JP2014529338A - Prameの精製 - Google Patents

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ビュッシー,オリビエ,パトリック ル
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Abstract

本発明は、PRAMEの精製のための方法に関する。特に、本発明は、(i)交換の前又は同時に希釈液Aにポリアニオン性化合物を添加するステップ、及び(ii)タンパク質を希釈液Aから希釈液Bに交換するステップを含む、希釈液Aから希釈液Bへの希釈液交換の間のPRAMEの凝集を減少させるための方法に関する。該方法によって生産される組成物もまた提供される。【選択図】図16

Description

本発明は、PRAMEの精製のための方法に関する。
「メラノーマ優先発現抗原(PReferentially expressed Antigen in MElanoma)」、即ち「PRAME」はPRAME遺伝子によってコードされる腫瘍抗原である。
PRAMEは多くの種類の腫瘍、例えばメラノーマ、肺癌、及び白血病で過剰発現される抗原である(Ikeda et al., Immunity 1997, 6 (2) 199-208)。高レベルのPRAME発現が、幾つかの固形腫瘍、例えば卵巣癌、乳癌、肺癌及びメラノーマ、髄芽腫、肉腫、頭部及び頸部癌、神経細胞芽腫、腎臓癌、及びウィルムス腫瘍並びに血液系腫瘍、例えば急性リンパ性白血病及び骨髄性白血病(ALL及びAML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ホジキン病、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病(CLL)及びマントル細胞リンパ腫において報告されている。
PRAMEは幾つかの通常組織、例えば精巣、副腎、卵巣、及び子宮内膜においてもかなり低いレベルで発現される。
PRAMEは、重要な抗癌免疫療法の代表である。免疫療法において癌抗原は通常、例えば患者の免疫系を刺激して該抗原を発現する腫瘍細胞を殺す、タンパク質又はその抗原性断片を含むワクチンとして患者に導入される。PRAMEの場合には、癌抗原を含むワクチンの生産には、かなりの量の癌抗原が必要であり、したがって、抗原の大規模な発現及び精製が必要である。
PRAMEはE.coliで過剰発現されると、封入体を形成する。PRAMEを封入体から可溶化するためには、封入体を、アニオン性界面活性剤及び尿素を必要とする強い可溶化条件に曝露しなければならない。しかしながら、このような条件は患者への注入のための組成物へのPRAMEの最終製剤化に好適ではなく、精製されたPRAMEを他の希釈液に移行させなければならない。
Ikeda et al., Immunity 1997, 6 (2) 199-208
本出願の発明者は、PRAMEを可溶化するために用いられるアニオン性界面活性剤を含む希釈液から、アニオン性界面活性剤を実質的に含まない希釈液へのPRAMEの移行が、PRAMEの凝集を引き起こすことを見出した。この凝集は長い時間続き、最終的に溶液からのPRAMEの析出を引き起こす。この凝集(抗原サイズの成長)は、免疫療法組成物における使用にとって好適ではなく、したがって、本分野ではPRAMEの精製のための改善された方法が必要である。
PRAMEの凝集を減少させるための方法及び工程、並びにこれらの方法及び工程によって生産される化合物が、本発明によって提供される。一実施形態では、(i)交換の前に希釈液Aにポリアニオン性化合物を添加するステップ、及び(ii)タンパク質を希釈液Aから希釈液Bに交換するステップを含む、希釈液Aから希釈液Bへの希釈液交換の間のタンパク質の凝集を減少させるための方法であって、該タンパク質がPRAMEである上記方法が提供される。一実施形態では、希釈液Aから希釈液Bへの希釈液交換の間のタンパク質の凝集を減少させるためのポリアニオン性組成物の使用であって、該タンパク質がPRAMEである上記使用が提供される。一実施形態では、ポリアニオン性化合物は、希釈液交換の前に添加される。一実施形態では、希釈液Aは界面活性剤を含む。他の実施形態では、界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。他の実施形態では、界面活性剤は:SDS、ドキュセートナトリウム、及びラウリルサルコシルからなる群より選択される。
一実施形態では、希釈液Bは実質的に界面活性剤を含まない。
一実施形態では、ポリアニオン性化合物はオリゴヌクレオチドである。一実施形態では、オリゴヌクレオチドは5〜200ヌクレオチド長である。一実施形態では、オリゴヌクレオチドはCpGを含む。ほとんどの実施形態では、オリゴヌクレオチドは:TCC ATG ACG TTC CTG ACG TT (CpG 1826)(配列番号:1);TCT CCC AGC GTG CGC CAT (CpG 1758)(配列番号:2);ACC GAT GAC GTC GCC GGT GAC GGC ACC ACG(配列番号:3);TCG TCG TTT TGT CGT TTT GTC GTT (CpG 2006/CpG7909)(配列番号:4);TCC ATG ACG TTC CTG ATG CT (CpG 1668)(配列番号:5);及びTCG ACG TTT TCG GCG CGC GCC G (CpG 5456)(配列番号:6)からなる群より選択される。
一実施形態では、希釈液交換は、透析、透析濾過、又はサイズ排除クロマトグラフィーによってなされる。
一実施形態では、本方法は、(iii)タンパク質を希釈液C中に製剤化するステップをさらに含む。一実施形態では、希釈液Cはトリス、ホウ酸塩、スクロース、ポロキサマー、及びCpGを含む。
本発明はまた、本発明の方法によって生産される、希釈液C中にPRAMEを含む組成物を提供する。
本発明はまた、PRAMEが10〜30nmの粒子サイズを有する、PRAME及びオリゴヌクレオチドを含む組成物を提供する。他の実施形態では、PRAMEは15〜25nmの粒子サイズを有する。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドはCpGを含む。さらなる実施形態では、粒子サイズは、動的光散乱法によって決定される。
本発明は、(a)本発明の方法に従って希釈液交換を行うステップ;(b)タンパク質を希釈液C中に製剤化するステップ;及び(c)ステップ(b)において生産された製剤を滅菌するステップを含む、薬学的に許容可能なPRAME組成物を生産する方法を提供する。他の実施形態では、本方法は(d)ステップ(c)で生産された製剤を凍結乾燥する追加のステップを含む。他の実施形態では、ステップ(c)は濾過によってなされる。
MalvernのZetaSizer Nano ZS装置による、PRAME精製抗原の電気泳動移動度の測定及びゼータ電位の計算。 遊離のGMPロットDPRAAPA003のSEC-MALLS分析によって測定された光散乱(LS)、屈折率(RI)及び分子量(MM)分布。 遊離のGMPロットDPRAAPA004のSEC-MALLS分析によって測定された光散乱(LS)、屈折率(RI)及び分子量(MM)分布。 遊離のGMPロットDPRAAPA005のSEC-MALLS分析によって測定された光散乱(LS)、屈折率(RI)及び分子量(MM)分布。 遊離のGMPロットDPRAAPA003(青のプロフィール)、DPRAAPA004(赤のプロフィール)、及びDPRAAPA005(緑のプロフィール)のSV-AUC分析によって得られた沈降係数の分布c(s)。SV-AUCによって得られた未加工データがSedfitソフトウェアを用いて処理されていることに留意されたい。波はこのシグナル処理により、したがって、人工的なものである。 4〜12%ビス-トリスポリアクリルアミドゲルクマシーブルーR250染色における還元条件でのSDS-PAGE分析(レーンあたり5μgのタンパク質を供試した)。ASA(ソルビトール)で再構成した最終容器−25℃での再構成動態の追跡。レーンは、左から右へ番号付けしている。 PRAME抗原に対するウエスタンブロット分析。ASA(ソルビトール)緩衝液又は水で再構成した最終容器。25℃での再構成動態の追跡。レーンあたり0.3μgのタンパク質を供試し、1時間100Vでニトロセルロース膜に移行させ、アルカリホスファターゼ(NBT-BCIP)検出した。レーン1:T0における注射用水で再構成した最終容器(FC)−非遠心サンプル;レーン2:1と同じ−遠心サンプル(上清);レーン3:T0におけるASA緩衝液に再構成した最終容器(FC)−非遠心サンプル;レーン4:3と同じ−遠心サンプル(上清);レーン5:T4時間25℃におけるASA緩衝液に再構成した最終容器(FC)−非遠心サンプル;レーン6:5と同じ−遠心サンプル(上清);レーン7:T 24時間25℃におけるASA緩衝液に再構成した最終容器(FC)−非遠心サンプル;レーン8:7と同じ−遠心サンプル(上清)。 PRAME溶液中へのCpG7909のステップワイズ注入に対応する等温滴定熱量測定プロフィール。CpGのPRAMEへの結合は、飽和に達するまで特徴的なシグナルの結果をもたらす。 上のパネルは、SDS-PAGEゲルの銀染色後に可視化されたPRAMEタンパク質の分布を表す。下のパネルは、IEX-HPLC-UV測定後のグラジエントに沿ったCpGの分布を表す。画分1は、対応するSDS-PAGEゲルのレーンの上に強調された「下部」画分と同じものである。