JP2015007534A - 核燃料の溶解装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】核燃料の溶解装置及び方法において、核燃料の溶解処理の効率化を図ると共に放射性物質を含む溶液と不溶解物を適正に分離可能とする。
【解決手段】硝酸溶液を貯留可能な溶解槽11と、溶解槽11の上部から核燃料を投入可能な核燃料投入部12と、溶解槽11の上側部から燃料溶解液を排出可能な燃料溶解液排出部13と、下端部が溶解槽11の傾斜底部11dに連通して上部に不溶解物を排出可能な不溶解物排出部21が設けられる排出管14と、排出管14内に収容されて溶解槽11の傾斜底部11dにある不溶解物を不溶解物排出部21まで搬送可能な搬送装置15と、排出管14から溶解槽に硝酸溶液を供給可能な硝酸溶液供給部16とを設ける。
【選択図】図1
【解決手段】硝酸溶液を貯留可能な溶解槽11と、溶解槽11の上部から核燃料を投入可能な核燃料投入部12と、溶解槽11の上側部から燃料溶解液を排出可能な燃料溶解液排出部13と、下端部が溶解槽11の傾斜底部11dに連通して上部に不溶解物を排出可能な不溶解物排出部21が設けられる排出管14と、排出管14内に収容されて溶解槽11の傾斜底部11dにある不溶解物を不溶解物排出部21まで搬送可能な搬送装置15と、排出管14から溶解槽に硝酸溶液を供給可能な硝酸溶液供給部16とを設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、核燃料の再処理工程にて、せん断された核燃料における核燃料物質を溶解するための核燃料の溶解装置及び方法に関するものである。
原子力発電プラントに使用される原子炉として、加圧水型原子炉や沸騰水型原子炉などがある。このような原子炉では、内部に多数の燃料集合体(核燃料)を配置すると共に、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、核燃料が核分裂することで発生した熱により軽水を加熱し、この加熱された軽水(蒸気)により発電を行っている。
この核燃料は、原子炉で使用すると、ウラン235が核分裂して異なる物質、例えば、セシウム、ストロンチウム、ヨウ素、キセノンなどになって減損していくことから、所定期間経過すると定格の出力を出せなくなる。そのため、使用済の核燃料を原子炉から取り出し、再処理施設での再処理が必要となる。まず、原子炉で使用済みになった核燃料を使用済燃料輸送容器(キャスク)に入れて再処理施設に搬送し、貯蔵プールで冷却しながら貯蔵する。次に、放射能が低下した使用済核燃料を細かくせん断し、燃料の部分を硝酸で溶かしてウラン、プルトニウム、核分裂生成物に分離する。そして、ウラン溶液とプルトニウム溶液を精製、脱硝してウラン酸化物とウラン・プルトニウム混合酸化物の2種類の製品を作る。一方、再処理工程で生じた核分裂生成物を含む廃液は、強い放射能を帯びていることから高レベルの放射性廃棄物となり、貯槽で冷却してからガラス材料により固化された後、キャニスタに充填されて貯蔵される。
このような再処理施設にて、せん断・溶解工程では、使用済核燃料を細かくせん断した後、溶解槽に投入して溶解するものである。この溶解槽は、硝酸を貯留しており、燃料を硝酸により溶解させることで、ウランやプルトニウムなどの燃料溶解液を生成する一方、硝酸に溶解しない燃料被覆管(ハル)などの不溶解物を分離する。
このような従来の核燃料の溶解装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された腐食性液中での処理物の連続処理装置は、数十ミリの長さにせん断された核燃料を多数の穴があいたバスケットに入れ、このバスケットを硝酸溶液に浸漬することで核燃料を溶解させ、溶解されないハルをバスケットで保持して排出するものである。
核燃料の溶解装置は、高放射線環境下に設置され、遮へいされたセルの中で運転されることから、保守や点検は容易ではなく、極力可動部の少ない装置とすることが好ましい。また、核燃料の溶解装置は、核燃料による臨界を防止するために寸法制限があり、装置の大型化が困難であり、装置を小型とせざるを得ない。そのため、核燃料の溶解装置における処理能力を増加するためには、使用済核燃料を一層細かくせん断し、粉体化した状態で硝酸溶液に投入することで、核燃料と硝酸溶液との接触面積を増加させて処理時間を短縮することが考えられる。
ところが、核燃料を溶解するための処理時間を短縮するために、使用済核燃料を細かくせん断して粉体化すると、従来のように、溶解されないハルをバスケットで保持して排出することが困難となる。また、粉砕化した核燃料を高温の硝酸溶液に投入すると、溶解反応が急速に起こる。この溶解反応は、発熱反応であることから、急速な反応の進行により局部的に硝酸溶液が沸点を超えて沸騰(突沸)が生じるおそれがある。この突沸が起きると、オフガス系によって負圧に保たれている溶解装置の内部圧力が上昇し、燃料粉の飛散による汚染やオフガス系への燃料粉の同伴による放射能の漏洩などの問題が生じる。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、核燃料の溶解処理の効率化を図ると共に放射性物質を含む溶液と不溶解物を適正に分離可能とする核燃料の溶解装置及び方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の核燃料の溶解装置は、硝酸溶液を貯留可能な溶解槽と、前記溶解槽の上部から核燃料を投入可能な核燃料投入部と、前記溶解槽の上部から燃料溶解液を排出可能な燃料溶解液排出部と、下端部が前記溶解槽の底部に連通して上部に不溶解物を排出可能な不溶解物排出部が設けられる排出管と、前記排出管内に収容されて前記溶解槽の底部にある不溶解物を前記不溶解物排出部まで搬送可能な搬送装置と、前記溶解槽に硝酸溶液を供給可能な硝酸溶液供給部と、を有することを特徴とするものである。
