JP2014534369A - ボアホール装置におけるスティックスリップ振動を緩和する方法、デバイスおよび電子制御装置 - Google Patents

ボアホール装置におけるスティックスリップ振動を緩和する方法、デバイスおよび電子制御装置 Download PDF

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Abstract

【解決手段】地中構造中にボアホールを掘削する間のボアホール装置(10)のスティックスリップ振動を緩和するために、該ボアホール装置(10)はコンピュータシミュレーション用の計算モデルでモデル化される(31)。該モデルは、ボアホール装置(10)の特定の機械的および物理的挙動を表すエレメントを備える。ボアホール装置(10)のシミュレーションされたスティックモードでは、スティックモードからスリップモードへの遷移前のボアホール装置(10)の初期状態を表す物理量が該要素にロードされる。こうした遷移のシミュレーションから、ボアホール装置(10)の駆動システム(15)とボトムホールアセンブリ(11)の回転速度の時間応答が記録され、また、ボトムホールアセンブリ(11)の回転駆動速度が0となる駆動システム(15)の回転速度下限が決定される。【選択図】図6

Description

本発明は、一般に、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置に関する。本発明は、より具体的には、ボアホール掘削中のこうしたボアホール装置におけるスティックスリップ振動を緩和する方法、デバイスおよび電子制御装置と、これらの方法、デバイスまたは電子制御装置を装備した、およびこれに準拠して作動するボアホール装置に関する。
用語「ボアホール」は一般に、下端にドリルビットを備えたドリルストリングを用いた、地中での垂直、水平および/またはその他の方向の掘削作業の結果を指す。ドリルストリングは、その上端すなわち頂端において、トップドライブあるいはロータリテーブルと呼ばれる地表の駆動システムによって駆動される。トップドライブまたはロータリテーブルは、電動モータまたは他の任意のタイプの駆動モータで駆動されて、ボアホール内のドリルビットに回転運動を与える。
典型的には、ドリルストリングは、互いにネジ式に接続された複数の管すなわちパイプから成る非常に細長い構造体であり、その長さは数百m〜数千mであり得る。
ドリルストリングの下部はボトムホールアセンブリ(BHA)と呼ばれ、ドリルカラーと呼ばれる重くて肉厚のパイプで構成されるが、ドリルビットはそこにある。
ドリルストリングは中空であり、潤滑のための掘削流体がボトムホールアセンブリに、およびノズルを通してビットに送り込まれる。掘削流体は、アニュラス、すなわちドリルストリングの外周とボアホール壁の間の空間を上昇して循環し、切削物をビットから地表に運ぶ。
ボアホールは、水や他の液体(油など)あるいはガス(天然ガスなど)の採取、地質工学的調査、環境サイトアセスメント、鉱物調査または測温などの一部としてあるいは、例えばピア設置や地下ユーティリティ用のパイロット穴として、などの多くの異なる目的で掘削され得る。
ボトムホールアセンブリは比較的短く肉厚のため、ねじり方向には剛性があり、使用時には、圧縮力により横たわみを生じる。ドリルストリングは長く肉厚が比較的薄いために、非常に柔軟な構造物であり、掘削の間、ボアホール装置、特にドリルストリングに多くの振動が誘起される。回転ドリルストリングとボトムホールアセンブリの場合は、ねじり振動、軸振動、縦振動あるいは横振動が誘起され得る。
軸振動によってビットバウンスが生じる可能性があり、そのために、ビットカッターやベアリングが破損し得る。横振動は非常に破壊的であり、ボトムホールアセンブリによってボアホール壁が影響を受けると、大きな衝撃が生じ得る。横振動によって、システムが後方旋回する可能性があり、高周波の大きな曲げモーメント変動が生成されて、構成要素や連結部に大きな疲労が生じ得る。組立のアンバランスによっても、ドリルストリングには遠心力で誘起された湾曲が生じる可能性があり、それによって前方旋回が生し、構成要素に偏り摩耗が生じ得る。ねじり振動は、特に、ドリルストリングのボアホールに沿ったスティックスリップ運動または振動を生じる。
スティックスリップは、ドリルビット表面と、地中構造あるいはボアホール内壁に接するドリルストリング表面間の摩擦力によって生じる現象である。これらの表面は、摩擦力の変化に応じて互いに張り付くかあるいは互い上を摺動する。極端な場合には、摩擦が大きくなって、ドリルビット、すなわちボトムホールアセンブリは一時的に、スティックモードと呼ばれる完全な停止状態になる。スティックモードの間、駆動システムの継続する回転駆動速度あるいは動きによって、ドリルストリングは巻かれる。ドリルストリングに形成されるトルクが摩擦を乗り越える大きさになると、ボトムホールアセンブリは、スリップモードと呼ばれる回転状態に再び入る。しかしながら、これによって、ドリルビットの動きの角加速度が突然飛躍的にあるいは段階的に上昇する可能性があり、その部分に過度の摩耗が生じ得る。スティックモードとスリップモードは、周期的に互いにかなり頻繁に繰り返す。
ドリルストリングが、誘起された回転振動によって負のトルク、すなわち駆動システムの回転方向に対して反対方向のトルクを形成し始めると、スティックスリップは装置の故障を引き起こす問題の主原因にもなる。負のトルクが摩擦閾値を越えると、パイプ接続は緩むであろう。
スティックスリップが生じると、掘削プロセスの有効性に影響が出て、計画された掘削作業に数日間もの遅れが生じる可能性があり、ペナルティフィーなどのリスクが伴う。
従って、様々な状況において、ボアホール装置でのスティックスリップ振動の影響を制御し、上記に概説した問題を可能な限り緩和しなければならない。
スティックスリップ現象の緩和については、今までに多くの研究がなされ、特許出願されてきた。例えば国際特許出願(WO)第2010/063982号には、スティックスリップ振動の周波数またはその近くで最小になるように設定されたねじり波の周波数依存反射係数を有する速度制御装置を操作することにより、周波数または波動伝播伝送線路方式に基づいたスティックスリップ振動の減衰が示唆されている。
この既知の方式での問題は、ボトムホールアセンブリが完全に停止するスティックモードにおいては、ボトムホールアセンブリの速度が明らかに0の時に、該周波数方式ではボアホール装置の物理的な挙動を正しく記述できないことである。さらに、ボトムホールアセンブリは実際には比較的低速度で回転しており、また、実際の掘削システムは非線形挙動を示すために、十分に正確な正弦波波形方式の適用は難しい。
本発明の目的は、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置におけるスティックスリップ振動を緩和する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置におけるスティックスリップ振動を緩和するデバイスを提供することである。
本発明のさらなる目的は、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置におけるスティックスリップ振動を緩和する回転駆動システムの回転速度を制御する電子制御装置を提供することである。
本発明のさらなる目的は、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置であって、前記の方法に準拠して作動する装置および/または前記のデバイスまたは電子制御装置を装備した装置を提供することである。
本明細書および特許請求の範囲において、スティックスリップ振動に関連して使用される「緩和する」とは、「制御する」、「軽減する」、「低減する」、「和らげる」、「穏やかにする」、「取り除く」などの、最高でスティックスリップ振動を回避することを含む意味を含むように解釈されるものとする。
第1の態様では、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置におけるスティックスリップ振動を緩和する方法が提供される。前記ボアホール装置は、ボトムホールアセンブリと回転駆動システムに連結された頂端とを有するドリルストリングと、前記駆動システムの回転駆動速度を制御する速度制御装置と、を備える。
