JP2015006288A - 被検体情報取得装置、被検体情報取得装置の作動方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、走査面に対する探触子の角度が所定の角度と異なってしまった場合でも、取得される被検体情報の画質の低下を簡便に抑制できる被検体情報取得装置を提供することを目的とする。【解決手段】 本明細書に開示された被検体情報取得装置は、被検体内で発生した音響波を受信して複数の時系列の電気信号を出力する複数の音響波受信部と、複数の音響波受信部を走査面に沿って走査する走査部と、走査面と複数の音響波受信部の受信面とのなす角度を取得し、角度と複数の時系列の電気信号とに基づいて被検体情報を取得する信号処理部とを有する。【選択図】 図4
Description
本発明は音響波を受信して被検体情報を取得する被検体情報取得装置、被検体情報取得装置の作動方法、およびプログラムに関する。
従来から音響波を受信して生体などの被検体内部の情報を取得する技術として、これまで光音響装置やエコー装置などの被検体情報取得装置が提案されてきた。
例えば光音響装置は、特に皮膚がんや乳がんの診断での有用性が示されており、同診断で従来使用されてきたエコー装置、X線装置、MRI装置などに代わる医療機器としての期待が高まっている。
可視光や近赤外光等の計測光を生体組織に照射すると、生体内部の光吸収物質、特に血液中のヘモグロビン等の物質が、計測光のエネルギーを吸収して瞬間的に膨張した結果、音響波が発生することが知られている。この現象を光音響効果といい、発生した音響波を光音響波とも呼ぶ。
光音響イメージング装置は、この光音響波を計測することで生体組織の情報を可視化する。このような光音響効果を利用した断層撮影の技術を光音響イメージング(Photoacoustic Imaging:PAI)とも呼ぶ。この光音響撮影の技術により、光エネルギー吸収密度分布、即ち生体内の光吸収物質の密度分布を定量的に、また3次元的に計測し結果を得ることができる。
例えば、特許文献1は、被検体を保持部で保持した状態で保持部に沿って探触子を走査することにより光音響波を受信する装置を開示する。
また、特許文献2は、被検体を保持部で保持した状態で保持部に沿って探触子を走査し、超音波を送受信することによりBモード画像を取得する装置を開示する。さらに、特許文献2は、走査面としての保持部と探触子との傾きを補正するために、探触子の位置および姿勢を機械的に制御することを開示する。
Minghua Xu and Lihong V.Wang,(2005),"Universal back−projection algorithm for photoacoustic computed tomography",PHISICAL REVIEW E 71,016706
山田幸生 他,「医学・生物学における光と生体組織の相互作用および光によるイメージング」,機械技術研究所所報,1995年1月,vol.49,no.1,pp.1−31
ところが、被検体情報取得装置において、特許文献2が開示するような探触子の配置の機械的な制御においては、装置の機械的な構成が大きくなってしまう可能性がある。また、探触子の位置決め誤差などにより、被検体情報の画質が低下してしまう可能性がある。
そこで、本発明は、走査面に対する探触子の角度が所定の角度と異なってしまった場合でも、取得される被検体情報の画質の低下を簡便に抑制できる被検体情報取得装置を提供することを目的とする。
本明細書に開示された被検体情報取得装置は、被検体内で発生した音響波を受信して複数の時系列の電気信号を出力する複数の音響波受信部と、複数の音響波受信部を走査面に沿って走査する走査部と、走査面と複数の音響波受信部の受信面とのなす角度を取得し、角度と複数の時系列の電気信号とに基づいて被検体情報を取得する信号処理部とを有する。
本発明に係る被検体情報取得装置によれば、走査面に対する探触子の角度が所定の角度と異なってしまった場合でも、取得される被検体情報の画質の低下を簡便に抑制できる。
本発明においては、光音響効果により発生した光音響波を用いる光音響装置や音響波のエコーを用いるエコー装置などを被検体情報取得装置とすることができる。なお、以下の実施形態では光音響装置について説明する。
本発明に係る被検体情報は、光音響波に基づいて取得される光学特性情報や音響波のエコーに基づいて得られる形態情報を含む。
例えば、光学特性情報としては、初期音圧分布、光吸収エネルギー密度分布、光吸収係数分布などが挙げられる。また、光学特性情報は、複数の波長の光をそれぞれ被検体に照射し、それぞれ発生する光音響波を受信して得られる被検体を構成する物質の濃度(例えば血液中に含まれるヘモグロビン濃度や血液の酸素飽和度)なども含む。
また、形態情報としては、送信された音響波のエコー強度を分布として表わしたBモード画像、被検体内の構造の速度分布を表すドップラー画像、被検体内の構造の弾性分布(ひずみ率、せん断波速度、ヤング率)を表すエラスト画像、被検体内での散乱に起因するスペックルパターンデータなどが挙げられる。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る被検体情報取得装置を説明する。本実施形態に係る被検体情報取得装置は、複数のトランスデューサを走査面に沿って走査する。また、本実施形態に係る被検体情報取得装置は、走査面と音響波の受信面とのなす角度に起因する定量性や解像度の低下を補正するための再構成処理を行って被検体情報を取得することができる。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る被検体情報取得装置を説明する。本実施形態に係る被検体情報取得装置は、複数のトランスデューサを走査面に沿って走査する。また、本実施形態に係る被検体情報取得装置は、走査面と音響波の受信面とのなす角度に起因する定量性や解像度の低下を補正するための再構成処理を行って被検体情報を取得することができる。
