JP2015510850A - 静電プリンタにおける滴配置誤差低減 - Google Patents

静電プリンタにおける滴配置誤差低減 Download PDF

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

別のノズルグループからの印刷滴がノズルアレイ方向に沿って互いに整列しないよう、第1及び第2ノズルグループのうち一方の滴形成器に供給される滴形成波形のタイミングを、グループタイミング遅延器によってシフトさせる。帯電器が、それらノズルグループからの液ジェットに係る共通帯電電極と、帯電電極・液ジェット間にあり印刷滴パターン及び非印刷滴パターンとは独立な帯電波形を供給する可変電位源と、を有する。滴対を構成する滴のうち印刷滴上に印刷滴帯電状態、滴対を構成する滴のうち非印刷滴上に第1非印刷滴帯電状態、第3滴上に第2非印刷滴帯電状態が生じるよう、帯電器を滴形成器及びグループタイミング遅延器と同期させる。

Description

本発明はディジタル制御印刷システムの分野、特に液流を複数個の滴に破断してその一部を静電偏向させる連続印刷システムに関する。
インクジェット印刷は、見込みのある優秀な技術としてディジタル制御電子印刷の分野で認められている。その理由は、インパクトレスで低雑音な性質があること、普通紙を使用できること、トナー転写・固着が不要であること等にある。インクジェット印刷機構は、技術的にはドロップオンデマンドインクジェット(DOD)と連続インクジェット(CIJ)に大別できる。
前者即ちDOD印刷では、サーマルアクチュエータ、圧電アクチュエータ等の加圧アクチュエータを使用し記録面上にインク滴を射突させる。よく用いられているのは、サーマルアクチュエータでノズルからインク滴を吐出させるタイプのDODである。ノズル上又はノズル近傍に配したヒータでインクを熱して沸騰させれば、気泡発生により内圧を高めてインク滴を吐出させることができる。こうした形態のDODは一般にサーマルインクジェット(TIJ)と呼ばれている。
後者即ちCIJ印刷では、加圧インク源にてインクを加圧しノズルに送り込むことでそのインクによる連続液ジェット流を発生させる。適宜攪乱すれば、この液ジェット流を複数個のインク滴へともくろみに従い破断させることができる。印刷は、そのインク滴のうち不要なものを選択的に偏向させ捕獲することで行えばよい。滴を選択的に偏向させる手法としては、静電偏向、空気偏向、熱偏向等を含め、様々な機構を使用するものが開発されている。
DODかCIJかを問わずインクジェットプリンタで周知の問題の一つに、インク滴位置精度にまつわる問題がある。インクジェット印刷の分野で周知の通り、発生した滴乃至滴群に対しては、記録媒体上の画素領域内に付着し、ディジタル画像構成情報に基づく画素等を実現することが望まれる。記録媒体上におけるそれら画素領域の配置形態は一般に正方形又は長方形による実又は仮想アレイであり、印刷時にはそうした画素領域内の所要位置に滴を付着させること、例えば各画素領域の中央に付着させること(単純な印刷方式の場合)や画素領域内の複数位置に対し精密に付着させること(中間調印刷の場合)が求められる。滴の配置が不適切な場合や、滴同士の位置関係をうまく制御できず各画素領域で所要配置を達成できない場合、例えば隣接画素領域上で所要位置からの同傾向偏差が反復発生している場合には、偽像が発生することとなろう。
静電偏向式CIJ印刷には、ノズルからの距離がある所定値(破断長)の点(破断点)でその液ジェット流が所定サイズの滴へと破断するよう液ジェット流を攪乱する方式がある。この方式では、破断の瞬間にその滴上に入力画像データ相応量の電荷が誘起されるようその破断点付近に帯電電極が配置される。帯電された滴は一定静電界領域に送られ、その電荷対質量比に応じた幅に亘り偏向される。従って、破断点で付与された電荷量に応じその滴は記録媒体上の相応位置へ、或いは回収・還送用のガター(通称「キャッチャ」)へと送られることとなる。この方式を開示する文献としては、特許文献1(発明者:R.Sweet,発行日:1971年7月27日)がある。そこには、単一ジェット式のCIJ装置、即ち滴生成用の液室やノズルが単一のCIJ装置が示されている。同方式を用いた複ジェット式のCIJプリントヘッドも特許文献2(発明者:Sweet et al.,発行日:1968年3月12日)に開示がある。そこには、個々に帯電電極を有する液吐出ノズルで行(リニアアレイ)を形成し、それらのノズルで単一の滴生成室を共有するCIJプリントヘッドが示されている。この構成では、ノズル毎に帯電電極を設ける必要があり、印刷対象となる画像のデータに応じた電気的波形でその電極を個別駆動する必要がある。
これら従来型CIJプリンタに共通する既知の問題としては、隣のジェットに係る隣接電極からの静電界及びジェット破断付近における隣接帯電滴による画像データ依存性電界によって滴上の電荷に変動が引き起こされる、という問題がある。この入力画像データ依存性変動のことを静電クロストークと呼ぶ。特許文献3(発明者:Katerberg)には、隣接帯電滴からのクロストーク相互作用を抑える手法として、同じジェットからの隣接印刷滴間にガードガター滴を設ける手法が示されている。しかしながら、隣接電極からの静電クロストークがあるため、隣接電極間間隔の最小値ひいては印刷像の解像度が制限されることとなる。
即ち、従来型静電CIJプリンタでは、個別的にアドレス可能な帯電電極を設けねばならないため、基本ノズル間隔ひいては印刷システム解像度が制限されることとなる。そのため、個別アドレス可能なノズルのアレイをノズルアレイとして使用すること及び一定電位を呈する1個又は複数個の共通帯電電極を使用することにより、ノズル間隔の制約を回避する方法が幾通りか提案されている。そのうち一つは、特許文献4(発明者:Vago et al.)及び特許文献5(B.Barbet and P.Henon)記載の如く、ジェット破断長を制御する方法である。特許文献6(発明者:T.Yamada)には、滴体積に基づき帯電電極を一定電位で使用することで印刷を行う方法が記載されている。特許文献7(発明者:B.Barbet)には、破断長及び滴サイズに基づく静電帯電偏向機構として、共通帯電電極を一定電位で使用するものが記載されている。
静電偏向型CIJ印刷システムに係る他の既知の問題としては、隣接滴間静電相互作用によって滴飛行経路が変化し印刷品質及び滴位置が劣化する、という問題がある。特許文献8(発明者:P.Ruscitto)には、そのノズルからシーケンシャルに発せられる滴が互いに隣り合わせに印刷されることがないよう、ノズルからシーケンシャルに発せられるインク滴を非シーケンシャルに印刷する方法が記載されている。これは偏向電極に対し複数通りの電圧状態をシーケンシャルに印加することによる方法であり、印刷すべき画像シーケンスに依存する複数通りの電圧状態波形が必要である。特許文献9(発明者:V.Bischoff et al.)及び特許文献10(発明者:J.Zaretsky)には、現在の滴の形成中に印加される電圧を改変することによりすぐ直前に形成された滴に対する電荷の影響が補正されるよう形成対象滴に付与される電荷を補償する装置が記載されている。
高速高品質インクジェット印刷を行うには、小体積且つ密間隔の滴を記録媒体に正確に差し向ける必要がある。通常、インク静が帯電していることから、CIJプリンタでは、隣接ノズルに発せられた隣接滴間に滴対滴相互作用が発生する。この相互作用は滴配置及び印刷品質に悪影響を及ぼしうる。高密度ノズルアレイを用いた静電型CIJプリンタシステムでは、レシーバ上での滴配置誤差の主発生源が隣接帯電印刷滴間静電相互作用によるものである。
プリントヘッドから静電偏向ゾーンを介しレシーバ媒体に至る滴横断パターン(飛行距離)が変化するにつれ、印刷滴パターンに応じ滴間相対間隔が漸進的に変化する。隣接ノズルに発する密間隔印刷滴が気中飛行中に同様に帯電されている場合、静電相互作用によって、隣接印刷滴の間隔が、印刷滴がレシーバ媒体に向かうにつれて増大していく。これは、外方向向け目途印刷滴パターンの拡がりとして認知される印刷誤差、即ち「スプレイ」誤差又はクロストラック滴配置誤差をもたらす。飛行距離が増すにつれてスプレイ誤差が増すので、印刷滴・ガター滴間分離として定義される印刷マージンに悪影響を及ぼす飛行距離を、できるだけ短くする必要がある。
米国特許第3596275号明細書 米国特許第3373437号明細書 米国特許第4613871号明細書 米国特許第6273559号明細書 米国特許第7192121号明細書 米国特許第4068241号明細書 米国特許第7712879号明細書 米国特許第4054882号明細書 米国特許第3827057号明細書 米国特許第3946399号明細書 米国特許第7938516号明細書 米国特許第3656171号明細書
F. R. S. (Lord) Rayleigh, "On the Instability of Jets," Proc. London Math. Soc. 10 (4), published in 1878 J. A. Katerberg, "Drop charging and deflection using a planar charge plate", 4th International Congress on Advances in Non-Impact Printing Technologies
そのため、個別にアドレス可能なノズルアレイ及び共通帯電電極を使用し相応滴を静電的に偏向させる高印刷解像度連続インクジェット印刷システム、特に静電相互作用による滴配置誤差が少なく単純な構成、良好な印刷画像品質又は良好な印刷マージンを呈するもが引き続き求められている。
本発明の第1の目的は、印刷滴間静電相互作用により静電偏向型インクジェットプリンタにて生じる滴配置誤差を抑えることにある。本発明の第2の目的は、印刷滴軌跡・ガター滴軌跡間分離として定義される印刷マージンを増大させることにある。
本発明によれば、ノズルアレイ内液ジェットそれぞれにおける滴形成破断タイミングの画像データ従属制御、並びに画像データ独立時変性電位即ち帯電電極波形を有する共通帯電電極が提供される。滴形成は、入力画像データに応じ1個又は複数個の印刷滴及び1個又は複数個の非印刷滴からなるシーケンスが生じるよう制御される。ノズルアレイは、互い違いに配置されたノズルからなる第1グループ及び第2グループに分かれて配置された複数個のノズルで構成される。タイミング遅延器を用い、第2グループノズルの滴形成器に供給される滴形成波形に対し、第1グループノズルの滴形成器に供給される滴形成波形をシフトさせる。これにより、第1グループノズル由来印刷滴及び第2グループノズル由来印刷滴が、ノズルアレイ方向に沿って互いに整列しないようにする。印刷滴上に印刷滴帯電状態、非印刷滴上に印刷滴帯電状態とは実質的に異なる非印刷滴帯電状態が生じるよう、帯電電極波形及び滴形成波形を同期させる。次いで、偏向器を用いて印刷滴の経路と非印刷滴の経路を分離させ、キャッチャを用い非印刷滴を中途捕獲する一方、印刷滴をレシーバ方向経路沿いに飛行させる。
本発明によれば、滴対滴静電相互作用を抑えることによりCIJ印刷が改善され、従来のCIJ印刷システムに比べ滴配置精度が高まる。本発明によれば、更に、ノズルアレイのノズルに係る励振器に供給される信号の制御に係る複雑性が低減する。これにより、帯電電極の構造がより簡略になり、帯電電極構造・ノズル間の間隔が増す。本発明によれば、更に、隣接印刷滴間静電相互作用が弱まるため滴飛行距離を長めにすることができる。
本発明の一実施形態に係る印刷方法は、液室に備わる複数個のノズルを介し液ジェットを吐出させるのに十分な圧力下で液を供給するステップを有する。当該複数個のノズルはノズルアレイ方向に沿って配置される。当該複数個のノズルは第1グループと第2グループに分けて配置され、第1グループ及び第2グループが、第1グループノズルが第2グループ内隣接ノズル間に位置し第2グループノズルが第1グループ内隣接ノズル間に位置するよう互い違いに配置される。本方法は、複数個のノズルそれぞれに係る滴形成器を準備するステップを有する。本方法は、入力画像データを供給するステップを有する。本方法は、滴形成器それぞれに対し一連の滴形成波形を供給することにより液ジェットを変調させるステップを有する。本ステップは、当該変調により且つその液ジェットに係る滴形成器を用い、当該液ジェットの諸部分を経路沿いに飛行する1個又は複数個の滴対へと破断させるステップを含む。各滴対は平均して滴対周期だけ分かれる。各滴対は第1滴及び第2滴を有し、第1滴及び第2滴のうち一方が印刷滴、他方が非印刷滴である。本ステップは、当該変調により且つ滴形成器を用い、液ジェットの諸部分を経路沿いに飛行する1個又は複数個の第3滴に破断させるステップを含む。第3滴は平均して同じ滴対周期だけ分かれる。第3滴は第1滴及び第2滴より大きい非印刷滴である。これは入力画像データに応ずる。本方法は、第1グループノズル由来印刷滴と第2グループノズル由来印刷滴がノズルアレイ方向に沿って互いに整列しないよう、第1グループ及び第2グループのうち一方のノズルの滴形成器に供給される滴形成波形のタイミングを、グループタイミング遅延器を用いシフトさせるステップを有する。本方法は、第1グループノズルで形成された液ジェット及び第2グループノズルで形成された液ジェット双方に係る共通帯電電極、並びに帯電電極・液ジェット間にある可変電位源、を含む帯電器を準備するステップを有する。可変電位源は帯電波形を供給する。帯電波形は、印刷滴パターン及び非印刷滴パターンから独立である。本方法は、帯電器を滴形成器及びグループタイミング遅延器と同期させることで、滴対を構成する滴のうち印刷滴上に印刷滴帯電状態を、同滴対を構成する滴のうち非印刷滴上に第1非印刷滴帯電状態を、また第3滴上に第2非印刷滴帯電状態を、それぞれ発生させるステップを有する。第1非印刷滴帯電状態及び第2非印刷滴帯電状態は印刷滴帯電状態と実質的に異なる。本方法は、偏向器を用い、印刷滴帯電状態を有する滴と非印刷滴帯電状態を有する滴を互いに異なる経路沿いに飛行させるステップを有する。本方法は、滴対を構成する滴のうち非印刷滴と第3滴をキャッチャを用い中途捕獲する一方、滴対を構成する滴のうち印刷滴をレシーバに向かう経路沿いに引き続き飛行させるステップを有する。
