JP2015021385A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の始動に際し、気筒判別を完遂できる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】カム角信号の検出個数を計数するカム角信号検出カウンタ部と、クランク角信号の検出個数を計数するカウンタ部であって、カム角信号の検出を契機としてクランク角信号の検出個数の計数を開始し、その計数しているクランク角信号の検出個数が上限値に達した場合には前記カム角信号検出カウンタ部の検出個数をリセットしてクランク角信号の計数を終了し、かつ、クランク角信号の検出個数を計数している間にカム角信号が検出されるとクランク角信号の検出個数を所定数減じるクランク角信号検出カウンタ部と、クランク角信号に含まれるパルスの欠損に基づいて定められるタイミングでカム角信号検出カウンタ部の検出個数を参照し、各気筒の行程を判別する気筒判別部とを備えた。【選択図】図6

Description

本発明は、始動の際の各気筒の行程の判別を適時に行い得る内燃機関の制御装置に関する。
複数の気筒を備える4ストローク内燃機関では、各気筒が現在どの行程にあるのかを知得して、燃料噴射制御及び点火制御を実施する必要がある。内燃機関の運転制御を司るECU(Electronic Control Unit)は、内燃機関を始動する際のクランキングに伴い発生するクランク角信号(N信号)及びカム角信号(G信号)を受信して各気筒の行程を判別し、しかる後に各気筒毎の行程に合わせた燃料噴射(同期噴射)及び点火を開始する。
尤も、内燃機関を可及的速やかに始動させる必要から、近時では、クランキングの開始と略同時に全ての気筒に一斉に燃料を噴射(非同期噴射)することが通例となっている(例えば、下記特許文献を参照)。予め非同期噴射を実施しておくことにより、気筒判別の完了直後に点火タイミングすなわち圧縮上死点を迎えた気筒に対し、同期噴射による燃料噴射を待つことなく即座に点火することが可能となり、クランキング期間の短縮に資する。
図10は、従来のクランク角信号及びカム角信号の配列を示している。クランク角信号を出力するクランク角センサは、クランクシャフトと一体となって回転するロータの回転角度をセンシングする。そのロータには、クランクシャフトの回転方向に沿った所定角度毎に、歯または突起が形成されている。典型的には、クランクシャフトが10°回転する毎に、歯または突起が配置される。クランク角センサは、ロータの外周に臨み、個々の歯または突起が当該センサの近傍を通過することを検知して、その都度クランク角信号としてパルス信号を発信する。
但し、クランクシャフトが一回転する間に三十六回のパルスを出力するわけではない。クランクシャフトのロータの歯または突起は一部欠けており、その欠歯部分に起因して、クランク角信号のパルス列もまた一部が欠損する。図示例では、十七番目、十八番目、二十番目、二十一番目、三十五番目及び三十六番目に該当するパルスが欠損している。この欠損を基にして、クランクシャフトの絶対的な角度を知ることが可能である。欠損した三十六番目のパルスの次の一番目のパルスのタイミングを0°CAとおくと、欠損した十八番目のパルスに続く十九番目のパルスのタイミングが180°CAということになる。
カム角信号を出力するカム角センサは、吸気カムシャフトと一体となって回転するロータの回転角度をセンシングする。そのロータには、カムシャフトの一回転を気筒数で割った角度毎に、歯または突起が形成されている。三気筒エンジンの場合、カムシャフトが120°回転する毎に、歯または突起が配置される。カムシャフトは、巻掛伝動機構等を介してクランクシャフトから回転駆動力の伝達を受けて回転するもので、その回転速度はクランクシャフトの二分の一である。故に、上記の歯または突起は、クランク角度に換算すれば240°CA毎に配置されていることになる。
カム角センサは、ロータの外周に臨み、個々の歯または突起が当該センサの近傍を通過することを検知して、その都度カム角信号としてパルス信号を発信する。図示例において、カム角信号は、各気筒の圧縮上死点の近傍、または圧縮上死点からあるクランク角度だけ進角側に偏倚したタイミングを示唆している。
従来の気筒判別方法は、以下の通りである。すなわち、内燃機関の制御装置は、カム角信号の検出個数を計数するカム角信号検出カウンタ部と、クランク角信号の検出個数を計数するクランク角信号検出カウンタ部と、クランク角信号に含まれるパルスの欠損に基づいて定められるタイミングでカム角信号検出カウンタ部の検出個数を参照して各気筒の行程を判別する気筒判別部とを備えている。なお、図10では、各ケースにおけるカム角信号の下方に上下2段の数列を記載している。上段(例えば、「正常なケース」におけるクランク角度0°CA付近に記載された「0、9、9、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0」)は、前記クランク角信号検出カウンタ部によるカウントの一例を示している。一方、下段(例えば、「正常なケース」におけるクランク角度0°CA付近に記載された「0、1、1、1、1、1、1、1、1、1、1、1、0」)は、前記カム角信号検出カウンタ部によるカウントの一例を示している。