前記方法は、
前記ボアホール装置によるボアホール掘削の間、前記駆動速度が駆動速度下限を上回るように前記速度制御装置を操作するステップを備えており、前記駆動速度下限は、
コンピュータシミュレーション用の等価な計算モデルによってボアホール装置をモデル化するステップと、
スティックモードからスリップモードに前記ボトムホールアセンブリが遷移するように、前記ボアホール装置の初期状態を表す物理量を前記モデルの要素にロードするステップと、
前記ロードしたモデルにおいて、スティックモードからスリップモードへの前記ボトムホールアセンブリの前記遷移を表す遷移をシミュレーションするステップと、
前記シミュレーションステップから、前記モデルに緩和ダイナミクスを登録し、前記ボトムホールアセンブリの回転駆動速度を表すステップと、
前記緩和ダイナミクスから、前記ボトムホールアセンブリの前記回転駆動速度が0になる駆動速度として、前記駆動速度下限を決定するステップと、から決定される。
前記方法は、スティックモードからスリップモードへの段階的遷移を考慮するためには、ボアホール装置におけるスティックスリップ振動は、周波数領域ではなく、時間領域で分析しなければならないという洞察に基づいている。
実際のボアホール装置を表す前記コンピュータモデルの要素が、スティックモードからスリップモードへの遷移前のボアホール装置の初期状態に適合するように、物理量を前記要素に適用することによって、ボアホール装置の遷移による影響をシミュレーション、測定および視覚化できる。
ボトムホールアセンブリの束縛から解放される状態、すなわち、スティックモードからスリップモードへの突然の遷移をシミュレーションするボアホール装置のこのようにロードされたモデルからステップ応答を適用することによって、前記システムは典型的には、動的システムの時間挙動すなわち緩和ダイナミクスを示すことが観察された。すなわち、定常状態に対して、ボトムホールアセンブリの回転速度がオーバーシュートした後にアンダーシュートする遷移相が生じる。アンダーシュート値によって、ボトムホールアセンブリの回転速度が0あるいは0近くになると、スティックスリップが生じる。ボトムホールアセンブリの回転速度が0または0近くになることが繰り返されることによって、ボアホール装置におけるスティックスリップ振動が生じる。
前記ステップ応答の適用から、ロードされたシステムに緩和ダイナミクスを登録することによって、ボトムホールアセンブリの回転速度が0になる駆動システムの最小の回転速度すなわち臨界速度が決定される。駆動システムの回転速度は、ボトムホールアセンブリの回転速度が0を上回るように、下限速度すなわち臨界速度を上回るように設定される。
本発明による方法により、前記速度制御装置のパラメータは、トータルシステムの動的挙動が最も強くなる最適な方法で評価・選択され、それによって、ボアホール装置によるボアホール掘削の間、スティックスリップ振動が緩和される。
ある実施形態では、前記速度制御装置は、前記駆動システムの定常運転中の駆動速度ができるだけ低くなるように、しかし臨界速度を上回るように操作される。これによって、オペレータは、スティックスリップと旋回を可能な限り緩和しながら、比較的大きなビット荷重を維持する低速度で掘削できる。なぜなら、ボトムホールアセンブリの回転速度が低い時は、スティックスリップと旋回はほとんど起きないからである。
最も簡単な実施形態では、前記シミュレーションは、前記ボアホール装置の初期状態を表す物理量が、前記ボトムホールアセンブリのスティックモードの結果として、予め巻かれたドリルストリングを含むように行なわれる。
駆動モータ、ドリルストリングおよびボトムホールアセンブリの機械的特性と速度制御装置の特性をモデル化することによって、多くの掘削作業にとって十分に正確な臨界駆動速度が決定できることが観察された。ボアホールが掘削される実際の地中構造と掘削目的のための掘削流体または泥水の表現が、前記モデル化に含まれていれば、駆動システムの回転速度の下限はさらにより正確に決定される。
すなわち、掘削される実際のボアホールのモデル化において、実際の地中構造と掘削流体あるいは泥水の影響を考慮することによって、ボアホール装置の時間挙動はさらにより正確にシミュレーションされて、全体としてのシステムの臨界速度と時間応答がより正確に決定できる。
第一次近似では、ドリルストリングの線形の計算シミュレーションモデルを使用してもよい。こうした線形モデルによって、コンピュータ処理能力と記憶容量には厳しい要件が求められないというメリットが実際に得られることがわかった。ドリルストリングの二次線形モデルはほとんどの場合に十分である。
本発明の目的のために、シミュレーションモデルは、ボアホール装置のダイナミクスをできるだけ正確にシミュレーションするために、動的システムに関する既知のコンピュータシミュレーション用計算モデルから選択してもよい。
ある実施形態では、コンピュータシミュレーションモデルとして、電気的等価回路図が使用される。しかしながら、等価な非線形力学モデル、状態空間モデルあるいは動的シミュレーションモデルを同様に使用してもよい。
駆動速度下限をボトムホールアセンブリの回転駆動速度が0になる駆動速度として決定するステップはさらに、適合した物理量とモデルパラメータを用いて、前記のロードするステップ、シミュレーションするステップおよび登録するステップを繰り返して最適化するステップを備えていてもよい。
さらなる管状部を用いてドリルストリングを延長する度に、ボアホール装置の、特にドリルストリングのダイナミクスが変わることは理解されるであろう。従って、スティックスリップの発生を回避し続けるには、スティックモードとスリップモードをシミュレーションするステップおよび駆動システムの回転速度下限を決定するステップは理想的には、ボアホール装置の一部が変更される度に繰り返される。前記速度制御装置は、こうして決定された駆動システムのより低い回転速度下限に従って操作されることは言うまでもない。
当業者であれば、ボアホール装置に対するその他の変更および/または新しい地中構造との遭遇、あるいはドリルストリングの進路が掘削中にそれる場合も、回転駆動速度の最新の下限を再構築する必要があることは理解するであろう。もちろん、使用するシミュレーションモデルに依存して再構築される。
前記速度制御装置が、比例動作Pと積分動作Iとを有するPI制御装置を備える実施形態では、PおよびIは、ステップ応答を適用した時に駆動速度下限を減少させるように設定される。速度制御装置は、ボアホール装置によるボアホール掘削の間、設定した積分動作を適用して操作される。
本発明によって、駆動システムは、スティックスリップの発生を有効に緩和しながら、減少した積分動作と組み合わされた補償された機械的慣性により、さらに低い臨界速度で操作されることが観察された。従って、ボアホール装置の回動操作速度範囲は、この測定によって広がる。
さらなる実施形態では、前記速度制御装置は追加の積分動作を含む。この追加の積分動作は、ステップ応答を適用した時に、前記ボトムホールアセンブリの駆動速度の設定を加速するように設定され、前記速度制御装置は、前記ボアホール装置によるボアホール掘削の間、設定した積分動作を適用して操作される。
この追加の積分動作によって、長引くスティック状況に遭遇時に駆動モータが加速され、ドリルストリングは、ボトムホールアセンブリのスティックモードの束縛から解放される状態をより早い時間に形成するためにより早く巻かれるであろう。
ある実施形態では、追加の積分動作は、ねじりバネとしてモデル化されたドリルストリングのバネ定数またはバネ剛性に比例するように設定される。
別の実施形態では、前記駆動システムの慣性補償が提供される。慣性補償は、前記ボアホール装置によるボアホール掘削の間、前記駆動システムの回転速度加速時に作動する。この慣性補償によって、前記ドリルストリングは、束縛から解放されるとすぐに加速される。
