受信器の位置を判定するシステムおよび方法を説明する。一実施形態の測位システムは、測位信号をブロードキャストする送信器を含む送信器ネットワークを含む。測位システムは、測位信号および/または衛星信号を獲得し、追跡するリモート受信器を含む。衛星信号は、衛星ベースの測位システムの信号である。リモート受信器の第1モードは、リモート受信器が測位信号および/または衛星信号を使用して位置を計算する、端末ベースの測位を使用する。測位システムは、リモート受信器に結合されたサーバを含む。リモート受信器の第2動作モードは、サーバが測位信号および/または衛星信号からリモート受信器の位置を計算するネットワークベースの測位を含み、ここで、リモート受信器は、測位信号および/または衛星信号を受信し、サーバに転送する。
一実施形態の位置を判定する方法は、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つをリモート受信器で受信することを含む。測位信号は、複数の送信器を含む送信器ネットワークから受信される。衛星信号は、衛星ベースの測位システムから受信される。この方法は、端末ベースの測位およびネットワークベースの測位のうちの1つを使用してリモート受信器の位置を判定することを含む。端末ベースの測位は、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つを使用してリモート受信器でリモート受信器の位置を計算することを含む。ネットワークベースの測位は、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つを使用してリモートサーバでリモート受信器の位置を計算することを含む。
位置を判定するシステムおよび方法に加えて、広域測位システムのマルチパス軽減を可能にする改善された構造を提供する広域測位の拡散符号および装置を開示する。具体的には、2進符号に加えて、制限された符号位相範囲にわたって非常に良い自己相関特性および相互相関特性を有する4元および他の非2進拡散符号を説明する。非2進符号は、全地球測位システム(GPS)で使用されるものなどの2進符号より高いデータレートを可能にする。これらの符号を、CDMA多重化、TDMA多重化、周波数オフセット多重化、またはこれらの任意の組合せを使用するシステムで使用することができる。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択することによって位置を判定するシステムおよび方法が説明される。選択されたセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさは、指定されたしきい値未満である。ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットは、サブセットの各メンバの自己相関関数の大きさが、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値以下になるように、セットから選択される。送信器のネットワークの各送信器は、測位信号を送信し、測位信号の少なくとも一部は、サブセットの少なくとも1つのメンバに従って変調される。送信器のネットワークの少なくとも2つの送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバに従ってそれぞれの測位信号を変調する。
さらに、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択することによって位置を判定するシステムおよび方法が説明される。ディジタル擬似乱数シーケンスの選択されたセットの任意の2つのシーケンスの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する領域内で、指定されたしきい値未満である。ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットは、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセット内のシーケンスの任意の対の相互相関関数の大きさが、規定された値以下になるように、セットから選択される。送信器のネットワークの各送信器は、測位信号を送信し、測位信号の少なくとも一部は、サブセットの少なくとも1つのメンバに従って変調される。送信器のネットワークのうちの少なくとも2つの送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバを用いてそれぞれの測位信号を変調する。
次の説明では、自己相関(または相互相関)関数を時間サンプルのセットと考えることができる。これを理解して、用語法「領域」は、この領域によって指定される時間インターバル内の関数の連続する時間サンプルのセットを意味する。用語「隣接する」は、近くを意味する。自己相関関数(または相互相関関数)大きさが、領域内でしきい値未満であると述べられる時には、意味されるものは、この領域内の自己相関関数(または相互相関関数)の各時間サンプルが、領域内でしきい値未満の大きさを有することである。領域が指定されない場合には、意味されるものは、すべての時間サンプルである。使用されるシーケンスに応じて、相互相関関数は、実数または複素数になる可能性がある。自己相関関数は、実関数であるが、正または負になる可能性がある。ほとんどの場合に、関心は、そのような関数の大きさであり、その極性およびまたは位相は、あまり関心が持たれない。自己相関関数は、そのピーク値(正である)の前後で対称なので、そのような関数が、ピークロケーションに対応する位置を超えて配置された領域内で、あるしきい値未満の大きさを有する場合には、自己相関大きさがやはりこのしきい値未満になる、ピーク位置の領域未満に対称に配置された領域が必ずある。これは、相互相関関数については一般に成り立たない。
次の説明は、信号が擬似乱数または他のシーケンスに従ってまたはこれによって変調されるという用語法の使用を含む。これは、時間の連続する(通常は短い)インターバル中に送信される波形の選択または変更が、シーケンスの連続する要素に従って選択されることを意味する。通常(必ずではないが)、シーケンスの値から波形選択または波形変更への固定されたマッピングが、作られる。実施形態の例は、その値が0°または180°のいずれかだけ搬送波を通常のインターバルで位相シフトするのに使用される擬似乱数2進シーケンスを含む。代替実施形態の例は、その(4つのうちの1つの)値が0°、90°、180°、または270°のいずれかだけ搬送波を位相シフトするのに使用される擬似乱数4元シーケンスである。しかし、本明細書の実施形態は、規則的なまたは不規則な位相シフトあるいは規則的なまたは不規則なインターバルに限定されるのではなく、さまざまな変調方法、たとえば、周波数シフト、オンオフキーイング、差動位相偏移変調、パルス幅変調などに適用することができる。いくつかの場合に、簡潔さのために、擬似乱数シーケンスが信号を「変調する」のに使用されるという用語法が使用される。この表記は、信号がそのようなシーケンスに「従って」変調されるという用語法と同義である。文脈から、変調タイプが2進位相反転または4元移相またはより一般的な変調タイプのどれであるのかは、明白であるに違いない。次の説明では、用語法シーケンスおよび符号は、擬似乱数変調または拡散に使用されるシーケンスに言及する時に、交換可能に使用される。これは、情報ストリームを指すデータシーケンスとは別個である。
次の説明では、説明されるシステムおよび方法の完全な理解を提供し、その説明を可能にするために、多数の具体的な詳細を導入する。しかし、当業者は、これらの実施形態を、特定の詳細のうちの1つまたは複数を伴わずにまたは他のコンポーネント、システムなどを用いて実践できることを了解するであろう。他の場合には、周知の構造または動作は、開示される実施形態の諸態様を不明瞭にすることを避けるために、図示されず、または詳細に説明されない。
図1は、一実施形態の下の、測位システムのブロック図である。測位システムは、本明細書で広域測位システム(WAPS)または「システム」とも称するが、同期されたビーコンのネットワークと、ビーコンおよび/または全地球測位システム(GPS)衛星を獲得し、追跡する(およびオプションでロケーション計算エンジンを含む)受信器ユニットと、タワーのインデックス、請求インターフェース、プロプライエタリ暗号化アルゴリズム(およびオプションでロケーション計算エンジン)を含むサーバとを含む。このシステムは、動作の免許交付された/免許不要の帯域で動作し、ビーコンは、ロケーションおよびナビゲーションのためにプロプライエタリ波形を送信する。WAPSシステムを、より良いロケーション分解能のために他の測位システムに関連して使用することができ、あるいは、WAPSシステムを使用して、他の測位システムを助けることができる。
本文書の文脈で、測位システムは、緯度座標、経度座標、および高度座標のうちの1つまたは複数をローカライズするシステムである。「GPS」に言及する時には必ず、これは、Glonassなどの他の既存の衛星測位システムならびにGalileoおよびCompass/Beidouなどの将来の測位システムを含むことができる、GNSS(全地球的航法衛星システム)の意味で広義に言及される。
一実施形態のWAPSは、本明細書で詳細に説明するように、同期された測位信号をモバイル受信器にブロードキャストする複数のタワーを含む。一実施形態のタワーは、地上であるが、実施形態は、これに限定されない。特に地上システム、特に都市環境で動作するシステムで発生する重要な問題は、マルチパスの存在である。これらの状況では、モバイル受信器は、多数の直接経路および反射された経路に対応する、送信器からの多数の信号を受信する。時々遅延の広がり(delay spread)とも呼ばれる遅延の範囲は、通常、地理的状況によって制約される。たとえば、1マイクロ秒の遅延の広がりは、300メートルの最大差分経路長に対応し、5マイクロ秒の広がりは、1499メートルに対応する。
通常のWAPSは、スペクトル拡散変調または擬似雑音(PN)変調と呼ばれる符号化変調を使用して、広い帯域幅を達成する。そのようなシステムでは、搬送波信号は、広帯域変調された信号によって変調され(通常はディジタル変調)、したがって、広い帯域幅は、到着時間測定方法の使用を介する正確な測位を可能にする。モバイル受信器は、逆拡散デバイス、通常は整合フィルタまたは一連の相関器を用いてそのような信号を処理する。そのような受信器は、相互相関関数と称する波形を作り、この相互相関関数は、理想的には、より低レベルのエネルギによって囲まれた狭く強いピークを有する。ピークの到着時間は、モバイルでの送信された信号の到着時間を表す。そのロケーションが正確に知られている多数のタワーからの多数の信号に対してこの演算を実行することは、三辺測量アルゴリズムを介するモバイルのロケーションの判定を可能にする。
受信されたスペクトル拡散信号を処理するための整合フィルタの使用を仮定すると、マルチパスが存在する時に、整合フィルタ出力は、変化する振幅、遅延、および位相の一連のオーバーラップする鋭いパルスを提供する。モバイル受信器は、最も早いそのようなパルスの到着時間を推定することを試みる。リーディングエッジロケーション(leading edge location)アルゴリズム、MUSICアルゴリズム、最小平均二乗推定(minimum mean square estimation)アルゴリズムなど、さまざまなアルゴリズムをこの目的に使用することができる。
しかし、生じる問題は、ピークを囲むエネルギが、通常は一連の従属的なピークすなわち「サイドローブ」を含むことである。理想的な状況(すなわち、雑音またはマルチパスがない)でのそのようなサイドローブの構造の詳述は、「自己相関関数」と呼ばれる関数によって提供される。マルチパス環境では、これらの従属的なピークが、弱い早期の信号到着と混同される可能性がある。たとえば、GPSシステムでは、C/Aシビリアンコード(C/A civilian code)について、「ゴールド符号」と呼ばれる、フレーム長1023シンボルまたは「チップ」を有する、ある種の2進拡散符号が使用される。そのようなゴールド符号を受信する理想的な整合フィルタは、ピーク振幅の−65/1023倍、ピーク振幅の63/1023倍、およびピーク振幅の−1/1023倍の振幅のサイドローブのセットを作る。したがって、最大のサイドローブの大きさは、ピーク振幅の約0.06倍または−24dBである。通常、これらの大きい振幅のサイドローブは、自己相関関数のピーク振幅に隣接するかその近くにある可能性がある。改善されたマルチパス推定を、(長さ1023の場合に)サイドローブ値がピークの−1/1023倍である自己相関のピークの付近の大きい領域を有する符号を選択することによって達成することができる。これを、−1ランレングスと称する。具体的には、この場合に、−1ランレングスは、ピークの−1/1023倍の振幅の、自己相関ピークの片側の連続するチップの個数と定義される。本明細書で説明される実施形態は、最大の−1ランレングスを有するゴールド符号のセットの選択である。本明細書で詳細に説明するように、さまざまな代替実施形態では、他の種類の符号セットを使用することができる。
説明の単純さのために、本明細書の主な焦点は、環状のまたは「周期的な」自己相関関数にあり、この自己相関関数は、厳密に言えば、上のゴールド符号などの送信された符号シーケンスが複数回繰り返される場合にあてはまる。したがって、自己相関および相互相関の議論は、厳密に言えば、環状相互相関および環状自己相関と同義である。しかし、この説明の発想の適用および利益は、非環状のまたは「非周期的な」相関、特に、関心の焦点が整合フィルタ(または相関器のセット)の出力のピーク付近の性能に合わされる時にも適用可能である。こうであるのは、整合フィルタのピーク出力の付近で、非周期的自己相関が、ほぼ環状自己相関関数と等しいからである。同様に、非周期的相互相関関数は、相互相関される2つのシーケンスがその開始エポックをほぼ整列される時に、環状非周期的相互相関関数に類似する可能性がある。
スペクトル拡散変調された信号の上の議論は、測位に使用するのに適する信号を説明した。しかし、一般に、さまざまな送信器から送信される信号は、位置ロケーション計算に必要なデータを含む。そのようなデータは、たとえば、送信器の地理的ロケーション、送信の時刻、環境データなどを含む可能性がある。そのようなより低速のデータのもう1つのセットは、全体的な信号同期のために使用されるシーケンスを含む場合がある。どちらの場合でも、このデータは、一般に、拡散信号の帯域幅よりはるかに低いレートで送信される。しばしば、このデータは、測位に使用されるスペクトル拡散変調信号の上でさらに変調され、しばしば、データエポックは、スペクトル拡散変調のエポック、たとえば擬似乱数フレームの先頭に整列される。しばしば、スペクトル拡散変調とデータ変調との両方が、単一の搬送波を位相シフトするのに使用されるが、必ずそうとは限らず、本明細書の実施形態は、これに限定されない。さらに、送信される信号のある部分が、追加のデータを全く伴わずにスペクトル拡散変調された搬送波だけを含み、送信される信号の別の部分が、スペクトル拡散信号とデータとの両方によって変調された搬送波を含む場合があり得る。また、両方の変調が、送信される信号の異なる部分に存在するが、異なる擬似乱数シーケンスが、送信の異なる部分で使用される場合もあり得る。次の議論では、データ、データレート、データ変調、データビット、および情報ビットなどの用語が使用される時に、一般に、そのような用語法は、拡散変調と対照してこの段落で議論したデータタイプを指す。
下で詳細に説明するように、一実施形態は、送信される変調の4元位相変調またはより高次の符号化変調の使用を含む。BPSKデータ変調およびBPSK拡散を使用するシステムについて、マルチパス軽減のために良い−1ランレングスシーケンスを選択することが十分である。直角位相拡散が使用される時には、4元位相符号を構成する際に使用されるさまざまな端局の良い−1ランレングスを有するだけではなく、−1ランレングスと一貫する符号オフセットに関して端局の符号の間の非常に良い相互相関特性を有することも必要である。本明細書で説明される方法の代替実施形態は、符号の対またはより大きいセットを選択することを含む。
多くのWAPSは、拡散方法として2進符号化変調を使用する。一実施形態は、上で説明したように、マルチパスの影響を最小にする形で構成された4元符号化変調を作る。マルチパス軽減に関して類似する利益を有する、他のより高次のコーディング変調をも開示する。
2進符号化変調では、送信するソースは、任意の瞬間に、通常は−1および+1または0および1と表される2つのシンボルの一方に対応する、2つの波形の一方を作る。波形は、通常、バイフェーズコーディングされ、これは、搬送波を位相反転することによって、信号が、信号が送信されるかその逆が送信されるかのいずれかであることを意味する。周波数偏移変調、振幅偏移変調などを使用して、2進符号化された信号を送信することが可能である。
4元符号化変調では、送信器ソースは、任意の時に、A、B、C、およびDと表すことができる4つの可能なシンボルのうちの1つを送信する。一実施形態は、4元位相変調された信号を作る、4つの可能な位相のうちの1つに、この4つのシンボルをマッピングする送信器を含む。そのような4元位相変調された拡散信号を作る1つの方法は、送信される搬送波の同相成分および直角位相成分を変調する2つのゴールド符号を使用することである。時間の任意の瞬間に送信される信号は、やはり、4つの搬送波位相に対応する4つのシンボルのうちの1つである。任意の一時に送信される可能なシンボルの個数を、時々、アルファベットサイズと呼ぶ。したがって、4元の場合には、アルファベットサイズは4である。任意のアルファベットサイズが可能であるが、小さいアルファベットサイズの使用は、減らされたシステムの複雑さをもたらす可能性がある。良い自己相関特性および相互相関特性を有し、各シーケンスの要素がM個の可能な値のうちの1つである、周知の擬似乱数シーケンスが存在する。やはり、この値Mを、シーケンスのアルファベットサイズと称する。そのようなシーケンスに従って信号を送信する際には、適当な波形への各シーケンス要素値のマッピングがある。たとえば、あるシーケンスが、16のアルファベットサイズを有する場合があり、1つの可能なマッピングは、16個の可能な位相シフトされた指数のうちの1つへの16個の可能な値のそれぞれのマッピングになるはずである。ゴールド符号などのより低次のシーケンスからより高次のシーケンスを構成する必要はなく、より高次のシーケンスを直接に構成することができる。しかし、これから提供される例示的な例は、そのような構成を示す。
データの2進コーディングではなくデータの4元コーディングの使用は、送信器によって送信されるデータレートを、信号構造に影響せずに2倍にすることを可能にする。たとえば、符号長がNシンボルである場合に、N個の送信される(4元)シンボルの拡散シーケンス全体を、バイフェーズコーディングの場合の1ビットではなく、1符号期間あたりデータの2ビットを送信するために0°、90°、180°、または270°だけさらに位相シフトすることができる。
拡散信号の4元コーディングのさらなる利益は、この方法が、同一の符号および時間におけるオーバーラップを有する別の送信器からの信号を区別する手段を提供することである。ある送信器からのシンボルの送信されたシーケンスを、A+jBと表すことができ、ここで、Aは、特定のゴールド符号(たとえば)であり、Bは別のゴールド符号であり、jは、90°位相シフトを表す。第2送信器は、A−jBを送信することができる。両方の送信器が、類似する形で4元シンボルを送信しつつあるが、同相成分と直角位相成分との間の関係は、変更されており、受信器によって簡単に判定される。
より高次の拡散変調を、さまざまな形で構成することができる。たとえば、アルファベットサイズ8を有する符号を構成することができる。符号の各シンボルを、量kxπ/4、k=0,1,…,7による搬送波の位相シフトにマッピングすることができる。代替案では、各シンボルを、振幅と位相シフトとの組合せにマッピングすることができる。アルファベットサイズ8のこの例では、送信器は、符号シーケンスおよびマッピング(送信されるシンボルに対する3ビットワード)をオンザフライで計算することができ、あるいは、フルシーケンスまたはシンボルのフレーム全体を格納し、必要に応じてメモリからそのようなデータを読み出すことができる。
上で説明したシナリオのすべてにおいて、システムの性能は、同一の送信エネルギ、同一の受信エネルギ、同一の拡散シンボル形状、および同一の拡散シンボルレートを仮定すると、距離の測定の観点から同一である。しかし、複数の情報ビットが1PNフレーム長あたりの送信器である場合に、1情報ビットあたりのより少ないエネルギがある。多くの地上広域測位システムでは、良い受信信号エネルギがあり、したがって、この制限が些細なものである可能性がある。
図2Aおよび2B(集合的に図2と称する)は、一実施形態の下の、その−1ランレングス程度の長さ1023の優先ゴールド符号の表200を含む。本明細書で説明されるものより一般的な場合に、「−1ランレングス」は、符号長によって除算されたピーク値の+/−1倍の値を有する相関ピークに続く連続する符号位相の個数を意味する。ゴールド符号のそれぞれは、最大長符号の同一の対から構成され、異なるゴールド符号は、遅延、または符号位相、対の間の差によって区別される。表200は、初期フィルが通常はシーケンスがどのように生成されるのかにより密接に関係するので、遅延の代替物として第2PN符号のシフトレジスタの初期フィルをも含む。この表内の第1PN符号のフィルは、必ずすべて1と等しい。第2PN符号のフィルは、この表で指定される通りである。左から右に読み取られるフィルは、第2PN生成器の最初の10個の出力を表す。フィルは、シフトレジスタの終りから始めに戻って、シフトレジスタ内に配置される。PN符号1は、フィードバックタップ[3,10]を有し、符号2は、タップ[2,3,6,8,9,10]を有する。表200内に表示された最良の符号は、25のランを有する(自己相関ピークの各側に1つ)。表200に示された符号に加えて、個々の最大長符号のそれぞれ、すなわち符号1および符号2自体を、表200の符号を増補するのに使用することもできる。というのは、これらが、ゴールド符号セットの一部と考えられるからである(これらがゴールド符号セット相互相関特性を他のメンバと共有するので)。さらに、最大長符号は、相関ピークを除いて−1である(環状)自己相関関数を有する。これらの符号が、表200の符号に含まれる場合に、その−1ランレングスは、1022になるはずであり、したがって、これらは、リストの先頭に配置されるはずである。
最大長PN符号の他の対を使用して、良い−1ランレングスを有するゴールド符号のセットを構成できることに留意されたい。本明細書で選択される符号対は、例示のためのものである。さらに、表を、それに関してゴールド符号が存在する他の符号長に関して、類似する形で構成することができる。さらに、ゴールド符号セットではなく符号の他のセットを選択することができ、そのようなセットのサブセットを、良い−1ランレングスのために選択することができる。これらの変形形態を、本明細書で詳細に説明する。
図3に、一実施形態の下の、好ましいゴールド符号の自己相関対符号位相のプロット300を示す。より具体的には、プロット300は、25の−1ランレングスを有する表200の第1エントリ(優先順序は1、符号の間の遅延は853、同等フィルは1000100001、−1サイドローブランレングスは25)の自己相関の中央部分を示す。
4元コーディングされた信号を、上で詳細に説明したように直角位相で2つのゴールド符号を使用することによって構成することができる。この場合に、自己相関関数は、2つのゴールド符号の個々の自己相関およびゴールド符号の間の相互相関に対応する4つの項を有する。すなわち、構成するゴールド符号がgおよびhと呼ばれる場合に、全体的な符号を、g+jhと表すことができる。自己相関は、
になり、ここで、
は、相関を意味し、我々は、2つの複素量を相関させる時に、第2のそのような量が複素共役であることに留意する。この全体的な自己相関の最後の2つの項は、相互相関である。したがって、大きい−1ランレングスを有する良い4元符号を構成するために、良い個々の−1ランレングスを有するゴールド符号を利用することだけではなく、個々のゴールド符号の自己相関関数が値−1を有する同一の符号位相インターバルの付近で無視できる相互相関寄与を有することも必要である。低い相互相関値のインターバルを、本明細書では相互相関ランと称する。そのような符号の対の選択を、関心を持たれている符号位相インターバルにわたって良い相関性能を達成するために、ゴールド符号の間の相対符号位相を選択できるという事実を利用することによって行うことができる。一実施形態は、表200内のゴールド符号のすべての対およびそのような対の間のすべての相対符号位相を調べることによって、この形で判定されたゴールド符号の対のセットを含む。4元符号(または2進より高次の任意の符号)の相関動作が、理想化された受信された信号の複素共役による乗算を含むことに留意されたい。
図4は、一実施形態の下の、長い−1ランレングスを有する直角位相符号を構成するのに使用できるゴールド符号対のセットの表400を含む。第3列の遅延は、第4列に示されているように長い−1ランレングスを有する直角位相変調された信号の全体的な自己相関を達成するために、ゴールド符号2に適用される遅延である。この場合に、構成するゴールド符号シーケンスが、振幅+/−1を有する場合に、ラン中の全体的な自己相関が、振幅−2を有し、自己相関のピークが、2046であることに留意されたい。ランレングス定義は、ピーク値の−1倍を符号長で割ったものが、−1かける2046/1023=−2と等しいので、以前の定義と一貫する。図5に、一実施形態の下の、好ましいゴールド符号対の自己相関大きさ対符号位相のプロット500を示す。より具体的には、プロット500は、表500の第2エントリの自己相関の大きさの中央部分(ゴールド符号1(PN遅延)は714、ゴールド符号2(PN2遅延)は456、相互相関ランをセンタリングするために挿入される遅延(符号2に)は343、総相互相関ランは37)を示し、これは、自己相関ピークの両側の18の−1ランレングスを暗示する。大きさは、これをプロット300(図3)と比較するために、2によって除算されている。構成するゴールド符号の間の正しい遅延の挿入は、そうでなければピークを超える自己相関が大きいクローズインサイドローブ(close−in sidelobe)を有する可能性があるので、良い自己相関特性を有する4元符号を構成する際にクリティカルである。
図6に、一実施形態の下の、好ましいゴールド符号対の送信されたシンボル位相対チップ番号のプロット600を示す。より具体的には、プロット600は、表400の第2エントリ(ゴールド符号1(PN遅延)は714、ゴールド符号2(PN2遅延)は456、相互相関ランをセンタリングするために挿入される遅延は343、総相互相関ランは37)の度単位の送信されたシンボル位相角対チップ番号のサンプル部分を示す。プロット600は、4元符号を表す4つの位相のシーケンスすなわち+/−45°および+/−180°を示す。送信器自体が、シフトレジスタまたは類似物を使用して符号を実施するのではなく、位相角またはシンボル指定(たとえば、A、B、C、およびD)のシーケンスだけを格納する必要があることに留意されたい。
本明細書の説明は、ゴールド符号に焦点を合わせるが、この発想は、他の種類の符号に拡張される。スペクトル拡散多重化での使用に適する複数の符号種類を、当初に選択することができる。たとえば、そのようなセットは、嵩符号、ベント符号(Bent Code)、およびゴールド様符号を含むことができるが、実施形態は、これに限定されない。これらのセットは、一般に、メンバの対の間の良い(非周期的)相互相関特性を有する。その後、実施形態に従えば、長い−1ランレングスを有する環状自己相関を有する、そのような符号のサブセットを、選択することができる。同様に、2を超えるアルファベットサイズを有する、たとえば4元、8元など、良い相互相関特性を有する符号のセットを選択することができる。その後、良い環状自己相関特性について、これらのセットのサブセットを選択することができる。
本明細書の説明では、性能の主測定値は、自己相関関数の−1ランレングスである。これは、ピーク値/符号長の−1倍の値を有する、そのピークの両側の自己相関関数の長さに対応する。しかし、本明細書のさらなる実施形態は、ピーク自己相関値の付近の指定された領域内で、しきい値Aを超えない自己相関大きさレベルを有する符号のサブセットを選択する。これを、Aランレングスと称する。前と同様に、シーケンスのセットは、符号の任意の対の間の自己相関関数の最大の大きさが指定された値未満になるように選択される。次に、符号のそのようなセットのサブセットが、そのようなサブセットメンバのそれぞれについてピークの付近の指定されたロケーション領域内の自己相関関数の大きさが値A以下になるように、選択される。2進および4元のゴールド符号の以前の議論について、ゴールド符号シーケンスが+1および−1の値を有すると仮定して、Aは値1を有する。
