JP2014516505A - 基地局同期 - Google Patents

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Abstract

本発明は、無線通信システムにおけるクロック同期データの送信及び受信に関する。本発明によれば、クロック同期データを5送信するための装置(12)は、無線通信システムクロック(11)の少なくとも1つの時間リファレンス(TR)を取得し、無線通信システムのエアインタフェース10(17)を介した無線通信システムクロック(11)の周波数リファレンス(FR)の送信を制御し、及び無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワーク(10)を介した時間リファレンスの送信を提供する一方、基地局(18)は、周波数リファレンス(FR)を受信し、当該基地局の発振器を周波数リファレンスの15周波数にロックし、トランスポートネットワーク(10)から時間リファレンス(TR)を受信し、及び発振器によって制御されるタイミングを時間リファレンスに基づいて調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、無線通信システムに関する。特に、本発明は、無線通信システムの基地局へクロック同期データを送信するための方法、装置及びコンピュータプログラムプロダクト、無線通信システムクロック同期装置からクロック同期データを受信するための、基地局における方法、並びに無線通信システムの基地局に関する。
無線通信システムのサイズは、当該システムが含むノードの数という観点において近年急速に増加している。この傾向が特に強い通信システムの1つのタイプは、セルラシステムである。
この増加の理由の1つは、基地局などの幾つかのシステムノードのサイズの縮小である。基地局は、今日では極めて小さくすることができ、小さな領域をカバーする。これは、システムにおける大きな柔軟性を可能とするが、当該システムに高い需要も課す。
基地局のサイズが減少するにつれて、コストを抑えるために基地局をできるだけ単純にしたいという要望が生じる。しかしながら、基地局は、依然として高い機能性を有していなければならない。
このことが顕著となる領域の1つは、クロック及びタイミングの問題である。
無線通信システム内で用いられる基地局は、移動局と妥当なビットレートで通信することができるように安定した周波数リファレンスを必要とする。より高いビットレートへの需要は、移動局へ及び移動局から転送されるべき大量のデータを必要とする新たなエンドユーザの機能に依存して時間と共に増加している。
これは、より大きな帯域幅及びより高い周波数への要求につながり、正確なタイミングの必要性を強める。
この正確なタイミングは、多くの場合において、加熱器(Oven)などの温度調節装置を活用して特定の温度に加熱され及び維持される発振器を用いて取得されることができる。
また別の解決策は、局部発振器の時間同期及び周波数同期のためにGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)受信機を用いることである。
GPSの使用は、例えば、米国特許第7,606,541号明細書において説明されている。
安定した発振器は、高価であり、装置内の容積/空間を必要とする。発振器を温めることは、第一に、ある温度を維持するために必要とされる追加的な構成を必要とし、これは、コスト及び複雑さを増加させる。ただし、それは余分なエネルギーも要することとなり、コストをさらに上昇させてしまう。安定した周波数が生成されることができるまでの時間は、時間サンプルの集積及び発振器の加熱に依存してさらにかなり長くなり、これは、必要とされる精度が得られる前に貴重な時間が損なわれ得ることを意味する。
GPSの活用によって同期が解決される場合、明らかな障害は、典型的には屋内システムにおいて、GPS信号が常に利用可能とは限らないことである。さらに、GPS信号を受信するためには追加的な受信器が必要となる。
従って、以上から分かるように、基地局の正確なタイミングを取得する代替的な手法へのニーズが存在する。
それ故に、本発明は、基地局の正確なタイミングを取得する代替的な手法を提供することを目的とする。
従って、本発明の1つの課題は、基地局の正確なタイミングを取得する代替的な手法を提供することである。
この課題は、本発明の第1の態様によれば、無線通信システムの基地局へクロック同期データを送信するための方法によって達成される。当該方法は、
無線通信システムクロックの少なくとも1つの時間リファレンスを取得することと、
無線通信システムクロックの周波数リファレンスを無線通信システムのエアインタフェースを介して送信することと、
少なくとも1つの時間リファレンスを無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワークを介して送信することと、
を含む。
上記課題は、本発明の第2の態様によれば、無線通信システムの基地局へクロック同期データを送信するための装置によって達成される。当該装置は、
