JP2015007548A - 分光蛍光光度計 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、吸収スペクトルと蛍光スペクトルの測定を希釈や試料セルの入替を不要として、希釈や試料セルの入替による誤差を低減した分光蛍光光度計を提供することを目的とする。【解決手段】光源からの光を分光する分光器と、前記分光器で単色化された光を測定試料が入った試料容器に照射し、前記試料容器を透過した透過光又は前記試料から発生した蛍光を測定する検出器を備えた分光蛍光光度計であって、透過光測定時の前記試料容器の位置及び蛍光測定時の前記試料容器の位置を変更し、前記透過光を反射して前記蛍光を測定する前記検出器に入射させる反射鏡を移動させる切換え機構を備えたことを特徴とする分光蛍光光度計。【選択図】 図5

Description

本発明は、分光蛍光光度計に関し、特に高濃度の溶液試料における吸収スペクトルと蛍光スペクトルを高精度に測定する技術である。
分光蛍光光度計は、光度計部、データ処理部、操作・処理部から構成される。光源からの連続光を励起側分光器で分光された励起光として測定試料に照射する。試料から放出された蛍光は、蛍光側分光器にて単色光に分光され、検知器にて光を検出した電気信号をアナログデジタル変換機を経てコンピュータに信号強度として取り込まれ、ディスプレイにて測定結果が表示される。
測定試料に対し、固定波長の励起光を照射し、蛍光波長を変化させた際の波長毎の蛍光強度を測定することにより蛍光スペクトルを得ることが出来る。固定波長に設定された励起側分光器からの励起光を測定試料に照射し、その時の蛍光を蛍光側分光器にて、測定開始波長から測定終了波長まで変化させる。波長毎の蛍光強度の変化を検知器で検出した電気信号をアナログデジタル変換機を経てコンピュータに取り込み、ディスプレイにて測定結果が蛍光波長と蛍光強度の2次元のスペクトルとして表示する。この2次元のスペクトルを蛍光スペクトルと呼ぶ。
蛍光は固定波長の励起光を吸収して励起された状態から基底状態に戻る際に放出される光であり、測定試料の蛍光特性の一つとして励起光の吸収量と蛍光の放射量から得られる蛍光量子収率がある。
蛍光量子収率は相対測定法と絶対測定法があり、一般的には相対測定法が用いられている。相対測定法は、標準蛍光物質の既知の量子収率から未知試料の蛍光量子収率を得るために、標準蛍光物質と未知試料の吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定し、計算にて算出する。
次に測定誤差について説明する。測定誤差を最小限にするためには、標準蛍光物質と未知試料の吸収スペクトル測定をする際、試料濃度を吸光度0.2〜0.8に調整する。蛍光スペクトルを測定する際には、試料濃度を吸光度0.05以下の希薄状態にすることが望ましい。吸収スペクトル測定で用いた吸光度0.2〜0.8の溶液を希釈して蛍光測定を行うことになるが、希釈時に生じる誤差が量子収率の計算誤差につながる可能性がある。
一方、試料が高濃度の場合、試料の濃度と蛍光強度の関係には誤差が生まれる可能性がある。一般的な蛍光光度計の溶液試料測定においては、4面が透明の光路長10mmの角形セルに試料を入れて、励起光に対して90度の方向に検出光学系を設置して、励起光の透過光、反射光、散乱光を最小にする位置で側方への蛍光を検出する。この試料設置方法は、励起波長における吸光度0.05以下の低濃度領域の試料であれば、試料の濃度と蛍光強度の関係を得ることができるためである。一般的な蛍光光度計は、試料セルの中央部から発光する蛍光を検出しているため、吸光度0.05以上の高濃度領域では、発光部分が試料セルの中央部よりも励起光照射表面近郊にて発光する内部遮へい効果が生じるため、試料の濃度と蛍光強度の関係には誤差が生まれる。
