JP2015007883A - 映像生成装置、映像生成方法、プログラム - Google Patents

映像生成装置、映像生成方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】簡易に透明な非剛体物体をシミュレーションする映像を生成することができる映像生成装置を提供する。
【解決手段】低空間周波数成分を有する複数の異なる歪み分布をそれぞれ用いて原画像が変調された変調画像を複数生成する変調画像生成部と、複数の変調画像を時間的に並べることで構成される映像を生成する映像生成部とを含み、変調画像生成部が、原画像の各画素と対応する各要素を持ち、各要素が対応する各画素の移動方向及び移動量を示し、低空間周波数成分を有する歪み地図を複数生成する歪み地図生成部と、複数の歪み地図ごとに、原画像の各画素を当該画素に対応する各要素により特定される移動方向および移動量だけ移動させて、複数の変調画像を生成する歪み変調部とを含む。
【選択図】図3

Description

この発明は透明な非剛体物体が流動するような映像を生成する映像生成装置、映像生成方法、プログラムに関する。
透明な非剛体物体(例えば、水、かげろう等)が流動する映像を生成する従来技術として、コンピュータグラフィックス(CG)技術が挙げられる。CG技術を用いれば、流体の物理シミュレーション、レンダリングという過程を通じて、映像を生成することができる(非特許文献1)。また、非特許文献2では静止画像中における透明な剛体物体の厚みの知覚に屈折率の変化に基づく画像の歪みの変化が貢献することが開示されている。しかし、非特許文献2では、透明非剛体物体の知覚をもたらすための画像情報処理の詳細は明らかにされていない。
Crane, K., Llamas, I., & Tariq, S. (2007). Real time simulation and rendering of 3D fluids. In Hubert N. (ed) GPUGems 3, 30, 633-675. Fleming, R.W., Jakel, F. and L. T. Maloney (2011). Visual Perception of Thick Transparent Materials. Psychological Science, 22(6): 812-820.
一般に、非剛体物体を含む流体のシミュレーションに必要な物理計算は複雑かつ膨大である。例えば、数秒間のCG動画における非剛体物体の流動を物理演算エンジンによってシミュレーションするためには、数時間の計算時間が必要である。最近では非特許文献1で紹介されているようなリアルタイムレンダリング技術を用い、短時間でその計算を行う技術が提案されている。リアルタイムレンダリング技術を用いる場合、流体の物理特性や屈折に関する複雑な情報処理をアルゴリズムの中に組み込まなければならない。流体や屈折に関する知識を持たないユーザーにとっては、流体の物理特性や屈折に関する複雑な情報処理をアルゴリズムの中に組み込むことが難しいことが課題であった。上述のような複雑な計算を導入することなく、透明な非剛体物体の流動する映像を生成できれば便利であるが、これを実現する画像情報処理は明らかでなかった。
そこで本発明では、簡易に透明な非剛体物体の流動する映像を生成することができる映像生成装置を提供することを目的とする。
本発明の映像生成装置は、変調画像生成部と、映像生成部とを含む。
変調画像生成部は、低空間周波数成分を有する複数の異なる歪み分布を用いてそれぞれ原画像を変調して複数の変調画像を生成する。映像生成部は、複数の変調画像を時間的に並べることで構成される映像を生成する。
本発明の映像生成装置によれば、簡易に透明な非剛体物体の流動する映像を生成することができる。
第一の主観評価実験の結果を示す図。 第二の主観評価実験の結果を示す図。 本発明の実施例1の映像呈示装置の構成を示すブロック図。 本発明の実施例1の映像呈示装置の動作を示すフローチャート。 本発明の実施例1の変調画像生成部の構成例を示すブロック図。 本発明の実施例1の変調画像生成部の動作例を示すフローチャート。 ガウシアンノイズ画像の低周波数成分から生成した歪み地図の例を示す図。 原画像および、原画像に歪みを変調した変調画像の例を示す図。
