JP2015009067A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技ホール側にとって好ましくない状況に対して好適に対処することが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】音光側MPU93から撮像指令信号が制御回路74に送信されると発光装置72から投射光が照射され、当該投射光に対する反射光が撮像装置73にて受光される。撮像装置73にて受光された撮像信号に対して信号処理回路75にて所定の演算処理が実行されることにより、撮像装置73の画素アレイ部73cにおける各画素に対応させて距離データが導出される。その導出された距離データは、信号処理回路75から音光側MPU93に送信され、当該音光側MPU93において距離データを利用した各種監視や各種演出の実行制御が行われる。この場合に、記憶媒体の返却操作が行われた場合には撮像用基板71の撮像結果を利用して顔認証が実行される。【選択図】 図16

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている(例えば特許文献1参照)。
特開2009−261415号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技ホール側にとって好ましくない状況が生じ得ると考えられる。例えば、遊技機に対する不正行為が行われた場合には、遊技ホール又は遊技者が不利益を被ってしまう。また、例えば遊技が行われないにも関わらず遊技機を占有されてしまうと遊技機の稼働率が低下してしまい、この場合にも遊技ホールが不利益を被ってしまう。こういった遊技ホール側にとって好ましくない状況に対して好適に対処することが可能な構成を提供する必要がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技ホール側にとって好ましくない状況に対して好適に対処することが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、使用可能な媒体数に対応する情報が記憶された記憶媒体を排出させるべく排出操作が行われたことを特定する排出操作特定手段と、
前記排出操作が行われたことが前記排出操作特定手段により特定された場合に、当該排出操作が正規の遊技者により行われたか否かを特定するための認証用処理を実行する認証実行手段と、
前記認証用処理の結果が正常でなかった場合に異常対応状態となるようにする異常対応手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技ホール側にとって好ましくない状況に対して好適に対処することが可能となる。
第1の実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)〜(j)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 撮像用基板を説明するための当該撮像用基板及びその周辺の縦断面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 主側MPUにおけるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける特図変動開始処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。 撮像用基板の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御を行うための電気的構成を示すブロック図である。 (a),(b)撮像用基板の撮像装置にて受光した信号を信号処理回路において距離データの演算用として使用するか否かを決定する場合の基準を説明するための説明図である。 (a)電波ゴト防止用シートが貼り付けられていない場合の様子を説明するための説明図であり、(b)電波ゴト防止用シートが貼り付けられている場合の様子を説明するための説明図である。 音光側MPUにおける基準スイッチ監視処理を示すフローチャートである。 信号処理回路における信号処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける撮像制御処理を示すフローチャートである。 音光側RAMの距離画像記憶エリアを説明するための説明図である。 認識対応距離を説明するための説明図である。 (a),(b)キャンセル用監視処理における監視対象の事象を説明するための説明図である。 音光側MPUにおけるキャンセル用監視処理を示すフローチャートである。 (a)距離画像記憶エリアの複数の単位記憶エリアに監視用距離以下の距離データが格納された状態を説明するための説明図であり、(b)音光側RAMの履歴データ記憶エリアを説明するための説明図である。 キャンセル用監視処理に基づき異常報知が実行される様子を示すタイムチャートである。 (a),(b)遊技ホールにおいてパチンコ機の前方に配置された椅子に着席して遊技を行っている遊技者の顔の高さ位置を説明するための説明図である。 図柄表示装置にて表示されている画像を選択する演出操作が行われる様子を説明するための説明図である。 音光側MPUにおける高さ位置監視処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける顔認証用処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける返却操作時の認証処理を示すフローチャートである。 顔認証が行われる様子を示すタイムチャートである。 音光側MPUにおける第1状況監視処理を示すフローチャートである。 第1状況監視が行われる様子を示すタイムチャートである。 音光側MPUにおける第2状況監視処理を示すフローチャートである。 (a)〜(c)告知演出に際して動作する可動物ユニットの動作の様子を説明するための説明図である。 音光側MPUにおける告知演出設定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける第1告知演出制御処理を示すフローチャートである。 (a)演出操作が行われる様子を説明するための説明図であり、(b−1),(b−2)距離画像記憶エリアに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像の内容を説明するための説明図である。 (a)演出操作が行われる様子を説明するための説明図であり、(b−1),(b−2)距離画像記憶エリアに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像の内容を説明するための説明図である。 (a)演出操作が行われる様子を説明するための説明図であり、(b−1),(b−2)距離画像記憶エリアに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像の内容を説明するための説明図である。 音光側MPUにおける第2告知演出制御処理を示すフローチャートである。 第2告知演出用操作が行われる様子を説明するための説明図である。 (a−1),(a−2)分割演出の内容を説明するための説明図であり、(b)分割演出の流れを示すタイムチャートである。 音光側MPUにおける分割演出設定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける分割演出制御処理を示すフローチャートである。 (a),(b)距離画像記憶エリアに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像の内容を説明するための説明図である。 分割演出用の操作よりも第1告知演出用操作が優先される様子を示すタイムチャートである。 (a)〜(d)停止操作演出の内容を説明するための説明図である。 (a),(b)停止操作演出の内容を説明するための説明図である。 音光側MPUにおける停止操作演出設定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける停止操作演出制御処理を示すフローチャートである。 (a),(b)距離画像記憶エリアに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像の内容を説明するための説明図である。 停止優先度データを説明するための説明図である。 (a),(b)魚群演出の内容を説明するための説明図である。 連続演出の流れを示すタイムチャートである。 主側MPUにおける保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける連続演出設定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける連続演出制御処理を示すフローチャートである。 撮像用基板の撮像結果を利用して先予告演出が行われる様子を説明するための説明図である。 音光側MPUにおける最終演出制御処理を示すフローチャートである。 (a),(b)対決演出が行われる様子を説明するための説明図である。 音光側MPUにおける対決演出設定処理を示すフローチャートである。 音光側MPUにおける強制演出制御処理を示すフローチャートである。 強制演出の流れを示すタイムチャートである。 強制演出が実行される様子を示すタイムチャートである。 音光側MPUにおける後出し可能制御処理を示すフローチャートである。 後出し可能演出の流れを示すタイムチャートである。 後出し可能演出が実行される様子を示すタイムチャートである。 音光側MPUにおける後出し不可制御処理を示すフローチャートである。 後出し不可演出が実行される様子を示すタイムチャートである。 第2の実施形態における撮像用基板の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御を行うための電気的構成を示すブロック図である。 主側MPUにおける顔認証用処理を示すフローチャートである。 主側MPUにおける返却操作時の認証処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における撮像用基板の電気的構成を示すブロック図である。 第4の実施形態における音光側MPUにて実行される分割演出設定処理を示すフローチャートである。 第5の実施形態における音光側MPUにて実行される高さ位置監視処理を示すフローチャートである。 第6の実施形態における撮像用基板の撮像範囲を説明するための説明図である。 音光側MPUにおけるキャンセル用監視処理を示すフローチャートである。 (a),(b)変形例における演出内容を説明するための説明図である。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
外枠11の側方には図1に示すように、球貸装置(例えばCRユニット)Yが設けられている。球貸装置Yの前面側には紙幣入口H1と媒体出入り口H2とが設けられている。紙幣入口H1に紙幣を挿入することにより、その紙幣に対応した数の遊技球の貸し出しを受けることが可能となる。また、媒体出入り口Hへのカード式の記憶媒体の挿入により記憶媒体に記憶された情報に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることが可能となる。なお、遊技球の貸し出しを受ける上で球貸装置Yに挿入されるものはカードに限定されることはなく現金情報が記憶されたコインであってもよい。また、使用可能な遊技球数の情報が残存している状況で返却操作が行われることにより、媒体出入り口Hを介して記憶媒体が返却される。記憶媒体を当該パチンコ機10又は他のパチンコ機10に設けられた球貸装置Yの媒体出入り口Hに挿入することにより、その記憶媒体に記憶された情報に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることが可能となる。
遊技機本体12は、図2及び図3に示すように、本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を本体枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、前扉枠14について説明する。
前扉枠14は、図1に示すように、本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明な窓パネル22が嵌め込まれている。窓パネル22は2枚の無色透明のガラスが前後に対向配置された状態でユニット化されている。なお、窓パネル22として無色透明のガラスに代えて、無色透明の合成樹脂板を利用してもよい。
前扉枠14において窓部21の上方には表示発光部23が設けられている。表示発光部23には、LED等の発光体が内蔵されており、大当たり時や所定のリーチ時等における演出の内容に応じて点灯又は点滅が行われるとともに、所定の異常時には異常の発生に対応した態様で点灯又は点滅が行われる。また、前扉枠14の上側領域における左右の隅角側には、左右一対のスピーカ部24が設けられている。スピーカ部24からは、大当たり時や所定のリーチ時等における演出の内容に応じた音又は音声の出力が行われるとともに、所定の異常時には異常の発生に対応した音又は音声の出力が行われる。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上側膨出部31には、球貸操作装置26が設けられている。球貸操作装置26には球貸しボタン27と、返却ボタン28と、度数表示部29とが設けられている。球貸装置Yへの紙幣又は記憶媒体の挿入に基づき使用可能な遊技球の情報が記憶されている状況において、球貸操作装置26を通じて球貸し操作、返却操作及び使用可能な遊技球数の情報に対応する度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン27は、貸出球を得るために操作されるものであり、使用可能な遊技球数の情報が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン28は、使用可能な遊技球数に対応する情報が記憶された記憶媒体の返却を求める際に操作される。度数表示部29は使用可能な遊技球数に対応する情報である度数を表示するものである。
下側膨出部32には、下側膨出部32の下方に配置される図示しない球受け箱に、下皿34内に貯留された遊技球を排出するために操作される排出操作部35が設けられている。排出操作部35は、下皿34の底部に形成された球抜き孔36を開閉可能に設けられている。排出操作部35が閉鎖位置に配置されている状況では球抜き孔36が閉鎖状態となり、下皿34からの遊技球の排出が阻止され、排出操作部35が開放位置に配置されている状況では球抜き孔36が開放状態となり、下皿34からの遊技球の排出が許容される。排出操作部35に対して電動アクチュエータは設けられておらず、排出操作部35を閉鎖位置と開放位置との間で移動させるためには、当該排出操作部35を手動操作する必要がある。また、排出操作部35は、閉鎖位置に向けて付勢されているものの、排出操作部35と下側膨出部32との間の係合関係を利用することにより排出操作部35を開放位置に保持させることが可能な構成となっている。なお、その保持状態を解除した場合、排出操作部35は閉鎖位置に復帰することとなる。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして発射操作装置37が設けられている。発射操作装置37が操作されることにより、後述する遊技球発射機構が駆動制御され、上皿33に貯留された遊技球が発射される。発射操作装置37は、前方に突出させて設けられた操作基部37aと、当該操作基部37aに回動可能に支持させて設けられた操作ハンドル37bとを備えており、操作ハンドル37bが回動操作されることにより遊技球発射機構からの遊技球の発射強度が調整される。また、発射操作装置37には、操作ハンドル37bが遊技者に触れられていることを検知するためのタッチセンサ37cと、操作ハンドル37bの回動操作量を検知するための可変抵抗器37dと、操作ハンドル37bが遊技者により操作されている状況であっても遊技球の発射を停止させるべく操作されるストップスイッチ37eとが設けられている。なお、操作ハンドル37bが初期位置に配置されている状況では、当該操作ハンドル37bによってストップスイッチ37eが自ずとONとなる構成となっている。操作ハンドル37bが触れられていることがタッチセンサ37cにより検知されていること、及びストップスイッチ37eがONとなっていないことの両条件が成立している場合に、可変抵抗器37dを通じて検知されている回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射される。
次に、本体枠13について詳細に説明する。
本体枠13は、図2に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体に構成されている。樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔43が形成されている。樹脂ベース41には遊技盤51が着脱可能に取り付けられている。遊技盤51は合板よりなり、遊技盤51の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔43を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
遊技盤51の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤51の正面図である。
遊技盤51には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部51aと外レール部51bとが取り付けられており、これら内レール部51aと外レール部51bとにより誘導手段としての誘導レールが構成されている。樹脂ベース41において窓孔43の下方に取り付けられた遊技球発射機構45(図2参照)から発射された遊技球は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構45は、誘導レールに向けて延びる発射レール46と、上皿33に貯留されている遊技球を発射レール46上に供給する球送り装置47と、発射レール46上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド48と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置37が回動操作されることにより球送り装置47が駆動制御されて発射レール46上に1個の遊技球が供給されるとともに、ソレノイド48が駆動制御されることによりその遊技球が遊技領域PAに向けて打ち出される。
遊技盤51には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55、スルーゲート56、図柄表示ユニット60、特図ユニット62及び普図ユニット63等がそれぞれ設けられている。
スルーゲート56への入球が発生したとしても遊技球の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54及び第2作動口55のいずれかへの入球が発生すると、所定数の遊技球の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、一般入賞口52への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置53への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行され、第1作動口54への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、第2作動口55への入球が発生した場合には1個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口55の方が第1作動口54よりも賞球個数が少ないものの具体的な賞球個数が上記ものとは異なる構成としてもよく、第2作動口55の方が第1作動口54よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤51の最下部にはアウト口58が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口58を通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤51には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘59が植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口58への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
第1作動口54及び第2作動口55は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤51に設置されている。第1作動口54及び第2作動口55は共に上向きに開放されている。また、第1作動口54が上方となるようにして両作動口54,55は鉛直方向に並んでいる。第2作動口55には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物55aが設けられている。普電役物55aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口55に入賞できず、普電役物55aが開放状態となることで第2作動口55への入賞が可能となる。
第2作動口55よりも遊技球の流下方向の上流側に、スルーゲート56が設けられている。スルーゲート56は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、スルーゲート56に入賞した遊技球は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、スルーゲート56に入賞した遊技球が第2作動口55へ入賞することが可能となっている。
スルーゲート56への入賞に基づき第2作動口55の普電役物55aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート56への入賞をトリガとして内部抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球が通過しない領域である右下の隅部に設けられた普図ユニット63の普図表示部63aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、内部抽選の結果が電役開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部63aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物55aが所定の態様で開放状態となる。
なお、普図表示部63aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部63aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット63において、普図表示部63aに隣接した位置には、普図保留表示部63bが設けられている。遊技球がスルーゲート56に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部63bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口54又は第2作動口55への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット62及び図柄表示ユニット60の図柄表示装置61における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット62について詳細には、特図ユニット62には特図表示部62aが設けられている。特図表示部62aの表示領域は図柄表示装置61の表示面よりも狭い。特図表示部62aでは、第1作動口54への入賞又は第2作動口55への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、特図表示部62aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部62aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット62において、特図表示部62aに隣接した位置には、特図保留表示部62bが設けられている。遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部62bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置61について詳細には、図柄表示装置61は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置61は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置61では、第1作動口54への入賞又は第2作動口55への入賞に基づき特図表示部62aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。なお、図柄表示装置61では、第1作動口54又は第2作動口55への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する後述の開閉実行モード中の表示演出などが行われる。
図柄表示装置61にて図柄の変動表示が行われる場合の表示内容について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置61にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図6は図柄表示装置61の表示面を示す図である。
図5(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図6(a)に示すように、図柄表示装置61の表示面には、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、図柄表示装置61の表示面では、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図6(b)に示すように、図柄表示装置61の表示面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、図柄表示装置61の表示面には、図6(a)に示すように、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
第1作動口54又は第2作動口55への入賞に基づいて図柄表示装置61の表示面において図柄の変動表示が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。また、図柄の変動表示が終了する場合、内部抽選の結果が後述する低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のいずれかであった場合には、いずれかの有効ライン上に同一の図柄の組合せが形成される。また、後述する明示高確大当たり結果であった場合には、いずれの有効ライン上にも同一の図柄の組合せが形成されないものの、いずれかの有効ライン上に所定の図柄組合せが形成される。
なお、いずれかの作動口54,55への入賞に基づいて、特図表示部62a及び図柄表示装置61にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置61における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置61にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
図4の説明に戻り、第1作動口54への入賞又は第2作動口55への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置53への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置53は、遊技盤51の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉53aを備えている。開閉扉53aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉53aは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
次に、図柄表示ユニット60のセンターフレーム65について説明する。
センターフレーム65は、図柄表示装置61の上方及び左右の側方を囲む屋根ユニット66と、図柄表示装置61の下方に配設されたステージユニット67とを備えている。屋根ユニット66の左枠部には球入口66aが形成されており、当該球入口66aに入った遊技球は図示しないワープ通路を通じてステージユニット67上に導かれる。
ステージユニット67はその上面に、遊技球が転動可能な転動面67aを有している。転動面67aは、遊技球2個分程度の前後方向の幅寸法を有し、中央部を中心として横方向に略対称な滑らかな流線形状となっている。具体的には、転動面67aは、中央部が上方に盛り上がった山部67bとなっており、その左右は下方に凹んだ谷部67cとなっており、また左右両端は中央部よりも上方に位置する。
谷部67cは、前方に向けて下方に傾斜した形状をなしている。十分に減速された状態で谷部67c上に到達した遊技球は、谷部67cの傾斜により誘導されて、谷部67cの前縁からステージユニット67の下方に排出される。山部67bの頂部には、前後方向に延び、前方に向けて下方に傾斜した形状をなす前方誘導路が一体形成されている。十分に減速された状態で山部67b上に到達した遊技球は、当該前方誘導路の傾斜により誘導されて、転動面67aの前縁からステージユニット67の下方に排出される。そして、山部67bは第1作動口54の鉛直上方に存在しているため、山部67bの前方誘導路から下方に排出される遊技球は第1作動口54に入球し易くなっている。
センターフレーム65の上部には、すなわち遊技領域PAの上部には、可動物ユニット38が設けられている。可動物ユニット38は、後述する告知演出に際して動作する。当該可動物ユニット38の内容は後に詳細に説明する。
センターフレーム65の下部には、撮像用基板71が設けられている。ちなみに、センターフレーム65の下部は、パチンコ機10の縦方向の中央又は中央付近に存在しているため、撮像用基板71は、パチンコ機10の縦方向の中央又は中央付近に存在していることとなる。図7は、撮像用基板71を説明するための当該撮像用基板71及びその周辺の縦断面図である。
撮像用基板71の一方の板面には、図7に示すように、発光装置72と撮像装置73とが設けられている。発光装置72は横方向に並べて複数設けられており、各発光装置72は測定対象に向けて近赤外線を投射光として照射可能である。撮像装置73は多数の受光部として設けられた多数の画素のそれぞれにてその近赤外線の反射光を受光可能であり、光電効果を利用して受光結果に応じた強度の撮像信号を出力する。そして、撮像用基板71は、いわゆるTOF(タイム・オブ・フライト)技術を用いてその撮像信号に基づき撮像装置73から測定対象までの距離を導出する。具体的には、発光装置72から照射した投射光の情報と、撮像装置73にて受信した反射光の情報とに基づいて、測定対象までの光の伝搬時間を算出し、その算出結果と既知の光速とを利用することで、撮像装置73から測定対象までの距離を導出する。また、この距離の導出は撮像装置73の多数の画素毎に行われるため、画素毎に測定対象までの距離を導出することが可能となる。ちなみに、かかる撮像方法の場合、測定対象の表面の光学的性質の影響を受けにくいため、距離データを取得できる測定対象の適用範囲が広い。
撮像用基板71は、ステージユニット67において転動面67aを生じさせるステージ部材68のパチンコ機10後方側に配置されている。詳細には、ステージ部材68は、内部空間が生じるようにパチンコ機10前方に向けて膨出させて形成されており、その内部空間はパチンコ機10後方に向けて開放されている。この後方に向けて開放された開口部68aは、撮像用基板71が一体化された基板台座69によってパチンコ機10後方から塞がれている。基板台座69は、ステージ部材68における開口部68aの周縁部に対してパチンコ機10後方からネジ止めされている。かかるネジ止めは、固定具を利用して着脱自在となるように行われている。したがって、ネジ止めの状態を非破壊で解除することにより撮像用基板71が一体化された基板台座69をステージ部材68から取り外し可能となり、例えば撮像用基板71のメンテナンスや交換を行った後には撮像用基板71が一体化された基板台座69をステージ部材68に再度固定することが可能となる。
基板台座69は撮像用基板71を支持する支持板部69aを備えており、支持板部69aにおいてパチンコ機10前方を向く支持面69bは、パチンコ機10前方に向けて下り傾斜となっている。この支持面69b上に撮像用基板71が固定されている。撮像用基板71は、発光装置72及び撮像装置73が搭載された搭載面71aとは逆側の面が支持面69bに重なるようにして配置されており、発光装置72及び撮像装置73が搭載された搭載面71aは斜め上方を向いている。
上記のように撮像用基板71が設けられていることにより、当該撮像用基板71はステージ部材68及び基板台座69により区画された空間内に収容された状態となっている。そして、発光装置72及び撮像装置73はステージ部材68と対向している。この場合に、ステージ部材68は光を透過可能な材料により形成されている。具体的には、無色透明のアクリル樹脂を利用して形成されている。
ステージ部材68のアクリル板上には、錫若しくは銀のメッキ又は蒸着を行い薄い反射膜が積層されていることによりビームスプリッタ機能が付与されている。具体的には、ステージ部材68はハーフミラー(マジックミラー)として形成されている。パチンコ機10は遊技ホールに設置されて使用されるとともに、ステージ部材68の内部空間には近赤外線を照射する発光装置72以外は光源が存在していないため、ステージ部材68の内部空間側はステージ部材68よりもパチンコ機10前方側に比べて暗い空間となる。そうすると、ステージ部材68よりもパチンコ機10前方から当該ステージ部材68を視認したとしても、撮像用基板71、発光装置72及び撮像装置73を目視することができない。したがって、撮像用基板71を利用して撮像を行っていることを遊技者に認識させないようにすることが可能となる。
また、前扉枠14をパチンコ機10前方に開放させてステージ部材68を直接視認可能な状態とした場合であってもステージ部材68がハーフミラーとして機能するため、撮像用基板71、発光装置72及び撮像装置73を目視することができない。これにより、遊技領域PAにおいて球詰まりなどが生じてそれを解消するために前扉枠14を開放させる必要が生じた場合であっても、撮像用基板71を利用して撮像を行っていることを遊技者に認識させないようにすることが可能となる。
さらにまた、ステージ部材68がハーフミラーとして形成されているだけでなく、基板台座69は有色不透明に形成されている。そうすると、遊技機本体12をパチンコ機10前方に開放させるとともに裏パックユニット15を本体枠13から分離させて遊技盤51の背面を露出させたとしても、撮像用基板71、発光装置72及び撮像装置73を目視することができない。したがって、遊技ホールの従業員であっても、撮像用基板71を利用して撮像を行っていることを認識させないようにすることが可能となる。
一方、ステージ部材68はハーフミラーとして形成されているため、発光装置72から照射された投射光はステージ部材68を透過可能であるとともに撮像装置73においてはステージ部材68を透過した光を受光可能である。また、ステージ部材68の前方には窓パネル22のみが存在している。窓パネル22は2枚の無色透明のガラスが前後に対向配置されてユニット化されており、光を透過可能となっている。したがって、ステージ部材68のパチンコ機10後方側に発光装置72及び撮像装置73が設けられているとしても、発光装置72から照射された投射光は窓パネル22よりもパチンコ機10前方に伝搬することが可能であり、窓パネル22よりもパチンコ機10前方に存在する測定対象にて反射した反射光を撮像装置73にて受信することが可能である。
撮像装置73によるパチンコ機10の前方に向けた撮像範囲は、遊技ホールにおいてパチンコ機10の前方に配置された椅子に着席して遊技を行っている遊技者よりも後方が含まれる範囲となっている。また、撮像装置73による横方向の撮像範囲は図1に示すようにIAXとなっているとともに縦方向の撮像範囲はIAYとなっており、この撮像範囲には前扉枠14に設けられた窓パネル22の全体が含まれる。このように撮像範囲が設定されていることにより、撮像装置73では、遊技ホールにおいてパチンコ機10の前方に配置された椅子に着席して遊技を行っている遊技者の胸部分及びその上方の部分を撮像可能となっている。
図7に示すように、撮像装置73の撮像範囲にはステージ部材68に形成された転動面67aが含まれている。したがって、当該転動面67a上を転動している遊技球が撮像装置73により撮像され得る。また、ステージ部材68と窓パネル22との間を流下する遊技球も撮像装置73により撮像され得る。
一方、図柄表示装置61の表示面が遊技盤51の盤面よりもパチンコ機10後方の位置に存在する構成において、ステージ部材68は図柄表示装置61の下方において当該図柄表示装置61の表示面から遊技盤51の盤面に亘って前後方向に延在するように設けられ、当該ステージ部材68の裏側に撮像用基板71が設けられている。また、撮像用基板71は、撮像装置73が搭載された側の面がステージ部材68の裏側においてパチンコ機10前方に向けて下り傾斜となるように設けられている。したがって、撮像装置73の撮像範囲には遊技球の流下方向を変更させる釘59といった遊技領域PAの障害部材が含まれていない。
本体枠13の背面には、図3に示すように、主制御装置81が搭載されている。主制御装置81は、遊技の進行を統括管理する主制御基板が基板ボックスに収容されてなる。なお、基板ボックスに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
本体枠13の背面において主制御装置81の上方には、音声発光制御装置91が設けられている。音声発光制御装置91は主制御装置81からの指示に従い音出力制御、発光制御及び表示制御装置の制御を実行する音声発光制御基板を備えており、音声発光制御基板が基板ボックスに収容されてなる。
主制御装置81を含めて本体枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック101を備えており、当該裏パック101に対して、払出機構部102及び制御装置集合ユニット103が取り付けられている。
払出機構部102は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク105と、当該タンク105に貯留された遊技球を払い出すための払出装置106と、を備えている。払出装置106より払い出された遊技球は、当該払出装置106の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿33又は下皿34に排出される。なお、払出機構部102には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット103は、払出装置106を制御する機能を有する払出制御装置111と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置37の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置108と、を備えている。これら払出制御装置111と電源・発射制御装置108とは、払出制御装置111がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック101には、払出機構部102及び制御装置集合ユニット103以外にも、外部端子板109が設けられている。外部端子板109は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板109は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために所定の信号出力を行うための基板である。
<パチンコ機10の電気的構成>
図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板82と、電源を監視する停電監視基板86と、を具備している。主制御基板82には、MPU83が搭載されている。MPU83には、当該MPU83により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM84と、そのROM84内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM85と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU83に対してROM84及びRAM85が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU83には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU83の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板86が接続されているとともに、払出制御装置111が接続されている。停電監視基板86には、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置108が接続されており、MPU83には停電監視基板86を介して電力が供給される。
MPU83の入力側には、各種入賞検知センサ87a〜87eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ87a〜87eには、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU83において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU83では第1作動口54及び第2作動口55への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU83の出力側には、停電監視基板86、払出制御装置111及び音声発光制御装置91が接続されている。払出制御装置111には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置91には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については後に説明する。
MPU83の出力側には、特電入賞装置53の開閉扉53aを開閉動作させる特電用の駆動部53c、第2作動口55の普電役物55aを開閉動作させる普電用の駆動部55c、特図ユニット62及び普図ユニット63が接続されている。ちなみに、特図ユニット62には、特図表示部62a及び特図保留表示部62bが設けられているが、これらの全てがMPU83の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット63には、普図表示部63a及び普図保留表示部63bが設けられているが、これらの全てがMPU83の出力側に接続されている。主制御基板82には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU83は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置53が開閉されるように、MPU83において特電用の駆動部53cの駆動制御が実行される。また、普電役物55aの開放状態当選となった場合には、普電役物55aが開閉されるように、MPU83において普電用の駆動部55cの駆動制御が実行される。また、遊技回及び開閉実行モードに際しては、MPU83において特図ユニット62の表示制御が実行される。また、普電役物55aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU83において普図ユニット63の表示制御が実行される。
停電監視基板86は、主制御基板82と電源・発射制御装置108とを中継し、また電源・発射制御装置108から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御装置111は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置106により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。払出制御装置111は払出制御基板112を備えており、当該払出制御基板112にはMPU113が搭載されている。MPU113には、そのMPU113により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM114と、ワークメモリ等として使用されるRAM115とを備えている。
MPU113には、入出力ポートが設けられている。MPU113の入力側には、主制御基板82と、電源・発射制御装置108と、球貸操作装置26と、球貸装置Yとが接続されている。また、MPU113の入力側には、上記以外にも、払出装置106から払い出された遊技球お検知するためのセンサと、タンク105に遊技球が貯留されていないことを検知するためのセンサと、下皿34が遊技球で満杯となっていることを検知するためのセンサとが電気的に接続されている。一方、MPU113の出力側には、主制御基板82と球貸装置Yとが接続されている。また、MPU113の出力側には、払出装置106の払出モータが電気的に接続されている。
MPU113は、主制御基板82から賞球コマンドを受信することにより払出装置106の払出モータを駆動制御し、当該賞球コマンドにおいて指示されている数の遊技球を下流側に向けて払い出させる。また、球貸操作装置26に球貸操作が行われたことに基づいて払出装置106の払出モータを駆動制御することにより、当該球貸操作により設定された数の遊技球を下流側に向けて払い出させる。この場合に、上記各センサの検知結果を利用することにより、指示された数の遊技球が払い出された場合には遊技球の払い出しを停止させるとともに、タンク105が球無し状態となった場合や下皿34が満杯状態となった場合にも遊技球の払い出しを停止させる。
電源・発射制御装置108は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置81や払出制御装置111等に対して各々に必要な動作電力を生成し、その生成した動作電力を供給する。
当該動作電力を供給するための構成について具体的には、電源・発射制御装置108には、電入中用電源部108aと電断中用電源部108bとが設けられている。電入中用電源部108aは、例えば遊技ホール等における商用電源に接続されており、商用電源から外部電力が供給されている状況において動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する機能を有する。電断中用電源部108bはコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に電入中用電源部108aから供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断中用電源部108bから放電され主制御装置81のRAM85及び払出制御装置111のRAM115にバックアップ電力が供給される。よって、当該状況であっても、電断中用電源部108bからバックアップ電力が供給されている間は主制御装置81のRAM85及び払出制御装置111のRAM115に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
電断中用電源部108bの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RAM85に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。電断中用電源部108bはコンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断中用電源部108bへの蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
なお、電源・発射制御装置108には、上記電断中用電源部108bとは異なる図示しない停電時用電源部が設けられている。電源・発射制御装置108では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御装置81などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
電源・発射制御装置108には、各種電源部108a,108bの他に、発射制御部108cが設けられている。発射制御部108cには、発射操作装置37に内蔵されたタッチセンサ37c、可変抵抗器37d及びストップスイッチ37eが電気的に接続されている。
タッチセンサ37cにはコンデンサが内蔵されており、遊技者の手が操作ハンドルの外表面に接触してコンデンサの静電容量が変化すると、ハンドル操作検知に対応した所定の電気信号を発射制御部108cに出力する。発射制御部108cでは当該所定の電気信号の受信により、遊技者の手が操作ハンドルの外表面に接触していると認識する。また、発射制御部108cでは、ストップスイッチ37eから受信した電気信号に応じて発射操作装置37の発射止め操作の有無を把握するとともに、可変抵抗器37dを通じて受信した電気信号に応じて操作ハンドルの回転操作量を把握する。
発射制御部108cは、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合にMPU83に所定の信号形態の条件成立信号を送信する。具体的には、発射制御部108cは、タッチセンサ37cから操作ハンドルが遊技者により触れられていることを示す信号を受信するとともに、発射止め操作がされていないことを示す信号をストップスイッチ37eから受信していることを条件に、MPU83に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を継続して送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、MPU83に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。但し、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。また、条件成立に対応した条件成立信号を送信する条件として、上記条件に加えて、球貸装置Yがパチンコ機10に接続されていることという条件を付加してもよい。
MPU83では、HIレベルの条件成立信号を受信している状況であって、遊技球の発射を許可できる状況であれば、発射制御部108cにHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を継続して送信する。なお、MPU83は、発射制御部108cからHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射制御部108cは、遊技球発射機構45が電気的に接続されており、MPU83からHIレベルの発射許可信号を受信している場合、遊技球発射機構45を定期的に駆動制御する。この場合、遊技球発射機構45に継続して遊技球が供給されている状況であれば、特定発射周期(具体的には0.6sec)に1個の遊技球が遊技領域PAに発射される。また、この発射に際しては可変抵抗器37dから受信した信号に基づき発射強度が調整されるため、操作ハンドルの回転操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
音声発光制御装置91は、MPU93が搭載された音声発光制御基板92を備えている。MPU93には、当該MPU93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM94と、そのROM94内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM95と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、主制御基板82のMPU83、ROM84及びRAM85を、主側MPU83、主側ROM84及び主側RAM85と言い、音声発光制御基板92のMPU93、ROM94及びRAM95を、音光側MPU93、音光側ROM94及び音光側RAM95と言う。
音光側MPU93は、その出力側に表示発光部23、スピーカ部24、演出用駆動部38c及び表示制御装置96が電気的に接続されており、主側MPU83から受信したコマンドに基づき、表示発光部23、スピーカ部24及び演出用駆動部38cを駆動制御するとともに、表示制御装置96にコマンドを送信する。表示制御装置96は図柄表示装置61と電気的に接続されており、音光側MPU93から受信したコマンドに基づき図柄表示装置61の表示制御を実行する。表示発光部23、スピーカ部24、演出用駆動部38c及び図柄表示装置61を利用して各種演出が行われるとともに、表示発光部23、スピーカ部24及び図柄表示装置61を利用して異常報知といったパチンコ機10の状態の報知が行われる。また、音光側MPU93の入力側及び出力側には撮像用基板71が電気的に接続されており、当該音光側MPU93からの信号出力に応じて撮像用基板71において撮像が行われるとともにその撮像結果が音光側MPU93にて受信される。
<主側MPU83にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU83にて各種抽選を行うための電気的な構成について図9を用いて説明する。
主側MPU83は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、当たり発生抽選、特図表示部62aの表示の設定、図柄表示装置61の図柄表示の設定、普図表示部63aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置61が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部62a及び図柄表示装置61における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口55の普電役物55aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する普電乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM85の抽選用カウンタエリア85aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報は、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生した場合に、特図保留エリア85bに格納される。
特図保留エリア85bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口54又は第2作動口55への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、第1作動口54又は第2作動口55への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部62aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電乱数カウンタC4について説明する。普電乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。普電乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート56に遊技球が入賞したタイミングで主側RAM85の普図保留エリア85cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された普電乱数カウンタC4の値によって普電役物55aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
本パチンコ機10では、普電役物55aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口55の普電役物55aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、普電開放状態当選となった際に普電役物55aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて普電開放状態当選となり普電役物55aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部63aにおける1回の表示継続時間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口55への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、第2作動口55よりも第1作動口54への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1作動口54よりも第2作動口55への入賞が発生する確率が高くなる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば普電開放抽選における普電開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート56への入賞に基づき普図表示部63aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
普電乱数カウンタC4を用いた普電開放抽選において普電開放状態当選となった場合、普電開放状態となる。当該普電開放状態は、予め定められた回数の普電役物55aの開閉が行われた場合、又は予め定められた上限個数の遊技球が第2作動口55に入賞にした場合に、終了する。これらの内容について具体的には、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードのいずれであっても上記上限個数は10個で共通している。一方、普電役物55aの開閉回数は低頻度サポートモードであれば1回であるのに対して、高頻度サポートモードであれば当該低頻度サポートモードの場合よりも多い複数回であり具体的には3回となっている。また、普電役物55aの1回の開放継続時間は、低頻度サポートモードであれば1secであるのに対して、高頻度サポートモードであれば2secとなっている。
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞したタイミングで特図保留エリア85bの保留用エリアREに格納される。そして、この格納された当たり乱数カウンタC1の値を利用して当否判定が行われる。
当否判定に際して当選となる乱数の値は、主側ROM84に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルには、当否結果として、大当たり結果と、外れ結果とが設定されている。大当たり結果は、特電入賞装置53が開閉制御される開閉実行モードへの移行契機となるとともに、当否抽選モード及びサポートモードの少なくとも一方の移行契機となり得る当否結果である。外れ結果は、開閉実行モードへの移行契機とならずに、さらに当否抽選モード及びサポートモードについても移行契機とならない当否結果である。
当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値の数は低確率モード用の当否テーブルが参照される場合よりも多く設定されており、具体的には20個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。
なお、低確率モードよりも高確率モードの方が大当たり当選となる確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意であり、また低確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群が、高確率モードである状況において大当たり当選となる当たり乱数カウンタC1の値群に一部のみが含まれている構成としてもよく、含まれていない構成としてもよい。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口54又は第2作動口55に入賞したタイミングで特図保留エリア85bの保留用エリアREに格納される。そして、この格納された大当たり種別カウンタC2の値を利用して振分判定が行われる。
ここで、本パチンコ機10では大当たり結果が複数種類設定されているが、これら各大当たり結果は、(1)開閉実行モードの内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードの内容、(3)開閉実行モード終了後のサポートモードの内容という3つの内容のうち、少なくとも1つの内容が相違している。
大当たり当選となった場合に実行される開閉実行モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるラウンド数規定モードである。ラウンド遊技とは、予め定められた開放継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が特電入賞装置53に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、ラウンド数規定モードにて実行されるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
ラウンド数規定モードには、開閉実行モードが開始されてから終了されるまでの間における特電入賞装置53への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、本パチンコ機10では、特電入賞装置53の1回の開放態様が、特電入賞装置53が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い時間である0.05secに設定された短時間態様と、が設定されている。本パチンコ機10では、発射操作装置37が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構45が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が10個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で特電入賞装置53の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置53に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で特電入賞装置53の1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置53への入賞が発生しないことが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による特電入賞装置53の開放が1回行われる。つまり、長時間態様による特電入賞装置53の開放が15回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による特電入賞装置53の開放が1回行われる。つまり、短時間態様による特電入賞装置53の開放が15回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける特電入賞装置53の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置53への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
大当たり種別カウンタC2に対する大当たり結果の種類の振分先は、主側ROM84に振分テーブルとして記憶されている。振分テーブルには、大当たり結果の種類として、低確大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても低確率モードとなる大当たり結果である。この低確率モードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。また、開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が、1以上の回数として設定された終了基準回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行し、高頻度サポートモードの終了後に移行した低頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
明示高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、開閉実行モード移行前の当否抽選モードがいずれであっても高確率モードとなるとともに、開閉実行モード移行前のサポートモードがいずれであっても高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、次に大当たり結果となり、それによる開閉実行モードに移行するまでは少なくとも継続する。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が明示高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置61における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置61を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置61における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置61に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、図柄表示装置61の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置61において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示はリーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM84のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主側MPU83において行うのではなく、音光側MPU93において行われる。この場合、音光側MPU93では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置61にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部62aにおける表示継続時間と、図柄表示装置61における図柄の表示継続時間とを主側MPU83において決定する上で用いられる。具体的には、変動種別カウンタCSの値は、特図表示部62aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置61による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。
<主側MPU83にて実行される各種処理について>
次に、主側MPU83にて遊技を進行させるために実行される各種処理を説明する。かかる主側MPU83の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本パチンコ機10では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図10のフローチャートを参照しながら、主側MPU83におけるメイン処理を説明する。
ステップS101では、主側の電源投入ウェイト処理を実行する。主側の電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RAM85のアクセスを許可するとともに、ステップS103にて主側MPU83の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源・発射制御装置108に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、主側RAM85の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM85の初期化として当該主側RAM85をクリアする。その後、ステップS109に進む。一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。
ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM85の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置91に送信する。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、MPU83はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM85の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、主側MPU83にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板82には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路と主側MPU83との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングを主側MPU83にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路から主側MPU83に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。主側MPU83では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、主側MPU83における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力は主側MPU83における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、主側MPU83の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、まずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。停電時処理では、次回の電源立ち上げ時に電源遮断前の状態に復帰可能とするために各種データ設定を行った後に、主側MPU83への動作電力の供給が完全に遮断されるまで待機する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び普電乱数カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。具体的には、ステップS206にて肯定判定をすることで、ステップS207〜ステップS218の遊技を進行させるための処理を実行しない。また、遊技の進行を停止すべき状況である場合には当該遊技の進行を停止すべき契機となった事象に対応した報知が実行されるように、音光側MPU93にコマンドを送信する。これら遊技の進行が停止された状態及びそれに対応した報知は、主側MPU83への動作電力の供給を停止しただけでは電源立ち上げ時に再度開始されるものであり、主側MPU83への動作電力の供給を停止した後に電源・発射制御装置108のRAM消去スイッチを押しながら動作電力の供給を開始することで主側RAM85の初期化が実行されることに伴い実行されないようになる。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部53c,55cに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置53を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部53cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
また、第2作動口55の普電役物55aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部55cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ87a〜87eから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56への入球の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、主側RAM85に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、磁気、電波及び振動のいずれかの発生をそれぞれに対応した検知センサの検知結果を利用して確認する。そして、いずれかの不正対応事象の発生を確認した場合には、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置37に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ87a〜87eの断線確認や、遊技機本体12及び前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御、及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
続くステップS215では、普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート56への入賞が発生している場合に普電乱数カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図表示部63aにて普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、第2作動口55の普電役物55aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、特図表示部62aに係る保留情報の増減個数を特図保留表示部62bに反映させるための出力情報の設定、及び普図表示部63aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部63bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、特図表示部62aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部63aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では払出制御装置111から受信したコマンドの内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS218では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
<特図特電制御処理>
次に、主側MPU83のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS214にて実行される特図特電制御処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、まずステップS301にて、保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、第1作動口54への遊技球の入賞が発生している場合又は第2作動口55への遊技球の入賞が発生している場合に、特図保留エリア85bの保留用エリアREに記憶されている保留情報の数が上限値(具体的には「4」)未満であることを条件に、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、保留用エリアREのうち保留情報が記憶されていない最上位側のエリアに記憶する。
当該取得処理では、保留情報を取得した場合に保留コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93では、受信した保留コマンドに対応したコマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96では、保留コマンドを受信することで、図柄表示装置61における保留情報の数の表示を保留個数の増加に対応させて変更させる。また、上記のように保留情報の数が増加した場合には、タイマ割込み処理(図11)におけるステップS216の表示制御処理にて、保留個数の増加に対応した表示内容に変更されるように表示制御が行われる。
続くステップS302では、主側RAM85に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出し、ステップS303にて、主側ROM84に記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す。そして、ステップS304にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する。
ここで、ステップS302〜ステップS304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出を制御するための処理と、開閉実行モードを制御するための処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出を制御するための処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS306)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS307)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS308)と、が設定されている。
また、開閉実行モードを制御するための処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS309)と、特電入賞装置53の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS310)と、特電入賞装置53の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS311)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS312)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU83にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS306)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS307)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS308)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS309)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS310)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS311)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS312)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として0が設定されている。
ステップS304の処理を実行した後は、ステップS305にて、ステップS304にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS306の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS307の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS308の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS309の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS310の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS311の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS312の特電終了処理にジャンプする。ステップS306〜ステップS312のいずれかの処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。以下、ステップS306〜ステップS312の処理について個別に説明する。
