JP2014523925A - 高脂血症及びその心血管系の合併症の予防及び治療のための3−ヒドロキシアントラニル酸(3−haa)による治療 - Google Patents

高脂血症及びその心血管系の合併症の予防及び治療のための3−ヒドロキシアントラニル酸(3−haa)による治療 Download PDF

Info

Publication number
JP2014523925A
JP2014523925A JP2014523889A JP2014523889A JP2014523925A JP 2014523925 A JP2014523925 A JP 2014523925A JP 2014523889 A JP2014523889 A JP 2014523889A JP 2014523889 A JP2014523889 A JP 2014523889A JP 2014523925 A JP2014523925 A JP 2014523925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
haa
hyperlipidemia
use according
prevention
functional analogue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014523889A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014523925A5 (ja
Inventor
コー ハンソン ヨーラン
エフ イー ケテルフス ダニエル
Original Assignee
コー ハンソン ヨーラン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コー ハンソン ヨーラン filed Critical コー ハンソン ヨーラン
Publication of JP2014523925A publication Critical patent/JP2014523925A/ja
Publication of JP2014523925A5 publication Critical patent/JP2014523925A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/185Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
    • A61K31/19Carboxylic acids, e.g. valproic acid
    • A61K31/195Carboxylic acids, e.g. valproic acid having an amino group
    • A61K31/196Carboxylic acids, e.g. valproic acid having an amino group the amino group being directly attached to a ring, e.g. anthranilic acid, mefenamic acid, diclofenac, chlorambucil
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/12Drugs for disorders of the urinary system of the kidneys
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/04Inotropic agents, i.e. stimulants of cardiac contraction; Drugs for heart failure
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明は、高脂血症及びその心血管系の合併症、すなわち、アテロームの形成、アテローム性動脈硬化によって生じる心筋梗塞及び心不全、虚血性脳卒中及び一過性脳虚血発作、腎機能障害、大動脈瘤及び重症虚血肢に対する、哺乳類、特にヒトの予防及び/又は治療のための、トリプトファン代謝物、3-ヒドロキシアントラニル酸(3-HAA)又はその機能性類似体の使用に関する。