本発明の一実施形態に係る連続インクジェットシステムの模式的概略ブロック図である。 滴生成器から吐出された液ジェットが基本周期τ0、滴間隔λで滴に破断する様子を示す図である。 本発明の一実施形態に関し、2グループ配置された4個の隣り合うノズル及びそれに対応するジェット励振器を示す模式的概略ブロック図である。 滴生成器から吐出された液ジェットが基本周波数の1/2で滴に破断する様子、特に(A)一対の滴が単一の滴として破断し一連なりに留まる様子、(B)一対の滴が単一の滴として破断し分離して再結合する様子、(C)それぞれ同様の破断タイミングで破断した滴が結合して単一の滴になる様子を示す図である。 帯電電極波形と共に8基本周期当たり1個の印刷滴を有する印刷シーケンスを生成すべく同一の滴形成パルス波形シーケンスを使用しグループ1内ノズルの滴形成トランスデューサに印加される滴形成パルス(A)、グループ2内ノズルの滴形成トランスデューサに印加される滴形成パルス(C)、並びにグループ1(G1)及びグループ2(G2)内滴の滴破断タイミング(B)を示すタイミング図である。 本発明の第1実施形態に係る連続液吐出システムに関し液ジェットを通る断面を示す図、特に全印刷条件で稼働している状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る連続液吐出システムに関し液ジェットを通る断面を示す図、特に非印刷条件で稼働している状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る連続液吐出システムに関し液ジェットを通る断面を示す図、特に一般的印刷条件で稼働している状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る連続液吐出システムに関し液ジェットを通る断面を示す図、特に全印刷条件で稼働している状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る連続液吐出システムに関し液ジェットを通る断面を示す図、特に非印刷条件で稼働している状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る連続液吐出システムに関し液ジェットを通る断面を示す図、特に一般的印刷条件で稼働している状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る連続液吐出システムに関し液ジェットを通る断面を示す図、特に全印刷条件で稼働している状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る連続液吐出システムに関し液ジェットを通る断面を示す図、特に非印刷条件で稼働している状態を示す図である。 2グループ配置された幾つかの隣接ノズル、特に基本周期で生成された滴が4個おきに別グループノズル間タイミングシフト2τ0で印刷されるものを示す図である。 幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に基本周期で生成される滴が4個おきに且つ別2グループ内ノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものを示す図である。 幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に基本周期で生成される滴が4個おきに且つ本発明の一実施形態に従い2ノズルグループ内ノズル間タイミングシフト2τ0で印刷されるものを示す図である。 幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に基本周期で生成される滴が6個おきに且つ別グループ内ノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものを示す図である。 幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に基本周期で生成される滴が6個おきに且つ本発明の一実施形態に従い2ノズルグループ内ノズル間タイミングシフト2τ0で印刷されるものを示す図である。 幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に基本周期で生成される滴が8個おきに且つ別グループ内ノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものを示す図である。 幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に基本周期で生成される滴が8個おきに且つ本発明の一実施形態に従い2ノズルグループ内ノズル間タイミングシフト2τ0で印刷されるものを示す図である。 全印刷モード時に幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に最高印刷速度の1/8で移動する基板上に別グループ内ノズル間タイミングシフト無しで印刷するためのものを示す図である。 全印刷モード時に幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に最高印刷速度の1/8で移動する基板上に本発明の一実施形態に従い3ノズルグループ内隣接ノズル間タイミングシフト2τ0又は4τ0で印刷するためのものを示す図である。 本発明の他の実施形態に係る連続液吐出システム、特に最高記録媒体速度及び全印刷条件で稼働しているそれに関し、液ジェットを通る断面を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る連続液吐出システム、特に最高記録媒体速度及び非印刷条件で稼働しているそれに関し、液ジェットを通る断面を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る連続液吐出システム、特に最高記録媒体速度及び一般的印刷条件で稼働しているそれに関し、液ジェットを通る断面を示す図である。 全印刷モード時に幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に最高印刷速度で移動する基板上に別グループ内ノズル間タイミングシフト無しで印刷するためのものを示す図である。 全印刷モード時に幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に最高印刷速度で移動する基板上に本発明の他の実施形態に従い2ノズルグループ内ノズル間タイミングシフト0.3τ0で印刷するためのものを示す図である。 グループ1及びグループ2内ノズルに係る滴の破断タイミング及び帯電電極波形、特に最高記録媒体速度及びグループタイミング遅延0.3τ0で全滴を印刷しているときのそれを示す図である。 幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に基本周期で生成された滴が1個おきに且つ別グループ内ノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものを示す図である。 幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行していく偏向前の滴のシーケンス、特に基本周期で生成された滴が1個おきに且つ本発明の一実施形態に従い2ノズルグループ内ノズル間タイミングシフト0.3τ0で印刷されるものを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る連続液吐出システム及び印刷電荷計測器に関し、液ジェットを通る断面を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る連続液吐出システムにおける幾つかの隣接液ジェットに関し、2ノズルグループ内ノズル間タイミングシフト2τ0で同一液ジェットの相連続する滴対間にガード大滴があるとの条件でジェット破断領域を示す図である。 本発明の諸実施形態に係る印刷方法のフローチャートである。
以下、別紙図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態に関し詳細に説明する。
以下の説明は、主に、本発明に係る装置を構成し又はそれと密接に関連する諸部材についてのものである。ご理解頂けるように、具体的な説明又は図示のない諸部材は、本件技術分野で習熟を積まれた方々(いわゆる当業者)にとり周知の諸形態を採りうる。以下の説明及び図面では、同様の部材を参照するに当たり、可能な限り同一の参照符号を使用している。
本発明の実施形態に関する図示は模式的なものであり、明瞭化のため実寸比からはずれている。いわゆる当業者であれば、それら実施形態の構成要素をどのようなサイズ及び相互関係にすればよいかを容易にご決定頂けよう。
本願記載の通り、本発明は、インクジェット印刷システム等で使用されるプリントヘッド又はその構成部材、という形態で実施することができる。使用される液は、インクジェット印刷システムならば対記録媒体印刷用のインクである。しかし、インクジェットプリントヘッドの用途は、液量が正確であること及び高い空間的分解能で堆積可能であることが求められる諸用途(吐出液がインクでないものを含む)へと拡がりつつある。そこで、本願では、「液」及び「インク」の語を、後述のプリントヘッド又はその構成部材により吐出可能な諸素材を包含する意味で使用することにする。
CIJ用滴生成器の根本にあるのは、非特許文献1にてひとまず二次元的に解析された非拘束流体ジェット物理学である。レイリー卿による解析の結果によれば、液に圧力Pを加えて孔(ノズル)から流出させると直径dj,移動速度vjの液ジェットが生じる。そのジェットの直径djは実効ノズル直径dnとほぼ等しく、速度はリザーバ内圧Pの平方根に比例する。レイリー卿による解析の結果は、その波長λがπdjより長い(或いはλ≧πdjである)表面波の働きでそのジェットが諸サイズの滴へと自然に破断することも示している。レイリー卿による解析の結果は、更に、十分に大きな振幅で与えれば特定の表面波長が支配的になり、それによってそのジェットが「励振」されて単一サイズ滴群が生じることも示している。これを踏まえCIJ用滴生成器で使用されている周期的な物理プロセス、いわゆる「攪乱」(perturbation)又は「励振」(stimulation)には、ある特定の支配的な表面波をジェット上に発生させる働きがある。励振の働きによる破断、即ちジェットからの単一サイズ滴群の生成は、その攪乱の基本周波数に同期する。また、ジェットの破断効率が最大になる周波数、即ち破断までの所要時間が最短の周波数を最適周波数Foptと呼ぶ。最適周波数Foptでの攪乱波長λはほぼ4.5djである。攪乱波長λがπdjに等しい周波数は、その周波数より高い周波数で液ジェットを攪乱しても滴生成へと発展することがないことから、レイリー遮断周波数FRと呼ばれている。
本願では、レイリー励振の適用で滴の流れを発生させることを、所定体積滴の流れの生成、と呼んでいる。従来型のCIJシステムにて、印刷即ちパターン化層堆積に使用される注目滴が不可避的に単位体積となるのに対し、本発明では、励振信号の操作によって単位体積の所定数倍の滴を生成可能である。そこで、「所定体積の滴の流れ」なる語を以て、互いに同一のサイズの滴へと破断されている流れや、想定に従い様々なサイズの滴へと破断されている流れを包含させることとする。
CIJシステムでは、流体流がちぎれ精密な滴配列を生成するに当たり、予め定められている単位体積よりかなり小体積の滴、いわゆる「サテライト」が生じることがある。そうしたサテライトの挙動は全く予想できないし、他の滴と予測可能な形態で融合するとは限らないので、サテライトは印刷又はパターニング向け滴体積に微変をもたらす原因となる。ただ、本発明の実施に当たり小体積且つ予測不能なサテライトが生じていてもさして邪魔にはならず、また使用する同期的励振信号次第で滴サイズが予め定まってくるという事実が左右されるものでもない。所定体積の滴は、それぞれ、その滴の生成に係る滴形成波形部分を有する。サテライト滴は、その生成に係る波形の個別部分を有していない。そこで、本発明に関する説明中で使用される語「所定体積」については、予測不能なサテライトが生じたことによる滴体積の目標値からの小ずれを許容するものとものと理解されたい。
これから図1〜図20を参照して説明する例では、滴帯電、滴偏向、滴捕獲、滴生成(滴励振)及び滴速度変調用の諸部材についてある特定の組合せを念頭に置いている。ご理解頂けるように、本発明の技術的範囲内で、これらの部材は入替可能であるし、それら部材の組合せ方を変えることが可能である。
図1及び図2に示すCIJ印刷システム10にはインクリザーバ11が備わっており、プリントヘッド12、別称液吐出器は、そこからインクの連続的な押送を受けることで、自液吐出器12に備わるノズル50それぞれから連続インク流43を発生させる。画像源13は本システム10にディジタル画像処理データを送ってくるディジタルデータ源、例えばラスタ画像データ、ページ記述言語で記述されたアウトライン画像データ等の諸形態でディジタル画像データを供給するスキャナ、コンピュータ、ディジタルカメラ等である。画像プロセッサ16は画像源13からの画像データを周期的に受領する。プロセッサ16は、その画像データを処理し内蔵するメモリ内に保存する。通常、プロセッサ16として使用されるのはラスタ画像プロセッサ(RIP)であり、これは、受領した画像データを印刷データ、即ち印刷用画素のビットマップに変換する。励振コントローラ18は、その印刷データを周期的に受け取り、時変性の電気的励振パルスからなるパターン即ち励振波形55を発生させることで、後述の如くヘッド12上の個々のノズル出口にて滴の流れを発生させる。発生した励振波形を構成する励振パルス群は、連続インク流43から滴35及び36が破断するよう、適当な振幅、デューティ比及びタイミングで個々のノズル50に係る励振器(群)59に供給される。ヘッド12及び偏向機構14は、互いに協働することで、あるときにはインク滴片を記録媒体19上の画像メモリ内データ相応位置に付着させ(印刷し)、またあるときには偏向させてインクリサイクルユニット15経由で回収する。媒体19はレシーバとも呼ばれ、通常は紙で形成されている。ユニット15内に入ってきたインクはリザーバ11へと還送される。そのインクを加圧下でヘッド12の背面へと分配するためのインクチャネルとしては、基板(通常はシリコン製)に設けられた室又はプレナムを使用する。或いは、そうした室をマニホルド片に形成しそのマニホルド片をシリコン基板に装着するようにしてもよい。通常、インクは、その室から、ヘッド12のシリコン基板にエッチングで形成されているスロットや孔を介し、同基板の前面、即ちノズル群や励振器群がある面へと供給される。最適動作に結びつく好適なインク圧は多数の要因、例えばノズルの形状及び熱的特性やインクの熱的特性及び流体力学的特性に依存することとなろう。インク圧を一定に保つには、インク圧安定化器20の制御下でリザーバ11を加圧すればよい。偏向機構14としては、空力偏向方式のものや静電偏向方式のものを使用することができる。
画像プロセッサ16例えばRIPは、印刷に当たり、画像データを画素マッピング型の画像ページデータに変換する。印刷時には、媒体移送コントローラ21による電子制御下、複数個ある移送ローラ22で記録媒体19をプリントヘッド12に対し移動させる。論理コントローラ17、例えばマイクロプロセッサ利用型で周知の如く相応にプログラミングされているそれは、制御信号を供給することで、媒体移送コントローラ21の動作をインク圧安定化器20及び励振コントローラ18に対し協調させる。その励振コントローラ18は1個又は複数個の励振波形源56を備えており、これは、印刷データに応じて滴形成波形を発生させその滴形成波形即ち励振波形55を各ノズル50又は液ジェット43に係る滴形成器(群)59に供給する。供給される励振波形を構成する励振パルスに応じ、滴形成器59は連続インク流即ち液ジェット43を攪乱し、その液ジェットから個別の液滴を破断させる。滴は、ノズルプレートの距離がBLの位置で液ジェット43から破断する。従って、プロセッサ16内情報は、印刷に使用されるべきインク滴片の所要付着位置指定、回収・再利用の対象となるべき滴片の特定等、滴形成用データの総体的な源泉を代表しているといえる。
ご理解頂けるように、媒体移送制御機構としては様々なものを使用することができる。例えばページワイズプリントヘッドの場合、プリントヘッド12を固定しておき記録媒体19を動かす構成にするのが都合よい。他方、走査型印刷システムの場合は、プリントヘッドをある軸(いわゆる主走査方向)に沿い動かす一方、記録媒体をそれに直交する軸(いわゆる副走査方向)に沿い動かすことで、相対的なラスタ運動を発生させる構成にするのが都合よい。
励振波形55を構成する滴生成パルスは、励振コントローラ18にて発生した後、信号伝送の分野で周知の通り、通常は電圧パルスの形態をとり導電接続部材経由でプリントヘッド12の滴形成器59に供給される。しかし、他種パルス、例えば光パルスをヘッド12の滴形成器59に送り個別のノズルで印刷用の滴(印刷滴)及び印刷用でない滴(非印刷滴)を発生させることも、インクジェット印刷分野で周知の通り可能である。生成された印刷滴は空気中を記録媒体方向に飛行した後記録媒体上の相応画素領域に射突し、非印刷滴は後述のキャッチャにより捕獲される。
図2に係る印刷システムのプリントヘッドを動作させることで、ノズル50のアレイから液ジェット43のアレイを吐出させることができる。個々の液ジェット43に対しては、滴形成器59や励振波形即ち滴形成波形55を滴形成トランスデューサに供給する滴形成波形源56が設けられている。滴形成器59は滴形成トランスデューサや励振トランスデューサと通称されるものであり、液ジェットに攪乱を発生させることが可能な各種装置形態、例えばサーマルデバイス、圧電デバイス、MEMSアクチュエータ、電気流体力学デバイス、光学デバイス、電歪デバイス、その組合せ等の形態をとることができる。
