JP2014515326A - 滴帯電及び質量を利用した液吐出 - Google Patents

滴帯電及び質量を利用した液吐出 Download PDF

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Abstract

連続液吐出システムであって、ノズルと通流する液室を有する。液室内の液を加圧すると、そのノズルを介し液ジェットとして吐出される。その液ジェットには滴生成器が作用する。滴生成器を作動させると液ジェットが変調され、その一部が1個又は複数個の滴対へと破断して経路上に送られる。滴対同士の間隔は平均して滴対周期に等しい。個々の滴対は第1滴及び第2滴を有する。また、滴生成器を作動させると液ジェットが変調され、その一部が、平均して互いに滴対周期隔てられている第3滴1個又は複数個へと破断して経路上に送られる。第3滴は第1滴及び第2滴よりも大きい。帯電器は、液ジェットに作用する帯電電極と、帯電電極・液ジェット間の電位差を変化させる可変電位源とを有する。可変電位源は、滴対又は第3滴の生成に係る滴対周期に等しい周期を呈する波形を供給する。その波形は、更に、明確に分かれた第1及び第2電圧状態を有する。帯電器及び滴生成器は同期動作し、滴対を構成する滴のうち第1滴に第1電荷対質量比、第2滴に第2電荷対質量比を負わせ、また第3滴に第3電荷対質量比を負わせる。第3電荷対質量比は第1電荷対質量比とほぼ等しい。偏向器は、滴対を構成する滴のうち第1電荷対質量比を呈する第1滴に第1経路、同滴対をなす滴のうち第2電荷対質量比を呈する第2滴に第2経路、また第3電荷対質量比を呈する第3滴に第3経路、をそれぞれ辿らせる。第3経路は第1経路とほぼ同一である。

Description

本発明はディジタル制御印刷システムの分野、特に液流を複数個の滴に破断してその一部を静電偏向させる連続印刷システムに関する。
インクジェット印刷は、見込みのある優秀な技術としてディジタル制御電子印刷の分野で認められている。その理由は、インパクトレスで低雑音な性質があること、普通紙を使用できること、トナー転写・固着が不要であること等にある。インクジェット印刷機構は、技術的にはドロップオンデマンドインクジェット(DOD)と連続インクジェット(CIJ)に大別できる。
前者即ちDOD印刷では、サーマルアクチュエータ、圧電アクチュエータ等の加圧アクチュエータを使用し記録面上にインク滴を射突させる。よく用いられているのは、サーマルアクチュエータでノズルからインク滴を吐出させるタイプのDODである。ノズル上又はノズル近傍に配したヒータでインクを熱して沸騰させれば、気泡発生により内圧を高めてインク滴を吐出させることができる。こうした形態のDODは一般にサーマルインクジェット(TIJ)と呼ばれている。
後者即ちCIJ印刷では、加圧インク源にてインクを加圧しノズルに送り込むことでそのインクによる連続液ジェット流を発生させる。適宜攪乱すれば、この液ジェット流を複数個のインク滴へともくろみに従い破断させることができる。印刷は、そのインク滴のうち不要なものを選択的に偏向させ捕獲することで行えばよい。滴を選択的に偏向させる手法としては、静電偏向、空気偏向、熱偏向等を含め、様々な機構を使用するものが開発されている。
静電偏向式CIJ印刷には、第1に、ノズルからの距離がある所定値(破断長)の点(破断点)でその液ジェット流が所定サイズの滴へと破断するよう液ジェット流を攪乱する方式がある。この方式では、破断の瞬間にその滴上にデータ相応量の電荷が誘起されるようその破断点付近に帯電電極が配置される。帯電された滴は一定静電界領域に送られ、その電荷に比例する幅に亘り偏向される。従って、破断点で付与された電荷量に応じその滴は記録媒体上の相応位置へ、或いは回収・還送用のガター(通称「キャッチャ」)へと送られることとなる。この方式を開示する文献としては、特許文献1(発明者:R. Sweet,発行日:1971年7月27日)がある。そこには、単一ジェット式のCIJ装置、即ち滴生成用の液室やノズルが単一のCIJ装置が示されている。同方式を用いた複ジェット式のCIJプリントヘッドも特許文献2(発明者:Sweet et al.,発行日:1968年3月12日)に開示がある。そこには、個々に帯電電極を有する液吐出ノズルで行(アレイ)を形成し、それらのノズルで単一の滴生成室を共有するCIJプリントヘッドが示されている。この構成では、ノズル毎に帯電電極を設ける必要があり、印刷対象となる画像のデータに応じた電気的波形でその電極を個別駆動する必要がある。帯電電極をこのように個別指定する必要があるので、ノズルの基本間隔ひいては印刷システム解像度に制約が課される。
静電偏向式CIJ印刷には、第2に、特許文献3(発明者:Vago et al.,発行日:2001年8月14日)記載の方式がある。特許文献3に記載されているのは、導電性インクを加圧して既知寸法のノズルから吐出させ、そのインクにより生じた液ジェットを二通りの時間間隔で破断させるバイナリCIJ法である。印刷に使用される滴も使用されない滴もそのノズルに加わる周期的な励振パルスで生成される。印刷に使用される方の滴は、それぞれ比較的強い周期的励振パルスで生成され、液ジェット流からその滴が分かれる破断長が短めになる。印刷に使用されない方の滴は、それぞれ比較的弱い周期的励振パルスで生成され、その滴が分かれる破断長が長めになる。ノズル直下に2個ある破断点のそばにそれぞれ電極が狭間隔配置され、それら二組の狭間隔電極には互いに異なる電圧が印加されるので、その破断長が短めの滴と長めの滴は生成時に別量の電荷を帯びることとなる。その電荷故、破断長が長い方の滴は、偏向器の働きで元々の経路から外れて捕獲面方向に進み(偏向され)、キャッチャでの回収後に再使用のためリザーバへと還送される。特許文献3では、また、長短両破断長間の差が波長(液ジェットに沿い相連続するインク滴又はインク節間の距離)λ未満であることを求めている。そのため二通りの励振振幅、即ち印刷時及び非印刷時励振振幅が必要とされる。破断長間の差をλ未満にするには、使用する励振振幅間の差を小さくしなければならない。液ジェットの個数が1個のプリントヘッドであれば、電極位置、帯電電極上の電圧並びに印刷時及び非印刷時励振振幅を調整し、印刷滴と非印刷滴とを望み通りに分けることは、そんなに難しいことではない。しかしながら、複数個のノズルでアレイが形成されているプリントヘッドでは、部品公差故にこれはかなり難しいこととなる。滴への破断領域における電界勾配を大きくする必要があるので、滴選別システムが帯電電極平坦度、電極厚及び電極・ジェット間距離の些細な変動に反応しやすくなり、滴への破断領域における電界勾配及び電界強度に、アレイ内の液ジェット毎の差異が生じやすくなる。加えて、滴生成器及びそれに付随する励振器がノズルアレイ内で十分均一でない場合、同じ破断長にするのでもノズル毎に励振振幅を変えてやる必要がある。これらの問題は、インク特性が経時変化することや、温度変化による熱膨張で帯電電極が位置ずれ・湾曲を起こすこともあって難問とされる。しかも、この種の方式では、印刷滴と非印刷滴が好適に分かれるようノズル毎の印刷時及び非印刷時励振振幅調整を行うのに、更なる制御手段を導入する必要がある。なお、特許文献4(発明者:B. Barbet and P. Henon,発行日:2007年3月20日)にも、破断長変更による印刷制御についての記載がある。
特許文献5(発明者:B. Barbet,発行日:2010年5月10日)には、破断長及び滴サイズに基づく静電帯電偏向機構が記載されている。スプリット型共有帯電電極を使用し、その上部に直流低電圧、下部に直流高電圧を印加するようにしているので、小滴及び大滴をその直径に応じ別様に帯電させることができる。
特許文献6(発明者:T. Yamada,発行日:1978年1月10日)には、大滴及び小滴を交互に生成するインクジェット記録装置が記載されている。この装置では、液ジェットからの破断領域でどの滴も直流静電界で帯電される。更に、小滴のうち記録に必要でないものについて、その滴が大滴と衝突・融合するよう滴励振振幅が変更される。大滴や大滴と小滴の融合体がキャッチャ内に回収されて印刷外になる一方、偏向された小滴は印刷に使用される。この方式で問題になるのは、偏向された滴による印刷時に滴位置誤差が生じやすいことである。この方式は、励振振幅やインク特性の僅かな変化に左右されやすい。更に、個々の滴上の帯電状態に差を発生させるには小さい方の滴を大きい方の滴に比べかなり小さめにする必要があるので、好適サイズの印刷滴を得るにはノズルの直径をかなり大きくする必要がある。この制約があるので同方式ではノズル配置密度を低くしなければならず、高解像度画像印刷力が大きく削がれてしまう。
米国特許第3596275号明細書 米国特許第3373437号明細書 米国特許第6273559号明細書 米国特許第7192121号明細書 米国特許第7712879号明細書 米国特許第4068241号明細書 米国特許第3656171号明細書
F. R. S. (Lord) Rayleigh, "Instability of jets," Proc. London Math. Soc. 10 (4), published in 1878 J. A. Katerberg, "Drop charging and deflection using a planar charge plate", 4th International Congress on Advances in Non-Impact Printing Technologies
このように、選定された滴を静電偏向させる連続印刷システム、特に滴への破断長に関する公差が緩く、構成が簡略で且つ印刷品質が高いものを提供することが、引き続き求められている。
本発明の目的は、質量帯電及び静電偏向を使用し上述した諸問題のうち少なくとも一つを克服することで、滴位置精度の維持・向上並びに印刷滴体積変動の抑制を図りつつ高解像度高品質印刷物を作成することが可能なCMOS−MEMSプリントヘッドを提供することにある。
本発明では、個々の液ジェットの破断を通じた滴生成の画像データ従属制御、並びに画像データ非従属時変電位即ち帯電電極波形が加わる帯電電極、を提供する。滴生成は、第1滴及び第2滴を有する滴対が生成されるよう、或いは第3滴が生成されるよう、滴生成器に供給される滴生成波形を使用し制御される。第3滴は、滴対を構成する第1滴及び第2滴に比べ(サイズ的乃至体積的に)大きい。帯電電極波形及び滴生成波形を同期させることで、滴対を構成する滴のうち第1滴を第1電荷対質量比、第2滴を第2電荷対質量比へと交番的に帯電させ、またより大きな第3滴を第3電荷対質量比状態へと帯電させる。
本発明によれば、長尺ノズルアレイにおけるジェット間破断時刻変動に関し大きな許容度がもたらされるため、システムのロバスト性が向上する。更に、滴が少なくとも1個おきにキャッチャに捕獲されるため、キャッチャ上に液が流れやすくなり、動作中の液飛散が生じにくくなる。本発明によれば、ノズルアレイ内ノズルに働く励振器に対する制御信号供給上の複雑さが軽減される。これにより、帯電電極構造の複雑さが抑えられると共に、その帯電電極構造とノズルとの間の間隔を拡げることが可能になる。
