JP2015009205A - ハニカム構造体およびこれを用いたガス処理装置 - Google Patents

ハニカム構造体およびこれを用いたガス処理装置 Download PDF

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新一 山口
和人 丸山
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Abstract

【課題】 捕集効率を十分維持することができるとともに、機械的強度の高いハニカム構造体と、このハニカム構造体を備える信頼性の高いガス処理装置を提供する。【解決手段】 外壁2と、外壁2の内側に設けられた複数の隔壁3と、封止材4とを備え、外壁2および隔壁3、または隔壁3同士で囲まれた空間が流体の流通路5となり、流通路5の流入口または流出口が封止材4により封止されてなるハニカム構造体1であって、流出口側において、内周側にあたる第1の領域における封止材4は、長さLaの変動係数σa/xa(σaは長さLaの標準偏差、xaは長さLaの平均値)が0.1以下であり、外周側にあたる第2の領域における封止材4は、xaより長く外壁2側に向かって長くなっているハニカム構造体1である。【選択図】 図1

Description

本発明は、排気ガスを浄化するためのフィルタ等に用いられるハニカム構造体およびこれを用いたガス処理装置に関するものである。
従来、内燃機関、焼却炉およびボイラー等から発生する排気ガス中に含まれる微粒子等を捕集するのにフィルタが用いられている。
このようなフィルタとしては、例えば、特許文献1に示すように、隔壁によって区画形成され排ガスの流通する多数のガス流通孔を有するハニカム構造体と、ガス流通孔の一部の排ガス下流側の端部を封じる第1封じ部と、ガス流通孔の残部の排ガス上流側の端部を封じる第2封じ部とを有する排ガスフィルタであって、第1封じ部の細孔が3次元的に連鎖し、逆洗エアを流通可能である排ガスフィルタが提案されている。
特開平7−332064号公報
今般の排ガスフィルタには、微粒子の捕集効率を低下させることなく、信頼性の観点から機械的強度を高くすることが求められている。
本発明は上記要求を満たすべく案出されたものであり、捕集効率を維持することができるとともに、機械的強度の高いハニカム構造体と、このハニカム構造体を備える信頼性の高いガス処理装置を提供することを目的とする。
本発明のハニカム構造体は、外壁と、該外壁の内側に設けられた複数の隔壁と、封止材とを備え、前記外壁および前記隔壁、または前記隔壁同士で囲まれた空間が流体の流通路となり、該流通路の流入口または流出口が封止材により封止されてなるハニカム構造体であって、前記流出口側において、内周側にあたる第1の領域における封止材は、長さLの変動係数σ/x(σは長さLの標準偏差、xは長さLの平均値)が0.1以
下であり、外周側にあたる第2の領域における封止材は、xより長く前記外壁側に向かって長くなっていることを特徴とするものである。
また、本発明のガス処理装置は、排気管が接続されたケース内に、上記構成のハニカム構造体を備えていることを特徴とするものである。
本発明のハニカム構造体によれば、第1の領域における微粒子の捕集量を減少させることなく、第2の領域における機械的強度を高くすることができるため、捕集効率を維持しつつ機械的強度の高いハニカム構造体とすることができる。
また、本発明のガス処理装置によれば、排気管が接続されたケース内に、本発明のハニカム構造体を備えていることにより、ハニカム構造体が高い捕集効率と高い機械的特性とを兼ね備えているため、信頼性が高く、長期間に亘って効率よく微粒子を捕集することが
できる。
本実施形態のハニカム構造体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での断面図である。 本実施形態のハニカム構造体の端面の一例を示す、(a)は流入口側の部分拡大図であり、(b)は流出口側の部分拡大図である。 本実施形態のハニカム構造体の流出口側の封止材の一例を示す、(a),(b)は内周側の封止材、(c),(b)は外周側の封止材の軸方向Aに沿って切断した断面図である。 本実施形態のハニカム構造体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるD−D’線での断面図である。 本実施形態のハニカム構造体の流入口側の封止材の一例を示す、(a),(b)は内周側の封止材、(c),(b)は外周側の封止材の軸方向Cに沿って切断した断面図である。 本実施形態のハニカム構造体の端面の他の例を示す、(a)は流入口側の部分拡大図であり、(b)は流出口側の部分拡大図である。 本実施形態の一例を模式的に示すガス処理装置の概略断面図である。
以下、本実施形態のハニカム構造体およびこれを用いたガス処理装置の一例について説明する。
図1は、本実施形態のハニカム構造体の一例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるB−B’線での断面図である。