図1に示す被検体情報取得装置は、光源110、光学系120、保持部としての平行平板130Aおよび130B、複数のトランスデューサ141を備える探触子140、走査部としての走査機構150、コンピュータとしての信号処理部160、および表示部としてのディスプレイ170を有する。
図2は、信号処理部160の詳細、および、信号処理部160の周辺の構成を示す模式図である。信号処理部160は、制御部161、演算部162、記憶部163を備えている。
制御部161は、バス200を介して被検体情報取得装置を構成する各構成の作動を制御している。また、制御部161は、記憶部163に格納された後述する被検体情報取得方法が記述されたプログラムを読み出し、被検体情報取得装置に読み出した被検体情報取得方法を実行させている。
光源110から発生した光は、光学系120を介してパルス光121として被検体100に照射される。そして、光音響効果により被検体100内で音響波(光音響波)が発生する。続いて、複数のトランスデューサ141が音響波を受信して複数の時系列の電気信号を出力する。続いて、信号処理部160が複数の時系列の電気信号に基づいて被検体情報を取得し、ディスプレイ170に被検体情報を表示させる。
本実施形態において走査機構150は、平行平板130Bの探触子140が位置する側の面130C、すなわちx−y平面の一部を走査面として探触子140を走査している。
本実施形態において走査面とは、特定のトランスデューサの受信面が走査されるべき経路を含む面のことを指す。
なお、保持部として平行平板以外の形状の部材を用いた場合も保持部の一部を走査面としてもよい。また、被検体100の表面など、保持部以外の部材を走査面として利用してもよい。また、任意の空間に走査面を設定してもよい。例えば、保持部の一面と平行する面を走査面としてもよい。また、走査面は平面に限らず、曲面などの任意の面とすることができる。
また、走査面は、出荷時に設定されていてもよいし、探触子140を走査する前にユーザや信号処理部160により設定されてもよい。例えば、測定部(不図示)が被検体100の形状を測定し、ユーザが被検体100の形状の画像から、被検体100の表面を走査面として設定してもよい。
なお、特定のトランスデューサは、複数のトランスデューサのうち、いずれのトランスデューサとしてよい。また、特定のトランスデューサは、時間に応じて変化してもよい。
また、本実施形態に係る被検体情報取得装置は、複数のトランスデューサ141の受信面と走査面とのなす角度が所定の角度で配置されている場合に、所望の被検体情報を取得できるように構成されている。本実施形態において所定の角度は0°としている。
ここで、複数のトランスデューサの受信面と走査面とのなす角度とは、特定のトランスデューサの受信面と走査面とのなす角度のことを指す。典型的にトランスデューサの受信面は、トランスデューサの最も受信効率の高い方向の法線を含む面となる。
なお、本実施形態においては、平面である面130Cの一部を走査面としているため、複数のトランスデューサ141の受信面と面130Cとのなす角度を、複数のトランスデューサ141の受信面と走査面とのなす角度として説明する。以下、複数のトランスデューサの受信面と走査面とのなす角度を単に「角度」とも称する。
ところで、複数のトランスデューサ141の受信面と面130Cとのなす角度が所定の角度(0°)でない場合は、得られる被検体情報の画質、すなわち定量性、解像度、および連続性などが低下してしまう。
そこで、本実施形態に係る被検体情報取得装置は、複数のトランスデューサ141の出力に対して、所定の角度と実際の角度との差を補正するための再構成処理を行って被検体情報を取得する。これにより、所定の角度と実際の角度との差に起因する被検体情報の定量性や解像度の低下を抑制することができる。また、機械的な構成の配置を制御することなく、再構成処理により角度を補正することができるため、機械的な構成が大きくなることを抑制できる。また、機械的な構成の位置決め誤差などによる被検体情報の定量性や解像度の低下を抑制することができる。
以下、所定の角度と実際の角度との差を「角度の差」とも称する。また、本願明細書において、「再構成処理」とは、複数のトランスデューサ141から出力された時系列の電気信号から被検体情報を取得する処理のことを指す。
<被検体情報取得装置の構成>
以下、被検体情報取得装置の構成の詳細を説明する。
以下、被検体情報取得装置の構成の詳細を説明する。
(光源)
被検体100に照射されるパルス光121は、光源110にて発生される。光源110は、近赤外領域に中心波長を有するパルス発光が可能な個体レーザ(例えば、Yttrium−Aluminium−GarnetレーザやTitanium−Sapphireレーザ)などが使用されてよい。光の波長は、撮影対象とする被検体100内の光吸収物質(例えばヘモグロビンやグルコース、コレステロールなど)に応じて、530nmから1300nmの間で選択されてよい。
被検体100に照射されるパルス光121は、光源110にて発生される。光源110は、近赤外領域に中心波長を有するパルス発光が可能な個体レーザ(例えば、Yttrium−Aluminium−GarnetレーザやTitanium−Sapphireレーザ)などが使用されてよい。光の波長は、撮影対象とする被検体100内の光吸収物質(例えばヘモグロビンやグルコース、コレステロールなど)に応じて、530nmから1300nmの間で選択されてよい。
例えば、測定対象とする乳がん周辺の新生血管中のヘモグロビンは、一般的に600nm〜1000nmの光を強く吸収する。一方、生体を構成する水は830nm付近で光の吸収が極小となる。そのため、750nm〜850nmでヘモグロビンによる光の吸収が相対的に大きくなる。
(光学系)
