JP2014518889A - Magea3結合抗体 - Google Patents

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シーティー アトランティック リミテッド
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Abstract

本開示は、MAGEA3結合抗体を含む併用療法に関する。

Description

本発明は、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントに関する。本発明はさらに、疾患、特に過剰増殖疾患を治療するためのかかるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの使用、およびかかる併用を用いて疾患、特に過剰増殖疾患を治療するための方法に関する。
がん治療では、罹患組織を可能な限り効果的かつ選択的に治療することが一般的な目的である。治療的モノクローナル抗体は、腫瘍選択的抗原またはエピトープを標的化することによって腫瘍選択的な治療を可能にする、医薬的に活性な薬剤のクラスと考えられている。
しかし、ある種のがん、例えば、ヒト増殖因子レセプター(例えば、HER−2RまたはEGFR)に関連するがんでは、治療的抗体によって標的化されるエピトープは正常組織上でも見出され、これは、抗体投与の際の有害な副作用、またはかかる抗体の薬物動態学的挙動における末梢シンク効果を説明する。
がんと闘うように天然の免疫応答を刺激するために適用される、全身的に活性な免疫刺激薬物または抗体を適用することによって、同様の状況が成り立つ。かかる免疫刺激因子は、例えば、TLR−7レセプターまたはTLR−9レセプターの活性化因子などの、自然免疫系の活性化因子である。
それにもかかわらず、モノクローナル抗体は、過去数十年間にわたってがんを治療するための治療ツールとして次第に受容されてきた。キメラ抗体およびヒト化抗体の出現は、モノクローナル治療的抗体の成功に顕著に寄与したが、これは、第二および第三世代のモノクローナル抗体が、それらの免疫原性の低下に関して、元のマウス由来モノクローナル抗体と比較して、改善された副作用プロフィールを示したからである。
ヒト化抗体の治療有効性が証明されたにもかかわらず、完全ヒト抗体が興味を集めている。しかし、その生成は、今なお技術的困難の傾向がある。例えば、完全ヒト抗体をマウス(このマウスでは、抗体をコードするゲノム領域は、ヒト対応物において置換されている)において生成することは、負担が大きいままである。代替的アプローチ(例えば、ファージディスプレイ)は、ヒト免疫系の天然の可変性および複雑性を欠いている。
従って、(腫瘍)限局化様式の作用を可能にする、規制認可を満たす可能性が増加した治療的モノクローナル抗体が、継続して必要とされている。さらに、改善された有効性を可能にするがん治療が一般に望まれている。
本発明の目的は、がんなどの過剰増殖疾患を含むヒト疾患を治療/診断するための治療/診断ツールとして使用され得る、医薬的に活性な薬剤を提供することである。特に、本発明の目的は、罹患組織における限局化した免疫反応を確実にすることによって過剰増殖疾患を選択的に治療するために使用され得る、医薬的に活性な薬剤の併用を提供することである。
さらに、本発明の目的は、かかる医薬的に活性な薬剤および医薬的に活性な薬剤のかかる併用を使用することによって、例えばがんなどの過剰増殖疾患に罹患している患者または罹患している疑いのある患者を治療および/または診断する方法を提供することである。
これらおよび他の目的は、本明細書の以下の記載から明らかとなり、個々の独立請求項の対象によって解決される。本発明の好ましい実施形態のいくつかは、従属請求項の対象を形成する。本発明のなお別の実施形態は、以下の記載から取られ得る。
第一の態様において、本発明は、単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントに一般に関する。
従って、第一の態様の一実施形態において、本発明は、かかる単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含む医薬組成物に関する。
従って、第一の態様の別の実施形態において、本発明は、かかる単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含む診断組成物に関する。
かかるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、モノクローナルのキメラ、ヒト化もしくはヒト抗体またはそれらの結合フラグメントであり得る。患者由来のヒトモノクローナル抗体が好まれ得る。
別の実施形態において、かかるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、MAGE−MAGEA1、MAGEA4、MAGEA10および/または任意選択でさらにはMAGEA2などの他のMAGEアイソフォームを超えて、MAGEA3に対して優先的に結合する。
好ましい例示的なMAGEA3結合抗体またはそのフラグメントは、例示的抗体21B4、31H10、54B4、43B10、94G11、9A5、26C9、20C10、2G4もしくは4D6の可変重鎖および/もしくは可変軽鎖、または例示的抗体21B4、31H10、54B4、43B10、94G11、9A5、26C9、20C10、2G4もしくは4D6の可変重鎖および/もしくは可変軽鎖と少なくとも80%の配列同一性を有する可変重鎖および/もしくは可変軽鎖、を含み得る。
他の好ましい例示的MAGEA3結合抗体またはそのフラグメントは、それらの可変重鎖および/または可変軽鎖内に、例示的抗体21B4、31H10、54B4、43B10、94G11、9A5、26C9、20C10、2G4もしくは4D6の相補性決定領域(CDR)の少なくとも1つ、2つまたは3つ全てを含み得る。かかる抗体はまた、それらの可変重鎖および/または可変軽鎖内に、例示的抗体21B4、31H10、54B4、43B10、94G11、9A5、26C9、20C10、2G4もしくは4D6のCDRと少なくとも80%の配列同一性を有するCDRを含み得る。
本発明はさらに、過剰増殖疾患、特にMAGEA3を発現する腫瘍を治療する際に使用するための、かかる特異的MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含む医薬組成物に関する。
本発明はさらに、過剰増殖疾患、特にMAGEA3を発現する腫瘍を治療するための医薬品の製造における、かかる特異的MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの使用に関する。
本発明はさらに、かかる特異的MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを患者に投与することによる、過剰増殖疾患、特にMAGEA3を発現する腫瘍を治療する方法に関する。かかる過剰増殖疾患には、好ましくは、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれる。
本発明のこの第一の態様の一実施形態において、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含む医薬組成物は、免疫系を活性化することが可能な化合物を含まない。
本発明のこの第一の態様の別の実施形態において、この医薬組成物は、MAGEA3結合抗体または結合フラグメントを、唯一の医薬的に活性な薬剤として含む。
本発明のこの第一の態様の他の実施形態において、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、例えば本明細書中で言及される過剰増殖疾患に罹患した患者を診断するための診断ツールとして使用される。例えばMAGEA3および/またはMAGEA6を発現する過剰増殖疾患の存在および/または発生を診断するために、かかる抗体を使用することが好まれ得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。
従って、一実施形態において、本発明は、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体または結合フラグメントを含む診断組成物に関する。かかる診断組成物は、例えばMAGEA3および/またはMAGEA6を発現する過剰増殖疾患の存在および/または発生を診断するのに使用され得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。
別の実施形態において、本発明は、過剰増殖疾患を診断する際に使用するための、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントに関する。これらの疾患は、MAGEA3および/またはMAGEA6を発現し得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。
別の実施形態において、本発明は、過剰増殖疾患を診断するための組成物および/または医薬品の製造における、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの使用に関する。これらの疾患は、MAGEA3および/またはMAGEA6を発現し得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。
なお別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを使用することによって、ヒトまたは動物における過剰増殖疾患を診断する方法に関する。これらの疾患は、MAGEA3および/またはMAGEA6を発現し得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。
第二の態様では、本発明は、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントと、少なくとも1つの免疫系を活性化することが可能な化合物との併用に関する。
第二の態様の一実施形態において、本発明は、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントと、少なくとも1つの免疫系を活性化することが可能な化合物とを含む医薬組成物に関する。
確実にする記載から明らかになるように、かかるTAA結合抗体またはその結合フラグメントは好ましくは、CT抗原に結合し、NY−ESO−1またはMAGEA3がその例である。かかる抗体またはその結合フラグメントは、モノクローナルのキメラ、ヒト化もしくはヒト抗体またはそれらの結合フラグメントであり得る。患者由来のヒトモノクローナル抗体が好まれ得る。
好ましい例示的なMAGEA3結合抗体またはそのフラグメントは、以下で言及されるようなMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであり得る。例示的なNY−ESO−1結合抗体またはその結合フラグメントは、EP 11 150 527.7中で言及されるものであり得る。
以下の記載から明らかになるように、免疫応答を活性化することが可能な化合物は、好ましくは、本明細書の以下に記載されるような、免疫系の少なくとも1つの天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子、または免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターの少なくとも1つのアンタゴニストエフェクターから選択され得る。いくつかの好ましい例示的代表は、CD40L、抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893およびSGN−40および抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブおよびイピリムマブである。
従って、好ましい例示的実施形態は、(i)以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはそのフラグメントおよび(ii)CD40Lまたは抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893およびSGN−40または抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブおよびイピリムマブを含む、医薬組成物に関する。
好ましい実施形態において、医薬組成物は、以下に記載するような、(i)以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはそのフラグメントなどのTAA結合抗体または結合フラグメント、(ii)免疫系の少なくとも1つの天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子、または免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子の少なくとも1つのアゴニスト活性化因子、および(iii)免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターの少なくとも1つのアンタゴニストエフェクター、を含み得る。いくつかの好ましい例示的実施形態は、(i)MAGEA3結合抗体またはそのフラグメント、(ii)CD40Lまたは抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893もしくはSGN−40、および(iii)抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブおよびイピリムマブを含む医薬組成物に関する。
本発明の第二の態様の別の実施形態において、上記医薬的に活性な薬剤、即ち、以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはそのフラグメントなどのTAA結合抗体またはそのフラグメントおよび免疫系を刺激することが可能な化合物は、単一の医薬組成物内では併用されないが、実際には、種々の医薬組成物からなるキットの形態で存在し、活性な薬剤は、種々の医薬組成物間で少なくともある程度まで分割されている。
例えば、かかるキットの1つの医薬組成物は、TAA結合抗体またはその結合フラグメント、例えば以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含み得るが、第二の医薬組成物は、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子の少なくとも1つのアゴニスト活性化因子、例えば抗CD40アゴニスト抗体または免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターの少なくとも1つのアンタゴニストエフェクター、例えば抗CTLA4アンタゴニスト抗体を含み得る。
キットが、以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはそのフラグメントなどのTAA結合抗体またはその結合フラグメント、ならびに免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子の少なくとも1つのアゴニスト活性化因子、例えば抗CD40アゴニスト抗体および免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターの少なくとも1つのアンタゴニストエフェクター、例えば抗CTLA4アンタゴニスト抗体の両方を含む実施形態において、かかるキットの1つの医薬組成物は、TAA結合抗体またはその結合フラグメント、例えば以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含み得、第二の医薬組成物は、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子の少なくとも1つのアゴニスト活性化因子、例えば抗CD40アゴニスト抗体を含み得、第三の医薬組成物は、免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターの少なくとも1つのアンタゴニストエフェクター、例えば抗CTLA4アンタゴニスト抗体を含み得る。その代替として、第二の医薬組成物は、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子の少なくとも1つのアゴニスト活性化因子、例えば抗CD40アゴニスト抗体および免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターの少なくとも1つのアンタゴニストエフェクター、例えば抗CTLA4アンタゴニスト抗体の両方を含み得る。
かかるキットは、キットを形成する種々の医薬調製物の引き続く投与および/または少なくとも部分的に同時の投与による患者の治療を可能にし、従って、上記併用の時宜にかなった最適化された治療レジメンを可能にし得る。
本発明は、過剰増殖疾患などの疾患の治療における使用のための、少なくとも1つの以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはそのフラグメントなどの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントおよび免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物の併用にも関する。以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントなどのTAA結合抗体またはその結合フラグメント、および少なくとも1つの免疫系を活性化することが可能な化合物は、以下に記載されるように選択され得る。
以下に記載するように、本発明に従う活性な薬剤、即ち以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはそのフラグメントなどのTAA結合抗体またはそのフラグメントおよび免疫系を刺激することが可能な化合物の併用は、患者が、かかる活性な薬剤を含む上記医薬組成物、キットまたは併用の投与の前に、それと同時に、またはそれに引き続いて細胞傷害性治療に供される場合に、改善された有効性を提供し得る。患者が、かかる活性な薬剤を含む上記医薬組成物、キットまたは併用の投与の前にまたはそれと同時にかかる細胞傷害性治療を受けることが好まれ得る。
かかる細胞傷害性治療が細胞傷害性薬剤の投与を含む場合、かかる細胞傷害性薬剤は、本発明に従う医薬組成物またはキット中に含まれ得る。かかる細胞傷害性薬剤の1つの例示的な好ましい代表は、5−フルオロウラシル(5−FU)である。
本発明の第二の態様の別の実施形態において、本発明に従う医薬組成物およびキットは、がんなどの過剰増殖疾患に罹患しているか、またはかかる疾患に易発性であると疑われる患者を治療するために使用され得る。
好ましくは、本発明に従う医薬組成物およびキットは、TAAの発現によって特徴付けられるがん、例えばMAGEA3などのCT抗原の発現によって特徴付けられるがんに罹患しているか、またはかかるがんに易発性であると疑われる患者を治療するために使用され得る。
本発明に従う医薬組成物およびキット内に含まれるTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである場合、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌などのがんの治療。
従って、本発明の第二の態様の別の実施形態はまた、患者の治療における使用のための医薬品に関し、ここで、以下に記載される医薬組成物またはキットが使用される。TAA結合抗体または結合フラグメントは、好ましくは、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであり得、免疫応答を活性化することが可能な化合物は、好ましくは、以下に記載するような、免疫系の少なくとも1つの天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子、または免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターの少なくとも1つのアンタゴニストエフェクターから選択され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント、抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893およびSGN−40および/または抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブおよびイピリムマブの併用が想定される。
かかる医薬品は、かかる医薬品の投与の前に、それと同時に、またはそれに引き続いて細胞傷害性治療に供される患者に対して使用され得る。一実施形態において、細胞傷害性治療には化学療法が含まれ得る。
かかる医薬品は、特に、がんなどの過剰増殖疾患の治療に使用され得る。
本発明は、本発明の第二の態様の一実施形態において、患者を治療するための医薬品の製造における、以下に記載される医薬組成物またはキットの使用にも関する。TAA結合抗体または結合フラグメントは、好ましくはMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであり得、免疫応答を活性化することが可能な化合物は、好ましくは、以下に記載されるような、免疫系の少なくとも1つの天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子、または免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターの少なくとも1つのアンタゴニストエフェクターから選択され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント、抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893およびSGN−40および/または抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブおよびイピリムマブの併用が想定される。
かかる医薬品は、かかる医薬品の投与の前に、それと同時に、またはそれに引き続いて細胞傷害性治療に供される患者に対して使用され得る。一実施形態において、細胞傷害性治療には化学療法が含まれ得る。
かかる医薬品は、特に、がんなどの過剰増殖疾患の治療に使用され得る。
本発明は、以下に記載される医薬組成物またはキットを患者に投与することによって患者を治療する方法にも関する。TAA結合抗体または結合フラグメントは、好ましくは、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであり得、免疫応答を活性化することが可能な化合物は、好ましくは、以下に記載されるような、免疫系の少なくとも1つの天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子、または免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターの少なくとも1つのアンタゴニストエフェクターから選択され得る。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント、抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893およびSGN−40および/または抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブおよびイピリムマブの併用が想定される。
かかる方法は、かかる医薬品の投与の前に、それと同時に、またはそれに引き続いて細胞傷害性治療に供される患者について考慮され得る。一実施形態において、細胞傷害性治療には化学療法が含まれ得る。
かかる方法は、がんなどの過剰増殖疾患の治療のために考慮され得る。
MAGEA3上のエピトープに対する組換えヒトモノクローナル抗体の結合を示す図である。抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4、20E10、26C9および4D6を、MAGEA3タンパク質全体にわたる重複ペプチドで被覆したプレートを使用して、ELISAによって分析した。抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10および43B10は、MAGEA3の重複ペプチドの1つまたはいくつかに結合した(A〜F)。抗体2G4、20E10、26C9および4D6は、20マーのMAGEA3ペプチドのいずれに対する結合も示さなかった。 MAGEA3上のエピトープに対する組換えヒトモノクローナル抗体の結合を示す図である。抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4、20E10、26C9および4D6を、MAGEA3タンパク質全体にわたる重複ペプチドで被覆したプレートを使用して、ELISAによって分析した。抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10および43B10は、MAGEA3の重複ペプチドの1つまたはいくつかに結合した(A〜F)。抗体2G4、20E10、26C9および4D6は、20マーのMAGEA3ペプチドのいずれに対する結合も示さなかった。 MAGEA3上のエピトープに対する組換えヒトモノクローナル抗体の結合を示す図である。抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4、20E10、26C9および4D6を、MAGEA3タンパク質全体にわたる重複ペプチドで被覆したプレートを使用して、ELISAによって分析した。抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10および43B10は、MAGEA3の重複ペプチドの1つまたはいくつかに結合した(A〜F)。抗体2G4、20E10、26C9および4D6は、20マーのMAGEA3ペプチドのいずれに対する結合も示さなかった。 組換えヒトモノクローナル抗体によるMAGEA3の免疫沈降を示す図である。抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4、20C10および26C9を、MAGEA3を内因的に発現するSK−MEL−37細胞の溶解物と共にインキュベートした(レーンB)。抗体沈降したMAGEA3タンパク質を、MAGEA3特異的抗体を使用するウエスタンブロットによって検出した。コントロールとして、抗体単独(レーンA)またはMAGEA3を発現しないHEK293T細胞の溶解物と共にインキュベートした抗体(レーンC)を使用した。 組換えヒトモノクローナル抗体のMAGEAファミリー反応性を示す図である。A)組換えヒトモノクローナル抗体による、MAGEA4以外のMAGEAの認識。ヒト抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4および20C10を使用して、ウエスタンブロット分析において組換えMAGEA3タンパク質(レーンA)および組換えMAGEA4タンパク質(レーンB)を検出した。B)MAGEAファミリーELISA。ヒト由来組換え抗体21B4、94G11、9A5および2G4の連続希釈を、MAGEA1、MAGEA3、MAGEA4およびMAGEA10に対する結合についてELISAで試験した。C)MAGEA3およびMAGEA6に対する、ヒト由来組換え抗体21B4、31H10、94G11および54B4の結合。 組換えヒトモノクローナル抗体のMAGEAファミリー反応性を示す図である。A)組換えヒトモノクローナル抗体による、MAGEA4以外のMAGEAの認識。ヒト抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4および20C10を使用して、ウエスタンブロット分析において組換えMAGEA3タンパク質(レーンA)および組換えMAGEA4タンパク質(レーンB)を検出した。B)MAGEAファミリーELISA。ヒト由来組換え抗体21B4、94G11、9A5および2G4の連続希釈を、MAGEA1、MAGEA3、MAGEA4およびMAGEA10に対する結合についてELISAで試験した。C)MAGEA3およびMAGEA6に対する、ヒト由来組換え抗体21B4、31H10、94G11および54B4の結合。 MAGEA3に対する組換えヒトモノクローナル抗体のEC50決定を示す図である。MAGEA3−ELISAを、プラスチックに被覆された組換えMAGEA3ならびにヒトモノクローナル抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4、20C10、26C9および4D6の連続希釈を使用して実施した(A〜J)。EC50値を各図中に示す。 MAGEA3に対する組換えヒトモノクローナル抗体のEC50決定を示す図である。MAGEA3−ELISAを、プラスチックに被覆された組換えMAGEA3ならびにヒトモノクローナル抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4、20C10、26C9および4D6の連続希釈を使用して実施した(A〜J)。EC50値を各図中に示す。 MAGEA3に対する組換えヒトモノクローナル抗体のEC50決定を示す図である。MAGEA3−ELISAを、プラスチックに被覆された組換えMAGEA3ならびにヒトモノクローナル抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4、20C10、26C9および4D6の連続希釈を使用して実施した(A〜J)。EC50値を各図中に示す。 MAGEA3に対する組換えヒトモノクローナル抗体のEC50決定を示す図である。MAGEA3−ELISAを、プラスチックに被覆された組換えMAGEA3ならびにヒトモノクローナル抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4、20C10、26C9および4D6の連続希釈を使用して実施した(A〜J)。EC50値を各図中に示す。 ヒト正常組織および腫瘍組織の選択に対する、組換えヒトモノクローナル抗体21B4の免疫組織化学分析を示す図である。A)正常な精巣:選択された精原細胞を、21B4で染色する(矢頭)。前立腺(B)、リンパ節(C)、心臓組織(D)および結腸(E)では、21B4による染色は観察されない。F)肺の扁平上皮癌:21B4は、癌性浸潤物を特異的に染色する(円)。 MAGEAファミリーELISAにおける21B4対M3H67を示す図である。ヒト由来組換え抗体21B4およびマウスmAb M3H67の連続希釈を、MAGEA1、MAGEA3、MAGEA4およびMAGEA10に対する結合についてELISAで試験した。抗体は、5000ng/ml、1250ng/ml、312.5ng/mlおよび78ng/mlの濃度で使用した。21B4はMAGEA3に特異的に結合し、M3H67は、MAGEA4、MAGE1およびMAGEA10に対する優先的結合を示す(グラフのY軸は対数目盛りである)。 ウエスタンブロット分析における21B4対M3H67を示す図である。SK−MEL−37細胞のタンパク質およびMAGEA3含有細胞溶解物を、勾配SDS PAGEを使用して分離した。タンパク質を、21B4またはmAb M3H67(各抗体1μg/ml)のいずれかを使用して、ニトロセルロースメンブレン上にブロッティングした後に検出した。結合した抗体を、HRP標識したヤギ抗ヒトIgG(21B4)またはヤギ抗マウスIgG(M3H67)二次抗体を使用して検出した。矢印はMAGEA3の位置を示す。 かかるヒト−マウスリバースキメラ21B4rcの模式的設計を示す図である。 21B4rcまたはM3H67のいずれかを使用した、正常(非癌性)組織のIHC染色を示す図である。21B4rcは、精巣の特徴的な精原細胞(矢印は代表的な精原細胞を示す)の染色を示すが、M3H67は、全ての精原細胞および周囲の間質組織を染色する。腎臓および膵臓では、いずれの抗体による染色も観察されない。 21B4rcまたはM3H67のいずれかを使用した、3人の個々の患者の頭頸部癌由来の癌性組織のIHC染色を示す図である。症例1は、21B4rcおよびM3H67による全体的に類似した染色を示す。症例2では、21B4rcは、M3H67に認識されない癌性浸潤物を染色し、症例3では、M3H67に認識される癌性浸潤物は、21B4rcによって染色されない。
