JP2014534165A - B7−h6ポリペプチドに対するb7−h6治療活性モノクローナル抗体 - Google Patents

B7−h6ポリペプチドに対するb7−h6治療活性モノクローナル抗体 Download PDF

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Abstract

本発明は、診断方法および手段に関する。具体的には、本発明は、B7-H6ポリペプチドの細胞外ドメインの一部に特異的に結合する抗体に関する。さらに、前記抗体は、癌または炎症疾患の治療または診断における使用のために提供される。さらに、癌または炎症疾患に罹患することが疑われる被験体のサンプルにおいて癌を診断するための方法が提供される。さらに、本発明は、癌または炎症を診断するためのデバイスおよびキットに関する。【選択図】 なし

Description

本発明は、診断方法および手段に関する。具体的には、本発明は、B7-H6ポリペプチドの細胞外ドメインの一部に特異的に結合する抗体に関する。さらに、前記抗体は、癌または炎症疾患の治療または診断における使用のために提供される。さらに、癌または炎症疾患に罹患することが疑われる被験体のサンプルにおいて癌を診断するための方法が提供される。さらに、本発明は、癌または炎症を診断するためのデバイスおよびキットに関する。
今日まで、発生率および死亡率の低下ならびに生存率の改善において前進が為されていたとしても、癌は米国における主な死因の一つである(Jemalら、2010、CA Cancer J Clin. Sep-Oct 60(5):277-300を参照されたい)。癌の発達が免疫系による腫瘍細胞の特異的認識の欠如と関連することが多いという事実に起因して、診断方法および手段を改善することにより、さらなる前進を促進することができる。
標的癌療法は、癌細胞の増殖を直接遮断する特異的標的化分子(例えば、モノクローナルまたはポリクローナル抗体)を阻害する薬剤を含む。かくして、標的癌療法は、伝統的な治療手法(例えば、切除、放射線、化学療法)よりも有効であり、正常細胞に対する有害性が低い。モノクローナル抗体(mAb)を、標的細胞の細胞外ドメインまたは細胞表面標的に特異的に結合して、患者の免疫系を刺激するように設計することができる。また、モノクローナル抗体を、いくつかの重病(例えば、炎症疾患または様々な型の癌)のために作製することもできる。かくして、モノクローナル抗体は、例えば、これらの疾患の初期発生段階を検出するか、または治療手法を提供するための、信頼でき、効率的な治療および診断方法および手段を提供することができる。
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、炎症および適応免疫応答を形作り(Vivierら、2008、Nat. Immuno. 9:503-510を参照されたい)、形質転換され、ウイルスに感染した細胞の拒絶において重要な役割を果たしている(Smythら、2002, Nat. Rev. Cancer 2:850-861; Lanier 2005, Annu. Rev. Immunol. 23:225-274を参照されたい)自然免疫系の主要成分である。NK細胞は、NK細胞活性化から、およびNK細胞攻撃から標的細胞を保護する、主要組織適合複合体(MHC)クラスIの発現について標的細胞を監視する(Parham 2005, Nat. Rev. Immunol. 5:201-204を参照されたい)。MHCクラスIを欠く標的細胞は、アポトーシス(プログラム細胞死)の誘導に起因してNK細胞により直接殺傷される。NK活性化受容体(例えば、NKp30のような天然の細胞傷害性受容体(NCR)ファミリー)の発見により、活性化シグナルも、NK細胞の活性化および腫瘍細胞溶解にとって必要であることが示された(Pendeら、1999, Cancer Res. 62:6178-6186; Morettaら、2001, Annu. Rev. Immunol. 19:197-223を参照されたい)。
最近、ヒトNKp30がB7ファミリーメンバーB7-H6と直接相互作用し、腫瘍細胞上でのその発現がNKp30依存的細胞活性化および細胞傷害性を誘導することを示すことができた(Brandtら、2009, J. Exp. Med. 206(7):1495-1503; US 2011/0081346を参照されたい)。これにより、NKp30の細胞外ドメインは、いくつかの腫瘍細胞系の表面上にのみ発現されるB7-H6の細胞外ドメインと直接相互作用する(Brandtら、2009, J. Exp. Med. 206(7):1495-1503を参照されたい)。
本発明は、B7-H6ポリペプチドの細胞外ドメインの一部により形成されるエピトープに特異的に結合する抗体に関し、前記一部が配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する。好ましくは、前記配列は、IgV様ドメインである。
本発明の抗体の好ましい実施形態においては、前記抗体は、配列番号5、7、9、15、17、および19に示される相補性決定領域(CDR)を含む。上記CDRの核酸配列は、IMGT-ONTOLOGYに従ってアノテートされたものである(GiudicelliおよびLefranc 1999, Bioinformatics 15:1047-1054を参照されたい)。
本発明の抗体の好ましい実施形態においては、前記抗体は、モノクローナル抗体である。より好ましくは、前記抗体は、2011年2月2日のブダペスト条約の下、DSMZ、Braunschweig、Germanyに受託番号DSM ACC 3117の下で寄託された抗体である。
本発明は、癌の治療または診断における使用のための本発明の抗体を意図する。好ましくは、癌はT細胞リンパ腫、骨髄性白血病、結腸癌、B細胞リンパ腫、メラノーマ、または子宮頸癌である。
本発明はさらに、炎症疾患の治療または診断における使用のための本発明の抗体を意図する。好ましくは、炎症疾患は、ウイルス感染である。
本発明は、癌に罹患することが疑われる被験体のサンプルにおいて癌を診断するための方法であって、
a)サンプルと本発明の抗体とを、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの該抗体の結合を可能にする条件下で接触させること;および
b)前記エピトープへの該抗体の結合を決定すること
を含み、それによって癌が診断される、前記方法に関する。
本発明の方法の好ましい実施形態においては、癌はT細胞リンパ腫、骨髄性白血病、結腸癌、B細胞リンパ腫、メラノーマ、または子宮頸癌である。
本発明はまた、炎症疾患に罹患することが疑われる被験体のサンプルにおいて炎症疾患を診断するための方法であって、
a)サンプルと本発明の抗体とを、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの該抗体の結合を可能にする条件下で接触させること;および
