JP2014514421A - プラスチック容器用活性酸素掃去性組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は:ポリエステル基材ポリマー;少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物;正の酸化状態にある少なくとも1種の遷移金属であって、組成物中に約10〜約400ppmの量で存在する前記金属;ならびに、(i)スルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマー、(ii)ポリオール誘導体および(iii)N−ヒドロキシイミドからなる群から選択される少なくとも1種の活性化化合物を含む組成物であって、少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が組成物の約0.10〜約10重量パーセントの量で存在し、および、少なくとも1種の活性化化合物が組成物の約0.01〜約5重量パーセントの量で存在する組成物を提供する。本発明の組成物は、容器に形成される際に酸素掃去性の発生前に誘導時間を示さない。

Description

本発明は、酸素掃去に有用な組成物に関する。本発明はまた、基材ポリマー、被酸化性有機成分、遷移金属および活性化化合物を含む実質的に透明な組成物に関する。本発明はまた、酸素感受性材料用のパッケージングの構成におけるこのような組成物の使用に関する。
本明細書において言及されている公報、特許出願および特許を含むすべての文献は、各文献が参照により援用されるべく個別および特定的に明記されていると共にその全体が本明細書において記載されている場合と同じ程度に、参照により援用される。
酸素感受性材料を保護するためにパッケージング構造中に酸素掃去剤を入れることは技術分野において公知である。このような掃去剤は、パッケージに閉じ込められたか、または、パッケージの外側から透過した酸素と反応し、これにより、パッケージ内容物の寿命を延ばすと考えられている。これらのパッケージとしては、フィルム、ボトル、容器等が挙げられる。食品、飲料(ビールおよび果実飲料など)、化粧品、製剤等が酸素への露出に特に感受性であり、パッケージ内容物の鮮度を保存すると共に、香り、テクスチャおよび色の変化を防ぐために、酸素に対する高いバリア特性が必要とされる。
遷移金属と組み合わせた一定のポリアミドの使用が、酸素掃去性材料として有用であることが知られている。特に有用なポリアミドの1種は、ポリマー鎖中にメタ−キシレン残渣を含有するMXD6である。例えば、米国特許第5,639,815号明細書;同5,049,624号明細書;および、同5,021,515号明細書を参照のこと。
他の酸素掃去剤としては、亜硫酸カリウム(米国特許第4,536,409号明細書)、不飽和炭化水素(米国特許第5,211,875号明細書)およびアスコルビン酸誘導体(米国特許第5,075,362号明細書)が挙げられる。
カーヒル(Cahill)への米国特許第6,083,585号明細書および同6,558,762号明細書には、酸素掃去性成分がポリブタジエンであり、および、酸素掃去性材料のための触媒が遷移金属塩である酸素掃去性ポリエステル組成物が開示されている。
アッカペッディ(Akkapeddi)への米国特許第6,423,776号明細書には、ポリアミドとのブレンドにおける、酸素掃去剤としての被酸化性ポリジエンまたは被酸化性ポリエーテルの使用が開示されている。
チン(Ching)への米国特許第6,254,803号明細書には、酸素掃去剤として少なくとも1個のシクロヘキセニル基または官能基を有するポリマーの使用が開示されている。
PETなどの基材ポリマー樹脂における、上記従来技術のすべてにおいて記載されているものなどの高分子酸素掃去性材料のブレンドから形成されているパッケージング壁のバリア層においては、PETにおける高分子掃去性材料の不混和性により望ましくないヘーズがもたらされる可能性がある。異種化学構造を有するポリマーのブレンドでは、相互の部分的な不適合性による相分離が常にもたらされることは周知の事実である。相分離は、このようなブレンドにおいてヘーズを生じさせる根本的な原因である。
ポリマーブレンドにおけるヘーズを最低限とするための1つのアプローチは、基材ポリマーにおける高分子掃去剤の必要性を低下させる相容化剤または界面剤の使用である。しかしながら、このアプローチは、ヘーズをいくらかは低減させ得るものの排除することはなく、従って、所望の高い清澄性は達成されない。それ故、容器を形成するためにPETにブレンドされた場合に、相当の透明度を維持しつつ高い酸素掃去能を提供する低分子量有機化合物などの向上した材料に対する要求が技術分野において存在する。低分子量有機化合物は原理上、基材ポリマー鎖セグメント間に存在する自由体積への侵入が可能である分子サイズによりPETなどの基材ポリマー中に混和性であることが可能である。
外観に加えて、従来技術に係る酸素掃去剤で経験される他の問題は、一度プラスチック容器に組み込まれてから、酸素掃去が開始されるまで誘導時間(すなわち、時間遅延)が必要とされることである。例えば、例えばジベンジルアジパミド(DBA)などのジアミドを酸素掃去剤として利用する成形容器では、誘導時間は、ボトルに脱酸素水が充填されてから、周囲温度および湿度で少なくとも3ヶ月または高温(38℃)および高湿度(85%RH)で少なくとも4週間である可能性がある。この誘導時間は、プラスチック容器が形成されると直ぐに(または、短時間の内に)酸素感受性の食品または飲料製品が充填される実際の商業上の実践においては許容可能ではない。酸素掃去性は、中に含有される食品および/または飲料製品の味および栄養品質を保護するために、充填後直ぐに生じるものでなければならない。
それ故、容器の清澄性に係る要求が満たされると共に、形成された容器の長時間のエージングまたはコンディショニングが不要となるよう酸素掃去に係る如何なる誘導時間も排除される効果的な酸素掃去性組成物に対する要求が技術分野において存在する。
本発明は:a)ポリエステル基材ポリマー;b)式(I)もしくは(II)の化合物:
(式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり;
Xは
であり;
Yは、アルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレンであり;
およびRは各々独立してHまたはアルキルであり;
およびRは、各々独立して、H、アルキ(alky)、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;
はアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
ZおよびZ’は、各々独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;ならびに
nおよびpは、各々独立して、0、1、2、3、4または5である);
および、式IIIまたはIVの化合物:
(式中、
Arは、o−、m−もしくはp−フェニレン部分、置換フェニレン部分またはナフタレン部分であり;R11およびR12は独立して:水素、アルキル、アルケニルおよびアリールからなる群から選択され;XはOまたは−(CH−であり;n=0、1または2であり;ならびに、p=0、1または2である)
からなる群から選択される少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物;
c)正の酸化状態にある少なくとも1種の遷移金属であって、組成物中に約10〜約400ppmの量で存在する前記金属;ならびに
d)
(i)スルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマー、
(ii)ポリオール誘導体および
(iii)N−ヒドロキシイミドからなる群から選択される少なくとも1種の活性化
化合物を含む組成物であって、少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が組成物の約0.10〜約10重量パーセントの量で存在し、および、少なくとも1種の活性化化合物が組成物の約0.01〜約5重量パーセントの量で存在する組成物を提供する。
他の実施形態において、本発明は、少なくとも1つの層を備えるパッケージ用の壁を提供し、前記層は組成物を含み、前記組成物は:a)ポリエステル基材ポリマー;b)式(I)もしくは(II)の化合物:
(式中、Arはアリールまたはヘテロアリールであり;
Xは
であり;
Yは、アルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレンであり;
およびRは各々独立してHまたはアルキルであり;
およびRは、各々独立して、H、アルキ(alky)、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;
はアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
ZおよびZ’は、各々独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;ならびに
nおよびpは、各々独立して、0、1、2、3、4または5である);
および、式IIIまたはIVの化合物:
(式中、
Arは、o−、m−もしくはp−フェニレン部分、置換フェニレン部分またはナフタレン部分であり;R11およびR12は独立して:水素、アルキル、アルケニルおよびアリールからなる群から選択され;XはOまたは−(CH−であり;n=0、1または2であり;ならびに、p=0、1または2である)
からなる群から選択される少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物;
c)正の酸化状態にある少なくとも1種の遷移金属であって、組成物中に約10〜約400ppmの量で存在する前記金属;ならびに
d)
(i)スルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマー、
(ii)ポリオール誘導体、および
(iii)N−ヒドロキシイミド
からなる群から選択される少なくとも1種の活性化化合物を含み、ここで、少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物は組成物の約0.10〜約10重量パーセントの量で存在し、および、少なくとも1種の活性化化合物は組成物の約0.01〜約5重量パーセントの量で存在する。
対照に対する本発明の組成物の対比酸素掃去活性を例示するグラフ。 対照に対する本発明の組成物の対比酸素掃去活性を例示するグラフ。 対照に対する本発明の組成物の対比酸素掃去活性を例示するグラフ。 本発明において用いられる酸素掃去性化合物のプロトンNMRスペクトル。 本発明において用いられる酸素掃去性化合物のプロトンNMRスペクトル。 対照に対する本発明の組成物の対比酸素掃去活性を例示するグラフ。 対照に対する本発明の組成物の対比酸素掃去活性を例示するグラフ。
本発明は、酸素感受性材料用のパッケージングの製造に有用な組成物に関する。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、ポリエステル基材ポリマー、非高分子被酸化性有機成分、正の酸化状態にある遷移金属、および、活性化化合物を含み、ここで、組成物は、例えば、射出延伸吹込成形プロセスを介してプリフォームから単層容器に吹込成形
される際に、優れた酸素掃去特性、および、優れた清澄性(すなわち、ヘーズがない)を示す。活性化化合物の不在下では、この組成物は、すべての顕著な酸素掃去性に先立って誘導時間を必要とすることとなる。
本発明の組成物は少なくとも1種の基材ポリマーを含む。本明細書において用いられるところ、「基材ポリマー」という用語は、容器の構造および機械特性を提供する本発明の容器のポリマー成分を指す。「基材ポリマー」という用語は、技術分野において通例用いられる「構造ポリマー」という用語と同義である。
好ましい実施形態において、基材ポリマーはポリエステルである。一定の実施形態において、本発明のポリエステルポリマーは熱可塑性であり、それ故、その組成物の形態は限定されず、溶融相重合中の組成物、アモルファスペレット、固体状ポリマー、半結晶性粒子、溶融加工ゾーン中の物質の組成物、ボトルプリフォーム、または、延伸吹込成形ボトルもしくは他の物品の形態が含まれることが可能である。一定の好ましい実施形態において、ポリエステルはポリエチレンテレフタレート(PET)である。
