JP2015014247A - 劣化度合評価方法およびプログラム - Google Patents

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稔 近藤
小川 知行
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Abstract

【課題】インジェクタの劣化を簡単に評価する方法の実現。【解決手段】劣化度合評価装置には、コモンレール式のディーゼルエンジンのインジェクタによる燃料噴射の指令値が入力される。そして、エンジンがアイドリング状態の時の指令値に基づいて、インジェクタの劣化度合を評価する。インジェクタの噴射孔が劣化して拡径している場合には、燃料噴射量の指令値が同一であっても、実際に噴射される燃料が増加し、エンジンの回転速度が上昇しようとする。しかし、アイドリング状態ではエンジンの回転速度を一定に保とうとする制御が働くため、必然的に指令値が低減される。そのため、燃料噴射の指令値を監視することで、インジェクタの劣化度合を評価することができる。【選択図】図9

Description

本発明は、蓄圧された燃料のインジェクタによる噴射をコンピュータ制御するエンジンにおけるインジェクタの劣化を評価する劣化評価方法等に関する。
シリンダ内に噴射した燃料を燃焼させて動力を得る内燃機関の代表例としてディーゼルエンジンが知られている。そのディーゼルエンジンの噴射ポンプの種類として、コモンレール式が知られている(例えば特許文献1)。コモンレール式は、コモンレールに蓄圧された燃料をコンピュータ制御によるインジェクタの開弁制御によってシリンダに送り込む方式であり、開弁頻度や開弁時間を制御することで、所望の燃料噴射量をシリンダに噴射する。
特開2013−19311号公報
しかしながら、コモンレール式のディーゼルエンジンにおいて、長期の使用によってインジェクタの噴射孔が広がる劣化が生じることが知られている。劣化(噴射孔の拡径)が進むと、燃費の悪化や排ガスの増加につながるため、ある程度劣化した段階でインジェクタを交換することが望ましい。
ところが、その劣化の状態を簡易に評価する方法が無かった。評価のためにはエンジンを分解してインジェクタを取り出し、インジェクタ単体の評価試験を行う必要がある。そのため、予め交換時期を定めておき、交換時期の到来でもってインジェクタを交換するという運用を採用しているのが実情であった。
なお、インジェクタの噴射孔が拡径した場合、運転操作が同じであること、すなわちインジェクタの開弁制御が同じであったとしても、実際の燃料噴射量が多くなる結果、エンジン出力が想定より大きくなる。しかし、エンジン出力を感知した運転者が操作を加減することで不要な出力の増大を防ぐことができるため、インジェクタの劣化が進んだとしても、そのことが原因で車両事故につながるおそれは低い。そのために、劣化度合の評価に関する技術開発が進んでいなかったとも考えられる。
本発明は、上述した課題に鑑みて考案されたものであり、その目的とするところは、インジェクタの劣化を簡単に評価する方法の実現にある。この課題は、蓄圧された燃料のインジェクタによる噴射をコンピュータ制御するエンジンであれば、コモンレール式のディーゼルエンジンに限らない課題である。
上述した課題を解決するための第1の発明は、蓄圧された燃料のインジェクタ(例えば、図2のインジェクタ127)による噴射をコンピュータ制御するエンジン(例えば、図1,図2のエンジン100)における前記インジェクタの劣化を評価する劣化評価方法であって、
前記コンピュータ制御による燃料噴射量の指令値のうち、所定のアイドリング状態の時の指令値に基づいて、前記インジェクタの劣化度合を評価する劣化評価方法である。
また、他の発明として、蓄圧された燃料のインジェクタによる噴射をコンピュータ制御するエンジンにおける前記インジェクタの劣化をコンピュータに評価させるためのプログラム(例えば、図4の評価プログラム271)であって、
前記コンピュータ制御による燃料噴射量の指令値のうち、所定のアイドリング状態の時の指令値に基づいて、前記インジェクタの劣化度合を評価する手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成することとしてもよい。
