JP2014517240A - 状態センサを有するワイヤレス起爆装置、爆破方法および雷管 - Google Patents

状態センサを有するワイヤレス起爆装置、爆破方法および雷管 Download PDF

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Abstract

ワイヤレス起爆装置は爆破現場における物理的な配線接続の困難なく岩の爆破を制御する機会を提供する。本願で開示されるワイヤレス起爆装置アセンブリは、その近傍の環境条件の状態を検出し、環境条件が予め定められたパラメータに従って適切であると見なされた場合にのみ点火コマンド信号を受信および/または処理するべく動作する。また、当該ワイヤレス起爆装置に関連する改良された爆破方法、および対応するワイヤレス電気雷管が開示される。

Description

本願は、起爆装置、およびそれに関連する部品、並びに、それらの装置を使用する爆破方法および雷管に関する。特に、本願は、関連する起爆装置との実質的な物理的接続が不要な起爆装置アセンブリ、および当該ワイヤレス起爆装置アセンブリの安全性を向上させることに関する。
爆破採石作業において、爆薬によって岩を効果的に粉砕かつ破壊するには、相当の技術および熟練が必要となる。ほとんどの爆破採石作業において、岩の内部の所定の位置に適切な量の爆薬が装填される。その後、爆薬は所定の時間遅延をもって、起爆装置によって点火され、所望のパターンの採石および粉砕が得られる。従来、低エネルギー起爆コード(LEDC)またはショックチューブを使った無電気システムによって、関連する爆破装置から起爆装置へ信号が送信されていた。電気起爆装置にはいくつかの利点がある。電気起爆装置は典型的にハード配線に取り付けられ、単純な電気信号の受信と同時に動作する。他に、電気配線は電気起爆装置からより複雑な信号を送信するのに使用され得る。たとえば、信号は、ARM、DISARMおよび起爆装置の点火シーケンスの遠隔プログラミング用の時間遅延命令を含む。また、安全性の面で、起爆装置は、点火コードを格納し、爆破装置から一致した点火コードを受信したときのみARMおよびFIRE信号に応答する。電気起爆装置は1ms以下の精度で遅延時間がプログラムされている。
配線式起爆装置の使用には、岩の内部に正確に爆薬を装填すること、爆破装置の関連機器と起爆装置との間の配線の適切な接続などが必要となる。しばしば、この処理は労働者にとって重労働であり、起爆装置オペレータの正確性および熟練度に依存している。重要なことは、起爆装置のオペレータが、起爆装置が爆破装置と正しく信号伝達できるように接続されていることを確認しなければならないことである。たとえば、爆破装置が各起爆装置を制御するコマンド信号を少なくとも送信し、各爆薬を順に点火させることができるかを確認する。爆破装置のコンポーネントどうしの不適切な物理的接続は、爆破装置と起爆装置との間の通信ロスを招き、必然的に安全性の問題が生じる。起爆装置と爆破装置との間の配線が、中断、スナッッギング、もしくは破損なく、または爆破装置に付随する各起爆装置の適正な制御および動作を妨害する他のインターフェースが使用されていないことを確認するために大きな注意が必要となる。
ワイヤレス起爆装置はこれらの問題を解消し、爆破現場での安全および/または動作効率を向上させる。起爆装置と爆破現場での他のコンポーネント(たとえば、爆破装置)との間で、物理的接続(たとえば、電気配線、ショックチューブ、LEDCまたは光ケーブル)を使用しないことで、爆破装置の不適切な設定の可能性が減少する。ワイヤレス起爆装置は爆破現場での配線の複雑さがないので、ワイヤレス起爆装置および対応するワイヤレス起爆装置システムは自動化採石作業に応用でき、現場でのロボットによる起爆および関連する爆薬の設定が可能となる。
しかしながら、ワイヤレス爆破装置の発展は安全性に関する技術的な課題を提供している。たとえば、従来の電気起爆装置は、爆破現場でコマンド信号を受信するべくハーネス配線へ一度接続するのに電力が与えられるのに対して、ワイヤレス起爆装置では受信、処理および爆破現場でのワイヤレス信号の付加的な送信のために十分な電力を内部電源(動作電源)または独立の電源から供給しなければならない。動作電源の存在はワイヤレス起爆装置の誤作動の危険をもたらす。例えば、輸送中および保管中に点火回路に動作電力が偶発的または不適切に印加されると、起爆装置が無意識に作動する可能性がある。また、ワイヤレス起爆装置は連続的に給電されているので、爆破現場での不適切または偽のコマンド信号を受信し動作する危険性もある。したがって、ワイヤレスシステムを使用する電気起爆装置の安全性を改善する必要がある。
本願発明の目的は、安全性が向上したワイヤレス起爆装置アセンブリを提供することである。
本願発明の他の目的は、爆破現場でひとつ以上の電気起爆装置を点火するための方法を提供することである。
ひとつの態様に従い、ワイヤレス起爆装置アセンブリに少なくともひとつのワイヤレスコマンド信号を送信する爆破装置と関連して使用するワイヤレス起爆装置アセンブリが提供される。当該ワイヤレス起爆装置アセンブリは、シェルおよび着火用のベース火薬を有する起爆装置と、爆破装置からの少なくともひとつのコマンド信号を受信しかつ処理するコマンド信号受信処理モジュールと、ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の少なくともひとつの環境条件を検出する少なくともひとつの状態センサと、少なくとも一つの環境条件が爆破に適した予め定められたパラメータの範囲にあることを少なくともひとつの状態センサが検出した場合に、ワイヤレス起爆装置アセンブリを点火コマンド信号に応答して動作可能な状態にするアクティブ化/非アクティブ化モジュールであって、ワイヤレス起爆装置アセンブリはそれ以外は点火コマンド信号を受信および/または応答することができないセーフモードを維持する、アクティブ化/非アクティブ化モジュールを有する。
他の態様に従い、予めドリル穴開けされたボアホールを有する岩を爆破する方法が提供される。当該方法は、本願に記載の少なくともひとつのワイヤレス起爆装置アセンブリを各ボアホールに割り当てる工程と、各アセンブリからデータを読み出しおよび/またはデータをプログラムする、割り当てられた各アセンブリと通信する携帯デバイスまたはロガーを選択的に使用する工程と、雷管を形成するべく爆薬に対して各アセンブリを接続する工程と、ボアホール内に各雷管を配置する工程と、各ボアホール内に爆薬を詰める工程と、各ボアホールを選択的にステミングする工程と、各起爆装置を制御しかつ点火するべくワイヤレスコマンド信号を送信する工程を有し、いずれかのときに、各ワイヤレス起爆装置の近傍の少なくともひとつの環境条件を検出する工程をさらに有し、検出した環境条件が爆破用の予め定められたパラメータの範囲外であるか範囲外となるときに各アセンブリが動作不能とされる。
さらに他の態様に従い、爆破装置と関連して使用され、爆破装置からの少なくともひとつのコマンド信号により制御されるワイヤレス電気雷管が提供される。当該ワイヤレス電気雷管は、本願明細書に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリと、ベース火薬の着火が爆薬の着火を引き起こすように、起爆装置と関連して動作する爆破火薬とを有し、起爆装置と信号通信するコマンド信号受信処理モジュールは、コマンド信号受信処理モジュールにより点火コマンド信号が受信されると、爆破に適した予め定められたパラメータの範囲内である環境条件を少なくともひとつの状態センサが検出し、ベース火薬および爆破火薬が着火される。
第1の実施形態に従う、ワイヤレス起爆装置アセンブリの斜視図である。 第2の実施形態に従う、ワイヤレス電気雷管の斜視図である。 図2に示すワイヤレス電気雷管の断面図である。 図2に示すワイヤレス電気雷管の縦断面図である。 第3の実施形態に従うドリル穴開けされたボアホールを有する岩を破壊する方法を示すフローチャートである。
<定義>
