JP2014515405A - オピオイド受容体アゴニストの逐次投与のための組成物 - Google Patents

オピオイド受容体アゴニストの逐次投与のための組成物 Download PDF

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Abstract

患者における疼痛の軽減のための方法および組成物。その方法および組成物は、治療的に有効な量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物の投与、その後、治療的に有効な量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第二のまたはその後の化合物、1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、または1つまたはそれより多くのハイブリッドオピオイド化合物、またはそれらの混合物を逐次投与する。その方法および組成物は、オピオイドによって誘発される副作用の発生率はより低いが、疼痛を有効に軽減する。

Description

関連出願の引用
本願は、2011年5月31日に出願された米国仮出願第61/491,675号に対する優先権を主張する。米国仮出願第61/491,675号の全体は、本明細書に参考として援用される。
発明の分野
本発明は、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物とその後の1つもしくはそれより多くの第二のもしくはその後のオピオイド受容体アゴニスト、またはオピオイド受容体アゴニストと非オピオイド鎮痛化合物との混合物の逐次投与を含む、患者において疼痛を軽減するための方法に関する。本発明はまた、オピオイド受容体アゴニスト化合物、またはオピオイド化合物および/または非オピオイド鎮痛化合物の逐次投与を提供する医薬品組成物に関する。
発明の背景
広く様々な急性疼痛および慢性疼痛の処置に関して、オピオイド化合物は依然として重要な薬剤である。世界保健機関は、重症の癌疼痛の処置のための選り抜きの鎮痛薬として、モルヒネを推奨した。さらに、モルヒネおよび関連するオピオイドは、手術もしくは外傷後の、または固体腫瘍もしくは血液性の腫瘍を含むがこれに限らない医学的疾患に関連する、中程度から重症の疼痛を軽減するために広く使用されている。見かけ上同様の疼痛状態を有する患者は、オピオイド投薬の必要性において大きな違いを有する。この多様性に寄与する因子は、疼痛のタイプ(侵害受容性、炎症性、神経障害性、または混合型)およびその重症度、併用薬物適用、性別および他の遺伝的局面、ならびに患者がオピオイド未処置かまたは耐性であるかを含む。
残念なことに、モルヒネおよび同様のオピオイド化合物によって生じる影響は、乱用の余地があり、そして多くの望ましくない副作用と関連しており、それらは全てミュー(MOR)または他のオピオイド受容体の活性化によって媒介される。それらは、嗜癖および他の多様な病態生理学的状態を引き起こす、身体的および精神的な依存を含む。オピオイドの使用に関連する、他の望ましくない副作用は、悪心および嘔吐、眠気、呼吸抑制、ならびに胃腸および膀胱の機能不全を含む。
上記で列挙した有害な生理学的影響に加えて、主な関連するリスクは、モルヒネまたはモルヒネ様オピオイドを毎日反復投与することは、最終的に薬剤の治療効果に対する重大な耐性を誘発し、そしてある程度の身体的依存が始まることである。オピオイド耐性は、薬剤への慢性の曝露が、その抗侵害受容効果もしくは鎮痛効果を減少させる、またはその効果を維持するためにより高い用量の必要性が生じる現象である。
オピオイド耐性の1つの望ましくない影響は、疼痛のために処置を受けている高度に耐性の患者においてより多くのオピオイドが必要であることにより、オピオイドのより高い循環濃度および潜在的に毒性のオピオイド代謝産物による、不快な非鎮痛副作用の可能性が増加することである(非特許文献1(M.T.Smith、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.27、524−528(2000));非特許文献2(F.B.RossおよびM.T.Smith、Pain、73、151−157(1997)))。
オピオイド受容体アゴニストに関連する望ましくない副作用を最小限にするかまたは回避しながら、患者において疼痛を有効に軽減するための改善された方法および組成物に対するニーズが存在する。
オピオイド受容体は、ミュー(モルヒネ受容体)、シグマ(フェンシクリジン受容体)、カッパ(ケトシクラゾシン受容体)、およびデルタ(エンドルフィン/エンケファリン受容体)と名づけられた4つの受容体サブタイプを有すると考えられる。鎮痛を含めたモルヒネの生化学的効果および細胞効果は、中枢神経系(CNS)において高濃度で見出されるミューオピオイド受容体(MOR)を通して伝達される。慢性癌疼痛の管理に関する世界保健機関ガイドラインは、臨床医がオキシコドンおよびモルヒネのような強いオピオイドを、中程度から重症の癌疼痛の緩和のために、使わずにとっておくこと(世界保健機関、1986)、およびおそらく一般的に全てのオピオイドは、CNSにおいて同じ受容体メカニズムによってその鎮痛効果を発揮すると考えられるので、2つの強いオピオイドを同時に投与すべきではないことを推奨する。
しかし、Maree Smithおよび同僚らによる最近の研究は、構造的に関連するオキシコドンおよびモルヒネの抗侵害受容性効果は、nor−BNI(κ選択的オピオイドアンタゴニスト)およびナロキソナジン(選択的μオピオイド受容体アンタゴニスト)によって異なって拮抗されることを示し、それらは異なるオピオイド受容体メカニズムによって抗侵害受容を生じることを示した(非特許文献2(F.B.RossおよびM.T.Smith、Pain、73:151−157(1997))を参照のこと)。さらに、ラットに対する、抗侵害受容性用量未満のオキシコドンとモルヒネの共投与(co−administration)は、相乗作用的なレベルの抗侵害受容を生じることが見出された(非特許文献3(F.B.Rossら、Pain、84、421−428(2000)))。重要なことに、抗侵害受容性用量未満のオキシコドンおよびモルヒネを投与された動物は、CNSの副作用に関して、コントロール動物と同様であることが見出された。等効力用量のいずれかのオピオイド単独の投与は、ラットの鎮静を引き起こした。これは、患者に対する鎮痛用量未満または鎮痛用量のオキシコドンおよびモルヒネの共投与は、CNS関連副作用を低減すると共に、相乗作用的な抗侵害受容性の緩和を生じ得ることを示唆し得る。
オピオイドアゴニストおよびアンタゴニストは、そのそれぞれの結合部位に、異なる方式で結合し、そして組み合わせて投与した場合に、他の分子のアゴニスト反応またはアンタゴニスト反応に潜在的に影響を与えることが公知である。例えば、Holadayらは、ラット内毒素ショックおよびラットフルロチル痙攣モデルにおける、カッパおよびミューアゴニストおよびアンタゴニストの交差反応性、ならびに線条体サイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)のインビボにおける変化に対する影響を報告した(非特許文献4(J.Holadayら、Research Monograph 71、National Institute on Drug Abuse、173−187))。著者らは、あるミューアンタゴニストが、デルタアンタゴニストがデルタアゴニスト効果を遮断または逆転させることを妨害することを報告した。例えば、内毒血症にかかったラットにおける、δ−選択的アンタゴニストICI154,129または高用量のナロキソンの前の、ミューアンタゴニストのナロキサゾンまたはβ−フナルトレキサミン(β−FNA)の投与は、δ−アンタゴニストが、もはや内毒素ショック低血圧を有効に逆転させないことを引き起こすことが報告された。
Dosaka−Akitaらは、選択的カッパオピオイドアゴニストU−50,488H(それ自体は呼吸にも心血管機能にも有意な効果を有さない)の投与が、その後に投与されるミュー受容体アゴニスト[D−Ala,N−メチル−Phe,Gly−オール]エンケファリン(DAMGO)の、アシドーシス性、低酸素血症、および高炭酸ガス症(hypercapnic)効果に拮抗することを報告した。DAMGOの投与前のU−50,488Hの投与は、動脈pH、PaO、およびPaCOに対するDAMGOの効果を実質的に排除した。U−50,488Hによる前処置は、モルヒネ誘発アシドーシス、高炭酸ガス症および低酸素血症に有意に拮抗した。しかし、U−50,488Hによる前処置は、呼吸数の増加に対するモルヒネの効果に拮抗しなかった。この観察は、オピオイドアゴニストおよびアンタゴニストの相互作用の複雑な性質、ならびに複数のオピオイド受容体アゴニストおよび/またはアンタゴニストを逐次投与する効果が予測不可能であることを強調する。
本発明は、患者に対するミューおよび/またはカッパオピオイド受容体アゴニストの逐次投与を含む、患者において疼痛を軽減するための方法および組成物を提供する。本明細書中で提供される方法および組成物は、オピオイド鎮痛薬のある望ましくない副作用を低減しながら、疼痛の軽減のために有効である。
M.T.Smith、Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.27、524−528(2000) F.B.RossおよびM.T.Smith、Pain、73、151−157(1997) F.B.Rossら、Pain、84、421−428(2000) J.Holadayら、Research Monograph 71、National Institute on Drug Abuse、173−187
発明の概要
