JP2014516776A - 塩素または混合酸化剤溶液および紫外光を使用する有機汚染物質の分解 - Google Patents

塩素または混合酸化剤溶液および紫外光を使用する有機汚染物質の分解 Download PDF

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Abstract

流体中の有機汚染物質を破壊するための方法および装置。少なくとも1つの酸化剤を汚染流体に添加して、次にこれに紫外線放射を照射する。酸化剤は、好ましくは塩素系であり、オンサイトで発生させる。放射強度は、通例のAOPプロセスよりも高い。多様なプロセスパラメータ、たとえば汚染流体pHおよび/もしくは流速、ならびに/または多様なUV波長源の相対強度は、測定品質指標に応じて変わる。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2011年5月6日に出願された「塩素または混合酸化剤溶液および紫外光を使用する有機化合物の分解(Organic Compound Destruction Using Chlorine or Mixed Oxidant Solution and Ultraviolet Light)」という表題の米国仮出願第61/483,579号の出願の優先権および利益を主張し、これの明細書は参照により本明細書に組み入れられている。
本発明は、有機化合物(これに限定されるわけではないが、内分泌かく乱化合物、発色剤、揮発性有機化合物および水中油型混合物)を破壊して、微生物を不活性化するために、オンサイトで発生させた次亜塩素酸ナトリウムまたはオンサイトで発生させた混合酸化剤溶液を紫外線放射(UV)または集光太陽紫外線(CSU)放射と組み合せて使用する方法に関する。
以下の議論がいくつかの刊行物および参考文献に触れる場合があることに留意されたい。このような刊行物についての議論は、本明細書では科学原理の背景をさらに完全にするために与えられ、このような刊行物が特許性を判断する目的で従来技術であると認めるものとして解釈されるべきではない。
本発明の一実施形態は、有機汚染物質を破壊する方法であって、少なくとも1つの酸化剤を汚染流体に添加することによって混合物を形成するステップ、混合物に紫外線放射を照射するステップ、少なくとも1つの酸化剤を光分解するステップ、流体中に残存する品質指標の量を測定するステップ、およびプロセスパラメータを調整して、続いて流体中に残存する有機汚染物質の量を所望のレベル以下に低下させるステップを含む方法である。少なくとも1つの酸化剤は、好ましくは塩素系酸化剤、たとえば次亜塩素酸塩、次亜塩素酸ナトリウム、混合酸化剤、次亜塩素酸またはその組み合せを含む。紫外線放射の強度は、好ましくはおよそ60mJ/cmを超え、より好ましくはおよそ100mJ/cmを超え、なおより好ましくはおよそ1000mJ/cmを超える。紫外線放射は場合により、複数の波長を含み、この場合、調整ステップは、好ましくは混合物のpHに応じて、照射ステップの前に場合により異なる波長の相対強度を調整することを含む。紫外線放射は、場合により、集光太陽放射を含む。調整ステップは、場合により、照射ステップの前に混合物のpHを調整することを含む。調整ステップは、好ましくは、混合物中の少なくとも1つの酸化剤の濃度、酸化剤の汚染流体中への流速、汚染流体の流速およびその組み合せを調整することを含む。この方法は、好ましくは、汚染流体源付近に位置するオンサイト発生装置を使用して、少なくとも1つの酸化剤を発生させることをさらに含む。発生ステップは、場合により、汚染流体中で塩を使用して少なくとも1つの酸化剤を発生させることを含む。
本発明の別の実施形態は、有機汚染物質を破壊するための装置であって、少なくとも1つの酸化剤および汚染流体の混合物を、紫外線放射源を備えた紫外線光反応器まで推進させるためのポンプ、品質指標センサ、および品質指標センサから得たデータに基づいて少なくとも1つのプロセスパラメータを制御するためのコントローラを備える装置である。少なくとも1つの酸化剤は、好ましくは塩素系酸化剤を含み、前記塩素系酸化剤を発生させるためオンサイト発生装置をさらに構成する。オンサイト発生装置への塩水投入口は、場合により汚染流体源に連結されている。紫外線放射源は、好ましくは太陽集光装置および/または複数の紫外線ランプを備えている。後者の場合、紫外線ランプは、好ましくは異なる波長で紫外線放射を放出して、コントローラは、好ましくは品質指標センサからのデータに応答してランプの相対強度を調整する。紫外線放射源は、好ましくはおよそ100mJ/cmを超える、より好ましくはおよそ1000mJ/cmを超える強度を有する放射を放出する。装置は、好ましくは、光反応器の上流に配置されたpHセンサをさらに備えている。装置は、好ましくは、汚染流体流が品質指標センサおよび/またはpHセンサからのデータに応答して光反応器に進入する前に、流体流に1種以上の化学物質を制御自在に添加するために、酸性化学物質源およびアルカリ性化学物質源をさらに備えている。装置は、好ましくは、汚染流体の流速を測定するためのフローセンサおよび前記品質指標センサからのデータに応答して前記流速を調整するためのポンプをさらに備える。
本発明の目的、利点および新規特徴ならびにさらなる適用範囲は、一部が添付図面と併せて次ぎに読まれる詳細な説明に記載され、一部が以下を検討したときに当業者に一部が明らかとなり、また本発明を実施することにより習得され得る。本発明の目的および利点は、添付された特許請求の範囲で特に指摘されている手段および組み合せによって実現および達成され得る。
添付図面は、明細書に組み入れられてその一部を形成し、本発明の1つ以上の実施形態を例証し、説明と共に本発明の原理を解明する役割を果たす。図面は、本発明のある実施形態を例証することのみを目的とし、限定するものとして解釈されるべきではない。
酸化剤発生システムおよび制御システムと組み合された、紫外線光システムの概略図である。 酸化剤発生システムおよび制御システムと組み合されたパラボラ太陽集光器システムの概略図である。 酸化剤発生システムおよび制御システムと組み合されたパラボラ太陽集光器システムならびに待機位置の紫外線光バックアップシステムの概略図である。 酸化剤発生システムおよび制御システムと組み合されたパラボラ太陽集光器システムならびに動作位置の紫外線光バックアップシステムの概略図である。 1種を超えるUVランプを含有し、好ましくはpHフィードバックシステムを通じて制御されるUVランプ光反応器の概略図である。 本発明と併せて使用できる溶液pH制御システムを示す概略図である。 汚染流体中に含有された塩を電気分解する本発明の実施形態を示す概略図である。 実施例2に記載したような実験室規模の光反応器の写真である。 リアクタの異なる位置にランプを配置して、撹拌プレート上部にて測定した254nm UV光の強度を示すグラフである。 実施例2に記載したような、254nm UV光を用いた2時間にわたる100mg/L MOSの光分解の結果を示す。ランプ位置1から6はそれぞれ、2時間の照射時間で7,776、3672、1584、864、457および288mJ/cmのUV線量に対応している。 および 実施例2の初期溶液pH、UV光波長および照射時間の関数としての、100mg/L MOSの溶液FACの変化を示すグラフである。 および 実施例2の初期溶液pH、UV光波長および照射時間の関数としての、100mg/L MOSの溶液pHの変化を示すグラフである。 および 実施例2での、各種のpH値での100mg/L MOSまたは漂白剤への254または365nmのどちらかのUV光の照射中の塩素酸塩および過塩素酸塩の形成を示すグラフである。 実施例2での、254nmおよび365nmUV光での照射下でのMOSとの反応中のpCBAの分解ならびに照明なしの対照反応を示すグラフである。 実施例2での、2時間にわたる10ppm pH6 MOSのスパイク(spiked)溶液への照射中のTOrCの除去を示す。 および 245および365nm UV光を照射したoMBAおよび46dhaのMOS溶液中のTOCレベルの低下を示すグラフである。oMBAおよび46dhaの構造を実施例2のグラフの上に示す。 および 実施例2でのMOS添加CRW溶液の光分解のUV254吸光度の低下を示すグラフである。 実施例2での、(a)MOSの添加直後に反応停止させた、(b)2時間後に254nm UV光を照射した、および(c)2時間後に365nm UV光を照射した、10ppm MOSを添加した未処理CRW、pH7.5の3D蛍光(Fluoresence)画像を示す。淡青色領域は、フミン酸の存在を示す。 実施例2での、照射なしおよび254nmまたは365nm UV光のどちらかを照射した10mg/L MOSによる2時間反応後のCRWの(a)SEC−蛍光トレースおよび(b)PRAM分析のグラフを示す。 実施例2で0.5mg/L臭化ナトリウムでスパイクして(spiked)、UV光を2時間照射した、10mg/L MOS中での臭素酸塩の産生を示すグラフである。 実施例2での各種の照射条件下でCRWのMOSとの反応の結果として形成された有機DBPのグラフである。 実施例3に従って水溶性塩素とUVの各種の組み合せを使用した、バチルス・グロビジイ(Bacillus globigii)芽胞の不活性化を比較するグラフを示す。
