JP2014517038A - Il−12を用いる皮膚損傷の軽減 - Google Patents

Il−12を用いる皮膚損傷の軽減 Download PDF

Info

Publication number
JP2014517038A
JP2014517038A JP2014515934A JP2014515934A JP2014517038A JP 2014517038 A JP2014517038 A JP 2014517038A JP 2014515934 A JP2014515934 A JP 2014515934A JP 2014515934 A JP2014515934 A JP 2014515934A JP 2014517038 A JP2014517038 A JP 2014517038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wound
skin
administration
dose
administered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014515934A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6005736B2 (ja
JP2014517038A5 (ja
Inventor
バジーレ,レナ,エー.
エルフソン,ドルフ
ギャラハー,ティモシー,ケー.
Original Assignee
ニューメディシンズ,インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ニューメディシンズ,インコーポレーテッド filed Critical ニューメディシンズ,インコーポレーテッド
Publication of JP2014517038A publication Critical patent/JP2014517038A/ja
Publication of JP2014517038A5 publication Critical patent/JP2014517038A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6005736B2 publication Critical patent/JP6005736B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/19Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • A61K38/20Interleukins [IL]
    • A61K38/208IL-12
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0014Skin, i.e. galenical aspects of topical compositions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/02Drugs for dermatological disorders for treating wounds, ulcers, burns, scars, keloids, or the like

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

本出願はIL-12を用いた皮膚創傷の治療に関する。本発明の方法は、創傷閉鎖の改善をもたらす。この方法は、IL-12の局所、皮下、および/または筋肉内投与を用いて皮膚創傷を治療することを含む。
【選択図】 図1A−B