<特図変動開始処理>
まずステップS306の特図変動開始処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS401にて、特図保留エリア85bに保留情報が記憶されているか否かを判定する。ステップS401にて否定判定をした場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了し、ステップS401にて肯定判定をした場合にはステップS402に進む。
ステップS402では、データ設定処理を実行する。データ設定処理では、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置91に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定して送信する構成としてもよい。
続くステップS403では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、まず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には主側ROM84に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には主側ROM84に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS404では、ステップS403における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS405にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を把握する。そして、主側ROM84に設けられた振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2の数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、低確大当たり結果、明示高確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS406では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回において特図表示部62aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM84に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM85に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、特図表示部62aに停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
なお、停止表示される絵柄の種類の情報は、大当たり種別カウンタC2の値に応じて定められる。この場合、各大当たり結果に1対1で対応させて絵柄の態様が設定されていてもよく、各大当たり結果に対して複数種類の絵柄の態様が設定されていてもよい。
続くステップS407では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、主側RAM85には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS407では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS405の振分判定結果に対応したフラグに「1」をセットする。
一方、ステップS404にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS408にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に対応する遊技回において特図表示部62aに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM84に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM85に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS407及びステップS408のいずれかの処理を実行した後は、ステップS409にて、表示継続時間の取得処理を実行する。当該取得処理では、現状の遊技状態、当否判定処理の結果、振分判定処理の結果、リーチ表示の有無、保留情報の数、及び変動種別カウンタCSの値に応じて、今回の遊技回における表示継続時間の情報を取得する。
ステップS409にて表示継続時間の取得処理を実行した後は、ステップS410に進み上記ステップS409にて取得した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(図11)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として特図表示部62aにおける絵柄の変動表示と図柄表示装置61における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置61では有効ライン上に所定の図柄の組合せが停留表示された状態)で最終停止時間に亘って最終停止表示される。この場合に、ステップS409にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して最終停止時間を差し引いた時間となっている。
続くステップS411では、変動用コマンド及び種別コマンドを音光側MPU93に送信する。変動用コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、振分判定処理の結果に対応したデータと、表示継続時間に対応したデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が変動用コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、残りの8ビットのデータにより、表示継続時間に対応した時間用データが設定されている。したがって、音光側MPU93では、変動用コマンドを受信した場合、上記識別用データから変動用コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果を認識し、上記時間用データから今回の遊技回の表示継続時間を認識する。ここで、主側MPU83では、リーチが発生するか否かによって異なる表示継続時間を選択するため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、音光側MPU93では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
種別コマンドは、2バイトのデータ構成となっており、当該2バイトのデータには、当否判定処理の結果に対応したデータと、振分判定処理の結果に対応したデータと、当否抽選モードの種類に対応したデータと、高頻度サポートモードの残り継続回数に対応したデータとが含まれている。具体的には、2バイトのデータのうち上位4ビットのデータにより、自身が種別コマンドであることを示すための識別用データが設定されており、次の4ビットのデータにより、当否判定処理及び振分判定処理の結果に対応した抽選結果用データが設定されており、残りの8ビットのデータにより、当否抽選モードの種類に対応したデータ及び高頻度サポートモードの残り継続回数に対応した継続回数用データが設定されている。したがって、音光側MPU93では、種別コマンドを受信した場合、上記識別用データから種別コマンドであることを認識し、上記抽選結果用データから当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果を認識し、上記継続回数用データから当否抽選モードの種類及び高頻度サポートモードの残り継続回数を認識する。
ここで、変動用コマンド及び種別コマンドの両方に、当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果に対応したデータが含まれている。したがって、音光側MPU93では、変動用コマンドに含まれる上記抽選結果用データと、種別コマンドに含まれる上記抽選結果用データとを照合することにより、変動用コマンド及び種別コマンドの受信に関してノイズなどの通信異常が発生していないか否かを特定することが可能となる。そして、両方の抽選結果用データが一致している場合には、それら変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応した演出用の制御を実行し、両方の抽選結果用データが一致していない場合には、それを報知することが可能となる。ちなみに、後者の場合、音光側MPU93では、当該遊技回において通信異常に対応した遊技回用演出が実行されるようにしてもよく、例えば当該遊技回用演出では、当否判定処理及び振分判定処理の結果に関係なく、図柄表示装置61において確実に完全外れに対応した図柄の組合せが停止表示されるようにしてもよい。この場合、当該遊技回用演出を、変動用コマンドに含まれる時間用データに対応した表示継続時間に亘って行う構成としてもよく、次回の変動用コマンド及び種別コマンドを受信するまで継続させる構成としてもよい。
ステップS411の処理を実行した後は、ステップS412にて特図表示部62aにおける絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS413では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS413の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
<特図変動中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS307の特図変動中処理について説明する。
特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、最終停止表示前のタイミングであるか否かを判定し、最終停止表示前であれば特図表示部62aにおける絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。この規則的な変化は、最終停止表示を開始させるタイミングとなるまで継続される。また、この規則的な変化は、当たり結果となるか否か及びリーチ表示が発生するか否かに関係なく、一定の態様で行われる。
また、最終停止表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、最終停止表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、最終停止表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、最終停止表示させるタイミングとなった場合には、図柄表示装置61にて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音光側MPU93に送信するとともに、特図表示部62aにおける絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、遊技回の最終停止時間(0.5sec)の情報を主側ROM84から読み出し、特図特電タイマカウンタにセットする。そして、特図特電カウンタの値を1加算することで、当該カウンタの値を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
<特図確定中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS308の特図確定中処理について説明する。
特図確定中処理では、今回の遊技回の最終停止時間が経過していない場合にはそのまま本特図確定中処理を終了し、今回の遊技回の最終停止時間が経過している場合には、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が外れ結果であれば、特図特電カウンタの値を「0」クリアした後に本特図確定中処理を終了し、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果がいずれかの大当たり結果であれば、開閉実行モード移行用の処理を実行する。
開閉実行モード移行用の処理では、主側ROM84に予め記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該オープニング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。また、オープニングコマンドを音光側MPU93に送信する。オープニングコマンドは、音光側MPU93に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。オープニングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音光側MPU93は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応した態様で、開閉実行モードの演出を実行させることが可能となる。さらに、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「2」であるため、特図特電カウンタの値は「3」となる。その後、本特図確定中処理を終了する。
<特電開始処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS309の特電開始処理について説明する。
特電開始処理では、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定し、経過している場合には、主側RAM85に設けられたラウンドカウンタに15をセットするとともに、主側RAM85に設けられた入賞カウンタに10をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数を主側MPU83にて特定するためのカウンタであり、入賞カウンタは、一のラウンド遊技又は一の開閉数規定モードにおいて、上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かを主側MPU83にて特定するためのカウンタである。そして、大当たり結果に対応した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットするとともに、特電入賞装置53を開放状態とする。また、特電入賞装置53を開放状態とした場合には、開放コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は、当該開放コマンドを受信することにより、開閉実行モード中の演出をそれに合わせて切り換えるための制御を実行する。特電入賞装置53を開放状態とした後は、特図特電カウンタを1加算し、本特電開始処理を終了する。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「3」であるため、1加算後は「4」となる。
<特電開放中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS310の特電開放中処理について説明する。
特電開放中処理では、1のラウンド遊技の終了条件が成立しているか否かを判定し、当該終了条件が成立している場合には特電入賞装置53を閉鎖状態とするとともに、閉鎖コマンドを音光側MPU93に送信する。また、1減算後のラウンドカウンタの値が「0」となっているか否かを判定し、「0」となっていない場合には、特図特電タイマカウンタに閉鎖時間をセットする。当該閉鎖時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっており、具体的には遊技球の発射周期よりも長い1secとなっている。また、特電入賞装置53を閉鎖状態とした場合には、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かに関係なく、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「4」であるため、1加算後は「5」となる。
<特電閉鎖中処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS311の特電閉鎖中処理について説明する。
特電閉鎖中処理では、ラウンドカウンタが「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合には、閉鎖時間が経過したか否かを判定する。閉鎖時間が経過していない場合にはそのまま本特電閉鎖中処理を終了し、閉鎖時間が経過している場合には、特電入賞装置53を開放状態とするとともに、今回の開閉実行モードの実行契機となった当たり結果に対応した開放継続時間を特図特電タイマカウンタにセットする。また、特電入賞装置53を開放状態とした場合には、開放コマンドを音光側MPU93に送信する。その後、特図特電カウンタを1減算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1減算後は「4」となる。
一方、ラウンドカウンタが「0」である場合には、エンディングコマンドを音光側MPU93に送信する。エンディングコマンドは、音光側MPU93にエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。エンディングコマンドには、開閉実行モードの契機となった遊技結果が各種大当たり結果のうちいずれであるかを示す情報も含まれる。したがって、音光側MPU93は、開閉実行モードの契機となった遊技結果に対応させた態様で、エンディング演出を実行させることが可能となる。また、主側ROM84に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。ちなみに、当該エンディング時間は、開閉実行モードへの移行契機となった遊技結果の種類に関係なく一定となっている。その後、特図特電カウンタを1加算した後に、本特電閉鎖中処理を終了する。この場合、特電閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの値は「5」であるため、1加算後は「6」となる。
<特電終了処理>
次に、特図特電制御処理(図12)におけるステップS312の特電終了処理について説明する。
特電終了処理では、エンディング時間が経過したか否かを判定し、エンディング時間が経過していない場合にはそのまま本特電終了処理を終了する。エンディング時間が経過している場合には、開閉実行モード後の当否抽選モード及びサポートモードの内容を、今回の開閉実行モードへの移行契機となった大当たり結果の種類に対応した内容に設定し、さらに特図特電カウンタを「0」クリアした後に、本特電終了処理を終了する。
<音光側MPU93にて実行されるタイマ割込み処理について>
次に、音光側MPU93にて比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行されるタイマ割込み処理について図14のフローチャートを参照しながら説明する。
当該タイマ割込み処理では、まずステップS501にて、主側コマンド格納処理を実行する。主側コマンド格納処理は、主側MPU83からコマンドを受信した場合に、そのコマンドを音光側RAM95に格納するための処理である。音光側RAM95には主側MPU83から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU83から受信したコマンドは当該リングバッファに順次格納されていくとともに格納された順序に従って順次読み出されていく。
続くステップS502では、主側MPU83から受信したコマンドに対応した処理を行うための主側コマンド対応処理を実行する。当該主側コマンド対応処理では、主側MPU83から受信したコマンドに応じた演出及び報知を実行可能とするためのデータテーブルが読み出される。その後、ステップS503では、ステップS502にて読み出されたデータテーブル又は他の処理にて読み出されたデータテーブルに従って表示発光部23を発光制御するための発光制御処理を実行し、ステップS504では、ステップS502にて読み出されたデータテーブル又は他の処理にて読み出されたデータテーブルに従ってスピーカ部24を音出力制御するための音出力制御処理を実行し、ステップS505では、ステップS502にて読み出されたデータテーブル又は他の処理にて読み出されたデータテーブルに従って可動物ユニット38の演出用駆動部38cを駆動制御するための可動物制御処理を実行する。
ステップS505の処理を実行した後は、撮像用基板71の撮像制御及び撮像結果の利用を行うためのステップS506〜ステップS513の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<主側コマンド対応処理>
図15は、タイマ割込み処理(図14)におけるステップS502の主側コマンド対応処理を示すフローチャートである。
まずステップS601では、主側MPU83から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。これらコマンドを受信している場合には、ステップS602にて、遊技結果の記憶処理を実行する。具体的には、種別コマンドに含まれている情報から、今回の遊技回の開始に際して主側MPU83にて決定された当否抽選及び振分抽選の結果がいずれであるかの情報、すなわち今回の遊技回の遊技結果が最有利大当たり結果、明示高確大当たり結果、低確大当たり結果及び外れ結果のいずれであるかの情報を特定し、その特定した情報を音光側RAM95に書き込む。
続くステップS603では、予告抽選処理を実行する。予告抽選処理では、今回の遊技回において図柄表示装置61にて予告表示を行わせるか否かを抽選により決定する。かかる予告表示としては、既に説明したとおり、図柄表示装置61にて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様とするものや、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。また、予告抽選処理では、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易く、さらに出現率の低い予告表示が発生し易くなるように予告抽選を行う。
続くステップS604では、停止図柄決定処理を実行する。停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が最有利大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。但し、同一図柄の組合せを形成する図柄として奇数図柄が選択され易い。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が低確大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一の偶数図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。この場合、同一図柄の種類や有効ラインL1〜L5は抽選などによってランダムに決定される。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が明示高確大当たり結果であれば、一の有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せとは異なり且つリーチ図柄の組合せとは異なる所定の図柄組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。また、停止図柄決定処理では、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ表示の有無を特定する。そして、リーチ表示が発生する場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、一又は二の有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ表示が発生しない場合には、全ての有効ラインL1〜L5上に同一図柄の組合せが成立しない停止結果であって、全ての有効ラインL1〜L5上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。
続くステップS605では、今回の遊技回の演出パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンド及び種別コマンドの内容から遊技回の表示継続時間の情報を特定するとともに、当該表示継続時間の情報、上記ステップS602にて特定した遊技結果の情報、及び上記ステップS603における予告抽選処理の抽選結果の情報の組合せに対応した演出パターンを選択する。
続くステップS606では、上記ステップS605にて選択した演出パターンの種類、及び上記ステップS604にて決定した停止図柄の種類に対応したデータテーブルを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)では当該データテーブルに従って表示発光部23の発光制御を行い、タイマ割込み処理(図14)の音出力制御処理(ステップS504)では当該データテーブルに従ってスピーカ部24の音出力制御を行い、タイマ割込み処理(図14)の可動物制御処理(ステップS505)では当該データテーブルに従って演出用駆動部38cの駆動制御を行う。
続くステップS607では、上記ステップS604の処理結果に対応した停止結果コマンドと、上記ステップS605の処理結果に対応したパターンコマンドとを、表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、これら停止結果コマンド及びパターンコマンドを受信した場合、上記演出パターンに対応した表示演出が行われるように図柄表示装置61を表示制御するとともに、遊技回用演出が終了する場合には上記停止図柄決定処理にて決定された停止図柄が有効ラインL1〜L5上に停止されるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS601にて否定判定をした場合、又はステップS607の処理を実行した後は、ステップS608にて、最終停止コマンドを受信しているか否かを判定する。最終停止コマンドを受信している場合には、ステップS609にて、図柄停止コマンドを表示制御装置96に送信する。図柄停止コマンドは、今回の遊技回に対応した停止図柄を有効ラインL1〜L5上に待機させてその状態を最終停止時間に亘って維持させることを表示制御装置96に指示するためのコマンドである。
ステップS608にて否定判定をした場合、又はステップS609の処理を実行した後は、ステップS610にて、開閉実行モード系のコマンドを受信しているか否かを判定する。開閉実行モード系のコマンドとしては、開閉実行モードが開始される場合に主側MPU83から送信されるオープニングコマンドと、特電入賞装置53の開放が開始される場合に主側MPU83から送信される開放コマンドと、特電入賞装置53の閉鎖が開始される場合に主側MPU83から送信される閉鎖コマンドと、開閉実行モードが終了される場合に主側MPU83から送信されるエンディングコマンドとが存在している。
開閉実行モード系のコマンドを受信している場合には、ステップS611にて当該コマンドに対応したデータテーブルを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これにより、タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)では当該データテーブルに従って表示発光部23の発光制御を行い、タイマ割込み処理(図14)の音出力制御処理(ステップS504)では当該データテーブルに従ってスピーカ部24の音出力制御を行い、タイマ割込み処理(図14)の可動物制御処理(ステップS505)では当該データテーブルに従って演出用駆動部38cの駆動制御を行う。
続くステップS612では、今回受信した開閉実行モード系のコマンドに対応したコマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、その開閉実行モード系のコマンドに対応した表示演出が行われるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS610にて否定判定をした場合、又はステップS612の処理を実行した場合には、ステップS613にて、主側MPU83から報知コマンドを受信しているか否かを判定する。報知コマンドは、何らかの異常やパチンコ機10の状態変化といった報知を実行すべき事象がパチンコ機10において発生している場合に主側MPU83から送信される。報知コマンドを受信している場合には、当該報知コマンドに対応した報知を行うために、ステップS614にて、発光データの読み出し処理を実行するとともに、ステップS615にて、音出力データの読み出し処理を実行する。これにより、タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)では当該発光データに応じた発光が行われるように表示発光部23の発光制御を行い、タイマ割込み処理(図14)の音出力制御処理(ステップS504)では当該音出力データに応じた音の出力が行われるようにスピーカ部24の音出力制御を行う。その後、ステップS616にて、今回受信した報知コマンドの内容に対応した報知コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該コマンドを受信した場合、その報知コマンドに対応した報知が行われるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS613にて否定判定をした場合、又はステップS616の処理を実行した場合、ステップS617にて、解除コマンドを受信しているか否かを判定する。解除コマンドは、報知コマンドを送信する契機となった事象が解消された場合に主側MPU83から送信される。解除コマンドを受信している場合には、既に行っている報知を解除するために、ステップS618にて解除設定処理を実行する。その後、ステップS619にて、今回受信した解除コマンドの内容に対応した解除コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該コマンドを受信した場合、その解除コマンドに対応した報知の実行を終了するように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS617にて否定判定をした場合、又はステップS619の処理を実行した場合、ステップS620にてその他対応処理を実行した後に、本対応処理を終了する。その他対応処理では、例えばデモ開始コマンドを受信しているか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合には、デモ開始コマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、図柄表示装置61においてデモ表示が開始される。
<撮像用基板71の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御を行うための各種処理>
次に、撮像用基板71の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御を行うための各種処理について説明する。各種処理の処理内容を説明するのに先立ち、これら各種処理を実行するための電気的な構成について図16のブロック図を参照しながら説明する。
撮像用基板71は、既に説明したとおり、発光装置72と撮像装置73とを備えている。発光装置72は、撮像用基板71に設けられた制御回路74により投射光の発光タイミングが制御されるLEDドライバ72aと、近赤外線を照射可能なLEDを有しLEDドライバ72aにより駆動されて投射光を照射するLEDモジュール72bと、LEDモジュール72bに対して当該LEDモジュール72bの光の照射方向の先側に配置され測定対象に対する投射光の放射角を調整可能とする放射角調整レンズ72cと、を備えている。投射光を照射すべきことを示し信号が音光側MPU93から撮像用基板71に送信されることにより、上記制御回路74の制御に基づきLEDドライバ72aが動作し、それに応じてLEDモジュール72bから近赤外線が照射される。この場合、測定対象に向けて照射された近赤外線の発光強度が一定周期で変調するように、近赤外線はパルス光として一定周期で照射される。なお、発光装置72は2個設けられており、各発光装置72の電気的な構成は上記の構成で同一となっている。
撮像装置73は、発光装置72から照射されて測定対象で反射した反射光を受光して、撮像装置73から測定対象までの距離に応じた撮像信号を複数の画素でそれぞれ検知する撮像用センサ73aと、当該撮像用センサ73aに対して反射光の照射元側に配置されて測定対象からの反射光が入射される視野角を調整可能とする視野角調整レンズ73bと、を備えている。撮像用センサ73aとしては、CMOSイメージセンサが用いられているが、MOSセンサなどの他の撮像用のセンサを用いてもよい。
撮像用センサ73aは、縦方向及び横方向のそれぞれに多数の画素(例えば1000個の画素)を受光部として有する画素アレイ部73cを備えているとともに、これら各画素を水平方向及び垂直方向のそれぞれに走査して各画素からの信号読み出しを行う画素ドライバ部73dを備えており、画素ドライバ部73dにより読み出された信号はノイズキャンセル処理が行われた後にA/D変換される。この変換後の出力信号は、撮像用基板71に設けられた信号処理回路75にて受信される。
信号処理回路75は、いわゆるTOF(タイム・オブ・フライト)技術を用いて撮像装置73から測定対象までの距離を導出する。具体的には、発光装置72から照射した投射光の情報と、撮像装置73にて受信した反射光の情報とに基づいて、測定対象までの光の伝搬時間を算出し、その算出結果と既知の光速とを利用することで、撮像装置73から測定対象までの距離を導出する。また、この距離の導出は撮像用センサの多数の画素毎に行われるため、画素毎に測定対象までの距離を導出することが可能となる。
信号処理回路75に設けられた基準フラグ75aには、受光した信号を距離データの演算用として使用するか否かを定める場合の基準となる基準データが記憶される。信号処理回路75は、受光した信号の強度が基準フラグ75aに記憶されている基準データに対応した強度以上であれば、当該受光した信号を距離データの演算用として使用する。
上記構成の撮像用基板71は、音光側MPU93から信号を受信することに基づき、発光装置72からの投射光の照射及び撮像装置73における撮像結果を利用した距離データの導出を行う。具体的には、音光側MPU93は、主側MPU83から受信したコマンドに基づき所定の演出を実行する場合に撮像用基板71に信号を送信し、投射光の照射及び距離データの導出を行わせる。また、音光側MPU93は、撮像用基板71が演出用に利用されていない状況下において各種監視を実行するために撮像用基板71に信号を送信し、投射光の照射及び距離データの導出を行わせる。この監視が行われるタイミングとしては、遊技球の発射操作が行われていないタイミングが含まれ、かかるタイミングであるか否かの判定に際しては、電源・発射制御装置108から送信された信号に基づき主側MPU83から送信されるコマンドが参照される。また、上記監視が行われるタイミングとしては、球貸装置Yから記憶媒体を返却させるための返却操作が行われたタイミングが含まれ、かかるタイミングであるか否かの判定に際しては、払出制御装置111のMPU113から送信された信号に基づき主側MPU83から送信されるコマンドが参照される。
音光側MPU93からの指示に基づき撮像用基板71において取得された距離データは、音光側MPU93に送信される。当該距離データの送信に際しては、その距離データが画素アレイ部73cにおけるいずれの画素に対応しているのかを示すアドレスデータも付随させて送信される。これら距離データは、音光側RAM95に設けられた距離画像記憶エリア95aに書き込まれる。この場合、距離画像記憶エリア95aには、撮像装置73の画素アレイ部73cに設けられた多数の画素に1対1で対応させて単位記憶エリアが設けられており、撮像用基板71から送信された距離データはその距離データの導出を可能とした画素に対応する単位記憶エリアにそれぞれ個別に書き込まれる。音光側MPU93は、距離画像記憶エリア95aに書き込まれた距離データを利用して、1フレーム分の画像に含まれる個別画像のそれぞれの距離だけでなく、遊技者の手、指、顔、体を認識したり、それら手、指、顔、体の形状やサイズを認識することが可能である。1フレーム分の画像とは、発光装置72に対して投射光の照射指令が1回発生したことに対して撮像装置73における画素アレイ部73cの全ての画素にて反射光の受光を完了したことに基づき導出される距離データから把握可能な画像のことである。
なお、距離データは、画素アレイ部73cの各画素に個別に設定された距離データ基準位置からの距離に対応する値として導出される。この場合、距離データ基準位置を「0」として、当該基準位置に近いほど距離データの値は小さくなり、当該基準位置から遠いほど距離データの値は大きくなる。但し、これに限定されることはなく、距離データ基準位置が「0」以外の値として設定されており、当該基準位置に近いほど距離データの値は当該基準位置の値よりも大きい範囲において小さくなり、当該基準位置から遠いほど距離データの値は大きくなる構成としてもよい。また、距離データ基準位置が「0」として設定されており、当該基準位置から遠いほど負の値であって絶対値が大きい値となる構成としてもよい。
<基準スイッチ監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS506にて実行される基準スイッチ監視処理について説明する。
基準スイッチ監視処理の説明に先立ち基準スイッチ91aについて説明する。基準スイッチ91aは、図3に示すように、音声発光制御装置91において、遊技機本体12をパチンコ機10前方に向けて開くとともに裏パックユニット15を遊技機本体12の後方に開いた場合に手動操作可能となる位置に設けられている。基準スイッチ91aはON位置とOFF位置との2位置の間で移動可能となっている。
基準スイッチ91aは、撮像用基板71の撮像装置73において受光した信号を信号処理回路75において距離データの演算用として使用するか否かを決定する場合の基準を設定するために操作される操作手段である。かかる基準の内容について、図17の説明図を参照しながら説明する。
信号強度の基準としては、図17(a)に示すように第1基準強度と第2基準強度とがパチンコ機10の設計段階で予め用意されている。第1基準強度の方が第2基準強度よりも基準とする信号強度が高く設定されている。第1基準強度が基準強度として設定されている場合には、受光した信号の強度の最大強度が第1基準強度以上となっている場合にその受光した信号を距離データの演算用として使用する。また、第2基準強度が基準強度として設定されている場合には、受光した信号の強度の最大強度が第2基準強度以上となっている場合にその受光した信号を距離データの演算用として使用する。したがって、図17(a)に示すような信号を受光した場合には、第1基準強度及び第2基準強度のいずれが設定されている状況であっても当該信号は距離データの演算用として使用される。一方、図17(b)に示すような信号を受光した場合には、第1基準強度が設定されている状況では当該信号は距離データの演算用として使用されずに、第2基準強度が設定されている状況では当該信号は距離データの演算用として使用される。
第1基準強度が設定されている場合には、距離データの演算に際して相対的に大きな信号強度の信号のみが利用されることとなるため、距離データを導出する場合においてノイズの影響を低減することが可能となる。一方、第2基準強度が設定されている場合には、距離データの演算に際して相対的に小さな信号強度の信号も利用されることとなるため、ノイズの影響を受けやすくなる反面、受光する信号の強度が低くなってしまう場合であっても距離データを導出することが可能となる。
第1基準強度及び第2基準強度は、発光装置72から照射された光の伝搬経路上に存在する窓パネル22及びステージ部材68といった部材の光の透過度合との関係でパチンコ機10の設計段階で決定される。この場合、第1基準強度は、ステージ部材68にて反射した反射光の信号強度及び窓パネル22にて反射した反射光の信号強度よりも高い強度として設定されている。一方、第2基準強度は、窓パネル22にて反射した反射光の信号強度よりも高い強度として設定されているものの、ハーフミラーの機能を有するステージ部材68にて反射した反射光の信号強度よりも低い強度となり得るように設定されている。これに対して、詳細は後述するが、撮像用基板71ではステージ部材68にて反射した反射光を距離データの演算に際して利用しないようにするための処理が実行される。
ここで、パチンコ機10においては遊技領域PAに設けられた一般入賞口52、特電入賞装置53、第1作動口54、第2作動口55及びスルーゲート56に不正な電波を照射し、利益を不正に得ようとする行為が想定される。これに対して、遊技ホールによってはパチンコ機10の窓パネル22に電波ゴト防止用シートを貼り付けることが行われ得る。図18(a)は電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられていない場合の様子を説明するための説明図であり、図18(b)は電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられている場合の様子を説明するための説明図である。
図18(a)に示すように、窓パネル22に電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられていない場合、発光装置72から照射された投射光及び測定対象MOにて反射した反射光は窓パネル22及びステージ部材68にて反射するものの、それはパチンコ機10の設計段階にて実験的に把握された範囲のものとなる。したがって、基準強度が第1基準強度に設定されていたとしても、距離データの導出を設計通りに行うことが可能となる。
一方、図18(b)に示すように、窓パネル22の裏面に電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられている場合、発光装置72から照射された投射光及び測定対象MOにて反射した反射光は窓パネル22及びステージ部材68にて反射するだけでなく電波ゴト防止用シートPSにおいても反射する。この場合、測定対象MOにて反射した反射光の信号強度はそれだけ弱くなる。そうすると、基準強度が第1基準強度に設定されていると距離データの導出を設計通りに行うことが不可となり得る。これに対して、基準強度が第1基準強度よりも低い強度である第2基準強度に設定することにより、距離データの導出を行うことが可能となる。
以上のように第1基準強度と第2基準強度とが設定されていることにより、基本的にはノイズの影響を受けにくい第1基準強度を基準として距離データの導出を行うことを可能としながら、電波ゴト防止用シートPSを利用した場合には反射光の信号強度が低くなることに対応させて第2基準強度を基準として距離データの導出を行うことが可能となる。そして、基準スイッチ91aが設けられており、基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合には第1基準強度が基準強度として設定され、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には第2基準強度が基準強度として設定される。
基準スイッチ91aは、図16に示すように、音光側MPU93と電気的に接続されており、基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合にはLOWレベルの基準信号が音光側MPU93に送信され、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合にはHIレベルの基準信号が音光側MPU93に送信される。なお、HI及びLOWの関係が逆であってもよい。基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合には音光側MPU93から撮像用基板71にそれに対応した信号が送信されることにより第1基準強度が基準として設定され、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には音光側MPU93から撮像用基板71にそれに対応した信号が送信されることにより第2基準強度が基準として設定される。
図19は、音光側MPU93にて実行される基準スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS701では、基準スイッチ91aから受信している信号に基づいて、当該基準スイッチ91aがON位置に配置されているか否かを判定する。基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合には、ステップS702にて、第1基準信号を撮像用基板71の信号処理回路75に送信する。その後に、ステップS703にて、音光側RAM95に設けられた基準フラグを「0」クリアした後に、本基準スイッチ監視処理を終了する。基準フラグは、基準スイッチ91aがON位置に配置されているか否かを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
一方、基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合(ステップS701:YES)には、ステップS704にて、第2基準信号を信号処理回路75に送信する。その後、ステップS705にて、音光側RAM95に設けられた基準フラグに「1」をセットした後に、本基準スイッチ監視処理を終了する。
図20は、信号処理回路75にて実行される信号処理の動作の流れを示すフローチャートである。
信号処理回路75は基準信号の受信状態が変化した場合、すなわち第1基準信号を受信している状態から第2基準信号を受信している状態に変化した場合又は第2基準信号を受信している状態から第1基準信号を受信している状態に変化した場合には(ステップS801:YES)、信号処理回路75に設けられた基準フラグ75aの状態を今回受信した基準信号の種類に応じて変更する(ステップS802)。具体的には、第1基準信号を受信している状態では基準フラグ75aの値が「0」とされ、第2基準信号を受信している状態では基準フラグ75aの状態が「1」とされる。
信号処理回路75は、撮像装置73にて反射光が受光されそれに対応した撮像信号が当該撮像装置73から送信された場合(ステップS803:YES)、基準フラグ75aの状態に応じて距離データを演算してその演算結果の距離データを音光側MPU93に送信する。
具体的には、基準フラグ75aの値が「0」である場合(ステップS804:NO)には、今回受信した撮像信号の信号強度の最大値が第1基準強度以上であることを条件として(ステップS805:YES)、その撮像信号を利用して距離データの演算処理(ステップS806)を実行するとともに、その演算結果の距離データを音光側MPU93に送信する(ステップS807)。当該距離データの送信に際しては、今回の撮像信号を受信した画素アレイ部73cの画素に対応するアドレスデータが付随して送信される。これにより、音光側MPU93は、受信した距離データを距離画像記憶エリア95aのうち当該距離データに付随して送信されたアドレスデータに対応する単位記憶エリアに書き込む。
なお、信号処理回路75は、一の画素から第1基準強度以上に相当する撮像信号を複数種類受信している場合にはそれら各撮像信号のそれぞれについて距離データを導出し、それら距離データを一の画素から導出された距離データとして音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は、一の画素について複数の距離データを受信した場合には、それら距離データを対応する単位記憶エリアに全て書き込む。但し、これに限定されることはなく、信号処理回路75は、一の画素から第1基準強度以上に相当する撮像信号を複数種類受信している場合にはそれら各撮像信号のうち最も信号強度が高いものについて距離データを導出し、その距離データのみを一の画素から導出された距離データとして音光側MPU93に送信する構成としてもよい。
一方、基準フラグ75aの値が「1」である場合(ステップS804:YES)には、今回受信した撮像信号の信号強度の最大値が第2基準強度以上であることを条件として(ステップS808:YES)、その撮像信号を利用して距離データの演算処理(ステップS809)を実行する。距離データの演算処理を実行した後は、その演算結果の距離データが基準距離以上のデータに対応していることを条件として(ステップS810:YES)、その距離データを音光側MPU93に送信する(ステップS811)。当該距離データの送信に際しては、今回の撮像信号を受信した画素アレイ部73cの画素に対応するアドレスデータが付随して送信される。これにより、音光側MPU93は、受信した距離データを距離画像記憶エリア95aのうち当該距離データに付随して送信されたアドレスデータに対応する単位記憶エリアに書き込む。
ここで、基準距離は、図18(b)に示すように、窓パネル22の裏面22bよりも撮像装置73から遠い距離であって窓パネル22の表面22aよりも撮像装置73に近い距離として設定されている。なお、撮像装置73の撮像面が斜め上方を向いているのに対して基準距離となる位置に該当する仮想基準面が垂直に設定されていることに対応させて、撮像装置73の画素アレイ部73cの画素毎に基準距離に該当する距離データの値は相違している。これは後述する認識対応距離、監視用距離及び参照対象距離についても同様である。
基準強度が第2基準強度に設定された場合、電波ゴト防止用シートPSにて反射した反射光の強度が第2基準強度よりも高くなることが想定される。また、第2基準強度は第1基準強度よりも強度が低いため、ハーフミラーとして機能するステージ部材68における反射光の強度が第2基準強度よりも高くなることが想定される。これに対して、基準距離以上に対応した距離データのみを音光側MPU93への送信対象とすることで、上記各反射光から導出された距離データが音光側MPU93にて利用されないようにすることが可能となる。ちなみに、基準フラグ75aに「1」がセットされている状況において1の画素から基準距離以上となる距離データに対応する撮像信号を受信しないままとなる状況が発生し得るが、この場合には当該画素については音光側MPU93への距離データの送信が行われないこととなる。
なお、信号処理回路75は、一の画素から第2基準強度以上に相当する撮像信号を複数種類受信している場合にはそれら各撮像信号のそれぞれについて距離データを導出し、それら距離データのうち基準距離以上に対応する距離データの全てを一の画素から導出された距離データとして音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は、一の画素について複数の距離データを受信した場合には、それら距離データを対応する単位記憶エリアに全て書き込む。但し、これに限定されることはなく、信号処理回路75は、一の画素から第2基準強度以上に相当する撮像信号を複数種類受信している場合にはそれら各撮像信号のうち最も信号強度が高いものについて距離データを導出し、その距離データが基準距離以上に対応している場合に当該距離データを一の画素から導出された距離データとして音光側MPU93に送信する構成としてもよい。
信号処理回路75は、発光装置72から投射光を照射してから撮像許容期間(例えば5msec)が経過した場合、又は画素アレイ部73cの全ての画素から撮像信号を受信するとともにそれら撮像信号に基づき距離データを送信した場合、撮像が完了したものとして(ステップS812:YES)、撮像完了信号を音光側MPU93に送信する。
<撮像制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS513にて実行される撮像制御処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS901では、音光側RAM95に設けられた受信待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。受信待機フラグは、発光装置72から投射光が照射された後であって距離データの取得を待機している状態であるか否かを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
受信待機フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS902にて、音光側RAM95に設けられたいずれかの撮像指令フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。撮像指令フラグは、後述するキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理及び操作演出制御処理のそれぞれに1対1で対応させて設けられており、これらいずれかの処理において撮像用基板71による距離データの導出が指示されているか否かを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
全ての撮像指令フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本撮像制御処理を終了し、いずれかの撮像指令フラグに「1」がセットされている場合にはステップS903に進む。ステップS903では照射指示信号を撮像用基板71の制御回路74に送信する。これにより、発光装置72から投射光が照射される。続くステップS904では、音光側RAM95に設けられた受信待機フラグに「1」をセットする。
その後、ステップS905にて、ステップS902にて肯定判定をする契機となった撮像指令フラグが演出系の撮像指令フラグ又は返却時認証に対応した撮像指令フラグであるか否かを判定する。演出系の撮像指令フラグは、操作演出制御処理にて「1」がセットされる撮像指令フラグである。返却時認証に対応した撮像指令フラグは、後述する返却操作時の認証処理にて「1」がセットされるフラグである。演出系の撮像指令フラグ又は返却時認証に対応した撮像指令フラグである場合にはそのまま本撮像制御処理を終了する。演出系の撮像指令フラグ又は返却時認証に対応した撮像指令フラグではない場合には、ステップS906にて、ステップS902にて肯定判定をする契機となった撮像指令フラグを「0」クリアした後に、本撮像制御処理を終了する。これにより、撮像用基板71における撮像結果が演出として利用される場合又は返却時認証として利用される場合には撮像用基板71における撮像、すなわち距離データの導出が繰り返し実行されるのに対して、撮像用基板71における撮像結果が演出又は返却時認証以外の目的で利用される場合には、撮像のリトライが実行されない限り、撮像用基板71における撮像は1回の撮像指示に対して1回のみ実行される。
一方、受信待機フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS907にて、撮像用基板71において今回の撮像指令に対して撮像が完了したか否かを判定する。音光側MPU93は、信号処理回路75から撮像完了信号を受信した場合に撮像が完了したと判定する。ちなみに、ステップS903にて照射指示信号が撮像用基板71に送信されてからステップS907にて撮像完了と判定されるまでに要する最長時間は、10msec程度となっている。
撮像が完了していない場合にはそのまま本撮像制御処理を終了し、撮像が完了している場合にはステップS908に進む。ステップS908では、音光側RAM95に設けられたキャンセル用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。キャンセル用監視フラグは、後述するキャンセル用監視処理にて1フレーム分の画像を利用するために撮像指示が行われている状況及びその撮像指示に対する撮像待ちの状況のいずれかであることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。キャンセル用監視フラグに「1」がセットされている場合には、後述するステップS915の処理を実行した後に、本撮像制御処理を終了する。
キャンセル用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS909にて検索カウンタの設定処理を実行する。ここで、図22の説明図に示すように、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aには、撮像用基板71における画素アレイ部73cの画素に1対1で対応させて多数の単位記憶エリアU1が設けられており、各単位記憶エリアU1には対応する画素にて受光された反射光から導出された距離データが書き込まれる。ちなみに、信号処理回路75から距離データが送信されなかった画素に対応する単位記憶エリアU1はブランクエリアとして設定され、当該ブランクエリアは音光側MPU93における画像の把握に際して参照されない。検索カウンタは音光側RAM95に設けられており、距離画像記憶エリア95aの単位記憶エリアU1のうち距離データの調整を必要とするか否かの判定を実行すべき対象のエリアを特定するために音光側MPU93にて参照される。検索カウンタの設定処理では、単位記憶エリアU1の数に対応した値を検索カウンタにセットする。
続くステップS910では、現状の検索カウンタの値に対応した単位記憶エリアU1に格納されている距離データが認識対応距離以上に対応するデータであるか否かを判定する。認識対応距離とは、図23の説明図に示すように、窓パネル22の表面22aよりも撮像装置73から遠い距離として設定されている。ステップS910にて否定判定をした場合には、ステップS911にて、現状の検索カウンタの値に対応した単位記憶エリアU1をブランクエリアとして設定する。つまり、距離データを保持しないエリアとすべく、当該単位記憶エリアU1の値を「0」クリアする。ブランクエリアに設定された単位記憶エリアU1は、音光側MPU93における1フレーム分の画像の認識に際して距離データが存在しないエリアとして扱われる。
ステップS910にて肯定判定をした場合、又はステップS911の処理を実行した場合には、ステップS912にて音光側RAM95の検索カウンタの値を1減算する。その後、ステップS913にて、その1減算後における検索カウンタの値が「0」となっているか否かを判定することで、全ての単位記憶エリアU1についてステップS910の処理を実行したか否かを判定する。ステップS913にて否定判定をした場合にはステップS910の処理を実行すべき単位記憶エリアU1が存在していることを意味するため、次の順番の単位記憶エリアU1に格納されている距離データについてステップS910の処理を実行する。一方、ステップS913にて肯定判定をした場合には全ての単位記憶エリアU1についてステップS910の処理が完了したことを意味するため、ステップS914の処理に進む。
ステップS914では、ステップS911にてブランクエリアの設定が行われた単位記憶エリアU1の数が基準数以上であるか否かを判定する。当該基準数は、1フレーム分の画像の認識を適切に行うことができるのであれば任意であるが、複数の数として設定されていることが好ましく、具体的には「50」に設定されている。
ステップS914にて否定判定をした場合には、ステップS915にて、音光側RAM95の受信待機フラグを「0」クリアするとともに音光側RAM95に設けられた撮像完了フラグに「1」をセットした後に、本撮像制御処理を終了する。撮像完了フラグは、撮像指令が発生したことに対して1フレーム分の画像の取得が完了するとともに当該画像を撮像指令が発生した処理にて利用可能であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
ステップS914にて肯定判定をした場合には、ステップS916にて、音光側RAM95に設けられたリトライ回数カウンタの値が上限回数以上であるか否かを判定する。リトライ回数カウンタは、ブランクエリアの数が基準数以上である場合に撮像を再度実行した回数を音光側MPU93にて特定するためのカウンタである。また、上限回数は複数の回数として定められており、具体的には「3」に設定されている。
ステップS916にて肯定判定をした場合には、既に説明したステップS915の処理を実行した後に、本撮像制御処理を終了する。ステップS916にて否定判定をした場合には、ステップS917にて、音光側RAM95の受信待機フラグを「0」クリアするとともに音光側RAM95における今回の撮像制御処理の開始契機となった種類の撮像指令フラグに「1」をセットする。その後、ステップS918にて、音光側RAM95のリトライ回数カウンタの値を1加算した後に、本撮像制御処理を終了する。
以上のように窓パネル22の表面22aよりも撮像装置73側の距離に対応した距離データについてはブランクエリアの設定を行うことにより、図23に示すように、撮像装置73と窓パネル22との間に遊技球Bが偶然存在している場合にその遊技球Bにおける反射光に基づき導出された距離データを監視用の処理や演出用の処理にて利用しないようにすることが可能となる。よって、撮像装置73に対して窓パネル22の表面22aよりも遠い距離に存在する測定対象MOでの反射光に基づき導出された距離データのみを、その後の処理にて利用することが可能となる。
また、ブランクエリアの設定が行われた単位記憶エリアU1の数が基準数以上である場合には、発光装置72からの投射光の照射が再度実行され、1フレーム分の画像の撮像が再度実行される。これにより、例えば、図23に示すように遊技領域PAを流下する遊技球Bを撮像した場合であっても、撮像が再度実行されることを通じて当該遊技球Bが存在していない1フレーム分の画像を取得する機会を生じさせることが可能となる。よって、窓パネル22の表面22aよりもパチンコ機10前方に存在する測定対象MOのみを撮像した1フレームの画像を得る機会が高められる。
また、1フレーム分の画像を再度撮像する事象は上限回数の範囲内で行われる。これにより、1回の撮像指令に対して1フレーム分の画像の取得を完了するのに要する最長時間を制限することが可能となる。なお、ステップS903にて照射指示信号が撮像用基板71に送信されてからステップS907にて撮像完了と判定されるまでに要する最長時間は10msec程度となっているとともに、撮像を再度実行する上限回数は3回に設定されているため、1回の撮像指令に対して1フレーム分の画像の取得を完了するのに要する最長時間は、ステップS908〜ステップS918の処理時間を加味すると35msec程度となる。
<キャンセル用監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS507にて実行されるキャンセル用監視処理について説明する。
キャンセル用監視処理では、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況が発生しているか否か、遊技領域PA内に不正用治具Dが挿入されているか否か、及び遊技領域PA内において球詰まりが発生しているか否かを、撮像用基板71の撮像結果を利用して監視するための処理を実行する。当該監視対象の事象について、図24(a)及び図24(b)の説明図を参照しながら説明する。
撮像用基板71の撮像結果を利用して本キャンセル用監視処理以外の監視処理が実行される場合や、撮像用基板71の撮像結果を演出として利用する場合、図24(a)に示すように、測定対象MOは窓パネル22の表面22aよりもパチンコ機10前方に存在している。この場合に、窓パネル22の表面22aは遊技者側に露出しているため、当該表面22aが遊技者により触れられる可能性がある。そうすると、当該表面22aに指紋などの汚れ部分Aが生じ得る。かかる汚れ部分Aが生じると、発光装置72から照射された投射光が当該汚れ部分Aにて反射してしまい、測定対象MOの撮像を正常に行えない可能性が生じる。また、パチンコ機10においては、図24(b)に示すように、遊技領域PA内に不正用治具Dが挿入されて不正な利益を得るための行為が行われることが想定される。また、これらの事象以外にもパチンコ機10においては、遊技領域PA内において球詰まりが発生する可能性があり、この場合には遊技領域PA内において多数の遊技球が停留することとなる。これに対して、キャンセル用監視処理では、汚れ部分Aの発生、遊技領域PA内への不正用治具Dの挿入、又は遊技領域PA内における球詰まり等といったキャンセル用監視対象の事象の発生を特定した場合には、それに対応した処理を実行するようになっている。
図25は、キャンセル用監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS1001では、音光側RAM95の各種フラグの状態を確認することで、優先事象が発生しているか否かを判定する。優先事象とは、演出で1フレーム分の画像を利用するために撮像用基板71に撮像指令が発生した状況及び後述する返却時認証で1フレーム分の画像を利用するために撮像用基板71に撮像指令が発生した状況のことである。
ステップS1001にて肯定判定をした場合には、ステップS1002にて、音光側RAM95に設けられたキャンセル用監視フラグを「0」クリアした後に、本キャンセル用監視処理を終了する。キャンセル用監視フラグは、キャンセル用監視を行うために撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、上記のように優先事象の発生中においてはキャンセル用監視フラグを強制的に「0」クリアする構成としたことにより、1フレーム分の画像の利用に関して、キャンセル用監視よりも優先事象側における利用を優先させることが可能となる。
ステップS1001にて否定判定をした場合には、ステップS1003にて、音光側RAM95のキャンセル用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。キャンセル用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1004にて音光側RAM95の他の監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該他の監視フラグは、高さ位置監視処理(ステップS508)、顔認証用処理(ステップS509)、第1状況監視処理(ステップS510)及び第2状況監視処理(ステップS511)のいずれかにて撮像用基板71に対して1フレーム分の画像の撮像指令が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。ステップS1004にて肯定判定をした場合にはそのまま本キャンセル用監視処理を終了し、ステップS1004にて否定判定をした場合にはステップS1005に進む。
ステップS1005では、キャンセル用監視の待機時間が経過したか否かを判定する。キャンセル用監視の待機時間は200msecに設定されており、キャンセル用監視処理において撮像指令を行ったことに対して取得された1フレーム分の画像に対してキャンセル用監視の実行が完了した場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
キャンセル用監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本キャンセル用監視処理を終了し、キャンセル用監視の待機時間が経過している場合にはステップS1006に進む。ステップS1006では、音光側RAM95におけるキャンセル用監視に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95のキャンセル用監視フラグに「1」をセットする。その後、本キャンセル用監視処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
キャンセル用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1003にて肯定判定をしてステップS1007に進む。ステップS1007では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、キャンセル用監視を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1007にて否定判定をした場合にはそのまま本キャンセル用監視処理を終了し、ステップS1007にて肯定判定をした場合にはステップS1008に進む。
ステップS1008では、音光側RAM95のキャンセル用監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1009では、距離画像記憶エリア95aにおいて監視用距離以下の距離データが格納されている単位記憶エリアU1が所定範囲に集約して存在しているか否かを判定する。
図24(a)及び図24(b)に示すように、監視用距離は、窓パネル22の表面22aよりも1cm程度パチンコ機10前方の位置から撮像装置73までの距離として設定されている。窓パネル22に汚れ部分Aにて反射した反射光に基づき導出された距離データ、遊技領域PA内に挿入された不正用治具Dにて反射した反射光に基づき導出された距離データ、及び遊技領域PA内で球詰まりを生じさせている遊技球に基づき導出された距離データは監視用距離以下のデータに該当することとなる。
汚れ部分Aが生じている場合、不正用治具Dが存在している場合又は球詰まりが生じている場合には、撮像装置73の画素アレイ部73cにおいて縦方向及び横方向に隣接する所定範囲の画素にて汚れ部分A、不正用治具D又は遊技球で反射した反射光を受光することとなる。そうすると、図26(a)の説明図において黒色で塗りつぶされた領域で示すように、距離画像記憶エリア95aにおいて所定範囲に存在する複数の単位記憶エリアU1に監視用距離以下の距離データが格納されることとなる。この場合には、汚れ部分A、不正用治具D又は球詰まり球が存在している可能性が高いものとして扱う。
ステップS1009にて否定判定をした場合には、ステップS1016にて距離画像記憶エリア95aに現状記憶されている各距離データを音光側RAM95に設けられた履歴データ記憶エリア95bに上書きした後に本キャンセル用監視処理を終了する。履歴データ記憶エリア95bは、図26(b)の説明図に示すように、距離画像記憶エリア95aと同一数の単位記憶エリアU2を有しており、距離画像記憶エリア95aに格納されているデータをそのまま保存することが可能な構成となっている。
ステップS1009にて肯定判定をした場合には、ステップS1010にて、監視用距離以下の距離データが格納されている履歴データ記憶エリア95bの単位記憶エリアU2に対応する距離画像記憶エリア95aの単位記憶エリアU1に当該距離データと同一又は略同一の距離データが存在しているか否かを判定する。つまり、履歴データにおいて監視用距離以下の距離データとなっているデータ範囲が、今回取得した1フレーム分の画像のデータに存在しているか否かを判定している。これにより、履歴データと1フレーム分の画像のデータとが完全に一致していなくてもステップS1010にて肯定判定をすることとなり、さらに監視用距離以上の距離データとなっているデータ範囲が履歴データよりも今回取得した1フレームの画像のデータの方が広い場合にもステップS1010にて肯定判定をすることとなる。
なお、同一又は略同一の距離データが存在しているか否かを判定する構成に代えて、監視用距離以下の距離データが格納されている距離画像記憶エリア95aの単位記憶エリアU1に対応する履歴データ記憶エリア95bの単位記憶エリアU2に監視用距離以下に対応する距離データが格納されているか否かを判定する構成としてもよい。
ステップS1010にて否定判定をした場合には、ステップS1016にて履歴データの更新処理を実行した後に本キャンセル用監視処理を終了する。ステップS1010にて肯定判定をした場合には、ステップS1011にて、音光側RAM95に設けられた一致カウンタの値を1加算する。一致カウンタは、監視用距離以下の距離データが格納されている距離画像記憶エリア95aの単位記憶エリアU1に対応する履歴データ記憶エリア95bの単位記憶エリアU2に当該距離データと同一又は略同一の距離データが存在していることを確認した回数を音光側MPU93にて特定するためのカウンタである。なお、一致カウンタは、ステップS1010にて否定判定をした場合、又はステップS1012にて肯定判定をした場合に、「0」クリアされる。
その後、ステップS1012にて一致カウンタの値が異常基準値以上であるか否かを判定する。異常基準値は2以上の値として設定されており、具体的には「20」に設定されている。ここで、既に説明したとおりキャンセル用監視の待機時間は200msecに設定されているため、ステップS1012では、監視用距離以下の距離データが同一の画素にて取得される状況が4sec以上に亘って継続しているか否かを判定していることとなる。かかる異常基準期間は、撮像用基板71の撮像結果を利用する演出に際して遊技者が窓パネル22側に向けて所定の態様で手を出す演出操作が行われる場合に当該演出操作として想定される標準的な期間よりも長い期間として設定されているとともに、遊技球が遊技領域PAを球詰まりの発生がない状況で流下する場合において所定の箇所に留まる期間として想定される最長期間よりも長い期間として設定されている。
ステップS1012にて否定判定をした場合には、ステップS1016にて履歴データの更新処理を実行した後に本キャンセル用監視処理を終了する。ステップS1012にて肯定判定をした場合には、ステップS1013にて、音光側RAM95に設けられた規制フラグに「1」をセットする。
規制フラグは、撮像用基板71における撮像結果を演出として利用するか否かを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、規制フラグに「1」がセットされている場合には、音光側MPU93は撮像用基板71における撮像結果を利用する演出を実行しない。これにより、汚れ部分Aが生じていることに伴って撮像用基板71の撮像結果を演出として正常に利用できない状況では、当該撮像結果を利用する演出が実行されないようにすることが可能となる。
続くステップS1014では、異常報知用データの読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、キャンセル用監視処理の結果に対応した異常報知を表示発光部23及びスピーカ部24にて実行するための発光データ及び音出力データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これにより、キャンセル用監視処理の結果に対応した異常報知が表示発光部23及びスピーカ部24にて行われる。また、ステップS1015では、異常報知用コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は異常報知用コマンドを受信することにより、キャンセル用監視処理の結果に対応した異常報知が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。上記のように各種異常報知が実行されることにより、キャンセル用監視処理における監視対象の事象が発生していることを遊技ホールの管理者だけでなく遊技者にも明確に認識させることが可能となる。ステップS1015の処理を実行した後は、ステップS1016にて履歴データの更新処理を実行した後に本キャンセル用監視処理を終了する。
なお、規制フラグに「1」がセットされている状態、及び上記異常報知が実行されている状態は、パチンコ機10の電源をOFFさせることで解除され、その後に電源をONさせた場合には規制フラグは「0」となっているとともに上記異常報知は再開されない。
図27のタイムチャートを参照しながら、キャンセル用監視処理に基づき異常報知が実行される様子について説明する。なお、窓パネル22の表面22aに汚れ部分Aが生じた場合を例に挙げて説明するが、不正用治具Dが存在している場合や球詰まりが発生している場合も同様である。
図27(a)は遊技者による演出操作が行われている期間を示し、図27(b)は汚れ部分Aが生じている期間を示し、図27(c)は音光側MPU93にて演出操作の発生が特定されたタイミングを示し、図27(d)は演出の実行期間を示し、図27(e)はキャンセル用監視対象が発生していることを特定している期間を示し、図27(f)は異常報知の実行期間を示す。なお、遊技者の演出操作とは、遊技者が窓パネル22側に向けて所定の態様で手を出すことである。
まず汚れ部分Aが生じていない場合について説明する。
遊技者の演出操作が行われた場合に当該演出操作に対応する演出が行われる期間中であるt1のタイミングで、図27(a)に示すように遊技者の演出操作が行われることにより、t2のタイミングで、図27(c)に示すように遊技者の演出操作の発生が音光側MPU93にて特定される。したがって、図27(d)に示すように当該t2のタイミングで、上記演出操作に対応する演出が開始される。
次に、キャンセル用監視処理が実行されない場合に生じる不具合について説明する。
遊技者の演出操作が行われた場合に当該演出操作に対応する演出が行われる期間中であるt3のタイミングで、図27(b)に示すように窓パネル22の表面22aに汚れ部分Aが生じる。そうすると、図27(a)に示すように遊技者の演出操作が開始されるタイミングであるt5のタイミングよりも前のタイミングであるt4のタイミングで、図27(c)に示すように、上記汚れ部分Aでの反射光に起因して演出操作が発生したと特定され、図27(d)に示すように演出が開始されてしまう。この場合、遊技者が演出操作を行っていないにも関わらず当該演出操作に対応する演出が開始されてしまうこととなり、遊技者に違和感を与えてしまう。
次に、キャンセル用監視処理が実行される場合について説明する。
図27(b)に示すように、t6のタイミングで、窓パネル22の表面22aに汚れ部分Aが生じる。その後、t7のタイミングでキャンセル用監視の待機時間が経過することで、図27(e)に示すようにキャンセル用監視対象が発生していることが特定される。そして、t8のタイミングで、キャンセル用監視対象が発生していると継続して特定している期間が異常基準期間T1以上となることにより、図27(f)に示すように異常報知が開始される。その後、t9のタイミングで、窓パネル22の表面22aから汚れ部分Aが除去され、さらにパチンコ機10の電源の再投入が行われることにより、異常報知が終了される。
以上のようにキャンセル用監視対象が発生している場合には異常報知が実行されることにより、キャンセル用監視対象の事象の発生に対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。例えば、窓パネル22の表面22aに汚れ部分Aが生じていると遊技者の演出操作の有無を正確に特定することができなくなるおそれがあるが、これに対して異常報知が実行されることにより、汚れ部分Aを除去するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。また、例えば不正用治具Dが遊技領域PA内に挿入されている場合に異常報知が実行されることにより、不正行為がそれ以上継続されてしまうことを阻止することが可能となる。また、例えば遊技領域PA内で球詰まりが発生している場合に異常報知が実行されることにより、球詰まりを解消するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
また、窓パネル22の表面22aよりも1cm程度パチンコ機10前方の位置から撮像装置73までの距離として監視用距離が設定されているとともに、距離データが監視用距離以下の場合にキャンセル用監視対象が発生していると特定する構成としたことにより、複数種類存在しているキャンセル用監視対象の監視を一定の処理でまとめて監視することが可能となる。
また、監視用距離以下の距離データが格納されている単位記憶エリアU1が所定範囲に集約して存在している場合にキャンセル用監視対象が発生していると特定する構成としたことにより、例えば窓パネル22の表面22aに微小な汚れ部分が生じた場合にまで異常報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
<高さ位置監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS508にて実行される高さ位置監視処理について説明する。