本発明の一実施形態は連続液吐出システムである。本システムは、ノズルと通流する液室を有する。液室内の液を加圧すると、そのノズルを介し液ジェットとして吐出される。その液ジェットには滴生成器が作用する。滴生成器を作動させると液ジェットが変調され、その一部が1個又は複数個の滴対へと破断して経路上に送られる。滴対同士の間隔は平均して滴対周期に等しい。個々の滴対は第1滴及び第2滴を有する。また、滴生成器を作動させると液ジェットが変調され、その一部が、平均して互いに滴対周期隔てられている第3滴1個又は複数個へと破断して経路上に送られる。第3滴は第1滴及び第2滴よりも大きい。帯電器は、液ジェットに作用する帯電電極と、帯電電極・液ジェット間の電位差を変化させる可変電位源とを有する。可変電位源は、滴対又は第3滴の生成に係る滴対周期に等しい周期を呈する波形を供給する。その波形は、更に、明確に分かれた第1及び第2電圧状態を有する。帯電器及び滴生成器は同期動作し、滴対を構成する滴のうち第1滴に第1電荷対質量比、第2滴に第2電荷対質量比を負わせ、また第3滴に第3電荷対質量比を負わせる。第3電荷対質量比は第1電荷対質量比とほぼ等しい。偏向器は、滴対を構成する滴のうち第1電荷対質量比を呈する第1滴に第1経路、同滴対をなす滴のうち第2電荷対質量比を呈する第2滴に第2経路、また第3電荷対質量比を呈する第3滴に第3経路、をそれぞれ辿らせる。第3経路は第1経路とほぼ同一である。
本発明の一実施形態に係るCIJシステムの概略ブロック図である。 滴生成器から吐出されていく液ジェット及びそこから基本周期毎に破断される滴を示す概念図である。 本発明の一実施形態におけるノズル及びそれに付随するジェット励振器の概略ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る連続液吐出システムを全印刷モードで稼働させたときの液ジェットを示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る連続液吐出システムを非印刷モードで稼働させたときの液ジェットを示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る連続液吐出システムを通常印刷モードで稼働させたときの液ジェットを示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る連続液吐出システムを全印刷モードで稼働させたときの液ジェットを示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る連続液吐出システムを非印刷モードで稼働させたときの液ジェットを示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る連続液吐出システムを通常印刷モードで稼働させたときの液ジェットを示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る連続液吐出システムを全印刷モードで稼働させたときの液ジェットを示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る連続液吐出システムを非印刷モードで稼働させたときの液ジェットを示す断面図である。 滴生成器から吐出されていく液ジェット及びそこから基本周波数の1/2にて破断される滴、特に(A)単体の滴として破断され融合状態を保つ滴対、(B)単体の滴として破断され分離後に再融合する滴対、並びに(C)近接した破断タイミングで個別に破断され融合により単体の滴になる滴群を示す概念図である。 ジェットからの滴生成を時刻a〜h毎に追いつつ、本発明の連続液吐出システムに従いジェットから生成される滴対を示す正面図である。 本発明に係る連続液吐出システム内に相隣接して生じる数本の液ジェットを示す正面図である。 滴生成パルス、帯電電極波形及び滴破断タイミングの第1例を示すタイミング図である。 滴生成パルス、帯電電極波形及び滴破断タイミングの第2例を示すタイミング図である。 本発明の一実施形態に係る滴吐出方法のフローチャートである。
以下、別紙図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態に関し詳細に説明する。以下の説明は、主に、本発明に係る装置を構成し又はそれと密接に関連する諸部材についてのものである。ご理解頂けるように、具体的な説明乃至図示のない諸部材は、本件技術分野で習熟を積まれた方々(いわゆる当業者)にとり周知の諸形態を採りうる。以下の説明及び図面では、同様の部材を参照するに当たり、可能な限り同一の参照符号を使用している。
本発明の実施形態に関する図示は模式的なものであり、明瞭化のため実寸比からはずれている。いわゆる当業者であれば、それら実施形態の構成要素をどのようなサイズ及び相互関係にすればよいかを容易にご決定頂けよう。
本願記載の通り、本発明は、インクジェット印刷システム等で使用されるプリントヘッド又はその構成部材、という形態で実施することができる。使用される液は、インクジェット印刷システムならば対記録媒体印刷用のインクである。しかし、インクジェットプリントヘッドの用途は、液量が正確であること及び高い空間的分解能で堆積可能であることが求められる諸用途(吐出液がインクでないものを含む)へと拡がりつつある。そこで、本願では、「液」及び「インク」の語を、後述のプリントヘッド又はその構成部材により吐出可能な諸素材を包含する意味で使用することにする。
CIJ用滴生成器の根本にあるのは、非特許文献1にてひとまず二次元的に解析された非拘束流体ジェット物理学である。レイリー卿による解析の結果によれば、液に圧力Pを加えて孔(ノズル)から流出させると直径dj,移動速度vjの液ジェットが生じる。そのジェットの直径djは実効ノズル直径dnとほぼ等しく、速度はリザーバ内圧Pの平方根に比例する。レイリー卿による解析の結果は、その波長λがπdjより長い(即ちλ≧πdjである)表面波の働きでそのジェットが諸サイズの滴へと自然に破断することも示している。レイリー卿による解析の結果は、更に、十分に大きな振幅で与えれば特定の表面波長が支配的になり、それによってそのジェットが「励振」されて単一サイズ滴群が生じることも示している。これを踏まえCIJ用滴生成器で使用されている周期的な物理プロセス、いわゆる「攪乱」(perturbation)乃至「励振」(stimulation)には、ある特定の支配的な表面波をジェット上に発生させる働きがある。励振の働きによる破断、即ちジェットからの単一サイズ滴群の生成は、その攪乱の基本周波数に同期する。また、ジェットの破断効率が最大になる周波数、即ち破断までの所要時間が最短の周波数を最適周波数Foptと呼ぶ。最適周波数Foptでの攪乱波長λはほぼ4.5djである。攪乱波長λがπdjに等しい周波数は、その周波数より高い周波数で液ジェットを攪乱しても滴生成へと発展することがないことから、レイリー遮断周波数FRと呼ばれている。
本願では、レイリー励振の適用で滴の流れを発生させることを、所定体積滴の流れの生成、と呼んでいる。従来型のCIJシステムにて、印刷即ちパターン化層堆積に使用される注目滴が不可避的に単位体積となるのに対し、本発明では、励振信号の操作によって単位体積の所定数倍の滴を生成可能である。そこで、「所定体積の滴の流れ」なる語を以て、互いに同一のサイズの滴へと破断されている流れや、想定に従い様々なサイズの滴へと破断されている流れを包含させることとする。
CIJシステムでは、流体流がちぎれ精密な滴配列を生成するに当たり、予め定められている単位体積よりかなり小体積の滴、いわゆる「サテライト」が生じることがある。そうしたサテライトの挙動は全く予想できないし、他の滴と予測可能な形態で融合する可能性もあるので、サテライトは印刷乃至パターニング向け滴体積に微変をもたらす原因となる。ただ、本発明の実施に当たり小体積且つ予測不能なサテライトが生じていてもさして邪魔にはならず、また使用する同期的励振信号次第で滴サイズが予め定まってくるという事実が左右されるものでもない。そこで、本発明に関する説明中で使用される語「所定体積」については、予測不能なサテライトが生じたことによる滴体積の目標値からの小ずれを許容するものとものと理解されたい。
これから図1〜図12を参照して説明する例では、滴帯電、滴偏向、滴捕獲、滴生成及び滴速度変調用の諸部材についてある特定の組合せを念頭に置いている。ご理解頂けるように、本発明の技術的範囲内で、これらの部材は入替可能であるし、それら部材の組合せ方を変えることが可能である。
図1に示すCIJ印刷システム10にはインクリザーバ11が備わっており、プリントヘッド12、別称液吐出器は、そこからインクの連続的な押送を受けてインク滴連続流を発生させる。画像源13は本システム10にディジタル画像処理データを送ってくるディジタルデータ源、例えばラスタ画像データ、ページ記述言語で記述されたアウトライン画像データ等の諸形態でディジタル画像データを供給するスキャナ、コンピュータ、ディジタルカメラ等である。画像プロセッサ16は画像源13からの画像データを周期的に受領する。プロセッサ16は、その画像データを処理し内蔵するメモリ内に保存する。通常、プロセッサ16として使用されるのはラスタ画像プロセッサ(RIP)である。励振コントローラ18は、そのプロセッサ16内の画像メモリに格納されている画像データ、いわゆる印刷データを周期的に受け取り、時変性の電気的励振パルスからなるパターンを発生させることで、後述の如くヘッド12上の個々のノズル出口にて滴の流れを発生させる。発生した励振パルスは、適当なタイミング及び適当な周波数にて、個々のノズルに係る励振器(群)に供給される。ヘッド12及び偏向機構14は、互いに協働することで、あるときにはインク滴片を記録媒体19上の画像メモリ内データ相応位置に付着させ(印刷し)、またあるときには偏向させてインクリサイクルユニット15経由で回収する。ユニット15内に入ってきたインクはリザーバ11へと還送される。そのインクを加圧下でヘッド12の背面へと分配するためのインクチャネルとしては、基板(通常はシリコン製)に設けられた室乃至プレナムを使用する。或いは、そうした室をマニホルド片に形成しそのマニホルド片をシリコン基板に装着するようにしてもよい。通常、インクは、その室から、ヘッド12のシリコン基板にエッチングで形成されているスロットや孔を介し、同基板の前面、即ちノズル群や励振器群がある面へと供給される。最適動作に結びつく好適なインク圧は多数の要因、例えばノズルの形状及び熱的特性やインクの熱的特性及び流体力学的特性に依存することとなろう。インク圧を一定に保つには、インク圧安定化器20の制御下でリザーバ11を加圧すればよい。