従って、硝酸溶液が貯留された溶解槽に核燃料投入部から核燃料を投入すると共に、硝酸溶液供給部から硝酸溶液を供給すると、核燃料は、燃料部分が硝酸溶液により溶解され、溶解しない燃料被覆部材などが底部に堆積する。そして、燃料溶解液が溶解槽の燃料溶解液排出部から排出される一方、燃料被覆部材などの不溶解物が搬送装置により排出管内を上方に搬送され、不溶解物排出部から外部に排出される。その結果、核燃料を細かくせん断した状態で、溶解槽内で適正に溶解して燃料溶解液として排出することができると共に、不溶解物を搬送装置により適正に外部に排出することができ、核燃料の溶解処理の効率化を図ることができると共に、放射性物質を含む溶液と不溶解物を適正に分離することができる。
本発明の核燃料の溶解装置では、前記燃料溶解液排出部は、前記溶解槽の上側部からオーバーフローにより燃料溶解液を排出することを特徴としている。
従って、溶解槽の燃料溶解液を燃料溶解液排出部からオーバーフローにより排出するため、別途排出装置などを不要として装置の簡素化を可能とすることができる。
本発明の核燃料の溶解装置では、前記硝酸溶液供給部は、前記排出管の上部に設けられることを特徴としている。
従って、硝酸溶液を排出管の上部にある硝酸溶液供給部から供給すると、供給された硝酸溶液は、排出管を通って溶解槽に流動し、ここで核燃料と接触して溶解することとなり、溶解槽の硝酸溶液は、核燃料の溶解が進むと硝酸濃度が低下するため、溶解反応の速度が低下する。そのため、核燃料投入部から投入された核燃料は、まず、低濃度の硝酸溶液に接触することとなり、突沸を防止することができる。また、不溶解物が搬送装置により排出管内を搬送されるとき、濃度の高い硝酸溶液と接触して排出されるため、別途不溶解物を硝酸溶液で洗浄する必要がなくなり、作業性を向上することができる。
本発明の核燃料の溶解装置では、前記排出管は、水平に対して所定角度傾斜して配置されることを特徴としている。
従って、溶解槽の底部に堆積した不溶解物を、排出管を通して容易に上方に搬送することができ、不溶解物排出部から適正に排出することができる。
本発明の核燃料の溶解装置では、前記搬送装置は、スクリューコンベアを有することを特徴としている。
従って、搬送装置としてスクリューコンベアを用いることで、溶解槽の底部に堆積した不溶解物を容易に搬送することができる。
本発明の核燃料の溶解装置では、前記搬送装置は、スクリューコンベアの回転軸が隔壁を貫通し、外部で駆動装置に連結されることを特徴としている。
従って、スクリューコンベアの駆動装置を隔壁の外部に配置することで、保守の頻度が高い駆動装置へ作業者が容易にアクセスすることができ、保守性を向上することができる。
本発明の核燃料の溶解装置では、前記溶解槽は、沈降した不溶解物を底部における前記排出管との連通部に集める傾斜面が設けられることを特徴としている。
従って、核燃料投入部から溶解槽に核燃料を投入すると、この核燃料は、硝酸溶液内を沈降しながら傾斜面により排出管との連通部に集められることとなり、核燃料部分が溶解した不溶解物を搬送装置によりこの連通部から容易に搬送することができる。
本発明の核燃料の溶解装置では、前記核燃料投入部と前記燃料溶解液排出部との間に前記溶解槽の上部から底部近傍まで延出する堰が設けられることを特徴としている。
従って、核燃料投入部と燃料溶解液排出部との間に堰が設けられることで、核燃料投入部から投入された未溶解の核燃料や燃料被覆部材などの溶解液排出部から排出を防止することができる。
本発明の核燃料の溶解装置では、前記排出管は、内部に交換可能な内筒が配置され、前記内筒内に前記搬送装置が収容されることを特徴としている。
従って、排出管の内部に内筒を配置することで、搬送装置の作動による排出管の損傷を防止することができ、また、損傷した内筒を交換するだけで現状復帰が可能となり、メンテナンス性を向上することができる。
本発明の核燃料の溶解装置では、前記溶解槽の底部に残留した不溶解物を前記溶解槽の上部から排出可能な不溶解物排出装置が設けられることを特徴としている。
従って、搬送装置により不溶解物を排出できないとき、不溶解物排出装置を用いることで、溶解槽内への不溶解物の残留を防止することができる。
また、本発明の核燃料の溶解方法は、硝酸溶液が貯留された溶解槽内に上部から核燃料を投入する工程と、下端部が前記溶解槽の底部に連通する排出管の上部から硝酸溶液を供給する工程と、前記溶解槽の上部からオーバーフローにより燃料溶解液を排出する工程と、前記溶解槽の底部にある不溶解物を排出管の上方に搬送して外部に排出する工程と、を有することを特徴とするものである。
従って、核燃料を細かくせん断した状態で、溶解槽内で適正に溶解して燃料溶解液として排出することができると共に、不溶解物を搬送装置により適正に外部に排出することができ、核燃料の溶解処理の効率化を図ることができると共に、放射性物質を含む溶液と不溶解物を適正に分離することができる。
