JP2015024373A - 無機/有機ハイブリッド化合物からなる分離膜およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、孔径が50nm〜10μmの精密濾過膜は、ミネラルウォーターの無菌化など微生物の除去や、浄水過程の濁質成分の除去などに使用されている。
例えば、孔径が10nm〜1nmの限外濾過膜は、細菌やウイルスの除去、蛋白質、酵素など熱に弱い物質の分離・濃縮、人工透析、生酒・生ビールの製造において酵母を分離除去して加熱殺菌することなく発酵を止めること、などに使用されている。
例えば、孔径が2nm以下の逆浸透膜は、海水淡水化、工業用純水・超純水の製造、果汁や牛乳の濃縮、排水の浄化などに使用されている。
また、このような孔径の小さな膜は、分子ふるいとして各種用途に使用され、例えば、パーベーパレーション法によるアルコールその他の濃縮や、あるいは気体の分離などにも使用される。
多孔質膜を得る方法としては、熱誘起相分離法、放射線トラック・エッチング法、延伸法などがある。
分離対象が非常に小さな逆浸透膜などでは、非対称な多孔質膜を製造するためのロブ・スリラーヤン法が有名である。このロブ・スリラーヤン法では、酢酸セルロースなどのキャスト膜を表面のみ乾いた状態で水に浸漬し、乾いていない部分だけに相分離によって孔ができる現象を利用して、膜中に非対称に孔を形成する。この時、最初に乾いていた表面の薄膜が緻密層となる。
分離操作を行う時には、一般的に、それら膜モジュールに対象とする液体(場合によっては気体)を加圧導入して、分離処理能力を上げている。
また、−Si−X−Si−結合を有する無機有機ハイブリッド逆浸透膜(Xは一つ以上の水素が置換されていてもよい飽和又は不飽和アルキル鎖)を備えることを特徴とする逆浸透フィルターなども提案されている(特許文献2を参照)。
無機酸化物の成分が珪酸化合物、タングステン酸化合物、モリブデン酸化合物、錫酸化合物の場合には、これらの塩とポリビニルアルコールが共存する溶液中で、これらの塩を酸で中和する。
一方、無機酸化物の成分がジルコン酸化合物の場合には、ジルコニウム塩あるいはオキシジルコニウム塩をポリビニルアルコールの共存下、アルカリで中和する。ただし、ジルコン酸化合物の場合、原料液の中和工程の前に溶媒を除去して成形してしまい、成形後にアルカリと接触させることによって中和を行う方法も考案されている(特許文献8を参照)。
いずれの場合も、中和反応によって生成した生まれたての無機酸化物の反応活性が高く、その近傍のポリビニルアルコールと結合が生じる現象を基本としている。すなわち、中和反応時にポリビニルアルコールが共存していることが重要である。
例えば、前述した固体電解質と同様の無機/有機ハイブリッド化合物は、不斉配位子を持つ立体選択性金属錯体触媒を多量に固定することができ、固定化触媒として使用することができる(特許文献9を参照)。
さらに、これら無機/有機ハイブリッド化合物中に、パラジウムなどの金属ナノ粒子を多量に導入することが可能であり、そのようなタイプの触媒も開示されている(特許文献10を参照)。
また、分離膜は、孔のサイズによって分離を行うものであり、本来意図する分離対象に適合した所望の孔径に任意に制御できることが好ましいが、従来の分離膜はサイズを自在に変えて孔を開けることは難しい。また、いったん作製した孔のサイズを使用場面に応じて調節することも難しいため、意図したサイズのものを分離するためには、孔のサイズが段階的に異なる、多くの種類の膜をあらかじめ作製しておく必要があり、高コストとなってしまう。
これらのファウリング防止策を適用可能にするためには、膜の化学的安定性、熱的安定性を高める必要があり、その方法として4フッ化エチレンなど特殊な有機ポリマーであるフッ素樹脂を使用することが考えられるが、フッ素樹脂の使用により膜は高価となってしまい、また廃棄時に膜を燃焼させると有毒のフッ化水素が出るという問題もある。
これらゾル・ゲル法に使用する特殊原料は、高価であると共に不安定であるために、取り扱いが難しく、毒性のあるものも多い。
