JP2014525455A - ブチル化ヒドロキシアニソール化合物を含むパーソナルケア組成物 - Google Patents

ブチル化ヒドロキシアニソール化合物を含むパーソナルケア組成物 Download PDF

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Abstract

500g/モル以下の分子量を有するエチレン性モノマー、及び2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物を有する、パーソナルケア組成物。化合物は、エチレン性モノマーのキログラムあたり約1ミリグラム〜約1000ミリグラムの量でパーソナルケア組成物に存在する。

Description

本発明は、(a)500g/モル以下の分子量を有するエチレン性モノマー;(b)2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むパーソナルケア組成物であって;(b)が、(a)の1キログラムあたり約1ミリグラム〜約1000ミリグラムの量で組成物中に存在する組成物に関する。
エチレン性化合物は、一般にパーソナルケア製品に使用される。例えば、エチレン性モノマーは、ヘアスタイリング製品に使用されることが知られている。WO2009/088520A1には、毛幹の内部領域を化学修飾するためのエチレン性モノマーの使用が記載されおり、特にエチレン性分子が、毛髪及び/又は互いに結合して、より大きな分子を形成し得る。これは、言い換えると、毛髪の剛性を内部的に増大させ、スタイルの形成又はボリュームの増大を可能にし、かつより長時間にわたってスタイル保持を可能にする。
エチレン性化合物は、使用前に、反応、例えば重合を阻害するために安定化させる必要があることが多い。4−メトキシフェノールは、例えばビニル及びアクリル系モノマーの既知の阻害物質である。現代において、パーソナルケア製品の消費者は、製品の内容物の起源及び人の健康に対するこうした内容物のいずれかの潜在的な効果にますます興味を示している。
WO2009/088520A1
故に、消費者にとってより許容可能であり、既知の阻害物質化合物と比較して、少なくとも同等の性能を有する阻害物質化合物が必要とされ続けている。更に、より大きな阻害有効性を有する阻害物質化合物が必要とされている。また、阻害がもはや所望されない場合、例えば反応開始剤が添加される場合に、エチレン性モノマーが改善された反応性を有するような改善された阻害物質が所望される。
第1の態様によれば、本発明は、500g/モル以下の分子量を有するエチレン性モノマー;(b)2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むパーソナルケア組成物であって、(b)が、(a)の1キログラムあたり約1ミリグラム〜約1000ミリグラムの量で組成物に存在する、組成物に関する。
第2の態様によれば、本発明は、第1の態様に従う組成物を毛髪及び/又は皮膚に適用する工程を含む毛髪及び/又は皮膚を処置するための方法に関する。
第3の態様によれば、本発明は、以下を含むキットに関する:
(i)第1の態様に従う組成物;
(ii)酸化性調合物。
第4の態様によれば、本発明は、毛髪及び/又は皮膚を処置するための第1の態様に従う組成物の使用に関する。
ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)にて測定され、本発明の組成物が利用されるときに、比較対照用の組成物と比較して、ポリマーの分子量の増加が起こることを示す図である。
プロトン核磁気共鳴分光法(1H−NMR)で測定したエチレン性モノマーの経時的消失を示す図である。
本発明の全ての実施形態では、特に記述のない限り、全ての百分率は、組成物全体の重量によるものである。全ての比率は、特に記述のない限り、重量比である。全ての範囲は、包含的であり、かつ組み合わせ可能である。有効数字の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。
全ての数値的な量は、特に指示のない限り、用語「約」によって修飾されることが理解されよう。特に指示がない限り、全ての測定は、25℃において周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%における条件を意味する。列挙される成分についてのこうした重量は全て活性レベルに基づいたものであり、特に断らない限り、市販の物質に含有される可能性のある基剤又は副生成物は含まれない。
本明細書では、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない、他の工程及び他の成分を追加し得ることを意味する。この用語は、用語「〜からなる」及び用語「本質的に〜からなる」を包含する。本発明の組成物、方法、使用法、キット、及びプロセスは、本明細書で説明される、本発明の必須要素及び制約、並びに本明細書で説明される、追加成分若しくは任意成分、構成要素、工程、又は制約のいずれをも含み、それらからなり、本質的にそれらからなることができる。
用語「実質的に含まない」とは、本明細書で使用するとき、組成物及び/又は調合物全体の、約1重量%未満、好ましくは約0.8重量%未満、より好ましくは約0.5重量%未満、更により好ましくは約0.3重量%未満、最も好ましくは約0重量%を意味する。
「毛髪」とは、本明細書で使用するとき、頭皮の毛、顔面の毛、及び身体の毛を含めた、哺乳類の毛を意味し、より好ましくは、ヒトの頭部及び頭皮上の毛を意味する。「毛幹」とは個々の毛髪のストランドを意味し、「毛髪」なる用語と互換可能に用いうる。
本明細書で使用するとき「毛幹の内部領域」とは、角皮の内側部分及び角皮の下及び角皮の下を含む毛幹のあらゆる非表面部分を意味する。「非表面部分」とは、外部環境と直接接触しない毛髪の部分を意味するものとして理解することができる。
本明細書で使用するとき「頭皮の近位」とは、伸ばした、すなわちほぼ真っ直ぐとした毛幹の、毛髪の末端よりも距離的に頭皮に近い部分を意味する。したがって、毛髪の約50%は頭皮の近位とみなされ、毛髪の約50%は頭皮の遠位とみなされる。「頭皮の近位zセンチメートル」とは、一方の端点が頭皮上、又は頭皮に直接隣接する位置にあり、他方の端点が、伸ばした、すなわちほぼ真っ直ぐとした毛髪の長さに沿って「z」センチメートルとなる位置にあるような、毛髪に沿った距離「z」のことを意味する。
「美容上許容可能な」とは、本明細書で使用するとき、説明される組成物、調合物、又は成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、及びアレルギー反応性などを伴わず、ヒトのケラチン組織と接触させて使用するために好適であることを意味する。本明細書で説明され、ケラチン組織に直接適用するという用途を有する全ての組成物及び調合物は、美容上許容可能であるよう制限される。
本明細書で使用するとき、「誘導体」とは、アミド、エーテル、エステル、アミノ、カルボキシル、アセチル、酸、塩及び/又は所与の化合物のアルコール誘導体を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき「モノマー」とは、反応開始剤の存在下で重合可能な個別の重合していない状態の化学的部分を意味する。
本明細書で使用するとき「エチレン性モノマー」は、オレフィン性炭素−炭素二重結合(C=C)を含有する化学種を意味し、反応開始剤の存在下で重合を行うことができる。
本明細書で使用するとき「ポリマー」は、2つ以上のモノマーの重合によって形成される化学物質を意味する。本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、モノマーの重合、並びに天然ポリマーによって作製される全ての材料を含むべきである。1種類だけのモノマーから作製されるポリマーは、ホモポリマーと称される。ポリマーは、少なくとも2つのモノマーを含む。2種以上の異なる種類のモノマーから作製されるポリマーは、コポリマーと称される。異なるモノマーの分布は、統計的に又はブロックごとに計算することができ、両方の可能性は、本発明には好適である。特に明記される場合を除いて、本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマーを含む、いかなる種類のポリマーが含まれる。