本発明を、その好ましい実施形態のいくつかについて詳細に記載する前に、以下の一般的定義を提供する。
以下に例示的に記載される本発明は、本明細書中に具体的に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の限定の非存在下で、適切に実施され得る。
本発明は、特定の実施形態についておよび特定の図面を参照して記載されるが、本発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲のみによって限定される。
用語「含む(comprising)」が、明細書および特許請求の範囲において使用される場合、これは他の要素を排除しない。本発明の目的のために、用語「〜からなる(consisting of)」は、用語「〜から構成される(comprising of)」の好ましい実施形態とみなされる。以下で、少なくとも特定数の実施形態を含む群が規定される場合、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群を開示するものと理解すべきである。
本発明の目的のために、用語「得られた(obtained)」は、用語「取得可能(obtainable)」の好ましい実施形態であるとみなされる。以下で、例えば抗体が特定の供給源から取得可能であると規定される場合、これはまた、この供給源から得られた抗体を開示すると理解すべきである。
不明確または明確な物品が使用される場合、単数形の名詞(例えば、「a」、「an」または「the」)を参照すると、これは、そうでないと具体的に述べられた場合を除き、その名詞の複数形を含む。用語「約(about)」または「およそ(approximately)」は、本発明の文脈において、問題となる特徴の技術的効果がなおも確実となることを当業者が理解する、正確さの隔たりを示す。この用語は典型的に、±10%の、好ましくは±5%の、示された数値からの逸脱を示す。
技術用語は、その一般的な意味で使用される。特定の意味が特定の用語に伝達される場合、用語の定義は、その用語が使用される文脈において、以下に示される。
用語「腫瘍関連抗原(TAA)」は、その最も広い意味では、腫瘍において排他的に発現されない場合、従って、抗体ベースの治療のための潜在的な免疫療法標的として機能し得る場合に、主要な因子に関連する。腫瘍組織におけるTAAの主要なおよび好ましくは排他的な発現は、治療的抗体媒介性の免疫反応が腫瘍のみに限局化されることを確実にし、その結果、薬物動態学的挙動に対する上記有害な事象および影響は、腫瘍および正常組織の両方において発現する抗原を標的化する治療的抗体と同程度に観察されることは少なくともない。
かかるTAAの発現は、かかる発現されたTAAの抗体への接近可能性を背景として、および/またはかかる発現されたTAAの免疫系への接近可能性を背景として見なければならないと理解すべきである。
従って、TAAの発現は、正常組織においてDNAレベルまたはRNAレベルで生じ得るが、タンパク質レベルでの発現には翻訳されない。結果として、かかるTAAは、治療的抗体を主に利用可能にする程度で正常組織中で発現されることはないが、これは、かかる抗体が、アミノ酸ストレッチを含む抗原および/またはエピトープを認識すると一般に理解されるからである。
さらに、例えば、それらがMHC発現を示さず、従って、T細胞によって標的化され得ない、および従って、免疫特権があると一般にみなされているという意味において、免疫系に機能的に接近できない精巣などの組織が存在し得る。かかる免疫特権の正常組織においてTAAが発現される場合であっても、かかるTAAに結合する抗体は、従って、かかる正常組織において免疫応答を誘発しない。さらに、免疫応答は、TAAを発現する腫瘍組織に限定される。
TAAの好ましい群は、いわゆる「がん/精巣抗原(CT抗原)」である。この群は、多様な腫瘍、または正常には精巣(即ち、免疫特権組織)のいずれかにおいて発現される、独自のクラスのTAAとして登場した。それらのゲノムコーディング、機能、腫瘍発現などに関する情報を含む、CT抗原の特性に関する概要は、とりわけ、Caballeroら、2009、Cancer Science、100(11)、2014-2021中に見出すことができる。この文献の開示は、特にCT抗原の性質ならびに異なる型の腫瘍内での特異的CT抗原の存在および分布に関して、参照によって組み込まれる(例えば、Caballeroら(上記参照)の表1を参照のこと)。
CT抗原に関する詳細な情報は、http://www.cta.lncc.br/中に見出すことができる。このデータベースによって提供される情報、特にCT抗原の遺伝子ファミリー、特定のファミリーメンバー、それらの染色体位置、CT識別子および腫瘍におけるタンパク質発現パターンに関する情報は、参照によって組み込まれる。
CT抗原の例は、表1中に見出すことができる。
用語「CT抗原」は、遺伝子ファミリーならびに遺伝子ファミリーの個々のメンバーの両方に関して、交換可能に使用される。
以下において、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントに対し言及がなされる場合、これは、かかる抗体がCT抗原MAGEA3に結合することを意味すると理解すべきである。かかる言及は通常、以下で言及されるMAGEA3結合抗体またはそのフラグメント、ならびに特に、21B4、31H10、54B4、43B10、94G11、9A5、26C9、20C10、2G4もしくは4D6などの本明細書中で言及される特異的抗体およびそれらの配列ホモログを含むものとする。用語MAGEA3とは、好ましくはヒトMAGEA3タンパク質をいい、従って、配列番号101のアミノ酸配列を含むタンパク質を指し得る。
抗体またはそのフラグメントが、MAGEA3に結合すると記述される場合、これは、この抗体またはその結合フラグメントが好ましくは、前記抗原に特異的に結合すること、即ち、他の抗原よりも高い親和性でその抗原に結合することを意味する。これは特に、NY−ESOなどの異なる遺伝子ファミリー由来の他のCT抗原が、この抗体またはその結合フラグメントによって認識されないことを意味している。
例えば、抗体またはフラグメントは、その抗体またはフラグメントの可変領域が、同族抗原を認識および結合する場合、その同族抗原に対して特異的であり、検出可能な優先性が、結合親和性における測定可能な差異に起因して、類似ではあるが同一ではない配列の他の既知のポリペプチドからその抗原を識別する。抗原特異的抗体およびフラグメントは、抗体の可変領域の外側の配列、特に抗体またはフラグメントの定常領域中の配列との相互作用を介して、他のタンパク質(例えば、黄色ブドウ球菌(S. aureus)プロテインAまたはELISA技術における他の抗体)とも相互作用し得ることが理解されよう。MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントとプロテインAまたはプロテインGとの相互作用は、抗原特異的相互作用とはみなされないことを理解すべきである。抗体の結合特異性を決定するためのスクリーニングアッセイは周知であり、当該分野で慣用的に実施されている。かかるアッセイの包括的な考察については、Harlowら(編)、Antibodies A Laboratory Manual; Cold Spring Harbor Laboratory; Cold Spring Harbor、NY(1988)、第6章を参照のこと。本発明の文脈において企図されるMAGEA3は、典型的には腫瘍組織または免疫特権組織でしか発現されないので、特異的結合抗体またはそのフラグメントは、好ましくは、腫瘍組織中で、MAGEA3のみに検出可能に結合する(一般的なアッセイによって判断する)が、腫瘍組織および正常組織の両方において発現される他のポリペプチドには結合しない。
しかし、MAGEA3は、MAGEAファミリーのメンバーであり、MAGEAファミリーの他のメンバーの少なくともいくつか、例えばMAGEA6(約96%の相同性)またはMAGEA2(約84%の相同性)と、有意な相同性を共有する。MAGEA1およびMAGEA4(約68%の相同性)またはMAGEA10(約50%の相同性)などの他のファミリーメンバーとの相同性は、より低い。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは通常、例えばMAGEAファミリーの他のメンバーよりも強くMAGEA3と結合するという意味において特異的であるが、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、MAGEA3と96%の配列同一性を共有することを考慮すると、MAGEA6、および特にヒトMAGEA6にも結合し得る。従って、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体または結合フラグメントは、MAGEA6結合抗体またはその結合フラグメントとも称され得る。MAGEA3とMAGEA6との間の高い相同性を考慮すると、これらのタンパク質は、例えば癌の発生において、同一ではないにしても類似した役割を有すると推測され、その結果、MAGEA3およびMAGEA6に対するかかる汎反応性は、治療上有利であり得る。本発明に従うMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントがMAGEA6にも結合する能力は、これらの抗体がMAGEA6よりもMAGEA3により強く結合することを排除するわけではない。いくつかの実施形態において、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、任意選択で、さらにはMAGEA6に結合しなくてもよい。
MAGEA3ならびに他のファミリーメンバー、例えばMAGEA1、MAGEA4およびMAGEA10の発現パターンは、癌型間で異なり得ることが観察されており、このことは、癌の発生および進行におけるこれらのタンパク質の異なる役割に注意を向け得る。医薬的に活性なMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントが、実際にMAGEA3の機能だけを妨害することを確実にするために、本発明に従う抗体または結合フラグメントは、MAGEA3だけを認識するが、好ましくはMAGEA4、MAGEA1および/またはMAGEA10を認識しないことが好まれ得る。かかる抗体は、MAGEA3に優先的に結合するとみなされる。MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントが、例えばMAGEA4に結合しないという主張は、特定の標的に対する抗体結合の優先性を決定するために一般に使用される実験に基づいていることを理解すべきである。この限りにおいて、MAGEA3、MAGEA4などの異なる抗原を基材上に被覆し、引き続いて特定の抗体の結合が試験されるELISAアッセイなどを使用し得る。従って、本発明に従うMAGEA3結合抗体およびその結合フラグメントは、例えば、一般的なELISAアッセイまたはウエスタンブロットアッセイで決定され得るように、陰性コントロール抗体を超えてMAGEA1、MAGEA4およびMAGE10に検出可能に結合しない可能性がある。これは、MAGEA1、MAGEA4およびMAGE10を超えた、MAGEA3に対する優先的な特異性を示す実施例のセクションにおいて、例えば例示的抗体21B4について例示される。従って、本発明に従うMAGEA3結合抗体およびその結合フラグメントは、例えばChitaleら、Modern Pathology, 18巻, 119号, 126頁(2005年)に記載されているマウスモノクローナル抗体(antiboday)M3H76と比較した場合、MAGEA1、MAGEA4およびMAGE10を超えて、MAGEA3に対して優先的に結合し得る。
従って、いくつかの実施形態において、本発明は、MAGEA3に優先的に結合し、従ってMAGEA4、MAGEA1、MAGEA10および/または任意選択でさらにはMAGEA2に結合しないMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントに関する。
抗体またはその結合フラグメントは、それらがMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであるか、または例えば本明細書中に記載される他の抗体(例えば、抗CD40アゴニスト抗体)であるかに関わらず、低いナノモル濃度〜低いピコモル濃度の、またはさらにはピコモル濃度の範囲を下回る濃度の、抗体(またはその結合フラグメント)のその抗原への結合に関する平衡解離定数(K)を有し得る(結合力)。従って、Kは、約0.1*10−12〜約1*10−8の範囲内、好ましくは約0.1*10−12〜約0.1*10−7の範囲内、より好ましくは約0.1*10−12〜約10*10−9の範囲内、なおより好ましくは約0.1*10−12〜約1*10−9の範囲内であり得る。最も好ましいKDは、約0.1*10−12〜約0.1*10−9の範囲内、約0.1*10−12〜約10*10−12の範囲内、または約0.1*10−12〜約1*10−12の範囲内(例えば、約0.9*10−12、約0.8*10−12、約0.7*10−12、約0.6*10−12または約0.5*10−12)であり得る。従って、本明細書の以下に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、約300pM以下、約200pM以下、約100pM以下、約90pM以下、約80pM以下、約70pM以下、約60pM以下、約50pM以下、約40pM以下、約30pM以下、約20pM以下のKを有し得る。さらに低いKが、CDRの最適化によって達成可能であり得る。
は、通常、2つの分子間の相互作用の親和性の尺度であるとみなされる。厳密に言えば、親和性は、単一の部位におけるある分子の別の分子への結合の強度を記述する。しかし、抗体は通常、抗原に対する結合部位を2つ有する。この相互作用の強度は、通常結合力であるとみなされる。
本発明の文脈において、用語「親和性」は、例えば、一価scFvのその抗原への相互作用の強度、ならびに典型的な二価抗体のその抗原への結合の強度の両方を記述するために使用される。
抗体またはその結合フラグメントのK値および従ってその親和性/結合力は、当該分野で確立されたアプローチを使用して決定され得る。
それらの抗原に対する、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体または結合フラグメントなどの抗体の親和性の別の測定は、EC50濃度である。抗体またはその結合フラグメントは、MAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは例えば抗CD40アゴニスト抗体などの本明細書中に記載される他の抗体であるかに関わらず、低ナノモル濃度〜低ピコモル濃度またはさらにはピコモル濃度を下回る範囲で、その抗原に対する抗体(またはその結合フラグメント)の結合についてのEC50を有し得る。従って、EC50は、約0.1*10−12〜約1*10−8の範囲内、好ましくは約0.1*10−12〜約0.1*10−7の範囲内、より好ましくは約0.1*10−12〜約10*10−9の範囲内、なおより好ましくは約0.1*10−12〜約1*10−9の範囲内であり得る。最も好ましいEC50は、約0.1*10−12〜約0.1*10−9の範囲内、約0.1*10−12〜約10*10−12の範囲内または約0.1*10−12〜約1*10−12の範囲内、例えば、約0.9*10−12、約0.8*10−12、約0.7*10−12、約0.6*10−12もしくは約0.5*10−12であり得る。従って、以下に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、約300pM以下、約200pM以下、約100pM以下、約90pM以下、約80pM以下、約70pM以下、約60pM以下、約50pM以下、約40pM以下、約30pM以下、約20pM以下のEC50を有し得る。さらに低いEC50が、CDRの最適化によって達成可能であり得る。
EC50は、ELISAにおいてその抗原に対する抗体の最大半量の結合が観察された濃度として決定される。
抗体およびその結合フラグメントは、本発明の文脈において使用される場合、即ち、それらがMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであるか、または例えば以下で言及される抗CD40アゴニスト抗体などの本明細書中に記載される他の抗体であるかに関わらず、好ましくは、モノクローナルのキメラ、ヒト化またはヒト抗体であり得る。これらの抗体は、好ましくはIgGクラスの抗体である。
少なくともMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントに関して、モノクローナルヒト抗体を使用することが好まれ得る。かかる抗体は、好ましくは「患者由来」である。
「患者由来」のヒトモノクローナル抗体とは、上で規定したTAAならびに特にMAGEA3および/またはMAGEA6を発現する腫瘍に罹患している患者から得られた抗体をいう。いくつかの実施形態において、上で規定したTAAならびに特にMAGEA3および/またはMAGEA6を発現する腫瘍に罹患しており、疾患の好ましい臨床経過を示す患者からかかる抗体を単離することが好まれ得る。かかる疾患の好ましい臨床経過は、例えば、生活の質、全生存、改善された腫瘍増殖停止時間、および/または改善されたRECIST基準から、明らかになり得る。RECIST(「固形腫瘍における応答評価基準(Response Evaluation Criteria In Solid Tumors)」)は、例えば、患者が、かかる腫瘍の治療に対する、完全なまたは少なくとも部分的な応答を示したか否かを決定するために使用される。これらの基準の説明および概要は、とりわけ、Eisenhauerら(2009) European Journal of Cancer、228〜247またはhttp://www.eortc.be/recist/(これらは参照によって組み込まれる)中に見出すことができる。
疾患の好ましい臨床経過は、腫瘍を有すると診断され、例えば非特異的化学療法および/またはMAGEA3などのCT抗原を用いたワクチン接種を受けた患者において観察され得ることを理解すべきである。腫瘍を有すると診断された患者が、例えばMAGEA3抗原でワクチン接種されていない場合であっても、疾患の好ましい臨床経過を示した患者は、MAGEA3結合抗体の単離および同定にふさわしい可能性がある。
かかる患者由来抗体の使用は、それらが単離された患者とは異なる患者に投与される場合であっても、少なくとも同等の有効性を提供するとみなされる。例えば、本明細書中で言及される特異的MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、好ましい臨床応答を示し、自発的MAGEA3結合抗体を示した患者から単離されたものである。かかる抗体は、例えば、CD4、CD8細胞傷害性T細胞をマウスの異種移植された腫瘍中に動員し、MAGEA3および/またはMAGEA6を発現する患者の腫瘍にも動員することが可能であると推測される。
患者由来のヒトモノクローナル抗体は、上述のように疾患の好ましい臨床経過を示す患者から単離されたものであることを考慮すると、MAGEA3および/またはMAGEA6の過剰発現によって特徴付けられる癌などの過剰増殖疾患に罹患している他のヒト患者においても効力を示すと推測され得る。これらの抗体は、完全にヒト配列を有し、従って、例えば免疫原性に関して問題がないはずである。
かかる患者由来のヒトモノクローナルMAGEA3結合抗体のいくつかの例には、21B4、31H10、54B4、43B10、94G11、9A5、26C9、20C10、2G4または4D6が含まれる。
21B4の可変重鎖は、例えば、配列番号1によってコードされる。21B4の可変軽鎖は、例えば、配列番号2によってコードされる。従って、21b4の可変重鎖は、配列番号3のアミノ酸配列を有する。従って、21B4の可変軽鎖は、配列番号4のアミノ酸配列を有する。21B4の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号5のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号6のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号7のアミノ酸配列を有する。21B4の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号8のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号9のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号10のアミノ酸配列を有する。
31H10の可変重鎖は、例えば配列番号11によってコードされる。31H10の可変軽鎖は、例えば、配列番号12によってコードされる。従って、31H10の可変重鎖は、配列番号13のアミノ酸配列を有する。従って、31H10の可変軽鎖は、配列番号14のアミノ酸配列を有する。31H10の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号15のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号16のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号17のアミノ酸配列を有する。31H10の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号18のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号19のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号20のアミノ酸配列を有する。
54B4の可変重鎖は、例えば、配列番号21によってコードされる。54B4の可変軽鎖は、例えば、配列番号22によってコードされる。従って、54B4の可変重鎖は、配列番号23のアミノ酸配列を有する。従って、54B4の可変軽鎖は、配列番号24のアミノ酸配列を有する。54B4の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号25のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号26のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号27のアミノ酸配列を有する。54B4の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号28のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号29のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号30のアミノ酸配列を有する。
43B10の可変重鎖は、例えば、配列番号31によってコードされる。43B10の可変軽鎖は、例えば、配列番号32によってコードされる。従って、43B10の可変重鎖は、配列番号33のアミノ酸配列を有する。従って、43B10の可変軽鎖は、配列番号34のアミノ酸配列を有する。43B10の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号35のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号36のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号37のアミノ酸配列を有する。43B10の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号38のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号39のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号40のアミノ酸配列を有する。
94G11の可変重鎖は、例えば、配列番号41によってコードされる。94G11の可変軽鎖は、例えば、配列番号42によってコードされる。従って、94G11の可変重鎖は、配列番号43のアミノ酸配列を有する。従って、94G11の可変軽鎖は、配列番号44のアミノ酸配列を有する。94G11の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号45のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号46のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号47のアミノ酸配列を有する。94G11の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号48のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号49のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号50のアミノ酸配列を有する。
9A5の可変重鎖は、例えば、配列番号51によってコードされる。9A5の可変軽鎖は、例えば、配列番号52によってコードされる。従って、9A5の可変重鎖は、配列番号53のアミノ酸配列を有する。従って、9A5の可変軽鎖は、配列番号54のアミノ酸配列を有する。9A5の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号55のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号56のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号57のアミノ酸配列を有する。9A5の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号58のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号59のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号60のアミノ酸配列を有する。
26C9の可変重鎖は、例えば、配列番号61によってコードされる。26C9の可変軽鎖は、例えば、配列番号62によってコードされる。従って、26C9の可変重鎖は、配列番号63のアミノ酸配列を有する。従って、26C9の可変軽鎖は、配列番号64のアミノ酸配列を有する。26C9の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号65のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号66のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号67のアミノ酸配列を有する。26C9の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号68のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号69のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号70のアミノ酸配列を有する。
20C10の可変重鎖は、例えば、配列番号71によってコードされる。20C10の可変軽鎖は、例えば、配列番号72によってコードされる。従って、20C10の可変重鎖は、配列番号73のアミノ酸配列を有する。従って、20C10の可変軽鎖は、配列番号74のアミノ酸配列を有する。20C10の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号75のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号76のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号77のアミノ酸配列を有する。20C10の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号78のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号79のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号80のアミノ酸配列を有する。
2G4の可変重鎖は、例えば、配列番号81によってコードされる。2G4の可変軽鎖は、例えば、配列番号82によってコードされる。従って、2G4の可変重鎖は、配列番号83のアミノ酸配列を有する。従って、2G4の可変軽鎖は、配列番号84のアミノ酸配列を有する。2G4の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号85のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号86のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号87のアミノ酸配列を有する。2G4の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号88のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号89のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号90のアミノ酸配列を有する。
4D6の可変重鎖は、例えば、配列番号91によってコードされる。4D6の可変軽鎖は、例えば、配列番号92によってコードされる。従って、4D6の可変重鎖は、配列番号93のアミノ酸配列を有する。従って、4D6の可変軽鎖は、配列番号94のアミノ酸配列を有する。4D6の可変重鎖に関して、CDR1は配列番号95のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号96のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号97のアミノ酸配列を有する。4D6の可変軽鎖に関して、CDR1は配列番号98のアミノ酸配列を有し、CDR2は配列番号99のアミノ酸配列を有し、CDR3は配列番号100のアミノ酸配列を有する。
