JP2014513390A - イオンエネルギーアナライザ、当該イオンエネルギーアナライザ内での電気信号処理方法、並びに、当該イオンエネルギーアナライザの製造及び操作方法 - Google Patents

イオンエネルギーアナライザ、当該イオンエネルギーアナライザ内での電気信号処理方法、並びに、当該イオンエネルギーアナライザの製造及び操作方法 Download PDF

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Abstract

入射グリッド(80,126,160)、選択グリッド(82,134,134’)、及びイオンコレクタ(84,136,136’)を有する、プラズマ(66)のイオンエネルギー分布を決定するイオンエネルギーアナライザ(74,122,174)。前記入射グリッド(80,126,160)は、前記プラズマ(66)のデバイ長未満に寸法が設定された第1複数の開口部を有する。前記イオンコレクタ(84,136,136’)は、第1電源(182)を介して前記入射グリッド(80,126,160)と結合する。前記選択グリッド(82,134,134’)は、前記入射グリッド(80,126,160)と前記イオンコレクタ(84,136,136’)との間に設けられ、かつ、第2電源(180)を介して前記入射グリッド(80,126,160)と結合する。イオン電流計(106)が、前記イオンコレクタ(84,136,136’)上でのイオン流束を測定し、かつ、前記イオン流束に係る信号を送信するように、前記イオンコレクタ(84,136,136’)と結合する。

Description

本発明は概して、イオンエネルギー分析に関し、より詳細には、プラズマ処理システム内でのイオンエネルギー分布を測定するイオンエネルギーアナライザに関する。また本発明は、当該イオンエネルギーアナライザの製造及び使用方法にも関する。
プラズマ−より一般的には電荷−は、材料処理を含む様々な産業上の用途において精力的に利用されてきた。たとえば半導体処理中、プラズマは通常、半導体基板上でパターニングされた微細ラインに沿った材料の異方的除去又はビア(又はコンタクト)内部での材料の異方的除去を容易にするエッチング処理を支援するのに利用される。そのようなプラズマ支援エッチングの例には、反応性イオンエッチング(“RIE”)が含まれる。RIEとは本質的には、イオンによって活性化される化学エッチング処理である。
プラズマ処理中、イオンエネルギー−より具体的にはイオンエネルギー分布(“IED”)−は、基板での反応過程の結果に強く影響する処理パラメータである。たとえば半導体デバイス上でエッチング処理を実行するとき、イオンエネルギーは、エッチング選択性、エッチング速度の均一性、側壁プロファイル、残余物制御等に影響を及ぼす。この処理パラメータは重要であるため、プラズマ処理システム内の特定の位置でのイオンエネルギーとその分布を測定することは、プラズマの実効性を評価する上で重要である。
一般的にはIEDは、イオンビーム内にグリッドとイオンコレクタを設置することによって測定される。そのグリッドの電位が変化することで、バイアス印加されたグリッドによって課される電位障壁を超えるのに十分なエネルギーを有するビーム中のイオンだけが、そのグリッドを通り抜けて、そのイオンコレクタに衝突する。グリッド上での電位の関数としてイオン電流を収集及び測定することによって、積分されたIEDを得ることができる。この積分の微分はIEDとなる。
米国仮特許出願第61/468187号明細書 米国特許第7777179号明細書 米国特許第7875859号明細書 米国特許第7740737号明細書
IEDが、数十年の間、様々なイオンエネルギーアナライザ(“IEA”)を用いるプラズマ処理において精力的に測定されてきたが、依然として改善の必要がある。たとえば大抵の既知のアナライザは、測定結果が基板を処理するときの一般的な条件の特徴を示さなくなる程度に処理プラズマを攪乱し、大きな電位で動作せず、かつ/あるいは、アナライザ内部での2次電子放出に起因する大きなノイズを示してしまう。
これらの困難を克服するために多くの試みがなされてきたが、依然として、上記及び他の問題を解決するための改善された、新規で、かつ実用的な解決策が必要とされている。
本発明は、従来技術のイオンエネルギーアナライザの上記及び他の問題点や課題を解決する。本発明は、実施例に関連付けて説明されるが、本発明はこれらの実施例に限定されないことに留意して欲しい。対照的に、本発明は、全ての代替型、修正型、及び均等型を本発明の技術的範囲に含む。
本発明の一の実施例によると、プラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられるイオンエネルギーアナライザは、入射グリッド、選択グリッド、及びイオンコレクタを有する。前記入射グリッドは、前記イオンエネルギーアナライザの第1面を構成し、かつ、前記プラズマに曝されるように設けられる。前記入射グリッドは、第1複数の開口部を有する。前記第1複数の開口部は、前記プラズマのデバイ長未満の寸法に設定される。前記イオンコレクタは、前記イオンエネルギーアナライザの第2面を構成し、かつ、第1電源を介して前記入射グリッドと操作可能なように結合する。前記選択グリッドは、前記入射グリッドと前記イオンコレクタとの間に設けられ、かつ、第2電源を介して前記入射グリッドと操作可能なように結合する。イオン電流計は、前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記イオンコレクタ上でのイオン流束を測定して、前記の測定されたイオン流束を表す信号を送信する。
本発明の他の実施例によると、診断用ウエハは、プラズマに曝された表面を有する基板を有する。凹部は、前記プラズマに曝された表面にわたって広がり、前記イオンエネルギーアナライザを受けるように構成される。それにより前記入射グリッドは、前記基板のプラズマに曝された表面と同一の広がりを有する。
本発明のさらに他の実施例は、基板とイオンエネルギーアナライザを有する診断用ウエハに関する。前記基板は、前記イオンエネルギーアナライザの入射グリッドを含むプラズマに曝された表面を有する。
本発明の他の実施例は、イオンエネルギーアナライザに関する。前記イオンエネルギーアナライザは、プラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられ、かつ、入射グリッド、選択グリッド、及びイオンコレクタを有する。前記入射グリッドは、前記イオンエネルギーアナライザの第1表面を構成し、かつ、前記プラズマに曝されるように設けられる。前記入射グリッドは第1複数の開口部を有する。前記第1複数の開口部は、前記プラズマのデバイ長未満の寸法に設定される。前記イオンコレクタは、前記イオンエネルギーアナライザの第2表面を構成する。電源は、前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記入射グリッドに対して前記イオンコレクタを選択的かつ可変にバイアス印加するように構成される。イオン電流計は、前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記イオンコレクタ上でのイオン流束を測定して、前記の測定されたイオン流束を表す信号を送信する。
本発明の他の実施例によると、診断用ウエハは、プラズマに曝された表面を有する基板を有する。凹部は、前記プラズマに曝された表面にわたって広がり、前記イオンエネルギーアナライザを受けるように構成される。それにより前記入射グリッドは、前記基板のプラズマに曝された表面と同一の広がりを有する。
本発明の他の実施例は、基板とイオンエネルギーアナライザを有する診断用ウエハに関する。前記基板は、前記イオンエネルギーアナライザの入射グリッドを含むプラズマに曝された表面を有する。
本発明の他の実施例は、プラズマのイオンエネルギー分布を決定するイオンエネルギーアナライザを有する。前記イオンエネルギーアナライザは、入射グリッド、選択グリッド、及びイオンコレクタを有する。前記入射グリッドは、前記イオンエネルギーアナライザの第1表面を構成し、かつ、前記プラズマに曝されるように設けられる。前記入射グリッドは第1複数の開口部を有する。前記第1複数の開口部は、前記プラズマのデバイ長未満の寸法に設定される。前記イオンコレクタは、前記イオンエネルギーアナライザの第2表面を構成する。前記選択グリッドは、前記入射グリッドと前記イオンコレクタとの間に設けられる。第1絶縁体が、前記入射グリッドと前記イオンコレクタとを電気的に絶縁するように構成される。第2絶縁体が、前記選択グリッドと前記イオンコレクタとを電気的に絶縁するように構成される。イオン電流計は、前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記イオンコレクタ上でのイオン流束を測定して、前記の測定されたイオン流束を表す信号を送信する。