好適なポリエステルポリマーの例としては、約15モル%未満もしくは約10モル%以下もしくは約8モル%以下の累積量の1種以上のポリカルボン酸変性剤または約60mol%未満もしくは約50モル%未満もしくは約40モル%未満もしくは約15モル%未満もしくは約10モル%以下もしくは約8モル%以下の量の1種以上のヒドロキシル化合物変性剤で変性されたポリエチレンテレフタレートホモポリマーおよびコポリマー(簡潔さのために、まとめて「PET」と称する)、ならびに、約15モル%未満もしくは約10モル%以下もしくは約8モル%以下の累積量の1種以上のポリカルボン酸変性剤または約60mol%未満もしくは約50モル%未満もしくは約40モル%未満もしくは約15モル%未満もしくは約10モル%以下もしくは約8モル%以下の1種以上のヒドロキシル化合物変性剤で変性されたポリエチレンナフタレートホモポリマーおよびコポリマー(本明細書においてにおいては、まとめて「PEN」と称する)、ならびに、PETとPENとのブレンドが挙げられる。変性剤であるポリカルボン酸化合物またはヒドロキシル化合物は、少なくとも約85モル%の量で含有されている化合物以外の化合物である。好ましいポリエステルポリマーはポリアルキレンテレフタレートであり、PETが最も好ましい。
いくつかの実施形態において、ポリエステルポリマーは、ポリエステルポリマー中のすべての繰り返し単位のモル数を基準として、少なくとも約90モル%、他の実施形態においては、少なくとも約92モル%、また、さらに他の実施形態においては、少なくとも約94モル%のエチレンテレフタレート繰り返し単位を含有する。
テレフタル酸の二酸成分、テレフタル酸の誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸の誘導体またはこれらの混合物に追加して、本ポリエステルのポリカルボン酸成分は、1種以上の追加の変性剤ポリカルボン酸を含んでいてもよい。このような追加の変性剤ポリカルボン酸としては、好ましくは約8〜約14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、好ましくは約4〜約12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、または、好ましくは約8〜約12個の炭素原子を有する脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
酸成分として有用である変性剤ジカルボン酸の例は、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等であり、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸が最も好ましい。これらの酸の対応する酸無水物、エステルおよび酸塩化物の使用が、用語「ポリカルボン酸」に包含されることが理解されるべきである。
三官能性およびより高官能性のポリカルボン酸によるポリエステルの変性もまた可能である。
ヒドロキシル成分は、カルボン酸基と反応することが可能である2個以上の水酸基を含有する化合物より形成される。いくつかの好ましい実施形態において、好ましいヒドロキシル化合物は、2個または3個の水酸基を含有する。一定の好ましい実施形態は2個の水酸基を有する。これらのヒドロキシル化合物としては、エチレングリコール、プロパンジオールおよびブタンジオールなどのC〜Cアルカンジオールが挙げられ、これらのうち、エチレングリコールが容器用途について最も好ましい。これらのジオールに追加して、他の変性剤ヒドロキシル化合物成分としては、好ましくは6〜20個の炭素原子を有する脂環式ジオールおよび/または好ましくは約3〜約20個の炭素原子を有する脂肪族ジオールなどのジオールが挙げられ得る。このようなジオールの例としては、ジエチレングリコール;トリエチレングリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール;プロパン−1,3−ジオールおよびブタン−1,4−ジオール(これらは、ポリマー中にエチレングリコール残渣がすべてのヒドロキシル化合物残渣のモル数を基準として少なくとも85モル%の量で存在する場合、変性剤ジオールとしてみなされる);ペンタン−1,5−ジオール;ヘキサン−1,6−ジオール;3−メチルペンタンジオール−(2,4);ネオペンチルグリコール;2−メチルペンタンジオール−(1,4);2,2,4−トリメチルペンタン−ジオール−(1,3);2,5−エチルヘキサンジオール−(1,3);2,2−ジエチルプロパン−ジオール−(1,3);ヘキサンジオール−(1,3);1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン;2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン;2,4−ジヒドロキシ−1、1,3,3−テトラメチル−シクロブタン;2,2−ビス−(3−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパン;ならびに、2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパンが挙げられる。典型的には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルは、グリコールを遊離酸としてのジカルボン酸またはそのジメチルエステルと反応させてエステルモノマーおよび/またはオリゴマーを生成し、次いで、これを重縮合させてポリエステルを生成することにより形成される。
いくつかの好ましい実施形態において、変性剤としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸無水物、ピロメリト酸二無水物、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびジエチレングリコールが挙げられる。配合されたポリエステルポリマー組成物中のポリエステルポリマーの量は、すべてのポリエステルポリマーとすべてのポリアミドポリマーとを組み合わせた重量を基準として、約50.0重量%超もしくは約80.0重量%もしくは約90.0重量%もしくは約95.0重量%もしくは約96.0重量%もしくは約97重量%および約99.90重量%以下の範囲である。配合されたポリエステルポリマー組成物はまた、配合されたポリエステルポリマー組成物とポリカーボネートなどの他の熱可塑性ポリマーとのブレンドを含み得る。いくつかの好ましい組成物において、ポリエステルは本発明の組成物の大部分を組成し、いくつかの実施形態において、ポリエステルは、組成物の重量を基準として少なくとも約80重量%または少なくとも約90重量%の量で存在する(充填材、無機化合物もしくは粒子、繊維、耐衝撃性改良剤、または、耐衝撃性改良剤として機能するか、もしくは、冷蔵食品トレイにおいて見出され得るものなどの不連続な相を形成する他のポリマーを除く)。
ポリエステル組成物は、エステル化および重縮合を作用させるのに十分な技術分野において公知である重合手法により調製されることが可能である。ポリエステル溶融相製造プロセスは、エステル化ゾーンにおける任意によりエステル化触媒の存在下でのジカルボン酸とジオールとの直接縮合、これに続く、重縮合触媒の存在下での、プレポリマー中および仕上げゾーンにおける重縮合;または、通常はエステル交換触媒の存在下での、エステル交換ゾーンにおけるエステル交換、これに続く、重縮合触媒の存在下での予備重合およ
び仕上げを含み、これらの各々は、任意により、公知の方法に従って固体状であり得る。
本発明では他の基材ポリマーが用いられてもよい。一例はポリプロピレンである。
本発明の組成物は非高分子被酸化性有機成分をも含む。本発明の非高分子被酸化性有機成分は、好ましい基材ポリマーであるポリエステルに対して高い親和性を有することが好ましい。好ましくは、非高分子被酸化性有機化合物は、ベンジル基またはアリル基などの被酸化性基を有するアミド、イミド、エステルまたはエーテルなどの極性有機化合物である。
本発明の特定の実施形態において、非高分子被酸化性有機成分は式(I)もしくは(II)の化合物:
であり、式中、
Arはアリールまたはヘテロアリールであり;
Xは
であり;
Yは、アルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレンであり;
およびRは各々独立してHまたはアルキルであり;
およびRは、各々独立して、H、アルキ(alky)、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;
はアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
ZおよびZ’は、各々独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;ならびに
nおよびpは、各々独立して、0、1、2、3、4または5である。
本明細書において用いられるところ、「アルキル」という用語は、置換または非置換の脂肪族炭化水素鎖を指す。アルキル基は直鎖および分岐鎖を有する。いくつかの実施形態において、アルキルは、他に特定的に明示されていない限りにおいて、1〜12個の炭素
原子または1〜6個の炭素原子を有する。アルキル基としては、特にこれらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、1−ブチルおよびt−ブチルが挙げられる。「アルキル」の定義においては、任意により置換されている脂肪族炭化水素鎖が特に包含される。
本明細書において用いられるところ、「アリール」という用語は、本明細書においては20個以下の炭素原子を有する芳香族炭素環式部分として定義される。いくつかの実施形態において、アリール基は6〜20個の炭素原子または6〜14個の炭素原子を有する。アリールは、単一環(単環式)、または、一緒に縮合しているか、もしくは、共有結合的に結合した多環(二環式であって、三環以下)であり得る。アリール部分のいずれかの好適な環位は、定義された化学構造に共有結合的に結合していてもよい。アリール基としては、これらに限定されないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル、インダニル、ジフェニルエニル、アセナフテニルおよびアセナフチルエニルが挙げられる。いくつかの実施形態においては、フェニルが好ましいアリールである。アリール基はまた、任意により、1種以上の置換基で置換され得る。
本明細書において用いられるところ、「ヘテロアリール」という用語は、一緒に縮合しているか、もしくは、共有結合的に結合しており、例えば5〜20個の環員を有する多環(二環式であって、三環以下)、または、単一環(単環式)であり得る芳香族複素環系を指す。これらの環は窒素(N)、酸素(O)または硫黄(S)から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し得、ここで、窒素または硫黄原子は、任意により、酸化されるか、または、窒素原子は、任意により、(例えば、メチルなどのアルキルによって)置換されるかもしくは四級化される。ヘテロアリール部分のいずれかの好適な環位は、定義された化学構造に共有結合的に結合していてもよい。例示的なヘテロアリール基としては、これらに限定されないが、ピリル、フリル、ピリジル、ピリジン−N−オキシド、1,2,4−チアジアゾリル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピリミジル、キノリル、イソキノリル、チオフェニル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリルおよびイソオキサゾリルが挙げられる。
アルキル、アルケニル、アリールまたはヘテロアリール基に係る任意の置換基は当業者に周知である。これらの置換基としては、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、アセチル、シアノ、ニトロ、グリセリルおよび炭水化物が挙げられ、または、一緒とされる2個の置換基が−アルキレン−基として結合して環を形成していてもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、組成物は、それぞれ式(I)および(II)の好ましい種である式(I)−(A)または(II)−(A)の少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物:
ジベンジルアジパミド(DBA)
または
N,N’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビスアセトアミド
を含む。
本明細書に記載のこれらの非高分子被酸化性有機化合物の少なくとも1種は通常、組成物の重量を基準として約0.1〜約10重量パーセントの量で物品中に用いられることとなる。いくつかの好ましい実施形態において、非高分子被酸化性有機化合物は、組成物の重量を基準として約1〜約5重量パーセントの量で存在することとなる。他の実施形態において、非高分子被酸化性有機化合物は、組成物の重量を基準として約1〜約3重量パーセントの量で存在することとなる。
マスターバッチ溶液において、非高分子被酸化性有機化合物の量は、典型的には、組成物の重量を基準として約10〜約90重量パーセントであろう。いくつかの好ましい実施形態において、非高分子被酸化性有機化合物の量は組成物の重量を基準として約20〜約80重量パーセントであろう。