抗体の特異性および親和性は、その可変重鎖および軽鎖の配列ならびに特にそのCDRによって大部分決定されるので、これらの特性は、ヒト患者由来抗体の可変重鎖および軽鎖の配列またはそのCDRが他の骨格中に移入されている場合でさえも維持されると推測され得る。従って、本発明は、例えばモノクローナルのキメラまたはヒト化抗体であるヒト患者由来抗体由来の可変重鎖および軽鎖の配列ならびに特にそのCDRを使用する、MAGE3結合抗体およびその結合フラグメントにも関する。事実、他の完全にヒト抗体のフレームワーク位置において、例えばマウス由来のアミノ酸を導入することは、例えば、ADCC応答を改善し得ることが公知である。例えば、かかる改変を選択するための規則は、例えばEP 0 451 216から得られ得る。CDRまたはCDRのセットが一旦同定されると、抗体の親和性および/または特異性を維持したままで、例えばCDR(複数可)において保存的アミノ酸置換を実施することが可能であることも公知である。好ましくは保存的である、即ち1つのアミノ酸の、匹敵する物理化学的特性を有する別のアミノ酸による置き換え(例えば、LeuによるAlaのまたはAspによるGluの)であるが、必ずしも保存的でなくてもよいかかる置換は、CDRおよび/またはフレームワーク領域中のアミノ酸を変化させ、次いで、例えばBIACORE測定を使用して、その抗原結合について、改変された抗体対元の抗体を試験することによって同定され得る。
従って、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9、19、29、39、49、59、69、79、89、99もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号10、20、30、40、50、60、70、80、90、100もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6、16、26、36、46、56、66、76、86、96もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号7、17、27、37、47、57、67、77、87、97もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号8もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号10もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号5もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号7もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号18もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号19もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号29もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号15もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号16もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号17もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号28もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号29もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号30もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号25もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号26もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号27もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号38もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号39もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号40もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号35もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号36もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号37もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号48もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号49もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号50もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号45もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号46もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号47もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号58もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号59もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号60もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号55もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号56もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号57もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号68もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号69もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号70もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号65もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号66もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号67もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号78もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号79もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号80もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号75もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号76もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号77もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号88もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号89もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号90もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号85もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号86もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号87もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号98もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号99もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号100もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b)重鎖可変領域が、配列番号95もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号96もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号97もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9、19、29、39、49、59、69、79、89、99もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号10、20、30、40、50、60、70、80、90、100もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6、16、26、36、46、56、66、76、86、96もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号7、17、27、37、47、57、67、77、87、97もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号8もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号10もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号5もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号7もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号18もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号19もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号20もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号15もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号16もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号17もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号28もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号29もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号30もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号25もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号26もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号27もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号38もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号39もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号40もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号35もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号36もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号37もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号48もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号49もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号50もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号45もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号46もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号47もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号58もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号59もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号60もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号55もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号56もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号57もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号68もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号69もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号70もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号65もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号66もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号67もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号78もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号79もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号80もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号75もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号76もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号77もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号88もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号89もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号90もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号85もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号86もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号87もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの他の例には、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその結合フラグメントが含まれ、ここで、
a)軽鎖可変領域が、配列番号98もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号99もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号100もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b)重鎖可変領域が、配列番号95もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号96もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号97もしくはそれに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
好ましくは、これら全ての実施形態において、配列同一性は、少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、なおより好ましくは少なくとも約95%、最も好ましくは少なくとも約96%、97%、98%または約99%である。配列同一性は、それぞれの配列の全長にわたって決定され得る。
2つの配列間の%同一性の決定は、好ましくは、KarlinおよびAltschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci USA 90: 5873-5877の数学アルゴリズムを使用して達成される。かかるアルゴリズムは、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/Blast.cge)で入手可能なAltschulら(1990) J. Mol. Biol. 215: 403-410のBLASTnプログラムおよびBLASTpプログラム中に組み込まれている。
%同一性の決定は、BLASTnプログラムおよびBLASTpプログラムの標準的パラメータを用いて実施される。
BLASTポリヌクレオチド検索は、BLASTnプログラムを用いて実施される。一般的パラメータについて、「マックス標的配列(Max Target Sequences)」ボックスを100に設定し得、「ショートクエリー(Short queries)」ボックスにチェックマークをつけ得、「予測閾値(Expect threshold)」ボックスを10に設定し得、「ワードサイズ(Word Size)」ボックスを28に設定し得る。スコアリングパラメータについて、「一致/不一致スコア(Match/mismatch Scores)」を1,−2に設定し得、「ギャップコスト(Gap Costs)」ボックスを線形に設定し得る。フィルターおよびマスキングパラメータについて、「低い複雑性の領域(Low complexity regions)」ボックスにチェックマークをつけ得、「種特異的反復(Species-specific repeats)」ボックスにはチェックマークをつけなくてもよく、「ルックアップテーブルのみについてマスク(Mask for lookup table only)」ボックスにチェックマークをつけ得、「小文字をマスク(Mask lower case letters)」ボックスにはチェックマークをつけなくてもよい。
BLASTタンパク質検索は、BLASTpプログラムを用いて実施される。一般的パラメータについて、「マックス標的配列」ボックスを100に設定し得、「ショートクエリー」ボックスにチェックマークをつけ得、「予測閾値」ボックスを10に設定し得、「ワードサイズ(Word Size)」ボックスを「3」に設定し得る。スコアリングパラメータについて、「マトリックス(Matrix)」ボックスを「BLOSUM62」に設定し得、「ギャップコスト」ボックスを「存在:11 伸長:1(Existence: 11 Extension:1)」に設定し得、「組成調整(Compositional adjustments)」ボックスを、「条件的組成スコアマトリックス調整(Conditional compositional score matrix adjustment)」に設定し得る。フィルターおよびマスキングパラメータについて、「低い複雑性の領域」ボックスにはチェックマークをつけなくてもよく、「ルックアップテーブルのみについてマスク」ボックスにはチェックマークをつけなくてもよく、「小文字をマスク」ボックスにはチェックマークをつけなくてもよい。
上記軽鎖可変領域および重鎖可変領域のCDRは、好ましくは、ヒト由来抗体のフレームワーク領域および定常領域中、即ち、本明細書中に記載されるように、ヒト患者から得られた抗体について決定された配列中に、埋め込まれている。好ましくは、これらの抗体はIgGクラスの抗体である。
しかし、上記軽鎖可変領域および重鎖可変領域のCDRは、特に、他のヒト抗体に由来するフレームワーク領域および定常領域のヒト配列が、抗体依存的細胞媒介性細胞傷害(ADCC)において有効であることが示されている場合に、かかる配列中に埋め込まれていてもよい。この文脈において、例えば、治療適用のために首尾よく使用されたヒト化治療的抗体のヒト定常配列およびフレームワーク配列を使用することが可能である。上記軽鎖可変領域および重鎖可変領域のCDRは、好ましくは、ヒトIgGクラスのかかるヒト化抗体のフレームワーク領域および定常領域中に組み込まれる。
さらに、上記軽鎖可変領域および重鎖可変領域のCDRは、フレームワーク領域および定常領域に関して、本質的にヒト配列中に埋め込まれ得る。しかし、定常領域も同様ではあるが、特にフレームワーク領域は、抗原結合および/または例えばADCCを増強することが公知のマウス抗体中に典型的に見出されるようなアミノ酸を含み得る(例えば、欧州特許出願EP 0 451 216を参照)。好ましくは、これらの抗体はIgGクラスの抗体である。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および/または配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、17、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号14またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号24またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号34またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号44またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号54またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号64またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号74またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号84またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号94またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83,93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号13またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号23またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号33またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号43またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号53またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号63またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号73またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号83またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84,94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号93またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号4またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号14またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号33またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号24またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号23またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号34またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号33またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号44またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号43またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号54またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号53またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号64またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号63またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号74またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号33またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号84またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号83またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
他のMAGEA3結合抗体および結合フラグメントは、配列番号94またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号93またはそれに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、抗体またはその結合フラグメントに関する。
好ましくは、これら全ての実施形態において、配列同一性は、少なくとも約85%。より好ましくは少なくとも約90%、なおより好ましくは少なくとも約95%、最も好ましくは少なくとも約98%または少なくとも約99%である。配列同一性は上記のように決定される。配列同一性は、それぞれの配列の全長にわたって決定され得る。
上記軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、好ましくは、ヒト由来抗体の定常領域中、即ち、本明細書中に記載されるように、ヒト患者から得られた抗体について決定された配列中に、埋め込まれている。好ましくは、これらの抗体は、IgG1クラスなどのIgGクラスの抗体である。
しかし、上記軽鎖可変領域および重鎖可変領域はまた、特に、かかる配列がADCCにおいて有効であることが示されている場合に、他のヒト抗体に由来する定常領域のヒト配列中に埋め込まれていてもよい。この文脈において、例えば、治療適用のために首尾よく使用されたヒト化治療的抗体のヒト定常配列を使用することが可能である。上記軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、好ましくは、ヒトIgGクラスのかかるヒト化抗体の定常領域中に組み込まれる。
さらに、上記軽鎖可変領域および重鎖可変領域は、定常領域について本質的にヒト配列中に埋め込まれ得る。しかし、定常領域は、例えばADCCを増強することが公知のマウス抗体中に典型的に見出されるようなアミノ酸を含み得る。好ましくは、これらの抗体はIgGクラスの抗体である。
本発明に従うMAGEA3結合抗体または結合フラグメントは、配列番号102、配列番号103および/または配列番号104内に含まれるエピトープ(複数可)に結合し得る。
好ましくは、本発明に従うMAGEA3結合抗体または結合フラグメントは、配列番号105、配列番号106および/または配列番号107内に含まれるエピトープ(複数可)に結合し得る。
本発明に従うMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、配列番号105、配列番号106および配列番号107内に含まれる配列によって形成される3次元エピトープに結合し得る。
また好ましくは、本発明に従うMAGEA3結合抗体または結合フラグメントは、配列番号108内に含まれるエピトープ(複数可)に結合し得る。
本発明は、上記MAGEA3結合抗体および結合フラグメントと同じエピトープまたは同じエピトープの一部に対して実質的に結合するMAGEA3結合抗体およびその結合フラグメントを使用することもまた企図している。
さらに、本発明は、MAGEA3に対する結合および好ましくはヒトMAGEA3に対する結合に関して上記MAGEA3結合抗体およびその結合フラグメントと競合するMAGEA3結合抗体およびその結合フラグメントを使用することを考慮する。