DODかCIJかを問わずインクジェットプリンタで周知の問題の一つに、ドット位置精度にまつわる問題がある。インクジェット印刷の分野で周知の通り、発生した滴乃至滴群に対しては、記録媒体上の画素領域内に付着し、ディジタル画像構成情報に基づく画素等を実現することが望まれる。記録媒体上におけるそれら画素領域の配置形態は一般に正方形乃至長方形による実乃至仮想アレイであり、印刷時にはそうした画素領域内の所要位置に滴を付着させること、例えば各画素領域の中央に付着させること(単純な印刷方式の場合)や画素領域内の複数位置に対し精密に付着させること(中間調印刷の場合)が求められる。滴の配置が不適切な場合や、滴同士の位置関係をうまく制御できず各画素領域で所要配置を達成できない場合、例えば隣接画素領域上で所要位置からの同傾向偏差が反復発生している場合には、偽像が発生することとなろう。そこで、画像プロセッサ16例えばRIPは、印刷に当たり、画像データを画素マッピング型の画像ページデータに変換する。印刷時には、媒体移送コントローラ21による電子制御下、複数個ある移送ローラ22で記録媒体19をプリントヘッド12に対し移動させる。論理コントローラ17、例えばマイクロプロセッサ利用型で周知の如く相応にプログラミングされているそれは、制御信号を供給することで、媒体移送コントローラ21の動作をインク圧安定化器20及び励振コントローラ18に対し協調させる。その励振コントローラ18は滴コントローラを備えており、これは、プロセッサ16内画像メモリ機能部分から得た画像データに従い滴生成パルス、即ち個別のインク滴をヘッド12から媒体19に向け吐出させる駆動信号を発生させる。その画像データには、例えば、生の画像データ、印刷画質改善用の画像処理アルゴリムによって生成された付加的な画像データ、並びに多種多様なソース(例えばヘッド12内個別ノズルに関するステアリング誤差の計測結果)から生成された滴配置補正由来データ(プリントヘッド特性精査及び画像処理の分野でいわゆる当業者にとり周知)が含まれている。従って、プロセッサ16内情報は、印刷に使用されるべきインク滴片の所要付着位置指定、回収・再利用の対象となるべき滴片の特定等、滴吐出用データの総体的な源泉を代表しているといえる。
ご理解頂けるように、媒体移送制御機構としては様々なものを使用することができる。例えばページワイズプリントヘッドの場合、プリントヘッド12を固定しておき記録媒体19を動かす構成にするのが都合よい。他方、走査型印刷システムの場合は、プリントヘッドをある軸(いわゆる主走査方向)に沿い動かす一方、記録媒体をそれに直交する軸(いわゆる副走査方向)に沿い動かすことで、相対的なラスタ運動を発生させる構成にするのが都合よい。
滴生成パルスは、励振コントローラ18(滴コントローラとも)にて発生した後、信号伝送の分野で周知の通り、通常は電圧パルスの形態をとり導電接続部材経由でプリントヘッド12に供給される。しかし、他種パルス、例えば光パルスをヘッド12に送り個別のノズルで印刷用の滴(印刷滴)及び印刷用でない滴(非印刷滴)を発生させることも、インクジェット印刷分野で周知の通り可能である。生成された印刷滴は空気中を記録媒体方向に飛行した後、記録媒体上の相応画素領域に射突するか、後述のキャッチャにより捕獲されるか、いずれかとなる。
図2に、本印刷システムに係るプリントヘッド、特にその稼働時にノズル50のアレイで液ジェット(liquid jet)43のアレイが生じる様子を示す。個々の液ジェット43に対しては滴生成器89が作用する。この生成器89には、滴生成用トランスデューサ59や、そのトランスデューサ59に対し波形55即ち滴生成波形を供給する滴生成用の励振波形源56が備わっている。トランスデューサ59は励振トランスデューサと通称されるものであり、ジェット43に攪乱を発生させることが可能な各種装置形態、例えばサーマルデバイス、圧電デバイス、MEMSアクチュエータ、電気流体力学デバイス、光学デバイス、電歪デバイス、その組合せ等の形態をとることができる。図3に、その一例たるサーマル型のトランスデューサ59、即ちトランスデューサ内抵抗性負荷を波形源56からの電圧で駆動する構成を示す。使用するトランスデューサの種類次第であるが、トランスデューサ59は、液室内の液に作用しその液がノズル50に供給されることとなるよう液室の内部乃至近傍に配置することや、ノズル50内を通過しつつある液に作用するようノズル50の内部乃至直近に配置することや、ノズル50内通過で生じたジェット43に作用するようジェット43近辺に配置することができる。波形源56は、そのトランスデューサ59に対し、基本周波数f0(従って基本周期T0=1/f0)を有する波形を供給することで、ジェット43を波長λで変調する。この周波数f0はFRよりも低く、一般にFoptに近い値である。この変調分は振幅的に成長してジェット43の諸部分を滴群へと破断させる。生成器89の働きで基本周波数f0(基本周期T0=1/f0)の滴群が生じる。図2に示す通り、ジェット43が滴群へと破断する周期は一定であり、その破断点32はノズル50から距離BLの位置にある。基本周波数にて生成されており相連続する一対の滴35・36間の距離は、基本的に、ジェット43に対する攪乱の波長λに等しい。こうしてジェット43から破断された一連の滴は、それぞれ第1滴36及び第2滴35からなる滴対34の列を生成する。即ち、滴対34の周波数(いわゆる滴対周波数)fpはfp=f0/2で、またそれに対応する滴対周期はTp=2T0で与えられる。
こうした滴生成は滴生成器から供給されるエネルギによるものであり、滴生成器を基本周波数f0で稼働させることにより、その体積が基本的に同一でその距離がλに等しい滴群を生成することができる。ご理解頂けるように、図2に示した例では第1滴及び第2滴が基本的に同一体積であるが、第1滴及び第2滴を異なる体積にし、対をなし生成される第1滴及び第2滴間でその平均滴生成周波数を一定にすることも可能である。第1滴:第2滴間体積比は例えば約4:3〜約3:4の値をとる。図2の構成では、こうした液ジェット43の励振が、そのジェット43乃至ノズル50に係る滴生成用トランスデューサ59によって独立に制御される。そのトランスデューサ59は、例えば、ノズル50に隣ずる抵抗素子(群)を有する構成である。その構成の場合、ジェット43の励振は、滴生成波形源から供給される任意波形の周期的電流パルスを、滴生成器に備わるノズル開口部(オリフィス)個々の周囲にある抵抗素子へと供給することで行われる。
インクジェットノズルから吐出された流体流からの滴の生成は、特定のノズルオリフィスに係る個別の滴生成用トランスデューサに供給される個別又は一連の波形内でそのパルスが他のパルスに対し呈するタイミング差や、その波形の振幅、デューティ比等によって制御することができる。滴生成波形を組成する滴生成パルスを制御することで、ジェット構成部分のうち相連続する2基本波長区間により、相連続する2個の滴又は1個の大滴を発生させることができる。大滴は基本周波数の1/2で生成される滴であり、隣り合う大滴間の平均間隔は2λとなる。
図2には、更に、帯電電極44及び帯電電圧源51を備える帯電器83が示されている。電圧源51にて発生する帯電電極波形97は、電極44における経時出力電圧の振幅及びデューティ比を制御するのに使用されている。電極44の位置は、対応する液ジェット43が破断する点32の脇である。そのジェット43には導電性があり且つ接地電位を呈しているので、電極44に非0電圧が印加されるとそれら電極44・ジェット43間に電界が発生する(ジェット43が接地電位を呈するのは、接地されている滴生成器内の液室と接触しているためである)。電極44・ジェット43がこうして容量的に結合するとき、そのジェット43の端部には集中的に電荷が誘起される。ジェット43の端部即ち電荷集中部が破断し滴が生成されると、同部分に集中していた電荷は、生成されたその滴に捕獲されることとなる。
帯電電極44上の電圧は、パルス型の帯電電圧源51から供給される二状態の波形、即ち滴対周波数fp=f0/2(基本周波数の1/2)及び滴対周期Tp=2T0(基本周期の2倍)を呈する帯電電極波形97によって制御される。即ち、電圧源51は、電極44・液ジェット43間の電位差を波形97に従い変化させる。図2に示す例では、その波形97が呈する第1及び第2電圧状態がくっきりと分かれており、個々の電圧状態が基本周期相当の期間に亘り延びている。電極44に供給される波形97は、印刷の元となる画像データから独立である(同データによっては変化しない)。帯電器83は、電圧源51にて生じる波形97と励振波形(滴生成波形)源のクロックとの間に一定の位相関係が保たれるよう、滴生成器に対し同期させる。そのため、液流から滴が破断される位相(励振波形によって決まる位相)が、波形97に対し位相ロックされることとなる。ただ、その励振波形と波形97の間には、図10に示すように、位相シフト即ち位相遅延時間93が生じることとなろう。この位相シフトは、生成される滴対毎に、電極44が第1電圧状態であるときにジェット43から第1滴36が破断しその滴36が第1電荷対質量比状態になるよう、また電極44が第2電圧状態であるときにジェット43から第2滴35が破断しその滴35が第2電荷対質量比状態になるよう定められる。励振トランスデューサ59に供給される励振波形55が相応なものであれば、ジェット43のうち相連続する2個の基本波長部分からその波形55に従い滴対が生成されることとなる。
先に触れた通り、液ジェットのうち相連続する2個の基本波長部分から、また別の励振波形(滴生成波形)に従い大滴49を発生させることも可能である。相応の励振波形を使用すれば、帯電電極が第1電圧状態であるときに、ジェットのうち相応部分が大滴49としてそのジェットから破断されることとなろう(図4B参照)。その破断が起きる時刻は帯電電極の第1電圧状態期間に同期しているので、大滴49を複数個発生させた場合、それら大滴49間の破断時刻差は滴対周波数に対応する長さになる。即ち、相次ぐ大滴49の生成間の時間間隔は、相次ぐ滴対49の生成間の時間間隔と基本的に等しくなる。大滴49の質量は滴35及び36の合計質量とほぼ等しくなり、破断時に大滴49が負う電荷は、帯電電極が同様の電圧状態にある下で破断時に第1滴36が負う電荷に比べ、約2倍になる。帯電電極が第1電圧状態にある下で破断していく大滴49の電荷対質量比は、従って、滴対を構成する滴36のそれにほぼ等しくなる。大滴49の電荷対質量比が滴36のそれとほぼ等しいので、帯電している大滴49が滴偏向用の電界に応じ偏向する量は、より小さな滴36が偏向する量にほぼ等しくなる。大滴49及び小滴36を生成するのに使用される波形、並びに帯電電極波形による滴破断の位相シフトについては後により詳細に説明する。
図4A〜図6Bに本発明の諸実施形態、特に個々の滴対周期中に液ジェット43から滴35及び36の対34や単体の大滴49を破断させる手法を示す。図4A、図5A及び図6Aに例示したのは全印刷モード、即ち対34をなす一連の滴を基本周波数(滴対周波数の2倍)にて発生させ1個おきに印刷に使用するモードである。図4B、図5B及び図6Bに例示したのは非印刷モード、即ちその質量が滴35及び36の合計質量にほぼ等しい大滴49を滴対周波数で連続的に発生させるが印刷にはいずれの大滴49も使用しないモードである。図4C及び図5Cに示したのは通常印刷モード、即ち滴対34,大滴49双方を滴対周期中に発生させ印刷には滴対構成滴のうち一方を使用するモードである。即ち、制御的ジェット破断により画素毎に滴対34乃至大滴49を発生させ、様々なドットパターンを記録媒体19上に印刷することが可能なモードである。通常、滴生成用の励振トランスデューサはプリントヘッド12内ノズル50のアレイ全体に亘り設けられており、それらトランスデューサにおける滴対周波数はヘッド12内ノズル全てについて同一である。