本発明は、液ジェット破断タイミングの制御を様々な伴う印刷滴選定方式で実行することができる。そのうち第1印刷滴選定方式では、滴対周期にて一対の滴を発生させるか。それと同じ滴対周期内でより大きな結合した滴を発生させる。この第1印刷滴選定方式では、滴対周期にて一つの滴が生成された場合それらのうち1個が印刷され、より大きな結合した滴が滴対周期で生成された場合は印刷されない。即ち、第1印刷滴選定方式を用いた場合の最高印刷滴周波数は、滴対の生成周波数、或いは最高記録媒体速度の1/2に等しい。第1印刷滴選定方式を用いた場合、ノズルアレイを構成する任意のノズルからの相連続する印刷滴それぞれの前後に少なくとも1個の非印刷滴が常在する。第2印刷滴選定方式では、ほぼ同一の体積を有する滴を基本滴形成周波数で発生させる。第2印刷滴選定方式を用いた場合、個々の滴を印刷することができるので、最高印刷周波数が基本滴形成周波数に等しくなる。米国特許出願第13/115434号(名称:滴電荷及び質量を用いた液吐出(EJECTING LIQUID USING DROP CHARGE AND MASS),譲受人:本願出願人)、米国特許出願第13/115465号(名称:滴速度変調を伴う液吐出システム(LIQUID EJECTION SYSTEM INCLUDING DROP VELOCITY MODULATION),譲受人:本願出願人)、米国特許出願第13/115482号(名称:滴速度変調を用いた滴吐出方法(LIQUID EJECTION METHOD USING DROP VELOCITY MODULATION),譲受人:本願出願人)及び米国特許出願第13/115421号(名称:滴電荷及び質量を用いた液吐出(LIQUID EJECTION USING DROP CHARGE AND MASS),譲受人:本願出願人)は第1印刷滴選定方式との併用に適したものである。この参照を以て各文献の全内容を本願に繰り入れることにする。特許文献11(発明者:M.Piatt and R.Fagerquist,譲受人:本願出願人)に記載の手法は、共通帯電電極を用い別々の位相(時刻)で形成された滴片の選択的帯電及び偏向に関する手法であり、第2印刷滴選定方式との併用に適したものである。この参照を以て特許文献11の全内容を本願に繰り入れることにする。
注記すべきことに、本発明は、これら二種類の印刷滴選定方式に限定されるものではなく、液ジェット破断タイミングの制御に基づく種々の印刷滴選定方式に適用することができる。図4〜図13に示すのは第1印刷滴選定方式に基づく諸実施形態であり、図14〜図17に示すのは第2印刷滴選定方式に基づく諸実施形態である。印刷周期は、単一のノズルに由来する相連続した印刷滴間の最小時間間隔として定義される。各印刷周期間には、最大で、ノズル1個あたり1個の印刷滴を印刷することができる。印刷周期は、第1印刷滴選定方式を用いた場合滴対周期又は2τ0に等しくなり、第2印刷滴選定方式を用いた場合基本滴形成周期τ0に等しくなる。
図3に、ノズルアレイを構成しており隣り合っている4個のノズル50及びそれに対応する滴形成器59の例を示す。この例では、滴形成器59が熱的に駆動されており、励振波形源56によって供給される電圧により駆動される抵抗性負荷で構成されている。使用するトランスデューサの種類によっては、液室内の液に作用するよう、ノズル50に液を供給する液室の内部又は近傍に滴形成トランスデューサが配置される。或いは、ノズルを通過する液に作用するよう、ノズルの内部又はすぐ脇に滴形成トランスデューサが配置される。或いは、ノズル内を通過した液ジェットに作用するよう液ジェットの近傍に滴形成トランスデューサが配置される。滴形成波形源は、基本周波数f0及びそれに対応する基本周期τ0=1/f0を有する波形を滴形成トランスデューサに供給する。これは液ジェットに波長λでの変調をもたらす。基本周波数f0は、通常はFoptに近く、常にFRより低い。変調が振幅的に成長すると液ジェットの一部が破断して滴が発生する。滴形成器の動作により、基本周波数f0及び基本周期τ0=1/f0にて一連の滴を発生させることができる。
滴形成に係る基本周期が与えられている場合、最高記録媒体速度即ち最高印刷速度は、基本周波数f0で励振されたジェットから破断される個々の滴が印刷解像度設定により定まる所望の滴間隔で印刷されうる速度として定義される。例えば、あるプリントヘッドを印刷解像度600×600dpi(1インチ当たり滴数;1インチ=約2.5cm)、基本周波数f0=400kHzで稼働させた場合、最高印刷速度は3333.33ft/min即ち16.93m/sとなる。一般に、全印刷条件で印刷するに当たり相連続する印刷滴間で形成される非印刷滴の個数は記録媒体の速度に依存する。例えば最高記録媒体速度の1/2にて各画素を印刷する場合、基本周波数f0で生成される滴が1個おきに印刷され、各画素を最高記録媒体速度の1/4にて印刷する場合、基本周波数f0で生成される滴が4個おきに印刷される。
図2では、ノズル50から距離BLにあるジェット破断位置32にて一定周期で液ジェット43が滴に破断している。基本周波数で生成され対をなしている相連続する滴(図2中で符号35及び36が付されている滴)間の距離は、実質的に、液ジェットに対する攪乱の波長λに等しい。液ジェットからのこの一連の滴破断は、それぞれ滴35及び滴36からなる一群の滴対を発生させる。各滴対は第1滴及び第2滴を有し、第1滴及び第2滴のうち一方が印刷滴、他方が非印刷滴である。第1滴及び第2滴なる語は、滴対における滴の時間的形成順序を表すものではない。滴対34の形成周波数波一般に滴対周波数fpと呼ばれ、fp=f0/2で与えられる。対応する滴対周期はτp=2τ0で与えられる。
通常、プリントヘッドにおけるノズル50のアレイ全体に係る励振トランスデューサの滴励振周波数は、プリントヘッド12内の全てのノズルについて等しい。最高記録媒体速度の1/2以下で印刷する場合、滴を滴対34にラベリングするのが都合よい。また、最高記録媒体速度の1/2以下で印刷する場合、第1印刷滴選定方式を用い、図4に示す如く大きな非印刷滴即ち大滴49を生成するのが都合よい。後に説明する通り、本発明を実施するに当たっては滴35及び36が別々の帯電状態へと帯電されるため、本発明の諸実施形態に関し説明する際には、滴35を印刷滴、滴36を非印刷滴と見なす。一連の印刷滴を最高記録媒体速度で印刷する場合、形成される一連の滴それぞれが印刷されるので、それらの滴は、印刷滴35及び非印刷滴36からなる滴対34を形成するものとは見なせない。この場合は、一連の滴は印刷滴35のみ又は陽印刷滴36のみとなろう。第2印刷滴選定方式を用い最高記録媒体速度で印刷する場合、大きな非印刷滴49を用いることなく印刷滴35及び非印刷滴36のみが生成される。
滴の形成は、基本周波数f0で稼働する滴形成器により供給される励振パルスに関連付けられる。それは、実質的に同体積で距離λ離れている滴を形成する。ご理解頂けるように、図2に示す例では第1滴と第2滴が実質的に同体積であるが、第1滴と第2滴の対が平均してその滴形成周波数で形成されることとなるよう第1滴及び第2滴を別々の体積にすることもできる。例えば、第1滴:第2滴間の体積比は約4:3〜約3:4の間で変化させることができる。図2中の液ジェット43に係る励振は、その液ジェット又はノズル50に係る滴形成トランスデューサによって独立に制御される。一実施形態においては、滴形成トランスデューサ59が、ノズル50に隣接する1個又は複数個の抵抗性素子又はヒータを備える。この実施形態では、任意形状の周期的電流パルスを送ることによって液ジェット励振が実現される。このパルスは、滴形成波形源56によって生成され、滴形成器の各オリフィスを取り巻く抵抗性素子59に流れる。
インクジェットノズルから吐出される液流からの滴形成のダイナミクスは、個別のノズルオリフィスに係る個別の滴形成トランスデューサに印加される波形を変化させることにより変化させることができる。波形又はそのシーケンスにて他のパルスを基準に振幅、デューティ比及びタイミングのうち一通り又は複数通りを変化させることにより、個別のノズルオリフィスの滴形成ダイナミクスを変化させることができる。ご理解頂けるように、滴形成波形を構成する滴形成パルスは、図4に示した幾通りかのモードを介し、単一の大きな滴即ち第3滴又は大滴49を形成するよう調整することができる。その長さが2連続基本波長であるジェットのセグメントは、図4(A)に示す如く、単一の大滴49に破断させた後一体のままにすることができる。その長さが2連続基本波長であるジェットのセグメントは、図4(B)に示すように、単一の大きな滴に破断させた後2個の滴49a及び49bに分離させ再度一体化させることができる。その長さが2連続基本波長であるジェットのセグメントは、或いは、図4(C)に示すように、2個の滴49a及び49bに破断させた後大きな滴49へと一体化させることができる。滴49a及び49bは、破断時の速度が互いに異なるためいずれは大きな滴49へと一体化される。大滴49は基本周波数の1/2でもたらされ、隣り合う大滴間の平均間隔が2λであり、ジェットからの破断位置が図4中の破断面BOL即ち破断位置33である。本発明の諸実施形態では、大滴49が印刷されず非印刷滴となる。
本発明を実施するに当たっては、滴形成トランスデューサに供給され大滴49を発生させる滴形成波形55を、大滴破断長(BOL)が図2中の小さな滴35及び36の破断長(BOL)に近い長さになるよう、即ち大滴49と小滴35及び36が帯電電極44付近で破断するよう、定めることができる。本発明を実施するに当たっては、複数個の非印刷滴からなるシーケンスが入力画像データによって求められているときに大滴49を発生させるのが有益である。大滴49は第3滴又は大非印刷滴とも呼ばれる。印刷滴35、非意印刷滴36又は大非印刷滴49を形成すべくジェット破断タイミングを制御することにより、記録媒体19上に任意のパターンを印刷することができる。
図2には、更に、帯電電極44及び帯電電圧源51を有する帯電器83が示されている。帯電電圧源51は帯電電極波形97を発生させ、帯電電極に供給される電圧信号を制御する。液ジェットに係る帯電電極はその液ジェット43の破断位置に面して配置されている。帯電電極44に非零電圧が印加されると、その帯電電極と、電気的に接地されている液ジェットと、の間に電界が発生する。帯電電極と電気的に接地されている液ジェットとの間の容量性結合によって、導電性を有する液ジェットの一端に正味電荷が誘起される。(液ジェットは、接地されている滴生成器の液室との接触によって接地されている。)液ジェットの端部が破断して滴が形成される際には、液ジェットの端部にあった正味電荷が、新たに形成される滴上に捕獲される。帯電電極上の電圧レベルを変化させると、帯電電極・液ジェット間容量性結合を通じ、液ジェット上に誘起される電荷が変化する。即ち、新たに形成される滴上の電荷を、帯電電極の電位を変化させることで、制御することができる。
帯電電極44上の電圧は、帯電電極44・液ジェット43間帯電電極波形97の形態をとり可変電位を供給する帯電電圧源51によって制御される。第1印刷滴選定方式を使用する実施形態においては、帯電電極波形97は、通常、基本周波数の1/2に等しい滴対周波数fp=f0/2(時間で言えば基本周波数の2倍に等しい滴対周期τp=2τ0)で稼働する二状態波形である。帯電電極波形97は、互いに異なる第1電圧状態(ここでは非印刷滴電圧状態)及び第2電圧状態(同じく印刷滴電圧状態)を有している。各電圧状態は、最高記録媒体速度の1/2以下で印刷する際には、通常、基本周期に等しい期間に亘りアクティブになる。第2印刷滴選定方式を使用する実施形態においては、帯電電極波形は、基本周波数f0(時間で言えば基本周期τ0)で稼働する二状態波形である。各電圧状態は、通常、基本周期の1/2たるτ0/2に等しい期間に亘りアクティブになる。
帯電電極に供給される帯電電極波形は、印刷すべき画像データから独立な波形(印刷すべき画像データに応じて変化しない波形)である。帯電器83は、帯電電圧源51によってもたらされる帯電電極波形と滴形成波形源のクロックとの間に固定的位相関係が保たれるよう滴形成波形源56と同期される。この同期が生じるのは、帯電電極波形周期が、滴形成トランスデューサに供給される滴形成波形の周期と等しいかその整数倍であるためである。そのため、滴形成トランスデューサに供給される画像データに対し帯電電極波形が独立であるにもかかわらず、滴形成波形・帯電電極波形間位相関係が保たれる。結果として、滴形成波形によって与えられ、液流から滴の破断が生じる位相が、帯電電極波形に対し位相ロックされる。例えば、第1印刷滴選定方式を使用する実施形態においては、図2に示した滴35及び36が、互いに異なる帯電状態を呈するよう時間的に1基本周期τ0離れて生成される。印刷滴35が印刷滴帯電状態まで帯電され、非印刷滴36が非印刷滴帯電状態(第1非印刷滴帯電状態とも称する)まで帯電されるよう、帯電電極が印刷滴電圧状態であるときに印刷滴が形成され、非印刷滴電圧状態であるときに非印刷滴が形成される。第1非印刷滴帯電状態は印刷滴帯電状態と異なる。更に、非印刷滴36は第1非印刷滴電荷対質量比を有し、印刷滴35は印刷滴電荷対質量比を有する。
第3滴(大滴49)が図4に示す如く生成されている場合、即ち相連続する大滴が基本周期の2倍たる2τ0で形成されている場合、帯電電極が非印刷滴電圧状態であるときに、相連続する大滴が破断する。これは、第2非印刷滴帯電状態まで帯電された第3滴をもたらす。第2非印刷帯電状態も印刷滴帯電状態と異なる。その長さが2個の相連続する基本波長に等しく、帯電電極が非印刷滴電圧状態であるときに一体に破断して単一の大滴(図4A)が形成されるような、ジェットのセグメントにより形成された大滴49を考えよう。液ジェット破断時にそのセグメント上に誘起される電荷は、そのセグメントの表面積、並びにそのセグメントの表面における電界強度に依存する。破断して大滴になるセグメントの表面積が破断して第1滴になるセグメントの約2倍であり、また帯電電極によって印加される電界が滴対内第1滴に対し帯電電極により印加される電圧と概ね同じであるので、その破断時に大滴上に誘起される電荷は、滴対内第1滴の電荷の約2倍になる。大滴の質量は滴対内第1滴の質量のほぼ2倍に等しいので、ジェットのうちその長さが相連続する基本波長であり共に破断して単一の大滴を形成するセグメントにより形成される大滴の電荷対質量比は、従って、第1電荷対質量比状態を有する滴36の電荷対質量比状態にほぼ等しくなる。ジェットのうちその長さが相連続する基本波長であるセグメントにより形成される大滴49の電荷対質量比は、その大滴が2個の滴に分かれた後合体する(図4B)のか、それとも1個の大きな滴であり続けるのか、の別には依存しない。
その長さが2個の相連続する基本波長であるジェットのセグメントを互いに異なる初期速度を有する2個の個別滴(図4(C)の如く合体して大滴意なる滴)として破断させる波形は、更に、当該2個の個別滴の破断位相が十分に近くなる(ほぼ同時になるか基本周期の小部分(<25%)に該当する時間差になる)よう、調整することができる。これら合体して大滴になる2個の滴は、帯電電極が非印刷滴電圧状態であるときに共にジェットから破断するよう、そのタイミングを調整することができる。これにより、2個の個別滴の合体により形成される大滴を、第2非印刷滴電圧状態へと帯電させることができる。ほぼ等しい滴破断タイミングを有する成分滴からなる結合版の大滴は第3電荷対質量比を有する。大滴49の第3電荷対質量比状態は滴36の第1電荷対質量比状態とほぼ同じである。図4に示した三例のいずれでも、大滴49は、第2非印刷帯電状態まで帯電された第3滴である。また、滴対を構成する2個の滴の破断位相が帯電電極が非印刷滴電圧状態である間に破断しないよう、また当該2個の滴がその偏向や回収に先立ち合体しないよう、滴形成波形を調整又は選定することもできる。これらの滴は、それぞれ、他の非印刷滴とほぼ同じ電荷対質量比を有することとなろう。他の印刷滴選定方式では、互いに別の帯電電極電圧状態を呈している間に滴形成波形55で滴49a及び49bを液ジェットから破断させ、相異なる帯電状態を有する2個の滴を発生させることができる。滴49a及び49bの間の初期速度差が、それらが合体して別の結合滴帯電状態を呈するような値である場合、大滴49が生成される。
図3に、本発明の一実施形態に関し、隣り合っていて2グループに配列されている4個のノズル50と、それに対応するジェット励振器と、を示す。当該複数個のノズルは、第1グループのノズルと第2グループのノズルが交互に位置するよう第1グループG1と第2グループG2とに分けて配置されている。即ち、第1グループに属するノズルは第2グループ内隣接ノズル間に位置しており、第2グループに属するノズルは第1グループ内隣接ノズル間に位置している。サーマル滴形成トランスデューサ59は、ノズル50を取り巻く抵抗性負荷で構成されている。滴形成トランスデューサ59は、励振波形源56から供給される電圧によって駆動される。その励振波形は、図5(A)に示す通り、印刷滴励振波形セグメント及び非印刷滴励振波形セグメントからなる一連の滴形成波形で構成されている。本発明の諸実施形態のうち第1印刷滴選定方式を使用する実施形態では、三種類の波形セグメント、即ち印刷滴形成パルス98、非印刷滴形成パルス99及び大滴形成パルス94が発生する(図5上部参照)。この場合、励振波形は、一連の滴対形成パルストレインで形成される。第1印刷滴選定方式を使用する実施形態においては、最多で1個の印刷滴を、滴対周期として定義される2τ0の期間に発生させることができる。滴形成波形55のパルス94は、帯電電極44に面する位置にて大滴を破断、生成させ、パルス98及び99は帯電電極44に面する位置にてより小さな印刷滴及び非印刷滴を破断、生成させる。位相シフトは、生成される滴対毎に、帯電電極が印刷滴電圧状態96であるときにジェットから第1滴が破断しその第1滴35上に印刷滴帯電状態がもたらされるよう、且つ帯電電極が非印刷滴電圧状態95であるときにその滴対の第2滴がジェットから破断し同滴対の第2滴36上に非印刷滴帯電状態がもたらされるよう、セットされる。滴形成波形55におけるパルス94のタイミングは、帯電電極が非印刷滴帯電状態であるときに大滴が破断するよう制御される。画像データが印刷滴を求めるデータである場合、滴対形成パルストレインは、印刷滴形成パルス98及びそれに続く非印刷滴形成パルス99で構成される。画像データが非印刷滴を求めるデータである場合、滴対形成パルストレインは大滴形成パルス94で構成される。第1非印刷滴帯電状態及び第2非印刷滴帯電状態は同様の状態であり、印刷滴帯電状態とは異なっている。これにより、印刷滴・非印刷滴間に偏向具合の差を付けること、ひいては非印刷滴をキャッチャで捕獲させる一方印刷滴を記録媒体上に印刷させることができる。