本発明の他の実施例によると、診断用ウエハは、プラズマに曝された表面を有する基板を有する。凹部は、前記プラズマに曝された表面にわたって広がり、前記イオンエネルギーアナライザを受けるように構成される。それにより前記入射グリッドは、前記基板のプラズマに曝された表面と同一の広がりを有する。
本発明の他の実施例は、基板とイオンエネルギーアナライザを有する診断用ウエハに関する。前記基板は、前記イオンエネルギーアナライザの入射グリッドを含むプラズマに曝された表面を有する。
本発明の一の実施例は、選択グリッドと操作可能なように結合する電源を有するイオンエネルギーアナライザによって信号を生成する方法を有する。当該方法は、入射グリッドに対して前記選択グリッドを選択的かつ可変なようにバイアス印加する段階を有する。
本発明の一の実施例によると、複数のイオンを含むプラズマのイオンエネルギー分布を表す信号を生成する方法は、第1グリッドと第2グリッドとの間に及び前記第1グリッドと第2グリッドに対して電位障壁を印加する段階を有する。前記電位障壁は、前記第1グリッドを通過する前記複数のイオンを、前記電位障壁を超えるのに十分なエネルギーを有するイオンに制限する。第2グリッドは、前記第1グリッドに対して選択的かつ可変となるようにバイアス印加される。前記の選択的かつ可変となるようなバイアス印加は、前記第2グリッドを通過する前記複数のイオンをさらに制限する。前記第2グリッドを通過するイオン流束が測定される。
本発明の他の実施例によると、複数のイオンを含むプラズマのイオンエネルギー分布を表す信号を生成する方法は、入射グリッドと前記プラズマとの間に及び前記入射グリッドと前記プラズマに対して電位障壁を印加する段階を有する。前記電位障壁は、前記入射グリッドを通過する前記複数のイオンを、前記電位障壁を超えるのに十分なエネルギーを有するイオンに制限する。選択グリッドは、前記入射グリッドに対して選択的かつ可変となるようにバイアス印加される。前記の選択的かつ可変となるようなバイアス印加は、前記選択グリッドを通過する前記複数のイオンをさらに制限する。前記選択グリッドを通過するイオン流束が、イオンコレクタで受け取られて、イオン電流計によって測定される。続いて前記の測定されたイオン流束を表す信号が送信される。
本発明の他の実施例は、イオンエネルギーアナライザ及び当該イオンエネルギーアナライザが製造される方法に関する。当該方法は、第1基板を処理して、第1チャネル及び該第1チャネルを貫通する第1複数の開口部を有する入射グリッドを形成する段階を有する。第2基板は、内部に存在する第2チャネル及び該第2チャネルを貫通する第2複数の開口部を有する入射グリッドを形成するように処理される。第3基板は、内部に第3チャネルを有するイオンコレクタを形成するように処理される。前記入射グリッドは、前記選択グリッドと操作可能なように結合し、かつ、前記選択グリッドから電気的に絶縁される。前記選択グリッドは、前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記イオンコレクタから電気的に絶縁される。
本発明の他の実施例は、イオンエネルギーアナライザ及び当該イオンエネルギーアナライザ内に少なくとも1つの電気的接続を形成する方法に関する。当該方法は、第1プラチナ−ガラスフリットを堆積する段階、及び、前記第1プラチナ−ガラスフリットを焼成してコンタクトパッドを形成する段階を有する。導体及び第2プラチナ−ガラスフリットが、前記コンタクトパッドに堆積され、かつ、前記導体と前記コンタクトパッドとを結合させるように焼成される。
本発明の他の実施例によると、イオンエネルギーアナライザ内部に少なくとも1つの電気的接続を形成する方法が供される。当該方法は、第1プラチナ−ガラスフリットを堆積する段階、及び、前記第1プラチナ−ガラスフリットを焼成してコンタクトパッドを形成する段階を有する。導体及び第2プラチナ−ガラスフリットが、前記コンタクトパッドに堆積され、かつ、前記導体と前記コンタクトパッドとを結合させるように焼成される。
本発明の他の実施例は、第1基板を処理して、第1チャネル及び該第1チャネルを貫通する第1複数の開口部を有する入射グリッドを形成する処理を有するイオンエネルギーアナライザを製造する方法を含む。第2基板は、内部に存在する第2チャネル及び該第2チャネルを貫通する第2複数の開口部を有する選択グリッドを形成するように処理される。第3基板は、内部に第3チャネルを有するイオンコレクタを形成するように処理される。前記入射グリッドは、前記選択グリッドと操作可能なように結合し、かつ、前記選択グリッドから電気的に絶縁される。前記選択グリッドは、前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記イオンコレクタから電気的に絶縁される。
本発明の他の実施例によると、診断用ウエハを形成する方法は、誘電体基板のプラズマに曝された表面に凹部をエッチングによって形成する段階を有する。当該イオンエネルギーアナライザは前記凹部内に設けられる。それにより前記入射グリッドは、前記基板のプラズマに曝された表面と同一の広がりを有する。
本発明の他の実施例による診断用ウエハを形成する他の方法は、イオンエネルギーアナライザを有する。前記診断用ウエハのプラズマに曝された表面は第1基板である。
本発明の他の実施例は、イオンエネルギーアナライザからイオンエネルギーアナライザ制御装置へ送信される高周波信号をフィルタリングするRC回路を有する。前記イオンエネルギーアナライザは、処理チャンバ内部でのプラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられる。前記RC回路は第1フィルタと第2フィルタを有する。前記第1フィルタと第2フィルタはそれぞれ、入射グリッドと選択グリッドと操作可能なように結合する。前記第1フィルタと第2フィルタは、ルテニウム酸化物を含むバンドパスフィルタ又はローパスフィルタを有する。
本発明の一の実施例によるプラズマ処理システムの概略的断面図である。 本発明の一の実施例による、イオンエネルギーアナライザ(“IEA”)を含む、図1のプラズマ処理システムで用いられる診断用ウエハの概略的上面図である。 図2のIEAの斜視図である。 図2のIEAの概略的断面図である。 チャージアップ前の図4のIEAの円5Aを表す図である。 チャージアップ後のIEAを表す図5Aと同様の図である。 波形に従って操作される図2のIEAの選択グリッドの概略図である。イオンの軌跡も概略的に図示されている。 本発明の一の実施例による図2のIEAの操作方法を表すフローチャートである。 本発明の他の実施例によるIEAの斜視図である。 図8に図示されたIEAの分解斜視図である。 本発明の他の実施例によるIEAの斜視図である。 本発明の一の実施例による3層のIEAに出力を供給するように構成されるIEA制御装置を備えるIEAの概略図である。 本発明の一の実施例による3層のIEAに出力を供給するように構成されるIEA制御装置を備えるIEAの概略図である。 本発明の実施例による、上に複数の3層のIEAを有して、共通の走査グリッドを共有する診断用ウエハの実施例に出力を供給するように構成されるIEA制御装置の概略図である。 本発明の一の実施例による、2層のIEAの実施例に出力を供給するのに適したIEA制御装置を備えるIEAの概略図である。 図14の2層のIEAの概略的断面図である。 本発明の一の実施例による、2層のIEAの実施例に出力を供給するのに適したIEA制御装置を備えるIEAの概略図である。 本発明の一の実施例による、複数の2層のIEAを上に有する診断用ウエハに出力を供給するのに適したIEA制御装置の概略図である。 本発明の他の実施例による、複数の2層のIEAを上に有する診断用ウエハに出力を供給するのに適したIEA制御装置の概略図である。 本発明の一の実施例による図1のプラズマ処理システムのフィードスルーシステムの斜視図である。 図18に図示されたフィードスルーシステムの一部の概略的上面図である。 本発明の実施例によるMEMSに基づくIEAの製造方法を表すフローチャートである。 図20の方法の段階を表す概略図である。 図20の方法の段階を表す概略図である。 図20の方法の段階を表す概略図である。 図20の方法の段階を表す概略図である。 図20の方法の段階を表す概略図である。 図20の方法の段階を表す概略図である。 図20の方法の段階を表す概略図である。 図20の方法の段階を表す概略図である。 本発明の一の実施例による、フィードスルーシステムを介してIEAとIEA制御装置とを電気的に結合する一の方法を表すフローチャートである。 図22の方法の段階を表す概略図である。 図22の方法の段階を表す概略図である。 図22の方法の段階を表す概略図である。 図22の方法の段階を表す概略図である。 本発明の他の実施例による、図1と同様の、診断用プラズマ処理システムの概略的断面図である。 本発明の一の実施例による、図20で供されるIEAのグリッドの位置合わせに用いられる位置合わせ装置の斜視図である。 本発明の一の実施例による、図20で供されるIEAのグリッドの位置合わせに用いられる位置合わせ装置の斜視図である。