本発明の核燃料の溶解装置及び方法によれば、硝酸溶液を貯留可能な溶解槽に上部から燃料溶解液を排出可能な燃料溶解液排出部を設けると共に、下端部が溶解槽の底部に連通する排出管と、溶解槽の底部にある不溶解物を搬送可能な搬送装置を設けるので、核燃料を細かくせん断した状態で、溶解槽内で適正に溶解して燃料溶解液として排出することができると共に、不溶解物を搬送装置により適正に外部に排出することができ、核燃料の溶解処理の効率化を図ることができると共に、放射性物質を含む溶液と不溶解物を適正に分離することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明の核燃料の溶解装置及び方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、実施例1の核燃料の溶解装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の核燃料の溶解装置を表す断面図、図3は、使用済核燃料の再処理工程を表す概略図である。
実施例1の核燃料の溶解装置は、使用済核燃料の再処理工程におけるせん断・溶解工程で使用されるものである。
まず、使用済核燃料の再処理工程について説明する。この使用済核燃料の再処理工程は、図3に示すように、使用済核燃料の受入れ・貯蔵工程と、せん断・溶解工程と、分離工程と、精製工程と、脱硝工程と、製品貯蔵工程とから構成されている。
受入れ・貯蔵工程は、トラック201により搬送されたキャスク202を燃料プール203に投入し、冷却水内で使用済核燃料204を取り出して一時的に貯留するものである。せん断・溶解工程は、使用済核燃料204を燃料プール203から取り出し、せん断装置205によりせん断した後、溶解装置206に投入して溶解するものである。このせん断工程では、廃ガスが発生することから、図示しないが、発生した廃ガスは廃ガス処理装置へ送り出して処理している。そして、溶解工程では、溶解装置206に、硝酸207を貯留しており、この硝酸207により使用済核燃料204を溶解させることで、ウラン208、プルトニウム209、核分裂生成物(高レベル放射性廃棄物)210などの燃料溶解液を生成する。また、溶解工程では、遠心分離機などにより、硝酸207に溶解しないで燃料溶解液に含まれる被覆管などの不溶解物(異物)211を取り除き、この不溶解物211を所定の貯蔵容器に収容して保管する。
分離工程は、燃料溶解液から溶液として、ウラン溶液(ウラン208)やプルトニウム溶液(プルトニウム209)を分離するものである。具体的に、分離工程では、まず、ウラン溶液及びプルトニウム溶液から核分裂生成物(高レベル放射性廃棄物)210を取り除き、貯槽で冷却してからガラス材料により固化して保管する。そして、分離工程では、次に、ウラン溶液とプルトニウム溶液とを分離する。
精製工程は、ウラン溶液とプルトニウム溶液をそれぞれ硝酸ウラン溶液と硝酸プルトニウム溶液に精製すると共に、硝酸ウラン溶液の一部を硝酸プルトニウム溶液に混合して硝酸ウラン/プルトニウム溶液を精製するものである。この場合、精製した硝酸ウラン/プルトニウム溶液に対してPu富化度を調整している。脱硝工程は、硝酸ウラン溶液と硝酸ウラン/プルトニウム溶液を脱硝し、ウラン酸化物とウラン/プルトニウム混合酸化物を精製するものである。
製品貯蔵工程は、ウラン酸化物とウラン/プルトニウム混合酸化物をそれぞれ製品212,213として貯蔵する。その後、貯蔵したウラン酸化物とウラン/プルトニウム混合酸化物を適宜混合することで、装荷用燃料を製造することができる。
実施例1の核燃料の溶解装置は、上述した使用済核燃料を再処理する過程におけるせん断・溶解工程で使用する溶解装置206である。
実施例1において、図1及び図2に示すように、核燃料の溶解装置206は、溶解槽11と、核燃料投入部12と、燃料溶解液排出部13と、排出管14と、搬送装置15と、硝酸溶液供給部16とを有している。
溶解槽11は、中空の平板形状をなし、上面部11aと、対向する一対の第1側面部11bと、各第1側面部11bと直行するように対向する一対の第2側面部11cと、傾斜した2つの傾斜底部(傾斜面)11dとから構成されている。この溶解槽11は、内部に硝酸溶液を貯留可能となっている。
また、溶解槽11は、上面部11aにこの溶解槽11の上部から核燃料を投入可能な核燃料投入部12が設けられている。核燃料は、せん断装置205(図3参照)により細かくせん断して粉砕された粉体化核燃料であり、ウランやプルトニウムなどの燃料部分と、この燃料部分を被覆する燃料被覆部材(燃料被覆管)などの不溶解部分とから構成される。核燃料投入部12は、溶解槽11の上面部11aに連通する配管であり、粉体化核燃料は、核燃料投入部12の開口を通して溶解槽11内に落下するように投入される。
溶解槽11は、第2側面部11cにこの溶解槽11の上側部から燃料溶解液を排出可能な燃料溶解液排出部13が設けられている。粉体化された核燃料は、溶解槽11に貯留されている硝酸溶液に浸漬されると、燃料部分が溶解して燃料溶解液となり、不溶解部分が溶解せずに不溶解物となる。燃料溶解液排出部13は、溶解槽11の第2側面部11cに連通する配管であり、燃料溶解液は、燃料溶解液排出部13の開口を通して溶解槽11からオーバーフローにより排出される。
