JP2014530285A - 酸性触媒の滴下注入によるアシル化セルロースの合成方法 - Google Patents

酸性触媒の滴下注入によるアシル化セルロースの合成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014530285A
JP2014530285A JP2014535797A JP2014535797A JP2014530285A JP 2014530285 A JP2014530285 A JP 2014530285A JP 2014535797 A JP2014535797 A JP 2014535797A JP 2014535797 A JP2014535797 A JP 2014535797A JP 2014530285 A JP2014530285 A JP 2014530285A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
cellulose
reaction mixture
reaction
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014535797A
Other languages
English (en)
Inventor
コームズ、マイケル・ティ
ガーレット、トーマス・エス
Original Assignee
セラニーズ アセテート,エルエルシー
セラニーズ アセテート,エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by セラニーズ アセテート,エルエルシー, セラニーズ アセテート,エルエルシー filed Critical セラニーズ アセテート,エルエルシー
Publication of JP2014530285A publication Critical patent/JP2014530285A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B3/00Preparation of cellulose esters of organic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B3/00Preparation of cellulose esters of organic acids
    • C08B3/06Cellulose acetate, e.g. mono-acetate, di-acetate or tri-acetate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B3/00Preparation of cellulose esters of organic acids
    • C08B3/22Post-esterification treatments, including purification
    • C08B3/24Hydrolysis or ripening

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

セルロースのアシル化の間に酸性触媒を反応混合物に滴下することは、有益であり得る。本明細書に記載の方法は、アシル化剤およびセルロースを含む反応混合物を調製することと、酸を含む触媒をその反応混合物に滴下することと、その触媒の存在下でセルロースをアシル化剤と反応させ、それによってアシル化セルロースを形成することと、を含むことができる。【選択図】 なし

