JP2014531096A - 光起電力システムに向けた電圧コンバータのための追従方法および追従デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
本方法では、電圧が低くなる方向、または電圧が高くなる方向における所定レベルの電圧インクリメント(voltage increment)だけ中間回路電圧が変更される。
本発明はさらに、追従デバイスと、追従デバイスを備えるインバータとに関する。
本願においては、以下では略してPV発生器と呼ばれる光起電力発生器は、光起電力モジュール(PVモジュール)を備える任意の装置、とりわけ、いわゆるストリングを形成するために複数のPVモジュールが直列に接続された装置を意味するように理解されたい。
PV発生器は、このMPP追従器により、最大電力が出力される動作点で動作する。
この最適動作点はMPP動作点とも呼ばれ、個々のPV発生器と、太陽放射の強度やPV発生器の温度などの個々のPV発生器の動作パラメータとに依存している。
さらに、この動作点は、PV発生器の経年変化による応答(劣化)により、PV発生器の耐用年数にわたって電圧の低い方にシフトする。
よく使われている追従方法の場合、特に一段インバータ(すなわち、インバータブリッジの形態であるコンバータ段のみを有するインバータ)の場合には中間回路電圧とも呼ばれる、電圧コンバータの入力部における電圧が一定量ずつ増やされるか減らされる。
この場合には、各インクリメントによって、PV発生器によって生成されるとともに、このインクリメントに対応しているインバータによって変換される電力の変更が決められる。
電圧は、電力が増える間は、一般に最適動作点の方向に変化する。
それに応じて、次の変化インクリメントに向けて電圧変化の方向(増加/減少)が維持され得る。
一方、中間回路電圧の変化の際に電力が低下する場合には、次のインクリメントの方向が逆転し得る。
このようにして、中間回路電圧は、最適動作点における電圧に追従するか、または、その電圧を中心に変動する。
この場合、考慮されるのは、PV発生器によって生成された電力ではなく、PVシステムのインバータによって出力された電力である。
特許文献2には、PV発生器における出力電力の最大化と、インバータにおける出力電圧のレベルとの両方に関してPV発生器の動作点が設定されるインバータが記載されている。
電圧変換比におけるこのような変化は、たとえば、インバータブリッジにおけるスイッチの様々なスイッチングパラメータ(スイッチングの持続時間、デューティ比、AC電圧の位相角に関係するスイッチング動作の位相角など)によってなされてもよい。
この場合には、電圧変換比の変化範囲が比較的制限されている。
しかし実際には、公知のMPP追従方法では、この計算によって求められた下側の入力電圧制限値までの動作電圧範囲は使われていない。
上記の特許文献3では、計算によって求められた下側の入力電圧制限値に加えられる制御用の蓄え分(control reserve)が例として説明されている。
そのため、入力電圧に必要な最小量は、このようなひずみを安全に避けるために、その入力電圧に加えられる蓄え分を有している。
多段インバータの場合には、インバータブリッジの上流にDC/DCコンバータが接続されており、このDC/DCコンバータによって、入力電圧と中間回路電圧との間のさらなる変換比が取り入れられる。
また、このDC/DCコンバータは、インバータブリッジの電圧変換比における変化範囲と組み合わされて比較的大きい全体的な変化範囲をもたらす変化の可能性を、自身の電圧変換比について有している。
しかし、このような多段インバータは、回路が比較的複雑であるためコストがかかり、追加のコンバータ段によって一般に高いコンバータ損失を被る。
この場合にも基本的には、低い電圧に向けて利用可能な入力電圧範囲が、公知の追従方法では、計算によって求められた下側の入力電圧制限値まで使われることがないという問題または制約がある。
本発明のさらなる目的は、対応する追従デバイスと、追従デバイスが備えられたインバータとを提供することからなる。
有利な構成と展開は従属請求項の主題である。
このうち、中間回路電圧は、電圧が低くなる方向、または、電圧が高くなる方向に所定レベルの電圧インクリメント分だけ繰り返し変更される。
本方法は、2つの電圧インクリメントの間のサブ期間における中間回路電圧の平均変化率が最大の平均変化率によって制限され、この最大の平均変化率が、中間回路電圧のレベルに応じて求められることを特徴とする。
