JP2015006287A - 被検体情報取得装置、被検体情報取得装置の作動方法、およびプログラム - Google Patents

被検体情報取得装置、被検体情報取得装置の作動方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、走査面に対する探触子の角度が所定の角度と異なってしまった場合でも、取得される被検体情報の画質の低下を簡便に抑制できる被検体情報取得装置を提供することを目的とする。【解決手段】 本明細書が開示する被検体情報取得装置は、走査面と複数の音響波受信部の表面とのなす角度に基づいて被検体情報の座標を補正する。【選択図】 図6

Description

本発明は音響波を受信して被検体情報を取得する被検体情報取得装置、被検体情報取得装置の作動方法、およびプログラムに関する。
従来から音響波を受信して生体などの被検体内部の情報を取得する技術として、これまで光音響装置やエコー装置などの被検体情報取得装置が提案されてきた。
例えば光音響装置は、特に皮膚がんや乳がんの診断での有用性が示されており、同診断で従来使用されてきたエコー装置、X線装置、MRI装置などに代わる医療機器としての期待が高まっている。
可視光や近赤外光等の計測光を生体組織に照射すると、生体内部の光吸収物質、特に血液中のヘモグロビン等の物質が、計測光のエネルギーを吸収して瞬間的に膨張した結果、音響波が発生することが知られている。この現象を光音響効果といい、発生した音響波を光音響波とも呼ぶ。
光音響イメージング装置は、この光音響波を計測することで生体組織の情報を可視化する。このような光音響効果を利用した断層撮影の技術を光音響イメージング(Photoacoustic Imaging:PAI)とも呼ぶ。この光音響撮影の技術により、光エネルギー吸収密度分布、即ち生体内の光吸収物質の密度分布を定量的に、また3次元的に計測し結果を得ることができる。
例えば、特許文献1は、被検体を保持部で保持した状態で保持部に沿って探触子を走査することにより光音響波を受信する装置を開示する。
また、特許文献2は、被検体を保持部で保持した状態で保持部に沿って探触子を走査し、超音波を送受信することによりBモード画像を取得する装置を開示する。さらに、特許文献2は、走査面としての保持部と探触子との傾きを補正するために、探触子の位置および姿勢を機械的に制御することを開示する。
特開2010−17427号公報 特開2010−35574号公報 特開2010−35806号公報 特開2011−143175号公報
Minghua Xu and Lihong V.Wang,(2005),"Universal back−projection algorithm for photoacoustic computed tomography",PHISICAL REVIEW E 71,016706
ところが、被検体情報取得装置において、特許文献2が開示するような探触子の配置の機械的な制御においては、装置の機械的な構成が大きくなってしまう可能性がある。また、探触子の位置決め誤差などにより、被検体情報の画質が低下してしまう可能性がある。
そこで、本発明は、走査面に対する探触子の角度が所定の角度と異なってしまった場合でも、取得される被検体情報の画質の低下を簡便に抑制できる被検体情報取得装置を提供することを目的とする。
本明細書が開示する被検体情報取得装置は、被検体から発生した音響波を受信して複数の時系列の電気信号を出力する複数の音響波受信部と、複数の音響波受信部を走査面に沿って走査する走査部と、複数の時系列の電気信号に基づき、被検体内の被検体情報を取得する信号処理部とを有し、信号処理部は、走査面と複数の音響波受信部の表面とのなす角度を取得し、角度に基づいて被検体情報の座標を補正する。
本発明に係る被検体情報取得装置によれば、走査面に対する探触子の角度が所定の角度と異なってしまった場合でも、取得される被検体情報の画質の低下を簡便に抑制できる。
本発明の実施形態に係る被検体情報処理装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る信号処理部およびその周辺の構成を示す図である。 比較例1に係る被検体情報の取得動作を示す図である。 比較例2に係る被検体情報の取得動作を示す図である。 第1の実施形態に係る被検体情報取得方法のフローを示す図である。 第1の実施形態に係る被検体情報の取得動作を示す図である。 第2の実施形態に係る被検体情報取得方法のフローを示す図である。 第2の実施形態に係る被検体情報の取得動作を示す図である。 第2の実施形態において取得された被検体情報を示す図である。 第3の実施形態に係る被検体情報取得方法のフローを示す図である。 第3の実施形態に係る被検体情報の取得動作を示す図である。
本発明においては、光音響効果により発生した光音響波を用いる光音響装置や音響波のエコーを用いるエコー装置などを被検体情報取得装置とすることができる。なお、以下の実施形態ではエコー装置について説明する。
本発明に係る被検体情報は、光音響波に基づいて取得される光学特性情報や音響波のエコーに基づいて得られる形態情報を含む。
例えば、光学特性情報としては、初期音圧分布、光吸収エネルギー密度分布、光吸収係数分布などが挙げられる。また、光学特性情報は、複数の波長の光をそれぞれ被検体に照射し、それぞれ発生する光音響波を受信して得られる被検体を構成する物質の濃度(例えば血液中に含まれるヘモグロビン濃度や血液の酸素飽和度)なども含む。
また、形態情報としては、送信された音響波のエコー強度を分布として表わしたBモード画像、被検体内の構造の速度分布を表すドップラー画像、被検体内の構造の弾性分布(ひずみ率、せん断波速度、ヤング率)を表すエラスト画像、被検体内での散乱に起因するスペックルパターンデータなどが挙げられる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る被検体情報取得装置を説明する。
本実施形態に係る被検体情報取得装置は、複数のトランスデューサを走査面に沿って走査する。また、本実施形態に係る被検体情報取得装置は、複数のトランスデューサの表面と走査面とのなす角度に基づいて取得される被検体情報の座標を補正する。これにより、走査中のトランスデューサの揺動や被検体の変形などに起因する被検体情報の連続性の低下を抑制することができる。