高さ位置監視処理では、図28(a)及び図28(b)の説明図に示すように、遊技ホールにおいてパチンコ機10の前方に配置された椅子に着席して遊技を行っている遊技者の顔の高さ位置は、遊技者の座高によって相違し得る。また、椅子の高さ位置は遊技ホールによって相違し得るため、これによっても顔の高さ位置が変動する。一方、撮像用基板71の撮像結果を利用して演出が行われる場合、遊技者は窓パネル22よりもパチンコ機10前方の位置にて当該窓パネル22側に向けて所定の態様で手を出すことで演出操作を行う。この場合に、図29の説明図に示すように、図柄表示装置61にて表示されている画像を選択する演出操作が行われる場合、同一の画像を選択する場合であっても、遊技者F1の場合には窓パネル22のポイントP1に向けて演出操作を行うのに対して、遊技者F1よりも顔の高さ位置が低い遊技者F2の場合には窓パネル22のポイントP2に向けて演出操作を行う。そうすると、同一の演出操作を行っている状況であっても、演出操作を行っている手を撮像装置73が認識する高さ位置が相違することとなる。これに対して、高さ位置監視処理にて遊技者の顔の高さ位置を事前に把握しておくことで、演出操作が行われた場合における遊技者の手の高さ位置の把握に際して1フレーム分の画像のデータを顔の高さ位置に応じて補正可能としている。
図30は、高さ位置監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS1101では、音光側RAM95の各種フラグの状態を確認することで、優先事象が発生しているか否かを判定する。優先事象の内容は、キャンセル用監視処理(図25)におけるステップS1001の場合と同様である。
ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1103にて、音光側RAM95に設けられた高さ位置監視フラグを「0」クリアした後に、本高さ位置監視処理を終了する。高さ位置監視フラグは、高さ位置監視を行うために撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、上記のように優先事象が発生している状況においては高さ位置監視フラグを強制的に「0」クリアする構成としたことにより、1フレーム分の画像の利用に関して、高さ位置監視よりも優先事象側における利用を優先させることが可能となる。
ステップS1101にて否定判定をした場合には、ステップS1102にて、発射操作装置37の操作ハンドル37bが操作されているか否かを判定する。具体的には、電源・発射制御装置108は、既に説明したとおり、タッチセンサ37cから操作ハンドル37bが遊技者により触れられていることを示す信号を受信するとともに、発射止め操作が行われていないことを示す信号をストップスイッチ37eから受信していることを条件に、主側MPU83にHIレベルの条件成立信号を継続して送信する。主側MPU83は当該HIレベルの条件成立信号の受信が開始された場合、音光側MPU93に発射操作開始コマンドを送信し、HIレベルの条件成立信号の受信が終了された場合、音光側MPU93に発射操作終了コマンドを送信する。ステップS1102では、発射操作開始コマンドを受信した後であって発射操作終了コマンドを受信していない状況において発射操作中であると判定する。
ステップS1102にて否定判定をした場合、すなわち発射操作中ではない場合には、ステップS1103にて、音光側RAM95の高さ位置監視フラグを「0」クリアした後に、本高さ位置監視処理を終了する。これにより、発射操作が行われている状況でのみ高さ位置監視が行われるようにすることが可能となり、パチンコ機10の前に配置された椅子に遊技者が着席していない状況で高さ位置監視が実行されないようにすることが可能となる。
ステップS1102にて肯定判定をした場合には、ステップS1104にて、音光側RAM95の高さ位置監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。高さ位置監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1105にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本高さ位置監視処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS1105にて肯定判定をして高さ位置監視処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において高さ位置監視が実行されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1106にて、音光側RAM95の他の監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該他の監視フラグは、キャンセル用監視処理(ステップS507)、顔認証用処理(ステップS509)、第1状況監視処理(ステップS510)及び第2状況監視処理(ステップS511)のいずれかにて撮像用基板71に対して1フレーム分の画像の撮像指令が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。ステップS1106にて肯定判定をした場合にはそのまま本高さ位置監視処理を終了し、ステップS1106にて否定判定をした場合にはステップS1107に進む。
ステップS1107では、高さ位置監視の待機時間が経過したか否かを判定する。高さ位置監視の待機時間はキャンセル用監視の待機時間とは異なる待機時間として設定されており、具体的には500msecに設定されている。高さ位置監視処理において撮像指令を行ったことに対して取得された1フレーム分の画像に対して高さ位置監視の実行が完了した場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
高さ位置監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本高さ位置監視処理を終了し、高さ位置監視の待機時間が経過している場合にはステップS1108に進む。ステップS1108では、音光側RAM95における高さ位置監視に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95の高さ位置監視フラグに「1」をセットする。その後、本高さ位置監視処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
高さ位置監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1104にて肯定判定をしてステップS1109に進む。ステップS1109では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、高さ位置監視を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1109にて否定判定をした場合にはそのまま本高さ位置監視処理を終了し、ステップS1109にて肯定判定をした場合にはステップS1110に進む。
ステップS1110では、音光側RAM95の高さ位置監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1111では、高さ位置の目標抽出処理を実行する。当該目標抽出処理では、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づき1フレーム分の画像のデータを把握し、その把握した画像のデータの中に人の顔部分に相当する画像のデータが存在しているか否かを判定する。当該判定に際しては、楕円形状、円形状又は楕円形状などに相当する顔の輪郭部分に該当する範囲を抽出し、その抽出した範囲に目、鼻、口又は耳に該当する範囲が存在している場合には、その抽出した範囲を顔であると認識する。そして、図28(a)及び図28(b)に示すように、その顔であると認識した範囲の高さ方向の中央位置を今回の高さ位置として抽出する。
その後、ステップS1112にて目標抽出が完了したか否かを判定する。ステップS1111の目標抽出処理にて上記高さ位置の抽出が完了している場合には、ステップS1112にて肯定判定をする。この場合、ステップS1113にて高さ位置のグループ特定処理を実行する。具体的には、高さ位置のグループとして本パチンコ機10では3段階のグループが設定されており、図28(a)及び図28(b)に示すように、第1高さ基準以上の高さ位置が該当する第1高さグループと、第1高さ基準未満であって第2高さ基準以上の高さ位置が該当する第2高さグループと、第2高さ基準未満の高さ位置が該当する第3高さグループとが存在している。ステップS1113では、ステップS1111にて抽出した高さ位置を第1高さ基準及び第2高さ基準と比較し、第1〜第3高さグループのいずれに該当するのかを特定する。
その後、ステップS1114にて、ステップS1113において特定した高さグループに対応する値を音光側RAM95に設けられた高さ位置グループカウンタ95cにセットした後に、本高さ位置監視処理を終了する。具体的には、第1高さグループの場合には「1」をセットし、第2高さグループの場合には「2」をセットし、第3高さグループの場合には「3」をセットする。当該高さ位置グループカウンタ95cを参照することにより、音光側MPU93は現状の高さ位置を認識することが可能となり、撮像用基板71の撮像結果を演出として利用する場合に高さ位置に対応した調整を行うことが可能となる。
一方、ステップS1111の目標抽出処理にて顔の輪郭部分に該当する範囲を特定することができなかった場合には、ステップS1112にて否定判定をしてステップS1115に進む。ステップS1115では、非抽出時の設定処理として、音光側RAM95の高さ位置グループカウンタ95cに「2」をセットする。つまり、最も標準的な高さ位置に対応した第2高さグループを今回の高さグループとして設定する。
<顔認証用処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS509にて実行される顔認証用処理について説明する。
顔認証用処理では、球貸操作装置26の返却ボタン28が操作されて球貸装置Yから記憶媒体が返却される場合に、その操作を行った遊技者の顔を撮像し、その撮像結果の画像と事前に撮像しておいた遊技者の顔の画像との照合結果が一致しない場合に異常報知を行う。これにより、記憶媒体を不正に取得する行為が行われた場合に、それを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となり、それに対処させることが可能となる。
図31は、顔認証用処理を示すフローチャートである。
まずステップS1201では、音光側RAM95に設けられた返却操作後フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ここで、払出制御装置111は、球貸装置Y又は記憶媒体において使用可能な遊技球数に対応する情報が記憶されている状況で球貸操作装置26の返却ボタン28が操作された場合、当該情報が記憶された記憶媒体を排出すべきことを示す返却指示信号を球貸装置Yに送信する。また、払出制御装置111は当該返却指示信号を球貸装置Yに送信する場合に、主側MPU83に返却指示発生コマンドを送信する。主側MPU83は返却指示発生コマンドを受信した場合、音光側MPU93にそれに対応した返却操作発生コマンドを送信する。音光側MPU93は返却操作発生コマンドを受信した場合、返却操作後フラグに「1」をセットする。
ステップS1201にて否定判定をした場合、すなわち返却操作が行われていない場合には、ステップS1202にて、音光側RAM95の各種フラグの状態を確認することで、優先事象が発生しているか否かを判定する。優先事象の内容は、キャンセル用監視処理(図25)におけるステップS1001の場合と同様である。
ステップS1202にて肯定判定をした場合には、ステップS1203にて、音光側RAM95に設けられた顔認証用監視フラグを「0」クリアした後に、本顔認証用処理を終了する。顔認証用監視フラグは、遊技球の貸出を可能とするための情報が新たに追加された場合において遊技者の顔の画像を取得するために撮像用基板71にて1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、上記のように優先事象が発生している状況においては顔認証用監視フラグを強制的に「0」クリアする構成としたことにより、1フレーム分の画像の利用に関して、顔画像の事前取得よりも優先事象側における利用を優先させることが可能となる。
ステップS1202にて否定判定をした場合には、ステップS1204にて、音光側RAM95の顔認証用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。顔認証用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1205にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本顔認証用処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS1205にて肯定判定をして顔認証をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において遊技者の顔の画像が取得されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1206にて、音光側RAM95の他の監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該他の監視フラグは、キャンセル用監視処理(ステップS507)、高さ位置監視処理(ステップS508)、第1状況監視処理(ステップS510)及び第2状況監視処理(ステップS511)のいずれかにて撮像用基板71に対して1フレーム分の画像の撮像指令が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。ステップS1206にて肯定判定をした場合にはそのまま本高さ位置監視処理を終了し、ステップS1206にて否定判定をした場合にはステップS1207に進む。
ステップS1207では、音光側RAM95に設けられた顔認証要求フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ここで、払出制御装置111は、球貸装置Yへの紙幣の挿入や記憶媒体の挿入が行われた結果、球貸装置Y又は記憶媒体において使用可能な遊技球数に対応する情報が新たに設定された場合若しくは増加した場合、主側MPU83に貸出情報追加コマンドを送信する。主側MPU83は貸出情報追加コマンドを受信した場合、音光側MPU93にそれに対応した貸出情報追加コマンドを送信する。音光側MPU93は貸出情報追加コマンドを受信した場合、顔認証要求フラグに「1」をセットする。ステップS1207にて否定判定をした場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、ステップS1207にて肯定判定をした場合にはステップS1208に進む。
ステップS1208では、顔認証用監視の待機時間が経過したか否かを判定する。顔認証用監視の待機時間はキャンセル用監視の待機時間及び高さ位置監視の待機時間とは異なる待機時間として設定されており、具体的には300msecに設定されている。顔認証用処理において撮像指令を行ったことに対して取得された1フレーム分の画像に対して顔認証用監視の実行が完了した場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
顔認証用監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、顔認証用監視の待機時間が経過している場合にはステップS1209に進む。ステップS1209では、音光側RAM95における顔認証用監視に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95の顔認証用監視フラグに「1」をセットする。その後、本顔認証用処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
顔認証用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1204にて肯定判定をしてステップS1210に進む。ステップS1210では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、顔画像の事前取得を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1210にて否定判定をした場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、ステップS1210にて肯定判定をした場合にはステップS1211に進む。
ステップS1211では、音光側RAM95の顔認証用監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1212では、顔データの抽出処理を実行する。当該顔データの抽出処理では、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づき1フレーム分の画像のデータを把握し、その把握した画像のデータの中に人の顔部分に相当する画像のデータが存在しているか否かを判定する。当該判定に際しては、楕円形状、円形状又は楕円形状などに相当する顔の輪郭部分に該当する範囲を抽出し、その抽出した範囲に目、鼻、口又は耳に該当する範囲が存在している場合には、その抽出した範囲を顔であると認識する。
その後、ステップS1213にて顔データの抽出が完了したか否かを判定する。顔データの抽出が完了していない場合にはそのまま本顔認証用処理を終了する。顔データの抽出が完了している場合にはステップS1214にてその抽出した顔データを音光側RAM95に設けられた事前データ記憶エリア95dに格納する。その後、ステップS1215にて音光側RAM95の顔認証要求フラグを「0」クリアした後に、本顔認証用処理を終了する。
一方、ステップS1201にて返却操作が行われていると判定した場合には、ステップS1216にて返却操作時の認証処理を実行した後に、本顔認証用処理を終了する。図32は、当該返却操作時の認証処理を示すフローチャートである。
ステップS1301では、音光側RAM95に設けられた返却時認証用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。返却時認証用監視フラグは、返却操作が行われた場合において遊技者の顔の画像を取得するために撮像用基板71にて1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。ステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1302にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
規制フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1303にて返却操作後フラグを「0」クリアした後に、本認証処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、顔認証を行うことなく返却操作後フラグを「0」クリアすることにより、撮像を正常に行えない状況において遊技者の顔の認証が行われないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1304にて、音光側RAM95における返却時認証に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95の返却時認証用監視フラグに「1」をセットした後に、本認証処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
ここで、当該認証処理では、顔認証用処理(図31)などのように対応する撮像指令フラグ及び対応する監視フラグに「1」をセットする前段階において、他の監視フラグに「1」がセットされているか否かの判定及び待機時間の経過判定を行わない。これにより、返却操作が行われた場合には顔認証用の画像の取得を早期に開始することが可能となる。
返却時認証用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1301にて肯定判定をしてステップS1305に進む。ステップS1305では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、顔認証を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1305にて否定判定をした場合にはそのまま本認証処理を終了し、ステップS1305にて肯定判定をした場合にはステップS1306に進む。
ステップS1306では、音光側RAM95の撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1307では顔データの抽出処理を実行する。当該抽出処理の処理内容は、顔認証用処理(図31)におけるステップS1212の抽出処理と同様である。
その後、ステップS1308にて顔データの抽出が完了したか否かを判定する。顔データの抽出が完了していない場合にはそのまま本認証処理を終了する。顔データの抽出が完了している場合にはステップS1309にてその抽出した顔データを音光側RAM95に設けられた照合用データ記憶エリア95eに格納する。
続くステップS1310では、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ、返却操作後フラグ及び返却時認証用監視フラグの全てを「0」クリアする。ここで、返却操作時の認証処理にて撮像指令フラグに「1」がセットされた場合、撮像用基板71において撮像が完了しただけでは当該撮像指令フラグは「0」クリアされることはなく、照合用データ記憶エリア95eに顔データが格納された場合に「0」クリアされる。これにより、照合用の顔データが取得されるまでは撮像用基板71において撮像が繰り返されることとなり、照合用の顔データを確実に取得することが可能となる。但し、これに限定されることはなく、ステップS1304にて対応する撮像指令フラグに「1」をセットしてから顔認証用監視期間が経過するまでに顔データを抽出できなかった場合には、ステップS1310と同様に各種フラグを「0」クリアするとともに後述するステップS1313にて警報用の処理を実行する構成としてもよい。
その後、ステップS1311にて、音光側RAM95の事前データ記憶エリア95dに記憶されている顔データと、音光側RAM95の照合用データ記憶エリア95eに記憶されている顔データとを照合する。この場合、各顔データにおいて顎のラインを抽出し、その顎のラインに対する目、鼻、口又は耳の相対位置、及び目、鼻、口又は耳の外縁形状が両顔データにおいて90%以上一致している場合に、これら両顔データが一致していると判定する。なお、顔データの認証を行うことができるのであれば、これら顔データの認証の具体的な方法は任意である。
続くステップS1312では、ステップS1311の照合処理の結果が一致結果であるか否かを判定する。なお、事前データ記憶エリア95dに顔データが格納されていない場合には顔データが一致していないと扱われる。ステップS1312にて肯定判定をした場合にはそのまま本認証処理を終了する。一方、ステップS1312にて否定判定をした場合には、ステップS1313にて、警報用発光データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出した後に、本認証処理を終了する。
警報用発光データが読み出されることにより、タイマ割込み処理(図14)における発光制御処理(ステップS503)にて当該警報用発光データが参照され、顔の認証が正常に行えなかったことを示す態様で表示発光部23の発光が行われる。これにより、記憶媒体の返却が正当な遊技者に対して行われたのか否かの確認を行うように、遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。例えば、複数のパチンコ機10が設置された島設備単位で監視カメラが設置された遊技ホールにおいては、監視カメラの撮影結果を参照することで記憶媒体の不正な取得行為が行われたか否かを特定することが可能となる。
また、顔データが一致していない場合には表示発光部23を利用した警報が行われ、遊技の進行を停止させるための処理は実行されない。また、当該警報は、スピーカ部24及び図柄表示装置61では行われない。これにより、顔データの照合が正確に行われなかったとしても、正規の遊技者に不利益や違和感を与えないようにすることが可能となる。
次に、顔認証が行われる様子を図33のタイムチャートを参照しながら説明する。
図33(a)は貸出可能情報の追加タイミングを示し、図33(b)は事前データ記憶エリア95dへの顔データの記憶処理の実行期間を示し、図33(c)は事前データ記憶エリア95dに顔データが記憶済みの期間を示し、図33(d)は返却操作の実行タイミングを示し、図33(e)は記憶媒体を返却するための処理が開始されてから記憶媒体の返却が完了するまでの期間を示し、図33(f)は照合用データ記憶エリア95eへの顔データの記憶処理及び当該顔データを利用した認証処理の実行期間を示し、図33(g)は警報が実行されている期間を示す。
t1のタイミングで、球貸装置Yに紙幣又は記憶媒体が投入されることにより、図33(a)に示すように、使用可能な遊技球数に対応する情報が新たに追加される。そうすると、顔データを事前に取得するために、図33(b)に示すように顔データの事前記憶用処理が実行され、t2のタイミングで、図33(c)に示すように事前データ記憶エリア95dに顔データが記憶された状態となる。なお、使用可能な遊技球数に対応する情報が新たに追加される度に、事前データ記憶エリア95dへの顔データの記憶が新たに行われる。
その後、t3のタイミングで、図33(d)に示すように返却操作が行われる。そうすると、図33(e)に示すように記憶媒体の返却が開始されるとともに、図33(f)に示すように顔認証用処理が開始される。その後、返却操作が完了するタイミングであるt5のタイミングよりも前のタイミングであるt4のタイミングで、照合用データ記憶エリア95eへの顔データの記憶が完了するとともに、事前データ記憶エリア95dに記憶されている顔データと照合用データ記憶エリア95eに記憶されている顔データとの照合が完了する。この場合、両顔データが一致したため、図33(g)に示すように警報は発生しない。
一方、t6のタイミングで行われた返却操作に対する顔認証用処理では、両顔データが一致しない結果となった。この場合、記憶媒体の返却が完了するt8のタイミングよりも前のタイミングであるt7のタイミングで、図33(g)に示すように警報が発生することとなり、遊技ホールの管理者に注意を促すことが可能となる。
<第1状況監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS510にて実行される第1状況監視処理について説明する。
第1状況監視処理では、遊技が行われることなくパチンコ機10の前に設けられた椅子に人が着席している可能性があることを撮像用基板71の撮像結果に基づいて把握した場合に第1確認報知を行う。これにより、当該事象が発生していることを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となり、それに対処させることが可能となる。
図34は、第1状況監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS1401では、音光側RAM95の各種フラグの状態を確認することで、優先事象が発生しているか否かを判定する。優先事象とは、返却時認証で1フレーム分の画像を利用するために撮像用基板71に撮像指令が発生した状況のことである。
ステップS1401にて肯定判定をした場合には、ステップS1403にて、音光側RAM95に設けられた第1状況用監視フラグ及び着席有りカウンタを「0」クリアした後に、本第1状況監視処理を終了する。第1状況用監視フラグは、第1状況監視を行うために撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、上記のような優先事象の発生中においては第1状況用監視フラグを強制的に「0」クリアする構成としたことにより、1フレーム分の画像の利用に関して、第1状況監視よりも優先事象側における利用を優先させることが可能となる。また、着席有りカウンタは、遊技が実行されていない状態でパチンコ機10の前に設けられた椅子に人が着席していることが撮像用基板71の撮像結果に基づき特定された回数を音光側MPU93にて把握するためのカウンタである。
ステップS1401にて否定判定をした場合には、ステップS1402にて遊技の実行中であるか否かを判定する。具体的には、高さ位置監視処理(図30)におけるステップS1102の場合と同様に発射操作が行われているか否かを判定する。発射操作が行われている場合には遊技の実行中であるとして、ステップS1402にて肯定判定をする。
また、発射操作が行われていない場合には、遊技回用の演出の実行中及び開閉実行モード中であるか否かを判定する。この判定は、音光側RAM95に読み出されている演出用のデータテーブルの内容を参照することで行われる。つまり、遊技回用の演出に対応したデータテーブル又は開閉実行モードに対応したデータテーブルが音光側RAM95に読み出されているか否かを判定する。遊技回用の演出の実行中及び開閉実行モード中のいずれかである場合には遊技の実行中であるとして、ステップS1402にて肯定判定をする。
ステップS1402にて肯定判定をした場合には、ステップS1403にて、音光側RAM95の第1状況用監視フラグを「0」クリアした後に、本第1状況監視処理を終了する。これにより、遊技の実行中においては第1状況監視が実行されないようにすることが可能となる。
ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1404にて、音光側RAM95の第1状況用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第1状況用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1405にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS1405にて肯定判定をして第1状況監視処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において第1状況監視が実行されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1406にて、音光側RAM95の他の監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該他の監視フラグは、キャンセル用監視処理(ステップS507)、高さ位置監視処理(ステップS508)、顔認証用処理(ステップS509)及び第2状況監視処理(ステップS511)のいずれかにて撮像用基板71に対して1フレーム分の画像の撮像指令が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。ステップS1406にて肯定判定をした場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了し、ステップS1406にて否定判定をした場合にはステップS1407に進む。
ステップS1407では、遊技が実行されていない状態、すなわち遊技球の発射操作が行われておらず且つ遊技回用の演出及び開閉実行モードが実行されていない状態で第1状況監視の待機時間が経過したか否かを判定する。第1状況監視の待機時間は、キャンセル用監視の待機時間、高さ位置監視の待機時間及び顔認証用監視の待機時間とは異なる待機時間として設定されており、具体的には5secに設定されている。第1状況監視処理において撮像指令を行ったことに基づき取得された1フレーム分の画像に対して第1状況監視の実行が完了した場合又は遊技が実行されていない状況となった場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
第1状況監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了し、第1状況監視の待機時間が経過している場合にはステップS1408に進む。ステップS1408では、音光側RAM95における第1状況監視に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95の第1状況用監視フラグに「1」をセットする。その後、本第1状況監視処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
第1状況用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1404にて肯定判定をしてステップS1409に進む。ステップS1409では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、第1状況監視を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1409にて否定判定をした場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了し、ステップS1409にて肯定判定をした場合にはステップS1410に進む。
ステップS1410では、音光側RAM95の第1状況用監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1411では、遊技が実行されていない状態でパチンコ機10の前に設けられた椅子への着席が発生しているか否かを判定する。具体的には、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づき1フレーム分の画像のデータを把握し、その把握した画像のデータの中に前方の椅子に着席している人に相当する画像のデータが存在しているか否かを判定する。当該判定に際しては、顔認証用処理(図31)における顔データの抽出処理(ステップS1212)と同様の処理を実行して顔データを抽出可能か否かで着席有りか否かを判定する構成としてもよく、肩データを抽出可能か否かで着席有りか否かを判定する構成としてもよい。ステップS1411にて否定判定をした場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了し、ステップS1411にて肯定判定をした場合にはステップS1412に進む。
ステップS1412では、音光側RAM95の着席有りカウンタの値を1加算する。続くステップS1413では、着席有りカウンタの値が報知基準値以上となっているか否かを判定する。報知基準値の具体的な値は任意であるが、本パチンコ機10では「10」に設定されている。そして、既に説明したとおり、第1状況監視の待機時間が5secに設定されているため、ステップS1413では遊技を行うことなく着席している期間が50sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。
ステップS1413にて否定判定をした場合にはそのまま本第1状況監視処理を終了する。一方、ステップS1413にて肯定判定をした場合には、ステップS1414にて、第1確認報知用発光データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出した後に、本第1状況監視処理を終了する。なお、ステップS1413にて肯定判定をした場合に着席有りカウンタを「0」クリアする。
第1確認報知用発光データが読み出されることにより、タイマ割込み処理(図14)における発光制御処理(ステップS503)にて当該第1確認報知用発光データが参照され、表示発光部23において遊技を行わないにも関わらず着席している人が存在している可能性があることを示す態様で発光が行われる。
次に、第1状況監視が行われる様子を図35のタイムチャートを参照しながら説明する。図35(a)はパチンコ機10の前に設けられた椅子に人が着席している期間を示し、図35(b)はパチンコ機10にて遊技が行われている期間を示し、図35(c)は第1確認報知の開始タイミングを示し、図35(d)は第1確認報知の実行期間を示す。
t1のタイミングで図35(b)に示すように遊技が終了されて、t2のタイミングで図35(a)に示すように遊技者が離席する。その後、t3のタイミングで図35(a)に示すように新たな人がパチンコ機10の前に着席する。但し、その人は当該パチンコ機10にて遊技を行うことなく着席した状態のままとなる。そうすると、t4のタイミングで図35(c)に示すように遊技が行われないまま第1確認報知の実行開始期間が経過することで、図35(d)に示すように第1確認報知が開始される。当該第1確認報知は、パチンコ機10の電源をOFF操作することで解除され、主側RAM85のクリア処理を要することなく単にパチンコ機10の電源をON操作するだけで第1確認報知が解除された状態で遊技を再開することが可能となる。
以上のように遊技が行われることなくパチンコ機10の前に着席している状態が継続された場合には、第1確認報知が行われる。これにより、その人を離席させるべきであるか否かの確認を行うように、遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。遊技を行うことなく着席している人が存在しているとそれだけそのパチンコ機10の稼働率が低下することとなり、これは遊技ホールにとって好ましくない事象であり、そのような事象が発生している場合には離席を促すことが好ましい。
また、ステップS1413にて肯定判定をした場合には表示発光部23を利用して報知が行われ、当該報知はスピーカ部24及び図柄表示装置61では行われない。これにより、正規の遊技者が遊技の合間で休憩しているだけである場合に、当該遊技者に対して不快感を与えないようにすることが可能となる。
<第2状況監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS511にて実行される第2状況監視処理について説明する。
第2状況監視処理では、パチンコ機10に対する不正行為が行われている可能性がある動作を撮像用基板71の撮像結果に基づいて把握した場合に第2確認報知を行う。これにより、当該事象が発生していることを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となり、それに対処させることが可能となる。
図36は、第2状況監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS1501では、音光側RAM95の各種フラグの状態を確認することで、優先事象が発生しているか否かを判定する。優先事象の内容は、キャンセル用監視処理(図25)におけるステップS1001の場合と同様である。
ステップS1501にて肯定判定をした場合には、ステップS1502にて、音光側RAM95に設けられた第2状況用監視フラグ及び動作異常カウンタを「0」クリアした後に、本第2状況監視処理を終了する。第2状況用監視フラグは、第2状況監視を行うために撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。そして、上記のような優先事象の発生中においては第2状況用監視フラグを強制的に「0」クリアする構成としたことにより、1フレーム分の画像の利用に関して、第2状況監視よりも優先事象側における利用を優先させることが可能となる。また、動作異常カウンタは、パチンコ機10に対する不正行為が行われている可能性がある動作が撮像用基板71の撮像結果に基づき特定された回数を音光側MPU93にて把握するためのカウンタである。
ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1503にて、音光側RAM95の第2状況用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。第2状況用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1504にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS1504にて肯定判定をして第2状況監視処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において第2状況監視が実行されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1505にて、音光側RAM95の他の監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。当該他の監視フラグは、キャンセル用監視処理(ステップS507)、高さ位置監視処理(ステップS508)、顔認証用処理(ステップS509)及び第1状況監視処理(ステップS510)のいずれかにて撮像用基板71に対して1フレーム分の画像の撮像指令が行われた場合に「1」がセットされるフラグである。ステップS1505にて肯定判定をした場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了し、ステップS1505にて否定判定をした場合にはステップS1506に進む。
ステップS1506では、第2状況監視の待機時間が経過したか否かを判定する。第2状況監視の待機時間は、キャンセル用監視の待機時間、高さ位置監視の待機時間、顔認証用監視の待機時間及び第1状況監視の待機時間とは異なる待機時間として設定されており、具体的には3secに設定されている。第2状況監視処理において撮像指令を行ったことに対して取得された1フレーム分の画像に対して第2状況監視の実行が完了した場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
第2状況監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了し、第2状況監視の待機時間が経過している場合にはステップS1507に進む。ステップS1507では、音光側RAM95における第2状況監視に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、音光側RAM95の第2状況用監視フラグに「1」をセットする。その後、本第2状況監視処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
第2状況用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS1503にて肯定判定をしてステップS1508に進む。ステップS1508では、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、第2状況監視を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS1508にて否定判定をした場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了し、ステップS1508にて肯定判定をした場合にはステップS1509に進む。ステップS1509では、音光側RAM95の第2状況用監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。
続くステップS1510では、動作データの抽出処理を実行する。動作データの抽出処理では、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づき1フレーム分の画像のデータを把握し、その把握した画像のデータからパチンコ機10の前に設けられた椅子に着席している人の腕のデータを抽出する。当該抽出に際しては、距離データとの関係で首と肩の外縁形状を認識することに基づき肩の位置を把握し、その肩の部分から両側に延びる腕の部分を距離データ及び外縁形状から把握する。そして、その把握した腕の部分が窓パネル22との関係でどのような位置関係となっているのかを把握する。
その後、ステップS1511にて、ステップS1510にて把握した動作データが音光側ROM94の異常対応データに対応しているか否かを判定する。具体的には、パチンコ機10の前に着席している人の手が肩部分よりもパチンコ機10前面側であって窓パネル22の左縁、右縁及び上縁よりも外側に位置している動作が異常対応データとして音光側ROM94に予め記憶されている。正規の遊技者が遊技を行う場合、上記のような動作は継続して行われづらい。ステップS1511にて否定判定をした場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了し、ステップS1511にて肯定判定をした場合にはステップS1512に進む。
ステップS1512では、音光側RAM95の動作異常カウンタの値を1加算する。続くステップS1513では、動作異常カウンタの値が動作異常基準値以上となっているか否かを判定する。動作異常基準値の具体的な値は任意であるが、本パチンコ機10では「40」に設定されている。そして、既に説明したとおり、第2状況監視の待機時間が3secに設定されているため、ステップS1513では動作異常対応データに対応した動作が120sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。
ステップS1513にて否定判定をした場合にはそのまま本第2状況監視処理を終了する。一方、ステップS1513にて肯定判定をした場合には、ステップS1514にて、第2確認報知用発光データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出した後に、本第2状況監視処理を終了する。なお、ステップS1513にて肯定判定をした場合に動作異常カウンタを「0」クリアする。
第2確認報知用発光データが読み出されることにより、タイマ割込み処理(図14)における発光制御処理(ステップS503)にて当該第2確認報知用発光データが参照されることにより、表示発光部23において異常対応データに対応する動作が継続して行われていることを示す態様で発光が行われる。これにより、パチンコ機10に対する不正行為が行われているか否かの確認を行うように、遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
また、ステップS1513にて肯定判定をした場合には表示発光部23を利用して報知が行われ、当該報知はスピーカ部24及び図柄表示装置61では行われない。これにより、正規の遊技者が不正行為とは異なる原因で異常対応データに対応する動作を行っているだけである場合に、当該遊技者に対して不快感を与えないようにすることが可能となる。
<操作演出制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS512にて実行される操作演出制御処理について説明する。
操作演出制御処理では、撮像用基板71の撮像結果を利用して遊技者が演出操作を行ったか否かを特定し、演出操作を行ったことを特定した場合にそれに対応した演出が行われるようにするための制御を実行する。当該操作演出として、本パチンコ機10では、告知演出と、分割演出と、停止操作演出と、連続演出と、対決演出とが存在している。以下、これら演出の内容及びこれら演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。
<告知演出>
まず告知演出の内容及び告知演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。図37(a)〜図37(c)は告知演出に際して動作する可動物ユニット38の動作の様子を説明するための説明図である。
可動物ユニット38は、既に説明したとおり、遊技領域PAに設置されたセンターフレーム65の上部に設けられている(図4参照)。可動物ユニット38は、図37(a)に示すように、上下一対の演出用可動物38a,38bと、これら演出用可動物38a,38bを動作させる回転モータなどの演出用駆動部38cと、を備えている。
演出用駆動部38cが駆動状態となっていない状況では、バネなどの図示しない付勢手段の付勢力によって両演出用可動物38a,38bが縦方向に並び、これら演出用可動物38a,38bにより囲まれた空間をパチンコ機10前方から視認不可又は視認しづらくする初期位置に各演出用可動物38a,38bが配置される。一方、演出用駆動部38cが駆動状態となることにより、図37(b)及び図37(c)に示すように、付勢手段の付勢力に抗して両演出用可動物38a,38bのうち一方が上方及び他方が下方に変位し上記囲まれた空間が前方に向けて開放されることとなる開放位置に各演出用可動物38a,38bが移動する。
これら演出用可動物38a,38bにより囲まれた空間内には、装飾部材38dが配置されている。各演出用可動物38a,38bが初期位置に配置されている場合には、図37(a)に示すように装飾部材38dがパチンコ機10前方から視認不可又は視認しづらい。一方、各演出用可動物38a,38bが開放位置に向けて移動した場合には、図37(b)及び図37(c)に示すように、装飾部材38dをパチンコ機10前方から容易に視認することが可能となる。
各演出用可動物38a,38bの開放位置には、図37(c)に示す限界開放位置と、図37(b)に示すように限界開放位置よりも各演出用可動物38a,38bの離間距離が短い途中開放位置とが存在している。演出用駆動部38cが第1駆動状態となることで各演出用可動物38a,38bが途中開放位置に配置され、演出用駆動部38cが第2駆動状態となることで各演出用可動物38a,38bが限界開放位置に配置される。
上記のような可動物ユニット38を利用して行われる告知演出には、第1告知演出と第2告知演出との2種類が存在している。第1告知演出は、大当たり結果となる遊技回において所定の確率で発生する。つまり、第1告知演出は、大当たり結果となる遊技回においてのみ発生する。第1告知演出が発生した場合、撮像用基板71の撮像結果に基づき遊技者の第1告知演出用操作の発生を特定したことを条件として、可動物ユニット38の各演出用可動物38a,38bが限界開放位置に配置される。
一方、第2告知演出は、大当たり結果となる遊技回又は外れリーチ表示が発生する遊技回において所定の確率で発生する。つまり、第2告知演出は、大当たり結果となる遊技回だけでなく外れリーチ表示となる遊技回においても発生する。そして、大当たり結果となる遊技回において第2告知演出が発生した場合には、撮像用基板71の撮像結果に基づき遊技者の第2告知演出用操作の発生を特定したことを条件として、可動物ユニット38の各演出用可動物38a,38bが限界開放位置に配置される。これに対して、外れリーチ表示となる遊技回において第2告知演出が発生した場合には、第2告知演出用操作が行われたとしても、各演出用可動物38a,38bは限界開放位置に配置されない。
第1告知演出及び第2告知演出は、遊技回用の演出が行われている状況であれば任意のタイミングで発生し得る。具体的には、全図柄列Z1〜Z3において図柄の変動表示が開始されてから上図柄列Z1において図柄の変動表示が停止されるまでの期間、上図柄列Z1において図柄の変動表示が停止されてから下図柄列Z3において図柄の変動表示が停止されるまでの期間、上図柄列Z1及び下図柄列Z3において図柄の変動表示が停止されてから中図柄列Z2において図柄の変動表示が行われている期間、図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示とは異なる所定のキャラクタを利用したリーチ演出が発生する場合であって当該リーチ演出が発生するまでの期間、当該リーチ演出が行われている期間、及び全図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示が停止されてから当該図柄の確定表示が行われるまでの期間のいずれの期間においても告知演出は発生し得る構成であり、その発生期間は音光側MPU93における演出パターンの決定に際して決定される。
なお、これに限定されることはなく、告知演出が発生するタイミングは上記期間のうち特定の期間に定められている構成としてもよく、遊技回用の演出ではなく開閉実行モード用の演出において発生する構成としてもよい。開閉実行モード用の演出において発生する場合、大当たり結果となる遊技回用の演出の終了に際しては開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モード及び低確率モードのうちいずれのモードとなるのかを不明な状態とし、開閉実行モード中に告知演出を発生させて、高確率モードとなる場合には常に又は所定の確率で、最終的に演出用可動物38a,38bが限界開放位置に配置されるようにする構成が考えられる。
次に、告知演出が開始されるようにするための告知演出設定処理について図38のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該告知演出設定処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
まずステップS1601では、音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本告知演出設定処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS1601にて肯定判定をして告知演出設定処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において告知演出が実行されないようにすることが可能となる。なお、告知演出が実行されない場合であっても主側MPU83にて決定された遊技回用の表示継続時間は変更されない。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1602にて告知演出の開始条件が成立しているか否かを判定する。告知演出の開始条件は、音光側RAM95に遊技回用の演出のデータテーブルが読み出されている場合であって、そのデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが第1告知演出又は第2告知演出の開始を示すデータに対応している場合に成立する。ステップS1602にて否定判定をした場合にはそのまま本告知演出設定処理を終了し、ステップS1602にて肯定判定をした場合にはステップS1603に進む。
ステップS1603では、今回の告知演出が第1告知演出であるか否かを判定する。ステップS1603にて肯定判定をした場合には、ステップS1604にて、音光側RAM95に設けられた第1告知演出フラグに「1」をセットする。第1告知演出フラグは、第1告知演出を実行するための撮像指令を行った後の状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。ステップS1603にて否定判定をした場合には、ステップS1605にて、音光側RAM95に設けられた第2告知演出フラグに「1」をセットする。第2告知演出フラグは、第2告知演出を実行するための撮像指令を行った後の状況であることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
ステップS1604の処理を行った場合又はステップS1605の処理を行った場合には、ステップS1606にて、音光側RAM95における告知演出に対応した撮像指令フラグに「1」をセットした後に、本告知演出設定処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
<第1告知演出>
次に、第1告知演出の実行制御を行うための第1告知演出制御処理について、図39のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該第1告知演出制御処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
音光側RAM95の第1告知演出フラグ及び撮像完了フラグの両方に「1」がセットされている場合(ステップS1701及びステップS1702:YES)、第1告知演出において利用するための1フレーム分の画像の撮像が完了していることを意味する。この場合、ステップS1703以降の第1告知演出用の画像利用処理に進む。
第1告知演出用の画像利用処理では、まずステップS1703にて音光側RAM95の撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1704では、手データの抽出処理を実行する。手データの抽出処理では、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づき1フレーム分の画像のデータを把握し、その把握した画像のデータの中に人の手部分に相当する画像のデータが存在しているか否かを判定する。当該判定に際しては、手のひら又は手の甲の形状部分に複数本の指部分が連続している範囲が存在しているか否かを判定し、当該部分が存在している場合には、その抽出した範囲を手であると認識する。
その後、ステップS1705にて手データの抽出が完了したか否かを判定する。手データの抽出が完了している場合にはステップS1706にて、手データの距離が参照対象距離以上に対応しているか否かを判定する。具体的には、手データと認識した距離データ群のうち最も近い距離に相当する距離データが参照対象距離以上に対応しているか否かを判定する。
ここで、第1告知演出では、大当たり結果となる遊技回において遊技者により第1告知演出用操作が行われたことが撮像用基板71の撮像結果に基づき特定された場合に、可動物ユニット38の演出用可動物38a,38bが限界開放位置に配置される演出が行われる。そして、当該第1告知演出用操作は、可動物ユニット38をパチンコ機10前方から覆うように手を持っていく操作が行われる。
ちなみに、第1告知演出が発生した場合、図柄表示装置61では第1告知演出用操作を行って演出用可動物38a,38bが限界開放位置に配置された場合、当該遊技回において大当たり結果が発生する旨の説明がなされる構成となっている。
上記のように第1告知演出用操作が行われる場合、当該第1告知演出用操作を行ったことで演出用可動物38a,38bが限界開放位置に配置されたと遊技者に認識させるためには、音光側MPU93において第1告知演出用操作として有効と認識する手の位置の範囲を可動物ユニット38の前方に相当する範囲に制限する必要がある。この場合に、図40(a)の説明図に示すように、遊技者の手H1,H2の高さ位置が同じであったとしても窓パネル22の表面22aに対する手H1,H2の距離に応じて、図40(b−1)及び図40(b−2)に示すように、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像Gにおける手H1,H2の画像部分HG1,HG2の高さ位置が相違することとなる。そうすると、窓パネル22の表面22aからの距離に関係なく所定の高さ位置に存在している手の存在を第1告知演出用操作として認識しようとすると、1フレーム分の画像Gに手の画像部分が存在している場合においてそれが第1告知演出用操作であるか否かの識別を行いづらくなってしまう。
そこで、ステップS1704において抽出した手データの距離が撮像装置73から参照対象距離以上離れている場合には、ステップS1706にて肯定判定をしてステップS1707〜ステップS1711の処理を実行しないようにしている。これにより、窓パネル22からある程度離れた手については第1告知演出用操作であるか否かの判定対象から除外することが可能となり、第1告知演出用操作であるか否かの識別を行い易くしている。特に、第1告知演出用操作を行う際には可動物ユニット38に向けて手を伸ばす操作が行われるため、当該第1告知演出用操作に際して参照対象距離以上離れた位置に手が存在していることは考えづらい。これに対して、上記のとおり窓パネル22からある程度離れた手については第1告知演出用操作であるか否かの判定対象から除外することにより、遊技者が第1告知演出用操作を行っていないにも関わらず第1告知演出用操作が行われたと判定してしまう可能性が低減される。なお、ステップS1706に対応する処理は後述する第2告知演出用操作、分割演出用操作及び停止操作の実行判定に際しても同様に実行されるため、当該処理が実行されたことによる作用効果をこれら操作に関しても同様に生じさせることが可能となる。
ステップS1706にて否定判定をした場合には、ステップS1707にて、高さ位置グループに対応した操作有効範囲の設定処理を実行する。ここで、図41(a)の説明図に示すように、可動物ユニット38に向けて遊技者が手を伸ばす場合、遊技者F1の場合には窓パネル22のポイントP1に向けて手を伸ばすのに対して、遊技者F1よりも顔の高さ位置が低い遊技者F2の場合には窓パネル22のポイントP2に向けて手を伸ばす。そうすると、手を撮像装置73が認識する高さ位置が相違することとなる。
これに対して、高さ位置監視処理(図30)では、既に説明したとおり、遊技者の顔の高さ位置を特定することで、複数種類存在している高さ位置グループのうちいずれかの高さ位置グループに遊技者の顔の高さ位置が仕分けされている。そこで、ステップS1707では、音光側RAM95の高さ位置グループカウンタ95cの値を読み出すことで、現状の遊技者の高さ位置グループを把握し、その把握結果に応じて第1告知演出用操作として有効と認識する手の位置の範囲を調整する。
例えば、最も高さ位置が上側のグループである第1高さグループであることを高さ位置グループカウンタ95cの値から把握した場合には、図41(b−1)の説明図に示すように、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく仮想二次元平面である1フレーム分の画像Gのうち上縁寄りの位置に操作有効範囲EAを設定する。これに対して、第1高さグループよりも高さ位置が下側のグループである第2高さグループであることを高さ位置グループカウンタ95cの値から把握した場合には、図41(b−2)の説明図に示すように、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像Gのうち図41(b−1)の場合よりも下側の位置に操作有効範囲EAを設定する。音光側MPU93は、それら設定された操作有効範囲EAに手が存在していると特定した場合に、第1告知演出用操作が行われたと特定する。
第1告知演出制御処理(図39)の説明に戻り、ステップS1707の処理を実行した後は、ステップS1708にて、距離データに応じた位置補正処理を実行する。既に説明したとおり、図40(a)の説明図に示すように、遊技者の手H1,H2の高さ位置が同じであったとしても窓パネル22の表面22aに対する手H1,H2の距離に応じて、図40(b−1)及び図40(b−2)に示すように、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像G(すなわち仮想二次元平面)における手H1,H2の画像部分HG1,HG2の高さ位置が相違することとなる。また、同様に、図42(a)の説明図に示すように、遊技者の手H1,H2の横方向の位置が同じであったとしても窓パネル22の表面22aに対する手H1,H2の距離に応じて、図42(b−1)及び図42(b−2)に示すように、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像Gにおける手H1,H2の画像部分HG1,HG2の横方向の位置が相違することとなる。
つまり、撮像用基板71の撮像装置73は、操作演出に際して操作有効範囲として設定される領域(具体的には可動物ユニット38の前方領域及び図柄表示装置61の表示面の前方領域)よりも下方に存在しているため(図4参照)、遊技者の手の高さ位置が同じであったとしても窓パネル22の表面22aからパチンコ機10前方に向けて遠くなるほど仮想二次元平面で表される1フレーム分の画像Gでは撮像装置73に近い側、すなわち下方に存在している画像として表現される。また、撮像装置73は、横方向において図柄表示装置61の表示面の中央となる位置に配置されているとともに、横方向の寸法は図柄表示装置61の表示面における横方向の寸法よりも短い。そうすると、撮像装置73よりも右方及び左方のそれぞれに操作有効範囲として設定される領域の一部又は全部が存在し得るため、当該横方向の位置に遊技者の手が存在している場合には窓パネル22の表面22aからパチンコ機10前方に向けて遠くなるほど2次元平面で表される1フレーム分の画像Gでは撮像装置73に近い側、すなわち表示面の横方向の中央側に存在している画像として表現される。
そこで、ステップS1708では、1フレーム分の画像に含まれる手の画像部分HG1,HG2の全ての距離データについて、高さ位置及び横方向の位置に対する距離データに応じた補正処理を実行する。当該補正処理について具体的には、図40(a)及び図42(a)に示すように、補正の対象とされた画像部分は、その距離データに基づき、仮に窓パネル22の表面22aの位置に存在していると仮定した場合には仮想二次元平面である1フレーム分の画像Gにおいてどの位置に存在することとなるのかを想定して、高さ位置及び横方向の位置のそれぞれについて補正を行う。高さ方向の補正に際しては、補正対象の距離データ及び高さ方向の位置データに基づき撮像装置73の位置に対応する基準視点に対する補正対象の角度が演算され、その角度と距離データとに基づき仮想二次元平面における高さ方向の位置が補正される。また、横方向の補正に際しては、補正対象の距離データ及び横方向の位置データに基づき撮像装置73の位置に対応する基準視点に対する補正対象の角度が演算され、その角度と距離データとに基づき仮想二次元平面における横方向の位置が補正される。実際の演算に際しては、パチンコ機10の設計段階で実験により取得された数式が利用される。
例えば、図40(a)においてH1の位置に手が存在している場合にはH2の位置に存在していた場合を仮定して高さ位置の補正を行い、図42(a)においてH1の位置に手が存在している場合にはH2の位置に存在していた場合を仮定して横方向の位置の補正を行う。図40(a)の場合についてより具体的には、図40(a)において手H1が撮像された場合、その撮像結果の距離データに基づき当該手H1に対応する手の画像部分HG1は、補正前であれば図40(b−1)に示すように操作有効範囲EAよりも下方に存在しているのに対して、補正後の画像部分HG2であれば図40(b−2)に示すように操作有効範囲EAに存在することとなる。また、図42(a)の場合についてよりより具体的には、図42(a)において手H1が撮像された場合、その撮像結果の距離データに基づき当該手H1に対応する手の画像部分HG1は、補正前であれば図42(b−1)に示すように操作有効範囲EAよりも右方に存在しているのに対して、補正後の画像部分HG2であれば図42(b−2)に示すように操作有効範囲EAに存在することとなる。
ここで、窓パネル22の表面22aの位置に存在していることに対応する距離データは、高さ方向及び横方向の両方について補正の対象外とされる。また、窓パネル22の表面22aに存在していない距離データであっても、撮像装置73は操作有効範囲における横方向の範囲に含まれているため当該撮像装置73と横方向が一致する距離データについては横方向の補正の対象外とされる。一方、撮像装置73は本パチンコ機10において設定される操作有効範囲よりも下方に配置されているとともに撮像面が斜め上方を向いているため、窓パネル22の表面22aの位置に存在していることに対応する距離データ以外は、高さ方向の補正の対象とされる。
第1告知演出制御処理(図39)の説明に戻り、ステップS1708の処理を実行した後は、ステップS1709にて、第1告知演出用操作が発生したか否かを判定する。具体的には、図40(b−2)に示すように、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像Gに設定された操作有効範囲EAに手の画像部分HG2が含まれているか否かを判定する。この場合、操作有効範囲EAに手の画像部分HG2の一部が含まれることで第1告知演出用操作が行われたと判定される。但し、これに限定されることはなく手の画像部分HG2の50%といったように所定の割合以上が含まれることで第1告知演出用操作が行われたと判定される構成としてもよく、手の画像部分HG2の全体が含まれることで第1告知演出用操作が行われたと判定される構成としてもよい。
第1告知演出用操作が発生していると判定した場合には、ステップS1710にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び第1告知演出フラグの両方を「0」クリアする。その後、ステップS1711にて、告知発生時の各種データを読み出した後に、本第1告知演出制御処理を終了する。
告知発生時の各種データには、告知発生時の可動物データが含まれている。当該可動物データが音光側ROM94から音光側RAM95に読み出されることにより、タイマ割込み処理(図14)における可動物制御処理(ステップS505)にて当該可動物データが参照され、可動物ユニット38の演出用可動物38a,38bが限界開放位置に移動する。これにより、当該遊技回において大当たり結果が発生することを当該遊技回に対応した停止結果が図柄表示装置61及び特図ユニット62にて表示される前に遊技者に認識させることが可能となる。また、告知発生時の各種データには、告知発生時の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において告知発生時の発光が行われるとともにスピーカ部24から告知発生時の音が出力される。さらにまた、ステップS1711では、告知発生時の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて告知発生時の表示演出が行われるようにする。
一方、ステップS1702にて否定判定をした場合、ステップS1705にて否定判定をした場合、ステップS1706にて肯定判定をした場合、又はステップS1709にて否定判定をした場合には、ステップS1712にて、第1告知演出用操作の操作有効期間が経過したか否かを判定する。当該操作有効期間は、告知演出設定処理(図38)におけるステップS1604にて音光側RAM95の第1告知演出フラグに「1」をセットした場合に計測が開始される。操作有効期間は任意であるが、例えば60secに設定されている。
ステップS1712にて否定判定をした場合には、そのまま本第1告知演出制御処理を終了する。ステップS1712にて肯定判定をした場合には、ステップS1713にて音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び第1告知演出フラグの両方を「0」クリアした後に、本第1告知演出制御処理を終了する。
以上のとおり、第1告知演出制御処理が実行されることにより、可動物ユニット38に向けて手を伸ばした場合に当該可動物ユニット38の演出用可動物38a,38bが限界開放位置に向けて移動する機会を生じさせることが可能となる。これにより、遊技の内容に意外性を付与することが可能となり、遊技の興趣向上が図られる。
また、第1告知演出制御処理では高さ位置グループに対応した操作有効範囲の設定処理(ステップS1707)が実行されるため、撮像用基板71の撮像結果に基づく1フレーム分の画像を利用して第1告知演出用操作の有無を判定する構成において、顔の高さ位置の相違に起因した操作時の手の高さ位置の差異を吸収することが可能となる。よって、第1告知演出用操作の有無の判定を正確に行うことが可能となる。
また、第1告知演出制御処理では距離データに応じた位置補正処理(ステップS1708)が実行されるため、撮像用基板71の撮像結果に基づく1フレーム分の画像を利用して第1告知演出用操作の有無を判定する構成において、窓パネル22に対する手の距離の差異を吸収することが可能となり、当該手の距離の相違に起因した画像で認識される操作時の手の高さ位置の差異を吸収することが可能となる。よって、第1告知演出用操作の有無の判定を正確に行うことが可能となる。
<第2告知演出>
次に、第2告知演出の実行制御を行うための第2告知演出制御処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該第2告知演出制御処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
音光側RAM95の第2告知演出フラグ及び撮像完了フラグの両方に「1」がセットされている場合(ステップS1801及びステップS1802:YES)、第2告知演出において利用するための1フレーム分の画像の撮像が完了していることを意味する。この場合、ステップS1803以降の第2告知演出用の画像利用処理に進む。
第2告知演出用の画像利用処理では、まずステップS1803にて音光側RAM95の撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS1804では、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1704と同様に、手データの抽出処理を実行する。
その後、ステップS1805にて手データの抽出が完了したか否かを判定する。手データの抽出が完了している場合にはステップS1806にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1706と同様に、手データの距離が参照対象距離以上に対応しているか否かを判定する。
ステップS1806にて否定判定をした場合には、ステップS1807にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1707と同様に、高さ位置グループに対応した操作有効範囲の設定処理を実行するとともに、ステップS1808にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1708と同様に、距離データに応じた位置補正処理を実行する。
その後、ステップS1809にて、第2告知演出用操作が発生したか否かを判定する。第2告知演出用操作とは、図44の説明図に示すように、可動物ユニット38の前方において手Hの人差し指FG1と親指FG2とを実線で示すように閉じた状態から二点鎖線で示すように開いた状態とする操作のことである。したがって、撮像用基板71における複数回の撮像結果を利用して第2告知演出用操作が発生したか否かが判定され、ステップS1809にて肯定判定をするまでにステップS1801〜ステップS1808の処理が複数回実行される必要がある。音光側RAM95では、撮像用基板71の撮像結果から抽出した指形状を複数回の撮像処理分記憶することが可能となっており、それら複数回分の指形状に基づいて、図44に示す第2告知演出用操作が発生したか否かを判定する。
この場合、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像には第1告知演出制御処理(図39)と同様に操作有効範囲が設定されるが、当該操作有効範囲に手の画像部分の一部が含まれた状態で上記操作が行われることで第2告知演出用操作が行われたと判定される。但し、これに限定されることはなく手の画像部分の50%といったように所定の割合以上が含まれた状態で上記操作が行われることで第2告知演出用操作が行われたと判定される構成としてもよく、手の画像部分の全体が含まれた状態で上記操作が行われることで第2告知演出用操作が行われたと判定される構成としてもよい。
ちなみに、第2告知演出が発生した場合、図柄表示装置61では第2告知演出用操作を行って演出用可動物38a,38bが限界開放位置に配置された場合には当該遊技回において大当たり結果が発生する旨の説明がなされる構成となっている。
第2告知演出用操作が発生していると判定した場合には、ステップS1810にて、音光側RAM95に設けられた条件成立回数カウンタの値を1加算する。条件成立回数カウンタは、第2告知演出用操作が発生した回数を音光側MPU93にて特定するためのカウンタである。続くステップS1811では、第2告知演出用操作時の各種データを読み出す。
第2告知発生時の各種データとしては、第2告知演出用操作時の可動物データが含まれている。当該可動物データが音光側ROM94から音光側RAM95に読み出されることにより、タイマ割込み処理(図14)における可動物制御処理(ステップS505)にて当該可動物データが参照され、可動物ユニット38の演出用可動物38a,38bが途中開放位置に移動した後に初期位置に復帰する。これにより、第2告知演出用操作が有効に認識されたことを遊技者に認識させることが可能となるとともに、演出用可動物38a,38bが最終的に限界開放位置に配置されることへの期待感を好適に高めることが可能となる。
その後、ステップS1812にて、音光側RAM95の条件成立回数カウンタの値が「5」以上となっているか否かを判定することで、第2告知演出用操作が条件成立回数以上に亘って行われたか否かを判定する。ステップS1812にて肯定判定をした場合には、ステップS1813にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び第2告知演出フラグの両方を「0」クリアする。
その後、ステップS1814にて、今回の遊技回が大当たり結果の遊技回であるか否かを判定する。大当たり結果の遊技回である場合には、ステップS1815にて、告知発生時の各種データを読み出した後に、本第2告知演出制御処理を終了する。告知発生時の各種データは、第1告知演出制御処理(図39)におけるステップS1711にて読み出される告知発生時の各種データと同一のデータである。したがって、可動物ユニット38の演出用可動物38a,38bが限界開放位置に移動する。また、表示発光部23において告知発生時の発光が行われるとともにスピーカ部24から告知発生時の音が出力される。さらにまた、図柄表示装置61にて告知発生時の表示演出が行われるようにする。
大当たり結果の遊技回ではない場合には、ステップS1816にて、告知非発生時の各種データを読み出した後に、本第2告知演出制御処理を終了する。告知非発生時の各種データには、可動物ユニット38の演出用可動物38a,38bを限界開放位置に移動させるための可動物データが含まれていない。したがって、演出用可動物38a,38bは初期位置に維持される。一方、告知非発生時の各種データには、告知非発生時の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において告知非発生時の発光が行われるとともにスピーカ部24から告知非発生時の音が出力される。
一方、ステップS1802にて否定判定をした場合、ステップS1805にて否定判定をした場合、ステップS1806にて肯定判定をした場合、ステップS1809にて否定判定をした場合、又はステップS1812にて否定判定をした場合には、ステップS1817にて、第2告知演出用操作の操作有効期間が経過したか否かを判定する。当該操作有効期間は、告知演出設定処理(図38)におけるステップS1605にて音光側RAM95の第2告知演出フラグに「1」をセットした場合に計測が開始される。操作有効期間は任意であるが、例えば120secに設定されている。
ステップS1817にて否定判定をした場合には、そのまま本第2告知演出制御処理を終了する。ステップS1817にて肯定判定をした場合には、ステップS1818にて音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び第2告知演出フラグの両方を「0」クリアした後に、本第2告知演出制御処理を終了する。
以上のとおり、第2告知演出制御処理が実行されることにより、可動物ユニット38に向けて手を伸ばすだけでは第2告知演出用操作が行われたと判定されることはなく、指で所定の動作を行うことにより第2告知演出用操作が行われたと判定される。これにより、可動物ユニット38の演出用可動物38a,38bを限界開放位置に向けて移動させるための動作として、第1告知演出用操作に比べて複雑な動作を必要とさせることが可能となり、演出操作の態様を斬新なものとすることが可能となる。
また、第2告知演出用操作に際しては演出用可動物38a,38bを限界開放位置に向けてこじ開けるかのような操作が必要となる。これにより、第2告知演出用操作に伴って演出用可動物38a,38bが限界開放位置に移動した場合には、遊技者自身の操作によって当該限界開放位置への移動を発生させることができたという印象を遊技者に与えることが可能となる。
また、大当たり結果となる遊技回において第2告知演出用操作に伴って演出用可動物38a,38bを限界開放位置に移動させるためには、当該第2告知演出用操作を複数回行う必要がある。この場合に、第2告知演出用操作が行われる度に、演出用可動物38a,38bは途中開放位置に向けて移動した後に初期位置に復帰する。これにより、第2告知演出用操作が有効であったことを演出用可動物38a,38bの動作を通じて遊技者に認識させることが可能となる。
<分割演出>
次に、分割演出の内容及び分割演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。図45(a−1)は分割演出の内容を説明するための説明図である。
分割演出は、遊技回用の演出におけるリーチ演出の一種として設定されており、所定の分岐タイミング以降におけるリーチ演出の実行内容を遊技者が選択可能とするための分割表示が図柄表示装置61にて表示され、当該分岐タイミング以降は遊技者が選択したリーチ演出が実行される演出のことである。分割表示に際しては、図45(a−1)に示すように、選択演出Aの実行を選択するための演出A選択用画像GAと、選択演出Bの実行を選択するための演出B選択用画像GBとが表示される。
演出A選択用画像GA及び演出B選択用画像GBはそれぞれ図柄表示装置61の表示面の一部を区画するように表示され、これら選択用画像GA,GBはそれぞれ同一又は略同一の面積となるように表示される。また、演出A選択用画像GA及び演出B選択用画像GBは、図柄表示装置61の表示面において同一の高さ位置にて所定の間隔を置いて横方向に並ぶようにして表示される。
