JP2015009931A - ローラ回転不良の検出装置、コンベヤベルトユニットおよびローラ回転不良の検出方法 - Google Patents

ローラ回転不良の検出装置、コンベヤベルトユニットおよびローラ回転不良の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持ローラの回転不良の検出精度を向上させる。
【解決手段】ローラ回転不良の検出装置14は、コンベヤベルト11によって搬送物Xを搬送するコンベヤベルトユニット10においてコンベヤベルト11を支持する支持ローラ12、13の温度を測定する主測定部31と、主測定部31の測定結果に基づいて支持ローラ12、13の回転不良を検出する検出部33と、搬送物Xの温度、およびコンベヤベルトユニット10の外部の発熱体によって加熱される被検体の温度のうち、少なくとも一方の温度を測定する補助測定部32と、を備え、検出部33は、主測定部31の測定結果と、補助測定部32の測定結果と、に基づいて、支持ローラ12、13の回転不良を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ローラ回転不良の検出装置、コンベヤベルトユニットおよびローラ回転不良の検出方法に関する。
従来から、搬送物を搬送するコンベヤベルトと、コンベヤベルトを支持する支持ローラと、を備えるコンベヤベルトユニットがある。この種のコンベヤベルトユニットでは、例えば支持ローラのベアリングが故障する等して支持ローラの回転不良が生じると、支持ローラの回転が規制された状態で、この支持ローラにコンベヤベルトから回転力が付与されるため、回転不良が生じた支持ローラの温度が上昇する。
そこで、支持ローラの回転不良を検出する検出装置として、例えば下記特許文献1に記載されたような、支持ローラの温度を測定する主測定部と、主測定部の測定結果に基づいて支持ローラの回転不良を検出する検出部と、を備える構成が知られている。
国際公開第2010/142029号
しかしながら、前記従来のローラ回転不良の検出装置では、支持ローラの温度が、コンベヤベルトユニット外部の環境要因によって変化することがあり、検出精度を向上させることについて改善の余地がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、支持ローラの回転不良の検出精度を向上させることができるローラ回転不良の検出装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るローラ回転不良の検出装置は、コンベヤベルトによって搬送物を搬送するコンベヤベルトユニットにおいて前記コンベヤベルトを支持する支持ローラの温度を測定する主測定部と、前記主測定部の測定結果に基づいて前記支持ローラの回転不良を検出する検出部と、を備えるローラ回転不良の検出装置であって、前記搬送物の温度、および前記コンベヤベルトユニットの外部の発熱体によって加熱される被検体の温度のうち、少なくとも一方の温度を測定する補助測定部を備え、前記検出部は、前記主測定部の測定結果と、前記補助測定部の測定結果と、に基づいて、前記支持ローラの回転不良を検出することを特徴とする。
また、本発明に係るコンベヤベルトユニットは、搬送物を搬送するコンベヤベルトと、前記コンベヤベルトを支持する支持ローラと、前記ローラ回転不良の検出装置と、を備えることを特徴とする。
これらの発明によれば、補助測定部が、搬送物の温度を測定する場合、補助測定部の測定結果に基づいて、支持ローラの温度変化のうち、搬送物から影響を受けた分を判別することができる。また補助測定部が、発熱体によって加熱される被検体の温度を測定する場合、補助測定部の測定結果に基づいて、支持ローラの温度変化のうち、発熱体から影響を受けた分を判別することができる。
したがって、検出部が、主測定部の測定結果と、補助測定部の測定結果と、に基づいて支持ローラの回転不良を検出することで、支持ローラの温度変化のうち、搬送物や発熱体などのコンベヤベルトユニット外部の環境要因からの影響を受けた分を判別した上で、支持ローラの回転不良を検出することが可能になり、検出精度を向上させることができる。
また、前記支持ローラには、前記コンベヤベルトのベルト幅方向の中央部を下方から支持する第1ローラと、前記第1ローラに対してベルト幅方向の外側に配置され、ベルト幅方向の外側の端部が前記コンベヤベルトから突出する第2ローラと、が備えられ、前記検出部は、前記主測定部により測定された前記第1ローラの温度についての測定結果と、前記補助測定部により測定された前記搬送物の温度についての測定結果と、に基づいて、前記第1ローラの回転不良を検出し、前記検出部は、前記主測定部により測定された前記第2ローラの温度についての測定結果と、前記補助測定部により測定された前記被検体の温度についての測定結果と、に基づいて、前記第2ローラの回転不良を検出してもよい。