また、−Si−X−Si−結合を有する無機有機ハイブリッド逆浸透膜を備えた逆浸透フィルターも、−Si−X−Si−結合を形成するためには、当然ビスエトキシシリルエタンなどのさらに特殊で高価なアルコキシド原料を用いて、ゾル・ゲル法を使用して合成するしかない。実際にも、合成方法としてゾル・ゲル法しか開示されていないが、ゾル・ゲル法である限りは、上記の無機−有機複合体と同様に、高コスト、不安定な原料の取り扱い、原料の有毒性などの問題がある。
また、ゾル・ゲル法を用いた無機/有機ハイブリッド材料は、一般に、実用的な大面積の膜を作製するのが困難である。
そして、製造した一種類の分離膜から加熱処理だけで多種類の孔径の分離膜を得ることができるため、従来の分離膜のように、孔径の異なる多種類の分離膜を一から製造する必要がないため、従来の分離膜と比較して大幅にコストを低減することができる。
さらに、本発明の分離膜を構成する無機/有機ハイブリッド化合物は、200℃以上にも耐えるだけの高い耐熱性があり、ファウリング防止のため高温スチーム処理を行うことも可能である。
特許文献2の無機有機ハイブリッド逆浸透膜は、加水分解を防止するために−Si−X−Si−結合の無機有機ハイブリッドとしたとあるが、後述するように、珪酸化合物、タングステン酸化合物、ジルコン酸化合物などの無機酸化物とポリビニルアルコールを選択し、それらを結合させた本発明のハイブリッド化合物にすれば、−Si−X−Si−結合でなくとも熱水中においても加水分解することなく安定である。
本発明は、珪酸化合物、タングステン酸化合物、ジルコン酸化合物から選択される少なくとも一種の無機酸化物と、ポリビニルアルコールが化学結合した、無機/有機ハイブリッド化合物からなり、その無機/有機ハイブリッド化合物が生成した時点でフィルター孔を有しており、フィルター孔により分離可能な分離対象物のサイズを加熱処理によって変えることができる特徴を持つ分離膜を基本とする。
また、珪酸塩またはタングステン酸塩とポリビニルアルコールが共存する状態で、珪酸塩またはタングステン酸塩を酸で中和することによって、無機/有機ハイブリッド化合物を得ることを基本とする。あるいは、ジルコニウム塩またはオキシジルコニウム塩とポリビニルアルコールが共存する状態で、ジルコニウム塩またはオキシジルコニウム塩をアルカリで中和することによって、無機/有機ハイブリッド化合物を得ることを基本とする。
珪酸とは、SiO2を基本単位とし、それがH2Oを含んでいる化合物であり、一般式SiO2・xH2Oで表せるものであるが、本発明における珪酸化合物は、珪酸及びその誘導体、或いは珪酸を主体とした化合物全般のことを示す。
タングステン酸とは、WO3を基本単位とし、それがH2Oを含んでいる化合物であり、一般式WO3・xH2Oで表せるものであるが、本発明におけるタングステン酸化合物は、タングステン酸及びその誘導体、或いはタングステン酸を主体とした化合物全般のことを示す。
ジルコン酸とは、ZrO2を基本単位とし、それがH2Oを含んでいる化合物であり、一般式ZrO2・xH2Oで表せるものであるが、本発明におけるジルコン酸化合物は、ジルコン酸及びその誘導体、或いはジルコン酸を主体とした化合物全般のことを示す。
このポリビニルアルコールは、完全なものである必要がなく、本質的にポリビニルアルコールとして機能するものであれば、使用することができる。例えば、ヒドロキシル基の一部が他の基で置換されているもの、一部分に他のポリマーが共重合されているものも、ポリビニルアルコールとして機能することができる。
また、製造時の途中の反応過程でポリビニルアルコールを経由すれば、同様な効果が得られるので、ポリビニルアルコールの原料となるポリ酢酸ビニルなどを出発原料とすることができる。
ハイブリッド化合物は、化合物であって、ポリビニルアルコールと無機化合物との物理的な混合による混合物とは区別される。即ち、混合物と異なり、ハイブリッド化合物において、複合化後は、各構成成分の化学的性質が必ずしも保持されない。例えば、本発明の場合、ハイブリッド化合物の構成成分であるポリビニルアルコールは、単独では水溶性(熱水溶解性)であるが、珪酸化合物、タングステン酸化合物又はジルコン酸化合物とのハイブリッド化合物形成後は熱水には溶解しない。このように、ハイブリッド化後に化学的性質が変化していることにより、これらは物理的な混合による混合物とは異なるハイブリッド化合物である、と言うことができる。