遊技者が窓パネル22よりもパチンコ機10前方において演出A選択用画像GAに向けて手を伸ばしたことが撮像用基板71の撮像結果に基づき特定された場合には、その後に選択演出Aが実行されることとなる。一方、遊技者が窓パネル22よりもパチンコ機10前方において演出B選択用画像GBに向けて手を伸ばしたことが撮像用基板71の撮像結果に基づき特定された場合には、その後に選択演出Bが実行されることとなる。選択演出A及び選択演出Bはいずれも、実行対象となる遊技回用の演出の終了タイミングまで継続される。また、選択演出Aと選択演出Bとでは、演出中に表示されるキャラクタの種類、背景画像の種類、動画画像の有無、動画画像の種類、実写画像の有無、及び実写画像の種類などといった表示内容が相違することとなる。
なお、選択演出Aと選択演出Bとで大当たり結果となることへの期待度は同一となっているが、異なっている構成としてもよい。期待度を異ならせる場合には、分割演出とは異なる演出にて選択演出A及び選択演出Bの少なくとも一方が実行され得る構成とするとともに、その異なる演出として実行された場合における大当たり結果の発生割合を相違させる必要がある。
上記分割演出の流れを、図45(b−1)〜図45(b−3)のタイムチャートを参照しながら説明する。図45(b−1)は選択前演出の実行期間を示し、図45(b−2)は選択演出Aの実行期間を示し、図45(b−3)は選択演出Bの実行期間を示す。
遊技回用の演出が実行されている状況であってリーチ演出が開始された後のタイミングであるt1のタイミングで、図45(b−1)に示すように、選択前演出が行われる。選択前演出では、図45(a−1)に示す分割表示が行われる。そして、当該選択前演出はt2のタイミングまで継続され、撮像用基板71におけるそれまでの撮像結果に基づいて当該t2のタイミング以降の演出内容が決定される。
具体的には、演出A選択用画像GAを選択する操作が遊技者により行われたことを特定した場合、又はいずれの選択操作も行われなかった場合には、図45(b−2)に示すように、t2のタイミングで選択演出Aが開始される。一方、演出B選択用画像GBを選択する操作が遊技者により行われたことを特定した場合には、図45(b−3)に示すように、t2のタイミングで選択演出Bが開始される。
ここで、選択演出A及び選択演出Bのいずれであっても図45(b−2)及び図45(b−3)に示すようにt3のタイミングで当該選択演出は終了する。これにより、選択演出A及び選択演出Bのいずれが実行された場合であってもこれら演出が終了するまでの時間を一定とすることが可能となる。遊技回用の演出の表示継続時間は、主側MPU83の特図変動開始処理(図13)にて決定される。音光側MPU93及び表示制御装置96では、当該表示継続時間に亘って遊技回用の演出が実行されるように表示発光部23、スピーカ部24及び図柄表示装置61を制御する。これにより、主側MPU83にて直接的に制御される特図ユニット62における絵柄の変動表示の実行期間と、表示発光部23、スピーカ部24及び図柄表示装置61における遊技回用の演出の実行期間とを同期させることが可能となる。この場合に、分割演出は遊技回用の演出が開始された後に実行され、当該分割演出の選択前演出中における遊技者の操作態様によって選択演出A及び選択演出Bのいずれかが選択されるため、これら選択演出Aと選択演出Bとの実行継続時間が相違すると、遊技回用の演出の終了タイミングの調整が煩雑なものとなってしまう。これに対して、上記のとおり、選択演出A及び選択演出Bのいずれが実行された場合であってもこれら演出が終了するまでの時間が一定となっているため、そのような不都合が発生しないようにすることが可能となる。
以上のとおり、分割演出においては基本的に図45(a−1)に示すように分割表示が行われることとなるが、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には撮像用基板71において1フレーム分の画像を撮像する精度が低下する。そして、そのような状況下で分割表示を行うと、遊技者の選択操作とは無関係に選択演出A及び選択演出Bのいずれかが選択されてしまうことが懸念される。そこで、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には分割表示を行うのではなく、図45(a−2)に示すように図柄表示装置61にて選択表示が行われる。
選択表示に際しては、図45(a−2)に示すように、選択演出Bの実行を選択するための単一選択用画像GCが表示される。単一選択用画像GCは図柄表示装置61の表示面の一部を区画するように表示され、当該単一選択用画像GCは分割表示における演出A選択用画像GA及び演出B選択用画像GBのいずれよりも広い面積となるように表示される。さらに言うと、単一選択用画像GCは、分割表示における演出A選択用画像GAの面積と演出B選択用画像GBの面積とを合計した面積以上となるように表示される。
遊技者が窓パネル22よりもパチンコ機10前方において単一選択用画像GCに向けて手を伸ばしたことが撮像用基板71の撮像結果に基づき特定された場合には、その後に選択演出Bが実行されることとなる。一方、遊技者が当該選択操作を行わなかった場合には、その後に選択演出Aが実行されることとなる。選択演出A及び選択演出Bの内容は既に説明したとおりである。
次に、分割演出が開始されるようにするための分割演出設定処理について図46のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該分割演出設定処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
まずステップS1901では、音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本分割演出設定処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS1901にて肯定判定をして分割演出設定処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において分割演出が実行されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1902にて分割演出の開始条件が成立しているか否かを判定する。分割演出の開始条件は、音光側RAM95に遊技回用の演出のデータテーブルが読み出されている場合であって、そのデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが分割演出の開始を示すデータに対応している場合に成立する。ステップS1902にて否定判定をした場合にはそのまま本分割演出設定処理を終了し、ステップS1902にて肯定判定をした場合にはステップS1903に進む。
ステップS1903では、音光側RAM95の基準フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、基準スイッチ91aがON位置に配置されているか否かを判定する。基準フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1904にて分割表示用の各種データを読み出す。分割表示用の各種データには、分割表示用の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において分割表示用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から分割表示用のパターンで音が出力される。さらにまた、ステップS1904では、分割表示用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて図45(a−1)に示すような分割表示が行われるようにする。
一方、基準フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1905にて選択表示用の各種データを読み出す。選択表示用の各種データには、選択表示用の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において選択表示用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から選択表示用のパターンで音が出力される。さらにまた、ステップS1905では、選択表示用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて図45(a−2)に示すような選択表示が行われるようにする。
ステップS1904又はステップS1905の処理を実行した場合にはステップS1906にて、音光側RAM95における分割演出に対応した撮像指令フラグ及び分割演出フラグの両方に「1」をセットした後に、本分割演出設定処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
次に、分割演出の実行制御を行うための分割演出制御処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該分割演出制御処理はタイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
音光側RAM95の分割演出フラグ及び撮像完了フラグの両方に「1」がセットされている場合(ステップS2001及びステップS2002:YES)、分割演出において利用するための1フレーム分の画像の撮像が完了していることを意味する。この場合、ステップS2003以降の分割演出用の画像利用処理に進む。
分割演出用の画像利用処理では、まずステップS2003にて音光側RAM95の撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS2004では、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1704と同様に、手データの抽出処理を実行する。
その後、ステップS2005にて手データの抽出が完了したか否かを判定する。手データの抽出が完了している場合にはステップS2006にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1706と同様に、手データの距離が参照対象距離以上に対応しているか否かを判定する。
ステップS2006にて否定判定をした場合には、ステップS2007にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1707と同様に、高さ位置グループに対応した操作有効範囲の設定処理を実行するとともに、ステップS2008にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1708と同様に、距離データに応じた位置補正処理を実行する。
その後、ステップS2009にて、分割演出用の有効操作が発生したか否かを判定する。ここで、図48(a)及び図48(b)の説明図を参照しながら、分割演出用の有効操作が発生したか否かを判定するための処理内容を説明する。既に説明したとおり、分割演出においては基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合には分割表示が行われ、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には選択表示が行われる。これに対応させて、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像Gに設定される操作有効範囲は、分割表示が行われる場合と選択表示が行われる場合とで相違している。
具体的には、分割表示が行われる場合、ステップS2007の処理が実行された後は、1フレーム分の画像Gには、図48(a)に示すように、演出A選択用画像GAに対応する演出A選択用の操作有効範囲EA1と、演出B選択用画像GBに対応する演出B選択用の操作有効範囲EA2とが設定される。これら操作有効範囲EA1,EA2は、1フレーム分の画像Gにおける一部の領域を占めるように設定されており、その占める面積はいずれも同一となっている。また、操作有効範囲EA1,EA2は、1フレーム分の画像Gにおいて縦方向で同じ位置に設定されており、所定の間隔を置いて横方向に並ぶように設定されている。ステップS2008の補正処理が実行された後における手の画像部分が操作有効範囲EA1に含まれている場合には選択演出Aが選択されたと判定し、手の画像部分が操作有効範囲EA2に含まれている場合には選択演出Bが選択されたと判定する。なお、操作有効範囲EA1及び操作有効範囲EA2の両方で同時に手の存在を特定した場合には、選択演出Bの選択操作が優先されて、演出B選択用画像GBに向けて演出操作が行われたものと扱う。
一方、選択表示が行われる場合、ステップS2007の処理が実行された後は、1フレーム分の画像Gには、図48(b)に示すように、単一選択用画像GCに対応する単一選択用の操作有効範囲EA3が設定される。単一選択用の操作有効範囲EA3は、1フレーム分の画像Gにおける一部の領域を占めるように設定されており、その占める領域は演出A選択用の操作有効範囲EA1及び演出B選択用の操作有効範囲EA2のいずれよりも広い面積となるように設定される。さらに言うと、単一選択用の操作有効範囲EA3は、演出A選択用の操作有効範囲EA1の面積と演出B選択用の操作有効範囲EA2の面積とを合計した面積以上となるように設定される。ステップS2008の補正処理が実行された後における手の画像部分が操作有効範囲EA3に含まれている場合に選択操作が行われたと判定する。
ステップS2009では、設定されている操作有効範囲EA1〜EA3に手の画像部分の一部が含まれることで対象となる操作が行われたと判定される。但し、これに限定されることはなく手の画像部分の50%といったように所定の割合以上が含まれることで対象となる操作が行われたと判定される構成としてもよく、手の画像部分の全体が含まれることで対象となる操作が行われたと判定される構成としてもよい。
分割演出用の有効操作が行われたと判定した場合には、ステップS2010にて、第1告知演出用操作について有効操作が発生しているか否かを判定する。本パチンコ機10では、分割演出が実行される期間は、第1告知演出が実行される期間と重複し得る。そして、両演出期間が重複して発生する場合、図48(a)及び図48(b)に示すように、操作有効範囲EA1〜EA3が設定されている1フレーム分の画像Gにおいてさらに第1告知演出用の操作有効範囲EA4が設定される。この場合、分割演出側の操作有効範囲EA1〜EA3は図柄表示装置61に表示されている選択用画像GA,GB,GCに向けて手を伸ばす操作を有効と判定するための範囲として設定されるのに対して、第1告知演出用の操作有効範囲EA4は図柄表示装置61よりも上方に存在している可動物ユニット38に向けて手を伸ばす操作を有効と判定するための範囲として設定される。したがって、第1告知演出用の操作有効範囲EA4は、分割演出側の操作有効範囲EA1〜EA3に対して上方の位置に設定される。
上記のように操作有効範囲EA1〜EA4が縦方向に並べて設定される場合、操作を行う手の高さ位置を正確に特定できないと、遊技者が意図する操作とそれに対するパチンコ機10側の動作とが一致しなくてなってしまう。これに対して、既に説明したとおり、高さ位置監視処理(図30)において遊技者の顔の高さ位置に対応した高さグループが事前に特定され、その特定した高さグループに応じて操作有効範囲の調整処理(ステップS1707、ステップS2007)が実行されるとともに、手の画像部分について距離データに応じた位置補正処理(ステップS1708、ステップS2008)が実行される。これにより、操作を行う手の高さ位置を特定することが可能となり、遊技者が意図する操作とパチンコ機10側の動作とを一致させることが可能となる。
なお、分割演出と第1告知演出とが重複して発生した場合、図柄表示装置61では分割表示又は選択表示に対応した操作を行うべきことを示す説明がなされるとともに、第1告知演出用操作を行って演出用可動物38a,38bが限界開放位置に配置されることで当該遊技回において大当たり結果が発生する旨の説明がなされる。
第1告知演出側に有効操作が発生していないと判定した場合(ステップS2010:NO)には、ステップS2011にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び分割演出フラグの両方を「0」クリアする。続くステップS2012では、音光側RAM95の基準フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の分割演出において分割表示及び選択表示のうちいずれが実行されているのかを判定する。
基準フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS2013にて、今回行われた操作が選択演出Bを選択する操作であったか否か、すなわち演出B選択用の操作有効範囲EA2に手の画像部分が含まれる事象が発生したか否かを判定する。ステップS2013にて肯定判定をした場合には、ステップS2014にて、選択演出B用の各種データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出した後に、本分割演出制御処理を終了する。
選択演出B用の各種データには、選択演出B用の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において選択演出Bに対応した発光が行われるとともにスピーカ部24から選択演出Bに対応した音が出力される。さらにまた、ステップS2014では、選択演出B用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて選択演出Bの表示演出が行われるようにする。
ステップS2013にて否定判定をした場合には、今回行われた操作が選択演出Aを選択する操作であったこと、すなわち演出A選択用の操作有効範囲EA1に手の画像部分が含まれる事象が発生したことを意味する。したがって、ステップS2015にて、選択演出A用の各種データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出した後に、本分割演出制御処理を終了する。
選択演出A用の各種データには、選択演出A用の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において選択演出Aに対応した発光が行われるとともにスピーカ部24から選択演出Aに対応した音が出力される。さらにまた、ステップS2014では、選択演出A用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて選択演出Aの表示演出が行われるようにする。
ちなみに、図45(b−1)に示すように分割表示又は選択表示が行われる選択前演出の実行期間は一定となっているため、ステップS2014又はステップS2015の処理が実行されたとしても選択演出B又は選択演出Aが即座に開始されるのではなく、選択前演出の実行期間が経過したタイミングで、表示発光部23、スピーカ部24及び図柄表示装置61のそれぞれで選択演出B又は選択演出Aが開始される。また、選択前演出の実行期間中であってステップS2014又はステップS2015の処理が実行された後の期間においては、選択演出B又は選択演出Aが選択された旨の画像が図柄表示装置61にて表示される。
ステップS2012にて基準フラグに「1」がセットされていると判定した場合には、ステップS2014にて、選択演出B用の各種データを読み出した後に、本分割演出制御処理を終了する。基準フラグに「1」がセットされている場合には既に説明したとおり選択表示が行われているため、分割演出用の有効操作が行われた場合というのは、単一選択用の操作有効範囲EA3に手の画像部分が含まれる事象が発生したことを意味する。この場合には、既に説明したとおり選択演出Bが実行されることとなる。
ステップS2002にて否定判定をした場合、ステップS2005にて否定判定をした場合、ステップS2006にて否定判定をした場合、ステップS2009にて否定判定をした場合、又はステップS2010にて否定判定をした場合には、ステップS2016にて、選択前演出の実行期間が経過したか否かを判定する。当該実行期間は、分割演出設定処理(図46)におけるステップS1906にて音光側RAM95の分割演出フラグに「1」をセットした場合に計測が開始される。当該実行期間は任意であるが、例えば60secに設定されている。
ステップS2016にて否定判定をした場合には、そのまま本分割演出制御処理を終了する。ステップS2016にて肯定判定をした場合には、ステップS2017にて音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び分割演出フラグの両方を「0」クリアする。その後、ステップS2015にて選択演出A用の各種データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出した後に、本分割演出制御処理を終了する。
ここで、図48(a)に示すように、分割表示における演出A選択用の操作有効範囲EA1と演出B選択用の操作有効範囲EA2との間隔は、大人の手に対応した画像部分が同時に入り込まない程度に設定されている。一方、図48(a)及び図48(b)に示すように、第1告知演出用の操作有効範囲EA4と分割演出側の操作有効範囲EA1〜EA3との間隔は、大人の手に対応した画像部分が同時に入り込む程度に設定されている。
これに対して、分割演出制御処理では、既に説明したとおり、分割演出用の有効操作が発生していると判定(ステップS2009:YES)したとしても第1告知演出側に有効操作が発生していると判定(ステップS2010:YES)した場合には、分割演出用の有効操作は無効化される。これにより、分割演出と第1告知演出とが重複して実行されている状況において分割演出用の操作と第1告知演出用操作とが同時に行われた場合には、第1告知演出用操作を優先することが可能となる。
この動作内容を図49のタイムチャートを参照しながら説明する。図49(a)は第1告知演出の実行期間であり、図49(b)は分割演出の実行期間であり、図49(c)は第1告知演出用操作の実行期間であり、図49(d)は分割演出用操作の実行期間であり、図49(e)は告知発生演出の実行期間であり、図49(f)は選択演出A及び選択演出Bのいずれかが選択されたことを示す選択完了画像の表示期間である。
まず分割演出用操作のみが行われる場合について説明すると、t1のタイミングで、図49(a)及び図49(b)に示すように第1告知演出と分割演出とが同時に開始される。その後、t2のタイミングで、図49(d)に示すように、分割演出用操作のみが行われる。これにより、図49(f)に示すように、当該t2のタイミングで、選択演出A及び選択演出Bのいずれかが選択されたことを示す選択完了画像が図柄表示装置61において表示され、遊技者は分割演出用操作が有効であったことを認識する。
次に分割演出用操作と第1告知演出用操作とが同時に行われる場合について説明すると、t3のタイミングで、図49(a)及び図49(b)に示すように第1告知演出と分割演出とが同時に開始される。その後、t4のタイミングで、図49(c)及び図49(d)に示すように、第1告知演出用操作と分割演出用操作とが同時に開始される。この場合、第1告知演出用操作が優先されるため、図49(e)に示すように告知発生演出が開始され、図49(f)に示すように選択完了画像の表示は開始されない。
その後、t5のタイミングで第1告知演出用操作が終了した後も図49(d)に示すように分割演出用操作が継続されることにより、t6のタイミングで、分割演出用操作が有効と判断され、図49(f)に示すように選択完了画像の表示が開始される。
以上のとおり、分割演出が実行されることにより遊技者の選択操作に応じた演出が実行されるようにすることが可能となる。この場合に、基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合には選択範囲が複数発生する分割表示が行われるのに対して、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には選択範囲が単一となる選択表示が行われる。これにより、基本的には選択範囲が複数発生する分割表示を行うことで選択操作の多様化を図りながら、撮像用基板71において1フレーム分の画像を撮像する精度が低下する状況においては選択操作の態様を単純化することで操作態様と無関係に演出が選択されてしまう可能性を低減することが可能となる。
また、分割表示に際しては演出A選択用画像GAと演出B選択用画像GBとが図柄表示装置61の表示面において縦方向ではなく横方向に並べて表示されるとともに、それに対応させて1フレーム分の画像Gにおいて演出A選択用の操作有効範囲EA1と演出B選択用の操作有効範囲EA2とが横方向に並べて設定される。これにより、分割表示における選択操作に際して手の高さ位置の影響を低減することが可能となり、選択演出A及び選択演出Bのうち一方を選択するための操作を遊技者が行ったにも関わらず他方の演出が実行されてしまう可能性が低減される。
また、第1告知演出と分割演出とが重複して実行され得る構成において、第1告知演出用操作と分割演出用操作とが同時に行われた場合には第1告知演出用操作が優先される。これにより、第1告知演出用操作を行おうとしている手が第1告知演出用の操作有効範囲EA4だけでなく分割演出側の操作有効範囲EA1〜EA3側にまで入り込んでしまった場合であっても、分割演出用操作は行われていないと判定しながら第1告知演出用操作が行われたと判定することが可能となる。特に、可動物ユニット38は図柄表示装置61の直上方に存在しているため、第1告知演出用操作を行っている手が分割演出側の操作有効範囲EA1〜EA3側に入り込んでしまう可能性があるが、本構成によれば当該入り込みに適切に対処することが可能となる。
<停止操作演出>
次に、停止操作演出の内容及び停止操作演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。図50は停止操作演出の内容を説明するための説明図である。
停止操作演出は、開閉実行モード用の演出における昇格演出の一種として設定されている。昇格演出とは、大当たり結果となる遊技回において図柄表示装置61の図柄列Z1〜Z3上に停止表示される停止結果を、低確大当たり結果となる場合及び最有利大当たり結果となる場合のいずれであっても偶数図柄による大当たり結果の組合せが一の有効ライン上に停止表示される停止結果としながら、その後に発生する開閉実行モード中に当該開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードとなるか否かを示す演出のことである。最有利大当たり結果となった後の開閉実行モードでは昇格演出として昇格発生演出が行われ、低確大当たり結果となった後の開閉実行モードでは昇格演出として昇格非発生演出が行われる。
停止操作演出では、開閉実行モード中ではあるものの、図50(a)に示すように、複数の変動表示領域CA1〜CA3のそれぞれで図柄の変動表示が行われる複数列表示が図柄表示装置61にて行われる。変動表示領域CA1〜CA3は、遊技回用の演出における図柄列Z1〜Z3の数と同様に3個設定されている。具体的には、変動表示領域CA1〜CA3は横方向に並べて設定されており、左変動表示領域CA1と、中変動表示領域CA2と、右変動表示領域CA3とが存在している。
左変動表示領域CA1は、遊技回用の演出における上図柄列Z1に対応しており当該上図柄列Z1において変動表示される図柄が同一の順序で変動表示される。この場合、図柄を表示させるための画像データとして同一の画像データが利用される。また、中変動表示領域CA2は、遊技回用の演出における中図柄列Z2に対応しており当該中図柄列Z2において変動表示される図柄が同一の順序で変動表示される。この場合、図柄を表示させるための画像データとして同一の画像データが利用される。また、右変動表示領域CA3は、遊技回用の演出における下図柄列Z3に対応しており当該下図柄列Z3において変動表示される図柄が同一の順序で変動表示される。この場合、図柄を表示させるための画像データとして同一の画像データが利用される。
ここで、遊技回用の演出では図6に示すように、図柄列Z1〜Z3が縦方向に並設されており各図柄列Z1〜Z3では横方向に図柄が変動表示される。これに対して、停止操作演出では図50に示すように、変動表示領域CA1〜CA3が横方向に並設されており各変動表示領域CA1〜CA3では縦方向に図柄が変動表示される。つまり、停止操作演出では、遊技回用の演出の場合とは異なる方向、より詳細には遊技回用の演出の場合に対して直交する方向に図柄が変動表示される。これにより、停止操作演出と遊技回用の演出における図柄の変動表示とを遊技者に明確に区別させることが可能となる。
停止操作演出では、窓パネル22よりもパチンコ機10前方において各変動表示領域CA1〜CA3に向けて手を伸ばす停止操作が遊技者により行われることにより、その停止操作の対象となった変動表示領域CA1〜CA3において図柄の変動表示が停止される。具体的には、図50(a)に示すように全ての変動表示領域CA1〜CA3にて図柄の変動表示が行われている状況で左変動表示領域CA1に向けて停止操作が行われることにより、図50(b)に示すように左変動表示領域CA1において図柄の変動表示が停止されて「7」の数字が付された図柄が停止表示される。その状態で右変動表示領域CA3に向けて停止操作が行われることにより、図50(c)に示すように右変動表示領域CA3において図柄の変動表示が停止されて「7」の数字が付された図柄が停止表示される。これにより、「7」の数字が付された図柄によるリーチ表示が行われた状態となる。その状態で中変動表示領域CA2に向けて停止操作が行われることにより、図50(d−1)及び図50(d−2)に示すように中変動表示領域CA2において図柄の変動表示が停止される。この場合に、昇格発生演出であれば図50(d−1)に示すように中変動表示領域CA2において「7」の数字が付された図柄が停止表示される。各変動表示領域CA1〜CA3において「7」の数字が付された図柄が停止表示されることとなり、当該結果を通じて開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードであることが報知される。一方、昇格非発生演出であれば図50(d−2)に示すように中変動表示領域CA2において「7」の数字が付された図柄とは異なる図柄が停止表示される。各変動表示領域CA1〜CA3において同一の図柄が停止表示されないこととなり、当該結果を通じて開閉実行モード後の当否抽選モードが低確率モードであることが報知される。
以上のとおり、停止操作演出においては基本的に図50に示すように複数列表示が行われることとなるが、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には撮像用基板71において1フレーム分の画像を撮像する精度が低下する。そして、そのような状況下で複数列表示を行うと、遊技者の選択操作とは無関係に図柄の変動表示が停止されてしまうことが懸念される。そこで、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には複数列表示を行うのではなく、図51(a)に示すように図柄表示装置61にて単一列表示が行われる。
具体的には、単一列表示に際しては、図51(a)に示すように、単一の変動表示領域CA4で図柄の変動表示が行われる。単一の変動表示領域CA4では、複数列表示の場合と同様に縦方向に図柄の変動表示が行われるものの、変動表示される図柄の種類は複数列表示の場合と異なっており、具体的には図51(b−1)に示すように「高確率!!」という高確率対応図柄と、図51(b−2)に示すように「低確率!!」という低確率対応図柄とが交互に出現するように変動表示される。このように図柄が変動表示されている状況において、窓パネル22よりもパチンコ機10前方にて単一の変動表示領域CA4に向けて手を伸ばす停止操作が遊技者により行われることにより、当該単一の変動表示領域CA4において図柄の変動表示が停止される。そして、昇格発生演出であれば図51(b−1)に示すように高確率対応図柄が停止表示されることとなり、当該結果を通じて開閉実行モード後の当否抽選モードが高確率モードであることが報知される。一方、昇格非発生演出であれば図51(b−2)に示すように低確率対応図柄が停止表示されることとなり、当該結果を通じて開閉実行モード後の当否抽選モードが低確率モードであることが報知される。
次に、停止操作演出が開始されるようにするための停止操作演出設定処理について図52のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該停止操作演出設定処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
まずステップS2101では、音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本分割演出設定処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS2101にて肯定判定をして停止操作演出設定処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において停止操作演出が実行されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS2102にて停止操作演出の開始条件が成立しているか否かを判定する。停止操作演出の開始条件は、音光側RAM95に開閉実行モード用の演出のデータテーブルが読み出されている場合であって、そのデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが停止操作演出の開始を示すデータに対応している場合に成立する。ステップS2102にて否定判定をした場合にはそのまま本停止操作演出設定処理を終了し、ステップS2102にて肯定判定をした場合にはステップS2103に進む。
ステップS2103では、音光側RAM95の基準フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、基準スイッチ91aがON位置に配置されているか否かを判定する。基準フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS2104にて複数列表示用の各種データを読み出す。複数列表示用の各種データには、複数列表示用の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において複数列表示用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から複数列表示用のパターンで音が出力される。さらにまた、ステップS2104では、複数列表示用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて図50(a)に示すような複数列表示が行われるようにする。
一方、基準フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2105にて単一列表示用の各種データを読み出す。単一列表示用の各種データには、単一列表示用の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において単一列表示用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から単一列表示用のパターンで音が出力される。さらにまた、ステップS2105では、単一列表示用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて図51(a)に示すような単一列表示が行われるようにする。
ステップS2104又はステップS2105の処理を実行した場合には、ステップS2106にて、音光側RAM95における停止操作演出に対応した撮像指令フラグ及び停止操作演出フラグの両方に「1」をセットした後に、本停止操作演出設定処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
次に、停止操作演出の実行制御を行うための停止操作演出制御処理について、図53のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該停止操作演出制御処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
音光側RAM95の停止操作演出フラグ及び撮像完了フラグの両方に「1」がセットされている場合(ステップS2201及びステップS2202:YES)、停止操作演出において利用するための1フレーム分の画像の撮像が完了していることを意味する。この場合、ステップS2203以降の停止操作演出用の画像利用処理に進む。
停止操作演出用の画像利用処理では、まずステップS2203にて音光側RAM95の撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS2204では、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1704と同様に、手データの抽出処理を実行する。
その後、ステップS2205にて手データの抽出が完了したか否かを判定する。手データの抽出が完了している場合にはステップS2206にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1706と同様に、手データの距離が参照対象距離以上に対応しているか否かを判定する。
ステップS2206にて否定判定をした場合には、ステップS2207にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1707と同様に、高さ位置グループに対応した操作有効範囲の設定処理を実行するとともに、ステップS2208にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1708と同様に、距離データに応じた位置補正処理を実行する。
その後、ステップS2209にて、音光側RAM95の基準フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、停止操作演出として複数列表示及び単一列表示のいずれが実行されているのかを判定する。ステップS2209にて否定判定をした場合には、停止操作演出として複数列表示が行われていることを意味する。この場合、ステップS2210に進む。
ステップS2210では、複数列表示が行われている状況において停止操作演出用の有効操作が発生したか否かを判定する。ここで、図54(a)の説明図を参照しながら、複数列表示が行われている状況において停止操作演出用の有効操作が発生したか否かを判定するための処理内容を説明する。
全ての変動表示領域CA1〜CA3において図柄の変動表示が行われている場合、ステップS2207の処理が実行された後は、1フレーム分の画像Gには、図54(a)に示すように、左変動表示領域CA1に対応する左用の操作有効範囲EA5と、中変動表示領域CA2に対応する中用の操作有効範囲EA6と、右変動表示領域CA3に対応する右用の操作有効範囲EA7とが設定される。これら操作有効範囲EA5〜EA7は、1フレーム分の画像Gにおける一部の領域を占めるように設定されており、その占める面積はいずれも同一となっている。また、操作有効範囲EA5〜EA7は、1フレーム分の画像Gにおいて縦方向で同じ位置に設定されており、所定の間隔を置いて横方向に並ぶように設定されている。一方、一部の変動表示領域CA1〜CA3において図柄の変動表示が既に停止されている場合には、その停止されている変動表示領域CA1〜CA3に対応した操作有効範囲EA5〜EA7は設定されない。
ステップS2208の補正処理が実行された後における手の画像部分が左用の操作有効範囲EA5に含まれている場合には左変動表示領域CA1に対して停止操作が行われたと判定し、手の画像部分が中用の操作有効範囲EA6に含まれている場合には中変動表示領域CA2に対して停止操作が行われたと判定し、手の画像部分が右用の操作有効範囲EA7に含まれている場合には右変動表示領域CA3に対して停止操作が行われたと判定する。
ステップS2210では、設定されている操作有効範囲EA5〜EA7に手の画像部分の一部が含まれることで対象となる操作が行われたと判定される。但し、これに限定されることはなく手の画像部分の50%といったように所定の割合以上が含まれることで対象となる操作が行われたと判定される構成としてもよく、手の画像部分の全体が含まれることで対象となる操作が行われたと判定される構成としてもよい。
ここで、図54(a)に示すように、1フレーム分の画像Gにおいて左用の操作有効範囲EA5と中用の操作有効範囲EA6とは横方向に隣り合うように設定されているが、これら左用の操作有効範囲EA5と中用の操作有効範囲EA6との間隔は、大人の手に対応した画像部分が同時に入り込む程度に設定されている。また、1フレーム分の画像Gにおいて中用の操作有効範囲EA6と右用の操作有効範囲EA7とは横方向に隣り合うように設定されているが、これら中用の操作有効範囲EA6と右用の操作有効範囲EA7との間隔は、大人の手に対応した画像部分が同時に入り込む程度に設定されている。この場合に、複数の変動表示領域CA1〜CA3における図柄の変動表示を1回の停止操作によって同時に停止させる構成とすると、遊技者の意図に反して停止操作を行う回数が減少してしまうおそれがある。また、遊技者が意図的に複数の変動表示領域CA1〜CA3における図柄の変動表示を同時に停止させようと停止操作が行われることも想定される。この場合に、複数の変動表示領域CA1〜CA3における図柄の変動表示を1回の停止操作によって同時に停止させる構成とすると、複数の変動表示領域CA1〜CA3を設定するとともに停止操作に応じて図柄の変動表示を順次停止させようとする複数列表示の演出の趣旨に反することとなってしまう。
これに対して、停止操作演出制御処理(図53)においてステップS2211及びステップS2212の処理が実行されることにより、複数の操作有効範囲EA5〜EA7に手の画像部分が同時に入り込んだとしても一の変動表示領域CA1〜CA3における図柄の変動表示のみが停止されるようになっている。詳細には、ステップS2211では、ステップS2210にて有効操作有りと判定する契機となった操作が、複数の変動表示領域CA1〜CA3において図柄の変動表示が行われている状況で変動表示中の変動表示領域CA1〜CA3に対応する複数の操作有効範囲EA5〜EA7に手の画像部分が同時に含まれることになった操作であるか否かを判定する。
ステップS2211にて肯定判定をした場合には、ステップS2212にて音光側ROM94の停止優先度データ記憶エリア94aに記憶されている停止優先度データを読み出す。図55は、停止優先度データを説明するための説明図である。
図55に示すように、全ての変動表示領域CA1〜CA3において図柄の変動表示が行われている状況で全ての操作有効範囲EA5〜EA7に手の画像部分が含まれている場合には、左変動表示領域CA1が優先して停止させる対象として設定される。また、少なくとも左変動表示領域CA1及び中変動表示領域CA2において図柄の変動表示が行われている状況で左用の操作有効範囲EA5及び中用の操作有効範囲EA6に手の画像部分が含まれている場合には、左変動表示領域CA1が優先して停止させる対象として設定される。また、少なくとも左変動表示領域CA1及び右変動表示領域CA3において図柄の変動表示が行われている状況で左用の操作有効範囲EA5及び右用の操作有効範囲EA7に手の画像部分が含まれている場合には、左変動表示領域CA1が優先して停止させる対象として設定される。また、少なくとも中変動表示領域CA2及び右変動表示領域CA3において図柄の変動表示が行われている状況で中用の操作有効範囲EA6及び右用の操作有効範囲EA7に手の画像部分が含まれている場合には、右変動表示領域CA3が優先して停止させる対象として設定される。
ステップS2212にて停止優先度データを参照した後は、ステップS2213にて対応する各種データを読み出す。また、ステップS2212にて否定判定をした場合にも、ステップS2213にて対応する各種データを読み出す。
ステップS2213にて読み出される各種データは、発光データ及び音出力データについてはいずれの変動表示領域CA1〜CA3が停止対象となった場合であっても共通の停止時データとなっている。当該共通の停止時データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において図柄停止時のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から図柄停止時のパターンに対応した音が出力される。また、ステップS2213では、停止発生の表示コマンドを表示制御装置96に送信するが、当該停止時の表示コマンドの内容は停止対象の変動表示領域CA1〜CA3に応じて相違している。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、今回停止対象となった変動表示領域CA1〜CA3に停止結果の図柄を表示させる。この場合に、今回の停止操作演出が昇格発生演出として実行されている場合には、今回停止対象となった変動表示領域CA1〜CA3がいずれの停止順序であるかに関係なく「7」の数字が付された図柄が停止表示されるようにする。一方、今回の停止操作演出が昇格非発生演出として実行されている場合には、今回停止対象となった変動表示領域CA1〜CA3が1番目又は2番目の停止順序である場合には「7」の数字が付された図柄が停止されるようにし、3番目の停止順序である場合には「7」の数字が付された図柄とは異なる図柄が停止表示されるようにする。
その後、ステップS2214では、全ての変動表示領域CA1〜CA3において図柄の変動表示が停止されたか否かを判定する。ステップS2214にて肯定判定をした場合には、ステップS2215にて対応する各種データを読み出す。
今回の停止操作演出が昇格発生演出である場合においてステップS2215の処理が実行された場合、昇格発生時用の発光データ及び音出力データが含まれている。これらデータがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、ステップS2213にて読み出されたデータに応じたパターンの発光及び音出力が行われた後に、表示発光部23において昇格発生時のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から昇格発生時のパターンに対応した音が出力される。また、昇格発生時の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、表示発光部23において昇格発生時のパターンによる発光が開始されるとともにスピーカ部24から昇格発生時のパターンによる音の出力が開始されるタイミングで、昇格が発生したことを示す表示演出が開始されるように図柄表示装置61を表示制御する。
一方、今回の停止操作演出が昇格非発生演出である場合においてステップS2215の処理が実行された場合、昇格非発生時用の発光データ及び音出力データが含まれている。これらデータがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、ステップS2213にて読み出されたデータに応じたパターンの発光及び音出力が行われた後に、表示発光部23において昇格非発生時のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から昇格非発生時のパターンに対応した音が出力される。また、昇格非発生時の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、表示発光部23において昇格非発生時のパターンによる発光が開始されるとともにスピーカ部24から昇格非発生時のパターンによる音の出力が開始されるタイミングで、昇格が発生しなかったことを示す表示演出が開始されるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS2215の処理を実行した後は、ステップS2216に進む。ステップS2216では、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び停止操作演出フラグの両方を「0」クリアする。その後、本停止操作演出制御処理を終了する。
ステップS2209にて基準フラグに「1」がセットされていると判定した場合には、ステップS2217にて、単一列表示が行われている状況において停止操作演出用の有効操作が発生したか否かを判定する。ここで、図54(b)の説明図を参照しながら、単一列表示が行われている状況において停止操作演出用の有効操作が発生したか否かを判定するための処理内容を説明する。
単一の変動表示領域CA4において図柄の変動表示が行われている場合、ステップS2207の処理が実行された後は、1フレーム分の画像Gには、図54(b)に示すように、単一の変動表示領域CA4に対応する単一用の操作有効範囲EA8が設定される。単一用の操作有効範囲EA8は、1フレーム分の画像Gにおける一部の領域を占めるように設定されており、その占める領域は左用の操作有効範囲EA5、中用の操作有効範囲EA6及び右用の操作有効範囲EA7のいずれよりも広い面積となるように設定される。さらに言うと、単一用の操作有効範囲EA8は、左用の操作有効範囲EA5の面積と中用の操作有効範囲EA6の面積と右用の操作有効範囲EA7の面積とを合計した面積以上となるように設定される。ステップS2208の補正処理が実行された後における手の画像部分が操作有効範囲EA8に含まれている場合には、単一の変動表示領域CA4に対して停止操作が行われたと判定する。
ステップS2217では、単一用の操作有効範囲EA8に手の画像部分の一部が含まれることで停止操作が行われたと判定される。但し、これに限定されることはなく手の画像部分の50%といったように所定の割合以上が含まれることで停止操作が行われたと判定される構成としてもよく、手の画像部分の全体が含まれることで停止操作が行われたと判定される構成としてもよい。ステップS2217にて肯定判定をした場合には、ステップS2218にて対応する各種データを読み出した後に、ステップS2216の処理を実行して本停止操作演出制御処理を終了する。
今回の停止操作演出が昇格発生演出である場合においてステップS2218の処理が実行された場合、昇格発生時用の発光データ及び音出力データが読み出される。これらデータがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において昇格発生時のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から昇格発生時のパターンに対応した音が出力される。また、昇格発生時の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、高確率対応図柄が所定期間(例えば5sec)に亘って停止表示された後に昇格が発生したことを示す表示演出が開始されるように図柄表示装置61を表示制御する。
一方、今回の停止操作演出が昇格非発生演出である場合においてステップS2218の処理が実行された場合、昇格非発生時用の発光データ及び音出力データが読み出される。これらデータがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において昇格非発生時のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から昇格非発生時のパターンに対応した音が出力される。また、昇格非発生時の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、低確率対応図柄が所定期間(例えば5sec)に亘って停止表示された後に昇格が発生しなかったことを示す表示演出が開始されるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS2202にて否定判定をした場合、ステップS2205にて否定判定をした場合、ステップS2206にて肯定判定をした場合、ステップS2210にて否定判定をした場合、ステップS2214にて否定判定をした場合、又はステップS2217にて否定判定をした場合には、ステップS2219にて操作有効期間が経過したか否かを判定する。当該操作有効期間は、停止操作演出設定処理(図52)におけるステップS2106にて音光側RAM95の停止操作演出フラグに「1」をセットした場合に計測が開始される。当該操作有効期間は任意であるが、例えば60secに設定されている。
ステップS2219にて否定判定をした場合には、そのまま本停止操作演出制御処理を終了する。ステップS2219にて肯定判定をした場合には、ステップS2220にて対応する各種データを読み出した後に、ステップS2216の処理を実行して本停止操作演出制御処理を終了する。
ステップS2220にて読み出される各種データには、操作未完了時用の発光データ及び音出力データが含まれている。これらデータがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において操作未完了時のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から操作未完了時のパターンに対応した音が出力される。また、操作未完了時の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、それまで行っていた複数列表示及び単一列表示を終了させた後に、今回の停止操作演出が昇格発生演出である場合には昇格が発生したことを示す表示演出が開始されるように図柄表示装置61を表示制御し、今回の停止操作演出が昇格発生演出である場合には昇格が発生しなかったことを示す表示演出が開始されるように図柄表示装置61を表示制御する。
以上のとおり、停止操作演出が実行されることにより遊技者の停止操作に応じて図柄の変動表示が停止される演出を実行することが可能となる。特に、遊技者は停止操作に際して停止させようとする変動表示領域CA1〜CA3に向けて手を出すことになるため、停止させようとする変動表示領域CA1〜CA3毎に異なる停止操作が行われるとともに停止させようとする変動表示領域CA1〜CA3と停止操作の態様とを明確に関連付けることが可能となる。これにより、パチンコ機10において遊技に積極参加している印象を遊技者に与えることが可能となる。
この場合に、基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合には変動表示領域CA1〜CA3が複数発生する複数列表示が行われるのに対して、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には単一の変動表示領域CA4が発生する単一列表示が行われる。これにより、基本的には変動表示領域CA1〜CA3が複数発生する複数列表示を行うことで停止操作の多様化を図りながら、撮像用基板71において1フレーム分の画像を撮像する精度が低下する状況においては停止操作の態様を単純化することで操作態様と無関係に図柄の変動表示が停止されてしまう可能性を低減することが可能となる。
また、複数列表示に際しては各変動表示領域CA1〜CA3が図柄表示装置61の表示面において縦方向ではなく横方向に並べて表示されるとともに、それに対応させて1フレーム分の画像Gにおいて各操作有効範囲EA5〜EA7が横方向に並べて設定される。これにより、複数列表示における停止操作に際して手の高さ位置の影響を低減することが可能となり、所定の変動表示領域CA1〜CA3における図柄の変動表示を停止させるための操作を遊技者が行ったにも関わらず、それとは異なる変動表示領域における図柄の変動表示が停止されてしまう可能性が低減される。
また、複数の変動表示領域CA1〜CA3に対する停止操作が同時に実行され得る構成において、そのように停止操作が同時に実行された場合には予め定められた優先度に従って一の変動表示領域CA1〜CA3における図柄の変動表示のみが停止される。これにより、例えば左変動表示領域CA1に停止操作を行おうとしている手が左用の操作有効範囲EA5だけでなく中用の操作有効範囲EA6側にまで入り込んでしまった場合であっても、左変動表示領域CA1における図柄の変動表示のみを停止させることが可能となる。
<連続演出>
次に、連続演出の内容及び連続演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。
連続演出は、主側RAM85の特図保留エリア85bに遊技回の開始対象となっていない保留情報が格納されている場合に、その保留情報が大当たり結果の契機となる可能性が高いと遊技者に期待させる演出を、当該保留情報を契機とした遊技回だけでなく、当該保留情報を契機とした遊技回よりも前に実行される遊技回において実行する一連の演出のことである。連続演出の実行対象となった遊技回では、同一の演出用画像を利用した演出が行われる。
連続演出の内容について詳細に説明する。本パチンコ機10では、図56(a)及び図56(b)の説明図に示すように、遊技回用の演出として図柄表示装置61にて上図柄列Z1及び下図柄列Z3における図柄の変動表示が停止されてリーチ表示が開始された段階で、複数の魚キャラクタCH1が表示面の右端から左端に流れる魚群演出が存在している。当該魚群演出が発生した場合には50%の確率でその遊技回において大当たり結果が発生することとなるため、遊技者は当該魚群演出が発生することを期待することとなる。
連続演出では当該魚群演出にて利用される画像が利用される。詳細には、連続演出の実行契機となった保留情報に対応する遊技回よりも前に実行される遊技回では、図56(a)に示すように複数の魚キャラクタCH1が図柄表示装置61の表示面の右端から横方向の途中位置まで出現するものの右端側に戻って非表示となる先予告演出が行われる。先予告演出は、該当する遊技回において全図柄列Z1〜Z3にて図柄の変動表示が行われている状況で行われる。また、先予告演出は、連続演出の実行契機となる保留情報が取得されたタイミングで特図保留エリア85bに格納されている保留情報に対応する遊技回において実行される。なお、先予告演出は、該当する遊技回においてリーチ表示が発生するか否かに関係なく発生する。
一方、連続演出の実行契機となった保留情報に対応する遊技回では、最終演出が実行される。最終演出としては、当該遊技回において大当たり結果が発生するのであれば図56(b)に示すように複数の魚キャラクタCH1が図柄表示装置61の表示面の右端から左端に流れる完結演出が行われる。連続演出の実行契機となった保留情報に対応する遊技回において大当たり結果が発生しないのであれば、実行抽選処理にて実行当選となれば図56(b)に示す完結演出が最終演出として行われるのに対して、実行抽選処理にて実行外れとなれば図56(a)に示すように複数の魚キャラクタCH1が表示面の右端から横方向の途中位置まで出現するものの右端側に戻って非表示となる未完演出が最終演出として行われる。最終演出は、遊技回の開始タイミングに対する演出の開始タイミングを先予告演出と合わせるために、図56(b)に示す完結演出が実行されるか否かに関係なく、該当する遊技回において全図柄列Z1〜Z3にて図柄の変動表示が行われている状況で行われる。
連続演出の流れについて、図57のタイムチャートを参照しながら説明する。図57(a)は遊技回の実行期間を示し、図57(b)は特図保留エリア85bに格納されている保留情報の個数を示し、図57(c)は連続演出の実行状態が継続している期間を示し、図57(d)は先予告演出の実行期間を示し、図57(e)は最終演出の実行期間を示す。
t1のタイミングで図57(a)に示すように遊技回用の演出が開始される。この場合、図57(b)に示すように保留情報の個数が2個から1個に減算される。当該遊技回用の演出が継続している期間中であるt2のタイミング、t3のタイミング及びt4のタイミングのそれぞれで図57(b)に示すように保留情報が新たに取得される。これにより、保留情報の個数が上限個数である4個となる。この場合に、図57(c)に示すように、t4のタイミングで取得された保留情報について連続演出を実行すべき状態への設定が行われる。
その後、t5のタイミング、t6のタイミング及びt7のタイミングのそれぞれで、図57(a)に示すように新たな遊技回用の演出が開始され、図57(d)に示すように各遊技回において先予告演出が実行される。そして、t8のタイミングで、連続演出の実行契機となった保留情報に対応した遊技回が開始されることで、図57(e)に示すように最終演出が実行されて今回の連続演出が終了する。
以下、連続演出を実行するための処理内容について説明する。図58は、主側MPU83にて実行される保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。保留コマンドの設定処理は、特図特電制御処理(図12)におけるステップS301の保留情報の取得処理にて、第1作動口54又は第2作動口55への入賞が発生して保留情報が新たに取得された場合に実行される。なお、保留情報の新たな取得が1回行われる度に、保留コマンドの設定処理が実行される。
保留コマンドの設定処理では、まずステップS2301にて、今回取得されて特図保留エリア85bに新たに格納された保留情報から大当たり乱数カウンタC1に対応した数値情報を読み出す。続くステップS2302では、現状の当否抽選モードに対応した当否テーブルを主側ROM84から読み出す。そして、ステップS2303にて、ステップS2301にて読み出した大当たり乱数カウンタC1に対応した数値情報がステップS2302にて読み出した当否テーブルにおいて大当たり結果に対応している数値情報であるか否かを判定する。ステップS2303にて肯定判定をした場合には、ステップS2304にて大当たり対応の保留コマンドを音光側MPU93に送信した後に、本保留コマンドの設定処理を終了する。
ステップS2303にて否定判定をした場合には、ステップS2305に進む。ステップS2305では、今回取得されて特図保留エリア85bに新たに格納された保留情報からリーチ乱数カウンタC3に対応した数値情報を読み出す。その後、ステップS2306では、外れリーチ発生判定テーブルを主側ROM84から読み出し、ステップS2305にて読み出したリーチ乱数カウンタC3に対応した数値情報が外れリーチの発生に対応しているか否かを判定する。ステップS2306にて肯定判定をした場合には、ステップS2307にてリーチ対応の保留コマンドを音光側MPU93に送信した後に、本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS2306にて否定判定をした場合には、ステップS2308にて外れ対応の保留コマンドを音光側MPU93に送信した後に、本保留コマンドの設定処理を終了する。
次に、連続演出が開始されるようにするための連続演出設定処理について図59のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該連続演出設定処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
まずステップS2401では、音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本連続演出設定処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS2401にて肯定判定をして連続演出設定処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において連続演出が実行されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS2402にて、主側MPU83からいずれかの保留コマンドを受信しているか否かを判定する。いずれの保留コマンドも受信していない場合にはそのまま本連続演出設定処理を終了し、いずれかの保留コマンドを受信している場合にはステップS2403にて連続演出の実行抽選処理を実行する。
連続演出の実行抽選処理では、音光側RAM95において定期的に更新される連続演出用カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が連続演出の実行当選に対応しているか否かを判定する。今回受信した保留コマンドが大当たり対応の保留コマンドであれば1/2の確率で実行当選となり、リーチ対応の保留コマンドであれば1/5の確率で実行当選となり、外れ対応の保留コマンドであれば1/20の確率で実行当選となる。続くステップS2404では、ステップS2403における抽選処理の結果が実行当選であるか否かを判定する。実行当選ではない場合にはそのまま本連続演出設定処理を終了し、実行当選である場合にはステップS2405に進む。
ステップS2405では、今回受信した保留コマンドが大当たり対応の保留コマンドであるか否かを判定する。ステップS2405にて肯定判定をした場合には、ステップS2406にて、音光側RAM95に設けられた完結演出フラグに「1」をセットする。完結演出フラグは、最終演出として図56(b)に示す完結演出を実行すべきことを音光側MPU93において特定するためのフラグである。大当たり対応の保留コマンドである場合には完結演出フラグに「1」をセットするようにすることで、大当たり結果に対応した保留情報を契機として連続演出の実行状態となった場合には最終演出として確実に完結演出が実行される。
ステップS2405にて否定判定をした場合には、ステップS2407にて、今回受信した保留コマンドがリーチ対応の保留コマンドであるか否かを判定する。ステップS2407にて肯定判定をした場合にはステップS2408にて完結演出の実行抽選処理を実行する。完結演出の実行抽選処理では、音光側RAM95において定期的に更新される完結演出用カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が完結演出の実行当選に対応しているか否かを判定する。当該実行抽選処理では、1/10の確率で完結演出の実行当選となる。続くステップS2409では、ステップS2408における抽選処理の結果が実行当選であるか否かを判定する。実行当選である場合にはステップS2406にて、音光側RAM95の完結演出フラグに「1」をセットする。これにより、外れリーチの実行に対応した保留情報を契機として連続演出の実行状態となった場合には所定の確率(具体的には1/10)で完結演出が実行される。
ステップS2406の処理を実行した場合、ステップS2407にて否定判定をした場合、又はステップS2409にて否定判定をした場合には、ステップS2410にて音光側RAM95に設けられた実行回数カウンタに連続演出(先予告演出及び最終演出)を実行する遊技回数に対応した値をセットする。主側MPU83から送信される大当たり対応の保留コマンド、リーチ対応の保留コマンド及び外れ対応の保留コマンドには、当該保留コマンドを送信する契機となった保留情報が取得された場合における保留情報の合計数を示す情報がセットされている。ステップS2410では、当該合計数を示す情報を今回受信した保留コマンドから読み出し、その読み出した数値情報に対応した値を実行回数カウンタにセットする。当該実行回数カウンタにセットされた値は、連続演出が実行された遊技回が終了する度に1減算される。
その後、ステップS2411にて、音光側RAM95における連続演出フラグ及び連続演出に対応した撮像指令フラグの両方に「1」をセットした後に、本連続演出設定処理を終了する。連続演出フラグに「1」がセットされることにより、音光側RAM95の実行回数カウンタの値が「1」となるまでは各遊技回において先予告演出が実行される。具体的には、先予告演出用の発光データ及び音出力データが読み出され、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において先予告演出用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から先予告演出用のパターンで音が出力される。さらにまた、先予告演出用の表示コマンドが表示制御装置96に送信されることにより、図柄表示装置61にて先予告演出が行われる。一方、音光側RAM95の実行回数カウンタの値が「1」である状況の遊技回において今回の最終演出が実行される。具体的には、今回の最終演出用の発光データ及び音出力データが読み出され、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において今回の最終演出用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から今回の最終演出用のパターンで音が出力される。さらにまた、今回の最終演出用の表示コマンドが表示制御装置96に送信されることにより、図柄表示装置61にて今回の最終演出が行われる。また、撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
次に、連続演出おいて撮像用基板71の撮像結果を利用するための制御を実行する連続演出制御処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該連続演出制御処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
音光側RAM95の連続演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2501:YES)、ステップS2502にて、音光側RAM95に読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが連続演出の実行対応期間中であることを示すデータに対応しているか否かを判定する。つまり、先予告演出又は最終演出が実行される遊技回において、先予告演出又は最終演出が実行される期間であるか否か判定する。ステップS2502にて否定判定をした場合にはそのまま本連続演出制御処理を終了し、ステップS2502にて肯定判定をした場合にはステップS2503に進む。
ステップS2503では、音光側RAM95の実行回数カウンタの値が「1」となっているか否かを判定することで、今回の連続演出が最終演出であるか否かを判定する。ステップS2503にて否定判定をした場合には、ステップS2504〜ステップS2513に示す先予告演出用処理を実行する。
先予告演出処理では、まずステップS2504にて、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本連続演出制御処理を終了する。撮像完了フラグに「1」がセットされている場合には先予告演出において利用するための1フレーム分の画像の撮像が完了していることを意味する。この場合、ステップS2505にて撮像完了フラグを「0」クリアする。
続くステップS2506では、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1704と同様に、手データの抽出処理を実行する。その後、ステップS2507にて手データの抽出が完了したか否かを判定する。手データの抽出が完了している場合には、ステップS2508にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1707と同様に、高さ位置グループに対応した操作有効範囲の設定処理を実行するとともに、ステップS2509にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1708と同様に、距離データに応じた位置補正処理を実行する。
その後、ステップS2510にて、先予告演出用の有効操作が行われたか否かを判定する。ここで、撮像用基板71の撮像結果を利用して先予告演出が行われる様子について、図61の説明図を参照しながら説明する。
先予告演出が開始されたタイミングでは、図61(a)に示すように、先予告演出を行う魚キャラクタCH1は図柄表示装置61の表示面において初期ラインILよりも出現元側(表示面の右端側)に存在している。初期ラインILは、表示面において魚キャラクタCH1の移動方向の途中位置、すなわち横方向の途中位置に設定されており、具体的には、表示面の横方向において出現元側の端部から1/5の位置に設定されている。
先予告演出においては、窓パネル22のパチンコ機10前方にて図柄表示装置61の前方に配置された手の位置に応じて、初期ラインILの位置まで出現している魚キャラクタCH1が表示面の横方向の中央側に引き出される。例えば、表示面の横方向において出現元側の端部から1/3の位置に相当する箇所に向けて遊技者の手が出された場合には、図61(b)に示すように、初期ラインILの位置まで出現していた魚キャラクタCH1は操作ラインHLの位置まで引き出される。
但し、遊技者の手の操作に応じて魚キャラクタCH1が表示面において移動先側の端部又はその付近にまで引き出されてしまうと、完結演出が実行されたと遊技者が誤認してしまう可能性が生じる。そこで、遊技者の連続演出用操作に応じて魚キャラクタCH1が引き出される位置は、表示面の横方向において移動先側の端部よりも移動元側の位置となるように制限される。本パチンコ機10においては、図61(c)に示すように、表示面の横方向の中央位置に限界ラインBLが設定されている。これにより、遊技者の手が表示面の右端の位置まで差し出されている場合であっても、魚キャラクタCH1は限界ラインBLの位置までしか出現しない。
連続演出制御処理(図60)の説明に戻り、連続演出が実行されている状況では、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像において図柄表示装置61の表示面の全体に対応する範囲が操作有効範囲として設定される。ステップS2510では、当該操作有効範囲に手の画像部分の一部が含まれることで先予告演出用操作が行われたと判定する。但し、これに限定されることはなく手の画像部分の50%といったように所定の割合以上が含まれることで先予告演出用操作が行われたと判定する構成としてもよく、手の画像部分の全体が含まれることで先予告演出用操作が行われたと判定する構成としてもよい。ちなみに、先予告演出が発生した場合、流し操作を行って魚キャラクタCH1が移動先側の端部まで流れた場合には大当たり結果が発生する期待度が高い旨の説明が図柄表示装置61にて行われる構成となっている。ステップS2510にて否定判定をした場合にはそのまま本連続演出制御処理を終了し、ステップS2510にて肯定判定をした場合にはステップS2511に進む。
ステップS2511では、遊技者の手の位置が規制範囲内であるか否かを判定する。具体的には、距離データに基づく1フレーム分の画像において手の画像部分が初期ラインILよりも移動先側であって限界ラインBLよりも出現元側に対応する範囲に存在しているか否かを判定する。
ステップS2511にて肯定判定をした場合には、ステップS2512にて手の位置に対応した処理を実行した後に、本連続演出制御処理を終了する。具体的には、今回の手の位置に対応した操作ラインHLまで魚キャラクタCH1を出現させるための表示コマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、図61(b)に示すように図柄表示装置61では操作ラインHLまで魚キャラクタCH1を出現させる。
ステップS2511にて否定判定をした場合には、ステップS2513にて規制位置に対応した処理を実行した後に、本連続演出制御処理を終了する。具体的には、今回の手の位置が初期ラインILの位置又は当該初期ラインILよりも出現元の端部側である場合には初期ラインILまで魚キャラクタCH1を出現させるための表示コマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、図61(a)に示すように図柄表示装置61では初期ラインILまで魚キャラクタCH1が出現する画像が表示される。また、今回の手の位置が限界ラインBLの位置又は当該限界ラインBLよりも移動先の端部側である場合には限界ラインBLまで魚キャラクタCH1を出現させるための表示コマンドを表示制御装置96に送信する。これにより、図61(c)に示すように図柄表示装置61の限界ラインBLまで魚キャラクタCH1が出現する画像が表示される。
ここで、連続演出の実行対応期間は各遊技回において例えば10secに設定されているが、当該実行対応期間においては初期ラインILと限界ラインBLとの間で遊技者の手の位置に追従するように魚キャラクタCH1が移動する。この場合に、遊技者が後述する流し操作として、図柄表示装置61の表示面における魚キャラクタCH1の出現元側の端部から移動先側の端部に向けて手を移動させた場合、初期ラインILと限界ラインBLとの間においては魚キャラクタCH1が遊技者の手に追従するように移動するが、限界ラインBLを超えたところで追従することなく限界ラインBLの位置を先頭として留まることとなる。また、先予告演出が実行されている遊技回において連続演出の実行対応期間が経過した場合には、その時点で当該遊技回の先予告演出が終了されて、魚キャラクタCH1は表示されている位置において非表示とされる。
一方、ステップS2503にて肯定判定をした場合、すなわち今回の連続演出が最終演出である場合には、ステップS2514にて最終演出制御処理を実行した後に、本連続演出制御処理を終了する。図62は、最終演出制御処理を示すフローチャートである。
まずステップS2601にて、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされている場合には最終演出において利用するための1フレーム分の画像の撮像が完了していることを意味する。この場合、ステップS2602にて撮像完了フラグを「0」クリアする。
続くステップS2603では、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1704と同様に、手データの抽出処理を実行する。その後、ステップS2604にて手データの抽出が完了したか否かを判定する。手データの抽出が完了している場合には、ステップS2605にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1707と同様に、高さ位置グループに対応した操作有効範囲の設定処理を実行するとともに、ステップS2606にて、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1708と同様に、距離データに応じた位置補正処理を実行する。
その後、ステップS2607にて、遊技者により流し操作が行われたか否かを判定する。流し操作とは、窓パネル22よりもパチンコ機10前方において魚群演出に際して魚キャラクタCH1が移動する方向に手を移動させる操作のことである。この移動距離は、図柄表示装置61の表示面において魚キャラクタCH1の移動方向の寸法以上、すなわち横方向の寸法以上として設定されている。したがって、流し操作が行われたか否かの判定に際しては手が横方向に所定の距離以上移動したか否かが判定されるため、撮像用基板71における複数回の撮像結果を利用して流し操作が行われたか否かが判定される。音光側RAM95では、撮像用基板71の撮像結果から抽出した手の横方向の位置情報を複数回の撮像処理分記憶することが可能となっており、それら複数回分の位置情報に基づいて流し操作が行われたか否かが判定される。
最終演出が開始された場合、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像には先予告演出の場合と同様に図柄表示装置61の表示面の全体に対応する範囲が操作有効範囲として設定されるが、当該操作有効範囲に手の画像部分の一部が含まれた状態で上記操作が行われることで流し操作が行われたと判定される。但し、これに限定されることはなく手の画像部分の50%といったように所定の割合以上が含まれた状態で上記操作が行われることで流し操作が行われたと判定される構成としてもよく、手の画像部分の全体が含まれた状態で上記操作が行われることで流し操作が行われたと判定される構成としてもよい。ちなみに、最終演出が発生した場合、流し操作を行って魚キャラクタCH1が移動先側の端部まで流れた場合には大当たり結果が発生する期待度が高い旨の説明が図柄表示装置61にて行われる構成となっている。
ステップS2607にて肯定判定をした場合には、ステップS2608にて音光側RAM95の完結演出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ステップS2608にて肯定判定をした場合には、ステップS2609にて完結演出用の各種データを読み出す。完結演出用の各種データには、完結演出用の発光データ及び音出力データが含まれている。これらデータがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において完結演出用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から完結演出用のパターンに対応した音が出力される。また、ステップS2609では、完結演出用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、完結演出が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS2608にて否定判定をした場合には、ステップS2610にて未完演出用の各種データを読み出す。未完演出用の各種データには、未完演出用の発光データ及び音出力データが含まれている。これらデータがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において未完演出用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から未完演出用のパターンに対応した音が出力される。また、ステップS2610では、未完演出用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、未完演出が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。
