JP2014515384A - 新規で有望なキナーゼ阻害剤としてのアミノ−置換−アルキルオキシ−ベンゾ[e]ピリド[4,3−b]インドール誘導体 - Google Patents
新規で有望なキナーゼ阻害剤としてのアミノ−置換−アルキルオキシ−ベンゾ[e]ピリド[4,3−b]インドール誘導体 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、特別なキナーゼ阻害プロファイルを有し、且つ治療薬として、特に抗腫瘍薬として有用な、ベンゾ[e]ピリド−インドールの新しいクラス、アミノ−置換−アルキルオキシ−ベンゾ[e]ピリド[4,3−b]インドール誘導体に関する。
Description
本発明は、医学分野、特に腫瘍学の分野に関する。
白血病においてイマチニブ(imatinib)を用いて有望な結果を得たので、キナーゼ阻害剤は、癌治療における現実的な希望を表している。特に、オーロラキナーゼは、有糸分裂の進行に重要な役割を果たすセリン/トレオニン・タンパク質キナーゼのファミリーである。オーロラAは、最初は中心体(centrosome)に関与し、そして最後は微小管に関与することが見出されており、一方、オーロラBは、染色体パッセンジャータンパク質である。オーロラAは、中心体の複製、有糸分裂への移行、双極紡錘体の形成及び有糸分裂チェックポイントのために必要である。オーロラBは、有糸分裂の間、典型的なパッセンジャータンパク質挙動を示す。最初、キナーゼは、セントロメアに関与し、そして有糸分裂の進行に伴って、キナーゼは、中心紡錘体及び中央体(midbody)に再局在する。オーロラBは、染色体凝縮、動原体機能、紡錘体チェックポイントの活性化及び細胞質分裂の完了にとって不可欠である。
オーロラA及びBは、原発性大腸癌及び乳癌を含む、多くの癌において過剰発現される。さらに、ヒトオーロラA遺伝子は、乳癌における予後不良に関与する、20q13アンプリコンに局在している。オーロラAを過剰発現するマウスNIH−3T3細胞の異種移植片はヌードマウスにおいて腫瘍を発生させ、このことは、オーロラAが発癌遺伝子として振る舞うことを示唆している。同様の条件下、オーロラBの過剰発現は、転移を誘発し得る。
ベンゾ[e]ピリド−インドールは、興味深い有糸分裂キナーゼ阻害剤であるとして同定されている(Hoang et al, 2009)。これらの化合物は、最小限の毒性でオーロラキナーゼを阻害することが見出された。またそれらの化合物、特に化合物C1及びC2は、異なる癌腫に由来する異なる細胞株の増殖を阻害することも示された。
徹底した研究にもかかわらず、依然として癌治療において2つの主要な問題が残っている:既に使用している薬剤に対する腫瘍耐性の誘導、及び処置の毒性と処置の効率とのバランス。したがって、毒性及び耐性誘導がより少ない新規な処置が依然として必要とされている。
本発明において、本発明者らは、ベンゾ[e]ピリド−インドールの新しいクラス、アミノ−置換−アルキルオキシ−ベンゾ[e]ピリド[4,3−b]インドール誘導体を同定した。この新しいクラスの化合物は、特に抗増殖薬として、治療利益を提供する。
本発明は、式(I)又は(II):
[式中、
ベンゾ環Aは、2、3又は4位でR1により一置換されており;
R1は、基−O−(C2−C5)アルキル−NRaRbであり、ここで、(C2−C5)アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、Ra及びRbは、各々独立に、水素、(C1−C4)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)、及び(C3−C6)シクロアルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、及びチオモルホリンからなる群より選択される複素環(該複素環は、場合により、(C1−C4)アルキル又はヒドロキシル基により置換されている)を形成してもよく;
R2は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、基OH、(C1−C3)アルキルオキシ又は−NRR’により置換されている)からなる群より選択され;
R3及びR4は、各々独立に、水素、(C1−C3)アルキル及びアリールからなる群より選択されるか;あるいは、R3及びR4は、一緒になって、下記式:
・−(CH2)n−(式中、nは、3、4又は5である);又は
・−CH=CH−CH=CH−(場合により、(C1−C3)アルキルオキシで置換されている)
の二価基を形成してもよく;
R5(式(I)にのみ存在)は、(C1−C4)アルコキシであり;
R6(式(II)にのみ存在)は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)からなる群より選択され;
X(式(II)にのみ存在)は、O又はSであり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なり、水素及び(C1−C4)アルキルからなる群より選択される]を有する化合物、又はその異性体形態、又はその薬学的に許容し得る塩、又はその誘導体に関する。
[式中、
ベンゾ環Aは、2、3又は4位でR1により一置換されており;
R1は、基−O−(C2−C5)アルキル−NRaRbであり、ここで、(C2−C5)アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、Ra及びRbは、各々独立に、水素、(C1−C4)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)、及び(C3−C6)シクロアルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、及びチオモルホリンからなる群より選択される複素環(該複素環は、場合により、(C1−C4)アルキル又はヒドロキシル基により置換されている)を形成してもよく;
R2は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、基OH、(C1−C3)アルキルオキシ又は−NRR’により置換されている)からなる群より選択され;
R3及びR4は、各々独立に、水素、(C1−C3)アルキル及びアリールからなる群より選択されるか;あるいは、R3及びR4は、一緒になって、下記式:
・−(CH2)n−(式中、nは、3、4又は5である);又は
・−CH=CH−CH=CH−(場合により、(C1−C3)アルキルオキシで置換されている)
の二価基を形成してもよく;
R5(式(I)にのみ存在)は、(C1−C4)アルコキシであり;
R6(式(II)にのみ存在)は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)からなる群より選択され;
X(式(II)にのみ存在)は、O又はSであり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なり、水素及び(C1−C4)アルキルからなる群より選択される]を有する化合物、又はその異性体形態、又はその薬学的に許容し得る塩、又はその誘導体に関する。
好ましくは、式(I)又は(II)で示される化合物、より好ましくは、式(II)で示される化合物は、下記の特徴の1つ又は幾つかを有する:
− R1は、基−O−(C2−C4)アルキル−NRaRbであり、ここで、(C2−C4)アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C3)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリノ及びチオモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;及び/又は
− R2は、水素、メチル、エチル、及び−(CH2)n−N[(C1−C2)アルキル]2(式中、nは、2又は3である)からなる群より選択され;及び/又は
− R3及びR4は、各々独立に、水素、メチル、エチル及びフェニルからなる群より選択されるか、あるいは、一緒になって、式−CH=CH−CH=CH−の二価基を形成してもよく;及び/又は
− 式(I)において、R5は、(C1−C2)アルコキシであり;及び/又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり;及び/又は
− 式(II)において、R6は、水素、メチル、エチル、−CH2−OH、−(CH2)n−N[(C1−C2)アルキル]2(式中、nは、2又は3である)、−(CH2)−OPO[O(C1−C4)アルキル]2及び−(CH2)−OC(=O)−(C1−C4)アルキルからなる群より選択される。
− R1は、基−O−(C2−C4)アルキル−NRaRbであり、ここで、(C2−C4)アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C3)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリノ及びチオモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;及び/又は
− R2は、水素、メチル、エチル、及び−(CH2)n−N[(C1−C2)アルキル]2(式中、nは、2又は3である)からなる群より選択され;及び/又は
− R3及びR4は、各々独立に、水素、メチル、エチル及びフェニルからなる群より選択されるか、あるいは、一緒になって、式−CH=CH−CH=CH−の二価基を形成してもよく;及び/又は
− 式(I)において、R5は、(C1−C2)アルコキシであり;及び/又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり;及び/又は
− 式(II)において、R6は、水素、メチル、エチル、−CH2−OH、−(CH2)n−N[(C1−C2)アルキル]2(式中、nは、2又は3である)、−(CH2)−OPO[O(C1−C4)アルキル]2及び−(CH2)−OC(=O)−(C1−C4)アルキルからなる群より選択される。
より好ましくは、式(I)又は(II)で示される化合物、さらにより好ましくは、式(II)で示される化合物は、下記の特徴の1つ又は幾つかを有する:
− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)、又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;及び/又は
− R2は、水素であり;及び/又は
− R3は、水素、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び/又は
− 式(I)において、R5は、メトキシであり;及び/又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり;及び/又は
− 式(II)において、R6は、水素である。
− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)、又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;及び/又は
− R2は、水素であり;及び/又は
− R3は、水素、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び/又は
− 式(I)において、R5は、メトキシであり;及び/又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり;及び/又は
− 式(II)において、R6は、水素である。
さらにより好ましくは、式(I)又は(II)で示される化合物、なおより好ましくは、式(II)で示される化合物は、下記の特徴を有する:
− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)、又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;
− R2は、水素であり;
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び、下記のいずれか:
− 式(I)において、R5は、メトキシであるか;又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり、そしてR6は、水素である。
− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)、又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;
− R2は、水素であり;
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び、下記のいずれか:
− 式(I)において、R5は、メトキシであるか;又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり、そしてR6は、水素である。
特に好ましい実施態様において、式(II)で示される化合物は、下記の特徴を有する:
− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)、又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリノからなる群より選択される複素環を形成してもよく;
− R2は、水素であり;
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び
− Xは、酸素であり、そしてR6は、水素である。
− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)、又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリノからなる群より選択される複素環を形成してもよく;
− R2は、水素であり;
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び
− Xは、酸素であり、そしてR6は、水素である。
上記で定義された式(I)又は(II)で示される化合物の特別な実施態様において、R1は、−O−(CH2)n−N(CH3)2又は−O−(CH2)n−N(CH2CH3)2(式中、nは、2又は3である)である。好ましくは、R1は、−O−(CH2)2−N(CH3)2である。より好ましくは、化合物は、Xが酸素であり、そしてR6が水素である、式(II)の化合物である。
第1の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−(CH2)2−N(CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がメチルである、式(II)を有する。第2の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−(CH2)2−N(CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がエチルである、式(II)を有する。第3の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が2−(モルホリン−4−イル)エトキシ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がメチルである、式(II)を有する。第4の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が2−(モルホリン−4−イル)エトキシ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がエチルである、式(II)を有する。第5の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がメチルである、式(II)を有する。第6の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がエチルである、式(II)を有する。
非常に特別な態様において、化合物は、下記:
11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C14);
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジエチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C07);
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
DL 3−(3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−8−メチル−7H−10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C710);
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C48)
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩、好ましくはそのマレイン酸塩である。
11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C14);
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジエチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C07);
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
DL 3−(3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−8−メチル−7H−10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C710);
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C48)
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩、好ましくはそのマレイン酸塩である。
より好ましくは、化合物は、下記:
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C14);
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C07);
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C48);
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C710);
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩、好ましくはそのマレイン酸塩である。
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C14);
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C07);
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C48);
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C710);
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩、好ましくはそのマレイン酸塩である。
本発明はまた、本発明の化合物及び薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物にも関する。場合により、医薬組成物はさらに、さらなる抗腫瘍薬を含み得る。好ましくは、さらなる抗腫瘍薬は、好ましくは、トポイソメラーゼI又はII阻害剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、及び代謝拮抗剤からなる群より、好ましくはトポイソメラーゼI及び/又はII阻害剤及びDNA架橋剤からなる群より選択される、DNA損傷抗腫瘍剤である。
本発明はさらに、薬剤としての本発明の化合物に関する。特に、本発明は、癌、炎症、疼痛又は寄生虫感染症を処置するための使用のための、好ましくは癌を処置するための使用のための、本発明の化合物に関する。場合により、本化合物は、放射線療法、温熱療法及び/又は抗腫瘍化学療法と組み合わせて、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤を用いる、より好ましくはトポイソメラーゼI又はII阻害剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、及び代謝拮抗剤からなる群より、好ましくはトポイソメラーゼI及び/又はII阻害剤及びDNA架橋剤からなる群より選択されるDNA損傷抗腫瘍剤を用いる化学療法と組み合わせて、癌を処置するための使用のためである。あるいは、本発明は、抗寄生虫薬としての本発明の化合物に関する。加えて、本発明は、炎症又は疼痛を治療する又は予防するための使用のための本発明の化合物に関する。
加えて、本発明は、特に癌の処置における、同時使用、別個使用又は連続使用のための複合調製物としての、(a)本発明の化合物;ならびに(b)さらなる抗腫瘍薬、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤、より好ましくはトポイソメラーゼI又はII阻害剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、及び代謝拮抗剤からなる群より、好ましくはトポイソメラーゼI及び/又はII阻害剤及びDNA架橋剤からなる群より選択される抗腫瘍剤を含む、キット又は製品に関する。
本発明は、式(I):
[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRbを、下記(1):
[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシであり、Ra、Rb、R2、R3及びR4は、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、アルカリ(C1−C4)アルコキシドと反応させること、それにより、式(I)で示される化合物を得ることを含む方法に関する。