この場合、第1ローラが、コンベヤベルトのベルト幅方向の中央部を下方から支持しており、この第1ローラには、搬送物からの熱が伝達され易い。一方、第2ローラの端部が、コンベヤベルトから突出しており、この第2ローラには、発熱体からの熱が伝達され易い。
ここで検出部が、主測定部により測定された第1ローラの温度についての測定結果と、補助測定部により測定された搬送物の温度についての測定結果と、に基づいて、第1ローラの回転不良を検出するので、搬送物からの熱が伝達され易い第1ローラの回転不良を精度良く検出することができる。
また検出部が、主測定部により測定された第2ローラの温度についての測定結果と、補助測定部により測定された被検体の温度についての測定結果と、に基づいて、第2ローラの回転不良を検出するので、発熱体からの熱が伝達され易い第2ローラの回転不良を精度良く検出することができる。
また、外気温を測定する外気温測定部を備え、前記検出部は、前記主測定部の測定結果と、前記補助測定部の測定結果から前記外気温測定部の測定結果を減じた算出結果と、に基づいて、前記支持ローラの回転不良を検出してもよい。
この場合、検出部が、補助測定部により測定された搬送物の温度についての測定結果から外気温測定部の測定結果を減じた場合、この算出結果(以下、第1算出結果という)に基づいて、支持ローラの温度変化のうち、搬送物から影響を受けた分を精度良く判別することができる。
また検出部が、補助測定部により測定された被検体の温度についての測定結果から外気温測定部の測定結果を減じた場合、この算出結果(以下、第2算出結果という)に基づいて、支持ローラの温度変化のうち、発熱体から影響を受けた分を精度良く判別することができる。
したがって、検出部が、主測定部の測定結果と、補助測定部の測定結果から外気温測定部の測定結果を減じた算出結果である第1算出結果や第2算出結果と、に基づいて支持ローラの回転不良を検出することで、支持ローラの温度変化のうち、コンベヤベルトユニット外部の環境要因からの影響を受けた分を精度良く判別した上で、支持ローラの回転不良を検出することが可能になり、検出精度を一層向上させることができる。
また、本発明に係るローラ回転不良の検出方法は、コンベヤベルトによって搬送物を搬送するコンベヤベルトユニットにおいて前記コンベヤベルトを支持する支持ローラの温度を測定する主測定工程と、前記主測定工程の測定結果に基づいて前記支持ローラの回転不良を検出する検出工程と、を有するローラ回転不良の検出方法であって、前記搬送物の温度、および前記コンベヤベルトユニットの外部の発熱体によって加熱される被検体の温度のうち、少なくとも一方の温度を測定する補助測定工程を有し、前記検出工程は、前記主測定工程の測定結果と、前記補助測定工程の測定結果と、に基づいて、前記支持ローラの回転不良を検出することを特徴とする。
この発明によれば、補助測定工程において、搬送物の温度を測定する場合、補助測定工程の測定結果に基づいて、支持ローラの温度変化のうち、搬送物から影響を受けた分を判別することができる。また補助測定工程において、発熱体によって加熱される被検体の温度を測定する場合、補助測定工程の測定結果に基づいて、支持ローラの温度変化のうち、発熱体から影響を受けた分を判別することができる。
したがって、検出工程において、主測定工程の測定結果と、補助測定工程の測定結果と、に基づいて支持ローラの回転不良を検出することで、支持ローラの温度変化のうち、搬送物や発熱体などのコンベヤベルトユニット外部の環境要因からの影響を受けた分を判別した上で、支持ローラの回転不良を検出することが可能になり、検出精度を向上させることができる。
