以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、遊技機1の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1を参照して、遊技機1について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は島設備に固定される外枠(支持体)2に、ヒンジ18を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠3を備える。開閉枠3は、前面枠4及びガラス枠(透明板保持枠)5によって構成されている。
前面枠4には、前面が開口する凹室状の遊技盤収納部に遊技領域22を有する遊技盤20(図2参照)が交換(着脱)可能に配設されるとともに、遊技盤20の前面を覆う透明板5aを備えたガラス枠5が取り付けられる。ここで、透明板5aは、前後に2枚並べた状態でユニット化されており、ガラス、アクリル、ポリカーボネイト等の透明部材である。このように、透明板5aは、遊技盤20に形成される遊技領域22(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠4及びガラス枠5は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠5を開放することで、遊技盤20の遊技領域22にアクセスすることができる。また、前面枠4を開放することで、遊技盤20の裏面側に配設された遊技制御装置100(図3、図23参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠5の透明板5a周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠5の上部及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置6、7が配設されている。装飾装置6、7は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置6、7の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置171(図24参照)の一部を構成している。
ガラス枠5の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ8aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ8aとは別に遊技機1の下部には、2つの下スピーカ8bが設けられている。下スピーカ8bは、ガラス枠5の下左角部分及び前面枠4の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ8a及び下スピーカ8bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為(磁石不正)や遊技機1の始動口スイッチ等に対して電波を発振する行為(電波不正)等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサ29a(図23参照)によって磁気を検出したり、電波センサ29b(図23参照)によって電波を検出したりすることで検知される。
また、前面枠4やガラス枠5を開放する行為も異常に含まれる。前面枠4の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ4e(図23参照)によって検出され、ガラス枠5の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ5d(図23参照)によって検出される。なお、異常の発生を検出した場合には、上スピーカ8a及び下スピーカ8bから警報音(エラー音)を出力するなどの異常報知が行われる。
ガラス枠5の右側部には、遊技機1の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する右側突出部19が配設されている。右側突出部19は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。右側突出部19の内部に配設される照明部材も枠装飾装置171(図24参照)の一部を構成している。
ガラス枠5の下部には、遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)13を有する上皿ユニット12が取り付けられている。上皿13は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿13に貯留されている遊技球は、前面枠4の下部に設けられる発射装置に供給される。
上皿ユニット12は、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作部15と、遊技状態に応じて発光演出等を行う上皿装飾部14と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置40と、遊技機1の左下角部分及び右下角部分に位置する下スピーカ8bと、をさらに備える。
演出操作部15は、遊技者が操作しやすいように上皿ユニット12の上部中央に設けられる。演出操作部15は、押しボタンの他にタッチパネル機能が組み込まれた操作装置であり、さらに上皿装飾部14の発光演出の一端を担って発光機能も有している。なお、タッチパネルは、押しボタンの表面(操作面)に敷設されている。
遊技者が演出操作部15を操作することによって、第1表示器(メイン表示装置)31(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作部15を操作することによって、演出パターンやBGMなどを変更(カスタマイズ)できるようにしてもよいし、効果音の音量や各種LEDの輝度を調整できるようにしてもよい。
なお、変動表示ゲーム(補助遊技)が実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態(普電サポート状態又は時短状態)や特別遊技状態(大当り状態、小当り状態)である。
上皿装飾部14は、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニット12の前側部分に設けられる。なお、演出操作部15の操作又は発光演出に連動して発光するようになっている。
球貸操作装置40は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニット12の上部右側に設けられている。球貸操作装置40は、球貸ボタン41と、返却ボタン42と、残高表示部43と、を備える。球貸ボタン41は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン42は台間装置(図示省略)のカードユニットからプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部43は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
上記した上皿ユニット12等を備えるガラス枠5の下方であって、前面枠4の下部には、遊技球を貯留可能な下皿10を有する下皿ユニット9が取り付けられている。下皿10は、上皿ユニット12に対して所定の間隔をあけて、上皿ユニット12の下方に配置されている。下皿10は、当該下皿10の底面を上下方向に貫通する球抜き穴11aと、球抜き穴11aを開閉するための下皿球抜き操作部11bと、を備える。遊技者が下皿球抜き操作部11bを操作して、球抜き穴11aを開くことによって、下皿10に貯留されていた遊技球を外部に排出することができる。
また、下皿ユニット9は、内部の発射装置を作動させるための発射ハンドル16と、遊技機1の左下角部分及び右下角部分に位置する下スピーカ8bと、ガラス枠5を閉止した状態で施錠するための鉤穴部17と、をさらに備える。
発射ハンドル16は、前面枠4の右下部であって、右側の下スピーカ8bの下方に配置されている。遊技者が発射ハンドル16を回動操作することによって、発射装置が上皿13から供給された遊技球を遊技盤20の遊技領域22に発射する。発射装置から発射される遊技球の発射速度は、発射ハンドル16の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。
なお、発射ハンドル16はその近傍において、発射停止スイッチ(図示省略)と、タッチスイッチ(図示省略)が設けられる。発射停止スイッチは、遊技者が押すことにより発射停止スイッチ信号を発射制御装置420(図23参照)に出力し、発射装置による遊技球の発射を停止するためのものである。タッチスイッチ(図示省略)は、遊技者が発射ハンドル16を操作していること(遊技者の手が発射ハンドル16に触れていること)を検出してタッチ信号を発射制御装置420(図23参照)に出力するためもので、タッチ信号が出力されていない状態では、発射装置からの遊技球の発射が停止される。
発射装置は、遊技者による発射ハンドル16の操作に対応して、第1の発射勢で遊技球を発射する第1発射態様と、第1の発射勢とは異なる第2の発射勢で遊技球を発射する第2発射態様と、で発射可能である。例えば、第1発射態様は、左打ちと右打ちのうちの一方であり、第2発射態様は、左打ちと右打ちのうちの他方である。左打ち、右打ちとは、それぞれ、遊技領域22の左側、右側に遊技球を発射して流下させる態様である。
〔遊技盤構成〕
図2を参照して、遊技機1に備えられる遊技盤20について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤20の正面図である。
遊技盤20は、略正方形状の遊技盤本体の表面に、区画部材としてのガイドレール22aを設けることで、略円形状の遊技領域22を区画形成している。遊技盤本体の材質は、木製の合板やプラスチック板、アクリル板であってもよい。そして、遊技領域22内に発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域22には、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域22を流下する。
遊技領域22の略中央から右上にかけて、飾り特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターフレームユニット210(図3参照)が取り付けられている。センターフレームユニット210は、後述するように、前面構成体200(図3参照)の一部を構成する。センターフレームユニット210の後方(遊技盤の裏面側)には、開口窓部301cが形成される裏面構成体(演出装置ユニット)300(図3参照)が配設され、開口窓部301cを通して表示部が視認可能となるように第1表示器(メイン表示装置)31が配設されている。第1表示器31は、特図変動表示ゲームに対応して複数の飾り識別情報を変動表示(可変表示)する飾り特図変動表示ゲームを実行可能なメイン表示画面32を有する。第1表示器31は、例えば、液晶ディスプレイを備えるが、EL等の透過ディスプレイを備えるものであってよく、また、7セグメント表示器であってもよいし、それらを複合させたものであってもよい。
メイン表示画面32には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に飾り識別情報(飾り特別図柄)や飾り特図変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、メイン表示画面32には、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等の遊技の進行に基づく画像が表示される。
また、メイン表示画面32の右上部には、サブ表示画面35を有する第2表示器(サブ表示装置)34が配設される。サブ表示画面35及には、メイン表示画面32に表示可能な表示内容が表示されてもよく、また、メイン表示画面32に表示される表示内容とは独立した表示内容が表示されてもよい。。
センターフレームユニット210の左側方の遊技領域22には、遊技球の流下方向を変化させる障害釘(図示省略)や風車(図示省略)等の方向転換部材が配置される。また、センターフレームユニット210の左側部には、ワープ入口が遊技領域22に臨むようにワープ装置33が配設される。
センターフレームユニット210の内底部には、遊技球を転動させた後にセンターフレームユニット210の下方の遊技領域22に導出するためのステージ部240が配設される。ワープ入口からワープ装置33のワープ通路に流入した遊技球は、ステージ部240に誘導される。ステージ部240は、センターフレームユニット210の下部中央に左右方向に延設され、ワープ通路を流下した遊技球が転動可能な庇状転動部243を有する。庇状転動部243は、中央部に向けて下り傾斜するとともに中央部が上方に隆起する波型状に形成される。
ワープ通路からステージ部240に導かれた遊技球は、庇状転動部243上を転動した後、庇状転動部243の中央部に設けられる特定導入口36から誘導流路を通過して遊技領域22に排出されるか、庇状転動部243の中央部の左右に設けられる外れ導入口38(外れ導入口38a、38b)から遊技領域22へと排出される。ここで、誘導流路の出口にあたる特定導出口(直上口)37は、特図1始動入賞口23の直上方に配設されるのに対して、外れ導入口38は特図1始動入賞口23の左右側にずれて配設されるため、外れ導入口38から排出される遊技球は特図1始動入賞口23に入賞する可能性が極めて低くなっている。
また、センターフレームユニット210の下方の遊技領域22には、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、可動部材24a、可動空間(演出可動部)286等を備える入賞装置280が配設される。特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24は、遊技球の入賞により特図変動表示ゲーム(補助遊技)の始動条件を成立させるための入賞口である。
図2に示すように、特図1変動表示ゲーム(補助遊技)の始動条件を付与する(成立させる)特図1始動入賞口(第1始動入賞領域)23の直下には、特図2変動表示ゲーム(補助遊技)の始動条件を付与する(成立させる)特図2始動入賞口(第2始動入賞領域)24が設けられる。特図2始動入賞口24は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材24aを備える。遊技球が特図1始動入賞口23又は特図2始動入賞口24に入賞した場合には、特別図柄(特図)変動表示ゲームが実行される。なお、特図1始動入賞口23には、左打ちでしか遊技球を入賞させることができない。
特図2始動入賞口24の一対の可動部材24aは、通常時は遊技球の直径程度の間隔をあけた閉状態(遊技者にとって不利な入賞規制状態)を保持している。但し、特図2始動入賞口24の上方には、特図1始動入賞口23が設けられているので、可動部材24aが閉状態である場合には遊技球が特図2始動入賞口24に入賞できないようになっている。
可動部材24aは、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(当り結果態様)となった場合に、普電ソレノイド24b(図20参照)を介して逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が特図2始動入賞口24に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化(変換)する。
なお、可動部材24aは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、確変状態(確率変動状態)や時短状態(時間短縮状態)においては通常遊技状態に比べて入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりしており、このような状態を一般的には普電サポート状態という。
また、センターフレームユニット210の左下方の遊技領域22には、3つの一般入賞口26が配置されており、センターフレームユニット210の右下方の遊技領域22には一つの一般入賞口26が配置されている。
センターフレームユニット210の右側部には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート25が配設される。遊技領域22内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート25を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、普図始動ゲート25の下方には、上変動入賞装置28が設けられている。上変動入賞装置28が備える上大入賞口28bは、常態において可動部材28aによって遊技球が入賞できないように閉塞されおり、特図変動表示ゲームが小当り結果態様(第2特別結果態様)となって小当り状態(第2特別遊技状態)が発生した場合に、上大入賞口ソレノイド28c(図23参照)によって可動部材28aが起立状態(遊技者にとって不利な閉状態)から傾倒状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換されることで遊技球が入賞可能となる。上変動入賞装置28内に設けた上カウントスイッチ28d(図23参照)で遊技球の入賞を検出すると、遊技価値(特典)の付与として所定の賞球(例えば10個)が払い出される。さらに、特定領域225(図12参照)に設けた特定領域スイッチ225a(図23参照)で遊技球の通過(入賞)を検出した場合には、さらに、大当り状態を発生(獲得)することができる。
また、センターフレームユニット210の右下方の遊技領域22には、下変動入賞装置27が設けられている。下変動入賞装置27が備える下大入賞口27bは、常態において開閉板(図示省略)によって遊技球が入賞できないように閉塞されており、特図変動表示ゲームが大当り結果態様(第1特別結果態様)となったことや小当り状態において遊技球が特定領域225を通過したことによって大当り状態(第1特別遊技状態)が発生した場合に、下大入賞口ソレノイド27c(図23参照)によって開閉板(図示省略)が突出状態(遊技者にとって不利な閉状態)から退避状態(遊技者にとって有利な開状態)に変換されることで遊技球が入賞可能となる。下変動入賞装置27内に設けた下カウントスイッチ27d(図23参照)で遊技球の入賞を検出すると、遊技価値(特典)の付与として所定の賞球(例えば15個)が払い出される。
なお、特図2始動入賞口24の下方の遊技領域22には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域22の外側であって遊技盤20の右下部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜59を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、複数のLEDで構成された各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示部53、特図2保留表示部54)と、普図変動表示ゲーム用の普図表示部(普図表示器)55と、普図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の普図保留表示部56と、を有している。
また、一括表示装置50には、遊技機1の電源投入時から最初の大当りの発生まで大当りの確率状態が高確率状態となっていることを報知するための高確率表示部及び時短状態が発生すると点灯して時短状態の発生を報知する時短状態表示部からなる遊技状態表示部57と、大当り時の下変動入賞装置27又は上変動入賞装置28の変換態様(開放時間、開放回数など)を表示する開放パターン(ラウンド数)表示部58及び大当り時に点灯して右打ちを指示する発射態様指示表示部59が設けられている。
次に、遊技機1における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機1では、遊技者により発射ハンドル16が操作されて発射装置から遊技領域22に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域22内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域22を流下し、普図始動ゲート25、一般入賞口26、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、下変動入賞装置27又は上変動入賞装置28に入賞するか、遊技領域22の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域22から排出される。そして、一般入賞口26、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、下変動入賞装置27又は上変動入賞装置28に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出ユニット(図示省略)を介して上皿13に排出される。
普図始動ゲート25には、当該普図始動ゲート25を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ25a(図23参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート25を通過すると、ゲートスイッチ25aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって特図2始動入賞口24が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート25を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示部55で実行されるようになっている。普図表示部55は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート25通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示部55に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド24b(図23参照)が駆動されることにより、可動部材24aが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、特図2始動入賞口24への遊技球の入賞が許容される。
特図1始動入賞口23には、当該特図1始動入賞口23への遊技球の入賞を検出するための特図1入賞口スイッチ(始動口1スイッチ)23d(図23参照)が設けられている。特図2始動入賞口24には、当該特図2始動入賞口24への遊技球の入賞を検出するための特図2入賞口スイッチ(始動口1スイッチ)24d(図23参照)が設けられている。
特図1始動入賞口23に遊技球が入賞した場合には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各種変動パターン乱数値が抽出され、特図1変動表示ゲームの始動権利である第1始動記憶として、遊技制御装置100の特図1保留記憶領域(RAMの一部)に所定数(例えば4個)を限度に記憶される。特図2始動入賞口24に遊技球が入賞した場合には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各種変動パターン乱数値が抽出され、特図2変動表示ゲームの始動権利である第2始動記憶として、遊技制御装置100の特図2保留記憶領域(RAMの一部)に所定数(例えば4個)を限度に記憶される。第1始動記憶や第2始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示部53や特図2保留表示部54に表示されるとともに、第1表示器31のメイン表示画面32、特図1記憶表示LED232(図16参照)及び特図2記憶表示LED234(図16参照)にも表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶(特図1始動入賞口23への遊技球の入賞)に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、第2始動記憶(特図2始動入賞口24への遊技球の入賞)に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、第1表示器31では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
第1表示器31における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(飾り識別情報)が左(左飾り特別図柄61、図81参照)、右(右飾り特別図柄62、図81参照)、中(中飾り特別図柄63、図81参照)の順又は同時に変動表示(スクロール表示)を開始する。その後、所定時間後に変動している図柄を順次又は同時に停止させて、飾り特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、第1表示器31等では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。
特図1始動入賞口23又は特図2始動入賞口24への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時に取得した大当り乱数の値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により第1特別結果態様(大当り結果態様)が導出され、大当り状態(第1特別遊技状態)となる。これに対応して、第1表示器31で実行された飾り特図変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム、飾り特図2変動表示ゲーム)の結果としての表示態様が第1特別結果態様(例えば「7、7、7」等の数字が揃った状態)となる。
その後、大当り状態(第1特別遊技状態)が発生して下変動入賞装置27に設けられた下大入賞口ソレノイド27cへの通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、下変動入賞装置27に備えられた下大入賞口27bが所定の時間又は所定数の遊技球(例えば10個)が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。また、大当り状態では、下大入賞口27bが所定の時間又は所定数の遊技球(例えば10個)が入賞するまでを1つのラウンドとし、該ラウンドを複数回発生させることで構成される。
同様に、特図2始動入賞口24への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時に取得した大当り乱数の値が小当り値である場合)には、特図2変動表示ゲームの結果として表示図柄により第2特別結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態(第2特別遊技状態)となる。これに対応して、第1表示器31で実行された飾り特図変動表示ゲームの結果としての表示態様が第2特別結果態様(例えば、「1、3、5」等の予め定められた数字の組み合わせの停止や小当りを示す特殊図柄の停止)となる。
その後、小当り状態(第2特別遊技状態)が発生して、上大入賞口28bが所定の時間(例えば1.5秒)だけ閉状態から開状態に変換される。上変動入賞装置28内には、大当り状態を獲得する(発生させる)ことができる特定領域225が設けられ、上大入賞口28bに入賞した遊技球が特定領域225を通過すると小当り状態を1ラウンド目として大当り状態へ移行する。すなわち、上変動入賞装置28に備えられた上大入賞口28bが所定の時間大きく開き、この間遊技者は入賞球による賞球に加えて大当り状態を獲得する(発生させる)チャンスを得ることができるという特典(遊技価値)が付与される。
なお、本実施形態においては特別結果態様が導出されてから大当り状態が発生するまでの間に、前述の小当り状態(第2特別遊技状態)を発生させる場合と発生させない場合とがあるが、どちらか一方に統一してもよい。また、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
第1表示器31における飾り特図変動表示ゲームについては、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム及び飾り特図2変動表示ゲーム)が同時に実行されないようにする。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される。始動記憶が記憶された順で特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが実行されるようにしてもよい。
なお、本実施形態の遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち又は右打ちを行うように構成されている。遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、第1表示器31のメイン表示画面32には左打ち又は右打ちの指示が表示される。
〔遊技演出構成体〕
次に、図3を参照して、遊技演出構成体21について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技盤20及び遊技演出構成体21の分解斜視図である。
遊技盤20に形成された開口には、前面構成体200(センターフレームユニット210)、左入賞口ユニット260、右入賞口ユニット270、入賞装置280が、それぞれ前方より取り付けられる。また、遊技盤20は、裏面構成体300の制御ベース部材301に鍔状に形成された嵌合部301aに取り付けられる。
裏面構成体300は、制御ベース部材301に形成された前面が開口する凹室状の収容部301bに、第2表示器34、各種の可動役物及びその駆動源等を収容する。また、制御ベース部材301の上部背面には、第1表示器31及び演出制御装置(表示制御装置)150から成る表示ユニット30が制御ベース部材301に形成された開口窓部301cに合わせて配置される。さらに、制御ベース部材301の下部背面には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置100が固定される。なお、後述するように、第1表示器31(表示ユニット30)は、駆動機構によって後方へ移動又は後方へ回転動作することが可能である(図50参照)。
前面構成体200は、ワープ装置33、ステージ部240及び上変動入賞装置28等を備え、また裏面構成体300は、奥行きのある収容部301b内に役物装置等を収容する。前面構成体200及び裏面構成体300は、遊技盤20を挟みこむ形で、遊技者に画面演出及び役物演出等を提供する遊技演出構成体21をなす。
〔裏面構成体〕
次に、図4を参照して裏面構成体300について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の裏面構成体300の正面図である。
裏面構成体300は、制御ベース部材301及び制御ベース部材301に配設される第2表示器34(サブ表示ユニット340)と、各種の可動役物等とによって構成される。制御ベース部材301は、正面視で略矩形状であり、役物等を収容するために形成された収容部301b、収容部301bの底部(奥壁)に形成される開口窓部301c、及び収容部301bの前部に鍔状に形成された嵌合部301aを備える。
制御ベース部材301の嵌合部301aは、遊技盤20と嵌合可能な形状に形成され、制御ベース部材301の前面に遊技盤20が嵌合された状態でビス止めされる。収容部301bは、役物等の配設空間及び動作空間を十分に確保できる奥行きをもって前面が開口する凹室状に形成される。本実施形態での収容部301bには、演出可動ユニット310、振分可動ユニット320、これら可動役物の取り付けベースとなるユニットベース部材302(302a、302b)、サブ表示ユニット340、及びサブ表示ユニット340を昇降させる昇降ユニット370等が配設される。図4では、演出可動ユニット310、振分可動ユニット320、サブ表示ユニット340は、いずれも初期位置に待機している。