本明細書で使用するとき、用語「ヘアスタイリングポリマー」は、表面上に膜を形成する毛髪を固定するポリマーを意味する。毛髪の文脈の中では、この表面は、個々の毛髪繊維又はその複数の毛髪繊維の表面である。ポリマーは、接合部を形成するために、それらを一緒に接着させ、これが、保持効果を提供する架橋結合である。同時に、これらの接合部は、ユーザに毛髪の保持及びボリューム効果を提供する「ヘアネット」を形成する。接合部のネットが、有効に形成されるとき、保持及びボリューム効果が、一日中続き、環境湿度への良好な耐性を提供することができる。
用語「分子量」又は「M.Wt.」は、本明細書で使用するとき、特に記述のない限り、数平均分子量を指す。
本明細書で使用するとき、「化学修飾する」、又はその文法的な等価表現は、モノマー及び/又は架橋剤及び/又はポリマーなどの化学的部分が、例えばケラチン蛋白質、別の毛髪成分、及び/又は別のモノマー若しくは架橋剤、又はポリマーなどの第2の化学的部分と安定的に結合することを意味する。
本明細書で使用するとき、「別々にパッケージングされた」とは、1つの組成物又は調合物が第2の組成物又は調合物と物理的に接触、又は混合することを防止する任意のパッケージングの形態を意味する。「別々にパッケージングされた」とは、個々の組成物/調合物が別々の容器にパッケージングされているか、あるいは組成物/調合物同士が物理的に接触しないように1個の容器に分割されていることを意味し得る。
本明細書で使用するとき、「相対湿度」とは、空気中に存在する水蒸気の量を意味する。本明細書において「高い相対湿度」とは、周囲条件におけるよりも高い相対湿度、すなわち少なくとも約70%を指す。本明細書で使用するとき、「環境湿度」とは、本発明の方法が完了した後に消費者が曝露され得る相対湿度に関する。環境湿度の一例としては、天候状態によるものがある。本明細書において使用するところの「環境湿度耐性」とは、環境湿度の悪影響に効果的に耐える毛髪の性質に関する。
本明細書で使用するとき、「改善されたスタイル保持力」及び/又は「ヘアスタイル持続性」とは、本発明の組成物が毛髪に適用された後に形成された、形状化された、及び/又は得られたヘアスタイルが、組成物が適用されていない同一の毛髪と比較して、より長い時間維持されることを意味する。
本明細書で使用するとき、「ボリュームの改善された外観」とは、毛髪が、発明の組成物が適用された後、組成物が適用される前と比較して、視覚的に著しくより優れたボリューム、すなわち、頭皮とヘアスタイルの最外層との間の距離、及び/又は個々の毛髪間の距離を呈することを意味する。
本明細書で使用するとき、「耐湿性の改善」は、毛髪が本発明の組成物を適用された後、組成物が適用される前と比較して水蒸気(すなわち、約50%を超える相対湿度)に露出されたときに、ボリューム減、髪型の乱れ、縮れ毛の増加といった視覚的に目立つ影響を呈し得ないことを意味する。
本明細書で使用するとき、「キット」は、複数の構成要素を含むパッケージユニットを意味する。キットの例としては、例えば、第1の組成物、及び別々にパッケージングされた第2の組成物が挙げられる。別のキットは、第1の組成物と、エネルギー送達装置と、を含み得る。別のキットは、3つの異なる種類の別々にパッケージングされた組成物と、ヘアスタイリング用具と、を含み得る。更なるキットは、方法を含む適用指示書と、組成物/調合物と、を含み得る。
本明細書で使用するとき、「別々にパッケージ化された」とは、第1の組成物が第2の組成物と物理的に接触する、又は混ざることを防ぐ、パッケージングのいずれかの形状を意味する。「別々にパッケージングされた」とは、個々の組成物が別々の容器にパッケージングされているか、あるいは組成物同士が物理的に接触しないように1個の容器にパッケージングされていることを意味し得る。
本明細書で使用するとき、「用具」とは、組成物の毛髪への適用及び/又は毛髪の取り扱いを容易にするために使用される装置を意味する。用具の例には、くし、有向送達のための手段(例えば、アプリケーター又はチューブ)、毛髪を覆うもの(例えば、ビニール袋、シャワーキャップ等)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「エネルギー送達装置」とは、毛髪及び頭皮を含むケラチン組織にエネルギーを送達するために使用される、いずれかの装置を意味する。「エネルギーの送達」とは、ケラチン組織の表面が、毛幹及び/又は毛包を含む組織の所望の層に浸透し得る、エネルギー送達装置から放出されるエネルギーに暴露されることを意味する。エネルギーには、光、熱、音(超音波を含む)、電気エネルギー、磁気エネルギー、電磁気エネルギー(ラジオ波及びマイクロ波を含む)の形のエネルギー、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
本発明は、重合阻害物質の使用により更に有効に安定化されたエチレン性モノマーを含む組成物を提供する。2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物(本明細書において化合物[b]としても既知)を選択することによって、他の阻害物質に対してエチレン性モノマーの優れた安定性が提供される。化合物(b)が良好な安定化有効性を有するという事実にも拘わらず、エチレン性モノマーの反応性は低下させない(図1及び2を参照のこと)。結果として得られるポリマーの分子量は初期ラジカル濃度の二乗根と反比例する(つまり、その意味ではラジカルは反応開始剤で活性化されたエチレン性モノマーである)ことは、当該技術分野において公知である。改善された阻害効果と相互関連して、重合開始時にラジカルの発生が少ないので、より高分子量のポリマーになる傾向がある(図1を参照のこと)。更に、高温に曝される際に、化合物(b)は、長期間にわたって全ての他の阻害物質よりも更に安定である。
理論に束縛されないが、炭素ラジカルの形成時にエチレン性モノマー上の−CH=CH2基の代わりに、化合物(b)は、エチレン性モノマー上のラジカルにそのヒドロキシル基からのプロトンを供与できると考えられる。得られたモノマーは、ラジカルがもはや存在しないので重合不可能である。阻害物質化合物上のブチル基は、フェニル環中の得られたラジカルを安定化できる電子供与(+I)基として作用するとも考えられる。これは、以降でより詳細に説明される。式Iは、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール(CAS番号121−00−6)を示し、ここでこのメトキシ基は、「OMe」で表され、tert−ブチル基は「Bu−t」で表される。本明細書で使用するとき、本明細書に記述されるアニソール系化合物のための炭素−1位は、メトキシ基で炭素置換される。
Figure 2014525455
エチレン性モノマーの例は、3−スルホプロパアクリレート(sulfopropacrylate)(3−SPA)である。経時的には、別のモノマーと反応でき、早期に重合できるビニル位置にてラジカルを生じるので、早期の重合を回避するために安定化される必要がある。エチレン性不飽和モノマー、例えば3−SPAは、「R」と略記できる(式IIを参照のこと)。
Figure 2014525455
エチレン性モノマーラジカル(R・)が創出されたら、それは阻害物質化合物(b)と反応する。阻害物質は、一般に安定な、すなわち未反応性ラジカルを形成し、故にモノマーラジカルの早期の自家重合を防止する。化合物(b)と反応する場合、モノマーラジカルは、ヒドロキシル基からの水素を取り込むので、再生される(スキームIを参照のこと)。
Figure 2014525455
