JP2015024352A - 可視光応答型光触媒膜及びその製造方法 - Google Patents

可視光応答型光触媒膜及びその製造方法 Download PDF

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【課題】可視光下でもホルムアルデヒド等の有害物質に対して高い分解能を示す可視光応答型光触媒膜及びそれを簡便に製造する方法を提供する。
【解決手段】アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布液を基材に塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布膜を250℃以上600℃以下の温度範囲で加熱する加熱工程と、前記加熱工程後の前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む膜にマイクロ波を照射する照射工程と、を有する可視光応答型光触媒膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、可視光応答型光触媒膜及びその製造方法に関する。
いわゆるシックハウス症候群の原因物質の一つにホルムアルデヒドがある。ホルムアルデヒドは家具や建築資材、壁紙を貼る為の接着剤、塗料などに含まれている。
ホルムアルデヒド等の環境汚染物質の対応策として光のみを必要とし半永久的に使用することができる材料である光触媒が注目を浴びている。
光触媒の研究は本多・藤嶋らによる1972年の酸化チタン(TiO)を用いた人工光合成(光を照射することにより水から水素、酸素が発生する)の発見を契機として盛んに行われるようになった(例えば、非特許文献1参照)。
光触媒の代表とされる酸化チタンは酸化分解作用と超親水性作用という作用をもち、大気浄化、防汚、殺菌、水質浄化、防曇などの効果があるため、空気清浄器内のフィルターや家屋・高層ビルの外壁、ガードレール、高速道路の防音壁のセルフクリーニング、あるいは、建造物の建材などの接着剤に含まれているホルムアルデヒドの分解によるシックハウス症候群の抑制など様々な場所に使用されている。
しかし、通常、酸化チタンは紫外線にしか反応しない。酸化チタンの光活性に用いられる紫外線は屋内光にはほとんど含まれていないので、太陽光が届く屋外でしか使用することができない。
光触媒の光活性領域を可視光の波長までを有効利用できる領域に拡張することができれば、屋外ではより有効に、そして屋内でも使用することができるようになり、使用できる範囲が大幅に増えることが予想され、光触媒の可視光応答化の研究が盛んに行われている。
例えば、酸化チタン光触媒に水素プラズマ処理を行うことにより酸素欠損型光触媒として可視光応答化することが開示されている(非特許文献2参照)。
また、酸化チタン膜にマイクロ波を照射して可視光領域にて光触媒効果を発現させることが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
例えば、(アナターゼ型)アモルファス酸化チタンにマイクロ波を照射することにより加熱してアナターゼに結晶化させる光触媒の製造方法(特許文献3参照)、ドーパント元素の存在下で金属酸化物にマイクロ波を照射してドーパント元素を金属酸化物にドープする不純物ドープ金属酸化物の製造方法(特許文献5参照)が開示されている。
特開2005−203360号公報 特開2006−224043号公報 特開2005−294744号公報 特開2005−139498号公報 国際公開第2009/107681号
Fujishima,Honda:"Electrochemical Photolysis of Water at a Semiconductor Electrode",Nature(1972) pp.37−38 静電気学会誌 37,3(2013)PP.138−143、矢澤ら
上述のように、酸化チタン粒子を含む膜に対してプラズマ処理やマイクロ波を施すことによって可視光下でも光触媒効果を発揮させる技術が種々提案されているが、ホルムアルデヒド等の有害物質に対して高い分解能を有する光触媒を簡便に製造することが望ましい。
本発明は、可視光下でもホルムアルデヒド等の有害物質に対して高い分解能を示す可視光応答型光触媒膜及びそれを簡便に製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
<1> アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布液を基材に塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布膜を250℃以上600℃以下の温度範囲で加熱する加熱工程と、前記加熱工程後の前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む膜にマイクロ波を照射する照射工程と、を有する可視光応答型光触媒膜の製造方法。
<2> 前記加熱工程において前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布膜を300℃以上で加熱する<1>に記載の可視光応答型光触媒膜の製造方法。
<3> <1>又は<2>に記載の可視光応答型光触媒膜の製造方法により製造された可視光応答型光触媒膜。