アクティブ化/非アクティブ化モジュールとは、本明細書で説明するワイヤレス起爆装置の一部であり、FIRE(点火)のワイヤレスコマンド信号を受信および/または応答することができる限りにおいてワイヤレス起爆装置アセンブリをアクティブ化および/または非アクティブ化するための手段を指す。アクティブ化/非アクティブ化モジュールは、ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍で好適または適正な環境条件が検出された場合、起爆装置を点火するためにアセンブリをアクティブ化し(またはアセンブリのアクティブ状態を維持する)、および/または、ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の好適でなくまたは不適切な環境条件が検出された場合、アセンブリを非アクティブ化する(またはアセンブリを非アクティブなセーフモードに維持する)べく、ワイヤレス起爆装置アセンブリの一つ以上の状態センサと関連づけられて動作する。アクティブ化/非アクティブ化モジュールは、個別の電気デバイス、集積回路、または電気デバイスおよび/または集積回路のアセンブリであってよい。
自動化/自動式爆破イベントとは、爆破現場で例えばロボットシステムを使用するために遠隔手段を通じて、確立されたシステムに対して修正が可能なすべての方法および爆破装置を含む。この方法で、爆破作業は、遠隔地から爆破現場での起爆装置のアレイおよび爆薬を含む起爆装置を設定でき、爆破現場の近くに居なくとも、起爆装置を設定するべくロボットシステムを制御することができる。
ベース火薬とは、他のコンポーネントから適切な信号を受信すると爆薬材料に作用するように、起爆装置の他のコンポーネントおよびその関連コンポーネントの近くに散在する爆破材料を指す。ベース火薬は、爆破装置のメインケース内に保持されてもよく、起爆装置のメインケース付近に配置されてもよい。ベース火薬は、例えばブースター、雷管の中で、外部の爆薬を着火するために外部の爆薬に出力パワーを伝達するために使用されても良い。
爆破機械とは、例えば、ARM、DISARMおよびFIRE信号を起爆装置に送信し、および/または遅延時間および/または点火コードによって起爆装置をプログラムするために、電気起爆装置と信号通信が可能なあらゆるデバイスを指す。爆破装置は、遅延時間、点火コードまたは起爆装置近傍の環境条件に関するデータなどの情報を起爆装置から直接受信することもできる。または、起爆装置情報を収集し、起爆装置へその情報を送信するためのロガーのような中間デバイスを通じて受信されてもよい。
ブースターおよび雷管とは、爆薬がベース火薬の着火によりエネルギーを受け取ったとき着火するように、起爆装置に関連して雷管を形成する場合の任意の位置の爆薬を指す。一方、雷管が、例えばボアホール内の爆薬のようなさらなる爆薬と関連している場合、雷管の爆薬部分の着火により、ボアホールを包囲する岩の粉砕のための爆薬が着火されてもよい。
中央コマンドステーションとは、ひとつ以上の起爆装置に直接または高周波送信を通じて信号を送信する任意のデバイスを指す。送信される信号は符号化または暗号化されてもよい。典型的に、中央起爆装置は、爆破現場から離隔された位置から複数の爆破装置と高周波通信することができる。
充電とは、電荷蓄積デバイスによって蓄積される電荷の量を増加させる目的で、電源から電荷蓄積デバイスに電力を供給するプロセスを指す。好適実施形態において、電荷蓄積デバイス内の電荷は、点火回路を通じて電荷蓄積デバイスの放電によって点火回路に関連したベース火薬を着火させるのに十分な高い閾値を超える。
電荷蓄積デバイスとは、電荷を蓄積することができる任意のデバイスを指す。このデバイスは、例えば、コンデンサ、ダイオード、充電式バッテリー、または活性化バッテリーを含む。少なくとも好適実施形態において、当該電荷蓄積デバイスを充電するのに使用されるエネルギーの潜在的な差異は、点火回路への電荷蓄積デバイスの放電のときの電気エネルギーの潜在的な差異より遙かに小さい。こうして、電荷蓄積デバイスは電圧増幅器として動作できる。この電荷蓄積デバイスにより、予め定められた閾値電圧を超える電圧の生成が可能となり、点火回路に接続されたベース火薬を着火させることができる。
時計とは、本願発明のワイヤレス起爆装置に関連して使用するのに適した任意の時計を含む。例えば、配備ウインドウ、爆破用の時間ウインドウ、または遅延時間をカウントダウンするためのものである。好適実施形態において、時計の用語は、例えば、従来のクオーツ腕時計および時間デバイスで周知のタイプのクオーツクリスタル発振型のクリスタル時計に関する。クリスタル時計は本願発明の好適態様にしたがって特に精確なタイミングを与える。もっとも好適な爆破装置に対して、ワイヤレス起爆装置はクリップスケールの原子時計(例えば、ここに参考文献として組み込む、http://spectrum.ieee.org/semivonductors/devices/chipscale-atomic-clock/に開示される)を含む。
配備ウインドウとは、ここに説明するワイヤレス起爆装置内にプログラム可能な任意の時間間隔を指す。その時間中は状態センサが非動作であるか、または少なくともワイヤレス起爆装置アセンブリがこの状態センサに応答しない。例えば、配備ウインドウは、ワイヤレス起爆装置アセンブリを、環境モニタリングの複雑さとは無縁に、爆破現場に移送させまたは配備させることができる。
電磁気エネルギーとは、電磁気スペクトル内のすべての波長のエネルギーを含む。これは、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波、およびラジオ高周波(例えば、UHF、VHF、短波、中波、長波、VLFおよびULFを含む)の電磁気スペクトルの波長を含む。好適実施形態において、ラジオ高周波、可視光線、マイクロ波の電磁気スペクトルの波長が使用される。
環境条件とは、ここで説明するワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍または近い範囲の媒体または材料の任意のパラメータ、条件または測定可能な状態を指す。このパラメータ、条件または状態は以下の一つ以上の非限定的リストを含む。当該リストは、ワイヤレス起爆装置アセンブリの一つ以上の状態センサによって検出されるような、例えば、可視光線、電磁気放射、温度、湿度、水分含有量、周囲の材料密度、圧力、振動、加速度、動きなどを含む。ワイヤレス起爆装置アセンブリに“アクティブ”を与え、関連するまたは起爆蔵置のコンポーネントを点火させるべくコマンド信号を受信しかつ処理するために、検出された環境条件は爆破に適しているかまたは前もって認証された予め定められたパラメータを満足しなければならない。状態センサによって測定されるこのパラメータはゼロまたはゼロ近似値(例えば、振動、加速度、または動きがないかほとんどないこと)で状態センサによって読み取られることが必要となる。または、特定の値かそれに近似した値となることが要求される(例えば、正確な水分含有量)。または、予め定められた閾値を超えるかまたは超えないことが必要となる(例えば、所与の時刻または所与の時間間隔に受信される適切な低レベルの光)。他の実施形態において、検知された環境条件は爆破用のパラメータの認証されたまたは予め定められた範囲内でなければならない(例えば、ワイヤレス起爆装置アセンブリが爆破材料および/またはステム材料によって適切に包囲されていることを示す密度条件)。この予め定められた環境条件は、厳密なパラメータまたはその範囲に制限されるか、爆破に適すると見なされるパラメータの範囲に属するか、爆破現場の条件も付加的に考慮されてよい。また、この環境条件は一度に検知されてよく、数度にわたって検知されてもよい。または、これらの条件が特定の爆破に必要な特定のパラメータの供給を満たすか否かについての評価がなされるまで、特定の時間間隔にわたって連続的に検知されても良い。
携帯デバイスまたはロギングデバイスは、爆破現場での起爆装置に関する情報を記録するのに適した任意のデバイスを含む。好適には、ロギングデバイスは、例えば各起爆装置の識別コード、起爆装置の環境に関する情報、起爆装置に関する爆破火薬の性質などの付加的情報を記録してもよい。実施形態において、ロギングデバイスは爆破装置の一部を形成し、または環境条件に対応するデータなどの各起爆装置に関するデータを格納するメモリ手段を含むプログラム可能なユニットなどの個別デバイスであってもよい。好適には、このデータを中央コマンドステーションまたは一つ以上の爆破装置に伝送する手段を含んでもよい。ロギングデバイスのひとつの機能は、起爆装置アセンブリIDを読み出すことであり、その結果起爆装置は爆破装置と関連づけられ、点火コマンドのようなコマンドを適切に送信することができるようになる。
