JP2015003897A - 亜塩素酸水製剤の長期保存 - Google Patents

亜塩素酸水製剤の長期保存 Download PDF

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Abstract

【課題】顕著に亜塩素酸水を長期に保存することができる技術を提供すること。【解決手段】食品加工の前処理殺菌用として人体に安全でかつ取扱い易く、しかも二酸化塩素の発生の少ない亜塩素酸を生成し、殺菌剤として使用する亜塩素酸を含む水溶液(亜塩素酸水)を含む殺菌剤において、亜塩素酸水と、水酸化金属と、リン酸金属とを含み、好ましくは、金属としてカリウム、および/またはpHが3.5以上7.0未満であるものを用意することによって、予想外に長期安定効果が示された。水酸化金属は水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを含み、リン酸金属はリン酸ナトリウムおよび/またはリン酸カリウム(特に、リン酸二水素カリウム)を含んでいてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、長期保存可能な亜塩素酸水およびこれを用いた長期保存可能な殺菌剤に関する。
亜塩素酸水は、食品添加物として注目される。しかしながら、亜塩素酸水は製造が難しく、製造できても通常の状態では保存が利かないという問題がある。
他方本発明者は、亜塩素酸水およびその製法を見出し、大腸菌に対する殺菌効果を確認して出願している(特許文献1)。
国際公開2008/026607
本発明は、予想外に顕著に亜塩素酸水を長期に保存することができる技術を見出し、これを提供する。また、本発明者は、亜塩素酸水の新規用途を見出し、これを提供する。したがって、本発明は以下を提供する。
本発明は以下をも提供する。
(1)亜塩素酸水と、水酸化金属と、リン酸金属とを含む、殺菌剤。
(2)前記金属は、カリウムを含む、(1)に記載の殺菌剤。
(3)前記水酸化金属は水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを含み、前記リン酸金属はリン酸ナトリウムおよび/またはリン酸カリウムを含む、(1)または(2)に記載の殺菌剤。
(4)pHが3.2以上7.0未満である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の殺菌剤。
(5)pHが5.0〜7.0である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の殺菌剤。
(6)pHが約5.5である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の殺菌剤。
(7)亜塩素酸水 0.25%〜75%(亜塩素酸に換算する場合、亜塩素酸水72.00%は亜塩素酸の濃度としては30000ppmである)
リン酸二水素カリウム 0.70%〜13.90%
水酸化カリウム 0.10%〜5.60%である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の殺菌剤。
(8)水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムは、0.1N〜1.0Nであり、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムの緩衝pHは3.2以上〜7.0未満である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の殺菌剤。
(9)(1)〜(8)のいずれか1項に記載のに記載の殺菌剤を含浸させた物品。
(10)前記物品はシート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿およびスポンジから選択されるものである、(9)に記載の物品。
(11)前記物品は一重または二重以上のシート状の物品であり、前記殺菌剤は亜塩素酸水が3000ppm以上の濃度で含浸される、(9)または(10)に記載の物品。
(12)前記シート状の物品は、綿でできたものである、(11)に記載の物品
(13)前記物品は三重以上のシート状の物品である、(9)〜(12)のいずれか1項に記載の物品。
(14)亜塩素酸水を長期保存する方法であって、亜塩素酸水を10℃以下に維持する工程を包含する、方法。
本発明は以下をも提供する。
<二次汚染防止用途>
(1)亜塩素酸水を含む、二次汚染防止のための殺菌剤。
(2)亜塩素酸水を含浸させた二次汚染防止のための物品。
(3)前記物品はシート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿およびスポンジから選択されるものである、(2)に記載の物品。
(4)前記物品は一重または二重以上のシートであり、亜塩素酸が3000ppm以上の濃度で含浸される、(2)または(3)に記載の物品。
(5)前記シートは、綿でできたものである、(4)に記載の物品。
(6)前記物品は三重以上のシートである、(2)〜(5)のいずれか1項に記載の物品。
<床面殺菌用途>
(7)亜塩素酸水を含浸させた床面殺菌のための物品。
(8)前記物品はシート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿およびスポンジから選択されるものである、(7)に記載の物品。
(9)亜塩素酸が1000ppm以上の濃度で含浸される、(7)または(8)に記載の物品。
(10)前記シートは、綿でできたものである、(8)または(9)に記載の物品
<環境(臭気)対応用途>
(11)亜塩素酸水を含む臭気除去剤。
(12)亜塩素酸水を含浸させた臭気除去のための物品。
(13)前記物品はシート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿およびスポンジから選択されるものである、(12)に記載の物品。
(14)前記物品はシートであり、亜塩素酸が500ppm以上の濃度で含浸される、(12)または(13)に記載の物品。
(15)前記シートは、綿でできたものである、(13)または(14)に記載の物品。
<身体(手指)除菌洗浄用途>
(16)亜塩素酸水を含む身体付着細菌の除去剤。
(17)亜塩素酸水を含浸させた身体付着細菌除去のための物品。
(18)前記物品はシート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿およびスポンジから選択されるものである、(17)に記載の物品。
(19)前記物品はシートであり、亜塩素酸が3000ppm以上の濃度で含浸される、(17)または(18)に記載の物品。
(20)前記シートは、綿でできたものである、(18)または(19)に記載の物品。
本発明のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
本発明によれば、有用な薬剤である亜塩素酸水の長期保存技術が提供され、食品産業、医療現場等で幅広く活用できる可能性がさらに高まった。
図1は、実施例で使用した製造プラントの模式図を示す。それぞれの符号は以下のとおりである。1:硫酸投入口、2:過酸化水素投入口、3:反応槽、4:回収槽、5:ガス吸着槽、6:ガス洗浄槽、7:エアーポンプ、8:脱気弁兼塩素酸投入口、9:攪拌モーター、A:硫酸投入口用弁、B:過酸化水素投入口用弁、C:エアーポンプ用コック、D:反応液排出用弁、E:三椏コック、G:脱気弁。 図2は、実施例1の亜塩素酸水pH8.5の成分分析における確認試験(2)のスペクトル図を示す。 図3は、実施例1の亜塩素酸水pH6.5の成分分析における確認試験(2)のスペクトル図を示す。 図4は、実施例1の亜塩素酸水pH3.5の成分分析における確認試験(2)のスペクトル図を示す。 図5は、実施例1で製造された亜塩素酸水(pH3.0)の製造直後のUVスペクトルを示す。 図6は、実施例1で製造された亜塩素酸水(pH3.0)の製造30日後のUVスペクトルを示す。 図7は、実施例1で製造された亜塩素酸水(pH9.0)の製造直後のUVスペクトルを示す。 図8は、実施例1で製造された亜塩素酸水(pH3.0)の製造30日後のUVスペクトルを示す。 図9は、製造直後のpH3.5、6.5および8.5の殺菌効果の確認表(石炭酸濃度および亜塩素酸濃度)およびUVスペクトルを併記して示す。 図10は、製造10日後のpH3.5、6.5および8.5の殺菌効果の確認表(石炭酸濃度および亜塩素酸濃度)およびUVスペクトルを併記して示す。 図11は、製造30日後のpH3.5、6.5および8.5の殺菌効果の確認表(石炭酸濃度および亜塩素酸濃度)およびUVスペクトルを併記して示す。 図12は、製造直後の石炭酸係数、製造10日後の石炭酸係数、製造30日後の石炭酸係数をpH2.0〜9.0まで0.5ごとに示す。 図13は、実施例1における亜塩素酸水pH3.5で製造した亜塩素酸水製剤の成分分析における確認試験(2)のスペクトル図を示す。 図14は、実施例4の各希釈薬を処理用シートに含浸させた後の有効塩素の経時的変化を示す。 図15は、実施例6における手順の写真を左からゴムマット、畳およびじゅうたんの順に示す。
