JP2014535182A - 予測ベースのfmステレオ・ノイズ削減 - Google Patents

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Abstract

本稿はオーディオ信号処理に、詳細にはFMステレオ電波受信機のオーディオ信号を改善するための装置および対応する方法に関する。特に、本稿は受信されたFMステレオ電波信号のノイズを削減するための方法およびシステムに関する。受領された多チャネルFM電波信号のノイズを削減するよう構成された装置(2)が記載される。ここで、前記受領された多チャネルFM電波信号は、受領された中央信号および受領されたサイド信号として表現可能である。本装置(2)は、前記受領された中央信号および前記受領されたサイド信号の間の相関および/または脱相関を示す一つまたは複数のパラメータを決定するよう構成されたパラメータ決定ユニット(77)と;前記一つまたは複数のパラメータを使って、前記受領されたサイド信号からではなく、前記受領された中央信号から、ノイズ削減されたサイド信号を生成するよう構成されているノイズ削減ユニットとを有する。

Description

本稿はオーディオ信号処理に、詳細にはFMステレオ電波受信機のオーディオ信号を改善するための装置および対応する方法に関する。特に、本稿は受信されたFMステレオ電波信号のノイズを削減するための方法およびシステムに関する。
アナログFM(frequency modulation[周波数変調])ステレオ電波システムでは、オーディオ信号の左チャンネル(L)および右チャンネル(R)は中央・サイド(M/S: mid-side)表現において、すなわち中央チャンネル(M)とサイド・チャンネル(S)として伝達される。中央チャンネルMは、LとRの和信号、たとえばM=(L+R)/2に対応し、サイド・チャンネルSはLとRの差信号、たとえばS=(L−R)/2に対応する。送信のためには、サイド・チャンネルSは38kHzの抑制された搬送波上に変調されて、ベースバンドの中央信号Mに加えられて、上位互換のステレオ多重信号を形成する。次いで、この多重信号が、典型的には87.5から108MHzまでの間の範囲で動作するFM送信機のHF(high frequency[高周波数])搬送波を変調するために使われる。
受信品質が低下するとき(すなわち、電波チャンネル上の信号対雑音比が低下するとき)、典型的にはSチャンネルのほうが伝送中にMチャンネルより大きな影響を受ける。多くのFM受信機実装では、受信条件のノイズが多くなりすぎる場合にはSチャンネルはミュートされる。これは、貧弱なHF無線信号の場合には受信機がステレオからモノに後退することを意味する(典型的には、モノ・ドロップアウトと称される)。
中央信号Mが受け入れ可能な品質である場合でも、サイド信号Sはノイズが大きいことがあり、よって出力信号の左右のチャンネル(これらはたとえばL=M+SおよびR=M−Sに従って導出される)において混合されるときに全体的なオーディオ品質をひどく劣化させることがある。サイド信号Sが貧弱ないし中程度の品質しかもたない場合、二つのオプションがある:受信機がサイド信号Sに関連するノイズを受け入れることを選び、ノイズのある左および右信号を含む真のステレオを出力するか、あるいは受信機はサイド信号Sを捨ててモノに後退するかである。
パラメトリック・ステレオ(PS: Parametric Stereo)符号化は、非常に低ビットレートのオーディオ符号化の分野からの技法である。PSは、二チャンネル・ステレオ・オーディオ信号を、モノ・ダウンミックス信号に追加的なPSサイド情報、すなわちPSパラメータを組み合わせたものとしてエンコードすることを許容する。モノ・ダウンミックス信号は、ステレオ信号の両チャンネルの組み合わせとして得られる。PSパラメータは、PSデコーダがモノ・ダウンミックス信号およびPSサイド情報からステレオ信号を再構成できるようにする。典型的には、PSパラメータは時間および周波数によって変わり、PSデコーダにおけるPS処理は典型的には複数の直交ミラーフィルタ(QMF: Quadrature Mirror Filter)バンクを組み込むハイブリッド・フィルタバンク領域において実行される。
WO2011/029570、PCT/EP2011/064077およびPCT/EP2011/064084では、受信されたFMステレオ信号内に含まれるノイズを削減するために受信されたFMステレオ信号のPSエンコードを使うことが提案された。パラメトリック・ステレオ(PS)に基づくFMステレオ電波ノイズ削減技術の一般的な原則は、受信された左および右の信号に含まれるノイズを削減するために、受信されたFMステレオ信号から導出されるパラメトリック・ステレオ・パラメータを使うことである。上記の特許文献の開示は参照によって組み込まれる。
Heiko Purnhagen、"Low Complexity Parametric Stereo Coding in MPEG-4"、Proc. Digital Audio Effects Workshop (DAFx), pp.163-168, Naples, IT, Oct. 2004
本稿では、予測ベースのフレームワークを使ったFMステレオ電波ノイズ削減のための方法およびシステムが記述される。この予測ベースのフレームワークは、上記のパラメトリック・ステレオ(PS)ベースのフレームワークに対する代替的なアプローチである。本稿でのちに述べるように、予測ベースのフレームワークはより少ない計算量を提供する。さらに、同時に、予測ベースのFMステレオ電波ノイズ削減方式は、PSベースのFMステレオ電波ノイズ削減方式に比べて改善されたオーディオ品質を達成することが観察されている。
ある側面によれば、受領された多チャネルFM電波信号のノイズを削減するよう構成された装置またはシステムが記述される。多チャネルFM電波信号は二チャネルのステレオ信号であってもよい。特に、受領された多チャネルFM電波信号は、中央信号およびサイド信号として表現可能または呈示可能である、あるいは中央信号およびサイド信号を示していてもよい。さらに、サイド信号は、ステレオ信号の左信号と右信号の間の差を示していてもよい。
ある実施形態では、本装置は、受領された中央信号および受領されたサイド信号の間の相関および/または脱相関を示す一つまたは複数のパラメータを決定するよう構成されたパラメータ決定ユニットを有する。前記一つまたは複数のパラメータは、受領された中央信号からノイズ削減されたサイド信号の相関した成分を決定するために使われる予測パラメータaおよび/または中央信号の脱相関されたバージョンからノイズ削減されたサイド信号の脱相関された成分を決定するために使われる脱相関パラメータbであってもよい。さらに、本装置は、前記一つまたは複数のパラメータを使って受領された中央信号からノイズ削減されたサイド信号を生成するよう構成されたノイズ削減ユニットを有する。この目的のために、ノイズ削減ユニットは受領されたサイド信号、たとえば受領されたサイド信号のサンプルは考慮に入れない。換言すれば、受領されたサイド信号は、ノイズ削減されたサイド信号の決定のための信号経路にはいらない。特に、ノイズ削減ユニットは、受領された中央信号(たとえば受領された中央信号のサンプル)および前記一つまたは複数のパラメータのみからノイズ削減されたサイド信号を決定するよう構成されていてもよい。
上記のように、前記パラメータ決定ユニットは、予測パラメータaを決定するよう構成されていてもよい。予測パラメータaは、受領された中央信号と受領されたサイド信号との間の相互相関を示していてもよい。特に、パラメータ決定ユニットは、受領された中央信号および受領されたサイド信号の対応するサンプルの積の期待値に基づいて予測パラメータaを決定するよう構成されていてもよい。さらに特定的には、パラメータ決定ユニットは、公式a=E[S*M]/E[M*M]を使って予測パラメータaを決定するよう構成されていてもよい。ここで、E[・]は期待演算子を表わし、Sは受領されたサイド信号を表わし、Mは受領された中央信号を表わす。
パラメータ決定ユニットが予測パラメータaを提供する場合、ノイズ削減ユニットは、ノイズ削減されたサイド信号(またはノイズ削減されたサイド信号の相関した成分)を、受領された中央信号から、予測パラメータaを使って生成するよう構成されていてもよい。ノイズ削減されたサイド信号の相関した成分は、予測パラメータaと受領された中央信号との積、すなわちa*Mとして決定されてもよい。これは、ノイズ削減されたサイド信号の相関した成分は受領された中央信号の重みをかけられたバージョンであってもよいことを意味する。予測パラメータaが時間変化するおよび/または周波数変化するものでありうることの鑑み、受領された中央信号への重み付け因子は時間変化および/または周波数変化するものであってもよい。
パラメータ決定ユニットは、受領された中央信号と受領されたサイド信号との間の脱相関を示す脱相関パラメータbを決定するよう構成されていてもよい。特に、パラメータ決定ユニットは、受領されたサイド信号と予測パラメータaを使って中央信号から決定される信号との差のエネルギーに基づいて脱相関パラメータbを決定するよう構成されていてもよい。さらに特定的には、パラメータ決定ユニットは、公式sqrt(E[D*D]/E[M*M])を使って脱相関パラメータbを決定するよう構成されていてもよい。ここで、D=S−a*Mは差信号である。演算子sqrt()は平方根演算を示す。
この場合、ノイズ削減ユニットは、脱相関パラメータbを使って受領された中央信号の脱相関されたバージョンからノイズ削減されたサイド信号(またはノイズ削減されたサイド信号の脱相関された成分)を生成するよう構成されていてもよい。特に、ノイズ削減されたサイド信号の脱相関された成分は、b*decorr(M)として決定されてもよい。decorr(M)は受領された中央信号の脱相関されたバージョンである。受領された中央信号の脱相関されたバージョンは、全通過フィルタを使って受領された中央信号をフィルタリングすることによって決定されてもよい。
受領されたサイド信号が有意な量のノイズを含む場合、ノイズ削減されたサイド信号の脱相関された成分の、ノイズ削減されたサイド信号に対する影響を減らすことが有益であることがある。この目的のために、パラメータ決定ユニットは、受領されたサイド信号のスペクトル平坦性に特徴的な(またはそれを示す)インパクト因子を決定するよう構成されていてもよい。高いスペクトル平坦性は典型的にはサイド信号内に含まれる高い度合いのノイズを示す。よって、脱相関パラメータbはインパクト因子に依存していてもよい。特に、脱相関パラメータbは、インパクト因子が受領されるサイド信号のスペクトル平坦性の度合いが増すことを示す際に減少してもよい。例として、インパクト因子は本稿に記載されるSMF_impact_factorであり、修正された脱相関パラメータb_newはb_new=(1−SMF_impact_factor)*bとして決定され、それにより、SMF_impact_factorが1に近づくにつれて、ノイズ削減されたサイド信号の脱相関成分(すなわちb_new*decorr(M))を強制的に0にする。
上記のように、パラメータ決定ユニットは、時間変化する仕方で前記一つまたは複数のパラメータ(たとえば、予測パラメータaおよび/または脱相関パラメータb)を決定するよう構成されていてもよい。よって、前記一つまたは複数のパラメータのそれぞれについて、時間区間の対応するシーケンスについてのそれぞれのパラメータのシーケンスが決定されうる。例として、第一のパラメータ(たとえば予測パラメータaまたは脱相関パラメータb)について、時間区間の前記シーケンスについて第一のパラメータのシーケンスが決定される。時間区間の前記シーケンスは、(たとえば2048個の信号サンプルを含む)信号フレームのシーケンスであってもよい。典型的には、時間区間の前記シーケンスの特定の時間区間についての、第一のパラメータの前記シーケンスの特定の第一のパラメータは、受領された中央信号および/または受領されたサイド信号の、その特定の時間区間内にあるサンプルを使って決定される。前記一つまたは複数のパラメータが時間変化する場合には、ノイズ削減ユニットは、前記一つまたは複数の時間変化するパラメータを使ってノイズ削減されたサイド信号を生成するよう構成されていてもよい。