図1に示す被検体情報取得装置は、保持部としての平行平板130Aおよび130B、複数のトランスデューサ141を備える探触子140、走査部としての走査機構150、コンピュータとしての信号処理部160、および表示部としてのディスプレイ170を有する。複数のトランスデューサ141は、音響波の送受信を行うことができる。すなわち、本実施形態に係るトランスデューサアレイは、音響波送信部と音響波受信部とを兼ねている。
また、被検体100は、平行平板130Aおよび130Bに挟まれ保持されている。平行平板130Aおよび130Bは、被検体100を保持することにより、被検体100が動いてしまうことによる計測誤差を低減させている。
図2は、信号処理部160の詳細、および、信号処理部160の周辺の構成を示す模式図である。信号処理部160は、制御部161、演算部162、記憶部163を備えている。
制御部161は、バス200を介して被検体情報取得装置を構成する各構成の作動を制御している。また、制御部161は、記憶部163に格納された後述する被検体情報取得方法が記述されたプログラムを読み出し、被検体情報取得装置に読み出した被検体情報取得方法を実行させている。
探触子140に備えられた複数のトランスデューサは、被検体100に音響波を送信する。続いて、複数のトランスデューサ141は、被検体100内で送信された音響波が反射することにより発生したエコー(反射波)を複数の位置で受信して複数の時系列の電気信号を出力する。続いて、信号処理部160は、複数の時系列の電気信号に基づいて被検体情報を取得し、ディスプレイ170に被検体情報を表示させる。
本実施形態において走査機構150は、平行平板130Bの探触子140が位置する側の面130C、すなわちx−y平面の一部を走査面として探触子140を走査している。
本実施形態において走査面とは、特定のトランスデューサの表面が走査されるべき経路を含む面のことを指す。
なお、保持部として平行平板以外の形状の部材を用いた場合も保持部の一部を走査面としてもよい。また、被検体100の表面など、保持部以外の部材を走査面として利用してもよい。また、任意の空間に走査面を設定してもよい。例えば、保持部の一面と平行する面を走査面としてもよい。また、走査面は平面に限らず、曲面などの任意の面とすることができる。
また、走査面は出荷時に設定されていてもよいし、探触子140を走査する前にユーザや信号処理部160により設定されてもよい。例えば、測定部(不図示)が被検体100の形状を測定し、ユーザが被検体100の形状の画像から、被検体100の表面を走査面として設定してもよい。
なお、特定のトランスデューサは、複数のトランスデューサのうち、いずれのトランスデューサとしてよい。また、特定のトランスデューサは、時間に応じて変化してもよい。
また、本実施形態に係る被検体情報取得装置は、複数のトランスデューサ141の表面と走査面とのなす角度が所定の角度で配置されている場合に、所望の被検体情報を取得できるように構成されている。本実施形態において所定の角度は0°としている。
ここで、複数のトランスデューサの表面と走査面とのなす角度とは、ある時刻における特定のトランスデューサの表面と走査面とのなす角度のことを指す。典型的にトランスデューサの表面は、トランスデューサの受信効率または送信効率の最も高い方向の法線を含む面となる。トランスデューサの受信効率が最も高い方向の法線を含む面を「受信面」と称し、送信効率が最も高い方向の法線を含む面を「送信面」と称する。
なお、本実施形態においては、平面である面130Cの一部を走査面としているため、複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとのなす角度を、複数のトランスデューサ141の表面と走査面とのなす角度として説明する。以下、複数のトランスデューサの表面と走査面とのなす角度を単に「角度」とも称する。
図3は、複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとのなす角度が所定の角度(0°)である場合の比較例1を示す。ここで、探触子140は矢印方向に走査され、各位置で音響波ビームを送受信している。また、図3(A)における一点鎖線は走査されたときの各時刻における探触子140を表している。
比較例1において、複数のトランスデューサ141のそれぞれは、表面の法線方向の領域300に音響波を送信するように、音響波の所定の送信時刻が設定されている。なお、本実施形態において、それぞれのトランスデューサが発する音響波を「音響波」と称し、各トランスデューサからの音響波が重ね合わさって形成されるビームを「音響波ビーム(走査線とも呼ばれる)」と称する。
典型的に、音響波ビームは、開口の中心に位置するトランスデューサから任意の集束位置に向かって形成される。また、複数のトランスデューサのそれぞれには音響波ビームに対応する送信時刻が与えられる。本実施形態において、各トランスデューサに与えられた送信時刻の組み合わせを「送信パターン」と称する。面130Cと複数のトランスデューサ141とが所定の角度をなす場合に送信されるはずであった方向を「所定の方向」と称する。また、面130Cと複数のトランスデューサ141とが所定の角度をなす場合に所定の方向に音響波ビームが形成されるような送信時刻を「所定の送信時刻」と称する。
また、所定の送信時刻の組み合わせを「所定の送信パターン」と称する。
なお、音響波ビームは、深さの異なる点に複数回音響波が集束されることにより形成されてもよい。また、音響波ビームを異なる位置に複数形成することにより、結果的に2次元の領域に音響波ビームを形成することができる。
例えば、図3(B)に示すように、集束位置330に向かって送信される音響波ビーム340に対応する送信パターンが、記憶部163としての波形データメモリ163Aに格納されている。制御部161はこの波形データメモリ163Aに格納された送信パターンを読み出すことにより、複数のトランスデューサ141のそれぞれの送信時刻を制御している。
なお、図3(B)において、波形データメモリ163Aのアドレスのうち紙面上方向のアドレスのほうが、送信時刻が遅いデータに対応することを示している。
