JP2015019809A - 眼科装置、眼科装置の制御方法、プログラム - Google Patents

眼科装置、眼科装置の制御方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】角膜屈折手術の適応の可否の判定のスクリーニング効率を向上させることのできる眼科装置を提供する。【解決手段】眼科装置1aは、被検眼の眼屈折力を測定するための眼屈折力測定部307と、被検眼の角膜表面曲率を測定するための角膜表面曲率測定部308と、被検眼の角膜厚を測定するための角膜厚測定部309と、眼屈折力測定部307により測定された眼屈折力と角膜表面曲率測定部308により測定された角膜表面曲率と角膜厚測定部309により測定された角膜厚を用い、角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定する判定処理部306とを有する。【選択図】図6

Description

本発明は、眼科装置、眼科装置の制御方法、プログラムに関するものである。
近年、角膜の表面を切除し角膜表面形状を変化させることにより眼屈折力異常を矯正する、LASIKに代表されるような角膜屈折矯正の手術を受ける患者が増加している。角膜屈折矯正の手術は、矯正する眼屈折力や角膜表面曲率や角膜厚の条件によっては、手術適応不可能となる場合がある。具体的には、矯正する眼屈折力が大きい割に角膜厚が薄いと、術後角膜厚が薄くなりすぎるために手術適応不可能となることがある。
ところで、手術希望患者の増加に伴い、容易に手術適応可否を判定することが求められている。ここで、演算された眼屈折力と演算された角膜曲率とを用いて、角膜屈折矯正の手術の際の角膜切除量を算出するための制御部を有する眼科装置が、特許文献1に開示されている。このとき、制御部は、眼屈折測定モードで眼屈折力測定光学系が持つ受光素子からの出力信号を用いて眼屈折力を演算し、また、角膜曲率測定モードで角膜曲率測定用光学系が持つCCDカメラで撮影された像を画像処理して角膜表面曲率を演算する。
特開平11−276437号公報
ここで、眼屈折力や角膜曲率等の各眼特性を測定した後、角膜屈折矯正の手術の適応の可否の判定を、眼特性を測定する装置とは別の装置等で行うと、ユーザーの手間がかかり、該判定のスクリーニング効率が良くなかった。
本発明の目的は、以上の点を鑑み、角膜屈折手術の適応の可否の判定のスクリーニング効率を向上させることである。
上記の課題を解決するために、本発明の眼科装置は、被検眼の眼屈折力を測定する眼屈折力測定手段と、前記被検眼の角膜表面曲率を測定する曲率測定手段と、前記被検眼の角膜厚を測定する角膜厚測定手段と、前記測定された眼屈折力と前記測定された角膜表面曲率と前記測定された角膜厚とに基づいて、角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、各眼特性の測定と角膜屈折矯正の手術の適応判定を連続して行うことができる。このため、角膜屈折手術の適応の可否の判定のスクリーニング効率が向上する。
本発明の実施例1に係る光学系の配置図である。 近視矯正手術適応前後の際の前眼部を示した図である。 角膜切除厚の算出方法を示す図である。 角膜屈折力の算出方法を示す図である。 角膜切除厚の算出方法を示す図である。 本発明の実施例1、2に係るシステムブロック図である。 本発明の実施例1、2に係るフローチャートである。 本発明の実施例1、2、3に係る結果表示方法である。 本発明の実施例1、2に係るフローチャートの別例である。 本発明の実施例2に係る光学系の配置図である。 遠視矯正手術適応の際の前眼部を示した図である。 本発明の実施例3に係るシステムブロック図である。 本発明の実施例3に係るフローチャートである。
図1は、本発明の実施例1に係る眼科装置1aの測定部の光学系の配置図である。光学系は、眼屈折力測定光学系と、角膜表面曲率測定光学系と、角膜厚測定光学系と、固視標投影光学系と、アライメント光学系とを含む。そして、実施例1に係る眼科装置1aは、被検眼Eの眼特性として、眼屈折力と角膜表面曲率と角膜厚との三種類を測定できる。
(眼屈折力測定光学系)
測定光源101から被検眼Eに至る光路01は、眼屈折力測定のための投影系である。測定光源101は、波長880nmの光を照射する。光路01上には、測定光源101の側から順に、レンズ102と、絞り103と、孔あきミラー104と、レンズ105と、ダイクロイックミラー106とが配置されている。絞り103は、被検眼Eの瞳孔Epと略共役な関係になるように配置される。ダイクロイックミラー106は、被検眼Eの側からの可視光の光束を全反射し、波長880nmの光束を一部反射する。
光路02は、眼屈折力測定のための受光系である。光路02は、被検眼Eから孔あきミラー104に達し、孔あきミラー104で光路01と分岐し、撮像素子110に至る。光路02上には、被検眼Eの側から順に、ダイクロイックミラー106と、レンズ105と、孔あきミラー104と、眼屈折力測定絞り107と、光束分離プリズム108と、レンズ109と、撮像素子110とが配列されている。眼屈折力測定絞り107は、被検眼Eの瞳孔Epと略共役な関係になるように配置される。
また、レンズ105と孔あきミラー104との間には、半透明の拡散板129が配設される。拡散板129は、不図示の拡散板挿脱ソレノイドにより矢印Aの方向に移動可能に構成される。そして拡散板129は、眼屈折力測定時には、光路01,02の外に配置されている。
測定光源101から発せられた光束は、絞り103で絞られ、レンズ102によりレンズ102とレンズ105との間で1次結像する。さらにこの光束は、レンズ105とダイクロイックミラー106とを透過して、被検眼Eの瞳中心に投影される。投影された光束は、被検眼Eの眼底Efで結像する。眼底Efでは光が散乱し、一部の光が光束として瞳孔Epを抜けて再びレンズ105に入射する。入射した光束は、レンズ105を透過し、孔あきミラー104の孔の周辺で反射する。反射した光束は眼屈折力測定絞り107と光束分離プリズム108で瞳分離される。眼屈折力測定絞り107はリング状のスリットを有している。このため、瞳分離された光束は、撮像素子110の受光面にリング像として投影される。
図1に示した眼屈折力測定光学系は、一般にレフラクトメーターとして知られるものである。この眼屈折力測定光学系は、角膜Ecの中心付近(主に眼屈折力測定絞り107のスリットのリング径によって決まる位置)における眼屈折力を代表値として、球面成分SPHと正乱視成分CYLに分けて測定する。眼屈折力測定光学系は、撮像素子110で受光したリング像を円もしくは楕円で近似し、円または楕円の大きさや傾きから眼屈折力を測定する。被検眼Eが正視眼であれば、このリング像は所定の円になる。そして、近視眼では正視眼に対して円が小さく、遠視眼では正視眼に対して円が大きくなる。被検眼Eに乱視がある場合、リング像は楕円になる。そして、水平軸と楕円の長軸がなす角度が乱視軸角度AXとなる。正視眼が基準となり0Dで表され、正視状態への矯正量を眼屈折力として測定する。近視であればマイナス、遠視であればプラスとなり、乱視成分CYLは、球面成分SPHに対し屈折力が強い成分としマイナスの値となる。
