JP2014520965A - 2種の非混和性液体を、混合せずに誘導による熱と混練によって高温下で接触させるプロセスおよび装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、2種の非混和性液体を、混合せずに誘導による熱と混練によって高温下で接触させるプロセスおよび装置に関する。特に、本発明は、溶融金属と塩を高温下で(例えば約1100Kまで)接触させるプロセスおよび方法に関する。
【選択図】図1A

Description

本発明は、2種の非混和性液体を、混合せずに誘導による熱と混練によって高温下で接触させるプロセスおよび装置に関する。特に、本発明は、溶融金属と塩を高温下で(例えば約1100Kまで)接触させるプロセスおよび方法に関する。
本発明の技術分野は、より詳しくは、液体塩の相と溶融金属の相が接触する高温液液抽出システム(パイロコンタクタとも称される)に関するが、これに限られるものではない。本発明の技術分野は、特に、高温下で(一般的には約800Kから1200Kまで)アクチニドが抽出あるいは逆抽出される冶金プロセスに関する。
これらのプロセスは、溶融状態にある抽出剤金属(アルミニウムなど)を2つの溶融塩相に接触させる(例えば、非特許文献1と2を参照)。
従来の「湿式冶金」手段により核燃料の再処理を高燃焼率で行なうには、放射線分解現象の原因となる放射性元素の含有量を減らすために、数年に及ぶ冷却期間が必要である。乾式冶金プロセスによる高温再処理は、放射線分解現象に対する感度が低く、燃料冷却期間が数ヶ月で済むという利点がある。
乾式冶金プロセスの化学的原理は、アクチニドの抽出剤として使用されるアルミニウム相の溶融に基づいている(非特許文献3を参照)。
液液抽出による乾式冶金再処理を可能にしているパイロコンタクタ装置は、特許文献4と5、および特許文献1から3に記載されている。これらの装置においては、液相と溶融金属相が概ね連続的に接触する。
非特許文献1と2は、溶融塩化物/ビスマスを用いるバルク充填カラムやプレートカラムについて記載している。
これらの文献に記載の抽出カラムの使用は、交換速度論により制限される。これらのカラムのHEPT(理論段相当高さ)は、概ね1〜2mである。
特許文献1は、ロータリー充填カラムについて記載している。当該カラムは、プルトニウムを含むカリウム・塩化アルミニウム・塩化物塩相とウラン−アルミニウム合金を接触させるために特に用いられる。
特許文献2は、ミキサセトラについて記載している。ミキサセトラの技術は、湿式冶金に由来するものを、乾式冶金の分野へ特別に適合させている。
ミキサセトラの使用は、同様の比重を有する2つの相の静置効率により制限される。また、この種の装置の実質的な死容積は、大量の試薬の使用を必要とする。
特許文献3は、非混和性の液体塩と液体金属の混合と分離を可能にする遠心パイロコンタクタについて記載している。これらの液体は、環状の混合領域へ導入され、デフレクタと結合されたロータに装着された垂直羽を用いて積極的に混合される。これらの液体は、1000〜1100Kの温度において装置に導入され、ロータにおいて重相と軽相に分離される。そして、両相ともに装置から排出される。
この装置は、電気精錬プロセスにより得られた溶融塩化物の溶液槽を扱うために用いられる。
この文献に記載の遠心抽出機は、効率のよい装置であるが、溶融塩化物について行なったテストは数百時間を超えない短いものであった。したがって、充分な期間にわたる信頼性は証明されていない。また、これらの装置の使用は、その動作を損なう腐食問題の出現により制限される。
加えて、パイロコンタクタおよび核産業の分野外において、特許文献4と5は、非混和性の液体の分離(特に水に含まれる油の抽出)について記載している。
これらの技術は、2種の流体の単純な物理的分離を達成することを意図して、金属のふるいとポンプシステムを備えた複雑な装置を用いる。ここでは、溶解化合物の選択的抽出は全く意図されていない。
特許文献6に記載の装置および方法は、前述の非特許文献1、2、4、5および特許文献1から3に記載の装置および方法における短所を改善するために開発された。
特許文献6は、孔あき壁を備えるコンタクタに関する。孔あき壁は、2種の非混和性液相(溶融アルカリ性フッ化物の相と液体アルミニウムの相)が混合されることなく接触することを可能にする。
したがって、この装置においては、溶融アルミニウムの界面張力特性が、孔あき壁によりこの金属が含まれることを許容する。
この装置は、特に抽出剤金属(溶融アルミニウムなど)を溶融塩の2つの相に接触させるために使用されうる。これにより、アクチニドの抽出および逆抽出が容易に可能とされる。
しかしながら、2種の媒質を隔てる孔あき壁の存在は、材料の移動速度を制限し、大幅に遅らせる。
この制限は、主に孔あき壁を通じての化学種の拡散に関係する。これにより、熱力学的平衡に達するのは2つの相の接触から12時間後となる。
換言すると、特許文献6に記載の装置は、制御された酸素含有量と湿度の雰囲気下で1200Kに近い温度での動作を可能にする「従来の」抵抗加熱システムと結合されている。この構成は、溶融塩の側において毎分1mm程度の速度の対流により液体が移動されることを許容する。
アルミニウムの側では、溶融アルミニウムの非常に高い熱伝導性が、当該溶融金属内における温度勾配の発生を防止する。よって、溶融アルミニウム相は、坩堝内の全ての箇所において一定の比重を有することより、この相内の自由対流による混練を防止する。
よって、アルミニウムの材料移動の制限は、主に液体金属中の種の拡散によるものであり、遅れ現象として知られている。
抵抗加熱システムの場合、アルミニウムの対流による混練の速度は、ゼロに近い。
反応速度と相の混練を改善するためには、アルミニウムと溶融塩を機械式に混練すればよい。
特許文献6に記載のパイロコンタクタの構成は、そのような機械式混練の実施に向いていない。
また、機械式の混練は、高温に係るストレスを考慮しつつ、封止された流路内において非常に厳しく監視される必要がある。
そして、機械式攪拌という選択肢は壁効果により厳しく制限される。壁効果は、コンタクタの窓のような狭まった領域において液体の流れを大きく遅らせる。このように様々な事柄を考慮する必要があるため、そのような選択肢は不適当と結論されることになる。
加えて、誘導により加熱と混練を行なう技術が周知である。
産業上の立場からは、誘導炉が、金属を加熱するために特に広く使用されている。
核技術分野においては、金属ウランを精製するために、誘導による加熱がIFR(国際高速炉)プロジェクトにおいて使用された(非特許文献6を参照)。この技術は、EBRII(実験増殖炉II)の燃料を再処理するために、INLにおいて引き続き使用されている(非特許文献7を参照)。この技術は、「陰極処理」と呼ばれる処理の一部において、金属ウランに含まれる溶融塩素の残渣を蒸発させるために使用される。
JAEA(日本原子力研究開発機構)もまた、処理の最後にINLに近い動作条件で誘導を使用している。
また、乾式冶金プロセスの一部として、Hayashiらは、溶融塩を含む坩堝の耐腐食性を改善するための誘導加熱システムを開発した(非特許文献8を参照)。この場合の対策は、低温坩堝に用いられる技術に近い。
また、誘導は、溶融金属を浮き上がらせることができ、坩堝の壁との接触を完全に防止する。これにより、高純度の金属が得られる。この手法は、ロスアラモス研究所において、高純度のプルトニウムを得るための燃料再処理において使用された(非特許文献9を参照)。
加えて、特許文献7は、低温下における直接誘導によりガラスのような絶縁材料を溶融する炉について記載している。
この溶融炉は、冷却された坩堝を備えている。この坩堝は、連続的な金属製の側壁を有している。この溶融炉は、区画され冷却された炉床を備えている。この溶融炉は、炉床の下に配置され、単体で坩堝を加熱する手段を構成する少なくとも1つのインダクタを備えている。本文献は、ガラスの溶融に関するものに過ぎず、2種の非混和性流体を接触させることに関するものではない。誘導の効果としてガラスを混練することについては、何ら説明されていない。
特許文献8は、不混和性の第1相(または上相)と第2相(または下相)を含む二相系を電磁的に溶融し、界面混練を行なう装置に関する。この装置は、特に冶金処理や高温化学処理の促進を可能にする。
より詳しくは、この装置は、二相系を含むための坩堝と、第1相と第2相を溶融し、両者の界面を攪拌するように構成された溶融攪拌手段と、を備えている。この溶融攪拌手段は、坩堝を包囲するインダクタと、少なくとも1つのコンポーネントを有し、可変電流によりインダクタに給電を行なう手段と、を含んでいる。このコンポーネントは、第1相と第2相の界面を攪拌可能である。
第1相は、金属または合金とされうる。第2相は、スラグまたは塩とされうる。
鉛ベースの金属相とフッ素化された塩に対して試験が行なわれた。また、Al−Cu合金からなる金属相とLiFおよびCaFの混合物からなる塩相に対して試験が行なわれた。これらの試験により、界面攪拌により、還元性元素が全て金属相へ移動されることがわかった。
この装置においては、接触した2つの相が、非混和性と異なる密度によって分離される。密度の違いは、重力の影響により、2つの相を上相(例えば塩相)と下相(例えば金属相)に分離する。
既に知られているように、金属相は特にAl−Cu合金からなる。Al−Cu合金は、純粋なアルミニウムよりも密度が高い。
米国特許3156534号公報 米国特許3663178号公報 米国特許5354076号公報 米国特許3703463号公報 英国特許2127318号公報 国際公開2008/080853号公報 国際公開1998/005185号公報 国際公開2003/106009号公報
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このAl−Cu合金は、最終的にはエマルション型の二相媒質の形成を防止するが、Al−Cu合金の使用は、工場規模の材料フローの管理にはなじまない。
抽出プロセスを直接行なえる高温液液コンタクタシステムは、上述の誘導を用いる装置
では実現に至っていない。
したがって、2種の不混和性流体を接触させる処理および装置(パイロコンタクタなど)であって、簡単であり、信頼性があり、安全で、使いやすいものが必要とされている。
また、特に溶融金属と塩に対して使用可能であり、効率が高く、最適な反応速度を有する処理および装置が必要とされている。
さらに、複数の不混和性流体を接触させ、加速度を制御しながらそれらを移動させるにあたって、非常に限られた数の部品のみが動くことを求められるプロセスおよび装置が必要とされている。
より詳しくは、複数の不混和性流体を接触させるプロセスおよび装置(パイロコンタクタなど)であって、特許文献6に記載された孔あき壁を有するコンタクタにおける材料移動速度を改善しつつ、この孔あき壁を有するコンタクタの技術により得られる利点の全てを維持できるものが必要とされている。