Description

関連出願との相互参照
本出願は、2011年6月13日に出願された米国特許仮出願第61/496,472号および2011年8月26日に出願された米国特許仮出願第61/528,053号に対する優先権を請求し、それぞれ全ての図面および表を含むその全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする。
技術分野
本発明は、IL-12を用いる皮膚損傷の軽減に関する。
皮膚創傷は、糖尿病における主な死因である。毎年、糖尿病の2〜3%が足部潰瘍を生じる。糖尿病性足部潰瘍の生涯発生確率は、10〜15%である。手足の切断をもたらす創傷損傷においては、最大で90%が足部潰瘍から始まった。
さらに、熱傷は米国における罹患および死亡の一般的な原因であり、中程度から重症の熱傷のうちの約100,000件は入院を要し、毎年5000人の患者が熱傷に関連する合併症で死亡している(Churchら、Clin Microbiol Rev.,19(2):403-34(2006))。
皮膚創傷にかかる治癒時間の減少は、これが感染および他の合併症の機会を低下させ得るため、非常に望ましい。しかしながら、皮膚損傷の治癒は複雑なプロセスであり、慢性的な創傷をもたらす糖尿病、静脈もしくは動脈の疾患、高齢、および感染などの様々な他の因子により遅延するか、または中断し得る。
一態様において、本発明は、IL-12を皮膚創傷に投与することを含む、被験体における皮膚創傷を治療(処置)するための方法に関する。いくつかの実施形態においては、投与は、局所、皮下、筋肉内、またはその任意の組合せである。いくつかの実施形態においては、被験体はヒトである。
前記態様のいくつかの実施形態においては、IL-12は局所投与される。いくつかの実施形態においては、IL-12は約1ng/mL〜約10μg/mLの用量で局所投与される。いくつかの実施形態においては、IL-12は、約10ng/mL〜約5μg/mLの用量で局所投与される。いくつかの実施形態においては、IL-12は、約100ng/mLの用量で局所投与される。
前記態様のいくつかの実施形態においては、IL-12は皮下投与される。いくつかの実施形態においては、IL-12は約10ng/kg〜約500ng/kgの用量で皮下投与される。いくつかの実施形態においては、IL-12は約80ng/kgの用量で皮下投与される。
いくつかの実施形態においては、IL-12の投与は、IL-12投与の非存在下で観察された創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定した場合、創傷治癒の少なくとも約5%の増加をもたらす。いくつかの実施形態においては、IL-12の投与は、IL-12投与の非存在下で観察された創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定した場合、創傷治癒の少なくとも約20%の増加をもたらす。いくつかの実施形態においては、IL-12の投与は、IL-12投与の非存在下で観察された創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定した場合、創傷治癒の少なくとも約50%の増加をもたらす。いくつかの実施形態においては、IL-12の投与は、IL-12投与の非存在下で観察された創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定した場合、創傷治癒の少なくとも約75%の増加をもたらす。いくつかの実施形態においては、IL-12の投与は、IL-12投与の非存在下で観察された創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定した場合、創傷治癒の少なくとも約95%の増加をもたらす。
前記態様のいくつかの実施形態においては、被験体は、皮膚創傷をもたらす放射線に曝露されている。いくつかの実施形態においては、IL-12は、皮膚創傷をもたらす放射線への曝露後約1時間〜約24時間までに投与される。
いくつかの実施形態においては、被験体は、通常の皮膚創傷治癒に対する障害を特徴とする患者集団の一員である。いくつかの実施形態においては、被験体は、糖尿病、高齢者であるか、またはHIV/AIDS患者である。いくつかの実施形態においては、皮膚創傷は、熱傷(火傷)である。いくつかの実施形態においては、皮膚創傷は、手術部位に存在する。いくつかの実施形態においては、IL-12は皮膚移植片と共に投与される。いくつかの実施形態においては、IL-12は無細胞性または細胞性真皮マトリックスと共に投与される。いくつかの実施形態においては、IL-12はゲルマトリックス中で乳化される。いくつかの実施形態においては、ゲルマトリックスは等張性4%カルボキシメチルセルロースである。
前記の一般的説明および以下の図面の簡単な説明および詳細な説明は例示的、説明的なものであり、特許請求される本発明のさらなる説明を提供することを意図するものである。他の課題、利点、および新規特徴は本発明の以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかとなるであろう。
図1Aは、いくつかの濃度のrMuIL-12に関するrMuIL-12処置の11日目の全層創傷の閉鎖率のプロットを示す。図1Bは、様々な濃度のrMuIL-12で処置したマウスに関する経時的(日数)な創傷面積の変化のグラフを示す。 図1Cは、対照、31.6ng/mL、100ng/mL、および3160ng/mL用量を含む、図1Bにおけるデータの一部をエラーバーと共に示す。 図2Aは、ビヒクルのみで処置した全層損傷に由来する40倍での創傷部位のトリクロム染色された組織切片の顕微鏡写真を示す。大きい面積の顆粒組織、ならびに創縁および真皮の位置が顕微鏡写真中に注記される。図2B及び図2Cは、ビヒクルおよび31.6ng/mLのrMuIL-12で処置したマウスに由来する創傷部位のトリクロム染色された組織切片の顕微鏡写真(40倍)を示す。 図2A−Bの続きである。 図3Aは、照射されたマウス(損傷後3日)に由来する皮膚創傷の真皮におけるIL-12Rβ2発現の顕微鏡写真を示す。M=マクロファージ、PMN=多形核白血球、F=線維芽細胞。図3Bは、照射されたマウスの皮膚創傷に由来する皮脂腺(SEB)および表皮基底部(BE)におけるIL-12Rβ2発現の顕微鏡写真を示す。 図3Cは、基底層(BE)、有棘層の立方細胞(Cu)、顆粒層の扁平上皮細胞(Sq)におけるIL-12Rβ2発現の顕微鏡写真を示す。 図4Aは、様々な濃度のrMuIL-12で処置した照射されたマウスに関する経時的(日数)な創傷面積の変化のグラフである(R M=オスのマウス;R F=メスのマウス)。図4Bは、100ng/mLのrMuIL-12を受けた照射されたマウスだけに関する、図4Aに由来するデータのグラフである。 図4Cは、ビヒクルのみで処置されたマウスに由来する皮膚創傷、ならびにマウス自身に見られる対応する創傷(1x)のトリクロム染色切片の連続顕微鏡写真を示す(Ep=表皮、D=真皮)。それぞれの行は、単一の動物に由来する組織切片であり、左の顕微鏡写真は40xで、中央の顕微鏡写真は400xで、対応する創傷は1xの倍率で撮影されたものである。 図4Dは、100ng/mLのrMuIL-12を受けたマウスに由来する顕微鏡写真を示す。 図5Aは、創傷の作製後約24時間で、局所的および/または皮下的にrMuIL-12で処置された照射されたマウスに関する経時的(日数)な創傷サイズのパーセンテージの変化を示すグラフである。 図5Bは、治癒の9日後のビヒクル処置およびrMuIL-12処置マウスにおける創傷の連続写真(1x)を示す。 図6Aは、ビヒクルのみ、100ng/mLのrMuIL-12、および3160ng/mLのrMuIL-12で処置された糖尿病のZuckerラットに関する0〜9日目にわたる創傷面積のグラフを示す。 図6Bは、処置の9日目のビヒクルのみで処置されたマウスのトリクロム染色された顕微鏡写真(左側)、それと共に対応する創傷の1x写真(右側)を示す。 図6Cは、処置の9日目の100ng/mLのrMuIL-12で処置されたマウスのトリクロム染色された顕微鏡写真(左側)、それと共に対応する創傷の1x写真(右側)を示す。
本発明は、皮膚創傷へのIL-12の投与を含む、該創傷を治療(処置)する方法に関する。IL-12の投与は、好ましくは局所、皮下、筋肉内、またはそのいずれかの組合せである。IL-12を、任意の皮膚創傷の処置と共に用いることができる。皮膚創傷の例としては、限定されるものではないが、熱傷に伴う皮膚創傷、糖尿病などの正常な皮膚創傷治癒に対する障害を特徴とする患者、高齢者、HIV/AIDSを有する患者における皮膚創傷、ならびに放射線曝露に伴う皮膚創傷が挙げられる。いかなる理論によっても束縛されることを意図するものではないが、本明細書に記載されるデータは、IL-12が皮脂腺内の幹細胞の刺激により創傷治癒に寄与し得ることを示唆している。
特に、本発明は、IL-12が創傷治癒の全層損傷モデルにおいて全層皮膚損傷の閉鎖を加速することができるという驚くべき知見に関する。これは、この型の損傷が外科的創傷清拭後の火傷の状態を密接に模倣するため有意であり、熱傷後の創傷閉鎖を増強するための治療剤としてのIL-12の使用と高度に関連する。
さらに、例えば、局所的および/または皮下的に、全層、分層、または合成皮膚移植を用いて処置された皮膚創傷にIL-12を投与して、生着を増強し、レシピエント部位への移植片の融合を加速し、ドナー部位の治癒および消散を加速することができる。
IL-12を、無細胞性または細胞性真皮マトリックスと共に局所的および/または皮下的に投与することができる。IL-12は、全層皮膚損傷により晒される創傷床にわたるケラチノサイトおよび線維芽細胞の分化および遊走を刺激する。創傷部位上の無細胞性真皮マトリックスは、IL-12により刺激されたケラチノサイトおよび線維芽細胞の遊走および付着のための構造的足場を提供することができる。
また、IL-12を無細胞性真皮マトリックスと共に使用して、腱板損傷などの腱または靱帯の損傷を処置することもできる。例えば、腱板の全層棘下筋腱断裂を有する患者は、無細胞性真皮マトリックスの配置および縫合により架橋される欠点を有し得る;直接注射、埋込み前のIL-12を含むマトリックスの注入、または手術部位の近くにIL-12を送達することができる第二の生分解性マトリックスの埋込みなどの方法により、IL-12を手術部位に適用することができる。
一実施形態においては、皮膚創傷にIL-12を投与することを含む本発明の方法は、特定の期間にわたって、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30日間にわたって、創傷閉鎖により測定された場合、創傷治癒の約5%の増加をもたらす。他の実施形態においては、本発明の方法は、特定の期間にわたって創傷閉鎖により測定された場合、創傷治癒の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%の改善をもたらす。
I.定義
本明細書で用いられる用語「約」は、当業者によって理解され、それが用いられる文脈に応じてある程度変化してもよい。この用語が使用される文脈を考慮しても当業者にとって明らかでないこの用語が使用される場合、「約」は特定の用語のプラスまたはマイナス10%を意味する。
文脈が別途要求する場合を除いて、本明細書で用いられる用語「含む(comprise)」ならびに「含む(comprising)」、「含む(comprises)」および「含まれる(comprised)」などのこの用語の変形は、他の付加物、成分、整数またはステップを排除することを意図するものではない。
