JP2015012552A - 可変指向性ダイナミックマイクロホン - Google Patents
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そのため、従来から1本のマイクロホンで、その指向性がカージオイドとハイパーカージオイドとに切り替えて使用可能な構成が求められていた。
具体的には、後側マイクロホンユニットにより得られる第2音声出力がインピーダンス変換されて前側マイクロホンユニットに供給される。前側マイクロホンユニットからは、当該ユニットにより得られる第1音声出力に、前記第2音声出力が加算された状態で出力を得ることができる。そして、前側マイクロホンユニットに加える成極電圧を一定にして、後側マイクロホンユニットに加える成極電圧の極性及びレベルを変化させることで、指向特性が変化するようになっている。
更には、2つのマイクロホンユニットを内蔵するため、通常1つのマイクロホンユニットを備えるマイクロホンに比べ、構造も複雑となり、製造にかかるコストも高くなるという課題があった。
尚、前記指向性切替手段は、前記ケーシングに対して所定の間隔を空けて着脱自在に設けられ、装着されることにより前記ケーシングとの間に前記第2の連通路を形成するカバー部材と、前記ケーシングに形成され、前記後部音響端子に連通する開閉可能な貫通孔と、前記貫通孔を覆う音響抵抗材とを有することが望ましい。
或いは、前記指向性切替手段は、前記ケーシングに対してスライド自在に設けられ、スライド移動することにより前記ケーシングとの間に前記第2の連通路を形成するカバー部材と、前記ケーシングに形成され、前記後部音響端子に連通する開閉可能な貫通孔と、前記貫通孔を覆う音響抵抗材とを有し、前記カバー部材がスライド移動することにより、前記貫通孔が開閉され、指向性の切り替えがなされるようにしてもよい。
即ち、従来のように指向性の切り替えを行うために2つのマイクロホンユニットを内蔵する必要がなく、シンプルな構造で実現でき、製造にかかるコストも低く抑えることができる。
図1、図2は、本発明に係る可変指向性ダイナミックマイクロホンの断面図であって、図1の構成は、その指向性をカージオイドに設定した構成であり、図2の構成は、その指向性をハイパーカージオイドに設定した構成を示している。
前記第2のケース3内には、マイクロホンユニット3が収容されている。このマイクロホンユニット3は、環状のヨーク4と、その中央に配置されたマグネット5と、ヨーク4とマグネット5との間の隙間に配置されたボイスコイル6と、このボイスコイル6が取り付けられた振動板7とを有する周知のダイナミック(動電)型マイクロホンの構成である。
また、前記マグネット5の中央には、上下に貫通する貫通孔5aが形成されており、その上端開口が音響抵抗材r1によって覆われている。
また、前記マグネット5において、前記貫通孔5aの下部には、この貫通孔5aとマグネット5の周面側とを連通する複数の貫通孔5bが形成されており、それにより振動板7の後側が、音響抵抗材r1を介し第2ケース3内の空気室s1と連通し、さらに音響抵抗材r2を介して第1ケース2内の空気室s2と連通している。
また、第2ケース3の高さ方向中央付近には、貫通孔3bが形成され、この貫通孔3bは、ケース内部において前記後部音響端子15(振動板7の後側)に連通している。また、貫通孔3bは、ケース外に対して連通路3cを介して連通している(前記貫通孔3a、音響抵抗材r3、貫通孔3b、連通路3c等により第1の後部音響入力手段が構成される)。
また、キャビティスリーブ8の下方には、ピンホルダ17が設けられ、このピンホルダ17内には、信号ピン(図示せず)が保持され、前記マイクロホンユニット3とリード線(図示せず)により接続されている。
尚、図3において、符号m0は、前部音響端子13(空間s0)における音響質量であり、符号m1は、前記後部音響端子15に連通する連通路3cにおける音響質量である。また、符号P1は前部音響端子13へ入力される音波、P2は後部音響端子15に貫通孔3aから入力される音波、P3は連通路3cを介して入力される音波である。
即ち、この図2の構成は、図4に示す等価回路で表すことができる。尚、図4において、符号m2は、前記後部音響端子15に連通する連通路20aの音響質量である。
図4の回路に示すように、音波P3は、連通路3c(音響質量m1)と並列に連通路20a(音響質量m2)から後部音響端子15に加えられることになる。このように音響質量m2と音響抵抗r4の速度成分を並列に加えることによって、カージオイドの指向性をハイパーカージオイドに変更することができる(即ち、連通路20aを形成するためのカバー部材20、貫通孔3a、音響抵抗材r4により指向性切替手段が構成される)。