エピトープマッピングは、MAGEA3の種々のフラグメントを生成し、次いで、抗体またはその結合フラグメントに対する結合についてこれらのフラグメントを試験することによって、実施され得る。結合は、ELISAを使用して測定され得る。結合は、Biacore(登録商標)を使用しても決定され得る。JPT Peptide Technologies GmbH(Berlin、Germany)のPepSpot(商標)などの市販のペプチドアレイ、Peptides&Elephants、Nuthetal、Germanyにより提供されるソリューション、またはプロテオミクスベースの質量分析法もまた使用できる。特定の抗原またはエピトープに対する結合についての競合は、当該分野で公知のアッセイを使用して決定され得る。例えば、本発明に従う抗体を標識し、MAGEA3に対するその結合について試験し得る。引き続いて、未標識21B4(または任意の他のMAGEA3結合抗体)が添加されて、標識された抗体の結合にそれが影響を与えるか否かが決定されるか、または標識された抗体の結合が、種々の濃度のかかる未標識MAGEA3結合抗体の存在下もしくは非存在下で研究される。かかる標識は、放射性標識もしくは蛍光標識または他種の検出可能な標識であり得る。
特定の抗原またはエピトープに対する結合についての競合は、本発明に従う抗体について、少なくとも約50%または少なくとも約70%または少なくとも約80%または少なくとも約90%または少なくとも約95%または少なくとも約99%または約100%の、抗原またはエピトープに対する結合の減少によって決定される。結合は、Biacore(登録商標)装置、種々の蛍光検出技術(例えば、蛍光相関分光法、蛍光相互相関分光法、蛍光寿命測定法など)または種々の型のラジオイムノアッセイ、あるいは標的分子に対する抗体の結合を追跡するために使用される他のアッセイを使用して、測定され得る。
上述のように、本発明は、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを考慮する。全長抗体は、定常ドメインおよび可変ドメインを含む。定常領域は、抗体の抗原結合フラグメント中に存在する必要はない。
従って、結合フラグメントは、インタクトな全長抗体の一部(例えば、完全抗体の抗原結合領域または可変領域)を含み得る。抗体フラグメントの例には、Fab、F(ab’)、IdおよびFvフラグメント;ダイアボディ(diabody);線状抗体;単鎖抗体分子(例えばscFv);多重特異的抗体フラグメント(例えば、二重特異的、三重特異的および多重特異的抗体(例えば、ダイアボディ、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)));ミニボディ(minibody);キレート組換え抗体;トリボディ(tribody)またはバイボディ(bibody);イントラボディ(intrabody);ナノボディ(nanobody);小モジュール免疫薬(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質;ラクダ化(camelized)抗体;VHH含有抗体;および抗体フラグメントから形成される任意の他のポリペプチドが含まれる。当業者は、抗体の抗原結合機能が、全長抗体のフラグメントによって実行され得ることを理解している。
Fabフラグメントは、VLドメイン、VHドメイン、CLドメインおよびCH1ドメインからなる。F(ab’)フラグメントは、ヒンジ領域においてジスルフィド結合によって連結された、2つのFabフラグメントを含む。Fdは、抗体の単腕のVHドメインおよびCH1ドメインである。Fvフラグメントは、抗体の単腕のVLドメインおよびVHドメインである。
結合フラグメントは、一価もしくは多価の、またはモノマーもしくはマルチマー(例えば、テトラマー)の、CDR由来の結合ドメインもまた包含する。
MAGEA3結合抗体およびその結合フラグメントは、本明細書中に開示された例示的抗体、結合フラグメントおよび配列のバリアントもまた包含し得る。バリアントには、1つまたは複数の本明細書中に開示された例示的抗体、フラグメントおよび配列と同じまたは実質的に同じ親和性および特異性のエピトープ結合を有する、1つまたは複数のアミノ酸配列の置換、欠失および/または付加を含むペプチドおよびポリペプチドが含まれる。従って、バリアントには、本明細書中に開示された例示的抗体、フラグメントおよび配列に対する、1つまたは複数のアミノ酸配列の置換、欠失および/または付加を含むペプチドおよびポリペプチドが含まれ、かかる置換、欠失および/または付加は、エピトープ結合の親和性および特異性における実質的な変化を引き起こさない。例えば、抗体またはフラグメントのバリアントは、配列番号3、4などのアミノ酸配列のうち1つまたは複数を含む抗体またはフラグメントに対する、1つまたは複数の変化から生じ得るか、あるいはこのとき、変化した抗体またはフラグメントは、出発配列と同じまたは実質的に同じ親和性および特異性のエピトープ結合を有する。
抗体またはその結合フラグメントは、本発明の文脈において一般に言及される限り、抗体または抗体部分の、例えば1つまたは複数の他のタンパク質またはペプチドとの共有結合または非共有結合によって形成される、より大きい免疫接着分子の一部でもあり得る。かかる免疫接着分子の例には、テトラマーscFv分子を作製するための、ストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov, S. M.ら(1995) Human Antibodies and Hybridomas 6:93-101)、ならびに二価のビオチン化scFv分子を作製するためのシステイン残基、マーカーペプチドおよびC末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov, S. M.ら(1994) Mol. Immunol. 31:1047-1058)が含まれる。免疫接着分子を含む抗体およびフラグメントは、本明細書中に記載されるように、標準的な組換えDNA技術を使用して得ることができる。好ましい抗原結合部分は、完全ドメイン、または完全ドメインの対である。
本発明の結合抗体および結合フラグメントは、Vドメインからなるドメイン抗体(dAb)フラグメント(Wardら、Nature 341:544-546、1989)もまた包含し得る。本発明の抗体および結合フラグメントは、VドメインおよびVドメインが単一のポリペプチド鎖上で発現されるが、同じ鎖上の2つのドメイン間での対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、それらのドメインを、別の鎖の相補的ドメインと対形成させ、2つの抗原結合部位を生成する、二価の抗体であるダイアボディもまた包含する(例えば、EP 404,097;WO 93/11161;Holligerら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448、1993およびPoljakら、Structure 2:1121-1123、1994を参照)。ダイアボディは、二重特異的でも単一特異的であってもよい。
上述のように、本発明の抗体および結合フラグメントは、単鎖抗体フラグメント(scFv)もまた包含する。scFvは、抗体軽鎖可変領域(V)に作動可能に連結された抗体重鎖可変領域(V)を含み、この重鎖可変領域および軽鎖可変領域は、一緒にまたは個々に、結合部位を形成する。scFvは、アミノ末端にV領域を含み得、カルボキシ末端にV領域を含み得る。あるいは、scFvは、アミノ末端にV領域を含み、カルボキシ末端にV領域を含み得る。さらに、Fvフラグメントの2つのドメインVLおよびVHは、別々の遺伝子によってコードされるが、これらは、組換え方法を使用して、これらが単一のタンパク質鎖として生成されるのを可能にする合成リンカーによって連結され得、VL領域およびVH領域が対形成して一価分子を形成する(単鎖Fv(scFv)としても公知;例えば、Birdら(1988) Science 242:423-426;およびHustonら(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照のこと)。
scFvは、重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間にポリペプチドリンカーを任意選択でさらに含み得る。かかるポリペプチドリンカーは、1と50個との間のアミノ酸、あるいは3と12個との間のアミノ酸、あるいは2個のアミノ酸を一般に含む。scFv中の重鎖と軽鎖とを連結するためのリンカーペプチドの例には、5アミノ酸の配列Gly−Gly−Gly−Gly−Ser(配列番号37)が含まれる。他の例には、リンカーを生成する、この配列の1つまたは複数のタンデムリピート(例えば、Gly−Gly−Gly−Gly−Ser(配列番号37)の2〜4リピートを含むポリペプチド)が含まれる。
本発明の抗体および結合フラグメントは、重鎖抗体(HCAb)もまた包含する。従来の抗体のH構造の例外は、ラクダ科動物(ラクダ、ヒトコブラクダおよびラマ;Hamers-Castermanら、1993 Nature 363: 446;Nguyenら、1998 J. Mol. Biol、275: 413)、ウォビゴンシャーク(wobbegong shark)(Nuttallら、Mol Immunol. 38:313-26、2001)、ナースシャーク(nurse shark)(Greenbergら、Nature 374:168-73、1995;Rouxら、1998 Proc. Nat. Acad. Sci. USA 95: 11804)およびスポッティドラットフィッシュ(spotted ratfish)(Nguyenら、「Heavy-chain antibodies in Camelidae; a case of evolutionary innovation」、2002 Immunogenetics 54(1): 39-47)において見出される、いくつかのアイソタイプの免疫グロブリン中に存在する。これらの機能的抗体が重鎖のみのダイマーである(「重鎖抗体」または「HCAb」という)という点において、これらの抗体は、重鎖可変領域のみを使用して抗原結合領域を見かけ上形成し得る。従って、本発明の抗体および結合フラグメントのいくつかの実施形態は、腫瘍関連抗原に特異的に結合する重鎖抗体(HCAb)であり得る。例えば、IgGのクラスであり、軽鎖を欠く重鎖抗体は、ラクダ、ヒトコブラクダおよびラマを含む属ラクダ科(Camelidae)の動物によって産生される(Hamers-Castermanら、Nature 363:446-448 (1993))。HCAbは、従来のIgG抗体の約160kDaの分子量ではなく、約95kDaの分子量を有する。それらの結合ドメインは、重鎖可変ドメインのみからなり、これはしばしばVHHと呼ばれ、従来のVから区別される。Muyldermansら、J. Mol. Recognit. 12:131-140 (1999)。重鎖抗体の可変ドメインは、ナノボディと呼ぶ場合もある(Cortez-Retamozoら、Cancer Research 64:2853-57、2004)。ナノボディライブラリーは、Conrathら(Antimicrob Agents Chemother 45: 2807-12、2001)に記載したように免疫したヒトコブラクダから、または組換え方法を使用して、生成され得る。
第一の定常ドメイン(CH1)が存在しない(スプライスコンセンサスシグナルの喪失に起因して、mRNAプロセシングの間にスプライスアウトされた)ので、可変ドメイン(VHH)の直ぐ後には、ヒンジ領域、CH2およびCH3ドメインが続く(Nguyenら、Mol. Immunol. 36:515-524 (1999);Woolvenら、Immunogenetics 50:98-101 (1999))。ラクダ科動物のVHHは、報告によれば、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインを含みCH1ドメインを欠くIgG2およびIgG3の定常領域と組換えられる(Hamers-Castermanら、上記)。例えば、ラマIgG1は、Vがヒンジ、CH1、CH2およびCH3ドメインを含む定常領域と組換えられる従来の(H)抗体アイソタイプであるが、ラマIgG2およびIgG3は、CH1ドメインを欠き、軽鎖を含まない、重鎖のみのアイソタイプである。
HCAbは軽鎖を欠くが、これらは抗原結合レパートリーを有する。HCAbの遺伝的生成機構は、Nguyenら Adv. Immunol 79:261-296 (2001)および Nguyenら、Immunogenetics 54:39-47 (2002)に概説されている。ナースシャークを含むサメは、同様の抗原レセプター含有の単一のモノマーVドメインを示す。Irvingら、J. Immunol. Methods 248:31-45 (2001);Rouxら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA95:11804 (1998)。
HHは、小さいインタクトな抗原結合フラグメント(例えば、約15kDa、118〜136残基のフラグメント)を含む。ラクダ科動物のVHHドメインは、高い親和性で抗原に結合することが見出されており(Desmyterら、J. Biol. Chem. 276:26285-90、2001)、VHH親和性は、典型的にはナノモル濃度の範囲であり、FabフラグメントおよびscFvフラグメントの親和性と同等である。VHHは、可溶性が高く、scFvフラグメントおよびFabフラグメントの対応する誘導体よりも安定である。Vフラグメントは、可溶性形態で生成することが比較的困難であったが、フレームワーク残基がよりVHH様に変更される場合、溶解度および特異的結合における改善が得られ得る(例えば、Reichmanら、J Immunol Methods 1999、231:25-38を参照のこと)。VHHは、それらをより親水性にし、L鎖によって置き換えられるまで、折り畳みおよびアセンブリの間に小胞体(ER)中でH鎖に通常は結合するBiP(免疫グロブリン重鎖結合タンパク質)との相互作用の延長を防止する、アミノ酸置換を保有する。VHHが親水性を増したおかげで、ERからの分泌が改善される。
機能的VHHは、免疫されたラクダ科動物HCAbのタンパク質分解的切断によって、組換えVHHを生じる免疫されたラクダ科動物のB細胞またはナイーブもしくは合成ライブラリーからのVHH遺伝子の直接的クローニングによって、得ることができる。所望の抗原特異性を有するVHHは、ファージディスプレイ方法論によっても得ることができる。ファージディスプレイにおいてVHHを使用することは、FabまたはscFvと比較してかなり単純かつより有効であるが、これは、機能的抗原結合フラグメントを得るために、1つのドメインがクローニングされ、発現される必要があるだけだからである。Muyldermans、Biotechnol. 74:277-302 (2001);Ghahroudiら、FEBS Lett. 414:521-526 (1997);およびvan der Lindenら、J. Biotechnol. 80:261-270 (2000)。ラクダ科動物の重鎖を有する抗体を生成するための方法は、米国特許公開20050136049号および同20050037421号にも記載されている。
結合抗体およびその結合フラグメントは、例えば、1つまたは複数の保存的置換(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個の保存的置換)を有する、任意の上記具体的に記載された軽鎖または重鎖のアミノ酸配列もまた包含し得る。保存的置換の候補であるアミノ酸配列の位置を決定でき、任意の特定のアミノ酸について保存的置換をもたらす合成および天然に存在するアミノ酸を選択することができる。保存的置換を選択するための考慮事項には、任意の特定のアミノ酸置換が行われる状況、側鎖の疎水性もしくは極性、側鎖の全体的サイズ、および生理的条件下で酸性もしくは塩基性の特徴を有する側鎖のpK値、が含まれる。例えば、リジン、アルギニンおよびヒスチジンが、互いに適切に置換される場合が多い。当該分野で公知のように、これは、3つのアミノ酸が全て塩基性側鎖を有しているからであるが、リジンおよびアルギニンの側鎖のpK値は、ヒスチジン(約6)に対してよりも、互いに対してかなり近い(約10および12)。同様に、グリシン、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンが、互いに適切に置換される場合が多いが、但し、グリシンは、その群の他のメンバーでは適切に置換されない場合が多い。互いに適切に置換される場合が多いアミノ酸の他の群には、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群;フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンからなる群;ならびにセリン、スレオニンおよび任意選択でチロシンからなる群が含まれるが、これらに限定されない。
アミノ酸配列に対する保存的修飾またはコードするヌクレオチドに対する対応する修飾を生成することによって、本明細書中に開示される例示的抗体およびフラグメントの特徴と類似した機能的および化学的特徴を有する抗体またはその結合フラグメントを生成することができる。
結合抗体およびその結合フラグメントは、本発明の文脈において言及される場合、本明細書中に開示される例示的抗体、フラグメントおよび配列の誘導体を包含し得る。誘導体には、化学的に修飾されたポリペプチドもしくはペプチド、またはそのバリアント、フラグメントもしくは誘導体が含まれる。例としては、1つまたは複数のポリマー、例えば水溶性ポリマー、N結合型もしくはO結合型炭水化物、糖、リン酸、および/または他のかかる分子、例えば、フルオロフォアなどの検出可能な標識の共有結合が含まれる。
標識剤は、本発明の抗体または抗原に直接的または間接的のいずれかでカップリングされ得る。間接的カップリングの一例は、スペーサー部分の使用によるものである。さらに、本発明の抗体は、さらなるドメインを含み得、前記ドメインは、共有結合または非共有結合によって連結される。この連結は、当該分野で公知の上記した方法に従う遺伝的融合に基づき得るか、または例えば国際出願WO94/04686に記載される化学的架橋によって実施され得る。本発明の抗体を含む融合タンパク質中に存在するさらなるドメインは、好ましくは、可撓性リンカー、有利にはポリペプチドリンカーによって連結され得、前記ポリペプチドリンカーは、前記さらなるドメインのC末端と本発明の抗体のN末端との間(または逆もしかり)の距離にわたるのに充分な長さの、複数の親水性のペプチド結合したアミノ酸を含む。治療的または診断的に活性な薬剤が、種々の方法によって、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントにカップリングされ得る。これには、例えば、共有的な方法、例えばペプチド結合によって、治療的または診断的に活性な薬剤にカップリングされた、本発明の抗体の可変領域を含む単鎖融合タンパク質が含まれる。さらなる例には、さらなる分子に共有結合または非共有結合によってカップリングされた抗原結合フラグメントを少なくとも含む分子が含まれ、以下の非限定的な例示的リスト中のものが含まれる。Trauneckerら、Int. J. Cancer Surp. SuDP 7 (1992)、51-52は、CD3に対するFv領域が、可溶性CD4または他のリガンド、例えばOVCAおよびIL−7にカップリングされている、二重特異的試薬ヤヌシン(janusin)を記載している。同様に、MAGEA3に対するFv領域は、例えば抗CD40アゴニスト抗体の一部および/または抗CTLA4アンタゴニスト抗体の一部にカップリングされ得る。同様に、本発明の抗体の可変領域は、Fv分子へと構築され得、列挙した文献中に示したような代替的リガンドにカップリングされ得る。Higginsら、J. Infect Disease 166 (1992)、198-202は、GP120のV3領域中の特異的配列に対する抗体に架橋されたOKT3からなるヘテロコンジュゲート化抗体を記載している。かかるヘテロコンジュゲート化抗体はまた、本発明の方法の抗体中に含まれる少なくとも可変領域を使用して構築され得る。特異的抗体のさらなる例には、Fangerら、Cancer Treat. Res. 68 (1993)、181-194およびFangerら、Crit. Rev. Immunol. 12 (1992)、101-124に記載された抗体が含まれる。従来の抗体を含む免疫毒素であるコンジュゲートは、当該分野で広く記載されている。この毒素は、従来のカップリング技術によって抗体にカップリングされ得るか、またはタンパク質毒素部分を含む免疫毒素が、融合タンパク質として生成され得る。本発明の抗体は、かかる免疫毒素を得るための対応する方法で使用され得る。かかる免疫毒素の例示は、Byersら、Seminars Cell. Biol. 2 (1991)、59-70およびFangerら、Immunol. Today 12 (1991)、51-54によって記載されている。
上記融合タンパク質は、切断可能なリンカーまたはプロテアーゼの切断部位をさらに含み得る。これらのスペーサー部分は、今度は、不溶性または可溶性のいずれかであり得(Dienerら、Science 231 (1986)、148)、標的部位における抗原からの薬物放出を可能にするように選択され得る。
免疫療法のための本発明の抗体および抗原にカップリングされ得る治療的薬剤の例は、薬物、放射性同位体、レクチンおよび毒素である。本発明の抗体および抗原にコンジュゲート化され得る薬物には、マイトマイシンC、ダウノルビシンおよびビンブラスチンなどの薬物と古典的に称される化合物が含まれる。例えば腫瘍免疫療法のために、放射性同位体とコンジュゲート化した本発明の抗体または抗原を使用する際には、特定の同位体が、白血球分布ならびに安定性および放射などの因子に依存して、他の同位体よりも好ましい場合がある。
いくつかの放射体が、他の放射体よりも好ましい場合がある。一般に、α粒子およびβ粒子を放射する放射性同位体が、免疫療法では好ましい。ショートレンジの高エネルギー放射体、例えば212Biが好ましい。治療目的のために本発明の抗体または抗原に結合され得る放射性同位体の例は、125I、131I、90Y、67Cu、212Bi、212At、211Pb、47Sc、109Pdおよび188Reである。本発明の抗体または抗原にカップリングされ得る他の治療的薬剤、ならびにex vivoおよびin vivoの治療プロトコルは、公知であるか、または当業者によって容易に確認され得る。
好ましくは、本明細書中で言及されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントには、とりわけ配列番号1〜100によって特徴付けられた、フラグメント、バリアントなどを得るために本明細書中に記載されるように次いでさらに改変され得る、上述の特異的MAGEA3抗体が含まれる。
これら特異的な個々のMAGEA3結合抗体またはそのフラグメントは全て、MAGEA3発現腫瘍に罹患しており、完全なもしくは少なくとも部分的なレスポンダーであると分類された患者から直接得られたか、またはかかる患者の抗体から誘導されたかのいずれかである点で、共通している。従って、これらは、モノクローナルヒト患者由来抗体の本質的な特性を維持している、モノクローナルヒト患者由来抗体またはモノクローナルのキメラ、ヒト化もしくはヒト抗体、その結合フラグメントおよびそれらのバリアントのいずれかである。
かかる抗体およびその結合フラグメントは、MAGEA3および/もしくはMAGEA6発現腫瘍またはさらには他の癌型の治療において、特に有効であると推測することは尤もであると思われる。かかる抗体の有効性は、例えばCD4、CD8細胞傷害性T細胞を活性化することによって、腫瘍に対する免疫応答を誘導するその能力から生じ得る。21B4および31H10などの特定の抗体ならびにそれから誘導される結合フラグメント、バリアントなどは、かなり高い親和性(それぞれ、31pMおよび19pM)を有すると考えられるので、好まれ得る。さらに、これらは、MAGEA1、MAGEA2、MAGEA4ならびにMAGEA10を超えてMAGEA3を優先的に認識し、また腫瘍標本を選択的に染色すると考えられる。
本発明はさらに、かかる抗体をコードする核酸分子、その可変軽鎖および/または重鎖をコードする核酸分子、ならびにその可変軽鎖および/または重鎖のCDR1、CDR2および/またはCDR3をコードする核酸分子に関する。
本発明はさらに、かかる核酸分子を含むベクターおよび/またはかかるベクターに関する。
本発明はまた、上述のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントのいずれかを含む医薬組成物に関する。
本発明はさらに、過剰増殖疾患、特にMAGEA3および/またはMAGEA6を発現する腫瘍の治療において使用するための、上述のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントのいずれかを含む医薬組成物に関する。
本発明はさらに、過剰増殖疾患、特にMAGEA3および/またはMAGEA6を発現する腫瘍を治療するための医薬品の製造における、上述のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントのいずれかの使用に関する。
本発明はさらに、上述のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントのいずれかを患者に投与することによる、過剰増殖疾患、特にMAGEA3および/またはMAGEA6を発現する腫瘍を治療する方法に関する。
上述のように、本発明は、ある実施形態では、抗体およびその結合フラグメントをコードする核酸分子、かかる核酸分子を含むベクター、ならびにかかる核酸配列およびベクターを含む宿主細胞にも関する。
抗体およびその結合フラグメントは、単一の核酸(例えば、抗体の軽鎖および重鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単一の核酸)または各々が抗体または抗体フラグメントの異なる部分をコードする2つ以上の別々の核酸によってコードされ得る。これに関して、本発明は、上記抗体または結合フラグメントのいずれか(例えば、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94の上記軽鎖可変領域もしくは配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93の上記重鎖可変領域のいずれか、または配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98、9、19、29、39、49、59、69、79、89、99、10、20、30、40、50、60、70、80、90もしくは配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95、6、16、26、36、46、56、66、76、86、96、7、17、27、37、47、57、67、77、87、97のCDRのいずれか)をコードする1つまたは複数の核酸を提供する。この核酸分子は、DNA、cDNA、RNAなどであり得る。
本発明の一態様によれば、本発明は、抗体またはその部分の重鎖可変領域をコードする核酸を提供する。例示的核酸配列は、配列番号1、11、21、31、41、51、61、71、81、91中に提供される。本発明は、抗体またはその部分の軽鎖可変領域をコードする核酸もまた提供する。例示的核酸配列は、配列番号2、12、22、32、42、52、62、72、82、92中に提供される。
本発明は、本発明の抗体および抗体フラグメントに関して考察されるように、1つまたは複数の保存的置換(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個の保存的置換)を含む軽鎖または重鎖の上記アミノ酸配列のいずれかをコードする核酸もまた包含し、この置換を含む抗体またはフラグメントは、1つまたは複数の本明細書中に開示される例示的抗体、フラグメントおよび配列と同じまたは実質的に同じ親和性および特異性のエピトープ結合を有する。
好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、原核生物細胞または真核生物細胞での発現を可能にする発現制御配列に作動可能に連結される。前記ポリヌクレオチドの発現は、このポリヌクレオチドの、翻訳可能なmRNAへの転写を含む。真核生物細胞、好ましくは哺乳動物細胞での発現を確実にする調節エレメントは、当業者に周知である。これらには、通常、転写の開始を確実にする調節配列、ならびに任意選択で転写の終結および転写物の安定化を確実にするポリAシグナルが含まれる。さらなる調節エレメントには、転写および翻訳エンハンサーならびに/または天然に付随するもしくは異種のプロモーター領域が含まれ得る。
本明細書中に記載される核酸は、ベクター、例えば核酸発現ベクターおよび/またはターゲティングベクター中に挿入され得る。かかるベクターは、例えば、細胞またはトランスジェニック動物における抗体または結合フラグメントの発現のために、種々の方法で使用され得る。従って、本発明は、任意の1つまたは複数の本発明の核酸を含むベクターを提供する。「ベクター」は、適切な宿主細胞中に核酸配列を運搬する能力を有する任意の分子または組成物であり、この宿主細胞中で、コードされたポリペプチドの合成が起こり得る。典型的にかつ好ましくは、ベクターは、所望の核酸配列(例えば、本発明の核酸)を組み込むために、当該分野で公知の組換えDNA技術を使用して操作された核酸である。望ましくは、ベクターは、DNAからなる。しかし、核酸に基づかないベクター、例えばリポソームもまた当該分野で公知であり、本発明に関連して使用され得る。本発明のベクターは、単一の型の核酸(例えば、プラスミド)または非核酸分子(例えば、脂質またはポリマー)に基づき得る。あるいは、ベクターは、核酸と非核酸との組み合わせ(即ち、「キメラ」ベクター)であり得る。例えば、核酸を保有するプラスミドは、送達ビヒクルとして脂質またはポリマーを用いて製剤化され得る。かかるベクターは、それぞれ、本明細書中で「プラスミド−脂質複合」および「プラスミド−ポリマー」複合と呼ばれる。本発明の遺伝子移入ベクターは、宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得るか、またはエピソームの形態で宿主細胞中に存在し得る。
ベクターは典型的に、ベクターが使用される宿主細胞中で機能的であるように選択される(ベクターは、遺伝子の増幅および/または遺伝子の発現が生じ得るように、宿主細胞の機構と適合性である)。抗体またはその結合フラグメントをコードする核酸分子は、原核生物、酵母、昆虫(バキュロウイルス系)および/または真核生物の宿主細胞中で増幅/発現され得る。宿主細胞の選択は、抗体またはフラグメントが、移行後に修飾される(例えば、グリコシル化および/またはリン酸化される)か否かに、部分的に依存する。その場合、酵母、昆虫および哺乳動物の宿主細胞が好ましい。
発現ベクターは典型的に、以下の成分の1つまたは複数を含む(それらが核酸分子によって既に提供されていない場合):プロモーター、1つまたは複数のエンハンサー配列、複製起点、転写終結配列、ドナーおよびアクセプタースプライス部位を含む完全イントロン配列、分泌のためのリーダー配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化配列、発現すべきポリペプチドをコードする核酸を挿入するためのポリリンカー領域、ならびに選択マーカーエレメント。