本明細書で用いられる「インターロイキン-12(IL-12)」とは、現在当業界で公知であるか、または将来開発される任意の様式で製造される、現在公知であるか、または将来開発される天然IL-12分子、変異体IL-12分子および共有改変されたIL-12分子を含む、皮膚創傷治癒の改善をもたらす任意のIL-12分子を指す。一般的には、本発明の実施形態において用いられるIL-12分子のアミノ酸配列は、本発明の方法により処置される特定の哺乳動物から誘導される。かくして、例示のために、ヒトについては、一般的にはヒトIL-12、または組換えヒトIL-12を、本発明の方法においてヒトに投与し、同様に、ネコ科については、例えば、ネコ科IL-12、または組換えネコ科IL-12を本発明の方法においてネコ科に投与することができる。しかしながら、IL-12分子が本発明の治療方法の被験体である哺乳動物からそのアミノ酸配列を誘導しない特定の実施形態も、本発明に含まれる。例示のために、ヒトIL-12または組換えヒトIL-12を、ネコ科哺乳動物において用いることができる。本発明のさらに他の実施形態は、IL-12の天然アミノ酸配列が天然配列から変化するが、そのIL-12分子は本明細書に開示されるIL-12の造血特性をもたらすように機能するIL-12分子を含む。IL-12の天然の種特異的アミノ酸配列からの変化は、IL-12の一次配列の変化を含み、変異体IL-12分子をもたらす一次アミノ酸配列の欠失および付加を包含する。高度に誘導体化されたIL-12分子の一例は、Maxygen, Inc.(Leong SRら、Proc Natl Acad Sci USA.,100(3): 1163-8(Feb. 4, 2003))により製造された再設計されたIL-12分子であり、変異体IL-12分子はDNAシャッフリング法により製造される。また、保存可能期間、半減期、効力、溶解度、送達などを増加させるIL-12分子への共有改変、米国特許第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;第4,670,417号;第4,791,192号または第4,179,337号に記載の様式でのポリエチレングリコール基、ポリプロピレングリコールなどの付加のような、改変IL-12分子も本発明の方法に含まれる。IL-12分子のある型の共有改変は、IL-12ポリペプチドの標的となるアミノ酸残基を、IL-12ポリペプチドの選択された側鎖またはNもしくはC末端残基と反応することができる有機誘導体化剤と反応させることにより、分子中に導入される。IL-12の天然配列と、IL-12のアミノ酸配列変異体との両方を共有改変することができる。また本明細書で言及される場合、IL-12分子を、組換え方法などの当業界で公知の様々な方法により製造することができる。変異体IL-12ポリペプチドの特徴を前もって予測することは困難であることが多いため、最適な変異体を選択するためには、回収された変異体のいくらかのスクリーニングが必要である。変異体IL-12分子の特性を刺激または増強する血液学的変化を評価する好ましい方法は、以下に開示される致死的照射救出プロトコルによるものである。酸化還元もしくは熱安定性、疎水性、タンパク質溶解的分解に対する感受性、または担体と共に、もしくは多量体に凝集する傾向などの、タンパク質またはポリペプチドの特性の他の潜在的な改変は、当業界で周知の方法によりアッセイされる。
用語「IL-12受容体」は、IL-12リガンドのためのヘテロ二量体の膜結合型受容体と定義される。IL-12受容体ヘテロ二量体サブユニットは、ベータ1(β1)およびベータ2(β2)である。本発明によれば、IL-12受容体は、本明細書に定義されるIL-12ホモ二量体およびIL-12単量体に結合し、IL-12リガンド/IL-12受容体対ならびにホモ二量体および/または単量体を含む多量体複合体を形成することもできる。本発明においては、多量体複合体は、IL-12リガンド/IL-12受容体対をさらに活性化するか、またはリガンド/受容体対の活性を改変することができる。本発明によれば、IL-12受容体タンパク質は、ドナーまたは患者から採取されたIL-12選択幹細胞から単離された場合、その内因性状態にあると定義される。そのようなものとして、IL-12受容体は、β1およびβ2サブユニットの標準アミノ酸配列とは異なる多型を含んでもよい。
用語「IL-12の1つ以上の治療上有効用量」とは、皮膚創傷の治癒を改善することができる任意の時間間隔および任意の持続期間にわたって投与される任意の用量を指す。
用語「治療上有効量または用量」は、それが投与される効果をもたらす物質の用量と本明細書で定義される。IL-12の正確な用量は、処置の目的、IL-12の投与のタイミング、処置しようとする被験体の特定の特徴、および皮膚創傷の重症度に依存し、当業者であれば公知の技術を用いて確認することができる(例えば、Lieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols. 1-3, 1992); Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Pickar, Dosage Calculations (1999);およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, 2003, Gennaro, Ed., Lippincott, Williams & Wilkinsを参照されたい)。
一般的には、本発明の方法および組成物による治療剤の用量は、投与される薬剤の総量を単位として表すことができる(すなわち、ng、gまたはmg)。この用量は、投与される薬剤および担体の容量(例えば、1mL)と共に、被験体に投与される薬剤の重量(例えば、20ng)、または担体の単位容量あたりの薬剤の重量の比(例えば、ng/mL)として表してもよい。あるいは、用量は、投与される薬剤と、投与を受ける被験体の体重または表面積との比(すなわち、ng/kg、g/kg、ng/m2、またはg/m2)として表してもよい。被験体の質量あたりの投与される質量を単位とする用量(すなわち、ng/kg)に言及する場合、用量は異なる動物間で等価ではなく、かくして、ある動物が別の動物と同じ用量等価物を受けることを確保するためには、変換係数を用いる必要があることが理解される。異なる動物の「用量等価物」への、IL-12の腹腔内(i.p.)注射のためのマウスの「用量等価物」の変換のための好適な係数を、以下の表1に記載する。
Figure 2014517038
かくして、一実施形態においては、用量は、表面積に対する質量を単位として与えられ(すなわち、ng/m2またはg/m2)、これは全ての動物について等価である。以下の基本変換係数を用いて、ng/kgをng/m2に変換することができる:マウス=3.0、ハムスター=4.1、ラット=6.0、モルモット=7.7、ヒト=38.0(Cancer Chemother Repts.,50(40):219(1966))。
用語「皮膚創傷」とは、被験体の皮膚に対する損傷を指す。創傷は全層創傷、表層創傷、または表皮のみの創傷であってもよい。皮膚創傷は、熱傷、身体的外傷、または外科的外傷に起因するものであってもよい。
II.皮膚創傷治癒プロセス
A.概説
皮膚における創傷治癒は、炎症、増殖、および成熟の3つの期に大まかに分けられる複雑な現象である。自然免疫細胞、特に、マクロファージは、創傷治癒の炎症および増殖段階において必須の役割を果たしている。事実、マクロファージの枯渇は、創傷閉鎖の速度を減じる(Brancatoら、Am. J. Pathol., 178(1):19-25, 2011)。
炎症期は、止血の血小板媒介性誘導から開始する。血小板は局部的に作用し、好中球、単球、および線維芽細胞のための化学誘引物質として作用するいくつかの前炎症因子を分泌する。単球が、創傷を清拭し、コラーゲンおよび顆粒組織の基質を合成するように線維芽細胞を刺激するマクロファージに成熟するのはこの期の間である。マクロファージはまた、新しい皮膚を被覆するためのケラチノサイトの流入および新血管形成のための内皮細胞を刺激する。
増殖期においては、損傷の2〜3日後に、マクロファージが因子(bFGF、TGFbおよびPDGF)を分泌して、線維芽細胞が創傷端部からの遊走を開始し、創傷を縮小させるのを刺激する。線維芽細胞はまた、コラーゲン分子を繊維に組織化し、それによって引張強度を増加させることにより、創傷部位を安定化し、再構築する。フィブリン塊が消散し始め、線維芽細胞の遊走および増殖の減少を誘導する。
成熟期の間に、II型コラーゲンがI型コラーゲンにより置換され、上皮細胞が接触阻害されるまで、それらは創傷部位を被覆する。最終的に、線維芽細胞はアクチンを含有する筋線維芽細胞に分化し、創傷のさらなる縮小を誘導する。
B.糖尿病患者における皮膚創傷
非疾患個体における創傷治癒は、結合組織形成、細胞増殖および分化、ならびに増殖因子の間の重複および複雑な相互作用の結果として生じる。創傷治癒の正常なプロセスは、創傷治癒の炎症期の開始および維持における欠陥のため、糖尿病において妨げられ、最終的には創傷部位にわたる細胞増殖および遊走の減少をもたらす。糖尿病性創傷におけるマトリックスメタロプロテイナーゼの上方調節は、増殖因子の減少を誘導する。最終的に、糖尿病は、コラーゲンの合成および沈着の低下を示す。
糖尿病被験体上の皮膚創傷を、創傷治癒を改善するためのIL-12の局所および/または皮下用量を用いて処置することができる。IL-12の好ましい局所用量としては、31.6ng/mL、100ng/mL、316ng/mL、1000ng/mL、および3160ng/mLが挙げられる。そのような局所用量を、創傷の作製後少なくとも24時間までに適用することができる。IL-12の皮下用量を、単独で、またはIL-12の局所投与に加えて適用することもできる。IL-12の好ましい皮下用量は、約80ng/kgである。
III.熱傷(火傷)
熱傷は、組織損傷の深度および創傷により占有される総体表面積(TBSA)を含む5つの程度に従って分類される(小規模=15%未満のTBSA、中規模=15〜20%のTBSA、大規模=20%を超えるTBSA)。第1度熱傷は、一般に快適性のためにせいぜい鎮痛剤を要する最も小さい重症度のものであり、典型的には2〜3日以内に消散する。第2度熱傷は、表層部熱傷として分類されることが多く、真皮に対する損傷を含み、表皮から真皮乳頭層に及ぶ。第2度熱傷は、液体の詰まった水疱の存在を特徴とする。処置は一般に、鎮痛剤、抗生物質、および包帯の使用を含む。より重症の第2度熱傷は、表皮から深部の真皮網状層にまで及ぶ。これらの型の熱傷は、第3度状態に進行し得る。それらは大規模な臨床介入を要することが多く、長い回復期間を有し、治癒を促進するために創傷清拭および移植を必要とし得る。第3度熱傷は、真皮の深さ全体に及ぶ。これらの熱傷は、外科的創傷清拭、次いで、全層または表層皮膚移植を含む大規模な臨床管理を要する重篤な生命を脅かす損傷である。瘢痕化は大規模であり、回復は長く、罹患した組織における機能を回復するためには耐え難い身体的治療を要する。最後に、第4度熱傷は、最も重篤な損傷であり、真皮から筋肉および骨にまで及ぶ。これらの損傷には切断術を要することが多い。保護的上皮バリアの喪失のため、第3度および第4度熱傷に由来する死亡は感染の結果であることが多い。
IL-12の局所および皮下用量を、創傷の治癒を改善するために、重症熱傷などの全層皮膚創傷に適用することができる。IL-12の好ましい局所用量としては、31.6ng/mL、100ng/mL、316ng/mL、1000ng/mL、および3160ng/mLが挙げられる。そのような局所用量を、創傷の創造後少なくとも24時間までに適用することができる。IL-12の皮下用量を、単独で、またはIL-12の局所投与に加えて適用することもできる。IL-12の好ましい皮下用量は、約80ng/kgである。
A.二次癒合熱傷処置
主な熱傷のための好ましい処置選択肢は皮膚移植の積極的使用を必要とするが、小規模および中規模の第2度または第3度熱傷においては、創傷消散に対する好ましい方法は、外科的創傷清拭、次いで、二次癒合を介する閉鎖である。このシナリオでは、創傷を管理し、創傷を治癒させる身体の自然の能力を、創傷を時間と共にゆっくり消散させるために用いる。しかしながら、この方法に必要とされる長い時間枠は、患者を感染に罹りやすくし、瘢痕化を増悪させ得る。
本明細書に記載の例は、IL-12が創傷治癒の全層損傷モデルにおける全層皮膚損傷の閉鎖を加速することができることを証明する。この型の損傷は、外科的創傷清拭後の熱傷の状態を密接に模倣し、火傷後の創傷閉鎖を増強するための治療剤としてのIL-12の使用と高度に関連する。
例えば、小規模な第2度または第3度熱傷を有する患者は、損傷した組織を除去するために熱傷の創傷清拭、次いで、支持療法を受けてもよい。外科的創傷清拭は、健康な表皮および真皮を露出させるための損傷した創傷端部上皮の切開および除去を含む。次いで、IL-12を局所的に創傷に投与するか、または創傷部位に、もしくはその近くに皮下的に投与する。創傷を透明な浸透性包帯で被覆して、それを無菌に保ち(すなわち、Tegaderm(商標))、閉鎖についてモニタリングする。
B.IL-12の皮膚移植との使用