本発明のこれらの実施形態では、滴対を構成する滴のうち第1滴36が第1帯電状態であり、その進行経路が第1経路となる一方、同じ滴対を構成する第2滴35が第2帯電状態であり、その進行経路が第2経路となっている。キャッチャは第1経路を過ぎる位置にあり第2経路を過ぎってはいないので、第1経路沿いに進んできた第1滴36はキャッチャに捕獲されるが、第2経路沿いに進んできた第2滴35は捕獲されない。なお、第1滴及び第2滴なる語や第1及び第2帯電状態なる語は、その滴乃至帯電状態が発生する時間的な順序を示すものではない。また、図6A及び図6Bでは第1帯電状態が負電荷保持状態として示されているが、第1滴が負帯電ではなく正帯電している状態を指すよう第1及び第2帯電状態を定義してもよい。図5A〜図5Cに示す実施形態では、第1帯電状態が滴非帯電状態に、また第2帯電状態が第2滴帯電状態にそれぞれ対応している。第2帯電状態が負電荷保持状態の例が示されているが、第2帯電状態を正電荷保持状態としてもよい。
液ジェット43対しては滴生成器89が作用する。その滴生成器89は、図3に示すように励振トランスデューサ59及び励振波形源56から構成されている。波形源56に発する励振波形55はトランスデューサ59に供給され、そこではノズル50内を流れるジェット43に攪乱が引き起こされる。そのため、励振波形55を構成する励振パルスの振幅、持続時間及びタイミングによって滴生成動作、例えば破断タイミング乃至位相が左右される。相連続する滴間の破断時点差がそれらの滴のサイズを左右する。励振コントローラ18(図1参照)からのデータは波形源56に送られ、ノズル50の出口で滴の流れが生じるよう同波形源56で時変性電圧パルスのパターンへと変換される。波形源56からトランスデューサ59へと供給される個別の滴励振波形55は、相次ぐ滴の破断タイミングやそれら滴のサイズを決定づける。その波形55は、画像プロセッサ16から励振コントローラ18に供給される画像データ即ち印刷データに応じ変化する。即ち、波形源56からトランスデューサ59に励振パルスのタイミングは、画像データ乃至印刷データに依存する。ある画素領域内に滴を1個付着させよ(印刷せよ)と求める印刷データがストリーム的に供給されている場合、トランスデューサ59に供給される波形は滴対1個を発生させる波形となり(滴間の平均時間間隔は基本周波数相応)、対をなす滴のうち一方だけで印刷されることとなる。相次ぐ複数個の画素領域内に滴を付着させよ(印刷せよ)と求める印刷データがストリーム的に供給されている場合、トランスデューサ59への一連の波形供給により一連の滴対が生じ、各対をなす滴のうち一方(どの対でも同じ滴)で印刷されることとなる。印刷データが非印刷滴の発生を求めるものである場合、トランスデューサ59に供給される波形は大滴を発生させる波形となり、印刷データが非印刷滴の継起的発生を求めるものである場合、トランスデューサ59に供給される波形は大滴を継起的に発生させる波形となる。これら大滴は印刷に使用されない。それら、印刷データストリームに基づき継起的に生成された波形は、例えば、ある一組の所定波形から選定された一連の波形で構成される。当該所定波形の例としては、その構成滴同士が融合しない滴対を発生させる波形(群)や、大滴を発生させる波形(群)がある。ご理解頂けるように、滴生成波形を組成する滴生成パルスは調整可能であるので、単体大滴を生成するモードとして幾通りかのモードを準備することができる。まず、図7Aに示すように、ジェット43のうち相次ぐ2個の基本波長相当部分を一体に破断させその融合状態を保つことで大滴を生成するモードである。次に、図7Bに示すように、ジェット43のうち相次ぐ2個の基本波長相当部分を一体に破断させ、2個の滴に分離させてから再融合させるモードである。或いは、図7Cに示すように、ジェット43のうち相次ぐ2個の基本波長相当部分を2個の別々の滴として破断させてから単体の大滴へと融合させるモードである。ジェット43のうち相次ぐ2個の基本波長部分が個別の滴として破断し、その後に大滴へと融合する図7Cのモードでは、その波形を更に調整し、相次ぐ2個の滴の破断位相を近づけることができる。即ち、帯電電極が第1電圧状態であるときに、後に大滴へと融合する2個の滴をジェット43から破断させることができる。この場合、後に大滴へと融合する2個の滴は、互いに同様の帯電状態即ち第1帯電状態となる。これらの滴の融合で生じる大滴49は、組成滴の合計質量に等しい質量並びに組成滴の合計電荷に等しい電荷を呈する。その破断タイミングが同時に近い組成滴から生じた大滴49の電荷対質量比、即ち第3電荷対質量比は第1電荷対質量比とほぼ同じになる。帯電電極が第1電圧状態であるときに滴対構成滴の破断位相が異なる位相になるよう滴生成波形を調整乃至選定し、偏向・捕獲に先立ち融合することがないようにすることも可能である。そうした滴は、いずれも、第1滴のそれとほぼ同一の電荷対質量比を呈する。
例えば、液ジェットのうち基本波長の2倍に亘り延びている部分から、帯電電極が第1電圧状態である間に、単一の大滴49を発生させるものとする。ジェットから破断される部分に誘起される電荷は、同部分の表面積やその部分に働く電界の強度に依存している。破断して大滴を構成することとなる部分の表面積が、破断して滴対の第1滴を構成することとなる部分のそれの約2倍であり、また帯電電極から印加される電界が、滴対を構成する第1滴に対し帯電電極から印加されるそれと同様であるので、破断時点に大滴上に誘起される電荷は、滴対を構成する第1滴の電荷の約2倍になる。大滴の質量は滴対を構成する第1滴のそれの約2倍であるので、ジェット上の2基本波長部分から一体破断で生成される大滴の電荷対質量比は第1電荷対質量比にほぼ等しくなる。ジェット上の2基本波長部分から生成される大滴の電荷対質量比は、その大滴が、2個の滴に破断してから融合したものであるか、それとも融合を経ていないものであるかには依存しない。
図4A〜図6Bに例示する連続液吐出システム40では、次に詳示するように、システム40内の帯電器83及び偏向機構14がその例毎に独特な構成を採っている。システム40を構成する部材のうち幾つかについては、先に図1のCIJシステムを参照して説明した通りである。まず、システム40内の液吐出器即ちプリントヘッド12には、ノズル50乃至そのアレイ(各図におけるノズルアレイの延長方向は紙面交差方向)と通流する液室24が設けられている。液室24内の液体には、液ジェット43をノズル50経由で連続吐出させるのに十分な圧力を印加する。滴生成器89は、そのジェット43それぞれに対応するよう設けられている。滴生成器89内では、滴生成用の励振波形源56から励振トランスデューサ59へと励振波形55が供給され、トランスデューサ59にてその波形55に従いジェット43が変調される結果、ジェット43からは相次ぐ基本波長部分が破断していき、ある経路(初期経路)を通る滴対の流れ(第1滴36及び第2滴35の流れ)或いは同初期経路を通る大滴49の流れが発生する。波形源56にて生じる波形55を適宜調整乃至選定することで、個々の滴対周期中に発生するものを、滴35及び36からなる滴対にすることも、大滴49にすることもできる。システム40には更に帯電器83が備わっており、その帯電器83内には、ジェット43のアレイに係る帯電電極44又は45や電極44,45・ジェット43間電位を変動させる帯電電圧源51が設けられている。電圧源51から電極44,45に供給される帯電電極波形97の周期は滴対周期に等しい。その波形97は、第1電圧状態を採る期間と、第2電圧状態とを採る期間とにはっきり分かれている。電極44,45は、図2の如く、ノズルアレイ内ジェット破断点に隣ずるように配置されている。帯電器83は、電極44が第1電圧状態であるとき電極44近傍で滴対中の第1滴36が破断し、第2電圧状態であるとき同滴対中の第2滴35が破断することとなるよう、滴生成器89と同期して動作する。帯電電極44又は45を第1,第2電圧状態にすると電界が生じ、各滴対中の第1滴36,第2滴35がそれぞれ第1,第2電荷対質量比状態になる。帯電器83は、また、第1電圧状態にした場合にのみ大滴49(又は短時間のうちに相次いで破断し後に単一の大滴49へと融合する小時間差の滴49a,49b)が電極44,45付近で破断するよう、滴生成器89と同期して動作する。これにより、大滴49が第3電荷対質量比状態となる。第3電荷対質量比状態は第1電荷対質量比状態に近い状態である。
図4A〜図4Cに示した例では、偏向機構14の一部として帯電電極44が設けられている。電気的なバイアスを受ける電極44が液ジェットの片側、破断点のそばに配置されるので、滴の破断に先立ちジェットの端部に電荷が誘起されるだけでなく、帯電した滴がジェットからの破断後に電極44側へと吸い寄せられることになる。こうした偏向機構については非特許文献2に記載がある。また、偏向機構14にはキャッチャ47も備わっている。特許文献7記載の通り、導電性を有する捕獲面52の面前に帯電済の滴を通すと、その面52の表面電荷に分布変動が生じてその滴が同面52へと吸い寄せられることとなる。
記録媒体上へと滴を選択的に付着させる(印刷する)ため、キャッチャが、第1及び第3経路沿いに下降していく滴の中途捕獲に使用される。図4A〜図4Cに示す例及び図6A〜図6Bに示す例では、第1経路か第3経路沿いに下降している滴がキャッチャによって捕獲される一方、第2経路沿いに下降している滴が記録媒体に到達して印刷に使用される。両例では第1及び第3帯電状態が第2帯電状態より強い帯電状態となっている。また、図5A〜図5Cに示す例でも、第1経路か第3経路沿いに下降している滴がキャッチャによって捕獲される一方、第2経路沿いに下降している滴が記録媒体に到達して印刷に使用される。しかし、この例では、第2帯電状態が第1及び第3帯電状態より強い帯電状態となっている。
本発明の第1実施形態に係る連続液吐出システムは、個々の印刷モードにて、その主要構成要素が図4A〜図4Cに示す如き断面を呈するものである。本システムのプリントヘッド12には液室24が設けられており、その通流先であるノズルアレイは1個又は複数個のノズル50で構成されている。そのノズル50は液ジェット43を吐出可能な形態を採っており、そのジェット43毎に励振トランスデューサ59が設けられている。図示例の場合、そのトランスデューサ59はノズル50を取り巻く壁の内部に位置している。トランスデューサ59は、例えば、複数個あるノズル50毎に且つそのノズル50と一体に設けるようにするとよい。トランスデューサ59は、滴生成用の励振波形源56によって駆動され、ジェット43を周期的に励振する。