もう1つの実施形態では、そのピークロケーションの前後のある範囲にわたって良い自己相関特性を有する符号のセットが、当初に選択される。次に、メンバの間の(オプションで符号位相のある範囲にわたる)対ごとの相互相関大きさが指定されたしきい値C未満である、そのような符号のサブセットが選択される。これは、2進符号またはより大きいアルファベットを有する符号(たとえば、4元)に適用することができる。たとえば、所与のサイズ、たとえば2047の最大長シーケンスのセットを検討されたい。この場合には、176個のそのような符号がある。もちろん、各符号は、非常に良い自己相関特性を有し、−1ランレングスは1022である。メンバの間の相互相関は、大きく変化する。図7は、一実施形態の下の、メンバの間の限界のある相互相関大きさを有するように選択された符号サブセットの表700である。サブセットのサイズを制限することによって、より良い性能を達成することができる。たとえば、符号長2047に関して、セットサイズが3までに制限される場合に、65の最大相互相関大きさを達成することができ、セットサイズが10までに制限される場合に、129の最大相互相関大きさを達成することができる。
一実施形態では、本明細書で説明される符号は、搬送波を変調するのに使用され、したがって、測位信号を作成するのに使用される。この符号は、1回または複数回繰り返すことができる。そのような信号は、そのような測位信号に加えてまたはその代わりに、他のシグナリング要素を含むことができる。たとえば、本明細書で説明されるように、そのような信号のある部分は、単独で測位信号を含むことができ、別の部分は、より低速のデータシーケンスによってさらに変調される測位信号を含むことができ、信号の他の部分は、拡散符号を全く伴わずに他の信号要素を含むことができる。もう1つの実施形態では、送信される信号は、連続的であるのではなく、時分割多重化された形で、バーストのセットとして送信される。個々の送信器は、各バースト内で同一の1つまたは複数の符号を使用することができ、あるいは、これらの符号は、バーストごとに変化することができる。本明細書の実施形態は、そのような送信の少なくとも1つの部分が本明細書で提示される形で選択された擬似乱数符号または拡散符号を組み込む時に、すべてのそのような状況に適用される。
一実施形態では、選択された符号セットは、標準シーケンス長未満に切り詰められたシーケンス長を有するか、より長い長さまで延ばされたシーケンス長を有することができる。たとえば、長さ2047の標準ゴールド符号を使用するのではなく、1つの符号要素を削除することによって、その代わりに2046の符号長を使用することができる。これは、複数の長さが使用される状況で、より単純な実施態様を可能にすることができる。たとえば、システムは、あるレート、第1レートで動作することができ、他の状況では、第1レートの2倍である第2レートで動作することができる。1023の符号長が、第1の例で使用される場合に、このシステムは、同一のフレーム(すなわち、シーケンス)持続時間を維持するために、第2の例で2046の符号長を用いて動作しなければならない。もう1つの実施形態では、本明細書で説明される実施形態に従って選択された符号を使用する異なる送信器は、わずかに異なる搬送波周波数を用いて信号を送信する。
WAPSのシステムおよび方法
図8は、一実施形態の下の、同期されたビーコンのブロック図である。図8ならびに図1を参照すると、一実施形態の同期されたビーコンは、本明細書でビーコンとも称するが、CDMAネットワークを形成し、各ビーコンは、埋め込まれたアシスタンスデータのデータストリームと共に、ゴールド符号などの良い相互相関特性を有する擬似乱数(PRN)シーケンスに従って信号を送信する。代替案では、各ビーコン送信器からのシーケンスを、TDMAフォーマットの別々のスロットに経時的にスタッガー配置することができる。
地上測位システムでは、克服すべき主要な課題の1つは、受信器で、遠くの送信器が近くの送信器によって妨害される、遠近問題である。この問題に対処するために、一実施形態のビーコンは、CDMA技法、TDMA技法、および周波数オフセット技法の組合せを使用する。そのようなシステムは、これらの方法の1つだけではなく組合せなので、ハイブリッド多重化システムと称する。一例として、ローカル送信器は、遠近問題を緩和するために別々のタイムスロット(およびオプションで異なる符号(CDMA))を使用することができる。多少さらに遠くの送信器は、異なるCDMA符号および/または周波数オフセットを使用しながら同一のタイムスロットを使用することを許容される。これは、システムの広域スケーラビリティを可能にする。タイムスロッティングは、保証される遠近性能のために決定的とすることができ、あるいは、良い平均遠近性能を提供するためにランダム化され得る。本明細書で示されるように、搬送波信号を、小さい周波数差(たとえば、ゴールド符号反復周波数程度)だけオフセットして、符号の相互相関性能を改善し、したがって「遠近」問題に対処することもできる。2つのタワーが、符号は異なるが同一のタイムスロットおよびまたはオフセット周波数を使用する時には、受信器での相互相関を、より弱い信号を検出する前により強い信号の干渉除去を使用することによって、さらに拒否することができる。本明細書で説明されるハイブリッド測位システムでは、洗練されたプラニング方法を使用して、全体的なシステム性能を最大にするためにタイムスロット、CDMA符号、および周波数オフセットの組合せを各送信器に割り当てる。これらのパラメータの組合せの個数は、受信器による信号獲得時間を実用的な値にすることを可能にするために、制限される。
さらに、一実施形態のビーコンは、アシスタンスデータを含むプリアンブルを使用することができ、あるいは、データを頑健にするのを助けるためのチャネル推定ならびに順方向誤り検出および/または訂正のために、情報を使用することができる。一実施形態のアシスタンスデータは、波形のパルスの立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジのいずれか、あるいは指定された信号エポックの正確なシステム時刻と、タワーのジオコードデータ(緯度、経度、および高度)と、隣接するタワーのジオコード情報および区域内のさまざまな送信器によって使用されるシーケンスのインデックスと、送信器(オプション)および隣接する送信器のクロックタイミング補正と、ローカル大気補正(オプション)と、GNSS時刻に対するWAPSタイミングの関係(オプション)と、擬似距離分解能で受信器を助けるための都市環境、準都市環境、田舎環境の表示(オプション)と、PNシーケンスのベースインデックスからのオフセットまたはゴールド符号シーケンスへのインデックスとのうちの1つまたは複数を含むが、これに限定されない。ブロードキャストされる送信データフレーム内で、安全および/または免許管理の理由から単一の受信器または受信器のセットをディスエーブルする情報を含むフィールドを含めることができる。
一実施形態の異なるビーコンおよびタワーからの送信の送信波形タイミングは、共通のタイミング基準に同期される。代替案では、異なるタワーからの送信の間のタイミング差が、既知であり、送信されなければならない。アシスタンスデータは、規則的なインターバルで増分されるタイミングメッセージを除いて、データブロックの個数およびサイズによって決定されるインターバルで繰り返される。アシスタンスデータを、暗号化アルゴリズムを使用して暗号化することができる。拡散符号を、追加のセキュリティのために暗号化することもできる。信号は、アップコンバートされ、事前定義の周波数でブロードキャストされる。送信器内のエンドツーエンド遅延は、ビーコンの間の差分遅延が約3ナノ秒未満であることを保証するために、正確に校正される。送信器のセットをリスンする調査されるロケーションで差分WAPS受信器を使用することによって、そのセット内の送信器に関する相対クロック補正を見つけることができる。
一実施形態のタワー配置は、カバレージおよびロケーションの正確さのために最適化される。タワーの展開は、ネットワーク内のロケーションのほとんどおよびネットワークのエッジで3つ以上のタワーから信号を受信する形で配置され、これらのロケーションのそれぞれでの幾何学的精度劣化(geometric dilution of precision、GDOP)が、正確さ要件に基づく所定のしきい値未満になっている。RFプラニング調査を行うソフトウェアプログラムは、ネットワーク内およびその周囲のGDOPに関する分析を含むように補強される。GDOPは、受信器位置および送信器位置の関数である。ネットワークプラニングにGDOPを組み込む1つの方法は、次のように最適化をセットアップすることである。最小化すべき関数は、カバレージ体積にわたるGDOPの平方の体積積分である。体積積分は、受信器位置の(x,y,z)座標に関する。最小化は、所与のカバレージエリア内にあり、それらがカバレージ体積内にあるという制約を受けるn個の送信器位置座標(x1,y1,z1),(x2,y2,z2),…(xn,yn,zn)に関する、すなわち、i=1,…,nについて、xmin<x<xmax、ymin<y<ymax、zmin<z<zmaxであり、xmin、ymin、およびzminは、カバレージ体積の下限であり、xmax、ymax、およびzmaxは、カバレージ体積の上限である。最小化すべき関数を、
と書くことができる。
さらに、最小化すべき関数に、カバレージ領域Rjの重要性(すなわち、要求される性能品質)に従って重みを付けることができる。
タワー座標ロケーションに対する追加の制約を、所与の区域内の既に使用可能なタワーのロケーションに基づくものとすることができる。すべての座標の座標化(coordinatization)を、通常、正のxとして平均東、正のyとして平均北、正のzとして平均垂直上を有するローカルレベル座標系内で行うことができる。上の制約付き最小化問題を解くソフトウェアは、関数fを最小化する最適化された送信器位置(x1,y1,z1),(x2,y2,z2),…(xn,yn,zn)を出力する。
この技法を、広域ネットワーク(都市内など)またはローカル展開(モール内など)の両方について適用することができる。1つの例の構成では、送信器のネットワークは、各メトロポリタンエリアの周囲の三角形/六角形配置で約30kmの距離だけ分離される。各タワーは、約20Wから1kW EIRPの範囲の最大電力まで、対応するアンテナを介して放射することができる。もう1つの実施形態では、タワーは、ローカライズされ得、1Wもの低い電力レベルで送信することができる。動作の周波数帯は、無線スペクトル内の任意の免許交付された帯域または免許不要の帯域を含む。一実施形態の送信アンテナは、無指向性アンテナ、または、ダイバーシティ、セクタリングなどについて助けることができる複数のアンテナ/アレイを含む。
隣接するタワーは、送信すべき良い相互相関特性を有する異なるシーケンスを使用することによって、またはその代わりに異なる時に同一のシーケンスを送信するために、区別される。これらの区別技法を、組み合わせ、所与の地理的区域だけに適用することができる。たとえば、同一のシーケンスを、異なる地理的区域内のネットワークにまたがって再利用することができる。
ローカルタワーを、所与の地理的区域内に配置して、一実施形態の広域ネットワークタワーを補強することができる。ローカルタワーは、使用される時に、測位の正確さを改善することができる。ローカルタワーを、キャンパス様環境内で展開することができ、あるいは、公衆安全の必要のために、20〜30メートルから2〜3キロメートルまでの範囲の距離だけ分離することができる。
タワーは、好ましくは、位置解からのより良い品質の高度推定を容易にするために、さまざまな高さ(類似する高さではなく)に配置される。異なる高さを有する異なる緯度/経度の送信器に加えて、タワーに高さダイバーシティを追加するもう1つの方法は、同一の物理タワー(同一の緯度および経度を有する)の異なる高さに複数のWAPS送信器(異なる符号シーケンスを使用する)を有することである。同一タワー上の送信器が遠近問題を引き起こさないので、同一の物理タワー上の異なる符号シーケンスが、同一のスロットを使用できることに留意されたい。
WAPS送信器を、1つまたは複数の他のシステムのために使用される先在するタワーまたは新しいタワー(セルラタワーなど)に配置することができる。WAPS送信器展開コストを、同一の物理タワーまたはロケーションを共有することによって最小化することができる。
ローカライズされた区域(たとえば、倉庫またはモール)内の性能を改善するために、追加のタワーを、広域カバレージに使用される送信器を補強するためにその区域内に配置することができる。代替案では、すべての送信器を設置するコストを下げるために、リピータを、当該の区域内に配置することができる。
上で述べた測位に使用される送信ビーコン信号が、排他的にWAPSのために作られた送信器である必要があるのではなく、時間において最初に同期される任意の他のシステムまたはそれに関する同期が追加のタイミングモジュールを介して補強されるシステムからの信号とすることができることに留意されたい。代替案では、この信号を、その相対同期を基準受信器を介して判定できるシステムからのものとすることができる。このシステムを、たとえば、既に展開されたものまたは追加の同期能力を伴って新たに展開されるものとすることができる。そのようなシステムの例を、ディジタルTV、アナログTV、またはMediaFloなどのブロードキャストシステムとすることができる。
WAPSネットワークが構成される時に、いくつかの送信ロケーションは、設計またはフィールド測定のいずれかによって決定されるように、ネットワーク内のある他のロケーションより良い場合がある(クラッターを超えるビーコンの高さ、電力レベル)。そのようなビーコンを、直接に、間接に、または受信器がそのようなビーコンから受信された信号に重みを付けるのに使用できるビーコンの「品質」を示すデータビットを符号化することによってのいずれかで、受信器に識別することができる。
図9は、一実施形態の下の、リピータ構成を使用する測位システムのブロック図である。リピータ構成は、次のコンポーネントを含む。
1)共通WAPS受信アンテナ(アンテナ1)
2)RF電力増幅器およびさまざまなWAPS送信器アンテナ(ローカルアンテナ1〜4)へのスプリッタ/スイッチ接続。
3)WAPSユーザ受信器
アンテナ1は、コンポジット信号を受信し、増幅し、ローカルアンテナ1〜4に分配する(切り替える)。切替は、(好ましくは)ユーザ受信器での異なるリピータからの送信のオーバーラップ(衝突)がない形で行われなければならない。送信の衝突を、ガードインターバルの使用を介して回避することができる。スイッチから送信アンテナまでの既知のケーブル遅延は、すべてのローカルリピータに関する全体的な遅延を等化するためにリピータ−増幅器−送信器での遅延を合計することまたはユーザ−受信器でのケーブル遅延によって特定のリピータからの到着の推定時刻を調整することのいずれかによって、補償されなければならない。TDMAが、広域WAPSネットワーク内で使用される時に、リピータスロット切替レートは、各広域スロット(各スロットは、1つの広域WAPSタワーを含む)がすべてのリピータスロット内で発生するように選択される。1つの例の構成は、広域TDMAフレーム持続時間の倍数と等しいリピータスロット持続時間を使用する。具体的に言うと、広域TDMAフレームが1秒である場合には、リピータスロットを整数秒にすることができる。この構成は、最も単純であるが、ケーブル上のRF信号分布の要件のゆえに、小さい制限された区域内の展開についてのみ適する。ユーザWAPS受信器は、位置を計算するためにリピータタワーをリスンする時に、到着時間差を使用し、リピータスロッティング期間中の静的(または準静的)仮定の下で働く。送信がリピータからであるという事実を、各WAPSタワー信号が、あるリピータスロットから次のリピータスロットへの同一のタイミング差(ジャンプ)を示すという事実によって自動的に検出することができる。
図10は、代替実施形態の下の、リピータ構成を使用する測位システムのブロック図である。この構成では、各リピータは、WAPSリピータ−受信器と、ローカルアンテナを有する関連するカバレージ補強WAPS送信器(たとえば、屋内とすることができる)とを含む。WAPSリピータ受信器は、WAPSシステムタイミング情報ならびに1つの広域WAPS送信器に対応するWAPSデータストリームを抽出できなければならない。WAPSシステムタイミングおよび1つの広域WAPS送信器に対応するデータは、対応するローカルエリアWAPS送信器に渡され、このローカルエリアWAPS送信器は、WAPS信号を再送信することができる(たとえば、異なる符号および同一のスロットを使用して)。送信器は、ローカルアンテナの緯度、経度、および高度など、追加データをその送信に含める。この構成では、WAPSユーザ受信器動作(距離測定および位置測定)を、信号がリピータから来つつあるという事実に透過的とすることができる。リピータ内で使用される送信器が、GNSSタイミングを抽出するためにGNSSタイミングユニットを有する必要がないという点で、フルWAPSビーコンより安価であることに留意されたい。
受信器ユニットの動作のモードに依存して、端末ベースの測位またはネットワークベースの測位のいずれかが、システムによって提供される。端末ベースの測位では、受信器ユニットが、受信器自体の上でユーザの位置を計算する。これは、どこで曲がるかの指示(turn−by−turn direction)、ジオフェンシング(geo−fencing)、その他などのアプリケーションで有用である。ネットワークベースの測位では、受信器ユニットは、タワーから信号を受信し、受信された信号をサーバに通信しまたは送信して、ユーザのロケーションを計算する。これは、E911、ならびに集中サーバによる資産追跡および管理などのアプリケーションで有用である。サーバでの位置計算は、ほぼリアルタイムでまたは、サーバでの精度を改善するために多数のソース(たとえば、GNSS、差分WAPSなど)からのデータを用いて後処理することができる。WAPS受信器は、ネットワークベースの測位を容易にするために、サーバ(たとえば、SUPL Secure User PLaneに似た)からの情報を提供し、入手することもできる。
実施形態のタワーは、自律的にお互いとの同期を維持し、またはネットワークベースの同期を使用する。図11は、一実施形態の下の、タワー同期を示す。次のパラメータは、同期の態様を記述するのに使用される。
システム送信器時間=tWAPS−tx
絶対時間基準=tWAPS_abs
時間調整=Δsystem=tWAPS−tx−tWAPS_abs
絶対時間基準に対してWAPSシステム時間を同期させることが、不可欠ではないことに留意されたい。しかし、すべてのWAPS送信器は、共通のWAPSシステム時間に同期される(すなわち、すべてのWAPS送信器の相対タイミング同期)。WAPSシステム時間(存在する場合に)に対する相対的な各送信器のタイミング補正を計算しなければならない。タイミング補正は、電波WAPSアシスタンス送信を介して直接に、またはある他の通信手段を介してのいずれかで、受信器が使用可能にされなければならない。アシスタンスを、たとえば、セルラ(または他の)モデムを介して、またはシステム(イリジウム、ディジタルTV、MediaFlo、またはセルラシステムのブロードキャストチャネルなど)からのブロードキャストデータを介して、WAPS受信器に配信することができる。代替案では、タイミング補正を、サーバに送信し、サーバで位置を計算する時に使用することができる。実施形態のタワー同期の説明をこれに続ける。
ネットワークベースの同期の下で、タワーは、ローカルエリア内でお互いと同期する。本明細書で詳細に説明するように、タワーの間の同期は、一般に、パルス(より良い時間分解能のために、搬送波上に任意の形の変調を使用して変調することができ、かつ/または拡散符号を使用して拡散することができ、この拡散符号は搬送波を変調する)の送信および受信器上でのパルスエッジへの同期を含む。
実施形態の自律的同期モードでは、タワーは、ローカルタイミング基準を使用して同期される。タイミング基準は、たとえば、GPS受信器、非常に正確なクロックソース(たとえば、原子クロックソース)、ローカル時間ソース(たとえば、GPS統制されたクロック)、および信頼できるクロックソースの任意の他のネットワークのうちの1つであり得る。正確に時間同期される、XM衛星無線機、LORAN、eLORAN、TV信号などからの信号の使用を、タワーの粗いタイミング基準として使用することができる。一実施形態での例として、図12は、一実施形態の下の、ルビジウム、セシウムまたは水素マスターなどの正確な/安定したタイミングソースを統制するのに使用されるGPS受信器からのPPSパルスソースのブロック図である。代替案では、図13に示されているように、GPS統制されたルビジウムクロック発振器を使用することができる。
図12を参照すると、正確なクロックソース内のPLLの時定数は、より良い短期安定性(または、同等に、短期GPS PPS変動のフィルタリング)を提供する十分に大きい数(たとえば、0.5〜2時間の範囲内)にセットされ、GPS−PPSは、より長期的な安定性および広域の「粗い」同期を提供する。送信器システムは、これらの2つのPPSパルス(GPSユニットおよび正確なクロックソースから)を連続的に監視し、すべての異常を報告する。異常は、2つのPPSソースが数時間の間ロックされた後に、PPSソースのうちの一方が、タワーネットワーク管理者によって決定される所与の時間しきい値だけ他方のソースから離れてドリフトすることである可能性がある。第3のローカルクロックソースを使用して、異常を検出することができる。異常な挙動の場合に、正しい挙動を示すPPS信号が、送信器システムによって選択され、監視ステーションに戻って報告される。さらに、正確な時間ソースのPPS入力とPPS出力との間の瞬間的な時間差(時間ソースによって報告される)を、送信器によってブロードキャストするか、後処理をする時に使用されるサーバに送信するかのいずれかを行うことができる。
送信器システムでは、PPSパルス入力の立ち上がりエッジと送信器のアナログセクションがデータを送信することを可能にする信号の立ち上がりエッジとの間の時間差は、内部で生成される高速クロックを使用して測定される。図14は、一実施形態の下の、PPSと、送信器のアナログセクションがデータを送信することを可能にする信号との間の時間差をカウントする信号図である。その差を表すカウントは、データストリームの一部として受信器のそれぞれに送信される。ルビジウム時計(時計は時間/日にわたって安定している)などの非常に安定したクロック基準の使用は、システムが、デバイスが特定のタワーデータをこれ以上変調することができない場合に、デバイス上でタワーごとにこの補正を格納/送信することを可能にする。使用可能なものがある場合に、この補正データを、通信媒体を介してデバイスに送信することもできる。タワーからの補正データを、基準受信器または他のタワーのブロードキャストをリスンするタワー上に取り付けられた受信器のいずれかによって監視することができ、集中サーバに伝えることができる。タワーは、その後にデバイスへの通信リンクを介してそれらのタワーの近くのデバイスにこの情報を広めることができる集中サーバに、このカウント情報を周期的に送信することもできる。代替案では、サーバは、隣接するタワーのためのアシスタンス情報としてこの情報をブロードキャストすることができるようにするために、タワーからの情報(たとえば、現場での)を隣接するタワーに渡すことができる。隣接するタワーのためのアシスタンス情報は、付近のタワーに関する、位置情報(タワーが静的なので)およびタイミング補正情報を含むことができる。
一実施形態の送信器タイミング補正に似て、真のPPSが使用可能である時には、これを使用して、マルチパスバイアスおよび正確な真の距離を推定することができる。受信器は、たとえばADCからの、信号のサンプルを使用して距離を推定する。一実施形態の受信器は、高速クロックを使用して、PPSの発生とサンプルADCクロックの最初のエッジとの間の時間差を判定する。これは、ADCサンプルに基づいて受信器によって推定された距離を、真のPPSが発生する時とADCがデータをサンプリングする時との間の差について補正することを可能にし、したがって、ADCのサンプルクロック分解能より良い精度までの受信器の真の距離の推定を可能にする。上の段落の議論の文脈では、PPSは、そのエッジがGPSパルス毎秒(PPS)タイミングなどの標準的なタイミングベースに位置合せされるか、これに対する既知のオフセットを有するパルスを指す。
もう1つの実施形態で、広域差分測位システムを、タワーからのタイミング誤差を補正するために使用することができる。図15は、一実施形態の下の、差分WAPSシステムのブロック図である。基準受信器(あらかじめ調査された位置に配置される)は、付近のすべてのタワーからの信号を受信するのに使用される。差分GPSの原理がこの方法に適用されるが、地上の場合の非見通し線の影響への対処は、それを独自のものにする。タワーごとの基準受信器の擬似距離(符号位相)測定値は、時間タグ付けされ、その後、サーバに送信される。タワーjおよびiについて基準受信器で測定された受信符号の位相ベースの距離を、次のように書くことができる。
ここで、
は、タワーjの幾何学的距離を送信するための基準受信器であり、dtrefおよびdtjは、それぞれ共通基準時間(たとえば、GPS時間)に関してそれぞれのアンテナに参照される基準受信器クロックオフセットおよび送信器クロックオフセットであり、cは光の速度であり、
は、測定雑音である。
タワーiおよびjの間のクロックタイミングの差、dti−dtjは、上の2つの式を引き、基準受信器から送信タワーまでの既知の幾何学的距離を使用することによって、サーバで計算される。これは、ローバー(rover)/移動局測定での送信器の間のタイミング差の除去を可能にする。送信タワーで使用されるクロックが比較的安定している時に、時間差dti−dtjのより良い(たとえば、雑音の少ない)推定値を得るために、時間にわたる平均化を使用することができることに留意されたい。
ローバー/移動局の擬似距離測定値も、時間タグ付けされ、サーバに送信される。ローバー/移動局で測定された受信符号の位相ベースの距離を、次のように書くことができる:
上の2つの式を引き、再配置することによって、その結果は
になる。
および
が、測定された量であり、量dti−dtjが、基準受信器測定値から計算されることに留意されたい。
および
のそれぞれを、受信器の未知の座標ならびに送信タワーiおよびjの既知の座標に関して書くことができる。3つの距離測定値を用いて、2つの距離差の式を上のように形成して、2次元位置解を得ることができ、あるいは、4つの距離測定値を用いて、3つの距離差の式を上のように形成して、3次元位置を得ることができる。追加の測定値を用いて、最小二乗解を使用して、雑音量
および
の影響を最小にすることができる。
代替案では、タイミング差の補正を、その場で誤差を補正するためおよび移動局での位置計算を容易にするために、移動局へ送り返すことができる。差分補正を、基準局と移動局との両方によって見ることができるのと同一の多くの送信器に適用することができる。この方法は、概念的に、システムがタワー同期なしに動作することを可能にすることができ、あるいは、代替案では、おおまかに同期されたシステムで任意の残存クロック誤差を補正することを可能にすることができる。
別の手法は、上の差分手法とは対照的なスタンドアロンタイミング手法である。タイミング同期を確立する1つの形は、特定の区域内の各送信タワーでGPSタイミング受信器に同一区域内のDGPS基準受信器からのDGPS補正値を受信させることによるものである。既知の位置に設置されるDGPS基準受信器は、それ自体のクロックを基準クロックと考え、それが追跡するGPS衛星への擬似距離測定値に対する補正値を見つける。特定のGPS衛星に関するDGPS補正値は、通常、衛星位置誤差およびクロック誤差ならびに電離圏遅延および対流圏遅延に起因する全誤差を含む。DGPS基準受信器とGPS衛星との間の見通し線がこの近傍内の方向で大きくは変化しないので、この全誤差は、DGPS基準受信器の付近(通常、中心にDGPS受信器を備えた約100kmの半径の区域を有する)で他のGPS受信器によって行われる任意の擬似距離測定について同一になる。したがって、特定のGPS衛星についてDGPS基準受信器によって送信されたDGPS補正値を使用するGPS受信器は、その衛星のその擬似距離測定値からこの全誤差を除去するために補正値を使用する。しかし、そのプロセスで、そのGPS受信器は、GPS時間に関するDGPS基準受信器のクロックバイアスをその擬似距離測定値へ加える。しかし、このクロックバイアスが、すべてのDGPS擬似距離補正について共通なので、異なるGPS受信器のタイミング解に対するその影響は、共通のバイアスである。しかし、この共通のバイアスは、異なるGPS受信器のタイミングでの相対的なタイミング誤差を与えない。具体的には、これらのGPS受信器がタイミングGPS受信器(既知の位置での)である場合に、それらのGPS受信器のすべてが、DGPS基準受信器のクロックに同期される。これらのGPSタイミング受信器が異なる送信器を駆動する時には、その送信も同期される。