本発明の実施形態は、好ましくは、たとえば次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素または混合酸化剤を含む電気分解により発生させた酸化剤溶液を汚染流体流と紫外線反応装置内で化合させて、酸化性フリーラジカルおよび他の強力な酸化剤を発生させ、流体流中の有機物または微生物と反応させる。反応物により、有機物質および微生物を破壊すること、または有機物質を小型の有機化合物に分解することが可能である。明細書および特許請求の範囲を通じて使用する場合、「有機汚染物質」という用語は、これに限定されるわけではないが、内分泌かく乱化合物(EDC)、揮発性有機化合物(VOC)、医薬品およびパーソナルケア製品(PPCP)および水中油型混合物を含む、いずれの有機化合物,有機分子、有機物質、天然有機物、生物、微生物などをも意味する。UV反応装置は、およそ200ナノメートルからおよそ400ナノメートルの間の波長を有するUV光を生成する電動式UV光源を好ましくは備え、好ましくは塩素種水溶液の光分解(phytolysis)を最適化する種々の紫外線波長を放出するが、単一波長、たとえば254ナノメートルを利用してよい。
過酸化水素およびUV、オゾンおよびUV、ならびにオゾンおよび過酸化水素の組み合せは、有機物の破壊を行うために過去に使用されてきた。複数の酸化剤の組み合せまたは酸化剤を含有する水のUVへの暴露により、有機化合物を酸化するフリーラジカルを発生させることができ、これは促進酸化プロセス、すなわちAOPとして公知のプロセスである。紫外線放射と組み合せた過酸化水素は、AOPを行うために一般に使用される1つの方法である。しかし、多くの用途では、AOP処理が完了した後に、過酸化水素を最初に反応停止させて、次にさらなる塩素を添加して、多くの規制機関によって求められる残留殺菌作用を維持する必要がある。混合酸化剤溶液(MOS)または他の塩素系酸化の組み合せを使用することにより、殺菌目的のための塩素残留物を維持しながら、AOPを促進することができる。オゾンまたは過酸化水素のどちらもこのような残留物を維持することができない。いくつかの実施形態において、有機化合物で汚染流体を電解セルに直接供給して有機化合物を破壊し、次いで次の溶液をUV反応装置に通過させて有機化合物を完全に破壊する。本発明の実施形態は、酸化剤を発生させて、次に酸化剤をUV反応装置中で汚染水と組み合せて有機化合物を酸化する、統合された、より安全で、よりコスト効率のよい方法である。本発明の一実施形態において、酸化剤溶液を清浄な水および清浄な塩を使用して常に個別に生成し、次に汚染水または有機汚染流体と組み合せて、これを次にUV反応装置中に流入させるが、有機溶液を電解セルに直接通過させるよりも、はるかに信頼性が高く、メンテナンスが不要な有機物破壊の手法である。有機物を電解セルに直接通過させると、電解セルは急速に汚損されることがある。
または、2つ以上の異なる波長で紫外線光を放出する2個以上のUVランプ、たとえば200−400nmのスペクトル範囲内で複数の波長を放出する中圧UVランプ、または塩素の光分解に好ましい単色波長を放出する2個の独立したランプを備えた光反応器を使用してよい。本実施形態において、pHセンサは好ましくは光反応器の上流に配置され、処理される水のpH値を測定する。好ましくはこの値を使用して、光反応器内に含有されている異なるUVランプの相対強度を決定する。本実施形態の利点は、水溶性塩素が次亜塩素酸(HOCl)形または次亜塩素酸塩(ClO)形のどちらであるかによって、異なるUV吸収プロフィールを有するということである。溶解したこれら2つの種の相対量の間の関係はpHの関数として変動するため、光反応器は好ましくは、処理される水のpHのわずかな変化によっても、いくつかの異なるUVランプの相対出力を変動させる。異なるランプの実際の数および波長は、好ましくは具体的な各用途について個別の手法で決定され、好ましくは、所望の汚染物質の破壊結果に応じて出力を変化させる統合技術手法の一部である。溶液のpHは、酸化剤の添加後に、しかしUV光反応器への進入前に調製してよい。pHセンサは好ましくは、酸性または苛性溶液のどちらかを水流に添加して、pHを所望のレベルに調整することができるポンプに連結されている。
本発明のまた別の実施形態において、UV反応装置は、パラボラ集光器または他の形の太陽光集光装置の焦点にて紫外線透明管(たとえば石英管)を通過する流体を含んでよい。流体が集光された太陽光に暴露される前に、酸化剤を流体流に添加してよい。汚染溶液中の酸化剤およびUV光への暴露の組み合せによって、強力な酸化性フリーラジカルおよび他の強力な酸化剤が発生し、次に有機物と反応して有機物を破壊し、有機物を、これに限定されるわけではないが、二酸化炭素、窒素ガスおよび水を含む単純および安全な化合物まで分解する。これらの実施形態のいずれにおいても、好ましくは、処理する液体の実質的にすべてに最低限のUV線量、すなわち十分に高い強度を照射して、所望の結果を達成する。
本発明の実施形態は、これに限定されるわけではないが、内分泌かく乱化合物(EDC)、揮発性有機化合物(VOC)、医薬品およびパーソナルケア製品(PPCP)ならびに水中油型混合物を含む有機化合物を破壊できる高酸化性化学物質を生成する紫外線源またはランプシステムと組み合された、電解セルを備えている。加えて、本発明の実施形態は、電気化学的に生成された酸化剤溶液および紫外線光の組み合せを使用して、所与の水源中での微生物の不活性化を向上させる。電気化学セルは、これに限定されるわけではないが、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸、混合酸化剤溶液、過酸化水素および/またはオゾンを含むいくつかの異なる酸化剤種を生成することができ、この酸化剤種を流体(たとえば水)に添加して、次にUV、たとえば人工UVランプまたは太陽UV光からのUVに暴露させる。
本発明の装置の実施形態は、最低1個の陰極および最低1個の陽極の、少なくとも2個の電極を備える、少なくとも1個の電気化学セルを備える。装置は好ましくは、少なくとも1個の陰極および少なくとも1個の陽極との間に電位を提供するための制御回路を備え、制御回路は少なくとも1個の陰極および少なくとも1個の陽極と電気的に接触している。酸化剤が発生する間に、電解質は陽極と陰極との間のセルハウジング内に位置して、制御電荷が好ましくは、電解質溶液中を少なくとも1つの陰極および少なくとも1個の陽極から電解質溶液中を通過して、これにより電解質中で少なくとも1つの酸化剤を発生する。単一陽極および単一陰極電解セル構成が、単極電解セルとして公知である。電解セルの別の実施形態において、1個の主陽極および1個の主陰極が互いに対向していて、中間電極が主陽極と主陰極との間に配置されている。中間電極の数がいくつでも、電解セル構成は二極電解セル構成として公知である。主陽極および主陰極ならびに制御回路と電気接触したエネルギー源は、好ましくは、所定の電圧および電流値を有する制御された電圧および電流を送達する。
装置は、好ましくはUVランプの軸の長手方向にまたは軸を横切って流れるように1個以上のハウジングに配置されている、場合により酸化剤光分解を最大にする構成、たとえば並列構成で配列された1個以上のUV光源、たとえば円柱状ランプをさらに備える。UVランプは、約254ナノメートル(nm)の周波数で、または関係する有機化合物を破壊する酸化剤を最適に生成するための酸化剤に適するような他の波長にて動作できる。UVランプは、最大エネルギー効率が実現できるような周波数においても動作できる。これらの周波数は、太陽エネルギー源に適応可能である。流体品質センサおよび制御回路は、好ましくは、関係する汚染物質を最大限破壊するためにも利用される。たとえば、UVランプシステムの放出物に対する流体品質センサは、流体品質を監視して、利用されるUVランプの数を増減することができるか、流体流に添加される混合酸化剤溶液または他の塩素系酸化剤溶液の量を増減することができるか、および/または関係する汚染物質の最大限の破壊を行うためにシステム中の流体の流速を増減することができる。
本発明の追加の制御機構は、処理されている流体流のpHに基づいてプロセスを調整することができる。一実施形態において、電気化学セルから発生した酸化剤の添加後に、pHセンサを流体流に浸漬する。次にこのpHセンサからの読み取り値を好ましくは使用して、流体流に酸性または苛性化学物質を添加できるポンプを制御し、これにより流体流のpHを所定のレベルに調整する。またはpHセンサを、UV光の1を超える周波数を放出する1個以上のUVランプに連結することができる。 本実施形態において、pHセンサ・フィードバック・ループを使用して、所定の方式で異なる周波数のUVランプの相対強度を流体pHの関数として調整する。
