JP2015010353A - 剛性測定装置 - Google Patents

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勝己 村本
Katsumi Muramoto
勝己 村本
貴久 中村
Takahisa Nakamura
貴久 中村
壱記 伊藤
Itsuki Ito
壱記 伊藤
禎 佐野
Tadashi Sano
禎 佐野
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Abstract

【課題】測定対象面に傾きがある状態でも正確な測定を行うことができる剛性測定装置を提供する。【解決手段】ガイド棒20に沿って重錘30を落下させ、落下させた重錘30による衝撃荷重を、伝達部60から測定対象面に伝達させて剛性を測定する重錘落下式の剛性測定装置1であって、伝達部60の測定対象面に載荷される載荷面は、凸曲面61に形成されている。測定対象面に載荷した剛性測定装置1をガイド棒20が重力方向に向くように簡単に調整して保持することができ、さらに伝達部60と測定対象面とは常に点接触となり、接触状態を統一することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象面に向けて重錘を落下させ、落下させた重錘による衝撃荷重を伝達部から測定対象面に伝達させて剛性を測定する重錘落下式の剛性測定装置に関する。
従来から、FWD(Falling Weight Deflectometer)と呼ばれる、盛土、切土、路床、路盤等路の土構造物の剛性を測定する剛性測定装置が存在する。
従来の剛性測定装置は、路盤等の測定対象面上に載荷される荷重計と、荷重計上に落下させる重錘と、荷重計上に立設され、重錘の重力方向の落下をガイドするガイド棒と、重錘を荷重計の上方で係脱可能に係止する錘係止機構とを備えている(例えば、特許文献1参照)。そして、剛性測定装置は、錘係止機構による係止を解除することで、自由落下させた重錘による衝撃荷重を荷重計経由で測定対象面に伝達させ、これにより生じた反力や変位量から土構造物の剛性の測定と評価を行うように構成されている。
特開2003−176504号公報
しかしながら、従来技術では、測定対象面が水平であることが前提であり、測定対象面に傾きがある状態では正確な測定を行うことができないという問題点があった。
すなわち、傾きがある測定対象面上に従来の剛性測定装置を載荷させると、ガイド棒が重力方向から傾いた状態になり、重錘の係止高さが低くなったり、重錘の自由落下時にガイド棒に干渉したりすることで、所定の衝撃荷重を測定対象面に加えることができなくなってしまう。特に、傾きが異なる複数の測定箇所でそれぞれ剛性の測定を行う場合には、測定対象面に加える衝撃荷重が測定箇所毎に異なってしまうため、同一条件で測定を行うことができず、測定結果を比較検討したり、統計処理を行ったりすることができなくなってしまう。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消し、測定対象面に傾きがある状態でも正確な測定を行うことができる剛性測定装置を提供することを目的とする。
本発明の剛性測定装置は、ガイド棒に沿って重錘を落下させ、落下させた前記重錘による衝撃荷重を伝達部から測定対象面に伝達させて剛性を測定する重錘落下式の剛性測定装置であって、前記伝達部の前記測定対象面に載荷される載荷面は、凸曲面であることを特徴とする。
また、本発明の剛性測定装置は、ガイド棒に沿って重錘を落下させ、落下させた前記重錘による衝撃荷重を伝達部から前記測定対象面に伝達させて剛性を測定する重錘落下式の剛性測定装置であって、前記伝達部の前記測定対象面に載荷される載荷面には、傾斜の異なる複数の傾斜面が形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の剛性測定装置において、前記測定対象面は、バラスト道床上に敷設されたまくらぎの上面であっても良い。
さらに、本発明の剛性測定装置において、前記ガイド棒の少なくとも表面は、絶縁体で構成しても良い。
本発明によれば、測定対象面に傾きがある場合でも、重錘の落下をガイドするガイド棒を重力方向に簡単に保持することができるため、所定の衝撃荷重を測定対象面に加えることができ、正確な測定を行うことができる剛性測定装置を提供することができる。