キャッチャ47は接地されており帯電電極44の下方に位置している。キャッチャ47の役目は、印刷媒体19に到達しない(印刷に使用されない)よう、帯電している滴を中途捕獲することである。中途捕獲された滴が捕獲面52沿いに流れインク回収路58に入っていく過程でその滴の電荷が散逸するよう、ひいては図4A以降の図に示すヘッド12が好適に動作するよう、キャッチャ47やキャッチャ底板57は接地しておく。キャッチャ47の捕獲面52には、図2に示した液ジェット中心軸87に対し、角度θの勾配を付しておく。図4Aに示すように、帯電している滴36は、接地されているキャッチャ47の捕獲面52へと吸い寄せられる。滴36は帯電滴キャッチャ接触点26にて捕獲面52に捕獲され、インク膜48となってキャッチャ47の表面を下降していく。キャッチャの下部には、半径Rの曲面に加えキャッチャ底板57があり、その底板57の上方にインク回収路58が形成されているので、インク膜48をなしているインクをそこに捕獲、回収することができる。電極至近での滴破断時点で帯電電極44が液ジェット43に対し正の電位差を呈している場合、生成されつつある滴上には負電荷が誘起され、ジェット43からの滴破断後も保持される。滴破断時点で電極44がジェット43に対し電位差を有していない場合、生成されつつある滴上には電荷が誘起されず、その状態がジェット43からの滴破断後も保持される。但し、ジェット43から破断された第2滴35が、帯電している第1滴36に対し容量結合を呈するので、第2帯電状態で帯電電極が0Vであったとしても第2滴には少量の電荷が誘起されることとなろう。
本発明についての理解を容易にするため、図4A〜図4Cには、第2帯電状態がほぼゼロ電荷状態であるため滴対中の第2滴35がほとんど又は全く偏向せず、図中の第2経路37沿いを辿る場合を示してある。理解の容易化のため、図2中の液ジェット中心軸87に対し経路37の方向を揃えてある。実際には、経路37を辿る滴は僅かに帯電しているので、経路37は軸87からずれることとなろう。滴対中の第1滴36は強帯電状態であるので、偏向して第1経路38を辿ることとなる。そのため、この例では、滴対周期毎に、即ち滴対周波数fp=f0/2及び滴対周期Tp=2T0にて、滴が1個ずつ印刷に使用される。これはいわば小滴印刷モードであり、ジェット破断向けの最適周波数になるよう調整可能な基本周波数f0にて滴が生成され、滴対を構成する滴のうち一方が印刷に使用される(融合を経て大きくなった滴で印刷が行われる大滴印刷モードとは対照的)。
上述の通り、第2帯電状態で帯電電極が0Vであったとしても、第2滴上に少量の電荷が誘起されうる。従って、第2滴も僅かながら偏向しうる。この電荷、即ち第1滴の電荷によって第2滴上に誘起される電荷については、帯電電極波形の第2電圧状態を改変することで中性化することも可能である。第2電圧状態を0Vにするのではなく、0Vから僅かにオフセットした電圧にすればよい。このオフセット電圧を定める際には、第2電圧状態時に帯電電極付近で破断する際滴に誘起される電荷が、先行する滴によって破断時にその滴に誘起される電荷と同一絶対値且つ逆極性になるようにする。そのようにすれば、その滴は実質的に帯電せず、静電界による偏向は基本的に生じない。付する直流オフセットの幅はシステムの具体的構成、例えばそのシステムに備わる帯電電極の個数が1個か複数個かに依存するほか、そのシステムの幾何学的構成、例えば液ジェット・帯電電極間の位置関係にも依存する。通常、第1電圧状態を基準とした第2電圧状態のオフセットは33〜10%の範囲内である。例えば、第1電圧状態で200Vが現れる用途なら、第2電圧状態では第1電圧状態の25%に当たる50Vの直流オフセットが付加される。
相次ぐ滴対構成滴36及び35のうち、第1滴36は帯電電極44によって第1電荷対質量比状態へと帯電され、第2滴35も同電極44によって第2電荷対質量比状態へと帯電される。図4Aに示す全印刷モードではそうした滴対の長鎖が形成される。滴対を構成する滴間に電荷対質量比の違いがあるため、接地されているキャッチャ47及び帯電器38(電極44、帯電電圧源51及び帯電電極波形97)の働き即ち偏向機構14の働きによる偏向の度合いは、両滴間で異なってくる。波形97は印刷データに対し独立であり、滴35及び36の生成に係る基本周波数の1/2に等しい反復周波数を呈する。第1滴36が偏向され第1経路38を辿る一方、第2滴35が第2経路37を辿って記録媒体19に射突するので、速度vmで移動している媒体19上にはその滴35によるインク滴46が堆積していく(印刷される)こととなる。
図4Aに示したのは、本発明の一実施形態に係るCIJシステムにおける液ジェット43やそこから全印刷モード下で生じる一連の滴対の断面であり、各滴対の第2滴が帯電電極44によって第2電荷対質量比状態へと帯電されキャッチャ47に吸い寄せられないまま記録媒体19に到達して一連の印刷滴46を生成する(印刷に使用される)一方、同滴対の第1滴36が電極44によって第1電荷対質量比状態へと帯電されキャッチャ47に吸い寄せられて印刷から除外される様子が示されている。同図に示す如く滴を生成するに当たっては、滴生成用の励振波形源56による励振即ち基本周期T0を有する励振波形55での励振により一連の滴が同周期T0で生成される。結果として、滴対を構成する第1滴及び第2滴は融合せずに間隔λを保つ。電極44に印加する波形は、そのデューティ比が約50%、周期が滴対周期Tp=2T0と同じ長さ、ハイ状態では正電圧、ロー状態では接地電圧の方形波とするのが望ましい。
図4Bに示したのは、大滴49の長鎖が基本周波数の1/2で形成される非印刷モードである。大滴49は高電圧が印加されているとき電極付近で破断される滴であり、その総電荷は第1滴36上の電荷のほぼ倍に等しい。大滴上の総電荷は第3電荷対質量比状態に対応している。偏向機構は、第3電荷対質量比状態を有する大滴49に作用し、その大滴49に第3経路39を辿らせる。大滴49が呈する電荷対質量比と帯電第1滴36が呈するそれとがほぼ等しいので、大滴49の偏向幅も第1滴36のそれとほぼ等しくなる。結果として、大滴49は、第1経路37に似た第3経路39を辿り、帯電結合滴キャッチャ接触点27にて捕獲面52により中途捕獲され、インク膜48となってキャッチャ47の表面沿いを下降していく。大滴49がキャッチャ47に接触する点27は、帯電第1滴36がキャッチャ47に接触する点26に近い高さにある。即ち、同図に示す非印刷モードでは、一連の滴対を構成している全ての滴対で滴同士の融合とその捕獲が生じるため、記録媒体19上に印刷滴46が付着することがない。
図4Cに示したのは、対をなす滴35及び36に加えてより大きな滴49が幾つか生じる通常印刷モードである。滴35が移動中の記録媒体19上にインク滴46として付着する(印刷に使用される)のに対し、帯電している滴6及び帯電している大滴49は捕獲されるので印刷には回らない。インク滴46の付着パターンは、図1を参照して説明した通り、画像源13からの画像データに対応するパターンになる。
図5A〜図5Cに示したのは、本発明の別の実施形態に係るCIJシステムの液ジェット沿い断面である。この実施形態では、大滴49及び第1滴36が偏向されず捕獲される一方、第2滴35が偏向され印刷に回る。図5Aからは全印刷モードにおける滴対群の様子、図5Bからは非印刷モードにおける滴対群の様子、図5Cからは通常印刷モードで幾つかの滴が印刷に使用される様子がわかる。図5Bには、共に破断された後に再融合して一体の大滴59となる様子、特に大滴49が2個の個別な滴49a及び49bに分かれかけている様子が示されている。滴49a及び49bをほぼ同じタイミングで別体に破断させ、生じた2個の滴を単一の大滴へと融合させるようにしてもよい。本実施形態における第1電圧状態はロー電圧例えば0電圧であるので、滴対を構成する第1滴の帯電状態(第1帯電状態)は、同滴対を構成する第2滴の帯電状態(第2帯電状態)に対し一定に保たれる。
図7にイメージとして示すように、液ジェット43のストリームを基本周波数の1/2で破断させ大滴49を生成する際、滴生成用トランスデューサに供給する励振波形として使用可能な波形は幾通りかある。滴生成用トランスデューサに供給する励振波形を変えることで、図7A〜Cの如く様々な滴生成動態を実現できる。図7Aに示したのは滴対が単体の滴49として破断されそのまま分かれずにいる動態、図7Bに示したのは滴対が単体の滴49として破断された後滴49a及び49bに分かれ更に再融合する動態、そして図7Cに示したのは滴49a及び49bがほぼ同タイミングで別々に破断された後融合して単体の滴49になる動態である。大滴完成後の大滴間平均距離は2λである。同図中、BOLは、ジェット43から個々の滴が破断する面を表している。
図5A〜図5Cに示す実施形態では、帯電電極44が液ジェットを挟み2個所に配置され、それら第1部分44aと第2部分44bの間でジェット破断が生じるようになっている。帯電電極44の構成部分44a,44bは互いに別の電極としてもよいし、同一装置の別部分としてもよい。図4A〜図4Cを参照して説明した通り、帯電電圧源51から供給され滴対周波数を呈する反復的な帯電電極波形97に従い滴生成が行われるので、一連の滴対を構成する滴のうち第1滴36は帯電電極44によって第1帯電状態に、また第2滴35は第2帯電状態へと帯電される。帯電電極44の左部44a及び右部44bは電圧源51からのパルスによって同電位へとバイアスされる。帯電電極44の第2部分44bを第1部分44aから見て液ジェットの逆側に付加し、同電位へとバイアスしているので、帯電電極構成部分44a・44b間領域には、液ジェット中心軸を挟みほぼ左右対称な電界が生じる。結果として、液ジェットから破断される滴を帯電電極構成部分44a・44b間で帯電させる動作は、液ジェット横方向位置の小規模変化に対し非常に鈍感になる。液ジェットを挟み電界がほぼ対称であるので、破断間近な滴に大きな横方向偏向力を作用させることなく滴を帯電させることができる。本実施形態では、偏向機構14を構成する一対の偏向電極53及び63がこうした帯電電極構成部分44a,44bの下方にあり、滴49a・49b間融合で単体の大滴49が生成される点よりもその位置が下方となっている。これら偏向電極53・63間に電位差を与えると、同電極53・63間に電界が生じ、負帯電滴が左方へと偏向される。この電界即ち滴偏向電界の強度は、それら偏向電極53・63間の距離及び同電極53・63間への印加電圧に依存する。図示例では、偏向電極53を正、偏向電極63を負にバイアスしてある。接地電位を有する液ジェットを挟み偏向電極53及び63を互いに逆極性にバイアスすることは、液ジェットから破断されつつある滴の電荷に対する電界の寄与を抑える上で役立つ。
図5A〜図5Cに示した実施形態では、ナイフエッジ型のキャッチャ67を用い、非印刷滴軌道の中途遮断が行われている。使用するキャッチャ67はレッジ30付のものであり、対をなす偏向電極53,63の下方に配置されている。キャッチャ67及びそのレッジ30の向きは、図5Aの如く第2経路37沿いを通る非帯電単体滴や図5Bの如く第3経路39沿いを通る大滴49がキャッチャ67で中途捕獲されるが、第1経路38沿いを通る帯電単体滴は同キャッチャ67で中途捕獲されないように設定されている。キャッチャ67は、同キャッチャ67に対する滴射突位置がレッジ30の斜面上となり衝撃時飛散が少なくなるように配置するのが望ましい。記録媒体19に対する印刷には、第1電荷対質量比を呈し第1経路37を辿ってくる帯電滴35が使用される。
