JP2015014342A - 車両の動力伝達装置 - Google Patents

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崇仁 大塚
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Abstract

【課題】部品点数の増加を抑制しつつも、全体としてエネルギー効率を向上することができる車両の動力伝達装置を提供する。
【解決手段】車両の動力伝達装置100は、入力軸に設けられ、エンジン102から車輪140への動力伝達を可能とする締結状態もしくはエンジンから車輪への動力伝達を遮断する開放状態に切り換わる入力クラッチ114と、入力クラッチよりもエンジン側に設けられ、エンジンの駆動力によって作動する第1油圧ポンプP1と、無段変速機118よりも車輪側に設けられ、車輪の回転に伴って作動するとともに、第1油圧ポンプよりも小容量の第2油圧ポンプP2と、を備える。第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプから吐出される作動油を無段変速機に供給し、プライマリプーリ126およびセカンダリプーリ128それぞれにおける一対のシーブ126a、126b、128a、128bの対向面間の離間距離を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無段変速機を備えた車両の動力伝達装置に関する。
車両には、エンジンの動力を車両に伝達する動力伝達経路を構成する動力伝達装置が設けられている。動力伝達装置には、動力伝達経路を接続もしくは遮断するクラッチや、変速比を切り換えるCVT等の変速装置が設けられている。こうしたクラッチやCVTは、油圧作動装置を備えており、油圧作動装置に供給される作動油によって、動力伝達経路を接続もしくは遮断したり変速したりする。したがって、動力伝達装置には、油圧作動装置に作動油を供給する油圧供給システムが設けられる。
油圧作動装置に作動油を供給する油圧供給システムは、例えば、特許文献1に示されるように、エンジンの動力で作動する機械式油圧ポンプを備えている場合や、機械式油圧ポンプに代えて、もしくは、機械式油圧ポンプと併設して、電動油圧ポンプを備えている場合がある。近年では、省エネルギー化を図るべく、例えば、コースト走行中にもエンジンを停止させるアイドリングストップ機能を搭載した車両が普及しているが、こうした車両においては、エンジンの停止中にも必要な供給圧を維持できるように、電動油圧ポンプが採用される。
特開2010−174927号公報
しかしながら、電動油圧ポンプを搭載する場合には、同時に高電圧バッテリ、インバータ、さらには周辺機器が必要となり、部品点数の増加に伴って、車両重量やコストが上昇するばかりか、各種装置のレイアウトの設計自由度が低下してしまう。そのため、例えば、既存の車両において、機械式油圧ポンプに代えて電動油圧ポンプを採用するのは現実的ではない。また、機械式油圧ポンプは、例えば、コースト走行中等、各油圧作動装置で必要とされる要求圧力が低い場合において、必要以上の油圧が確保されてメカロスが大きくなってしまう。
そこで、本発明は、部品点数の増加を抑制しつつも、全体としてエネルギー効率を向上することができる車両の動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両の動力伝達装置は、エンジンに接続される入力軸側に、対向間隔を可変とする一対のシーブを有するプライマリプーリが設けられ、車輪に接続される出力軸側に、対向間隔を可変とする一対のシーブを有するセカンダリプーリが設けられ、該プライマリプーリと該セカンダリプーリとの間にベルトが張架された無段変速機を備えた車両の動力伝達装置であって、前記入力軸に設けられ、前記エンジンから前記車輪への動力伝達を可能とする締結状態もしくは該エンジンから該車輪への動力伝達を遮断する開放状態に切り換わる入力クラッチと、前記入力クラッチよりも前記エンジン側に設けられ、該エンジンの駆動力によって作動する第1油圧ポンプと、前記無段変速機よりも前記車輪側に設けられ、該車輪の回転に伴って作動するとともに、前記第1油圧ポンプよりも小容量の第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプから吐出される作動油を前記無段変速機に供給し、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリそれぞれにおける前記一対のシーブの対向面間の離間距離を制御する油圧供給部と、を備えたことを特徴とする。
また、前記入力軸には、前記入力クラッチを境にして前記エンジン側と逆側にモータが接続されているとよい。
また、車両がコースト走行状態になると、前記入力クラッチを開放するとともに、前記エンジンの駆動を停止もしくは該エンジンの出力を低下させる制御部を備えるとよい。
また、前記第2油圧ポンプと前記車輪との間には、該車輪から前記無段変速機に入力されるトルクをカットする出力クラッチが設けられているとよい。