上記に開示したモデル化するステップ、ロードするステップ、シミュレーションするステップ、登録するステップおよび決定するステップは、前記速度制御装置にオンラインで接続されたコンピュータシステムなどの、前記ボアホール装置とは別個のおよび/またはそれから離れたコンピュータシミュレーション用のシステムで行なわれてもよい。
シミュレーションモデルを構成するいくつかの要素に対するパラメータ値は、当業者には知られているように、事前に得ることができ、表などに電子的に格納でき、および/またはボアホール装置の近似モデルから計算される。
さらなる態様では、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置におけるスティックスリップ振動を緩和するデバイスが提供される。ボアホール装置は、ボトムホールアセンブリと回転駆動システムに連結された頂端とを有するドリルストリングと、前記駆動システムの回転駆動速度を制御する速度制御装置と、を備える。速度制御装置は、前記ボアホール装置によるボアホール掘削の間、回転速度が駆動速度下限を上回るように駆動システムを操作するために配置される。
前記デバイスは、
コンピュータシミュレーション用の等価な計算モデルによって前記ボアホール装置をモデル化し、
スティックモードからスリップモードに前記ボトムホールアセンブリが遷移するように、前記ボアホール装置の初期状態を表す物理量を前記モデルの要素にロードし、
前記ロードしたモデルにおいて、スティックモードからスリップモードへの前記ボトムホールアセンブリの前記遷移を表す遷移をシミュレーションし、
前記ステップ応答から、前記モデルに緩和ダイナミクスを登録し、前記ボトムホールアセンブリの回転駆動速度を表し、
および、前記緩和ダイナミクスから、前記ボトムホールアセンブリの前記回転駆動速度が0になる駆動速度として、前記駆動速度下限を決定するために配置されたコンピュータシミュレーション用のシステムを備える。
コンピュータシミュレーション用の前記システムは、上記に開示された本発明の方法を適用するために配置されており、遠隔コンピュータシミュレーションシステムなどのように、ボアホール装置すなわち速度制御装置からは物理的に別個に位置していてもよい。遠隔計算機システムは、駆動システムの回転速度を決定された下限を上回って維持するように、同回転速度を制御する速度制御装置にオンライン接続されてもよい。
コンピュータシミュレーション用のシステムは、駆動システムのより低い回転速度下限を決定するために、実際のボアホール装置、地中構造、掘削流体などの、機械的、電気的および他のシステムデータを含む電子図書館に接続されてもよい。例えばドリルオペレータにより、より低い回転速度下限を決定するためのシミュレーションデータの入出力のために、制御インターフェースを設けてもよい。
前記デバイスのある実施形態では、前記速度制御装置は、比例動作Pと積分動作Iを有するPI制御装置と、前記ボアホール装置によるボアホール掘削の間、特にスリップモードからスティックモードに入る時に、前記ボトムホールアセンブリの前記駆動速度の設定を加速するように前記駆動システムを操作する追加の積分動作を提供する制御装置と、を備える。
前記デバイスの別の実施形態では、前記速度制御装置は、前記ボアホール装置によるボアホール掘削の間、特にスリップモードからスティックモードに入る時および前記駆動システムの前記回転速度加速時に作動するように配置された、前記駆動システムの慣性補償を提供する慣性補償器を備える。
前記慣性補償器は、ドリルストリングが、束縛から解放された直後より早く加速するように、駆動システムの質量補償を提供する。
前記デバイスのある実施形態では、前記速度制御装置はPII制御装置として実施された電子制御装置である。
別の態様では、本発明は、地中構造中にボアホールを掘削するものであり、ボトムホールアセンブリと回転駆動システムに連結された頂端とを有するドリルストリングを備えるボアホール装置の回転駆動システムの回転駆動速度を制御する電子制御装置であって、本発明による方法から得られる駆動速度の駆動速度下限を格納するメモリを有する駆動速度制限デバイスを備える電子制御装置を提供する。前記速度制限デバイスは、駆動システムの回転速度を前記決定された臨界速度以上に制限するように設定されている。
ある実施形態では、前記電子制御装置は、比例動作Pと積分動作Iとを有し、前記駆動システムを操作するPI制御装置であって、前記ボトムホールアセンブリの回転速度すなわち駆動速度の設定を加速するように前記駆動システムを操作する追加の積分動作を提供する制御部と、および/または、前記ボアホール装置によるボアホール掘削の間、特にスリップモードからスティックモードに入る時および前記駆動システムの前記駆動速度加速時に作動するように配置された前記駆動システムの慣性補償を提供する慣性補償器と、を備えるPI制御装置を備える。前記電子制御装置は全体として、PII制御装置と呼ばれ得る。
また、本出願で開示されたように、本発明は、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置であって、ボトムホールアセンブリを駆動する底端と回転駆動システムに連結された頂端とを有するドリルストリングと、駆動システムの回転速度を制御することによって、ボアホール装置のスティックスリップ振緩を動和するデバイスと、を備えるボアホール装置も提供する。
前記ボアホール装置は、スティックスリップ振動を緩和する本発明による方法、デバイスおよび電子制御装置のいずれかにより改良された新規の装置あるいはボアホール装置のいずれであってもよい。
本発明の上記およびその他の特徴と利点は、添付の図面を参照した以下の記述から最も理解されるであろう。図面中の同じ参照番号は、同じ部品あるいは同じまたは同等の機能または作用を果たす部品を示す。
提示された例は、コンピュータシミュレーションソフトウェアプログラムとしてMATLAB(登録商標)を使用した特定のコンピュータシミュレーションモデルに関するが、本出願の概要の部で開示した方法、デバイス、電子制御装置およびボアホール装置は、この種の方法とコンピュータシミュレーションソフトウェアプログラムに限定されないように解釈されるものとする。それとは反対に、本発明では、例えばCASPOC(登録商標)などの、動的システムの時間挙動をシミュレーションする任意の市販のコンピュータシミュレーションプログラムが適用されてもよい。
地中構造中にボアホールを掘削する従来のボアホール装置の概略図である。 ボアホール装置のボトムホールアセンブリ上のスティックスリップの典型的な回転速度−トルク曲線を示す。 本発明による図1のボアホール装置のスティックスリップ条件のコンピュータシミュレーション用の計算モデルを形成する概略の電気的等価回路図である。 調整されたシステム設定でのスティックモードからスリップモードへの遷移に対する、図3のモデルで得られる駆動システムとボトムホールアセンブリの回転速度のシミュレーションされた時間挙動を示す。 本発明によるシステム設定でのスティックモードからスリップモードへの遷移に対する、図3のモデルで得られる駆動システムとボトムホールアセンブリの回転速度のシミュレーションされた時間挙動を示す。 本発明による臨界速度決定のための簡略化されたフローチャートダイアグラムを示す。 本発明による違ったシステム設定で得られるスティックモードからスリップモードへの遷移に対する、図3のモデルで得られる駆動システムとボトムホールアセンブリの回転速度のシミュレーションされた時間挙動を示す。 追加の積分動作を備える、本発明による図1のボアホール装置のスティックスリップ条件のコンピュータシミュレーション用の計算モデルを形成する概略の電気的等価回路図である。 スティックモードからスリップモードへの遷移に対する、図8のモデルで得られた駆動システムの回転速度の3つのシミュレーションされた時間挙動を示す。 スティックモードからスリップモードへの遷移に対する、図8のモデルで得られたボトムホールアセンブリの回転速度の3つのシミュレーションされた時間挙動を示す。 本発明により装備され作動する、駆動システムの回転速度を制御する電子PII制御装置を有するボアホール装置の概略図である。
図1は、地中構造中にボアホールを掘削する掘削リグの典型的なボアホール装置10の概略図である。ボアホールを掘削する切削工具はドリルビット17と呼ばれ、ドリルストリング12の底端13でボトムホールアセンブリ(BHA)11に接続されている。ドリルストリング12は、その頂端14で回転駆動システム15に接続されている。
