JP2014515700A - 従来溶剤の代替溶剤によって臭気抽出物を抽出する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
【解決手段】
本発明は、臭気化合物を含有する有機原料から揮発性臭気化合物を抽出する方法であって、次の工程を含む方法に関する:a)前記有機原料を、少なくとも1つの浴中で10℃〜70℃の温度にて、前記浴で溶剤として使用される炭酸ジメチルと接触させ、前記炭酸ジメチル溶剤に前記有機材料の揮発性臭気化合物を負荷し、液体有機相を得る工程;b)前記液体有機相を前記浴から回収する工程;c)回収した液体有機相が、有機材料から生じる炭酸ジメチル不混和性の水相を含む場合に、液体有機相をデカンテーションして揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを前記不混和性水相から分離し、水相を除去する工程;d)蒸発によって炭酸ジメチルを部分的に除去し、揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を回収する工程;e)蒸発によって炭酸ジメチルを部分的に除去した後に揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物が水を含有する場合に、予備濃縮抽出物をデカンテーションして水を除去する工程;及びf)揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を蒸発によって濃縮し、揮発性臭気化合物の抽出物を得る工程。本発明は、本発明の方法によって調製された揮発性臭気化合物の抽出物及び香料、香料製造業成分、食品香料又は更には化粧品組成物へのその使用にも関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、従来溶剤に代わる代替溶剤を用いて、臭気化合物を含有する有機原料から臭気抽出物を抽出する方法に関する。本発明は、そのようにして得られた臭気抽出物及びその使用にも関する。
香気及び香料に使用するための天然抽出物は、その感覚刺激特性が、抽出物が誘導された原料の品質だけでなく製造方法にも直接関係する「複合天然物質」とも呼ばれる複合物質であることが一般的に知られている。
植物に含有される香料及び香気は少量で存在し、これらの香気及び香料を形成する分子は揮発性であること及び温度変化により壊れやすいことが周知である。
物質が臭気特性を有するには、その物質は中程度の分子量、弱い極性、ある程度の水溶性、高い蒸気圧を有しなければならず、高親油性でなければならない。他方、特定の官能基を有する必要又は化学反応性である必要はない(非特許文献1)。
さらに、かかる香料、芳香剤及び香気の化合物を天然資源から調製することは、達成及び定期的再現が容易ではなく、非常に高額になる場合もある。
例えば、かかる化合物は水蒸気への同伴を用いて抽出により離される。しかし、この方法は一部の臭気化合物を変性し、得られる抽出物の品質及び/又は収率は使用に適するものではない。
香料製造業で植物からの抽出に広く使用されている水蒸気とは別に、香料又は香気抽出物には有機溶剤が必要とされてきた。
ワイン、続いて脂肪油及び固形グリース(獣脂)がアンフリュラージュと共に使用されてきた。これらの固体油は花からの発散物(emanation)によって飽和されており、これをエチルアルコールに溶解して軟膏濃縮物を得ることができる。
これらの方法は、非常に労働集約的であり、次第に断念されて揮発性溶剤を用いた直接抽出に置き換えられてきた。
植物原料から出発し、揮発性溶剤を使用して化合物又は組成物を抽出する方法も周知である。揮発性溶剤による抽出は、後で蒸発させる溶剤に臭気植物材料を溶解する工程からなる。
植物を抽出装置に入れ、溶剤で連続的に洗浄すると、溶剤は臭気分子、蝋及び色素を負荷する。デカンテーション及び濾過の後、溶剤を蒸発させて、強い臭いのペーストを得る。このペーストは、新鮮な花及び葉の場合は特にコンクリートと呼ばれ、乾燥植物(根、苔等)の処理から誘導される材料についてはレジノイドと呼ばれる。コンクリートから、アルコールによる一連の洗浄及び冷却の後にアブソリュートと呼ばれる純粋な精油を得ることができる。
揮発性溶剤を使用するこの抽出技法は、20世紀前半には石油エーテル、ベンゼンを用いて頻繁に実施され、現在はヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレン、酢酸エチル、イソプロパノール、アセトン、メタノール又はエタノールのような溶剤が慣例的に使用されている。
しかし、イソプロパノール、アセトン、メタノール又はエタノールのような水混和性の溶剤は、生成物中の水分が完成品に有害な香気損失(抽出物を部分的又は完全に脱臭する水蒸気の形態での濃縮水の飛沫同伴)を引き起こすことから、湿潤生成物の従来法による抽出には使用されない。
例えば、特許文献1は、植物材料からの芳香族化合物の抽出に酢酸エチルのような揮発性エステルを使用することを開示している。上記文書は特に、いくつかの精油のような、他の芳香族化合物と混合したときに非相溶性となる可能性のある材料が抽出されるのを避けるため、15秒〜約10分という非常に短い抽出時間を開示している。