第3度熱傷および糖尿病性潰瘍、壊疽性筋膜炎において見られるような、真皮に及ぶ深部創傷の被覆のためには、全層皮膚移植が適応である。全層移植片は、表皮および多くの下層の真皮からなる。典型的な適用においては、創傷を清拭し、健康な組織から自己の全層移植片を収穫し、移植片を所定の位置で縫合する。全層移植は、重篤な外科手順であり、患者が損傷から重篤に悪化しているか、または疾患を伴う場合、適応とならないことが多い。全層移植は、無傷の創傷バリアの利点を付随する前駆細胞集団、毛髪、血管、コラーゲンなどにもたらす。全層皮膚移植を使用する欠点としては、患者の状態が同種移植片の使用を必要とする場合に弱い生着または拒絶をもたらす不十分な血管かん流が挙げられる。
分層移植は、皮膚損傷を治癒させるのが難しい熱傷その他の被覆および治癒のために用いられることが多い。これらの移植片を含む組織は、健康な組織を含有するドナー部位から誘導される。移植片は皮節の使用により収穫され、ケラチノサイト前駆細胞およびコラーゲン産生線維芽細胞を含有する表皮およびいくらかの真皮組織を含む。自己分層移植の利点は、それらをメッシュ器具を通して加工し、大きい面積を被覆するために最大9回拡張させることができることである。上皮再形成はケラチノサイトの露出した真皮への伸出により生じる。
合成移植片は、典型的にはより小さい移植片であり、皮膚および下層の軟骨組織を含む。それらは、軟骨性組織(鼻、耳)が損傷したか、または損傷の結果として破壊された場合に適応となることが多い。この用語は、コラーゲン支持マトリックス上のケラチノサイトおよび線維芽細胞から構成される、Apligraf(商標)のようなヒト皮膚等価物(HSE)を説明するために用いられることがある。
IL-12を、全層、分層、または合成皮膚移植片を用いて処置された皮膚創傷に局所的および/または皮下的に投与して、レシピエント部位への移植片の生着を増強し、融合を加速し、ドナー部位の治癒および消散を加速することができる。
C.無細胞性および細胞性真皮マトリックスとのIL-12の使用
火傷などの大きい皮膚損傷の処置に対する1つの手法は、無細胞性真皮マトリックス(例えば、Graftjacket(商標)、Integra(商標)、SkinTemp(商標))の適用であった。これらの移植片は、表皮ケラチノサイトの伸出を支援するため、またはin vitroで生成された自己ケラチノサイト移植片で埋込み物をオーバーレイした後の足場として役立ち得る。
生皮膚代用物としても知られる細胞性真皮マトリックスは、培養表皮自己移植片またはより一般的には、「ヒト皮膚等価物」(HSE)からなる。HSEは、典型的には、雄性の包皮ドナーから誘導される生きている同種異系線維芽細胞および/またはケラチノサイトでオーバーレイしたコラーゲン支持マトリックスから構成される。製品の例としては、Apligraf(商標)(Organogenesis, Inc., Canton MA)、Dermagraft(商標)(Advanced BioHealing, Westport, CT)、Gintuit(商標)(Organogenesis, Inc., Canton MA)、およびOrcel(商標)(Forticell Bioscience, Englewood Cliffs, NJ)が挙げられる。Apligraf(商標)などの合成HSEは、重症熱傷患者のための心のこもったケアの下で上手く用いられてきた。生皮膚代用物の別の例としては、ex vivoで培養された自己ケラチノサイトのシートから作られるEpicel(商標)(Genzyme Biosurgery)(2〜8細胞層の厚さ)が挙げられる。これらのHSEは、糖尿病性皮膚潰瘍、熱傷を処置するため、および後退した歯肉線を埋めるために用いられる。
IL-12を、無細胞性または細胞性真皮マトリックスと共に局所的および/または皮下的に投与することができる。IL-12は、全層皮膚損傷により露出した創傷床にわたるケラチノサイトおよび線維芽細胞の分化および遊走を刺激する。創傷部位上の無細胞性真皮マトリックスは、IL-12により刺激されたケラチノサイトおよび線維芽細胞の遊走および付着のための構造的足場を提供することができる。
また、IL-12を無細胞性真皮マトリックスと共に用いて、腱板損傷を処置することもできる。Adamsら、Arthroscopy, 22(7): 700-709 (2006)。例えば、腱板の全層棘下筋腱断裂を有する患者は、無細胞性真皮マトリックスの配置および縫合により架橋される欠点を有し得る;直接注射、埋込み前のIL-12を含むマトリックスの注入、または手術部位の近くにIL-12を送達することができる第二の生分解性マトリックスの埋込みなどの方法により、IL-12を手術部位に適用することができる。
以下の実施例は、本発明を例示するために与えられる。しかしながら、本発明は、これらの実施例に記載される特定の条件または詳細に限定されないことが理解されるべきである。
D.化粧用再モデリングの増進
治癒の遅延は、コラーゲンが非損傷皮膚と結合してバスケット織りパターンよりもむしろ、対称的に架橋した繊維中に沈着する場合に瘢痕化をもたらし得る(Dallonら、Mathmatical modeling of extracellular matrix dynamics using discrete cells: Fiber orientation and tissue regeneration, J. Theor. Biol. 199:449-471, 1999)。ほぼ全ての事例において、瘢痕化は皮膚損傷の治癒の正常な結果である。創傷閉鎖の加速は、異常なコラーゲン沈着にとって必要とされる時間を制限することにより、瘢痕形成を減少させる。整列したコラーゲン沈着のパターンは、創傷強度の減少をもたらし、新しい汗腺および毛包による損傷した組織の再生を遮断する。さらに、瘢痕は、顔面などの露出した領域において現れる場合、美的努力をもたらし得る。個体の根本的な遺伝学と共に、損傷の型および重症度は、肥大型(隆起した)、萎縮型(くぼんだ)、またはケロイド型(大きい、良性の腫瘍のような)の瘢痕の発達を誘導し得る。二次癒合により閉鎖した創傷を有する患者は、治癒の遅延の結果として肥大型またはケロイド型瘢痕を示すことが多い。現在の治療は、ケミカルピール、皮膚剥離、充填剤(Artefill(商標)、すなわち、ウシコラーゲンおよびポリメチルメタクリレート、Radiesse(商標)、Dermatrix(商標)(シリコンゲル))、レーザー、および照射(ケロイド型瘢痕の低減)などの瘢痕化後の手術的介入の使用に集中している。ケロイド型瘢痕の出現の処置のために、ただ1つの注射可能剤(コルチコステロイド)が認可されている。瘢痕の抑制または防止のための介入剤の評価のための臨床試験が進行中である。アボテルミン(Juvista(商標)、rTGFβ3)は、分層移植瘢痕化および他の外科的瘢痕の抑制について調査されている薬剤である(Occlestonら、2011; Soら、2011; Duraniら、2008)。
皮膚損傷を有する患者におけるIL-12の局所または皮下投与は、瘢痕形成を減少させ、創傷強度およびUV耐性を増強し、創傷閉鎖の速度を加速することにより化粧的外見を改善する。さらに、IL-12は皮膚感染の抑制により創傷閉鎖の遅延を減少させる。かくして、IL-12を、約15,000ng/m2の範囲で皮下投与して、創傷閉鎖の遅延を減少させることができる。
IV.IL-12投与のタイミング
有利には、本発明の方法により提供されるように、IL-12の投与は皮膚創傷後の任意の好適な期間行うことができる。
一実施形態においては、皮膚創傷が放射線への曝露と関連する場合、IL-12を、曝露後約1週間(約1週間を含む)までの放射線曝露後の任意の時間投与することができる。放射線の全用量は、一実施形態によれば、IL-12を投与すべき期間を考慮するが、皮膚損傷をもたらす放射線への曝露後、約120時間までの任意の時間でIL-12を投与してもよい。他の実施形態においては、IL-12を、照射後約96時間まで、照射後約72時間まで、または皮膚損傷をもたらす放射線への曝露後約60時間、約48時間、約36時間、約24時間、約18時間、約12時間、約8時間、約6時間以下までの任意の時間で投与することができる。1つの特定の実施形態においては、IL-12は、イオン化照射への曝露後約1時間〜約72時間の範囲でそれを必要とする被験体に投与される。別の実施形態においては、IL-12は、急性用量の全身イオン化照射への曝露後約1時間〜約24時間の範囲、または約6時間〜約24時間の範囲で投与される。
IL-12を、皮膚創傷をもたらす放射線曝露後任意の時点で投与することができる。本発明の一実施形態においては、IL-12は、放射線への曝露後少なくとも約24時間以上で投与される。皮膚創傷をもたらす放射線曝露後の投与のための他の時点としては、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約1日、約1.5日、約2日、約2.5日、約3日、約3.5日、約4日、約4.5日、約5日、約5.5日、約6日、約6.5日、約7日、または複数回のIL-12の投与とのそれらの任意の組合せ(例えば、12時間および48時間で)が挙げられる。
V.IL-12の投与および用量
一般的に、皮膚創傷を処置するための方法において用いられるIL-12の用量は、皮膚創傷の処置にとって有効であるために十分に高いものであるが、例えば、GI管の放射線感受性(放射線曝露と関連する)およびIFN-γの上方調節などの、IL-12投与と関連する負の副作用を軽減するには十分に低いものである。
一態様において、IL-12の単回用量は、皮膚創傷治癒の改善を付与するのに十分である。他の態様において、IL-12を、約2回、約3回、約4回、約5回以上の用量などの2回以上の用量で投与することができる。
従って、一態様において、本発明は、皮膚創傷を有する被験体へのIL-12の用量の投与を含む、皮膚創傷の軽減の改善などの皮膚創傷を処置するための方法を提供する。一実施形態においては、IL-12の用量は、約100μg/m2未満である。別の実施形態においては、IL-12の用量は、約75μg/m2未満、または約400ng/kg(15μg/m2)未満である。別の実施形態においては、用量は、約1μg/m2〜約100μg/m2であってよい。他の例示的なIL-12用量としては、1μg/m2未満または約1μg/m2、約3μg/m2未満または約3μg/m2、約4μg/m2未満または約4μg/m2、約5μg/m2未満または約5μg/m2、約6μg/m2未満または約6μg/m2、約7μg/m2未満または約7μg/m2未満、約8μg/m2未満または約8μg/m2、約9μg/m2未満または約9μg/m2、約10μg/m2未満または約10μg/m2、約11μg/m2未満または約11μg/m2、約12μg/m2未満または約12μg/m2、約15μg/m2未満または約15μg/m2、約20μg/m2未満または約20μg/m2、約25μg/m2未満または約25μg/m2、約30μg/m2未満または約30μg/m2、約35μg/m2未満または約35μg/m2、約40μg/m2未満または約40μg/m2、約45μg/m2未満または約45μg/m2、約50μg/m2未満または約50μg/m2、約55μg/m2未満または約55μg/m2、約60μg/m2未満または約60μg/m2、約65μg/m2未満または約65μg/m2、約70μg/m2未満または約70μg/m2、約75μg/m2未満または約75μg/m2、約80μg/m2未満または約80μg/m2、約85μg/m2未満または約85μg/m2、約90μg/m2未満または約90μg/m2、約95μg/m2未満または約95μg/m2、約100μg/m2未満または約100μg/m2、約900ng/m2未満または約900ng/m2、約800ng/m2未満または約800ng/m2、約700ng/m2未満または約700ng/m2、約600ng/m2未満または約600ng/m2、約500ng/m2未満または約500ng/m2、約400ng/m2未満または約400ng/m2、約300ng/m2未満または約300ng/m2、約250ng/m2未満または約250ng/m2、約200ng/m2未満または約200ng/m2、約100ng/m2未満または約100ng/m2、およびその間の全ての用量が挙げられる。