とりわけ、特許文献6に記載された孔あき壁を有するコンタクタの技術を用いる複数の不混和性流体を接触させるプロセスおよび装置であって、接触させる相の特性や動作温度半によらず簡単に実施でき、as far as 孔あき壁に位置する界面 液相のrenewal を改善できるようにする混練装置を備えるものが必要とされている。
また、この装置が遠隔操作可能であれば、強度増強型(遮蔽型)の容器における核格納室での使用が可能となり、有利である。
本発明の目的は、2種の不混和性液体を接触させるプロセスおよび装置であって、少なくとも前述の要求を満足するものを提供することにある。
また、本発明の目的は、2種の不混和性液体を接触させるプロセスおよび装置であって、同じ密度あるいは非常に近い密度を有する2種の液体の使用を可能にするものを提供することにある。
また、本発明の目的は、2種の不混和性液体を接触させるプロセスおよび装置であって、これらの液体が小型の加熱手段により加熱されることにより、格納容器内の熱現象を制限するものを提供することにある。
また、本発明の目的は、先行技術に係るプロセスおよび装置における不便さ、短所、制限、および不利を有しないことにより、当該先行技術に係るプロセスおよび装置の問題を解決するプロセスおよび装置を提供することにある。特に、特許文献6に記載のプロセスおよび装置における全ての利点を維持しつつ、孔あき壁の通過速度が不十分であるという問題を解決するプロセスおよび装置を提供することにある。
本発明によれば、液体状態で金属あるいは複数種の金属の合金からなる第1材料と、不混和性の液体状態で塩あるいは複数種の塩の混合物からなる第2材料とを、混合することなく接触させるプロセスであって、
前記第1材料は、固体状態と液体状態において導電性を有するものであり、
前記第2材料は、液体状態において導電性であり、かつ固体状態において導電性を有しうるものであり、
a)耐熱性、非導電性、少なくとも1つのインダクタにより生成された磁場が透過可能、かつ前記第1材料と前記第2材料に対して非反応性の固体材料からなり、少なくとも1つの貫通開口を有する壁を備えている少なくとも1つの第1容器内に、液体状態では前記壁の前記固体材料に対して非濡れ性を有する前記第1材料を、固体状態で配置するステップと、
b)前記第1容器を、耐熱性、非導電性、少なくとも1つのインダクタに生成された磁場が透過可能、かつ前記第2材料に対して非反応性の固体材料からなる少なくとも1つの第2容器内に配置された固体状態の前記第2材料に接触させるステップと、
c)前記第1容器と前記第2容器を、少なくとも1つのインダクタにより生成される電磁場の作用に曝すことによって、固体状態の前記第1材料に誘導電流を発生させて前記第1材料を溶解するステップと、
d)液体状態の前記第1材料がラプラス力の作用下で移動を開始するステップと、
e)固体状態の前記第2材料が、伝導と放射による前記第1容器からの熱流束の効果で溶解を開始するステップと、
f)前記第2材料の溶解を促進する誘導電流を流すイオン伝導性が前記第2材料に発現するステップと、
g)液体状態の前記第2材料がラプラス力の作用下で移動を開始するステップと、
h)液体状態の前記第1材料が前記開口において液体状態の前記第2材料と接触している状態を所定時間維持することにより、液体状態の前記第1材料と液体状態の前記第2材料の間で材料の交換と移動が生じさせるステップと、
i)前記第1容器を液体状態の前記第2材料から取り除くステップと、
j)前記第1材料が固体状態に戻るまで前記第1容器を冷却するステップと、
が遂行されるものによって、少なくとも上記の目的は達成される。
本発明に係る「導電性の材料」という語は、当該材料が100S・m−1よりも大きい導電率、好ましく1000S・m−1よりも大きい導電率を有していることを意味する。
本発明に係る「磁場が透過する材料」という語は、当該材料とインダクタにより生成される電磁場との間に相互作用がないことを意味している。より詳しくは、当該材料の最大透磁率が10−3H・m−1であることを意味している。
好ましくは、インダクタを通過する電流は、100から3000アンペアターン、好ましくは100から1000アンペアターンの強度を有しており、20から400kHz、例えば200kHzの周波数を有している。
好ましくは、インダクタを通過する電流は、第1容器と第2容器の形状と、第1材料と第2材料の各導電性に基づいて、第1材料と第2材料の表皮厚さを調節するように選ばれた周波数を有している。
ここで、第1材料と第2材料のみが導電性を有する必要がある。すなわち、第1材料(アルミニウムなど)は、固体状態と液体状態の場合に導電性を有する必要があり、第2材料は、少なくとも液体状態の場合に導電性を有する必要がある。
「表皮厚さ」という語は、生成される誘導二次電流が3分の2になる材料の厚さを意味している。
例えば、電流の周波数は、容器が円形断面を有するシリンダである場合に、表皮厚さが当該容器(塩のような導電性の低い材料を収容している坩堝)の半径の半分に等しくなるように選ばれうる。
好ましくは、第2材料(材料2、塩、比較的導電性の低い材料)が配置された第2容器は、第1材料(材料1、金属または合金、比較的導電性の高い材料)が配置された第1容器を包囲しており、第2容器は、第1容器よりもインダクタの近くに配置されている(例えば、図1Aを参照)。
図1Aに示された構成の場合、好ましくは、誘導周波数は、200kHzとされうる。この条件下では、材料1(溶融金属)の表皮厚さは、例えば1mmとなり、溶融塩の表皮厚さは、例えば3cmとなる。
この条件(すなわち、図1Aに示された構成で周波数200kHz)の下では、好ましくは、注入電力は約50%の割合で両材料に分配される。例えば、材料2(溶融塩)への注入電力は51%であり、材料1(溶融金属)への注入電力は49%である。
好ましくは、インダクタにより生成された前記電磁場は、10−6から10−3Wbの磁気誘導束を生成する。
好ましくは、前記インダクタにより生成される前記電磁場は、スライド場でありうる。
そのようなスライド場は、加熱効率と混練効率の向上を可能にする。
そのようなスライド場を生成するために、独立した複数のインダクタが設けられうる。ここで、各インダクタは、電流が流れる単一の巻線やループからなる。
各インダクタの間において、電流の実部は、90°あるいはπ/2だけ位相がずれている。
本発明に係る「耐熱性の固体材料」という語は、当該材料が劣化を伴うことなく1300Kまでの温度に耐えうることを意味している。
好ましくは、第1容器と第2容器は、アルミナおよび窒化ホウ素から選ばれた材料からなる。
好ましくは、液体状態の第1材料の密度と、液体状態の第2材料の密度は、同一または同等である。
本発明に係るプロセスの利点の1つは、2つの相が同一または同等の密度を有するようにする管理を可能とすることである。
「同等の密度」という語は、液体状態の第1材料の濃度と液体状態の第2材料の濃度の差異が10%以下であり、好ましくは5%以下であり、より好ましくは1%以下であることを意味している。
液体状態の第1材料は、第1容器の壁を形成する材料に対して非濡れ性である。すなわち、側壁に対する接触角θが90°より大きく、好ましくは、120°から180°の範囲内である。
液体状態の第2材料の濡れ性は問わないが、好ましくは、隔壁(すなわち、第1容器の壁)に対して濡れ性を有するべきである。
本発明に係るプロセスは、先行技術(特に上記に引用した文献)において記載や提案がなされていない特定のステップ群を含んでいる。
本発明に係るプロセスは、簡単であり、信頼性が高く、実施が容易である。本発明に係るプロセスは、先に列挙された要求を満足し、前述の先行技術(特に特許文献6に記載のプロセスおよび装置)に係る問題に対する解決手段を提供する。
換言すると、本発明に係るプロセスにおいては、液体状態の第1材料を少なくとも1つの貫通開口を有する壁により隔てられた液体状態の第2材料に接触させることと、第1材料をサセプタとして用いる誘導加熱システムとが、非自明的に組み合わされていると言える。
換言すると、本発明に係るプロセスは、以下の点において特許文献6に記載のプロセスと異なっている。本発明に係るプロセスは、当該文献に記載の孔あき壁を備えた液液コンタクタを用いるとともに、誘導加熱システムと組み合わせている。当該システムにおいては、第1材料がサセプタとして使用されている。この誘導加熱は、第1容器(孔あきバスケット)と第2容器(坩堝)の双方を、インダクタにより生成された電磁波が透過可能な耐熱性材料を用いて構成することにより可能とされている。
特許文献6と比較すると、誘導による抵抗加熱システムで置き換えることにより、液液コンタクタの性能を大幅に改善させる。実際には、本発明に係るプロセスにより得られる第2材料の混練速度の改善は、従来の抵抗加熱により第2材料中に生じる自由対流による混練速度と比較して1桁(10倍)程度である。
本発明に係るプロセスによれば、例えば毎秒3cmの第2材料(溶融塩)の混練速度が得られる。これに対して、従来の抵抗加熱により得られる第2材料の混練速度は、毎秒2mmである。
第1材料(溶融金属)に関しては、混練速度が数桁増加し、毎秒数十cmに達する値が期待される。これに対し、特許文献6に記載の先行技術において行なわれる抵抗加熱モードでは、第1材料の対流混練は実現できないであろう。
したがって、誘導による混練の実現は、接触時間を10分の1から100分の1に短縮可能にする。
この時間短縮により、平衡状態に達するまでの時間を1時間以内(例えば、わずか10分)にできる。特許文献6における当該時間は、24時間である。
インダクタが生成した電磁波が透過可能な材料を第1容器と第2容器の双方を構成するために用いることにより、第1材料(すなわち、金属あるいは金属合金)をサセプタ材料として使用可能になる。
両容器は、インダクタにより生成された電磁波が透過可能であれば、同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
両容器を構成するために用いられるそのような少なくとも1種の材料は、力線に対して十分な透過性を有している。これにより、誘導加熱システムとの相互作用はわずかとなり、インダクタによりもたらされる電力の多くは、固体状態または液体状態の第1材料、および液体状態の第2材料を加熱するために用いられる。
本発明に係るプロセスは、特許文献6の主題をなす液液コンタクタ技術を、従来の抵抗加熱に代えて磁気流体力学と非自明的に組み合わせたものであると言える。
この組合せは、特許文献6に記載のシステムの効率を大幅に改善し、当該システムの生産性を増すことを可能にしている。
本発明に係るプロセスは、溶融材料の混練と電磁気加熱を同時に遂行するために、磁気流体力学の法則を活用している。
本発明に係るプロセスは、第1材料と第2材料の加熱だけでなく混練も可能にし、電磁気学の特性を二重に利用している。すなわち、エネルギー保存則は、熱的効果(加熱)を流体力学的側面(混練)に組合せ可能にしている。
本発明に係るプロセスは、液体状態の第1材料(例えば、溶融アルミニウム)と液体状態の第2材料(溶融塩)の界面における液媒質の強制的更新を行なわせることにより、特許文献6に記載の液液コンタクタが備える孔あき壁を通過する材料移動反応を顕著に改善する。