隣接する時間区間の間の連続性を保証するためおよび隣接する時間区間の境界における耳に聞こえる不連続を回避するため、第一のパラメータの前記シーケンスからの隣接する第一のパラメータどうしを補間することによって補間された第一のパラメータのシーケンスを決定することが有益であることがありうる。
きわめて悪化した受信条件の場合には、FM受信機は受領されるFM電波信号を強制的にモノにする。すなわち、FM受信機は受領されたサイド信号を抑制してもよい。本装置は、そのようなモノ・ドロップアウトを検出するよう構成されていてもよい。すなわち、本装置は、受領される多チャネルFM電波信号が強制されたモノ信号であることを検出するよう構成されていてもよい。これは、高エネルギーから低エネルギーへの受領されるサイド信号の高速の遷移を検出することによって達成されてもよい。具体的には、時間区間の前記シーケンスの第一の時間区間内の受領されるサイド信号のエネルギーが決定されてもよく、このエネルギーが高い閾値より上であることが判別されてもよい。さらに、サイド信号のエネルギーが前記高い閾値より上の値からある低い閾値より下の値に降下するいくつかのその後の相続く時間区間の遷移期間が決定されてもよい。この情報に基づいて、遷移期間の相続く時間区間の数が区間閾値より少なければ、第一の時間区間後の受領される多チャネルFM電波信号が強制されたモノ信号であることが判別されてもよい。この区間閾値は、前記第一の時間区間後の1、2、3または4個の時間区間であってもよい。
第一の時間区間(直)後の時間区間の受領された多チャネルFM電波信号が強制されたモノ信号であることが検出される場合、パラメータ決定ユニットは、第一の時間区間(直)後の時間区間についての前記一つまたは複数のパラメータを、前記第一の時間区間についての前記一つまたは複数のパラメータから決定するよう構成されていてもよい。換言すれば、パラメータ決定ユニットは、モノ・ドロップアウトより前に決定された前記一つまたは複数のパラメータを使って、モノ・ドロップアウト中のパラメータの欠如を隠すよう構成されていてもよい。
上記のように、パラメータ決定ユニットは、周波数変化する仕方で前記一つまたは複数のパラメータ(たとえば、予測パラメータaおよび/または脱相関パラメータb)を決定するよう構成されていてもよい。これは、受領された中央および/またはサイド信号の異なるサブバンドについて異なるパラメータが決定されることを意味する。この目的のために、本装置は、受領された中央信号から対応する複数の周波数範囲をカバーする複数の中央サブバンド信号を生成するよう構成された中央変換ユニットを有していてもよい。さらに、本装置は、受領されたサイド信号から前記対応する複数の周波数範囲をカバーする複数のサイド・サブバンド信号を生成するよう構成されたサイド変換ユニットを有していてもよい。そのような場合、パラメータ決定ユニットは、前記複数の周波数範囲のそれぞれについて、前記一つまたは複数のパラメータを決定するよう構成されていてもよい。特に、前記一つまたは複数のパラメータの第二のもの(たとえば予測パラメータaおよび/または脱相関パラメータb)について、複数の第二のサブバンド・パラメータが、前記対応する複数の中央サブバンド信号および前記対応する複数のサイド・サブバンド信号から決定されてもよい。これは、前記一つまたは複数のパラメータ(たとえば予測パラメータaまたは脱相関パラメータb)を決定するための上述した公式を、前記複数の周波数範囲のそれぞれに適用することによってなされてもよい。
ノイズ削減ユニットは、前記一つまたは複数の周波数変化するパラメータを使ってノイズ削減されたサイド信号を生成するよう構成されていてもよい。特に、ノイズ削減ユニットは、複数のノイズ削減されたサイド・サブバンド信号を、前記対応する複数の中央サブバンド信号および前記対応する複数のサブバンド・パラメータ(のみ)から生成するよう構成されていてもよい。逆変換ユニットを使って、ノイズ削減されたサイド信号は前記複数のノイズ削減されたサイド・サブバンド信号から生成されてもよい。
中央変換ユニットおよび/またはサイド変換ユニットは、QMFフィルタバンクであってもよく、逆変換ユニットは逆QMFフィルタバンクであってもよい。受領された中央信号が信号経路中にある(そして受領されたサイド信号は信号経路中にない)という事実に鑑み、サイド変換ユニットは、周波数選択性;周波数分解能;時間分解能および数値的な精度のうちの少なくとも一つに関して、中央変換ユニットよりも低い要件を満たすものであってもよい。
受領されたFM電波信号は、受領された中央信号よりも高いエネルギー・レベルをもつノイズのある受領されたサイド信号によって支配されていることがありうる。そのような状況は、前記一つまたは複数のパラメータを使って受領された中央信号からノイズ削減されたサイド信号を生成するときに知覚上煩わしいアーチファクトにつながることがある。そのような状況に対処するため、パラメータ決定ユニットは、前記一つまたは複数のパラメータに制限因子cを適用することによって前記一つまたは複数のパラメータを制限するよう構成されていてもよい。具体的には、前記一つまたは複数のパラメータは制限因子cによって除算されてもよい。ある実施形態では、c>1について、制限因子cは前記一つまたは複数の平方されたパラメータの和に比例する。別の実施形態では、c>1について、制限因子cは前記一つまたは複数の平方されたパラメータの和の平方根に比例する。典型的には、制限因子cは、該制限因子cの適用が前記一つまたは複数のパラメータを増大させないよう選択される。
本装置は、受領された中央信号(のサンプル)を、ノイズ削減されたサイド信号(の対応するサンプル)を生成するのに必要とされる計算時間に対応する時間の長さだけ遅延させるよう構成されていてもよいことを注意しておくべきである。
受領されるサイド信号がほとんどまたは全くノイズを含まない良好な受信条件では、ステレオ信号を生成するために、受領されるサイド信号を使うことが有益であることがある。この目的のため、本装置は、ノイズ削減されたステレオ信号および受領されたサイド信号から、受領された多チャネルFM電波信号の品質を示す品質指標を使って、修正されたノイズ削減されたサイド信号を決定するよう構成された組み合わせユニットを有していてもよい。受領されたサイド信号の品質に依存して、修正されたノイズ削減されたサイド信号は、ノイズ削減されたサイド信号と受領されたサイド信号との間でブレンドされ(あるいはそれらのうちから選択され、あるいはそれらの間で補間され)てもよい。この目的のために、組み合わせユニットは、ノイズ削減された利得を使ってノイズ削減されたサイド信号に重みをかけるよう構成されたノイズ削減された利得ユニットと;バイパス利得を使って受領されたサイド信号に重みをかけるよう構成されたバイパス利得ユニットと;重みをかけられたノイズ削減されたサイド信号および重みをかけられた受領されたサイド信号をマージする(たとえば加算する)よう構成されたマージ・ユニットとを有していてもよく、ノイズ削減された利得およびバイパス利得は前記品質指標に依存する。組み合わせユニットは、周波数選択的な仕方で修正されたノイズ削減されたサイド信号を決定するよう構成されていてもよいことを注意しておくべきである。
本装置は、受領されたサイド信号の品質を示す品質指標を決定するよう構成された品質決定ユニットを有していてもよい。これは、中央電力と称される受領された中央信号の電力と、サイド電力と称される受領されたサイド信号の電力とを決定することによってなされてもよい。中央電力とサイド電力の比、すなわち中央対サイド比が決定されてもよく、受領されたFM電波信号の品質指標は該中央対サイド比に基づいて決定されてもよい。本稿は、受領されたサイド信号の品質を信頼できる仕方で示す品質指標αHQを決定するさまざまな実施形態を記述する。
本装置はさらに、ノイズ削減された左信号およびノイズ削減された右信号を、受領された中央信号およびノイズ削減されたサイド信号(または修正されたノイズ削減されたサイド信号)から決定するよう構成されたMS‐LR変換器を有していてもよい。特に、MS‐LR変換器は、ノイズ削減された左信号を、受領された中央信号および(修正された)ノイズ削減されたサイド信号の和から;ノイズ削減された右信号を受領された中央信号および(修正された)ノイズ削減されたサイド信号の差から決定するよう構成されていてもよい。
もう一つの側面によれば、受領された多チャネルFM電波信号のノイズを削減する方法が記述される。受領された多チャネルFM電波信号は、受領された中央信号および受領されたサイド信号として呈示可能であってもよい。本方法は、受領された中央信号と受領されたサイド信号との間の相関および/または脱相関を示す一つまたは複数のパラメータを決定する段階と;受領されたサイド信号からではなく、受領された中央信号から、前記一つまたは複数のパラメータを使ってノイズ削減されたサイド信号を生成する段階とを含んでいてもよい。
あるさらなる側面によれば、ソフトウェア・プログラムが記述される。ソフトウェア・プログラムは、プロセッサ上での実行のためおよびコンピューティング装置上で実行されたときに本稿で概説される方法段階を実行するために適応されていてもよい。
もう一つの側面によれば、記憶媒体が記述される。記憶媒体は、プロセッサ上での実行のためおよびコンピューティング装置上で実行されたときに本稿で概説される方法段階を実行するために適応されたソフトウェア・プログラムを有していてもよい。
あるさらなる側面によれば、コンピュータ・プログラム・プロダクトが記述される。コンピュータ・プログラムは、コンピューティング装置上で実行されたときに本稿で概説される方法段階を実行するための実行可能命令を有していてもよい。
本特許出願において概説される好ましい実施形態を含む方法およびシステムは、単独で使われても、本稿に開示される他の方法およびシステムと組み合わせて使われてもよいことを注意しておくべきである。さらに、本特許出願において概説される方法およびシステムのすべての側面は、任意に組み合わされうる。特に、請求項の特徴は任意の仕方で互いに組み合わされてもよい。
本発明について、付属の図面を参照しつつ、例解用の例によって以下で説明する。
FMステレオ電波受信機のステレオ出力を改善するためのシステムについての概略的な例を示す図である。 パラメトリック・ステレオの概念に基づくオーディオ処理装置の例を示す図である。 予測の概念に基づくオーディオ処理装置の例を示す図である。 ノイズのあるFM電波発話信号の中央およびサイド信号についての例示的なパワー・スペクトルを示す図である。 受領されたFM電波信号の品質指標を使った、受領されたFM電波信号の処理のための方法の例示的なフローチャートを示す図である。 予測の隠蔽のために使われる例示的な状態機械および脱相関パラメータを示す図である。
図1は、FMステレオ電波受信機1のステレオ出力を改善するための概略的な例示的システムを示している。本稿の背景セクションで論じたように、FM無線では、設計によりステレオ信号は中央信号Mおよびサイド信号Sとして伝送される。FM受信機1では、サイド信号は、FM受信機1の出力において左信号Lと右信号Rとの間のステレオ差を生成するために使われる(少なくとも受信が十分良好であり、サイド信号情報がミュートされない場合は)。換言すれば、サイド信号は、中央信号から左および右のオーディオ信号を生成するために使われる。左および右の信号L、Rはデジタルまたはアナログ信号でありうる。
FM受信機の左および右のオーディオ信号L、Rを改善するために、オーディオ処理装置2が使われてもよい。これは、その出力においてステレオ・オーディオ信号L'およびR'を生成する。オーディオ処理装置2は、パラメトリック・ステレオを使って受領されたFM電波信号のノイズ削減を実行できるようにされていてもよい。あるいはまた、オーディオ処理装置2は、本項に記載される予測ベースのパラメータ化を使って受領されたFM電波信号のノイズ削減を実行できるようにされていてもよい。