Description

本発明は概して酸性触媒の反応混合物への滴下注入によりアシル化反応を実行する方法に関し、より具体的には当該方法により調製されるアシル化重合体、特にアセチル化セルロースに関する。
セルロースはβ‐D‐グルコース単量体単位を含む天然生体高分子である。セルロースは一般に商業用途に用いられる木材パルプ源から得られる。天然セルロースは、水と大半の有機溶媒に実質的に不溶性である親水性材料である。しかし、セルロース中の各グルコース単量体単位の3つの遊離ヒドロキシル基は、所望によりセルロースの性質を改変するために誘導体化され得る。最も典型的には、セルロースの性質を改変するために、上昇させた反応温度で酸性触媒を使用してセルロースのアシル化を実施する。
商品に一般的に使用されている一つの特定のセルロース誘導体は、酢酸セルロースとも一般に呼ばれるアセチル化セルロースであり、それではアセチル置換度は規定されていない。本明細書において別途指示されない限り、「アセチル化セルロース」または「酢酸セルロース」という用語はあらゆる特定されたアセチル置換度を有する誘導体化セルロースを指すと理解されるものとする。完全にアセチル化されたセルロースは一般に三酢酸セルロースと呼ばれ、それでは、米国連邦取引委員会のガイドラインによれば、少なくとも92%のヒドロキシル基がアセチル基で置換されている。より高いアセチル置換度では、生物分解速度が、天然セルロースまたは少ないアセチル置換を有するセルロースと比べて著しく低下し得る。例えば、セルロース単量体単位当たり少なくとも約2つのアセチル基が存在するとき(すなわち、約2の置換度(「DS」)または約48のアセチル化値(「AV」)、アセチル基の少なくともいくつかが化学加水分解または酵素加水分解によって除去されるまでそのアセチル化セルロースは著しく低生物分解性になり得る。低下したDS値を有するアセチル化セルロースは三酢酸セルロースの制御部分加水分解により調製され得る。
通常、アセチル化セルロースは適切な酸性触媒の存在下でセルロースをアセチル化剤と反応させることにより調製される。大半の事例では、そのセルロースは、高DS値を有する誘導体化セルロースを作製するためのアセチル化剤を用いて、いくつかの事例ではいくらかの追加的なヒドロキシル基置換(例えば、硫酸エステル)と共に、完全にアセチル化されている。本明細書において使用される場合、「完全にアセチル化された」という用語は、セルロース中のできるだけ多数のヒドロキシル基がアセチル化反応を減るように、完了に向かって進められるアセチル化反応を指す。現在行われているように、セルロースの完全なアセチル化は完了するために4時間以上もの時間がかかり得る。これらの長い反応時間が工業規模の合成のコストをかなり増加させ得る。例えば、工業規模では、処理時間が1分増える毎に一処理バッチのコストに数千〜数百万ドルが追加され得、最終的には消費者価格が上昇することになる。さらに、高温での酸性条件への曝露時間の延長が、いくつかの事例では、セルロース重合体骨格の部分的加水分解(短縮化)を助長し得る。所望の一群の性質を有するアセチル化セルロース(例えば、二酢酸セルロースまたは第二次酢酸セルロースとして知られる約2〜約2.5のDSを有するアセチル化セルロース)を作製するために完全にアセチル化されたセルロースのアセチル基のうちのいくつかを後に制御部分的加水分解により除去することが最も多い。
セルロースのアセチル化を促進するための適切な酸性触媒は多くの場合、硫酸または硫酸と少なくとも一つの別の酸の混合物を含有する。アセチル化反応を促進するために硫酸を含有しない他の酸性触媒を同様に使用することができる。硫酸の場合、アセチル化反応の間にセルロース中のヒドロキシル基のうちの少なくともいくつかが硫酸エステルとして最初に官能化され得る。通常、これらの硫酸エステルの大半が、アセチル置換の量を減少させるために用いられる制御部分的加水分解の際に切断される。他の酸性触媒では、通常それら自体がセルロースのヒドロキシル基と反応する可能性があまりない。
アセチル化セルロースのより非常に望ましい特性のうちの一つは、アセチル化セルロースは容易に、その最終使用用途に応じて、例えば、フィルム、フレーク、ファイバー(例えば、ファイバートウ)、変形不可能な固体などを含むいくつかの異なる形状に処理され得ることである。制御部分的加水分解から得られたアセチル化セルロースはフレーク材として沈殿することが最も多い。アセチル化セルロースフレークはその後、アセチル化セルロースを所望の形状に変えるためにさらに処理され得る。例えば、アセチル化セルロースフィラメントはアセトン紡糸原液を紡糸口金に通して乾式紡糸することにより形成され得、それは次に束ねられて、トウの形状に捲縮され得る。
例えば、布地、接着剤、プラスチックフィルム、塗料、吸収性物質、タバコのフィルターなどを含む様々な民生品を製造するためにアセチル化セルロースを使用することができる。アセチル化セルロースがこれらの種類の民生品などに使用される場合、アセチル化セルロースの生物分解性は廃棄物処理の観点より特に有用であり得る。
本発明は、概して酸性触媒の反応混合物への滴下注入によりアシル化反応を実行するための方法に関し、より具体的には当該方法により調製されるアシル化重合体、特にアセチル化セルロースに関する。
1つの実施形態では、本発明は、アシル化剤とセルロースを含む反応混合物を調製すること、酸を含む触媒を反応混合物に滴下注入すること、およびその触媒の存在下でセルロースをアシル化剤と反応させ、それによりアシル化セルロースを形成することを含む方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、無水酢酸と、セルロースと、少なくとも硫酸を含む触媒の第一の部分とを含む反応混合物を調製すること、その触媒の少なくとも第二の部分を反応混合物に滴下注入すること、およびその触媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させ、それによりアセチル化セルロースを形成することを含む方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、無水酢酸とセルロースを含む反応混合物を調製すること、少なくとも硫酸を含む触媒をその反応混合物に滴下注入し、それによりアセチル化セルロースを含む反応生成物を形成すること、およびそのアセチル化セルロース上のアセチル基の一部を加水分解して約2.5以下の置換度(DS)を有するアセチル化セルロースを作製することを含む方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、アシル化剤とセルロースを含む反応混合物を調製すること、セルロースの約1重量%以下の全体的な触媒充填レベルで反応混合物に酸を含む触媒を滴下注入すること、およびその触媒の存在下でセルロースをアシル化剤と反応させ、それによりアシル化セルロースを形成することを含む方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、無水酢酸と、セルロースと、少なくとも硫酸を含む触媒の第一の部分とを含む反応混合物を調製すること、そのセルロースの約1重量%以下の全体的な触媒充填レベルでその反応混合物に少なくともその触媒の第二の部分を滴下注入すること、およびその触媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させ、それによりアセチル化セルロースを形成することを含む方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、無水酢酸とセルロースを含む反応混合物を調製すること、そのセルロースの約1重量%以下の全体的な触媒充填レベルでその反応混合物に少なくとも硫酸を含む触媒を滴下注入し、それによりアセチル化セルロースを含む反応生成物を形成すること、およびそのアセチル化セルロース上のアセチル基の一部を加水分解して約2.5以下の置換度(DS)を有するアセチル化セルロースを作製することを含む方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は、アシル化剤とセルロースを含む反応混合物を調製すること、セルロースの約10重量%〜約20重量%の全体的な触媒充填レベルで酸を含む触媒をその反応混合物に滴下注入すること、およびその触媒の存在下でセルロースをアシル化剤と反応させ、それによりアシル化セルロースを形成することを含む方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は無水酢酸と、セルロースと、少なくとも硫酸を含む触媒の第一の部分とを含む反応混合物を調製すること、セルロースの約10重量%〜約20重量%の全体的な触媒充填レベルでその触媒の少なくとも第二の部分を反応混合物に滴下注入すること、およびその触媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させ、それによりアセチル化セルロースを形成することを含む方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は無水酢酸とセルロースを含む反応混合物を調製すること、セルロースの約10重量%〜約20重量%の全体的な触媒充填レベルで少なくとも硫酸を含む触媒を反応混合物に滴下注入し、それによりアセチル化セルロースを含む反応生成物を形成すること、およびそのアセチル化セルロース上のアセチル基の一部を加水分解して約2.5以下の置換度(DS)を有するアセチル化セルロースを作製することを含む方法を提供する。