[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRbを、下記(1):
[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシであり、Ra、Rb、R2、R3及びR4は、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、アルカリ(C1−C4)アルコキシドと反応させること、それにより、式(I)で示される化合物を得ることを含む方法に関する。
本発明はまた、式(II):
[式中、R1、R2、R3、R4、R6及びXは、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRbを、下記(1):
[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシであり、Ra、Rb、R2、R3、R4及びR6は、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、カルボン酸無水物、又はカルボン酸中のアルカリカルボキシラートのいずれかと反応させること、それにより、式(II)で示される化合物を得ることを含む方法に関する。
[式中、R1、R2、R3、R4、R6及びXは、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRbを、下記(1):
[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシであり、Ra、Rb、R2、R3、R4及びR6は、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、カルボン酸無水物、又はカルボン酸中のアルカリカルボキシラートのいずれかと反応させること、それにより、式(II)で示される化合物を得ることを含む方法に関する。
発明の詳細な記載
本発明者らは、ベンゾ[e]ピリド−インドールの新しいクラス、アミノ−置換−アルキルオキシ−ベンゾ[e]ピリド[4,3−b]インドール誘導体を同定した。この新しいクラスの化合物は、特に広範な抗増殖性活性を有する抗増殖薬として、治療利益を提供する。それらは、基アミノアルコキシのベンゾ環A上及び基オキソ又はアルコキシの11位における存在によって、構造的に特徴付けられる。実際、これらの特徴は、オーロラAと比較して、化合物にオーロラB阻害特異性を提供する。MELKをターゲティングとするおかげで、それらはまた、癌幹細胞ターゲティング(例えば、神経芽細胞腫、結腸直腸癌、肺癌及び乳癌)のために提唱され得る。加えて、チェックポイントキナーゼChk−1及びChk−2を阻害するそれらの能力により、それらをDNA傷害剤と組み合わせて使用することの利点を支持する。実際、DNAが損傷を受けたまま有糸分裂に入る細胞は、細胞死に対して非常に感受性が高いので、これらの化合物によるオーロラB及びchk2キナーゼのダブル・ターゲティングが、協調的に作用して癌細胞を消滅させる。加えて、本発明の化合物は、Gckを阻害して抗腫瘍効果及び抗炎症効果を可能にし;そして本発明の化合物は、癌遺伝子であり且つ慢性的炎症疼痛において役割を担うTrkAを阻害する。本発明の化合物は、調節解除されたMycを発現する腫瘍細胞における主要シグナル伝達キナーゼである、ARK5/Nuak1を標的にする(Liu et al, 2012, Nature 483, 608-612)。本発明の化合物は、水に可溶性であるというさらなる利点を提供する。
本発明者らは、ベンゾ[e]ピリド−インドールの新しいクラス、アミノ−置換−アルキルオキシ−ベンゾ[e]ピリド[4,3−b]インドール誘導体を同定した。この新しいクラスの化合物は、特に広範な抗増殖性活性を有する抗増殖薬として、治療利益を提供する。それらは、基アミノアルコキシのベンゾ環A上及び基オキソ又はアルコキシの11位における存在によって、構造的に特徴付けられる。実際、これらの特徴は、オーロラAと比較して、化合物にオーロラB阻害特異性を提供する。MELKをターゲティングとするおかげで、それらはまた、癌幹細胞ターゲティング(例えば、神経芽細胞腫、結腸直腸癌、肺癌及び乳癌)のために提唱され得る。加えて、チェックポイントキナーゼChk−1及びChk−2を阻害するそれらの能力により、それらをDNA傷害剤と組み合わせて使用することの利点を支持する。実際、DNAが損傷を受けたまま有糸分裂に入る細胞は、細胞死に対して非常に感受性が高いので、これらの化合物によるオーロラB及びchk2キナーゼのダブル・ターゲティングが、協調的に作用して癌細胞を消滅させる。加えて、本発明の化合物は、Gckを阻害して抗腫瘍効果及び抗炎症効果を可能にし;そして本発明の化合物は、癌遺伝子であり且つ慢性的炎症疼痛において役割を担うTrkAを阻害する。本発明の化合物は、調節解除されたMycを発現する腫瘍細胞における主要シグナル伝達キナーゼである、ARK5/Nuak1を標的にする(Liu et al, 2012, Nature 483, 608-612)。本発明の化合物は、水に可溶性であるというさらなる利点を提供する。
特に、本発明の化合物は、化合物C1及びC2(Hoang et al, 2009)とは異なるキナーゼ阻害プロファイルを有し、それらとは異なる生物学的活性をもたらす。C1及びC2化合物は、オーロラA及びBの両方を阻害するが、本発明の新しいクラスは、実に、驚くべきことに、オーロラAと比較して、オーロラBのより特異的な阻害プロファイルを提供する。この特異性により、C1よりも遅い段階で細胞周期の阻害へと導く。特に、C14のオーロラB阻害活性は、化合物C1よりも高い。そこで、本発明者らは、驚くべきことに、ベンゾ環Aに対するアミノ−アルキルでの構造的修飾の機能的インパクトを同定した。加えて、化合物C1及びC2(Hoang et al, 2009)と比較して、本発明の化合物は、より高い抗増殖性効率を有している。
したがって、本発明は、式(I)又は(II):
[式中、
ベンゾ環Aは、2、3又は4位でR1により一置換されており;
R1は、基−O−(C2−C5)アルキル−NRaRbであり、ここで、(C2−C5)アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、Ra及びRbは、各々独立に、水素、(C1−C4)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)、及び(C3−C6)シクロアルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、及びチオモルホリンからなる群より選択される複素環(該複素環は、場合により、(C1−C4)アルキル又はヒドロキシル基により置換されている)を形成してもよく;
R2は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、基OH、(C1−C3)アルキルオキシ又は−NRR’により置換されている)からなる群より選択され;
R3及びR4は、各々独立に、水素、(C1−C3)アルキル及びアリールからなる群より選択されるか;あるいは、R3及びR4は、一緒になって、下記式:
・−(CH2)n−(式中、nは、3、4又は5である);又は
・−CH=CH−CH=CH−(場合により、(C1−C3)アルキルオキシで置換されている)
の二価基を形成してもよく;
R5(式(I)にのみ存在)は、(C1−C4)アルコキシであり;
R6(式(II)にのみ存在)は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)からなる群より選択され;
X(式(II)にのみ存在)は、O又はSであり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なり、水素及び(C1−C4)アルキルから、好ましくは水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択される]を有する化合物、又はその異性体形態、又はその薬学的に許容し得る塩、又はその誘導体に関する。
[式中、
ベンゾ環Aは、2、3又は4位でR1により一置換されており;
R1は、基−O−(C2−C5)アルキル−NRaRbであり、ここで、(C2−C5)アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、Ra及びRbは、各々独立に、水素、(C1−C4)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)、及び(C3−C6)シクロアルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、及びチオモルホリンからなる群より選択される複素環(該複素環は、場合により、(C1−C4)アルキル又はヒドロキシル基により置換されている)を形成してもよく;
R2は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、基OH、(C1−C3)アルキルオキシ又は−NRR’により置換されている)からなる群より選択され;
R3及びR4は、各々独立に、水素、(C1−C3)アルキル及びアリールからなる群より選択されるか;あるいは、R3及びR4は、一緒になって、下記式:
・−(CH2)n−(式中、nは、3、4又は5である);又は
・−CH=CH−CH=CH−(場合により、(C1−C3)アルキルオキシで置換されている)
の二価基を形成してもよく;
R5(式(I)にのみ存在)は、(C1−C4)アルコキシであり;
R6(式(II)にのみ存在)は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)からなる群より選択され;
X(式(II)にのみ存在)は、O又はSであり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なり、水素及び(C1−C4)アルキルから、好ましくは水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択される]を有する化合物、又はその異性体形態、又はその薬学的に許容し得る塩、又はその誘導体に関する。
本発明の文脈において、用語「(C1−C2)アルキル」とは、より詳細にはメチル又はエチルを意味し、用語「(C1−C3)アルキル」とは、より詳細にはメチル、エチル、プロピル、又はイソプロピルを意味し、そして「(C1−C4)アルキル」とは、より詳細にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、又はtert−ブチルを意味し、用語「(C2−C5)アルキル」とは、より詳細にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル又はプロピルを意味する。
「アルコキシ」基は、−O−(エーテル)結合により分子に結合しているアルキル基(本明細書の上記で定義した)に相当する。(C1−C3)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、及びイソプロピルオキシを含む。(C1−C4)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、及びtert−ブチルオキシを含む。
「アリール」又は「Ar」基は、6〜12個の炭素原子を有する、単環式又は二環式芳香族炭化水素であり、場合により置換されている。アリールは、フェニル、ビフェニル又はナフチルであり得る。好ましい実施態様において、アリールは、フェニルである。
用語「誘導体」とは、その水和物、エステル、エーテル、コンジュゲート、又はプロドラッグを包含することを意味する。例えば、上記で定義した基−OPO(OR)(OR’)を有する化合物は、プロドラッグであり、且つ増大した溶解性を有する。
(C3−C6)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。
「ハロゲノ」又は「ハロ」基は、好ましくはCl(塩化物)、Br(臭化物)、I(ヨウ化物)及びF(フッ化物)からなる群より選択される。
薬学的に許容し得る塩は、無機酸及び有機酸の塩を含む。適切な無機酸の代表的な例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸等が挙げられる。適切な有機酸の代表的な例には、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ケイ皮酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。薬学的に許容し得る無機酸付加塩又は有機酸付加塩のさらなる例には、J. Pharm. Sci. 1977, 66, 2, 及びHandbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use edited by P. Heinrich Stahl and Camille G. Wermuth 2002に列記されている薬学的に許容し得る塩が挙げられる。好ましい実施態様において、塩は、マレイン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、及びメタンスルホン酸塩からなる群より選択される。特定の実施態様において、塩は、マレイン酸塩である。
好ましい実施態様において、R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリノからなる群より選択される複素環を形成してもよい。より好ましくは、R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリノからなる群より選択される複素環を形成してもよい。好ましくは、Ra及びRbは、各々独立に、メチル及びエチルからなる群より選択される。上記で定義した式(I)又は(II)の化合物の特別な実施態様において、R1は、−O−(CH2)n−N(CH3)2又は−O−(CH2)n−N(CH2CH3)2(式中、nは、2又は3である)である。好ましくは、R1は、−O−(CH2)2−N(CH3)2である。最も好ましい実施態様において、R1は、−O−(CH2)2−N(CH3)2である。2番目に最も好ましい実施態様において、R1は、2−(モルホリン−4−イル)エトキシである。3番目に最も好ましい実施態様において、R1は、2−(ピペリジン−1−イル)エトキシである。より好ましくは、R1は、ベンゾ環Aの3位にある。
好ましい実施態様において、R2は、水素及び(C1−C3)アルキルからなる群より選択され、より好ましくは水素である。
好ましい実施態様において、R3及びR4は、各々独立に,水素、(C1−C3)アルキル及びアリールからなる群より選択される。より好ましくは、R3は、(C1−C3)アルキル及びアリールからなる群より選択され、そしてR4は、水素及び(C1−C3)アルキルからなる群より選択される。さらにより好ましくは、R3は、(C1−C3)アルキルであり、そしてR4は、水素である。
好ましい実施態様では、式(I)において、R5は、(C1−C3)アルコキシであり、より好ましくはメトキシ又はエトキシであり、さらにより好ましくはメトキシである。
好ましい実施態様では、式(II)において、R6は、水素及び(C1−C3)アルキルからなる群より選択され、より好ましくは水素である。加えて、Xは、好ましくは酸素である。
好ましくは、式(I)又は(II)の化合物は、より好ましくは、式(II)の化合物は、下記の特徴の一つ又は幾つかを有し得る:
− R2は、水素であり;及び/又は
− R3は、水素、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び/又は
− 式(I)において、R5は、メトキシであり;及び/又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり;及び/又は、R6は、水素である。
− R2は、水素であり;及び/又は
− R3は、水素、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び/又は
− 式(I)において、R5は、メトキシであり;及び/又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり;及び/又は、R6は、水素である。
さらにより好ましくは、式(I)又は(II)の化合物は、なおより好ましくは、式(II)の化合物は、下記の特徴の一つ又は幾つかを有し得る:
− R2は、水素であり;及び/又は
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され;及び/又は
− R4は、水素であり;及び/又は
下記のいずれか
− 式(I)において、R5は、メトキシであるか;又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり、そしてR6は水素である。
− R2は、水素であり;及び/又は
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され;及び/又は
− R4は、水素であり;及び/又は
下記のいずれか
− 式(I)において、R5は、メトキシであるか;又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり、そしてR6は水素である。
なおより好ましくは、式(I)又は(II)の化合物は、さらになおより好ましくは、式(II)の化合物は、下記の特徴を有し得る:
− R2は、水素であり;
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び
下記のいずれか
− 式(I)において、R5は、メトキシであるか;又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり、そしてR6は水素である。
− R2は、水素であり;
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び
下記のいずれか
− 式(I)において、R5は、メトキシであるか;又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり、そしてR6は水素である。
特に好ましい実施態様において、式(II)の化合物は、下記の特徴を有する:
− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;
− R2は、水素であり;
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び
− Xは、酸素であり、そしてR6は、水素である。
− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;
− R2は、水素であり;
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び
− Xは、酸素であり、そしてR6は、水素である。
第1の特別な実施態様において、化合物は、R1が、−O−(CH2)n−N(CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、nが2又は3であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(II)を有する。より詳細には、nは、2である。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
第2の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−(CH2)n−N(CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、nが2又は3であり、R2が水素であり、R5がメトキシであり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(I)を有する。より詳細には、nは、2である。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
第3の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−(CH2)n−N(CH2CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、nが2又は3であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(II)を有する。より詳細には、nは、2である。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
第4の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−(CH2)n−N(CH2CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、nが2又は3であり、R2が、水素であり、R5がメトキシであり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(I)を有する。より詳細には、nは、2である。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
第5の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−(CH2)n−モルホリノ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、nが2又は3であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(II)を有する。より詳細には、nは、2である。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
第6の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−(CH2)n−モルホリノ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、nが2又は3であり、R2が水素であり、R5がメトキシであり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(I)を有する。より詳細には、nは、2である。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