ここで図1を参照すると、本発明の一の実施例によるプラズマ処理システム50の単純化された概略図が示されている。プラズマ処理システム50は、処理チャンバ56の略対向する面上に設けられる第1電極52と第2電極54を有する。第1電極52は、診断用ウエハ60又は処理用ウエハ(図示されていない)を支持する基板ホルダ58内部に備えられる。
第1電極52は、第1高周波(“RF”)出力システム62と操作可能なように結合する。第1RF出力システム62は、第1RF周波数及び第1RF電圧でRF出力を供するように構成される。他方第2電極54は第2RF出力システム64と操作可能なように結合する。第2RF出力システム64は、第2RF周波数及び第2RF電圧でRF出力を供するように構成される。たとえば第2RF周波数は、第1RF周波数よりも高いRF周波数であって良い。第1電極52と第2電極54へ供されるRF出力は、第1電極52と第2電極54との間に位置する処理空間68内にプラズマ66を生成するように操作させることが可能である。
第1電極52と第2電極54の両方が、RF出力システム62,64と結合している状態で図示されているが、第1電極52と第2電極54のうちの少なくとも1つが他の出力システムと結合しても良い。たとえば第2電極54は、直流(“DC”)接地電位又はDC電源70と操作可能なように結合して良い。あるいはその代わりに、第1電極52がDC接地電位又はDC電源72と結合しうる一方で、第2電極54は第2RF出力システム64と結合する。あるいはその代わりに、第1電極52は、複数のRF周波数(たとえば第1RF周波数及び第2RF周波数)を供するように操作することが可能な第1RF出力システム62と結合しうる。他方第2電極54は、DC接地電位又はDC出力システム72と結合して良い。あるいはその代わりに、第2電極54はDC出力システム70と結合して良い。DC出力システム70は、低周波波形によってパルス化又は変調される。
それに加えてプラズマ処理システム50は任意で、DC電圧を第2電極54へ供するDC出力システム72を有して良い。DC出力システム72は可変DC電源を有して良い。それに加えてDC出力システム72は双極性DC電源を有して良い。さらにDC出力システム72は、DC電源の極性、電流、電圧、若しくはオン/オフ状態の監視、調節、又は制御のうちの少なくとも1つを実行するように構成されて良い。一旦プラズマ66が生成されると、DC出力システム72は、高エネルギー電子ビームの生成を補助するのに用いられて良い。
必要であれば、電気フィルタ(図示されていない)が、RF出力システム62,64をDC出力システム72から分離するのに利用されて良い。たとえばDC出力システム72によって第2電極54に印加されるDC電圧は、約-2000[V]〜約1000[V]の範囲であって良い。望ましくはDC電圧の絶対値は、約100[V]以上を有する。より望ましくはDC電圧の絶対値は、約500[V]以上を有する。それに加えてDC電圧は負の極性を有することが望ましい。さらにDC電圧は、第2電極54の表面上に生成される自己バイアス電圧よりも大きな絶対値を有する負の電圧であることが望ましい。第1電極52に対向する第2電極54の表面は、シリコン含有材料を有して良い。
DC電圧−たとえば負のDC電圧−と第2電極54とを結合させることで、上述したように、弾道電子ビームの生成が容易になりうる。電子ビームの出力は、DC電圧を第2電極54へ重ねることによって得られる。特許文献4に記載されているように、プラズマ処理システム50への負のDC出力の印加は、診断用ウエハ60の表面に衝突する弾道(無衝突)電子ビームの生成に影響を及ぼす。
ここで図2に移ると、診断用ウエハ60が図示され、かつ詳細に記載されている。診断用ウエハ60は、任意のサイズの底部すなわちキャリア基板61(以降「基板」61と呼ぶ)を有する。キャリア基板61はたとえば300mmのシリコン基板を含む。しかし他のサイズ(約200mm〜約450mmを含む)及び材料も用いられて良い。診断用ウエハの基板61は、1つ以上のイオンエネルギーアナライザ(“IEA”)74(の一部)を有して良い。IEA74は、診断用ウエハ60上に入射するイオンのイオンエネルギー分布(“IED”)を測定、評価、及び/又は診断するのに利用される。他方診断用ウエハ60は、プラズマ66に曝されるように設けられ、かつ、第1RF出力システム62によって第1電極52を介してバイアス印加される。各IEA74は、IEA測定電子機器システム76(以降「IEA制御装置」76と呼ぶ)と操作可能なように結合して良い。IEA制御装置76は、以降で詳述するように、IEDに関する信号を受信するように構成される。
プラズマ処理システム50は制御装置78をさらに有する。制御装置78は、第1RF出力システム62、第2RF出力システム64、DC電源70、DC出力システム72、及びIEA制御装置76の内の1つ以上と操作可能なように結合し、かつ、これらのシステムの各々とデータをやり取りするように構成されて良い。たとえば制御装置78は、イオン電流に関する信号及び/又はIEDを受信し、かつ、プラズマ66の状態を決定するためにこの信号を処理するように構成されて良い。他の例では、制御装置78は、信号及び/又はIEDの変化とプラズマ処理(たとえばプラズマエッチング)の終了点−たとえばエッチング処理における失敗又はプラズマ不安定性を含む−とを相関させるのに用いられて良い。
診断用ウエハ60は、任意の種類のプラズマ処理システム50によって使用されても良い。この図示された例では、IEDの測定は、RF出力型容量結合プラズマ(“CCP”)処理システム内で実行される。しかし診断用ウエハ60はまた、たとえばスロット平面アンテナ等を用いることによって形成されうる、誘導結合プラズマ(“ICP”)、変成器結合プラズマ(“TCP”)、電子サイクロトロン共鳴(“ECR”)プラズマ、ヘリコン波プラズマ、表面波プラズマ(“SWP”)内で用いられても良い。
さらに図2を参照すると、IEA74は、基板61の略中心領域に設けられる。しかしこの位置は必須ではなく、IEA74は基板61の端部付近に設けられても良い。必要であれば、第2IEA(図示されていない)が、基板61の略端部領域に設けられて良い。
ここで図1と図2を参照しながら、図3と図4を参照すると、本発明の一の実施例によるIEA74が図示されている。IEA74は一般的に、プラズマ66に曝されている第1表面を構成する入射グリッド80、プラズマ66の反対側で入射グリッド80に隣接して設けられるイオン選択グリッド82、及び、入射グリッド80の反対側で入射グリッド80に近接して設けられてIEA74の第2表面を構成するイオンコレクタ84を有する集合体である。
以降で詳述するように、各グリッド80,82とイオンコレクタ84は、ドーピングされた−具体的には燐がドーピングされた−シリコン基板90,92,94上に作製されて良い。しかも診断用ウエハ60の構成は、対応する処理用ウエハと同一のRF回路素子として振る舞うように選ばれて良い。RF回路素子はたとえば、RFインピーダンス等を有して良い。特別な実施例では、入射グリッド80は診断用ウエハ60上に直接形成され、かつ、IEA74を含む他の構成部材は、診断用ウエハ60の背面を介して入射グリッド80と結合する。他の実施例では、入射グリッド80は、別個のシリコンウエハ内に形成され、かつ、シリコンウエハの凹部内に設けられるように、選択グリッド82及びイオンコレクタ84と共にまとめられて良い。これについては以降で詳述する。
入射グリッド80及び選択グリッド82の各々は、内部に複数の開口部を有するグリッド中心部81,83を有する。前記複数の開口部の各々は、最大でも、入射グリッド80付近のプラズマ境界でのプラズマシースの幅が最小になる瞬間での密度と電子温度に基づくデバイ長である寸法(たとえば円形グリッドであれば直径で、長方形又は正方形のグリッドであれば長さで、又は、必要に応じて他の形状及び適切な寸法)を有する。プラズマシースの幅が最小になるのは一般的に、RFスイングが最大になるときである。開口部のサイズの選択は、IEA74に近接するプラズマ66の境界に位置するプラズマシースが相対的に乱されないままであることを保証するために必要である。さらにデバイ長未満の長さとなることで、プラズマシースが入射グリッド80へ侵入すること、及び、IEA74へ入り込むように延びることが制限される。上述した直径300mmのウエハと直径100mmのIEAについては、グリッド中心部81,83は、約5mm〜約20mmの範囲の直径を有して良い。しかし繰り返しになるが、これらの寸法は限定と解されてはならない。
グリッド中心部81,83はそれぞれ、入射グリッド80と選択グリッド82の厚さを有しても良い。厚さは、グリッドを通過するイオンの中性化を抑制しながら、電場と機械的強度に耐えるのに十分な材料を与えるように、約開口部の寸法(つまりデバイ長)〜開口部の寸法の2倍(つまりデバイ長の2倍)の範囲であって良い。