無線通信システムクロックの少なくとも1つの時間リファレンスを取得するための時間リファレンス取得ユニットと、
無線通信システムのエアインタフェースを介した無線通信システムクロックの周波数リファレンスの送信を制御し、及び、
無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワークを介した少なくとも1つの時間リファレンスの送信を提供する、
ように構成される送信制御ユニットと、
を備える。
上述された課題は、本発明の第3の態様によれば、無線通信システムの基地局へクロック同期データを送信するためのコンピュータプログラムプロダクトによって達成される。当該コンピュータプログラムプロダクトは、クロック同期装置の同期ハンドリングモジュールに、
無線通信システムクロックの少なくとも1つの時間リファレンスを取得させ、
無線通信システムのエアインタフェースを介した無線通信システムクロックの周波数リファレンスの送信を制御させ、及び、
無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワークを介した少なくとも1つの時間リファレンスの送信を提供させる
命令のセットを含むコンピュータ読取可能な記憶媒体を含む。
本発明の1つのバリエーションにおいて、上記方法は、無線通信システムクロックの周波数リファレンスを取得すること、をさらに含んでもよく、上記装置は、無線通信システムクロックの周波数リファレンスを取得するための周波数リファレンス取得ユニットを備えてもよい。
本発明の別のバリエーションにおいて、1つよりも多くの時間リファレンスが送信される。
本発明のまた別のバリエーションにおいて、周波数リファレンスは、無線通信システムの無線通信インタフェースを用いて送信される。この目的のため、上記装置の送信制御ユニットは、無線通信システムの無線通信インタフェースに接続され、及び当該無線インタフェースを制御して周波数リファレンスを送信するように構成されてもよい。
上述された課題は、本発明の第4の態様によれば、無線通信システムクロック同期装置からクロック同期データを受信するための、基地局における方法によって達成される。当該方法は、
基地局のアンテナを介して周波数リファレンスを受信することと、
発振器を周波数リファレンスの周波数にロックすることと、
無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワークを介して少なくとも1つの時間リファレンスを受信することと、
発振器によって制御されるタイミングを時間リファレンスに基づいて調整することと、
を含む。
上記課題は、本発明の第5の態様によれば、無線通信システムの基地局によって達成される。当該基地局は、
少なくとも1つのアンテナと、
リファレンス信号受信器と、
発振器と、
発振器によって動作させられる時間カウンタと、
アンテナからリファレンス信号受信器を介して周波数リファレンスを受け取り、及び発振器を周波数リファレンスの周波数にロックするように構成される発振器ロックユニットと、
無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワークから少なくとも1つの時間リファレンスを受信し、及び時間カウンタのタイミングを当該時間リファレンスに基づいて調整するように構成されるタイミング調整ユニットと、
を備える。
本発明のさらなるバリエーションにおいて、上記後者の方法は、トランスポートネットワークを通じた時間リファレンスの遅延を推定することと、推定される当該遅延にも基づいて上記タイミングを調整することと、を含む。この同じ態様において、基地局のタイミング調整ユニットは、トランスポートネットワークを通じた時間リファレンスの遅延を推定し、及び推定される当該遅延にも基づいて上記タイミングを調整するようにさらに構成される。
遅延は、以前に受信された少なくとも1つの時間リファレンスの受信の時間に基づいて推定されてもよい。
上記方法において実行される推定は、複数の時間リファレンスの遅延を平均すること、をさらに含んでもよく、上記タイミングの調整において用いられる推定される遅延は、平均された時間遅延である。これは、基地局のタイミング調整ユニットが複数の時間リファレンスの遅延を平均するようにさらに構成されてもよく、上記タイミングの調整において用いられる推定される遅延は平均された時間遅延であることを意味する。
周波数リファレンスは、400MHz未満の周波数を有するキャリアを介して最終的に提供されてもよい。
本発明は、多くの利点を有する。本発明によって、より低い精度の発振器を用いても時間安定性及び周波数安定性の双方を得ることが可能である。これによって、より単純で、より小さく且つより経済的な基地局の設計が可能になる。従って、局部基地局発振器は、長期的に安定した特性を有する必要がなく、それ故に、低いコストとすることができる。特別な加熱装置が必要とされないため、エネルギー消費はさらに低い。
「含む(comprises/comprising)」という用語は、本明細書において用いられる場合、記載される特徴、整数、ステップ又はコンポーネントの存在を特定するために用いられるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、コンポーネント又はそのグループの存在又は付加を排除しないことが強調されるべきである。