第7の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−CH2−(CHCH3)−CH2−N(CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(II)を有する。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
第8の特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−CH2−(CHCH3)−CH2−N(CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2が水素であり、R5がメトキシであり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(I)を有する。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
第9の非常に特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−(CH2)n−ピペリジン−1−イル(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、nが2又は3であり、R2、R4及びR6が水素であり、Xが酸素であり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(II)を有する。より詳細には、nは、2である。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
さらなる特別な実施態様において、化合物は、R1が−O−(CH2)n−ピペリジン−1−イル(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、nが2又は3であり、R2が水素であり、R5がメトキシであり、そしてR3がメチル又はエチルである、式(I)を有する。より詳細には、nは、2である。第1の実施態様において、R3は、メチルである。第2の実施態様において、R3は、エチルである。
本発明の好ましい実施態様において、化合物は、式(II)の化合物である。
場合により、本発明の化合物は、下記:
11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジエチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
DL 3−(3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−8−メチル−7H−10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され得、及びその薬学的に許容し得る塩であり得る。
11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジエチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
DL 3−(3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−8−メチル−7H−10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され得、及びその薬学的に許容し得る塩であり得る。
より好ましくは、本発明の化合物は、下記:
11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩である。
11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩である。
別の好ましい実施態様において、本発明の化合物は、下記:
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩である。
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩である。
より好ましい好ましい実施態様において、本発明の化合物は、下記:
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩である。
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩である。
より特異的な実施態様において、本発明の化合物は、下記:
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩である。
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩である。
本発明は、下記に関する:
− 特に癌、炎症、疼痛又は寄生虫感染症の処置における使用のための、a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、及び薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物;及び/又は
− 薬剤、特に抗腫瘍薬、抗炎症薬、抗疼痛薬、又は抗寄生虫薬として、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する、任意の化合物;及び/又は
− 特に癌の処置における使用のための、a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、b)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤、及び薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物;及び/又は
− 特に癌の処置における、同時使用、別個使用又は連続使用のための複合調製物としての、(a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)の任意の化合物、及び(b)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤を含有する、製品又はキット;及び/又は
− 特に癌の処置における、同時使用、別個使用又は連続使用のための、(a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)の任意の化合物、及び(b)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤を含む、複合調製物;及び/又は
− 放射線療法及び/又は温熱療法と組み合わせた癌の処置における使用のための、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む、医薬組成物;及び/又は
− 癌、炎症、疼痛又は寄生虫感染症、好ましくは癌の処置用の医薬の製造のための、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む、医薬組成物の使用;及び/又は
− 放射線療法、温熱療法及び/又はさらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤と組み合わせた、癌の処置用の医薬の製造のための開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む、医薬組成物の使用;及び/又は
− 癌の処置用の医薬の製造のための、a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、及びb)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤、及び薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物の使用;及び/又は
− それを必要としている対象における癌を処置するための方法であって、有効量の、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、及び薬学的に許容し得る担体を含む医薬組成物を投与することを含む、方法;及び/又は
− それを必要としている対象における癌を処置するための方法であって、有効量の、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、b)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤、及び薬学的に許容し得る担体を含む医薬組成物を投与することを含む、方法;及び/又は
− それを必要としている対象における癌を処置するための方法であって、有効量の、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む医薬組成物を、及び有効量の、さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤を含む医薬組成物を投与することを含む、方法;及び/又は
− それを必要としている対象における癌を処置するための方法であって、放射線療法又は温熱療法と組み合わせて、有効量の、a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法;及び/又は
− それを必要としている対象における炎症、疼痛又は寄生虫感染症を処置するための方法であって、有効量の、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物及び薬学的に許容し得る担体を含む医薬組成物を投与することを含む、方法。
− 特に癌、炎症、疼痛又は寄生虫感染症の処置における使用のための、a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、及び薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物;及び/又は
− 薬剤、特に抗腫瘍薬、抗炎症薬、抗疼痛薬、又は抗寄生虫薬として、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する、任意の化合物;及び/又は
− 特に癌の処置における使用のための、a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、b)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤、及び薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物;及び/又は
− 特に癌の処置における、同時使用、別個使用又は連続使用のための複合調製物としての、(a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)の任意の化合物、及び(b)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤を含有する、製品又はキット;及び/又は
− 特に癌の処置における、同時使用、別個使用又は連続使用のための、(a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)の任意の化合物、及び(b)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤を含む、複合調製物;及び/又は
− 放射線療法及び/又は温熱療法と組み合わせた癌の処置における使用のための、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む、医薬組成物;及び/又は
− 癌、炎症、疼痛又は寄生虫感染症、好ましくは癌の処置用の医薬の製造のための、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む、医薬組成物の使用;及び/又は
− 放射線療法、温熱療法及び/又はさらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤と組み合わせた、癌の処置用の医薬の製造のための開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む、医薬組成物の使用;及び/又は
− 癌の処置用の医薬の製造のための、a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、及びb)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤、及び薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物の使用;及び/又は
− それを必要としている対象における癌を処置するための方法であって、有効量の、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、及び薬学的に許容し得る担体を含む医薬組成物を投与することを含む、方法;及び/又は
− それを必要としている対象における癌を処置するための方法であって、有効量の、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物、b)さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤、及び薬学的に許容し得る担体を含む医薬組成物を投与することを含む、方法;及び/又は
− それを必要としている対象における癌を処置するための方法であって、有効量の、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む医薬組成物を、及び有効量の、さらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤を含む医薬組成物を投与することを含む、方法;及び/又は
− それを必要としている対象における癌を処置するための方法であって、放射線療法又は温熱療法と組み合わせて、有効量の、a)開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む、方法;及び/又は
− それを必要としている対象における炎症、疼痛又は寄生虫感染症を処置するための方法であって、有効量の、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物及び薬学的に許容し得る担体を含む医薬組成物を投与することを含む、方法。
本明細書のすべての範囲内で「癌の処置」などについて本発明の医薬組成物に言及されるときはいつでも、下記を意味する:a)癌を処置するための方法であって、かかる処置を必要としている対象に本発明の医薬組成物を投与することを含む、方法;b)癌の処置のための本発明の医薬組成物の使用;c)癌の処置用の医薬の製造のための本発明の医薬組成物の使用;d)癌の処置のために適切な、開示した実施態様のいずれか一つを含む上記で開示した式(I)又は(II)を有する任意の化合物の投与量、及びさらなる抗腫瘍剤、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤の投与量を含む、医薬組成物;及び/又はe)癌を処置するための本発明の医薬組成物。
疼痛には、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、筋肉痛、骨痛、術後疼痛、片頭痛、癌−関連疼痛、腰痛、関節痛、糖尿病−関連疼痛、又はAIDS関連疼痛が挙げられる。特に好ましい実施態様において、疼痛は、癌−関連疼痛、特に骨転移性癌である。
「炎症」又は「炎症性障害又は疾患」とは、過剰なもしくは制御不能の炎症、又は発赤、腫脹、熱感、疼痛等のような炎症の任意の局面によって特徴付けられる又は起因する、任意の障害、状態、又は疾患を指す。特に、それは、慢性又は急性炎症を指してもよい。炎症性疾患には、過敏性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、アレルギー、例えばアレルギー性鼻炎/副鼻腔炎、皮膚アレルギー、例えば、じん麻疹(urticaria/hives)、血管性浮腫、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、薬物アレルギー、虫アレルギー、及び希少種アレルギー障害(例えば、肥満細胞症喘息(mastocytosisasthma))、喘息、関節炎(例えば、変形性関節症、関節リウマチ、及び脊椎関節症)、胃腸炎症、神経炎症障害、及び自己免疫障害が挙げられるが、これらに限定されない。
「寄生虫感染症」とは、原虫(原虫感染症を引き起こす)、蠕虫類(蠕虫症)、及び外寄生生物類に起因する疾患を指すことを意図する。
用語「薬学的に許容し得る担体」とは、活性成分の生物学的活性の有効性を妨げず、且つそれが投与される宿主に対して毒性でない、任意の担体(例えば、支持体、補助物質、溶媒、等)を包含することを意味する。例えば、非経口投与の場合、活性化合物は、生理食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミン及びリンゲル液のような溶剤中に注射用単位剤形で製剤化し得る。
医薬組成物は、薬学的適合性溶媒中の溶液として、又は適切な薬学的溶媒もしくは溶剤中のエマルション、懸濁液もしくは分散液として、又は当技術分野において公知の方法で固体溶剤を含む丸剤、錠剤もしくはカプセル剤として、製剤化することができる。経口投与に適切な本発明の製剤は、それぞれが所定量の活性成分を含有する個別単位(カプセル剤、サシェ剤、錠剤又はトローチ剤として)の剤形;粉末もしくは顆粒の剤形;水性液体もしくは非水性液体の液剤もしくは懸濁剤の剤形;又は水中油型エマルションもしくは油中水型エマルションの剤形であり得る。直腸投与用の製剤は、活性成分及びカカオバターのような担体を組み込んだ坐剤の剤形で、又は浣腸の剤形であり得る。非経口投与に適切な製剤は、好ましくはレシピエントの血液と等張である、活性成分の滅菌油性又は水性調製物を都合よく含む。かかる各製剤は、他の薬学的適合性且つ非毒性である他の補助剤(例えば、安定化剤、抗酸化剤、結合剤、色素、乳化剤又は香味物質)も含有することができる。本発明の製剤は、したがって薬学的に許容し得る担体及び場合により他の治療成分と共に、活性成分を含む。担体は、製剤の他の成分と適合性であるという意味で「許容され得」なければならず、そしてそのレシピエントに有害であってはならない。医薬組成物は、有利には、適切な滅菌溶液の注射もしくは静脈内注入により、又は消化管による経口投与で適用される。これらの化学療法剤の大部分の安全且つ効果的な投与方法は、当業者に公知である。加えて、それらの投与は、標準的な文献に記載されている。
放射線治療は、腫瘍細胞に対する、γ線、X線、及び/又はラジオアイソトープの指向送達が挙げられるが、これらに限定されない。他の放射線治療には、マイクロ波及びUV照射が挙げられる。放射線治療への他の取り組みも本発明において考慮される。放射線治療は、本発明の化合物の投与前に又は投与と同時に適用し得る。化合物の投与が放射線治療の後である場合、化合物は、例えば放射線治療の1、2、3、4、5、6、12、18又は24時間後に投与し得る。
温熱療法は、体組織を高温に曝して癌細胞に損傷を与え消滅させるか、又は放射線及び特定の抗癌薬の効果に対して癌細胞をより感受性にする医療処置である。熱を送達し得ることによる当業者に周知の多くの技術が存在する。最も一般的なうちの幾つかは、集束超音波(FUS又はHIFU)、赤外線サウナ、マイクロ波加熱、誘導加熱、磁気温熱療法、温めた液体の注入の使用、又は、例えば高温の部屋に座っていることもしくは高温のブランケットに患者を包むことによる熱の直接適用が挙げられる。
DNA損傷抗腫瘍剤は、トポイソメラーゼI及び/又はII阻害剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、及び代謝拮抗剤からなる群より選択され得る。好ましい実施態様において、DNA損傷抗腫瘍剤は、トポイソメラーゼI及び/又はII阻害剤、及びDNA架橋剤からなる群より選択される。
トポイソメラーゼI及び/又はII阻害剤には、エトポシド(etoposide)、トポテカン(topotecan)、カンプトテシン(camptothecin)、イリノテカン(irinotecan)、アムサクリン(amsacrine)、イントプリシン(intoplicin)、アントラサイクリン系薬剤(anthracyclines)[例えば、ドキソルビシン(doxorubicin)、エピルビシン(epirubicin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、イダルビシン(idarubicin)及びミトキサントロン(mitoxantrone)]が挙げられるが、これらに限定されない。トポイソメラーゼI及びIIの阻害剤には、イントプリシンが挙げられるが、これに限定されない。
DNA架橋剤には、シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)及びオキサリプラチン(oxaliplatin)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施態様において、DNA架橋剤は、シスプラチンである。
代謝拮抗剤は、核酸合成に関与する酵素を遮断するか、又はDNAに組み込まれ、これが、誤った遺伝コードを生じさせ、そしてアポトーシスを引き起こす。それらの非包括的な例には、非限定的に、葉酸、アンタゴニスト、ピリミジン類似物、プリン類似物及びアデノシンデアミナーゼ阻害剤、そしてより特別にはメトトレキサート(Methotrexate)、フロクスウリジン(Floxuridine)、シタラビン(Cytarabine)、6−メルカプトプリン(6-Mercaptopurine)、6−チオグアニン(6-Thioguanine)、フルダラビンホスフェート(Fludarabine phosphate)、ペントスタチン(Pentostatine)、5−フルオロウラシル(5-fluorouracil)、ゲムシタビン(gemcitabine)及びカペシタビン(capecitabine)が挙げられる。
