JP2015001040A - エネルギー変換用繊維材料及びそれを用いたアクチュエータ - Google Patents

エネルギー変換用繊維材料及びそれを用いたアクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、小型化に適したエネルギー変換用繊維材料及びそれを用いたアクチュエータを提供することを目的とする。
【解決手段】溶媒に熱膨張係数100×10-6以上の高分子材料及び導電性材料を溶解させて高分子溶液を調製し、高分子溶液をシリンジ1に充填してノズル3から連続噴射させる。噴射された高分子溶液は、電圧印加装置5により帯電されて静電引力によりコレクタ4に吸引されることで、繊維径が10nm〜10μmで繊維長が繊維径の10倍以上であって、熱膨張による繊維長方向の伸縮率が0.05%〜1.5%であるエネルギー変換用繊維材料を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力信号に応じて加えられるエネルギーを変位等の機械量に変換するエネルギー変換用繊維材料及びそれを用いたアクチュエータに関する。
アクチュエータは、化学エネルギーや電気、熱及び光といったエネルギーの供給を受けて伸縮、屈伸、旋回等の機械的な動作を行うもので、ポンプ、バルブ、シリンダ、電気機械変換素子等に用いられている。こうしたアクチュエータでは、小型化が進められており、精密機器、医療機器、産業用ロボット、人工筋肉、センサ等の幅広い分野において実用化が図られている。
アクチュエータの小型化を図る場合、材料自体が入力信号に応じて加えられるエネルギーにより繰り返し変形する材料を用いることが好ましい。例えば、強誘電体材料のピエゾ効果を利用したり、形状記憶合金材料の相転移を利用することで、小型のアクチュエータを得ることができる。
また、導電性を有する有機材料を利用するアクチュエータについても提案されている。特許文献1では、温度履歴に依存して体積が可逆的に変化する有機高分子/低分子複合材料と発熱体とを組み合せることで、加熱により生じる体積変化によって外部に力を伝達する駆動装置が記載されている。また、特許文献2では、熱膨張係数の絶対値の大きい高分子材料に導電性微粒子を混合したアクチュエータ材料に通電することにより自己発熱させ、その温度変化に伴う熱膨張及び熱収縮による材料の変形を利用して伸縮動作を行わせる点が記載されている。また、特許文献3では、導電性高分子又はイオン導電性高分子を用いた繊維形状の材料の表面の一部に、異なる材料が積層された構造を有する繊維アクチュエータが記載されている。
特開平10−339261号公報 特開2006−325335号公報 特開2006−241613号公報
特許文献1及び2では、高分子材料の熱膨張による変形を利用することでアクチュエータとして機能させているが、ブロック状やフィルム状の形態で用いられるため小型化が難しく、大きな駆動電圧が必要で変位量が小さいといった課題がある。また、特許文献3に記載された繊維アクチュエータでは、積層構造を有しているため小型化が難しく安定した品質のものが得られにくいといった課題がある。
そこで、本発明は、小型化に適したエネルギー変換用繊維材料及びそれを用いたアクチュエータを提供することを目的とする。
本発明に係るエネルギー変換用繊維材料は、繊維径が10nm〜10μmで繊維長が繊維径の10倍以上に形成された繊維材料であって、熱膨張による繊維長方向の伸縮率が0.05%〜1.5%である。さらに、熱膨張係数100×10-6以上の高分子材料及び当該高分子材料内に分散した導電性物質を含む。さらに、前記高分子材料としてポリウレタン樹脂材料を含むとともに前記導電性物質として鉄を含む。さらに、抵抗率が0.5×102Ωm〜5×102Ωmである。
本発明に係るエネルギー変換用繊維材料の製造方法は、溶媒に熱膨張係数100×10-6以上の高分子材料及び導電性材料を溶解させて高分子溶液を調製し、前記高分子溶液を帯電させるとともに噴射させて静電引力により繊維径が10nm〜10μmで繊維長が繊維径の10倍以上の繊維材料に形成する。さらに、前記高分子溶液は、前記高分子材料及び導電性材料としてポリウレタン樹脂材料及び塩化鉄(III)を溶解させて調製する。さらに、前記高分子溶液は、前記高分子材料を濃度5%〜15%で溶解させるとともに前記導電性材料を濃度5%〜20%で溶解させる。