近傍とは、ワイヤレス起爆装置の周囲の、岩、水、空気およびワイヤレス起爆装置の周囲環境を構成するか包囲する他の材料を含むアセンブリの領域または空間を指す。例えば、近傍は、ワイヤレス起爆装置アセンブリの1cm、10cm、1m、5mもしくは20mまたはそれ以上の範囲内のすべての材料を含んでもよい。または、他の実施形態において、ワイヤレス起爆装置アセンブリの外側または内側表面と接触する材料のみを含んでも良い。
マイクロ原子力電源とは、本願発明に従うワイヤレス起爆装置または爆破装置の動作回路、通信回路、または点火回路に適した任意の電源を指す。デバイス内の原子材料の性質は可変であり、例えばチタン系バッテリーを含んでも良い。
受動電源とは、連続的に電力を供給しないが、外部の刺激を受けたときに電力を供給する任意の電源を指す。この電源は、これに限定しないが、ダイオード、コンデンサ、充電可能バッテリー、または活性化バッテリーを含む。好適には、受動電源は、受け取ったエネルギーまたは他の信号に従って簡単に充放電される電源である。好適には、受動電源はコンデンサである。
電源とは、電気エネルギーの連続、一定、中断、または選択的供給が可能な任意の電力供給ソースを指す。この定義は、直流または交流電流を与えるバッテリーまたはデバイスを含む。典型的に、電源はコマンド信号受信および/または処理手段に対して電力を供給し、爆破装置から導出されるコマンド信号の信頼性の高い受信および解読をもたらす。
好適にとは、本願発明の好ましい特徴を示す言い方である。特に断らない限り、用語“好適に”は例えば、特許請求の範囲の独立項によって画定され、ここに開示される他の発明の実施形態のもっとも広い実施形態の好ましい特徴を指す。
状態センサとは、環境条件またはパラメータの測定または分析が可能な任意のコンポーネントまたはデバイスを指す。例えば、パラメータは、これに限定されないが、可視光、電磁放射線、温度、湿度、水分含有量、圧力、包囲材料の密度、包囲材料の振動、加速度、動きなどから選択される。例えば、温度の状態センサは、温度計、温度データを得る好適な手段、および他のコンポーネントまたはデバイスにこのデータを伝送する手段を含む。例えば、振動状態センサは、加速度メータ、振動センサまたは水準器を含む。例えば密度センサは、センサに隣接または包囲する媒体(例えば、岩、砂利、泥、水、空気など)の密度を評価する音響エネルギーを送受信するためのデバイスを含む。
トップボックスとは、ワイヤレス起爆装置アセンブリがボアホールおよびその内部の火薬と関連して爆破現場で使用される場合に、地表またはその近くの位置に適応されるワイヤレス起爆装置アセンブリの一部を構成する任意のデバイスを指す。典型的にトップボックスは、ボアホール下の起爆装置へ信号を中継するために、ワイヤレス信号の送受信に適した少なくともボアホール内または近くの地上に配置される。好適実施形態において、各トップボックスは本願発明のワイヤレス起爆装置の一つ以上の選択されたコンポーネントを含む。
トランシーバとは、ワイヤレス信号を送受信する任意のデバイスを指す。用語“トランシーバ”は、元来信号の送信および受信の両方を行うデバイスを含むが、本明細書で使用される場合には、トランシーバは、ワイヤレス信号を送信せず、ワイヤレス信号の受信機としてのみ機能するか、または、限られたワイヤレス信号のみを送信するデバイスを含む。例えば、トランシーバは、ソースから信号を受信することができるが、ソースまたは他に信号を送信することができない環境に配置されうる。トランシーバがブースターまたは雷管の一部を形成して地下に配置される実施形態において、トランシーバは地表に配置されたワイヤレスソースから岩を通じて信号を受信することができるが、岩を通じて地表に信号を送信することができない。これらの環境下で、付加的に、トランシーバは信号送信機能をディスエーブルまたはアブセントにしてよい。他の実施形態において、トランシーバは直接的な電気接続を通じて、または、狭帯域のワイヤレス信号を通じて、ロガーのみへ信号を送信してよい。
配線とは、ここで説明されるワイヤレス起爆装置アセンブリの任意のコンポーネント間または、爆破装置の任意のコンポーネントまたはエレメント間を物理的に接続する任意の部材を指す。これらは、電気的配線または光ファイバーケーブル等から選択される配線を通じて接続されるが、配線はこれらに限定されない。
ワイヤレスとは、物理的な配線(電気配線、ショックチューブ、LEDC、または光ケーブルのような)が存在せず、本願発明に係るワイヤレス起爆装置アセンブリまたはそのコンポーネントを互いにまたは爆破装置または電源などの爆破装置の関連コンポーネントへ接続するものを指す。を指す。ワイヤレス信号は、物理的配線、ケーブルまたはラインを含まず、電磁気エネルギー(ラジオ高周波信号または任意の周波数を含む)、音響エネルギー、または磁気共鳴場から抽出される信号を含む磁気インダクタンスを介して任意の形式を取り得る。
ワイヤレスブースターとは、概して、“ワイヤレスブースター”、“ワイヤレス電気ブースター”、“WEB”、“電気ブースター”、“ワイヤレス雷管”として表現され、関連する起爆装置の作用によって動作する爆破火薬を有するデバイスを含む。ブースターは、起爆装置、好適には電気起爆装置(典型的に少なくとも起爆装置シェルおよびベース火薬を含む)またはここで説明するようなワイヤレス起爆装置と関連するかまたは含み、並びに、少なくとも一つの関連する爆破装置から点火コマンド信号を雷管が受信すると同時にベース火薬の着火を引き起こすような雷管が形成される手段を含んでよい。例えば、この着火を引き起こす手段は、トランシーバ、または信号受信手段、信号処理手段、および点火コマンド信号の受信のイベントの際に作動する点火回路を含む。ワイヤレスブースター(または雷管)の好適コンポーネントは、さらに、ワイヤレス起爆装置アセンブリに関連する情報を例えばアセンブリまたは爆破装置に送信するための手段、またはワイヤレス信号を爆破装置の他のコンポーネントに中継するための手段をさらに含んでよい。この送信または中継手段は、トランシーバの機能の一部を構成してよい。本明細書における任意のワイヤレス起爆装置アセンブリは、ワイヤレス電気ブースターの一部を形成するか、または、本明細書における対応する雷管を形成する。ワイヤレス電気ブースターの他の例は、ここに参考文献として組み込む、国際公開WO2007/124539公報に記載されている。
ワイヤレスコマンド信号は、任意の形式のエネルギーを含む。ここで、エネルギーの“形式”とは起爆装置のワイヤレス通信に適した任意の形式を指す。例えば、このエネルギーの形式は、これに限定されないが、可視光、赤外線、ラジオ波(ULFを含む)およびマイクロ波を含み、または、電磁誘導または音響エネルギーなどの他の形式を取る。さらに、エネルギーの“形式”は、同じタイプのエネルギーに属するが(例えば、可視光、赤外線、ラジオ波、マイクロ波など)エネルギーの異なる波長または周波数に関連する。
ワイヤレス起爆装置アセンブリとは、起爆装置(典型的に少なくともシェルおよびベース火薬を含む)並びに、ワイヤレス信号の受信および/または処理用の関連コンポーネントおよび点火コマンド信号の受信と同時にベース火薬または起爆装置を作動させる手段を指す。ここで説明するワイヤレス起爆装置に従い、アセンブリの近傍の一つ以上の環境条件を検知するのに適したコンポーネント、およびアセンブリの機能、すなわち、環境条件に応じた起爆装置の動作をアクティブ化および/または非アクティブ化するための手段をさらに含む。起爆装置以外のコンポーネントは、起爆装置と物理的にまたは配線接続されて配置され、これらのコンポーネントと起爆装置との間の配線またはワイヤレス通信リンクによって起爆装置から分離されてよい。他のコンポーネントはアセンブリ内で起爆装置と関連づけられ、別々のハウジング、容器、またはトップボックス内に配置される。それらは起爆装置と接続されるかまたは遠隔接続されるが、起爆装置とほぼ同程度に近接している(例えば、100m以内)。
ワイヤレス起爆装置によれば、爆破現場での複雑な配線の必要がなく、爆破装置のコンポーネントの不適切な配置および接続に関連するリスクを減らすことができる。しかしながら、爆破装置用のワイヤレス通信システムの発展は安全性の問題を産業界に提示している。