装置2におけるオーディオ処理は好ましくは、デジタル領域で実行される。よって、FM受信機1とオーディオ処理装置2との間のアナログ・インターフェースの場合、装置2におけるデジタル・オーディオ処理の前に、アナログ‐デジタル変換器が使われる。FM受信機1およびオーディオ処理装置2は、同じ半導体チップ上に統合されていてもよいし、あるいは二つの半導体チップの一部であってもよい。FM受信機1およびオーディオ処理装置2は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)またはスマートフォンのような無線通信装置の一部であってもよい。この場合、FM受信機1は、追加的なFM電波受信機機能を有するベースバンド・チップの一部であってもよい。別の用途では、FM受信機1およびオーディオ処理装置2は、乗り物の変化する受信条件を補償するための乗り物オーディオ・システムの一部であってもよい。
FM受信機1の出力および装置2の入力において左/右表現を使う代わりに、FM受信機1と装置2との間のインターフェースにおいて、中央/サイド表現が使われてもよい(中央/サイド表現については図1におけるM、Sを、左/右表現についてはL、Rを参照)。FM受信機1と装置2との間のインターフェースにおけるそのような中央/サイド表現は、低下した処理負荷につながりうる。FM受信機1が最初から中央/サイド信号を受領し、オーディオ処理装置2が、ダウンミキシングなしにまたはL/RからM/Sへの変換なしに中央/サイド信号を直接処理しうるからである。FM受信機1がオーディオ処理装置2と緊密に統合されている場合には、特にFM受信機1とオーディオ処理装置2が同じデバイス上、たとえば同じ半導体チップ上に統合されている場合には、中央/サイド表現は有利でありうる。
任意的に、オーディオ処理装置2におけるオーディ処理を適応させるために、電波受信条件を表す電波信号強度信号6が使用されてもよい。
FM電波受信機1とオーディオ処理装置2との組み合わせは統合ノイズ削減システムを有するFM電波受信機に対応する。
図2はパラメトリック・ステレオの概念に基づくオーディオ処理装置2のある形態を示している。装置2はPSパラメータ推定ユニット3を有する。パラメータ推定ユニット3は改善されるべき入力オーディオ信号(左/右または中央/サイド表現でありうる)に基づいてPSパラメータ5を決定するよう構成される。PSパラメータ5は特にチャンネル間強度差(IID[inter-channel intensity differences]あるいはCLD[channel level differences(チャネル・レベル差)]とも呼ばれる)を示すパラメータおよび/またはチャネル間相互相関(ICC: inter-channel cross-correlation)を示すパラメータを含んでいてもよい。好ましくは、PSパラメータ5は時間および周波数によって変化する。パラメータ推定ユニット3の入力におけるM/S表現の場合、パラメータ推定ユニット3はそれにもかかわらず、L/Rチャネルへの適切な変換を適用することにより、L/Rチャネルに関係するPSパラメータ5を決定してもよい。
ダウンミックス・オーディオ信号DMが入力信号から得られる。入力オーディオ信号がすでに中央/サイド表現を使っている場合、ダウンミックス・オーディオ信号DMは中央信号に直接的に対応してもよい。入力オーディオ信号が左/右表現をもつ場合には、該オーディオ信号はオーディオ信号をダウンミックス生成ユニット9においてダウンミックスすることにより生成されてもよい。好ましくは、ダウンミックス後に結果として得られる信号DMは中央信号Mに対応し、次式により生成されてもよい:
DM=(L+R)/d たとえばd=2
すなわち、ダウンミックス信号DMはLおよびR信号の平均に対応する。スケーリング因子dの種々の値について、LおよびR信号の平均は増幅または減衰させられる。ダウンミックス生成ユニット9およびパラメータ推定ユニット3はPSエンコーダ7の一部である。
本装置はさらに、ステレオ混合モジュールまたはステレオ・アップミクサーとも呼ばれるアップミックス・ユニット4を有する。アップミックス・ユニット4はオーディオ信号DMおよびPSパラメータ5に基づいてステレオ信号L'、R'を生成するよう構成される。好ましくは、アップミックス・ユニット4はDM信号だけでなく、サイド信号S0(これは典型的にはもともと受領されたサイド信号Sに対応する)または脱相関器10を使ってダウンミックス信号DMから生成される擬似サイド信号S*をも使用する。脱相関器10は、モノ・ダウンミックスDMを受領し、擬似サイド信号として使われる脱相関された信号S*を生成する。脱相関器10は、非特許文献1のセクション4で論じられている適切な全通過フィルタによって実現されてもよい。パラメトリック・ステレオについての、特にパラメトリック・ステレオ・パラメータの決定に関するその議論、特にセクション4は、ここに参照によって組み込まれる。ステレオ混合行列4は、信号DMおよびSoまたはS*からステレオ信号L'、R'を生成する2×2のアップミックス行列であってもよい。アップミックス・ユニット4および脱相関器10はPSデコーダ8の一部である。
装置2は、受領されたサイド信号は、受領された中央およびサイド信号を単純に組み合わせることによりステレオ信号を再構成するにはノイズが多すぎるかもしれないが、それでも受領されたサイド信号または受領されたL/R信号中のサイド信号の成分はPSパラメータ推定ユニット3におけるステレオ・パラメータ解析には十分良好であることがありうるという発想に基づいている。その場合、結果として得られるPSパラメータ5は、FM受信機1の出力そのものにおけるオーディオ信号に比較して低下したノイズ・レベルをもつステレオ信号L'、R'を生成するために使用することができる。
このように、ノイズの多いFM電波信号は、パラメトリック・ステレオの概念を使うことによって「クリーンアップ」されることができる。FM電波信号の歪みおよびノイズの主要部分は、典型的にはPSダウンミックスにおいて使用されないサイド・チャネルに位置する。それにもかかわらず、受領されるサイド・チャネルSは、ノイズの多い受信の場合でさえ、しばしばPSパラメータ抽出のためには十分な品質である。
本稿に示す図面において、オーディオ処理装置2への入力信号は左/右ステレオ信号である。オーディオ処理装置2内のいくつかのモジュールへの軽微な修正により、オーディオ処理装置2は中央/サイド表現の入力信号も処理することができる。したがって、ここで論じる概念は、中央/サイド表現の入力信号との関連でも使用できる。
図2に示されるPSベースのFMステレオ・ノイズ削減方法は、受領されるFM電波信号のサイド信号が、電波伝送チャネルに由来する高いまたは中間的なレベルのノイズを含む場合にはよい性能を発揮する。しかしながら、このPSベースのFMステレオ・ノイズ削減方法は、いくつかの欠点をもつ。PSベースのFMステレオ・ノイズ削減方法は、二つのQMF分解バンク(PSパラメータの計算のため)および二つのQMF合成バンク(ノイズ削減されたステレオ信号L'、R'の生成のため)を要するので、やや計算量が多い。さらに、PSベースのFMステレオ・ノイズ削減方法は、低めの周波数における周波数分解能を高めるために、典型的にはハイブリッドの、すなわちQMFに追加的なナイキストを加えた、フィルタバンク・アプローチを利用する。これは、PSパラメータの決定が典型的には大量のフィルタバンク演算を必要とすることを意味する。さらに、PSベースのノイズ削減方法は、高い計算量を要するsin()およびatan()演算のような超越的な計算を必要とする。PSベースのFMステレオ・ノイズ削減方法のもう一つの欠点は、ノイズ削減されたL'、R'信号を決定するためにサイド信号を修正するのみならず中央信号をも修正するので、完全にモノ互換ではないということである。換言すれば、PSベースのFMステレオ・ノイズ削減システムの出力のモノ・ダウンミックスM'=(L'+R')/2は典型的には、もとの中央信号Mとは異なっている。特に、受領されるステレオ信号が広いステレオ音像をもつ場合(すなわち、受領されるステレオ信号が著しくパンされたおよび/または脱相関された信号成分をもつ場合)には、モノ・ダウンミックス信号M'は典型的には減衰される(すなわち、レベルが低下する)。これとは対照的に、予測ベースのFMステレオ・ノイズ削減システムについては、出力のモノ・ダウンミックスはもとの中央信号である(サイド信号のみが修正/処理されるので)。
PSベースのFMステレオ・ノイズ削減方法の計算量は多くの実装において懸案なので、本稿は、予測ベースのアプローチを利用するFMステレオ・ノイズ削減のための代替的なフレームワークを記述する。パラメトリック・ステレオ(PS)ベースのフレームワークに比べ、予測ベースのフレームワークが要求する計算量はより低い。特に、予測ベースのFMステレオ・ノイズ削減方法は、減少した数のフィルタバンクを使い、超越的な計算の使用を回避する。同時に、予測ベースのFMステレオ・ノイズ削減方法を使うときには改善されたオーディオ品質が達成できることが示されている。
上記で概説したように、図2に示されるPSベースのFM電波ノイズ削減システムは二つのQMF分解フィルタバンクおよび二つのQMF合成フィルタバンクを必要とする。これらのフィルタバンク処理のすべては、信号経路内にあり、したがって高い精度を要求する。二つのQMF分解フィルタバンクはPSエンコーダ7の入力における信号LおよびRに対して作用し、二つのQMF合成フィルタバンクはPSデコーダ8の出力における信号L'およびR'を生成する。さらに、PSベースのシステムはステレオ・パラメータIIDおよびICCを使い、これらのステレオ・パラメータからステレオ・アップミックス行列4の要素を計算するためにsin()およびatan()のような超越関数が必要とされる。
図2に描かれるPSベースのシステムのダウンミックス/アップミックス・フレームワークの代わりに予測ベースのフレームワークを使うことによって、FMステレオ・ノイズ削減システムの計算上の複雑さを減らすことが提案される。予測ベースのアプローチと組み合わせてLR‐MS変換器75およびMS‐LR変換器76を使って中央/サイド信号表現に切り換えることによって、必要とされるQMFバンクの数を減らすことが可能である。LR‐MS変換器75は中央信号M=(L+R)/2およびサイド信号S=(L−R)/2を生成し、これは、FM受信機1から中央/サイド信号が図3のオーディオ処理装置2に直接入力される場合には省略されてもよい。MS‐LR変換器76はLR‐MS変換器75の逆演算を実行する。
図3は、例示的な予測ベースのFM電波ノイズ削減システムの概観を示している。ここで、細い線80は時間領域信号を表わし、太い線81はQMF領域信号を表わし、点線82はパラメータを表わす。この予測ベースのフレームワークは、信号経路中における一つだけのQMF分解フィルタバンク71および一つのQMF合成フィルタバンク72と、パラメータ推定のために使われるだけの(そして典型的には精度要求が低い)第二のQMF分解バンク73を使う。
上記で概説したように、PSベースのFM電波ノイズ削減システムは典型的には、約1kHzまでの最低諸周波数についてより高い周波数分解能を達成するために、ハイブリッド・フィルタバンク(すなわち、QMFバンクと、ナイキスト・フィルタバンクを使った最低諸QMF帯域についての追加的な帯域分割の組み合わせ)を使う。予測ベースのFM電波ノイズ削減システムについては、ハイブリッド・フィルタバンクによって提供される追加的な帯域分割なしでも良好なオーディオ品質が達成できることが見出された。よって、予測ベースのFM電波ノイズ削減システムはQMFバンクのみを使ってもよい(すなわち、ハイブリッド・フィルタバンクなし)。これは、計算量をさらに減らし、FM電波信号処理のアルゴリズム遅延(またはレイテンシー)74をも減らす。