図1に示す例のハニカム構造体1は、外壁2と、外壁2の内側に設けられた複数の隔壁3と、封止材4とを備え、外壁2および隔壁3、または隔壁3同士で囲まれた空間が流体の流通路5となり、流通路5の流入口または流出口が封止材4により封止されてなる。図1(b)において、左側が流入口であり、右側が流出口である。そして、排気ガス(EG)の流れとしては、流入口が開口しており流出口が封止材4aによって封止されている流通路5aに入り込んだEGが、矢印で示すように、流出口側に向かう際に隔壁3を通って、流入口が封止材4によって封止され流出口が開口している流通路5bから流れ出るものである。なお、EGに含まれる微粒子は、このような流れにおいて、主に隔壁3に捕集されるものである。
図2は、本実施形態のハニカム構造体の端面の一例を示す、(a)は流入口側の部分拡大図であり、(b)は流出口側の部分拡大図である。図2に示す例において、端面における流通路5の形状は、八角形状や四角形状であり、捕集効率向上の観点では、各端面における開口面積は、流入口側で大きいことが好適である。
このような構造において、本実施形態のハニカム構造体1は、流出口側において、内周側にあたる第1の領域(図1における点線で囲まれた部分)における封止材4aは、長さLの変動係数σ/x(σは長さLの標準偏差、xは長さLの平均値)が0.1以下であり、外周側(外壁側)にあたる第2の領域における封止材4aは、xより長
く外壁2側に向かって長くなっていることを特徴とする。
このような構成を満たしていることにより、捕集効率に影響の大きい第1の領域における微粒子の捕集量は変わらず、外周側の機械的強度を高くすることができるので、捕集効率を維持しつつ、高い機械的特性を備えたハニカム構造体1とすることができる。また、
外周側は、内周側と比べると微粒子の捕集量が少ないものの、燃焼することによって捕集した微粒子を除去する再生の効率が低いものであったが、上記構成とすることにより、捕集領域が小さくなって捕集量が減少することから、再生効率を高めることができる。なお、外周側の捕集量の減少は、内周側の捕集量でカバーできるため、捕集効率は維持される。
なお、第2の領域とは、図1(b)に示すような断面図において端から3番目の封止材までであり、また、第1の領域とは、それ以外の内周側のことを指す。また、長さLの変動係数σ/x(σは長さLの標準偏差、xは長さLの平均値)が0.1以下
を満たす領域を第1の領域とし、それ以外の外周側の領域を第2の領域ということもできる。
図3は、本実施形態のハニカム構造体の流出口側の封止材の一例を示す、(a),(b)は内周側(第1の領域)、(c),(d)は外周側(第2の領域)の封止材の軸方向Aに沿って切断した断面図である。
第1の領域における封止材4aの長さLおよび第2の領域における封止材4aの長さLは、図3に示すようにいずれも隣り合う隔壁3間の中央における長さのことである。
そして、図3(c),(d)に示すように、本実施形態のハニカム構造体1では、第2の領域における封止材4aは、内側端部が凹状であることが好適である。内側端部が平面状である場合よりも隔壁3と内側端部との境界における応力集中を減少させられるため、この境界に生じやすいクラックやこのクラックを起点として流出口側端面に進行するクラックの発生を抑制することができる。
図4は、本実施形態のハニカム構造体の他の例を示す、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるD−D’線での断面図である。
図1と異なる構成についてのみ説明する。図4に示す例のハニカム構造体10は、流入口側において、内周側にあたる第3の領域(図4における点線で囲まれた部分)における封止材4bは、長さLの変動係数σ/x(σは長さLの標準偏差、xは長さLの平均値)が0.08以下であり、外周側にあたる第4の領域における封止材4bは、xより長く外壁側に向かって長くなっていることが好適である。
このような構成を満たしていることにより、捕集効率に影響の大きい第3の領域における微粒子の捕集量は変わらず、外周側の機械的強度を高くすることができるので、捕集効率を維持しつつ、高い機械的特性を備えたハニカム構造体10とすることができる。また、外周側は、内周側と比べると微粒子の捕集量が少ないものの、燃焼することによって捕集した微粒子を除去する再生の効率が低いものであったが、上記構成とすることにより、捕集領域が小さくなって捕集量が減少することから、再生効率を高めることができる。なお、外周側の捕集量の減少は、内周側の捕集量でカバーできるため、捕集効率は維持される。
なお、第4の領域とは、図4(b)に示すような断面図において端から3番目の封止材までであり、また、第3の領域とは、それ以外の内周側のことを指す。また、長さLの変動係数σ/x(σは長さLの標準偏差、xは長さLの平均値)が0.08以下を満たす領域を第3の領域とし、それ以外の外周側の領域を第4の領域ということもできる。
図5は、本実施形態のハニカム構造体の流入口側の封止材の一例を示す、(a),(b)は内周側(第3の領域)、(c),(d)は外周側(第4の領域)の封止材の軸方向Cに沿って切断した断面図である。
第3の領域における封止材4bの長さLおよび第4の領域における封止材4bの長さLは、図5に示すようにいずれも隣り合う隔壁3間の中央における長さのことである。