ユニットベース部材302は、収容部301b内に上下方向に延設される縦ユニットベース302a及び収容部301b内に左右方向に延設される横ユニットベース302bを含む。ユニットベース部材302は、遊技者から視認されることを考慮して前面に装飾が施されている。縦ユニットベース302aは、主として演出可動ユニット310を制御ベース部材301に取り付けるために設けられ、横ユニットベース302bは、主として振分可動ユニット320を制御ベース部材301に取り付けるために設けられる。
演出可動ユニット310は、演出可動部材311及びリンク部材である2本の支持アーム314(主動支持アーム314a、従動支持アーム314b)を備える。主動支持アーム314aの基端部がモータ315の出力軸に固定され、モータ315の駆動力を演出可動部材311に伝達することで、演出可動部材311が回動する。演出可動部材311は、メイン表示画面32の視認を妨げないよう開口窓部301cの外側である初期位置(待機位置、待機領域)において待機しつつ、遊技の進行に応じて第1表示器31の前方(動作位置、演出領域)へ回動し、発光等の演出を行う。
振分可動ユニット320は、振分回転体321及び1本の支持アーム322を備え、支持アーム322の基端部322a(図6参照)がモータ330(図6参照)の出力軸に固定される。振分回転体321は、後述するように、上変動入賞装置28が配設される2種遊技空間部において支持アーム322に対して回転しながら待機しつつ、遊技の進行に応じて第1表示器31の前方へ回動し、回転動作を伴う発光等の演出を行う。
サブ表示ユニット340は、第2表示器34及び、第2表示器34を支持するアーム部343等を備え、昇降ユニット370によって上下動可能となっている。また、後述するように、第2表示器34は、前後方向にも動作可能である。サブ表示ユニット340は、メイン表示画面32の視認を妨げないよう開口窓部301cの外側である初期位置(待機位置、待機領域)において待機しつつ、遊技の進行に応じて初期位置から第1表示器31の前方(動作位置、演出領域)へ下降し、遊技状態に応じた画面表示を行う。第2表示器34が備えるサブ表示画面35には、メイン表示画面32に表示される表示内容とは独立した画像を表示してもよく、また、メイン表示画面32に表示される表示内容のうちメイン表示画面32と重なる部分の表示内容を表示してもよい。なお、サブ表示ユニット340は、初期位置においてメイン表示画面32に一部が重なるようにしてあってもよい。
昇降ユニット370は、モータ371の駆動力によってサブ表示ユニット340を上下動させる。動作機構の詳細については、図6において詳述する。また、サブ表示ユニット340のアーム部343及び昇降ユニット370の表ケース376の表面には、演出の一環として、例えば、「気合で支えるぜ」「上下するでしょう!」といった文字(装飾)が刻印されている。
制御ベース部材301の下部には、遊技盤20から導かれた遊技球の流路が入賞球流路部材303によって形成される。遊技盤20から入賞球流路部材303へと流下する遊技球は、一般入賞口26、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、下変動入賞装置27、上変動入賞装置28に入賞した遊技球である。入賞球流路部材303によって形成された複数の球流路のうち、遊技盤20の左側3個の一般入賞口26に流入(入賞)した遊技球を流下させる球流路と、遊技盤20の右側の一般入賞口26に流入(入賞)した遊技球を流下させる球流路の途中には、それぞれ入賞口センサ26a、及び入賞口センサ26bが設置される。
また、制御ベース部材301の右下には、遊技盤20を前面枠4の遊技盤収納部に装着する(取り付ける)ことで、前面枠4に設けられるドロアコネクタに嵌合して遊技盤20と前面枠4の結線の接続が行われるドロアコネクタ基板304が配設される。
なお、本実施形態における駆動源(モータ315ほか)の配設箇所及び配設方向は一例であり、被駆動体との間にギアやカム、ジョイントを介在させながら任意の場所に配設できるものとする。駆動源はモータに限られず、ソレノイド等のアクチュエータでもよい。
〔演出可動ユニット〕
次に、図5を参照して演出可動ユニット310を説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態の演出可動ユニット310を中心とした裏面構成体300の拡大正面図である。
演出可動ユニット310は、扇状の演出可動部材311、リンク部材である2本の支持アーム314(主動支持アーム314a、従動支持アーム314b)を備える。演出可動部材311は、2本の支持アーム314によって回動自在に支持される。また、演出可動部材311は、内部にLED基板(図示省略)を備え、複数の発光部312を発光させることができる。また、演出可動部材311の右側部には、円弧状凹部(切り欠き)313が形成されており、円弧状凹部313は、振分回転体321(図6参照)の左側半分を収容可能に構成されている(図15参照)。
支持アーム314は、モータ315の駆動力を伝達する主動支持アーム314a、及び主動支持アーム314aの動きに従動する従動支持アーム314bからなる。
主動支持アーム314aは、一端(基端部)がモータ315の出力軸316aに固定され、他端(自由端部)が演出可動部材311の裏面上部に回動自在に取り付けられる(軸着される)。
従動支持アーム314bは、一端(基端部)が横ユニットベース302bに形成された回動軸316bに回動自在に取り付けられ(軸着され)、他端(自由端部)が演出可動部材311の裏面下部に回動自在に取り付けられる(軸着される)。従動支持アーム314bは、主動支持アーム314aの動きに従動しながら演出可動部材311を下方より支持する。
横ユニットベース302bの左上角部には、位置検出センサ308aが設けられており、位置検出センサ308aは、演出可動ユニット310(演出可動部材311)が初期位置(待機位置、待機領域)にあるか否かを検出する。また、回動軸316bの近傍に従動支持アーム314bと当接して従動支持アーム314bの動作を規制したり、姿勢を維持したりするためのアーム支承部309が形成される。位置検出センサ308aは、例えば、フォトインタラプタであり、発光素子と受光素子を対向して備える。従動支持アーム314bの裏面に形成される遮光板318によって、素子間の光が遮光され受光素子が光を検出できない場合、位置検出センサ308aは、演出可動ユニット310が初期位置にあることを検出する。なお、アーム支承部309は、従動支持アーム314bの裏側に遮光板318を設けて強度が高まった部位と当接するようにしたので、従動支持アーム314bが破損し難くなっている。
モータ315は、例えば、ギアードパルスモータであり、Nパルスで演出可動ユニット310を初期位置から最大回動位置(動作位置、演出領域)へと回動するように設定され、演出可動ユニット310を高速で回動可能である。モータ315は、パルス制御により回転数の制御が可能であるが、演出可動ユニット310が必要な回動量を超えて回動すると、他の構造体と衝突するおそれがあるため、従動支持アーム314bの回動幅が規制されるようにアーム支承部309が設けられる。演出可動ユニット310は、モータ315の駆動力によって、初期位置と最大回動位置との間、つまり、図5の矢印A1で示す範囲を回動する。
演出可動ユニット310のうち、遊技者に見せる演出部分は、演出可動部材311であるため、支持アーム314は、目立たないように、例えば、透明又は半透明な部材であってもよい。また、支持アーム314が単なる直線部材であると味気ないため、美感を与える形状、模様を施してもよい。また、演出可動部材311もメイン表示画面32の視認を妨げないように、透明又は半透明な部材であってもよい。
同様に、ユニットベース部材302、モータ315も遊技者の視点によっては視認可能であるため、ユニットベース部材302の表面には模様等の装飾が施され、モータ315の前面には図示しない装飾部材が被せられる。また、ユニットベース部材302は、内部から照明を受けて発光演出することも可能である。
〔振分可動ユニット及び昇降ユニット〕
次に、図6を参照して振分可動ユニット320及び昇降ユニット370を説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態の振分可動ユニット320、昇降ユニット370を中心とした裏面構成体300の拡大正面図である。なお、昇降ユニット370は、表ケース376を外して内部の機構を図示している。
初期位置(待機位置、待機領域)にある振分可動ユニット320は、振分回転体321が上変動入賞装置28の一部をなす。また、振分可動ユニット320は、遊技の進行に応じて第1表示器31の前方(動作位置、演出領域)へと回動することで大きな動作を伴う演出装置として機能する。振分可動体321は、後述するように、大当り状態の獲得(発生)が決定する特定領域(Vゾーン)225(図12参照)への入賞の可否を決める構造体であるため、遊技者にとって特に関心の高い構造体となる。
振分可動ユニット320は、振分回転体321、支持アーム322、回転ベース部323、モータ325及びLED基板326(図7参照)を備える。振分回転体321は、支持アーム322及び回転ベース部32によって横ユニットベース302bに対して回動自在に支持されるとともに、回転ベース部323に対して回転可能となっている。また、振分回転体321は、回転ベース部323に取り付けられるLED基板326(図7参照)から照射される光により発光可能である。
支持アーム322の基端部322aは、横ユニットベース302bから前方に突出するモータ330の出力軸331(図7参照)に固定される。支持アーム322の自由端部には、回転ベース部323(図7参照)が形成され、基端部322aと回転ベース部323との間には遮光板327を備える。また、支持アーム322は、演出可動ユニット310の支持アーム314と同様に、例えば、透明又は半透明な部材であってもよい。また、支持アーム322には、美感を与える形状、模様等の装飾部を設けてもよい。
横ユニットベース302bの右端には、回転ベース部323を支承して姿勢を維持するための回転ベース支承部306が形成される。また、横ユニットベース302bの右上面には、位置検出センサ308bが設けられ、位置検出センサ308bは、振分可動ユニット320(振分回転体321)が初期位置にあるか否かを検出する。位置検出センサ308bは、例えば、フォトインタラプタであり、支持アーム322の下部に形成される遮光板327によってセンサが光を検出できない場合、振分可動ユニット320(振分回転体321)が初期位置にあることを検出する。なお、横ユニットベース302bには、振分可動ユニット320の最大回動位置を規制する支承部が設けられてもよい。また、遮光板327を横ユニットベース302bに当接させることで、振分可動ユニット320の姿勢を維持するようにしてもよい。
モータ330は、横ユニットベース302bの裏面に配設される。モータ330は、例えば、モータ315と同様にギアードパルスモータであり、振分可動ユニット320を高速で回動可能である。振分可動ユニット320は、モータ330の駆動力によって、初期位置(待機位置、待機領域)と最大回動位置(動作位置、演出領域)との間、つまり、図6の矢印A2で示す範囲を回動する。
次に、サブ表示ユニット340を上下動させる昇降ユニット370について説明する。
昇降ユニット370は、筺体として表ケース376及び裏ケース377からなり、筺体内にサブ表示ユニット340を昇降させる機構を備える。裏ケース377は、制御ベース部材301の一部として形成されてもよい。また、昇降ユニット370の下部に、駆動源としてモータ371が配設される。
昇降ユニット370は、筺体内に、昇降ロッド372、モータ371の出力軸と昇降ロッド372を接続する接続部材373及び位置検出センサ374を備える。昇降ロッド372は、らせん状の凸部372a及び凹部372bを有するスクリュー状の棒状ねじ部材として構成されている。
サブ表示ユニット340は、昇降ロッド372の軸方向に直交して設置され、アーム部343に形成される筒部344が昇降ロッド372に対して上下動自在に取り付けられている。
表ケース376と裏ケース377の左側面には、サブ表示ユニット340のアーム部343が上下する範囲において、アーム部343が回動しないように規制する溝状の昇降ガイド部378が形成され、昇降ストロークの下限を規制するためにガイド下限部379が形成される。
昇降ロッド372が一方向に回転することでアーム部343の筒部344が上昇し、昇降ロッド372が他方向に回転することでアーム部343の筒部344が下降する。このように、アーム部343の筒部344が上下動することで、サブ表示ユニット340が昇降する。
位置検出センサ374は、例えば、フォトインタラプタであり、サブ表示ユニット340が初期位置(待機位置、待機領域)にある場合、アーム部343の裏面に形成される遮光板345がセンサの光を遮光する。また、遮光板345は、サブ表示ユニット340の昇降上限を規制してもよい。サブ表示ユニット340は、図6の矢印A3が示す、初期位置と最大下降位置(動作位置、演出領域)との範囲において、昇降可能である。
〔振分可動ユニット〕
次に、図7を参照して、振分可動ユニット320の構成を詳細に説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態の振分可動ユニット320の斜視図であり、(A)は振分可動ユニット320の分解斜視図、(B)は振分可動ユニット320が初期位置(待機位置、待機領域)に待機する状態の斜視図である。
振分可動ユニット320では、振分回転体321が支持アーム322の先端(自由端側)において常時回転している。また、振分可動ユニット320は、遊技の進行に応じて初期位置から最大回動位置(動作位置、演出領域)へと回動する。振分可動ユニット320の回動動作量及び振分回転体321の回転方向については、図7(B)に示す。振分回転体321の回転方向は、任意に変更可能であり、また、回転速度も任意に変更可能である。
振分可動ユニット320に回動する駆動力を供給するモータ330は、横ユニットベース302bの背面に配設される。モータ330の出力軸331は、横ユニットベース302bに形成される軸孔305に挿通され、振分可動ユニット320の支持アーム部322の基端部322aに固定される。
振分可動ユニット320は、振分回転体321、振分回転体321を支持する回転ベース部323、回転ベース部323を支持する支持アーム322、振分回転体321を回転させるモータ325及び振分回転体321に光を照射するためのLED基板326を備える。振分回転体321には、LED基板326のLED326aから照射される光を透過ないし拡散する複数の透光部328及び特定領域225への入賞経路を通過可能にする窪部329が形成される。窪部329は、遊技球の直径よりも若干広い幅に設定され、特定領域225と対向する位置にある場合に、遊技球を特定領域225へ入賞させることができる(図12参照)。
支持アーム322には、遮光板327が形成され、振分可動ユニット320が初期位置にある場合、遮光板327が位置検出センサ308bの素子間の光を遮光する。また、遮光板327は、センサ取付部307(横ユニットベース302b)に当接することで、振分可動ユニット320の回動幅を規制する。
横ユニットベース302bには、回転ベース部323の外周に当接して振分可動ユニット320の姿勢を維持するための回転ベース支承部306が形成されるが、振分回転体321が常時回転することを考慮して、振分回転体321と回転ベース支承部306とは当接しない。
回転ベース部323は、支持アーム322の自由端側に一体的に形成される有底円筒状であって、回転体用モータ325及びLED基板326を収容する収容部324を有する。
回転体用モータ325は、振分回転体321に回転する駆動力を供給する。LED基板326には、複数のLED326aが設けられており、LED326aはモータ325の周囲に円環状に配置される。LED326aが出力する演出光は、透光部328を介して前方へ透過ないし拡散される。
〔サブ表示ユニット〕
次に、図8を参照して、サブ表示ユニット340について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態のサブ表示ユニット340の斜視図であり、(A)はサブ表示ユニット340の分解斜視図、(B)はサブ表示ユニット340が前後方向に突出した状態の斜視図である。
サブ表示ユニット340は、昇降ユニット370によって上下方向に昇降可能であり、かつ、サブ表示ユニット340が内蔵する駆動源によって前後方向に突出することが可能である。サブ表示ユニット340(前面部材350、制振部材360)の前後方向への動作箇所及び動作量については、図8(B)に示す。
サブ表示ユニット340は、表示ベース部材341、前面部材(前側部材)350(第2表示器34)、制振部材(後側部材)360を備える。表示ベース部材341は、略矩形状の可動ベース部342及び可動ベース部342を支持するアーム部343を備える。
可動ベース部342は、モータ346等を内蔵できる空間を内部に備え、モータ346は、リブ342aによって固定される。モータ346の出力軸には、両端部に突起部347aが形成されるリンクアーム部材347が固定され、リンクアーム部材347は、前面部材350及び制振部材360にモータ346の駆動力を伝達する。また、可動ベース部342の外形をなす胴部の内側四隅には、前面部材350の裏側四隅に設けたガイド筒ロッド352を挿通可能なガイド部348が形成される。また、可動ベース部342の胴部前面には、前面部材350の裏側に設けた遮光板354と対向する位置に位置検出センサ349が設けられ、第2表示器34が初期位置にあるか否かを検出する。
アーム部343は、モータ346や第2表示器34への配線を通すための配線処理部を背面に有し、アーム部343の表面には、文字等の装飾が施される。また、アーム部343には、昇降ロッド372に対して摺動する筒部344が形成される。筒部344は、アーム部343の基端部に設けられ、上下方向に延設される円筒状の部材である。筒部344は、昇降ロッド372の凹部372bの外周面に対して摺動可能な内径を有する。
前面部材(前側部材)350は、前面に第2表示器34及び第2表示器34の外周を装飾する装飾フレーム部材351を備え、背面には、ガイド筒ロッド352、遮光板354、及びリンクアーム部材347と係合する係合片353を備える。ガイド筒ロッド352は、可動ベース部342に対して前面部材350を支持するとともに、制振部材360のガイドロッド362を収納可能である。ガイド筒ロッド352は、制振部材360のガイドロッド362が挿入される被挿入部として、挿入孔(図示省略)を有している。
係合片353は、第2表示器34の裏面の中心から右寄りの位置に形成される。係合片353は、左右方向に延在する長穴として形成される係合部353aを備え、リンクアーム部材347の一端側の突起部347aが係合部353aと係合する。なお、第2表示器34は、自光するディスプレイではなく、背面等から投影されるスクリーン状の表示器であってもよい。
制振部材(後側部材)360は、前面部材350の前後動に伴うサブ表示ユニット340の振動(揺れ)を抑制するための部材である。前面部材350が前方に突出する場合には、動作に伴う振動(揺れ)がサブ表示ユニット340に生じるが、制振部材360は、前面部材350と同じタイミングで反対側に動作することで、かかる振動(揺れ)を相殺する。そのため、制振部材360は、前面部材350と略同一の重量(質量)を有する。ただし、前面部材350の前後動に伴うサブ表示ユニット340全体の揺れを抑制することができるのであれば、制振部材360の重量や動作幅、移動速度を前面部材350と異ならせてもよい。なお、制振部材360にも表示機能や発光機能等の演出機能を与えてもよい。
制振部材360は、制振板361、ガイドロッド362、係合片363を備える。制振部材360が制振機能のみを備える場合には、制振板361が遊技者から視認できないよう、正面視で前面部材350に隠れて見えない大きさであることが好ましい。制振板361を可動ベース部342に対して支持するガイドロッド362は、前面部材350及び制振部材360が最大突出位置にある場合であっても、ガイド筒ロッド352から抜脱しない程度の長さを備える。係合片363は、制振板361の裏面の中心から右寄りの位置に形成される。係合片363は、左右方向に延在する長穴として形成される係合部363aを備え、リンクアーム部材347の他端側の突起部347aが係合部363aと係合する。
このように構成されたサブ表示ユニット340は、図8(B)に示すようにモータ346の出力軸が回転してリンクアーム部材347が一方向に回転すると、リンクアーム部材347の一端側の突起部347aが係合部353aの内部を一端部から他端部に向けて左右方向に摺動しつつ係合片353を前方に押圧するとともに、リンクアーム部材347の他端側の突起部347aが係合部363aの内部を一端部から他端部に向けて左右方向に摺動しつつ係合片363を後方に押圧する。それに伴い、ガイド筒ロッド352がガイド部348内を摺動して前面部材350が前方に移動しつつ、ガイドロッド362がガイド筒ロッド352内を摺動して制震部材360が後方に移動する。そして、リンクアーム部材347が横向き状態から略1/4回転して縦向き状態になると、両端の突起部347a、347aがそれぞれ係合部353a及び係合部363aの他端部にそれぞれ到達して前面部材350及び制震部材360の前後への移動が停止する。そのため、前面部材350及び制震部材360の前後方向への動作量(移動幅)は、モータ346の出力軸からリンクアーム部材347の突起部347aまでの距離と略等しくなる。
それとは逆に、モータ346の出力軸が回転してリンクアーム部材347が他方向に回転すると、リンクアーム部材347の一端側の突起部347aが係合部353aの内部を他端部から一端部に向けて左右方向に摺動しつつ係合片353を後方に引張するとともに、リンクアーム部材347の他端側の突起部347aが係合部363aの内部を他端部から一端部に向けて左右方向に摺動しつつ係合片363を前方に引張する。それに伴い、ガイド筒ロッド352がガイド部348内を摺動して前面部材350が後方に移動しつつ、ガイドロッド362がガイド筒ロッド352内を摺動して制震部材360が前方に移動する。そして、リンクアーム部材347が縦向き状態から略1/4回転して横向き状態になると、両端の突起部347a、347aがそれぞれ係合部353a及び係合部363aの一端部にそれぞれ到達するとともに、前面部材350の裏面及び制震部材360の前面が表示ベース部材341に当接して、前面部材350及び制震部材360の前後への移動が停止する。
〔前面構成体〕
次に、図9を参照して前面構成体200について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の前面構成体200の分解斜視図である。
前面構成体200は、センターフレームユニット210、ステージ部材240、導光板ユニット250を備える。
センターフレームユニット210は、枠体を形成するフレーム部211に、進入規制壁(鎧部)211a、フランジ部212、普図始動ゲート25が設けられる普図始動ゲート部213、入賞空間形成部214を備える。
フレーム部211の前方に突出する鎧部211aの基部の外周には、フランジ部212が形成され、フランジ部212より後方のフレーム部211が遊技盤20に嵌挿される。また、鎧部211aの下方には、ステージ部材240を設置するために切り欠いた設置部215が形成される。鎧部211aは、遊技球が遊技領域22からセンターフレームユニット210の内側に進入できないように規制し、また、センターフレームユニット210の開口部(表示窓部)211bを通して表示器や可動役物等を視認可能な間口を形成する。入賞空間形成部214は、上変動入賞装置28が配設される空間であり、3個の入賞領域(図12参照)が設けられる。
ステージ部材240は、センターフレームユニット210の前方より、設置部215に設置される。ステージ部材240は、左端にワープ装置33(ワープ流路部材241)が形成され、右端に領域区画部材(空間仕切部材)242が形成される。領域区画部材242は、入賞空間220(図10参照)の上部を覆うように形成され、ステージ上を転動する遊技球が入賞空間220へ飛び込むことを規制する。
導光板ユニット250は、外周に配設されるLEDから照射される光を前方に反射する反射部を有する導光板を備える。導光板ユニット250は、センターフレームユニット210の開口部(表示窓部)211b全域を後方から覆い、遊技者に発光演出を提供する。また、導光板ユニット250は、ステージ上を転動する遊技球が表示器や可動役物が配設される裏面構成体300の収容部301bに飛び込むことを規制する。
〔センターフレームユニット〕
次に、図10を参照してセンターフレームユニット210を説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態のセンターフレームユニット210の斜視図である。
まず、ステージ部材240を中心に説明する。庇状転動部243は、全体として凹型に形成されるが、底部には緩やかな山形の隆起が形成され、当該隆起の頂上部には、特定導入口36が設けられる。隆起の左右には、外れ導入口38(38a、38b)が設けられる。また、庇状転動部243は、遊技領域までせり出して遊技球の内部空間への進入を規制する。
導光板ユニット250に当接する庇状転動部243の背面側には、後方規制壁244が形成される。後方規制壁244は、ワープ装置33を通過して庇状転動部243を勢いよく流下する遊技球が後方へと転動して導光板ユニット250を傷つけることを防止する。また、後方規制壁244は、裏面構成体300への遊技者の視線を限定するため、例えば、初期位置(待機位置、待機領域)にある振分可動ユニット320のアーム部322等を遊技者から隠すことができる。そのため、遊技の興趣を損なうことを抑制することができる。後方規制壁244には、装飾が施されてもよく、また、後方規制壁244は、透光性の部材により形成されてもよい。
次に、上変動入賞装置28が配設される上変動入賞部245を中心に説明する。上変動入賞装置28は、変動表示ゲームが小当りとなると可動部材(可動翼片)28aを所定のタイミングで開放し、上大入賞口28b(図11参照)を遊技球が通過可能となる。上大入賞口28bを通過した遊技球は入賞空間(球転動領域)220を転動して3個ある入賞領域(図12参照)のいずれかの入賞口に入賞する。入賞空間形成部214及び領域区画部材242によって区画されることで、入賞空間220が形成される。
進入規制壁(鎧部)211aは、遊技盤20に嵌挿されるフレーム部211から前方に突出ことで、遊技盤20上に遊技領域22と表示窓部211bとの境を形成する。可動部材28aが配設される上方の鎧部211aには、普図始動ゲート25を内側に備える普図始動ゲート部213が形成される。また、普図始動ゲート部213の上方であって鎧部211aの前面には、第4図柄LED231、233等(図16参照)を備えた進行表示部230が設けられる。
〔上変動入賞部(2種遊技空間部)〕
次に、図11から図14を参照して上変動入賞部245について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の上変動入賞部245を中心としたセンターフレームユニット210の拡大斜視図である。
上変動入賞部245は、上変動入賞装置28が配設される領域である。具体的には、上変動入賞装置28の可動部材28aが開放されることで形成される上大入賞口28b、入賞空間形成部214と領域区画部材242と振分回転体321(図12参照)により形成される入賞空間220を含む。
上変動入賞装置28の可動部材28aが開放されると、上大入賞口28bが開口する。上大入賞口28bを通過して遊技領域22から入賞空間(球転動領域)220へ転動する遊技球は、上カウントスイッチ28d(カウントセンサ216)を通過するため、カウントセンサ216によって入賞が検出される。カウントセンサ216を通過して入賞空間220の中央まで移動してきた遊技球は、R状の流入ガイド222によって転動方向を後方へと変更され、振分部(振分領域)223(図12参照)へと転動する。
上述のとおり、入賞空間220は、入賞空間形成部214と領域区画部材242から形成されるが、入賞空間形成部214と領域区画部材242は一体として形成されてもよい。領域区画部材(空間仕切部材)242の背面には、上部の淵に沿って端部遮蔽リブ246が形成される。端部遮蔽リブ246は、導光板の端部が遊技者から視認できないように遮蔽するためのリブである。
図12は、本発明の第1の実施の形態の上変動入賞部245を中心とした遊技演出構成体21の拡大斜視図である。
上述のとおり、上変動入賞部245は、上大入賞口28b及び入賞空間(球転動領域)220を含む。入賞空間220は、入賞球が通常領域224若しくは特定領域225へと振り分けられる振分部(振分領域)223を含む。
振分部223は、遊技球を大当り状態の獲得に繋がらない2ヶ所の通常領域224(左通常領域224a、右通常領域224b)若しくは大当り状態の獲得(発生)が決定する特定領域225へと振り分ける領域である。通常領域224、特定領域225にはそれぞれ通過センサ224c、224d、225a(図23参照)が設けられる。
振分部223は、入賞空間形成部214の一部であって断面視で台形に形成されている。振分部223は、特定領域225へと接続する振分回廊223a、及び振分回廊223aの左右から通常領域224に向かって傾斜する振分斜面(左振分斜面223b、右振分斜面223c)とを備える。
特定領域225の上方では、初期位置にある振分回転体321が回転しており、振分回転体321の窪部329が特定領域225と向かい合ったタイミングでのみ、入賞球が特定領域225を通過可能となる。入賞球が通常領域224若しくは特定領域225に振り分けられるタイミングについては図13を用いて説明する。なお、振分回転体321の回転状態は、窪部329が鉛直下方にある回転状態を0度回転状態とし、振分回転体321は、正面視で時計回りに回転する。
このように、上変動入賞部245は、大当り獲得に関わる重要な領域である。そのため、振動や磁力を用いて特定領域225への入賞を得ようと、上変動入賞部245に不正が行われるおそれがある。そこで、入賞空間220の直下にあたる入賞空間形成部214内には、磁気センサ29a、振動センサ29cが埋設され、遊技の不正を監視する。
〔振り分けタイミング〕
図13は、本発明の第1の実施の形態の入賞空間220の斜視図であり、(A)は振分回転体321が0度回転状態にある場合の図、(B)は振分回転体321が180度回転状態にある場合の図である。
上大入賞口28bに入賞した遊技球は、球転動路221を転動し、R状の流入ガイド222によって転動方向を左方向から奥方向へと変更され、振分部(振分領域)223に臨む。振分部223に臨んだ入賞球は、振分回廊223aを転動して振分回転体321が位置する領域へと転動する。ここで、図13(A)に示すように、振分回転体321が0度回転状態にある場合は、窪部329が特定領域225と向かい合って位置しているため、遊技球は特定領域225へと流入可能である。
これに対して、窪部329が特定領域225の直上にない場合には、図13(B)に示すように、特定領域225は振分回転体321によって塞がれて、遊技球が流入不能となる。遊技球は振分回廊223aを転動しても振分回転体321に当接して前方へと弾かれ、左振分斜面223bを転動して左通常領域224aに流入するか、右振分斜面223cを転動して右通常領域224bに流入する。
このように、振分回転体321は、遊技の進行に応じて第1表示器31の前方へと回動して発光等の演出を実行する機能に加えて、上変動入賞部245において特定領域225への遊技球の流入の可否を決める機械的な振り分け(遊技球の流下方向を変化させる誘導)機能を有する振分部材(誘導部材)に相当する。なお、窪部329は、図に示す幅よりも広い幅をもって形成されてもよく、複数設けられてもよい。
〔撮影機構〕
次に、図14を参照して上変動入賞部245の撮影機構について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の領域区画部材242の斜視図であり、(A)は領域区画部材242を裏面から見た斜視図、(B)は領域区画部材242を正面下方から見た斜視図である。
入賞空間220の天蓋である領域区画部材242は、図14(A)に示すように、収容部242aを備え、収容部242aにLED基板247、左カメラモジュール248a、右カメラモジュール248bを矢印の方向から収容する。
LED基板247は、空間照明LED247a、247bを有する。左カメラモジュール248aは、左カメラレンズ部249aを有し、右カメラモジュール248bは、右カメラレンズ部249bを有する。