L(n)は、複数のトランスデューサ141のうち、紙面左からn番目のトランスデューサから集束位置330までの距離を表す。また、Δtd0(n)は、開口の中心に位置するトランスデューサ(図3(B)では4番目のトランスデューサ)の送信時刻と、n番目のトランスデューサの送信時刻との差を表す。すなわち、Δtd0(n)={L(n)−L(4)}/cとなる。cは集束位置330と各トランスデューサとの間の材料中の音速である。
続いて、複数のトランスデューサ141は、領域300で反射された音響波ビームのエコーを受信することにより、領域300に対応する時系列の電気信号を取得する。なお、複数のトランスデューサ141は、面130Cで発生したエコーを始めとして受信するように、所定の受信時刻からエコーを受信するように制御されている。すなわち、複数のトランスデューサ141の表面を一端とする領域300に対応する時系列の電気信号が取得される。
続いて、信号処理部160は、領域300に対応する時系列の電気信号を用いて整相加算処理などの再構成処理を行うことにより、図3(C)に示すようなBモード画像310を取得する。ここで、Bモード画像310の領域320は、領域300に対応する被検体情報の画像を表す。
図3(A)に示す被検体100内の形態と図3(C)に示すBモード画像310は一致していることが理解される。なお、比較例1においては、再構成された画像の座標系と測定時の座標系とは同じである。
次に、図4(A)に示されるように複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとのなす角度がθである場合の比較例2を示す。すなわち、比較例2では、複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとのなす角度θが、所定の角度(0°)とは異なっている場合を考える。比較例2においても比較例1と同様に、探触子140は矢印方向に走査され、各位置で音響波を送受信している。
比較例2においても、図4(A)に示すように複数のトランスデューサ141は、その表面の法線方向の領域400に音響波ビームを送信するようにそれぞれのトランスデューサの送信時刻は予め設定されている。そのため、複数のトランスデューサ141は、その表面の法線方向の領域400に音響波ビームを送信することとなる。
そして、比較例2においても、複数のトランスデューサ141は所定の受信時刻からエコーを受信するように制御されている。そのため、複数のトランスデューサ141は、複数のトランスデューサ141の表面を一端とする領域400で反射されたエコーを受信して領域400に対応する時系列の電気信号を取得する。
続いて、信号処理部160は、領域400に対応する時系列の電気信号を用いて整相加算処理などの再構成処理を行うことにより、領域400に対応する被検体情報を取得する。ところが、比較例2においては、複数のトランスデューサ141が面130Cに対して所定の角度で配置されていると仮定している。すなわち、領域320の座標系(x,y,z)と領域400の座標系(x’,y,z’)とは異なるにもかかわらず、領域320の座標に領域400に対応する被検体情報は再構成されてしまう。
その結果、信号処理部160は、図4(B)に示すBモード画像410を取得することとなる。ここで、Bモード画像410の領域420は、領域400に対応する被検体情報の画像である。また、図4(A)における矢印430および440はそれぞれ、探触子140から送信され、被検体100内の反射体で反射した音響波を示す。矢印430および440に示される音響波は、反射体のほとんど同じ位置に到達している。ところが、矢印430および440に示される音響波の伝搬距離は異なっていることが理解される。図4(B)において矢印450および460は、矢印430および440が示す音響波のそれぞれの伝搬距離を表している。矢印450および460が示すように、探触子140はほぼ同じ位置からのエコーを受信しているにもかかわらず、伝搬距離が異なるため画像では反射体が異なる位置に現れてしまう。
図4(B)から理解されるように、複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとのなす角度が所定の角度でない場合は、得られる被検体情報の画像410の連続性は低下してしまう。また、複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとのなす角度が所定の角度でない場合は、図4(A)に示す被検体100内の形態と図4(B)に示すBモード画像410とは一致しない。このように連続性が低下した被検体情報の画像は、診断画像としては不十分である可能性がある。
そこで、本実施形態に係る被検体情報取得装置は、複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとのなす角度に基づいて、取得された被検体情報の座標を補正する。これにより、実際の角度と所定の角度との差に起因する被検体情報の連続性の低下を抑制することができる。また、機械的な構成の配置を制御することなく、送信時刻を制御することにより、機械的な構成が大きくなることを抑制できる。また、機械的な構成の位置決め誤差などによる被検体情報の連続性の低下を抑制することができる。
<被検体情報取得装置の構成>
以下、被検体情報取得装置の構成の詳細を説明する。
(探触子)
探触子140は、複数のトランスデューサ141と、複数のトランスデューサを覆う筺体とから構成されている。
複数のトランスデューサ141は、被検体100内で発生した音響波を受信して時系列の電気信号に変換する音響波受信部としての機能を備えている。また、複数のトランスデューサ141は、被検体100へ音響波ビームを送信する機能を備えている。なお、音響波を送信する音響波送信部と、音響波を受信する音響波受信部とをそれぞれ異なる複数のトランスデューサから構成してもよい。
典型的にエコー装置に用いられる音響波の周波数は1MHzから1000MHz程度である。典型的に光音響効果で発生する音響波の周波数は100kHzから100MHz程度である。そのため、上記の周波数帯の音響波を受信または送信できるトランスデューサが用いられることが好ましい。トランスデューサとしては、圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなどの素子を用いることができる。