本発明の一実施形態においては、IL-12の用量は、約1ng/mL〜約10μg/mLである。別の実施形態においては、IL-12の用量は、約10ng/mL〜約5μg/mLである。本発明の他の実施形態においては、IL-12の用量は、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、約280、約290、約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、または約400ng/mLである。
本発明の一実施形態においては、IL-12の用量は、約10ng/kg〜約500ng/kgである。本発明の他の実施形態においては、IL-12の用量は、約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190、約200、約210、約220、約230、約240、約250、約260、約270、約280、約290、約300、約310、約320、約330、約340、約350、約360、約370、約380、約390、または約400ng/kgである。
複数用量、すなわち、2、3、4回以上の用量で投与される場合、初回のIL-12用量およびその後のIL-12用量は等用量であってもよいか、またはそれらは異なる用量であってもよい。例えば、特定の実施形態においては、その後の用量を、初期用量の約90%で、または元の用量の約80%、約75%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約25%、約20%、もしくは約10%以下で投与することができる。
VI.IL-12組成物
IL-12に関する一般的な説明については、米国特許第5,573,764号、第5,648,072号、第5,648,467号、第5,744,132号、第5,756,085号、第5,853,714号、および第6,683,046号を参照されたい。インターロイキン-12(IL-12)は、免疫応答に関与する細胞の活性を調節する前炎症性サイトカインとして一般的に説明されるヘテロ二量体サイトカインである(Fitzら、J. Exp. Med., 170: 827-45 (1989))。一般的に、IL-12は、ナチュラルキラー(NK)細胞およびT細胞からのインターフェロン-γ(IFN-γ)の産生を刺激し(Lertmemongkolchaiら、J. of Immunology, 166: 1097-105 (2001); Cuiら、Science, 278:1623-6 (1997); Ohtekiら、J. Exp. Med., 189:1981-6 (1999); Airoldiら、J. of Immunology, 165: 6880-8 (2000))、ヘルパーT1(TH1)細胞の分化を優先し(Hsiehら、Science, 260: 547-9 (1993); Manettiら、J. Exp. Med., 177: 1199-1204 (1993))、自然免疫と適応免疫との間の関連を形成する。IL-12はまた、その免疫調節効果および抗血管新生効果を介して癌の増殖を阻害することも示されている(Brundaら、J. Exp. Med., 178: 1223-1230 (1993); Noguchiら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 93: 11798-11801 (1996); Giordanoら、J. Exp. Med., 194: 1195-1206 (2001); Colomboら、Cytokine Growth factor, Rev.13: 155-168 (2002); Yaoら、Blood, 96: 1900-1905 (2000))。一度、樹状細胞(DC)および貪食細胞(マクロファージおよび好中球)が病原性細菌、菌類または細胞内寄生虫に遭遇することにより活性化されたら、IL-12は主にそれらにより産生される(Reisら、J. Exp. Med., 186:1819-1829 (1997); Gazzinelliら、J. Immunol., 153: 2533-2543 (1994); Dalodら、J. Exp. Med., 195: 517-528 (2002))。IL-12受容体(IL-12R)は、活性化されたT細胞およびNK細胞により主に発現される(Preskyら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 93: 14002-14007 (1996); Wuら、Eur. J. Immunol., 26: 345-50 (1996))。
一般に、IL-12の産生は、IFN-γの産生を刺激し、順に、IL-12の産生を増強し、かくして、正のフィードバックループを形成する。in vitro系において、IL-12が他のサイトカイン(例えば、IL-3およびSCF)と相乗作用して、初期造血前駆細胞の増殖および分化を刺激することができると報告されている(Jacobsenら、J. Exp. Med., 2: 413-8 (1993); Ploemacherら、Leukemia, 7: 1381-8 (1993); Hiraoら、Stem Cells, 13: 47-53 (1995))。
特定の実施形態においては、IL-12は、哺乳動物IL-12、組換え哺乳動物IL-12、マウスIL-12(mIL-12)、組換えマウスIL-12(rmIL-12)、ヒトIL-12(hIL-12)、組換えヒトIL-12(rhIL-12)、イヌ科IL-12もしくはrIL-12、ネコ科IL-12もしくはrIL-12、ウシ科IL-12もしくはrIL-12、ウマ科IL-12もしくはrIL-12、またはその生物学的に活性な変異体もしくは断片である。1つの特定の実施形態においては、rhIL-12は、HemaMax(商標)(Neumedicines Inc.)である。特定の実施形態においては、被験体への投与後にタンパク質の免疫原性を低下させるような様式で、IL-12を改変することができる。タンパク質の免疫原性を低下させる方法は当業界で周知であり、例えば、PEG、PEO、炭水化物、ポリシアル酸などの1つ以上の水溶性ポリマーを用いるタンパク質の改変が挙げられる。
低濃度で製剤化されたタンパク質の溶液は投与前にタンパク質の有意な画分を喪失しやすいことが周知である。この問題の1つの主要な原因は、チューブ、バイアル、注射器などの側面へのタンパク質の吸着である。従って、特定の態様において、低用量または超低用量で投与される場合、好適な担体分子または増量剤と共にIL-12を投与することが有益である。一実施形態においては、担体剤は、アルブミンなどの薬剤投与にとって好適なタンパク質であってもよい。一般に、担体分子またはタンパク質は、投与前に失われるIL-12の量を最小化するためにIL-12が過剰量の製剤中に存在する。特定の実施形態においては、担体は、製剤中のIL-12の濃度の少なくとも約2倍の濃度で、または少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍以上の濃度で存在する。
本明細書で提供され、本発明の方法に従って使用されるIL-12組成物を、任意の公知の方法による投与のために製剤化することができるが、好ましくは、局所、皮下、または筋肉内投与のために製剤化することができる。さらに、IL-12の有効用量は、異なる投与経路に応じて異なってもよい。
いくつかの実施形態においては、本明細書で提供される製剤は、1つ以上の製薬上許容し得る賦形剤、担体、および/または希釈剤をさらに含む。さらに、本明細書で提供される製剤は、他の薬剤、担体、アジュバント、希釈剤、組織浸透促進剤、可溶化剤などをさらに含んでもよい。医薬投与のための組成物および製剤を調製するための方法は、当業者には公知である(例えば、REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 18TH ED., Mack Publishing Co., Easton, PA (1990)を参照されたい)。本発明の方法に従って用いられる製剤としては、例えば、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,744,132号に教示されたものが挙げられる。
(実施例)
全層皮膚創傷へのrMuIL-12の局所投与
全層皮膚創傷に対するIL-12の効果を研究するために、全層皮膚創傷を有するマウスを、様々な量のrMuIL-12を用いて局所的に処置した。第3度熱傷に相当する全層皮膚損傷は、創傷治癒の機構の研究、ならびに正常な、もしくは疾患を有する創傷の消散を加速または増強するための潜在的な処置の検査のための魅力的で一般的に用いられるモデルである。
材料および方法
18匹のマウスを、それぞれ3匹の動物の6つの処置群に分けた。処置群を以下の表2に列挙する。
Figure 2014517038
8mm生検パンチを用いて麻酔したマウスにおいて環状の8.0mm直径の創傷を誘導し、表皮層を除去して、下層の組織を露出させた。組換えマウスIL-12(rMuIL-12)(SBH Biosciences)を、Dulbeccoのリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)中の4%カルボキシメチルセルロース(CMC)からなる滅菌等張性ゲルマトリックス中で乳化した。ベンゾインチンキを創傷部位の周辺部に適用し、創傷部位の上にTegaderm(商標)包帯を適用した。次いで、それぞれのマウスの創傷部位に、18ゲージの注射器針(約150μL)を用いて対照(CMCのみ)またはCMC + rMuIL-12ゲルマトリックスを満杯まで充填した。1.0mLの注射器(Terumo, Slip-Tip #SS-01T)を、CMCおよびCMC/rMuIL-12の送達のために用いた。注射器は10μl増分で目盛を付ける。送達された用量は目盛上のレベルを注記することにより明らかとなる。Tegaderm(商標)包帯の上には外部包帯を適用しなかった。包帯の下のゲルマトリックスを、創傷作製およびゲルマトリックスの適用後2日目および7日目に補充した。
創傷部位をガラススライドの上に載せ、スライド上の創縁を黒色のペンでトレースすることにより、創傷面積を定量した。スライドをJPEG画像としてスキャンし、Photoshop CS(商標)にインポートした。創傷領域を含むピクセル数を決定し、平方ミリメートルの面積に変換した(算出される創傷面積=50.24mm2、8mm直径の全層創傷、πr2)。創傷面積を、2〜3日間隔で5回測定した。
研究の11日目に、血液試料を採取し、リンパ球計数ならびにIL-12およびIFN-λのレベルについて検査した。さらに、創傷部位を11日目に採取し、組織学的検査のためにMalloryのトリクロムを用いて染色した。トリクロム染色は、損傷後の皮膚創傷の再構築の段階を可視化するための標準である。
結果
創傷作製および局所rMuIL-12適用後11日での最大治癒は、100ng/mLの用量で起こり、rMuIL-12の用量の増加と共に増加するわけではなかった(図1A)。CMC + rMuIL-12で処置した全ての群が、9日目および11日目までにCMC対照マトリックスと比較してより高い割合の創傷閉鎖を示した(図1B)。図1Bにおける対照および用量のうちの3つのみ(31.6ng/mL、100ng/mL、および3160ng/mL)に関するデータを、図1Cに示す。以下の表3は、2、4、7、9および11日目に関する対照と比較した創傷面積のp値を示す(太字の数字はp<0.05である)。100ng/mLのrMuIL-12群は、対照群と比較して、7、9および11日目に創傷面積の統計的に有意な減少(t検定による;p<0.05)を示した。創傷面積の統計的に有意な減少は、11日目の31.6ng/mL用量について、ならびに9および11日目に3160ng/mL用量についても観察された。いかなる特定の理論にも束縛されないが、316ng/mLおよび1000ng/mLの用量での対照からの統計的有意性の欠如は、各群における少数のマウス(3匹)におそらく起因する。
Figure 2014517038
CMC + rMuIL-12で処置した動物の血球計数の変化は観察されなかったが、リンパ球の増加に向かう傾向が観察された。IL-12およびIFN-λのELISAにより、処置したマウスまたは対照マウスの血漿中にはいずれのサイトカインも検出されないことが示された。
図2Aは、ビヒクルのみで処置された全層損傷に由来する、40倍での創傷部位のトリクロム染色組織切片の連続顕微鏡写真を示す。顆粒組織の大きい領域、ならびに創縁および真皮の位置を顕微鏡写真中に注記する。図2Bおよび2Cは、ビヒクルおよび31.6ng/mLのrMuIL-12で処置したマウスに由来する創傷部位のトリクロム染色組織切片の顕微鏡写真(40倍)を示す。乳頭間隆起の存在を図2B中に示し、これは成熟表皮を示唆する。新しい表皮を、いくつかの顆粒組織と共に図2Cに示す。