Description

本発明は、高脂血症の治療のためのトリプトファン代謝物3-ヒドロキシアントラニル酸(3-HAA)又はその機能性類似体の使用に関する。特に、本発明は、高脂血症及び高脂血症と関連した心血管系の合併症、特にアテロームの形成、アテローム性動脈硬化によって生じる心筋梗塞、虚血性脳卒中及び一過性虚血発作、腎機能障害、大動脈瘤及び重症虚血肢の予防及び/又は治療のための、脂質低下治療としての3-HAA又はその機能性類似体それ自体、又は適したビヒクルとの併用による3-HAA又はその機能性類似体の使用を含む。
大部分が動脈におけるアテローム硬化性アテロームの形成によって生じる心血管疾患(CVD)は、西欧諸国における死の主因であり、また途上国においても死の主因となりつつある(参考文献1)。しかしながら、脂質低下薬剤、例えば、スタチンを使用した高脂血症の予防において進歩が見られ、一次予防(すなわち、CVDの臨床上の証拠がない個体における予防)及び二次予防(すなわち、証明されたCVDに罹患する患者における予防)双方に関して延命効果が証明されている(参考文献2〜4)。さらに、他の種類の薬物、例えば、HDLレベルを上昇するフィブラートは、臨床試験で冠疾患の進行を低下し(参考文献5及び6)、成績調査において心血管事象の発生を減少することが示されている(参考文献7及び8)。
アテローム性動脈硬化は、マクロファージとT細胞の応答の不適応なセット及び動脈中のアテロームの形成につながる、動脈壁内のアポリポタンパク質B100(ApoB100)含有リポタンパク質、特に、低密度リポタンパク質(LDL)の保持及び蓄積によって惹起される慢性炎症疾患である(参考文献9及び10)。よって、循環するApoB100リポタンパク質を低下させることは、動脈壁に蓄積する脂質の可能性を低下することに加えて他の有益な効果を有するかもしれない。
高レベルのLDL及びその前駆体粒子、超低密度リポタンパク質(VLDL)は、心筋梗塞、脳卒中、及び他のアテロームの合併症のリスク増加と関係がある。上昇されたLDL及びVLDLレベルは、血清又は血漿の試料中の高コレステロール及びトリグリセリドレベルに反映される。斯かる上昇された血液脂質レベルは高脂血症の状態を構成し、これは心筋梗塞、脳卒中及び他のアテローム硬化性合併症のリスクの増大と相関すると言われている。
高脂血症のレベルは、欧州心臓病学会のSCORE基準で定義され、脂質低下療法で達成されるべき標的値もまた特定する(参考文献11)。高LDLコレステロール又は総コレステロールによって影響を受ける心血管系のリスクは、斯かる同一文献において概要が記載されるように、HDLコレステロールレベルが高い場合に低下する。逆に、低HDLレベルは、上昇された総コレステロール又はLDLコレステロールの心血管のリスクを増大する。スウェーデン医療製品庁(Lakemedelsverket)によって定義される高脂血症の現在のレベルは、総コレステロール > 5 mmol/L、LDL-コレステロール >3 mmol/L、及びHDL-コレステロール <1 mmol/L(参考文献12)である。
HDL粒子は、細胞からのコレステロールの除去を媒介することによって動脈において保護作用を発現する。HDLへの取り込み後、コレステロール分子は肝臓へ輸送され、胆汁酸に変換され、腸を介して排出される。
高脂血症の現在の治療は、スタチンと呼ばれる薬剤の群が多数を占める。これらの化合物は、大抵の個体においてLDLコレステロールに良好な効果を有するが、HDLにのみマイナー効果を有する(参考文献13)。さらに、一部の個体は、スタチン又は他の脂質低下剤に耐容性がない。これらの理由のため、新たな脂質低下剤の開発が必要である。
LDLの修飾リン脂質、例えばリゾホスファチジルコリン及び1-パルミトイル-2-(5’-オキソバレロイル)-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POVPC)等は、内皮細胞、平滑筋細胞、及びマクロファージを刺激できる(参考文献14及び15)。斯かるアテローム生成脂質が、Toll様受容体の活性化を介して自然免疫応答を惹起することが現在知られている(参考文献16〜18)。さらに、内部に取り入れられたLDL粒子を有するマクロファージにおけるコレステロール蓄積は、炎症性サイトカイン、インターロイキン-1ベータの産生につながるインフラマソームを直接活性化する微結晶を形成し得る(参考文献18)。つまり、これらのデータは、LDLの修飾が、アテロームの形成を促進し得る自然免疫応答の活性化を引き起こす内因性リガンドを生じることを意味する。
適応免疫は、アテローム硬化性アテロームの進行で重要な役割も担う。抗原提示細胞は、スカベンジャー受容体を介して内部に取り入れられるLDL粒子を含む、内膜中の抗原と遭遇しこれらを内部移行する(参考文献19)。タンパク質分解後、LDLタンパク質ApoB100の断片は、細胞内でMHCクラスIIタンパク質と結合し、細胞表面へ輸送し、T細胞へ提示される。後者の事象は、局所炎症を引き起こし維持し得るT細胞活性化及びサイトカインの産生に繋がる(参考文献20)。