ドリルストリング12は、互いの端部をネジ式に接続された中空の管すなわちドリルパイプの長さを含む。典型的なドリルストリングの長さは、例えば0〜10kmなど数kmであり、ドリルパイプの外径は約100〜300mm、肉厚は約10〜50mmであり得る。BHA11は、例えば、外径が約250〜500mm、肉厚が約100mmであり得る、ドリルカラーと呼ばれる重いパイプで構成されている。BHAの長さは、典型的には100〜300mの範囲である。ドリルストリング12は長さに比して非常に細長い。
図示していないが、実際の掘削作業では、ドリルビット17の冷却および潤滑のために、掘削流体がドリルストリング12のドリルパイプを通ってドリルビット17に向けて送り込まれる。掘削作業による切削物は、ドリルストリング12の外周とボアホール(図示せず)間に形成されたアニュラスを流れる掘削流体によって地表に戻される。
ボトムホールアセンブリ11は、数個のセンサーとトランスミッタ16および、地中構造の一定の方向、例えば垂直、水平、ある角度でそらした方向、およびもちろんこれらの組み合わせなどの方向にボアホールを掘削するようにボトムホールアセンブリ11を方向付ける方向性ツール(図示せず)を備える。
駆動システム15は、トップドライブまたはロータリテーブルとも呼ばれ、ドリルストリング12、BHA11、従ってドリルビット17を回転させるための回転駆動システムモータ18を備える。最近では、駆動システムモータは一般に、例えば、電力変換装置によって電力が供給される800kW誘導電動機などの電動モータである。しかしながら、本発明は、同期機、ブラシ付き直流機、ディーゼルエンジン、油圧モータなどでも同様に適用できる。明示していないが、特定のギア減速またはある範囲のギア減速を有する変速機が駆動システムモータ18とドリルストリング12間に接続されてもよい。
ドリルストリング12は、使用時には、くみ上げ機械でその頂端14が上方に引っ張られる。底端13上のBHA11は、ドリルビット17と共に地中構造にある。ドリルストリング12の細長いドリルパイプは絶えず引っ張られているが、BHA11の厚肉の下部は部分的には圧縮されている。ドリルパイプは引っ張られていることによって、その部分の座屈が回避される。しかしながら、ドリルパイプ部のねじり剛性は、細長い構造のために比較的小さい。BHA11はねじり方向には固いが、ドリルビット17に作用する圧縮力により横たわみを生じる。
掘削データと情報は、ディスプレイまたは他のデータ出力装置(図示せず)と、キーボード、タッチスクリーンなどの入力装置(図示せず)と、を備えたコンソール19で表示され、掘削者は、中間にある速度制御装置20を通して、ドリルビット17の回転速度を制御する駆動システム15の回転速度および/またはそのトルク限界を制御し得る。
実際には、いくつかのタイプの速度制御装置20が開発・使用されてきており、その制御操作は、ある種の比例動作Pとある種の積分動作Iを提供するように操作可能な周知のPI制御装置に従う。電動システムモータ18の場合、例えば、速度制御装置20は、駆動モータの電流と回転速度およびそれらの変動などの測定変数のいずれかあるいはすべてからのフィードバックで作動するように配置されていてもよい。これは、例えば、これらの変数のいずれかあるいは両方を制御することによって、駆動システム15のエネルギー流れを制御するものである。
駆動システム15は、所謂スピニングモードやメークアップモードなどの異なるモードで作動し得るが、本発明は、掘削者が、ドリルビット17を押して旋回させ、またボアホールを掘削流体または泥水で洗い流すことによって、地中構造または地質構造から材料を有効に研磨あるいは切削することを狙ったドリルモードに係る。
ドリルビット17の回転速度が比較的一定であることが、有効な地中貫通、ドリルの低摩耗、ほぼ無旋回の振動およびボトムホールアセンブリ11に対する良好な操縦条件には最適であることが経験上わかっている。共通的な定常状態でのドリル回転速度は100rpmと少し高く、ドリルビット17に働く駆動トルクは、設定されたビット荷重(WOB)に依存する。
掘削の間、ドリルストリング12および/またはドリルビット17とボアホール内およびその周囲の地質構造との機械的接触の結果として、ドリルストリング12とドリルビット17では摩擦力が変動する。ドリルビット17とドリルストリングの底端部13上の摩擦力は、ドリルストリング12のドリルパイプのねじりたわみ性−これによってドリルパイプ自身は主に、特定のバネ定数またはストリング剛性Ks[Nm/rad]を有するねじりバネとして挙動する−によって、ねじりスティックスリップ振動を生じ得る摩擦トルクを誘起する。駆動システム15は、そのかなりの慣性Jd[kgm2]のために、こうした摩擦力変動にはすぐには応答しない。
この結果、ドリルビット17の定常運転中、摩擦の上昇によってドリルビット17は減速し、最も深刻な場合には、ドリルビット17は完全に停止する可能性がある。ドリルビット17がスティックモードと呼ばれる停止状態あるいはほぼ停止状態になると、速度制御装置20によって制御される駆動システム15は、回転し続けてドリルストリング12を駆動するであろう。ボトムホールアセンブリ11は、回転しないかあるいは十分には回転しないので、ドリルストリング12はバネ状に挙動して巻かれ、ボトムホールアセンブリ11上のトルクは、束縛から解放される摩擦を乗り越えるレベルまで上昇する。この時点で、ボトムホールアセンブリ11とドリルビット17はやがて、スリップモードと呼ばれる回転状態に再び入る。
図2に示す非線形グラフは、例として、ドリルビットのスティックスリップ運転中の、ドリルビット上の摩擦トルクT[Nm]と回転速度ω[rad/s]との関係を示す。図2は例図であるため、パラメータの特定の値は示していない。
完全な停止状態、すなわちスティックモードでは、ω=0、Tは、スティックモードにおける摩擦が乗り越えられる時の駆動トルク値、すなわち束縛から解放されるトルクとも呼ばれる値を表す。ドリルビットが合理的な速度で回転している定常状態におけるトルクをTとする。妥当な想定では、T≒2Tである。TとTの両方共、ビット荷重にほぼ線形に依存すると想定される。
図2から、スティックスリップダイナミクスが想定できる。定常運転の間のドリルビットおよび/またはドリルストリング、すなわちドリルビットトルクTが上昇した摩擦に遭遇すると、ドリルビットは、ドリルビット上の駆動トルクTが上昇して、ドリルビットが束縛から解放されるTに達するまで減速する。解放されると、ドリルビットの回転速度ωは急上昇し、ドリルビット上のトルクは、該摩擦を乗り越えるには小さすぎるT値まで減少してドリルビットは減速する。こうして、スティックスリップサイクルが繰り返される。
ドリルビットは必ずしも完全な停止状態、すなわちω=0rad/sである必要はなく、角回転速度が例えば0.1rad/s程度未満まで減速すればよい。
こうしたスティックスリップ振動は、ドリルビットの耐用年数とボアホール運転の有効性には全体として非常に有害であり、また、ボアホール装置の深刻な振動の主要な原因であり、ドリルストリングを構築するドリルパイプの損傷と脱落の危険性が増加することが観察された。
観察された中で重要な点は、スティックスリップ振動周波数は一定ではないということである。スティックスリップモードにおいて、ドリルストリングの頂端速度がゆっくり減少すると、以降のドリルビット回転速度急上昇間の時間が長くなることが観察された。これは、頂端速度が減少すると、ドリルストリングがさらにゆっくり巻かれて、束縛から解放されるトルクに達する時間も長くなるものと理解される。この非線形の挙動と、ドリルビットまたはボトムホールアセンブリの0またはそれに近い非常に低い回転速度によって、スティックスリップ現象を解決する信頼できる周波数方式または波動方式が妨げられる。
図3は、本発明による図2のボアホール装置のスティックスリップ条件のコンピュータシミュレーション用の計算モデルを形成する電気要素を含む概略の電気的等価回路図である。