また、領域区画部材242には、収容部242aの下面に、左カメラレンズ部249a、右カメラレンズ部249b及び空間照明LED247a、247bを露出させるスリット242bが形成される。このスリット242bは遊技球の直径よりも狭い幅となっているため、内部に臨む左カメラレンズ部249a、右カメラレンズ部249b及び空間照明LED247a、247bに対して入賞空間220に流入した遊技球が衝突することはない。
図14(B)に示すように、空間照明LED247a、247bは、入賞空間220を上方から照らし、左カメラモジュール248aは、入賞空間220を上方左側から撮影し、右カメラモジュール248bは、入賞空間220を上方右側から撮影する。
カメラモジュール248(左カメラモジュール248a、右カメラモジュール248b)は、照明に照らされた振分部(振分領域)223の周辺を中心に振分部(振分領域)を動画として撮影し、左カメラモジュール248a、右カメラモジュール248bは、それぞれ振分部(振分領域)223の周辺を別アングルから撮影するようになっている。
なお、カメラモジュール248によって常時撮影してもよいし、遊技球がカウントセンサ216を通過してから所定の期間のみ撮影してもよい。また、一方のカメラモジュールは常時撮影していて他方のカメラモジュールは遊技球がカウントセンサ216を通過してから所定の期間のみ撮影してもよい。撮影された動画は、入賞球が特定領域225に流入する、不正検出センサが作動する等のイベントと関連づけて保存され、第1表示器31、第2表示器34等で再生可能であり、また、遊技者の保有する記憶媒体にインタフェース(図示省略)を介して出力可能である。
特定領域225への遊技球の入賞(いわゆるV入賞)は、簡単に達成できるイベントではないため、V入賞シーンを遊技者が再生して(いわゆるプレイバック)確認可能とすることで、遊技の興趣を向上させることができる。また、磁気センサ29a、振動センサ29c等の信号検出と動画の保存を関連付けることで、不正行為の有無を遊技盤20側からの動画として確認することができる。特に、遊技場に備える防犯カメラだけでは遊技者の手元を詳細に確認することが困難である場合があるが、入賞空間220を中心に撮影された動画であれば、遊技者の手元を詳細に確認することができる。
なお、球転動路221周辺を撮影するカメラを別途設けてもよく、複数のカメラによって各領域を別アングルから撮影することで、V入賞までの各場面において臨場感のある動画を保存することができる。
〔役物動作例〕
次に、図15を参照して可動役物の動作例を説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の役物の動作例を示す図であり、(A)は遊技演出構成体の正面図、(B)は演出可動部材及び振分回転体が合体した状態の正面図である。
図15(A)に示すように、演出可動ユニット310は、矢印A1の範囲において回動することができ、振分可動ユニット320は、矢印A2の範囲において回動することができる。サブ表示ユニット340は、矢印A3の範囲において昇降することができる。サブ表示ユニット340は、演出可動ユニット310、振分可動ユニット320とは異なる奥行きに配設され、互いに回動・昇降動作の妨げとはならない。
また、振分回転体321は、時計回りに回転している。演出可動ユニット310及び振分可動ユニット320は、ともに最大回動位置に回動しており、演出可動部材311の右側部に形成された円弧状凹部313に振分回転体321の左側半分が収容され、両者が一体感のある装飾部材を構成し、興趣の高い装飾演出が実行される。
さらに、図15(B)に示すように、演出可動部材311の発光部312、振分回転体の透光部328は、発光演出を実行可能である。発光部312は、例えば、互いに隣合う発光部312と交互に発光(点灯)と消灯を繰り返したり全てが発光(点灯)したりする。透光部328も同様である。発光色は一色に限られない。
〔進行表示部〕
次に、図16を参照してセンターフレームユニット210に配設される進行表示部230を説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の進行表示部230を説明する図であり、(A)は進行表示部230を中心とした遊技演出構成体21の拡大正面図、(B)は第4図柄LED231、233の発光パターンを示す遷移図である。
進行表示部230には、上から順に、特図1第4図柄(進行表示)LED231、特図1記憶表示LED232、特図2第4図柄(進行表示)LED233、特図2記憶表示LED234、普図(進行表示)LED235、普図記憶表示LED236が配設される。
このうち、特図1第4図柄LED231、特図2第4図柄LED233は、メイン表示画面32に表示される特別図柄(識別情報)の停止態様と合わせて変動表示ゲームの結果を報知するものであり、4種類の発光パターンが設定される。特別図柄の停止態様だけでは小当りであるのか大当りであるのかを遊技者に把握できないようにする一方で、特別図柄の停止態様と第4図柄LED231、233の発光パターンとによって小当り/大当りの別を遊技者に報知するために、第4図柄LED231、233が設けられる。
普図LED235は、普図変動表示ゲームの結果を発光パターンによって報知する。
特図1記憶表示LED232、特図2記憶表示LED234、普図記憶表示LED236は、始動記憶の記憶数に応じた発光パターンで発光する。
第4図柄LED231、233の発光パターンには、図16(B)に示すように、4パターンが設定される。特図1第4図柄LED231の発光パターンと特図2第4図柄LED233の発光パターンは同一である。
例えば、特図1変動表示ゲームの結果が外れである場合は、特図1第4図柄LED231が消灯する。
特別図柄の数字が、例えば、「1、3、5」のように不揃いであり、特図1変動表示ゲームの結果が小当りである場合には、特図1第4図柄LED231が桃色に発光する。
特別図柄の数字が、例えば、「7、7、7」のように揃っており、特図1変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1第4図柄LED231が桃色に発光する。
特別図柄の停止態様に関わらず特図1変動表示ゲームの結果が大当り(例えば、通常大当り)である場合は、特図1第4図柄LED231が橙色に発光する。
また、特別図柄の停止態様に関わらず特図1変動表示ゲームの結果が大当り(例えば、特別大当り)である場合は、特図1第4図柄LED231が茶色に発光する。
なお、第4図柄LED231、233は、変動表示ゲームの実行期間に亘って発光(点灯)と消灯を繰り返すように変動し、変動表示ゲームの終了に伴い変動を終了(発光又は消灯)するようにして、変動表示ゲームの進行を示唆する機能のみを有するものであってもよい。
このように、進行表示部230は、遊技の進行を報知する上で重要な領域であるため、遊技者に対して視認性が確保される必要がある。そこで、本実施形態では、第1表示器31と進行表示部230(特に、第4図柄LED231、233)の間の空間には、装飾用のLED(発光部材、発光源)を配置しない。そのため、遊技者への第4図柄LED231、233の変動・停止・発光色の視認性が確保される。
なお、第1表示器31と進行表示部230との間の空間に装飾用LEDを配置する場合には、装飾用LEDと第4図柄LED231、233の発光態様を異ならせる。具体的には、両者の発光色、輝度、レンズによる拡散パターンを異ならせることで、第4図柄LED231、233の視認性を確保する。
〔導光板ユニット〕
次に、図17から図19を参照して導光板ユニット250について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の導光板ユニット250の分解斜視図である。
導光板ユニット250は、センターフレームユニット210に後方から取り付けられて前面構成体200と裏面構成体300の境界面を形成するとともに、前側導光板251及び後側導光板252の外周端部から導光された光を所定の発光領域(発光パターン)において前方へと反射させる。
導光板ユニット250は、前側導光板251及び後側導光板252の複数の導光板を備える。前側導光板251と後側導光板252とは、支持フレームであるスペーサ部材253によって導光板同士が密着しないように支持される。
また、前側導光板251の外周に沿うように前側LED基板254がスペーサ部材253の前面側に取り付けられる。同様に、後側導光板252の外周に沿うように後側LED基板255がスペーサ部材253の背面側に取り付けられる。
図18は、本発明の第1の実施の形態の導光板ユニット250の断面斜視図であり、(A)は導光板ユニット250の断面斜視図、(B)は(A)において円形の破線で囲んだ部分の拡大断面斜視図、(C)は(A)において円形の破線で囲んだ部分の拡大断面図である。
前側導光板251及び後側導光板252は、例えば、アクリルを主材料として形成され、透明度を大きく低下させない程度に一部又は全部が着色されてもよい。
前側導光板251の外周には、両面にLED256、257を実装する前側LED基板254が配置され、前側LED基板254は前側導光板251の外周を囲むようにスペーサ部材253に取り付けられる。具体的には、図18(B)及び(C)に示すように、前側LED基板254の背面に略等間隔で複数LED257が設けられており、各LED257の頭部がスペーサ部材253に当接乃至近接する。LED257は、前側導光板251の端面と対向して前側導光板251の内部に光を照射するための前側導光板用LEDである。
前側LED基板254の前面には、鎧部211aに光を照射するために前方に照射面を向けたLED256が略等間隔に複数配設される。LED256は、鎧部211aを照明するための鎧部用LEDである。
後側導光板252の外周には、前面にLED258を実装する後側LED基板255が配置され、後側LED基板255は後側導光板252の外周を囲むようにスペーサ部材253に取り付けられる。後側LED基板255も略等間隔に複数配設されるLED258の各頭部がスペーサ部材253に当接乃至近接する。LED258は、後側導光板252の端面と対向して後側導光板252の内部に光を照射する後側導光板用LEDである。
なお、LED256が照射面を前方に向けて配設されるのに対して、LED257とLED258は、照射面を導光板の端面に向けて(図18(C)では下方に向けて)配設される。
このように、前側LED基板254は両面にLED256、257を実装するので、基板数及び部品数を削減することができる。また、前側LED基板254の基板自体が遮光部材として機能するので、一方の面のLEDからの照射光が他方の面の照射対象に影響を及ぼすことを規制できる。
このように、前側導光板251及び後側導光板252は外周端部から導光された光を後述する発光領域(発光パターン)において前方へと拡散して反射するため、遊技者からは発光領域が浮かび上がるように発光して見える。
なお、任意に前側導光板251又は後側導光板252のみを発光させることで演出効果を高められるが、前側導光板251と後側導光板252が当接すると、端部からの入射光が当接箇所を通じて別の導光板へも入ってしまい、発光させない導光板まで発光することになる。そのため、前側導光板251と後側導光板252が当接しないように、前側導光板251と後側導光板252の間には、スペーサ部材253によって間隙259が設けられる。また、スペーサ部材253は、一方のLED257、258の光が他方の導光板に照射されないように遮光する機能を有する。
図19は、本発明の第1の実施の形態の前側導光板251及び後側導光板252の発光領域(発光パターン)を示す図であり、(A)は前側導光板251の発光領域(発光パターン)を示す図、(B)は後側導光板252の発光領域(発光パターン)を示す図である。
前側導光板251、後側導光板252は、それぞれ発光領域と非発光領域に分けることができる。発光領域は、例えば、前側導光板251、後側導光板252の裏面にレーザーによる凹凸加工や印刷被膜によって形成される。
図19(A)に示すように、前側導光板251には、例えば、放射状の発光領域251aが形成され、発光領域251aが発光すると円形の非発光領域251bと放射状の非発光領域251bが発光領域251aとのコントラストにより視認できる。前側導光板251は、導光板の全体的な領域を発光領域として使用し、遊技者にインパクトのある発光演出を提供する。
図19(B)に示すように、後側導光板252には、例えば、「CHANCE」及び「激アツ」という文字が浮かび上がる発光領域(文字領域)252aと、模様が浮かび上がる発光領域252b、252cが形成される。このうち、例えば、発光領域252aの「CHANCE」部分と「激アツ」部分とは、反射面の形成方向を異ならせ、端部から導光する光の入射方向を一側部のみの入射となるように制御することで、「CHANCE」部分のみや「激アツ」部分のみを発光させることができる。
模様が浮かび上がる発光領域252b、252cは、最大回動位置にある演出可動部材311と対になるように形成されたオブジェクト領域としての発光領域252bと、最大回動位置にある演出可動部材311の発光部312に合わせて形成された模様領域としての発光領域252cを含む。模様領域252b、252cも文字領域252aと同様に、両方の領域及びいずれか一方の領域のみを任意に発光させることができる。
後側導光板252は、特定の領域を発光領域として使用し、当該特定領域において文字や細かな模様を発光させて遊技者にメッセージや細かな発光演出を提供する。特に、後側導光板252の発光領域252aが前側導光板251の非発光領域251bと重なる形状であるので、遊技者に面白味やインパクトのある立体的な発光演出を提供することができる。
このように、前側導光板251、後側導光板252ごとに発光演出の目的を持たせ、目的に応じた前側導光板251又は後側導光板252のみを発光させることで、複数の発光パターンを提供することができる。導光板ユニット250の発光パターンを含む演出パターンについては、図55から図71において後述する。
〔演出部材〕
次に、図20から図21を参照して入賞装置280について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の入賞装置280の斜視図である。また、図21は、本発明の第1の実施の形態の右側の入賞演出ユニット282の断面斜視図である。
入賞装置280には、ベース部材281の前面に、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24及び可動部材24aが設けられる。可動部材24aの前面には、前面装飾部材289が設けられる。
ベース部材281の背面には、特図1始動入賞口23に入賞した遊技球が通過する入賞球流路23e、可動部材24aに駆動力を供給する普電ソレノイド24b等が設けられる。
また、入賞装置280の左右両側には、一対の入賞演出ユニット282が設けられる。左側の入賞演出ユニット282も右側の入賞演出ユニット282も同構成であるので、ここでは右側の入賞演出ユニットについて説明する。
入賞演出ユニット282は、ベース部材281の前面に設けられる突出部283と、ベース部材281の背面に設けられる後方突出部288を含む。入賞演出ユニット282は、複数設けられず単数であってもよい。
突出部283は、外形を囲繞壁部285によって形成され、囲繞壁部285により囲われる可動空間(演出可動部)286に演出部材(キャラクタ部材)287が配設される。囲繞壁部285の上側壁は、誘導棚部284として形成されている。
誘導棚部284は、その上面が第2始動入賞領域(特図2始動入賞口)24に向けて下り傾斜し、誘導棚部284上を転動する遊技球を第2始動入賞領域24の方向へと誘導することができる。
図21に示すように、入賞演出ユニット282は、ベース部材281の前面、つまり突出部283に演出部材287を備え、ベース部材281の背面、つまり後方突出部288に演出部材287に駆動力を供給する駆動機構290を備える。
入賞演出ユニット282の突出部283は、演出部材287を収容する可動空間286を有しており、入賞演出ユニット282の後方突出部288は、駆動機構290を収容する収容空間288aを有している。可動空間286と収容空間288aは連通している。
駆動機構290は、モータ291、プーリ292、無端ベルト293、支持軸部294を含み、プーリ292は、モータ291の出力軸に固定される。無端ベルト293は、プーリ292及び演出部材287の下部に形成されるベルト受部287aに巻き掛けられる。モータ291の動力は、無端ベルト293を介して演出部材287に伝達される。
演出部材287は、支持軸部294によって回動自在に軸支され、無端ベルト293により、例えば、演出部材287が小刻みに左右に回転する。演出部材287は、例えば、可動する人形(キャラクタ)であり、入賞、バトル演出、大当り予告等によって動作する。なお、対になる演出部材287も同様の構造で動作するが、異なる構造であってもよい。
演出部材287は、例えば、特図1始動入賞口23に入賞が発生すると左の演出部材287が可動し、特図2始動入賞口24に入賞が発生すると右の演出部材287が可動するように設定され、遊技者の目を楽しませる。
このように、入賞演出ユニット282は、遊技の進行や状態に応じて演出部材287を動作させ、遊技の興趣を向上させる。
また、演出部材287は、内部から発光するものであってもよいし、複数の動作関節を有し複雑な動作を実行できるものであってもよい。また、演出部材287は、後方突出部288に収容され、柱時計のカラクリのように、特定のタイミングで前方の突出部283(可動空間286)へと飛び出す動作をするものでもよい。
〔ゲームフロー〕
次に、図22を参照して遊技機1のゲームフローについて説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態のゲームフローを示す図である。
図22は、本発明の第1の実施の形態の各遊技状態が他の遊技状態に遷移する主なパターンを示す状態遷移図である。
本発明の第1の実施の形態における遊技状態には、通常遊技状態、特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)、特別遊技状態がある。
通常遊技状態とは、普電サポートなしの状態(非電サポ状態)である。本実施形態では、普図変動表示ゲームが必ず当りに当選するが、普図変動時間が60秒に設定されているので、可動部材24aが拡開される頻度が低くなっている。通常、停電後などを除いて、遊技を開始した時点の遊技状態は通常遊技状態となっている。
一方、特定遊技状態とは、普電サポートありの状態(電サポ状態)である。通常遊技状態と同様に普図変動表示ゲームが必ず当りに当選するが、普図変動時間が1秒に設定されているので、可動部材24aが拡開される頻度が高くなる。特定遊技状態では、普図変動時間が短い時間に設定されるため、特図2始動記憶が貯まりやすく、特図2始動記憶が迅速に消化される。
また、特別遊技状態とは、遊技者に有利な状態である。特別遊技状態には、大当りが発生して下大入賞口27bが所定のタイミングで開放される状態(大当り状態)、小当りが発生して上大入賞口28bが所定のタイミングで開放される状態(小当り状態)が含まれる。
大当り状態は、始動入賞口に入賞したときに抽出された大当り乱数の値が大当り値であって特図変動表示ゲームの結果が第1特別結果態様(大当り結果態様)となった場合に発生する。大当り状態は、下変動入賞装置27が複数ラウンドに亘って開状態に変換される第1特別遊技状態を構成し、遊技者が多数の賞球を獲得可能となる。大当り状態には、特別遊技状態の終了後に特定遊技状態に遷移する特別大当りと、特別遊技状態状態の終了後に通常遊技状態に遷移する通常大当りがある。大当り状態の種類は、大当り図柄乱数の値によって決定される大当り図柄(第1特別結果態様の種類)に応じて設定される。
本実施形態では、通常遊技状態でも特定遊技状態でも特図変動表示ゲームの大当り確率は1/200に設定され、同一の確率である。
小当り状態は、始動入賞口に入賞したときに抽出された大当り乱数の値が小当り値であって特図変動表示ゲームの結果が第2特別結果態様(小当り結果態様)となった場合に発生する。小当り状態は、可動部材(可動翼片)28aが所定時間に亘って開放する第2特別遊技状態を構成し、大当り状態(第1特別遊技状態)を発生(に移行)させるための状態移行遊技となる。
本実施形態では、特図2始動入賞口24に遊技球の入賞があった場合、195/200の確率で小当り状態となり、可動部材28aが開放される。なお、特図1始動入賞口23に遊技球の入賞があった場合は、小当り状態となる確率が0/200に設定されており、特図1始動入賞口23に遊技球が入賞したとしても、可動部材28aが開放されることはない。なお、特図1始動入賞口23に遊技球が入賞した場合であっても小当り状態が発生するようにしてもよい。
続いて、遊技状態の遷移について説明する。まず、通常遊技状態からは特図1での特別大当り又は特図2での特別大当りによって大当り状態終了後に特定遊技状態に移行する。ここで、特図1での大当りでは、1/2(50%)の割合で当別大当りとなり、特図2での大当りでは、3/4(75%)の割合で特別大当りとなる。
通常遊技状態では、一般に遊技者は左打ちをするので、通常遊技状態から特定遊技状態に移行するパターンは、特図1の特別大当りからのルートがほとんど大半を占める。通常遊技状態中に特図2変動表示ゲームが実行される場合としては、特定遊技状態が終了した時点での特図2始動記憶の保留分によって特図2変動表示ゲームが実行されることが挙げられる。
特図1での大当りにおける特別大当りとなる確率は50%に設定される。つまり、通常遊技状態での特図1の特別大当り確率は1/400となる。通常大当りとなった場合は、大当り状態の終了後、再び通常遊技状態となる。
特定遊技状態は、規定回数(例えば、100回)の変動表示ゲームが実行されると、通常遊技状態へ移行する。また、特定遊技状態中に通常大当りとなった場合は、規定回数の変動表示ゲームが未消化でも大当り状態の終了後に通常遊技状態へ移行する。
特定遊技状態では、普電サポートが実行されるため、遊技者は普図始動ゲート25及び可動部材28aを狙って右打ちをする。上述のように、普電サポートによって頻繁に可動部材24aが拡開されて特図2始動入賞口24に遊技球が入賞するので、変動表示ゲームの開始時に第2始動記憶が所定数(例えば2個)以上ある場合には特図2変動表示ゲームの変動時間が短縮される(第2始動記憶が1個の場合よりも短い変動時間となる)。また、変動表示ゲームは195/200の確率で小当りとなるため、頻繁に可動部材28aが開放される。
可動部材28aが開放されるタイミングで遊技球が上大入賞口28bに入賞すると、入賞球は入賞空間220内の振分部223において通常領域224、特定領域225に振り分けられる(図12参照)。入賞球が振分回転体321の窪部329を経由して特定領域225を通過すると、V入賞となり、その後大当り状態となる。
特図2での大当り又はV入賞での大当りにおける特別大当りとなる確率は75%に設定される。そのため、一旦特定遊技状態となると、V入賞での大当りチャンスも得て、継続して特定遊技状態となる割合が高い。
〔遊技制御装置〕
次に、図23を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置100について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置100を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
遊技制御装置100は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置100には、電源装置450、払出制御装置410、及び演出制御装置150が接続される。遊技制御装置100は、払出制御装置410や演出制御装置150に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置100には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置100は、各種演算処理を行うCPU部110と、各種信号の入力を受け付ける入力部120と、各種信号や制御信号を出力する出力部130とを備える。CPU部110、入力部120及び出力部130は、互いにデータバス140によって接続される。
入力部120は、遊技盤20等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置410から出力される信号を受け付ける。この入力部120は、近接インターフェース(I/F)121及び入力ポート122、123を備える。
入力ポート122、123は、近接I/F121を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート122、123に入力した情報は、データバス140を介してCPU部110等に提供される。
近接I/F121は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート122に出力するインターフェースである。近接I/F121には、特図1入賞口スイッチ(始動口1スイッチ)23d、特図2始動入賞口スイッチ(始動口2スイッチ)24d、ゲートスイッチ25a、入賞口スイッチ26a、26b、下カウントスイッチ27d及び上カウントスイッチ28d(カウントセンサ216)が接続される。また、近接I/F121には、特定領域スイッチ225a及び通常領域スイッチ224c、224dが接続される。
始動口1スイッチ23dは、遊技球が特図1始動入賞口23に入賞したことを検出するスイッチである。始動口2スイッチ24dは、遊技球が特図2始動入賞口24に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ25aは、遊技球が普図始動ゲート25を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ26aは、遊技球が遊技領域左側の一般入賞口26に入賞したことを検出するスイッチであり、入賞口スイッチ26bは、遊技領域右側の一般入賞口26(他穴)に入賞したことを検出スイッチである。
下カウントスイッチ27dは、遊技球が下大入賞口27bに入賞したことを検出するスイッチであり、上カウントスイッチ28d(カウントセンサ216)は、遊技球が上大入賞口28bに入賞したことを検出するスイッチである。下カウントスイッチ27d及び上カウントスイッチ28dによって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置100に備えられたメモリに記憶される。また、上カウントスイッチ28d(カウントセンサ216)が入賞球を検出すると、入賞空間220に残存球が存在することになるため、所定の期間タイマが作動し、タイマ作動中は特定領域スイッチ225aの入賞検出を不正として報知しない。
特定領域スイッチ225aは、振分部223に設けられた特定領域225を遊技球が通過したことを検出する。左通常領域スイッチ224cは、左通常領域224aを遊技球が通過したことを検出する。同様に、右通常領域スイッチ224dは、右通常領域224bを遊技球が通過したことを検出する。
近接I/F121は、各種スイッチから供給されるハイレベルが12Vでロウレベルが5Vといった負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する。近接I/F121は、通常時には所定範囲内(5V−12V)となっているため、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、近接I/F121に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F121に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F121はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ29bの検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1は入力ポート123に入力される。入力ポート122には、遊技機1の前面枠4等に設けられた不正検出用の磁気センサ29aの検出信号も入力されるようになっている。
磁気センサ29aは、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。電波センサ29bは、入賞口スイッチ26a、26bなどを誤作動させる不正行為を検出するために、遊技機1に向かって照射された電波を検出する。なお、振動を検出する振動センサを遊技機に設け、検出信号が入力ポート122に入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F121の出力のうち、入力ポート122への出力は、遊技制御装置100から中継基板193を介して図示しない試射試験装置に供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ23dと始動口2スイッチ24dの検出信号は、入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ23dと始動口2スイッチ24dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ23dと始動口2スイッチ24dからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置450から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
入力ポート122には、磁気センサ29aからの信号が直接入力され、入力ポート123には前面枠開放検出スイッチ(SW)4e及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)5dからの信号が直接入力される。入力ポート123には、払出制御装置410からの払出異常を示すステータス信号なども入力される。
前面枠開放検出SW4eは、前面枠4が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW4eは、前面枠4が外枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠4が外枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW5dは、ガラス枠5が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW5dは、ガラス枠5が前面枠4から開放されるとオンに設定され、ガラス枠5が前面枠4に閉止されるとオフに設定される。
入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。入力ポート122、123も同様である。
遊技制御装置100のCPU部110は、遊技用マイコン111と、反転回路112と、水晶発振器113とを備える。
遊技用マイコン111は、CPU111a、ROM111b、RAM111c及び個別IDレジスタ111dを有しており、入力部120を介して入力された信号に基づいてROM111bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン111は、出力部130を介して、第1特図変動表示部(特図1表示器)51、第2特図変動表示部(特図2表示器)52、特図1保留表示部53、特図2保留表示部54、普図表示部(普図表示器)55、普図保留表示部56、遊技状態表示部57、大当り時の開放パターン(ラウンド数)表示部58及び発射態様指示表示部59が設けられた特図/普図LED基板等から構成される一括表示装置50、普電ソレノイド24b、下大入賞口ソレノイド27c、上大入賞口ソレノイド28c、演出制御装置150、及び払出制御装置410に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン111は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM111bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM111cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路112は、近接I/F121を介して入力された信号(始動口1スイッチ23d及び始動口2スイッチ24dからの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン111に出力する。