入射グリッド80、選択グリッド82、及びイオンコレクタ84を有する基板90,92,94は、基板90,92,94のうちの隣接する基板間に設けられる絶縁体86,88によって空間的に分離される。一の実施例によると、絶縁体86,88は、たとえば一般的には約30μm〜約60μmの範囲の厚さを有するアルミナ(Al2O3)又はサファイアを主とする材料から構成されて良い。
各絶縁体86,88は、入射グリッド80及び選択グリッド82同様、グリッド中心部81,83に対して垂直方向で実質的に位置合わせされている中心開口部87,89を有する。中心開口部87,89は、入射グリッド80及び選択グリッド82のグリッド中心部81,83の直径以上の直径を有する。グリッド80,82,84に印加される電圧が高いため、絶縁体86,88は、グリッド80,82,84のうちの隣接するグリッド間で起こる絶縁破壊及び/又は起こる恐れのあるフラッシュオーバーの影響を受ける恐れがある。その点については、図5Aと図5Bでより具体的に示すように、絶縁材料は以下のように構成される。絶縁体86,88の中心開口部87,89が、グリッド80,82のグリッド中心部81,83の下方に形成されるチャネル96,98の直径よりも短くて、グリッド中心部81,83の直径よりも長い直径を有する。換言すると、絶縁体86,88は、基板92,94から内向きにIEA74の中心へ向かうように突出する。よって絶縁体86,88は、チャネル壁から内向きに突出する。ここで、重なりすなわち突出長さlは、チャージアップ前(図5A)とチャージアップ後(図5B)でのフラッシュオーバーを緩和又は防止するため、基板90,92,94の間で延びる電気力線(破線で示されている)を十分曲げるように決定される。
絶縁体86,88の従来の長さlはゼロだった。そのような場合、絶縁体86,88に沿って各分離した導体(たとえばグリッド80,82とイオンコレクタ84)と接続する経路が存在する。印加される連続の電場が絶縁体86,88の表面と平行であるとき、十分大きな電場によって破壊する可能性がある。その代わりに図5Aと図5Bで与えられているように、絶縁体の長さlは、絶縁体86,88の表面に平行な電場が相対的に小さい領域へ入り込むように突出する。それにより表面アークの可能性が減少する。
あるいはその代わりに、すべてのとりうる経路からなる集合が絶縁体86,88の表面に沿って延びて存在する場合、絶縁体86,88は、隣接するグリッド80,82,84の2点間で直線経路が存在しないように選ばれる幾何学構造を有して良い。より具体的には、図示された実施例については、第1絶縁体86については、入射グリッド80と選択グリッド82との間で、かつ、第2絶縁体88については、選択グリッド82とイオンコレクタ84との間である。
再度図3を参照すると、IEA74は、セラミック製スペーサ99と石英カバープレート101によって閉じられて良い。石英カバープレート101はたとえば、セラミックを主成分とする材料から構成されうる1つ以上のボルト103を介して入射グリッド80と結合されて良い。他の実施例では、IEA74を有する層は接着剤等によって接合されて良い。
入射グリッド80、選択グリッド82、及びイオンコレクタ84の各々は、IEA制御装置76の各対応する電源180a,182a(図11)と操作可能なように結合する。イオンコレクタ84は、IEA制御装置76のイオン電流計−具体的には電流計106として図示されている−と結合する(図11)。一の実施例では、これは、処理チャンバ56(図1)の壁内のフィードスルーシステム75によって実現される。第1電源180aは、入射グリッドの電位に対して一定のバイアス電圧又は変化するバイアス電圧を、選択グリッド82へ印加するように動作可能である。第2電源182aは、入射グリッドの電位に対して負のバイアス電圧を、イオンコレクタ84へ印加するように動作可能である。
図6に図示されているように、バイアス電位は、たとえば正弦波108によって選択グリッド82へ印加されて良い。それにより選択グリッド82は、入射グリッド80(図2)に対して負の電圧と正の電圧との間でバイアス印加される。たとえば三角波形を含む他の波形が用いられても良い。入射グリッド80に対する選択グリッド82(図2)の電位は、選択グリッド82(図2)のグリッド中心部83(図3)の複数の穴を通過してイオンコレクタ84(図3)に到達するイオンの最小イオンエネルギー(及び電荷)を決定するように動作可能である。あるいはその代わりに、第1選択エネルギーのイオンは、あるグリッド電圧で選択グリッド82(図3)から遠ざかるように方向を変えられる(たとえば反跳される)。他方第2選択エネルギーのイオンは、ある程度低い電圧で選択グリッド82(図3)のグリッド中心部83の複数の穴を通り抜けて、さらに低い選択グリッドの電圧で、高い確率でイオンコレクタ84(図3)にて記録される。
図6の典型的な図は、波形108に沿った様々な時間軸上の点での高エネルギーイオンのイオン軌跡を表している。イオンの一部が透過する中程度の電圧範囲は、本発明の一の実施例によるイオンエネルギーアナライザの分解能の限界の1つを表す。
図7は、本発明の一の実施例によるプラズマ処理システム50の使用方法を表すフローチャート110である。このフローチャートでは、図1と図3も参照される。この特別な実施例では、入射グリッド80(図2)の電圧が検知され、かつ、選択グリッド82(図3)及びイオンコレクタ84(図3)に印加される電圧の大きさは、チャンバの接地電位又は他の基準電位ではなく、この検知された電位が基準となる。任意の工程112では、IEA74を内部に含む診断用ウエハ60が、処理チャンバ56内部に設けられる。しかし以降で詳述するように、IEA74の位置は、診断用ウエハ60に限定される必要はなく、代わりに処理用ウエハ上又は診断システムのプラズマに曝された面上に含まれても良い。イオンコレクタ84に到達するイオン流束の割合は、選択グリッド82のイオン電圧を決定することによって選ばれる。その点では、工程114では、入射グリッド80の浮遊電位が、検知されて、選択グリッドの基準電圧及びイオンコレクタの電圧として利用される。イオンコレクタ84は、イオンコレクタ84に負のバイアス電圧を印加する電源180a(図11)と結合する。イオン選択電圧は、約0[V]から最大イオンエネルギーに等しい値までの範囲の正のDC電圧を有して良い。イオン選択電圧の範囲は、プラズマ境界でプラズマシースを通過して、入射グリッド80を介してIEA74へ入射するイオンのイオンエネルギーの全範囲の識別を可能にする程度に十分広く選択される。
工程116では、時間変化する波形を有する電圧が、選択グリッド82に印加される。イオンコレクタ84で受けられるイオン流束が、工程118で測定される。選択グリッド82と電気的に結合する電源180a(図11)は、負のDCイオン選択電圧をイオンコレクタ84にバイアス印加する可変DC電源を有して良い。可変DC電源は、イオン選択電圧を第1電圧値と第2電圧値との間で変化させることによって、イオン選択電圧を走査するように構成される。イオン選択電圧は、以降で詳述するように、入射グリッド80上の浮遊電位又は接地電位を基準とする。
工程119では、測定されたイオン電流が、選択グリッド82の時間変化するイオン選択電圧の関数として記憶される。その点では、電流計106が、イオン電流を測定するようにイオンコレクタ84と結合する。電流計106は、オペアンプ又は当業者に既知の他の装置を有して良い。
IEA制御装置76はとりわけ、イオンコレクタ84での選択されたイオン電流に関する信号を受信し、その信号を処理し、その信号を記憶し、かつ、診断されるプラズマのIEDを集めるように構成される。2つ以上のIEA74がプラズマ中に設けられるそれらの実施例では、IEDは、選択グリッド82上での電位を変化させ、かつ、イオンコレクタ84によって課されるポテンシャルバリアを超えるのに十分なエネルギーを有して、イオンコレクタ84に衝突するそれらのイオンに係るイオン電流を記録することによって測定されて良い。イオンコレクタ84上での電位の関数として選択されたイオン電流を収集及び測定することによって、IEDの積分を得ることができる。この積分の微分がIEDとなる。
本発明の他の実施例によると、IEA制御装置76は、電源182a(図11)によってイオンコレクタ84をバイアス印加して、かつ、選択グリッド82を一定の負の電圧にバイアス印加するように掃引出力レベルを設定して良い。いずれの電圧も、検出された入射グリッド80の電位に対するものである。選択グリッド82の負のバイアスは、入射グリッド80に入射する電子を反跳させるように動作可能である。他方、イオンコレクタ84に印加される変化する正の電位は、入射グリッドに対し、コレクタ電位よりも低いエネルギーを有するそれらのイオンを反跳させるように動作可能である。イオンコレクタ電圧の関数としてのイオンコレクタ電流は、IEDを与えるように微分されて良い。