しかし、純粋な抽出溶剤として使用される酢酸エチルが、臭気を損なう酸性で、酢酸様の(酢のような)ノートを有する生成物を生じ、工業施設を損傷し得る(腐食、封止、等)ことは当業界では周知である。
このように、酢酸エチルは抽出サイクル中に部分的に加水分解して酢酸を生じる傾向があることから、感覚刺激特性が最適ではない。
したがって、現在コンクリートの製造に使用される溶剤は、ヘキサン若しくはシクロヘキサン、又はこれらを高比率で含有する混合物をベースとする、及び時にはなおジクロロメタンをベースとする、ほぼ非極性のものである。
しかし、ヘキサンのような石油溶剤は毒性であることから、その有毒蒸気は操作者に特に危険であり(揮発性が高い)、使用時の皮膚への接触を防止するための予防措置が必要である。ヘキサン又はシクロヘキサンのような石油溶剤の使用は、グリーンケミストリーのあらゆる原則に反するものでもある。
さらに、塩化メチレン又はベンゼンのような非極性溶剤は、より一層危険である。
さらに、ヘキサンのような石油留分(種々の異性体)は完全に純粋であることはなく、ほとんどの植物コンクリートが低収率であるため、得られる濃縮抽出物は、使用する溶剤の純度及び最初の植物抽出物に固有の力によって変わるが、多かれ少なかれ分子、ネギ/グリース様のノートの微量成分によって汚染されている。
このため、得られる抽出物の組成及び臭気は原料と大幅に異なる。
一般に、従来溶剤、特に石油溶剤を、十分な揮発性並びに品質及び収率の点で優れた抽出特性を有する無毒溶剤に置き換えることが真に要求されている。
超臨界COによる抽出は、ヘキサン使用に対する魅力的な代替法を形成し得る。しかし、実際には、高圧に耐える特殊な装置を必要とするから、その実施は非常に困難である。投資は、得られる生成物への高額なコスト上乗せを招く。超臨界COによる抽出は、感覚刺激的に卓越した結果を与えるが、生成物は通常高付加価値抽出物である。したがって、超臨界COによる抽出は、既存の標準的な産業装置において従来溶剤に代わる優れた代替策ではない。
特許文献2も、非塩化フッ化炭素溶剤の使用を開示している。
特許文献3は特に、ヘプタフルオロプロパンを含有する抽出溶剤の使用を開示している。
上記の2つの文献は、特にこのような溶剤をヘキサンのような古典的溶剤の代わりに使用することは、沸点がより低いという点で有利であることを開示している。これらの文献によると、60℃を超える温度で溶剤を抽出すると、揮発性臭気分子が失われて抽出物が変性する温度まで抽出物が加熱される。
しかし、上記の化合物は特に揮発性が高いため、オゾン層に有害である。さらに、有機フッ素化合物であることから、溶剤として使用すべきではない。
最後に、特許文献4は、ポリヒドロキシアルカノエート抽出法及び植物のような原料から出発する油(後に除去される)を開示し、ポリヒドロキシアルカノエート溶剤の長いリストにその1つとして炭酸ジメチルを記載している。
しかし、発明による溶剤は、除去される油の溶剤としてリストに記載されていない。さらに、一般的にトリグリセリドを含む油のように、この方法によって抽出されたポリヒドロキシアルカノエートは、500g/molを超える高分子量の無臭の不揮発性化合物であり、揮発性臭気化合物とみなすことができない。
代替溶剤の提案は、通常は、脂肪性物質、トリグリセリド又はエステル、グリセロール(カーボネート)、モノテルペン(リモネン、ピネン)のような沸点が高すぎる不揮発性の低環境負荷溶剤、又は極性が高すぎる分子(エタノール、ブタノール、イソアミルアルコール、フーゼル油)に関するものである。
米国特許第7576049号明細書 欧州特許第0616821号明細書 国際公開第02/36232号パンフレット 米国特許第5942597号明細書
Meierhenrich et al.,L’actualite chimique、August−September 2005,No. 289,pp29−40。
以上を考慮し、本発明が解決しようとする課題の1つは、従来の抽出設備に使用できる石油化学由来でない代替無害溶剤を使用して、有機原料から臭気抽出物を抽出する方法の使用である。このような方法は使用が容易であり、少なくとも同じ収率、通常ははるかに優れた収率を与え、そうして得られた臭気抽出物は原料と同じ臭気を有し、香料、香料成分として、食品着香のため、又は化粧品組成物に使用できる。
本発明による方法は、先行技術には見られない下記の固有の利点を有する:
−本方法は、必ずしも石油化学に由来するとは限らない無毒溶剤を使用する;
−本方法は、十分な揮発性を有する溶剤を使用する;
−本方法は、中程度の極性を有する溶剤を使用する;
−本方法は、感覚刺激的利益のある目的とする分子との親和性に優れる溶剤を使用する;
−本方法は、古典的な抽出条件下で大気圧にて液相であり、それ故古典的な抽出設備に適合する溶剤を使用する;
−本方法は、対象分子(香気、香料)に対する溶解力がヘキサンよりもはるかに高く、結果的に抽出温度及び抽出時間を制限できる溶剤を使用する。これは、経済的及び生態学的利点である;