そして、図5(c),(d)に示すように、本実施形態のハニカム構造体10では、第4の領域における封止材4bは、内側端部が凹状であることが好適である。内側端部が平面状である場合よりも隔壁3と内側端部との境界における応力集中を減少させられるため、この境界に生じやすいクラックやこのクラックを起点として流出口側端面に進行するクラックの発生を抑制することができる。なお、第2の領域における封止材4aおよび第4の領域における封止材4bの各内側端部の形状については、光学顕微鏡を用いて、倍率を、例えば、50倍以上100倍以下として観察すればよい。
図6は、本実施形態のハニカム構造体の端面の他の例を示す、(a)は流入口側の部分拡大図であり、(b)は流出口側の部分拡大図である。図6に示す例において、端面における流通路5の形状は、それぞれ扁平六角形状、正六角形状である。
図1,4に示すハニカム構造体1,10において、流入側の端面に封止材4bが形成され
ているが、流入側の端面ではなく、この端面から中央側に入り込んだ位置に形成されていても何等差し支えない。
本実施形態のハニカム構造体1,10は、外壁2、隔壁3および封止材4のいずれもがセラミック焼結体からなることが好適である。
外壁2、隔壁3および封止材4をそれぞれ構成するセラミック焼結体は、主成分が、いずれも線膨張係数が小さい、例えば、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)、β−ユークリプタイト(LiO・Al・2SiO)、β−スポジュメン(LiO・Al・4SiO)、炭化珪素(SiC)、窒化珪素(Si)、サイアロン(Si6−ZAl8−Z(0.1≦z≦1))、ムライト(3Al
・2SiO)、アルミン酸カルシウム(CaAl)、燐酸ジルコニウムカリウム(KZr(PO))およびチタン酸アルミニウム(AlTiO)の少なくともいずれか1種であることが好適である。
ここで、外壁2、隔壁3および封止材4を構成するセラミック焼結体の各主成分とは、それぞれセラミック焼結体を構成する全成分100質量%に対して50質量%より多い量を占
める成分をいい、これらの成分は、X線回折法によって同定され、その含有量は、ICP発光分析法または蛍光X線分析法により求めることができる。
また、外壁2、隔壁3および封止材4を構成するセラミック焼結体がいずれもチタン酸アルミニウム(AlTiO)を主成分とする場合、チタン酸マグネシウム(MgTi)およびチタン酸鉄(FeTiO)をそれぞれ16質量%以上24質量%以下含んでいることが好適である。この比率は、耐熱性に優れたチタン酸アルミニウム(AlTiO)、耐食性に優れたチタン酸マグネシウム(MgTi)および耐熱劣化性に優れたチタン酸鉄(FeTiO)の最適比率であり、各部材の耐熱性、耐食性および耐熱劣化性が良くなる比率である。
また、外壁2、隔壁3および封止材4を構成するセラミック焼結体がいずれもチタン酸
アルミニウム(AlTiO)を主成分とする場合、主成分からなる結晶間である粒界相における主成分が、珪素酸化物からなることが好適である。粒界相における主成分が珪素酸化物からなるときには、その粒界相と隣接する結晶粒子同士を強く結合する傾向になるとともに、結晶粒子の異常な粒成長を抑制するため、機械的強度を高くすることができる傾向になる。特に、この珪素酸化物は、粒界相を構成するそれぞれの酸化物の合計100
質量%に対して90質量%以上であることが好適である。
また、本実施形態のハニカム構造体10のような構成であるとき、第3の領域における封止材4bの長さLの平均値xは、第1の領域における封止材4aの長さLの平均値xよりも大きいことが好適である。
EG等の流体は、第3の領域における封止材4bの外側端部付近で乱流が発生しやすいが、このような構成にすることにより、この付近における乱流が減少して層流が増加するため、燃焼除去することのできない微粒子(例えば、オイルアッシュ)の偏った堆積を抑制することができる。特に、長さLの平均値xは、長さLの平均値xの1.1倍
以上1.5倍以下であることが好適である。
ところで、図1,4に示す例のハニカム構造体1,10では、隔壁3は、気孔率が35体積%以上65体積%以下であって、平均気孔径が5μm以上26μm以下であることが好適である。隔壁3の気孔率および平均気孔径がこの範囲であると、圧力損失の増加を抑制することができる。また、封止材4は、気孔率が50体積%以上65体積%以下であって、平均気孔径が12μm以上18μm以下であることが好適である。なお、隔壁3および封止材4の気孔率および平均気孔経は水銀圧入法に準拠して求めればよい。
また、本実施形態のハニカム構造体1,10では、セラミック焼結体からなるとき、封止材4aと封止材4bとにおいて、封止材4aの粒界相の面積比率が小さいことが好適である。特に、粒界相の面積比率の差は0.4%以上0.8%以下であることが好適である。ハニカム構造体1,10は、微粒子を捕集すると、隔壁3により微粒子のほとんどを捕集するが、流出口を封止する封止材4aによっても微粒子を捕集する。そのため、捕集した微粒子を燃焼除去する場合には、流入口よりも流出口を封止する封止材4aの温度が高くなりやすい。このとき、上述したような構成であれば、流出口を封止する封止材4aの粒界相の面積比率が小さいことから、耐熱性が向上し、燃焼除去時の温度に耐えることができる。