排出管14は、下端部が溶解槽11の下部(底部)に連通して上部に不溶解物を排出可能な不溶解物排出部21が設けられている。この排出管14は、水平に対して所定角度θが確保されるように傾斜した状態で配置され、放射線遮へい性能を有する隔壁220により支持されている。排出管14は、円筒形状をなす配管であって、下端部が連通部22を介して溶解槽11の下部に連通している。連通部22は、円筒形状をなして鉛直方向に沿った配管であって、上端部が溶解槽11の下部に連通し、下端部が排出管14の下部に連通している。この場合、溶解槽11は、2つの傾斜底部11dの間に連通部22が連結されており、沈降した不溶解部分(不溶解物)が傾斜底部11dに沿って移動し、連通部22に集められるようになっている。
排出管14は、外筒に対してその内部に内筒23が配置されている。内筒23は、排出管(外筒)14の内周面に嵌合しており、必要に応じて取外し可能となっている。即ち、排出管14は、内部に交換可能な内筒23が配置されることとなる。
そして、排出管14は、内筒23の内部に搬送装置15が収容されている。搬送装置15は、スクリューコンベアであり、溶解槽11(連通部22)の底部にある不溶解物を不溶解物排出部21まで搬送することができる。この搬送装置(スクリューコンベア)15は、螺旋形状をなす旋回羽根24を有し、基端部(上端部)が支持円板25に連結され、先端部(下端部)が連通部22の下部まで延出している。この旋回羽根24は、外径が排出管14の内筒23の内径より若干小さい寸法に設定されており、旋回することで、連通部22に堆積する不溶解物を上方に搬送することができる。
隔壁220は、所定の位置に支持孔220aが形成され、排出管14の上端部が嵌合すると共に、外部からシール部材26が嵌合して固定されている。搬送装置15は、隔壁220の外部に配置される駆動装置27を有している。駆動装置27は、例えば、駆動(電機)モータと減速機を有し、図示しないブラケットを介して隔壁220に支持されている。そして、駆動装置27は、出力軸28がシール部材26に固定された軸受29に回転自在に支持され、先端部が支持円板25に連結されている。そのため、搬送装置15は、スクリューコンベアの出力軸(回転軸)が隔壁220を貫通し、外部で駆動装置27に連結されることとなる。
この場合、溶解装置206が配置される部屋は、隔壁220で密閉するように隔離された部屋であり、駆動装置27のみが作業者が侵入しても安全な部屋に配置されている。
また、排出管14は、溶解槽11に硝酸溶液を供給可能な硝酸溶液供給部16が設けられている。この硝酸溶液供給部16は、排出管14の上部に設けられ、不溶解物排出部21より下方に配置されている。この場合、排出管14における硝酸溶液供給部16は、溶解槽11における燃料溶解液排出部13より鉛直方向の上方に配置されており、そのため、硝酸溶液の液面は、溶解槽11における燃料溶解液排出部13の位置にあり、排出管14における硝酸溶液供給部16より下方の位置にあり、排出管14の硝酸溶液が硝酸溶液供給部16や不溶解物排出部21から漏洩することはない。
また、溶解槽11は、核燃料投入部12と燃料溶解液排出部13との間に上面部11aから傾斜底部11dの近傍まで延出する堰31が設けられている。この堰31は、上端部が溶解槽11の上面部11aに固定されると共に、両側部が第1側面部11bに固定され、下端部が傾斜底部11と所定隙間をもって配置されている。
更に、溶解槽11は、傾斜底部11dに残留した不溶解物を溶解槽11の上部から排出可能な不溶解物排出装置32は、スチームジェットを供給可能な供給部33と、不溶解物を含んだ硝酸溶液(燃料溶解液)を排出可能な排出部(エゼクタ部)34と、溶解槽11の傾斜底部11d(連通部22)まで延出した排出配管35とを有している。従って、供給部33からスチームジェットを供給すると、このスチームジェットが排出部34から排出され、排出配管35内に負圧が作用する。すると、溶解槽11における不溶解物を含んだ硝酸溶液(燃料溶解液)は、排出配管35の下端部から吸入され、上方に移動した後、排出部34からスチームジェットと共に排出される。
ここで、実施例1の核燃料の溶解装置206による核燃料の溶解方法について説明する。核燃料の溶解方法は、硝酸溶液が貯留された溶解槽11内に上部から核燃料を投入する工程と、下端部が溶解槽11の傾斜底部11dに連通する排出管14の上部から硝酸溶液を供給する工程と、溶解槽11の上部からオーバーフローにより燃料溶解液を排出する工程と、溶解槽11の底部にある不溶解物を排出管14の上方に搬送して外部に排出する工程と、を有している。
即ち、核燃料は、せん断装置205(図3参照)により細かくせん断して粉砕されて粉体化核燃料となり、核燃料投入部12から溶解槽11内に投入される。この場合、粉体化核燃料は、連続してほぼ同量が溶解槽11内に投入される。一方、硝酸溶液は、硝酸溶液供給部16から排出管14の上部に供給され、この排出管14を下方に流れて溶解槽11に供給される。
溶解槽11に投入された粉体化核燃料は、この溶解槽11内の硝酸溶液に接触することで、燃料部分が溶解し、燃料被覆部材が溶解せずに不溶解物となり、傾斜底部11dに沈降して連通部22に堆積する。そして、燃料部分が溶解した燃料溶解液は、燃料溶解液排出部13からオーバーフローして溶解槽11から排出される。
