JP2015007189A - 接着剤組成物 - Google Patents

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Shoichi Matsumoto
章一 松本
絵理子 佐藤
Eriko Sato
絵理子 佐藤
森野 彰規
Akinori Morino
彰規 森野
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Abstract

【課題】熱膨張性材料や発泡剤を使用しなくとも外的刺激により解体可能な接着剤を提供する。【解決手段】アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)及びグリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)を有する共重合体(X)と、酸発生剤(Y)とを含有する接着剤組成物により、熱膨張性材料や発泡剤を使用しなくとも外的刺激により好適に解体できる。前記アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)はエトキシカルボニルオキシスチレン、メトキシカルボニルオキシスチレン、プロポキシカルボニルオキシスチレン、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、ジメチルベンジルカルボニルオキシスチレンから選ばれる少なくとも一種からなる構造単位であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤組成物に関する。
接着剤は、作業性に優れる接着信頼性の高い接合手段として、OA機器、IT・家電製品、自動車等の産業分野において各種部品固定用途に使用されている。近年、地球環境保護の観点から、これら家電や自動車等の各種の産業分野において、使用済み製品のリサイクル、リユースの要請が高まっている。各種製品をリサイクル、リユースする際には、固定された部品を解体する作業が必要となるため、簡易に解体可能な接着剤が要望されている。
解体可能な接着剤として、熱可塑性の接着剤は、加熱により接合部の解体が可能となるが、温度が低下すると再度接着してしまう。このため、熱可塑性の接着剤を使用した場合には、高温雰囲気下での解体や高温状態となった部品の解体が求められるため、作業上の危険度が高い問題があった。
このような問題に対し、外的刺激を加えた後は、常温下でも解体が可能な接着剤として、熱膨張性黒鉛を含有する接着剤(特許文献1参照)や、発泡材を含有する接着剤(特許文献2参照)などが開示されている。しかしながら、これら接着剤は、熱膨張性材料や発泡剤等を接着剤中に含有することから、解体性を向上させるに際して多量の添加が必要な場合があり、接着性能の低下を生じやすいものであった。また、これら熱膨張性材料や発泡剤は高価な材料も多く、実用上のコストが高くなりやすい問題があった。
特開2004−189856号公報 特開2003−286464号公報
本発明が解決しようとする課題は、熱膨張性材料や発泡剤を使用しなくとも外的刺激により解体可能な接着剤を提供することにある。
本発明においては、アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)及びグリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)を有する共重合体(X)と、酸発生剤(Y)とを含有する接着剤組成物により、上記課題を解決できる。
本発明の接着剤組成物は、熱膨張性材料や発泡剤等の添加剤を使用する必要が無いことから、材料コストや添加工程に必要な製造コストを大きく低減できる。また、これら熱膨張性材料や発泡剤の多量の添加による接着力の低下の問題が生じないことから、好適な接着性能を確保しやすい。さらに、一旦外的刺激を与えた後は、温度条件等の環境条件が変化した場合にも解体が可能であることから、高温環境下での解体作業等が不要であるため安全に解体が可能となる。このため、本発明の接着剤組成物は、コストの低減の要請や接着安定性の要請に加えて、多量の製品のリサイクルが必要な分野、例えば、OA機器、IT・家電製品、自動車等の産業分野における各種部品固定用途に好適に適用できる。
本発明の接着剤組成物は、アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)及びグリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)を有する共重合体(X)と、酸発生剤(Y)とを含有する。
[共重合体]
本発明に使用する共重合体(X)は、アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)と、グリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)とを有する共重合体である。アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位は、スチレン構造単位の芳香族環中の水素原子がアルコキシカルボニルオキシ基により置換された構造単位である。
アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位中のアルコキシカルボニルオキシ基は、酸によりアルコキシカルボニル基が解離し、芳香環に水酸基が残存するものであればよく、アルコキシカルボニルオキシ基の酸素原子に結合する炭素原子が第二級又は第三級炭素原子であると好適に酸により解離しやすいため好ましい。
また、当該アルコキシカルボニルオキシ基は、水素原子の一部が、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン、芳香族により置換されたアミノアルコキシカルボニルオキシ基、ヒドロキシアルコキシカルボニルオキシ基、カルボキシアルコキシカルボニルオキシ基、ブロモアルコキシカルボニルオキシ基、クロロアルコキシカルボニルオキシ基、フェニルアルコキシカルボニルオキシ基、ナフチルアルコキシカルボニルオキシ基等であってもよい。
当該アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)を与えるアルコキシカルボニルオキシスチレンモノマーとしては、下記式(1)で表されるアルコキシカルボニルオキシスチレンを使用できる。
Figure 2015007189
(式(1)中、Rは、炭素数1〜15のアルキル基、又は水素原子の一部がアミノ基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン、芳香族基で置換された炭素数1〜15のアルキル基を表す。)