即ち、従来のように指向性の切り替えを行うために2つのマイクロホンユニットを内蔵する必要がなく、シンプルな構造で実現でき、製造にかかるコストも低く抑えることができる。
しかしながら、本発明に係る可変指向性ダイナミックマイクロホンにあっては、その形態に限定されるものではない。
例えば、図5(カージオイドの設定)、図6(ハイパーカージオイドの設定)に示すように、第2ケース3に対してカバー部材20をスライド自在に設け、カバー部材20をスライドさせてカバー部材20の一端部20bにより貫通孔3a(音響抵抗材r4)を開閉する構造とすれば、より容易に指向性の切り替えを行うことができ好ましい。
また、カバー部材20自体の長さが可変となる(伸縮する)機構(例えば、複数の板部材が互いにスライド自在に重ねられてスライド方向に伸縮可能とされ、カバー部材20を構成するものなど)を備えてもよく、その場合には、1つのカバー部材20で、音圧傾度の調整が可能となる。
2 第1ケース(ケーシング)
3 第2ケース(ケーシング)
4 ヨーク
5 マグネット
5a 貫通孔
5b 貫通孔
6 ボイスコイル
7 振動板
8 キャビティスリーブ
11 蓋
12 キャップ部材
12a 貫通孔
13 前部音響端子
15 後部音響端子
20 カバー部材
20a 連通路
m0 音響質量
m1 音響質量
m2 音響質量
r1 音響抵抗材
r2 音響抵抗材
r3 音響抵抗材
r4 音響抵抗材
Claims (3)
- 到来した音波による振動板とボイスコイルの振動に基づき音波を電気信号に変換するマイクロホンユニットを備え、前記マイクロホンユニットをケーシング内に収容する可変指向性ダイナミックマイクロホンであって、
前記ケーシング内において前記マイクロホンユニットの前方に設けられた前部音響端子と、前記ケーシング内において前記マイクロホンユニットの後方に設けられた後部音響端子と、前記後部音響端子に対し、所定の音響質量を有する第1の連通路と所定の音響抵抗とを介して音波を入力する第1の後部音響入力手段と、指向性の切替を行う指向性切替手段とを備え、
前記指向性切替手段は、指向性を切り替える際、前記第1の連通路の音響質量と並列に所定の音響質量を有する第2の連通路を形成すると共に、所定の音響抵抗を介して前記音波を前記後部音響入力端子に対し入力することにより、指向性の切り替えを行うことを特徴とする可変指向性ダイナミックマイクロホン。 - 前記指向性切替手段は、
前記ケーシングに対して所定の間隔を空けて着脱自在に設けられ、装着されることにより前記ケーシングとの間に前記第2の連通路を形成するカバー部材と、
前記ケーシングに形成され、前記後部音響端子に連通する開閉可能な貫通孔と、
前記貫通孔を覆う音響抵抗材とを有することを特徴とする請求項1に記載された可変指向性ダイナミックマイクロホン。 - 前記指向性切替手段は、
前記ケーシングに対してスライド自在に設けられ、スライド移動することにより前記ケーシングとの間に前記第2の連通路を形成するカバー部材と、
前記ケーシングに形成され、前記後部音響端子に連通する開閉可能な貫通孔と、
前記貫通孔を覆う音響抵抗材とを有し、
前記カバー部材がスライド移動することにより、前記貫通孔が開閉され、指向性の切り替えがなされることを特徴とする請求項1に記載された可変指向性ダイナミックマイクロホン。
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JP2013138564A JP6210588B2 (ja) | 2013-07-02 | 2013-07-02 | 可変指向性ダイナミックマイクロホン |
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---|---|---|---|---|
JPS51117027A (en) * | 1975-03-03 | 1976-10-14 | Cbs Inc | Dynamic microphone |
JP2010114705A (ja) * | 2008-11-07 | 2010-05-20 | Audio Technica Corp | 単一指向性ダイナミックマイクロホン |
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2013
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JPS51117027A (en) * | 1975-03-03 | 1976-10-14 | Cbs Inc | Dynamic microphone |
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