本発明によれば、可視光下でもホルムアルデヒド等の有害物質に対して高い分解能を示す可視光応答型光触媒膜及びそれを簡便に製造する方法が提供される。
実施例及び比較例で作製した光触媒膜についてホルムアルデヒド分解能の測定に使用した装置を示す概略構成図である。 実施例及び比較例で作製した光触媒膜についてマイクロ波照射前の加熱温度とホルムアルデヒド分解度との関係を示すグラフである。 マイクロ波照射工程における高周波出力を700W又は500Wとして作製した光触媒膜についてマイクロ波照射前の加熱温度とホルムアルデヒド分解度との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例で作製した光触媒膜についてXRDによる測定結果を示す図である。 実施例及び比較例で作製した光触媒膜についてXPSによる測定結果を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明について具体的に説明する。なお、以下の説明において範囲を示す「A〜B」との記載は下限値としてAを、上限値としてBをそれぞれ含むことを意味する。
本発明者らは、ホルムアルデヒド等の有害物質に対して高い分解能を示す可視光応答型の光触媒を提供すべく鋭意検討を重ねたところ、アナターゼ型の酸化チタン粒子を含む塗布液を塗布して塗布膜を形成し、特定の温度範囲内で加熱した後、マイクロ波照射を行うことで可視化応答性に優れた光触媒膜が比較的簡便に得られることを見出した。
すなわち、本発明の可視光応答型光触媒膜の製造方法は、アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布液を基材に塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布膜を250℃以上600℃以下の温度範囲で加熱する加熱工程と、前記加熱工程後の前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む膜にマイクロ波を照射する照射工程と、を有する。
以下、各工程についてさらに具体的に説明する。
<塗布工程>
まず、アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布液(分散液)を基材に塗布して塗布膜を形成する。
(アナターゼ型酸化チタン粒子)
酸化チタン(TiO)は、結晶構造により、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の3種類に分けられる。本発明では、アナターゼ型の酸化チタンを使用する。
本発明で使用するアナターゼ型酸化チタン粒子の平均粒径は、塗布液中での分散性や成膜性の観点から、好ましくは5nm以上30nm以下であり、より好ましくは5nm以上10nm以下である。
本発明で使用することができるアナターゼ型酸化チタンの市販品としては、例えば、ST01(石原産業株式会社製、平均粒径:7nm)、P−25(Degussa社製、平均粒径:30nm)などが挙げられる。
(溶媒)
塗布液に含まれる溶媒(分散媒)としては、アナターゼ型酸化チタン粒子を分散させる液体であれば限定されない。例えばエタノール等の有機溶媒、水が挙げられる。
なお、製造された光触媒膜の表面の凹凸が大きいと光の乱反射によって、または、粒子の分散安定性が低いと膜表面積が減少することによって光吸収が低下し、光触媒機能も低下する可能性がある。塗布均一性及び膜厚均一性の観点から溶媒としてエタノールを用いることが好ましい。
塗布液中のアナターゼ型酸化チタン粒子の含有量は特に限定されないが、塗布による塗布膜の形成し易さ(成膜性)や、光触媒によって高い分解能を発揮させる観点から、塗布液中のアナターゼ型酸化チタン粒子の含有量は、5質量%以上40質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
なお、本発明の塗布工程で用いるアナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布液は、アナターゼ型酸化チタン粒子及び溶媒(分散媒)のほか、必要に応じて分散剤等を含んでもよい。
(塗布)
塗布液を塗布する手段は特に限定されず、塗布液を塗布する基材の形状、大きさなどに応じて、スプレーコート、ディップコート、ブレードコート、スピンコートなど公知の塗布方法から選択すればよい。
なお、基材は、製造する光触媒膜の用途によって選択すればよいが、本発明では、250℃〜600℃の加熱工程を行うため、250℃以上の耐熱性を有する基材を用いる。基材を構成する材料として、例えば、ガラス、セラミックス、金属、木材、紙などが挙げられる。
<加熱工程>
次に、塗布工程により基材上に形成したアナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布膜を250℃以上600℃以下の温度範囲で加熱する。
アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布膜(以下、単に「塗布膜」と記す場合がある。)を加熱する温度が250℃未満では、わずかに残存するアモルファス酸化チタンがアナターゼに成長しきれないため、ホルムアルデヒドに対する分解能の向上が不十分であり、600℃を超えると結晶構造が光触媒活性の低いルチル型に変化して高い分解能を得ることができない。