このとき、溶解槽11は、核燃料投入部12と燃料溶解液排出部13との間に堰31が設けられていることから、核燃料投入部12から投入された粉体化核燃料が、直接、燃料溶解液排出部13から排出されることはない。
一方、駆動装置27が駆動すると、駆動回転力が出力軸28を介して旋回羽根24に伝達され、この旋回羽根24が排出管14(内筒23)内で旋回する。すると、連通部22に堆積した不溶解物は、搬送装置15、つまり、スクリューコンベアにより排出管14内を上方に搬送され、不溶解物排出部21から外部に排出される。なお、溶解槽11に投入された粉体化核燃料が溶解槽11内の硝酸溶液で溶解しきれないとき、スクリューコンベアにより排出管14内を上方に移動する間に溶解される。
この場合、硝酸溶液が硝酸溶液供給部16から排出管14に供給されるが、燃料溶解液が燃料溶解液排出部13からオーバーフローして排出されるため、排出管14から溶解槽11への硝酸溶液の流れが発生し、溶解槽11及び排出管14内の硝酸溶液の貯留量が一定に維持される。そして、硝酸溶液が排出管14から溶解槽11へ流れる一方、不溶解物が排出管14内を上昇するため、不溶解物は、燃料部分が溶解していない適正濃度の硝酸溶液により洗浄された後、外部に排出される。
ところで、排出管14は、内側で旋回羽根24が旋回することから、長期の使用により内面が損傷する。そのため、搬送装置15を停止して内筒23を交換する。このとき、不溶解物排出装置32を作動し、溶解槽11及び排出管14に残留する不溶解物を含んだ硝酸溶液(燃料溶解液)を排出する。
このように実施例1の核燃料の溶解装置にあっては、硝酸溶液を貯留可能な溶解槽11と、溶解槽11の上部から核燃料を投入可能な核燃料投入部12と、溶解槽11の上側部から燃料溶解液を排出可能な燃料溶解液排出部13と、下端部が溶解槽11の傾斜底部11dに連通して上部に不溶解物を排出可能な不溶解物排出部21が設けられる排出管14と、排出管14内に収容されて溶解槽の傾斜底部11dにある不溶解物を不溶解物排出部21まで搬送可能な搬送装置15と、排出管14から溶解槽11に硝酸溶液を供給可能な硝酸溶液供給部16とを設けている。
従って、硝酸溶液が貯留された溶解槽11に核燃料投入部12から核燃料を投入すると共に、硝酸溶液供給部16から硝酸溶液を供給すると、核燃料は、燃料部分が硝酸溶液に浸漬して溶解され、燃料被覆部材などの不溶解物が溶解せずに傾斜底部11dに沈降し、連通部22に堆積する。そして、溶解槽11にて、燃料溶解液が溶解槽11の燃料溶解液排出部13から排出される。一方、燃料被覆部材などの不溶解物が搬送装置15により排出管14内を上方に搬送され、不溶解物排出部21から外部に排出される。
核燃料は、硝酸溶液に浸漬されたままで、溶解槽11から排出管14内を移動する間に燃料部分が溶解するため、この核燃料を細かくせん断した状態で、溶解槽11に投入することができる。細かくせん断された粉体化核燃料は、溶解槽11内で硝酸溶液との接触面積が増加し、短時間で適正に溶解するため、燃料溶解液として燃料溶解液排出部13から適正に排出することができる。一方、不溶解物は、搬送装置15により搬送されることから、この不溶解物を不溶解物排出部21から適正に排出することができる。その結果、核燃料の溶解処理の効率化を図ることができると共に、放射性物質を含む溶液と不溶解物を適正に分離することができる。
実施例1の核燃料の溶解装置では、燃料溶解液排出部13は、溶解槽11の上側部からオーバーフローにより燃料溶解液を排出する。従って、別途、排出装置などを不要として装置の簡素化を可能とすることができる。
実施例1の核燃料の溶解装置では、硝酸溶液供給部16を排出管14の上部に設けている。従って、硝酸溶液を排出管14の上部にある硝酸溶液供給部16から供給すると、供給された硝酸溶液は、排出管14を通って溶解槽11に流動し、ここで核燃料に接触して溶解し、燃料溶解液として燃料溶解液排出部13から排出される。ここで、溶解槽11の硝酸溶液は、核燃料の溶解が進むことから硝酸濃度が低下し、溶解反応の速度が低下する。そのため、核燃料投入部12から投入された核燃料は、まず、低濃度の硝酸溶液に接触して溶解が始まることとなり、突沸を防止することができる。
また、適正濃度の新しい硝酸溶液は、排出管14から溶解槽11に流動し、核燃料を溶解して燃料溶解液となり、燃料溶解液排出部13から排出される。即ち、排出管14から溶解槽11に向けて硝酸溶液の流れができる。そのため、溶解槽11の連通部22にある不溶解物が搬送装置15により排出管14内を搬送されるとき、濃度の高い硝酸溶液に接触して排出されるため、別途、不溶解物を硝酸溶液で洗浄する必要がなくなり、作業性を向上することができる。
実施例1の核燃料の溶解装置では、排出管14を水平に対して所定角度傾斜して配置している。従って、溶解槽11の連通部22に堆積された不溶解物を、傾斜した排出管14を通して容易に上方に搬送することができ、不溶解物排出部21から適正に排出することができる。
実施例1の核燃料の溶解装置では、搬送装置15をスクリューコンベアとしている。従って、溶解槽11の連通部22に堆積した不溶解物を容易に搬送することができる。この場合、スクリューコンベアは、旋回羽根24だけが旋回して不溶解物を搬送するため、複雑な機構を不要とすることができ、故障や損傷の発生を低減して信頼性を向上することができると共に、メンテナンスの頻度を減少することができる。