本発明は、第一のオピオイド受容体アゴニスト、その後、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する1つまたはそれより多くの化合物、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物の混合物、または1つまたはそれより多くのオピオイド受容体アゴニストおよび1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物の混合物を、逐次投与することを含む、患者において急性または慢性疼痛を軽減するための方法および組成物を提供する。本発明の方法および組成物は、驚くべきことに、オピオイド鎮痛化合物の投与によって典型的に経験される望ましくない副作用を低減または排除しながら、患者に有効な鎮痛を提供する。それは、複雑なオピオイド受容体相互作用に対する生物学的反応は、1つのオピオイド受容体部位に続く別のオピオイド受容体部位の(同時ではなく)逐次の占有によって最もよく明らかになることであり得る。好ましい実施態様は、患者に対する第一のミューまたはカッパオピオイド受容体アゴニストに続く、第二のミューまたはカッパオピオイド受容体アゴニストまたはミューおよび/またはカッパ受容体アゴニストの混合物の投与を含む。特に好ましい実施態様において、本発明は、オキシコドンを患者に投与し、その後モルヒネまたはオキシコドンとモルヒネとの混合物を投与する、方法および組成物を提供する。本発明の医薬品組成物は、有効な用量の第一のオピオイド受容体アゴニストを、その後、投与直後または投与の30分以内もしくは1時間以内に、ある用量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する1つまたはそれより多くの化合物、またはオピオイド受容体活性を有する1つまたはそれより多くの化合物と1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物との混合物を逐次送達する。
本発明は、以下の詳細な説明および実施例を参照することによって、より良く理解される。
図1は、モルヒネ−オキシコドン放出制御性錠剤の形成の概略図を提供する。 図2は、モルヒネ−オキシコドン放出制御性錠剤の単回用量投与後の、モルヒネおよびオキシコドンの平均血漿中濃度を提供する。
詳細な説明
本発明は、第一のオピオイド受容体アゴニスト、その後、第二のオピオイド受容体アゴニストまたはオピオイド受容体アゴニストの混合物を逐次投与することを含む、患者において急性または慢性の疼痛を軽減するための方法および組成物を提供する。最初のオピオイド受容体アゴニスト、その後、1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、または1つもしくはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物と1つもしくはそれより多くのオピオイド受容体アゴニストとの混合物を逐次送達する、患者において疼痛を軽減するための方法および組成物も、本発明に含まれる。本発明の方法および組成物は、驚くべきことに、オピオイド鎮痛化合物の投与によって典型的に経験される望ましくない副作用を低減または排除しながら、患者に対して有効な鎮痛を提供する。1つの実施態様において、本発明は、急性または慢性の疼痛の軽減のために、有効な濃度の2つまたはそれより多くのオピオイド受容体アゴニストおよび/または非オピオイド鎮痛化合物を、患者の血流に逐次送達する方法および医薬品組成物を提供する。
本発明の組成物および方法は、活性薬剤の薬学的に許容可能な塩、および化合物の薬学的に許容可能なエステルまたはプロドラッグを含む。薬学的に許容可能なプロドラッグは、宿主において代謝されて、例えば加水分解または酸化されて、本発明の化合物を形成する化合物を指す。プロドラッグの典型的な例は、活性化合物の機能的部分に、生物学的に不安定な保護基を有する化合物を含む。プロドラッグは、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解(dehydrolyzed)、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、または脱リン酸化されて、活性化合物を生じ得る化合物を含む。
本明細書中で記載される化合物のいずれも、プロドラッグとして投与されて、活性、生物学的利用能、安定性を増加させ得るか、または他の方法で化合物の性質を変化させ得る。多くのプロドラッグリガンドが公知である。一般的に、化合物のアルキル化、アシル化、または他の親油性修飾は、化合物の安定性を増加させる。化合物の1つまたはそれより多くの水素を置換し得る置換基の例は、アルキル、アリール、ステロイド、糖を含む炭水化物、1,2−ジアシルグリセロールおよびアルコールである。多くがJonesら(R.Jonesら、Antiviral Research、27、1−17(1995))において記載されている。これらのいずれも、望ましい効果を達成するために、開示された化合物と組み合わせて使用され得る。
定義
本明細書中で使用される用語は、他に示されなければ、当該分野における通例の意味を有することが意図される。
本明細書中で使用される「オピオイド受容体アゴニスト」という用語は、ミュー、カッパ、シグマ、およびデルタのオピオイド受容体および受容体サブタイプを含めた、オピオイド受容体を活性化する化合物を指す。
本明細書中で使用される「逐次」または「逐次投与される」という用語は、1つまたはそれより多くの、その後投与される活性薬剤の前に、第一のオピオイド受容体アゴニストが投与されること、または第一のオピオイド受容体アゴニストが、他の活性薬剤よりも速い速度で血流に放出されて、その結果、その後に投与される活性薬剤がその対応する受容体にあらゆる有意な程度で結合する前に、第一の受容体アゴニストが、対応するオピオイド受容体に結合することを意味するよう意図される。様々な実施態様において、第一のオピオイド受容体アゴニストを、その後に投与される活性薬剤の10分、20分、30分、または45分前に投与する。他の実施態様において、その第一のオピオイド受容体アゴニストを、他の活性薬剤の1時間、2時間、または3時間前に投与する。さらに他の実施態様において、その第一のオピオイド受容体アゴニストを、他の活性薬剤の4時間、5時間、または6時間前に投与する。
「即放性製剤」または「即放性投与量」という用語は、消費の直後または消費後15分以内、30分以内、もしくは1時間以内に、有効な量の活性薬剤を血流中に放出し始める、活性薬剤の製剤を含め、当該分野で通例の意味を有することが意図される。
「放出制御性製剤」または「放出制御性投与量」という用語は、対応する即放性製剤より遅くに、有効な量の活性薬剤を血流中に放出し、かつ血流におけるより長い半減期によって示されるように、より長い期間にわたって有効な量の化合物を血流中に放出し続ける、活性薬剤の製剤を含め、当該分野で通例の意味を有することが意図される。
他に明言しなければ、本発明の組成物および方法において使用される化合物はまた、その構造の全ての立体化学的形態、すなわち、各不斉中心に関するR配置およびS配置を包含することを意味する。従って、本化合物の単一の立体化学的異性体、ならびに鏡像異性体混合物およびジアステレオマー混合物は、本発明の範囲内である。
本明細書中で範囲に言及する場合はいつでも、その範囲は、その範囲の全てのメンバーを独立におよび別々に含む。制限しない例として、1〜10%は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、および10%、ならびに1〜2%、2〜3%等のようなその間の範囲を独立して含む。
逐次投与
本明細書中で記載される方法および組成物を、神経障害性疼痛および侵害受容性疼痛、体性疼痛および内臓痛を含む、異なるタイプの疼痛を治療するために使用する。様々な実施態様において、本明細書中で記載される方法および組成物を、糖尿病性神経障害、三叉神経痛、帯状疱疹後の疼痛、および視床痛症候群(中枢性疼痛)を治療するために使用する。神経障害性疼痛は、頻繁に、侵害受容性疼痛と同時に存在し、そして本発明の化合物および塩は、混合型の疼痛状態、すなわち神経障害性および侵害受容性の疼痛の組み合わせを治療するために使用され得る。例えば、組織および神経を損傷する外傷、熱傷(皮膚および神経終末が焼ける)、および外部神経圧迫は、神経障害性および侵害受容性の疼痛の両方を引き起こし得る。外部神経圧迫の例は、腫瘍神経圧迫および神経を圧迫するヘルニアになった椎間板由来の坐骨神経痛を含む。他の実施態様において、本発明の組成物を、腰痛、癌疼痛、変形性関節症の疼痛、線維筋痛症の疼痛、および術後疼痛を処置するために使用する。様々な他の実施態様において、本発明の組成物を、炎症に関連する疼痛、骨疼痛、および関節疾患を処置するために使用する。本発明の組成物を、手術または外傷後の疼痛、医学的疾患に関連する疼痛等を含むがこれらに限定されない、様々な状態によって引き起こされる疼痛を処置するために使用し得る。
前臨床において、オピオイドアゴニストとして作用するために有効な量は、オピオイド受容体に測定可能に結合することが見出される量である。そのオピオイド受容体は、受容体サブタイプミュー(モルヒネ受容体)、シグマ(フェンシクリジン受容体)、カッパ(ケトシクラゾシン受容体)、およびデルタ(エンドルフィン/エンケファリン受容体)、ならびにさらに分類された受容体サブタイプを含む。実験動物における本発明組成物のインビボ抗侵害受容活性を、広く受け入れられたTail Flick Latency Test(F.E.D’Armourら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、72、74−79(1941))を用いて評価する。
鎮痛薬反応性のさらなる試験は、足引っ込め(paw withdrawal)およびホットプレートテスト、すなわち当該分野で普通である通りのよく確立された方法を含む。痛覚脱失および耐性の発現の前臨床試験を、時間につれた組成物の投与、およびあるいはよく確立された鎮痛薬の試験方法において、オピオイドおよびSP遮断薬の使用によって行う。さらなる前臨床試験および臨床試験は、政府の薬剤規制に準拠して行われる。