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。従って、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
本明細書において亜塩素酸水の「安定性」とは、保存後に殺菌殺傷効果が残存する性質を言う。
本明細書において「抗菌(作用)」とは病原性や有害性を有する糸状菌、細菌、ウイルスなどの微生物の増殖を抑制することをいう。抗菌作用を有するものを抗菌剤という。
本明細書において狭義の「殺菌(作用)」とは病原性や有害性を有する糸状菌、細菌、ウイルスなどの微生物を死滅させることをいう。殺菌作用を有するものを狭義の殺菌剤という。
抗菌作用および殺菌作用を総称して、殺傷(作用)というが、本明細書では特に減手逸しない限り、殺菌(作用)は抗菌(作用)をも含む広い概念で用いる。したがって、抗菌作用および殺菌作用を有するものを総称して本明細書において通常「殺菌剤」といい、本明細書において通常使用する場合は抗菌作用および狭義の殺菌作用の両方を有する薬剤と理解される。
本明細書において物品は、亜塩素酸水を含浸させて殺菌等の目的に使用されうる任意の物品であり、医療デバイス等も含まれ、シート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿、スポンジ等をあげることができるがそれらに限定されない。また、亜塩素酸水を含浸させることができる限りどのような材料を用いてもよい。
(亜塩素酸水およびその製造例)
本発明で使用される亜塩素酸水は、本発明者らが見出した特徴を有するものである。特許文献1に記載されるような既知の製法等の任意の方法により製造された亜塩素酸水を用いることができる。代表的な組成として、たとえば、亜塩素酸水72.00%(亜塩素酸の濃度としては30000ppmである。)、リン酸二水素カリウム1.70%、水酸化カリウム0.50%および精製水25.80%のものを配合し、使用することができる(出願人より「オウトゥロックスーパー」との名称で販売予定である。)が、これに限定されず、亜塩素酸水は0.25%〜75%、リン酸二水素カリウムは、0.70%〜13.90%、水酸化カリウムは、0.10%〜5.60%であっても良い。リン酸二水素カリウムの代わりにリン酸二水素ナトリウムを、水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを使用しても良い。この薬剤は、酸性条件下で、有機物との接触による亜塩素酸の減衰を低減させているが、殺菌効果は維持している。かつ、塩素ガスの発生が軽微であり、塩素と有機物とが混合した臭いの増幅をおさえるという特徴をも有する。
1つの実施形態では、本発明で使用される亜塩素酸水は、塩素酸ナトリウム水溶液に、該水溶液のpH値を3.4以下に維持させることができる量および濃度の硫酸またはその水溶液を加えて反応させることにより、塩素酸を発生させ、次いで該塩素酸の還元反応に必要とされる量と同等、もしくはそれ以上の量の過酸化水素を加えることにより、生成することができる。
また、別の実施形態では、本発明で使用される亜塩素酸水は、塩素酸ナトリウム水溶液に、該水溶液のpH値を3.4以下に維持させることができる量および濃度の硫酸またはその水溶液を加えて反応させることにより、塩素酸を発生させ、次いで該塩素酸の還元反応に必要とされる量と同等、もしくはそれ以上の量の過酸化水素を加えることにより亜塩素酸を生成させた水溶液に、無機酸または無機酸塩のうちのいずれか単体、または2種類以上の単体もしくはこれらを併用したものを加え、pH値を3.2から8.5までの範囲内に調整することにより、生成することができる。
さらに、別の実施形態では、本発明で使用される亜塩素酸水は、塩素酸ナトリウム水溶液に、該水溶液のpH値を3.4以下に維持させることができる量および濃度の硫酸またはその水溶液を加えて反応させることにより、塩素酸を発生させ、次いで該塩素酸の還元反応に必要とされる量と同等、もしくはそれ以上の量の過酸化水素を加えることにより亜塩素酸を生成させた水溶液に、無機酸または無機酸塩もしくは有機酸または有機酸塩のうちのいずれか単体または2種類以上の単体もしくはこれらを併用したものを加え、pH値を3.2から8.5の範囲内に調整することにより、生成することができる。
さらにまた、別の実施形態では、本発明で使用される亜塩素酸水は、塩素酸ナトリウム水溶液に、該水溶液のpH値を3.4以下に維持させることができる量および濃度の硫酸またはその水溶液を加えて反応させることにより、塩素酸を発生させ、次いで該塩素酸の還元反応に必要とされる量と同等、もしくはそれ以上の量の過酸化水素を加えることにより亜塩素酸を生成させた水溶液に、無機酸または無機酸塩のうちのいずれか単体または2種類以上の単体もしくはこれらを併用したものを加えた後、無機酸または無機酸塩もしくは有機酸または有機酸塩のうちのいずれか単体または2種類以上の単体もしくはこれらを併用したものを加え、pH値を3.2から8.5の範囲内に調整することにより、生成することができる。
また、別の実施形態では、上記方法において無機酸は、炭酸、リン酸、ホウ酸または硫酸を用いることができるが、リン酸が好ましい。理論に束縛されることを望まないが、本発明では、特にリン酸を用いることで、適切なpHの範囲内で、緩衝効果が高く、亜塩素酸の状態を殺菌効果を保ったまま維持することができることが示されている。
さらにまた、別の実施形態では、無機酸塩が、炭酸塩、水酸化塩、リン酸塩またはホウ酸塩を用いることができるが、リン酸塩が好ましい。理論に束縛されることを望まないが、本発明では、特にリン酸塩を用いることで、適切なpHの範囲内で、緩衝効果が高く、亜塩素酸の状態を殺菌効果を保ったまま維持することができることが示されている。
また、別の実施形態では、炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムを用いることができる。
さらに、別の実施形態では、水酸化塩としては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムを用いることができる。
さらにまた、別の実施形態では、リン酸塩としては、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウムまたはリン酸二水素カリウムを用いることができる。
また、別の実施形態では、ホウ酸塩としては、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸カリウムを用いることができる。
さらに、別の実施形態では、有機酸としては、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸または乳酸を用いることができる。
さらにまた、別の実施形態では、有機酸塩としては、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムまたは乳酸カルシウムを用いることができる。
殺菌剤として使用されうる亜塩素酸(HClO)を含む水溶液(亜塩素酸水)の製造方法では、塩素酸ナトリウム(NaClO)の水溶液に、硫酸(HSO)またはその水溶液を加えて酸性条件にすることで得られた塩素酸(HClO)を、還元反応により亜塩素酸とするために必要な量の過酸化水素(H)を加えることにより、亜塩素酸(HClO)を生成する。この製造方法の基本的な化学反応は、下記のA式、B式で表わされる。
[化1]
2NaClO+HSO→2HClO+NaSO (A式)
HClO+H→HClO+HO+O↑ (B式)
A式では塩素酸ナトリウム(NaClO)水溶液のpH値が酸性内に維持できる量および濃度の硫酸(HSO)またはその水溶液を加えることで塩素酸を得ると同時にナトリウムイオンを除去することを示している。次いで、B式では、塩素酸(HClO)は、過酸化水素(H)で還元され、亜塩素酸(HClO)が生成されることを示している。
その際に、二酸化塩素ガス(ClO)が発生するが(C式)、過酸化水素(H)と共存させることにより、D〜F式の反応を経て、亜塩素酸(HClO)を生成する。
ところで、生成された亜塩素酸(HClO)は、複数の亜塩素酸分子同士が互いに分解反応を起したり、塩化物イオン(Cl)や次亜塩素酸(HClO)およびその他の還元物の存在により、早期に二酸化塩素ガスや塩素ガスへと分解してしまうという性質を有している。そのため、殺菌剤として有用なものにするためには、亜塩素酸(HClO)の状態を長く維持できるように調製する必要がある。