また、一般に、眼屈折力は、コンタクトレンズの処方を目的とした角膜頂点を基準とした値と、眼鏡処方を目的として角膜頂点から12mm離れた位置を基準とした値がある。これらは相互に容易に変換可能な値である。本実施例においては、眼屈折力は、角膜頂点を基準とした値とする。
(角膜表面曲率測定光学系)
リング光源111から被検眼Eに至る光路03は、角膜表面曲率測定の為の投影系である。リング光源111は、波長780nmの光を照射する。
被検眼Eからダイクロイックミラー106とハーフミラー113で反射し撮像素子115に至る光路04は、角膜表面曲率測定の為の受光系である。光路04上には、被検眼Eの側から順に、ダイクロイックミラー106と、レンズ112と、ハーフミラー113と、レンズ114と、撮像素子115とが配置されている。ハーフミラー113とレンズ114との間には、アライメントプリズム絞り130が配置される。アライメントプリズム絞り130は、不図示の拡散板挿脱ソレノイドにより矢印Bの方向に移動可能に構成される。そして、アライメントプリズム絞り130は、角膜表面曲率測定時には光路外に配置されている。また、リング光源111と撮像素子115は略共役な関係になっている。
リング光源111からの投影光は、被検眼Eの角膜Ecの表面で反射し、光路04を通過して撮像素子115に至る。角膜Ecの表面曲率により投影光束の反射角度が変わる為、角膜表面曲率に応じたリング像が撮像素子115に投影される。
図1に示した角膜表面曲率測定光学系は、ケラトメーターとして知られるものである。この角膜表面曲率測定光学系は、角膜形状を球面やトーリック面であると仮定して、角膜中心付近(主にリング光源111のリング径によって決まる位置)における角膜表面曲率を代表値として測定する。測定においては、撮像素子115で受光したリング像を、円または楕円で近似する。そして、円または楕円の大きさや傾きから、角膜表面曲率を測定する。角膜表面曲率が大きいほど、リング像は大きくなる、また、角膜Ecがトーリック成分を持つと、リング像は楕円になる。角膜表面曲率のうち、大曲率半径R1、小曲率半径R2および水平軸と楕円の長軸がなす角度である軸角度AXcが求められる。
(角膜厚測定光学系)
光源116から被検眼Eに至る光路05は、角膜厚測定の為の投影系である。光源116は、波長450nmの光を照射する。光路05上には、光源116の側から順に、スリット板117と、レンズ118と、ハーフミラー119と、ハーフミラー113と、レンズ112と、ダイクロイックミラー106とが配置されている。
被検眼Eから撮像素子122に至る光路06は、角膜厚測定の為の受光系である。光路06上には、被検眼Eの側から順に、フィルター120と、レンズ121と、撮像素子122とが配置されている。フィルター120は、光源116による角膜散乱光波長域の光を透過する。
投影系である光路05と受光系である光路06は、角膜Ecの角膜頂点で交差している。また、スリット板117と、角膜Ecと、撮像素子122とは略共役の関係になっている。
光源116は、スリット板117を照明する。そして、スリット板117は、レンズ118とレンズ112とにより、角膜Ec上に結像する。投影光は、角膜Ec内を透過の際に散乱し、フィルター120で余分な光がカットされ、レンズ121により撮像素子122に結像する。これにより、撮像素子122により角膜断面像が取得され、像の幅から角膜厚を算出することができる。
(固視標投影光学系)
固視標照明用可視光光源(以下、可視光光源と略す)123から被検眼Eに至る光路08は、固視標投影光学系である。固視標投影光学系の光路08上には、可視光光源123の側から順に、固視標124と、レンズ125と、ミラー126と、レンズ127と、ハーフミラー119と、ハーフミラー113と、レンズ112と、ダイクロイックミラー106とが配置されている。
固視誘導時には、可視光光源123の光束は、固視標124を裏側から照明する。そして、この光束は、レンズ125と、ミラー126と、レンズ127と、ハーフミラー119と、ハーフミラー113と、レンズ112と、ダイクロイックミラー106とを介して、被検眼Eの眼底Efに投影される。なお、レンズ125は被検眼Eの雲霧状態を実現するため、視度誘導制御を行う図示しない固視誘導モータにより、光軸方向(矢印C方向)に移動できるようになっている。
(アライメント光学系)
アライメントの為の投影系は、眼屈折力測定光学系の眼屈折力測定の為の投影系と共通である。ただし、被検眼Eのアライメントを行う際は、半透明の拡散板129は、不図示の拡散板挿脱ソレノイドにより光路01,02内に配置されている。拡散板129が挿入される位置は、測定光源101が発する光束がレンズ102により一次結像する位置であり、かつレンズ105の焦点位置である。
アライメントの為の受光系は、角膜表面曲率測定光学系の角膜表面曲率測定の為の受光系と共通である。ただし、被検眼Eのアライメントを行う際は、アライメントプリズム絞り130は、不図示の拡散板挿脱ソレノイドにより光路04内に配置されている。
測定光源101が発する光束は、拡散板129上に一旦結像して、それが二次光源となる。そして、この光束は、レンズ105から被検眼Eに向かって太い光束の平行光束として投影される。この平行光束が被検眼Eの角膜Ecで反射し、その光束はアライメントプリズム絞り130によって分光され、レンズ114を介して撮像素子115上に結像する。撮像素子115に結像する輝点の位置は、被検眼Eの位置によって異なる。このため、輝点の位置をもとに被検眼Eのアライメントを行うことができる。
(角膜残存厚算出例1)
次に、図2〜図5を用いて、角膜切除厚および角膜屈折矯正の手術後の角膜残存厚の算出方法を説明する。図2(a)は、被検眼Eの前眼部を正面から見た図である。図2(b)は、図2(a)における角膜中心を通る線Lで切断した断面図であり、角膜屈折矯正の手術前後の角膜形状を示している。図2において、201は瞳孔、202は角膜切除領域、203は角膜、204は虹彩、205は水晶体である。また、tcは角膜中心厚、tfは角膜表面スライス厚(フラップ厚)、δは角膜切除厚、trは手術後の角膜残存厚、Φpは瞳孔径、Φaは角膜切除領域202の径(広さ)である。なお、角膜切除領域202は、角膜表面曲率や眼屈折力の乱視度によっては、必ずしも円にはならない。ただし、ここでは、角膜切除を必要とする最低限の領域を円で示し、その直径をΦaとしている。実際の角膜切除領域は、この円より大きな領域であれば良い。
まず、眼屈折力測定と角膜表面曲率測定とを行い、眼屈折力dD(θ)と角膜表面曲率R(θ)とを求める。ここでは、乱視軸角度方向に関係なく任意の方向θにおける眼屈折力と角膜表面曲率とを求める。そこで、それぞれdD(θ)、R(θ)のように、眼屈折力と角膜表面曲率を方向θの関数で表記した。例えば、眼屈折力および角膜表面曲率におけるそれぞれの軸角度AXおよびAXcにおいては、dD(AX)=SPH、dD(AX+90°)=SPH+CYL、R(AXc)=R1、R(AXc+90°)=R2で表すことができる。
角膜表面曲率は、近軸理論に基づき、次の式1(角膜表面曲率の単位はmm)により角膜屈折力に変換することができる。ここで、Dc(θ)は角膜屈折力であり、nは角膜Ecの屈折率(一般に、1.3375が良く使われる)である。