図1を参照すると、流体は、流体供給ポンプ34などのフロー制御スキームによって投入口流体品質センサ38を介して、直列方式で第1UV光ハウジング20中へ、次に第2UV光ハウジング22中へ、続いて第3UV光ハウジング24中へ移送される。流体は第3UV光ハウジング24を出て、出口流体品質センサ40に検知され、さらなるプロセシングまたは貯蔵まで進む。各UVランプハウジングの間では、流体連結管27、28によってUVランプハウジング間で流体が移送される。各UV光ハウジングは、UVランプ26、26’および26”を備えている。UVランプ26、26’および26”の周波数は同じでよく、または場合により、酸化性溶液の組み合せが発生して、関係する特定の汚染物質または汚染物質の組み合せを破壊できるように、異なってよい。図1には3個のUVランプが示されているが、1個のみのランプまたは任意の数のランプを用いてよい。UVランプハウジングは、または並流形態で配列されてよい。
照射前に、酸化剤発生装置30によって生成された、これに限定されるわけではないが、混合酸化剤溶液を含む酸化剤溶液は、酸化剤ポンプ36を介して流体流まで移送される。UV照射の間に、酸化剤溶液はUV照射によって活性化されたことにより、ヒドロキシラジカルおよび他の反応性酸化剤種を形成して、これらはシステム内を流れる流体中に存在することがある汚染物質、たとえば有機化合物を破壊する酸化剤発生装置30は、好ましくは、およそ4000から6000mg/Lの間の遊離有効塩素濃度を有する酸化剤溶液を生成する。本発明の別の実施形態により、酸化剤発生装置30を他の化学物質、たとえば次亜塩素酸ナトリウムまたは過酸化水素の発生装置と代えることができる。同様に、他の手段によって得た化学物質のタンクを使用して、酸化剤発生装置30と代えることもできる。
コントローラ32は好ましくは、投入口流体品質モニタ38および出口流体品質モニタ40から信号を受信する。出口流体品質モニタ40からの品質パラメータを監視することによって、制御スキームは好ましくは、以下の1つ以上を制御することにより関係する汚染物質の破壊を最適化するようにプログラミングされる。それらは、流体供給ポンプ34によるシステム内の流体の供給速度、UVランプのいずれかのUV照射強度、オンライン汚染物質モニタからのフィードバック、システム内の複数のUVランプのうち1個以上の消灯および/または酸化剤ポンプ36を介した酸化剤溶液の流速である。
たとえばセンサ38および40の一方または両方によって、遊離有効塩素(FAC)、酸化剤および/または汚染物質のレベルを監視してよい。明細書および特許請求の範囲を通じて使用する場合、「品質指標」という用語は、これに限定されるわけではないが、FAC、酸化剤、有機汚染物質、全有機炭素、溶存有機炭素および/または総溶解固形分を含む、照射後の流体の1つまたは複数の成分を意味する。センサ38によって測定されるランプ26、26’および26”への暴露前の、ならびに品質指標センサ40にて測定されるUV暴露後の、本発明を通過する水中に存在するはずである品質指標の具体的な目標レベルは、好ましくは予め決められている。コントローラ32は、センサ38および40から受信した情報を使用して、処理される水に対する酸化剤(または他の化学物質)溶液の量、UVランプの強度および/またはUVランプハウジングを通る流体の流速のいずれかを変更する。他の水質対策を場合により使用して、これに限定されるわけではないが、全有機炭素、溶存有機炭素および/または総溶解固形分を含む、AOP全体を制御してよい。この制御スキームは、UVランプの代わりに太陽光を用いるシステムに適用できる。
装置の別の実施形態は、電解セルと、太陽紫外線光(SUL)を集束および取り込み可能なシステム、たとえばパラボラトラフまたは複合パラボラトラフ集光器を備えたシステムとを兼ね備えている。SULは、促進酸化プロセスのUVエネルギー源を提供する。この装置では、ポンプ機構は酸化剤流と処理される水流とを兼ね備え、両方の流れを太陽集光器中に噴射する。組み合された流れは集光器中に入ると、太陽集光器の焦点に位置する、UV透過性材料(たとえば石英)で作られたパイプを通って移動する。溶液が集光器を通って移動するにつれ、太陽UV光が収集および集束されて、SULを用いて廃液流中の汚染物質を分解するヒドロキシルラジカルおよび他の強力な酸化性剤が生成される。このような装置は、SULの強度が低すぎて汚染物質を十分に破壊できないときに動作するUVランプ機構とさらに組み合せることができる。この機構は好ましくは、太陽集光器上の所定の場所にあるか否かを制御して、UVランプの点滅を行う、SULセンサを含む。
図2を参照すると、未処理流体はポンプ50を介してシステム中に圧送され、センサ52によって監視される。次に発生装置42からの酸化剤溶液がポンプ54を通じて、未処理流体流に添加される。次に混合流体が、太陽集光器44の焦点に位置している管46の中に移動する。いくつかの集光器を連続して使用する場合、流体混合物が連続して、管48を通じて最後の集光器の中へ流入するように各集光器を連結する。流体が(複数の)集光器を出ると、流体が好ましくはセンサ58を通って移動する。このプロセス全体は好ましくは、本発明において多様なポンプおよびセンサに連結されているコントローラ56によって制御される。
図3は、SULのバックアップとしてUVランプの使用を含む、本発明の別の実施形態を示す。ここでUVランプ60は、コネクタ72および枢動マウント64を介して太陽集光器76に連結されたハウジング62に配置されている。SULセンサ78は同様に、コネクタ80を介して太陽集光器に連結されて、82を通じてコントローラ70に電気的に組み入れられている。コントローラ70は好ましくはさらに68を通じてピボット機構64に連結されているので、センサ78によって管74によって収集されたSULが閾値よりも低下したことが判定された場合に、ハウジング62がより低い位置に移動して、UVランプ60からの光が管74を通じて移動する流体を照明するようにする。図4は、ランプがより低い位置にあり、ランプからのUV光84が管74内の流体を照明する図である。酸化剤発生装置42は好ましくは、4000から6000mg/Lの間の遊離有効塩素濃度を有する混合酸化剤溶液を生成する。本発明の別の実施形態は、混合酸化剤発生装置42を、他の化学物質、たとえば次亜塩素酸ナトリウムまたは過酸化水素の発生装置に代える。同様に、他の手段によって得た化学物質のタンクを使用して、酸化剤発生装置42に代えることもできる。
本発明の別の実施形態は、図5に示すような、異なる波長の紫外線光を放出する複数のUVランプ、たとえば中圧UVランプを含有する光反応器である。ここで光反応器は本体86に収容され、パイプ88を通じて処理される水が供給される。水は反応装置本体86に流入し、ここでランプ90および92によって照明され、ランプ90は1つの波長のUV光を放出し、ランプ92は好ましくは、別の波長のUV光を放出する。光反応器本体86に進入する水のpHは、制御ユニット96に連結されたpHフローセンサ94によって監視する。制御ユニット96は次に、光反応器本体86に進入する水のpHの変化に基づいて、ランプ90および92の相対出力を変更する。最後に、処理水は反応装置本体86から管98を通って出る。複数のランプ光反応器の別の実施形態は、光反応器に進入する水の特性に応じてすべてのランプの相対出力を変化させることができるpHベース制御回路によってすべて同時に制御される、UVランプの全数および異なる波長のUVランプの数をいずれの組み合せでも有することができる。
本発明の別の実施形態は、図6に示すように、システムが処理される水のpHを、光反応器への進入前に調整することができる実施形態である。ここで、電気化学的に発生された酸化剤が添加された、処理される水がパイプ100に沿って運ばれる。制御システム104に連結されたセンサ102を使用して、この水のpHが測定される。処理される水のpHが低下することが所望である場合、タンク106に貯蔵された酸性化学物質は、ポンプ108を介してパイプ100に移送される。または処理される水のpHを上昇させることが有利である場合、タンク110に貯蔵された苛性化学物質は、ポンプ112を使用してパイプ100内の処理される水まで移送される。制御ユニット102は、ポンプ108および112に連結され、酸性および苛性化学物質それぞれの添加レベルを決定するために使用される。pHが調整された後、処理される水がUVランプ118を含有する光反応器114に進入し、処理済み流体がパイプ120を通じて光反応器114から出る。この概念に基づく同様の変形形態を、上記のような太陽UV光を使用して処理される流体に適用することができる。
石油・ガス業界で生成される水、たとえば破砕水および他の産業廃水流などの複合有機物および/または微生物の除去が必要な多くの汚染水は、塩含有率もかなり高い。図7に示す実施形態において、未処理流体の一部または全部が電解セル123を通過し、汚染水に本来含まれている塩を使用して、次亜塩素酸ナトリウムおよび/または他の酸化剤が生成される。これはAOPプロセスで最初の酸化剤を生成するための、非常にコスト効率のよい手段となり得る。電解セル123に供給される電位は、可変電圧および/または定電流DC電源124からの電気接点125を介して制御することができる。電解セル電流が降下を開始するときは必ずセル電圧が上昇して、電解セル電流が一定に保たれ、これによりUV反応装置126に入る酸化剤の濃度を所望の範囲に維持することができる。たとえばセル電流を維持するために必要な電解セル電圧の上昇を監視することによって検出される未処理流体中の溶解塩含有率が、酸化剤の十分な濃度を生成するのに必要なレベル以下に降下する場合には、可変速度塩水ポンプ122を作動させて、飽和塩水源121から電解セル123における次の電気分解のための未処理水へ塩を供給することができる。