第1容器の貫通開口あるいは窓内における上記の更新は、液体状態にある第1材料と第2材料(溶融金属と溶融塩など)内で電磁気混練を実現することにより可能である。
特定の理論に拘束されることを望むものではないが、本発明に係るプロセスは、驚くべきことに、第1材料の電磁気的性質を用いて当該第1材料をサセプタとしても使用する。
実際、本発明に係るプロセスの一基本的特性によれば、第1容器あるいは坩堝の壁がサセプタとしてふるまうのではなく(「サセプタ」という語は、誘導電流により加熱される部分、部品、エレメントを意味している)、誘導による加熱プロセスで用いられる。
本発明に係るプロセスにおいて注目すべきは、アルミニウムのような金属である第1材料において誘導電流が生成され、サセプタとしてふるまう点である。塩からなる第2材料もまた、十分に溶解されて発生した誘導電流に対して十分な導電性を有することにより、サセプタとしてふるまう。
本発明に係るプロセスによれば、特許文献6に記載の特定の材料(特に耐熱性を有し、インダクタより生ずる電磁波が透過可能な材料)で形成された孔あき壁システムを、第1材料をサセプタとして用いる誘導加熱と組み合わせることにより、非常に多くの非自明的な効果や利点が相乗的に得られうる。それらは以下に列挙する通りである。
・固体状態の第1材料と第2材料が、アルカリフッ化物のように高い融点(例えば1100Kに近い)を有していても、接触を伴わずに加熱および溶解される。
・第1材料と第2材料(すなわち、アルミニウムのような金属と塩)が非常に異なる導電率の値(例えば3桁異なる)を有していても、誘導加熱により溶解される。
・異なる相、すなわち、液体状態の第1材料からなる相と液体状態の第2材料からなる相の混練が遂行される。
・材料移動反応(例えば、抽出)が促進される。
換言すると、本発明に係るプロセスで用いている組合せによれば、
・液体界面、すなわち、液体状態の第1材料(溶融アルミニウムなどの金属)と液体状態の第2材料(溶融塩)の界面の移動と更新が、壁効果によらずコンタクタの窓内において生ずる。
・注目すべき有利な点として、アルミニウムなどの第1材料が2つの機能を備える。すなわち、抽出剤としての機能と、サセプタとしてふるまうことによる熱源としての機能である。
・アルミニウムなどの高い熱伝導性を有する金属において電磁混練が遂行される。抵抗加熱の場合、アルミニウムの非常に高い熱伝導性が温度勾配の発現を防いでしまう。よって、溶融金属内に密度変化が生じず、液体アルミニウムの対流による移動は不可能である。本発明に係るプロセスによれば、驚くべきことに、これまでの抵抗加熱を用いるプロセスでは不可能であった高い熱伝導性を有する金属の混練が可能になる。
・塩が一旦溶解されれば、電磁混練が遂行される。これにより、自由対流と比較して、移動速度が大幅に改善する(例えば、10倍程度)。
・非常に速い温度上昇速度(例えば、抵抗加熱を用いる場合の10倍)が得られる。
・誘導方式を用いることにより、従来の抵抗方式における加熱抵抗の性質により制約されていた1300Kを超えうる温度範囲での動作が可能である。
・発電機から供給される電力を変化させることにより容易に制御されうる遠隔誘導加熱が用いられる。
・サセプタとしてふるまい、一般に装置の中央に配置されるアルミニウムなどの第1材料により熱源が構成され、第1容器や第2容器の壁によって構成されるのではないため、当該熱源は最適に使用される。
・周波数と動作電流の選択を通じて、加熱領域と混練速度は容易に制御される。
・孔あき壁の一方の側において2つの相を動かせるため、アルミニウムなどの金属を適切な特性を有する2種の相に接触させることにより、連続抽出/逆抽出系を構成できる。
固体状態の第1材料中に生成された誘導電流は、当該第1材料を溶かす。アルミニウムなどの第1材料の溶解によりこうして生成された熱は、次の段階として、溶融した第1材料と接する塩からなる第2材料の溶解が開始される。
第2材料が部分的に溶けると、十分なイオン伝導性(例えば、100S・m−1)を有し、磁場の結合により当該第2材料を直接加熱し、液体状態へ完全に変化する。
第1材料と第2材料の加熱に加えて、磁場がラプラス力を誘起する。ラプラス力は、液体状態の両材料中に強制対流を引き起こす。
本発明に係るプロセスは、第1材料(金属または合金)と第2材料(塩)の性質および温度によらず、容易に使用されうる。
本発明に係るプロセスは、比較的短い時間内(概ね1時間未満、例えばわずか10分間)に遂行されうる。混練が行なわれることにより、短時間で熱力学的平衡に到達可能とされるからである。
特に、ステップh)における十分な接触時間(概ね2分から10分であり、場合によっては1時間)が、当業者により容易に定められうる。
本発明に係るプロセスは、不連続動作モードと連続動作モードの双方において遂行されうる。複数の液相の分離の原理を、流体を電磁混練により動かすことと組み合わせることにより、「工場」型の連続モード動作が可能となる。
本発明においては、三重点(液体状態の第1材料/液体状態の第2材料/第1容器の壁の固体材料)における界面張力が高いことが好ましい。
例えば、液体状態の第1材料、液体状態の第2材料、および第1容器の壁の固体材料の三重点における界面張力は、0.3N・m−1よりも高く、好ましくは0.6N・m−1よりも高い。
好ましくは、液体状態の第1材料は、0.3N・m−1よりも高い表面張力を有している。より好ましくは、液体状態の第1材料は、0.8N・m−1よりも高い表面張力を有している。
そのような高い界面張力は、容器内の第1材料が第2材料の側へ移動するとき、第1材料が液体状態を維持することを可能にする。また、毛細管力により第1材料が容器外に出てしまうことを防止する。
これにより、特性寸法が1mmオーダーの開口(すなわち、貫通開口)を用いることができる。
好ましくは、金属または複数種の金属の合金は、アルミニウムまたはその合金のような還元可能な金属および合金から選ばれる。
好ましくは、塩は、アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、およびアルミニウムの塩化物、アルカリ金属のフッ化物、アルカリ土類金属のフッ化物、およびアルミニウムのフッ化物から選ばれた、例えばLiCl、AlCl、LiF、AlFである。
例えば、LiClとAlClの混合物や、LiFとAlFの混合物が使用されうる。
本発明に係るプロセスにおけるステップj)の後で、第2材料と異なる塩または複数種の塩の混合物からなる第3材料に、第1容器を接触させることにより、ステップb)からステップj)までが繰り返されうる。
ステップh)において遂行される材料の移動(交換)は、液体状態の2種の材料間で生じうるあらゆる材料移動でありうる。好ましくは、液体状態の第1材料と液体状態の第2材料の間の材料の移動は、液液抽出であり、液体状態の第2材料の成分の1つが液体状態の第1材料に進入することと、液体状態の第1材料の成分の1つが液体状態の第2材料に進入することの少なくとも一方がなされる。
特に、液液抽出が遂行される場合、第1材料は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であり、第2材料は、フッ化アルミニウムを含むアルカリ金属のフッ化物またはアルカリ土類金属のフッ化物の塩を含有しているとともに、少なくとも1種のフッ化アクチニドと少なくとも1種のフッ化ランタニドが溶解している構成としてもよい。この場合、ステップh)において、フッ化アクチニドは、溶解したアルミニウムまたはアルミニウム合金との接触により化学的に還元されて液体状態の第1材料へ溶け出し、フッ化ランタニドは、液体状態の第2材料中に残留する。
ステップj)の後で、アルミニウムまたはアルミニウム合金とアクチニドを収容している第1容器を、塩化アルミニウムを含む少なくとも1種のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物からなる第3材料に接触させることにより、ステップb)からステップj)までが繰り返されてもよい。この場合、アクチニドは、溶解された塩化物との接触により化学的に酸化されて塩化アクチニドになるとともに、液体状態の第3材料内に進入し、塩化アルミニウムの還元は、アルミニウム金属の生成を可能にする。当該アルミニウム金属は、再生成および回収されるべく、抽出または逆抽出の新たなサイクルで再利用が可能である。
好ましくは、本発明に係るプロセスのステップb)からステップg)までは、10−2から10−1mbar(絶対圧)の真空下で行なわれる。これにより、2種の液体が接触する際に、液体状態にある2種の材料の「密着」を確実にする。すなわち、2つの相の間に生じうるガスポケットの排除を確実にする。
好ましくは、本発明に係るプロセスのステップh)は、アルゴンのような不活性ガスの雰囲気下で行なわれる。好ましくは、本発明に係るプロセスのステップh)は、湿気や酸素の存在を防ぎつつ行なわれる。好ましくは、本発明に係るプロセスのステップh)は、溶融塩の蒸発を防ぐために、大気圧に近い圧力下で行なわれる。
また、本発明は、上記のプロセスを遂行する装置に関する。当該装置は、
耐熱性、非導電性、少なくとも1つのインダクタにより生成された磁場が透過可能、かつ第1材料と第2材料に対して非反応性の固体材料からなり、少なくとも1つの貫通開口を有する複数の壁を備え、液体状態では壁の固体材料に対して非濡れ性を有する第1材料を、固体または液体状態で受容するように構成されている少なくとも1つの第1容器と、
耐熱性、非導電性、少なくとも1つのインダクタにより生成された磁場が透過可能、かつ第2材料に対して非反応性の固体材料からなる複数の壁を備え、第2材料を、固体または液体状態で受容するように構成されている第2容器と、
第1材料と第1容器を、第2材料に対して接離させるために、第1材料を収容している第1容器を支持する手段と、
少なくとも1つのインダクタにより構成され、第2容器の複数の壁の外側に配置されており、第1容器と第2容器を電磁場の作用に曝す手段と、
を備えている。
「非導電性の材料」という語は、導電率が10−3S・m−1未満である材料を意味している。
本発明に係る装置は、前述の本発明に係るプロセスの実施に関する利点と効果を全て有している。
特に、構成がシンプルで信頼性が高く、可動部品が非常に少ないが効率は高い。エネルギー消費も最小限である。
本発明に係る装置は、強度増強型(遮蔽型)の核格納室で使用されるために、容易に遠隔操作可能に構成されうる。
本発明に係る装置は、不連続型の動作モードと連続型の動作モードの双方に対応可能に構成されうる。不連続型の動作モードは、材料が少量(例えば、100から200gの溶融金属と溶融塩)の場合に適している。連続型の動作モードは、より覆うの材料を処理するためのものである。
連続モードにおける装置の動作にあたって適当な変更が必要であることは、当業者ならば理解可能であろう。
好ましくは、第1容器と第2容器は、アルミナおよび窒化ホウ素から選ばれた材料からなる。
好ましい材料は、窒化ホウ素である。実際、この材料は、溶融塩とアルミニウムなどの溶融金属に対して化学的に不活性である。加えて、窒化ホウ素のアルミニウムに対する濡れ性は、ごく僅かである。