光源110からの光を、被検体100に所望の光分布のパルス光121で照射するための光学系120は、レンズ、ミラー、光ファイバー等の光学系を備えてよい。なお、光学系120は、光源110から発せられた光が被検体100に所望の光分布のパルス光121で照射することができるのであれば、どのようなものを用いても構わない。
光源110からの光を、被検体100に所望の光分布のパルス光121で照射するための光学系120は、レンズ、ミラー、光ファイバー等の光学系を備えてよい。なお、光学系120は、光源110から発せられた光が被検体100に所望の光分布のパルス光121で照射することができるのであれば、どのようなものを用いても構わない。
また、光学系120は、被検体100の広い領域にパルス光121を照射するために光学系を走査する走査機構を備えてもよい。この場合、探触子140における音響波の受信領域とパルス光121の照射領域とが重なるように、探触子140を走査する走査機構150と光学系を走査する走査機構とを同期させてもよい。
(探触子)
探触子140は、複数のトランスデューサ141と、複数のトランスデューサを覆う筺体とから構成されている。
探触子140は、複数のトランスデューサ141と、複数のトランスデューサを覆う筺体とから構成されている。
複数のトランスデューサ141は、被検体100内で発生した音響波を受信して時系列の電気信号に変換する音響波受信部としての機能を備えている。
典型的に光音響効果で発生する音響波の周波数は100kHzから100MHz程度である。また、エコー装置に用いられる音響波の周波数は1MHzから1000MHz程度である。そのため、上記の周波数帯の音響波を受信または送信できるトランスデューサが用いられることが好ましい。トランスデューサとしては、圧電現象を用いたトランスデューサ、光の共振を用いたトランスデューサ、容量の変化を用いたトランスデューサなどの素子を用いることができる。
複数のトランスデューサ141は1次元に配列されても、2次元に配列されてもよい。このようにアレイ状に配列された複数のトランスデューサ141を用いることにより、同時に複数の場所で音響波を受信することができ、受信時間を短縮できる。
(保持部)
本実施形態においては、保持部としての2枚の平行平板130Aおよび130Bで被検体100を挟むことにより、被検体100を保持している。これにより、被検体100が動いてしまうことによる計測誤差を低減させている。
本実施形態においては、保持部としての2枚の平行平板130Aおよび130Bで被検体100を挟むことにより、被検体100を保持している。これにより、被検体100が動いてしまうことによる計測誤差を低減させている。
なお、保持部は、平行平板に限らず、お椀形状の部材など被検体100を保持できる部材であればどのような部材であってもよい。また、保持部は、フィルム状の部材であってもよい。すなわち、保持部は、乳房などの被検体よりも柔かい材料から構成されていてもよい。
また、保持部は、探触子140との音響整合性が高い材料であることが好ましい。また、保持部を通過させてパルス光を被検体100に照射する場合、保持部はパルス光に対して高い透過率を有する材料であることが好ましい。例えば、保持部の材料としては、ポリメチルペンテンなどを用いることができる。
ただし、被検体100を保持する必要がない場合には、被検体情報取得装置は保持部を備える必要がない。
(走査機構)
走査機構150は、探触子140を走査面に沿って走査する装置である。
走査機構150は、探触子140を走査面に沿って走査する装置である。
なお、保持部として平行平板以外の形状の部材を用いた場合も、保持部の一部を走査面としてもよい。また、保持部の一部と平行する面を走査面としてもよい。
また、被検体100の表面など、保持部以外の部材を走査面として利用してもよい。また、任意の空間に走査面を設定してもよい。また、走査面は、ユーザや信号処理部160によって設定されてもよいし、予め設定されていてもよい。また、走査面は平面に限らず、曲面などの任意の面とすることができる。
また、本実施形態において走査機構150は探触子140をステップアンドリピートによって走査しているが、連続走査してもよい。また、走査機構150は、走査中に走査の速度を変更してもよい。
(信号処理部)
信号処理部160は、制御部161、演算部162、記憶部163を備えている。
信号処理部160は、制御部161、演算部162、記憶部163を備えている。
制御部161は、典型的にはCPUなどの素子から構成される。
演算部162は、典型的にはCPU、GPU、増幅器、A/D変換器、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASICなどの素子から構成される。なお、演算部162は、1つの素子から構成されるだけではなく、複数の素子から構成されていてもよい。また、本実施形態に係る被検体情報取得方法で行うそれぞれの処理は、どの素子により行われてもよい。また、演算部162が行う処理をアナログ回路により実行可能としてもよい。この場合のアナログ回路についても演算部162とする。
また、演算部162は、同時に複数のデータをパイプライン処理できるように構成されていることが好ましい。これにより、被検体情報を取得する時間を短縮することができる。
記憶部163は、典型的にはROM、RAM、およびハードディスクなどの媒体から構成される。なお、記憶部163は、1つの媒体から構成されるだけでなく、複数の媒体から構成されていてもよい。
なお、被検体情報取得方法において行われる処理を、制御部161に実行させるプログラムとして記憶部163に格納しておくことができる。ただし、プログラムが格納される記憶部163は、ROMなどの非一時的な記録媒体である。
また、信号処理部および複数のトランスデューサは、共通の筺体に収められて探触子として提供されてもよい。ただし、探触子に収められた信号処理部で一部の信号処理を行い、残りの信号処理を探触子の外部に設けられた信号処理部で行ってもよい。この場合、探触子の内部および外部に設けられた信号処理部を総称して、本実施形態に係る信号処理部とすることができる。