同様に、画分12は「上部」画分と同じものであり、画分wは、「チューブ洗浄」レーンと同じものである。赤い囲みは、CpGが抗原と相互作用している画分を描写することを意図する(対照実験では、CpG単独は「上部」画分でのみ見られる)。 3つの異なる複製ロットにおいてPRAME抗原と結合するCpGの量を示す比較データ。青いバーは凍結乾燥させた物質のエクステンポ(ex-tempo)再構成に対応する(グラフの左半分は500μg用量、右半分は100μg用量)。緑のバーは、限外濾過の前に24時間25℃で事前インキュベートしたサンプルに対応する。赤紫色のダイアモンド形は、CpG/Agの質量比に対応し、右軸で読まれるべきである。 SEC-HPLC法の開発。SECカラムの選択。精製された抗原について、異なるTSKカラムで得られたUVプロフィール。 SEC-HPLC法の開発。SECカラムの選択。CpG溶液(1050μg/mL)を加えた精製された抗原について、異なるTSKカラムで得られたUVプロフィール。 5mMホウ酸塩緩衝液pH9.8‐3.15%スクロース(=精製された抗原の緩衝液)で平衡化したTSK G4000 PWxl+G6000 PWxlカラム(+ガードカラム)における、0.5 mL/minの流速及び220nmのUV検出でのSEC-HPLC分析‐UVプロフィールは、精製された抗原単独又は増加した濃度のCpGを加えた後の精製された抗原について得た。CpGは抗原のクロマトグラフィープロフィールに影響を与える。N.B. Vo=カラムの空隙容量、すなわち、樹脂ビーズの外側の容量。 5mMホウ酸塩緩衝液pH9.8‐3.15%スクロース(=精製された抗原の緩衝液)で平衡化したTSK G4000 PWxl+G6000 PWxlカラム(+ガードカラム)における、0.5 mL/minの流速及び220nmのUV検出でのSEC-HPLC分析‐UVプロフィールは、10μg/mL〜1050μg/mLのCpG水溶液について得た。 添加剤を加えた又は加えていない、22℃で24時間保管された精製された抗原サンプルの動的光散乱法(MalvernのZetaNano(登録商標))によるサイズ分析(視覚観察により抗原沈降が観察されたときは、サイズ測定は行わなかった) 選択された添加剤候補物質を加えた、4℃で14日間保管された精製された抗原サンプルの動的光散乱法(MalvernのZetaNano(登録商標))によるサイズ分析。 選択された添加剤候補物質を加えた、4℃14日後の精製された抗原サンプルの濁度測定(HACH 2100AN IS(登録商標))。 ASA(ソルビトール)のイオン性界面活性剤に対する適合性‐動的光散乱法によるサイズ分析(MalvernのZetaNano(登録商標)) DLS測定の図表。 CpGを含まないサンプル(R19/1)、及びUF前にHA-FTに100μg/mLのCpGを加えたサンプル(ランR26/1)の視覚分析。 DLS測定の図表。
本発明者は、驚くべきことに、希釈液の交換の前の、PRAMEを含む希釈液へのポリアニオン性化合物の添加がPRAMEの凝集を減少させることを見出した。
凝集
上記の通り、本発明の方法は、希釈液交換の間のPRAMEの凝集を減少させる。凝集は、各PRAME分子が他のPRAME分子と結合して多量体を形成することを意味する。凝集は、視覚的に、又は本分野において周知の動的光散乱法を用いて観察され得る。
PRAME
上記の通り、PRAMEは多くの種類の腫瘍、例えばメラノーマ、肺癌、及び白血病で過剰発現される抗原である(Ikeda et al., Immunity 1997, 6 (2) 199-208)。PRAMEタンパク質は509アミノ酸を有する(配列番号:7)。この抗原は米国特許第5,830,753号に記載されている。PRAMEはまた、Annotated Human Gene Database H-Inv DBにおいて:U65011.1、BC022008.1、AK129783.1、BC014974.2、CR608334.1、AF025440.1、CR591755.1、BC039731.1、CR623010.1、CR611321.1、CR618501.1、CR604772.1、CR456549.1、及びCR620272.1のアクセッション番号でも見出される。本明細書で用いられる用語「PRAME」は完全長の野生型PRAMEタンパク質を含む。該用語は、保存的置換を有するPRAMEタンパク質もまた含む。一実施形態では、一以上の、すなわち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19以上のアミノ酸が置換され得る。PRAMEタンパク質はさらに、又は代わりに、野生型のPRAME配列と比較してアミノ酸配列内に欠失又は挿入を含み得る。一実施形態では、一以上の、すなわち、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19以上のアミノ酸が挿入又は欠失され得る。
一実施形態では、用語「PRAME」は完全長の野生型PRAMEタンパク質と80%以上、すなわち、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%以上の配列同一性を有するタンパク質を含む。
用語「PRAME」は、PRAMEタンパク質を含む融合タンパク質もまた含む。PRAMEは融合パートナー又は担体タンパク質に融合若しくは結合され得る。例えば、融合パートナー又は担体タンパク質は、タンパク質D、NS1、若しくはCLytA又はその断片から選択され得る。例えば、WO2008/087102を参照されたい。
本発明の一実施形態では、用いられ得る免疫学的な融合パートナーは、グラム陰性菌であるインフルエンザ菌(Haemophilus influenza)B(WO91/18926)の表面タンパク質であるタンパク質D、又はその誘導体に由来する。タンパク質D誘導体は、該タンパク質の初めの1/3、又は該タンパク質の初めのほぼ1/3を含み得る。一実施形態では、タンパク質Dの初めの109残基が融合パートナーとして用いられ得る。別の実施形態では、タンパク質D誘導体は、N末端の初めの100〜110アミノ酸又はN末端の初めの約若しくはほぼ100〜110アミノ酸を含み得る。一実施形態では、タンパク質D又はその誘導体は、脂質付加され得、リポタンパク質Dが用いられ得る。
一実施形態では、PRAMEタンパク質は、a)PRAME又はその免疫原断片、及びb)タンパク質Dに由来する異種融合パートナーを含み、タンパク質Dの分泌配列(シグナル配列)を含まない融合タンパク質である。タンパク質Dの分泌配列若しくはシグナル配列、又は分泌シグナルは、タンパク質DのN末端の19アミノ酸を意味する。したがって、本発明の融合パートナータンパク質は、タンパク質Dの完全長タンパク質の残りを含み得るか、又はタンパク質DのN末端の1/3の残りを含み得る。例えば、タンパク質DのN末端の1/3の残りは、タンパク質Dのほぼ又は約アミノ酸20〜127を含み得る。一実施形態では、タンパク質D配列はタンパク質DのN末端アミノ酸20〜127を含む。
一実施形態では、PRAMEは、N末端からC末端にかけて:Met-Asp-Proアミノ酸;タンパク質Dの20〜127アミノ酸;PRAME;任意にリンカー;及びポリヒスチジンテール(His)を含む融合タンパク質であるタンパク質D-PRAME/Hisであり得る。任意に用いられ得るリンカー及びポリヒスチジンテールの例として、例えば:TSGHHHHHH;LEHHHHHH又はHHHHHHが挙げられる。
本発明で用いられるPRAMEは、通常10〜2000mg/mL、すなわち、2、5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1750、又は2000mg/mLの濃度である。
多価電解質及びポリアニオン性化合物
多価電解質は、反復単位が電解質基を有するポリマーである。これらの基は、水溶液(水)中で解離し、ポリマーを荷電させる。したがって、多価電解質の特性は、電解質(塩)及びポリマー(高分子量化合物)の両方に類似し、時として多価塩(polysalt)と呼ばれる。塩同様、その溶液は導電性である。ポリマー同様、その溶液はしばしば粘稠性である。
本明細書で使用される「ポリアニオン性化合物」は、全体として負の荷電を有する多価電解質である。ポリアニオン性化合物の例として、限定されるものではないが、PLG及びオリゴヌクレオチドが挙げられる。
ポリアニオン性化合物のpH7.0における正味の負電荷は、任意の好適な手段により計算され得る。これは、化合物の平均的特性であり得、用いられるポリアニオン性化合物のMwについて計算されるべきである。例えば、平均で17残基を有するPLGポリマーは、17の正味の負電荷を有する。一実施形態では、正味の負電荷は、少なくとも8、又は少なくとも17、好適には8〜100、10〜80、12〜60、14〜40、16〜20、及び最も好適には約若しくはちょうど17であるべきである。
一実施形態では、本発明のポリアニオン性化合物は、3モノマーあたりpH7.0で少なくとも平均して1の正味負電荷、好適には3モノマーあたり少なくとも2、及び最も好適には30モノマーあたり少なくとも平均して1の正味負電荷を有する。荷電は、化合物の全長にわたって不均等に配置され得るが、好適には化合物の全長にわたって均等に広がる。
当業者は、用語「ポリアニオン性化合物」がポリアニオン性界面活性剤を含み得ると理解するだろう。しかしながら、本発明が、アニオン性界面活性剤を含む希釈液Aから希釈液Bへの希釈液交換の前に希釈液Aにポリアニオン性化合物を添加することについて言及するときは、アニオン性界面活性剤は希釈液Aに添加される「ポリアニオン性化合物」と同一ではない。