カム角信号検出カウンタ部は、カム角信号の検出個数に応じて「1」ずつ増加させるカウントを行う。
クランク角信号検出カウンタ部は、カム角信号の検出を契機としてクランク角信号の検出個数の計数を開始し、その計数しているクランク角信号の検出個数が上限値に達した場合には前記カム角信号検出カウンタ部の検出個数をリセットしてクランク角信号の計数を終了する。なお、クランク角信号検出カウンタ部は、クランク角信号の検出個数を計数している間にカム角信号が検出されると、クランク角信号の検出個数を初期値に戻す。
具体的には、クランク角信号検出カウンタ部は、減数カウンタであり、カム角信号の検出を契機として「9」からクランク角信号の検出個数に応じて「1」ずつ減ずるカウントを行う。すなわち、従来のクランク角信号検出カウンタ部では、カム角信号の検出後、クランク角信号を9回検出したら(クランク角信号の検出個数が上限値である「9」に達する、換言すれば、クランク角信号のカウンタ値が「0」となったら)、カム角信号検出カウンタ部の検出個数(「1」または「2」)をリセットして、クランク角信号の計数を終了する。カム角信号の検出個数及びクランク角信号の検出個数がリセットされると、次にカム角信号が検出されるまでクランク角信号の計数は行われない。
さらに、従来のクランク角信号検出カウンタ部は、クランク角信号の検出個数を計数している間にカム角信号が検出される場合に、クランク角信号の検出個数を初期値に戻すようにしている。図示例では、クランク角信号検出カウンタ部のカウンタ値を「9」に戻している。すなわち、カム角信号の検出を契機に「9」からカウントが開始され、次のカム角信号の検出によって「9」から再度カウントが開始されることとなる。
そして、気筒判別部は、クランク角信号に含まれるパルスの欠損に基づいて定められるタイミングで、カム角信号検出カウンタ部の検出個数を参照して、各気筒の行程を判別する。このタイミングは、図10に二点鎖線で示しているように、半サイクルのうち2回到来し、具体的には、
・第1パターン:パルスの単独欠損(欠歯部分に起因する三十五番目及び三十六番目のパルスの欠損)後90°CAのタイミング、
・第2パターン:パルスの連続欠損(欠歯部分に起因する十七番目、十八番目及び二十番目、二十一番目のパルスの欠損)後30°CAのタイミング、
で気筒判別を行う。
まず、第1パターンについて説明すれば、クランキングの開始後、カム角信号の検出を契機としてクランク角信号の検出個数のカウントが開始され、その後に迎える気筒判別タイミングで、パルスの単独欠損が検出され、かつ、気筒判別部が参照するカム角信号検出カウンタ部の検出個数が「0」である場合には、第三気筒の圧縮上死点前150°CAのタイミングであることが判明する(以下、この判定を「A判定」と言う)。さすれば、その後に訪れる第三気筒の圧縮上死点のタイミングで火花点火を実行し、非同期噴射された燃料に着火して燃焼させる膨張行程を営むことができる。
一方、同じ第1パターンであっても、クランキングの開始後、カム角信号の検出を契機としてクランク角信号の検出個数のカウントが開始され、その後に迎える気筒判別タイミングで、パルスの単独欠損が検出され、かつ、気筒判別部が参照するカム角信号検出カウンタ部の検出個数が「1」または「2」である場合には、第一気筒が圧縮上死点に到達する直前、具体的には第一気筒の圧縮上死点前30°CAのタイミングであることが判明する(以下、この判定を「B判定」と言う)。よって、その後に訪れる第一気筒の圧縮上死点のタイミングで火花点火を実行し、非同期噴射された燃料に着火して燃焼させる膨張行程を営むことができる。
次に、第2パターンについて説明すれば、クランキングの開始後、カム角信号の検出を契機としてクランク角信号の検出個数のカウントが開始され、その後に迎える気筒判別タイミングで、パルスの連続欠損が検出され、かつ、気筒判別部が参照するカム角信号検出カウンタ部の検出個数が「1」である場合には、第三気筒の圧縮上死点に到達したタイミングであることが判明する(以下、この判定を「C判定」と言う)。このとき、第三気筒にて火花点火を実行し、非同期噴射された燃料に着火して燃焼させる膨張行程を営むことができる。
一方、同じ第2パターンであっても、クランキングの開始後、カム角信号の検出を契機としてクランク角信号の検出個数のカウントが開始され、その後に迎える気筒判別タイミングで、パルスの連続欠損が検出され、かつ、気筒判別部が参照するカム角信号検出カウンタ部の検出個数が「0」である場合には、第二気筒の圧縮上死点前120°CAのタイミングであることが判明する(以下、この判定を「D判定」と言う)。よって、その後に訪れる第二気筒の圧縮上死点のタイミングで火花点火を実行し、非同期噴射された燃料に着火して燃焼させる膨張行程を営むことができる。