ここで、本発明は、添付の図面に関してより詳細に説明されるであろう。図面において:
同期ハンドリング装置に接続されるシステムクロックと、トランスポートネットワークを介して及びさらなる無線インタフェースを介して当該同期ハンドリング装置と通信する複数の基地局と、を含む無線通信システムを概略的に示す。 基地局の1つのバリエーションの概略ブロック図を示す。 同期ハンドリング装置において実行されるクロック同期データを送信するための方法のフローチャートを示す。 基地局において実行されるクロック同期データを受信するための方法のフローチャートを示す。 同期ハンドリング装置の機能性を実行する命令を有するコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムプロダクトを概略的に示す。
以下の説明において、限定ではなく説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、特定のアーキテクチャ、インタフェース、技法等といった具体的な詳細が述べられる。ただし、本発明がこれらの具体的な詳細から逸脱する他の実施形態において実施をされ得ることは、当業者には明らかであろう。他の場合において、周知の装置、回路、及び方法の詳細な説明は、本発明の説明を不要な詳細によって曖昧にしないように省略される。
本発明は、無線通信システムにおける基地局発振器の同期のハンドリングに関する。
1つのそのような無線通信システムは、図1において概略的に示される。
ここで、無線通信システムは、LTE(Long-Term Evolution)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)又はGSM(Global System for Mobile Communications)といったモバイル通信システム又はセルラ通信システムであってもよい。1つのバリエーションとして、当該システムは、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)システムであってもよい。これらは本発明が実装されることができるシステムのわずかな例にすぎず、本発明は無線ローカルエリアネットワーク(WLANs:Wireless Local Area Networks)に基づくシステムなどの他のタイプのシステムにおいても実装されることができることが認識されるべきである。
例示的な無線通信システム10は、複数の基地局を含み、第1の基地局18は、本発明の原理に従って同期されることとなる発振器を有する基地局である。ここでは、第2の基地局19及び第3の基地局20がさらに存在し、当該第2の基地局19及び第3の基地局20は、第1の基地局18と同じタイプであっても又は同じタイプでなくても、即ち本発明に係る同期を実行しても又は実行しなくてもよい。
無線通信システムにおいて、中央時間ソース又は無線通信システムクロック11がさらに存在し、当該クロック11は、非常に精密な時間を計時する原子時計であり得る。この中央時間ソース11には、クロック同期データを送信するための装置12が接続される。この装置は、以下、クロック同期装置12と呼ばれるであろう。クロック同期装置12は、同期ハンドリングモジュール16を備え、当該モジュールは、複数のユニットを備える。ここでは、周波数取得ユニット13、時間リファレンス取得ユニット14、及び送信制御ユニット15が存在する。ここで、時間リファレンス取得ユニット14及び周波数リファレンス取得ユニット13の双方は、中央クロック11と送信制御ユニット15とに接続される。送信制御ユニット15は、トランスポートネットワーク10と、無線通信システムに関連付けられる無線インタフェース17と、に接続される。この無線インタフェースは、本例において、移動局とも通信する別の基地局である。ここで、無線インタフェースはクロック同期装置12のみがアクセスし得る別個の無線送信機などの別のタイプのインタフェースであってもよいことが認識されるべきである。従って、無線インタフェースは、移動局への通常の無線通信に関与しない送信機であってもよい。
トランスポートネットワーク10は、ここでは、無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワークである。これは、トランスポートネットワーク10が無線通信システムの一部であり得ることを意味する。代替案として、トランスポートネットワーク10は、無線通信システムの装置がアクセスできるトランスポートネットワークであってもよい。別の代替案として、このネットワークは、他のシステムと共有されてもよい。トランスポートネットワーク10は、ここでは、パケットベースのデータ通信ネットワーク、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)ネットワークであってもよい。