<被検体情報取得方法>
続いて、図3に示すフローを用いて、本実施形態に係る被検体情報取得方法を説明する。各工程は、制御部161が被検体情報取得装置の各構成の作動を制御することにより実行される。すなわち、以下、本実施形態に係る被検体情報取得装置の作動方法を説明する。
続いて、図3に示すフローを用いて、本実施形態に係る被検体情報取得方法を説明する。各工程は、制御部161が被検体情報取得装置の各構成の作動を制御することにより実行される。すなわち、以下、本実施形態に係る被検体情報取得装置の作動方法を説明する。
(S100:音響波の受信面と走査面とのなす角度を取得する工程)
この工程では、演算部162は、公知の種々の方法により、複数のトランスデューサ141の受信面と面130Cとのなす角度θを取得する。
この工程では、演算部162は、公知の種々の方法により、複数のトランスデューサ141の受信面と面130Cとのなす角度θを取得する。
例えば、特許文献1に記載のように、複数のトランスデューサ141が面130Cに対して音響波の送受信を行い、演算部162が複数のトランスデューサ141からの出力に基づいて角度を検知することができる。また、CCDなどの撮像部によって被検体情報取得装置の各構成および被検体の形状を測定し、演算部162はその測定結果に基づいて角度を取得することができる。また、被検体情報取得装置の各構成及び被検体に位置センサや加速度センサなどを設け、それらのセンサからの出力に基づいて、演算部162は角度を取得することもできる。
なお、第1の位置における第1の角度を取得し、続いてこの第1の角度を用いて第1の位置においてS200以降の工程を行い、続いて第2の位置における第2の角度を取得し、続いてこの第2の角度を用いて第2の位置においてS200以降の工程を行ってもよい。この方法によれば、角度を取得する時刻と音響波を送信する時刻との差が小さいため、S100で取得される角度とS300において音響波を受信するときの角度との変動を小さくすることができる。
また、S200以降の工程の前に各位置における角度を予め取得してもよい。
また、ある位置における角度を取得し、その角度をその他の位置における角度としてもよい。
また、後述するS200およびS300の工程と並行して本工程を行ってもよい。
(S200:被検体内で音響波を発生させる工程)
次に、光源110から発された光は、光学系120を介してパルス光121として被検体100に照射される。そして、被検体100はパルス光121を吸収し、光音響効果により音響波(光音響波)が発生する。
次に、光源110から発された光は、光学系120を介してパルス光121として被検体100に照射される。そして、被検体100はパルス光121を吸収し、光音響効果により音響波(光音響波)が発生する。
なお、被検体100に音響波を送信し、送信された音響波が被検体100内で反射することにより発生したエコーを、本発明に係る音響波としてもよい。この場合、被検体情報取得装置は、音響波を送信する音響波送信部を備える必要がある。そこで、複数のトランスデューサ141を音響波送信部としてもよい。さらに、複数のトランスデューサ141は、音響波受信部および音響波送信部の両方の機能を兼ね備えてもよい。すなわち、音響波受信部と音響波送信部とは1つのトランスデューサアレイで構成されていてもよい。
(S300:光音響波を受信して時系列の電気信号を取得する工程)
次に、複数のトランスデューサ141のそれぞれは、S200で発生した光音響波を受信して時系列の電気信号を信号処理部160に出力する。続いて、演算部162がアナログ信号としての時系列の電気信号に増幅処理やAD変換処理を施し、デジタル化された時系列の電気信号が記憶部163に格納される。
次に、複数のトランスデューサ141のそれぞれは、S200で発生した光音響波を受信して時系列の電気信号を信号処理部160に出力する。続いて、演算部162がアナログ信号としての時系列の電気信号に増幅処理やAD変換処理を施し、デジタル化された時系列の電気信号が記憶部163に格納される。
なお、複数のトランスデューサ141のそれぞれから出力された時系列の電気信号を総称して「複数の時系列の電気信号」とする。また、時系列の電気信号は、アナログ信号もAD変換処理された後のデジタル信号も含む概念である。 (S400:時系列の電気信号に対して、角度に基づいて取得された音響波の到来時刻を用いた再構成処理を行って被検体情報を取得する工程)
次に、演算部162は、角度に基づいて被検体100内の各点で発生する音響波の到来時刻を取得する。そして、演算部162は、記憶部163に格納された複数の時系列の電気信号に対して、この到来時刻を用いた再構成処理を行うことにより被検体100内の被検体情報としての初期音圧分布を取得する。以下、音響波の到来時刻を用いた再構成処理をタイムドメイン再構成処理と称する。
次に、演算部162は、角度に基づいて被検体100内の各点で発生する音響波の到来時刻を取得する。そして、演算部162は、記憶部163に格納された複数の時系列の電気信号に対して、この到来時刻を用いた再構成処理を行うことにより被検体100内の被検体情報としての初期音圧分布を取得する。以下、音響波の到来時刻を用いた再構成処理をタイムドメイン再構成処理と称する。
以下、図4を用いて、本実施形態に係るタイムドメイン再構成処理により被検体100内に設定された関心領域101における初期音圧を取得する方法の例を説明する。
図4(A)は、複数のトランスデューサ141の受信面と面130Cとが所定の角度(0°)となっている場合に、斜線で示したトランスデューサ141Aが被検体100内に設定された関心領域101で発生した光音響波を受信する様子を示す。rは関心領域101からトランスデューサ141Aまでのベクトルを表す。また、P2は所定の角度となっている場合にトランスデューサ141Aが位置する点を表す。すなわち、P2は所定の角度となっている場合のトランスデューサ141Aの受信点を表す。