本発明によれば、支持ローラの回転不良の検出精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るコンベヤベルトユニットの概略断面図である。 図1に示すコンベヤベルトユニットの概略側面図である。 図1に示すコンベヤベルトユニットの概略断面図であって、図1とはベルト走行方向に異なる位置の概略断面図である。 図1に示すコンベヤベルトユニットの作用を説明する概略断面図である。 図1に示すコンベヤベルトユニットの作用を説明するグラフであって、支持ローラが搬送物からの熱の影響を受ける場合の作用を説明するグラフである。 図1に示すコンベヤベルトユニットの作用を説明するグラフであって、支持ローラが搬送物からの熱の影響を受ける場合の作用を説明するグラフである。 図1に示すコンベヤベルトユニットの作用を説明するグラフであって、支持ローラが搬送物からの熱の影響を受ける場合の作用を説明するグラフである。 図1に示すコンベヤベルトユニットの作用を説明するグラフであって、支持ローラが太陽からの熱の影響を受ける場合の作用を説明するグラフである。 図1に示すコンベヤベルトユニットの作用を説明するグラフであって、支持ローラが太陽からの熱の影響を受ける場合の作用を説明するグラフである。 図1に示すコンベヤベルトユニットの作用を説明するグラフであって、支持ローラが太陽からの熱の影響を受ける場合の作用を説明するグラフである。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るコンベヤベルトユニットを説明する。
図1および図2に示すように、コンベヤベルトユニット10は、コンベヤベルト11と、支持ローラ12、13と、ローラ回転不良の検出装置14(以下、検出装置という)と、を備えている。コンベヤベルトユニット10は、例えば高炉への鉄鉱石の投入や、採掘場における採掘物の運搬などに用いられる。
図1に示すように、コンベヤベルト11は、搬送物Xを搬送する。搬送物Xとしては、例えば前述の採掘物や鉄鉱石などが挙げられる。
支持ローラ12、13は、コンベヤベルト11を支持する。支持ローラ12、13は、軸部材21と、ローラ本体22と、を備えている。軸部材21は、ベルト幅方向D1に延びている。ローラ本体22は、軸部材21に、図示しないベアリングを介して取り付けられている。
支持ローラ12、13としては、第1ローラ12と、第2ローラ13と、が備えられている。第1ローラ12は、コンベヤベルト11のベルト幅方向D1の中央部を下方から支持している。第2ローラ13は、第1ローラ12に対してベルト幅方向D1の外側に配置され、コンベヤベルト11のベルト幅方向D1の端部を下方から支持している。
第2ローラ13は、一対設けられ、第1ローラ12をベルト幅方向D1に挟み込んでいる。第2ローラ13のベルト幅方向D1の外側の端部は、コンベヤベルト11からベルト幅方向D1に突出し、コンベヤベルト11から上方に露出している。第2ローラ13は、ベルト幅方向D1の内側から外側に向かうに従い漸次、上側に向かっていて、第1ローラ12に対して傾斜している。
第1ローラ12と、一対の第2ローラ13と、は、コンベヤベルト11が走行するベルト走行方向D2において同等の位置に配置されている。これらの3つの支持ローラ12、13は、コンベヤベルト11をトラフ状に支持するベルト支持部15を構成している。ベルト支持部15は、ベルト走行方向D2に間隔をあけて複数配置されている。なお図2では、わかり易さのため、第1ローラ12と第2ローラ13との上下方向の位置の違いを誇張して示している。
このベルト支持部15では、第2ローラ13のベルト幅方向D1の外側の端部が、コンベヤベルト11から突出することで、コンベヤベルト11のベルト幅方向D1の端部が損傷することを抑制している。
ここで図2および図3に示すように、支持ローラ12、13には、ダミーローラ(被検体)DRが隣接して配置されている。ダミーローラDRは、支持ローラ12、13と同等の構成である。ダミーローラDRは、軸部材21aと、ローラ本体22aと、図示しないベアリングと、を備えている。これらの軸部材21a、ローラ本体22aおよびベアリングは、支持ローラ12、13の軸部材21、ローラ本体22およびベアリングそれぞれと同等の構成であり、支持ローラ12、13の軸部材21、ローラ本体22およびベアリングそれぞれと同等の大きさでかつ同等の形状である。
ダミーローラDRは、支持ローラ12、13に対してベルト走行方向D2に隣接して配置されている。ダミーローラDRは、このダミーローラDRが隣接する支持ローラ12、13に対して平行に配置されている。ダミーローラDRのベルト幅方向D1の位置は、このダミーローラDRが隣接する支持ローラ12、13のベルト幅方向D1の位置と同等になっている。ダミーローラDRは、このダミーローラDRが隣接する支持ローラ12、13よりも下側に位置していて、コンベヤベルト11から離間している。
ダミーローラDRは、複数の支持ローラ12、13のうち、第2ローラ13に対してベルト走行方向D2に隣接して配置されている。ダミーローラDRのベルト幅方向D1の外側の端部は、コンベヤベルト11からベルト幅方向D1に突出し、コンベヤベルト11から上方に露出している。ダミーローラDRは、1つのベルト支持部15が備える一対の第2ローラ13それぞれに隣接して配置されている。ダミーローラDRは、例えば、ベルト支持部15の1つずつに対応して設けられていてもよく、ベルト支持部15の複数個おきに対応して設けられていてもよい。