<本発明の原理>
本発明は、低空間周波数成分を有する複数の異なる歪み分布によりそれぞれ原画像が変調された変調画像群を時間的に切替えて呈示することにより、原画像の手前に透明な非剛体物体が流動しているように知覚されるという視覚特性の発見に基づく。この視覚特性に基づいて、原画像の手前に水やかげろうのような透明な非剛体物体が流動しているように知覚される映像を、流体の動きや屈折率などのシミュレーション結果を用いることなく生成することができる。
以下、図1を参照して本視覚特性に関する第一の主観評価実験について説明する。図1は第一の主観評価実験の結果を示す図である。本実験では、歪み量の二次元分布の粗細(空間周波数)が透明液体の印象形成にどのように影響するかを検討した。本明細書では、歪み量の二次元分布のことを歪み地図と呼ぶ。歪み地図には、例えば二次元バンドパスノイズを用いることができる。この場合、歪み地図で表される歪み量の分布は、二次元バンドパスノイズの各画素の輝度値の分布に対応する。本明細書では、二次元バンドパスノイズの中央空間周波数を歪み地図の空間周波数と呼ぶ。なお、この歪み地図の空間周波数は、歪み分布を用いて原画像を変調して生成される変調画像の空間周波数のことではない。
本実験では、特定の空間周波数帯域が多く含まれるようにバンドパスフィルタ処理を施した歪み地図に基づいて原画像を変調して生成した複数の変調画像を、時間的に並べることで構成される映像を被験者に呈示した。被験者は、映像中(原画像の手前)に透明液体が存在していると感じた場合のその印象(透明液体の印象)の強さを評価した。評価値は1−5までの5段階の尺度である。評価値が高いほど、透明液体の印象が強いことを示す。図1のグラフは、縦軸を1−5までの5段階の評価値、横軸を映像生成に用いた歪み地図の空間周波数としてその関係を示したものである。被験者は10名、誤差棒は±1SEMとして表示した。
図1に示すように、低空間周波数帯域が多く含まれる歪み地図に基づいて生成された映像ほど、透明液体の印象を強く知覚させることが分かる。例えば歪み地図の空間周波数が0.3、0.6、1.2cpd(cycles per degree)において、被験者の評価値の平均値は4以上である。
以下、図2を参照して本視覚特性に関する第二の主観評価実験について説明する。図2は、第二の主観評価実験の結果を示す図である。図2のグラフは、縦軸を前述の5段階の評価値、横軸を呈示した映像のフレーム間時間間隔(sec)としてその関係を示したものである。フレームの呈示順序は、通常のフレーム順序、ランダムに各フレームの画像を呈示するランダムフレーム順序の2種類である。被験者は5名、誤差棒は±1SEMとして表示した。被験者に呈示した刺激は、第一の主観評価実験とは異なり、CGで生成した透明な流動液体の映像である。図2に示すように、フレームの呈示順序は評定値に影響しないことが分かる。また、フレーム間時間間隔が0.05(sec)(50ミリ秒)以上挿入されると評価値が低下することが分かる。例えば、フレーム間時間間隔が0.02(sec)における評価値の平均値が3.5程度であるのに対し、フレーム間時間間隔が0.05(sec)における評価値が2.1程度、フレーム間時間間隔が0.10(sec)における評価値が2.0程度である。これは、フレーム間の時間間隔が長いと、連続する動画像としてではなく、静止画の系列として人間に知覚されることによるものと思われる。すなわち、作成した変調画像の系列が、視聴者に静止画の系列ではなく、連続する動画像として認識可能なように各フレームの呈示時間を調整すればよく、この範囲であればフレームレートは固定であっても可変であっても良い。本明細書では、視聴者に静止画の系列ではなく動画像(映像)として認識可能なように時間的に変調画像を並べた系列を、「変調画像を時間的に並べることで構成される映像」と表現することとする。