DGPS基準受信器からの補正値を使用する代わりに、広域補強システム(Wide Area Augmentation System、WAAS)衛星によって送信される同様の補正値を、GPSタイミング受信器によって使用し、それらが駆動する送信器の送信を同期させることができる。WAASの利益は、基準時間が、DGPS基準システムの基準時間ではなく、正確な原子時計のセットによって維持されるGPS時間自体であるということである。
広域にわたるタワー間の正確な時間同期の達成に対するもう1つの手法は、タワー対の間のタイミングを確立するために時間転送技法を使用することである。適用することができる1つの技法を、「共通ビュー時間転送」と称する。図16に、一実施形態の下の、共通ビュー時間転送を示す。共通の衛星のビューを有する送信器内のGPS受信器が、この目的のために使用される。共通ビュー内にある衛星に関するタワーのそれぞれからの符号位相および/または搬送波位相測定値は、GPS受信器によって周期的に(たとえば、最低限毎秒一回)時間タグ付けされ、これらの測定値が分析されるサーバに送信される。
GPS符号可観測量
(衛星「i」によって発せられ、受信器「p」によって観察される信号)を、次のように書くことができる。
ここで、
は、
と等しい受信器−衛星の幾何学的距離であり、
は、信号受信時の受信器アンテナ位置であり、
は、信号放射時の衛星位置を表し、
および
は、それぞれ、電離圏遅延および対流圏遅延であり、
および
は、受信器ハードウェア群遅延および衛星ハードウェア群遅延である。変数
は、アンテナ、受信器にそれを接続するケーブル、および受信器自体内の遅延の影響を含む。さらに、dtpおよびdtiは、それぞれGPS時間に関する受信器クロックオフセットおよび衛星クロックオフセットであり、cは、光速であり、εRは、測定雑音である。
共通ビュー時間転送方法は、単一の差分符号可観測量
を計算し、これは、
として2つの受信器(「p」および「q」と呼ばれる)で同時に測定される符号可観測量間の差である。単一の差分可観測量を計算する際に、衛星内の群遅延時間ならびに衛星のクロック誤差が打ち消される。また、上の式で、対流圏摂動および電離圏摂動が打ち消しあう(または、たとえば受信器の分離が大きい場合にモデル化され得る)ことに留意されたい。受信器の間の群遅延差が校正された後に、受信器クロック間の所望の時間差c(dtp−dtq)を、この式から見つけることができる。複数の時間および衛星測定値にわたる単一の差を、推定される時間差の品質をさらに改善するために組み合わせることができる。
類似する形で、共通ビュー時間転送のための単一の差分搬送波位相方程式を、次のように書くことができる。
初期位相曖昧性および整数曖昧性が上式内に存在するので、位相の単一の差を使用して、時間転送を直接に決定することができないことに留意されたい。符号および位相の観察の組み合わされた使用は、符号からの時間差に関する絶対的情報および搬送波位相からの時間差の発生に関する正確な情報を利用することを可能にする。搬送波位相の単一の差での誤差分散は、より良い時間転送追跡につながる符号位相の単一の差よりかなり良い。
所与の衛星に関するタワーごとの結果の誤差は、補正のためにタワーに送り返され、タワーで適用され、受信器によって行われるべき追加の補正のために通信リンクを介して受信器へ送信されるか、タワーからの他のタイミング補正値と一緒にブロードキャストメッセージとして送信されるかのいずれかである。特定の例で、タワーおよび受信器からの測定値が、より良いロケーション正確さのためにサーバ上で後処理されてもよい。L1および/もしくはL2またはGalileo/Glonassなどの他の衛星システムからC/A符号測定値および/または搬送波位相測定値を作る単一チャネルGPSタイミング受信器または多重チャネルタイミング受信器を、共通ビュー時間転送のこの目的のために使用することができる。多重チャネルシステムで、共通のビュー内の複数の衛星からの情報は、受信器によって同一の瞬間に取り込まれる。
「共通ビュー時間転送」での代替の機構は、ローカルエリア内の異なるタイミングGPS受信器(それぞれが対応する送信器に供給する)がそのタイミングパルス導出(たとえば、毎秒1パルス)で共通の衛星だけを使用するが、GPS(またはUTC)秒に位置合せすべきタイミングパルスを補正するための試みがなされないことを保証することである。共通ビュー衛星の使用は、タイミングパルスでの共通の誤差(共通GPS衛星位置誤差、共通GPS衛星クロック誤差、電離圏遅延補償誤差、および対流圏遅延補償誤差など)が、ほぼ同じ大きさだけタイミングパルスでの誤差を引き出すことを保証し、タイミングパルス内の相対誤差は、減らされる。測位では相対的なタイミング誤差のみが問題なので、サーバベースのタイミング誤差補正の必要はない。しかし、サーバは、タイミングパルスを導出する際にどのGPS衛星を使用すべきかに関して、異なるGPS受信器にコマンドを与えることができる。
時間転送の代替方法は、「両方向時間転送」技法である。図17に、一実施形態の下の、両方向時間転送を示す。お互いに対して時間を計るのに使用される2つのタワーを検討されたい。2つの送信器のそれぞれからの送信は、PPSパルスで始まり、時間間隔カウンタは、送信タワーの受信セクション(WAPS受信器)上で開始される。受信された信号は、両側で時間間隔カウンタを停止させるのに使用される。時間間隔カウンタからの結果は、WAPSサーバへデータモデムリンクを介して送信され、ここで、送信時間と共にこれらの結果が比較され、2つのタワー間のタイミングの誤差を計算することができる。これを、任意の個数のタワーに拡張することができる。この方法では、タワーiでのカウンタ測定値ΔTiとタワーjでのΔTjとの間の関係、およびiとjでのクロックの間の時間差dtijを、
として表すことができ、ここで
および
は、タワーの送信器遅延であり、
および
は、タワーの受信器遅延である。送信器および受信器の遅延が校正された後に、時間差を推定することができる。
タワーの間の時間転送に加えて、GPS時間に対する相対的なタワーのタイミングを、共通ビュー時間転送に使用されるGPSタイミング受信器によって見つけることができる。
として距離測定値を使用して、受信器の遅延、衛星クロック誤差、および電離圏誤差/対流圏誤差を計上した後に、GPS時間dtpに対する相対的なローカルクロックの時間補正が計算される。受信器の遅延δR,pを、群遅延の測定値によって校正することができる。GPS衛星ナビゲーションメッセージからの情報(復調を介してまたはサーバからのいずれかで得られる)を、dtiおよび
の影響を除去する衛星タイミング補正を計算するのに使用することができる。同様に、対流圏および電離圏の遅延効果は、外部モデルからの補正値を使用して最小化される。電離圏の補正は、たとえばWAASメッセージから得ることができる。代替案では、クロックおよび電離圏/対流圏の補正の組合せを、使用可能な時に、擬似距離のためのRTCM DGPS補正から得ることができる。
GPS時間に対するオフセットを、タワーからデータストリームの一部として送信することもできる。これは、WAPS信号を獲得する任意のWAPS受信器が、GNSS受信器内のGNSS検索要件を大幅に低減するための、正確なGPS時間および周波数エイディングを提供することを可能にする。
システムの実施形態で、ブロードキャスト送信器を、ローカライズされた屋内の位置決定を提供するためだけに使用することができる。たとえば、火災時の安全確保応用で、WAPS送信器は、3つ以上のブロードキャスト局(たとえば、消防自動車とすることができる)に配置される。タワーは、前に述べた多くの手段およびブロードキャスト信号のうちの1つによってお互いに同期する。帯域幅およびチッピングレート(chipping rate)は、その時のその用途に関するその領域内のスペクトル可用性および正確さ要件に基づいてスケーリングされる。受信器は、デバイスへの通信リンクを介してシステムパラメータについて通知される。
図18は、一実施形態の下の、受信器ユニットのブロック図である。ビーコン信号は、受信器ユニット上のアンテナで受信され、ダウンコンバートされ、復調され、暗号化解除され、測位エンジンに供給される。受信器は、信号を正確に再構築するためのすべての情報を提供する。受信アンテナは、無指向性アンテナとすることができ、または、代替案では、ダイバーシティを提供する複数のアンテナ/アレイなどとすることができる。もう1つの実施形態では、ミキシングおよびダウンコンバーションを、ディジタル領域で行うことができる。各受信器ユニットは、一意のハードウェア識別番号およびコンピュータによって生成される秘密鍵を含むか使用する。一般に、各受信器ユニットは、最後の少数のロケーションを不揮発性メモリに格納し、後に最後の少数の格納されたロケーションについて遠隔に照会され得る。所与の区域内のスペクトルの可用性に基づいて、送信器および受信器は、使用可能な帯域幅に適合し、より良い正確さおよびマルチパス分解能のためにチッピングレートおよびフィルタ帯域幅を変更することができる。
一実施形態で、受信された信号のディジタルベースバンド処理は、WAPS RFモジュールを有するGPS RFセクションからの信号を多重化/供給することによって、市販のGPS受信器を使用して達成される。図19は、一実施形態の下の、WAPS RFモジュールを有する受信器のブロック図である。いくつか例を挙げると、RFモジュールは、低雑音増幅器(LNA)、フィルタ、ダウンコンバータ、およびアナログ−ディジタル変換器のうち1つまたは複数を含む。これらのコンポーネントに加えて、信号を、さらに、チップ上、カスタムASIC上、FPGA上、DSP上、またはマイクロプロセッサ上での追加処理を使用して、GPS受信器の入力要件に適合するように条件付けることができる。信号条件付けは、帯域内雑音または帯域外雑音(ACI−隣接チャネル干渉など)に関するディジタルフィルタリング、WAPS受信器の周波数からGPS ICへの入力の中間周波数またはベースバンド周波数の変換、GPS ICがWAPS信号を処理することができるようにするためのディジタル信号強度の調節、WAPSフロントエンドを制御するための自動利得制御(AGC)アルゴリズムなどを含むことができる。具体的には、周波数変換は、WAPS RFモジュールが任意の市販のGPS受信器と共に動作することを可能にするので、非常に有用な特徴である。もう1つの実施形態では、WAPSシステムのための信号条件付け回路を含むRFフロントエンドチェーン全体を、GPS RFチェーンを含む既存のGPSダイ上に一体化することができる。
もう1つの実施形態では、ディジタルベースバンド入力へのアクセスが使用可能ではない場合に、信号を、任意の帯域からGPS帯域にアップコンバート/ダウンコンバートすることができ、GPS受信器のRFセクションに供給することができる。図20に、一実施形態の下の、信号アップコンバージョンおよび/または信号ダウンコンバージョンを示す。
もう1つの実施形態で、複数のRFチェーンまたは同調可能なRFチェーンを、広域であれローカルであれ、所与の区域での動作の最も有効な周波数を使用するように、WAPSシステムの送信器と受信器との両方に追加することができる。周波数の選択は、スペクトルの清浄度(cleanliness)、伝搬要件などによって決定することができる。
同様に、WAPSは、複数の受信チェーンを含む受信器システム内の受信チェーンを一時的に使用することができる。たとえば、wideband CDMA(W−CDMA)受信器システムは、受信ダイバーシティを改善するために2つの受信チェーンを含む。したがって、WAPSが、W−CDMA受信器システム内で使用される時に、W−CDMAの2つのネイティブ受信チェーンの1つを、WAPS信号の受信および処理に一時的に使用することができる。図21は、一実施形態の下の、受信チェーンの1つをWAPS信号を受信し処理するために一時的に使用できる、複数の受信チェーンを有する受信器システムのブロック図である。この例では、ダイバーシティ受信チェーンを使用して、WAPS信号を一時的に受信し、処理することができる。代替案では、GPS受信チェーンを使用して、WAPS信号を一時的に受信し、処理することができる。
無線フロントエンドを、WAPSと別のアプリケーションとの間で共有することができる。フロントエンドのいくつかの部分は、共有することができ、いくつかの部分は、相互排他的な基礎で使用されてもよい。たとえば、ダイ/システムがアンテナを含むTV(NTSC、ATSC、またはDVB−H、MediaFLOなどのシステム)チューナフロントエンドを既に有する場合に、テレビチューナ無線機およびアンテナを、WAPSシステムと共有することができる。これらは、システムが所与の時刻にTV信号を受信するかWAPS信号を受信するかのいずれかであるという点で、相互排他的な基礎で動作することができる。もう1つの実施形態で、それがそのようなシステムにWAPS RFセクションを追加することをより簡単にする場合に、アンテナを、TVチューナとWAPSシステムとの間で共有し、両方のシステムが同時に動作することを可能にすることができる。システム/ダイがFM無線機などの無線機を有する場合に、RFフロントエンドを、WAPSシステムとFM無線機との両方に対処するように変更することができ、これらの無線機は、相互排他的な基礎で動作することができる。同様の変更を、WAPS RF帯域に近い近接する周波数で動作するいくつかのRFフロントエンドを有するシステムについて行うことができる。
GNSSサブシステムに使用される、水晶、水晶発振器(XO)、電圧制御温度補償水晶発振器(VCTCXO)、ディジタル制御水晶発振器(DCXO)、温度補償水晶発振器(TCXO)などのクロックソース基準を、WAPS受信器に基準クロックを提供するためにWAPS受信器と共有することができる。この共有は、ダイ上またはオフチップで行うことができる。代替案では、セルラ電話機上の任意の他のシステムによって使用されるTCXO/VCTCXOを、WAPSシステムと共有することができる。図22は、一実施形態の下の、測位システム内のクロック共有を示すブロック図である。トランシーバまたはプロセッサシステムブロックが、さまざまなシステムを指すことができることに留意されたい。WAPSシステムとクロックを共有するトランシーバシステムを、モデムトランシーバ(たとえば、セルラモデム、WLANモデム、またはBTモデム)または受信器(たとえば、GNSS受信器、FM受信器、またはDTV受信器)とすることができる。これらのトランシーバシステムは、オプションで、周波数制御のためにVCTCXOまたはDCXOを制御することができる。トランシーバシステムおよびWAPSシステムを、単一のダイに一体化することができ、あるいは、別々のダイとすることができ、クロック共有に影響を与えないことに留意されたい。プロセッサは、クロックソースを使用する任意のCPUシステム(ARMサブシステム、ディジタル信号プロセッサシステムなど)とすることができる。一般に、VCTCXO/DCXOが共有される時に、他のシステムによって適用される周波数補正は、WAPS動作を容易にするためにできるだけ大きく減速されてもよい。具体的には、WAPS受信器で使用される最大積分時間内の周波数更新は、WAPS受信器のより良い性能(すなわち、SNR損失を最小化する)を可能にするために制限され得る。WAPS受信器の状態に関する情報(特に、使用される積分のレベル、WAPSシステムの獲得対追跡状態(acquisition versus tracking state))を、周波数更新のより良い調整のために他のシステムと交換することができる。たとえば、周波数更新を、WAPS取得フェーズ中に一時停止することができ、あるいは、周波数更新を、WAPS受信器がスリープ状態である時にスケジューリングすることができる。通信は、制御信号の形または代替案ではトランシーバシステムとWAPSシステムとの間で交換されるメッセージの形とすることができる。
WAPSは、WAPSと伝統的なGPSシステムとの両方をサポートするために従来のGPS受信器のベースバンドハードウェアを変更する必要のない形で、タワーから信号およびメッセージをブロードキャストする。これの重要性は、WAPSシステムがGPS C/A符号システム(チップレートに影響する)の使用可能な帯域幅の半分のみを有するが、WAPSブロードキャスト信号が商用等級のC/A符号GPS受信器の限界内で動作するように構成されるという事実にある。さらに、信号可用性に基づいて、アルゴリズムは、位置を決定するためにGPS信号が使用されなければならないのか、または、WAPS信号もしくはその組合せが最も正確なロケーションを得るために使用されなければならないのかを判断する。
WAPSシステム上でゴールド符号の上に送信されるデータを、ハイブリッドGNSS−WAPS使用シナリオの場合にGNSSのアシスタンス情報を送信するのに使用することができる。アシスタンスは、SV軌道パラメータ(たとえば、天体暦および暦)の形とすることができる。アシスタンスを、ローカルエリアで可視のSVに特化することもできる。
さらに、WAPSシステムから入手されるタイミング情報を、GNSSシステムのために繊細な時間エイディングとして使用することができる。WAPSシステムタイミングが、GPS(またはGNSS)時間に位置合せされるので、WAPS信号の符号およびビットに合わせることおよび任意のタワーからデータストリームを読み取ることは、GNSS時間の粗い知識を提供する。さらに、位置解決(受信器のクロックバイアスは位置解決の副産物である)は、WAPSシステム時間を正確に決定する。WAPSシステム時間が知られた後に、繊細な時間エイディングをGNSS受信器に提供することができる。タイミング情報を、そのエッジがWAPSの内部タイムベースに結び付けられる単一のハードウェア信号パルスを使用して転送することができる。WAPSシステム時間が、GPS時間に(より一般的には、GNSSシステムのタイムベースが直関係付けけられるので、GNSS時間と共に)直接にマッピングされることに留意されたい。GNSSは、このエッジの受信時に、その内部GNSSタイムベースカウントをラッチすることができなければならない。代替案では、GNSSシステムは、そのエッジが内部タイムベースに位置合せされるパルスを生成することができなければならず、WAPSシステムは、その内部WAPSタイムベースをラッチすることができなければならない。その後、WAPS受信器は、この情報を有するメッセージをGNSS受信器に送信し、GNSS受信器がそのタイムベースをWAPSタイムベースにマッピングすることを可能にする。
同様に、ローカルクロックの周波数推定値を、GNSS受信器に周波数エイディングを提供するのに使用することができる。WAPS受信器からの周波数推定値は、それらが共通クロックを共有していようといまいと、GNSS受信器の周波数推定値を洗練するのに使用することができることに留意されたい。2つの受信器が別々のクロックを有する時に、他方のシステムに対する一方のシステムのクロック周波数を測定するために、追加の校正ハードウェアブロックまたはソフトウェアブロックが必要である。ハードウェアブロックまたはソフトウェアブロックは、WAPS受信器セクション内またはGNSS受信器セクション内に設けることができる。その後、WAPS受信器からの周波数推定値を、GNSS受信器の周波数推定値を洗練するのに使用することができる。
WAPSシステムからGNSSシステムへ送信することができる情報は、ロケーションの推定値を含むこともできる。ロケーションの推定値は、近似(たとえば、WAPSタワーのPN符号によって決定される)またはWAPSシステムでの実際の位置推定値に基づくより正確なものとすることができる。WAPSシステムからの使用可能なロケーション推定値を、GNSSシステムをよりよく支援するのに使用できる位置のより正確な推定値を提供するために、異なるシステムからの位置の別の推定値(たとえば、セルラIDベースの測位からの粗い位置推定値)と組み合わせることができることに留意されたい。図23は、一実施形態の下の、WAPS受信器からGNSS受信器へのアシスタンス転送のブロック図である。
GNSS受信器は、ロケーション、周波数、およびGNSS時間の推定値をWAPS受信器へ提供することによって、Time−To−First−Fix(TTFF)、感度、およびロケーション品質に関するWAPS受信器の性能を改善するのを助けることもできる。一例として、図24は、一実施形態の下の、GNSS受信器からWAPS受信器へのエイディング情報の転送を示すブロック図である。GNSSシステムを、LORAN、e−LORAN、または同様の地上測位システムによって置換することもできることに留意されたい。ロケーション推定値は、部分的(たとえば、高度または2D位置)、完全な(たとえば、3D位置)、または生の距離/擬似距離データ)のいずれかとすることができる。距離/擬似距離データは、ハイブリッド解決策でこの距離情報の使用を可能にするために、SVのロケーション(またはSV軌道パラメータなどのSVのロケーションを計算するための手段)と一緒に提供されなければならない。すべてのロケーションエイディング情報は、その品質を示すメトリックと一緒に提供されなければならない。GNSS時間情報(ハードウェア信号を使用してWAPSシステムに転送され得る)を提供する時に、GPS時間に対する相対的なGNSS時間のオフセット(存在する場合に)は、WAPS受信器での使用を可能にするために提供されなければならない。周波数推定値を、信頼度メトリック(推定値の推定される品質、たとえば、推定値の最大の期待される誤差を示す)と一緒にクロック周波数の推定値として提供することができる。これは、GNSSシステムおよびWAPSシステムが同一のクロックソースを共有する時に、十分である。GNSSシステムおよびWAPSシステムが別々のクロックを使用する時には、WAPSシステムが校正する(すなわち、GNSSクロックに関してWAPSの相対的なクロックバイアスを推定する)ことを可能にするために、GNSSクロックも、WAPSシステムに提供されなければならず、あるいは、代替案では、WAPSシステムは、GNSSシステムにそのクロックを提供しなければならず、GNSSシステムは、校正推定値(すなわち、GNSSクロックに関するWAPSの相対的なクロックバイアスの推定値)を提供しなければならない。
WAPS受信器の感度およびTTFFをさらに改善するために、アシスタンス情報(タワーによって送信される情報から他の形で復号されるものなど)を、他の通信媒体(セルラ電話機、WiFi、SMSなど)によってWAPSサーバからWAPS受信器に提供することができる。既に使用可能な「暦」情報があれば、受信器は送信波形に時間位置合せする必要があるだけ(ビット位置合せまたは復号の必要はない)なので、WAPS受信器のジョブは、単純になる。データビットを復号する必要性の除去は、TTFFを低減し、したがって、受信器がすべてのビットを復号するために電源を連続的にオンにされる必要がないので、電力が節約される。図25は、一実施形態の下の、WAPSアシスタンス情報がWAPSサーバから提供される例の構成である。
ビーコンを、ローカル測位をさらに改善するために受信器に加えることができる。ビーコンは、デバイスIDに基づくシグネチャを有する波形を周期的に送信する低電力RF送信器を含むことができる。たとえば、シグネチャを、送信器を一意に識別する符号とすることができる。関連する受信器は、すべての方向でスキャンする時の信号エネルギーピークの発見、または方向発見(信号到着の方向を判定するために複数のアンテナ要素からの信号を使用する)のいずれかを介して、比較的より高い正確さで送信器のロケーションを見つけることができる。
マルチパス信号の解決
マルチパスの解決は、測位システムでクリティカルである。無線チャネルは、しばしば、ランダムな位相および振幅を有するランダムに変化するマルチパスコンポーネントのセットの特徴がある。測位を正確にするために、受信器アルゴリズムが、存在する場合には見通し線(LOS)パス(最初の到着パスになる)、または最初に到着するパス(必ずしもLOSコンポーネントではない可能性がある)を解決することが、肝要である。
伝統的な方法は、しばしば次のように動作する。(1)受信された信号は、送信された擬似ランダムシーケンス(たとえば、受信器で既知のゴールド符号シーケンス)と相互相関され、(2)受信器は、結果の相互相関関数の最初のピークを突き止め、最初に到着したパスのタイミングがこのピークの位置によって示されるタイミングと同一であると推定する。最低のマルチパス分離が、使用可能な帯域幅の逆数よりはるかに大きい(しばしばそうではない)限り、これらの方法は有効に機能する。帯域幅は貴重な必需品であり、最小量の帯域幅でマルチパスを解決できる方法は、システムの効率を改善するために強く望まれる。
チャネル環境(マルチパスおよび信号強度を含む)に依存して、最も早期に到着するパスの推定値を入手する適切な方法が、使用される。最良の解決可能性のために、高分解能の方法が使用されるが、低SNRでの穏当な性能のために、相互相関ピークサンプルとピークの周囲の相関関数のいくつかの特性とを直接に使用する、より伝統的な方法が適用される。
次式によって与えられるレートfsでサンプリングされた量子化された受信信号y[n]を検討されたい。
ここで、y[n]は、有効チャネル
による送信された擬似ランダムシーケンスx[n]の畳み込みである受信信号であり、htx[n]は、送信フィルタであり、hrx[n]は、受信フィルタであり、h[n]は、マルチパスチャネルである。
ピーク位置を見つける1つの方法は、明白なピーク位置を囲む値を使用するピーク補間によるものである。補間は、ピークの両側で1つの値を使用する二次方程式とすることができ、ピークの付近の2つ以上のサンプルを使用する高次多項式を使用することができ、あるいは実際のパルス形状に関する最良のあてはめを使用することができる。二次補間の場合には、二次方程式は、ピーク値およびピークを直接に取り囲む値にあてはめられる。二次方程式のピークは、測距に使用されるピーク位置を決定する。この方法はかなり頑健であり、低いSNRでよく機能することができる。
代替実施形態は、基準位置としてピーク位置以外の値を使用してもよい。DLLが、相関関数上の基準位置としてピーク位置を実際に使用するが、この方法が、基準としてピークとは異なる点を使用することに留意されたい。この方法は、相関ピークの前方のエッジが立ち下がりエッジよりマルチパスによる影響が少ないという事実によって動機づけられる。たとえば、歪んでいない(チャネル効果のない)相関関数上のピークからのチップTcの75%の点を、基準点として使用することができる。この場合に、この75%の点と一致する補間されたz[n]関数の部分が、選択され、ピークは、この点からTcの25%離れた点として見つけられる。もう1つの代替のピーク相関関数ベースの方法は、ピーク形状(ピークの歪みの測定値、たとえば、ピーク幅など)を使用することができる。ピークロケーションから始めて、ピークの形状に基づいて、ピークロケーションに対する補正が、最初に到着するパスを推定するために判定される。
高分解能の方法は、マルチパスコンポーネントを突き止めるために固有空間分解を使用する効率的なマルチパス解決法のクラスである。MUSIC、ESPIRITなどの方法が、このクラスの解決方式に該当する。それらは、同一の所与の帯域幅について、伝統的な方法よりはるかに密接な間隔のマルチパスコンポーネントを効果的に解決することができるという点で非常に強力な方式である。高分解能最早到着時間法は、ピーク値からピーク位置を推測するのではなく、最も早いパスの到着時間を直接に推定することを試みる。下では、送信された信号の粗い獲得が受信器で既に使用可能であり、擬似ランダムシーケンスの開始が受信器でおおまかに知られていると仮定する。
図26は、一実施形態の下の、h[n]内の最も早く到着するパスの推定に関する流れ図である。最も早いパスを判定する方法は、次の動作を含むが、これらに限定されない。
1.受信サンプルy[n]を送信シーケンスx[n]と相互相関させて結果z[n]を得る。相互相関が、畳み込みに関して
と書かれる時に、この式を
として書き直すことができる。ここで、φxx[n]は、擬似ランダムシーケンスの自己相関関数である。
2.z[n]の最初のピークを突き止め、それをnpeakと表す。z[n]のピークの左のwL個のサンプルおよびピークの右のwR個のサンプルを抽出し、このベクトルをpVと表す。
pV=[z[npeak−wL+1]…z[npeak+wR]]