本発明によれば、アクチュエータに適用可能なナノサイズの繊維材料を得ることができるので、アクチュエータの小型化を実現することが可能となる。
静電紡糸法に関する概略構成図である。 エネルギー変換用繊維材料を用いたアクチュエータの一例に関する模式図である。
以下、本発明について具体的に説明する。本発明に係るエネルギー変換用繊維材料は、材料自体が入力信号に応じて加えられるエネルギーにより熱膨張して伸縮することで変位等の機械量に変換する機能を備えている。加えられるエネルギーは、材料が熱膨張するように作用するものであればよく、電気、熱、光といったものが挙げられる。電気の場合には、材料自体に導電性を付与しておき通電することで材料内部に生じるジュール熱により熱膨張し、通電を停止することで収縮して元の状態に戻る。そのため、入力信号に応じて繊維材料に通電することで、入力信号に同期した伸縮が繰り返し行われるようになり、エネルギーを機械量に変換することができる。熱の場合には、材料自体を加熱することで熱膨張し、加熱を停止することで収縮して元の状態に戻る。そのため、入力信号に応じて繊維材料を加熱すれば、入力信号に同期した伸縮が繰り返し行われるようになり、エネルギーを機械量に変換することができる。光の場合には、レーザ光等の光を材料自体に照射することで熱膨張し、照射を停止することで収縮して元の状態に戻る。そのため、入力信号に応じて繊維材料に光を照射すれば、入力信号に同期した伸縮が繰り返し行われるようになり、エネルギーを機械量に変換することができる。
このように、エネルギー変換用繊維材料は、入力信号に応じてエネルギーを加えることによって熱膨張による伸縮を繰り返して変位等の機械量に変換することができる。
繊維材料の繊維径は、材料内部に熱ができるだけ蓄積しないようにするために細径化することが好ましく、具体的には10nm〜10μmに設定するとよい。繊維径が10nmより小さくなると、強度が低下してアクチュエータとして十分機能しないようになる。また、10μmより大きくなると、繊維材料内部に熱が蓄積しやすくなって熱膨張及び収縮による繊維長方向の伸縮が十分に行われなくなり、変形量が低下する。こうした繊維径の小さいナノサイズの繊維材料に対してエネルギーを加える場合、熱による繊維材料の溶融といった問題が生じるため、供給するエネルギーをコントロールしやすい通電によるエネルギー供給が好ましい。
また、繊維材料は、熱膨張により主に繊維長方向に変形するようになるが、アクチュエータとして十分な変位量を得るためには、繊維材料の繊維径に対して繊維長を長く設定するとよい。特に、上記のように繊維径の小さいナノサイズの繊維材料では、熱膨張に伴う変位量を大きくすることができる。具体的には、繊維長を繊維径の10倍以上に設定することが好ましく、具体的には、0.5mm〜10mmに設定するとよい。この場合、繊維長方向の熱膨張に伴う伸縮率は、0.05%〜1.5%であることが好ましく、より好ましくは、0.05%〜0.75%である。
繊維材料としては、熱膨張が大きい材料が好ましく、熱膨張係数が100×10-6以上の高分子材料が特に好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカーボネートが挙げられる。通電に必要な導電性を繊維材料に付与する場合、上記のように繊維径の小さいナノサイズの繊維材料では、材料内部に導電性物質として導電性微粒子を混合して形成することは難しく、また導電性物質として導電性被膜等を形成することは、熱膨張及び収縮の妨げとなるため好ましくない。そのため、導電性材料を溶解させて繊維材料の内部に導電性物質を分散させて導電性を付与することが好ましい。導電性材料を溶解させて繊維材料内部に導電性物質を分散させることで、繊維材料の熱膨張及び収縮に影響を与えることなく導電性を付与することができる。導電性材料とともに溶解する高分子材料としては、溶媒に溶解可能なポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリカーボネートを1種類又は複数種類混合して用いるとよい。