ただし、式1により求まる角膜屈折力Dc(θ)は、角膜頂点から角膜Ecの焦点距離までの距離により求めた屈折力であり、矯正量を表す眼屈折力dD(θ)とは意味が異なる。角膜Ecの表面曲率を変え、角膜屈折力Dc(θ)から眼屈折力dD(θ)分を変化させることで、正視状態に矯正することができる。手術後の目標となる眼屈折力(以下、目標眼屈折力)をdD’とすれば、手術後の角膜屈折力(以下、術後角膜屈折力)Dc’(θ)は式2によって求められる。
このため、手術後の角膜表面曲率R’(θ)は、式3によって求めることができる。
ここで、角膜表面曲率が、角膜Ecの中心から周辺にかけて一定であると仮定する。この仮定に基づき、角膜切除厚δの算出方法を、図3を用いて説明する。図3は、角膜切除厚の算出方法を示す模式図である。図3において、C1は、手術前の角膜Ecに対して角膜切除領域202にアクセスするために角膜表面スライスを施した面と同じ半径RA(θ)を有する円である。C2は、角膜切除を行い、角膜表面スライス部(フラップ)を戻す前の角膜表面と同じ半径R’(θ)を有する円である。C1,C2の半径は、それぞれ式4−3、式4−4で表される。ここでは、近視における眼屈折力矯正を想定し、 RA(θ)<RA’(θ) であるとする。また、Y=φa/2でC1とC2が交わるように、C2をX軸方向に−aずらした場合において、Y=0でのC1、C2のX(X>0)の値の差分δ(θ)は、式4−1〜式4−4により算出できる。そして、θ=0°〜360°におけるδ(θ)の最大値が角膜切除厚δとなる。
角膜切除厚δが求められると、次の式5により、手術後の角膜残存厚trが算出される。
(角膜残存厚算出例2)
角膜残存厚算出例1では、角膜Ecを球面レンズと仮定しているが、一般的に角膜Ecは、周辺に行くほど曲率が大きくなる非球面形状をしている。また、角膜屈折力の算出に用いた式1は、近軸理論に基づく関係式であり、角膜中心部から離れると変換精度が低下する。実際には、角膜屈折力は、角膜中心からの距離の関数になる。そこで、角膜形状を、角膜Ecの全域で球面収差が無くなる非球面レンズであると仮定する(仮定2)。この場合には、以下に示す方法により角膜切除厚δを算出可能である。
まず、一般的に知られるスネルの法則に基づく屈折の影響を考慮し、図4に示す関係を用いて角膜屈折力を求める。図4において、R(Y)は、角膜表面曲率である。Pは、角膜表面曲率の中心である。Rf(Y)は、角膜中心からYの角膜位置から焦点Fまでの距離である。f(Y)は、角膜中心からYの位置の角膜面の焦点距離である。
以降、図2(a)におけるある一つのθ方向に関して考えるとし、角膜屈折力がθの関数であることは明示しない。角膜中心からYの位置の角膜面の焦点距離をf(Y)とすると、角膜屈折力Dc(Y)は式6で求められる。
焦点距離f(Y)は、図形の関係から、式7で表される。
この時、角膜中心からYの角膜位置から焦点までの距離であるRf(Y)は、図形の関係から式8となる。式8の導出には、スネルの法則に基づき、角度ψ、αは、式9で表わせることを用いた。
以上の式6〜式8を用いることで、角膜周辺部においても、正確に角膜屈折力を算出できる。
図1の光学系では、Y=Y0の位置の角膜表面曲率を代表値として測定するとすれば、式6〜式8により、角膜屈折力Dc(Y0)が求まる。そして、角膜Ecをその全域で球面収差が無くなる非球面レンズとする仮定に基づき、式10が成り立つとする。
式6〜式8および式10により、手術前の角膜表面曲率R(Y)が算出できる。次に、手術後の角膜表面曲率(以下、術後角膜表面曲率)R’(Y)を求める。式2と同様の考えで、術後角膜屈折力Dc’(Y)は、式11で現わすことができる。
式6〜式8において、手術前の角膜屈折力Dc(Y)を術後角膜屈折力D’c(Y)、角膜表面曲率R(Y)を術後角膜表面曲率R’(Y)と見れば、式6〜式8および式11から、術後角膜表面曲率R’(Y)が算出できる。
以上で求まった、角膜表面曲率R(Y)と術後角膜表面曲率R’(Y)を各Yに関して計算することで、手術前術後の角膜表面形状が求まる。
図5は、手術前の角膜Ecに対して角膜表面スライス(フラップ)を作成した時の角膜形状をC3、角膜切除後に角膜表面スライスを戻す前の角膜形状をC4としている。ここで、

C3:X=F(Y)
C4:X=F’(Y)+b

という関数で表すとする。なお、C3の曲線のx=0となる原点は自由に決めて良い。そして、角膜切除領域202の直径Φaを確保するようbを決めると、bは式12で現わされる。そして、角膜切除厚δは、式13で算出できる。
ここでは、図2(a)における一つのθ方向に関してみてきたが、θ=0°〜360°の範囲でのδの最大値が、実際の角膜切除厚δとなる。角膜切除厚δが算出されると、式5に基づき手術後の角膜残存厚trを求めることができる。
上述した、角膜残存厚算出例1、2においては、角膜中心部の形状から、それぞれ別の仮定に基づいて角膜周辺部の形状を予測している。実際の算出においては、上記算出式に対し補正を加え、より被検眼Eの形状を精度よく予測するようにしても良い。また、実際の手術の際には、角膜切除領域202において、目標角膜表面形状を実現させるオプティカルゾーンの周りにオプティカルゾーンを角膜切除領域202の外と滑らかにつなぐためのセカンドゾーンが形成されることがある。このセカンドゾーンを考慮して上記算出式に対し補正を加えることもできる。
以上の方法により、手術後の角膜残存厚trが求められる。このため、角膜残存厚trと角膜屈折矯正の手術を可能とする閾値とを比較することで、手術適応の可否を判定する適応判定を行える。ここで、判定が手術適応不可の場合は、術後目標眼屈折力dD’と、角膜屈折矯正の手術における角膜切除領域202の直径Φa(広さ)と、角膜表面スライス厚tfとの少なくとも一つを変化させ、角膜屈折矯正の手術に適応可となる条件を算出する事ができる。まず、角膜残存厚trを手術適応判定における閾値Tとし、角膜切除量を式14のように表す。
そして、δ(θ)が最大値となるθにおいて、角膜残存厚を計算する。計算には、角膜残存厚算出例1の式3、式4−1〜式4−4、角膜残存厚算出例2の式6〜式13を用いる。そして術後目標眼屈折力dD’と角膜屈折矯正の手術における角膜切除領域202の直径Φa(広さ)、角膜表面スライス厚tfの少なくとも一つを変数に用いることにより、手術適応可能条件の算出が可能となる。
手術適応可能条件を示すことで、例えば、目標眼屈折力は実現できないが、実現可能な眼屈折力を示し、被検者の希望に合わせて手術の実施を決めることができる。また、手術を適応可能とする角膜切除領域202の広さを示し、別途測定される被検眼Eの暗所瞳孔径を指標に手術適応の可否を判定することができる。更に、角膜屈折矯正の手術の種類を複数所有する病院では、角膜表面スライス厚tfを変化させ、適応可能な角膜屈折矯正の手術を特定することができる。
ここで、図6を用いて、眼科装置1aのシステムについて説明する。図6は、眼科装置1aのシステムブロック図である。眼科装置1aのシステムは、制御部304と、眼屈折力測定部307と、角膜表面曲率測定部308と、角膜厚測定部309と、メモリー310と、ディスプレー311と、結果表示部312とを有する。
制御部304は、眼科装置1aの制御を行う。制御部304は、演算部305と判定処理部306とを含む。演算部305は、各種演算を行う。たとえば、演算部305は、残存厚算出手段の一例として、上記算出式(式1〜式14)を用いて、手術後の角膜残存厚trを算出する。また、演算部305は、条件算出手段の一例として、前記のように手術適応可能条件を算出する。