ポリL-グルタミン酸(PLG)
ポリL-グルタミン酸は、生物学的分子を含む希釈液を安定化するために用いられるL-グルタミン酸のポリマーである。一実施形態では、低分子量のPLG(6000 Mw未満、好適には640〜5000)(例えば、平均で17残基を有し、Mw 2178)が用いられる。PLGは、各反復単位に遊離のγ-カルボキシル基(pKa 4.1)を有する完全に生分解性のポリアミノ酸であり、pH7で負に荷電しており、そのことがこのホモポリマーを水溶性にし、ポリアニオン性構造にしている。PLGは従来のペプチド合成技術を用いて調製され得る。PLGはまた、比較的多分散形態(例えば、多分散度約2.6を有する17マー)としてSigma-Aldrich、St. Louis、MO、USAから、又は比較的単分散形態(例えば、多分散度ほぼ1を有する8、16、24、又は32マー)としてNeosystem、Strasbourg、Franceから入手も可能である。
本発明で用いられるPLGは、通常、10〜2000μg/mL、すなわち2、5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1750、又は2000μg/mLの濃度である。
オリゴヌクレオチド
本発明で使用するためのオリゴヌクレオチドは、リボ核酸、デオキシリボ核酸、又は本分野で公知の任意の化学修飾核酸で構成され得る。しかしながら、本発明で利用されるオリゴヌクレオチドは、典型的にデオキシヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドは、プリン又はピリミジンの任意の配列を含み得る。
一実施形態では、オリゴヌクレオチドはCpGを含む。CpGは、DNAに存在するシトシン-グアニンジヌクレオチドモチーフの略称である。歴史的に、BCGのDNA画分が抗腫瘍効果を発揮し得ることが観察されていた。更なる研究において、BCG遺伝子配列由来の合成オリゴヌクレオチドが、(in vitro及びin vivoの両方で)免疫刺激効果を誘導できることが示された。これらの研究の著者は、中心にCGモチーフを含む幾つかのパリンドローム配列がこの活性を有すると結論付けた。免疫刺激におけるCGモチーフの中心的役割が、後にKrieg, Nature 374, p546 1995において明らかにされた。詳細な解析により、CGモチーフが幾つかの配列構造に存在しなければならず、このような配列は細菌DNAでは一般的であるが、脊椎動物DNAではまれであることが示された。免疫刺激性配列はしばしば、ジヌクレオチドCGモチーフがメチル化されていない:プリン、プリン、C、G、ピリミジン、ピリミジン;であるが、他の非メチル化CpG配列が免疫刺激性であることが知られており、本発明において用いられ得る。
6つのヌクレオチドの幾つかの組み合わせにおいて、パリンドローム配列が存在する。これらのモチーフの幾つかは、一つのモチーフの反復として、又は異なるモチーフの組み合わせとして、同じオリゴヌクレオチドに存在し得る。オリゴヌクレオチドを含む一以上のこれらの免疫刺激性配列の存在が、様々な免疫サブセット、例えば(インターフェロンγを生産し、細胞溶解活性を有する)ナチュラルキラー細胞、及びマクロファージを活性化し得る(Wooldrige et al Vol 89 (no. 8) ,1977)。このコンセンサス配列を有さない他の非メチル化CpGを含む配列が、免疫刺激性であることが示されている。
本発明の一実施形態ではオリゴヌクレオチドは、少なくとも三、好適には少なくとも六以上のヌクレオチドによって隔てられている二以上のジヌクレオチドCpGモチーフを含む。本発明のオリゴヌクレオチドは典型的にデオキシヌクレオチドである。好適な実施形態では、オリゴヌクレオチドのヌクレオチド間結合はホスホロジチオエート、又はより好適にはホスホロチオエート結合であるが、ホスホジエステル及び他のヌクレオチド間結合が本発明の範囲内であり、例えば混合されたヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドが含まれる。
好適なオリゴヌクレオチドの例は、以下の配列を有する。配列は好適には、ホスホロチオエート修飾ヌクレオチド間結合を含む。
TCC ATG ACG TTC CTG ACG TT (CpG 1826;)‐配列番号:1
TCT CCC AGC GTG CGC CAT (CpG 1758)‐配列番号:2
ACC GAT GAC GTC GCC GGT GAC GGC ACC ACG‐配列番号:3
TCG TCG TTT TGT CGT TTT GTC GTT (CpG 2006/CpG7909)‐配列番号:4
TCC ATG ACG TTC CTG ATG CT (CpG 1668)‐配列番号:5
TCG ACG TTT TCG GCG CGC GCC G (CpG 5456)‐配列番号:6
TCG TCG TTT TGT CGT (CpG 15マー)‐配列番号:9
TCG TCG TTT TGT CGT TTT GTC GTT TCG TCG (CpG 30マー)‐配列番号:10。
代わりのCpGオリゴヌクレオチドは、重要でない欠失又は付加を有する上記の好適な配列を含み得る。
本発明で利用されるCpGオリゴヌクレオチドは、本分野で知られる任意の方法により合成され得る(例えばEP 468520)。慣習上、かかるオリゴヌクレオチドは、自動合成機を用いて合成され得る。
本発明で使用するためのオリゴヌクレオチドは、通常2〜500塩基長、すなわち、2、5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、又は500塩基である。一実施形態では、本発明で使用するためのオリゴヌクレオチドは10〜50塩基長、すなわち、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50塩基長である。
本発明で使用されるオリゴヌクレオチドは通常、10〜2000μg/mL、すなわち、2、5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1750、又は2000μg/mLの濃度である。
希釈液
用語「希釈液」は、希釈剤を意味する。本発明の文脈において、希釈液は希釈液単体を意味し得るか、又は希釈液は一以上の溶質を含む希釈液を意味し得る。これらの溶質は、任意の分子、例えば、限定されるものではないが、塩、緩衝剤、界面活性剤、ポリマー、タンパク質、及び/又はオリゴヌクレオチドであり得る。希釈液は通常水であり得るが、他の好適な溶媒でもあり得る。
希釈液A
上記の通り、PRAMEはE.coliで過剰発現されると、封入体を形成するので、PRAMEを可溶化するためには、封入体を、アニオン性界面活性剤及び尿素を必要とする強い可溶化条件に曝露することが必要である。精製工程の間PRAMEを可溶性に保持することもまた必要である。希釈液Aは、PRAMEが発現される細胞からPRAMEを直接可溶化するのに用いられる希釈液を意味し得るか、又はPRAMEの精製の間に用いられる任意の緩衝液を意味し得る。用語「希釈液A」は、ポリアニオン性化合物の存在とは無関係に希釈液を表すのに用いられ得る。本明細書で用いられる希釈液Aは、PRAMEの精製のために本明細書で開示される工程において用いられる任意の希釈液である。
一実施形態では、希釈液Aは通常、界面活性剤を含む。一実施形態では、界面活性剤は通常0.1% w/v未満の濃度である。さらなる実施形態では、界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。アニオン性界面活性剤は、分子の親油性部分がアニオンである任意の界面活性剤であり;例としてセッケン及び合成の長鎖硫酸塩及びスルホン酸塩が挙げられる。一実施形態では、アニオン性界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドキュセートナトリウム、又はラウリルサルコシルである。
一実施形態では、希釈液Aはトリス、NaH2PO4 2H2O、尿素、及びラウリルサルコシルの一以上を含む。
含まれる場合、トリスは1〜200mM、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、又は200mMの濃度である。
含まれる場合、NaH2PO4 2H2Oは1〜200mM、すなわち、1,2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、又は200mMの濃度である。
含まれる場合、尿素は0.5〜9M、すなわち、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、又は9.0Mの濃度である。
含まれる場合、ラウリルサルコシルは0.1〜10% w/v、すなわち、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1,2、3、4、5、6、7、8、9、又は10%w/vの濃度である。
希釈液B
上記の通り、患者に注入するための組成物においてPRAMEを用いるためには、好適な希釈液へ移行されなければならない。そのような希釈液は、通常、PRAMEの可溶化及び精製に用いられる界面活性剤を実質的に含まない。一実施形態では、希釈液Bは実質的に界面活性剤を含まない。