図3の予測ベースのFMノイズ削減システムは、二つのパラメータaおよびbを使って受領された中央信号Mからノイズ削減されたサイド信号S'を生成することをねらいとする。受領された中央信号Mは不変のままである(ノイズ削減されたサイド信号S'を決定するために必要とされる計算時間を補償するために使われる遅延74は別として)。これは、PSパラメータの関数として二つの信号、すなわちノイズ削減された左および右信号L'、R'が決定されるPSベースのFMノイズ削減システムとは異なる。
受領された中央およびサイド信号MおよびSをM=(L+R)/2およびS=(L−R)/2として定義すると、サイド信号は予測係数aおよび残差信号Dを使ってS=a*M+Dとして表現されることができる。これは、予測パラメータaが中央信号からサイド信号を予測するために使われることを意味する。最適な予測係数a(Dのエネルギーを最小にするもの)は次のように計算できる。
a=E[S*M]/E[M*M]
ここで、E[・]は期待演算子を表わす。換言すれば、予測係数aは、受領されたサイド信号と受領された中央信号の間の相互相関と、中央信号のエネルギーとの比として決定されうる。典型的には、係数a(およびb)は時間および/または周波数によって変わる。これは、異なる時間区間および/または異なる周波数範囲について異なる係数a(およびb)が決定されることを意味する。よって、期待値E[・]は、特定の時間区間(たとえば64ms)について、および/または特定の周波数範囲(たとえば、あるQMFサブバンドまたはいくつかのグループ化されたQMFサブバンド)内で、決定されてもよい。
ひとたび予測係数が決定されたら、残差信号Dが受領された中央およびサイド信号M、Sから決定されてもよい。残差信号Dは受領された中央信号Mの脱相関されたバージョンdecorr(M)によって近似されてもよい。よって、サイド信号のノイズ削減されたバージョンS'は次のように決定されてもよい。
S'=a*M+b*decorr(M)
ここで、bは脱相関された信号のエネルギーを制御する利得因子であり、脱相関パラメータbとも称される。脱相関された中央信号decorr(M)は、図2の脱相関器10のような脱相関器78を使って決定されてもよい。残差信号Dをもとの残差信号Dと同じエネルギーをもつエネルギー制御された脱相関された信号(b*decorr(M))で置き換えるために、脱相関パラメータbは次のように計算できる。
b=sqrt(E[D*D]/E[M*M])
結果として、予測モデルのパラメータa、bは、パラメータ決定ユニット77内において、受領された中央信号および受領されたサイド信号から決定されうる。
結果として、予測ベースのFMノイズ削減システムの出力におけるステレオ信号L'およびR'は、受領された中央信号Mおよび二つのパラメータaおよびbから、ノイズ削減ユニット79により計算される。パラメータaおよびbは典型的には(たとえば64帯域の)複素数値のQMF領域表現において推定され、適用されるので、処理は時間および周波数により変わる仕方で実行されることができる。典型的には、知覚的に動機付けられた時間および周波数タイリングが使用される。たとえば、64個のQMF帯域が知覚的な周波数スケール(たとえばバーク尺度)に従って合計15個の周波数帯域にグループ化されてもよい。知覚的な周波数スケールは、高めの周波数における近隣のQMF帯域どうしをグループ化して、典型的には「パラメータ帯域」と称される、より幅広い周波数帯域を形成することによって形成されうる。パラメータaおよびbの集合(各パラメータ帯域について一つ)は典型的には、E[・]演算を近似するよう、規則的な時間区間(フレーム)において、たとえば約64msの長さの時間分解窓を使って、計算される。ある時間区間(たとえばフレーム)から次へのパラメータ値のなめらかな遷移を保証するために、時間的補間(たとえば時間軸に沿った線形補間)を用いて、aおよびbの補間されたパラメータ値を与えてもよい。補間されたパラメータ値aおよびbは、次いで、それらが適用されるべき対応するQMF帯域信号に乗算される。
上記のように、第二のQMF分解バンク73は、パラメータ決定ユニット77内でのパラメータ推定のために使われるだけである。上記で与えた公式から見て取れるように、第二のQMF分解バンク73は受領されたサイド信号S上でのサブバンド情報を提供し、これはパラメータ帯域ごとの相互相関E[S*M]を決定するために使われる。換言すれば、第二のQMF分解バンク73は、(QMF周波数帯域ではなく)パラメータ帯域のレベルについての期待値を決定するために使われるだけである。さらに換言すれば、第二のQMF分解バンク73は、比較的粗い時間および周波数格子上で予測パラメータaを決定するために使われる。結果として、第二のQMF分解バンク73の選択性(たとえばプロトタイプ窓の長さ)、時間/周波数分解能および/または計算上の精度に対する要求は、信号経路内にあるQMF分解バンク71についての要求より有意に低い。
このように、図2に基づくPSベースのFMノイズ削減システムに比べて低い計算量でノイズ削減されたサイド信号S'の決定を許容するオーディオ処理装置2を記述してきた。サイド信号S'および(遅延された)受領された中央信号M'は、MS‐LR変換器76を使ってノイズ削減された左および右ステレオ信号L'、R'に変換されてもよい。知覚的な実験は、本稿で(たとえば図3で)概説される予測ベースのFMノイズ削減システムを使うとき、計算量を減らすことに加えて、ノイズ削減されたFM信号の知覚上の品質が改善されることができることを示している。
他方、FMステレオ/ノイズ削減のために予測ベースのアプローチを使うとき、受領された信号が、強くノイズの多いサイド信号(つまり、中央信号より高いレベルをもつサイド信号)によって支配される状況は、知覚的に煩わしいアーチファクトを引き起こしうることが観察されている。そのような状況が起こりうるのは、たとえば、受信機が中間的ないし劣悪な受信条件に直面している間、送信されるステレオ信号が比較的無音である(たとえば音楽の二つの曲の間の短いポーズの間)ときである。そのような状況は、E[S*S]≫E[M*M]によって特徴付けられてもよい。すなわち、受領されるサイド信号Sのエネルギーが受領される中央信号Mのエネルギーより(著しく)高い。パラメータaおよびbが中央信号のエネルギーE[M*M]および部分的にはサイド信号のエネルギーE[S*S]に依存するという事実に鑑み、パラメータaおよびbは、上記の状況では、典型的には大きな絶対値(1より明らかに大きい)をもつ。これは、ノイズ削減されたサイド信号S'を決定するために、中央信号Mが有意に利得により高められ(gained up)、それによりアーチファクトを導入することを意味する。さらに、パラメータaおよびbは時間および周波数に沿って強く揺動しうる。これは典型的には音響的に、望ましからぬ不安定として知覚される
この問題を緩和するために、パラメータaおよびbに後処理ステップが適用されることができる。換言すれば、パラメータa'およびb'の修正された集合はa'=fa(a,b)およびb'=fb(a,b)により決定できる。可能な後処理アプローチは、後処理されたパラメータa'=a/cおよびb'=b/cを得るよう減衰または制限因子cを適用することである。ここで、c=1は結果として修正されないパラメータaおよびbを与える。c>1の値はノイズ削減されたサイド信号S'を1/c倍にする、すなわち因子cだけ減衰させる。a'、b'とa、bの間の関係のための他の公式も可能であることを注意しておくべきである。
aおよびbから制限因子cを計算する、すなわちc=f(a,b)のための種々のアプローチが可能である。二つの可能なアプローチは次のとおり。
Figure 2014535182
公式(2)を使うアプローチは、ノイズ削減されたサイド信号S'のエネルギーが中央信号Mのエネルギーを超えないことを保証する。一方、公式(1)を使うアプローチは、E[S*S]>E[M*M]という上記の状況においてS'に対して(公式(2)に比べて)一層強い減衰を適用する。公式(2)を使うアプローチは良好な受信条件の場合には幅広いステレオ信号についてややよりよいオーディオ品質を与える傾向があり、一方、公式(1)を使うアプローチは、中間的および劣悪な受信条件の場合に、上記の知覚的に煩わしいアーチファクトを防止することにおいてより信頼できる傾向があることが見出された。
典型的な受信状況では、サイド信号のエネルギーE[S*S]は中央信号のエネルギーE[M*M]より小さいことを注意しておくべきである。この場合、パラメータaおよびbは典型的には1より小さい。公式(1)および(2)における「max」演算は、そのような状況において、制限因子がc=1になる、すなわち制限が適用されないことを保証する。
図3に示されるように、ノイズ削減された信号S'と素通しもしくはバイパス・モードにおけるもともと受領された(遅延された)サイド信号Sとの間でなめらかにクロスフェードするためにパラメータpが使用されてもよい。素通し〔パススルー〕モードは、良好な受信条件をもつ状況を最適な仕方で扱うのに有益でありうる。この目的のため、ノイズ削減されたステレオ信号L'、R'の生成のためのS'、SまたはS'とSの組み合わせの使用について決定するために、受領されたFMステレオ信号の品質が信頼できる仕方で推定されるべきである。より一般的な言い方では、ノイズ削減されたサイド信号S'はノイズ削減された利得ユニット31を通過してもよく、バイパスされたサイド信号Sはバイパス利得ユニット30を通過してもよい。利得ユニット30、31は、それらの出力において、それらの入力におけるサイド信号から増幅および/または減衰されたサイド信号を生成する。増幅および/または減衰されたサイド信号は、マージ・ユニット(たとえば加算ユニット)32においてマージされ、それによりノイズ削減されたステレオ信号L'、R'を生成するために使われる組み合わされたサイド信号を提供する。
予測ベースのFMノイズ削減システムはさらに、受領されたFMステレオ信号L、R(またはM、S)内の可聴ノイズのレベルを決定または推定するよう構成されたHQ(high quality[高品質])検出ユニット20を有していてもよい。HQ検出ユニット20内で決定されたノイズ・レベル推定は、ノイズ削減されたサイド信号S'およびもとの(バイパスされた)サイド信号Sとの間でブレンドするために使われてもよい。サイド信号をブレンドするために、HQ検出ユニット20は、ノイズ削減された利得ユニット31およびバイパス利得ユニット30の利得値を設定するよう構成されていてもよい。代替的または追加的に、サイド信号のブレンドは、サイド信号を(線形または非線形)補間することによって達成されてもよい。あるいはまた、サイド信号の一つが、HQ検出ユニット20内で決定される可聴ノイズのレベルの推定値に基づいて選択されてもよい。
以下では、HQ検出ユニット20がどのようにして受領されたFMステレオ信号内のノイズの実際のレベルを推定し、それによりノイズ削減されたサイド信号S'により強調を置くかバイパスされたサイド信号Sにより強調を置くかを決定しうるかの方法が記述される。
ノイズと実際のペイロード信号とを弁別するために、サイド信号Sが受領された中央信号Mより有意に強い場合には、受領されたサイド信号Sが主としてノイズを含むと想定される。換言すれば、サイド信号Sのパワーが中央信号Mのパワーを、所定の閾値だけ上回る場合には、サイド信号Sのパワーが主としてノイズによるものであると想定される。よって、受領されたステレオ信号M、Sの信号対雑音比(SNR)は、低いMSR値については中央対サイド比(MSR: Mid-to-Side Ratio)として近似できる。すなわち、すべての周波数帯域kについて:
Figure 2014535182