判定処理部306は、判定手段の一例であり、角膜屈折矯正の手術の可否を判定する適応判定を行う。
眼屈折力測定部307は、眼屈折力測定手段の一例であり、前記の眼屈折力測定光学系を含む。角膜表面曲率測定部308は、曲率測定手段の一例であり、前記の角膜表面曲率測定光学系を含む。角膜厚測定部309は、角膜厚測定手段の一例であり、前記の角膜厚測定光学系を含む。メモリー310は、前記各測定部による測定結果や、演算部305による演算結果などを記憶できる。ディスプレー311は、制御部304の制御にしたがって、操作のためのメニューや撮像した画像などを表示できる。結果表示部312は、表示手段の一例であり、制御部304の制御にしたがって、眼特性の測定結果やと角膜屈折矯正の手術の適応判定の可否の結果などを表示する。
さらに、眼科装置1aは、操作部302と、測定選択部301と、入力部303とを有する。
操作部302は、ユーザーが眼科装置1aを操作するために用いられる。制御部304は、操作部302の操作に応じて眼科装置1aを制御する。
測定選択部301は、ユーザーが、三種類の眼特性のいずれを測定するかの操作のために用いられる。制御部304は、ユーザーによる選択に応じて、眼屈折力測定部307と角膜表面曲率測定部308と角膜厚測定部309とのいずれかを起動させる。
入力部303は、入力手段の一例であり、ユーザーが、適応判定に用いる閾値(判定条件)や、各種算出における定数や算出式を演算部305や判定処理部306に入力するために用いられる。演算部305や判定処理部306は、入力部303を介して入力された閾値や定数や算出式を登録や変更し、適応判定や各種演算に用いる。
次に、図7を用い、眼科装置1aの処理を説明する。図7は、眼科装置1aの処理を示すフローチャートである。
制御部304は、ユーザーにより選択された測定部を起動する。図7のフローチャートでは、ユーザーによって、眼屈折力測定部307、角膜表面曲率測定部308、角膜厚測定部309の順に選択された例を示す。この場合には、制御部304は、ユーザーの選択にしたがって、眼屈折力、角膜表面曲率、角膜厚の順に、三種類の眼特性の測定を行う。ただし、図7に示す眼特性の測定の順序は説明のための一例であり、この順序に限定されるものではない。ユーザーは、任意の順序で各操作部を選択でき、制御部304は、ユーザーによる選択にしたがって測定を行う。
まず、ユーザーによって眼屈折力測定部307が選択されたものとする。そうするとステップS101において、制御部304は、眼屈折力測定部307を制御して被検眼Eの眼屈折力を測定する。具体的には、制御部304は、眼屈折力測定部307を起動させ、ディスプレー311にアライメント光学系によるアライメント指標となる輝点を表示する。ユーザーは、ディスプレー311の表示をもとに、操作部302を用いて被検眼Eのアライメントの操作を行う。制御部304は、ユーザーによる操作部302へのアライメント操作に応じて、被検眼Eのアライメントを行う。なお、制御部304は、アライメント指標を基に自動的にアライメントを行う構成であっても良い。制御部304は、アライメントが完了したら眼屈折力の測定を実行する。制御部304は、測定したデータをメモリー310に記憶する。そしてステップS102に進む。
ステップS102では、判定処理部306は、角膜屈折矯正の手術の可否を判定する適応判定を行う。たとえば、判定処理部306は、記憶した測定データと、予め登録された閾値とを比較する。判定における閾値は、ユーザーによりあらかじめ入力部303から判定処理部306に対して登録されているものとする。例えば、眼屈折力に関する判定では、一般的な眼屈折力矯正量±6D以内を基準に閾値を決めることができる。そして、判定処理部306は、測定データがこの閾値の範囲内にあるかどうかによって適応判定を行う。判定の結果が手術適応不可であった場合は、ステップS103に進む。
ステップS103では、制御部304は警告出力手段の一例として警告を発信する。または制御部304は、その測定データに警告表示を付与することをメモリー310に記憶する。
次いで、ユーザーによって角膜表面曲率測定部308が選択されたものとする。そうするとステップS104において、制御部304は、被検眼Eのアライメント行い、角膜表面曲率測定部308を制御して被検眼Eの角膜表面曲率を測定し、測定データをメモリー310に記憶する。そして、ステップS105に進む。
ステップS105では、判定処理部306は、角膜屈折矯正の手術の適応判定を行う。判定の方法は、使用する閾値は異なるが、前記の眼屈折力の場合と共通である。手術適応不可と判定された場合には、ステップS106に進む。
ステップS106では、制御部304は、警告出力手段の一例として、警告を発信する。または制御部304は、角膜表面曲率の測定データに警告表示を付与することをメモリー310に記憶する。
ステップS107では、演算部305は、角膜屈折力を算出する。ここでは、演算部305は、測定した角膜表面曲率を角膜屈折力に変換する。そして、制御部304は、算出した角膜屈折力をメモリー310に記憶する。
次いで、ユーザーによって角膜厚測定部309が選択されたものとする。そうするとステップS108において、制御部304は、被検眼Eのアライメント行い、角膜厚測定部309を制御して被検眼Eの角膜厚を測定し、測定データをメモリー310に記憶する。そして、ステップS109に進む。
ステップS109では、判定処理部306は、角膜屈折矯正の手術の適応判定を行う。判定の方法は、使用する閾値は異なるが、前記の眼屈折力の場合と共通である。手術適応不可と判定された場合には、ステップS110に進む。
ステップS110では、制御部304は、警告出力手段の一例として警告を発信する。または制御部304は、角膜厚の測定データに警告表示を付与することをメモリー310に記憶する。
眼屈折力、角膜表面曲率、角膜厚の三種類の全ての眼特性の測定が完了すると、ステップS111に進む。ステップS111は終了信号発信ステップの一例であり、制御部304は、信号制御手段の一例として、三種類の眼特性の測定が終了したことを示す測定終了信号を発信する。そしてステップS112に進む。
ステップS112では、演算部305は測定終了信号を受けると、角膜残存厚の算出を行いメモリー310に記憶する。そしてステップS113に進む。
ステップS113では、判定処理部306は、算出された角膜残存厚をもとに、角膜屈折矯正の手術の適応判定を行う。角膜残存厚における閾値に関しては、例えば、一般に手術後の角膜残存厚は250μm以上であることが好ましい。そこで、250μmにマージンを加えた値を、閾値として決めることができる。たとえば、判定処理部306は、算出した角膜残存厚が、この閾値以上であるか否かを判定する。角膜残存厚がこの閾値未満である場合には、手術適応不可であると判定する。この場合には、ステップS114に進む。角膜残存厚がこの閾値以上である場合には、手術適応可であると判定する。この場合には、ステップS116に進む。
ステップS114では、制御部304は、警告出力手段の一例として警告を発信するか、または角膜残存厚に警告表示を付与することをメモリー310に記憶する。そしてステップS115に進む。