また、異なる検出器による測定誤差も生じる可能性がある。これに対し、試料セルからの透過光と散乱光および蛍光を孔付きの集光鏡で分離し、同一の検出器で測定する手法が提案されている。特許文献1には、1台の装置で同時に照射光,透過光,散乱光あるいは蛍光のうち必要なものを測定できるようにする光度計が開示されている。
しかし本文献では、散乱光計測においての検出感度の向上や濃度レンジの拡大に関する効果は記述されているものの、蛍光計測に関する効果については記述されていない。一方で、中央に孔を有する集光鏡で透過光と散乱光および蛍光を分離するためには、試料の濁度に応じて、試料セルと集光鏡の距離、孔の大きさなどを最適化する必要があり実用性に乏しい。また、集光鏡で最も効率が良い中央に孔を設けることで、散乱光量および蛍光量は減少するため、検出感度の低下が生じる問題点がある。
特開昭61−007426号公報
蛍光量子収率を相対法で測定する際、前述したように吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定するが、従来通りの方法では、機器の変更や希釈、試料セル入替が必要であるため、それらに由来する測定誤差が生じる。特に高濃度溶液では、内部遮蔽効果の影響を除くため、試料セルを励起光に対して傾けて設置し、自己吸収の影響を最小限にするため、短光路セルを用いるが、希薄溶液で用いる10mm試料セルよりも試料セル入替誤差が大きくなる。
また、試料セルからの透過光と散乱光および蛍光を孔付きの集光鏡で分離し、同一の検出器で測定する手法が提案されているが、それぞれの光を分離する上で機器の最適化が容易でなく、検出感度も低下するため実用性に乏しい。
本発明は、吸収スペクトルと蛍光スペクトルの測定を希釈や試料セルの入替を不要として、希釈や試料セルの入替による誤差を低減した分光蛍光光度計を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は以下の構成を備える。光源からの光を分光する分光器と、前記分光器で単色化された光を測定試料が入った試料容器に照射し、前記試料容器を透過した透過光又は前記試料から発生した蛍光を測定する検出器を備えた分光蛍光光度計であって、透過光測定時の前記試料容器の位置及び蛍光測定時の前記試料容器の位置を変更し、前記透過光を反射して前記蛍光を測定する前記検出器に入射させる反射鏡を移動させる切換え機構を備えたことを特徴とする分光蛍光光度計。
本発明によれば、高濃度溶液の蛍光量子収率を相対法で測定する際、吸収スペクトルと蛍光スペクトルの測定を希釈や試料セルの入替を不要とし、より精度のよい吸収スペクトルと蛍光スペクトルの測定ができる分光蛍光光度計を提供することができる。
分光蛍光光度計の装置構成図 高濃度溶液を測定する分光蛍光光度計の装置構成図 吸収測定をする分光蛍光光度計の構成図 吸収用と蛍光用検知器を備えた分光蛍光光度計の構成図 本発明の実施形態に関わる吸収スペクトル測定における分光蛍光光度計の構成図 本発明の実施形態に関わる蛍光スペクトル測定における分光蛍光光度計の構成図 試料セル切り替え装置 本発明の実施形態に関わる吸収スペクトル測定における分光蛍光光度計の構成図 本発明の実施形態に関わる蛍光スペクトル測定における分光蛍光光度計の構成図 試料セル切り替え装置
以下、図1−4に従来の分光蛍光光度計の装置構成を説明し、本発明の構成を実施例1,2を用いて説明する。
図1は、分光蛍光光度計の装置構成を示した構成図であり、側方蛍光を検出する光学系である。
ここで、一般的な蛍光光度計の溶液試料測定においては、4面が透明の光路長10mmの角形セルに試料を入れて、励起光に対して90度の方向に検出光学系を設置して、励起光の透過光、反射光、散乱光を最小にする位置で側方への蛍光を検出する。
分光蛍光光度計は、図1に示すように、光度計部110、データ処理部120、インターフェイス部130から構成される。更に、光度計部110は、励起側光学系111、試料室112、蛍光側光学系113及び駆動部114に大別される。ここで、矢印は光の受け渡しの流れを示し、実線は電気信号のつながりを示す。
