JP2015022942A - スリップリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】長時間使用してもブラシと回転リングとの接触部分の電気抵抗の上昇を抑制する。
【解決手段】スリップリング装置100は、当接部111を有する導電性のブラシ101を備えている。また、スリップリング装置100は、周方向(矢印C方向)に亘って形成された被当接部112を有し、ブラシ101に対して相対的に回転し、当接部111が被当接部112に接触することにより、ブラシ101と導通する導電性の回転リング102を備えている。当接部111及び被当接部112のうち少なくとも一方は、摩耗により厚みが減少した際に、当接部111と被当接部112とが接触する部分が増大するように形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】スリップリング装置100は、当接部111を有する導電性のブラシ101を備えている。また、スリップリング装置100は、周方向(矢印C方向)に亘って形成された被当接部112を有し、ブラシ101に対して相対的に回転し、当接部111が被当接部112に接触することにより、ブラシ101と導通する導電性の回転リング102を備えている。当接部111及び被当接部112のうち少なくとも一方は、摩耗により厚みが減少した際に、当接部111と被当接部112とが接触する部分が増大するように形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、導電性を有するブラシと、ブラシに対して相対的に回転する導電性を有する回転リングとの間で電気信号や電力を伝達するためのスリップリング装置、スリップリング装置を備えたロボット装置に関する。
スリップリング装置は、導電性のブラシと、ブラシに対して相対的に回転し、ブラシが接することにより、ブラシと導通する導電性の回転リングと、を備えている(特許文献1参照)。
ブラシは、可撓性を有する弾性体であり、静止体等にブラシ固定部材を介して固定されている。回転リングは、回転体等に固定された絶縁部材により保持されており、回転体の回転に伴って、絶縁部材と共に一体に回転する。ブラシは、弾性力(復元力)により回転リングの外周面に圧接しており、回転リングが回転しても、ブラシと回転リングとの間で導通が図られている。
この種のスリップリング装置は、例えばロボット装置の関節に設けられており、ロボット装置のモータ等に電力を供給したり、センサ等の電気信号を伝送したりするのに用いられる。
しかしながら、スリップリング装置では、ブラシと回転リングとは摺動接点であるため、使用によってブラシと回転リングとの接触部分が摩耗し、電気抵抗の上昇が起こる。具体的に説明すると、ブラシと回転リングとの接触面で、初期の状態では存在しない微小な凹凸が発生し、ブラシと回転リングとの接触面積が減少し、接触部分の電気抵抗の上昇が起きる。また、ブラシは、ブラシ固定部材によって回転リングに対する圧力が決定されている。使用によりブラシと回転リングとが摩耗すると、回転リングに対するブラシの圧力が低下し、接触面積が減少し、電気抵抗の上昇が起きる。
したがって、スリップリング装置においては、ブラシと回転リングとの接触部分の電気抵抗を随時点検し、接触部分の電気抵抗が所定の値を超えて上昇した場合には、交換が必要である。スリップリング装置を交換する間は、スリップリング装置を組み込んだ装置を停止しなければならないため、長寿命なスリップリング装置が望まれていた。
そこで、本発明は、長時間使用してもブラシと回転リングとの接触部分の電気抵抗の上昇を抑制でき、長寿命なスリップリング装置、及びスリップリング装置を備えたロボット装置を提供することにある。
本発明のスリップリング装置は、当接部を有する導電性のブラシと、周方向に亘って形成された被当接部を有し、前記ブラシに対して相対的に回転し、前記当接部が前記被当接部に接触することにより、前記ブラシと導通する導電性の回転リングと、を備え、前記当接部及び前記被当接部のうち少なくとも一方は、摩耗により厚みが減少した際に、前記当接部と前記被当接部とが接触する部分が増大するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ブラシ及び回転リングが摩耗により厚みが減少した際に、ブラシの当接部と回転リングの被当接部とが接触する部分が増大するので、スリップリング装置を長時間使用しても、接触する部分の電気抵抗の上昇を抑制することができる。よって、スリップリング装置の寿命が長くなる。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るロボット装置の概略構成を示す斜視図である。図1に示すロボット装置500は、ロボットアーム200と、ロボットアーム200の先端に取り付けられたエンドエフェクタとしてのロボットハンド300と、ロボットアーム200及びロボットハンド300を制御する制御装置400と、を備えている。
図1は、本発明の第1実施形態に係るロボット装置の概略構成を示す斜視図である。図1に示すロボット装置500は、ロボットアーム200と、ロボットアーム200の先端に取り付けられたエンドエフェクタとしてのロボットハンド300と、ロボットアーム200及びロボットハンド300を制御する制御装置400と、を備えている。