非高分子被酸化性有機化合物(I)−(A)および(II)−(A)を含む本明細書に記載の化合物は、当業者に公知である標準的な合成方法により形成されることが可能である。例えば、アジピン酸およびベンジルアミンを反応させることにより非高分子被酸化性有機化合物(I)−(A)を得ることが可能である。非高分子被酸化性有機化合物(II)−(A)は、m−キシレンジアミンをギ酸誘導体と反応させることにより形成されることが可能である。
本発明の特定の実施形態において、非高分子被酸化性有機成分は式IIIまたはIVの化合物:
であり、式中、Arは、o−、m−もしくはp−フェニレン部分、置換フェニレン部分またはナフタレン部分であり;R11およびR12は独立して:水素、アルキル、アルケニルおよびアリールからなる群から選択され;XはOまたは−(CH−であり;n=0、1または2であり;ならびに、p=0、1または2である。
一態様において、本発明の被酸化性有機成分は、化合物m−キシレン−ビス−(テトラヒドロフタルイミド)(「MXBT」):
である。
MXBTは式IIIの例示的な種であり、式中、Arはm−フェニレン部分であり、R11はHであり、R12はHであり、および、Xは−(CH−であり、ここで、nは0であり、pは0である。
さらに他の態様において、本発明の被酸化性有機成分は、化合物m−キシレン−ビス−(メチルテトラヒドロフタルイミド)(「MXBMT」):
である。
MXBMTは式IIIの例示的な種であり、式中、Arはm−フェニレン部分であり、R11はメチルであり、R12はHであり、および、Xは−(CH−であり、ここで、nは0であり、pは0である。
他の態様において、本発明の被酸化性有機成分は、化合物m−キシレン−ビス−(オクテニルスクシンイミド)(「MXBO」):
である。
MXBOは式IVの例示的な種であり、式中、Arはm−フェニレン部分であり、R11はアルケニル基であり、R12はHであり、pは0である。
他の態様において、本発明の被酸化性有機成分は、化合物m−キシレン−ビス−シトラコンイミド(「MXBC」):
である。
MXBCは式IVの例示的な種であり、式中、Arはm−フェニレン部分であり、R11はアルキル基であり、R12はHであり、pは0である。
さらに他の態様において、本発明の被酸化性有機成分は、化合物m−キシレン−ビス(メチルナジミド)(「MXBMN」):
である。
MXBMNは式IIIの例示的な種であり、式中、Arはm−フェニレン部分であり、R11はメチルであり、R12はHであり、Xは−(CH−であり、ここで、nは1であり、pは0である。
さらに他の態様において、本発明の被酸化性有機成分は、化合物m−キシレン−ビス(ナジミド)(「MXBN」):
である。
MXBNは式IIIの例示的な種であり、式中、Arはm−フェニレン部分であり、R11およびR12はHであり、Xは−(CH−であり、ここで、nは1であり、pは0である。
式IIIおよびIVの被酸化性有機成分の合成は、その開示が本明細書において参照によりその全体が援用される米国仮特許出願第61/332,054号明細書において完全に記載されている。
それ故、発明の概要において、非高分子被酸化性有機成分は:式(I)、式(II)、式(III)および式(IV)からなる群から選択される少なくとも1種である。
本組成物において用いられる遷移金属は正の酸化状態にある金属である。1種以上のこのような金属が用いられ得ることが考えられることに留意すべきである。遷移金属は、有機被酸化性成分の酸化(すなわち、有機被酸化性成分と分子酸素との反応)を触媒または促進するよう機能する。
遷移金属は、周期律表の第1、第2または第3遷移系列から選択されることが可能である。金属は、Rh、Ru、または、Sc〜Znの系列における元素の1種(すなわち、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZn)であることが可能である。いくつかの実施形態において、コバルトは、+2または+3酸化状態で添加される。いくつかの実施形態においては、+2酸化状態のコバルトを用いることが好ましい。特定の実施形態においては、+2酸化状態の銅が利用される。いくつかの実施形態においては、+2酸化状態のロジウムが用いられる。特定の実施形態においては、亜鉛もまた組成物に添加されてもよい。好ましい亜鉛化合物としては、正の酸化状態にあるものが挙げられる。
遷移金属カチオンに対する好適な対イオンとしては、ネオデカン酸イオン、オクタン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、ナフタレートイオン、リンゴ酸イオン、ステアリン酸イオン、アセチルアセトネートイオン、リノール酸イオン、オレイン酸イオン、パルミチン酸イオン、2−エチルヘキサノエートイオンもしくはエチレングリコレートイオンなどのカルボン酸イオン;または、とりわけ、これらの酸化物、ホウ酸塩、炭酸塩、塩化物、二酸化物、水酸化物、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩もしくはケイ酸塩が挙げられる。
いくつかの実施形態においては、少なくとも約10ppmまたは少なくとも約50ppmまたは少なくとも約100ppmレベルの金属で、好適な酸素掃去レベルを達成可能である。用途において用いられる遷移金属の正確な量は、十分に当業者の技能レベルであるトライアルによって判定されることが可能である。壁用途を含むいくつかの実施形態(より多量の触媒が用いられるマスターバッチ用途と比して)においては、金属レベルを約300ppm未満に維持することが好ましく、他の実施形態においては、約250ppm未満に維持することが好ましい。マスターバッチ組成物において、遷移金属レベルは約1000〜約10,000ppmの範囲であり得る。いくつかの好ましい実施形態において、この範囲は、約2000〜約5000ppmである。
遷移金属は、そのままでもしくはキャリア(液体またはワックスなど)と共に、物品を形成するための押出し機もしくは他のデバイスに加えられ得、または、金属は、被酸化性有機成分を伴う濃縮物もしくはキャリア中に、基材ポリマーを伴う濃縮物もしくはキャリア中に、もしくは、基材ポリマー/被酸化性有機成分ブレンドを伴う濃縮物もしくはキャリア中に存在し得る。あるいは、遷移金属の少なくとも一部が、基材ポリマー(いくつかの実施形態においてはポリエステルポリマー)を形成するための溶融相反応に重合触媒として添加されてもよく、および、ポリマーによってプリフォームまたはシートなどの物品が形成される溶融ゾーン(例えば押出し成形または射出成形ゾーン)に供給される際に残存金属として存在していてもよい。遷移金属の添加は、溶融加工ゾーンにある溶融物の固有粘度(IV)を実質的に高めることがないことが望ましい。それ故、遷移金属は、ポリエステルポリマーを生成するための溶融相の最中に1回、および、物品を形成するための溶融ゾーンにもう1回など、2回以上の段階で添加され得る。
本発明の組成物はまた:(i)スルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマー、(ii)ポリオール誘導体および(iii)N−ヒドロキシイミドからなる群から選択される親水性活性化化合物を含む。本発明の活性化化合物は、容器に形成された直後に組成物による酸素の掃去が可能となるよう機能し、これにより、このような組成物について酸素掃去が開始されるまでに必要とされてしまう誘導時間が排除される。
好ましくは、活性化化合物は、約0.01〜約5重量%、より好ましくは約0.1%〜約2重量%の量で本発明の酸素掃去性組成物中に存在する。
スルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマーは、金属スルホネート塩基を含有するコポリエステルであることが好ましい。スルホネート塩の金属イオンは、Na+、Li+、K+、Zn++、Mn++、Ca++等であり得る。スルホネート塩基は、ベンゼン、ナフタレン、ジフェニル、オキシジフェニル、スルホニルジフェニルまたはメチレンジフェニル核などの芳香族酸核に結合していることが好ましい。
好ましくは、芳香族酸核は、スルホフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、および、これらのエステルである。最も好ましくは、スルホモノマーは、5−スルホイソフタル酸ナトリウムまたは5−スルホイソフタル酸亜鉛であり、最も好ましくは、ジメチルエステルおよびグリコールエステルなどのこれらのジアルキルエステルである。
本発明のいくつかの実施形態において、スルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマーは、ポリエステル基材ポリマーとのブレンドとして提供される。このようなブレンドは、容器の形状に延伸吹込成形されることが可能であるプリフォームを製造する射出成形機械ののど部において、ポリエステルアイオノマーおよび任意によりいずれかの他の成分を一緒に(これらの成分については重量測定式フィーダを用いて)ポリエステルに添加することにより調製されることが可能である。あるいは、ポリエステル樹脂は、ポリエステルアイオノマー、および、任意によりいずれかの他の成分と重合されて、コポリマーを形成することが可能である。このコポリマーは、射出成形機械で本発明の組成物の他の成分と混合されることが可能である。あるいは、すべてのブレンド成分を一緒にブレンドし、または、マスターバッチのブレンドとし、および、押出し機への単一材料として供給することが可能である。押出し機の混合部分は均質なブレンドがもたらされるよう設計されているべきである。
ポリエステルアイオノマーの例としては、コモノマーとしての5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩で変性されたPETコポリマー(A)、または、ジエチレングリコール、イソフタル酸および5−スルホイソフタル酸ナトリウム(B):
のアモルファスコポリエステルが挙げられる。
市販されているポリエステルアイオノマー樹脂としては、インビスタ(Invista)2300K(デラウェア州ウィルミントンのインビスタノースアメリカS.ar.I.(INVISTA North America S.ar.I.))およびイーストマンAQ(Eastman AQ)コポリエステル(テネシー州キングスポートのイーストマンケミカルカンパニー)が挙げられる。
好適なポリオール誘導体としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ジアルキル−エーテルジ−アルキルエステルおよびポリアルキレン−エーテルジ−アルキルエステルなどのポリアルキレングリコール、グリセリルトリアセテート、ベンジルアルコール、例えばマンニトール、ソルビトールおよびキシリトールといった多価アルコールエステル誘導体;ポリオキシエチレン;例えばエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよびメトキシポリエチレングリコールといった直鎖ポリオール;ならびに、これらの混合物が挙げられる。好ましくは、本発明による使用に係るポリオール誘導体は10,000MW未満の分子量を有する。
本発明による活性化化合物としては、ジ−またはポリ−エチレングリコールジ−アルキルエステルなどのジアルキル−エーテルジ−アルキルエステルおよびポリアルキレン−エーテルジ−アルキルエステルが特に有用である。ジアルキル−エーテルジエステルとしては、C−〜C−エーテル−またはポリエーテル−ジカルボン酸のC−〜C12−エステルが挙げられる。例としてはまた、カプレート、カプリレート、ヘキサノエート、ヘプタノエート、ペラルゴネート、2−エチルヘキソエート等などのエステルが挙げられる。エーテルのジアルキルエステルとしては、約800以下の分子量を有する、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびポリエチレングリコールが挙げられ得る。好ましい活性剤は、約300〜約700の分子量のポリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエートである。より好ましい可塑剤は、662の分子量を有し、商品名テグメル(TegMeR)(登録商標)809(イリノイ州シカゴのザホールスターカンパニー(The HallStar Company))で販売されているPEG400ジ−2−エチルヘキソエートである。PEG400は、約400の分子量のポリエチレングリコール、または、約8もしくは9の平均エチレンオキシドユニット数を有するPEGを指す。他の好ましいPEGが、コネチカット州
ダンブリーのダウケミカルから、カーボワックスセントリー(CARBOWAX SENTRY)系列製品で商業的に入手可能である。