ステップS2609又はステップS2610の処理を実行した場合、ステップS2611にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ、連続演出フラグ及び完結演出フラグの全てを「0」クリアする。その後、本最終演出制御処理を終了する。
一方、ステップS2601にて否定判定をした場合、ステップS2604にて否定判定をした場合、又はステップS2607にて否定判定をした場合には、ステップS2612にて最終演出の実行対応期間が経過したか否かを判定する。最終演出の実行対応期間は、最終演出の実行対象の遊技回が開始された場合に計測が開始される。最終演出の実行対応期間は任意であるが、例えば10secに設定されている。
ステップS2612にて否定判定をした場合には、そのまま本最終演出制御処理を終了する。ステップS2612にて肯定判定をした場合には、ステップS2611にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ、連続演出フラグ及び完結演出フラグの全てを「0」クリアした後に、本最終演出制御処理を終了する。この場合、完結演出フラグに「1」がセットされているか否かに関係なく、図柄表示装置61において魚キャラクタCH1は出現元側の端部から表示面の外部に引っ込んだ様子を示す画像が表示される。
以上のとおり、連続演出が実行されることにより、複数の遊技回に亘って同一の演出が繰り返されることを通じて大当たり結果の発生への期待感を好適に高めることが可能となる。この場合に、先予告演出が実行されている場合には、遊技者が先予告演出用に出した手に対応する位置まで魚キャラクタCH1が出現する。これにより、遊技者の操作に応じた態様で先予告演出を行うことが可能となるとともに先予告演出の態様を多様化することが可能となり、先予告演出が複数の遊技回に亘って連続して発生するとしても先予告演出に飽きさせないようにすることが可能となる。
先予告演出に際しては遊技者の操作に応じた位置まで魚キャラクタCH1が出現するとしても、それは図柄表示装置61の表示面における魚キャラクタCH1の移動方向の途中位置に設定された限界ラインBLを限界として行われる。これにより、先予告演出が実行されている状況で魚キャラクタCH1が移動先側の端部まで流れてしまわないようにすることが可能となり、上記のように操作に応じた位置に魚キャラクタCH1を出現させることを可能としながら、完結演出が実際には行われていないにも関わらず当該完結演出が実行されたと遊技者が誤認してしまわないようにすることが可能となる。
最終演出として完結演出が実行される場合、遊技者が流し操作を行ったことを条件として、当該完結演出が実行される。これにより、魚キャラクタCH1を移動先側の端部まで流す演出を遊技者自身の操作によって発生させたと遊技者に思わせることが可能となり、完結演出が実行された場合の優越感を高めることが可能となる。
連続演出が実行されている場合にいずれの遊技回が最終演出の実行対象であるかを遊技者が認識不可である構成において、先予告演出及び最終演出のいずれが実行されている状況であっても図柄表示装置61では流し操作を行うべきことが報知される。これにより、連続演出が実行されている状況では各遊技回において完結演出が発生することを期待させながら流し操作を行わせることが可能となる。この場合に、先予告演出では、遊技者の流し操作に応じて魚キャラクタCH1が移動先側の端部に向けて移動することとなるが、既に説明したとおり当該移動方向の途中位置に限界ラインBLが設定されていることにより、流し操作を行っている途中までは完結演出の発生を遊技者に期待させながら、完結演出とは異なることを明確に認識させることが可能となる。
各遊技回の連続演出の実行対応期間においては遊技者の手が図柄表示装置61の表示面における魚キャラクタCH1の出現元側の端部よりも外方に配置されているとしても、魚キャラクタCH1は初期ラインILよりも引っ込んだ状態とはならない。これにより、連続演出の実行対応期間であることの報知は、遊技者の操作態様に関係なく維持させることが可能となる。
連続演出制御処理では、抽出した手データが他の演出制御処理において設定されている参照対象距離以上に対応しているか否かの判定を行わない。魚キャラクタCH1を移動させるための操作は、第1告知演出用操作、第2告知演出用操作、分割演出用操作及び停止操作といった所定の位置を目標としてパチンコ機10前面に向けて手を差し出す操作とは異なり、横方向に手を移動させる操作である。当該操作は、窓パネル22の表面22aの手前にて行われる場合だけでなく、表面22aからパチンコ機10前方に離れた位置にて行われる場合も想定される。したがって、上記のように参照対象距離以上であるか否かの判定を行わないようにすることで、連続演出に際しての操作を漏れなく把握することが可能となる。
<対決演出>
次に、対決演出の内容及び対決演出の実行を可能とするための制御内容について説明する。
対決演出は、対決結果の判定タイミングでパチンコ機10にて表示される出現対象結果に対して遊技者が提示した選択対象結果が勝利結果である場合にその後に勝利側の演出を実行し、引き分け結果又は敗北結果である場合にその後に非勝利側の演出を実行する演出である。対決演出は、遊技回用の演出の一種として設定されており、図柄表示装置61の全図柄列Z1〜Z3において図柄の変動表示が行われている状況における予告演出として実行され得るとともに、上図柄列Z1及び下図柄列Z3において図柄の変動表示が停止されてリーチ表示が行われている状況におけるリーチ演出として実行され得る。対決演出が実行された場合、対決結果の判定タイミング以降における演出の実行内容が勝利結果対応の内容及び非勝利結果対応の内容のいずれかに設定される。
対決演出として具体的には、図63の説明図に示すように、じゃんけんゲームが行われる。当該じゃんけんゲームが行われる場合、図柄表示装置61において対決相手キャラクタCH2が表示されるとともに結果領域WEが表示される。対決相手キャラクタCH2は、対決結果の判定タイミングでパチンコ機10側の出現対象結果として「グー」、「チョキ」、「パー」のいずれかを提示する。一方、結果領域WEには、対決結果の判定タイミングよりも前に遊技者が提示した選択対象結果(「グー」、「チョキ」、「パー」のいずれか)を表示する。図63(a)の場合には、対決相手キャラクタCH2が「グー」を出しているのに対して結果領域WEにも「グー」が表示されているため、非勝利結果となる。一方、図63(b)の場合には、対決相手キャラクタCH2が「パー」を出しているのに対して結果領域WEには「チョキ」が表示されているため、勝利結果となる。
次に、対決演出が開始されるようにするための対決演出設定処理について図64のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該対決演出設定処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
まずステップS2701では、音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。規制フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本対決演出設定処理を終了する。規制フラグは、既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、ステップS2701にて肯定判定をして対決演出設定処理をそのまま終了する構成とすることにより、撮像を正常に行えない状況において対決演出が実行されないようにすることが可能となる。
規制フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS2702にて第1対決演出の開始条件が成立しているか否かを判定する。第1対決演出は、図柄表示装置61の上図柄列Z1及び下図柄列Z3において図柄の変動表示が停止されてリーチ表示が行われている状況におけるリーチ演出として行われる。リーチ演出には、図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示が縮小される代わりに演出A用キャラクタを利用した動画演出が行われている状況で大当たり結果の発生が確定するプレミアム演出が発生するとともに最終的に大当たり結果となるプレミアム用のスペシャルリーチA演出と、図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示が縮小される代わりに演出A用キャラクタを利用した動画演出が行われるとともにプレミアム演出が発生することなく最終的に外れ結果となる外れ用のスペシャルリーチA演出とが存在している。これらプレミアム用のスペシャルリーチA演出及び外れ用のスペシャルリーチA演出は、第1対決演出以外の状況においても発生し得る演出である。また、プレミアム用のスペシャルリーチA演出及び外れ用のスペシャルリーチA演出は、図柄表示装置61の上図柄列Z1及び下図柄列Z3において図柄の変動表示が停止されて中図柄列Z2において図柄の変動表示が行われるノーマルリーチ演出が行われた後に行われる演出であり、これらプレミアム用のスペシャルリーチA演出及び外れ用のスペシャルリーチA演出の実行継続期間は同一となっている。第1対決演出において勝利結果となった場合にはプレミアム用のスペシャルリーチA演出が実行され、第1対決演出において非勝利結果となった場合には外れ用のスペシャルリーチA演出が実行される。
第1対決演出の開始条件は、音光側RAM95に遊技回用の演出のデータテーブルが読み出されている場合であって、そのデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポイントデータが第1対決演出の開始を示すデータに対応している場合に成立する。ステップS2702にて肯定判定をした場合には、ステップS2703にて、音光側RAM95に設けられた強制演出フラグに「1」をセットする。強制演出フラグは、対決演出として強制演出を実行すべきであることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。強制演出とは、対決演出に際して遊技者が選択する選択対象結果に関係なく、対決演出後における遊技回用の演出の内容が定まっている場合に発生する演出であり、勝利結果及び非勝利結果のいずれとなるのかが遊技者が選択する選択対象結果に関係なく定まっている演出である。
その後、ステップS2704にて、対決演出用の各種データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。対決演出用の各種データには、対決演出用の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において対決演出用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から対決演出用のパターンで音が出力される。さらにまた、ステップS2704では、対決演出用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて図63(a)及び図63(b)に示すような対決演出が行われるようにする。
その後、ステップS2705にて、音光側RAM95における対決演出に対応した撮像指令フラグに「1」をセットした後に、本対決演出設定処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
第1対決演出の開始条件が成立していない場合(ステップS2702:NO)には、ステップS2706にて第2対決演出の開始条件が成立しているか否かを判定する。第2対決演出は、図柄表示装置61の全図柄列Z1〜Z3において図柄の変動表示が行われている状況における予告演出として行われる。予告演出には、図柄表示装置61の表示面に多数の小さい泡が表示される小泡演出と、図柄表示装置61の表示面に多数の大きい泡が表示される大泡演出とが存在している。これら小泡演出及び大泡演出は、第2対決演出以外の状況においても発生し得る演出であり、第2対決演出以外の状況においては大泡演出が実行された場合の方が小泡演出が実行された場合よりもその後にリーチ表示となる期待度及び大当たり結果となる期待度が高くなるように出現頻度が設定されている。第2対決演出において勝利結果となった場合には大泡演出が実行され、第2対決演出において非勝利結果となった場合には小泡演出が実行される。
第2対決演出の開始条件は、音光側RAM95に遊技回用の演出のデータテーブルが読み出されている場合であって、そのデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが第2対決演出の開始を示すデータに対応している場合に成立する。
ステップS2706にて肯定判定をした場合には、ステップS2707にて出現対象の抽選処理を実行する。出現対象の抽選処理では、対決相手キャラクタCH2が表示する出現対象結果を抽選により決定する。具体的には、音光側RAM95において定期的に更新される出現対象用カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が「グー」、「チョキ」、「パー」のいずれに対応しているのかを判定する。この場合、「グー」が選択される確率、「チョキ」が選択される確率、及び「パー」が選択される確率はいずれも同一となっている。続くステップS2708では、ステップS2707における出現対象の抽選処理の結果を音光側RAM95に設けられた出現対象記憶エリア95fに格納する。
その後、ステップS2709にて、音光側RAM95に設けられた後出し可能フラグに「1」をセットし、ステップS2704にて、対決演出用の各種データを読み出し、ステップS2705にて、音光側RAM95における対応する撮像指令フラグに「1」をセットした後に、本対決演出設定処理を終了する。後出し可能フラグは、対決演出として後出し可能演出を実行すべきであることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。後出し可能演出とは、対決演出に際して遊技者が選択する選択対象結果に応じて対決演出後における遊技回用の演出の内容が変化し得る場合に発生する演出であり、さらにはパチンコ機10側の出現対象結果を確認した後に遊技者による選択対象結果の選択を可能とする期間が担保された演出である。
第2対決演出の開始条件が成立していない場合(ステップS2706:NO)には、ステップS2710にて第3対決演出の開始条件が成立しているか否かを判定する。第3対決演出は、図柄表示装置61の上図柄列Z1及び下図柄列Z3において図柄の変動表示が停止されてリーチ表示が行われている状況におけるリーチ演出として行われる。リーチ演出には、図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示が縮小される代わりに演出B用キャラクタを利用した動画演出が行われている状況で大当たり結果の発生が確定するプレミアム演出が発生するとともに最終的に大当たり結果となるプレミアム用のスペシャルリーチB演出と、図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示が縮小される代わりに演出B用キャラクタを利用した動画演出が行われるとともにプレミアム演出が発生することなく最終的に大当たり結果となる大当たり用のスペシャルリーチB演出と、図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示が縮小される代わりに演出B用キャラクタを利用した動画演出が行われるとともに最終的に外れ結果となる外れ用のスペシャルリーチB演出と、が存在している。これらプレミアム用のスペシャルリーチB演出及び大当たり用のスペシャルリーチB演出は、第3対決演出以外の状況においても発生し得る演出である。また、プレミアム用のスペシャルリーチB演出及び大当たり用のスペシャルリーチB演出は、図柄表示装置61の上図柄列Z1及び下図柄列Z3において図柄の変動表示が停止されて中図柄列Z2において図柄の変動表示が行われるノーマルリーチ演出が行われた後に行われる演出であり、これらプレミアム用のスペシャルリーチB演出及び大当たり用のスペシャルリーチB演出の実行継続期間は同一となっている。第3対決演出において勝利結果となった場合にはプレミアム用のスペシャルリーチB演出が実行され、第3対決演出において非勝利結果となった場合には大当たり用のスペシャルリーチB演出が実行される。
第3対決演出の開始条件は、音光側RAM95に遊技回用の演出のデータテーブルが読み出されている場合であって、そのデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポイントデータが第3対決演出の開始を示すデータに対応している場合に成立する。
ステップS2710にて否定判定をした場合にはそのまま本対決演出設定処理を終了し、ステップS2710にて肯定判定をした場合にはステップS2711に進む。ステップS2711では、後出し可否の抽選処理を実行する。
後出し可否の抽選処理では、今回の対決演出として、上述した後出し可能演出を実行するか、後出し不可演出を実行するかを決定する。後出し不可演出とは、対決演出に際して遊技者が選択する選択対象結果に応じて対決演出後における遊技回用の演出の内容が変化し得る場合に発生する演出であり、さらにはパチンコ機10側の出現対象結果を確認した後に遊技者による選択対象結果の選択を可能とする期間が担保されていない演出である。後出し可否の抽選処理では、音光側RAM95において定期的に更新される後出し可否用カウンタの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報が後出し可能演出に対応しているのか否かを判定する。この場合、1/3の確率で後出し可能演出が選択され、2/3の確率で後出し不可演出が選択される。
ステップS2712では、ステップS2711における後出し可否の抽選処理にて後出し可能演出が選択されたか否かを判定する。ステップS2712にて肯定判定をした場合にはステップS2707に進み、対決演出として後出し可能演出が実行されるようにするための処理を実行する。ステップS2712にて否定判定をした場合には、ステップS2713にて出現対象の抽選処理を実行し、ステップS2714にてその抽選結果を音光側RAM95に記憶する。これらステップS2713及びステップS2714の処理内容は、ステップS2707及びステップS2708と同一である。
その後、ステップS2715にて、音光側RAM95に設けられた後出し不可フラグに「1」をセットし、ステップS2704にて、対決演出用の各種データを読み出し、ステップS2705にて、音光側RAM95における対応する撮像指令フラグに「1」をセットした後に、本対決演出設定処理を終了する。後出し不可フラグは対決演出として後出し不可演出を実行すべきであることを音光側MPU93にて特定するためのフラグである。
なお、強制演出、後出し可能演出及び後出し不可演出のいずれが実行される場合であっても、対決演出の実行期間中の表示発光部23、スピーカ部24及び図柄表示装置61における演出内容は共通の内容となる。したがって、対決演出の演出内容を遊技者が視認したとしても、強制演出、後出し可能演出及び後出し不可演出のいずれが実行されているかを識別することができない。
<強制演出>
次に、対決演出のうち強制演出において撮像用基板71の撮像結果を利用するための制御を実行する強制演出制御処理について、図65のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該強制演出制御処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
音光側RAM95の強制演出フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2801:YES)、ステップS2802にて、音光側RAM95に読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが第1確認期間中であることを示すデータに対応しているか否かを判定する。
強制演出では、図66のタイムチャートに示すように、t1のタイミングで強制演出が開始された場合、図66(b)に示すように、図柄表示装置61において、対決演出が開始されること及び対決演出で遊技者が勝利することで勝利対応の演出が発生すること等が説明される説明期間が開始される。当該説明期間がt2のタイミングで終了すると、図66(c)に示すように、「じゃんけん」という表示が行われる勝負前期間がt2のタイミング〜t4のタイミングに亘って行われ、「ポン」という表示が行われる勝負判定期間がt4のタイミング〜t5のタイミングに亘って行われる。この勝負判定期間が終了する場合に、パチンコ機10側の出現対象結果及び遊技者側の選択対象結果の両方が図柄表示装置61において表示され、t6のタイミングで対決演出が終了される。このうち、勝負前期間の途中のタイミングであるt3のタイミングから勝負判定期間の終了タイミングであるt5のタイミングまでが第1確認期間として設定されている。当該第1確認期間の長さは任意であるが、本パチンコ機10では2secに設定されている。
ステップS2802にて肯定判定をした場合には、ステップS2803にて、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本強制演出制御処理を終了し、撮像完了フラグに「1」がセットされている場合には強制演出において利用するための1フレーム分の画像の撮像が完了していることを意味する。この場合、ステップS2804にて撮像完了フラグを「0」クリアする。
続くステップS2805では、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1704と同様に、手データの抽出処理を実行する。対決演出が実行される場合、音光側RAM95の距離画像記憶エリア95aに格納されている距離データに基づく1フレーム分の画像には図柄表示装置61の表示面の全体に対応する範囲が操作有効範囲として設定され、ステップS2805では、当該操作有効範囲に全体が含まれている手の画像部分を抽出する。なお、当該手データの抽出処理の内容は、後述するステップS2905及びステップS3005の場合も同様である。その後、ステップS2806にて手データの抽出が完了したか否かを判定する。手データの抽出が完了している場合には、ステップS2807にて選択対象の照合処理を実行する。
選択対象の照合処理では、ステップS2805にて抽出した手データが遊技者の選択対象である「グー」、「チョキ」、「パー」のいずれに該当しているのかを照合する。この場合、抽出された手データが「グー」の手の形状として90%以上一致している場合には選択対象が「グー」であると特定し、抽出された手データが「チョキ」の手の形状として90%以上一致している場合には選択対象が「チョキ」であると特定し、抽出された手データが「パー」の手の形状として90%以上一致している場合には選択対象が「パー」であると特定する。その後、ステップS2808にて選択対象の抽出が完了したか否かを判定する。選択対象の抽出が完了していない場合には、そのまま本強制演出制御処理を終了する。選択対象の抽出が完了している場合には、ステップS2809にて、音光側RAM95に設けられた選択対象記憶エリア95gに今回抽出した選択対象データを上書きした後に、本強制演出制御処理を終了する。なお、選択対象記憶エリア95gは、対決演出が終了する場合に初期化されて選択対象データが記憶されていない状態にされる。
一方、第1確認期間ではない場合にはステップS2802にて否定判定をしてステップS2810に進む。ステップS2810では、音光側RAM95に読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが強制演出の第1確認期間が経過したことを示すデータに対応しているか否かを判定する。ステップS2810にて否定判定をした場合にはそのまま本強制演出制御処理を終了し、ステップS2810にて肯定判定をした場合にはステップS2811に進む。
ステップS2811では、音光側RAM95の選択対象記憶エリア95gに選択対象データが記憶されているか否かを判定する。選択対象データが記憶されている場合には、ステップS2812にて選択対象データの設定処理を実行する。選択対象データの設定処理では、選択対象記憶エリア95gに記憶されている選択対象データを読み出し、その読み出した選択対象データに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61の結果領域WEにて現状記憶されている選択対象データに対応した選択対象結果が表示されるようにする。
つまり、図柄表示装置61の結果領域WEには、抽出した手データの画像がそのまま表示されるのではなく、表示制御装置96のキャラクタ用のROMに予め記憶されている選択対象結果の画像データが読み出され、その読み出された画像データに対応した画像が選択対象結果の画像として表示される。当該画像データには、「グー」の画像を表示するための画像データと、「チョキ」の画像を表示するための画像データと、「パー」の画像を表示するための画像データとが含まれている。このように抽出した手データの画像がそのまま表示されるのではなく、選択対象結果のそれぞれに対応させて予め設定された画像データに基づく画像が表示される構成とすることで、撮像用基板71において撮像された1フレーム分の画像の精度に関係なく、パチンコ機10において特定された遊技者の選択対象結果を明確に示すことが可能となる。
その後、ステップS2813にて、今回の遊技回において勝利結果対応の演出が実行されるか否かを判定する。既に説明したとおり、強制演出は第1対決演出として実行され、第1対決演出においては勝利結果となった場合にはプレミアム用のスペシャルリーチA演出が実行され、非勝利結果となった場合には外れ用のスペシャルリーチA演出が実行される。そして、プレミアム用のスペシャルリーチA演出及び外れ用のスペシャルリーチA演出のうちいずれが実行されるかは、遊技回用の演出が開始される場合に主側コマンド対応処理(図15)にて今回の遊技回の表示継続時間に基づいて決定される。したがって、強制演出が開始された場合には勝利結果及び非勝利結果のいずれが発生するのかは既に決まっている。ステップS2813では、音光側RAM95に読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルを参照することで今回の遊技回においてプレミアム用のスペシャルリーチA演出が実行されるか否かを判定することで、勝利結果に対応しているか否かを判定する。
ステップS2813にて肯定判定をした場合には、ステップS2814にて勝利対応の出現対象データの設定処理を実行する。具体的には、選択対象記憶エリア95gから今回の選択対象データを読み出し、その選択対象データが勝利結果となる出現対象データを選択する。そして、その出現対象データに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61の対決相手キャラクタCH2にて今回の出現対象データに対応した出現対象結果が表示されるようにする。なお、図柄表示装置61の結果領域WEにおける選択対象結果の表示と、対決相手キャラクタCH2における出現対象結果の表示とは同時に行われる。
また、ステップS2814では、選択対象結果の表示と出現対象結果の表示とが所定期間に亘って行われた後に、対決演出で遊技者が勝利したことを示す演出が行われるようにするための発光データ及び音出力データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これらデータがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において勝利用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から勝利用のパターンに対応した音が出力される。また、表示制御装置96は、出現対象データに対応した表示コマンドを受信した場合、結果表示が行われた後に勝利したことを示す表示演出が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。なお、これら勝利用の演出が終了した後に、プレミアム用のスペシャルリーチA演出が開始される。当該プレミアム用のスペシャルリーチA演出を実行すべきことを示すデータは、当該遊技回の開始時において遊技回用の演出のデータテーブルに設定されている。
ステップS2813にて否定判定をした場合には、ステップS2815にて非勝利対応の出現対象データの設定処理を実行する。具体的には、選択対象記憶エリア95gから今回の選択対象データを読み出し、その選択対象データが非勝利結果となる出現対象データを選択する。この場合、選択対象データが敗北となる結果を選択するか、引き分けとなる結果を選択するかは抽選により決定される。そして、その出現対象データに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61の対決相手キャラクタCH2にて今回の出現対象データに対応した出現対象結果が表示されるようにする。なお、図柄表示装置61の結果領域WEにおける選択対象結果の表示と、対決相手キャラクタCH2における出現対象結果の表示とは同時に行われる。
また、ステップS2815では、選択対象結果の表示と出現対象結果の表示とが所定期間に亘って行われた後に、対決演出で遊技者が勝利しなかったことを示す演出が行われるようにするための発光データ及び音出力データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これらデータがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において非勝利用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から非勝利用のパターンに対応した音が出力される。また、表示制御装置96は、出現対象データに対応した表示コマンドを受信した場合、結果表示が行われた後に勝利しなかったことを示す表示演出が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。なお、これら非勝利用の演出が終了した後に、外れ用のスペシャルリーチA演出が開始される。当該外れ用のスペシャルリーチA演出を実行すべきことを示すデータは、当該遊技回の開始時において遊技回用の演出のデータテーブルに設定されている。
ステップS2814の処理を実行した場合、又はステップS2815の処理を実行した場合には、ステップS2816にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び強制演出フラグの両方を「0」クリアした後に、本強制演出制御処理を終了する。
一方、選択対象記憶エリア95gに選択対象データが記憶されておらずステップS2811にて否定判定をした場合には、ステップS2817にて対決回避の設定処理を実行する。当該設定処理では、対決回避に対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、最終的に対決が行われなかったことを示す表示が図柄表示装置61において行われるようにする。その後、ステップS2816にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び強制演出フラグの両方を「0」クリアした後に、本強制演出制御処理を終了する。
次に、図67のタイムチャートを参照しながら、強制演出が実行される様子について説明する。図67(a)は強制演出の実行期間を示し、図67(b)は第1確認期間を示し、図67(c)は選択対象の記憶処理が実行されるタイミングを示し、図67(d)は出現対象結果が選択されるタイミングを示し、図67(e)は結果表示の実行期間を示す。
t1のタイミングで図67(a)に示すように強制演出が開始され、t2のタイミングで図67(b)に示すように第1確認期間が開始される。当該第1確認期間はt7のタイミングまで継続するが、この期間において図67(c)に示すようにt3のタイミング、t4のタイミング、t5のタイミング及びt6のタイミングのそれぞれで選択対象の記憶処理が実行される。つまり、第1確認期間では、選択対象結果を抽出可能な手データが撮像用基板71において撮像される度に、その際の手データに対応した選択対象データが選択対象記憶エリア95gに上書きされる。これにより、勝負判定期間において遊技者の手から選択対象データを抽出できなかったとしても、その前までに記憶しておいた選択対象データを利用して選択対象結果の表示を行うことが可能となる。
その後、t7のタイミングで図67(b)に示すように第1確認期間が終了することで、図67(d)に示すように、最終的な選択対象データに対応した出現対象データが選択される。そして、図67(e)に示すようにt8のタイミングからt9のタイミングに亘って結果表示が行われ、当該t9のタイミングで図67(a)に示すように強制演出が終了される。
<後出し可能演出>
次に、対決演出のうち後出し可能演出において撮像用基板71の撮像結果を利用するための制御を実行する後出し可能制御処理について、図68のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該後出し可能制御処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
音光側RAM95の後出し可能フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2901:YES)、ステップS2902にて、音光側RAM95に読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが第2確認期間中であることを示すデータに対応しているか否かを判定する。
後出し可能演出では、図69のタイムチャートに示すように、t1のタイミングで後出し可能演出が開始された場合、図69(b)に示すように、図柄表示装置61において、対決演出が開始されること及び対決演出で遊技者が勝利することで勝利対応の演出が発生すること等が説明される説明期間が開始される。当該説明期間がt2のタイミングで終了されると、図69(c)に示すように、「じゃんけん」という表示が行われる勝負前期間がt2のタイミング〜t4のタイミングに亘って行われ、「ポン」という表示が行われる勝負判定期間がt4のタイミング〜t5のタイミングに亘って行われる。この勝負判定期間が終了する場合に、パチンコ機10側の出現対象結果が図柄表示装置61において表示され、勝負判定期間が終了した後であってt7のタイミングで対決演出が終了される前のタイミングであるt6のタイミングで遊技者側の選択対象結果が図柄表示装置61において表示される。このうち、勝負前期間の途中のタイミングであるt3のタイミングから勝負判定期間の経過後であって対決演出が終了されるよりも前のタイミングであるt6のタイミングまでが第2確認期間として設定されている。当該第2確認期間の長さは任意であるが、本パチンコ機10では3secに設定されている。
ステップS2902にて肯定判定をした場合には、ステップS2903にて、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされている場合には後出し可能演出において利用するための1フレーム分の画像の撮像が完了していることを意味する。この場合、ステップS2904にて撮像完了フラグを「0」クリアする。
続くステップS2905では、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1704と同様に、手データの抽出処理を実行する。その後、ステップS2906にて手データの抽出が完了したか否かを判定する。手データの抽出が完了している場合には、ステップS2907にて、強制演出制御処理(図65)のステップS2807と同様に、選択対象の照合処理を実行する。
その後、ステップS2908にて選択対象の抽出が完了したか否かを判定する。選択対象の抽出が完了している場合には、ステップS2909にて、音光側RAM95の選択対象記憶エリア95gに今回抽出した選択対象データを上書きする。
ステップS2903にて否定判定をした場合、ステップS2906にて否定判定をした場合、又はステップS2908にて否定判定をした場合には、ステップS2910にて、音光側RAM95に読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが出現対象結果の表示タイミングを示すデータに対応しているか否かを判定する。ステップS2910にて否定判定をした場合にはそのまま本後出し可能制御処理を終了し、ステップS2910にて肯定判定をした場合にはステップS2911にて出現対象データの設定処理を実行した後に本後出し可能制御処理を終了する。
出願対象データの設定処理では、対決演出設定処理(図64)のステップS2708にて音光側RAM95の出現対象記憶エリア95fに格納した出現対象データを読み出し、その出現対象データに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61の対決相手キャラクタCH2にて今回の出現対象データに対応した出現対象結果が表示されるようにする。なお、このタイミングでは遊技者の選択対象結果の選択が確定していないため、図柄表示装置61の結果領域Wにおける出現対象結果の表示は行われない。
一方、ステップS2902にて否定判定をした場合にはステップS2912に進む。ステップS2912では、音光側RAM95に読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが第2確認期間が経過したことを示すデータに対応しているか否かを判定する。ステップS2912にて否定判定をした場合にはそのまま本後出し可能制御処理を終了し、ステップS2912にて肯定判定をした場合にはステップS2913に進む。
ステップS2913では、音光側RAM95の選択対象記憶エリア95gに選択対象データが記憶されているか否かを判定する。選択対象データが記憶されている場合には、ステップS2914にて選択対象データの設定処理を実行する。選択対象データの設定処理では、選択対象記憶エリア95gに記憶されている選択対象データを読み出し、その読み出した選択対象データに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61の結果領域WEにて現状記憶されている選択対象データに対応した選択対象結果が表示されるようにする。なお、このタイミングでは、図柄表示装置61の対決相手キャラクタCH2における今回の出現対象データに対応した出現対象結果の表示が継続されている。
その後、ステップS2915にて、遊技者が今回選択した選択対象結果が、対決演出設定処理(図64)のステップS2708にて音光側RAM95の出現対象記憶エリア95fに格納されたデータに対応した出現対象結果に対して勝利結果及び非勝利結果のいずれとなるかを比較判定する。そして、ステップS2916にて、その比較判定結果が勝利結果であるか否かを判定する。
ステップS2916にて肯定判定をした場合には、ステップS2917にて、勝利側の各種データを読み出す。これら各種データには、対決演出で遊技者が勝利したことを示す演出が行われるようにするための発光データ及び音出力データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これらデータは、選択対象結果の表示と出現対象結果の表示とが所定期間に亘って行われた後に参照されるものであり、タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において勝利用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から勝利用のパターンに対応した音が出力される。また、ステップS2917では、遊技者が勝利したことに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、結果表示が行われた後に勝利したことを示す表示演出が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。
また、ステップS2917では、勝利用の演出の実行後における演出の実行を可能とするための設定を行う。具体的には、今回の後出し可能演出が第2対決演出である場合には上記勝利用の演出の後に大泡演出が実行されるようにするための設定を、音光側RAM95に現状読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルに対して行う。また、今回の後出し可能演出が第3対決演出である場合には上記勝利用の演出の後にプレミアム用のスペシャルリーチB演出が実行されるようにするための設定を、音光側RAM95に現状読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルに対して行う。これにより、第2対決演出であれば、今回の遊技回の開始時において泡演出の開始タイミングとして設定されていたタイミングで大泡演出が開始されるように各種データ設定が行われ、第3対決演出であれば、今回の遊技回の開始時においてスペシャルリーチB演出の開始タイミングとして設定されていたタイミングでプレミアム用のスペシャルリーチB演出が開始されるように各種データ設定が行われる。
ステップS2916にて否定判定をした場合には、ステップS2918にて、非勝利側の各種データを読み出す。これら各種データには、対決演出で遊技者が勝利しなかったことを示す演出が行われるようにするための発光データ及び音出力データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これらデータは、選択対象結果の表示と出現対象結果の表示とが所定期間に亘って行われた後に参照されるものであり、タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において非勝利用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から非勝利用のパターンに対応した音が出力される。また、ステップS2918では、遊技者が勝利しなかったことに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、結果表示が行われた後に勝利しなかったことを示す表示演出が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。
また、ステップS2918では、非勝利用の演出の実行後における演出の実行を可能とするための設定を行う。具体的には、今回の後出し可能演出が第2対決演出である場合には上記非勝利用の演出の後に小泡演出が実行されるようにするための設定を、音光側RAM95に現状読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルに対して行う。また、今回の後出し可能演出が第3対決演出である場合には上記非勝利用の演出の後に大当たり用のスペシャルリーチB演出が実行されるようにするための設定を、音光側RAM95に現状読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルに対して行う。これにより、第2対決演出であれば、今回の遊技回の開始時において泡演出の開始タイミングとして設定されていたタイミングで小泡演出が開始されるように各種データ設定が行われ、第3対決演出であれば、今回の遊技回の開始時においてスペシャルリーチB演出の開始タイミングとして設定されていたタイミングで大当たり用のスペシャルリーチB演出が開始されるように各種データ設定が行われる。
ステップS2917の処理を実行した場合、又はステップS2918の処理を実行した場合には、ステップS2919にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び後出し可能フラグの両方を「0」クリアした後に、本後出し可能制御処理を終了する。
一方、選択対象記憶エリア95gに選択対象データが記憶されておらずステップS2913にて否定判定をした場合には、ステップS2920にて対決回避の設定処理を実行する。当該設定処理では、対決回避に対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、最終的に対決が行われなかったことを示す表示が図柄表示装置61において行われるようにする。そして、対決演出の終了タイミングまで当該表示が行われた後に、非勝利用の演出の実行後における演出の実行を可能とするための設定を行う。具体的には、今回の後出し可能演出が第2対決演出である場合には対決回避の演出の後に小泡演出が実行されるようにするための設定を、音光側RAM95に現状読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルに対して行う。また、今回の後出し可能演出が第3対決演出である場合には対決回避の演出の後に大当たり用のスペシャルリーチB演出が実行されるようにするための設定を、音光側RAM95に現状読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルに対して行う。これにより、第2対決演出であれば、今回の遊技回の開始時において泡演出の開始タイミングとして設定されていたタイミングで小泡演出が開始されるように各種データ設定が行われ、第3対決演出であれば、今回の遊技回の開始時においてスペシャルリーチB演出の開始タイミングとして設定されていたタイミングで大当たり用のスペシャルリーチB演出が開始されるように各種データ設定が行われる。その後、ステップS2919にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び後出し可能フラグの両方を「0」クリアした後に、本後出し可能制御処理を終了する。
次に、図70のタイムチャートを参照しながら、後出し可能演出が実行される様子について説明する。図70(a)は後出し可能演出の実行期間を示し、図70(b)は第2確認期間を示し、図70(c)は出現対象結果の表示期間を示し、図70(d)は選択対象結果の表示期間を示し、図70(e−1)は勝利結果が発生した場合における対決演出後の演出の実行期間を示し、図70(e−2)は非勝利結果が発生した場合における対決演出後の演出の実行期間を示す。
t1のタイミングで図70(a)に示すように後出し可能演出が開始され、t2のタイミングで図70(b)に示すように第2確認期間が開始される。そして、当該第2確認期間が継続している途中のタイミングであるt3のタイミングで、図70(c)に示すように出現対象結果の表示が開始される。つまり、第2確認期間が経過する前に図柄表示装置61にて出現対象結果が表示されるため、遊技者は出現対象結果を確認した後に選択対象結果を選択して提示することが可能となる。すなわち、選択対象結果を出現対象結果の表示に対して後出しすることが可能となる。
その後、図70(b)に示すように第2確認期間が終了するタイミングであるt4のタイミングで、図70(d)に示すように選択対象結果の表示が開始される。そして、t5のタイミングで、図70(c)に示すように出現対象結果の表示が終了されるとともに、図70(d)に示すように選択対象結果の表示が終了される。
その後、t6のタイミングで、図70(a)に示すように後出し可能演出が終了されることにより、図70(e−1)に示すように勝利側の演出が開始される、又は図70(e−2)に示すように非勝利側の演出が開始される。そして、勝利側の演出又は非勝利側の演出は、t7のタイミングで終了される。この場合、勝利側の演出が実行される期間であるT1と、非勝利側の演出が実行される期間であるT2とは、同一の期間となっている。これにより、勝利側の演出及び非勝利側の演出のうちいずれが実行される場合であったとしても、遊技回用の表示継続期間が変動しないようにすることが可能となる。なお、対決回避の設定が行われる場合には非勝利結果となった場合と同様にt6のタイミングで非勝利側の演出が開始されてt7のタイミングで当該非勝利側の演出が終了されるため、遊技回用の表示継続時間が変動しない。
<後出し不可演出>
次に、対決演出のうち後出し不可演出において撮像用基板71の撮像結果を利用するための制御を実行する後出し不可制御処理について、図71のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該後出し不可制御処理は、タイマ割込み処理(図14)において操作演出制御処理(ステップS512)が1回実行される度に実行される。
音光側RAM95の後出し不可フラグに「1」がセットされている場合(ステップS3001:YES)、ステップS3002にて、音光側RAM95に読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが第1確認期間中であることを示すデータに対応しているか否かを判定する。第1確認期間は、強制演出制御処理(図65)の場合と同様である。
ステップS3002にて肯定判定をした場合には、ステップS3003にて、音光側RAM95の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。撮像完了フラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本後出し不可制御処理を終了する。撮像完了フラグに「1」がセットされている場合には後出し不可演出において利用するための1フレーム分の画像の撮像が完了していることを意味する。この場合、ステップS3004にて撮像完了フラグを「0」クリアする。
続くステップS3005では、第1告知演出制御処理(図39)のステップS1704と同様に、手データの抽出処理を実行する。その後、ステップS3006にて手データの抽出が完了したか否かを判定する。手データの抽出が完了していない場合にはそのまま本後出し不可制御処理を終了する。手データの抽出が完了している場合には、ステップS3007にて、強制演出制御処理(図65)のステップS2807と同様に、選択対象の照合処理を実行する。
その後、ステップS3008にて選択対象の抽出が完了したか否かを判定する。選択対象の抽出が完了していない場合にはそのまま本後出し不可制御処理を終了する。選択対象の抽出が完了している場合には、ステップS3009にて、音光側RAM95の選択対象記憶エリア95gに今回抽出した選択対象データを上書きした後に、本後出し不可制御処理を終了する。
一方、ステップS3002にて否定判定をした場合にはステップS3010に進む。ステップS3010では、音光側RAM95に読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが第1確認期間が経過したことを示すデータに対応しているか否かを判定する。ステップS3010にて否定判定をした場合にはそのまま本後出し不可制御処理を終了し、ステップS3010にて肯定判定をした場合にはステップS3011に進む。
ステップS3011では、音光側RAM95の選択対象記憶エリア95gに選択対象データが記憶されているか否かを判定する。選択対象データが記憶されている場合には、ステップS3012にて出現対象データ及び選択対象データの設定処理を実行する。当該設定処理では、対決演出設定処理(図64)のステップS2714にて音光側RAM95の出現対象記憶エリア95fに格納した出現対象データ、及びステップS3009にて音光側RAM95の選択対象記憶エリア95gに格納した選択対象データを読み出し、それら読み出した出現対象データ及び選択対象データに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61の対決相手キャラクタCH2にて今回の出現対象データに対応した出現対象結果が表示されるようにするとともに、図柄表示装置61の結果領域WEにて現状記憶されている選択対象データに対応した選択対象結果が表示されるようにする。
その後、ステップS3013にて、遊技者が今回選択した選択対象結果が、対決演出設定処理(図64)のステップS2714にて音光側RAM95の出現対象記憶エリア95fに格納されたデータに対応した出現対象結果に対して勝利結果及び非勝利結果のいずれとなるかを比較判定する。そして、ステップS3014にて、その比較判定結果が勝利結果であるか否かを判定する。
ステップS3014にて肯定判定をした場合には、ステップS3015にて、勝利側の各種データを読み出す。これら各種データには、対決演出で遊技者が勝利したことを示す演出が行われるようにするための発光データ及び音出力データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これらデータは、選択対象結果の表示と出現対象結果の表示とが所定期間に亘って行われた後に参照されるものであり、タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において勝利用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から勝利用のパターンに対応した音が出力される。また、ステップS3015では、遊技者が勝利したことに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、結果表示が行われた後に勝利したことを示す表示演出が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。
また、ステップS3015では、勝利用の演出の実行後における演出の実行を可能とするための設定を行う。具体的には、上記勝利用の演出の後にプレミアム用のスペシャルリーチB演出が実行されるようにするための設定を、音光側RAM95に現状読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルに対して行う。これにより、今回の遊技回の開始時においてスペシャルリーチB演出の開始タイミングとして設定されていたタイミングでプレミアム用のスペシャルリーチB演出が開始されるように各種データ設定が行われる。
ステップS3014にて否定判定をした場合には、ステップS3016にて、非勝利側の各種データを読み出す。これら各種データには、対決演出で遊技者が勝利しなかったことを示す演出が行われるようにするための発光データ及び音出力データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。これらデータは、選択対象結果の表示と出現対象結果の表示とが所定期間に亘って行われた後に参照されるものであり、タイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において非勝利用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から非勝利用のパターンに対応した音が出力される。また、ステップS3016では、遊技者が勝利しなかったことに対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信した場合、結果表示が行われた後に勝利しなかったことを示す表示演出が実行されるように図柄表示装置61を表示制御する。
また、ステップS3016では、非勝利用の演出の実行後における演出の実行を可能とするための設定を行う。具体的には、上記非勝利用の演出の後に大当たり用のスペシャルリーチB演出が実行されるようにするための設定を、音光側RAM95に現状読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルに対して行う。これにより、今回の遊技回の開始時においてスペシャルリーチB演出の開始タイミングとして設定されていたタイミングで大当たり用のスペシャルリーチB演出が開始されるように各種データ設定が行われる。
ステップS3015の処理を実行した場合、又はステップS3016の処理を実行した場合には、ステップS3017にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び後出し可能フラグの両方を「0」クリアした後に、本後出し不可制御処理を終了する。
一方、選択対象記憶エリア95gに選択対象データが記憶されておらずステップS3011にて否定判定をした場合には、ステップS3018にて対決回避の設定処理を実行する。当該設定処理では、対決回避に対応した表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、最終的に対決が行われなかったことを示す表示が図柄表示装置61において行われるようにする。そして、対決演出の終了タイミングまで当該表示が行われた後に、非勝利用の演出の実行後における演出の実行を可能とするための設定を行う。具体的には、対決回避の演出の後に大当たり用のスペシャルリーチB演出が実行されるようにするための設定を、音光側RAM95に現状読み出されている遊技回用の演出のデータテーブルに対して行う。これにより、今回の遊技回の開始時においてスペシャルリーチB演出の開始タイミングとして設定されていたタイミングで大当たり用のスペシャルリーチB演出が開始されるように各種データ設定が行われる。その後、ステップS3017にて、音光側RAM95の対応する撮像指令フラグ及び後出し可能フラグの両方を「0」クリアした後に、本後出し不可制御処理を終了する。
次に、図72のタイムチャートを参照しながら、後出し不可演出が実行される様子について説明する。図72(a)は後出し不可演出の実行期間を示し、図72(b)は第1確認期間を示し、図72(c)は出現対象結果の表示期間を示し、図72(d)は選択対象結果の表示期間を示し、図72(e−1)は勝利結果が発生した場合における対決演出後の演出の実行期間を示し、図72(e−2)は非勝利結果が発生した場合における対決演出後の演出の実行期間を示す。
t1のタイミングで図72(a)に示すように後出し不可演出が開始され、t2のタイミングで図72(b)に示すように第1確認期間が開始される。そして、当該第1確認期間が終了したタイミングであるt3のタイミングで、図72(c)に示すように出現対象結果の表示が開始されるとともに、図72(d)に示すように選択対象結果の表示が開始される。
その後、t4のタイミングで、図72(c)に示すように出現対象結果の表示が終了されるとともに、図72(d)に示すように選択対象結果の表示が終了される。その後、t5のタイミングで、図72(a)に示すように後出し不可演出が終了されることにより、図72(e−1)に示すように勝利側の演出が開始される、又は図72(e−2)に示すように非勝利側の演出が開始される。そして、勝利側の演出又は非勝利側の演出は、t6のタイミングで終了される。この場合、勝利側の演出が実行される期間であるT1と、非勝利側の演出が実行される期間であるT2とは、同一の期間となっている。これにより、勝利側の演出及び非勝利側の演出のうちいずれが実行される場合であったとしても、遊技回用の演出が変動しないようにすることが可能となる。なお、対決回避の設定が行われる場合には非勝利結果となった場合と同様にt56のタイミングで非勝利側の演出が開始されてt6のタイミングで当該非勝利側の演出が終了されるため、遊技回用の表示継続時間が変動しない。
以上のとおり、対決演出が実行されることにより、図柄表示装置61にて表示される対決相手キャラクタCH2との間で行われた対決結果に応じてその後に行われる演出の内容が相違することとなる。これにより、対決演出として自身が選択した結果に応じてその後の演出内容が変化したと遊技者が認識することが期待され、遊技に積極的に参加しているという印象を与えることが可能となり、遊技の興趣向上が図られる。
以上詳述した実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
撮像装置73における撮像結果に基づき導出された距離データを利用して各種演出用の処理や各種監視用の処理が実行される構成であるため、非接触式で認識した遊技者の動作や遊技者の様子を各種演出や各種監視に利用することが可能となる。
信号処理回路75においては撮像装置73にて受光した撮像信号の強度が基準強度未満である場合には距離データの演算処理を実行しない。これにより、ノイズなどに起因した距離データが音光側MPU93において利用されないようにすることが可能となる。
音光側MPU93は撮像用基板71にて導出された距離データが窓パネル22の表面よりも撮像用基板71側の距離に対応している場合には、キャンセル用監視処理を実行する場合を除き、その距離データをキャンセル対象の距離データとして扱い距離画像記憶エリア95aに対してブランクエリアの設定を行う。これにより、窓パネル22の表面よりも撮像用基板71側の物が演出操作の発生として認識されてしまわないようにすることが可能となる。
また、キャンセル対象の距離データが含まれる1フレーム分の画像Gの全てを無効化するのではなく、当該1フレーム分の画像Gにおけるキャンセル対象の距離データに対応した部分のみを無効化する構成であるため、各種処理において利用するための1フレーム分の画像Gの取得を早期に行うことが可能となる。
一方、キャンセル用監視処理を実行する場合には、撮像用基板71にて導出された距離データが窓パネル22の表面よりも撮像用基板71側の距離に対応している場合であっても、その距離データをキャンセル対象の距離データとして扱わずにブランクエリアの設定は行われない。これにより、キャンセル用監視処理において、遊技領域PAにおいて球詰まりが発生しているか否かの監視や、遊技領域PA内に不正用治具が挿入されているか否かの監視を行うことが可能となる。
また、上記のように信号処理回路75においてノイズなどに起因した距離データの導出を阻止するとともに、音光側MPU93において窓パネル22の表面よりも撮像用基板71側の距離データに対してブランクエリアの設定を行うことにより、全てのキャンセル対象の除外を信号処理回路75において行う構成に比べ、音光側MPU93において上記キャンセル用監視処理を実行することが可能となり、全てのキャンセル対象の除外が音光側MPU93において行われる構成に比べ音光側MPU93の処理負荷の軽減が図られる。
モノクロ画像やカラー画像を撮像するのではなく距離データを導出する構成であるため、窓パネル22といった距離計測基準からの距離との関係でキャンセル対象のデータであるか否かの特定などを行うことが可能となる。
窓パネル22よりも撮像用基板71側に対応する距離データが継続して存在している場合には撮像用基板71にて導出された距離データが演出用などとして利用されないように規制される。これにより、距離データの導出に関して何らかの異常が発生しているにも関わらず当該距離データが演出などで利用されてしまわないようにすることが可能となる。
また、窓パネル22の表面22aよりも僅かにパチンコ機10前方に存在する位置よりも撮像用基板71側に対応する距離データが継続して存在している場合にも、撮像用基板71にて導出された距離データが演出用などとして利用されないように規制される。これにより、窓パネル22に指紋や異物が付着している場合に、これら指紋や異物に対応した距離データが演出などにて利用されてしまわないようにすることが可能となる。
窓パネル22の表面22aよりも僅かにパチンコ機10前方に存在する位置よりも撮像用基板71側に対応する距離データが継続して存在している場合には、異常報知が実行される。これにより、窓パネル22の表面22aに指紋や異物が付着しているか否かの確認や、遊技領域PA内に不正用治具が挿入されていないか否かの確認や、遊技領域PA内における球詰まりなどが発生していないか否かの確認などを行うように、遊技ホールの管理者などに促すことが可能となる。
窓パネル22よりも撮像用基板71側に対応する距離データが存在している状況が、撮像用基板71による監視範囲を遊技球が通過するのに要する期間として想定される最長期間よりも長い期間に亘って継続した場合に、上記のような距離データの利用規制や異常報知が実行される。これにより、遊技領域PAを流下する遊技球が監視範囲を通過した場合に上記のような距離データの利用規制や異常報知が実行されてしまうことを阻止することが可能となる。
音光側MPU93には基準スイッチ91aが電気的に接続されており、当該基準スイッチ91aの状態に応じて撮像装置73における受光結果に基づく距離データの導出態様及び導出された距離データの利用態様が変更される。これにより、撮像装置73の監視範囲の環境に応じて距離データを適切に利用することが可能となる。
基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合とOFF位置に配置されている場合とで、撮像装置73にて受光した撮像信号を距離データの導出対象とするか否かの基準となる信号強度が変更される。これにより、撮像装置73の監視範囲の環境に応じて距離データの精度を調整することが可能となり、例えば窓パネル22に電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられていない場合には距離データの精度を高め、電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられている場合にはその状況であっても窓パネル22よりもパチンコ機10前方に存在している監視対象の距離データを導出することを可能としている。
また、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には、窓パネル22よりも撮像用基板71側に存在している物からの受光に基づく距離データが信号処理回路75から音光側MPU93に送信されない。これにより、例えば窓パネル22の裏面に電波ゴト防止用シートPSが貼り付けられている場合に当該電波ゴト防止用シートPS自体の距離データが音光側MPU93にて利用されてしまわないようにすることが可能となる。
上記のような距離データの導出態様の変更が基準スイッチ91aの操作によって行われる。これにより、距離データの導出態様をいずれにするのかを遊技ホール側において決定することが可能となる。
基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には、操作有効範囲EAの設定態様が制限態様とされる。具体的には、分割演出に際しては分割表示が行われずに選択表示が行われ、停止操作演出に際しては複数列表示が行われずに単一列表示が行われる。これにより、距離データの導出に関して制限が与えられるとともに距離データの精度が低下する場合であっても撮像用基板71の距離データを利用した演出の実行を可能としながら、当該精度の低下に合わせて操作有効範囲EAの数が少なくなることで遊技者の演出操作の誤認識が発生する可能性を低減することが可能となる。
音光側MPU93は高さ位置監視処理を実行することによりパチンコ機10の前方に設けられた椅子に着席している遊技者の顔の高さ位置を把握し、第1告知演出制御処理、第2告知演出制御処理、分割演出制御処理、停止操作演出制御処理及び連続演出制御処理では、当該高さ位置に対応した位置に操作有効範囲が設定される。これにより、遊技者によって顔の高さ位置が異なることに起因して演出操作を行うべく差し出す手の角度が相違することで窓パネル22よりもパチンコ機10前方において認識される遊技者の手の高さ位置が異なるものとなる構成であっても、各演出操作を適切に認識することが可能となる。
高さ位置監視処理では、撮像用基板71において導出された距離データを利用して高さ位置の把握が行われる。これにより、演出操作の有無を把握する構成をそのまま利用して高さ位置の把握を行うことが可能となる。また、演出操作の有無の特定が行われる場合の条件下で高さ位置の把握を行うことが可能となり、高さ位置を利用して操作有効範囲の位置を調整する効果が高められる。
高さ位置監視処理にて把握した顔の高さ位置の情報に基づき、演出操作を行っている手ではなく操作有効範囲の位置を調整する構成であるため、任意の位置に存在し得る遊技者の手データに応じた調整を行う必要がない。よって、当該調整を行う場合の処理負荷を低減することが可能となる。
図柄表示装置61において演出操作をすべき位置を示す選択用表示が行われる構成において、高さ位置監視処理にて把握した顔の高さ位置の情報に基づき、選択用表示ではなく操作有効範囲の位置を調整する構成であるため、両方の位置を調整する構成に比べて処理負荷の軽減が図られるとともに、表示面の範囲に限られる選択用表示の位置のみを調整する構成に比べて調整の自由度が高められる。
音光側MPU93は、撮像用基板71により導出された距離データに基づき、遊技者の手が操作有効範囲に存在していることを特定した場合に演出操作が行われたと特定する構成である。これにより、操作有効範囲の設定の仕方や、演出操作と認定する操作態様の設定の仕方によって演出操作の態様を多様化させることが可能となる。これにより、演出への注目度を高めることが可能となる。
分割演出や停止操作演出に際しては、演出操作を行うべき位置を示す画像が図柄表示装置61にて表示される。これにより、遊技者にとって演出操作を行うべき位置が明確となる。
音光側MPU93は、一度に複数の操作有効範囲を設定する構成である。これにより、2択や3択といった演出操作を遊技者が手を出す位置によって行うことが可能となり、演出操作の操作性を高めることが可能となる。また、距離データとの関係で複数の操作有効範囲が設定される構成であるため、距離データを導出するための一の構成によって、複数の操作有効範囲を設定することが可能となり、操作有効範囲の数に応じて操作検知用の構成を増加させる必要がない点で構成の簡素化を図ることが可能となる。
停止操作演出に際して操作有効範囲が一度に複数設定される場合、それら操作有効範囲は横方向に設定される。これにより、視点の高さ位置が遊技者によって相違する場合であっても、演出操作を行っている遊技者の手の高さ位置と操作有効範囲との位置関係について、その高さ位置の影響を受けにくくすることが可能となり、遊技者の演出操作の誤認識が発生する可能性を低減することが可能となる。なお、かかる構成は、横長の表示面を有する図柄表示装置61に対してだけではなく、正方形の表示面を有する図柄表示装置や縦長の表示面を有する図柄表示装置に対しても効果的である。
操作有効範囲が一度に複数設定される場合、それら操作有効範囲の間に非有効範囲が設定される。これにより、遊技者の手が複数の操作有効範囲内に同時に入りづらくなるため、演出操作に対して発生した演出が遊技者の意図した演出操作と対応していないという事象が発生する可能性が低減される。
演出の種類に応じて操作有効範囲の数が相違している。これにより、操作演出の態様の多様化が図られるとともに、各演出に対応した態様で操作有効範囲を設定することが可能となり演出の設計の自由度が高められる。
音光側MPU93は、操作有効範囲が複数設定されている場合、複数の操作有効範囲において遊技者の手が同時に含まれることとなった場合、各操作有効範囲に対する操作を有効と判断するのではなく、予め定められた優先度の高い側の操作を有効と判断する。これにより、所定の演出操作を優先しながら、複数の演出が同時に実行されてしまわないようにすることが可能となる。
音光側MPU93は、第1告知演出と分割演出とが同時に発生している場合において、第1告知演出用操作と分割演出用操作とが同時に発生したことを特定した場合、第1告知演出用操作を有効と判断し分割演出用操作を無効と判断する。これにより、各演出操作に対応する演出が同時に発生することを防止しながら、大当たり結果の確定を報知する告知発生時の演出が発生する機会を高めることが可能となる。
特に、第1告知演出用操作の対象となる可動物ユニット38は分割演出に際して分割演出用操作の対象となる図柄表示装置61の直上方に配置されているため、第1告知演出用操作を行っている遊技者の手が分割演出用操作の操作有効範囲に偶然入ってしまう可能性がある。これに対して、第1告知演出用操作が優先されるため、大当たり結果の確定を報知する告知発生時の演出が発生する機会を高めることができるとともに、分割演出用操作が行われたと意図せず認識されてしまう可能性が低減される。
音光側MPU93は、停止操作演出において複数列表示を行う場合、複数の変動表示領域CA1〜CA3に1対1で対応する操作有効範囲に対して優先度が設定される。これにより、複数の操作有効範囲に対して遊技者の手が同時に含まれたとしても、絵柄の変動表示を予め定められた優先度に従って停止させることが可能となる。そして、かかる優先度が設定されていることにより、絵柄の変動表示を、一度の演出操作に対して一の変動表示領域CA1〜CA3毎に順次停止させることが可能となる。
また、変動表示領域CA1〜CA3が3個設定されている構成において、一の変動表示領域CA1〜CA3における絵柄の変動表示が停止された場合にはそれに伴って上記優先度が変更される。これにより、絵柄の変動表示の停止順序に関係なく、複数の操作有効範囲に対して遊技者の手が同時に含まれる事象に対して適切に対処することが可能となる。
音光側MPU93は、撮像用基板71により導出された距離データに基づき抽出された遊技者の手の仮想二次元平面における位置を、当該距離データに基づき調整する。これにより、撮像装置73からの距離に応じて仮想二次元平面における縦方向の位置又は横方向の位置が変動し得る構成において、仮想二次元平面における遊技者の手の位置を撮像装置73からの距離を踏まえた位置として認識することが可能となる。
また、仮想二次元平面における操作有効範囲の位置ではなく遊技者の手の位置を調整する構成であるため、遊技者の手が複数認識されている場合であっても操作有効範囲の位置を固定しながらそれら手の位置を個別に調整することが可能となり、各遊技者の手の操作有効範囲に対する位置関係を適切に把握することが可能となる。
距離データに基づき遊技者の手の位置を調整する場合、手のデータの全体を調整する構成であるため、当該手のデータの全体に対する操作有効範囲の位置関係を適切に把握することが可能となる。
音光側MPU93は、第1告知演出、第2告知演出、分割演出及び停止操作演出が行われる状況では、遊技者の手の位置が参照対象距離以上離れている場合、その手が操作有効範囲に含まれているか否かの特定を行わない。これにより、遊技者が演出操作とは関係なく行った動作までも演出操作として認識してしまわないようにすることが可能となる。
その一方、音光側MPU93は、連続演出及び対決演出が行われる状況では、参照対象距離以上であるか否かに関係なく、各演出に対応した手の動作を演出操作として認識する。連続演出では遊技者は手を横に払う動作を行い、対決演出では遊技者はジャンケン用の動作を行う。これら動作は、演出用として行われている可能性が高いため、距離に関係なくこれら動作の発生を演出操作の発生と認識するようにすることで、遊技者の演出操作が意思に反して無効化されてしまう可能性が低減される。
先予告演出が実行されている場合には、遊技者が先予告演出用に出した手に対応する位置まで魚キャラクタCH1が出現する。これにより、遊技者の操作に応じた態様で先予告演出を行うことが可能となるとともに先予告演出の態様を多様化することが可能となり、先予告演出が複数の遊技回に亘って連続して発生するとしても先予告演出に飽きさせないようにすることが可能となる。
先予告演出に際しては遊技者の操作に応じた位置まで魚キャラクタCH1が出現するとしても、それは図柄表示装置61の表示面における魚キャラクタCH1の移動方向の途中位置に設定された限界ラインBLを限界として行われる。これにより、先予告演出が実行されている状況で魚キャラクタCH1が移動先側の端部まで流れてしまわないようにすることが可能となり、上記のように操作に応じた位置に魚キャラクタCH1を出現させることを可能としながら、完結演出が実際には行われていないにも関わらず当該完結演出が実行されたと遊技者が誤認してしまわないようにすることが可能となる。
最終演出として完結演出が実行される場合、遊技者が流し操作を行ったことを条件として、当該完結演出が実行される。これにより、魚キャラクタCH1を移動先側の端部まで流す演出が遊技者自身の操作によって発生したと遊技者に思わせることが可能となり、完結演出が実行された場合の優越感を高めることが可能となる。
連続演出が実行されている場合にいずれの遊技回が最終演出の実行対象であるかを遊技者が認識不可である構成において、先予告演出及び最終演出のいずれが実行されている状況であっても図柄表示装置61では流し操作を行うべきことが報知される。これにより、連続演出が実行されている状況では各遊技回において完結演出が発生することを期待させながら流し操作を行わせることが可能となる。この場合に、先予告演出では、遊技者の流し操作に応じて魚キャラクタCH1が移動先側の端部に向けて移動することとなるが、既に説明したとおり当該移動方向の途中位置に限界ラインBLが設定されていることにより、流し操作を行っている途中までは完結演出の発生を遊技者に期待させながら、完結演出とは異なることを明確に認識させることが可能となる。
各遊技回の連続演出の実行対応期間においては遊技者の手が図柄表示装置61の表示面における魚キャラクタCH1の出現元側の端部よりも外方に配置されているとしても、魚キャラクタCH1は初期ラインILよりも引っ込んだ状態とはならない。これにより、連続演出の実行対応期間であることの報知を、遊技者の操作態様に関係なく維持させることが可能となる。
対決演出が実行されることにより、図柄表示装置61にて表示される対決相手キャラクタCH2との間で行われた対決結果に応じてその後に行われる演出の内容が相違することとなる。これにより、対決演出として自身が選択した結果に応じてその後の演出内容が変化したと遊技者が認識することが期待され、遊技に積極的に参加しているという印象を与えることが可能となり、遊技の興趣向上が図られる。
撮像用基板71にて撮像した遊技者の手の画像部分から遊技者の選択対象結果を特定する構成において、撮像結果を利用して選択対象結果を特定する機会が連続して複数回発生するように確認期間が設定されており、確認期間の最終タイミングまでに特定された最新の選択対象結果が対決演出において遊技者が選択した結果として利用される。これにより、選択対象結果の取得漏れを発生しづらくさせながら、確認期間の最終タイミングに近い側で遊技者が提示した選択対象結果を対決演出として利用することが可能となる。
対決演出には、遊技者が選択した結果に関係なく対決結果の内容が予め決まっている強制演出と、遊技者が選択した結果に応じて対決結果の内容が変動し且つ遊技者の選択対象結果の後出しが不可である後出し不可演出と、遊技者が選択した結果に応じて対決結果の内容が変動し且つ遊技者の選択対象結果の後出しが可能である後出し可能演出と、が存在している。これにより、対決演出の態様の多様化が図られる。
強制演出及び後出し不可演出だけでなく、後出し可能演出が存在していることにより、選択対象結果の後出しを行うことで、対決演出が実行された後の演出内容を遊技者自身の選択によって定めることが可能となり、対決演出への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
第3対決演出が実行される場合には、後出し可能演出が実行され得るとともに、遊技者の勝利結果となった後に大当たり結果となる状況が発生する。これにより、対決演出において自力で勝利することで大当たり結果を獲得したと遊技者が認識することが期待され、対決演出への遊技者の注目度を高めることが可能となる。さらに、このように後出しによって大当たり結果が発生する状況を生じさせることにより、強制演出が実行される場合であっても後出しが失敗したことで大当たり結果を獲得することができなかったという印象を遊技者に与えることが可能となり、この点からも対決演出への遊技者の注目度を高めることが可能となる。
また、第3対決演出が実行される場合には、対決演出設定処理(図64)にて後出し可否の抽選処理(ステップS2711)が実行されて後出し可能演出及び後出し不可演出のいずれを実行するのかが決定される。これにより、後出し可能演出を不規則に発生させることが可能となる。
また、第3対決演出が実行された場合、対決結果が勝利結果であっても非勝利結果であっても最終的に大当たり結果が発生する。これにより、対決結果が非勝利結果となった場合であっても大当たり結果が発生するという印象を遊技者に与えることが可能となり、対決結果が非勝利結果となったタイミングでその遊技回への注目度が消失してしまわないようにすることが可能となる。
遊技者の選択対象結果に応じて対決演出後の演出内容が相違する第2対決演出及び第3対決演出が設定されている構成において、これら第2対決演出及び第3対決演出のいずれが実行されたとしてもその遊技回において大当たり結果となるか否かの結果は変更されない。これにより、大当たり結果の発生確率に影響を与えないようにしながら対決演出を実行することが可能となる。
遊技者の選択対象結果に応じて対決演出後の演出内容が相違する第2対決演出及び第3対決演出が設定されている構成において、これら第2対決演出及び第3対決演出のいずれが実行されたとしてもその遊技回の表示継続時間は変更されない。これにより、遊技回の消化率に影響を与えないようにしながら対決演出を実行することが可能となる。
対決演出では、図柄表示装置61の結果領域WEにて遊技者の選択対象結果が表示される構成において、当該結果領域WEには撮像用基板71において撮像された画像ではなく、表示制御装置96のROMに予め記憶されている画像データに対応した画像であって遊技者の手の形状に対応した画像が表示される。これにより、撮像用基板71の画像の解像度が高くない構成であったとしても選択対象結果の表示を明確に行うことが可能となる。
対決演出において引き分け結果となった場合には、確認期間が再度設定されるのではなく、敗北結果と同様に非勝利側の演出が実行される。これにより、対決演出が終了するのに要する期間を、対決結果に関係なく予め定めた期間とすることが可能となる。
音光側MPU93は、使用可能な遊技球数に対応する情報が記憶された記憶媒体を排出させるべく返却ボタン28が操作された場合には、その操作が正規の遊技者によって行われたか否かを特定し、正規の遊技者ではない場合には報知を実行する。これにより、正規の遊技者ではない者が記憶媒体を不正に取得しようとした場合には遊技ホールにおいてそれに対処することが可能となる。
音光側MPU93は、使用可能な遊技球数に対応する情報が新たに設定された場合に撮像用基板71の撮像結果に基づき取得した顔データと、返却ボタン28が操作された場合に撮像用基板71の撮像結果に基づき取得した顔データとを照合し、返却ボタン28の操作が正規の遊技者により行われたか否かを判定する。これにより、記憶媒体の所有者と排出操作の実行者との認証を直接的に行うことが可能となる。