この第1の発明等によれば、蓄圧された燃料のインジェクタによる噴射をコンピュータ制御するエンジンのインジェクタの劣化度合を簡単に評価することができる。すなわち、インジェクタの噴射孔が劣化して拡径している場合には、燃料噴射量の指令値が同一であっても、実際に噴射される燃料が増加し、エンジンの回転速度が上昇しようとする。しかし、アイドリング状態ではエンジンの回転速度を一定に保とうとする制御が働くため、必然的に指令値が低減される。そのため、燃料噴射量の指令値を監視することで、インジェクタの劣化度合を評価することができる。また、燃料噴射量の指令値はコンピュータ制御の指令値であるため、簡易にモニター(監視)することができる。結果、インジェクタの劣化度合を簡単に評価することができる。
より具体的な実現方法としては、例えば、第2の発明として、第1の発明において、
1)前記アイドリング状態の時の指令値を記憶する、或いは、2)指令値と前記エンジンの動作状態とを対応づけて記憶する記憶制御ステップ(例えば、図5のログデータ273、図9のステップS2、図10のステップA9)と、
前記記憶された指令値に基づいて、前記アイドリング状態の時の指令値から前記インジェクタの劣化度合を評価する評価ステップ(例えば、図9のステップS14)と、
を含む劣化評価方法を構成する方法が考えられる。
また、第3の発明として、第2の発明において、
前記記憶された指令値に基づいて、前記アイドリング状態の時の指令値の時系列変化から前記インジェクタの将来的な劣化度合を予測する予測ステップ(例えば、図9のステップS18)、
を更に含む劣化評価方法を構成することとしてもよい。
この第3の発明によれば、アイドリング状態の時の指令値の時系列変化からインジェクタの将来的な劣化度合を予測することができる。インジェクタの燃料噴射孔は、エンジンの長期間の使用に伴って徐々に拡径するため、将来の劣化の進行具合を、指令値の時系列変化から予測できる。
また、第4の発明として、第3の発明において、
前記エンジンは車両の動力機械であり、
前記記憶制御ステップでは、前記指令値を、前記車両の累積運転時間および前記車両の累積走行距離のうちの少なくとも一方(以下包括して「累積稼働量」という)と対応づけて蓄積的に記憶し(例えば、図5のログデータ273)、
前記予測ステップでは、前記インジェクタの将来的な劣化度合を、前記累積稼働量の将来値と関連づけて予測する(例えば、図9のステップS18)、
劣化評価方法を構成することとしてもよい。
この第4の発明によれば、エンジンは車両の動力機械であり、その車両の累積運転時間や累積走行距離の将来値と関連づけて、インジェクタの将来的な劣化度合が予測される。例えば、交換が必要となる劣化度合に至る時の累積運転時間や累積走行距離を予測する、といったことが可能となる。
また、第5の発明として、第1〜第4の何れかの発明において、
所定時間以上継続してアイドリングしている状態を前記アイドリング状態として検出するアイドリング状態検出ステップ(例えば、図9のステップS8〜S10)、
を更に含む劣化評価方法を構成することとしてもよい。
アイドリング状態の時の指令値に基づいてインジェクタの劣化度合が評価されるが、第5の発明によれば、そのアイドリング状態を、所定時間以上継続してアイドリングしている状態とされる。エンジン始動直後や、エンジンに負荷がかかっている状態からアイドリングに切り替わった直後は、エンジンの状態が安定していない可能性がある。また、アイドリングが継続している間でなければ、エンジンの状態も安定しない。そこで、所定時間以上継続してアイドリングしている状態をアイドリング状態とするものである。
また、第6の発明として、第1〜第5の何れかの発明において、
前記エンジンの雰囲気温度が、所定の許容温度帯に含まれていない場合の前記指令値に基づく前記インジェクタの劣化度合の評価を抑制する評価抑制ステップ(例えば、図9のステップS4)、
を更に含む劣化評価方法を構成することとしてもよい。
この第6の発明によれば、エンジンの雰囲気温度が、所定の許容温度帯に含まれていない場合には、インジェクタの劣化度合の評価が行われない。例えば、低温度帯では、エンジンに吸入される空気の物性が変化するため、劣化度合の評価の誤差が大きくなるためである。
鉄道車両の本実施形態に係る主要部の配置構成の概略を示す図。 エンジンの概要を説明するための図。 アイドリング時の燃料噴射量の指令値の時間変化の一例を示す図。 劣化評価装置の機能ブロック図。 ログデータのデータ構成の一例を示す図。 アイドリング状態における外気温と燃料噴射量との変化を示す図。 劣化度合判定閾値の一例を示す図。 劣化予測の概念を説明するための図。 評価プログラムの流れを示すフローチャート。 評価プログラムの流れを示すフローチャート。
以下、本発明を適用した実施形態について説明する。本実施形態では、コモンレール式のディーゼルエンジンを例に挙げて説明するが、蓄圧された燃料のインジェクタによる噴射をコンピュータ制御するエンジンであれば他のエンジンにも本発明を適用可能である。