図3のモデルでは、主にねじりバネとして作動するドリルストリング12は、インダクタンス値L=1/K[H]を有する誘導子L2としてモデル化される。駆動システム15の慣性は、容量値C=J[F]を有するコンデンサC1としてモデル化される。ボトムホールアセンブリの慣性は、容量値C=J(Jはボトムホールアセンブリ11の慣性)を有するコンデンサC2としてモデル化される。図3aのモデルでは、誘導子L2は、コンデンサC1およびC2に直列に接続される。
速度制御装置20は、DC電圧源V0で表され、電圧値V=ω[V]を有し、中間の並列誘導子/抵抗回路、すなわちインダクタンス値L=1/K[H]を有し剛性K[Nm/rad]と等価な作用を有する積分Iを表す誘導子Lと、抵抗値R[Ω]を有し速度制御装置20によってもたらされる減衰C[Nms/rad]と等価な作用を有する比例1/Pを表す抵抗器R1と、によって、コンデンサC1と誘導子L2に直列に接続された参照速度源ωを含む従来のPI制御装置としてモデル化される。
図3の等価回路図のモデルでは、駆動システム15の回転速度ωは、コンデンサC1間の電圧Vに等しく、ボトムホールアセンブリ11の回転速度ωは、コンデンサC2間の電圧Vに等しい。ボトムホールアセンブリ11に働くトルクTは、電流値がI[A]の電流源I2によってモデル化される。
スティックモードからスリップモードへの遷移では、図3では、スイッチSが開いて電流IがコンデンサC2内を流れる。これは、停止からスタートして、BHAが加速されるステップを表す。Vが0になると、スイッチSは閉じる。Iで表されるトルクがTを超えると、スイッチSは開く。
図4は、調整されたシステム設定でのスティックモードからスリップモードへの遷移に対する、図3のモデルで得られた駆動システム15とボトムホールアセンブリ11の回転速度のシミュレーションされた時間挙動を示す。水平軸は時間t[s]を表し、垂直軸は電圧V[V]あるいは回転速度ωを表す。電圧0あるいは回転速度0は、図4のグラフ中、水平の破線21で示される。
図4に示すシミュレーションでは、以下の数値を図3のいくつかの電気部品に適用する:
=4V ÷ ω=4rad/s
=2000F ÷ J=2000kgm
=500F ÷ J=500kgm
=0.0005H ÷ K=2000Nm/rad
=0.002H ÷ K=500Nm/rad
=0.0005Ω ÷ C=2kNms/rad
=5kA ÷ T=5kNm
5kNmの泥水トルクは、等価回路図では、I=5kAで表されるとする。スティックスリップモードを生じる地中構造は、コンデンサC2と平行のスイッチS2でモデル化される。このスイッチS2が閉じた(すなわち、電流が流れる)位置は、電圧Vが0であり、それは、ボトムホールアセンブリの速度ωが0、すなわちドリルビット17の完全な停止状態と等価であるとシミュレーションされる。
上記の設定は、例えば石灰質上の地中構造中、垂直に真っ直ぐボアホールを掘削時のボアホール装置10を表している。当業者であれば、例えば、シミュレーションされた泥水トルクを違った値にするなどの、その他の設定も実行可能であることは理解するであろう。
本発明に従って、ドリルスプリング12は、スティックモードが終了しスリップモードに遷移する直前のトルク10kNmを表す初期条件で予め巻かれていると仮定する。図3の調整された電気モデルでは、これは、誘導子L2にロードされた初期電流I:10kAで表される。この初期電流Iは、図3では破線で示される。導入部の点で、要素L2、すなわち該モデルでの誘導子は、物理量すなわち初期電流10kAをロードされている。
スティックモードからスリップモードへの遷移は、スイッチSを開くことによって、すなわちスイッチSを電流非伝導位置とすることによってシミュレーションされる。しかしながら、予め巻かれたストリングでシミュレーションすると、Sはt=0で開くと考えられ、従って、スイッチ操作のシミュレーションは必要ではない。
駆動システム15の回転速度ω=Vのシミュレーションされた時間挙動、すなわち図4の破線と、ボトムホールアセンブリ11の回転速度ω=Vのシミュレーションされた時間挙動、すなわち図4の実線と、から、t=0におけるスティックモードからスリップモードへの遷移後、ボトムホールアセンブリ11の回転速度は、参照番号29と22で示すように0と交差し、また、参照番号23で示すように回転速度を反転させる、すなわち負電圧V2となることはすぐに理解されるであろう。
スティックスリップを緩和するには、図4の緩和ダイナミクスのVに示すように、ボトムホールアセンブリの速度ωは0に近すぎてはいけず、また確かに0以下であってはならない。
スティックモードが生じなければ、定常状態モードにおいて、駆動システムおよびボトムホールアセンブリの回転速度は、適用された参照回転速度Vに等しいことは明らかである。
図5は、図4での場合と同様のシステム設定と要素のロードに対して、すなわち、誘導子L2への電流10kAの適用に対して、スティックモードからスリップモードへの遷移に対する、図3のモデルで得られる駆動システムVの回転速度のシミュレーションされた時間挙動、すなわち破線と、ボトムホールアセンブリVの回転速度のシミュレーションされた時間挙動、すなわち実線と、を示す。ここで、速度制御装置20の参照回転速度ωは6rad/s、すなわちV=6Vに設定する。
このシミュレーションから、ボトムホールアセンブリの回転速度、すなわちVはもはや0と交差せず、また十分0を上回る。図5の遷移期中のVのグラフの○で囲まれた点24によって、ボトムホールアセンブリ11の回転速度が0の線21と交差しない駆動システム15の下限、すなわち臨界回転速度ωが決定される。
上記に概説した設定と等価回路図では、例えば、最小の参照回転速度ω=6rad/secに等しい臨界回転速度ωで速度制御装置20を操作することにより、ボトムホールアセンブリ11の回転速度ωは十分に高く維持されて、ボアホール装置がスティックスリップモードに入ることが防げる。
上記に開示したように、駆動システムの回転速度の下限、すなわち臨界速度を決定するステップを、本発明による方法のフローチャートダイアグラム30によって、図6に概略的に示す。フローの方向は、このシートの上から下とする。他の指示はそれぞれの矢印によって示される。
第一のステップとして、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置10は、コンピュータシミュレーション用の等価な計算モデル、すなわちブロック31:「コンピュータシミュレーションモデルの選択と、実際のボアホール装置を表す構成要素値の適用」によってモデル化される。
ボアホール装置は、ドリルストリング12、ボトムホールアセンブリ11、回転駆動システム15、およびドリルビット17の回転速度を制御する速度制御装置20を含むいくつかの部品を備える。選択されたモデルは、このボアホール装置10の実際の機械的および物理的な挙動を表す要素を備え、また、このモデルの各構成要素は、それぞれの構成要素が表すボアホール装置の一部の機械的および物理的特性に対応する値を割り当てられる。好適な実施形態では、該モデルは、図3に示すタイプの線形の電気的等価回路図であり、これによって、ボアホールアセンブリ11の回転速度の時間挙動は、速度制御装置20の運転と駆動システム15の回転速度の関数において決定される。
次に、ブロック32:「要素に初期状態物理量をロード」で示すように、モデルの各構成要素は、初期条件に相当する値を割り当てられる。この場合、初期条件は、ボトムホールアセンブリ11の束縛から解放される直前の、ボアホール装置の機械的および物理的状態に対応してロードされる。
ブロック33:「スティックモード終了のシミュレーション」では、束縛から解放される瞬間、すなわちスティックモードの終了がモデルの中でシミュレーションされる。図3を参照して上記に開示したように、こうしたシミュレーションは、スイッチSを、閉じた状態すなわち電流伝導状態から、開いた状態すなわち非伝導状態に開くステップを備えていてもよい。これによって、BHAの加速の段階的な変化と等価なモデルのステップ応答挙動が生じる。BHA速度がトップドライブ速度を超えるとすぐに、ドリルストリングトルクは減少し始めるであろう。