ご理解頂けるように、互いに隣接するノズルにおける隣接印刷滴間の距離を大きくすることで、記録媒体上で滴配置誤差をもたらす印刷滴間静電相互作用を抑えるのが望ましい。これを実現するため、複数個のノズルが、第1グループノズルと第2グループノズルが交互に位置するよう第1グループG1と第2グループG2とに分けて配置される。即ち、図3に示すように、第1グループに属するノズルが第2グループ内隣接ノズル間に配置され、第2グループに属するノズルが第1グループ内隣接ノズル間に配置される。第1グループに属するノズルに対する励振波形の開始時点を制御するため、第1グループトリガ76が印加され、第2グループに属するノズルに対する励振波形の開始時点を制御するため、第1グループに対し時間的に遅延した第2グループトリガ77が印加される。図3に、タイミング遅延用の第1グループトリガ76及び第2グループトリガ77を伴うグループタイミング遅延器78を示す。第1グループトリガ76は、対応するグループG1に属するノズルそれぞれに対し同時に作用し、そのグループに属するノズルそれぞれに次滴形成用パルストレインを同時にトリガする。第2グループトリガ77は、対応するグループG2に属するノズルそれぞれに対し同時に作用し、そのグループに属するノズルそれぞれに次滴形成用パルストレインを同時にトリガする。通常、個々のグループトリガ76及び77は互いに異なっており、それぞれ、帯電電極44に印加される帯電電極波形97が印刷滴電圧状態であるときに印刷滴を破断させること及び非印刷滴電圧状態であるときに非印刷滴を破断させることができる。このことによって、第1グループトリガ76・第2グループトリガ77間タイミング遅延差Δtdに制限が課される。例えば、第1印刷滴選定方式を使用する実施形態においては、所要の印刷滴が印刷され非印刷滴が印刷されないようにするため、Δtd=±δτ0,2τ0±δτ0,4τ0±δτ0,6τ0±δτ0,…であることが求められる(但しδは0と0.5の間の値)。第2印刷滴選定方式を使用する実施形態においては、Δtd=±κτ0であることが望まれる(但しκは0.10と0.45の間の値)。即ち、グループタイミング遅延器78は、第1グループノズル由来印刷滴と第2グループノズル由来印刷滴がノズルアレイ方向に沿って互いに並ぶことがないよう、第1グループ及び第2グループのうち一方に属するノズルの滴形成器に供給される滴形成波形のタイミングをシフトさせる。他の実施形態においては、専用のタイミング遅延器78を使用する代わりに、第1グループノズル由来印刷滴と第2グループノズル由来印刷滴がノズルアレイ方向に沿って互いに並ぶことがないよう、第1グループ及び第2グループのうち一方に属するノズル50の滴形成器56に対し供給される滴形成波形55にタイミング遅延を付与する。更なる実施形態においては、第1グループノズル由来印刷滴と第2グループノズル由来印刷滴がノズルアレイ方向に沿って互いに並ぶことがないよう、第1及び第2ノズルグループに係る滴形成器56に供給される入力画像データをシフトさせ第1グループ及び第2グループのうち一方に属するノズル50の滴形成器に対し供給される滴形成波形55のタイミングをシフトさせることで、タイミング遅延を実現させることができる。
図5に、本発明の実施形態のうち第1印刷滴選定方式を使用する実施形態を示す。本実施形態では、最高印刷周波数が滴対周波数に等しい。本実施形態では、第1グループノズルと第2グループノズルが互い違いに位置するよう、第1グループG1及び第2グループG2に分けて配置されたノズルアレイが使用されている。即ち、第1グループノズルが第2グループ内隣接ノズル間に位置し第2グループノズルが第1グループ内隣接ノズル間に位置するノズルアレイが使用されている。このタイミング図のうち(A)はグループ1内ノズルに係る滴形成トランスデューサに供給される滴形成パルスを、また(C)はグループ2内ノズルに係る滴形成トランスデューサに供給される滴形成パルスを示す図であり、8基本周期毎に1個の印刷滴を発生させる印刷シーケンスをもたらすべく同一の滴形成パルス波形シーケンスが使用されている。(B)には、グループ1(G1)の滴に係る滴破断タイミング及びグループ2(G2)の滴に係る滴破断タイミングが、帯電電極波形のタイミングと併せ示されている。図5の下部(A)に係るタイミング図は、滴形成波形又はヒータ電圧波形55のシーケンスを、ノズルのリニアアレイを構成するグループ1(G1)の単一ノズルについて時間の関数として表したものである。当該波形55は、液ジェットを変調するために使用されている。即ち、入力画像データに応じ、液ジェットの諸部分を、1個又は複数個の印刷滴及び1個又は複数個の非印刷滴を有するストリームに破断させるために使用されている。滴形成波形は滴励振波形とも呼ばれる波形であり、図示の通り種々の滴形成パルス94、98及び99で構成されている。図5の上部(C)は、滴形成波形に関する同様のシーケンスを、グループ2(G2)の単一のノズルについて、時間の関数として表したものであり、グループタイミング遅延41に亘り遅延している。図5の中部(B)は、図5(A)及び(C)に示した個別の滴励振波形パルスにより本発明の一実施形態に従い形成される滴の破断タイミングと共に、共通帯電電極電圧波形を時間の関数として表したものである。図5の下部(A)及び上部(C)に示す滴形成パルスは、ノズルアレイを構成するノズルのうち、対応するグループ1又は2のノズルそれぞれに係る滴形成器に供給される。当該ノズルアレイは液室内にあり、その液室は、ノズルアレイ方向に沿って配置された複数個のノズルを介し液ジェットを吐出させるのに十分な圧力に保持されている。図5の下部(A)及び上部(C)に示す滴形成波形パルスシーケンス(サーマル滴形成トランスデューサ59に印加されるヒータ電圧波形55)は互いに同一のものであり、ノズルのリニアアレイを構成する別グループの単一ノズルについて、経過時間の関数として表されている。滴形成波形は、その液ジェットが変調されるよう液ジェットに印加されている。即ち、入力画像データに応じ1個又は複数個の印刷滴及び1個又は複数個の非印刷滴を含むストリームへと、その液ジェットの諸部分が選択的に破断されている。図5の中部(B)には、グループ1(G1)内ノズルに関し図5(A)に示した個別の滴励振波形パルスによりもたらされる滴破断タイミング28に加え、グループ2(G2)内ノズルに関し図5(C)に示した個別の滴励振波形パルスによりもたらされる滴破断タイミング29が示されている。図5の中部(B)には、更に、共通帯電電極電圧Vの時間的変化、即ち帯電電極波形97も示されている。図5各部分の横軸には、滴35及び36に係る滴形成基本周期の2倍即ち2τ0或いは相連続する大滴49間の時間間隔に等しい滴対周期に従い、ラベリングが施されている。図5中の諸点は、滴対サイクル数2にて形成される滴対において、第1滴35が印刷滴であり記録媒体上に印刷されること及び第2滴36が非印刷滴でありキャッチャにより中途捕獲される(印刷されない)ことを表す一方、滴対サイクル数1,3,4,5では大非印刷滴49が形成されキャッチャにより中途捕獲されることを表している。第2滴対サイクルにおける滴形成波形は、滴形成パルス98及びそれに後続する非印刷滴形成パルス99を有しているので、図5(B)に示す破断タイミングにて第1滴35及び第2滴36が形成されることとなる。滴対サイクル1,3,4,5における滴形成パルス94は、図示の通りその破断タイミングにて大滴49を形成する。図5の中部(B)には、G1及びG2とラベリングされた2個のグループに関し破断タイミングが示されている。それら2個のグループ間には、両矢印線41で示す如くグループタイミング遅延Δtd=2τ0がある。ここでは、滴8個につき1個が基本周波数で生成されており、また同一のヒータ電圧波形が両グループのノズルに印加されている。この場合、第2グループのノズルに適用されるグループタイミング遅延41を発生させるのにグループタイミング遅延器78が使用されている。グループタイミング遅延41は、第2グループノズルが第2グループトリガ77によってトリガされる時刻と、第1グループノズルが第1グループトリガ76によってトリガされる時刻と、の間の差と等価である。一般に、タイミング遅延器は、第1グループノズル由来印刷滴と第2グループノズル由来印刷滴がノズルアレイ方向に沿って互いに整列しないよう、第1グループ及び第2グループのうち一方のノズルの滴形成器に対し供給される滴形成波形のタイミングをシフトさせる。また、2個のグループをなすノズルは、第1グループノズルが第2グループ内隣接ノズル間に位置し第2グループノズルが第1グループ内隣接ノズル間に位置するよう、互い違いに配置される。
図5(A)及び(C)には、基本周期8個ごとに印刷滴1個が生成される励振波形55の例が示されている。時間軸は滴対サイクル時間周期によって示されており、印刷滴は第2滴対サイクルの時間周期における第1滴として示されている。滴対サイクル時間周期1〜4に示す滴励振波形55は、8個の相連続する基本時間周期毎に1個の印刷滴が生成、印刷され続けるように反復されている。即ち、滴対サイクル数5における滴形成パルスは、滴対サイクル数1の滴形成パルスと同じものを反復したものである。この例では、励振波形55がヒータ電圧波形タイミング図であり、第2滴対サイクル中に印刷滴が生成されることを表している。グループ1内ノズルにおける次の印刷滴は第6滴対サイクルにて生成される。それは、滴対サイクル数6にて生起する破断イベント(黒塗り菱形)としてグループ1タイミング図中に表される。図5(B)に示した例では、図5(A)及び(C)に示したヒータ電圧パルスがそれぞれグループG1,G2のノズルに印加される。図5(B)では、液ジェットから個々の滴が破断するタイミングを、グループG1内ノズルに関しては黒塗り菱形、グループG2内ノズルに関しては白抜き菱形で表している。矢印付破線は、図5(A)及び(C)に示す個々の滴対時間間隔中に生起する滴の破断を発生させる滴形成パルスから、図5(B)に示す個々の滴の対応する破断イベントまで、引かれている。矢印付短鎖線28は対応する滴形成パルスによってもたらされるグループG1破断イベントを表しており、矢印付長鎖線29は対応する滴形成パルスによってもたらされるグループG2破断イベントを表している。
図5(B)には、更に、帯電電圧Vの時間的変化、即ち帯電電圧源51から帯電電極(44又は45)に供給される帯電電極波形97が示されている。図中の帯電電極波形97は正の高電圧状態95から低電圧状態96に至る50%デューティ比方形波であり、その周期は、滴帯電波形サイクル1個の間に一対の滴35及び36又は大滴49を形成できるよう滴形成基本周期の2倍、即ち滴対周期に等しい周期となっている。個々の滴対時間間隔に係る滴帯電波形は、非印刷滴電圧状態95及び印刷滴電圧状態96を呈する。非印刷滴電圧状態は高い電圧に対応し、印刷滴電圧状態は低い電圧に対応する。帯電電極波形は、可変電位源によって帯電電極・液ジェット間に供給される。帯電電極波形97は帯電波形とも呼ばれるものであり、印刷滴パターン及び非印刷滴パターンから独立である。図5では帯電電極波形97が50%デューティ比方形波として示されているが、そのデューティ比が50%でない方形波や、帯電電極波形周期中に複数通りの高レベル及び低レベル期間が生じる波形等、任意の帯電電極波形を本発明と併用することができる。
本発明を実施するに当たっては、印刷滴上に印刷滴帯電状態を発生させると共に非印刷滴上に印刷滴帯電状態とは実質的に異なる非印刷滴帯電状態を発生させるため、帯電器に印加される共通滴帯電波形を滴形成器及びグループタイミング遅延器と同期させる必要がある。遅延時間93を設けるのは、各滴対時間間隔における第1滴形成ヒータ電圧パルスの始点と、各帯電電極波形サイクルの始点との間に遅延を発生させ、好適に同期するようにするためである。帯電電極波形97の開始位相のタイミングは、印刷する滴と印刷されない滴との間の帯電レベル差が好適に画定されるよう調整される。理想的には、滴形成パルストレインのトリガと電極の帯電状態時間との間の遅延時間93は、電極帯電電圧波形の単一帯電状態時間間隔の中心にて滴が破断することとなるよう調整される。即ち、遅延時間93は、帯電電極波形・滴形成波形源クロック間の固定的位相関係が保たれるよう、滴形成器を電極帯電電圧源と同期させるのに使用される。遅延時間93を滴対周期の1/2に亘り変化させると、高電圧状態95にて印刷滴35が破断し、低電圧状態にて滴36及び大滴49が破断する。これは図7A〜図7Cに示す実施形態に適している。
図5には、帯電電極電圧が低電圧状態であるときに印刷滴がもたらされ、高電圧状態であるときに非印刷滴がもたらされる実施形態についてタイミング図が示されている。この場合、非印刷滴は高帯電滴であり印刷には使用されない。高帯電滴が印刷され低帯電滴が捕獲される実施形態では、帯電電極波形97の開始位相を、各滴対時間間隔における第1滴形成ヒータ電圧パルスの開始と帯電電圧サイクルの開始との間の遅延時間93を調整することで位相シフトさせる。例えば、第1印刷滴選定方式を使用する場合、滴形成の基本周期1個分を遅延時間93に加えると、破断時に大滴49及び非印刷滴36が低帯電状態になり、印刷滴35が印刷向けの高帯電状態になる。
図6A〜図8Bに、第1印刷滴選定方式を用いた本発明の諸実施形態に係る連続液吐出システム40を示す。このシステムにおいては、滴35及び滴36の対又は単一の大滴49が液ジェット43から破断される。或いは一対の印刷滴35が個々の滴対周期中に液ジェット43から破断される。図6A〜図6Cに示したのは本発明の第1実施形態であり、第1印刷滴選定方式を使用する第1ハードウェア構成を有すると共に、記録媒体19上に様々な印刷パターンを生成するよう稼働している。図7A〜図7Cに示したのは本発明の第2実施形態であり、第1印刷滴選定方式を使用する第2共通ハードウェア構成を有すると共に、記録媒体19上に様々な印刷パターンを生成するよう稼働している。図8A及び図8Bに示したのは本発明の第3実施形態であり、第1印刷滴選定方式を使用する第3共通ハードウェア構成を有すると共に、記録媒体19上に様々な印刷パターンを生成するよう稼働している。図6A、図7A及び図8Aに示した諸実施形態では最高記録媒体速度の1/2にて全印刷条件で稼働している。全印刷条件では、滴35及び36の対の連続シーケンスが基本周波数f0で生成され、形成された滴が1個おきに印刷される。図6A、図7A及び図8Aに示した印刷条件は、入力画像データ中の各隣接画素が記録媒体19上に印刷される全印刷条件として定義される。印刷画素は、記録媒体19上に現れる印刷インク滴46と等価である。全印刷条件では、図示の通り、隣接印刷インク滴46が記録媒体19上で互いに接触する。上述の通り、全印刷条件で印刷するに当たり相連続する印刷滴間で形成される非印刷滴の個数は記録媒体速度に依存する。最高記録媒体速度の1/2にて全印刷条件で稼働する場合、基本周波数f0で形成された滴が1個おきに印刷される。図6B、図7B及び図8Bに示した諸実施形態では非印刷モードで稼働している。このモードでは、大滴49の連続シーケンスが滴対周波数で、且つ滴35の質量と滴36の質量の和にほぼ等しい質量で生成される。滴はいずれも印刷されない。図6C及び図7Cには、最高記録媒体速度の1/2以下の速度を以て稼働する第1印刷滴選定方式を用いた一般的印刷条件が示されている。この条件では、滴対周期の間に滴35及び36の対並びに大滴49が生成される。滴36及び大滴49は印刷されず滴35は印刷される。