そこで、上記方法により得られた亜塩素酸(HClO)、二酸化塩素ガス(ClO)またはこれらを含む水溶液に無機酸、無機酸塩、有機酸または有機酸塩をいずれか単体、または2種類以上の単体もしくはこれらを併用したものを加えることによって、遷移状態を作り出し、分解反応を遅らせることで長時間にわたって亜塩素酸(HClO)を安定的に維持することができる。理論に束縛されることを望まないが、本発明ではさらに、リン酸緩衝剤を用いることで、遷移状態を作り出し、分解反応を遅らせることで長時間にわたって亜塩素酸(HClO)を安定的に維持することができるが示された。さらにまた、理論に束縛されることを望まないが、本発明では、金属としてカリウム(水酸化カリウム、リン酸カリウム塩(例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウムまたはリン酸二水素カリウム))を用いることで、遷移状態を作り出し、分解反応を遅らせることで長時間にわたって亜塩素酸(HClO)を、ナトリウム等を用いた場合よりもさらに安定的に維持することができることが示された。
1つの実施形態では、上記方法により得られた亜塩素酸(HClO)、二酸化塩素ガス(ClO)またはこれらを含む水溶液に無機酸または無機酸塩、具体的にはリン酸塩、炭酸塩や水酸化塩、特にリン酸塩および水酸化塩を単体もしくは2種類以上の単体またはこれらを併用して加えたものを利用することができる。
別の実施形態では、無機酸または無機酸塩、具体的にはリン酸塩、炭酸塩や水酸化塩、特にリン酸塩および水酸化塩を単体もしくは2種類以上の単体またはこれらを併用して加えた水溶液に、無機酸、無機酸塩、有機酸または有機酸塩を単体もしくは2種類以上の単体で、またはそれらを併用して加えるものを利用することができる。
加えて、さらに別の実施形態では、上記方法によって製造された水溶液に、無機酸、無機酸塩、有機酸または有機酸塩を単体または2種類以上の単体で、またはそれらを併用して加えたものを利用することができる。
上記無機酸としては、炭酸、リン酸、ホウ酸または硫酸が挙げられるが、リン酸が好ましいがこれに限定されない。また、無機酸塩としては、炭酸塩、水酸化塩のほか、リン酸塩またはホウ酸塩が挙げられ、リン酸塩が好ましいがこれに限定されない。更に具体的にいえば、炭酸塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等、水酸化塩は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等、リン酸塩は、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等、ホウ酸塩は、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等を用いるとよく、カリウム塩が好ましいがこれに限定されない。さらに、上記有機酸としては、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸または乳酸等が挙げられる。また、有機酸塩では、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウムまたは乳酸カルシウム等が適している。
酸および/またはその塩を加えた場合においては、一時的にNa+ClO ⇔Na−ClOやK+ClO ⇔K−ClOやH+ClO ⇔ H−ClOといった遷移の状態が作り出され、亜塩素酸(HClO)の二酸化塩素(ClO)への進行を遅らせることができる。これにより、亜塩素酸(HClO)を長時間維持し、二酸化塩素(ClO)の発生が少ない亜塩素酸を含む水溶液を製造することが可能となる。理論に束縛されることを望まないが、本発明では、リン酸緩衝剤を用いることで、このような維持の効果が増強されることが示された。理論に束縛されることを望まないが、本発明ではさらに、カリウム塩を用いることで、ナトリウム塩等を使用した場合に比べてこのような維持の効果が増強されることが示された。
以下に、上記化学式2での亜塩素酸塩の酸性溶液中の分解を表わす。
この式で表されるように、亜塩素酸塩水溶液のpHにおける分解率は、そのpHが低くなるほど、すなわち酸が強くなるほど、亜塩素酸塩水溶液の分解率が大きくなる。すなわち、上記式中の反応(a)(b)(c)の絶対速度が増大することになる。例えば、反応(a)の占める割合はpHが低くなるほど小さくなるが、全分解率は大きく変動し、すなわち大となるため、二酸化塩素(ClO)の発生量もpHの低下とともに増大する。このため、pH値が低ければ低いほど殺菌や漂白は早まるが、刺激性の有害な二酸化塩素ガス(ClO)によって作業が困難になったり、人の健康に対しても悪い影響を与えることになる。また、亜塩素酸の二酸化塩素への反応が早く進行し、亜塩素酸は不安定な状態になり、殺菌力を維持できる時間も極めて短い。
そこで、亜塩素酸(HClO)を含む水溶液に上記無機酸、無機酸塩、有機酸もしくは有機酸塩を加える場合には、二酸化塩素の発生の抑制や殺菌力とのバランスの観点から、pH値を3.2〜8.5の範囲内、特に本明細書において他の箇所において説明されるpH3.2〜7.0、pH5.0〜7.0等の好ましい範囲内で調整する。
検体を分光光度計により測定すると、波長248〜420nmの間に260nm付近でピークを表す酸性亜塩素酸イオン(H + ClO )を含む吸収部と350nm付近にピ−クを表す二酸化塩素(ClO)を含む吸収部を2つ同時に確認できる場合、本発明の亜塩素酸水が有効に存在していると認識される。すなわち、亜塩素酸(HClO)の存在を認めることができる。なぜならば、下記化学式4に示したように、亜塩素酸(HClO)を主体として、二酸化塩素(ClO)、および酸性亜塩素酸イオン(H+ClO )のサイクル反応が同時に進行しているからである。
亜塩素酸(HClO)が二酸化塩素(ClO)へと変化してしまうと、ほぼ350nmのみの単一ピークになる。
この際に、直接緩衝剤を加えるか、もしくは炭酸ナトリウム等で一度pHを調製したあとに他の緩衝剤を加えることにより、よりpHを安定化させることができるということも従前判明している。
したがって、1つの局面では、本発明は亜塩素酸水と、水酸化金属と、リン酸金属とを含む、殺菌剤を提供する。
理論に束縛されることを望まないが、本発明では、亜塩素酸水と、水酸化金属と、リン酸金属とを含む殺菌剤、特に好ましくはpHが3.5〜7.5という構成の殺菌剤が、予想外に、殺菌効果を維持しつつ長期安定効果(特に、pH5.0〜7.5の範囲では40℃という加速試験で30日以上、すなわち、常温換算で240日以上にわたり殺菌効果が低下しない。)を奏することが見出された。好ましいpHの範囲は、3.2以上7.0未満、約5.0〜約7.5、約5.0〜約7.0、約5.5〜約7.0、約5.0〜約6.0等を挙げることができ、下限としては、約5.0、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5等を挙げることができ、上限としては、約7.5、約7.4、約7.3、約7.2、約7.1、約7.0、約6.9、約6.8、約6.7、約6.5、約6.4、約6.3、約6.2、約6.1、約6.0、約5.9、約5.8、約5.7、約5.6、約5.5等を挙げることができるがこれらに限定されない。最適なpHとしては、約5.5を挙げることができるがこれらに限定されない。本明細書においてpHの値について「約」というときは、小数点一桁を有効数字とするときは、前後0.05の範囲にわたることを意味する。たとえば、約5.5とは、5.45〜5.55を意味することが理解される。亜塩素酸ナトリウムとの峻別という意味では本発明はpH7.0未満とすることが好ましいがこれに限定されない。
別の局面において、理論に束縛されることを望まないが、本発明は、リン酸緩衝液において、金属としてカリウムを用いることによって、ナトリウム等と比較して水溶液において解離しやすい性質が亜塩素酸の維持にとって有効であることを見出し、作り出された遷移の状態が長期に維持され、亜塩素酸(HClO)の二酸化塩素(ClO)への進行を遅らせる効果が増強されることが見出された。これにより、亜塩素酸(HClO)を長時間維持し、二酸化塩素(ClO)の発生が少ないという効果も達成され、亜塩素酸の長期保存(40℃という加速試験で30日以上、すなわち、常温換算で240日以上)を達成することができた。