ところで、このような内燃機関においては、例えば、各部品の設計のバラツキや、タイミングチェーンの伸び、また可変バルブタイミング機構を有したものであればカムシャフトの回転位相が一定のまま固着されてしまう、等の不具合が生じる可能性がある。このような場合には、カム角信号が正常よりも進角側にずれたタイミングまたは遅角側にずれたタイミングで検出されることになる。例えば、図10では、以下の4つのケース、すなわち、
・理想的である「正常なケース」、
・進角側にずれた「進みのケース」(具体的には、可変バルブタイミング機構が最も進角した状態(45°CA)で固着+設計のバラツキ(10°CA)あり)、
・遅角側にずれた「遅れのケース」(具体的には、タイミングチェーンが伸びた状態(10°CA)+設計のバラツキ(10°CA)あり)、
・遅角側に大きくずれた「悪化した遅れのケース」(具体的には、タイミングチェーンが伸びた状態(10°CA)+設計バラツキ(10°CA)あり+制御遅れ(20°CA))
を示している。
これらのケースを比較してみると、従来の制御方法であっても、カム角信号の進角側へのずれや遅角側のずれに概ね対応できるようになっている。すなわち、カム角信号の検出が「正常なケース」と異なるものであっても、多くの場合、「正常なケース」と同じカム角信号検出カウンタ部の検出個数を得ることができる。
しかしながら、「正常なケース」と同じカム角信号検出カウンタ部の検出個数を得られず、気筒判別を誤ってしまう場合もある。
具体的には、第1パターンで、カム角信号検出カウンタ部の検出個数が「0」となり、前記A判定がなされるはずであるところ、「悪化した遅れのケース」ではカム角信号検出カウンタ部の検出個数が「1」となり、前記B判定がなされてしまう。そのため、第一気筒が圧縮上死点に到達する直前であると誤判別され、第三気筒で燃焼が適切に行われずに、再度の気筒判別行程が必要となってしまう。
また、第2パターンで、カム角信号検出カウンタ部の検出個数が「0」となり、前記D判定がなされるはずであるところ、「悪化した遅れのケース」ではカム角信号検出カウンタ部の検出個数が「1」となり、前記C判定がなされてしまう。そのため、第三気筒が圧縮上死点であると誤判別され、第二気筒で燃焼が適切に行われずに、再度の気筒判別行程が必要となってしまう。
このように、気筒判別を誤った場合には、内燃機関の再始動時に最初に訪れる気筒の圧縮上死点のタイミングに合わせて点火を実施することができず、その分だけクランキングに費やされる時間が延びることとなる。
特開2012−087733号公報
本発明は、内燃機関の始動に際し、気筒判別を完遂できる内燃機関の制御装置を提供することを所期の目的とする。
本発明の内燃機関の制御装置は、クランクシャフトに付随するクランク角センサが、クランクシャフトが単位角度回転する毎にクランク角信号を出力しつつ、クランクシャフトの特定の回転位相角においてはそのクランク角信号を出力せずに欠損させるものであり、クランクシャフトに従動して回転し吸気バルブまたは排気バルブを開閉駆動するカムシャフトに付随するカム角センサが、カムシャフトが単位角度回転する毎に基本カム角信号を出力することに加えて、カムシャフトの特定の回転位相角において追加カム角信号を出力するものである内燃機関を制御する制御装置であって、カム角信号の検出個数を計数するカム角信号検出カウンタ部と、クランク角信号の検出個数を計数するカウンタ部であって、カム角信号の検出を契機としてクランク角信号の検出個数の計数を開始し、その計数しているクランク角信号の検出個数が上限値に達した場合には前記カム角信号検出カウンタ部の検出個数をリセットしてクランク角信号の計数を終了し、かつ、クランク角信号の検出個数を計数している間にカム角信号が検出されるとクランク角信号の検出個数を所定数減じるクランク角信号検出カウンタ部と、クランク角信号に含まれるパルスの欠損に基づいて定められるタイミングでカム角信号検出カウンタ部の検出個数を参照し、各気筒の行程を判別する気筒判別部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関の始動に際し、気筒判別を完遂できる。
本発明の第1実施形態における車両用内燃機関の全体構成を示す図。 同実施形態の制御装置が制御する可変バルブタイミング機構を示す図。 同実施形態の内燃機関に付随するクランク角センサの態様を模式的に示す図。 同実施形態の内燃機関に付随するカム角センサの態様を模式的に示す図。 同実施形態のハードウェア資源構成を示す図。 同実施形態の内燃機関において実行される気筒判別の内容を説明するタイミング図。 図6の一部を拡大して示すタイミング図。 図6の一部を拡大して示すタイミング図。 図6の一部を拡大して示すタイミング図。 従来の内燃機関において実行される気筒判別の内容を説明するタイミング図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