ロボットアーム200は、作業台に固定されるベース部(リンク)201と、変位や力を伝達する複数のアーム部(リンク)211〜216とを有する。各アーム部211〜216は、各関節J1〜J6にて旋回又は回転可能に連結されている。ロボットハンド300は、任意のワークWに対して把持等の作業を行うものである。
ロボットアーム200は、複数の関節J1〜J6のうち、少なくとも1つの関節、例えば関節J3に配置されたスリップリング装置100を備えている。つまり、図1の場合、アーム部212が第1リンクであり、アーム部213が第2リンクであり、アーム部212とアーム部213とが関節J3で連結されており、スリップリング装置100は、関節J3に配置されている。なお、スリップリング装置100は、関節J3に配置されているとしたが、いずれの関節J1〜J6に配置されていてもよい。
図2は、本発明の第1実施形態に係るスリップリング装置の概略構成を示す斜視図である。スリップリング装置100は、略四角柱形状に形成された導電性のブラシ101と、円筒形状に形成された導電性の回転リング102と、を備えている。ブラシ101は、可撓性を有する弾性体であり、撓み変形する。ブラシ101と回転リング102は、導電性を有する導体であれば、いかなる材料のものでもよいが、耐摩耗性が高く、かつ電気抵抗が低いものがよい。
スリップリング装置100は、ブラシ101を保持し、アーム部212に固定されたブラシ固定部材103を備えている。ブラシ固定部材103は、ブラシ101の基端部を保持(固定)している。
また、スリップリング装置100は、回転リング102の内側に嵌められた円筒部104と、円筒部104の外周面から突出し、回転リング102の両端を規制する一対の鍔部105,105とからなる電気絶縁性の絶縁部材106を備えている。
一対の鍔部105,105は、回転リング102よりも大径の円盤状に形成され、回転リング102の両端のみならず、ブラシ101の両端も規制している。これにより、ブラシ101が回転リング102の回転軸Oの延びる方向(矢印X方向)に移動することを防ぐことができる。なお、ブラシ101と鍔部105,105との間には、僅かに隙間が形成されている。
絶縁部材106は、アーム部213に固定されており、アーム部213の旋回動作に伴って、回転軸Oを中心にアーム部213(即ちブラシ101)に対して相対的に回転する。回転リング102は、絶縁部材106により保持されており、絶縁部材106の回転に伴って、回転軸Oを中心に絶縁部材106と共に一体に回転する。この回転軸Oは、回転リング102の中心線でもある。
ブラシ101には、アーム部212に這わせた配線107が電気的に接続されており、回転リング102には、アーム部213に這わせた配線108が電気的に接続されている。配線108は、絶縁部材106の円筒部104の中空部分を通じて回転リング102に電気的に接続されている。
ブラシ101は、当接部111を有している。この当接部111は、ブラシ101の先端部であり、ブラシ本体部の延びる方向に連なって一体に形成されている。なお、当接部111は、ブラシ本体部の先端部等に突出して形成されていてもよい。また、当接部111は、ブラシ本体部と同一部材であってもよいし、別部材であってもよい。
回転リング102は、周方向(矢印C方向)に亘って形成され、外部に露出する被当接部112を有している。被当接部112は、リング本体部の外周に配置され、リング本体部と一体に形成されている。なお、被当接部112は、リング本体部と同一部材であっても別部材であってもよい。例えば、被当接部112がリング本体部にメッキされた金属メッキであってもよい。
回転リング102は、ブラシ101に対して相対的に回転し、当接部111が被当接部112に接触することにより、ブラシ101と導通している。即ち、ブラシ101は、弾性力(復元力)により回転リング102の外周面に位置する被当接部112に圧接しており、回転リング102が回転しても、ブラシ101と回転リング102との間で導通が図られている。このように、ブラシ101の当接部111と回転リング102の被当接部112とは、常に接触しており、ブラシ101と回転リング102との間で、電気信号又は電力の伝達を行うことが可能である。
図3は、本発明の第1実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。図3(a)は、ブラシ101の当接部111と回転リング102の被当接部112とが摩耗していない初期状態を示しており、図3(b)は、ブラシ101の当接部111と回転リング102の被当接部112とが摩耗し、間隙が消失した状態を示している。
当接部111及び被当接部112のうち少なくとも一方(第1実施形態では当接部111)は、図3(b)に示すように摩耗により厚みが減少した際に、当接部111と被当接部112とが接触する部分が増大するように形成されている。
具体的に説明すると、図3(a)において、当接部111は、厚み方向(矢印D方向)に対して直交する平面P1に沿う断面の断面積が、被当接部112から矢印D方向に遠ざかるに連れ、段階的に増大するように形成されている。なお、平面P1は、図3では断面図であるため一点鎖線で図示している。
第1実施形態では、ブラシ101の当接部111が、段差構造を取っており、複数(2つ)の接触面111a,111bを有する2段構造となっている。上段に相当する部分が、接触面111aであり、下段に相当する部分が、接触面111bである。ここで、各接触面111a,111bの面積は、被当接部112に接触した際の電気抵抗値が、電気信号又は電力の伝送に影響のない程度に低い値となるように設定されている。