理論に束縛されることを望まないが、化合物(b)が、例えばより安定な中間体を形成するので、4−メトキシフェノールに比べてエチレン性の不飽和モノマーの重合のためにより有効な阻害物質であると考えられる。化合物(b)のtert−ブチル基は、水素引き抜き時に形成される環ラジカルの効果を含む陽電子を有するので、4−メトキシフェノールの場合よりも化合物(b)の場合により形成され易い(スキームIIを参照のこと)。
Figure 2014525455
第1の態様によれば、組成物は、分子量が約500g/モル以下のエチレン性モノマーを含む。実施形態において、エチレン性モノマーはビニル基を含む。本明細書で使用するとき「ビニル基」は、H2C=CHRを意味する。実施形態において、エチレン性モノマーは、アクリレート基又はメタクリレート基を含む。本明細書で使用するとき、「アクリレート基」は、H2C=CH−C(O)O−Rを意味する。アクリル酸は、例えばRが水素であるので、アクリレート基を含む。本明細書で使用するとき、「メタクリレート基」は、H2C=C(CH3)−C(O)O−Rを意味する。実施形態においては、エチレン性モノマーが、メサコン酸、2−ペンテン酸、チグリン酸、チグリン酸エステル、フラン−3−アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、マレアミド酸、3−アミノクロトン酸、クロトン酸エステル、イタコン酸無水物、トリメチルシリルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、N−ビニルアセトアミド、2−アセトアミドアクリル酸、ビニルスルホン酸、テトラヒドロフルフリルアクリレート、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、ビニルプロピオネート、ビニルアニソール、ビニルクロトネート、メチル3−ヒドロキシ−2−メチレンブチレート、メタクリロイル−L−リシン、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、2−アクリルアミドジグリコール酸、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、N−イソプロピルメタクリルアミド、2−アミノエチルメタクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウム塩、[2−(アクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウム塩、アルキルアセトアミドアクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、これらの誘導体及び混合物からなる群から選択される。実施形態において、本組成物は、前述の群から選択される少なくとも1種のエチレン性モノマーを唯一のエチレン性モノマーとして含む。実施形態において、エチレン性モノマーは、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、及び塩類、誘導体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。実施形態において、存在する唯一のエチレン性モノマーは、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、及び塩類、誘導体、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。実施形態において、唯一のエチレン性モノマーは、3−スルホプロピルアクリレートである。実施形態において、エチレン性モノマーは、3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩として組成物に添加される3−スルホプロピルアクリレートである。
別の実施形態において、エチレン性モノマーは、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸カルシウム、モノエタノールアミンアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,5−ブチルアミノエチルアクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸カルシウム、モノエタノールアミンメタクリレート、2−N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,4−ジヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−エポキシブチルメタクリレート、2−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、2−エチル(2−ジエチルアミノ)メタクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、イタコン酸(及びその塩類)、ビニルピリジン、レソルシノール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
実施形態において、モノマーは重合前に毛幹中に浸透する必要があるため、エチレン性モノマーの分子量は重要である。大きいモノマー及び/又は巨大モノマーは、毛幹中に浸透しにくい。実施形態において、エチレン性モノマーは、約50g/モル〜約500g/モル、又は約75g/モル〜約400g/モル、又は約100g/モル〜約400g/モル、又は約150g/モル〜約300g/モルの分子量を有する。実施形態において、エチレン性モノマーは、約50g/モル未満、又は約75g/モル未満、又は約100g/モル未満、又は約150g/モル未満、又は約500g/モルを超える、又は約400g/モル以下、又は約300g/モル以下の分子量を有していない。
エチレン性モノマーは、本組成物全体の約0.1重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜約15重量%、又は約5重量%〜約14重量%、又は約7重量%〜約13重量%、又は約11重量%〜約12.5重量%の量で存在してもよい。
実施形態においては、第1の態様に従う組成物中に2種以上のエチレン性モノマーが存在する。結果として得られるポリマーは、コポリマーであり得る。
組成物は、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含む。更に、(b)は、(a)の1キログラムあたり約1ミリグラム〜約1000ミリグラムの量で組成物中に存在し、ここで(b)は、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物の総量を意味し、(a)は、約500g/モル以下の分子量を有するエチレン性モノマーの総量を意味する。この「総量」はまた、組成物が特定のエチレン性モノマーを含む場合に適用される。実施形態において、(b)は、(a)の1キログラムあたり約50ミリグラム〜約800ミリグラム、又は約100ミリグラム〜約500ミリグラム、又は約100ミリグラム〜約300ミリグラム、又は約100ミリグラム〜約200ミリグラムの量で組成物中に存在する。実施形態において、(b)は、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール及び3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソールの混合物である。実施形態において、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール及び3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソールの混合物が、50重量%を超える、又は60重量%を超える、又は80重量%を超える3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソールを含む。