このことは、本追従方法が、中間回路電圧の制限値に近い中間回路電圧に追従する場合においても、下側の入力、すなわち、中間回路電圧の制限値において可能性のあるアンダーシュートを防ぐことを可能とする。
したがって、利用可能な入力電圧範囲が、この範囲の下限に向けて十分に利用され得る。
同時に、最大の平均変化率が中間回路電圧のレベルに依存していることにより、中間回路電圧の非臨界範囲において、中間回路電圧の迅速な調整が行われることが可能であり、それにより、PV発生器の動作点の変更に対する、本追従方法における良好な応答がこの範囲において確実なものとなる。
この場合、電圧差のレベルが低下する場合に最大の平均変化率が低下することが好ましい。
さらに好ましくは、最大の平均変化率は、一定の中間回路電圧を超えた所では一定である。
このように変化率は、いかなるオーバーシュートも伴うことなく所定の設定値が追従され得るように、特に中間回路電圧における下側の臨界領域において変更される。
このように、電圧範囲の下限値は、エネルギー供給網と、また場合によってはさらに供給状態とに正確に合わせることができる。
必要最低中間回路電圧は、定期的に更新されることが好ましい。
さらに好ましくは、この必要最低中間回路電圧における更新は、電圧インクリメントよりも倍数分だけ頻繁に行われる。
このことによって、本追従方法が、必要最低中間回路電圧における最新の値で常に動作することが確実なものとなる。
このことはまた、本追従方法を常に最新のパラメータで動作させるために用いられる。
述べられた構成は、変化率に影響を及ぼすとともに、平均変化率が、最大の平均変化率を下まわったままとなることを確実なものとするための好適な可能性を示している。
第3の態様によれば、本目的は、このような追従デバイスを備える、特に一段インバータであるインバータによって達成される。
第1の態様によって達成されるのと同じ利点がもたらされる。
このPVシステムは、DCラインを介して中間回路2に接続された光起電力発生器1(PV発生器1)を備える。
図1のPV発生器1は、単一の光起電力セルに向けた回路記号によって例として表されている。
図示されているPVシステムの実施形態においては、PV発生器1は、多数のセルを有する単一のPVモジュールでもよく、または、1つのストリングもしくは並列に接続された複数のストリングを形成するために特に直列に接続された複数のPVモジュールからなる相互接続システムでもよい。
中間回路2にかかっている電圧は、図示されている例では、ケーブル損失を別にすれば入力電圧、すなわちPV発生器1の電圧に等しく、以下では中間回路電圧UZWと呼ばれることになる。
PV発生器1は、中間回路2を介してインバータ4のDC入力部に接続されている。
中間回路2は、図1の左側に向かう、インバータ4の記号におけるダッシュ記号による拡張によって示されているように、この場合にはインバータ4の中に組み込まれていてもよい。
インバータ4は、一般には、中間回路2を連続的な負荷にさらすことはない。
この理由は、たとえば、出力が交互になる電流、あるいは、インバータ4の中の電力半導体スイッチにおけるパルス化スイッチングの場合における非連続的な電力の流れにある。
中間回路コンデンサ3は、中間回路電圧UZWを平滑化するために用いられており、非連続的な電流の引き出しによって生じる中間回路電圧UZWの一時的な電圧の低下をできるだけ低く抑えることにより、中間回路2からの、すなわちPV発生器からの平均的な高い電力の引き出しが可能となっている。
しかし、本願による追従方法と追従デバイスは、多段インバータと共に用いられてもよく、また原理的には、PV発生器に接続された任意の電圧コンバータと共に用いられてもよい。
ただし、一段インバータと共に用いることがとりわけ有利である。
これは、この場合に、特に中間回路電圧に必要な最小量によって、利用可能な入力電圧範囲が通常は最も大きい制約を受けるためである。
多段の設計をもち、インバータブリッジに加えてDC/DCコンバータをさらに有するインバータの場合、このような(バッファ)コンデンサは、DC/DCコンバータの出力部の所に代替的に設けられてもよい。
このことにかかわらず、本願の場合には、(バッファ)コンデンサが配置される回路は総じて中間回路と呼ばれ、コンデンサ3のDC電圧は中間回路電圧UZWと呼ばれる。
エネルギー供給網5は、公共の供給網であってもよく、また私設の供給網(アイランドモード)であってもよい。
インバータ4は、例として、エネルギー供給網5への単相供給に向けて2つだけのAC出力部を有するように設計されている。
三相設計などの、図示されているインバータ4における単相設計以外の設計も可能であることは言うまでもない。