以下の好ましい実施形態の記述を読むと、本発明の特色と利点は当業者に容易に明らかとなる。
本発明は概して酸性触媒の反応混合物への滴下注入によりアシル化反応を実行する方法に関し、より具体的には当該方法により調製されるアシル化重合体、特にアセチル化セルロースに関する。
アシル化セルロース、特にアセチル化セルロースの従来の商業的合成は酸性触媒の存在下で実施されることが最も多いが、これらの酸性触媒が現在使用される方法はいくつかの固有の処理上の欠点を引き起こし得る。従来のアシル化処理は、商業生産プロセスに適合する反応速度を維持するために比較的高い濃度の酸、特に硫酸の一回の添加、および100℃を超えるピーク反応温度を利用することができる。これらの条件の下でさえ、完全なセルロースのアシル化を達成するために長い反応時間が必要とされることがあり、それによって処理コストを大いに増加させる。さらに、これらの条件への曝露の長期化により、セルロース重合体骨格が過剰な酸によって部分的に加水分解されることがあり、その結果、グリコシド加水分解により重合体鎖が短縮化され、その重合体の機械的性質が変更され得る。加えて、アシル化セルロースに含まれているものを含む、比較的高い濃度の酸のため、廃棄処理が環境規制に従って行われ得るように、反応母液の相当な検査が必要とされ得る。
いかなる理論または機構にも捉われるものではないが、セルロースのアシル化を触媒するために硫酸が使用されるとき、少なくともその硫酸のいくらかがアシル化剤(例えば、無水酢酸)と反応してアシル硫酸誘導体(例えば、アセト硫酸)を作製することができ、そのアシル硫酸誘導体が存続するか、セルロースと反応してセルロースの硫酸エステルを形成することができると考えられている。どちらの事例でも、硫酸はアシル化処理の触媒にもはや使用できず、結果として反応が最終的に遅滞し得る。触媒の消費に少なくとも部分的に対処するため、従来のセルロースアシル化処理において高い酸濃度と長い反応時間を使用することを用いることができる。
驚くことに、酸性触媒を反応混合物に一度に添加する代わりに滴下注入する場合、より低い酸濃度とより短い反応時間を用いることによって従来法で合成されたアシル化セルロースに少なくとも性質で匹敵するアシル化セルロースが調製され得ることが本実施形態により発見されている。しかし、同等の結果を達成するために当技術分野において従来使用されたレベルと実質的に同じ酸性触媒レベルを本実施形態において使用することもできることに留意すべきである。グリコシド加水分解が特別に懸念されない場合、当技術分野において従来使用された反応温度と同等の反応温度を使用することができる。より低い酸濃度とより短い反応時間は商業的合成プロセスにとって、特にそれらのコストを低下させるために非常に役に立ち得る。さらに、滴下注入された触媒を使用して合成されたアシル化セルロースの性質は時々、一回の触媒の添加が用いられたときに得られたものと異なることがあり得る。本明細書において使用される場合、「滴下注入する」という用語とその文法上等価である言葉は、一度に全てよりも少ない量の材料が反応混合物に添加される添加プロセスを表すために用いられる。様々な実施形態では、滴下注入は反応混合物への少量ずつの添加を含み得る。他の様々な実施形態では、滴下注入は反応混合物への連続添加を含み得る。再び、いかなる理論または機構にも捉われるものではないが、酸性触媒(例えば、硫酸)をアシル化反応混合物に滴下注入することにより、新たな硫酸がより容易に触媒作用に利用可能であるようにアシル硫酸誘導体の形成を最小に抑えることができると考えられている。アシル硫酸誘導体は急速にセルロースをアシル化することができるが、従来の合成におけるアシル硫酸誘導体の急速な形成が触媒を消費することとなり、結局反応速度を低下することになり得ると考えられている。本実施形態によれば、酸性触媒が低充填レベルであるときでさえ、アシル硫酸の形成速度を一様にし、全体の反応速度が高いままであるように、反応速度が遅くなり始めたときに新たな酸性触媒を滴下注入することができる。
本明細書において使用される場合、「アシル化剤」という用語はアシル基求電子種を求核種に供与する化合物を指す。
本明細書において使用される場合、「置換度(DS)」という用語はセルロース単量体単位当たりのアセチル単位の平均数を指す。
本明細書において使用される場合、「アセチル値(AV)」という用語は酢酸として測定されたアセチル化セルロース中のアセチル置換の平均重量パーセントを指す。
本明細書において使用される場合、「全体的な触媒充填レベル」という用語は、セルロースの量と比べて測定された、反応混合物に添加された触媒の総重量パーセンテージを指す。全体的な触媒充填レベルには、あらゆる残りの触媒の量を滴下注入する前に反応混合物へ最初に添加された触媒のあらゆる量が含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法はアシル化剤とセルロースを含む反応混合物を調製すること、酸(例えば、硫酸、および随意でリン酸)を含む触媒をその反応混合物に滴下注入すること、およびその触媒の存在下でセルロースをアシル化剤と反応させ、それによりアシル化セルロースを形成することを含み得る。続いての実施形態のうちのいくつかでは、アシル化セルロースは、アセチル化剤として無水酢酸を使用して調製されたアセチル化セルロース(すなわち、酢酸セルロース)であり得る。しかし、酢酸セルロースが具体的に記載されているどの実施形態も無水酢酸以外のアシル化剤を使用することにより同様に実施され得る。無水酢酸以外のアシル化剤を使用するとき、形成された官能化セルロースを表すためにアシル基求電子種を使用する。例えば、アシル化剤として無水プロピオン酸を使用するとき、官能化セルロースはプロピオン酸セルロースと呼ばれ得る。
本実施形態での使用に適切なアシル化剤にはカルボン酸無水物(または単に無水物)とカルボン酸ハライド、特にカルボン酸塩化物(または単に酸塩化物)の両方が含まれ得る。適切な酸塩化物には、例えば、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、ブチリルクロリド、ベンゾイルエステルクロリドおよび同様の酸塩化物が含まれ得る。適切な無水物には、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水安息香酸および同様の無水物が含まれ得る。様々なアシル基をセルロースに導入するためにこれらの無水物または他のアシル化剤の混合物を使用することもできる。いくつかの実施形態では、この目的のために、例えば、酢酸プロピオン酸無水物、酢酸酪酸無水物などのような混合無水物を使用することもできる。
いくつかの実施形態では、反応混合物に滴下注入している間に触媒を希釈することができる。一般に、触媒の体積基準の添加を容易にするように、触媒を希釈することは滴下注入の際に有利であり得る。具体的には、小体積の未希釈の(濃)酸、特に未希釈の硫酸を正確に滴下注入することは難しい場合があり得る。さらに、未希釈の硫酸はやや粘性があり、そのことが反応混合物へのそれの滴下注入をさらに困難にする場合があり得る。他の未希釈の酸で同様の問題に直面することがあり得る。通常、触媒は溶媒、または、例えば、酢酸や無水酢酸または同様のカルボン酸や無水物のような既に反応混合物中に存在している反応物質に希釈され得る。いくつかの実施形態では、例えば、炭化水素、エーテルおよびハロゲン化溶媒のような反応条件にとって実質的に不活性である他の溶媒を随意で使用することもできる。希釈剤の使用は随意によるものであり、いくつかの実施形態では、未希釈で触媒を反応混合物に添加することができることを理解するべきである。