また、当該材料は、4×10−7H・m−1の透磁率を有しており、力線に対して十分な透過性をもたらす。
好ましくは、開口は、特許文献6に記載のように、円、正方形や長方形のような多角形、とりわけ長さ/幅比が高い長方形から選ばれた断面形状を有している。
当該開口の好ましい形状は、第1容器が円筒状の容器である場合、当該容器の底部に形成されて当該容器の側壁に沿って延びる複数のスリットである。
好ましくは、第1容器は、円形状の断面を有し、側壁と底壁を備えるシリンダである。また、第2液体を第1液体中に拡散させる死体積が生ずるのを防ぐために、すなわち第2液体が体積する可能性を制限するために、第1容器の底部の形状は、丸められていることが好ましい。
あるいは、第1容器は環形状を有してもよい。この場合、第1容器の底部の形状は、丸められていることが好ましい。
好ましくは、第2容器は、第1容器を包囲しており、第2容器は、第1容器よりもインダクタの近くに配置されている。
好ましくは、第2容器は、円形状の断面を有し、側壁と底壁を備えるシリンダである。
好ましくは、本発明に係る装置は、単一の第1容器、単一の第2容器、および少なくとも1つのインダクタを備えており、それらが単一の縦中央軸に対して対称に配置されている。
換言すると、本発明に係る装置は、軸対称な構成を有している。
本発明に係る装置は、第1容器は、円筒状あるいは環状であり、第2容器は、円筒状であり、第1容器と第2容器は(より正確には両容器の側壁同士は)、主軸が一致するように同心状に配置されている構成とされうる。
ここで好ましくは、インダクタは、第2容器の前記複数の側壁を同心状に包囲する少なくとも1つの円形状の巻線(ループ)により構成されており、巻線の主軸は、それぞれ円筒状である第1容器と第2容器の主軸に一致している。
本発明に係る装置あるいはパイロコンタクタにおける2つの容器あるいは坩堝が同心状に配置された構成は、金属あるいは合金を、塩あるいは塩の混合物中に浸すことを可能にする。
この構成は、磁気的な視点から好ましい。2種の媒質を力線が貫くことを、改善された注入電力の分布を得るために活用できるからである。
第1容器を第2材料に対して接離させるために第1容器を支持する手段は、縦棒を備えていることが好ましい。この場合、縦棒の下端には、第1容器を支持しているエレメントが装着されている。
好ましくは、縦棒の上端は、取扱いを考慮して、電磁場の作用に僅かだけ曝される離れた領域に配置される。
好ましくは、第1容器を支持しているエレメントは、カルーセルまたは円形バレルの形状を有している。この場合、カルーセルまたは円形バレルは、縦棒に沿う中央軸を有しており、複数の第1容器は、中央軸と同心の円上に配列されている。
好ましくは、第1容器は、少なくとも1つのキーによって支持エレメントに装着されている。
好ましくは、第1容器の支持エレメントは、その中央部に、好ましくは円筒形状の部品を備えている。当該部品は、第1容器の底部よりも下方まで延びており、浸漬深さを制御可能にするとともに、第2液体を収容している容器の死体積を制限可能にしている。
好ましくは、インダクタは、誘導コイルからなり、当該誘導コイルの巻線は、第2容器の複数の壁の近傍、とりわけ第2容器が円筒状である場合は、その側壁の近傍に配置されている。
好ましくは、インダクタは、例えば水により冷却されている。
これにより、非常にコンパクトな装置が得られる。例えば水でインダクタを冷却することにより、第2容器の壁の周りに設置される断熱材の厚みを小さくできるからである。
また、インダクタの冷却は、強度増強型の容器内における動作により課せされる熱的な制約を緩和できる。
本発明に係る装置のモデリングに用いられた装置モデルの断面を模式的に示す側面図である。 本発明に係る装置の軸対称モデリングに用いられた装置モデルの断面を模式的に示す側面図である。 本発明に係る装置における孔あきバスケットの一実施形態の断面を示す側面図である。 本発明に係る装置における孔あきバスケットの別実施形態の断面を示す側面図である。 本発明に係る装置における孔あきバスケットの別実施形態の断面を示す側面図である。 第1液体(媒質1)と、炉内の気体(アルゴンなど)雰囲気と、孔あきバスケットの1つの固体壁における複数のスリットの1つとの間で定められる三重点における接触角θを表す断面を模式的に示す側面図である。 第1液体(媒質1)と、第2液体(媒質2)と、孔あきバスケットの1つの固体壁における複数のスリットの1つとの間で定められる三重点における接触角θ’を表す断面を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る装置(パイロコンタクタなど)の断面を示す側面図である。 本発明の別実施形態に係る装置(パイロコンタクタなど)の断面を示す側面図である。 図7の装置における孔あきバスケットを示す図である。 図8の孔あきバスケットの軸AAに沿う縦断面図である。 図8と図9の孔あきバスケットを立体的に示す斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る装置(パイロコンタクタなど)の断面を示す側面図である。当該装置は、バレルあるいはカルーセルに支持されて溶融塩に浸された孔あきバスケットを備えている。 6つの孔あきバスケットと嵌合された図11の装置におけるバレルあるいはカルーセルの上面図である。 相違する形状の開口を有する6つの孔あきバスケットと嵌合された図11の装置におけるバレルあるいはカルーセルの斜視図である。 本発明に係るパイロコンタクタと同様の装置の断面を示す側面図であり、インダクタにより生成された磁気線の形状を示している。 図1Bのモデルに基づく本発明に係る装置の第1実施例の軸対称モデリング中に取得された結果を示し、力線のモデリングを示す図である。 実施例2に係るテスト中に得られた、本発明に係る装置における溶融塩の混練を示す写真である。 図16で撮影された溶融塩の表面の1秒間の動きを示す図である。移動距離は、1cmのオーダーである。
添付の図面を参照しつつ、以降の詳細な説明において、特定の実施形態との関連で本発明を説明する。
各図において同一の要素には同一の参照符号を付与する。
図1Aと図1Bは、本発明に係るプロセスの原理と実施に係る装置を模式的に示している。
図1Aと図1Bに示された装置は、まずインダクタ1を備えている。
図1Aと図1Bにおいては、このインダクタ1は、特定数の巻線2を有する誘導コイルからなる。このインダクタ1は、発電機(図示せず)に接続されている。
インダクタの巻線の数は、1から12である。
一例として、図1Aと図1Bに示されたインダクタの巻線の数は、6である。巻線の数、大きさ、および形状、ならびに当該巻線を流れる電流の大きさと周波数は、特に磁気線の形状および所望する磁気の強さに応じて、また、坩堝の大きさ、および使用される金属と塩に応じて、当業者により容易に定められうる。磁気の強さは、10−6から10−3Wbの範囲とされうる。
一例として、巻線を流れる電流は、100から3000アンペアターンの範囲とされうる。その周波数は、20から400kHzの範囲とされうる。
また、図1Aと図1Bに示された装置は、インダクタ1の内部に配置された容器あるいは坩堝3を備えている。
この容器あるいは坩堝3は、第2材料4を受け入れるように構成されている。第2材料4は、単一の塩、あるいは複数の塩の混合物である。これらの塩は、特に溶融塩化物あるいは溶融フッ化物とされうる。例えば、フッ化リチウム(LiF)である。
この坩堝3は、非導電性の材料からなることが一般的である。また、当該材料は、インダクタ1より発する電磁波が透過可能であり、第2材料(特に液体状態の第2材料)に対して非反応性であり、かつ耐熱性を有する材料である。
「耐熱性」という語は、この材料が、劣化を伴うことなく溶融状態にある塩または塩の混合物と高温で接触しうることを意味している。
例えば、この坩堝3は、800K以上(可能であれば1200Kまで)の温度に耐えられる材料により形成されうる。
この坩堝は、例えば、「HPまたはHIPグレード」として知られる窒化ホウ素、あるいはアルミナで形成されうる。
液体状態の第2材料4(溶融塩など)の液面5は、坩堝内において図1Aと図1Bに示される高さまで上昇することが一般的である。図1Aと図1Bにおいては、坩堝3は、直線状の筒形状を有している。その側壁は、インダクタにより包囲されており、インダクタの巻線と同心円状に配置されている。
図1Aと図1Bにおいて模式的に示された本発明に係る装置は、少なくとも1つの孔あきバスケットあるいは容器6(図1Aと図1Bにおいては、孔は図示されていない)を備えている。少なくとも1つの孔あきバスケットあるいは容器6は、少なくとも1種の金属からなる第1材料7を収容している。液体状態であるこの第1材料は、坩堝内においてやはり液体状態である第2材料4と接触する。
孔あきバスケットあるいは容器6は、図2に示すように、概ね円形の断面を有する概ね筒形状を呈しており、上部8が開口している。その下壁あるいは基部9は、好ましくは内部が機械加工され、湾曲壁10を有している。これにより、死体積の発生が防止され、第2材料の堆積が防止される。
換言すると、バスケット6の側壁11の底部あるいは基部9は、湾曲壁10の一部により接続されている。
しかしながら、孔あきバスケットの上部も、液面12の高さまで収容された溶融金属のような液体の汚染を防ぐために閉塞されうる。汚染は、「下側」の坩堝に収容された溶融塩である第2液相の蒸気や凝縮物により生ずる。
バスケットは、収容されている液状の第1材料がその上部で固化することによっても、閉塞されうる。
本発明によれば、バスケットの壁と底は、両材料(とりわけ液体状態にある両材料)に対して非反応的である不活性材料からなる。
本発明によれば、バスケットを構成しているこの材料は、耐熱性、非導電性、およびインダクタ1より発する電磁波が透過可能でもある。
「耐熱性」という語は、この材料が、劣化を伴うことなく溶融状態にある塩または塩の混合物と高温で接触しうることを意味している。
例えば、バスケット6は、1000K以上(可能であれば1500Kまで)の温度に耐えられる材料により形成されうる。
この坩堝は、例えば、「HP(高圧)またはHIP(高等方圧縮)グレード」として知られる窒化ホウ素、あるいはアルミナで形成されうる。
バスケットに収容された第1材料7によるバスケットを構成する材料の低い濡れ性条件(90度を超える角度θで表される)は、当然満足されねばならない。
本発明によれば、バスケットの壁(底を含む)は、開口13を有している(図2参照)。当該開口13において、孔あきバスケットに収容された第1液相と、坩堝内のバスケットの外側に配置された第2液相が、混ざることなく接触する。
バスケットの開口13の数、位置、形状、および大きさは、特に2つの液媒質の接触面を調節できるように変更されうる。これらの変更は、例えば、液液抽出プロセスの交換反応速度を向上する。抽出および逆抽出段階の媒質変更動作中において、孔あきバスケット内の液体の開口における保持性を制限する目的でも形状の変更がなされうる。