図4は、回転リング102の累積回転回数に対するブラシ101と回転リング102との間の電気抵抗値の関係を示すグラフである。ここでは、回転リング102は、一方向に回転させて実験を行った。
当接部111及び被当接部112が初期状態(非摩耗状態)では、図3(a)に示すように、下段に位置する接触面111bと被当接部112の表面とが接触する部分である。なお、上段に位置する接触面111aと被当接部112の表面との間には、間隙R1が存在する。
間隙R1はh1の高さであり、接触面111bにおける当接部111の摩耗量を予測した高さをh2、回転リング102の被当接部112の摩耗量を予測した高さをh3とし、h1=h2+h3の関係が成り立つ。
スリップリング装置100を長時間使用していくと、図3(b)のように、ブラシ101の当接部111と回転リング102の被当接部112との摺動により、回転リング102の被当接部112と接触面111bとが摩耗する。この部分では、接触状態が変化し、図4に示すように、電気抵抗の上昇が起こる。当接部111が段差形状を有していない場合には、図4中破線で示すように、電気抵抗値が、交換が必要な所定の値R0を超える。
当接部111の接触面111bと回転リング102の被当接部112との摩耗高さがそれぞれh2とh3になり、高さh1の間隙R1が消失すると、回転リング102の被当接部112とブラシ101の当接部111の接触面111aとが接触する。このときの累積回転回数をNとする。累積回転回数がNとなった時点で、当接部111と被当接部112とが接触する部分が増大するので、電気抵抗値が低下する。即ち、従来よりも接触面111aが接触する分、接触面積が増加するため、電気抵抗値が低下する。
なお、累積回転回数が増大するに連れて、接触する部分が摩耗するので、再び電気抵抗値は増加に転じる。
このように、接触面積が増加するため、図4中実線で示すように、電気抵抗の上昇が抑えられ、スリップリング装置100の寿命が向上する。
なお、高さh2、h3は、予め実験を行い、図4に示す抵抗上昇が始まる回転回数の、ブラシ101と回転リング102の摩耗した高さにより決定することが望ましい。電気抵抗の上昇が始まる回転回数は材料や構造などによって異なる。
以上、第1実施形態によれば、当接部111における平面P1に沿う断面の面積が、被当接部112から矢印D方向に離れるに連れて段階的に増大するように形成されている。従って、当接部111の摩耗が進行した際に、ブラシ101の当接部111と回転リング102の被当接部112とが接触する部分が増大する。よって、スリップリング装置100を長時間使用しても、接触する部分の電気抵抗の上昇を抑制することができる。これにより、スリップリング装置100の寿命が長くなり、ロボット装置500において、スリップリング装置100を交換する頻度が少なくなり、ロボット装置500を停止させる頻度が少なくなる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
上記第1実施形態では、ブラシ101の当接部111を2段構造とした場合について説明したが、これに限定するものではなく、3段以上の構造であってもよい。第2実施形態では、当接部111Aを3段構造とした場合について説明する。
図5に示すように、ブラシ101Aの当接部111Aを3段構造としたので、2つの間隙R1,R2が存在する。つまり、被当接部112とブラシ101Aの下段である接触面111bとが接触している。そして、被当接部112とブラシ101Aの中段である接触面111cに間隙R2を有し、被当接部112とブラシ101Aの上段である接触面111aに間隙R1を有する構造である。
この図5に示す構造における、使用経過による摩耗の様子を説明する。
ブラシ101Aの下段である接触面111bと被当接部112の摩耗により、間隙R2が消失し、ブラシ101Aの中段である接触面111cと被当接部112が接触する。さらに接触面111cと被当接部112が摩耗することで間隙R1が消失し、ブラシ101Aの上段である接触面111aと被当接部112とが接触する。このため、段差が3段である構造は、段差が2段である構造よりも、長期間に亘って電気抵抗の上昇を抑えることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第3実施形態において、上記第1、第2実施形態と同様の構成については説明を省略する。
次に、本発明の第3実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第3実施形態において、上記第1、第2実施形態と同様の構成については説明を省略する。
上記第1、第2実施形態では、当接部111(111A)が、厚み方向である矢印D方向に対して直交する平面P1に沿う断面の断面積が、被当接部112から遠ざかるに連れ、段階的に増大するように形成されている場合について説明した。
第3実施形態では、図6に示すように、ブラシ101Bの当接部111Bが、厚み方向である矢印D方向に対して直交する平面P1に沿う断面の断面積が、被当接部112から矢印D方向に遠ざかるに連れ、連続的に増大するように形成されている。