一方、図4(B)は、P1を回転の支点として複数のトランスデューサ141の受信面と面130Cとが角度θをなしている場合を示す。このとき、トランスデューサ141Aは、点P3で光音響波を受信している。DはP1からP3までの距離を表す。また、r’は関心領域101から点P3までのベクトルを表す。また、dは点P2から点P3までのベクトルを表す。
まず、演算部162は、被検体100内に関心領域101を設定する。続いて、演算部162は、角度θに基づいて、トランスデューサ141Aの受信点の位置(P3)を取得する。このとき、Dは複数のトランスデューサ141の構成から既知であり、また点P2の位置は走査面が予め設定されているので既知である。そのため、演算部162は、S100で取得した角度θを用いて、点P2から角度θだけ回転したトランスデューサ141Aの受信点(P3)の位置を取得することができる。例えば、演算部162は回転を表すアフィン変換により各トランスデューサの位置を取得することができる。
続いて演算部162は、トランスデューサ141Aの受信点と関心領域101との距離を取得する。すなわち、演算部162は、ベクトルr’(=r+d)の大きさを取得する。
このとき、演算部162は、関心領域101の位置およびP2の位置に基づきrを取得する。また、演算部162は、トランスデューサ141Aの受信点の位置と点P2の位置とに基づきdを取得する。また、演算部162は、角度θを用いてdの大きさとしてのD・tanθを取得する。なお、演算部162は、記憶部163に格納されたデータを読み出すことにより、r、d、D、r’を取得してもよい。
また、演算部162は、その他のトランスデューサについても同様に、関心領域101と各トランスデューサとの距離を取得する。
なお、角度がθとなったときの関心領域101と各トランスデューサとの距離を取得できる限り、その方法は上記に限らない。
続いて、演算部162は、関心領域101と各トランスデューサとの距離を光音響波の伝搬経路中の音速cで除算することにより、関心領域101から各トランスデューサに光音響波が到来する時刻を取得する。本実施形態では、パルス光121が被検体100に照射された時刻を0としている。なお、典型的に光は音響波と比べて桁違いに速いので、パルス光121の照射と同時に被検体100全体から光音響波が発生するとみなすことができる。
以上、演算部162は、S100で取得した角度θを用いて、関心領域101で発生した光音響波が複数のトランスデューサ141のそれぞれに到来する時刻を取得することができる。
続いて、演算部162は、複数の時系列の電気信号から、関心領域101から各トランスデューサに光音響波が到来する時刻に対応するそれぞれの振幅値を加算する。この加算処理により、関心領域101で発生した光音響波の初期音圧を取得することができる。
なお、演算部162は、それぞれの振幅値に重みづけを行った後に加算処理を行ってもよい。このとき、重みづけの値は、音響波の被検体100内での減衰やトランスデューサの指向性などに基づいて決定されることができる。
続いて、演算部162は、被検体100中の各位置に関心領域を設定し、各関心領域において同様の処理を行うことにより、被検体100内の初期音圧分布を取得することができる。
なお、S100で取得された角度に基づいて決定される音響波の到来時刻を用いて被検体情報を取得する限り、いかなる方法を採用してもよい。
また、演算部162は、非特許文献2に記載されたような方法で、照射されたパルス光121の被検体100内の光量分布を取得し、初期音圧分布を光量分布で除算することにより吸収係数分布を取得することもできる。
また、S100において取得された角度が所定の角度と異なる場合のみ本工程を行ってもよい。また、S100において取得された角度が所定の角度と同じ場合には、所定の受信パターンで音響波を受信すればよい。また、角度の差が被検体情報の連続性に影響を与えない程度である場合、角度と所定の角度とは同じとみなすことができる。
(S500:被検体情報を表示する工程)
次に、ディスプレイ170は、S400で取得された被検体100内の初期音圧分布を表示する。ユーザは、ディスプレイ170に表示された被検体100内の初期音圧分布を視認することにより、診断を行うことができる。
次に、ディスプレイ170は、S400で取得された被検体100内の初期音圧分布を表示する。ユーザは、ディスプレイ170に表示された被検体100内の初期音圧分布を視認することにより、診断を行うことができる。
以上の被検体情報取得方法を行うことにより、角度の差による被検体情報の定量性や解像度の低下を抑制することができる。また、機械的な構成が大きくなることを抑制できる。また、機械的な構成の位置決め誤差などによる被検体情報の定量性や解像度の低下を抑制することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る再構成処理方法を、図4および図5を用いて説明する。なお、図5において、図3に示す処理と同じ処理については、同じ処理番号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施形態においても、第1の実施形態と同じ被検体情報取得装置を用いる。また、本実施形態においても、図4(B)のように、X−Y−Zの直交座標系にある位置に設置した探触子140が、Y軸周りにθ度回転している場合を考える。
第2の実施形態に係る再構成処理方法を、図4および図5を用いて説明する。なお、図5において、図3に示す処理と同じ処理については、同じ処理番号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施形態においても、第1の実施形態と同じ被検体情報取得装置を用いる。また、本実施形態においても、図4(B)のように、X−Y−Zの直交座標系にある位置に設置した探触子140が、Y軸周りにθ度回転している場合を考える。