特に筒状のバスケットの場合、開口の断面は、円形状、正方形状、あるいは矩形などの多角形状を有しうる。好ましくは、開口の断面は、細長い矩形状(すなわち、スリット形状)を有しうる。これらの開口は、容器の側壁および底壁に形成されうる。
これらの開口13がとりうる様々な形状は、図11、図12、および図13に示されている。当該図面に記載の回転台に支持された6つのバスケットは、それぞれ異なる形状と異なる数の開口を有している。
図11、図12、および図13に記載の回転台装置は、本発明に関して好ましい実施形態ではない点に留意すべきである。これらの図は、特にバスケットの開口がとりうる様々な形状を示すものに過ぎない。これらの図に記載のバスケットの少なくとも1つは、本発明に係る装置の一部をなし、いずれの実施形態においても第2の容器を構成しうる。
複数のバスケットが使用される場合、全てのバスケットが有する開口の大きさ、形状、および数の少なくとも1つが相違する構成とされうる。あるいは、2つ以上のバスケットが有する開口の大きさ、形状、および数の少なくとも1つは同一とされうる。
取扱いや移動を容易にする目的で、全てのバスケットが有する開口の大きさ、形状、および数が一致している構成としてもよい。
単一のバスケットが使用される場合、当該バスケットは、図11、図12、および図13に示すような、大きさと形状の少なくとも一方が異なる複数の開口を有してもよい。あるいは、2つ以上のバスケット(好ましくは全てのバスケット)が有する開口の大きさ、形状、および数が一致している構成としてもよい。
例えば、筒状のバスケット(例えば、高さ100mm、直径21.5mm)における開口の大きさは、円形開口の場合で直径1mm、スリット開口の場合で長さ19mm、幅1mmとされうる。
多くのとりうる形状のうち、図2に記載のバスケットに形成された開口13の形状は、例えば幅1mmとされる。例えば、高さ100mm、直径21.5mmの筒状バスケットの場合で、開口13の一端部は、バスケットの底壁から例えば0.8mmの間隔をあけて配置されており、開口13の他端部は、側壁11における高さ15mmに達している。開口13は、制御された雰囲気下で2つの溶融媒質が接触する際に、気泡の排出を可能にする。
上記のような開口の構成は、円形のような単純な形状の開口を有する孔あきバスケットからの改善である。
バスケットの開口がとりうる他の形状は、図3Aと図3Bに示されている。これらの図に記載のバスケットは、図2に記載のスリット(あるいは窓)形状を採用しつつ、複数のスリット13の側壁に配置された部分の間に、スリット(あるいは窓)14をさらに備えている。
図3に示したバスケットの開口形状は、図2に示した開口形状と比較して、接触面積を増大させることが可能である。
液体状態の2つの材料の一方(好ましくは孔あきバスケットの内部にあるもの)が高い表面張力を有する場合、本発明に係るプロセスの使用が容易になる。高い表面張力とは、0.3N・m−1よりも大きい場合を言う。例えば、933Kの溶融アルミニウムは、0.87N・m−1の表面張力を有する(非特許文献10を参照)。
表面張力は、液体の表面、ここでは坩堝内の気体雰囲気と液体の界面に見られる張力である。
表面張力は、平衡状態にある液体の表面を広げるために、当該表面に直交する線に沿う単位長さに加えられることを要する力、あるいは、この力により単位面積に生ずる仕事として定義される。表面張力の単位(N・m−1)は、1平方メートルあたりのジュール(J・m−2)に等しく、単位表面エネルギーに対応する。
そのような特性は、重要である。例えばフッ化物溶液内に存在するアクチニドの抽出ステップ、およびこれに続く溶融塩化物の媒質における逆抽出ステップを行なうために使用される複数の液媒質(溶融塩など)に浸すために、例えば坩堝のアルゴン雰囲気下で(後述するロッドで持ち上げることにより)バスケットを動かす際に、第1液体を流出させることなくバスケット内に留めることを可能にするからである。
静水圧高さの最大値は、本発明において用いられる孔あきバスケット内に収容可能な第1液体の液面高さの最大値である。この静圧水頭は、特に当該バスケットの開口形状に依存する。
特許文献6に記載のように、静圧水頭の最大値は、2つの場合において計算されうる。1つ目の場合は、バスケットが上昇されて浸潤がなされず、バスケットに収容された第1液体(溶融アルミニウムなど)が坩堝の雰囲気を構成している気体(アルゴンなど)と接する場合である。
2つ目の場合は、溶融塩のような液体状態の第2材料(あるいは第3材料)と孔あきバスケットが接する場合である。
この静圧水頭の最大値は、第1の場合においては、ヤング−ラプラス方程式を使って計算されうる。ヤング−ラプラス方程式は、バスケットの上昇あるいは移動中における液体の表面、ここでは坩堝内の気体雰囲気(真空あるいはアルゴンからなる;図4参照)とバスケットに収容された第1液体(溶融アルミニウムなど)の界面における表面張力に適用される場合、「簡略化された」ヤングーラプラス方程式とみなされうる。
簡略化されたヤング−ラプラス方程式は、式(1)として示す通りである(非特許文献11を参照)。
Figure 2014520965
ここでρは、第1液体の密度(kg・m−3)である。gは、9.81(m・s−2)である。hは、液面の高さ(m)である。γは、当該液体の表面張力(N・m−1あるいはJ・m−2)である。rは、毛細管半径あるいは2つの平行な壁間距離である。θは、固体壁(平行壁あるいは毛細管であり、開口形状に依存する)に対する液体界面の接触角である。
式(1)は、様々な量の液体状態の第1材料(溶融アルミニウムなど)を、液体状態の第2材料(溶融塩など)からの背圧を受けることなく収容できるようにする孔あきバスケットの開口寸法を定めることを可能にする。
アルミニウムを収容する様々なバスケット開口について平衡高さ「h」を計算した結果を、以下の表1に示す。ここで、アルミニウムの密度ρは、2700(kg・m−3)である。gは、9.81(m・s−2)である。γは、0.87(N・m−1)である(非特許文献11を参照)。rは、毛細管半径あるいは2つの平行壁間距離である。θは、アルミニウムとホウ素の接触角であり、温度1100Kの窒化ホウ素の場合で160°である(非特許文献12を参照)。平衡状態にある液面高さの最大値hを計算した結果は、以下の通りである。
Figure 2014520965
表1に示されている高さの値は、式(1)を用いて計算されたものである。
この場合、「h」の絶対値のみが重要である。これにより、液柱(溶融アルミニウム)が3cmから12cmの値をとることが判る。
分析的計算は、「h」について負の値を与える場合がある。アルミニウムは窒化ホウ素を濡らさないからである。
アルミニウム/窒化ホウ素系の場合、これらの結果は、参考値として考慮される必要がある。実際、アルミニウムとセラミック窒化ホウ素の接触角は、動作温度が1100Kを超える場合に小さくなりうる(非特許文献12を参照)。
これらの条件下において、窒化ホウ素は、アルミニウムと反応し、非濡れ性を低下させるAlBとAlNを形成する。したがって、1100K未満の温度範囲で処理を行なうことが望ましい。
第2の場合を考える。第1液体(溶融アルミニウムなど)を収容するバスケットが、液体状態の第2(あるいは第3)材料(溶融塩槽など)に接触すると、金属/塩/固体の界面張力特性が、金属/気体/固体の表面張力特性に置き換わる。
計算のために考慮されるべき接触角θ’の新しい値は、図5に示すように、この新しい三重点に関係することを要する。
三重点における静圧水頭の評価は、次式(2)によって行なわれる必要がある。
Figure 2014520965
ここで、ρは、密度(kg・m−3)である。例えば、アルミニウムはρ=2700であり、溶融塩ρ=2700である。gは、9.81(m・s−2)である。hは、液面の高さ(m)である(例えば、アルミニウムはhで表し、溶融塩はhで表す)。γ12は、例えば、塩/金属/固体支持体間の界面張力(N・m−1あるいはJ・m−2)である。eは、毛細管半径あるいは2つの平行な壁間距離(m)である。θ’は、固体壁(平行な壁あるいは毛細管であり、開口形状に依存する)に対する液体界面の接触角である。
アルミニウム/溶融フッ化物系を用いる場合、ρ=ρ=ρとできる。ここで、h=h+Δhとした場合、式(2)は、次のように表される。
Figure 2014520965
上記の場合においては、孔あきバスケットに収容されたアルミニウムの制限静圧水頭を各開口形状について計算できる。幾つかの例を以下の表2に示す。アルミニウム/(LiF/AlF)/固体アルミナの三重点におけるγ12の値を0.72(N・m−1)とし(温度1000K)、接触角θ’を180°とした場合の平衡高さの計算結果の例を以下に示す。
Figure 2014520965
ある材料を使用する場合、静圧水頭(すなわち処理される材料の量)と孔あきバスケットの交換面(すなわち移動効率)との間で最適な妥協点が見出される必要がある。
同様に、抽出を伴う接触がなされる場合、当該抽出が進むにつれ、バスケットに収容された液体の密度に、材料の移動に起因する変化が観測される。この現象は、孔あきバスケットの開口寸法を決定する上で考慮される必要がある。
本発明に係る装置と処理をモデリングするために用いた模式図(図1Aと図1B)においては、支持部(換言すると、アルミニウムなどの第1材料を収容するバスケットを保持し、上昇させるシステム)は示されていない。このシステムは、電磁気的な性質に影響を与えないからである。
よって実際は、孔あきバスケットは、支持部に装着されることが一般的である。当該支持部は、バスケットを第2材料または第3材料に接触可能とし、液体状態の第2材料または第3材料から引き出し可能とする。支持部の材料は、力線に影響を与えない。
よって、図6においては、本発明の一実施形態に係る装置が、第2材料4(すなわち塩)を収容している坩堝3は、円形の断面を有する直線的な円筒形状を呈している。坩堝3は、基部15、側壁16とともにカバー17を有している。
第1材料7(アルミニウムなど)を収容している孔あきバスケット6は、坩堝3の内側に配置されている。
このバスケット6は、上述のような形状(すなわち、概ね円形の断面を有する概ね円筒形状であり、下壁あるいは底部を有している)ことが好ましい。バスケット6の下部は機械加工されて湾曲部10を伴う底9を有している。図6においては、バスケット6は、カバー18を有している。
図6に示された装置は、支持部(換言すると、孔あきバスケットを保持し、上昇させるシステム)も備えている。
このシステムは、垂直ロッド19を備えている。垂直ロッド19の一端20は、水平部21と一体化されている。水平部21は、バスケットの側壁11に装着されている。垂直ロッド19の他端22は、バスケット6を上下動させる駆動装置(図示せず)に接続されている。
インダクタ(図示せず)は、坩堝3の外側に配置されている。図7に示すように、インダクタが備える概ね円形の巻線は、坩堝3の側壁を概ね包囲している。
換言すると、インダクタの巻線、坩堝3の側壁、およびバスケット6の側壁は、同心状に配置されている。
図7においては、本発明の別実施形態に係る装置が示されている。当該装置においては、アルミニウム7などを収容している孔あきバスケット6は、環形状の容器23を備えている。容器23は、加熱されるおそれのない領域に配置された金属棒あるいはピンによりロッド24に装着されている。