好ましい水酸化金属は、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを含むものであり、好ましいリン酸金属はリン酸ナトリウム(例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム)および/またはリン酸カリウム(例えば、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム;特にリン酸二水素カリウム)を含むものであり、さらに好ましくは、水酸化カリウムおよびリン酸カリウム(例えば、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム;特にリン酸二水素カリウム)を含むものであるが、これらに限定されない。
好ましい実施形態では、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムは、0.1N〜1.0Nであり、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムの緩衝pHは5.0〜7.5、特にpH5.0〜7.0である。これらの組成およびpHにおいて、従前予想されていた範囲より予想外に長期保存安定効果が改善されているからである。
1つの局面では、本発明は、本発明の殺菌剤を含浸させた物品を提供する。本発明の物品として使用されうる物品は、亜塩素酸水を含浸させて殺菌等の目的に使用されうる任意の物品であり、医療デバイス等も含まれ、シート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿、スポンジ等をあげることができるがそれらに限定されない。好ましい実施形態では、本発明の物品は一重または二重以上のシートである。別の好ましい実施形態では、亜塩素酸が3000ppm以上の濃度で含浸される。シートが3000ppm以上の濃度で含浸される場合、一重のシートであっても、黄色ブドウ球菌、セレウス菌、サルモネラ属菌等を含む広い細菌に対して十分な殺菌効果が見られた。このような殺菌剤は、従来見られなかったものであり、顕著な効果であるといえる。別の好ましい実施形態では、本発明の物品は三重以上のシートである。三重以上のシートを提供することにより、1000ppmという低い濃度でも十分な黄色ブドウ球菌、セレウス菌、サルモネラ属菌等を含む広い細菌に対して十分な殺菌効果が見られていることから、濃度が低い場合は、シートの積層を増加させればいいことがわかる。物品の材料は限定されるものではなく、亜塩素酸水を吸収し、保持することでき、塗布させることができるものであればどのようなものであってもよい。1つの実施形態では、シートは綿(コットン)でできたものでありうるが、これに限定されない。
別の局面では、本発明は、亜塩素酸水を長期保存する方法であって、亜塩素酸水を10℃以下に維持する工程を包含する、方法を提供する。理論に束縛されることを望まないが、低温に亜塩素酸水を保存することによって30日以上もの長期にわたって保存することができるからである。
本発明によれば、高い殺菌力を有する亜塩素酸を長期間安定させることができるので、商品として一般に流通させることが難しかった亜塩素酸を含む水溶液を、流通過程に乗せることが可能となり、殺菌剤として有用な亜塩素酸を社会に普及させることができる。
1つの局面において、本発明は、亜塩素酸水を含む、二次汚染防止のための殺菌剤を提供する。
別の局面において、本発明は、亜塩素酸水を含浸させた二次汚染防止のための物品を提供する。
本明細書において、「二次汚染」(cross-contamination,secondary contamination)とは、食品等について言う場合、ある微生物が食品等の対象物から調理器具、人の手等を汚染し、そこから他の食品等の対象物に汚染することを二次汚染という。自然由来の汚染である一次汚染と相対する概念である。
本発明の二次汚染防止用の物品として使用されうる物品は、亜塩素酸水を含浸させて殺菌等の目的に使用されうる任意の物品であり、医療デバイス等も含まれ、シート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿、スポンジ等をあげることができるがそれらに限定されない。好ましい実施形態では、本発明の物品は一重または二重以上のシートである。別の好ましい実施形態では、亜塩素酸が3000ppm以上の濃度で含浸される。シートが3000ppm以上の濃度で含浸される場合、一重のシートであっても、黄色ブドウ球菌、セレウス菌、サルモネラ属菌等を含む広い細菌に対して十分な殺菌効果が見られた。このような殺菌剤は、従来見られなかったものであり、顕著な効果であるといえる。別の好ましい実施形態では、本発明の物品は三重以上のシートである。三重以上のシートを提供することにより、1000ppmという低い濃度でも十分な黄色ブドウ球菌、セレウス菌、サルモネラ属菌等を含む広い細菌に対して十分な殺菌効果が見られていることから、濃度が低い場合は、シートの積層を増加させればいいことがわかる。物品の材料は限定されるものではなく、亜塩素酸水を吸収し、保持することでき、塗布させることができるものであればどのようなものであってもよい。1つの実施形態では、シートは綿(コットン)でできたものでありうるが、これに限定されない。
別の局面において、本発明は、亜塩素酸水を含浸させた床面殺菌のための物品を提供する。床面殺菌を行うことができるような殺菌剤はあまり多くなく、しかも、臭いが残らないことから、環境保持が必要な床面等での処理において好ましく使用される。
本発明の床面殺菌用の物品として使用されうる物品は、亜塩素酸水を含浸させて殺菌等の目的に使用されうる任意の物品であり、医療デバイス等も含まれ、シート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿、スポンジ等をあげることができるがそれらに限定されない。好ましい実施形態では、亜塩素酸が1000ppm以上の濃度で含浸されるがこれに限定されない。床面殺菌用においては、1000ppmでも十分に殺菌効果が見られていることから、1000ppm未満の濃度でも十分に殺菌効果が見られることが期待される。物品の材料は限定されるものではなく、亜塩素酸水を吸収し、保持することでき、塗布させることができるものであればどのようなものであってもよい。1つの実施形態では、本発明のシートは、綿でできたものである。
別の局面において、本発明は、亜塩素酸水の環境または臭気に対応する用途を提供する。すなわち、1つの局面では、本発明は、亜塩素酸水を含む臭気除去剤(消臭剤ともいう)を提供する。さらなる局面では、本発明は、亜塩素酸水を含浸させた臭気除去のための物品を提供する。
本明細書において本発明が対象とする「臭気」とは、化学物質(臭気物質ともいう、たとえば、嘔吐物等)が原因の任意の臭気をいう。臭気指数は、臭気濃度を指数尺度のレベルで表示することができる。なお、現在の日本の悪臭防止法においては、特定悪臭物質(22種類)の濃度規制および臭気指数での規制が盛り込まれているが、測定方法は、政府が認定した臭気判定士が三点比較式臭袋法によって行う官能試験法(人間の嗅覚によって判定する)で行うとされている。したがって、本発明でも、本実施例のように人間の嗅覚による評価を採用することができることが理解される。このような臭気に対する効果は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素臭)またはエチルアルコール(アルコール臭)では達成できなかったものであり、水自体(腐敗臭)と比べても顕著なものであるといえる。
本発明の臭気除去剤または消臭剤は、亜塩素酸水を含浸させて臭気除去等の目的に使用されうる任意の形態であり得、医薬品、医薬部外品、食品添加物、医療デバイス等も含まれ、スプレー、液剤、ゲル剤等を挙げることができるがこれに限定されない。
本発明の臭気除去用の物品として使用されうる物品は、亜塩素酸水を含浸させて臭気除去(消臭)等の目的に使用されうる任意の物品であり、医療デバイス等も含まれ、シート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿、スポンジ等をあげることができるがそれらに限定されない。好ましい実施形態では、亜塩素酸が500ppm以上の濃度で含浸されるがこれに限定されない。臭気除去(消臭)用においては、500ppm未満でも十分に殺菌効果が見られると理解される。物品の材料は限定されるものではなく、亜塩素酸水を吸収し、保持することでき、塗布させることができるものであればどのようなものであってもよい。1つの実施形態では、本発明のシートは、綿でできたものである。
別の局面において、本発明は亜塩素酸水の身体(例えば、手指)除菌洗浄用途を提供する。すなわち、1つの局面では、本発明は、亜塩素酸水を含む身体付着細菌の除去剤を提供する。さらに別の局面では、本発明は亜塩素酸水を含浸させた身体付着細菌除去のための物品を提供する。