また、本実施形態では、鉄道車両のディーゼル車に本発明を適用することとして説明するが、ディーゼルエンジンを動力機械とする自動車に本発明を適用することとしてもよい。
図1は、鉄道車両の本実施形態に係る主要部の配置構成の概略を示す図である。
鉄道車両1は、車両床下にディーゼルエンジン(以下単に「エンジン」と呼称する。)100を備えたディーゼル動車であり、運転室に設置された劣化評価装置200と通信接続されている。なお、劣化評価装置200を、状態監視診断装置の一機能として実現する構成としてもよい。
車両床下にはエンジン100の雰囲気温度である外気温を測定する温度センサ501が設置されており、温度センサ501による測定温度は、通信ケーブル505を介して劣化評価装置200に入力される。温度センサ501の設置位置は、エンジン100の吸気口付近としてもよい。
劣化評価装置200は、運転台装置600と通信接続され、鉄道車両1の走行速度や運転操作指令、補機動作状態等の情報が入力される。
劣化評価装置200は、通信ケーブル505を介してエンジン100のECU(Engine Control Unit)110と接続されており、ECU110から燃料噴射量の指令値を入力して、インジェクタ127の劣化程度、すなわち燃料噴射孔の拡径の程度を評価する。評価結果は、モニター出力・ランプ表示出力・音声出力等で報知する。評価結果の出力は、例えば、1)劣化の程度を示す数値等の報知出力、2)交換が必要な程劣化が進んでいる場合にはその旨の報知出力、3)交換が必要な程度に至る時期(累積走行距離や累積走行時間)の予測出力、等で行う。
図2は、エンジン100の概要を説明するための図である。エンジン100は、公知のコモンレール式のディーゼルエンジンの構成を有しており、フュエルポンプ(燃料ポンプ)123によってフュエルタンク(燃料タンク)121内の燃料がコモンレール125に供給・加圧される。コモンレール125内の蓄圧圧力は、圧力センサ126によって計測されてECU110に入力されており、コモンレール125内の蓄圧圧力が一定になるように、フュエルポンプ123による燃料供給がECU110によって制御される。
また、コモンレール125内の燃料は、ECU110の噴射量制御に従ってインジェクタ127がシリンダ128内に噴射する。回転速度センサ129は、エンジン100の回転速度をECU110に随時出力している。
ECU110は、運転台装置からの運転操作指令に従って、インジェクタ127に燃料噴射の制御指令を出力してインジェクタ127の燃料噴射量を制御する。この燃料噴射の制御指令の値を以下「指令値」と呼称する。ECU110は、この指令値を劣化評価装置200へ出力する。
また、運転操作が停車中の操作ロック状態や力行ノッチゼロ操作などの時には運転台装置からの運転操作指令はアイドリング指令となる。アイドリング指令が入力されると、ECU110は、無負荷であると判断してエンジン100をアイドリングさせ、回転速度センサ129から入力されるエンジン回転速度が所定値一定となるように指令値を制御する。
アイドリング指令に対応する指令値は初期値が定められているが、エンジン回転速度の所定値一定制御が優先される。そのため、インジェクタ127が劣化して噴射孔が拡径した場合には、アイドリングの開始直後では、指令値を初期値とするために燃料噴射量が規定より多くなり、エンジン回転速度が高くなる。しかし、所定値一定制御によって、燃料噴射量が絞られ、エンジン回転速度が規定値に保たれる。
図3は、アイドリング時の燃料噴射量の指令値の時間変化の一例を示す図である。図3によれば、指令値が低減していく課程で3秒時点からアイドリングを開始しているが、指令値は低減を続け、4秒時点でゼロとなった後に増加に転じ、6秒時点以降でほぼ一定の値となっている。このように、アイドリング開始直後は安定した状態ではなく、アイドリング開始から所定時間経過した後、すなわち、所定時間以上継続してアイドリングすることで、エンジン回転速度が安定した状態になる。以下、この状態のことを「アイドリング状態」という。
次に、劣化評価装置200の構成について説明する。図4は、劣化評価装置200の機能ブロック図である。劣化評価装置200は、操作部210と、表示部220と、音出力部230と、処理部240と、記憶部270とを備え、一種のコンピュータ装置として構成される。
操作部210は、例えばスイッチやボタン、タッチパネル等で実現される入力装置であり、操作入力に応じた操作信号を処理部240に出力する。
表示部220は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や、LEDランプ等で実現される表示装置であり、処理部240からの表示信号に基づいて各種表示を行う。