本発明によれば、部品点数の増加を抑制しつつも、全体としてエネルギー効率を向上することができる。
自動車の動力伝達装置の構成を示す図である。 油圧供給システムの構成を示すブロック図である。 第1油圧ポンプおよび第2油圧ポンプの作動状況を示すタイムチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、自動車の動力伝達装置100の構成を示す図である。図1に示すように、自動車は、動力伝達装置100を備えており、この動力伝達装置100によって、駆動源としてのエンジン102およびモータ104の動力を伝達する。
エンジン102は、内部を貫通するようにクランクシャフト102aが配置され、燃焼室における爆発圧力でピストンを往復動させてクランクシャフト102aを回転させる。クランクシャフト102aは、一端側にギヤ102bおよびプーリ102cが固定される。
自動車は、エンジン102の近傍に、ISG(Integrated Starter Generator)モータ106およびコンプレッサ108が設けられる。ISGモータ106は、エンジン102を始動するスタータとして機能し、また、エンジン102の駆動により発電するオルタネータとしても機能する。ISGモータ106は、内部から突設された回転軸106aにギヤ106bが固定され、ギヤ106bがギヤ102bと噛み合わされていることにより、回転軸106aとクランクシャフト102aとが動力伝達する。
ISGモータ106は、スタータとして機能する場合、バッテリ(図示せず)から供給される電力により回転駆動し、その駆動力が回転軸106a、ギヤ106bおよびギヤ102bを介してクランクシャフト102aに伝達されてエンジン102を始動させる。また、ISGモータ106は、オルタネータとして機能する場合、エンジン102の駆動力がクランクシャフト102a、ギヤ102bおよびギヤ106bを介して回転軸106aに伝達されて発電する。ISGモータ106は、発電することにより得られた電力でバッテリを充電する。
コンプレッサ108は、自動車に搭載されるエアコンディショナー装置(図示せず)の一部を形成し、冷媒を圧縮する。コンプレッサ108は、内部から突設された回転軸108aにプーリ108bが設けられ、プーリ108bおよびプーリ102cにベルト108cが張架されていることで、回転軸108aとクランクシャフト102aとが動力伝達する。コンプレッサ108は、電磁スイッチ108dのオンオフ制御に応じて、作動および停止する。
モータ104は、例えば、U相、V相、W相を有する3相のブラシレスDCモータでなり、回転軸104aが回転子104bに固定される。モータ104は、バッテリ(図示せず)に接続され、当該バッテリから供給される電力により回転駆動し、また、回転軸104aが回転されることで電力を生成し、生成した電力でバッテリを充電する。
エンジン102のクランクシャフト102aと、モータ104の回転軸104aとの間には、エンジン102側から、トルクコンバータ110、入力クラッチ114、無段変速機118が設けられる。
トルクコンバータ110は、クランクシャフト102aの他端に接続されたフロントカバー110aと、このフロントカバー110aに固定されたポンプインペラ110bと、を備えている。また、トルクコンバータ110は、フロントカバー110a内において、ポンプインペラ110bにタービンランナ110cが対向配置されており、このタービンランナ110cにタービンシャフト110dを接続している。さらに、トルクコンバータ110は、ポンプインペラ110bおよびタービンランナ110cの間の内周側にステータ110eが配置され、内部に作動流体が封入されている。なお、ステータ110eは、トルクコンバータ110、入力クラッチ114、無段変速機118等を収容する変速機ケース(ハウジング)120に固定されている。
ポンプインペラ110bおよびタービンランナ110cは、多数のブレードが設けられており、ポンプインペラ110bが回転することで作動流体が外周側に送出され、作動流体をタービンランナ110cに送ることでタービンランナ110cを回転させる。これにより、クランクシャフト102aからタービンランナ110cに動力が伝達される。
ステータ110eは、タービンランナ110cから送り出された作動流体の流動方向を変化させてポンプインペラ110bに還流させ、ポンプインペラ110bの回転を促進させる。そのため、トルクコンバータ110は伝達トルクを増幅することができる。
また、トルクコンバータ110は、タービンシャフト110dに固定されたクラッチプレート110fがフロントカバー110aの内面に対向配置される。クラッチプレート110fは、油圧によりフロントカバー110aに押し付けられることにより、クランクシャフト102aからタービンシャフト110dに動力が伝達される。また、油圧を制御することでクラッチプレート110fがフロントカバー110aに滑りながら当接することにより、クランクシャフト102aからタービンシャフト110dへ伝達される動力を調整することができる。