本発明の身体付着細菌除去用の物品として使用されうる物品は、亜塩素酸水を含浸させて殺菌または細菌除去等の目的に使用されうる任意の物品であり、医療デバイス等も含まれ、シート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿、スポンジ等をあげることができるがそれらに限定されない。亜塩素酸が3000ppm以上の濃度で含浸されるがこれに限定されない。身体付着細菌除去用においては、3000ppm未満、例えば1000ppmの濃度でも菌種によっては1回目のふき取りで除去することができ、他の菌種でも3回目のふき取りで除去することができたことが実証されているからである。物品の材料は限定されるものではなく、亜塩素酸水を吸収し、保持することでき、塗布させることができるものであればどのようなものであってもよい。1つの実施形態では、本発明のシートは、綿でできたものである。
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
必要な場合、以下の実施例で用いる動物の取り扱いは、ヘルシンキ宣言に基づいて行った。試薬類は具体的には実施例中に記載した製品を使用したが、他メーカー(Sigma、和光純薬、ナカライ、等)の同等品でも代用可能である。本明細書中亜塩素酸水は「亜水」と省略して表示することがあるが、これは同義である。
(実施例1:亜塩素酸水の生産)
以下の実施例で使用される亜塩素酸水は、以下に説明するように生産した。
(製造プラント例)
使用した製造用のプラントの例を図1に示す。
図1において、各番号は、以下の表に示す部材である。
(各溶液の配合例)
以下に、本製造例において使用されうる各溶液の配合例を記載する。配合表aは以下の実施例で使用する配合例である。配合表bは亜塩素酸水pH8.5の配合例である。配合表cは亜塩素酸水pH6.5の配合例である。配合表dは亜塩素酸水pH3.5の配合例である。配合表eはガス洗浄液の配合例である。
(亜塩素酸水の製造方法)
(1.設定)
設定は以下のとおりに行った。
1 6に配合表eを入れた。
2 5に配合表b、配合表cまたは配合表dを入れた。
3 A、B、C、D、Gが密栓していることを確認した。
4 Eは3→E→5のルートで開放されていることを確認した。
(2.反応)
反応は以下のとおりに行った。
5 Gを開放した。
6 8から、配合表aの(1)を3へ投入した。
7 Gを閉じた。
8 1に配合表aの(2)を入れた。
9 Aを開放した。
10 1にシリンジを挿入し、ゆっくりと3へ投入した。
11 配合表aの(2)をすべて入れ終えたら、Aを締めた。
12 9を稼動させ、1分間攪拌した。
13 9を停止させた。
14 2に配合表aの(3)を入れた。
15 Bを開放した。
16 2にシリンジを挿入し、ゆっくりと3へ投入した。
17 配合表aの(3)をすべて入れ終えたら、Bを締めた。
18 5分間静置した。
19 9を稼動させ、15秒間攪拌した。
20 9を停止させた。
21 10分間静置した。
22 7を稼動させた。
23 Cを開放し、空気を送り込んだ。
24 1時間静置した。
25 Cを閉じた。
26 7を停止した。
27 Eは、4→E→5のルートになるようにコックを移動させた。
28 Dを開放した。
29 すべての反応液が4に移動したら、Dを締めた。
30 Eは、3→E→5のルートに変更した。
31 1時間静置した。
32 5番から31番までの手順を必要に応じて、2回〜4回繰り返した。
33 5から液を回収し、これを亜塩素酸水とした。
(成分分析)
以下に、本実施例の亜塩素酸水pH8.5の成分分析表を示す。
以下に、製造例の亜塩素酸水pH6.5の成分分析表を示す。
以下に、製造例の亜塩素酸水pH3.5の成分分析表を示す。
本実施例で製造された亜塩素酸水(pH3.0)と亜塩素酸水(pH9.0)の製造直後のUVスペクトルを図5〜8に示す。図5:pH3.0の製造直後のUVスペクトル;図6:pH3.0の製造30日後のUVスペクトル;図7:pH9.0の製造直後のUVスペクトル;図8:pH9.0の製造30日直後のUVスペクトルである。
次に、殺菌効果の確認を石炭酸係数の評価により行った。石炭酸係数(phenol coefficient(PC);フェノール係数ともいう)とは、消毒薬の細菌に対する消毒作用をフェノール(石炭酸)を基準として比較した係数である。石炭酸係数は、対象の消毒薬とフェノールの希釈液にそれぞれ、被検菌であるStaphylococcusaureus、Salmonellatyphi、Escherichia coli等を接種し、5分間では死滅しないが10分間では死滅する消毒薬とフェノールの最高希釈倍率の比によって示される。
図9に製造直後のpH3.5、6.5および8.5の殺菌効果の確認表(石炭酸濃度および亜塩素酸濃度)およびUVスペクトルを併記して示す。
図10に製造10日後のpH3.5、6.5および8.5の殺菌効果の確認表(石炭酸濃度および亜塩素酸濃度)およびUVスペクトルを併記して示す。
図11に製造30日後のpH3.5、6.5および8.5の殺菌効果の確認表(石炭酸濃度および亜塩素酸濃度)およびUVスペクトルを併記して示す。
図12に、製造直後の石炭酸係数、製造10日後の石炭酸係数、製造30日後の石炭酸係数をpH2.0〜9.0まで0.5ごとに示す。10日後では、pH4.5〜7.5で実質的に維持されており、30日後ではpH5.0〜7.5で実質的に維持されていることが明らかになった。
亜塩素酸水は、前述した製造方法により、各pHを持つ亜塩素酸水として製造した。ここでは、pH2.0から9.0までの亜塩素酸水を製造し、その保存性と殺菌効果の持続性を、石炭酸係数として表現した。なお、製造時の各pHを持つ亜塩素酸水の配合については、代表的な例としてpH3.5、pH6.5、pH8.5のものを記載した。これ以外のpHを持つ亜塩素酸水を製造する際には、これらの配合の許容範囲の組み合わせで製造することができる。
製造直後の亜塩素酸水は、pH3.5からpH8.5までの間で双瘤ピークが確認され、この範囲にあるものを亜塩素酸水としてみなすことができる。殺菌効果については、pH2.0から9.0の全てにおいて、殺菌効果が認められ、特にpH3.5以上8.5の間にある亜塩素酸水の殺菌効果が高いということがわかる。また、pH3.0以下であっても、高い殺菌効果が認められるが、双瘤のピークを維持しておらず、波長350nmのみに特異吸収部があり、これは二酸化塩素(ClO)の殺菌効果であると考えられる。又、pH9.0であると波長260nmのみに特異吸収部があり、亜塩素酸イオンの状態にあり、他の亜塩素酸水と比べて、石炭酸係数が低く、殺菌力が低いということが分かる。
これらの亜塩素酸水を、30日間4℃で保存した時の石炭酸係数を見てみると、pH3.0以下では、UVスペクトルが消失していると共に、殺菌効果も消失しており、また、pH9.0では、UVスペクトルと殺菌効果ともに変化は見られなかった。また、pH3.5からpH8.5までは、双瘤のピークが認められ、かつ、製造直後と比べて石炭酸係数が低下しているものの、石炭酸係数が50以上あり、殺菌効果が認められる。このことから亜塩素酸水は、pH3.5からpH8.5までであると考えられ、その中で特に殺菌効果の保存性が高かったのは、pH5.0からpH7.5であり、最適pHは5.5であった。しかし、常識的にpH7.0以上では、亜塩素酸イオンとして存在し、亜塩素酸ではないと考えられており、このことから、好ましくはpH3.5以上pH7.0未満のpH域の範囲が特に、亜塩素酸水として有用であると考えられるがこれに限定されない。
そこで、製造直後に殺菌効果がありながら、30日後に殺菌効果が著しく低下した亜塩素酸水(pH3.5)を用いて、以下の配合に従い、pH6.0からpH7.0になるように製剤化した。
なお、この成分規格は、他のpHを持つ亜塩素酸水を同じようにpH6.0からpH7.0のpH域にした場合と、同じ結果になった。この亜塩素酸水製剤を用いて、以下の実施例を実施した。
(実施例2:殺菌力持続性評価試験−大腸菌、黄色ブドウ球菌に対する殺菌力持続性−)
本実施例では、除菌効果の評価指標菌である菌種(大腸菌・黄色ブドウ球菌)に対する亜塩素酸水製剤の殺菌効果が持続性するのかどうかについて確認した。
<試験方法>
(材料)
(1)使用試薬
実施例1で生産した亜塩素酸水製剤、0.1M チオ硫酸ナトリウム
(2)使用器具
電子天秤、共栓付き三角フラスコ、ビーカー、ピペット、スターラー、スターラーバー、試験管、ボルテックスミキサー
(3) 被検菌種
大腸菌(Escherichia coli IFO3972)
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus IFO12732)
(方法)
1).被検菌濃厚懸濁液の調製方法
各被検菌を普通寒天培地(栄研化学株式会社製製)上に塗抹し、37℃で24時間培養した後、培地上に発育したコロニーを白金耳で釣菌し、滅菌生理食塩水にて濃厚懸濁とした。本液を遠心分離処理して、上澄液を除去し、菌体を再度生理食塩水に均一に懸濁し、被検菌濃厚懸濁液(×106個/ml)とした。菌液の調製は濁度により調製することで菌数を一定量となるようにした。