本発明の第一の局面は、患者において疼痛を軽減する方法であって、そのような処置の必要のある患者に、治療的に有効な量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物、その後、治療的に有効な量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第二の化合物、またはオピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物の混合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、またはプロドラッグを投与することを含む、方法に関連する。投与される化合物は、さらに分類される受容体サブタイプを含め、ミュー、シグマ、カッパ、またはデルタのオピオイド受容体に対してアゴニスト活性を有し得る。
好ましい実施態様において、そのオピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物は、天然に存在するか、半合成かもしくは完全合成の、オピエート化合物、その誘導体もしくはアナログ、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグである。天然に存在するオピエートは、ケシの樹脂中に見出されるアルカロイド化合物であり、そしてモルヒネ、コデイン、およびテバインを包含する。半合成または完全合成のオピエートとしては、ジヒドロモルヒネ、ヘテロコデイン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒノン(dihydrornorphinone)、ジヒドロコデイノン、3,6−ジアセチルモルヒネ、モルヒノン、6−デスオキシモルヒネ、ヘロイン、オキシモルフォン、オキシコドン、6−メチレン−ジヒドロモルヒネ、ヒドロコドン、エトルフィン、ブペモルフィン(bupemorphine)、ナロキソン、またはナルトレキソンが挙げられるがこれらに限定されない。
他の実施態様において、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物は、モルフィナンまたはモルフィナンアナログであり、それらは合成オピエートアナログ、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、またはプロドラッグである。モルフィナンまたはモルフィナンアナログとしては、レボルファノール、レバロルファン、シクロルファン、ブトルファノールが挙げられるがこれらに限定されない。
さらに別の実施態様において、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物は、ベンゾモルファンまたはベンゾモルファンアナログまたは誘導体(ペンタゾシンおよびシクラゾシンが挙げられる)であり、それらは合成オピエートアナログ、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグである。
1つの実施態様において、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物を、別々に、かつオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第二の化合物またはオピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物の混合物を投与する前に投与する。
別の実施態様において、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物を、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第二の化合物またはオピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物の混合物と一緒に1つの組成物で投与し、ここでその第一のアゴニスト化合物は、第二のオピオイドアゴニスト化合物またはオピオイドアゴニスト化合物の混合物よりも速い速度で、組成物から血流中に放出され、その結果、第二のアゴニスト化合物またはアゴニストの混合物の前に、第一の化合物は、対応するオピオイド受容体部位に結合する。この実施態様において、第二のオピオイド化合物またはオピオイド化合物の混合物のいずれかの成分のCmaxの前に、第一のオピオイド化合物の最高血中濃度(Cmax)に達する。
1つの実施態様において、第一のオピオイド受容体アゴニストおよび/または1つもしくはそれより多くの第二の、またはその後のオピオイド受容体アゴニストは、ミューおよび/またはカッパのオピオイド受容体アゴニストである。ミューオピオイド受容体アゴニスト活性またはカッパオピオイド受容体アゴニストを有する化合物は、当該分野において周知であり、そして化合物がミューまたはカッパのオピオイド受容体アゴニスト活性を示すかどうか決定するための方法も公知である(例えば、Central and Peripheral Endorphins、Basic and Clinical Aspects、237−250(A.R.GenazzaniおよびE.E.Miller編、1984)中の、J.Holadayら、Multiple Opioid Receptors: Possible Physiological Functions of mu and delta Binding Sites in vivoを参照のこと;Patersonら、Br.Med.Bull.、39、31−36(1983)も参照のこと)。
ミューアゴニスト活性を有する化合物としては、モルヒネ、DAMGO、フェンタニル、トラマドール、O−デメチルトラマドール、メサドン、ブプレノルフィン、レボルファノール、コデイン、およびスフェンタニルが挙げられるがこれらに限定されない。
カッパアゴニスト活性を有する化合物は当該分野で周知であり、そしてオキシコドン、ノルオキシコドン、オキシモルフォン、ノルオキシモルフォン、ブトルファノール、シクラゾシン、ケタゾシン、ダイノルフィン、エナドリン、ナルブフィン、ペンタゾシン、サルビノリンA、スピラドリン、トリフルアドム(trifluadom)、4−ジクロロ−N−メチル−N−[2−(1−ピロリジニル)シクロヘキシル]ベンゼンアセトアミド(U−50488)、U−62066、U−69593、BRL−52537、GR−89696、HZ−2、ICI−204,448、およびLPK−26が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の1つの好ましい実施態様において、有効な量の第一のカッパオピオイド受容体アゴニストを患者に投与し、その後、有効な量のミューオピオイド受容体アゴニスト化合物またはミューおよびカッパのオピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物の混合物を投与する。
別の実施態様において、ミューオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物を第一に投与し、その後、カッパオピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物またはミューおよびカッパのオピオイド受容体アゴニスト活性を有する化合物の混合物を投与する。
上記で議論したように、ラットにおいてオピオイド受容体相互作用を評価する前臨床試験は、ある選択的カッパアゴニストの投与は、その後投与されるあるミューアゴニストの効果をいくらか遮断し得ることを示した(J.Holadayら、National Institute on Drug Abuse Research Monograph Series、71、173−187(1986)を参照のこと;Dosaka−Akitaら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、264、631−637(1993)も参照のこと)。しかし、カッパオピオイドアゴニストU−50,488Hの逐次投与は、ラットモデルにおける呼吸数の増加に対するモルヒネの効果を阻害しないことが見出された。このことは、オピオイド受容体アゴニストおよびアンタゴニストの交差反応性は、複雑であり、そして予測できないことを実証する。さらに、これらの出版物は、ヒト患者におけるオピオイド受容体アゴニストおよびアンタゴニストの逐次投与の効果を扱っていない。
1つの実施態様において、第一のオピオイド受容体アゴニスト化合物は、カッパオピオイド受容体アゴニストであるオキシコドンであり、そして第二のまたはその後のオピオイド受容体アゴニストは、ミュー受容体アゴニストであるモルヒネ、またはモルヒネとオキシコドンとの混合物である。特に好ましい実施態様は、オキシコドン、その後のモルヒネとオキシコドンとの相乗作用混合物の投与という逐次投与を含む。
上記で議論したように、ラットに対する、抗侵害受容性用量未満の、オキシコドンとモルヒネとの共投与は、副作用の発生を低減しながらも、相乗作用的なレベルの抗侵害受容を生じることが見出された(F.B.RossおよびM.T.Smith、Pain、73、151−157(1997)を参照のこと;F.B.Rossら、Pain、84、421−428(2000)も参照のこと)。よって、1つの実施態様において、約9:1から約1:1の比(モルヒネ:オキシコドンの重量比で)でモルヒネ対オキシコドンを含む、モルヒネおよびオキシコドンの相乗作用的混合物を、第一のオピオイド受容体アゴニストの最初の投与後に投与する。別の実施態様において、モルヒネおよびオキシコドンの相乗作用的混合物は、約5:1から約1:1、約3:1から約1:1、または約2:1から約1:1の重量比でモルヒネとオキシコドンとの混合物を含む。好ましい実施態様において、その相乗作用的混合物は、約1.5:1から約0.5:1の重量比のモルヒネ対オキシコドンを含む。特に好ましい実施態様において、その相乗作用的混合物は、約1.5:1の重量比のモルヒネ対オキシコドンを含む。
本発明の医薬品組成物中に存在する、または本発明の方法において投与される、モルヒネおよびオキシコドンの絶対量は、限定されず、そして特定の患者に関して、その患者の特定のニーズおよび処置する疼痛のタイプに基づいて決定される。その特定の用量は、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時間、排出速度、および処置する医師の判断、および鎮痛薬処置を必要とする状態の重症度を含むがこれらに限定されない様々な患者特異的因子に依存する。さらに、単回投与形態を産生するために担体材料と組み合わされ得る活性化合物の量は、処置される患者、処置の目的、疼痛の状態およびその患者がオピオイド未処置かまたは耐性を発現したかに依存して変動する。特定の投与様式も、患者に与えられる化合物の用量に影響する。