光源1から生じた連続光を励起側分光器2で励起光として分光し、ビームスプリッタ3を経て試料セル5内に入れた測定試料6に照射される。この時、ビームスプリッタ3で一部の分光された励起光は、モニタ検知器4にて光量を測定し光源の変動の補正がなされている。
試料から放出された蛍光は、蛍光側分光器7にて単色光に分光され、検知器8にて光を検出し、検出信号である電気信号はアナログデジタル変換機9を経てコンピュータ10に信号強度として取り込まれ、表示ディスプレイ13にて測定結果が表示される。
駆動部114について説明する。コンピュータ10の指令によって、励起側パルスモーター12が駆動することで、目的の波長位置に励起側分光器2がセットされる。また、蛍光側分光器7は、コンピュータ10の指令によって蛍光側パルスモーター11が駆動することで、目的の波長位置にセットされる。励起側分光器2や蛍光側分光器7については、回折格子やプリズムなどの光学素子が用いられており、励起側パルスモーター12や蛍光側パルスモーター11を動力とし、ギヤとカムによって、それらを回転運動させることでスペクトルスキャンされる。励起側分光器2で設定した波長を固定し、単色光を測定試料6が入った試料セル5に照射し、蛍光側分光器7をスペクトルスキャンすることで、蛍光スペクトルを得る。
この試料設置方法は、励起波長における吸光度0.05以下の低濃度領域の試料であれば、試料の濃度と蛍光強度の関係を得ることができるためである。一般的な蛍光光度計は、試料セルの中央部から発光する蛍光を検出しているため、吸光度0.05以上の高濃度領域では、発光部分が試料セルの中央部よりも励起光照射表面近郊にて発光する内部遮へい効果が生じるため、試料の濃度と蛍光強度の関係には誤差が生まれる。
図2は、高濃度溶液を測定する分光蛍光光度計の装置構成図である。この光学系は、高濃度溶液について、図1の試料セル5とは形状の異なる短光路試料セル17を励起光に対して傾けて設置することで、反射方向への蛍光を検出するための分光蛍光光度計の光学系である。この反射方向への蛍光検出は、励起光が試料セル内部まで到達しない高濃度試料の測定に有用な方法となる。
しかし、試料セル入替時の設置誤差は、短光路セルの方が大きい。機器を変更する際に試料セルの入替も伴うが、高濃度溶液で用いる短光路セルの方が希薄溶液で用いる10mm試料セルよりも試料セルの入替誤差は大きい。これは、光路長の工作誤差に起因する。10mm試料セルの工作誤差は±0.03mm程度、1mm試料セルの工作誤差も±0.03mm程度とされている。ここで、相対誤差を算出すると、10mm試料セルは0.3%、1mm試料セルは3%の工作誤差を有することになる。
図3は、吸収測定をする分光蛍光光度計の装置構成図である。この光学系は、ミラーなどの反射板15で光束を90度方向に折り返し、反射板15と蛍光側光学系113の間に試料セル5を設置することで、吸収スペクトルを測定する。
図3の光度計にて、吸収スペクトルを得る手法について説明する。まず、ベースラインの取得方法として以下の手法がある。第一に、測定試料6のブランク溶液を入れた試料セル5を設置し、励起側分光器2で設定した波長と蛍光側分光器7で設定した波長を同期させてスペクトルスキャンする同期スペクトルにてそれぞれの波長に対する光量の変化を取得してベースラインとする。若しくは第二の手法として、測定試料6のブランク溶液を入れた試料セル5を設置し、励起側分光器2を0次光に設定し白色光を照射させ、蛍光側分光器7を波長走査することで、それぞれの波長に対する光量の変化を取得してベースラインとする。若しくは第三の手法として、測定試料6のブランク溶液を入れた試料セル5を設置し、励起側分光器2を波長走査し単色光を照射させ、蛍光側分光器7を0次光に設定し、それぞれの波長に対する光量の変化を取得してベースラインとする。