たとえば、図示されていないスイッチング素子(断路器など)、フィルタ(正弦波フィルタなど)、電力供給網監視用デバイス、および/または、変圧器がインバータ4のAC側に設けられていてもよい。
同様に、たとえば、本明細書では図示されていない負荷断路器またはDC接触器などのヒューズ素子またはスイッチング素子である素子が、DC側において、PV発生器1と、中間回路2またはインバータ4との間の接続部分に配置されていてもよい。
この電源電圧UACは、インバータ4とエネルギー供給網5との間の低いあらゆる伝送損失を別にすると、インバータ4のAC電圧出力部にかかっている電圧と一致している。
供給動作の間にインバータ4からエネルギー供給網5に流れる電流は、以下では供給電流IACと呼ばれる。
インバータ4とエネルギー供給網5との間に配置された測定用抵抗器6によって表されているように、供給電流IACに対する測定能力が提供される。
測定用抵抗器6などであるこの測定能力がインバータ4の中に組み込まれていてもよいことは言うまでもない。
電流の測定は、図示されている測定用抵抗器6の他に、誘導電流センサまたはホール素子などの、知られている他の電流センサによって行なわれてもよい。
追従デバイス10は、これらの入力部11および12を介し、中間回路電圧UZW、電源電圧UAC、および供給電流IACを求めることができる。
さらに追従デバイス10は、制御出力部13を介してインバータ4に接続されている。
追従デバイス10は、中間回路電圧UZWに対する設定値を、制御出力部13を介してインバータ4に入力することができる。
この場合、中間回路電圧Uzwにおけるこの設定値は、PV発生器1が最大電力を出力するか、またはインバータ4がエネルギー供給網5に最大電力を可能な限り供給し得る動作点でPV発生器1が動作するように決められる。
中間回路電圧UZWの設定値を入力する代わりに、PV発生器1における所望の動作点の設定を同様にもたらす、インバータ4に対する別の電気的特性が入力されてもよいことは言うまでもない。
たとえば、PV発生器1によって提供される電流の設定値が用いられてもよい。
PV発生器1の最適動作点を設定する追従方法が、たとえば、中間回路電圧UZWの設定値入力を用いて以下で説明される場合、本願による方法はこのことに限定されず、他の電気的特性における設定値に代えられてもよい。
図1の下部にある、インバータ4の記号におけるダッシュ記号による拡張によって示されているように、追従デバイス10はインバータ4の中に組み込まれていてもよい。
この場合、中間回路電圧UZWのレベルはグラフのy軸に対してプロットされており、時間tの進行はグラフのx軸に対してプロットされている。
これら2つの軸は任意単位(a.u.)を示している。
図示されている公知の追従方法では、中間回路電圧が高くなる方向、または中間回路電圧が低くなる方向における所定レベルΔUの電圧インクリメントが、中間回路電圧UZWの最新値より行われる。
このように、中間回路電圧UZWの変更に対して、PV発生器によって生成される電力、あるいは、PV発生器のこの動作点においてインバータによってエネルギー供給網に供給される電力が決定され、中間回路電圧の変更前に生成または供給された電力と比較される。
中間回路電圧UZWの変更によって電力が増加した場合、同じ方向における同じレベルΔUのさらなる電圧インクリメント(すなわち、増加または減少のいずれか)が続いて行われる。
一方で電力が低下した場合には、他の方向におけるインクリメントが続いて行われる。
したがって、PV発生器における動作状態の変化、および/または、経時的な放射状態の変化によって最適動作点が変化すると、実際の動作点が最適動作点に追従するか、または最適動作点を中心に変動する。
電圧インクリメントにおける他のシーケンスも同様に従来技術より知られており、電圧変化の方向は、さらなる基準、および/または、複雑なアルゴリズムに従って決定されるが、これらの方法には電圧インクリメントの所定レベルΔUが実質的に一定であるという共通点がある。
このような方法が、本明細書において提供される簡単な追従方法の代わりに用いられてもよいことは言うまでもない。
時刻t1において行われた中間回路電圧UZWの引き下げは、測定電力を高めたと想定される。
これに応じ追従デバイス10は、時刻t2において、中間回路電圧におけるΔUの値分のさらなる引き下げを開始する。
グラフでは、この引き下げΔUに対する設定値入力が、時刻t2で始まるダッシュ記号による水平線として示されている。
しかし、中間回路電圧UZWにおけるΔUの値分のこの引き下げは、必要最低中間回路電圧Uminがアンダーシュートするという結果をまねくことになる。