なお、ガソリンエンジンから排出される排気ガスに含まれる微粒子は、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスに含まれる微粒子よりも微粒であることから、上記構成は、ガソリンエンジン用途に特に効果的である。
粒界相の面積比率を求めるには、まず、封止材4a,4bを鏡面加工した断面を、走査型電子顕微鏡を用いて反射電子像を撮影する。そして、反射電子像として撮影された結晶相および粒界相を2値化処理し、結晶相と粒界相とを併せた面積100%に対する粒界相の
面積の比率を粒界相の面積比率とすればよい。なお、反射電子像には、気孔を含まないようにし、例えば、倍率を3000倍とし、その撮影範囲を、横が18μm、縦が12μmとなるようにすればよい。
また、このようなハニカム構造体1,10は、例えば、外径Dが140〜270mm、軸方向A,Cの長さLが100〜250mmで、円筒度が2.5mm以下である円柱形状であって、軸方向
A,Cに対して垂直な断面における流通路5は個数が100mm当たり5〜124個(32〜800CPSI)である。また、隔壁3の厚みが0.05mm以上0.25mm以下であり、封止材4
の厚みが1mm以上5mm以下である。なお、CPSIとはCells Per Square Inchesの
ことである。
また、ハニカム構造体1,10の有効濾過面積は、捕集を繰り返すことによって生じる圧力損失および微粒子を燃焼するとによって生じる熱応力をともに低減するという観点から、1.1m/L以上であることが好適で、1.4m/L以上であることが更に好適である。また、有効濾過面積の上限は、例えば、2.0m/Lである。
ハニカム構造体1,10の有効濾過面積とは、ハニカム構造体1L(リットル)あたりの流通路5を囲む隔壁3(封止材4に接している部分を除く)の面積の合計をいう。
また、図1に示す例のハニカム構造体1では、流入側が開口した流通路5aの直径は、流出側が開口した流通路5bの直径に対して、1.55倍以上1.95倍以下であることが好適である。このように、直径の比を1.55倍以上とすることで、微粒子を吸着することのできる隔壁3および封止材4のそれぞれの表面積が大きくなるので、微粒子の捕集量を増加させることができるとともに、直径の比を1.95倍以下とすることで、隔壁3が極端に薄くならないので、機械的強度が損なわれ難い。ここで、流通路5a,5bのそれぞれの直径とは、流入側端面における隔壁3に接する内接円の直径をいい、光学顕微鏡を用いて、倍率を例えば50倍以上100倍以下として測定することができる。
図7は本実施形態の一例を模式的に示すガス処理装置の概略断面図である。
図7に示す例のガス処理装置9は、本実施形態のハニカム構造体1が、その外周を把持材6に保持された状態でケース7に収容され、ケース7の流入口7aおよび流出口7bにそれぞれ排気管8a,8bが接続されている。ここで、把持材6は断熱材であることが好適で、この場合、微粒子の燃焼除去により、ハニカム構造体1に生じた熱がケース7に伝わってケース7が変形したり劣化したりするのを抑制することができる。なお、把持材6は、例えば、セラミックファイバー、ガラスファイバー、カーボンファイバーおよびセラミックウィスカーの少なくとも1種からなるが、公知の断熱材を用いてもよい。また、ケース7は、例えば、SUS303、SUS304およびSUS316等のステンレスからなり、そ
の中央部が円筒状に、両端部が円錐台状にそれぞれ形成されている。
このガス処理装置9のEGの流入側には、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関(図示しない)が排気管8aを介して接続される。そして、この内燃機関が作動して、EGが排気管8aを通ってケース7に供給されると、ハニカム構造体1の流通路5aの中にEGが導入され、封止材4aによってその流出が遮られる。流出が遮られたEGは、通気性の隔壁3を通過して、隣接する流通路5bに導入される。EGが隔壁3を通過するとき、隔壁3の壁面や隔壁3に開口する気孔の表面でEG中の微粒子が捕集される。そして、微粒子が捕集されたEGは、浄化された状態で、流通路5bから排出され、排気管8bを介して外部に排出される。なお、ガス処理装置10は、ハニカム構造体1の隔壁3の壁面に触媒を担持してもよい。
また、図7に示す例のガス処理装置9は、ハニカム構造体1を用いた場合について説明したが、ハニカム構造体1に代え、ハニカム構造体10を用いてもよい。
また、本実施形態では流体が気体である排気ガスを用いた例について説明したが、流体として液体を用いることも可能である。例えば、流体として上水または下水を用いることが可能であり、本実施形態のガス処理装置9を液体の濾過用としても適用することができる。
次に、本実施形態のハニカム構造体の製造方法の一例について説明する。
本実施形態のハニカム構造体1,10を形成するためのセラミック粉末を得るには、まず、酸化アルミニウムの粉末を53〜59質量%、残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を乾式混合して一次原料を得る。次に、得られた一次原料を大気雰囲気中、温度を1435℃以上1560℃以下として、1時間以上5時間以下で仮焼することにより、元素TiおよびAlが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる第1の仮焼粉末を得る。