局所病理過程上のこれらの影響に加えて、免疫細胞及びメディエーターは全身レベルの脂質代謝を調節する。よって、炎症性サイトカイン腫瘍壊死因子(TNF)は、リポタンパク質リパーゼ、トリグリセリド代謝における鍵酵素を抑制し、高トリグリセリド血症につながる(参考文献21)。他のTNF様タンパク質、LIGHTは、肝臓で作用することによって他のリパーゼ、肝臓リパーゼを抑制する(参考文献22、23)。これは、トリグリセリド異化反応の減少並びにトリグリセリド及びコレステロールを含む大きなリポタンパク質の血中蓄積に繋がる。第三の例として、スタチンクラスのコレステロール降下薬は、T細胞活性化を低減し複数の自己免疫疾患を抑制することによって顕著な免疫調節効果を表す(参考文献24、25)。
これらのデータは全て、免疫と代謝系との間の複雑なクロストークを説明し、免疫細胞依存的経路を使用することによって高脂血症を治療し、アテロームの形成を抑制することが可能となり得ることを示唆している。
最近のデータは、IDO(インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ)及びIDO-触媒トリプトファン代謝が免疫抑制及び耐性の誘発において重要な役割を担うことを示す(参考文献26)。IDOは、IDO1遺伝子でコードされる(染色体8の10エクソン、ヒトでは8p12-p11でコードされる)。酵素は、L-トリプトファン(L-Trp)をN-ホルミルキヌレニンに代謝し、斯かる生成物はホルムアミダーゼによって迅速にL-キヌレニン(KYN)に変換される。キヌレニンは順に血流に入る又はさらに下流のキヌレニン(Kyns)に代謝され得る。これらのKynsは、3-ヒドロキシキヌレニン(3-HK)、3-ヒドロキシアントラニル酸(3-HAA)、及びキノリン酸(QUIN)を含む(参考文献27)。
下流のトリプトファン代謝物、例えば、3-ヒドロキシアントラニル酸(3-HAA、図1)等が、Th1及びTh2細胞の機能を抑制し、調節性T細胞(Tregs)の割合を増大し得ることが示されている。さらに、3-HAAの投与が、Th17細胞によって誘発される炎症を減少しマウスを自己免疫脳炎から保護することが示されている(参考文献28、29)。実際、データは、T細胞への直接効果、又は改変された抗原提示を介した樹状細胞及びマクロファージへの間接効果によって、3-HAAが自己免疫を調整し得ることを示唆する(参考文献30)。
高脂血症は、血液脂質、特に、血漿リポタンパク質LDL及びVLDLに輸送されたコレステロール及びトリグリセリドの異常に上昇されたレベルの症状である。高脂質レベルによって、動脈壁におけるLDLの内皮下の保持及び蓄積が続き、これはマクロファージ及びT細胞の慢性の不適応な炎症反応、及びアテロームの形成に繋がる。これに関連して、脂質低下薬、例えば、スタチン及びフィブラートを使用した高脂血症の予防は、心血管系事象の数を減少し、リスクにある又はCVDの罹患が証明されている患者の生存を増加することが証明されている(参考文献2〜4、7,8)。
本願発明者は、一連の実験において、免疫調節化合物3-HAAが高脂血症に対して予想外の強力な効果を示し、有意に総血漿コレステロール及びトリグリセリドレベルを低下することを発見した。さらに、3-HAAは有意にHDLレベルを上昇させ、VLDL/HDL及びLDL/HDL比を低下した。従って、斯かる血漿脂質の有益な変化は、アテローム硬化性プラーク進行の顕著な低下を伴った。よって、3-HAA及びその機能性類似体は、高脂血症及びその心血管系の合併症、すなわち、アテロームの形成、アテローム性動脈硬化によって生じる心筋梗塞、虚血性脳卒中及び一過性脳虚血発作、腎機能障害、大動脈瘤及び重症虚血肢の予防及び治療のための脂質低下剤の新たなクラスと認められ得る。
従って、本発明は、高脂血症の治療又は高脂血症の心血管系の合併症の予防における3-HAA又はその機能性類似体の使用に関する。
3-HAAの機能性類似体は、脂質代謝に対して3-HAAと同一又は本質的に同一の効果を保持する、3-HAAの酸化及び還元生成物及び3-HAAの置換された変異体と考えられる。
一実施形態によれば、高脂血症は、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び複合型高脂血症(高脂血症の複合型形態)から成る群から選択される。好ましい実施形態において、高脂血症は、血漿中の高密度リポタンパク質(HDL)の低レベルと関係する。
好ましい実施形態において、高脂血症の心血管系の合併症は、アテロームの形成である。
本発明のさらなる実施形態において、高脂血症の心血管系の合併症は、アテロームの形成の臨床症状である。
一実施形態によれば、3-HAA又はその機能性類似体は、心筋梗塞及び/又は心不全の予防のために使用される。
一実施形態において、3-HAA又はその機能性類似体は、狭心症予防の使用用である。
好ましい実施形態において、3-HAAは、虚血性脳卒中及び/又は一過性脳虚血発作の予防の使用用である。
他の実施形態において、3-HAA又はその機能性類似体は、末梢性虚血、壊疽、腎機能障害、大動脈瘤、及び/又は重症虚血肢の予防の使用用である。
本発明の一実施形態によれば、高脂血症の合併症は、高脂血症の皮膚科学合併症である。
他の実施形態によれば、高脂血症の皮膚科学合併症は、黄色腫である。