用語「実質的に含まない」は、0.1% w/v未満の界面活性剤、すなわち、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、又は0.01% w/v以下の界面活性剤が存在することを意味する。更なる実施形態では、用語「実質的に含まない」は、0.01% w/v未満の界面活性剤、すなわち、0.009、0.008、0.007、0.006、0.005、0.004、0.003、0.002、0.001%、又は0.0005% w/v以下の界面活性剤が存在することを意味する。
一実施形態では、希釈液Bはホウ酸塩及びスクロースの一以上を含む。一実施形態では、希釈液Bはホウ酸塩及びスクロースを含む。
含まれる場合、ホウ酸塩は、1〜200mM、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、又は200mMの濃度である。
含まれる場合、スクロースは0.1〜20% w/v、すなわち、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1,2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20% w/vの濃度である。
希釈液C
PRAMEが希釈液AからBに交換されたら、PRAMEを新しい希釈液である希釈液Cで製剤化するのが必要となり得る。例えば、希釈液CはPRAMEを保存するため、おそらくはPRAMEの凍結乾燥を可能とするため、又はおそらくは患者で直接使用するために用いられ得る。
PRAMEを希釈液C中に製剤化するためには、希釈液Bを含むPRAMEを、上記工程を用いて希釈液Cにより希釈液交換し得る。新しい希釈液である希釈液Cに到達するために、さらなる成分が希釈液Bを含むPRAMEに添加され得る。さらに、又は代わりに、希釈液Cに到達するために希釈液Bは希釈され得る。これらの方法の全てが、本発明によって熟慮される。
一実施形態では、希釈液Cはトリス、ホウ酸塩、スクロース、ポロキサマー、及びCpGの一以上を含む。一実施形態では、希釈液Cはトリス、ホウ酸塩、スクロース、ポロキサマー、及びCpGを含む。
含まれる場合、トリスは1〜200mM、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、又は200mMの濃度である。
含まれる場合、ホウ酸塩は1〜200mM、すなわち、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、又は200mMの濃度である。
含まれる場合、ポロキサマーは0.01〜2% w/v、すなわち、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25,0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、1.0、1.25、1.50、1.75、又は2% w/vの濃度である。一実施形態では、ポロキサマーはポロキサマー188である。
含まれる場合、スクロースは0.1〜20% w/v、すなわち、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1,2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20% w/vである。
含まれる場合、CpGは10〜2000μg/mL、すなわち、2、5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1750、又は2000μg/mLの濃度である。
希釈液Cは5〜10の範囲のpH、すなわち、pH 5、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、又は10であり得る。
希釈液交換
「希釈液交換」は第一の希釈液から第二の希釈液へのタンパク質の移行を意味する。タンパク質はそれ自身が移行され得るが、希釈液が移行されるのがより一般的である。希釈液交換の例として、限定されるものではないが、透析、透析濾過、及びサイズ排除クロマトグラフィーが挙げられる。
本明細書で記載したように、本発明の目的は希釈液交換の間のタンパク質の凝集を減少させることである。本発明の方法は、希釈液Bによる希釈液交換の前に希釈液Aにポリアニオン性化合物を添加することに言及する。しかしながら、当業者であれば、ポリアニオン性化合物が希釈液交換と同時に希釈液Aに添加され得る状況も存在すると理解するだろう。例えば、ポリアニオン性化合物は希釈液Bに存在し得る。希釈液交換開始時に、希釈液Bに存在するポリアニオン性化合物は希釈液Aに添加されるだろう。他の例では、希釈液交換が始まった後に、ポリアニオン性化合物は希釈液AとBの組み合わせに添加され得る。かかる状況もまた、本発明によって熟慮される。
透析
透析は、膜を通過する能力の違いに基づく液体中の粒子の分離に依存する。例えば、タンパク質を含む小容量の希釈液Aは、密封される半透過性膜中に配置される。その後、膜は大容量の希釈液B中に配置される。膜は、大きなタンパク質分子ではなく、小さな溶質分子及び溶媒の、半透過性膜の通過を可能とする。ある期間の後、膜の外側と内側の希釈液は平衡化する。二つの希釈液の容量の大きな差のため、平衡化が効率的に希釈液Bによる希釈液Aの置換をもたらす。
透析濾過
透析濾過もまた、希釈液を交換するために用いられる膜に基づく分離である。バッチ透析濾過では、希釈液Aは典型的に、新しい希釈液、すなわち希釈液Bを用いて二倍に希釈され、タンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)によりもとの容量に戻され、容量を最初の容量まで減少させるために透過液除去が行われ、もとの希釈液Aを除去するために、全ての工程を数回繰り返す。連続的な透析濾過では、希釈液Bは透過液流と同じ速度で添加される。
組成物
上記の通り、本出願の発明者により見出され解決された課題は、PRAMEの凝集に関する。強い界面活性剤を含む希釈液から、界面活性剤を実質的に含まない希釈液へのPRAMEの移行は、PRAMEの凝集を引き起こす。この凝集は長い時間続き、最終的に溶液外へのPRAMEの析出を引き起こす。
上記の本発明の方法は、この課題を解決し、一貫した流体力学的半径を有するPRAME組成物の生産を可能とする。したがって、本発明はPRAMEが10〜40nm、すなわち、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40nmの粒子サイズを有する、PRAME及びオリゴヌクレオチドを含む組成物を提供する。さらなる実施形態では、PRAMEは15〜25 nm、すなわち、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25nmの粒子サイズを有する。さらなる実施形態では、PRAMEは16〜20nm、すなわち、16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8、16.9、17.0、17.1、17.2、17.3、17.4、17.5、17.6、17.7、17.8、17.9、18.0、18.1、18.2、18.3、18.4、18.5、18.6、18.7、18.8、18.9,19.0、19.1、19.2、19.3、19.4、19.5、19.6、19.7、19.8、19.9、又は20.0nmの粒子サイズを有する。
本発明はまた、PRAMEが上記の粒子サイズを有し、0.1〜0.4、すなわち、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、又は0.40の多分散度を有する、PRAME及びオリゴヌクレオチドを含む組成物を提供する。さらなる実施形態では、PRAMEは0.2〜0.3、すなわち、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、又は0.30の多分散度を有する。
流体力学的半径及び多分散度はいずれも、動的光散乱法によって測定され得る。
動的光散乱法(DLS)
光子相関分光法(PCS)又は準弾性光散乱法(QELS)としても知られる動的光散乱法(DLS)は、溶液中のタンパク質粒子の拡散の速度を測定するために散乱光を用いる。この挙動データを処理して、サイズがタンパク質粒子の「ストークス半径」又は「流体力学的半径」で表されるサンプルのサイズ分布を導き出す。この流体力学的サイズは、質量及び形(コンフォメーション)の両方に依存する。動的散乱法は、非常に少量の(<0.01重量%)凝集タンパク質の存在の検出も可能にする。
動的光散乱法では、0.1マイクロ秒〜ミリ秒の時間にわたる、溶液の非常に小さな領域からの光散乱の時間依存性が測定される。これらの散乱光強度の変動が、観察される領域を出入りする分子の拡散速度(ブラウン運動)に関係し、このデータを解析して、散乱を起こす粒子の拡散係数を直接与え得る。複数の種類が存在する場合は、拡散係数の分布が見られる。
伝統的に、拡散係数によってデータを提示するよりも、データを処理し、粒子の「サイズ」(半径又は直径)とする。拡散と粒子サイズの相関は、そもそもアインシュタインにより導き出された球形粒子のブラウン運動についての理論的関係に基づく。この方法で導かれる「流体力学的直径」又は「ストークス半径」Rhは、タンパク質の拡散係数と同じ拡散係数を有するであろう球形粒子のサイズである。
ほとんどのタンパク質は球形ではなく、その見かけの流体力学的サイズは、その形(コンフォメーション)並びにその分子量に依存する。さらに、その拡散は、タンパク質によって結合されるか又は捕捉される水分子によっても影響される。したがって、流体力学的半径は、(例えば、NMR又はX線結晶学によって観察される)真の物理的サイズとはかなり異なり得る。