複数のトランスデューサ141は1次元に配列されても、2次元に配列されてもよい。このようにアレイ状に配列された複数のトランスデューサ141を用いることにより、同時に複数の場所で音響波を受信することができ、受信時間を短縮できる。
(保持部)
本実施形態においては、保持部としての2枚の平行平板130Aおよび130Bで被検体100を挟むことにより、被検体100を保持している。これにより、被検体100が動いてしまうことによる計測誤差を低減させている。
なお、保持部は、平行平板に限らず、お椀形状の部材など被検体100を保持できる部材であればどのような部材であってもよい。また、保持部は、フィルム状の部材であってもよい。すなわち、保持部は、乳房などの被検体よりも柔かい材料から構成されていてもよい。
また、保持部は、探触子140との音響整合性が高い材料であることが好ましい。また、保持部を通過させてパルス光を被検体100に照射する場合、保持部はパルス光に対して高い透過率を有する材料であることが好ましい。例えば、保持部の材料としては、ポリメチルペンテンなどを用いることができる。
ただし、被検体100を保持する必要がない場合には、被検体情報取得装置は保持部を備える必要がない。
(走査機構)
走査機構150は、探触子140を走査面に沿って走査する装置である。
本実施形態において走査機構150は探触子140をステップアンドリピートによって走査しているが、連続走査してもよい。また、走査機構150は、走査中に走査の速度を変更してもよい。
(信号処理部)
信号処理部160は、制御部161、演算部162、記憶部163を備えている。
制御部161は、典型的にはCPUなどの素子から構成される。
演算部162は、典型的にはCPU、GPU、増幅器、A/D変換器、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASICなどの素子から構成される。なお、演算部162は、1つの素子から構成されるだけではなく、複数の素子から構成されていてもよい。また、本実施形態に係る被検体情報取得方法で行うそれぞれの処理は、どの素子により行われてもよい。
また、演算部162は、時系列の電気信号に対して再構成処理を施すことにより、被検体情報を取得することができる。例えば、被検体情報としてのBモード画像を取得するための再構成処理としては、信号の位相を整合するための整相加算処理などが挙げられる。また、被検体情報としてのドップラー画像を取得するための再構成処理としては、送信波と受信波の周波数の変化を算出する処理などが挙げられる。また、被検体情報としてのエラスト画像を取得するための再構成処理としては、組織の変形の前後で取得したデータの音線ごとの歪を算出する処理などが挙げられる。
また、再構成処理としては、非特許文献1が開示するようなタイムドメイン再構成処理、特許文献3が開示するようなフーリエドメイン再構成処理、特許文献4が開示するような繰り返し再構成処理などが挙げられる。
なお、音響レンズなどを有するトランスデューサを用いて受信フォーカスする場合、演算部162は、再構成処理を行うことなく、被検体情報を取得することができる。そのような場合には、演算部162は、再構成処理を行わなくてもよい。
演算部162は、トランスデューサより得られた電気信号を増幅し、その電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する処理などを行うことができる。また、演算部162は、同時に複数のデータをパイプライン処理できるように構成されていることが好ましい。これにより、被検体情報を取得する時間を短縮することができる。
記憶部163は、典型的にはROM、RAM、およびハードディスクなどの媒体から構成される。なお、記憶部163は、1つの媒体から構成されるだけでなく、複数の媒体から構成されていてもよい。
なお、被検体情報取得方法において行われる処理を、制御部161に実行させるプログラムとして記憶部163に格納しておくことができる。ただし、プログラムが格納される記憶部163は、ROMなどの非一時的な記録媒体である。
また、信号処理部および複数のトランスデューサは、共通の筺体に収められて探触子として提供されてもよい。ただし、探触子に収められた信号処理部で一部の信号処理を行い、残りの信号処理を探触子の外部に設けられた信号処理部で行ってもよい。この場合、探触子の内部および外部に設けられた信号処理部を総称して、本実施形態に係る信号処理部とすることができる。
なお、被検体情報取得装置として光音響装置を採用する場合、被検体に光を照射する必要がある。そのため、被検体情報取得装置は被検体に照射するための光を発する光源を備えていることが好ましい。また、被検体情報取得装置は光源から出射された光を被検体に導くための光学系を備えていることがさらに好ましい。光源および光学系について以下説明する。
(光源)
光源は、近赤外領域に中心波長を有するパルス発光が可能な個体レーザ(例えば、Yttrium−Aluminium−GarnetレーザやTitanium−Sapphireレーザ)などが使用されてよい。光の波長は、撮影対象とする被検体内の光吸収物質(例えばヘモグロビンやグルコース、コレステロールなど)に応じて、530nmから1300nmの間で選択されてよい。
例えば、測定対象とする乳がん周辺の新生血管中のヘモグロビンは、一般的に600nm〜1000nmの光を強く吸収する。一方、生体を構成する水は830nm付近で光の吸収が極小となる。そのため、750nm〜850nmでヘモグロビンによる光の吸収が相対的に大きくなる。
(光学系)
光源からの光を被検体に所望の強度分布の光で照射するための光学系は、レンズ、ミラー、光ファイバー等から構成されることができる。なお、光学系は、光源から出射された光を所望の強度分布の光で被検体に照射することができるのであれば、どのようなものを用いても構わない。
また、光学系は、被検体の広い領域に光を照射するために光学系を走査する走査機構を備えてもよい。この場合、探触子における音響波の受信領域と光の照射領域とが重なるように、探触子を走査する走査機構と光学系を走査する走査機構とを同期させてもよい。
<被検体情報取得方法>
続いて、本実施形態に係る被検体情報取得方法を、図5に示すフロー図および図6に示す概略図を用いて説明する。各工程は、制御部161が被検体情報取得装置の各構成の作動を制御することにより実行される。すなわち、以下、本実施形態に係る被検体情報取得装置の作動方法を説明する。