一部の実施例では、入手しやすさ、コスト、又は他の外的影響によって、入射グリッドを有する材料(たとえばドーピングされたシリコン)の量を減少させる必要がある。特に入射グリッドを基板内に直接形成する工程に係るコストはかなり高くなる。従って入射グリッドの形成に必要な基板材料の量を制限することが有利となりうる。
その点で、図8と図9を参照すると、本発明の他の実施例によるIEA122を有する診断用ウエハ120が図示されている。診断用ウエハ120は、内部でIEA122を受けるような形状とサイズに設定された凹部124を有する。その際、内部に開口部127を有する入射グリッド126の露出面128は、診断用ウエハ120の露出面130と同一面となる。凹んだトラック132は、凹部124から半径方向を外側へ向かって延び、かつ、以降で詳述するように、動作上IEA122に関連する電気部品を含むように構成される。
入射グリッド126の寸法は、診断用基板120の入射グリッド126と下地の基板121との間で良好な容量結合を供するように、十分大きくする必要がある。ワイヤが、チャンバ壁内のフィードスルーシステム75(図1)を介して入射グリッド126と外界とを結合する場合、入射グリッド126と基板121との間のRFインピーダンスは、入射グリッド126と接地電位との間でのRFインピーダンス未満となるような、入射グリッド126と下地の基板121との間での良好な容量結合が必要である。たとえば入射グリッド126の構築に用いられる直径300mmのシリコンウエハのIEA122は、約100mmの直径を有して良い。他方(開口部155が貫通する)選択グリッド134及び/又はイオンコレクタ136の構築に用いられるシリコンウエハの直径は、材料コストを減少させるため、100mm未満であって良い。一般的には、入射グリッド126、選択グリッド134及びイオンコレクタ136の構築に用いられる基板材料の厚さは、約10μm〜約500μmで変化して良い。
繰り返しになるが、グリッド126,134及びイオンコレクタ136は、先に詳述したようにして構築された第1絶縁体138と第2絶縁体140によって分離される。IEA122は、石英カバープレート144と一つになるようにして保持される。石英カバープレート144は、ウエハ120の別な凹部146内部で受けられる。集合体は1つ以上のボルト148によって一つにまとめられる。1つ以上のボルト148はセラミックを主成分とする材料から構成されて良い。さらに他のボルト150が、IEA122と診断用ウエハ120とを結合するのに用いられて良い。
セラミック製スペーサ152が、シリコン製診断用ウエハ120から電気的結合−つまりワイヤ154−を絶縁するために含まれて良い。
本実施例で述べた診断用ウエハ120の使用は、先に図7で説明した方法と似ている。
さらに他の処理方法では、入射グリッドの形成に用いられる基板材料の量に関するさらなる制限が必要になり得る。その結果、図10で図示されているように、本発明の他の実施例によるシリコン基板163を有する診断用ウエハ162が図示及び記載されている。入射グリッド160は繰り返しになるが、前述したものと同様のドーピングされた基板材料を有する。前記ドーピングされた基板材料は、第1部分164と第2部分166に分離される。図示されている特別な実施例では、第1部分164は、内部に複数の開口部170を有するグリッド中心部168を有し、かつ、第2部分166は、第1部分164と同心円となるように設置される。しかし他の配置及び形状が用いられても良い。
第1部分164と第2部分166とはリード172を介して結合する。それにより第1部分164と第2部分166は一つになって、電気的には単一体として機能する。その結果、第1部分164と第2部分166の全体の面積は、第1部分164と第2部分166とが一つになったものと診断用ウエハ162との間での良好な容量性RF結合を与えるのに十分な大きさである。関連する方法が、任意のグリッドと診断用ウエハ162とのRF結合を改善するのに用いられて良い。
リード172が伝導性ワイヤ又は他の既知のデバイスであって良いことに留意して欲しい。
図10のIEA174を有する残りの部材は、先に図8を参照して述べたものと同様である。ダッシュの付いた参照番号は、これまでに述べてきた実施例の部材に対応する部材を表す。
この実施例の記載から、当業者は、様々な電気回路の実施例が、IEA制御装置76(図1)を有しうることをすぐに理解する。とはいえ、一部の回路設計は、他のものよりも有利となりうる。そのような回路設計とはたとえば、1つ以上のグリッドをまとめることによって電気部品の個数を少なくするようなものである。従ってIEA制御装置構成に係る様々な実施例が記載される。しかしこの実施例で述べる電気回路設計は、当業者が実施可能な任意の数の回路を限定するものと解されてはならない。
ここで図11を参照すると、本発明の一の実施例によるIEA制御装置76aが記載されている。具体的には、IEA制御装置76aは、プラズマ電位が可変である相対的にバイアス印加されたプラズマと併用されるのに適している。その点では、入射グリッド80にわたるバイアス電位は、その少なくとも一部が、プラズマ電位によって決定される。IEA制御装置76aは、IEA74の入射グリッド80、選択グリッド82、及びイオンコレクタ84と電気的に結合する。その点では、IEA制御装置76a内の第1調節可能な電源180は、選択グリッド82を入射グリッド80に対して選択的にバイアス印加する。IEA制御装置76a内の第2調節可能な電源182は、イオンコレクタ84を選択グリッド82に対して選択的にバイアス印加する。一般的には、各電源180と182は、-V〜+Vの範囲の電圧を印加し、かつ、様々な方法で構築されて良い。一の実施例によると、電源180及び/又は電源182は、第1電圧発生装置と、該第1電圧発生装置と直列接続して反対の極性を有する第2の可変電圧発生装置を有して良い。たとえば第1電圧発生装置は、2つの電極間に正のバイアス電圧を印加するように構成されて良い。他方第2電圧発生装置は、前記正のバイアス電圧よりも小さくなるか又は負のバイアス電圧となるように、前記2つの電極間に負のバイアス電圧を印加する。
電流計106は、イオンコレクタ84と電気的に結合し、かつ、十分なエネルギーを有するイオンがイオンコレクタ84と衝突する結果生じる電流を測定する。上記の測定された電流を表す信号は、ハードワイヤ接続又は無線を介して、処理用制御装置78へ送信されて良い。
図12に図示された本発明の他の実施例によると、あるプラズマ条件では、入射グリッドの浮遊電圧が、測定され、その後基準電圧−たとえば接地電位−に対してバイアス印加されて良い。先に図11を参照して述べた電源と同様の第1電源180aと第2電源182aに加えて、第3電源184が、IEA制御装置76bと接地電位とを電気的に並列に結合して良い。
必要であれば、選択グリッド82と調節可能な電源180aとの間に別の電流計が供されて良い。選択グリッド80から検出されるイオン電流は概して、IEDの決定又はIEAの性能の評価に用いられて良い。
診断用ウエハが複数のIEA74を有するそれらの実施例では、すべてのIEA74にとって1つの選択グリッド186を含むことは有利となりうる。図13は、本発明の一の実施例を表している。IEA制御装置76cは繰り返しになるが、各入射グリッド80と一つの選択グリッド186との間に電圧を印加する第1電源180bを有する。第2電源182bと直列接続する各分離する電流計106は、イオンコレクタ84と入射グリッド80と電気的に結合する。図示されているように、IEA74はさらに、内部接地電位源−ここでは診断用ウエハ60であって良い−と結合する。
図13は、一つのIEA制御装置76c内部で結合する複数の電源182cを有するが、これは便宜上の例示に過ぎず、事実、一部の実施例では、別個のIEA制御装置が各IEAと操作可能なように結合し、かつ、内部に電源180と電源182からなる一つの組のみを有して良いことに留意して欲しい。
よって本発明の実施例は、別個の選択グリッドとイオンコレクタをさらに有して良い。しかしこれらの別個の構成要素によって実行される機能は一つのユニットに統合されて良い。たとえばここで図14と図14Aを参照すると、本発明の他の実施例によるIEA200が、IEA制御装置206aの一の実施例と共に概略的に図示されている。IEA200は、入射グリッド202とコレクタ204を有する。コレクタ204は、所定のエネルギー範囲のイオンを選択的に収集するように動作可能な絶縁体207によって、入射グリッド202から絶縁されている。
コレクタ204は、調節可能な電源208aによって、浮遊電位を有する入射グリッドに対してバイアス印加される。調節可能な電源208aは、前述した調節可能な電源180,182(図11)と同様に構成されて良い。電流計210aは、コレクタ204と電気的に結合し、かつ、十分なエネルギーを有するイオンがイオンコレクタ204と衝突する結果生じる電流を測定する。上記の測定された電流を表す信号は、ハードワイヤ接続又は無線を介して、電流計210から処理用制御装置78へ送信されて良い。