図2は、第1の基地局18の概略ブロック図を示す。この基地局18は、リファレンス信号受信器24に接続される第1のアンテナ22備え、当該受信器24は、発振器ロックユニット28に接続される。発振器ロックユニット28は、フィルタ30を介して発振器32に接続される。発振器32は、周波数を提供し、当該周波数は、スケーリングユニット26へ、並びに時間カウンタ34及び無線回路38へ送られる。スケーリングユニット26は、発振器ロックユニット28に接続され、時間カウンタ34も、無線回路38に接続される。当該無線回路は、第2のアンテナ40に接続される。時間カウンタ34は、ここでは、トランスポートネットワークへのインタフェース(図示せず)を備えるタイミング調整ユニット36にさらに接続される。
上述のように、無線通信システムにおいては、より大きなビットレート、より高い周波数及びより小さな基地局へと向かう傾向があり、これは、そのような基地局内に提供される計時ユニットの計時能力(time keeping ability)に対してより厳しい要件を課す。当該計時ユニットは、発振器、時間カウンタ及びクロックであってもよい。これは、例えば、屋内に設置され得るピコ基地局又はフェムト基地局を提供するためなど、基地局をできる限り小さく且つ安価に維持したいというニーズと結び付けられる。
これは、安価で結果として正確さに劣る発振器を基地局において用いることが必要であることを意味する。しかしながら、発振器は、やはり正確な時間を計時することが可能であるべきである。
本発明は、標準的なパケットベースのデータ通信ネットワークが時間リファレンスを送信するために用いられる一方、周波数リファレンスは無線インタフェースを用いて送信されるという概念に基づく。従って、本発明の背景にある中心的な思想は、無線ノードが周波数リファレンスとして用いることができる安定した周波数リファレンスを無線で送信することであり、一方で、時間同期データはパケットベースのデータ通信ネットワーク上で送信される。
ここで、同期ハンドリング装置において実行される、クロック同期データを送信するための方法のフローチャートを示す図3、及び第1の基地局において実行される、クロック同期データを受信するための方法のフローチャートを示す図4も参照しつつ、上記システムの機能がもう少し詳細に説明されるであろう。
クロック同期装置12は、無線通信システム内の同期基地局群のために、及び、その結果として、第1の基地局18を同期させるために提供される。これを行うために、周波数リファレンス取得ユニット13は、無線通信システムクロック11に接続され、及び周波数リファレンスを取得する(ステップ42)。当該周波数リファレンスは、当該システムクロック11によって用いられる周波数であり得る。上記周波数リファレンスは、この周波数のスケーリングされたバージョンであってよく、スケールアップされたものでも又はスケールダウンされたものでもよい。時間リファレンス取得ユニット14も、上記システムクロック11に接続され、時間リファレンスを取得する(ステップ44)。これらのリファレンスは、送信制御ユニット15に提供される。送信制御ユニット15は、無線通信システムに関連付けられる無線インタフェース17に接続され又は既に接続されている。当該無線インタフェース17は、この実施形態において、関連付けられる基地局である。周波数リファレンス取得ユニット13及び送信制御ユニット15は、ここでは、無線インタフェースが周波数リファレンスFR(frequency reference)を無線システムエアインタフェースを介して上記システムの装置へ無線で送信する(ステップ46)ようにする。この送信は、ここでは、周波数リファレンスFRの連続的な送信であり得る。送信制御ユニット15は、ここでは、周波数リファレンス取得ユニット13と関連付けられる無線インタフェース17との間に通信リンクを提供し、当該無線インタフェースの発振器は、当該通信リンクを介してシステムクロックの周波数又は当該周波数のスケーリングされたバージョンにチューニングされる。従って、周波数取得ユニットは、関連付けられた無線インタフェースを制御して、周波数リファレンスFRを送信させ得る。無線インタフェースは、極めて安定した発振器を採用していてもよい。用いられる周波数は、ここでは、キャリア又はサブキャリアであり得る。用いられる周波数は、壁などのような障害物を容易に貫通するように選択され、通常の無線基地局システムによって用いられる周波数よりもかなり低くてもよい。本発明の1つの例示的なバリエーションにおいて、キャリアは、400MHz未満の周波数を有するキャリアであってもよい。さらなる例として、キャリアは、40〜200kHzの範囲の長波のキャリアであってもよい。ただし、本発明はこれらの周波数に限定されず、他の周波数、例えばGSM周波数が用いられてもよいことが認識されるべきである。従って、このことから、無線インタフェース17は周波数リファレンスを送信するように設定され得ることが推測されることができる。