ベクトルpVは、相互相関結果z[n]の有用な部分を表す。理想的な場合に、チャネル歪みがなく、チャネルBWが制限されない時に、wL=wR=fsTcを選択することは、受信信号のタイミングを判定するのに十分である。制限されたBWの存在下で、擬似ランダム符号x[n]が+l/−lのシーケンスである場合について、wLおよびwRを選択する最適な方法は、それぞれ
のピークの左側および右側に存在する非0値(または、より一般的には、ピーク値の分数と定義された、あるしきい値より大きい値が選択される)としてそれらを選択することである。wLおよびwRの選択の際の1つの他の考慮事項は、雑音部分空間に関して十分な情報を入手するのに十分な、相関関係のない雑音サンプルを選択することである。さらに、常識離れしたマルチパスコンポーネントを解決するのを助けるために、特に左側で(すなわち、wLの選択を介する)すべての可能なマルチパスコンポーネントを含むように、整数のwLおよびwRが選択されなければならない。fsTcを超えるあまりに多くのサンプルを含めることは、pVベクトルに導入される雑音の量を増やし、したがって、削減されなければならない。シミュレーションおよび実験を介して、wLおよびwRの値の通常のセットは、それぞれ3fsTcおよび3fsTcである。
z[n](および次いでpV)が、チャネルh[n]、送信フィルタhtx[n]、受信フィルタhrx[n]、および擬似ランダムシーケンスφxx[n]の自己相関関数の影響を含むことに留意されたい。チャネル内の最も早く到着するパスを推定するために、他の影響を除去する必要がある。多くの場合に、送信パルス形状および受信パルス形状は、最良の雑音性能のために一致されるが、その制約は、このアルゴリズムが機能するためには要求されない。基準相関関数は、
と定義され、これは、最も早く到着するパスの推定にpVを使用することができる前に推定され除去される必要がある。
3.基準相関関数φref[n]が、次に推定される。基準相互相関を入手する1つの方法は、次の通りである。対応するピークベクトルpVRefを入手するために、理想的なチャネル(いわゆる「ケーブル接続されたリンク」)上でステップ1−2を実行する。ピークベクトルpVRefは、基準相関関数φref[n]の有用なサンプルを含む。図27は、一実施形態の下の、基準相関関数の推定に関する流れ図である。
「ケーブル接続されたリンク」方法は、送信器フロントエンド(電力増幅器および送信アンテナがバイパスされる)から「理想的な」チャネル(たとえば、ケーブル)を介して受信器フロントエンド(受信アンテナをバイパスする)へ変調された信号を送信することを含む。「理想的な」チャネルが、ある遅延および減衰を有することができるが、他の歪みを全く加えてはならず、高いSNRを有していなければならないことに留意されたい。最良の性能のために、「ケーブル接続された」基準は、擬似ランダムシーケンスが異なる自己相関関数およびしたがって異なる基準を有するので、擬似ランダムシーケンスごとに別々に生成される必要がある。自己相関サイドローブが、十分に減衰されない限りマルチパスについて誤って解釈され得るので、時間分解方法の最良の全体的な性能をもたらす、最良の自己相関関数(具体的には、自己相関サイドローブでのそれらの終了は、ピークと比較して、よく抑制されなければならない)に関してPRNを正しく選択することもクリティカルである。
送信フィルタ応答が制御されると仮定すると、ケーブル接続されたリンク上の応答の1つの校正が、生産中に受信器ごとに必要である。受信器フィルタ特性を制御することができる(たとえば、一束の受信器について)場合に、応答についてのケーブル接続されたリンク上の校正を、受信器のセットに関する1つの校正測定値へさらに縮小することができる。
基準相関関数φref[n]を決定する代替の方法は、個々のコンポーネントφxx[n]、htx[n]、およびhrx[n]を解析的に計算し、基準相関関数φref[n]に到達するためにそれらを畳み込むことである。この方法が、送信フィルタインパルス応答および受信フィルタインパルス応答を実際の実施態様で制御できる度合に依存することに留意されたい。
4.複数のゴールド符号にわたっておよびさらに複数のビットにわたってコヒーレントに平均化することによって、pVの推定値のSNRを改善する。複数のビットにわたる平均化を、個々のビットが送信されることの判断が行われた後に、コヒーレントに行うことができる。言い替えると、ビットにわたる積分の前に、判断フィードバックを使用する。改善されたSNRを、ステップ1での相互相関関数推定で平均化を実行することによって同等に得ることができることに留意されたい。
5.長さNfftのベクトルpVFreqおよびpVRef,Freqをそれぞれ入手するために、Nfft−(wL+wR)個のゼロのゼロパディングを伴うpVおよびpVRefの長さNfftの高速フーリエ変換(FFT)を計算する。Nfftの最適値は、合成チャネルと実際に測定されたチャネルとの両方を使用するシミュレーションを介してマルチパスの解決可能性をチェックすることによって入手される。Nfftの通常の値は、4096以上であると分かった。
pVFreq=FFT[pV ゼロパディング]
pVRef,Freq=FFT[pVRef ゼロパディング]
6.チャネルh[n]の周波数領域推定値(雑音によって破壊された)を入手するために、
を計算する。受信されたシーケンスy[n]が、Nos(すなわち、+/−1/Tcに帯域制限された送信パルス形状について、
)によってオーバーサンプリングされ、送信パルス成形フィルタおよび受信パルス成形フィルタが、BW=1/Tcで完全に帯域制限されている場合に、正確にはHfull[k]のDCのまわりの
個の正および負のサンプルは、実際のチャネルの推定値Hreal[k]に関して非0である(すなわち、使用可能である)。我々の研究から、我々は、DCの両側の
個のサンプルが解決アルゴリズムの最良の性能について選ばれなければならず、α>1が、送信器および受信器で使用される実際のパルス成形フィルタならびに自己相関関数φxx[n]に基づいて選択されると結論した。φref[n]の周波数遷移帯域を含むことが、雑音増強を引き起こし、αが、選択されたサンプルでこれらの周波数を排除するのに十分大きくなるように選択されることに留意されたい。しかし、あまりに大きなαを選択すると、信号情報の損失を引き起こす。小さい余分の帯域幅を有する二乗余弦フィルタ形状に基づく実際の帯域制限された関数に関するα=1.25という好ましい選択が、実施態様で使用された。
7.Hfull[k]のDC成分がインデックス0にある場合に、低減されたHベクトル、H[]は、
H=[Hfull[Nfft−N+1]…Hfull[Nfft]Hfull[0]Hfull[1]…Hfull[N]]
と定義される。
8.低減されたチャネル推定ベクトルH[k]から行列Pを構築する。
ここで、1<M<2Nは、パラメータであり、()’は、複素数の共役を表す。
低減されたチャネル推定ベクトルH[k]の推定された共分散行列Rを
R=P×P’
と定義する。
Mがあまりに小さく(1に近く)なるように選択される場合に、Rの固有値は、個数が非常に制限され、その結果、高分解能アルゴリズムは、信号と雑音との間で線引きすることができなくなる。Mがあまりに大きく(2Nに近く)なるように選択される場合に、共分散を得る際の平均化の量が不適切なので、共分散行列推定値Rは、信頼性が低く、得られた共分散行列Rは、階数落ちでもある。したがって、その許容可能な範囲のちょうど真中にあるMの値すなわちM=Nは、良い選択である。これも、経験的に確認された。
9.R=UDV’
として、R上で特異値分解(SVD)を行う。ここで、Uは、左の特異ベクトルの行列であり、Vは、右の特異ベクトルの行列であり、Dは、特異値の対角行列である。
10.sV=降順でソートされたDの対角要素
として、ソートされた特異値のベクトルsVを構築する。
11.次の重要なステップは、信号および雑音の部分空間を分離することである。言い替えると、特異値sV[ns+l]…sV[N]が雑音に対応するように、ベクトルsV内のインデックスnsを選択することである。雑音特異値のベクトルを、sVnoiseと定義する。
雑音部分空間に対応する特異値を分離し、雑音部分空間の基底ベクトルの表現を見つけることが可能な、多数の方法がある。
a)信号対雑音比(たとえば、チップ上のSNR)の関数T1=f(SNR)であるT1がしきい値である、
より小さいすべての特異値。
図28は、一実施形態の下の、雑音部分空間の推定に関する流れ図である。
b)
未満のすべての特異値。ここで、Lは、遅延拡散(たとえば、N/2)より大きい、選択することができるパラメータであり、T2は、経験的に決定される別のしきい値(通常の値を1000とすることができる)である。
図29は、代替実施形態の下の、雑音部分空間の推定に関する流れ図である。
c)もう1つの方法は、雑音部分空間および信号プラス雑音部分空間の異なる区分についてSNRを繰り返して推定し、SNRの別の推定値と比較することによって、雑音部分空間を判定することを含む。図30は、もう1つの代替実施形態の下の、雑音部分空間の推定に関する流れ図である。
1)次のようにSNRの推定値を計算する。
i.雑音がsV()ns,ns+1,…Mによって表されると仮定する。雑音共分散を
として計算する。
ii.信号パワーを
として計算する。
iii.SNRの推定値
2)SNRの代替の推定値は、他の方法を介して得られる(たとえば、チップ上のSNR)。SNRを直接に推定する1つの方法は、次の通りである:
i.受信されたデータサンプル(周波数誤差の除去ならびにTcの間隔があけられたサンプルおよび符号非相関に対する再サンプリングの後に)が、Xiによって与えられる場合(ここで、Xiは、補間されたピーク位置から開始してチップ間隔があけられる)。
Xi=S+Ni
ii.信号は
として推定される。
iii.雑音は
として推定される。
iv.SNRは
として推定される。
3)次の条件
を満足する雑音特異値をsV(ns,ns+1,…,M)として選択する。
d)別の方法は、c)1)を使用して雑音部分空間および信号部分空間の異なる区分についてSNRを繰り返して推定し、
になるように区分nstartを選択することによって、雑音部分空間を決定することを含む。
図31は、もう1つの代替実施形態の下の、雑音部分空間の推定に関する流れ図である。
e)図32は、もう1つの代替実施形態の下の、雑音部分空間の推定に関する流れ図である。
1)
を定義する。その後、第1のwLen個の特異値は、重要な信号プラス雑音部分空間または雑音部分空間の特異値を表す(特異値の残りは、相関された雑音および信号ならびに量子化効果を表す)。
2)次のようにSNRの推定値を計算する。
i.雑音がsV(i):i=ns,ns+1…wLen;l<ns≦wLenによって表されると仮定し、
として雑音分散を計算する。
ii.
として信号パワーを計算する。
iii.SNRの推定値
3)nstart=[最小のns:SNRest(ns)>(SNRest(wLen)−thresDB)]と定義する。winLenまでのnstartは、雑音特異値を表す。thresDBの通常の値は、10である。
12.VNを構築するために対応する雑音の右特異ベクトルを選択する、すなわち、雑音特異値に対応するV内のすべてのベクトルを選択し、雑音部分空間行列VNを構築する。
13.第1のパスの到着時間を推定する。
a)
と定義する。
b)τ(τ∈[τmax,−τmax])の値の範囲について、
を計算する。検索の分解能Δτは、要求されるだけ小さく選択することができる。一例として、τが0.05のステップで範囲[−5,5]内で検索されるようにするために、τmax=5およびΔτ=0.05である。
14.Ω(τ)のピークは、粗いピークnpeakに対する相対的なチャネルインパルスの位置を提供する。理論上、第1のピークはLOSパスに対応する。基地局からの送信内で符号化することができる伝搬環境に関する情報に基づいて、τmaxを制御することが可能である。たとえば、遅延拡散が大きい場合に、τmaxを、より大きくなるように(たとえば、10)選択することができ、遅延拡散がより小さい場合に、τmaxを、より小さい値(たとえば、4)として選択することができる。
組合せ方法
上述のスタンドアロンの方法とは別に、多数の他の組合せ方法が可能である。チップ上のSNRに基づいた方式の組合せは、有効な方法である。次では、実際に実現することができる組合せ方式のリストを説明する。
1.chipSNRRefより小さいchipSNRについて、雑音特異値を選択するために方法12(d)を選択する。そうでない場合には、方法12(a)を選択する。
2.chipSNRRefより大きいchipSNRについて、雑音特異値を選択し、ピーク位置を推定するために方法12(d)を選択する。そうでない場合には、相互相関関数z[n]から開始して、直接ピーク推定技術(ピーク補間、ピーク形状など)を使用する。
3.chipSNRRefより小さいchipSNRについて、雑音特異値を選択するために方法12(e)を選択する。そうでない場合には、方法12(a)を選択する。
chipSNRRefの一般的な値は、10dBである。
位置の計算
受信器ユニットのロケーションは、端末ユニットまたはサーバのいずれかで使用可能な測位エンジンによって決定される。受信器は、システムからの距離測定値を使用するか、他の機会の信号(signal of opportunity)からの任意の測定値とシステム距離測定値とを組み合わせることができる。測定値が既知のロケーションから導出されるならば、距離測定の十分なセットが、位置決定をもたらす。3D空間内の距離の式は、
によって与えられる。
送信器のロケーションは、(xi,yi,zi)によって与えられ、モバイルユニットの未知のロケーションは、あるローカル座標フレーム内で(X,Y,Z)によって与えられる。3つ以上の送信器が、定点を計算するのに使用される3つ以上の距離測定値を作る。受信器の時間がWAPSタイミングと同期されないので、測定値は、受信器時間バイアスの付加的な項目をも有する。
Ri=ri+cΔt
この式は、後に「擬似距離測定式」と呼ばれる。送信器がタイミング同期されるので、時間バイアスが共通であることに留意されたい。各送信器からの送信に埋め込まれるデータストリームから使用可能な送信タイミング補正のために、擬似距離を補正しなければならない。このデルタ時間バイアスは、新たな未知のパラメータを作成し、したがって、最低4つの測定値が解に使用される。気圧高度計測定は、解のために必要な情報を
Baro=(Zb−Z)
として提供する。
これらの非線形連立方程式を解く1つの方法は、任意の初期点で問題を線形化し、その後、最終的な解に反復してつながるように、この初期位置に対する補正を反復して見つけることである。
この方法は、X,Y,Z解について初期の推測を使用し、したがって、送信器の重心は、
として使用される。最終位置の解は、
(X,Y,Z,Δt)=(X0,Y0,Z0,Δt0=0)+(dX,dY,dZ,dΔt)
の形式であると仮定される。幾何学的な距離は、(X,Y,Z,Δt)=(X0,Y0,Z0,Δt0)に関するテイラー級数で展開することができる。
ここで、推定された距離は、
として計算され、偏導関数は、
∂R/∂x=∂r/∂x=(xi−X)/ri ∂R/∂Δt=c
∂R/∂y=∂r/∂y=(yi−Y)/ri
∂R/∂z=∂r/∂z=(zi−Z)/ri
によって与えられる。
この実施形態では、4つの未知数を有する4つの一次方程式が示される。追加の距離推定は、行列内により多くの行を作る。その結果は、式の組
である。観察行列の最後の行は、気圧高度計測定値を表す。3つの1の列は、すべての3つの距離について同一の時間バイアスを表す。これらの式は、Ax=bの形をしている。解は、x=A−1*bである。気圧計測定値がない場合に、もう1つの追加の測定が、上の行列の行1から3に類似する追加の行を追加することに留意されたい。この追加の測定は、受信器の高度の推定を可能にする。未知数の個数より多くの使用可能な測定値がある時には、解は、A+=(ATA)−1ATによって与えられるAの擬似逆行列に基づき、最小二乗解は、x=A+ −1bによって与えられることに留意されたい。測定の品質が等しくない時に、最小二乗の意味で式Ax=bを解く最適な形は、各式からの誤差についてSNRに比例した重みを使用することである。これは、A+=(ATWA)−1ATWである解x=A+ −1bにつながる。対角重み付け行列Wは、測定値の雑音分散に比例した重みによって形成される。これらの式の解は、
になるように、X、Y、Z、およびデルタ時間推定値に対するデルタ補正値を作る。
これによって、本方法の最初の反復が完了する。更新された位置および時間バイアス推定値が、初期の推測を置換し、アルゴリズムは、デルタパラメータがあるしきい値未満になるまで継続する。通常の停止点は、あるしきい値未満(たとえば、1メートル)のデルタ値のノルムに関するものである。
GPSでの連立一次方程式は、アルゴリズムが最終的なユーザロケーションに収束するように、最小二乗法およびユーザのロケーションに関する初期の推測を使用して解かれる。線形化は、衛星とユーザ位置との間の距離が地上のユーザ位置と推測される位置との間の距離より大きいという基本的な仮定に基づく。地上環境(小さい形状を有する)で方程式の同一の組が機能するために、初期の推測は、重心(上述の)、受信される信号が最強である送信器に近い点に基づくものとすることができ、あるいは反復のない式のシーケンスによって閉じた形の解を与える直接的な方法によって得ることができる。初期の推測が、重心、または受信信号が最強である送信器に近い点である時には、初期の推測は、最小二乗法を使用して改善される。初期の推測が反復のない式のシーケンスによる閉じた形の解を与える直接的な方法によって得られる時には、初期解自体が最終解であり、この解は、それらの測定値(信号強度および仰角などのパラメータから得られる)の期待される誤差を使用することによって、重み付けされた個々の測定値と共に、未知数より多数の測定値(したがって、式)が存在する時に限って、最小二乗法を使用して改善される。さらに、測定のシーケンスが時間内に処理されなければならない場合には、上のように得られた解を、最適解の「軌跡」を得るためにカルマンフィルタに供給することができる。
地上の場合の線形化問題を克服するもう1つの手法は、非線形最小化問題として(具体的には、重み付けされた非線形最小二乗問題として)式の組を定式化することを含む。具体的には、最小化されるべき非線形目的関数は、
と定義される。重みWiは、測定された距離RiのSNRに反比例するように選択される。受信器ロケーションの最良の推定値は、目的関数を最小化する(X,Y,Z,Δt)のセットとして得られる。気圧計または他の高度エイディングが使用可能な時には、目的関数は、
に変更される。
この方法に基づく位置解決は、特に小さい形状の地上システム構成の下で、より安定で頑健になる。この構成で、受信器座標の小さい変化は、観察行列を大きく変化させ、時々線形化された反復が収束しないことにつながる。目的関数の形状に影響する測定値の残留バイアスに起因して、極小値への収束または発散がよりしばしば生じ、その結果、極小値が存在することができるようになる。残留バイアスは、屋内/都市渓谷(urban canyon)環境で非常にありふれたものになり得る。上の非線形方程式は、小さい形状の線形化問題の克服に加えて、測定バイアスに対して位置アルゴリズムを頑健にする。
関数fの最小化を実行して最適なX,Y,Zを得る1つの手法は、関数の大域的最小点を見つけるために遺伝的アルゴリズム(差分進化など)を使用することである。そのようなアルゴリズムの使用は、マルチパスバイアスが距離測定値に存在する時に小さい形状の地上測位で生じる極小値を解決策が回避することを可能にする。
線形最小二乗法または非線形最小二乗法のどちらが擬似距離測定式を解くのに使用されるのかに関係なく、品質メトリックが位置推定値と一緒に提供されることが重要である。位置品質メトリックは、擬似距離測定式残差、測定の品質、ならびに推定される位置に対する相対的なタワーの形状の関数でなければならない。i番目のタワー測定の擬似距離測定残差は、
によって与えられる。平均の重み付けされたrms擬似距離残差は、
によって与えられる。HDOP、VDOP、PDOPは、H=(ATA)−1Arの対角要素から
と定義される。特定のSNRでの擬似距離RMS(二乗平均平方根)誤差は
によって与えられる。ここで、fは、一般に、その引数の非線形単調減少関数である。関数fを、信号BWおよび受信器BWの関数として特定の受信器構成について解析的に導出することができ、または、代替案では、SNRを距離誤差にマッピングするテーブルとしてシミュレーションから見つけることができる。
2D位置の品質メトリックは、
と定義される。同様に、高度および3D位置の品質メトリックは、
によって与えられる。量αは、所望の信頼度のレベルに基づいて選択される。たとえば、3の値は、95%の信頼度を得るのに使用され、1の値は、68%の信頼度に使用される。
WAPSシステムを使用する測位のもう1つの方法は、差分方式でのWAPS基準受信器の使用を含む。「差分広域測位システム」に示され、タイミング同期のコンテキストで議論されるように、WAPSタワーおよび基準受信器の緯度、経度、高度と一緒の、タイムスタンプされた基準受信器測定値を、特定のタイムスタンプでのWAPSタワー送信の間のタイミングデルタを判定するのに使用することができる。送信器の間のタイミングデルタが分かった後に、距離の式を、もう一度単一の共通時間バイアスを有するように約することができる。その後、WAPS受信器は、WAPSデータストリームの復調(たとえば、データストリームからタイミング補正を抽出するため)を回避することができる。WAPS受信器測定値を、サーバに送信することができ、次に、位置を、サーバで計算することができ、あるいは代替案では、基準受信器測定値を、WAPS受信器に中継することができ、位置を、そこで計算することができる。WAPSタワーの緯度、経度および高度が既に知られている/位置計算での使用に使用可能であると仮定する。WAPSデータストリームが保護される場合に、この差分システムは、タイミング補正の目的のために、保護されたデータストリームからデータを抽出する必要を回避することができる。
WAPSシステムから測位を得るためのもう1つの代替の方法は、RSSIフィンガープリンティング(finger−printing)技法を使用する。WAPSタワー送信電力/ロケーションおよびRSSIレベルのデータベースは、測位が要求される区域内のトレーニング測定値に基づいて所与の目標区域について構築される。RSSIデータベースを、解を改善するために到来角(AOA)情報によって増強することもできることに留意されたい。WAPS受信器RSSI測定値(およびおそらくはAOA測定値)は、その後、ロケーション推定値を得るためにこのデータベースをルックアップするのに使用される。WAPS RSSI測定値を使用する代替の方法は、伝搬モデル(または単純な外挿/補間技法)を使用して測定値を距離推定値に変換し、次に、位置を判定するために三辺測量を使用することである。これらのフィンガープリンティング技法でのRSSI測定値を、距離に変換することができる任意の他の測定値によって置換できることに留意されたい。
WAPSインフラストラクチャを使用して位置を計算する代替の方法は、WAPSタワーロケーションの以前の知識なしにWAPSシステムから測位を得るブラインド法を使用する。この方法で、WAPSタワーの近似ロケーションは、フィールド測定によって(たとえば、GNSSタグ付けされたロケーションにあるWAPSタワーの周囲の多数の角度からRSSIを測定することと、その後、WAPSタワーロケーションを推定するためにこれらのロケーションのRSSIに基づく加重平均を使用することとによって)判定される。その後、RSSIフィンガープリンティング方法のうちのいずれかを、位置を判定するのに使用することができる(たとえば、上の段落で説明されているように)。
WAPSインフラストラクチャを使用して位置を計算する代替の方法を使用して、位置をオフラインで計算することができる。位置計算は、オプションで近似位置およびWAPS時間タグと一緒に、WAPS受信器からのWAPS信号のサンプルセグメントを格納することを含む(たとえば、格納されたデータは、低IFでのIデータまたはベースバンドでのIQデータとすることができる)。信号を獲得できるのに十分なサンプルを格納することが十分であることに留意されたい。サンプルは、WAPSタワーへの距離を検索し、獲得し、計算するために後に処理される。この方法は、オフラインデータを使用して、サーバ上の中央データベースに格納され得るタワーロケーションおよびタイミング補正情報をルックアップすることができる。オフライン位置計算のこの方法は、デバイス上のメモリのみのコストでWAPS測位をサポートする能力を提供する。この方法の他の利益は、WAPS IQデータを格納するのに要する時間が非常に短いので、位置にすばやくタグ付けすることを必要とするが、正確な位置が瞬時に必要ではない応用例にとって便利なものになることである。この方法の1つの可能な応用は、写真のジオタギング(geo−tagging)に関するものとすることができる。
測位に対する別の手法は、上で示した符号位相測定値に加えて搬送波位相測定値を使用する。搬送波位相測定値を、
φi(t0)=ri(t0)+Niλ+Δt
と書くことができる。さまざまな技法を、搬送波位相測定値での整数曖昧性Niを解決するのに使用することができる。符号位相測定、複数の周波数での測定、および/または他の方法を、曖昧性を解決するのに使用することができる。その後、時間tkでの搬送波位相測定値は、正確な初期位置から開始する位置の正確な追跡を提供することができる。将来の時間での搬送波位相測定値を、
φi(tk)=ri(tk)+Niλ+Δt
と書くことができる。
搬送波位相測定がサイクルスリップを有していない限り、Niは変化せず(すなわち、信号は連続位相ロックを用いて追跡されなければならない)、新しいロケーションを、最小二乗法を使用して計算することができる。代替案では、これらの測定値を、新たな位置状態を更新するためにカルマンフィルタで使用することができる。位相ロックが失われる場合には、整数曖昧性の新たな値を計算する必要がある。
もう1つの手法は、上で説明した基準受信器に対する相対的な差分測位を使用する。差分測位を、符号測定値、搬送波測定値、またはこの両方の組合せのいずれかを使用して行うことができる。単一の差分可観測量は、
として、基準受信器rおよび受信器sからの同一のタワーの測定値を引くことによって、符号および搬送波位相について計算される。
送信器でのすべてのタイミング誤差が、これらの可観測量に現れず、したがって、システムが非同期または不完全に同期される時であっても、位置解決が可能になることに留意されたい。さらに、対流圏の遅延が短いベースライン(すなわち、基準受信器rと受信器sとの間の距離)についてローカルエリアで相関する可能性が高いので、測定値のすべての対流圏遅延誤差は、ほとんど相殺する。通信チャネルは、位置計算のために基準受信器rから受信器sに距離測定値および搬送波測定値を送信するのに使用される。あるいは、代替案では、受信器sおよび受信器rは、位置計算のためにサーバに距離および搬送波を通信する必要がある。
任意の位置解決法で、受信器の高さを、地形図上の配置または気圧感知を使用して判定することができる。地図上の配置を使用して、三辺測量中に、ユーザのロケーションを、地形データベースに基づいて地形上にあるように制約することができ、ユーザの高さが、判定される。ユーザの高さを、地形の上のある高さ以内になるように制約することもできる。たとえば、区域内で最も高い建物に基づいて、地形より上の最大の高度を制約することができる。この種の制約は、高さの解の品質を改善することができる(たとえば、バイアスされた距離測定値を使用する時に時々作られる曖昧な解を除去することによって)。
さらに、屋内の建物の地図が使用可能な場合に、情報を(可能なユーザロケーションでの関連する制約と一緒に)、位置解決を支援するのに使用することができる。たとえば、物理的制限を使用して、ユーザ動きモデルを制約し、これによって、追跡カルマン位置フィルタの品質を改善することができる。建物の地図のもう1つの使用は、タワーから屋内ロケーションまでの物理的環境に基づいて、特定のタワーの距離測定値の品質を判定/推定することである。距離品質のより良い推定値を、より良い位置推定値につながる位置計算に重み付けするのに使用することができる。
気圧センサを使用する時に、校正された気圧センサを、受信器端末が高度で上または下へ移動される時の圧力差を測定するのに使用することができる。これは、受信器の高さを判定するために、異なる高度での圧力の校正された値または平均値と比較される。
位置解を計算する際に、二次元の位置に関して要求される最低限の3つの測定値よりも多い追加の測定値が使用可能である時に、測定値の一貫性のチェックに基づく受信器の整合性の監視は、「異常値」測定値を除外するのに使用される。「異常値」測定値は、送信器でのタイミング同期の喪失またはマルチパスなどのチャネル効果に起因するものである可能性がある。