ジ−またはポリ−エチレングリコールジ−アルキルエステルなどのジアルキル−エーテルジ−アルキルエステルおよびポリアルキレン−エーテルジ−アルキルエステルは、本発明の活性化化合物としての使用に好適である。ジアルキル−エーテルジエステルとしては、C−〜C−エーテル−またはポリエーテル−ジカルボン酸のC−〜C12−エステルが挙げられる。例としては、カプリン酸塩、カプリレート、ヘキサノエート、ヘプタノエート、ペラルゴネート、2−エチルヘキソエート等などのエステルが挙げられる。エーテルのジアルキルエステルとしては、約800以下の分子量を有する、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびポリエチレングリコールが挙げられ得る。好ましい活性剤は、約300〜約700の分子量のポリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエートである。さらに好ましい可塑剤は、662の分子量を有し、商品名テグメル(TegMeR)(登録商標)809として市販されているPEG400ジ−2−エチルヘキソエートである。PEG400は、約400の分子量を有するポリエチレングリコール、または、約8もしくは9の平均エチレンオキシドユニット数を有するPEGを指す。
好適なN−ヒドロキシイミドとしては、一般式(V):
のものが挙げられ、式中、R21およびR22は、各々独立して、水素原子または有機基であり得る。R21およびR22は、これらが結合している炭素原子と一緒に環を形成し得る。R21および/またはR22は、これらが結合している炭素原子と一緒に炭素−炭素二重結合を形成し得る。
例えば、R21およびR22は各々、独立して、水素原子、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、水酸基、保護基により保護された水酸基、保護基により保護されたメルカプト基、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩、保護基により保護されたカルボキシル基、保護基により保護されたアルデヒド基、保護基により保護されたアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミド基、スルホン基、スルホン基の金属塩、スルホンエステル基、式−OP(=O)(OH)により表される基、式−OP(=O)(OH)により表される基の金属塩もしくはエステル誘導体、式−P(=O)(OH)により表される基、または、式−P(=O)(OH)により表される基の金属塩もしくはエステル誘導体である。
式(V)によって表されるN−ヒドロキシイミド化合物の典型的な例としては、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N,N’−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボキシルジイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタルイミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、3−スルホニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メトキシカ
ルボニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メチル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−ヒドロキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ニトロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−メトキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−カルボキシ−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、4−メチル−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミックイミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミドおよびこれらの混合物が挙げられる。これらのうち、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、N,N’−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボキシルジイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタルイミドおよびN−ヒドロキシテトラブロモフタルイミドが特に好ましい。N−ヒドロキシフタルイミドが最も好ましい。
特定の理論によって束縛されることは意図されないが、活性剤の親水性性質が利用可能な水分を誘引し水分が容器の壁を通って移動するに伴って、掃去剤および遷移金属触媒が水和されてより易動姓となって、酸素掃去反応を活性化させると考えられている。
再度、特定の理論によって束縛されることは意図されないが、例えばN−ヒドロキシイミドなどの活性化化合物は、最初に酸素掃去剤付加物(すなわち、ペルオキソラジカル)と反応することによってフリーラジカルを容易に生成して、掃去剤との反応を介して掃去剤ラジカルを再生成し、これにより、さらなる酸素との反応が継続されてヒドロ過酸化物生成物が形成可能とされるとも考えられている。好ましくは、酸化サイクルは掃去剤が消尽されるまで継続する。
本発明の酸素掃去性配合物において用いられる成分の量は、この組成物の使用および効果を左右する可能性がある。それ故、基材ポリマー、遷移金属触媒、活性剤等の量は、所望される物品およびその最終用途に応じて様々であることが可能である。例えば、上記に詳述されている有機被酸化性成分の主な機能は掃去プロセスの最中に酸素と非可逆的に反応することであるが、一方で、遷移金属触媒の主な機能は、このプロセスを促進させることである。それ故、かなりの程度で、存在する有機被酸化性成分の量が組成物の酸素掃去能(すなわち、組成物が消費することが可能である酸素の量)を作用し、その一方で、遷移金属触媒の量は酸素が消費される速度ならびに誘導時間に作用する。
本発明の酸素掃去剤組成物は、種々の形態を有するパッケージング物品において組み込まれることが可能である。好適な物品としては、これらに限定されないが、可撓性シートフィルム、可撓性バッグ、ポーチ、ボトル(例えばPETボトル)もしくは金属缶などの半剛性および剛性容器、または、これらの組み合わせが挙げられる。
典型的な可撓性フィルムおよびバッグは、種々の食品をパッケージするために用いられるものを含み、1つの層または多数の層から構成されてフィルムまたはバッグ様パッケージ材料全体を形成していてもよい。本発明の酸素掃去剤組成物は、このようなパッケージ材料の層の1つ、いくつかまたはすべてにおいて用いられることが可能である。
典型的な剛性または半剛性物品としては、通常100〜1000マイクロメートルの範囲内の厚さを有する、ジュース、ソフトドリンク、ならびに、熱成形トレイまたはカップに利用されるものなどのプラスチック、紙または厚紙容器が挙げられる。このような物品の壁は、単一または複数の材料層を備えていることが可能である。物品はまた、ボトルもしくは金属缶、または、王冠、キャップ、王冠もしくはキャップライナ、プラスチゾルまたはガスケットの形態であることが可能である。本発明の酸素掃去剤組成物は、形成された半剛性もしくは剛性のパッケージング物品の一体層もしくは一部分として、または、そ
の面もしくは内面コーティングもしくはライナとして用いられることが可能である。ライナとしては、酸素掃去剤組成物は、物品の製造中にインサイツでライナが形成されるよう、例えば共押出し、押出し成形コーティングもしくは押出し成形ラミネーションプロセスにおいて、剛性物品自体に沿ってフィルムとして押出されることが可能であり;または、代わりに、熱および/もしくは圧力によって、接着剤によって、もしくは、いずれかの他の好適な方法によって、物品が製造された後に物品の外表面に接着されることが可能である。
本発明の好ましい一実施形態において、本発明の組成物(すなわち、基材ポリマー、正の酸化状態にある遷移金属、上記の少なくとも1種の非高分子被酸化性有機成分および上記の少なくとも1種の活性化化合物)は、単層ボトルの形成に利用されることが可能である。本発明の他の好ましい実施形態において、本発明の組成物は多層ボトルの1つの層を形成していることが可能であり、ここで、本発明の組成物を含むこの層は、式IまたはIIの構造を有する化合物を少なくとも1%および典型的には2〜6%含む。
食品および飲料のパッケージングに適用可能な物品に加えて、本発明は、他の酸素感受性製品をパッケージングするための物品にも有益性であることが可能である。このような製品としては、医薬品、酸素感受性医学製品、腐食性の金属または製品、電子素子等が挙げられるであろう。
組成物としてはまた、顔料、充填材、結晶化助剤、耐衝撃性改良剤、表面潤滑剤、嵌め外し剤、安定化剤、紫外光吸収剤、金属不活性化剤、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどの成核剤、亜リン酸塩安定化剤、ならびに、染料などの他の成分も挙げられ得る。他の追加の成分は当業者に周知であり、組成物の性能に悪影響を与えない限りにおいては既存の組成物に添加されることが可能である。典型的には、このような成分の総量は組成物全体に比して約10重量%未満であろう。いくつかの実施形態において、これらの任意の成分の量は全組成物に対する重量で約5%未満である。
本組成物から形成されたプリフォームは、ボトルに延伸吹込用の金型に入れられる前に再加熱されなければならないため、延伸吹込成形ボトルの形成に用いられるポリエステルポリマー組成物の製造において用いられる一般的な添加剤は再加熱用添加剤である。従来の再加熱用添加剤のいずれもが使用可能であり、このような添加剤は、例えばカーボンブラック、活性炭素、黒色の酸化鉄、グラッシーカーボンおよび炭化ケイ素といった黒色の粒子;アンチモニーなどの灰色の粒子、ならびに、シリカ、赤色の酸化鉄等などの他の再加熱用添加剤といった種々の形態を含む。
多くの用途において、パッケージング内容物は酸素の進入に対して感受性であるのみならず、これらの内容物は、UV光によっても影響を受ける場合がある。果実飲料および医薬品がこのような内容物の2つの例である。従って、いくつかの実施形態においては、公知のUV吸収性化合物のいずれか1種をパッケージングされた内容物の保護に効果的な量でポリエステル組成物中に組み込むことが望ましい。
本組成物は、基材ポリマー(例えばPET)と、被酸化性有機成分および遷移金属組成物とを混合することにより形成されることが可能である。このような組成物は、当業者に公知であるいずれかの方法によって形成されることが可能である。特定の実施形態において、遷移金属のいくつかまたは一部が混合に先立って基材ポリマー中に存在していてもよい。例えば、この残存金属は基材ポリマーの製造プロセスから存在していることが可能である。いくつかの実施形態において、基材ポリマー、被酸化性有機成分および遷移金属は、ホッパー中においてタンブリングすることによって混合される。他の任意の処方成分は、混合プロセスの最中に添加されることが可能であり、または、前述の混合ステップの後
に混合物に添加されることが可能であり、または、前述の混合ステップに先立って個別の成分に添加されることが可能である。
本組成物はまた、各処方成分を個別に加え、組成物を溶融加工して物品を形成する前に処方成分を混合することにより形成されることが可能である。いくつかの実施形態において、混合ステップは、溶融加工ゾーンの直前であることが可能である。他の実施形態において、1種以上の処方成分は、すべての処方成分を一緒にする前に、個別のステップにおいて予混合されることが可能である。
いくつかの実施形態において、本発明は、酸素感受性材料のパッケージに用いられる壁の成分としての本明細書に記載の組成物の使用に関する。一般に、掃去添加剤が不在で透過性が大きい壁に対しては、パッケージにおいて必要とされる掃去能は高い必要があるであろう。従って、本質的に透過性が高い材料が用いられる場合には、良好な効果を達成することは困難である。
壁は、剛性のもの、可撓性シートまたは薄フィルムであり得る。壁は、均質または積層体であっても、または、他のポリマーでコートされていてもよい。積層またはコートされている場合には、掃去性の不在下で透過性が比較的高くて単独では満足に機能しないであろう壁であっても、酸素掃去特性が皆無であるか不十分であるが比較的透過性が低い1つ以上の他の層と組み合わされることで満足に機能する壁に掃去特性が存在していてもよい。パッケージが充填されて密閉された場合に酸素が主に侵入する面であるため、パッケージの外側に単一のこのような層が用いられることが可能である。しかしながら、このような層の掃去層のいずれかの面への使用が、充填および密閉前の掃去能の消費を低減させることとなる。