流体力学的サイズ及び多分散度は、DLSによって決定された。一実施形態では、流体力学的サイズ及び多分散度は、MalvernのZetaNano(登録商標)によって測定された。
薬学的に許容可能な組成物
本発明は、(a)本発明の方法に従う希釈液交換を実行するステップ;及び(b)ステップ(a)で生産された製剤を滅菌するステップを含む、薬学的に許容可能なPRAME溶液を生産する方法もまた提供する。
一実施形態では、本発明の方法は、(b')ステップ(b)の前にタンパク質を希釈液C中に製剤化する、追加のステップを含む。さらなる実施形態では、本発明の方法は、(c)ステップ(b')で生産された製剤を凍結乾燥する追加のステップを含む。
滅菌は本分野で公知のいかなる方法を用いてもよく、例えば、限定するものではないが、UV滅菌、加熱滅菌又は濾過が挙げられる。一実施形態では、滅菌は濾過によりなされる。フィルターは通常、0.05〜1.0μm、すなわち0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1.0μmのポアサイズを有する。更なる実施形態では、一連の一以上のフィルターが滅菌するのに用いられ得、滅菌は上記ステップの間のいかなる点でも行われ得る。
本明細書及び添付の特許請求の範囲を通じて、文脈が他に必要としない限り、単語「含む」及びその変化形は、言及される要素若しくはステップ又は言及される要素若しくはステップの群を包含するが、他のあらゆる要素若しくはステップ又は要素若しくはステップの群を排除しないと理解されるだろう。
本発明を、以下の非限定的な図及び実施例を参照してさらに記載する。
実施例1
PRAMEの特徴づけ
等電点
PRAME抗原の等電点(IEP)を、5mMホウ酸塩緩衝液pH 9.8−3.15%スクロースに可溶化した精製された抗原において、電気泳動移動度測定及びMalvernのZetaNano(登録商標)を用いるゼータ電位計算により決定した。実験的に得られた6.44の値は、理論的なアミノ酸組成から計算された値(6.41)と非常に近かった。アジュバントシステムA(ASA)(ソルビトール)に再構成されたワクチンのpHは8.0であるので、存在する抗原、PRAME、及びCpGは、全体として負に荷電していると予測される。したがって、この二つの物質の間にいかなる静電気的相互作用も生じないと予測された。
等電点(IEP)決定のための材料及び方法:
サンプルを5mMホウ酸塩緩衝液pH 9.8−3.15%スクロースに希釈し、HCl及び/又はNaOHによりpHを所望のpHに調整した。報告するゼータ電位は5回の連続した測定の平均である。IEPは、測定された「ゼータ電位対pH」曲線中のゼータ電位0におけるpHである(図1)。参照スタンダードを、機器及び測定セルの性能を調べるために試験する。
サンプル測定を、表1に示す実験条件を用いて行った。
Figure 2014529338
PRAMEの凝集状況
凝集プロフィール
安定性のための計画案の一部として、精製されたPD1/3-PRAME(配列番号:8)-Hisバルクの凝集状況を:
・動的光散乱法(DLS)分析、及び
・多角度レーザー光散乱(MALLS)検出及び屈折率(RI)等の濃度感受性検出と組み合わせたサイズ排除高性能液体クロマトグラフィー(SEC)
により、測定した。
PD1/3-PRAME-Hisの精製されたバルク(PB)を、分析的超遠心(SV-AUC)を用いる沈降速度プロファイリングによっても特徴づけた。
DLSによるサイズ分析
流体力学的サイズ及び多分散指数を、遊離(T0)の精製されたPD1/3-PRAME-Hisバルクのそれぞれについて、DLSにより測定した。DPRAAPA003、DPRAAPA004、及びDPRAAPA005のロットにおいては、流体力学的サイズ(Z‐平均、nm)及び多分散度の値は、バッチ間で再現性があった。抗原は16.6〜19.9nmのサイズ;0.218〜0.284の多分散度で凝集する。PBロットDPRAAPA003、DPRAAPA004、及びDPRAAPA005が4℃で4時間インキュベートされるか、又は−70℃で12か月保管されるとき、DLSによるサイズの有意な変化は、検出できない(m3.2.S.7.3を参照されたい)。
SEC-MALLS分析
分析方法:
UV、MALLS、及びRI検出器を用いるSEC分析は、較正標準を参照することなしに、かつその分子コンフォメーションに関する事前の仮定なしに、溶液中のポリマー又はバイオポリマーの絶対分子量(MM)及びサイズ(nmでの流体力学的半径又はRh)の測定を可能とする。該方法は、少量であっても凝集を検出する敏感な方法でもある。
結果と考察:
この分析は、PBロットDPRAAPA003、DPRAAPA004、及びDPRAAPA005で行った。図2、3、及び4は、3つの遊離のGMPロットのSEC-MALLS分析によって得られる溶出容量と、光散乱(LS)プロフィール、RIプロフィール、及び分子量(MM)分布の関係を示す。
最終緩衝液(5mMホウ酸塩、3.15%スクロース、pH 9.8)では、PBは、6.0〜7.7mLで溶出され、600〜3000kDaで変動するMM値の多分散の可溶性凝集物で構成される。
より高分子量の凝集物は5.0〜6.0mLで溶出されるが、それらは精製されたタンパク質バルクの小さな画分である。これは、図5及び表2において以下に示すSV-AUC分析によって確認した。
SV-AUC分析
分析方法:
溶液中のバイオポリマーの凝集プロフィールが、分析される溶液及びクロマトグラフィーベッドとの推定相互作用によって影響され及び/又はもたらされないことを確かにするため、タンパク質の凝集状態及び分布を溶液中で直接、及び分析的超遠心によりリアルタイムで分析した。手短に言えば、参照(タンパク質緩衝液)及びサンプル溶液を、高速(35000rpm)で遠心分離し、その280nmにおける吸光度を記録する。得られるデータは、沈降した物質の空間的な濃度グラジエント及び遠心力場の適用後に生じる時間によるその成長を反映する。沈降はタンパク質のサイズ及び形の両方に依存する。沈降速度(SV-AUC)とも呼ばれる沈降過程の経時変化分析は、沈降係数(s)の計算を可能とする。s値はスベドベルグ(Svedberg)(S)単位で報告され、一単位が10〜13秒に相当する。
精製されたPD1/3-PRAME-Hisバルクについて、沈降係数分布c(s)を、セドフィット(Sedfit)ソフトウェアを用いて得た。
結果と考察
図5は、遊離のPBロットDPRAAPA003、DPRAAPA004、及びDPRAAPA005について行ったSV-AUC分析の結果を示す。
表2は、図5において検出された各凝集物とその各沈降係数及び分子量との対応を示す。この質的な解釈は、電子顕微鏡によって証明されるように、72-kDaモノマーのPD1/3-PRAME-Hisタンパク質が、球形のコンパクトな凝集物を形成するという事実に基づく。かかる球形の凝集物は、1.2の伝統的な摩擦比f/f0に帰し得る。
Figure 2014529338
図5及び表2に示されるように、精製されたタンパク質バルクの大部分は、溶液中で72kDaモノマー形態から、20のモノマー分子で構成される凝集複合体(MW=1440kDa)にわたる、(沈降係数3.6〜30Sで特徴づけられる)多分散集団として表される。ロットDPRAAPA003、DPRAAPA004、及びDPRAAPA005からのPBに対して遊離の得られた平均沈降係数(s bar)は、それぞれ13.5、10.2、及び11.1Sであった。
3.6〜30Sの多分散集団が、ロットDPRAAPA003、DPRAAPA004、及びDPRAAPA005の全PBの95%、97%、及び96%をそれぞれ構成する。残りは、より高い沈降定数(30〜60S)によって特徴づけられるより大きい凝集物である。
結論として、PD1/3-PRAME-Hisの3つのGMPロットは、類似の沈降係数分布を有する。
実施例2−CpGとの相互作用の証拠
SDS-Page/抗PRAME WB(モノマーの7kDa上の追加のバンド)
SDS-PAGE分析を、ASA(ソルビトール)で再構成した最終容器で行った。図6に示すように、追加のバンド(バンド1)が、T0(レーン3を参照)において最終容器で検出される。デンシトメトリー(バイオラッドGS-700 イメージングデンシトメーターTM)による分析に基づいて、この追加のバンドは、PRAMEモノマーバンド(バンド2)より7kDa高いMWにより特徴づけられる。その強度は時間と共に増加するが、再構成後96hで4%未満(モノマーに対するw/w)のままである。抗PRAME特異的抗体を用いるウエスタンブロット分析(図7)により、追加のバンドが産物に関連するものであり、その強度が時間と共にわずかに増加することを確認した(レーン3対7)。
等温滴定熱量測定
ITCは、二つの成分の混合が引き金となる化学反応に伴うエネルギー(熱)を直接測定する。典型的なITC実験は、一つの反応物質を含む溶液の、他の反応物質を含む反応セルへの、ステップワイズ注入により行う。PRAME抗原/CpG複合体の研究に用いられるITC設定は、(ワクチン再構成緩衝液(ホウ酸塩5mM スクロース 3.15% pH 9.8)に希釈された)CpG液体バルクの(同じ緩衝液中の)PRAME抗原溶液への注入を含む。典型的な滴定プロフィールを図8に示す。
図8に見られるように、CpGのPRAME溶液への注入はそれぞれ、非常に著しい発熱結合反応を示すネガティブピークを生じさせる。利用可能な非複合体タンパク質の量が連続的な各注入の後、次第に減少するので、ピークの高さは完全な飽和に達するまでより低くなる。重要なことに、抗原を含まないPRAME緩衝液の注入で構成される対照実験(データは示さない)では、平らなプロフィールが生じる。