本実施形態では、図6(A)に示すように複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとが角度θをなす場合を考える。すなわち、本実施形態においては、X−Y−Zの直交座標系にある位置に設置した探触子140が、Y軸周りにθ度回転している場合を考える。また、ステップアンドリピートにより探触子140を走査して、一点鎖線で示された位置で音響波を受信して、探触子140の表面の直下(法線方向)の被検体情報を再構成処理により取得する場合を考える。また、本実施形態では、各走査位置で取得された被検体情報を並べることにより、ディスプレイ170に表示させる被検体情報を取得している。
(S100:複数のトランスデューサの表面と走査面とのなす角度を取得する工程)
まず、演算部162は、公知の種々の方法により、複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとのなす角度θを取得する。
例えば、特許文献1に記載のように、複数のトランスデューサ141が面130Cに対して音響波の送受信を行い、演算部162が複数のトランスデューサ141からの出力に基づいて角度を検知することができる。この場合、1つのトランスデューサアレイが、音響波を送受信する機能を備えていることが好ましい。
また、CCDなどの撮像部によって被検体情報取得装置の各構成および被検体の形状を測定し、演算部162はその測定結果に基づいて角度を取得することができる。また、被検体情報取得装置の各構成及び被検体に位置センサや加速度センサなどを設け、それらのセンサからの出力に基づいて、演算部162は角度を取得することもできる。
なお、第1の位置における第1の角度を取得し、続いてこの第1の角度を用いて第1の位置においてS200以降の工程を行い、続いて第2の位置における第2の角度を取得し、続いてこの第2の角度を用いて第2の位置においてS200以降の工程を行ってもよい。この方法によれば、角度を取得する時刻と音響波を送信する時刻との差が小さいため、S100で取得される角度とS300において音響波を受信するときの角度との変動を小さくすることができる。
また、S200以降の工程の前に各位置における角度を予め取得してもよい。
また、ある位置における角度を取得し、その角度をその他の位置における角度としてもよい。
また、音響波の送受信により角度を取得する場合、取得された角度が所定の角度と異なる場合のみ後述するS410の工程を行ってもよい。このとき、取得された角度と所定の角度との差が被検体情報の連続性に影響を与えない限り、取得された角度は所定の角度とみなすことができる。
(S200:被検体内で音響波を発生させる工程)
次に、比較例1および比較例2で説明した所定の送信パターンで複数のトランスデューサ141が被検体100に音響波を送信する。これにより、被検体100内の領域800に音響波ビームを形成することができる。そして、領域800で複数のトランスデューサから送信された音響波が反射することによりエコーが発生する。
なお、光を被検体に照射することにより光音響効果によって音響波を発生させてもよい。
(S300:音響波を受信して時系列の電気信号を取得する工程)
この工程では、複数のトランスデューサ141が、被検体100内で発生した音響波のエコーを受信して、時系列の電気信号を取得する。そして、時系列の電気信号は、演算部162により増幅処理やAD変換処理などがなされた後に、時系列の電気信号データとして記憶部163に格納される。
このとき、複数のトランスデューサ141は、複数のトランスデューサ141と面130Cとのなす角度が所定の角度(0°)となっていると仮定して、所定の時刻からエコーを受信している。ところが、複数のトランスデューサ141と面130Cとが角度θ傾いているため、複数のトランスデューサ141は、領域800で発生したエコーを受信することとなる。すなわち、本工程においては、図6(A)に示す領域800で発生したエコーに対応する時系列の電気信号データを取得することとなる。
なお、本工程においては、S200において音響波ビームが形成された領域からの音響波を選択的に受信することが好ましい。すなわち、音響波ビームが形成された領域に対する感度を相対的に高くすることが好ましい。また、S200において光音響効果により音響波を発生させた場合も、光が照射された領域に対する感度を高くすることが好ましい。
(S400:時系列の電気信号に基づいて、被検体情報を取得する工程)
この工程では、演算部162が、S300で取得された時系列の電気信号に基づいて、被検体情報を取得する。演算部162は、記憶部163に格納された時系列の電気信号データに対して、比較例1および比較例2で説明した再構成処理と同様の処理を行うことにより複数のトランスデューサ141の表面の直下(法線方向)の領域800に対応する被検体情報を取得する。また、演算部162は、図6(B)に示すように、領域800に対応する被検体情報を(x,y,z)座標系の被検体情報として取得する。
(S410:角度に基づいて被検体情報の座標を補正する工程)
本実施形態では、複数のトランスデューサ141の表面と面130Cとのなす角度が所定の角度であると仮定して被検体情報が取得されているため、エコーが受信された領域800の座標系(x’,y,z’)と再構成された画像820の座標系(x,y,z)とは異なっている。すなわち、S400で得られた被検体情報の画像810は、被検体100の形態とは異なっていた。
そこで、この工程では、演算部162が、エコーが受信された領域800の座標系と、再構成された画像820の座標系とのずれを補正する。すなわち、演算部162が、角度に基づいてずれ量を取得し、S400で取得した画像810をこのずれ量だけスキューさせるアフィン変換を行う。
具体的には、演算部162が、角度θに基づいてz方向にずれている画像810のずれ量Δz=x・tanθを取得する。続いて、演算部162が、被検体情報の画像810のz座標を、Δz=x・tanθだけスキューさせることにより、図6(C)に示す被検体情報の画像830を取得することができる。また、画像830の領域840は、領域800に対応する画像です。
図6(A)に示す被検体100の形態と、図6(C)に示す本実施形態に係る被検体情報の画像830とは一致していることが理解される。