本組成物が壁中に、または、壁の層として用いられる場合、酸素に対する組成物の浸透性は、約3.0または約1.7または約0.7または約0.2または約0.03cmmm/(m・atm・day)以下であることが有利である。本発明により提供される組成物の浸透性は、酸素掃去特性が存在しない場合の約3/4以下であることが有利である。いくつかの実施形態において、浸透性は、酸素掃去特性が存在しない場合の約1/2以下であり、特定の実施形態においては1/10以下であり、他の実施形態においては1/25以下であり、および、さらに他の実施形態においては1/100以下である。酸素掃去特性が存在しない場合の浸透性は、約17cmmm/(m・atm・day)以下または約10以下および/または約6以下であることが有利である。このような浸透性については、約0.5または約1.0〜10または約6.0、cmmm/(m・atm・day)の範囲で特に良好な効果が達成可能である。酸素透過度の計測は、例えば、ミネソタ州ミネアポリスのモコン社(MOCON,Inc.)から入手可能であるオーエックストラン(OX−TRAN)(登録商標)機器などの酸素透過度(OTR)機器を利用して、技術分野における当業者によって実施されることが可能である。
他の態様においては、本組成物は、ポリマーまたはポリマー含有成分とのブレンド用のマスターバッチとして用いられることが可能である。このような組成物において、被酸化性有機成分および遷移金属の濃度は、最終ブレンド生成物がこれらの成分を好適な量で有することが可能であるよう、高めとされることとなる。マスターバッチはまた、マスターバッチがブレンドされるポリマーを一定量で含有していてもよい。他の実施形態において、マスターバッチは、マスターバッチがブレンドされるポリマーと適合性のポリマーを含有していてもよい。
さらに他の態様において、本発明の組成物は、主に酸素掃去をもたらす壁の層(ポリマーを含む他の層は顕著な掃去を伴わずにガスバリア性をもたらす)を形成するために、ま
たは、頭隙掃去剤(パッケージ内容物と共にパッケージ壁によって完全に密閉されている)として用いられることが可能である。このような技術は当業者に周知である。
浸透性が維持される期間は、酸素感受性材料を伴う使用の前に、物品を密閉された容器の中で、または、窒素などの不活性雰囲気下で保存することにより延ばすことが可能である。
他の態様においては、本発明は、剛性、半剛性、折りたたみ式、蓋付きもしくは可撓性、または、これらの組み合わせであり、本明細書に記載の組成物で形成された壁を備えるパッケージを提供する。このようなパッケージは当業者に周知の方法によって形成可能である。
物品の形成に用いられ得る技術のうち、成形、一般に、射出成形、延伸ブロー成形、押出し成形、熱成形、押出し成形、ブロー成形、ならびに、(特に多層構造については)共押出し成形および接着性結着層を用いるラミネーションが用いられる。公知の機械的利点がもたらされるため、例えば延伸ブロー成形によるポリマーの配向が特にフタレートポリエステルに対して魅力的である。
物品を形成する溶融加工ゾーンは、プリフォーム、ボトル、トレイおよび以下に記載した他の物品などの意図される物品の形成に有効な慣習的な条件下で実施されることが可能である。一実施形態において、このような条件は、溶融物のIVを実質的に高めることなく溶融物の加工に有効であり、エステル交換反応の促進に有効ではない。いくつかの好ましい実施形態において、ポリエステルポリマー、被酸化性有機成分および遷移金属の物理的なブレンドをもたらすために有効な好適な操作条件は、溶融加工ゾーンにおける温度が約250℃〜約300℃の範囲内、合計サイクル時間が約6分間未満、ならびに、典型的には、減圧を伴わず、約0MPaG(0psig)〜約6.2055MPaG(900psig)の範囲の正圧下とされる。いくつかの実施形態において、スクリューにおける溶融物の滞留時間は約1〜約4分間の範囲であることが可能である。
特定の物品は、高い酸素バリア性が必要とされる食品、飲料、化粧品、医薬品およびパーソナルケア製品をパッケージングするためのプリフォーム、容器およびフィルムを含む。飲料容器の例は、水および炭酸入りソフトドリンクを入れるためのボトルであり、本発明は、ジュース、ソフトドリンク、ビール、または、酸素が飲料の香り、芳香、性能(ビタミン分解の防止)もしくは色に有害作用を有するいずれかの他の飲料を含有するボトル用途において特に有用である。本発明の組成物はまた、剛性パッケージおよび可撓性構造用フィルムに熱成形するためのシートとして特に有用である。剛性パッケージとしては、食品トレイおよびフタが挙げられる。食品トレイ用途の例としては、食品内容物の鮮度が酸素の進入に伴って劣化する可能性のある場合における、底容器およびフタ材(熱成形されたフタまたはフィルム)の両方としてのデュアルオーブナブル(dual ovenable)食品トレイまたは冷蔵食品トレイが挙げられる。本発明の組成物はまた、化粧品容器、および、医薬品または医学デバイス用容器の製造において使用が見出される。
本発明のパッケージ壁は、単層または多層構成であることが可能である。多層壁を用いるいくつかの実施形態において、外側および内側層は、酸素掃去性材料を含有する1つ以上の保護層が間に配置された構造層であってもよい。いくつかの実施形態において、外側および内側層は、ポリオレフィンまたはポリエステルを含む。特定の実施形態においては、単層設計が好ましい。このような層は、製造が単純であると共に経済上の利点を有し得る。
この明細書において、および、以下の特許請求の範囲においては、多数の用語に言及が
なされることとなるが、これらは、以下の意味を有すると定義されることとなる。
本明細書において用いられるところ、「式を有する」または「構造を有する」という句は限定的であることは意図されておらず、「を含む」という用語が通例用いられる場合と同様に用いられる。「から独立して選択される」という用語は、本明細書において、例えばR基等といった言及された要素が同等であるかまたは異なることが可能であることを示すために用いられる。
本明細書において用いられるところ、「a」、「an」、「the」等という用語は、文脈上そうでないことが明確に示されていない限りは単数形および複数形の両方を指す。例えば、「ボトル」は1本のボトルまたは2本以上のボトルを指す。
また、本明細書において用いられるところ、1つ以上の方法ステップの記載は、組み合わされた言及されたステップの前後における追加の方法ステップの存在を排除するものではない。追加のステップは、記載のものに介在するステップであってもよい。加えて、プロセスステップまたは処方成分に文字を付すことは個別の作業または処方成分を識別するための簡便な手段であり、言及される文字はどのような順序で配置されて付されることも可能であることが理解される。
本明細書において数の範囲が呈示されている場合、この範囲は、すべての整数および明記された範囲の限度間の少数を含むことが理解される。数の範囲は、特に、明記された端点未満の数および明記された範囲間のものを含む。例えば、1〜3の範囲は、1、2および3の整数と、これらの整数間に存在するいずれかの少数を含む。
本明細書において用いられるところ、「マスターバッチ」は、物品の形成に先だって、典型的には少なくとも追加の基材ポリマーで希釈されることとなる、基材ポリマー、被酸化性有機成分および遷移金属の混合物を指す。従って、被酸化性有機成分および遷移金属の濃度は形成される物品におけるものよりも高い。
以下の実施例は、分子の合成および酸素を掃去するための分子の使用、ならびに、このような掃去剤を含有する製品に関する本発明の好ましい実施形態を実証するためのものである。以下のこれらの実施例に開示されている技術は本発明の実施において良好に機能すると本発明者らによって発見された技術を代表するものであり、それ故、その実施に係る好ましい形態を構成するとみなされることが可能であることが当業者によって認識されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示に鑑みて、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、開示されている特定の実施形態において多くの変更を行うことが可能であり、それでもなお、類似したまたは同様の結果が得られることを認識すべきである。
実施例1:94.9重量部の乾燥したボトルグレード(0.82I.V.)PETペレット(ヒートウェーブ(Heatwave)(商標)CF746、米国イーストマンケミカル社)を、4部のジベンジルアジパミド(「DBA」と略記)(米国ニュージャージー州プリンストンのウィルシャーテクノロジー(Wilshire Technologies)から入手)、1部のポリエステルアイオノマー−イーストマンAQ(Eastman AQ)(商標)55Sグレードポリマー(テネシー州キングスポートのイーストマンケミカル社)および1000ppmのネオデカン酸コバルト粉末と一緒にタンブルブレンドした。ブレンドした混合物を、265℃の溶融温度および10℃の金型温度および40秒間のサイクル時間で、アーバーグモデル(Arburg Model)320−210−500射出成形機械にて矩形のプラークに直接射出成形した。この矩形のプラークは、長さ15.9cm×幅4.4cmであり、2mm、1.8mm、2.5mm、3.3mmおよび4mmの段階的に増える厚さの5つの等しいセクションを有していた。
比較例1:上記の実施例からの手法をAQ55Sポリエステルアイオノマー(活性剤無し)を排除して繰り返した。すなわち、95.9部の乾燥したPETペレット(ヒートウェーブ(商標)CF746)を4部のDBAおよび1000ppmのネオデカン酸コバルトと一緒にタンブルブレンドし、次いで、実施例1において既述のとおり矩形のプラークに射出成形した。
プラーク酸素掃去性テスト:実施例1および比較例1の両方のプラークを、5gの水を含有する700mlの広口ガラスジャー中に入れる(典型的には、各事例において7つのプラーク)ことにより酸素掃去性をテストした。ジャーをゴムセプタムを有するキャニング用ジャーのフタでしっかりと密閉し、次いで、38℃のチャンバに入れた。ジャー中の酸素含有量を、セプタムを通してシリンジニードルを挿入して空気サンプルを抜き取り、モコン頭隙酸素分析器(モコンモデル(Mocon Model)LC700F、ミネソタ州ミネアポリスのモコンモダーンコントロールズ)で分析することにより周期的に計測した。最初の酸素含有量の計測の後、その後の計測により、酸素掃去による酸素含有量の低下を数日の期間にわたって監視する。実施例1および比較例1からのデータが図1に示されている。ポリエステルアイオノマーAQ55Sを活性剤として含有する実施例1は、この活性剤添加剤を有さなかった比較例と比較して顕著に速い酸素掃去速度を示したことが注意され得る。
実施例2:94.9重量部の乾燥したPETペレット(ヒートウェーブ(商標)CF746)を、4部のジベンジルアジパミド、1部のポリエーテルジエステル、すなわち、PEG400ジ−2−エチルヘキサノエート(テグメル(TegMeR)809(登録商標))および1000ppmのネオデカン酸コバルト粉末と一緒にタンブルブレンドした。ブレンドした混合物を矩形のプラークに直接射出成形し、このプラークを実施例1および比較例1に記載されているとおり酸素掃去性についてテストした。図1に示されているとおり、酸素掃去性データは、ポリエーテルジエステルを活性剤として含有していなかった比較例1と比較して、酸素掃去の速度における相当の増加(すなわち、活性化)を示す。
実施例3:94.9重量部の乾燥したPETペレット(ヒートウェーブ(商標)CF746)を、4部のジベンジルアジパミド、0.3部のN−ヒドロキシフタルイミド(「NHPI」)(米国ミルウォーキーウィスコンシン州のシグマアルドリッチ社製)および1000ppmのネオデカン酸コバルト粉末と一緒にタンブルブレンドした。ブレンドした混合物を矩形のプラークに直接射出成形し、このプラークを実施例1および比較例1に記載されているとおり酸素掃去性についてテストした。図1に示されているとおり、酸素掃去性データは、活性剤としてNHPIを含有しない比較例1と比較して酸素掃去の相当の増加または活性化を示す。
実施例4:5−スルホイソフタル酸ナトリウム部分(約0.2mol.%)を含有する変性PET樹脂97重量部および約75ppmのコバルト(2300Kポリマー、インビスタ社製)を完全に乾燥させ、3重量部のジベンジルアジパミド(DBA)とタンブルブレンドした。この変性PET−DBAブレンドを、2003バッテンフェルド(Battenfeld)A800/200H/125HC射出成形機械で、240〜260℃で、循環する冷水で冷却した単一キャビティの30g 33mm仕上げケチャップボトルプリフォーム金型に直接射出成形して、単層プリフォームを形成した。
第2のステップにおいて、上記のプリフォームを単層ボトルに再加熱−延伸−吹込成形した。本実施例において、ボトルを、1時間当たり約800本のボトルで稼働するサイデル(Sidel)SBO−1マシンで延伸吹込した。このプロセスにおいて、プリフォームは、典型的には、吹込作業に先だって99℃の表面温度に加熱した。吹込成形温度は約