前記式(1)中のRは、炭素数1〜15のアルキル基、又は、水素原子の一部がアミノ基で置換された炭素数1〜15のアルキル基を表すが、なかでも、第二級又は第三級炭素原子を有するアルキル基であることが好ましく、炭素数4以上の第三級炭素原子を有するアルキル基であることが特に好ましい。当該アルキル基を有するアルコキシ基は、酸により好適にアルキル基が解離しやすくなる。
このようなアルコキシカルボニルオキシスチレンモノマーとしては、例えば、エトキシカルボニルオキシスチレン、メトキシカルボニルオキシスチレン、プロポキシカルボニルオキシスチレン、tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン等のアルコキシスチレン類や、p−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)カルボニルオキシスチレン、p−(3−N,N−ジエチルアミノプロポキシ)カルボニルオキシスチレン、p−(3−N,N−ジ−n−プロピルアミノプロポキシ)カルボニルオキシスチレン等のアミノアルコキシカルボニルオキシスチレン類、p−(3−ヒドロキシプロポキシ)カルボニルオキシスチレン、p−(2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチル)カルボニルオキシスチレン、p−(2−カルボキシ−2,2−ジメチルエチル)カルボニルオキシスチレンp−(2−クロロ−2,2−ジメチルエチル)カルボニルオキシスチレン、p−(2−フェニル−2,2−ジメチルエチル)カルボニルオキシスチレンを使用できる。
グリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)としては、各種接着剤に使用されるグリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマーからなる構造単位であり、当該グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルメチルアクリレート、グリシジルメチルメタクリレート、2−グリシジルエチルアクリレート、2−グリシジルエチルメタクリレート、3−グリシジルプロピルアクリレート、3−グリシジルプロピルメタクリレート等を例示できる。なかでも、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを好ましく使用できる。本発明においては、上記アルコキシスチレン構造単位と、当該グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマーからなる構造単位とを含有する共重合体を使用することで、好適な接着性と解体性とを実現できる。また、これら特性に加え、好適な耐熱性、耐屈曲性、難燃性等を実現しやすくなる。
本発明に使用する共重合体(X)を構成する構造単位の総モル数に占める前記アルコキシスチレン構造単位(a)の割合は20〜95mol%であることが好ましく、30〜80mol%であることがより好ましい。
また、前記グリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)の含有量は、共重合体(X)を構成する構造単位の総モル数に占めるグリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)の割合が5〜80mol%であることが好ましく、10〜50mol%であることがより好ましい。
本発明に使用する共重合体(X)は、上記アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)、グリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)以外の他の構造単位(c)が含まれていてもよい。当該構造単位を構成するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノメチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のビニル誘導体、マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸、その酸無水物、そのモノメチルエステル、モノエチルエステル等のモノエステル、若しくは、そのジメチルエステル、ジエチルエステル等のジエステルが例示できる。
これら他の構造単位(c)を含有する場合には、共重合体(X)を構成する構造単位の総モル数に占める当該構造単位の割合が50mol%以下であることが好ましい。
本発明に使用する共重合体(X)は、上記モノマー成分のランダム重合体であってもブロック重合体であってもよい。ランダム重合体であると初期の接着力を確保しやすくなるため好ましい。またブロック重合体であると、好適な解体性を得やすくなるため好ましい。
本発明に使用する共重合体(X)の分子量は、数平均分子量が1000〜200万であることが好ましく、3000〜100万であることがより好ましく、5000〜50万であることがさらに好ましい。当該分子量とすることで、好適な接着性を確保しやすくなる。
前記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算である。測定条件の例として、HLC−8220GPC(東ソー社製)を用いてカラムはTSKgel GMHXL[東ソー製]を用い、カラム温度は40℃、溶離液はテトラヒドロフラン、流量は1.0mL/分とし、標準ポリスチレンはTSK標準ポリスチレンを用いることで測定できる。
分子量を調整するために、重合には連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、公知の連鎖移動剤、例えばラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが使用できる。
共重合体(X)は、例えば前記モノマーの混合物を、ラジカル重合反応することによって製造することができる。前記アクリル重合体の製造方法としては具体的には、リビングラジカル重合法や、アゾ系開始剤または過酸化物を用いて行う従来知られたラジカル重合法が挙げられる。なかでも、リビングラジカル重合法を採用することが、ラジカル重合過程における連鎖移動反応や停止反応等の副反応を引き起こさず、低分子量成分の生成を抑制でき、分子量分布の狭いアクリル重合体を製造できるため好ましい。