音出力部230は、スピーカを有して構成され、処理部240からの音出力信号に基づいて音を出力する。
表示部220及び音出力部230は、インジェクタ127の劣化度合の評価結果を報知する報知部ともいえる。
処理部240は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置で実現され、記憶部270に記憶された評価プログラム271に従った評価処理(図9参照)を実行することで、評価部241及び報知制御部251として機能する。評価処理の実行に当たり、処理部240には、エンジン100から燃料噴射量の指令値とエンジン100の回転速度とを入力し、温度センサ501から気温を入力し、運転台装置から走行位置と走行速度と累積走行距離と運転操作指令と補機動作状態とを入力する。入力したこれらのデータは、日時と対応づけて時系列にログデータ273として記憶部270に記憶される。
評価部241は、ログデータ273を参照して、エンジン100の動作状態がインジェクタ127の劣化評価に好適な状態か否かを判定する評価可否判定部243と、インジェクタ127の劣化度合を評価する劣化度合評価部245とを含む。劣化度合評価部245は、インジェクタ127が交換を必要とする程劣化しているか否かの判定や、今後の劣化の進行を予測してインジェクタ127の交換が必要となる時期を予測する処理などを行う。
具体的な評価処理の流れについては、図9を参照して後述する。
報知制御部251は、評価部241による評価結果を、表示部220に表示させる、或いは、音出力部230から報音出力させる制御を行う。
記憶部270は、処理部240が劣化評価装置200を統合的に制御するための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、本実施形態を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部240の作業領域としても用いられる。本実施形態では、記憶部270には、評価プログラム271と、ログデータ273と、許容温度帯275と、劣化度合判定閾値277と、評価履歴278と、劣化予測データ279とが記憶される。
図5はログデータ273のデータ構成の例を示す図である。ログデータ273は、走行位置282と、走行速度283と、累積走行距離284と、運転操作指令285と、補機動作状況286と、気温287と、指令値288と、回転速度289とを、これらのデータを取得した日時281と対応づけて時系列に記録したデータである。例えば、1秒毎に記録したデータである。
走行位置282と、走行速度283と、累積走行距離284と、運転操作指令285と、補機動作状況286とは、運転台装置から処理部240に入力される。累積走行距離284は、鉄道車両1が走行した累積距離の情報である。なお、累積走行距離284に代えて、或いは累積走行距離284に加えて、累積走行時間の情報をログデータ273に更に含めることとしてもよい。運転操作指令285は、運転台装置からエンジン100に出力された運転操作指令の情報であり、例えばノッチや停車中の操作ロック等の情報である。補機動作状況286は、エアコン(空調)や空気圧縮機等の補機の動作状況の情報であり、例えば動作している補機の識別情報が記録される。
気温287は、温度センサ501で測定された温度のデータであり、エンジン100の雰囲気温度としての外気温を示す。
指令値288および回転速度289は、ECU110から入力される。指令値288は、ECU110がインジェクタ127に出力した燃料噴射量の指令値である。回転速度289は、回転速度センサ129が検出したエンジン100の回転速度である。
図4に戻り、許容温度帯275は、温度センサ501が測定する温度(すなわち、本実施形態では外気温)のうち、インジェクタ127の劣化度合の評価を可能とする温度帯が設定される。換言すると、外気温が許容温度帯275以外の場合には、劣化度合の評価が抑制される。
インジェクタ127の劣化は、通常の鉄道車両の運行距離をベースに考慮したとしても、1年以上の年月をかけてゆっくりと進行する。このため、四季をまたぐ年月単位での劣化評価が要求される。他方、エンジン100は、外気温が大きく異なる場合には、吸入される空気の物性の変化が無視できなくなり、同一回転速度のアイドリング状態であっても、燃料噴射量が変化し得る。図6は、アイドリング状態における外気温と燃料噴射量とをプロットした図である。横軸は経過日数を示し、600日程度に亘るプロットの一部を示している。図6から分かる通り、外気温が極端に低い日の燃料噴射量は比較的大きな値となっている。このため、鉄道車両1の配属線区の年間気温変化に基づいて、平均的な中心温度帯を許容温度帯275とすると好適である。