例えば図4および5に示すように、適切な初期条件を用いたシミュレーションモデルは、束縛から解放された直後のボトムホールアセンブリ11のダイナミクスのシミュレーションに非常に適している。例えばボトムホールアセンブリと駆動システムの回転速度を記録したグラフを図4および5に示すが、応答の番号およびその他の表示は同様のものである。ブロック34:「シミュレーションから緩和ダイナミクスの登録」
ボトムホールアセンブリの回転駆動速度を表す登録された緩和ダイナミクスから、アンダーシュートの下限は決定される。時間応答のグラフ表示において、これは、ダイナミクス曲線の最小値、すなわち、図3の曲線V2の23および24位置である。ブロック35:「ボトムホールアセンブリの回転速度下限の決定」
この時点において、ボトムホールアセンブリ11の回転速度が0以下になることを防ぐ駆動システム15の最小の回転速度、すなわち臨界速度は、ブロック36:「ボトムホールアセンブリの回転速度下限からの駆動システムの回転速度下限の決定」における記録された緩和ダイナミクスから決定される。
ボアホール装置、すなわち速度制御装置20は、上記のように決定された臨界速度を観察しながら、駆動システム15の回転速度が下限を上回るように操作される。ブロック37:「駆動システムの回転速度下限を観察しながらの速度制御装置の操作」
掘削中に、ドリルストリング12はより多くのドリルパイプによって延長され、ドリルビットの方向と遭遇する地中構造の材料特性、従って駆動システムの臨界速度は変化し得る。
判定ブロック38:「装置/環境は変化?」では、そうした変更条件が提供される。判定ブロック38の結果が「はい」の場合、変化した条件に対して臨界速度が決定されるであろう(ステップ31〜37)。ボアホール装置の変化が臨界速度の新規の決定を正当化するにはまだ小さい場合、すなわち、ブロック38の結果が「いいえ」の場合、ボアホール装置は、設定された駆動速度、すなわちブロック37に準じた速度で、ボアホールの掘削を継続するであろう。
スティックモードに入り、例えば、スムーズな掘削作業を行うためにドリルストリングに適用しなければならないビット荷重が変化した場合、臨界速度を再度決定するか否かの判断は、例えば、ドリルストリング12の長さに関する検知値などに基づいてもよい。
ブロック35および36での駆動速度下限の決定前あるいは決定時に、判定ブロック39:「さらなる最適化?」の結果「はい」で示すように、ブロック32、33、34におけるロードするステップ、シミュレーションするステップ、登録するステップを繰り返して最適化を適用してもよい。
図7は、図5での場合と同様のシステム設定だが、L=0.001Hと高い値を、すなわちPI制御装置の剛性をK=1000Nm/radと小さく設定し、スティックモードからスリップモードへの遷移に対する、図3のモデルで得られる駆動システムVの回転速度のシミュレーションされた時間挙動、すなわち破線と、ボトムホールアセンブリVの回転速度のシミュレーションされた時間挙動、すなわち実線と、を示す。
図からわかるように、より低いK値、すなわち速度制御装置20によって提供されるI−動作が低減することによって、ボトムホールアセンブリ11の回転速度のダイナミック応答はより緩やかになり、すなわち、電圧V2の電圧のアンダーシュートははるかに低減され、従って、Vのグラフの○で囲まれた点25を0を上回って維持するための駆動システム15の臨界速度ははるかに低減されている。すなわち、図7のシミュレーションでは、ボトムホールアセンブリの回転速度が0あるいは0近くになるのを回避するための参照回転速度ωは約3rad/secで十分である。
図7から、速度制御装置20が比例動作Pと積分動作Iを有するPI制御装置を備えている場合、ボアホール装置によるボアホール掘削の間、低減された操作回転速度で有効にスティックスリップ振動を緩和するために、臨界速度は、積分動作を減少させることによって低減できることが理解されるであろう。
しかしながら、実際には、掘削機器のオペレータは、できる限り安定した掘削作業を維持しようとしており、このことは、速度制御装置のパラメータを設定する適合を出来るだけ少なくし、また、束縛から解放された瞬間から定常状態までのボアホール装置の設定時間をできるだけ短くすることを示唆している。さらに、オペレータは、駆動システムの回転速度範囲をできるだけ広くして掘削機器を操作したいと考えており、その範囲の上限は、駆動システムの機械的制限で決定され、下限は、上記のように臨界速度によって決定される。
スティックスリップ振動を緩和しながら、設定時間の短縮と駆動システムの広範囲の回転速度とを得るために、図8の等価回路図では、速度制御装置の追加の積分動作をシミュレーションする。この追加の積分動作は積分器A1で表され、その出力は、加法器Σによって電流源I1の制御入力に接続され、その電流Iは、誘導子L2を流れる電流に、すなわちドリルストリングのトルクの等価物に、加えられる。モデル化の目的で、L1を流れる電流の測定は、変流器Tによって概略的に示されている。
積分器A1のインプットはL1を流れる電流と等しい。積分器A1は、積分動作Iからストリング内の平均トルクを引き受けることによって、L1を流れる電流が平均して0になるように制御する。この追加の積分動作は、ボトムホールアセンブリ11上のトルクが上昇した時、すなわちスティックモードに入った時に優先的に作動する。
ボアホールを掘削する場合、速度制御装置は、ボアホール装置のモデルでシミュレーションされたように、積分動作を適用して操作される。
図8にも概略的に示すさらなる実施形態では、慣性補償器A2で示す慣性補償が実施される。慣性補償器A2は、ボアホール装置によるボアホール掘削の間、駆動システムの回転速度加速時に作動する。慣性補償器A2の出力によって、加法器Σを経由して電流源I1が制御される。
慣性補償器A2は、使用されると、駆動システム15の加速に比例する電流I、すなわちコンデンサC1を流れ、係数を乗じられ、電荷QによりC1を有効にバイアスさせてその有効容量を低減させる効果を有する電流を制御する。
機械的な点で、駆動システム15の加速に比例したトルクは、ドリルストリング12の頂端14で注入される。この追加のトルクは、ドリルストリングで起こるように、駆動システム15の慣性を有効に低減する。従って、慣性補償器A2は、駆動システムの慣性を低下させる。慣性が小さいほど、束縛から解放された瞬間に、トップドライブをより速く加速させるであろう。従って、ドリルストリングにおける引っ張りの低下は制限されるであろう。
ボアホールを掘削する場合、速度制御装置は、ボアホール装置のモデルでシミュレートされたように、さらに追加の積分動作を適用して操作される。
追加の積分動作の影響は、速度制御装置に複数の設定がなされた駆動システムおよびボアホール装置それぞれの回転速度の時間応答で示される。
図9は、駆動システムの回転速度の時間応答すなわち緩和ダイナミクスを示しており、図10は、ボトムホールアセンブリの時間応答すなわち緩和ダイナミクスを示す。
破線は、図3のモデルとロードに従い、PI速度制御装置の構成要素を下記のように設定したボアホール装置のシミュレーションされた時間応答を示す:
=2000F ÷ J=2000kgm
=500F ÷ J=500kgm
=0.00005H ÷ K=20kNm/rad
=0.002H ÷ K=500Nm/rad
=0.00005Ω ÷ C=20kNms/rad
一点鎖線は、SOFT TORQUER(登録商標)として既知であり、US特許第5,117,926号で開示されている市販の、従来技術による速度制御装置の制御方法に従ったボアホール装置のシミュレーションされた時間応答である。図3の回線図に対する比較構成要素の設定は以下の通りである:
=2000F ÷ J=2000kgm
=500F ÷ J=500kgm
=0.0005H ÷ K=2000Nm/rad
=0.002H ÷ K=500Nm/rad
=0.0022Ω ÷ C=450kNms/rad
実線は、図3のモデルに従い、積分器A1と慣性補償器A2によって提供される追加の積分動作を備え、上記のように作動し得るPII速度制御装置のシミュレーションされた時間応答である。解放された瞬間に作動し得る追加の積分動作の結果としての有効な構成要素設定は以下の通りである:
=500F ÷ J=500kgm
=500F ÷ J=500kgm