図2に示すように、本実施形態における内燃機関では、クランクスプロケット71、吸気側スプロケット72及び排気側スプロケット73にタイミングチェーン74を巻き掛け、このタイミングチェーン74により、クランクシャフトからもたらされる回転駆動力を吸気側スプロケット72を介して吸気カムシャフトに、排気側スプロケット73を介して排気カムシャフトに、それぞれ伝達している。
その上で、吸気側スプロケット72と吸気カムシャフトとの間に、可変バルブタイミング機構6を介設している。本実施形態における可変バルブタイミング機構6は、クランクシャフトに対する吸気カムシャフトの回転位相を変化させることにより吸気バルブの開閉タイミングを変化させるものである。
可変バルブタイミング機構6のハウジング61は、吸気側スプロケット72に固着しており、吸気側スプロケット72とハウジング61とは一体となってクランクシャフトに同期して回転する。これに対し、吸気カムシャフトの一端部に固着したロータ62は、ハウジング61内に収納され、吸気側スプロケット72及びハウジング61に対して相対的に回動することが可能である。ハウジング61の内部には、作動液が流出入する複数の流体室が形成され、各流体室は、ロータ62の外周部に成形されたベーン621によって進角室612と遅角室611とに区画されている。
可変バルブタイミング機構6の液圧(特に、油圧)回路には、オイルパン81内に蓄えられた作動液が液圧ポンプ82より供給される。液圧ポンプ82は、内燃機関からの動力で駆動される。液圧ポンプ82と可変バルブタイミング機構6との間には、切換制御弁であるOCV(Oil Control Valve)9を設けている。作動液の流量及び方向をこのOCV9を介して操作することで、オイルパン81から汲み上げた作動液を進角室612または遅角室611に選択的に供給することができる。さすれば、ハウジング61がロータ62に対して相対回動し、吸気バルブの開閉タイミングを進角または遅角させることができる。
OCV9は、いわゆる電磁式の四方向スプール弁である。図2に示すように、OCV9は、液圧ポンプ82の吐出口と接続する供給ポート91、ハウジング61の進角室612と接続するAポート92、ハウジング61の遅角室611と接続するBポート93、並びにオイルパン81と接続するドレインポート94、95を有している。OCV9のスプールは、進退動作により内部粒体経路を切り換えて、Aポート92及びBポート93をそれぞれ供給ポート91、ドレインポート94、95の何れかに連通させる。また、スプール96が中立位置をとるときには内部流体経路が断絶し、Aポート92及びBポート93を供給ポート91にもドレインポート94、95にも連通させない。図2では、スプール96が中立位置にある状態を示している。
スプール96はソレノイド97によって駆動する。すなわち、制御信号mとしてソレノイド97に入力するパルス電流(または、電圧)のデューティ比に応じて、スプール96の進退の距離が変化する。制御信号mのデューティ比が比較的大きい場合には、液圧ポンプ82から吐出される作動液圧がAポート92を通じて進角室612に供給される一方、既に遅角室611に貯留していた作動液がBポート93を通じてオイルパン81に向けて流下することとなり、進角室612の容積が拡大、遅角室611の容積が縮小するようにベーン621及びロータ62が回動する。結果、吸気カムシャフトの回転位相、換言すれば吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する変位角が進角して、吸気バルブのバルブタイミングが進角化する。
逆に、制御信号mのデューティ比が比較的小さい場合には、液圧ポンプ82から吐出される作動液圧がBポート93を通じて遅角室611に供給される一方、既に進角室612に貯留していた作動液がAポート92を通じてオイルパン81に向けて流下することとなり、遅角室611の容積が拡大、進角室612の容積が縮小するようにベーン621及びロータ62が回動する。結果、吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する変位角が遅角して、吸気バルブのバルブタイミングが遅角化する。
総じて言えば、制御信号mのデューティ比が中立より大きいほど吸気バルブのバルブタイミングが速く進角し、デューティ比が中立より小さいほど吸気バルブのバルブタイミングが速く遅角する。