飽和プラトーに達するのに必要なCpGの量は、超遠心分離によって決定される複合体の化学量論とよく一致する0.05〜0.10のCpG/抗原の質量比と同等である。
材料と方法
等温滴定熱量測定は、高効率の熱伝導物質でできた二つの同一のセルで構成される。(水で満たされた)参照セルと(水中油エマルション、AS03を含む)サンプルセルの間の温度の相違を測定する。測定は、参照及びサンプルセルの間で等しい温度を維持するのに必要な時間依存的入力(μcal/sで表される)で構成される。ITC機器のために用いる設定及び一般的なプロトコルは、製造業者(MicroCal, USA)により提供される説明書に従う。使用前に、泡の存在によるデータ干渉を最小化するために、全てのサンプルを5分間脱気した。CpGを注入シリンジに充填し、抗原を含むサンプルセルに滴定した。滴定は、2μLの1回注入及びそれに続く、各注入間に6分の遅延がある10μLの24回の連続的注入で構成される。抗原はサンプルセルにフィルレベル(この機器におけるサンプルセルは、フィルレベルで1404μLの内部容量を有する)まで充填した。
CpG及び抗原単独についての対照滴定を、常に試験プロトコルに含める。
速度ゾーン超遠心分離(Rate-zonal ultracentrifugation)
遊離の抗原及びCpGからPRAME/CpG複合体を単離するために、速度ゾーン超遠心分離を行った。サンプルを線形スクロースグラジエントの上にロードし、その沈降速度に基づいて分離した。上記のITCとは異なり、この構成はさらに再構成されたワクチンサンプルの分析も可能とする。実験条件の最適化の後、スクロースグラジエントにおける抗原及びCpGの分布が、図9に示す様に観察された。
次に、スクロース画分における抗原の量的測定を行うために、SDS-PAGEの代わりにRP-HPLC-UVを行った。CpG/抗原の相互作用がバッチ間の有意なばらつきを生じるかを決定するために、用量あたり500μgのPRAMEを含む3つの複製ロット及び100μg/用量の3ロットを速度ゾーン超遠心分離に供し、さらに分析してCpG/抗原複合体の化学量論を決定した。その結果を図10に示す。
結果は、抗原に結合するCpGの量が、ロット間で非常に近いことを示す。予想されたように、抗原用量を500から100μgへ減少させることによって、複合体中のCpGの量の減少がもたらされる。しかしながら、CpG/Ag質量比によって表される化学量論は、抗原用量と直接比例しない。サンプルの25℃での24hの事前インキュベーションは、複合体の化学量論に影響を与えない。
これらの結果は、CpGが一貫してPRAMEと相互作用することを強く示唆している。
材料と方法
14×89mm遠心チューブに、5mLの25%スクロース溶液を同じ容量5mLの5%スクロース溶液の下に添加した。チューブをマスターグラジエント(Master Gradient)にロードし、5〜25%の連続グラジエントを続行した。1mLの容量を、グラジエントのチューブから取り除いた。この容量を、1mLの50%スクロース溶液によって、グラジエントの下部で置換した。サンプル(又は対照)を、25℃で15分間事前インキュベートし、4℃で保管したものを含む全てのサンプルで、同じ温度での遠心を始めた。250μLの一定量のサンプルを、グラジエントの上にロードした。グラジエントを、4℃で67時間、100000相対遠心力(rcf)で遠心した。
スクロース画分の回収
超遠心分離で生じた画分を、チューブの上部からピペッティングにより回収した。1mL画分の連続的吸引を行った。回収した画分を、次の分析まで4℃で保管した。
画分の分析
ASCI抗原の検出
抗原をSDS-PAGEにより分析した。あるいは、RP-HPLC-UVを定量目的のために用いた。
リポソーム成分の検出
リポソームの局在確認を、コレステロールの測定(比色分析キット、Roche Diagnostics)により行った。あるいは、IP-HPLC-UVを用いた。
CpGの検出
CpGをIEX-HPLC-UVにより測定した。
サンプル
抗原PB:Prame:R03
最終容器(凍結乾燥ケーキ):Prame:08H14PRA01、08H20PRA01、08I09PRA01(500μg/HD)、08H14PRA02、08H20PRA02、08I09PRA02(100μg/HD)
AS01B:DA1BA008A
CpG液体バルク:DCPGAFA003。
ELISA(干渉)‐PD-PRAME-his:Ph I/II物質に基づくELISAによる抗原含量
PRAMEとCpGの間に観察された相互作用をさらに調べるため、抗原含量を測定するための抗PRAME mAb及び抗タンパク質D(PD)ポリクローナル抗体(Pab)の使用に基づくサンドイッチELISAを開発した。
PBの抗原含量を試験するためにこのELISAを用いると、PBの予測値が得られる。しかしながら、ELISAを最終容器(FC)に適用すると、抗原性の喪失が見られる。
(注) PBはホウ酸塩5mMスクロース3.15%緩衝液中に抗原を含むが、FCはCpG(420μg/用量)、0.24%のポロキサマー188、スクロース4%、及びトリス16mMを含む。
この観察結果がCpGに関係しているか試験するために、表3に示す様に、PBにCpGの増加用量を加え、抗原含量をELISAにより測定した。
Figure 2014529338
これらの結果は、CpGのPBへの添加が、CpGが添加された際の抗原のコンフォメーションの変化を示唆する、特に10〜100μg/mLを含む濃度での抗原性の低下と関連していることを示す。
材料及び方法
この方法は、「サンドイッチ」ELISAに基づき:抗原PDPRAME-his(複製ロットR02)の添加前に、抗PRAMEマウスモノクローナル抗体(500×希釈のMK1H8C8)で、一晩4℃でイムノプレートをコートする。37℃で90分抗原と反応させた後、ウサギ抗PDポリクローナル抗体(LAS98733)を37℃で90分添加する。37℃で90分Pabと反応させた後、ビオチン化ロバ抗ウサギ免疫グロブリン全抗体を37℃で90分添加する。抗原−抗体複合体をストレプトアビジン‐ビオチン化ペルオキシダーゼ複合体と37℃で30分間インキュベートすることにより明らかにする。その後、この複合体を、室温で15分間テトラメチルベンジジン(TMB)を添加することにより明らかにし、反応を0.2M H2SO4により終了させる。光学濃度を、450nmで測定する。
サンプルの濃度を、標準的抗原(1604μg/mLの複製ロットR01)を参照するSoftMaxProTMにより計算する。
SEC-HPLC(干渉)
材料と方法
ゲル浸透又はゲルろ過クロマトグラフィーとも呼ばれるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、そのサイズ又は形に基づいて溶液中の分子を分離する方法である。製剤化工程における抗原サイズの追跡は、ワクチン候補を開発する際の成功基準の一つである。したがって、第一の目標は、この目的のための分析的SEC法を開発することである。CpGをワクチン候補に添加するために、単独(図11)又はCpG溶液を加えた(図12)精製された抗原を、5 mMホウ酸塩緩衝液pH9.8−3.15%スクロース(=精製された抗原の緩衝液)で平衡化した供給元東ソーの幾つかの(単独の又は組み合わせた)SECカラムに、流速0.5mL/minで注入し、220nmでUV検出した。供給元東ソー推奨のガードカラムもまた、それぞれのカラム又はカラムの組み合わせと共に用いた。図12に示す様に、CpG溶液を加えた精製された抗原の単一カラム(TSK G5000 PWxl又はTSK G6000Pwxl)への注入は、分子のピークの有意な重複をもたらすが、連続する二つのカラムの組み合わせは分解能を改善する。したがって、二つのカラムの組み合わせ、TSK G4000PWxl + G 6000 PWxlを、製剤開発の追跡のためのSEC分析ツールとして選択した。
試験したカラムの特性
・TSKgel PWxlTM ガードカラム:6mm内径(ID)×4cm長(L)‐東ソー‐Ref 08033
・TSK G4000 PWxlTM カラム:7.8mm ID×30cm L ‐東ソー‐Ref 08022
・TSK G6000 PWxlTM カラム:7.8mm ID×30cm L ‐東ソー‐Ref 08024
・TSK G5000 PWxlTM カラム:7.8mm ID×30cm L ‐東ソー‐Ref 08023
図13に示す様に、精製された抗原(1.68mgタンパク質/mL)の保持時間及び表面積の増加は、10μg/mLまでのCpG溶液による添加の後、すでに観察される。より長い保持時間は、より小さなサイズ(間接的に、CpGの抗原可溶性への正の影響の指標となる)を示唆するだろう。したがって、精製された抗原に、オリゴヌクレオチド溶液の増加した濃度(10〜1050μg/mL)をさらに加えた。第一の溶出ピーク(ピーク1)の表面積は、60μg/mLまでのCpG濃度により増加し、その後、1050μg/mLまでの全てのより高い添加濃度で一定を保つ。CpGを含まないものに対応する第二のピーク(ピーク2)は(図14は、様々な濃度のCpG溶液の注入後に得られるUVプロフィールを表す)、180μg/mLのCpGから検出される。
実施例3−添加剤スクリーニング
5mMホウ酸塩 pH 9.8‐スクロース 3.15%に可溶化した精製された抗原から始めて、25の添加剤を+4℃及び+22℃保管における抗原サイズの安定化について評価した。添加剤及びその試験濃度の一覧を、表4に記載する。