本発明の諸実施形態に係る連続液吐出システム40はプリントヘッド12を備えており、そのヘッド12には液室24が設けられている。液室24は、液流43を吐出するための1個又は複数個のノズル50からなるアレイと通流している。個々の液ジェットに対しては励振トランスデューサ59が設けられている。図示した諸実施形態では、ノズル50を取り巻くように励振トランスデューサ59が形成されている。複数個あるノズルそれぞれに、別々の励振トランスデューサ59を設けることができる。励振トランスデューサ59は、液ジェット43を基本周波数f0で周期的に励振する滴形成波形源56によって駆動される。第1印刷滴選定方式を使用する諸実施形態においては、液ジェット43が周期的に励振されると、滴対周期2τ0だけ時間的に分離した滴対34のシーケンス、或いは2τ0だけ時間的に分離され且つ互いに距離λだけ分離された大滴49のシーケンスへとジェットが破断する。滴35は印刷滴、滴36は非印刷滴である。滴対34は印刷滴35及び非印刷滴36で構成される。帯電電極44に面した位置で滴が破断した後、印刷滴35は第1帯電状態或いは印刷滴帯電状態と呼ばれる帯電レベルを取得し、印刷滴経路と呼ばれる第1経路37に沿って飛行していく。同様に、非印刷滴36は第2帯電状態、非印刷滴帯電状態或いは第1非印刷滴帯電状態と呼ばれる帯電レベルを取得し、非印刷滴経路或いは第1非印刷滴経路と呼ばれる第2経路に沿って飛行していく。キャッチャ47又は67は、非印刷滴経路38に沿って飛行してきた非印刷滴36を中途捕獲し回収するよう、且つ印刷滴経路37に沿って飛行してきた印刷滴35がキャッチャの脇を通った後記録媒体速度vmで移動中の記録媒体19に接触することとなるように配置されている。印刷滴35は、図示の通り、記録媒体19に射突して印刷インク滴46となる。また、図6B、図6C、図7B、図7C及び図8Bに示されているのはより大きな第3滴即ち大滴49である。帯電電極44に面する位置で大滴49が破断した後、その大滴49は第3帯電状態、大非印刷滴状態,アタは第2非印刷滴帯電状態と呼ばれる帯電レベルを取得し、大非印刷滴経路又は第2非印刷滴経路とも呼ばれる第3経路39に沿って飛行していく。キャッチャ47又は67は、大非印刷滴経路39に沿って飛行してきた大非印刷滴49を中途捕獲及び回収できるようにも配置されている。
図6A〜図6C、図8A及び図8Bにおいては、非印刷滴36及び大非印刷滴49が負電荷を有している。逆極性を有する二通りの電圧状態を使用する別の実施形態においては、非印刷滴は負帯電ではなく正帯電される。これらの図では印刷滴35上に何の電荷も示されていないが、ご理解頂けるように、印刷滴の破断中に帯電電極・液ジェット間電圧が0である場合、これらの滴は、通常、非印刷滴とは逆の極性を呈する電荷を有する。図7A及び図7Bでは、印刷滴35が負電荷を有する一方、非印刷滴36及び大非印刷滴49は何も電荷を有していない。図6A〜図6C、図7A〜図7C、図8A及び図8Bに示す諸実施形態においては、通常、非印刷滴36及び大非印刷滴49が印刷滴35のそれとは逆の極性の電荷を有する。印刷滴と非印刷滴の間にこうした逆極性帯電が生じることは、印刷窓自由度に望ましい影響を与えうる。なぜなら、偏向器の動作下においては、印刷滴がキャッチャから退く経路に沿って飛行すると共に、非印刷滴がキャッチャに向かう別の経路に沿って飛行していきキャッチャで中途捕獲されるからである。これにより、印刷滴・非印刷滴間分離を増し、非印刷滴をより確実にキャッチャで中途捕獲させることができる。しかしながら、印刷滴が帯電していると、近いところにある印刷滴間に静電相互作用が発生し、印刷時に記録媒体上の滴配置誤差をもたらすこととなりかねない。印刷滴の軌跡と非印刷滴の軌跡が離れてしまうと、印刷滴間反発性静電相互作用によって、外側の印刷滴が非印刷滴で占められていない空間内へと跳ね返される。その結果、印刷された文字のストロークが所期のそれより広くなり、また隣接印刷滴間に不要なギャップが生じることにもなる。こうしたことが生じる度合いは、帯電プレートの滴帯電部材及び偏向部材の構成及び整列具合に依存する。
液ジェット43に対しては、図2に示すように、滴形成器59及び励振波形源56が設けられている。励振波形源56は、励振トランスデューサ59に励振波形55を供給することで、ノズル50を通る液ジェット43上に攪乱を発生させる。励振波形における励振パルスの個数、振幅、継続時間及びタイミングは、破断タイミング、破断場所及び滴サイズを含め、滴がどこでいつどのようにして形成されるのかを決定づける。相連続する滴間の時間間隔はその滴のサイズを決定づける。励振コントローラ18(図1参照)からのデータは励振波形源56に送られ、そこで、ノズル50の出口にて滴のストリームを発生させる時変性電圧パルスのパターンへと変換される。励振波形源56から励振トランスデューサ59に供給される個別の滴励振波形55、例えば図5(A)及び(C)に示したそれは、相連続する滴の破断タイミング及びその滴のサイズを決定づける。滴励振波形は、画像プロセッサ16から励振コントローラ18に供給される印刷データ又は画像データに応じ変化する。即ち、励振波形源から励振トランスデューサに供給される励振パルスのタイミングは印刷データ又は画像データに依存する。最高印刷速度の1/2以下の速度で移動している記録媒体上に印刷滴35を印刷するため、励振トランスデューサ59に供給される波形パルスシーケンスは、平均して基本周波数分だけ時間的に分離していてそのうち一方が印刷される滴の対をもたらすものとされる(図5(A)中の滴対サイクル2における印刷滴形成パルス98及び非印刷滴形成パルス99を参照)。最高印刷速度の1/2にて第1印刷滴選定方式を用い印刷を行い、印刷データ流によって印刷画素のシーケンスを発生させる場合、励振トランスデューサに供給される波形のシーケンスによって滴対のシーケンスが生成され、各滴対を構成する同じ滴が印刷される。この場合、図5(A)中の滴対サイクル2に示す滴形成パルス98及びそれに続く比印刷滴形成パルス99からなる同じ波形パルスシーケンスが反復される。印刷データが非印刷滴に係るものであり記録媒体上への印刷が最高印刷速度の1/2以下で実行される場合、励振トランスデューサに供給される波形は、図5(A)中の滴対サイクル1に示す如きパルス波形例えば94を用い大滴49を発生させるそれになる。印刷データが非印刷データのシーケンスに係るものである場合、励振トランスデューサに供給される波形は、図5(A)中の滴対サイクル数3、4及び5に示す如き大滴シーケンスをもたらすものとなる。これら大滴はいずれも印刷されない。通常、印刷データ流に基づき生成された波形のシーケンスは、一組の所定波形から選定された波形のシーケンスを構成する。その一組の所定波形は、滴対を構成する滴が合体せずそのうち1個が印刷されるよう1個の滴対時間周期2τ0中に滴対34を形成させるための1個又は複数個の波形と、印刷されない大滴を滴対周期中に1個発生させるための1個又は複数個の波形と、を含む。
図6A〜図8Bに示す諸実施形態に係る連続液吐出システム40では、本願で詳細に説明する諸例の帯電器82及び偏向機構14を当該連続液吐出システム40にて使用する形態にて、第1印刷滴選定方式が使用されている。諸実施形態に係る連続液吐出システム40は、図1を参照して説明した連続インクジェットシステムの構成部材を有している。諸実施形態に係る連続液吐出システム40は、ノズル50又はノズルアレイと通流する液室24を備えた液吐出器又はプリントヘッド12を有している。(これらの図では、ノズルのアレイが紙面前後方向に延びている。)液室24内の液は、ノズル50を介し液ジェット43を連続吐出させるのに十分な圧力で加圧される。各液ジェットは滴形成器59及び滴形成波形源56を有する。滴形成波形源56は、液ジェットのうち相連続する基本波長相応長部分が、一連の滴35に破断するよう、或いは初期経路に沿って飛行する第1滴36及び第2滴35を含む滴対又は同じ初期経路に沿って飛行する一連の大滴49に破断するよう、液ジェットを変調させる励振波形55を供給する。波形源56によって供給される波形は、いずれかの対の滴35及び36又は大滴が各滴対周期中に形成され又は最高記録媒体速度での印刷時に滴35及び36の対が形成されるように、調整又は選定される。連続液吐出システムは、更に、液ジェットアレイに係る帯電電極44、帯電電極44a及び44b、帯電電極45或いは帯電電極45及び45aと、帯電電極・液ジェット間に可変的な電位を印加する可変電位源(帯電電圧源51)と、を有する帯電器83を備えている。第1印刷滴選定方式を使用し印刷する場合、可変電位源51は、滴対周期2τ0に等しい周期を有する帯電電極波形を帯電電極に供給する。帯電電極波形は、通常、別々な第1及び第2電圧状態即ち印刷及び非印刷滴電圧状態を有する二状態波形であり、帯電電極に印加される帯電波形は、入力画像データによって指図される印刷滴パターン及び非印刷滴パターンから独立である。
図2を参照して説明した通り、帯電電極44は、ノズルアレイ内の液ジェット破断位置に面するように配置される。帯電器は、電極に面する位置で滴対のうち非印刷滴36が破断するとき第1電圧状態又は非印刷滴電圧状態95がアクティブになるよう、且つ電極に面する位置で滴対のうち印刷滴35が破断するとき第2電圧状態又は印刷滴電圧状態96がアクティブになるよう、滴形成器と同期される。印刷滴及び非印刷電圧状態で帯電電極により電界がもたらされる結果、各滴対を構成する滴のうち、印刷滴上に印刷滴電荷対質量比状態、非印刷滴上に非印刷滴電荷対質量比状態即ち第1非印刷滴電荷対質量比状態がもたらされる。帯電器は、更に、大滴49又は時間的に密接した滴49a及び49b(短い間に立て続けに破断し後に合体して単一の大滴49になるもの)が帯電電極44に面する位置で破断する際、非印刷電圧状態のみがアクティブになるよう、滴形成器と同期される。即ち、第3電荷対質量比状態、言い換えれば第2非印刷電荷対質量比状態が大滴49上にもたらされる。第2非印刷滴電荷対質量比状態は第1非印刷滴電荷対質量比状態と同様の状態である。
図6A〜図6Cに示す実施形態では、帯電電極44が偏向器14の一部を構成している。液ジェットの片側にあり破断点に面している帯電電極44に電位を印加すると、その帯電電極44によって、滴の破断に先立ちそのジェットの帯電端が吸引されるのに加え、液ジェットからの破断で生じた帯電滴36及び49が吸引される。こうした偏向機構は非特許文献2に記載されている。また、この偏向器14にはキャッチャ47も備わっている。特許文献12(発明者:J.Robertson)記載の通り、導電キャッチャ面の面前を帯電滴が通過すると、その導電キャッチャ面52上に表面電荷が誘起される結果、その帯電滴がキャッチャ面52に吸引されることとなる。
キャッチャを使用するのは、滴を媒体上に選択的に付着させるため、また非印刷滴を中途捕獲してインクリサイクルユニット15に送れるようにするためである。図6A〜図6C,図7A〜図7C及び図8A及び図8Bに示す諸実施形態では、非印刷滴経路38に沿って飛行してきた滴及び大非印刷滴経路39に沿って飛行してきた滴がキャッチャ47によって中途捕獲される一方、印刷滴経路37を辿って下降してきた滴が記録媒体19に接触して印刷される。これらの実施形態では、滴対を構成する滴のうち非印刷滴上に誘起される第1非印刷滴帯電状態及び大非印刷滴上に誘起される第2非印刷滴帯電状態が互いに同様であり、滴対を構成する滴のうち印刷滴上に誘起される印刷滴帯電状態と異なっている。図6A〜図6C、図8A及び図8Bに示す諸実施形態においては、キャッチャによって中途捕獲され回収に回るよう第1及び第2非印刷滴が強帯電、偏向される一方、印刷滴が弱帯電であり、図示の如くあまり偏向されない。実際には、印刷滴はキャッチャから退く方向に偏向され記録媒体に射突する。図7A〜図7Cに示す実施形態では、記録媒体に接触して印刷されることとなるよう、印刷滴が強帯電されキャッチャ67から離れる方向に偏向される。この実施形態では、キャッチャ67が、非印刷滴経路に沿って飛行してきた非印刷滴及び大非印刷滴経路に沿って飛行してきた大非印刷滴、即ちあまり帯電しておらず(ほとんど)偏向されない滴を中途捕獲する。
図6A〜図6C、図8A及び図8Bに示す諸実施形態では、接地されたキャッチャ47が帯電電極44の下方に配置されている。このキャッチャ47の役割は、印刷媒体又は基板19に接触して印刷されることがないよう、帯電滴を中途捕獲又は回収することにある。このキャッチャ47によれば、更に、プリントヘッドから再度ジェットとして吐出させることができるよう、印刷に使用されなかったインクを回収(リサイクル)することができる。また、同図に示すプリントヘッド12を好適に動作させるため、キャッチャ47、キャッチャ底板57又はその双方が接地されているので、中途捕獲された滴上の電荷は、キャッチャ面52沿いにインクが流れ落ちインク回収チャネル58(インクの回収口)内に入るまでに散逸していく。キャッチャ47のキャッチャ面52は、図2に示した液ジェット軸87に対しある角度θをなしている。帯電している滴36や帯電している大滴49は、接地されているキャッチャ47のキャッチャ面52へと吸引される。帯電滴キャッチャ接触位置26にてキャッチャ面52に中途捕獲された滴36、並びに帯電大滴キャッチャ接触位置27にてキャッチャ面52に中途捕獲された大滴49は、インク膜48となってキャッチャ47の表面を下降していく。非印刷滴36に係るキャッチャ接触位置26の高さと、大非印刷滴49に係るキャッチャ接触位置27の高さは、両滴の電荷対質量比がほぼ同じであるためほぼ同じ高さとなる。キャッチャの下部には半径Rの曲面があり、またキャッチャ底板57及びその上方に位置するインク回収チャネル58があるので、インク膜48を形成しているインクをそこで捕獲し回収することができる。電極に面する位置にて滴が破断する際に電極44から液ジェット43にかけて正の電位差が存在している場合、形成される滴上に負電荷が誘起され、液ジェットからの滴の破断後もその状態が保持される。滴の破断時に電極44から液ジェット43にかけて電位差が存在していない場合、形成される滴上に電荷が誘起されず、液ジェットからの滴の破断後もその状態が保持される。しかしながら、液ジェットから破断される第2滴が帯電第1滴36と容量結合しているため、第2帯電状態にて帯電電極が0Vであるときでさえも、第2滴上に電荷が誘起されうる。ご理解頂けるように、印刷滴35上の実際の電荷は、非印刷滴36上の電荷の大きさに近く、その極性は逆極性である。
本発明を容易に理解できるようにするため、図6A〜図6C、図8A及び図8Bでは、印刷滴経路37で示すように、滴35が(ほとんど)偏向しないものとしている。容易に理解できるようにするため、図2中の液ジェット軸87に対応するよう印刷滴経路37を描いてある。滴対を形成する滴のうち非印刷滴36は、非印刷滴経路38に沿い飛行するにつれ当該非印刷滴36が偏向するよう、強帯電状態とされている。本発明によれば、個々の滴形成時間間隔中に、滴生成基本周波数f0又は滴周期τ0にて1個の印刷滴を印刷することができる。本発明によれば、第1印刷滴選定方式を使用することで、滴対周波数fp=f0/2又は滴対周期τp=2τ0にて1滴対サイクル当たり1個の印刷滴を印刷すること、またその印刷滴それぞれの前後に少なくとも1個の非印刷滴を形成することができる。
図7A〜図7Cに、本発明の第2実施形態に係り第1印刷滴選定方式を使用している連続インクジェットシステムに関し諸種の印刷条件を示す。図示したのは液ジェットを通る断面であり、(ほとんど)偏向しない大滴49及び(ほとんど)偏向しない非印刷滴36がキャッチャ67によって収集される一方、偏向された印刷滴35がキャッチャの脇を通り抜け記録媒体19上に印刷されている。図7Aに示すのは最高記録媒体速度の1/2で印刷する際の全印刷条件における滴対シーケンス、図7Bに示すのは最高記録媒体速度の1/2以下で印刷する際の非印刷条件における滴対シーケンス、図7Cに示すのは最高記録媒体速度の1/2以下で一部の滴を印刷する一般的印刷条件である。図7Bでは大滴49が破断間近であり、これは2個の別々の滴49a及び49bとして一緒に破断された後分離して単一の大滴49へと再融合する。滴49a及び49bをほぼ同時に2個の滴として破断させ単一の大滴へと融合させることもできる。図7Aに示すように、帯電電圧源51は、一連の滴対を構成する滴のうち第1滴36が帯電電極44によって第1帯電状態まで帯電されるよう且つ滴対を構成する滴のうち第2滴35が帯電電極44a及び44bによって第2帯電状態まで帯電されるよう、滴形成の滴対周波数にて反復的な帯電電極波形97を供給する。