そのようなオピオイドアゴニストの適切な用量を、当業者が容易に決定し得る。例えば、ミューオピオイド受容体アゴニストがモルヒネまたはそのアナログもしくは誘導体もしくは薬学的に許容可能な塩を含む場合、脳室内、硬膜外、またはくも膜下腔内経路による、ヒト成人のためのそのようなアゴニストの最初の用量は、1日あたり約0.05mg〜約0.25mgの間であり得る。この用量を、即放性または放出制御性の形態で投与し得ることが認識される。例えば、それぞれ上記で与えられる4時間ごとの用量の約3または6倍を含む放出制御性投与形態を、12または24時間ごとに投与し得る。これに関して、オピオイドの即放性投与量から放出制御性投与量への変化は、ミリグラムからミリグラムへの変換であり、それはそのオピオイドの同じ総「24時間」用量を生じることが周知である(Textbook of Cancer Pain(第3版)のChernyおよびPortenoy、Practical Issues In The Management of Cancer Pain)。
本発明のいくつかの実施態様において、皮下、静脈内、筋肉内、バッカルまたは舌下の経路による、未処置(naive)ヒト成人のための、モルヒネ、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、約0.5mgと約20mgとの間、約0.5mgと約15mgとの間、または約0.5mgと約10mgとの間であり得る。他の実施態様において、その用量は、4時間ごとに、約0.5mgと約5mgとの間、約0.5mgと約3.5mgとの間、約0.5mgと約3.0mgとの間、約0.5mgと〜約2.5mgとの間、または約0.5mgと約2.0mgとの間である。
他の実施態様において、放出制御性投与形態における、モルヒネ、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、約1mg〜約200mgの間、約1mg〜約100mgの間、約1mg〜約50mgの間または約1mg〜約20mgの間であり得る。他の実施態様において、放出制御性投与形態における、モルヒネ、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、12時間ごとに、約1mgと約15mgとの間、約1mgと約10mgとの間、約1mgと約9mgとの間、約1mgと約7.5mgとの間、または約1mgと約6mgとの間であり得るか、または24時間ごとに、約3mgと約21mgとの間、約3mgと約18mgとの間、約3mgと約15mgとの間、または約3mgと約12mgとの間であり得る。放出制御性投与形態を含む他の実施態様において、モルヒネ、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、12時間ごとに、約6mgと約75mgとの間、約15mgと約60mgとの間、約15mgと約45mgとの間であり得るか、または24時間ごとに、約12mgと約50mgとの間、約30mgと約120mgとの間、または約30mgと約90mgとの間であり得る。
他の実施態様において、経口または直腸の経路による、未処置ヒト成人のための本発明の医薬品組成物中の、モルヒネ、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、約1mgから約200mgの間、約1mgから約100mgの間、または約1mgから約50mgの間である。他の実施態様において、放出制御性投与形態における、モルヒネ、またはそのアナログ、または誘導体、または薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、4時間ごとに、約2mgと約25mgとの間、約5mgと約20mgとの間、または約5mgと約15mgとの間であり得る。
カッパオピオイドアゴニストがオキシコドンまたはそのアナログもしくは誘導体もしくは薬学的に許容可能な塩である場合、脳室内、硬膜外、またはくも膜下腔の経路による、ヒト成人のためのそのようなアゴニストの適切な最初の用量は、1日あたり約0.05mgと約0.25mgとの間であり得る。
他の実施態様において、皮下または静脈内の経路による、未処置ヒト成人のためのオキシコドン、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、0.5mgと約20mgとの間、約0.5mgと約15mgとの間、または約0.5mgと約10mgとの間であり得る。他の実施態様において、オキシコドン、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、4時間ごとに、約1mgおよび約8mg、約1mgと約6mgとの間、または約1と約4mgとの間であり得る。
放出制御性投与形態を含むいくつかの実施態様において、オキシコドン、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、約1mgから約200mgの間、約1mgから約100mgの間、約1mgから約50mgの間、または約1mgから約20mgの間であり得る。他の実施態様において、オキシコドン、またはその5のアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、12時間ごとに、約3mgと約24mgとの間、約3mgと約18mgとの間、約3mgと約12mgとの間、または24時間ごとに、約6mgと約48mgとの間、約6mgと約36mgとの間、または約6mgと約24mgとの間であり得る。
さらなる実施態様において、経口または直腸の経路による、未処置ヒト成人のための、オキシコドン、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬剤学的に許容可能な塩の最初の用量は、約1mgから約200mgの間、約1mgから約100mgの間、または約1mgから約50mgの間である。他の実施態様において、オキシコドン、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、4時間ごとに、約1mgから約25mgの間、約1mgから約15mgの間、約1mgから約10mgの間、約1mgと約8mgとの間、15、約1mgと約6mgとの間、または約1mgと約4mgとの間であり得る。あるいは、放出制御性投与形態を含むいくつかの実施態様において、オキシコドン、またはそのアナログ、もしくは誘導体、もしくは薬学的に許容可能な塩の最初の用量は、12時間ごとに、約3mgと約24mgとの間、約3mgと約18mgとの間、約3mgと約12mgとの間、または24時間ごとに、約6mgと約48mgとの間、約6mgと約36mgとの間、または約6mgと約24mgとの間であり得る。
オピオイドアゴニストおよび非オピオイド鎮痛薬の逐次投与
別の実施態様において、本発明は、治療的に有効な量の、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物、その後、治療的に有効な量の、1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、または1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物とオピオイド受容体アゴニスト活性を有する1つまたはそれより多くの化合物との混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、エステル、またはプロドラッグを投与することを含む、疼痛を軽減する必要のある人において疼痛を軽減する方法を提供する。好ましくは、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物は、モルヒネおよびオキシコドンが挙げられるがこれらに限定されない、ミューまたはカッパのオピオイド受容体アゴニストである。他の実施態様において、その第一の化合物は、シグマまたはデルタのオピオイド受容体アゴニストであり得る。
非オピオイド鎮痛化合物は、オピオイド受容体への結合と関連しない他のメカニズムによって疼痛を軽減するよう作用する。例えば、非オピオイド鎮痛化合物は、非ステロイド性抗炎症化合物(NSAID)であり得る。NSAID化合物としては、ピロキシカム、ロモキシカム(lomoxicam)、テノキシカム、サリチル酸(アスピリン)およびジフルニサルのような他のサリチレート;イブプロフェン、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルビプロフェン(flubiprofen)、ケトプロフェン、ケトロラク、ロキソプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、チアプロフェン酸およびスプロフェンのような2−アリールプロピオン酸;メフェナム酸(metenamic acid)およびメクロフェナム酸のようなn−アリールアントラニル酸;ジクロフェナク、アセクロフェナク、アセメタシン、エトドラク、インドメタシン(idomethacin)、スリンダク、およびトルメチンのようなアリールアルカン酸等、またはそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
別の実施態様において、その非オピオイド鎮痛化合物は、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、またはそれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない、COX−1またはCOX−2阻害剤化合物である。
さらに別の実施態様において、その非オピオイド鎮痛薬は、ガバペンチンまたはプレガバリンのような、カルシウムチャネル結合剤、またはその誘導体、アナログ、もしくはプロドラッグ、またはそれらの混合物である。