すなわち、再構成処理によって得られた被検体情報の画像に、角度に基づいた座標補正を行うことにより、角度の差に起因する被検体情報の連続性の低下を抑制することができた。
なお、再構成処理によって得られた被検体情報に対して座標補正を行って角度の差に起因する画質の低下を抑制することができる限り、被検体情報の取得方法は上記に限らない。例えば、各走査位置で得られた時系列の電気信号から得られた被検体情報が重なる場合でも、それぞれの被検体情報について本実施形態に係る座標補正を行った後に合成することで、画質の低下が抑制された被検体情報を取得することができる。また、探触子140を連続走査させる場合でも、本実施形態に係る座標補正を適用することによって、被検体情報の画質の低下を抑制することができる。
なお、ディスプレイ170に表示される被検体情報が座標変換後の被検体情報である限り、座標の変換処理はどのタイミング行われてもよい。すなわち、座標の変換処理は、複数の時系列の電気信号から被検体情報が取得されてからディスプレイ170に表示されるまでのあらゆる時点(工程)で行われることができる。例えば、加算された時系列の電気信号から得られた被検体情報に対して行われてもよいし、複数の時系列の電気信号のそれぞれから得られた被検体情報のそれぞれに対して行われてもよい。
本実施形態においては、x−y平面の面130Cに対してy軸を回転軸として複数のトランスデューサ141が回転する場合を考えたため、上記の補正を行った。ところが、本実施形態の被検体情報取得装置によれば、走査面と回転軸の座標系に応じてアフィン変換によりあらゆる座標補正を行うことができる。
(S500:被検体情報を表示する工程)
この工程では、ディスプレイ170が、S410で取得された補正後の被検体情報を表示する。まず演算部162が、記憶部163に格納された被検体情報に対して輝度値変換などの処理を施すことにより、被検体情報の画像データを生成する。そして、制御部161が画像データをディスプレイ170に出力することにより、ディスプレイ170に図6(C)に示す被検体情報の画像830が表示される。
なお、S410において画像データとしての被検体情報に対して座標の補正を行った場合には、本工程において画像データを生成する処理を行わなくてもよい。
図4(B)に示す比較例2に係る被検体情報の画像410と比較して、図6(C)に示す本実施形態に係る被検体情報の画像830の連続性は高いことが理解される。
以上、本実施形態に係る被検体情報取得装置によれば、複数のトランスデューサと走査面とが所定の角度となっていない場合においても、取得される被検体情報の連続性の低下を抑制することができる。また、本実施形態に係る被検体情報取得装置によれば、角度が所定の角度となっているときに取得される被検体情報と同様の座標系で被検体情報を取得することができる。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態に係る被検体情報取得方法を、図7に示すフローと図8および図9に示す概略図を用いて説明する。なお、図7において、図5に示す処理と同じ処理については、同じ処理番号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施形態においても、第1の実施形態と同じ被検体情報取得装置を用いる。
(S210:所定の面で発生するエコーから受信できるように角度に基づいて決定された送信時刻に音響波を送信する工程)
この工程では、まず演算部162が、開口の中心のトランスデューサと面130Cとの間の音響波ビーム630の伝搬時間を補正するように、S100で取得した角度θに基づいて送信パターンに与えるオフセット時間を取得する。そして、演算部162は、送信パターンの送信時刻をオフセット時間だけ早くし、記憶部163内の波形データメモリ163Aに保存する。本実施形態において、演算部162は、全トランスデューサに対応する送信時刻に音響波ビーム毎に同一のオフセット時間を与えている。
以下、演算部162が音響波ビーム630に対応するオフセット時間を取得する例を、図8を用いて説明する。演算部162は、角度θ、角度θの回転の支点P1と音響波ビーム630の始点P2(開口の中心のトランスデューサの位置)との距離D、および音速cに基づいて、オフセット時間Δtd1=D・tanθ/cを取得する。ここで音速cは複数のトランスデューサ141と面130Cとの間の材料中の音速を用いた。典型的には、複数のトランスデューサ141と面130Cとの間には音響整合材などが配置される。なお、演算部162は、音響波ビーム630以外の音響波ビームについても、それぞれに対応するオフセット時間を取得する。
次に、制御部161が、記憶部163に保存されたオフセットされた送信パターンを読み出し、複数のトランスデューサ141にオフセットされた送信パターンに対応する送信時刻で音響波を送信させる。このとき、全トランスデューサに対応する送信時刻に同一のオフセット時間を与えているため、音響波ビームの方向はオフセット前後で変わらない。
ここで、制御部161は、波形データメモリ163Aのアドレスを0から1ずつインクリメントして読み出す。制御部161は、通常波形データメモリ163Aの読み出しクロックに従ってアドレスをインクリメントする。例えば、読み出しクロックが50MHzの場合は、20ns毎にアドレスをインクリメントする。すなわち、制御部161は、0番目のトランスデューサについては、アドレスが6になると波形データが読み出す。そのため、0番目のトランスデューサは、アドレスの読み出しを開始してから120ns後に音響波を送信する。また、その他のトランスデューサについても同様に波形データが読み出されて、それぞれに対応する送信時刻に音響波が送信される。
この例では、波形データメモリ163Aのアドレスを0からインクリメントさせているが、アドレスの読み出し方法はこれに限らない。本実施形態においては、音響波の送信動作が正常に行われる限り、アドレスの読み出し順はどのようであってもよい。また、波形データが格納されるアドレスも音響波の送信動作が正常に行われる限り、上記のアドレスに限らない。
なお、送信時刻を制御するために、制御部161は記憶部163に格納されたオフセット前の送信パターンをオフセット時間だけ早く読み出すようにしてもよい。すなわち、波形データメモリ163Aのアドレスの読み出しを開始する時刻をオフセット時間だけ早くしてもよい。