図1は、第1実施形態に従うワイヤレス起爆装置アセンブリ10を示す。ワイヤレス起爆装置アセンブリ10はさまざまな電気コンポーネント(図示しないが、以下に詳述する)を含むハウジング11を有する。アセンブリの一端から伸長するのは、信号線入口端(図示せず)を有する起爆装置12およびベース火薬(図示せず)を含む作用端13である。図1に示すように、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10はハウジング11内に一体的に設けられた状態センサ15を含む。状態センサ15は、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10の外側の少なくともひとつの環境条件を検知することができ、ハウジング11内部に配置された電気コンポーネント(図示せず)によって処理するために検知された環境条件に関する情報を送信する。
第1実施形態において、状態センサ15はフォトセルなどの光センサ形式のものである。したがって、図1に示すワイヤレス起爆装置アセンブリ10は、地上での爆破採石の応用に適している。光を検知する状態センサ15が不検出ならば、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10はボアホール内部に配置されていることを示す。逆に、ひとつ以上の状態センサ15が光を検知すれば、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10はボアホールの外にあることを示す。
図2は、図1のワイヤレス起爆装置アセンブリ10を含むワイヤレス電気式の雷管20およびブースター装薬21を示す。ブースター装薬21は、爆薬31を格納するためのシェル22を含む。起爆装置12のベース火薬30の点火により、ブースター装薬21の爆薬31が爆発する。
図3および図4は、ブースター装薬21内の爆薬に伸長する細長いリセス内に起爆装置12の作用端13が挿入され、受設されている様子を示す断面図である。図3に示すように、起爆装置12はベース火薬30を含み、ベース火薬30は、作用端13内に配置されている。ワイヤレス起爆装置アセンブリ10およびブースター装薬21が雷管20を形成するべく組み立てられた場合、起爆装置12はブースター装薬21内、特にブースター装薬21のリセス内に深く伸長する。この位置で、起爆装置12の作用端13および特にベース火薬30は、ブースター装薬21内に配置され、雷管20の主爆薬を形成する爆薬31によって包囲される。
図3および4は、コマンド信号受信処理モジュール40、電源(本例ではバッテリー41)およびアクティブ化/非アクティブ化モジュール42を含むワイヤレス起爆装置アセンブリ10の電気回路32を模式的に示したものである。バッテリー41は電気回路32の他のコンポーネント/モジュールに電力を供給する。電気回路32は状態センサ15も含む。
本例において、コマンド信号受信処理モジュール40はワイヤレス起爆装置アセンブリ10と爆破装置との間の通信を容易にする。この目的のために、コマンド信号受信処理モジュール40は例えばRF信号通信を介してコマンド信号を受信しかつ処理する。
アクティブ化/非アクティブ化モジュール42は、状態センサ15とともに動作し、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10がアクティブモードかセーフモードのいずれであるべきかを決定する。本例において、アクティブモードの場合、アクティブ化/非アクティブ化モジュール42により起爆装置12は、点火コマンド信号(爆破装置から発行される)に応答して雷管20のベース火薬30を着火させることができる。セーフモードの場合、アクティブ化/非アクティブ化モジュール42は点火コマンド信号に対して、起爆装置12が応答することを阻害し、ベース火薬30の着火が防止される。言い換えれば、アクティブ化/非アクティブ化モジュール42は、環境条件が爆破に適した予め定められたパラメータの範囲内にあるときにのみ点火コマンド信号に応答して、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10を動作可能にし、ベース火薬30の起爆を生じさせる。環境条件が爆破に適した予め定められたパラメータの範囲外である場合には、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10はセーブモードを維持し、点火コマンド信号を受信および/または応答することができない。
同様に、状態センサ15による適切な環境条件の不検出は、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10が不正確または不適切に配置されていることを示す。逆に、ある実施形態において環境条件の検出がワイヤレス起爆装置アセンブリ10の不正確または不適切な配置を示してもよい。例えば、状態センサ15が光センサである場合の実施形態において、光が検出されると、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10がボアホールの外部に配置されていることを示す。
図2から4に示す実施形態において、アクティブ化/非アクティブ化モジュール42は点火回路43内のスイッチである。状態センサ15が爆破に適した環境条件を検知したとき、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10はアクティブ状態を取りまたは維持し、スイッチはベース火薬30を着火させる準備ができて(点火コマンド信号が、コマンド信号受信処理モジュール40によって受信されたとき)ベース火薬30へ点火回路43を接続するべく閉じられる。しかしながら、状態センサ15が爆破に適しない環境条件を検知した場合、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10はセーフ状態を取りまたは維持し、スイッチは開かれ、コマンド信号受信処理モジュール40が点火コマンド信号を受信および処理したとしてもベース火薬30は着火用の信号を受信することができない。
よって、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10は点火コマンド信号を受信および/または応答するのに適していないセーフ状態を取るか維持する。これにより、偶発的または不注意による事故発生のリスクを最小限にすることができるという利点がある。このことが、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10の安全性を増加させる。
他の実施形態において、アクティブ化/非アクティブ化モジュール42はコマンド信号受信処理モジュール40内のスイッチであり、状態センサ15が爆破に適した環境条件を検知したとき、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10がアクティブ状態を取るか維持して、スイッチが一部またはすべてのコマンド信号受信処理モジュール40をアクティブ化するべく閉じられ、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10は点火コマンド信号を受信しかつ応答することができる。この実施形態において、状態センサ15が爆破に適した環境条件を検知したとき、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10はセーフ状態を取るかまたは維持し、スイッチは開かれ、その結果、コマンド信号受信処理モジュール40の一部またはすべては、点火コマンド信号を受信処理および/または応答することができない。
図1から4に記載の実施形態において、電気回路32は単一のハウジング内部または当該ハウジングに固定されて保持される。他の実施形態において、選択された電気コンポーネント/モジュールが地下の起爆装置12に配線接続される地上のトップボックス内に保持される。例えば、より長い配線が電気回路32の部品を接続するのに使用されてもよい。また、任意の配線接続は、RF、IR、Bluetooth(商標)または他のワイヤレス接続を含むワイヤレス接続によって置換されてもよい。ここで、ワイヤレス接続とは、ワイヤレス起爆装置アセンブリ10のコンポーネント、および他の関連するコンポーネントおよび/またはデバイスが互いに物理的に分離されているが同じデバイスまたはアセンブリの一部として動作するようなものである。