音光側MPU93は、顔認証の結果が異常であったとしても記憶媒体の排出を阻止しない。これにより、顔認証が正確に実行されずに当該顔認証の結果が異常となったとしても記憶媒体の排出を完了することが可能となる。その一方、顔認証の結果が異常となった場合には報知が実行されるため、遊技ホールの管理者などに注意を促すことが可能となる。
返却ボタン28が操作された場合の顔認証処理は、記憶媒体の排出が開始される前に開始されるため、返却操作が不正に行われた場合には早期に報知を開始することが可能となる。
使用可能な遊技球数に対応する情報が新たに設定された場合における顔データの取得が行われなかったこと、又は返却ボタン28が操作された場合における顔データの取得が行われなかったことが原因で顔認証が正常に行われなかった場合にも報知が実行される。これにより、顔認証に関して何らかの異常がある場合には遊技ホールの管理者などに注意を促すことが可能となる。また、この状況であっても記憶媒体の排出は行われるため、正規の遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。
音光側MPU93は、撮像用基板71の撮像結果に基づき、遊技が行われることなくパチンコ機10の前に着席している状態が継続していることを特定した場合には、報知を実行する。これにより、その人を離席させるべきであるか否かの確認を行うように、遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。遊技を行うことなく着席している人が存在しているとそれだけそのパチンコ機10の稼働率が低下することとなり、これは遊技ホールにとって好ましくない事象であり、そのような事象が発生している場合には離席を促すことが好ましい。
また、遊技を行うことなく人が着席している状態が継続されている場合の報知は表示発光部23を利用して行われ、当該報知はスピーカ部24及び図柄表示装置61では行われない。これにより、正規の遊技者が遊技の合間で休憩しているだけである場合に、当該遊技者に対して不快感を与えないようにすることが可能となる。
音光側MPU93は、撮像用基板71の撮像結果に基づき把握した遊技者の動作が音光側ROM94に予め記憶されている異常対応データと対応している場合には、報知を実行する。これにより、パチンコ機10に対して不正行為が行われている可能性がある場合には、それを確認するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
また、異常対応データに対応する動作が行われた場合の報知は表示発光部23を利用して行われ、当該報知はスピーカ部24及び図柄表示装置61では行われない。これにより、正規の遊技者が不正行為とは異なる原因で異常対応データに対応する動作を行っているだけである場合に、当該遊技者に対して不快感を与えないようにすることが可能となる。
撮像用基板71は、パチンコ機10前方から視認不可となる位置に設けられている。これにより、撮像用基板71が存在していることを遊技者が分からないようにすることが可能となる。撮像用基板71がパチンコ機10に設けられていてそれが遊技者自身を撮像していることが分かると遊技者にとってはそれに違和感を覚え、遊技を行うことを敬遠してしまう可能性があるが、本構成によればそのような違和感を与えづらくさせることが可能となる。
ステージ部材68はビームスプリッタ機能を有するようにハーフミラーとして形成されており、そのステージ部材68の裏側に撮像用基板71が設けられている。これにより、撮像装置73における受光を可能としながら撮像装置73をパチンコ機10前方から視認不可とすることが可能となる。
遊技領域PAに設けられているステージ部材68の裏側に撮像用基板71が設けられている。これにより、窓パネル22と対面している遊技者を監視範囲に含めながら、遊技領域PAを生じさせる部材を利用して撮像用基板71を隠すことが可能となる。
特に、ステージ部材68は、図柄表示装置61の下方において当該図柄表示装置61の表示面と遊技盤51の盤面との間に亘って前後方向に延在するように設けられているため、このステージ部材68の裏側に撮像用基板71を設けることにより、撮像装置73の上方には表示面と盤面との間の前後方向の空間が存在することとなり、撮像装置73における受光を行い易くなる。
前扉枠14をパチンコ機10前方に開放させてステージ部材68を直接視認可能な状態とした場合であってもステージ部材68がハーフミラーとして機能するため、撮像用基板71、発光装置72及び撮像装置73を目視することができない。これにより、遊技領域PAにおいて球詰まりなどが生じてそれを解消するために前扉枠14を開放させる必要が生じた場合であっても、撮像用基板71を利用して撮像を行っていることを遊技者に認識させないようにすることが可能となる。
ステージ部材68がハーフミラーとして形成されているだけでなく、基板台座69は有色不透明に形成されている。そうすると、遊技機本体12をパチンコ機10前方に開放させるとともに裏パックユニット15を本体枠13から分離させて遊技盤51の背面を露出させたとしても、撮像用基板71、発光装置72及び撮像装置73を目視することができない。したがって、遊技ホールの従業員であっても、撮像用基板71を利用して撮像を行っていることを認識させないようにすることが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では撮像用基板71の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御を行うための構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図73は、撮像用基板71の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御を行うための電気的な構成を示すブロック図である。
本実施形態では撮像用基板71への撮像指令が音光側MPU93からだけでなく主側MPU83からも送信されるとともに、撮像用基板71における撮像結果が音光側MPU93だけでなく主側MPU83にも送信される。つまり、撮像用基板71の撮像制御及び撮像結果を利用した各種制御は、主側MPU83及び音光側MPU93のそれぞれにて実行される。これらMPU83,93にて実行される処理について詳細には、音光側MPU93では上記第1の実施形態における基準スイッチ監視処理と、キャンセル用監視処理と、高さ位置監視処理と、第1状況監視処理と、第2状況監視処理と、操作演出制御処理と、撮像制御処理とが実行されるのに対して、主側MPU83では上記第1の実施形態における顔認証用処理と、撮像制御処理とが実行される。また、主側MPU83は、顔認証用処理の結果に応じた信号を、外部端子板109を通じてホールコンピュータHCに向けて外部出力する。
次に、図74のフローチャートを参照しながら、主側MPU83にて実行される顔認証用処理について説明する。
まずステップS3101では、主側RAM85に設けられた返却操作後フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ここで、払出制御装置111のMPU113は、球貸装置Y又は記憶媒体において使用可能な遊技球数に対応した情報が記憶されている状況で球貸操作装置26の返却ボタン28が操作された場合、主側MPU83に返却指示発生コマンドを送信する。主側MPU83は返却指示発生コマンドを受信した場合、返却操作後フラグに「1」をセットする。
ステップS3101にて否定判定をした場合、すなわち返却操作が行われていない場合には、ステップS3102にて、主側RAM85に設けられた顔認証用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。顔認証用監視フラグは、遊技球の貸出を可能とするための情報が新たに追加された場合において遊技者の顔の画像を取得するために撮像用基板71にて1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを主側MPU83にて特定するためのフラグである。
顔認証用監視フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS3103にて、主側RAM85に設けられた顔認証要求フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ここで、払出制御装置111のMPU113は、球貸装置Yへの紙幣の挿入や記憶媒体の挿入が行われた結果、球貸装置Y又は記憶媒体において使用可能な遊技球数に対応した情報が新たに設定された場合若しくは増加した場合、主側MPU83に貸出情報追加コマンドを送信する。主側MPU83は貸出情報追加コマンドを受信した場合、顔認証要求フラグに「1」をセットする。ステップS3103にて否定判定をした場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、ステップS3103にて肯定判定をした場合にはステップS3104に進む。
ステップS3104では、顔認証用監視の待機時間が経過したか否かを判定する。顔認証用監視の待機時間は任意であるが、本実施形態では300msecに設定されている。顔認証用処理において撮像指令を行ったことに対して取得された1フレーム分の画像に対して顔認証用監視の実行が完了した場合に当該待機時間の計測が開始される。なお、パチンコ機10の電源が立ち上げられた直後にも当該待機時間の計測が開始される。
顔認証用監視の待機時間が経過していない場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、顔認証用監視の待機時間が経過している場合にはステップS3105に進む。ステップS3105では、主側RAM85に設けられた撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、主側RAM85の顔認証用監視フラグに「1」をセットする。その後、本顔認証用処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、主側MPU83の撮像制御処理にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。撮像制御処理の処理内容は、上記第1の実施形態における撮像制御処理(図21)の内容と同一である。
顔認証用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS3102にて肯定判定をしてステップS3106に進む。ステップS3106では、主側RAM85の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、顔画像の事前取得を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS3106にて否定判定をした場合にはそのまま本顔認証用処理を終了し、ステップS3106にて肯定判定をした場合にはステップS3107に進む。
ステップS3107では、主側RAM85の顔認証用監視フラグ及び撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS3108では、顔データの抽出処理を実行する。当該顔データの抽出処理では、主側RAM85の距離画像記憶エリアに格納されている距離データに基づき1フレーム分の画像のデータを把握し、その把握した画像のデータの中に人の顔部分に相当する画像のデータが存在しているか否かを判定する。当該判定に際しては、楕円形状、円形状又は楕円形状などに相当する顔の輪郭部分に該当する範囲を抽出し、その抽出した範囲に目、鼻、口又は耳に該当する範囲が存在している場合には、その抽出した範囲を顔であると認識する。
その後、ステップS3109にて顔データの抽出が完了したか否かを判定する。顔データの抽出が完了していない場合にはそのまま本顔認証用処理を終了する。顔データの抽出が完了している場合にはステップS3110にてその抽出した顔データを主側RAM85に設けられた事前データ記憶エリアに格納する。その後、ステップS3111にて主側RAM85の顔認証要求フラグを「0」クリアした後に、本顔認証用処理を終了する。
一方、ステップS3101にて返却操作が行われていると判定した場合には、ステップS3112にて返却操作時の認証処理を実行した後に、本顔認証用処理を終了する。図75は、当該返却操作時の認証処理を示すフローチャートである。
ステップS3201では、主側RAM85に設けられた返却時認証用監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。返却時認証用監視フラグは、返却操作が行われた場合において遊技者の顔の画像を取得するために撮像用基板71にて1フレーム分の画像の撮像を行っている状況であることを主側MPU83にて特定するためのフラグである。ステップS3201にて否定判定をした場合には、ステップS3202にて、主側RAM85における返却時認証に対応した撮像指令フラグに「1」をセットするとともに、主側RAM85の返却時認証用監視フラグに「1」をセットした後に、本認証処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、主側MPU83の撮像制御処理にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
返却時認証用監視フラグに「1」がセットされることで、ステップS3201にて肯定判定をしてステップS3203に進む。ステップS3203では、主側RAM85の撮像完了フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、顔認証を行うための1フレーム分の画像の撮像が完了しているか否かを判定する。ステップS3203にて否定判定をした場合にはそのまま本認証処理を終了し、ステップS3203にて肯定判定をした場合にはステップS3204に進む。
ステップS3204では、主側RAM85の撮像完了フラグを「0」クリアする。続くステップS3205では顔データの抽出処理を実行する。当該抽出処理の処理内容は、顔認証用処理(図74)におけるステップS3108の抽出処理と同様である。
その後、ステップS3206にて顔データの抽出が完了したか否かを判定する。顔データの抽出が完了していない場合にはそのまま本認証処理を終了する。顔データの抽出が完了している場合にはステップS3207にてその抽出した顔データを主側RAM85に設けられた照合用データ記憶エリアに格納する。
続くステップS3208では、主側RAM85の対応する撮像指令フラグ及び返却操作後フラグの両方を「0」クリアする。ここで、返却操作時の認証処理にて撮像指令フラグに「1」がセットされた場合、撮像用基板71において撮像が完了しただけでは当該撮像指令フラグは「0」クリアされることはなく、照合用データ記憶エリアに顔データが格納された場合に「0」クリアされる。これにより、照合用の顔データが取得されるまでは撮像用基板71において撮像が繰り返されることとなり、照合用の顔データを確実に取得することが可能となる。但し、これに限定されることはなく、ステップS3202にて対応する撮像指令フラグに「1」をセットしてから顔認証用監視期間が経過するまでに顔データを抽出できなかった場合には、ステップS3208と同様に各種フラグを「0」クリアするとともに後述するステップS3212及びステップS3213にて警報用の処理を実行する構成としてもよい。
その後、ステップS3209にて、主側RAM85の事前データ記憶エリアに記憶されている顔データと、主側RAM85の照合用データ記憶エリアに記憶されている顔データとを照合する。この場合、各顔データにおいて顎のラインを抽出し、その顎のラインに対する目、鼻、口又は耳の相対位置、及び目、鼻、口又は耳の外縁形状が両顔データにおいて90%以上一致している場合に、これら両顔データが一致していると判定する。なお、顔データの認証を行うことができるのであれば、これら顔データの認証の具体的な方法は任意である。
続くステップS3210では、ステップS3209の照合処理の結果が一致結果であるか否かを判定する。なお、事前データ記憶エリアに顔データが格納されていない場合には顔データが一致していないと扱われる。ステップS3210にて肯定判定をした場合には、ステップS3211にて払出制御装置111のMPU113に返却許可コマンドを送信する。払出制御装置111のMPU113は主側MPU83から返却許可コマンドを受信した場合、貸出可能情報が記憶された記憶媒体を排出すべきことを示す返却指示信号を球貸装置Yに送信する。これにより、貸出可能情報が記憶された記憶媒体が球貸装置Yから排出される。
一方、ステップS3210にて否定判定をした場合には、ステップS3212にて、警報用コマンドを音光側MPU93に送信する。音光側MPU93は、警報用コマンドを受信することにより、警報用発光データを音光側ROM94から音光側RAM95に読み出す。警報用発光データが読み出されることにより、タイマ割込み処理(図14)における発光制御処理(ステップS503)にて当該警報用発光データが参照され、表示発光部23において顔の認証が正常に行えなかったことを示す態様で発光が行われる。これにより、記憶媒体の返却が正当な遊技者に対して行われたのか否かの確認を行うように、遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
その後、ステップS3213にて警報用外部出力処理を実行した後に、本認証処理を終了する。警報用外部出力処理では、記憶媒体の返却操作が行われたことに対する顔データの照合が一致しなかったことを示す信号が、外部端子板109を通じてホールコンピュータHCに出力される。これにより、当該異常が発生したことをホールコンピュータHCにおいて認識することが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、貸出可能情報が記憶された記憶媒体を排出させるべく球貸操作装置26の返却ボタン28が操作されたとしても当該記憶媒体が直ちに排出されるのではなく、顔データの照合で一致した場合に当該記憶媒体が排出される。よって、記憶媒体が不正に取得されてしまう行為を防止することが可能となる。
なお、本実施形態において上記第1の実施形態における第2状況監視処理を主側MPU83にて実行する構成としてもよい。この場合、第2状況監視処理(図36)におけるステップS1513に対応する処理にて肯定判定をした場合には、パチンコ機10にて異常報知が行われる構成に加えて又は代えて、遊技の進行を停止させるための処理を実行する構成としてもよい。例えば、主側MPU83のタイマ割込み処理(図11)におけるステップS206にて肯定判定をする構成とすることにより、遊技球の発射停止、及び特図特電制御処理の実行中止といったように遊技の進行が停止される構成としてもよい。また、遊技の進行を停止させるための処理に加えて又は代えて、遊技ホールのホールコンピュータHCに異常対応の動作を特定したことを示す信号を外部出力する構成としてもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、撮像用基板71の構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図76は、本実施形態における撮像用基板71の電気的構成を説明するためのブロック図である。
本実施形態の撮像用基板71には、発光装置72と、制御回路74と、撮像装置131と、信号処理回路141とが設けられている。発光装置72及び制御回路74の構成は上記第1の実施形態における撮像用基板71と同一である。
撮像装置131は、上記第1の実施形態における撮像用基板71と異なり、距離データだけでなく可視画像も撮像することが可能な構成となっている。具体的には、撮像装置131には、距離データ用撮像センサ132と、可視画像用撮像センサ133とが設けられている。
距離データ用撮像センサ132は、上記第1の実施形態における撮像用センサ73aと同一である。距離データ用撮像センサ132にて取得された信号は、信号処理回路141に設けられた距離データ用信号処理回路142に送信され、当該距離データ用信号処理回路142にて距離データが導出される。
可視画像用撮像センサ133は、モノクロ画像を取得可能とするようにCCDセンサ、MOSセンサ又はCMOSセンサが用いられている。可視画像用撮像センサ133にて取得された信号は、信号処理回路141に設けられた可視画像用信号処理回路143に送信され、当該可視画像用信号処理回路143にてモノクロ画像が導出される。なお、可視画像用撮像センサ133は、カラー画像を撮像する構成としてもよい。
距離データ用撮像センサ132と可視画像用撮像センサ133とは近い位置にて並設されており、同一又は略同一の範囲が撮像範囲となっている。本構成によれば、可視画像において色情報を定める最小単位である各単位データのそれぞれについて距離データを取得することが可能となり、可視画像を3次元画像として認識することが可能となる。
本実施形態における撮像用基板71の撮像結果は、上記第1の実施形態におけるキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理及び操作演出制御処理のそれぞれにて利用される。この場合、距離データだけでなく可視画像も取得されているため、顔データの抽出及び手データの抽出を精度良く行うことが可能となる。また、可視画像だけでなく距離データも取得されているため、例えば窓パネル22の表面22aを基準とした画像部分のキャンセルを上記第1の実施形態と同様に行うことが可能となる。
なお、本実施形態においては、音光側ROM94に監視対象となる人物の顔データを参照用顔データとして予め記憶させておき、例えば第2状況監視処理において抽出した遊技者の顔データと、上記参照用顔データとを照合し、照合結果が一致した場合には一致対応処理を実行する構成としてもよい。当該一致対応処理としては、例えばパチンコ機10自身において報知を行う構成としてもよく、遊技ホールのホールコンピュータに一致対応の外部出力を行う構成としてもよく、遊技の進行を制御するための処理の少なくとも一部が実行されないことにより遊技の進行が制限される構成としてもよい。これにより、例えば不正行為者として登録されている人物が現れたことを遊技ホールの管理者に認識させたり、当該人物が遊技を行うことを阻止したりすることが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、キャンセル用監視処理(図25)にて音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされた状況における操作演出の実行態様が上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図77は、本実施形態における分割演出設定処理を示すフローチャートである。
まずステップS3301では、分割演出の開始条件が成立しているか否かを判定する。分割演出の開始条件は、音光側RAM95に遊技回用の演出のデータテーブルが読み出されている場合であって、そのデータテーブルにおいて制御対象の内容を示すポインタデータが分割演出の開始を示すデータに対応している場合に成立する。ステップS3301にて否定判定をした場合にはそのまま本分割演出設定処理を終了し、ステップS3301にて肯定判定をした場合にはステップS3302に進む。
ステップS3302では、音光側RAM95の基準フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。つまり、基準スイッチ91aがON位置に配置されているか否かを判定する。また、ステップS3303では、音光側RAM95の規制フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
ステップS3302及びステップS3303の両方にて否定判定をした場合には、ステップS3304にて分割表示用の各種データを読み出す。分割表示用の各種データには、分割表示用の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において分割表示用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から分割表示用のパターンで音が出力される。さらにまた、ステップS3304では、分割表示用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて図45(a−1)に示すような分割表示が行われるようにする。
一方、ステップS3302及びステップS3303のいずれかにて肯定判定をした場合には、ステップS3305にて選択表示用の各種データを読み出す。選択表示用の各種データには、選択表示用の発光データ及び音出力データが含まれており、それら発光データ及び音出力データがタイマ割込み処理(図14)の発光制御処理(ステップS503)及び音出力制御処理(ステップS504)にて参照されることで、表示発光部23において選択表示用のパターンで発光が行われるとともにスピーカ部24から選択表示用のパターンで音が出力される。さらにまた、ステップS3305では、選択表示用の表示コマンドを表示制御装置96に送信する。表示制御装置96は、当該表示コマンドを受信することにより、図柄表示装置61にて図45(a−2)に示すような選択表示が行われるようにする。
ステップS3304又はステップS3305の処理を実行した場合には、ステップS3306にて、音光側RAM95における分割演出に対応した撮像指令フラグ及び分割演出フラグの両方に「1」をセットした後に本分割演出設定処理を終了する。撮像指令フラグに「1」がセットされることで、既に説明したとおり、撮像制御処理(図21)にて撮像用基板71に向けて照射指示信号が送信され撮像用基板71において撮像が開始される。
以上詳述した本実施形態によれば、規制フラグに「1」がセットされている状況では分割演出として分割表示ではなく選択表示が行われる。規制フラグは既に説明したとおり、キャンセル用監視処理(図25)においてキャンセル用監視対象が発生していることが特定された場合に「1」がセットされる。そうすると、規制フラグに「1」がセットされている状況というのは、撮像用基板71において1フレーム分の画像の撮像を正常に行えない状況である可能性がある。この場合には、分割表示を行わないようにすることで、撮像を正常に行えない状況において選択操作を細かく区別する必要がなくなる。その一方、分割演出を一切行わないようにするのではなく選択表示を行うようにすることで、規制フラグに「1」がセットされている状況であっても操作演出を発生させることが可能となる。
なお、停止操作演出設定処理(図52)において規制フラグに「1」がセットされていない場合には停止操作演出として複数列表示が行われるようにし、規制フラグに「1」がセットされている場合には停止操作演出として単一列表示が行われるようにする構成としてもよい。
<第5の実施形態>
本実施形態では、高さ位置監視処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図78は、本実施形態における高さ位置監視処理を示すフローチャートである。
本実施形態における高さ位置監視処理では、高さ位置の目標抽出処理(ステップS3411)にて目標抽出が完了したと判定された場合(ステップS3412:YES)に常に高さ位置のグループ特定処理(ステップS3414)が実行されるのではなく、ステップS3413にて、その抽出された高さ位置に対応した距離データが特定対象範囲内の距離データとなっていることが特定された場合に高さ位置のグループ特定処理(ステップS3414)が実行される。この場合、特定対象範囲は、パチンコ機10の前方に設けられた椅子に着席している遊技者が背を伸ばした状態で窓パネル22側を目視している場合に当該遊技者の顔が存在する範囲として想定される範囲に対応しており、当該特定対象範囲はパチンコ機10の設計段階において実験により定められる。この場合、当該特定対象範囲は、窓パネル22よりも第1対象距離以上離れた範囲であって当該第1対象距離よりも遠い第2対象距離以下の範囲として設定されている。
なお、ステップS3413の処理が実行される点以外については、高さ位置監視処理の処理内容は上記第1の実施形態における高さ位置監視処理(図30)と同一である。
上記構成によれば、遊技者の顔が演出操作を行う場合に存在するはずの位置に存在している場合に高さ位置のグループが特定されるため、各種演出制御処理における高さ位置グループに対応した操作有効範囲の設定処理(ステップS1707など)を適切に行うことが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、キャンセル用監視処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図79の説明図に示すように、パチンコ機10においては遊技領域PA内であって当該遊技領域PAを流下する遊技球に邪魔とならない予め定められた位置(例えば窓パネル22の裏面における所定の下部領域)に、所定の情報が付されたプレートPが配置されることがある。このプレートPに付される所定の情報としては、例えばパチンコ機10の仕様や、演出内容の説明などが挙げられる。の場合に、当該プレートPが配置されている場合に上記第1の実施形態と同様にキャンセル用監視処理が実行されると、当該プレートPの存在が原因で、撮像用基板71の撮像結果を利用した演出の実行の制限及び異常報知が実行されてしまう。その一方、プレートPは、同一機種及び同一型式のパチンコ機10であっても遊技ホールにおいて配置される場合と配置されない場合とがあり、キャンセル用監視処理においてプレートPが設けられた領域を一概に監視対象外としてしまうのは好ましくない。
以下、上記プレートPが配置されたとしてもキャンセル用監視を適切に行えるようにするための処理構成について説明する。図80は、本実施形態におけるキャンセル用監視処理を示すフローチャートである。
ステップS3501〜ステップS3508では、上記第1の実施形態におけるキャンセル用監視処理(図25)のステップS1001〜ステップS1008と同一の処理を実行する。ステップS3509にて監視用距離以下に対応する距離データが存在していると判定した場合には、ステップS3510にて、除外設定スイッチがONとなっているか否かを判定する。
除外設定スイッチは、音声発光制御装置91といったように遊技機本体12を外枠11に対して前方に開いた場合に操作可能となる位置に設けられており、ON位置とOFF位置との間で切り替え操作可能となっている。除外設定スイッチは音光側MPU93と電気的に接続されており、除外設定スイッチから受信する電気信号により、音光側MPU93は当該除外設定スイッチがON位置及びOFF位置のうちいずれに配置されているのかを認識することが可能である。
除外設定スイッチがON位置に配置されている場合にはステップS3510にて肯定判定をしてステップS3511に進む。ステップS511では、監視用距離以下に対応していると判定された距離データが仮想二次元平面に相当する1フレーム分の画像Gにおいて除外対象範囲に含まれているか否かを判定する。除外対象範囲のデータは音光側ROM94に予め記憶されており、パチンコ機10の設計段階においてプレートPが配置される位置に対応させて設定されている。
除外設定スイッチがOFF位置に配置されている場合(ステップS3510:NO)又は監視用距離以下に対応していると判定された距離データが除外対象範囲に含まれていない場合(ステップS3511:NO)には、ステップS3512〜ステップS3517に示す、上記距離データがキャンセル対象の距離データであるか否かを特定するとともにそれに対処するための処理を実行する。なお、ステップS3512〜ステップS3517の処理内容は、上記第1の実施形態におけるキャンセル用監視処理(図25)のステップS1010〜ステップS1015の処理内容と同一である。
一方、除外設定スイッチがON位置に配置されている場合(ステップS3510:YES)であって、監視用距離以下に対応していると判定された距離データが除外対象範囲に含まれている場合(ステップS3511:YES)には、ステップS3512〜ステップS3517に示す処理を実行しない。
上記構成であることにより、プレートPが遊技領域PAに配置されている場合にはそのプレートPをキャンセル用監視に際して無視することが可能となり、例えばプレートPの存在が原因で、撮像用基板71の撮像結果を利用した演出の実行の規制及び異常報知が実行されてしまうことを防止することが可能となる。
また、遊技ホールの管理者が手動操作可能な除外設定スイッチが設けられており、除外設定スイッチがOFF位置に配置されている場合にはプレートPが本来配置される監視範囲もキャンセル用監視の対象とされる。これにより、プレートPを配置しない遊技ホールにおいてはキャンセル用監視の範囲を広げることが可能となる。
なお、距離データに基づき1フレーム分の画像Gを取得する構成に代えて、モノクロ画像やカラー画像を撮像することに基づき1フレーム分の画像を取得する構成においては、プレートPの色を指定しておくことでキャンセル用監視の対象から除外する構成としてもよい。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)図81(a)の変形例に示すように、図柄表示装置61における分割表示に際して、選択用画像GA〜GDが横方向だけでなく、縦方向にも並べて表示される構成としてもよい。具体的には、演出A選択用画像GAと演出B選択用画像GBとが間隔を置かずに横方向に並べて表示されているとともに、演出C選択用画像GCと演出D選択用画像GDとが間隔を置かずに横方向に並べて表示されており、さらに演出A選択用画像GAと演出C選択用画像GCとが間隔を置かずに縦方向に並べて表示されているとともに、演出B選択用画像GBと演出D選択用画像GDとが間隔を置かずに縦方向に並べて表示されている。そして、各選択用画像GA〜GDの前方に対応する位置に各選択用画像GA〜GDに1対1で対応させて操作有効範囲EA11〜EA14が設定されている。
この場合、横方向に並ぶ演出A選択用の操作有効範囲EA11と演出B選択用の操作有効範囲EA12とは、所定の間隔を置いて横方向に並ぶように設定されており、同様に横方向に並ぶ演出C選択用の操作有効範囲EA13と演出D選択用の操作有効範囲EA14とは、所定の間隔を置いて横方向に並ぶように設定されている。また、縦方向に並ぶ演出A選択用の操作有効範囲EA11と演出C選択用の操作有効範囲EA13とは、所定の間隔を置いて縦方向に並ぶように設定されており、同様に縦方向に並ぶ演出B選択用の操作有効範囲EA12と演出D選択用の操作有効範囲EA14とは、所定の間隔を置いて縦方向に並ぶように設定されている。上記構成であることにより、選択用画像GA〜GDの表示範囲を極力広く確保しながら、複数の操作有効範囲EA11〜EA14において操作の発生を同時に認識する可能性が低減される。
特に、縦方向に並ぶ操作有効範囲EA11〜EA14の間隔IYの方が、横方向に並ぶ操作有効範囲EA11〜EA14の間隔IXよりも広く確保されている。これにより、撮像用基板71と図柄表示装置61との位置関係、及び遊技者の目の高さの相違に起因して、遊技者が実際に演出操作を行った位置と撮像用基板71の撮像結果に基づき把握された操作位置とがずれ易い縦方向に関して、操作認識の正確性を高めることが可能となる。
なお、選択用画像GA〜GDが縦方向及び横方向のそれぞれに2個ずつ設定される構成に限定されることはなく、縦方向及び横方向のそれぞれに3個、4個又は5個以上設定される構成としてもよく、縦方向及び横方向のそれぞれに複数の選択用画像が並べて表示されるとともに縦方向の数と横方向の数とが異なる構成としてもよい。この場合、横方向に並べ表示される選択用画像の数を縦方向に並べて表示される選択用画像の数よりも多くすることで、撮像用基板71と図柄表示装置61との位置関係、及び遊技者の目の高さの相違に起因して、遊技者が実際に演出操作を行った位置と撮像用基板71の撮像結果に基づき把握された操作位置とがずれ易い縦方向に関して、操作認識の正確性を高めることが可能となる。このように横方向に並べて表示される選択用画像の数を縦方向に並べて表示される選択用画像の数よりも多くする構成は、横長の表示面を有する図柄表示装置61に対してだけではなく、正方形の表示面を有する図柄表示装置や縦長の表示面を有する図柄表示装置に対しても効果的である。
(2)図81(b)に示す変形例では、停止操作演出において複数列表示が実行される場合に、複数の変動表示領域CA1〜CA3は横方向ではなく縦方向に並べて表示されており、各変動表示領域CA1〜CA3では横方向に図柄が変動表示される。これにより、遊技回用の演出における図柄列Z1〜Z3と同一の態様で図柄の変動表示を行うことが可能となる。
この場合に、各変動表示領域CA1〜CA3が縦方向に並べて表示されていることに対応させて各変動表示領域CA1〜CA3に対応する操作有効範囲EA21〜EA23も縦方向に並べて設定されている。これら操作有効範囲EA21〜EA23は所定の間隔を置いて縦方向に並べて設定されている。これにより、複数の操作有効範囲EA21〜EA23において操作の発生を同時に認識する可能性が低減される。
(3)遊技領域PAに配置されている部材であって撮像装置73の撮像範囲に含まれていない部材に反射防止剤を塗布する又は反射防止シートを積層してもよい。これにより、撮像装置73の周囲における光の反射を抑制することが可能となり、撮像用基板71における距離データの導出を精度良く行うことが可能となる。
(4)音光側ROM94に予め遊技球に対応した画像データを記憶させておき、窓パネル22よりも撮像用基板71側に存在している物として抽出した画像部分が上記遊技球に対応した画像データと対応している場合には、キャンセル用監視の対象外とする構成としてもよい。この場合、遊技領域PAを流下する遊技球をキャンセル用監視の対象から直接的に除外することが可能となる。
(5)撮像用基板71が音光側MPU93ではなく表示制御装置96と電気的に接続されている構成としてもよい。この場合、表示制御装置96において上記実施形態における撮像用基板71の撮像結果を利用した各種監視処理及び各種演出用処理を実行する構成とすればよい。また、本構成においては、撮像用基板71において撮像した結果を図柄表示装置61にてそのまま表示することが可能となるため、例えば対決演出においては撮像した遊技者の手の画像をそのまま図柄表示装置61にて表示するようにしてもよい。特に、上記第3の実施形態のように距離データだけでなくモノクロ画像又はカラー画像といった可視画像が撮像される構成においては、撮像用基板71において撮像した結果をそのまま図柄表示装置61にて表示したとしても画像の見た目を低下させないようにすることが可能となる。
(6)撮像用基板71が音光側MPU93だけでなく表示制御装置96とも電気的に接続されている構成としてもよい。この場合、音光側MPU93において上記実施形態における撮像用基板71の撮像結果を利用した各種監視処理及び各種演出用処理を実行する構成としながら、撮像用基板71において撮像した結果を図柄表示装置61にてそのまま表示することが可能となる。
(7)撮像用基板71の撮像制御を行う主体が、音光側MPU93といった撮像制御以外の制御を実行するために設けられたMPUが担うのではなく、当該撮像制御を行う専用のMPUが設けられている構成としてもよい。この場合、当該専用のMPUにて1フレーム分の画像Gからの目標画像部分の抽出及び顔認証を行い、その認証結果が主側MPU83又は音光側MPU93に送信されてこれらMPU83,93にて認証結果に対応した処理を実行するようにしてもよい。また、専用のMPUにて操作有効範囲に手の画像部分が含まれているか否かの判定を行い、その判定結果が音光側MPU93に送信されて当該音光側MPU93にて演出操作に対応した演出の実行制御が行われる構成としてもよい。
(8)信号処理回路75は、撮像用基板71の撮像結果を利用する必要がある状況であるか否かに関係なく1フレーム分の画像Gに対応した距離データの取得を定期的(例えば10msecに1回)に行い、音光側MPU93において撮像結果を利用する必要が生じた場合にはその1フレーム分の画像Gに対応した撮像結果を信号処理回路75から読み出す構成としてもよい。この場合、音光側MPU93において撮像結果を利用する必要が生じたタイミングから実際に撮像結果を利用可能となるタイミングまでの時間を短縮することが可能となる。
(9)撮像用基板71が設けられる位置は上記実施形態における位置に限定されることはなく、例えばセンターフレーム65の屋根ユニット66に設けられている構成としてもよく、遊技領域PAの下部に設けられている構成としてもよい。また、窓パネル22よりもパチンコ機10後方ではなく、パチンコ機10前面に設けられている構成としてもよい。例えば、上側膨出部31に設けられている構成としてもよく、下側膨出部32に設けられている構成としてもよく、前扉枠14の上部に設けられている構成としてもよい。このようにパチンコ機10前面に撮像用基板71が設けられる構成であっても、その周囲に光を透過する覆い部材を設けることで撮像用基板71において距離データの導出を可能としながら当該撮像用基板71を視認しづらくさせることが可能となる。
(10)キャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理及び第2状況監視処理が実行されるタイミングは上記実施形態のタイミングに限定されることはなく任意である。例えば、いずれの処理も図柄表示装置61においてデモ画面が表示されている状況においてのみ行われる構成としてもよく、遊技球の発射が停止されている状況においてのみ行われる構成としてもよく、図柄表示装置61において遊技回用の演出及び開閉実行モード用の演出が行われていない状況においてのみ行われる構成としてもよい。また、遊技回用の演出が実行されている状況であっても上記各処理が実行される構成においては、全ての図柄列Z1〜Z3において図柄の変動表示が行われている状況において行われる構成としてもよく、リーチ演出が開始されるまでは行われる構成としてもよい。
(11)信号処理回路75において撮像装置73から受信した信号強度が想定される強度よりも高過ぎる場合には、当該信号処理回路75から音光側MPU93に強度異常信号が送信されるようにして音光側MPU93においてそれに対応した異常報知を実行するための処理が実行される構成としてもよい。これにより、撮像用基板71自体に異常が発生している場合にはそれに対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。また、音光側MPU93では上記強度異常信号を受信している場合には撮像用基板71の撮像結果を利用した処理を実行しないようにすることで、異常な撮像結果が利用されないようにすることが可能となる。
(12)キャンセル用監視処理において監視基準距離を複数段階で設定しておき、距離データがいずれの監視基準距離未満となっているかに応じて、その後に実行される処理内容が異なる構成としてもよい。例えば、窓パネル22の表面22aよりも若干前方に存在する位置から窓パネル22の裏面22bまでの距離データを取得した場合には、撮像結果を利用した演出の実行制限及び報知を行い、窓パネル22の裏面22bよりもパチンコ機10後方に異物が存在していることに対応した距離データを取得した場合には、遊技を進行させるための処理の少なくとも一部の実行を阻止することで遊技の進行を停止させるとともに報知を行う構成としてもよい。なお、遊技の進行を停止させるための処理は主側MPU83において行う必要があるため、撮像用基板71の撮像結果が音光側MPU93に加えて又は代えて主側MPU83に送信される構成とすることが好ましい。上記構成によれば、各監視結果に対応したレベルの対処を行うことが可能となる。
(13)基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には、操作有効範囲の数が少なくなるとともに操作有効範囲が広く設定される構成に代えて、基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には操作有効範囲の数は変更されないがOFF位置に配置されている場合に比べて各操作有効範囲が広く設定される構成としてもよい。この場合、分割演出や停止操作演出に際しての選択数を減らさないようにしながら、演出操作の発生を認識し易くすることが可能となる。
(14)基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には、操作有効範囲が広く設定される構成に代えて、操作有効範囲が狭く設定される構成としてもよい。基準スイッチ91aがON位置に配置される場合には信号処理回路75において距離データを導出する上での基準となる信号強度がOFF位置に配置されている場合に比べて低く設定されるため、距離データの導出に際してノイズを拾い易くなる可能性がある。これに対して、操作有効範囲を狭く設定することで、そのノイズに対して演出操作の発生と認識してしまう可能性が低減される。
(15)基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合における距離データの導出対象となる基準距離が、窓パネル22の裏面22bよりも撮像装置73から遠い距離であって窓パネル22の表面22aよりも撮像装置73に近い距離に設定されている構成に代えて、窓パネル22の表面22aよりも撮像装置73から遠い距離に設定されている構成としてもよい。この場合、電波ゴト防止用シートPSが窓パネル22の裏面22bだけでなく表面22aに貼り付けられる場合であっても、撮像用基板71により導出された距離データの利用をそれに対応させることが可能となる。
(16)基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合には、信号処理回路75において距離データの導出対象とするか否かの信号強度の基準がOFF位置に配置されている場合から変更されるとともに基準距離未満に対応する距離データが音光側MPU93に送信されない構成としたが、これらの一方のみが行われる構成としてもよい。
(17)第1状況監視処理においてパチンコ機10の前に着席しているにも関わらず継続して遊技が行われない状況となっていることを特定した場合には、パチンコ機10自身における報知は行われずに遊技ホールのホールコンピュータに当該状況であることに対応した外部出力が行われる構成としてもよい。この場合、パチンコ機10の前に着席している人に対しては直接的な報知を行わないようにしながら、当該状況となっていることを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となる。なお、当該外部出力は、上記第1の実施形態であれば音光側MPU93が行う構成としてもよく、上記第2の実施形態であれば主側MPU83が行う構成としてもよい。
(18)パチンコ機10の前に着席しているにも関わらず継続して遊技が行われない状況となっている場合に報知が開始されるまでに要する期間を、遊技ホールにおいて設定することが可能な構成としてもよい。これにより、遊技ホールに応じた監視を行うことが可能となる。
(19)第1状況監視処理においてパチンコ機10の前に着席しているにも関わらず継続して遊技が行われない状況となっていることを特定した場合には、スピーカ部24から「遊技を行わないなら移動して下さい」といった報知音が出力される構成としてもよく、図柄表示装置61においてそのような文字が表示される構成としてもよい。
(20)第2状況監視処理において異常対応の動作を特定した場合には、パチンコ機10自身における報知は行われずに遊技ホールのホールコンピュータに当該状況であることに対応した外部出力が行われる構成としてもよい。この場合、異常対応の動作の特定対象となった人に対しては直接的な報知を行わないようにしながら、当該状況となっていることを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となる。なお、当該外部出力は、上記第1の実施形態であれば音光側MPU93が行う構成としてもよく、上記第2の実施形態であれば主側MPU83が行う構成としてもよい。
(21)第2状況監視処理において異常対応の動作を特定した場合には、スピーカ部24から「異常動作を認識しました」といった報知音が出力される構成としてもよく、図柄表示装置61においてそのような文字が表示される構成としてもよい。
(22)高さ位置監視処理において遊技者の顔の高さ位置を特定する構成に代えて、遊技者の目の高さ位置を特定する構成としてもよい。この場合、目そのものを1フレーム分の画像Gから抽出することが好ましいため、上記第3の実施形態のように撮像用基板71においてモノクロ画像やカラー画像といった可視画像を撮像することができる構成とすることが好ましい。
(23)高さ位置監視処理において特定した顔の高さ位置に応じて、各種演出制御処理において仮想二次元平面(1フレーム分の画像G)における操作有効範囲の位置を調整する構成に代えて、仮想二次元平面における遊技者の手の位置を調整する構成としてもよい。また、分割演出が実行される場合において図柄表示装置61にて表示される選択用画像の位置を、高さ位置監視処理において特定した顔の高さ位置に応じて調整する構成としてもよい。また、仮想二次元平面における操作有効範囲の位置の調整、仮想二次元平面における手の位置の調整、及び選択用画像の位置の調整のうち2個以上の調整が行われる構成としてもよい。
(24)遊技者の顔の高さ位置に応じた調整が行われる構成に加えて又は代えて、遊技者の顔の横方向位置に応じた調整が行われる構成としてもよい。この場合、特定された横方向位置に応じて、仮想二次元平面における操作有効範囲の位置の調整、仮想二次元平面における手の位置の調整、及び選択用画像の位置の調整のうちのいずれか1個の調整が実行される構成としてもよく、2個以上の調整が実行される構成としてもよい。
(25)高さ位置監視処理において顔の高さ位置を特定する場合には、図柄表示装置61などにて当該特定を行う旨の報知が実行される構成としてもよい。この場合、遊技者が演出操作を行う際の姿勢となっている状況において顔の高さ位置を特定することが可能となる。
(26)パチンコ機10前面に遊技者が操作可能な操作部を設け、当該操作部に対して高さ位置の特定開始操作が行われた場合に高さ位置監視処理において顔の高さ位置が特定される構成としてもよい。
(27)遊技者の顔の位置や目の位置を特定した結果に応じて、図柄表示装置61にて表示する画像のサイズや向きを調整する構成としてもよい。かかる構成を例えば図柄表示装置61において奥行き方向の広がりを感じさせるための3D画像表示に適用することで、遊技者の目の位置に応じた3D画像表示を行うことが可能となり、3D画像の視覚効果を高めることが可能となる。
(28)図柄表示装置61にてデュアルビュー表示を行う構成に対して、遊技者の顔の位置や目の位置を特定する構成を適用してもよい。この場合、遊技者の目の位置に応じたデュアルビュー表示を行うことが可能となり、デュアルビューとして表示される各画像を適切に視認させることが可能となる。
(29)貸出可能な遊技球数の情報が記憶されている状況で、撮像用基板71の撮像結果に基づき遊技者が離席したことを特定した場合に、報知用処理が実行される構成としてもよい。当該報知用処理としては、例えば表示発光部23を所定の態様で発光させるための処理、スピーカ部24から所定の報知音を出力させるための処理、図柄表示装置61にて所定の報知画像を表示させるための処理、及び遊技ホールのホールコンピュータに外部出力するための処理が考えられ、これらの処理のうちいずれか1つの処理が実行される構成としてもよく、これらの処理のうち複数の処理が実行される構成としてもよい。
(30)貸出可能な遊技球数の情報が記憶されている状況で、撮像用基板71の撮像結果に基づき認識される遊技者の顔が変更された場合に、報知用処理が実行される構成としてもよい。当該報知用処理としては、例えば表示発光部23を所定の態様で発光させるための処理、スピーカ部24から所定の報知音を出力させるための処理、図柄表示装置61にて所定の報知画像を表示させるための処理、及び遊技ホールのホールコンピュータに外部出力するための処理が考えられ、これらの処理のうちいずれか1つの処理が実行される構成としてもよく、これらの処理のうち複数の処理が実行される構成としてもよい。
(31)払出制御装置111は、返却ボタン28が操作された場合、所定のウェイト期間が経過した後に、使用可能な遊技球数に対応した情報が記憶されている記憶媒体の排出が開始されるようにする構成としてもよい。この場合、当該所定のウェイト期間において顔認証が完了するとともに異常の場合には報知が開始される構成とすることで、正規の遊技者ではない者が返却ボタン28を操作した場合、それに対する記憶媒体の排出が開始される前に異常報知を開始することが可能となる。
(32)窓パネル22の一部又は全部を、光を透過可能な液晶パネルとし、当該液晶パネルにおいて演出操作を行うべき位置を示す選択用画像が表示される構成としてもよい。この場合、演出操作をすべく遊技者が手を出す位置が上記実施形態よりも選択用画像の位置に近づくこととなるため、手の高さ位置の認識に関して顔の高さ位置の影響が低減される。
(33)窓パネル22がタッチパネルであるとともに当該窓パネル22において選択操作用画像が表示される構成において、演出操作の優先度を設定する構成を適用してもよい。具体的には、窓パネル22において選択操作用画像が同時に複数表示される構成においては、複数の選択操作用画像が同時に操作される可能性がある。これに対して、演出操作の発生として認識する優先度を予め設定しておくことで、各演出操作を予め定められた優先度に従って個別に認識することが可能となる。
(34)分割演出や停止操作演出において複数の操作有効範囲に遊技者の手が同時に含まれた場合には、仮想二次元平面(1フレーム分の画像G)において手の画像部分が含まれている面積が多い側の操作有効範囲に対して演出操作が行われたと特定する構成としてもよい。これにより、優先度を予め設定しなくても一の演出操作を有効と判断することが可能となる。
(35)第1告知演出制御処理、分割演出制御処理及び停止操作演出制御処理において、操作有効範囲に遊技者の手が含まれていると特定した場合に即座に有効操作の発生と特定する構成に代えて、操作判断基準期間(例えば2sec)以上に亘って遊技者の手が含まれていると特定した場合に有効操作の発生と特定する構成としてもよい。これにより、遊技者が演出操作とは関係なく手を動かした際にそれが演出操作と特定されてしまわないようにすることが可能となる。
(36)第1告知演出制御処理、第2告知演出制御処理、分割演出制御処理及び停止操作演出制御処理において、遊技者の手に対応した距離データが参照対象距離以上に対応している場合には有効操作の判定対象外となる構成としたが、これに代えて、遊技者の手に対応した距離データが窓パネル22の表面22aよりも若干前方の位置までの距離に相当する予め定められた距離未満に対応している場合には有効操作の判定対象外とされる構成としてもよい。この場合、窓パネル22に手を近付け過ぎると有効操作と判定されないこととなるため、窓パネル22の表面22aが触れられてしまう可能性が低減される。また、遊技者の手に対応した距離データが第1距離以上であって当該第1距離よりも遠い第2距離未満である場合に、有効操作の判定対象とされる構成としてもよい。これにより、前後方向に操作有効範囲を設定することが可能となる。
(37)各演出制御処理において有効操作の判定対象とするか否かの参照対象距離が異なる構成としてもよい。例えば、第1告知演出制御処理、第2告知演出制御処理、分割演出制御処理及び停止操作演出制御処理においては上記実施形態と同様の参照対象距離が設定されており、連続演出制御処理及び対決演出の制御処理においては上記実施形態の参照対象距離よりも遠い別対象距離が設定されており、連続演出制御処理及び対決演出の制御処理においては別対象距離以上に対応する手データについては有効操作の判定対象外とする構成としてもよい。
(38)演出操作が行われた場合における手の距離データに基づき図柄表示装置61に表示される画像が拡大又は縮小される構成としてもよい。例えば、サイズ判定基準範囲に手が含まれている場合には初期サイズで所定の画像を表示し、サイズ判定基準範囲よりも近い位置に手が存在している場合には初期サイズよりも大きいサイズで所定の画像を表示し、サイズ判定基準範囲よりも遠い位置に手が存在している場合には初期サイズよりも小さいサイズで所定の画像を表示する構成としてもよい。これとは逆に、サイズ判定基準範囲よりも近い位置に手が存在している場合には初期サイズよりも小さいサイズで所定の画像を表示し、サイズ判定基準範囲よりも遠い位置に手が存在している場合には初期サイズよりも大きいサイズで所定の画像を表示する構成としてもよい。これにより、遊技者の手の位置に応じた画像の表示が可能となる。
(39)分割演出に際して図柄表示装置61において表示される選択用画像の数は2個に限定されることはなく、3個、4個又は5個以上であってもよい。この場合、これら選択用画像を全て横方向に並べることで、演出操作が行われたか否かの判定に際して遊技者の顔の高さ位置の影響を低減することが可能となる。
(40)分割演出が実行されている状況で第1告知演出も実行され得る構成としたが、分割演出が実行されている状況では第1告知演出が実行されない構成としてもよい。この場合、仮想二次元平面(1フレーム分の画像G)において操作有効範囲が縦方向に設定されることはなく、複数の操作有効範囲は常に横方向に設定されることとなるため、演出操作が行われたか否かの判定に際して遊技者の顔の高さ位置の影響を低減することが可能となる。
(41)停止操作演出として複数列表示が行われる場合、各変動表示領域CA1〜CA3において図柄列Z1〜Z3にて変動表示される図柄とは異なる図柄が変動表示される構成としてもよい。また、停止操作演出として複数列表示が行われる場合、各変動表示領域CA1〜CA3における図柄の変動表示方向が図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示方向と同一である構成としてもよい。また、停止操作演出では各変動表示領域CA1〜CA3において図柄を識別可能な速度で図柄の変動表示が行われる構成としてもよく、この場合、遊技者は所望の図柄を停止させるべく停止操作を行うこととなる。
(42)連続演出において最終演出が実行される場合、横方向の流し操作を行う遊技者の手の位置に応じて徐々に魚キャラクタCH1が移動先側に向けて移動する構成としてもよい。この場合、自身の流し操作によって魚キャラクタCH1が移動したと遊技者が認識し易くなる。当該構成においては、完結演出である場合には遊技者の手の位置に応じて魚キャラクタCH1が移動先側の端部まで移動する表示が行われる。一方、未完演出である場合には限界ラインBLまでは遊技者の手の位置に応じて魚キャラクタCH1が追従するものの限界ラインBLに達した時点で出現元側の端部に向けて戻り当該端部から表示面の外部に引っ込むような表示が行われる。
(43)遊技者の手の位置に応じて魚キャラクタCH1が移動先側の端部まで移動する構成としてもよい。但し、完結演出と区別するために、先予告演出においては移動先側の端部まで移動したとしても、移動先側の端部から表示面の外部に移動するように消失していく表示は行われない構成とすることが好ましい。
(44)遊技者の手の位置に応じて魚キャラクタCH1の予め定められた移動方向の移動量が変化する表示が行われる構成に代えて、遊技者の手の位置に応じてキャラクタが表示面に出現する又は表示面から消失する表示演出が行われる構成としてもよく、遊技者の手の動きが所定の動きである場合にキャラクタが表示面に出現する、表示面から消失する又は所定の動きをする表示演出が行われる構成としてもよい。
(45)対決演出においては引き分け結果となった場合には対決演出が再度実行される構成としてもよい。但し、それに伴って遊技回用の表示継続時間が変動してしまうのは好ましくないため、対決演出の実行期間として定められている期間の範囲内で対決演出が実行される構成とすることが好ましい。例えば、遊技者が選択した選択対象結果に関係なくパチンコ機10側の出現対象結果が選択される対決演出が最初に実行されるものの、引き分け結果となった場合には遊技者が選択した選択対象結果を踏まえてパチンコ機10側の出現対象結果を選択することで当該対決演出の決着を強制的につける構成としてもよい。この場合、引き分け結果が所定回数(1回又は予め定められた複数回)発生した場合には、次回の対決演出に際して決着抽選処理を実行して勝利結果及び敗北結果のいずれかを決定する。そして、勝利結果である場合には遊技者の選択対象結果が勝利結果となる出現対象結果を当該選択対象結果から導出し、敗北結果である場合には遊技者の選択対象結果が敗北結果となる出現対象結果を当該選択対象結果から導出する。これにより、予め定められた期間の範囲内において対決演出の決着をつけることが可能となる。
(46)後出し不可演出が実行される場合、遊技者の選択対象結果が確定した後に出現対象結果の抽選処理が実行され、その抽選結果に対応した出現対象結果の画像が表示される構成としてもよい。この場合であっても、遊技者が選択した選択対象結果に応じてその後に実行される演出の内容が変化することとなる。
(47)当否抽選モードが高確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードとなり得る構成であって当該潜伏状態への移行に際して当該移行が発生することがパチンコ機10の演出内容からは認識不可又は認識しづらい構成としてもよい。この場合、潜伏状態において発生した対決演出では遊技者が選択した選択対象結果に関係なく勝利結果となり、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである非潜伏状態において発生した対決演出では遊技者が選択した選択対象結果に関係なく非勝利結果となる構成とすることで、対決演出を利用して潜伏状態であるか否かの報知を行うことが可能となる。また、これに代えて、潜伏状態において発生した対決演出では遊技者の選択対象結果に応じて勝利結果となり得るとともに、非潜伏状態において発生した対決演出では遊技者の選択対象結果に関係なく非勝利結果となる構成としてもよい。
(48)対決演出において、スペシャルリーチA演出が発生する大当たり結果の遊技回では所定の確率で後出し可能演出が実行され、勝利結果である場合にはプレミアム用のスペシャルリーチA演出が実行され、非勝利結果である場合には非プレミアムの大当たり用のスペシャルリーチA演出が実行される構成とし、スペシャルリーチA演出が発生する外れ結果の遊技回では強制演出が実行されて非勝利結果が発生する構成としてもよい。
(49)対決演出の結果に応じて予告演出として小泡演出及び大泡演出のいずれかが発生する第2対決演出の開始条件が成立した場合、後出し可能演出のみが実行される構成に限定されることはなく、強制演出が実行され得る構成としてもよく、後出し不可演出が実行され得る構成としてもよい。
(50)第2対決演出の結果に応じて実行される予告演出の内容は、小泡演出と大泡演出とに限定されることはなく、例えば勝利結果である場合には魚群演出が実行され、非勝利結果である場合には泡演出が実行されるというように、勝利結果となった場合と非勝利結果となった場合とで予告演出にて利用されるキャラクタの種類が全く相違する構成としてもよい。
(51)対決演出として「ジャンケン演出」が実行される構成に代えて、「クイズ演出」が実行される構成としてもよい。この場合、図柄表示装置61にて出題されたクイズに対して遊技者は「○」又は「×」を手の動きにより表現することとなるが、その手の動きを撮像用基板71の撮像結果により特定する構成とする。そして、クイズに正解した場合には正解対応の演出がその後に実行され、クイズに不正解であった場合には不正解対応の演出がその後に実行されるようにする。この場合、後出し演出としては、遊技者が回答を提示するための制限期間が経過する前に正解が図柄表示装置61に表示されるようにする。
また、対決演出として「あっち向いてホイ演出」が実行される構成としてもよい。この場合、図柄表示装置61にて表示される対決相手キャラクタが顔を上下左右のいずれかに動かす表示が行われるのに対して、遊技者は指で上下左右のいずれかを示し、遊技者が示した方向に対決相手キャラクタの顔が向いた場合に勝利結果となり、遊技者が示した方向に対決相手キャラクタの顔が向かなかった場合に非勝利結果となる。当該構成においては、遊技者の指がどの方向を示しているのかが、撮像用基板71の撮像結果に基づき特定される。この場合、後出し演出としては、遊技者の選択対象結果を提示するための制限期間が経過する前に、出現対象結果となる対決相手キャラクタの顔の向きが表示されるようにする。また、上記構成とは逆に、遊技者が顔を上下左右のいずれかに動かすのに対して、図柄表示装置61にて表示される対決相手キャラクタが指で上下左右のいずれかを示す。当該構成においては、遊技者の顔がどの方向を向いているのかが、撮像用基板71の撮像結果に基づき特定される。この場合、後出し演出としては、遊技者の選択対象結果を提示するための制限期間が経過する前に、出現対象結果となる対決相手キャラクタの指の向きが表示されるようにする。
また、対決演出として「カード選択演出」が実行される構成としてもよい。この場合、図柄表示装置61にて、表面に当たりであることが示された当たりカードと、表面に外れであることが示された外れカードとが同時に表示され、それらカードを裏返した状態におけるカードの配置位置のシャッフル後において遊技者が選択したカードが当たりカードであれば勝利結果となり、遊技者が選択したカードが外れカードであれば非勝利結果となる。当該構成においては、遊技者がいずれのカードを選択したかが、撮像用基板71の撮像結果に基づき特定される。この場合、後出し演出としては、カードの表を見せた状態で配置位置のシャッフル表示が行われるようにする構成が挙げられる。なお、本構成の場合、遊技者のカード選択に際して各カードの表示位置に対応させて操作有効範囲が複数設定されることとなるが、当たりカードに対応した操作有効範囲の方が外れカードに対応した操作有効範囲よりも、演出操作に対する優先度が高く設定されている構成とすることが好ましい。これにより、複数の操作有効範囲に対して同時に演出操作が行われた場合であっても当たりカードの選択を優先することが可能となる。
また、対決演出として「ヒヨコ選択演出」が実行される構成としてもよい。この場合、図柄表示装置61にて、1匹のヒヨコと、複数の不透明なコップとが表示され、一のコップでヒヨコを覆った状態における複数のコップの配置位置のシャッフル後において遊技者が選択したコップにヒヨコが入っていれば勝利結果となり、遊技者が選択したコップにヒヨコが入っていなければ非勝利結果となる。当該構成においては、遊技者がいずれのコップを選択したかが、撮像用基板71の撮像結果に基づき特定される。この場合、後出し演出としては、遊技者の選択対象結果を提示するための制限時間が経過する前に、ヒヨコが入っているコップからヒヨコの一部が露出したり当該コップが振動する表示が行われるようにする構成が挙げられる。
また、対決演出として「丁半演出」が実行される構成としてもよい。この場合、図柄表示装置61にて丁半を決めるための表示が行われ、丁半のうち遊技者が選択した結果と丁半のうち図柄表示装置61にて最終的に表示される結果とが一致した場合には勝利結果となり、両者の結果が一致しなかった場合には非勝利結果となる。当該構成においては、遊技者が丁半のいずれを選択したかが、撮像用基板71の撮像結果に基づき特定される。この場合、後出し演出としては、遊技者の選択対象結果を提示するための制限期間が経過する前に、パチンコ機10側の丁半の結果が表示されるようにする構成が挙げられる。
(52)対決演出において勝利結果となった場合と非勝利結果となった場合とで遊技球の獲得期待度が変化しない構成としたが、勝利結果となった場合には非勝利結果となった場合よりも遊技球の獲得期待度との兼ね合いで遊技者にとって有利となる構成としてもよい。例えば、対決演出において勝利結果となった場合には開閉実行モードが発生し、非勝利結果となった場合には開閉実行モードが発生しない構成としてもよく、対決演出において勝利結果となった場合にはラウンド遊技の回数が多い開閉実行モードが発生し、非勝利結果となった場合にはラウンド遊技の回数が少ない開閉実行モードが発生する構成としてもよく、対決演出において勝利結果となった場合には当否抽選モードが高確率モードとなり、非勝利結果となった場合には当否抽選モードが低確率モードとなる構成としてもよい。
(53)第1告知演出、第2告知演出、分割演出、連続演出及び対決演出が遊技回用の演出として実行される構成に限定されることはなく開閉実行モード用の演出として実行される構成としてもよい。また、停止操作演出が開閉実行モード用の演出として実行される構成に限定されることはなく遊技回用の演出として実行される構成としてもよい。
(54)大当たり結果となった場合には、単位発射個数当たりの遊技球の獲得期待率が向上する開閉実行モードに移行する構成に代えて、遊技球の払い出しが発生する構成としてもよい。
(55)ステージ部材68がハーフミラーとして設けられている構成に限定されることはなく、ステージ部材68が無色透明又は有色透明に形成されているとともにビームスプリッタ機能を有していない構成としてもよい。
(56)信号処理回路75において距離データの導出対象とするか否かの基準となる撮像信号の基準強度が2段階ではなく3段階、4段階又は5段階以上設定されている構成としてもよい。この場合、複数存在している基準強度のそれぞれの設定操作を可能とするように、基準スイッチ91aの操作位置の数を基準強度の段階数と1対1で対応させることが好ましい。
(57)パチンコ機10の電源がON操作されて動作電力の供給が開始された場合に取得した撮像用基板71の撮像結果に基づき、上記各実施形態において基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合の処理及びOFF位置に配置されている場合の処理のいずれかが実行される構成としてもよい。具体的には、パチンコ機10の電源がON操作された場合には、上記各実施形態において基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合の処理と同様に第1基準強度を基準として距離データを導出するための処理を実行する。その結果、画素アレイ部73cの各画素において窓パネル22よりも撮像装置73側に対応した距離データを導出することとなった画素の数が所定個数(例えば画素アレイ部73cの画素数の50%)未満であれば上記各実施形態において基準スイッチ91aがOFF位置に配置されている場合の処理に基づき距離データを導出するようにし、所定個数以上であれば上記各実施形態において基準スイッチ91aがON位置に配置されている場合の処理に基づき距離データを導出する構成とする。これにより、基準スイッチ91aを設けていなくても電波ゴト防止用シートPSの有無に自動的に対応することが可能となる。また、窓パネル22の表面22aに指紋が付着しているか否かに応じて距離データの導出態様を変更することが可能となる。
(58)複数の操作有効範囲が同時に設定されている場合に演出操作の優先度が設定される構成において、操作演出が発生する遊技回が大当たり結果に対応しているか否かに応じて優先度が切り換えられる構成としてもよい。例えば、分割演出において横方向に2個の操作有効範囲が設定された場合、大当たり結果に対応していない遊技回においては左側の操作有効範囲の方が右側の操作有効範囲よりも優先度が高く設定され、大当たり結果に対応している遊技回においては右側の操作有効範囲の方が左側の操作有効範囲よりも優先度が高く設定される構成としてもよい。この場合、右側の操作有効範囲に対して演出操作が行われた場合の方が左側の操作有効範囲に対して演出操作が行われた場合よりも大当たり結果となる期待度が高い演出が実行されるようにすることで、大当たり結果に対応していない遊技回においては期待度が低い側の演出に対応した演出操作を優先し、大当たり結果に対応している遊技回においては期待度が高い側の演出に対応した演出操作を優先することが可能となる。
(59)撮像装置73における受光結果に基づき距離データを導出する構成に限定されることはなく、超音波を利用して受信部にて受信した結果に基づき距離データを導出する構成としてもよい。また、それ以外にも、電界又は磁界を利用して受信部にて受信した結果に基づき距離データを導出する構成としてもよい。
(60)遊技者の実際の視点又は仮想の視点と、選択用画像又は選択対象部材(例えば可動物ユニット38)といった選択操作対象基準との位置関係に応じて、仮想二次元平面(1フレーム分の画像)における遊技者の手データの位置を補正する構成としてもよい。
例えば、上記各実施形態における高さ位置監視処理などにて遊技者の視点の高さ位置を事前に抽出しておき、この抽出した高さ位置と上記選択対象基準とを結ぶ仮想線に基づき手データの高さ位置及び横方向の位置を補正する構成としてもよい。演出操作を行う位置が窓パネル22よりもパチンコ機10前方に離れるほど手は視点の位置に近づくため、上記仮想線の3次元上の傾斜及び位置に基づき、窓パネル22の表面22aまで手の位置を延長させた場合を想定して手データの高さ位置及び横方向の位置を補正する。
また、例えば、一般的な遊技者の視点の高さ位置に対応したデータが音光側ROM94に予め記憶されている場合にはその視点データと上記選択対象基準とを結ぶ仮想線に基づき手データの高さ位置及び横方向の位置を補正する構成とすればよい。
(61)主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置91により表示制御装置96が制御される構成に代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置96が音声発光制御装置91を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置91と表示制御装置96とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置81に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置81に集約されていてもよい。また、主制御装置81から音声発光制御装置91に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置91から表示制御装置96に出力されるコマンドの構成も任意である。
(62)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置61に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組合せによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(63)上記実施形態では、特図表示部62aにおいて各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、特図表示部62aを不具備としてもよく、いずれの遊技結果であっても特図表示部62aにおいて共通の停止結果が表示される構成としてもよく、特図表示部62aにおいて停止結果がランダムに表示されることで、結果的に特図表示部62aの表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(64)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報を利用して特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理、操作演出制御処理及び撮像制御処理を実行する機能)と、
キャンセル対象の受光結果から前記状態情報が導出されないようにする又は前記状態情報に含まれるキャンセル対象の情報が前記特定処理にて利用されてしまわないようにする調整手段(信号処理回路75におけるステップS805、ステップS808及びステップS810の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS910〜ステップS911、及びステップS1013の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、受光部における受光結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、キャンセル対象の受光結果から状態情報が導出されないように調整される、又は状態情報に含まれるキャンセル対象の情報が特定処理にて利用されてしまわないように調整される構成である。これにより、特定処理を実行する上で適切ではない状態情報がそのまま利用されてしまわないようにすることが可能となり、状態情報を利用した特定処理の実行を適切に行うことが可能となる。
特徴A2.前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果のうち受光側キャンセル対象ではない受光結果に基づき前記状態情報を導出するものであり、
前記調整手段は、
前記情報導出手段により導出された状態情報に状態側キャンセル対象の情報が含まれているか否かを特定するキャンセル対象特定手段(音光側MPU93におけるステップS910及びステップS1009の処理を実行する機能)と、
当該キャンセル対象特定手段により前記状態情報に前記状態側キャンセル対象の情報が含まれていることが特定された場合に、その状態側キャンセル対象の情報が前記特定処理にて利用されてしまわないようにする調整実行手段(音光側MPU93におけるステップS911及びステップS1013の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、キャンセル対象ではない受光結果に基づき状態情報が導出される構成であるため、例えばノイズを含んだ受光結果を受信した場合にそのノイズ部分に対応した状態情報がそのまま導出されてしまうことが阻止される。これにより、状態情報の導出を適切に行うことが可能となる。また、導出された状態情報に、受光結果に関するキャンセル対象とは異なるキャンセル対象の情報が含まれている場合にはそのキャンセル対象の情報が特定処理にて利用されないように調整される。これにより、状態情報を利用した特定処理の実行を適切に行うことが可能となる。
特に、受光結果から状態情報を導出する場合と、導出された状態情報を特定処理にて利用する場合とのそれぞれでキャンセル対象を除外するための処理が実行される構成である。これにより、全てのキャンセル対象の除外が状態情報の導出に際して行われる構成に比べ、キャンセル対象の情報を含む状態情報を利用して特定処理とは異なる処理の実行が可能となり、全てのキャンセル対象の除外が導出された状態情報に対して行われる構成に比べ、調整処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
特徴A3.前記特定実行手段は、
前記状態情報を利用して演出用の特定処理を実行する演出用特定実行手段(音光側MPU93における操作演出制御処理を実行する機能)と、
前記状態情報を利用して異常監視用の特定処理を実行する異常監視用特定実行手段(音光側MPU93における顔認証用処理、第1状況監視処理及び第2状況監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、状態情報を利用して演出用の特定処理だけでなく、異常監視用の特定処理も実行される。これにより、非接触式に状態情報を導出する構成を演出用及び異常監視用のそれぞれで兼用することが可能となり、当該構成を有効活用することが可能となる。
特徴A4.前記調整手段は、前記状態情報が前記演出用の特定処理に利用される場合には前記キャンセル対象の情報が当該特定処理にて利用されてしまわないようにし、前記状態情報が前記異常監視用の特定処理に利用される場合には前記キャンセル対象の情報が当該特定処理にて利用されるようにするものであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、演出の実行に際してはキャンセル対象の情報が利用されないようにすることにより、正確な状態情報を利用して演出を実行することが可能となる。一方、キャンセル対象の情報は正規の情報とは異なる情報とみなすことが可能となるため、当該キャンセル対象の情報を異常監視用の特定処理にて利用することで、キャンセル対象の情報を利用して異常監視を行うことが可能となる。
特徴A5.前記情報導出手段は、所定範囲に亘って存在するように前記受光部を複数有し、これら各受光部における受光結果に基づいて単位状態情報を導出することにより前記監視範囲分の状態情報を導出するものであり、
前記調整手段は、前記複数の受光部における受光結果に基づき取得された各単位状態情報のうち、前記キャンセル対象の情報に該当する単位状態情報は前記特定処理において利用されないようにし、前記キャンセル対象の情報に該当しない単位状態情報は前記特定処理において利用されるようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、状態情報にキャンセル対象の情報が含まれている場合であっても、当該キャンセル対象の情報を除外してその状態情報が特定処理において利用されるため、キャンセル対象の情報が含まれている状態情報を特定処理にて一切使用しない構成に比べ、状態情報を利用した特定処理が早期に実行されるようにすることが可能となる。
特徴A6.前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、受光部における受光結果に基づき位置情報を導出し、その位置情報を利用して特定処理を実行する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で特定処理を実行することが可能となる。
特徴A7.前記調整手段は、距離計測基準からの距離が調整対象距離未満に対応している位置情報を前記キャンセル対象の情報として扱うものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、所定の基準よりも遊技機後方側に存在している物などに対応した情報が特定処理にて実行されないようにすることが可能となる。これにより、所定の基準よりも遊技機前方に存在している監視対象に対応した情報のみを抽出して特定処理を実行することが可能となる。