=0.004H ÷ K=250Nm/rad
=0.002H ÷ K=500Nm/rad
=0.00118Ω ÷ C=850Nms/rad
機械的な点で、破線は、非常に固い駆動システムを表す。一点鎖線は、駆動システムのモータ電流(トルク)に基づいたフィードバックを有する駆動システムを表し、実線は、本発明による補償された駆動システムを表す。
図9および図10に示した本発明に従った両方のシミュレーションにおいて、ドリルスプリング12は、スティックモードが終了しスリップモードに遷移する直前に、ボトムホールアセンブリ上のトルク:10kNmを表す初期条件で予め巻かれているとする。図3のこの調整された電気モデルでは、L1およびL2の初期電流:10kAで表される。
図10では、ボトムホールアセンブリの3つのシミュレーションされた回転速度の最小値に円マークを付し、破線、一点鎖線および実線に対して参照番号26、27および28それぞれで示す。上記で開示したように、これらの最低値は、スティックモードから解放された状態において、これらの点26、27および28を、0を上回って維持する必要がある駆動システムの臨界速度を表す。
堅い場合、すなわち破線の曲線では、駆動システムの回転速度は約19.6rad/sを上回る必要がある。SOFT TORQUER(登録商標)の場合、臨界速度は11.4rad/sであり、本発明による補償の場合は、用いたシステム前提下で、スティックスリップ状況から回復できる最低回転駆動速度はわずか0.6rad/sである。
図9および図10から、本発明による補償されたシステムすなわち実線では、他の設定と比較して、回復が非常に速いことがわかる。特に、付加的な積分器A1の作用によって、臨界速度を犠牲にすることなく、スティックモードにおける中の束縛から解放されるトルクにはるかに速く到達できるようになる。図9に示すように、慣性補償器A2によって駆動システムの加速が支援され、ボアホール装置は、広い回転速度範囲で作動できる。
図11は、本発明に従って地中構造中にボアホールを掘削する間、ボアホール装置10のスティックスリップ振動を緩和するデバイス40を概略的に示す。図1に示すボアホール装置10に加えて、コンピュータシミュレーション41用システムが備えられる。シミュレーションシステム41は、コンピュータまたは処理デバイス42と、キーボード、タッチスクリーンなどの入力インターフェース43であって、ボアホール装置のコンピュータシミュレーションモデルを選択し、ボアホール装置10の駆動システム15とボトムホールアセンブリ11の運転をシミュレーションするためにパラメータ値初期値を設定する入力インターフェース43と、を備える。ボアホール装置のシミュレーションされた時間応答は、グラフィックディスプレイ、プリンターまたはプロッターなどの出力インターフェース44あるいはシミュレーションされた応答を評価するデータ評価モジュールに提供されて、ボアホール装置の臨界速度が得られる。シミュレーションモデル、パラメータ値と初期値、シミュレーションされた応答および本発明に従って臨界速度を決定する他の関連データも、シミュレーションシステム41からアクセス可能な別個のベータベース45に格納およびそこから検索できる。データベース45は、シミュレーションシステムから離れていて、例えば通信網46で接続されていてもよい。
シミュレーションシステム41は、ソフトウェアおよびハードウェアを備えており、これらのソフトウェアおよびハードウェアは、コンピュータシミュレーション用の計算モデルによってボアホール装置10をモデル化し;このモデルにおいて、ボトムホールアセンブリ11のスティックモードをシミュレーションし;スリップモードに先立って、ボアホール装置10の初期状態を表す物理量をこのモデルに適応し;このモデルにおいて、スティックモードを終了させて、ボトムホールアセンブリ11を同じ方向に回転させ、すなわち逆方向に回転させず、また回転速度を0を上回るように維持する駆動システム15の回転速度下限をスリップモードのシミュレーションから決定するために、適切に配置されている。
本発明による電子制御装置50は、速度制御装置20に加えて、上記のように、下限、すなわちシミュレーションシステム41によって時間応答シミュレーションから得られた駆動システムの臨界回転速度を格納するためのメモリを有する速度制限デバイス47を備える。
電子制御装置50はデータ接続または電気通信網の48によってシミュレーションシステム41に接続される。電子制御装置50は、電子PI制御装置あるいは、上記に開示した積分器A1に従って作動する追加の積分動作を提供する制御部49を有するPI制御装置として設計できる。ある実施形態では、慣性補償器51も速度制御装置50に実施され、二重線52で示されるように、また図8を参照して議論したように、駆動モータ18の加速に応じて作動するように配置される。速度制御装置50は全体として、PII制御装置として実施されてもよい。
図3の等価回路図では、ドリルストリングは、単一の誘導子L2でモデル化されており、図示のように接続されている。本発明の目的で、ドリルストリングの異なる部分が、適切な断面は、インダクタンス値を有する誘導子Lと、例えばドリルストリングのある慣性を表す適切な容量値を有するコンデンサCと、によってモデル化されてもよく、ここで、誘導子Lは、誘導子L2に直列に接続されており、コンデンサCは、接続ノードL2からグラウンドまたはアースEに接続される。異なる地中構造特性、地中構造中のドリルストリングの経路、ドリルパイプの機械的特性などを考慮に入れて、いくつかのこうした部分がモデル化されてもよい。
ボアホール装置のモデルの要素に、初期条件をロードする場合、いくつかの誘導子、L、L2、A1に異なる初期電流を適用してもよく、また、必要であれば、初期電圧に応じてコンデンサCを充電してもよい。
さらに、当業者には理解されるように、本発明による方法、デバイスおよび電気制御装置は、上記のように、ボアホール装置の運転に及ぼす適用されたいくつかのパラメータ設定、初期値および物理量の影響に関する研究を提供する。これは、ボアホールを掘削する間、特にスティックスリップ振動を緩和するために、ボアホール装置の所望の挙動を達成する電子制御装置の最適パラメータ装置を決定するものである。
当業者であれば、ボトムホールアセンブリと駆動システムがモデル化でき、それぞれの初期条件を同様により詳細にシミュレーションするために、それぞれの回路素子を適切な物理量、すなわち電流と電荷によりロードでき得ることは理解するであろう。
従って、本発明は、上記に開示した実施形態には限定されず、当業者により、創造的技量の適用を必要とせずに、本発明の範囲を超えて特許請求の範囲に開示されたように、変更・改良可能である。

Claims (20)

  1. ボトムホールアセンブリ(11)と回転駆動システム(15)に連結された頂端(14)とを有するドリルストリング(12)と、前記駆動システム(15)の回転駆動速度を制御する速度制御装置(20)と、を備えた、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置(10)のスティックスリップ振動の緩和方法であって、
    前記ボアホール装置(10)によるボアホール掘削の間、前記駆動速度が駆動速度下限を上回るように前記速度制御装置(20)を操作するステップを備えており、前記駆動速度下限は、
    コンピュータシミュレーション用の等価な計算モデルによって前記ボアホール装置(10)をモデル化するステップ(30)と、
    スティックモードからスリップモードに前記ボトムホールアセンブリが遷移するように、前記ボアホール装置の初期状態を表す物理量を前記モデルの要素にロードするステップ(32)と、
    前記ロードしたモデルにおいて、スティックモードからスリップモードへの前記ボトムホールアセンブリ(11)の前記遷移を表す遷移をシミュレーションするステップ(33)と、
    前記シミュレーションステップから、前記モデルに緩和ダイナミクスを登録し(34)、前記ボトムホールアセンブリ(11)の回転駆動速度を表すステップと、
    前記緩和ダイナミクスから、前記ボトムホールアセンブリ(11)の前記回転駆動速度が0になる駆動速度として、前記駆動速度下限を決定するステップ(36)と、から決定されることを特徴とする方法。