図1は、3-ヒドロキシアントラニル酸(3-HAA)分子を表す。分子式: C7H7NO3。モル質量 153.14 g/mol。IIUPAC名:2-アミノ-3-ヒドロキシ安息香酸。 図2は、腹腔マクロファージによるFITC-oxLDLの取り込みを示す。3-HAA(200 mg/Kg)又はPBS(8週間処置)を注入したLdlr-/-マウス由来の腹腔マクロファージを、37℃で2時間、FITC-oxLDLで20μgタンパク質/mlの濃度でインキュベートした。取り込みをフローサイトメトリーで定量化した。(A)示される値は、各マウスに関する3通りのウェルの平均値 ± 標準誤差のFITC-oxLDLのMFIである(3-HAA又はPBSそれぞれに関して、n= 5及び6)。(B)グラフは、3-HAA又はPBS処置マウスの腹腔マクロファージ由来の代表的ヒストグラムを示す**)P<0.01。 図3は、血漿脂質分析を示す。(A)総コレステロール及び(B)トリグリセリドのレベルを、3-HAA又はPBS処置マウス(8週間処置)由来の血漿中で評価した。(C)は3-HAA又はPBS処置マウスの血漿由来のリポタンパク質特性のサイズ分析を示す。各画分中のコレステロール濃度(y軸)を滞留画分(retention fraction)数(x軸)に対してプロットされており、曲線は3-HAA及びPBS処置マウスの平均値± 平均値の標準誤差を示す。値は、平均値± 平均値の標準誤差で表されている(3-HAA又はPBSそれぞれ、n= 5及び6)**)P<0.01。 図4は、3-HAAがアテロームの進行を低下することを示す。12週齢のLdlr-/-マウスを、3-HAA又はPBS(対照)で処置した。Western dietを与えたマウスを8週後に屠殺した。解剖した弓の表面を(en face)Sudan IVで染色し、総血管部位に対する病変部位(%)を、Image Jの画像分析ソフトウェア(NIH, Bethesda, MD)を使用して算出した。所定の大動脈弓中の全プラークのさらなる部位を、斯かる弓の総表面積の割合として算出した。(3-HAA又はPBSそれぞれ、n= 7及び10)。***)P<0.001。
実験手順
1週間に3回、8週間、3-HAAを腹腔内に注入する(200 mg/kg)ことによって、代謝及び炎症へ効果のある防御免疫の誘発が達成され得る、と仮定された。12週齢Ldlr-/-マウスを、3-HAA、又はPBS(対照)で処置した。最初の注入後から8週間後の二酸化炭素による屠殺まで、マウスに高脂肪食最初の2日間を給餌した。
血漿コレステロール及びトリグリセリドを、製造者のプロトコールに従って酵素比色分析キットを使用して測定した。解剖した大動脈弓をSudan IVで表面を染色し、総血管部位における%病変部位を算出した。さらに、3-HAA又はPBS処置マウス由来の腹腔マクロファージの培養下において、3-HAAの取り込みoxLDLへの効果を評価した。
材料と方法
動物及び動物の処置
Ldlr-/-マウスを繁殖させ、Karolinska大学病院の分子医薬センターの動物実験ユニットで飼育した。マウス(1群あたり、n= 7-10)にPBS(200 μl)又は3-HAA(PBS 中、200 mg/Kg)の3回の腹腔内注射を、6週間毎週行い、2週間後、毎週1回の注射を行い(総24回の注射)、CO2で屠殺した。処置の2日後に、マウスに高脂肪食(コーンスターチ、ココアバター、カゼイン、グルコース、スクロース、セルロース小麦粉、ミネラル及びビタミン; 17.2%タンパク質、21 %脂質(62.9% 飽和、33.9% 不飽和及び3.4% ポリ不飽和)、0.15% コレステロール、43% 炭水化物、10% H20及び3.9%セルロース繊維; R638 Lantmannen, Sweden)の給餌を開始した。
低密度リポタンパク質(LDL)の単離
参考文献31に記載されるように、健康なドナーのプールした血漿から、LDL(d = 1.019-1.063 g/mL)を超遠心分離法で単離した。単離後に、血漿を調製しPBSに対して広範にLDLを透析した後すぐに、2mMベンズアミジン、0.5mM PMSF及び0.1 U/ml アプロチニンを加えた。1ミリモル濃度のEDTAを一定分量のLDLに添加し、LDL粒子の修飾を防止した。
FITC(フルオレセインイソチオシアネート)標識酸化LDL(FITC-oxLDL)の調製
以前(参考文献32)に記載される方法の変更を使用してLDLを標識した。簡潔には、LDL(1.5-2 mg/ml)を一晩、500 mM NaHCO3 pH 9.5に対して透析した。次に、DMSO(1 mg/ml)に溶解した50 μgのFITC(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)を、LDL中のタンパク質1mgに対して添加し、室温で2時間インキュベートした。インキュベーション後、溶出用のPD10カラム(GE Healthcare, Uppsala, Sweden)及びPBSを使用して複合物をゲル濾過によって遊離の蛍光色素から分離した。吸収分光法によって、495 nmでFITC検量線に対してFITC複合を評価した。Bradfordアッセイ(Biorad, CA, USA)によってタンパク質濃度を測定した。37℃で18時間、20 μΜ CuSO4の存在下での1 mlのFITC-LDL(1 mg/ml)のインキュベーションによって、酸化FITC-LDL(FITC-oxLDL)を得た。参考文献33に記載されるように、TBARSアッセイによって酸化の程度を評価した。