候補物質の第一の選択を、22℃で24時間保管後に、視覚観察及び動的光散乱法によるサイズ分析により行った(表4及び図15参照)。試験した全ての添加剤の中で、4つだけが抗原サイズを安定化した:SDS 0.01%、ドキュセートナトリウム0.01%、サルコシル0.03%及びCpG(20μg/mL〜50μg/mL)。
Figure 2014529338
Figure 2014529338
4つの選択された候補物質(SDS、ドキュセートナトリウム、サルコシル、及びCpG)について、4℃14日までの追加の安定性データを得た。図16に示す様に、4つの添加剤の存在下では、抗原サイズは安定を保つが、添加されていない精製された抗原(=PBサンプル)では、抗原サイズは84nmまで増加する。同じサンプルについての濁度測定により(図17参照)、添加されていない精製された抗原でのみ成長を確認した。
次のステップは、イオン性界面活性剤(サルコシル、SDS、及びドキュセートナトリウム)とのASA(ソルビトール)の適合性(リポソームサイズ及びQS21クエンチング(quenching))の評価を含む。リポソームサイズは、1% SDS又はドキュセートナトリウムの存在下で増加し、1%までのサルコシルで安定を保つ(図18参照)。3つのイオン界面活性剤は単独で赤血球細胞の溶解を誘導する。
結論:
SDS、ドキュセートナトリウム、及びサルコシルが単独で赤血球溶解を誘導すること、並びにこれらの添加剤の限られた注入可能性又は注入不可能性を考慮して、CpGのPBにおける添加剤としての使用が優先された。
実施例4−PRAME PB可溶性へのCpGの影響

この実施例は、最終精製緩衝液におけるPRAME抗原へのCpG7909の可溶性効果を実証するために集めたデータを要約する。
最終緩衝液(5mMホウ酸塩‐3.15%スクロース緩衝液)に入れたとき、PRAME抗原が不溶性の凝集物を形成し、析出を引き起こす可能性が非常に高いことが観察された。タンパク質の可溶性を高めるための添加剤を見出すための努力がなされた。添加剤候補物質のパネルの中で、CpGが最終緩衝液においてPRAMEの可溶性を(予測できないほど)改善すると評価され、証明された。
CpG濃度スクリーニング実験の結果を、以下に記載する。
第一のCpG濃度スクリーニング‐透析試験
実験設計
目標は、300ppmのラウリルサルコシル(LS)を含むホウ酸塩‐スクロース緩衝液におけるPRAMEのPBサンプルから始める。この量の界面活性剤はタンパク質を安定に保つ能力を有することが証明された。その後、我々は透析操作を用いてLSを排除し、代わりに増加した量のCpGを使用する。緩衝液交換の後、産物の凝集の成長をDLSにより追跡し、安定な凝集状態を維持するのに必要なCpGの量を見積もる。
材料及び緩衝液
出発材料:5mMホウ酸塩/3.15%スクロース/300ppmラウリルサルコシル‐pH 9.8緩衝液中のPB PRAME(R23/1とする)。4つのPBの2mLサンプルに、CpGの濃縮溶液を用いて以下の試験濃度で加えた:0μg/mL CpG(対照);50μg/mL CpG;200μg/mL CpG;400μg/mL CpG。透析緩衝液は、5mMホウ酸塩/3.15% スクロース‐pH 9.8(アッセイごとに2×1L)。透析カセット(Pierce Slide-A-Lyzer 20,000 MWCO)。
方法
2mLのサンプルを透析カセットに入れた。各カセットを、1Lの透析緩衝液を含む容器に浸した。室温で穏やかな攪拌(マグネチックスターラー)下に配置した。
透析バッチの最初の1Lを、2時間後1Lの新しい緩衝液に置換し、室温で一晩ゆるやかな攪拌下に置いた。
翌日、カセット中のサンプルを、エッペンドルフ容器に回収し(PP)、さらなる分析のために4℃で保管した。
分析論
分析を以下の通り行った:視覚的側面;CpG含量は、残りのCpG含量を測定するためのHPLC-IEX-UV(Dionex DNAPac PA200TMカラム)による;ラウリルサルコシル含量は、LS(最初の可溶化界面活性剤)がよく取り除かれていることを保証するため、RP-HPLC-UV(Waters SunFire C18カラム)による;動的光散乱法(DLS)(MalvernのZetaNano(登録商標))は、サイズ成長を追跡するために、24時間後及び4℃で72時間保管後の透析した産物について測定する。
結果
視覚観察:全てのサンプルは透析操作後、透明である。
Figure 2014529338
Figure 2014529338
透析操作の間に、LSは良く除去され(透析サンプルについてLOQ以下と測定)、CpGはPRAMEの非存在下でも平均回収率約80%で、透析カセットの内側に残る。
我々は、50〜200μg/mLの量のCpGが、ラウリル‐サルコシルの除去後に粒子サイズを約20nmに保つことを見出した。この発見は、PRAME‐CpGの相互作用がPRAMEの可溶性に有益なことを示唆している。
第二のCpG濃度スクリーニング−限外濾過試験
目的
評価のために限外濾過システムを用いて、PRAMEを可溶性に保つのに必要なCpGの量をスクリーニングすること。
材料及び緩衝液
出発物質:R25/2精製に由来するハイドロキシアパタイトフロースルー(HA-FT)抗原画分。
サンプル緩衝液組成=20mMトリス‐6M尿素‐0.5%ラウリルサルコシル‐50mM PO4‐〜80mMイミダゾール
HA-FTの約70mLの4サンプルを4つの独立のUF試験に付す。少量の濃縮CpG水溶液を加え、以下の濃度:50μg/mL CpG→UF-A(透析濾過緩衝液にCpGを含まない);75μg/mL CpG→UF-B(透析濾過緩衝液にCpGを含まない);100μg/mL CpG→UF-C(透析濾過緩衝液にCpGを含まない);50μg/mL CpG→UF-D(透析濾過緩衝液に50μg/mL CpG)にする。
CpGを加えたサンプルを、限外濾過の前に非常に穏やかな攪拌条件で、1時間室温でインキュベートする。
透析濾過緩衝液:5mMホウ酸塩/3.15%スクロース‐pH 9.8(UF-A/B/Cについて);5mMホウ酸塩/3.15%スクロース+50μg/mL CpG‐pH 9.8(UF-Dについて)。
限外濾過カセット(MinimateTM - Omega(Pall)カットオフ30kD)‐表面50cm2
限外濾過システム(KrossFloTM(JM)JM Bioconenct II):蠕動ポンプ、UFカセットに対応する適切なチューブ、及び3つの圧力ゲージを含む。
方法
適切なCpG量を加えた70mLのHA-FTサンプルを、15倍の透析濾過容量(透析緩衝液の総容量=1050mL)の透析濾過緩衝液で透析濾過する。
UF‐条件:
再循環流量=35mL/min
TMP制御:DV1→8では8psi、DV9→15では12psi、保持液対圧バルブの調整による
Agの濃縮は行わない‐透析濾過のみ
操作の最後:最終保持液をさらなる分析のために4℃で保管する。
2×30 minのNaOH 0.5N(静的)による定置洗浄(clean in place(CIP))を異なるUF間において行う。
分析論
分析を以下の通り行った:CpG含量は、HPLC-IEX-UV(Dionex DNAPac PA200カラム)による;ラウリルサルコシル含量は、RP-HPLC-UV(Waters SunFire C18カラム)による;動的光散乱法(DLS)(MalvernのZetaNano(登録商標))は、サイズ成長を追跡するために、UF直後並びに+4℃及び室温で1週間保管後、測定する。
結果
Figure 2014529338
Figure 2014529338
LSは15倍の透析濾過容量の後、(CpGの存在下でも)完全に取り除かれる。CpG回収率は65〜80%と測定された。
結論
限外濾過を用いたとき、CpGの可溶化効果が観察された。
図19の緑色矢印は、サンプルが経時的に最も安定である(すなわち1週間後でもサイズの増加が認められない)ために、UF-R前に、HA-FTへのCpGの100μg/mLの添加濃度が適切な濃度として選択されることを表す。
CpGの大部分はサンプル側に残り、産物を可溶化するのに十分であるから、透析濾過緩衝液(UF-D)にCpGを添加するのが必要であるとは認められない。
その後、1Lスケールの精製において、HA-FTへの100μgのCpGの添加を調べた。
任意に1Lスケールでの100μgCpG添加の検証
目的
1Lスケール(最終開発スケール)の工程への100μg/mLのCpGの添加の可能性の検証。
手順
・R26/1ラン:1Lスケールでの完全なPRAMEの精製+UF前にHA-FTに100μg/mL CpGの添加
・従来のストレス試験による最終産物の安定性の確認
・安定性 1週間@−70℃/+4℃/RT及び37℃
・2〜3の冷凍/解凍サイクル(−70℃‐RT)
・RP-HPLC-UVによるLS除去の確認
・1Lスケール条件でのUFの最後におけるCpG含量の確認(IEX-HPLC-UV)。
結果
Figure 2014529338
1w/+4‐RT‐37℃及び2 F/Tサイクルの後、粒子サイズ(Zav=18.7〜20.9nm)の有意な増加は認められなかった。3 F/Tサイクル後の粒子サイズの増加は、より有意であった。CpG 含量=101μg/mL。LS含量<0.5μg/mL。
結論
R26/1ランは、HA-FTへの100μg/mLのCpG添加が、1Lスケールにとって適切であり、PRAMEの沈降に対処することを示唆する(図20)。
実施例5−PRAME PB可溶性へのPLG及び追加のCpGオリゴヌクレオチドの影響
CpG及びPLG溶液の調製及び定量化