水晶発振器113は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置100の出力部130は、ポート131a〜131eと、バッファ132a、132bと、ドライバ133a〜133dと、フォトカプラ134とを備える。
ポート131a〜131eは、データバス140を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ132a、132bは、データバス140やポート131a、131bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ133a〜133dは、ポート131c〜131eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ134は、外部の検査装置195に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ134と検査装置195との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置410には、ポート131aを介してパラレル通信によってCPU部110から出力された情報が送信される。具体的には、4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)を出力する。払出制御装置410に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート131aから払出制御装置410の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置410は、発射制御装置420に発射許可信号を出力する。発射制御装置420は、発射許可信号が入力されている場合にのみ発射装置を駆動して遊技球を遊技領域22に発射することが可能となっている。
払出制御装置410は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置410は、前述のように、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置100に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿10(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。遊技制御装置100から演出制御装置150には、パラレル通信でデータが送信される。
演出制御装置150には、出力部130のバッファ132aを介してサブコマンドが入力される。バッファ132aを有することによって、演出制御装置150の側から遊技制御装置100に信号を入力できないようにすることが可能となり、片方向通信を担保することができる。演出制御装置150に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
下大入賞口ソレノイド27c、上大入賞口ソレノイド28c及び普電ソレノイド24bには、ポート131b及びドライバ133aを介して、CPU部110から出力された信号が入力する。下大入賞口ソレノイド27cは下変動入賞装置27の開口板(図示省略)を前後動により開閉させ、上大入賞口ソレノイド28cは上変動入賞装置28の可動部材28a(図11参照)を回動させ、普電ソレノイド24b(図20参照)は特図2始動入賞口24への遊技球の入賞が許容されるように、可動部材24aを開状態に変換させる。
一括表示装置50は、特図/普図LED基板と該特図/普図LED基板を収容するケース部材等から構成されている。一括表示装置50のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ133bに接続し、このドライバ133bとポート131cとが接続している。一括表示装置50のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ133cと接続し、このドライバ133cとポート131dとが接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ133bからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ133cにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子194は、フォ通りレーが備えられ、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート131e及びドライバ133dを介して外部情報端子194に出力される。
遊技制御装置100は、中継基板193を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、始動口1スイッチ23d、始動口2スイッチ24d、ゲートスイッチ25a、入賞口スイッチ26a〜26n、下カウントスイッチ27d、及び上カウントスイッチ28dからの信号や、下大入賞口ソレノイド27c、上大入賞口ソレノイド28c及び普電ソレノイド24bに出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置100は、入力部120に設けられるシュミット回路124を介して、電源装置450に接続している。シュミット回路124は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路124には、電源装置450からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置450は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部460と、遊技用マイコン111の内部のRAM111cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部465と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部480と、を備える。
バックアップ電源部465は、遊技用マイコン111のRAM111cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置100は、停電復旧後、RAM111cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部480は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC19Vのときに停電と判定し、制御信号生成部480から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路124を経由して、入力部120の入力ポート123に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路124を経由して、遊技用マイコン111及び出力部130の各ポート131a〜131eに入力する。遊技制御装置100は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部110の動作を停止させる。
制御信号生成部480は、初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部480から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路124を介して、入力部120の入力ポート123に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン111のRAM111c及び払出制御装置410のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
以上のように、停電監視信号及び初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれ、各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。これは、遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミット回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、前述のように、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは、出力部130を介さずに直接中継基板193に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板193のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、中継基板193を介してリセット信号RSTを試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各入力ポート122、123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各入力ポート122、123から遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
〔演出制御装置〕
図24は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置150を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図24に示す演出制御装置150は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)151と、主制御用マイコン151の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)152と、映像制御用マイコン152からのコマンドやデータに従って第1表示器31(サブ表示器34、70含む)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)157と、各種メロディや効果音等を上スピーカ8a及び下スピーカ8bから再生させる音源LSI158と、を備える。
主制御用マイコン151と映像制御用マイコン152には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)154、155がそれぞれ接続される。
VDP157には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM156が接続される。
音源LSI158には、音声データ等が記憶された音声ROM159が接続される。
主制御用マイコン151は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン152に出力映像の内容を指示したり、音源LSI158に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン151は、遊技制御装置100からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン151及び映像制御用マイコン152の作業領域を提供するRAM151a、152aは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM151a、152aはチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン151と映像制御用マイコン152との間、主制御用マイコン151と音源LSI158との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン151とVDP157との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP157には、画像ROM156から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)157a、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ157b、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で第1表示器31へ送信する映像信号を生成する信号変換回路157cが設けられる。
VDP157から主制御用マイコン151へは、第1表示器31の映像と、前面枠4や遊技盤20に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP157から映像制御用マイコン152へは、VRAM157aへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン152からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン152から主制御用マイコン151へは、映像制御用マイコン152が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン151と音源LSI158との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン152には、主制御用マイコン151よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン151とは別に映像制御用マイコン152を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン151のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を第1表示器31に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン152と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置150は、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)153を備えている。演出制御装置150は、コマンドI/F153を介して、遊技制御装置100から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置150の主制御用マイコン151はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F153には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置150には、センターフレームユニット210や遊技盤20に設けられるLED等を含む盤装飾装置170、進行表示部230を制御する盤装飾LED制御回路161、前面枠4等に設けられるLED等を含む枠装飾装置171を制御する枠装飾LED制御回路162、第1表示器31における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物600(図8参照)や盤演出装置172を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路163、右側突出部19の突出部駆動モータ等を含む枠演出装置173を駆動制御する枠演出モータ制御回路164が設けられている。これらの制御回路(161〜164)は、アドレス/データバス160を介して主制御用マイコン151に接続されている。
また、演出制御装置150には、演出操作部15(図1参照)が操作されたことを検知する演出操作部SW(スイッチ)174、各可動役物が初期位置(待機位置、待機領域)にあることを検知する位置検出SW(スイッチ)308、329、349を検出して主制御用マイコン151へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路165が設けられている。さらに、上スピーカ8a及び下スピーカ8bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路166、167が設けられている。
電源装置450の通常電源部460は、演出制御装置150及び当該演出制御装置150によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる第1表示器31を駆動するためのDC12V、コマンドI/F153の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ8a及び下スピーカ8bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置450の制御信号生成部480により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン151、映像制御用マイコン152、VDP157、音源LSI158、各種制御回路(161〜164、166、167)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置450は、映像制御用マイコン152が有する汎用ポートを利用して、VDP157に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン152とVDP157の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置150は、遊技制御装置100から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、第1表示器31に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカ8から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
続いて、遊技制御装置100による制御について具体的に説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図25及び図26は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の手順を示すフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置100は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2501)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する(S2502)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S2503)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S2504)。
次に、遊技制御装置100は、払出制御装置(払出基板)410のプログラムが正常に起動するまで待機する(S2505)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に遊技制御装置100が先に起動してしまい、払出制御装置410の起動が完了する前にコマンドを当該払出制御装置410に送信し、払出制御装置410が送信されたコマンドを取りこぼしてしまうことを回避できる。
続いて、遊技制御装置100は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S2506)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S2507)。また、遊技用マイコン111に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S2508)。本発明の実施の形態では、遊技制御装置100は払出制御装置410及び演出制御装置150とパラレル通信を行うことから、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置100は、電源装置450内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否かを判定する(S2509)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S2509の結果が「N」:NO)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S2510からS2513)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S2510及びS2511の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S2512及びS2513の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S2513の結果が「Y」:YES)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S2514)。
そして、遊技制御装置100は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S2515)、これらの値が一致するか否かを判定する(S2516)。
一方、遊技制御装置100は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S2509の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S2511又はS2513の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS2514の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S2516の結果が「N」)、図26のS2540からS2544までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置100は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S2516の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図25のS2517からS2523)。
遊技制御装置100は、まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S2517)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S2518)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S2519)。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S2520)。高確率状態でないと判定された場合には(S2520の結果が「N」)、S2523以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S2520の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブする(S2521)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器)をオン(点灯)に設定してセグメント領域にセーブする(S2522)。
さらに、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置150に送信する(S2523)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置150に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置100は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S2540。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S2541)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブする(S2542)。
続いて、遊技制御装置100は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S2543)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置150に送信し(S2544)、S2524以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、S2523又はS2544の処理が終了すると、遊技用マイコン111内の個別IDレジスタ111dから個体識別情報を取得してシリアル通信回路にセットする(S2524)。
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S2525)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU111aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置100は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S2526)。具体的には、CPU111aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S2527)。その後、遊技制御装置100は、割込みを許可する(S2528)。
なお、本実施形態のCPU111a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S2529)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、普図当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、普図当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
次に、遊技制御装置100は、電源装置450から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S2530)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。
次に、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S2531)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S2531の結果が「N」)、S2529の初期値乱数更新処理を再び実行し、S2529からS2531までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S2529)の前に割り込みを許可(S2528)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S2529)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S2531の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS2530の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S2532)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S2532の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S2531)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S2532の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S2533からS2539)。
停電発生時の処理では、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(S2533)、全出力ポートをオフに設定する(S2534)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S2535)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S2536)。
さらに、遊技制御装置100は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S2537)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブする(S2538)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S2539)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることによって開始される。
遊技制御装置100は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S2701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS2701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置100は、入力部120を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S2702)。各種センサには、始動口1スイッチ23d、始動口2スイッチ24d、ゲートスイッチ25a、カウントスイッチ27d、28d(カウントセンサ216)などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置150及び払出制御装置410に送信するための出力処理を実行する(S2703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)27c、28c、普電ソレノイド(SOL)24bが含まれる。また、出力処理では、遊技機1の各種遊技データを収集する情報収集端末装置(図示略)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファ132にセットされたコマンドを払出制御装置410、演出制御装置150等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S2704)。
次に、遊技制御装置100は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S2705)、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S2706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、普図当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
次に、遊技制御装置100は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(S2707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ23d、始動口2スイッチ24d、ゲートスイッチ25a、入賞口スイッチ26a、26b、カウントスイッチ27d、28dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠5が不正に開放されていないかなどを対象としている。
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S2708)。特図ゲーム処理の詳細については、図28にて後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図変動表示ゲーム処理を実行する(S2709)。