図1に示すように、検出装置14は、支持ローラ12、13の回転不良を検出する。検出装置14は、主測定部31と、補助測定部32と、外気温測定部と、検出部33と、を備えている。なお外気温測定部は図示を省略している。
主測定部31は、支持ローラ12、13の温度を各別に測定する。主測定部31は、支持ローラ12、13に内蔵されていて、支持ローラ12、13の内部の温度を測定する。主測定部31は、支持ローラ12、13のうち、ベルト幅方向D1の端部に内蔵されていて、前記ベアリングの温度を測定する。
補助測定部32は、搬送物Xの温度およびダミーローラDRの温度のうち、少なくとも一方の温度を測定する。本実施形態では、補助測定部32は、搬送物Xの温度およびダミーローラDRの温度それぞれを測定する。図1および図3に示すように、補助測定部32には、搬送物Xの温度を測定する第1補助測定部34と、ダミーローラDRの温度を測定する第2補助測定部35と、が備えられている。
図1に示すように、第1補助測定部34は、例えば赤外線温度センサなどにより形成され、コンベヤベルト11上の搬送物Xの温度を、非接触式の測定方法によって測定する。第1補助測定部34は、搬送物Xに近接して配置されていて、例えば第2ローラ13の上方などに配置されている。
図3に示すように、第2補助測定部35は、ダミーローラDRに内蔵されていて、支持ローラ12、13の内部の温度を測定する。第2補助測定部35は、主測定部31と同等の構成である。第2補助測定部35は、ダミーローラDRのうち、ベルト幅方向D1の端部に内蔵されていて、前記ベアリングの温度を測定する。
前記外気温測定部は、外気温を測定する。外気温測定部は、例えば、コンベヤベルト11近傍の代表的な一箇所の外気温を測定してもよく、コンベヤベルト11近傍であってベルト走行方向D2に沿って互いに離間した複数箇所における外気温を測定してもよい。
図1および図3に示すように、主測定部31、補助測定部32および前記外気温測定部は、それぞれの測定結果を、例えば無線通信などにより検出部33に送信する。検出部33は、主測定部31の測定結果に基づいて支持ローラ12、13の回転不良を検出する。
以下、コンベヤベルトユニット10におけるローラ回転不良の検出方法(以下、検出方法という)について説明する。
前記コンベヤベルトユニット10では、例えば支持ローラ12、13の前記ベアリングが故障する等して支持ローラ12、13の回転不良が生じると、支持ローラ12、13の回転が規制された状態で、この支持ローラ12、13にコンベヤベルト11から回転力が付与されるため、回転不良が生じた支持ローラ12、13の温度が上昇する。したがって検出部33は、支持ローラ12、13の温度に基づいて支持ローラ12、13の回転不良を検出することができる。
ここでコンベヤベルトユニット10が、例えば高炉への鉄鉱石の投入に適用される場合など、コンベヤベルト11が、外気温よりも高温の搬送物Xを搬送する場合、搬送物Xからの熱が、コンベヤベルト11を介して支持ローラ12、13に伝達される。
また図4に示すように、コンベヤベルトユニット10が、例えば採掘場における採掘物の運搬に適用される場合など、コンベヤベルト11が、屋外で用いられる場合、日光Lが、支持ローラ12、13のうち、コンベヤベルト11から上方に露出する部分に照射される。これにより、支持ローラ12、13に図示しない太陽(発熱体)からの輻射熱が伝達される。
以上のように、搬送物Xから支持ローラ12、13に熱が伝達されたり、太陽から支持ローラ12、13に輻射熱が伝達されたりする場合、搬送物Xや太陽などのコンベヤベルトユニット10外部の環境要因に基づいて、支持ローラ12、13の温度が、この支持ローラ12、13の稼働状態によらずに上昇する場合がある。この温度の上昇は、支持ローラ12、13の回転不良を検出する上でノイズとなり、検出部33が、支持ローラ12、13の温度のみに基づいて支持ローラ12、13の回転不良を検出しようとした場合には、支持ローラ12、13の回転不良を誤検出する可能性がある。
そこで検出部33は、主測定部31の測定結果だけでなく、この主測定部31の測定結果と、補助測定部32の測定結果と、に基づいて、支持ローラ12、13の回転不良を検出する。検出部33は、これらの両測定結果に基づいて、支持ローラ12、13の温度の補正値を算出する。この補正値は、支持ローラ12、13についての温度の測定結果から、コンベヤベルトユニット10外部の環境要因の影響を除外した値である。