図5は、ドリル穴開けされたひとつ以上のボアホールを有する岩を爆破する方法を示す。当該方法は以下のステップを含む。ステップ101において、本明細書に記載した少なくともひとつのワイヤレス起爆装置アセンブリを各ボアホールに割り当てる。ステップ102において、各起爆装置内のデータを各起爆装置から読み出しおよび/またはデータをプログラムするべく、割り当てられたワイヤレス起爆装置アセンブリと通信するための携帯デバイスまたはロガーを付加的に使用する。ステップ103において、雷管を形成するべく爆薬へ各ワイヤレス起爆装置アセンブリを接続する。ステップ104において、ボアホール内にそれぞれ雷管を配置する。ステップ105において、各ボアホール内に爆薬を装填する。ステップ16において、付加的に各ボアホールをステミングする。ステップ107において、各ワイヤレス起爆装置アセンブリへ制御および点火コマンド信号をワイヤレス送信する。
当該方法はさらに、ステップ108において、各ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の少なくともひとつの環境条件を検出するステップを含む。検出された少なくともひとつの環境条件が好ましくないかまたは予め定められた爆破条件の範囲外にある場合には、各ワイヤレス起爆装置アセンブリは動作不能とされる。図5のステップ108はステップ107の後に実行される。しかし、他の実施形態において、ステップ108はステップ101から107のいずれかの前後または同時に実行されてもよい。
ステップ107において、コマンド信号はここで説明するワイヤレス信号の任意の形式を含むが、ある実施形態において、RFまたは誘導磁場信号であってよい。
付加的に、爆破現場に関連して通常予想されかまたは爆破現場に特定の少なくとも一つの環境条件の検出は環境条件に特有のものであってよい。少なくとも一つの環境条件に関する予め定められたパラメータを満足しないことは、ワイヤレス起爆装置アセンブリが爆破現場に存在しないか、または不適切に設置されていることを示す。他に、環境条件の検出はボアホール内の通常予想される環境条件に特有のものであってよい。特定のワイヤレス起爆装置アセンブリに対する環境条件に関する予め定められたパラメータを満足しないことは、ワイヤレス起爆装置アセンブリがボアホール内で適切に設置されていないことを示す。
ここに開示されるいずれの方法においても、各ワイヤレス起爆装置アセンブリは起爆装置のシェルおよび関連コンポーネントから遠隔配置され、地表または地上に配置されたトップボックスを含む。環境条件の検出は各ボアホールでの地表レベルまたはその上で実行される。他に、各ワイヤレス起爆装置アセンブリはアセンブリの少なくとも起爆装置以外のコンポーネントを収容しまたは格納するための容器またはハウジングを含む。
ここに開示されるいずれの方法においても、これに限定されないが、温度、光、振動、湿度、密度から選択される少なくともひとつの環境条件が検出される。本明細書に記載するいずれの方法においても、付加的に少なくともステップ101および他のステップは、“配備ウインドウ”内で実行される。その中で検出されないか、各ワイヤレス起爆装置アセンブリが検出に応答せず、その後検出され、各ワイヤレス起爆装置アセンブリは、検出された環境条件に応答する。
当該方法は時間ウインドウをカウントダウンするステップをさらに含む。その内部で各ワイヤレス起爆装置アセンブリは状態センサによって環境条件を検出し、その外側で各ワイヤレス起爆装置アセンブリは環境条件を検出しないことで非アクティブとなる。こうして、次の両方の条件が一致すれば各ワイヤレス起爆装置アセンブリは点火コマンド信号を受信および/または処理することができる。点火コマンド信号が特定の時間ウインドウ内の各ワイヤレス起爆装置アセンブリに送受信され、各ワイヤレス起爆装置アセンブリは爆破に適した近傍の環境条件を検出する。
本明細書に記載した方法の実施形態において、当該方法は、各ワイヤレス起爆装置アセンブリから関連する爆破装置、携帯デバイスまたはロガーに爆破現場の各ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の環境条件に対応するデータを送信するステップをさらに含む。こうして、爆破装置、携帯デバイスまたはロガーは、ワイヤレス起爆装置アセンブリによって検出される爆破に適した爆破現場の環境条件に関する情報を収集し、記録または処理する。このデータ収集は、ここに開示するワイヤレス起爆装置アセンブリによる安全性に関する利点をもたらす。
より明確化するために、任意のワイヤレス起爆装置アセンブリおよび爆破する方法は、各ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の環境条件に対する一度の検出イベント(例えば、起爆装置配置後の予め定められた時間または爆破装置からの要求時)、非周期的検出(例えば、関連する爆破装置から要求された時)、または各ワイヤレス起爆装置アセンブリに対する環境条件の周期的または連続的な検出を含む。ここで開示された実施形態はこれに限定されない。
本願は起爆装置の偶発的または不注意の事故動作に関する従来技術のワイヤレス起爆装置および爆破装置の問題点を解決した。爆破装置と関連するワイヤレス起爆装置アセンブリとの間の迅速かつ正確なワイヤレス通信は、ワイヤレス通信装置の性質と無関係に困難な挑戦をもたらす。ワイヤレス起爆装置アセンブリによって適切かつ正確に処理されなければならない、最も重要な信号のひとつは点火信号である。起爆装置への点火コマンドの通信システムの通信不良または他の時刻での不適切な起爆装置の作動は、起爆装置を扱うものまたはその近辺のものに重傷を負わせまたは死亡させるという重大な危険をもたらす。偶発的または不注意の起爆装置の作動を防止することは、爆破作業に非常に重要である。
ワイヤレス起爆装置アセンブリおよび当該ワイヤレス起爆装置アセンブリに関連する爆破方法が本明細書で開示された。ワイヤレス起爆装置アセンブリは、互いに関連してコンポーネントの新規な組み合わせを利用し、特に起爆装置が爆破現場で爆破に必要な適切な位置に設置されていないとき、不注意な起爆装置の作動を避けるか実質的に避けるための手段を与える。ある実施形態において、ワイヤレス起爆装置アセンブリは、各ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍での環境条件の一度、連続または間欠的なサンプリングまたは検出用の一つ以上の状態センサを含む。こうして、ワイヤレス起爆装置アセンブリは、環境条件が予め定められたパラメータの範囲にある場合にのみ点火が可能となる。それ以外の実施形態において、ワイヤレス起爆装置アセンブリはセーフモードに切り替えられるか、維持され、ワイヤレス起爆装置アセンブリは点火コマンド信号を受信することができないかまたは動作することができない。
本願のワイヤレス起爆装置アセンブリは概して、爆破装置とともに爆破現場で典型的に使用される起爆装置または電気起爆装置を含む。起爆装置は各ワイヤレス起爆装置アセンブリへ、これに限定されないが、ARM、DISARMまたはFIREのコマンド信号のような少なくともひとつのワイヤレスコマンド信号を送信する。ある実施形態において、ワイヤレス起爆装置アセンブリは、シェルおよび点火用のベース火薬を含む起爆装置と、爆破装置から少なくともひとつのワイヤレスコマンド信号を受信しかつ処理するためのコマンド信号受信処理モジュールと、ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の少なくともひとつの環境条件を検出するための少なくともひとつの状態センサと、少なくともひとつの状態センサが検出した少なくともひとつの環境条件が爆破に適した予め定められたパラメータの範囲にある場合にのみ点火コマンド信号に応答してワイヤレス起爆装置アセンブリを動作可能にし、それ以外はワイヤレス起爆装置アセンブリがセーフモードに維持され、点火コマンド信号を受信および/または応答を不能にする、アクティブ化/非アクティブ化モジュールと、コマンド信号受信処理モジュール、少なくともひとつの状態センサ、およびアクティブ化/非アクティブ化モジュールに電力を供給する少なくともひとつの電源を有する。