実施例1の核燃料の溶解装置では、搬送装置15は、スクリューコンベアの出力軸28が隔壁220を貫通し、外部で駆動装置27に連結している。従って、スクリューコンベアの駆動装置27を隔壁220の外部に配置することで、保守の頻度が高い駆動装置へ作業者が容易にアクセスすることができ、保守性を向上することができる。
実施例1の核燃料の溶解装置では、溶解槽11は、沈降した不溶解物を排出管14との連通部22に集める傾斜底部11dが設けられている。従って、核燃料投入部12から溶解槽11に核燃料を投入すると、この核燃料は、硝酸溶液内を沈降しながら傾斜底部11dに案内されて連通部22に集められることとなり、核燃料部分が溶解して残った不溶解物を搬送装置15によりこの連通部22から容易に搬送することができる。
実施例1の核燃料の溶解装置では、核燃料投入部12と燃料溶解液排出部13との間に溶解槽11の上部から底部近傍まで延出する堰31を設けている。従って、核燃料投入部12から投入された未溶解の核燃料や燃料被覆部材などが溶解液排出部13から排出されるのを防止することができる。
実施例1の核燃料の溶解装置では、排出管14の内部に交換可能な内筒23が配置し、内筒23内に搬送装置15を収容している。従って、排出管14の内部に内筒23を配置することで、搬送装置15の作動による排出管14の損傷を防止することができ、また、損傷した内筒23を交換するだけで現状復帰が可能となり、メンテナンス性を向上することができる。
実施例1の核燃料の溶解装置では、溶解槽11の底部に残留した不溶解物を溶解槽11の上部から排出可能な不溶解物排出装置32を設けている。従って、搬送装置15により不溶解物を排出できないとき、不溶解物排出装置32を用いることで、溶解槽11内への不溶解物の残留を防止することができる。
また、実施例1の核燃料の溶解方法にあっては、硝酸溶液が貯留された溶解槽11内に上部から核燃料を投入する工程と、下端部が溶解槽11の底部に連通する排出管14の上部から硝酸溶液を供給する工程と、溶解槽11の上側部からオーバーフローにより燃料溶解液を排出する工程と、溶解槽11の傾斜底部11dにある不溶解物を排出管14の上方に搬送して外部に排出する工程とを有している。
従って、核燃料を細かくせん断した状態で、溶解槽11内で適正に溶解して燃料溶解液として排出することができると共に、不溶解物を搬送装置15により適正に外部に排出することができ、核燃料の溶解処理の効率化を図ることができると共に、放射性物質を含む溶液と不溶解物を適正に分離することができる。
なお、この実施例1では、溶解槽11を中空の平板形状としたが、この形状に限定されるものではない。例えば、溶解槽を中空の湾曲した平板形状としたり、中空の円環形状としたりしてもよい。この場合、溶解槽11は、内部に核燃料としてウランやプルトニウムなどの放射性物質を収容することから、放射性物質による臨界状態が発生しないように溶解槽の厚さを設定する必要がある。
また、この実施例1では、搬送装置15をスクリューコンベアとしてが、この構成に限定されるものではなく、例えば、ベルトコンベアなどであってもよい。
図4は、実施例2の核燃料の溶解装置を表す概略構成図、図5から図10は、実施例2の核燃料の溶解装置による処理方法を表す概略図である。
実施例2の核燃料の溶解装置は、実施例1で説明した使用済核燃料を再処理する過程におけるせん断・溶解工程で使用する溶解装置である。実施例2において、図4に示すように、核燃料の溶解装置100は、硝酸溶液貯留槽101と、加熱部102と、核燃料貯留槽103と、フィルタ104と、ロート状連通管105とを有している。
硝酸溶液貯留槽101は、中空の円筒形状をなし、円筒部101aと、底部101bとから構成され、上方が開口している。この硝酸溶液貯留槽101は、内部に硝酸溶液を貯留可能となっている。加熱部102は、硝酸溶液貯留槽101の外周部にリング形状をなして配置され、硝酸溶液貯留槽101に貯留されている硝酸溶液を加熱することができる。この場合、加熱部102は、例えば、電気ヒータである。
核燃料貯留槽103は、中空の円筒形状をなし、円筒部103aと、蓋部103bとから構成され、下方が開口している。核燃料貯留槽103は、硝酸溶液貯留槽101とほぼ同径をなし、この硝酸溶液貯留槽101の上部に配置されている。この核燃料貯留槽103は、内部に核燃料を貯留可能となっている。
また、核燃料貯留槽103は、蓋部103bにこの核燃料貯留槽103の上部から核燃料を投入可能な核燃料投入部111が設けられている。核燃料は、せん断装置205(図3参照)により細かくせん断して粉砕された粉体化核燃料であり、ウランやプルトニウムなどの燃料部分と、この燃料部分を被覆する燃料被覆部材(燃料被覆管)などの不溶解部分とから構成される。核燃料投入部111は、核燃料貯留槽103の蓋部103bに連通する配管であり、粉体化核燃料は、核燃料投入部111の開口を通して核燃料貯留槽103内に落下するように投入される。
硝酸溶液貯留槽101は、円筒部101aにこの硝酸溶液貯留槽101の上側部から燃料溶解液を排出可能な燃料溶解液排出部112が設けられている。粉体化された核燃料は、硝酸溶液に浸漬されると、燃料部分が溶解して燃料溶解液となり、不溶解部分が溶解せずに不溶解物となる。燃料溶解液排出部112は、硝酸溶液貯留槽101の円筒部101aに連通する配管であり、L字形状をなしている。このL字形状をなす燃料溶解液排出部112は、一端部が硝酸溶液貯留槽101の底部101bの近傍まで延出し、他端部に燃料溶解液排出装置113が連結されている。この燃料溶解液排出装置113は、スチームジェットを供給可能な供給ライン114及び開閉弁115と、燃料溶解液排出部112に連結されると共に供給ライン114が接続されて硝酸溶液(燃料溶解液)を排出可能な排出ライン116及び開閉弁117と、排出ライン116の下流部の連結される排出部(エゼクタ部)118とを有している。