この電圧Uminは、エネルギー供給網5に電力供給するための、ひずみのないAC出力電圧を提供するのに必要である。
この必要最低中間回路電圧Uminは、以下では略して最低電圧Uminとも呼ばれる。
図2では水平線として示されている最低電圧Uminは、この場合には、あらかじめ一定に定められているか、またはエネルギー供給網の測定パラメータに基づいて決定される。
インバータがまず追従デバイスの設定値入力に追従する場合、最低電圧Uminがアンダーシュートされ、その時に追従デバイスによる設定値出力が再度即座に増加する。
図2に示されているグラフでは、このことが、中間回路電圧UZWのプロフィール曲線における、最低電圧Uminまで達しているスパイクによって表されている。
最適動作点が、時刻t1で想定される中間回路電圧と最低電圧Uminとの間にある場合、この最適動作点が保証されるということはない。
このことは、一段インバータまたは一段電圧コンバータの場合には特に問題となる。
これは、上記のインバータまたはコンバータが、それらの設計により、必要最低中間回路電圧のために動作点の電圧変化範囲が一般に大きくなく、さらに、本来大きくないこの変化範囲が公知の追従方法では使われることがないためである。
本方法は、たとえば図1に示されているPVシステムにおいて実施されてもよいため、図1に示されている例示的実施形態を参照し、その場合に用いられている参照記号を用いて例として説明される。
ここでも同様に、時刻t1に中間回路電圧UZWにおいて行われる引き下げは、測定電力に対するプラスの効果を有するものと想定されている。
このため、時刻t2では、中間回路電圧UZWを引き下げるようにさらなるインクリメントが行われる。
しかし、この引き下げは、時刻t1と同じインクリメントΔUだけ行われるのではなく、それより少ないインクリメントΔU’<ΔUだけ行われる。
これは、インクリメントΔU分の引き下げが、最低電圧Uminをアンダーシュートする危険性をすでに秘めているためである。
言い換えれば、時刻t2における電圧インクリメントの場合の平均変化率|ΔU’/Δt|が、時刻t1における電圧インクリメントの場合の対応する平均変化率|ΔU/Δt|に比べて低下する。
この場合のΔtは、電圧インクリメントの時間にほぼ等しい有限値の期間を示している。
この場合、Δtは無限に小さくはなく、(t2−t1)である差分以下となるように選択される。
この引き下げにより、最低電圧Uminがアンダーシュートされることなく最低電圧Uminへのさらなる接近が達成される。
この場合、インクリメントΔU’’は、原理的にはインクリメントΔU’と同じ値を有していてもよい。
しかし、インクリメントΔU’’は異なる値を有していてもよく、たとえば、中間回路電圧UZWと最低電圧Uminとの間隔が小さくなるにつれて所定の限界値を少なくとも下まわって連続的に小さくなるインクリメントでもよい。
第1の時刻t1では、レベルΔUの電圧インクリメント分の中間回路電圧UZWの引き下げが行われる。
これまでと同様、この引き下げは測定電力の増加に関係することが想定されており、これにより次のインクリメントでは、PV発生器の最適動作点を設定するために行われる中間回路電圧UZWのさらなる引き下げが意図されている。
次の、この引き下げは、第2の時刻t2で行われる。
この場合、第2の時刻t2の前の中間回路電圧UZWのレベルは、時刻t2の右側にダッシュ記号による水平線で示されているように、同じレベルΔUの電圧インクリメントだけ低下したとしても、中間回路電圧が最低電圧Uminより依然として大きいままとなるようなレベルである。
しかし、時刻t2の直後にはインバータのAC出力部にひずみが生じ、このひずみは、以前に設定された中間回路電圧UZW(すなわち、時刻t1とt2との間に設定されている中間回路電圧UZW)に対する逆転(reversal)をもたらす。
この応答の理由は、中間回路電圧UZWの設定値におけるステップ状の変化である。
各インバータは、中間回路電圧UZW、すなわちPV発生器の動作点を設定するために用いられるあらゆる他の電圧コンバータと同様に、実際の中間回路電圧UZWを所定の設定値に設定するために制御ループを有している。
中間回路電圧UZWの設定値におけるステップ状の減少の場合、上記の中間回路電圧UZWがまず極めて速く低下し、アンダーシュートの形でこの設定値を少なくとも一時的に下まわる危険性に陥る。
まず、このようなアンダーシュートは、中間回路電圧に向けた新たな設定値が依然として最低電圧Uminを上まわっている場合でも、中間回路電圧UZWが最低電圧Uminを一時的に下まわることに直接つながり、このことが、インバータのAC出力部におけるひずみに関係することになる。