−本方法は、従来方法で得られる可能性のあるコンクリート及びアブソリュートの収率よりも優れた収率を与えながら、対象分子の揮発性臭気に関して十分な選択性を維持する;
−得られる臭気抽出物は、植物とほぼ同じ臭気を有し、香料の製造、並びに化粧品及び食品加工に使用することができる。
したがって、本発明の第1の目的は、次の工程を含む、臭気化合物を含有する有機原料から揮発性臭気化合物を抽出する方法である:a)前記有機原料を、温度10℃〜70℃の少なくとも1つの浴中で、溶剤として使用する炭酸ジメチルと接触させ、前記炭酸ジメチル溶剤に前記有機材料の揮発性臭気化合物を負荷し、液体有機相を得る工程;b)前記液体有機相を前記浴から回収する工程;c)回収した液体有機相が、有機材料から生じた炭酸ジメチル不混和性の水相を含む場合に、液体有機相をデカンテーションして揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを前記不混和性水相から分離し、水相を除去する工程;d)蒸発によって炭酸ジメチルを部分的に除去し、揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を回収する工程;e)蒸発によって炭酸ジメチルを部分的に除去した後に得られた揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物が水を含有する場合に、予備濃縮抽出物をデカンテーションして水を除去する工程;及びf)揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を蒸発によって濃縮し、揮発性臭気化合物の抽出物を得る工程。
本発明の第2の目的は、本発明による方法を用いて調製した揮発性臭気化合物の抽出物である。
最後に、本発明の第3の目的は、本発明による揮発性臭気化合物の抽出物を、香料の調製のための香料成分として、食品香料として、又は化粧品組成物に使用することである。
本発明及び本発明から得られる利点は、以下の説明及び非限定的な実施例を読むことで、より良く理解されるであろう。
本発明による抽出方法は、臭気化合物を含有する有機原料から臭気抽出物を得るために使用される。本発明の臭気抽出物は特に揮発性臭気化合物の抽出物、好ましくは分子量が350g/mol未満の揮発性臭気化合物の抽出物である。
有利には、350g/mol未満の低分子量であることに加え、本発明に従って抽出された揮発性臭気化合物は一様に低い極性、ある程度の水溶性、高い蒸気圧を有し、親油性が高い。さらに、特定の官能基の存在が、分子に独特な特異臭を付与する。
本発明の揮発性臭気化合物は、臭気を発散する抽出物である。
本発明の目的で、臭気とは、十分な濃度、更には非常に低濃度でも嗅覚細胞及び/又は味覚器官が知覚可能な感覚刺激特性を有する、低分子量、好ましくは350g/ml未満の揮発性化合物を意味する。
非限定的に、臭気とは、不快な臭いも含めていかなる臭気も区別なく指してもよく、より具体的には、嗅覚層(olfactive strata)において連続的臭気を特徴づける香料、香気、味覚又は芳香のような、快い臭気を特徴づける快適な臭気物質を指してもよい。
臭気化合物を含有する有機原料とは、抽出によって臭気抽出物を得ることができるいかなる材料も指す。有機原料とは、特に、植物原料又は蜜蝋のような材料を指す。好ましくは、植物原料が使用される。
植物は、セルロースで構成される壁を有する光合成生物である。具体的には、植物には、藻類及びあらゆる種類の陸生植物、例えば苔、シダ、顕花植物、木、低木及び草が包含される。
本発明の方法に関係して、植物全体又は例えば、樹皮、葉、花、茎、根、果実、種子、根茎若しくは芽のようなおそらくは植物の特定部分、又は滲出物、ゴム、樹液、蝋及び派生物が植物原料として使用される。
本発明によると、植物原料は、湿潤若しくは採取したての状態又は乾燥、粉砕状態、又は好ましくは半湿潤若しくは乾燥状態(芽、種子又はさや)で使用される。
本発明による臭気化合物を含有する有機原料の非限定例としては、クロフサスグリの芽、ミモザ、バニラ、マテ、香木、ゲッカコウ、ベチベルソウ、ジャスミン、バラ、ミルラ、アヤメ、ベンゾイン、カカオ、コーヒー、シスタス、ラブダナム、コロハ、干し草、ビャクダン、ビャクシン、ショウキョウ、ラベンダー、ラベンディン、蘚類、ナツメグ、イラニランノキ、パチョリ、コショウ、サフラン、タバコ、茶、トンカ、ゼラニウム、カルダモン及び蜜蝋が挙げられる。
本発明の方法の第1工程では、有機原料を、温度10℃〜70℃の少なくとも1つの浴中で、溶剤として使用する炭酸ジメチルと接触させ、前記炭酸ジメチル化合物に前記有機材料の揮発性有機臭気化合物を負荷し、液体有機相を得る。
炭酸ジメチルはあまり危険ではなく、特にベンゼン、ヘキサン又はシクロヘキサンのような石油溶剤と比較して、有毒とみなされない。
さらに、炭酸ジメチルは非石油源から得ることができる。炭酸ジメチルは無毒物質であり、結果的に環境に影響を与えない。炭酸ジメチルは毒性のリスクを最小限に抑えながら溶剤として作用する。
炭酸ジメチルはベンゼンに似た中程度の極性を有し、ヘキサンほど非極性ではない。有利なことに、炭酸ジメチルは糖類及びその他の高極性分子を抽出せず、必要な揮発性臭気分子との親和性に優れる。