b)前記エピトープへの該抗体の結合を決定すること
を含み、それによって炎症疾患が診断される、前記方法にも関する。
本発明の方法の好ましい実施形態においては、前記サンプルは、組織または体液サンプルである。
また、サンプル中の癌または炎症疾患を診断するためのデバイスであって、
a)本発明の抗体を含む分析ユニット;および
b)分析ユニット中の抗体の、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの結合を検出する検出器
を含む、前記デバイスも本発明により包含される。
本発明のデバイスの好ましい実施形態においては、前記サンプルは、組織または体液サンプルである。
本発明は最後に、本発明の抗体、および好ましくは、前記抗体の、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの結合の検出剤を含む、癌または炎症疾患を診断するためのキットに関する。
B7-H6-Ig融合タンパク質の核酸およびアミノ酸配列を示す図である。斜体の核酸およびアミノ酸配列は、酵素的制限部位を示す。ヒトB7-H6の細胞外ドメインの核酸およびアミノ酸配列は太字の下線で示し、Fcmの前記配列は破線の下線で示す。 図1−1の続きである。 ヒトB7-H6ポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列を示す図であり、IgV様ドメインおよびIgC様ドメインを示す。 酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて、抗B7-H6クローン1.18がB7-H6と反応することを示す図である。 蛍光活性化細胞選別(FACS)を用いて、抗B7-H6クローン1.18がトランスフェクタント上のB7-H6(BA/F3-B7-H6)に結合することを示す図である。 抗B7-H6クローン1.18が、細胞系(造血および固形腫瘍起源)上のB7-H6に結合するが、健康な末梢血単核細胞(PBMC)には結合しないことを示す図である。 B7-H6のIgVドメインの一部が抗B7-H6クローン1.18の結合に関与することを示す図である。 図5−1の続きである。 異なる細胞系における蛍光活性化細胞選別(FACS)およびmRNA発現により決定されたB7-H6の細胞表面発現を示す図である。図6aは、造血起源の腫瘍細胞系におけるB7-H6の発現を示す。図6bは、固形腫瘍起源の腫瘍細胞系におけるB7-H6の発現を示す。 図6aの続きである。 抗B7-H6 mAb 1.18が、BA/F-3-B7-H6トランスフェクタントのサイトスピン(凍結切片)上でB7-H6を検出することを示す図である。 一次ナチュラルキラー(NK)細胞が、BA/F3-B7-H6トランスフェクタントとの同時培養時に脱顆粒することを示す図である。
本発明は、B7-H6ポリペプチドの細胞外ドメインの一部により形成されるエピトープに特異的に結合する抗体に関するものであり、前記一部が配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する。好ましくは、前記配列は、IgV様ドメインである。
用語「抗体」とは、B7-H6ポリペプチドの細胞外ドメインの一部に含まれるエピトープに特異的に結合する全ての型の抗体を指す。本明細書に記載のエピトープは、好ましくは、長さ7〜15個、好ましくは8〜11個の連続するアミノ酸のストレッチにより定義される。しかしながら、本発明によるエピトープは、特定の三次元構造により形成させることもでき、そのような構造的エピトープもまた本明細書に包含される。この文脈における特異的結合とは、本発明の抗体が、B7-H6ポリペプチドまたは他のポリペプチド上の他のエピトープに対する有意な交叉反応性(すなわち、結合)を有さないエピトープに本質的に結合することを意味する。特異的結合を、当業界で周知の技術により決定することができる。好ましくは、抗体は、前記エピトープに特異的に結合する。上記エピトープは、B7-H6ポリペプチドの細胞外ドメインの一部に位置するべきである。好ましくは、B7-H6ポリペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有し、前記細胞外ドメインは、前記配列のアミノ酸58〜300に対応する(図1および図2も参照されたい)。B7-H6ポリペプチドを、1個以上のアミノ酸の置換、付加および/または欠失によってそれとは異なる配列番号2の変異体配列により表してもよいことが理解されるであろう。そのような変異体配列は、他の種に由来するオーソロガスなアミノ酸配列であってもよく、ならびに上記の特異的B7-H6のパラロガスまたは他の相同な配列であってもよい。好ましくは、そのような変異体配列は、配列番号2の全長または少なくとも50%にわたって、前記配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一である。本明細書で用いられる用語「配列同一性」は、2つ以上のポリペプチド配列、すなわち、参照配列および参照配列と比較しようとする所与の配列の間の関係を指す。配列を最適に整列して、一連のそのような配列間の一致により決定することができる最も高い程度の配列類似性をもたらした後、所与の配列と参照配列とを比較することにより、配列同一性を決定することができる。当業者であれば、さらに苦労することなく前記アラインメントを実施することができる。従って、同一性は、好ましくは、当業者には公知の公共的に利用可能なコンピュータプログラム、例えば、BLASTおよびFASTAを用いて算出することができる。本発明に従って想定される他の配列変異体は、配列番号1に示されるB7-H6をコードする核酸配列に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることができる核酸分子によりコードされるものである。好ましくは、B7-H6ポリペプチドは、配列番号1に示される核酸配列によりコードされる。本発明に従って記載されるストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、50℃で7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5M NaPO4、1mM EDTA中でのハイブリダイゼーションと共に、50℃または65℃で1X SSC、0.1%SDS中での洗浄と等価であり、ここで配列番号1の少なくとも100個、より好ましくは少なくとも150個、さらにより好ましくは少なくとも200個、最も好ましくは少なくとも250個の連続するヌクレオチドを含む核酸分子プローブまたはその逆相補体が用いられる。そのような配列変異体中の細胞外ドメインの最初および最後のアミノ酸は、上記の配列番号2について示された位置とは異なっていてもよいことが理解されるであろう。しかしながら、細胞外ドメインは、前記位置に対応する位置で開始し、終了する。当業者であれば、さらに苦労することなくそのような対応する位置を配列分析ツールにより決定することができる。