そして検出部33は、補正値が、予め設定された基準値Cを超えたときに、支持ローラ12、13の回転不良が生じたと判定する。なお前記基準値Cは、例えば事前検証などにより設定することができる。前記基準値Cは、例えば外気温の値によらず一定の値をとる定数であってもよく、外気温の値に応じて変化する変数であってもよい。
次に、この検出方法を実施した具体例について説明する。
はじめに、例えばコンベヤベルトユニット10が屋内で使用される等し、支持ローラ12、13の温度が太陽の影響を実質的に受けない場合の一例を説明する。
この場合、コンベヤベルト11によって搬送物Xを搬送するときに、主測定部31は、支持ローラ12、13の温度を測定し(主測定工程)、補助測定部32は、搬送物Xの温度およびダミーローラDRの温度をそれぞれ測定し(補助測定工程)、前記外気温測定部は、外気温を測定する(外気温測定工程)。その後、主測定部31、補助測定部32および前記外気温測定部は、それぞれの測定結果を検出部33に送信する。なおこのとき、ダミーローラDRの温度は測定しなくてもよい。
図5および図6は、主測定部31、補助測定部32および前記外気温測定部による測定結果の一例を示すグラフである。この測定結果は、いずれも支持ローラ12、13の回転不良が生じていない期間のものである。なお図5および図6、並びに後述する図7に示すグラフでは、横軸が時間を示し、縦軸が温度を示している。
図5に示すグラフのうち、グラフ線T11は、外気温および搬送物Xの温度の測定結果を示し、グラフ線T12は、第1ローラ12および両第2ローラ13の温度の測定結果を示す。図5に示すように、外気温と搬送物Xの温度とが同等である場合には、支持ローラ12、13の温度は、搬送物Xの温度の影響を実質的に受けない。支持ローラ12、13の温度は、例えばこの支持ローラ12、13の回転時にコンベヤベルト11との間に生じる摩擦熱などにより、外気温に比べて高くなっている。
図6に示すグラフのうち、グラフ線T21は、外気温の測定結果を示し、グラフ線T22は、搬送物Xの温度の測定結果を示し、グラフ線T23は、第1ローラ12の温度の測定結果を示し、グラフ線T24は、両第2ローラ13の温度の測定結果を示している。図6に示すように、搬送物Xの温度が外気温よりも高くなる場合には、支持ローラ12、13の温度が、搬送物Xの温度の影響を受ける。
本実施形態では、第2ローラ13は、コンベヤベルト11のベルト幅方向D1の端部を支持していることから、この第2ローラ13には、搬送物Xからの熱が伝達され難い。一方、第1ローラ12は、コンベヤベルト11のベルト幅方向D1の中央部を支持しており、この第1ローラ12には、搬送物Xからの熱が伝達され易い。
そのため、第1ローラ12に回転不良が生じていないにも関わらず、図6に示すグラフ線T23のように、一部の期間において、第1ローラ12の温度の測定結果が前記基準値Cを超えている
そこで本実施形態では、検出部33は、主測定部31により測定された第1ローラ12の温度についての測定結果(グラフ線T23)と、第1補助測定部34の測定結果である搬送物Xの温度についての測定結果(グラフ線T22)と、に基づいて、第1ローラ12の回転不良を検出する(検出工程)。
このとき検出部33は、図7に示すグラフにおけるグラフ線T23aのように、主測定部31による測定結果および第1補助測定部34による測定結果に基づいて、第1ローラ12の温度の補正値を算出する。この補正値は、下記(1)式に基づいて算出される。
T23a=T23−(T22−T21)×a ・・・ (1)
なお上記(1)式中、T23aは、第1ローラ12の温度の補正値であり、T23は、主測定部31による第1ローラ12の温度についての測定結果であり、T22は、第1補助測定部34の測定結果であり、T21は、外気温測定部の測定結果である。
またaは補正係数であり、0≦a≦1の条件を満たす。補正係数は、搬送物Xの熱の支持ローラ12、13への伝達のし易さを表していて、補正係数が大きいほど、搬送物Xの熱が支持ローラ12、13に伝達し易く、補正係数が小さいほど、搬送物Xの熱が支持ローラ12、13に伝達し難い。補正係数は、例えば搬送物Xとコンベヤベルト11との間の熱伝達率と、コンベヤベルト11の熱伝導率と、コンベヤベルト11と支持ローラ12、13との間の熱伝達率と、に基づいて設定することができる。また補正係数は、例えば事前検証などにより設定することができる。