起爆装置のシェルはベース火薬とともに周知の任意の形状を有してよいが、起爆装置のシェルの一端方向に必ずしも配置されなくてもよい。コマンド信号受信処理手段は、電磁気信号(例えば、低周波および超低周波、光を含むラジオ波)、音響信号などを含む任意の形式のワイヤレス信号を受信する目的に適した任意の形状を有してよい。例えば、ラジオ周波数範囲の電磁波を使用するコマンド信号に対して、コマンド信号受信処理モジュールは、RF受信機、および、ワイヤレス起爆装置アセンブリにより作動される受信RF信号の処理または解読することができる関連する電気コンポーネントを含む。地下に配置されたワイヤレス起爆装置アセンブリへ送信されたラジオ波に対して、コマンド信号受信処理モジュールが適応された状態で、低周波または超低周波ラジオ波は好適である。
少なくとも一つの状態センサはワイヤレス起爆装置と一体的に使用されるが、各状態センサは起爆装置シェルの任意の位置に配置されてよい。例えば、起爆装置シェルの内側または外側、起爆装置と分離されるかまたは結合された容器またはハウジングの内部または一部、爆破現場の地表または地上レベルに配置されるトップボックスのコンポーネントとして、岩のボアホール下に配置されるワイヤレス起爆装置アセンブリの他のコンポーネントと配線またはワイヤレス短距離通信する。他の実施形態において、本願の起爆装置がワイヤレス電気ブースターまたは雷管の一部を構成する。各状態センサはワイヤレス電気ブースターまたは雷管のハウジングまたはケーシング上または付近に配置されてもよい。例えば、状態センサが光を検出するフォトセルである場合、状態センサはワイヤレス電気ブースターのハウジングまたはケーシングの表面に配置されるか、表面から伸長してもよい。フォトセルによる光の検出がハウジングまたはケーシング内部または実質的に内部に配置される起爆装置を非アクティブ化するかまたは不動作状態を維持する。
各状態センサは、ワイヤレス起爆装置の近傍の範囲のパラメータの以下の非限定的なリストに示す任意の環境条件を検出するタイプのものであればよい。当該リストは、温度、光レベル、振動、加速度、湿度、周囲材料の密度、周囲材料の圧力、動きを含む。付加的に、各ワイヤレス起爆装置アセンブリは複数種類の異なるタイプの状態センサを含んでもよい。その結果アセンブリは一つ以上の環境条件を検出することができ、すべての状態センサが、それぞれの環境条件が爆破に適した予め定められたパラメータの範囲内であることを検出した場合に、ワイヤレス起爆装置アセンブリは点火コマンド信号を受信または応答して動作することができる。
例えば、ワイヤレス起爆装置アセンブリは光センサおよび加速度センサの組み合わせを含む状態センサを有する。ワイヤレス起爆装置アセンブリの移送および/または設置中に、光センサは光に曝され(少なくとも周期的に)、加速度センサは振動およびその他の動きによって生じる加速度を(少なくとも周期的に)検出する。よって、状態センサによって検出された光、動きまたは振動により、アクティブ化/非アクティブ化モジュールによって、ワイヤレス起爆装置アセンブリは“セーフモード”に非アクティブ化(または維持)される。
光センサが光を検出しない(またはかなり低レベルの光を検出した)場合、および、振動センサが振動を検出しない(またはかなり低レベルの振動を検出した)(予め定められた最小時間間隔の間に)場合にのみ、これらの環境条件が爆破に適した予め定められた環境条件のパラメータの範囲にある。この条件は、爆破の適切なセットアップに従ってブースターおよび爆破材料に関してボアホール下のワイヤレス起爆装置アセンブリの配置の際に予定環境条件に対応するからである。
ワイヤレス起爆装置アセンブリはそれぞれ、コマンド信号受信処理モジュールおよび少なくとも一つの状態センサを含む各ワイヤレス起爆装置アセンブリのコンポーネントに電力を供給するための少なくとも一つの電源を有する。この電源はバッテリーまたはコンデンサのような充電可能デバイスを含む。他に電源はマイクロ原子力電源、または電気的エネルギーを供給可能な任意の手段であってもよい。他の実施形態において、ワイヤレス起爆装置は一つ以上の電源を有しても良い。例えば、能動電源および受動電源並びにここに参考文献として組み込む、2009年8月4日発行の米国特許第7,568,429号に開示されるような電源を含む。
本願のワイヤレス起爆装置は、状態センサと関連して動作するアクティブ化/非アクティブ化モジュールをさらに有する。アクティブ化/非アクティブ化モジュールは、ワイヤレスコマンド信号、より具体的には、状態センサによって検出された環境条件に従って点火コマンド信号を受信または応答して、ワイヤレス起爆装置アセンブリの機能を選択的にアクティブ化および/または非アクティブ化する。少なくともひとつの状態センサは、環境条件が爆破に適した予め定められたパラメータの範囲内にあることを検出した場合のみ、アクティブ化/非アクティブ化モジュールはワイヤレス起爆装置に点火コマンド信号を受信および/または動作させる。アクティブ化/非アクティブ化モジュールは上記のとおりである。
ひとつの実施形態において、ワイヤレス起爆装置アセンブリは、点火回路を通じて電流を印加することにより着火可能となるベース火薬に関連する点火回路をさらに有する。この実施形態において、アクティブ化/非アクティブ化モジュールは、少なくともひとつの状態センサが爆破に適した予め定められたパラメータの範囲外にあることを検出した場合に、点火回路を開くためのスイッチを含む。それによって、コマンド信号受信処理モジュールが点火コマンド信号を受信したとしても点火回路を電流が流れるのが防止され、ベース火薬の着火を防止することができる。
他の実施形態において、各ワイヤレス起爆装置アセンブリは、付加的に、点火回路とともにコンデンサのような電荷蓄積デバイスを含んでもよい。コマンド信号受信処理モジュールにより点火コマンド信号が受信されると、コンデンサはベース火薬に点火回路を介して接続される。これにより点火回路内に、ベース火薬を着火するのに十分な電流が流される。この実施形態において、少なくともひとつの状態センサが爆破に適した予め定められたパラメータの範囲外の環境条件を検出するかぎり、アクティブ化/非アクティブ化モジュールは例えば電荷蓄積デバイスから離れて電荷を選択的に流す放電手段を含む。
上記した実施形態は、状態センサによって検出される近傍の環境条件に対して、本願のワイヤレス起爆装置アセンブリの応答性を変化するのに適したアクティブ化/非アクティブ化モジュールを非限定的に例示している。
よって、各ワイヤレス起爆装置アセンブリが起爆装置を作動させるのに適した条件にあるか否かを制御するためのアクティブ化/非アクティブ化モジュールと関連して動作する状態センサを含む。ワイヤレス起爆装置アセンブリの所定の輸送、保管および所定のエンドユースに従い、特定のワイヤレス起爆装置アセンブリ用の状態センサが、環境条件に応じて、またその環境条件に対する感度に応じて選択されてもよい。例えば、特定のワイヤレス起爆装置アセンブリ用の状態センサは、爆破現場に関連した特定の環境条件を検出するべく選択される。環境条件に関する予め定められたパラメータの範囲を満たさない場合には、ワイヤレス起爆装置アセンブリの不在または爆破現場でのワイヤレス起爆装置アセンブリの不適切な配置を示す。他に、少なくともひとつの状態センサは破壊される岩の内部のボアホール下の条件に関連する環境条件を検出するために選択されてもよい。条件は、例えば、特定の温度、湿度、圧力、岩または材料を包囲する密度などの環境条件である。
露光、もしくは動き、加速度、または振動の検出などの環境条件は爆破前のワイヤレス起爆装置アセンブリの輸送または設置にも関連する。よって、ある実施形態において、状態センサが選択されて、各ワイヤレス起爆装置アセンブリは、状態センサによって光または動きが検出されたとき点火コマンド信号を受信または応答することができない不動作状態のままとなる。