ステップS115では、演算部305は、条件算出手段の一例として、手術可能条件の算出を行う。手術可能条件の算出においては、角膜残存厚の算出の際に使用した目標眼屈折力と、角膜屈折矯正の手術における角膜切除領域202の広さと、角膜表面スライス厚tfとの少なくとも一つを変化させる。以上で、全ての測定および判定が終了する。そして、ステップS116に進む。
ステップS116では、制御部304は、各種測定値および算出値または算出過程の値(例えば、角膜切除厚)を、結果表示部312に表示する。さらに、手術適応不可と判定された場合は、制御部304は、手術適応不可の判定の原因となった値(原因パラメータ)を、他の値と区別して表示する。これにより、ユーザーはその旨が分かる。区別して表示する構成としては、たとえば、次のような構成が挙げられる。(1)手術適応不可である旨を伝える文章やマークを示す。(2)手術適応不可と判定される原因となったパラメータ(原因パラメータ)を示す文字の大きさ、フォント、色などを、他の値と異ならせて表示する。(3)原因パラメータを示す文字に、区別のためのマーク付与を行う。
なお、ここでは、制御部304は、測定値および算出値をメモリー310に記憶し、最後にまとめて結果表示を行っているが、各測定や算出や判定の終了と共に結果を逐次表示しても良い。また、ユーザーは、図7のフローにおける開始の前もしくはフローの途中において、手術の適応判定の際の判定条件(閾値)や、各種算出における定数や算出式を入力部303から演算部305および判定処理部306に対して変更や登録することができる。演算部305および判定処理部306は、入力部303から入力された定数や算出式を登録(既に登録されている場合には変更)できる。
図8は、結果表示部312による結果表示例を示している。結果表示部312は、眼屈折力測定(REF)については、球面度数(SPH)と乱視度数(CYL)と乱視軸角度(AX)とを表示する。また、角膜表面曲率測定(KER)については、大曲率半径(R1)と、小曲率半径(R2)と、軸角度(AX)とを表示する。角膜厚測定(PACHY)については、角膜厚(T)の測定結果と算出された角膜残存厚(REST THICKNESSにおけるTr)とを表示する。
そして、結果表示部312は、制御部304による制御にしたがって、これらの数値のうち、角膜屈折矯正の手術の適応判定に警告を与える原因となった数値を目立つように(他と区別できるように)、黒地に白い文字で表示をする。図8に示す例では、眼屈折力測定(REF)における球面度数(SPH)と、角膜残存厚(REST THICKNESS)が原因で、角膜屈折矯正の手術の適応に対して警告が与えられている。さらに、測定結果および算出結果の下側には、適応が不適であることを明示するように「警告:屈折手術適応不適」などと表示しても良い。そして、警告が与えられた場合に算出された角膜屈折矯正の手術を適応可能にする条件も表示することができる。ここでは、角膜表面スライス厚(フラップ厚)を変化させ手術適応条件を算出することで「適応条件:フラップ厚○○○[mm]以下」と表示する。更に「推奨手術法○○○」などとフラップ厚の適応条件から適切な角膜屈矯正の手術を選び出し表示している。
このほか、演算部305が目標眼屈折力変化させ手術適応条件を算出し、結果表示部312が「適応条件:目標眼屈折力○○○[D]」と表示してもよい。さらに、演算部305が角膜切除領域202の直径(広さ)を変化させて手術適応条件を算出し、結果表示部312が「適応条件:角膜切除領域広さΦ○○○[mm]」と表示してもよい。
以上のように、実施例1では、1台の眼科装置1aで、各種眼特性の測定から角膜屈折矯正の手術のための適応判定までを連続して行える。これにより、角膜屈折矯正の手術の可否のスクリーニングを容易にすることができる。
なお、本実施例では、眼屈折力と角膜表面曲率と角膜厚の三種類の眼特性の測定の完了後に角膜残存厚の算出を行い、その算出結果に基づいて角膜屈折矯正の手術の適応判定を行う構成を示したが、この構成に限定されるものではない。たとえば、角膜残存厚の算出を行わず、三種類の眼特性の測定結果の少なくとも一つを用いて適応判定を行う構成であってもよい。図9は、角膜残存厚の算出を行わない処理の例を示すフローチャートである。図9に示す処理は、図7に示す処理からステップS112〜S115が無くなったものである。なお、図9に示す処理の各ステップには、図7に示す処理の対応するステップと同じ符号を付してある。
ステップS116では、判定処理部306は、まず、ステップS102とS105とS109の判定結果に基づいて、角膜屈折矯正の手術の適応判定を行う。具体的には、判定処理部306は、ステップS102とS105とS109のいずれかにおいて手術適応不可と判定された眼特性が存在するか否かを検索する。手術適応不可と判定された眼特性が存在する場合には、判定処理部306は、手術適応不可であると判定する。
そして、制御部304は、各種測定値および判定処理部306による判定結果を、結果表示部312に表示する。ここで、手術適応不可と判定された場合は、制御部304は、手術適応不可の判定の原因となった値(原因パラメータ)を、他の値と区別して表示する。具体的な表示態様は前記のとおりである。
実施例1では、眼屈折力、角膜表面曲率および角膜厚を角膜中心部において代表値として測定を行い、周辺部は代表値から予測していた。実施例2では、眼屈折力、角膜表面曲率および角膜厚を角膜Ecの全域において測定し、角膜の複雑な形状や不正乱視なども考慮したより正確な角膜屈折矯正の手術の適応判定を行う。
図10は、本発明の実施例2に係る眼科装置1bの測定部の光学系の配置を模式的に示す図である。光学系は、眼屈折力測定光学系と、角膜表面曲率測定光学系と、角膜厚測定光学系と、固視標投影光学系と、アライメント光学系とを有する。なお、固視標投影光学系とアライメント光学系は、実施例1と共通の構成であるため説明を省略する。
(眼屈折力測定光学系)
眼屈折力測定のための投影系である光路09は、実施例1の光学系における光路01と基本的に共通の構成である。ただし、実施例2では、孔あきミラー104ではなく、ハーフプリズム131が配置されている。また、レンズ102は、被検眼Eの眼屈折力に応じて移動可能に配置されている。
被検眼Eからハーフプリズム131で反射し撮像素子136に至る光路10は、眼屈折力測定のための受光系である。光路10上には、被検眼Eの側から順に、ダイクロイックミラー106と、レンズ105と、ハーフプリズム131と、レンズ132と、ミラー133と、レンズ134と、レンズアレー135と、撮像素子136とが配置されている。レンズ134とレンズアレー135と撮像素子136とは、一体でD方向に移動可能に配置されている。
レンズ105とハーフプリズム131との間には、半透明の拡散板129が配設される。拡散板129は、不図示の拡散板挿脱ソレノイドにより、矢印Aの方向に移動可能に構成される。そして、拡散板129は、眼屈折力測定時には、光路09,10外に配置されている。
測定光源101が発する光束は、絞り103で絞られ、レンズ102によりレンズ102とレンズ105の間で1次結像する。そしてこの光束は、レンズ105とダイクロイックミラー106とを透過し、被検眼Eの瞳中心に投影され、眼底Efで結像する。眼底Efでは、投影された光が散乱し、一部の光が瞳孔Epを抜けて光束となり、再びレンズ105に入射する。入射した光束は、レンズ105を透過し、ハーフプリズム131で反射する。反射した光束は、レンズ132と、ミラー133と、レンズ134と、レンズアレー135とを通り、撮像素子136に投影される。