好ましくは、本発明に従って記載される抗体は、上記の結合特性を有するモノクローナル抗体、一本鎖抗体、キメラ抗体またはそのような抗体の任意の断片もしくは誘導体を包含する。本明細書で用いられる用語「抗体」により含まれるそのような断片および誘導体は、合成抗体、Fab、F(ab)2、FvもしくはscFv断片、またはこれらの抗体のいずれかの化学的に改変された誘導体を包含する。好ましくは、本発明により想定される化学的改変は、抗体を、本明細書の他の場所に特定される検出マーカーにカップリングさせるものを含む。一般に、抗体またはその断片を、例えば、HarlowおよびLane、「Antibodies, A Laboratory Manual」、CSH Press, Cold Spring Harbor, 1988に記載された方法を用いることにより取得することができる。
有利には、本発明の抗体は、高い親和性でB7-H6に特異的に結合する。本発明の基礎となる研究において、先行技術(Brandt 2009, J. Exp. Med. 206(7): 1495-1503およびUS 2011/0081346)に記載または提唱された他の抗B7-H6抗体と比較して、前記抗体はFACS選別および細胞培養などのin vivoでの適用ならびに例えば、凍結組織切片上での免疫組織化学分析などのin vitroでの適用において特に有用である。本発明のおかげで、B7-H6の決定に基づく癌の診断は改善するであろう。さらに、B7-H6陽性細胞に対して抗腫瘍剤を標的化することを目的とする治療手法が実現可能である。
本発明の抗体の好ましい実施形態においては、前記抗体は、配列番号5、7、9、15、17および19に示される相補性決定領域(CDR)を含む。上記CDRの核酸配列は、IMGT-ONTOLOGYに従ってアノテートされたものである(GiudicelliおよびLefranc 1999, Bioinformatics 15:1047-1054を参照されたい)。
本明細書で用いられる用語「相補性決定領域」または「CDR」とは、抗原結合における特異性の原因となる抗体の可変ドメインを指す。通常、抗原は3つのCDR(CDR1、CDR2およびCDR3)を含む。これらのCDRは、非連続的様式で整列される。抗体の抗原認識部分は、典型的には重鎖および軽鎖上の2つの可変ドメインから構成されるため、6つのCDRが結合時に抗原と接触するようになる。CDR移植などの従来の分子生物学的技術により、CDRをある抗体種から別の抗体種へ移動させることができる(Ewert 2004, Methods 34(2): 184-199; Benny K.C. Lo in Antibody Engineering - Methods in Molecular Biology 2004, Volume 248, II, 135-159, DOI 10.1385/1-59259-666-5:135を参照されたい)。
上記のことから、別の好ましい実施形態において、本発明の抗体はモノクローナル抗体であることが理解されるであろう。
好ましくは、そのようなモノクローナル抗体を、上記で特徴付けられた細胞外ドメインの一部を有する免疫原性ポリペプチドを哺乳動物、好ましくはマウスに適用することにより調製することができる。より好ましくは、免疫原性ポリペプチドを、ウシ血清アルブミン、サイログロブリン、およびキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)などの担体タンパク質にコンジュゲートさせる。宿主の種に応じて、様々なアジュバントを用いて免疫応答を増加させることができる。そのようなアジュバントは、好ましくは、Freundのアジュバント、鉱物ゲル、例えば、水酸化アルミニウム、および界面活性物質、例えば、リゾレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油乳濁液、キーホールリンペットヘモシアニン、およびジニトロフェノールを包含する。続いて、本発明によるモノクローナル抗体を、周知のハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、およびEBVハイブリドーマ技術を用いて調製することができる。本発明の抗体の調製に関するさらなる詳細は、以下の添付の実施例に記載される。
本発明の抗体のより好ましい実施形態においては、抗体は、前記抗体または「Deutsches Krebsforschungszentrum」、Heidelberg、GERMANYによりブダペスト条約に従って2011年2月2日に「DSMZ - Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH」、38124 Braunschweig、GERMANYに受託番号DSM ACC 3117の下で寄託された対応するハイブリドーマ細胞クローンにより産生された抗体である。
上記の抗B7-H6 mAbは、少なくとも1つの重鎖および少なくとも1つの軽鎖を含むべきである。好ましくは、抗B7-H6 mAbは、配列番号3に示される重鎖のアミノ酸配列(IGHV/IGHD/IGHJ)を有し、それによって、分泌形態(IGHV/IGHD/IGHJ/IGHG1)は配列番号11に示され、膜結合形態(IGHV/IGHD/IGHJ/IGHG1)は配列番号12に示される。重鎖の断片1〜4の核酸配列は配列番号4、6、8および10に示され、重鎖のCDR1〜3の核酸配列は配列番号5、7および9に示される。さらに、前記抗体は、配列番号13に示される軽鎖のアミノ酸配列(IGLV/IGLJ)を有し、それによって、IGLV/IGLJ/IGLCの配列は配列番号21に示される。軽鎖の断片1〜4の核酸配列は、配列番号14、16、18および20に示され、軽鎖のCDR1〜3の核酸配列は配列番号15、17、および19に示される。抗B7-H6 mAbを、1個以上のアミノ酸の置換、付加および/または欠失によりそれとは異なる上記の配列番号3〜21の変異体配列により表すこともできることが理解されるであろう。そのような変異体配列は、他の種に由来するオーソロガスなアミノ酸配列ならびに上記の特異的抗B7-H6 mAbのパラロガスまたは他の相同な配列であってもよい。好ましくは、そのような変異体配列は、配列番号3〜21の全長または少なくとも50%にわたって、前記配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%同一である。用語「配列同一性」は、本明細書の他の場所に定義されており、変更すべきところは変更して準用される。
本発明はさらに、癌の治療または診断における使用のための本発明の抗体に関する。