前記リビングラジカル重合法としては、例えば原子移動ラジカル重合法(ATRP法)、高周期15族または16族元素を含む有機ヘテロ化合物を触媒として用いるリビングラジカル重合法(有機ヘテロ化合物を媒介とするラジカル重合法)(TERP法等)、可逆的付加開裂連鎖移動重合反応法(RAFT法)等が挙げられる。
前記原子移動ラジカル重合法(ATRP法)は、例えば遷移金属錯体と、有機ハロゲン化物との存在下で、前記したアクリル単量体を重合する方法である。
[酸触媒、酸発生剤]
本発明の接着剤組成物には、酸触媒(Y1)又は酸発生剤(Y2)を使用する。酸触媒(Y1)としては、例えばp−トルエンスルホン酸やベンゼンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、脂肪族スルホン酸などの有機酸や、塩酸や硫酸等の無機酸、及び、それらの水和物を使用することができる。
本発明で使用する酸発生剤(Y2)は、例えば紫外線等のエネルギー線による光照射によりカチオン重合を開始することのできる酸を発生する光酸発生剤や、加熱等によって酸を発生する熱酸発生剤である。なかでも光酸発生剤は、光と熱の二種の外部刺激により接着剤を好適に解体できる一方で、接着剤組成物として保管する際や、物品を固定した際には容易に分解や解体が生じにくく、安定した保存性や接着性を保持できるため、特に好ましく使用できる。
前記光酸発生剤としては、例えばN−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドベンゼンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミドトリフラート、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、フェニル−(3−ヒドロキシ−ペンタデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニル−(3−ヒドロキシペンタデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等を使用することができる。
これら光酸発生剤は、使用する用途に応じて適宜好適なものを選択すればよい。例えば、これら酸発生剤は接着剤との混合により熱分解温度が低下する場合があるため、これらのなかでも、N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステルやビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等の酸発生剤単独での熱分解温度が概ね150℃以上のものを使用することが、保存時等に熱の影響によって酸が発生し、接着剤組成物の解体が進行することを防止するうえで好ましい。
また、光酸発生剤の中でも、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等の加熱により気体を発生する光酸発生剤は、光による酸発生と加熱による気体発生により、特に高い解体性を実現しやすいため好ましい。N−ヒドロキシナフタルイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル等の100℃程度の加熱よっても気体を発生しにくい光酸発生剤は、熱安定性の高い接着剤層を得ることができるため好ましい。
さらに、光酸発生剤の中でも、骨格中にベンゼン環やナフタレン環構造等の光吸収性の構造を有する光酸発生剤は、少ない光照射時間や少ない含有量で好適な解体性を実現できるため、製造コストや解体コストを低減しやすいため好ましい。一方で、これら光吸収性の構造を有さない光酸発生剤は、光照射に対する安定性が求められる場合に好ましく使用できる。
また、前記熱酸発生剤としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩を使用することができ、例えば4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート等を使用することができる。
[接着剤組成物]
本発明の接着剤組成物は、上記共重合体(X)と、上記酸触媒(Y1)又は酸発生剤(Y2)とを含有する。本発明の接着剤組成物は、当該構成により被着体を固定できると共に、解体時には酸触媒又は酸発生剤による酸成分が共重合体の側鎖を分解し、好適に解体が可能となる。
本発明の接着剤組成物は、塗工性を確保するために、溶媒を使用することも好ましい。当該溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、エチルベンジルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、シメン、メシチレン、アニソール等の芳香族系有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘプタノン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、または2−ヘプタノンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、またはジプロピレングリコールなどの多価アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、もしくはエトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類等の一種又は二種以上を適宜使用できる。
溶媒の使用量は、接着剤組成物を使用する態様に応じて適宜調整すればよいが、接着剤組成物の固形分濃度が10〜70質量%、好ましくは20〜50質量%程度を好ましく例示できる。
本発明の接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤を添加してもよい。当該添加剤としては、例えば、可塑剤、接着助剤、安定剤、着色剤および界面活性剤などを使用することができる。また、必要に応じて、接着剤の性能を改良するための付加的な樹脂を添加してもよい。
本発明の接着剤組成物は、接着剤組成物を被着体に直接塗布して被着体を接着して使用する態様であっても、接着剤組成物をシート状に成形して接着シートとして使用してもよい。接着シートとして使用する場合には、当該接着剤組成物からなる接着剤層のみからなるシートであっても、他の基材上に接着剤層を積層した接着シートであってもよい。基材を使用する場合には、当該基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、またはポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムからなる可撓性フィルムを基材として好適に使用できる。