照射したマウスの創傷におけるIL-12Rβ2の発現
ビヒクルのみまたはビヒクル+rMuIL-12で局所的に処置した全層皮膚損傷におけるIL-12Rβ2の発現のレベル、分布、およびタイミングを検査するための研究を行った。
材料および方法
36匹のマウスに、Gammacell(登録商標)40照射器中、500cGyの全身照射を行った。次いで、マウスを麻酔し、生検パンチを用いて環状の10.0mm直径の創傷を与えた。次いで、マウスを2つの群に分け、1群は4%CMCのみで処置し、第2群は4%CMC + 100ng/mLのrMuIL-12を投与した。創傷の処置および測定は、実施例1に記載の通りである(算出された創傷面積=78.5mm2、10mm直径全層創傷、πr2)。
次いで、創傷開始およびrMuIL-12を用いる処置後の様々な時点で、マウスを犠牲にし、その創傷を除去し、パラフィン中で切片化し、ホルマリン中で固定した。固定された組織を、キシレンで脱パラフィン化し、エタノールで水和し、水中で洗浄した。
抗原回復および染色のために、組織切片を1X HIERバッファー中に含浸させ(熱誘導性エピトープ回復)、10分間圧力鍋の中で加熱した。次いで、ペルオキシダーゼ及び非特異的タンパク質を、それぞれ0.3%過酸化水素およびBackground Sniper(商標)試薬(Biocare Medical, Concord, CA)を用いて遮断した。次いで、処置された組織切片を、抗ヒトIL-12Rβ2を用いて染色し、西洋ワサビペルオキシダーゼに基づく二次抗体検出系(ImmPRESS抗ウサギIgGおよびImmPact AEC基質;Vector Laboratories, Burlingame, CA)を用いて検出した。また、組織切片をヘマトキシリンを用いて対抗染色した。
結果
照射されたマウスに由来する皮膚創傷の検査により、IL-12Rβ2発現はrMuIL-12への曝露に拘らず上方調節されることが示されたが、このユニークな知見は以前には記載されていない。照射された皮膚においてはIL-12Rβ2の発現に対するIL-12処置の明らかな効果はない。損傷の結果として上方調節されるIL-12Rβ2は、IL-12の内因性または外因性投与に応答して創傷治癒カスケードを誘発するのを待っている準備状態で存在する。
真皮においては、大部分のIL-12Rβ2発現はマクロファージ中でのものであり、他の研究者の観察と一致している。図3Aは、照射されたマウスに由来する皮膚創傷の真皮におけるIL-12Rβ2発現の顕微鏡写真を示す(損傷後3日間;M=マクロファージ、PMN=多形核白血球、F=線維芽細胞)。多形核白血球(PMN)および線維芽細胞(形態学的に同定された)はまた、IL-12Rβ2も発現するが、これらの細胞型は損傷の3日目に少数になる。
表皮における大部分のIL-12Rβ2発現は、基底膜を含む細胞、ならびに創傷皮膚の皮脂腺におけるものである(図3Bを参照されたい)。皮脂腺に含まれることが知られる幹細胞は、創傷組織の再上皮化に寄与すると記載されている(Ghazizadeh and Taichman, EMBO 20(6):1215-22 (2001); Blanpain, Nature 464:686-7 (2010))。創傷皮膚の皮脂腺における高レベルのIL-12Rβ2発現を考慮すると、IL-12は皮脂腺内の幹細胞の刺激により創傷治癒に寄与することができる。事実、皮脂腺から誘導された多能性幹細胞は、創傷移植片のためのヒト皮膚代用物を迅速に作製するために用いられている。図3Cは、基底層(BE)、有棘層の立方細胞(Cu)、および顆粒層中の扁平上皮細胞(Sq)におけるIL-12Rβ2発現の顕微鏡写真を示す。
IL-12を用いる照射されたマウスにおける皮膚創傷の軽減
ビヒクルのみまたはビヒクル + rMuIL-12で局所的に処置された照射されたマウスにおける全層皮膚損傷の治癒を検査するための研究を行った。
材料および方法
実施例2に記載のように、Gammacell(登録商標)40照射器中で18匹のマウスに500cGyの全身照射を行った。次いで、マウスを麻酔し、生検パンチを用いて環状の10.0mm直径の創傷を与えた。次いで、マウスを3つの処置群にわけた:第1群は4%CMCのみで処置した;第2群は4%CMC + 100ng/mLのrMuIL-12で処置した;および第3群は4%CMC + 3160ng/mLのrMuIL-12で処置した。実施例1に記載のようにTegadermを用いて創傷を被覆した。約150μlのCMCをそれぞれの創傷に送達した。この容量は、約15ng(100ng/mL濃度について)または474ng(3160ng/mL濃度について)のrMuIL-12創傷用量に相当する。創傷の測定は実施例1に記載の通りである(算出された創傷面積=78.5mm2、10mm直径の全層創傷、πr2)。
結果
全ての処置されたマウスおよび対照マウスの創傷閉鎖を、図4Aおよび4Bのグラフに示す。rMuIL-12で処置された(100ng/mL)照射されたオスおよびメスのマウスにおいて、5〜6日目に50%の創傷閉鎖(T50)が観察され、75%の創傷閉鎖(T75)が8〜9日目に認められた。CMCで処置された(rMuIL-12なし)照射されたメスおよびオスのマウスのT50は、それぞれ11〜12日目および12〜13日目であった。全ての処置群は、対照と比較して時間と共に治癒の加速を示す。ビヒクル処置された照射されたメスのマウスは、ビヒクル処置された照射されたオスのマウスと比較してより速い速度で治癒した。しかしながら、治癒におけるこの性別特異的差異は、rMuIL-12を受けたマウスにおいては観察されなかった。
100ng/mLのrMuIL-12用量で、表皮層は、円柱細胞、立方細胞、および扁平上皮細胞ならびに角質化した上皮組織の層から構成される。さらに、rMuIL-12で処置された細胞の多くは、新しく発生した表皮/真皮内の皮脂腺および毛包の存在により証明される通り、進行した三次構造発生の存在を示した。図4Cは、ビヒクルのみで処置されたマウスに由来する皮膚創傷、ならびにマウス自身に認められる対応する創傷のトリクロム染色切片の連続顕微鏡写真を示す(1x)(Ep=表皮、D=真皮)。それぞれの行は単一の動物に由来する組織切片であり、左側の顕微鏡写真は40xで撮影されたものであり、中央の顕微鏡写真は400xで撮影されたものであり、対応する創傷は1xの倍率で撮影されたものである。創傷閉鎖の遅延および不完全な創傷閉鎖が、これらの動物において認められる。図4Dは、100ng/mLのrMuIL-12を受けたマウスに由来する顕微鏡写真を示す。これらのマウスは、対照と比較して創傷閉鎖の増強を示した。
かくして、rMuIL-12は、放射線と組合わせた損傷モデルにおいて創傷治癒を加速した。創傷閉鎖の加速を誘導するには100ng/mLで十分であり、3160ng/mLのrMuIL-12を用いた場合、創傷閉鎖の速度の増加は観察されなかった。
損傷後24時間でIL-12を用いた照射されたマウスにおける皮膚創傷の軽減
照射されたマウスにおける全層皮膚損傷の治癒を検査するために、rMuIL-12を、創傷が作製された24時間後、創傷に局所的および/または皮下的に投与する研究を行った。
材料および方法
30匹のマウスに、Gammacell(登録商標)40照射器中、500cGyの全身照射を行った後、実施例2および3に記載のように、生検パンチを用いて10.0mmの直径の創傷を与えた。次いで、マウスを、それぞれ6匹の動物の5つの処置群にわけた:第1群は4%CMCのみで処置した;第2群は創傷を受けた直後に4%CMC + 100ng/mLのrMuIL-12で処置した;第3群は損傷の約24時間後に4%CMC + 100ng/mLのrMuIL-12で処置した;第4群は損傷の約24時間後に4%CMC + 100ng/mLのrMuIL-12および20ng/mLのrMuIL-12の皮下注射で処置した;ならびに第5群は損傷の約24時間後に200ng/mLのrMuIL-12溶液100μl(20ng)の皮下注射のみで処置した。
約150μlのCMCをそれぞれの創傷に送達した。この容量は、約15ng(100ng/mL濃度について)のrMuIL-12創傷用量に相当する。創傷の測定は実施例1に記載されている(算出された創傷面積=78.5mm2、10mm直径の全層創傷、πr2)。
結果
放射線/全層皮膚損傷の組合せを受けたマウスに由来する局所処置された創傷は、ビヒクルで処置された対照よりも速い速度で閉鎖した。図5Aは、研究の1日目に測定したもののパーセンテージとしての創傷サイズのグラフを示す(創傷の24時間後に投与した)。図5Bは、それぞれの処置レジメンについての1xでの創傷の写真を示す。局所rMuIL-12と20ngのrMuIL-12の単回皮下注射との同時投与は、rMuIL-12の局所適用を受ける動物と比較して創傷治癒の有意な促進をもたらした。損傷/照射の24時間後に20ngのrMuIL-12の単回皮下投与を受けた動物は、局所処置された動物と同じ速度で治癒した。かくして、投与されたrMuIL-12(局所的および/または皮下的)は損傷後24時間でも、創傷閉鎖の速度の増加をもたらす。
IL-12を用いた糖尿病ラットにおける皮膚創傷の軽減
ビヒクルのみまたはビヒクル + rMuIL-12で局所的に処置した糖尿病マウスにおける全層皮膚損傷の治癒を検査するために研究を行った。
材料および方法
18匹のオスのZuckerラットを麻酔し、実施例1に記載のように生検パンチを用いて環状の10.0mm直径の創傷を与えた。次いで、ラットを3つの処置群に分けた:第1群は4%CMCのみで処置した;第2群は4%CMC + 100ng/mLのrMuIL-12で処置した;および第3群は4%CMC + 3160ng/mLのrMuIL-12で処置した。創傷を、実施例1に記載のようにTegadermで被覆した。約150μlのCMCをそれぞれの創傷に送達した。この容量は、約15ng(100ng/mL濃度について)または474ng(3160ng/mL濃度について)のrMuIL-12創傷用量に相当する。創傷の測定は実施例1に記載の通りである(算出された創傷面積=78.5mm2、10mm直径の全層創傷、πr2)。
結果
rMuIL-12で処置したマウスは、ビヒクルで処置した対照と比較してより速く治癒した。図6Aは、それぞれの処置群に関する0〜9日目にわたる創傷面積のグラフを示す。rMuIL-12に対する創傷応答は、いくらか用量依存的であると考えられる。rMuIL-12で処置された(100ng/mL)糖尿病ラットにおける50%の創傷閉鎖(T50)は、およそ6日目に観察された。rMuIL-12で処置された(3160ng/mL)糖尿病ラットにおけるT50は、およそ5日目に観察された。CMCで処置された糖尿病ラットのT50は、およそ7日目に観察された。完全な創傷閉鎖は、10〜13日目までに全てのrMuIL-12処置マウスについて達成された。全ての処置群は、対照と比較して時間と共に治癒の加速を示す。図6Bは、創傷の対応する1xの写真(右側)と共に、処置の9日目でのビヒクルのみで処置されたマウスのトリクロム染色された顕微鏡写真(左側)を示す。図6Cは、創傷の対応する1xの写真(右側)と共に、処置の9日目での100ng/mLのrMuIL-12で処置されたマウスのトリクロム染色された顕微鏡写真(左側)を示す。
かくして、rMuIL-12は、II型糖尿病のラットモデルにおいて創傷治癒を加速した。創傷閉鎖の加速を誘導するには100ng/mLの用量のrMuIL-12で十分であり、3160ng/mLの用量のrMuIL-12は100ng/mL群と比較して応答の増強を示した。
上記実施例は、本発明を例示するために与えられる。しかしながら、本発明の精神および範囲は、これらの実施例に記載された特定の条件または詳細に限定されないことが理解されるべきである。限定されるものではないが、米国特許を含む全ての公共的に利用可能な本明細書で参照される文献は、参照により具体的に組み入れられる。
本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明の方法および組成物において様々な改変および変更を行うことができることが当業者には明らかであろう。かくして、本発明は、本発明の改変および変更が添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内にあるという条件で、それらを包含することが意図される。