レンズアレー135は、複数の微細孔およびレンズの集合体である。このため、撮像素子136には、スポットの集合が映し出される。レンズ134とレンズアレー135と撮像素子136とは、レンズ102と連動して移動する。そして、角膜中心において、測定光源101と眼底Efと撮像素子136とが略共役になるように配置される。これにより、レンズ102とレンズ134とレンズアレー135と撮像素子136の位置情報から、角膜中心における眼屈折力が得られる。そして、撮像素子136で撮像されたスポットの位置情報から、角膜周辺部における収差情報が得られる。これにより、角膜Ecの全域における眼屈折力が得られる。ここでの角膜Ecの全域は、眼底Efからの反射光が瞳孔Epで遮られない角膜Ecの領域を示している。実際に、角膜屈折矯正の手術の適応判定の為の測定の場合には、角膜切除領域202以上に瞳孔Epを広げた状態で測定する必要がある。
(角膜表面曲率測定光学系)
多重リング光源137から被検眼Eに至る光路11は、角膜表面曲率測定の為の投影系である。多重リング光源137は、波長780nmの光を照射する。実施例1のリング光源111は一重のリングを投影していたのに対し、実施例2では、多重リング光源137は多重リングを角膜Ecの全域に照射する。
受光経路は、実施例1の光路04と共通でよい。撮像素子115により得られた多重のリング像から角膜表面曲率が求められる。実施例1では、角膜Ecの非球面形状を排除する目的でリング像を楕円近似した。実施例2では、各リング像の大きさ・リングのゆがみ(角膜中心から各リング像への距離情報)から、角膜Ecの全域における角膜表面曲率の分布を求めることができる。場合によっては、図10に示すように、多重リング光源137は、他の光路を遮らないようにするために開口が形成されていてもよい。この場合には、多重リング光源137がリングの周方向に回転移動可能に構成される。そして、撮像素子115の蓄積時間内に、穴を補間するように、多重リング光源137が回転する。これにより、角膜Ecの全域において連続したリング像が得られる。
(角膜厚測定光学系)
角膜厚測定のための投影系である光路12は、実施例1の光路05と基本的に同じである。ただし、実施例2においては、スリット板117が、光源116の光軸中心(F方向)に回転できるように構成されている。
角膜厚測定のための受光系である光路13は、実施例1の光路06と基本的に同じである。ただし、実施例2では、フィルター120とレンズ121と撮像素子122とが、スリット板117と連動して回転できるように構成されている。これにより、実施例1の光学系では、角膜の一つのθ方向(図2(a))の角膜断面像しか得られなかったが、実施例2の角膜厚測定光学系では、360度方向の角膜断面像を取得できる。したがって、実施例2の角膜厚測定光学系では、角膜全体における角膜厚を測定できる。
(角膜残存厚算出)
図10の光学系により、眼屈折力と、角膜表面曲率と、角膜厚との角膜Ecの全域における分布が求められる。全域における角膜表面曲率分布および角膜厚が求められるため、角膜Ecの三次元像を作成することができる。そして、演算部305は、式6〜式8、式10、式11を用いて術後角膜表面曲率を角膜Ecの全域において算出することで、手術後の三次元的な角膜表面形状が得られる。たとえば、演算部305が三次元モデリング機能を有し、術前角膜形状モデルおよび術後角膜表面形状モデルを作成する。そして、演算部305は、図2(b)のように直径Φaのエリアで交わるように術後術前角膜形状をフィットさせ、術後角膜形状モデルを作成する。そして、演算部305は、術後角膜形状モデルにおける角膜表面と角膜裏面間の最薄部を、角膜残存厚trとして算出する。
実施例2においては、角膜Ecの全域における角膜厚が求められるため、遠視矯正の場合の角膜残存厚も正確に算出できる。図11は、遠視矯正を施した場合の角膜の断面模式図である。術後には、角膜表面曲率が小さくなるように角膜切除が行われる。遠視矯正の場合は、図11に示すように、手術前の角膜中心部において主術後の角膜が接するようにフィットさせればよい。そして、角膜切除領域202の直径Φa範囲内で、手術後の角膜表面と角膜裏面における最薄部を角膜残存厚trとして算出する。
実施例2にかかる眼科装置1bのシステム構成および処理フローは、実施例1と共通である(図6、図7、図9参照)。
実施例2によれば、実施例1と同様の効果を奏することができる。さらに、実施例2によれば、眼屈折力と角膜表面曲率と角膜厚の角膜Ecの全域における分布を測定することで、より正確な角膜屈折矯正の手術の適応判定が行える。
実施例1,2では、眼屈折力、角膜表面曲率および角膜厚の測定を行い、これら三種類の眼特性をもとに角膜屈折矯正の手術の適応判定を行った。この場合には、角膜切除領域202の広さとして、ユーザーが所有する手術機器における一般値などを用いることができる。しかし、暗所瞳孔径が角膜切除領域202の広さよりも広い場合には、暗所において角膜切除領域202の外側からの光も眼底に照射される。角膜切除領域202の外側からの光は眼底Efにうまく結像しない。このため、ハロやグレアが生じるおそれがある。そこで、実施例3では、眼屈折力と角膜表面曲率と角膜厚に、暗所瞳孔径を加えた四種類の眼特性の測定を行う。そして、暗所瞳孔径に応じた角膜切除領域202の広さを用いることで、角膜屈折矯正の手術の適応判定を行う。例えば、暗所瞳孔径の測定値に、瞳孔径測定の誤差や手術機械のアライメント精度などに応じたマージンを加えた値を、角膜切除領域202の広さ(直径)に決定することができる。これにより、術後にハロやグレアを生じさせないような、適切な角膜屈折矯正の手術の適応判定が行える。
(瞳孔径測定光学系)
図1を用いて説明する。暗所瞳孔径の測定は、前眼部観察光学系を有する図1に示した光学系配置により行うことができる。光源128から被検眼Eに至る光路06は、前眼部観察光学系における投影系である。光源128は、波長780nmの光を照射する。前眼部観察系の受光系は、角膜表面曲率測定光学系と共通の受光系の光路を有する。前眼部で反射した光束は、角膜表面曲率測定光学系と共通の受光系の光路04を通り、撮像素子115に投影される。これにより前眼部画像を得ることができる。演算部305は、アライメントが完了した時点での前眼部画像から、瞳孔Epのエッジを抽出し瞳孔径を算出することができる。なお、図10における光学系には、前眼部観察光学系を記載していないが、図1同様に、波長780nmの光を照射する光源128を設けることで、瞳孔径を算出することができる。
図12は、実施例3にかかる眼科装置1cのシステムの一例を示すシステムブロック図である。実施例3にかかる眼科装置1cのシステムは、実施例1に係る眼科装置1aのシステムに、暗所瞳孔径測定モード選択部313と瞳孔径測定部314とが追加された構成を有する。なお、実施例1と共通の構成については説明を省略する。暗所瞳孔径測定モード選択部313は、ユーザーが暗所瞳孔径測定モードを選択する操作を行う操作部である。瞳孔径測定部314は、前記の前眼部観察光学系を有する。