また、各角度と各音響波ビームとに対応する送信パターンが記憶部163に格納されていてもよい。この場合、制御部161は、記憶部163に予め格納された送信パターンから角度に対応する送信パターンを読み出し、送信時刻を制御すればよい。
また、演算部162がオフセット時間を取得せずに、角度に基づいて、送信パターンを送信毎に算出してもよい。
また、面130Cと回転の支点P1とが距離を有する場合には、その距離に応じてオフセット時間を取得することが好ましい。例えば、面130Cと回転の支点P1との距離をLとし、面130Cと回転の支点P1との間の材料の音速をcとすると、オフセット時間はΔtd1=D・tanθ/c+L/cと取得される。
また、本実施形態においては、複数のトランスデューサ141と面130Cとの距離を補正するように送信時刻は決定されたが、複数のトランスデューサ141と任意の面との距離を補正するように送信時刻は決定されてもよい。なお、開口の中心のトランスデューサとこの任意の面との位置関係によって、音響波はオフセット時間だけ遅く送信される必要な場合もある。
(S300:音響波を受信して複数の時系列の電気信号を取得する工程)
複数のトランスデューサ141は、複数のトランスデューサ141と面130Cとのなす角度が所定の角度(0°)となっていると仮定して、所定の時刻からエコーを受信している。ところが、S200において複数のトランスデューサ141と面130Cとの距離分の伝搬時間をオフセットして音響波ビーム630を送信しているため、所定の受信時刻に面130Cで発生したエコーが複数のトランスデューサ141に到達する。そのため、複数のトランスデューサ141は、所定の受信時刻に面130Cで発生したエコーを始めとしてエコーを受信する。
すなわち、本工程においては、図8(B)に示す領域600で発生したエコーに対応する時系列の電気信号データを取得することとなる。
(S400:複数の時系列の電気信号に基づいて被検体情報を取得する工程)
本実施形態において演算部162は、複数のトランスデューサ141の表面の直下(法線方向)の領域600に対応する被検体情報を取得する。また、演算部162は、図6(B)に示すように、領域600に対応する被検体情報を(x,y,z)座標系の被検体情報として取得する。その結果、図8(C)に示すような(x,y,z)座標系の被検体情報の画像610を取得する。
(S410:角度に基づいて被検体情報の座標を補正する工程)
本実施形態では、演算部162が、被検体情報の画像610のx座標を、Δx=d・tanθだけ補正することにより、角度の差を補正することができる。これにより得られた画像が図9に示す画像910である。画像920は、画像220と同様にエコーが受信された領域600に対応する被検体情報の画像である。
図4(B)に示す比較例2に係る被検体情報の画像410と比較して、図9に示す本実施形態に係る被検体情報の画像910の連続性は高いことが理解される。
このように本実施形態に係る被検体情報取得装置によれば、音響波ビームの送信に応じた座標補正を行うことができる。
以上、本実施形態に係る被検体情報取得装置によれば、複数のトランスデューサと走査面とが所定の角度となっていない場合においても、取得される被検体情報の連続性の低下を抑制することができる。また、本実施形態に係る被検体情報取得装置によれば、角度が所定の角度となっているときに取得される被検体情報と同様の座標系で被検体情報を取得することができる。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態に係る被検体情報取得方法を、図10に示すフローと図11に示す概略図を用いて説明する。なお、図11において、図5および図7に示す処理と同じ処理については、同じ処理番号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施形態においても、第1の実施形態と同じ被検体情報取得装置を用いる。
本実施形態は、所定の方向に音響波ビームを送信するように、複数のトランスデューサ141のそれぞれの送信時刻を決定する点が第1の実施形態および第2の実施形態とは異なる。すなわち、演算部162は、図10(A)に示す集束位置1050に音響波を集束するように複数のトランスデューサ141の送信時刻を決定する。
(S220:角度に基づいて所定の方向に音響波ビームを送信する工程)
この工程では、まず演算部162が、S100で取得した角度に基づいて、所定の方向に音響波ビームを送信するように、複数のトランスデューサ141のそれぞれのオフセット時間を取得する。すなわち、演算部162は、記憶部163に格納された集束位置1030に集束させるための送信パターンに対して、集束位置1050に音響波ビーム1060を送信するようなオフセット時間を取得する。
以下、音響波ビーム1060を送信するためにn番目のトランスデューサに与えるオフセット時間の取得方法の例を、図10(B)を用いて説明する。
まず、演算部162は、記憶部163に格納された複数のトランスデューサ141に対する集束位置1030の座標と、角度θとから集束位置1050の座標を算出する。なお、本実施形態において開口の中心から集束位置までの距離は、集束位置1030と集束位置1050とで同一としたが、開口の中心から集束位置までの距離が異なる場合も、角度に基づいて集束位置1050の座標を算出することができる。
続いて、演算部162は、角度θと、角度θの回転の支点P1とn番目のトランスデューサとの距離とに基づいて、n番目のトランスデューサの座標を算出する。
続いて、演算部162は、集束位置1050の座標と、n番目のトランスデューサの座標とに基づいて、集束位置1050とn番目のトランスデューサとの距離L’(n)を算出する。
続いて、演算部162は、点線で示した集束位置1030に集束するための送信パターンに対して、Δtd2(n)={L(n)’−L(n)}/cのオフセット時間を与えて送信パターンを書き換える。ここで、L(n)は予め記憶部163に格納されていてもよいし、演算部162によって算出されてもよい。
本実施形態においては、音響波ビーム1040と音響波ビーム1060は開口の中心のトランスデューサ(4番目のトランスデューサ)は共通であるため、L(4)とL’(4)とは同一である。そのため、L(4)’−L(4)’=0であるので、Δtd2(4)=0となる。