本発明に従って接触が行われる場合、有機原料は、例えば溶剤として使用される炭酸ジメチル及び液体を含む抽出装置内に大気圧にて置かれ、10〜70°の中温で溶剤に浸漬され、この温度は処置量に依存し、抽出される植物の性質によって変動する。
有利には、中程度の熱処理は、周囲温度条件に応じて、好ましくは35〜45℃の温度にて実施される。
本発明による抽出浴の継続時間は、数時間までの間、例えば15分〜10時間で変動することができ、この時間は得られる臭気抽出物の嗅覚特性に影響を及ぼすであろう。
有利には、本発明の抽出浴の継続時間及び温度は内容物の性質に応じて最適化され、継続時間は好ましくは約1時間〜約4時間であり、液体有機相より具体的には揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルに回収される揮発性臭気化合物を抽出するのに必要かつ十分な時間である。
この浴の間に、有機原料は静止、流動又は撹拌されながら、又は所与の時間の溶剤循環を行いながら、例えば穏やかに撹拌されながら作用してもよい。このような混合は、飽和がより少なく、その結果抽出を促進する溶剤を生じる。
有利には、浴中の溶剤は閉回路内を循環し、言い換えれば溶剤は有機原料上を巡回して、例えば花弁を損傷することなく、又は底の種子を撹拌することによって、抽出装置内に動きを生じ、植物周縁の周りに溶剤飽和領域が生じないようにする。
あるいは、処理すべき有機原料の量によっては、複数の抽出装置に連続的又は同時に浴を設けることができる。
例えば、1つの浴を作製した後、新しい抽出用炭酸ジメチルですすぐことが可能であり、又は同じ有機原料及びおそらくは内容物が同じである複数の浴に同じ溶剤量を複数回通過させることができ、これは原料対溶剤の重量比が1:1〜1:10、好ましくは1:3〜1:5となるための溶剤の飽和に依存する。
続いて、液体有機相を浴から回収する。これは、液体有機相を固体有機原料から分離し、該当する場合には、液体有機相、より具体的には揮発性有機化合物を負荷した炭酸ジメチルを、標準的な抽出装置で可能なように、通常はミセラを抜き出して回収することによって行われる。
続いて、回収した液体有機相が有機材料から生じる炭酸ジメチル不混和性の水相を含む場合に、液体有機相をデカンテーションして揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを、有機原料から生じる前記不混和性水相から分離し、水相を除去する
有利には、炭酸ジメチルは20℃における密度が1.060g/cm3で水よりも重く、部分溶解度が139g/Lであまり水に溶解しない。それ故、浴の液体有機相のデカンテーションで、揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルは有機原料から生じる不混和性水相からはっきりと分離される。したがって、浴のデカンテーションにより揮発性臭気化合物を負荷した溶剤を回収し、水相を除去することは非常に容易である。
本発明の抽出方法の1つの実施形態によると、及び炭酸ジメチルの密度を考慮して、水は上部からデカンテーションされ、揮発性臭気化合物を負荷した溶剤は除去される水相の下にある。
水が溶剤を覆っていることで、操作中に操作者に影響する可能性がある発散を制限することができる。揮発性溶剤と接触する可能性のある操作者は、水を用いて表面上に保護層を形成し、後でこの保護層を除去することができる。
揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチル溶剤からなる留分は、自然に回収され、水性留分が除去される。
水相が生じるのは、乾燥又は部分的に湿潤した植物の代わりに、例えば採集による乾燥の前又は後の、その総重量の少なくとも70%、典型的には約85%が水である湿潤した又は生きた植物を有機原料として使用した場合である。この水相は本発明の臭気抽出物に望ましくない糖を同伴する傾向がある。糖類は純粋な炭酸ジメチルによって抽出されないが、湿潤した炭酸ジメチル中に抽出され、これは内容物が高湿である(生花)又は湿潤している(雨)場合に起こる。本発明に不要な極性分子を除去するために必要であれば、濃縮香料抽出物に対して限定量の追加の水洗浄を行うことを考えてもよい。
有利には、硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムのような乾燥剤を使用して、揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチル溶剤に保持されている可能性のある少量の水を除去する。これは乾燥操作である。これを後に濾過して、水を含まず、有利には糖を含まない、揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルのみを回収する。
続いて、蒸発によって炭酸ジメチルを部分的に除去し、揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を得る。