次に、遊技制御装置100は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S2710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
次に、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ29aからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(S2711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカ19から報知音を出力したり、遊技状態LED(図示省略)を点灯させたりするなどして外部に報知する。続けて、同様に、振動センサスイッチ29cからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(S2712)。
次に、遊技制御装置100は、外部情報端子194から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行し(S2713)、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S2714)。
最後に、遊技制御装置100は、S2701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S2715)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S2716)、本処理を終了する。本処理の終了後はメイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理は、遊技制御装置100が、始動口1スイッチ23d及び始動口2スイッチ24dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示設定を行う処理である。
遊技制御装置100は、まず、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24に遊技球の入賞があるか否かを判定する(S2801)。具体的には、始動口1スイッチ23d及び始動口2スイッチ24dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ23d)から信号が入力されたか否かを判定する。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されない場合には(S2801の結果が「N」)、S2802からS2809の処理を実行せずに、後述する分岐処理(S2810)を実行する。
監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S2801の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、対象の特図保留数をチェックし、上限値(例えば、4)未満であるか否かを判定する(S2802、S2803)。
対象の特図保留数が上限値未満である場合には(S2803の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)を+1更新する(S2804)。
続いて、遊技制御装置100は、特図保留数コマンドを送信する(S2805)。具体的には、監視対象の始動口スイッチの特図保留数コマンド(MODE)を準備し、特図保留数に対応する特図保留数コマンド(ACTION)を準備する。そして、準備された特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する。
一方、対象の特図保留数が上限値を超えている場合には(S2803の結果が「N」)、遊技制御装置100は、オーバーフローコマンドを送信する(S2806)。
次に、遊技制御装置100は、特図保留数に対応する記憶領域に各種乱数をそれぞれの乱数セーブ領域にセーブする(S2807)。セーブされる乱数は、例えば、大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1〜3である。大当り乱数は、変動表示ゲームの結果を大当りとするか小当りとするかハズレとするかの決定に関する乱数であり、特図1か特図2かによらずに共通に生成される。大当り図柄乱数(大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2)は、識別情報の停止態様、大当り状態における大入賞口の開放時間、ラウンド数の決定に関する乱数である。変動パターン乱数1〜3は、各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む変動パターンを決定するための乱数である。
次に、遊技制御装置100は、保留記憶事前判定処理を実行し(S2808)、事前判定コマンドを送信する(S2809)。保留記憶事前判定処理は、新たに記憶された始動記憶の大当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数1〜3を変動表示ゲームが開始される以前に事前判定する処理である。具体的には、変動表示ゲームを実行する前に、当該変動表示ゲームの変動パターン及び結果等を判定する。かかる保留記憶事前判定処理を実行してその結果を示す事前判定コマンドを演出制御装置150に送信することにより、先読み予告を実行することができる。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて、ゲーム処理番号に応じて分岐処理を実行する(S2811からS2813)。
ゲーム処理番号が、「1」の場合には、遊技制御装置100は、特図変動処理を実行する(S2811)。特図変動処理は、大当り判定、小当り判定、変動パターンの設定等を行い、変動表示ゲームの実行(進行)を制御する処理である。特図変動処理の詳細については、図29にて後述する。
ゲーム処理番号が、「2」の場合には、遊技制御装置100は、小当り処理を実行する(S2812)。小当り処理は、小当り状態の実行(進行)を制御する処理である。小当り処理の詳細については、図30及び図31にて後述する。
ゲーム処理番号が、「3」の場合には、遊技制御装置100は、大当り処理を実行する(S2813)。大当り処理は、大当り状態の実行(進行)を制御する処理である。大当り処理の詳細については、図32及び図33にて後述する。
分岐先の処理を実行後、遊技制御装置100は、本処理を終了する。
〔特図変動処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図変動処理について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の特図変動処理の手順を示すフローチャートである。
特図変動処理は、大当り判定、小当り判定、変動パターンの設定等を行い、変動表示ゲームの進行を制御する処理である。
遊技制御装置100は、まず、特図2始動記憶があるか否かを判定する(S2901)。特図2始動記憶がある場合には(S2901の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームを優先的に実行するため、遊技制御装置100は、特図1始動記憶の有無の判定処理(S2902)を実行せずに、S2903の処理を実行する。
特図2始動記憶がない場合には(S2901の結果が「N」)、遊技制御装置100は、特図1始動記憶があるか否かを判定する(S2902)。特図1始動記憶がない場合には(S2902の結果が「N」)、特図2始動記憶及び特図1始動記憶がないため、遊技制御装置100は、S2920以降の処理を実行する。
特図2始動記憶がある場合(S2901の結果が「Y」)、又は特図1始動記憶がある場合には(S2902の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、大当り判定処理を実行する(S2903)。大当り判定処理は、始動入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数の値が、大当り判定値として設定されている所定の範囲の数値であるか否かを判定する処理である。具体的には、判定値の上限値と下限値とを大当り乱数値と比較して判定する。そのため、乱数値を加工(例えば、加算、減算)することなく判定するため、誤差が生じにくい。大当り乱数の値が大当り判定値と一致する場合には、大当りフラグが設定される。
次に、遊技制御装置100は、小当り判定処理を実行する(S2904)。小当り判定処理は、入賞時に取得して特図始動記憶領域に格納された大当り乱数の値が大当り判定値と一致しなかった場合に、小当り判定値として設定されている所定の範囲の数値であるか否かを判定する処理である。大当り乱数の値が小当り判定値と一致する場合には、小当りフラグが設定される。なお、大当り乱数とは別に小当り乱数を設けてもよい。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄設定処理を実行する(S2905)。停止図柄設定処理は、大当りフラグの有無、小当りフラグ及び図柄乱数に基づいて特図変動表示ゲームにおける停止図柄を決定し、図柄情報コマンドを演出制御装置150に送信する処理である。
次に、遊技制御装置100は、特図情報設定処理を実行する(S2906)。特図情報設定処理は、進行表示部230のLED231〜236の発光態様を制御する処理である。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン設定処理を実行する(S2907)。変動パターン設定処理は、変動パターン乱数の値に基づいて、変動パターンを選択する処理である。変動パターンには変動時間も含まれ、変動パターン選択テーブルを用いて選択される。変動パターン選択テーブルは、例えば、大当り用と大当り以外(小当り用、はずれ用)の変動パターン選択テーブルが定義される。
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲーム)の変動を開始し(S2908)、所定の変動時間が経過するまで待機する(S2909の結果が「N」)。
所定の変動時間が経過した場合には(S2909の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、実行中の変動表示ゲームの特別図柄(識別情報)を全て停止させる(S2910)。
次に、遊技制御装置100は、所定の図柄停止表示時間が経過するまで待機する(S2911の結果が「N」)。S2908からS2911までの処理が変動表示ゲームの開始から終了までに対応する。
所定の図柄停止表示時間が経過した場合は(S2911の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを小当りフラグの有無に基づいて判定する(S2912)。
変動表示ゲームの結果が小当りである場合には(S2912の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、小当り処理の処理番号をセットする(S2913)。変動表示ゲームの結果が小当りではない場合には(S2912の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S2913の処理を実行せずに、S2914の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを大当りフラグの有無に基づいて判定する(S2914)。
変動表示ゲームの結果が大当りである場合には(S2914の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、大当り処理の処理番号をセットする(S2915)。変動表示ゲームの結果が大当りではない場合には(S2914の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、S2915の処理を実行せずに、S2916の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、現在の遊技状態が特定遊技状態であるか否かを判定する(S2916)。特定遊技状態中ではない場合には(S2916の結果が「N」)、遊技制御装置100は、本処理を終了する。
一方、特定遊技状態である場合には(S2916の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、時短変動回数を−1更新する(S2917)。
次に、遊技制御装置100は、時短変動回数が「0」であるか否かを判定する(S2918)。時短変動回数が0ではない場合には(S2918の結果が「N」)、遊技制御装置100は、本処理を終了する。
時短変動回数が0である場合には(S2918の結果が「Y」)、所定の時短変動回数(例えば、100回)が終了したので、遊技制御装置100は、通常遊技状態の開始をセットし(S2919)、本処理を終了する。
一方、特図1始動記憶がない場合(S2902の結果が「N」)、特図2始動記憶及び特図1始動記憶がないため、遊技制御装置100は、客待ちデモ状態が開始されているか否かを判定する(S2920)。客待ちデモ状態が開始されている場合には(S2920の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、本処理を終了する。
客待ちデモ状態が開始されていない場合には(S2920の結果が「N」)、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを送信し(S2921)、普電サポート中であるか否かを判定する(S2922)。普電サポート中である場合には(S2922の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、本処理を終了する。
普電サポート中ではない場合には(S2922の結果が「N」)、遊技制御装置100は、右打ち警告LED(図示省略)をOFFに設定し(S2923)、本処理を終了する。
〔小当り処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における小当り処理について説明する。図30及び図31は、本発明の第1の実施の形態の小当り処理の手順を示すフローチャートである。
小当り処理は、上大入賞口28bの開放時間の設定や入賞空間220における残存球の監視処理を実行して小当り状態の実行(進行)を制御する処理である。
遊技制御装置100は、まず、上大入賞口ソレノイド28cをONに設定し、可動部材28aを回動させる(S3001)。可動部材28aが回動されることで、上大入賞口28bが開放される。
次に、遊技制御装置100は、上大入賞口28bの開放時間(例えば、1.5秒)及び上大入賞口28bの有効時間(例えば、4.5秒)をセットする(S3002)。上大入賞口28bの有効時間は、可動部材28aに遊技球がひっかかって上カウントスイッチ28d(カウントセンサ216)を通過するまでに時間を要する場合があるため、開放時間(1.5秒)に遅延時間(3秒)を付加して設定される。有効時間外に上カウントスイッチ28dからの信号を受信すると、例えば、不正と判定され、演出制御装置150に不正入賞コマンドが送信されて不正入賞報知(異常報知)が行われる。
次に、遊技制御装置100は、上大入賞口28bが開放期間中であるか否かを判定する(S3003)。後述するように、残存球監視期間中ではない場合(S3012の結果が「N」)、入賞空間220に残存球が存在する場合には(S3019の結果が「N」)、残存球を処理するためS3003の判定処理が実行される。
上大入賞口28bが開放期間中の場合には(S3003の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、開放時間が経過したか否かを判定する(S3004)。開放時間が経過している場合には(S3004の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、上大入賞口ソレノイド28cをOFFに設定して、可動部材28aを初期位置へ戻す(S3005)。開放時間が経過していない場合には(S3004の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S3005の処理を実行せずに、S3006の処理を実行する。
一方、上大入賞口28bが開放期間中ではない場合には(S3003の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S3004及びS3005の処理を実行せずに、S3006の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、上大入賞口28bが有効期間中であるか否かを判定する(S3006)。有効期間中である場合には(S3006の結果が「Y」)、有効期間が経過したか否かを判定する(S3007)。
有効期間の経過前の場合には(S3007の結果が「N」)、遊技制御装置100は、遊技球が上大入賞口28bを通過したか否かを判定する(S3008)。具体的には、上カウントスイッチ28d(カウントセンサ216)の信号を受信したか否かによって判定する。
遊技球が上大入賞口28bを通過した場合には(S3008の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、残存球フラグをセットし、残存球カウント数を+1更新する(S3009)。
次に、遊技制御装置100は、残存球監視時間(例えば、30秒)をセットする(S3010)。
遊技球が上大入賞口28bを通過していない場合には(S3008の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S3009及びS3010の処理を実行せずに、S3012の処理を実行する。なお、カウントセンサ216の信号を受信する度に、S3009及びS3010の処理が実行される。
上大入賞口28bの有効期間が経過している場合には(S3007の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、残存球フラグがセットされているか否かを判定する(S3011)。残存球フラグがセットされている場合には(S3011の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、S3008からS3010までの処理を実行せずに、S3012以降の処理を実行する。一方、残存球フラグがセットされていない場合には(S3011の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S3008からS3021までの処理を実行せずに、S3022以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、残存球監視期間中であるか否かを判定する(S3012)。残存球監視期間中ではない場合には(S3012の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S3003の処理を実行する。残存球監視期間中である場合には(S3012の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、監視期間が経過した否かを判定する(S3013)。
一方、監視期間が経過していない場合には(S3013の結果が「N」)、遊技制御装置100は、遊技球が通常領域224を通過したか否かを判定する(S3014)。遊技球が通常領域224を通過した場合には(S3014の結果が「Y」)、残存球カウント数を−1更新する(S3015)。
遊技球が通常領域224を通過していない場合には(S3014の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S3015の処理を実行せずに、S3016の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、遊技球が特定領域225を通過したか否かを判定する(S3016)。遊技球が特定領域225を通過した場合には(S3016)、残存球カウント数を−1更新し(S3017)、条件装置の作動をセットして対応するファンファーレコマンドを送信する(S3018)。
遊技球が特定領域225を通過していない場合には(S3016の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S3017及びS3018の処理を実行せずに、S3019の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、残存球カウント数が「0」であるか否かを判定する(S3019)。残存球カウント数が0ではない場合には(S3019の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S3003の処理を実行する。
一方、監視時間が経過している場合には(S3013の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、残存球エラーコマンドを送信する(S3020)。これにより残存球エラー報知(異常報知)が行われる。
次に、遊技制御装置100は、条件装置が作動中であるか否かを判定する(S3021)。条件装置が作動中ではない場合には(S3021の結果が「N」)、遊技制御装置100は、現在の遊技状態が特定遊技状態中であるか否かを判定する(S3022)。
現在の遊技状態が特定遊技状態中である場合には(S3022の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、時短変動回数を−1更新し(S3023)、時短変動回数が「0」であるか否かを判定する(S3024)。時短変動回数が0である場合には(S3024の結果が「Y」)、規定の時短変動回数が終了したので、遊技制御装置100は、通常遊技状態の開始をセットする(S3025)。
時短変動回数が0ではない場合には(S3024の結果が「N」)、遊技制御装置100は、S3025の処理を実行せずに、S3026の処理を実行する。
また、現在の遊技状態が特定遊技状態中ではない場合には(S3022の結果が「N」)、通常遊技状態が継続されるので、遊技制御装置100は、S3023からS3025までの処理を実行せずに、S3026の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、特図変動処理の処理番号をセットし(S3026)、本処理を終了する。
一方、条件装置が作動中である場合には(S3021の結果が「Y」)、V入賞により大当りの発生が確定しているので、遊技制御装置100は、V入賞フラグをセットし(S3027)、残存球監視タイマ等の各種時間値をクリアする(S3028)。
次に、遊技制御装置100は、大当り処理の処理番号をセットし(S3029)、本処理を終了する。
〔大当り処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り処理について説明する。図32及び図33は、本発明の第1の実施の形態の大当り処理の手順を示すフローチャートである。
大当り処理は、ラウンド数の決定、下大入賞口27bの開放時間の設定等をして大当り状態の進行を制御する処理である。
遊技制御装置100は、まず、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S3101)。V入賞フラグがセットされていない場合(S3101の結果が「N」)、つまり、変動表示ゲームによる大当りでは、遊技制御装置100は、特図1ラウンド判定テーブルをセットする(S3102)。
次に、遊技制御装置100は、発生した大当りが特図1変動表示ゲームによる大当りであるか否かを判定する(S3103)。特図1変動表示ゲームによる大当りではない場合には(S3103の結果が「N」)、遊技制御装置100は、特図2ラウンド判定テーブルをセットする(S3104)。
特図1変動表示ゲームによる大当りである場合には(S3103の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、S3104の処理を実行せずに、特図1ラウンド判定テーブルを使用し、S3105の処理を実行する。
次に、遊技制御装置100は、大当り図柄乱数に基づいて大当り乱数の種類(ラウンド数)を決定する(S3105)。
一方、V入賞フラグがセットされている場合(S3101の結果が「Y」)、つまり、特定領域225に入賞した場合での大当りでは、遊技制御装置100は、V入賞時ラウンド判定テーブルをセットする(S3106)。続けて、遊技制御装置100は、大当り図柄乱数に基づき大当りの種類(ラウンド数)を決定する(S3107)。
S3105の処理に続いて、遊技制御装置100は、大当りの種類に対応するファンファーレコマンドを送信する(S3106)。
次に、遊技制御装置100は、ファンファーレ時間が経過するまで待機する(S3109)。ファンファーレ時間の経過後(S3109の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、下大入賞口ソレノイド27cをONに設定し(S3110)、下大入賞口27bの開放時間(例えば、25秒)をセットする(S3111)。
次に、遊技制御装置100は、下大入賞口27bに規定個数の遊技球が入賞したか否かを判定する(S3112)。規定個数の入賞がない場合には(S3112の結果が「N」)、遊技制御装置100は、下大入賞口27bの開放時間(25秒)が経過したかを判定する(S3113)。
下大入賞口27bの開放時間(25秒)が経過していない場合には(S3113の結果が「N」)、遊技制御装置100は、開放時間が経過するまで、規定個数の遊技球が下大入賞口27bに入賞したか否かを判定する(S3112)。
下大入賞口27bに規定個数の入賞がある場合(S3112の結果が「Y」)又は規定個数に達していなくても開放時間が経過した場合には(S3113の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、下大入賞口ソレノイド27cをOFFに設定する(S3114)。
次に、遊技制御装置100は、最終ラウンドが終了したか否かを判定する(S3115)。
最終ラウンドが終了していない場合には(S3115の結果が「N」)、遊技制御装置100は、次のラウンドが開始されるまでのインターバル時間(例えば、2秒)をセットし、インターバル時間の経過まで待機する(S3117)。
インターバル時間の経過後は(S3117の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ラウンド数を+1更新し、ラウンド数に対応するラウンド数コマンドを送信する(S3118)。その後、最終ラウンドが終了するまでS3110からS3118までの処理を繰り返し実行する。
一方、最終ラウンドが終了した場合には(S3115の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、大当り状態を終了するために、S3119からS3129までの処理を実行する。
遊技制御装置100は、まず、エンディングコマンドを送信して(S3119)、残存球監視時間(例えば、2秒)をセットし(S3120)、残存球の監視時間が経過するまで待機する(S3121)。
残存球の監視時間の経過後(S3121の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、通常大当りが終了したか否かを判定する(S3122)。つまり、発生した大当りが通常大当りであるか特別大当りであるかを判定する。
通常大当りである場合には(S3122の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、通常遊技状態の開始をセットし(S3123)、時短変動回数を0にクリアする(S3124)。続けて、遊技制御装置100は、右打ち勧告LED(図示省略)をOFFに設定する(S3125)。
通常大当りではない場合には(S3122の結果が「N」)、遊技制御装置100は、特定遊技状態の開始をセットし(S3126)、時短変動回数の初期値(100回)をセットする(S3127)。続けて、遊技制御装置100は、右打ち勧告LEDをONに設定する(S3128)。
S3125又はS3128の処理に続いて、遊技制御装置100は、最後に特図変動処理の処理番号をセットし(S3129)、本処理を終了する。
〔タイムチャート1〕
次に、図34から図36を参照して上大入賞口28b、特に、通常領域224、特定領域225への入賞形態の違いをタイムチャートに基づいて説明する。図34は、本発明の第1の実施の形態の上大入賞口28bに入賞がない場合のタイムチャートである。
まず、各項目について説明する。
「特図2」は、特図2変動表示ゲームの実行状態を示す。つまり、特図2変動表示ゲームが実行中であるか停止中であるかを示す。
「上大入賞口SOL」は、上大入賞口ソレノイド28cがONであるかOFFであるかを示す。上大入賞口SOLがONに設定されている間は、可動部材28aが回動する。本実施形態では、上大入賞口SOLの開放時間は1.5秒に設定される。
「上大入賞口」は、上大入賞口28bが有効であるか無効であるかを示す。つまり、カウントセンサ216(上カウントスイッチ28d)の検出信号を有効とするか無効とするかを示す。本実施形態では、上大入賞口28bの有効期間は、上大入賞口ソレノイド28cが作動してから4.5秒に設定される。
「上大入賞口カウントセンサ」は、カウントセンサ216(上カウントスイッチ28d)の信号状態を示す。遊技球の通過を検出すると、カウントセンサ216はON信号を出力する。
「特定領域」は、特定領域225が有効であるか無効であるかを示す。本実施形態では、特定領域225の有効期間は、まず、上大入賞口ソレノイド28cが作動してから4.5秒に設定され、4.5秒の有効期間中に上大入賞口28bに入賞があった場合は、最後の入賞から最大で30秒に設定される。特定領域225が無効である期間に特定領域スイッチ225aが遊技球の通過を検出しても大当りは発生しない。
「特定領域センサ」は、特定領域スイッチ225aの信号状態を示す。遊技球の通過を検出すると、特定領域スイッチ225aはON信号を出力する。
「通常領域」は、通常領域224が有効であるか無効であるかを示す。本実施形態では、上大入賞口28bへの最後の入賞から最大で30秒に設定される。
「通常領域センサ」は、通常領域スイッチ224c、224dの信号状態を示す。遊技球の通過を検出すると、通常領域スイッチ224c、224dはON信号を出力する。
「残存球監視」は、入賞空間220内に残存球が存在するか否かの監視を実行しているか否かを示す。残存球の監視は、上大入賞口28bに入賞があった場合に開始され、監視期間は最後の入賞から最大で30秒に設定される。
「振分回転体」は、振分可動ユニット320の振分回転体321が回転動作しているか否かを示す。
「条件装置」は、条件装置が作動しているか停止しているかを示す。条件装置は、V入賞があった場合に作動する。
「下大入賞口SOL」は、下大入賞口ソレノイド27cがONであるかOFFであるかを示す。下大入賞口SOLがONに設定されている間は、下大入賞口27bが開放される。本実施形態では、開放時間25秒が経過するか、下大入賞口27bに規定数(10個)の入賞があった場合に、下大入賞口SOLがOFFに設定される。
次に、時系列に沿って説明する。
時刻t1において、特図2変動表示ゲームが変動を開始し、時刻t2において、特別図柄が全て停止する。当該変動表示ゲームの結果が小当りであったため、時刻t2から停止図柄表示時間T1が経過した時刻t3において、上大入賞口ソレノイド28cがONに設定され、上大入賞口28b及び特定領域225が有効に設定される。なお、特定領域225は、上大入賞口28bと同時に有効に設定されるが、通常領域224は、上大入賞口28bへの入賞が発生しないと有効に設定されない。なお、通常領域224を上大入賞口28bと同時に有効に設定してもよい。
その後、時刻t3から上大入賞口開放時間T2(1.5秒)が経過した時刻t4において、上大入賞口ソレノイド28cがOFFに設定される。
その後、時刻t3から上大入賞口有効時間T3(4.5秒)が経過した時刻t5において、上大入賞口28b及び特定領域225が無効に設定される。上大入賞口開放時間T2が経過した後も最大3秒間上大入賞口28bは有効に設定されるが、上大入賞口28bの有効期間内に上大入賞口28bに遊技球が入賞しなかったため、特定領域225も時刻t5において無効に設定されている。