また、上記セラミック粉末がマグネシウムを含む場合には、まず、酸化アルミニウムの粉末を36〜42質量%および酸化マグネシウムの粉末を9〜15質量%および残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を乾式混合して一次原料を得る。次に、得られた一次原料を大気雰囲気中、温度を1435℃以上1560℃以下として、1時間以上5時間以下で仮焼することにより、元素Ti,AlおよびMgが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる第2の仮焼粉末を得る。
また、上記セラミック粉末がマグネシウムおよび鉄を含む場合には、まず、酸化アルミニウムの粉末を27〜33質量%、酸化マグネシウムの粉末を7〜13質量%、酸化第二鉄の粉末を13〜17質量%および残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を乾式混合して一次原料を得る。
ここで、一次原料を得るために用いる各粉末は、その純度が99.0質量%以上、特に99.5質量%以上であることがさらに好適である。なお、チタン酸マグネシウム(MgTi)およびチタン酸鉄(FeTiO)がチタン酸アルミニウム(AlTiO)に固溶することができるのであれば、これら金属酸化物の粉末以外に炭酸塩、水酸化物および硝酸塩などの粉末を用いてもよく、またこれらの化合物の粉末を用いてもよい。
次に、得られた一次原料を大気雰囲気中、温度を1435℃以上1560℃以下として、1時間以上5時間以下で仮焼することにより、元素Ti,Al,MgおよびFeが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる第3の仮焼粉末を得ることができる。
次に、得られた上記それぞれの仮焼粉末を固定砥石および回転砥石を上下方向に対向して配置した電動磨砕機を用いて、解砕し、JIS R 6001:1998で規定する粒度がF150であるステンレス製のメッシュを用いてメッシュパスすればよい。なお、メッシュの上
側に残った仮焼粉末は解砕およびメッシュパスを繰り返せばよい。砥石の粒度、砥石の材質、砥石の磨砕面同士の間隔および回転砥石の回転数をそれぞれF24〜F46、100μm以
下(但し、0μmを除く)の酸化アルミニウム、100rpm以上700rpm以下とすることによって、D50の粒径が50μm以上80μm以下であるセラミック粉末を得ることができる。ここで、砥石の粒度は、JIS R 6001:1998で規定する粒度であり、砥石の磨砕面同士の間隔は、33μm以上47μm以下であることが好適である。
上述した製造方法によって得られたセラミック粉末に、例えば、平均粒径が1μm以上3μm以下であって、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、0.4質量部以上1.2質
量部以下である酸化珪素の粉末と、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、1質量
部以上13質量部以下であるグラファイト、澱粉またはポリエチレン樹脂等の造孔剤とを添加した後、さらに可塑剤、滑り剤および水等を加えて、万能攪拌機、回転ミルまたはV型攪拌機等を使って混練物を作製する。
そして、作製した混練物をさらに三本ロールミルや混練機等を用いて混練し、可塑化した坏土を得る。
次に、この坏土を押し出すスクリューを備えた押出成形機を用いて成形する。この押出成形機には成形型が装着され、その成形型は成形体の外径を決定する内径が、例えば155
mm以上300mm以下であり、ハニカム構造体1,10の外壁2および隔壁3を形成するた
めのスリットを有している。
そして、上述したような成形型が装着された押出成形機に坏土を投入し、圧力を加えてハニカム状の成形体を作製し、得られた成形体を乾燥して所定長さに切断する。
次に、切断された成形体の複数の流通路の流入側および流出側のそれぞれを交互に封止する封止材4を作製する。具体的には、まず、流出側端面(OF)で封止材4aを形成しない部分にマスキングする。そして、成形体の外周よりも全長が長い帯状体を成形体の流出側外周に巻き付け、接着テープ、融着テープまたは粘着テープ等により帯状体を成形体に固定した後、成形体の流出側端面(OF)側を円筒状の容器に溜められたスラリーに浸漬する。このスラリーは、セラミック粉末に、例えば、平均粒径が1μm以上3μm以下であって、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、0.4質部以上1.2質量部以下であ
る酸化珪素の粉末と、添加量が仮焼粉末100質量部に対して、1質量部以上13質量部以下
であるグラファイト、澱粉またはポリエチレン樹脂等の造孔剤とを添加した後、分散剤および水等を加えて混合することで得られるものである。
ここで、帯状体は、例えば、発砲ポリエチレンシート、ポリプロピレン樹脂が表面に被覆されたクラフト紙等からなり、その厚さは1mm以上3mm以下である。
また、第1の領域における封止材4aが、長さLの変動係数σ/xが0.1以下