本発明の接着剤組成物は、上記の構成により、解体用の熱膨張性材料や発泡剤等の添加剤を使用する必要が無いことから、材料コストや添加工程に必要な製造コストを大きく低減できる。また、これら熱膨張性材料や発泡剤の多量の添加による接着力の低下の問題が生じないことから、好適な接着性能を確保しやすい。さらに、一旦外的刺激を与えた後は、温度条件等の環境条件が変化した場合にも解体が可能であることから、高温環境下での解体作業等が不要であるため安全に解体が可能となる。このため、本発明の接着剤組成物は、コストの低減の要請や接着安定性の要請に加えて、多量の製品のリサイクルが必要な分野、例えば、OA機器、IT・家電製品、自動車等の産業分野における各種部品固定用途に好適に適用できる。
(実施例1)
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.3mg、BSt0.325g、メタクリル酸グリシジル(GMA)0.057gにトルエンを加え2mLの溶液とし、試験管に入れ、溶存酸素を除くために凍結、脱気、溶融のサイクルを3回繰り返した後、熔封した。60℃のウォーターバスで20時間反応させた後、−78℃に冷却して重合を停止させ、メタノール200mLに沈殿させた。沈殿物を吸引ろ過し、室温減圧下で12時間乾燥させ、共重合体(1)を白色粉末ポリマーとして得た。重量法により算出した重合収率は61.5%であった。得られた共重合体(1)は、GPC分析より、Mn=36,600、Mw=58,700、PD=1.63であった。共重合体中の構成成分のモル比は、BSt/GMA=71/29であった。
上記にて得られた共重合体(1)228mgと市販のポリプロピレングリコールジアミン(アルドリッチ、Mn=2,000)132mgにアセトン1mLを加えて溶解し、接着剤組成物(1)を得た。得られた接着剤組成物290mgをアルミニウム板(25mm×100mm、厚さ1.5mm)の端部に3回に分けて塗布・減圧乾燥した。当該接着剤組成物を塗布したアルミニウム板2枚の接着剤塗布面同士を、接着剤を塗布していない端部が重ならないように、アルミニウム板が直線上に並ぶように貼り合わせ(接着面積12.5mm×25mm)、ダブルクリップで固定し、100℃で4時間硬化させ、接着試験片を得た。
得られた接着試験片は、接着剤組成物の硬化物により被着体間が接着していることが確認された。当該試験片を150℃下、1h静置した後、引っ張りせん断強さ測定機により、室温、引っ張り速度1mm/minの条件で、貼り合わせた各アルミニウム板の端部を180℃方向に引っ張った。当該接着試験片は、引っ張り試験により、好適に解体可能であった。
(比較例1)
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル16.0mg、St0.833g、メタクリル酸グリシジル(GMA)0.285gにトルエンを加え5mLの溶液とし、試験管に入れ、溶存酸素を除くために凍結、脱気、溶融のサイクルを3回繰り返した後、熔封した。60℃のウォーターバスで24時間反応させた後、―78℃に冷却して重合を停止させ、メタノール/水=4/1(体積比)混合溶媒200mLに沈殿させた。沈殿物を吸引ろ過し、室温減圧下で12時間乾燥させ、共重合体(H1)を白色粉末ポリマーとして得た。重量法により算出した重合収率は50.3%であった。得られた共重合体(H1)は、GPC分析より、Mn=21,600、Mw=32,600、PD=1.51であった。共重合体中の構成成分のモル比は、St/GMA=67/33であった。
(比較例1)
上記にて得られた共重合体(H1)188mgと市販のポリプロピレングリコールジアミン(アルドリッチ、Mn=2,000)173mgにアセトン1mLを加えて溶解し、接着剤組成物(H1)を得た。得られた接着剤組成物290mgを使用して、実施例1と同様にして接着試験片を得た。
得られた接着試験片は、接着剤組成物の硬化物により被着体間が接着していることが確認された。当該試験片を使用して、実施例1と同様にして引っ張り試験を行った。当該接着試験片は、引っ張り試験によっても解体できないものであった。

Claims (4)

  1. アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)及びグリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)を有する共重合体(X)と、酸触媒(Y1)又は酸発生剤(Y2)とを含有することを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)がエトキシカルボニルオキシスチレン、メトキシカルボニルオキシスチレン、プロポキシカルボニルオキシスチレン、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、ジメチルベンジルカルボニルオキシスチレンから選ばれる少なくとも一種からなる構造単位である請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記グリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)がグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルメチルアクリレート、グリシジルメチルメタクリレート、2−グリシジルエチルアクリレート、2−グリシジルエチルメタクリレート、3−グリシジルプロピルアクリレート、3−グリシジルプロピルメタクリレートから選ばれる少なくとも一種からなる構造単位である請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記共重合体(X)を構成する構造単位の総モル数に占める前記アルコキシカルボニルオキシスチレン構造単位(a)の割合が10〜90mol%であり、前記グリシジル基含有(メタ)アクリレート構造単位(b)の割合が10〜90mol%である請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023013678A1 (ja) * 2021-08-06 2023-02-09 公立大学法人大阪 熱易解体性粘着性組成物又は熱分解性バインダー組成物

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WO2023013678A1 (ja) * 2021-08-06 2023-02-09 公立大学法人大阪 熱易解体性粘着性組成物又は熱分解性バインダー組成物

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