本発明に係る剛性測定装置の実施の形態の構成を示す正面図である。 図1に示す伝達部と測定対象面との接触状態を説明するための斜視図である。 図1に示す伝達部の他の構成例を示す正面図である。 本発明に係る剛性測定装置の実施の形態による剛性の測定方法を説明するための説明図である。 本発明に係る剛性測定装置の実施の形態によるバラスト軌道での測定方法を説明するための説明図である。
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施の形態の剛性測定装置1は、図1を参照すると、荷重計10と、ガイド棒20と、重錘30と、錘係止機構40と、載荷板50と、伝達部60とを備えている。
荷重計10は、複数の図示しない歪みゲージが貼着されている円筒状の起歪体11を備え、起歪体11の軸心方向で作用する荷重を電気信号である荷重信号に変換する撓み検出計である。
起歪体11の上端部には天板12が、下端部には底板13がそれぞれ装着され、内部には起歪体11の軸心方向の加速度を電気信号である加速度信号に変換する加速度センサ14が内蔵されている。天板12上面の中央部には、ガイド棒20が天板12に対して垂直、すなわち起歪体11の軸心と同心に立設されている。また、天板12上面には、立設されたガイド棒20の周囲に弾性体15が固設されている。弾性体15は、落下させた重錘30を支持する、ゴムやコイルバネ等の支承部材である。
ガイド棒20は、表面が絶縁体で構成された棒状の部材である。ガイド棒20としては、グラスファイバーや硬質ラバー等の絶縁材料で全体を構成しても良く、導電材料である金属棒をフッ素系樹脂等の絶縁材料でコーティングしても良い。
重錘30は、中心に穴が開いているドーナッツ形状に構成されている。重錘30は、ガイド棒20に移動自在に環装されており、ガイド棒20は、重錘30の移動をガイドするガイド手段として機能する。また、ガイド棒20には、重錘30を係脱可能に係止する錘係止機構40が取り付けられている。これにより、ガイド棒20を重力方向に保持した状態で、重錘30を上方に持ち上げて錘係止機構40によって係止させた後、錘係止機構40による係止を解除することで、重錘30は、自由落下する。自由落下した重錘30は、天板12上面の弾性体15によって支持され、荷重計10に対して起歪体11の軸心方向に衝撃荷重が加えられる。なお、ガイド棒20には、重錘30の落下高さを設定する図示しない目盛り等の目印が刻まれており、錘係止機構40の取り付け位置を変更することで、重錘30の落下高さを所望の値に設定することが可能になっている。
荷重計10の下部、すなわち底板13の下面には、円板状の載荷板50が固着され、載荷板50の下面には、測定対象面に衝撃荷重を伝達する伝達部60が固着されている。載荷板50と伝達部60とは、図示しない固定ボルト等を用いて係脱可能に固着されている。これにより、伝達部60を取り外した状態で、載荷板50を測定対象面に直接載荷し、測定を行うこともできる。なお、伝達部60を取り外した状態での測定を行わない場合には、載荷板50と伝達部60とを一体に構成にしても良い。
伝達部60の測定対象面に載荷される下面は、下方に向けて突出した、ガウス曲率が全て正の凸曲面61に形成されている。ガウス曲率が全て正の凸曲面61と平面とは、1点で点接触する。また、凸曲面61は、傾斜の異なる複数の傾斜面が段差なく連続して形成されている面であり、剛性測定装置1を測定対象面に載荷した状態で、剛性測定装置1の姿勢を簡単に調整することができる。従って、測定対象面の傾きに拘わらず、図2に示すように、測定対象面に載荷した剛性測定装置1をガイド棒20が重力方向に向くように簡単に調整して保持することができ、重錘30を設定した係止高さからガイド棒20に干渉することなく自由落下させることができる。そして、重錘30の衝撃荷重は、測定対象面の傾きに拘わらず、凸曲面61と測定対象面とが接触する接触点から測定対象面に伝達される。これにより、測定対象面の傾きに拘わらず、所定の衝撃荷重を測定対象面に加えることができ、傾きが異なる複数の測定箇所でそれぞれ剛性の測定を行う場合にも、同じ条件で測定を行うことができる。なお、点接触とは、凸曲面61と測定対象面とが荷重が0で接触している理論上の状態であり、剛性測定装置1の自重や重錘30の衝撃荷重による荷重が加われば、凸曲面61や測定対象面の弾性変形によって、ある程度の面積を有する面接触になることは言うまでもない。さらに、伝達部60は、重錘30の衝撃荷重を測定対象面に対してずれることなく確実に伝達する必要があるため、硬質プラスチックやエボナイト等の、摩擦力が高く加工性がよく弾性が少ない素材を用いると好適である。