であり、第2の領域における封止材4aが、xより長く外壁側に向かって長くなっているハニカム構造体1,10を得るには、スラリーの粘度を0.8Pa・s以上2.5Pa・s以下とし、容器の内周と帯状体の外周間との隙間を1mm以上10mm以下にする。
また、第2の領域における封止材4aの内側端部が凹状であるハニカム構造体1,10を得るには、スラリーの粘度を高く設定し、例えば、スラリーの粘度を2Pa・s以上2.5Pa・s以下とすればよい。
また、第3の領域における封止材4bが、長さLの変動係数σ/xが0.08以下であり、第4の領域における封止材4bが、xより長く外壁側に向かって長くなっているハニカム構造体を得るには、流通路5aに浸入したスラリーを乾燥させた後、成形体の外周よりも全長が長い上記帯状体を成形体の流入側外周に巻き付け、接着テープ、融着テープまたは粘着テープ等により帯状体を成形体に固定した後、成形体の流入側端面(IF)側を円筒状の容器に溜められたスラリーに浸漬する。スラリーの粘度を1Pa・s以上2.5Pa・s以下とし、容器の内周と帯状体の外周間との隙間を1mm以上8mm以下
にすればよい。
また、第4の領域における封止材4bの内側端部が凹状であるハニカム構造体1,10を得るには、スラリーの粘度を高く設定し、例えば、スラリーの粘度を2Pa・s以上2.5Pa・s以下とすればよい。
また、第3の領域における封止材4bの長さLの平均値xが第1の領域における封止材4aの長さLの平均値xよりも大きいハニカム構造体1,10を得るには、容器内の第3の領域の封止材を形成するスラリーが第4の封止材を形成するスラリーよりも液面が高くなるようにすればよい。
なお、流入口および流出口をそれぞれ封止する封止材4a,4bにおいて、封止材4aの粒界相の面積比率が小さくするには、酸化珪素の粉末の添加量を、流入側の封止材4bを形成するスラリーよりも流出側の封止材4aを形成するスラリーが少なくなるようにす
ればよい。
次に、流通路5の流入側および流出側のそれぞれに交互に浸入したスラリーを乾燥させた成形体を、温度を1380℃〜1500℃として2〜10時間ほど焼成炉の中に保持することにより、本実施形態のハニカム構造体1,10を得ることができる。
そして、上述した方法によって作製されたハニカム構造体1,10の外周を把持材6で被覆した状態で、ケース7に収容した後、排気管8をケース7の流入口7aに、また、排気管(図示せず)をケース7の流出口7bに、それぞれ接続することで、図7に示す例の本実施形態のガス処理装置9を得ることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、酸化アルミニウムの粉末を30質量%、酸化第二鉄の粉末を15質量%、酸化マグネシウムの粉末10質量%および残部を酸化チタンの粉末として調合した調合原料を水とともに混合したスラリーを乾式混合して1次原料を得た。ここで、各粉末の純度は、いずれも99.5質量%とした。
次に、得られた1次原料を大気雰囲気中、温度を1450℃として、3時間で仮焼することにより、元素Ti,Al,MgおよびFeが互いに固溶した擬ブルッカイト型の結晶からなる仮焼粉末を得た。
そして、固定砥石および回転砥石を上下方向に対向して配置した電動磨砕機(増幸産業(株)製 マスコロイダー(登録商標))を用いてこの仮焼粉末をそれぞれ解砕し、JI
S R 6001:1998で規定する粒度がF150であるステンレス製のメッシュを用いてメッシュパスをした。そして、メッシュの上側に残った仮焼粉末は解砕およびメッシュパスを繰り返すことにより、セラミック粉末を得た。ここで、砥石の材質および回転砥石の回転数は、それぞれ酸化アルミニウム、400rpmとし、砥石の磨砕面同士の間隔および砥石の
粒度は、36.7mm、F36とした。ここで、砥石の粒度は、JIS R 6001:1998で規定する粒度である。
そして、セラミック粉末を構成する各成分の含有量をICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析法によって調べた結果、いずれのセラミック粉末も主成分がアルミニウムおよびチタンであることを確認した。
また、セラミック粉末のD50は、JIS Z 8825−1:2001(ISO13320−1:1999)に記載のレーザー回折法に準拠して測定した結果、その測定値は58μmであった。
そして、得られたセラミック粉末に、平均粒径が2μmであって、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、0.8質量部である酸化珪素の粉末と、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、7質量部である澱粉とを添加した後、さらに可塑剤、滑り剤および水
を加えて、万能攪拌機を使って混練物を作製した。そして、この混練物を混練機を用いて混練し、可塑化した坏土を得た。
次に、この坏土を押し出すスクリューを備えた押出成形機を用いて成形した。この押出成形機には成形型が装着され、その成形型としては成形体の外径を決定する内径が170m
mであり、ハニカム構造体の外壁2および隔壁3を形成するためのスリットを有している成形型を用意した。
そして、上述したような成形型が装着された押出成形機に坏土を投入し、圧力を加えてハニカム状の成形体を作製し、得られた成形体を乾燥して長さが168mmとなるように切