Claims (25)

  1. 皮膚創傷にIL-12を投与することを含む、被験体における皮膚創傷の治療方法。
  2. 投与が局所、皮下、筋肉内、またはその任意の組合せである、請求項1に記載の方法。
  3. 被験体がヒトである、請求項1に記載の方法。
  4. IL-12が局所投与される、請求項3に記載の方法。
  5. IL-12が約1ng/mL〜約10μg/mLの用量で局所投与される、請求項4に記載の方法。
  6. IL-12が約10ng/mL〜約5μg/mLの用量で局所投与される、請求項4に記載の方法。
  7. IL-12が約100ng/mLの用量で局所投与される、請求項4に記載の方法。
  8. IL-12が皮下投与される、請求項3に記載の方法。
  9. IL-12が約10ng/kg〜約500ng/kgの用量で皮下投与される、請求項8に記載の方法。
  10. IL-12が約80ng/kgの用量で皮下投与される、請求項8に記載の方法。
  11. IL-12の投与が、IL-12投与の非存在下で観察される創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定された場合の創傷治癒の少なくとも約5%の増加をもたらす、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. IL-12の投与が、IL-12投与の非存在下で観察される創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定された場合の創傷治癒の少なくとも約20%の増加をもたらす、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  13. IL-12の投与が、IL-12投与の非存在下で観察される創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定された場合の創傷治癒の少なくとも約50%の増加をもたらす、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  14. IL-12の投与が、IL-12投与の非存在下で観察される創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定された場合の創傷治癒の少なくとも約75%の増加をもたらす、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  15. IL-12の投与が、IL-12投与の非存在下で観察される創傷閉鎖と比較して、創傷閉鎖により測定された場合の創傷治癒の少なくとも約95%の増加をもたらす、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  16. 被験体が皮膚創傷をもたらす放射線に曝露されている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. IL-12が、皮膚創傷をもたらす放射線への曝露後約1時間〜約24時間までに投与される、請求項16に記載の方法。
  18. 被験体が通常の皮膚創傷治癒に対する障害を特徴とする患者集団の一員である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  19. 被験体が糖尿病である、請求項18に記載の方法。
  20. 皮膚創傷が熱傷である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  21. 皮膚創傷が手術部位に存在する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  22. IL-12が皮膚移植片と共に投与される、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. IL-12が無細胞性または細胞性真皮マトリックスと共に投与される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. IL-12がゲルマトリックス中で乳化される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. ゲルマトリックスが等張性4%カルボキシメチルセルロースである、請求項24に記載の方法。
JP2014515934A 2011-06-13 2012-06-13 Il−12を用いる皮膚損傷の軽減 Active JP6005736B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161496472P 2011-06-13 2011-06-13
US61/496,472 2011-06-13
US201161528053P 2011-08-26 2011-08-26
US61/528,053 2011-08-26
PCT/US2012/042165 WO2012174056A1 (en) 2011-06-13 2012-06-13 Mitigation of cutaneous injury with il-12