腹腔マクロファージによるOxLDLの取り込み
3-HAA又はPBSの最後の注入の24時間後、Ldlr-/-マウスからPBSの腹腔洗浄で腹腔マクロファージを単離した。PBS中での2〜3時間後に、1 % FCS含有のRPMI 1640培地において、20 μg/ml FITC-oxLDLと共にウェルあたり1x105細胞の密度で96ウェルプレートにマクロファージを播種した。37℃で2時間のインキュベーション後に、細胞をPBSで2度洗浄し、PBS中で4%パラホルムアルデヒドで固定した。CyAn(登録商標)ADPフローサイトメーター(Dako, Glostrup, Denmark)上で細胞を分析した。
血漿脂質分析
製造者のプロトコールに従って、酵素比色分析キット(Randox Lab. Ltd. Crumin, UK)を使用して、血漿コレステロール及びトリグリセリドを測定した。
リポタンパク質特性
血漿コレステロールリポタンパク質特性を、Okazaki等の方法(参考文献34)の変更を使用して測定した。簡潔には、3-HAA又はPBSで処置したマウス由来の血漿試料(50μl)を、Prominence UFLCシステム(Shimadzu, Kyoto, Japan)と組み合わせたHR10/30 Superose 6カラム(GE Healthcare, Uppsala, Sweden)及びプレカラムとしてのDiscovery BIO GFC-500(5 cm x 7.8 i.d.; Supelco(登録商標), Sigma-Aldrich, PA, USA)を使用して分画し、トリス緩衝食塩水、pH 7.4で平衡化した。Foxy Jr(登録商標)画分コレクター(Teledyne Isco Inc, NE, USA)を使用して200 μlの画分を採取し、酵素比色分析キット(Randox Lab. Ltd. Crumin, UK)を使用して総コレステロールを各画分中で測定した。
病変分析
表面の脂質蓄積を、Sudan IV染色を使用して3-HAA及びPBS処置マウス由来の大動脈弓中で測定した。簡潔には、当該解剖した弓を4% 中性緩衝ホルマリン中で固定した。試料を続いて長軸方向にカットし、広げ、ピンで固定し、Sudan IV染色(赤色)に供した。Leica MZ6実体顕微鏡(Leica, Wetzlar, Germany)に接続されたLeica DC480カメラを使用して画像を取り込んだ。所定の大動脈弓(分岐血管を含まない)における全プラークのさらなる領域を、弓の総表面積への割合として算出した。Image Jソフトウェア(NIH, Bethesda, USA)を使用して、プラークの定量化を行った。
統計分析
値は、他に表示のない限り、平均値±平均値の標準誤差(SEM)として表される。ノンパラメトリックマンホイットニーのU検定を、群間比較のために使用した。違いはP値0.05未満で顕著と見なされた。
結果
3-ヒドロキシアントラニル酸は、oxLDLの取り込みを抑制する。
蛍光FITC-oxLDLの取り込みを、方法セクションに記載されるようにフローサイトメトリーによって定量化した。図2に示されるように、3-HAAで処置したマウス由来の腹腔マクロファージは約79%減少のFITC-oxLDLの取り込みを示した。よって、3-HAAは修飾LDL粒子の取り込み、泡沫細胞形成における重要事象を抑制する。
3-ヒドロキシアントラニル酸は、強力な脂質低下効果を有する。
免疫調節化合物に記載されていなかったが、Ldlr-/-マウスへの3-HAAの投与が、血漿中総コレステロール(約50%)及びトリグリセリド(約72%)の著しく、統計的に顕著な減少と関係した(図3)。さらに、3-HAAは効率的に、HDLレベルを上昇させ、VLDL/HDL(4.0 ± 0.55及び1.4 ± 0.31、PBSの平均値± 平均値の標準誤差及び3-HAA処置マウスそれぞれ; P< 0.01)及びLDL/HDL比(2.3 ± 0.24及び1.4 ± 0.16、PBSの平均値± 平均値の標準誤差及び3-HAA処置マウスそれぞれ; P<0.05)を低下した。これらのデータは、3-HAAを新型の脂質低下剤として認定するものである。3-HAAの投与は、体重に影響はない(データなし)。
3-ヒドロキシアントラニル酸によって誘発される血漿脂質の減少は、アテロームの形成の減少に繋がる。
最終的に、3-HAAがアテロームの形成に影響しうるかを我々は試験した。高脂肪餌で処置した場合にアテローム性病変が進行するLdlr-/-マウスを、8週間3-HAAで処置した。総血漿コレステロール及びトリグリセリドレベルの飛躍的な減少は、大動脈弓の表面標本においてアテローム硬化性病変部位の約90 %の減少に繋がった(図4)。
参考文献
Figure 2014523925
Figure 2014523925
Figure 2014523925
Figure 2014523925
Figure 2014523925