本実施形態の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)g、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号h等が入力される。アクセル開度は、いわば要求負荷である。内燃機関の冷却液温は、内燃機関の温度を示唆する。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、OCV9に対して制御信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミングといった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、m
を出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、電動機(スタータモータまたはモータジェネレータ)に制御信号sを入力し、電動機によりクランクシャフトを回転させるクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数すなわちクランクシャフトの回転速度が冷却水温等に応じて定まる判定値を超えたときに(完爆したものと見なして)終了する。
ここで、クランク角信号b及びカム角信号gに関して補足する。図3に示すように、クランク角センサは、クランクシャフトに固定されクランクシャフトと一体となって回転するロータ75の回転角度をセンシングするものである。そのロータ75には、クランクシャフトの回転方向に沿った所定角度毎に、歯または突起76が形成されている。典型的には、クランクシャフトが10°回転する毎に、歯または突起76が配置される。
クランク角センサは、ロータ75の外周に臨み、個々の歯または突起76が当該センサの近傍を通過することを検知して、その都度クランク角信号bとしてパルス信号を発信する。ECU0は、このパルスをクランク角信号bとして受信する。
但し、クランク角センサは、クランクシャフトが一回転する間に三十六回のパルスを出力するわけではない。クランクシャフトのロータ75の歯または突起76は、その一部が欠けている。図3に示す例では、十七番目、十八番目及び二十番目、二十一番目の欠歯部分761、並びに、三十五番目、三十六番目の欠歯部分762という、大きく分けて二つの欠歯部分761、762が存在する。欠歯部分761、762はそれぞれ、クランクシャフトの特定の回転位相角に対応する。すなわち、連続する欠歯部分761は180°CA及び540°CAに対応しており、単独の欠歯部分762は0°及び360°CAに対応している。
そして、図6に示すように、上記の欠歯部分761、762に起因して、クランク角信号bのパルス列もまた一部が欠損する。この欠損を基にして、クランクシャフトの絶対的な角度を知ることが可能である。欠損した三十六番目のパルスの次の一番目のパルスのタイミングを0°CA(または、360°CA)とおくと、欠損した十八番目のパルスに続く十九番目のパルスのタイミングが180°CA(または、540°CA)ということになる。上記の0°CAのパルスのタイミングは、特定の気筒(図示例では、第二気筒)1の圧縮上死点に略等しい。
図4に示すように、カム角センサもまた、カムシャフトに固定されカムシャフトと一体となって回転するロータ77の回転角度をセンシングするものである。そのロータ77には、少なくともカムシャフトの一回転を気筒数で割った角度毎に、歯または突起78が形成されている。三気筒エンジンの場合、カムシャフトが120°回転する毎に、歯または突起78が配置される。
カムシャフトは、巻掛伝動機構(チェーン及びスプロケット。図示せず)等を介してクランクシャフトから回転駆動力の伝達を受けて回転するもので、その回転速度はクランクシャフトの二分の一である。故に、上記の歯または突起78は、クランク角度に換算すれば240°CA毎に配置されていることになる。
加えて、本実施形態においては、ロータ77に、追加的なカム角信号gを発生させるための歯または突起79が、240°CA毎の歯または突起78の間に一つ設けられる。
カム角センサは、ロータ77の外周に臨み、個々の歯または突起78、79が当該センサの近傍を通過することを検知して、その都度カム角信号gとしてパルス信号を発信する。ECU0は、このパルスをカム角信号gとして受信する。
歯または突起78に起因して発生する基本カム角信号gは、何れかの気筒1が所定の行程に至ったことを表す。吸気カムシャフトにカム角センサが付随している場合、そのカム角センサが出力する基本カム角信号gは、図6に示しているように、各気筒1における圧縮上死点の近傍、または圧縮上死点から所定クランク角度(30°CAないし70°CAの範囲内の値)だけ進角側に偏倚したタイミングを示唆する。いわゆる位相変化型の可変バルブタイミング機構が付随している内燃機関にあっては、カム角信号gが当該機構により調節されるバルブタイミングをも表す。