本明細書で用いられる用語「治療」は、本明細書に記載の疾患またはその症状の改善ならびに疾患の治癒、すなわち、疾患またはその症状に関する被験体における健康な状態の再確立を包含する。本明細書に記載の改善とは、疾患または疾患の症状に関する健康状態の有意な改善を指す。そのような有意な改善は、好ましくは、例えば、被験体を調査するために適用される段階評価または等級評価において、臨床的に明らかなものである。当業者によって理解されるように、本明細書で用いられる治療は通常、所与の治療の下で被験体の全部(すなわち、100%)について正確であることを意図しない。しかしながら、この用語は、被験体の統計的に有意な部分(例えば、コホート試験におけるコホート)を治療することができることを要する。当業者であれば、様々な周知の統計的評価ツール、例えば、信頼区間の決定、p値の決定、Studentのt検定、Mann-Whitney検定などを用いて、ある部分が統計的に有意であるかどうかをさらに苦労することなく決定することができる。詳細は、DowdyおよびWearden, Statistics for Research, John Wiley & Sons, New York 1983に見出される。
好ましくは、癌の治療における使用のための本発明の抗体は、細胞傷害剤もしくは抗腫瘍剤にカップリングされるか、または癌の治療にとって好適なそのような薬剤を動員することができる。本明細書で用いられる用語「薬剤」とは、エレメント、化合物、または他の分子的実体(例えば、医薬化合物、治療化合物、もしくは薬理化合物)を指す。そのような薬剤は、天然、合成またはその組合せであってもよい。本明細書で用いられる用語「治療剤」とは、単独で、または別の薬剤と組合わせて、細胞または組織に対する治療的または有益な効果を示す薬剤を指す。好ましくは、本発明による治療剤は、薬物、毒素、免疫調節剤、キレーター、ボロン化合物、光活性剤または染料を含むべきである。治療剤を、抗体などのポリペプチドにカップリングさせるための技術は、当業者には周知である(例えば、Amonら、1985、「Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy」、Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy (Reisfeldら(編)、Alan R. Liss, Inc., 1985))。本明細書で用いられる用語「細胞傷害剤」とは、細胞に対する細胞傷害効果または細胞増殖抑制効果を有し、それによって、それぞれ、細胞集団内の細胞の増殖を枯渇させるか、または阻害する薬剤を指す。好ましくは、本発明による細胞傷害剤は、抗チューブリン剤(例えば、ドラスタチン、ビンカアルカロイド、ポドフィラトキシン、タキサン、バッカチン誘導体、クリプトフィシン、メイタンシノイド、およびコンブレタスタチン)、DNA小溝結合剤、DNA複製阻害剤、アルキル化剤(例えば、白金複合体)、アントラサイクリン、抗生物質、抗葉酸剤、代謝拮抗剤、化学療法増感剤、デュオカルミシン、エトポシド、フッ素化ピリミジン、イオノフォア、レキシトロプシン、ニトロソウレア、プラチノール、プレフォーミング化合物、プリン代謝拮抗剤、ピューロマイシン、放射線増感剤、ステロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイドなどを含むべきである。本明細書で用いられる用語「抗腫瘍剤」とは、癌細胞に対する細胞傷害効果または有害効果を有し、それによって、それぞれ腫瘍内の癌細胞の増殖を停止させ、好ましくは細胞死をもたらす薬剤を指す。好ましくは、本発明の抗体は、標的細胞(例えば、癌細胞)および標的細胞死をもたらす前記抗体の受容体を発現する特定のエフェクター細胞(例えば、ナチュラルキラー細胞、単球、顆粒球)に結合する。本発明の別の好ましい実施形態においては、本発明の抗体を、リンカーを介して細胞傷害剤または抗腫瘍剤にカップリングさせる。好ましくは、本発明によるリンカーは、細胞内条件下で切断可能であるリンカー(例えば、細胞内プロテアーゼにより切断可能なペプチドリンカー、ジペプチドリンカー、ジスルフィドリンカー、および例えば、5.5未満のpHで加水分解可能である加水分解性リンカー)を含むべきである。しかしながら、本発明の抗体を、癌に関与するシグナリングカスケードのモジュレータとしてB7-H6上でのその遮断および結合特性に起因して癌を治療するために用いることもできる。
本明細書で用いられる用語「診断」とは、被験体が本明細書に記載の疾患に罹患するか否かの評価を意味する。当業者であれば理解できるように、そのような評価は通常、同定しようとする被験体の全て(すなわち、100%)について正確であることを意図しない。しかしながら、この用語は、被験体の統計的に有意な部分(例えば、コホート試験におけるコホート)を同定することができることを要する。当業者であれば、本明細書の他の場所に記載される様々な周知の統計評価ツールを用いて、ある部分が統計的に有意であるかどうかをさらに苦労することなく決定することができる。本発明による診断は、関連する疾患のモニタリング、確認、および亜分類における方法の適用を含む。さらに、本明細書で用いられる診断の確立は、被験体に関する予後の確立も含む。そのような予後は、将来の時間ウィンドウ、すなわち、予測ウィンドウにおける疾患のさらなる発生に関する予測的指示因子である。かくして、本明細書で用いられる診断は、好ましくは、被験体が将来、疾患もしくは疾患症状に関して改善するかどうか、または疾患もしくは症状が悪化するかどうかの予測を包含する。従って、本発明の抗体を、リスク層別化手法のために、かくして、本明細書に記載の疾患に罹患する個々の被験体にとって必要とされる集中治療および入院の量を決定するために適用することもできる。
好ましくは、診断における使用のための本発明の抗体は、検出剤にカップリングされるか、またはそのような薬剤を動員することができる。本明細書で用いられる検出剤は、放射性アイソトープ(例えば、ヨウ化テクネチウムの放射性アイソトープ)、蛍光または化学発光剤(例えば、FITC、ローダミン)、基質を変換することにより検出可能なシグナルを生成することができる酵素(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、蛍ルシフェラーゼ、もしくはβ-ガラクトシダーゼ)、蛍光タンパク質(例えば、緑色、青色、もしくは赤色蛍光タンパク質)を包含する。好適な検出剤は、当業界で周知である。また好ましくは、本発明の方法において適用される抗体を、検出剤を誘引することができる薬剤にカップリングすることができる。そのような薬剤は、ビオチンであってもよい。そのような場合、結合した抗体のビオチンの結合時に、検出マーカーとして役立つアビジンまたはストレプトアビジンにカップリングされた検出剤を用いることができる。そのような場合の好適な検出マーカーは、上記のものであり、より好ましくは、そのような場合に検出マーカーとして用いるべき酵素である。さらに、第一抗体、すなわち、サンプルのB7-H6ポリペプチドに結合した本発明の方法において適用される抗体の検出のために、二次抗体を用いてもよい。そのような二次抗体を、上記の検出マーカーにカップリングさせるべきである。かくして、後者の場合、二次抗体は、第一抗体への結合時に、検出可能なシグナルを生成し、それによって、結合した第一抗体の検出を可能にする。二次抗体を用いる結合した抗体の検出の原理は当業界で周知であり、例えば、組織切片上での抗体結合を決定するために日常的に適用される。検出マーカーの型に応じて、検出マーカーにより生成されたシグナルのための読み取りシステムを用いる様々な検出方法を適用することができる。そのようなシステムは、ELISAまたはRIAリーダーなどの自動シグナル読み取りデバイスを含むが、検出シグナルの手動または自動検出のための顕微鏡デバイスも含む。さらに、読み取りシステムは、サンプルのさらなる情報を決定することができ、例えば、顕微鏡システムは組織切片の細胞を光学的に展示することができるか、または加えて自動化シグナルリーダーはサンプルに含まれるさらなるバイオマーカーを決定することができる。