化合物(b)は重合開始剤として機能し、すなわちそれはエチレン性モノマーを安定化し、結果として重合しない。化合物(b)は、エチレン性モノマーが有効に安定化され、またエチレン性モノマーが反応開始剤に曝される場合に、エチレン性モノマーが効率よく、かつ迅速に重合するという優れた性能を提供する。実施形態において、組成物は、エチレン性モノマーの重合から誘導されるポリマーを実質的に含まない。
エチレン性モノマーを安定化するために使用される他の重合開始剤は、例えば4−メトキシフェノールが当該技術分野において既知である。実施形態において、組成物は、約500ppm未満、又は約400ppm未満、又は約300ppm未満、又は約200ppm未満、又は約100ppm未満、又は約50ppm未満、又は約10ppm未満の4−メトキシフェノールを含む。実施形態において、組成物は、化合物(b)を除いて、重合阻害物質を実質的に含まない。
本組成物は、毛幹に浸透するうえで好適な分子量を有する架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤の目的は、モノマーを毛髪に、及び/又はモノマーを他のモノマーに、及び/又はポリマーを他のポリマーに共有結合的に結合することにある。架橋剤の分子量は、約500g/モル以下、又は約100g/モル〜約500g/モル、又は約100g/モル〜約400g/モル、又は約200g/モル〜約400g/モルであり得る。
架橋剤は、1,4−ビスアクリロイルピペラジン、メチレンビスアクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、ポリ−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フォスフェート、N,N’−ビス(アクリロイル)シスタミン、N,N−ジアリルアクリルアミド、トリアリルシアヌレート、3−(アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
実施形態において、エチレン性モノマーの重量%と架橋剤の重量%の比率(すなわち、エチレン性モノマー:架橋剤)は、約50:1〜約10:1、又は約40:1〜約10:1、又は約20:1〜約10:1である。
本明細書に記載されるように組成物若しくは調合物、又はその複数は更に、増粘剤を含んでいてもよい。組成物がジェル、クリーム、ローション剤、乳濁液などの形態である場合、粘度が重要となる。これは、粘度によって、皮膚及び/又は毛髪から組成物が滑り落ちるのを防げるためである。ただし、粘度が下がると、活性物質が毛幹の内部領域に浸透/拡散し易くなる。組成物がジェルの形態であるときに25℃かつ1rpmにてBrookfield Viscosimeter RVDV III Ultra CP 52で測定される組成物の粘度は、約500mPa.s〜約15000mPa.s、又は約1000mPa.s〜約10000mPa.s、又は約1500mPa.s〜約7500mPa.s、又は約2000mPa.s〜約5000mPa.sである。
増粘剤は非イオン性濃化剤、カチオン性濃化剤、アニオン性濃化剤、両性濃化剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る、好ましくは非イオン性濃化剤、アニオン性濃化剤、及びこれらの混合物である。増粘剤は、組成物全体の約0.1重量%〜約10重量%、又は約0.2重量%〜約5.0重量%の量で組成物中に存在していてもよい。
いずれかの重合エチレン性モノマーに備わる典型的なアニオン性の化学的性質上、組成物としてはアニオン性濃化剤(又はこれらの混合物)が好ましい。非イオン性濃化剤、又はアニオン性濃化剤は、いずれかの生成ポリマーと直接に相互作用することが少なく、このため、不溶性の錯体又は析出物が形成されることも少ない。また、増粘剤は、必要なpHにて安定していることが好ましく、エチレン性モノマーの活性レベルに実質的に影響を及ぼさない。増粘剤は、架橋ポリマーであってもよいし、又は非架橋ポリマーであってもよい。
実施形態において、増粘剤は疎水性修飾のポリアクリレートポリマーである。そのような疎水性修飾のポリアクリレートポリマーは、少なくとも1種の塩を添加して組成物/調合物を生成した場合、特に好適である。本組成物は、本組成物全体の約0.5重量%〜約1.5重量%の疎水性修飾ポリアクリレートポリマーを含んでいてもよい。好適な疎水性修飾のポリアクリレートポリマーとしては、Ultrez(登録商標)20/21(供給元:Lubrizol)及びPermulen(登録商標)TR1(供給元:Lubrizol)などのアクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートコポリマー、Aculyn(登録商標)28(供給元:Rohm & Haas)などのアクリレート/ベヘネス−25メタクリレートコポリマー、Structure(登録商標)3001又は2001(供給元:Akzo Nobel)などのアクリレート/セテス−20イタコネートコポリマーが挙げられる。
実施形態において、増粘剤は非架橋会合増粘ポリマーである。本組成物は、本組成物全体の約0.5重量%〜約3重量%の非架橋会合増粘ポリマーを含んでいてもよい。好適な会合濃化剤としては、ポリウレタン−30、例えばLuvigelSTAR(登録商標)(供給元:BASF)などのポリウレタン系ポリマーが挙げられる。また、EO−PO−ブロックコポリマー、例えばPluronics(供給元:BASF)も有用であり得る。
実施形態において、増粘剤は少なくとも1種の多糖類、好ましくは少なくとも1種のヘテロ多糖を含有する。本組成物中に存在する全多糖類は、組成物全体の約0.2重量%〜約5重量%、又は約0.5重量%〜約4重量%であり得る。好適な多糖類及びヘテロ多糖としては、デンプン及びその誘導体、例えば、リン酸を有するモノエステル類若しくはジエステル類、セルロース系及びその誘導体、キサンタンガム、カラゲナンが挙げられる。好適なヘテロ多糖類としては、Keltrol(登録商標)T(供給元:Kelco)、及びNatrosol(登録商標)250 HHR(供給元:Herkules)などのキサンタンガムが挙げられる。実施形態において、多糖類は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、カラゲナン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。キサンタンガム及びこれらの誘導体は、組成物全体の約0.2重量%〜約1.5重量%、又は約0.5重量%〜約0.9重量%の量で存在する。デンプン及びこれらの混合物は、本組成物全体の約3重量%〜約4重量%の量で存在する。好適なデンプンは、Structure(登録商標)XL(供給元:National Starch)などのヒドロキシプロピルデンプンホスフェートである。実施形態において、本組成物は2種類の多糖増粘剤を含む。
組成物が更に、美容上許容可能な基剤を含んでいてもよい。本明細書に記載の別の組成物若しくは調合物又はその複数もまた、美容上許容可能な基剤を含んでいてよい。組成物/調合物は、美容上許容可能な基剤を、組成物又は調合物全体の約60重量%〜約99.9重量%、又は約70重量%〜約95重量%、又は約80重量%〜約90重量%含み得る。美容上許容可能な基剤は、水;揮発性シリコーン、アミノ系若しくは非アミノ系シリコーンガムなどのシリコーン;C2〜C10のアルカン、アセトン、メチルエチルケトン、揮発性のC1〜C12の有機アルコール;酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルなどのC1〜C20の酸とC1〜C8のアルコールとのエステル;ジメトキシエタン、ジエトキシエタン;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールなどのC10〜C30の脂肪族アルコール;ラウリン酸及びステアリン酸などのC10〜C30の脂肪酸;ラウリルジエタノールアミドなどのC10〜C30の脂肪族アミド;C10〜C30の脂肪族アルキル安息香酸エステルなどのC10〜C30の脂肪族アルキルエステル、ヒドロキシプロピルセルロース、及びこれらの混合物などの有機化合物を含んでいてもよい。実施形態において、基剤は水、脂肪族アルコール類、揮発性有機アルコール類、及びこれらの混合物を含む。実施形態において、基剤は水である。