この補正値では、第1ローラ12の温度変化のうち、搬送物Xから影響を受けた分が除外されていて、図7に示すグラフにおけるグラフ線T23aのように、前記基準値Cを超えていない。これにより、支持ローラ12、13の回転不良の誤検出が抑制される。
以上のように、検出部33が、主測定部31の測定結果と、第1補助測定部34の測定結果から外気温測定部の測定結果を減じた算出結果(以下、第1算出結果という)と、に基づいて、第1ローラ12の回転不良を検出することで、支持ローラ12、13の回転不良の誤検出を抑制している。検出部33は、第1算出結果に基づくことで、支持ローラ12、13の温度変化のうち、搬送物Xから影響を受けた分を精度良く判別することができる。
次に、例えばコンベヤベルトユニット10が屋外で使用され、日光Lが、支持ローラ12、13のうち、コンベヤベルト11から上方に露出する部分に照射される場合の一例を説明する。
この場合も、まず主測定工程、補助測定工程および外気温測定工程を前述のように実施する。このとき、搬送物Xの温度は測定しなくてもよい。
図8および図9は、主測定部31、補助測定部32および前記外気温測定部による測定結果の一例を示すグラフである。この測定結果は、いずれも支持ローラ12、13の回転不良が生じていない期間のものである。なお図8および図9、並びに後述する図10に示すグラフでは、横軸が時間を示し、縦軸が温度を示している。
図8および図9に示すグラフのうち、グラフ線T31は、外気温の測定結果を示し、グラフ線T32は、第1ローラ12の温度の測定結果を示し、グラフ線T33は、一対の第2ローラ13のうちの一方の測定結果を示し、グラフ線T34は、一対の第2ローラ13のうちの他方の測定結果を示し、グラフ線T35は、外気温測定部の測定結果を示す。各支持ローラ12、13の温度は、外気温に応じて変化している。
本実施形態では、第1ローラ12は、コンベヤベルト11に上方から覆われているので、この第1ローラ12には、太陽からの輻射熱が伝達され難い。一方、第2ローラ13の端部が、コンベヤベルト11から上方に露出しており、この第2ローラ13には、太陽からの輻射熱が伝達され易い。
そのため、第2ローラ13に回転不良が生じていないにも関わらず、図8および図9に示すグラフ線T34のように、一部の期間において、第2ローラ13の温度の測定結果が前記基準値Cを超えている。
そこで本実施形態では、検出部33は、主測定部31により測定された第2ローラ13の温度についての測定結果(グラフ線T34)と、第2補助測定部35の測定結果であるダミーローラDRの温度についての測定結果(グラフ線T35)と、に基づいて、第2ローラ13の回転不良を検出する(検出工程)。
このとき検出部33は、図10に示すグラフにおけるグラフ線T34aのように、主測定部31による測定結果および第2補助測定部35による測定結果に基づいて、第2ローラ13の温度の補正値を算出する。この補正値は、下記(2)式に基づいて算出される。
T34a=T34−(T35−T31) ・・・ (2)
なお上記(2)式中、T34aは、第2ローラ13の温度の補正値であり、T34は、主測定部31による第2ローラ13の温度についての測定結果であり、T35は、第2補助測定部35の測定結果であり、T31は、外気温測定部の測定結果である。
第2補助測定部35の測定結果は、測定対象の第2ローラ13に隣接するダミーローラDRの温度についての測定結果である。ここで前述のように、ダミーローラDRは、支持ローラ12、13と同等の構成である上、例えば第2ローラ13に隣接して配置されていたり、第2ローラ13と平行であったりする等しており、ダミーローラDRの太陽に対する曝露条件と、第2ローラ13の太陽に対する曝露条件と、が同等になっている。しかもダミーローラDRは、コンベヤベルト11から離間しており、コンベヤベルト11の走行時にコンベヤベルト11に伴って回転することがないため、回転を起因として温度が上昇することがない。したがって、ダミーローラDRの温度に基づいて、太陽から第2ローラ13に伝達された輻射熱の影響を精度良く近似することができる。
この補正値では、第2ローラ13の温度変化のうち、太陽から影響を受けた分が除外されていて、図10に示すグラフにおけるグラフ線T34aのように、前記基準値Cを超えていない。これにより、支持ローラ12、13の回転不良の誤検出が抑制される。