標高を判定するための高度計ベースの手法
一実施形態のWAPSシステムは、ユーザ標高の判定を支援する高度計(圧力センサ)を含む。圧力センサから使用可能な唯一の情報は、測定の時刻および場所での大気圧である。これをセンサの標高の推定値に変換するために、複数の追加の情報が必要である。空気の柱の重さに基づく、圧力を標高に関係付ける標準的な式は、次の通りである。
ここで、z1およびz2は、2つの標高であり、P1およびP2は、これらの標高での圧力であり、Tは、気温である(K単位)。R=287.052m2/Ks2は、気体定数であり、g=9.80665m/s2は、重力に起因する加速度である。この式が、圧力の差に関して標高の差を判定する相対情報を提供することに留意されたい。この式は、一般に、z2=0と共に使用され、その結果、P2は、海面気圧である。海面空気圧は、気象条件およびロケーションに伴って大きく変化するので、海面気圧は、標高が判定される現場での温度および圧力に加えて必要である。T=15CおよびP=101325Paの標準大気条件を適用する時に、標高の1mの増加が、圧力の12.01Paの減少に対応することが分かる。
したがって、1mの分解能で標高を判定するために、海面気圧が、36Paより大幅に微細な正確さで既知でなければならない。Tが、ケルビン単位で測定されるので、温度の3℃(またはK)の誤差が、標高の約1%の誤差に対応することに留意する価値もある。これは、海面より大きく高い標高を判定する時、および高い建物内のより上の階を解決することを試みる時に、大きくなる可能性がある。したがって、1mの分解能で標高を判定するために、高い正確さおよび分解能を有する圧力センサが必要である。モバイルデバイス内におさめるために、これらのセンサは、低コスト、低電力、小サイズでなければならない。市販気象グレードセンサが、このレベルの正確さまたは分解能を提供せず、標高を判定するために必要なレートで更新されないことに留意されたい。
1mの正確さで標高を判定するための鍵は、十分にローカルで、十分に正確な基準圧力情報を提供するシステムを有することである。このシステムは、変化する気象条件を取り込むために、温度において未知のロケーションに近く、距離および時間において近い測定値を提供できなければならず、最終的に、十分に正確でなければならない。したがって、一実施形態の標高判定システムは、十分な正確さで未知のロケーションの圧力および温度を判定するモバイルセンサと、十分な正確さで、未知のロケーションに十分に近い既知のロケーションの圧力および温度を判定する基準センサのアレイと、すべての基準センサデータ、基準センサロケーション、および他の補強する情報を入力し、WAPSネットワーク内の当該のロケーションでの正確な基準圧力推定値を生成する補間ベースの推定アルゴリズムと、基準情報を十分にタイムリーな形で提供するための基準センサとモバイルセンサとの間の通信リンクとを含むが、これに限定されない。これらの要素のそれぞれを、下で詳細に説明する。
図33は、一実施形態の下の、基準標高圧力システムのブロック図である。一般に、基準標高処理システムまたは基準システムは、基準センサユニットの少なくとも1つのセットを含む基準センサアレイを含む。基準センサユニットの各セットは、既知ロケーションで位置決めされた少なくとも1つの基準センサユニットを含む。このシステムは、リモート受信器の位置で大気データを収集する大気センサを含むかこれに結合されたリモート受信器をも含む。プロセッサ上で走行する測位アプリケーションは、リモート受信器に結合されるか、そのコンポーネントである。測位アプリケーションは、大気データおよび基準センサアレイの基準センサユニット(1つまたは複数)からの基準データを使用して、リモート受信器の位置での基準圧力推定値を生成する。測位アプリケーションは、基準圧力推定値を使用して、リモート受信器の標高を計算する。
より具体的には、基準標高圧力システムは、未知のロケーションでの圧力および温度を十分な正確さで判定するモバイルセンサを含み、モバイルセンサは、リモート受信器のコンポーネントであるか、これに結合される。このシステムは、リモート受信器のロケーションに適当な既知のロケーションでの圧力および温度を正確に判定する少なくとも1つの基準センサユニットを含む基準センサアレイを含む。基準センサユニットは、基準情報を提供するためにリモート受信器および/または中間デバイス(たとえば、センサ、リピータなど)(図示せず)と通信する。このシステムは、一実施形態では、すべての基準センサデータ、基準センサロケーション、および他の増強する情報を入力し、当該のロケーションでの相対的に正確な基準圧力推定値を生成する、補間ベースの推定アルゴリズムである、測位アプリケーションを含む。測位アプリケーションを、リモート受信器のコンポーネントにすることができ、リモートサーバまたは他の処理デバイス上でホスティングすることができ、あるいは、リモート受信器とリモート処理デバイスとの間で分散させることができる。
図34は、一実施形態の下の、基準標高圧力システムを一体化するWAPSのブロック図である。本明細書で説明するように、WAPSは、同期されたビーコンのネットワーク、ビーコンおよび/または全地球測位システム(GPS)衛星を獲得し、追跡する(および、オプションで、ロケーション計算エンジンを有する)受信器ユニット、ならびに、タワーのインデックス、請求インターフェース、およびプロプライエタリ暗号化アルゴリズム(および、オプションで、ロケーション計算エンジン)を含むサーバを含む。このシステムは、免許交付された/免許不要の動作の帯域で動作し、ロケーションおよびナビゲーションの目的でプロプライエタリ波形を送信する。WAPSシステムを、より正確なロケーション解を提供するために、他の測位システムまたはセンサシステムに関連して使用することができる。基準圧力推定値を使用して計算されたリモート受信器の標高を、高度推定値として明示的にまたは任意の位置ロケーションシステム内の位置計算を助けるために暗黙のうちにのいずれかで使用することができることに留意されたい。
1つの例のシステムは、基準標高圧力システムをWAPSと一体化する。一般に、一体化されたシステムは、少なくとも測距信号および測位システム情報を含む測位信号をブロードキャストする送信器を含む地上送信器ネットワークを含む。測距信号は、測距信号をブロードキャストする送信器までの距離を測定するのに使用される情報を含む。このシステムは、既知のロケーションに位置決めされた少なくとも1つの基準センサユニットを含む基準センサアレイを含む。リモート受信器は、リモート受信器の位置での大気データを収集する大気センサを含み、またはこれに結合される。プロセッサ上で走行する測位アプリケーションが、リモート受信器に結合され、またはそのコンポーネントである。測位アプリケーションは、大気データおよび基準センサアレイの基準センサユニットのセットからの基準データを使用してリモート受信器の位置での基準圧力推定値を生成する。測位アプリケーションは、基準圧力推定値と、測位信号および衛星ベースの測位システムの信号である衛星信号のうちの少なくとも1つから導出された情報とを使用して、標高を含むリモート受信器の位置を計算する。
より具体的には、この一体化されたシステムは、未知のロケーションでの圧力および温度を十分な正確さで判定するモバイルセンサを含む。モバイルセンサは、リモート受信器のコンポーネントであるかこれに結合されるが、これに限定されない。このシステムは、リモート受信器のロケーションに適当な既知のロケーションでの圧力および温度を正確に判定する少なくとも1つの基準センサユニットを含む基準センサアレイを含む。基準センサユニットは、基準情報を提供するためにリモート受信器および/または中間デバイス(たとえば、センサ、リピータなど)(図示せず)と通信する。基準センサユニットを、1つまたは複数のWAPS送信器と同一位置に配置することができ、かつ/または他の既知のロケーションに別々に配置することができる。このシステムは、一実施形態では、すべての基準センサデータ、基準センサロケーション、および他の増強する情報を入力し、当該のロケーションでの基準圧力推定値を生成する、補間ベースの推定アルゴリズムである、測位アプリケーションを含む。測位アプリケーションを、リモート受信器のコンポーネントにすることができ、WAPSサーバまたは他の処理デバイス上でホスティングすることができ、あるいは、リモート受信器とWAPSサーバとの間で分散させることができる。
上で注記したように、モバイルセンサは、36Paより大幅に微細な分解能および正確さで圧力を判定できなければならない。多くの圧力センサは、非理想的なセンサ性能の補償を提供するために、組込み温度センサを有するが、自己加熱効果に起因して、これらのセンサは、外部の気温の十分に正確な測定値を提供しない可能性がある。正確なセンサが市販されていない場合であっても、適当な分解能を有するセンサが使用可能である場合には、それらを、フロアレベルでの高度推定のために使用することができる。一実施形態のモバイルセンサは、約36パスカル未満の分解能で基準圧力データを判定し、摂氏約3度と等しいまたはそれ未満のうちの少なくとも1つの分解能で温度データを判定する。
これらのセンサは、2〜3個のサンプルの平均化などの穏当なフィルタリング技法によって補正できる固有の短期安定性問題および長期安定性問題を有する。各センサは、たとえばルックアップテーブルによって校正されまたは補償される必要がある、温度に伴って変化し得るオフセットを有する場合もある。
十分な校正を用いると、これらのセンサは、必要な正確さを提供しなければならない。いくつかのセンサは、高速の動きに敏感である場合もある。いくつかのヒューリスティックルールを使用して、高い速度または加速度が認められる時の圧力情報の使用を制限することができる。しかし、高い速度は、屋内環境ではめったに経験されない。高速で移動する時には、GPS測位および地図データが、通常、十分な垂直位置情報を提供する。
センサが、外部の空気に露出されるが、風、通風、または他の空気移動には露出されない形で取り付けられなければならないことにも留意されたい。通常の消費者製品の内部への取付けまたは位置決めは、許容できる結果をもたらさなければならない。バッテリコンパートメントおよびコネクタは、直接の空気の移動をすべて防ぎながら、外部の空気がセンサに達するための間接経路を提供する。しかし、防水デバイスは、センサに外部へのアクセスを与えるために特殊な準備を必要とするはずである。
基準センサは、専用の場所で、はるかに小さい体積で展開され、したがって、相対的に良い正確さを、基準システム内で得ることができ、大量の全体的な誤差バジェット(error budget)をモバイルセンサに割り当てることが可能になる。天候高度計および航空機高度計などの絶対圧力センサの既存市場は、一実施形態の応用例と同一の高い正確さ要件を有しない。基準応用例では、一実施形態は、冗長性と測定値の平均化による改善された正確さとの両方のために、複数のセンサを使用する。さらに、センサを、センサが露出される温度範囲を制限し、この制限された温度範囲についてセンサを最適に校正するために、パッケージ化することができる。
基準システムは、2〜3秒から2〜3分程度の時間スケールで正確さを改善するために、個々の測定値を平均化しまたは他の形でフィルタリングしなければならない。基準センサの高さは、「cm」レベルの正確さで測定されなければならず、屋外の気温は、継続的に測定され、ログに記録されなければならず、センサは、気圧を測定するために外気に露出されなければならないが、風、通風、または他の大きい空気移動にさらされてはならず(バッフルまたは他のパッケージングを使用して、センサへの間接経路に沿って空気を向けることができる)、センサは、防水エンクロージャが外気圧の測定を妨げる可能性があるので、防水エンクロージャ内に密閉されてはならない。一実施形態の基準センサは、約36パスカル未満の分解能で基準圧力データを判定し、摂氏約3度と等しいまたはそれ未満のうちの少なくとも1つの分解能で温度データを判定する。
一実施形態は、補間ベースの基準圧力推定を可能にする。各WAPS送信器タワーでの圧力測定値および温度測定値ならびにタワーロケーションおよび他の補強する情報を与えられて、一実施形態は、ユーザ高さ推定の基準値として、モバイルユーザロケーションでの海面大気圧を予測する。したがって、大気圧面勾配モデルが、生成され、各タワーサイトでの圧力測定値は、このモデルのローカル変更に関するサンプルデータとして働く。したがって、この推定アルゴリズムは、ビーコンタワーで取り込まれた直接測定値に匹敵する、ユーザロケーションでの基準圧力正確さを校正する。
この補間の定式化の説明を、下で説明する。WAPSネットワークの1つ内で、n個の送信器タワーでの基準気圧圧力センサを与えられて、同等の海面大気圧が、基準センサ出力に基づいて推定される。これは、2ステップで行われるが、それに限定されない。
第1ステップでは、送信器タワーiでの海面の上の基準センサ高さhi(メートル単位)ならびに基準センサからの圧力読みpi(パスカル単位)および温度読みTi(ケルビン単位)を与えられて、等価海面大気圧Pi(パスカル単位)が、下の式を使用して、緯度xiおよび経度y(度単位)iを有するロケーションで計算される。
ここで、gは、重力加速度定数であり、Rは、空気の比気体定数である。第2ステップとして、WAPSネットワークのn個すべての送信器ロケーションでの等価海面大気圧を計算し、WAPSを用いるユーザの緯度情報x0および経度情報y0を入手した後に、等価値海面気圧が、下の式を用いてユーザロケーションP0で推定される。
ここで、Wi=Wi(x0,y0,xi,yi)は、ユーザロケーションと基準サイトiロケーションとの両方に依存する重み付け関数である。
一実施形態の通信リンクは、モバイルセンサによって使用される情報を提供する。一実施形態は、2〜3秒から2〜3分おきに1回、圧力更新をブロードキャストするが、これに限定されない。
基準システムが、基準情報を低い頻度でブロードキャストする場合に、モバイルユニットは、最後の情報を受信し、次のブロードキャストの前に必要な場合に格納するために、ブロードキャストを継続的に監視する、新しい標高を計算する前に次のブロードキャストを待つ、必要な時に最新の情報について基準システムを「プルし」または照会する、のうちの少なくとも1つを実行する。基準システムが情報をブロードキャストするのではない、一実施形態のプル手法は、システム帯域幅を最小にする。しかし、プルは、基準システムとモバイルとの間の両方向通信を使用し、複数の基準サイトが、任意のモバイル計算に使用されるので、モバイルが、そのモバイルがどの基準サイトに照会しなければならないのかを判定することを必要とする。待ち時間を短く保ちながらモバイルによる監視を最小にするための良い妥協は、基準システムに、測定を更新するのに要する時間より頻繁にデータをブロードキャストさせることである。
一実施形態は、情報内容に関する2つの可能な手法を含む。第1の手法は、モバイルに、計算のすべてを実行させ、この場合に、基準によって送信される情報は、1メートルの正確さを伴う基準ロケーション(緯度および経度)、0.1〜0.2mの正確さを伴う基準センサの高さ、基準サイトでの測定された気温(あるフィルタリングの後の)、1Paの正確さを伴う基準サイトでの測定された気圧(フィルタリング、センサ温度補償、およびオフセットなどの任意の他のローカル校正の後の)、および信頼度の尺度を含むが、これに限定されない。
代替案では、基準サイトは、その温度測定値および圧力測定値を使用して、等価海面気圧を計算することができる。この手法が使用される場合に、ブロードキャストされる情報のリストは、1メートルの正確さを伴う基準ロケーション(緯度および経度)、0.1〜0.2mの正確さを伴う基準センサの高さ、基準サイトでの計算された等価海面気圧(1Paの正確さを伴う)、および信頼度の尺度を含むが、これに限定されない。
一実施形態は、送信されるデータのビットをも減らすが、ある既知の定数に対する相対的なデータのそれぞれをブロードキャストする。たとえば、基準サイトが、モバイルサイトに相対的に近く、したがって、整数部分を仮定して、緯度および経度の分数の度のみを送信することができる。同様に、気圧は、通常は105パスカル程度であるが、標準大気から2〜3千Paだけ変化するのみである。したがって、一実施形態は、絶対圧力をブロードキャストすること対して帯域幅を減らすために、標準大気圧からのオフセットをブロードキャストする。
GPSまたは類似するシステムから入手される緯度および経度は、都市応用例では特に有用ではない。その代わりに、緯度および経度を所在地住所にマッピングするために、データベースが必要である。標高は、垂直次元内で類似する制限を有する。有用なパラメータは、ある人が何階にいるかである。これは、大地レベル標高および建物の各階の高さのデータベースへのアクセスがある場合に、標高情報から正確に判定することができる。約3階までの低い建物について、マッピングまたは類似するデータベースから大地レベル標高を知り、フロア高さを推定することで十分である場合がある。より高い建物について、フロア高さに関するより正確な情報が必要になる。
これは、スマート学習アルゴリズムを実施する機会を提示する。たとえば、セル電話機が、フロアから1mと2mとの間で持ち運ばれると仮定することができる。したがって、一実施形態のシステムは、建物内の多数のセル電話機の標高を累算することができ、このデータは、各フロアから約1.5mに密集すると期待される。十分なデータがあれば、建物内の各フロアの高さに関する信頼度を展開することが可能である。したがって、データベースを、経時的に学習させ、洗練することができる。そのようなアルゴリズムは、ランプまたはフロアの間の中二階を有する建物でより複雑になるが、それでも、建物の大多数に関して有用なデータを生成することができる。
センサオフセットおよび潜在的に他のパラメータを、製造時に校正することができる。これは、基準情報を提供する既知の良いセンサと共に、ある範囲の温度および圧力を通ってセンサをサイクルさせることによって可能でなければならない。これらの校正パラメータは、加齢に伴ってゆっくりとドリフトする可能性が高い。したがって、一実施形態は、経時的に校正を徐々に更新するのにアルゴリズムを使用する(たとえば、アルゴリズムは、センサが既知の高さで静止している時を認識し、これらの条件の下で校正テーブルを更新する)。
人のロケーションを判定する一般的な応用例に加えて、一実施形態は、絶対標高情報を必要としないが、より正確な相対標高情報を使用する特殊化された応用例を含むことができる。たとえば、建物内で倒れた消防士を見つけることは、救援隊に対する相対的な倒れた人の位置が正確に知られることを必要とするが、絶対位置はさほど重要ではない。相対測位における追加の精度は、応用の始めに余分な手作業のステップを有することによって可能になるはずである。たとえば、すべての消防士が、建物に入る前に、建物の入口などの既知のロケーションでそこの追尾装置を初期化することができる。その点に対する相対的な彼らの位置、したがってお互いに対する相対的な彼らの位置を、絶対標高が正確ではなく、気象関連圧力変化を完全には補償できない場合であっても、ある時間期間にわたって非常に正確に判定することができる。同様に、絶対測定から入手可能なものより高い精度を要求するショッピング関連応用例を、モールの既知の点でユーザにボタンを押させることによって実施することができる。その点に対する相対的な彼らの位置を、ある時間期間にわたって非常に正確に判定することができる。
代替案では、モバイルビーコンをローカル基準として利用して、特定のロケーションでより高い正確さを提供することができる。たとえば、ショッピングモールは、それ自体の基準センサを有して、モール内でより高い正確さを提供することができる。同様に、消防自動車は、基準センサを備えて、火災現場でローカル基準情報を提供することができる。
低コスト圧力センサは、正しい読みからのオフセットを有するという点で問題を有する。実験は、このオフセットが、数週間から数ヶ月の時間スケールで非常に安定していることを示した。しかし、このオフセットは、数ヶ月から数年の期間にわたって時間に伴ってゆっくりとドリフトする可能性が高い。製造時に、このオフセットを測定し、これを補償することは単純であるが、その補償が、製品の寿命にわたって正確なままである可能性は低い。したがって、現場で再校正する手段が必要である。
一実施形態のセンサを、それが既知の標高にあり、大気圧が既知である場合に再校正することができる。この実施形態は、センサが既知の標高にある実用的状況を識別する。たとえば、センサが、GPS能力を有するデバイス内にあり、GPS衛星が強い信号強度を伴って受信されつつある場合には、GPSによって導出された高度は、非常に正確でなければならない。良い信号条件の下で経時的にGPS高度からの逸脱を累算することは、センサ校正に必要な補正の推定値を提供することができる。
同様に、センサシステムは、ユーザの習慣を学習し、この情報を使用して、後に校正を訂正することができる。たとえば、ユーザが、一貫して、夜間に彼女の電話機を同じ場所に置く場合に、センサは、おそらくは深夜などの特定の時に、このロケーションでの高度を追跡し始めることができる。当初に、これらの値は、累算され、そのロケーションでの真の高度として格納される。数ヶ月後に、センサが、夜の同一の時間に同一のロケーションにあると判定する時に、センサは、以前に判定された真の高度からの逸脱を追跡し始めることができる。これらの逸脱を累算して、校正に対する補正をゆっくりと生成することができる。これらの手法は、現在の大気圧の知識をも使用するので、WAPSネットワークによって提供される基準圧力測定値を使用する。
圧力読みから高度を判定する標準プロセスは、基準ロケーションでの測定値を等価海面気圧に変換することと、その後、これを使用して未知の圧力センサの高度を判定することとを含む。標準的な式は、
である。高さが、通常は地球の表面から離れる方を正として測定されるので、マイナス記号が追加されていることに留意されたい。さらに、対数は、これが自然対数なので、「ln」に訂正されている。この式は、海面の上の高さzを、その点の大気温度(T)および圧力(P)ならびにその点の下の海面空気圧(P0)に関係付ける。
この式の適用に伴う1つの追加の問題は、高さが、正確に知られてはいない測定された量である温度に正比例することである。これは、温度の1%の誤差が、高さの1%の誤差をもたらすことを意味する。海面付近で使用される時に、これは、大きい問題にはならない。しかし、この式が、高い建物内で、特にデンバーなどのより高い標高区域内で適用される時には、高さの1%の誤差は、フロアレベル標高を解決することを試みる時に、大きくなる可能性がある。たとえば、デンバーの標高は、約1608mである。したがって、温度の1%の誤差は、16mの海面上の高さの誤差をもたらす。これは、ほぼ5フロアである。
温度の正確さに対するこの感度を回避する1つの形は、上の式が実際には相対的な式であることを認識することである。すなわち、この式を、
に一般化することができ、ここで、z1およびz2は、任意の2つの標高であり、P1およびP2は、これらの標高での圧力である。z2に0がセットされ、したがってP2が海面気圧になったのは、単に慣習の問題である。
基準点として海面を使用するのではなく、任意の便利な標高を使用することができる。たとえば、都市の平均標高は、穏当であり、あるいは、圧力データの収集に使用される基準センサの平均標高が、役に立つ。高さの差を小さく保つ基準標高が使用される限り、温度誤差の影響は、大きくはない。唯一の要件は、システム内で用いられるすべてのデバイスが、どの基準標高が使用されつつあるのかを知ることである。
地球上のある点の標高(z)、その点での大気圧(T)および圧力(P)、ならびにその点の下の海面空気圧(P0)を、
として関係付ける標準的な式がある。この式では、海面と当該の点との間に一定の温度の空気の柱があると仮定する。したがって、使用される海面気圧は、当該の点が真の海面の近くにない可能性があるので、仮想の構成物であり、必ずしも海面での実際の圧力ではない。
物体の標高を判定する標準的なプロセスは、2ステッププロセスである。まず、海面気圧が、既知の標高の点での温度および圧力を測定することと、その後にP0について解くためにこの式を逆数にすることとによって判定される。次に、未知の標高の点での温度および圧力が、測定され、この式が、未知の標高を判定するために適用される。
このプロセスに暗黙のうちに含まれるのは、基準に関して離着陸場での測定値を使用する、離着陸場に接近する航空機について典型的であるように、当該の唯一のパラメータが、同一の水平ロケーションの上の他の物体の高さであるという仮定である。通常、他の目的のための高さ判定に関心を持つ人は、一般に基準ロケーションの付近にあるがその真上ではない高さの判定にこの概念を拡張してきた。この拡張は、海面気圧が、付近の当該のロケーションと基準ロケーションとの間で変化しないと仮定する。
したがって、このプロセスには、3つの仮定がある。第1の仮定は、温度が、基準ロケーションからその下の仮想海面点まで一定であることである。第2の仮定は、温度が、当該の点からその下の仮想海面点まで一定であることである。第3の仮定は、海面気圧が、基準ロケーションと当該の点とで同一であることである。しかし、海面気圧は、温度に依存するので、海面気圧が2つのロケーションで同一であると仮定することは、温度がこれらのロケーションで同一であることを暗示する。したがって、基準ロケーションと当該の点とで異なる温度が測定される場合には、これらの仮定のうちの1つに違反している。測定は、2〜3キロメートルの距離にわたってさえ、標高判定にとって大きいものになり得る温度差および圧力差があることを示した。
所与のロケーションでの標高変化にまたがる一定温度の仮定は、大気の平衡モデルの一部であり、おそらくは必要である。唯一の代替案は、風、地表加熱、対流、および乱気流の影響を含む、大気の完全な動的モデルであるはずである。大気データは、少なくとも長距離のスケールで、一定温度モデルが、1km未満の標高での非常に良い近似であることを暗示する。より高い標高では、線形の減率が、しばしば適用される。
一実施形態は、基準ロケーションと当該の点との間の一定海面気圧の仮定を緩和する。一実施形態の第1の手法は、上のように判定された基準ロケーションの海面気圧を採用するが、理想気体の法則をさらに適用して、これを標準温度での海面気圧に変換する。その後、標準温度でのこの海面気圧が、当該の点で同一であると仮定する。新しいロケーションでの温度は、これをそのロケーションの海面気圧に変換するのに使用され、その後、上の式を適用して、標高を判定する。
一実施形態の第2の手法は、基準ロケーションのネットワークを使用して、リアルタイムで水平ロケーションを有する等価海面気圧の変動を判定する。その後、この複数の測定値を組み合わせて、当該の点での海面気圧の最良の推定値を判定する。最良の推定値を判定する少なくとも2つの可能な形がある、すなわち、重み付けが特定の基準点から当該の点までの水平距離の関数である加重平均手法と、基準ロケーションでの計算された海面気圧に最もよくあてはまり、当該の点での海面気圧の推定値を補完するのに使用できる二次表面を作成するための最小二乗適合とである。
上で説明した2つの手法を組み合わせることもできる。すなわち、各基準ロケーションで、標準温度での海面気圧が判定され、これらのデータが、上の技法のうちの1つを使用して組み合わされて、当該の点での標準温度での海面気圧の最良の推定値を生成する。
さらに、高度計を使用する時に、一実施形態は、ロケーションおよび高度計データに対して継続的に作用するハードウェアフィルタまたはソフトウェアフィルタへのアプリケーションレベルデータを使用することによって、エアコンディショナの状態の変化(たとえば、電源をオンにされるなど)または自動車の窓が開かれるなど、圧力の突然の動きを認識する。
さらに、風力計を、ビーコンで使用して、風の流れの方向を判定することができ、この方向は、大気圧勾配のインジケータであると考えられる。風力計をコンパスと一緒に使用して、風の流れの正確な方向およびレベルを判定することができ、この方向およびレベルを使用して、ユーザのセンサの変動を補正し、かつ/またはフィルタによって除去することができる。
所与の建物のフロアごとの高さを、ユーザが階段を介してその建物を歩き、各フロア、ランプなどに関する情報を収集することを含むがこれに限定されないさまざまな方法によって判定することができる。さらに、電子ダイアグラム(electronic diagram)を使用して、各フロアの相対的な高さを判定することができる。
高さが、WAPSまたは高度計のいずれかに基づいて推定される時に、地形、建物の高さ、周囲の建物の高さ、その他などの情報を使用して、高さ解を制約することができる。