一度に全てよりも少ない量の触媒が反応混合物に添加されるようなどのような方法でも、触媒の反応混合物への滴下注入を行うことができる。いくつかの実施形態では、アシル化セルロースを形成するための反応が起きている間に触媒を少量ずつ反応混合物に滴下注入することができる。他の実施形態では、アシル化セルロースを形成するための反応が起きている間に触媒を反応混合物に連続的に滴下注入することができる。
触媒を反応混合物に不連続的に滴下注入するように少量ずつの滴下注入を実施することができる。反応混合物に滴下注入される部数は一般に無制限に変化し得る。いくつかの実施形態では、触媒の二部を反応混合物に滴下注入することができる。他の実施形態では、触媒の三部、または触媒の四部、または触媒の五部、または触媒の六部、または触媒の七部、または触媒の八部、または触媒の九部、または触媒の十部を反応混合物に滴下注入することができる。操作上の必要性により指示された場合、より多くの触媒の部分を反応混合物に滴下注入することができる。概して、触媒の少量ずつの滴下注入は、いくつかの実施形態では、約3分から約120分までの範囲の期間にわたって、または他の実施形態では、約3分と約30分の間に行われ得る。
いくつかの実施形態では、反応混合物に滴下注入された触媒の部分の全てが実質的に同じサイズであり得る。他の実施形態では、触媒の部分の少なくともいくつかのサイズが異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、反応速度を制御するように(上昇または低下させるように)反応の初期の過程の間により多くの、またはより少ない触媒の部分を使用し、そして、一度反応が安定化したなら、反応の後期の過程の間に異なる部分サイズの触媒を使用することが望ましくあり得る。
いくつかの実施形態では、各部分の滴下注入の間にある時間が実質的に同一であるように少量ずつの滴下注入を実施することができる。他の実施形態では、各部分の滴下注入の間にある時間が異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、反応速度に関連するピーク反応温度が所定のレベルより低くなるたびに各部分の滴下注入を実施することができる。他の実施形態では、分光分析による評価を含む他の反応パラメータを使用して新たな触媒部分の滴下注入を開始することができる。本実施形態によれば、新たな触媒部分の滴下注入を利用して望ましい高レベルで反応速度を維持することができる。いくつかの実施形態では、少量ずつの滴下注入の速度は、ピーク反応温度が約105℃以下のままであるように選択され得る。他の実施形態では、少量ずつの滴下注入の速度は、ピーク反応温度が約75℃以下のままであるように選択され得る。
触媒の連続滴下注入は当業者に知られているあらゆる機構により行われ得る。いくつかの実施形態では、触媒を一滴ずつ反応混合物に滴下注入することができる。他の実施形態では、触媒を絶え間のない流れとして反応混合物に滴下注入することができる。触媒の連続滴下注入にとって適切な機構には、例えば、定量流体添加、シリンジポンプ添加、滴下漏斗などが含まれる。
触媒の連続滴下注入にとって適切な速度はかなりの範囲にわたって変化し得る。いくつかの実施形態では、連続滴下注入の速度は、ピーク反応温度が約105℃以下のままであるように選択され得る。他の実施形態では、連続滴下注入の速度は、ピーク反応温度が約75℃以下のままであるように選択され得る。いくつかの実施形態では、連続滴下注入の速度は、約3分と約120分の間の範囲の期間にわたって触媒を反応混合物に滴下注入するようなものであり得る。他の実施形態では、連続滴下注入の速度は、約5分と約30分の間の範囲の期間にわたって触媒を反応混合物に滴下注入するようなものであり得る。
いくつかの実施形態では、触媒は、反応が生じる全時間よりも短い時間にわたって連続的に反応混合物に滴下注入され得る。すなわち、そのような実施形態では、ある期間にわたって触媒を連続的に滴下注入することができ、一度触媒滴下注入が完了したら、追加の期間の間に反応をさらに進行させることができる。随意で、その追加の期間が過ぎた後で触媒の連続滴下注入を継続することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、反応が生じる全時間にわたって連続的に反応混合物に滴下注入され得る。すなわち、そのような実施形態では、触媒をある期間にわたって連続的に滴下注入することができ、一度触媒滴下注入が完了したら、そのすぐ後に反応を完了させてアシル化セルロース生成物を分離および精製することができる。
いくつかの実施形態では、触媒の連続滴下注入と少量ずつの滴下注入の組合せを用いることができる。例えば、いくつかの実施形態では、触媒の連続滴下注入を反応過程の初期に行うことができ、一度連続滴下注入が完了したなら、その後に触媒の少量ずつの滴下注入を行って所望の反応速度を維持することができる。他の実施形態では、一回以上の触媒の少量ずつの滴下注入を反応過程の初期に行うことができ、その後に残りの触媒を連続的に滴下注入することができる。当業者は連続滴下注入と少量ずつの滴下注入の他の組合せを想定することができる。
本方法のさらなる変法では、反応に使用される反応物質または溶媒のいずれか1つを触媒の滴下注入と同時に、または別に反応混合物に滴下注入することもできる。例えば、アシル化剤(例えば、無水酢酸)または反応溶媒(例えば、酢酸)のいずれか1つを反応混合物に滴下注入することもできる。
いくつかの実施形態では、反応混合物は触媒の第一の部分を含むことができ、その後に触媒の少なくとも第二の部分を反応混合物に滴下注入することができる。そのような実施形態では、反応混合物中の触媒の第一の部分はアシル化反応の開始を補助することができ、触媒の第二の部分はその後好ましい高速度で反応を維持することができる。いくつかの実施形態では、触媒の第二の部分は複数の部分の状態で(すなわち、少量ずつ)反応混合物に滴下注入され得る。いくつかの実施形態または他の実施形態では、触媒の第二の部分は反応混合物に連続的に滴下注入され得る。
一般に、アシル化剤とセルロースとの間の反応にはその二つの間で発熱反応が起きるために温度の上昇が伴う。いくつかの実施形態では、触媒の滴下注入速度を調節して所望の範囲にピーク反応温度を維持することができる。いくつかの実施形態では、反応混合物の積極的な冷却を用いて所望の範囲にピーク反応温度を維持することもできる。反応混合物の積極的な冷却技術は当業者に知られるところとなり、そして、それには、例えば、冷却槽(例えば、氷浴槽または低温流体槽)、冷却水または同様の熱交換液体、空冷などへの曝露が含まれ得る。いくつかの実施形態では、約105℃以下の温度で反応を行うことができる。他の実施形態では、約70℃以下の温度で反応を行うことができる。先に述べたように、本方法の一つの利点はピーク反応温度を低レベルで維持する能力であり、それにより、時折、当技術分野において従来得られたものと異なる性質を有するアシル化セルロースが提供され得る。
加えて、現在記載されている方法を用いてセルロースを完全にアシル化するために必要な反応時間は当技術分野において従来用いられている反応時間よりも著しく短いことがあり得る。例えば、いくつかの実施形態では、セルロースを完全にアシル化するために必要とされる反応時間は約1時間以下であり得る。先に記載したように、そのように短い反応時間は製造コストをかなり低下させることができる。
一般に、アシル化剤とセルロースとの間の発熱反応が、触媒が添加された後のある時点で最大の発熱(すなわち、最高温度)を発生させる。いくつかの実施形態では、反応の発熱が最大に達した後に触媒の少なくとも一部を反応混合物に滴下注入することができる。触媒を反応混合物に少量ずつ滴下注入する実施形態では、滴下注入毎に当該の最大の発熱よりも低い局所的な最高温度が発生し得る。発熱が最大(すなわち、ピーク反応温度)に達し、その反応温度が低下しつつあるときに触媒の少なくとも一部を滴下注入することにより、反応の後半の過程の間に反応速度を好ましい高レベルに維持することができる。さらに、いくつかの事例では、アシル化セルロースの改善された溶液透明性と濾過性が実現し得る。