いくつかの態様において、本発明はさらに、本発明の核酸またはベクターを含む細胞(例えば、単離または精製された細胞)を提供する。この細胞は、本発明の核酸またはベクターによってコードされるポリペプチドを産生するように、本発明の核酸またはベクターで形質転換することが可能な任意の型の細胞であり得る。細胞は、好ましくは、哺乳動物(例えばヒト)の細胞であり、より好ましくはハイブリドーマ細胞、胚性幹細胞または受精卵である。胚性幹細胞または受精卵は、ヒト胚性幹細胞またはヒト受精卵でなくてもよい。
宿主細胞は、原核生物宿主細胞(例えば大腸菌(E. coli))または真核生物宿主細胞(例えば、酵母細胞、昆虫細胞または脊椎動物細胞)であり得る。宿主細胞は、適切な条件下で培養される場合、抗体または結合フラグメントを発現し、この抗体または結合フラグメントは、引き続いて培養培地から回収され得るか(宿主細胞がそれを培地中に分泌する場合)、またはそれを産生する宿主細胞から直接回収され得る(それが分泌されない場合)。適切な宿主細胞の選択は、種々の因子、例えば所望の発現レベル、グリコシル化またはリン酸化などの活性にとって望ましいもしくは必要なポリペプチド修飾、および生物学的に活性な分子への折り畳みの容易さに依存する。多数の適切な宿主細胞は当該分野で公知であり、多くは、American Type Culture Collection (ATCC)、Manassas、Vaから入手可能である。例としては、哺乳動物細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)(ATCC番号CCL61)CHO DHFR細胞(Urlaubら Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97、4216-4220 (1980))、ヒト胎児由来腎臓(HEK)293または293T細胞(ATCC番号CRL1573)、3T3細胞(ATCC番号CCL92)、あるいはPER.C6細胞が含まれる。
本発明の核酸またはベクターを含む細胞は、抗体またはその結合フラグメント、あるいはそれらの部分(例えば、核酸またはベクターによってコードされる重鎖配列または軽鎖配列)を産生するために使用され得る。本発明の核酸またはベクターを細胞中に導入した後、細胞は、コードされた配列の発現に適した条件下で培養される。次いで、抗体、抗原結合フラグメント、または抗体の部分が、細胞から単離され得る。
TAA結合抗体またはその結合フラグメントならびに免疫系を活性化することが可能な化合物は、組成物、特に医薬組成物に製剤化され得る。かかる組成物は、治療的または予防的に有効な量の、抗体もしくはその結合フラグメントおよび/または免疫系を活性化することが可能な化合物を、適切な担体、例えば、医薬的に許容される薬剤との混合物中に含む。
本発明の医薬組成物中で使用するための医薬的に許容される薬剤には、担体、賦形剤、希釈剤、抗酸化剤、防腐剤、着色料、香味料および希釈剤、乳化剤、懸濁剤、溶媒、フィラー、充填剤、緩衝液、送達ビヒクル、等張化剤、共溶媒、湿潤剤、錯化剤、緩衝剤、抗菌剤ならびに界面活性剤が含まれる。
組成物は、液体形態または凍結乾燥もしくはフリーズドライ形態であり得、1つまたは複数の凍結保護剤、賦形剤、界面活性剤、高分子量構造添加剤および/または充填剤を含み得る(例えば、米国特許第6,685,940号、同第6,566,329号および同第6,372,716号を参照のこと)。
組成物は、非経口投与に適切であり得る。例示的組成物は、当業者が利用可能な任意の経路(例えば、関節内、皮下、静脈内、筋内、腹腔内、脳内(実質内)、脳室内、筋内、眼内、動脈内または病巣内経路)によって、動物中に注射または注入するのに適切である。非経口製剤は、典型的に、任意選択で医薬的に許容される防腐剤を含む、無菌の、発熱物質を含まない、等張の水溶液である。
非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)および注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)である。水性担体には、水、アルコール/水溶液、乳濁物または懸濁物(生理食塩水および緩衝化媒体が含まれる)が含まれる。非経口ビヒクルには、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸リンゲルまたは不揮発油が含まれる。静脈内ビヒクルには、流体および栄養補給剤、電解質補給剤、例えばリンゲルデキストロースに基づくものなどが含まれる。防腐剤および他の添加剤、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなどもまた、存在し得る。一般には、Remington's Pharmaceutical Science、第16版、Mack編、1980(これは、本明細書中で参照により組み込まれる)を参照のこと。
本明細書中に記載される医薬組成物は、生成物の局所濃度(例えば、ボーラス、デポー効果)および/または特定の局所環境での安定性もしくは半減期の増加を提供する様式で、制御または持続送達するために製剤化され得る。組成物は、ポリマー化合物、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸などの粒子状調製物、ならびに薬剤、例えば生分解性マトリックス、注射可能ミクロスフェア、マイクロカプセル状粒子、マイクロカプセル、生体内分解性粒子ビーズ、リポソームおよび次いでデポー注射として送達され得る活性な薬剤の制御または持続放出を提供する移植可能な送達デバイスなどを用いた、本発明の抗体、結合フラグメント、核酸またはベクターの製剤を含み得る。
生分解性および非生分解性ポリマーマトリックスの両方が、本発明の組成物を送達するために使用され得、かかるポリマーマトリックスは、天然または合成のポリマーを含み得る。生分解性マトリックスが好ましい。放出が生じる期間は、ポリマーの選択に基づく。典型的には、数時間と3〜12カ月間との間の範囲の期間にわたる放出が、最も望ましい。
あるいはまたはさらに、組成物は、本発明の抗体、結合フラグメント、核酸またはベクターが吸収またはカプセル化された、メンブレン、スポンジまたは他の適切な材料の、罹患領域中への移植を介して、局所投与され得る。移植デバイスが使用される場合、このデバイスは、任意の適切な組織または器官中に移植され得、本発明の抗体、結合フラグメント、核酸またはベクターの送達は、ボーラスを介して、または連続投与を介して、または連続注入を使用してカテーテルを介して、デバイスを通じて直接的であり得る。
結合抗体もしくはその結合フラグメントおよび/または免疫系を活性化することが可能な化合物を含む医薬組成物は、吸入のために、例えば乾燥粉末として、製剤化され得る。吸入溶液もまた、エアロゾル送達のための液化噴霧剤中に製剤化され得る。なお別の製剤において、溶液が噴霧され得る。
抗体またはその結合フラグメントおよび/または免疫系を活性化することが可能な化合物を含む特定の製剤が経口投与され得る。この様式で投与される製剤は、固体投薬形態(例えば、錠剤およびカプセル)の複合において習慣的に使用される担体を含むまたは含まない状態で製剤化され得る。例えば、カプセルは、胃腸管中の地点で製剤の活性な部分を放出するように設計され得、このとき、バイオアベイラビリティが最大化され、全身以前の分解が最小化される。さらなる薬剤が、選択的結合剤の吸収を促進するために含まれ得る。希釈剤、香味料、低融点ワックス、植物油、滑沢剤、懸濁剤、錠剤崩壊剤および結合剤もまた、使用され得る。
いくつかの実施形態において、上述の医薬組成物は、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含み得るが、免疫系を刺激することが可能な化合物を含まなくてもよい。用語「免疫系を刺激することが可能な化合物」は、以下に記載するように理解すべきであり、これには特に、CD40Lまたは抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893またはSGN−40、および(iii)抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばTremelimumabおよびIpilimumabが含まれる。
いくつかの他の実施形態において、上述の医薬組成物は、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを、唯一の医薬的に活性な薬剤として含み得る。
さらに、本明細書中で企図されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントおよび全ての型の医薬組成物は、過剰増殖疾患に罹患している患者を治療する方法および/または個体を過剰増殖疾患が発生しないように予防する方法において投与され得る。
用語「過剰増殖疾患」とは、がんまたは腫瘍と一般に称される疾患をいう。
特に記載しない限り、用語「がん」および「腫瘍」は、本明細書中で交換可能に使用される。これらの用語は、特に、基底細胞癌;膀胱癌;骨癌、例えば骨肉腫;中枢神経系の腫瘍、例えば、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、頭蓋咽頭腫、上衣芽細胞腫(ependymoblastoma)、上衣腫、髄芽腫、髄上皮腫、中分化度の松果体実質腫瘍、原発性神経外胚葉性腫瘍、松果体芽腫および脊髄腫瘍;バーキットリンパ腫;乳癌;子宮頸癌;慢性骨髄性白血病;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌;食道癌;ユーイングファミリーの腫瘍(Ewing family of tumor);肝外胆管癌;胆嚢癌;消化管間葉性腫瘍(GIST);神経膠腫;頭頸部癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;白血病;肝臓癌;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;T細胞リンパ腫;中皮腫;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;骨髄性白血病;多発性骨髄腫;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;小細胞肺癌;非小細胞肺癌;中咽頭癌;骨肉腫;卵巣癌;膵臓癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌(pharyngeal cancer);クロム親和性細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;腎細胞癌;気道癌腫;網膜芽細胞腫;皮膚癌(黒色腫);小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平上皮頸部癌(squamous neck cancer);胃癌;精巣癌;咽喉癌(throat cancer);甲状腺癌;腎盂および尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌;腟癌;外陰癌ならびにウィルムス腫瘍を含む群から選択されるがんおよび腫瘍に関連するが、これらに限定されない。
黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌の治療は、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは医薬組成物を使用した場合に、特に有効であり得る。
上述のように、本発明の第一の態様の他の実施形態において、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、例えば、本明細書中で言及される過剰増殖疾患に罹患している患者を診断するための診断ツールとして使用される。例えば、MAGEA3および/またはMAGEA6を発現する過剰増殖疾患の存在および/または発生を診断するためにかかる抗体を使用することが好まれ得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。MAGEA3結合抗体およびその結合フラグメントは好ましくは、MAGEA4、MAGEA1もしくはMAGEA10の過剰発現によって追加的にまたは専ら特徴付けられる癌を超えて、MAGEA3および/またはMAGEA6によって主に特徴付けられ任意選択でMAGEA2の過剰発現によって特徴付けられる上述の癌などの過剰増殖疾患を同定するために使用され得る。MAGEA3および/またはMAGEA6ならびに任意選択でMAGEA2の過剰発現によって特徴付けられる癌などの過剰増殖疾患に対して主に有効な治療が利用可能である場合、21B4などの本発明の抗体およびそこから誘導される抗体は、臨床試験における患者集団の層別化のために、またはコンパニオン診断として、即ち、治療が有効である患者を選択するために、使用され得る。
従って、一実施形態において、本発明は、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体または結合フラグメントを含む診断組成物に関する。かかる診断組成物は、例えば、MAGEA3および/またはMAGEA6ならびに任意選択でMAGEA2を発現する過剰増殖疾患の存在および/または発生の診断において使用され得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。
別の実施形態において、本発明は、過剰増殖疾患の診断において使用するための、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントに関する。これらの疾患は、MAGEA3および/またはMAGEA6ならびに任意選択でMAGEA2を発現し得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。
別の実施形態において、本発明は、過剰増殖疾患を診断するための組成物および/または医薬品の製造における、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの使用に関する。これらの疾患は、MAGEA3および/またはMAGEA6ならびに任意選択でMAGEA2を発現し得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。
なお別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを使用することによって、ヒトまたは動物における過剰増殖疾患を診断する方法に関する。これらの疾患は、MAGEA3および/またはMAGEA6ならびに任意選択でMAGEA2を発現し得る。かかる過剰増殖疾患には、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌が含まれ得る。
かかる方法および使用は、ヒト身体の外側で実施され得る。この限りにおいて、サンプル、例えば、組織サンプルは、例えば切迫したまたは進行中の癌発生に罹患していると疑われる個体から得られ得る。このサンプルは次いで、例えば、MAGEA3および/またはMAGEA6の発現について試験される。典型的には、この決定は、例えば、MAGEA3および/またはMAGEA6の発現レベルを、健康な個体、または同じ個体の健康な組織のいずれかから得られたサンプルのそれぞれの発現レベルと比較することを典型的に含む。
従って、本発明は、例えば、ヒトまたは動物の個体における過剰増殖疾患を診断する方法であって、
a)本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体または結合フラグメントを使用して、少なくともMAGEA3の発現について、ヒトまたは動物の個体のサンプルを試験するステップ;
b)コントロールサンプルにおける少なくともMAGEA3の発現と比較するステップ;
c)ステップa)およびb)で得られたデータを比較することによって、過剰増殖疾患の存在および/またはおそらくは発生を決定するステップ
を少なくとも含む方法に関する。
ステップa)およびb)は、好ましくは、ヒトまたは動物の身体の外側で実施され得る。サンプルは、組織、臓器などであり得る。コントロールサンプルは、上記のとおりであり得る。
しかし、かかる方法および使用は、ヒト身体に対して直接実施されてもよい。この限りにおいて、抗体は、検出可能なマーカーで標識され得、例えば、切迫したまたは進行中の癌発生に罹患している疑いがある個体に投与され得、抗体の局在ならびにMAGEA3および/またはMAGEA6の発現レベルが、個体において直接決定される。
従って、本発明は、例えば、ヒトまたは動物の個体において、例えば、過剰増殖疾患の治療を試験するための臨床試験のために患者集団を層別化する方法であって、
a)本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体または結合フラグメントを使用して、少なくともMAGEA3の発現についてヒトまたは動物の個体のサンプルを試験するステップ;
b)コントロールサンプルにおける少なくともMAGEA3の発現と比較するステップ;
c)ステップa)およびb)で得られたデータを比較することによって、患者集団を選択するステップ
を少なくとも含む方法に関する。
ステップa)およびb)は、好ましくは、ヒトまたは動物の身体の外側で実施され得る。サンプルは、組織、臓器などであり得る。コントロールサンプルは、上記のとおりであり得る。
本発明はまた、データ獲得の方法であって、
a)本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントをヒトまたは動物の個体に投与するステップ;
b)ヒトまたは動物の個体におけるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの分布を決定するステップ;および
c)ヒトまたは動物の個体における少なくともMAGEA3の発現を決定するステップ
を少なくとも含む方法に関する。
上述のように、第二の態様において、本発明は、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントなどのTAA結合抗体と、免疫系を刺激することが可能な化合物との併用に関する。
本発明のこの第二の態様は、とりわけ、5−FUで治療した同系NY−ESO−1陽性結腸腫瘍を有するマウスが、NY−ESO−1結合抗体12D7(配列番号109の可変軽鎖および配列番号110の可変重鎖を有する)の投与後にCD4、CD8T細胞の浸潤を示し、この効果が、抗CD40アゴニスト抗体のさらなる投与の際により明白になるという、実験的知見に基づいている。これらの治療の結果として、腫瘍サイズが減少する。このNY−ESO−1結合抗体ならびに他の特異的NY−ESO−1結合抗体およびそのフラグメントは、EP 11 150 527.7に詳細に記載されている。
この仮説に拘束されることは望まないが、TAA結合抗体、例えばCT抗原NY−Eso−1結合抗体12D7の投与が、治療的観点(例えば、腫瘍破壊に関して)から腫瘍の部位に限局化される免疫応答を誘発すると仮定される。この型の限局化免疫応答は、免疫系を活性化することが可能な化合物、例えばCD40アゴニスト抗体の投与によって、さらに強化および/または延長され得ると考えられる。例えば、本明細書中に開示されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントが、かかる免疫系を活性化することが可能な化合物と併用される場合、同じ型の協同的作用が観察され得ると推測される。
広範囲の免疫調節剤(即ち、免疫応答を刺激することが可能な化合物)と称され得るもの、およびさらには非特異的細胞傷害性剤と共に、非常に選択的な腫瘍標的化剤(即ち、TAA結合抗体、例えば、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント)を使用するこの併用アプローチは、疾患治療を顕著に改善し得るいくつかの利点を提供し得る。
5−FUなどの化合物を用いた標準的な化学療法、例えば、toll−7レセプターまたはtoll−9レセプターのアゴニスト、CD−40レセプターアゴニスト、抗CTLA−4アンタゴニスト抗体を介する一般的な免疫調節物質に焦点を当てた治療、ならびにEGFレセプターまたはHER−2レセプターに対する治療的抗体を含むなおさらに標的化された治療は、種々の副作用に悩まされている。
細胞傷害性薬剤を用いた化学療法は、一般に分裂している細胞に影響を与える。免疫調節物質は、腫瘍を指向していない他の免疫反応ならびに有害な自己免疫反応を増強する。EGFレセプターまたはHER−2レセプターに対する抗体は、腫瘍組織中だけでなく、他の分化した正常細胞、例えば心臓の細胞中でも同様に、機能的に適切である。
これらの特性は、例えば投薬量を制限し得、従って、これらの他の治療的に非常に重要な治療原理の有効性を制限し得る、「オフターゲットな」(標的(ターゲット)は腫瘍である)副作用を導く。
以下に記載されるモノクローナルヒト患者由来抗体であり得る、TAA結合抗体および好ましくはCT抗原結合抗体、例えば本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの使用によって、全身的に活性な免疫調節物質の治療的に重要な効果が促進され得るが、これは、これらの活性が、目的の治療領域、即ちMAGEA3結合抗体などのTAA結合抗体によって事前選択された腫瘍組織に、より限定されると考えられるからである。本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントなどのTAA結合抗体による目的の治療領域即ち腫瘍組織のこの前提とされた事前選択、および免疫調節剤の広範囲の活性をこれらの治療目的の領域に集中させることは、少なくともある程度まで、オフターゲット関連の有害事象を制限するはずである。これは、次に、例えば、通常より高い濃度の免疫調節剤、例えば抗CD40アゴニスト抗体を使用すること、従って、その治療的潜在力からより高い程度まで利益を得ることを可能にするはずである。より有効な投薬レジメン、例えば、医薬的に活性な薬剤の引き続く投与のための短くした間隔もまた、想定することができる。
最初の免疫応答が、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントなどのTAA結合抗体によって腫瘍組織のみに選択的に標的化されることを考えると、さらなる強化が、腫瘍組織だけに優先的にもたらされるだけのようにも思われる。かかる限局化された一体化した腫瘍特異的免疫応答は、例えば5−FUによる化学療法が、本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントなどのTAAをTAA結合抗体に容易に接近できるようにする場合、特に有効であり得る。
上記観察に基づくと、5−FU、NY−ESO−1結合抗体12D7および抗CD40アゴニスト抗体の併用について観察された効果は、他のCT抗原結合抗体またはTAA結合抗体、例えば本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントについて一般に、免疫系の他の活性化因子、例えばCD40L、抗OX40アゴニスト抗体、抗CD137アゴニスト抗体、抗CTLA4アンタゴニスト抗体、抗PD−1アンタゴニスト抗体または抗CD25アンタゴニスト抗体について、および他の細胞ストレスを誘導する治療、例えば放射線についても適用され得ることが尤もであると考えられる。
従って、第二の態様の一実施形態において、本発明は、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメント、例えば本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントと、少なくとも1つの免疫系を活性化することが可能な化合物とを含む、医薬組成物に関する。かかる医薬的に活性な薬剤の併用はまた、以下に記載する医薬組成物のキット内に含まれ得る。
用語「キット」は、本発明が、例えば以下に記載する過剰増殖疾患の、医薬的に活性な薬剤の併用による治療を考慮していること、およびこれらの医薬的に活性な薬剤(例えば、MAGEA3結合抗体、抗CD40アゴニスト抗体および/または抗CTLA4アンタゴニスト抗体)が、単一の医薬投薬形態内で併用される必要がないことを示していることを理解すべきである。実際、例えば治療の間のこれらの抗体の異なる薬物動態学的特性を明らかにすることができるため、例えばMAGEA3結合抗体および抗CD40アゴニスト抗体を、別々に提供された医薬投薬形態の形態で実際に使用することが有利であり得る。従って、用語「キット」はまた、かかる型の提供が排除されないとしても、例えば、医薬的に活性な薬剤を含む別々の医薬投薬形態を必ず同時に提供することをいうと理解すべきではない。用語「キット」は、本発明が、治療の間の、異なる医薬的に活性な薬剤の併用の使用に焦点を当てていること、およびこの併用が、例えば、例えば本発明に従う方法または使用において次いで使用され得る別々の単一の医薬投薬形態として提供され得ることを示している。
従って、第二の態様の一実施形態において、本発明は、過剰増殖疾患などの疾患の治療において使用するための、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメント、例えば本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントと、少なくとも1つの免疫系を活性化することが可能な化合物との併用にも関する。TAA結合抗体またはその結合フラグメントおよび少なくとも1つの免疫系を活性化することが可能な化合物は、以下に記載するように選択され得る。かかる併用の成分は、例えば過剰増殖疾患の治療のために、同時にまたは順次使用され得る。
用語「腫瘍関連抗原(TAA)」は、上記のように使用される。TAAの例は一般に、EP 11 150 527.7の表から得られ得る。
用語「免疫系を活性化することが可能な化合物」とは、TAA結合抗体またはその結合フラグメント、例えば本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントによって誘発された最初の免疫応答を延長および/または強化することが可能な、医薬的に許容される化合物をいう。
かかる化合物には、TAA結合抗体またはその結合フラグメント、例えば本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントが、かかる化合物の投与の前、それと同時またはその後に投与されない場合でさえ、体液性または細胞性免疫応答を刺激するまたは少なくとも共刺激することが知られている化合物が含まれ得る。
従って、好ましくは、用語「免疫系を活性化することが可能な化合物」とは、例えば、例えば樹状細胞、マクロファージ、好中球および好酸球を含む抗原提示細胞(APC)の成熟、T細胞活性化、例えばCD4ヘルパーT細胞および/またはCD8細胞傷害性T細胞の増殖を含むT細胞増殖、T細胞の拡大増殖、メモリーT細胞の維持および/またはNK細胞の増殖を刺激または少なくとも共刺激する、医薬的に許容される化合物をいう。本発明の目的のために、TAA結合抗体またはその結合フラグメント、例えばCT抗原結合抗体またはその結合フラグメントおよび特に本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは「免疫系を活性化することが可能な化合物」の代表とみなされないことを理解すべきである。
上記「免疫系を活性化することが可能な化合物」は、異なる機構を介して、免疫系に対してその活性化機能を発揮し得る。
例えば、「免疫系を活性化することが可能な化合物」は、例えば、例えば樹状細胞、マクロファージ、好中球または好酸球を含む抗原提示細胞(APC)の成熟、T細胞活性化、例えばCD4ヘルパーT細胞および/またはCD8細胞傷害性T細胞の増殖を含むT細胞増殖、T細胞の拡大増殖、メモリーT細胞の維持および/またはNK細胞の増殖などの上記活性の刺激または少なくとも共刺激に関与することが知られている、免疫系の天然成分を含み得る。かかる本発明に従う免疫系の天然成分は、「免疫系を活性化することが可能な化合物」であり、これには、CD40、CD40リガンド(CD40L)、CD80、CD80リガンド、C86およびCD86リガンド、DR5、B7、OX40、CD137、サイトカイン、例えば、IL−2、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、TNF−a、MIP−1aなどが含まれる。「免疫系を活性化することが可能な化合物」の下位群からのこれらの成分は、「免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子」と称され得る。この下位群の好ましい代表は、CD40Lである。
しかし、「免疫系を活性化することが可能な化合物」には、免疫系の天然成分を構成しないが、上記免疫系の天然成分の活性を誘導および/または増加させる化合物、即ち、「免疫系の天然の刺激因子または少なくとも共刺激因子」に対するアゴニスト効果を有する化合物もまた含まれ得る。「免疫系を活性化することが可能な化合物」のこの下位群は、「免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子」と称され得る。この後者の下位群の好ましい実施形態には、抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893、SGN−40、FGK45.5またはそのヒト化形態、抗OX40アゴニスト抗体、例えばOX86、抗CD137アゴニスト抗体、例えばBMS−663513などが含まれる。かかる因子および抗体に関する情報は、とりわけ、Weinerら(2010)、Nature Reviews、10、317-327、Fonsattiら(2010)、Seminars in Oncology、37(5)、517-523またはVonderheide(2007)、Molecular Pathways、13(4)、1083-1088から得ることができる。
他の「免疫系を活性化することが可能な化合物」には、例えば、例えば樹状細胞、マクロファージ、好中球または好酸球を含む抗原提示細胞(APC)の成熟、T細胞活性化、例えばCD4ヘルパーT細胞および/またはCD8細胞傷害性T細胞の増殖を含むT細胞増殖、T細胞の拡大増殖、メモリーT細胞の維持および/またはNK細胞の増殖などの上記活性に対して、免疫系の天然成分の阻害効果を発揮する化合物が含まれる。上記活性に対する阻害効果または少なくとも共阻害効果を有するかかる免疫系の天然成分の例には、例えば、CTLA4、CD25PD−1またはsMICAが含まれる。「免疫系を活性化することが可能な化合物」のこのさらなる下位群は、「免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクター」と称され得る。「免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクター」の例には、抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブおよびイピリムマブ、抗CD25アンタゴニスト抗体、例えばダクリズマブおよび抗PD1アンタゴニスト抗体、例えばCT−011が含まれる。かかる因子および抗体に関する情報は、とりわけ、Weber、(2008)、The Oncologist、13(補遺4)、16-25またはFonsattiら(2010)、Seminars in Oncology、37(5)、517-523から得ることができる。
本発明の1つの好ましい実施形態において、「免疫系を活性化することが可能な化合物」は、CD40L、CP−870,893およびSGN−40を含む抗CD40アゴニスト抗体ならびにトレメリムマブおよびイピリムマブを含む抗CTLA4アンタゴニスト抗体から選択される。