Claims (11)

  1. 高脂血症の治療又は高脂血症の心血管系の合併症の予防における使用のための、3-HAA又はその機能性類似体。
  2. 前記高脂血症が、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び複合型高脂血症(高脂血症の複合型形態)から成る群から選択される、請求項1に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
  3. 前記高脂血症が、血漿中の高密度リポタンパク質(HDL)の低レベルと関連する、請求項1又は2に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
  4. 前記高脂血症の心血管系の合併症が、アテロームの形成である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
  5. 前記高脂血症の心血管系の合併症が、アテロームの形成の臨床症状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
  6. 心筋梗塞及び/又は心不全の予防のための、請求項4又は5に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
  7. 狭心症の予防のための、請求項4又は5に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
  8. 虚血性脳卒中及び/又は一過性脳虚血発作の予防のための、請求項4又は5に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
  9. アテローム性動脈硬化によって生じる、末梢性虚血、壊疽、腎機能障害、大動脈瘤、及び/又は重症虚血肢の予防のための、請求項4又は5に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
  10. 前記高脂血症の合併症が高脂血症の皮膚科学合併症である、請求項1又は2に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
  11. 前記高脂血症の皮膚科学合併症が黄色腫である、請求項10に記載の使用のための3-HAA又はその機能性類似体。
JP2014523889A 2011-07-29 2012-07-13 高脂血症及びその心血管系の合併症の予防及び治療のための3−ヒドロキシアントラニル酸(3−haa)による治療 Pending JP2014523925A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
SE1150728-2 2011-07-29
SE1150728 2011-07-29
PCT/SE2012/050835 WO2013019156A1 (en) 2011-07-29 2012-07-13 3-hydroxyanthranilic acid (3-haa) therapy for prevention and treatment of hyperlipidemia and its cardiovascular complications