入力クラッチ114は、タービンシャフト110dに固定された固定ケース114aと、回転軸104aに固定された移動部材114bとが対向配置されており、後述する第1油圧ポンプP1または第2油圧ポンプP2から供給される作動油の油圧により、移動部材114bが固定ケース114aに向けて移動する。
入力クラッチ114は、固定ケース114aと移動部材114bとが離間した開放状態において、タービンシャフト110dと回転軸104aとの間の動力の伝達を遮断し、油圧により固定ケース114aに移動部材114bが押し付けられた連結状態において、タービンシャフト110dと回転軸104aとの間で動力が伝達される。なお、入力クラッチ114は、第1油圧ポンプP1または第2油圧ポンプP2から供給される作動油の油圧によって、タービンシャフト110dと回転軸104aとの間で伝達される動力を調整できる。
無段変速機118は、プライマリプーリ126、セカンダリプーリ128、ベルト130を含む構成とされる。プライマリプーリ126は、モータ104の回転軸104aに設けられ、セカンダリプーリ128は、回転軸104aに対して平行に配置された平行軸132に設けられる。ベルト130は、リンクプレートをピンで連結したチェーンベルトで構成され、プライマリプーリ126とセカンダリプーリ128との間に張架され、プライマリプーリ126とセカンダリプーリ128との間で動力を伝達する。ここでは、ベルト130がチェーンベルトで構成される場合について説明したが、ベルト130は、例えば、2つのリングで複数のコマ(エレメント)を挟持して構成される金属ベルトで構成されてもよい。
プライマリプーリ126は、一対のシーブ126a、126bで構成される。一対のシーブ126a、126bは、互いに回転軸104aの軸方向に対向して設けられる。また、一対のシーブ126a、126b双方の対向面が、略円錐形状のコーン面126cとなっており、このコーン面126cによってベルト130が張架される溝が形成される。
同様に、セカンダリプーリ128は、一対のシーブ128a、128bで構成される。一対のシーブ128a、128bは、互いに平行軸132の軸方向に対向して設けられる。また、一対のシーブ128a、128b双方の対向面が、略円錐形状のコーン面128cとなっており、このコーン面128cによってベルト130が張架される溝が形成される。
そして、プライマリプーリ126のシーブ126bは、第1油圧ポンプP1または第2油圧ポンプP2から供給される作動油の油圧により、回転軸104aの軸方向の位置が可変に構成されている。また、セカンダリプーリ128のシーブ128aは、第1油圧ポンプP1または第2油圧ポンプP2から供給される油圧により、平行軸132の軸方向の位置が可変に構成されている。
このように、プライマリプーリ126、セカンダリプーリ128は、一対のシーブ126a、126b、一対のシーブ128a、128bそれぞれの対向間隔が可変である。そして、ベルト130が張架される溝は、一対のシーブ126a、126b、および、一対のシーブ128a、128bの径方向内方が狭く、径方向外方が広くなっている。そのため、コーン面126c、128cの対向間隔が変わり、ベルト130が張架される溝幅が変更されると、ベルト130の張架される位置が変わる。
プライマリプーリ126を例に挙げると、コーン面126cの対向間隔が広くなり、ベルト130が張架される溝の幅が広くなると、コーン面126cのうち、ベルト130の張架される位置が内径側となり、ベルト130の巻き付け径が小さくなる。一方、コーン面126cの対向間隔が狭くなり、ベルト130が張架される溝の幅が狭くなると、コーン面126cのうち、ベルト130の張架される位置が外径側となり、巻き付け径が大きくなる。こうして、無段変速機118は、回転軸104aと平行軸132との間の伝達動力を無段変速する。
平行軸132は、ギヤ機構134を介して出力軸136に接続される。出力軸136は、第1出力軸136aと第2出力軸136bとを備えており、ギヤ機構134は、平行軸132と第2出力軸136bとを連結し、両者を一体回転させる。第1出力軸136aと第2出力軸136bとは、出力クラッチ138を介して接続されている。出力クラッチ138は、第2出力軸136bに固定された固定ケース138aと、第1出力軸136aに設けられた移動部材138bと、を備えている。固定ケース138aと移動部材138bとは対向配置され、第1油圧ポンプP1や第2油圧ポンプP2から供給される作動油の油圧により、移動部材138bが固定ケース138aに向けて移動する。
出力クラッチ138は、固定ケース138aと移動部材138bとが離間した開放状態において、第1出力軸136aと第2出力軸136bとの間の動力の伝達を遮断し、油圧により固定ケース138aに移動部材138bが押し付けられた連結状態において、第1出力軸136aと第2出力軸136bの間で動力が伝達され、その動力が第2出力軸136bに接続された車輪140に出力される。なお、出力クラッチ138は、作動油の油圧に応じて平行軸132と第2出力軸136bとの間で伝達されるトルク容量が調整可能である。