2).試験用試料液の調製方法
開始時点で亜塩素酸水製剤原液(表11を参照)を、亜塩素酸(HClO2)濃度として3,600ppm と、1,000ppm となるように調整し、その際の希釈倍率を記録した。その後、定期的に亜塩素酸水原液を取り出した際には、開始時点に記録した希釈倍率で滅菌済みイオン交換水を用いて調製し、これを各試験用試料液とした。なお、40℃という温度帯で保管することにより、その経過日数を常温保管の6倍相当である加速試験として実施した。
3).被検菌接触方法および菌に対する効果評価方法
各試験用試料液9.0mlに、各被検菌濃厚懸濁液(×106 個/ml) 1.0ml を加えて均一に混合し、25℃ウォーターバス中にて保管、1分、5分、10 分毎に、再度均一に混合し、各9.0ml を採取した。その採取した液を、滅菌済の0.1mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(各種緩衝液で調製)1.0ml中に加え、均一に混合後、更に10分放置後にシャーレ2 枚に各々1.0ml を分取した。その後は常法に従って混釈培養法により生残菌数の測定を行った。この時に用いた培地は大腸菌はデソオキシコレート培地(栄研化学株式会社製)を、黄色ブドウ球菌は卵黄添加マンニット食塩寒天培地(栄研化学株式会社製)を用い、37℃、24時間培養後、2プレートに発生した定型的コロニーの数を平均して、生残菌数として記述した。
以上の方法で実施し、生菌数の減少率から効果の有無、程度を判定した。
(試験結果)
40℃40 日保管した亜塩素酸水の菌に対する効果持続性確認試験
本発明の亜塩素酸水は40℃保管という過酷条件下に保管しても、大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する殺菌効果の消失や減少は見られず、安定した効果を確認した。
表13および表14は、実施例1で製造した亜塩素酸水製剤を、40℃で40日間保管した時の殺菌効果を表したものである。その結果、実施例1の亜塩素酸水(pH3.5)では、わずか30日で殺菌効果が著しく低下したが、この亜塩素酸水を製剤化して、pH6.0から7.5にすることによって、常温換算で、その殺菌効果が最低でも、240日維持することができるということがわかった。
(実施例3:40℃40日保管後の効果持続性確認試験)
本実施例では、実施例2で使用した40℃40日(常温換算で240日)保管した亜塩素酸水を任意に希釈し、この希釈液を、更に常温30日間保存した時の被検菌に対する殺菌効果持続性確認試験を行った。亜塩素酸水は40℃保管という過酷条件下に保管した後に、その亜塩素酸水を規定濃度に希釈し、その希釈液を常温で30日間保管しても、大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する殺菌効果の消失や減少は見られず、安定した効果を確認した。
このように、亜塩素酸水製剤を希釈しても、40℃という過酷な条件下であっても、殺菌効果は長期間(常温換算で240日)維持できているということが分かった。
(実施例4:処理用シートに含浸した場合の殺菌力の安定性確認試験)
本実施例では、実施例1の亜塩素酸水製剤を、有効塩素濃度として1,000ppmもしくは500ppmに希釈し、この液を用いて処理用シートに固液比1:3になるように含浸させ、この時の殺菌力の安定性確認試験を行った。
すなわち、亜塩素酸水製剤希釈液を処理用シートに含浸した場合の殺菌力の安定性について確認した。
<試験方法>
(材料)
1)処理用シート(素材:コットン100%):(約27×40cm)
※処理用シート重量(g):液量(ml)=1:3 の割合で含浸させた。
2) 使用試薬
「亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)」、次亜塩素酸ナトリウム(サンクリン12)、10 w/w%ヨウ化カリウム、10%硫酸、0.1M チオ硫酸ナトリウム
3) 使用器具
電子天秤、共栓つき三角フラスコ、ビーカー、ピペット、スターラー、スターラーバー
処理用シート(素材:コットン100%)
(方法)
<試験手順>
(1) 「亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)」の有効塩素濃度を測定し、有効塩素濃度1,000 ppm〔亜塩素酸(HClO2)濃度:489ppm〕と500 ppm〔亜塩素酸(HClO2)濃度:245ppm〕になるよう希釈した。
(2)次亜塩素酸ナトリウムの有効塩素濃度を測定し、有効塩素濃度1000 ppm と500 ppmになるよう希釈した。
(3)希釈した溶液の有効塩素濃度を測定し、処理用シートと接触する前の有効塩素濃度を確認した。
(4)処理用シートを重ねて巻き、200 ml 容PET ボトルに入れ、処理用シート:薬液の重量比が1:3 となるよう希釈した溶液を処理用シートの入った200ml 容PETボトルに注ぎ入れた。
(5) 処理用シートと接触させたのちに、接触直後、1 時間後、2 時間後、3 時間後、12 時間後、24 時間後、48時間後(2 日後)、72 時間後(3 日後)、168時間後(7 日後)に200ml容PET ボトルから処理用シートを抜き取り、有効塩素濃度確認用の検体として用いた。
(6) 200ml 容PET ボトルから抜き取った検体の処理用シートは、100 mL ビーカーに液を絞り、その液の有効塩素濃度を測定した。
(有効塩素測定方法)
1.共栓つき三角フラスコに検体から絞った液を約5 g 採取した。
2.共栓つき三角フラスコに10 w/w%ヨウ化カリウム10 mL を加えたのち10%硫酸を10 mL 加えた。
3.密栓したのち、暗所にて15 分間静置した。
4.0.1mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液を溶液の色が薄い黄色になるまで加えたおち、1 w/w%でんぷん溶液を約1 mL 加え、0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液を溶液の色が無色になるまで加えた。
5. 次式より塩素力価を求めた。
R=(a×f/w)×0.0035×100
R;塩素力価値
a;0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液の添加量(g)
f;0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
w;量り採った検体溶液の重量(g)
0.0035;0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム1 gに相当する塩素量
100;百分率
<試験結果>
結果を表17および図14に示す。
このように、亜塩素酸水製剤を希釈し、処理用シートに含浸させても、有効塩素濃度は長期間維持できているということが分かった。
(実施例5:嘔吐物処理時における二次汚染防止効果確認試験)
本実施例では、実施例1で得られた亜塩素酸水製剤の希釈液を処理用シートに含浸させたウェットシートを用いて、嘔吐物を処理した場合に、嘔吐物中の細菌が作業者に感染してしまうという二次汚染を防止することができるのかどうかについて確認しておくことを目的として各実験を実施した。
<試験方法>
(材料)
1) 亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)
処理用シート(素材:コットン100%):(約27×40cm)
※処理用シート重量(g):液量(ml)=1:3 の割合で含浸させた。
2) 模擬嘔吐物(以下嘔吐物という。)
味噌液:塩酸でpH2に調整した。
3) 使用被検菌
大腸菌:Escherichia coli IFO3927
黄色ブドウ球菌:Stanphylococcus aureus IFO 12732
耐熱性菌(セレウス菌):Bacillus cereus NBRC15305
サルモネラ属菌:Salmonella Enteritidis IFO3313
腸管出血性大腸菌O157:Escherichia coli O157
腸管出血性大腸菌O111:Escherichia coli O111
腸管出血性大腸菌O26:Escherichia coli O26
(方法)
<試験手順>
嘔吐物処理時の病原性細菌の処理用シートへの浸透性を確認し、二次汚染の防止効果を比較した。
(1) A4サイズ程度に模擬嘔吐物を撒いた。
(2)上から薬液含浸処理用シートを30 枚かけ、10 分静置させた。
(3) 処理用シートを上から1 枚ずつとり、生理食塩水で希釈した後、シャーレに撒き培養した。
<試験結果>