第一の主観評価実験の結果に基づき、本発明では、歪み量の二次元分布の空間周波数が低くなる(分布が粗くなる)ようにした歪みを用いて原画像を変調する。すなわち、歪み地図の空間周波数が小さくなる2次元の歪みを用いて原画像を変調する。すなわち、各画素に加える歪みの大きさを輝度値で表したとき、この輝度値から構成される画像の空間周波数が低くなるような歪みを用いて原画像を変調する。第二の主観評価実験の結果に基づき、原画像を変調した画像(変調画像)を時間的に切り替えて呈示する。このときの変調画像の呈示順序は問わない。また、各画像の呈示間隔(フレームレート)は一定である必要はないが、視聴者に静止画の系列ではなく動画像(映像)として認識可能な時間間隔で各画像が呈示装置に呈示されるようにする。例えば、各画像の呈示時間が0.05(sec)を超えないようにすると好適である。一定のフレームレートとする場合には、映像のフレームレートは20Hz以上とすればさらに好適である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
以下、図3、図4を参照して実施例1の映像呈示装置1について説明する。図3は本実施例の映像呈示装置1の構成を示すブロック図である。図4は本実施例の映像呈示装置1の動作を示すフローチャートである。図3に示すように本実施例の映像呈示装置1は、映像生成装置11と、呈示装置12とからなる。映像生成装置11は、変調画像生成部111と、映像生成部112と、画像記憶部113とを含む。画像記憶部113は、後述する理由により適宜省略可能である。
<変調画像生成部111>
変調画像生成部111は、歪み分布に基づいて原画像を変調した変調画像を複数生成し、出力する(S111)。ここで、原画像の画像データは外部から入力されても良いし、例えば、図1に破線で示すように画像記憶部113に記憶された画像データを読みだすことにより与えられても良い。原画像の画像データを外部から入力する場合には、画像記憶部113は省略可能である。原画像は静止画である必要はあるが、必ずしも1種類のみとする必要はない。例えば、原画像が細部が異なる複数の画像データで構成されていたとしても、これらが十分に類似する画像であれば、これらの原画像それぞれを変調して生成した変調画像を所定のフレームレートで切替えて呈示してもよい。例えば、動画像中の時間的に連続する各フレームの画像を、それぞれ歪み分布を用いて変調することにより変調画像を得ても良い。
原画像の全ての画素が同じ輝度値(例えば白一色の画像)のような場合には、歪み分布に基づいて変調しても上述の知覚効果を得ることが出来ない。変調する前(歪みを持たせる前)と変調した後(歪みを持たせた後)の画像が全く変化しないからである。また、原画像が高周波成分を多く含むほど、透明な流動液体の印象を強く知覚させることができる。高周波成分を多く含む画像とは、エッジと呼ばれる画像の濃淡が急峻に変化する部分を多く含む画像のことである。
複数の変調画像は、原画像に対して、低い空間周波数成分の異なる歪み分布を用いてそれぞれ変調された画像である。
透明液体が流動している印象が強く知覚されるようにするためには、歪み分布(歪み地図)の空間周波数が3cpd(cycles per degree)以下となる歪みを原画像に変調することが望ましい。換言すれば、隣接画素間での歪み量の差が小さくなるような粗い歪みを原画像に加えると、より強く透明液体の印象を知覚させることができる。なお、原画像に同一の低い空間周波数成分(例えば3cpd以下)を有する歪み分布を用いて変調しても良いし、異なる低い空間周波数成分(例えば一方には2cpd以下、他方には3cpd以下)を有する歪み分布を用いて変調しても良い。
また、変調画像には2次元以上の歪み方向を付与するものとする。歪みの種類は、回転歪み、平行移動歪み、ランダムな歪みなどの2次元の幾何学的な歪みであれば何でも良い。
<映像生成部112>
映像生成部112は、変調画像生成部111で生成した、原画像から生成された複数の変調画像に基づいて映像を生成する(S112)。例えば映像生成部112は、呈示装置12に原画像から生成された複数の変調画像が時間的に切替呈示されるように、順序付けしてなる変調画像列を映像として生成してもよい。変調画像列は、変調画像列が視聴者に静止画の系列ではなく動画像として視聴可能な範囲で各画像の呈示時間(フレームレート)を設定されたもの、すなわち、「変調画像を時間的に並べることで構成される映像」である。また、例えば映像生成部112は、原画像から生成された複数の変調画像の各々を呈示装置12に切り替えて呈示させる制御を行ってもよい。各画像の呈示間隔は、視聴者に静止画の系列ではなく動画像(映像)として視聴可能な範囲で制御すればよい。例えば、各画像の呈示時間が0.05(sec)を超えない範囲としたり、20Hz以上のフレームレートとしたりすればよい。