したがって、液体状態の第2材料4は、環状バスケットの外壁25と内壁26の双方において第1材料7と接触する。
したがって、図7に示された本実施形態に係る装置は、より大きな交換面を有するという利点がある。
図7においては、インダクタ1も示されている。インダクタ1は、坩堝3の外側に配置され、当該坩堝を包囲する円形の巻線形状を呈している。インダクタ1は、発電機(図示せず)に接続されたケーブル29により給電されている。
図7の装置における孔あき環状バスケットあるいは容器23は、図8、図9、および図10においてより詳細に示されている。
この孔あきバスケットあるいは容器23は、機械加工された窒化ホウ素の単一ブロックから構成されうる。この孔あきバスケットあるいは容器23は、外側壁25に50個の接触窓27を有し、内側壁26に19個の開口28を有している。
この「モノリシックな」設備は、高温場に曝される部品を組み立てる必要性をなくす。
本発明にの一実施形態に係る装置は、特許文献6に記載の実施形態に係る装置(本願の図1から図3に記載のもの)とほぼ同様である。しかしながら、本発明に係る装置は、インダクタ(図示せず)に嵌め込まれており、当該インダクタから発生する磁場を透過可能であるように坩堝とバスケットの材料が選定される点において、本質的に異なる。図11、図12、および図13に示されている装置は、本発明の好ましい実施形態ではない。好ましくは、軸対称な構成を有するべきである。
しかしながら、図11、図12、および図13に示されている少なくとも1つのバスケットは、分離されて本発明に係る装置の一部(第2の容器)を構成しうる。
本発明における図11に記載の実施形態に係る装置は、塩または塩の混合物からなる第2材料4を受容するように構成された容器あるいは坩堝3を第一に備えている。液体状態において、第2材料は液面5まで上昇する。
坩堝3は、側壁と基部を備え、円形の断面を有する直線状の筒形状を呈することが一般的である。図8に記載の装置は、ほぼ円形の巻線を有するインダクタを備えている。巻線は、坩堝3の側壁を同心状に包囲している。
本発明における図11に記載の実施形態に係る装置は、前述の通り、複数の孔あきバスケット6も備えている。バスケット6は、固体状態の「第1」材料7を収容する。第1材料7は、続いて液体状態とされ、坩堝3に収容された液体状態の第2材料4との接触が求められる。
これらの孔あきバスケット6は、カルーセルあるいはバレルと称されうる支持エレメント30に装着される。
図12と図13においては、カルーセルあるいはバレル30は、6つの孔あきバスケット6を支持している。しかしながら、バスケットの数が増減してもよいことは明らかである。
そのようなカルーセルは、例えば1個から6個のバスケットを支持できる。使用されない少なくとも1つのバスケットは、適切に制御された液面高さと交換面を維持すべく、固体材料(窒化ホウ素、アルミナなど)からなる同数のバスケットで置き換えられうる。
バスケットを支持しているカルーセルあるいはバレル30は、中央部31も備えている。図11においては、中央部31は、坩堝内の第2材料(溶融塩など)に漬されている。概ね円筒形状であるこの中央部31は、バスケット6の基部を超えて延びている。
図示のカルーセルあるいはバレルシステムは、簡単なキーにより支持されている複数の孔あきバスケットの種別や性質を、迅速に変更することを可能にしている。
カルーセル30の中央部31には、中空部32が形成されている。中空部32は、熱電対と熱ブリッジの少なくとも一方を収容可能である。
そのため、金属ロッド33は、カルーセルあるいはバレル30におけるこの中空部32内に配置されうる。
よって、孔あきバスケットの支持部の中央部、またはカルーセルあるいはバレル30の中央部は、液体の局所的な冷却(数度)を引き起こすために、溶融塩などの「第2」材料に漬されている。
中央部31を漬すことの別の利点は、溶融塩などの第2材料を収容している坩堝内における「死」体積を減少させることにある。そのような構成は、坩堝の体積に対する孔あきバスケットの体積の比を1に近づけることを可能にする。
また、中央部31は、安全止めの構成と、動作温度に上昇したシステムにおけるカルーセルの高さ位置決め制御を可能にする。ここで動作温度とは、金属相と塩相がともに溶融する温度である。
漬された中央部31の配置を修正することにより、接触する相の体積比あるいは重量比が変更されうる。そしてプロセスの動作条件が最適化されうる。
一例として、バレルあるいはカルーセルの漬された中央部31は、星型配置あるいは多角形配置をとりうる。
バレルあるいはカルーセルにより構成されるアセンブリと孔あきバスケットは、ピンを用いてロッド33に保持される。
カルーセルの上部は、(非金属製の)ロッド33の環状空間を貫通することにより、定常位置に保持されている。
「持ち上げロッド」と称され、本発明にかかる装置が配置される坩堝(ピット坩堝など)に嵌合されたロッドは、異なる媒質(例えば、溶融された異なる塩または塩の混合物)に接触させるために、自身に装着されたカルーセルとバスケットの上昇と移動を可能にする。
バレルとバスケットにより形成されたアセンブリの保持ロッド33、34は、装置と独立した(遠隔の)回転システムに接続されうる。これにより、坩堝に収容された液媒質の動的な混練を可能にする。そのような混練を用いることにより、装置の効率がさらに上昇する。
溶融塩などの第2材料が配置された坩堝の上部は、隔離カバー17により閉塞されうる。このカバー17は、断面が図示されている二重構造のロッド33、34により貫通されている。ロッド34の外側スリーブには、カバー17を貫通する部分に複数の固定穴35が設けられている。これにより、ピンを用いて、パイロコンタクタのカルーセルアセンブリを特定の高さに位置決めできる。
例えば図1A、図1B、図6から図13に記載された本発明に係る装置は、不連続モードで動作しうる。不連続モードは、特に、少量の材料(例えば100から1000gの溶融塩と溶融金属)を含む強化格納容器での使用に適している。しかしながら、連続モードでの動作を許容するように適合を行なえば、より多量の場合での使用も可能である。
例えば図1A、図1B、図6から図13に記載された前述の本発明に係るプロセスおよび装置は、2種の液体間で材料の移動を行なうあらゆる操作を遂行するために使用されうる。
この操作は、特に液液抽出操作、より詳しくは、高温液液抽出操作が該当しうる。ここでは「高温冶金法」という語が用いられる。そして本発明に係る装置は、「パイロコンタクタ」と称される。
この高温冶金法とこのパイロコンタクタ装置は、特に使用済み核燃料の再処理の分野への応用が見出されている。
よって、パイロコンタクタは、溶融フッ化物(LiF/AlFなど)の溶液に含まれるアクチニドの抽出と組合せられうる。
溶融塩(例えば、LiF/AlF)を溶融金属(溶融アルミニウムなど)を収容する孔あきバスケットに接触させることにより、当初はフッ化物の形態であったアクチニドが、金属形態へ化学的に還元され、アルミニウム相内において回収されうる。
2種の液相の接触時間は、1分から1時間であることが普通である。好ましくは、例えば、2分から45分である。
パイロコンタクタは、塩と金属相が混合することを防止している。2つの液相が熱力学的な平衡に至ると、第1材料(溶融金属)を収容しているコンタクタを上昇させ、アクチニドの逆抽出ステップを許容する第2の塩媒質(第3の液体:例えばLiCl/AlCl)中に配置できる。
この第2の接触の後、パイロコンタクタは、新たに再処理される燃料を収容している元の塩槽中に再度配置されうる。
孔あきバスケット中に配置されたアルミニウムなどの液体は、再抽出ステップの後で再利用されうる。これにより、バスケットシステムは、「化学」ポンプとしてふるまう。抽出剤化合物はそのプロセスにおいて二度と消費されないからである。この「化学」ポンプは、溶液中の少なくとも1つの化合物の抽出および回収を、重力場や加速場を用いることなく可能とする(重力場や加速場は、接触している相同士を分離するための沈殿系や遠心分離系において利用される)。この特徴により、高温プロセスにおいて現実的な問題となる抽出の実施が容易になる。
本発明に係るプロセスを実施するために、図1Aや図1Bに記載の装置が従う動作原理
について説明する。図6から13に記載の装置を比較例として説明する。
最初に、固体状態の第1材料7が、少なくとも1つの第1容器6(すなわち、上述の孔あきバスケット)内に配置される。
第1材料は、アルミニウムなどの金属や、複数種の金属の混合物あるいは合金とされうる。
固体状態の第1材料は、単一のモノリシックなブロックの形態、複数のブロックやピースの形態、あるいは粉末のような粒子の形態をとりうる。
第1容器6は、少なくとも1つの第2容器3(すなわち、上述の坩堝)に収容された固体状態の第2材料4と接触する。
第2材料4は、塩や、複数種の塩の混合物とされうる。
第1材料と同様に、固体状態の第2材料4は、単一のモノリシックなブロックの形態、複数のブロックやピースの形態、あるいは粉末のような粒子の形態をとりうる。
第1容器6の第2材料4への接触は、固体状態の第2材料4上に第1容器6を単に載置することにより行なわれることが一般的である。
インダクタ2に給電する発電機が起動され、交流電流がインダクタに流れると、磁場が発生する。
磁力線36の形状は、図14に示す通りである。
インダクタにより生成された電磁波を透過する材料を坩堝3と孔あきバスケット6に用いることにより、力線は、孔あきバスケットに収容されたアルミニウムなどの金属まで到達する。
磁場は、より導電性の高い材料(ここでは孔あきバスケットに収容された金属または合金)中に誘導電流を生じる。当該材料は、この系においてサセプタとしてふるまう。
ジュール効果によるエネルギーの消散は、当該金属または合金を溶融させる。
アルミニウムなどの溶融金属や溶融合金は、ラプラス力の作用によって移動を始める。
アルミニウムなどの溶融金属や溶融合金からの放射や対流により供給される熱によって温度上昇が引き起こされ、塩が溶け始める。
塩媒質の溶融開始、および当該媒質におけるイオン伝導の発現は、塩または複数種の塩混合物中における誘導電流の生成を可能にする。これにより引き起こされるジュール効果は、塩媒質の溶融速度を上げる。
この溶融により、孔あきバスケットは塩媒質中に下降する。下降は重力のみによって行なわれてもよいし、前述のシステムを用いて自動あるいは手動で行なわれてもよい。
塩媒質4が溶けることにより、前述したラプラス力の作用で、当該媒質の電磁的な混練が生ずる。
先に説明したように、本発明に係る装置あるいはパイロコンタクタは、熱的効果(加熱)と流体力学的側面(混練)の組合せを可能にするエネルギー保存則と、電磁気的特性の双方を用いるという意外性により特徴付けられる。
交流電流によるインダクタ2からの磁場の生成は、式(4)で表されるファラデーの法則により記述される。ここで、Hは磁場を表し、Jsourceは電流密度を表している。
Figure 2014520965