歯または突起79に起因して発生する追加カム角信号gは、カムシャフト(及び、クランクシャフト)の特定の回転位相角に対応しており、各気筒1の行程を判別するための補助となるものである。図4に示している例では、第一気筒1の圧縮上死点の近傍を表す基本カム角信号gのパルスから60°CA進角したタイミングに、追加カム角信号gのパルスが存在している。クランク角信号bのパルス列から明らかとなる60°CAの間隔を隔ててこれら二つのカム角信号gのパルスを連続して受信したとき、後者のパルスの直後が第一気筒1の圧縮上死点であることが分かる。
すなわち、本実施形態の内燃機関は、クランクシャフトに付随するクランク角センサが、クランクシャフトが単位角度回転する毎にクランク角信号bを出力しつつ、クランクシャフトの特定の回転位相角においてはそのクランク角信号bを出力せずに欠損させるものであり、クランクシャフトに従動して回転し吸気バルブを開閉駆動するカムシャフトに付随するカム角センサが、カムシャフトが単位角度回転する毎に基本カム角信号gを出力することに加えて、カムシャフトの特定の回転位相角において追加カム角信号gを出力するものである。
本実施形態のECU0は、停止している内燃機関の始動に際し、スタータモータによりクランクシャフトを回転駆動するクランキングを行い、かつそのクランキングの開始と略同時(クランキングの開始の直前、開始と同時または開始した直後)に、三気筒1の全てに一斉に燃料を噴射する非同期噴射を実施する。
そして、クランクシャフトの回転に伴い発生するクランク角信号b及びカム角信号gを受信して、各気筒1の行程の判別を行う。各気筒1の行程の判別が完了したならば、気筒1毎に個別に燃料を噴射する同期噴射及び火花点火を開始する。内燃機関のクランキング中は、各気筒1毎に、排気上死点の直前のタイミングで同期噴射を実施するとともに、圧縮上死点の直後のタイミングで火花点火を実施する。
以下、本実施形態における始動時の気筒判別方法について説明する。
本実施形態において、ECU0は、カム角信号gの検出個数を計数するカム角信号検出カウンタ部21と、クランク角信号bの検出個数を計数するクランク角信号検出カウンタ部22と、クランク角信号bに含まれるパルスの欠損に基づいて定められるタイミングでカム角信号検出カウンタ部21の検出個数を参照して各気筒1の行程を判別する気筒判別部23とを備えている。なお、図6〜図9では、各ケースにおけるカム角信号gの下方に上下2段の数列を記載している。上段(例えば、「正常なケース」におけるクランク角度0°CA付近に記載された「0、7、7、7、6、5、4、3、2、1、0」)は、前記クランク角信号検出カウンタ部22によるカウントの一例を示している。一方、下段(例えば、「正常なケース」におけるクランク角度0°CA付近に記載された「0、1、1、1、1、1、1、1、1、1、0」)は、前記カム角信号検出カウンタ部21によるカウントの一例を示している。
カム角信号検出カウンタ部21は、プログラムに従い上記ハードウェア資源を作動し、カム角信号の検出個数に応じて「1」ずつ増加させるカウントを行う。
クランク角信号検出カウンタ部22は、プログラムに従い上記ハードウェア資源を作動し、カム角信号gの検出を契機としてクランク角信号bの検出個数の計数を開始し、その計数しているクランク角信号bの検出個数が上限値に達した場合には前記カム角信号検出カウンタ部21の検出個数をリセットしてクランク角信号bの計数を終了する。なお、このクランク角信号検出カウンタ部22は、クランク角信号bの検出個数を計数している間にカム角信号gが検出されると、クランク角信号bの検出個数を所定数減じる。
具体的には、クランク角信号検出カウンタ部22は、減数カウンタであり、カム角信号gの検出を契機として「7」からクランク角信号bの検出個数に応じて「1」ずつ減ずるカウントを行う。すなわち、本実施形態のクランク角信号検出カウンタ部22では、カム角信号gの検出後、クランク角信号bを7回検出したら(クランク角信号bの検出個数が上限値である「7」に達する、換言すれば、クランク角信号bのカウンタ値が「0」となったら)、カム角信号検出カウンタ部21の検出個数(「1」または「2」)をリセットして、クランク角信号bの計数を終了する。カム角信号gの検出個数及びクランク角信号bの検出個数がリセットされると、次にカム角信号gが検出されるまでクランク角信号bの計数は行われない。
さらに、本実施形態のクランク角信号検出カウンタ部22は、クランク角信号bの検出個数を計数している間にカム角信号gが検出される場合に、クランク角信号bの検出個数を所定数(具体的には「3」)減ずるようにしている。図示例では、クランク角信号検出カウンタ部22のカウンタ値を「3」増加させている。そのため、カム角信号gの検出を契機に「7」からカウントが開始され、次のカム角信号gの検出によって「3」カウント分戻されることとなる。