ここでは、帯電電圧源51から供給されるパルスのデューティ比が約50%、波形が方形波、滴生成周波数が基本周波数の1/2である例をとり説明することにする。まず、帯電電極44が正電位を呈している状態では、接地されている液ジェット43からの破断に伴い滴35上に負電荷が誘起される。滴36の生成中であり帯電電極44が0電位又は微小電位を呈している状態では、接地されている液ジェット43からの破断時にその滴36上に誘起される電荷が0又は微少量となる。偏向電極53が正電位であるときには、負帯電している滴35が同電極53の表面に向かい引き寄せられる。偏向電極63が負電位であれば、負帯電している滴35が同電極63から斥けられ、その滴35が電極53方向に偏向していく。電極53,63への電圧印加により生じた電界が滴35に及ぼす力が十分に強ければ、滴35は、相応に大きく偏向してキャッチャレッジ30から逃れ記録媒体19に付着する。従って、図5A〜図5Cに示した装置を適正に機能させるには、二状態を採る帯電電極波形97の位相を、図4A〜図4Cに示した装置で使用する波形97のそれに対し約180°ずらす必要がある。また、図4A〜図4Cに示した装置で滴36及び大滴49が帯電され印刷用の滴35が非帯電なのとは対照的に、図5A〜図5Cに示した装置では、滴36及び大滴49を非帯電とし印刷用の滴35を帯電させる。
図5Cに示したのは、対をなす滴35及び36に加えてより大きな滴49が生じる通常印刷モードである。このモードでは、移動している記録媒体19上に帯電滴35がインク滴46として付着する(印刷される)一方、共に非帯電の滴36及び大滴49が中途捕獲され印刷から除けられる。インク滴46の付着パターンは、図1を参照して説明した通り、画像源13からの画像データに対応するパターンになる。図5Cに示すように、本実施形態では、帯電電極・ノズルプレート間にある形状のエアプレナム61が形成される。このプレナム61には図示しない空気源から空気が供給されるので、帯電電極構成部分44a,44b間を通る空気によって、液ジェットや滴の流れの周囲に矢印65の如き気流が生じることとなる。この気流は初期的な滴下降軌道に対しほぼ平行であるので、滴に対する空気抵抗効果ひいては滴位置誤差の抑圧・低減に役立つ。
図6A及び図6Bに示したのは、本発明の第3実施形態に係り電極及びキャッチャが一体化されているCIJシステム、特にその液ジェット43を通る断面である。図6Aには全印刷モードにおける一連の滴対が、また図6Bには非印刷モードにおける一連の滴対が示されている。ジェット43の右側にある諸部材はいずれも省略可能である。絶縁体68は帯電電極45の上面、絶縁体68a(省略可)は第2帯電電極45a(省略可)の上面にそれぞれ接着されており、これらは電極45,45aがジェット43の破断点32付近に来るようにするスペーサとして機能している。絶縁体68の上部とノズル50の開口面との間にギャップ66を設けることもできる。電極45,45aのジェット43側の縁に図示の如く傾斜が付されているのは、破断領域内電界強度を高めより多くの電荷を滴36上に誘起させるためである。また、電極45の下面には絶縁スペーサ69、電極45aの下面には絶縁スペーサ71(省略可)が接着されている。絶縁体68の下部には、電極45の上面に近接し且つジェット43に面するように絶縁性接着剤64が配されている。同様に、絶縁体68aの下部には、電極45aの上面に近接し且つジェット43に面するように絶縁性接着剤64aが配されている。絶縁スペーサ69上にも絶縁性接着剤62が配されていて、インクジェット滴側の側面と電極45の下面との間の接着に使用されている。絶縁スペーサ71上にも絶縁性接着剤62aが配されていて、インクジェット滴側の側面と電極45aの下面との間の接着に使用されている。絶縁性接着剤64,64a,62,62aの役目は、液が絶縁体表面で連続膜を形成することを防ぎ、電極45,45aから液を斥けることで電気的短絡を防ぐことにある。キャッチャ47は接地されており、図示の如く絶縁スペーサ69の下面及び絶縁性接着剤64に連なっている。絶縁スペーサ71の下面には接地導体70が接着されており、その下面には別の絶縁体72(省略可)が接着されている。偏向電極74(省略可)はキャッチャの上部に面しており、絶縁体72の下面に接着されている。その偏向電極74の下面には絶縁体73(省略可)が接着されている。絶縁体73の下面には、キャッチャ47の下部に面するように接地導体75が接着されている。接地導体70の役目は電極45a・偏向電極74間遮蔽であり、滴帯電領域のうち滴破断間近な領域がキャッチャ47の面前で滴偏向電界から分離されるように働いている。これにより、ジェット43から破断されつつある滴が偏向電極74による電界で帯電されないようにすることができる。接地導体75の役目は、キャッチャ47上の滴射突領域を偏向電極74による電界に対し遮蔽することである。滴射突領域内にこうした電界が存在すると、キャッチャ47の表面からのミスト・スプレイ生成が生じかねない。偏向電極74の働きは、図5A〜図5Cに示した偏向電極63のそれと同様である。
図8に、単一の液ジェット43からの滴生成を時刻a〜h毎に追いつつ、本発明の連続液吐出システムに従いジェット43から生成される滴対群の流れを正面図により示す。まず、図8aでは、印刷用でない一連の大滴49(滴49a及び49bに破断しかけているものを含む)が発生し、帯電電極44付近の破断点32にてジェット43から破断され、帯電滴(大滴)キャッチャ接触点27にてキャッチャ47により中途捕獲され、そしてその滴49により形成されるインク膜48がキャッチャ47の表面沿いに流れ落ちている。この膜48を構成するインクは、捕獲面沿いに流れ落ち、捕獲面下部にある丸み部分(図4A中のR部分)を巡り、キャッチャ47・キャッチャ底板57間のインク回収路58に流れ込み、そしてプリンタ内のインクリサイクルユニット15によってそこから回収されていく。回収路58を減圧状態に保っておけば、膜48を構成するインクをプリンタ内インクリサイクルユニット15内に好適に回収することができる。この動作モードでは、帯電している大滴49が全て捕獲されてしまい印刷には回らない。次に、図8bでは、一連の非印刷滴に1個目の印刷滴が続くよう次の滴対が生成されている。滴対を構成する滴のうち下側にある第1滴36は帯電しており、上側にある第2滴35は帯電していない。帯電していない滴35が印刷に回り、帯電している滴36は逸れてキャッチャ47に捕獲される。そして、図8c〜hでは、印刷に使用される滴対が相次いで生成されている。斜め一点鎖線81即ち滴時刻指示線は、同じ滴の位置を各分図間で結んだものである。この線によれば、図8aで最後尾に位置している滴対は印刷に回らず、図8cの如く帯電結合滴キャッチャ接触点27にてキャッチャ47に捕獲されている。図8b中の先頭滴対を構成する滴のうち第1滴36は帯電しており、図8dの如く帯電結合滴キャッチャ接触点27にてキャッチャ47に捕獲されている。小滴36に係るキャッチャ接触点26の位置が大滴49に係るキャッチャ接触点27の位置と大差ないのは、印刷に使用されない滴36とやはり印刷に使用されない大滴49との間で電荷対質量比がほぼ等しいからである。図8b中の滴対を構成する滴のうち帯電していない滴35は印刷用に回り、図8hの如く記録媒体19に到達して滴46となっている。
図9に、本発明に係るCIJシステムのプリントヘッド12に関し、印刷中に隣接発生する9本の液ジェット43の正面外観を示す。通常印刷モードであるので、印刷が行われるか行われないかはノズル単位で決まってくる。このヘッド12ではノズルが線形アレイを形成しており、諸ノズルから吐出されるジェット43に対して帯電電極44及びキャッチャ47が共用されている。電極44はノズルアレイにて生じる個々のジェット43に作用するものであり、本発明の動作を適正に実行できるよう諸ジェット32に面して配置されている。キャッチャ47は、いずれも帯電している滴36及び大滴49を捕獲することで、キャッチャ表面全体に亘り、連続的なインク膜48を発生させる(帯電していない滴35は印刷に回る)。帯電している滴36の経路38と帯電している大滴49の経路39が実質的に同一であるので、逸らされた滴は、いずれも、捕獲面上のほぼ同じ高さの位置にて中途捕獲されることとなる。これは、捕獲面上に定常的且つ均一なインク膜を発生させ且つ滴位置精度を高める上で望ましいことである。キャッチャ47上で膜48を形成しているインクは、キャッチャ47・共用キャッチャ底板57間回収路内に収集されプリンタ内インクリサイクルユニットに送られる。
図10に、本発明の一実施形態における滴生成パルス(励振波形)、帯電電極波形及び滴破断タイミングを示す。図10A(上部)は、ノズル線形アレイを構成するある単一のノズルについて、滴を励振する波形(例えばヒータ電圧波形)55の経時変化を表した図である。図10B(下部)は、共通の帯電電極波形(電圧波形)の経時変化、並びに図10Aに示した励振波形それぞれによって生成される滴の破断タイミングを表した図である。図10A,Bの時間軸には滴対周期番号1〜5、即ち滴36及び35に係る滴生成基本周期の2倍に等しい番号が付されている。図10A,Bに示す例では、滴対サイクル2中に対をなし発生する滴のうち一方が印刷、一方が捕獲(印刷外)に回るのに対し、滴対サイクル1,3,4,5では印刷外の大滴のみが生じ捕獲されている。第2滴対周期に係る滴生成波形内には、印刷滴生成パルス98を含んでいて第1滴の生成につながる波形部分と、非印刷滴生成パルス99を含んでいて第2滴の生成につながる別の波形部分とがある。図10Bには、時間的に変動する帯電電圧V即ち帯電電圧源51から帯電電極44乃至45に供給される帯電電極波形97と共に、滴破断イベントが起こるタイミングが示されている。波形97は破線の通り50%デューティ比の方形波であり、2個の滴からなる滴対1個か大滴49が1個の滴帯電波形周期中に生じるよう、ハイ電圧(正電圧)状態からロー電圧状態へと滴対周期(滴生成の基本周期の2倍)にて転変している。個々の滴対周期に係る滴帯電波形には第1電圧状態96及び第2電圧状態95が現れる。第1電圧状態96はハイ(正)電圧に、第2電圧状態95はロー(0近傍)電圧に相当している。図10Bには、液ジェットから個々の滴が破断する瞬間を菱形で記してある。図10Aにて個々の滴対周期中に現れている滴生成パルスからは、図10Bにて対応する滴が破断するタイミングへと、矢印線が引かれている。遅延時間93は、個々の滴対周期での第1滴生成に係るヒータ電圧パルスが立ち上がるタイミングから、個々の帯電波形周期が立ち上がるタイミングまでの、時間的な遅延を表している。帯電電極波形97の立ち上がり位相のタイミングが適宜調整されているので、印刷に回る滴と回らない滴との間に、好適に滴間帯電レベル差を付すことができる。なお、図10に示したタイミングは図4A〜図4C及び図6A〜図6Bの実施形態、即ち大滴49や滴対中の第1滴36が帯電する一方同滴対中の第2滴35が帯電しない実施形態に適している。遅延時間93を滴対周期の1/2だけ変化させると図5A〜図5Cの実施形態、即ち第2滴35が帯電し第1滴36及び大滴49が帯電しない実施形態にふさわしい構成になる。このように、遅延時間93を利用することで、帯電電極波形・滴生成波形源クロック間の位相関係が固定的に保持されるよう滴生成器を帯電電極用の電圧源に同期させることができる。