以上のように、検出部33が、主測定部31の測定結果と、第2補助測定部35の測定結果から外気温測定部の測定結果を減じた算出結果(以下、第2算出結果という)と、に基づいて、第2ローラ13の回転不良を検出することで、支持ローラ12、13の回転不良の誤検出を抑制している。検出部33は、第2算出結果に基づくことで、支持ローラ12、13の温度変化のうち、太陽から影響を受けた分を精度良く判別することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るコンベヤベルトユニット10、ローラ回転不良の検出装置14およびローラ回転不良の検出方法によれば、補助測定部32が、搬送物Xの温度を測定する場合、補助測定部32の測定結果に基づいて、支持ローラ12、13の温度変化のうち、搬送物Xから影響を受けた分を判別することができる。また補助測定部32が、太陽によって加熱されるダミーローラDRの温度を測定する場合、補助測定部32の測定結果に基づいて、支持ローラ12、13の温度変化のうち、太陽から影響を受けた分を判別することができる。
したがって、検出部33が、主測定部31の測定結果と、補助測定部32の測定結果と、に基づいて支持ローラ12、13の回転不良を検出することで、支持ローラ12、13の温度変化のうち、搬送物Xや太陽などのコンベヤベルトユニット10外部の環境要因からの影響を受けた分を判別した上で、支持ローラ12、13の回転不良を検出することが可能になり、検出精度を向上させることができる。
また本実施形態では、検出部33が、主測定部31の測定結果と、補助測定部32の測定結果から外気温測定部の測定結果を減じた算出結果である第1算出結果や第2算出結果と、に基づいて支持ローラ12、13の回転不良を検出することで、支持ローラ12、13の温度変化のうち、コンベヤベルトユニット10外部の環境要因からの影響を受けた分を精度良く判別した上で、支持ローラ12、13の回転不良を検出することが可能になり、検出精度を一層向上させることができる。
また検出部33が、主測定部31により測定された第1ローラ12の温度についての測定結果と、補助測定部32により測定された搬送物Xの温度についての測定結果と、に基づいて、第1ローラ12の回転不良を検出するので、搬送物Xからの熱が伝達され易い第1ローラ12の回転不良を精度良く検出することができる。
また検出部33が、主測定部31により測定された第2ローラ13の温度についての測定結果と、補助測定部32により測定されたダミーローラDRの温度についての測定結果と、に基づいて、第2ローラ13の回転不良を検出するので、太陽からの熱が伝達され易い第2ローラ13の回転不良を精度良く検出することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本発明では、検出部33が、第1ローラ12の回転不良を検出するときに、主測定部31により測定された第1ローラ12の温度についての測定結果と、第1補助測定部34により測定された測定結果と、に基づくだけでなく、さらに、第2補助測定部35により測定された測定結果にも基づいて、第1ローラ12の回転不良を検出してもよい。
本発明では、検出部33が、第2ローラ13の回転不良を検出するときに、主測定部31により測定された第2ローラ13の温度についての測定結果と、第2補助測定部35により測定された測定結果と、に基づくだけでなく、さらに、第1補助測定部34により測定された測定結果にも基づいて、第2ローラ13の回転不良を検出してもよい。
本発明では、例えばコンベヤベルト11が、屋外で用いられる上、外気温よりも高温の搬送物Xを搬送する場合などに、検出部33が、第1ローラ12の回転不良および第2ローラ13の回転不良を並行して検出してもよい。
前記実施形態では、検出部33は、主測定部31の測定結果と、補助測定部32の測定結果から外気温測定部の測定結果を減じた算出結果と、に基づいて、支持ローラ12、13の回転不良を検出するものとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、検出部が、主測定部の測定結果から補助測定部の測定結果を減じた算出結果に基づいて、支持ローラの回転不良を検出してもよい。
前記実施形態では、図1および図3に示すように、検出部33は、支持ローラ12、13の外部に設けられていて、サーバ等により形成することができるが、本発明はこれに限られない。例えば検出部は、支持ローラに各別に設けられていて、プロセッサ等により形成できるものであってもよい。
前記実施形態では、第2補助測定部35に日光Lが照射されたが、本発明はこれに限られない。例えば、第2補助測定部に太陽とは異なる発光体などの発熱体から光線が照射されてもよい。