本明細書で用いられる用語「癌」とは、任意の悪性新生物を指す。悪性新生物とは、臓器中の損傷した細胞の望ましくない増殖、侵襲、および特定の条件下では、転移の結果生じる疾患を指す。癌を生じる細胞は、遺伝的に損傷しており、通常は細胞分裂、細胞移動挙動、分化状態および/または細胞死機構を制御するその能力を失っている。多くの癌は腫瘍を形成するが、白血病などのいくつかの造血系の癌はそうしない。本発明による癌は、本明細書の他の場所に特定されるB7-H6ポリペプチドを発現する癌細胞を含むべきである。好ましい型の癌は、T細胞リンパ腫、骨髄性白血病、結腸癌、B細胞リンパ腫、メラノーマ、または子宮頸癌からなる群から選択される。様々な癌に関する症状および段階評価システムが当業界で周知であり、病理学の標準的な教科書に記載されている。本明細書で用いられる癌は、癌またはそれにより罹患した組織もしくは臓器の任意の段階、等級、形態学的特徴、侵襲性、攻撃性または悪性度を包含する。
本発明はさらに、炎症疾患の治療または診断における使用のための本発明の抗体に関する。
好ましくは、炎症疾患の治療における使用のための本発明の抗体は、抗炎症剤にカップリングされるか、または本明細書の他の場所で特定されるそのような薬剤を動員することができる。しかしながら、本発明の抗体を、炎症に関与するシグナリングカスケードのモジュレータとしてB7-H6上でのその遮断および結合特性に起因して炎症疾患のために用いることもできる。
好ましくは、診断における使用のための本発明の抗体は、検出剤にカップリングされるか、または本明細書の他の場所で特定されるそのような薬剤を動員することができる。
本明細書で用いられる用語「炎症疾患」とは、組織の損傷または破壊に応答する炎症性サイトカインおよび炎症細胞浸潤を含む組織応答を指す。本発明による炎症疾患は、ウイルス感染および細菌感染を含むべきである。さらに、糖尿病、多発性硬化症および炎症性腸疾患などの自己免疫疾患が含まれる。
その結果、本発明はまた、癌に罹患することが疑われる被験体のサンプルにおいて癌を診断するための方法であって、
a)サンプルと、本発明の抗体とを、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの前記抗体の結合を可能にする条件下で接触させること;および
b)前記エピトープへの該抗体の結合を決定すること
を含み、それによって癌が診断される、前記方法に関する。
本明細書で用いられる用語「診断すること」とは、被験体が本明細書に記載の疾患に罹患するか否かの評価を意味する。当業者であれば理解できるように、そのような評価は通常、同定される被験体の全て(すなわち、100%)について正確であることを意図しない。しかしながら、この用語は、被験体の統計的に有意な部分(例えば、コホート試験におけるコホート)を同定することができることを要する。当業者であれば、本明細書の他の場所に記載される様々な周知の統計評価ツールを用いて、ある部分が統計的に有意であるかどうかをさらに苦労することなく決定することができる。本発明による診断は、関連する疾患のモニタリング、確認、および亜分類における方法の適用を含む。さらに、本明細書で用いられる診断の確立は、被験体に関する予後の確立も含む。そのような予後は、将来の時間ウィンドウ、すなわち、予測ウィンドウにおける疾患のさらなる発生に関する予測的指示因子である。かくして、本明細書で用いられる診断は、好ましくは、被験体が将来、疾患もしくは疾患症状に関して改善するかどうか、または疾患もしくは症状が悪化するかどうかの予測を包含する。従って、本発明の抗体を、リスク層別化手法のために、かくして、本明細書に記載の疾患に罹患する個々の被験体にとって必要とされる集中治療および入院の量を決定するために適用することもできる。
被験体のサンプルにおいて癌を診断するための上記方法はまた、好ましくは、該方法により得られた診断結果に基づいて、被験体のための抗癌療法を推奨するステップを包含する。本明細書で用いられる用語「推奨すること」とは、被験体のための特定の抗癌療法の推奨を行うこと、またはそれを排除すること(すなわち、推奨しない)を指す。そのような推奨は、場合により、個々の被験体のための特定の抗癌療法を適用する医師のための基礎としての、他の情報、例えば、組織病理学的調査からの結果と共に役立ってもよい。本発明の診断、すなわち、癌であるか、または癌ではないかの診断に基づいて、抗癌療法の推奨を行う。癌の診断が本発明の方法によって確立された場合にのみ、抗癌療法の推奨を行うべきであることが理解されるであろう。本発明の方法に基づく診断として癌が確立されない場合、抗癌療法を控えるように推奨する。上記のように、サンプルが由来する被験体からのさらなる情報を、推奨を改善するために同様に用いることができる。一態様において、本発明の方法が癌細胞を同定するが、本発明の方法により同定されないさらなる癌細胞が、例えば、組織病理学的分析により調査された癌において検出される場合、例えば、異なる抗腫瘍剤との組合せ抗癌療法を推奨することができる。
用語「サンプル」とは、分離された細胞のサンプルまたは組織もしくは臓器からのサンプルを指す。組織または臓器サンプルを、例えば、生検により、任意の組織または臓器から取得することができる。分離された細胞を、リンパ液、血液、血漿、血清、液体その他などの体液から、または組織もしくは臓器から、遠心分離または細胞選別などの分離技術により取得することができる。好ましくは、サンプルは、本明細書に記載のポリペプチドを発現するか、または産生する組織または体液サンプルである。サンプルを、当業者には周知である日常的な技術、例えば、被験体からの組織または細胞材料の吸引などの直視下生検により、被験体から取得することができる。直視下生検を介しては容易に到達することができない領域については、手術、および好ましくは、最少侵襲手術を実施することができる。