このように、上大入賞口28bが開放されても上大入賞口28bに遊技球が入賞しない場合には、通常領域224が無効に設定された状態であり、残存球監視も実行されない。
〔タイムチャート2〕
図35は、本発明の第1の実施の形態の上大入賞口28bに入賞があった場合のタイムチャートである。時刻t5において、上大入賞口28bに入賞が発生する点で図34に示したタイムチャートと相違する。
上大入賞口28bの有効時間内である時刻t5において、上カウントスイッチ28dから入賞球の検出信号が出力され、通常領域224が有効に設定され、残存球の監視が開始される。上カウントスイッチ28dの信号検出により、遊技制御装置100は、残存球カウント数を+1する。
その後、時刻t3から上大入賞口有効時間T3(4.5秒)が経過した時刻t6において、上大入賞口28bが無効に設定される。特定領域225は、入賞の発生から30秒間の有効時間が設定されるため、時刻t6では無効に設定されない。
その後、時刻t5から残存球監視期間T4(30秒)が経過した時刻t7において、残存球の監視が停止され、特定領域225及び通常領域224が無効に設定される。
なお、時刻t7において、通常領域スイッチ224c、224dが通常領域224への通過検出信号を出力しているが、通常領域224が無効に設定されているので、有効な入賞とはならない。また、残存球監視期間が経過した時点において、残存球カウント数が0になっていないため、残存球エラーコマンドが送信される。
このように、通常領域スイッチ224c、224d及び特定領域スイッチ225aが残存球の排出確認センサとなるので、残存球監視期間中に残存球カウント数が0にならない場合には、残存球エラーを報知することができる。
〔タイムチャート3〕
図36は、本発明の第1の実施の形態の上大入賞口28bに複数の入賞があった場合であって、かつV入賞が発生した場合のタイムチャートである。時刻t7において、特定領域225に遊技球が通過してV入賞が発生する点で図35に示したタイムチャートと相違する。
上大入賞口28bの有効期間内である時刻t4及びt6において、上カウントスイッチ28dから入賞球の検出信号が出力され、遊技制御装置100は、t4及びt6において残存球カウント数が+1更新される。そのため、時刻t6経過時点では、残存球カウント数が2となる。また、入賞球の検出により、時刻t6において、残存球監視期間(30秒)が新たにセットされる。
その後、時刻t7において、2個の入賞球のうち1個が特定領域225を通過し、特定領域スイッチ225aから遊技球の通過を示す検出信号が出力されると、条件装置の作動が開始される。また、残存球カウント数が−1更新され、1となる。また、V入賞により、時刻t7以降ファンファーレが開始される。しかし、残存球カウント数が0ではないため、この時点では大当り状態は開始されない。
その後、最後の入賞が発生した時刻t6から残存球監視期間T4(30秒)が経過する前の時刻t9において、通常領域スイッチ224c、224dから通常領域224への遊技球の通過検出信号が出力されて残存球カウント数が−1更新される。
残存球カウント数が0となると、残存球監視が停止されて上大入賞口28b、特定領域225、通常領域224が無効に設定される。
その後、V入賞からファンファーレ期間T5が経過した時刻t10において、下大入賞口ソレノイド27cがONに設定され、2ラウンド目が開始される。なお、時刻t3からt5における小当り状態での上大入賞口28bの開放が1ラウンド目にあたる。
このように、特定領域225を遊技球が通過した時点で大当りのファンファーレが開始されるが、残存球カウント数が0になるまで下大入賞口27bが開放されず、大当り状態に移行しない。なお、残存球カウント数が0とならない状態で残存球監視期間が終了した場合には、残存球エラーを発生させたまま大当り状態を発生させてもよい。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置150によって実行される1stCPUメイン処理の詳細を説明する。図37は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置150の主制御用マイコン(1stCPU)151によって実行される1stCPUメイン処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
演出制御装置150は、まず、割込みを禁止する(S3701)。次に、各種設定を処理化する(S3702)。具体的には、作業領域であるRAM151aを0クリアし、CPU初期化処理を実行する。また、各種処理の実行に必要な初期値をRAM151aに設定し、乱数初期化処理を実行する。
次に、演出制御装置150は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(S3703)、割込みを許可する(S3704)。割込みの発生タイミングではコマンド受信割込み処理が実行される。
ここで、演出制御装置150は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S3705)。WDTは、上述したCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過しても主制御用マイコン151によってクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、演出制御装置150は、遊技者による演出操作部15の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を行ったりする演出ボタン入力処理を実行する(S3706)。次に、遊技制御装置100から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S3707)。
次に、演出制御装置150は、テストモード処理を実行する(S3708)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
次に、演出制御装置150は、遊技制御コマンド解析処理(S3707)において解析された制御コマンドに基づき、第1表示器31に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S3709)。
次に、演出制御装置150は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S3710)。演出制御装置150に関わる異常の他に、遊技制御装置100からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
次に、演出制御装置150は、映像制御用マイコン(VDP)157に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S3711)。次に、演出制御装置150は、スピーカ8から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S3712)。
次に、演出制御装置150は、LED等の装飾装置(盤装飾装置170、枠装飾装置171)を制御する装飾制御処理を実行し(S3713)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置172、枠演出装置173)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S3714)。
次に、演出制御装置150は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S3715)、S3705の処理に戻る。以降、S3705からS3715までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、上述した1stメイン処理における1stシーン制御処理の詳細について説明する。図38は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置150は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(S3801)。テスト中モードの場合には(S3801の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、演出制御装置150は、本処理を終了する。
遊技機1がテスト中モードでない場合には(S3801の結果が「N」)、演出制御装置150は、遊技制御装置100から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(S3802)。具体的には、電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、ファンファーレコマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンド等のコマンドを受信しているか否かを判定する。
シーン変更コマンドを受信していない場合には(S3802の結果が「N」)、演出制御装置150は、新たなコマンドの設定等を実行せずに、ステップS3807以降の処理を実行する。
シーン変更コマンドを受信している場合には(S3802の結果が「Y」)、演出制御装置150は、更新する現在の遊技状態を取得し(S3803)、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(S3804)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。
有効なコマンドを受信していない場合には(S3804の結果が「N」)、演出制御装置150は、新たなコマンドの設定等をせずに、ステップS3807以降の処理を実行する。
有効なコマンドを受信した場合には(S3804の結果が「Y」)、演出制御装置150は、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブし(S3805)、演出リクエストフラグをセットする(S3806)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(S3811)において、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
次に、演出制御装置150は、受信したコマンドの識別子に応じた分岐処理を実行する(S3807)。
受信したコマンドが「電源投入コマンド」である場合には、演出制御装置150は、電源投入処理を実行する(S3808)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「停電復旧コマンド」である場合には、演出制御装置150は、停電復旧処理を実行する(S3809)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」である場合には、演出制御装置150は、客待ち処理を実行する(S3810)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「変動関連コマンド」である場合には、演出制御装置150は、変動中処理を実行する(S3811)。変動中処理では、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。
受信したコマンドが「小当り関連コマンド」である場合には、演出制御装置150は、小当り処理を実行する(S3812)。小当り処理では、所定の小当り演出に応じた小当り演出制御を行う。
受信したコマンドが「大当り関連コマンド」である場合には、演出制御装置150は、大当り処理を実行する(S3813)。大当り処理では、ファンファーレ演出及びエンディング演出を含む、大当りの種類に応じた大当り演出制御を行う。
次に、演出制御装置150は、保留数コマンド受信処理を実行する(S3814)。保留数コマンドは、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理は、始動入賞時及び変動開始時に送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより保留記憶数を更新(増減)する。
次に、演出制御装置150は、飾り特図コマンド受信処理を実行する(S3815)。飾り特図コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
次に、演出制御装置150は、事前判定コマンド受信処理を実行する(S3816)。事前判定コマンドには、遊技球が始動入賞口に入賞した場合に遊技制御装置100から演出制御装置150に送信される始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンドが含まれる。
次に、演出制御装置150は、確率情報コマンド受信処理を実行する(S3817)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。なお、大当り状態(例えば特別大当り)の終了後に大当り確率がアップする確率変動状態を発生させる場合には、上記コマンドのほかに、高確/時短コマンドや高確/サポなしコマンドなども出力される。
次に、演出制御装置150は、右打ち警告コマンド受信処理を実行する(S3818)。右打ち警告コマンド受信処理は、通常遊技状態中にゲートスイッチ25aからの検出信号を受信した場合に、右打ちされていることを遊技者に警告する処理である。右打ちの検出は、ゲートスイッチ25aではなく、別途右打ち流路上に検出センサを設けてもよく、また別のセンサ(カウントスイッチ等)によって検出されてもよい。その後、演出制御装置150は、本処理を終了する。
〔客待ち処理〕
次に、上述した1stシーン制御処理における客待ち処理の詳細について説明する。図39は、本発明の第1の実施の形態の客待ち処理の手順を示すフローチャートである。また、図40は、本発明の第1の実施の形態の輝度を低下させた省エネモード状態の画面の一例を示す図であり、(A)は省エネモードの客待ちデモ画面、(B)は省エネモードのメニュー画面を示す図である。
演出制御装置150は、まず、客待ちデモ条件が成立しているか否かを判定する(S3901)。客待ちデモ条件は、例えば、変動表示ゲームが終了してから一定期間が経過することで成立する。客待ちデモ条件が成立している場合には(S3901の結果が「Y」)、演出制御装置150は、デモ画面表示処理を実行し(S3902)、本処理を終了する。
デモ画面表示処理では、客待ちデモコマンドの受信から30秒後に、客待ちデモ画面を表示しながら盤面や枠のLED(枠装飾装置170、盤装飾装置170)、第1表示器31、第2表示器34等の輝度を低下させる省エネモードをセットする。省エネモードでは、図40(A)に示すように、例えば、バックライトの輝度を低下させて電力消費量を抑制する。
客待ちデモ条件が成立していない場合には(S3901の結果が「N」)、演出制御装置150は、メニュー表示条件が成立しているか否かを判定する(S3903)。メニュー表示条件は、例えば、演出操作部15等が操作されることで成立する。メニュー表示条件が成立している場合には(S3903の結果が「Y」)、演出制御装置150は、メニュー画面表示処理を実行し(S3904)、本処理を終了する。なお、メニュー表示条件として変動表示ゲームが終了してから30秒が経過したこととしてもよい。
メニュー画面表示処理(S3904)においても、演出制御装置150は、メニュー画面を表示しながら盤面や枠のLED、第1表示器31、第2表示器34等の輝度を低下させる省エネモードをセットする。省エネモードでは、図40(B)に示すように、例えば、バックライトの輝度を低下させて電力消費量を抑制する。
メニュー表示条件が成立していない場合には(S3903の結果が「N」)、演出制御装置150は、動画閲覧操作が実行されたか否かを判定する(S3905)。動画閲覧操作は、例えば、V入賞シーンのプレイバック操作である。動画閲覧操作がある場合には(S3905の結果が「Y」)、演出制御装置150は、動画閲覧処理を実行し(S3906)、本処理を終了する。
動画閲覧処理は、カメラモジュール248が撮影した動画(撮影データ)を再生する処理であり、別のカメラモジュールで撮影された動画に切り替えるなどアングルの切り替えも可能となっている。
動画閲覧操作が実行されていない場合には(S3905の結果が「N」)、演出制御装置150は、画像加工操作が実行されたか否かを判定する(S3907)。画像加工操作が実行された場合には(S3907の結果が「Y」)、演出制御装置150は、画像加工処理を実行し(S3908)、本処理を終了する。
画像加工処理は、後述する動画閲覧処理において行われるスクリーンショット処理で動画(撮影データ)から抽出された静止画像(スクリーンショット、キャプチャ画像)を選択し、選択した静止画像にエフェクトやアイコンを追加するなどのデコレーションを施す処理である。また、複数のアングルからのショットを用いて立体化した画像を作成してもよい。
画像加工操作が実行されていない場合には(S3907の結果が「N」)、演出制御装置150は、本処理を終了する。
〔動画閲覧処理〕
次に、上述した客待ち処理における動画閲覧処理の詳細について説明する。図41は、本発明の第1の実施の形態の動画閲覧処理の手順を示すフローチャートである。
本処理は、遊技者の操作により実行される処理が分岐する。遊技者の操作に基づいて、演出制御装置150は、S4102からS4110の処理のいずれかを実行し、各処理を終了後は、本処理を終了する。
このうち、S4108のスクリーンショット処理は、例えば、カメラモジュール248で撮影した動画(撮影データ)の再生中などに、演出操作部15を介してスクリーンショット操作が行われた場合に、再生中の動画(撮影データ)から静止画像を抽出して、最大5枚まで記憶する処理であり、スクリーンショットが5枚以上の場合には古いものから廃棄する。
アングル変更処理は、再生されている動画(撮影データ)を別のアングルで撮影された動画(撮影データ)に切り替える処理である。別のアングルの動画を、表示画面を分割して同じタイミングで再生されるようにしてもよく、また、最初から再生されるようにしてもよい。
〔再生処理〕
次に、上述した動画閲覧処理における再生処理の詳細について説明する。図42は、本発明の第1の実施の形態の再生処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置150は、まず、S4102の動画選択処理において演出操作部15の操作により選択された選択動画の再生を実行する(S4201)。次に、演出制御装置150は、選択された動画と関連付けられた磁気エラー又は振動エラー情報があるか否かを判定する(S4202)。
選択された動画と関連付けられた磁気エラー又は振動エラー情報がある場合には(S4202の結果が「Y」)、演出制御装置150は、動画の再生箇所がエラーの発生タイミングであるか否かを判定する(S4203)。
選択された動画と関連付けられた磁気エラー又は振動エラー情報がない場合(S4202の結果が「N」)、及び動画の再生箇所がエラーの発生タイミングではない場合には(S4203の結果が「N」)、演出制御装置150は、本処理を終了する。
動画の再生箇所が磁気エラー又は振動エラーの発生タイミングである場合には(S4203の結果が「Y」)、演出制御装置150は、エラー発生示唆画像を再生中の動画に合成する(S4204)。磁気エラー又は振動エラーの発生を示唆する画像を再生中の動画に重ねて表示することで、不正行為が発生しているか否かを確認することが可能となる。
なお、遊技機1には、遊技者が所有する携帯端末や記憶媒体を接続するための端子(インターフェース)を設け、撮影した動画や加工(デコレーション)された静止画像を記憶端末、記憶媒体に保存できるようにしてもよい。
〔動画撮影処理〕
次に、上述した小当り処理における動画撮影処理の詳細について説明する。図43は、本発明の第1の実施の形態の動画撮影処理の手順を示すフローチャートである。また、図44は、本発明の第1の実施の形態の保存されている動画の情報を一覧として示す図である。
演出制御装置150は、まず、遊技球がカウントセンサ216を通過したか否かを判定する(S4301)。遊技球がカウントセンサ216を通過していない場合には(S4301の結果が「N」)、演出制御装置150は、本処理を終了する。
遊技球がカウントセンサ216を通過している場合には(S4301の結果が「Y」)、遊技球が入賞空間220を転動するため、演出制御装置150は、遊技機1に備える全てのカメラモジュール248(左カメラモジュール248a、右カメラモジュール248b)での動画撮影を開始する(S4302)。カメラ撮影中は、領域区画部材242に設けられる空間照明LED247a、247bの輝度を非撮影中よりも増加させてもよい。
次に、演出制御装置150は、動画撮影時間として所定の時間(例えば、10秒)が経過したか否かを判定する(S4303)。所定の時間が経過していない場合には(S4303の結果が「N」)、演出制御装置150は、小当り状態が終了しているか否かを判定する(S4304)。
小当り状態が終了していない場合には(S4304の結果が「N」)、演出制御装置150は、小当り状態が終了するか所定の時間(10秒)が経過するまで動画撮影を実行する。
所定時間が経過している場合(S4303の結果が「Y」)又は小当りが終了している場合には(S4304の結果が「Y」)、演出制御装置150は、動画撮影を終了する(S4305)。
次に、演出制御装置150は、特定領域225に入賞が発生したか否かを判定する(S4306)。V入賞が発生した場合には(S4306の結果が「Y」)、演出制御装置150は、撮影した動画に時刻、撮影動画、磁気エラー/振動エラー情報等の動画情報を対応付けて保存する(S4307)。
保存された動画は、図44に示すように、動画選択メニューにおいて、例えば、撮影時間(撮影された時刻)、1カメ動画、2カメ動画、V入賞情報(V入賞の有無)、エラー情報(磁気エラー情報、振動エラー情報)の項目と共に一覧として5件分が表示される。5件分より以前の動画は廃棄されるが、保存件数は5件より多くてもよい。なお、1カメ動画とは左カメラモジュール248aで撮影された動画であり、2カメ動画とは右カメラモジュール248bで撮影された動画である。
次に、演出制御装置150は、所定回数(5回)前の撮影動画を廃棄し(S4308)、本処理を終了する。
一方、V入賞がない場合には(S4306の結果が「N」)、演出制御装置150は、磁気エラー又は振動エラーが発生しているか否かを判定する(S4309)。磁気エラー又は振動エラーが発生している場合には(S4309の結果が「Y」)、S4307以降の処理を実行する。磁気エラー又は振動エラーが発生してもV入賞が発生しなかった場合には、今回の撮影動画を廃棄してもよい。また、磁気エラー又は振動エラーが発生していた動画、エラー履歴は、エラーが発生した当日の分は破棄せずに保存しておいてもよい。
磁気エラー又は振動エラーが発生していない場合には(S4309の結果が「N」)、演出制御装置150は、今回の撮影動画を廃棄し(S4310)、本処理を終了する。
なお、図44に示すエラー履歴において、撮影時刻は、撮影開始の時刻でもよいし、撮影終了の時刻でもよい。また、1カメ動画、2カメ動画における「1−2」等の数値は、 タグ情報を示す。
〔変動中処理〕
次に、上述した1stシーン処理における変動中処理の詳細について説明する。図45は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置150は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S4501)。S4501の処理は、シーン変更が1回目である場合には、演出を実行するための各種情報を設定し、シーン変更が1回目ではない場合には、タイマにより表示演出状態を変更するか否かを判定する処理である。
まず、シーン変更が1回目である場合に実行されるS4502からS4513の処理を説明する。
演出リクエストフラグがある場合には(S4501の結果が「Y」)、演出制御装置150は、プッシュボタン情報をクリアする(S4502)。プッシュボタン情報は、演出操作部15に設ける演出ボタンスイッチ174が出力する操作検出信号である。
次に、演出制御装置150は、可動体リクエストをセットし(S4504)、変動演出パターン設定処理を実行する(S4504)。
次に、演出制御装置150は、表示予告設定処理を実行する(S4505)。S4505からS4508までの処理は、変動表示ゲームの抽選結果の当落(大当りか否か)や変動パターン、演出パターンに対応して大当り状態が発生する可能性があること若しくは可能性があるか否かを示唆する表示予告演出の内容(演出態様)を設定する処理である。
次に、演出制御装置150は、表示器動作設定処理を実行する(S4506)。表示器動作設定処理は、第2表示器34の昇降動作及び前後への移動・復帰動作を設定する処理である。
次に、演出制御装置150は、役物動作設定処理を実行する(S4507)。役物動作設定処理は、演出可動ユニット310、振分可動ユニット320の回動動作やその他の可動役物の動作を設定する処理である。
次に、演出制御装置150は、導光板演出設定処理を実行する(S4508)。導光板演出設定処理は、前側導光板251、後側導光板252の発光演出態様を設定する処理である。
次に、演出制御装置150は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S4509)。
次に、演出制御装置150は、S4504で設定された変動パターンに対応して、変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミング、表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定し(S4510)、変動時間設定処理を実行する(S4511)。
次に、演出制御装置150は、最初のシーン及びシーン更新タイマをセットし(S4512)、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので、演出リクエストフラグをクリアする(S4513)。その後、本処理を終了する。
ここからは、シーン変更が2回目以降である場合に実行されるS4514からS4519の処理を説明する。
一方、演出リクエストフラグがない場合には(S4501の結果が「N」)、演出制御装置150は、シーン更新タイマが「0」であるか否かを判定する(S4514)。
シーン更新タイマが0である場合には(S4514の結果が「Y」)、演出制御装置150は、次のシーンデータを設定する(S4515)。シーン更新タイマが0ではない場合には(S4514の結果が「N」)、演出制御装置150は、次のシーンデータを設定しない。
次に、演出制御装置150は、S4505の表示予告設定処理で設定された表示予告演出を実行する表示予告実行処理を実行し(S4516)、S4506の表示器動作設定処理で設定された表示器演出を実行する表示器演出実行処理を実行する(S4517)。
次に、演出制御装置150は、S4507の役物動作設定処理で設定された役物動作演出を実行する役物動作演出実行処理を実行し(S4518)、S4508の導光板演出設定処理で設定された導光板演出を実行する導光板演出実行処理を実行して本処理を終了する。S4516からS4519の処理では、飾り特図変動表示ゲームの進行状態(シーン)に対応した演出動作を時間経過に合わせて順次実行するようになっている。
〔表示器動作設定処理〕
次に、上述した変動中処理における表示器動作設定処理の詳細について説明する。図46は、本発明の第1の実施の形態の表示器動作設定処理の手順を示すフローチャートである。また、図47から図50は、第2表示器34の動作態様を示す図である。
表示器動作設定処理は、第2表示器34の昇降動作及び前後への移動・復帰動作を設定する処理である。
演出制御装置150は、まず、実行中の変動表示ゲームの結果が小当りとなるか否かを判定する(S4601)。小当りとなる場合には(S4601の結果が「Y」)、演出制御装置150は、本処理を終了する。
小当りとならない場合には(S4601の結果が「N」)、演出制御装置150は、特定変動パターンによって変動表示ゲームが実行中であるか否かを判定する(S4602)。特定変動パターンとは、信頼度の高いリーチなど、少なくとも通常変動ではないリーチである。特定変動パターンの実行中ではない場合には(S4602の結果が「N」)、演出制御装置150は、本処理を終了する。
なお、変動パターンには、リーチが発生しない通常変動パターン、ノーマルリーチが発生するノーマルリーチ変動パターン、ロングリーチが発生するロングリーチ変動パターン、スペシャルリーチが発生するSPリーチ変動パターン等があり、通常変動パターン、ノーマルリーチ変動パターン、ロングリーチ変動パターン、SPリーチ変動パターンの順で特別結果態様となる信頼度が設定されている。ロングリーチ変動パターンやSPリーチ変動パターンなどの特定変動パターンが実行中である場合には(S4602の結果が「Y」)、演出制御装置150は、実行中の変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する(S4603)。
実行中の変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には(S4603の結果が「Y」)、演出制御装置150は、第2表示器34の動作割合が高い下降動作実行抽選処理1を実行する(S4604)。
実行中の変動表示ゲームの結果が大当りとならない場合には(S4603の結果が「N」)、演出制御装置150は、第2表示器34の動作割合が低い下降動作実行抽選処理2を実行する(S4605)。
次に、演出制御装置150は、第2表示器34が下降動作を実行するか否かを判定する(S4606)。つまり、S4604又はS4605の処理において第2表示器34を下降させる動作が設定されたか否かを判定する。下降動作を実行しない場合には(S4606の結果が「N」)、演出制御装置150は、本処理を終了する。
第2表示器34が下降動作を実行する場合には(S4606の結果が「Y」)、演出制御装置150は、動作タイミング決定処理を実行する(S4607)。第2表示器34は、例えば、変動開始時、リーチ発展時、リーチ中のいずれか1タイミング又は複数のタイミングにおいて動作するが、大当りとなる期待値が高い変動パターンであるほど、複数のタイミングで昇降動作が実行される。
次に、演出制御装置150は、第1表示器(メイン表示装置)31のメイン表示画面32のうち第2表示器(サブ表示装置)34の移動軌跡に含まれる表示領域や第2表示器(サブ表示装置)34で、特定の予告演出画像を表示する特定予告演出が実行されているか否かを判定する(S4608)。
特定予告演出が実行されている場合には(S4608の結果が「Y」)、演出制御装置150は、前後動作態様決定処理を実行する(S4609)。前後動作態様決定処理は、第2表示器34のサブ表示画面35(前面部材350)が前方へと移動する動作態様であり、図47に示すように複数用意される。
特定予告演出が実行されていない場合には(S4608の結果が「N」)、演出制御装置150は、前後動作の実行なしをセットする(S4610)。
最後に、演出制御装置150は、決定した演出動作の実行を設定し(S4611)、本処理を終了する。
〔前後動作態様〕
図47は、本発明の第1の実施の形態の第2表示器(サブ表示装置)34を有するサブ表示ユニット340の昇降及び前後動作を示す図である。(A)及び(B)は、第1前後動作態様を示し、(C)及び(D)は、第2前後動作態様を示す図である。
まず、第1前後動作態様から説明する。第1前後動作態様は、サブ表示ユニット340が設定された位置(下限位置や特定の予告演出画像の表示位置の前方)まで降下した後に前面部材350(第2表示器34)と制振部材360が前後動を実行する態様である。
(A)は、サブ表示ユニット340が初期位置(上限位置、待機位置、待機領域)から下降した状態を示している。下降動作中に前面部材350と制振部材360の前後動は実行されない。
(B)は、サブ表示ユニット340が設定された位置(下限位置や特定の予告演出画像の表示位置の前方となる動作位置、演出領域)まで下降した後に、前面部材350と制振部材360が前後動を実行している状態を示している。なお、本実施形態の変形例2として図51で説明するように、前面部材350と制振部材360が逆の場合もある。
次に、第2前後動作態様を説明する。第2前後動作態様は、サブ表示ユニット340が下降しながら前後動を実行する態様である。