DNA損傷抗腫瘍剤は、非限定的に、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキル、ニトロソウレア、金属塩及びトリアゼンを含むアルキル化剤であることができる。それらの非包括的な例には、ウラシルマスタード(Uracil mustard)、クロロメチン(Chlormethine)、シクロホスファミド(Cyclophosphamide)(CYTOXAN(R))、イホスファミド(Ifosfamide)、メルファラン(Melphalan)、クロラムブシル(Chlorambucil)、ピポブロマン(Pipobroman)、トリエチレンメラミン(Triethylenemelamine)、トリエチレンチオホスホルアミン(Triethylenethiophosphoramine)、ブスルファン(Busulfan)、カルムスチン(Carmustine)、ロムスチン(Lomustine)、シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、オキサリプラチン(oxaliplatin)、チオテパ(thiotepa)、ストレプトゾシン(Streptozocin)、ダカルバジン(Dacarbazine)及びテモゾロミド(Temozolomide)が挙げられる。
本明細書において使用される用語「キット」、「製品」又は「複合調製物」とは、上記で定義した組み合わせパートナー(a)と(b)とが、独立して投与されることができるか、又は、組み合わせパートナー(a)と(b)の別個の量を有する異なる一定の組み合わせの使用により、すなわち同時又は異なる時点で投与されることができるという意味で、特に「パーツのキット」を定義する。次いで、パーツのキットのパーツは、例えば、同時に又は時間をずらして、すなわち、異なる時点で及びパーツのキットの任意のパーツと等しい又は異なる時間間隔で、投与することができる。複合調製物において投与される、組み合わせパートナー(b)に対する組み合わせパートナー(a)の総量の比は、変化させることができる。組み合わせパートナー(a)と(b)は、同じ経路又は異なる経路で投与することができる。好ましい実施態様において、パートナー(b)は、パートナー(a)の前に又はパートナー(a)と同時に投与される。投与が連続的な場合、第1パートナーは、例えば、第2パートナーの1、2、3、4、5、6、12、18又は24時間前に投与し得る。
本発明の文脈内において、処置という用語は、治療的、対症的及び予防的処置を意味する。
本発明の医薬組成物、キット、製品及び複合調製物は、癌の進行の早期又は末期を含む既存の癌又は腫瘍を有するヒトにおいて使用することができる。本発明の医薬組成物、キット、製品及び複合調製物は、癌を有する患者を必ずしも治癒するのではなく、疾患の進行を遅延させるか、もしくは遅らせるか、又はさらなる進行を防止し、それにより患者の病状を改善する。特に、本発明の医薬組成物、キット、製品及び複合調製物は、腫瘍の発生を減少させるか、腫瘍量を減少させるか、哺乳類宿主における腫瘍退縮を生成させるか、ならびに/又は、転移の発生及び癌の再発を防止する。癌の処置において、本発明の医薬組成物は、治療有効量で投与される。
「有効量」とは、ヒトを含む哺乳動物における処置した疾患の有害な効力を防止、除去、又は軽減する本発明の医薬組成物の量を意味する。投与量は、患者、病理、投与方法等に従って、当業者によって適合させ得ると理解される。例えば、本発明の化合物は、0.01〜500mg/kg体重/日の用量で使用し得る。特別な実施態様において、本発明による医薬組成物は、本発明の化合物を0.01mg〜500mg/kg(体重)含む。投与量は、患者、病理、投与方法等に従って、当業者によって適合させ得ると理解される。
処置は、局所、経皮、経口、直腸、舌下、鼻腔内又は非経口であり得る。医薬組成物、キット、製品又は複合調製物は、好ましくは、注射によって、又は静脈内注入又は適切な滅菌溶液によって、又は消化管を介して液剤又は固体用量の剤形で投与される。
用語「癌」、「癌性」又は「悪性」とは、無秩序な細胞増殖により典型的に特徴付けられる哺乳動物の生理的状態を指すか、又は説明する。癌の例には、例えば、白血病、リンパ腫、芽細胞腫、細胞腫及び肉腫が挙げられる。かかる癌のより特別な例には、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)、扁平上皮細胞癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経膠腫、胃腸癌、腎癌(renal cancer)、卵巣癌、肝癌、直腸結腸癌、子宮内膜癌、腎癌(kidney cancer)、前立腺癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、骨肉腫、膵癌、多形性神経膠芽腫、子宮頸癌、胃癌(stomach cancer)、膀胱癌、肝細胞癌、乳癌、食道癌、結腸癌、及び頭頚部癌、胃癌(gastric cancer)、胚細胞性腫瘍、小児肉腫、副鼻腔ナチュラルキラー、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病、肥満細胞症、及び肥満細胞症に関連する任意の症状が挙げられる。
「白血病」は、造血器官の進行性悪性疾患を指し、一般的には、血液及び骨髄中の白血球及びそれらの前駆体の歪んだ増殖及び発達によって特徴付けられる。白血病は、一般的には、(1)疾患の継続期間及び特徴−急性又は慢性;(2)関与する細胞の種類;骨髄(骨髄性)、リンパ(リンパ性)又は単球;ならびに(3)血中の異常細胞数の増加又は非増加−白血病性又は非白血病性(亜白血性白血病)に基づいて、臨床的に分類される。白血病には、例えば、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病、白血性白血病、好塩基球性白血病、芽細胞性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄球性白血病、皮膚白血病、胎児性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛細胞白血病、血芽球性白血病(hemoblastic leukemia)、血球母細胞性白血病(hemocytoblastic leukemia)、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ管白血病(lymphatic leukemia)、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ性白血病(lymphogenous leukemia)、リンパ性白血病(lymphoid leukemia)、リンパ肉腫細胞性白血病、肥満細胞性白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球性白血病、骨髄性顆粒球性白血病、骨髄性単球性白血病、ネーゲリ(Naegeli)白血病、形質細胞白血病、形質細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー(Rieder)細胞性白血病、シリング(Schilling)白血病、幹細胞性白血病、亜白血性白血病、及び未分化細胞性白血病が挙げられる。特定の態様では、本発明は、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、及び/又はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)の処置を提供する。
下記を含む様々な癌も本発明の範囲に包含されるが、これらに限定されない:膀胱(加速性及び転移性膀胱癌を含む)、乳房、結腸(結腸直腸癌を含む)、腎臓、肝臓、肺(小細胞及び非小細胞の肺癌及び肺腺癌)、卵巣、前立腺、精巣、尿路、リンパ系、直腸、喉頭、膵臓(外分泌膵臓癌を含む)、食道、胃、胆嚢、頚部、甲状腺及び皮膚(扁平上皮細胞癌を含む)の癌を含む癌;リンパ系の造血器腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫、組織球性リンパ腫及びバーケット(Burketts)リンパ腫を含む);骨髄系の造血器腫瘍(急性及び慢性骨髄性白血病、骨髄異形性症候群、骨髄性白血病及び前骨髄球性白血病を含む);中枢及び末梢神経系の腫瘍(星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫及びシュワン腫を含む);間葉系起源の腫瘍(線維肉腫、横紋筋肉腫、及び骨肉腫を含む);他の腫瘍(メラノーマ、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞癌及び奇形癌腫を含む);メラノーマ、病期III又はIVの切除不能な悪性メラノーマ、扁平上皮細胞癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経膠腫、胃腸癌、腎癌(renal cancer)、卵巣癌、肝癌、直腸結腸癌、子宮内膜癌、腎癌(kidney cancer)、前立腺癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、膵癌、多形性神経膠芽腫、子宮頸癌、胃癌(stomach cancer)、膀胱癌、肝癌、乳癌、結腸癌、及び頭頚部癌、網膜芽腫、胃癌(gastric cancer)、胚細胞性腫瘍、骨肉腫、骨腫瘍、骨の成人悪性線維性組織球腫;骨の小児悪性線維性組織球腫、肉腫、小児肉腫、副鼻腔ナチュラルキラー、新生物、形質細胞新生物;骨髄異形成症候群;神経芽細胞腫;精巣性胚細胞腫瘍、眼内メラノーマ、骨髄異形成症候群;骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、滑膜肉腫。さらに他の癌に加えて、障害には、ヒトにおける色素性じんま疹、びまん性皮膚肥満細胞症、孤立性肥満細胞腫、及びイヌの肥満細胞腫、ならびに水疱性の、紅皮症の肥満細胞症及び毛細血管拡張症の肥満細胞症のような幾つかの稀なサブタイプ、骨髄増殖性症候群もしくは骨髄異形成症候群、又は急性白血病、肥満細胞症と関連した骨髄増殖性障害、及び肥満細胞白血病のような関連する血液学的障害を有する肥満細胞症が挙げられる。以下のものを含む他の癌も障害の範囲に含まれるが、これらに限定されない:膀胱、尿路上皮癌、乳房、結腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、胃、子宮頚部、甲状腺、精巣(特に、精巣精上皮腫)及び皮膚(扁平上皮細胞癌を含む)の癌を含む癌;胃腸間質腫瘍(「GIST」);白血病、急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞性リンパ腫、T細胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫及びバーケットリンパ腫を含むリンパ球系の造血性腫瘍;急性及び慢性骨髄性白血病ならびに前骨髄球性白血病を含む骨髄系の造血性腫瘍;線維肉腫及び横紋筋肉腫を含む間葉起源の腫瘍;メラノーマ、精上皮腫、奇形癌、神経芽細胞腫及び神経膠腫を含む他の腫瘍;星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫及びシュワン細胞腫を含む中枢神経系及び末梢神経系の腫瘍;線維肉腫、横紋筋肉腫、及び骨肉腫を含む間葉起源の腫瘍;ならびにメラノーマ、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞癌、奇形癌、化学療法不応性非精上皮腫胚細胞性腫瘍、及びカポジ肉腫及びそれらのあらゆる転移を含む他の腫瘍。特に、癌は、肝細胞癌、食道癌、乳癌、肺癌、神経芽細胞腫、卵巣癌、結腸直腸癌及び骨肉腫からなる群より選択され得る。場合により、癌は、肺癌、卵巣癌又は骨肉腫であり得る。
本発明の好ましい実施態様において、癌は、固形腫瘍である。用語「固形腫瘍」とは、特に、乳癌、卵巣癌、大腸及び一般的にはGI(胃腸)管の癌、頸癌、神経芽細胞腫、肺癌、特に小細胞肺癌及び非小細胞肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、膀胱癌、骨肉腫、前立腺癌又はカポジ肉腫を意味する。本組み合わせは、固形腫瘍の増殖だけでなく、液性腫瘍も阻害する。さらに、腫瘍体積の減少を得ることができる。本明細書で開示される化合物はまた、腫瘍の転移拡散及び微小転移の増殖又は発生を予防するのに適している。
最後に、本発明は、上記で開示した式(I)及び(II)で示される化合物の調製方法に関する。
したがって、本発明は、開示した実施態様のいずれか一つを含む、式(I):
[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記で定義したとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRb[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシである]を、開示した実施態様のいずれか一つを含む、下記(1):
[式中、Ra、Rb、R2、R3及びR4は、上記で定義したとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、アルカリ(C1−C4)アルコキシドと反応させること、それにより、式(I)で示される化合物を得ることを含む方法に関する。
[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、上記で定義したとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRb[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシである]を、開示した実施態様のいずれか一つを含む、下記(1):
[式中、Ra、Rb、R2、R3及びR4は、上記で定義したとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、アルカリ(C1−C4)アルコキシドと反応させること、それにより、式(I)で示される化合物を得ることを含む方法に関する。
特別な実施態様において、アルカリ(C1−C4)アルコキシドは、ナトリウム(C1−C4)アルコキシドである。
工程a)及び工程b)の反応は、適切な条件の下で実施される。
特に工程a)について、条件は、例えば以下である:i)ウィリアムソン(Williamson)縮合について、試薬としてハロゲノ−(C2−C5)アルキル−NRaRbを使用すること:反応は、相間移動条件(BuOH−水)下、且つ塩基として水酸化アルカリの存在下において実現し、及びii)光延反応について、試薬としてHO−(C2−C5)アルキル−NRaRb及びジアルキルアゾジカルボキシラートを使用すること:縮合は、標準的な条件下で実現した。
好ましくは、ハロゲノ−(C2−C5)アルキル−NRaRbは、クロロ−(C2−C5)アルキル−NRaRbであり、そしてジアルキルアゾジカルボキシラートは、ジイソプロピルアゾジカルボキシラートである。
特に工程b)について、条件は、例えば以下である:クロロ誘導体のアルコキシル化は、アルカリアルコキシドの存在下、密閉管中、高温で加熱することにより実現した。
好ましくは、アルカリアルコキシドは、ナトリウムメトキシドである。
本発明はまた、開示した実施態様のいずれか一つを含む、式(II):
[式中、R1、R2、R3、R4、R6及びXは、上記で定義したとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRb[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシである]を、下記(1):
[式中、R2、R3、R4及びR6は、上記で定義したとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、i)カルボン酸無水物又はii)カルボン酸中のアルカリカルボキシラートのいずれかと反応させること、それにより、式(II)で示される化合物を得ることを含む方法に関する。
[式中、R1、R2、R3、R4、R6及びXは、上記で定義したとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRb[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシである]を、下記(1):
[式中、R2、R3、R4及びR6は、上記で定義したとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、i)カルボン酸無水物又はii)カルボン酸中のアルカリカルボキシラートのいずれかと反応させること、それにより、式(II)で示される化合物を得ることを含む方法に関する。
工程a)及び工程b)の反応は、適切な条件の下で実施される。
特に工程a)について、条件は、例えば以下である:i)ウィリアムソン(Williamson)縮合について、試薬としてハロゲノ−(C2−C5)アルキル−NRaRbを使用すること:反応は、相間移動条件(BuOH−水)下、且つ塩基として水酸化アルカリの存在下において実現し、及びii)光延反応について、試薬としてHO−(C2−C5)アルキル−NRaRb及びジアルキルアゾジカルボキシラートを使用すること:縮合は、標準的な条件下で実現した。
好ましくは、ハロゲノ−(C2−C5)アルキル−NRaRbは、クロロ−(C2−C5)アルキル−NRaRbであり、そしてジアルキルアゾジカルボキシラートは、ジイソプロピルアゾジカルボキシラートである。
特に工程b)について、条件は、例えば以下である:ラクタム化合物へのクロロ誘導体の転換は、カルボン酸無水物中、密閉管中、高温で加熱することによるか、又はアルカリカルボキシラートの存在下、カルボン酸中で加熱することにより、実現した。
好ましくは、カルボン酸無水物は無水酢酸であり、カルボン酸は酢酸であり、そしてアルカリカルボキシラートは、酢酸ナトリウムである。
代替的に、式(II)の化合物はまた、式(I)の化合物の調製方法の工程a)で得た中間体生成物から、式(I)の化合物の調製方法の工程a)で得た中間体生成物を加熱することにより調製し得る。特に、条件は、例えば以下である:アルコキシ誘導体の脱アルキル化を、酢酸中の水素酸水溶液を加熱することにより実現した。
好ましくは、水素酸は、塩酸である。
本発明のさらなる態様及び利点を以下の実験セクションに開示するが、これは例示的なものであって、本発明の範囲を限定しないとみなされるべきである。多数の参考文献が、本明細書において引用される;これらの各引用文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
実施例
1:ウィリアムソン又は光延条件; 2:アルカリアルコキシド; 3:カルボン酸無水物又はカルボン酸中のアルカリカルボキシラート; 4:カルボン酸中の水素酸
1:ウィリアムソン又は光延条件; 2:アルカリアルコキシド; 3:カルボン酸無水物又はカルボン酸中のアルカリカルボキシラート; 4:カルボン酸中の水素酸
11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(2又はC20)
方法1: 11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(400mg、1.4mmol)(Bioconjugate Chem. (2003), 14, 120-135に従って調製した)、n−ブタノール(40mL)及び水(24mL)の混合物を、30分間撹拌し、次に水(5mL)中のNaOH(300mg)の溶液を加えた。15分間の撹拌の後、2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩(240mg、1.7mmol)を加え、混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、有機層を分離した。水層をAcOEtにより抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜2%)の勾配)により精製して、目的化合物をベージュ色の固体(220mg、44%)として得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(ppm): 9.76 (d, 1H), 8.79 (br s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.39 (dd, 1H), 7.35 (d, 1H), 4.24 (t, 2H), 2.83 (t, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.40 (s, 6H). 微量分析, C20H20ClN3O.0.7 H2Oの計算値: C, 65.64; H, 5.85; N, 11.48, 実測値: C, 65.29; H, 5.49; N, 11.31.
方法1: 11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(400mg、1.4mmol)(Bioconjugate Chem. (2003), 14, 120-135に従って調製した)、n−ブタノール(40mL)及び水(24mL)の混合物を、30分間撹拌し、次に水(5mL)中のNaOH(300mg)の溶液を加えた。15分間の撹拌の後、2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩(240mg、1.7mmol)を加え、混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、有機層を分離した。水層をAcOEtにより抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜2%)の勾配)により精製して、目的化合物をベージュ色の固体(220mg、44%)として得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ(ppm): 9.76 (d, 1H), 8.79 (br s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.39 (dd, 1H), 7.35 (d, 1H), 4.24 (t, 2H), 2.83 (t, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.40 (s, 6H). 微量分析, C20H20ClN3O.0.7 H2Oの計算値: C, 65.64; H, 5.85; N, 11.48, 実測値: C, 65.29; H, 5.49; N, 11.31.