ホルムアルデヒドに対して高い分解能を発揮する光触媒膜を得る観点から、塗布膜を加熱する温度は250℃以上600℃以下が好ましく、300℃以上450℃以下がより好ましい。
なお、本発明の加熱工程における上記加熱温度は、加熱中の基材の表面における測定値である。
塗布膜を加熱する手段は250℃〜600℃の範囲で加熱することができれば特に限定されず、例えば、ヒートドラム、温風、赤外線ランプ、熱オーブンなどが挙げられる。
塗布膜を加熱する時間は、塗布膜中の溶媒を蒸発させる一方、生産性の観点から、30分〜10時間が好ましく、60分〜3時間がより好ましい。
<照射工程>
加熱工程後、基材上のアナターゼ型酸化チタン粒子を含む膜(以下、「アナターゼ型酸化チタン粒子膜」という場合がある。)にマイクロ波を照射する。
基材上のアナターゼ型酸化チタン粒子膜に照射するマイクロ波は、マイクロ波効果効率の観点から周波数が0.5〜30GHzの範囲であることが好ましく、2〜30GHzの範囲であることがより好ましい。
また、照射するマイクロ波の出力はマイクロ波効果効率の観点から100W〜100kWの範囲であることが好ましく、500W〜1kWの範囲であることがより好ましい。
また、アナターゼ型酸化チタン粒子膜にマイクロ波を照射する時間は、可視光下で高い光触媒効果を発揮させる一方、生産性の観点から5分〜2時間が好ましく、5分〜1時間がより好ましい。
アナターゼ型酸化チタン粒子膜に対してマイクロ波を照射する手段は特に限定されず、基材の形状や大きさに応じて選択すればよい。例えば、市販の電子レンジを好適に使用することができる。
上記工程を経てより簡易的に、低コストで、可視光に対した高い活性を発揮する可視光応答型光触媒膜が得られる。本発明の可視光応答型光触媒膜が可視光に対した高い活性を発揮する理由は定かでないが、マイクロ波照射の前に250℃〜600℃の範囲で熱処理を施すことによりアナターゼ型酸化チタン内にわずかに残存しているアモルファス酸化チタンがアナターゼ型となり、熱処理後、マイクロ波照射による酸化チタンの還元により酸素欠損が行われ(振動した電磁場でチタンから酸素が引き離されると考えられる)、それにより可視光応答するようになると推測される。
以下、実施例及び比較例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<比較例1>
アナターゼ型TiO光触媒 ST−01(石原産業株式会社製)と脱水エタノールとを質量比1:9で混合した分散液を25mm×25mm×1mmtの石英ガラス基板に塗布した。
次いで、電気炉 NEW−1C(林電工社製)を用い、ガラス基板上の塗布膜を大気下、150℃で2時間加熱した。
加熱後、電子レンジ DR−D265(ツインバード工業株式会社製)を用い、石英ガラス基板上の膜に対し、高周波出力700Wのマイクロ波(2.45GHz)を5分間照射した。これにより可視光応答型の光触媒膜を得た。
<実施例1>
比較例1におけるマイクロ波照射前の加熱温度を300℃に変更したこと以外は比較例1と同様にして可視光応答型の光触媒膜を得た。
<実施例2>
比較例1におけるマイクロ波照射前の加熱温度を450℃に変更したこと以外は比較例1と同様にして可視光応答型の光触媒膜を得た。
<実施例3>
比較例1におけるマイクロ波照射前の加熱温度を600℃に変更したこと以外は比較例1と同様にして可視光応答型の光触媒膜を得た。
<比較例2>
比較例1におけるマイクロ波照射前の加熱温度を750℃に変更したこと以外は比較例1と同様にして可視光応答型の光触媒膜を得た。
<比較例3>
比較例1においてマイクロ波照射前の加熱を行わなかったこと以外は比較例1と同様にして光触媒膜を得た。
(評価)
[ホルムアルデヒド分解試験]
実施例及び比較例で作製した光触媒膜について、可視光下でのホルムアルデヒド(HCHO)分解能力を評価するため、JIS R 1701−4の光触媒材料の紫外光応答用の空気浄化性能試験方法を模した方式でホルムアルデヒド気体の分解試験を行った。
図1に、ホルムアルデヒド分解試験装置を示す。可視光照射光源には、蛍光灯(FL6D、東芝社製)を用い、ホルムアルデヒドの濃度測定にはホルムテクター(C−XP−308B、新コスモス電機社製)を用いた。
表1に、ホルムアルデヒド分解実験条件を示す。
実施例及び比較例で作製した光触媒膜のマイクロ波照射前の加熱温度とホルムアルデヒド分解度との関係を表2に、グラフ化したものを図2に示す。
図2に示されるように、可視光下におけるホルムアルデヒド分解能力は、マイクロ波照射前の加熱時の温度が450℃の場合で最大となり、それより温度が低い場合も高い場合も性能が低下するが、加熱温度が450℃でのピーク分解度に対して、特に300〜600℃ではピークの90%以上の分解度を示している。
450℃までにおいて、加熱温度が高いほどホルムアルデヒド分解性能が向上するのは、アナターゼ結晶の結晶性が向上している、または、わずかに残存しているアモルファスがアナターゼに成長しているからであると考えられる。
一方、加熱温度が600℃を超えると性能が低下するのは、アナターゼ結晶のルチル化が進んでいるためであると考えられる。
<比較例4>
比較例1におけるマイクロ波照射の高周波出力を500Wに変更したこと以外は比較例1と同様にして可視光応答型の光触媒膜を作製し、可視光下でのホルムアルデヒド分解能力を評価した。光触媒膜のマイクロ波照射前の加熱温度とホルムアルデヒド分解能力との関係を表3に示す。