送信制御ユニット15は、トランスポートネットワーク10にも接続され、及び1つ以上の時間リファレンスTR(time references)をトランスポートネットワーク10を介して送信する。これらは、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)パケット又はTCPパケットとして送信され得る。さらに、時間リファレンスTRは、タイムスタンプを付与されたデータパケットとして提供されてもよい。これは、時間リファレンス取得ユニット14が送信制御ユニット15によってトランスポートネットワーク10を介して送信されるデータパケットにシステムクロック11のタイムスタンプを付与するタイムスタンプユニットであり得ることを意味する。
第1の基地局18において、周波数リファレンスFRは、第1のアンテナ22を介してリファレンス信号受信器24によって受信され(ステップ50)、及び周波数ロックユニット28に転送される。位相検出器であり得る周波数ロックユニット28は、発振器32の周波数も受信し得る。当該周波数は、周波数リファレンスと発振器の周波数とが異なる場合、スケーリングユニット26によってスケールアップされ又はスケールダウンされ得る。位相検出器28は、これらの周波数間の位相における差異を検出し、及び当該差異に基づく制御信号を提供する。当該制御信号は、フィルタ30によってフィルタリングされる。この制御信号は、発振器の周波数を周波数リファレンスFRの周波数に調整する機能を有する。このようにして、発振器の周波数は、発振器ロックユニット28によって周波数リファレンスにロックされる(ステップ52)。この調整された周波数は、無線通信ユニット38を動作させ及び局部クロックでもある時間カウンタ34を動作させるために用いられる。
周波数はこのようにして調整され、結果として局部クロックはいかなる時間ドリフトも有しないことなるが、時間は、依然として正確な時間からオフセットされていることがあり得る。これに対処するために、タイミング調整ユニット36は、1つ以上の時間リファレンスTRをトランスポートネットワーク10を介して受信する(ステップ54)。1つ以上の時間リファレンスは、発振器32によって制御されるタイムカウンタ34のタイミングを調整するために用いられる。このようにして、発振器32によって制御されるタイミングは、受信される時間リファレンスTRに基づいて調整される(ステップ58)。
パケットがトランスポートネットワーク10を通過するには時間を要し、さらに、この時間は、種々のネットワークノード間で異なる。当該時間は、同じノードに向けられるパケット間でも異なり得る。これは、パケットのタイムスタンプが現在の時間よりも過去における時間を反映するであろうことを意味する。これは、ネットワークを通じた遅延を判定することが必要となり得ることも意味する。当該遅延の判定は、パケットの到達時間と当該パケットが有するタイムスタンプとの間の差異に基づき得る。さらに、これは、複数のそのような差異の平均値を求め、受信される時間リファレンスに平均値を適用すること、より具体的には、受信パケットのタイムスタンプに平均された時間を適用することを通じて為され得る。トランスポートネットワーク遅延の推定は、より具体的には、IEEE標準IEEE1588において説明されるPTP(Precision Time Protocol)を用いて実行され得る。それ故に、タイミング調整ユニット36は、トランスポートネットワーク遅延TNDを推定し(ステップ55)、及び時間リファレンスTRをトランスポートネットワーク遅延TNDによって調整することで調整時間リファレンスATRを形成し得る(ステップ56)。この調整時間リファレンスATRは、タイミング調整ユニット36によって時間カウンタ34のタイミングを調整するために、従って、発振器のタイミングを調整するために用いられ得る。
以上から分かるように、中央リファレンス送信機は、連続的なリファレンス信号を無線通信システム内の全てのノードへ送信し得る。ここで、1つ、複数又は全てのノードは、リファレンス信号を検出し及びその局部発振器をロックする受信器を備える。IP−Syncと呼ばれることもある、トランスポートネットワークを用いる同期は、時間を同期させるためにのみ用いられる一方、周波数安定性は、無線インタフェース17からのリファレンス信号によって保証される。従って、無線インタフェース17は、リファレンス周波数送信機である。
このようにして、より低い精度の発振器を用いる際、時間安定性及び周波数安定性の双方を得ることが可能である。これによって、より単純で、より小さく且つより経済的な基地局の設計が可能になる。従って、局部基地局発振器は、長期的に安定した特性を有する必要がなく、それ故に、低いコストとすることができる。さらに、安定した発振器と比較して、正確なタイミングが速く取得される。特別な加熱装置が必要とされないため、エネルギー消費はさらに低い。
LW周波数などの低いリファレンス周波数を用いることには、幾つかの利点がある。これは、無線通信システムにおける通常の通信が周波数リファレンスによって干渉されないようにする。別の利点は、低周波数信号が壁及び窓をより容易に貫通することである。これは、基地局が建物の屋内に設けられる場合、及び基地局が地下に設けられ得る場合にも周波数リファレンスを取得できることを意味する。