図4に戻り、劣化度合判定閾値277は、インジェクタ127の劣化度合を評価するための指令値の閾値条件を定めたデータである。図7に劣化度合判定閾値277の一例を示す。図7によれば、劣化度合はレベル1〜3の3段階で評価され、レベル3をインジェクタ127の交換が必要な、劣化度合が最も高い(劣化が進んでいる)レベルとする。閾値条件には、各レベルに応じた燃料噴射量の指令値の範囲が設定される。劣化度合がレベル3と評価された場合には、交換が必要なレベルであることを示すランプを表示させる等の報知出力がなされる。
評価履歴278は、インジェクタ127の劣化度合の評価結果を日時と対応づけて蓄積した履歴データである。
劣化予測データ279は、劣化度合の評価結果に基づいて、インジェクタ127の交換が必要なレベル3に至る時期を予測したデータである。図8は、劣化予測の概念を説明するための図であり、図6から、外気温が許容温度帯275に含まれる日の指令値のプロットを抽出した図である。劣化予測は、評価履歴278に記録されている評価結果の時系列変化を、例えば最小二乗法や回帰分析などの近似関数算出演算を用いて、関数で近似する。そして、求めた関数に基づいて、劣化度合がレベル3に至る日時を算出する。図8においては最小二乗法で求めた関数が直線で示されている。この関数で明らかな通り、年月の経過(より正確にはエンジン100の累積使用時間の増加)に応じて、徐々に燃料噴射量の指令値が低減していることが分かる。これは、インジェクタ127の噴射孔が拡径していることを示している。
次に、劣化評価装置200の動作について説明する。
図9は、評価プログラム271に従って処理部240が実行する評価処理の流れを示す図である。評価処理は鉄道車両1を起動すると実行開始される。評価処理の実行が開始されると、燃料噴射量の指令値を含むログデータ273の記録を開始する(ステップS2)。
次いで、処理部240は、インジェクタ127の劣化度の評価可否を判定する処理を実行する(ステップS4〜S10)。すなわち、温度センサ501から入力されてログデータ273に記録された最新の気温287が許容温度帯275に含まれていること(ステップS4)、運転台装置から入力されてログデータ273に記録された最新の補機動作状態286が補機停止状態であること(ステップS6)、運転台装置から入力されてログデータ273に記録された最新の運転操作指令285がアイドリング指令であること(ステップS8)の全ての条件がそろったことが、所定時間継続した場合(ステップS10)に、劣化度の評価が可能なアイドリング状態であると判定する。なお、劣化度の評価が可能と判定するための条件を更に追加することとしてもよい。
次いで、処理部240は、ステップS10の所定時間と同じ或いは所定時間より短い所定の平均化時間の間に入力された指令値の平均を求める移動平均処理を行う(ステップS12)。この移動平均処理により、指令値の瞬時的な変動の影響を除去し、インジェクタ127の劣化評価に適した値に加工する。インジェクタ127の劣化は短時間で進行するものではなく、インジェクタ127の長時間の使用により徐々に進行するためである。
次いで、移動平均処理された指令値を、劣化度合判定閾値277と比較することで、劣化度合を評価する(ステップS14)。評価結果は日時と対応づけて評価履歴278に追加記録する。そして、劣化度合がレベル3であった場合には、異常値と判定し(ステップS16:YES)、インジェクタ127の交換が必要である旨を表示部220の表示或いは音出力部230の音出力によって報知する(ステップS22)。
一方、劣化度合がレベル3以外の場合には、劣化度合を評価した評価履歴278に基づいて劣化度合がレベル3に達する時期を予測する(ステップS18)。すなわち、近似関数算出演算を用いて、評価結果の時系列変化に近似する関数を求め、この関数から、劣化度合がレベル3に達する時期を判定する。ここで、判定する時期は、累積走行距離としてもよいし、累積走行時間としてもよい。
そして、評価した劣化度合と、予測した交換時期とを表示部220の表示或いは音出力部230の音出力によって報知する(ステップS20)。
ステップS20又はS22の報知出力の後は、ステップS4に処理を移行して、ステップS4以降の処理を繰り返し実行する。