<実施例4>
比較例1におけるマイクロ波照射前の加熱温度を250℃に、マイクロ波照射の高周波出力を500Wに変更したこと以外は比較例1と同様にして可視光応答型の光触媒膜を作製し、可視光下でのホルムアルデヒド分解能力を評価した。光触媒膜のマイクロ波照射前の加熱温度とホルムアルデヒド分解能力との関係を表3に示す。
<実施例5>
比較例1におけるマイクロ波照射前の加熱温度を450℃に、マイクロ波照射の高周波出力を500Wに変更したこと以外は比較例1と同様にして可視光応答型の光触媒膜を作製し、可視光下でのホルムアルデヒド分解能力を評価した。光触媒膜のマイクロ波照射前の加熱温度とホルムアルデヒド分解能力との関係を表3に示す。
表3に示すように、アナターゼ型TiO光触媒を含む塗布膜に対し、250℃で加熱後、高周波出力を500Wでマイクロ波照射した場合(実施例4)でも極めて高いホルムアルデヒド分解能を示すことが確認された。
<実施例6>
アナターゼ型TiO光触媒 ST−01(石原産業株式会社製)と脱水エタノールとを質量比1:9で混合した分散液を25mm×25mm×1mmtの石英ガラス基板に塗布した。
次いで、電気炉 NEW−1C(林電工社製)を用い、ガラス基板上の塗布膜を450℃で2時間加熱した。
加熱後、電子レンジDR−D265(ツインバード工業株式会社製)を用い、石英ガラス基板上の膜に対し、高周波出力700Wのマイクロ波を50分間照射した。これにより可視光応答型の光触媒膜を得た。
<比較例5>
実施例6におけるマイクロ波処理の代わりに、石英ガラス基板上の膜に対し、(マイクロ波出力300W)プラズマ源マイクロ波入力電力300Wで10分間のプラズマ処理を行ったこと以外は実施例6と同様にして光触媒膜を得た。
プラズマ処理の具体的な条件は以下の通りである。
<比較例6>
実施例6におけるマイクロ波処理の代わりに、石英ガラス基板上の膜に対し、(マイクロ波出力150W)プラズマ源マイクロ波入力電力150Wで10分間のプラズマ処理を行ったこと以外は実施例6と同様にして光触媒膜を得た。
[X線回折(XRD)測定]
比較例3、実施例6及び比較例5でそれぞれ作製した光触媒膜について、XRDにより、マイクロ波又はプラズマ処理前後の結晶性及び組成の変化を調べた。測定条件を以下に示す。
測定装置:PANalytical製 X’Pert PRO MRD
X線源:Cu−Kα線(波長λ=0.15418nm)
測定方法:θ−2θ法(電圧45kV,電流40mA,角度5°〜65°)
図4にXRDによる測定結果を示す。加熱後、無処理のTiO膜(図4中の(A):比較例3)に対し、プラズマ処理したもの(図4中の(B):比較例5)と、マイクロ波処理したもの(図4中の(C):実施例6)の両方でアモルファス化が確認されたが、アモルファス化はプラズマ処理したものよりもマイクロ波処理したものの方が起こり易いことが確認された。
[X線光電子分光(XPS)測定]
XPSにより、マイクロ波又はプラズマ処理前後の試料表面(数nm程度の深さ)の元素の種類や存在量、化学結合状態を調査した。
具体的には、実施例6、比較例3、5、6でそれぞれ作製した光触媒膜について以下の条件にてXPS測定を行った。
測定装置:KRATOS ANALYTICAL製 AXIS−NOVA
X線源:AlKα線
励起エネルギー:1487eV
加速電圧:15kV
電流:10mA(最大15mA)
図5にXPSによる測定結果を示す。プラズマ処理した場合(比較例5、6)に、TiO表面に窒素が5%程度存在するようになることが確認された。観測された結合エネルギーから、表面にTiN薄膜またはNドープTiO薄膜が形成された可能性が考えられる。
一方、マイクロ波処理の場合(実施例6)は、窒素の増加は見られなかった。

Claims (3)

  1. アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布液を基材に塗布して塗布膜を形成する塗布工程と、
    前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布膜を250℃以上600℃以下の温度範囲で加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程後の前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む膜にマイクロ波を照射する照射工程と、
    を有する可視光応答型光触媒膜の製造方法。
  2. 前記加熱工程において前記アナターゼ型酸化チタン粒子を含む塗布膜を300℃以上で加熱する請求項1に記載の可視光応答型光触媒膜の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の可視光応答型光触媒膜の製造方法により製造された可視光応答型光触媒膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016221447A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 アンデス電気株式会社 吸着材‐光触媒ハイブリッド型脱臭材料、その製造方法、脱臭フィルター、脱臭材およびその製造方法

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