本実施形態は、角度に基づいて決定される順問題行列を用いた繰り返し再構成処理により角度の差を補正する点が第1および第2の実施形態とは異なる。ここで、繰り返し再構成法とは、モデルベース法とも呼ばれ、特許文献4が開示するように、計測で得られた受信信号と、あるモデルを仮定して計算された受信信号との差が小さくなるような初期音圧分布を取得する方法である。
例えば、取得された時系列の電気信号をPd、あるモデルに基づいた光音響波に対する応答を表す順問題行列をA、初期音圧分布をP0としたときに、順問題行列Aが正則であれば、逆行列を持つため、初期音圧分布P0は、式(1)より求めることができる。
P0=A−1・Pd ・・・式(1)
ここで、A−1はAの逆行列である。また、P0は各領域の初期音圧を行列として表現した初期音圧分布である。
P0=A−1・Pd ・・・式(1)
ここで、A−1はAの逆行列である。また、P0は各領域の初期音圧を行列として表現した初期音圧分布である。
ただし、一般的には順問題行列Aは正則でないことがあるため、逆行列を持たない場合がある。その場合、順問題行列Aの疑似逆行列A+を求めることや式(2)に示す目的関数を最小にするP0を求める最小二乗法などによって初期音圧分布Poを求めることができる。
なお、式(2)では、局所解となり、真の解が求まらない可能性があるため、ペナルティー項を付加した式(3)に示す目的関数を最小にするP0を求めてもよい。ここでλは任意の定数である。
(S410:角度に由来する音響波に対する応答を表す順問題行列を取得する工程)
本実施形態においては、まず演算部162が、S100で取得された角度θに由来する音響波に対する応答を表す順問題行列としての順問題行列A’を取得する。すなわち、演算部162は、面130Cと角度θをなして配置された複数のトランスデューサ141が音響波を受信した場合に出力すると想定される時系列の電気信号を表すための順問題行列A’を取得する。
本実施形態においては、まず演算部162が、S100で取得された角度θに由来する音響波に対する応答を表す順問題行列としての順問題行列A’を取得する。すなわち、演算部162は、面130Cと角度θをなして配置された複数のトランスデューサ141が音響波を受信した場合に出力すると想定される時系列の電気信号を表すための順問題行列A’を取得する。
具体的には、シミュレーションにおいて、複数のトランスデューサ141が面130Cと角度θをなして配置されたモデルを設定する。そして、設定されたモデルにおいて、各関心領域から音響波が発生したときに複数のトランスデューサ141が出力すると想定される時系列の電気信号を計算する。ここで計算された時系列の電気信号から順問題行列A’の各行列要素を決定する。例えば、順問題行列A’の行要素を各関心領域の座標とし、列要素を各トランスデューサが出力する時系列の電気信号の各時刻における振幅とすることなどによって各行列要素は決定される。
また、被検体を模したファントムを用いた実測によって順問題行列A’の行列要素を取得することもできる。例えば、ファントム内に配置された音源から発生した音響波を複数のトランスデューサ141が受信することにより出力された時系列の電気信号から順問題行列A’を取得することができる。このときファントム内の音源の位置を移動させることにより、ファントム内の各位置から発生した音響波に対する応答を表す順問題行列A’を取得することができる。このときの各行列要素は、ファントム内の各位置の座標を行要素とし、各トランスデューサが出力する時系列の電気信号の各時刻における振幅を列要素とすることなどができる。
なお、音源の位置を移動させる手段としては、音源としての光吸収体の位置を移動させることや音源としての光吸収体に照射する光の位置を移動させることなどが考えられる。また、本実施形態においては、ファントムは平行平板130Bにより保持され、複数のトランスデューサ141は面130Cと角度θをなして配置されている必要がある。ただし、複数のトランスデューサ141と走査面とのなす角度をθとする限り、平行平板を必須としない。
なお、S100で角度を取得する前に、予め複数の角度に対応する順問題行列を取得し、記憶部163に複数の角度に対応する順問題行列を格納しておいてもよい。この場合、演算部162が記憶部163に格納された複数の順問題行列からS100で得られた角度θに対応する順問題行列A’を取得することができる。これにより、S100で角度を取得した後にさらなる計算を要することなく角度θに対応する順問題行列A’を取得することができるため、被検体情報を取得するまでの時間を短くすることができる。
このようにして得られた角度に基づいて決定された順問題行列は、角度の差によって生じた時系列の電気信号の振幅の変化や位相の変化などが反映された順問題行列となる。
(S420:角度に由来する音響波に対する応答を表す順問題行列を用いて繰り返し再構成処理を行って被検体情報を取得する工程)
続いて演算部162は、S410で取得された順問題行列A’を用いて、上記式(1)〜(3)などに基づく計算により初期音圧分布P0を取得する。
続いて演算部162は、S410で取得された順問題行列A’を用いて、上記式(1)〜(3)などに基づく計算により初期音圧分布P0を取得する。
前述したように、S410で取得された順問題行列は角度の差によって生じた時系列の電気信号に対する影響が反映されているので、角度がずれた場合にも繰り返し再構成処理により精度良く被検体情報を取得することができる。