各状態センサは起爆装置シェルに関して任意の位置に配置されてよく、ある位置は検出される特定の環境条件に応じて好適である。例えば、いくつかの状態センサは各起爆装置シェル内部に配置され、ワイヤレス起爆装置アセンブリの輸送または設置の間にダメージまたは浸水から保護される。しかし、起爆装置シェル内部に配置された場合、この状態センサは起爆装置シェル上または外側の少なくとも一つの環境条件を検出することができる。他の状態センサはその検出機能を発揮するために起爆装置シェルの外側に配置される必要があり、アセンブリのコンポーネント用の容器またはハウジングの内部もしくは外部に配置される必要がある。例えば、ワイヤレス起爆装置アセンブリはさらに起爆装置シェルおよび関連コンポーネントから離れて、ワイヤレス起爆装置アセンブリが爆破現場に設置されたときに地上または地表レベルに置くトップボックスを有する。少なくともひとつの状態センサはトップボックスに関連している。例えば、特定の状態センサが特定のワイヤレス起爆装置アセンブリが爆破装置からラジオ信号を受信することができるか否かを検出し、もしRF信号が岩を貫通するのに適していれば、状態センサは地表または地上レベルに最適に配置される。
しかし、選択した実施形態はトップボックスの使用に限定されず、起爆装置以外のコンポーネントが配置され、または起爆装置から離れたハウジングもしくは容器内部に収納されるワイヤレス起爆装置アセンブリを含む。起爆装置から離れてまたは物理的に起爆装置に取り付けられた状態で、起爆装置と配線接続される。
各状態センサは起爆装置の近傍の他のコンポーネント上またはそれと関連して配置されてもよい。例えば、起爆装置がワイヤレス電気ブースターまたは対応する雷管の一部を構成する場合、アセンブリはワイヤレスブースターまたは対応する雷管用のハウジングまたはケーシング内部に格納されるか実質的に保持されまたはそれに接続される。使用される状態センサの性質に応じて、ハウジングまたはケーシングを通じて伸長するように状態センサを配置すること、またはハウジングまたはケーシング上または外側表面に配置されることがより好ましい。こうして、各状態センサはハウジングまたはケーシングの外側近傍の環境条件を検出する。例えば、各状態センサはフォトセルまたは光検出器である場合、ワイヤレス電気ブースターまたは雷管のハウジングまたはケーシングの外面にあたる光は爆破現場でのワイヤレス電気ブースターの不在または不適切な配置を示す。ハウジングまたはケーシングの外側の光を検出するべく配置された状態センサにより検出された光は、ハウジングまたはケーシングの内部または実質的に内部に配置されるかそれに接続されたアセンブリへ信号の送信または維持をもたらし、アセンブリを動作に適さない不動作状態としまたは保持する。
さらに他の実施形態において、各ワイヤレス起爆装置アセンブリは配備ウインドウをカウントダウンするための時計をさらに含む。各配備ウインドウは各状態センサが不動作であるか、ワイヤレス起爆装置が状態センサに応答しない予め選択された時間ウインドウである。時計が配備ウインドウのカウントダウンを完了すると、少なくともひとつの状態センサはアセンブリに近接する環境条件の検出を開始または再開する。その結果、その後アセンブリは環境条件に応答することができる。こうして、配備ウインドウを与えるための時計の使用により、状態センサは休眠状態のままであり(またはワイヤレス起爆装置アセンブリが状態センサに非応答の状態のまま)、ワイヤレス起爆装置アセンブリに適した少なくとも時間の間、岩のボアホール下に配備され配置される。配備ウインドウが期限切れとなった後、ワイヤレス起爆装置は状態センサによって検出されたワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の環境条件に応じた条件を採用するか復帰する。各時計は配備ウインドウに対して任意の時間でプログラム可能であり、爆破装置、爆破現場の条件、爆破制御の位置からの距離などに応じて例えば、5、15、60、120分またはそれ以上であってよい。
さらに他の実施形態において、ワイヤレス起爆装置アセンブリは、ワイヤレス起爆装置アセンブリが状態センサを通じて近傍の環境条件を検出しまたは検出に応答する間の時間ウインドウをカウントダウンするための時計を含む。各ワイヤレス起爆装置アセンブリは起爆装置の動作に適しない不動作状態を維持する。この実施形態において、もしアセンブリが時間ウインドウ内になければ、およびアセンブリが爆破に適した環境になければ、各ワイヤレス起爆装置アセンブリは、点火コマンド信号を受信および/または処理するべく応答することができない不動作状態のままである。
他の実施形態において、本明細書に記載するワイヤレス起爆装置アセンブリは、関連する爆破装置、携帯デバイスまたはロガーへ、各ワイヤレス起爆装置アセンブリの爆破現場に各ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の環境条件に対応するデータを送信するためのワイヤレス信号送信手段を含んでもよい。こうして、任意の関連爆破装置、携帯デバイスまたはロガーが爆破現場の環境条件(爆破現場のボアホール内の環境条件など)および爆破イベントを実行するための条件の的確性に関する情報を収集しかつ処理する。このデータ収集はそれ自体、ワイヤレス起爆装置による安全性に関する有意な利点となる。
発明は、ワイヤレス起爆装置アセンブリ、爆破装置、および爆破方法の特定の実施形態について説明されてきたが、発明の意図した態様に従って特に説明しなかった他のワイヤレス起爆装置アセンブリ、爆破装置、および爆破方法が特許請求の範囲に記載された発明の思想および態様に含まれることは当業者の知るところである。
米国特許第7,568,429号明細書 国際公開WO2007/124539公報
インターネット URL<http://spectrum.ieee.org/semivonductors/devices/chipscale-atomic-clock/>

Claims (23)

  1. 少なくともひとつのワイヤレスコマンド信号を送信する爆破装置と関連して使用されるワイヤレス起爆装置アセンブリであって、
    シェルおよび着火用のベース火薬を有する起爆装置と、
    前記爆破装置からの前記少なくともひとつのコマンド信号を受信しかつ処理するコマンド信号受信処理モジュールと、
    爆破現場における前記ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の少なくともひとつの環境条件を検出する少なくともひとつの状態センサと、
    前記少なくともひとつの環境条件が爆破に適した予め定められたパラメータの範囲にあることを前記少なくともひとつの状態センサが検出した場合に、前記ワイヤレス起爆装置アセンブリを点火コマンド信号に応答して動作可能な状態にするアクティブ化/非アクティブ化モジュールであって、前記ワイヤレス起爆装置アセンブリがそれ以外は点火コマンド信号を受信および/または応答することができないセーフモードを維持する、アクティブ化/非アクティブ化モジュールと
    を備えるワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  2. 前記コマンド信号受信処理モジュールはRF受信機を含む、請求項1に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  3. 前記少なくともひとつの状態センサは前記起爆装置アセンブリの前記少なくともひとつの環境条件を検出し、適切な環境条件の不検出は、爆破現場における前記ワイヤレス起爆装置の不在または不適切な配置を示す、請求項1または2に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  4. 前記少なくともひとつの状態センサは、破壊すべき岩の中のボアホール下の条件と関連している前記少なくともひとつの環境条件を検出する、請求項1から3のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  5. 前記少なくともひとつの状態センサは、前記起爆装置の前記シェル内部に配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  6. 前記起爆装置の前記シェルおよび関連コンポーネントから離隔され、前記ワイヤレス起爆装置アセンブリが前記爆破現場に設置されたとき地表または地上レベルに保持されるトップボックスをさらに備える請求項1から5のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  7. 