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014523925A true JP2014523925A (ja) 2014-09-18
JP2014523925A5 JP2014523925A5 (ja) 2015-09-03

Family

ID=47629522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014523889A Pending JP2014523925A (ja) 2011-07-29 2012-07-13 高脂血症及びその心血管系の合併症の予防及び治療のための3−ヒドロキシアントラニル酸(3−haa)による治療

Country Status (13)

Country Link
US (1) US20140296567A1 (ja)
EP (1) EP2736505B1 (ja)
JP (1) JP2014523925A (ja)
KR (1) KR20140060288A (ja)
CN (1) CN103841967A (ja)
AU (1) AU2012290734A1 (ja)
CA (1) CA2843401A1 (ja)
EA (1) EA023954B1 (ja)
IL (1) IL230694A0 (ja)
IN (1) IN2014CN00747A (ja)
MX (1) MX343138B (ja)
WO (1) WO2013019156A1 (ja)
ZA (1) ZA201400695B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019006384A1 (en) * 2017-06-30 2019-01-03 Georgia State University Research Foundation, Inc. TREATMENT OF ANEVRISM
US11376248B2 (en) 2017-06-30 2022-07-05 Georgia State University Research Foundation, Inc. Treatment of aneurysms
WO2019147182A1 (en) * 2018-01-29 2019-08-01 Medscienta Ab Antiatherosclerotic agents

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010023181A1 (en) * 2008-08-26 2010-03-04 Boehringer Ingelheim International Gmbh Thienopyrimidines for pharmaceutical compositions
WO2011065389A1 (ja) * 2009-11-27 2011-06-03 独立行政法人科学技術振興機構 高脂血症治療剤のスクリーニング方法
WO2011081493A2 (en) * 2009-12-30 2011-07-07 Bcworld Pharm. Co., Ltd. Pharmaceutical composition comprising metformin and rosuvastatin

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2652332A (en) * 1951-07-19 1953-09-15 Harold S Olcott Stabilization of lipoidal substances
WO2006122353A1 (en) * 2005-05-16 2006-11-23 Angiogen Pharmaceuticals Pty. Ltd. Methods and compositions for the treatment of pain