出力クラッチ138は、無段変速機118のトルク容量よりも小さいトルク容量に設定されており、無段変速機118からのトルクを車輪140に伝達する。一方で、出力クラッチ138は、車輪140から自己のトルク容量より大きなトルク(外乱)が入力された場合には、固定ケース138aに対して移動部材138bが滑ってトルクの伝達がトルク容量以下に制限され、無段変速機118のトルク容量よりも大きなトルクを無段変速機118に伝達することがない。すなわち、出力クラッチ138は、トルクヒューズとして機能する。
このような構成でなる自動車は、入力クラッチ114の接続状態を切り替えることにより、アイドリングストップを実現する。具体的には、ドライブ走行状態では、入力クラッチ114を連結状態とし、エンジン102の動力を無段変速機118で変速して車輪140に伝達する。一方で、コースト走行状態では、入力クラッチ114を開放状態にするとともに、エンジン102の駆動を停止する。このように、コースト走行状態でエンジン102の駆動を停止するとともに、モータ104を回転させて発電機として機能させることで、省エネルギー化を図ることができる。また、高トルクが要求される場合には、入力クラッチ114を連結状態とし、エンジン102およびモータ104の双方を駆動して走行するハイブリッド走行を行ったり、低トルク時に、入力クラッチ114を開放状態とし、モータ104のみを駆動して走行するモータ走行を行ったりすることもできる。
ここで、上記のように、入力クラッチ114、無段変速機118、出力クラッチ138は、いずれも油圧作動装置を備えており、油圧作動装置に作動油が供給されることで、変速比を調整したり、エンジン102の動力を車輪140に伝達する動力伝達経路を接続、遮断したりする。したがって、本実施形態の自動車は、入力クラッチ114、無段変速機118、出力クラッチ138の各油圧作動装置に作動油を供給する油圧供給システムS(油圧供給部)を備えている。
油圧供給システムSは、各油圧作動装置に作動油を供給するべく、第1油圧ポンプP1と第2油圧ポンプP2と、を備えている。第1油圧ポンプP1は、入力クラッチ114よりもエンジン102(本実施形態ではクランクシャフト102a)側に設けられ、エンジン102の駆動力によって作動する。また、第2油圧ポンプP2は、無段変速機118よりも車輪140(本実施形態では第1出力軸136a)側に設けられ、車輪140の回転に伴って作動する。なお、第1油圧ポンプP1は、6.0MPa程度の吐出圧を確保できる容量であり、第2油圧ポンプP2は、2.0MPa程度の吐出圧を確保できる容量である。したがって、第2油圧ポンプP2は、第1油圧ポンプP1よりも小容量のものが採用される。以下に、油圧供給システムSの構成および作用について詳述する。
図2は、油圧供給システムSの構成を示すブロック図である。第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2は、クランクシャフト102aおよび第1出力軸136aの回転に伴って作動すると、不図示のタンクから作動油を吸引して供給油路142に吐出する。供給油路142には、入力クラッチ114、無段変速機118、出力クラッチ138の各油圧作動装置が並行して接続されており、各油圧作動装置への流量、油圧を制御する制御弁114s、118s、138sが設けられている。これら制御弁114s、118s、138sは、制御部150によって開度制御がなされる。
制御部150には、アクセルペダル152や車速センサ154をはじめ、車両の走行状況や運転者の操作状況等を判断する種々の信号を出力する装置が接続されており、制御部150は、こうした各装置から入力される信号に基づいて、制御弁114s、118s、138sを制御する。制御部150は、制御弁114sを切り換えることにより、入力クラッチ114を開放もしくは締結し、制御弁138sの開度を制御することで、出力クラッチ138のトルク容量を調整する。また、制御部150は、制御弁118sの開度を制御することで、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2から吐出される作動油の無段変速機118への供給量を制御する。これにより、一対のプライマリプーリ126および一対のセカンダリプーリ128それぞれにおけるシーブ126a、126b、シーブ128a、128bの対向面間の離間距離が制御されることとなる。
ここで、本実施形態では、エンジン102が駆動するドライブ走行状態では、クランクシャフト102aおよび第1出力軸136aが回転するため、これらクランクシャフト102aおよび第1出力軸136aに設けられた第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2の双方が作動する。したがって、この場合には、入力クラッチ114、無段変速機118、出力クラッチ138は、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2から吐出される作動油によって、要求される油圧が確保されることとなる。