次に、図13のフローチャートを用い、実施例3にかかる眼科装置1cの動作を説明する。暗所瞳孔径の測定には、被検者を暗所に慣れさせ瞳孔Epを十分に開かせる、または、散瞳剤を用いて強制的に瞳孔Epを開かせるといった手間がかかる。このため、暗所瞳孔径の測定を全ての被検者に対して行うと、スクリーニングの効率を低下させるおそれがある。そこで、眼科装置1cは、暗所瞳孔径の測定を、必要に応じて選択的に行えるようにするため、暗所瞳孔径測定モードを有する。暗所瞳孔径測定モードは、眼屈折力と角膜表面曲率と角膜厚の測定の前もしくはそれらの間に選択可能とする。例えば、ユーザーは、他の検査の流れから散瞳剤を点眼したタイミングや、被検者が角膜屈折矯正の手術に対する詳細な検査を希望するなど特別な場合のみにおいて、暗所瞳孔径測定モードを適応すれば良い。
まず、ユーザーが、暗所瞳孔径測定モード選択部313を操作し、暗所瞳孔径測定モードに設定したものとする。
ステップS201では、制御部304は、ユーザーによる暗所瞳孔径測定モード選択部313の操作を検出すると、暗所瞳孔径測定モードで動作する。暗所瞳孔径測定モードでは、制御部304は、眼屈折力、角膜表面曲率、角膜厚、最大瞳孔径の四種類の眼特性の測定がすべて完了するまでは、測定終了信号を発信しない。なお、暗所瞳孔径測定モードが選択されない場合には、図13に示すフローチャートから暗所瞳孔径を測定するステップがなくなる。この場合には、実施例1,2における測定フロー(図7)に従う。
次いで、ステップS202〜S215では、制御部304は、ユーザーにより選択された測定部を起動し、ユーザーによる選択にしたがって、最大瞳孔径と眼屈折力と角膜表面曲率と角膜厚とを算出する。ここでは、最大瞳孔径、眼屈折力、角膜表面曲率、角膜厚の順に測定を行う処理を示すが、この順序に限定されるものではない。ユーザーは、任意の順序で各操作部を選択でき、制御部304は、ユーザーによる選択にしたがって測定を行う。
ステップS202では、制御部304は、ユーザーの操作部302への操作に応じて被検眼Eのアライメントを行い、瞳孔径測定部314を制御して被検眼Eの暗所瞳孔径を測定する。被検眼Eのアライメントは、実施例1と同様である。制御部304は、暗所瞳孔径の測定後、測定データをメモリー310に記憶する。そしてステップS203に進む。
ステップS203では、判定処理部306は、暗所瞳孔径の測定データに基づいて、角膜屈折矯正の手術の適応判定を行う。たとえば、判定処理部306は、暗所瞳孔径の測定データと、あらかじめ判定処理部306に登録されている閾値を比較することにより、手術適応判定を行う。適応判定において手術適応不可と判定された場合には、ステップS204に進む。適応可と判定された場合には、ステップS204を経ずにステップS205に進む。
ステップS204では、制御部304は、警告出力手段の一例として、警告を発信するか、または測定データに警告表示を付加することをメモリー310に記憶する。
ステップS205では、演算部305は、測定された暗所瞳孔径を角膜切除領域広さに変換する。この場合には、制御部304は、変換した角膜切除領域広さをメモリー310に記憶しても良い。
なお、暗所瞳孔径の測定には手間がかかる。そこで、ステップS202〜S205の処理の実行に代えて、別途測定された暗所瞳孔径の入力を受け付ける構成であってもよい。この場合には、ユーザーは、入力部303を介して、別途測定した暗所瞳孔径を制御部304に入力することになる。ユーザーによる暗所瞳孔径の測定結果の入力があった場合には、制御部304は、暗所瞳孔径が測定されたものと認識する(ステップS202〜S205の処理が実行されたものとみなす)。
ステップS206以降は、図7に示す実施例1,2のステップS101以降と基本的には共通である。ただし、ステップS216においては、制御部304は、眼屈折力と、角膜表面曲率と、角膜厚と、最大瞳孔径の四種類の眼特性の測定がすべて完了した場合には、信号制御手段として、全ての眼特性の測定が終了したことを示す測定終了信号を発信する。なお、ステップS216は、終了信号発信ステップの一例である。また、ステップS221においては、制御部304は、図8における表示形式に、最大瞳孔径の測定値や判定結果も含めて表示することができる。
以上のように、眼屈折力、角膜表面曲率および角膜厚の測定に加えて、暗所瞳孔径の測定を行い角膜屈折矯正の手術の適応判定を行う。これにより、手術後のハロやフレアといった問題を回避できる。
ここで、制御部304のハードウェア構成について簡単に説明する。制御部304には、たとえば、CPUとROMとRAMとを有するコンピュータが適用される。ROMには、眼科装置1a,1b,1cを制御するためのコンピュータプログラムが、コンピュータ読取り可能に格納されている。そして、CPUがROMからこのコンピュータプログラムを読み出し、RAMに展開して実行する。これにより、コンピュータは、演算部305と判定処理部306とを含む制御部304として機能し、図7や図13のフローチャートに示す処理が実行される。また、この処理の過程において、コンピュータは、式1〜式13に示す演算を行う。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
(その他の実施形態)
上述した実施形態の目的は、次のような方法によっても達成される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、本発明には次のような場合も含まれる。すなわち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
さらに、次のような場合も本発明に含まれる。すなわち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリーに書込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。

Claims (23)

  1. 被検眼の眼屈折力を測定する眼屈折力測定手段と、
    前記被検眼の角膜表面曲率を測定する曲率測定手段と、
    前記被検眼の角膜厚を測定する角膜厚測定手段と、
    前記測定された眼屈折力と前記測定された角膜表面曲率と前記測定された角膜厚とに基づいて、角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする眼科装置。
  2. 前記眼屈折力測定手段と前記曲率測定手段と前記角膜厚測定手段とによる測定の完了に伴い測定終了信号を送る信号制御手段を更に有し、
    前記判定手段は、前記信号制御手段が送る測定終了信号を受けると、前記測定された眼屈折力と、前記測定された角膜表面曲率と、前記測定された角膜厚とに基づいて、角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定することを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記被検眼の眼屈折力、角膜表面曲率、角膜厚の順に測定を行い、前記信号制御手段は、被検眼の角膜厚の測定の完了後に前記測定終了信号を送ることを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記測定された眼屈折力と、前記測定された角膜表面曲率と、前記測定された角膜厚とに基づいて、角膜屈折矯正の手術後における角膜残存厚を算出する残存厚算出手段を更に有し、