蒸発による炭酸ジメチルの部分的除去の後で、予備濃縮された臭気抽出物がまだ水を含有する場合、予備濃縮抽出物をデカンテーションして水を除去する。
炭酸ジメチルは本来3%の残留水を同伴し、それ故予備濃縮により、新たなデカンテーションによって最終的な微量の水を除去できる。
最後に、予備濃縮された臭気抽出物、特に揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを、蒸発によって濃縮し、「コンクリート」又は「レシノイド」揮発性臭気化合物を含む臭気抽出物を得る。
有利には、本発明による抽出方法は、総重量の少なくとも3%、更には有利には少なくとも10%が揮発性臭気化合物からなる抽出物を得ることができる。
特に、水をほとんど又はまったく含有しない乾燥有機原料を使用する場合、有利には水を除去するためのデカンテーション工程は必要なく、又は工程が必要な場合には1回だけであろう。さらに、有利には、予備濃縮された臭気抽出物を得るために蒸発により炭酸ジメチルを部分的に除去する工程が不要であり、蒸発により浴から回収された有機相を直接濃縮するだけで本発明の臭気抽出物が得られる。
炭酸ジメチルの揮発性は十分に高いことから、対象の揮発性臭気化合物及び臭気抽出物を変性することなく溶剤を十分に除去することができる。大気圧(Pa)における炭酸ジメチルの沸点は90℃である。
90℃以下の温度での蒸発により、炭酸ジメチルは少なくとも部分的に除去され、及び/又は予備濃縮された臭気抽出物は濃縮される。
有利には、真空下又は部分的真空下での蒸発は蒸発温度を大幅に低下させることができる。
好ましくは、炭酸ジメチルは、真空下で、70℃未満の温度、より好ましくは60℃未満、更により好ましくは50℃未満、又は更には45℃の温度で少なくとも部分的に蒸発される。
更に有利なことに、本発明の方法は、香気損失を制限する共沸性飛沫同伴により蒸発によって炭酸ジメチルを除去する及び/又は予備濃縮臭気抽出物を濃縮する前に、炭酸ジメチルと共に共沸混合物を形成するアルコール又はその他の分子を炭酸ジメチルに添加する工程を含む。
好ましくは、エタノールのような天然の無毒化合物が添加されて、炭酸ジメチルとの共沸混合物を形成する。
炭酸ジメチルは有利には水との共沸混合物及びエタノールとの共沸混合物を形成する。これらの混合物は大気圧での沸点がそれぞれ78.4℃及び75.3℃である。このように沸点が大幅に低下されることで、蒸発により溶剤を除去して、対象の揮発性臭気化合物を変性することなく、本発明による臭気抽出物を得ることができる。
例えば、本発明の抽出方法の好ましい実施形態の1つによると、濃縮内容物を完成する前に1%〜100%の量のエタノールを添加することができる(エタノールは有毒なメタノールよりも好ましいが、揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチル中で63.7℃で共沸するという技術的観点から、メタノールが有利に使用される可能性がある)。
好ましくは、共沸混合物は真空又は部分的真空下で濃縮により蒸発される。このような共沸混合物の形成は、真空又は部分的真空下の雰囲気との組み合わせで、炭酸ジメチルの蒸発温度を60℃以下、55℃、50℃、45℃又は更には40℃のオーダーの中温まで下げることができる。
これは有炭酸ジメチル溶剤を蒸発して本発明の臭気抽出物を得るために必要な加熱温度及び継続時間を有利に低減する。
本発明の方法において、揮発性臭気化合物を含み、伝統的に得られるコンクリートよりも脂肪が少なく、その臭気は抽出された有機原料の自然な臭気を忠実に反映する臭気抽出物が回収される。
このような本発明による臭気抽出物は、ほとんどの糖類が除去されており、水を含まず、揮発性有機化合物に富み、卓越したアブソリュート収率の着色生成物であってもよい。アブソリュートは、エタノール96V/Vに可溶の留分である。最新技術において、アブソリュートはコンクリート(一次抽出物)をエタノールで溶解し、冷却、濾過及び/又はデカンテーション、その後真空又は部分的真空下で濃縮することによって得られる。
本発明の方法を用いて抽出される揮発性臭気化合物を含有する有機原料のいくつかの例を例示の目的で以下に示す。
クロフサスグリの芽
5kgのクロフサスグリの芽(Ribes nigrum)を2011年1月にブルゴーニュで採取した後輸送し、採取から48時間後に抽出した。これらの芽を抽出バスケットに入れ、芽/炭酸ジメチルの重量比1:3で、35℃の炭酸ジメチル浴に2時間浸漬した。ミセラ(溶剤+抽出物+水)又は液体有機相を抜き出す。同量の溶剤を用いて芽を2回抽出し、2回目の浴の持続時間は1時間のみとする。ミセラを5分間デカンテーションし、揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを、クロフサスグリの芽から生じる不混和性水相から分離する。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルは水相の下にある。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルをデカンテーションにより回収する。続いて、揮発性臭気化合物を負荷した水を含まない炭酸ジメチルを濾過する。続いて、これを部分的真空下で60℃にて濃縮する。この予備濃縮生成物に半量のエタノールを添加し、共沸混合物を45℃に加熱して炭酸ジメチル及びエタノールを完全に蒸発する。最後に、本発明により得られた臭気抽出物を回収する。