本明細書で用いられる用語「被験体」とは、動物、好ましくは、哺乳動物、より好ましくは、ヒトに関する。本発明の方法を、癌に罹患することが疑われる被験体のために適用すべきである。癌に罹患することが疑われる被験体は、癌の臨床的に明白な症状を示す被験体であるか、または癌に関する素因が増加した被験体である。大規模診断スクリーニング試験の状況では、癌に罹患することが疑われる被験体は、健康な被験体であってさえよく、すなわち、疾患の症状を示さない被験体でも、その素因を有さない被験者でもないものであってよい。
本明細書で用いられる用語「接触させること」および「サンプルを接触させること」とは、抗体およびサンプルを、物理的に接触させることによって、サンプルにより含まれる場合にB7-H6ポリペプチド上のエピトープへの抗体の特異的結合を可能にすることを指す。本明細書で意味される接触は、抗体がB7-H6ポリペプチドに特異的に結合するのを可能にするのに十分な時間および条件下で行われることが理解されるであろう。サンプルの性質に応じて、抗体がアクセスを有し、それに特異的に結合することができるように、B7-H6ポリペプチドを遊離させるか、またはB7-H6ポリペプチド中のエピトープを脱マスク化するために、予備処理ステップが必要となり得る。さらに、サンプルの種類に応じて、取り扱いが難しいことがある。例えば、B7-H6ポリペプチドの存在または非存在について分析するべき組織サンプルを、好ましくは、ホモジェナイズし、組織により含まれるタンパク質を、例えば、SDS PAGEまたは当業者には公知の他のタンパク質分離方法により単離および分離する。分離されたタンパク質を、本明細書の上記で定義された抗体を用いるウェスタンブロットなどの免疫学的方法により、B7-H6ポリペプチドの存在または非存在について分析する。これらの方法はまた、B7-H6ポリペプチドへの抗体の特異的結合を可能にするインキュベーションステップも含む。特異性を増加させるために、洗浄ステップを実行すべきである。そのような手段を実行する方法は当業者には周知である。サンプルとして組織切片を用いる場合(すなわち、組織切片サンプル)、B7-H6ポリペプチドの存在または非存在だけでなく、その細胞または細胞内局在化も分析することが想定されることが理解されるであろう。従って、組織は無傷のまま保持すべきであり、抗体結合の前または後に組織化学的染色技術により染色することもできる。組織切片の免疫染色を可能にする好適な技術は、当業者には周知である。組織切片サンプルがパラフィンなどの包埋媒体中に包埋されたかどうかに応じて、前記包埋媒体の除去が必要となることがある。関連技術も当業界で周知である。
本明細書で用いられる用語「決定すること」とは、もしあれば、サンプルにより含まれるB7-H6ポリペプチドに特異的に結合した抗体の検出を指す。抗原に特異的に結合した抗体の検出方法も、当業界で周知である。好ましくは、本発明の方法において適用される抗体自身を、放射性アイソトープ(例えば、ヨウ化テクネチウムの放射性アイソトープ)、蛍光または化学発光剤(例えば、FITC、ローダミン)、基質を変換することにより検出可能なシグナルを生成することができる酵素(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、蛍ルシフェラーゼ、もしくはβ-ガラクトシダーゼ)、蛍光タンパク質(例えば、緑色、青色もしくは赤色蛍光タンパク質)などの検出マーカーにカップリングさせることができる。好適な検出マーカーは当業界で周知である。また好ましくは、本発明の方法において適用される抗体を、検出剤を誘引することができる薬剤にカップリングさせることができる。そのような薬剤は、ビオチンであってもよい。そのような場合、ビオチンの結合時に結合した抗体が検出マーカーとして働く、アビジンまたはストレプトアビジンにカップリングさせた検出剤を用いることができる。そのような場合の好適な検出マーカーは、上記のものであり、より好ましくは、そのような場合、検出マーカーとして酵素を用いるべきである。さらに、第一抗体、すなわち、サンプルのB7-H6ポリペプチドに結合した本発明の方法において適用される抗体の検出のために、二次抗体を用いることができる。そのような二次抗体を、上記の検出マーカーにカップリングさせるべきである。かくして、後者の場合、二次抗体は、第一抗体への結合時に、検出可能なシグナルを生成し、それによって、結合した第一抗体の検出を可能にする。二次抗体を用いる結合した抗体の検出の原理は当業界で周知であり、例えば、組織切片上での抗体結合を決定するために日常的に適用される。検出マーカーの型に応じて、検出マーカーにより生成されたシグナルのための読み取りシステムを用いる様々な検出方法を適用することができる。そのようなシステムは、ELISAまたはRIAリーダーなどの自動シグナル読み取りデバイスを含むが、検出シグナルの手動または自動検出のための顕微鏡デバイスも含む。さらに、読み取りシステムは、サンプルのさらなる情報を決定することができ、例えば、顕微鏡システムは組織切片の細胞を光学的に展示することができるか、または加えて自動化シグナルリーダーはサンプルに含まれるさらなるバイオマーカーを決定することができる。
本発明の方法の好ましい実施形態においては、癌は、T細胞リンパ腫、骨髄性白血病、結腸癌、B細胞リンパ腫、メラノーマ、または子宮頸癌である。
本発明はまた、炎症疾患に罹患することが疑われる被験体のサンプルにおいて炎症疾患を診断するための方法であって、
a)サンプルと、本発明の抗体とを、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの前記抗体の結合を可能にする条件下で接触させること;および
b)前記エピトープへの該抗体の結合を決定すること
を含み、それによって炎症疾患が診断される、前記方法も提供する。
癌を診断する方法または本明細書の他の場所に記載の他の実施形態と関連して為される用語の説明は、本明細書の以下で別途特定されない限り、上記方法と関連する用語について変更すべきところは変更して準用される。
本明細書で用いられる用語「被験体」は、動物、好ましくは、哺乳動物、より好ましくは、ヒトに関する。本発明の方法を、炎症疾患に罹患することが疑われる被験体のために適用すべきである。炎症疾患に罹患することが疑われる被験体は、炎症疾患の臨床的に明白な症状を示す被験体であるか、または炎症疾患に関する素因が増加した被験体である。大規模診断スクリーニング試験の状況では、炎症疾患に罹患することが疑われる被験体は、健康な被験体であってさえよく、すなわち、疾患の症状を示さない被験体でも、その素因を有さない被験者でもないものであってよい。
本明細書の他の場所で考察されたように、上記の炎症疾患は、好ましくは、ウイルス感染である。
本発明はまた、サンプル中の癌または炎症疾患を診断するためのデバイスであって、
a)本発明の抗体を含む分析ユニット;および
b)分析ユニット中の抗体の、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの結合を検出する検出器
を含む、前記デバイスにも関する。