発熱が最大に達した後に触媒の少なくとも一部を滴下注入するとき、最大の発熱後に滴下注入される触媒の量は、いくつかの実施形態では、全体的な触媒充填レベルの最大で約50%であり得、または、他の実施形態では、全体的な触媒充填レベルの最大で約10%であり得る。他の様々な実施形態では、発熱が最大に達した後に滴下注入される触媒の量は全体的な触媒充填レベルの最大で約5%、または最大で約2%、または最大で約1%であり得る。いくつかの実施形態では、発熱が最大に達した後に滴下注入される触媒の量は全体的な触媒充填レベルの約1%と約2%の間の範囲にわたり得る。
本実施形態に従って触媒を反応混合物に滴下注入することにより、低い全体的な触媒充填レベルを用いて所望の反応速度を達成することができる。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの約0.5重量%〜約15重量%の間の範囲にわたり得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの約0.5重量%と約8重量%の間の範囲にわたり得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの約0.5重量%と約1.5重量%の間の範囲にわたり得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの最大で約0.6重量%に及び得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの最大で約0.75重量%に及び得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの最大で約1重量%に及び得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの約10重量%と約20重量%の間の範囲にわたり得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの約10重量%と約15重量%の間の範囲にわたり得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの約10重量%と約12重量%の間の範囲にわたり得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの約12重量%と約15重量%の間の範囲にわたり得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの約5重量%と約10重量%の間の範囲にわたり得る。いくつかの実施形態では、触媒の量はセルロースの約7重量%と約8重量%の間の範囲にわたり得る。前述の触媒の重量パーセンテージは反応混合物の全体的な触媒充填レベルを指す。
低レベルの、特にセルロースの約1重量%よりも低い、滴下注入された触媒を用いることは、触媒の滴下注入が用いられない場合に当技術分野において典型的に見られる反応速度を維持または改善することで、有利であり得る。改善された反応速度は商業生産プロセスにとって特に有益であり得、そのプロセスでは反応時間が短いほど、または運用温度が低いほど顕著に減少した運用コストに直結し得る。さらに、低い触媒レベルを用いるほど、商業生産プロセスの際に運用条件が危険ではなくなり得る。加えて、アシル化セルロースは時々、触媒の滴下注入が用いられないときに得られるものと異なる性質を有し得る。
いくつかの実施形態では、触媒レベルは、触媒の滴下注入が用いられない場合を除いて、当技術分野において典型的に用いられるものに匹敵するように比較的高いことがあり得る(例えば、セルロースの約10重量%〜約15重量%)。生成物の利点と処理の利点は、これらの比較的高い触媒レベルで触媒の滴下注入を用いるときに同様に実現され得る。これらの比較的高い触媒レベルの特定の利点は、酢酸セルロースのアセチル基のいくつかを除去するために(例えば、二酢酸セルロースを作製するために)酢酸セルロースが部分的に加水分解される既存の熟成処理とそれらのレベルが両立し得ることである。下で説明するように、酸触媒を熟成前に部分的に中和することができ、そして、残りの酸を使用して部分的なアセチル加水分解を行うことができる。したがって、有利なことに、特に比較的高い濃度の酸を用いるときに、本方法を、二酢酸セルロースを作製するための既存の処理装置を使用して行うことができる。しかし、本実施形態のうちのいくつかに従って減少した反応時間を用いることもできる。
様々な実施形態では、触媒は少なくとも硫酸を含み得る。いくつかの実施形態では、触媒は少なくとも一つの別の酸をさらに含み得る。硫酸と組み合わせて、または硫酸の代わりに使用され得る他の適切な酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、リン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などが含まれ得る。いくつかの実施形態では、触媒はリン酸をさらに含み得る。別の酸を硫酸と組合せで使用するとき、硫酸含量は広範囲にわたって変わり得る。様々な実施形態では、触媒の硫酸含量は約1体積%と約100体積%の間の範囲にわたり得る。いくつかの実施形態では、硫酸含量は約5体積%と約50体積%の間の範囲にわたり得、他の実施形態では、硫酸含量は約50体積%と約95体積%の間の範囲にわたり得る。
概して、本実施形態において、高品質溶解グレードセルロース(例えば、アセテートグレードパルプ、溶解グレードパルプ、ビスコースグレードパルプなど)から低品質非溶解グレードセルロース(例えばメカニカルパルプ、ペーパーグレードパルプ、ラグパルプ、リサイクル繊維パルプなど)まで、どのようなセルロース源をも使用することができる。一般に、高品質溶解グレードセルロースは約94%以上のα‐セルロース含量を有し、低品質、非溶解グレードセルロースはこの値よりも低いα‐セルロース含量を有する。アシル化セルロースの目的の用途に応じて、ある特定のセルロース源が他のものよりも、所望の物理的性質、化学的性質および機械的性質を有するアシル化セルロースの生産において有利であることがあり得るということが理解されるものとする。さらに、本実施形態の低品質セルロース源を使用する能力が経済的な観点から本明細書に記載される方法を特に有利なものとする。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は無水酢酸と、セルロースと、少なくとも硫酸を含む触媒の第一の部分とを含む反応混合物を調製すること、その触媒の少なくとも第二の部分を反応混合物に滴下注入すること、およびその触媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させ、それによりアセチル化セルロースを形成すること(酢酸セルロース)を含み得る。
本実施形態に従って酢酸セルロースを形成するとき、セルロースを完全にアセチル化するために必要とされる時間は反応速度に左右され得る。先に記載したように、反応速度は、本実施形態に従って触媒を反応混合物に滴下注入することによって好ましい高レベルに維持され得る。さらに、反応速度はピーク反応温度に左右され得る。いくつかの実施形態では、酢酸セルロースを形成するための反応を約105℃以下のピーク反応温度で行うことができる。他の実施形態では、酢酸セルロースを形成するための反応を約75℃以下のピーク反応温度で行うことができる。いくつかの実施形態では、セルロースを完全にアセチル化するために必要とされる時間は酢酸セルロースの置換度(DS)を測定することにより評価され得る。DSの測定は当業者に知られるところとなる。本明細書において使用される場合、セルロースのDS値が約2.5〜約3の間の範囲にわたるとき、すなわち、セルロース単量体単位当たり約2.5〜約3個のアセチル基が存在するとき、そのセルロースは完全にアセチル化されていると考えられる。いくつかの実施形態では、約2.5〜約3の間のDS値に達するのに必要とされる時間は多くとも約1時間であり得る。他の実施形態では、約2.5〜約3の間のDS値に達するのに必要とされる時間は多くとも約50分であり得、または様々な実施形態において多くとも約45分、または約40分、または約35分、または約30分、または約25分、または約20分、または約15分であり得る。セルロースを完全にアセチル化するために必要とされる時間はこれらの反応時間よりも長い、または短いことがあり得、そして、どのような所望の長さの反応時間も本実施形態において用いることができることが理解されるものとする。例えば、いくつかの実施形態では、当該の反応条件への曝露は、アセチル化が完了していても、所望によりセルロース骨格の部分的加水分解を達成するために継続され得る。