図7A〜図7Cに示す実施形態においては、帯電電極44が、液ジェットから見て互いに逆側に位置する第1部分44a及び第2部分44bを有している。液ジェットはそれら帯電電極の2部分管で破断する。通常、帯電電極44の第1部分44a及び第2部分44bは、個別の電極とされるか、或いは同一装置の別部分とされる。電極は、2半部間に平行ギャップが形成されるよう、単一の導電素材から形成することができる。帯電電極の左部分及び右部分は、帯電電圧源51によって同電位までバイアスされる。第1部分44aから見て液ジェットの逆側に第2帯電電極部分44bを設け、同一電位にバイアスすることで、帯電電極部分44a・44b間領域に、ジェットの中心に対してほぼ左右対称な電界を発生させることができる。その結果、電極間で液ジェットから破断する滴の帯電が、ジェットの横方向位置の小変化に対し非常に不感になる。液ジェットについて電界がほぼ対称であるため、破断間近な滴に対し大きな横方向偏向力を作用させることなく滴を帯電させることができる。本実施形態では、偏向機構14が一対の偏向電極53及び63を有している。これらの電極は、帯電電極44a及び44bよりも下方にあり、また滴49a及び49bが融合して単一の大滴49になる点よりも下方にある。これら2電極間の電位差は、負帯電している滴が左方向に偏向されるような電界が電極間に生じる電位差となっている。滴偏向電界の強度はこれら2電極間の距離及びそれらの間の電圧に依存する。本実施形態では偏向電極53が正バイアス、偏向電極63が負バイアスされている。接地されている液ジェットを挟み、これらに電極を互いに逆の極性にバイアスすることで、印刷滴と非印刷滴36及び大非印刷滴49との間の分離度を高めることができる。
図7A〜図7Cに示した実施形態では、非印刷滴軌跡を遮断すべくナイフエッジ型のキャッチャ67が使用されている。キャッチャ67はキャッチャレッジ30を有しており、対をなす偏向電極53及び63より下方に配置されている。キャッチャ67及びそのレッジ30の向きは、非印刷滴経路38沿いを辿ってきた非印刷滴36及び大非印刷滴経路39を辿ってきた大滴49がキャッチャによって中途捕獲される一方、印刷滴経路37を辿ってきた帯電印刷滴35は中途捕獲されないような向きに、設定されている。キャッチャは、キャッチャに射突してくる滴がキャッチャレッジ30の斜面に射突し、衝撃によるスプラッシュが最小になるように配置するのが望ましい。帯電印刷滴35は記録媒体19上に印刷される。
図7A〜図7Cに関するこれからの説明のため、帯電電圧源51が、滴形成の基本周波数の1/2にてほぼ50%デューティ比の方形波を供給するものと仮定する。電極44a及び44bが正電位である場合、接地されているジェットから43から破断されていく滴35は負に帯電される。滴36の形成中に電極44上の電圧が低電圧に切り替わると、負に帯電している穿孔する滴との容量性結合を通じ、接地されているジェット43から破断されつつある滴35上に正電荷が誘起される。偏向電極53上に正電位を印加すると、負に帯電している滴35は偏向電極53の表面方向へと更に吸引される。偏向電極63上に負電位を印加すると、負に帯電されている滴35が偏向電極63に対し反発し、これは滴35を偏向電極53方向に偏向させる上で助力になる。偏向電極上に印加された電圧によって生成される電界は、滴35が十分に偏向してガターレッジ30から外れ記録媒体19上に印刷されることとなるよう、滴35に対し十分な力を作用させる。同様に、僅かに正帯電している滴36は偏向電極63方向に吸引され、これは滴36をキャッチャ67で捕獲する上で助力となる。図7A〜図7Cに示す構成を好適に動作させるためには、図6A〜図6Cに示す構成で使用される二状態波形97に対し、二状態波形97の位相を逆相即ち約180°異なる位相にする必要がある。図7A〜図7Cに示した構成では、非印刷滴36及び大非印刷滴49が別々の帯電状態を有し、それらは印刷滴35上の帯電状態と相違している。
図7Cに、滴35及び36の対がより大きな滴49と併せ生成される通常印刷シーケンスを示す。帯電滴35が印刷インク滴46として移動記録媒体19上に印刷される一方、非印刷滴36及び非印刷大滴49はキャッチャ67によって捕獲され印刷には回らない。印刷インク滴46のパターンは、図1を参照して説明した通り、画像源13からの画像データに対応したものになる。図7Cに示した実施形態では、付加的なエアプレナム61が帯電電極・ノズルプレート構成間に形成されている。図示しない空気源からエアプレナムに供給された空気は、矢印線65で示すように、帯電電極の第1部分44aと第2部分44bの間を通る際に、液ジェット及び滴流を取り巻く。初期滴軌跡に対しほぼ平行に流れるこの気流は、滴に作用する空気抵抗効果ひいては滴配置誤差を抑えるのに役立つ。
図8A及び図8Bに、本発明の第3実施形態に係り第1印刷滴選定方式を使用すると共に電極ガター一体型構成を採る連続インクジェットシステムに関し、液ジェットを通る断面を示す。図8Aに示すのは最高記録媒体速度の1/2で稼働する全印刷条件における滴対のシーケンスであり、図8Bに示すのは最高記録媒体速度の1/2以下で稼働する非印刷条件における滴対のシーケンスである。図8Aでは印刷滴35が正電荷、非印刷滴36が負電荷を有するものと想定されている。従って、印刷滴はキャッチャから離れる方向、即ち図中で液ジェット軸87に対し右側の方向に偏向していく。
図8A及び図8B中でジェット43の右側に記されている部材はいずれも付加的なものであり、本発明の第3別途実施形態を組成している。絶縁体68及び付加的な絶縁体68aはそれぞれ帯電電極45及び付加的な第2帯電電極部分45aの上面に接着されている。これらは、プリントヘッドを帯電電極45及び45aから電気的に絶縁するため並びに帯電電極45及び付加的な帯電電極45aを液ジェット43の破断位置32に面して配置するための絶縁スペーサとして機能する。絶縁体68の上面とノズル50の吐出面との間にはギャップ66が形成されている。帯電電極45及び45aの縁のうちジェット43に面する縁は、破断領域内電界強度が高まるようひいては帯電滴36及び大帯電滴49上により多くの電荷が誘起されるよう、図8A及び図8Bに示す通り角度付けされている。更に、帯電電極45の下面には絶縁スペーサ69が接着されている。付加的な帯電電極45aの下面には付加的な絶縁スペーサ71が接着されている。絶縁体68の下面には、帯電電極45の上面のうち液ジェット43に面する部分を取り巻くように絶縁性接着剤64が付されている。同様に、付加的な絶縁体68aの下面には、帯電電極45aの上面のうち液ジェット43に面する部分を取り巻くように絶縁性接着剤64aが付されている。更に、絶縁スペーサ69には、インクジェット滴に向く側の面及び電極45の下面を接着する絶縁性接着剤62が付されている。付加的な絶縁スペーサ71にも、インクジェット滴に向く側の面及び電極45の下面を接着する絶縁性接着剤62aが付されている。絶縁性接着剤64、64a、62及び62aの役割は、絶縁体の表面上に液によって連続的な膜が形成されることを防ぐこと、並びに電極45から液を斥け電気的短絡の可能性を排除することにある。接地ガター47は、絶縁スペーサ69の下面及び絶縁性接着剤64に、図6A及び図6Bに示す如く接着されている。付加的な絶縁スペーサ71の下面には接地導体70が接着されている。接地導体70の下面には付加的な絶縁体72が接着されている。その絶縁体72の下面には、ガター47の上部に面するよう付加的な偏向電極74が接着されている。その偏向電極74の下面には付加的な絶縁体73が接着されている。ガター47の下部には接地導体75が隣接しており、その接地導体75が絶縁体73の下面に接着されている。接地導体70は電極45・偏向電極74間シールドとして機能し、キャッチャ前面の滴偏向電界から滴破断付近の滴帯電領域を分離する。これにより、ジェットから破断しつつある滴上に誘起される電荷が、偏向電極により生成された電界の影響を受けにくくなる。接地導体75の役割は、偏向電極により生成される電界からキャッチャの滴射突領域を遮蔽することにある。滴射突領域にそうした電界があると、ガター47の表面からのミスティング及びスプレイが生じやすくなる。図8A及び図8B中の偏向電極74は、図7A〜図7Cに示した偏向電極63と同様にして機能する。
図9に、本発明の連続インクジェットシステムに備わるプリントヘッド12上で9個隣接している液ジェット43のアレイに関し正面図を示す。この図では9個の隣接するノズルが、ラベルG1及びG2が付された互い違いのグループ2個に分かれて配置されている。ここでは第1印刷滴選定方式が使用されている。稼働モードとしては、基本滴形成周期にて生成された滴が4個おきに且つ別グループ間タイミングシフト2τ0で印刷されるモードが使用されている。これは、別グループノズル間タイミングシフト2τ0でまた最高印刷速度の1/4で実行される全印刷モードを表している。図9では、大非印刷滴49の後に印刷滴35があり、その印刷滴35の後に非印刷滴36があり、更にその非印刷滴36の後に次の大非印刷滴49があり、その次に次の印刷滴がある。印刷滴35及び非印刷滴36は基本周期τ0分だけ時間的に離れて生成されており、大非印刷滴は基本周期の約2倍2τ0分だけ前の滴から時間的に離れて生成されている。グループG1及びG2のノズルに供給される波形の間には2τ0のタイミング遅延が付与されている。共通帯電電極44はノズル12のアレイに現る個々の液ジェットに関連付けられており、滴35及び36の破断位置32並びに大滴49の破断位置33に面して配置されている。大滴49はグループG1内ノズル全てにおいて破断し、非印刷滴36は同じ帯電電極電圧状態中にグループG2内ノズル全てにおいて破断する。また、非印刷滴36はグループG1内ノズル全てにおいて破断し、大滴49は同じ帯電電極電圧状態中にグループG2内ノズル全てにおいて破断する。ノズルグループG1及びG2の全印刷滴35が、別々の帯電電極電圧状態中に破断する。図5(B)に例示した帯電電極波形は、好ましいことに、50%のデューティ比及び2τ0の周期を有する二状態波形である。接地キャッチャ47上には、キャッチャ面全体に亘り形成された連続インク膜48がある。これは、偏向されキャッチャによって高さ位置26及び27にて中途捕獲された帯電滴36及び帯電大滴49によって形成されたものであり、滴35は印刷される。帯電滴36の経路38及び帯電大滴の経路39は実質的に同じであり、全てのガター滴がキャッチャ面によりほぼ同じ高さで中途捕獲される。これは、キャッチャ面上に安定且つ均一なインク膜を発生させ、滴配置精度を高くする上で有益である。ガター上のインク膜48は、キャッチャ47・キャッチャ底板57間のチャネル内に回収され、プリンタのインクリサイクルユニットに送られる。印刷滴35は記録媒体19に到達し印刷滴46となる。グループG1由来の印刷滴とグループG2由来の印刷滴は記録媒体19に別々のタイミングにて到達する。これらは、記録媒体移動方向に沿い、印刷速度相応量だけ互いにオフセットする。最高印刷速度の1/4及び別グループノズル間グループタイミングシフト2τ0で稼働している場合、このオフセットは、記録媒体19上で隣り合っているノズルに由来する印刷滴間で1/2画素オフセットとなる。最高印刷速度の1/32で印刷している場合、この2τ0のグループタイミングシフトは、記録媒体19上の隣接印刷滴間で1/16画素オフセットに相応する。
状況によっては、第1グループG1内ノズル由来の印刷滴及び第2グループG2内ノズル由来の印刷滴が記録媒体上で呈するオフセットを一定に保つことが望まれる。この場合、第1ノズルグループ・第2ノズルグループ間タイミングシフトを、ノズルアレイに対する記録媒体の速度に依存させればよい。そうすれば、レシーバ移動方向に沿って見たとき、レシーバ速度によらず、第1ノズルグループ及び第2ノズルグループで形成される印刷滴の位置間のシフトが固定になる。
図10A〜図13Bに、第1印刷滴選定方式を用いた滴のラインのシーケンスを示す。これらの滴は、相隣接する幾つかのノズルに由来するものであり、空気中を飛行しており、偏向やキャッチャによる中途捕獲に至っていない。印刷データは、隣り合う幾つかのノズル全てが同時に印刷滴又は非印刷滴を印刷するよう求めるものである。これは、記録媒体速度に依存しつつ横線又はべた塗り領域を印刷することに相当する。紙面左側にあり分図記号Aが付されている図の気中印刷パターンは従来技術を構成するものであり本発明の方法を用いていないのに対して、紙面右側にあり分図記号Bが付されている図の気中印刷パターンは本発明の方法を使用している。図10A〜図13Bのうち左側にあり分図記号Aが付されている気中印刷パターンが隣接ノズル励振間タイミングシフトを何ら使用しておらずそれらのノズルが複数個のグループに分離されていないのに対し、図10A〜図13Bのうち右側にあり分図記号Bが付されている気中印刷パターンは、別グループのノズルの励振トリガ間にタイミングシフトを設けつつ、複数個のグループに分かれて配置された隣接ノズルによって生成されている。これらの図では、印刷滴35がハッチング付の円で、非印刷滴36が黒塗りの円で、大非印刷滴49が大きな黒塗りの円で示されている。これらの図では、全7個のノズル上の全ての印刷滴からなる単一のラインに符号1〜7が付されている。
図10Aに、幾つかの隣接するノズルから発せられ気中を飛行しており偏向されていない滴のシーケンス、特に基本周期で生成された滴のラインが4本おきに別グループノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものを示す。これに対し、図10Bに、同じ幾つかの隣接するノズルから発せられ気中を飛行しており偏向されていない滴の同じシーケンス、特に基本周期で生成された滴のラインが4本おきに、本発明の実施形態に係る方法を適用し且つ隣接ノズル(符号G1及びG2が付された2個のグループに分かれて配置されているもの)間のタイミングシフトを2τ0として印刷されるものを示す。図10Bに示す滴パターンは図9に示したもの、但し非印刷滴がキャッチャによって中途捕獲される前のものに対応している。図10A及び図10Bに示した例では、大非印刷滴49の後に印刷滴35があり、その印刷滴35の後に次の大非印刷滴49があり、その次に次の印刷滴がある。印刷滴35及び非印刷滴36が基本周期τ0だけ時間的に離れて生成される一方、大非印刷滴は、基本周期の約2倍2τ0だけ前の滴から時間的に離れて生成されている。図10Aに示した印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴同士が隣り合っており、その距離がノズル間隔に等しくなっている。図10Bに示した本発明の実施形態に係る印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴が図10Aに示す例に比べ互いに大きく離れている。これにより、隣接帯電印刷滴間の滴対滴静電相互作用が抑えられるので、隣接印刷滴間の静電反発も抑えられる。隣接帯電印刷滴間の静電相互作用は、隣接ノズル間グループタイミング遅延が使用されていない場合、印刷滴を互いに変位させる。これに対し、図10Bに示すように隣接ノズル間グループタイミング遅延2τ0を使用している場合、隣接帯電印刷滴の変位が顕著に低減される。図10Bに示した例では、相連続する印刷滴35間に大非印刷滴49が挟まっているため、隣接印刷滴間静電相互作用が更に抑えられる。
図11Aに、第1印刷滴選定方式を使用しており幾つかの隣接するノズルから発せられ気中を飛行しており偏向されていない滴のシーケンス、特に基本周期で生成された滴のラインが6本おきに別グループノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものを示す。
これに対し、図11Bに、同じ幾つかの隣接するノズルから発せられ気中を飛行しており偏向されていない滴の同じシーケンス、特に基本周期で生成された滴のラインが6本おきに、本発明の実施形態に係る方法を適用し且つ隣接ノズル(符号G1及びG2が付された2個のグループに分かれて配置されているもの)間のタイミングシフトを2τ0として印刷されるものを示す。図11A及び図11Bでは、2個の相連続する大非印刷滴49の後に印刷滴35があり、その印刷滴35の後に非印刷滴36があり、その非印刷滴36の後に次の一対の大非印刷滴49があり、その次に次の印刷滴がある。図10A及び図10Bに示した例と同じく、印刷滴35及び非印刷滴36が基本周期τ0だけ時間的に離れて生成される一方、大非印刷滴は、基本周期の約2倍2τ0だけ前の滴から時間的に離れて生成されている。図11Aに示した印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴同士が隣り合っており、その距離がノズル間隔に等しくなっている。図11Bに示した本発明の実施形態に係る印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴が図11Aに示す例に比べやはり互いに大きく離れている。これにより、隣接帯電印刷滴間の滴対滴静電相互作用が抑えられるので、隣接印刷滴間の静電反発も抑えられる。