本明細書で用いられる用語「デバイス」は、互いに機能し得る形で連結された、少なくとも上記の分析ユニットと、評価ユニットとを含むシステムに関する。機能し得る様式でデバイスのユニットを連結する方法は、デバイス中に含まれるユニットの型に依存する。例えば、サンプルの自動分析のためのユニットが適用される場合、前記自動運転分析ユニットにより得られたデータを、例えば、評価ユニットにより望ましい結果を得るためのコンピュータプログラムにより処理することができる。好ましくは、そのような場合、ユニットは単一のデバイスにより含まれる。分析ユニットは、固相支持体上に固定された形態の抗体を含んでもよい。そのような分析ユニットは、液体サンプルにとって特に有用である。本発明のデバイスを用いて調査されるサンプルは、好ましくは、組織サンプル、より好ましくは、組織切片サンプルである。かくして、別の態様においては、抗体を、分析ユニットにより組織切片などの組織サンプルに適用される検出溶液中に含有させることができる。検出溶液を、分析ユニット中で、またはデバイスの外部であっても、個別のバイアル中で保存することができる。評価ユニット、好ましくは、コンピュータまたはデータ処理デバイスは、分析ユニットにより決定された結合を評価し、それによって、シグナルの型、強度、および組織サンプルの場合、組織に関するシグナルの位置に基づいて結合を有意な結合または有意でない結合に評価するための、実装された規則、すなわち、アルゴリズムを含む。有意でない結合を示すと評価されたサンプルについては、「癌でない」という診断が確立されるであろう。評価の結果として有意な結合が得られた場合、癌であるという診断が確立されるべきである。
好ましくは、その評価ユニット中のデバイスは、本明細書の他の場所により詳細に記載される好適な療法または治療のために確立された診断に基づいて推奨を行うために適合されたアルゴリズムを含む実装されたエキスパートシステムも含む。
本発明のデバイスの好ましい実施形態においては、前記サンプルは、組織または体液サンプルである。
最後に、本発明は、本発明の抗体および好ましくは、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの前記抗体の結合の検出剤(検出のための薬剤)を含む、癌または炎症疾患を診断するためのキットに関する。
本明細書で用いられる用語「キット」とは、サンプルにおいて癌を診断するためのすぐに使用できる様式で提供される上記抗体および説明書の集合体を指す。抗体および説明書は、好ましくは、単一の容器中に提供される。好ましくは、キットは、診断を実行するのに必要であるさらなる成分も含む。そのような成分は、抗体結合の検出にとって必要とされる補助剤、分析しようとするサンプルを予備処理するための薬剤または較正標準であってもよい。
本明細書で引用される全ての参考文献は、その全体の開示内容および本明細書で具体的に記載される開示内容に関して、参照により本明細書に組込まれるものとする。
以下の実施例は、単に本発明を例示するものである。それらは何であれ本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
(実施例1:抗B7-H6モノクローナル抗体(mAb)1.18を取得するための免疫化の方法)
6週齢のBALB/cマウスを、Freundの完全アジュバント中の図1に示されるIgG1-Fcドメインに融合したB7-H6の細胞外ドメインからなるB7-H6-Ig融合タンパク質(B7-H6-Ig-FP)(100μg)を4つの異なる部位に皮下(s.c.)注射して免疫した。3週間後、PBS中のBA/F3(プロB細胞)-B7-H6トランスフェクタント(2 x 107細胞)を、腹腔内(i.p.)注射した。2ヶ月後、PBS中の100μgのB7-H6-Ig-FPを腹腔内適用した。3週間後、PBS中のBA/F3-B7-H6トランスフェクタント(2 x 107細胞)を用いる腹腔内注射を実施し、5日後に脾臓細胞をAg8マウスミエローマ細胞と融合させた。BA/F3-B7-H6細胞への産生された免疫グロブリンの結合について、910個のハイブリドーマをフローサイトメトリーによりスクリーニングした。さらに、B7-H6-Ig-FPへの結合について、480個のクローンをELISAによりスクリーニングした。抗B7-H6クローン1.18は高レベルでBA/F3-B7-H6トランスフェクタントを染色し、対照ベクターで形質導入されたBA/F3細胞を染色せず、それは高レベルでB7-H6を内因的に発現する細胞系に結合したため、それをさらなる試験のために選択した。
(実施例2:ELISAによるB7-H6-Ig-FPへの、およびフローサイトメトリーによるBA/F3-B7-H6トランスフェクト細胞への抗B7-H6 mAb 1.18の結合)
ELISAについて:B7-H6-Ig-FP(3μg/ml)をELISAプレート上に固定し、示された濃度の抗B7-H6 mAb 1.18と共にインキュベートし、HRPコンジュゲート化mAbを用いて現像した。
フローサイトメトリーについて:BA/F3またはBA/F3-B7-H6トランスフェクタントを、抗B7-H6 mAb 1.18(2μg/ml)、アイソタイプ対照、NKp30-FPおよび対照FPおよびPEコンジュゲート化二次mAbで染色した。
データは、ELISAによるB7-H6-Ig-FPへの、およびフローサイトメトリーによるBA/F3-B7-H6トランスフェクト細胞への抗B7-H6 mAb 1.18の結合を示す。
(実施例3:抗B7-H6 1.18 mAbの結合はB7-H6のIgVドメインを含む)
CD8-リーダーペプチドおよびB7-H6の以下の部分をコードするC末端HAタグを含むpcNDA3.1に基づく以下の構築物を調製した:
B7-H6_1(アミノ酸24〜454)
B7-H6_2(アミノ酸83〜454)
B7-H6_3(アミノ酸141〜454)
B7-H6_4(アミノ酸190〜454)
B7-H6_5(アミノ酸239〜454)。
得られたプラスミドをHEK細胞中に一過的にトランスフェクトした後、実施例2に記載の抗B7-H6 1.18 mAbで染色した。図5に見られるように、抗B7-H6 1.18 mAbはB7-H6_1(アミノ酸24〜454)およびB7-H6_2(アミノ酸83〜454)に結合したが、B7-H6_3(アミノ酸141〜454)には結合せず、これは、B7-H6のアミノ酸83〜141(配列番号22ならびに図1および図2に示されるGDHQEAFRPGAIVSPWRLKSGDASLRLPGIQLEEAGEYRCEVVVTPLKAQGTVQLEVV)が、抗B7-H6 mAb 1.18の結合に関与することを示している。トランケートされたB7-H6の全タンパク質が発現され、抗HAタグmAbを用いるウェスタンブロッティングにより検出可能であった。
(実施例4:異なる起源の細胞系への抗B7-H6 mAb 1.18の結合)
異なる起源の細胞系を、抗B7-H6 mAb 1.18で染色し、実施例2に記載のようにフローサイトメトリーにより分析した。データは、異なる起源の細胞系への抗B7-H6 mAb 1.18の結合を示す。