[実施例1]
過酸化水素およびUVと比べてMOSおよびUVを使用して、テトラクロロエテン(PCE)およびトリクロロエテン(TCE)ならびに1,1 DCEを含む5種類の汚染物質で汚染された地下水中の有機物質の破壊を評価する最初のケーススタディを行った。PCE汚染物質レベルは39μg/Lであり、TCE汚染物質レベルは3μg/Lであった。汚染地下水の15個のサンプルを2.0mg/L未満の3つの異なる添加量の混合酸化剤溶液で処理して、3つの異なる時間のUV照射に暴露させた。UV出力密度は、最小濁度であり、経路長が305mm(12インチ)未満の透明水中で約120mW秒/cmであった。出力密度は、254nmのピーク発光を有するUV−C波長域における総ワット数の30%以上を放出するランプからの総ワット数である。
TCE、PCEおよび1,1 DCE濃度は、MOSとUVの組み合せを使用して、5μg/L未満に低下した。UV照射を行わない、800μg/L(塩素相当量として)のMOS注入単独では、フレオン113および1,1 DCEの濃度が著しく低下し、TCE濃度がわずかに(約5%)低下して、PCEは全く低下しなかった。MOSは、CHCl、CClおよび1,2−DCAの濃度にも全く効果がなかった。MOS注入を用いないUV照射単独では、フレオン113、1,1−DCEおよびPCEをMCL以下の濃度まで規則的に、TCEをMCLのなおはるか上の濃度まで規則的に低下させた。UV照射単独は、上記の、すでに低濃度であるCHCl、CClおよび1,2−DCAの濃度に効果がなかった。MOS注入は、1,1−DCE、TCEおよびPCEの破壊時に、UV照射の有効性に劇的な効果があった。一般に、同じ濃度を得るためには、より弱いUV照射(より少ない数のUVランプ)が必要とされ、4個すべてのランプによるUV照射後には、MOSなしの対照と比べて、はるかに低い濃度が得られた。MOS/UVの組み合せでは、MOS単独またはUV照射単独により及ぼされた効果を超える、フレオン113濃度に対するさらなる最小限の効果があった。この組み合せも、すでに低濃度であるCHCl、CClおよび1,2−DCAの濃度には効果がなかった。
これらの試験による結論は、単一の溶液中で発生したOSG MOSによって、単一の酸化剤種に依存している他の地下水レメディエーション(remediation)技術にまさるいくつかの利点が提供されるということである。溶液中にフリーラジカルが、または前駆体として存在することは、UV照射によってヒドロキシルラジカル形成を生成または増強するために必要である。混合酸化剤溶液は、処理済み水における有機汚染物質の破壊ならびに殺菌を促進する、フリーラジカル前駆体ならびに塩素成分の両方を含有するように思われる。他の利点としては、以下が挙げられる。
・200パーツ・パー・ビリオン(ppb)のTCEおよびPCE汚染物質レベルが5ppbの最大汚染物質レベル(MCL)以下まで低下した。
・塩素化合物または他の有害酸化剤以外の塩を使用するオンサイト酸化剤発生装置による、マテリアルハンドリング安全性。
・低コストでの運転−処理1000ガロン当たり10セント未満で、合理的な資本コスト。
・クリプトスポリジウム・パルバムおよびジアルジアを含む、塩素単独では影響を受けない生物を破壊する、高性能の混合酸化剤。
・残留塩素を便利に分析できるようにする、あるレベルの塩素を含有する、混合酸化剤。
これらの試験をさらに評価するために、より徹底的な比較研究試験を行い、以下で詳細に述べる。
[実施例2]
塩素系酸化剤および2つの異なるUV波長範囲を使用する比較研究を行った。このプロジェクトによって、254nmまたは365nmの高エネルギー紫外線(UV)光と組み合せた、混合酸化剤溶液(MOS)または市販漂泊溶液のオンサイト発生に由来する遊離有効塩素(FAC)水溶液によって、小型有機分子を除去または無機化して、天然有機物(NOM)の構造に測定可能な影響を有する促進酸化プロセス(AOP)が生成できることがうまく証明された。塩素水溶液に関する光分解試験によって254nm(殺菌性)または365nm(人工太陽)UV光の両方を使用してFAC分解できること、および254nm照射下でFAC分解はpH非依存性であり、同時にpHは365nm光が照射された反応で重要な役割を果たすことが証明された。
いくつかの実験により、塩素ベースのAOPによって水中の有機物の化学的変換を行えることが証明された。2つのNOM類似分子で部分無機化が見られ、同時に他の試験によってトリス−(2−クロロエチル)−ホスフェート(TCEP)を含む一般的な汚染物質が溶液から除去されたことが見出された。コロラド河川水(CRW)NOMを用いて行った反応によって、NOM構造がこのプロセスの結果として変化したが、これらの試験で得たデータからは精密な構造変化が決定できなかったことが示された。有機および無機殺菌副生成物(DBP)の両方の生成を調査するように設計された反応により、このプロセスの間にCRWから形成されたトリハロメタンおよびハロ酢酸のレベルが連邦最大汚染物質レベル(MCL)より低く、トリハロメタンの場合には、生成レベルがUV照射の非存在下での塩素化と同等であることが明らかになった。水質に対して等しい影響を及ぼすための塩素添加量およびUV線量の両方が、従来のAOPよりも低くてよい。このため、過酸化水素/UV AOPを現在使用している公益企業は、塩素系AOPに切り替えることによって実質的なコストおよび運用上の利益を得ることができる。さらに、公益企業が難分解性有機化学物質を酸化するためにAOPの実施を望んでいる状況では、結果として、AOPの化学成分として塩素を使用すると、より優れた除去が行えることが示される。実験の段階は以下の通りであった。
・ベンチトップ光反応器の構成および試験。254または365nmのどちらかのUV光を使用して可変UV線量を送達できる変更可能な構成を備えた、汎用ベンチトップ準平行ビーム光反応器を構築した。UV強度および塩素分解の両方について試験を行って、後の反応のためのおおよその運転パラメータを決定した。
・塩素水溶液の光分解。様々な初期塩素濃度およびpH値の塩素水溶液を多種多様の照明条件下で光分解して、生じた塩素濃度およびpHの変化を経時的に追跡した。これらの試験により、光分解中の塩素水溶液の挙動についての詳細情報が提供された。
・小型有機分子の除去。実験では、塩素水溶液中で低レベルの一般的な水汚染物質をスパイクする(spiking)ことと、続いての光分解によって行った。これらの試験により、このプロセスがこれらの一般的な汚染物質を化学的に変換して、溶液からこれらを効果的に除去できることが確認される。
・NOM類似体分子の無機化。NOM類似体化合物を含有する溶液を塩素水溶液の存在下で光分解した。全有機炭素(TOC)レベルの反応後の低下によって、有機物の部分無機化が発生することが示された。
・CRW NOMの構造に対する塩素ベースAOPの影響。水溶性塩素を添加したCRWを光分解して、NOMの構造変化を多種多様の分析技法によって追跡した。これらの試験による結果によって、このプロセスがNOMの構造に影響を及ぼすことが可能であり、従来の水処理プロセスの間に炭素除去を補助し得ることが確認される。
・塩素ベースAOPの間のDBPの生成。水溶性塩素ベースの促進酸化の間に生成した殺菌副生成物のレベルについての試験を行って、水質に対する本プロセスの潜在的な影響を測定した。
・塩素ベースAOPの経済的見通し
これらの段階をより詳細に以下に記載する。
実験室規模の光反応器の設計、構成および試験
本プロジェクトの実験室作業を、以降の光分解実験すべてで使用する両面ベンチトップ光反応器の設計および構成から開始した(図8、左パネル)。反応装置は、それぞれ寸法が幅610mm(24インチ)、高さ1220mm(48インチ)、奥行き457mm(18インチ)の2つの同一の側面を有する。光を平行化するために用いるアパーチャプレートを配置するために、いくつかの内部ブラケットを側面に取り付けた。UVランプハウジング1個をボックスの上部に取り付け(UVP XX−15ハウジングを使用した)、第2のUVランプハウジングを別のシェルフに取り付けた。ボックスの各側面の底部に撹拌プレートを配置して、本試験中には高さ50mm、直径100mmの結晶皿を反応装置として使用した。108mm(4.25インチ)の孔が中央に開けられたシェルフを構成して、準平行効果を生じさせた。両方のランプハウジング2個のUV管を収容し、2個の反応装置を構築して、254nmまたは365nmのどちらかのUV光を使用した同時反応を行えるようにした。254nm UV光の使用は生成されたより高いエネルギーに基づいていたが、365nm UV光を用いて太陽光をシミュレートして、太陽UV駆動式AOPが可能か否かを判定した。すべての254nm照射反応でUVP XX−15S管を使用したが、すべての365nm照射反応ではUVP XX−15L管を使用した。ここで254nm UV管は、少量のより高い波長光と共に254nmを中心とする光を放出したが、365nm管は、365nmの最大ピーク強度で310から410nmの範囲に及ぶ広いスペクトルにわたって放出した。ランプハウジングシェルフおよび平行化シェルフを別のブラケットに配置することによって、反応装置容器上部とUV電球との間に14から97cmの範囲に及ぶ6つの設定距離が得られる。UV放射計を使用して6台の反応装置構成すべての254nm UV光の強度を測定すると(図8、右パネル)、強度は、ランプが撹拌プレートに最も近い1.08mW/cmから、反応装置の上部に取り付けられているランプでの0.04mW/cmの範囲に及んだ。我々は、適正な検出器がなかったため、365nm UV光の強度を測定できなかった。