CpG15マー及び30マーのストック溶液を30mg/mLで水中に調製した(30mg/mLのCpG24マーストック溶液は、すでに利用可能である)。ポリグルタミン酸(PLG)24マーのストック溶液を、水中に10mg/mLで調製した。3つのストック溶液を、0.22μm PVDF膜(millex GV)で濾過した。ストック溶液のCpG含量をRMN分析により測定した。含量はCpG15マーで30.20mg/mLであり、CpG 30マーで29.34mg/mLである。ポリグルタミン酸(PLG)24マーの含量は、秤量に基づく。
透析試験
透析ステップを、最初の可溶化剤(PRAME可溶性を維持するために必要なラウリルサルコシル)を取り除くために提案し、該可溶化剤を評価する代替の候補物質に置換する。
実験条件:
出発サンプル:5mMホウ酸塩‐3.15%スクロース‐300ppmラウリルサルコシル‐pH 9.8緩衝液における2mLのPRAME精製バルク。
実験計画に従って、幾つかのサンプルに可溶化剤の候補物質(表10参照)を加える。
透析膜カットオフ:20kDa
透析緩衝液:2×1Lの5mMホウ酸塩‐3.15%スクロース‐pH 9.8
実験計画に従って、幾つかの緩衝液に可溶化剤の候補物質(表10参照)を加える。
各サンプルを、室温2時間穏やかな攪拌下で1L緩衝液に対して透析する。その後、緩衝液を新しくし、透析を一晩室温で、穏やかな攪拌下で続行する。
透析後、各サンプルについて2.0mL〜2.1mLの容量を回収した(希釈効果は無視できる)。
Figure 2014529338
分析
RPCによるPRAME含量
PD1/3-Prame-His含量を、UV検出器と組み合わせた逆相高性能液体クロマトグラフィーシステムを用いて測定する。標準及びサンプルを、ドデシル硫酸ナトリウム溶液で前処理する前に、適切な緩衝液で希釈する。
PD1/3-Prame-Hisの検出を、2.14nmで行う。既知のタンパク質濃度のPD1/3-Prame-His参照標準により検量線を準備する。標準溶液の濃度に関してPD1/3-Prame-Hisピーク面積をプロットした後、PD1/3-Prame-His含量を線形回帰の方程式で推定する。
Figure 2014529338
全てのサンプルにおいて測定したPRAME含量は、全てのサンプルにおいて一貫していた。ホウ酸塩緩衝液中のサンプル間及びCpG又はPLGのどちらかを含むサンプル間でPRAME含量の有意な差は認められなかった。
RP-HPLCによるサルコシル含量
LSがよく取り除かれていることを確かめるために、残りのLS含量の測定を透析後に行う。
材料及び方法:LS含量をRP-HPLC技術により測定する
カラム:Waters SunFire C18 5μm(4.6×100mmカラム)
UV検出(214nm)
流速:1mL/min
温度:40℃
溶出グラジエント
溶媒A:95%アセトニトリル‐5% H2O‐0.1% TFA
溶媒B:5%アセトニトリル‐95% H2O‐0.1% TFA。
Figure 2014529338
結果
Figure 2014529338
我々は、透析したサンプル(C〜K)についてLSの効率的な除去を結論付けた:測定したLS濃度は全て<0.5μg/mL〜5.0μg/mLであった。
IEXによるCpG及びPLG含量
全てのサンプルでCpG及びPLGの量を、同族物質を参照標準として用いるHPLCにより計算した。以下の表では、ポリアニオンが予定通りほぼ100μg/mLの濃度で存在していたことが示されている。
Figure 2014529338
動的光散乱法によるサイズ
図21は、抗原サイズがCpG15マー、CpG24マー、CpG30マー、及びPLGの存在下で制御されることを証明している。(改善濃度を考慮すれば)CpGは、抗原サイズの安定性に、PLGよりもほんのわずかに良い影響を有すると思われる。

Claims (28)

  1. (i)交換の前又は同時に希釈液Aにポリアニオン性化合物を添加するステップ、及び
    (ii)タンパク質を希釈液Aから希釈液Bに交換するステップ
    を含む、希釈液Aから希釈液Bへの希釈液交換の間のタンパク質の凝集を減少させるための方法であって、該タンパク質がPRAMEである上記方法。
  2. タンパク質がPRAMEである、希釈液Aから希釈液Bへの希釈液交換の間のタンパク質の凝集を減少させるためのポリアニオン性化合物の使用。
  3. ポリアニオン性化合物が希釈液交換の前に添加される、請求項1又は2に記載の方法又は使用。
  4. 希釈液Aが界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法又は使用。
  5. 界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、請求項4に記載の方法又は使用。
  6. 界面活性剤が、SDS、ドキュセートナトリウム、及びラウリルサルコシルからなる群より選択される、請求項5に記載の方法又は使用。
  7. 希釈液Bが界面活性剤を実質的に含まない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法又は使用。
  8. 希釈液Bが、pH 9.8で5.0mMホウ酸塩、スクロース3.15% w/vを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法又は使用。
  9. タンパク質がHisタグを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法又は使用。
  10. ポリアニオン性化合物が、少なくとも8の正味の負電荷を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法又は使用。
  11. ポリアニオン性化合物がオリゴヌクレオチドである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法又は使用。
  12. オリゴヌクレオチドが5〜200ヌクレオチド長である、請求項11に記載の方法又は使用。
  13. オリゴヌクレオチドがCpGを含む、請求項11又は12に記載の方法又は使用。
  14. オリゴヌクレオチドが、
    TCC ATG ACG TTC CTG ACG TT(CpG 1826)‐配列番号:1、
    TCT CCC AGC GTG CGC CAT(CpG 1758)‐配列番号:2、
    ACC GAT GAC GTC GCC GGT GAC GGC ACC ACG‐配列番号:3、
    TCG TCG TTT TGT CGT TTT GTC GTT(CpG 2006/CpG7909)‐配列番号:4、
    TCC ATG ACG TTC CTG ATG CT(CpG 1668)‐配列番号:5、
    TCG ACG TTT TCG GCG CGC GCC G(CpG 5456‐配列番号:6、
    TCG TCG TTT TGT CGT (CpG 15マー)‐配列番号:9、及び
    TCG TCG TTT TGT CGT TTT GTC GTT TCG TCG (CpG 30マー)‐配列番号:10
    からなる群より選択される、請求項13に記載の方法又は使用。
  15. 希釈液交換が透析又は透析濾過によりなされる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法又は使用。
  16. 方法が、(iii)タンパク質を希釈液C中に製剤化するステップをさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法又は使用。
  17. 希釈液Cがトリス、スクロース、ホウ酸塩、ポロキサマー、及びCpGを含む、請求項16に記載の方法又は使用。
  18. 請求項16又は17に記載の方法により生産される、PRAMEを含む組成物。
  19. PRAMEが10〜30nmの粒子サイズを有する、PRAME及びオリゴヌクレオチドを含む組成物。
  20. PRAMEが15〜25nmの粒子サイズを有する、請求項19に記載の組成物。
  21. 粒子サイズが動的光散乱法によって測定される、請求項19又は20に記載の組成物。
  22. (a)請求項1及び3〜13のいずれか1項に記載の方法に従う希釈液交換を実行するステップ;及び
    (b)ステップ(a)で生産された製剤を滅菌するステップ
    を含む、薬学的に許容可能なPRAME組成物を生産する方法。
  23. (b')ステップ(b)の前にタンパク質を希釈液C中に製剤化する、追加のステップを含む、請求項22に記載の方法。
  24. (c)ステップ(b)で生産された製剤を凍結乾燥する追加のステップを含む、請求項22又は23に記載の方法。
  25. 滅菌が濾過によりなされる、請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. (a)PRAMEの希釈液Aから希釈液Bへの希釈液交換を実行するステップであって、ポリアニオン性化合物は希釈液交換の前又は間に希釈液A若しくは希釈液Bに添加される上記ステップ、及び、
    (b)PRAMEを含む希釈液Bを得るステップ
    を含む、薬学的に許容可能なPRAME組成物を生産する方法。
  27. (i)PRAMEを含む希釈液Bを滅菌するステップ;及び
    (ii)第一にPRAMEを含む希釈液BをPRAMEを含む希釈液C中に製剤化し、第二にPRAMEを含む希釈液Cを滅菌するステップ、
    からなる群より選択される追加のステップ(c)を含む、請求項26に記載の方法。
  28. PRAME組成物を凍結乾燥する追加のステップを含む、請求項26又は27に記載の方法。
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