そして、上記のように、ドライブ走行状態から、運転者がアクセルペダル152をOFFし、走行状態がコースト走行状態に切り換わったとする。このとき、本実施形態では、制御部150が、制御弁114sを制御して入力クラッチ114を開放するとともに、エンジン102の駆動を停止もしくはエンジン102の出力を低下させるアイドリングストップ制御を行う。
図3は、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2の作動状況を示すタイムチャートである。例えば、図3のt1〜t2に示すように、運転者がアクセルペダル152をOFFしており、スロットルが閉じられて、車両が停止しているとする(図3(a)〜(c))。また、このとき、エンジン102の回転数は1000rpmであり、入力クラッチ114および出力クラッチ138が締結状態にあるとする(図3(d)〜(f))。なお、この状態では、不図示のクラッチが開放されており、エンジン102の駆動力が車輪140に伝達されないようになっている。
そして、上記の状態では、エンジン102の駆動に伴って、第1油圧ポンプP1が作動し(図3(g))、入力クラッチ114、無段変速機118、出力クラッチ138で要求される油圧が確保されている。なお、車両が停止していることから、第1出力軸136aの回転も停止しており、第2油圧ポンプP2の作動は停止状態にある(図3(h))。
上記の状態から、運転者がアクセルペダル152をONすると、不図示のクラッチが締結され、図3のt2〜t3に示すように、スロットルが開かれ(図3(b))、車速が増し(図3(c))、車両がドライブ走行状態になる(図3(a))。また、このとき、エンジン102の回転数は2000rpmであり、入力クラッチ114および出力クラッチ138は締結状態に維持される(図3(d)〜(f))。
このようにして車両がドライブ走行状態となると、車輪140(第1出力軸136a)の回転に伴って第2油圧ポンプP2が作動する(図3(h))。したがって、ドライブ走行状態では、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2の双方から作動油が吐出されることとなる。これにより、ドライブ走行状態では、入力クラッチ114、無段変速機118、出力クラッチ138は、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2から吐出される作動油によって、要求される油圧が確保されることとなる。ただし、車速の上昇に伴って第1出力軸136aの回転数がクランクシャフト102aの回転数を上回るにつれて、第2油圧ポンプP2の出力が増す。その結果、ドライブ走行状態では、第2油圧ポンプP2から吐出される作動油が徐々に支配的となり、第1油圧ポンプP1の出力は徐々に低下する(図3(g))。
上記の状態から運転者がアクセルペダル152をOFFすると、不図示のクラッチが開放され、図3のt3〜t4に示すように、スロットルが閉じられ(図3(b))、車速が低下し(図3(c))、車両がコースト走行状態になる(図3(a))。また、このとき、制御部150は、制御弁114sを制御して入力クラッチ114を開放するとともに(図3(e))、エンジン102の駆動を停止する(図3(d))。なお、この状態でも、出力クラッチ138は締結状態に維持される(図3(f))。
このように、本実施形態では、コースト走行状態においてアイドリングストップ制御が行われるが、アイドリングストップによってエンジン102の駆動が停止された状態でも、無段変速機118や出力クラッチ138に対して、要求される油圧を確保しなければならない。コースト走行状態においてエンジン102の駆動が停止されると、エンジン102を動力源とする第1油圧ポンプP1の作動も停止する(図3(g))。一方で、コースト走行状態においても車輪140すなわち第1出力軸136aは回転しているため、第2油圧ポンプP2は継続して作動している(図3(h))。
各油圧作動装置で要求される油圧は、ドライブ走行状態に比べてコースト走行状態では低く、例えば、ドライブ走行状態で要求される最大油圧が6.0MPaとすると、コースト走行状態で要求される最大油圧は、2.0MPa以下である。したがって、コースト走行状態では、第2油圧ポンプP2から吐出される作動油によって、無段変速機118や出力クラッチ138で要求される油圧が十分に確保されることとなる。
なお、制御部150は、コースト走行状態において車速が一定値を下回ると、図3のt3’に示すように、加速要求に応えられるように、エンジン102を始動してアイドリング状態とする。その結果、t3’〜t4の期間では、エンジン102の始動に伴って第1油圧ポンプP1が作動するとともに、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2から吐出される作動油によって、入力クラッチ114、無段変速機118、出力クラッチ138で要求される油圧が確保されることとなる。