前記起爆装置以外のアセンブリの少なくとも他のコンポーネントを収容しまたは格納する容器またはハウジングをさらに備え、前記他のコンポーネントと前記起爆装置とは配線または無線リンクにより接続されている請求項1から6のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  8. 前記ベース火薬に関連する点火回路をさらに備え、前記ベース火薬は前記点火回路を流れる電流によって着火可能となり、前記アクティブ化/非アクティブ化モジュールは、前記少なくともひとつの環境条件が爆破に適した前記予め定められたパラメータの範囲外であることを前記少なくともひとつの状態センサが検出したとき、前記点火回路を開くためのスイッチを有し、それによって、前記コマンド信号受信処理モジュールによって点火コマンド信号が受信された場合であっても前記ベース火薬の着火を防止する請求項1から7のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  9. 電荷蓄積デバイスをさらに備え、前記コマンド信号受信処理モジュールが前記点火コマンド信号を受信すると、前記電荷蓄積デバイスが前記点火回路を通じて前記ベース火薬に接続され、前記ベース火薬を着火するのに十分な電流を前記点火回路に流し、前記アクティブ化/非アクティブ化モジュールは、前記少なくともひとつの状態センサが爆破に適した前記予め定められたパラメータの範囲外である環境条件を検出する限り、前記電荷蓄積デバイスから選択的に電荷を流す放電手段を有する請求項8に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  10. 配備ウインドウをカウントダウンする時計をさらに備え、その間に前記少なくともひとつの状態センサは不動作状態であるか、その間に前記ワイヤレス起爆装置アセンブリは前記少なくともひとつの状態センサに非応答であり、その後に前記少なくともひとつの状態センサは前記起爆装置アセンブリの近傍の前記少なくともひとつの環境条件を検出し、前記ワイヤレス起爆装置アセンブリは前記少なくともひとつの環境条件に応答する請求項1から9のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  11. 爆破イベント用の時間ウインドウをカウントダウンする時計をさらに備え、前記状態センサは、前記時間ウインドウ内でのみ前記ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の前記少なくともひとつの環境条件を検出するべくアクティブとなる請求項1から10のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  12. 前記状態センサは、温度、光、動き、加速度、振動、湿度、密度、および圧力の集合から選択される少なくともひとつの環境条件を検出する請求項1から11のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  13. 関連する爆破装置、携帯デバイスまたはロガーに、前記爆破現場の近傍の環境条件に関するデータを送信するワイヤレス信号送信手段をさらに備える請求項1から12のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリ。
  14. 予めドリル穴開けされたボアホールを有する岩を爆破する方法であって、
    請求項1から13のいずれか一項に記載の少なくともひとつのワイヤレス起爆装置アセンブリを前記ボアホールに割り当てる工程と、
    前記ワイヤレス起爆装置アセンブリからデータを読み出しおよび/またはデータをプログラムする、前記割り当てられたワイヤレス起爆装置アセンブリと通信する携帯デバイスまたはロガーを選択的に使用する工程と、
    雷管を形成するべく爆薬に対して前記ワイヤレス起爆装置アセンブリを接続する工程と、
    前記ボアホール内に前記ワイヤレス起爆装置アセンブリを配置する工程と、
    各ボアホール内に爆薬を装填する工程と、
    各ボアホールを選択的にステミングする工程と、
    各起爆装置を制御しかつ点火するべくワイヤレスコマンド信号を送信する工程と、
    を備え、
    いずれかのときに、爆破現場における前記ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の前記少なくともひとつの環境条件を検出する工程をさらに備え、検出した環境条件が爆破用の予め定められたパラメータの範囲外であるか範囲外となるときに各ワイヤレス起爆装置アセンブリが動作不能とされる方法。
  15. 前記送信する工程において、前記コマンド信号はRF信号である請求項14に記載の方法。
  16. 前記少なくともひとつの環境条件は、前記爆破現場に関連した環境条件であり、爆破に適した環境条件の不検出は、前記爆破現場での前記ワイヤレス起爆装置アセンブリの不在、または前記ワイヤレス起爆装置アセンブリの不適切な設置を示す請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記少なくともひとつの環境条件は、前記ボアホール内の環境条件であり、前記少なくともひとつの環境条件の検出結果が特定のワイヤレス起爆装置アセンブリに対して予め定められたパラメータの範囲外であるか範囲外となる場合、前記ワイヤレス起爆装置アセンブリが前記ボアホール内に存在しないか、適切に設置されてないことを示す請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ワイヤレス起爆装置アセンブリは前記起爆装置の前記シェルおよび関連コンポーネントから離隔され、地表または地上に配置されたトップボックスをさらに備え、前記ワイヤレスコマンド信号を受信する工程は、前記ボアホールにおける地表または地上で実行される請求項14から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記ワイヤレス起爆装置アセンブリを割り当てる工程およびその他の工程は、配備ウインドウ内で実行され、その間に前記検出する工程が実行されないか、または前記ワイヤレス起爆装置アセンブリはその検出に応答せず、その後に前記検出する工程が実行され、前記ワイヤレス起爆装置アセンブリは環境条件に応答する請求項14から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記検出する工程は、温度、光、動き、加速度、振動、湿度、密度および圧力からなる集合から選択される少なくともひとつの環境条件を検出する請求項14から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記ワイヤレス起爆装置アセンブリから関連する爆破装置、携帯デバイスまたはロガーへ、前記爆破現場での前記ワイヤレス起爆装置アセンブリの近傍の環境条件に対応するデータを送信する工程をさらに備える請求項14から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記爆破装置に時間ウインドウを割り当てる工程であって、前記ワイヤレス起爆装置アセンブリは前記時間ウインドウをカウントダウンする時計を有し、前記検出する工程は、前記時間ウインドウ内でのみ続くかまたは実行される工程をさらに備える請求項14から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 爆破装置と関連して使用され、前記爆破装置からの少なくともひとつのコマンド信号により制御されるワイヤレス電気雷管であって、
    請求項1から13のいずれか一項に記載のワイヤレス起爆装置アセンブリと、
    前記ベース火薬の着火が前記爆薬の着火を引き起こすように、前記起爆装置と関連して着火する爆薬と、
    を備え、
    前記起爆装置と信号通信する前記コマンド信号受信処理モジュールは、前記コマンド信号受信処理モジュールにより前記点火コマンド信号が受信されると、爆破に適した予め定められたパラメータの範囲内である環境条件を前記少なくともひとつの状態センサが検出し、前記ベース火薬および前記爆薬が着火されるワイヤレス電気雷管。
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