実施形態において、組成物は更に、カチオン及びアニオンを含み、このカチオンは、電荷密度が0.05電荷/ピコメートル以上、又は約0.052電荷/ピコメートル以上の無機カチオンからなる群から選択される。実施形態において、無機カチオンは金属である。実施形態において、カチオンは電荷密度が約0.04電荷/ピコメートル以下、又は約0.05電荷/ピコメートル未満の無機カチオンからは選択できない。実施形態において、このカチオンは、電荷密度が約0.050電荷/ピコメートル〜約0.090電荷/ピコメートル、又は約0.052電荷/ピコメートル〜約0.080電荷/ピコメートル、又は約0.070電荷/ピコメートル、又は約0.060電荷/ピコメートル、又は約0.053電荷/ピコメートルの無機カチオンからなる群から選択される。
イオンの電荷密度を、電荷をイオン半径で除算して計算すると、1ピコメートルあたりの電荷密度が求められる。例えば、Sr2+の場合、イオン半径は127pmで、電荷は2である。結果的に、1ピコメートルあたりの電荷は0.0157電荷/pmである。一般的な金属のイオン半径は、The Procter & Gamble Company(ここで指定された発明者はA.Flohr、T.Krause、及びM.Loifenfeldである)の名で、出願の名称が「毛幹の内部領域を化学的に改質するための組成物」である、2011年1月19日に出願されたEP特許出願11151384.2の表1に見出され得る。イオン半径の表は、一般の無機化学教科書、例えばAtkins P.W.,Physical Chemistry,6th Edition,2001にも見出され得る。
実施形態において、無機カチオンは少なくとも2+、又は少なくとも3+の電荷を有する。実施形態において、無機カチオンは遷移金属ではない。実施形態において、無機カチオンは過酸化水素を開裂する能力を有する金属ではない。好ましい実施態様においては、無機カチオンはAl3+である。
カチオンとモノマーのモル比(すなわち、カチオン:モノマー)は、約1:10〜約2:1、又は約1:5〜約3:2、又は約1:2〜約1:1、又は約1:3〜約1:1であり得る。エチレン性モノマーを塩の形態で本組成物中に添加する場合、カチオンのモル量は、エチレン性モノマーの対イオンのモル量を超過することが望ましい。
無機カチオンはまた、酸化性調合物、フィニッシング調合物、及び/又はこれらの組み合わせに存在し得る。実施形態において、酸化性調合物はカチオンを含み、このカチオンは電荷密度が約0.04電荷/ピコメートル以下、又は約0.05電荷/ピコメートル未満の無機カチオンからは選択されない。実施形態において、酸化性調合物はカチオンを含み、このカチオンは、電荷密度が約0.05電荷/ピコメートル以上の無機カチオンからなる群から選択され、かつ酸化性調合物全体の約0.001重量%〜約2重量%、又は約0.01重量%〜約1重量%、又は約0.04重量%〜約0.2重量%の量で存在する。
実施形態において、本発明はアニオンを含む。アニオンは、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、塩化物、クエン酸塩、乳酸塩、ギ酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。好適なアニオンは、硫酸塩、スルホン酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましい実施形態では、アニオンは硫酸塩である。
実施形態において、カチオン対アニオンのモル比(カチオン:アニオン)は約1:5〜約5:1、又は約1:4〜約3:1、又は約2:3〜約3:2である。無機金属カチオンはAl3+、アニオンは硫酸塩であり、カチオン対アニオンのモル比は約2:3である。アニオンはまた、酸化性調合物、フィニッシング調合物、及びこれらの組み合わせに存在し得る。
実施形態において、組成物は、毛幹の内部領域を化学的に改質するためのものである。実施形態において、化学修飾は、毛幹の内部領域にポリマーを形成する工程、毛幹の内部領域をポリマーで修飾する工程、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。実施形態において、発生する重合はフリーラジカル重合である。
実施形態において、本組成物は、酸化剤及び/又は反応開始剤を実質的に含まない。別の実施形態において、本組成物は、過酸化物、好ましくは過酸化水素;過硫酸塩、好ましくは過硫酸カリウム又は過硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸化剤を実質的に含まない。別の実施形態において、本組成物はα−メチレンラクトン化合物を実質的に含まない。別の実施形態において、本組成物はすぐに使える形態であって、「すぐに使える形態」とは、毛髪に適用する前に予混合を必要としないことを意味する。別の実施形態において、組成物は、以下の少なくとも1つを実質的に含まない:還元剤、遷移金属、毛髪染料、又はこれらの組み合わせ。実施形態では、本組成物は、塩化合物を実質的に含まない。実施形態において、組成物は、エチレン性モノマーの塩を除いて、塩化合物を実質的に含まない。
実施形態において、組成物は、増大した毛髪ボリューム、増大した毛髪の豊かさ、増大した毛髪弾力、増大した毛髪の動き、改善された毛髪感触、改善された毛髪モビリティ、改善された毛髪質感、改善された毛髪の健康的な外観、増大したヘアスタイルに対するコントロール、改善された所望のヘア形状保持力、改善されたヘアスタイル持続性、改善された毛髪光沢、より整え易い毛髪、増大したカール鮮明度、より鮮明な見た目の毛髪、改善された湿度耐性、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される性能利益を提供する。実施形態において、性能利益は依然として、約15回の洗浄の後消費者の少なくとも約40%、又は消費者の少なくとも約45%、又は消費者の少なくとも約50%、又は消費者の少なくとも約55%、又は消費者の少なくとも約60%、又は消費者の少なくとも約65%、又は消費者の少なくとも約70%に対して顕著である。実施形態において、消費者は日常的に毛髪をスタイリングする細い及び/又は軟弱な毛髪、日常的に毛髪をスタイリングする濃く及び/又は乱れがちな髪の消費者からなる群から選択される。
本明細書に記載の組成物若しくは調合物又はその複数が、1種以上の公知の任意成分を更に含んでいてもよく、一方、任意成分が本明細書に記述される必須成分と物理的かつ化学的に適合するか又はさもなければ製品安定性、審美感若しくは性能を過度に損なわないという条件では、ヘアケア製品又はパーソナルケア製品での使用に効果的である。このような任意成分の非限定的な例については、いずれもその全容を本明細書に援用するInternational Cosmetic Ingredient Dictionary,Ninth Edition,2002、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition,2004に開示されている。そのような任意選択成分の非限定的な実施例の幾つかは、以下に開示されている通りであり、可塑剤、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、又は非イオン性物質であり得る)、中和剤、推進体、ヘアコンディショニング剤(例えば、シリコーン流体、脂肪族エステル類、脂肪族アルコール類、長鎖炭化水素、カチオン性界面活性剤、その他)、緩和剤、潤滑油、及び浸透剤(種々のラノリン化合物、ビタミン、蛋白質、防腐剤、色素、染料、漂白剤、還元薬剤、及び他の着色剤など)、遮光剤、ゲル化剤、毛髪若しくは皮膚をトリートメントするための生理活性化合物(例えば、フケ防止活性物質、毛髪成長活性物質)、粘土を含む非ポリマー系の濃化剤、並びに香水を包含する。