図10に示す構成では、大滴49が単体の状態で破断されている。非印刷滴対周期1,3,4,5では、それぞれ大滴49生成用の大滴生成パルス94が現れている。滴対周期2では印刷滴生成パルス98及び非印刷滴生成パルス99が現れている。大滴生成パルス94のパルス幅を適宜調整することで、高電位の帯電状態96にて破断が生じるよう、大滴49の破断タイミングを変化させることができる。滴対周期2では、印刷滴生成パルス98が、高電位の電圧状態95にて第1滴36を破断させる。非印刷滴生成パルス99は、引き続く低電位の電圧状態96にて第2滴35を破断させる。高電位の電圧状態95にて破断した滴36及び49が帯電電極による電界で帯電するのに対し、滴35は帯電電極による帯電を受けない。
図10に示す実施形態では低乃至非帯電滴が印刷に使用されているが、帯電滴が印刷に回り非帯電滴が捕獲される形態もある。そうした実施形態では、個々の滴対周期にて第1滴生成に係るヒータ電圧パルスが立ち上がるタイミングと帯電波形周期の始点との間の遅延時間93を調整することによって、帯電電極波形97の立ち上がり位相がシフトされる。例えば、遅延時間93に滴の1基本周期を加算すると、大滴49及び滴36が破断時に低帯電状態となる一方、滴35が印刷向けの高帯電状態となる。
上述した諸実施形態では、滴対34を構成している第1滴36及び第2滴35がほぼ同じ体積となっている。滴対34や大滴49は滴対周期Tp=2T0毎に生じている。そのため、滴を効率的に生成すること及び高速で印刷することが可能である。これと違い、滴対を構成する第1滴・第2滴間で体積が異なり、滴対34や大滴49の生成に係る滴対周期Tpが2T0より長い実施形態では、滴対を構成する2個の滴のうち小さい方の周期がT0で定まる。例えば、滴対を構成する第1滴・第2滴間で体積比が4/3の場合、対応する滴対周期Tpは7T0/3となり、3/2の場合は5T0/3となる。最少滴サイズはレイリー遮断周波数FRで決まる。そうした実施形態では、帯電電極波形の周期が、滴対34乃至大滴49の生成に係る滴対周期と等しくなる。
図11に、滴対を構成する第1滴及び第2滴が同体積でない実施形態を示す。図10と同様、時間軸には滴対周期を付記してある。非印刷滴周期には、それぞれ、第1滴生成パルス91及び第2滴生成パルス92が現れている。個々の滴対周期における第1生成パルス91・第2滴生成パルス92間時間差は、第2滴生成パルス・後続滴周期内第1滴生成パルス間時間差よりも短い。そのため、滴対を構成する滴では第1滴の方が第2滴よりも大きくなる。第1・第2滴生成パルス間の時間がこのように不均一であるため、滴対を構成する第1・第2滴間に速度差が発生する。その速度差を利用することで、滴対を構成する第1・第2滴を、速度変調パルス抜きで大滴49へと融合させることができる。大滴49を構成する滴は、帯電電極波形97が第1電圧状態95であるときに、ほぼ同じタイミングで破断する(図7Cに示したそれと同様)。第2滴対周期における印刷滴の生成には、パルス101〜103からなるまた別の滴生成波形が使用される。第2滴対周期用の波形は、帯電電極波形97が第1電圧状態95であるときに第1滴36が破断し第2電圧状態96であるときに第2滴35が破断するよう、且つそれら滴35及び36が融合しないように選定される。滴生成パルス101,102のタイミングが滴生成パルス91,92のそれと一致する形態とすることもできる。パルス103は、滴対を構成する滴のうち第2滴が破断するタイミングを遅らせ、第2滴対周期における滴の融合を妨げることで、同滴対中の第2滴を印刷に回す。
同様に、上述の諸実施形態では、帯電電極波形に二通りの電圧状態を採らせ、そのうち一方を全周期の1/2に亘り発現させているが、滴対34又は大滴49の生成に適した滴対周期に等しい周期の帯電電極波形を使用することも可能である。図11に示したのはその一例であり、滴対周期中の異なる期間で互いに別の状態が発現している。
総じて、本発明によれば、印刷像に求められる解像度に応じ、直径=5〜50μmの範囲内のノズルを使用し、サイズ=1〜100plの範囲内で印刷滴を生成することができる。液ジェットの速度は例えば10〜30m/sの範囲内である。滴生成の基本周波数は例えば50〜1000kHzの範囲内である。
本発明によれば、従来の静電偏向型インクジェットプリンタと違い、アレイをなす液ジェット毎に帯電電極を設けることなく、印刷か非印刷かを切り替えることができる。代わりに単体の共用型帯電電極を使用し、アレイをなす液ジェットから帯電滴を発生させているからである。そのため、個別の帯電電極をノズルに対し厳密に整列させる必要がない。別々の液ジェットに係る帯電電極によりある液ジェットから生じるところのクロストーク帯電が問題とならない。クロストーク帯電が問題とならないので、従来の滴帯電システムと違い、帯電電極・液ジェット間距離を抑える必要がない。更に、帯電電極を共用化することで帯電効率及び偏向効率が改善されるため、液ジェット・電極間の距離をより拡げることができる。例えば、帯電電極・液ジェット中心軸間の距離を25〜300μmの範囲内にすることができる。また、液ジェット毎の帯電電極がなくなるため、ノズル毎に帯電電極が必要となる従来の静電偏向型CIJシステムに比べノズル密度を高めることができる。例えば、ノズルアレイ密度を75〜1200npi(ノズル個数毎インチ;1インチ=約0.025m)の範囲内にすることができる。
図12に液滴吐出方法の一例を示す。その冒頭にあるステップ150では、液室内で十分に加圧された液が液ジェットとしてノズルから吐出される。ステップ150に続いてはステップ155が実行される。
ステップ155では、滴生成器に滴生成波形を供給することで液ジェットを変調し、その液ジェットの一部分を破断させることで一連の滴を生成する。この変調により、液ジェットのうちある部分を選び、第1滴及び第2滴よりなる滴対へと破断させ経路上に送ることができる。滴対間の時間的距離は平均して滴対周期となる。また、この変調により、液ジェットのうち他の部分を選んで1個又は複数個の第3滴(第1滴や第2滴よりも大きな滴)へと破断させ、平均してある同じ滴対周期だけ離し、経路上に送ることができる。第1滴及び第2滴からなる滴対が生じるのかそれとも大滴が生じるのかは印刷データにより左右される。ステップ155に続いてはステップ160が実行される。
ステップ160では帯電器が準備される。その帯電器は、帯電電極及び可変電位源を有する構成とする。帯電電極は液ジェットに作用する。可変電位源は、帯電電極・液ジェット間の電位差を、帯電電極への波形供給によって変化させる。使用する波形は、滴対乃至第3滴生成に係る滴対周期に等しい周期を呈し、且つ第1電圧状態を採る期間と第2電圧状態を採る期間とがはっきり分かれた波形である。帯電電極に供給される波形は印刷データに依存しない。ステップ160に続いてはステップ165が実行される。
ステップ165では、第1滴の電荷対質量比が第1電荷対質量比、第2滴のそれが第2電荷対質量比、第3滴のそれが第3電荷対質量比(第1又は第2電荷対質量比とほぼ等しい値)となるよう、帯電器と滴生成器を同期させる。ステップ165に続いてはステップ170が実行される。
ステップ170では、偏向器を使用し、第1電荷対質量比の第1滴を第1経路上、第2電荷対質量比の第2滴を第2経路上、第3電荷対質量比の第3滴を第3経路(第1又は第2経路とほぼ同一の経路)上に送り込む。ステップ170に続いてはステップ175が実行される。
ステップ175では、キャッチャを使用し、第1又は第2経路上の滴を中途捕獲する。キャッチャは、第3経路上の滴を中途捕獲するのにも使用される。
なお、ステップ155にて滴生成器に供給される波形が画像データに依存するのに対し、ステップ160にて帯電電極に供給される波形が画像データから独立であることに留意されたい。
10 連続インクジェット印刷システム、11 インクリザーバ、12 プリントヘッド乃至液吐出器、13 画像源、14 偏向機構、15 インクリサイクルユニット、16 画像プロセッサ、17 論理コントローラ、18 励振コントローラ、19 記録媒体、20 インク圧安定化器、21 媒体移送コントローラ、22 移送ローラ、24 液室、26 帯電滴キャッチャ接触点、27 帯電結合滴キャッチャ接触点、30 キャッチャレッジ、31 滴融合点、32 破断点、34 滴対、35 滴対の第2滴、36 滴対の第1滴、37 第2経路、38 第1経路、39 第3経路、40 連続液吐出システム、42 滴生成器トランスデューサ、43 液ジェット、44,45 帯電電極、44a,45a 第2帯電電極、46 印刷済インク滴、47,67 キャッチャ、48 インク膜、49 大滴、50 ノズル、51 帯電電圧源、52 捕獲面、53,63,74 偏向電極、54 第3代替経路、55 励振波形、56 励振波形源、57 キャッチャ底板、58 インク回収路、59 励振トランスデューサ、60 励振器、61 エアプレナム、62,64 絶縁性接着剤、62a,64a 第2絶縁性接着剤、65 気流方向を示す矢印、66 ギャップ、68,68a,69,71〜73 絶縁体、70,75 接地導体、81 滴遅延時間順指示線、83 帯電器、87 液ジェット中心軸、89 滴生成器、91 第1滴生成パルス、92 第2滴生成パルス、93 位相遅延時間、94 大滴生成パルス、95 第1電圧状態、96 第2電圧状態、97 帯電電極波形、98 印刷滴生成パルス、99 非印刷滴生成パルス、101 印刷滴生成波形第1パルス、102 印刷滴生成波形第2パルス、103 印刷滴生成波形第3パルス、150 ノズル経由加圧液供給ステップ、155 滴生成器使用液ジェット変調ステップ、160 帯電器準備ステップ、165 帯電器滴生成器同期ステップ、170 滴偏向ステップ、175 選定滴横取ステップ。

Claims (42)

  1. 内在する液が加圧下でノズルを介し液ジェットとして吐出されるようそのノズルに通流している液室と、
    液ジェットの一部が、平均して互いに滴対周期隔てられており第1滴及び第2滴からなる滴対1個又は複数個へと破断され経路上に送られるよう、また当該液ジェットの一部が、平均して互いに滴対周期隔てられており第1滴及び第2滴よりも大きい第3滴1個又は複数個へと破断され経路上に送られるよう、液ジェットに作用しそれを変調する滴生成器と、
    液ジェットに作用する帯電電極、並びに
    滴対又は第3滴の生成に係る滴対周期に等しい周期を呈すると共に明確に分かれた第1及び第2電圧状態を有する波形を供給し帯電電極・液ジェット間の電位差を変化させる可変電位源、
    を有し、上記滴生成器と同期することで、滴対を構成する滴のうち第1滴に第1電荷対質量比、第2滴に第2電荷対質量比を負わせ、また第3滴に第1電荷対質量比とほぼ等しい第3電荷対質量比を負わせる帯電器と、
    滴対を構成する滴のうち第1電荷対質量比を呈する第1滴に第1経路、同滴対をなす滴のうち第2電荷対質量比を呈する第2滴に第2経路、また第3電荷対質量比を呈する第3滴に第3経路、をそれぞれ辿らせる偏向器と、
    を備える連続液吐出システム。
  2. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、更に、第1経路を辿る滴及び第3経路を辿る滴を中途捕獲するキャッチャを備える連続液吐出システム。
  3. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、第3経路が第1経路とほぼ同一な連続液吐出システム。