図12Aに、幾つかの隣接するノズルから発せられ気中を飛行しており偏向されていない滴のシーケンス、特に基本周期で生成された滴のラインが8本おきに別グループノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものを示す。これに対し、図12Bに、同じ幾つかの隣接するノズルから発せられ気中を飛行しており偏向されていない滴の同じシーケンス、特に基本周期で生成された滴のラインが8本おきに、本発明の実施形態に係る方法を適用し且つ隣接ノズル(符号G1及びG2が付された2個のグループに分かれて配置されているもの)間のタイミングシフトを2τ0として印刷されるものを示す。図12A及び図12Bでは、3個の相連続する大非印刷滴49の後に印刷滴35があり、その印刷滴35の後に非印刷滴36があり、その非印刷滴36の後に次の3個の大非印刷滴49があり、その次に次の印刷滴がある。図10A、図10B、図11A及び図11Bに示した例と同じく、印刷滴35及び非印刷滴36が基本周期τ0だけ時間的に離れて生成される一方、大非印刷滴は、基本周期の約2倍2τ0だけ前の滴から時間的に離れて生成されている。図12Aに示した印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴同士が隣り合っており、その距離がノズル間隔に等しくなっている。図12Bに示した本発明の実施形態に係る印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴が図12Aに示す例に比べやはり互いに大きく離れている。これにより、やはり隣接帯電印刷滴間の滴対滴相互作用が抑えられるので、隣接印刷滴間の静電反発も抑えられる。
図13Aに、幾つかの隣接するノズルから発せられ気中を飛行しており偏向されていない滴のシーケンス、特に基本周期で生成された滴のラインが8本おきに別グループノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものを示す。これに対し、図13Bに、同じ幾つかの隣接するノズルから発せられ気中を飛行しており偏向されていない滴の同じシーケンス、特に基本周期で生成された滴のラインが8本おきに、本発明の実施形態に係る方法を適用し且つ隣接ノズル(符号G1、G2及びG3が付された3個のグループに分かれて配置されているもの)対間のタイミングシフトを2τ0及び4τ0として印刷されるものを示す。図13A及び図13Bでは、3個の相連続する大非印刷滴49の後に印刷滴35があり、その印刷滴35の後に非印刷滴36があり、その非印刷滴36の後に次の3個の大非印刷滴49があり、その次に次の印刷滴がある。図10A、図10B、図11A、図11B、図12A及び図12Bに示した例と同じく、印刷滴35及び非印刷滴36が基本周期τ0だけ時間的に離れて生成される一方、大非印刷滴は、基本周期の約2倍2τ0だけ前の滴から時間的に離れて生成されている。図13Aに示した印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴同士が隣り合っており、その距離がノズル間隔に等しくなっている。図13Bに示した本発明の実施形態に係る印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、4及び5並びに5及び6が付されていて2τ0のタイミングシフトを有する気中印刷滴が図11Aに示す例に比べやはり互いに大きく離れており、また符号3及び4並びに6及び7が付されていて4τ0のタイミングシフトを有する気中印刷滴が符号1及び2、2及び3、4及び5並びに5及び6が付されている気中印刷滴に比べ互いにより大きく離れている。これにより、隣接帯電印刷滴間の電荷対電荷相互作用が更に抑えられるので、隣接印刷滴間の静電反発も抑えられる。
上述した第1印刷滴選定方式は、滴生成の基本周波数に基づき最高印刷速度又は記録媒体速度で印刷する場合には使用することができない。単一ノズルに由来する相連続する印刷滴間に少なくとも1個の非印刷滴が常在するからである。最高記録媒体速度での印刷が必要なシステムでは第2印刷滴選定方式を使用することができる。第2印刷滴選定方式を使用する実施形態においては、液ジェット43の周期的励振によって、ジェットが印刷滴35及び非印刷滴36からなり大滴49がないシーケンスへと破断する。1個の滴即ち印刷滴35又は非印刷滴36が、相連続する滴が平均して滴周期τ0だけ時間的に離れるように破断する。また、励振トランスデューサ59に印加される一組の所定励振波形55が、印刷滴35の形成に係る1個又は複数個の波形と、非印刷滴36の生成に係る1個又は複数個の波形とを含む。相連続する滴は平均して距離λだけ分離される。第2印刷滴選定方式を使用する場合、帯電器83は、印刷滴上に印刷滴帯電状態が生じ、非印刷滴上に印刷滴帯電状態とは実質的に異なる非印刷滴帯電状態が生じるように、滴形成波形源56及びグループタイミング遅延器78と同期させる必要がある。好適に同期させるため、可変電位源51が、滴形成基本周期τ0と等しい周期を有する帯電電極波形97を共通帯電電極44に印加する。帯電電極波形は2種類の電圧状態、即ち印刷滴電圧状態及び非印刷滴電圧状態を有する。入力画像データが印刷滴に係るものである場合、帯電電極波形が印刷滴電圧状態である間に、印刷滴形成波形が液ジェットからの滴の破断を発生させる。逆に、入力画像データが非印刷滴に係るものである場合、帯電電極波形が非印刷滴電圧状態である間に、非印刷滴形成波形が液ジェットからの滴の破断を発生させる。
図14A〜図14Cに、本発明の別の実施形態に係り第2印刷滴選定方式を使用している連続液吐出システム40を示す。図14A〜図14Cに示した装置の構成部材は、いずれも、図6A〜図6Cに示した構成部材と同じである。第2印刷滴選定方式を使用する場合、励振波形源56及び帯電電圧源は、それぞれ、第1印刷滴選定方式を使用する場合とは異なる一群の励振波形55及び帯電電極波形を供給するよう構成される。図14Aに示したのは第2印刷滴選定方式を用いた全印刷条件であり、最高記録媒体速度での印刷を呈しつつ、基本周波数で生成された相連続する滴35が印刷されている。図14Bに示したのは第2印刷滴選定方式を用いた非印刷モードであり、滴36からなる連続するシーケンスが基本周波数で生成されており且ついずれの滴も印刷されていない。図14Cに示したのは最高記録媒体速度で稼働する第2印刷滴選定方式を用いた一般的印刷モードであり、基本周波数で生成された幾つかの滴が印刷される一方、他の幾つかが印刷されずキャッチャ47によって捕獲されリサイクルに回されている。
図15A、図15B及び図17に、幾つかの隣接するノズルから発せられ気中を飛行しており非印刷滴が偏向されてキャッチャにより中途捕獲される前の、第2印刷滴選定方式を用いた滴のラインのシーケンスを示す。ここでは、印刷データが、幾つかの隣接するノズル全てが同時に印刷滴又は非印刷滴を印刷するよう要求されるようなデータとなっている。これは、記録媒体速度に応じ横線又は黒塗り領域を印刷することに相当する。分図記号Aが付されており紙面左側に示されている図中の気中印刷パターンは、従来技術を構成しており本発明の方法を使用していない。これに対し、分図記号Bが付されており紙面右側に示されている図中の気中印刷パターンは本発明の方法を使用したものである。図15Aには、幾つかの隣接するノズルに発し気中を飛行している滴のシーケンス、特に基本周波数で生成された滴のラインそれぞれが別グループ内ノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものが示されている。これに対し、図15Bには、同じ幾つかの隣接するノズルに発し気中を飛行している滴の同じシーケンス、特に基本周期で生成された個々の滴が上掲の本発明の別の実施形態に係る方法を適用し2グループ配置された隣接ノズル間のタイミングシフトを0.3τ0として印刷されるものが示されている。図15A及び図15Bは最高印刷速度で稼働する全印刷条件の例であり、図14Aに示した装置を用い生成することとができる。この場合、生成される滴全てが印刷滴35となる。図15Aに示した印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴が互いに隣り合っており、それらの間の距離がノズル間隔に等しくなっている。図15Bに示した本発明の実施形態に係る印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴が、やはり、図15Aに示したそれより互いに大きく離れている。隣接ノズルに由来する隣接滴間の縦方向距離は、滴破断のタイミング遅延である0.3τ0に相当している。これにより、隣接帯電印刷滴間の電荷対電荷相互作用、ひいては隣接印刷滴間の静電反発が抑えられる。
図16として、全ての滴を最高記録媒体速度で且つ図15B及び図14Aに示した如く第2印刷滴選定方式を用い印刷する際の、ノズルグループG1及びノズルグループG2内個別ノズルに発した滴の破断タイミング及び帯電電極波形を表すタイミング図を示す。ノズルグループG1及びG2の滴の破断タイミングは、滴形成基本周期τ0を単位とした時間の関数として、帯電電極電圧波形と共に示されている。個々の滴形成基本周期においては、1個の滴が各ノズルから生成される。図16中で符号が付されている事物は、図5(B)で同様の数値符号が付されているものと同じ意味を有している。図16ではグループタイミング遅延41が0.3τ0であり、これは、図15Bの如く符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中滴間の縦方向間隔に対応している。
図17Aに、幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行している滴のシーケンス、特に各ノズルで基本周期にて生成された滴が、1個おきに、別グループ内ノズル間タイミングシフト無しで印刷されるものを示す。これに対し、図17Bに、同じ幾つかの隣接ノズルに発し気中を飛行している滴の同じシーケンス、特に基本周期で生成された滴が、1個おきに、本発明の実施形態に係る方法に従い、2グループに分けて配置された隣接ノズル間のタイミングシフトを0.3τ0として印刷されるものを示す。ここでは非印刷滴36の後に印刷滴35があり、その後に非印刷滴36があり、その次に次の印刷滴35がある。図17Aに示した印刷モードでは、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴が互いに隣り合っており、それらの間の距離がノズル間隔に等しくなっている。図17Bに示す本発明の実施形態に係る印刷モードでは、第1グループノズルに係る滴形成器に供給される励振波形と第2グループノズルに係る滴形成器に供給される励振波形との間の位相シフトにより、符号1及び2、2及び3、3及び4、4及び5、5及び6並びに6及び7が付された気中印刷滴が図17Aに示したそれに比べ互いに大きく離れることとなっている。これにより、やはり、隣接帯電印刷滴間の電荷対電荷相互作用、ひいては吏員説印刷滴間の静電反発が抑えられる。即ち、2個のノズルグループに供給される滴形成波形間のタイミングシフトを利用し、隣接ジェットの印刷滴間の距離を増すことにより、帯電印刷滴間の静電相互作用の規模を抑え、ひいてはそれらの滴が記録媒体上に印刷される際に生じる滴配置誤差を抑えることができる。
本発明の他の実施形態は、印刷滴の電荷を制御するステップを含む。印刷滴電荷源は液ジェットから印刷滴が破断する際に液ジェット破断領域内に生じる局所的静電界である。この局所的静電界は帯電電極上の印刷滴電圧状態、並びに先に形成された滴の帯電状態及び間隔に依存する。先に形成された滴から作用する静電界は、印刷滴破断時に帯電電極が接地電圧状態である場合にも、印刷滴上に多くの電荷を誘起しうる。先行する帯電非印刷滴によって印刷滴上に誘起される電荷は、非印刷滴のそれとは逆極性である。例えば、非印刷滴が負帯電している場合、印刷滴は正帯電される。これは、図18に示した装置を用い確認されている。図18に、第1印刷滴選定方式を用いた実施形態に係る連続インクジェットシステムに監視液ジェットを通る断面を示す。図18に示した印刷条件は、記録媒体19が印刷電荷計測器88に置換されている点を除き、図6Cに示した一般的印刷条件と同様である。ここでは、液ジェット43からの破断時に印刷滴35上に正電荷が誘起される一方、非印刷滴36及び大滴49は負帯電される。
共通帯電電極を使用している場合、帯電電極の印刷滴電圧状態は帯電電極波形97によって制御されるため全ての印刷滴について常に同じになる。しかしながら、印刷滴形成時にジェット破断位置の近傍に生じる帯電滴の空間的分布は画像データに依存する。即ち、ジェット破断領域における静電界、ひいては印刷滴帯電状態が画像データに依存する。これにより、印刷滴の帯電状態が入力画像データに対し独立でなくなるので、静電相互作用により生じる滴配置誤差が入力画像パターンに依存することになる。本発明に係るノズルグループ間のタイミングシフトは、印刷滴間の間隔を増大させることで、静電相互作用の大きさ及び滴配置誤差の大きさを顕著に低減させる。しかしながら、滴配置精度の最良化が要請される類いのアプリケーションにおいては、なお、印刷滴帯電が画像に従属することやそれにより滴配置誤差が生じると行った問題に対処する必要があるものとされうる。従来のCIJプリンタでは、入力画像データに従属する帯電電極電圧波形が使用されている。従って、画像データ独立型一定印刷滴帯電に係る波形を発現させることができる。入力画像データから独立な波形97を共通帯電電極44に供給しているため、本発明ではこれを実現することができない。従って、印刷滴破断時に隣接滴によって誘起される静電界を画像データから独立な一定正電荷にすることができる対策が求められている。
第1印刷滴選定方式を用いる本発明の実施形態によれば、この問題に対し、同じ液ジェットに由来する任意の2個の相連続する印刷滴間に少なくとも1個の大非印刷滴を形成すること及びノズルグループ間タイミングシフトを2τ0にすることによる策を提供することができる。図19にはこのことが示されている。図19は図9を参照して説明した印刷滴パターン及び非印刷滴パターンと同様であるが、ジェット破断領域をより近くから見たものである。ここでは、第1ノズルグループG1が奇数番目のノズル、第2ノズルグループG2が偶数番目のノズルで形成されている。各印刷滴35の前には負帯電した大非印刷滴49、即ちガード滴があり、後には負帯電した非印刷滴36がある。大非印刷滴49が前にあるので、ジェット破断領域における静電界を、画像データから独立に一定な静電界とすることができる。更に、図19に示した構成においては、任意の印刷滴35が液ジェットから破断する際に、互いに別のノズルグループに由来する2個の隣接したジェットが常に同じ条件になっている。即ち、当該2個のジェットが、印刷滴35が破断した後に破断する大非印刷滴49を形成するプロセスに入っている。印刷滴形成時におけるジェット破断位置近傍での液ジェット及び帯電滴の一定配置によって、印刷滴35上に誘起される電荷が入力画像データに対し実質的に独立になる。
静電相互作用を抑えるこれらの改良に加え、印刷滴上の電荷を減らしできるだけ0に近づけることが望まれる。図18では、印刷滴電荷計測器88を用い印刷滴35を捕獲することで、それら印刷滴の帯電状態を計測している。この計測では、接地に接続される際に帯電印刷滴により生成される電流を電流計測器(図示せず)で計測することにより、印刷滴上の平均電荷を求めることができる。通常は、帯電電極44に供給される波形97の非0印刷滴電圧状態を使用することで、印刷滴に誘起される電荷を抑えることができる。この非0印刷滴電圧状態96はオフセット電圧とも呼ばれるものであり、帯電電極からの静電界と先行する滴からの静電界とが互いにキャンセルし合い、印刷滴破断時にジェット破断領域における静電界が合計で0になるように選定される。その結果、印刷滴は実質的に0帯電となる。こうした印刷滴は静電力によって大きく偏向されることがない。印刷滴電荷計測器88を使用し帯電電極波形97の低電圧状態及び高電圧状態を調整することで、印刷滴上の平均電荷を0に近づけることができる。特定構成のシステムにおけるオフセット電圧の大きさは、例えば、そのシステムで使用される帯電電極が1個であるか2個であるかによらず、またそのシステムの構成がどのような構成であるかによらず、ジェット及び帯電電極の位置関係等に依存する。通常、非印刷滴電圧状態に対する印刷滴電圧状態の比率は60〜10%である。例えば、非印刷滴電圧状態が200Vであるアプリケーションでは、印刷滴状態は(当該電圧状態の50%である)100Vになる。