抗体、例えば、CP−870,893およびSGN−40を含む抗CD40アゴニスト抗体またはトレメリムマブおよびイピリムマブを含む抗CTLA4アンタゴニスト抗体が、免疫系を活性化することが可能な化合物として使用される場合、それらは、それぞれの抗体の結合フラグメント、バリアントなどとして使用され得ることを理解すべきである。
他の「免疫系を活性化することが可能な化合物」には、自然免疫系に対して作用することが知られている化合物、例えば、Toll様レセプター2、3、4、5、7、8および9を含むToll様レセプターの活性化因子が含まれる。かかる化合物には、細菌リポタンパク質、LPS、二本鎖RNA、ポリI:C(ポリイノシンポリシチジン酸)、細菌フラジェリンレシキモド(resiquimod)(R848)およびCpG−ODNが含まれる。
上述のように、TAA結合抗体またはその結合フラグメント、例えば本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントは、異なる様式で免疫系を活性化することが可能な化合物と併用され得る。
従って、TAA結合抗体、例えば本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体は、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子、または免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターと、併用され得る。
具体的な例は、本明細書中に開示されるMAGEA3結合抗体(例えば21B4または31H10)の、抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893またはSGN−40、抗OX40アゴニスト抗体、例えばOX86および/または抗CD137アゴニスト抗体、例えばBMS−663513との併用である。
別の具体的な例は、本明細書中に開示されるMAGEA3結合抗体(例えば21B4または31H10)の、抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブまたはイピリムマブおよび/または抗CD25アンタゴニスト抗体、例えばダクリズマブとの併用である。
しかし、TAA結合抗体、例えば本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントはまた、例えば、(i)免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子または免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子、および(ii)免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターと併用され得る。
具体的な例は、本明細書中に開示されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント(例えば21B4または31H10)の、抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893またはSGN−40、および抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブまたはイピリムマブとの併用である。
他の例には、OX86、BMS−663513、CT−011および/またはダクリズマブがさらに含まれ得る。
自然免疫系に対して作用することが知られているさらなる化合物、例えばToll様レセプター1、2、3、4、5、7、8および9の活性化因子が含まれ得る。
好ましい実施形態には、唯一の医薬的に活性な薬剤としての、本明細書中に開示されたMAGEA3結合抗体(例えば23B1または31H10)の、抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893またはSGN−40との併用が含まれる。
別の好ましい実施形態には、唯一の医薬的に活性な薬剤としての、本明細書中に開示されたMAGEA3結合抗体(例えば24B1または30H10)の、抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブまたはイピリムマブとの併用が含まれる。
なお別の好ましい実施形態には、唯一の医薬的に活性な薬剤としての、本明細書中に開示されたMAGEA3結合抗体(例えば24B1または31H10)の、抗CD40アゴニスト抗体、例えばCP−870,893またはSGN−40、および抗CTLA4アンタゴニスト抗体、例えばトレメリムマブまたはイピリムマブとの併用が含まれる。
種々の医薬的に活性な成分、例えばMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子、または免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターが、多重特異的抗体、例えば二重特異的抗体またはその結合フラグメント内で併用され得ることが、上記されている。これは、MAGEA3結合抗体および抗CD40アゴニスト抗体もしくは抗CTLA4アンタゴニスト抗体またはそれらの結合フラグメントの具体的な例について示される。しかし、この原則は、免疫系を活性化することが可能な他の化合物にも同様に拡張され得ることが理解されよう。
従って、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの一部と、(i)抗CD40アゴニスト抗体またはその結合フラグメントの一部または(ii)抗CTLA4アンタゴニスト抗体またはその結合フラグメントの一部とは、二重特異的抗体中で併用され得る。
かかる二重特異的抗体またはフラグメントは、いくつかの立体配置のものであり得る。例えば、二重特異的抗体は、単一の抗体(または抗体フラグメント)と似ているが、二つの異なる抗原結合部位(可変領域)を有し得る。二重特異的抗体は、化学的技術(Kranzら(1981)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、78: 5807)または組換えDNA技術によって、生成され得る。二重特異的抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対する結合特異性を有し得、このうち少なくとも1つは、それに対する抗体が同定された腫瘍関連抗原のエピトープである。抗体および結合フラグメントは、異種抗体でもあり得る。異種抗体は、一緒に連結された2つ以上の抗体または抗体結合フラグメント(Fab)であり、それぞれの抗体またはフラグメントは、異なる特異性を有する。
かかる二重特異的抗体の使用は、TAA結合抗体によって誘発されると推定されている最初の限局化免疫応答の強化および/または延長が、可能な限り正確に腫瘍に制限されるという利点を有し得る。
この概念は、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの一部、抗CD40アゴニスト抗体またはその結合フラグメントの一部、および抗CTLA4アンタゴニスト抗体またはその結合フラグメントの一部を例えば含む、三重特異的抗体にももちろん拡張され得る。
既に示したように、上記併用は、例えば二重特異的抗体の場合単一の医薬組成物の形態で提供され得、または医薬組成物のキットとして提供され得る。
キットが企図される場合、これは、異なる併用中の別々の医薬組成物中に医薬的に活性な薬剤を含み得る。これは再度、細胞傷害性薬剤、MAGEA3結合抗体、抗CD40アゴニスト抗体および抗CTLA4アンタゴニスト抗体の具体的な例として示される。しかし、この原則は、他の併用にしかるべく適応され得ることが理解されよう。
上記例において、キットは、2つの医薬組成物からなり得、第一の医薬組成物は細胞傷害性薬剤を含み、第二の医薬組成物はMAGEA3結合抗体および抗CD40アゴニスト抗体を含む。このキットは、(この場合)MAGEA3抗原および/またはMAGEA6がMAGEA3結合抗体に対しより容易に接近できるようにすると推定される化学療法で、患者を最初に治療することを可能にする。しかし、第二の医薬組成物の引き続く投与は、次いで、MAGEA3結合抗体および抗CD40アゴニスト抗体の両方の同時送達を確実にする。これは、MAGEA3結合抗体が限局化免疫応答を誘発して直ぐに、抗CD40アゴニスト抗体がその活性を示すことを可能にする。
別の例において、キットは、3つの医薬組成物からなり得、第一の医薬組成物は細胞傷害性薬剤を含み、第二の医薬組成物はMAGEA3結合抗体を含み、第三の医薬組成物は抗CTLA4アンタゴニスト抗体を含む。このキットは、(この場合)MAGEA3抗原がMAGEA3結合抗体に対しより容易に接近できるようにすると推定される化学療法で患者を最初に治療することを可能にする。次いで、第二および第三の医薬組成物は、互いに別々に投与されて、TAA結合抗体による限局化免疫応答を最初に誘発し、抗CTLA4アンタゴニスト抗体がその機能を完全に発揮できるようになる前に、かかる免疫応答の発生のための充分な時間を持たせ得る。しかし、抗CTLA4抗体は、既に存在するMAGEA3特異的T細胞を抑制解除するのにも役立ち得る。これらの細胞は、MAGEA3結合抗体媒介性の抗原提示をさらに強めるMAGEA3特異的抗体の引き続く投与によって、さらに活性化され得る。かかる場合について、第三の医薬組成物は、第二の医薬組成物の前に、または第二の医薬組成物と少なくとも同時に投与され得る。
かかるキットは、従って、例えば、微調整された時宜にかなった投与によって、例えばそれぞれの抗体の異なる薬物動態学的特性を構成するために使用され得る。
上記併用の有効性は、かかる併用を受ける患者が細胞傷害性治療に供される場合に増強され得ることを上記してきた。
用語「細胞傷害性治療」には、化学療法、放射線療法、手術、温熱療法などが含まれる。化学療法は、細胞傷害性薬剤、例えば、ドセタキセルおよびパクリタキセルを含むタキサン、アントラサイクリン、シスプラチン、カルボプラチン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、カペシタビン、ナベルビンまたはゾレドロネートの投与を含み得る。
化学療法および特に上記細胞傷害性薬剤が細胞傷害性治療として使用される場合、これらの薬剤は、上で企図した医薬組成物およびキット中に含まれ得る。好ましくは、5−FUが含まれ得る。
本明細書中で企図される医薬組成物またはキットの形態をとり得る医薬的に活性な薬剤の併用は、過剰増殖疾患に罹患した患者の治療における使用のための医薬品として使用され得る。
本明細書中で企図される医薬組成物またはキットの形態をとり得る医薬的に活性な薬剤の併用は、過剰増殖疾患に罹患した患者を治療するための医薬品の製造においても使用され得る。
さらに、本明細書中で企図される医薬組成物またはキットの形態をとり得る医薬的に活性な薬剤の併用は、過剰増殖疾患に罹患した患者を治療する方法において投与され得る。
用語「過剰増殖疾患」は、上述のように使用される。免疫系を刺激することが可能な化合物と共に本明細書中に記載されるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを使用することは、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌の治療に特に有用であり得、特に有効であり得る。
特定のがんに対する、本発明に従う医薬組成物またはキットの有効性および/または選択性は、例えば異なるCT抗原に結合する異なるTAA結合抗体または結合フラグメントが存在し、かつ併用される場合に、増大し得る。従って、上記医薬組成物またはキットは、例えば、MAGEA3およびNY−ESO−1結合抗体またはそれらの結合フラグメントの、例えば、抗CD40アゴニスト抗体もしくはその結合フラグメントおよび/または抗CTLA4アンタゴニスト抗体もしくはその結合フラグメントとの併用を含み得る。他の併用は、EP 11 150 527.7から得られ得る。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントと免疫系を刺激することが可能な化合物との併用は、医薬的に許容される賦形剤、投与経路などに関して記載したような医薬組成物の形態で適用され得る。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントが、免疫系を刺激することが可能な化合物との併用において使用される場合、かかる抗体は、上記の形態(単鎖抗体など)をとり得るか、または上記のように標識によって改変され得る。
MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントと免疫系を刺激することが可能な化合物との併用は、上記のような治療方法にも使用され得、MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントと免疫系を刺激することが可能な化合物との併用を含む医薬組成物またはキットは、上記のような使用のために適用され得る。
本発明は、いくつかの例に関してここで記載されているが、これらは限定と解釈すべきではない。
実験1:MAGEA3抗体の単離
患者材料
メモリーB細胞の単離のための血清および末梢血リンパ球を、当地の倫理委員会によって承認され、患者がサインしたインフォームドコンセントに従って患者から収集した。
抗体54B4、43B10、94G11、9A5、20C10および4D6は、原発性腫瘍の摘出、放射線療法および化学療法ならびに生物療法(Trastuzumab)後に、同等者群と比較して延長した生存を示す転移性乳房癌腫患者から誘導した。抗体21B4、31H10、26C9および2G4は、化学療法および生物療法(Cetuximab)で治療した転移性直腸癌腫患者から誘導した。両方の患者は、血清中に、MAGEA3に対する自発的(sponteanous)抗体力価を有した。
メモリーB細胞培養物
メモリーB細胞を、ヒト末梢血単核球から、汎B細胞マーカーCD22(Miltenyi、Bergisch Gladbach、Germany)に対するMACSビーズを使用し、その後フィコエリトリンコンジュゲート化mAb抗ヒトIgDおよびAPCコンジュゲート化抗体抗ヒトIgM、CD3、CD8、CD56(Becton Dickinson、Basel、Switzerland)で染色することによる2ステップの選択手順を用いて単離した。あるいは、フィコエリトリンコンジュゲート化mAb抗ヒトIgD、APCコンジュゲート化mAb抗ヒトIgM、CD3、CD56、CD8およびFITCコンジュゲート化mAb抗ヒトCD22(Becton Dickinson、Basel、Switzerland)を使用する1ステップのプロトコルを適用した。セルソーティングを、MoFlo XDPセルソーター(Beckman Coulter)を使用して実施した。次いで、CD22陽性かつIgM陰性、IgD陰性のB細胞を、B95−8細胞から得たEBV含有上清と共にインキュベートした(10%ウシ胎仔血清を補充したRPMI 1640を含むB細胞培地中)。細胞を、ボランティアドナーから調製した30.000の照射したフィーダーPBL上に、CpG2006を補充したIMDM培地中で、1ウェル当たり10細胞で播種した。
11〜14日間の培養後、メモリーB細胞培養物の馴化培地を、ELISAによってMAGEA3特異的抗体の存在についてスクリーニングした。
MAGEA3 ELISA
細菌中で発現させたHisタグ化MAGEA3を、カラム精製し、96ウェルのマイクロプレート(Costar、USA)を被覆するために使用した。プレートをPBS−Tで洗浄し、2%BSA(Sigma、Buchs、Switzerland)を含むPBSで室温で1時間ブロッキングした。患者の血清、B細胞馴化培地または組換え抗体調製物を、室温で2時間インキュベートした。MAGEA3に対するヒトIgGの結合を、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化ヤギ抗ヒトFc−γ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch,Europe Ltd.、Cambridgeshire、UK)を使用し、その後TMB基質溶液(TMB、Sigma、Buchs、Switzerland)を使用してHRP活性を測定して、決定した。
MAGEA3に特異的なヒト抗体の分子クローニング
MAGEA3反応性メモリーB細胞培養物から得た単一細胞を、第一鎖緩衝液(Invitrogen、LuBioScience、Switzerland)を含む96ウェルのPCRプレート中に配置した。ランダムヘキサマープライマー(Invitrogen、LuBioScience、Switzerland)を使用して、cDNAを調製した。標準的なプロトコル(Wardemannら、Science 301巻, 2003年, 1374〜1377頁)に従って、免疫グロブリン重鎖および軽鎖可変領域のPCR増幅を実施した。免疫グロブリン重鎖および軽鎖可変領域を、ネステッドPCRアプローチを使用して増幅した。第一ラウンドのPCRを、IgG定常領域に特異的なプライマーならびに重鎖および軽鎖Ig可変領域ファミリーの全てのシグナルペプチドに特異的なプライマーミックスを用いて実施した(Wardemannら、Science 301巻, 2003年, 1374〜1377頁)。引き続いて、ネステッドPCRを、免疫グロブリンJ領域ならびに重鎖および軽鎖Ig可変領域ファミリーのフレームワーク1の5’領域に特異的なプライマーミックスを使用して実施した。配列分析を実施して、選択されたB細胞培養物中に存在する個々の抗体クローンを同定した。引き続いて、各抗体クローンのIg可変重領域および軽領域を、発現ベクター中にクローニングして、ヒトIgG1、ヒトIgκまたはヒトIgλの定常領域を提供した。Ig重および軽発現ベクターのHEK293細胞中への同時トランスフェクションにより、抗体クローンを生成した。親B細胞培養物のMAGEA3反応性をおそらく担う抗体クローンの同定を、MAGEA3−ELISAおよびコントロールELISAにおいて、組換え抗体クローンの再スクリーニングの際に実施した。このアプローチは、21B4、31H10、54B4、43B10、94G11、9A5、26C9、20C10、2G4および4D6の同定につながった。
Ig可変領域中の、プライマーにコードされた配列不一致を同定し修正するために、3’プライマーとして、Ig重鎖および軽鎖定常領域の保存された領域に特異的な2つのプライマー対を使用し、5’プライマーとして、Igシグナルペプチドに特異的なプライマーミックスを使用して、半ネステッドプロトコルを使用するさらなるPCR増幅を実施した。PCR産物を、TOPO(商標)ベクター(Invitrogen、LuBioScience、Lucerne、Switzerland)中にクローニングした。完全Ig可変領域の配列決定を実施し、その情報を使用して、信頼のおけるヒト抗体配列を抗体発現ベクター中にクローニングするための特異的プライマーを設計した。このアプローチを抗体21B4、31H10、54B4、94G111、9A5、26C9、20C10および2G4に適用して、患者において存在するとして、Ig可変領域の完全抗体配列の同定を生じた。この配列を、引き続く特徴付けステップにおいて次いで使用されるこれらの抗体の組換え産生のために使用した。
抗体の産生および精製
ヒト抗体の一過的遺伝子発現を、ポリエチレンイミントランスフェクション法(PEI、Polyscience Warrington、USA)を使用した、293−Tヒト胚性腎臓細胞またはチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO中への抗体発現ベクターのトランスフェクションによって達成した。トランスフェクション後、細胞を、無血清培地(GlutaMAX−I Gibcoを補充したOPTI−MEM I)中で培養した。3〜6日間の培養後に上清を回収し、高速タンパク質液体クロマトグラフィーデバイス(FPLC)(GE HealthCare、Sweden)で、プロテインAカラム(GE HealthCare、Sweden)を使用して、IgGを精製した。
実験2:抗体のエピトープマッピング
エピトープマッピングELISA
各隣接ペプチド(Peptides&Elephants、Nuthetal、Germany)によって共有される10aaの重複を有する、MAGEA3タンパク質全体にわたる20マーのペプチドを使用して、Maxisorp ELISAプレート(Nunc、Rochester、NY)を被覆した。コントロールとして、NY−ESO−1タンパク質由来のアミノ酸40〜21を示す20マーのペプチドを使用した(rev)。20マーのペプチドによって示されるMAGEA3のアミノ酸を、以下の表に示す。MAGEA3のアミノ酸の番号付けは、配列番号101に基づく。
抗体9A5を4mg/mlで使用したことを除き、ヒト組換え抗体を1μg/mlの濃度で使用した。結合したヒト抗体を、西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート化ヤギ抗ヒトIgG Fc−γ特異的抗体(Jackson ImmunoResearch,Europe Ltd.、Cambridgeshire、UK)を使用して検出した。
結果を図1に示す。
実験3:MAGEA3の免疫沈降
精製した組換えMAGEA3タンパク質、およびMAGEA3を内因的に発現することが公知のSK−Mel−37細胞から調製した溶解物を、ヒトMAGEA3特異的抗体と共にインキュベートし、その後、プロテインGビーズ(New England Biolabs、Bioconcept、Allschwil、Switzerland)と共にインキュベートした。結合したタンパク質を、勾配SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(NuPage 4〜12% Bis−Tris Gel、Invitrogen、LuBioScience、Lucerne、Switzerland)後にウエスタンブロットによって分析した。検出抗体として、マウスモノクローナル抗体M3H67(LICR、New York、USAにより提供される)を使用した。
結果を図2に示す。
実験4:MAGEAファミリーのタンパク質のメンバーに対する示差的結合
MAGEAファミリーのタンパク質の選択されたメンバーに対する抗体21B4、31H10、54B4、94G11、9A5、2G4の結合を、細菌または真核生物細胞のいずれかにおいて発現された組換えタンパク質としてそのメンバーを示す、一連のアッセイにおいて試験した。結果を図3に示す。
4A:ウエスタンブロットにおけるMAGEA3およびMAGEA4に対する示差的結合
組換えMAGEA3タンパク質および組換えMAGEA4タンパク質を、SDS−PAGEにおける分離およびウエスタンブロッティングの後に、メンブレン上に示した。メンブレンを、ヒト抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4または20C10と共にインキュベートした。メンブレン上のタンパク質に対するヒト抗体の結合を評価した。結果を図3A)に示す。
4B:ELISAにおけるMAGEA3、MAGEA1、MAGEA4およびMAGEA10に対する示差的結合
組換え発現されたMAGEA3、MAGEA1、MAGEA4、MAGEA10を、ELISAプレート上で被覆し、これらのタンパク質に対するMAGEA3抗体21B4、94G11、2G4、9A5および54B4の結合を試験した。結果を図3B)に示す。
実験4C:MAGEA6に対する結合
MAGEA6発現プラスミドでの一過的トランスフェクションによってMAGEA6を発現するHEK293T細胞を使用して、ヒト由来抗体21B4、31H10、94G11および54B4によるMAGEA3に対する結合の存在または非存在を実証した。MAGEA3またはMAGEA6で一過的にトランスフェクトしたHEK293T細胞を固定し、透過処理し、ヒト由来抗体と共にインキュベートした。細胞に対するヒト由来抗体の結合を、PE標識した抗ヒト抗体を使用してフローサイトメトリーにより検出した。データをヒストグラムプロットとして示す。黒塗りのヒストグラムは、一過的にトランスフェクトしたHEK293細胞に対する21B4、31H10、94G11および54B4の結合を示す。一部の細胞のみをトランスフェクトして、導入遺伝子を発現する集団および導入遺伝子を発現しない集団を得た。ヒトCD20に特異的な抗体rituximab(黒の点線、白抜きのヒストグラムとしてヒストグラム中に示す)および二次抗体のみ(灰色の実線、白抜きのヒストグラムとしてヒストグラム中に示す)を使用して、コントロールを実施した。結果を図3C)に示す。
結果を、以下の表中にまとめ、図3に示す。
実験5:MAGEA3抗体のEC50の決定
その抗原に対する抗体の最大半量の結合が観察される濃度であるEC50を、ヒトモノクローナル抗体21B4、54B4、94G11、9A5、31H10、43B10、2G4、20C10、26C9および4D6の連続希釈を使用して、MAGEA3 ELISAにおいて決定した。EC50値を、GraphPadソフトウェアを使用して、ベストフィットラインの誘導によって数学的に決定した。
結果を図4に示す。
実験6:組織学
ホルマリン固定したパラフィン包埋ヒト組織(正常な精巣、前立腺、リンパ節、心臓、結腸、および肺の扁平上皮癌)を脱脂し、高pHのTris緩衝液中で熱処理して、抗原回復させた。ヒト一次抗体21B4を、FITCコンジュゲートとして使用した。組織に対するヒト抗体の結合を、ウサギポリクローナル抗FITC抗体(Dako、Baar、Switzerland)を使用し、その後、ポリマー性抗ウサギHRP(UltraView HRP−Kit、Ventana、Tucson、USA)と共にインキュベートすることによって検出した。一次抗体、二次抗体およびポリマー性抗ウサギHRPの複合体を、DABを使用し、その後ヘマトキシリンによる対比染色を行って可視化した。
結果を図5に示す。
実験7:T細胞刺激
単球由来DC
単球を、磁気粒子にカップリングされた抗CD14抗体(MACS、Miltenyi Biosciences、Bergisch Gladbach、Germany)を使用して、ボランティアドナーから得たPBMCから単離する。単球を、GM−CSFおよびIL−4(Peprotech、London、UK)を補充したDC培地(CellGro DC培地、CellGenix Freiburg、Germany)中で、2×10/mlの細胞密度で培養する。5日目に、単球由来DCを回収し、96ウェルの平底プレート中で免疫複合体と共にインキュベートする。TNF−αおよびsCD40Lの添加によって成熟を誘導する。
免疫複合体形成
組換えMAGEA3タンパク質を、等モル濃度比で、種々のヒトモノクローナル抗体と共にCellGro培地中でインキュベートする。
T細胞刺激アッセイ
免疫複合体および対応するMAGEA3特異的CD8T細胞と共に共インキュベートしたまたはしなかった成熟した単球由来DCを、ヒト血清およびBrefeldin Aを補充したRPMI中で、1:1の細胞比でマイクロタイタープレート中でインキュベートする。
次いで、透過処理し、蛍光標識した抗体抗IFN−γによる細胞内染色を使用して細胞を固定した後に、細胞内IFN−γの産生をモニタリングする。
実験8:抗体媒介性のin vivo抗腫瘍効果
マウスに、MAGEA3を発現する同系腫瘍細胞を接種し、腫瘍が触知できるようになったら、細胞傷害性療法を適用する。引き続いて、MAGEA3特異的抗体を投与する。腫瘍成長に対する治療の効果を、ノギスを使用して経時的に腫瘍面積をモニタリングすることによって測定する。
腫瘍に対する免疫エフェクター細胞活性の誘導および/または増強を、腫瘍浸潤リンパ球の分析、ex vivo CTLアッセイ、ex vivoサイトカイン分泌、in vivo CTLアッセイによって、またはコントロールと比較したMAGEA3特異的抗体の投与後の免疫エフェクター細胞レパートリーのシフトをモニタリングすることによって測定する。
実験9:ヒト由来モノクローナル抗体21B4対マウスmAb M3H67の比較
マウスモノクローナル抗体M3H67は一般に、ELISA、ウエスタンブロットおよび免疫組織化学(IHC)において、MAGEA3に対する標準検出抗体とみなされている。従って、21B4を、組換え様式で発現させ、マウスモノクローナル抗体M3H67と比較した。
MAGEAファミリーELISAにおける21B4とM3H67との比較
ヒトモノクローナル抗体21B4およびマウス抗体M3H67の組換えMAGEA1、MAGEA3、MAGEA4およびMAGEA10連続希釈で被覆したプレートを使用するMAGEA−ELISAを実施した。21B4は、試験した他のMAGEA抗原との交差反応性を示さなかった。しかし、コントロール抗体M3H67は、試験した全てのMAGE抗原に対する結合を示したことに留意されたい(図6を参照のこと)。
ウエスタンブロットにおけるMAGEA3タンパク質における21B4とM3H67との比較
細胞溶解物由来の組換え精製されたMAGEA3タンパク質または内因性MAGEA3を検出する21B4およびM3H67の能力を、ウエスタンブロットで試験した。21B4は、SK−MEL−37溶解物において組換えMAGEA3およびMAGEA3を検出した。M3H67は、組換えタンパク質としてMAGEA3を検出したが、MAGEA4も検出した。SK−MEL−37細胞溶解物では、M3H67は、MAGEA3とは異なるサイズを有するタンパク質を検出した(図7を参照のこと)。
ヒト由来抗体21B4は、2つの異なる生化学的アッセイにおいて、mAb M3H67と比較して、MAGEA3に対するより高い特異性と、より高い感度とを示す。
免疫組織化学におけるヒト由来モノクローナル抗体21B4とマウスモノクローナル抗体M3H67との比較
正常組織のIHC
ヒト由来抗体21B4およびM3H67の特異性を、ホルマリン固定したパラフィン包埋ヒト組織の免疫組織化学(IHC)においても比較した。IHCで使用するために、ヒト組換えモノクローナル抗体21B4を、マウスFc領域と組み合わせた21B4のヒト免疫グロブリン可変領域を特徴付けるヒト−マウスキメラ抗体に変換した(図8を参照のこと)。従って、21B4は、自動化IHC染色システム(二次抗体、リンカーシステムなど)と適合するその能力に関して、M3H67に対応する。
陽性コントロールとして、正常ヒト精巣組織を、21B4またはM3H67のいずれかを用いて染色した。MAGEA3の発現を欠くと推定されるため、陰性コントロールとして、腎臓および膵臓の組織を選択した。
図9に示すように、21B4は、精巣において特徴的に染色し(矢印)、一方でM3H67は、全ての精原細胞およびいくつかの間質組織を染色する。生化学的アッセイにおいて実証されたように、M3H67の広範囲の反応性は、精巣組織において発現された他のMAGEAファミリーメンバーが認識されたことを示唆している。両方の抗体が、陰性コントロール組織において染色を示さなかった。
頭頸部癌のIHC:21B4の特徴的な特異性
3人の異なる頭頸部癌患者由来の組織を、21B4およびM3H67を用いるIHCによって分析した(図10を参照のこと)。症例1の場合には、主要な差異は観察できなかったが、症例2は、21B4でしか陽性染色されず、症例3は、M3H67でしか陽性染色されなかった。症例1および3は、a)MAGEA3に対するM3H67のより低い親和性によって説明できるが、b)では、21B4rcによる染色の非存在およびM3H67による顕著な染色は、MAGEA3(またはMAGEA6)以外のMAGEAファミリーメンバーに対するM3H67の広い反応性によって説明できる。それと好対照に、21B4rcが癌性組織病変を染色し、M3H67が染色しない症例2は、MAGEA3に対する21B4rcのかなり高い感度、またはいくつかの形態の組織MAGEA3に対するM3H67の特異性の欠如のいずれをも示唆しない。