この交流電流により生成される磁場は、導電性媒質(例えば、アルミニウムのような金属や溶融塩)中に現れる。当該磁場は、式(5)で表される誘電法則に基づいて、この導電性媒質中に誘導電流を生ずる。
Figure 2014520965
ここで、Bは磁気誘導を表しており、Einducedは誘導された電場を表している。
さらに、加熱される導電性媒質に適用されるオームの法則は、(6)式で表される。
Figure 2014520965
ここで、Jinducedは誘導電流密度を表し、σは、導電率を表している。
アルミニウムのような金属媒質中、および溶融塩媒質中に誘導された電流は、ジュール効果による損失によって、熱源を生成する。
本発明により実現される加熱モードは、当該熱源を利用している。
インダクタにより生成された磁場と、アルミニウムまたは溶融塩における誘導電流とが存在する場合、下記の式(7)で表されるラプラス力Fが生ずる。
Figure 2014520965
ここで、Hは、磁場(A・m−1)である。Jsourceは、ソース電流密度(A・m−2)である。Einducedは、誘導された電場(V・m−1)である。Bは、磁気誘導(T)である。tは、時間(s)である。Jinducedは、誘導電流密度(A・m−2)である。σは、導電率(s・m−1)である。Fは、ラプラス力(N)である。Iinducedは、誘導電流(A)である。lは、誘導電流Iinducedのループに沿う単位長さ(m)である。
加熱される材料は液体であるため、動き始める。この現象は、電磁混練と呼ばれる。
動作条件は、液体状態の第1材料が金属(溶融アルミニウムなど)である場合、および/または液体状態の第2材料が溶融LiFである場合、最適な表皮厚さが得られるように決定されうる。
この表皮厚さは、誘導電流が3分の2になる材料の厚さを表している。
例えば、100kHzの場合、アルミニウムの表皮厚さは、わずか0.87mmである。一方、大幅に導電性が低い溶融塩LiFの場合は、53mmに達する。
誘電系においては、電流密度が誘導電流の振幅に影響を与える。よって、ソース電流の強さが、混練速度と、溶融塩および溶融金属(溶融アルミニウムなど)における温度場とに影響を与える。6回巻きの系が用いられる場合、ソース電流(100kHz)を530Aから760Aまで増加させることにより、両媒質の温度は300Kまで上昇されうる。
導電性が低く、よって混練が難しい溶融塩媒質の場合、計算および測定された混練速度は、130アンペアターンにおいて、50kHzで毎秒0.7mm、150kHzで毎秒2cmである。したがって、150kHzにおける速度場は、50℃の温度勾配における単純自由対流により得られる場の10倍である(特許文献6を参照)。
アルミニウムのような金属の場合、対流による混練速度は、ゼロに近づくと言える。熱伝導性の高い金属であるアルミニウムには、温度勾配が存在しないからである。
塩媒質がアクチニドを含む場合、溶融塩媒質と溶融金属媒質の双方が液体になるとすぐに、孔あき壁を通じて、溶融塩媒質から溶融金属へのアクチニドの移動が始まる。
化学平衡に達すると、孔あき容器は、液体状態の第2材料から引き上げられるなどして取り除かれる。そして誘導システムが停止される。
例えば、アクチニドの逆抽出を遂行するために、金属または固体の金属合金を収容している孔あきバスケットを特定の塩媒質に接触させることによって、同じ一連のステップが繰り返されうる。
具体的かつ非限定的な実施例を参照しつつ、本発明について説明する。
(実施例1)
この例においては、本発明に係る装置について軸対称モデリング(図1Bに示したモデル)がなされる。当該モデルは、窒化ホウ素製の2つの坩堝を備える装置に結合された誘導システムを含んでいる。2つの坩堝は、アルミニウムを収容している孔あきバスケットと、LiFを収容している坩堝を含んでいる。
このモデリングは、Flux Expert(登録商標)およびFluent/Ansys(登録商標)アプリケーションを用いた計算により行なった。
このモデリングは、加熱と電磁気混練の両立を許容する動作条件の設定を可能にした。
軸対称モデリング処理の間に得られた結果は、図15に示す力線(Wb)、温度勾配(K)、速度場(m・s−1)に関係している。
坩堝を構成する上で窒化ホウ素材料(導電性といった特性などは、モデリングに組み込まれている)を使用することにより、力線はシステムの内部まで突き抜ける(図15を参照)。導電性の高いアルミニウムとの結合は、既に生じている場と逆の二次的な場を生成する。この現象は、特定の力線形状(内側の容器の縁ではね返されているように見える形状)を説明する。
温度勾配は、温度1300Kあたりで媒質が溶融することを裏付けている。この結果は、約10分の加熱により得られる。
しかしながら、実用上の観点からは、窒化ホウ素材料のアルミニウムに対する安定性を維持するために、より低い温度(約1100K)で動作させることが好ましい(非特許文献12を参照)。
流体の機械的モデリングは、アルミニウム中に毎秒数十cmの速度場の存在を、そして溶融塩側の坩堝の内部には、毎秒1cm程度の速度場の存在を示している。
(実施例2)
この例においては、金属の溶融、および溶融塩の電磁気混練の存在に関連付けられた塩の溶融が実際に得られたことを示すために、実施例1で行なわれたモデリングテストの結果を不活性モードで実証するテストが行なわれる。
「イオン伝導性」媒質が有する低い導電性の値は、強制対流の開始を抑制しうる。したがって、計算の有効性は、現実のケースにおいて確かめられる必要がある。
塩を収容している坩堝は、実施例1で用いられたモデル系(図1Aと図1Bを参照)と同じ寸法(直径、高さ)を有している。
塩の混練を容易に観測できるようにするため、実験装置は、アルミニウムのサセプタに代えて、直径数mmのグラファイト棒と嵌合するように変更されている。このサセプタは、塩の溶融開始を可能にする。
外側の容器あるいは坩堝は、「HP(高圧)」グレードの窒化ホウ素、あるいは「HIP(熱間静水圧加圧)」グレードの窒化ホウ素からなる。
実験は、坩堝の故障時に溶融材料を収容するためにセメントに埋設された6つの水冷巻線からなる誘導システムを用いて行なわれた。
使用された発電機は、公称電力100kW、公称有効電圧800Vの非周期三極管である。発電機は、インピーダンス適応システムに接続されている。そして、このアセンブリは、銅ソレノイドインダクタに接続されている。このインダクタは、直径120mm、高さ100mmであり、外径10mm、内径8mmである6つの巻線からなる。巻線は水冷される。
動作原理は、2つのテストを通じて確認された。
第1のテストは、アルミニウムとLiFを用いる構成について行なわれた。
両媒質(金属と塩)が溶融されたかのチェックは、下記のシナリオに基づいて、2つのステージを通じて行なわれた。当該シナリオは、誘導開始、アルミニウムとの結合、アルミニウムの溶融、アルミニウム坩堝の熱伝導と放射によるLiFの部分的溶融、部分的に溶融したLiFとの誘導結合、LiFの直接溶融、アセンブリ全体を溶融状態に維持、を含んでいる。
実験条件として、127gのアルミニウムを700gのLiFに接触させた。設計上の理由により、テストに用いた誘導周波数は、10kHzとした。参考までに、この周波数はLiF塩とのカップリングに最適なものではない。表皮厚さは15cmであり、坩堝の直径(60mm)よりも大きいからである。しかしながら、この条件下で、塩とアルミニウムが2時間30分以内に完全に溶けたこと、および誘導により塩とアルミニウムの溶融状態が維持されたことが実験的に観測可能とされた。アルミニウム用坩堝を塩用坩堝に入れると、電磁混練の測定が防止される。
したがって、特に塩の混練速度を測定するように構成された第2のテストは、100kHzの周波数で行なった。実験は、塩の溶融を開始するために、アルミニウム用バスケットを、グラファイトのサセプタ内に再配置した。これらの条件化において、700gのLiFブロックが、わずか17分で再溶解した。一旦溶解がなされると、グラファイトのサセプタが再度上昇された。そして、塩の上相を固化するために誘導加熱が意図的に停止された。4分後、誘導システムが再起動された。塩の伝導性は、非常に素早く固化部分を再溶解させた。そして、液媒質中にグラファイト粒子が投入された。グラファイト粒子の比重は2.26であり、LiFの比重1.8に近い。
当該粒子は、毎秒1600枚の写真を撮る撮影システムを用いて監視される。
図16は、誘導システムの直接結合による溶融塩の混練速度の測定中に撮影された写真である。図17は、図16において観察された粒子の動きを模式的に表したものである。
図16と図17において、各矢印は、点の集合を示しており、もって観察された粒子の代表的な移動区間を表している。
粒子の動き(図16と図17における矢印)を溶融塩の表面で観察することにより、平均速度が毎秒数cmの動きが測定可能とされた。
この実験結果は、実施例1におけるモデリング中に取得された速度場の値を確認した。
図16と図17は、本発明に係る誘導システムの使用が、迅速な加熱を複数種の液媒質の動的混練に組み合わせ可能にすることを証明している。
冷却しても、坩堝の表面特性(特に塩ブロックの良好な離型性)は維持されていた。この観察結果は、計4時間にわたり行なわれた3回の溶融動作の後に得られた。

Claims (34)

  1. 液体状態で金属あるいは複数種の金属の合金からなる第1材料(7)と、不混和性の液体状態で塩あるいは複数種の塩の混合物からなる第2材料(4)とを、混合することなく接触させるプロセスであって、
    前記第1材料(7)は、固体状態と液体状態において導電性を有するものであり、
    前記第2材料(4)は、液体状態において導電性であり、かつ固体状態において導電性を有しうるものであり、
    a)耐熱性、非導電性、少なくとも1つのインダクタ(1)により生成された磁場が透過可能、かつ前記第1材料(7)と前記第2材料(4)に対して非反応性の固体材料からなり、少なくとも1つの貫通開口(13、14)を有する壁を備えている少なくとも1つの第1容器(6)内に、液体状態では前記壁の前記固体材料に対して非濡れ性を有する前記第1材料(7)を、固体状態で配置するステップと、
    b)前記第1容器(6)を、耐熱性、非導電性、少なくとも1つのインダクタ(1)に生成された磁場が透過可能、かつ前記第2材料(4)に対して非反応性の固体材料からなる少なくとも1つの第2容器(3)内に配置された固体状態の前記第2材料(4)に接触させるステップと、
    c)前記第1容器(6)と前記第2容器(3)を、少なくとも1つのインダクタ(1)により生成される電磁場(36)の作用に曝すことによって、固体状態の前記第1材料(7)に誘導電流を発生させて前記第1材料(7)を溶解するステップと、
    d)液体状態の前記第1材料(7)がラプラス力の作用下において移動を開始するステップと、
    e)固体状態の前記第2材料(4)が、伝導と放射による前記第1容器(6)からの熱流束の効果で溶解を開始するステップと、
    f)前記第2材料(4)の溶解を促進する誘導電流を流すイオン伝導性が前記第2材料(4)に発現するステップと、