以上の被検体情報取得方法を行うことにより、角度の差による被検体情報の定量性や解像度の低下を抑制することができる。また、機械的な構成が大きくなることを抑制できる。また、機械的な構成の位置決め誤差などによる被検体情報の定量性や解像度の低下を抑制することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る再構成処理方法を図4および図6を用いて説明する。なお、図6において、図3に示す処理と同じ処理については、同じ処理番号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施形態においても、第1の実施形態と同じ被検体情報取得装置を用いる。また、本実施形態においても、図4(B)のように、X−Y−Zの直交座標系にある位置に設置した探触子140が、Y軸周りにθ度回転している場合を考える。
第3の実施形態に係る再構成処理方法を図4および図6を用いて説明する。なお、図6において、図3に示す処理と同じ処理については、同じ処理番号を付して詳細な説明を省略する。また、本実施形態においても、第1の実施形態と同じ被検体情報取得装置を用いる。また、本実施形態においても、図4(B)のように、X−Y−Zの直交座標系にある位置に設置した探触子140が、Y軸周りにθ度回転している場合を考える。
本実施形態は、角度に基づいて仮想受信点で取得される仮想の複数の時系列の電気信号を取得することにより角度の差を補正する点が、他の実施形態と異なる。
(S450:角度に基づいて仮想受信点で取得される仮想の複数の時系列の電気信号を取得する)
演算部162は、S100で取得された角度に基づいて、角度θだけ回転したときの各トランスデューサの位置を取得する。走査されるべき経路は予め設定されているので、各時刻において各トランスデューサが位置すべき位置は既知である。そのため、演算部162は、角度に基づいて、例えば回転を表すアフィン変換により各トランスデューサの位置を取得することができる。
演算部162は、S100で取得された角度に基づいて、角度θだけ回転したときの各トランスデューサの位置を取得する。走査されるべき経路は予め設定されているので、各時刻において各トランスデューサが位置すべき位置は既知である。そのため、演算部162は、角度に基づいて、例えば回転を表すアフィン変換により各トランスデューサの位置を取得することができる。
続いて、演算部162は、記憶部163に格納された時系列の電気信号とこの時系列の電気信号を取得したときのトランスデューサの位置とより、所定の角度でトランスデューサが配置された場合に取得されるはずであった時系列の電気信号をシミュレーションにより取得する。ここで、所定の角度でトランスデューサが配置されたときのトランスデューサの位置x0を「仮想受信点」と称する。また、仮想受信点に音響波が到来して取得されるはずであった時系列の電気信号を「仮想の時系列の電気信号」と称する。
具体的に、演算部162は、波動方程式の可逆性を利用して、時刻t1にx1に位置するトランスデューサによって得られた電気信号s1(x1,t1)から、時刻t0にx0に位置するトランスデューサによって得られるはずであった仮想の電気信号S0(x0,t0)を式(4)から取得する。なお、x0およびx1は位置ベクトルを表す。
ここで、G0(x1−x0,t1−t0)は、電気信号s1から仮想の電気信号s0を求めるためのグリーン関数である。すなわち、グリーン関数は、時刻t0にx0に到来した音響波の受信信号から、時刻t1にx1でこの音響波が受信して得られたであろう仮想の受信信号を求める関数である。
なお、本実施形態において、x0は角度がθであるときのトランスデューサの位置であり、x1は角度が所定の角度であるときのトランスデューサの位置である。
これにより、演算部162は、角度が所定の角度であるときに複数のトランスデューサ141が取得するはずであった仮想の時系列の電気信号を取得することができる。すなわち、この仮想の時系列の受信信号は、所定の角度で複数のトランスデューサ141が音響波を受信して得られる時系列の電気信号と同様(理想的には等価)となる。
(S460:複数の仮想の時系列の電気信号に対して公知の再構成処理を行って被検体情報を取得する)
そのため、演算部162は、S450で取得された仮想の時系列の電気信号に対して公知の再構成処理を行うことにより、角度が所定の角度であるときに得られる被検体情報と同様(理想的には等価)の被検体情報を取得することができる。
そのため、演算部162は、S450で取得された仮想の時系列の電気信号に対して公知の再構成処理を行うことにより、角度が所定の角度であるときに得られる被検体情報と同様(理想的には等価)の被検体情報を取得することができる。
なお、公知の再構成処理としては、非特許文献1が開示するようなタイムドメイン再構成処理、特許文献3が開示するようなフーリエドメイン再構成処理、特許文献4が開示するような繰り返し再構成処理などが挙げられる。
また、角度の差を補正することができる限り、仮想受信点は所定の角度でトランスデューサが配置されたときのトランスデューサの位置と同一でなくてもよい。
以上、本実施形態に係る被検体情報取得方法によれば、角度の差による被検体情報の定量性や解像度の低下を抑制することができる。また、機械的な構成が大きくなることを抑制できる。また、機械的な構成の位置決め誤差などによる被検体情報の定量性や解像度の低下を抑制することができる。
なお、いずれの実施形態においても、1サンプリングクロック以下の単位でデータを扱いたい場合には、記憶部163の各データメモリアドレスに格納された時系列の電気信号同士の補間を行えばよい。例えば、演算部162が、記憶部163のあるチャンネルのN番目のデータメモリアドレスに格納されたデータと、N+1番目のデータメモリアドレスに格納されたデータとを用いて重み加算平均等の処理を行うことにより、1サンプリングクロック以下の単位でデータを扱うことができる。