従って、当接部111の摩耗が進行した際に、ブラシ101Bの当接部111Bと回転リング102の被当接部112とが接触する部分が増大する。よって、スリップリング装置を長時間使用しても、接触する部分の電気抵抗の上昇を抑制することができる。これにより、スリップリング装置の寿命が長くなり、ロボット装置において、スリップリング装置を交換する頻度が少なくなり、ロボット装置を停止させる頻度が少なくなる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図7は、本発明の第4実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第4実施形態において、上記第1〜第3実施形態と同様の構成については説明を省略する。
次に、本発明の第4実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図7は、本発明の第4実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第4実施形態において、上記第1〜第3実施形態と同様の構成については説明を省略する。
上記第1〜第3実施形態では、当接部は、回転リング102の回転軸Oと直交し且つ被当接部112を通過する(被当接部112を2分する)平面に対して、非対称に形成されている。
第4実施形態では、ブラシ101Cの当接部111Cは、回転リング102の回転軸O(図2参照)と直交し且つ被当接部112を通過する(被当接部112を2分する)平面P2に対して、面対称に形成されている。なお、平面P2は、図7では断面図であるため一点鎖線で図示している。
当接部111Cは、上記第1実施形態のように段差構造を有しているが、下段に位置する接触面111bの両側に上段に位置する接触面111a,111aが形成されている点で上記第1実施形態と異なる。
この構造によれば、ブラシ101Cに圧力をかけ、ブラシ101Cの当接部111Cを回転リング102の被当接部112に接触させた際に、回転リング102に対するブラシ101Cの荷重が均一になる。したがって、ブラシ101Cの下段である接触面111bと回転リング102とが均一に摩耗しやすくなる。
以上、第4実施形態では、回転リング102に対するブラシ101Cの荷重を均一にすることができ、当接部111Cと被当接部112の偏摩耗を回避することができるため、上記第1〜第3実施形態と比較して、より効果的に電気抵抗の上昇が抑制される。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図8は、本発明の第5実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第5実施形態において、上記第1〜第4実施形態と同様の構成については説明を省略する。
次に、本発明の第5実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図8は、本発明の第5実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第5実施形態において、上記第1〜第4実施形態と同様の構成については説明を省略する。
上記第1〜第4実施形態では、当接部は、当接部及び被当接部が摩耗により厚みが減少した際に、当接部と被当接部とが接触する部分が増大するように形成されていた。
第5実施形態では、回転リング102Dの被当接部112Dが、当接部111及び被当接部112Dが摩耗により厚みが減少した際に、当接部111と被当接部112Dとが接触する部分が増大するように形成されている。
具体的に説明すると、被当接部112Dは、回転リング102Dの回転軸O(図2参照)を中心とする円筒面P3に沿う断面の断面積が、回転リング102Dの回転軸Oに向かうに連れ、段階的(連続的でもよい)に増大するように形成されている。なお、円筒面P3は、図8では断面図であるため一点鎖線で図示している。
第5実施形態では、被当接部112Dの摩耗が進行した際に、ブラシ101の当接部111と回転リング102Dの被当接部112Dとが接触する部分が増大する。よって、スリップリング装置を長時間使用しても、接触する部分の電気抵抗の上昇を抑制することができる。これにより、スリップリング装置の寿命が長くなり、ロボット装置において、スリップリング装置を交換する頻度が少なくなり、ロボット装置を停止させる頻度が少なくなる。
また、第5実施形態では、被当接部112Dは、回転リング102Dの回転軸Oと直交し且つ当接部111を通過する(当接部111を2分する)平面P2に対して、面対称に形成されている。
この構造によれば、ブラシ101に圧力をかけ、ブラシ101の当接部111を回転リング102Dの被当接部112Dに接触させた際に、回転リング102Dに対するブラシの荷重が均一になる。したがって、当接部111と被当接部112Dとが均一に摩耗しやすくなる。
以上、第5実施形態では、回転リング102Dに対するブラシ101の荷重を均一にすることができ、当接部111と被当接部112Dの偏摩耗を回避することができるため、上記第1〜第3実施形態と比較してより効果的に電気抵抗の上昇が抑制される。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図9は、本発明の第6実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第6実施形態において、上記第1〜第5実施形態と同様の構成については説明を省略する。