得られる収率は、3回の浴全体で7重量%である。得られる抽出物は暗褐色がかった緑色のペースト状の塊で、新鮮なクロフサスグリの芽に特徴的なフルーティな臭気を有する。
下の表1は、非極性ガスクロマトグラフィー(GC)カラムで測定した、上記の例によるクロフサスグリの芽の抽出物中の揮発性臭気化合物の少なくとも部分的な組成(クロマトグラムで全揮発性化合物の%として計算)を示す。
Figure 2014515700

Figure 2014515700
*:同定試行
nq:定量化せず
バニラの莢:
5kgの粉砕したバニラの莢(vanilla planifolia)を撹拌抽出装置に入れ、莢/炭酸ジメチルの重量比1:5で、45℃の炭酸ジメチル浴に2時間浸漬した。ミセラ(溶剤+抽出物+水)を抜き出す。同量の溶剤を用いて莢を2回抽出し、2回目の浴の持続時間は1時間のみとする。ミセラを5分間デカンテーションし、揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを、バニラの莢から得られる不混和性水相から分離する。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルは水相の下にある。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルをデカンテーションにより回収する。続いて、揮発性臭気化合物を負荷した水を含まない炭酸ジメチルを濾過する。続いて、部分的真空下で55℃にて濃縮する。この予備濃縮生成物に半量のエタノールを添加し、共沸混合物を45℃に加熱して炭酸ジメチル及びエタノールを完全に蒸発する。最後に、本発明により得られた臭気抽出物を回収する。
得られる収率は、3回の浴全体で15重量%である。得られる抽出物は濃い琥珀色の液体で、バニラの莢に特徴的なソフトでウッディな甘い臭気(バニリン)を有する。
下の表2は、極性ガスクロマトグラフィー(GC)カラムで測定した、上記の例によるバニラ抽出物中の揮発性臭気化合物の少なくとも部分的な組成(クロマトグラムで全揮発性化合物の%として計算)を示す。
Figure 2014515700
ミモザの花付き小枝:
3kgのミモザの花付き小枝(Acacia dealbata)の生花をフランスのタンネロンヒル(Tanneron hill)(アルプ=マリティーム県)で2011年2月に採取し、採取後12時間以内に抽出した。この小枝全体を抽出バスケットに入れ、小枝/炭酸ジメチルの重量比1:5で、35℃の炭酸ジメチル浴に2時間浸漬した。ミセラ(溶剤+抽出物+水)を抜き出す。小枝を同量の溶剤を用いて2回抽出し、2回目の浴の時間は1時間のみとする。ミセラを5分間デカンテーションし、揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを、ミモザの小枝から得られる不混和性水相から分離する。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルは水相の下にある。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルをデカンテーションにより回収する。続いて、揮発性臭気化合物を負荷した水を含まない炭酸ジメチルを濾過する。続いて、部分的真空下で45℃にて濃縮する。この予備濃縮生成物に半量のエタノールを添加し、共沸混合物を40℃に加熱して炭酸ジメチル及びエタノールを完全に蒸発する。最後に、本発明により得られた臭気抽出物を回収する。
得られる収率は、生の植物を基準にして1.25%である。
得られる抽出物は濃緑色のペーストで、生のミモザの花に特徴的なソフトなアニス臭を有する。ヘキサンコンクリートには油脂様のノートがないことが観察される。
下の表3は、非極性ガスクロマトグラフィー(GC)カラムで測定した、上記の例によるミモザ抽出物中の揮発性臭気化合物の少なくとも部分的な組成(クロマトグラムで全揮発性化合物の%として計算)を示す。
Figure 2014515700

Figure 2014515700
*:同定試行
香木ガム:
粉砕した香木(Boswellia sp.)の液滴(滲出物)5kgを撹拌抽出装置に入れ、液滴/炭酸ジメチルの重量比1:3で、45℃の炭酸ジメチル浴に2時間浸漬した。ミセラ(溶剤+抽出物)又は液体有機相を抜き出す。液滴を同量の溶剤を用いて3回抽出し、3回目の浴の持続時間は1時間のみとする。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを濾過により回収し、そこから埃をすべて取り除く。続いて、部分的真空下で55℃にて濃縮する。最後に、本発明により得られた臭気抽出物を回収する。
得られる収率は、4回の浴全体で67重量%である。得られた生成物は透明で非常に粘稠な琥珀色の液体で、香木液滴に特徴滴なウッディで樹脂のような臭気を有する。