さらに別の実施態様において、その非鎮痛化合物は、ガバペンチンエナカルビル(SolziraTM)であり、それは化学名1−[[[[1−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)エトキシ]カルボニル]アミノ]メチル]シクロヘキサン酢酸を有する、ガバペンチンのプロドラッグである。ガバペンチン、プレガバリン、およびガバペンチンエナカルビルの構造を下記に示す。
Figure 2014515405

Figure 2014515405
1つの実施態様において、第一のミューまたはカッパのオピオイド受容体アゴニストを投与し、その後、1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグを投与する。別の実施態様において、第一のミューまたはカッパのオピオイド受容体アゴニストを投与し、その後、ミューまたはカッパのオピオイド受容体アゴニスト活性を有する1つまたはそれより多くの化合物と1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物との混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、エステル、またはプロドラッグを投与する。
好ましい実施態様において、第一のカッパオピオイド受容体アゴニストを患者に投与し、その後、1つまたはそれより多くのミューオピオイド受容体アゴニストと1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物との混合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグを投与する。さらに別の実施態様において、第一のカッパオピオイド受容体アゴニストを患者に投与し、その後、ミューおよびカッパの受容体アゴニストと1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物との混合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグを投与する。
好ましい実施態様において、第一のオピオイドアゴニスト化合物は、オキシコドンまたはモルヒネであり、そして非オピオイド鎮痛化合物は、ガバペンチン、プレガバリン、またはガバペンチンエナカルビル、またはそれらの混合物、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグである。
別の実施態様において、本発明は、第一のアゴニスト化合物、その後、第二のオピオイドアゴニスト化合物、オピオイドアゴニスト化合物の混合物、またはオピオイドアゴニストと非オピオイド鎮痛化合物との混合物の投与、その後の、第三のオピオイド化合物、オピオイド化合物の混合物、または1つもしくはそれより多くの第二の非鎮痛化合物と1つもしくはそれより多くのオピオイド化合物との混合物のさらなる投与という逐次投与を含む、患者において疼痛を軽減するための方法および組成物を提供する。
オピオイドアゴニストおよびハイブリッドオピオイド化合物の逐次投与
別の実施態様において、本発明は、治療的に有効な量の、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物、その後、治療的に有効な量の、1つまたはそれより多くのハイブリッドオピオイド化合物または1つもしくはそれより多くのハイブリッドオピオイド化合物とオピオイド受容体アゴニスト活性を有する1つもしくはそれより多くの化合物との混合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、またはプロドラッグを投与することを含む、疼痛を軽減する必要のある人において疼痛を軽減する方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、治療的に有効な量の、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物、その後、治療的に有効なの、1つまたはそれより多くのハイブリッドオピオイド化合物と、上記で記載したような非オピオイド鎮痛化合物を含めた1つまたはそれより多くの非オピオイド活性薬剤との混合物、またはその薬学的に許容可能な塩、エステル、またはプロドラッグを投与することを含む、疼痛を軽減する必要のある人において疼痛を軽減する方法を提供する。
好ましくは、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物は、モルヒネおよびオキシコドンが挙げられるがこれらに限定されない、ミューまたはカッパのオピオイド受容体アゴニストである。他の実施態様において、その第一の化合物は、シグマまたはデルタのオピオイド受容体アゴニストであり得る。
いくつかの実施態様において、ハイブリッドオピオイド化合物の薬学的に許容可能な塩、プロドラッグ、またはエステルを使用し得る。
ハイブリッドオピオイド化合物は、2つまたはそれより多くのオピオイド化合物を、リンカー成分で一緒に共有結合することによって形成される化合物である。そのリンカー成分は、安定であり得るか、または生理学的条件下で加水分解して親オピオイド化合物を生じ得る。ハイブリッドオピオイド化合物は、2011年2月9日に提出された、米国特許出願番号第13/024,298号(’298出願)において記載されており、その開示はこれによってその全体として参考として援用される。ハイブリッドオピオイド化合物はまた、2005年1月5日に提出された、国際特許出願第PCT/US2005/000181(’181出願)において記載されており、それはこれによってその全体として参考として援用される。
いくつかの実施態様において、そのハイブリッドオピオイド化合物は、疼痛の治療において、モルベースで等しい用量の個々の活性化合物のいずれかのみよりも、より高い効能を有する。例えば、1モルのモルヒネおよび1モルのオキシコドンを含むハイブリッドオピオイド化合物は、2モルのモルヒネまたはオキシコドンのいずれかのみよりも高い効能を有する。
別の実施態様において、そのハイブリッドオピオイド化合物は、モルベースで等しい用量のいずれかの活性化合物のみよりも、望ましくない副作用がより少ない。
好ましい実施態様において、そのハイブリッドオピオイド化合物は、神経障害性疼痛の処置において、個々の活性薬剤と比較して相乗作用的な効能を有する。
別の実施態様において、そのハイブリッドオピオイド化合物は、侵害受容性疼痛の処置において、個々の活性薬剤と比較して相乗作用的な効能を示す。
さらに別の実施態様において、そのハイブリッドオピオイド化合物は、混合型疼痛状態、すなわち神経障害性疼痛および侵害受容性疼痛の組み合わせの処置において、等価な用量の個々の活性薬剤単独と比較して、相乗作用的な効能を示す。
1つの実施態様において、そのハイブリッドオピオイド化合物は、共有結合リンカー成分によって連結した、2つまたはそれより多くのオピオイド受容体アゴニストを含む。別の実施態様において、そのハイブリッドオピオイド化合物は、上記で記載したような非オピオイド鎮痛化合物が挙げられるがこれらに限定されない非オピオイド活性薬剤と連結したオピオイド受容体アゴニストを含む。いくつかの実施態様において、その非オピオイド活性薬剤は、ガバペンチン、プレガバリン、またはガバペンチンエナカルビルである。好ましい実施態様において、そのハイブリッドオピオイド化合物は、共有結合リンカーによって一緒に結合した、2つまたはそれより多くのオピエート化合物を含む。そのオピエート化合物としては、上記で記載したようなオピエート化合物が挙げられるがこれらに限定されない。
’298出願および’181出願において記載されたように、それらの活性化合物は、(好ましくは活性薬剤の生物学的活性を損なわない活性薬剤上の位置での)様々な化学結合によって、リンカー成分に結合し得る。典型的には、その活性薬剤は、活性化合物上の反応性基によって、または活性化されてリンカー成分と反応し得る位置で、リンカーに結合している。
オピオイドアゴニストおよび混合オピオイド塩の逐次投与
別の実施態様において、本発明は、治療的に有効な量の、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物の投与、その後の第二のまたはその後の治療的に有効な量の、2つまたはそれより多くの活性薬剤および多塩基酸を含む混合オピオイド塩を投与することを含む、疼痛を軽減する必要のある人において疼痛を軽減する方法を提供する。その活性薬剤は、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する2つもしくはそれより多くの化合物の混合物、またはオピオイド受容体アゴニスト活性を有する1つもしくはそれより多くの化合物と1つもしくはそれより多くの非オピオイド活性薬剤との混合物であり得る。混合オピオイド塩は、’298出願において記載されている。一般的に、混合オピオイド塩は、薬学的に許容可能な多塩基酸と一緒に結合した、2つまたはそれより多くのオピオイド活性薬剤の塩、または薬学的に許容可能な多塩基酸と結合した、1つまたはそれより多くのオピオイド活性薬剤と1つまたはそれより多くの非オピオイド活性薬剤の塩である。
好ましい実施態様において、混合オピオイド塩は、多塩基酸と組み合わせて第一のオピオイド化合物および少なくとも第二の活性薬剤を含む。別の実施態様において、その混合オピオイド塩は、多塩基酸と組み合わせて、第一のオピオイド化合物、第二の活性薬剤、および第三の活性薬剤を含む。別の実施態様において、その混合オピオイド塩は、多塩基酸と結合した2つまたはそれより多くの異なるオピオイド化合物を含む。