油性化合物は皮膚及び/又は頭皮にエチレン性モノマーが浸透するのを促進し得るが、それは好ましくない。実施形態において、組成物は油性化合物を実質的に含まない。別の実施形態において、組成物及び酸化性調合物(以下に記載される)は、油性化合物を実質的に含まない。
組成物は異なる製品形態であってもよい。例えばジェル、乳濁液、クリーム、スプレー、ローション又はムースからなる群から選択される形態であり得る。酸化性調合物は、ジェル、乳濁液、クリーム、スプレー、ローション、ムースの形態であり得る。酸化性調合物にとって最も好ましい形態は、ローションである。
組成物はpHが約2.0〜約9.0であってもよい。実施形態において、pHは約2.5〜約7.5、約4.0〜約7.0、又は約4.0〜約6.9である。実施形態において、pHは、約4.5〜約6.7、約5.0〜約6.6、約5.2〜約6.5、約5.3〜約6.5、約5.5〜約6.5、又は約5.5〜約6.0である。実施形態において、本組成物はpHが約7.0以上である。
第2の態様によれば、本発明は、毛髪及び/又は皮膚上に第1の態様に従う組成物を適用する工程を含む毛髪及び/又は皮膚を処置する方法に関する。実施形態において、毛髪及び/又は皮膚は、酸化性調合物で前処理されている。
実施形態において、方法は、毛髪に酸化性調合物を適用する工程を含む。酸化性調合物は酸化剤を含む。酸化剤は、過酸化物、好ましくは過酸化水素;過硫酸塩、好ましくはカリウム過硫酸塩又はナトリウム過硫酸塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。本明細書に記載されている別の1つの以上の組成物又は調合物は、少なくとも1種の酸化剤を含み得る。実施形態において、第1の態様に従って組成物は、酸化剤を実質的に含まない。実施形態においては、酸化性調合物は毛髪着色剤を実質的に含まないか、又は酸化染料及び/又は直接染料を実質的に含まない。
酸化剤は、酸化性調合物全体の約0.01重量%〜約15重量%の量で存在していてもよい。過硫酸塩酸化剤を使用する場合、粉末形態であってよく、毛髪に適用する前に液体として即時に混合できる。組成物/調合物中の過硫酸塩の最終的な量は、組成物/調合物全体の約0.5重量%〜約2重量%、又は0.8重量%〜約1.2重量%であり得る。酸化剤が過酸化物である場合、この過酸化物は組成物又は調合物全体の約0.5重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%、又は約1.3重量%〜約3重量%、又は約1.5重量%〜約3重量%の量で存在してもよい。
実施形態においては、毛髪に酸化性調合物を適用してから毛髪から湿気を除去するまでの間に酸化性調合物を毛髪上に時間yにわたって残留させ、時間yは約1分〜約120分、又は約2分〜約45分、又は約3分〜約20分、又は約4分〜約10分である。
酸化性調合物が過酸化物を含有する場合、この酸化性調合物は、pHを安定させるための緩衝液系を含み得る。好適な緩衝液は、キレート化剤としても作用し得る。過酸化物は遷移金属による開裂に感応するため、水道水中に微量に存在し得る遷移金属(例えば、パイプ由来の銅又は鉄)のキレート化は、重要である。緩衝液系の不存在下では、遷移金属が過酸化物を開裂して不活性化し得る。典型的な緩衝液系は、強酸及びその弱共役塩基、又は弱塩基及びその共役酸を含む。好適な緩衝液系の例は、リン酸及びリン酸二ナトリウムである。緩衝液系のもう1つの例は、クエン酸及び水酸化ナトリウムである。実施形態において、第1の態様に従う組成物が緩衝剤システムを含む。
方法は、毛髪を脱湿潤する工程を含んでいてもよく、これは第1の態様に従う組成物の適用前に酸化性調合物の適用後に生じる。実施形態において、毛髪から湿気を除去する工程は、毛髪に吸収材料を適用して湿気を毛髪から吸収材料に移動させる工程を含み、この湿気は美容上許容可能な基剤を含有する。吸収材料は、タオル、吸収紙、及びこれらの組み合わせからなる群から選択できる。実施形態において、毛髪から湿気を除去する工程は、水分を毛髪から蒸発させる工程を含み、この水分は美容上許容可能な基剤を含有する。実施形態において、毛髪から湿気を除去する工程は、酸化性調合物が毛髪からしたたり落ちないようにタオルドライする工程を含む。実施形態において、毛髪から湿気を除去する工程は、毛髪から表面の酸化性調合物を除去する工程を含む。実施形態において、毛髪から湿気を除去する工程は、毛髪から酸化性調合物を洗い落とす工程を含まない。毛髪から湿気を除去する工程は、時間zの間継続でき、ここで時間zは、約1分〜約120分、又は約2分〜約45分、又は約3分〜約20分、又は約4分〜約10分である。
実施形態において、方法は、第1の態様によれば、組成物を時間xの期間毛髪に留まらせることができる工程であって、ここで時間xは、約1分〜約120分である工程;毛髪をすすぐ工程;毛髪を洗浄する工程を含む。時間xは、約5分〜約100分、又は約10分〜約90分、又は約20分〜約60分であってもよい。実施形態において、方法は、毛髪にエネルギー送達装置を適用することを含み、これが頭皮に対して近位に適用されてもよい。
第3の態様において、本発明は、
(i)第1の態様に従う組成物;
(ii)酸化性調合物を含むキットに関する。
実施形態において、このキットは:(i)第1の態様に従う組成物;(ii)酸化性調合物であって、この酸化性調合物が実質的に毛髪染料を含まない調合物;(iii)場合により第2の態様に従う方法を含む適用指示書を含む。実施形態において、キットは第1の態様に従う酸化性調合物を更に含み、この酸化性調合物は第1の態様に従う組成物とは別々にパッケージされている。別の実施形態は、
(i)第2の態様に従う方法を含む適用指示書と、
(ii)第1の態様に従う組成物を含む製品と、
(iii)酸化性調合物全体の約0.01重量%〜約15重量%の酸化剤を含む酸化性調合物を含んで構成される製品と、
(iv)場合により第1の態様に従う組成物及び酸化性調合物とは異なる調合物を含む製品であって、この調合物が、酸化性調合物、フィニッシング調合物、還元性調合物、ヘアスタイリング調合物、フィニッシング調合物、コンディショニング調合物、シャンプー調合物、染色調合物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるヘアトリートメント剤である製品と、を含むキットに関する。
キットの別の実施形態において、キットは:
(v)用具と、
(vi)装置と、のうちの1以上を更に含む。
第4の態様によれば、本発明は、毛髪及び/又は皮膚を処置するための第1の態様に従う組成物の使用に関する。実施形態において、この使用は、毛幹の内部領域を改質するためである。
組成物:実施例1〜7
Figure 2014525455
注:表中の全ての数は特に記述しない限り重量%である;QSP=100%になる十分な量;1=Cellosize(登録商標)HEC QP−4400H(Dow Europe GnbH製);2=Keltrol(登録商標)CG−T(CP Kelco AHUBER COMPANY製);3=Genapol(登録商標)C−100(Clariant Produkle GmbH(Deutschland)製);4=Cremophor(登録商標)EL(BASF The Chemical Company製);5=3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩(Raschig製);6=Natrosol(登録商標)250 HHR(Herkules製)。
成分1〜8(クエン酸までを含む)をまず共に混合し第1の相を創出する。第2の相は、以下の6成分(2−フェノキシエタノールから芳香剤までを含む)からなる。第2の相に関して、まず溶液が形成されるまで、2−フェノキシエタノール及びp−ヒドロキシ安息香酸メチルエステルを混合する。次いで、40℃のコセス−10を溶液に添加して撹拌する。続いてPEG−35ヒマシ油及び芳香剤を混合する。第1及び第2の相を共に混合し、次いで残りの成分を共に混合して、得られた組成物を5分間混合する。
比較データ