(C)は、サブ表示ユニット340が下降しており、かつ前面部材350及び制振部材360が前後動を実行している状態を示している。
(D)は、サブ表示ユニット340が設定された位置(下限位置や特定の予告演出画像の表示位置の前方となる動作位置、演出領域)まで降下し、前後動作も最大移動位置に達した状態を示している。
このように、第2表示器34の昇降・前後動について複数の動作態様を備えることで演出効果が高まる。特に、遊技状態の違いや期待度の高低に応じた動作態様を実行することで、遊技の興趣を高めることができる。
本実施形態では、制御負荷を軽減するために、共通の態様で初期位置(上限位置)に復帰させる。共通の態様とは、例えば、前面部材350と制振部材360が表示ベース部材341に復帰してからサブ表示ユニット340が上昇する。
なお、第2前後動作態様よりも第1前後動作態様の方が第2表示器34の前方への移動が認識し易いので、第1前後動作態様のみとしてもよく、また、逆に第2前後動作態様のみとしてもよい。
〔サブ画面表示例〕
図48は、本発明の第1の実施の形態の第1前後動作態様とメイン表示画面32、サブ表示画面35における画面演出とを合わせた演出例を示す図である。(A)は演出例1を示し、(B)は演出例2を示し、(C)及び(D)は演出例1、演出例2から続く共通の演出例を示す図である。
まず、図48(A)、(C)、(D)の順に演出例1を説明する。
(A)は、サブ表示画面35に予告演出画像390が小さく表示されている状態を示している。第2表示器34が前方に移動する前であるので、予告演出画像390を後で拡大して表示するために、予告演出画像390が小さく表示されるように制御される。サブ表示画面35の予告演出画像390が表示される領域の外側の領域には、サブ背景画像394が表示される。メイン表示画面32上に表示する3本の下向き矢印は、飾り特図変動表示ゲームが実行中であり、飾り特別図柄(識別情報)が変動中であることを示す。
(C)は、サブ表示ユニット340がメイン表示画面32の前方となる下限位置まで下降した状態を示している。前後動はまだ開始されていないので、予告演出画像390は小さく表示されたままである。サブ表示画面35の予告演出画像390が表示される領域の外側の領域には、メイン背景画像393が表示される。サブ表示ユニット340が下降することで、メイン表示画面32がサブ表示ユニット340に遮蔽されてしまうので、遮蔽される部分の画面表示を継続してもよいし、また表示しなくてもよい。
なお、第2前後動作態様としてサブ表示ユニット340が下降する場合には、サブ表示画面35の前方への移動量に応じて予告演出画像390が拡大される。
(D)は、サブ表示画面35が前方に移動されることに合わせて予告演出画像390が大きく表示されている状態を示している。サブ表示画面35が前方に移動する遠近効果によって遊技者には画像が大きく見え、さらに、予告演出画像390自体が拡大されて表示されるため、サブ表示画面35が前方に移動したことを強調することができる。そのため、演出効果を高めることができる。
なお、サブ表示画面35が前方へ移動することに伴い拡大される画像は予告演出画像390だけでなく、飾り特別図柄(識別情報)、擬似連(リスタート)図柄等の図柄画像や第1始動記憶や第2始動記憶の記憶数を示す保留表示画像等を含めてもよい。
また、第2表示器34を両眼視差による3D立体表示器とし、前方への移動時に予告演出を拡大しつつ立体表示してもよく、遠近効果及び3D効果により
より前方への移動を強調することができる。そのため、演出効果を高めることができる。
次に、図48(B)、(C)、(D)の順に演出例2を説明する。
(B)は、サブ表示画面35に遊技関連画像391が表示され、メイン表示画面32に予告演出画像390が小さく表示されている状態を示している。サブ表示画面35の遊技関連画像391が表示される領域の外側の領域には、サブ背景画像394が表示される。なお、遊技関連画像391は、例えば、演出画像や機種名を表示する画像である。
サブ表示ユニット340が予告演出画像390の前方まで下降すると予告演出画像390はサブ表示画面35に表示されるので、サブ表示ユニット340が下降するまでは、予告演出画像390はメイン表示画面32上に小さく表示される。
(C)では、サブ表示ユニット340がメイン表示画面32の前方に重なった時点より重なって隠れる部分の画像がサブ表示画面35に表示される。変動表示中の飾り特別図柄もサブ表示画面35に表示させてもよいが、サブ表示画面35の表示が認識し難くなることを避けるため飾り特別図柄をサブ表示画面35に表示しない方が好ましい。また、設定された下降位置まで下降してからサブ表示画面35にメイン表示画面32の表示画像を表示させるようにしてもよい。
サブ表示ユニット340がメイン表示画面32の前方に重なった状態でもメイン表示画面32には、予告演出画像390や飾り特別図柄やメイン背景画像の表示が継続されたままとなる。
(D)では、演出例1と同様に、サブ表示画面35の前方への移動量に応じて予告演出画像390が拡大表示される。
このように、本実施形態では、サブ表示画面35に表示される画像が前方への移動量に応じて拡大されるので、画面が前方へ移動することを強調して遊技の興趣を高めることができる。
〔サブ表示ユニットの復帰例〕
図49は、本発明の第1の実施の形態のサブ表示ユニット340が初期位置(待機位置、待機領域)へ復帰する場合の演出例を示す図である。(A)は前面部材350及び制振部材360が前後に移動している状態を示し、(B)及び(C)は予告演出画像390が信頼度を間接的に示唆する場合の復帰演出例を示し、(D)及び(E)予告演出画像390が信頼度を直接的に示唆する場合の復帰演出例を示す図である。
(A)は、サブ表示画面35が前方へ移動している状態を示している。上述のとおり、サブ表示画面35には予告演出画像390は拡大されて表示されている。また、サブ表示画面35の予告演出画像390が表示される領域の外側の領域には、メイン背景画像393が表示される。
ここから、実行中の変動表示ゲームの結果が大当りとなるの信頼度に応じて復帰パターンが異なる。まず、信頼度を間接的に示唆する場合について(B)(C)を用いて説明する。
(B)は、サブ表示画面35が表示ベース部材341へと復帰し、予告演出画像390が小さく表示されている状態を示している。サブ表示画面35の後方への移動量に応じて拡大されていた予告演出画像390が徐々に小さく表示される。
(C)は、サブ表示ユニット340が初期位置へと上昇し、サブ表示画面35に遊技関連画像391が表示されている状態を示している。サブ表示ユニット340の復帰時に予告演出画像390がメイン表示画面32に表示されなくなるが、そのまま継続して表示されてもよい。
次に、信頼度を直接的に示唆する場合について(D)(E)を用いて説明する。
(D)は、サブ表示画面35が表示ベース部材341へと復帰し、予告演出画像390が拡大されたままの状態を示している。本来ならサブ表示画面35の後方への移動にともなって予告演出画像390が拡大された状態から徐々に小さく表示されるが、信頼度を直接的に示唆する場合には、予告演出画像390が拡大されたまま後方へ移動する。そのため、遊技者に意外性を与えることができる。
(E)は、サブ表示ユニット340が初期位置へと上昇し、予告演出画像390が拡大されたままの状態を示している。(D)においても予告演出画像390が拡大されて表示されており、サブ表示ユニット340が上昇する間に、サブ表示画面35の背景画面がメイン背景画像393からサブ背景画像394へと徐々に移行する。
このように、サブ表示ユニット340の復帰態様によって実行中の変動表示ゲームの結果が大当りとなる信頼度を直接的又は間接的に示唆することができる。特に、信頼度を直接的に示唆する場合には、サブ表示画面35が後方へ移動しても予告演出画像が拡大されたままであり、遊技者に意外性を与えることができる。
〔前後動作態様の変形例〕
次に、図50を参照して前後動作態様の変形例を説明する。図50は、本発明の第1の実施の形態の前後動作態様の変形例の第1表示器31及び第2表示器34の前後動作態様を示す図であり、(A)及び(B)は第1表示器31が後方へスライド移動する状態を示す図、(C)及び(D)は第1表示器31が下端を軸として後方へと回転移動する状態を示す図である。
ここまで説明してきた形態では、第2表示器34が前後動作をするにあたって、第1表示器31は動作をしなかった。これに対して、前後動作態様の変形例では、第2表示器34の前後動作に合わせて第1表示器31(表示ユニット30)が後方へと移動する。
第2表示器34が前後動をする場合、前方のガラス枠5及び後方の第1表示器31が動作幅を規制する。そのため、ガラス枠5、第1表示器31の位置を変更できれば、第2表示器34の前後動する量をさらに大きくすることができる。この点、第1表示器31は、後方に余裕空間を有するため、後方へ移動することが可能である。
(A)及び(C)は、第2表示器34が初期位置から設定された降下位置へと下降してきた状態を示す。
(B)は、第2表示器34及び制振部材360が前後方向に移動し、前後動に合わせて第1表示器31が後方へとスライド移動した状態を示す。
また、(D)は、第2表示器34及び制振部材360が前後方向に移動し、前後動に合わせて第1表示器31が第1表示器31の下端を軸として後方へ回転移動とした状態を示す。
第1表示器31が後方へとスライド移動又は回転移動したことで、(A)と比べて表示ベース部材341と第1表示器31との距離が大きくなっている。そのため、制振部材360がより後方へと移動することができ、同様に第2表示器34も前方へと大きく移動することができる。
(前後動作態様の変形例の効果)
以上のように、前後動作態様の変形例によれば、第2表示器34の前後動に合わせて第1表示器31を後方へと移動させることで、第2表示器34をより大きく前後動させることができる。なお、第1表示器31を回転移動させるにあたっては、下端を軸として回転移動させても上端を軸として回転移動させてもよく、その他の端を軸として回転移動させてもよい。
〔サブ表示ユニットの変形例〕
次に、図51を参照してサブ表示ユニット340の変形例を説明する。図51は、本発明の第1の実施の形態のサブ表示ユニットの変形例の前面部材(前側部材)350及び制振部材(後側部材)360の構成を示す図であり、(A)及び(B)は制振部材360に代えて第2表示器34を配設し、前面部材350に代えて凸レンズユニット356を配設した状態を示す図、(C)及び(D)は制振部材360に代えて第2表示器34を配設し、前面部材350に代えて導光板ユニット357を配設した状態を示す図である。なお、前面部材350と制振部材360の間には、表示ベース部材341、又は前面部材350と制振部材360を前後に移動させることが可能な機構が設けられるが、本図では記載を省略する。
ここまで説明してきた形態では、前面部材350に第2表示器34が配設され、制振部材360には表示機能が備えられていなかった。これに対して、サブ表示ユニットの変形例では、制振部材360に代えて第2表示器34を配設し、前面部材350は、第2表示器34が表示する画像を拡大したり発光領域を重ねて表示したりする。
(A)は、制振部材360に第2表示器34が備えられ、前面部材350に凸レンズユニット356が備えられ、それぞれ前後に移動していない状態を示す。
(B)は、前面部材350と制振部材360が前後に移動し、第2表示器34が表示する演出画像が凸レンズユニット356によって拡大されて表示されている状態を示す。
このように、第2表示器34に表示される画像の大きさに変化がなくても、前後動に応じて凸レンズユニット356によって遊技者に視認される画像の大きさが大小するので、演出制御装置150の制御負荷を軽減することができる。
なお、凸レンズユニット356が備える凸レンズの焦点距離は、凸レンズユニット356と第2表示器34の最大離間距離よりも大きくなるように設計される。
(C)は、制振部材360に第2表示器34が備えられ、前面部材350に導光板ユニット357が備えられ、それぞれ前後に移動していない状態を示す。導光板ユニット357の端部には、導光板358の端面から内部に光を照射するLED359が備えられる。
(D)は、前面部材350と制振部材360が前後に移動し、第2表示器34が表示する演出画像と導光板358に浮かび上がる模様とが導光板ユニット357に表示されている状態を示す。
導光板358に設けられた発光パターン(発光領域)を発光させることで、演出画面の周囲の視認を規制したり、演出効果を向上させたりすることができる。第2表示器34と導光板358とは、離間させた状態で導光板を発光させるか、離間前と離間後とで異なる発光をさせると効果的な演出となる。
なお、導光板ユニット357には、複数の導光板358を設けて各導光板358の発光パターンの形状や色を異ならせ、発光させる導光板358を選択的に変更可能であってもよい。また、前面部材350は、導光板358と凸レンズの両方を備えるユニットであってもよい。
また、前面部材350と制振部材360を前後に移動させる場合、図8に示すモータ346を表示ベース部材341内に配置すると第2表示器34の表示画像を前方へ投影する上で障害となる。そのため、各ガイドロッド362をリニアモータ(図示省略)で駆動するようにしてもよい。また、ガイドロッド362自体をソレノイドとして前後に駆動させてもよい。
(サブ表示ユニットの変形例の効果)
以上のように、サブ表示ユニットの変形例によれば、背面に位置する第2表示器34に表示される画像を前面に位置する凸レンズユニット356によって拡大する。そのため、前後動に応じて凸レンズユニット356によって遊技者に視認される画像の大きさが大小し、遊技の興趣が向上する。また、画像制御に拠らずに第2表示器34の画像を大小させて遊技者に提供するため、演出制御装置150の制御負荷を軽減することができる。
また、背面に位置する第2表示器34に表示される画像を前面に位置する導光板ユニット357による発光演出と重ね合わせて表示する。そのため、第2表示器34の画像を効果的に演出することが可能であり、また、第2表示器34の一部を視認できないように規制することができる。
〔役物動作設定処理〕
次に、図52を参照して演出可動ユニット310と振分可動ユニット320の動作制御について説明する。図52は、本発明の第1の実施の形態の役物動作設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置150は、まず、実行中の変動表示ゲームの結果が小当り(第2特別結果態様)となるか否かを判定する(S5201)。小当りとなる場合には(S5201の結果が「Y」)、本処理を終了する。
小当りとならない場合には(S5201の結果が「N」、演出制御装置150は、特定変動パターン(例えば、ロングリーチ変動パターンやSPリーチ変動パターン)を実行中であるか否かを判定する(S5202)。特定変動パターンを実行中でない場合には(S5202の結果が「N」)、演出制御装置150は、本処理を終了する。
特定変動パターンを実行中である場合には(S5202の結果が「Y」)、演出制御装置150は、実行中の変動表示ゲームの結果が大当り(第1特別結果態様)となるか否かを判定する(S5203)。
大当りとなる場合には(S5203の結果が「Y」)、演出制御装置150は、演出可動部材311が回動動作、発光動作を行う割合が高い出現動作実行抽選処理1を実行する(S5204)。
大当りとならない場合には(S5203の結果が「N」)、演出制御装置150は、演出可動部材311が回動動作、発光動作を行う割合が低い出現動作実行抽選処理2を実行する(S5205)。
S5203からS5205の処理は、演出可動部材311の出現動作を対象とした抽選であり、外れよりも大当りとなる場合の方が高確率で演出可動部材311が出現(メイン表示画面32の前方に回動)する。また、外れの場合には、特定の変動パターンが実行される場合に、変動パターンに応じて所定の割合で出現動作を実行する。
次に、演出制御装置150は、演出可動部材311の出現動作を実行するか否かを判定する(S5206)。出現動作を実行する場合には(S5206の結果が「Y」)、演出制御装置150は、動作タイミング決定処理を実行する(S5207)。演出可動部材311の回動動作タイミングは、変動開始時、リーチ発展時、リーチ中のいずれか1タイミング又は複数のタイミングであり、大当りとなる期待度が高い変動パターンであるほど複数のタイミングで回動動作が実行される。
出現動作を実行しない場合には(S5206の結果が「N」)、演出制御装置150は、S5207の処理を実行せずに、S5208の処理を実行する。
次に、演出制御装置150は、実行中の変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かを判定する(S5208)。
大当りとなる場合には(S5208の結果が「Y」)、演出制御装置150は、振分回転体321が回動動作、発光動作される割合が高い移動動作実行抽選処理1を実行する(S5209)。
大当りとならない場合には(S5208の結果が「N」)、演出制御装置150は、振分回転体321が回動動作、発光動作される割合が低い出現動作実行抽選処理2を実行する(S5210)。
S5208からS5210の処理は、振分回転体321の出現動作を対象として抽選であり、外れよりも大当りとなる場合の方が高確率で振分回転体321が出現(メイン表示画面32の前方に回動)する。また、外れの場合には、特定の変動パターンが実行される場合に、変動パターンに応じて所定の割合で出現動作を実行する。
次に、演出制御装置150は、振分回転体321の移動動作を実行するか否かを判定する(S5211)。移動動作を実行する場合には(S5211の結果が「Y」)、演出制御装置150は、動作タイミング決定処理を実行する(S5212)。振分回転体321の移動動作タイミングも、変動開始時、リーチ発展時、リーチ中のいずれか1タイミング又は複数のタイミングであり、大当りとなる期待度が高い変動パターンであるほど複数のタイミングで回動動作が実行される。
移動動作を実行しない場合には(S5211の結果が「N」)、演出制御装置150は、動作タイミング決定処理(S5212)を実行せずに、S5213の処理を実行する。
次に、演出制御装置150は、決定した演出動作の実行を設定し(S5213)、本処理を終了する。
振分回転体321は、上大入賞口28bが開放し遊技球の振り分けを行う特定遊技中には回動動作せず、遊技球の振り分けを行わない変動表示ゲーム中に回動動作する。なお、上大入賞口28bが開放しない遊技状態ならば振分回転体321の移動動作を実行してもよい。
また、入賞空間220からメイン表示画面32の前方へと移動する対象を振分回転体321とせずに専用の可動演出部材とした場合には、いずれの遊技状態であっても移動動作を実行してもよい。
〔導光板演出設定処理〕
次に、図53及び図54を参照して導光板ユニット250の動作制御について説明する。図53は、本発明の第1の実施の形態の導光板演出設定処理の手順を示すフローチャートである。また、図54は、本発明の第1の実施の形態の発光態様選択テーブルを示す図であり、(A)は発光態様選択テーブル1を、(B)は発光態様選択テーブル2を、(C)は発光態様選択テーブル3を、(D)は発光態様選択テーブル4を示す図である。
演出制御装置150は、まず、左右役物が動作するか否かを判定する(S5301)。左右役物とは、演出可動ユニット310(演出可動部材311)及び振分可動ユニット320(振分回転体321)を指し、左役物が演出可動部材311、右役物が振分回転体321である。
左右役物が動作する場合には(S5301の結果が「Y」)、演出制御装置150は、図54(A)に示す発光態様選択テーブル1から前側導光板251及び後側導光板252の発光態様を決定する(S5302)。その後、演出制御装置150は、決定した発光演出の実行を設定し(S5309)、本処理を終了する。
左右役物が動作しない場合には(S5301の結果が「N」)、演出制御装置150は、左役物(演出可動部材311)が動作するか否かを判定する(S5303)。
左役物が動作する場合には(S5303の結果が「Y」)、演出制御装置150は、図54(B)に示す発光態様選択テーブル2から前側導光板251及び後側導光板252の発光態様を決定する(S5304)。その後、演出制御装置150は、決定した発光演出の実行を設定し(S5309)、本処理を終了する。
左役物が動作しない場合には(S5303の結果が「N」)、演出制御装置150は、右役物(振分回転体321)が動作するか否かを判定する(S5305)。
右役物が動作する場合には(S5305の結果が「Y」)、演出制御装置150は、図54(C)に示す発光態様選択テーブル3から前側導光板251及び後側導光板252の発光態様を決定する(S5306)。その後、演出制御装置150は、決定した発光演出の実行を設定し(S5309)、本処理を終了する。
右役物が動作しない場合には(S5305の結果が「N」)、演出制御装置150は、特定変動パターン(例えば、ロングリーチ変動パターンやSPリーチ変動パターン)を実行するか否かを判定する(S5307)。
特定変動パターンを実行する場合には(S5307の結果が「Y」)、演出制御装置150は、図54(D)に示す発光態様選択テーブル4から前側導光板251及び後側導光板252の発光態様を決定する(S5308)。その後、演出制御装置150は、決定した発光演出の実行を設定し(S5309)、本処理を終了する。
特定演出パターンを実行しない場合には(S5307の結果が「N」)、演出制御装置150は、本処理を終了する。
次に、図55から図71を参照して演出空間201 における演出パターンを説明する。演出空間201は、演出可動ユニット310、振分可動ユニット320が回動可能な空間、サブ表示ユニット340が昇降及び前後に移動可能な空間、導光板ユニット250が配設され導光板が発光可能な空間を含む。
図55は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン1を示す図である。3本の下向き矢印は、飾り特図変動表示ゲームが実行中であり飾り特別図柄が全て変動中であることを表している。また、常時回転している振分回転体321が入賞空間220において時計回りに回転している。
後側導光板252の発光領域252aのうち、「CHANCE」部分のみが発光している。初期位置(待機位置、待機領域)に位置する第2表示器34の前方に位置する発光領域252aを発光させることで、第2表示器34による表示演出の演出効果を向上させることができる。また、変動表示ゲームの結果が大当りとなる期待度に応じて発光パターンを、例えば、「CHANCE」部分のみの発光と「激アツ」部分のみの発光とに変化させることで、演出効果がさらに高まる。
図56は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン2を示す図である。
前側導光板251の発光領域251aが発光して放射状の模様が浮かび上がり円形の非発光領域251bに演出画像、図柄画像が表示される。
演出画像や図柄画像に対応する領域が発光せずにその周囲の領域が発光するので、導光板の発光を表示演出のエフェクトとして用いることができ、演出効果が向上する。なお、本実施形態では、前側導光板251を放射状に発光させているが、演出可動部材311以外の部分を全体的に発光させてもよいし、部分的に輝度を異ならせてもよい。また、前側導光板用LED257のうち、全部のLEDを発光させるのではなく、一部のLEDを発光させることで、端部から入射する光の方向や強さを制御して発光する領域を変化させるようにしてもよい。
図57は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン3を示す図である。なお、演出パターン3以降は、例えば、リーチへの発展時やリーチ中にも実行され、実行中の飾り特図変動表示ゲームの飾り特別図柄は、メイン表示画面32の右上に縮小表示される。
後側導光板252の発光領域252aのうち、「CHANCE」部分のみが発光し、振分可動ユニット320が演出空間201の中央部へと回動動作している。また、振分回転体321は回転しながら発光している。振分可動ユニット320は、演出空間201の中央部で静止していてもよいし、演出空間201と入賞空間220の間を往復運動していてもよい。
小当り状態が実行されることがない変動表示ゲーム中(2種遊技が実行されない期間中)に振分回転体321を入賞空間220から演出空間201に移動させることで、振分回転体321に2つの機能(振分機能と演出機能)を持たせることができる。そのため、製造コストを抑制しつつ遊技の興趣を向上させることができる。また、入賞空間220に配置される場合と演出空間に配置される場合で回転態様や発光態様を異ならせると、演出効果が向上する。
図58は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン4を示す図である。
前側導光板251の発光領域251aが発光し、振分可動ユニット320が演出空間201の中央部へと回動している。また、振分回転体321は回転しながら発光している。振分回転体321が円形の非発光領域の中央に位置するため、形状的な一体感がもたらされる。
また、振分回転体321を中心としてその周囲が放射状に発光するので、振分可動ユニット320の回動動作を演出するエフェクトとして用いることができ、演出効果が向上する。なお、本実施形態では、前側導光板251を放射状に発光させているが、演出可動部材311以外の部分を全体的に発光させてもよいし、部分的に輝度を異ならせてもよい。また、発光する領域を変化させるようにしてもよい。
図59は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン5を示す図である。
後側導光板252のオブジェクト領域252bが発光し、振分可動ユニット320が演出空間201の中央部へと回動動作している。
回動後の振分回転体321と隣り合う発光領域を発光させるので、振分回転体321と一体のオブジェクトが形成されて合体しているように視認させることができ、演出効果が向上する。なお、振分回転体321に近い後側導光板252の発光領域252bによって振分回転体321の外縁が包まれるように発光するので、振分回転体321との一体感が増す。
図60は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン6を示す図である。
演出パターン6に加えて、第2表示器34の前方に、後側導光板252の発光領域252aの「CHANCE」部分が発光している。そのため、パターン6よりも遊技者に期待感を与えることができる。
図61は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン7を示す図である。
演出可動ユニット310が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312と後側導光板252の模様領域252cが発光している。
回動後の演出可動部材311の発光部312に対応する後側導光板252の模様領域252cを発光させるので、演出可動部材311に模様が形成されているように視認させることが可能となり、演出効果が向上する。また、演出可動部材311に近い後側導光板252を演出可動部材311の発光部と連なるように発光させるので、演出可動部材311との一体感が向上する。
図62は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン8を示す図である。
演出可動ユニット310が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312及び後側導光板252の文字領域252aの「CHANCE」部分のみが発光している。そのため、パターン7よりも遊技者に期待感を与えることができる。
図63は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン9を示す図である。
演出可動ユニット310が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312及び後側導光板252の文字領域252a、模様領域252cが発光している。そのため、パターン8よりも遊技者に期待感を与えることができる。
図64は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン10を示す図である。
演出可動ユニット310が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312及び前側導光板251の発光領域251aが発光している。
非発光領域251bと回動後の演出可動部材311が形状的一体感をもたらすので、演出効果を向上させることができる。また、支持アーム314に対応する前側導光板251の領域が発光するので、支持アーム314の視認が規制され、支持アーム314が目立たなくなり、演出効果を底上げすることができる。なお、放射状の発光領域251aが発光しているが、演出可動部材311以外の部分を全体的に発光させてもよい。
図65は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン11を示す図である。
演出可動ユニット310が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312及び後側導光板252のオブジェクト領域252bが発光している。
回動後の演出可動部材311に隣り合う発光領域を発光させるので、演出可動部材311と一体のオブジェクトが形成されて合体しているように視認させることができて演出効果が向上する。
なお、発光領域252bに演出可動部材311が備える発光部312と類似する模様を設けたことで、演出可動部材311との一体感が増している。また、演出可動部材311に近い後側導光板252を演出可動部材311が備える発光部312と連なるように発光させるので、演出可動部材311との一体感が向上する。
図66は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン12を示す図である。
演出可動ユニット310が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312及び後側導光板252の文字領域252a(「CHANCE」部分)、オブジェクト領域252bが発光している。そのため、演出パターン11よりも遊技者に期待感を与えることができる。
図67は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン13を示す図である。
演出可動ユニット310が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312及び後側導光板252の文字領域252a(「激アツ」部分)、オブジェクト領域252bが発光している。そのため、演出パターン12とは異なる期待感を遊技者に与えることができる。
図68は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン14を示す図である。
演出可動ユニット310及び振分可動ユニット320が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312、振分回転体321、前側導光板251の発光領域251aが発光している。
演出可動部材311と振分回転体321が合体動作することで、演出効果を飛躍的に向上させることができる。合体動作は、一方が先に回動動作をしてから他方が回動を始めてもよいし、両方が同時に回動動作を始めて合体してもよい。なお、合体動作とは、合体しているかのように見えればよく、演出可動部材311と振分回転体321とが当接せずに近接した状態でもよい。
合体動作した演出可動部材311と振分回転体321の周囲を放射状に発光させるので、発光領域がエフェクトとして機能して演出可動部材311と振分回転体321の合体動作の演出効果が向上する。
図69は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン15を示す図である。
演出可動ユニット310及び振分可動ユニット320が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312、振分回転体321、後側導光板252のオブジェクト領域252b及び模様領域252cが発光している。
オブジェクト領域252bが発光することで、振分回転体321の支持アーム322の視認が規制されて目立たなくなるので、演出効果を底上げすることができる。
図70は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン16を示す図である。