断した。
次に、切断された成形体の複数の流通路の流入側および流出側のそれぞれを交互に封止する封止材4の形成については、まず、流出側端面(OF)で封止材4aを形成しない部分にマスキングした。そして、成形体の外周よりも全長が長い帯状体を成形体の流出側外周に巻き付け、接着テープにより帯状体を成形体に固定した後、成形体の流出側端面(OF)側を予め円筒状の容器に溜められたスラリーに浸漬した。このスラリーは、セラミック粉末に、平均粒径が2μmであって、添加量がセラミック粉末100質量部に対して、0.8質量部である酸化珪素の粉末と、添加量が仮焼粉末100質量部に対して、7質量部である
澱粉を添加した後、分散剤および水を加えて混合することで得られるものであり、スラリーの粘度は1.8Pa・sとなるように調整した。
ここで、帯状体は発砲ポリエチレンシートから形成し、容器の内周と帯状体の外周間との隙間が表1に示す値となるように、また、yが、表1に示す値となるようにした。
流通路に浸入したスラリーを乾燥させた後、成形体の外周よりも全長が長い帯状体を成形体の流入側外周に巻き付け、接着テープにより帯状体を成形体に固定した後、成形体の流入側端面(IF)側を円筒状の容器に溜められた上記スラリーに浸漬した。ここで、用いるスラリーの粘度およびスラリーの液面の高さは、それぞれ1.8Pa・s、4.4mmとした。
また、帯状体は発砲ポリエチレンシートから形成し、容器の内周と帯状体の外周間との隙間を20mmとした。
そして、電気炉を用いて成形体を、焼成温度を1380℃として、3時間保持することにより焼成して、ハニカム構造体である試料No.1〜6を得た。
なお、試料No.1〜6は、図1に示す軸方向Aの長さLがいずれも117mmであって
、軸方向A、軸方向Cに対して垂直な断面における流通路5の単位面積当たりの個数をそれぞれ300CPSI、350CPSIとした。
そして、流出口を封止する封止材4a,4aの各長さL,Lを測定し、長さLについては、その平均値x、標準偏差σおよび変動係数σ/xを、長さLについては、最外周に位置する封止材4aを1番目とし、外壁2の内周面から内周側に向かって2番目および3番目に位置する封止材4aの実測値を表1に示した。
なお、この測定は、光学顕微鏡を用い、倍率を100倍として、ハニカム構造体のそれぞ
れの直径を含む、軸方向A、軸方向Cに平行な断面で行ない、平均値x、標準偏差σのサンプル数は47とした。
また、各試料が捕集する微粒子の捕集量の評価については、各試料の流入側端面(IF)をそれぞれカーボン発生装置(日本カノマックス(株)製 型式S4102 図示せず)に接続した後、この装置から微粒子を含む、温度25℃の乾燥空気を単位時間当たりの流量を2.27Nm/分として各試料に向かって噴射し、試料No.5が捕集した微粒子の捕集量を1として、各試料の捕集量の相対値を表1に示した。
また、各試料の機械的強度を評価するために、各試料のアイソスタティック破壊強度を
JASO M 505−87に準拠して測定し、その測定値を表1に示した。なお、このとき
の各試料は、内径および高さがそれぞれ175mm、640mmであるゴム製の容器の内部に個別に収容し、容器の内部を充填する媒体は水とし、圧力上昇速度を0.3MPa/分として
加圧した。なお、表1において、液面高さとは、スラリー浸漬時のスラリーの液面高さであり、隙間とは、スラリー浸漬時の容器の内周と帯状体の外周間との隙間である。
表1に示すように、試料No.1〜4は、流出口側において、内周側にあたる第1の領域における封止材4aの長さLの変動係数σ/x(σは長さLの標準偏差、xは長さLの平均値)が0.1以下であり、外周側にあたる第2の領域における封止材
4aが、xより長く外壁2側に向かって長くなっていることから、試料No.5と比べると機械的強度が高く、捕集量は維持できていることから、高い捕集効率を維持しつつ高い機械的強度を備えハニカム構造体であることがわかった。
実施例1で示した方法と同じ方法で封止材4を備えた成形体を作製した。但し、流出側を封止するスラリーの粘度は、表2に示す値とした。
そして、電気炉を用いて成形体を、焼成温度を1380℃として、3時間保持することにより焼成して、ハニカム構造体である試料No.7,8を得た。
そして、実施例1に示した方法と同じ方法で微粒子を12g捕集した後、ハニカム構造体の流出側端面(OF)の後方に配置された電気ヒータ(図示しない)によって、捕集された微粒子を燃焼除去することによってハニカム構造体を再生した。
再生条件は、流出側端面(OF)付近における燃焼温度および燃焼時間をそれぞれ1200℃、10分として、ハニカム構造体に空気を供給し、この空気の単位時間当たりの流量を1.0m/分とした。
各試料を再生させた後、再度、上述した方法と同じ方法で微粒子を捕集した。
この捕集および再生を1サイクルとして、このサイクルを繰り返し、再生した後に、流出側端面(OF)から目視で観察し、隔壁3と封止材4aとの境界にクラックが始めて観察されたサイクル数を表2に示した。
そして、光学顕微鏡を用いて、倍率を50倍として、第2の領域における封止材4aの内側端部を観察し、その形状を表2に示した。なお、この観察は、ハニカム構造体のそれぞれの直径を含む、軸方向A、軸方向Cに平行な断面で行なった。