方法2: N2雰囲気下、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(280mg、1.4mmol)を、乾燥THF(10mL)中のトリフェニルホスフィン(430mg、1.4mmol)の溶液に加えた。この混合物を、乾燥THF(20mL)中の11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(200mg、0.7mmol)(Bioconjugate Chem. (2003), 14, 120-135に従って調製した)及び2−(ジメチルアミノ)エタノール(75mg、0.8mmol)の溶液に加えた。最終混合物を室温で24時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。粗残留物を上記のようにカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的化合物を得たが、これは方法1で得たものと同一であった。
11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(3又はC12)
25mL容量の密閉した管中、メタノール溶液(12mL)中の11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(80mg、0.22mmol)と30%ナトリウムメトキシドとの混合物を、油浴中、130℃で48時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(30mL)に注ぎ、CH2Cl2で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、CH2Cl2中のAcOEt(0〜20%)の勾配)により精製して、メトキシ化合物の遊離塩基(75mg、94%)を得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 9.64 (d, 1H), 8.82 (br s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.35 (dd, 1H), 7.30 (d, 1H), 4.27-4.22 (m, 5H), 2.83 (t, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.39 (s, 6H).
25mL容量の密閉した管中、メタノール溶液(12mL)中の11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(80mg、0.22mmol)と30%ナトリウムメトキシドとの混合物を、油浴中、130℃で48時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(30mL)に注ぎ、CH2Cl2で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、CH2Cl2中のAcOEt(0〜20%)の勾配)により精製して、メトキシ化合物の遊離塩基(75mg、94%)を得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 9.64 (d, 1H), 8.82 (br s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.35 (dd, 1H), 7.30 (d, 1H), 4.27-4.22 (m, 5H), 2.83 (t, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.39 (s, 6H).
マレイン酸塩の生成: 高温のアセトン(5mL)中のこの遊離塩基(35mg)の溶液を、高温のアセトン(2mL)中のマレイン酸(33mg)の溶液に注いだ。沈殿物を濾過により回収し、アセトンで洗浄し、減圧下にてデシケーター中で乾燥させて、マレイン酸塩(40mg)を得た。 微量分析, C21H23N3O2 .2C4H4O4 .H2Oの計算値: C, 58.10; H, 5.50; N, 7.01; 実測値: C, 57.96; H, 5.44; N, 7.12. MS 350.2 [M+1].
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(4又はC14)
方法1: 11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(40mg、0.11mmol)、N HCl(5mL)及びAcOH(2mL)の混合物を、18時間加熱還流した。揮発物を減圧下で蒸発させ、続いてトルエンと同時蒸発させた。水(10mL)を加え、28%水酸化アンモニウム(2mL)の添加により、溶媒を塩基性にした。水層をAcOEtで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜10%)の勾配)により精製して:(i)回収した出発物質(22mg)及び(ii)目的化合物をベージュ色の固体(12mg、69%)として得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 10.28, (d, 1H), 8.89 (br s, 1H), 8.60 (br s, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.37 (dd, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.02 (s, 1H), 4.24 (t, 2H), 2.84 (t, 2H), 2.40 (s, 6H), 2.35 (s, 3H). MS 336.3 [M+1].
方法1: 11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(40mg、0.11mmol)、N HCl(5mL)及びAcOH(2mL)の混合物を、18時間加熱還流した。揮発物を減圧下で蒸発させ、続いてトルエンと同時蒸発させた。水(10mL)を加え、28%水酸化アンモニウム(2mL)の添加により、溶媒を塩基性にした。水層をAcOEtで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜10%)の勾配)により精製して:(i)回収した出発物質(22mg)及び(ii)目的化合物をベージュ色の固体(12mg、69%)として得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 10.28, (d, 1H), 8.89 (br s, 1H), 8.60 (br s, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.37 (dd, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.02 (s, 1H), 4.24 (t, 2H), 2.84 (t, 2H), 2.40 (s, 6H), 2.35 (s, 3H). MS 336.3 [M+1].
方法2: 25mL容量の密閉した管中、11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(230mg、0.65mmol)と無水酢酸(20mL)との混合物を、油浴中、150℃で20時間加熱した。揮発物を減圧下で蒸発させ、続いてトルエンと同時蒸発させた。トルエン(6mL)を加え、沈殿物を濾過により回収し、トルエンで洗浄した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、CH2Cl2中のエタノール(0〜10%)の勾配)により精製して、目的化合物(160mg、73%)を得たが、これは方法1で得たものと同一であった。
方法3: 11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(290mg、0.82mmol)、酢酸ナトリウム(172mg、2.1mmol)及びAcOH(16mL)の混合物を、18時間加熱還流した。揮発物を減圧下で蒸発させ、続いてトルエンと同時蒸発させた。水(100mL)を加え、2N 水酸化ナトリウムの添加により、溶媒を塩基性にした。水層をAcOEt及びEtOHで抽出し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、目的化合物(274mg、100%)を得たが、これは方法1で得たものと同一であった。微量分析, C20H21N3O2 .1.8 H2Oの計算値: C, 65.32; H, 6.69; N, 11.43; 実測値: C, 65.36; H, 6.28; N, 11.17.
マレイン酸塩の生成: 沸騰している無水エタノール(10mL)中のこの遊離塩基(120mg)の溶液を、高温の無水エタノール(2mL)中のマレイン酸(50mg)の溶液に注いだ。得られた均質な溶液を減圧下で蒸発させ、残留物をアセトンでトリチュレートして、固体を得て、これを濾過により回収し、アセトンで洗浄し、デシケーター中で乾燥させて、マレイン酸塩(160mg)を得た。微量分析, C20H21N3O2 .C4H4O4 .0.5 H2Oの計算値: C, 62.61; H, 5.65; N, 9.31; 実測値: C, 62.51; H, 5.80; N, 9.42.
11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール
11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(300mg、1.1mmol)(Bioconjugate Chem. (2003), 14, 120-135に従って調製した)、n−ブタノール(30mL)及び水(18mL)の混合物を、30分間撹拌し、次に水(3mL)中のNaOH(200mg)の溶液を加えた。15分間の撹拌の後、(CH3)2N(CH2)3Cl、HCl(200mg、1.3mmol)を加え、混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、有機層を分離した。水層をAcOEtにより抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜2%)の勾配)により精製して、目的化合物11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールをベージュ色の固体(190mg、48%)として得た。微量分析, C21H22ClN3O.0.5 H2Oの計算値: C, 66.92; H, 6.15; N, 11.15, 実測値: C, 66.73; H, 5.92; N, 11.27.
11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(300mg、1.1mmol)(Bioconjugate Chem. (2003), 14, 120-135に従って調製した)、n−ブタノール(30mL)及び水(18mL)の混合物を、30分間撹拌し、次に水(3mL)中のNaOH(200mg)の溶液を加えた。15分間の撹拌の後、(CH3)2N(CH2)3Cl、HCl(200mg、1.3mmol)を加え、混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、有機層を分離した。水層をAcOEtにより抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜2%)の勾配)により精製して、目的化合物11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールをベージュ色の固体(190mg、48%)として得た。微量分析, C21H22ClN3O.0.5 H2Oの計算値: C, 66.92; H, 6.15; N, 11.15, 実測値: C, 66.73; H, 5.92; N, 11.27.
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2を適用し、11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して標記化合物を得た。
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2を適用し、11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して標記化合物を得た。
11−クロロ−3−(2−N,N−ジエチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、2−クロロ−N,N−ジエチルエタンアミン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、2−クロロ−N,N−ジエチルエタンアミン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。
3−(2−N,N−ジエチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2を適用し、11−クロロ−3−(2−N,N−ジエチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2を適用し、11−クロロ−3−(2−N,N−ジエチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。
11−クロロ−3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.94 (br s, 1H), 9.62 (d, 1H), 8.06 (d, 1H), 7.99 (d 1H), 7.80 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.35 (dd, 1H), 4.25 (t, 2H), 3.64-3.58 (m, 4H), 2.78 (t, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.54-2.49 (m. DMSO 信号により重複). 微量分析, C22H20ClN3O2 .0.5 H2Oの計算値: C, 65.34; H, 5.69; N, 10.39, 実測値: C,65.75; H,5.73; N,10.37. MS 394.1 & 396.1 [M-1].
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.94 (br s, 1H), 9.62 (d, 1H), 8.06 (d, 1H), 7.99 (d 1H), 7.80 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.35 (dd, 1H), 4.25 (t, 2H), 3.64-3.58 (m, 4H), 2.78 (t, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.54-2.49 (m. DMSO 信号により重複). 微量分析, C22H20ClN3O2 .0.5 H2Oの計算値: C, 65.34; H, 5.69; N, 10.39, 実測値: C,65.75; H,5.73; N,10.37. MS 394.1 & 396.1 [M-1].
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(CH1707又はC07)
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2又は3を適用し、11−クロロ−3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.03 (br s, 1H), 10.94 & 10.92 (2 s, 1H), 10.26 (d, 1H), 7.75-7.64 (m, 2H), 7.42 (d, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.07 (d, 1H), 4.21 (t, 2H), 3.66-3.56 (m, 4H), 2.77 (t, 2H), 2.57-2.46 (m. DMSO 信号により重複). 微量分析, C22H23N3O3 .1.2 H2Oの計算値: C, 66.23; H, 6.37; N, 10.54, 実測値: C, 66.28; H, 6.55; N, 10.10. MS 400.1 [M+Na].
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2又は3を適用し、11−クロロ−3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.03 (br s, 1H), 10.94 & 10.92 (2 s, 1H), 10.26 (d, 1H), 7.75-7.64 (m, 2H), 7.42 (d, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.07 (d, 1H), 4.21 (t, 2H), 3.66-3.56 (m, 4H), 2.77 (t, 2H), 2.57-2.46 (m. DMSO 信号により重複). 微量分析, C22H23N3O3 .1.2 H2Oの計算値: C, 66.23; H, 6.37; N, 10.54, 実測値: C, 66.28; H, 6.55; N, 10.10. MS 400.1 [M+Na].
マレイン酸塩の生成: 沸騰している無水エタノール(10mL)中のこの遊離塩基(150mg)の溶液を、高温の無水エタノール(4mL)中のマレイン酸(55mg)の溶液に注いだ。得られた均質な溶液を減圧下で蒸発させ、残留物をアセトンでトリチュレートして、固体を得て、これを濾過により回収し、アセトンで洗浄し、デシケーター中で乾燥させて、マレイン酸塩(160mg)を得た。微量分析, C22H23N3O3 .C4H4O4 .0.4 H2Oの計算値: C, 62.37; H, 5.56; N, 8.40; 実測値: C, 62.66; H, 6.00; N, 7.95.
DL 11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、DL 3−クロロ−2−メチル−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、DL 3−クロロ−2−メチル−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。
DL 3−(3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−8−メチル−7H−10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2を適用し、DL 11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2を適用し、DL 11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。
11−クロロ−3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、1−(3−クロロプロピル)ピペリジン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、1−(3−クロロプロピル)ピペリジン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。
3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2を適用し、11−クロロ−3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2を適用し、11−クロロ−3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。
11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール
工程1: 50mL容量の密閉管中、11−クロロ−8−エチル−3−メトキシ−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(600mg、1.9mmol)(Anti-Cancer Drug Design (1992), 7, 235-251に従って調製した)、ベンジルトリエチル塩化アンモニウム(2.80g、12mmol)及び37%塩酸(45mL)の混合物を、油浴中、140℃で24時間加熱した。次に反応混合物を減圧下で蒸発させ、次に水(10mL)を加えた。28%水酸化アンモニウム(2mL)の添加により、溶媒を塩基性にし、得られた固体を濾過により回収し、次に水で洗浄し、真空デシケーターを使用して乾燥させた。中間体11−クロロ−8−エチル−3−ヒドロキシ−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール450mg(収率78%)を褐色の粉末として得た。微量分析, C17H13ClN2O 0.25 H2Oの計算値: C, 67.78; H, 4.52; N, 9.30; 実測値: C, 67.90; H, 4.62; N, 9.56. MS: 296.1/298.1 (M+H).
工程1: 50mL容量の密閉管中、11−クロロ−8−エチル−3−メトキシ−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(600mg、1.9mmol)(Anti-Cancer Drug Design (1992), 7, 235-251に従って調製した)、ベンジルトリエチル塩化アンモニウム(2.80g、12mmol)及び37%塩酸(45mL)の混合物を、油浴中、140℃で24時間加熱した。次に反応混合物を減圧下で蒸発させ、次に水(10mL)を加えた。28%水酸化アンモニウム(2mL)の添加により、溶媒を塩基性にし、得られた固体を濾過により回収し、次に水で洗浄し、真空デシケーターを使用して乾燥させた。中間体11−クロロ−8−エチル−3−ヒドロキシ−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール450mg(収率78%)を褐色の粉末として得た。微量分析, C17H13ClN2O 0.25 H2Oの計算値: C, 67.78; H, 4.52; N, 9.30; 実測値: C, 67.90; H, 4.62; N, 9.56. MS: 296.1/298.1 (M+H).
工程2: 化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−エチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩を使用して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 9.76 (d, 1H), 8.73 (br s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.43-7.34 (m, 2H), 4.25 (t, 2H), 2.97 (q, 2H), 2.84 (t, 2H), 2.40 (s, 6H), 1.46 (t, 3H). MS: 368.2 & 370.2 (M+H).
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C48)
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2又は3を適用し、11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.02 (s, 1H), 10.98 & 10.96 (2 s, 1H), 10.27 (d, 1H), 7.74-7.67 (m, 2H), 7.40 (d, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.05 (d, 1H), 4.17 (t, 2H), 2.77-2.67 (m, 4H), 2.26 (s, 6H), 1.27 (t, 2H). 微量分析, C21H23N3O2 .H2Oの計算値: C, 68.66; H, 6.81; N, 11.44, 実測値: C, 68.96; H, 6.78; N, 11.36. MS 350.1 [M+H].
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2又は3を適用し、11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、上記のように調製して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.02 (s, 1H), 10.98 & 10.96 (2 s, 1H), 10.27 (d, 1H), 7.74-7.67 (m, 2H), 7.40 (d, 1H), 7.18 (dd, 1H), 7.05 (d, 1H), 4.17 (t, 2H), 2.77-2.67 (m, 4H), 2.26 (s, 6H), 1.27 (t, 2H). 微量分析, C21H23N3O2 .H2Oの計算値: C, 68.66; H, 6.81; N, 11.44, 実測値: C, 68.96; H, 6.78; N, 11.36. MS 350.1 [M+H].