次に、測定試料6を入れた試料セル5を設置し、上記とベースラインを取得した際と同じスペクトルスキャン条件にて測定試料6のそれぞれの波長に対する光量の変化を取得する。これをベースラインと割り算することで透過スペクトルを算出し、Lambert-Beerの法則より、透過率を吸光度に変換することで吸収スペクトルが得られる。
しかし、ここで蛍光スペクトルを測定しようとすると、透過方向への蛍光が検出されるため、励起光に起因する透過光と散乱光の影響は、側方蛍光の検出位置に比べて大きく、また、励起光が透過しない高濃度試料の測定の際は、透過方向への蛍光は、透過の過程で試料自身に吸収されるので蛍光スペクトル形状が試料濃度と吸収スペクトルによって変化するため、測定系を変更し、側方ないし反射方向への蛍光を検出する必要がある。測定系を変更することに伴い、ここでも、機器の変更や希釈や試料セル入替に由来する測定誤差が生じる恐れがある。
図4は、吸収用と蛍光用検知器を備えた分光蛍光光度計の装置構成図である。励起側光学系111から試料セル5を透過した光束を吸収用検知器16にて受光する。
ここで、図4の光度計にて、吸収スペクトルを得る際には、測定試料6のブランク溶液を入れた試料セル5を設置し、励起側分光器2を波長走査し単色光を照射させ、吸収用検知器16にて、それぞれの波長に対する光量の変化を取得してベースラインとする。次に、測定試料6を入れた試料セル5を設置し、上記とベースラインを取得した際と同じスペクトルスキャン条件にて測定試料6のそれぞれの波長に対する光量の変化を取得する。これをベースラインと割り算することで透過スペクトルを算出し、Lambert-Beerの法則より、透過率を吸光度に変換することで吸収スペクトルが得られる。
この方法では、しかしながら、吸収測定用と蛍光測定用の検知器がそれぞれ必要であり、検知器を追加することから装置が大型化される問題点がある。
図5及び図6は、本発明の第1の実施形態に係る分光蛍光光度計の構成図である。図5は吸収スペクトル取得時の状態を説明する図であり、図6は蛍光スペクトル取得時の状態を説明する図である。
本実施例では、試料室112内に、試料セル切り替え装置19が設置されている。
試料セル切り替え装置19は、レール23の上に搭載され、図5に示す位置と図6に示す位置に駆動される。レール23は、図5と図6に示すように、励起光軸と同じ方向、蛍光軸とは垂直の方向に設置され、試料セル切り替え装置19はこのレール23上で移動可能である。
試料セル切り替え装置19内には、回転軸20を有したセル設置部21に短光路試料セル17が設置される。この回転軸20は励起光束と短光路試料セル17の交点に位置し、セル設置部21の下部と試料セル切り替え装置19に連結され、360度回転する。また、試料セル切り替え装置19内には、回転軸22を有した拡散反射板18が設置され360度回転する。拡散反射板18は、励起光束の入射角が45度となる際、励起光束と蛍光束の交点に拡散反射面が位置する構造を有するものとする。拡散反射板18は、白色の拡散面を有しており、紫外可視領域で90%以上の高い反射率を有していることが望ましい。
図5を用いて吸収スペクトルを測定する際の光学系と測定手順について説明する。吸収スペクトルを測定する際の光学系としては、試料セル切り替え装置19は図5に示す位置に稼働される。セル設置部21は、励起光の入射角が0度となる位置に回転される。この時、0度以外の入射角の設定した際には、斜入射の透過率を得ることとなる。斜入射となった際には、セルや液体の界面の屈折により透過光の光路が変わるため、0度±5度程度とした方が良い。ただし、測定目的に応じて入射角を変更することは可能である。拡散反射板18は、励起光束の入射角が45度となる位置に回転される。