前記実施形態では、補助測定部32は、搬送物Xの温度およびダミーローラDRの温度それぞれを測定するものとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、搬送物の温度およびダミーローラの温度のうちの一方のみを測定してもよい。ダミーローラの温度を測定しない場合、ダミーローラはなくてもよい。
前記実施形態では、第2補助測定部35が、被検体としてのダミーローラDRの温度を測定するものとしたが、被検体の構成はこれに限られない。例えば被検体を、板状に形成してもよい。
前記実施形態では、検出部33が、支持ローラ12、13の回転不良を検出するものとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、図7や図10に示すグラフを表示部に表示させ、コンベヤベルトユニットの操作員が、これらのグラフに基づいて支持ローラの回転不良を検出してもよい。
前記実施形態では、ベルト支持部15がコンベヤベルト11をトラフ状に支持するものとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、ベルト支持部がコンベヤベルトをパイプ状に支持してもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 コンベヤベルトユニット、11 コンベヤベルト、12 第1ローラ(支持ローラ)、13 第2ローラ(支持ローラ)、14 ローラ回転不良の検出装置、31 主測定部、32 補助測定部、33 検出部、34 第1補助測定部、35 第2補助測定部、
D1 ベルト幅方向、DR ダミーローラ(被検体)、X 搬送物

Claims (5)

  1. コンベヤベルトによって搬送物を搬送するコンベヤベルトユニットにおいて前記コンベヤベルトを支持する支持ローラの温度を測定する主測定部と、
    前記主測定部の測定結果に基づいて前記支持ローラの回転不良を検出する検出部と、を備えるローラ回転不良の検出装置であって、
    前記搬送物の温度、および前記コンベヤベルトユニットの外部の発熱体によって加熱される被検体の温度のうち、少なくとも一方の温度を測定する補助測定部を備え、
    前記検出部は、前記主測定部の測定結果と、前記補助測定部の測定結果と、に基づいて、前記支持ローラの回転不良を検出することを特徴とするローラ回転不良の検出装置。
  2. 請求項1記載のローラ回転不良の検出装置であって、
    前記支持ローラには、前記コンベヤベルトのベルト幅方向の中央部を下方から支持する第1ローラと、前記第1ローラに対してベルト幅方向の外側に配置され、ベルト幅方向の外側の端部が前記コンベヤベルトから突出する第2ローラと、が備えられ、
    前記検出部は、前記主測定部により測定された前記第1ローラの温度についての測定結果と、前記補助測定部により測定された前記搬送物の温度についての測定結果と、に基づいて、前記第1ローラの回転不良を検出し、
    前記検出部は、前記主測定部により測定された前記第2ローラの温度についての測定結果と、前記補助測定部により測定された前記被検体の温度についての測定結果と、に基づいて、前記第2ローラの回転不良を検出することを特徴とするローラ回転不良の検出装置。
  3. 請求項1または2に記載のローラ回転不良の検出装置であって、
    外気温を測定する外気温測定部を備え、
    前記検出部は、前記主測定部の測定結果と、前記補助測定部の測定結果から前記外気温測定部の測定結果を減じた算出結果と、に基づいて、前記支持ローラの回転不良を検出することを特徴とするローラ回転不良の検出装置。
  4. 搬送物を搬送するコンベヤベルトと、
    前記コンベヤベルトを支持する支持ローラと、
    請求項1記載のローラ回転不良の検出装置と、を備えることを特徴とするコンベヤベルトユニット。
  5. コンベヤベルトによって搬送物を搬送するコンベヤベルトユニットにおいて前記コンベヤベルトを支持する支持ローラの温度を測定する主測定工程と、
    前記主測定工程の測定結果に基づいて前記支持ローラの回転不良を検出する検出工程と、を有するローラ回転不良の検出方法であって、
    前記搬送物の温度、および前記コンベヤベルトユニットの外部の発熱体によって加熱される被検体の温度のうち、少なくとも一方の温度を測定する補助測定工程を有し、
    前記検出工程は、前記主測定工程の測定結果と、前記補助測定工程の測定結果と、に基づいて、前記支持ローラの回転不良を検出することを特徴とするローラ回転不良の検出方法。
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