まとめると、21B4は、M3H67と比較して充分に識別可能な染色パターンを示す。さらに、このデータは、M3H67がMAGEA3に対し本当に特異的なわけではないという考えを支持している。これは、例えば、MAGEA3特異的免疫療法(コンパニオン診断)に適格な患者集団を規定することを目的とする診断手順において、いずれかの抗体の使用に関して意味を有する。ここで、IHCにおける21B4の使用は、M3H67を用いた現在のアッセイの偽陽性(症例3)および偽陰性(症例2)を排除するために使用され得る。従って、21B4は、MAGEA3陽性癌を保有し、従って、かかる治療から利益を得る可能性が高い患者を同定するために、より良く適合される。
本発明のいくつかの実施形態は、以下に関する:
1.単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
2.MAGEA3に優先的に結合する、実施形態1に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
3.MAGEA3には結合するがMAGEA4には結合しない、実施形態1または2に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
4.MAGEA3には結合するがMAGEA4、MAGEA1および/またはMAGEA10には結合しない、実施形態1、2または3のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
5.MAGEA3には結合するがMAGEA2には結合しない、実施形態1、2、3または4のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
6.MAGEA3には結合するがMAGEA6には結合しない、実施形態1、2、3、4または5のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
7.約300pM以下のKでMAGEA3に結合する、実施形態1、2、3、4、5または6のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合由来抗体またはその結合フラグメント。
8.約200pM以下のKでMAGEA3に結合する、実施形態7に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
9.約100pM以下のKでMAGEA3に結合する、実施形態8に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
10.約50pM以下のKでMAGEA3に結合する、実施形態9に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
11.配列番号102を含むエピトープに結合する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
12.配列番号103を含むエピトープに結合する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
13.配列番号104を含むエピトープに結合する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
14.軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであって、
a.軽鎖可変領域は、配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9、19、29、39、49、59、69、79、89、99もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号10、20、30、40、50、60、70、80、90、100もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b.重鎖可変領域は、配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6、16、26、36、46、56、66、76、86、96もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号7、17、27、37、47、57、67、77、87、97もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
15.軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、実施形態14に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであって、
a.軽鎖可変領域は、配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9、19、29、39、49、59、69、79、89、99もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号10、20、30、40、50、60、70、80、90、100もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b.重鎖可変領域は、配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6、16、26、36、46、56、66、76、86、96もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号7、17、27、37、47、57、67、77、87、97もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
16.配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および/または配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA−3結合抗体またはその結合フラグメント。
17.配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、実施形態16に記載の単離されたモノクローナルMAGEA−3結合抗体またはその結合フラグメント。
18.MAGEA3に結合し、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、単離されたモノクローナルMAGEA−3結合抗体またはその結合フラグメントであって、
a.軽鎖可変領域が、配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9、19、29、39、49、59、69、79、89、99もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号10、20、30、40、50、60、70、80、90、100もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b.重鎖可変領域が、配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6、16、26、36、46、56、66、76、86、96もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号7、17、27、37、47、57、67、77、87、97もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
単離されたモノクローナルMAGEA−3結合抗体またはその結合フラグメント。
19.軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、実施形態18に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであって、
a.軽鎖可変領域は、配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9、19、29、39、49、59、69、79、89、99もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号10、20、30、40、50、60、70、80、90、100もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b.重鎖可変領域は、配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6、16、26、36、46、56、66、76、86、96もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号7、17、27、37、47、57、67、77、87、97もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
20.軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、実施形態19に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであって、
a.軽鎖可変領域は、配列番号8、18もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9、19もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号10、20もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b.重鎖可変領域は、配列番号5、15もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6、16もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号7、17もしくはそれらに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む。
21.MAGEA3に結合し、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および/または配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、単離されたモノクローナルMAGEA−3結合抗体またはその結合フラグメント。
22.配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94もしくはそれに少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93もしくはそれに少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域とを含む、実施形態21に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体または結合フラグメント。
23.配列番号4、14もしくはそれに少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号3、13もしくはそれに少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域とを含む、実施形態22に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体または結合フラグメント。
24.配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93の可変重鎖またはそれに80%同一な配列をコードする核酸配列を含む核酸分子。
25.配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94の可変軽鎖またはそれに80%同一な配列をコードする核酸配列を含む核酸分子。
26.配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95、6、16、26、36、46、56、66、76、86、96、7、17、27、37、47、57、67、77、87、97の可変重鎖領域CRDまたはそれに80%同一な配列をコードする核酸配列を含む核酸分子。
27.配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98、9、19、29、39、49、59、69、79、89、99、10、20、30、40、50、60、70、80、90の可変軽鎖領域CRDまたはそれに80%同一な配列をコードする核酸配列を含む核酸分子。
28.実施形態24〜27のいずれかに記載の核酸分子を含むベクター。
29.実施形態24〜27のいずれかに記載の核酸分子またはベクターもしくは実施形態28で形質転換された細胞。
30.実施形態1〜23のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメント、実施形態24〜27のいずれかに記載の核酸分子、実施形態28に記載のベクター、または実施形態29に記載の細胞を含む、医薬組成物。
31.免疫系を活性化することが可能な化合物を含まない、実施形態30に記載の医薬組成物。
32.MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを唯一の医薬的に活性な薬剤として含む、実施形態30に記載の医薬組成物。
33.過剰増殖疾患の治療に使用するための、実施形態30〜32のいずれかに記載の医薬組成物。
34.過剰増殖疾患を治療するための医薬品の製造における、実施形態1〜23のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメント、実施形態24〜27のいずれかに記載の核酸分子、実施形態28に記載のベクター、実施形態29に記載の細胞、または実施形態31〜32のいずれかに記載の医薬組成物の使用。
35.実施形態1〜23のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは実施形態30〜32のいずれかに記載の医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することによって過剰増殖疾患を治療する方法。
36.過剰増殖疾患が、MAGEA3の発現によって特徴付けられる、実施形態33〜35のいずれかに記載の医薬組成物、使用または方法。
37.過剰増殖疾患が、基底細胞癌;膀胱癌;骨癌;中枢神経系腫瘍;バーキットリンパ腫;乳癌;子宮頸癌;慢性骨髄性白血病;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌、食道癌;ユーイングファミリーの腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;消化管間葉性腫瘍(GIST);神経膠腫;頭頸部癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;白血病;肝臓癌;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;中皮腫;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;骨髄性白血病;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;小細胞肺癌;非小細胞肺癌;中咽頭癌;卵巣癌;膵臓癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;クロム親和性細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;腎細胞(腎臓)癌;気道癌腫;網膜芽細胞腫;皮膚癌(黒色腫);小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平上皮頸部癌;胃癌;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;甲状腺癌;腎盂および尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌;腟癌;外陰癌およびウィルムス腫瘍から選択される、実施形態33〜36のいずれかに記載の医薬組成物、使用または方法。
38.過剰増殖疾患が、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌から選択される、実施形態33〜36のいずれかに記載の医薬組成物、使用または方法。
39.少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントおよび免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物を含む、医薬組成物。
40.a)少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントを含む第一の医薬組成物;および
b)免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物を含む第二の医薬組成物
を含む、医薬組成物のキット。
41.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントがCT抗原に結合する、実施形態39に記載の医薬組成物または実施形態40に記載のキット。
42.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、表1から選択されるCT抗原に結合する、実施形態39〜41のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
43.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、モノクローナルのキメラ、ヒト化もしくはヒト抗体またはそれらの結合フラグメントである、実施形態39〜42のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
44.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、モノクローナルのヒト患者由来抗体またはその結合フラグメントである、実施形態39〜43のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
45.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、IgGクラスから選択される定常領域を含む、実施形態39〜44のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
46.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、約0.1*10−12〜約1*10−6MのKでTAAに結合する、実施形態39〜45のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
47.実施形態39〜46のいずれかに記載の医薬組成物またはキットの一部であるTAA抗体もしくはその結合フラグメントおよび/または任意の他の抗体もしくはその結合フラグメントが、薬物、放射性同位体、レクチンおよび/または毒素にカップリングされている、実施形態39〜46のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
48.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、MAGEA3に結合する、実施形態39〜47のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
49.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、MAGEA3に結合し、患者由来のモノクローナルヒト抗体またはその結合フラグメントである、実施形態39〜48のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
50.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、MAGEA3に結合し、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含み、
a.軽鎖可変領域が、配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9、19、29、39、49、59、69、79、89、99もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号10、20、30、40、50、60、70、80、90、100もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/あるいは
b.重鎖可変領域が、配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6、16、26、36、46、56、66、76、86、96もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号7、17、27、37、47、57、67、77、87、97もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
実施形態39〜49のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
51.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、MAGEA3に結合し、軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含み、
a.軽鎖可変領域が、配列番号8、18、28、38、48、58、68、78、88、98もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9、19、29、39、49、59、69、79、89、99もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号10、20、30、40、50、60、70、80、90、100もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
b.重鎖可変領域が、配列番号5、15、25、35、45、55、65、75、85、95もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6、16、26、36、46、56、66、76、86、96もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号7、17、27、37、47、57、67、77、87、97もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
実施形態50に記載の医薬組成物またはキット。
52.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、MAGEA3に結合し、該抗体または結合フラグメントが、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および/または配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93もしくはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、実施形態39〜49のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
53.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントが、MAGEA3に結合し、該抗体または結合フラグメントが、配列番号4、14、24、34、44、54、64、74、84、94またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および/または配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83、93またはそれらに対し少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、実施形態52に記載の医薬組成物またはキット。
54.免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物が、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子、または免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターから選択される、実施形態39〜53のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
55.免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物が、CD40L、抗CD40アゴニスト抗体、抗OX40アゴニスト抗体、抗CD137アゴニスト抗体、抗CTLA4アンタゴニスト抗体および抗CD25アンタゴニスト抗体から選択される、実施形態39〜54のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
56.免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物が、CD40L、CP−870,893、SGN−40、トレメリムマブおよびイピリムマブから選択される、実施形態39〜55のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
57.組成物またはキットが、少なくとも2つの免疫系を活性化することが可能な化合物を含み、そのうち第一の化合物が、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子または免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子から選択され、そのうち第二の化合物が、免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターから選択される、実施形態39〜56のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
58.第一の免疫系を活性化することが可能な化合物が、CD40L、抗CD40アゴニスト抗体、抗OX40アゴニスト抗体および抗CD137アゴニスト抗体から選択され、第二の免疫系を活性化することが可能な化合物が、抗CTLA4アンタゴニスト抗体および抗CD25アンタゴニスト抗体から選択される、実施形態57に記載の医薬組成物またはキット。
59.第一の免疫系を活性化することが可能な化合物が、CD40L、CP−870,893およびSGN−40から選択され、第二の免疫系を活性化することが可能な化合物が、トレメリムマブおよびイピリムマブから選択される、実施形態58に記載の医薬組成物またはキット。
60.少なくとも1つのTAA結合抗体またはその結合フラグメントおよび免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物が、二重特異的抗体またはその結合フラグメントの形態をとる、実施形態39、または実施形態41〜59のいずれかに記載の医薬組成物。
61.二重特異的抗体が、(i)TAA結合部分および(ii)免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子または免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターとして作用する部分を含む、実施形態60に記載の医薬組成物。
62.二重特異的抗体が、(i)CT抗原結合部分および(ii)抗CD40アゴニスト抗体、抗OX40アゴニスト抗体、抗CD137アゴニスト抗体、抗CTLA4アンタゴニスト抗体または抗CD25アンタゴニスト抗体として作用する部分を含む、実施形態61に記載の医薬組成物。
63.二重特異的抗体が、(i)MAGEA3結合部分および(ii)抗CD40アゴニスト抗体または抗CTLA4アンタゴニスト抗体として作用する部分を含む、実施形態62に記載の医薬組成物。
64.細胞傷害性薬剤をさらに含む、実施形態39または41〜63のいずれかに記載の医薬組成物。
65.細胞傷害性薬剤が、5−フルオロウラシル、タキサン、アントラサイクリン、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、カペシタビン、ナベルビンまたはゾレドロネートから選択される、実施形態39、または実施形態41〜64のいずれかに記載の医薬組成物。
66.細胞傷害性薬剤を含む第三の医薬組成物を含む、実施形態40〜59のいずれかに記載のキット。
67.細胞傷害性薬剤が、5−フルオロウラシル、タキサン、アントラサイクリン、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、カペシタビン、ナベルビンまたはゾレドロネートから選択される、実施形態66に記載のキット。
68.細胞傷害性薬剤、CT抗原結合抗体またはその結合フラグメント、ならびに(i)免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子、(ii)免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子、および/または(iii)免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターから選択される少なくとも1つの化合物を含む、実施形態39〜67のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
69.細胞傷害性薬剤、CT抗原結合抗体またはその結合フラグメント、ならびに免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子からまたは免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターから選択される少なくとも1つの化合物を含む、実施形態39〜68のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
70.細胞傷害性薬剤、CT抗原結合抗体またはその結合フラグメント、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子から選択される少なくとも1つの化合物、および免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターから選択される少なくとも1つの化合物を含む、実施形態39〜69のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