吸収スペクトルを得る際には、ベースラインを取得するため、測定試料6のブランク溶液を入れた短光路試料セル17を設置し、励起側分光器2で設定した波長と蛍光側分光器7で設定した波長を同期させてスペクトルスキャンする同期スペクトルにてそれぞれの波長に対する光量の変化を検知器8にて検出し取得してベースラインとする。もしくは、測定試料6のブランク溶液を入れた短光路試料セル17を設置し、励起側分光器2を0次光に設定し白色光を照射させ、蛍光側分光器7を波長走査することで、それぞれの波長に対する光量の変化を検知器8にて検出し取得してベースラインとする。もしくは、測定試料6のブランク溶液を入れた短光路試料セル17を設置し、励起側分光器2を波長走査し単色光を照射させ、蛍光側分光器7を0次光に設定し、それぞれの波長に対する光量の変化を取得してベースラインとする。次に、測定試料6を入れた短光路試料セル17を設置し、上記とベースラインを取得した際と同じスペクトルスキャン条件にて測定試料6のそれぞれの波長に対する光量の変化を取得する。これをベースラインと割り算することで透過スペクトルを算出し、Lambert-Beerの法則より、透過率を吸光度に変換することで吸収スペクトルが得られる。
図6を用いて、蛍光スペクトルを測定する際の光学系と測定手順について説明する。蛍光スペクトルを測定する際の光学系としては、試料セル切り替え装置19は図6に示す位置に稼働される。セル設置部21は、励起光の入射角が20度〜70度となる位置に回転され、反射方向の蛍光が蛍光側分光器7に導かれる。なお、励起光の入射角が45度の位置の場合、励起光の正反射光が蛍光側分光器7に導かれるため、正反射光に起因するバックグランドの増大が懸念される。入射角としては20度〜40度もしくは50度〜70度が望ましい。拡散反射板18は、回転することで励起光束の透過光が照射されない位置に稼働される。
蛍光スペクトルを得る際には、測定試料6を入れた短光路試料セル17を設置し、励起側分光器2で設定した波長の単色光を照射する。吸収スペクトル測定の後に蛍光スペクトル測定し、測定試料6の入れ替えはせず、同一の溶液を測定する。測定試料6から生じた蛍光は、蛍光側分光器7でスペクトルスキャンし、それぞれの波長に対する蛍光量の変化を検知器8にて検出し取得して蛍光スペクトルを得る。
なお、試料セル切り替え装置19において、励起光束の透過光が照射される反射面は、透過光に対して直行すると正反射光が生じ、測定試料6を再度励起しうるので、透過光に対して、5度以上傾斜させる構造が望ましい。また、試料セル切り替え装置19の内部は励起光の透過光の反射光が要因で、迷光が生じるため、低反射率の黒色拡散面であることが望ましい。
図7は、試料セル切り替え装置19の外観図である。試料セル切り替え装置19とセル設置部21および拡散反射板18は稼働するため、稼働の際の位置再現性が測定精度に関わってくる。試料セル切り替え装置19は、レール23の上を稼働するので、レール23と同じ方向の位置決め精度を確保する必要がある。試料セル切り替え装置19は、図5の吸収スペクトル測定位置と図6の蛍光スペクトル測定値はそれぞれ唯一であるので、予めストッパーとなる位置決めピン24にて位置を決定後、ネジにて固定することが望ましい。
セル設置部21の回転軸20は、角度目盛りと固定ネジから構成されていることが望ましい。併せて、拡散反射板18についても回転軸22は、角度目盛りと固定ネジから構成されていることが望ましい。
この試料セル切り替え装置19を用いれば、試料セル切り替え装置19とセル設置部21および拡散反射板18を稼働することで、測定試料6を入れた状態にて、短光路試料セル17の出し入れをすること無く、同一の検知器8にて吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定することが可能である。また、この試料セル切り替え装置19を用いることで、従来、複数の機器にて吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定したり、同一の機器においても、試料セルの出し入れを行ったり、もしくは試料セルの出し入れは不要でも、異なる検知器で測定していたために生じていた測定誤差の問題を解決することができる。
図8及び図9は、本発明の第2の実施形態に関わる分光蛍光光度計の構成図である。本実施例では、実施例1が短光路試料セル17を使用していたのに対し、短光路フローセル25を用いる点である。