以上説明したように、本実施形態の油圧供給システムSによれば、入力クラッチ114よりもエンジン102側に設けられ、エンジン102の駆動力によって作動する第1油圧ポンプP1と、無段変速機118よりも車輪140側に設けられ、車輪140の回転に伴って作動する第2油圧ポンプP2を備えている。これにより、アイドリングストップ中等、エンジン102の駆動停止中においても、入力クラッチ114、無段変速機118、出力クラッチ138等の各油圧作動装置で要求される油圧を確保することが可能となる。
そして、第1油圧ポンプP1および第2油圧ポンプP2が、いずれも機械式ポンプで構成されているため、電動油圧ポンプを設ける場合よりも、必要となる周辺機器が少なくなり、部品点数を削減して、車両重量やコストを低減することができ、しかも、各種装置のレイアウトの設計自由度を高めることができる。また、第2油圧ポンプP2は、第1油圧ポンプP1よりも小容量であることから、メカロスを最小限に抑えることができ、車両全体としてのエネルギー効率を高めることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、クランクシャフト102aに第1油圧ポンプP1を設け、第1出力軸136aに第2油圧ポンプP2を設けることとした。しかしながら、動力伝達経路上において、第1油圧ポンプP1は、入力クラッチ114よりもエンジン102側に設けられていればよく、第2油圧ポンプP2は、無段変速機118よりも車輪140側に設けられていればよい。したがって、例えば、第2油圧ポンプP2を第2出力軸136bに設けることも可能である。ただし、第2油圧ポンプP2と車輪140との間に、車輪140から無段変速機118に入力されるトルクをカットする出力クラッチ138を設けた方が、第2油圧ポンプP2への外乱の入力を抑制することができる。
また、上記実施形態では、エンジン102に接続される入力軸(上記実施形態では、クランクシャフト102a、タービンシャフト110d、回転軸104aが相当する)において、入力クラッチ114を境にしてエンジン102側と逆側にモータ104が接続されている場合について説明したが、モータ104は必須の構成ではない。
また、上記実施形態では、制御部150は、車両がコースト走行状態になると、入力クラッチ114を開放するとともに、エンジン102の駆動を停止することとしたが、単にエンジン102の出力を低下させることとしてもよい。
本発明は、無段変速機を備えた車両の動力伝達装置に利用できる。
P1 第1油圧ポンプ
P2 第2油圧ポンプ
S 油圧供給システム(油圧供給部)
100 動力伝達装置
102 エンジン
114 入力クラッチ
118 無段変速機
126 プライマリプーリ
126a、126b シーブ
128 セカンダリプーリ
128a、128b シーブ
130 ベルト
136 出力軸
138 出力クラッチ
140 車輪
150 制御部

Claims (4)

  1. エンジンに接続される入力軸側に、対向間隔を可変とする一対のシーブを有するプライマリプーリが設けられ、車輪に接続される出力軸側に、対向間隔を可変とする一対のシーブを有するセカンダリプーリが設けられ、該プライマリプーリと該セカンダリプーリとの間にベルトが張架された無段変速機を備えた車両の動力伝達装置であって、
    前記入力軸に設けられ、前記エンジンから前記車輪への動力伝達を可能とする締結状態もしくは該エンジンから該車輪への動力伝達を遮断する開放状態に切り換わる入力クラッチと、
    前記入力クラッチよりも前記エンジン側に設けられ、該エンジンの駆動力によって作動する第1油圧ポンプと、
    前記無段変速機よりも前記車輪側に設けられ、該車輪の回転に伴って作動するとともに、前記第1油圧ポンプよりも小容量の第2油圧ポンプと、
    前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプから吐出される作動油を前記無段変速機に供給し、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリそれぞれにおける前記一対のシーブの対向面間の離間距離を制御する油圧供給部と、
    を備えたことを特徴とする車両の動力伝達装置。
  2. 前記入力軸には、前記入力クラッチを境にして前記エンジン側と逆側にモータが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の動力伝達装置。
  3. 車両がコースト走行状態になると、前記入力クラッチを開放するとともに、前記エンジンの駆動を停止もしくは該エンジンの出力を低下させる制御部を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の動力伝達装置。
  4. 前記第2油圧ポンプと前記車輪との間には、該車輪から前記無段変速機に入力されるトルクをカットする出力クラッチが設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の動力伝達装置。
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