そして、本実施形態の気筒判別部23は、クランク角信号bに含まれるパルスの欠損に基づいて定められるタイミングでカム角信号検出カウンタ部21の検出個数を参照し、各気筒1の行程を判別する。このタイミングは、図6に二点鎖線で示しているように、半サイクルのうち2回到来し、具体的には、
・第1パターン:パルスの単独欠損(欠歯部分762に起因する三十五番目及び三十六番目のパルスの欠損)後90°CAのタイミング、
・第2パターン:パルスの連続欠損(欠歯部分761に起因する十七番目、十八番目及び二十番目、二十一番目のパルスの欠損)後30°CAのタイミング、
で気筒判別を行う。
なお、クランク角信号bのパルスの欠損を検出するためには、欠損したパルスの直前のパルスと直後のパルスとの間隔に等しい30°CA分のパルス列をさらに受信することが必要である。故に、三十五番目及び三十六番目のパルスの欠損が検出されて気筒判別が完了するのは、クランク角信号bの三番目のパルスを受信した後である。また、十七番目、十八番目及び二十番目、二十一番目のパルスの欠損が検出されて気筒判別が完了するのは、クランク角信号bの二十四番目のパルスを受信した後である。
まず、第1パターンについて説明すれば、図7に示すように、クランキングの開始後、カム角信号gの検出を契機としてクランク角信号bの検出個数のカウントが開始され、その後に迎える気筒判別タイミングで、パルスの単独欠損が検出され、かつ、気筒判別部23が参照するカム角信号検出カウンタ部21の検出個数が「0」である場合には、第三気筒1の圧縮上死点前150°CAのタイミングであることが判明する。さすれば、その後に訪れる第三気筒1の圧縮上死点のタイミング(そのタイミングは、クランク角信号bにより明らかとなる)で火花点火を実行し、非同期噴射された燃料に着火して燃焼させる膨張行程を営むことができる。
一方、同じ第1パターンであっても、図9に示すように、クランキングの開始後、カム角信号gの検出を契機としてクランク角信号bの検出個数のカウントが開始され、その後に迎える気筒判別タイミングで、パルスの単独欠損が検出され、かつ、気筒判別部23が参照するカム角信号検出カウンタ部21の検出個数が「1」または「2」である場合には、第一気筒1が圧縮上死点に到達する直前、具体的には第一気筒1の圧縮上死点前30°CAのタイミングであることが判明する。よって、その後に訪れる第一気筒1の圧縮上死点のタイミング(そのタイミングは、クランク角信号bにより明らかとなる)で火花点火を実行し、非同期噴射された燃料に着火して燃焼させる膨張行程を営むことができる。なお、第一気筒1が圧縮上死点に到達する直前タイミングを表す基本カム角信号gよりも先に追加カム角信号gが発生することから、気筒判別が点火タイミングに間に合い、当該圧縮上死点にて第一気筒1に点火することが可能となる。
次に、第2パターンについて説明すれば、図8に示すように、クランキングの開始後、カム角信号gの検出を契機としてクランク角信号bの検出個数のカウントが開始され、その後に迎える気筒判別タイミングで、パルスの連続欠損が検出され、かつ、気筒判別部23が参照するカム角信号検出カウンタ部21の検出個数が「1」である場合には、第三気筒1の圧縮上死点に到達したタイミングであることが判明する。このとき、第三気筒1にて火花点火を実行し、非同期噴射された燃料に着火して燃焼させる膨張行程を営むことができる。なお、第三気筒1の圧縮上死点のタイミングを表す基本カム角信号gが二十四番目のクランク角信号b以前に検出される上、この二十四番目のクランク角信号bが第三気筒1の圧縮上死点近傍のタイミングにあることから、気筒判別が点火タイミングに間に合い、当該圧縮上死点にて第三気筒1に点火することが可能となる。
一方、同じ第2パターンであっても、図9に示すように、クランキングの開始後、カム角信号gの検出を契機としてクランク角信号bの検出個数のカウントが開始され、その後に迎える気筒判別タイミングで、パルスの連続欠損が検出され、かつ、気筒判別部23が参照するカム角信号検出カウンタ部21の検出個数が「0」である場合には、第二気筒1の圧縮上死点前120°CAのタイミングであることが判明する。よって、その後に訪れる第二気筒1の圧縮上死点のタイミング(そのタイミングは、クランク角信号bにより明らかとなる)で火花点火を実行し、非同期噴射された燃料に着火して燃焼させる膨張行程を営むことができる。
ところで、このような内燃機関においては、例えば、各部品の設計のバラツキや、タイミングチェーン74の伸び、また本実施形態のような可変バルブタイミング機構6を有したものであればカムシャフトの回転位相が一定のまま固着されてしまう、等の不具合が生じる可能性がある。このような場合には、カム角信号gが正常よりも進角側にずれたタイミングまたは遅角側にずれたタイミングで検出されることになる。例えば、図6〜図9では、以下の4つのケース、すなわち、
・理想的である「正常なケース」、