実験1−エチレン性モノマーレベル
UVと組み合わせたHPLCは、経時的に阻害されたエチレン性モノマーの安定性を測定するために使用した。組成物を高ストレス条件、すなわち、例えばエアコンディショニングシステムを備えていない大型トレーラにおける輸送中の場合がそうであるように、高温に曝した。高温でのインキュベーションも、ここで測定されるよりも長い期間についてのRTでの安定性の予測を補助できる。
使用されるHPLCカラムは、室温で使用されるNucleodur C18 Pyramid、5μm EC 250/4(Macherey−Nagel製)であった。使用されたサンプルは、100mLのH2O中に溶解したジェル300mgであった。使用されたエチレン性モノマーは、3−スルホプロピルアクリレート(3−SPA)であった。10μLを注入量とした。溶媒A及びBを使用した。溶媒Aは:990mLのH2O;10mLのCH3CN、2gのKH2PO4、1mLのH3PO4(85%)を含んでいた。溶媒Bは、400mLのH2O、600mLのCH3CN、2gのKH2PO4、1mLのH3PO4(85%)を含んでいた。使用される検出器は、220nmでのUVであり、これはエチレン性モノマーに対応する溶媒フロー中の異質物を検出できる。
以下の表に、示された阻害物質に関して示された温度でインキュベーションされた後のエチレン性モノマー−この場合は3−SPA−のレベルを比較する。値は、残りの3−SPAのパーセンテージを指す。表中の「停止された」とは、不十分な性能のために、組成物が実験から取り出され、更に分析されなかったことを示す。
Figure 2014525455
注:wks=週。
実験1からの結論:化合物(b)、すなわち本発明に従うものによって阻害されるエチレン性モノマーは、4−メトキシフェノール又はトコフェロールのいずれかによって阻害されるエチレン性モノマーよりも長期間安定であった。これは、60℃及び90℃において、他の阻害物質に対して化合物(b)について特にあてはまった。
実験2−時間に対する60℃での阻害物質レベル
この実験において、1つの阻害物質は、エチレン性モノマーを含む組成物に添加された。次いで組成物を60℃で数週間インキュベートし、阻害物質の量が開始時及び示された時間点において測定された。阻害物質レベルの測定はまた、HPLCによって行われた。エチレン性モノマーは3−SPAであった。場合によって、異なるレベルの同じ阻害物質を比較した。この実験において化合物(b)は、2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール及び3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール(約94%〜99.99%の3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソール及び約0.01%〜6%の2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−アニソールを含む)の混合物であった。3−SPAがアクリル酸から製造され、4−メトキシフェノールがその阻害物質であるので、この場合にテストされた全ての組成物において、微量の4−メトキシフェノールが存在した。表中の「停止された」とは、不十分な性能のために、組成物が実験から取り出され、更に分析されなかったことを示す。以下の表において、データは時間に対して60℃でのパーセンテージ阻害物質として表される。
Figure 2014525455
実験3−時間に対する100℃での阻害物質レベル
実験2と同様であるが、インキュベーションは100℃で行った。以下の表において、データは時間に対して100℃での阻害物質のパーセンテージとして表される。
Figure 2014525455
実験2及び3の結論は、化合物(b)が、長期間にわたって高温でテストされた他の阻害物質よりも安定であることを含む。
実験4−GPC
実施形態において、使用中、エチレン性モノマーが重合する。エチレン性モノマーの重合結果として得られるポリマーの分子量は、ルーチンGPCで水性(アニオン性)溶液にて求めることができる。GPC設備には、1チャンネルの脱ガスシステム[WGE−Dr.Bures]、アイソクラチックポンプ[P 1000(Spectra Physics)]、GPC液0.1モル/lの1.0mL/分のフラックス速度でのNaNO3オートサンプラAS 1000(Spectra Physics)、サンプリング100μL、PSS SUPREMAカラム(1)Guard(8×50mm)、(2)Suprema 3000 A(8×300mm;10μm)、(3)Suprema 1000 A(8×300mm;10μm)、(4)Suprema 100 A(8×300mm;10μm)、カラムオーブンK−7(TECHLAB GmbH,Germany)[T=30℃]、UV−Detector UV 2000(Spectra Physics)、RI−Detector Refractometer SEC−2010(WGE Dr.Bures,Germany)が含まれる。Pullulan−Standardsに準拠して分子量0.3〜710kDaの範囲で検定を実施した。PSS製ソフトウェアWinGPC Unityを使用して、データ解析を行った。
GPCデータは、図1に示される。文字「x」によって表されるx軸は、ダルトン(Da)単位の分子量である。文字「y」で表されるy軸は強度である。4−メトキシフェノールによって阻害され、すなわち本発明によるものではない3−SPAは、白色ダイヤによって示される。化合物(b)によって阻害され、すなわち本発明による3−SPAは、黒色点で示される。
結果として得られるポリマーの分子量は初期ラジカル濃度の二乗根と反比例する(つまり、その意味ではラジカルは反応開始剤で活性化されたエチレン性モノマーである)ことは、当該技術分野において公知である。したがって、GPCデータから信頼のおける結論を得るためには、エチレン性モノマー消費の反応速度則を理解することが重要である。よって、出願人は1H−NMRを利用してエチレン性モノマー変換の反応速度則を理解している。故に図1から導かれる結論は、本発明の組成物が利用される場合に比較組成物に比べてポリマー分子量のわずかな増大がもたらされることを含む。
実験5−1H−NMR
水性媒体中でのエチレン性モノマーのフリーラジカル重合の反応速度則は、1H−NMRを使用して追跡できる。例えば、カリウム3−スルホプロピルアクリレートの重合は、以下の反応Xに示される(ここでR−O−O−Rは反応開始剤であり、nは重合された単位の数である)。
Figure 2014525455
変換の決定は、残留(非重合)エチレン性モノマーの信号を、反応の始動前に反応混合物に添加される基準物質の信号と比較することによって、及び/又はポリマー及びエチレン性モノマー両方から生じる信号を比較することによって、実施してもよい。トリエチレングリコール及びベンゼンスルホン酸ナトリウムは、不活性基準物質として使用できる。変換は、積算(integrals)を比較して導き出される。不活性基準物質が添加されたら、方程式Aに従って変換の計算ができる。
Figure 2014525455
式中、imonoはエチレン性モノマーからの信号の積算であり、nH,monoはエチレン性モノマーからの信号中のH原子の数であり、Xmonoはモルの反応開始前エチレン性モノマーの量(モル数)であり、irefは基準からの信号の積算であり、nH,refは基準からの信号中のH原子の数であり、Xrefはモルの基準の量である。
残留エチレン性モノマーの信号を、エチレン性モノマーの信号とポリマーの信号との組み合わせと比較することによって変換の計算を行う場合、方程式Bを利用できる。
Figure 2014525455
式中、imonoはエチレン性モノマーからの信号の積算であり、nH,monoはエチレン性モノマーからの信号中のH原子の数であり、icombはエチレン性モノマー及びポリマーからの結合信号の積算であり、nH,combはエチレン性モノマー及びポリマーからの結合信号の中のH原子の数である。