演出可動ユニット310及び振分可動ユニット320が演出空間201(動作位置、演出領域)の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312、振分回転体321、後側導光板252の文字領域252a、オブジェクト領域252b及び模様領域252cが発光している。そのため、演出パターン15よりも遊技者に期待感を与えることができる。
図71は、本発明の第1の実施の形態の演出パターン17を示す図である。
演出可動ユニット310及び振分可動ユニット320が演出空間201の中央部へと回動動作し、演出可動部材311が備える発光部312、振分回転体321、前側導光板251の発光領域251a、後側導光板252のオブジェクト領域252b及び模様領域252cが発光している。
放射状の発光領域251a及びオブジェクト領域252bが発光することで、演出可動ユニット310の支持アーム314、振分可動ユニット320の支持アーム322の視認が規制され目立たなくなるので、演出効果を底上げすることができる。
また、演出空間201の全域にわたって可動役物及び発光領域による演出が実行されるので、遊技者に最大限の期待感を与えることができる。
なお、演出パターン1から演出パターン17は例示的なものであって、本実施形態を限定するものではなく、以下に補足的に説明する事項は演出パターン1から演出パターン17の全てに付加又は適用可能である。
例えば、振分回転体321を入賞空間220から演出空間201に回動させる際に、回転態様を異ならせるようにしてもよいし、回転態様の他に発光態様を異ならせるようにしてもよい。
また、例えば、入賞空間220から演出空間201に回動させる態様は振分回転体321ではなく、遊技球の動作に影響を与えない演出部材であってもよい。
また、例えば、放射状の発光領域251aを発光させる場合には、第1表示器31や第2表示器34によって、非発光領域251bに対応する部分でエフェクト等の表示演出を行ってもよいし、発光領域251aに対応する部分をさらに強調する表示演出を行ってもよい。
また、例えば、放射状の発光領域251aが発光している場合には、分かりにくさ回避のために文字領域252aは発光させないが、放射状の発光領域251aのうち第2表示器34に重なる部分を非発光領域として設定して、文字領域252aを発光させてもよい。
また、例えば、後側導光板252の文字領域252aのうち「激アツ」部分を発光させる場合には、第2表示器34の枠から「激アツ」が外れない範囲において、第2表示器34を上下に遥動させてもよく、第2表示器34の動作に関連して文字領域252aを発光させてもよい。
また、例えば、第1表示器31によって、演出可動ユニット310、振分可動ユニット320の回動動作を画像として演出し、あたかも可動役物が動作したかのような錯覚を遊技者に与えるガセ演出を実行してもよい。
また、例えば、振分可動ユニット320の最大回動位置をより左方に設定して振分可動ユニット320が演出空間201の中央部を超えて演出可動ユニット310側へと回動し、その後、演出可動ユニット310が回動して振分可動ユニット320を押し戻すような演出を実行してもよい。
また、例えば、変動表示ゲームの進行に応じて発光させる発光領域の数(発光面積)を増加させてステップアップ予告のような発光演出を行ってもよい。なお、ステップアップ予告は、一の変動表示ゲームの実行中に行ってもよいし、先読み判定結果によって複数の変動表示ゲームにわたって行ってもよい。
このように、本発明の第1の実施の形態では、複数の可動役物と導光板ユニット250による発光演出を組み合わせることで、多数の演出パターンを提供して遊技者に段階的な期待感を与えることができる。
また、導光板ユニット250による発光演出と可動役物による動作演出とが一体感をもたらすことで、幻想的な印象や新鮮さ、意外性のある演出を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を高めることができる。
次に、図72から図74を参照して入賞装置280に備える演出部材287の演出動作について説明する。
〔保留数コマンド受信処理〕
図72は、本発明の第1の実施の形態の保留数コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置150は、まず、保留数コマンドを受信したか否かを判定する(S7201)、保留数コマンドを受信していない場合には(S7201の結果が「N」)、S7205以降の処理を実行する。
保留数コマンドを受信している場合には(S7201の結果が「Y」)、演出制御装置150は、受信した保留数コマンドが特図1始動入賞によるコマンドであるか否かを判定する(S7202)。
特図1始動入賞によるコマンドである場合には(S7202の結果が「Y」)、演出制御装置150は、左側演出部材287の演出動作を実行する(S7203)。
特図1始動入賞によるコマンドではない場合には(S7202の結果が「N」)、演出制御装置150は、右側演出部材287の演出動作を実行する(S7204)。
本実施形態では、例えば、特図1始動入賞口23への入賞では左側演出部材287の演出動作を実行し、特図2始動入賞口24への入賞では右側演出部材287の演出動作を実行する。
次に、演出制御装置150は、オーバーフローコマンドを受信したか否かを判定する(S7205)。オーバーフローコマンドを受信していない場合には(S7205の結果が「N」)、S7209以降の処理を実行する。
オーバーフローコマンドを受信した場合には(S7205の結果が「Y」)、演出制御装置150は、次に、受信したコマンドが特図1始動口オーバーフローによるものであるか否かを判定する(S7206)。
特図1始動口オーバーフローによるコマンドである場合には(S7206の結果が「Y」)、演出制御装置150は、左側演出部材287の演出動作を実行し(S7207)、本処理を終了する。
特図1始動口オーバーフローによるコマンドではない場合には(S7206の結果が「N」)、演出制御装置150は、右側演出部材287の演出動作を実行し(S7208)、S7209以降の処理を実行する。
なお、始動口への入賞とは無関係に、演出部材287を変動表示ゲームの実行に関連して動作させるようにしてもよい。また、オーバーフローせずに始動記憶が増加した場合にのみ演出部材287を動作させてもよいし、始動記憶の先読み結果に応じて演出部材287を動作させてもよい。
次に、演出制御装置150は、遊技制御装置100から送信されてくる事前判定コマンドに基づき、第1表示器31のメイン表示画面32に表示される保留表示画像(第1始動記憶や第2始動記憶の記憶数を示す画像)を通常とは異なる表示態様に変化させる先読み保留予告を実行するための先読み保留予告処理を実行し(S7208)、本処理を終了する。
〔左打ち流路〕
図73は、本発明の第1の実施の形態の左打ちにより遊技球が流下する経路を示した遊技盤20の下部の正面図である。
遊技盤20の下部には、例えば、入賞装置280、一般入賞口26、下変動入賞装置(アタッカ)27、誘導部90、一対の命釘91、跳ね釘92、複数の道釘93が配設される。
入賞装置280には、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24が設けられ、特図2始動入賞口24の左右の少し離れた位置に演出部材287を収容する一対の突出部283が配設される。
本実施形態に示す遊技機では一般に、通常遊技状態において左打ちされる。左打ちでは、普図始動ゲート25に遊技球を通過させることができないため、可動部材24aは開放されない。
センターフレームユニット210の左側を流下してきた遊技球の一部は、一列に植設される道釘93と道釘93の間(W1)から下方へ流下し、一般入賞口26が配設される領域、あるいは、左側の誘導棚部284上を転動する経路を流下する。
また、遊技球の一部は、道釘93と跳ね釘92の間(W2)から下方へと流下する。また、遊技球の一部は、跳ね釘92に当接して右上方へと跳ねあがり、一対の命釘91の間(W3)を流下して特図1始動入賞口23に入賞する。
特図1始動入賞口23に遊技球が入賞すると、モータ291(図21参照)が駆動し、左側の演出部材287が動作する。左側の演出部材287の動作にあたっては、入賞が発生する度に動作させてもよいし、左側の演出部材287に動作期間と非動作期間を設けて、特図1始動入賞口23への遊技球の入賞に基づく動作期間の終了後の一定期間を非動作期間に設定してもよい。なお、一度動作期間が発生するとその後の非動作期間が終了するまでに特図1始動入賞口23に遊技球が入賞したとしても新たな動作期間は発生しない。
〔右打ち流路〕
図74は、本発明の第1の実施の形態の右打ちにより遊技球が流下する経路を示した遊技盤20の下部の正面図である。
本実施形態に示す遊技機では一般に、特定遊技状態及び特別遊技状態では右打ちされる。右打ちでは、普図始動ゲート25に遊技球を通過させることができるため、普図始動ゲート25への遊技球の通過に基づいて可動部材24aが開放される。
左打ちによって流下する遊技球は、道釘93の上を流下して特図1始動入賞口23に入賞可能であるが、右打ちによって流下する遊技球は特図1始動入賞口23よりも下流側に到達するため特図1始動入賞口23に入賞しない若しくは入賞する可能性が極めて低い。
誘導部90は、遊技盤20からガラス枠5側(前方)へと突出しており、遊技球を下変動入賞装置(アタッカ)27の方へと誘導可能である。下変動入賞装置(アタッカ)27も遊技盤20からガラス枠5側(前方)へと突出しており、特別遊技状態中には下変動入賞装置(アタッカ)27の上面を形成する開閉板(図示省略)が下大入賞口27bを塞ぐ突出状態(閉状態)から後退して下大入賞口27bを開放する退避状態(閉状態)となることで、遊技球が下大入賞口27bに入賞可能となる。
次に、遊技領域22上のW4からW7について説明する。誘導部90と下変動入賞装置(アタッカ)27との間であるW4、下変動入賞装置(アタッカ)27と右側突出部283との間であるW5は、球径よりも広いので、遊技球が下方へと流下可能である。
また、右側突出部283と一般入賞口(他穴)26との間であるW6、開放した状態での可動部材24aと右側突出部283との間であるW7も、球径よりも広いので、遊技球が下方へと流下可能である。
なお、図74では、左右の誘導棚部284の高さを同一に表しているが、左右の高さを異ならせてもよい。
特図2始動入賞口24に遊技球が入賞すると、モータ291(図21参照)が駆動し、右側の演出部材287が動作する。右側の演出部材287の動作にあたっては、入賞が発生する度に動作させてもよいし、右側の演出部材287に動作期間と非動作期間を設けて、特図2始動入賞口24への遊技球の入賞に基づく動作期間の終了後の一定期間を非動作期間に設定してもよい。なお、一度動作期間が発生するとその後の非動作期間が終了するまでに特図2始動入賞口24に遊技球が入賞したとしても新たな動作期間は発生しない。
また、左右の演出部材287を一方の始動入賞口への入賞により動作させてもよい。また、左側の演出部材287を所定個数(例えば4個)の遊技球が特図1始動入賞口23に入賞する毎に動作させるようにしてもよいし、右側の演出部材287を所定個数(例えば4個)の遊技球が特図2始動入賞口24に入賞する毎に動作させるようにしてもよい。また、左側の演出部材287を動作させる入賞個数と右側の演出部材287を動作させる入賞個数を異ならせてもよい。
また、左側の演出部材287を遊技球が特図1始動入賞口23に入賞する毎に動作させる一方で、右側の演出部材287を所定個数(例えば4個)の遊技球が特図2始動入賞口24に入賞する毎に動作させるようにしてもよい。また、左側の演出部材287を所定個数(例えば4個)の遊技球が特図1始動入賞口23に入賞する毎に動作させる一方で、右側の演出部材287を遊技球が特図2始動入賞口24に入賞する毎に動作させるようにしてもよい。
また、遊技盤左方に位置する一般入賞口26(3つのうちの特定の一般入賞口26又は3つの一般入賞口の何れか)に遊技球が入賞した場合に、左側の演出部材287を動作させ、遊技盤右方に位置する一般入賞口(他穴)26に遊技球が入賞した場合に、右側の演出部材287を動作させてもよい。
(第1の実施の形態の効果)
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、遊技球の入球先(進路、進行方向)を振り分ける(流下方向に変化を与える)振分回転体321(振分部材)を変動表示ゲーム中に演出空間201の中央へと回動させて演出に利用する。そのため、製造コストを抑制しつつ遊技の興趣を高めることができる。また、振分回転体321と形状的に合体可能な部分を有する演出可動部材311も演出空間201の中央へと回動させることで、振分回転体321と演出可動部材311の合体演出が可能となる。そのため、さらに遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、サブ表示ユニット340を上下に昇降させるだけでなく、前後にも移動可能であるため、第2表示器34の前後動によって、遊技の興趣を高めることができる。特に、第2表示器34を前方へ移動させるに従い第2表示器34に表示する画像を拡大するので、第2表示器34が前方へ移動していることを強調することができ、遊技の興趣を高めることができる。また、サブ表示ユニット340の復帰態様によっても実行中の変動表示ゲームが特別結果態様となる信頼度を直接的又は間接的に示唆することができるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、導光板ユニット250を所定のタイミングで発光させることで、その後方に位置する可動役物(演出可動ユニット310、振分可動ユニット320)の支持アーム等、演出部分以外の部分の視認を規制することができる。そのため、遊技の興趣を底上げすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、可動役物(演出可動ユニット310、振分可動ユニット320)の動作と連動させて導光板ユニット250の発光領域のうち任意の発光領域を発光させることで、幻想的な演出や斬新な演出やインパクトのある演出(興趣に富んだ演出)を提供することができる。また、可動役物の動作態様、発光態様及び導光板ユニット250の発光態様に複数のパターンを用意し、これらを組み合わせた演出パターンの違いによって遊技者に多様な期待感(印象)を与えることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、遊技者の視線を集める頻度の高い(遊技者が注視する)始動入賞口付近に演出動作を実行する演出部材287を配置する。演出部材287は、入賞口への遊技球の入賞に連動して動作演出を実行するので、遊技の興趣を高めることができる。また、演出部材287が動作演出を実行することで、入賞口に遊技球が入賞したことを遊技者に報知(知らしめる)ことができる。特に、遊技者の視線から離れている一般入賞口26への遊技球の入賞により演出部材287に動作演出を実行させる場合には、その効果が顕著となる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、特定のタイミングで入賞空間220を動画撮影し、所定条件をみたす場合には撮影した動画を保存する。そのため、V入賞が発生した様子をプレイバック(再生表示)することができ、V入賞を達成した遊技者に付加的な特典を与えることができる。また、保存した動画をキャプチャ(スクリーンショット)した静止画像をデコレーション加工等することができる。そのため、例えば、「連続10回V入賞達成!」などの文字とともに記念として静止画像を遊技者の手元に残すことができ、また、遊技場に展示することも可能となる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、磁気センサ29aで磁気を感知(検出)したときや振動センサ29cで振動を感知(検出)したときの入賞空間220内の様子を再生表示することができる。そのため、V入賞の発生が不正行為に基づくものであったのか、どのような不正行為に基づくものであったのかを詳細に確認することができる。
〔入賞装置の変形例〕
次に、図75Aから図80を参照して入賞装置280の変形例を説明する。
〔入賞装置の変形例1〕
図75Aは、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例1の特図1始動入賞口23の入賞による右側演出部材287の動作を示す入賞装置280の簡略図である。また、図75Bは、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例1の特図2始動入賞口24の入賞による左側演出部材287の動作を示す入賞装置280の簡略図である。
ここまで説明してきた形態では、演出部材287は、モータ291によって駆動力が供給されていた。これに対して、本発明の第1の実施の形態の演出部材の変形例1では、演出部材287は、遊技球がリンクアーム部材295の一端を押し下げることによって駆動力が供給される。
リンクアーム部材295は、遊技球が当接する球受部296、軸受部(軸着部)297、演出部材287に当接する押圧部298を備える。左右のリンクアーム部材295は、同構成である。
図75Aに示すように、特図1始動入賞口23に入賞した遊技球は、入賞球流路23eを流下し、集合流路303aへと流下する。ここで、右側のリンクアーム部材295の球受部296が入賞球流路23eの出口に位置するため、入賞球流路23eから集合流路303aへと流下する遊技球は、球受部296を押し下げる。右側のリンクアーム部材295は、球受部296が押し下げられることにより、軸受部(軸着部)297を支点として押圧部298が押し上げられ、押圧部298に当接する右側演出部材287を上方へと持ち上げる。その後、右側演出部材287は、自重により支持軸部294上に復帰する。
なお、入賞球流路23e、24e、リンクアーム部材295、集合流路303aは、ベース部材281の裏面側に設けられる。
遊技球が特図2始動入賞口24に入賞した場合には、図75Bに示すように、左側の演出部材287が上方へと持ち上げられる。
なお、一対の可動部材24aのうち、右側の可動部材24aだけを開放するようにすることで、左側から流下する遊技球は特図2始動入賞口24に入賞できないようにしてもよい。
また、リンクアーム部材295を一般入賞口26から一般入賞集合流路(図示省略)の間に設け、一般入賞口26への入賞により演出部材287を動作させてもよい。
(入賞装置の変形例1の効果)
以上のように、入賞装置の変形例1によれば、モータ291を用いずに遊技球の運動エネルギーを用いて演出部材287を動作させるので、電気的な制御が不要となる。また、構造が簡素になり、製造コストを抑制することができる。
また、入賞後すぐに、演出部材287が動作するので、遊技者に入賞と演出部材287の動作関係を直感的に把握させることができる。また、リンクアーム部材295の押し上げによって演出部材287がコミカルに上下するので、遊技者に温かみのある演出を提供することができる。
〔入賞装置の変形例2〕
図76Aは、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例2の特図2始動入賞口24が開放されていない状態の入賞装置280の簡略図である。また、図76Bは、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例2の特図2始動入賞口24が開放されている状態の入賞装置280の簡略図である。
ここまで説明してきた形態では、特図2始動入賞口24は、可動部材24aが拡開されることで入賞可能であった。これに対して、本発明の第1の実施の形態の演出部材の変形例2では、特図2始動入賞口24は、可動扉部材24fが前方へと開放されることで入賞可能となる。
本変形例では、特図2始動入賞口24が開放されている状態において、特図2始動入賞口24と誘導棚部284との間の間隔が、遊技球1個分に満たない間隔となるように、一対の突出部283が形成される。
そのため、図76Bに示すように、可動扉部材24fが開放している状態において、誘導棚部284から特図2始動入賞口24へと流下する遊技球は全て特図2始動入賞口24に入賞することができる。
一方、図76Aに示すように、可動扉部材24fが閉止している状態において、誘導棚部284から流下する遊技球は、可動扉部材24fの前面を通過してアウト口39へと流下する。
なお、左右の誘導棚部284の高さを異ならせてもよく、また左右の誘導棚部284の傾斜を異ならせてもよい。
(入賞装置の変形例2の効果)
以上のように、入賞装置の変形例2によれば、誘導棚部284と特図2始動入賞口24との間隔は遊技球1個分に満たないため、普電装置として設ける部材は、逆「ハ」の字に拡開する一対の可動部材24aに換えて、前後に開閉する可動扉部材24fを設けることができる。
また、左右の誘導棚部284の高さや傾きを異ならせて形成することで、遊技者に与える、左打ちによる特図2始動入賞口24への入賞に要する時間感覚と、右打ちによる特図2始動入賞口24への入賞に要する時間感覚が異なるものとなり、遊技の興趣を高めることができる。
〔入賞装置の変形例3〕
図77は、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例3の一対の突出部283の間に下変動入賞装置(アタッカ)27が配設され、誘導部90とアタッカ27の略中間部に特図2始動入賞口24が配設される入賞装置280の簡略図である。
ここまで説明してきた形態では、演出部材287は2個設けられていた。これに対して、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例3では、演出部材287が3個設けられる。
本変形例では、図77に示すように、一対の突出部283の間にアタッカ27が配設され、アタッカ27と誘導部90の略中間部に普電装置の可動部材24aが配設される。突出部283と下変動入賞装置(アタッカ)27との間の間隔は遊技球1個分に満たない。
また、可動部材24aの直上には、可動部材24aが閉状態である場合に特図2始動入賞口24に遊技球が入賞できないように、3個目の突出部283が形成される。可動部材24a及び可動部材24a直上の突出部283は、ベース部材281bの上に配設され、可動部材24a直上の突出部283の上部には誘導棚部284が形成され、突出部283の内部には演出部材287が収容される。そのため、遊技者にこれまでにない新規な印象を与えることができる。
遊技盤20の下部を図76に示す配設形態とすることで、各演出部材287は、各入賞口(特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、一般入賞口26、下大入賞口27b)の入賞と対応付けられて動作するようにすることができる。そのため、各入賞口に入賞する度に、対応付けられた演出部材287が動作するため、遊技の興趣を高めることができる。
また、各演出部材287が、例えば、一の変動表示ゲーム中や複数の変動表示ゲームに亘って順に連動して予告動作(変動表示ゲームの開始時の各種乱数値の判定結果に基づく変動中予告、始動入賞口への遊技球の入賞時の各種乱数値の事前判定に基づく先読み予告)することで、変動表示ゲームが特別結果態様となる期待度が高いことを報知するようにしてもよい。また、特定遊技状態中は、特定の演出部材287が断続的又は連続的に動作してもよい。
(入賞装置の変形例3の効果)
以上のように、入賞装置の変形例3によれば、特図2始動入賞口24の直上に演出部材287を収容する突出部283を設けることで、突出部283が特図2始動入賞口24への遊技球の流下を規制し、新規な印象を遊技者に与えることができる。
また、3個設けられる演出部材287が、いずれかの始動口の入賞に対応付けられて動作するので、演出部材287が2個設けられる場合よりも、より演出効果が向上して遊技の興趣を高めることができる。
〔入賞装置の変形例4〕
図78は、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例4の特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、下大入賞口27bが一体的に配設される入賞装置280の簡略図である。
ここまで説明してきた形態では、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、下大入賞口27bは一体的に配設されていなかった。これに対して、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例4では、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、下大入賞口27bが一体的に配設される。
本変形例では、図78に示すように、特図1始動入賞口23の真下に、可動扉部材24fを備える特図2始動入賞口24が配設され、特図2始動入賞口24の真下に下変動入賞装置(アタッカ)27が配設される。そのため、遊技者の視線、意識が入賞装置280に集まる頻度が高まり、演出部材287の動作が遊技者に視認される頻度も高まる。
なお、誘導棚部284の高さは、下変動入賞装置(アタッカ)27だけでなく、特図2始動入賞口24にも誘導可能な高さであってもよい。
また、各演出部材287は、入賞口に対応させて動作させてもよいし、入賞とは無関係に、例えば、変動表示ゲームの進行に応じて動作させてもよい。
(入賞装置の変形例4の効果)
以上のように、入賞装置の変形例4によれば、特図1始動入賞口23、特図2始動入賞口24、下大入賞口27bを有する下変動入賞装置(アタッカ)27が一体的に配設される。そのため、遊技者の視線、意識が入賞装置280に集まる頻度が高まり、演出部材287の動作が遊技者に視認される頻度も高まるため、遊技の興趣を高めることができる。
〔入賞装置の変形例5〕
図79は、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例5の入賞装置280を正面上方から見た斜視図である。また、図80は、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例5の突出部283を遊技者の視点からみた突出部283の断面斜視図である。
ここまで説明してきた形態では、誘導棚部284は不透明の部材で形成されていた。これに対して、本発明の第1の実施の形態の入賞装置の変形例5では、突出部283の前壁、底壁、側壁を構成する囲繞壁部285を不透明の部材で形成する一方、突出部283の上壁を構成する誘導棚部284を透明素材で形成して透明窓部とすることで、遊技者の視点となる斜め上方から突出部283内に収容される演出部材287の全体を視認できるようにする。
本変形例では、誘導棚部284を透明部材で形成して透明窓部とするので、図80に示すように、遊技者は、突出部283内の演出部材287を斜め下に視線を向けるだけで視認することができる。特に、特別遊技状態中は下大入賞口27bに、特定遊技状態中は特図2始動入賞口24に、遊技者の視線が集まりやすくなるので、入賞と連動して動作する演出部材287の動作も視認される頻度が高まり、遊技の興趣を高めることができる。
また、演出部材287が後方突出部288から前方へと飛び出すように動作する場合には、演出部材287が飛び出す瞬間から視認することができるので、遊技の興趣を高めることができる。
〔入賞装置の変形例5の効果〕
以上のように、入賞装置の変形例5によれば、誘導棚部284が透明な部材で形成されるので、遊技者は、演出部材287の全体を視認することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
〔その他の演出例〕
次に、図81及び図82を参照して、その他の演出例を説明する。
〔その他の演出例1〕
図81は、本発明の第1の実施の形態のその他の演出例1の振分可動ユニット320の回動動作と変動表示ゲームの図柄変動に連動性を与えた演出例を示す画面遷移図である。
(A)は、振分可動ユニット320が入賞空間220に臨む(入賞空間の奥部を区画する)初期位置で待機しており、左飾り特別図柄61及び右飾り特別図柄62が仮停止している状態を示す。
(B)は、中飾り特別図柄63が変動を継続しており、振分可動ユニット320が反時計回り(左方向)に回動動作し、演出空間201の中央部やや右寄りの位置(動作位置、演出領域)に移動している状態を示す。
(C)は、振分回転体321の回転が高速での回転となり、振分回転体321の高速回転に連動して、仮停止していた右飾り特別図柄62が再変動(スベリ変動)を開始した状態を示す。なお、振分可動ユニット320は、再変動させる図柄の近傍で回動を停止し、振分回転体321が飾り特別図柄を再変動させるような演出としてもよい。
(D)は、振分可動ユニット320が入賞空間220に臨む(入賞空間の奥部を区画する)初期位置(待機位置、待機領域)へと戻り、右特別図柄62が再度仮停止して、再変動前よりも変動表示ゲームが特別結果態様となる期待度が向上している状態(リーチが発生した状態)を示す。振分回転体321は、高速回転状態から回転速度を落として時計回りに回転している。
なお、再変動(スベリ変動)によって、2度目に仮停止する飾り特別図柄は、再変動前と同一の飾り特別図柄であってもよい。
また、振分可動ユニット320が中飾り特別図柄63の近くまで回動し、中飾り特別図柄63が再変動する態様であってもよい。
このように、振分可動ユニット320の回動動作、振分回転体321の高速回転と連動して、特別図柄を再変動させることで、遊技の興趣を高めることができる。
(その他演出例1の効果)
以上のように、その他演出例1によれば、仮停止した飾り特別図柄の近くまで振分可動ユニット320が回動動作し、さらに振分回転体321の回転速度が高速になるとともに、仮停止している飾り特別図柄が再変動(スベリ変動)を開始する。そのため、普段の演出態様とは異なる演出が実行されることで、遊技者に期待感を与えることができる。
〔その他の演出例2〕
図82は、本発明の第1の実施の形態のその他の演出例2の振分可動ユニット320の回動動作と擬似連続変動中の図柄変動に連動性を与えた演出例を示す画面遷移図である。
(A)は、振分可動ユニット320が入賞空間220に臨む(入賞空間の奥部を区画する)初期位置で待機しており、左飾り特別図柄61、中飾り特別図柄63及び右飾り特別図柄62が仮停止している状態を示す。ここでの変動表示ゲームは、複数回の(飾り)変動表示ゲームを擬似するいわゆる擬似連変動パターンを実行中である。
(B)は、振分可動ユニット320が入賞空間220に臨む(入賞空間の奥部を区画する)初期位置から演出空間201の中央部に回動動作をしている状態を示す。
(C)は、振分回転体321の回転が高速となり、振分回転体321の高速回転に連動して、仮停止していた全ての飾り特別図柄が再変動を開始した状態を示す。
(D)は、振分可動ユニット320が入賞空間220に臨む(入賞空間の奥部を区画する)初期位置へと戻り、全ての飾り特別図柄が再変動を継続している状態を示す。
(A)から(D)を1回の擬似連実行動作とし、実行する擬似連の回数に応じて(A)から(D)の演出を繰り返す。
なお、擬似連の実行回数に応じて、振分回転体321の発光色を変化させるようにしてもよい。
(その他の演出例2の効果)
以上のように、その他の演出例2によれば、演出空間201の中央部へと振分可動ユニット320が回動動作し、さらに振分回転体321の回転速度が高速になるとともに、仮停止している全ての飾り特別図柄が再変動を開始する。そのため、遊技者に期待感を与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、大当り状態(第1特別遊技状態)の終了後に通常遊技状態よりも変動表示ゲームが特別結果態様(第1特別結果態様)となり易い(大当り状態が発生し易い)確変状態(確率変動状態)を発生させていないが、大当り状態の終了後に通常遊技状態(低確率状態)、時短状態(低確率状態+普電サポート状態)又は確変状態(高確率状態+普電サポート状態)を発生させるようにしてもよく、また、大当り状態中の特定(一又は複数)のラウンドにおいて上変動入賞装置28を開放するようにし、該上変動入賞装置28に入賞した遊技球が特定領域225を通過した場合に確変状態を発生させ、通過しなかった場合に通常遊技状態や時短状態を発生させるようにしてもよい。また、確変状態(確率変動状態)は、次回の大当り状態(第1特別遊技状態)が発生するまで継続するものとしてもよいし、所定回数(例えば100回)の変動表示ゲームが実行された場合に終了するものとしてもよいし、所定の転落抽選に当選した場合に終了するものとしてもよい。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。