本発明のある種の実施形態では、記録媒体上の印刷位置の直下に印刷滴電荷計測器88が配置され、記録媒体が存在していないときに印刷滴電荷計測が実行される。他の実施形態においては、印刷滴電荷計測器88が他のステーションに配置され、計測に当たりその電荷計測ステーションへとプリントヘッドが物理的に動かされる。この別体なステーションはプリントヘッド清掃にも使用することができる。印刷滴電荷計測器88を使用する実施形態においては、帯電電圧源51に印加される印刷滴電圧状態の電圧レベルを、フィードバックループを用い、印刷滴電荷計測結果の平均値が最小になるまで自動調整することができる。図18に示す印刷滴電荷計測器88の例は印刷滴を捕獲するファラデーカップである。本発明の印刷滴電荷計測器は、印刷滴と接触してその印刷滴の電荷を判別する装置に限られるものではない。他の滴電荷計測器、例えば容量結合により滴の電荷を判別する既知の装置も、印刷滴上の電荷が実質的に0に近づくよう印刷滴上の電荷を判別するのに好適に使用することができる。
図20に、本発明の諸実施形態に係る印刷方法を実行するのに必要な諸ステップのあらましを、フローチャートにより示す。図20に示す印刷方法はステップ150で始まっている。ステップ150では、液室に付随するノズルのリニアアレイを介し液ジェットを吐出させるのに十分な圧力下で加圧液が供給される。ここでは、ノズルが複数個のノズルグループに分かれて配置されており、隣り合うノズルが別々のグループに属するものとしている。ステップ150の次はステップ155である。
ステップ155では、画像データに応じ一群の印刷滴又は非印刷滴へと液ジェットの諸部分を破断させる滴形成波形を、各液ジェットに係る滴形成器に供給することにより、それら液ジェットを変調する。ノズルアレイに付随する滴形成器それぞれに対しどのように時間的に変化する滴形成波形を供給するかは、画像データ及び印刷中の記録媒体速度(既知)に基づき決定される。滴形成波形は、印刷滴が形成されるかそれとも非印刷滴が形成されるかが決定されるよう、破断タイミング、帯電電極に供給される帯電波形に対する位相、滴速度並びに形成される滴のサイズのうち一通り又は複数通りを制御する。ステップ155の次はステップ160である。
ステップ160では、別グループノズル間相対破断タイミングがタイミング遅延器を用い調整される。これは本発明の実施に不可欠なステップである。注記すべきことに、タイミング遅延器は、図3を参照して説明した通り諸グループに対し適用されるタイミング遅延に対する個別のトリガにすることも、ノズルアレイに供給される波形に組み込むことも、入力画像データのシフトにより実現することもできる。ステップ160の次はステップ165である。
ステップ165では、液ジェットに係る共通帯電器が準備される。この共通帯電器は帯電電極及び帯電電圧源を有する。帯電電極波形としては、互いに異なる第1電圧状態及び第2電圧状態を有するものが帯電電圧源に供給される。その結果、ジェットから滴が破断する位置の近傍で可変的な電位が発生する。これら第1及び第2電圧状態はそれぞれ印刷滴電圧状態及び非印刷滴電圧状態とも呼ばれる。帯電電極波形の周期は、相連続する印刷滴間の最小時間間隔即ち印刷周期に等しい。帯電電極波形は、ノズルの滴形成器に供給される画像データから独立である。ステップ165の次はステップ170である。
ステップ170では、ジェットから印刷滴が破断する際には印刷滴電圧状態がアクティブとなり、且つ別グループの全ノズル内でジェットから非印刷滴又は大非印刷滴が破断する際には非印刷滴電圧状態がアクティブとなるよう、帯電器、滴形成器及びタイミング遅延器が同期される。これにより、印刷滴上に印刷滴帯電状態、非印刷滴上に非印刷滴帯電状態がもたらされる。ステップ170の次はステップ175である。
ステップ175では、印刷滴及び非印刷滴が別様に偏向される。印刷滴が辿る経路と、非印刷滴が辿る第2経路とを、別々の経路にする手段としては静電偏向器が使用される。この偏向器は、例えば帯電電極、バイアス電極、キャッチャ等の部材を備える。ステップ175の次はステップ180である。
ステップ180では、非印刷滴がキャッチャによって中途捕獲されリサイクルに回る一方、印刷滴はキャッチャにより中途捕獲されず記録媒体に接触して印刷される。
本発明は、例えば、1〜100plの体積を有する印刷滴の生成向けに実施することができる。ノズル直径は例えば5〜50μmの範囲内である。いずれも印刷画像の所要解像度に依存する。ジェット速度は例えば10〜30m/sの範囲内である。基本滴形成周波数は好ましくは50〜1000kHzの範囲内である。滴サイズ、滴速度、ノズルサイズ及び滴生成周波数パラメタの具体的設定は印刷アプリケーションに依存する。
本発明によれば、従来の静電偏向方式インクジェットプリンタでそうであったのと異なり、液ジェットのアレイに属する個々の液ジェット毎に別の帯電電極を設けることなく、滴を選択的に印刷に回し又は印刷から除外することができる。その代わりに、単一の共通帯電電極が、アレイをなす液ジェットに発する滴の帯電に使用される。これにより、ノズルに対し各帯電電極を厳密に整列させる必要がなくなる。別の液ジェットに係る帯電電極による液ジェット発滴のクロストーク帯電は問題にならない。クロストーク帯電が問題にならないため、従来の滴帯電システムで要請されていたのと異なり、帯電電極・液ジェット間距離を抑える必要がない。共通帯電電極によれば、更に、帯電及び変高効率が高まるため、ジェット・電極間距離を広めにとることができる。例えば、帯電電極・ジェット軸間距離を25〜300μmにすることができる。液ジェット毎に別々の帯電電極を設ける必要がないため、ノズル毎に別々の帯電電極が必要であった従来の静電偏向方式連続インクジェットシステムに比べ、ノズル密度を高めることができる。ノズルアレイ密度は75〜1200npi(1インチ当たりノズル数)の範囲内とすることができる。
10 連続インクジェット印刷システム、11 インクリザーバ、12 プリントヘッド/液吐出器、13 画像源、14 偏向機構、15 インクリサイクルユニット、16 画像プロセッサ、17 論理コントローラ、18 励振コントローラ、19 記録媒体、20 インク圧安定化器、21 媒体移送コントローラ、22 移送ローラ、24 液室、26 非印刷滴キャッチャ接触位置、27 大滴キャッチャ接触位置、28 グループ1破断タイミング指示子、29 グループ2破断タイミング指示子、30 キャッチャレッジ、31 滴合体位置、32 破断位置、33 大滴破断位置、34 滴対、35 印刷滴、36 非印刷滴、37 印刷滴経路、38 非印刷滴経路、39 大非印刷滴経路、40 連続液吐出システム、41 グループタイミング遅延、42 滴形成器トランスデューサ、43 液ジェット、44,45 帯電電極、44a,45a 第2帯電電極、46 印刷インク滴、47,67 キャッチャ、48 インク膜、49 大滴、50 ノズル、51 帯電電圧源、52 キャッチャ面、53,63,74 偏向電極、54 第3別経路、55 励振波形、56 励振波形源、57 キャッチャ底板、58 インク回収チャネル、59 励振トランスデューサ、60 励振器、61 エアプレナム、62,64 絶縁性接着剤、62a,64a 第2絶縁性接着剤、65 気流方向を示す矢印線、66 ギャップ、68,68a,69,71,72,73 絶縁体、70,75 接地導体、76 第1グループトリガ、77 第2グループトリガ、78 グループタイミング遅延器、81 印刷滴遅延時間シーケンス指示子、82 非印刷滴遅延時間シーケンス指示子、83 帯電器、84 大非印刷滴遅延時間シーケンス指示子、87 液ジェット軸、88 印刷滴電荷計測器、91 第1滴形成パルス、92 第2滴形成パルス、93 位相遅延時間、94 大滴形成パルス、95 非印刷滴電圧状態、96 印刷滴電圧状態、97 帯電電極波形、98 印刷滴形成パルス、99 非印刷滴形成パルス、102 印刷滴形成波形の第2パルス、103 印刷滴形成波形の第3パルス、150 ノズル経由加圧液供給ステップ、155 滴形成器使用液ジェット変調ステップ、160 帯電器準備ステップ、165 帯電器滴形成器同期ステップ、170 滴偏向ステップ、175 選定滴中途捕獲ステップ。

Claims (21)

  1. 液室に備わる複数個のノズルを介し液ジェットを吐出させるのに十分な圧力下で液を供給するステップであって、当該複数個のノズルがノズルアレイ方向に沿って配置されており、当該複数個のノズルが第1グループと第2グループに分けて配置されており、第1グループ及び第2グループが、第1グループノズルが第2グループ内隣接ノズル間に位置し第2グループノズルが第1グループ内隣接ノズル間に位置するよう互い違いに配置されているステップと、
    複数個のノズルそれぞれに係る滴形成器を準備するステップと、
    入力画像データを供給するステップと、
    滴形成器それぞれに対し一連の滴形成波形を供給することにより液ジェットを変調させるステップであって、当該変調により且つその液ジェットに係る滴形成器を用い、当該液ジェットの諸部分を経路沿いに飛行する1個又は複数個の滴対へと破断させるステップを含み、各滴対が平均して滴対周期だけ分かれており、各滴対が第1滴及び第2滴を有し、第1滴及び第2滴のうち一方が印刷滴、他方が非印刷滴であり、当該変調により且つ滴形成器を用い、液ジェットの諸部分を経路沿いに飛行する1個又は複数個の第3滴に破断させるステップを含み、第3滴が平均して同じ滴対周期だけ分かれており、第3滴が第1滴及び第2滴より大きく入力画像データに応じた非印刷滴であるステップと、
    第1グループノズル由来印刷滴と第2グループノズル由来印刷滴がノズルアレイ方向に沿って互いに整列しないよう、第1グループ及び第2グループのうち一方のノズルの滴形成器に供給される滴形成波形のタイミングを、グループタイミング遅延器を用いシフトさせるステップと、
    第1グループノズルで形成された液ジェット及び第2グループノズルで形成された液ジェット双方に係る共通帯電電極、並びに
    帯電電極・液ジェット間にあり印刷滴パターン及び非印刷滴パターンから独立な帯電波形を供給する可変電位源、
    を含む帯電器を準備するステップと、
    帯電器を滴形成器及びグループタイミング遅延器と同期させることで、滴対を構成する滴のうち印刷滴上に印刷滴帯電状態を、同滴対を構成する滴のうち非印刷滴上に第1非印刷滴帯電状態を、また第3滴上に第2非印刷滴帯電状態を、それぞれ発生させるステップであって、第1非印刷滴帯電状態及び第2非印刷滴帯電状態が印刷滴帯電状態と実質的に異なるステップと、
    偏向器を準備するステップと、
    その偏向器を用い、印刷滴帯電状態を有する滴と非印刷滴帯電状態を有する滴を互いに異なる経路沿いに飛行させるステップと、
    キャッチャを準備するステップと、
    滴対を構成する滴のうち非印刷滴と第3滴をキャッチャを用い中途捕獲する一方、滴対を構成する滴のうち印刷滴をレシーバに向かう経路沿いに引き続き飛行させるステップと、
    を有する印刷方法。
  2. 請求項1記載の印刷方法であって、上記複数個のノズルが更に第3ノズルグループを構成するよう配置されており、当該第3グループに属するノズルが第1グループノズル及び第2グループノズルに対し互い違いに配置されており、グループタイミング遅延器を使用するステップが、第3グループの滴形成波形のタイミングを第1グループ及び第2グループに対してシフトさせるよう構成されたグループタイミング遅延器を準備するステップを含む印刷方法。
  3. 請求項1記載の印刷方法であって、滴対を構成する第1滴及び第2滴が実質的に同じ体積であり、平均して滴対周期の1/2だけ分かれている印刷方法。
  4. 請求項1記載の印刷方法であって、複数個の滴を合体させることで第3滴が形成される印刷方法。
  5. 請求項1記載の印刷方法であって、帯電電極・液ジェット間の可変電位源が、互いに別の第1電圧状態及び第2電圧状態を有する波形を供給し、その波形の周期が滴対周期に等しい印刷方法。
  6. 請求項5記載の印刷方法であって、入力画像データによらず、非印刷滴上の電荷に比し実質的に少ない電荷が印刷滴上に誘起されるよう、上記第1電圧状態及び第2電圧状態が選定されている印刷方法。
  7. 請求項6記載の印刷方法であって、上記印刷滴が非帯電である印刷方法。
  8. 請求項1記載の印刷方法であって、第1グループのノズルと第2グループのノズルとの間のタイミングシフトが1滴対周期に等しい印刷方法。
  9. 請求項1記載の印刷方法であって、単一のジェットによりストリーム的に形成される個々の滴対の前後に第3滴がある印刷方法。
  10. 請求項1記載の印刷方法であって、第1非印刷滴帯電状態と第2非印刷滴帯電状態が互いに異なる印刷方法。
  11. 請求項1記載の印刷方法であって、全非印刷滴の電荷対質量比が互いに等しい印刷方法。
  12. 請求項1記載の印刷方法であって、上記滴形成器が各ノズルに係る滴形成トランスデューサを有し、当該滴形成トランスデューサが、サーマルデバイス、圧電デバイス、MEMSアクチュエータ、電気流体力学デバイス、光学デバイス、電歪デバイス及びその組合せのうちいずれかである印刷方法。
  13. 請求項1記載の印刷方法であって、上記帯電電極が液ジェットの破断位置に面するよう配置されている印刷方法。
  14. 請求項1記載の印刷方法であって、上記偏向器が、更に、電位源と通電し帯電滴偏向用の滴偏向電界を発生させる偏向電極を有する印刷方法。
  15. 請求項1記載の印刷方法であって、上記複数個のノズル、滴形成器及びタイミング遅延器が、単一のMEMS CMOSチップ上に形成されている印刷方法。
  16. 請求項1記載の印刷方法であって、ノズルアレイに対しある速度で移動するレシーバに印刷滴が射突し、第1ノズルグループ・第2ノズルグループ間タイミングシフトがノズルアレイに対するレシーバの速度に依存しており、レシーバ移動方向に沿って見たとき、レシーバ速度によらず、第1ノズルグループ及び第2ノズルグループによって生成された印刷滴の位置の間のシフトが固定になる印刷方法。
  17. 請求項1記載の印刷方法であって、第1グループノズル由来印刷滴及び第2グループノズル由来印刷滴がノズルアレイに沿って互いに整列しないよう、第1グループノズル及び第2グループノズルのうち一方のノズルの滴形成器に供給される滴形成波形に、グループタイミング遅延器の役割が組み込まれている印刷方法。
  18. 請求項1記載の印刷方法であって、グループタイミング遅延が、第1グループノズル由来印刷滴及び第2グループノズル由来印刷滴がノズルアレイに沿って互いに整列しないよう、第1及び第2ノズルグループに係る滴形成器に供給される入力画像データをシフトさせ、ひいては第1グループ及び第2グループのうち一方のノズルの滴形成器に対し供給される滴形成波形のタイミングをシフトさせることにより実現される印刷方法。
  19. 請求項1記載の印刷方法において、滴形成器それぞれに対し一連の滴形成波形を供給することにより液ジェットを変調させるステップであって、当該変調により且つその液ジェットに係る滴形成器を用い、当該液ジェットの諸部分を経路沿いに飛行する1個又は複数個の滴対へと破断させるステップを含み、各滴対が平均して滴対周期だけ分かれており、各滴対が第1滴及び第2滴を有し、第1滴及び第2滴のうち一方が印刷滴、他方が非印刷滴であり、当該変調により且つ滴形成器を用い、液ジェットの諸部分を経路沿いに飛行する1個又は複数個の第3滴に破断させるステップを含み、第3滴が平均して同じ滴対周期だけ分かれており、第3滴が第1滴及び第2滴より大きく入力画像データに応じた非印刷滴であるステップが、更に、液ジェット破断時の滴速度を制御するステップを含む印刷方法。
  20. 請求項1記載の印刷方法であって、印刷滴上の印刷滴帯電状態が、第1及び第2非印刷滴上の非印刷滴帯電状態に対して逆極性である印刷方法。
  21. 請求項1記載の印刷方法であって、更に、
    印刷滴上の平均電荷を計測すべく電荷計測器を準備するステップと、
    電荷計測結果に基づき且つフィードバックループを使用し帯電波形の印刷滴電圧状態の電圧レベルを調整するステップと、
    を有する印刷方法。
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