  2. 前記シミュレーションするステップ(33)は、
    スティックモードからスリップモードへの前記ボトムホールアセンブリ(11)の前記遷移を表す前記ロードされたモデルからステップ応答を適用するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記速度制御装置(20)は、前記駆動システム(15)の定常運転中の前記駆動速度が、前記駆動速度下限を上回ってできるだけ低くなるように操作される(37)ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記ボアホール装置(10)の前記初期状態を表す前記物理量は、前記ボトムホールアセンブリ(11)のスティックモードの結果として、予め巻かれたドリルストリング(12)を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記モデル化するステップ(30)は、前記ボアホールが掘削される実際の地中構造と掘削流体の表現を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記モデル(30)は、電気的等価回路図、状態空間モデルあるいは動的シミュレーションモデルであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記駆動速度下限を決定するステップ(36)は、前記ボアホール装置の一部が変更された後繰り返されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記速度制御装置(20)は、前記ステップ応答を適用した時に前記駆動速度下限を減少させるように設定された比例動作Pと積分動作をIとを有するPI制御装置を備え、前記ボアホール装置(10)によるボアホール掘削の間、前記設定した積分動作を適用して操作されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記速度制御装置(20)は、追加の積分動作(A1;49)を備え、前記追加の積分動作は、前記ステップ応答を適用した時に、前記ボトムホールアセンブリ(11)の前記駆動速度の設定を加速するように設定され、前記ボアホール装置(10)によるボアホール掘削の間、前記積分動作を適用して操作されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記追加の積分動作(A1;49)は、ねじりバネとしてモデル化された前記ドリルストリング(12)のバネ定数またはバネ剛性に比例するように設定されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記速度制御装置(20)は、前記ボアホール装置(10)によるボアホール掘削の間および前記駆動システム(15)の前記駆動速度加速時に作動する、前記駆動システム(15)の慣性補償を提供する慣性補償(A2;51)を備えることを特徴とする請求項8、請求項9または請求項10に記載の方法。
  12. 前記モデル化するステップ(31)、ロードするステップ(32)、シミュレーションするステップ(33)、登録するステップ(34)および決定するステップ(36)は、前記ボアホール装置(10)とは別個のコンピュータシミュレーション用システム(41)で行われることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の方法。
  13. ボトムホールアセンブリ(11)と回転駆動システム(15)に連結された頂端(14)とを有するドリルストリング(12)と、前記駆動システム(15)に参照トルクを供給する速度制御装置(20)と、を備えた、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置(10)のスティックスリップ振動を緩和するデバイス(40)であって、前記速度制御装置(20)は、前記ボアホール装置(10)によるボアホール掘削の間、駆動速度が駆動速度下限を上回るように前記駆動システム(15)を操作するために配置され、さらに、
    コンピュータシミュレーション用の等価な計算モデルによって前記ボアホール装置(10)をモデル化するステップ(31)と、
    スティックモードからスリップモードに前記ボトムホールアセンブリ(11)が遷移するように、前記ボアホール装置(10)の初期状態を表す物理量を前記モデルの要素にロードするステップ(32)と、
    前記ロードしたモデルにおいて、スティックモードからスリップモードへの前記ボトムホールアセンブリ(11)の前記遷移を表す遷移をシミュレーションするステップ(33)と、
    前記シミュレーションステップから、前記モデルに緩和ダイナミクスを登録し(34)、前記ボトムホールアセンブリ(11)の回転駆動速度を表するステップと、
    前記緩和ダイナミクスから、前記ボトムホールアセンブリ(11)の前記回転駆動速度が0になる駆動速度として、前記駆動速度下限を決定するステップ(36)のために配置されたコンピュータシミュレーション用のシステム(41)を備えることを特徴とするデバイス(40)。
  14. 前記速度制御装置(20)は、比例動作Pと積分動作Iを有するPI制御装置と、前記ボアホール装置(10)によるボアホール掘削の間、前記ボトムホールアセンブリ(11)の前記駆動速度の設定を加速するように前記駆動システム(15)を操作する追加の積分動作を提供する制御部(49)と、を備えることを特徴とする請求項13に記載のデバイス(40)。
  15. 前記速度制御装置(20)は、前記ボアホール装置(10)によるボアホール掘削の間および前記駆動システム(15)の前記駆動速度加速時に作動するように配置された、前記駆動システム(15)の慣性補償を提供する慣性補償器(51)を備えることを特徴とする請求項14に記載のデバイス(40)。
  16. 前記速度制御装置(20)はPII制御装置として実施された電子制御装置であることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のデバイス(40)。
  17. ボトムホールアセンブリ(11)と回転駆動システム(15)に連結された頂端(14)とを有するドリルストリング(12)を備えた、地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置(10)の回転駆動システム(15)の回転駆動速度を制御する電子制御装置(50)であって、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の方法から得られた前記駆動速度の駆動速度下限を格納するメモリを有する駆動速度制限デバイス(47)を備えることを特徴とする電子制御装置(50)。
  18. 比例動作Pと積分動作Iとを有し前記駆動システム(15)を操作するPI制御装置を備え、スリップモードからスティックモードに入る時に、前記ボトムホールアセンブリ(11)の前記駆動速度の設定を加速するように前記駆動システム(15)を操作する追加の積分動作を提供する少なくとも1つの制御部(49)と、前記ボアホール装置(10)によるボアホール掘削の間、前記駆動システム(15)の前記駆動速度加速時に作動するように配置された前記駆動システム(15)の慣性補償を提供する慣性補償器(51)と、を備えることを特徴とする請求項17に記載の電子制御装置(50)。
  19. 前記電子制御装置はPII制御装置として実施されていることを特徴とする請求項18に記載の電子制御装置(50)。
  20. 地中構造中にボアホールを掘削するボアホール装置(10)であって、
    ボトムホールアセンブリ(11)と回転駆動システム(15)に連結された頂端(14)とを有するドリルストリング(12)と、請求項13乃至請求項16のいずれかに記載の、前記駆動システム(15)の回転駆動速度を制御するデバイス(40)と、を備えることを特徴とするボアホール装置(10)。
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