    前記判定手段は、算出された前記角膜残存厚に基づいて、角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の眼科装置。
  5. 前記残存厚算出手段が前記角膜残存厚の算出に用いる算出式および定数と、前記判定手段が前記角膜屈折矯正の手術の適応の可否の判定に用いる閾値とを入力するための入力部を更に有することを特徴とする請求項4に記載の眼科装置。
  6. 前記定数は、前記角膜屈折矯正の手術の術後における目標眼屈折力と、前記角膜屈折矯正の手術における角膜切除領域の広さと、角膜表面スライスの厚みであることを特徴とする請求項5に記載の眼科装置。
  7. 前記判定手段が手術適応不可と判定した場合に、警告を発信する警告出力手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の眼科装置。
  8. 前記測定された眼屈折力と、前記測定された角膜表面曲率と、前記測定された角膜厚と、前記算出された角膜残存厚または算出過程の値と、を表示する表示手段を更に有し、
    前記判定手段が手術適応不可と判定した場合には、前記表示手段は、手術適応不可と判定された原因の値を、文字の大きさ、フォント、色、マーク付与のいずれかにより他の値と区別して表示することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の眼科装置。
  9. 前記判定手段が手術適応不可と判定した場合に、目標眼屈折力と、前記角膜屈折矯正の手術における角膜切除領域の広さと、角膜表面スライスの厚みとの少なくとも一つを変化させて、前記角膜屈折矯正の手術に適応可となる条件を算出する条件算出手段を更に有することを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。
  10. 前記被検眼の暗所瞳孔径を測定する瞳孔径測定手段を更に有し、
    前記判定手段は、前記瞳孔径測定手段により測定された暗所瞳孔径を用いて、前記角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の眼科装置。
  11. 前記瞳孔径測定手段より測定された暗所瞳孔径から、前記角膜屈折矯正の手術における角膜切除領域の広さを算出する切除領域広さ算出手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載の眼科装置。
  12. 暗所瞳孔径の測定を行うか否かの選択手段を更に有し、
    暗所瞳孔径の測定を行う場合に、前記眼屈折力測定手段と、前記曲率測定手段と、前記角膜厚測定手段と、前記瞳孔径測定手段とによる四種類の眼特性の測定の完了に伴い、測定終了信号を発信する信号制御手段を有することを特徴とする請求項10に記載の眼科装置。
  13. 被検眼の眼屈折力を測定する眼屈折力測定ステップと、
    前記被検眼の角膜表面曲率を測定する曲率測定ステップと、
    前記被検眼の角膜厚を測定するための角膜厚測定ステップと、
    前記測定された眼屈折力と、前記測定された角膜表面曲率と、前記測定された角膜厚に基づいて、角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定する判定ステップと、
    を有することを特徴とする眼科装置の制御方法。
  14. 前記眼屈折力測定ステップと前記曲率測定ステップと前記角膜厚測定ステップの完了に伴い測定終了信号を発信する終了信号発信ステップを更に有し、
    前記判定ステップにおいては、前記終了信号発信ステップにおける測定終了信号を受けると、前記測定された眼屈折力と、前記測定された角膜表面曲率と、前記測定された角膜厚とに基づいて、角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定することを特徴とする請求項13に記載の眼科装置の制御方法。
  15. 前記眼屈折力測定ステップ、前記曲率測定ステップ、前記角膜厚測定ステップの順に実行し、前記角膜厚測定ステップの完了後に前記終了信号発信ステップを実行することを特徴とする請求項14に記載の眼科装置の制御方法。
  16. 前記測定された眼屈折力と、前記測定された角膜表面曲率と、前記測定された角膜厚とに基づいて、角膜屈折矯正の手術後における角膜残存厚を算出する残存厚算出ステップを更に有し、
    前記判定ステップにおいては、前記算出された角膜残存厚に基づいて、角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定することを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の眼科装置の制御方法。
  17. 前記判定ステップにおいて手術適応不可と判定された場合に、警告を発信する警告出力ステップを更に有することを特徴とする請求項13から16のいずれか1項に記載の眼科装置の制御方法。
  18. 前記測定された眼屈折力と、前記測定された角膜表面曲率と、前記測定された角膜厚と、前記算出された角膜残存厚または算出過程の値と、を表示する表示ステップを更に有し、
    前記判定ステップにおいて手術適応不可と判定された場合には、前記表示ステップにおいては、手術適応不可と判定された原因の値を、文字の大きさ、フォント、色、マーク付与のいずれかにより他の値と区別して表示することを特徴とする請求項16に記載の眼科装置の制御方法。
  19. 前記判定ステップにおいて手術適応不可と判定された場合に、目標眼屈折力と、前記角膜屈折矯正の手術における角膜切除領域の広さと、角膜表面スライスの厚みとの少なくとも一つを変化させて、前記角膜屈折矯正の手術に適応可となる条件を算出する条件算出ステップを更に有することを特徴とする請求項14に記載の眼科装置の制御方法。
  20. 前記被検眼の暗所瞳孔径を測定する瞳孔径測定ステップを更に有し、
    前記判定ステップにおいては、前記瞳孔径測定ステップにおいて測定された暗所瞳孔径を用いて、前記角膜屈折矯正の手術の適応の可否を判定することを特徴とする請求項13から19のいずれか1項に記載の眼科装置の制御方法。
  21. 前記瞳孔径測定ステップにおいて測定された暗所瞳孔径から、前記角膜屈折矯正の手術における角膜切除領域の広さを算出する切除領域広さ算出ステップを更に有することを特徴とする請求項20に記載の眼科装置の制御方法。
  22. 暗所瞳孔径の測定を行う場合には、前記眼屈折力測定ステップと、前記曲率測定ステップと、前記角膜厚測定ステップと、前記瞳孔径測定ステップとの全ての完了した後に、前記判定ステップを実行することを特徴とする請求項20に記載の眼科装置の制御方法。
  23. コンピュータに、請求項13から22のいずれか1項に記載の眼科装置の制御方法を実行させるためのプログラム。
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JP2021520280A (ja) * 2018-04-04 2021-08-19 アストン ビジョン サイエンシーズ リミテッド 眼科用装置

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