導電性を付与するための導電性材料としては、溶媒に高分子材料とともに溶解する金属材料が好ましい。例えば、有機溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用いた場合、溶媒に溶解する金属材料としては、塩化鉄(III)(FeCl3)、酸化鉄(II)(FeO)、塩化コバルト(II)(CoCl2)、金が挙げられる。
導電性を付与された繊維材料の場合、抵抗率は0.5×102Ωm〜5×102Ωmに設定するとよい。抵抗率が0.5×102Ωmより小さくなると、発熱に要する時間がかかり反応が悪くなる。5×102Ωmより抵抗率が大きくなると、通電による十分な発熱が得られにくくなる。また、通電により繊維材料の内部が発熱して繊維材料が溶融しないように印加する電流を設定することが好ましい。具体的には、上記の範囲の抵抗率及び繊維材料の融点に基づいて、繊維材料に印加する電流密度を0.1A/m2〜2A/m2に設定することが好ましい。
繊維材料の製造方法としては、上記のような繊維径の小さいナノサイズに形成可能な方法であればよく、例えば、静電紡糸法が挙げられる。図1は、静電紡糸法に関する概略構成図である。静電紡糸法では、予め高分子溶液を調製する。高分子溶液は、溶媒に高分子材料を濃度5%〜15%で溶解させて調製する。濃度が5%より低いと繊維状に成形することができず、濃度が15%より高いと粘性が高くなって繊維状に成形することができない。導電性を付与する場合には、導電性材料を高分子溶液に溶解させる。導電性材料の濃度は、上記の繊維材料の抵抗率に応じて設定すればよい。例えば、有機溶媒としてTHFを用いた場合には、ポリウレタン樹脂材料を濃度5%〜15%溶解させた高分子溶液を用いるとよい。また、導電性材料として、塩化鉄(III)を用いる場合には、濃度5%〜20%溶解させることで、通電に必要な抵抗率を実現することができる。
調製された高分子溶液は、シリンジ1に充填し、シリンジ1に供給管2を介して取り付けられたノズル3から連続噴射される。ノズル3とコレクタ4との間には、電圧印加装置5が接続されており、ノズル3とコレクタ4との間に高電圧を印加することで、両者の間に高い電位差を発生させる。そのため、ノズル3において帯電された高分子溶液は、ノズル3の先端からコレクタ4に向かう静電引力を受けて飛翔する。そして、飛翔中に、ホィッピング振動(whipping motion)を起こしながら細径化して溶媒が蒸発していき、上記のような繊維径の小さい繊維材料Fに形成されてコレクタ4に堆積する。
印加する電圧は、装置内で放電しない範囲で高電圧に設定すればよく、具体的には、一般的な印加電圧としては、例えば、0.1〜80kV/cm、好ましくは1〜50kV/cm、さらに好ましくは5〜30kV/cm(特に10〜25kV/cm)程度である。また、ノズル3とコレクタ4との間の間隔は、5mm〜20mmに設定することで、上記のように繊維径が小さく繊維長が十分な長さの繊維材料を得ることができる。
図2は、エネルギー変換用繊維材料を用いたアクチュエータの一例に関する模式図である。この例では、2本のエネルギー変換用繊維材料10a及び10bを用い、エネルギー変換用繊維材料10a及び10bの一方の端部をそれぞれ固定部11a及び11bに接続している。固定部11a及び11bは電極部を兼ねており、一方が電源に接続され、他方が接地されている。エネルギー変換用繊維材料10a及び10bの他方の端部は、1つの可動部12に接続されている。可動部12は電気的に導通可能に構成されており、固定部11a及び11bの一方から、エネルギー変換用繊維材料10a及び10b並びに可動部12を介して、他方に電流が流れるようになっている。そして、入力信号に応じて所定の電流が固定部11a及び11bの間に流れることで、エネルギー変換用繊維材料10a及び10bに通電されるように構成されている。
図2(a)は、エネルギー変換用繊維材料10a及び10bが通電されていない状態を示しており、図2(b)は、通電した状態を示している。エネルギー変換用繊維材料10a及び10bは、通電することで内部抵抗によるジュール熱が発生して熱膨張し、繊維長方向に伸長するようになる。そのため、可動部12は、図2(b)に示すように、エネルギー変換用繊維材料10a及び10bの伸長に伴って押し出されるように変位する。エネルギー変換用繊維材料10a及び10bに対する通電を停止すると、エネルギー変換用繊維材料10a及び10bは放熱して急速に収縮し、図2(a)に示す元の長さに戻るため、可動部12も元の位置に設定される。こうして、入力信号に同期して可動部12を振動させるように変位させることができる。