試料室112内に、試料セル切り替え装置19が設置されている。試料セル切り替え装置19は、レール23の上に搭載され、図8に示す位置と図9に示す位置に稼働する。試料セル切り替え装置19内には、回転軸20を有したセル設置部21に短光路フローセル25が設置される。短光路フローセル25はインレットとアウトレットを有し、短光路フローセル25への試料充填は、シリンジポンプやペリスタリックポンプなどを用いて行う。
回転軸20は励起光束と短光路フローセル25の交点に位置し、セル設置部21の下部と試料セル切り替え装置19に連結されている。また、試料セル切り替え装置19内には、回転軸22を有した拡散反射板18が設置される。拡散反射板18は、励起光束の入射角が45度となる際、励起光束と蛍光束の交点に拡散反射面が位置する構造を有するものとする。拡散反射板18は、白色の拡散面を有しており、紫外可視領域で90%以上の高い反射率を有していることが望ましい。
図8を用いて、吸収スペクトルを測定する際の光学系と測定手順について説明する。吸収スペクトルを測定する際の光学系としては、試料セル切り替え装置19は図8に示す位置に稼働される。セル設置部21は、励起光の入射角が0度となる位置に回転される。拡散反射板18は、励起光束の入射角が45度となる位置に回転される。
吸収スペクトルを得る際には、ベースラインを取得するため、短光路フローセル25に測定試料6のブランク溶液を満たし、励起側分光器2で設定した波長と蛍光側分光器7で設定した波長を同期させてスペクトルスキャンする同期スペクトルにてそれぞれの波長に対する光量の変化を検知器8にて検出し取得してベースラインとする。もしくは、短光路フローセル25に測定試料6のブランク溶液を満たし、励起側分光器2を0次光に設定し白色光を照射させ、蛍光側分光器7を波長走査することで、それぞれの波長に対する光量の変化を検知器8にて検出し取得してベースラインとする。もしくは、短光路フローセル25に測定試料6のブランク溶液を満たし、励起側分光器2を波長走査し単色光を照射させ、蛍光側分光器7を0次光に設定し、それぞれの波長に対する光量の変化を取得してベースラインとする。次に、短光路フローセル25に測定試料6を満たし、上記とベースラインを取得した際と同じスペクトルスキャン条件にて測定試料6のそれぞれの波長に対する光量の変化を取得する。これをベースラインと割り算することで透過スペクトルを算出し、Lambert-Beerの法則より、透過率を吸光度に変換することで吸収スペクトルが得られる。
図9を用いて蛍光スペクトルを測定する際の光学系と測定手順について説明する。蛍光スペクトルを測定する際の光学系としては、試料セル切り替え装置19は図9に示す位置に稼働される。
セル設置部21は、励起光の入射角が20度〜70度となる位置に回転され、反射方向の蛍光が蛍光側分光器7に導かれる。なお、励起光の入射角が45度の位置の場合、励起光の正反射光が蛍光側分光器7に導かれるため、正反射光に起因するバックグランドの増大が懸念される。入射角としては20度〜40度もしくは50度〜70度が望ましい。拡散反射板18は、回転することで励起光束の透過光が照射されない位置に稼働される。
図9の光度計にて、蛍光スペクトルを得る際には、短光路フローセル25に測定試料6を満たし、励起側分光器2で設定した波長の単色光を照射する。吸収スペクトル測定の後に蛍光スペクトル測定し、測定試料6の入れ替えはせず、同一の溶液を測定する。測定試料6から生じた蛍光は、蛍光側分光器7でスペクトルスキャンし、それぞれの波長に対する蛍光量の変化を検知器8にて検出し取得して蛍光スペクトルを得る。
なお、試料セル切り替え装置19において、励起光束の透過光が照射される反射面は、透過光に対して直行すると正反射光が生じ、測定試料6を再度励起しうるので、透過光に対して、5度以上傾斜させる構造が望ましい。また、試料セル切り替え装置19の内部は励起光の透過光の反射光が要因で、迷光が生じるため、低反射率の黒色拡散面であることが望ましい。