光反応器の初期試験によって、100mg/L FAC MOS溶液の光分解に対するランプ位置の影響を調べた。ここで塩酸によってpHが7.5に調整された100mg/L MOSの溶液を調製し、この溶液275mLをガラス製結晶皿に注入した。光反応器内部のランプを所望のランプ位置に調整して、溶液を充填した皿を撹拌プレートの上に置いた。撹拌を200rpmに設定して、反応装置のドアを閉じ、ランプの電源を入れた。試料に2時間照射した後、反応装置から取り出し、最終溶液pH、FACおよび温度を測定した。2時間の反応時間では、254nmランプからのUV線量は、ランプ位置1から6について、それぞれ7776、3672、1584、864、457および288mJ/cmと計算された。予想通り、FACの減少はUV線量と強く相関していた。溶液に254nm UV光を照射した場合、ランプ位置1では90%のFACが除去され、ランプ位置5および6ではおよそ6%が除去された(図9)。ランプ位置1および2において、溶液温度は反応の間におよそ3°C上昇した。実質的なpH変化は一部の反応でも見られた。ランプ位置1、2および3において、pHはそれぞれ約4.3、0.9および0.3単位低下した。ランプ位置4から6での反応では、pH変化はなかった。365nm UV光を照射した溶液では、同様であるが、低下した効果が見られた。ここでFACは、ランプ位置1および2において約50%および25%低下し、他の位置では低下はほとんどまたは全くなかった。同様に、位置1および2での反応の照明後のpH値はそれぞれ1.3および0.2pH単位低下し、溶液温度の上昇は254nm UV光を照明した試料と同様であった。
MOSおよび漂泊剤の光分解
MOSと漂白剤の両方の塩素希釈水溶液が本光反応器における照射下での挙動を理解することは、多様な種類の有機化合物に対するAOPの効果を評価する実験条件を設計するための前提条件である。よって、初期反応条件が2時間の暴露時間を通じて変更および監視される、一連の光分解反応を行った。これらの反応の目標は、溶液pHおよびFAC濃度が暴露時間(およびしたがってUV線量)の関数としてどれだけ変化したかを理解すること、ならびに反応の間に精製されたオキシハライド(塩素酸塩および過塩素酸塩)のレベルを決定することであった。ここで10、100または1000mg/L FACをMOSまたは漂白剤として含有する溶液を脱イオン非緩衝水で調製した。初期溶液pHは、塩酸または水酸化ナトリウムのどちらかを添加することによって、6、7.5または9とした。次にこれらの溶液を光反応器に入れ、254または365nmのどちらかのUV光を合計2時間照射した。光分解の間に発生したものを定量するために、試料を5、10、15、30、60および120分後に取り出し、FACレベルおよび溶液pHを測定した。暴露120分後、試料を取り出し、マロン酸で反応停止させて、液体クロマトグラフィー/質量分析法を使用して塩素酸塩および過塩素酸塩レベルを後にアッセイした。
100mg/L FAC MOSへの254nm光(約7700mJ/cmの総UV線量)を照射すると、すべてのpH値の溶液のFACの急速な低下が引き起こされ、最終的に、120分間の反応時間後に、溶液中のほぼすべての塩素が消費された(図10a)。これに対して、塩素除去は、365nm UV光を用いて行った反応の初期pHに大きく依存し、より高いpHの溶液中ではFAC分解速度の上昇が見られた(図10b)。pHの実質的な変化はすべての反応で見られ、すべての反応が予想された塩酸の生成から生じるpHの低下を示し、塩酸は水溶性塩素の光分解から生じる主生成物の1つであった(図11)。塩素酸塩生成も、pHおよび照射波長の両方の関数であることが見出された(図12a)。ここで初期100mg/L FAC MOS溶液は、約3.5mg/L塩素酸塩(35μg塩素酸塩/mg FAC)を含有していた。254nm UV光を照射した溶液によって、初期溶液pHとは無関係にほぼ同量の塩素酸塩が生成されたが、365nm UV光を照射した溶液によって、初期溶液pHの上昇と共に、塩素酸塩の量が増加した。塩素酸塩生成レベルの同様の定性的変化は、初期FACレベルが10および1000mg/Lの溶液で見られたが、生成した塩素酸塩の相対量は劇的には変化しなかった。最初に10mg/L FACを含有していた溶液の場合、254nm UV光を照射したpH9の溶液では形成した塩素酸塩の最大量は0.95mg/Lであったが、初期FACが1000mg/Lの溶液を使用した同じ反応条件では、170mg/L塩素酸塩を含有する溶液が生成した。
最初に1.5μg/L過塩素酸塩(0.015μg過塩素酸塩/mg FAC)であった過塩素酸塩レベルは、100mg/L溶液でのすべての反応条件での光分解後に本質的に不変であることが見出された(図12b)。1000mg/L塩素溶液の光分解によって、UV光を用いた反応では、過塩素酸塩レベルがわずかに上昇した。たとえば、254nm UV光と反応させたpH6の1000mg/L MOSは、10.5μg/Lの初期過塩素酸塩レベルおよび16.2μg/Lの最終レベルを有した。MOSの代わりに漂白剤を用いて行った反応により、初期溶液pHおよび照射波長の関数としての、FAC除去および溶液pH変化の傾向のどちらに関しても、定性的に同様の結果が得られた。しかし漂白剤反応におけるオキシハライドレベルは、MOS反応のオキシハライドレベルとは異なっていた。たとえば100mg/L FACの漂白剤反応は、最初に18mg/L塩素酸塩(180μg塩素酸塩/mg FAC)および4.5μg/L過塩素酸塩(0.045μg過塩素酸塩/mg FAC)を含有していた。254nm UV光および初期溶液pH9での光分解の2時間後、塩素酸塩は36mg/Lであることが見出されたが、過塩素酸塩は5.5μg/Lであると測定された。本質的に、同量の塩素酸塩が生成されたが、初期濃度がより高いために絶対レベルがより高かった。再度、これらのデータは、塩素酸(HClO3)が光分解の間に生成されるという点で、水溶性塩素の光分解機構について知られていることと一致している。これらの反応における過塩素酸塩生成は、きわめて低く、1000mg/L FACで開始した反応にてのみ見られることがあり、過塩素酸塩の形成は塩素光分解プロセスのきわめて重要度の低い構成要素にすぎないことが示されている。光分解の直前に反応物にアンモニアが添加される光補助ブレークポイント反応は、アンモニア除去に対する塩素およびUVを組み合せた作用の影響を測定するために行った。行ったすべての反応において、水溶性塩素のみを使用した場合とUV照射と共に使用した場合の間に、識別可能な相違は見られなかった。
小型有機分子の除去
水溶性塩素ベースAOPが小型有機分子を破壊する能力を調べるために、いくつかの試験を行った。各試験条件においける相対OHラジカル暴露を決定するために、一般的なヒドロキシルラジカルプローブであるパラクロロ安息香酸(pCBA)を使用して初期試験を行った。1mg/L pCBAを含有する脱イオン水溶液をpH6、7.5または9に調整して、MOSまたは漂白剤のどちらかをFACとして100mg/Lまで添加した。次にこれらの溶液を光反応器に入れ、254または365nmのどちらかのUV光を2時間照射し(254nm光のUV線量は約7700mJ/cmであった)、続いてマロン酸で反応停止させて、残留pCBA含有量を分析した。pHを調整して塩素を添加した溶液を暗所で2時間撹拌して、次に同じ方法を使用して分析する、対照反応も行った。さらなる対照反応では、塩素添加せずに照射したpH調整pCBA溶液を使用した。pCBAの除去は、初期溶液pHならびに照射波長の両方の関数であることが見出された(図13)。254nm UV光を用いて行った反応の場合、検出可能なpCBAは反応終了時には残存していなかった。しかし、塩素を添加せず、254nm UV照射を用いた対照反応によって、pCBAが約80%除去され、添加塩素の影響を識別するのは困難であった。365nm UV光を用いて行った反応では、初期溶液pHの低下と共に、pCBA除去の量が増加することを見出した。UV照射を使用して塩素を添加しない対照反応によって、pCBA除去は一切示されず、これらの条件下での除去がもっぱらAOPから生じることが示された。MOSの代わりに漂白剤によって行った反応でも、同様の結果が得られた(データを示さず)。これらの溶液中の塩素酸塩および過塩素酸塩生成レベルを測定して、生成された量に対する有機物の存在の影響を確認した。大半の反応で、塩素酸塩および過塩素酸塩レベルはpCBAの非存在下で行った反応と同様であったが、初期溶液pHを6に調整した場合、254nmおよび365nm UV光をそれぞれ照射した反応では、塩素酸塩の量の17%および10%の低下が見られた(データは示さず)。