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010023181A1 (en) * 2008-08-26 2010-03-04 Boehringer Ingelheim International Gmbh Thienopyrimidines for pharmaceutical compositions
WO2011065389A1 (ja) * 2009-11-27 2011-06-03 独立行政法人科学技術振興機構 高脂血症治療剤のスクリーニング方法
WO2011081493A2 (en) * 2009-12-30 2011-07-07 Bcworld Pharm. Co., Ltd. Pharmaceutical composition comprising metformin and rosuvastatin

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6016016150; The Journal of Biological Chemistry, 1996, vol.271, No.51, p.32714-32721 *
JPN6016016153; Biochimica et Biophysica Acta, 2002, vol.1571, p.5-17 *

Also Published As

Publication number Publication date
IL230694A0 (en) 2014-03-31
AU2012290734A1 (en) 2014-02-20
ZA201400695B (en) 2015-10-28
MX343138B (es) 2016-10-25
MX2014001225A (es) 2014-09-22
US20140296567A1 (en) 2014-10-02
IN2014CN00747A (ja) 2015-04-03
WO2013019156A1 (en) 2013-02-07
EP2736505A4 (en) 2014-12-24
EA201490380A1 (ru) 2014-06-30
EP2736505A1 (en) 2014-06-04
EP2736505B1 (en) 2017-09-27
CN103841967A (zh) 2014-06-04
CA2843401A1 (en) 2013-02-07
EA023954B1 (ru) 2016-07-29
KR20140060288A (ko) 2014-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. Sodium butyrate suppresses angiotensin II-induced hypertension by inhibition of renal (pro) renin receptor and intrarenal renin–angiotensin system
Feingold Triglyceride lowering drugs
Kita et al. Probucol prevents the progression of atherosclerosis in Watanabe heritable hyperlipidemic rabbit, an animal model for familial hypercholesterolemia.
US8008328B2 (en) Methods for the treatment of diabetes-associated dyslipdemia
KR100592842B1 (ko) 알츠하이머병의 치료 방법
Florentin et al. Pleiotropic effects of nicotinic acid: beyond high density lipoprotein cholesterol elevation
Wang et al. Anti-inflammatory and antioxidant effects of acetyl-L-carnitine on atherosclerotic rats
JP2014523925A (ja) 高脂血症及びその心血管系の合併症の予防及び治療のための3−ヒドロキシアントラニル酸(3−haa)による治療
US20130011857A1 (en) Complement factor h for oxidative stress disease conditions
WO2016193883A1 (en) Sacubitril and valsartan for treating metabolic disease
Li et al. Polysorbates as novel lipid-modulating candidates for reducing serum total cholesterol and low-density lipoprotein levels in hyperlipidemic C57BL/6J mice and rats
US11344604B2 (en) Method for treating kidney disorders
AU2011352449B2 (en) Gemcabene and derivatives for treating pancreatitis
Mollace et al. The Role of Endothelial Dysfunction in the Connection Between Gut Microbiota, Vascular Injury, and Arterial Hypertension
JP2004501984A (ja) 心臓血管障害を治療するための組成物および方法
AU2015202580B2 (en) Gemcabene and derivatives for treating pancreatitis
Mazza et al. Efficacy and Safety of Dif1stat? for the Treatment of Secondary Dyslipidemia in Chronic Kidney Disease
de Oliveira et al. Pharmacotherapy of Dyslipidemias
Hussain Dyslipidemia in Chronic Renal Failure and its Implications in Associated Cardiovascular Disease
Wu The role of novel red yeast rice formulation to modulate lipid metabolism and reduce dyslipidemia and vascular disease in the JCR: LA-cp rat
Gotto Jr Perspectives on Lipid-Lowering Therapy: Past and Present

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150713

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160808

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161122