最低電圧Uminを下まわるアンダーシュートが生じなかったとしても、新たな設定値までの中間回路電圧UZWの遮断中に中間回路を流れる大きい電流が、AC出力電圧の信号波形におけるひずみをもたらす場合がある。
したがって、知られている追従方法における、中間回路電圧UZWにおける設定値の公知のインクリメント変化の場合には、最低電圧Uminを依然として上まわっている値までの突発的な変化が行われ得ない。
このことは、図4において、今まで最低電圧Uminと考えられていたものを上まわる有効最低電圧U*minによって表されている。
公知の追従方法において必要な蓄え分を加えた最低電圧Uminから生じる(比較的高い)有効最低電圧U*minの形態である、説明された一時的な制御効果を考慮することにより、インバータにおける利用可能な電圧変化範囲は、電圧の低い所でさらに制限される。
この方法においても、中間回路電圧UZWの変更が行われ、状態が変ったときのPV発生器の動作点に追従するために、測定された供給電力における比較が様々な電圧インクリメントに向けて用いられる。
しかしこの場合には、中間回路電圧UZWに向けた新たな設定値はステップ状にあらかじめ決められておらず、持続時間Δtにわたってゆっくり低下する設定値によるものである。
図5では例として、ランプ(ramp)の形で直線的に低下する設定値の推移がグラフによって示されている。
しかし、新たな設定値に向かう設定値入力の推移は、できるだけ滑らかで連続的な別の曲線に従っていてもよく、あるいは、レベルΔUの電圧インクリメントのレベル全体より実質的に小さく、また実質的に速い時間シーケンスであらかじめ決められていることによって一時的な変化率のレベルが最大の平均変化率を下まわる離散的なインクリメントによって行なわれてもよい。
このような連続的でゆっくりした設定値の変化は、中間回路電圧UZWを設定する際の制御に従っていてもよく、いかなるオーバーシュートもなく、従来と異なる高い電流が制御プロセスにおいて流れることもなく、またひずみも発生しない。
しかし、このことは、電力網の不具合などの、可能性のある動的なイベントに対する応答が遅いという欠点があり、例外的な場合においてのみ用いられるべきである。
このため、有効最低電圧U*minは、(計算された)最低電圧Uminに近づき、設定値入力の推移において好適に選択されたパラメータが与えられたこの最低電圧と同じになる。
このような組み合わせの方法は、フローチャートの形態である、さらなる例示的実施形態における図6において説明されている。
これら2つの値に基づいて必要最低電圧Uminが求められる。
中間回路電圧UZWと最低電圧Uminとの間隔が所定値未満である場合、本方法はステップS5に分岐し、そうでない場合にはステップS4に続く。
この場合、この所定の間隔は、この追従方法に向けた標準インクリメントΔU0の係数xによって、図示されている方法において決定される。
この係数xの値は、たとえばx=3でもよい。
同時に、フラグSが0の値に設定される。
一方ステップS5(すなわち、中間回路電圧UZWがxΔU0と同じかそれを下まわる間隔の分だけ最低電圧Uminに近づいた場合)では、インクリメントΔU0が標準インクリメントΔU0の分数に設定され、この場合には、この分数は係数1/yによってあらかじめ定められている。
yの値は、たとえば2から4までの範囲の値でもよい。
さらに、フラグSが1の値に設定される。
ここでは、ΔUの値がインクリメントとして設定され、フラグS=0の場合には、設定値におけるこの値ΔUの分のステップ状の変更が行われ、フラグがS=1の値を有する場合には、設定値におけるランプ状の変更が行われる。
しかし、このことは、ステップS3における照会により、最低電圧Uminの近傍における中間回路電圧UZWの「臨界」範囲においてのみ生じる。
このように、利用可能な中間回路電圧の範囲は、この範囲の下限に向かう最大限にまで用いられ、それによって特に、極めて低い照射強度においてもPV電力の供給が可能となる。
それにもかかわらず、この追従方法は、中間回路電圧における上側の非臨界範囲では、最適動作点の変化に対する迅速な応答能力を有する。
さらに、規則的な間隔でステップS2に分岐して戻るのではなく、たとえば特定数の追従ステップの実行後にステップS1に戻り、それによって、最低電圧Uminの値も、最新の電源電圧UACと最新の供給電流IACとに基づいて定期的に更新されてもよい。
電流制御における例示されたシーケンスと関係のない、電圧の追従よりはるかに高い頻度で行われる最低電圧Uminの計算と更新は特に有利である。