試料セル切り替え装置19に短光路フローセル25を用い、試料セル切り替え装置19とセル設置部21および拡散反射板18を稼働させることで、短光路フローセル25の取り外しをすること無く、同一の検知器8にて吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定することが可能である。従来、複数の機器にて吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定したり、同一の機器においても、試料セルの出し入れを行ったり、もしくは試料セルの出し入れは不要でも、異なる検知器で測定していたために生じていた測定誤差の問題を解決することができる。
1 光源
2 励起側分光器
3 ビームスプリッタ
4 モニタ検知器
5 試料セル
6 測定試料
7 蛍光側分光器
8 検知器
9 A/D変換器
10 コンピュータ
11 蛍光側パルスモータ
12 励起側パルスモータ
13 表示ディスプレイ
14 操作パネル
15 反射板
16 吸収用検知器
17 短光路試料セル
18 拡散反射板
19 試料セル切り替え装置
20 回転軸
21 セル設置部
22 回転軸
23 レール
24 位置決めピン
25 短光路フローセル
100 分光蛍光光度計
110 光度計部
111 励起側光学系
112 試料室
113 蛍光側光学系
114 駆動部
120 データ処理部
130 操作・表示部

Claims (6)

  1. 光源からの光を分光する分光器と、
    前記分光器で単色化された光を測定試料が入った試料容器に照射し、
    前記試料容器を透過した透過光又は前記試料から発生した蛍光を測定する検出器を備えた分光蛍光光度計であって、
    透過光測定時の前記試料容器の位置及び蛍光測定時の前記試料容器の位置を変更し、
    前記透過光を反射して前記蛍光を測定する前記検出器に入射させる反射鏡を移動させる切換え機構を備えたことを特徴とする分光蛍光光度計。
  2. 請求項1の分光蛍光光度計において、
    前記試料容器は、フローセルであることを特徴とする蛍光分光光度計。
  3. 請求項1の分光蛍光光度計において、
    前記試料容器の前記光の光軸に対する向きを変更する回転機構を備えたことを特徴とする分光蛍光光度計。
  4. 請求項1の分光蛍光光度計において、
    前記透過光の測定時は、前記試料容器を前記光の光軸に対し垂直に配置し、前記反射鏡により前記試料容器を透過した透過光を前記検出器に導いて検出し、前記試料の吸収スペクトルを取得する分光蛍光光度計。
  5. 請求項1の分光蛍光光度計において、
    前記蛍光の測定時は、前記試料容器による前記光の反射光が前記検出器に入射しない角度に前記試料容器を設置し、前記試料からの蛍光を前記検出器で検出し、前記試料の蛍光スペクトルを取得する分光蛍光光度計。
  6. 請求項1の分光蛍光光度計において、
    前記切り換え機構上に前記試料容器と反射鏡を備え、当該切り換え機構は、前記光の光軸に沿って移動することを特徴とする分光蛍光光度計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108801985A (zh) * 2017-05-03 2018-11-13 中国科学院大连化学物理研究所 一种荧光光谱和吸收光谱集为一体的光谱仪
KR101923079B1 (ko) * 2017-12-28 2018-11-28 (주)유림정보시스템 영상기법을 이용한 알카리도 측정장치 및 이의 제어방법
JP2021501327A (ja) * 2017-10-30 2021-01-14 サウジ アラビアン オイル カンパニー 試料の比重を決定する

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