<呈示装置12>
呈示装置12は、ディスプレイ、プロジェクタ等で実現可能である。呈示装置12は、映像生成部112が生成した映像を呈示する(S12)。あるいは、呈示装置12は、映像生成部112の制御に従って、原画像から生成された複数の変調画像を切り替えて映像として呈示する(S12)。
<変調画像生成部111の構成例>
以下、図5、図6を参照して変調画像生成部111の構成例を説明する。図5は本実施例の変調画像生成部111の構成例を示すブロック図である。図6は本実施例の変調画像生成部111の動作例を示すフローチャートである。図5に示すように、変調画像生成部111は、例えばガウシアンノイズ画像生成部1111、歪み地図生成部1112、歪み変調部1113、輝度値−歪み量テーブル記憶部1114を含む構成とすることができる。まず、ガウシアンノイズ画像生成部1111は、複数のガウシアンノイズ画像を生成する(S1111)。ガウシアンノイズ画像は、平均値と標準偏差が同じ画像とする。ガウシアンノイズ画像生成部1111を省略して、外部から複数のガウシアンノイズ画像を取得してもよい。次に、歪み地図生成部1112は、複数のガウシアンノイズ画像を、低い空間周波数のみを通すバンドパスフィルタ(ローパスフィルタ)処理を施して得られた画像(歪み地図)を方向別に割り当てた方向別の歪み地図を生成する(S1112)。例えば、ガウシアンノイズ画像生成部1111が2枚のガウシアンノイズ画像を生成した場合、歪み地図生成部1112は、これら2枚のガウシアンノイズ画像にローパスフィルタ処理を施して得られた2枚の画像(歪み地図)を、一方を左右方向の歪み地図、他方を上下方向の歪み地図として生成する(S1112)。
図7を参照して方向別歪み地図の一例について説明する。図7は、ガウシアンノイズ画像の低周波数成分から生成した歪み地図の例を示す図であって、図7Aは左右方向歪み地図の一例、図7Bは上下方向歪み地図の一例である。各画像の右側のバーは、歪み地図の輝度値と歪み量との対応を示す。図7Aにおいて正の数値は右方向の歪み、負の数値は左方向の歪みを意味する。図7Bにおいて正の数値は上方向の歪み、負の数値は下方向の歪みを意味する。従って、図7Aにおいては、色が白に近いほど右方向への歪み量が大きいことを示し、色が黒に近いほど左方向への歪み量が大きいことを示す。図7の例では、歪み量の最大値を8画素と設定した。従って、図7Aにおいては、歪み地図の輝度が最小値(白)のときに右方向に8画素分移動し、歪み地図の輝度が最大値(黒)のときに左方向に8画素分移動することを示している。歪み量は、透明液体の印象を強く知覚させるためのパラメータの一つである。歪み量は原画像の種別により、透明液体の印象を強く知覚させるための適切な値が異なる。従って、歪み量は原画像の種別によって適宜調整することが必要となる。なお、歪み地図の輝度と左右、上下方向の歪み量の関係は予め適当に定めておき、例えば輝度値−歪み量テーブルとして、輝度値−歪み量テーブル記憶部1114に記憶しておけばよい。図7の例では、歪み地図の色が薄い部分が右もしくは上方向の歪み量に対応し、色が濃い部分が左もしくは下方向の歪み量に対応するものとしたが、輝度と移動量が対応していれば対応関係は逆であっても良い。
最後に、歪み変調部1113は、ステップS1112で生成された方向別歪み地図に基づいて、原画像の各画素を当該画素に対応する歪み地図の各要素により特定される移動方向および移動量だけ移動させて変調画像を生成する(S1113)。各画素の左右方向の移動量は左右方向歪み地図の各要素の値に従うものとし、各画素の上下方向の移動量は上下方向歪み地図の各要素の値に従うものとする。
ローパスフィルタとして、例えば3cpd(cycles per degree)以下の空間周波数成分のみを通すようなフィルタを用いると、透明液体が流動している印象が強く知覚されるようにすることができる。図8に原画像と当該原画像に基づいて生成した変調画像の生成例を示す。図8Aは原画像の例を示す図、図8Bは、図8Aの歪み分布を用いて原画像を変調した変調画像の例を示す図である。