・進角側にずれた「進みのケース」(具体的には、上段に記載された<可変バルブタイミング機構が最も進角した状態(45°CA)で固着+設計のバラツキ(10°CA)あり>、及び、下段に記載された<可変バルブタイミング機構が最も進角した状態(45°CA)で固着+設計のバラツキ(10°CA)あり+制御遅れ(20°CA)>)、
・遅角側にずれた「遅れのケース」(具体的には、タイミングチェーンが伸びた状態(10°CA)+設計のバラツキ(10°CA)あり)、
・遅角側に大きくずれた「悪化した遅れのケース」(具体的には、タイミングチェーンが伸びた状態(10°CA)+設計バラツキ(10°CA)あり+制御遅れ(20°CA))
を示している。
これらのケースを比較してみると、本実施形態の制御装置たるECU0によれば、カム角信号gの進角側へのずれや遅角側のずれに確実に対応できるようになっている。すなわち、「正常なケース」と異なる他のケース、特に従来問題となっていた「悪化した遅れのケース」においても、「正常なケース」と同じカム角信号検出カウンタ部21の検出個数を得ることができる。そのため、図示した「進みのケース」、「遅れのケース」、「悪化した遅れのケース」のいずれであっても、「正常なケース」と同じ正確な気筒判別を行うことができ、次に点火すべき気筒1で燃焼が適切に行われることとなる。
しかして、本実施形態によれば、カム角信号gの検出タイミングに影響を与える要因の有無にかかわらず、内燃機関の始動に際し、各気筒1の行程判別を正確に行うことができ、最初の点火及び燃焼を確実に実施できるようになる。ひいては、クランキング期間の短縮に寄与し、燃費を向上させることができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、クランク角信号検出カウンタ部は、上述した減数カウンタには限られず、例えば、カム角信号の検出を契機として「1」からクランク角信号の検出個数に応じて「1」ずつ増加するカウントを行うトータルカウンタであってもよい。
上記実施形態における内燃機関はポート噴射式のものであったが、各気筒の燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射式の内燃機関の始動制御に本発明を適用することも可能である。
カム角センサは、排気バルブを回転駆動する排気カムシャフトに固設されたロータの回転を検出して基本カム角信号及び追加カム角信号を出力するものであってもよい。
可変バルブタイミング機構の具体的態様は任意であり、一意に限定されない。クランクシャフトに対する吸気カムシャフトの回転位相を液圧により進角/遅角させる態様のもの以外にも、吸気バルブを電磁ソレノイドバルブとしたものや、吸気バルブを開弁駆動する吸気カムを複数用意しておきそれらカムを適宜使い分けるもの、ロッカーアームのレバー比を電動モータで変化させるもの等が知られており、それら種々の機構の中から選択して採用することが許される。また、可変バルブタイミング機構を搭載しない内燃機関の制御に本発明を適用してももちろんよい。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両に搭載される内燃機関の始動制御に用いることができる。
0…制御装置(ECU)
21…カム角信号検出カウンタ部
22…クランク角信号検出カウンタ部
23…気筒判別部
b…クランク角信号
g…カム角信号

Claims (1)

  1. クランクシャフトに付随するクランク角センサが、クランクシャフトが単位角度回転する毎にクランク角信号を出力しつつ、クランクシャフトの特定の回転位相角においてはそのクランク角信号を出力せずに欠損させるものであり、
    クランクシャフトに従動して回転し吸気バルブまたは排気バルブを開閉駆動するカムシャフトに付随するカム角センサが、カムシャフトが単位角度回転する毎に基本カム角信号を出力することに加えて、カムシャフトの特定の回転位相角において追加カム角信号を出力するものである内燃機関を制御する制御装置であって、
    カム角信号の検出個数を計数するカム角信号検出カウンタ部と、
    クランク角信号の検出個数を計数するカウンタ部であって、カム角信号の検出を契機としてクランク角信号の検出個数の計数を開始し、その計数しているクランク角信号の検出個数が上限値に達した場合には前記カム角信号検出カウンタ部の検出個数をリセットしてクランク角信号の計数を終了し、かつ、クランク角信号の検出個数を計数している間にカム角信号が検出されるとクランク角信号の検出個数を所定数減じるクランク角信号検出カウンタ部と、
    クランク角信号に含まれるパルスの欠損に基づいて定められるタイミングでカム角信号検出カウンタ部の検出個数を参照し、各気筒の行程を判別する気筒判別部とを備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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