    g)液体状態の前記第2材料(4)がラプラス力の作用下において移動を開始するステップと、
    h)液体状態の前記第1材料(7)が前記開口(13)において液体状態の前記第2材料(4)と接触している状態を所定時間維持することにより、液体状態の前記第1材料(7)と液体状態の前記第2材料(4)の間で材料の交換と移動が生じさせるステップと、
    i)前記第1容器(6)を液体状態の前記第2材料(4)から取り除くステップと、
    j)前記第1材料が固体状態に戻るまで前記第1容器(6)を冷却するステップと、
    が遂行される、プロセス。
  2. 前記インダクタ(1)を通過する電流は、100から3000アンペアターン、好ましくは100から1000アンペアターンの強度を有しており、20から400kHz、例えば200kHzの周波数を有している、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記インダクタ(1)を通過する電流は、前記第1容器(6)と前記第2容器(3)の形状と、前記第1材料(7)と前記第2材料(4)の各導電性に基づいて、前記第1材料(7)と前記第2材料(4)の表皮厚さを調節するように選ばれた周波数を有している、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記インダクタ(1)により生成された前記電磁場は、10−6から10−3Wbの磁気誘導束を生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記インダクタ(1)により生成される前記電磁場は、スライド場である、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 独立した複数のインダクタが設けられており、
    各インダクタは、電流が流れる単一の巻線からなり、
    各インダクタの間において、電流の実部は、90°あるいはπ/2だけ位相がずれている、請求項5に記載のプロセス。
  7. 液体状態の前記第1材料(7)の密度と、液体状態の前記第2材料(4)の密度は、同一または同等である、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 液体状態の前記第1材料(7)の密度と、液体状態の前記第2材料(4)の密度は、同等であるが、その差異は10%以下であり、好ましくは5%以下であり、より好ましくは1%以下である、請求項7に記載のプロセス。
  9. 液体状態の前記第1材料(7)、液体状態の前記第2材料(4)、および前記第1容器(6)の壁の固体材料の前記三重点における界面張力は高い、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 液体状態の前記第1材料(7)、液体状態の前記第2材料(4)、および前記第1容器(6)の壁の固体材料の前記三重点における界面張力は、0.3N・m−1よりも高く、好ましくは0.6N・m−1よりも高い、請求項9に記載のプロセス。
  11. 液体状態の前記第1材料(7)は、0.3N・m−1よりも高い、好ましくは0.8N・m−1よりも高い表面張力を有している、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 前記金属または複数種の金属の合金は、アルミニウムまたはその合金のような還元可能な金属および合金から選ばれる、請求項1から11に記載のプロセス。
  13. 前記塩は、アルカリ金属の塩化物、アルカリ土類金属の塩化物、およびアルミニウムの塩化物、アルカリ金属のフッ化物、アルカリ土類金属のフッ化物、およびアルミニウムのフッ化物から選ばれた、例えばLiCl、AlCl、LiF、AlFである、請求項1から12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. 前記ステップj)の後で、前記第2材料(4)と異なる塩または複数種の塩の混合物からなる第3材料に、前記第1容器(6)を接触させることにより、前記ステップb)から前記ステップj)までが繰り返される、請求項1から13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. 液体状態の前記第1材料(7)と液体状態の前記第2材料(4)の間の材料の移動は、液液抽出であり、液体状態の前記第2材料(4)の成分の1つが液体状態の前記第1材料(7)に進入することと、液体状態の前記第1材料(7)の成分の1つが液体状態の前記第2材料(4)に進入することの少なくとも一方がなされる、請求項1から14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 前記第1材料(7)は、アルミニウムまたはアルミニウム合金であり、
    前記第2材料(4)は、フッ化アルミニウムを含むアルカリ金属のフッ化物またはアルカリ土類金属のフッ化物の塩を含有しているとともに、少なくとも1種のフッ化アクチニドと少なくとも1種のフッ化ランタニドが溶解しており、
    前記ステップh)において、前記フッ化アクチニドは、溶解した前記アルミニウムまたはアルミニウム合金との接触により化学的に還元されて液体状態の前記第1材料(7)へ溶け出し、前記フッ化ランタニドは、液体状態の前記第2材料(4)中に残留する、請求項15に記載のプロセス。
  17. 前記ステップj)の後で、前記アルミニウムまたはアルミニウム合金と前記アクチニドを収容している前記第1容器(6)を、塩化アルミニウムを含む少なくとも1種のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物からなる第3材料に接触させることにより、前記ステップb)から前記ステップj)までが繰り返され、前記アクチニドは、溶解された前記塩化物との接触により化学的に酸化されて塩化アクチニドになるとともに、液体状態の前記第3材料内に進入し、前記塩化アルミニウムの還元は、再使用が可能なアルミニウム金属の生成を可能にする、請求項16に記載のプロセス。
  18. 前記ステップb)から前記ステップg)までは、10−2から10−1mbar(絶対圧)の真空下で行なわれる、請求項1から17のいずれか一項に記載のプロセス。
  19. 前記ステップh)は、アルゴンのような不活性ガスの雰囲気下で行なわれる、請求項1から18のいずれか一項に記載のプロセス。
  20. 請求項1から19のいずれか一項に記載のプロセスを遂行する装置であって、
    耐熱性、非導電性、少なくとも1つのインダクタ(1)により生成された磁場が透過可能、かつ前記第1材料(7)と前記第2材料(4)に対して非反応性の固体材料からなり、少なくとも1つの貫通開口(13、14)を有する複数の壁を備え、液体状態では前記壁の前記固体材料に対して非濡れ性を有する第1材料(7)を、固体または液体状態で受容するように構成されている少なくとも1つの第1容器(6)と、
    耐熱性、非導電性、少なくとも1つのインダクタ(1)により生成された磁場が透過可能、かつ前記第2材料(4)に対して非反応性の固体材料からなる複数の壁を備え、前記第2材料(4)を、固体または液体状態で受容するように構成されている第2容器(3)と、
    前記第1材料(7)と前記第1容器(6)を、前記第2材料(4)に対して接離させるために、前記第1材料(7)を収容している前記第1容器(6)を支持する手段(19、20、21、22、24)と、
    少なくとも1つのインダクタ(1)により構成され、前記第2容器(3)の前記複数の壁の外側に配置されており、前記第1容器(6)と前記第2容器(3)を電磁場の作用に曝す手段と、
    を備えている、装置。
  21. 前記第1容器(6)と前記第2容器(3)は、アルミナおよび窒化ホウ素から選ばれた材料からなる、請求項20に記載の装置。
  22. 前記開口(13、14)は、円、正方形や長方形のような多角形、とりわけ長さ/幅比が高い長方形から選ばれた断面形状を有している、請求項20または21に記載の装置。
  23. 前記第1容器(6)は、円形状の断面を有し、側壁(11)と底壁(9)を備えるシリンダである、請求項20から22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記第1容器(6)は、環形状を有している、請求項20から23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 前記第1容器(6)の底は、丸められた形状を有している、請求項23または24に記載の装置。
  26. 前記第2容器(3)は、円形状の断面を有し、側壁(16)と底壁(15)を備えるシリンダである、請求項20から25のいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記第2容器(3)は、前記第1容器(6)を包囲しており、
    前記第2容器(3)は、前記第1容器(6)よりも前記インダクタ(1)の近くに配置されている、請求項20から26のいずれか一項に記載の装置。
  28. 前記インダクタ(1)は、誘導コイルからなり、
    前記誘導コイルの巻線(2)は、前記第2容器(3)の前記複数の壁の近傍、とりわけ前記第2容器(3)が円筒状である場合は、その側壁の近傍に配置されている、請求項20から27のいずれか一項に記載の装置。
  29. 単一の第1容器(6)、単一の第2容器(3)、および少なくとも1つのインダクタ(1)を備えており、それらが単一の縦中央軸に対して対称に配置されている、請求項20から28のいずれか一項に記載の装置。
  30. 前記第1容器(6)は、円筒状あるいは環状であり、
    前記第2容器(3)は、円筒状であり、
    前記第1容器(6)と前記第2容器(3)は、前記第2容器(3)が前記第1容器(6)を包囲し、主軸が一致するように同心状に配置されている、請求項29に記載の装置。
  31. 前記インダクタ(1)は、前記第2容器(3)の前記複数の側壁を同心状に包囲する少なくとも1つの円形状の巻線(2)により構成されており、
    前記巻線(2)の主軸は、それぞれ円筒状である前記第1容器(6)と前記第2容器(3)の主軸に一致している、請求項30に記載の装置。
  32. 前記第1容器(6)を支持する手段は、縦棒(24、33、34)を備えており、
    前記縦棒の下端には、前記第1容器(6)を支持しているエレメント(30)が装着されている、請求項20から31のいずれか一項に記載の装置。
  33. 前記第1容器(6)を支持しているエレメント(30)は、カルーセルまたは円形バレルの形状を有しており、
    前記カルーセルまたは円形バレルは、前記縦棒(33、34)に沿う中央軸を有しており、
    複数の第1容器(6)は、前記中央軸と同心の円上に配列されている、請求項32に記載の装置。
  34. 前記インダクタ(1)は冷却されている、請求項20から33のいずれか一項に記載の装置。
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