長い時間期間(数日、数ヶ月、年)にわたって基準センサから収集されたヒストリカル基準圧力データと一緒に、平均圧力が所与のロケーションで既知になった後に、その平均圧力を使用して、そのロケーションでの圧力に基づいて高さを予測可能に判定することができる(校正またはユーザ入力なしで)。
一実施形態では、ユーザの高さを、ユーザのセンサからのデータを使用することと、これを基準センサからのデータと組み合わせることとによって、リモートサーバ上で計算することができる。この方法では、建物情報、クラウドソーシングされる情報、その他などの他の情報をも、ユーザの正確な高度を判定するのに使用することができる。
ユーザが、その高さが既知の別のユーザに非常に近接している場合には、この情報を使用して、未知のユーザの高さを判定することができる。
ネットワークの一実施形態では、基準センサは、必ずしもWAPSビーコンと同一位置に配置される必要がない。サーバへのデータ接続を有する独立センサのより微細なグリッドまたはより粗いグリッドを、基準圧力測定に使用することができる。集中化サーバは、モバイルに基準圧力情報を送信するか、WAPSデータストリームの一部としてモバイルに送信される必要があるデータについて送信器に指示するかのいずれかを行うことができる。
もう1つの実施形態では、WAPSシステムは、建物などのより小さい区域内の圧力、温度などの追加のセンサ情報を提供する、追加の単純化されたビーコン(補足ビーコン)を使用する。この送信を、主WAPSタイミングビーコンに対して同期または非同期とすることができる。さらに、補足ビーコンは、センサデータがそこからモバイルユニットに広められる集中化サーバにセンサデータをアップロードするか、WAPSモバイル受信器によって復調できるPRN符号の事前定義のセット上でそのデータを送信するかのいずれかを行うことができる。
基準圧力ネットワークを、所与のローカルエリアに関する正確さ要件およびヒストリック圧力変動データに基づいて最適化することができる。たとえば、非常に正確な測定が必要である場合に、基準センサを、その建物またはモール内に展開することができる。
WAPSビーコンネットワークは、基準圧力データと一緒に、測地学などの他の応用例によって利用できる、非常に短い時間間隔を有する正確な圧力測定値および温度測定値の閉じたネットワークを形成する。
他のセンサからのデータと組み合わされた圧力の変化の速度を、ユーザがエレベータを介して進んだかどうかを判定するのに使用できる垂直速度を判定するのに使用することができる。これは、緊急状況および/または追跡応用で非常に有用になり得る。
フロア高さを推定するのに必要なものより低い分解能を有するセンサの場合に、静的な条件の下で、経時的な圧力測定値の平均化を使用して、基準データに基づいてユーザ高さを入手することができる。
ハイブリッド測位および他のシステムとの情報交換
実施形態のシステムを、測位を提供するために、任意の「機会の信号」と組み合わせることができる。機会の信号の例は、GPS受信器、Galileo、Glonass、アナログTV信号またはディジタルTV信号、MediaFLO、Wi−Fiなどのシステムからの信号、FM信号、WiMax、セルラ(UMTS、LTE、CDMA、GSMなど)、bluetooth、ならびに、LORAN受信器およびe−LORAN受信器のうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない。
信号タイプにかかわらず、機会の信号は、距離測定または信号強度などの距離測定のための代用物を提供する。距離に関するこの代用物は、ロケーションの推定値を得るために適切に重み付けされ、組み合わせられる。重み付けは、受信された信号の信号対雑音比(SNR)を使用することができ、あるいは、代替案では、受信器の環境を定義するメトリック(たとえば、アシスタンスデータからの、都市、郊外、地方の環境の知識、アプリケーションからの入力に基づく、受信器が屋内または屋外のどちらにあるのか)を使用することができる。これは、通常、実施形態のシステムが利用不能であるか、信号カバレージが制限された環境で行われる。特定の測定のための重みにSNRを使用する時に、重みは、位置を得るためにWAPS測定値ならびに他のシステム測定値の最適な組合せを可能にするために、単にSNRの逆関数(またはより低いSNRを有する信号により低い重みを提供する任意の他の関数)とすることができる。最終的な測位解は、追加の信号ソースから距離測定値をとることと、WAPS距離測定値と組み合わせることと、緯度、経度および高度について位置解を導出することとによって、または、追加のソース/デバイスからの位置測定値およびWAPSシステムからの位置測定値をとることと、異なるシステムからの位置品質メトリックに基づくこれらのロケーション測定値の組合せを使用して最適化されたロケーション解を提供することとによって、のいずれかで計算することができる。WAPS測定値/WAPS位置推定値を使用してハイブリッド解を得るさまざまな構成を、図35、図36および図37に示す。下で説明するアーキテクチャのいずれをも、システムのハードウェア区分およびソフトウェア区分に依存する使用のために選択することができる。
図35は、一実施形態の下の、さまざまなシステムからの距離推定値を使用するハイブリッド位置推定のブロック図である。距離測定値は(関連付けられた距離品質メトリックと一緒に)、GNSSおよび他の測位システムから使用され、ハイブリッド位置エンジンによって単一の最適位置解に組み合わせられる。このアーキテクチャは、それらから最良の位置推定値を得るのに使用可能なデータを使用することに関して最適である。
図36は、一実施形態の下の、さまざまなシステムからの位置推定値を使用するハイブリッド位置推定のブロック図である。異なるシステムからの独立の位置推定値が、位置品質と一緒に、最良の品質を有するものを選択するのに使用される。このアーキテクチャは、異なる測位システムがよく分離されるので、実施し一体化するのが最も簡単である。
図37は、一実施形態の下の、さまざまなシステムからの距離推定値および位置推定値の組合せを使用するハイブリッド位置推定のブロック図である。たとえば、WLAN測位システムからの位置推定値を、最良の解に到達するために、GNSSシステムおよびWAPSシステムからの距離測定値からの位置推定値と比較することができる。
加速度計およびジャイロなどの慣性ナビゲーションセンサ(INS)、e−コンパスなどの磁気センサ、高度計などの圧力センサを使用して、追跡モードでの使用のために、WAPSシステムにロケーションエイディング情報(疎結合と呼ばれる)または生のセンサ測定値(密結合と呼ばれる)を提供することができる。
加速度計を、サーバへの位置報告を更新する頻度を判定するために一実施形態の受信器内で使用することができる。位置解および加速度計測定値のシーケンスの組合せを使用して、静的な位置、一定の速度、および/または他の移動を検出することができる。次に、この移動データまたは情報を使用して、更新の頻度を判定することができ、たとえば、一様でない動きがある時に、更新の頻度に比較的高い頻度をセットすることができ、受信器が一定の速度であるか所定の時間期間にわたって静止している時に、更新の頻度を下げて、電力を節約することができる。
センサまたは位置の測定を、位置フィルタ(カルマンフィルタなどの)で位置解に組み合わせることができる。センサ測定値がWAPSハイブリッド位置エンジン内でGNSS測定値およびWAPS測定値と組み合わせられる、2タイプの密結合アーキテクチャを、図38および図39に示す。図38は、一実施形態の下の、GNSS/WAPS位置および/または速度推定値の品質が良い時にセンサのドリフティングバイアスを校正するのを助けるためにWAPS/GNSSシステムからの位置/速度推定値がフィードバックされる、ハイブリッド位置解の判定に関する流れ図である。このアーキテクチャは、アルゴリズムのセンサ校正部分と位置計算部分とを区分することによって、アルゴリズム定式化を単純にする。しかし、この方法の欠点は、WAPS/GNSS推定値を使用してセンサを再校正するための良い時がいつなのかを判断する際の複雑さである。
図39は、一実施形態の下の、明示的フィードバックの必要なしに、センサパラメータ(バイアス、スケール、ドリフトなど)がGNSSユニットおよび/またはWAPSユニット内で位置/速度計算の一部として推定されるハイブリッド位置解の判定に関する流れ図である。たとえば、センサパラメータを、受信器の位置/速度の追跡に使用されるカルマンフィルタの状態ベクトルの一部として含めることができる。このアーキテクチャは、位置とセンサパラメータとの両方を更新するために、情報が1つの組み合わされたフィルタ内で使用されるという点で、最適解を提供する。
選択ユニットがGNSSエンジンからの位置推定値とWAPSエンジンからの位置推定値との間で選択する疎結合を、図40および図41に示す。選択ユニットを、WAPS位置ユニットまたはGNSS位置ユニットの一部とすることができることに留意されたい。図40は、一実施形態の下の、センサ校正が個々の位置計算ユニットから分離されるハイブリッド位置解の判定に関する流れ図である。図41は、一実施形態の下の、センサパラメータ推定が個々の位置計算ユニットの状態の一部として行われるハイブリッド位置解の判定に関する流れ図である。
選択が、1つのシステムからの情報のみを使用するので、疎結合方法は、一般に密結合方法より悪い。疎結合方法または密結合方法の中で、方法は、位置を判定するために生のセンサ測定値と一緒に距離を使用し、1つの最適フィルタ内のセンサパラメータは、センサパラメータおよび位置が別々に計算される時より良い。その結果、性能の展望から好ましい方法は、暗黙のセンサパラメータ推定を有する密結合システムである。しかし、ハードウェア/ソフトウェアプラットフォームの区分に依存して、これらの方法のうちの1つまたは複数を、簡単に実施でき、その理由から選択することができる。
情報を、WAPSシステムと、同一のプラットフォーム上の他のトランシーバシステム(携帯電話、ラップトップ、PNDなど)との間で交換することもできる。トランシーバシステムは、たとえば、Bluetoothトランシーバ、WLANトランシーバ、FM受信器/送信器、ディジタルTVシステムまたはアナログTVシステム、MediaFLO、XM無線/Iridiumなどの衛星通信システム、GSM/UMTS/cdma2000 1x/EVDOまたはWiMax)などのセルラモデムトランシーバとすることができる。図42に、一実施形態の下の、WAPSシステムと他のシステムとの間の情報の交換を示す。システムの間の情報の交換は、いずれかのシステムの性能を改善することができる。WAPSシステム時間がGPS時間に合わせられるので、WAPSシステムは、任意の他のシステムに良い品質のタイミング推定値および周波数推定値を提供することができる。WAPSシステムへの時間推定値および周波数推定値は、符号および周波数でのWAPS獲得検索空間を縮小することができる。さらに、WAPSシステムは、他のトランシーバシステムにロケーション情報を提供することができる。同様に、他のシステムが、使用可能なロケーション情報(部分的な位置、たとえば、高度もしくは2D位置、または完全な位置、たとえば3D位置もしくは生の距離/擬似距離/距離の差)を有する場合に、そのロケーション情報を、ロケーション品質メトリックを伴ってまたはこれを伴わずに、WAPSシステムに提供することができる。距離/擬似距離データは、ハイブリッド解でこの距離情報の使用を可能にするために、送信器のロケーション(または送信器ロケーションから任意の受信器ロケーションまでの距離を計算する他の手段)と一緒に提供されなければならない。2つの送信器に対応する距離の差は、2つの送信器のロケーションと一緒に提供されなければならない。WAPSシステムは、その位置解決を支援するためにこの情報を使用する。代替案では、ロケーション情報を、既知の送信器ロケーションから受信器デバイスまでの距離(または擬似距離)の形で提供することができる。これらの距離(または擬似距離)は、ハイブリッド位置を計算するために、測位アルゴリズムによってWAPS距離と組み合わせられる。
特定のシステムおよびそれらの間で交換することができる情報の例を、図43、図44および図45に示す。
図43は、一実施形態の下の、FM受信器とWAPS受信器との間のロケーション推定値、周波数推定値、および時間推定値の交換を示すブロック図である。WAPSシステムからのロケーション推定値を、FM受信器に提供することができる。その後、このロケーション推定値を、たとえば、ローカル領域内のアクティブなFM無線局を自動的に判定するのに使用することができる。FM信号は、RDS−Radio Data Service)送信をも含むことができる。FM局のロケーションが、RDS/RBDSデータストリーム(たとえば、送信器サイトに関するデータを提供し、都市および州の名を与え、DGPSナビゲーションデータを提供する、ロケーションアンドナビゲーション(Location and Navigation、LN)特徴)に含まる場合に、この情報を使用して、WAPS受信器にロケーションエイディングを提供することができる。WAPSシステムからの周波数推定値を、特定の局に関するFM受信器同調時間を減らすのに簡単に使用することができる。他の方向で、FM受信器での推定値の周波数品質は、FM無線局送信品質に基づく。WAPSシステムでの時間推定値は、GPS時間に基づき、時間は、タイミング位置合せを援助するためにFM受信器に転送され得る。RDS/RBDS送信でのクロック時間(CT)特徴を、RDSデータストリームに対する相対的なタイミングを判定するのに使用することができ、WAPS受信器に転送することができる。
図44は、一実施形態の下の、WLAN/BTトランシーバとWAPS受信器との間のロケーション推定値、時間推定値、および周波数推定値交換を示すブロック図である。一般に、これらのWLAN/BTトランシーバは、正確な周波数推定値を有しておらず、その結果、周波数推定値は、非常に粗く、したがって、WLAN/BTトランシーバからWAPS受信器へのそのような推定値の転送は、限られた価値を有する可能性がある。逆方向で、WAPS周波数推定値は、WLANシステム上での周波数獲得に要する時間を減らすことができる。たとえば、無線LAN AP(アクセスポイント)ビーコン上のタイムスタンプから抽出されるタイミング情報を、WAPS獲得を支援するためにWAPSシステムへ転送することができる。これをWAPSシステムに役立つようにするためには、GPS時間に対する相対的なWLANタイミングのある参照が必要であることに留意されたい。同様に、WLAN/BTシステムが、使用可能なロケーション推定値(部分的な位置、たとえば、高度もしくは2D位置、または完全な位置、たとえば、3D位置もしくは生の距離/擬似距離)を有する場合に、そのロケーション情報を、WAPSシステムに対するロケーション品質メトリックと共にまたはこれを伴わずに提供することができる。WLAN位置推定値を、単に、付近のサービングAPまたは他の「可聴」APのジオロケーションとすることができる。WLAN位置推定値は、部分的とすることもでき、たとえば、問題のAPのフロアに基づいた高度推定値とすることができる。WLANロケーション情報は、既知の送信器APロケーションに対する距離推定値(たとえば、WLANシステムは、距離推定値を判定するためにラウンドトリップタイム測定値を使用することができる)または2つの送信APの間の距離差推定値とすることもできる。
図45は、一実施形態の下の、セルラトランシーバとWAPS受信器との間のロケーション推定値、時間推定値、および周波数推定値の交換を示すブロック図である。セルラシステムからのロケーション推定値(部分的な、完全なまたは生の距離/距離の差)(TDOA、AFLT、または他の同様のセルラ信号のFLもしくはRLベースの測位方法からなど)を、より良い位置推定値を得るためにこれらの測定値を使用するWAPSシステムに提供することができる。セルラモデムの周波数追跡ループからの周波数推定値を、周波数検索空間を減らし、したがってWAPS獲得時間(すなわち、TTFF)を改善するために、WAPSシステムに提供することができる。セルラシステムからの時間推定値を、符号検索空間を減らしまたはビットおよびフレーム位置合せを支援するために、WAPSシステムに提供することもできる。たとえば、cdma2000/1x EVDOなどの、GPS時間に同期されるシステムは、WAPSシステムに微細な時間推定値を提供することができるが、GSM/GPRS/EGPRS/UMTSなどの非同期(送信がGPSなどの時間スケールに良好に同期されない)セルラシステムは、粗い時間推定値を提供することができる。
WAPSシステム時間が、GPS時間に合わせられるので、WAPSシステムは、同一のプラットフォーム上にない場合であっても、任意の他のシステムに良い品質のタイミング推定値および周波数推定値を提供することができる。たとえば、WAPSシステムを使用して、GPSの秒境界と位置合せされたpps(パルス毎秒)または関連付けられたGPS時間を有する単一パルス信号などの周期的なハードウェア信号を介して、ピコ/フェムト−セルBTSにタイミング情報を提供することができる。
上で説明したように、一実施形態のWAPSシステムによって使用されるスペクトルは、免許交付されたまたは免許不要の帯域または周波数を含むことができる。代替案では、WAPSシステムは「ホワイトスペース」スペクトルを使用することができる。ホワイトスペーススペクトルは、WAPSシステムがローカルエリアで空きである(TVのホワイトスペースに制限されない)と感知しまたは判定し、そのスペクトル内でロケーションビーコンを送信する、任意のスペクトルと定義される。一実施形態の送信器は、未使用スペクトルを検出するため、および/またはスペクトルを調整する集中化データベースにジオロケーション(簡単にGPSタイミング受信器から得ることができる)を通信するために、スペクトル感知技術を使用することができる。受信器は、これらのビーコンをリスンするためのスペクトル感知技術を含むことができ、あるいは、もう1つの実施形態で、通信媒体を使用して、同調すべき周波数について通知され得る。WAPSシステムは、動的なホワイトスペースの可用性または割当に適合することができる(送信器が、送信すべきスペクトルおよび/または送信する必要がある時間持続時間のいずれかを割り当てる集中化データベースに、送信器のジオロケーションをブロードキャストすることを要求される場合に)。WAPSシステムは、このスペクトルで連続的にブロードキャストすることができ、あるいは、スペクトルに関する集中化調整サービスによる制御の通りに他のシステムとスペクトルを共有することができる。WAPSシステムコンポーネントのチッピングレートおよびデータレートを、任意の所与の時に正確さ要件ならびに/または信号パワーおよび帯域幅の可用性に合わせて動的に変更することができる。システムパラメータを、受信器によって感知することができ、あるいは、通信媒体を介して受信器に通信することができる。送信器は、ローカルネットワークを形成することができ、あるいは、より広い地理的区域でのスペクトル可用性の場合に、連続的なネットワークを形成することができる。
一実施形態の送信器は、時分割された形で、同一の送信システム上で他のネットワークと共存することもできる。たとえば、同一のスペクトルを、ロケーションアプリケーションとスマートグリッドアプリケーションとの間で時分割された形で使用することができる。送信器は、最大の使用可能な電力レベルを使用するブロードキャスト送信器であり、スペクトル感知に基づいてまたは集中化調整サーバによる要求の通りに、その電力レベルを動的に調節することができる。受信器は、スペクトル感知を使用することができ、あるいは、受信器に、通信媒体(ホワイトスペーススペクトルとすることもできる)によってその時のシステムパラメータおよびウェイクアップ時間について通信することができる。
スペクトル可用性に基づいて、一実施形態のWAPSシステムは、TVホワイトスペースの1つのチャネル(6MHz帯域幅)を使用することができ、あるいは、複数のチャネルが使用可能な場合に、より良いマルチパス解決に複数の周波数帯域を使用することができる。隣接チャネルが使用可能な場合には、チャネルボンディング(たとえば、隣接チャネルを組み合わせること)を使用することができる。増加した帯域幅を、より良いマルチパス解決、より高い精度のためのより高いチッピングレートなどに使用することができる。代替案では、使用可能な帯域幅を、近遠問題および/またはマルチパス解決を解決するのを助けるために、FDMAの下で使用することができる。
複数のホワイトスペース帯域でのWAPS波形のホワイトスペース送信/受信は、WAPS搬送波位相測定に関するよりよくより高速な整数曖昧性解決を可能にすることができる。これは、WAPSを使用する、比較的高い正確さ(1波長未満のオーダーの)の単一点測位を可能にする。
ホワイトスペース帯域幅を、調査されたロケーションでの基準受信器とその位置が見つけられるべき受信器との間でWAPS内の通信チャネル(基準受信器が使用される場合)として使用することもできる。
免許交付された帯域内のWAPSシステムが広域ネットワークで使用可能な時に、タワーのホワイトスペースベースのローカルネットワークを、WAPS受信器のロケーション正確さを増強するのに使用することができる。受信器は、両方の周波数を同時にリスンするか、または免許交付された帯域とホワイトスペース帯域との間で切り替えて、適切な周波数に同調するように設計され得る。
ホワイトスペース帯域を、ロケーションエイディングおよびクロックバイアス、衛星天体暦などのような他のアシスタンス情報について、WAPS、GPSまたはAGPSシステムにアシスタンス情報を送信するのに使用することもできる。
広い分離を有する複数の周波数が使用可能である場合に、WAPSシステムは、より良いマルチパス性能を提供するために、周波数のダイバーシティを利用するように設計され得る。
相関器実施態様
任意のCDMA受信器(または送信ビットストリームの一部として擬似ランダム符号を使用する受信器)で、そのPRN符号との受信信号の相関は、必須である。行うことができる並列相関が多ければ多いほど、チャネルを獲得するのに要する時間が高速になる。長さ1023の最大長さシーケンス、2×によってオーバーサンプリングされる入力信号を使用する、信号の並列複素相関器アーキテクチャのブルートフォース実施態様を、図46に示す。偶数サンプルおよび奇数サンプルは、2×オーバーサンプリングされたデータに対応する。シフトレジスタは、「clk」のレートでシフトされる。PRNジェネレータは、基準PRNを生成し、clk/2のレートでシフトされる。各サイクルでの相関合計は、式
を使用して計算され、ここで、x[n]は、複素入力であり、gcref[k]は、PRN基準波形であり、corrsum[n]は、相関器からの複素出力である。図46に、偶数サンプルおよび奇数サンプルが同一の乗算器および加算器木を共有する1つの最適化を示す。
上で示したものなどの実施態様は、シフトレジスタ用の2046*2*n入力ビットフリップフロップ、1023個の1×n入力乗算器、および1023個の積を合計する加算器を必要とする。一例として、入力ビット幅が2ビットサンプルである場合には、1023個の1×2乗算器が必要であり、1023個のこれらの乗算が、1クロックサイクルで合計されなければならない。これは、ハードウェアの面積、タイミング、および電力に関して面倒な実施態様になる可能性がある。具体的には、FPGA実施態様で、乗算器および加算器構造のブルートフォース実施態様は、制限されたリソースを考慮すると、実施が不可能である可能性がある。
一実施形態は、技術的現状のFPGA内で使用可能な構造を活用する、この実施態様に対する新規の手法を含む。近代のFPGAは、論理要素およびストレージ要素を実施する、複数の構成可能論理ブロック(CLB)を含む。CLBの本質的部分を形成するルックアップテーブルを、直列シフトインを有するが、ストレージ要素への並列ランダムアクセスを有するシフトレジスタとして再プログラムすることもできる。この実施態様を、相関を計算する効率的な手法として、およびFPGA(プロトタイピングに使用される)からASIC(大量生産ボリューム用)への簡単な移植パスとして、ASIC実施態様で使用することもできる。
シフトレジスタ実施態様に移ると、特定のFPGAは、CLBにマッピングされるシフトレジスタプリミティブを有する。いくつかのFPGAは、16ビットシフトレジスタを有し、いくつかのFPGAは、32ビットシフトレジスタマッピングを有する。図47に、並列ランダムアクセス読取能力を有する2つの16ビットシフトレジスタプリミティブから導出される32ビットシフトレジスタ実施態様を示す。この例の実施態様では、16ビットシフトレジスタグループプリミティブが、32ビットシフトレジスタを構築するのに使用される。32個のそのような32ビットシフトレジスタが、直列に並べられて、1024ビットシフトレジスタを形成する。図48に示されているように、シフト動作は、「clk」レートで発生し、読み出し動作は、クロックレートの32倍で発生する。
加算器木は、1023×nビット加算器を実施するために複雑になる可能性もある。特定のFPGAの場合に、1023×nビット順次加算器として使用できる48ビットDSPスライスが使用可能である。この実施態様のハードウェア構造を、図49に示す。シフトレジスタの32個のグループからの32個の値は、8つの加算の4つのグループに分割される。この例では、2ビット入力が使用される。各8数加算器は、10ビット出力を作り、この出力は、48ビット加算器内の12ビットグループ内で位置合せされる。合計の増加の余地が与えられる。32サイクル後に、1024ビットの合計が、12ビット加算器の4つのグループを1つの14ビット合計に加算することによって得られる。
暗号化およびセキュリティ
一実施形態のシステム内で、オーバーヘッド情報を、暗号化アルゴリズムを使用して暗号化することができる。これは、ユーザが、システムを使用し、システムの使用について請求され、情報セキュリティを制御する手段を提供することを可能にする。鍵を、信号を暗号化解除するために適用することができる。鍵は、PC、無線ネットワーク、ハードウェアドングルを使用して得ることができ、あるいは、鍵が任意の意図されないソースによってアクセス不能である形でデバイスの不揮発性メモリに焼きつけることができる。
一実施形態の暗号化は、データセキュリティと認証との両方を提供する。暗号化を使用して保護される主要なコンポーネントは、送信器、受信器、およびサーバ通信である。送信器認証は、悪意のある送信器が拒絶され得るようにするために、送信器を曖昧さなしに識別することを含む。受信器認証は、真正の受信器のみが送信された情報を利用することができるようなものである。受信器認可は、認可される受信器(真正の受信器)のみが動作を許可されるようなものである。サーバ通信は、受信器とサーバとの間の通信および送信器とサーバとの間の通信が保護されるように暗号化される。また、ユーザデータ保護は、ロケーション追跡ユーザデータベースが認可されないアクセスからの保護を要求するので、暗号化される。
一実施形態の暗号化方法は、おおまかに2つのタイプすなわち、対称鍵暗号法および非対称鍵暗号法に分類することができる。対称鍵暗号化は、認証と暗号化との両方を提供するが、非対称鍵暗号化は、公開鍵が誰にでも使用可能であるので、秘密鍵所有者の認証を提供する。データの対称鍵暗号化は、所与の同様のリソースより一桁分高速である。3DESおよびAESは、対称鍵暗号作成法の例である。両方の方法の組合せは、一実施形態の暗号化アーキテクチャの一部として使用される。
無線(OTA)ブロードキャストメッセージは、一般的なブロードキャストメッセージまたはシステムメッセージを含むことができる。一般的なブロードキャストメッセージは、受信器がそのロケーションを判定するのを援助する、ロケーション情報、送信器タイミングカウント、および他の関連情報など、各送信器に固有のデータを含む。システムメッセージは、暗号化鍵を構成し、受信器をイネーブル/ディスエーブルし、または受信器の特定のセットにターゲティングされた一方向プライベート情報の交換に使用される。
一実施形態のメッセージの一般的なフォーマットは、メッセージタイプ(パリティ/ECC保護)、暗号化されたメッセージ、および暗号化されたメッセージECCを含む。暗号化されたメッセージのECCは、メッセージが暗号化された後に計算される。
OTAブロードキャストは、周期的に、おそらくは毎秒、送信されるフレームを含む。チャネルデータレートに依存して、メッセージを、複数のフレームにわたって分割(セグメント化)することができる。各フレームは、フレームタイプおよびフレームデータを含む。フレームタイプ(パリティ保護される)は、これがメッセージの最初のフレームであるかどうかまたはこれが連続するフレームであるかどうかを示し、他の目的に使用され得る低レベルのフォーマットのフレームを示すこともできる。フレームデータは、本質的に、セグメント化されたメッセージまたは低レベルのデータフレームである。