マレイン酸塩の生成: 沸騰している無水エタノール(12mL)中のこの遊離塩基(120mg)の溶液を、高温の無水エタノール(2mL)中のマレイン酸(62mg)の溶液に注いだ。得られた均質な溶液を減圧下で蒸発させ、残留物をアセトンでトリチュレートして、固体を得て、これを濾過により回収し、アセトンで洗浄し、デシケーター中で乾燥させて、マレイン酸塩(147mg)を得た。微量分析, C21H23N3O2 .C4H4O4 .0.25 H2Oの計算値:: C, 63.89; H, 5.85; N, 8.94; 実測値: C, 63.41; H, 6.28; N, 8.76.
11−クロロ−3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(CH1709又はC709)
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、N−(2−クロロエチル)ピペリジン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.48 (br s, 1H), 9.61 (d, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.99 (d 1H), 7.79 (d, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.34 (dd, 1H), 4.22 (t, 2H), 2.74 (t, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.51-2.45 (m. DMSO信号により重複), 1.56-1.47 (m, 4H), 1.45-1.30 (m, 2H). 微量分析, C23H24ClN3O2の計算値: C, 70.13; H, 6.14; N, 10.67, 実測値: C, 69.63; H, 6.38; N, 10.44. MS 394.1 & 396.1 [M+1].
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、N−(2−クロロエチル)ピペリジン塩酸塩を2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.48 (br s, 1H), 9.61 (d, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.99 (d 1H), 7.79 (d, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.34 (dd, 1H), 4.22 (t, 2H), 2.74 (t, 2H), 2.56 (s, 3H), 2.51-2.45 (m. DMSO信号により重複), 1.56-1.47 (m, 4H), 1.45-1.30 (m, 2H). 微量分析, C23H24ClN3O2の計算値: C, 70.13; H, 6.14; N, 10.67, 実測値: C, 69.63; H, 6.38; N, 10.44. MS 394.1 & 396.1 [M+1].
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(CH1710又はC710)
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2又は3を適用し、11−クロロ−3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発して、上記のように調製して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.03 (br s, 1H), 10.94 & 10.92 (2 br s, 1H), 10.26 (d, 1H), 7.73-7.63 (m, 2H), 7.41 (d, 1H), 7.17 (dd, 1H), 7.08 (d, 1H), 4.18 (t, 2H), 2.73 (t, 2H), 2.56-2.43 (m, DMSO信号により重複), 2.29 (s, 3H), 1.57-1.48 (m, 4H), 1.44-1.35 (m, 2H). 微量分析, C23H25N3O2 .H2Oの計算値: C, 70.22; H, 6.87; N, 10.68, 実測値: C, 70.16; H, 6.92; N, 10.42. MS 376.2 [M+1].
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法2又は3を適用し、11−クロロ−3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発して、上記のように調製して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.03 (br s, 1H), 10.94 & 10.92 (2 br s, 1H), 10.26 (d, 1H), 7.73-7.63 (m, 2H), 7.41 (d, 1H), 7.17 (dd, 1H), 7.08 (d, 1H), 4.18 (t, 2H), 2.73 (t, 2H), 2.56-2.43 (m, DMSO信号により重複), 2.29 (s, 3H), 1.57-1.48 (m, 4H), 1.44-1.35 (m, 2H). 微量分析, C23H25N3O2 .H2Oの計算値: C, 70.22; H, 6.87; N, 10.68, 実測値: C, 70.16; H, 6.92; N, 10.42. MS 376.2 [M+1].
マレイン酸塩の生成: 沸騰している無水エタノール(14mL)中のこの遊離塩基(160mg)の溶液を、高温の無水エタノール(4mL)中のマレイン酸(60mg)の溶液に注いだ。得られた均質な溶液を減圧下で蒸発させ、残留物をアセトンでトリチュレートして、固体を濾過により回収し、アセトンで洗浄し、デシケーター中で乾燥させて、マレイン酸塩(180mg)を得た。微量分析, C23H25N3O2 .C4H4O4 .0.5 H2Oの計算値: C, 64.80; H, 6.00; 実測値: C, 64.41; H, 6.37.
3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(C21又はCH21)
パラジウム担持炭素(10%、150mg)を、無水エタノール(30mL)中の11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(300mg、0.84mmol)の溶液に加えた。大気圧で、水素を導入し、混合物を18時間撹拌した。次に触媒を濾別し、高温のエタノールで洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜2%)の勾配)により精製して、目的化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールをベージュ色の固体(190mg、71%)として得た。 1H NMR ( 300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.39 (s, 1H), 9.73 (s, 1H), 8.77 (d, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.47 (dd, 1H), 4.48 (t, 2H), 2.79 (s, 6H), 2.65 (s, 3H), 2.53 (m, 2H). 微量分析, C20H21N3O.0.25 H2Oの計算値: C, 74.18; H, 6.64; N, 12.98, 実測値: C, 74.21; H, 6.67; N, 12.71.
パラジウム担持炭素(10%、150mg)を、無水エタノール(30mL)中の11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(300mg、0.84mmol)の溶液に加えた。大気圧で、水素を導入し、混合物を18時間撹拌した。次に触媒を濾別し、高温のエタノールで洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜2%)の勾配)により精製して、目的化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールをベージュ色の固体(190mg、71%)として得た。 1H NMR ( 300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.39 (s, 1H), 9.73 (s, 1H), 8.77 (d, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.47 (dd, 1H), 4.48 (t, 2H), 2.79 (s, 6H), 2.65 (s, 3H), 2.53 (m, 2H). 微量分析, C20H21N3O.0.25 H2Oの計算値: C, 74.18; H, 6.64; N, 12.98, 実測値: C, 74.21; H, 6.67; N, 12.71.
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(C23)
パラジウム担持炭素(10%、70mg)を、無水エタノール(20mL)中の11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(130mg、0.35mmol)の溶液に加えた。大気圧で、水素を導入し、混合物を18時間撹拌した。次に触媒を濾別し、高温のエタノールで洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜2%の勾配))により精製して、目的化合物をベージュ色の固体(84mg、71%)として得た。 1H NMR ( 300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.07 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 8.70 (d, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.39 (dd, 1H), 4.20 (t, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.47 (t, 2H), 2.22 (s, 6H), 1.98 (m, 2H). 微量分析, C21H23N3O.0.25 H2Oの計算値: C, 74.64; H, 7.01; N, 12.43, 実測値: C, 74.77; H, 6.99; N, 12.45.
パラジウム担持炭素(10%、70mg)を、無水エタノール(20mL)中の11−クロロ−3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(130mg、0.35mmol)の溶液に加えた。大気圧で、水素を導入し、混合物を18時間撹拌した。次に触媒を濾別し、高温のエタノールで洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(中性アルミナ、ジクロロメタン中のエタノール(0〜2%の勾配))により精製して、目的化合物をベージュ色の固体(84mg、71%)として得た。 1H NMR ( 300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.07 (s, 1H), 9.64 (s, 1H), 8.70 (d, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.39 (dd, 1H), 4.20 (t, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.47 (t, 2H), 2.22 (s, 6H), 1.98 (m, 2H). 微量分析, C21H23N3O.0.25 H2Oの計算値: C, 74.64; H, 7.01; N, 12.43, 実測値: C, 74.77; H, 6.99; N, 12.45.
11−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール(CH1708)
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、1−クロロ−2−メトキシエタンを2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。この場合、混合物を70℃で4時間加熱したことに注意されたい。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 9.78 (d, 1H), 8.70 (br s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.36 (d, 1H), 4.30 (t, 2H), 3.86 (t, 2H), 3.51 (s, 3H), 2.57 (s, 3H). MS 341.0 & 343.0 [M+1].
化合物11−クロロ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールの合成について先に記載されたプロトコルを適用し、11−クロロ−3−ヒドロキシ−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発し、1−クロロ−2−メトキシエタンを2−クロロ−N,N−ジメチルエタンアミン塩酸塩の代わりに使用して、標記化合物を得た。この場合、混合物を70℃で4時間加熱したことに注意されたい。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 9.78 (d, 1H), 8.70 (br s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.36 (d, 1H), 4.30 (t, 2H), 3.86 (t, 2H), 3.51 (s, 3H), 2.57 (s, 3H). MS 341.0 & 343.0 [M+1].
3−(2−メトキシエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(CH1711)
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法3を適用し、11−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発して、上記のように調製して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.09 (s, 1H), 11.01 & 10.99 (2 s, 1H), 10.33 (d, 1H), 7.80-7.70 (m, 2H), 7.46 (d, 1H), 7.26 (dd, 1H), 7.15 (d, 1H), 4.28 (t, 2H), 3.80 (t, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.35 (s, 3H). MS 323.2 [M+1].
化合物3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オンの合成について先に記載された方法3を適用し、11−クロロ−3−(2−メトキシエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドールから出発して、上記のように調製して、標記化合物を得た。 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ (ppm): 12.09 (s, 1H), 11.01 & 10.99 (2 s, 1H), 10.33 (d, 1H), 7.80-7.70 (m, 2H), 7.46 (d, 1H), 7.26 (dd, 1H), 7.15 (d, 1H), 4.28 (t, 2H), 3.80 (t, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.35 (s, 3H). MS 323.2 [M+1].
アミノ−置換−アルキルオキシ−ベンゾ[e]ピリド[4,3−b]インドール・ファミリーの効果の特徴:
C14、すなわち3−(2−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
C14、すなわち3−(2−ジメチルアミノエチルオキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
1) 抗増殖活性
C14は、様々な細胞株に対する抗増殖活性を示す(生存率:HeLa細胞においてIC50値 110nM及びH358細胞において470nM)(表1参照)。これらの結果は、幾つかの構造的特徴を共有している他の二つのベンゾピリドインドール(C1及びCH21)で得た活性と同等ではない。C1は、HL60の増殖を効果的に阻害するが、一方C14及びCH21は、不良な阻害剤である。CH21は、U373細胞の増殖を阻止するが、一方、C14及びC1は、効果的でない。したがって、これらの分子は、異なる特異性を有し得る。
HeLa細胞を用いる抗増殖アッセイを好ましい化合物で実施し、そしてC1及びC2と比較した。3つの独立した実験の平均値が示されている。C1及びC2を用いて得られたIC50は、先にHoang et al, 2009に報告され、比較のために示している。該分子の全てが11位にオキソ基を有していることを踏まえて、各分子の側鎖を以下にまとめる。IC50は、すなわち50%の死を誘導した濃度を表している。
ジメチルアミノエトキシ基は、抗増殖効率を劇的に向上させる(すなわち、C2とC14、C1とC48を比較)。しかし、同様の効果がモルホリン−4−イルエトキシ基で観察された。
2) 化合物C14のキナーゼプロファイリング
C14の特異性を、カイノームの代表的な121種のキナーゼに対して、インビトロで試験した。1μMの濃度にて二連で実行したアッセイは、MRC(Dundee, UK)によって行われた、結果を図1に示す。主な標的を、図1Bにハイライト表示する。
C14の特異性を、カイノームの代表的な121種のキナーゼに対して、インビトロで試験した。1μMの濃度にて二連で実行したアッセイは、MRC(Dundee, UK)によって行われた、結果を図1に示す。主な標的を、図1Bにハイライト表示する。