なお、凸曲面61の曲率(曲がり)は、測定対象面の想定される傾斜角度に応じて適宜設定すると良い。例えば、測定対象面の想定される傾斜角度が小さい場合には、図3(a)に示すように、曲率が小さく曲がりが小さい凸曲面61aが形成された伝達部60aを、測定対象面の想定される傾斜角度が大きい場合には、図3(b)に示すように、曲率が大きく曲がりが大きい凸曲面61bが形成された伝達部60bをそれぞれ採用すると良い。
また、本実施の形態では、伝達部60の下面を凸曲面61で構成したが、図3(c)、(d)に示すように、辺62で接続された傾斜の異なる複数の傾斜面63で構成された載荷面を有する伝達部60c、60dを採用することもできる。
図3(c)に示す伝達部60cは、星形多面体を切断した形状であり、切断面が載荷板50の下面に固着されている。伝達部60cと測定対象面とは、突出したいずれかの頂点64で接触する。このように伝達部60cと測定対象面とが頂点64で接触するため、安定性が悪くなり、測定対象面に載荷した剛性測定装置1をガイド棒20が重力方向に向くように調整することは多少難しくなるが、測定対象面に載荷した剛性測定装置1をガイド棒20が重力方向に向くように保持できれば、同じ条件で測定を行うことができる。
図3(d)に示す伝達部60dは、凸多面体を切断した形状であり、切断面が載荷板50の下面に固着されている。伝達部60dと測定対象面とは、傾斜面63、辺62、頂点64のいずれかで接触する。従って、伝達部60dと測定対象面との接触状態を統一させることが難しくなるが、測定対象面との接触を辺62もしくは頂点64のいずれかに決めることで、伝達部60dと測定対象面との接触状態を統一させ、測定対象面に載荷した剛性測定装置1をガイド棒20が重力方向に向くように保持して、同じ条件で測定を行うことができる。
次に、本実施の形態の剛性測定装置1を用いた剛性の測定方法について図4を参照して詳細に説明する。
まず、測定者は、図4(a)に示すように、測定対象面に剛性測定装置1を載荷させる。測定対象面が平面である場合には、測定対象面の傾きや剛性測定装置1の姿勢に拘わらず、剛性測定装置1における伝達部60の凸曲面61と測定対象面とは、1点で点接触する。なお、図4(a)に示すように、重錘30が荷重計10上の弾性体15に支持されている状態では、剛性測定装置1が自立可能に構成すると好適である。
次に、測定者は、図4(a)に矢印Xで示すように、重錘30をガイド棒20に沿って上方に引き上げて係止機構40によって係止させると共に、矢印Yで示すように、ガイド棒20を持ち、図4(b)に示すように、ガイド棒20が重力方向に向くように調整して保持する。なお、ガイド棒20の向きの調整は、下げ振りや水準計等の計器を用いて行うことができ、下げ振りや水準計等の計器をガイド棒20に備えておくと好適である。また、ガイド棒20の保持は、スタンド等の器具を用いるようにしても良い。
次に、測定者は、係止機構40による係止を解除させ、図4(c)に示すように、重錘30をガイド棒20に沿って自由落下させる。これにより、重錘30を設定した係止高さからガイド棒20に干渉することなく自由落下させることができ、重錘30による衝撃荷重は、弾性体15を介して荷重計10に、そして載荷板50と伝達部60とを介して測定対象面に伝達される。
荷重計10は、図示しないA/D変換器や制御演算回路を内蔵しており、重錘30を落下させた際に、起歪体11に貼付された複数の図示しない歪みゲージによって変換された荷重信号を用いて測定面からの反力を算出すると共に、加速度センサ14によって変換された加速度信号を用いて測定面の変位量(変位)を算出する。変位量(変位)の算出は、例えば、加速度信号をA/D変換器で符号付きの信号に変換し、2階積分することで求めることができる。
さらに、荷重計10は、算出した反力及び変位量を撓み量測定データとし、撓み量測定データに基づいて路盤の剛性、すなわち軌道を支持する剛性(以下、軌道支持剛性という。)を算出する。
データ処理装置は、算出された軌道支持剛性を記憶する記憶手段を備えていると共に、制御演算手段を備えた専用端末やPC(Personal Computer)等が用いられる。