MSR_THESHOLDはたとえば−6dBに設定されてもよい。換言すれば、サイド信号Sの周波数帯域kにおけるエネルギーE{sk 2}の比が中央信号Mの周波数帯域kにおけるエネルギーE{mk 2}を所定の閾値(たとえば+6dB)だけ上回れば、MSRは周波数帯域kにおけるSNRに等しいまたは該SNRを近似し、それにより受領されたFMステレオ信号内に含まれるノイズの信頼できる推定値を与えると考えられてもよい。
k=1,…,K周波数帯域は、たとえばQMFバンク分解段71、73から導出される。ここで、QMFオーディオ・データのK=64チャネルが処理のために使用されてもよい。上記で概説されたように、QMFまたはハイブリッドQMF帯域は有利には、たとえば非一様な知覚的に動機付けされたスケール、たとえばバーク尺度に対応する、減らした数の周波数帯域にグループ化されてもよい。よって、MSRは、複数の周波数(パラメータ)帯域について決定されることができる。ここで、前記複数の周波数帯域の分解能は知覚的に動機付けられている。例として、QMFフィルタバンクは64個のQMF帯域を含んでいてもよく、ハイブリッドQMFフィルタバンクは71個の帯域を含んでいてもよい。これらのフィルタバンクの分解能は典型的には、高周波数範囲では高すぎる。よって、知覚的に動機付けられた仕方で帯域のいくつかをグループ化することが有益でありうる。上記で概説したように、予測ベースのFMノイズ削減システムにおけるパラメータはそのようなグループ化された(知覚的に動機付けられた)周波数帯域に対応する。例として、予測ベースのFMノイズ削減システムのパラメータaおよびbは、信号フレーム(たとえば2048サンプルを含む)に対応する時間窓内の全部で15ないし20個のグループ化されたQMF周波数帯域を使って決定されてもよい。パラメータaおよびbを決定するために使われる同じ周波数またはパラメータ帯域が、周波数/パラメータ帯域ごとにMSR値を決定するために使われてもよい。それにより全体的な計算量が削減される。
中央信号Mについての、ある所与の時点nについてのパラメータ帯域kのパワーは、期待値:
Figure 2014535182
として計算できる。ここで、時点またはサンプルn1とn1+N−1との間に位置する長方形窓が使用される。期待値を決定するために他の窓形状が使用されてもよいことを注意しておくべきである。離散フーリエ変換(DFT)または他の変換のような(QMF以外の)代替的な時間/周波数表現が使われてもよい。また、その場合、周波数係数はより少数の(知覚的に動機付けられた)パラメータ帯域にグループ化されてもよい。
サイド信号Sが中央信号Mより強くないとき(あるいは因子MSR_THRESHOLDだけ強くないとき)、SNR推定値は典型的にはMSRを使って入手可能ではない。換言すれば、サイド信号Sが中央信号Mより強くないとき(あるいは因子MSR_THRESHOLDだけ強くないとき)は、MSRは典型的にはSNRの良好な推定値ではない。この場合、SNRは、SNRの一つまたは複数の以前の推定値に基づいて決定される。これは、図5のステップ104のコンテキストにおいて記述される平滑化または衰弱(decay)関数を適用することによって実装されてもよい。
図4は、ノイズの多いFM電波受信条件における、中央信号についてのパワー・スペクトル60およびサイド信号についてのパワー・スペクトル61を示している。強い支配的な中央信号Mがある周波数帯域については、サイド信号Sがノイズであるか否かは曖昧である。サイド信号Sはたとえば、周辺信号の一部またはパンされた信号の一部であることがある。結果として、これらの周波数帯域は典型的には、受領されたFMステレオ信号L、R(またはM、S)内のノイズのパワーの信頼できる指標を提供しない。しかしながら、サイド信号Sが中央信号Mより有意に(たとえば少なくとも6dBだけまたは10dB近く)強い周波数帯を見ると、これは、電波伝送によって引き起こされる、サイド信号S内の本質的には純粋なノイズであることの非常に確からしい指標であると解釈できる。E{sk 2}≫E{mk 2}であるそのような状況は、図4では約2kHzおよび5kHzにおいて見ることができる。よって、周波数帯域k=1,…,KにわたるMSRの最小値が、受領されたFM電波信号のSNRの、すなわち全体的な受領されたFM電波ステレオ信号の品質の、信頼できる指標であると考えられてもよい。
音楽または発話のようなオーディオ・コンテンツは典型的には、低周波数範囲よりも高周波数範囲においてペイロード・エネルギーが少ない。さらに、高周波数範囲におけるペイロード・エネルギーは低周波数範囲ほど連続的ではないことがある。よって、受領されたFM信号のノイズのエネルギーは、低周波数範囲よりも高周波数範囲内でより簡単に検出できる。これに鑑み、MSRの解析を、全K個の周波数帯域の選択された部分範囲に限定することが有益となることがある。特に、MSRの解析を、全K個の周波数帯域の上のほうの部分範囲に、たとえばK個の周波数帯域の上半分に限定することが有益となることがある。よって、受領されたFM信号の品質を検出するための方法はより堅牢にされうる。
上記に鑑み、周波数帯域k=1,…,Kの一部または全部にわたる(たとえば高い諸周波数帯域にわたる)MSRの解析に依存する高品質因子αHQが定義されてもよい。高品質因子αHQは、受領されたFM電波ステレオ信号内の可聴ノイズの指標として使用されてもよい。ノイズのない高品質信号はαHQ=1によって示されてもよく、高いノイズの低品質信号はαHQ=0によって示されてもよい。中間的な品質状態は、0<αHQ<1によって示されてもよい。高品質因子αHQは次式に従ってMSR値から導出できる。
Figure 2014535182
ここで、MSR閾値MSR_LOWおよびMSR_HIGHは所定の規格化閾値であり、一例ではそれぞれ−6dBおよび−3dBとして選ぶことができる。そのような規格化の結果として、高品質因子αHQは0から1までの間の値を取ることが保証される。
上記の公式において、qは一つまたは複数のMSR値から導出された値である。上記のように、qは周波数帯域の部分集合にわたる最小MSR値から導出されてもよい。さらに、qは、該最小MSR値の反転ピーク衰弱値(inverted peak-decay value)として設定されることもできる。代替的または追加的に、他の任意の平滑化方法が、品質指標パラメータqの時間発展を平滑化するために使用されることができる。
高品質因子αHQは、ノイズ削減されたサイド信号S'ともとの処理されていないサイド信号Sとの間で切り換えまたはフェードまたは補間をするために使用できる。これは、高品質因子αHQ=pがバイパス利得ユニット30についての利得として使用されてもよく、一方、因子(1−αHQ)=1−pがノイズ削減された利得ユニット31についての利得として使用されてもよいことを意味する。
HQ検出アルゴリズム100のある実施形態は、図5に示される以下の段階によって記述されることができる。
・ステップ101では、中央およびサイド信号のパワーが計算される。すなわち、周波数またはパラメータ帯域kの一部または全部、たとえばKlow<k≦Khighについて、中央信号のエネルギーPk M=E{mk 2}およびサイド信号のエネルギーPk S=E{sk 2}が決定される。一例では、Khigh=Kであり、Klow=K/2である(すなわち、それらの周波数帯域のうち上半分のみが考慮される)。中央およびサイド・パワーPk MおよびPk Sは、時点nにおいて、たとえば上記で与えた期待値についての平均公式を使って、決定される。
・ステップ102では、周波数帯域kの上記の一部または全部について中央対サイド比(MSR)値が、たとえばγk=10log10(Pk M/Pk S)として、決定される。
・ステップ103では、ある周波数範囲についての最小MSR値γmin=mink(γk)が決定される。ここで、上記周波数範囲はたとえばKlow<k≦Khighである。
・ステップ104では、最小MSR値は時間的に平滑化される。これはたとえば、たとえばτ=2秒の時定数をもつ衰弱因子κ=exp(−1/(Fsτ))を用いてMSRピーク値をγpeak(n)=min(κγpeak(n−1),γmin)として決定することによる。ここで、Fsはフレーム・レート、すなわちステップ104がどのくらい頻繁に実行されるかのレートである。これは、時間的に最小MSR値を平滑化する反転ピーク衰弱関数(inverted peak-decay function)を実装する。
・ステップ105では、時点nにおける高品質因子αHQが、時点nにおけるMSRピーク値γpeak(n)を使って、すなわち時点nにおける平滑化された最小MSR値を使って決定される。q=γpeak(n)として、次のように決定される。
Figure 2014535182
上記のように、MSR閾値はたとえばMSR_LOW=−6dBおよびMSR_HIGH=−3dBとして設定されてもよい。
・ステップ107では、時点nにおける高品質因子αHQが図3に示されるサイド信号ブレンド・プロセスに適用されてもよい。
上述したHQ検出アルゴリズム100は、一連の時点について逐次反復されてもよい(ステップ107からステップ101に戻る矢印によって示されている)。
受領されるFM電波ステレオ信号の高品質を判別するための方法またはシステムは、高品質因子αHQを(上記一つまたは複数のMSR値に加えて)一つまたは複数のさらなるノイズ指標に依存させることによってさらに改善されてもよい。特に、高品質因子αHQは、受領されるFM電波信号のスペクトル平坦性指標(SFM: Spectral Flatness Measure)に依存するようにされてもよい。WO PCT/EP2011/064077において概説されるように、0から1までの間に規格化されているいわゆるSFM_impact_factor〔SFMインパクト因子〕が決定されてもよい。SFM_impact_factor=0は、スペクトル・パワーが比較的少数の周波数帯域に集中しているサイド信号Sのパワー・スペクトルを示す低いSFM値に対応してもよい。すなわち、SFMインパクト因子「0」は低いノイズ・レベルを示す。他方、SFMインパクト因子「1」は高いSFM値に対応し、スペクトルはすべてのスペクトル帯域において同様の大きさのパワーをもつことを示す。結果として、SFMインパクト因子「1」は高いノイズ・レベルを示す。
修正された高品質因子αHQ'が次式に従って決定されてもよい。
αHQ'=(1−SFM_impact_factor)*αHQ
それにより、SFM_impact_factor=1(受領されるFM電波ステレオ信号内での高いノイズ・レベルを示す)であれば高品質因子αHQ'=0(低品質、すなわち高度のノイズを示す)を強調し、逆もまたしかりである。MSRベースの高品質因子αHQとSFMの効果を組み合わせるための上述した公式は、二つのノイズ指標を合同の(修正された)高品質因子αHQ'に組み合わせる一つの可能な方法に過ぎないことを注意しておくべきである。SFM_impact_factorは、中央およびサイド信号がいずれもかなり平坦なスペクトルをもちエネルギーにおいて近いノイズ事例を検出するのに有益でありうる。そのような場合、受領されたFM電波ステレオ信号内でのかなりの量の可聴ノイズにもかかわらず、最小MSR値γminは典型的には0dBに近い。修正された高品質因子αHQ'は、上記のPS処理/バイパス・ブレンド・プロセスにおける高品質因子αHQを置換することができる。
以下では、HQ検出のための方法およびシステムを向上させるもう一つのオプションについて述べる。修正された高品質因子αHQ'は、高品質因子αHQに、ソフト・ノイズ・ゲートとしての全サイド・レベルSsum、すなわち、(すべての周波数帯域にわたる)サイド信号のエネルギーとして決定されうるサイド信号の全レベル(すなわち、エネルギーまたはパワー)によって影響することによって決定されてもよい。よって、修正された高品質因子αHQ'は次式に従って決定されてもよい。
Figure 2014535182
ゲート因子ggateを0から1までの間の値に規格化するために閾値S_THRES_LOWおよびS_THRES_HIGHが使用されてもよい。レベルSsum<S_THRES_LOWをもつサイド信号をもつFM信号は低品質と考えられ、レベルSsum>S_THRES_HIGHをもつサイド信号をもつFM信号は高品質と考えられる。