特徴A8.遊技機前面部に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられており、
前記調整手段は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報を前記キャンセル対象の情報として扱うものであることを特徴とする特徴A6又はA7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、窓パネル部よりも遊技機前方に存在しているか否かを基準にして、位置情報を特定処理にて利用するか否かが決定される。これにより、受光部が窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられている構成であったとしても、窓パネル部よりも遊技機後方側に存在している物などを特定処理の監視対象として誤認してしまう可能性が低減される。
特徴A9.前記調整手段は、前記窓パネル部の前面よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報又は当該前面よりも遊技機前方に定められた位置よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報を前記キャンセル対象の情報として扱うものであることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、窓パネル部に指紋や異物が付着している場合に、これら指紋や異物に対応した位置情報が特定処理にて利用されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴A10.前記受光結果が前記キャンセル対象に対応している事象が継続した場合、又は前記キャンセル対象の情報に対応した前記状態情報が前記情報導出手段により継続して導出された場合、特別処理を実行する特別実行手段(音光側MPU93におけるステップS1013〜ステップS1015の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
キャンセル対象の情報が状態情報として導出される状況が継続する場合というのは何らかの異常が生じている場合である。これに対して、特徴A10の構成によれば、そのような状況が継続している場合には特別処理が実行されるため、例えば遊技ホールの管理者などに当該状況を継続させている原因を解消するように促すことが可能となる。
特徴A11.遊技機前面部に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられており、
前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであり、
前記調整手段は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報を前記キャンセル対象の情報として扱うものであり、
前記特別実行手段は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報が異常判定期間以上に亘って前記情報導出手段により継続して導出された場合に前記特別処理を実行するものであることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
窓パネル部よりも遊技機後方側に何らかの異物が存在している状態が継続する場合、その異物を利用した不正行為が行われている可能性がある。これに対して、特徴A11の構成によれば、そのような状況が継続している場合には特別処理が実行されるため、例えば遊技ホールの管理者などに当該状況を継続させている原因を解消するように促すことが可能となる。
特徴A12.遊技球が流下する遊技領域を、前記窓パネル部を通じて遊技機前方から視認可能となる構成であり、
前記異常判定期間は、前記遊技領域を遊技球が正常に流下する場合に、前記監視範囲を遊技球が通過するのに要する期間として想定される最長期間よりも長い期間として設定されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、遊技領域を流下する遊技球が監視範囲を通過した場合に特別処理が実行されてしまうことを阻止することが可能となる。
特徴A13.前記調整手段は、前記窓パネル部の前面よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報又は当該前面よりも遊技機前方に定められた位置よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報を前記キャンセル対象の情報として扱うものであり、
前記特別実行手段は、前記窓パネル部の前面よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報又は当該前面よりも遊技機前方に定められた位置よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報が前記情報導出手段により継続して導出された場合に前記特別処理を実行するものであることを特徴とする特徴A11又はA12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、窓パネル部に指紋や異物が付着している場合には特別処理が実行されるため、その状態を解消するように例えば遊技ホールの管理者などに促すことが可能となる。
特徴A14.前記特別実行手段は、前記特別処理として、前記特定実行手段において前記特定処理が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴A10乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、何らかの異常が発生している場合には特定処理が実行されないようにすることで、適切な状況下において特定処理が実行されるようにすることが可能となる。
特徴A15.前記特定実行手段は、前記特定処理として、前記状態情報を利用して遊技者の動作を特定しその動作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行するものであり、
前記特別実行手段は、前記特別処理として、前記状態情報を利用した演出の実行内容又は実行有無に関して制限を与えるための処理を実行するものであることを特徴とする特徴A10乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合には状態情報を利用した演出の実行に関して制限が与えられる。これにより、異常な状態情報を利用して演出が実行されてしまうことを阻止することが可能となる。
特徴A15.前記特定実行手段は、前記特定処理として、遊技機前面よりも遊技機前方の操作有効範囲に遊技者の手が存在している場合に演出操作が行われたと特定し、当該演出操作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行するものであり、
前記特別実行手段は、前記特別処理として、前記操作有効範囲の設定態様を制限態様とするものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合には、操作有効範囲の設定態様に関して制限が与えられる。これにより、上記異常が発生している状況であっても状態情報を利用した演出の実行を可能としながら、遊技者の操作内容と演出の実行内容とが対応しないといった不都合が発生する可能性を低減することが可能となる。
特徴A16.前記特別実行手段は、前記特別処理として、一度に設定される前記操作有効範囲の数を当該特別処理が実行されない場合よりも少なくするための処理を実行するものであることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合には一度に設定される操作有効範囲の数が少なくなるように制限されるため、一の操作有効範囲を大きく確保することが可能となる。これにより、上記異常が発生している状況であっても状態情報を利用した演出の実行を可能としながら、遊技者の操作内容と演出の実行内容とが対応しないといった不都合が発生する可能性を低減することが可能となる。
特徴A17.前記特別実行手段は、前記特別処理として、報知が実行されるようにするための処理を実行するものであることを特徴とする特徴A10乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、異常な状態情報が導出されてしまう状況が継続している場合にはその原因を解消するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
特徴A18.前記調整手段は、
前記受光部における受光結果が第1判定基準以上の信号強度に対応している場合に、前記情報導出手段により前記状態情報が導出されるようにする第1調整手段(信号処理回路75におけるステップS805の処理を実行する機能)と、
前記受光部における受光結果が第2判定基準以上の信号強度に対応している場合に、前記情報導出手段により前記状態情報が導出されるようにする第2調整手段(信号処理回路75におけるステップS808の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定実行手段は、前記第1調整手段により調整が行われる場合と、前記第2調整手段により調整が行われる場合とで、前記特定処理の実行内容が相違していることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、受光結果に基づき状態情報を導出するか否かを定める信号強度の判定基準が状況に応じて変更される構成であるため、キャンセル対象とする受光結果を各状況に応じて変更することが可能となる。これにより、状態情報の導出を各状況に対応させて行うことが可能となる。この場合に、上記判定基準に応じて特定処理の実行内容が相違している。これにより、状態情報の精度に応じて特定処理の実行内容を相違させることが可能となり、特定処理を適切に実行することが可能となる。
特徴A19.前記特定実行手段は、前記特定処理として、前記状態情報を利用して遊技者の動作を特定しその動作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行するものであることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
遊技者が所定の演出操作を行ったか否かを非接触式で検知する構成において、既に説明したような作用効果を奏することが可能となる。
特徴A20.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報を利用して特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理、操作演出制御処理及び撮像制御処理を実行する機能)と、
キャンセル対象の受信結果から前記状態情報が導出されないようにする又は前記状態情報に含まれるキャンセル対象の情報が前記特定処理にて利用されてしまわないようにする調整手段(信号処理回路75におけるステップS805、ステップS808及びステップS810の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS910〜ステップS911、及びステップS1013の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A20によれば、受信部における受信結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、キャンセル対象の受信結果から状態情報が導出されないように調整される、又は状態情報に含まれるキャンセル対象の情報が特定処理にて利用されてしまわないように調整される構成である。これにより、特定処理を実行する上で適切ではない状態情報がそのまま利用されてしまわないようにすることが可能となり、状態情報を利用した特定処理の実行を適切に行うことが可能となる。
なお、特徴A1〜A20のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報を利用して特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理、操作演出制御処理及び撮像制御処理を実行する機能)と、
前記受光部の受光結果が異常対応結果である場合又は前記状態情報が異常対応情報に対応している場合、特別処理を実行する特別実行手段(音光側MPU93におけるステップS1013〜ステップS1015の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、受光部における受光結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、受光部の受光結果が異常対応結果である場合又は状態情報が異常対応情報に対応している場合には特別処理が実行される。これにより、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合には、例えば遊技ホールの管理者などに当該状況を継続させている原因を解消するように促すことが可能となる。
特徴B2.前記特別実行手段は、前記受光結果が前記異常対応結果に対応している事象が異常判定期間以上に亘って継続した場合、又は前記状態情報が前記異常対応情報に対応している事象が異常判定期間以上に亘って継続した場合に、前記特別処理を実行するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、突発的なノイズの発生などに対しては特別処理が実行されないようにすることが可能となる。
特徴B3.遊技機前面部に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられており、
前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであり、
前記特別実行手段は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報が異常判定期間以上に亘って前記情報導出手段により継続して導出された場合に前記特別処理を実行するものであることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
窓パネル部よりも遊技機後方側に何らかの異物が存在している状態が継続する場合、その異物を利用した不正行為が行われている可能性がある。これに対して、特徴B3の構成によれば、そのような状況が継続している場合には特別処理が実行されるため、例えば遊技ホールの管理者などに当該状況を継続させている原因を解消するように促すことが可能となる。
特徴B4.遊技球が流下する遊技領域を、前記窓パネル部を通じて遊技機前方から視認可能となる構成であり、
前記異常判定期間は、前記遊技領域を遊技球が正常に流下する場合に、前記監視範囲を遊技球が通過するのに要する期間として想定される最長期間よりも長い期間として設定されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、遊技領域を流下する遊技球が監視範囲を通過した場合に特別処理が実行されてしまうことを阻止することが可能となる。
特徴B5.前記特別実行手段は、前記窓パネル部の前面よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報又は当該前面よりも遊技機前方に定められた位置よりも遊技機後方側に存在していることに対応する位置情報が前記情報導出手段により継続して導出された場合に前記特別処理を実行するものであることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、窓パネル部に指紋や異物が付着している場合には特別処理が実行されるため、その状態を解消するように例えば遊技ホールの管理者などに促すことが可能となる。
特徴B6.前記特別実行手段は、前記特別処理として、前記特定実行手段において前記特定処理が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、状態情報の取得に関して何らかの異常が発生している場合には特定処理が実行されないようにすることで、適切な状況下において特定処理が実行されるようにすることが可能となる。
特徴B7.前記特定実行手段は、前記特定処理として、前記状態情報を利用して遊技者の動作を特定しその動作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行するものであり、
前記特別実行手段は、前記特別処理として、前記状態情報を利用した演出の実行内容又は実行有無に関して制限を与えるための処理を実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B7によれば、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合には状態情報を利用した演出の実行に関して制限が与えられる。これにより、異常な状態情報を利用して演出が実行されてしまうことを阻止することが可能となる。
特徴B8.前記特定実行手段は、前記特定処理として、遊技機前面よりも遊技機前方の操作有効範囲に遊技者の手が存在している場合に演出操作が行われたと特定し、当該演出操作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行するものであり、
前記特別実行手段は、前記特別処理として、前記操作有効範囲の設定態様を制限態様とするものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合には、操作有効範囲の設定態様に関して制限が与えられる。これにより、上記異常が発生している状況であっても状態情報を利用した演出の実行を可能としながら、遊技者の操作内容と演出の実行内容とが対応しないといった不都合が発生する可能性を低減することが可能となる。
特徴B9.前記特別実行手段は、前記特別処理として、一度に設定される前記操作有効範囲の数を当該特別処理が実行されない場合よりも少なくするための処理を実行するものであることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合には一度に設定される操作有効範囲の数が少なくなるように制限されるため、一の操作有効範囲を大きく確保することが可能となる。これにより、上記異常が発生している状況であっても状態情報を利用した演出の実行を可能としながら、遊技者の操作内容と演出の実行内容とが対応しないといった不都合が発生する可能性を低減することが可能となる。
特徴B10.前記特別実行手段は、前記特別処理として、報知が実行されるようにするための処理を実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、異常な状態情報が導出されてしまう状況が継続している場合にはその原因を解消するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
特徴B11.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報を利用して特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理、操作演出制御処理及び撮像制御処理を実行する機能)と、
前記受信部の受信結果が異常対応結果である場合又は前記状態情報が異常対応情報に対応している場合、特別処理を実行する特別実行手段(音光側MPU93におけるステップS1013〜ステップS1015の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B11によれば、受信部における受信結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、受信部の受信結果が異常対応結果である場合又は状態情報が異常対応情報に対応している場合には特別処理が実行される。これにより、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合には、例えば遊技ホールの管理者などに当該状況を継続させている原因を解消するように促すことが可能となる。
なお、特徴B1〜B11のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報を利用して特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理、操作演出制御処理及び撮像制御処理を実行する機能)と、
前記受光結果から前記状態情報が導出される場合の導出態様及び前記状態情報の利用態様のうち少なくとも一方である対象態様を、複数種類の設定態様のいずれかに設定する態様設定手段(音光側MPU93における基準スイッチ監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、受光部における受光結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、遊技機が使用される環境に応じて状態情報の導出態様及び利用態様のうち少なくとも一方を変更することが可能となる。これにより、状態情報を利用した特定処理の実行内容を、遊技機が使用される環境に応じた適切なものとすることが可能となる。
特徴C2.前記特定実行手段は、前記態様設定手段により設定された設定態様に応じて前記特定処理の実行内容を相違させるものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、状態情報の導出態様及び利用態様のうち少なくとも一方に応じて特定処理の実行内容が相違している。これにより、状態情報の精度に応じて特定処理の実行内容を相違させることが可能となり、特定処理を適切に実行することが可能となる。
特徴C3.手動操作可能な設定操作手段(基準スイッチ91a)を備え、
前記態様設定手段は、前記設定操作手段の操作に応じて前記複数種類の設定態様のいずれかに設定するものであることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、状態情報の導出態様及び利用態様のうち少なくとも一方を設定操作手段の手動操作によって変更することが可能となる。これにより、遊技機が使用される環境に応じて遊技ホールの管理者などが状態情報の導出対象及び利用態様のうち少なくとも一方を変更することが可能となる。
特徴C4.前記態様設定手段は、第1状況の場合よりも第2状況の場合の方が、前記状態情報の導出に関して制限が与えられるようにする設定又は前記状態情報の精度が低下することとなる設定を行うものであり、
前記特定実行手段は、前記特定処理として、前記状態情報を利用して遊技者の動作を特定しその動作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行するものであって、前記第2状況である場合、前記状態情報を利用した演出の実行内容又は実行有無に関して制限を与えるものであることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C4によれば、状態情報の導出に関して制限が与えられる場合又は状態情報の精度が低下する場合には、状態情報を利用した演出の実行に関して制限が与えられる。これにより、遊技機が使用される環境に対応した態様で状態情報が導出される構成において、状態情報の導出レベルが低下する場合であっても例えば遊技者の動作と演出の内容とが対応しないといった不都合を発生しづらくさせることが可能となる。
特徴C5.前記特定実行手段は、前記特定処理として、遊技機前面よりも遊技機前方の操作有効範囲に遊技者の手が存在している場合に演出操作が行われたと特定し、当該演出操作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行するものであって、前記第2状況である場合、前記操作有効範囲の設定態様を制限態様とするものであることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、状態情報の導出に関して制限が与えられる場合又は状態情報の精度が低下する場合には、操作有効範囲の設定態様に関して制限が与えられる。これにより、遊技機が使用される環境に対応した態様で状態情報が導出される構成において、状態情報の導出レベルが低下する場合であっても例えば遊技者の動作と演出の内容とが対応しないといった不都合を発生しづらくさせることが可能となる。
特徴C6.前記特定実行手段は、前記第2状況である場合、一度に設定される前記操作有効範囲の数を前記第1状況である場合よりも少なくするものであることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、状態情報の導出レベルが低下する場合には一度に設定される操作有効範囲の数が少なくなるように制限されるため、一の操作有効範囲を大きく確保することが可能となる。これにより、遊技機が使用される環境に対応した態様で状態情報が導出される構成において、状態情報の導出レベルが低下する場合であっても例えば遊技者の動作と演出の内容とが対応しないといった不都合を発生しづらくさせることが可能となる。
特徴C7.前記情報導出手段は、
前記受光部における受光結果が第1判定基準以上の信号強度に対応している場合に、当該受光結果に基づき前記状態情報を導出する第1情報導出手段(信号処理回路75におけるステップS806の処理を実行する機能)と、
前記受光部における受光結果が前記第1判定基準よりも対応する信号強度が低い第2判定基準以上の信号強度に対応している場合に、当該受光結果に基づき前記状態情報を導出する第2情報導出手段(信号処理回路75におけるステップS809の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記態様設定手段は、第1状況においては前記第1情報導出手段により前記状態情報の導出が行われるようにし、第2状況においては前記第2情報導出手段により前記状態情報の導出が行われるようにするものであることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C7によれば、受光結果に基づき状態情報を導出するか否かを定める信号強度の判定基準が状況に応じて変更される構成であるため、受光部における監視対象に対応した光の受光のし易さに応じて状態情報の導出を行うことが可能となる。
特徴C8.前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであり、
前記態様設定手段は、
距離計測基準からの距離が基準距離以下の距離に対応した位置情報が前記特定処理にて利用される状態に設定する第1態様設定手段(信号処理回路75におけるステップS807の処理を実行する機能)と、
距離計測基準からの距離が前記基準距離以下の距離に対応した位置情報が前記特定処理にて利用されない状態に設定する第2態様設定手段(信号処理回路75におけるステップS811の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、基準距離以下となる範囲の環境に応じた態様で位置情報を導出することが可能となる。
特徴C9.遊技機前面部に設けられ、遊技球が流下する遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられており、
前記基準距離に対応する位置は、前記窓パネル部の後面よりも遊技機前方の位置であることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
窓パネル部の後面には不正防止目的などで所定のフィルムが貼り付けられることがある。この場合に、窓パネル部の後面よりも遊技機前方の位置までの基準距離以下の距離に対応した位置情報を特定処理にて利用される状態と利用されない状態とが存在することにより、上記所定のフィルムが貼り付けられていない場合には特定処理にて利用可能な位置情報の範囲を広げる一方、上記所定のフィルムが貼り付けられている場合には当該フィルムの影響を停止ながら特定処理を実行することが可能となる。
特徴C10.前記情報導出手段は、
前記受光部における受光結果が第1判定基準以上の信号強度に対応している場合に、当該受光結果に基づき前記位置情報を導出する第1情報導出手段(信号処理回路75におけるステップS806の処理を実行する機能)と、
前記受光部における受光結果が前記第1判定基準よりも対応する信号強度が低い第2判定基準以上の信号強度に対応している場合に、当該受光結果に基づき前記位置情報を導出する第2情報導出手段(信号処理回路75におけるステップS809の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記態様設定手段は、前記第1態様設定手段による前記設定が行われる場合には前記第1情報導出手段により前記位置情報の導出が行われるようにし、前記第2態様設定手段による前記設定が行われる場合には前記第2情報導出手段により前記位置情報の導出が行われるようにするものであることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
窓パネル部の後面に上記所定のフィルムが貼り付けられている場合、窓パネル部よりも遊技機前方に存在している監視対象から受光部にて受光する光の強度が低下するものと考えられる。この場合に、所定のフィルムが貼り付けられている場合には、低い信号強度に対応した受光結果であっても位置情報の導出対象となる。これにより、所定のフィルムが貼り付けられている場合であっても、窓パネル部よりも遊技機前方に存在している監視対象に対応した位置情報を導出することが可能となる。
特徴C11.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報を利用して特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理、操作演出制御処理及び撮像制御処理を実行する機能)と、
前記受信結果から前記状態情報が導出される場合の導出態様及び前記状態情報の利用態様のうち少なくとも一方である対象態様を、所定の設定態様に設定する態様設定手段(音光側MPU93における基準スイッチ監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C11によれば、受信部における受信結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、遊技機が使用される環境に応じて状態情報の導出態様及び利用態様のうち少なくとも一方を変更することが可能となる。これにより、状態情報を利用した特定処理の実行内容を、遊技機が使用される環境に応じた適切なものとすることが可能となる。
なお、特徴C1〜C11のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群、上記特徴B群及び上記特徴C群の各特徴によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、遊技者の動作や様子などを非接触式で認識可能とする構成を設けることで、例えば遊技者の非接触による動作に応じた演出の実行が可能となり、それ以外にも例えば遊技機に対する不正の有無を監視することが可能となる。この場合に、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識を好適に行える必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴D群>
特徴D1.遊技者の認識対象部位の位置を特定する位置特定手段(音光側MPU93における高さ位置監視処理を実行する機能)と、
当該位置特定手段により特定された前記認識対象部位の位置に対応した態様で演出用の処理が実行されるようにする演出制御手段(音光側MPU93における第1告知演出制御処理、第2告知演出制御処理、分割演出制御処理、停止操作演出制御処理及び連続演出制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技者の認識対象部位の位置に対応した態様で演出を実行することが可能となる。よって、演出への注目度を高めることが可能となる。
特徴D2.前記位置特定手段は、認識対象部位の位置として、遊技者の目又は顔に対応した部位の高さ位置を特定するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、演出の視認性や演出時の操作性を目の高さ位置に応じて調整することが可能となり、演出への注目度を高めることが可能となる。
特徴D3.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)を備え、
前記位置特定手段は、
当該情報導出手段により導出された状態情報を利用して前記認識対象部位を抽出する抽出手段(音光側MPU93におけるステップS1111の処理を実行する機能)と、
当該抽出手段により抽出された抽出情報を利用して前記認識対象部位の位置を把握する位置把握手段(音光側MPU93におけるステップS1113の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、遊技者の操作を要することなく非接触式で認識対象部位の位置を特定することが可能となる。
なお、情報導出手段は、受光部における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成に代えて、受信部における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成としてもよい。
特徴D4.前記演出制御手段は、
遊技機前面よりも遊技機前方の操作有効範囲に遊技者の手が存在している場合に演出操作が行われたと特定し、当該演出操作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行する操作対応制御手段(音光側MPU93におけるステップS1709〜ステップS1711、ステップS1809〜ステップS1816、ステップS2009〜ステップS2015、ステップS2210〜ステップS2215、ステップS2510〜ステップS2513及びステップS2607〜ステップS2610の処理を実行する機能)と、
前記操作有効範囲に遊技者の手が存在しているか否かの特定を行う場合に、前記位置特定手段の特定結果に基づき調整を行う位置対応調整手段(音光側MPU93におけるステップS1707、ステップS1807、ステップS2007、ステップS2207、ステップS2508及びステップS2605の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、操作有効範囲に手が存在しているか否かの特定を遊技者の認識対象部位の位置に応じて行うことが可能となるため、遊技者の演出操作とそれに対して行われる演出の内容とが一致しなくなる可能性が低減される。
特徴D5.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)を備え、
前記位置特定手段による前記認識対象部位の位置の特定、及び前記操作対応制御手段による前記操作有効範囲に対する遊技者の手の位置の特定はいずれも、前記状態情報を利用して行われることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、状態情報を認識対象部位の位置の特定及び演出操作の有無の特定の両方において利用することが可能となり、それぞれの特定を別の手段により行う構成に比べて構成の簡素化を図ることが可能となる。また、認識対象部位の位置の特定に際して利用される状態情報を利用して演出操作の有無の特定が行われるため、演出操作の有無の特定が行われる場合の条件下で認識対象部位の位置の特定を行うことが可能となり、演出操作の有無の特定に際して認識対象部位の位置の特定結果を利用する効果が高められる。
なお、情報導出手段は、受光部における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成に代えて、受信部における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成としてもよい。
特徴D6.前記位置対応調整手段は、前記操作有効範囲の位置を前記位置特定手段の特定結果に基づき調整するものであることを特徴とする特徴D4又はD5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、操作有効範囲の位置を遊技者の認識対象部位の位置に対応した位置とすることが可能となり、演出操作の有無の特定を正確に行うことが可能となる。
特徴D7.演出が実行される表示手段(図柄表示装置61)を備え、
前記演出制御手段は、
前記表示手段において選択用表示を行わせる手段(音光側MPU93におけるステップS1904、ステップS1905、ステップS2104及びステップS2105の処理を実行する機能)と、
当該選択用表示に対応する位置に前記操作有効範囲を設定する手段(音光側MPU93におけるステップS2009、ステップS2210及びステップS2217の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記位置対応調整手段は、前記表示面において前記選択用表示が行われる位置は前記位置特定手段の特定結果に基づき変更しないようにしながら、前記操作有効範囲の位置を前記位置特定手段の特定結果に基づき調整するものであることを特徴とする特徴D4乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、選択用表示に向けて遊技者が手を伸ばすことでその手が操作有効範囲に存在することとなるため、遊技者として選択用表示に対して選択操作を行ったと認識することとなる。この場合に、選択用表示の位置を固定しながら操作有効範囲の位置を調整する構成であるため、両方を調整する構成に比べて処理負荷の軽減が図られるとともに、表示面の範囲に限られる選択用表示の位置のみを調整する構成に比べて調整の自由度が高められる。
特徴D8.遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出する情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)を備え、
前記位置特定手段は、前記位置情報に基づき前記認識対象部位が位置特定対象範囲の距離に存在していることを特定した場合に当該認識対象部位の位置を特定するものであることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、遊技者が遊技を通常行う体勢となっている場合に認識対象部位の位置の特定を行うことが可能となり、認識対象部位の位置として正しくない位置に対応した態様で演出が実行されてしまう可能性が低減される。
なお、特徴D1〜D8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
遊技機前面よりも遊技機前方の操作有効範囲に遊技者の所定部位が存在していることを前記状態情報に基づき特定したことを少なくとも一の条件として演出操作が行われたと特定し、当該演出操作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行する演出制御手段(音光側MPU93における第1告知演出制御処理、第2告知演出制御処理、分割演出制御処理、停止操作演出制御処理及び連続演出制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、受光部における受光結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、操作有効範囲に遊技者の所定部位が存在していることを特定した場合に演出操作が行われたと特定される構成であるため、操作有効範囲の設定の仕方によって演出操作の態様を多様化させることが可能となる。よって、演出への注目度を高めることが可能となる。
特徴E2.前記演出制御手段は、一度に前記操作有効範囲を複数設定する範囲設定手段(音光側MPU93におけるステップS2009及びステップS2210の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、一度に操作有効範囲が複数設定されるため、2択や3択といった演出操作を遊技者が所定部位を移動させることによって行うことが可能となり、演出操作の操作性を高めることが可能となる。また、状態情報との関係で操作有効範囲が設定される構成であるため、状態情報を導出するための一の構成によって、複数の操作有効範囲を設定することが可能となり、操作有効範囲の数に応じて操作検知用の構成を増加させる必要がない点で構成の簡素化を図ることが可能となる。
特徴E3.前記範囲設定手段は、前記操作有効範囲を一度に複数設定する場合、それら操作有効範囲を横方向に設定するものであることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
遊技機において遊技が行われる場合、遊技機の前方に設けられた椅子に着席した状態で遊技が行われるのが一般的である。この場合、遊技者の背の高さに応じて遊技者の視点の高さ位置は相違することとなるが、視点の高さ位置が相違すると操作有効範囲の認識の仕方が異なるものとなる。このような事情において、特徴E3によれば、操作有効範囲が一度に複数設定される場合、それら操作有効範囲が横方向に設定される。これにより、遊技者の所定部位と操作有効範囲との位置関係の把握に際して、視点の高さ位置を考慮に入れなくてもいずれの操作有効範囲に対する操作であるのかを認識し易くなる。
特徴E4.前記範囲設定手段は、前記操作有効範囲を一度に複数設定する場合、それら操作有効範囲の間に非有効範囲が存在するように当該設定を行うものであることを特徴とする特徴E2又はE3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、操作有効範囲が一度に複数設定される場合には、それら操作有効範囲の間に非有効範囲が存在することとなる。これにより、遊技者の所定部位が複数の操作有効範囲内に同時に入りづらくなるため、遊技者の演出操作の内容とそれに対して実行される演出の内容とが相違するといった不都合が発生しづらくなる。
特徴E5.演出が実行される表示手段(図柄表示装置61)を備え、
前記演出制御手段は、
前記表示手段において選択用表示を行わせる選択表示実行手段(音光側MPU93におけるステップS1904、ステップS1905、ステップS2104及びステップS2105の処理を実行する機能)と、
前記選択用表示に対応する位置に前記操作有効範囲を設定する範囲設定手段(音光側MPU93におけるステップS2009、ステップS2210及びステップS2217の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E5によれば、選択用表示に向けて遊技者が手などの所定部位を伸ばすことでその所定部位が操作有効範囲に存在することとなるため、遊技者として選択用表示に対して選択操作を行ったと認識することとなる。
特徴E6.前記演出制御手段は、演出の種類に応じて前記操作有効範囲の設定態様を相違させるものであることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E6によれば、演出の種類に応じて操作有効範囲の設定態様が相違することとなるため、操作演出の態様の多様化が図られるとともに、各演出に対応した態様で操作有効範囲を設定することが可能となり演出の設計の自由度が高められる。
特徴E7.前記演出制御手段は、演出の種類に応じて、一度に設定される前記操作有効範囲の数を相違させるものであることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E7によれば、演出の種類に応じて操作有効範囲の数が相違することとなるため、操作演出の態様の多様化が図られるとともに、各演出に対応した態様で操作有効範囲を設定することが可能となり演出の設計の自由度が高められる。
特徴E8.前記演出制御手段は、演出実行制限状況(規制フラグに「1」がセットされている状況、又は基準フラグに「1」がセットされている状況)となった場合、前記操作有効範囲の設定態様を制限態様とするものであることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E8によれば、演出実行制限状況となった場合には操作有効範囲の設定態様に関して制限が与えられるため、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合であっても状態情報を利用した演出の実行を可能としながら、遊技者の操作内容と演出の実行内容とが対応しないといった不都合が発生する可能性を低減することが可能となる。
特徴E9.前記演出制御手段は、前記演出実行制限状況となった場合、一度に設定される前記操作有効範囲の数を当該演出実行制限状況ではない状況よりも少なくするための処理を実行するものであることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
特徴E9によれば、演出実行制限状況となった場合には一度に設定される操作有効範囲の数が少なくなるように制限されるため、一の操作有効範囲を大きく確保することが可能となる。これにより、状態情報の導出に関して何らかの異常が発生している場合であっても状態情報を利用した演出の実行を可能としながら、遊技者の操作内容と演出の実行内容とが対応しないといった不都合が発生する可能性を低減することが可能となる。
特徴E10.前記演出制御手段は、前記操作有効範囲に存在している遊技者の所定部位が所定期間に亘って所定動作を行ったことを特定した場合に、当該所定動作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E10によれば、遊技者の所定動作に対応した演出を実行することが可能となる。
特徴E11.前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E11によれば、受光部における受光結果に基づき位置情報を導出し、その位置情報を利用して特定処理を実行する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で操作演出に対応した演出を実行することが可能となる。
特徴E12.遊技機前面部に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられており、
前記操作有効範囲は、前記窓パネル部よりも遊技機前方に設定されることを特徴とする特徴E11に記載の遊技機。
特徴E12によれば、窓パネル部よりも遊技機前方に存在しているか否かを基準にして、位置情報を演出として利用するか否かが決定される。これにより、受光部が窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられている構成であったとしても、窓パネル部よりも遊技機後方側に存在している物などを操作演出の発生として誤認してしまう可能性が低減される。
特徴E13.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
遊技機前面よりも遊技機前方の操作有効範囲に遊技者の所定部位が存在していることを前記状態情報に基づき特定したことを少なくとも一の条件として演出操作が行われたと特定し、当該演出操作に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行する演出制御手段(音光側MPU93における第1告知演出制御処理、第2告知演出制御処理、分割演出制御処理、停止操作演出制御処理及び連続演出制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E13によれば、受信部における受信結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、操作有効範囲に遊技者の所定部位が存在していることを特定した場合に演出操作が行われたと特定される構成であるため、操作有効範囲の設定の仕方によって演出操作の態様を多様化させることが可能となる。よって、演出への注目度を高めることが可能となる。
なお、特徴E1〜E13のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴D群及び上記特徴E群の各特徴によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技者にとって有利な結果が生じることを期待させるための演出が実行されるが、遊技の興趣向上を図るためには当該演出への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴F群>
特徴F1.操作有効範囲に遊技者の所定操作が行われたことを特定した場合に、当該所定操作に対応した処理を実行する対応制御手段(音光側MPU93におけるステップS1711、ステップS2014、ステップS2015及びステップS2213の処理を実行する機能)と、
前記操作有効範囲が複数設定されている状況において、前記所定操作が行われたと特定する場合の優先度をそれら複数の操作有効範囲に対して設定する優先度設定手段(音光側MPU93におけるステップS2010及びステップS2212の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応制御手段は、複数の前記操作有効範囲に対して前記所定操作が行われている場合、前記優先度が高い側の操作有効範囲に対して前記所定操作が行われたと特定するものであることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、操作有効範囲が同時に複数設定され得るため、選択的な操作を遊技者に行わせることが可能となる。この場合に、操作有効範囲が複数設定されている状況においては、所定操作が行われたと特定する場合の優先度が設定されているため、複数の操作有効範囲に対して同時に所定操作が行われたとしても、予め定められた優先度が高い側の操作有効範囲について所定操作が行われたものとしてそれに対応する処理を実行することが可能となる。
特徴F2.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)を備え、
前記対応制御手段は、遊技機前面よりも遊技機前方の前記操作有効範囲に遊技者の手が存在していることを前記状態情報に基づき特定した場合に前記所定操作が行われたと特定するものであることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、受光部における受光結果に基づき導出された状態情報を利用して操作有効範囲に所定操作が行われたか否かが特定される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、当該操作有効範囲が複数設定された場合、遊技者としては複数の操作有効範囲を明確に区別することができない可能性があり、複数の操作有効範囲に対する所定操作が同時に行われてしまうことが懸念される。これに対して、上記特徴F1の構成を備えていることにより、複数の操作有効範囲に対して同時に所定操作が行われたとしても、予め定められた優先度が高い側の操作有効範囲について所定操作が行われたものとしてそれに対応する処理を実行することが可能となる。
なお、情報導出手段は、受光部における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成に代えて、受信部における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成としてもよい。
特徴F3.前記対応制御手段は、前記操作有効範囲に前記所定操作が行われたと特定した場合に、当該所定操作が行われた操作有効範囲に対応した演出が実行されるようにするための処理を実行するものであることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、操作有効範囲に対して所定操作が行われたことに対して当該操作有効範囲に対応した演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴F4.前記対応制御手段は、
複数設定されている前記操作有効範囲のうち第1操作有効範囲に前記所定操作が行われた場合に、第1操作対応演出が行われるようにする第1対応制御手段(音光側MPU93におけるステップS2014及びステップS2015の処理を実行する機能)と、
複数設定されている前記操作有効範囲のうち第2操作有効範囲に前記所定操作が行われた場合に、前記第1操作対応演出よりも遊技者に有利な状態が発生することの期待度が高い第2操作対応演出が行われるようにする第2対応制御手段(音光側MPU93におけるステップS1711の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記優先度設定手段は、前記第1操作有効範囲よりも前記第2操作有効範囲の方が高い優先度となるようにするものであることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
特徴F4によれば、第1操作有効範囲と第2操作有効範囲との両方に同時に所定操作が行われた場合、期待度が高い第2操作対応演出の実行が優先される。これにより、第1操作対応演出と第2操作対応演出とが同時に発生することを防止しながら、第2操作対応演出が実行される機会を高めることが可能となる。
特徴F5.前記第2操作有効範囲は、前記第1操作有効範囲に対して上方となる位置に設定されることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
第2操作有効範囲が第1操作有効範囲の上方に設けられた構成においては、第2操作有効範囲に対して所定操作を行ったにも関わらず意図せず第1操作有効範囲にも所定操作を行ったものと特定されてしまう可能性がある。これに対して、上記特徴F4の構成を備えていることにより、第1操作有効範囲と第2操作有効範囲との両方に同時に所定操作が行われた場合、期待度が高い第2操作対応演出の実行が優先されるため、第2操作対応演出が実行されるようにすることが可能となる。
特徴F6.前記対応制御手段は、
複数の変動表示領域(変動表示領域CA1〜CA3)のそれぞれにおいて絵柄の変動表示を行わせる変動表示手段(音光側MPU93におけるステップS2104の処理を実行する機能)と、
前記変動表示領域に対応させて前記操作有効範囲を複数設定する範囲設定手段(音光側MPU93におけるステップS2210の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記変動表示手段は、前記操作有効範囲に前記所定操作が行われた場合、その操作有効範囲に対応する前記変動表示領域における絵柄の変動表示を終了させる手段を備え、
前記優先度設定手段は、前記変動表示領域に対応させて設定された複数の前記操作有効範囲に対して前記優先度を設定するものであることを特徴とする特徴F3乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、複数の変動表示領域において絵柄の変動表示が行われるとともに所定操作が行われた変動表示領域において絵柄の変動表示が停止される演出が行われる。この場合に、変動表示領域に対応させて設定された複数の操作有効範囲に対して優先度が設定されているため、複数の操作有効範囲に対して所定操作が同時に行われたとしても、絵柄の変動表示を予め定められた優先度に従って停止させることが可能となる。
特徴F7.前記変動表示手段は、前記複数の変動表示領域のそれぞれにおいて絵柄の変動表示を行わせる演出を開始する場合、当該変動表示領域を3個以上表示させるものであり、
前記優先度設定手段は、前記変動表示領域における絵柄の変動表示が停止された場合であって絵柄の変動表示が行われている絵柄表示領域が残っている場合、前記優先度の設定態様を変更するものであることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
特徴F7によれば、絵柄の変動表示が停止されるのに伴って優先度の設定態様が変更されるため、いずれの変動表示領域における絵柄の変動表示が停止されたとしても、複数の操作有効範囲に対して所定操作が同時に行われることに対して適切に対処することが可能となる。
特徴F8.前記優先度設定手段により前記優先度が設定されることにより、前記複数の変動表示領域における絵柄の変動表示は前記所定操作に対して一の変動表示領域毎に停止されることを特徴とする特徴F6又はF7に記載の遊技機。
特徴F8によれば、複数の変動表示領域における絵柄の変動表示を所定操作に伴って順次停止させることが可能となる。
なお、特徴F1〜F8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴F群の各特徴によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、操作有効範囲に対する遊技者の動作を認識可能とする構成を設けることで、例えば遊技者の動作に応じた演出の実行が可能となる。この場合に、遊技者の動作の認識を好適に行える必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴G群>
特徴G1.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された位置情報を利用して遊技者の認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かを特定する操作特定手段(音光側MPU93におけるステップS1709、ステップS1809、ステップS2009、ステップS2210、ステップS2217、ステップS2510及びステップS2607の処理を実行する機能)と、
前記認識対象部位が前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定されたことに基づき、それに対応した特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるステップS1711、ステップS1815、ステップS1816、ステップS2014、ステップS2015、ステップS2213、ステップS2218、ステップS2512、ステップS2513、ステップS2609及びステップS2610の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記操作特定手段は、前記認識対象部位の位置情報に基づき当該認識対象部位の特定の仕方を相違させるように特定調整処理を実行する特定調整手段(音光側MPU93におけるステップS1706、ステップS1708、ステップS1806、ステップS1808、ステップS2006、ステップS2008、ステップS2206、ステップS2208、ステップS2509及びステップS2606の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、受光部における受光結果に基づき導出された位置情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。また、監視対象までの距離に対応する位置情報を利用する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で特定処理を実行することが可能となる。この場合に、認識対象部位の位置情報に基づき当該認識対象部位の特定の仕方が相違される構成であるため、位置情報に基づく認識対象部位の特定を適切に行うことが可能となる。
特徴G2.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された位置情報を利用して遊技者の認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かを特定する操作特定手段(音光側MPU93におけるステップS1709、ステップS1809、ステップS2009、ステップS2210、ステップS2217、ステップS2510及びステップS2607の処理を実行する機能)と、
前記認識対象部位が前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定されたことに基づき、それに対応した特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるステップS1711、ステップS1815、ステップS1816、ステップS2014、ステップS2015、ステップS2213、ステップS2218、ステップS2512、ステップS2513、ステップS2609及びステップS2610の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記操作特定手段は、前記認識対象部位の位置情報に基づき当該認識対象部位と前記操作有効範囲との位置関係を調整するための特定調整処理を実行する特定調整手段(音光側MPU93におけるステップS1708、ステップS1808、ステップS2008、ステップS2208、ステップS2509及びステップS2606の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G2によれば、受光部における受光結果に基づき導出された位置情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。また、監視対象までの距離に対応する位置情報を利用する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で特定処理を実行することが可能となる。この場合に、位置情報に基づき位置関係の調整が行われるため、操作有効範囲に対する認識対象部位の位置関係の把握を正確に行うことが可能となる。
特徴G3.前記操作特定手段は、仮想二次元平面における前記操作有効範囲に前記認識対象部位の情報が含まれるか否かを特定するものであり、
前記特定調整手段は、前記位置情報に基づき前記仮想二次元平面における前記認識対象部位の情報の位置を調整するものであることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、認識対象部位の位置情報に基づき仮想二次元平面における認識対象部位の情報の位置が直接的に調整される構成であるため、仮想二次元平面における操作有効範囲の位置を認識対象部位の位置情報に基づき調整する必要がなく、認識対象部位が複数存在する場合であっても各認識対象部位の操作有効範囲に対する位置関係を適切に把握することが可能となる。
特徴G4.前記認識対象部位の情報の全体について前記仮想二次元平面における位置の調整を行うものであることを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
特徴G4によれば、認識対象部位の情報の全体について位置の調整が行われるため、当該認識対象部位の全体に対する操作有効範囲の位置関係を適切に把握することが可能となる。
特徴G5.前記特定調整手段は、距離計測基準から遊技機前方に向けた距離が参照対象距離範囲外に相当する位置情報に対応する認識対象部位については前記操作有効範囲に含まれているか否かの特定対象外とするものであることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G5によれば、位置情報との関係で参照すべき認識対象部位のみが操作有効範囲との位置関係が特定されるため、参照すべき認識対象部位を取捨選択することが可能となり、操作有効範囲との位置関係の把握を適切に行うことが可能となる。
特徴G6.前記特定調整手段は、参照対象距離以上に相当する位置情報に対応する認識対象部位については前記操作有効範囲に含まれているか否かの特定対象外とするものであることを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
特徴G6によれば、例えば遊技者の手が認識対象部位である場合において遊技者が操作有効範囲との関係での操作を意図することなく手を動かした場合に、それを操作有効範囲に対する操作であると認識してしまわないようにすることが可能となる。
特徴G7.前記特定調整手段は、前記認識対象部位のうち最も近い距離に対応する位置情報が前記参照対象距離以上に対応している場合に、前記特定対象外とするものであることを特徴とする特徴G6に記載の遊技機。
特徴G7によれば、認識対象部位の全ての位置情報について参照対象距離以上に対応しているか否かの判定を行う必要はなく、一の位置情報について参照対象距離以上に対応しているか否かの判定を行えばよいため、特定対象外とするか否かの特定を行う場合の処理負荷を軽減することが可能となる。
特徴G8.遊技機前面部に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられていることを特徴とする特徴G1乃至G7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G8によれば、窓パネル部よりも遊技機後側に設けられた受光部を利用して、窓パネル部よりも遊技機前方に存在している遊技者の認識対象部位の位置情報が導出されるため、受光部と認識対象部位との距離がそれだけ遠くなるが、上記特徴G1の構成を備えていることにより位置情報に基づく認識対象部位と操作有効範囲との位置関係の認識を適切に行うことが可能となる。
特徴G9.前記特定実行手段は、前記認識対象部位が前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定されたことに基づいて、前記特定処理として、操作対応の演出が実行されるようにするための処理を実行するものであることを特徴とする特徴G1乃至G8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G9によれば、操作有効範囲に認識対象部位が含まれたことに対してそれに対応する演出が実行される構成において、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴G10.前記操作有効範囲に前記認識対象部位が含まれたことに対応した演出が実行される対応演出が複数種類存在しており、
前記特定調整手段は、前記対応演出の種類に応じて、前記特定調整処理の実行有無又は実行態様を相違させるものであることを特徴とする特徴G9に記載の遊技機。
特徴G10によれば、対応演出の種類に応じて認識対象部位の特定の仕方が変更されるため、各対応演出の内容に対応した態様で認識対象部位の特定を適切に行うことが可能となる。
特徴G11.前記特定調整手段は、前記特定調整処理として、距離計測基準から遊技機前方に向けた距離が参照対象距離範囲外に相当する位置情報に対応する認識対象部位については前記操作有効範囲に含まれているか否かの特定対象外とするための対象外決定処理(音光側MPU93におけるステップS1706、ステップS1806、ステップS2006、ステップS2206の処理を実行する機能)を実行するものであることを特徴とする特徴G10に記載の遊技機。
特徴G11によれば、例えば遊技者の手が認識対象部位である場合において遊技者が操作有効範囲との関係での操作を意図することなく手を動かした場合に、それを操作有効範囲に対する操作であると認識してしまわないようにすることが可能となる。また、上記特徴G10の構成を備えていることにより、参照対象距離範囲と認識対象部位との関係を対応演出に対応させることが可能となり、各対応演出の内容に対応した態様で認識対象部位の特定を適切に行うことが可能となる。
特徴G12.前記特定調整手段は、前記対応演出の種類が第1対応演出(第1告知演出、第2告知演出、分割演出及び停止操作演出)である場合には前記対象外決定処理を実行する一方、前記対応演出の種類が第2対応演出(連続演出及び対決演出)である場合には前記対象外決定処理を実行しないものであることを特徴とする特徴G11に記載の遊技機。
特徴G12によれば、第1対応演出である場合には参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれている場合に当該認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かの特定が行われるため、第1対応演出においては遊技者の動作が意図せず演出操作と認識されてしまわないようにすることが可能となる。その一方、第2対応演出である場合には参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれているか否かに関係なく、当該認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かの特定が行われるため、第2対応演出においては遊技者の動作を演出操作と認識され易くすることが可能となる。
特徴G13.前記特定実行手段は、前記第1対応演出である場合、前記認識対象部位が前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定されることでそれに対応する演出が実行されるようにし、前記第2対応演出である場合、前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定された前記認識対象部位が特定動作を行ったことを特定した場合にそれに対応する演出が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴G12に記載の遊技機。
第1対応演出においては操作有効範囲に認識対象部位が含まれていることが特定されることでそれに対応した演出が実行されるため、その認識対象部位の認識が遊技者の積極操作によるものであるか否かを正確に把握することが好ましい。これに対して、上記特徴G12の構成を備えていることにより、第1対応演出では参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれている場合に操作有効範囲との位置関係が特定されるため、認識対象部位の認識が遊技者の積極操作によるものであるか否かを正確に把握することが可能となる。一方、第2対応演出においては操作有効範囲に認識対象部位が含まれていることが特定されたとしてもそれに対応した演出は実行されずに認識対象部位が特定動作を行ったことが特定された場合にそれに対応した演出が実行されるため、特定動作の発生を特定した場合にはそれは遊技者の積極操作である可能性が高い。これに対して、上記特徴G12の構成を備えていることにより、第2対応演出では参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれているか否かに関係なく操作有効範囲との位置関係が特定されるため、特定動作が行われた場合にそれに対応した演出が実行される機会を高めることが可能となる。
特徴G14.遊技機前面部に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられており、
前記特定調整手段は、前記対象外決定処理として、参照対象距離以上に相当する位置情報に対応する認識対象部位については前記操作有効範囲に含まれているか否かの特定対象外とするための処理を実行するものであり、
前記第1対応演出は、前記窓パネル部に向けて出される遊技者の手が前記認識対象部位とされる演出であり、
前記第2対応演出は、前記窓パネル部よりも遊技機前方において前後方向とは異なる方向に動かされる遊技者の手が前記認識対象部位とされる演出であることを特徴とする特徴G12又はG13に記載の遊技機。
第1対応演出においては窓パネル部に向けて出される遊技者の手が認識対象部位と認識されるため、遊技者が顔の近くに持って行った手を認識対象部位として扱いそれに対応した演出が実行されるのは好ましくない。これに対して、上記特徴G12の構成を備えていることにより、第1対応演出では参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれている場合に操作有効範囲との位置関係が特定されるため、認識対象部位の認識が遊技者の積極操作によるものであるか否かを正確に把握することが可能となる。一方、第2対応演出においては前後方向とは異なる方向に動かされる遊技者の手が認識対象部位と認識されるため、当該方向の動作の発生を特定した場合にはそれは遊技者の積極操作である可能性が高い。これに対して、上記特徴G12の構成を備えていることにより、第2対応演出では参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれているか否かに関係なく操作有効範囲との位置関係が特定されるため、遊技者の操作に対応した演出が実行される機会を高めることが可能となる。
特徴G15.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された位置情報を利用して遊技者の認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かを特定する操作特定手段(音光側MPU93におけるステップS1709、ステップS1809、ステップS2009、ステップS2210、ステップS2217、ステップS2510及びステップS2607の処理を実行する機能)と、
前記認識対象部位が前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定されたことに基づき、それに対応した特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるステップS1711、ステップS1815、ステップS1816、ステップS2014、ステップS2015、ステップS2213、ステップS2218、ステップS2512、ステップS2513、ステップS2609及びステップS2610の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記操作特定手段は、前記認識対象部位の位置情報に基づき当該認識対象部位の特定の仕方を相違させるように特定調整処理を実行する特定調整手段(音光側MPU93におけるステップS1706、ステップS1708、ステップS1806、ステップS1808、ステップS2006、ステップS2008、ステップS2206、ステップS2208、ステップS2509及びステップS2606の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G15によれば、受信部における受信結果に基づき導出された位置情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。また、監視対象までの距離に対応する位置情報を利用する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で特定処理を実行することが可能となる。この場合に、認識対象部位の位置情報に基づき当該認識対象部位の特定の仕方が相違される構成であるため、位置情報に基づく認識対象部位の特定を適切に行うことが可能となる。
特徴G16.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された位置情報を利用して遊技者の認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かを特定する操作特定手段(音光側MPU93におけるステップS1709、ステップS1809、ステップS2009、ステップS2210、ステップS2217、ステップS2510及びステップS2607の処理を実行する機能)と、
前記認識対象部位が前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定されたことに基づき、それに対応した特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるステップS1711、ステップS1815、ステップS1816、ステップS2014、ステップS2015、ステップS2213、ステップS2218、ステップS2512、ステップS2513、ステップS2609及びステップS2610の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記操作特定手段は、前記認識対象部位の位置情報に基づき当該認識対象部位と前記操作有効範囲との位置関係を調整するための特定調整処理を実行する特定調整手段(音光側MPU93におけるステップS1708、ステップS1808、ステップS2008、ステップS2208、ステップS2509及びステップS2606の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G16によれば、受信部における受信結果に基づき導出された位置情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。また、監視対象までの距離に対応する位置情報を利用する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で特定処理を実行することが可能となる。この場合に、位置情報に基づき位置関係の調整が行われるため、操作有効範囲に対する認識対象部位の位置関係の把握を正確に行うことが可能となる。
なお、特徴G1〜G16のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴G群の各特徴によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、遊技者の動作や様子などを非接触式で認識可能とする構成を設けることで、例えば遊技者の非接触による動作に応じた演出の実行が可能となり、それ以外にも例えば遊技機に対する不正の有無を監視することが可能となる。この場合に、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識を好適に行える必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴H群>
特徴H1.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された位置情報を利用して遊技者の認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かを特定する操作特定手段(音光側MPU93におけるステップS1709、ステップS1809、ステップS2009、ステップS2210、ステップS2217、ステップS2510及びステップS2607の処理を実行する機能)と、
前記認識対象部位が前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定されたことに基づいて、操作対応の演出が実行されるようにする特定実行手段(音光側MPU93におけるステップS1711、ステップS1815、ステップS1816、ステップS2014、ステップS2015、ステップS2213、ステップS2218、ステップS2512、ステップS2513、ステップS2609及びステップS2610の処理を実行する機能)と、
前記認識対象部位の位置情報に基づき前記操作特定手段における前記認識対象部位の特定の仕方を相違させるように特定調整処理を実行する特定調整手段(音光側MPU93におけるステップS1706、ステップS1708、ステップS1806、ステップS1808、ステップS2006、ステップS2008、ステップS2206、ステップS2208、ステップS2509及びステップS2606の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記操作有効範囲に前記認識対象部位が含まれたことに対応した演出が実行される対応演出が複数種類存在しており、
前記特定調整手段は、前記対応演出の種類に応じて、前記特定調整処理の実行有無又は実行態様を相違させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、受光部における受光結果に基づき導出された位置情報を利用して操作有効範囲に認識対象部位が含まれているか否かが特定され、操作有効範囲に含まれていることが特定されたことに基づいてそれに対応する演出が実行される。これにより、遊技者の演出操作を非接触式で認識することが可能となる。また、位置情報を利用する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で操作演出の有無を特定することが可能となる。この場合に、認識対象部位の位置情報に基づき当該認識対象部位の特定の仕方が相違される構成であるため、位置情報に基づく認識対象部位の特定を適切に行うことが可能となる。また、対応演出の種類に応じて認識対象部位の特定の仕方が変更されるため、各対応演出の内容に対応した態様で認識対象部位の特定を適切に行うことが可能となる。
特徴H2.前記特定調整手段は、前記特定調整処理として、距離計測基準から遊技機前方に向けた距離が参照対象距離範囲外に相当する位置情報に対応する認識対象部位については前記操作有効範囲に含まれているか否かの特定対象外とするための対象外決定処理(音光側MPU93におけるステップS1706、ステップS1806、ステップS2006、ステップS2206の処理を実行する機能)を実行するものであることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、例えば遊技者の手が認識対象部位である場合において遊技者が操作有効範囲との関係での操作を意図することなく手を動かした場合に、それを操作有効範囲に対する操作であると認識してしまわないようにすることが可能となる。また、参照対象距離範囲と認識対象部位との関係を対応演出に対応させることが可能となり、各対応演出の内容に対応した態様で認識対象部位の特定を適切に行うことが可能となる。