本実施の形態の剛性測定装置1を用いたバラスト軌道での剛性の測定方法について図5を参照して詳細に説明する。
剛性測定装置1は、図5に示すように、レール71の敷設方向(以下、「軌道方向」という。)の異なる箇所にそれぞれ敷設されたまくらぎ72下のバラスト道床73の軌道支持剛性をそれぞれ測定するのに適している。
すなわち、剛性測定装置1は、上述のように、測定対象面が平面であれば、測定対象面の傾きに拘わらず、同じ条件で測定を行うことができる。そして、まくらぎ72としては、PC(プレストレスト・コンクリート)まくらぎ、木製の木まくらぎ、ガラス繊維製の合成まくらぎ等が用いられるが、その上面は平面になっている。従って、まくらぎ72は、バラスト軌道の曲線部において勾配を有して敷設されているものがあり、図5(a)〜(c)に示すように、傾きがばらついているが、まくらぎ72の上面を測定対象面として剛性測定装置1を載荷することで、同じ条件で軌道支持剛性を測定することができる。
以上説明したように本実施の形態は、ガイド棒20に沿って重錘30を落下させ、落下させた重錘30による衝撃荷重を、伝達部60から測定対象面に伝達させて剛性を測定する重錘落下式の剛性測定装置1であって、伝達部60の測定対象面に載荷される載荷面は、凸曲面61に形成されている。また、辺62で接続された傾斜の異なる複数の傾斜面63で構成された載荷面を有する伝達部60c、60dを採用することもできる。
この構成により、測定対象面に載荷した剛性測定装置1をガイド棒20が重力方向に向くように簡単に調整して保持することができ、さらに伝達部60と測定対象面とは常に点接触となり、接触状態を統一することができるため、測定対象面の傾きに拘わらず、所定の衝撃荷重を測定対象面に加えることができ、正確な測定を行うことができる。特に、傾きが異なる複数の測定箇所でそれぞれ剛性の測定を行う場合には、各測定を同じ条件で行うことができるため、測定結果を比較検討したり、統計処理を行ったりすること可能になる。さらに、測定対象面が平面であれば、測定対象面が傾いていても所定の条件でそのまま剛性が測定可能であり、不陸整正を行うことが困難な測定対象面に対しての測定に有効である。
さらに、本実施の形態によれば、バラスト道床73上に敷設されたまくらぎ72の上面を測定対象面としている。
まくらぎ72の上面を測定対象面とすることで、まくらぎ72の傾きに拘わらず、各まくらぎ72に対して同じ条件で軌道支持剛性の測定を行うことができる。従って、各まくらぎ72の上面を測定対象面としてそれぞれ測定された軌道支持剛性を比較検討することが可能になり、客観的にバラスト軌道の状態を把握することができる。
さらに、本実施の形態によれば、ガイド棒20の少なくとも表面は、絶縁体で構成されている。
この構成により、剛性測定装置1が倒れてガイド棒20がレール71間に架け渡されてしまっても、レール71間が導通することがない。
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
1 剛性測定装置
10 荷重計
11 起歪体
12 天板
13 底板
14 加速度センサ
15 弾性体
20 ガイド棒
30 重錘
40 錘係止機構
50 載荷板
60、60a、60b、60c、60d 伝達部
61、61a、61b 凸曲面
62 辺
63 傾斜面
64 頂点
71 レール
72 まくらぎ
73 バラスト道床

Claims (4)

  1. ガイド棒に沿って重錘を落下させ、落下させた前記重錘による衝撃荷重を伝達部から測定対象面に伝達させて剛性を測定する重錘落下式の剛性測定装置であって、
    前記伝達部の前記測定対象面に載荷される載荷面は、凸曲面であることを特徴とする剛性測定装置。
  2. ガイド棒に沿って重錘を落下させ、落下させた前記重錘による衝撃荷重を伝達部から前記測定対象面に伝達させて剛性を測定する重錘落下式の剛性測定装置であって、
    前記伝達部の前記測定対象面に載荷される載荷面には、傾斜の異なる複数の傾斜面が形成されていることを特徴とする剛性測定装置。
  3. 前記測定対象面は、バラスト道床上に敷設されたまくらぎの上面であることを特徴とする請求項1又は2記載の剛性測定装置。
  4. 前記ガイド棒の少なくとも表面は、絶縁体で構成されていることを特徴とする請求項3記載の剛性測定装置。
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