向上したHQ検出アルゴリズムを提供するためのもう一つのオプションは、たとえばWO PCT/EP2011/064084において記述されるように、高品質因子αHQが隠蔽検出器の出力によって影響されるようにすることである。修正された高品質因子αHQ'は、FM受信機の望ましくないモノ・ドロップアウト状況を隠蔽するために、予測ベースのFM電波ノイズ削減システム内で隠蔽(concealment)がアクティブであるかどうかを考慮に入れることによって決定されてもよい。修正された高品質因子αHQ'は、αHQ'=(1−δconcealHQに従って決定されてもよい。ここで、隠蔽がアクティブであればδconceal=1であり、そうでなければδconceal=0である。これは、予測ベースのFM電波ノイズ削減システム内で隠蔽がアクティブであれば、受領されたFM電波信号が確かに低品質である(αHQ'=0)と考えられ、そうでなければ受領されたFM電波信号の品質は高品質因子αHQの計算された値に基づいて推定されるということを意味する。隠蔽状態(すなわちδconceal=1)から復帰するときの(可聴な)不連続を回避するため、すなわち、修正された高品質因子αHQ'の0から0でない値へのなめらかな遷移を保証するために、δconceal=1であるときは常に、最小MSR値γminが強制的にγmin=MSR_LOWにされてもよい。それにより、図5のステップ104の平滑化方法によってなめらかな遷移が保証される。高品質因子を隠蔽状態δconcealに依存させる結果として、予測ベースのFM電波ノイズ削減を使うモードへの高速の切り換え(すなわち、劣悪な受信条件が突然発生した場合のFM電波ノイズ削減処理への高速の遷移)および(受信条件が改善したときの)バイパス・モードへのゆっくりしたブレンド復帰が実装できる。
以下では、HQ検出方法を向上させるためのもう一つのオプションについて述べる。大きくパンされる信号について、MSR値γkは次のように調整されてもよい。
Figure 2014535182
パラメータλは、受領されるFM電波ステレオ信号のパンの度合いを示す。パラメータλは、受領される左側信号Lおよび受領される右側信号Rのエネルギーの比から、たとえば次式に従って決定されてもよい。
Figure 2014535182
ここで、PL=E{L2}は受領される左側信号のエネルギーまたはパワーであり、PR=E{R2}は受領される右側信号のエネルギーまたはパワーである。結果として、MSR値γkは左側信号Lと右側信号Rの間の著しいエネルギー差をもつ強くパンされた信号については増大する。L信号とR信号の間のそのような重度の差は、サイド信号Sがノイズを含まないにもかかわらず、サイド信号Sが比較的高いエネルギーをもつことにつながる。MSR値γkを増大させることにより、最小MSR値γminが増大させられ、それにより高品質因子αHQが増大する。結果として、パラメータλの使用は、ワイドな(音楽)ステレオ混合およびステレオ・ワイド化後処理に起因する強いサイド信号Sから低品質信号を誤って検出してしまうことを回避する助けとなる。
修正された高品質因子αHQを決定するための上述した諸オプションは単独で使われても、あるいは互いとの任意の組み合わせにおいて使用されてもよいことを注意しておくべきである。
さらに、高品質因子αHQは予測ベースのFMステレオ電波ノイズ削減システムにおいてパラメータaおよびbを調整するために使用されることができることを注意しておくべきである。特に、制限因子cは品質指標αHQによって影響されうる。これはたとえば次式のようにできる。
Figure 2014535182
ここで、εは、品質指標αHQ=1の場合、すなわち受領されたFM信号が含むノイズの度合いが少ない場合に、aおよびbが無限大(または不合理な大きな数)になるのを防ぐ任意的な調整値(小さな数)である。
品質指標αHQに依存する制限関数c=f(a,b,αHQ)の目的は、高品質FM信号(1に近いαHQ)についてはaおよびbを制限しない(または少ししか制限しない)一方、低品質FM信号(0に近いαHQ)についてaおよびbを制限することである。品質指標αHQに依存して制限因子を修正するための上述した関数が、αHQ=0についてはcの第一の関数(1)、αHQ=0.5については第二の関数(2)を近似し、αHQ=1についてはパラメータaおよびbの「制限なし」が実行されることを注意しておくべきである。さらに、上述した公式は、受領されたFM信号の品質を考慮に入れる修正された制限関数を実装するほんの一例であることを注意しておくべきである。
図3に示されるノイズ削減されたサイド信号S'およびバイパスされたサイド信号Sの選択またはマージは、周波数選択的な仕方で実行されてもよい。一つの可能な実装は、図3のブロック図への次のような修正を含むであろう。図3のブロック図は、利得ユニット30、31およびマージ・ユニット32が、サイド信号合成フィルタバンク「QMF-1」72より前にQMF領域で実行されるよう修正されることができる。さらに、バイパス利得ユニット30への入力は「QMFs」分解フィルタバンク73の出力であることができる。これは、フィルタバンク73が素通しの場合の信号経路にあり、よって「QMF」分解フィルタバンク71と同じ精度要求をもつことを意味することになる。QMF合成フィルタバンク72は、マージされたサイド信号(マージ・ユニット32の下流)を時間領域に変換するために使用できる。
ある代替的な実施形態では、周波数選択性は、二つの周波数帯域、すなわち高周波数帯域および低周波数帯域に制約されてもよい。特に、低周波数帯域はバイパス経路に固定されてもよい。すなわち、再構成されるサイド信号は、低周波数範囲については受領されたサイド信号Sに対応しうる。一方、高周波数範囲では、ノイズ削減されたサイド信号S'(または品質指標pに基づくブレンドされたサイド信号)が使用されてもよい。
WO PCT/EP2011/06477は、スペクトル平坦性指標の使用を通じてノイズ削減されたステレオ信号における望ましくない量の脱相関された成分を削減または除去する技法を記載している。これらの技法は、本稿で記述される予測ベースのFM電波ノイズ削減システムにも適用できる。特に、スペクトル平坦性指標は、パラメータbを次のように修正することによって適用できる。
b_new=(1−SMF_impact_factor)*b
つまり、SFM_impact_factor=1は強制的にb_new=0とする。SFM_impact_factor=0については、bは不変のままである。よって、SFM_impact_factor=1の高いスペクトル平坦性をもつ(ノイズの多いサイド信号を表わす)サイド信号の場合、ノイズ削減されたサイド信号S'には脱相関は加えられず、ノイズ削減されたサイド信号S'は、受領された中央信号のスケーリングされたバージョン、すなわちa*Mに対応する。
以下では、SFM_impact_factorを決定するための諸例が概説される。典型的な受領されたFM電波ステレオ信号では、中央信号Mのパワー・スペクトルは比較的急峻であり、低めの周波数範囲において高いレベルのエネルギーがある。他方、サイド信号Sは典型的には全体的にエネルギーの程度が低く、比較的平坦なパワー・スペクトルをもつ。
サイド信号ノイズのパワー・スペクトルはかなり平坦であり特徴的な傾きをもつので、傾き補償と併せたSFMが、受領されたFM信号内のノイズ・レベルを推定するために使用されてもよい。種々の型のSFM値が使用されうる。すなわち、SFM値はさまざまな仕方で計算されうる。特に、瞬時SFM値および該SFMの平滑化されたバージョンが使用されうる。瞬時SFM値は典型的にはサイド信号の信号フレームのSFMに対応する。一方、瞬時SFM値の平滑化されたバージョンは、サイド信号の前の信号フレームのSFMにも依存する。
サイド信号からインパクト因子を決定する方法は、サイド信号のパワー・スペクトルを決定する段階を含んでいてもよい。典型的には、これはサイド信号のある数のサンプル(たとえば単一のフレームのサンプル)を使ってなされる。パワー・スペクトルは、複数の周波数帯域k、たとえばk=1,…,Kについてのサイド信号のエネルギー値Pk S=E{sk 2}として決定されてもよい。パワー・スペクトルの決定期間は、パラメータaおよびbを決定するための期間と揃えられてもよい。よって、サイド信号のパワー・スペクトルは、対応するパラメータaおよびbの有効性期間(validity period)について決定されてもよい。
その後のステップにおいて、サイド信号ノイズのパワー・スペクトルの特徴的な傾きが補償されてもよい。特徴的な傾きは、(設計/チューニング・フェーズにおいて)、たとえば一組のモノ信号のサイド信号の平均パワー・スペクトルを決定することによって、実験的に決定されてもよい。代替的または追加的に、特徴的な傾きは、現在のサイド信号から、たとえば現在のサイド信号のパワー・スペクトルに対する線形回帰を使って、適応的に決定されてもよい。特徴的な傾きの補償は、逆ノイズ傾きフィルタ(inverse noise slope filter)によって実行されてもよい。結果として、傾き補償された、可能性としては平坦な、パワー・スペクトルであって、モノ発話オーディオ信号のサイド信号のパワー・スペクトルの特徴的な傾きを示さないものが得られるはずである。
(傾き補償された)パワー・スペクトルを使って、SFM値が決定されてもよい。SFMは次のように計算されてもよい。
Figure 2014535182
ここで、E{sk 2}は、周波数またはパラメータ帯域kにおけるサイド信号のパワーを表わす。予測ベースのFMノイズ削減システムにおいて使用される周波数分割は典型的には15ないし20個のパラメータ帯域を含む。SFMは、パワー・スペクトルの幾何平均とパワー・スペクトルの算術平均の間の比として記述されてもよい。
あるいはまた、SFMは、KlowからKhighまでの範囲の周波数帯域のみを含む、スペクトルの部分集合に対して計算されてもよい。そのようにして、望まれないDC、たとえば低周波数のオフセットを除去するために、たとえば周波数帯域の一つまたは若干数が、除外されることができる。帯域境界を調整するときは、SFMを計算するための上述した公式はしかるべく修正されるべきである。
計算量を限定するため、SFM公式は代替的には、たとえばテイラー展開、ルックアップテーブルまたはソフトウェア実装の分野の専門家に普通に知られている同様の技法に基づいて、その数値的な近似によって置換されてもよい。さらに、たとえば標準偏差または周波数パワー・ビンの最小と最大の間の差などといった、スペクトル平坦性を測る他の方法もある。本稿では、用語「SFM」は、これらの指標の任意のものを表わす。
サイド信号の特定の時間期間またはフレームについてのSFM値を使って、インパクト因子を決定することができる。この目的のため、SFMは、たとえば0から1のスケール上にマッピングされる。SFMインパクト因子のマッピングおよび決定は、次式に従って実行されてもよい。
Figure 2014535182
ここで、二つの閾値αlow_threshおよびαhigh_threshは、典型的には0.2から0.8の範囲であるSFM値の平均範囲に従って選択される。規格化段の主たる目的は、SFMインパクト因子が通常、「0」と「1」の間の完全な領域にまたがることを保証するためである。よって、規格化は、「通常の」平坦でないスペクトル(SFM<αlow_thresh)はノイズとして検出されず、高い値(SFM>αhigh_thresh)については指標が飽和することを保証する。換言すれば、規格化は、高ノイズ状況(SFM>αhigh_thresh)と低ノイズ状況(SFM<αlow_thresh)とをより明瞭に区別するインパクト因子を提供する。