71.CT抗原結合抗体またはその結合フラグメントがMAGEA3を認識し、免疫系の天然の刺激因子もしくは少なくとも共刺激因子のアゴニスト活性化因子から選択される少なくとも1つの化合物が、抗CD40アゴニスト抗体であり、免疫系の天然のインヒビターもしくは少なくとも共インヒビターのアンタゴニストエフェクターから選択される少なくとも1つの化合物が、抗CTLA4アンタゴニスト抗体である、実施形態68〜70のいずれかに記載の医薬組成物またはキット。
72.患者の治療における使用のための、少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントと免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物との併用であって、TAA結合抗体またはその結合フラグメントおよび免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物が患者に投与される、併用。
73.実施形態41〜63のいずれかに記載のTAA結合抗体またはその結合フラグメントおよび免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物が患者に投与される、実施形態72における使用のための併用。
74.患者が、前記併用の投与の前に、それと同時に、またはそれに引き続いて細胞傷害性治療に供される、実施形態73における使用のための併用。
75.細胞傷害性治療が、化学療法、放射線療法、手術および/または温熱療法を含む、実施形態74における使用のための併用。
76.化学療法が、5−フルオロウラシル、タキサン、アントラサイクリン、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、カペシタビン、ナベルビンまたはゾレドロネートから選択される薬剤の投与を含む、実施形態75における使用のための併用。
77.過剰増殖疾患を治療するための、実施形態72〜76における使用のための併用。
78.TAAの発現によって特徴付けられる過剰増殖疾患を治療するための、実施形態77における使用のための併用。
79.前記TAAがCT抗原である、実施形態78における使用のための併用。
80.前記CT抗原がMAGEA3である、実施形態79における使用のための併用。
81.前記過剰増殖疾患が、基底細胞癌;膀胱癌;骨癌;中枢神経系腫瘍;バーキットリンパ腫;乳癌;子宮頸癌;慢性骨髄性白血病;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌、食道癌;ユーイングファミリーの腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;消化管間葉性腫瘍(GIST);神経膠腫;頭頸部癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;白血病;肝臓癌;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;中皮腫;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;骨髄性白血病;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;小細胞肺癌;非小細胞肺癌;中咽頭癌;;卵巣癌;膵臓癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;クロム親和性細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;腎細胞(腎臓)癌;気道癌腫;網膜芽細胞腫;皮膚癌(黒色腫);小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平上皮頸部癌;胃癌;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;甲状腺癌;腎盂および尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌;腟癌;外陰癌およびウィルムス腫瘍から選択される、実施形態72〜80のいずれかにおける使用のための併用。
82.患者の治療における使用のための医薬品であって、実施形態39〜71のいずれかに記載の医薬組成物もしくはキット、または少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体もしくはその結合フラグメントと免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物との併用が患者に投与される、医薬品。
83.患者が、実施形態39〜71のいずれかに記載の医薬組成物もしくはキットの投与、または少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体もしくはその結合フラグメントと免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物との併用の投与の前に、それと同時に、またはそれに引き続いて、細胞傷害性治療に供される、実施形態82における使用のための医薬品。
84.細胞傷害性治療が、化学療法、放射線療法、手術および/または温熱療法を含む、実施形態83における使用のための医薬品。
85.化学療法が、5−フルオロウラシル、タキサン、アントラサイクリン、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、カペシタビン、ナベルビンまたはゾレドロネートから選択される薬剤の投与を含む、実施形態84における使用のための医薬品。
86.過剰増殖疾患を治療するための、実施形態82〜85における使用のための医薬品。
87.TAAの発現によって特徴付けられる過剰増殖疾患を治療するための、実施形態86における使用のための医薬品。
88.前記TAAがCT抗原である、実施形態87における使用のための医薬品。
89.前記CT抗原がMAGEA3である、実施形態88における使用のための医薬品。
90.前記過剰増殖疾患が、基底細胞癌;膀胱癌;骨癌;中枢神経系腫瘍;バーキットリンパ腫;乳癌;子宮頸癌;慢性骨髄性白血病;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌、食道癌;ユーイングファミリーの腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;消化管間葉性腫瘍(GIST);神経膠腫;頭頸部癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;白血病;肝臓癌;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;中皮腫;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;骨髄性白血病;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;小細胞肺癌;非小細胞肺癌;中咽頭癌;;卵巣癌;膵臓癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;クロム親和性細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;腎細胞(腎臓)癌;気道癌腫;網膜芽細胞腫;皮膚癌(黒色腫);小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平上皮頸部癌;胃癌;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;甲状腺癌;腎盂および尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌;腟癌;外陰癌およびウィルムス腫瘍から選択される、実施形態86〜89のいずれかにおける使用のための医薬品。
91.少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントおよび免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物が、実施形態39〜71のいずれかに記載のとおりである、実施形態82〜90のいずれかにおける使用のための医薬品。
92.実施形態39〜71のいずれかに記載の医薬組成物またはキット、あるいは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントと免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物との併用の、患者を治療するための医薬品の製造における使用。
93.患者が、実施形態39〜71のいずれかに記載の医薬組成物またはキットの投与、あるいは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントと免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物との併用の投与の前に、それと同時に、またはそれに引き続いて、細胞傷害性治療に供される、実施形態92に記載の使用。
94.細胞傷害性治療が、化学療法、放射線療法、手術および/または温熱療法を含む、実施形態93における使用。
95.化学療法が、5−フルオロウラシル、タキサン、アントラサイクリン、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、カペシタビン、ナベルビンまたはゾレドロネートから選択される薬剤の投与を含む、実施形態94における使用。
96.過剰増殖疾患を治療するための、実施形態92〜95における使用。
97.TAAの発現によって特徴付けられる過剰増殖疾患を治療するための、実施形態96における使用。
98.前記TAAがCT抗原である、実施形態97における使用。
99.前記CT抗原がMAGEA3である、実施形態98における使用。
100.前記過剰増殖疾患が、基底細胞癌;膀胱癌;骨癌;中枢神経系腫瘍;バーキットリンパ腫;乳癌;子宮頸癌;慢性骨髄性白血病;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌、食道癌;ユーイングファミリーの腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;消化管間葉性腫瘍(GIST);神経膠腫;頭頸部癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;白血病;肝臓癌;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;中皮腫;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;骨髄性白血病;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;小細胞肺癌;非小細胞肺癌;中咽頭癌;;卵巣癌;膵臓癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;クロム親和性細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;腎細胞(腎臓)癌;気道癌腫;網膜芽細胞腫;皮膚癌(黒色腫);小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平上皮頸部癌;胃癌;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;甲状腺癌;腎盂および尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌;腟癌;外陰癌およびウィルムス腫瘍から選択される、実施形態92〜99のいずれかに記載の使用。
101.少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントおよび免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物が、実施形態41〜63のいずれかに記載のとおりである、実施形態92〜100のいずれかに記載の使用。
102.実施形態39〜71のいずれかに記載の医薬組成物またはキット、あるいは少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントと免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物との併用を患者に投与することによって、患者を治療する方法。
103.患者が、実施形態39〜71のいずれかに記載の医薬組成物もしくはキットの投与、または少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体もしくはその結合フラグメントと免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物との併用の投与の前に、それと同時に、またはそれに引き続いて、細胞傷害性治療に供される、実施形態102における方法。
104.細胞傷害性治療が、化学療法、放射線療法、手術および/または温熱療法を含む、実施形態103における方法。
105.化学療法が、5−フルオロウラシル、タキサン、アントラサイクリン、シスプラチン、カルボプラチン、ゲムシタビン、カペシタビン、ナベルビンまたはゾレドロネートから選択される薬剤の投与を含む、実施形態104における方法。
106.過剰増殖疾患を治療するための、実施形態102〜105における方法。
107.TAAの発現によって特徴付けられる過剰増殖疾患を治療するための、実施形態106における方法。
108.前記TAAがCT抗原である、実施形態107における方法。
109.前記CT抗原がMAGEA3である、実施形態108における方法。
110.前記過剰増殖疾患が、基底細胞癌;膀胱癌;骨癌;中枢神経系腫瘍;バーキットリンパ腫;乳癌;子宮頸癌;慢性骨髄性白血病;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌、食道癌;ユーイングファミリーの腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;消化管間葉性腫瘍(GIST);神経膠腫;頭頸部癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;白血病;肝臓癌;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;中皮腫;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;骨髄性白血病;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;小細胞肺癌;非小細胞肺癌;中咽頭癌;;卵巣癌;膵臓癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;クロム親和性細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;腎細胞(腎臓)癌;気道癌腫;網膜芽細胞腫;皮膚癌(黒色腫);小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平上皮頸部癌;胃癌;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;甲状腺癌;腎盂および尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌;腟癌;外陰癌およびウィルムス腫瘍から選択される、実施形態102〜109のいずれかに記載の方法。
111.少なくとも1つの腫瘍関連抗原(TAA)結合抗体またはその結合フラグメントおよび免疫系を活性化することが可能な少なくとも1つの化合物が、実施形態39〜71のいずれかに記載のとおりである、実施形態102〜110のいずれかにおける方法。
112.診断において使用するための、実施形態1〜23のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
113.実施形態1〜23のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含む、診断組成物。
114.過剰増殖疾患が診断される、実施形態112における使用のためのMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは実施形態113に記載の診断組成物。
115.過剰増殖疾患が、基底細胞癌;膀胱癌;骨癌;中枢神経系腫瘍;バーキットリンパ腫;乳癌;子宮頸癌;慢性骨髄性白血病;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌、食道癌;ユーイングファミリーの腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;消化管間葉性腫瘍(GIST);神経膠腫;頭頸部癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;白血病;肝臓癌;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;中皮腫;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;骨髄性白血病;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;小細胞肺癌;非小細胞肺癌;中咽頭癌;;卵巣癌;膵臓癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;クロム親和性細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;腎細胞(腎臓)癌;気道癌腫;網膜芽細胞腫;皮膚癌(黒色腫);小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平上皮頸部癌;胃癌;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;甲状腺癌;腎盂および尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌;腟癌;外陰癌およびウィルムス腫瘍から選択される、実施形態114における使用のためのMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは診断組成物。
116.過剰増殖疾患が、MAGEA3および/またはMAGEA6の過剰発現によって特徴付けられる、実施形態114または115における使用のためのMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは診断組成物。
117.過剰増殖疾患が、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌から選択される、実施形態114〜116における使用のためのMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは診断組成物。
118.ヒトまたは動物の個体における過剰増殖疾患を診断する方法であって、
a.実施形態1〜23のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを使用して、少なくともMAGEA3の発現について、ヒトまたは動物の個体のサンプルを試験するステップ;
b.コントロールサンプルにおける少なくともMAGEA3の発現と比較するステップ;
c.ステップa)およびb)で得られたデータを比較することによって、過剰増殖疾患の存在および/またはおそらくは発生を決定するステップ
を少なくとも含む方法。
119.データ獲得の方法であって、
a.実施形態1〜23のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントをヒトまたは動物の個体に投与するステップ;
b.ヒトまたは動物の個体におけるMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントの分布を決定するステップ;および
c.実施形態1〜23のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを使用して、ヒトまたは動物の個体における少なくともMAGEA3の発現を決定するステップ
を少なくとも含む方法。
120.前記過剰増殖疾患が、基底細胞癌;膀胱癌;骨癌;中枢神経系腫瘍;バーキットリンパ腫;乳癌;子宮頸癌;慢性骨髄性白血病;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌、食道癌;ユーイングファミリーの腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;消化管間葉性腫瘍(GIST);神経膠腫;頭頸部癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;白血病;肝臓癌;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;中皮腫;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;骨髄性白血病;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;小細胞肺癌;非小細胞肺癌;中咽頭癌;;卵巣癌;膵臓癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;クロム親和性細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;腎細胞(腎臓)癌;気道癌腫;網膜芽細胞腫;皮膚癌(黒色腫);小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平上皮頸部癌;胃癌;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;甲状腺癌;腎盂および尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌;腟癌;外陰癌およびウィルムス腫瘍から選択される、実施形態118または119に記載の方法。
121.過剰増殖疾患が、MAGEA3および/またはMAGEA6の過剰発現によって特徴付けられる、実施形態118〜120のいずれかに記載の方法。
122.過剰増殖疾患が、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌から選択される、実施形態118〜121のいずれかに記載の方法。
123.抗体が、ヒトモノクローナル患者由来MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
124.抗体が、ヒトモノクローナル患者由来MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである、実施形態30、31、32、33、36、37もしくは38のいずれかに記載の医薬組成物、実施形態34、36、37もしくは38のいずれかに記載の使用、または実施形態35、36、37もしくは38のいずれかに記載の方法。
125.抗体が、ヒトモノクローナル患者由来MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである、実施形態39、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、68、69、70もしくは71のいずれかに記載の医薬組成物、または実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、66、67、68、69、70または71のいずれかに記載のキット。
126.抗体が、ヒトモノクローナル患者由来MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである、実施形態72、73、74、75、76、77、78、79、80または81のいずれかに記載の併用。
127.抗体が、ヒトモノクローナル患者由来MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである、実施形態82、83、84、85、86、87、88、89、90または91のいずれかに記載の医薬品。
128.抗体が、ヒトモノクローナル患者由来MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである、実施形態92、93、94、95、96、97、98、99、100、101のいずれかに記載の使用。
129.抗体が、ヒトモノクローナル患者由来MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである、実施形態102、103、104、105、106、107、108、109、110または111のいずれかに記載の方法。
130.抗体が、ヒトモノクローナル患者由来MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである、実施形態112、114、115、116または117のいずれかに記載の使用のためのMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメント、または実施形態113、114、115、116もしくは117のいずれかに記載の診断組成物。
131.抗体が、ヒトモノクローナル患者由来MAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントである、実施形態118、119、120、121または122のいずれかに記載の方法。

Claims (14)

  1. 軽鎖可変領域および/または重鎖可変領域を含む、単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントであって、
    a.前記軽鎖可変領域が、配列番号8もしくはそれに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号9もしくはそれに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および配列番号10もしくはそれに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む;ならびに/または
    b.前記重鎖可変領域が、配列番号5もしくはそれに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR1、配列番号6もしくはそれに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR2、および/または配列番号7もしくはそれに少なくとも80%同一な配列から選択されるCDR3を少なくとも含む、
    単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
  2. 配列番号4またはそれに少なくとも80%同一な配列を含む軽鎖可変領域および配列番号3またはそれに少なくとも80%同一な配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
  3. 配列番号106を含むエピトープに結合する、請求項1または2に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
  4. 配列番号107を含むエピトープに結合する、請求項1から3のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
  5. 配列番号108を含むエピトープに結合する、請求項1から4のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
  6. MAGEA4、MAGEA1およびMAGEA10に結合しない、請求項1から5のいずれかに記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
  7. MAGEA2に結合しない、請求項6に記載の単離されたモノクローナルMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含む、医薬組成物。
  9. 過剰増殖疾患の治療に使用するための、請求項1から7のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 前記過剰増殖疾患が、基底細胞癌;膀胱癌;骨癌;中枢神経系腫瘍;バーキットリンパ腫;乳癌;子宮頸癌;慢性骨髄性白血病;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌、食道癌;ユーイングファミリーの腫瘍;肝外胆管癌;胆嚢癌;消化管間葉性腫瘍(GIST);神経膠腫;頭頸部癌;膵島細胞腫瘍;カポジ肉腫;白血病;肝臓癌;リンパ腫;ホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫;中皮腫;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;骨髄性白血病;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;小細胞肺癌;非小細胞肺癌;中咽頭癌;卵巣癌;膵臓癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;クロム親和性細胞腫;下垂体腫瘍;前立腺癌;腎細胞(腎臓)癌;気道癌腫;網膜芽細胞腫;皮膚癌(黒色腫);小腸癌;軟部組織肉腫;扁平上皮癌;扁平上皮頸部癌;胃癌;T細胞リンパ腫;精巣癌;咽喉癌;甲状腺癌;腎盂および尿管の移行上皮癌;尿道癌;子宮癌;腟癌;外陰癌およびウィルムス腫瘍から選択される、請求項9における使用のための、請求項1〜7のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは請求項8に記載の医薬組成物。
  11. 前記過剰増殖疾患が、MAGEA3の発現によって特徴付けられる、請求項9または請求項10における使用のための、請求項1から7のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは請求項8に記載の医薬組成物。
  12. 前記過剰増殖疾患が、MAGEA3の発現によって特徴付けられ、前記過剰増殖疾患が、黒色腫、乳癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、多発性骨髄腫および/または膵臓癌から選択される、請求項9から11のいずれかにおける使用のための、請求項1から7のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体もしくはその結合フラグメントまたは請求項8に記載の医薬組成物。
  13. 請求項1から7のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメントを含む、診断組成物。
  14. 過剰増殖疾患の診断において使用するための、請求項1から7のいずれかに記載のMAGEA3結合抗体またはその結合フラグメント。
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