多様な従来のAOP方法の間の相違を調べるために、前の試験で使用した一般的な微量有機汚染物質(TOrC)を代表する化学物質のセットを使用して、小型有機物の除去に関するさらなる調査を行った。本試験で使用するTOrCセットの構成要素は、アテノロール、アトラジン、カルバマゼピン、N,N−ジエチル−メタ−トルアミド(DEET)、メプロバメート、ジランチン、プリミドン、スルファメトキサゾール、トリス−(2−クロロエチル)−ホスフェート(TCEP)およびトリメトプリムであった。これらの化合物は、塩素化、UV光分解および促進酸化プロセスに対する耐性がある範囲に及ぶ、多種多様のTOrCを含むように選択された(たとえばスルファメトキサゾールは、容易に光分解される,トリメトプリムは、塩素によって容易に酸化される,アテノロールは、オゾンによって容易に酸化されるが、塩素によって酸化されない,メプロバメートは、AOPによってのみ酸化される,TCEPは、AOPおよび他の化学除去プロセスに対して高度に耐性である)。ここで、脱イオン水のpHを6、7.5および9に調整して、MOSまたは漂白剤のどちらかを含む10mg/L FACに添加した。次にTOrCを、初期濃度が1000から5000ng/Lの間に及ぶように添加した。次に溶液に照射して(254nm光のUV線量は約7700mJ/cmであった)、残留TOrC濃度を決定した。MOSを用いて行った反応により、pH6の初期溶液では254nm UV光を使用して、すべての化合物が効果的に完全に除去されたが、365nm UV光によって光分解した反応物ではごく少量のTCEPが残存することが示された(図14)。
より高い溶液pH値では、TCEPのおよそ20%が除去された、pH9で行った反応におけるTCEPの場合を除いて、254nm UV光の下で行った反応には効果的な変化は見られなかった。365nm光によって光分解したより高いpHでの反応は、初期溶液中に存在する大半のTOrCの大半を除去することがなお可能であったが、反応終了時にアトラジン、DEET、メプロバメート、ジランチン、プリミドンおよびTCEPの初期レベルの10%超が残存していた。塩素を一切添加せずに行った反応により、254nm UV光単独でアトラジン、ジランチンおよびスルファメトキサゾールの完全除去が行われた。このため、本試験でのこれらの化合物の除去に対する、塩素添加のいずれの潜在的な利益も評価できなかった。対照的に、365nm UV光によって、試験を行った化合物のいずれも除去されず、観測された除去はすべてAOPによるものであることが示された。pCBA試験と同様に、漂白剤を用いて行った反応とMOSを用いて行った反応tの間に相違はほとんど見られなかった。しかし、254nm UV光および10mg/L FACを用いて観測されたTCEPの除去は、非常に有意であった。いずれの酸化飲用水処理プロセスによっても、本試験で使用したのと同様のエネルギーレベルでTCEPの除去を示すことができなかった。このため、組み合せたUV/MOSプロセスは、既存の技術に勝る著しい改善を提供する潜在性を有する。
天然有機物類似体分子の無機化
NOM無機化に対する塩素ベースAOPの利益をさらに評価するために、2種類のNOM類似体分子であるオルト−メトキシ安息香酸(oMBA)および4,6−ジオキソヘプタン酸(46dha)を利用した。これらの化合物はそれぞれ、NOMの化学サブユニットに構造的に類似していて、AOPに関連する変化を評価するためのモデルを提供する。これらの試験において、1000mg/L FAC MOSまたは漂白剤の脱イオン水溶液のpHを6、7.5または9に調整した。次にこれらの溶液にMBAまたは46dhaのどちらかを添加して10mg/Lの初期TOCレベルを達成して、続いて254または365nm UV光による光分解(254nm光のUV線量は約7700mJ/cmであった)または暗所での撹拌のどちらかを2時間行った。~反応が完了した後、チオ硫酸ナトリウムによって溶液を反応停止させて、溶液の最終TOCレベルを測定した。対照反応物に254または365nmのどちらかのUV光を塩素を添加せずに照射して、同じ手順を使用して分析した。データにより、oMBAが254および365nmの両方のUV光によってpH6にて最も効率的に無機化されることが示され(図15a)、49%の除去が達成された。46dhaの無機化は、pHに相関してより強力であった(より低いpHによるより高い除去、図15b)。塩素添加なしの反応ではoMBAまたは46dhaの無機化は見られず、MOSの代わりに漂白剤を使用した反応により、MOS反応と比べて同様のレベルの無機化が生じた(データを示さず)。ある条件下での部分無機化によってさえ、塩素ベースAOPが非常に攻撃的であり、潜在的に汚染物質破壊のために非常に有効であることが示されている。
コロラド川からの天然有機物の構造に対する塩素ベース促進酸化プロセスの影響
NOMのUV254吸光度(UVA)の変化を監視することによって、NOM構造に対する水溶性塩素AOPの影響を観察する初期実験を行った。これらの試験において、未処理CRWの試料をpH7.5を有するように調整して、次に漂白剤またはMOSを5から50ppmの間のFACに添加した。次に反応物を254または365nm光に2時間暴露して(254nm光のUV線量は約7700mJ/cmであった)、最終UVAを測定した。データによって、254nm UV(図16a)光を使用すると、365nm UV光(図16b)と比べて、反応物においてUVAがより効果的に低下することが示されている。塩素添加なしのCRWの照射により、254nm UV光ではUVAの30%の低下が生じ、365nm UV光では測定可能な相違がなかった。前後に、pH6、7.5および9から開始してMOSおよび漂白剤の2または10ppm添加量を用いて行った反応についてTOC測定を行った。すべての反応ならびに添加塩素なしの対照において、初期溶液TOCと最終溶液TOCとの間にはごくわずかな相違しか見られなかった。すべての場合で、MOSまたは漂白剤のどちらかを添加した反応で同様の結果が見られた(データは示さず)。
次に、3次元蛍光(3D−蛍光(Fluoresence))、サイズ排除クロマトグラフィー−蛍光(SEC−蛍光)および極性迅速評価法(Polarity Rapid Assessment Method)(PRAM)分析を使用して、NOMの構造変化を調べた。すべての場合で、CRWの溶液をMOSまたは漂白剤としての10ppm FACに添加して、pHを7.5に調整して、続いて254または365nm UV光のどちらかによる光分解を2時間行った(254nm光のUV線量は約7700mJ/cmであった)。次に試料をチオ硫酸ナトリウムで反応停止させて調べた。3D−蛍光(Fluoresence)スペクトル(図17)は、領域統合分析(regional integration analysis)と共に、CRWの最大蛍光成分がフミン様構造によるものであることを示した。MOSを添加したが、UV照射に暴露させなかったCRW NOMの3D−蛍光(Fluoresence)スペクトル(図17a)において、これはデータでは淡青色領域として見られる。これらの試料を254(図17b)または365(図17c)nmのどちらかのUV光に2時間暴露させた場合、スペクトルのこの領域はあまり強くなく、NOMの蛍光フミン酸様成分の変換またはNOM芳香族性全体の消失を示している。光分解後には、未処理CRW NOMの蛍光全体のおよそ80%の低下が見られた。SEC−蛍光(図18a)およびPRAM(図18b)の両方による結果もNOM構造変化を示唆しているが、NOM構造変化の厳密な性質についての信頼できる結論は、使用した検出の種類(UV吸光度)のために、現在のデータセットからは得ることができない。すべての試験において、漂白剤を添加した試料からは、MOSを使用した試料と比べて同様の結果が得られた(データを示さず)。
塩素ベース促進酸化反応の間の殺菌副生成物の生成
水溶性塩素ベースAOPを使用することの最大の懸念の1つは、無機および有機DBPが形成される可能性である。臭素酸塩(BrO3−)は、臭化物を含有する溶液が強力な酸化条件下で臭素酸塩を形成する可能性があるため、関係する主要規制無機DBPである。臭素酸塩形成は、0.5mg/L臭化物(臭化ナトリウムとして、正確な臭化物レベルは測定せず)でスパイクした(spiked)、10mg/L MOSまたは漂白剤を含有する脱イオン溶液を調製することによって検査した。溶液pHを6、7.5または9に調整して、次に溶液に254または365nm光のどちらかを2時間照射した(254nm光のUV線量は約7700mJ/cmであった)。溶液を次にマロン酸で反応停止させて、臭素酸塩のレベルを決定した。暗所対照反応も同じ手順を使用して分析した。調製直後に初期溶液の一部を反応停止させることによって、臭素酸塩の開始レベルを決定した。結果により、MOSによる臭素酸塩生成が初期溶液pHならびに照射光波長の両方の関数であることが示されている(図19)。254nm UV光による臭素酸塩生成は、pH6にて最も高く、pH7.5および9にて劇的に低下した。365nm光を照射した溶液で生じた臭素酸塩は、はるかに少量であり、初期pHの関数としての変化はほとんどなかった。漂白剤反応からの結果は定性的に同様であり、254nm UV光によって形成された臭素酸塩は、pH6では約半分であり、pH7.5および9ではわずかに少なかった。365nm光を照射した漂白剤試料によって、MOS反応と比べてより多くの臭素酸塩が生成された初期pHが9の溶液を除いて、同量の臭素酸塩が生成された。