上述では、二次元を構成する軸の各々(左右方向、上下方向)の移動量(歪み量)に対応する方向別の歪み地図を生成し、合成する構成としているが、必ずしも軸毎に歪み地図を分ける必要はなく、二次元平面上での移動量に対応する1つの歪み地図を用いても良い。ただし、その歪み地図には直交する2次元座標系での移動量が表現されなくてはならないので、2次元座標系における各次元での移動量を含むか、もしくは移動の大きさと移動の方位の情報を含まなければならない。ただし、後者では歪みの空間周波数の操作は難しくなる。
また、上述の例では分かりやすさのため、歪み地図は、各画素の移動方向および移動量に対応した輝度値からなる画像として説明をしたが、歪み地図は必ずしも画像である必要はなく、原画像の画素数に対応したマトリックスであってもよい。この場合、マトリックスの各要素が原画像の画素の移動方向及び移動量を特定する値で構成されるものであれば良い。マトリックスを歪み地図として用いる場合、バンドパスフィルタを通す代わりに、マトリックスの隣接要素間の差が小さくなるようにマトリックスの各要素を変換するなどして、結果的に歪み地図の空間周波数が低くなるようにすることも可能である。
換言すれば、歪み地図は原画像の各画素と対応する各要素を持ち、各要素が対応する各画素の移動方向及び移動量を示し、低空間周波数成分を多く含む(粗い空間変化を多く含む)ものであれば、どんなものであってもよい。
<従来の手法との比較>
一般に原画像をぼかす手法として、モザイク処理や平滑化フィルタ等の手法が知られている。これらの手法は、原画像の輝度を直接変化させるものであるのに対し、本発明の変調画像は、原画像の歪み量を変化させるものであって、原画像の輝度を直接変化させるものではない点が異なる。
モザイク処理は、例えば、矩形領域ごとに、領域内の全画素の輝度を当該領域内の輝度の平均値や代表値などで置き換えることにより生成される。モザイクの各矩形領域の内部の空間周波数は低くなり、モザイクの各格子の境界(エッジ)部分の空間周波数は高くなる。モザイク画像全体を見れば、空間周波数の分布は原画像と比較すると低い空間周波数成分の方が統計的に多い画像となる。
平滑化フィルタは、周囲の画素の輝度情報を利用して、輝度の大きい画素成分は輝度を小さく、輝度の小さい画素成分は輝度が大きくなるように、各画素の輝度を変換することで画素間の輝度の差を小さくし、ぼやけたような画像を生成する方法である。この場合も、平均化フィルタを通して得られる画像の空間周波数の分布は、原画像よりも高い空間周波数成分が少なくなり、低い空間周波数成分の方が統計的に多い画像となる。
一方、本発明では、歪み地図に低空間周波数成分が多く含まれるようにする。言い換えれば、原画像の変調に用いる歪み分布が低い空間周波数を有するようにする。ただし、このようにして生成した歪み地図に基づいて、原画像の各画素を移動させることにより生成した変調画像の空間周波数は、原画像と比較してほとんど変化が見られない(図8A、B参照)。
このように、本発明の変調画像は、変調画像の原画像からの幾何学的な歪み量(移動量や変形量)の空間分布が粗くなるように操作したものであり、原画像の空間周波数成分を大きく変更するものではない。モザイク処理や平均化フィルタなどの一般的な画像のぼかし手法では、原画像と変換後の画像を比較すると輝度ヒストグラムの差が大きく、変換後の画像の高空間周波数成分は原画像よりも少なくなるのに対し、原画像と本発明の変調画像の輝度ヒストグラムの差は小さく、原画像の高い空間周波数帯域の成分は変調画像においても大幅に除去されてしまうことがない。
人間の視覚はこのような画像の歪みに対して鈍感であるため、図8Bの変調画像を静止した状態で見せても液体印象は得られない。しかし、異なる複数の変調画像を切り替えて映像として呈示することで、画像が歪んでいることに脳が気づき、その原因を液体に帰属させようとすることにより、原画像の手前に流動する液体が存在しているように知覚される効果が生じる。
なお、歪みを持たせる領域は、原画像中の予め定めた領域とする。予め定めた領域が原画像全体であれば、原画像の手前全面に透明な流動する物体があるように知覚される映像を生成することができる。予め定めた領域が原画像中の一部の領域であれば、原画像中の当該領域に透明な流動する物体があるように知覚される映像を生成することができる。なお、予め定めた領域が原画像の一部の場合には、前述のステップS1113において、予め定めた領域以外の原画像の画素の値を変化(移動)させないようにすればよい。