表2に示すように、試料No.8は、第4の領域における封止材4bの内側端部が凹状であることから、試料No.7よりも隔壁3と内側端部との境界における応力集中を減少させられるため、この境界に生じやすいクラックやこのクラックを起点として流入側端面に進行するクラックの発生を抑制できることがわかった。
実施例1で示した方法と同じ方法で封止材4を備えた成形体を作製した。但し、流出側を封止するスラリーの粘度、スラリーの液面の高さおよび容器の内周と帯状体の外周間との隙間は、それぞれ1.8Pa・s、4.4mm、10mmとした。
また、流入側を封止するスラリーの粘度は、1.8Pa・sとし、スラリーの液面の高さ
および容器の内周と帯状体の外周間との隙間は、表3に示す値とした。
そして、電気炉を用いて成形体を、焼成温度を1380℃として、3時間保持することにより焼成して、ハニカム構造体である試料No.9〜14を得た。
そして、流入口を封止する封止材4b,4bの各長さL,Lを測定し、長さLについては、その平均値x、標準偏差σおよび変動係数σ/xを、長さLについては、最外周に位置する封止材4bを1番目とし、外壁2の内周面から内周側に向かって2番目および3番目に位置する封止材4bの実測値を表3に示した。
なお、この測定は、光学顕微鏡を用い、倍率を100倍として、ハニカム構造体のそれぞ
れの直径を含む、軸方向A、軸方向Cに平行な断面で行ない、平均値x、標準偏差σのサンプル数は47とした。
また、各試料が捕集する微粒子の捕集量および各試料の機械的強度については、実施例1に示した方法と同じ方法で評価し、各試料の捕集量の相対値および各試料のアイソスタティック破壊強度をそれぞれ表3に示した。試料No.13が捕集した微粒子の捕集量を1として、各試料の捕集量の相対値を表3に示した。
表3に示すように、試料No.9〜12は、流入口側において、内周側にあたる第3の領域における封止材4bの長さLの変動係数σ/x(σは長さLの標準偏差、xは長さLの平均値)が0.08以下であり、外周側にあたる第4の領域における封止材4bが、xより長く外壁2側に長くなっていることから、試料No.13と比べると機械的強度が高く、捕集量は維持できていることから、高い捕集効率を維持しつつ高い機械的強度を備えるハニカム構造体であることがわかった。
実施例3で示した方法と同じ方法で封止材4を備えた成形体を作製した。但し、流入側を封止するスラリーの粘度は、表4に示す値とした。
そして、電気炉を用いて成形体を、焼成温度を1380℃として、3時間保持することにより焼成して、ハニカム構造体である試料No.15,16を得た。
そして、光学顕微鏡を用いて、倍率を50倍として、第4の領域における封止材4bの内側端部を観察し、その形状を表3に示した。なお、この観察は、ハニカム構造体のそれぞれの直径を含む、軸方向A、軸方向Cに平行な断面で行なった。
表4に示すように、試料No.16は、第4の領域における封止材4bの内側端部が凹状であることから、試料No.15よりも隔壁3と内側端部との境界における応力集中を減少させられるため、この境界に生じやすいクラックやこのクラックを起点として流入側端面に進行するクラックの発生を抑制できることがわかった。
1,10:ハニカム構造体
2:外壁
3:隔壁
4:封止材
5:流通路
6:把持材
7:ケース
8:排気管
9:ガス処理装置

Claims (6)

  1. 外壁と、該外壁の内側に設けられた複数の隔壁と、封止材とを備え、前記外壁および前記隔壁、または前記隔壁同士で囲まれた空間が流体の流通路となり、該流通路の流入口または流出口が封止材により封止されてなるハニカム構造体であって、前記流出口側において、内周側にあたる第1の領域における封止材は、長さLの変動係数σ/x(σは長さLの標準偏差、xは長さLの平均値)が0.1以下であり、外周側にあたる第2の領域における封止材は、xより長く前記外壁側に向かって長くなっていることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記第2の領域における封止材は、内側端部が凹状であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記流入口側において、内周側にあたる第3の領域における封止材は、長さLの変動係数σ/x(σは長さLの標準偏差、xは長さLの平均値)が0.08以下であり、外周側にあたる第4の領域における封止材は、xより長く前記外壁側に向かって長くなっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記第4の領域における封止材は、内側端部が凹状であることを特徴とする請求項3に記載のハニカム構造体。
  5. 前記第3の領域における封止材の長さLの平均値xは、前記第1の領域における封止材の長さLの平均値xよりも大きいことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のハニカム構造体。
  6. 排気管が接続されたケース内に、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のハニカム構造体を備えていることを特徴とするガス処理装置。

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