シリコーン共栓付きの丸いフラスコ中で、18mLの適切な溶媒(塩の添加あり若しくはなしの緩衝液、又は超高純度の脱塩水)に、エチレン性モノマー及び添加剤(該当する場合)を溶解するという実験的手順を使用してもよい。pH 5.8にて実験に利用できる緩衝液は、以下のように調製された。119.2mgのNaH2PO4及び141.9mgのNa2HPO4を110mLの超高純度水に溶解し、希釈されたリン酸を添加してpHを5.8の最終的な値に調整する。数mLの同じ溶媒中に、所望量の反応開始剤を溶解する(反応混合物の総重量が25.0gになるように、正確な溶媒量を個別に調整する)。コンタクト温度計を用い、油浴によって反応温度を調整する。反応開始剤溶液をシリンジで反応混合物に移すことによって、反応が開始される。反応開始剤を使用しない場合には、反応前に開始材料入りのフラスコを油浴させないでおくため、油浴に接触した時点が開始点と見なされる。特定の時点で、3.0mLのサンプルをシリンジで採る。反応を中止する場合は、これらのサンプルを直接、空気に曝し、0.100gのヒドロキノンを添加する。サンプルを別々に凍結乾燥し、1H−NMR分光法で分析して、変換の測定を行う。
例として、3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩は、式Mにて以下に示され、式中、H1は、NMRによって分析できる水素原子の位置を示す。
Figure 2014525455
6.5〜6.4ppm(百万分の一)での信号は、残留エチレン性モノマーにおけるH1原子に一致する。3.8〜3.6ppmでの信号は、トリエチレングリコール中の12H原子に一致する。4.4〜4.2ppmでの信号は、結合信号に一致する。
この技術を利用して、図2は、エチレン性モノマー種のポリマー種への変換を示す。「y」で標識されるy軸は、エチレン性モノマーのモルによってパーセンテージ単位の変換を示し、「x」で標識されるx軸は、分単位での時間を示す。エチレン性モノマーが4−メトキシフェノールで阻害される実験に関して、データポイントは、点線によって結合された黒色十字で標識される。エチレン性モノマーが化合物(b)で阻害される、すなわち本発明に従う実験に関して、データポイントは、実線によって結合された白丸で標識される。両方の実験において、組成物は、4重量%のAl2(SO43×18(H2O)、すなわちアルミニウムスルフェート十八水和物;エチレン性モノマーとしての12重量%の3−スルホプロピルアクリレート、127mgの塩酸システインを含む。更なる反応条件は、以下を含んでいた:反応開始剤として25.8ミリモルの過酸化水素を利用してpH 5.8で周囲大気中で行われる。
図2から導かれる結論は、エチレン性モノマーのほぼ全てが変換され、本発明に従う及び従わない組成物が比較される場合に、反応速度則の明確な差がないように重合が生じることを含む。化合物(b)が、4−メトキシフェノールに対して同等の反応速度則をもたらす。
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。

Claims (15)

  1. パーソナルケア組成物であって、
    (a)500g/モル以下の分子量を有するエチレン性モノマーであって、このエチレン性モノマーが、アクリレート基又はメタクリレート基を含む、モノマー;
    (b)2−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、及びこれらの混合物から成る群から選択される化合物を含み;
    (b)が、(a)の1キログラムあたり約1ミリグラム〜約1000ミリグラムからの量で組成物中に存在し;
    前記組成物が、美容的に許容可能な基剤をさらに含む、組成物。
  2. 前記組成物が、約500ppm未満、又は約400ppm未満、又は約300ppm未満、又は約200ppm未満、又は約100ppm未満、又は約50ppm未満、又は約30ppm未満の4−メトキシフェノールを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物が、カチオン及びアニオンを更に含み;前記カチオンは、電荷密度が0.05電荷/ピコメートル以上の無機カチオンから成る群から選択される、請求項1〜2のいずれか一項に記載の組成物。
  4. 前記組成物が増粘剤を更に含み、前記増粘剤が、少なくとも1つの多糖類、好ましくは少なくとも1つのヘテロ多糖を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. (b)が、(a)の1キログラムあたり、約50ミリグラム〜約300ミリグラム、又は約100ミリグラム〜約200ミリグラムの量で組成物中に存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記エチレン性モノマーが、前記組成物全体の約0.1重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜約15重量%、又は約5重量%〜約14重量%、又は約7重量%〜約13重量%の量で存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記エチレン性モノマーが、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸カルシウム、モノエタノールアミンアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,5−ブチルアミノエチルアクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸カルシウム、モノエタノールアミンメタクリレート、2−N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,4−ジヒドロキシブチルメタクリレート、2,3−エポキシブチルメタクリレート、2−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、2−(2−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、並びにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記組成物が、エチレン性モノマーの重合から誘導されるポリマーを実質的に含まない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記組成物が、化合物(b)を除いて、重合阻害物質を実質的に含まない、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記エチレン性モノマーが、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、及びこれらの塩、誘導体並びにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜6及び8〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 毛髪及び/又は皮膚上に、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物を適用する工程を含む、毛髪及び/又は皮膚を処置する方法。
  12. 前記毛髪及び/又は皮膚が、酸化性配合物で前処理されている、請求項11に記載の方法。
  13. (i)請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物;
    (ii)酸化性調合物
    を含むキット。
  14. 毛髪及び/又は皮膚を処置するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  15. 毛幹の内部領域を改質するための、請求項14に記載の使用。
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