OTAシステムメッセージを、システムメッセージタイプに依存して、セッション鍵または送信器の秘密鍵のいずれかによって暗号化することができる。OTAの一般的なブロードキャストメッセージは、本明細書で説明するように、送信器と受信器との両方がネゴシエートしたセッション鍵を用いる対称鍵アルゴリズムを使用して暗号化される。これは、相互認証を提供する、すなわち、送信器を、受信器によって認証することができ、認証された受信器だけが、OTAブロードキャストを復号することができる。セッション鍵は、すべての送信器および受信器に既知であり、周期的に変更される。鍵変更メッセージは、過去の2〜3個のセッション鍵を使用して暗号化され、ある時間期間にアクティブでなかった受信器が現在のセッション鍵に同期することを可能にする。
OTAブロードキャストは、送信器の秘密鍵によって暗号化された周期的なシステムメッセージをも含む。受信器は、関連付けられた公開鍵を使用することによって、送信器の真正性を曖昧さなしに識別することができる。セッション鍵が危険にさらされる場合に、この機構は、認可されない送信器を実施できないことを保証する。
図50は、一実施形態の下の、セッション鍵セットアップのブロック図である。各受信器は、一意のデバイスIDおよびデバイス固有鍵を備える。図51は、一実施形態の下の、暗号化に関する流れ図である。WAPSシステムデータサーバは、デバイスID/デバイス固有鍵ペアリングのデータベースを維持する。受信器とWAPSデータサーバとの間の受信器初期化は、受信器タイプに固有のデータ接続(GPRS/USB/モデムなど)を使用して容易にされる。この接続は、デバイスがデバイスIDによってそれ自身を識別した後に、デバイス固有鍵を使用して暗号化される。この初期化中に、現在のセッション鍵、送信器公開鍵、および免許交付期間(すなわち、受信器が認可される持続時間)が交換される。受信器初期化は、受信器が現在のセッション鍵(初期のパワーアップ)を失った時またはそのセッション鍵が同期外れである(拡張されたパワーオフ)場合に実行され得る。セッション鍵は、周期的に更新され、更新に使用される新しい鍵は、以前のN個の鍵を使用して暗号化される。
OTAデータレートは、受信器を認証するための唯一の機構であるのに不適切である可能性がある。しかし、一実施形態のシステムメッセージプロトコルは、デバイスID固有のおよびデバイスID距離ベースの受信器認証をサポートする。
危険にさらされたセッション鍵は、すべての受信器を再初期化することを必要とする。したがって、セッション鍵ストレージは、デバイス内で改竄防止されなければならない。デバイスの暗号境界の外(すなわち、任意の種類の付属のストレージ)に格納されるセッション鍵は、デバイスの保護された鍵を使用して暗号化される。
送信器が、その秘密鍵を使用して認証情報を周期的に送信するので、危険にさらされたセッション鍵を使用して、送信器になりすますことはできない。したがって、送信器の秘密鍵は、絶対に危険にさらされてはならない。
図52に示された代替の実施形態で、鍵を、WAPSサーバからの通信リンクを介して受信器に直接的に配信することができ、あるいは、サードパーティアプリケーションもしくはサービスプロバイダを介してルーティングすることができる。鍵は、ある有効性期間を有することができる。鍵を、顧客との契約上の合意に基づいて、アプリケーションごとの基礎でまたはデバイスごとの基礎で使用可能にすることができる。受信器上のアプリケーションまたはネットワーク上のアプリケーションのいずれかによって位置要求がなされるたびに、鍵は、WAPSエンジンから位置または位置を計算するためのパラメータを取り出す前に、有効性についてチェックされる。WAPSサーバに対する鍵および情報の交換は、プロプライエタリプロトコルを使用して、またはOMA SUPLなどの標準プロトコルを介して起こり得る。
システムのセキュリティアーキテクチャを、図50および図52に示されたアーキテクチャの組合せとして実施することができる。
パラメータセンサを、センサからの測定値に時間タグを付けるため、かつ/またはロケーションタグを付けるために、WAPSシステムの受信器に一体化することができる。パラメータセンサは、2〜3の例を挙げると、温度センサ、湿度センサ、重量センサ、およびスキャナタイプのセンサを含むことができるが、これらに限定されない。たとえば、X線検出器を使用して、追跡される受信器、または追跡される受信器を含むデバイスが、X線機器を通り抜けるかどうかを判定することができる。X線イベントの時刻およびX線機器のロケーションを、検出器によってタグ付けすることができる。さらに、他のパラメータセンサを、センサからの測定値に時間タグ付けとロケーションタグ付けとの両方を行うために、WAPSシステムに一体化することができる。
ユーザは、個人または資産に関して、使用ごとに、デバイス上のアプリケーションごとに、毎時、毎日、毎週、毎月、および毎年の基礎で、システムについて費用請求され得る。
受信器ユニットのロケーションおよび高さを、通信プロトコルを使用して、端末上の任意のアプリケーションまたはネットワークサーバに送信することができる。代替案では、生の距離測定値を、通信プロトコルを介してネットワークに送信することができる。通信プロトコルは、端末上のアプリケーションへの、または標準もしくはプロプライエタリの無線プロトコルを介するサーバへの、標準のシリアルインターフェースまたは他のディジタルインターフェースとすることができる。標準プロトコルを介してサーバに結合しまたは接続する可能な方法は、サーバに接続された別の電話への、または、代替案では、ウェブサーバへの無線データサービスを介しての、SMSメッセージングの使用を含む。送信される情報は、緯度/経度、高さ(使用可能な場合に)、およびタイムスタンプのうちの1つまたは複数を含む。サーバまたは端末ユニット上のアプリケーションは、位置決定を開始することができる。ユーザのロケーションを、サーバから、またはサーバ上のアプリケーションによって、直接に通信することができる。
GPS受信器とは独立のWAPSスタンドアロンシステムを、デバイスのロケーションを判定するのに使用することができる。WAPSシステム単独、または一体化されたWAPSならびにGPSおよび/もしくは他の測位システムを、媒体カード上で媒体ストレージカード(SDカードなど)と共存するように実施することができる。WAPSシステム単独、または一体化されたWAPSならびにGPSシステムおよび/もしくは他の測位システムを、SIMカードを追跡できるようにするために、セルラ電話Subscriber Identity Module(SIM)カード上で共存するように実施することができる。
搬送波位相を用いる正確な測位
さらに精度を改善する(1m未満まで)ためにWAPSシステム性能を増強する1つの方法は、下で説明するような搬送波位相測位システムを実施することである。ビーコンは、通常のWAPS送信器としてセットアップされる。この方法について、簡単な連続的位相追跡を容易にするためにTDMAスロッティングを使用しないことが望ましい可能性がある(が、必須ではない)。TDMAが使用されない時に、近遠問題を、受信器での干渉除去および増加したダイナミックレンジを介して克服することができる。そのような方法をサポートするWAPS受信器は、すべての可視の衛星について連続的な形で符号位相および搬送波位相を測定し、タイムスタンプをすることができる。さらに、連続的な形で符号および搬送波位相の同様な測定を行うこともできる基準受信器が、既知の調査されたロケーションにある。WAPS受信器および基準受信器からの測定値を、デバイスまたはサーバのいずれかで位置を計算するために組み合わせることができる。そのようなシステムの構成は、差分WAPSシステムと同一である。
搬送波位相測定は、符号位相測定より正確であるが、整数曖昧性と呼ばれる、未知の整数個数の搬送波位相サイクルを含む。しかし、曖昧性解決と呼ばれる、整数曖昧性を見つける形がある。ここでは、改善された精度のために、ユーザ受信器位置について反復して解くための極小値検索アルゴリズムの拡張を使用し、複数のエポックで測定値を使用する1つの方法を検討する。
まず、次の、単一のエポックでのユーザ受信器での搬送波位相測定を検討されたい。
ここで、φ、λ、f、およびNは、それぞれ搬送波位相、波長、周波数、および整数サイクルであり、dtは、クロックバイアスであり、rは、距離であり、εは、測定誤差であり、下付きuは、ユーザ受信器を表し、kは、送信器番号を表す。
距離は、ユーザ位置puおよび送信器位置p(k)に関して、
として与えられる。
送信器クロックバイアスの知識の誤差を除去するために、対応する搬送波位相方程式
を用いて、既知の位置の別の受信器(基準受信器と呼ばれる)を検討されたい。ここで、下付きrは、基準受信器を表し、(1)から(2)を引いて
が得られ、これは
と書かれ、ここで、(・)ur=(・)u−(・)rである。
dturは関心を持たれていないので、インデックス(k)の異なる値について(5)の差分を計算することによってこれを除去して、いわゆる二重の差分可観測量の式
が得られ、ここで、
である。
次に、式(6)は
としての
を介する未知のユーザ位置puでの式であり、ここで、
(8) γ(kl)=‖pr−p(k)‖−‖pr−p(l)‖
である。
通常、二重の差分計算に使用される送信器lは、送信器のうちの1つであり、便宜上それをlとしてラベル付けすることは
または
(10) φ=λ−1・f(pu)+N+ε
としての行列の形の式につながる。
式(10)は未知のユーザ位置puでの非線形式である。
極小値検索アルゴリズムは、一次方程式で機能し、したがって、式(10)は線形化され、次のように反復して解かれる。反復mで、puへの近似は
であり、ここで
かつ
であり、ここで、
ただし、l(k)は、見通し線行ベクトル
である。
次に、式(10)は
(13) y=G・x・+N+ε
と書かれ、ただし、
、
、かつx=Δpuである。
式(13)は、x=Δpuで線形であり、下で与えられる極小値検索アルゴリズムを使用してΔpuについて解かれる。そのようにして得られたΔpuを使用して、式(11)は、反復mでのpuを得るのに使用され、次に、そのようにして得られたpuは、次の反復(m+1)で
として使用される。反復は、Δpuが収束を判断するのに十分に小さくなるまで、継続される。反復の初めで、
を、符号位相ベースの解から得ることができる。
ここで、式(13)を解くことを検討されたい。Qddを、二重差分搬送波位相誤差ベクトルの共分散行列であるものとする。これは、次のように得られる。単一の差分可観測量
での誤差の分散は、Qu+Qrであり、ここで、QuおよびQrは、送信器kとは独立と仮定されるそれぞれの搬送波位相誤差分散である。
の分散は、2・(Qu+Qr)であり、j≠kの
と
との間の相互分散は、Qu+Qrであり、これは、共通項
の分散である。したがって、
である。
(13)の加重最小二乗解は、
ただし、GLは、Gの左逆行列であり、
である。
残差のベクトルは
であり、これはNの関数であり、極小値検索は、
(17) min c(N)=(y−N)T・W・(y−N)、ただし、
かつS=I−G・GL
としてNに関して残差の加重ノルム二乗を最小にすることを試みる。(17)を解くために、Nが整数であるという制約の下で、
(18) W・N≒W・y
を解くことを検討されたい。Wはべき等(WT=WかつW・W=W)なので、W・(y−N)≒0かつ(y−N)T・WT・W・(y−N)=(y−N)T・W・(y−N)=c(N)≒0である。したがって、Nの検索は、(18)を満足するNに制限される。
Nについて解いた後に、x=Δpuの推定値は、式(15)から得られる。それぞれ次元(n−1)×3および3×(n−1)の行列GおよびGLは、(n−1)>3であり、したがって(n−1)×(n−1)行列SおよびWが最大階数(n−1)から3だけ足りないので、それぞれ階数3を有する。
式(18)でWのQR分解(LU分解を使用することもできる)を使用すると、
(19) R・N=QT・W・y
であり、ここで、Qは、正規直交行列(Q−1=QT)であり、Rは、上三角行列であり、その結果
であり、
である。
したがって、
の解は、整数値を有する3次元ボックス内でN2を検索し、(21)からN1を入手し、(17)でc(N)を最小にするNを選ぶことによって、得られる。N2の検索は、以前の反復からのN2の値を中心とする。第0反復で、
の分数部分として入手されるNの後ろの部分であるN2、
は、符号位相ベースの解である。3次元検索ボックスのサイズは、符号位相ベースの解の不確実性に依存する。このボックスを、より小さいサブボックスに分割することができ、各より小さいサイズのサブボックスの中心を、初期の
として試みることができる。
上の方法は、位置を判定するために測定値の単一のエポック(瞬間)を使用した。下の説明では、単一エポック法に対する拡張を説明する。複数のエポック測定値は、時間的に十分に近く測定され、ここで、ユーザ受信器の移動は、無視できる。さらに、新たな未知の整数曖昧性が後続のエポックで導入されないようにするために、初期エポックの整数曖昧性は、後続エポックで同一のままである。送信器ロケーションが固定される(衛星の送信器の動きが見通し線を変化させ、したがって独立の式を与えるGNSSの場合とは異なって)ので、複数のエポック測定値は、独立の式を与えない。したがって、複数のエポック測定値は、整数曖昧性について浮動小数点曖昧性として解く際に助けとならない(独立の式の個数が未知の曖昧性と3つの位置座標との合計の個数より大きくなるGNSSの場合とは異なって)。しかし、複数のエポック測定値は、より多くの搬送波位相測定誤差を許容し、それでも、成功の曖昧性解決を可能にする。複数のエポックの場合に、式(13)は
になる。上の式のような単一のエポックの場合についての展開に従って、問題は
になるNを見つけるという問題に帰着し、ここで、
、
、
である。次に、Nについて(23)を解くために、
ただし、
を、
のQR分解(LU分解を使用することもできる)を使用し、上の(19)から(21)の式に従って解くことを検討されたい。やはり、Nについて解かれた後に、x=Δpuの推定値が、式(15)から得られる。このx=Δpuの推定値が小さい場合には、式(11)での反復は、ユーザ位置puを得るために停止される。通常、xの各成分が大きさにおいて1e−6より小さい場合に、収束が宣言され、反復が停止される。
次のステップは、収束したユーザ位置puが正しいものであるかどうかを検証することである。これは、mod(φ−λ−1・f(pu)−N,λ)として(10)から得られる残差に基づいて行われる。各エポックの残差の絶対値の最大値が、
未満である場合に、収束した解は、解として受け入れられ、そうでない場合には、検索は、新たなサブボックスを選択することによって継続される。通常、検証テストでのスケール係数κは、5になるように選択することができる。解が検証された後に、上で説明した差分WAPSシステムは、1mに近いまたは1mより良い正確さを達成することができる。
この差分WAPS搬送波位相システムを、基準受信器の追加を介して従来のWAPSシステムの上にオーバーレイすることができ、あるいはスタンドアロンとすることができる。差分WAPS搬送波位相システムは、あるローカライズされた目標区域(モール、倉庫、その他など)での非常に正確な測位を配信するのに使用することができる。
W−CDMAシステムでは、2つの受信チェーンが、受信ダイバーシティを改善するのに使用される。WAPSが、W−CDMAと共存する時に、受信チェーンの一方を、WAPS信号の受信および処理のために一時的に使用することができる。W−CDMAアーキテクチャおよびCDMAアーキテクチャのある種の場合に、W−CDMA/CDMA信号の処理を一時的に延期しながらWAPS帯域に受信器を同調し、WAPS信号を処理することによって、受信チェーン全体を、W−WAPS信号を受信するために再利用することができる。GSM受信チェーンがW−CDMA受信チェーンと多重化されるある種の他の実施形態では、受信器を、さらに、WAPS受信に関する使用のために時分割することができる。
どのタワーからのどの信号がWAPSシステムまたは任意の他のTDMAシステムで位置判定に使用されるのかが判定された後に、電力を節約するために、一実施形態の受信器のほとんどは、信号が検出されず、かつ/またはスロット内に放射するタワーからの信号が位置判定に使用されない、のいずれかであるスロット中に、オフに切り替えられる。動き、位置の変化、または信号条件の変化の検出の場合に、一実施形態の受信器は、どのスロットを位置計算の次のセットに使用できるのかを判定するために、すべてのスロットについてオンに切り替えられる。
本明細書で説明される実施形態は、複数の送信器から位置ロケーション信号を送信する方法を含む。この方法は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択するステップを含む。ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさは、指定されたしきい値未満である。この方法は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択するステップを含む。ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つである。この方法は、複数の送信器の各送信器から測位信号を送信するステップを含む。各測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの少なくとも1つのメンバに従って変調される。複数の送信器の少なくとも2つの送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバに従ってそれぞれの測位信号の第1部分を変調する。
本明細書で説明される実施形態は、複数の送信器から位置ロケーション信号を送信する方法であって、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択するステップであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさは、指定されたしきい値未満である、ステップと、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択するステップであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つである、ステップと、複数の送信器の各送信器から測位信号を送信するステップであって、各測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの少なくとも1つのメンバに従って変調され、複数の送信器の少なくとも2つの送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバに従ってそれぞれの測位信号の第1部分を変調する、ステップとを含む方法を含む。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2進擬似乱数シーケンスのセットを含む。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、ゴールド符号のセットから選択される。
規定された値は、自己相関関数のピーク値をディジタル擬似乱数シーケンスの繰り返さない長さによって除算したものである。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、嵩符号、ベント符号、およびゴールド様符号のうちの1つである。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、切り詰められたシーケンス長を有し、切り詰められたシーケンス長は、標準シーケンス長より短い。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、延ばされたシーケンス長を有し、延ばされたシーケンス長は、標準シーケンス長より長い。
この方法は、測位信号の第1部分がディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第1メンバを用いて変調される時間の第1期間中に、複数の送信器のうちの少なくとも1つから測位信号を送信するステップであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第1メンバは、第1長さを有する、ステップと、測位信号の第2部分がディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第2メンバを用いて変調される時間の第2期間中に、測位信号を送信するステップであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第2メンバは、第2長さを有する、ステップとを含む。
第1長さおよび第2長さは、異なる。
測位信号の第2部分は、データシーケンスに従ってさらに変調される。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2より大きいアルファベットサイズを有する。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、4元シーケンスのセットである。
アルファベットサイズは、2のべきである。
自己相関関数のピークに隣接する指定された領域は、自己相関関数のピークに直接に隣接する少なくとも10個の連続するシンボルを含む。
本明細書で説明される実施形態は、複数の送信器を含む測位システム内の送信器を含む。この送信器は、メモリに結合されたプロセッサを含む。プロセッサは、少なくとも1つのアプリケーションを実行させている。少なくとも1つのアプリケーションは、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択し、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさは、指定されたしきい値未満である。少なくとも1つのアプリケーションは、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択する。ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つである。少なくとも1つのアプリケーションは測位信号を送信し、測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの少なくとも1つのメンバに従って変調される。送信器は、複数の送信器内の少なくとも1つの他の送信器によって使用されるメンバとは異なるディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバに従って測位信号を変調する。
本明細書で説明される実施形態は、複数の送信器を含む測位システム内の送信器であって、メモリに結合されたプロセッサであって、プロセッサは、少なくとも1つのアプリケーションを実行させており、少なくとも1つのアプリケーションは、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択し、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさは、指定されたしきい値未満であり、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択し、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つであり、測位信号を送信し、測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの少なくとも1つのメンバに従って変調され、送信器は、複数の送信器内の少なくとも1つの他の送信器によって使用されるメンバとは異なるディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバに従って測位信号を変調するプロセッサを含む送信器を含む。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2進擬似乱数シーケンスのセットを含む。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、ゴールド符号のセットから選択される。
規定された値は、自己相関関数のピーク値をディジタル擬似乱数シーケンスの繰り返さない長さによって除算したものである。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、嵩符号、ベント符号、およびゴールド様符号のうちの1つである。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、切り詰められたシーケンス長を有し、切り詰められたシーケンス長は、標準シーケンス長より短い。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、延ばされたシーケンス長を有し、延ばされたシーケンス長は、標準シーケンス長より長い。
送信器は、測位信号の第1部分がディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第1メンバに従って変調される時間の第1期間中に、測位信号を送信することとであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第1メンバは、第1長さを有する、送信することと、測位信号の第2部分がディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第2メンバを用いて変調される時間の第2期間中に、測位信号を送信することであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第2メンバは、第2長さを有する、送信することとを含む。
第1長さおよび第2長さは、異なる。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2より大きいアルファベットサイズを有する。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、4元シーケンスのセットである。
アルファベットサイズは、2のべきである。
自己相関関数のピークに隣接する指定された領域は、自己相関関数のピークに直接に隣接する少なくとも10個の連続するシンボルを含む。
測位信号の第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバに従って変調され、測位信号の第2部分は、データシーケンスに従ってさらに変調される測位信号を含む。
複数の送信器は、同期される。
複数の送信器は、アシスタンスデータを送信する。
複数の送信器は、CDMAネットワークを形成する。
複数の送信器は、TDMAネットワークを形成する。
少なくとも1つの送信器の搬送波信号は、複数の送信器のうちの少なくとも1つの他の送信器の搬送波信号から周波数においてオフセットされる。
アシスタンスデータは、波形のパルスの立ち上がりエッジでのシステム時刻と、波形のパルスの立ち下がりエッジでのシステム時刻と、複数の送信器のジオコードデータと、複数の送信器のそれぞれに隣接する送信器のジオコードデータと、複数の送信器の付近の少なくとも1つの送信器によって使用されるシーケンスのインデックスと、少なくとも1つの送信器に関するクロックタイミング補正と、ローカル大気補正と、ローカル環境の表示とのうちの少なくとも1つを含む。
本明細書で説明される実施形態は、測位システム内の受信器を含む。この受信器はメモリに結合されたプロセッサを含む。このプロセッサは、複数の送信器から測位信号を獲得し、測位信号を使用して受信器の位置情報を計算する、少なくとも1つのアプリケーションを実行させている。第1測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバに従って変調される。第2測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバに従って変調される。ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの選択は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさが指定されたしきい値未満になるようにディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択することと、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択することとを含む。ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つである。
