前記送電ユニット及び前記受電ユニットの位置を検出する請求項1に記載の非接触電力伝送装置。
  3. 前記受電ユニットは車両の底部に配置されており、
    前記送電ユニットは、前記車両が設置される設置面に配置されており、
    前記検出部は、前記車両の底部と前記設置面との間に前記検出ビームを照射するものであり、
    前記送電側突出部は上方に向けて突出しており、
    前記受電側突出部は下方に向けて突出している請求項2に記載の非接触電力伝送装置。
  4. 前記検出部は、前記検出ビームの照射方向と直交する方向を軸線方向として回転可能である請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の非接触電力伝送装置。
  5. 前記非接触電力伝送装置は、
    前記送電ユニットが設置される設置面と直交する方向を軸線方向として、前記送電ユニットを回転させるユニット回転機構と、
    前記ユニット回転機構とは別に、前記設置面と直交する方向を軸線方向として、前記検出部を回転させる検出回転機構と、
    を備えている請求項4に記載の非接触電力伝送装置。
  6. 前記送電ユニットを移動させる移動機構と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記移動機構を制御する制御部と、
    を備えている請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の非接触電力伝送装置。
  7. 交流電力が入力される1次側コイルを有する送電ユニットと、
    前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルを有する受電ユニットと、
    を備えた非接触電力伝送装置において、
    前記受電ユニットは、車両の底部に配置されており、
    前記非接触電力伝送装置は、
    前記車両の底部に設けられ、下方に突出した突出部と、
    前記車両が設置される設置面に沿う方向に検出ビームを照射するものであって、前記検出ビームを照射した場合に発生する前記突出部からの反射ビームに基づいて、前記突出部の位置を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果、及び、前記突出部と前記受電ユニットとの相対位置に基づいて、前記受電ユニットの位置を特定する特定部と、
    を備えていることを特徴とする非接触電力伝送装置。
  8. 交流電力が入力される1次側コイルを有する送電ユニットを備え、2次側コイルを有する受電機器に対して非接触で前記交流電力を送電可能な送電機器において、
    前記送電ユニットには、位置検出に用いられる検出ビームの照射方向と交差する方向に突出した送電側突出部が設けられていることを特徴とする送電機器。
  9. 交流電力が入力される1次側コイルを有する送電機器から非接触で前記交流電力を受電可能な受電機器において、
    前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルを有する受電ユニットを備え、
    前記受電ユニットには、位置検出に用いられる検出ビームの照射方向と交差する方向に突出した受電側突出部が設けられていることを特徴とする受電機器。
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