次に、本発明の第6実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図9は、本発明の第6実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第6実施形態において、上記第1〜第5実施形態と同様の構成については説明を省略する。
上記第1〜第5実施形態では、当接部及び被当接部のうち少なくとも一方が、摩耗により厚みが減少した際に、当接部と被当接部とが接触する部分が増大するように形成されていた。
第6実施形態では、ブラシ101Eの当接部111E及び回転リング102Eの被当接部112Eの双方が、摩耗により厚みが減少した際に、当接部111Eと被当接部112Eとが接触する部分が増大するように形成されている。具体的には、当接部111E及び被当接部112Eの双方とも段差構造を有している。
即ち、当接部111Eは、厚み方向(矢印D方向)に対して直交する平面P1に沿う断面の断面積が、被当接部112Eから矢印D方向に遠ざかるに連れ、段階的に増大するように形成されている。
被当接部112Eは、回転リング102Eの回転軸O(図2参照)を中心とする円筒面P3に沿う断面の断面積が、回転リング102Eの回転軸Oに向かうに連れ、段階的に増大するように形成されている。
そして、当接部111Eの下段である接触面111bと、被当接部112Eの下段である接触面112bとが接触し、当接部111Eの上段である接触面111aと、被当接部112Eの上段である接触面112aとの間に間隙R1が形成されている。
第6実施形態によれば、当接部111Eと被当接部112Eの段差同士が嵌り込むため、ブラシ101Eが、回転軸Oが延びる方向(矢印X方向)に移動するのを抑制することができる。これにより、ブラシ101Eの下段である接触面111bが、回転リング102Eの上段である接触面112aに接触することがない。このため、摩耗により間隙R1が消失した際に、ブラシ101Eの上段である接触面111aと回転リング102Eの上段である接触面112aとの接触面積を十分にとることが可能となる。したがって、第6実施形態によれば、上記第1実施形態と比較して、電気抵抗の上昇を抑える効果を確実に得ることができる。
なお、当接部111Eの下段である接触面111bと、被当接部112Eの下段である接触面112bとの間に間隙が形成され、当接部111Eの上段である接触面111aと、被当接部112Eの上段である接触面112aとが接触するようにしてもよい。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図10は、本発明の第7実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第7実施形態において、上記第1〜第6実施形態と同様の構成については説明を省略する。
次に、本発明の第7実施形態に係るスリップリング装置について説明する。図10は、本発明の第7実施形態に係るスリップリング装置の断面図である。なお、第7実施形態において、上記第1〜第6実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第7実施形態では、ブラシ101Fの当接部111F及び回転リング102Fの被当接部112Fの双方が、摩耗により厚みが減少した際に、当接部111Fと被当接部112Fとが接触する部分が増大するように形成されている。具体的には、当接部111F及び被当接部112Fの双方とも段差構造を有している。
即ち、当接部111Fは、厚み方向(矢印D方向)に対して直交する平面P1に沿う断面の断面積が、被当接部112Fから矢印D方向に遠ざかるに連れ、段階的に増大するように形成されている。
被当接部112Fは、回転リング102Fの回転軸O(図2参照)を中心とする円筒面P3に沿う断面の断面積が、回転リング102Fの回転軸Oに向かうに連れ、段階的に増大するように形成されている。
第7実施形態では、ブラシ101Fの当接部111Fは、回転リング102Fの回転軸Oと直交し且つ被当接部112Fを通過する(被当接部112Fを2分する)平面P2に対して、面対称に形成されている。
当接部111Fは、下段に位置する接触面111bの両側に上段に位置する接触面111a,111aを有する。被当接部112Fは、下段に位置する接触面112bの両側に上段に位置する接触面112a,112aを有する。
そして、当接部111Fの下段である接触面111bと、被当接部112Fの下段である接触面112bとが接触し、当接部111Fの上段である接触面111aと、被当接部112Fの上段である接触面112aとの間に間隙R1が形成されている。
即ち、当接部111Fは、凸部を形成する側壁面111d,111dを有し、被当接部112Fは、当接部111Fが嵌る凹部を形成する側壁面112d,112dを有する。
第7実施形態によれば、当接部111Fの凸部が被当接部112Fの凹部に嵌り込むため、ブラシ101Fが、回転軸Oが延びる方向(矢印X方向)に移動するのを防止することができる。即ち、ブラシ101Fに矢印X方向に外力が作用しても、側壁面111dと側壁面112dとが接触するので、ブラシ101Fが、矢印X方向に移動するのを防止することができる。