  4. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、上記液が対記録媒体印刷用のインクを含む連続液吐出システム。
  5. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、上記ノズルが、ノズルアレイを構成するノズルのうち1個であり、上記帯電器に備わる帯電電極が、そのノズルアレイを構成するノズルから吐出される液ジェットそれぞれによって共用されその液ジェットに作用する電極である連続液吐出システム。
  6. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、第1滴の体積と第2滴の体積がほぼ等しい連続液吐出システム。
  7. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、第3滴の体積が第1滴の体積と第2滴の体積との和にほぼ等しい連続液吐出システム。
  8. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、上記滴生成器が、更に、
    上記液室、上記ノズル及び上記液ジェットのうちいずれかに作用する滴生成用トランスデューサと、
    その滴生成用トランスデューサに滴生成波形を供給する滴生成波形源と、
    を有する連続液吐出システム。
  9. 請求項8記載の連続液吐出システムであって、上記滴生成用トランスデューサが、サーマルデバイス、圧電デバイス、MEMSアクチュエータ、電気流体力学デバイス、光学デバイス、電歪デバイス又はその組合せである連続液吐出システム。
  10. 請求項8記載の連続液吐出システムであって、上記滴生成用トランスデューサに供給される滴生成波形が、液ジェット破断位相、滴速度及び滴体積のうち1個又は複数個を変調させる連続液吐出システム。
  11. 請求項8記載の連続液吐出システムであって、上記滴生成用トランスデューサに供給される滴生成波形が、励振コントローラから供給される印刷データに応じた波形である連続液吐出システム。
  12. 請求項8記載の連続液吐出システムであって、上記滴生成波形が、滴対を構成する滴のうち第1滴が生じる第1部分と、同滴対を構成する滴のうち第2滴が生じる第2部分と、を有する連続液吐出システム。
  13. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、第1滴及び第2滴のうち一方が非帯電滴であるのに対し他方が帯電滴である連続液吐出システム。
  14. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、帯電電極・液ジェット間の電位差を変化させる上記可変電位源が、励振コントローラから供給される印刷データに応答する電位源でない連続液吐出システム。
  15. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、帯電電極・液ジェット間の電位差を変化させる上記可変電位源が、それぞれ滴対周期の1/2に等しい期間に亘り第1電圧状態と第2電圧状態が現れる波形をもたらす連続液吐出システム。
  16. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、上記帯電電極が、液ジェットの破断点に隣ずるように配置された連続液吐出システム。
  17. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、上記偏向器が、更に、帯電滴を偏向させる1個又は複数個の偏向電極を有し、その偏向電極が電位源及び接地のうち一方に通電している連続液吐出システム。
  18. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、上記帯電器が帯電電極を有し、その帯電電極が、液ジェットの第1側に面する第1部分と、液ジェットの第2側に面する第2部分と、を有する連続液吐出システム。
  19. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、上記偏向器が、更に、帯電滴偏向用に滴偏向電界を発生させる電位源に通電する偏向電極を有する連続液吐出システム。
  20. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、第1滴及び第2滴が平均して基本周期離れており、滴対周期がその基本周期の2倍である連続液吐出システム。
  21. 請求項1記載の連続液吐出システムであって、第2電圧状態が直流オフセットを含む連続液吐出システム。
  22. 液室のノズルから液ジェットが吐出されるよう液を加圧するステップと、
    液ジェットの一部が、平均して互いに滴対周期隔てられており第1滴及び第2滴からなる滴対1個又は複数個へと破断され経路上に送られるよう、滴生成器を用い液ジェットを変調するステップと、
    液ジェットの一部が、平均して互いに滴対周期隔てられており第1滴及び第2滴よりも大きい第3滴1個又は複数個へと破断され経路上に送られるよう、滴生成器を用い液ジェットを変調するステップと、
    液ジェットに作用する帯電電極、並びに
    滴対又は第3滴対の生成に係る滴対周期に等しい周期を有すると共に明確に分かれた第1及び第2電圧状態を呈する波形を供給することで、帯電電極・液ジェット間の電位差を変化させる可変電位源、
    を有する帯電器を準備するステップと、
    帯電器を滴生成器と同期させることで、滴対を構成する滴のうち第1滴の電荷対質量比を第1電荷対質量比、同滴対を構成する滴のうち第2滴の電荷対質量比を第2電荷対質量比にし、また第3滴の電荷対質量比を第1電荷対質量比とほぼ等しい第3電荷対質量比にするステップと、
    偏向器を用い、滴対を構成する滴のうち第1電荷対質量比の第1滴を第1経路、同滴対を構成する滴のうち第2電荷対質量比の第2滴を第2経路に送り、また第3電荷対質量比の第3滴を第3経路に送るステップと、
    を有する液滴吐出方法。
  23. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、更に、第1経路を辿る滴及び第3経路を辿る滴をキャッチャで中途捕獲するステップを有する液滴吐出方法。
  24. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、第3経路が第1経路及び第2経路のうち一方とほぼ同一な液滴吐出方法。
  25. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、上記液が対記録媒体印刷用のインクを含む液滴吐出方法。
  26. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、上記ノズルが、ノズルアレイを構成するノズルのうち1個であり、上記帯電器に備わる帯電電極が、そのノズルアレイを構成するノズルから吐出される液ジェットそれぞれによって共用されその液ジェットに作用する電極である液滴吐出方法。
  27. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、第1滴の体積と第2滴の体積がほぼ等しい液滴吐出方法。
  28. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、第3滴の体積が第1滴の体積と第2滴の体積との和にほぼ等しい液滴吐出方法。
  29. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、上記滴生成器が、更に、
    上記液室、上記ノズル及び上記液ジェットのうちいずれかに作用する滴生成用トランスデューサと、
    その滴生成用トランスデューサに滴生成波形を供給する滴生成波形源と、
    を有する液滴吐出方法。
  30. 請求項29記載の液滴吐出方法であって、上記滴生成用トランスデューサが、サーマルデバイス、圧電デバイス、MEMSアクチュエータ、電気流体力学デバイス、光学デバイス、電歪デバイス又はその組合せである液滴吐出方法。
  31. 請求項29記載の液滴吐出方法であって、上記滴生成用トランスデューサに供給される滴生成波形が、液ジェット破断位相、滴速度及び滴体積のうち1個又は複数個を変調させる液滴吐出方法。
  32. 請求項29記載の液滴吐出方法であって、上記滴生成用トランスデューサに供給される滴生成波形が、励振コントローラから供給される印刷データに応じた波形である液滴吐出方法。
  33. 請求項29記載の液滴吐出方法であって、上記滴生成波形が、滴対を構成する滴のうち第1滴が生じる第1部分と、同滴対を構成する滴のうち第2滴が生じる第2部分と、を有する液滴吐出方法。
  34. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、第1滴及び第2滴のうち一方が非帯電滴であるのに対し他方が帯電滴である液滴吐出方法。
  35. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、帯電電極・液ジェット間の電位差を変化させる上記可変電位源が、励振コントローラから供給される印刷データに応答する電位源でない液滴吐出方法。
  36. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、帯電電極・液ジェット間の電位差を変化させる上記可変電位源が、それぞれ滴対周期の1/2に等しい期間に亘り第1電圧状態と第2電圧状態が現れる波形をもたらす液滴吐出方法。
  37. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、上記帯電電極が、液ジェットの破断点に隣ずるように配置された液滴吐出方法。
  38. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、上記偏向器が、更に、帯電滴を偏向させる1個又は複数個の偏向電極を有し、その偏向電極が電位源及び接地のうち一方に通電している液滴吐出方法。
  39. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、上記帯電器が帯電電極を有し、その帯電電極が、液ジェットの第1側に面する第1部分と、液ジェットの第2側に面する第2部分と、を有する液滴吐出方法。
  40. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、上記偏向器が、更に、帯電滴偏向用に滴偏向電界を発生させる電位源に通電する偏向電極を有する液滴吐出方法。
  41. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、第1滴及び第2滴が平均して滴対周期の1/2離れている液滴吐出方法。
  42. 請求項22記載の液滴吐出方法であって、第2電圧状態が直流オフセットを含む液滴吐出方法。
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