エネルギー変換用繊維材料は、繊維径の小さいナノサイズに形成されてそれ自体が変形することができるため、ナノサイズのアクチュエータを構成することが可能となる。そのため、精密機器、マイクロマシン、小型センサのように微細構造を備えた装置においても取り付けることができる。
次に本発明を具体的に実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における繊維径及び振動幅は、以下に示す方法で測定した。
[繊維径及び振動幅の測定方法]
コレクタ上に約30mm角に切られたアルミホイルを置き、溶融静電紡糸を各種条件下で行い、アルミホイル上に作製された繊維堆積物を金スパッタコーティングした。このコーティング物を走査型電子顕微鏡(SEM;株式会社キーエンス製、VE−9800)により撮影し、撮影画像の繊維径を画像解析ソフト(Adobe、PhtoshopCS3 Extended)により計測して求めた。また、振動幅については、振動状態を撮影した画像を画像解析ソフトにより分析して求めた。
[実施例1]
溶媒としてTHF及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を95:5の割合で混合させたものを準備した。溶媒に、ポリウレタン樹脂(BASF社製;Mw=60,000)を濃度10%及び塩化鉄(III)(和光純薬工業株式会社製)を濃度20%となるように溶解させて高分子溶液を調製した。この場合、THFに対して塩化鉄(III)が均一に溶解したことから、THF及びFeイオンが錯塩を形成して安定化するものと考えられる。
調製した高分子溶液を用いて、図1に示す静電紡糸法により繊維材料を形成した。高分子溶液をシリンジ(HSW社製)に充填し、金属製のノズルとガラス基板からなるコレクタとの間の間隔を100mmに設定してノズルからコレクタに向かって高分子溶液を流速2.0ミリリットル/時で連続噴射させた。その際に、ノズルとコレクタとの間には、電圧印加装置(MECC社製)により20kVの電圧を印加した。ノズルから連続噴射された高分子溶液は、ホィッピング振動を生じながら細径化するとともに溶媒が蒸発して繊維材料が形成された。形成された繊維材料は、コレクタ上に不織布状に堆積した。
得られた繊維材料の繊維径を測定したところ、3.0±0.3μmであった。また、得られた繊維材料について元素分析(EDX;株式会社日立製作所製)を行ったところ、繊維材料の表面全体に導電性物質である鉄元素が一様に検出された。不織布状の繊維材料に対して四端子プローブ法(測定装置;株式会社三菱化学アナリテック製)により抵抗率を測定したところ、1.0×102Ωmであった。
不織布状の繊維材料を矩形状に切断して、対向する2辺に導電性接着剤によりそれぞれ電極を形成した。そして、電極をファンクションジェネレータ(Agilent Technologies社製)に接続して交流電圧を印加した。電圧を印加した状態の繊維材料をデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製)で観察したところ、一部の繊維材料が電圧の周波数に同期して幅方向に振動している様子が観察された。振動している1本の繊維材料は、繊維径が3.64μm±0.84μm(5箇所で計測した平均値)で、撮影画像を用いて繊維長を測定したところ2084.8μmであった。繊維長は、繊維径の572.7倍であった。
そこで、周波数を2Hzとして電圧を50V、100V及び150Vに変化させたところ、測定した繊維材料の同じ位置の振動幅が、電圧が大きくなるに従い拡大しているのが確認された。電流密度は、50Vで0.24A/m2、100Vで0.48A/m2、150Vで0.72A/m2であった。振動状態を撮影した画像を分析したところ、最大振動幅の状態において、50Vの場合に繊維長方向の伸長量が2.6μmで伸び率が0.12%であった。同様に、100Vの場合に繊維長方向の伸長量が4.3μmで伸び率が0.21%であり、150Vの場合に繊維長方向の伸長量が9.4μmで伸び率が0.45%であった。したがって、観察された繊維材料の幅方向の振動は、電圧依存性を有することがわかった。