比較として、非照射MOS試料はおよび0.7μg/Lの臭素酸塩を含有し、漂白剤溶液はおよそ5.5μg/Lの臭素酸塩レベルを有し(MOSおよび漂泊剤溶液のどちらも10mg/L FACであった)、臭素酸塩は、漂白剤またはMOSの非存在下でUV光を照射した臭化ナトリウム溶液では検出できなかった(データは示さず)。すべての場合で、これらの反応において形成された臭素酸塩のレベルは10μg/LのMCLよりもやや高く、臭素酸塩生成は、pCBAの存在下での塩素酸塩生成で見られたように有機物の存在によって低減され、このため実施上の問題を引き起こさないと考えられる。加えて、これらの結果は、飲用水での最悪ケースのシナリオから得られる。実際の条件では使用する塩素はより少ないと考えられ、実際の水の臭化物レベルはおそらくより低くなる。
トリハロメタン(THM)、ハロ酢酸(HAA)および全ハロゲン化有機物(TOX)を含む有機DPB生成について、有機物質源としてNOM類似体分子およびCRW NOMの両方を使用する反応で試験を行った(図20)。NOM類似体分子の場合、MOSまたは漂白剤oMBAもしくは46dhaの1000mg/L溶液をTOCとして10mg/Lにてスパイクして(spiked)、pHを7.5に調整した。先に行った無機化反応を模倣するために、これらの条件を選択した。溶液に254または365nm UV光のどちらかを2時間照射して(254nm光のUV線量は約7700mJ/cmであった)、次に反応停止させて、THM、HAAまたはTOXの存在を分析した。同様に、MOSの漂白剤のどちらかと共に、CRWを10mg/Lまで添加して、pHを7.5に調整した。254または365nmのどちらかの光を2時間照射した後(254nm光のUV線量は約7700mJ/cmであった)、チオ硫酸ナトリウムによって試料を反応停止させて、THM、HAAおよびTOXレベルを測定した。すべての場合で、暗所対照試料を同じ手順に従って分析した。NOM類似体分子を用いて行った反応での全THM(TTHM)生成によって、分子および反応条件の関数としの、TTHMレベルの興味深い相違が得られた。oMBAでは、254nm照明または暗所対照反応では、TTHMと同じ量が生成されたが、365nm UV光を使用する反応では約5倍生成された。
46dhaを暗所で反応させた場合にTTHMが最高レベルで生成され、365nm UV照射反応ではより少なく生成され、254nm反応で最も少なく生成された。CRWでは、最高TTHMレベルは365nm反応から生成されたが、254nmおよび暗所反応の両方では、はるかに低いレベルが見られた。しかし、最悪の反応条件においても、CRWのTTHMレベルが80mg/Lの連邦最高汚染物質レベル(MCL)をはるかに下回っていることに留意することが重要である。CRWにおけるHAA形成では、HAAの最高レベルが245nm UV光を照射した反応で見られ、続いて365nm UV、次に暗所対照反応ではそれぞれレベルが低下した。CRW反応で見られたTTHMレベルと同様に、60mg/LのHAAでは、最悪の場合の結果でもMCLをはるかに下回っている。CRWにおける最高のTOXレベルが365nm UV光を照射した反応で見られ、254nm UV光の下で行った反応からは、暗所対照反応と比較して、ごくわずかだけ多い量が生じた。THMおよびHAAの両方の形成は、MOSまたは漂白剤のどちらを使用した試験についても、形成された全レベルおよび反応条件の影響に関して同様であった。しかしTOXレベルは、定性的に同様であったが、漂白剤反応と比較して、MOS反応ではやや高かった。
実験結果によって、365nm UV光と比べて、254nm UV光は塩素の消費ならびに小型有機分子の変換および無機化の両方で明らかにより有効であることが示され、pHの制御が困難または高額である水では、このプロセスが最も適していることが示されている。光分解の間に、ある条件下および有機物の存在下で有意レベルの塩素酸塩および過塩素酸塩が形成されるが、塩素酸塩の生成は限定され、反応条件を適切に選択することによって、オキシクロリドの生成に関連する潜在的な問題が最小限に抑えられることが示されている。反対に、365nm光を使用する場合、塩素光分解および有機物除去のどちらも強くpHに依存していた。ここで塩素光分解はpHが上昇すると増加したが、有機物除去はpHが低下すると増加した。このことによって、反応の間にpH制御をより高レベルで行う要求に関して潜在的に困難であることが示され、適正に集光した太陽光がこれらの反応での照明源として利用され得る可能性も示されている。
有機汚染物質の除去に関して、水溶性塩素AOPによってきわめて難分解性の化合物であるTCEPを除去できることが示された。NOMを用いたAOP反応によって、UV−塩素プロセスがNOM構造全体に影響を及ぼし得ることが確認された。UV254吸光度および3D蛍光の両方の低下による結果より、NOMのフミン酸様成分が本反応により大幅に破壊されることが示されている。これらの条件下で反応させたCRW NOMのSEC−蛍光およびPRAM分析の両方からの結果により、構造に変化を生じさせることは確認されたが、この時点で得られたデータによってこれらの構造変化の性質を詳細かつ具体的な理解を得られない。塩素化CRW溶液が光分解された場合には、規制有機DBPがMCLを超えて生成することはなかった。光分解条件に関してTHMおよびHAAの生成に多少の変動はあったが、有機DBPの生成はこの技術を実施するための障壁とはならないと考えられる。さらに行ったDBP試験によって、高度のUV線量および塩素添加を伴う最悪の場合のシナリオが示された。したがって、所望の除去レベルを得るための量を最適化することによって、リスクの低減が達成されると思われる。
塩素ベース促進酸化プロセスの経済的見通し
都市の飲用水事業では、在来のAOPには3つの主要な用途として水からのTOrCの除去による水再利用、臭味の低減、地下水井戸元における揮発性有機化合物(VOC)除去がある。これらの用途で最も一般的に使用されるAOPは、高エネルギー254nm UV光とHとの在来の組み合せである。ここでVOC除去を達成するために、高いバックグラウンド酸化剤要求量のために、H添加量の範囲は通例10−1000ppmである。ヒドロキシルラジカルを生成して、VOCを酸化するために十分長期に維持できるようにする前に、アンモニア、溶存硫黄、全有機炭素および他の源からの要求量を満足する必要がある。対照的に、塩素の強力な酸化能力のために、酸化剤要求量を満足するために通例2−100ppmが必要であり、おそらく塩素使用量をはるかに少なくすることができ、化学物質消費による運用コストが低下する。このことは塩素からのヒドロキシルラジカルのより効率的な量子収量と組み合わされて、科学文献で報告されたHと比べて、運用コストがエネルギー使用の減少によりなおさらに低下され得ることを示している。同様の効果は、臭味化合物の除去を目的としてAOP中で水溶性塩素を使用する場合に予想される。
水の再利用は、水不足および水ストレスが世界的に高まっているため、主な都市市場の推進力となっている。いくつかの国々は、飲用水、工業用水および農業用水のための再利用プロジェクトを積極的に進めている。別の魅力的な水再利用用途は、処理済み廃水を帯水層への涵養に使用することであり、このことによって、海水侵入に対する障壁を形成するまたは地下水もしくはガス/石油除去による地盤沈下を防止する役割を果たすことができる。塩素系AOPの重要な利点は、Hを処理手順に導入する必要が決してなく、続いてHを反応停止させるための追加の塩素が必要とならないことである。さらにMOSをAOPの化学成分ならびに強力な殺菌剤の両方として使用して、1つのオンサイト発生化学物質により2つの作用を達成することができる。MOS AOPが予め設定できる、在来のAOPより優れたさらなる利点は、在来のUVシステムに関する保守が軽減されることである。歴史的に、UV反応装置の石英スリーブに生物付着が起こり、ダウンタイムと保守コストが生じる。MOSは、バイオフィルムの除去では塩素よりもはるかに有効であることが示されていて、このため洗浄性を向上させ、保守時間を短縮して、反応装置運用全体で1つの化学物質源を供給することによって、運用を容易にするのに役立つと考えられる。
本発明の実施形態の他の利点は、以下を含む。
・AOPで使用される在来の酸化剤と比べて、より安価な化学物質を使用できる:オンサイト発生装置(OSG)を使用して塩から生成されたMOSは、在来のAOPで使用する化学物質のオゾンまたはHよりも、生成化学物質454グラム(1ポンド)当たりが安価である。たとえば、Hの化学物質コストは、MOSによる同じ効率で10倍高価であると概算される。このため、MOSAOPのライフサイクルコストは、他のAOPと比較して非常に魅力的であり得る。
・より新しい化学物質。貯蔵された化学物質は最終的に分解するが、オンサイト発生化学物質は、常に要求に応じて生成される。