1つの実施態様において、その混合オピオイド塩は、1当量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物、および1当量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第二の化合物を、二塩基酸と組み合わせて1:1のモル比で含む。別の実施態様において、その混合オピオイド塩は、1当量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物、および2当量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第二の化合物を、三塩基酸と組み合わせて1:2のモル比で含む。別の実施態様において、その混合オピオイド塩は、1当量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第一の化合物、1当量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第二の化合物、および1当量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第三の化合物を、三塩基酸と組み合わせて1:1:1のモル比で含む。
好ましい実施態様において、オピオイドアゴニスト活性を有する化合物は、上記で記載したような、天然に存在するかまたは合成のオピエート化合物である。
1つの実施態様において、その混合オピオイド塩は、モルヒネおよびオピオイド受容体アゴニスト活性を有する少なくとも1つの他の化合物を含む。別の実施態様において、その混合オピオイド塩は、オキシコドンおよびオピオイド受容体アゴニスト活性を有する少なくとも1つの他の化合物を含む。好ましい実施態様において、その混合オピオイド塩は、モルヒネおよびオキシコドンを、1:1の比で含む。別の実施態様において、その混合オピオイド塩は、モルヒネおよびオキシコドンの硫酸塩であり、ここでスルフェート、モルヒネ、およびオキシコドンのモル比は1:1:1である。別の実施態様において、その混合オピオイド塩は、ジカルボン酸とともにモルヒネおよびオキシコドンを含む。
本発明の別の局面において、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する少なくとも1つの化合物、および少なくとも1つの非オピオイド活性薬剤を含む混合塩が提供される。1つの実施態様において、その非オピオイド活性薬剤は、非オピオイド鎮痛薬である。典型的には、その非オピオイド化合物は、塩基性の残基を有し、そして上記で2つのオピオイド化合物を有する混合オピオイド塩に関して記載したように、少なくとも1つのオピオイド化合物および多塩基酸と混合塩を形成する。あるいは、その非オピオイド活性薬剤は、塩基性部分を有する他の活性薬剤との組み合わせで塩を形成して混合塩を形成し得る酸性残基を有する。
1つの実施態様において、その混合塩は、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する1つまたは2つの化合物と、1つまたは2つの非オピオイド活性薬剤を様々な比で含み得る。オピオイドアゴニスト活性を有する化合物は、同じであっても異なっていてもよく、そして非オピオイド化合物は同じであっても異なっていてもよい。上記で記載した、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する少なくとも2つの化合物を含む混合塩と同様に、1または2当量のオピオイド化合物および1または2当量の非オピオイド化合物を含む混合塩は、二塩基塩(diprotic salt)と組み合わされて1:1のモル比で存在し得るか、またはそのオピオイド化合物および非オピオイド化合物は、三塩基酸と組み合わされて、2:1または1:2のモル比であり得る。
別の実施態様において、その非オピオイド化合物は、ガバペンチン、プレガバリン、またはガバペンチンエナカルビルのようなカルシウムチャネル結合剤である。ガバペンチンおよびプレガバリンはどちらも、多塩基酸と塩を形成し得る塩基性アミノ基を有する。ガバペンチンエナカルビルは、塩基性部位を有する化合物と混合塩を調製するために使用し得る、フリーのカルボキシル基を有する。
第一のオピオイド受容体アゴニスト、その後の第二の活性薬剤またはその後の活性薬剤の投与という逐次投与を、第一のオピオイド受容体アゴニスト、その後の、1つまたはそれより多くの他の活性薬剤の後の投与という別々の投与によって達成し得る。あるいは、第一の活性薬剤およびその後の化合物の逐次投与を、第一のオピオイド受容体アゴニストの即放性製剤、および1つもしくはそれより多くのオピオイド受容体アゴニスト、1つもしくはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、1つもしくはそれより多くのハイブリッドオピオイド化合物、または1つもしくはそれより多くの混合オピオイド塩、あるいはそれらの混合物を含む、1つまたはそれより多くの活性薬剤の放出制御性製剤を含む医薬品組成物を用いることによって達成し得る。オピオイド薬剤の即放性製剤または放出制御性製剤を含む医薬品組成物が、当該分野において周知である。例えば、OXYIR(登録商標)は、オキシコドンの即放性製剤であり、そしてOXYCONTIN(登録商標)は、オキシコドンの放出制御性製剤であり、この放出制御性製剤は12時間にわたってオキシコドンの制御された送達を提供する。
よって、1つの実施態様において、本発明は、丸剤、錠剤、またはカプセルのような、経口投与形態を含む医薬品組成物を提供し、それは第一のオピオイド受容体アゴニスト化合物の即放性製剤によって囲まれた、投与形態の中心に、1つまたはそれより多くのオピオイド受容体アゴニスト化合物、非オピオイド鎮痛化合物、またはその混合物の放出制御性製剤を含む。従って、その医薬品組成物は、第一のオピオイド受容体アゴニストの、血流中への迅速な放出、および有効な量の上記で記載した第二の活性薬剤もしくはその後の活性薬剤または活性薬剤の混合物の放出前の、対応するオピオイド受容体の占有を可能にする。ミューおよびカッパのオピオイド受容体アゴニストであるモルヒネおよびオキシコドン、ならびに非鎮痛化合物であるガバペンチン、ガバペンチンエナカルビル、およびプレガバリンを含むがこれらに限定されない、上記で議論したオピオイド受容体アゴニストおよび他の活性薬剤のいずれも、医薬品組成物に含まれ得る。
例えば、1つの好ましい実施態様において、その医薬品組成物は、放出制御性またはパルス放出製剤(pulsated release formulation)中のモルヒネおよびオキシコドンの相乗作用混合物、ならびにオキシコドンの即放性製剤を含む。オキシコドンの即放性製剤は、典型的には組成物の表面に位置しており、その結果、すぐに溶解し、そして血流中に放出され得る。いくつかの実施態様において、即放性製剤中のオキシコドンのTmax(これは、化合物が循環中におけるその最高濃度(Cmax)に達するまでに必要な時間である)は、摂取後約10分から約1時間である。他の実施態様において、このTmaxは約10分から約30分または45分である。
モルヒネおよびオキシコドンの放出制御性製剤は、より遅い速度で、およびより長い時間にわたって放出される。例えば、いくつかの実施態様において、モルヒネおよびオキシコドンの放出制御性製剤は、有効な量のモルヒネおよびオキシコドンの混合物を、12時間にわたって放出する。他の実施態様において、その放出制御性製剤は、有効な量のモルヒネおよびオキシコドンを、4時間または8時間にわたって放出する。さらに他の実施態様において、その放出制御性製剤は、有効な量のモルヒネおよびオキシコドンを、15、18、24、または30時間にわたって放出する。
いくつかの実施態様において、より後に放出される活性薬剤は、組成物からパルスで放出され、その結果、組成物の摂取後に間を置いて化合物のパルスが放出される。例えば、1つの実施態様において、パルス放出製剤は、後に放出される活性薬剤の第一のパルスを、摂取後約0.5〜1時間で放出し、その後、第二のパルスを摂取後約4時間後に、そして薬剤の第三のパルスを摂取後約8時間後に放出し得る。
医薬品組成物に含まれる化合物の数は、第一の化合物および第二の化合物または化合物の混合物に限定されず、そしてさらなる化合物が含まれ得ることが、当業者に明らかである。
医薬品組成物
「薬学的に許容可能な担体、アジュバント、または媒体」という用語は、本発明の化合物と共に患者に投与され得、かつその薬理学的活性を破壊も低減もしない、無毒性の担体、アジュバント、または媒体を指す。
これらの医薬品組成物において使用され得る薬学的に許容可能な担体は、当該分野で一般的に公知である。それらとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンのような血清タンパク質、リン酸塩のような緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、溶媒、プロタミン硫酸塩のような塩または電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、シリケート、コロイド性シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースに基づく物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、油、炭水化物ポリマー、ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるがこれらに限定されない。薬学的に許容可能な媒体は、1種より多くの賦形剤の混合物を含み得、そこでは、貯蔵寿命、安定性、薬剤負荷量、送達部位、溶解速度、自己乳化、放出速度および放出部位の制御、ならびに代謝を含むがこれらに限定されない、製剤の望ましい性質を最適化するためにその成分および比を選択し得る。
本発明の組成物は、経口で、非経口で、吸入によって、局所で、直腸に、鼻腔内に、バッカルに、膣内に、経皮に、または埋め込み型リザーバーによって投与され得る。本明細書中で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内(intrastemal)、硬膜外、脳室内、くも膜下腔内、肝臓内、病巣内、および頭蓋内の注射または注入の技術を包含する。好ましくは、その組成物は、経口的に、皮下に、腹腔内に、または静脈内に投与される。