WO PCT/EP2011/064084は、以前に推定されたステレオ・パラメータを使う機構と組み合わせた信頼できるモノ検出器によってFM受信機1のモノ受信の短い区間を隠蔽して、そのようなモノ時間区間の間、ノイズ削減されたFMステレオ信号を生成する技法を記載している。WO PCT/EP2011/064084において概説される技法は、本稿に記載される予測ベースのFM電波ノイズ削減システムにも適用できる。
上記のように、FM受信機1は、時間変動する劣悪受信条件(たとえば「フェージング」)のためステレオとモノの間で行き来することがある。モノ/ステレオの行き来の間にステレオ音像を維持するために、短いモノ・ドロップアウトを隠蔽するよう、誤り隠蔽技法が使用されてもよい。予測ベースのFM電波ノイズ削減における隠蔽への一つのアプローチは、FM受信機1のオーディオ出力がモノに後退したために新しいパラメータaおよびbが計算できない場合に、以前に推定されたパラメータに基づく予測および脱相関パラメータaおよびbを使うというものである。こうして、FMステレオ受信機1がモノ・オーディオ出力に切り替わるとき、図3の予測ベースのFM電波ノイズ削減システムは、(各周波数帯域について個々に)前に推定されたパラメータaおよびbを使い続ける。ステレオ出力におけるドロップアウト期間が十分短くて、FM電波信号のステレオ音像がドロップアウト期間の間、同様のままであれば、ドロップアウトは、装置2のオーディオ出力において、可聴ではない、あるいはわずかに可聴であるだけである。もう一つのアプローチは、前に推定されたパラメータからパラメータaおよびbを内挿および/または外挿するというものである。FM受信がステレオに十分素早く戻らないといけないので、パラメータaおよびbは、数秒後には0に近づくようゆっくりと衰弱することができる。これは、単にモノ信号(すなわち中央信号)が出力されることを意味する。
代替的または追加的に、予測ベースのFMステレオ・ノイズ削減システムは、受信条件があまりに劣悪でモノ信号しか受信されない場合、パラメータaおよび/またはbに対するデフォルト値を使って「擬似ステレオ」信号を生成してもよい。デフォルト値は、中央信号の発話/音楽分類に依存してもよい。換言すれば、予測ベースのFMステレオ・ノイズ削減システムは、受領された中央信号に基づいて受領されたFM電波信号の型を分類する分類器を有していてもよい。例として、分類器は、受領されたFM電波信号を発話信号としてまたは音楽信号として分類するよう構成されていてもよい。次いで、予測ベースのFMステレオ・ノイズ削減システムは、受領されたFM電波信号の判別された型に基づいてパラメータaおよび/またはbについて適切な値を選択してもよい。よって、受領されたFM電波信号のモノ・ドロップアウトが、(型に依存する)デフォルト・パラメータ値を使って隠蔽されてもよい。
予測ベースのFM電波ノイズ削減システム内での隠蔽の使用は、隠蔽をトリガーするために、すなわち隠蔽状態δconcealを0から1に設定するために、モノ・ドロップアウトの信頼できる検出を必要とする。ある可能なモノ/ステレオ検出器は、左信号=右信号(または左信号−右信号=0)という条件を満たす、当該信号のモノ・セクションを検出することに基づくことができる。しかしながら、そのようなモノ/ステレオ検出器は、左信号および右信号のエネルギーならびにサイド信号のエネルギーが、たとえ健全な受信条件にあっても大きく揺動しうるという事実のため、隠蔽プロセスのための不安定な挙動につながるであろう。
そのような隠蔽の不安定な挙動を避けるために、モノ/ステレオ検出および隠蔽機構は状態機械として実装されることができる。例示的な状態機械は、図6に示されている。図6の状態機械は、サイド信号Sの絶対的なエネルギー、すなわちES(または上記で定義されたPS)の二つの基準レベルを利用する。ESを計算するために使われるサイド信号Sは、典型的には250Hzのカットオフ周波数で高域通過フィルタ処理されていてもよい。これらの基準レベルは、上基準レベルref_highおよび下基準レベルref_lowである。上基準レベル(ref_high)より上では、信号はステレオであると考えられ、下基準レベル(ref_low)より下では、信号はモノであると考えられる。
サイド信号エネルギーESは、状態機械の制御パラメータとして計算される。ESは、たとえばパラメータaおよびbの有効性の時間期間に対応しうる時間窓上で計算されてもよい。換言すれば、サイド信号エネルギーを決定する頻度は、パラメータaおよびbを決定する頻度に揃えられてもよい。本稿では、サイド信号エネルギーES(および可能性としてはパラメータaおよびb)を決定するための時間期間は、信号フレームと称される。図6の状態機械は五つの条件を有する。これらは新しいフレームのエネルギーESが計算されるたびに検証される。
・条件Aは、サイド信号エネルギーESが上基準レベルref_highを超えていることを示す。上基準レベルは高いほうの閾値と称されてもよい。
・条件Bは、サイド信号エネルギーESが上基準レベルref_high以下であり、かつ下基準レベルref_low以上であることを示す。下基準レベルは低いほうの閾値と称されてもよい。
・条件B1は条件Bに対応するが、追加的な時間条件が加わる。その時間条件は、条件Bが、ある閾値数のフレームより短い間、またはある閾値時間より短い間満たされることを指定する。この閾値はフレーム閾値と称されてもよい。
・条件B2は条件Bに対応し、追加的な時間条件が、条件Bが前記閾値数のフレーム以上、または前記閾値時間以上にわたって満たされることを指定する。
・条件Cは、サイド信号エネルギーESが下基準レベルref_lowより低いことを示す。
さらに、図6の例示的な状態機械は五つの状態を利用する。これら異なる状態は、上述した条件および図6に示される状態図に応じて到達される。予測ベースのFM電波ステレオ/ノイズ削減システム内の上記の種々の状態において、典型的には以下のアクションが実行される。
・状態1では、通常のステレオ動作が、たとえば現在のオーディオ信号から決定されるパラメータaおよびbに基づいて実行される。隠蔽状態δconcealは0のままである。
・状態2では、通常のステレオ動作が、現在のオーディオ信号に対して決定されたパラメータaおよびbに基づいて実行される。条件Bが、前記フレーム閾値以上のフレーム数にわたってまたは前記時間閾値以上の時間にわたって満たされる(すなわち、条件B2)か、あるいはフレーム数のこの満了または時間の満了前に条件AまたはCが満たされるのずれかであるという事実に鑑み、この状態は単に遷移状態である。隠蔽状態δconcealは0のままである。
・状態3では、ステレオ動作が、現在のオーディオ信号に対して決定されたパラメータaおよびbに基づいて実行される。状態3は、状態1から状態2を経由して状態3に進む経路で到達できることが見て取れる。条件B2が遷移のためにある最小数のフレームまたはある最小の時間を要求するという事実に鑑み、経路「状態1、状態2、状態3」は、通常のステレオ動作(たとえば音楽)から通常のモノ動作(たとえば発話)への遅い、すなわちなめらかな遷移を表わす。隠蔽状態δconcealは0に設定されるか、0のままである。
・状態4では、以前に決定されたパラメータaおよびb、たとえば状態1において決定された最も最近のパラメータaおよびbを使ってモノ・ドロップアウト隠蔽が開始される。状態4は、条件Cが満たされる場合、すなわちサイド信号エネルギーESがref_highより上からref_lowより下に急峻に低下する場合、状態1から直接到達できることが見て取れる。あるいはまた、状態4は、状態1から状態2を経由して到達できる。ただし、これは条件Bが少数のフレームにわたってのみ、または短い時間期間にわたってのみ満たされる場合にのみである。よって、経路「状態1、状態4」および「状態1、状態2、状態4」は、通常のステレオ動作(たとえば音楽)から強制されたモノ動作への速い、すなわち突然の遷移を表わす。強制されたモノ動作は典型的には、たとえばステレオ多重化信号における19kHzパイロット・トーンのレベルまたは強さが所定のレベルを下回って、それにより受領されるステレオ多重化信号からのサイド信号の信頼できる復調が不可能になる場合にサイド信号を突然カットオフするFM受信機に起因する。予測ベースのFM電波ノイズ削減システム内での隠蔽の使用を示すために、隠蔽状態δconcealは1に設定される。
・状態5では、たとえば状態4において確立されたパラメータaおよびbに基づいて、モノ・ドロップアウト隠蔽が継続される。図示した実施形態では、状態5は、条件Cが満たされる場合に状態4から到達できるのみである。すなわち、状態5は、受領される中央信号からノイズ削減されたサイド信号を生成するために以前に決定されたパラメータaおよびbが使われる、安定したモノ・ドロップアウト隠蔽状態を表わす。パラメータaおよびbは、数秒の時定数をもって0に向かって衰弱してもよい。その結果、ステレオからモノにゆっくりと遷移する出力信号が生じる。隠蔽状態δconcealは典型的には1のままである。
すでに述べたように、図示した状態図は、FM受信機によって受領されるオーディオ信号が数個の時間窓/フレーム以内にステレオからモノに移行する場合にのみ、すなわちステレオからモノへの遷移が急峻である場合にのみ、隠蔽がトリガーされることを保証する。他方、ステレオ・レベル(ref_high)より低いがモノ・レベル(ref_low)より高いエネルギーESをもつサイド信号においてノイズがある場合、すなわち適切なパラメータaおよびbを生成するためにサイド信号内にまだ十分な情報がある場合には、隠蔽のトリガーは防止される。同時に、信号がステレオからモノに変わるときでさえ、たとえば信号が音楽から発話に遷移するとき、隠蔽検出はトリガーされず、それにより、もとのモノ信号が、誤った隠蔽適用のために人工的なステレオ信号にされないことを保証する。ステレオからモノへの真正の遷移は、サイド信号エネルギーESがref_highより上からref_lowより下へとなめらかに遷移することに基づいて検出できる。
本稿では、FM電波受信機の知覚的なパフォーマンスを改善するための方法およびシステムについて記載してきた。特に、予測ベースのアプローチを使ってノイズ削減されたFMステレオ信号を決定するための方法およびシステムについて記載してきた。予測ベースのFM電波ノイズ削減システムを使うことによって、PSベースのFM電波ノイズ削減システムに比べてノイズ削減のための計算量が低減できる。さらに、予測ベースのFM電波ノイズ削減システムのパフォーマンスを改善するためのさまざまな方法について記載してきた。特に、ノイズ削減されたサイド信号ともとのサイド信号との間でブレンドするために品質指標を使うことを記載した。さらに、予測ベースのFM電波ノイズ削減システムのパラメータを受領されるサイド信号のスペクトル特性に適合させ、それにより信頼できる形でノイズの多い受信条件と良好な受信条件との間の区別をするための方法を記載した。さらに、予測ベースのFM電波ノイズ削減システムをモノ・ドロップアウト状況に適応させるための隠蔽方法を記載した。
本稿に記載した方法およびシステムは、ソフトウェア、ファームウェアおよび/またはハードウェアとして実装されうる。ある種のコンポーネントは、たとえばデジタル信号プロセッサまたはマイクロプロセッサ上で走るソフトウェアとして実装されてもよい。他のコンポーネントはたとえば、ハードウェアとしてまたは特定用途向け集積回路として実装されてもよい。記載した方法およびシステムにおいて遭遇される信号は、ランダム/アクセス/メモリまたは光記憶媒体のような媒体上に記憶されてもよい。そうした信号は、電波ネットワーク、衛星ネットワーク、無線ネットワークまたは有線ネットワーク、たとえばインターネットのようなネットワークを経由して転送されてもよい。本稿に記載した方法およびシステムを利用する典型的な装置は、携帯型の電子装置またはオーディオ信号を記憶および/または再生するために使用される他の消費者設備である。

Claims (35)

  1. 受領された多チャネルFM電波信号のノイズを削減するよう構成された装置であって、前記受領された多チャネルFM電波信号は、受領された中央信号および受領されたサイド信号として表現可能であり、前記受領されたサイド信号は、前記多チャネルFM電波信号の左信号と右信号の間の差を示し、当該装置は:
    ・前記受領された中央信号および前記受領されたサイド信号の間の相関および/または脱相関を示す一つまたは複数のパラメータを決定するよう構成されたパラメータ決定ユニットと;
    ・前記一つまたは複数のパラメータを使って、前記受領されたサイド信号からではなく、前記受領された中央信号からノイズ削減されたサイド信号を生成するよう構成されているノイズ削減ユニットとを有する、
    装置。
  2. ・前記パラメータ決定ユニット(77)が、前記受領された中央信号と前記受領されたサイド信号の間の相互相関を示す予測パラメータaを決定するよう構成されており、
    ・前記ノイズ削減ユニット(79)が、前記予測パラメータaを使って、前記受領された中央信号から前記ノイズ削減されたサイド信号を生成するよう構成されている、
    請求項1記載の装置。
  3. 前記パラメータ決定ユニットが、前記受領された中央信号および前記受領されたサイド信号の対応するサンプルの積の期待値に基づいて記予測パラメータaを決定するよう構成されている、請求項2記載の装置。
  4. 前記パラメータ決定ユニットは、前記予測パラメータaを
    a=E[S*M]/E[M*M]
    として決定するよう構成されており、ここで、E[・]は期待演算子を表わし、Sは前記受領されたサイド信号であり、Mは前記受領された中央信号である、
    請求項3記載の装置。
  5. ・前記パラメータ決定ユニット(77)が、前記受領された中央信号と前記受領されたサイド信号の間の脱相関を示す脱相関パラメータbを決定するよう構成されており、
    ・前記ノイズ削減ユニット(79)が、前記脱相関パラメータbを使って、前記受領された中央信号の脱相関されたバージョンからも前記ノイズ削減されたサイド信号を生成するよう構成されている、
    請求項1ないし4のうちいずれか一項記載の装置。
  6. 前記パラメータ決定ユニットは、前記受領されたサイド信号と前記予測パラメータaを使って前記中央信号から決定される信号との差信号のエネルギーに基づいて前記脱相関パラメータbを決定するよう構成されている、請求項2ないし4のうちいずれか一項を引用する場合の請求項5記載の装置。
  7. 前記パラメータ決定ユニットは、前記脱相関パラメータbを、
    sqrt(E[D*D]/E[M*M])
    として決定するよう構成されており、ここで、D=S−a*Mは前記差信号である、
    請求項6記載の装置。
  8. 前記ノイズ削減ユニットは、前記受領された中央信号の脱相関されたバージョンを、全通過フィルタを使って前記受領された中央信号をフィルタリングすることによって生成するよう構成されている、請求項5ないし7のうちいずれか一項記載の装置。
  9. ・前記パラメータ決定ユニットは、前記受領されたサイド信号のスペクトル平坦性に特徴的なインパクト因子を決定するよう構成されており、
    ・前記脱相関パラメータbは前記インパクト因子に依存する、
    請求項5ないし8のうちいずれか一項記載の装置。
  10. 前記脱相関パラメータbは、前記インパクト因子が前記受領されたサイド信号のスペクトル平坦性の増加する度合いを示す際に減少する、請求項9記載の装置。
  11. 前記パラメータ決定ユニットは、時間変化する仕方で前記一つまたは複数のパラメータを決定するよう構成されており、
    前記ノイズ削減ユニットは、前記一つまたは複数の時間変化するパラメータを使って前記ノイズ削減されたサイド信号を生成するよう構成されている、
    請求項1ないし10のうちいずれか一項記載の装置。
  12. 前記パラメータ決定ユニットが、前記一つまたは複数のパラメータのうち第一のものについて、対応する時間区間のシーケンスについて第一のパラメータのシーケンスを決定するよう構成されており、
    時間区間の前記シーケンスのある特定の時間区間について、第一のパラメータの前記シーケンスのうちの特定の第一のパラメータが、前記受領された中央信号および/または前記受領されたサイド信号の、前記特定の時間区間内にあるサンプルを使って決定される、
    請求項11記載の装置。
  13. 前記パラメータ決定ユニットが、第一のパラメータの前記シーケンスからの隣り合う第一のパラメータを補間することによって補間された第一のパラメータのシーケンスを決定するよう構成されていてもよい、請求項12記載の装置。
  14. ・時間区間の前記シーケンスの第一の時間区間内の前記受領されたサイド信号のエネルギーを決定する段階であって、前記エネルギーは高い閾値より上である、段階と;
    ・前記サイド信号のエネルギーが前記高い閾値より上の値からある低い閾値より下の値に降下するいくつかのその後の相続く時間区間の遷移期間を決定する段階と;
    ・前記遷移期間の相続く時間区間の数が区間閾値より少なければ、前記第一の時間区間後の前記受領された多チャネルFM電波信号が強制されたモノ信号であることを判別する段階とを実行することによって、
    前記受領された多チャネルFM電波信号が強制されたモノ信号であることを検出するよう構成されている、請求項11ないし13のうちいずれか一項記載の装置。
  15. 前記第一の時間区間に続く時間区間における前記受領された多チャネルFM電波信号が強制されたモノ信号であることが検出される場合、前記パラメータ決定ユニットは、第一の時間区間に続く前記時間区間についての前記一つまたは複数のパラメータを、前記第一の時間区間についての前記一つまたは複数のパラメータから決定するよう構成されている、請求項14記載の装置。
  16. 前記パラメータ決定ユニットは、周波数変化する仕方で前記一つまたは複数のパラメータを決定するよう構成されており、
    前記ノイズ削減ユニットは、前記一つまたは複数の周波数変化するパラメータを使って前記ノイズ削減されたサイド信号を生成するよう構成されている、
    請求項1ないし15のうちいずれか一項記載の装置。
  17. ・前記受領された中央信号から対応する複数の周波数範囲をカバーする複数の中央サブバンド信号を生成するよう構成された中央変換ユニット(71)と;
    ・前記受領されたサイド信号から前記対応する複数の周波数範囲をカバーする複数のサイド・サブバンド信号を生成するよう構成されたサイド変換ユニット(73)とをさらに有する、
    請求項16記載の装置。
  18. 前記サイド変換ユニットは、
    周波数選択性;
    周波数分解能;
    時間分解能;および
    数値的な精度
    のうちの少なくとも一つに関して、前記中央変換ユニットよりも低い要件を満たすものである、請求項17記載の装置。
  19. 前記ノイズ削減ユニットは、複数のノイズ削減されたサイド・サブバンド信号を、前記対応する複数の中央サブバンド信号および前記対応する複数の第二のサブバンド・パラメータから生成するよう構成されており;
    前記ノイズ削減ユニットは、前記複数のノイズ削減されたサイド信号を前記複数のノイズ削減されたサイド・サブバンド信号から生成するよう構成されている逆変換ユニット(72)を有する、
    請求項17または18記載の装置。
  20. 前記中央変換ユニットおよび/または前記サイド変換ユニットがQMFフィルタバンクである、請求項17ないし19のうちいずれか一項記載の装置。
  21. 前記パラメータ決定ユニットは、前記一つまたは複数のパラメータに制限因子cを適用することによって前記一つまたは複数のパラメータを制限するよう構成されている、請求項1ないし20のうちいずれか一項記載の装置。
  22. c>1について、前記制限因子cは前記一つまたは複数の平方されたパラメータの和に比例する、請求項21記載の装置。
  23. c>1について、前記制限因子cは前記一つまたは複数の平方されたパラメータの和の平方根に比例する、請求項21記載の装置。
  24. 前記制限因子cの前記適用は、前記一つまたは複数のパラメータを増大させない、請求項21ないし23のうちいずれか一項記載の装置。
  25. 前記受領された中央信号のサンプルを、前記ノイズ削減されたサイド信号の対応するサンプルを生成するのに必要とされる計算時間に対応する時間の長さだけ遅延させるよう構成されている遅延ユニットを有する、請求項1ないし24のうちいずれか一項記載の装置。
  26. 前記ノイズ削減されたステレオ信号および前記受領されたサイド信号から、前記受領された多チャネルFM電波信号の品質を示す品質指標を使って、修正されたノイズ削減されたサイド信号を決定するよう構成されている組み合わせユニットを有する、請求項1ないし25のうちいずれか一項記載の装置。
  27. 前記組み合わせユニットは、
    ・ノイズ削減された利得を使って前記ノイズ削減されたサイド信号に重みをかけるよう構成されたノイズ削減された利得ユニット(31)と;
    ・バイパス利得を使って前記受領されたサイド信号に重みをかけるよう構成されたバイパス利得ユニット(30)と;
    ・重みをかけられたノイズ削減されたサイド信号および重みをかけられた受領されたサイド信号をマージするよう構成されたマージ・ユニット(32)とを有しており、
    前記ノイズ削減された利得および前記バイパス利得は前記品質指標に依存する、
    請求項26記載の装置。
  28. 前記組み合わせユニットは、周波数選択的な仕方で前記修正されたノイズ削減されたサイド信号を決定するよう構成されている、請求項26または27記載の装置。
  29. ・中央電力と称される前記受領された中央信号の電力と、サイド電力と称される前記受領されたサイド信号の電力とを決定し;
    ・前記中央電力と前記サイド電力の比を決定し、それにより中央対サイド比を与え;
    ・前記受領されたFM電波信号の品質指標を少なくとも前記中央対サイド比に基づいて決定することにより、
    前記品質指標を決定するよう構成されている、品質指標決定ユニット(20)を有する、請求項26ないし28のうちいずれか一項記載の装置。
  30. ノイズ削減された左信号およびノイズ削減された右信号を、前記受領された中央信号および前記ノイズ削減されたサイド信号から決定するよう構成されているMS‐LR変換器を有する、請求項1ないし29のうちいずれか一項記載の装置。
  31. 前記MS‐LR変換器が、
    ・前記ノイズ削減された左信号を、前記受領された中央信号および前記ノイズ削減されたサイド信号の和から;
    ・前記ノイズ削減された右信号を、前記受領された中央信号および前記ノイズ削減されたサイド信号の差から、
    決定するよう構成されている、請求項30記載の装置。
  32. 受領された多チャネルFM電波信号のノイズを削減する方法であって、前記受領された多チャネルFM電波信号は、受領された中央信号および受領されたサイド信号として呈示可能であり、当該方法は:
    ・前記受領された中央信号と前記受領されたサイド信号との間の相関および/または脱相関を示す一つまたは複数のパラメータを決定する段階と;
    ・前記受領されたサイド信号からではなく、前記受領された中央信号から、前記一つまたは複数のパラメータを使って、ノイズ削減されたサイド信号を生成する段階とを含む、
    方法。
  33. プロセッサ上での実行のためおよびコンピューティング装置上で実行されたときに請求項32記載の方法段階を実行するために適応されているソフトウェア・プログラム。
  34. プロセッサ上での実行のためおよびコンピューティング装置上で実行されたときに請求項32記載の方法段階を実行するために適応されたソフトウェア・プログラムを有する記憶媒体。
  35. コンピュータ上で実行されたときに請求項32記載の方法段階を実行するための実行可能命令を有するコンピュータ・プログラム・プロダクト。
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