<効果>
本発明の映像生成装置11によれば、流体の動きや屈折率などをシミュレーションせずとも、低演算量で透明な物体が流動しているように知覚される映像を生成することができる。本発明は例えば、乱雑な液体流動やかげろうの視覚表現に用いることができる。運動ベクトルの空間周波数を操作する作業は計算的にコストが低いため、迅速に透明な非剛体物体動画を生成することができる。512×512画素で90フレーム(3秒)の動画を生成するのにかかる時間を測定した所、100回の計算において平均10.8804秒(標準偏差:0.3913)であった。用いた計算機はMacbook Pro(登録商標)であり、コンピュータの性能は以下の通りであった。
CPU: 2.7 GHz Intel Core i7, メモリ: 16GB 1600 MHz DDR3, Mac OS X ver.10.7.5
また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。
なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (9)

  1. 低空間周波数成分を有する複数の異なる歪み分布をそれぞれ用いて原画像が変調された複数の変調画像を生成する変調画像生成部と、
    前記複数の変調画像を時間的に並べることで構成される映像を生成する映像生成部とを含む
    映像生成装置。
  2. 請求項1記載の映像生成装置であって、
    前記変調画像生成部が、
    前記原画像の各画素と対応する各要素を持ち、前記各要素が対応する前記各画素の移動方向及び移動量を示し、低空間周波数成分を有する歪み地図を複数生成する歪み地図生成部と、
    前記複数の歪み地図ごとに、前記原画像の各画素を当該画素に対応する前記各要素により特定される移動方向および移動量だけ移動させて、前記複数の変調画像を生成する歪み変調部とを含む
    映像生成装置。
  3. 請求項2に記載の映像生成装置であって、
    前記歪み地図生成部は、
    ガウシアンノイズ画像にローパスフィルタ処理を施した画像を前記歪み地図として生成する
    映像生成装置。
  4. 低空間周波数成分を有する複数の異なる歪み分布をそれぞれ用いて同一の原画像を変調して複数の変調画像を生成する変調画像生成部と、
    前記複数の変調画像を時間的に並べることで構成される映像を生成する映像生成部とを含む
    映像生成装置。
  5. 同一の低空間周波数成分を有する複数の異なる歪み分布をそれぞれ用いて同一の原画像を変調して複数の変調画像を生成する変調画像生成部と、
    前記複数の変調画像を時間的に並べることで構成される映像を生成する映像生成部とを含む
    映像生成装置。
  6. 低空間周波数成分を有する複数の異なる歪み分布をそれぞれ用いて原画像が変調された変調画像を複数生成する変調画像生成ステップと、
    前記複数の変調画像を時間的に並べることで構成される映像を生成する映像生成ステップとを含む
    映像生成方法。
  7. 請求項6に記載の映像生成方法であって、
    前記変調画像生成ステップが、
    前記原画像の各画素と対応する各要素を持ち、前記各要素が対応する前記各画素の移動方向及び移動量を示し、低空間周波数成分を有する歪み地図を複数生成する歪み地図生成ステップと、
    前記複数の歪み地図ごとに、前記原画像の各画素を当該画素に対応する前記各要素により特定される移動方向および移動量だけ移動させて、前記複数の変調画像を生成する歪み変調ステップとを含む
    映像生成方法。
  8. 請求項7に記載の映像生成方法であって、
    前記歪み地図生成ステップは、
    ガウシアンノイズ画像にローパスフィルタ処理を施した画像を前記歪み地図として生成する
    映像生成方法。
  9. 請求項6から8のいずれかに記載の映像生成方法を実行すべき指令をコンピュータに対してするプログラム。
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