また、いずれの実施形態においても、トランスデューサ間のピッチにより分解能は決定される。そこで、このトランスデューサの幾何学形状により決定される分解能を高めるために、各素子で得られた時系列の電気信号同士の補間を行ってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
100 被検体
140 探触子
141 複数のトランスデューサ
150 走査機構
160 信号処理部
140 探触子
141 複数のトランスデューサ
150 走査機構
160 信号処理部
Claims (16)
- 被検体内で発生した音響波を受信して複数の時系列の電気信号を出力する複数の音響波受信部と、
前記複数の音響波受信部を走査面に沿って走査する走査部と、
前記走査面と前記複数の音響波受信部の受信面とのなす角度を取得し、
前記角度と前記複数の時系列の電気信号に基づいて前記被検体内部の被検体情報を取得する信号処理部とを有することを特徴とする被検体情報取得装置。 - 前記信号処理部は、
前記角度に基づいて前記被検体内の関心領域で発生した音響波が前記複数の音響波受信部のそれぞれに到来する時刻を取得し、
前記被検体内の関心領域で発生した音響波が前記複数の音響波受信部のそれぞれに到来する時刻と、前記複数の時系列の電気信号とに基づいて前記被検体情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。 - 前記信号処理部は、
前記被検体内の関心領域で発生した音響波が前記複数の音響波受信部のそれぞれに到来する時刻に対応する、前記複数の時系列の電気信号の振幅値を加算することにより、前記関心領域における前記被検体情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の被検体情報取得装置。 - 前記信号処理部は、
前記角度に基づいて前記関心領域と前記音響波受信部との距離を取得し、
前記距離に基づいて、前記被検体内の関心領域で発生した音響波が前記複数の音響波受信部のそれぞれに到来する時刻を取得することを特徴とする請求項2または3に記載の被検体情報取得装置。 - 前記信号処理部は、
前記角度に由来した音響波に対する応答を表す順問題行列を取得し、
該取得された順問題行列を用いて前記被検体情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。 - 複数の順問題行列が格納された記憶部を更に有し、
前記信号処理部は、
前記記憶部に格納された前記複数の順問題行列から前記角度に対応する順問題行列を取得することを特徴とする請求項5に記載の被検体情報取得装置。 - 前記信号処理部は、
複数の仮想受信点を設定し、
前記角度と前記複数の時系列の電気信号とに基づいて、前記複数の仮想受信点で取得される複数の仮想の時系列の電気信号を取得し、
前記複数の仮想の時系列の電気信号に基づいて前記被検体情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。 - 前記信号処理部は、
前記走査面に対して所定の角度で配置された場合の前記複数の音響波受信部の位置を前記複数の仮想受信点として設定することを特徴とする請求項7に記載の被検体情報取得装置。 - 前記信号処理部は、
前記角度に基づいて前記走査面に対して前記角度をなす前記複数の音響波受信部の位置を取得し、
前記複数の音響波受信部の位置と、前記複数の仮想受信点の位置と、前記時系列の電気信号とに基づいて、前記複数の仮想の時系列の電気信号を取得することを特徴とする請求項7または8に記載の被検体情報取得装置。 - 前記信号処理部は、
前記複数の時系列の電気信号を格納する記憶部を更に有し、
前記記憶部に格納された複数の時系列の電気信号と前記角度とに基づいて、前記被検体情報を取得することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 光源を更に有し、
前記音響波は、前記光源から発せられた光が前記被検体に照射されることにより前記被検体内で発生する光音響波であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記被検体に音響波を送信するための音響波送信部を更に有し、
前記音響波は、前記音響波送信部から送信された前記音響波が前記被検体内で反射することにより発生するエコーであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記被検体の形状を保持するための保持部を更に有し、
前記走査部は、前記保持部の一面と平行する面の少なくとも一部を前記走査面として前記複数の音響波受信部を走査することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記走査部は、前記被検体の表面の少なくとも一部を前記走査面として前記複数の音響波受信部を走査することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
- 被検体内で発生した音響波を受信して複数の時系列の電気信号を出力する複数の音響波受信部を有する被検体情報取得装置の作動方法であって、
前記複数の音響波受信部を走査面に沿って走査する工程と、
前記走査面と前記複数の音響波受信部の受信面とのなす角度を取得する工程と、
前記角度と前記複数の時系列の電気信号とに基づいて被検体情報を取得する工程とを行うことを特徴とする被検体情報取得装置の作動方法。 - 請求項15に記載の被検体情報取得装置の作動方法をコンピュータに実行させるプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013133536A JP2015006288A (ja) | 2013-06-26 | 2013-06-26 | 被検体情報取得装置、被検体情報取得装置の作動方法、およびプログラム |
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