従って、複合化合物における無機化合物を、各基本単位であるSiO2,WO3,ZrO2のみの重量に換算した場合に、その重量の総和のポリビニルアルコール重量に対する重量比が0.01〜1になるように制御するのが好ましい。
また、珪酸化合物、タングステン酸化合物及びジルコン酸化合物は、組み合わせて使用することができる。
ポリビニルアルコールに結合している無機酸化物は、ナノレベルの大きさであり、比較的反応性が高く、架橋に寄与していなかったものも200℃以下の加熱処理で新たに結合を生じて架橋に寄与するようになり、結果として孔径が小さくなっていく。
なお、例えば、無機酸化物だけでできた粉末粒子を結合しようとすると、1000℃近い温度を必要とする。これに対して、本発明では、無機/有機ハイブリッド化合物を使用しており、無機酸化物がナノ粒子であるため、200℃以下の加熱処理であっても結合反応が起こり、孔径制御ができるようになる。
この分子内脱水反応は、ポリビニルアルコール単独では200℃以上の加熱でないと起こらないが、本発明のようにナノレベルの無機酸化物が共存する場合、触媒的に反応を促進するため、200℃以下の加熱でも起こるようになる。
図1は、ハイブリッド化合物からなる分離膜の製造工程の第1実施形態を概略的に示すシステム図である。
先ず、原料として、ステップ1で水を含む溶媒を、ステップ2で珪酸塩、タングステン酸塩などの無機酸化物の塩を、ステップ3でポリビニルアルコールを、それぞれ準備し、ステップ4でこれらの原料を混合して、水を含む溶媒中で無機酸化物の塩とポリビニルアルコールが共存する原料溶液を得る。
珪酸塩、タングステン酸塩などの無機酸化物の塩は、水に溶解するものであれば、どのような種類のものでもよく、酸素や金属イオンの比率、含水率も、どのようなものでもよい。
後の製膜工程において、生産上の実際的な時間範囲の中で、原料溶液中の溶媒を飛ばして無機/有機ハイブリッド化合物の成形体の製造を効率的に行えるようにするためには、原料溶液は、ポリビニルアルコール濃度にして5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であることが望ましい。
その後、ステップ7で溶媒を除去し、ステップ8でハイブリッド化合物成形体(膜)を得る。さらに、ステップ9で成形体中の不要塩を除去するために、熱水等で洗浄する。
このようにして、本発明に係る無機/有機ハイブリッド化合物からなる分離膜を製造することができる。
先ず、原料として、ステップ1で水を含む溶媒を、ステップ2でジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩を、ステップ3でポリビニルアルコールを、それぞれ準備し、ステップ4でこれらの原料を混合して、水を含む溶媒中でジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩とポリビニルアルコールが共存する原料溶液を得る。
ジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩は、水に溶解するものであればどのような種類のものでもよく、酸素や金属イオンの比率、含水率もどのようなものでもよい。
ステップ4の混合溶液やステップ6の成形体を加熱することで、ジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩の加水分解がある程度進み、ジルコン酸化合物となって共存するポリビニルアルコールとのハイブリッド化も進むが、ステップ6の時点ではまだジルコニウム塩又はオキシジルコニウム塩も残存している。
次に、ステップ7で成形体をアルカリに接触させることによって中和を完結させる。さらに、ステップ8で成形体中の不要塩を除去するために、熱水等で洗浄する。
このようにして、本発明に係る無機/有機ハイブリッド化合物からなる分離膜を製造することができる。
酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの一般的な酸の他、固体状の基体にスルホン酸基、カルボキシル基などを固定したイオン交換樹脂なども使用できる。
アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの一般的なアルカリの他、固体状の基体に四級アンモニウム基を固定したイオン交換樹脂なども使用できる。
しかし、この無機/有機ハイブリッド化合物からなる膜は、加熱処理によって孔径を制御することも可能である。加熱処理は、作製した膜を大気中でただ加熱するだけで行うことができる。
前述した第2の実施形態の方法で膜を作製する場合には、ステップ6の中和操作前の時点の膜を加熱処理することによっても、孔径を制御することが可能である。孔径の制御は、加熱の温度と時間によって行うが、加熱時間とともに孔径は収縮していき、その収縮速度は加熱温度が高いほど速い。
生産上の実際的な時間範囲の中で所望の孔径にするには、ある程度高い温度で加熱処理する必要があるが、あまり温度が高すぎると、孔径の変化が急速であるため所望の孔径に調節するのが難しくなり、また場合によっては、膜の酸化が始まって燃焼してしまう可能性がある。従って、加熱処理の温度は100〜180℃の範囲で行うのが好ましい。また、加熱処理の時間は、温度、孔径、膜の組成によっても異なるが、一般的には、0.5〜5時間程度の範囲で行う。
多孔質支持体を使用する場合、第1実施形態のステップ6で作製される原料液、あるいは、第2実施形態のステップ4で作製される原料液を、多孔質支持体上に塗布して、積層膜を形成することが可能である。
また、本発明の分離膜は、従来の分離膜と同様に、表面積を多くするため中空糸状あるいはスパイラル状に加工し、それらをカラム状の膜モジュールに加工して使用することも可能である。
なお、これら実施例は、本発明の基本構成を例示したものにすぎず、本発明はこれら実施例の記載内容に限定されるものではない。
さらに、この原料溶液水に、攪拌しながら2.4N塩酸を10cc加えて中和し、原料溶液を作製した。
その後、この原料溶液を、マイクロメータを用いて台座とのギャップを調節できるブレードが装着されたコーティング装置(R K Print Coat Instruments Ltd.製 Kコントロールコータ202)の平滑な台座の上に敷いたポリエステルフィルム上に流延した。このとき、台座を70℃になるように制御しながら加熱した。
原料溶液を台座の上に流延した後、すぐにギャップを0.8mmに調節したブレードを一定速度で原料溶液上を掃引させて、原料溶液を一定の厚みにならした。さらに、70℃で加熱しながら放置することによって、水分を飛ばし、流動性がほぼ消失した段階で台座の温度を135℃まで引き上げ、その状態を保って1.5時間の加熱処理を行った。
その後、台座の上に生成した膜を剥離した。
得られた無機/有機ハイブリッド化合物の膜は、60℃〜70℃の熱水中で30分程度洗浄した。
上述の方法で作製した膜は、このフェントン試薬の溶液の中で3時間浸漬しても分解することなく耐えることを確認した。すなわち、上述の方法で作製した膜は、ファウリングを防止するための薬剤処理に、十分耐えることが確認できた。
また、耐熱水性を確認する加速試験として、膜を圧力容器の中で120℃の水中に5時間浸漬する試験を行ったが、特に膜が劣化することはなかった。
従って、本発明の分離膜は熱水に耐え、ファウリングを防止するための熱水処理、スチーム処理等にも十分耐えることが確認できた。
本発明の分離膜(厚さ40μm)で二室に隔てられた、ガラス容器の一方の室にポリエチレングリコール(PEG)の30重量%水溶液を入れ、他方の室に純水を入れた。
各室の容量は約50ccであり、それを隔てる分離膜の面積は4.9cm2であった。測定は室温(約25℃)で行い、測定の間、各室の液をマグネットスターラーで攪拌した。
24時間後、純水側の液を0.2ml採取し、FT−IRのC−O結合に対応するピーク強度から、PEG透過濃度を求めた。
PEGは、分子量200のもの、分子量600のもの、分子量1000のもの、の3種類を用意した。