また、CH21によって標的とされるキナーゼ(Nuak1、TrkA、Tak1及びGck)に加えて、C14は、有糸分裂キナーゼ(オーロラB及びMELK)だけでなく、チェックポイントキナーゼ1及び2も阻害する。オーロラAは、C14によって僅かに部分的に阻害される(阻害の76%、1μMで)。実際、C14は、C1と少しの特異性を共有するが、全てではない。例えば、C14は、オーロラAの不良な阻害剤であるが、一方、C1は、オーロラA及びBを同じように標的とする(Hoang et al, 2009)。C1及びC14の両分子による有糸分裂の異なる障害を予測し得る。様々な利用可能な阻害剤の特異性を、表3及び図2で比較する。
加えて、C1、C2及びC14の1μMの濃度で、組換えキナーゼのオーロラキナーゼA及びBならびにチェックポイントキナーゼ1及び2の残存活性の割合を測定した。結果を以下の表に示す。
これらのデータを考慮すると、C1とC2と比較して、C14のみが、オーロラAと対比してオーロラBに特異性を示すことが明らかとなった。したがって、ジメチルアミノエトキシ基は、驚くべきことに、化合物の特異性を改質する。
3) C14は、細胞中のオーロラキナーゼを標的とする
オーロラBの主要な基質は、ヒストンH3である。オーロラBは、有糸分裂の間、Ser 10においてヒストンH3をリン酸化する。上記の化合物によって処理したU2OS有糸分裂抽出物を、ウエスタンブロット法によって分析した。図3に示すように、C1及びC14は、細胞中、効率的にオーロラBを阻害するが、一方、CH21は全く効果がなくそしてC2は軽度の阻害活性を有する。
オーロラBの主要な基質は、ヒストンH3である。オーロラBは、有糸分裂の間、Ser 10においてヒストンH3をリン酸化する。上記の化合物によって処理したU2OS有糸分裂抽出物を、ウエスタンブロット法によって分析した。図3に示すように、C1及びC14は、細胞中、効率的にオーロラBを阻害するが、一方、CH21は全く効果がなくそしてC2は軽度の阻害活性を有する。
4) 構造/機能研究
細胞を、様々な分子と共にインキュベートし、そしてオーロラBの阻害を、ウエスタンブロット法及び免疫蛍光実験によって推定する。Ser 10においてリン酸化されたヒストンH3をオーロラBキナーゼ活性のマーカーとして、及びアクチンを内部標準として使用する。結果を図4及び図10及び表3に示す。
細胞を、様々な分子と共にインキュベートし、そしてオーロラBの阻害を、ウエスタンブロット法及び免疫蛍光実験によって推定する。Ser 10においてリン酸化されたヒストンH3をオーロラBキナーゼ活性のマーカーとして、及びアクチンを内部標準として使用する。結果を図4及び図10及び表3に示す。
化合物C1〜C5は、下記のように、Hoang et al, 2009の図1に開示されている:
化合物C11は、以下の構造を有し、そしてそれはJ. Med. Chem. (1990), 33, 1519-1528に記載された:
C2とC14との比較は、ベンゾ環Aの3位の大きな鎖がオーロラBキナーゼの阻害及び選択性を高度に増大させることが明らかになった。8位のエチル(式(I)又は(II)中のR3)は、より良いターゲティングのために有用であり得る。オキソ基が水素になる場合(C14と、CH21とも称されるC21とを比較)、又はオキソ基がクロリドになる場合(C40とC48、又はC05とC07、又はC709とC710とを比較)、活性が弱くなるので、11位(式(I)中のR5)も、オーロラBキナーゼ阻害に不可欠である。
C14M、C48M及びC07Mと呼ばれる、オーロラBキナーゼ阻害剤のそれぞれC14、C48及びC07に相当するマレイン酸塩を、合成し且つ試験した(図11)。オーロラBキナーゼ阻害は、マレイン酸塩に対して維持される。
5) 静止期細胞に対するC14の影響
H358細胞を2日間、血清中に取り、次いで血清非存在下のまま、化合物と共に96時間インキュベートした。周期過程中の50%以上の細胞の死を誘発した濃度(0.5μM)で、細胞の90%が、処理後96時間依然として生存している(図5)。このように、C14は、静止期細胞に対して有害ではない。
H358細胞を2日間、血清中に取り、次いで血清非存在下のまま、化合物と共に96時間インキュベートした。周期過程中の50%以上の細胞の死を誘発した濃度(0.5μM)で、細胞の90%が、処理後96時間依然として生存している(図5)。このように、C14は、静止期細胞に対して有害ではない。
6)細胞周期の進行に対するC14の影響
HeLa細胞を、C1(0.5μM)又はC14(0.5μM)又はDMSO(Te)のいずれかの存在下で、インキュベートし、異なるフェーズにおける細胞の再分裂をFACSにより分析する。分析は、処理の30時間目及び48時間目に実施し、ヒストグラムを図6に報告し、そしてデータを表5に示す。
HeLa細胞を、C1(0.5μM)又はC14(0.5μM)又はDMSO(Te)のいずれかの存在下で、インキュベートし、異なるフェーズにおける細胞の再分裂をFACSにより分析する。分析は、処理の30時間目及び48時間目に実施し、ヒストグラムを図6に報告し、そしてデータを表5に示す。
C14は、効率的に進行中の細胞周期を阻止する(30時間目に僅か7%及び48時間目に僅か5%が、G0/G1期及びS期に見られる)。C14の存在下、C14の添加の僅か30時間後に、大規模なアポトーシスと多倍数化(polyploidisation)が顕著である。同じ条件下、C1は、1つの細胞世代後のみに細胞周期に影響を与え、処理の僅か48時間後に、倍数化(polyploidy)へと導く。したがって、C14は、効率的にHeLa細胞の増殖を防止し、細胞死を誘導する。さらに、細胞は、C1の存在下、依然として周期進行中である(処理48時間後の細胞の48%)。これらの結果は、HeLa細胞において両方の化合物について観察されたIC50と完全に一致する。これらのデータにより、C14とC1がHeLa細胞シグナル伝達に異なるやり方で影響を与えることを確認した。
7) オーロラB−GFPを発現するHeLa細胞の時間経過
オーロラB−GFPを発現するHeLa細胞を、C14(0.5μM)又はC1(0.5μM)又はDMSO(対照;Co)のいずれかで処理した。有糸分裂細胞を、制御された条件(37℃、5%CO2)下で連続的に画像化した。オーロラB−GFPの局在化が示され、経過時間が3つの条件下で示された(図7A)。対照細胞は、正常に分裂した;次にセントロメア上に現れたオーロラB(図7A、CO;To及び10分)は、微小管上に移行(図7A、CO;45分)し、そして最終的に中心体に集中した(図7A、CO;1時間)。かかる条件下、娘細胞は、2個の十分に分裂した核を示した(図7B、CO)。C1(0.5μM)の存在下で、オーロラBは、セントロメアに集中するが、染色体は中期プレート(metaphasic plate)の上に整列できず(図7A、C1;1時間)、そして最後に染色体は正しく整列しなかった(図7A、C1;1時間10分)。これらの細胞は、分裂後期なしで有糸分裂から脱出し、微小核を生じた(図7B、C1)。C14の存在(0.5μM)下で、染色体は正常に整列(図7B、C14;To)し、オーロラB−GFPが、中間帯に蓄積しているのが見られた(図7B、C14;18分、40分及び2時間)。最後に、これらの細胞は分裂せずに再び広がった(図7B、C14;4時間)。実際、(図7C、C14a)に見られるように、2つの核が結合され(矢印参照)、そして個別化することはできない(図7C、C14b)。
オーロラB−GFPを発現するHeLa細胞を、C14(0.5μM)又はC1(0.5μM)又はDMSO(対照;Co)のいずれかで処理した。有糸分裂細胞を、制御された条件(37℃、5%CO2)下で連続的に画像化した。オーロラB−GFPの局在化が示され、経過時間が3つの条件下で示された(図7A)。対照細胞は、正常に分裂した;次にセントロメア上に現れたオーロラB(図7A、CO;To及び10分)は、微小管上に移行(図7A、CO;45分)し、そして最終的に中心体に集中した(図7A、CO;1時間)。かかる条件下、娘細胞は、2個の十分に分裂した核を示した(図7B、CO)。C1(0.5μM)の存在下で、オーロラBは、セントロメアに集中するが、染色体は中期プレート(metaphasic plate)の上に整列できず(図7A、C1;1時間)、そして最後に染色体は正しく整列しなかった(図7A、C1;1時間10分)。これらの細胞は、分裂後期なしで有糸分裂から脱出し、微小核を生じた(図7B、C1)。C14の存在(0.5μM)下で、染色体は正常に整列(図7B、C14;To)し、オーロラB−GFPが、中間帯に蓄積しているのが見られた(図7B、C14;18分、40分及び2時間)。最後に、これらの細胞は分裂せずに再び広がった(図7B、C14;4時間)。実際、(図7C、C14a)に見られるように、2つの核が結合され(矢印参照)、そして個別化することはできない(図7C、C14b)。
換言するならば、C1及びC14は共に、有糸分裂を阻害した;C1は、進行中の分裂後期を阻止し、一方、C14は細胞質分裂に影響した。
8)チューブリン−GFPを発現するHek細胞の時間経過
チューブリンGFPを安定的に発現する有糸分裂HEK細胞を連続的に画像化し、対照又は処理細胞(C14及びC1、0.5μM)のいずれかの代表を示した(図8)。経過時間を、各写真の上に示す。対照及びC1の存在下において、有糸分裂紡錘体は構築されている(それぞれ24分及びTo)が、一方、C14の存在下で2つの極は少しの微小管で接続されているだけである(97分及び130分)。最後に、C14の存在下、細胞は、有糸分裂から脱出し、細胞質微小管が観察される(159分及び212分)。紡錘体の複製がC1の処理時に発生することに注意すること(106分)。
チューブリンGFPを安定的に発現する有糸分裂HEK細胞を連続的に画像化し、対照又は処理細胞(C14及びC1、0.5μM)のいずれかの代表を示した(図8)。経過時間を、各写真の上に示す。対照及びC1の存在下において、有糸分裂紡錘体は構築されている(それぞれ24分及びTo)が、一方、C14の存在下で2つの極は少しの微小管で接続されているだけである(97分及び130分)。最後に、C14の存在下、細胞は、有糸分裂から脱出し、細胞質微小管が観察される(159分及び212分)。紡錘体の複製がC1の処理時に発生することに注意すること(106分)。
9) 球状体に対するC14の効果
構築された細胞に対するC14の効果を理解するために、本発明者らは、H358球状体の増殖(図9)について追跡調査した。構築された3次元球状体を、C14(0.5μM)又はC1(0.5μM)又はDMSO(対照)のいずれかで処理した。C14は、3D−H358細胞増殖に有意に影響を及ぼし、その効果は、少なくとも5日間継続した。最後に、10日目に、C14処理した球状体は、C1で処理した対応する球状体よりも小さいことが見出された。このようにC14は、細胞が組織構築を模倣している場合でさえ、細胞増殖を阻止するのに効果的であることが見出された。
構築された細胞に対するC14の効果を理解するために、本発明者らは、H358球状体の増殖(図9)について追跡調査した。構築された3次元球状体を、C14(0.5μM)又はC1(0.5μM)又はDMSO(対照)のいずれかで処理した。C14は、3D−H358細胞増殖に有意に影響を及ぼし、その効果は、少なくとも5日間継続した。最後に、10日目に、C14処理した球状体は、C1で処理した対応する球状体よりも小さいことが見出された。このようにC14は、細胞が組織構築を模倣している場合でさえ、細胞増殖を阻止するのに効果的であることが見出された。
10) 細胞中、C14は、AMPK−関連キナーゼ5(Nuak1)を標的にする。
プロファイリングにより、AMPK−関連キナーゼ5(Nuak1)は、パネル中で最も影響を受けたキナーゼであることが明らかになった。Nuak1を阻害する3−アミノ−エトキシ化合物の効率をインビトロで測定した。
プロファイリングにより、AMPK−関連キナーゼ5(Nuak1)は、パネル中で最も影響を受けたキナーゼであることが明らかになった。Nuak1を阻害する3−アミノ−エトキシ化合物の効率をインビトロで測定した。
したがって、細胞中でNuak1を阻害する可能性を大抗原腫瘍抑制因子(Large Antigen Tumour Suppressor)LATS1の安定化により評価した。予想どおり、Nuak1の阻害は、図12に報告されているように、LATS1タンパク質の大幅な増加を誘導した。
11) 結論
C14は、新規で、可溶性の抗増殖化合物である。C14は、オーロラBのような有糸分裂キナーゼ、ならびにNuak1及びMELKのようなAMPK関連キナーゼを標的にする、狭い範囲のキナーゼ阻害剤である。C14は、細胞質分裂を阻害するので、それゆえ特にMELKを発現する癌幹細胞において進行中の有糸分裂を阻止し得る(Nakano et al, 2008)。MELKをターゲティングとするおかげで、C14はまた、(神経芽細胞腫、結腸直腸癌、肺癌及び乳癌、・・・)をターゲティングとする癌幹細胞のために提案され得る。myc腫瘍の増殖が、C14の主要な標的であるAMPK関連キナーゼ5(Nuak1)に依存することが報告されているので、C14は、調節解除されたmyc腫瘍に対して大きな関心を持ち得る(Liu et al, 2012)。
C14は、新規で、可溶性の抗増殖化合物である。C14は、オーロラBのような有糸分裂キナーゼ、ならびにNuak1及びMELKのようなAMPK関連キナーゼを標的にする、狭い範囲のキナーゼ阻害剤である。C14は、細胞質分裂を阻害するので、それゆえ特にMELKを発現する癌幹細胞において進行中の有糸分裂を阻止し得る(Nakano et al, 2008)。MELKをターゲティングとするおかげで、C14はまた、(神経芽細胞腫、結腸直腸癌、肺癌及び乳癌、・・・)をターゲティングとする癌幹細胞のために提案され得る。myc腫瘍の増殖が、C14の主要な標的であるAMPK関連キナーゼ5(Nuak1)に依存することが報告されているので、C14は、調節解除されたmyc腫瘍に対して大きな関心を持ち得る(Liu et al, 2012)。
C14は、Gck、MAP4K(Ippeita et al., 2001)及びTrk酵素(Thiele et al., 2009)を標的とし、そしてC14は、炎症過程と疼痛の感覚において、MAPカスケードシグナル伝達に幾分の阻害可能性を有し得る(Jian et al., 2009; Watson et al. 2008)。Gck阻害剤は、抗癌及び抗炎症治療的介入のために興味深い(Ippeita et al., 2001; Jian et al., 2007)。Trk又はトロポミオシン(Tropomysin)関連キナーゼは、癌遺伝子として説明され、慢性炎症性疼痛における役割を果たしている(Harel et al., 2010; Thiele et al., 2009)。Trkはニューロトロフィン(neurotrophin)の受容体である;ニューロトロフィンとは、様々なヒト疾患に関連する疼痛おいて、原因として大きく関与している分泌された成長因子のファミリーである。癌に関しては、Trk受容体は、肝臓癌又は食道癌のような耐性腫瘍に関与している。興味深いアプリケーションは、(Albanese et al, 2010)に記載されている。実際に、Trk阻害剤は、例えば、骨転移性浸潤によって誘導される疼痛を減少させる一方で、細胞増殖を阻止するために使用され得ることが提案されている。
C14は、静止細胞に対する深刻な毒性無しに、興味深い細胞増殖阻害を示した。C14は、前述したベンゾ[e]ピリドインドールC1よりも効率的であり、且つキナーゼ阻害の異なるパターン、特にオーロラB選択性を示す。さらに、C1及びC14は、異なるやり方で有糸分裂を阻止する;C1は分裂後期への分裂中期の移行をブロックするが、一方、C14は、細胞質分裂を阻止する。注意することは、C14は、Chk1(このキナーゼは、有糸分裂の完了だけでなく、DNA修復に関与している)も標的とする(Peddibhotla et al., 2009)。チェックポイントキナーゼをターゲティングとすることは、DNA傷害剤と組み合わせて使用する利点を示唆する。
これらの特徴は、C14を標的複合薬理学(targeted polypharmacology)のために有用な新規の抗増殖化合物として提案することを可能にした(Apsel et al, 2008)。多重特異性キナーゼ阻害剤の主要な利点は、特有な薬物の効率を増大させ、それによって副作用を減少させることである(Harrison, 2010)。
最後に、様々な生物(菌類、植物、ブルセイトリパノソーマ(Trypanosoma brucei)、・・・)におけるオーロラ様相同体の同定を考慮すると、オーロラ阻害剤のより広範な用途を検討してもよい(Jetton et al., 2009)。これらの分子は、抗寄生虫化合物として提案されてもよい。
C14に加えて、関心対象の他の化合物が同定されている。関心対象の化合物は、常に、11位にオキソ基、3位にジメチルアミノエトキシ基又は2−(モルホリン−4−イル)エトキシ基又は2−(ピペリジニル)エトキシ基、及び8位にメチル又はエチルを有する。これらの化合物は、増大した抗増殖活性を有し、オーロラAよりもオーロラBに対して特異性を示し、且つChk−1及びChk−2の阻害剤である。特に、化合物C14、C48、C07及びC710、及びそれらのマレイン酸塩は、有望である。
10) 材料及び方法
細胞培養及び細胞生存率試験: H358、H322(肺癌細胞)、U373(神経膠芽腫)及びHeLa細胞(卵巣癌)を、DMEM(1.5g/Lのグルコース)中で増殖させ、一方、HL60(ヒト骨髄細胞株)細胞を、RPMI 1640中で増殖させた。U2OS(ヒト骨肉腫細胞株)細胞はマッコイ(McCoy)培地5A中で、及び肝細胞(SK HEP1)はDMEM(4g/Lのグルコース)(Gibco-Invitrogen)中で培養した。培地(Gibco-Invitrogen)に、10%加熱不活性化ウシ胎仔血清(Gibco-Invitrogen)、L−グルタミン(2mM)、ペニシリン(100UI/mL)及びストレプトマイシン(100μg/mL)を補填した。
細胞培養及び細胞生存率試験: H358、H322(肺癌細胞)、U373(神経膠芽腫)及びHeLa細胞(卵巣癌)を、DMEM(1.5g/Lのグルコース)中で増殖させ、一方、HL60(ヒト骨髄細胞株)細胞を、RPMI 1640中で増殖させた。U2OS(ヒト骨肉腫細胞株)細胞はマッコイ(McCoy)培地5A中で、及び肝細胞(SK HEP1)はDMEM(4g/Lのグルコース)(Gibco-Invitrogen)中で培養した。培地(Gibco-Invitrogen)に、10%加熱不活性化ウシ胎仔血清(Gibco-Invitrogen)、L−グルタミン(2mM)、ペニシリン(100UI/mL)及びストレプトマイシン(100μg/mL)を補填した。
細胞増殖アッセイを、96ウェル培養プレート中で行った。アッセイは三連で実施した。細胞生存率は、製造業者により規定された条件下で、CellTiter 96Queous One Solution Reagent(Promega)を培養ウェルへ直接添加することによる、化合物の種々の濃度を用いた処理の72時間目に推定した。