いくつかの実施形態では、一度完全にアセチル化された酢酸セルロースが作製されると、その酢酸セルロースをさらに処理してアセチル基の少なくとも一部と、もしあれば、硫酸エステル基の一部を選択的に除去することができる。いくつかの実施形態では、酢酸セルロースを加水分解してアセチル基の一部をそれから除去することができる。酢酸セルロースのアセチル基を加水分解するための適切な技術には、米国特許第3,767,642号、第4,314,056号、第4,439,605号、および第5,451,672号に記載されるものが含まれ得るが、これらに限定されず、それらの特許のそれぞれがその全体の参照により本明細書に組み込まれる。当業者が理解することになるように、酸触媒の少なくとも一部を、特に比較的高い酸触媒濃度が用いられる場合、部分的加水分解が起きる前に中和することができる。比較的低い酸触媒濃度が用いられる場合、いくつかの実施形態では、さらに中和することなく部分的加水分解を実施することができる。
いくつかの実施形態では、アセチル基の部分的加水分解(一般に酢酸セルロースの熟成とも呼ばれる)を酢酸の通常の沸点(約117℃の沸点)よりも低い温度で行うことができる。比較的高い触媒充填レベルがそのような熟成温度に特に合うが、所望により比較的低い触媒充填レベルを用いることもできる。他の実施形態では、アセチル基の部分的加水分解を酢酸の通常の沸点(約117℃の沸点)以上の温度で行うことができる。そのような熟成温度は比較的低い触媒充填レベル(例えば、1%未満の触媒)と特に合うが、所望により比較的高い触媒充填レベルを用いることもできる。いくつかの実施形態では、酢酸の通常の沸点を上昇させ、それにより加水分解反応温度を上昇させるために圧力を部分的加水分解反応の際にかけることができる。いくつかの実施形態では、アセチル基の加水分解により酢酸セルロースのあらゆる残留している硫酸基の少なくとも一部を除去することもできる。いくつかの実施形態では、加水分解の実施後に約2.5以下のDS値(約55.4以下のAV)を有する酢酸セルロースを作製することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は無水酢酸とセルロースを含む反応混合物を調製すること、少なくとも硫酸を含む触媒を反応混合物に滴下注入し、それによりアセチル化セルロースを含む反応生成物を形成すること、およびアセチル化セルロース上のアセチル基の少なくとも一部を加水分解して約2.5以下のDSを有するアセチル化セルロースを作製することを含み得る。いくつかの実施形態では、それらの方法は加水分解の前に少なくとも硫酸の一部を中和することをさらに含み得る。
本実施形態に従って合成された酢酸セルロースは、同様に、しかし触媒を反応混合物に滴下注入することなく調製された酢酸セルロースと異なる性質を時々有し得る。限定するものではないが、本実施形態に従って調製されたときに酢酸セルロースが時々示し得る性質には、例えば、同様の方法で、しかし触媒を反応混合物に滴下注入することなく調製された酢酸セルロースと比べて異なる分子量および改善された濾過性(不溶性が低くなった物質)が含まれる。分子量がより大きい場合では、そのアセチル化セルロースは、例えば、改善された機械的強度および溶液中でのより高い粘度を含む性質を示し得る。酢酸セルロースが、不溶性がより低い物質を含有する場合、酢酸セルロース製品は溶液中でより高い透明性を維持することができる。
本方法に従って合成された酢酸セルロースを、酢酸セルロースが現在利用されているどのような下流用途にも使用することができる。先に述べたように、本方法に従って合成された酢酸セルロースは、従来法で作製された酢酸セルロースと比べて異なる物理的性質、化学的性質、または機械的性質を時々有することがあり得、それらの性質がこれらの下流用途におけるその酢酸セルロースの性能に有利に影響し得る。
いくつかの実施形態では、本方法に従って調製された酢酸セルロースを吸収性物品に使用することができる。酢酸セルロースを使用することができる例示的だが、非限定的な吸収性物品には、例えば、おむつ、失禁用製品、女性用衛生製品、救急絆、外科用品などが含まれる。吸収性物品に使用されるとき、酢酸セルロースは、例えば、織り繊維または不織線維、ファイバートウなどを含む、あらゆる形状であり得る。いくつかの実施形態では、吸収性物品に内蔵されるとき、酢酸セルロースはフレークまたは粉末の形状であり得る。
他の非限定的な実施形態では、酢酸セルロースは種子粉衣または医薬品のコーティングを含み得る。そのような実施形態では、酢酸セルロースは、使用中に徐々に生物分解される前に種子または医薬品を保護することができる。酢酸セルロースコーティングが無傷である期間中、種子または医薬品をその周囲の環境状況から保護することができる。
さらに他の様々な実施形態では、酢酸セルロースを塗料または洗浄用組成物(例えば、界面活性剤組成物または石鹸組成物)中の添加物として使用することができる。そのような実施形態では、酢酸セルロースは、塗料または界面活性剤組成物の性質を強化する安定化膜組成物を含み得る。さらに他のさまざまな実施形態では、酢酸セルロースをヘアスタイリング製品および様々な美容製品に使用することができる。
いくつかの実施形態では、酢酸セルロースを増粘剤として使用することができる。いくつかの実施形態では、酢酸セルロースを、様々な食品の粘度を上昇させるために、または地下作業もしくは環境対策において使用される液体(例えば、ドリリング液体、地下処理液体など)の粘度を上昇させるために使用することができる。
さらに他の実施形態では、酢酸セルロースをタバコのフィルターに、または土壌充填材として使用することができる。
さらに他の実施形態では、本方法により調製された酢酸セルロースを含む線維、ファイバートウおよびフレーク材が記載される。
さらに他の実施形態では、本方法により調製された酢酸セルロースを光学材料に使用することができる。本願の酢酸セルロースは、当技術分野において通常得られるものよりも高いその光学透明度のため、この目的に特によく適していることがあり得る。
本発明のより良い理解を容易にするために、好ましい実施形態の以下の実施例が与えられている。決して、以下の実施例が本発明の範囲を限定または定義するものと読解されるべきではない。
実施例
分子量を決定するためのゲル透過クロマトグラフィー(GPC)分析は、300mm×7.8mmであり、直列に10Å、10Åおよび10Åの孔径カラムを有するPhenomenex Phenogelカラムからなるカラムセットを使用し、40℃でTHF移動相を使用する蒸発光散乱検出器付きのShimadzu Prominence HPLCシステムで実施された。
14%の触媒充填の割合で硫酸触媒を少量ずつの添加することによる酢酸セルロースの合成
方法A(比較):酢酸セルロースの対照合成を、セルロース、無水酢酸および一回分の濃硫酸(セルロースに対して14重量%)を混合し、そして、反応を起こさせることにより実施した。方法B:硫酸触媒を少量ずつ添加することによる酢酸セルロースの合成を、セルロース、無水酢酸および濃硫酸(セルロースに対して13重量%)を混合し、そして、反応を起こさせることにより実施した。一度ピーク反応温度に達したら、追加の分の硫酸(セルロースに対して1重量%)を添加し、反応を進行させた。
両方の方法で、総触媒充填、試薬の量およびピーク反応温度はほぼ同一であった。方法Aでは、部分的に中和するまでの時間は、少量ずつの触媒の添加が用いられた方法Bの58分に対して、63分であった。これはバッチ処理時間の8%の減少を表す。反応を停止するために酢酸マグネシウムと水を添加した後に、両方の方法で同様に標準的な条件で二酢酸セルロースを作製する部分的な中和を実施した。方法Bでは、約643gの湿ったパルプ(約8%の水分)を238gの酢酸と混合した後に1871gの酢酸、1560gの無水酢酸および82.6gの硫酸からなる混合液を反応混合物と混合した。ピーク発熱温度で、酢酸中に希釈された残りの6.0gの硫酸を反応混合物に添加した。表1は、方法AとBにより作製された酢酸セルロース生成物の比較データを表す。表1に示されているように、触媒の少量ずつの添加を用いて作製された酢酸セルロースは、触媒の一回の添加を用いて作製された酢酸セルロースと同等〜わずかに優れた性質を有した。