また、電圧を150Vとして周波数を2Hz、5Hz及び10Hzに変化させた場合について振動状態を撮影した画像を分析したところ、繊維材料の同じ位置の振動周期が、周波数に同期して変化していることが測定された。したがって、観察された繊維材料の幅方向の振動は、周波数依存性を有することがわかった。
以上のように観察された繊維材料の振動は、1本の繊維材料が張力を付与された状態で両端部を固定されているためと考えられる。こうした状態に設定された繊維材料では、繊維材料に電流が流れることにより内部にジュール熱が発生し、熱膨張により繊維長方向に伸長する。繊維材料は、両端部を固定されているため、伸長した場合に幅方向に湾曲するように変形し、電流が流れなくなると、収縮して元の状態に戻るようになる。そのため、交流電圧の印加により繊維材料に交流電流が流れることで、繊維材料は幅方向に振動するようになると考えられる。
[実施例2]
溶媒として、実施例1と同様に、THF及びDMFを95:5の割合で混合させたものを準備した。溶媒に、実施例1と同様のポリウレタン樹脂及び塩化鉄(III)をそれぞれ濃度10%及び濃度15%となるように溶解させて高分子溶液を調製した。得られた高分子溶液を、実施例1と同様の静電紡糸法により繊維材料に形成した。得られた繊維材料の繊維径及び抵抗率を実施例1と同様に測定したところ、繊維径は2.4±0.4μmで、不織布状の繊維材料の抵抗率は2×102Ωmであった。
[実施例3]
溶媒として、実施例1と同様に、THF及びDMFを95:5の割合で混合させたものを準備した。溶媒に、実施例1と同様のポリウレタン樹脂及び塩化鉄(III)をそれぞれ濃度5%及び濃度20%となるように溶解させて高分子溶液を調製した。得られた高分子溶液を、実施例1と同様の静電紡糸法により繊維材料に形成した。得られた繊維材料の繊維径及び抵抗率を実施例1と同様に測定したところ、繊維径は1.0±0.1μmで、不織布状の繊維材料の抵抗率は0.5×102Ωmであった。
以上の結果をみると、繊維材料の抵抗率については、塩化鉄(III)のポリウレタン樹脂に対する配合割合が高くなるに従い低下しており、導電性材料の配合割合を増加させることで繊維材料の導電性を高めることができる。
1・・・シリンジ、2・・・供給管、3・・・ノズル、4・・・コレクタ、5・・・電圧印加装置

Claims (8)

  1. 繊維径が10nm〜10μmで繊維長が繊維径の10倍以上に形成された繊維材料であって、熱膨張による繊維長方向の伸縮率が0.05%〜1.5%であるエネルギー変換用繊維材料。
  2. 熱膨張係数100×10-6以上の高分子材料及び当該高分子材料内に分散した導電性物質を含む請求項1に記載のエネルギー変換用繊維材料。
  3. 前記高分子材料としてポリウレタン樹脂材料を含むとともに前記導電性物質として鉄を含む請求項2に記載のエネルギー変換用繊維材料。
  4. 抵抗率が0.5×102Ωm〜5×102Ωmである請求項1から3のいずれかに記載のエネルギー変換用繊維材料。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のエネルギー変換用繊維材料を備えているアクチュエータ。
  6. 溶媒に熱膨張係数100×10-6以上の高分子材料及び導電性材料を溶解させて高分子溶液を調製し、前記高分子溶液を帯電させるとともに噴射させて静電引力により繊維径が10nm〜10μmで繊維長が繊維径の10倍以上の繊維材料に形成するエネルギー変換用繊維材料の製造方法。
  7. 前記高分子溶液は、前記高分子材料及び導電性材料としてポリウレタン樹脂材料及び塩化鉄(III)を溶解させて調製する請求項6に記載のエネルギー変換用繊維材料の製造方法。
  8. 前記高分子溶液は、前記高分子材料を濃度5%〜15%で溶解させるとともに前記導電性材料を濃度5%〜20%で溶解させる請求項6又は7に記載のエネルギー変換用繊維材料の製造方法。
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