IEA200は、IEA200の構築に必要な材料−具体的にはドーピングされたシリコン−の量を減らすだけではなく、IEA200とIEA制御装置206aとの間での電気的接続の複雑さや、その電気的接続の分離をも減少させる。
使用中、IEA200は、イオン電流プローブとして動作するように構成されて良い。この構成では、イオンコレクタ204は合計のイオン電流を測定して良い。より具体的には、イオンコレクタ204は、(グリッド中心部205内に複数の開口部203を有する)入射グリッド202に対して負にバイアス印加されて良く、かつ、イオン電流は、イオンコレクタ204の衝突によって測定される。イオンコレクタ204に印加される波形−たとえば図6で述べたような波形−によって、IEDは、単一のグリッドと単一のコレクタを用いることによって決定されうる。それによりこの配置は、小さくて単純な構成となる。
図15は、一定のバイアス電圧が印加された入射グリッド202と併用されるように電気的に構成されたIEA制御装置206bを有するIEA200を図示している。具体的には、調節可能な電源208bに加えて、他の調節可能な電源212が、IEA200と接地電位とを電気的に並列に結合して良い。
図16と図17は、診断用ウエハが複数のIEA200を有する2つの電気的構成を表している。3つのIEAが図示されているが、図示された個数に限定されないことに留意して欲しい。図16では、複数のIEA200の各々が、各分離した電源208cと電流計210cの組み合わせを有するように、IEA制御装置206cが構成される。測定された電流を表す信号は、送信されて識別されて良い。従ってIEDは、診断用ウエハの複数の位置で決定されて良い。上述したように、電源208cは、同一のIEA制御装置206cが供されるように表されているが、このことは必須ではない。各IEA200が、各分離するIEA制御装置206と操作可能なように結合しても良いからである。
図17は、IEA206dとしては、各IEA200が各分離した調節可能な電源208dと電流計210dを有する点、及び、IEA制御装置206dが、入射グリッド202と直接電気的に接続していない点で似ている。その代わり、IEA200は、基板61付近の内部接地電位源と結合する。
高電位及びRFエネルギーで動作する環境内に存在する電流計から、通常は接地されていてはるかに低い電圧でのIED用のIEA制御装置へ電流の測定結果を転送することは、従来困難だった。つまり各グリッド上での1つ以上のIEA周波数でRF電圧の入力インピーダンスを高くするため、直列接続されたRFフィルタが、各グリッドとIEA制御装置76との間に設けられて良い。本発明の一の実施例による、電流が流れる一の方法、つまりフィードスルーシステム75が、図18と図19に図示され、かつ、図18と図19を参照しながら説明される。
図18では、フィードスルーシステム75は、ブリッジ214、フィードスルー215、及びRFチョーク217を有する。ブリッジ214は、IEA122とIEA制御装置76(図1)との間に作られる電気的接続を、診断用ウエハ120とプラズマ66(図1)から分離するように構成される。ブリッジ214は、フィードスルー215を介してRFチョーク217と連結する。ワイヤの接続がチャンバ壁を通過するので、RFチョーク217は、IEA122が得るRF電圧を減少させ、かつ、RF電流をチャンバの接地電位へ向けて流すことができる。最終的に、RFチョーク217は、低周波の交流電流と直流電流(IEDを表す電流も含まれる)を流す一方で、残りの高周波の交流電流を処理チャンバ56(図1)から離れる流れを制約する。
高周波ACと高RF電圧信号のフィルタリングをさらに容易にするため、RC回路219が、フィードスルーシステム75に導入されて良い。たとえばRFフィルタ216,218の各々は、酸化アルミニウム(Al2O3)上に設けられた酸化ルテニウム(RuO2)から構築されるノッチ若しくはバンドパスフィルタ又は低パスフィルタを有して良い。入射グリッド126(図8)及び選択グリッド134(図8)の各々にRuO2レジスタ216,218−一は診断用ウエハ120内に存在し、かつ、他はブリッジ214内に存在し、各々は約5kΩの抵抗を供するように構成される−を実装することによって、電圧は、処理チャンバ壁56(図1)に到達する前に、十分に減少しうる。
グリッド126,134(図8)とイオンコレクタ136(図8)の各々に1つ以上のRF周波数でのRF電圧に高い入力インピーダンスを与えるため、直列接続されたRFフィルタが、各グリッドとIEA制御装置76(図1)との間に設けられて良い。IEA122は、入射グリッド126(図8)とIEA制御装置76(図1)との間に設けられる第1RFフィルタ、選択グリッド134(図8)とIEA制御装置76(図1)との間に設けられる第2RFフィルタ、及び、イオンコレクタ136(図8)とIEA制御装置76(図1)との間に設けられる第3RFフィルタを有して良い。たとえば各RFフィルタは、ノッチ若しくはバンドパスフィルタ又は低パスフィルタを有して良い。
詳細に図示されていないが、調節された回路が必要とされるそれらの実施例では、インダクタが、電気的接続の内部に組み込まれて良い。一の実施例では、インダクタンスは、フェライトであれば100MHzでの値に限定され、かつ、図18を参照しながら説明したレジスタの間に設けられて良い。
これまで説明してきたIEAについての詳細と共に、ここで図20と図21を参照すると、本発明の一の実施例によるIEA74(図1)の作製方法が記載されている。図20は、当該方法の概略を示すフローチャート230である。当該方法は、図21A〜図21Hでも概略的に示されている。
MEMS(微小電気機械システム)に基づく処理によると、図21Aは、工程232に従ってフォトレジスト層236が堆積されたドーピングされたシリコン基板234を表している。工程238において、チャネル(たとえば図4のチャネル96)を生成するような寸法に設定されたマスク240を用いることによって、フォトレジスト層236はマスクされて、フォトレジスト層236には像が生成される。その後工程242では、図21Bに図示されているように、像が生成されたフォトレジスト層236は、ベーキングされ、現像され、かつ、基板234のエッチング耐性を有するフォトレジスト層236と露光面244像を与える従来の処理によって処理される。続いて基板234は、図21Cに図示されているように、工程246において、チャネル248を生成するようにエッチングされる。エッチングは、たとえばウエットエッチング又はドライエッチング任意の既知の方法によって実行されて良い。
チャネル248を備える基板234は、図21Cに図示されているように、イオンコレクタとして用いられても良いし、又は、入射グリッド若しくは選択グリッドのいずれかを生成するためのさらなる処理を受けても良い。ここで判断工程250に移ると、複数のグリッドのうちの1つが必要とされる場合(判断工程250の「グリッド」分岐)、処理は継続される。それ以外に、イオンコレクタが必要とされる場合(判断工程250の「イオンコレクタ」分岐)、さらなる処理は必要なく、当該方法は工程276へ進む。
任意のイベントにおいて、基板234のさらなる処理を説明するため、工程252では、他のフォトレジスト層254(図21D)が、基板234とチャネル248(図21D)に堆積される。マスク258(図21D)は、ベーキングされ、現像され、かつ、エッチング耐性を有するフォトレジスト層255(図21E)を生成するように処理される。基板234は、入射グリッド又は選択グリッドのいずれかに開口部266(図21F)を生成するようにエッチングされて良い。
これまで説明してきたフォトレジスト層236,254は、フォトレジスト層自体に加えてハードマスク層を含むデュアルマスク層であっても良い。ウエハは、上に堆積された状態の熱酸化膜を有して良い。前記熱酸化膜は、デュアルマスク層のハードマスク層として利用されて良い。
フローチャート230は、チャンバがグリッドの前にエッチングされる方法を与えているが、当業者は、順序は必須ではなく、グリッドがチャンバの前にエッチングされて良いことを理解する。
さらに図20を参照しながら図21Gと図21Hに移ると、本発明の一の実施例による、IEAの位置合わせ(図20の工程268)とアセンブリ(図20の工程276)の一方法が記載されている。その点では、2つの生成されたグリッド234,234’が、入射グリッドと選択グリッドをそれぞれ生成するように、間に絶縁体270を設けて垂直に設置される。位置合わせは様々な方法で実現されうるが、図示された方法は、グリッド234,234’の背面に設けられた光源272、及び、その反対側に設けられたフォトダイオード274を有する。下側グリッド234’(ここでは選択グリッド)は、たとえば1つ以上のマイクロメータ(2つのマイクロメータ228,229が図示されている)を有する位置合わせ装置224(図25Aと図25B)によって、上側グリッド234に対して移動して良い。その移動は、最大光量が、グリッド234,234’を透過してフォトダイオード274によって検出される光量が最大になるまで行われて良い。マイクロメータ228,229の各々は、診断用ウエハ60の凹んだ表面286又は周辺部を固定するアーム282,284を有して良い。