表1:触媒の一回の添加(方法A)と触媒の少量ずつの添加(方法B)により作製された酢酸セルロースの比較
Figure 2014530285
低レベルの硫酸触媒または硫酸/リン酸混合触媒を使用する酢酸セルロースの合成
総触媒充填をセルロースの約0.6重量%まで低下させることを除いて実施例1に記載される方法と同様の方法で酢酸セルロースを合成した。硫酸/リン酸混合触媒を使用したとき、濃度比率は1:1であった。各反応において、約20gの湿ったパルプ(約7%の水分)を使用し、その湿ったパルプを最初に酢酸と混合した後に酢酸、無水酢酸および触媒からなる混合液と混合した。触媒の第二の部分を、発熱が最大に達してから約20分後に添加した。目視検査により反応が完了したと判断した後に10分の間隔で試料採取を行った。表2と3が様々な反応ステージで得られた酢酸セルロース製品の分子量の概要を示す。

表2:硫酸/リン酸触媒の少量ずつの添加により合成された酢酸セルロースの平均分子量
Figure 2014530285

表3:硫酸触媒または硫酸/リン酸触媒の少量ずつの添加により合成された酢酸セルロースの平均分子量
Figure 2014530285
表2と3において、(M)は数平均分子量であり、(M)は重量平均分子量であり、(M)はZ平均分子量である。硫酸/リン酸混合触媒を使用して調製された酢酸セルロースのデータは異なるバッチについてのものであり、そのことが異なる分子量が提示されていることの原因であることに留意されたい。
結果として、本発明は言及された目標および利点ならびに本発明に内在する目標および利点を実現するようによく構成されている。本発明は、本明細書における教示の恩恵を有する技術分野の当業者にとって明らかである、異なるが同等である方法で改変および実施されうるので、上で開示された特定の実施形態は例示に過ぎない。さらに、下の特許請求の範囲に記載されていることの外に、本明細書において示されている詳細な構成または設計に制限を加えるつもりはない。したがって、上で開示された特定の例示的な実施形態を変更、結合または改変することができ、そのような変形の全てが本発明の範囲と精神の範囲内にあるとみなされることは明らかである。本明細書において例示的に開示された本発明は、本明細書において具体的に開示されていないいかなる要素および/または本明細書において開示されたいかなる随意的な要素も存在しない状態で適切に実施され得る。さまざまな成分またはステップを「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、または「含む(including)」という表現で組成物および方法が説明されている一方、それらの組成物および方法はさまざまな成分またはステップ「から基本的になる(consist essentially of)」または「からなる(consist of)」こともあり得る。上で開示された全ての数および範囲は若干変化し得る。下限と上限を有する数の範囲が開示されるときはいつでも、その範囲内に含まれるあらゆる数およびあらゆる含まれる範囲が具体的に開示されている。特に、本明細書において開示される(「約aから約bまで」、または同等に、「約aからbまで」、または同等に「約a〜bまで」という形の)全ての値の範囲はそのより広い範囲の値の中に包含される全ての数および範囲を表すと理解されるものとする。また、特許請求の範囲内のそれらの用語は、別途特許権保有者によって明白および明確に定義されない限り、それらの平易で通常の意味を有する。さらに、不定冠詞「a」または「an」は、特許請求の範囲において使用される場合、それが導く要素の1つ、または1つよりも多くを意味すると本明細書において定義される。本明細書および本明細書において参照により組み込まれ得る1つ以上の特許または他の文献において単語または用語の使用法にどのようなものでも不一致がある場合、本明細書と一致する定義が採用されるものとする。

Claims (21)

  1. アシル化剤およびセルロースを含む反応混合物を調製することと、
    酸を含む触媒を前記反応混合物に滴下することと、
    前記触媒の存在下で前記セルロースを前記アシル化剤と反応させ、それによってアシル化セルロースを形成することと、を含む、方法。
  2. 前記触媒が、硫酸、および任意にリン酸を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アシル化剤が、少なくとも無水酢酸を含み、および前記アシル化セルロースが、アセチル化セルロースを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記触媒が、反応が行われている間、前記反応混合物に少量ずつ滴下される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記触媒が、反応が行われている間、前記反応混合物に連続的に滴下される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記触媒の少なくとも一部が、前記反応の最大発熱に達した後、前記反応混合物に滴下される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記触媒の量が、前記セルロースの約0.5重量%〜約15重量%の範囲である、請求項1に記載の方法。
  8. 無水酢酸と、セルロースと、少なくとも硫酸を含む触媒の第1の部分とを含む反応混合物を調製することと、
    前記触媒の少なくとも第2の部分を前記反応混合物に滴下することと、
    前記触媒の存在下で前記セルロースを前記無水酢酸と反応させ、それによってアセチル化セルロースを形成することと、を含む、方法。
  9. 前記アセチル化セルロースを加水分解して、アセチル基の一部分をそこから除去することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記アセチル化セルロースが、前記触媒が一度にすべて添加されるときに合成されるアセチル化セルロースと比較して、改良された濾過性を有する、請求項8に記載の方法。
  11. 前記触媒の前記第2の部分が、反応が行われている間、前記反応混合物に少量ずつ滴下される、請求項8に記載の方法。
  12. 前記触媒の前記第2の部分が、反応が行われている間、前記反応混合物に連続的に滴下される、請求項8に記載の方法。
  13. 前記触媒の前記第2の部分の少なくとも一部が、前記反応の最大発熱に達した後、前記反応混合物に滴下される、請求項8に記載の方法。
  14. 前記触媒の総量が、前記セルロースの約0.5重量%〜約15重量%の範囲である、請求項8に記載の方法。
  15. 前記触媒が、リン酸をさらに含む、請求項8に記載の方法。
  16. 無水酢酸およびセルロースを含む反応混合物を調製することと、
    少なくとも硫酸を含む触媒を前記反応混合物に滴下し、それによってアセチル化セルロースを含む反応生成物を形成することと、
    前記アセチル化セルロース上のアセチル基の一部分を加水分解して、約2.5以下の置換度(DS)を有するアセチル化セルロースを製造することと、を含む、方法。
  17. 加水分解の前に、前記硫酸の少なくとも一部分を中和することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記セルロースが、非溶解グレードのセルロースを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記触媒の少なくとも一部が、前記反応の最大発熱に達した後、前記反応混合物に滴下される、請求項16に記載の方法。
  20. 前記触媒の最大約5%が、前記反応の前記最大発熱に達した後、前記反応混合物に滴下される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記触媒が、リン酸をさらに含む、請求項16に記載の方法。
JP2014535797A 2011-10-14 2012-10-10 酸性触媒の滴下注入によるアシル化セルロースの合成方法 Pending JP2014530285A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/273,279 2011-10-14
US13/273,279 US20130096296A1 (en) 2011-10-14 2011-10-14 Methods for Synthesizing Acylated Cellulose Through Instillation of an Acidic Catalyst