血清の除去により細胞を静止状態にした。血清除去の2日後、血清は依然として取り除かれた状態で、細胞を様々な濃度の化合物と共に96時間インキュベートした。生存率は、上記のように決定される。
ウエスタンブロット法: 細胞を、化合物で処理し、採取し、9M 尿素に溶解させ、次いでLaemmli試料緩衝液を補充した。細胞抽出物をSDS−PAGEに供し、ニトロセルロースフィルター(GE Healthcare)に移した。少なくとも1時間、PBS中の5%脱脂乳でブロッキングした後、膜を一次抗体と共にインキュベートした。下記の抗体を使用した:phospho-Histone H3 Ser10(1:2000、Upstate Biotechnology)、抗LAST1(Cell signalling)、抗オーロラB(Epitomics)及び抗α−チューブリン(Sigma)。抗−ウサギ西洋わさびペルオキシダーゼ(1:5000、GE Healthcare)を二次抗体として使用した。バンドをECL技法(Amersham Bioscience)によって可視化した。
細胞周期分析: 細胞を化合物の存在下又は非存在下のいずれかでインキュベートした。細胞周期プロファイルの決定のために、細胞を、氷冷70%エタノールにより1時間固定し、次いで、ヨウ化プロピジウム溶液(0.2mg/mLのRNAseの存在下での50μg/mLのPI)と共に37℃で15分間インキュベートした。DNA含量を、CellQuest Proソフトウェアを備えたFACSフローサイトメーターを用いて測定した(Becton Dickinson, San Diego, CA)。
免疫蛍光法: 細胞をガラス製カバーガラス上に播種し、化合物(1μM)で一晩処理した。処理後、細胞を4%ホルムアルデヒドで37℃にて15分間固定し、次いでPBS中のTriton X-100で5分間透過処理した。BSA 0.05mg/mLで30分間ブロッキングした後、一次抗体(抗Phospho-Histone H3 Ser10(1/2000、Upstate))を添加した。30分間のインキュベーションの後、未結合の抗体をPBS(0.2%Tween-20)で洗浄することにより除去し、そして特異的染色を、Hylite Fluor(商標)546−又は647−又は488−結合型二次抗体(Anaspec)で可視化した。DNAを、0.1mM Hoechst 33342(Sigma)で可視化した。画像を、63倍油浸対物レンズ付きZEISS 510共焦点レーザー走査顕微鏡を用いて収集した。0.5ミクロンのスライスが表示される。
経時的実験: 安定的にオーロラB−GFPを発現するHeLa細胞を、培養条件(37℃及び5%CO2)下、連続的に画像化した。細胞を、C14(0.5μM)又はC1(0.5μM)又はDMSO(対照条件)のいずれかの存在下でインキュベートした。画像を、40倍水浸対物レンズ付きZEISS 510共焦点レーザー走査顕微鏡を用いて収集した。0.5ミクロンのスライスが表示される。
インビトロでのキナーゼプロファイリング: プロファイリングは、121種類のキナーゼのセットに対して二連で、MRC(Dundee University)にて実施した。パネルは、キナーゼの主要な様々なクラスの代表である。化合物を、1μMの濃度で使用した。Reaction biology Corp (USA)によって、IC50をインビトロにて組換えキナーゼに対して決定した
多細胞腫瘍球状体(MTS)モデル: 本発明者らは、同様の直径を有するH358球状体を生成するため、ハンギングドロップ法を適用した。1400個の細胞を、培養培地を含有する寒天コーティングされた24−ペトリ皿の蓋の上に懸濁した。48時間後、球状体を、培養培地に移した。球状体の体積を、薬物処理の前(0日目)及び薬物処理中(N日目)に測定した。H358球状体を、0.6μMの濃度の化合物で処理した。対照H358球状体は、薬物処理なしで同じ条件で増殖させた。各球状体の大きさは、倒立顕微鏡を用いて2つの直径(d1及びd2)を測定することによって決定した。体積を、式:V=4/3πr3[式中、r=1/2√d1×d2]によって計算した。球状体増殖は、体積の変化を測定することによって計算し、初期体積V0と比較した。増殖率は、(Vd−Vo)/Voとして定義した。データは、異なる球状体の少なくとも3回の測定の平均である。
参考文献:
Claims (23)
- 式(I)又は(II):
[式中、
ベンゾ環Aは、2、3又は4位でR1により一置換されており;
R1は、基−O−(C2−C5)アルキル−NRaRbであり、ここで、(C2−C5)アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、Ra及びRbは、各々独立に、水素、(C1−C4)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)、及び(C3−C6)シクロアルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、及びチオモルホリンからなる群より選択される複素環(該複素環は、場合により、(C1−C4)アルキル又はヒドロキシル基により置換されている)を形成してもよく;
R2は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、基OH、(C1−C3)アルキルオキシ又は−NRR’により置換されている)からなる群より選択され;
R3及びR4は、各々独立に、水素、(C1−C3)アルキル及びアリールからなる群より選択されるか;あるいは、R3及びR4は、一緒になって、下記式:
・−(CH2)n−(式中、nは、3、4又は5である);又は
・−CH=CH−CH=CH−(場合により、(C1−C3)アルキルオキシで置換されている)
の二価基を形成してもよく;
R5(式(I)にのみ存在)は、(C1−C4)アルコキシであり;
R6(式(II)にのみ存在)は、水素及び(C1−C3)アルキル(場合により、ヒドロキシル、−NRR’、−OPO(OR)(OR’)、及び−OC(=O)Rからなる群より選択される基で置換されている)からなる群より選択され;
X(式(II)にのみ存在)は、O又はSであり;
ここで、R及びR’は、同一又は異なり、水素及び(C1−C4)アルキルからなる群より選択される]を有する化合物、又はその異性体形態、又はその薬学的に許容し得る塩。 - 式(I)又は(II)の化合物が、下記の特徴:
[− R1は、基−O−(C2−C4)アルキル−NRaRbであり、ここで、(C2−C4)アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状アルキルであり、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C3)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びチオモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;及び/又は
− R2は、水素、メチル、エチル、及び−(CH2)n−N[(C1−C2)アルキル]2(式中、nは、2又は3である)からなる群より選択され;及び/又は
− R3及びR4は、各々独立に、水素、メチル、エチル及びフェニルからなる群より選択されるか、あるいは、一緒になって、式−CH=CH−CH=CH−の二価基を形成してもよく;及び/又は
− 式(I)において、R5は、(C1−C2)アルコキシであり;及び/又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり;及び/又は
− 式(II)において、R6は、水素、メチル、エチル、−CH2−OH、−(CH2)n−N[(C1−C2)アルキル]2(式中、nは、2又は3である)、−(CH2)−OPO[O(C1−C4)アルキル]2及び−(CH2)−OC(=O)−(C1−C4)アルキルからなる群より選択される]の一つ又は幾つかを有する、請求項1記載の化合物。 - 式(I)又は(II)の化合物が、下記の特徴:
[− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)、又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンより選択される複素環を形成してもよく;及び/又は
− R2は、水素であり;及び/又は
− R3は、水素、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び/又は
− 式(I)において、R5は、メトキシであり;及び/又は
− 式(II)において、Xは、酸素であり;及び/又は
− 式(II)において、R6は、水素である]の一つ又は幾つかを有する、請求項1又は2記載の化合物。 - − R1が、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)、又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンより選択される複素環を形成してもよく;
− R2が、水素であり;
− R3が、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4が、水素であり;及び、下記のいずれか:
− 式(I)において、R5が、メトキシであるか;又は
− 式(II)において、Xが、酸素であり、そしてR6が、水素である、
請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。 - 式の化合物が、下記の特徴:
[− R1は、基−O−(CH2)n−NRaRb(式中、nは、2又は3である)、又は基−O−CH2−(CHCH3)−CH2−NRaRbであり、ここで、Ra及びRbは、各々独立に、水素及び(C1−C2)アルキルからなる群より選択されるか;又は、NRaRbは、一緒になって、ピペリジン及びモルホリンからなる群より選択される複素環を形成してもよく;
− R2は、水素であり;
− R3は、メチル及びエチルからなる群より選択され、そしてR4は、水素であり;及び
− Xは、酸素であり、そしてR6は、水素である]を有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。 - R1が、−O−(CH2)n−N(CH3)2又は−O−(CH2)n−N(CH2CH3)2(式中、nは、2又は3である)である、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。
- R1が、−O−(CH2)2−N(CH3)2である、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
- 化合物が、式(II)[式中、R1は、−O−(CH2)2−N(CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6は、水素であり、Xは、酸素であり、そしてR3は、メチルである]を有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
- 化合物が、式(II)[式中、R1は、−O−(CH2)2−N(CH3)2(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6は、水素であり、Xは、酸素であり、そしてR3は、エチルである]を有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
- 化合物が、式(II)[式中、R1は、2−(モルホリン−4−イル)エトキシ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6は、水素であり、Xは、酸素であり、そしてR3は、メチルである]を有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
- 化合物が、式(II)[式中、R1は、2−(モルホリン−4−イル)エトキシ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6は、水素であり、Xは、酸素であり、そしてR3は、エチルである]を有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
- 化合物が、式(II)[式中、R1は、2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6は、水素であり、Xは、酸素であり、そしてR3は、メチルである]を有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
- 化合物が、式(II)[式中、R1は、2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ(好ましくは、ベンゾ環Aの3位に)であり、R2、R4及びR6は、水素であり、Xは、酸素であり、そしてR3は、エチルである]を有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の化合物。
- 化合物が、下記:
11−メトキシ−3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C14);
3−(3−N,N−ジメチルアミノプロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジエチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C07);
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
DL 3−(3−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−8−メチル−7H−10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(3−(ピペリジン−1−イル)プロポキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C48)
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩、好ましくはそのマレイン酸塩である、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。 - 化合物が、下記:
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C14);
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C07);
3−(2−(モルホリン−4−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−N,N−ジメチルアミノエトキシ)−8−エチル−7H,11H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン(C48);
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−メチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン;
3−(2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)−8−エチル−7H,10H−ベンゾ(e)ピリド(4,3−b)インドール−11−オン
からなる群より選択され、及びその薬学的に許容し得る塩、好ましくはそのマレイン酸塩である、請求項1〜5のいずれか一項記載の化合物。 - 請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物及び薬学的に許容し得る担体を含む、医薬組成物。
- さらなる抗腫瘍薬、好ましくはトポイソメラーゼI又はII阻害剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤及び代謝拮抗剤からなる群より選択される、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤をさらに含む、請求項16記載の医薬組成物。
- 薬剤としての請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
- 癌、炎症、疼痛又は寄生虫感染症を処置するための使用のための、請求項18記載の化合物。
- 放射線療法、温熱療法及び/又は抗腫瘍化学療法と組み合わせて、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤を用いる、より好ましくはトポイソメラーゼI又はII阻害剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、及び代謝拮抗剤からなる群より選択されるDNA損傷抗腫瘍剤を用いる化学療法と組み合わせて、癌を処置するための使用のための、請求項19記載の化合物。
- 特に癌の処置における、同時使用、別個使用又は連続使用のための複合調製物としての、(a)請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物;ならびに(b)さらなる抗腫瘍薬、好ましくはDNA損傷抗腫瘍剤、より好ましくはトポイソメラーゼI又はII阻害剤、DNA架橋剤、DNAアルキル化剤、及び代謝拮抗剤からなる群より選択される抗腫瘍剤を含む、キット。
- 式(I):
[式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、請求項1〜6のいずれか一項に定義されたとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRbを、下記(1):
[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシであり、Ra、Rb、R2、R3及びR4は、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、アルカリ(C1−C4)アルコキシドと反応させること、それにより、式(I)で示される化合物を得ることを含む、方法。 - 式(II):
[式中、R1、R2、R3、R4、R6及びXは、請求項1〜7のいずれか一項に定義されたとおりである]で示される化合物の調製方法であって、
a) 試薬Y−(C2−C5)アルキル−NRaRbを、下記(1):
[式中、Yは、ハロ又はヒドロキシであり、Ra、Rb、R2、R3、R4及びR6は、本開示中に定義されたとおりである]で示される化合物と反応させること;
そして
b) 工程a)で得た化合物を、カルボン酸無水物、又はカルボン酸中のアルカリカルボキシラートのいずれかと反応させること、それにより、式(II)で示される化合物を得ることを含む、方法。
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