(実施例5:B7-H6 mRNA発現を決定するための定量的リアルタイムPCR)
RNAを、RNeasy Miniキット(Qiagen)を用いて腫瘍細胞系から単離し、TURBO DNase(Ambion)を用いて汚染DNAを除去し、ProtoScript M-MuLV First Strand cDNA合成キット(NEB)を用いてRNAを逆転写した。SYBR Green I MasterおよびLightCycler480(Roche)を用いて定量的リアルタイムPCRを実施した。B7-H6(配列番号23に示されるGACCTGGAGCCATTGTGTCTおよび配列番号24に示されるAAGCTGGACTGTTCCCTGTG)ならびにハウスキーピング遺伝子GAPDH (配列番号25に示されるGCAAATTCCATGGCACCGTおよび配列番号26に示されるTCGCCCCACTTGATTTTGG)のための特異的プライマーを用いて、GAPDHと比較したB7-H6 mRNA発現レベルを算出した。データは、抗B7-H6 mAb 1.18で染色された異なる起源の細胞系が、異なる量でB7-H6のmRNAを発現することを示す。
(実施例6:Ba/F3-B7-H6トランスフェクタントのサイトスピン上でのB7-H6の免疫組織化学的染色)
Ba/F3およびBa/F3-B7-H6細胞の1:1混合物のアセトン固定されたサイトスピンを、Dual Envision+ System-HRP(Dako)を用いて染色した。内因性ペルオキシダーゼ活性を遮断した後、サイトスピンを10%ヤギ血清および0.1mg/mlヒトIgGを用いて遮断した。サイトスピンを、Dako抗体希釈液中の5μg/mlの抗B7-H6 mAb 1.18またはマウスIgG1アイソタイプ対照(クローン11711、R&D)と共にインキュベートし、洗浄し、ヤギ抗マウスおよびヤギ抗ウサギ免疫グロブリンにコンジュゲートさせたDako Peroxidase標識ポリマーと共にインキュベートした。3,3'-ジアミノベンズイジン(DAB)基質溶液と共にインキュベートした後、細胞核をヘマトキシリンで対抗染色し、マウントされたサイトスピンを光学顕微鏡により分析した。データは、抗B7-H6 mAb 1.18がサイトスピン上のB7-H6 Ba/F3-B7-H6トランスフェクタントを染色することを示す。
(実施例7:B7-H6を形質導入されたBA/F3細胞との同時培養後の一次NK細胞の脱顆粒化)
IL-2を用いて14日間増殖させた一次NK細胞を、BA/F3、BA/F3-B7-H6(NKp30のリガンド)またはBA/F3-MICA(活性化受容体NKG2Dのリガンド)細胞と共に、PE-コンジュゲート化抗CD107 mAbの存在下で5h、培地中で培養した。NK細胞の脱顆粒化を、フローサイトメトリーにより、同時培養後のCD107陽性NK細胞の割合として決定した。エラーバーは、3回の培養の平均±SDを示す。データは、BA/F3-B7-H6細胞が一次NK細胞の脱顆粒化を誘導することを示す。

Claims (15)

  1. B7-H6ポリペプチドの細胞外ドメインの一部により形成されるエピトープに特異的に結合する抗体であって、前記一部が配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する、前記抗体。
  2. 前記抗体が配列番号5、7、9、15、17および19に示される相補性決定領域(CDR)を含む、請求項1に記載の抗体。
  3. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1または2に記載の抗体。
  4. 前記抗体が、2011年2月2日にブダペスト条約の下でDSMZ、Braunschweig、Germanyに受託番号DSM ACC 3117の下で寄託された抗体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
  5. 癌の治療または診断における使用のための請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体。
  6. 癌がT細胞リンパ腫、骨髄性白血病、結腸癌、B細胞リンパ腫、メラノーマ、または子宮頸癌である、請求項4に記載の抗体。
  7. 炎症疾患の治療または診断における使用のための請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体。
  8. 炎症疾患がウイルス感染である、請求項7に記載の抗体。
  9. 癌に罹患することが疑われる被験体のサンプルにおいて癌を診断するための方法であって、
    a)前記サンプルと、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体とを、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの前記抗体の結合を可能にする条件下で接触させること;および
    b)前記エピトープへの該抗体の結合を決定すること、
    を含み、それによって癌が診断される、前記方法。
  10. 癌がT細胞リンパ腫、骨髄性白血病、結腸癌、B細胞リンパ腫、メラノーマ、または子宮頸癌である、請求項9に記載の方法。
  11. 炎症疾患に罹患することが疑われる被験体のサンプルにおいて炎症疾患を診断するための方法であって、
    a)前記サンプルと、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体とを、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの前記抗体の結合を可能にする条件下で接触させること;および
    b)前記エピトープへの該抗体の結合を決定すること、
    を含み、それによって炎症疾患が診断される、前記方法。
  12. 前記サンプルが組織または体液サンプルである、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. サンプルにおいて癌または炎症疾患を診断するためのデバイスであって、
    a)請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体を含む分析ユニット;および
    b)分析ユニット中の抗体の、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの結合を検出する検出器、
    を含む、前記デバイス。
  14. 前記サンプルが組織または体液サンプルである、請求項13に記載のデバイス。
  15. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体および好ましくは、B7-H6ポリペプチド上のそのエピトープへの前記抗体の結合の検出剤を含む、癌または炎症疾患を診断するためのキット。
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