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014530285A true JP2014530285A (ja) 2014-11-17

Family

ID=48082355

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014535797A Pending JP2014530285A (ja) 2011-10-14 2012-10-10 酸性触媒の滴下注入によるアシル化セルロースの合成方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20130096296A1 (ja)
EP (1) EP2766398A4 (ja)
JP (1) JP2014530285A (ja)
CN (1) CN103874713A (ja)
WO (1) WO2013055717A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6156558B1 (ja) * 2016-08-12 2017-07-05 富士ゼロックス株式会社 セルロースアシレートの製造方法
JP6160751B1 (ja) * 2016-08-12 2017-07-12 富士ゼロックス株式会社 セルロースアシレートの製造方法
JP6197928B1 (ja) * 2016-08-12 2017-09-20 富士ゼロックス株式会社 セルロースアシレートの製造方法、樹脂組成物の製造方法、及び、樹脂成形体の製造方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2501732A (en) * 2012-05-02 2013-11-06 Innovia Films Ltd Improved steeping conditions for manufacture of viscose
CN110396134A (zh) * 2019-08-08 2019-11-01 山东泰和水处理科技股份有限公司 一种三醋酸纤维素酯的合成方法
CN110407946A (zh) * 2019-08-08 2019-11-05 山东泰和水处理科技股份有限公司 一种负载型固体超强酸催化制备三醋酸纤维素的方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03205401A (ja) * 1990-01-08 1991-09-06 Daicel Chem Ind Ltd 酢酸セルロースの製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1950663A (en) * 1927-12-17 1934-03-13 Dreyfus Henry Manufacture of cellulose esters
US2095334A (en) * 1935-01-16 1937-10-12 Celanese Corp Manufacture of cellulose esters
US2140639A (en) * 1938-02-25 1938-12-20 Eastman Kodak Co Method of preparing cellulose acetate
US2206288A (en) * 1939-08-05 1940-07-02 Eastman Kodak Co Manufacture of acetyl cellulose
CA2141317A1 (en) * 1992-08-07 1994-02-17 Melvin G. Mitchell Process for acetylation of cellulose
US6407224B1 (en) * 1992-12-25 2002-06-18 Nauchno-prozvodstvennaya firma “Efiry Tselljulosy” Catalytic system for cellulose acylation process for producing said catalytic system, and for its practical application
JPH09157303A (ja) * 1995-12-06 1997-06-17 Bio Polymer Res:Kk セルロースのアセチル化法
DE19711502C1 (de) * 1997-03-19 1998-07-30 Rhodia Acetow Ag Verfahren zur Herstellung von Celluloseacetat
US20060222786A1 (en) * 2005-02-01 2006-10-05 Fuji Photo Film Co., Ltd. Cellulose acylate, cellulose acylate film, and method for production and use thereof

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03205401A (ja) * 1990-01-08 1991-09-06 Daicel Chem Ind Ltd 酢酸セルロースの製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6156558B1 (ja) * 2016-08-12 2017-07-05 富士ゼロックス株式会社 セルロースアシレートの製造方法
JP6160751B1 (ja) * 2016-08-12 2017-07-12 富士ゼロックス株式会社 セルロースアシレートの製造方法
JP6197928B1 (ja) * 2016-08-12 2017-09-20 富士ゼロックス株式会社 セルロースアシレートの製造方法、樹脂組成物の製造方法、及び、樹脂成形体の製造方法
JP2018024806A (ja) * 2016-08-12 2018-02-15 富士ゼロックス株式会社 セルロースアシレートの製造方法
JP2018024805A (ja) * 2016-08-12 2018-02-15 富士ゼロックス株式会社 セルロースアシレートの製造方法、樹脂組成物の製造方法、及び、樹脂成形体の製造方法
JP2018024800A (ja) * 2016-08-12 2018-02-15 富士ゼロックス株式会社 セルロースアシレートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2766398A4 (en) 2015-05-27
EP2766398A1 (en) 2014-08-20
CN103874713A (zh) 2014-06-18
US20130096296A1 (en) 2013-04-18
WO2013055717A1 (en) 2013-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014528511A (ja) 酸性触媒の滴下注入によるアシル化セルロースの合成方法
Heinze et al. Cellulose derivatives: synthesis, structure, and properties
Osorio-Madrazo et al. Kinetics study of the solid-state acid hydrolysis of chitosan: Evolution of the crystallinity and macromolecular structure
JP2014530285A (ja) 酸性触媒の滴下注入によるアシル化セルロースの合成方法
Heinze et al. 4.2 Chemical characteristics of cellulose acetate
del Cerro et al. Crystallinity reduction and enhancement in the chemical reactivity of cellulose by non-dissolving pre-treatment with tetrabutylphosphonium acetate
El Seoud et al. Organic esters of cellulose: new perspectives for old polymers
Tupa et al. Organocatalytic acetylation of starch: Effect of reaction conditions on DS and characterisation of esterified granules
EP3161012A1 (en) Preparation of poly alpha-1,3-glucan ester films
de Marco Lima et al. Characterisation of bacterial cellulose partly acetylated by dimethylacetamide/lithium chloride
Sun et al. Preparation and properties of thermoplastic poly (caprolactone) composites containing high amount of esterified starch without plasticizer
JP2014528512A (ja) 酸性触媒の注入によるアシル化セルロースの製造方法
Guo et al. Thermostable physically crosslinked cryogel from carboxymethylated konjac glucomannan fabricated by freeze-thawing
Xiao et al. Gel properties transition from mono-succinylation to cross-linking of agar by attemperation with succinic anhydride
Gericke et al. Synthesis of xylan carbonates–An approach towards reactive polysaccharide derivatives showing self-assembling into nanoparticles
Biswas et al. Iodine catalyzed esterification of cellulose using reduced levels of solvent
Kumar et al. Deciphering structures of inclusion complexes of amylose with natural phenolic amphiphiles
Zhang et al. Enhanced hydrophobicity and thermal stability of hemicelluloses by butyrylation in [BMIM] Cl ionic liquid
de Paula et al. Sisal cellulose acetates obtained from heterogeneous reactions
Xia et al. Investigating the effect of different substitution levels of starch carbamate on composite film properties
Chen et al. Dissolution behaviour of corn starch with different amylose content in ionic liquids
Zhang et al. Acetylation modification improved the physicochemical properties of xyloglucan from tamarind seeds
Skołucka-Szary et al. Synthesis and physicochemical characterization of chitin dihexanoate—A new biocompatible chitin derivative—In comparison to chitin dibutyrate
Gao et al. Rapid transesterification of cellulose in a novel DBU-derived ionic liquid: Efficient synthesis of highly substituted cellulose acetate
EP3575327A1 (en) Cellulose acetate, and molded article

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150406

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150804