特徴H3.前記特定調整手段は、前記対応演出の種類が第1対応演出(第1告知演出、第2告知演出、分割演出及び停止操作演出)である場合には前記対象外決定処理を実行する一方、前記対応演出の種類が第2対応演出(連続演出及び対決演出)である場合には前記対象外決定処理を実行しないものであることを特徴とする特徴H2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、第1対応演出である場合には参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれている場合に当該認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かの特定が行われるため、第1対応演出においては遊技者の動作が意図せず演出操作と認識されてしまわないようにすることが可能となる。その一方、第2対応演出である場合には参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれているか否かに関係なく、当該認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かの特定が行われるため、第2対応演出においては遊技者の動作を演出操作と認識され易くすることが可能となる。
特徴H4.前記特定実行手段は、前記第1対応演出である場合、前記認識対象部位が前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定されることでそれに対応する演出が実行されるようにし、前記第2対応演出である場合、前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定された前記認識対象部位が特定動作を行ったことを特定した場合にそれに対応する演出が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
第1対応演出においては操作有効範囲に認識対象部位が含まれていることが特定されることでそれに対応した演出が実行されるため、その認識対象部位の認識が遊技者の積極操作によるものであるか否かを正確に把握することが好ましい。これに対して、上記特徴H3の構成を備えていることにより、第1対応演出では参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれている場合に操作有効範囲との位置関係が特定されるため、認識対象部位の認識が遊技者の積極操作によるものであるか否かを正確に把握することが可能となる。一方、第2対応演出においては操作有効範囲に認識対象部位が含まれていることが特定されたとしてもそれに対応した演出は実行されずに認識対象部位が特定動作を行ったことが特定された場合にそれに対応した演出が実行されるため、特定動作の発生を特定した場合にはそれは遊技者の積極操作である可能性が高い。これに対して、上記特徴H3の構成を備えていることにより、第2対応演出では参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれているか否かに関係なく操作有効範囲との位置関係が特定されるため、特定動作が行われた場合にそれに対応した演出が実行される機会を高めることが可能となる。
特徴H5.遊技機前面部に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられており、
前記特定調整手段は、前記対象外決定処理として、参照対象距離以上に相当する位置情報に対応する認識対象部位については前記操作有効範囲に含まれているか否かの特定対象外とするための処理を実行するものであり、
前記第1対応演出は、前記窓パネル部に向けて出される遊技者の手が前記認識対象部位とされる演出であり、
前記第2対応演出は、前記窓パネル部よりも遊技機前方において前後方向とは異なる方向に動かされる遊技者の手が前記認識対象部位とされる演出であることを特徴とする特徴H3又はH4に記載の遊技機。
第1対応演出においては窓パネル部に向けて出される遊技者の手が認識対象部位と認識されるため、遊技者が顔の近くに持って行った手を認識対象部位として扱いそれに対応した演出が実行されるのは好ましくない。これに対して、上記特徴H3の構成を備えていることにより、第1対応演出では参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれている場合に操作有効範囲との位置関係が特定されるため、認識対象部位の認識が遊技者の積極操作によるものであるか否かを正確に把握することが可能となる。一方、第2対応演出においては前後方向とは異なる方向に動かされる遊技者の手が認識対象部位と認識されるため、当該方向の動作の発生を特定した場合にはそれは遊技者の積極操作である可能性が高い。これに対して、上記特徴H3の構成を備えていることにより、第2対応演出では参照対象距離範囲に認識対象部位が含まれているか否かに関係なく操作有効範囲との位置関係が特定されるため、遊技者の操作に対応した演出が実行される機会を高めることが可能となる。
特徴H6.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された位置情報を利用して遊技者の認識対象部位が操作有効範囲に含まれているか否かを特定する操作特定手段(音光側MPU93におけるステップS1709、ステップS1809、ステップS2009、ステップS2210、ステップS2217、ステップS2510及びステップS2607の処理を実行する機能)と、
前記認識対象部位が前記操作有効範囲に含まれていることが前記操作特定手段により特定されたことに基づいて、操作対応の演出が実行されるようにする特定実行手段(音光側MPU93におけるステップS1711、ステップS1815、ステップS1816、ステップS2014、ステップS2015、ステップS2213、ステップS2218、ステップS2512、ステップS2513、ステップS2609及びステップS2610の処理を実行する機能)と、
前記認識対象部位の位置情報に基づき前記操作特定手段における前記認識対象部位の特定の仕方を相違させるように特定調整処理を実行する特定調整手段(音光側MPU93におけるステップS1706、ステップS1708、ステップS1806、ステップS1808、ステップS2006、ステップS2008、ステップS2206、ステップS2208、ステップS2509及びステップS2606の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記操作有効範囲に前記認識対象部位が含まれたことに対応した演出が実行される対応演出が複数種類存在しており、
前記特定調整手段は、前記対応演出の種類に応じて、前記特定調整処理の実行有無又は実行態様を相違させるものであることを特徴とする遊技機。
特徴H6によれば、受信部における受信結果に基づき導出された位置情報を利用して操作有効範囲に認識対象部位が含まれているか否かが特定され、操作有効範囲に含まれていることが特定されたことに基づいてそれに対応する演出が実行される。これにより、遊技者の演出操作を非接触式で認識することが可能となる。また、位置情報を利用する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で操作演出の有無を特定することが可能となる。この場合に、認識対象部位の位置情報に基づき当該認識対象部位の特定の仕方が相違される構成であるため、位置情報に基づく認識対象部位の特定を適切に行うことが可能となる。また、対応演出の種類に応じて認識対象部位の特定の仕方が変更されるため、各対応演出の内容に対応した態様で認識対象部位の特定を適切に行うことが可能となる。
なお、特徴H1〜H6のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴I群>
特徴I1.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
前記状態情報に基づき特定した遊技者の動作に対応する表示内容となるように表示手段(図柄表示装置61)を表示制御する表示制御手段(音光側MPU93における連続演出制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、受光部における受光結果に基づき状態情報が導出される構成であるため、遊技者の動作などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、状態情報に基づき特定した遊技者の動作に対応する表示が行われるため、表示手段における表示演出の多様化が図られるとともに、表示演出の内容に遊技者の動作を反映させることが可能となり、遊技に積極参加しているという印象を遊技者に与えることが可能となる。
特徴I2.前記表示手段は、演出用の個別画像を表示する表示面を備えており、
前記表示制御手段は、前記状態情報に基づき特定した遊技者の認識対象部位の位置に対応する前記表示面の位置に特定個別画像(魚キャラクタCH1)が表示されるように前記表示手段を表示制御するものであることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、遊技者の手などの位置に対応した位置に特定個別画像が表示されることとなるため、遊技者の動作に密接に関連した表示演出を行うことが可能となる。
特徴I3.前記表示制御手段は、出現元側の位置から前記認識対象部位に対応する位置まで前記特定個別画像が移動する表示演出が行われるように前記表示手段を表示制御するものであることを特徴とする特徴I2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、認識対象部位の位置に追従するように特定個別画像を移動させることが可能となり、遊技者の動作に応じて特定個別画像が移動したという印象を遊技者に与え易くなる。
特徴I4.前記表示制御手段は、前記認識対象部位に対応する位置に前記特定個別画像を表示させる表示演出を、前記表示面における初期表示位置に前記特定個別画像が表示されている状態から開始させるものであることを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
特徴I4によれば、特定個別画像は初期表示位置に表示されている状態から認識対象部位に対応する位置まで移動することとなるため、遊技者の動作に応じて特定個別画像が移動したという印象を遊技者に与え易くなる。
特徴I5.前記表示制御手段は、初期表示位置に前記特定個別画像が表示されている状況において前記初期表示位置よりも出現元側の位置に前記認識対象部位が存在していることが特定されたとしても、当該特定個別画像の前記初期表示位置における表示を継続させるものであることを特徴とする特徴I4に記載の遊技機。
特徴I5によれば、認識対象部位が表示面の外部に対応する位置に存在している場合であっても初期表示位置における特定個別画像の表示を継続させることが可能となるため、表示面の外部に対応する位置に遊技者の手などが意図せず配置されている場合であっても、特定個別画像を利用した表示演出の実行中であることを当該遊技者に認識させることが可能となる。
特徴I6.前記表示制御手段は、前記認識対象部位の位置に関係なく、所定方向に前記特定個別画像が移動する表示演出が行われるように前記表示手段を表示制御する手段を備え、
前記認識対象部位の位置に向けて前記特定個別画像が移動する場合、当該特定個別画像は前記所定方向に移動することを特徴とする特徴I3乃至I5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I6によれば、特定個別画像は所定方向に移動するという印象を遊技者に与えることが可能となり、認識対象部位の位置に向けて特定個別画像が移動した場合に遊技者に違和感を感じさせないようにすることが可能となる。
特徴I7.前記表示制御手段は、前記認識対象部位の位置に対応する前記特定個別画像の表示位置を前記表示面の一部である表示制限範囲内に制限する表示制限手段(音光側MPU93におけるステップS2511〜ステップS2513の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I2乃至I6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I7によれば、遊技者の動作に対応させて特定個別画像が表示される場合の表示位置が制限される状況を生じさせることが可能となり、表示演出の内容が不規則となり過ぎることを防止することが可能となる。
特徴I8.前記表示制御手段は、前記表示面における出現元の位置から移動先の位置まで前記特定個別画像が移動する表示演出が行われ得るようにするものであり、
前記表示制限範囲は、前記出現元の位置から前記移動先の位置まで前記特定個別画像が移動する場合における移動方向の途中位置までの範囲として設定されていることを特徴とする特徴I7に記載の遊技機。
特徴I8によれば、遊技者の動作に対応させて特定個別画像が表示される表示演出を、特定個別画像が出現元の位置から移動先の位置まで通る演出と区別させることが可能となる。
特徴I9.前記表示制御手段は、特定条件が成立している場合に前記表示制限手段による制限を生じさせることなく、前記表示面における前記表示制限範囲外の位置に前記特定個別画像を表示させる非制限手段(音光側MPU93におけるステップS2609の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I7又はI8に記載の遊技機。
特徴I9によれば、遊技者の動作に対応させて特定個別画像が表示される場合において当該特定個別画像の表示位置が制限されるか否かに応じて特定条件が成立しているか否かを遊技者に教示することが可能となる。
特徴I10.前記表示制御手段は、前記表示面における出現元の位置から移動先の位置まで前記特定個別画像が移動する表示演出が行われ得るようにするものであり、
前記表示制限範囲は、前記出現元の位置から前記移動先の位置まで前記特定個別画像が移動する場合における移動方向の途中位置までの範囲として設定されており、
前記非制限手段は、前記特定条件が成立している場合、前記認識対象部位の位置に応じて前記途中位置を通り越して前記移動先の位置まで前記特定個別画像が移動する表示演出の実行を可能とするものであることを特徴とする特徴I9に記載の遊技機。
特徴I10によれば、特定個別画像の表示位置が制限される場合であっても、途中位置までは制限されない場合と同様の方向に特定個別画像が移動するため、特定個別画像が途中位置に配置されるまでは特定条件が成立していることを遊技者に期待させることが可能となる。
特徴I11.前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであることを特徴とする特徴I1乃至I10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I11によれば、受光部における受光結果に基づき位置情報を導出し、その位置情報を利用して特定処理を実行する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で表示内容を決定するための処理を実行することが可能となる。
特徴I12.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
前記状態情報に基づき特定した遊技者の動作に対応する表示内容となるように表示手段(図柄表示装置61)を表示制御する表示制御手段(音光側MPU93における連続演出制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I12によれば、受信部における受信結果に基づき状態情報が導出される構成であるため、遊技者の動作などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、状態情報に基づき特定した遊技者の動作に対応する表示が行われるため、表示手段における表示演出の多様化が図られるとともに、表示演出の内容に遊技者の動作を反映させることが可能となり、遊技に積極参加しているという印象を遊技者に与えることが可能となる。
なお、特徴I1〜I12のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴J群>
特徴J1.遊技者が選択動作を行うことを可能とする選択期間(第1確認期間、第2確認期間)を生じさせる選択期間設定手段(音光側MPU93における対決演出設定処理を実行する機能)と、
前記選択期間において特典発生態様となる選択動作が行われた後に特典が遊技者に付与されるようにするための付与手段(音光側MPU93におけるステップS2814、ステップS2917及びステップS3015の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、選択期間において特典発生態様となる選択動作が行われた後に特典が付与されるため、特典の付与を期待する遊技者は選択期間において行った選択動作が特典発生態様の選択動作であることを期待することとなり、遊技の興趣向上が図られる。
特徴J2.遊技者が選択動作を行うことを可能とする選択期間(第1確認期間、第2確認期間)を生じさせる選択期間設定手段(音光側MPU93における対決演出設定処理を実行する機能)と、
受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
前記状態情報に基づき前記選択動作の態様を特定し、前記選択期間において特典発生態様となる選択動作が行われた後に特典が遊技者に付与されるようにするための付与手段(音光側MPU93におけるステップS2814、ステップS2917及びステップS3015の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴J2によれば、選択期間において特典発生態様となる選択動作が行われた後に特典が付与されるため、特典の付与を期待する遊技者は選択期間において行った選択動作が特典発生態様の選択動作であることを期待することとなり、遊技の興趣向上が図られる。また、受光部における受光結果に基づき導出された状態情報を利用して遊技者の選択動作が特定される構成であるため、遊技者の動きそのものを非接触式で認識した結果を選択動作として扱うことが可能となり、選択動作の内容を斬新なものとすることが可能となる。これにより、遊技の興趣向上が図られる。
なお、情報導出手段は、受光部における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成に代えて、受信部における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成としてもよい。
特徴J3.前記状態情報に基づき特定された前記選択動作の態様を記憶する態様記憶手段(選択対象記憶エリア95g)と、
前記状態情報に基づき前記選択動作を特定した場合に、その特定した選択動作の態様を前記態様記憶手段に記憶させる態様記憶実行手段(音光側MPU93におけるステップS2809、ステップS2909及びステップS3009の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記付与手段は、前記態様記憶手段に記憶された情報を参照することにより、前記選択期間において最後に行われた選択動作の態様を今回の遊技者の選択動作であると特定するものであることを特徴とする特徴J2に記載の遊技機。
特徴J3によれば、選択期間において行われた選択動作は順次記憶されるとともに最終的に記憶された選択動作が今回の選択期間の選択動作として特定されるため、選択動作の認識漏れの発生を抑制しながら遊技者の最終的な意思決定を尊重することが可能となる。
特徴J4.前記状態情報に基づき遊技者の手の形状を特定する形状特定手段(音光側MPU93におけるステップS2807、ステップS2907及びステップS3007の処理を実行する機能)を備え、
前記付与手段は、当該形状特定手段により特定された手の形状が特典発生態様の形状である場合、前記特典発生態様となる選択動作が行われたと特定するものであることを特徴とする特徴J2又はJ3に記載の遊技機。
特徴J4によれば、手の形状によって選択動作の態様が特定されるため、選択動作の態様の多様化を図りながら遊技者が選択動作を行う場合における動作の容易化を図ることが可能となる。
特徴J5.前記選択動作の態様に対応した画像データを予め記憶するデータ記憶手段(表示制御装置96)と、
前記選択期間において確定した遊技者の選択動作の態様に対応した画像データを前記データ記憶手段から読み出すデータ読み出し手段(音光側MPU93におけるステップS2812、ステップS2914及びステップS3012の処理を実行する機能、表示制御装置96)と、
当該データ読み出し手段が読み出した画像データに対応した画像を表示手段(図柄表示装置61)に表示させる画像表示実行手段(表示制御装置96)と、
を備えていることを特徴とする特徴J2乃至J4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J5によれば、遊技者が行った選択動作の態様が表示手段にて表示されることにより、遊技者は自身が行った選択動作であって遊技機において認識された選択動作の態様を把握することが可能となる。この場合に、データ読み出し手段から読み出された画像データに対応した画像によって選択動作の態様の表示が行われる。これにより、状態情報から抽出した選択動作の態様の画像をそのまま表示する構成に比べ、選択動作の態様の表示を明確に行うことが可能となる。また、情報導出手段における状態情報の導出精度に関係なく、選択動作の態様の表示を明確に行うことが可能となる。
特徴J6.前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであることを特徴とする特徴J2乃至J5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J6によれば、受光部における受光結果に基づき位置情報を導出し、その位置情報を利用して選択動作の態様が把握される構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で遊技者の手などを認識することが可能となり、当該手などの認識を正確に行うことが可能となる。
特徴J7.遊技機からの所定報知を行わせる所定報知制御手段(音光側MPU93におけるステップS2814、ステップS2815、ステップS2911及びステップS3012の処理を実行する機能、表示制御装置96)を備え、
遊技者の選択動作は複数種類存在しており、
前記所定報知に対して特典発生態様として対応する選択動作が行われた場合、当該選択動作が前記特典発生態様の選択動作となることを特徴とする特徴J1乃至J6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J7によれば、所定報知との関係で遊技者の選択動作が特典発生態様に対応しているかを認識することが可能となる。
なお、所定報知の種類に対して、特典発生態様として対応する選択動作の種類が定められている構成としてもよい。
特徴J8.前記選択期間において確定した遊技者の選択動作の態様を表示手段(図柄表示装置61)にて表示させる選択態様表示制御手段(音光側MPU93におけるステップS2812、ステップS2914及びステップS3012の処理を実行する機能、表示制御装置96)を備えていることを特徴とする特徴J1乃至J7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J8によれば、技者が行った選択動作の態様が表示手段にて表示されることにより、遊技者は自身が行った選択動作であって遊技機において認識された選択動作の態様を把握することが可能となる。
特徴J9.利益発生条件が成立した場合に利益を生じさせる利益発生手段(主側MPU83におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記利益が発生するか否かを期待させる期待演出を生じさせる演出制御手段(主側MPU83におけるステップS306〜ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS601〜ステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択期間は前記期待演出において生じる構成であって、前記利益の発生有無が前記特典発生態様となる選択動作が行われたか否かに関係なく決定される構成であることを特徴とする特徴J1乃至J8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J9によれば、利益の発生率に影響を与えないようにしながら選択期間を生じさせることが可能となる。
特徴J10.前記付与手段は、前記特典発生態様となる選択動作が行われた場合、当該選択動作が行われた場合よりも前記利益の発生期待度が高い演出が前記期待演出において行われるようにするものであることを特徴とする特徴J9に記載の遊技機。
特徴J10によれば、利益の発生率に影響を与えないようにしながら選択期間を生じさせた構成において、特典発生態様となる選択動作が行われた場合には利益の発生期待度が高い演出が実行されるため、特典発生態様となる選択動作を行うことへの遊技者の意識を高めることが可能となる。
特徴J11.前記演出制御手段は、前記期待演出を生じさせる場合に当該期待演出が開始されてから終了するまでの演出継続期間を決定する期間決定手段(主側MPU83におけるステップS409の処理を実行する機能)を備え、
前記特典発生態様となる選択動作が行われたか否かに関係なく、前記期間決定手段により決定された前記演出継続期間が変動しない構成であることを特徴とする特徴J10に記載の遊技機。
特徴J11によれば、期待演出の消化率に影響を与えないようにしながら、選択動作に対応した演出を実行することが可能となる。
特徴J12.前記選択期間における遊技者の選択動作に対する選択結果として、遊技者の勝利結果と、遊技者の敗北結果と、引き分け結果とが存在しており、
前記付与手段は、前記引き分け結果となった場合、前記選択期間を再度発生させないことを特徴とする特徴J1乃至J11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J12によれば、遊技者の選択動作に応じて選択期間における選択結果が任意に変更される構成において、引き分け結果となった場合であっても選択期間が終了することとなるため、選択期間が終了するのに要する期間を予め定めた期間とすることが可能となる。
特徴J13.前記付与手段は、遊技者の選択動作を特典発生態様とするか否かの決定を前記選択期間において確定した遊技者の選択動作の態様を踏まえることなく行う態様決定手段(音光側MPU93における後出し可能制御処理及び後出し不可制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J1乃至J12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J13によれば、特典発生態様となる選択動作がランダムに決定されるため、遊技者の選択によって特典が付与されるか否かが決定されることとなり、選択動作を選択することへの意識を高めることが可能となる。
特徴J14.利益発生条件が成立した場合に利益を生じさせる利益発生手段(主側MPU83におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記利益が発生するか否かを期待させる期待演出を生じさせる演出制御手段(主側MPU83におけるステップS306〜ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS601〜ステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択期間は前記期待演出において生じる構成であって、前記利益の発生有無が前記特典発生態様となる選択動作が行われたか否かに関係なく決定される構成であることを特徴とする特徴J13に記載の遊技機。
特徴J14によれば、特典発生態様となる選択動作がランダムに決定される構成であったとしても、選択動作が特典発生態様となるか否かによって利益の発生有無が変化しないため、利益の発生率に影響を与えないようにしながら上記特徴J13にて説明した作用効果を生じさせることが可能となる。
特徴J15.利益発生条件が成立した場合に利益を生じさせる利益発生手段(主側MPU83におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記利益が発生するか否かを期待させる期待演出を生じさせる演出制御手段(主側MPU83におけるステップS306〜ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS601〜ステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択期間は前記期待演出において生じる構成であり、
前記付与手段は、前記特典発生態様となる選択動作が行われた場合、当該選択動作が行われた場合よりも前記利益の発生期待度が高い演出が前記期待演出において行われるようにするものであり、
前記演出制御手段は、前記特典発生態様となる選択動作が行われた場合にそれに対応させて行われる演出の実行期間と、前記特典発生態様となる選択動作が行われなかった場合にそれに対応させて行われる演出の実行期間とが同一となるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴J13又はJ14に記載の遊技機。
特徴J15によれば、特典発生態様となる選択動作が行われた場合には利益の発生期待度が高い演出が実行されるため、特典発生態様となる選択動作を行うことへの遊技者の意識を高めることが可能となる。この場合に、特典発生態様となる選択動作がランダムに決定される構成であったとしても、選択動作が特典発生態様となるか否かによって期待演出の継続期間が変動しないようにすることが可能となる。
特徴J16.遊技機からの所定報知を行わせる所定報知制御手段(音光側MPU93におけるステップS2814、ステップS2815、ステップS2911及びステップS3012の処理を実行する機能、表示制御装置96)を備え、
遊技者の選択動作は複数種類存在しており、
前記所定報知に対して特典発生態様として対応する選択動作が行われた場合、当該選択動作が前記特典発生態様の選択動作となる構成であり、
前記所定報知制御手段は、前記選択期間が終了する前に前記所定報知を行わせる終了前制御手段(音光側MPU93におけるステップS2910〜ステップS2911の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J1乃至J15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J16によれば、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能となり、遊技者側が強制的に特典発生態様とすることが可能となる。これにより、選択期間への注目度を高めることが可能となる。
なお、所定報知の種類に対して、特典発生態様として対応する選択動作の種類が定められている構成としてもよい。
特徴J17.前記所定報知制御手段は、前記選択期間が終了した後に前記所定報知を行わせる終了後制御手段(音光側MPU93におけるステップS3012の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J16に記載の遊技機。
特徴J17によれば、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能な場合と、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが不可な場合との両方が存在することとなる。これにより、選択期間の態様を多様化することが可能となる。
特徴J18.前記所定報知を行わせる対象を前記終了前制御手段及び前記終了後制御手段のうちいずれにするのかを抽選により決定する制御対象抽選手段(音光側MPU93におけるステップS2711の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J17に記載の遊技機。
特徴J18によれば、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能な場合と、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが不可な場合とがランダムに決定されるため、選択期間の態様を多様化することが可能となる。
特徴J19.前記選択期間設定手段は、前記終了前制御手段により前記所定報知の制御が行われる場合及び前記終了後制御手段により前記所定報知の制御が行われる場合のいずれであっても見た目上は前記選択期間が共通の態様で行われるようにするものであることを特徴とする特徴J17又はJ18に記載の遊技機。
特徴J19によれば、いずれの選択期間であっても遊技者には所定報知を確認した後に選択動作を行おうとさせることが可能となり、選択期間に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴J20.利益発生条件が成立した場合に利益を生じさせる利益発生手段(主側MPU83におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記利益が発生するか否かを期待させる期待演出を生じさせる演出制御手段(主側MPU83におけるステップS306〜ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS601〜ステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択期間は前記期待演出において生じる構成であり、
前記終了前制御手段により前記選択期間が終了する前に前記所定報知が行われた前記期待演出において前記利益が発生し得る構成であることを特徴とする特徴J16乃至J19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J20によれば、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能な場合であっても利益が発生し得るため、遊技者は特典発生態様となる選択動作を行うことで利益を生じさせることが可能となると認識することが期待され、選択期間への注目度を高めることが可能となる。
特徴J21.前記終了前制御手段は、前記利益の発生に対応した前記期待演出において前記選択期間が終了する前に前記所定報知が行われるようにするものであることを特徴とする特徴J20に記載の遊技機。
特徴J21によれば、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能な状況は利益の発生に対応した期待演出において発生するため、利益の発生率に影響を与えないようしながら、自身の選択によって利益を発生させたと遊技者に認識させることが可能となる。
特徴J22.利益発生条件が成立した場合に利益を生じさせる利益発生手段(主側MPU83におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記利益が発生するか否かを期待させる期待演出を生じさせる演出制御手段(主側MPU83におけるステップS306〜ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS601〜ステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択期間は前記期待演出において生じる構成であり、
前記付与手段は、前記特典発生態様となる選択動作が行われた場合、当該選択動作が行われた場合よりも前記利益の発生期待度が高い演出が前記期待演出において行われるようにするものであり、
前記演出制御手段は、前記終了前制御手段により前記選択期間が終了する前に前記所定報知が行われた前記期待演出において、前記特典発生態様となる選択動作が行われた場合にそれに対応させて行われる演出の実行期間と、前記特典発生態様となる選択動作が行われなかった場合にそれに対応させて行われる演出の実行期間とが同一となるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴J16乃至J21のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J22によれば、特典発生態様となる選択動作が行われた場合には利益の発生期待度が高い演出が実行されるため、特典発生態様となる選択動作を行うことへの遊技者の意識を高めることが可能となる。この場合に、特典発生態様となる選択動作を遊技者によって強制的に生じさせることが可能な構成であっても、選択動作が特典発生態様となるか否かによって期待演出の継続期間が変動しないようにすることが可能となる。
特徴J23.前記付与手段は、遊技者の選択動作がいずれの態様であったとしてもそれを特典発生態様となる選択動作又は特典発生態様とならない選択動作とする強制手段(音光側MPU93における強制演出制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴J1乃至J22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J23によれば、遊技者に対しては自身の選択によって特典を生じさせたと認識させながら、選択期間の結果に関係なく特典の発生の有無を決定することが可能となる。
特徴J24.遊技機からの所定報知を行わせる所定報知制御手段(音光側MPU93におけるステップS2814、ステップS2815の処理を実行する機能、表示制御装置96)を備え、
遊技者の選択動作は複数種類存在しており、
前記所定報知に対して特典発生態様として対応する選択動作が行われた場合、当該選択動作が前記特典発生態様の選択動作となる構成であり、
前記所定報知制御手段は、前記選択期間における遊技者の選択動作が確定した後に、今回の選択期間に対する前記所定報知の内容をその確定した選択動作に対応させて決定する後側決定手段(音光側MPU93におけるステップS2813〜ステップS2815の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J23に記載の遊技機。
特徴J24によれば、特典発生態様となるか否かが遊技機側において強制的に決定される構成において、それに対応した所定報知を行うことが可能となる。
なお、所定報知の種類に対して、特典発生態様として対応する選択動作の種類が定められている構成としてもよい。
なお、特徴J1〜J24のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴K群>
特徴K1.遊技者が選択動作を行うことを可能とする選択期間(第1確認期間、第2確認期間)を生じさせる選択期間設定手段(音光側MPU93における対決演出設定処理を実行する機能)と、
前記選択期間において特典発生態様となる選択動作が行われた後に特典が遊技者に付与されるようにするための付与手段(音光側MPU93におけるステップS2814、ステップS2917及びステップS3015の処理を実行する機能)と、
遊技機からの所定報知を行わせる所定報知制御手段(音光側MPU93におけるステップS2814、ステップS2815、ステップS2911及びステップS3012の処理を実行する機能、表示制御装置96)と、
を備え、
遊技者の選択動作は複数種類存在しており、
前記所定報知に対して特典発生態様として対応する選択動作が行われた場合、当該選択動作が前記特典発生態様の選択動作となる構成であり、
前記所定報知制御手段は、前記選択期間が終了する前に前記所定報知を行わせる終了前制御手段(音光側MPU93におけるステップS2910〜ステップS2911の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、選択期間において特典発生態様となる選択動作が行われた後に特典が付与されるため、特典の付与を期待する遊技者は選択期間において行った選択動作が特典発生態様の選択動作であることを期待することとなり、遊技の興趣向上が図られる。また、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能となり、遊技者側が強制的に特典発生態様とすることが可能となる。これにより、選択期間への注目度を高めることが可能となる。
特徴K2.前記所定報知制御手段は、前記選択期間が終了した後に前記所定報知を行わせる終了後制御手段(音光側MPU93におけるステップS3012の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
特徴K2によれば、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能な場合と、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが不可な場合との両方が存在することとなる。これにより、選択期間の態様を多様化することが可能となる。
特徴K3.前記所定報知を行わせる対象を前記終了前制御手段及び前記終了後制御手段のうちいずれにするのかを抽選により決定する制御対象抽選手段(音光側MPU93におけるステップS2711の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K2に記載の遊技機。
特徴K3によれば、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能な場合と、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが不可な場合とがランダムに決定されるため、選択期間の態様を多様化することが可能となる。
特徴K4.前記選択期間設定手段は、前記終了前制御手段により前記所定報知の制御が行われる場合及び前記終了後制御手段により前記所定報知の制御が行われる場合のいずれであっても見た目上は前記選択期間が共通の態様で行われるようにするものであることを特徴とする特徴K2又はK3に記載の遊技機。
特徴K4によれば、いずれの選択期間であっても遊技者には所定報知を確認した後に選択動作を行おうとさせることが可能となり、選択期間に対する遊技者の注目度を高めることが可能となる。
特徴K5.利益発生条件が成立した場合に利益を生じさせる利益発生手段(主側MPU83におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記利益が発生するか否かを期待させる期待演出を生じさせる演出制御手段(主側MPU83におけるステップS306〜ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS601〜ステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択期間は前記期待演出において生じる構成であり、
前記終了前制御手段により前記選択期間が終了する前に前記所定報知が行われた前記期待演出において前記利益が発生し得る構成であることを特徴とする特徴K1乃至K4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K5によれば、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能な場合であっても利益が発生し得るため、遊技者は特典発生態様となる選択動作を行うことで利益を生じさせることが可能となると認識することが期待され、選択期間への注目度を高めることが可能となる。
特徴K6.前記終了前制御手段は、前記利益の発生に対応した前記期待演出において前記選択期間が終了する前に前記所定報知が行われるようにするものであることを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
特徴K6によれば、所定報知が行われた後に選択動作を行うことが可能な状況は利益の発生に対応した期待演出において発生するため、利益の発生率に影響を与えないようしながら、自身の選択によって利益を発生させたと遊技者に認識させることが可能となる。
特徴K7.利益発生条件が成立した場合に利益を生じさせる利益発生手段(主側MPU83におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記利益が発生するか否かを期待させる期待演出を生じさせる演出制御手段(主側MPU83におけるステップS306〜ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS601〜ステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択期間は前記期待演出において生じる構成であり、
前記付与手段は、前記特典発生態様となる選択動作が行われた場合、当該選択動作が行われた場合よりも前記利益の発生期待度が高い演出が前記期待演出において行われるようにするものであり、
前記演出制御手段は、前記終了前制御手段により前記選択期間が終了する前に前記所定報知が行われた前記期待演出において、前記特典発生態様となる選択動作が行われた場合にそれに対応させて行われる演出の実行期間と、前記特典発生態様となる選択動作が行われなかった場合にそれに対応させて行われる演出の実行期間とが同一となるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K7によれば、特典発生態様となる選択動作が行われた場合には利益の発生期待度が高い演出が実行されるため、特典発生態様となる選択動作を行うことへの遊技者の意識を高めることが可能となる。この場合に、特典発生態様となる選択動作を遊技者によって強制的に生じさせることが可能な構成であっても、選択動作が特典発生態様となるか否かによって期待演出の継続期間が変動しないようにすることが可能となる。
なお、特徴K1〜K7のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴L群>
特徴L1.遊技者が選択動作を行うことを可能とする選択期間(第1確認期間、第2確認期間)を生じさせる選択期間設定手段(音光側MPU93における対決演出設定処理を実行する機能)と、
前記選択期間において特典発生態様となる選択動作が行われた後に特典が遊技者に付与されるようにするための付与手段(音光側MPU93におけるステップS2814、ステップS2917及びステップS3015の処理を実行する機能)と、
を備え、
当該付与手段は、遊技者の選択動作を特典発生態様とするか否かの決定を前記選択期間において確定した遊技者の選択動作の態様を踏まえることなく行う態様決定手段(音光側MPU93における後出し可能制御処理及び後出し不可制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、選択期間において特典発生態様となる選択動作が行われた後に特典が付与されるため、特典の付与を期待する遊技者は選択期間において行った選択動作が特典発生態様の選択動作であることを期待することとなり、遊技の興趣向上が図られる。また、特典発生態様となる選択動作がランダムに決定されるため、遊技者の選択によって特典が付与されるか否かが決定されることとなり、選択動作を選択することへの意識を高めることが可能となる。
特徴L2.利益発生条件が成立した場合に利益を生じさせる利益発生手段(主側MPU83におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記利益が発生するか否かを期待させる期待演出を生じさせる演出制御手段(主側MPU83におけるステップS306〜ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS601〜ステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択期間は前記期待演出において生じる構成であって、前記利益の発生有無が前記特典発生態様となる選択動作が行われたか否かに関係なく決定される構成であることを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
特徴L2によれば、特典発生態様となる選択動作がランダムに決定される構成であったとしても、選択動作が特典発生態様となるか否かによって利益の発生有無が変化しないため、利益の発生率に影響を与えないようにしながら上記特徴L1にて説明した作用効果を生じさせることが可能となる。
特徴L3.利益発生条件が成立した場合に利益を生じさせる利益発生手段(主側MPU83におけるステップS309〜ステップS312の処理を実行する機能)と、
前記利益が発生するか否かを期待させる期待演出を生じさせる演出制御手段(主側MPU83におけるステップS306〜ステップS308の処理を実行する機能、音光側MPU93におけるステップS601〜ステップS609の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記選択期間は前記期待演出において生じる構成であり、
前記付与手段は、前記特典発生態様となる選択動作が行われた場合、当該選択動作が行われた場合よりも前記利益の発生期待度が高い演出が前記期待演出において行われるようにするものであり、
前記演出制御手段は、前記特典発生態様となる選択動作が行われた場合にそれに対応させて行われる演出の実行期間と、前記特典発生態様となる選択動作が行われなかった場合にそれに対応させて行われる演出の実行期間とが同一となるようにする手段を備えていることを特徴とする特徴L1又はL2に記載の遊技機。
特徴L3によれば、特典発生態様となる選択動作が行われた場合には利益の発生期待度が高い演出が実行されるため、特典発生態様となる選択動作を行うことへの遊技者の意識を高めることが可能となる。この場合に、特典発生態様となる選択動作がランダムに決定される構成であったとしても、選択動作が特典発生態様となるか否かによって期待演出の継続期間が変動しないようにすることが可能となる。
特徴L4.前記選択期間における遊技者の選択動作に対する選択結果として、遊技者の勝利結果と、遊技者の敗北結果と、引き分け結果とが存在しており、
前記付与手段は、前記引き分け結果となった場合、前記選択期間を再度発生させないことを特徴とする特徴L1乃至L3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L4によれば、遊技者の選択動作に応じて選択期間における選択結果が任意に変更される構成において、引き分け結果となった場合であっても選択期間が終了することとなるため、選択期間が終了するのに要する期間を予め定めた期間とすることが可能となる。
なお、特徴L1〜L4のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴H群、上記特徴I群、上記特徴J群、上記特徴K群及び上記特徴L群の各特徴によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴M群>
特徴M1.使用可能な媒体数に対応する情報が記憶された記憶媒体を排出させるべく排出操作が行われたことを特定する排出操作特定手段(第1の実施形態では音光側MPU93におけるステップS1201の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU83におけるステップS3101の処理を実行する機能)と、
前記排出操作が行われたことが前記排出操作特定手段により特定された場合に、当該排出操作が正規の遊技者により行われたか否かを特定するための認証用処理を実行する認証実行手段(第1の実施形態では音光側MPU93におけるステップS1311の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU83におけるステップS3209の処理を実行する機能)と、
前記認証用処理の結果が正常でなかった場合に異常対応状態となるようにする異常対応手段(第1の実施形態では音光側MPU93におけるステップS1313の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU83におけるステップS3212〜ステップS3213の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴M1によれば、記憶媒体の排出操作が行われた場合には認証用処理が実行され、認証用処理の結果が正常でなかった場合には異常対応状態となるため、正規の遊技者ではない者が記憶媒体を不正に取得しようとした場合には例えば遊技ホールにおいてそれに対処することが可能となる。
特徴M2.前記異常対応手段は、前記認証用処理の結果が正常でなかった場合、前記異常対応状態として、前記記憶媒体の排出が行われない状態とするものであることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機。
特徴M2によれば、正規の遊技者ではない者が行った排出操作に対して記憶媒体が排出されないようにすることが可能となる。
特徴M3.前記認証実行手段は、前記認証用処理の結果が正常ではなかったとしても前記記憶媒体の排出を阻止するための処理を実行しないものであり、
前記異常対応手段は、異常対応報知が行われるようにすることで前記異常対応状態とするものであることを特徴とする特徴M1又はM2に記載の遊技機。
特徴M3によれば、認証用処理の結果が正常ではなかったとしても記憶媒体の排出が阻止されないため、認証用処理が正確に実行されずに当該認証用処理の結果が異常となったとしても記憶媒体の排出を完了することが可能となる。また、認証用処理の結果が異常となった場合には異常対応報知が実行されるため、遊技ホールの管理者などに注意を促すことが可能となる。
特徴M4.前記認証実行手段は、前記排出操作が行われた場合、当該排出操作に対して前記記憶媒体の排出が開始される前に前記認証用処理を実行するものであることを特徴とする特徴M3に記載の遊技機。
特徴M4によれば、認証用処理の結果が異常となる場合、排出操作の発生に対して早期に異常対応報知を開始することが可能となる。
特徴M5.前記使用可能な媒体数に対応する情報が新たに設定された場合に認証基準情報を取得する第1取得手段(第1の実施形態では音光側MPU93におけるステップS1212〜ステップS1214の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU83におけるステップS3108〜ステップS3110の処理を実行する機能)を備え、
前記認証実行手段は、
前記排出操作が行われたことが前記排出操作特定手段により特定された場合に、認証実行用情報を取得する第2取得手段(第1の実施形態では音光側MPU93におけるステップS1307〜ステップS1309の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU83におけるステップS3205〜ステップS3207の処理を実行する機能)と、
前記第1取得手段により取得された前記認証基準情報と前記第2取得手段により取得された前記認証実行用情報とが一致するか否かを特定する処理を前記認証用処理として実行する手段(第1の実施形態では音光側MPU93におけるステップS1311の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU83におけるステップS3209の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴M1乃至M4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴M5によれば、使用可能な媒体数に対応する情報が新たに設定された場合に取得された認証基準情報と、排出操作が行われた場合に取得された認証実行用情報とを利用して認証用処理が実行される構成であるため、記憶媒体の所有者と排出操作の実行者との認証を直接的に行うことが可能となる。
特徴M6.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)を備え、
前記認証実行手段は、前記認証用処理として、前記状態情報に基づき特定した遊技者の認識対象部位が正規の遊技者の認識対象部位に対応しているか否かの照合を行うものであることを特徴とする特徴M1乃至M5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴M6によれば、受光部における受光結果に基づき導出された状態情報を利用して照合が行われるため、認証に際して遊技者に煩雑な操作を要求する必要がなくなる。
なお、情報導出手段は、受光部における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成に代えて、受信部における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な構成としてもよい。
特徴M7.前記使用可能な媒体数に対応する情報が新たに設定された場合に、前記状態情報に基づき前記認識対象部位の情報を特定しその特定した情報を認証基準情報として取得する第1取得手段(第1の実施形態では音光側MPU93におけるステップS1212〜ステップS1214の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU83におけるステップS3108〜ステップS3110の処理を実行する機能)を備え、
前記認証実行手段は、
前記排出操作が行われたことが前記排出操作特定手段により特定された場合に、前記状態情報に基づき前記認識対象部位の情報を特定しその特定した情報を認証実行用情報として取得する第2取得手段(第1の実施形態では音光側MPU93におけるステップS1307〜ステップS1309の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU83におけるステップS3205〜ステップS3207の処理を実行する機能)と、
前記第1取得手段により取得された前記認証基準情報と前記第2取得手段により取得された前記認証実行用情報とが一致するか否かを特定する処理を前記認証用処理として実行する手段(第1の実施形態では音光側MPU93におけるステップS1311の処理を実行する機能、第2の実施形態では主側MPU83におけるステップS3209の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴M6に記載の遊技機。
特徴M7によれば、使用可能な媒体数に対応する情報が新たに設定された場合に取得された認証基準情報と、排出操作が行われた場合に取得された認証実行用情報とを利用して認証用処理が実行される構成であるため、記憶媒体の所有者と排出操作の実行者との認証を直接的に行うことが可能となる。また、本構成によれば、認証基準情報及び認証実行用情報の両方について状態情報を利用して取得することが可能であるため、構成の簡素化が図られるとともに認証用処理の実行に関して遊技者に煩雑な操作を要求しないようにすることが可能となる。
特徴M8.前記認証実行手段は、前記認証用処理の結果が正常ではなかったとしても前記記憶媒体の排出を阻止するための処理を実行しないものであり、
前記異常対応手段は、異常対応報知が行われるようにすることで前記異常対応状態とするものであることを特徴とする特徴M6又はM7に記載の遊技機。
特徴M8によれば、認証用処理の結果が正常ではなかったとしても記憶媒体の排出が阻止されないため、状態情報の導出が正確に行われなかったことに起因して認証用処理の結果が異常となったとしても記憶媒体の排出を完了することが可能となる。また、認証用処理の結果が異常となった場合には異常対応報知が実行されるため、遊技ホールの管理者などに注意を促すことが可能となる。
特徴M9.前記異常対応手段は、前記第1取得手段において前記認証基準情報が取得されていない場合及び前記第2取得手段において前記認証実行用情報が取得されていない場合の少なくとも一方の事象が発生している場合にも異常対応報知が行われるようにするものであることを特徴とする特徴M8に記載の遊技機。
特徴M9によれば、状態情報に基づき認証基準情報及び認証実行用情報が取得される構成においては、いずれかの情報が認証用処理の実行に際して取得されていないことが想定される。これに対して、これら情報が取得されていないことを理由に認証用処理が正常に実行されなかったとしても記憶媒体は排出されるため正規の遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となるとともに、異常対応報知は実行されるため不正な排出操作に対して対応することが可能となる。
特徴M10.前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであることを特徴とする特徴M6乃至M9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴M10によれば、受光部における受光結果に基づき位置情報を導出し、その位置情報を利用して照合が行われる構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で照合を実行することが可能となる。
特徴M11.遊技機前面部に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられていることを特徴とする特徴M6乃至M10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴M11によれば、受光部に対する不正行為を阻止することが可能となる。
なお、特徴M1〜M11のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴N群>
特徴N1.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報に基づき、好ましくない状況として予め定められている特定状況が発生していることを特定した場合に、特定状況対応状態となるようにする特定状況対応手段(音光側MPU93における第1状況監視処理及び第2状況監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴N1によれば、受光部における受光結果に基づき導出された状態情報を利用して特定状況が発生しているか否かの監視が行われる構成であるため、当該監視を遊技機において独自に行うことが可能となる。そして、特定状況が発生していることを特定した場合には特定状況対応状態となることで、それに対処することが可能となる。
特徴N2.前記特定状況対応手段は、遊技が行われていない状況で前記監視範囲に継続して人が存在していることを前記状態情報に基づき特定した場合に、前記特定状況対応状態となるようにするものであることを特徴とする特徴N1に記載の遊技機。
遊技が行われることなく遊技機の前に人が滞在すると、遊技が行われていないにも関わらずその遊技機にて他の人が遊技を行うことができないため、遊技機の稼働率が低下してしまい遊技ホールが不利益を被ることとなってしまう。これに対して、特徴N2によれば、遊技が行われることなく遊技機の前に人が滞在している状況であるか否かが状態情報を利用して監視され、当該状況である場合には特定状況対応状態となるため、それに対処することが可能となる。
特徴N3.前記特定状況に対応する特定状況情報を予め記憶する情報記憶手段(音光側ROM94)を備え、
前記特定状況対応手段は、前記情報導出手段により導出された状態情報が、前記情報記憶手段に記憶されている前記特定状況情報に対応している場合に、前記特定状況対応状態となるようにするものであることを特徴とする特徴N1又はN2に記載の遊技機。
特徴N3によれば、導出された状態情報が特定状況情報に対応している場合には特定状況対応状態となるため、例えば不正行為の可能性がある動作が行われた場合にはそれに対処することが可能となる。
特徴N4.前記情報導出手段により導出された状態情報を利用して演出用の処理を実行する演出制御手段(音光側MPU93における第1告知演出制御処理、第2告知演出制御処理、分割演出制御処理、停止操作演出制御処理及び連続演出制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴N1乃至N3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴N4によれば、演出のために利用される状態情報を導出するための構成を利用して、特定状況が発生しているか否かの監視を行うことが可能となる。
特徴N5.前記特定状況対応手段は、遊技の進行を阻止することなく報知用処理(音光側MPU93におけるステップS1414及びステップS1514の処理)を実行することで、前記特定状況対応状態とするものであることを特徴とする特徴N1乃至N4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴N5によれば、状態情報に基づき特定状況が発生していることが特定されたとしても遊技の進行が阻止されないため、状態情報の導出が正確に行われなかったことに起因して特定状況が発生していると特定されたとしても、正規の遊技者に不利益を与えないようにすることが可能となる。また、特定状況が発生していることが特定された場合には報知が実行されるため、遊技ホールの管理者などに注意を促すことが可能となる。
特徴N6.前記特定状況対応手段は、報知音出力用処理を実行することなく当該報知音出力用処理とは異なる報知用処理(音光側MPU93におけるステップS1414及びステップS1514の処理)を実行することで、前記特定状況対応状態とするものであることを特徴とする特徴N1乃至N5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴N6によれば、状態情報に基づき特定状況が発生していることが特定されたとしても音出力による報知は実行されないため、状態情報の導出が正確に行われなかったことに起因して特定状況が発生していると特定されたとしても、正規の遊技者に違和感を与えないようにすることが可能となる。また、特定状況が発生していることが特定された場合には音出力とは異なる報知が実行されるため、遊技ホールの管理者などに注意を促すことが可能となる。
特徴N7.前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであることを特徴とする特徴N1乃至N6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴N7によれば、受光部における受光結果に基づき位置情報を導出し、その位置情報を利用して特定状況の発生有無の監視が行われる構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で当該監視を実行することが可能となる。
特徴N8.遊技機前面部に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記窓パネル部よりも遊技機後方側に設けられていることを特徴とする特徴N1乃至N7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴N8によれば、受光部に対する不正行為を阻止することが可能となる。
特徴N9.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報に基づき、好ましくない状況として予め定められている特定状況が発生していることを特定した場合に、特定状況対応状態となるようにする特定状況対応手段(音光側MPU93における第1状況監視処理及び第2状況監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴N9によれば、受信部における受信結果に基づき導出された状態情報を利用して特定状況が発生しているか否かの監視が行われる構成であるため、当該監視を遊技機において独自に行うことが可能となる。そして、特定状況が発生していることを特定した場合には特定状況対応状態となることで、それに対処することが可能となる。
なお、特徴N1〜N9のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴M群及び上記特徴N群の各特徴によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技ホール側にとって好ましくない状況が生じ得ると考えられる。例えば、遊技機に対する不正行為が行われた場合には、遊技ホール又は遊技者が不利益を被ってしまう。また、例えば遊技が行われないにも関わらず遊技機を占有されてしまうと遊技機の稼働率が低下してしまい、この場合にも遊技ホールが不利益を被ってしまう。こういった遊技ホール側にとって好ましくない状況に対して好適に対処することが可能な構成を提供する必要がある。
<特徴O群>
特徴O1.受光部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報を利用して特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理、操作演出制御処理及び撮像制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記受光部は、遊技機前方から視認不可又は視認しづらい位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴O1によれば、受光部における受光結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、受光部が遊技機前方から視認不可又は視認しづらい位置に設けられているため、受光部が存在していることを遊技者が分からないようにする又は分かりづらくすることが可能となる。例えばカメラなどが遊技機に設けられていてそれが遊技者自身を撮像していることが分かると遊技者にとってはそれに違和感を感じ、遊技を行うことを敬遠してしまう可能性があるが、本構成によればそのような違和感を感じづらくさせることが可能となる。
特徴O2.前記受光部は、遊技機前方の視点と当該受光部との間にビームスプリッタ機能を有する板部(ステージ部材68)が介在するように設けられていることを特徴とする特徴O1に記載の遊技機。
特徴O2によれば、受光部における受光を可能としながら受光部を遊技機前方から視認不可又は視認しづらくさせることが可能となる。
特徴O3.遊技機前面部(前扉枠14)に設けられ、遊技球が流下する遊技領域を遊技機前方から視認可能とする窓パネル部(窓パネル22)と、
前記受光部は、前記遊技領域を生じさせる部材(ステージ部材68)の裏側に設けられていることを特徴とする特徴O1又はO2に記載の遊技機。
特徴O3によれば、窓パネル部と対面している遊技者を監視範囲に含めながら、遊技領域を生じさせる部材を利用して受光部を隠すことが可能となる。
特徴O4.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤51)の盤面に対して遊技機後方の位置に表示面を有する表示手段(図柄表示装置61)と、
当該表示手段の下方において前記表示面と前記盤面との間に亘って延在するように設けられ、遊技球が転動する転動面を有するステージ(ステージユニット67)と、
を備え、
前記受光部は、前記ステージを構成する部材(ステージ部材68)の裏側に設けられていることを特徴とする特徴O1乃至O3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴O4によれば、前後方向に所定の寸法を有するステージを利用して受光部を設けることが可能となる。また、ステージは表示手段の下方において表示面と盤面との間に亘って延在させて設けられているため、受光部の上方には表示面と盤面との間の前後方向の空間が存在することとなる。これにより、受光部における受光を行い易くなっている。
特徴O5.遊技機前面部(前扉枠14)に設けられ遊技の内容を確認するために遊技者により視認される窓パネル部(窓パネル22)を備え、
前記受光部は、前記遊技機前面部を遊技機前方に向けて開いた場合にも視認不可又は視認しづらい位置に設けられていることを特徴とする特徴O1乃至O4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴O5によれば、遊技が行われている状況においてメンテナンスのために遊技機前面部が遊技機前方に向けて開かれた場合であっても受光部を視認不可又は視認しづらくさせることが可能となるため、受光部の存在を遊技者に認識させづらくさせることが可能となる。
特徴O6.支持ベース(外枠11)に開閉可能に支持された支持体(本体枠13)を備え、
前記受光部は、前記支持体において当該支持体を前記支持ベースに対して開いた場合にも視認不可又は視認しづらい位置に設けられていることを特徴とする特徴O1乃至O5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴O6によれば、支持体を支持ベースに対して開いた場合であっても受光部を視認不可又は視認しづらくさせることが可能となるため、例えば遊技ホールの従業員に対しても受光部の存在を認識させづらくさせることが可能となる。
特徴O7.前記情報導出手段は、前記受光部における受光結果に基づき、前記監視範囲の状態情報として、遊技機前方に存在している監視対象までの距離に対応する位置情報を導出するものであることを特徴とする特徴O1乃至O6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴O7によれば、受光部における受光結果に基づき位置情報を導出し、その位置情報を利用して特定処理を実行する構成であるため、距離計測基準からの距離との関係で特定処理を実行することが可能となる。
特徴O8.受信部(第1の実施形態などでは撮像装置73、第3の実施形態では撮像装置131)における受信結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報(距離データ又は1フレーム分の画像G)を導出可能な情報導出手段(第1の実施形態などでは信号処理回路75、第3の実施形態では信号処理回路141)と、
当該情報導出手段により導出された状態情報を利用して特定処理を実行する特定実行手段(音光側MPU93におけるキャンセル用監視処理、高さ位置監視処理、顔認証用処理、第1状況監視処理、第2状況監視処理、操作演出制御処理及び撮像制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記受信部は、遊技機前方から視認不可又は視認しづらい位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴O8によれば、受信部における受信結果に基づき導出された状態情報を利用して特定処理が実行される構成であるため、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識が可能となる。この場合に、受信部が遊技機前方から視認不可又は視認しづらい位置に設けられているため、受信部が存在していることを遊技者が分からないようにする又は分かりづらくすることが可能となる。例えばカメラなどが遊技機に設けられていてそれが遊技者自身を撮像していることが分かると遊技者にとってはそれに違和感を感じ、遊技を行うことを敬遠してしまう可能性があるが、本構成によればそのような違和感を感じづらくさせることが可能となる。
なお、特徴O1〜O8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A20、特徴B1〜B11、特徴C1〜C11、特徴D1〜D8、特徴E1〜E13、特徴F1〜F8、特徴G1〜G16、特徴H1〜H6、特徴I1〜I12、特徴J1〜J24、特徴K1〜K7、特徴L1〜L4、特徴M1〜M11、特徴N1〜N9、特徴O1〜O8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴O群の各特徴によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
パチンコ機について具体的には、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことに基づいて抽選が行われ、表示装置の表示面にて絵柄の変動表示が行われ、抽選にて当選結果となった場合には表示面にて特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示され、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する構成等が知られている。そして、特別遊技状態に移行した場合には、例えば遊技領域に設けられた入球装置等の開閉が開始され、当該入球装置への入球に基づき遊技球の払出等が行われるようになっている。
ここで、遊技者の動作や様子などを非接触式で認識可能とする構成を設けることで、例えば遊技者の非接触による動作に応じた演出の実行が可能となり、それ以外にも例えば遊技機に対する不正の有無を監視することが可能となる。この場合に、遊技者の動作や様子などの非接触式での認識を好適に行える必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、11…外枠、13…本体枠、14…前扉枠、22…窓パネル、51…遊技盤、61…図柄表示装置、67…ステージユニット、68…ステージ部材、73…撮像装置、75…信号処理回路、83…主側MPU、84…主側ROM、85…主側RAM、91a…基準スイッチ、93…音光側MPU、94…音光側ROM、95…音光側RAM、96…表示制御装置、131…撮像装置、141…信号処理回路、CA1〜CA3…変動表示領域、CH1…魚キャラクタ、G…1フレーム分の画像。

Claims (9)

  1. 使用可能な媒体数に対応する情報が記憶された記憶媒体を排出させるべく排出操作が行われたことを特定する排出操作特定手段と、
    前記排出操作が行われたことが前記排出操作特定手段により特定された場合に、当該排出操作が正規の遊技者により行われたか否かを特定するための認証用処理を実行する認証実行手段と、
    前記認証用処理の結果が正常でなかった場合に異常対応状態となるようにする異常対応手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記異常対応手段は、前記認証用処理の結果が正常でなかった場合、前記異常対応状態として、前記記憶媒体の排出が行われない状態とするものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記認証実行手段は、前記認証用処理の結果が正常ではなかったとしても前記記憶媒体の排出を阻止するための処理を実行しないものであり、
    前記異常対応手段は、異常対応報知が行われるようにすることで前記異常対応状態とするものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記認証実行手段は、前記排出操作が行われた場合、当該排出操作に対して前記記憶媒体の排出が開始される前に前記認証用処理を実行するものであることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記使用可能な媒体数に対応する情報が新たに設定された場合に認証基準情報を取得する第1取得手段を備え、
    前記認証実行手段は、
    前記排出操作が行われたことが前記排出操作特定手段により特定された場合に、認証実行用情報を取得する第2取得手段と、
    前記第1取得手段により取得された前記認証基準情報と前記第2取得手段により取得された前記認証実行用情報とが一致するか否かを特定する処理を前記認証用処理として実行する手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の遊技機。
  6. 受光部における受光結果に基づき遊技機前方に存在する監視範囲の状態情報を導出可能な情報導出手段を備え、
    前記認証実行手段は、前記認証用処理として、前記状態情報に基づき特定した遊技者の認識対象部位が正規の遊技者の認識対象部位に対応しているか否かの照合を行うものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
  7. 前記使用可能な媒体数に対応する情報が新たに設定された場合に、前記状態情報に基づき前記認識対象部位の情報を特定しその特定した情報を認証基準情報として取得する第1取得手段を備え、
    前記認証実行手段は、
    前記排出操作が行われたことが前記排出操作特定手段により特定された場合に、前記状態情報に基づき前記認識対象部位の情報を特定しその特定した情報を認証実行用情報として取得する第2取得手段と、
    前記第1取得手段により取得された前記認証基準情報と前記第2取得手段により取得された前記認証実行用情報とが一致するか否かを特定する処理を前記認証用処理として実行する手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
  8. 前記認証実行手段は、前記認証用処理の結果が正常ではなかったとしても前記記憶媒体の排出を阻止するための処理を実行しないものであり、
    前記異常対応手段は、異常対応報知が行われるようにすることで前記異常対応状態とするものであることを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
  9. 前記異常対応手段は、前記第1取得手段において前記認証基準情報が取得されていない場合及び前記第2取得手段において前記認証実行用情報が取得されていない場合の少なくとも一方の事象が発生している場合にも異常対応報知が行われるようにするものであることを特徴とする請求項8に記載の遊技機。
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