一旦光の透過が最大になると、判断工程250の「イオンコレクタ」分岐に従って形成される絶縁体278を備えるコレクタ280は、第1グリッド234と第2グリッド234’に隣接して設けられ、かつ、たとえばボルト148(図8)で固定される。
MEMSに基づく処理が本実施例では記載されているが、グリッドを生成する他の方法が代わりに用いられても良いことに留意して欲しい。たとえばレーザードリル、電荷加工(たとえばグラファイト電極を含む”EDM”)、電子ビーム加工等である。
一旦IEAがアセンブリされると、グリッドとイオンコレクタは、IEA制御装置76(図1)と電気的に結合する。しかしスズ−鉛はんだを用いる従来のはんだ付け方法は、シリコン基板61(図1)上では難しい。ここで図22〜図23Dを参照すると、上述の電気的接続の生成方法が詳細に記載されている。
図23Aに図示されているように、適切な位置である電気的結合の位置の付近の入射グリッド122若しくは選択グリッド134又はイオンコレクタ136の周辺部が図示されている。スリット294は、穴開け、切断、エッチングによって生成されて良いし、又は、入射グリッド122、選択グリッド134、若しくはイオンコレクタ136を有する基板内に生成されても良い。スリット294はたとえば、電気的接続を形成する導体300の側部周辺で、約10μm〜約20μmの範囲の近接許容度を有する状態で準備される。続いて図23Bに図示されている用に工程292では、プラチナ(Pt)とガラスの厚い膜(以降「フリット」と呼ぶ)が、たとえば気相堆積法によってスリットに堆積される。続いて堆積されたPt層は、500℃で約30分間アニーリングされることで、厚さが約5nmのPtの層226が形成される(工程296)。
続いて図23Cでは、導体300は、スリット294内部であってPt層226上に設けられ、かつ、第2フリット304によってコーティングされて良い(工程298)。続いて診断用ウエハ120は、図23Dに図示されているように、2段階焼成処理(それぞれ約300℃及び約950℃)によって焼成されることで、導体300と入射グリッド122若しくは選択グリッド134又はイオンコレクタ136は電気的かつ機械的に結合される。機械的結合と特に電気的結合は、プラチナとシリコンとの間の界面でのプラチナシリサイド化合物の形成によって改善される。
本明細書で述べた実施例によるIEAは、診断用ウエハに限定される必要はない。代わりに図24と本発明の他の実施例を参照すると、プラズマに曝された表面上にIEA310を有する診断システム50’が記載されている。図示されているように、IEA310は、プラズマ処理中にプラズマ66’に曝されるように、基板支持体58’上に設けられる。診断用ウエハ60’が、基板支持体58’上に設けられた状態で図示されているが、これは必須ではない。その代わりに、IEA310を診断システム50’内に設けることによって、IEDは、ウエハのプラズマ処理中に決定されて良い。別個のIEAを含んでも良いし、含まなくても良い。さらにIEA310の位置は、図示された特定の実施例に限定される必要はない。その代わりに、IEA310の位置は、プラズマ66’に曝される表面にさえ限定されれば良い。特に多数のIEA310が、複数の位置でIEDを決定してプラズマの均一性を評価するため、処理チャンバ56’全体にわたって設けられて良い。

Claims (66)

  1. プラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられるイオンエネルギーアナライザであって:
    当該イオンエネルギーアナライザの第1面を構成し、かつ、前記プラズマに曝されるように設けられて、第1複数の開口部を有する入射グリッドであって、前記第1複数の開口部は、前記プラズマのデバイ長未満の寸法に設定される、入射グリッド;
    前記入射グリッドと前記イオンコレクタとの間に設けられ、かつ、第2電源を介して前記入射グリッドと操作可能なように結合する、選択グリッド;及び
    前記イオンエネルギーアナライザの第2面を構成し、かつ、第1電源を介して前記入射グリッドと操作可能なように結合する、イオンコレクタ;及び、
    前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記イオンコレクタ上でのイオン流束を測定して、前記の測定されたイオン流束を表す信号を送信するイオン電流計;
    を有するイオンエネルギーアナライザ。
  2. 前記イオン電流計と操作可能なように結合して、前記イオン電流計によって送信される前記の測定されたイオン電流を表す信号を受信し、かつ、前記選択グリッドの可変バイアスの関数として前記信号を記憶する制御装置をさらに有する、請求項1に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  3. 前記第2複数の選択グリッドの開口部が、少なくとも前記第1複数の開口部の寸法と同一の寸法を有する、請求項1に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  4. 前記第2電源がさらに、選択された波形に従って、イオン選択電圧を第1電圧値から第2電圧値へ時間変化させる、請求項1に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  5. 前記入射グリッドと前記イオンコレクタとの間に設けられて、前記入射グリッドと前記イオンコレクタとを電気的に絶縁するように構成される第1絶縁体;及び、
    前記選択グリッドと前記イオンコレクタとの間に設けられて、前記選択グリッドと前記イオンコレクタとを電気的に絶縁するように構成される第2絶縁体;
    をさらに有する、請求項1に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  6. 前記第1絶縁体の幾何学構造は、前記入射グリッドと前記選択グリッドとの間の任意の二点間で直線経路が存在しないように、すべてのとりうる経路からなる集合から選ばれる、請求項5に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  7. 前記第2絶縁体の幾何学構造は、前記選択グリッドと前記イオンコレクタとの間の任意の二点間で直線経路が存在しないように、すべてのとりうる経路からなる集合から選ばれる、請求項5に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  8. 前記第1絶縁体は、前記入射グリッドと前記選択グリッドとの間での絶縁破壊を緩和するように、前記入射グリッドと前記選択グリッドの各対応するチャネルから内向きに突出する、請求項5に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  9. 前記第2絶縁体は、前記前記選択グリッドと前記イオンコレクタとの間での絶縁破壊を緩和するように、前記前記選択グリッドと前記イオンコレクタの各対応するチャネルから内向きに突出する、請求項5に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  10. プラズマに曝された表面と、該プラズマに曝された表面にわたって広がる凹部を有する基板;
    前記入射グリッドが前記基板のプラズマに曝された表面と同一の広がりを有するように、前記凹部の内部に設けられる請求項1に記載のイオンエネルギーアナライザ;
    を有する診断用ウエハ。
  11. 前記入射グリッドから前記基板までのRFインピーダンスは、前記入射グリッドから接地電位までのRFインピーダンスよりも小さい、請求項10に記載の診断用ウエハ。
  12. プラズマに曝された表面を有する基板;及び、
    請求項1に記載のイオンエネルギーアナライザ;
    を有し、
    前記基板のプラズマに曝された表面は前記入射グリッドを有する、
    診断用ウエハ。
  13. 前記基板の背面が、前記選択グリッドと前記イオンコレクタを受けるように構成された凹部を有する、請求項12に記載の診断用ウエハ。
  14. プラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられるイオンエネルギーアナライザであって:
    当該イオンエネルギーアナライザがプラズマ処理装置内に設けられているときに、前記プラズマに曝されるように当該イオンエネルギーアナライザの第1表面を構成し、かつ、前記プラズマの境界でのプラズマシースが相対的に乱されないままで、かつ、前記プラズマシースは前記第1複数の開口部へ入り込まないように、各々が前記プラズマのデバイ長未満の寸法に設定される第1複数の開口部を有する、入射グリッド;