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014517038A true JP2014517038A (ja) 2014-07-17
JP2014517038A5 JP2014517038A5 (ja) 2015-07-30
JP6005736B2 JP6005736B2 (ja) 2016-10-12

Family

ID=47357436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014515934A Active JP6005736B2 (ja) 2011-06-13 2012-06-13 Il−12を用いる皮膚損傷の軽減

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9925246B2 (ja)
EP (1) EP2718456B1 (ja)
JP (1) JP6005736B2 (ja)
CA (1) CA2839261A1 (ja)
WO (1) WO2012174056A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020079236A (ja) * 2018-11-12 2020-05-28 有限会社バイオ研 皮膚塗布用の皮膚創傷治癒促進組成物、その製造方法、及び創傷被覆材
JP7448137B2 (ja) 2020-03-10 2024-03-12 日本ゼトック株式会社 アクチン重合促進剤

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018017571A1 (en) * 2016-07-18 2018-01-25 Neumedicines, Inc. Uses of il-12 as a replacement immunotherapeutic

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008500948A (ja) * 2003-07-03 2008-01-17 ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア 造血におけるil−12の使用
US20100221208A1 (en) * 2002-12-23 2010-09-02 William Marsh Rice University Treatment and Diagnostic Methods for Fibrosis Related Disorders
WO2010135655A2 (en) * 2009-05-21 2010-11-25 Stratatech Corporation Human skin substitutes expressing il-12

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4179337A (en) 1973-07-20 1979-12-18 Davis Frank F Non-immunogenic polypeptides
JPS6023084B2 (ja) 1979-07-11 1985-06-05 味の素株式会社 代用血液
US4640835A (en) 1981-10-30 1987-02-03 Nippon Chemiphar Company, Ltd. Plasminogen activator derivatives
US4496689A (en) 1983-12-27 1985-01-29 Miles Laboratories, Inc. Covalently attached complex of alpha-1-proteinase inhibitor with a water soluble polymer
DE3675588D1 (de) 1985-06-19 1990-12-20 Ajinomoto Kk Haemoglobin, das an ein poly(alkenylenoxid) gebunden ist.
US4791192A (en) 1986-06-26 1988-12-13 Takeda Chemical Industries, Ltd. Chemically modified protein with polyethyleneglycol
US5457038A (en) 1988-11-10 1995-10-10 Genetics Institute, Inc. Natural killer stimulatory factor
US5780597A (en) 1989-12-22 1998-07-14 Hoffmann-La Roche Inc. Monoclonal antibodies to cytotoxic lymphocyte maturation factor
US5573764A (en) 1994-01-21 1996-11-12 Genetics Institute, Inc. Use of interleukin-12 to prevent graft versus host disease
WO1996024369A1 (en) 1995-02-06 1996-08-15 Genetics Institute, Inc. Formulations for il-12
US5853714A (en) 1995-03-27 1998-12-29 Genetics Institute, Inc. Method for purification of IL-12
US6423308B1 (en) * 1998-09-15 2002-07-23 Wyeth Treatment of Kaposi's sarcoma with IL-12
US7052685B1 (en) * 1998-10-15 2006-05-30 Trustees Of The University Of Pennsylvania Methods for treatment of cutaneous T-cell lymphoma
CA2471363C (en) 2001-12-21 2014-02-11 Human Genome Sciences, Inc. Albumin fusion proteins
AU2003303384A1 (en) 2002-12-23 2004-07-22 Schering Corporation Uses of mammalian cytokine; related reagents
US7939058B2 (en) * 2003-07-03 2011-05-10 University Of Southern California Uses of IL-12 in hematopoiesis
SI1793859T1 (sl) 2004-08-20 2009-06-30 Smithkline Beecham Corp Zdravljenje oralnega in intestinalnega mukozitisa z dajanjem humanega IL-18
US8165819B2 (en) * 2006-10-10 2012-04-24 The University of Pittsburgh—Of the Commonwealth System of Higher Education Modeling wound healing

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100221208A1 (en) * 2002-12-23 2010-09-02 William Marsh Rice University Treatment and Diagnostic Methods for Fibrosis Related Disorders
JP2008500948A (ja) * 2003-07-03 2008-01-17 ユニバーシティ オブ サザン カリフォルニア 造血におけるil−12の使用
WO2010135655A2 (en) * 2009-05-21 2010-11-25 Stratatech Corporation Human skin substitutes expressing il-12

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6015051180; 'IL-12 and IL-18 in combination improve the impaired production of MIP-1alpha by T cells from thermal' FASEB Journal Vol.15, No.4, 2001, p.A346 *
JPN6015051182; The Journal of Clinical Investigation Vol.101, No.8, 1998, p.1693-1698 *
JPN6015051184; 中国臨床康復 第8巻, 2004, p.3345-3347 *
JPN6015051185; 渡邉 千之: '術前術野の処理' 医学のあゆみ IGAKU NO AYUMI 第138巻, 三浦 裕士 医歯薬出版株式会社 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020079236A (ja) * 2018-11-12 2020-05-28 有限会社バイオ研 皮膚塗布用の皮膚創傷治癒促進組成物、その製造方法、及び創傷被覆材
JP7045671B2 (ja) 2018-11-12 2022-04-01 有限会社バイオ研 皮膚塗布用の皮膚創傷治癒促進組成物、その製造方法、及び創傷被覆材
JP7448137B2 (ja) 2020-03-10 2024-03-12 日本ゼトック株式会社 アクチン重合促進剤

Also Published As

Publication number Publication date
US9925246B2 (en) 2018-03-27
US20140205561A1 (en) 2014-07-24
EP2718456B1 (en) 2019-04-24
CA2839261A1 (en) 2012-12-20
EP2718456A4 (en) 2014-11-19
EP2718456A1 (en) 2014-04-16
JP6005736B2 (ja) 2016-10-12
WO2012174056A1 (en) 2012-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
El Gazaerly et al. Effect of transforming growth factor Beta 1 on wound healing in induced diabetic rats
US6387364B1 (en) Methods of healing wounds and fibrotic disorders using IL-10
İzol et al. A new approach for root surface biomodification using injectable platelet-rich fibrin (I-PRF)
JP2008523101A (ja) 爪ユニットの状態を治療するための組成物および方法
CN1083392A (zh) 用作蛋白质药物释放的含胶原海绵
WO2014126931A1 (en) Stable platelet- rich-plasma compositions and methods of use
WO2016149194A1 (en) Collagen compositions and uses for biomaterial implants
US11826486B2 (en) Methods for treating wounds
WO2013172721A1 (en) Combination treatments and compositions for wound healing
JP6005736B2 (ja) Il−12を用いる皮膚損傷の軽減
JP2019524753A (ja) 置換免疫療法薬としてのil−12の使用
EP2572724A1 (de) Behandlung von Fibrosen und Lebererkrankungen
Mateshuk-Vatseba et al. The influence of an opioid on the course of reparative processes
US20240016893A1 (en) Compositions and methods for treating wounds
Cai et al. Heterotopic bone formation around vessels: pilot study of a new animal model
US9931348B2 (en) Vanadium compounds as therapeutic adjuncts for cartilage injury and repair
CA2669109A1 (en) Il-17b for use in wound healing
Kannan VASCULITIC ULCERS
Abdel Gawad et al. EFFECT OF THE USE OF THE HUMAN AMNIOTIC MEMBRANE IN HEALING OF SURGICALLY INDUCED SKIN DEFECTS IN RABBITS (HISTOPATHOLOGICAL STUDY)
Santhan A Comparative Study between Efficacy Of Topical Sucralfate And 5% Povidone Iodine In Chronic Lower Limb Ulcers
Titunick Blockade of the OGF-OGFr Axis Enhances Repair Processes in Diabetic Skin and Bone
Hrynyk Enhanced burn wound healing through controlled and sustained delivery of bioactive insulin from alginate sponge dressings
US20070025963A1 (en) Methods for reduction of scar tissue formation
US20240115764A1 (en) Collagen compositions and uses for biomaterial implants
Shakir et al. Biopatterned Recombinant Human Bone Morphogenetic Protein 2 Does Not Induce Pansynostosis or Growth Restriction in the Immature Craniofacial Skeleton

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150611

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160105

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160405

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6005736

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531