従って、開閉弁115,117を開放すると、供給ライン114からスチームジェットを供給され、このスチームジェットが供給ライン114を通って排出部118から排出され、燃料溶解液排出部112内に負圧が作用する。すると、硝酸溶液貯留槽101における硝酸溶液(燃料溶解液)は、燃料溶解液排出部112の下端部から吸入され、上方に移動した後、排出ライン116からスチームジェットと共に排出される。
フィルタ104は、核燃料貯留槽103の下部に装着され、硝酸溶液貯留槽101と核燃料貯留槽102との間に介装される。フィルタ104は、硝酸溶液が流通可能であるが、燃料被覆部材は流通不能となっている。このフィルタ104は、例えば、焼結金属やセラミックなどから構成される多孔部材である。
ロート状連通管105は、硝酸溶液貯留槽101内に配置され、上部にロート部121が設けられ、下部が縮径して流通管122となっている。そして、ロート部121がフィルタ104に連通し、流通管122が硝酸溶液貯留槽101の底部101b近傍まで延出している。
ここで、実施例2の核燃料の溶解装置206による核燃料の溶解方法について説明する。核燃料の溶解方法は、硝酸溶液貯留槽101に貯留されている硝酸溶液を加熱してロート状連通管105を通して上部に配置されて核燃料を貯留した核燃料貯留槽103に供給する工程と、所定時間の経過後に加熱を停止して核燃料貯留槽103の硝酸溶液をロート状連通管105を通して硝酸溶液貯留槽101に戻す工程と、硝酸溶液貯留槽101の燃料溶解液を排出する工程と、核燃料貯留槽103にある不溶解物を外部に排出する工程とを有している。
即ち、図5に示すように、硝酸溶液貯留槽101に所定量の硝酸溶液を貯留させておき、粉体化核燃料を核燃料投入部111から核燃料貯留槽103に投入する。まず、図6に示すように、加熱部102を作動し、硝酸溶液貯留槽101に貯留されている硝酸溶液を加熱する。すると、密閉された硝酸溶液貯留槽101の内部の温度が上昇し、圧力も上昇することから、硝酸溶液貯留槽101の硝酸溶液がサイフォン効果によりロート状連通管105を通して核燃料貯留槽103に供給される。
すると、核燃料貯留槽103では、核燃料が硝酸溶液に浸漬されることで、燃料部分が溶解し、燃料被覆部材は溶解せずに不溶解物として残留する。所定時間が経過し、核燃料の燃料部分が全て溶解したら、加熱部102の作動を停止する。すると、図7に示すように、密閉された硝酸溶液貯留槽101の内部の温度が下降し、圧力も下降することから、核燃料貯留槽103にて硝酸溶液により燃料部分が溶解して生成された燃料溶解液がロート状連通管105を通して硝酸溶液貯留槽101に戻される。このとき、硝酸溶液貯留槽101と核燃料貯留槽103との間にフィルタ104が介装されていることから、核燃料貯留槽103の不溶解物は、硝酸溶液貯留槽101に戻されない。
そして、図8に示すように、燃料溶解液排出装置113(図4参照)を作動し、硝酸溶液貯留槽101内の燃料溶解液を燃料溶解液排出部112から外部に排出する。続いて、図9に示すように、核燃料投入部111から所定量の硝酸溶液を投入し、核燃料貯留槽103にある不溶解物を洗浄する。ここで、洗浄後の硝酸溶液は、ロート状連通管105を通して硝酸溶液貯留槽101に落下し、次回の処理に使用される。
その後、図10に示すように、硝酸溶液貯留槽101から、フィルタ104が装着された核燃料貯留槽103を取外し、不溶解物と共に廃棄処分とする。
このように実施例2の核燃料の溶解装置にあっては、硝酸溶液を貯留可能な硝酸溶液貯留槽101と、硝酸溶液貯留槽101の硝酸溶液を加熱可能な加熱部102と、硝酸溶液貯留槽101の上部に配置されて核燃料を貯留可能な核燃料貯留槽103と、硝酸溶液貯留槽101と核燃料貯留槽103との間に介装されて硝酸溶液が流通可能なフィルタ104と、上部がフィルタ104に連通して下部が縮径して硝酸溶液貯留槽101の底部近傍まで延出するロート状連通管105とを設けている。
従って、硝酸溶液貯留槽101に硝酸溶液を貯留させ、粉体化核燃料を核燃料貯留槽103に貯留した状態で、加熱部102により硝酸溶液貯留槽101に貯留されている硝酸溶液を加熱すると、この硝酸溶液がサイフォン効果によりロート状連通管105を通して核燃料貯留槽103に供給され、核燃料が硝酸溶液により溶解し、加熱部102の作動を停止すると、燃料溶解液がロート状連通管105を通して硝酸溶液貯留槽101に戻され、核燃料貯留槽103に不溶解物が残留する。
核燃料は、核燃料貯留槽103で硝酸溶液に浸漬される間に燃料部分が溶解するため、この核燃料を細かくせん断した状態で、処理することができる。細かくせん断された粉体化核燃料は、核燃料貯留槽103内で硝酸溶液との接触面積が増加し、短時間で適正に溶解するため、燃料溶解液として硝酸溶液貯留槽101から適正に排出することができる。一方、不溶解物は、核燃料貯留槽103と共に容易に廃棄処分することができる。その結果、核燃料の溶解処理の効率化を図ることができると共に、放射性物質を含む溶液と不溶解物を適正に分離することができる。