本明細書で説明される実施形態は、測位システム内の受信器であって、メモリに結合されたプロセッサであって、プロセッサは、複数の送信器から測位信号を獲得し、測位信号を使用して受信器の位置情報を計算する、少なくとも1つのアプリケーションを実行させており、第1測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバに従って変調され、第2測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバに従って変調される、プロセッサを含み、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの選択は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさが指定されたしきい値未満になるようにディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択することと、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択することとを含み、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つである受信器を含む。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2進擬似乱数シーケンスのセットを含む。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、ゴールド符号のセットから選択される。
規定された値は、自己相関関数のピーク値をディジタル擬似乱数シーケンスの繰り返さない長さによって除算したものである。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、嵩符号、ベント符号、およびゴールド様符号のうちの1つである。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、切り詰められたシーケンス長を有し、切り詰められたシーケンス長は、標準シーケンス長より短い。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、延ばされたシーケンス長を有し、延ばされたシーケンス長は、標準シーケンス長より長い。
第1測位信号の第2部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバに従って変調される。
第1部分を変調するのに使用されるディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバは、第1シーケンス長を有し、第2部分を変調するのに使用されるディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバは、第2シーケンス長を有し、第1シーケンス長は、第2シーケンス長とは異なる。
第1部分を変調するのに使用されるディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバは、第2部分を変調するのに使用されるディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバとは異なる。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2より大きいアルファベットサイズを有する。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、4元シーケンスのセットである。
アルファベットサイズは、2のべきである。
自己相関関数のピークに隣接する指定された領域は、自己相関関数のピークに直接に隣接する少なくとも10個の連続するシンボルを含む。
測位信号の第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバを用いて変調され、測位信号の第2部分は、データシーケンスに従ってさらに変調される測位信号を含む。
測位信号は、複数の送信器の異なる送信器からの送信の間のタイミング差を記述するデータを含む。
測位信号のそれぞれは、当初に時間基準に同期され、同期に対応するタイミング補正は、受信器に提供される。
受信器は、推定された基準相関関数を含む高分解能の最も早い到着時間推定値を使用して測位信号のマルチパス成分を識別する。
受信器は、信号副空間と雑音副空間との区分を含む高分解能の最も早い到着時間推定値を使用して測位信号のマルチパス成分を識別する。
受信器は、受信されたサンプルを送信器から送信されたシーケンスと相互相関させることによって相互相関関数を生成することと、相互相関関数のピークの左の第1個数のサンプルとピークの右の第2個数のサンプルとを含むピークベクトルを相互相関関数から抽出することとによって、測位信号のマルチパス成分を識別する。
受信器は、少ない雑音ならびに簡単に分離可能なマルチパス成分および非マルチパス成分のうちの少なくとも1つを有するチャネル環境で測定された相関関数から基準ピークベクトルを生成することと、少なくとも複数の擬似乱数符号期間にわたってコヒーレントに平均をとることによってピークベクトル内の信号対雑音比を改善することとによって、測位信号のマルチパス成分を識別する。
受信器は、ピークベクトルのフーリエ変換を計算することと、測定されたピークベクトルのフーリエ変換および基準ピークベクトルのフーリエ変換を使用して、送信されたシーケンスに対応するチャネルの周波数領域推定値を生成することとによって、測位信号のマルチパス成分を識別する。
受信器は、チャネルの周波数領域推定値から減らされたチャネル推定値ベクトルを生成することと、減らされたチャネル推定値ベクトルの推定された共分散行列を定義することと、推定された共分散行列に対して特異値分解を実行することとによって、測位信号のマルチパス成分を識別する。
受信器は、ソートされた特異値のベクトルを生成することと、信号副空間と雑音副空間とを分離するのにソートされた特異値のベクトルを使用することと、雑音副空間行列を生成することと、雑音副空間行列を使用して第1経路の到着時間を推定することとによって、測位信号のマルチパス成分を識別する。
受信器は、アシスタンスデータを受信し、アシスタンスデータは、波形のパルスの立ち上がりエッジでのシステム時刻と、波形のパルスの立ち下がりエッジでのシステム時刻と、複数の送信器のジオコードデータと、複数の送信器に隣接する隣接送信器のジオコードデータと、複数の送信器の付近の少なくとも1つの送信器によって使用されるシーケンスのインデックスと、少なくとも1つの送信器に関するクロックタイミング補正と、ローカル大気補正と、GNSS時刻に対するWAPSタイミングの関係と、擬似距離分解能で受信器を助けるためのローカル環境の表示と、擬似乱数シーケンスのセットのベースインデックスからのオフセット、送信器のセットからの擬似乱数シーケンスのリスト、および特定の擬似乱数シーケンスを利用する送信器のリストのうちの少なくとも1つとのうちの少なくとも1つを含む。
本明細書で説明される実施形態は、複数の送信器から送信された測位信号を使用して位置情報を判定する方法を含む。この方法は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択するステップを含む。ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさは、指定されたしきい値未満である。この方法は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択するステップを含む。ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つである。この方法は、複数の送信器の各送信器から測位信号を送信するステップを含む。測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの少なくとも1つのメンバに従って変調される。複数の送信器のうちの少なくとも2つの送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバに従ってそれぞれの測位信号の第1部分を変調する。この方法は、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つをリモート受信器で受信するステップを含む。衛星信号は、衛星ベースの測位システムの信号である。リモート受信器の第1動作モードは、リモート受信器が測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つからリモート受信器の位置を計算する端末ベースの測位を含む。
本明細書で説明される実施形態は、複数の送信器から送信された測位信号を使用して位置情報を判定する方法であって、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択するステップであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさは、指定されたしきい値未満である、ステップと、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択するステップであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つである、ステップと、複数の送信器の各送信器から測位信号を送信するステップであって、測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの少なくとも1つのメンバに従って変調され、複数の送信器のうちの少なくとも2つの送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバに従ってそれぞれの測位信号の第1部分を変調する、ステップと、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つをリモート受信器で受信するステップであって、衛星信号は、衛星ベースの測位システムの信号であり、リモート受信器の第1動作モードは、リモート受信器が測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つからリモート受信器の位置を計算する端末ベースの測位を含む、ステップとを含む方法を含む。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2進擬似乱数シーケンスのセットを含む。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、ゴールド符号のセットから選択される。
規定された値は、自己相関関数のピーク値をディジタル擬似乱数シーケンスの繰り返さない長さによって除算したものである。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、嵩符号、ベント符号、およびゴールド様符号のうちの1つである。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、切り詰められたシーケンス長を有し、切り詰められたシーケンス長は、標準シーケンス長より短い。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、延ばされたシーケンス長を有し、延ばされたシーケンス長は、標準シーケンス長より長い。
この方法は、測位信号の第1部分がディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第1メンバを用いて変調される時間の第1期間中に、複数の送信器のうちの少なくとも1つから測位信号を送信するステップであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第1メンバは、第1長さを有する、ステップと、測位信号の第2部分がディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第2メンバを用いて変調される時間の第2期間中に、測位信号を送信するステップであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第2メンバは、第2長さを有する、ステップとを含む。
第1長さおよび第2長さは、異なる。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2より大きいアルファベットサイズを有する。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、4元シーケンスのセットである。
アルファベットサイズは、2のべきである。
自己相関関数のピークに隣接する指定された領域は、自己相関関数のピークに直接に隣接する少なくとも10個の連続するシンボルを含む。
測位信号の第2部分は、データシーケンスに従ってさらに変調される。
リモート受信器の第2動作モードは、サーバが、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つから導出された情報からリモート受信器の位置を計算するネットワークベースの測位を含み、リモート受信器は、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つから導出されたサーバ情報を受信し転送する。
本明細書で説明される実施形態は、測位システムを含む。このシステムは、測位信号および測位データをブロードキャストする複数の送信器を含む地上送信器ネットワークを含む。測位データは、測位信号および測位データをブロードキャストする送信器までの距離を計算するのに使用されるデータビットを含む。複数の送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択する。ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさは、指定されたしきい値未満である。複数の送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択する。ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つである。送信器ごとに、測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの少なくとも1つのメンバを用いて変調される。複数の送信器のうちの少なくとも2つの送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバを用いて測位信号を変調する。
本明細書で説明される実施形態は、測位システムであって、測位信号および測位データをブロードキャストする複数の送信器を含む地上送信器ネットワークであって、測位データは、測位信号および測位データをブロードキャストする送信器までの距離を計算するのに使用されるデータビットを含む、地上送信器ネットワークを含み、複数の送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットを選択し、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの任意の2つのシーケンスの間の相互相関関数の大きさは、指定されたしきい値未満であり、複数の送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットからディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットを選択し、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの各メンバの自己相関関数の大きさは、自己相関関数のピークに隣接する指定された領域内で、規定された値と等しいまたは規定された値未満であるのうちの少なくとも1つであり、送信器ごとに、測位信号の少なくとも第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの少なくとも1つのメンバを用いて変調され、複数の送信器のうちの少なくとも2つの送信器は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの異なるメンバを用いて測位信号を変調する測位システムを含む。
このシステムは、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つを獲得するリモート受信器を含み、衛星信号は、衛星ベースの測位システムの信号であり、リモート受信器の第1動作モードは、リモート受信器が測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つからリモート受信器の位置を計算する端末ベースの測位を含む。
このシステムは、リモート受信器に結合されたサーバを含み、リモート受信器の第2動作モードは、サーバが、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つから導出された情報からリモート受信器の位置を計算するネットワークベースの測位を含み、リモート受信器は、測位信号および衛星信号のうちの少なくとも1つから導出されたサーバ情報を受信し転送する。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2進擬似乱数シーケンスのセットを含む。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、ゴールド符号のセットから選択される。
規定された値は、自己相関関数のピーク値をディジタル擬似乱数シーケンスの繰り返さない長さによって除算したものである。
2進擬似乱数シーケンスのセットは、嵩符号、ベント符号、およびゴールド様符号のうちの1つである。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、切り詰められたシーケンス長を有し、切り詰められたシーケンス長は、標準シーケンス長より短い。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットの少なくとも1つのディジタル擬似乱数シーケンスは、延ばされたシーケンス長を有し、延ばされたシーケンス長は、標準シーケンス長より長い。
このシステムは、測位信号の第1部分がディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第1メンバを用いて変調される時間の第1期間中に、複数の送信器のうちの少なくとも1つから測位信号を送信することであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第1メンバは、第1長さを有する、送信することと、測位信号の第2部分がディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第2メンバを用いて変調される時間の第2期間中に、測位信号を送信することであって、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットの第2メンバは、第2長さを有する、送信することとを含む。
第1長さおよび第2長さは、異なる。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、2より大きいアルファベットサイズを有する。
ディジタル擬似乱数シーケンスのセットは、4元シーケンスのセットである。
アルファベットサイズは、2のべきである。
自己相関関数のピークに隣接する指定された領域は、自己相関関数のピークに直接に隣接する少なくとも10個の連続するシンボルを含む。
測位信号の第1部分は、ディジタル擬似乱数シーケンスのサブセットのメンバを用いて変調され、測位信号の第2部分は、測位データを含むデータシーケンスに従ってさらに変調される。
このシステムは、リモート受信器および複数の送信器のうちの少なくとも1つに結合された通信システムを含み、通信システムは、セルラ通信システムである。
複数の送信器は、同期される。
複数の送信器の各送信器は、アシスタンスデータを含む測位データを送信し、アシスタンスデータは、波形のエポックでのシステム時刻と、複数の送信器のジオコードデータと、複数の送信器に隣接する隣接送信器のジオコードデータと、複数の送信器の付近の少なくとも1つの送信器によって使用されるシーケンスのインデックスと、少なくとも1つの送信器に関するクロックタイミング補正と、ローカル大気補正と、擬似距離分解能でリモート受信器を助けるためのローカル環境の表示と、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットのベースインデックスからのオフセット、送信器のセットからのディジタル擬似乱数シーケンスのリスト、および特定のディジタル擬似乱数シーケンスを利用する送信器のリストのうちの少なくとも1つとのうちの少なくとも1つを含む。
複数の送信器によって送信される信号は、周波数獲得とタイミング位置合わせとのうちの少なくとも1つのためのプリアンブルを含む。
複数の送信器は、CDMAネットワークを形成する。
複数の送信器は、TDMAネットワークを形成する。
各送信器の搬送波信号は、複数の送信器の他の送信器の少なくとも1つの他の搬送波信号からオフセットされる。
複数の送信器は、リモート受信器が少なくとも3つの送信器から信号を受信し、各位置での幾何学的精度劣化がしきい値未満になるようするために位置決めされ、複数の送信器のそれぞれの位置は、カバレージ体積にわたる幾何学的精度劣化の平方の体積積分である関数を最小化することによって決定され、体積積分は、リモート受信器の位置の座標に関し、関数の最小化は、カバレージ体積内の指定されたカバレージエリア内の複数の送信器の送信器の送信器位置座標に関し、関数は、カバレージ領域の性能品質に従って重みを付けられる。
複数の送信器の各送信器は、時間基準に同期され、各送信器のタイミング補正は、リモート受信器に提供される。
リモート受信器は、アシスタンスデータを受信し、アシスタンスデータは、波形のエポックでのシステム時刻と、波形のパルスの立ち下がりエッジでのシステム時刻と、複数の送信器のジオコードデータと、複数の送信器に隣接する送信器のジオコードデータと、複数の送信器の付近の少なくとも1つの送信器によって使用されるシーケンスのインデックスと、少なくとも1つの送信器に関するクロックタイミング補正と、ローカル大気補正と、擬似距離分解能でリモート受信器を助けるためのローカル環境の表示と、ディジタル擬似乱数シーケンスのセットのベースインデックスからのオフセット、送信器のセットからのディジタル擬似乱数シーケンスのリスト、および特定のディジタル擬似乱数シーケンスを利用する送信器のリストのうちの少なくとも1つとのうちの少なくとも1つを含む。
このシステムは、リモート受信器のコンポーネントとして大気データセンサを含み、リモート受信器およびサーバのうちの少なくとも1つは、大気データセンサのデータを使用してリモート受信器の位置を計算し、大気データセンサのデータは、圧力データ、温度データ、および湿度データのうちの少なくとも1つを含む。
リモート受信器およびサーバのうちの少なくとも1つは、測位信号を使用して判定された距離測定値と組み合わされた少なくとも1つの追加の信号ソースからの距離測定値を使用してリモート受信器の最終位置を計算し、最終位置は、緯度、経度、および高さのうちの少なくとも1つを含む。
本明細書に記載されたコンポーネントを、一緒にまたは別々のロケーションに配置することができる。通信パスは、コンポーネントを結合し、コンポーネントの間でファイルを通信しまたは転送する任意の媒体を含む。通信パスは、無線接続、有線接続、およびハイブリッド無線/有線接続を含む。通信パスは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、プロプライエタリネットワーク、オフィス間ネットワークまたはバックエンドネットワーク、およびインターネットを含むネットワークへの結合または接続をも含む。さらに、通信パスは、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、およびCD−ROMディスクなどの取外し可能固定媒体、ならびにフラッシュRAM、Universal Serial Bus(USB)接続、RS−232接続、電話回線、バス、および電子メールメッセージを含む。
本明細書で説明されたシステムおよび方法の諸態様を、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)デバイス、電気的にプログラム可能な論理デバイス、電気的にプログラム可能なメモリデバイス、および標準セルベースのデバイスなどのプログラマブルロジックデバイス(PLD)、ならびに特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、さまざまな回路のいずれかにプログラムされた機能として実施することができる。システムおよび方法の態様を実施するいくつかの他の可能性は、メモリ(電子的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)など)を有するマイクロコントローラ、組込みマイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどを含む。さらに、システムおよび方法の諸態様を、ソフトウェアベースの回路エミュレーション、ディスクリート論理(シーケンシャルおよび組合せ)、カスタムデバイス、ファジイ(ニューラル)論理、量子デバイス、および上のデバイスタイプのいずれかのハイブリッドを有するマイクロプロセッサ内で実施することができる。もちろん、基礎になるデバイス技術を、さまざまなコンポーネントタイプ、たとえば、相補型金属酸化物半導体(CMOS)などの金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、エミッタ結合型論理回路(ECL)などのバイポーラ技術、ポリマ技術(たとえば、シリコン共役ポリマ構造および金属共役ポリマ金属構造)、混合されたアナログおよびディジタル、その他で提供することができる。
文脈が他の形で明確に要求しない限り、本明細書および特許請求の範囲の全体にわたって、語「comprise(含む)」、「comprising(含む)」などは、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で、すなわち、「を含むがそれに限定されない」という意味で解釈されなければならない。単数または複数を使用する語は、それぞれ、複数または単数をも含む。さらに、語「本明細書で」、「以下に」、「上記の」、「以下の」、および同様の意味の語は、本願で言及される時に、本願の任意の特定の部分ではなく全体として本願を指す。語「または」が2つ以上の項目のリストに関して使用される時に、その語は、リスト内の項目のうちの任意のもの、リスト内の項目のすべて、およびリスト内の項目の任意の組合せ、というその語の解釈のすべてを包含する。
本システムおよび方法の実施形態の上の説明は、網羅的であることは意図されず、また、本システムおよび方法を開示された正確な形態に限定することも意図されていない。本システムおよび方法の特定の実施形態およびその例は、説明のために本明細書で説明され、当業者が認めるように、さまざまな同等の変更が、本システムおよび方法の範囲内で可能である。本明細書で提供される本システムおよび方法の教示は、上で説明したシステムおよび方法のためだけでなく、他のシステムおよび方法に適用することができる。上で説明したさまざまな実施形態の要素および行為を、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。これらおよび他の変更を、上の詳細な説明に照らして本システムおよび方法に対して行うことができる。
一般に、次の特許請求の範囲では、使用される用語は、システムおよび方法を本明細書および特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきでなく、特許請求の範囲の下で動作するすべてのシステムおよび方法を含むように解釈されなければならない。したがって、システムおよび方法は、本開示によって限定されるのではなく、その範囲は、特許請求の範囲によって全体的に決定されなければならない。本システムおよび方法のある種の態様が、ある請求項の形で下に提示されるが、本発明人は、任意の数の請求項の形でシステムおよび方法のさまざまな態様を企図している。したがって、本発明人は、システムおよび方法の他の態様について追加の請求項の形を追求するべく、本願を提出した後に追加の請求項を加える権利を保留する。