12℃であった。吹込圧は約3300kPa(33bar)であった。得られたボトルは透明であった。
比較例2:97重量部の標準的なボトルグレードPET樹脂(ヒートウェーブ(商標)CF746)を、3重量部のジベンジルアジパミド(DBA)および2500ppmのネオデカン酸コバルト粉末と完全にタンブルブレンドした。均質に混合したブレンドを、同一のバッテンフェルド射出成形機械および実施例4において上述したプロセス条件で、同一のプリフォーム金型に直接射出成形して、30g/33mm仕上げケチャップボトル単層プリフォームを形成した。
第2のステップにおいて、上記のプリフォームを、実施例4において上述したものと同様の吹込成形条件を用いて、同一のサイデルSBO−1マシンで単層ボトルに再加熱−延伸−吹込成形した。これらの得られた単層ボトルもまた透明であった。
「PET対照」単層プリフォームおよびボトルを、同一のプリフォーム成形条件および既述の再加熱延伸吹込成形条件で、100%PET(ヒートウェーブ(商標)CF746)から形成した。
ボトル酸素掃去性テスト(オービスフェアテスト):実施例4、比較例2のボトルおよびPET対照を、標準的なオービスフェアテスト器具(スイス国ジュネーブのオービスフェア社(Orbisphere))を用いて酸素掃去性能についてテストした。典型的には、各ボトルをオービスフェアベンチトップフィラーに装填し、最初に窒素でフラッシュした後、脱酸素水(O含有量<100ppb)を充填し、フォイルシールで密閉する。各組成物の数本のボトルを充填して密閉した後、これらを、要求される貯蔵寿命テスト期間の間周囲条件下で保管するが、この間、一度に少なくとも3本のボトルを取り出してオービスフェアのモデル3600分析器に接続されたオービスフェアのモデル29972サンプルデバイスを用いることにより酸素含有量を計測することによって、ボトル中の酸素含有量または酸素進入を周期的に監視する。各計測に関しては、ボトルシールに穴を空け、20psi窒素を用いてボトルから液体を強制的に取り出し、オービスフェアのセンサ分析器に通す。30〜50%の液体を取り出した後に計測値は安定となり、酸素含有量の読み取り値を記録する。周期的な計測の各々においては、平均で3〜5回の読み取り値を読み取る。
図2に示されているオービスフェアデータは、実施例4の本発明の組成物で形成されたボトルについて顕著に優れた酸素掃去性能を明らかに示しており、7週間保管した後においても誘導時間は無く、酸素進入はごくわずか(<0.016ppm)であった。PET中のスルホイソフタレートアイオノマー部分が、中に含有されている3%DBAおよび80ppm Coによる酸素掃去性に対する活性剤として機能していることが明らかである。対照的に、活性剤部分を伴わない標準的なPET中に同一の3%DBAを含有する比較例2では、添加触媒として添加された2500ppmネオデカン酸コバルトを伴っていても、劣った酸素掃去特性が示された。従って、これらのボトルは、顕著な酸素進入(17週間で>3.4ppm)を示した。当然ながら、酸素掃去特性を全く有していないPET対照ボトルは、安定した酸素透過で顕著な酸素進入(17週間で>3.8ppm、21週間で>4ppm)を示した。
実施例5:この実験においては、本発明の組成物を、3層共射出成形ボトルプリフォームにおけるバリア層として用いた。3層プリフォームは、2つの個別の押出し機フィードから構成される連続式共射出成形プロセスにより形成した。PETフィード押出し機(押出し機「A」は260〜270℃に加熱した)においては、低水分含有量<10ppmに乾燥させた市販のボトルグレードPET(ヒートウェーブ(商標)CF746)を用いた
。バリア樹脂フィード押出し機(押出し機「B」は240〜260℃に加熱した)においては、6%ジベンジルアジパミド(DBA)および2500ppmネオデカン酸コバルトと共にタンブルブレンドしたスルホイソフタレート変性PET(インビスタ社製2300Kポリマー)を押出し機に供給した。押出し機AおよびBからの2つの溶融フィードを、2003バッテンフェルドA800/200H/125HC共射出成形機械を用いて、単一キャビティの30g 33mm仕上げケチャップボトルプリフォームに連続して共射出成形して、プリフォーム総重量の約40%を構成するバリアPETブレンド材料の中間層を有する3層プリフォームを形成した。成形に係るサイクル時間は約30秒間であった。
第2のステップにおいて、上記の3層プリフォームを3層ボトルに再加熱−延伸−吹込成形した。本実施例においては、ボトルを、1時間当たり約800本のボトルで稼働するサイデルSBO−1マシンで延伸吹込した。このプロセスにおいて、プリフォームは、典型的には、吹込作業に先だって99℃の表面温度に加熱した。吹込成形温度は約12℃であった。吹込圧は約3300kPa(33bar)であった。このようにして得た3層ボトルはきわめて透明であった。これらのボトルを、同一のオービスフェアテストプロトコルを用いて、実施例4に既述のとおり酸素掃去性能についてテストした。図3に示されているデータは、劣った酸素掃去特性(17週間で>2.5ppmの酸素進入)を示した比較例3の3層ボトルとは対照的に、これらのボトルに対する優れた酸素掃去特性(17週間で<0.085ppmのO)を明らかに示す。
比較例3:この実験においては、標準的なPET(ヒートウェーブ(商標)CF746)を用いたことを除き、実施例5におけるものと同様に3層ボトルを形成した。バリア樹脂フィード押出し機(押出し機「B」は240〜260℃に加熱した)においては、94w%の標準的なボトルグレードPET(ヒートウェーブ(商標)CF746)を6%ジベンジルアジパミド(DBA)および2500ppmネオデカン酸コバルトと混合したブレンドを押出し機に供給した。押出し機「A」(240〜260℃に加熱した)においては、フィードは100%標準的なPET(ヒートウェーブ(商標)CF746)から構成されていた。押出し機AおよびBからの2つの溶融フィードを、単一キャビティの30g 33mm仕上げケチャップボトルプリフォームに連続して共射出成形して、プリフォーム総重量の約40%を構成するPETブレンド材料の中間層を有する3層プリフォームを形成した。
上記の3層プリフォームを、既述のとおり3層ボトルに再加熱−延伸−吹込成形した。これらのボトルを、既述のものと同一のオービスフェアテストプロトコルを用いて酸素掃去性能についてテストした。図3に示されているとおり、データは、実施例5からのボトルと比較してこれらのボトルに対する劣った酸素掃去特性(>2.5ppmの酸素進入)を明らかに示す。
実施例6:この実験においては、3層プリフォームを、上記のものと同一の連続式共射出成形プロセスにより形成した。押出し機「A」においては、100%PET(ヒートウェーブ(商標)CF746)を用いた。バリア樹脂フィード押出し機(押出し機「B」)においては、93w%PET(米国インビスタ社製2300Kポリマー)、6w%ジベンジルアジパミド(DBA)、2500ppmネオデカン酸コバルトおよび1w%ポリエチレングリコール(米国ダウケミカル社製カーボワックスセントリーPEG8000)の乾式ブレンドを押出し機に供給した。押出し機AおよびBからの2つの溶融フィードを、単一キャビティの30g 33mm仕上げケチャップボトルプリフォームに連続して共射出成形して、プリフォーム総重量の約40%を構成するバリアPETブレンド材料の中間層を有する3層プリフォームを形成した。
次いで、上記の3層プリフォームを3層ボトルに再加熱−延伸−吹込成形し、オービス
フェアテストプロトコルを用いて酸素掃去性能について既述のようにテストした。図3に示されているデータは、比較例3の3層ボトルとは対照的に、これらのボトルに対する優れた酸素掃去特性(17週間で<0.085ppmのO)を明らかに示す(17週間で>2.5ppmのO2)。
実施例7:この実験においては、3層ボトルを、活性酸素掃去性組成物を内側および外側表皮層(A層)中に含めて形成した。3層プリフォームを、既述のものと同一の連続式共射出成形プロセスにより形成した。押出し機「A」においては、96w%PET樹脂(インビスタ社製2300Kポリマー)、4w%ジベンジルアジパミド(DBA)の乾式ブレンドを供給し、一方で、押出し機「B」(中間層フィード)においては、100%PETペレット(パラスター(Parastar)(商標)9000、イーストマンケミカル社)を用いた。押出し機AおよびBからの2つの溶融フィードを、単一キャビティの30gケチャップボトルプリフォームに連続して共射出成形して、2つの表皮層(A層)の各々が約30%のバリアPETブレンド材料を含み、一方で、中間層がプリフォーム総重量の約40%の純粋なPETからなる3層プリフォームを形成した。
上記の3層プリフォームを、既述のとおり3層ボトルに再加熱−延伸−吹込成形し、既述のものと同一のオービスフェアテストを用いて酸素掃去性能についてテストした。オービスフェアデータは、比較例4からのボトル(35日間で<1425ppbのO)または2300Kポリマー製の対照単層ボトル(35日間で<1250ppbのO)と比較して、これらのボトルに対する際立った酸素掃去特性(35日間で<8ppbのO)を明らかに示した。
比較例4:この実験においては、96w%の標準的なボトルグレードPET(パラスター(商標)9000)を4w%ジベンジルアジパミド(DBA)および1500ppmネオデカン酸コバルトと混合したブレンドを「A」押出し機に供給したことを除き、実施例7におけるものと同様に3層ボトルを形成した。「B」押出し機においては、100%PETペレット(パラスター(商標)9000)を供給した。押出し機AおよびBからの2つの溶融フィードを、単一キャビティの30g 33mm仕上げケチャップボトルプリフォームに連続して共射出成形して、2つの表皮層(A層)の各々が約30%のPETブレンド材料を含み、一方で、中間層がプリフォーム総重量の約40%の純粋なPETからなる3層プリフォームを形成した。
上記の3層プリフォームを、既述のとおり3層ボトルに再加熱−延伸−吹込成形した。これらのボトルを、既述のものと同一のオービスフェアテストプロトコルを用いて酸素掃去性能についてテストした。オービスフェアデータは、実施例6からのボトル(35日間で<8ppbのO)と比較して、これらのボトルに対する劣った酸素掃去特性(35日間で>1400ppbの酸素進入)を示した。
PET対照(2300Kポリマー)単層ボトルを、既述の単一の押出し機フィードを用いて単層プリフォームから形成した。これらのボトルは、従来の単層PETボトルと同様に酸素掃去性を示さなかった(35日間で>1200ppbのO)。
実施例8:MXBMTの合成および酸素掃去性評価
キシレン(1.5L)および氷酢酸(1.5L)の混合物を、ディーンスタークトラップ(Dean−Stark trap)/還流凝縮器アセンブリおよび機械式攪拌機(ディーンスタークトラップは、副生成物として反応の最中に生成される水を連続的に除去し、反応を完了させるよう進行させるために用いられる効率的な実験デバイスである)を備えた5L反応容器に仕込んだ。溶媒混合物を含有する上記の5L反応器に、攪拌しながら、518.5グラム(3.12モル)のメチルテトラヒドロフタル酸無水物(商品名ECA1000として米国テキサス州ヒューストンのディキシーケミカルカンパニー(Dixie Chemical Company Inc.)から入手可能)をゆっくりと添加した。反応混合物を攪拌しながらゆっくりと100〜120℃に加熱した。次いで、得られた温かい溶液に、215.4グラム(1.56モル)のm−キシリレンジアミン(シグマアルドリッチ社製)を、還流が制御下にあるような速度でゆっくりと添加した。添加の最中に反応が開始され、副生成物として形成された水が回収され始めて、ディーンスタークトラップにおいて凝縮したキシレン/酢酸混合物から高密度層として分離される。
30分間の時間にわたって行ったm−キシリレンジアミンの添加の最中、視認可能な懸濁が形成されることはなく、反応混合物はこの温度で透明なままであった。反応混合物の還流を4時間の追加の時間継続した。この時間の間、反応の副生成物として形成された水は、ディーンスターク装置において下層として連続的に回収され、必要に応じて周期的に廃棄した。反応の完了は、薄層クロマトグラフィ(TLC)で反応混合物の少量のサンプルをテストすることにより監視した。4時間の還流時間の終了時で、粗反応混合物のTLC分析により反応が基本的に完了していたことが示された。
次いで、反応混合物の溶剤(キシレン/酢酸混合物)を減圧下での蒸留により除去し、粗反応生成物を塩化メチレン中に溶解し、水性1N HCl溶液、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および水で順次に洗浄した。次いで、得られた塩化メチレン溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶剤を蒸発させることにより濃縮し、シリカゲルカラムで精製した。次いで、560グラムの純粋な生成物を濃いゲル/粘性の油として単離するために、生成物を減圧でストリッピングして、残存する塩化メチレンのすべてを除去した。図4に示されているとおり、プロトンNMRにより生成物の構造および純度を確認した。