本発明の組成物の無菌注射可能形態は、水性または油性の懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、当該分野で公知の技術によって製剤化され得る。その無菌注射可能調製物はまた、無毒性の非経口で許容可能な希釈剤または溶媒中の、例えば1,3−ブタンジオール中での溶液としての、無菌で注射可能な溶液または懸濁液であり得る。採用し得る許容可能な媒体および溶媒はとりわけ、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液である。それに加えて、無菌固定油が、溶媒または懸濁媒体として従来採用される。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激の固定油を採用し得る。オレイン酸のような脂肪酸およびそのグリセリド誘導体が、オリーブ油またはヒマシ油のような、天然の薬学的に許容可能な油、特にそれらのポリオキシエチル化バージョンと同様に、注射可能物の調製において有用である。これらの油の溶液または懸濁液はまた、乳剤および懸濁剤を含む薬学的に許容可能な投与形態の製剤において通常使用される、カルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤のような、長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含み得る。Tween、Spanおよび他の界面活性乳化剤のような、他の通常使用される界面活性剤、または薬学的に許容可能な固体、液体、または他の投与形態の製造において通常使用される生物学的利用能増強剤も、製剤の目的のために使用し得る。
本発明の医薬品組成物は、当該分野で公知の技術によって調製し得、そしてカプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液を含むがこれらに限らない、任意の経口的に許容可能な投与形態で経口投与され得る。経口用途のための錠剤の場合、通常使用される担体は、セルロース、ラクトース、またはコーンスターチ(com starch)を含むがこれらに限定されない。ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も典型的には加え得る。カプセル形態における経口投与については、有用な希釈剤または担体は、ラクトースおよび乾燥コーンスターチを包含する。経口用途のための水性懸濁液または溶液が必要である場合、活性成分は、乳化および懸濁剤と組み合わせられる。もし望ましいなら、特定の甘味剤、香味剤、または着色剤も加え得る。
あるいは、本発明の医薬品組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。これらを、例えば薬剤を、室温で固体であるが直腸温度で液体であり、そして従って直腸内で溶解して薬剤を放出する、適切な非刺激性賦形剤と混合することを含む、当該分野で公知の技術を用いて調製し得る。そのような材料としては、カカオバター、みつろう、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
特に処置の標的が、目、皮膚、気道、または下部腸管の疾患を含め、局所(topical)適用によって容易に到達可能な領域または臓器を含む場合、本発明の医薬品組成物をまた、局所的に投与し得る。適切な局所製剤は、当該分野で公知の技術を用いて、これらの領域または臓器それぞれに関して容易に調製される。例えば、下部腸管のための局所適用は、直腸坐剤製剤(上記を参照のこと)で、または適切な浣腸製剤で行われ得る。局所経皮パッチも使用され得る。
局所または経皮適用については、医薬品組成物は、1つまたはそれより多くの担体に懸濁または溶解した活性成分を含む、適切な軟膏または基剤中で、当該分野で公知の技術によって製剤化され得る。本発明の化合物の局所投与のための担体は、当該分野で周知であり、そして鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、および水が挙げられるがこれらに限定されない。あるいは、その医薬品組成物は、1つまたはそれより多くの薬学的に許容可能な担体に懸濁または溶解した活性成分を含む、適切なローションまたはクリーム中で製剤化され得る。適切な担体としては、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリル(cetearyl)アルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が挙げられるがこれらに限定されない。
それに加えて、本発明の化合物は、当業者に周知の方法によって、化合物の生物学的利用能を増加させるために製剤化され得る。本発明の化合物を製剤化する方法および製剤化の例が、Water−Insoluble Drug Formulation(R.Liu編、2000)において記載されており、それは本明細書中でその全体が参考として援用される。
本発明の一部として企図される製剤としては、制御された沈澱の方法(controlled precipitation methods)によって、およびこれによってその全体が参考として援用される、2003年3月20日に提出された、米国特許出願番号第10/392,403号(’403出願)において開示された方法によって産生されたナノ粒子製剤が挙げられるがこれらに限定されない。当該分野で公知のナノ粒子のための通常の賦形剤としては、水、糖ポリマー(修飾セルロース)のような界面活性剤、および洗浄剤、ならびに必要に応じてベンザルコニウム塩、安息香酸またはその塩、またはパラベンのような保存剤が挙げられる。ナノ粒子を形成することによって、本明細書中で開示される組成物は、生物学的利用能が増加している。好ましくは、本発明の化合物の粒子は、光散乱法、顕微鏡法、または当業者に周知の他の適切な方法によって測定した場合の、約2ミクロン未満、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約75nm未満、または約50nm未満の有効平均粒子サイズを有する。ナノ粒子調製物は、例えば局所投与または経皮投与のための懸濁液またはクリームまたは軟膏、坐剤または経口投与のための懸濁液または粉末または錠剤またはカプセルまたはペレット、無菌注射可能製剤のための懸濁液、およびポリマー製剤を含め、ここで記載した製剤化アプローチの多くに組込まれ得る。
本発明を構成する化合物は、化合物の持続放出を可能にする生分解性または非生分解性のポリマーに組込まれ得る。薬剤が非経口で体全体に送達されるように、そのポリマーは埋め込まれ得るか、または本発明を構成する化合物を有するポリマーは、体の特定の領域の付近に埋め込まれ得る。制御された薬剤送達におけるポリマーの概説は、例えばBiodegradable Polymers as Drug Delivery Systems(M.ChasinおよびR.Langer編、1990)において見出され得、それは本明細書中でその全体が参考として援用される。別の概説は、Handbook of Biodegradable Polymers(D.Wesemanら編、1998)において見出され得、それは本明細書中でその全体が参考として援用される。
いくつかの実施態様において、その放出制御性製剤は、2012年4月9日に提出された、米国特許出願番号第13/442,849号(’849出願)において記載された放出制御性製剤に従っており、それは本明細書中で参考として援用される。
「薬学的に許容可能な誘導体またはプロドラッグ」は、レシピエントへ投与されると、本発明の化合物またはその阻害剤活性な代謝産物もしくは残基を直接的または間接的に提供し得る、本発明の化合物の任意の薬学的に許容可能な塩、エステル、アミド、エステルもしくはアミドの塩、または他の誘導体を意味する。特に好ましい誘導体またはプロドラッグは、そのような化合物を患者に投与した場合に、本発明の化合物の生物学的利用能を増加させるもの(例えば経口投与した化合物を、より容易に血液に吸収されることを可能にすることによって)、または親種と比較して生物学的区画(例えば脳またはリンパ系)への親化合物の送達を増強するものである。
本発明の化合物の薬学的に許容可能なプロドラッグとしては、本化合物の以下の誘導体が挙げられるがこれらに限定されない:エステル、アミノ酸エステル、アミノ酸アミド、リン酸エステル、金属塩、スルホン酸エステル、カルバメート、およびアミド。
本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な無機および有機の酸および塩基から誘導されたものを包含する。適切な酸塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミスルファート、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモエート(palmoate)、ペクチチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバレート、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシレート(tosylate)、およびウンデカン酸塩を包含する。
適切な塩基から誘導された塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニウムおよびN(C1−4アルキル)の塩が挙げられる。本発明は、本明細書中で開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も想定する。水溶性もしくは油溶性または水分散性もしくは油分散性の産物を、そのような四級化によって得ることができる。
本発明の化合物をまた、シクロデキストリンのような分子とのホスト−ゲスト複合体、非イオン性複合体、安定化無定形固体、ガラス、固溶体、および共沈物が挙げられるがこれらに限定されない、混合物または複合体として製剤化し得る。これらの製剤中の化合物は、個々の分子、無定形粒子、または結晶性粒子へと分散され得る。これらの製剤は、溶媒媒介共沈、スプレー乾燥、粉砕、ホットメルト押出、および造粒が挙げられるがこれらに限定されない、当業者に公知の技術によって調製され得る。