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
水道水を含浸させた処理用シートでは、30枚重ねても病原性細菌に汚染されており、アルコール75%を含浸させた処理用シートでは、5枚以上重ねて処理をしないと汚染されずに模擬嘔吐物を処理することができなかった。また、次亜塩素酸ナトリウムの場合は、1枚目から病原性細菌を殺菌することができたが、模擬嘔吐物と次亜塩素酸ナトリウムの臭いが酷く室内の環境が急激に悪化し、次亜塩素酸ナトリウムを使って模擬嘔吐物を処理することは、困難であった。亜塩素酸水製剤では、どの濃度であっても、1枚目で病原性細菌を除去することができ、7日間保存しても、その殺菌効果は衰えなかった。また、模擬嘔吐物に亜塩素酸水製剤を含浸させた処理用シートを被せた場合、ほとんど臭いは感じられず、また、拭取りやすかった。
(実施例6:嘔吐物処理時の床面の殺菌効果確認試験)
本実施例では、嘔吐物処理時の床面の殺菌効果確認試験を行った。
亜塩素酸水希釈液を処理用シートに含浸させたウェットシートを用いて、床面の嘔吐物を処理した場合の殺菌効果について確認することを目的として各実験を実施した。
<試験方法>
(材料)
1)亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)
処理用シート(素材:コットン100%):(約27×40cm)
※処理用シート重量(g):液量(ml)=1:3 の割合で含浸させた。
2)模擬嘔吐物
味噌液:塩酸でpH2に調整した。
3)使用被検菌
大腸菌:Escherichia coli IFO3927
黄色ブドウ球菌:Stanphylococcus aureus IFO 12732
耐熱性菌(セレウス菌):Bacillus cereus NBRC15305
サルモネラ属菌:Salmonella Enteritidis IFO3313
腸管出血性大腸菌O157:Escherichia coli O157
腸管出血性大腸菌O111:Escherichia coli O111
腸管出血性大腸菌O26:Escherichia coli O26
(方法)
(試験手順)
<ゴムマット>
(1) A4 サイズ程度に模擬嘔吐物を撒いた。
(2) 薬液含浸処理用シートを模擬嘔吐物の上から5枚かけた。
(3) 模擬嘔吐物を拭き取った。
(4) 滅菌生理食塩水を綿棒に染み込ませ、模擬嘔吐物を撒いた箇所をこすり、床に残った菌を綿棒でとり、生理食塩水に懸濁後、シャーレに撒き培養し、各菌数を測定した。(5)試験操作3、4を合計7 回繰り返した(完全に模擬嘔吐物が除去できるまで繰り返した。)。
<畳>
(1) A4 サイズ程度に模擬嘔吐物を撒いた。
(2) 模擬嘔吐物の上からドライシートを5枚かけた。
(3) ドライシートの上から薬液をかけ、模擬嘔吐物を拭き取る
(4) 滅菌生理食塩水を綿棒に染み込ませ、模擬嘔吐物を撒いた箇所をこすり、床に残った菌を綿棒でとり、生理食塩水に懸濁後、シャーレに撒き培養し、各菌数を測定した。(5)試験操作3、4を合計7 回繰り返した(完全に模擬嘔吐物が除去できるまで繰り返した。)。
<じゅうたん>
(1) A4 サイズ程度に模擬嘔吐物を撒いた。
(2) 模擬嘔吐物の上からドライシートを5枚かけた。
(3) ドライシートの上から薬液をかけ、模擬嘔吐物を拭き取った。
(4) 滅菌生理食塩水を綿棒に染み込ませ、模擬嘔吐物を撒いた箇所をこすり、床に残った菌を綿棒でとり、生理食塩水に懸濁後、シャーレに撒き培養し、各菌数を測定した。(5)試験操作3、4を合計7 回繰り返した(完全に模擬嘔吐物が除去できるまで繰り返した)。
ゴムマット、畳およびじゅうたんの各手順の実施例の写真を図15に示す。
<試験結果>
以下に個々の試験結果をまとめた表を示す。
(ゴムマットでの結果)
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
(畳での結果)
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
(じゅうたん)
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
※有効塩素濃度での測定値
水道水を含浸させた処理用シートでは、拭取り1回だけでは病原性細菌を殺菌できておらず、アルコール75%を含浸させた処理用シートでも、同様に、病原性細菌を殺菌することができなかった。また、次亜塩素酸ナトリウムの場合は、0日目には病原性細菌を殺菌することができていたが、7日間保存すると病原性細菌を殺菌することができていない場合があった。亜塩素酸水製剤では、どの濃度であっても、1枚目で病原性細菌を除去することができ、7日間保存しても、その殺菌効果は衰えなかった。
また、本実施例において、実施した際の、実施者の官能的感想を纏めた。
(実施例7:各希釈倍率に希釈し、処理用シートに含浸させたときの殺菌効果の有無確認試験)
本実施例では、亜塩素酸水を各亜塩素酸濃度に希釈した液の殺菌効果の有無について確認することを目的とした。
<試験方法>
(材料)
1)亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)
処理用シート(素材:コットン100%):(約27×40cm)
※処理用シート重量(g):液量(ml)=1:3 の割合で含浸させた。
2)使用被検菌
大腸菌:Escherichia coli IFO3927
黄色ブドウ球菌:Stanphylococcus aureus IFO 12732
サルモネラ属菌:Salmonella Enteritidis IFO3313
(方法)
(試験手順)
(1)処理用シートに「亜塩素酸水製剤」を各希釈倍率に希釈した液を含浸させた。
(2)各薬液含浸処理用シートを絞り、含浸液を採取し、試験用試料液とした。
(3)各試験用試料液9.0mlに、各被検菌濃厚懸濁液1.0mlを加えて均一に混合し、25℃ウォターバス中にて保管、1分、5分、10分毎に、再度均一に混合し、各9.0mlを採取した。
(4)その採取した液を、滅菌済の0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液(各種緩衝液で調製)1.0ml中に加え、均一に混合後、更に10分放置後にシャーレ2枚に各々1.0mlを分取した。その後は常法に従って混釈培養法により生残菌数の測定を行った。
(結果)
以下にその結果を示す。
(実施例8:処理用シートに含浸させた場合の含浸率と殺菌効果の評価試験)
本実施例では、オウトゥロックスーパー希釈液を処理用シートに含浸させた場合の含浸液が有する殺菌力を確認することを目的に各実験を実施した。
(材料)
1) 処理用シート(素材:コットン100%):(約27×40cm)
2) 使用試薬:亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)、0.1Mチオ硫酸ナトリウム
3) 使用器具 電子天秤、共栓付き三角フラスコ、ビーカー、ピペット、スターラー、スターラーバー、試験管、ボルテックスミキサー
4) 被検菌種 大腸菌(Escherichia coli IFO3972)
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus IFO12732)
(方法)
1).被検菌濃厚懸濁液の調製方法
各被検菌を普通寒天培地(栄研化学株式会社製製)上に塗抹し、37℃で24時間培養した後、培地上に発育したコロニーを白金耳で釣菌し、滅菌生理食塩水にて濃厚懸濁とした。本液を遠心分離処理して、上澄液を除去し、菌体を再度生理食塩水に均一に懸濁し、被検菌濃厚懸濁液(×107個/ml)とした。菌液の調製は濁度により調製することで菌数を一定量となるようにした。
2).試験用試料液の調製方法
亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)(亜塩素酸濃度:43,200ppm)を各希釈倍率〔4倍、6倍、12倍、30倍、40倍、50倍、100倍、150倍、200倍、300倍、400倍、600倍、800倍〕に希釈した液と、これら希釈液を処理用シートに含浸させる際、処理用シート1kgに対して、含浸させる液量を含浸率:300%から含浸率:2000%という比率になるように含浸させた後に、ウェットシートをしぼり、採取した液を検体とし、この検体溶液を更に希釈し、試験用試料液とした。
3).被検菌接触方法及び菌に対する評価方法