下の表4は、非極性ガスクロマトグラフィー(GC)カラムで測定した、上記の例による香木ガム抽出物中の揮発性臭気化合物の少なくとも部分的な組成(クロマトグラムで全揮発性化合物の%として計算)を示す。
Figure 2014515700

Figure 2014515700
*:同定試行
マテの葉
3kgのマテの葉の断片(Ilex paraguariensis、パラグアイ)を撹拌抽出装置に入れ、葉の断片/炭酸ジメチルの重量比1:5で、45℃の炭酸ジメチル浴に2時間浸漬した。ミセラ(溶剤+抽出物)を抜き出す。内容物を同量の溶剤を用いて2回抽出し、2回目の浴の持続時間は1時間のみとする。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルをデカンテーションにより回収し、埃をすべて除去する。続いて、部分的真空下で50℃にて濃縮する。最後に、本発明により得られた臭気抽出物を回収する。
得られる収率は、浴全体で9重量%である。得られた抽出物は灰緑色のペーストで、マテの葉に特徴的な、緑茶又は干し草の臭気に似た臭気を有する。
下の表5は、非極性ガスクロマトグラフィー(GC)カラムで測定した、上記の例によるマテ抽出物中の揮発性臭気化合物の少なくとも部分的な組成(クロマトグラムで全揮発性化合物の%として計算)を示す。
Figure 2014515700

Figure 2014515700
*:同定試行
メイローズ:
2kgの新鮮なバラ(Rosa centifolia、フランス)を抽出装置に入れ、花/炭酸ジメチルの重量比1:3で、25℃の炭酸ジメチル浴に2時間浸漬した。ミセラ(溶剤+抽出物)を抜き出す。内容物を同量の溶剤を用いて2回抽出する。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを含み、植物残屑が除去された洗浄液を濾過により回収し、硫酸ナトリウムのような乾燥性の塩で乾燥する。続いて、150〜200mbarsの真空下で50℃にて濃縮し、濃縮終了時にエタノールを添加する。最後に、本発明により得られた臭気抽出物を回収する。
得られる収率は、浴全体で0.63重量%である。この抽出物は暗赤色のペースト状の塊で、バラの花弁の香りを有する。抽出物は、伝統的にエタノールを用いて脱蝋(洗浄、冷却、濾過、濃縮)し、バラアブソリュートを得ることができる。抽出物及び花を基準としたアブソリュートの収率はそれぞれ79%及び0.5%(比較して、伝統的には0.3%)。
下の表6は、非極性ガスクロマトグラフィー(GC)カラムで測定した、上記の例によるバラ抽出物中の揮発性臭気化合物の少なくとも部分的な組成(クロマトグラムで全揮発性化合物の%として計算)を示す。
Figure 2014515700

Figure 2014515700
グリーンカルダモン:
粉砕したカルダモン種子(Elletaria cardamomum)1.5kgを撹拌抽出装置に入れ、カルダモン種子/炭酸ジメチルの重量比1:6で、45℃の炭酸ジメチル浴に2時間浸漬した。ミセラ(溶剤+抽出物)又は液相を抜き出す。内容物を2回抽出し、このとき1回目は6kgの炭酸ジメチル、2回目は3kgの炭酸ジメチルを用い、1回の浴は1時間である。揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを濾過により回収する。続いて、150〜200mbarの真空下で50℃にて乾燥及び濃縮する。最後に、本発明により得られた臭気抽出物を回収する。
得られる収率は、浴全体で7重量%である。
下の表7は、非極性ガスクロマトグラフィー(GC)カラムで測定した、上記の例によるグリーンカルダモン抽出物中の揮発性臭気化合物の少なくとも部分的な組成(クロマトグラムで全揮発性化合物の%として計算)を示す。
Figure 2014515700

Figure 2014515700
*:同定試行
**極性カラム上で分解
下の表8は、上記の実施例に記載のように植物原料から本発明に従って抽出された臭気抽出物中における分子量が350g/mol未満の揮発性臭気化合物の含有量を示す。これらの揮発性臭気化合物の濃度は、抽出物の全重量に対する重量比率として与えられる。
Figure 2014515700
下の表9は、上記の実施例に記載の種々の植物原料から本発明に従って抽出された臭気抽出物の収率と、ヘキサン抽出によって得られる伝統的コンクリートからの収率の比較を示す。
Figure 2014515700
上に例証されるように、本発明による方法は、同じ植物から出発してヘキサンを用いる伝統的抽出方法で得られるよりも高い収率を与える。
このように、本発明による方法は、石油化学産業に由来せず、グリーンケミストリーの原則を尊重し、ヒトの健康に同じ影響を一切与えず、特に発がん性、変異原性又は生殖毒性でない炭酸ジメチルを用いて、有機原料、好ましくは植物材料から抽出した臭気抽出物を得ることができる。
別の態様によると、本発明は、本発明の方法を用いて調製された揮発性臭気化合物の抽出物、好ましくは分子量が350mol/g未満の揮発性臭気化合物の抽出物に関する。