実施例2の核燃料の溶解装置では、硝酸溶液への核燃料の溶解が進むと硝酸濃度が低下するため、溶解が進んだ硝酸溶液と粉体化した核燃料では溶解反応の速度が低下する。核燃料貯留槽103の核燃料に対して、硝酸溶液を順次供給するため、硝酸溶液は、核燃料に接触して核燃料を溶解することで溶解反応速度が低下し、硝酸溶液の突沸を抑制することができる。万一、局部的に突沸が生じて核燃料貯留槽103内の圧力が上昇し、核燃料粉が飛散したとしても、核燃料貯留槽103が密閉されていることから、汚染の拡大を防止することができる。
実施例2の核燃料の溶解装置では、燃料溶解液を下方の硝酸溶液貯留槽101から排出することで、界面に浮遊した微粉はフィルタ104によって核燃料貯留槽103に保持されるため、微粉の溶解液排出部112からの流出を防止することができる。また、溶解性能を向上させるために核燃料を粉体化すると、粉体化した不溶解物の排出が困難となるが、不溶解物を核燃料貯留槽103と共に廃棄するため、不溶解物の排出操作や排出した不溶解物の廃棄物容器への収納操作が不要となり合理化することができる。
そして、不溶解物を排出した後の硝酸溶液による不溶解物の洗浄が不要となる。また、機械的な駆動部がなく、保守性が良好である。更に、粉体化した核燃料を取り扱える核燃料貯留槽103としたことで、臨界安全を担保しつつ処理能力が向上した装置となる。
なお、実施例2にて、硝酸溶液貯留槽101や核燃料貯留槽103の形状は、円筒形状に限定されるものではない。
11 溶解槽
12 核燃料投入部
13 燃料溶解液排出部
14 排出管
15 搬送装置
16 硝酸溶液供給部
21 不溶解物排出部
22 連通部
23 内筒
24 旋回羽根
27 駆動装置
31 堰
32 不溶解物排出装置
100,206 核燃料の溶解装置
12 核燃料投入部
13 燃料溶解液排出部
14 排出管
15 搬送装置
16 硝酸溶液供給部
21 不溶解物排出部
22 連通部
23 内筒
24 旋回羽根
27 駆動装置
31 堰
32 不溶解物排出装置
100,206 核燃料の溶解装置
Claims (11)
- 硝酸溶液を貯留可能な溶解槽と、
前記溶解槽の上部から核燃料を投入可能な核燃料投入部と、
前記溶解槽の上部から燃料溶解液を排出可能な燃料溶解液排出部と、
下端部が前記溶解槽の底部に連通して上部に不溶解物を排出可能な不溶解物排出部が設けられる排出管と、
前記排出管内に収容されて前記溶解槽の底部にある不溶解物を前記不溶解物排出部まで搬送可能な搬送装置と、
前記溶解槽に硝酸溶液を供給可能な硝酸溶液供給部と、
を有することを特徴とする核燃料の溶解装置。 - 前記燃料溶解液排出部は、前記溶解槽の上側部からオーバーフローにより燃料溶解液を排出することを特徴とする請求項1に記載の核燃料の溶解装置。
- 前記硝酸溶液供給部は、前記排出管の上部に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の核燃料の溶解装置。
- 前記排出管は、水平に対して所定角度傾斜して配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の核燃料の溶解装置。
- 前記搬送装置は、スクリューコンベアを有することを特徴とする請求項4に記載の核燃料の溶解装置。
- 前記搬送装置は、スクリューコンベアの回転軸が隔壁を貫通し、外部で駆動装置に連結されることを特徴とする請求項5に記載の核燃料の溶解装置。
- 前記溶解槽は、沈降した不溶解物を底部における前記排出管との連通部に集める傾斜面が設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の核燃料の溶解装置。
- 前記核燃料投入部と前記燃料溶解液排出部との間に前記溶解槽の上部から底部近傍まで延出する堰が設けられることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の核燃料の溶解装置。
- 前記排出管は、内部に交換可能な内筒が配置され、前記内筒内に前記搬送装置が収容されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の核燃料の溶解装置。
- 前記溶解槽の底部に残留した不溶解物を前記溶解槽の上部から排出可能な不溶解物排出装置が設けられることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の核燃料の溶解装置。
- 硝酸溶液が貯留された溶解槽内に上部から核燃料を投入する工程と、
下端部が前記溶解槽の底部に連通する排出管の上部から硝酸溶液を供給する工程と、
前記溶解槽の上部からオーバーフローにより燃料溶解液を排出する工程と、
前記溶解槽の底部にある不溶解物を排出管の上方に搬送して外部に排出する工程と、
を有することを特徴とする核燃料の溶解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013131854A JP2015007534A (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | 核燃料の溶解装置及び方法 |
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