これにより、ブラシ101Fの下段である接触面111bが、回転リング102Fの上段である接触面112aに接触することがない。このため、摩耗により間隙R1が消失した際に、ブラシ101Fの上段である接触面111aと回転リング102Fの上段である接触面112aとの接触面積を十分にとることが可能となる。したがって、第7実施形態によれば、上記第1実施形態と比較して、電気抵抗の上昇を抑える効果を確実に得ることができる。
また、第7実施形態によれば、絶縁部材106(図2)の鍔部105,105を、回転リング102Fよりも大径にする必要がなくなるため、鍔部105,105の高さh4を小さくすることができる。よって、絶縁部材106を小型化することができる。
なお、当接部111Fの下段である接触面111bと、被当接部112Fの下段である接触面112bとの間に間隙が形成され、当接部111Fの上段である接触面111aと、被当接部112Fの上段である接触面112aとが接触するようにしてもよい。
また、当接部111Fを凸形状、被当接部112Fを凹形状に形成したが、当接部111Fを凹形状、被当接部112Fを凸形状に形成してもよい。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
上記第1〜第7実施形態では、スリップリング装置が、1つのブラシと、1つの回転リングとを備える場合について説明したが、複数のブラシと、各ブラシにそれぞれ接触する複数の回転リングとを備えるスリップリング装置についても本発明は適用可能である。
また、1つの回転リングに対して、複数のブラシが接触するように構成されたスリップリング装置においても、本発明は適用可能である。
100…スリップリング装置、101…ブラシ、102…回転リング、111…当接部、112…被当接部
Claims (6)
- 当接部を有する導電性のブラシと、
周方向に亘って形成された被当接部を有し、前記ブラシに対して相対的に回転し、前記当接部が前記被当接部に接触することにより、前記ブラシと導通する導電性の回転リングと、を備え、
前記当接部及び前記被当接部のうち少なくとも一方は、摩耗により厚みが減少した際に、前記当接部と前記被当接部とが接触する部分が増大するように形成されていることを特徴とするスリップリング装置。 - 前記当接部は、厚み方向に対して直交する平面に沿う断面の断面積が、前記被当接部から遠ざかるに連れ、連続的又は段階的に増大するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスリップリング装置。
- 前記当接部は、前記回転リングの回転軸と直交し且つ前記被当接部を通過する平面に対して、面対称に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のスリップリング装置。
- 前記被当接部は、前記回転リングの回転軸を中心とする円筒面に沿う断面の断面積が、前記回転リングの回転軸に向かうに連れ、連続的又は段階的に増大するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスリップリング装置。
- 前記被当接部は、前記回転リングの回転軸と直交し且つ前記当接部を通過する平面に対して、面対称に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のスリップリング装置。
- 第1リンクと、
前記第1リンクに関節で連結された第2リンクと、
前記関節に配置され、前記第1リンクに配置された配線と前記第2リンクに配置された配線とを電気的に導通させる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスリップリング装置と、を備えたことを特徴とするロボット装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013151082A JP2015022942A (ja) | 2013-07-19 | 2013-07-19 | スリップリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013151082A JP2015022942A (ja) | 2013-07-19 | 2013-07-19 | スリップリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015022942A true JP2015022942A (ja) | 2015-02-02 |
Family
ID=52487208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013151082A Pending JP2015022942A (ja) | 2013-07-19 | 2013-07-19 | スリップリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015022942A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016177949A (ja) * | 2015-03-19 | 2016-10-06 | 富士重工業株式会社 | 回転機構及び回転式スキャナ |
-
2013
- 2013-07-19 JP JP2013151082A patent/JP2015022942A/ja active Pending
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