リファレンス信号は、非変調キャリア、単一のトーン又は幾つかのトーンにより変調されたキャリアとすることができる。(無線伝搬遅延時間については非補償の)初期の、大まかな時間同期について用いられることができるカウンタ値を提供することも可能である。
上述された実施形態においては、別個のアンテナとリファレンス信号受信器とが存在した。ここで、代替案として、通常の無線受信器38とアンテナ40とをこの目的のために用いることも可能であることが認識されるべきである。
上述されたシステムにおいては、周波数リファレンスを転送するために用いられる1つの無線インタフェースのみが存在した。周波数リファレンスは無線通信システムの全てのノードに到達可能であるように幾つかの異なる無線インタフェースを用いて転送され得ることが認識されるべきである。
これは、基地局が幾つかのソースから周波数リファレンスを受信可能であり得ることも意味する。さらに、これらのソースは、異なる周波数を用い得る。基地局は、当該ソースのうちの1つ、例えば周波数リファレンスの最良の受信状態を有するものを選択し得る。次いで、基地局は、選択された周波数リファレンスをクロック同期に通知し得る。クロック同期装置は、局部発振器を調整するための正確な周波数を取得するために用いられるべきスケーリングファクタを基地局に通知し得る。リファレンス信号別のスケーリングユニットを追加することも可能である。
基地局からフィルタを省略すること及びスケーリングユニットを省略することが可能であることも認識されるべきである。リファレンス信号受信器と発振器ロックユニットとの間に別のスケーリングユニットを追加することも可能である。クロック同期装置によって用いられる無線インタフェースは、代替的に、それ自体の安定した発振器を備えてもよく、この場合、周波数取得ユニットは省略され得る。
第1の基地局のタイミング調整ユニット及びクロック同期装置の同期ハンドリングモジュールは、その機能性を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む関連付けられるプログラムメモリを有するプロセッサの形式において有利に提供され得る。これらは、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)又はデジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processors)のようなハードウェアの形式においても提供され得ることが認識されるべきである。コンピュータプログラムコードは、例えば、上記のプログラムメモリにロードされ及びプロセッサによって実行される場合に上記のタイミング調整ユニット及び同期ハンドリングモジュールの機能を実装するであろう、CD ROMディスク又はメモリスティックのようなデータキャリアの形式におけるコンピュータ読取可能な記憶媒体上のコンピュータプログラムコード命令のセットとして提供されてもよい。
コンピュータプログラムコード62を有するCD ROMディスク60の形式におけるそのようなコンピュータ読取可能な記憶媒体の1つは、図5において概略的に示される。
本発明は、現在最も現実的且つ好適な実施形態と考えられるものに関連して説明されているが、本発明は開示された実施形態に限定されず、むしろ、種々の変形例及び均等な構成をカバーすることが意図されることが理解されるべきである。それ故に、本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきものである。

Claims (17)

  1. 無線通信システムの基地局(18)へクロック同期データ(FR、TR)を送信するための方法であって、
    無線通信システムクロック(11)の少なくとも1つの時間リファレンス(TR)を取得するステップ(44)と、
    前記無線通信システムクロック(11)の周波数リファレンスを前記無線通信システムのエアインタフェースを介して送信するステップ(46)と、
    前記少なくとも1つの時間リファレンスを前記無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワーク(10)を介して送信するステップ(48)と、
    を含む、方法。
  2. 前記無線通信システムクロック(11)の前記周波数リファレンス(FR)を取得すること(42)、
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つの時間リファレンスを送信する前記ステップは、1つよりも多い時間リファレンスを送信することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 周波数リファレンスを送信する前記ステップは、前記無線通信システムの無線通信インタフェース(17)を用いて実行される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記周波数リファレンスは、400MHz未満の周波数を有するキャリアを用いて提供される、請求項4に記載の方法。
  6. 無線通信システムの基地局(18)へクロック同期データを送信するための装置(12)であって、