単回投与量形態を産生するために、担体材料と組み合わされ得る、混合塩を含めた、活性化合物(active compound or compounds)の量は、処置される患者、処置の目的、疼痛の状態、およびその患者がオピオイド未経験であるかまたは耐性を発達させているかどうかに依存して変動する。特定の投与形式も、患者に与えられる化合物の用量に影響を与える。
任意の特定の患者のための特定の投与量および処置レジメンは、その採用された特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与の時間、排出速度、薬剤の組み合わせ、および処置する医師の判断、および鎮痛処置を必要とする状態の重症度を含む、様々な因子に依存することも理解されるべきである。
1つの実施態様において、本発明は、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する1つもしくはそれより多くの化合物、および/または上記で記載したような1つもしくはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、および薬学的に許容可能な担体、アジュバント、もしくは媒体を含む組成物を提供する。
1つの実施態様において、その担体は、経口、非経口、吸入、局所、または皮内の投与のために適切である。
別の実施態様において、その組成物は、生分解性または非生分解性のポリマーに組込まれる。
さらに別の実施態様において、その組成物は、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する1つもしくはそれより多くの化合物、および/または上記で記載したような1つまたはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、および添加物を含む。その添加物を、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、液体担体、溶質、懸濁剤、増粘剤、香味剤、ゼラチン、グリセリン、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、界面活性剤、分散剤、生分解性ポリマー、またはその任意の組み合わせから選択し得る。
生物学的試験:抗侵害受容の評価
広く受け入れられたテールフリック潜伏時間試験(Tail Flick Latency Test)を使用して抗侵害受容を定量する。この方法は、F.E.D’Armourら(J.Pharmacol.Exp.Ther.、72、74−79(1941))において記載されており、それはその全体が参考として援用される。簡単には、経口(po)、icv、およびipの試験のためには、ラットの尾の下側3分の1の背側表面に放射熱を集中させ、一方sc試験のためには、Columbus Instruments Analgesia Meter(OH、US)を用いて、有害な熱をラット尾の腹側表面に適用する。組織の損傷を最小限にするために、9.0sのカットオフを使用する。注射前の反応時間は、典型的には3〜4.5sである。約5分間隔で取った3回の読み取りの平均を使用する。最初のテールフリック潜伏時間を10分および20分に決定し、そして試験を120分で中止するsc投薬以外では、テールフリック潜伏時間を、投薬後5、10、15、30、45、60、90、120、および180分で決定する。
本発明は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解され、それらは説明としてのみ提供され、そして本発明を制限することを意図しない。
実施例1:オキシコドンおよびモルヒネの逐次投与
適切な担体中、10mgのモルヒネの最初の用量を、挿管を必要とする患者へ静脈内経路によって投与する。30分後、2.0mgのモルヒネおよび2.0mgのオキシコドンの用量という相乗作用的な組み合わせを、患者へ共注射する。モルヒネ、その後のモルヒネとオキシコドンとの混合物の逐次投与は、モルヒネ誘発呼吸抑制の発生無しに、迅速な臨床的鎮痛の発現を引き起こす。
実施例2:オキシコドン−モルヒネの放出制御性混合物を伴うオキシコドンの即放性組成物
アンモニオメタクリレートコポリマー、ヒプロメロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール400、ポビドン、水酸化ナトリウム、ソルビン酸、ステアリルアルコール、タルク、二酸化チタン、およびトリアセチンと共に、活性成分として5.0mgの塩酸オキシコドンおよび5.0mgの硫酸モルヒネのコアを含む経口固体経口投与形態の錠剤を、錠剤の調製に関して当該分野で公知の標準的な方法によって調製する。錠剤の外側を、10mgの塩酸オキシコドンおよびゼラチン、ヒプロメロース、トウモロコシデンプン、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80、赤色酸化鉄、二酸化ケイ素、ラウリル硫酸ナトリウム(dodium laurel sulfate)、ショ糖、二酸化チタン、および黄色酸化鉄を含む放出制御性製剤でコーティングする。できた錠剤を、疼痛の軽減のために患者に投与し、そしてモルヒネ誘発呼吸抑制の発生無しに、有効な鎮痛を引き起こす。
実施例3:放出制御性製剤によるオキシコドンおよびモルヒネの逐次投与
30mgの硫酸モルヒネおよび20mgの塩酸オキシコドンを含む放出制御性製剤を、錠剤の形式で調製した。その錠剤は、以下のような(i)放出制御性小ビーズ(beadlets)、(ii)乱用抑止属性を含む多粒子状親水性ポリマー小ビーズ(beadlets)(「ADF小ビーズ(beadlet)ブレンド」)、および(iii)賦形剤成分の乾燥ブレンドから成っていた:
Figure 2014515405
その放出制御性小ビーズ(beadlets)は、以下のようなコア、コーティング、および腸溶性コーティングから成っていた:
Figure 2014515405
ADF小ビーズ(beadlet)ブレンドは、乱用抑止成分としてのカルボポール小ビーズ(beadlets)(70%)、およびpH修飾因子としてのメグルミン小ビーズ(beadlets)(30%)を含む。カルボポール小ビーズ(beadlets)およびメグルミン小ビーズ(beadlets)の配合は、以下の通りである:
Figure 2014515405
Figure 2014515405
錠剤を調製するために、図1に示すように、標準的な重力送り医薬品打錠機を用いて、乾燥ブレンドを圧縮して錠剤にする。
この錠剤の時間経過に対する血漿中薬剤濃度のプロファイルおよび薬物動態学的パラメーターを、健康なヒト成人で評価した。14人の健康成人被験者に、この錠剤を投与し、そして薬剤濃度測定のための血液サンプルを、より大きな研究の一部として、各処置前10分以内、ならびに処置後0.5、1、2、3、4、5、5.5、6、6.5、7、8、10、12、14、18、21、24、48、および72時間で得た(研究の完全な説明に関しては’849出願を参照のこと)。
その結果は、図2に示すように、および表5および6において実証されるように、オキシコドンは、モルヒネより迅速に、およびより高い濃度で送達されることを示す。結果として、オキシコドンは、モルヒネよりも速い速度でかつより高い程度で受容体に対して利用可能である。これは、放出制御性製剤は、オキシコドンおよびモルヒネを逐次送達し得たことを実証する。
Figure 2014515405
Figure 2014515405
このように本発明の実施態様を詳細に記載したが、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、多くの明らかなそのバリエーションが可能であるので、上記の段落によって規定される本発明は、上記の説明において述べる特定の詳細に限定されないことが理解されるべきである。

Claims (4)

  1. 疼痛の軽減が必要な患者における疼痛の軽減のための方法であって、
    該患者に、有効量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第1の化合物、その後、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する1もしくはそれより多くの第2の化合物もしくはその後の化合物、1もしくはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、または1もしくはそれより多くのハイブリッドオピオイド化合物、あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグ、またはそれらの混合物を逐次投与することを包含する、方法。
  2. 前記オピオイド受容体アゴニスト活性を有する1もしくはそれより多くの第二の化合物もしくはその後の化合物、1もしくはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、または1もしくはそれより多くのハイブリッドオピオイド化合物、またはそれらの混合物は、混合オピオイド塩を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 医薬組成物であって、
    (i)有効量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する第1化合物を含む即放性製剤;および
    (ii)有効量の、オピオイド受容体アゴニスト活性を有する1もしくはそれより多くの化合物、1もしくはそれより多くの非オピオイド鎮痛化合物、または1もしくはそれより多くのハイブリッドオピオイド化合物、またはそれらの混合物、あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩、エステルもしくはプロドラッグを含む放出制御性製剤
    を含み、ここで、該即放性製剤中の治療有効量のオピオイド受容体アゴニスト活性を有する該第1の化合物は、該放出制御性製剤中の治療有効量の該1もしくはそれより多くの化合物が血流中に放出される前に血流中に放出され、対応するオピオイド受容体に結合する、医薬組成物。
  4. 前記放出制御性製剤が、混合オピオイド塩を含む、請求項3に記載の医薬組成物。
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