このような更新は、最新の電力に必要な最低電圧Uminが常に適応して考慮され、また従来技術においてなされている、高い供給電力に必要な一定の最低電圧は想定されないという利点をもたらす。
最低電圧Uminが超えられるとすぐに、電力網に電力供給するための、インバータにおけるインバータブリッジのクロック制御と、低いレベルΔU(たとえば1ボルト)の電圧インクリメントを有するとともに、制限された変化率を適宜有する追従方法との両方が立ち上がる。
さらに電力の増加に応じて最低電圧の値が連続的にチェックされ、場合によっては更新される。
中間回路電圧UZWが最低電圧Uminを超える量が大きいほど、本追従方法における電圧インクリメントのレベルΔUと、設置値における変化率との両方が標準的な値が達せられるまで大きくなるように選択され得る。
あるいは、図6に示されている例示的実施形態のように、中間回路電圧UZWと最低電圧Uminとの間隔を定めるために、ある間隔の値が定められ、その間隔を上まわる場合、システムは、本発明による最適動作から標準動作(すなわち、たとえば10Vである、比較的大きいステップ状の電圧インクリメントによる追従)に切り替わってもよい。
この場合には、電源電圧UACがこの方法全体を通じて監視され、電源電圧の変化に応じて最低電圧Uminが適宜更新されてもよい。
2 中間回路
3 中間回路コンデンサ
4 インバータ
5 エネルギー供給網
6 測定用抵抗器
10 追従デバイス
11、12 入力部
13 制御出力部
UZW 中間回路電圧
Umin 最低電圧
U*min 有効最低電圧
ΔU 電圧インクリメントのレベル
ΔU0 電圧インクリメントの標準レベル
UAC 電源電圧
IAC 供給電流
t 時間
t1、t2、t3 時刻
Δt 持続時間
S フラグ
Claims (15)
- PV発生器(1)の動作点の追従に向けた、光起電力システムにおける電圧コンバータ、特にインバータのための追従方法であって、
中間回路電圧(UZW)が、電圧が低くなる方向、または、電圧が高くなる方向に所定レベル(ΔU)の電圧インクリメント分だけ繰り返し変更される追従方法において、
2つの電圧インクリメントの間のサブ期間における前記中間回路電圧(UZW)の平均変化率(|ΔU/Δt|)が、最大の平均変化率によって制限され、前記最大の平均変化率が、前記中間回路電圧(UZW)のレベルに応じて求められることを特徴とする
追従方法。 - 前記最大の平均変化率が、前記中間回路電圧(UZW)と、必要最低中間回路電圧(Umin)との電圧差のレベルに応じて求められる
請求項1に記載の追従方法。 - 前記電圧差のレベルが低下する場合に前記最大の平均変化率が低下する
請求項2に記載の追従方法。 - 一定の中間回路電圧(UZW)を超えた所では前記最大の平均変化率が一定である
請求項3に記載の追従方法。 - 前記必要最低中間回路電圧(Umin)が電源電圧(UAC)に基づいて求められる
請求項2から4のいずれか一項に記載の追従方法。 - 前記必要最低中間回路電圧(Umin)が、さらに供給電流(IAC)に基づいて求められる
請求項5に記載の追従方法。 - 前記必要最低中間回路電圧(Umin)が定期的に更新される
請求項2から6のいずれか一項に記載の追従方法。 - 前記必要最低中間回路電圧(Umin)における前記更新が、前記電圧インクリメントよりも倍数分だけ頻繁に行われる
請求項7に記載の追従方法。 - 前記電圧インクリメントのレベル(ΔU)が、前記中間回路電圧(UZW)のレベルに応じて求められる
請求項1から8のいずれか一項に記載の追従方法。 - 前記中間回路電圧(UZW)の設定値が、有限の変化率を有する連続的な関数として提供される
請求項1から9のいずれか一項に記載の追従方法。 - 前記設定値の変更がランプ関数によって行われる
請求項10に記載の追従方法。 - 前記最大の平均変化率が、前記インバータによってAC電圧網に供給される電流の制御に向けた更新レートによって求められる
請求項1から11のいずれか一項に記載の追従方法。 - 請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成されていることを特徴とする
電圧コンバータのための追従デバイス(10)。 - 請求項13に記載の追従デバイス(10)を備える光起電力システムのための
インバータ。 - 一段インバータとして構成されている
請求項14に記載のインバータ。
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