以上のように、本実施形態によれば、コモンレール式のディーゼルエンジンのインジェクタ127の劣化度合を簡単に評価することができる。すなわち、インジェクタ127の噴射孔が劣化して拡径している場合には、燃料噴射量の指令値が同一であっても、実際に噴射される燃料が増加し、エンジン100の回転速度が上昇しようとする。しかし、アイドリング状態ではエンジン100の回転速度を一定に保とうとする制御が働くため、必然的に指令値が低減される。そのため、燃料噴射量の指令値を監視することで、インジェクタ127の劣化度合を評価することができる。また、燃料噴射量の指令値はECU110が出力しているため、簡易にモニター(監視)することができる。結果、インジェクタ127の劣化度合を簡単に評価できる。
本発明を適用した一実施形態について説明したが、本発明の適用可能な形態は上述の実施形態に限られるものではない。
例えば、図9に示した評価処理の流れを、図10のように変更してもよい。すなわち、評価処理の実行開始とともにログデータ273の記録を開始するのではなく、外気温が許容温度帯に含まれること(ステップS4)、補機が停止していること(ステップS6)、アイドリング中であること(ステップS8)の条件を満足している時にログデータ273を記録する(ステップA9)。
また、上述した実施形態では、処理部240への運転操作指令を運転台装置から入力することとしたが、ECU110から入力することとしてもよい。その場合、ECU110から、エンジン100がアイドリング中であることを示す信号を入力することとしてもよい。
1…鉄道車両、100…エンジン、110…ECU、125…コモンレール、127…インジェクタ、240…処理部、241…評価部、271…評価プログラム、273…ログデータ、275…許容温度帯、277…劣化度合判定閾値、278…評価履歴、279…劣化予測データ

Claims (7)

  1. 蓄圧された燃料のインジェクタによる噴射をコンピュータ制御するエンジンにおける前記インジェクタの劣化を評価する劣化評価方法であって、
    前記コンピュータ制御による燃料噴射量の指令値のうち、所定のアイドリング状態の時の指令値に基づいて、前記インジェクタの劣化度合を評価する劣化評価方法。
  2. 1)前記アイドリング状態の時の指令値を記憶する、或いは、2)指令値と前記エンジンの動作状態とを対応づけて記憶する記憶制御ステップと、
    前記記憶された指令値に基づいて、前記アイドリング状態の時の指令値から前記インジェクタの劣化度合を評価する評価ステップと、
    を含む請求項1に記載の劣化評価方法。
  3. 前記記憶された指令値に基づいて、前記アイドリング状態の時の指令値の時系列変化から前記インジェクタの将来的な劣化度合を予測する予測ステップ、
    を更に含む請求項2に記載の劣化評価方法。
  4. 前記エンジンは車両の動力機械であり、
    前記記憶制御ステップでは、前記指令値を、前記車両の累積運転時間および前記車両の累積走行距離のうちの少なくとも一方(以下包括して「累積稼働量」という)と対応づけて蓄積的に記憶し、
    前記予測ステップでは、前記インジェクタの将来的な劣化度合を、前記累積稼働量の将来値と関連づけて予測する、
    請求項3に記載の劣化評価方法。
  5. 所定時間以上継続してアイドリングしている状態を前記アイドリング状態として検出するアイドリング状態検出ステップ、
    を更に含む請求項1〜4の何れか一項に記載の劣化評価方法。
  6. 前記エンジンの雰囲気温度が、所定の許容温度帯に含まれていない場合の前記指令値に基づく前記インジェクタの劣化度合の評価を抑制する評価抑制ステップ、
    を更に含む請求項1〜5の何れか一項に記載の劣化評価方法。
  7. 蓄圧された燃料のインジェクタによる噴射をコンピュータ制御するエンジンにおける前記インジェクタの劣化をコンピュータに評価させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータ制御による燃料噴射量の指令値のうち、所定のアイドリング状態の時の指令値に基づいて、前記インジェクタの劣化度合を評価する手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
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CN110888398A (zh) * 2018-09-11 2020-03-17 发那科株式会社 控制装置、cnc装置以及控制方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110888398A (zh) * 2018-09-11 2020-03-17 发那科株式会社 控制装置、cnc装置以及控制方法
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