上に例示されるように、かかる臭気抽出物は、使用する植物原料、採取場所、採取年、製造に使用する装置、及び当該装置の設定(真空度、温度、持続時間)のような多数の要因によって変わることから、1種であっても特性決定が非常に困難である。
本発明の抽出物は、抽出物の総重量の少なくとも3重量%、有利には少なくとも10重量%の揮発性臭気化合物を含むことが有利である。
炭酸ジメチルは極性がより高いことから、この最新技術の方法を用いて、ヘキサンのような石油溶剤を用いて得られる従来コンクリートで得られるよりもはるかに高い収率で、得られた芳香性抽出物がアブソリュートに有利に変換される。アブソリュート中の植物の物質収支は特に有利である。
炭酸ジメチルでの抽出によって本発明の方法により得られた抽出物、又は前記抽出物から得られるアブソリュートは、有利には分子蒸留により分画され、臭気分子の濃度がより高い、より軽い抽出物を得ることができる。
本発明による臭気抽出物は、食品香料として又は化粧品組成物にも使用できる。
化粧品組成物の例としては、ゲル、クリーム、ミルク、ローション、オイル、シャンプー又は石けんのような、局所適用、特に皮膚への適用を意図した組成物が挙げられる。
明らかに、本発明は上記の実施形態及び実施例に限定されるものではなく、当業者は明確に記載されていない、本発明の範囲内にあるその他の実施形態を、日常的操作を用いて実施できるであろう。

Claims (12)

  1. 臭気化合物を含有する有機原料から揮発性臭気化合物を抽出する方法であって、
    a)前記有機原料を、溶剤として使用される炭酸ジメチルと、少なくとも1つの浴中で10℃〜70℃の温度にて接触させ、前記炭酸ジメチルに前記有機材料の揮発性臭気化合物を負荷させて、液体有機相を得る工程;
    b)前記液体有機相を前記浴から回収する工程;
    c)回収された液体有機相が有機材料から生じる炭酸ジメチル不混和性の水相を含む場合に、液体有機相をデカンテーションして揮発性臭気化合物を負荷した炭酸ジメチルを前記不混和性水相から分離し、水相を除去する工程;
    d)炭酸ジメチルを蒸発により部分的に除去し、揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を回収する工程;
    e)蒸発による炭酸ジメチルの部分的除去後に得られた揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物が水を含有する場合に、予備濃縮抽出物をデカンテーションして水を除去する工程;及び
    f)揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を蒸発によって濃縮し、揮発性臭気化合物の抽出物を得る工程、
    を含む方法。
  2. 抽出された揮発性臭気化合物が350g/mol未満の分子量を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記浴が、溶剤が循環するように作製され、及び静止、流動又は攪拌されてもよく、最終的な原料/溶剤の重量比が1:1〜1:10となる、請求項1又は2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記有機原料と炭酸ジメチルの接触が15分〜約10時間である、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の方法。
  5. 90℃以下の温度での蒸発によって炭酸ジメチルを除去する及び/又は揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を濃縮する、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記蒸発が真空下又は部分的真空下で実施される、請求項5に記載の方法。
  7. 蒸発での共沸混合物の飛沫同伴により炭酸ジメチルを除去する及び/又は揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を濃縮する前に、炭酸ジメチルと共沸混合物を形成するアルコール又はその他の分子を炭酸ジメチルに添加する工程をさらに含む、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の方法。
  8. エタノールが添加される、請求項7に記載の方法。
  9. 60℃以下の温度での蒸発により、炭酸ジメチルを除去する及び/又は揮発性臭気化合物の予備濃縮抽出物を濃縮する、請求項7又は8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の方法に従って調製された揮発性臭気化合物の抽出物。
  11. 抽出された揮発性臭気化合物が350g/mol未満の分子量を有する、請求項10に記載の抽出物。
  12. 香料の調製のため、香料成分として、食品香気、又は化粧品組成物への、請求項10又は11のいずれか一項に記載の揮発性臭気化合物の抽出物の使用。
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