各分子量のPEGを、製造後加熱処理を行わない膜、製造後130℃、150℃、170℃でそれぞれ3時間加熱処理した膜について、測定を行った。なお、測定は、加熱処理を行わない膜(加熱処理無し)、130℃加熱、150℃加熱、170℃加熱の順序で行い、PEGが透過しなかった(濃度0%)場合には、次の測定は省略した。測定結果を表1に示す。
本発明の分離膜で二室に隔てられた、ガラス容器の一方の室にNaClの3.5重量%水溶液を入れ、他方の室に純水を入れた。
各室の容量及び分離膜の面積は、PEGの場合と同様とした。測定は室温(約25℃)で行い、測定の間、各室の液をマグネットスターラーで攪拌した。
24時間後、純水側の液を0.2ml採取し、キャピラリー電気泳動法で塩化物イオンに対応するピーク強度から塩化物イオン濃度を求めた。
製造後加熱処理を行わない膜、製造後130℃、150℃、170℃でそれぞれ3時間加熱処理した膜について、測定を行った。この測定結果も、表1に併せて示す。
次に、この原料溶液を、マイクロメータを用いて台座とのギャップを調節できるブレードが装着されたコーティング装置(R K Print Coat Instruments Ltd.製 Kコントロールコータ202)の平滑な台座の上に敷いたポリエステルフィルム上に流延した。このとき、台座を70℃になるように制御しながら加熱した。
原料溶液を台座の上に流延した後、すぐにギャップを0.4mmに調節したブレードを一定速度で原料溶液上を掃引して一定の厚みにならした。さらに、そのまま70℃で加熱しながら放置することによって、水分を飛ばし、流動性がほぼ消失した段階で再度上から重ねて原料溶液を流延し、すぐに再びギャップを0.4mmに調節したブレードを一定速度で原料溶液上を掃引して一定の厚みにならした。その後、台座の温度を130℃〜140℃まで引き上げ、その状態を保って1.5時間の加熱処理を行った。
その後、台座の上に生成した膜を剥離し、1.67重量%のアンモニア水溶液に常温で18時間浸漬した後、60℃〜70℃の熱水中で30分、その後90℃の熱水中で5時間熱水中洗浄した。
各膜の透過特性は、分子量200のPEGおよびNaClについて、実施例1と同じ方法にて行った。ただし、PEGの透過測定は、24時間後ではなく6時間後に行った。
それぞれの測定結果を、表2に併せて示す。
また、150℃で3時間加熱した膜はNaClを透したが、170℃で3時間加熱した膜はNaClを透さなかった。
また、加熱処理だけで、分子量1000の大きな分子からNa+、Cl−などの小さなイオンに至る広範囲のサイズの物質に対して、透過性を制御することができ、かつ加熱条件を変えることで、ほぼ任意に孔径制御が可能であることがわかる。
従って、本発明の無機/有機ハイブリッド化合物からなる分離膜及びその製造方法は、産業上の利用可能性を有する。
Claims (3)
- 珪酸化合物、タングステン酸化合物、ジルコン酸化合物から選択される少なくとも一種の無機酸化物と、ポリビニルアルコールが化学結合した無機/有機ハイブリッド化合物からなり、
前記無機/有機ハイブリッド化合物が生成した時点でフィルター孔を有しており、
前記フィルター孔により分離可能な分離対象物の大きさを加熱処理によって変えることが可能である特性を有する
分離膜。 - 無機/有機ハイブリッド化合物からなる分離膜を製造する方法であって、
珪酸塩またはタングステン酸塩とポリビニルアルコールが共存する状態で、前記珪酸塩または前記タングステン酸塩を酸で中和することによって、前記無機/有機ハイブリッド化合物を得る工程を含み、
前記無機/有機ハイブリッド化合物からなり、前記無機/有機ハイブリッド化合物が生成した時点でフィルター孔を有している、前記分離膜を製造する
分離膜の製造方法。 - 無機/有機ハイブリッド化合物からなる分離膜を製造する方法であって、
ジルコニウム塩またはオキシジルコニウム塩とポリビニルアルコールが共存する状態で、前記ジルコニウム塩または前記オキシジルコニウム塩をアルカリで中和することによって、前記無機/有機ハイブリッド化合物を得る工程を含み、
前記無機/有機ハイブリッド化合物からなり、前記無機/有機ハイブリッド化合物が生成した時点でフィルター孔を有している、前記分離膜を製造する
分離膜の製造方法。
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