・より効率的な光分解。塩素光分解から生じるヒドロキシラジカル量子収率がHと比べて高いことを示すデータがさらなる試験で検証される場合、プロセス全体は、レベルのヒドロキシルラジカル生成を達成するために消費されるエネルギー量の低減によって、はるかに安価となる。または、顧客は、電球の数が少ないより小型のUV反応装置を使用して、保守コストを最小化することができる。
・より環境に配慮したプロセス。MOSベースのAOPは、在来の低圧または高圧UVランプとは対照的に、(適切な状況で)太陽UVを使用することにより、再生可能エネルギー源の使用を通じてより環境に配慮した用途を提供する。
・塩素の複数の用途。MOSは、AOPの化学物質源以外に殺菌剤としても使用することができ、顧客はより大規模なOSGに関連するMOS生成効率の向上によって恩恵が受けることができる。
・有機物除去でより効率的。MOSベースAOPは、在来のAOPと比較して、より広範囲の小型有機分子および持続性有機分子(たとえばTCEP)をより効果的に除去することができる。
加えて、医薬製剤施設は、廃水流出物中のオピオイドおよび他の医薬品の重大な供給源である。その廃水の20%超を医薬品施設から受け入れている2つの廃水処理プラントからの流出物は、医薬品メーカーから廃水を受け入れない廃水プラントよりも10から1000倍高い医薬品濃度を有していた。これらの因子のすべてによって、医薬品製造業務による工業廃水の処理がこの技術に対する大規模な市場機会に相当することが示される。
水溶性塩素は、AOPの化学成分として成功していることが示されてきた。この手法の成功は、おそらくヒドロキシルまたは他のラジカルによる酸化から生じる変換化学反応による、水溶性塩素AOPが溶液から小型有機分子を除去できることを示す実験を通じて証明された。小型有機物の完全な無機化はここでは示されなかったが、部分TOC除去が見られ、塩素添加量およびUV線量の十分な調整によって完全除去が実現されると考えられる。その上、我々は、水溶性塩素ベースAOPがNOMの構造に影響、すなわち従来の水処理プロセスを通じてNOM除去を向上させるために利用できる効果を有し得ることも検証した。その上、365nm UV光を使用して行った試験によって、太陽光を利用して本プロセスのUV成分として作用させることが可能であり得ることが示されている。これらの実験で使用されるUV線量レベルは在来のAOPに通例用いられるレベルよりも高いが、我々の研究を通じて得た概念実証データにより、水溶性塩素ベースAOP技術の今後の開発のための大いなる将来性が示されている。
[実施例3]
水溶性塩素とUVの各種の組み合せを使用して、バチルス・グロビジイ(Bacillus globigii)芽胞の不活性化を調べた。ここで芽胞を実験用脱イオン水に加え、次にこれにMOSまたは漂白剤を2.5mg/LのFAC濃度で添加した。これらの溶液を次に平行ビーム光反応器に入れ、254nm UV光を照射して、最大46mJ/cmのUV線量を送達した。このときに、試料を定期的に除去して、必要ならば一般的な希釈技法を使用して希釈し、寒天でコーティングしたペトリ皿に塗抹した。次にこれらの皿をインキュベートして、生存芽胞の数をカウントした。これらのデータを使用して、照射したUV線量の関数として不活性化対数値を計算し、これらの結果を図21に示すグラフにまとめる。
MOSおよび漂白剤単独の不活性化データの調査によって、MOSは、漂白剤単独と比べて、B.グロビジイ芽胞の不活性化でより有効であるという予想された結果が得られた。MOSを254nm UV光と組み合せると、MOSまたは254nm UV単独のどちらも明らかに向上することが観察された。ここでMOSおよび254nm UVは両方とも、2を超えたばかりの不活性化対数値が得られた。MOSおよび254mn UVを組み合せた場合、4±0.4の不活性化対数値が得られ、この処理によって不活性化された芽胞の数が劇的に増加したことが示された。同様の効果が、pH値が6以外の溶液ならびにMOSの代わりに漂白剤を用いた溶液で見られた。しかし、漂白剤溶液で見られた不活性化の向上は、このプロセスの化学成分としてMOSを使用した場合に見られる向上よりも低いことが多かった。全体として、これらの結果により、254nm UV光を水溶性塩素と組み合せることにより、とりわけMOSを水溶性塩素源として使用する場合、微生物の不活性化を有意に向上させられることが示されている。
本発明を特に、開示した実施形態に関して詳細に説明してきたが、他の実施形態によって同じ結果を得ることができる。本発明の変形形態および修正形態は当業者に明らかとなり、このような修正形態および均等物すべてを対象とすることが意図されている。上で引用したすべての特許および刊行物の開示全体は、参照により本明細書に組み入れられている。

Claims (23)

  1. 有機汚染物質を破壊する方法であって:
    少なくとも1つの酸化剤を汚染流体に添加することによって混合物を形成するステップ;
    混合物に紫外線放射を照射するステップ;
    少なくとも1つの酸化剤を光分解するステップ;
    流体中に残存する品質指標の量を測定するステップ;および
    プロセスパラメータを調整して、続いて流体中に残存する有機汚染物質の量を所望のレベル以下に低下させるステップ;
    を含む方法。
  2. 少なくとも1つの酸化剤が塩素系酸化剤を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 塩素系酸化剤が次亜塩素酸塩、次亜塩素酸ナトリウム、混合酸化剤、次亜塩素酸またはその組み合せを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 紫外線放射の強度がおよそ60mJ/cmを超える、請求項1に記載の方法。
  5. 紫外線放射の強度がおよそ100mJ/cmを超える、請求項4に記載の方法。
  6. 紫外線放射の強度がおよそ1000mJ/cmを超える、請求項5に記載の方法。
  7. 紫外線放射が複数の波長を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 調整ステップが異なる波長の相対強度を調整することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 相対強度が前記照射ステップの前に混合物のpHに応じて調整される、請求項8に記載の方法。
  10. 紫外線放射が集光太陽放射を含む、請求項7に記載の方法。
  11. 調整ステップが前記照射ステップの前に混合物のpHを調整することを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 調整ステップが、混合物中の少なくとも1つの酸化剤の濃度、酸化剤の汚染流体中への流速、汚染流体の流速およびその組み合せを調整することを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 汚染流体源付近に位置するオンサイト発生装置を使用して、少なくとも1つの酸化剤を発生させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 発生ステップが場合により、汚染流体中で塩を使用して少なくとも1つの酸化剤を発生させることを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 有機汚染物質を破壊するための装置であって:
    少なくとも1つの酸化剤および汚染流体の混合物を、紫外線放射源を備えた紫外線光反応器まで推進させるためのポンプ;
    品質指標センサ;および
    前記品質指標センサから得たデータに基づいて少なくとも1つのプロセスパラメータを制御するためのコントローラ;
    を備える装置。
  16. 前記少なくとも1つの酸化剤が塩素系酸化剤を備え、前記塩素系酸化剤を発生させるためオンサイト発生装置をさらに備える、請求項15に記載の装置。
  17. 前記オンサイト発生装置への塩水投入口が汚染流体源に連結されている、請求項16に記載の装置。
  18. 前記紫外線放射源が太陽集光器および/または複数の紫外線ランプを備える、請求項15に記載の装置。
  19. 前記紫外線ランプが異なる波長にて紫外線放射を放出し、前記コントローラが前記品質指標センサからのデータに応答して前記ランプの相対強度を調整する、請求項18に記載の装置。
  20. 前記紫外線放射源がおよそ100mJ/cmを超える強度を有する放射を放出する、請求項15に記載の装置。
  21. 前記光反応器の上流に配置されたpHセンサをさらに備える、請求項15に記載の装置。
  22. 汚染流体流が前記品質指標センサおよび/または前記pHセンサからのデータに応答して前記光反応器に進入する前に、1種以上の前記化学物質を汚染流体流に制御自在に添加するために、酸性化学物質およびアルカリ性化学物質源をさらに備える、請求項21に記載の装置。
  23. 前記汚染流体の流速を測定するためのフローセンサおよび前記品質指標センサからのデータに応答して前記流速を調整するためのポンプをさらに備える、請求項15に記載の装置。
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