なお、本実施形態では、演算部162が集束位置1030に集束するための送信パターンに対するオフセット時間を取得することにより音響波ビームの送信方向を制御することを説明したが、送信方向の制御方法はこれに限らない。
例えば、演算部162が、S100で取得した角度θと音速cとに基づいて、各トランスデューサの送信時刻td2(n)=L’(n)/cを算出し、記憶部163に格納された送信パターンを書き換えてもよい。
また、制御部161が、記憶部163に格納された補正前の送信パターンをオフセット時間だけ補正して読み出すようにしてもよい。すなわち、制御部161は、波形データメモリ163Aのアドレスの読み出しを開始する時刻をオフセット時間だけずらしてもよい。
また、各角度における所定の音響波ビームに対応する送信パターンが、予め記憶部163に格納されていてもよい。この場合、S100で取得した角度に基づいて、制御部161が角度に対応する送信パターンを読み出すことにより複数のトランスデューサ141の送信時刻を制御してもよい。
S210の工程の後にS300〜S500の工程を行うことにより得られる被検体情報の画像1010を、図10(C)に示す。ここで、画像1020は領域1000に対応する被検体情報の画像である。
なお、本実施形態では、S410において、演算部162がz方向へのせん断のアフィン変換を行っている。すなわち、演算部162は、S400で得られた被検体情報の座標をz方向へΔz=x・tanθ移動させている。
以上、本実施形態に係る被検体情報取得装置によれば、複数のトランスデューサと走査面とが所定の角度となっていない場合においても、取得される被検体情報の連続性の低下を抑制することができる。また、本実施形態に係る被検体情報取得装置によれば、所定の角度で取得される被検体情報と同様の座標系で被検体情報を取得することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
100 被検体
140 探触子
141 複数のトランスデューサ
150 走査機構
160 信号処理部

Claims (12)

  1. 被検体から発生した音響波を受信して複数の時系列の電気信号を出力する複数の音響波受信部と、
    前記複数の音響波受信部を走査面に沿って走査する走査部と、
    前記複数の時系列の電気信号に基づいて被検体情報を取得する信号処理部とを有し、
    前記信号処理部は、
    前記走査面と前記複数の音響波受信部の表面とのなす角度を取得し、
    前記角度に基づいて前記被検体情報の座標を補正することを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記信号処理部は、
    前記角度に基づいて前記被検体情報の座標のずれ量を取得し、
    前記被検体情報を前記ずれ量だけスキューさせるアフィン変換を行うことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記被検体を保持する保持部を更に有し、
    前記保持部は、前記被検体と前記複数の音響波送信部との間に配置され、
    前記保持部の前記複数の音響波送信部が位置する側の面と平行する面の少なくとも一部を前記走査面とすることを特徴とする請求項1または2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 被検体に音響波をそれぞれ送信する複数の音響波送信部を更に有し、
    前記音響波は、前記音響波送信部から送信された音響波が前記被検体内で反射することにより発生したエコーであり、
    前記信号処理部は、前記角度に基づいて前記複数の音響波送信部のそれぞれが音響波を送信する送信時刻を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記信号処理部は、前記複数の音響波送信部が所定の方向に音響波ビームを形成するように、前記送信時刻を制御することを特徴とする請求項4に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記所定の方向は、前記複数の音響波送信部の表面と前記走査面とのなす角度が所定の角度である場合に、前記複数の音響波送信部のそれぞれが所定の送信時刻に音響波を送信するときに形成される音響波ビームの方向であることを特徴とする請求項5に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記信号処理部は、前記複数の音響波受信部が所定の受信時刻から所定の位置で発生するエコーを受信できるように、前記送信時刻を制御することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記所定の位置は、前記走査面の少なくとも一部であることを特徴とする請求項7に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記複数の音響波受信部と前記複数の音響波送信部とは1つのトランスデューサアレイから構成されることを特徴とする請求項4から8のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  10. 光源を更に有し、
    前記音響波は、前記光源からは発せられた光が前記被検体に照射されることにより発生した光音響波であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  11. 被検体から発生した音響波を受信して複数の時系列の電気信号を出力する複数の音響波受信部と、
    前記複数の音響波受信部を走査面に沿って走査する走査部と、
    前記複数の時系列の電気信号に基づき、前記被検体内の被検体情報を取得する信号処理部とを有する被検体情報取得装置の作動方法であって、
    前記走査面と前記複数の音響波受信部の表面とのなす角度を取得する工程と、
    前記角度に基づいて前記被検体情報の座標を補正する工程とを有することを特徴とする被検体情報取得装置の作動方法。
  12. 請求項11に記載の被検体情報取得装置の作動方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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