酸素掃去能を例示するために、MXBMT(15g)のサンプルを大型の頭隙バイアル/ジャー(932mL)に入れ、これに、ネオデカン酸コバルト(2500ppm)およびn−ヒドロキシフタルイミド(1000ppm)の混合物をそれぞれ触媒および助触媒として添加した。ゴムセプタムを備えるキャップでジャーを密閉し、約75℃〜83℃のオーブン中で保持した。ジャー中の酸素含有量を、シリンジでガスサンプルを抜き取り、これをモコン頭隙酸素分析機器(ミネソタ州ミネアポリスのモコンモダンコントロールズから入手可能)で分析することにより周期的に計測した。最初の酸素含有量の計測の後、その後の計測により、酸素掃去による酸素含有量の低下を数日の期間にわたって監視する。この実施例からのデータが表1に列挙されている。
表1:MXBMT酸素掃去性データ
注記:7日後に少量の水(0.2g)をジャーに注入した。
上記のデータは、MXBMTは、ジャー中に含有される空気から酸素を掃去し、8日間で酸素含有量を20.1%から10.9%に低減させることが可能であることを示す。
実施例9:酸素掃去剤としてのMXBC
この実施例は、1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン(CAS番号119462−56−5)としても公知であるm−キシリレンビス(シトラコンイミド)(MXBC)の新規な酸素掃去剤添加剤としてのPETにおける使用を例示する。MXBCの構造は以下のとおりである。
MXBCは、フレックシスU.S.A.(Flexsys U.S.A.)から、商品名パーカリンク(Perkalink)900(ゴム薬品)で市販されている。
99重量部の乾燥したPETペレットを、1部のMXBCおよび2500ppmネオデカン酸コバルト粉末と一緒にタンブルブレンドした。ブレンドした混合物を、射出成形機械で、長さ15.9cm×幅4.4cmで2mm、1.8mm、2.5mm、3.3mmおよび4mmの段階的に増える厚さの5つの等しいセクションを有する矩形のプラークに直接成形した。これらのプラークを、28.3495g(1オンス)の水を含有する907.184g(32oz.)ガラスジャー中に入れる(典型的には7つ)ことにより酸素掃去性についてテストした。ジャーは、ゴムセプタムを有するキャニング用ジャーのフタでキャップをする。ジャー中の酸素含有量をセプタムを通してシリンジニードルを挿入してガスサンプルを抜き取り、モコン頭隙酸素分析機器(ミネソタ州ミネアポリスのモコン
モダーンコントロールズから入手可能)で分析することにより周期的に計測した。最初の酸素含有量の計測の後、その後の計測により、酸素掃去による酸素含有量の低下を数日の期間にわたって監視する。この実施例からのデータが表2に列挙されており、プラークを含有するジャー中の酸素含有量の低下が示され、酸素掃去性能が示されている。
表2:MXBC酸素掃去性データ
実施例10:140gのm−キシレン−ビス−(シトラコンイミド)、5.6gのネオデカン酸コバルトおよび6854gの乾燥したPETペレットの混合物をタンブルブレンドした。ブレンドを、3層共射出成形ボトルプリフォームにおけるバリア層として用いた。3層プリフォームは、2台の個別の押出し機フィードから構成される連続式共射出成形プロセスにより形成した。PETフィード押出し機(押出し機「A」は260〜270℃に加熱した)においては、低水分含有量<10ppmに乾燥させた市販のボトルグレードPET(M&G製の0.85 IV PET)を用いた。バリア樹脂フィード押出し機(押出し機「B」は240〜260℃に加熱した)においては、酸素掃去剤(MXBC)およびネオデカン酸コバルトを含有するPETブレンドを押出し機に供給した。押出し機AおよびBからの2つの溶融フィードを、2003バッテンフェルドA800/200H/125HC共射出成形機械を用いて単一キャビティの30g 33mm仕上げケチャップボトルプリフォームに連続して射出成形して、プリフォーム総重量の約40%を構成するバリアPETブレンド材料の中間層を有する3層プリフォームを形成した。成形に係るサイクル時間は約30秒間であった。
第2のステップにおいて、上記の多層プリフォームを多層ボトルに再加熱−延伸−吹込成形した。本実施例においては、ボトルを、1時間当たり約800本のボトルで稼働するサイデルSBO−1マシンで延伸吹込した。このプロセスにおいて、プリフォームは、典型的には、吹込作業に先だって99℃の表面温度に加熱した。吹込成形温度は約12℃であった。吹込圧は約3300kPa(33bar)であった。得られたボトルは透明であり、182.88cm(6フィート)アングル落下試験において大きな層剥離欠損は見られなかった。
実施例11:m−キシリレン−ビス(テトラヒドロフタルイミド)(「MXBT」)の合成
ディーンスタークトラップを備えた5リットル反応容器中の1.5リットルのキシレンおよび1.5リットルの氷酢酸の混合物に、541グラム(3.55モル)のテトラヒド
ロフタル酸無水物(THPA)を添加した。混合物を100〜120℃に加熱した。この温かい溶液に、242グラム(1.78モル)のm−キシリレンジアミン(MXDA)を還流が制御下にあるような速度で添加した。添加の最中、水/酢酸混合物はディーンスタークトラップにおいてキシレン/酢酸混合物から分離され始める。添加は、合計で30分間の時間にわたって行った。還流下でさらに4時間の後、TLCにより反応が完了したことが示された。次いで、溶剤を減圧下で蒸発させ、固体生成物を塩化メチレン中に溶解させ、1N HCl、飽和NaHCO、水で順次に洗浄し、次いで、NaSOで乾燥させた。次いで、溶液を濃縮し、生成物を白色の固体として再結晶させた(収率:550g)。図5に示されているとおり、プロトンNMRによりMXBTの構造および高い純度(>99%)を確認した。
実施例12〜18:PET−MXBTブレンドプラークの射出成形および酸素掃去性計測
市販のボトルグレードPETペレット(ヒートウェーブCF746、イーストマン(Eastman))を完全に乾燥させ、次いで、種々のレベルのMXBT(実施例11から)および触媒としてのネオデカン酸コバルトと、N−ヒドロキシフタルイミド、低分子量ポリエチレングリコールジエステル(ホールスター社製のテグメル609)または低分子量ポリビニルピロリドン(BASF社製のルビテック(Luvitek)などの任意の活性化化合物を含めてタンブルブレンドした。実施例12〜18の特定の組成物が表3に示されている。各事例において、ブレンドしたPET−MXBT混合物を、射出成形機械で、長さ15.9cm×幅4.4cmで、2mm、1.8mm、2.5mm、3.3mmおよび4mmの段階的に増える厚さの5つの等しいセクションを有する矩形のプラークに直接成形した。プラークを、28.3495g(1オンス)の水を含有する907.184g(32oz.)ガラスジャー中に入れる(典型的には7つ)ことにより酸素掃去性についてテストした。ジャーは、ゴムセプタムを有するキャニング用ジャーのフタでキャップをする。ジャー中の酸素含有量を、セプタムを通してシリンジニードルを挿入してガスサンプルを抜き取り、モコン頭隙酸素分析機器(ミネソタ州ミネアポリスのモコンモダーンコントロールズ)で分析することにより周期的に計測した。最初の酸素含有量の計測の後、その後の計測により、酸素掃去による酸素含有量の低下を数日の期間にわたって監視する。図6および7に示されている酸素掃去性データは、PET対照と比較してPETマトリックスにおけるMXBTの優れた酸素掃去性能を明らかに示す。
表3:プラーク成形用PET−MXBTブレンド組成物および酸素掃去性テスト
前述の実施例および好ましい実施形態の記載は、特許請求の範囲により定義されている本発明を限定するものではなく、例示的であるとされるべきである。容易に評価されるであろうとおり、特許請求の範囲に記載されている本発明から逸脱することなく上記に記載
の機構の数多くの変形およびの組み合わせを利用することが可能である。このような変形は本発明の趣旨および範囲から逸脱するとみなされず、このような変形のすべては、以下の特許請求の範囲内に包含されることが意図されている。

Claims (40)

  1. a)ポリエステル基材ポリマー;
    b)式(I)もしくは(II)の化合物:
    (式中、
    Arはアリールまたはヘテロアリールであり;
    Xは
    であり;
    Yは、アルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレンであり;
    およびRは各々独立してHまたはアルキルであり;
    およびRは、各々独立して、H、アルキ(alky)、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;
    はアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
    ZおよびZ’は、各々独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;ならびに
    nおよびpは、各々独立して、0、1、2、3、4または5である);
    および、式IIIまたはIVの化合物:
    (式中、
    Arは、o−、m−もしくはp−フェニレン部分、置換フェニレン部分またはナフタレン部分であり;
    11およびR12は独立して:水素、アルキル、アルケニルおよびアリールからなる群から選択され;
    XはOまたは−(CH−であり;
    n=0、1または2であり;ならびに
    p=0、1または2である)
    からなる群から選択される少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物;
    c)正の酸化状態にある少なくとも1種の遷移金属であって、前記組成物中に約10〜約400ppmの量で存在する前記金属;ならびに
    d)
    (i)スルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマー、
    (ii)ポリオール誘導体、および
    (iii)N−ヒドロキシイミド
    からなる群から選択される少なくとも1種の活性化化合物、
    を含む組成物において、前記少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が前記組成物の約0.10〜約10重量パーセントの量で存在し、および、前記少なくとも1種の活性化化合物が前記組成物の約0.01〜約5重量パーセントの量で存在する組成物。
  2. 前記少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が、ジベンジルアジパミドである式(I)の前記化合物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が、m−キシレン−ビス(テトラヒドロフタルイミド)である前記式IIIの化合物である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記少なくとも1種の遷移金属がコバルトである、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ポリエステル基材ポリマーがポリエチレンテレフタレートである、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記非高分子被酸化性有機化合物が、前記組成物の重量を基準として約1〜約10重量パ
    ーセントの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記非高分子被酸化性有機化合物が、前記組成物の重量を基準として約1〜約5重量パーセントの量で存在する、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記化合物が、前記組成物の重量を基準として約1〜約3重量パーセントの量で存在する、請求項7に記載の組成物。
  9. 遷移金属の濃度が30〜150ppmである、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記活性化化合物がポリオール誘導体である、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記ポリオール誘導体が、ジアルキル−エーテルジ−アルキルエステルまたはポリアルキレン−エーテルジ−アルキルエステルである、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記活性化化合物がN−ヒドロキシイミドである、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記N−ヒドロキシイミドが式(V)の化合物:
    (式中、R21およびR22は、各々独立して、水素原子または有機基であり得、R21およびR22は、これらが結合している炭素原子と一緒に環を形成し得、R21および/またはR22は、これらが結合している炭素原子と一緒に炭素−炭素二重結合を形成し得る)
    である、請求項1に記載の組成物。
  14. 前記N−ヒドロキシルイミドが:N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N,N’−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボキシルジイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタルイミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、3−スルホニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メトキシカルボニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メチル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−ヒドロキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ニトロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−メトキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−カルボキシ−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、4−メチル−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミックイミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミドおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記N−ヒドロキシルイミドがN−ヒドロキシフタルイミドである、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記活性化化合物がスルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマーである、請求項1に記載の組成物。
  17. スルホイソフタレート部分を含有する前記ポリエステルアイオノマーが、コモノマーとしての5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩で変性されたPETコポリマー(A)、または、ジエチレングリコール、イソフタル酸および5−スルホイソフタル酸ナトリウム(B):
    のアモルファスコポリエステルである、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が:m−キシレン−ビス−(テトラヒドロフタルイミド)、m−キシレン−ビス−(メチルテトラヒドロフタルイミド)、m−キシレン−ビス−(オクテニルスクシンイミド)、m−キシレン−ビス−シトラコンイミド、m−キシレン−ビス(メチルナジミド)およびm−キシレン−ビス(ナジミド)からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記非高分子被酸化性有機化合物がジベンジルアジパミドであり、および、前記活性化化合物がN−ヒドロキシフタルイミドである、請求項1に記載の組成物。
  20. 少なくとも1つの層を備えるパッケージ用壁面において、前記層が組成物を含み、前記組成物が:
    a)ポリエステル基材ポリマー;
    b)式(I)もしくは(II)の化合物:
    (式中、
    Arはアリールまたはヘテロアリールであり;
    Xは
    であり;
    Yは、アルキレン、シクロアルキレンまたはアリーレンであり;
    およびRは各々独立してHまたはアルキルであり;
    およびRは、各々独立して、H、アルキ(alky)、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;
    はアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり;
    ZおよびZ’は、各々独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;ならびに
    nおよびpは、各々独立して、0、1、2、3、4または5である);
    および、式IIIまたはIVの化合物:
    (式中、
    Arは、o−、m−もしくはp−フェニレン部分、置換フェニレン部分またはナフタレン部分であり;
    11およびR12は独立して:水素、アルキル、アルケニルおよびアリールからなる群から選択され;
    XはOまたは−(CH−であり;
    n=0、1または2であり;ならびに
    p=0、1または2である)
    からなる群から選択される少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物;
    c)正の酸化状態にある少なくとも1種の遷移金属であって、前記組成物中に約10〜約400ppmの量で存在する前記金属;ならびに
    d)
    (i)スルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマー、
    (ii)ポリオール誘導体、および
    (iii)N−ヒドロキシイミド、
    からなる群から選択される少なくとも1種の活性化化合物、
    を含み、前記少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が前記組成物の約0.10〜約10重量パーセントの量で存在し、および、前記少なくとも1種の活性化化合物が前記組成物の約0.01〜約5重量パーセントの量で存在する、パッケージ用壁面。
  21. 前記少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が、ジベンジルアジパミドである前記式(I)の化合物である、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  22. 前記少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が、m−キシレン−ビス(テトラヒドロフタルイミド)である前記式IIIの化合物である、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  23. 前記少なくとも1種の遷移金属がコバルトである、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  24. 前記ポリエステル基材ポリマーがポリエチレンテレフタレートである、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  25. 前記非高分子被酸化性有機化合物が、組成物の重量を基準として約1〜約10重量パーセントの量で存在する、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  26. 前記非高分子被酸化性有機化合物が、組成物の重量を基準として約1〜約5重量パーセントの量で存在する、請求項25に記載のパッケージ用壁面。
  27. 前記化合物が、組成物の重量を基準として約1〜約3重量パーセントの量で存在する、請求項26に記載のパッケージ用壁面。
  28. 遷移金属の濃度が30〜150ppmである、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  29. 前記活性化化合物がポリオール誘導体である、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  30. 前記ポリオール誘導体が、ジアルキル−エーテルジ−アルキルエステルまたはポリアルキレン−エーテルジ−アルキルエステルである、請求項29に記載のパッケージ用壁面。
  31. 前記活性化化合物がN−ヒドロキシイミドである、請求項20に記載のパッケージ用壁面
  32. 前記N−ヒドロキシイミドが、式(V)の化合物:
    (式中、R21およびR22は、各々独立して、水素原子または有機基であり得、R21およびR22は、これらが結合している炭素原子と一緒に環を形成し得、R21および/またはR22は、これらが結合している炭素原子と一緒に炭素−炭素二重結合を形成し得る)
    である、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  33. 前記N−ヒドロキシルイミドが:N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシマレイミド、N,N’−ジヒドロキシシクロヘキサンテトラカルボキシルジイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシテトラクロロフタルイミド、N−ヒドロキシテトラブロモフタルイミド、N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、3−スルホニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メトキシカルボニル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−メチル−N−ヒドロキシフタルイミド、3−ヒドロキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ニトロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−クロロ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−メトキシ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシフタルイミド、4−カルボキシ−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、4−メチル−N−ヒドロキシヘキサヒドロフタルイミド、N−ヒドロキシヘット酸イミド、N−ヒドロキシハイミックイミド、N−ヒドロキシトリメリット酸イミド、N,N−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミドおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項32に記載のパッケージ用壁面。
  34. 前記N−ヒドロキシルイミドがN−ヒドロキシフタルイミドである、請求項33に記載のパッケージ用壁面。
  35. 前記活性化化合物がスルホイソフタレート部分を含有するポリエステルアイオノマーである、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  36. スルホイソフタレート部分を含有する前記ポリエステルアイオノマーが、コモノマーとしての5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩で変性されたPETコポリマー(A)、または、ジエチレングリコール、イソフタル酸および5−スルホイソフタル酸ナトリウム(B):
    のアモルファスコポリエステルである、請求項35に記載のパッケージ用壁面。
  37. 前記少なくとも1種の非高分子被酸化性有機化合物が:m−キシレン−ビス−(テトラヒドロフタルイミド)、m−キシレン−ビス−(メチルテトラヒドロフタルイミド)、m−キシレン−ビス−(オクテニルスクシンイミド)、m−キシレン−ビス−シトラコンイミド、m−キシレン−ビス(メチルナジミド)およびm−キシレン−ビス(ナジミド)からなる群から選択される、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  38. 前記非高分子被酸化性有機化合物がジベンジルアジパミドであり、および、前記活性化化合物がN−ヒドロキシフタルイミドである、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  39. 前記パッケージが単層容器である、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
  40. 前記パッケージが多層容器である、請求項20に記載のパッケージ用壁面。
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