各試験用試料液9.0mlに、各被検菌濃厚懸濁液(×106個/ml)1.0mlを加えて均一に混合し、25℃ウォターバス中にて保管、1分、5分、10分毎に、再度均一に混合し、各9.0mlを採取した。その採取した液を、滅菌済の0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液(各種緩衝液で調製)1.0ml中に加え、均一に混合後、更に10分放置後にシャーレ2枚に各々1.0mlを分取した。その後は常法に従って混釈培養法により生残菌数の測定を行った。この時に用いた培地は大腸菌はデソオキシコレート培地(栄研化学株式会社製)を、黄色ブドウ球菌は卵黄添加マンニット食塩寒天培地(栄研化学株式会社製)を用い、37℃、24時間培養後、2プレートに発生した定型的コロニーの数を平均して、生残菌数として記述した。
以上の方法で実施し、接触時間が5分では生残菌数を確認でき、接触時間が10分であれば生残菌数が確認できない希釈倍率を効果有りとして判断した(検出限界 100 個/mL)。
(結果)
以下に処理用シートに含浸させた亜塩素酸水製剤「オウトゥロックスーパー」の希釈液の“大腸菌”に対する効果が記される表を示す。
次に処理用シートに含浸させた亜塩素酸水製剤「オウトゥロックスーパー」の希釈液の“黄色ブドウ球菌”に対する効果が記される表を示す。
以上の結果から、含浸率と希釈倍率とはほぼ比例関係にあることがわかる。このほか、シート(不織布)によって、一定量の殺菌成分は消失するが、消失後は安定に殺菌力を維持することができることが示された。2000%含浸と希釈液が変わらないのは、最大含浸率が2000%であり、消失する殺菌成分量に影響がみられない程の殺菌成分量が存在している為、希釈液と同等になったと考えられる。また、適正な濃度と、含浸率から様々な用途に応じて使用することが可能であることが示された。
(実施例9:嘔吐物処理を想定した有機物存在下における感染性病原菌に対する殺菌効果確認試験)
本実施例では、有機物(タンパク質)存在下におけるオウトゥロックスーパー希釈液の殺菌力を確認することを目的に各実験を実施した。
<試験方法>
(材料)
1)使用試薬:亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)、0.1Mチオ硫酸ナトリウム
2)使用タンパク質 ポリペプトン(ベクトン・デッキンソン社製)希釈液
3) 使用器具 電子天秤、共栓付き三角フラスコ、ビーカー、ピペット、スターラー、スターラーバー、試験管、ボルテックスミキサー
4) 被検菌種 腸管出血性大腸菌 O157 (Escherichia coli O157sakai strain) 。
(方法)
1).被検菌濃厚懸濁液の調製方法
マッコンキー培地(日水製薬株式会社製)上のコロニーを白金耳で釣菌し、LB培地を用いてで37℃で、24時間培養し、遠心分離処理し、滅菌済生理食塩水で2回洗浄後、得られた菌液を被検菌濃厚懸濁液(×107個/ml)とした。菌液の調製は濁度により調製することで菌数を一定量となるようにした。
2).試験用試料液の調製方法
亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)を各希釈倍率〔5倍、10倍、20倍、30倍、50倍、100倍〕に希釈した液を検体とした。尚、最終希釈倍率としては、10倍、20倍、40倍、60倍、100倍、200倍の各希釈液となるように調製した。
3).被検菌接触方法及び菌に対する評価方法
滅菌済イオン交換水を3.0mlに各濃度(ペプトン濃度として10%、1%、0.1%)のポリペプトン液1.0mlと、被検菌濃厚懸濁液(×107個/ml) 1.0mlを加えて均一に混合し、更に各試験用試料液5.0mlを加えて均一に混合し、25℃ウォーターバス中にて保管した。
尚、タンパク質の濃度は、終濃度として、ペプトン1%、0.1%、0.01%になるように調整した。
1分、5分、10分毎に、再度均一に混合し、各1.0mlを採取し、これらの採取した液を、滅菌済の0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液(各種緩衝液で調製)9.0ml中に加え、均一に混合後、更に10分放置後にシャーレ1.0mlを分取した。その後は常法に従って混釈培養法により生残菌数の測定を行った。この時に用いた培地はマッコンキー培地(日水化学株式会社製)を用い、37℃、24時間培養後、プレートに発生した定型的コロニーの数を生残菌数として記述した。
以上の方法で実施し、接触時間が5分では生残菌数を確認でき、接触時間が10分であれば生残菌数が確認できない希釈倍率を効果有りとして判断した(検出限界 100 個/mL)。
(結果)
以下に、亜塩素酸水製剤「オウトゥロックスーパー」の希釈液の“腸管出血性大腸菌O−157”に対する効果を示す。

以上の結果から、いずれの濃度でも有機物中で殺菌をすることができることが示された。なお、1%という高濃度の有機物中でも約90〜99%程度の殺菌をするこができていることがわかる(10CFU/mlから10CFU/mlに減菌することができている。)。また、0.1%の20倍希釈の結果から、時間経過に伴い緩やかではあるが、菌数を低減させることができていることがわかる。このことから、有機物存在下でも殺菌成分は安定に維持することができており、殺菌処理時間を長くすることで菌数を低減することができることが示された。
(実施例10:手指に付着した汚染菌の除菌洗浄効果の確認試験)
本実施例では、身体への影響を見るために、手指に付着した汚染菌の除菌洗浄効果の確認試験を行った。すなわち、嘔吐物を処理する際に、誤って作業者の手に嘔吐物が付着した場合に、オウトゥロックスーパー希釈液を含浸させたウェットワイパーでの拭取り
により、手指に付着した汚染菌を除去することができるのかどうかを確認することを目的に各実験を実施した。
(材料)
1) 亜塩素酸水製剤(実施例1:表11参照)
処理用シート(素材:コットン100%):(約27×40cm)
※処理用シート重量(g):液量(ml)=1:3の割合で含浸させる
2) 「使用被検菌」
大腸菌:Escherichiacoli IFO3927
黄色ブドウ球菌:Stanphylococcus aureus IFO12732
耐熱性菌(セレウス菌):Bacillus cereus NBRC15305。
(方法)
試験手順:
1) ハンド式噴霧器で両手に噴霧し、擦り合わせて手指に付着させた。
2) 液を含浸させた処理用シートを用いて、1)の両手指を拭き取った。
3)綿棒で両手を丁寧に拭き取り、生理食塩水に懸濁し、希釈後、シャーレに撒き選択培地を用いて培養し、各菌数を測定した。
以上のように、本発明の好ましい実施形態および実施例を用いて本発明を例示してきたが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載した構成の範囲内において様々な態様で実施することができ、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明によって得られた亜塩素酸水を含む水溶液は、殺菌剤の他、消臭剤や漂白剤や血ぬき剤等の用途にも利用できる。

Claims (14)

  1. 亜塩素酸水と、水酸化金属と、リン酸金属とを含む、殺菌剤。
  2. 前記金属は、カリウムを含む、請求項1に記載の殺菌剤。
  3. 前記水酸化金属は水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムを含み、前記リン酸金属はリン酸ナトリウムおよび/またはリン酸カリウムを含む、請求項1に記載の殺菌剤。
  4. pHが3.2以上7.0未満である、請求項1に記載の殺菌剤。
  5. pHが5.0〜7.0である、請求項1に記載の殺菌剤。
  6. pHが約5.5である、請求項1に記載の殺菌剤。
  7. 亜塩素酸水 0.25%〜75%
    リン酸二水素カリウム 0.70%〜13.90%
    水酸化カリウム 0.10%〜5.60%である、請求項3に記載の殺菌剤。
  8. 水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムは、0.1N〜1.0Nであり、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムの緩衝pHは3.2以上〜7.0未満である、請求項3に記載の殺菌剤。
  9. 請求項1に記載の殺菌剤を含浸させた物品。
  10. 前記物品はシート、フィルム、パッチ、ブラシ、不織布、ペーパー、布、脱脂綿およびスポンジから選択されるものである、請求項9に記載の物品。
  11. 前記物品は一重または二重以上のシート状の物品であり、亜塩素酸が3000ppm以上の濃度で含浸される、請求項9に記載の物品。
  12. 前記シート状の物品は、綿でできたものである、請求項11に記載の物品
  13. 前記物品は三重以上のシート状の物品である、請求項9に記載の物品。
  14. 亜塩素酸水を長期保存する方法であって、亜塩素酸水を10℃以下に維持する工程を包含する、方法。
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