    無線通信システムクロック(11)の少なくとも1つの時間リファレンス(TR)を取得するための時間リファレンス取得ユニット(14)と、
    前記無線通信システムのエアインタフェースを介した前記無線通信システムクロック(11)の周波数リファレンスの送信を制御し、及び、
    前記無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワーク(10)を介した前記少なくとも1つの時間リファレンスの送信を提供する、
    ように構成される送信制御ユニット(15)と、
    を備える、装置。
  7. 前記無線通信システムクロックの前記周波数リファレンス(FR)を取得するための周波数リファレンス取得ユニット(13)、
    をさらに備える、請求項6に記載の装置。
  8. 前記送信制御ユニットは、前記無線通信システムの無線通信インタフェース(17)に接続され、及び当該無線通信インタフェースを制御して前記周波数リファレンスを送信させるように構成される、請求項6又は7に記載の装置。
  9. 無線通信システムの基地局へクロック同期データを送信するためのコンピュータプログラムプロダクトであって、当該コンピュータプログラムプロダクトは、クロック同期装置(12)の同期ハンドリングモジュール(16)に、
    無線通信システムクロック(11)の少なくとも1つの時間リファレンス(TR)を取得させ、
    前記無線通信システムのエアインタフェースを介した前記無線通信システムクロックの周波数リファレンスの送信を制御させ、及び、
    前記無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワーク(10)を介した前記少なくとも1つの時間リファレンスの送信を提供させる
    命令のセット(62)を含むコンピュータ読取可能な記憶媒体(60)を含む、コンピュータプログラムプロダクト。
  10. 無線通信システムのクロック同期装置(12)からクロック同期データ(FR、TR)を受信するための、基地局(18)における方法であって、
    当該基地局のアンテナ(22)を介して周波数リファレンス(FR)を受信するステップ(50)と、
    発振器(32)を前記周波数リファレンスの周波数にロックするステップ(52)と、
    前記無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワーク(10)を介して少なくとも1つの時間リファレンス(TS)を受信するステップ(54)と、
    前記発振器によって制御されるタイミングを前記時間リファレンスに基づいて調整するステップ(58)と、
    を含む、方法。
  11. 前記トランスポートネットワークを通じた前記時間リファレンスの遅延を推定すること(55)と、推定される当該遅延にも基づいて前記タイミングを調整することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記遅延は、以前に受信された少なくとも1つの時間リファレンスの受信の時間に基づいて推定される、請求項11に記載の方法。
  13. 複数の時間リファレンスの前記遅延を平均すること、をさらに含み、前記タイミングの前記調整において用いられる推定される前記遅延は、平均された前記時間遅延である、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記周波数リファレンスは、400MHz未満の周波数を有するキャリアを介して受信される、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 無線通信システムの基地局(18)であって、
    少なくとも1つのアンテナ(22)と、
    リファレンス信号受信器(24)と、
    発振器(32)と、
    前記発振器によって動作させられる時間カウンタ(34)と、
    前記アンテナから前記リファレンス信号受信器を介して周波数リファレンス(FR)を受信し、及び前記発振器を当該周波数リファレンスの周波数にロックするように構成される発振器ロックユニット(28)と、
    前記無線通信システムに関連付けられるトランスポートネットワーク(10)から少なくとも1つの時間リファレンス(TR)を受信し、及び前記時間カウンタのタイミングを当該時間リファレンスに基づいて調整するように構成されるタイミング調整ユニット(36)と、
    を備える、無線通信システムの基地局(18)。
  16. 前記タイミング調整ユニットは、前記トランスポートネットワークを通じた前記時間リファレンスの遅延を推定し、及び推定される当該遅延にも基づいて前記タイミングを調整するようにさらに構成される、請求項15に記載の基地局。
  17. 前記タイミング調整ユニットは、複数の時間リファレンスの遅延を平均するようにさらに構成され、前記タイミングの前記調整において用いられる推定される前記遅延は、平均された前記時間遅延である、請求項16に記載の基地局。
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