    前記イオンエネルギーアナライザの第2表面を構成するイオンコレクタ;
    前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記入射グリッドに対して前記イオンコレクタを選択的かつ可変にバイアス印加するように構成される電源;及び、
    前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記イオンコレクタ上でのイオン流束を測定して、前記の測定されたイオン流束を表す信号を送信するイオン電流計;
    を有するイオンエネルギーアナライザ。
  15. 前記入射グリッドと前記イオンコレクタとの間に設けられて、前記入射グリッドと前記イオンコレクタとを電気的に絶縁するように構成される絶縁体をさらに有する、請求項14に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  16. 前記第1絶縁体の幾何学構造は、前記入射グリッドと前記選択グリッドとの間の任意の二点間で直線経路が存在しないように、すべてのとりうる経路からなる集合から選ばれる、請求項15に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  17. 前記絶縁体は、前記入射グリッドと前記イオンコレクタとの間での絶縁破壊を緩和するように、前記入射グリッドと前記イオンコレクタの各対応するチャネルから内向きに突出する、請求項15に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  18. プラズマに曝された表面と、該プラズマに曝された表面にわたって広がる凹部を有する基板;
    前記入射グリッドが前記基板のプラズマに曝された表面と同一の広がりを有するように、前記凹部の内部に設けられる請求項14に記載のイオンエネルギーアナライザ;
    を有する診断用ウエハ。
  19. 前記入射グリッドから前記基板までのRFインピーダンスは、前記入射グリッドから接地電位までのRFインピーダンスよりも小さい、請求項18に記載の診断用ウエハ。
  20. プラズマに曝された表面を有する基板;及び、
    請求項14に記載のイオンエネルギーアナライザ;
    を有し、
    前記基板のプラズマに曝された表面は前記入射グリッドを有する、
    診断用ウエハ。
  21. 前記基板の背面が、前記選択グリッドと前記イオンコレクタを受けるように構成された凹部を有する、請求項20に記載の診断用ウエハ。
  22. プラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられるイオンエネルギーアナライザであって:
    当該イオンエネルギーアナライザがプラズマ処理装置内に設けられているときに、前記プラズマに曝されるように当該イオンエネルギーアナライザの第1表面を構成し、かつ、前記プラズマの境界でのプラズマシースが相対的に乱されないままで、かつ、前記プラズマシースは前記第1複数の開口部へ入り込まないように、各々が前記プラズマのデバイ長未満の寸法に設定される第1複数の開口部を有する、入射グリッド;
    前記イオンエネルギーアナライザの第2表面を構成するイオンコレクタ;
    前記入射グリッドと前記イオンコレクタとの間に設けられる選択グリッド;
    前記入射グリッドと前記選択グリッドとを電気的に絶縁する第1絶縁体;
    前記選択グリッドと前記イオンコレクタとを電気的に絶縁するように第2絶縁体;及び、
    前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記イオンコレクタ上でのイオン流束を測定して、前記の測定されたイオン流束を表す信号を送信するイオン電流計;
    を有するイオンエネルギーアナライザ。
  23. 前記イオンコレクタと操作可能なように結合し、かつ、前記入射グリッドに対して前記イオンコレクタを選択的かつ可変にバイアス印加するように構成される第1電源;及び、
    前記選択グリッドと操作可能なように結合し、かつ、前記選択グリッドを選択的かつ可変にバイアス印加するように構成される第2電源;
    をさらに有する、請求項22に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  24. 前記第1絶縁体の幾何学構造は、前記入射グリッドと前記選択グリッドとの間の任意の二点間で直線経路が存在しないように、すべてのとりうる経路からなる集合から選ばれる、請求項22に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  25. 前記第2絶縁体の幾何学構造は、前記選択グリッドと前記イオンコレクタとの間の任意の二点間で直線経路が存在しないように、すべてのとりうる経路からなる集合から選ばれる、請求項22に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  26. 前記第1絶縁体は、前記入射グリッドと前記選択グリッドとの間での絶縁破壊を緩和するように、前記入射グリッドと前記選択グリッドの各対応するチャネルから内向きに突出する、請求項22に記載のイオンエネルギーアナライザ。
  27. 前記入射グリッドに対して前記選択グリッドを選択的かつ可変なようにバイアス印加する段階を有する、請求項23に記載のイオンエネルギーアナライザによって信号を生成する方法。
  28. 前記選択グリッドを選択的かつ可変なようにバイアス印加する前に前記入射グリッドの電位を検出する段階をさらに有する、請求項27に記載の方法。
  29. プラズマに曝された表面と、該プラズマに曝された表面にわたって広がる凹部を有する基板;及び、
    前記基板のプラズマに曝された表面と同一の広がりを有するように、前記凹部の内部に設けられる請求項22に記載のイオンエネルギーアナライザ;
    を有する診断用ウエハ。
  30. 前記入射グリッドから前記基板までのRFインピーダンスは、前記入射グリッドから接地電位までのRFインピーダンスよりも小さい、請求項29に記載の診断用ウエハ。
  31. プラズマに曝された表面を有する基板;及び、
    請求項22に記載のイオンエネルギーアナライザ;
    を有し、
    前記基板のプラズマに曝された表面は前記入射グリッドを有する、
    診断用ウエハ。
  32. 前記基板の背面が、前記選択グリッドと前記イオンコレクタを受けるように構成された凹部を有する、請求項31に記載の診断用ウエハ。
  33. 複数のイオンを含むプラズマのイオンエネルギー分布を表す信号を生成する方法であって:
    第1グリッドを通過する前記複数のイオンを、前記電位障壁を超えるのに十分なエネルギーを有するイオンに制限するように、前記第1グリッドと第2グリッドとの間に及び前記第1グリッドと第2グリッドに対して電位障壁を印加する段階;
    前記第2グリッドを通過する前記複数のイオンをさらに制限するように、前記第1グリッドに対して選択的かつ可変となるように第2グリッドをバイアス印加する段階;並びに、
    前記第2グリッドを通過するイオン流束を測定する段階;
    を有する方法。
  34. 前記第1グリッドと第2グリッドとの間に前記電位障壁を印加する前に、前記第1グリッドの電位を検出する段階をさらに有する、請求項33に記載の方法。
  35. 前記第1グリッドを前記プラズマへ曝す段階をさらに有する請求項33に記載の方法であって、
    前記第1グリッドは第1複数の開口部を有し、
    第1複数の開口部の各々は、前記プラズマの境界でのプラズマシースが相対的に乱されないままで、かつ、前記プラズマシースは前記第1複数の開口部へ入り込まないような前記プラズマのデバイ長未満の寸法を有する、
    方法。
  36. 前記第2グリッドが第2複数の開口部を有する、請求項35に記載の方法。
  37. イオンコレクタが前記第1グリッド及び第2グリッドと操作可能なように結合し、
    前記イオン流束を測定する段階は:
    前記イオンコレクタと前記イオン流束とを衝突させる段階;
    前記の衝突するイオン流束を表すイオン電流を発生させる段階;
    をさらに有する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記第2グリッドが、前記イオン流束の測定に用いられる、前記イオン流束を表すイオン電流を発生させるようにさらに構成される、請求項35に記載の方法。
  39. 前記電位障壁が第1電源によって印加され、
    前記の選択的かつ可変のバイアスが第2電源によって印加され、かつ、
    前記イオン流束がイオン電流計によって測定される、
    請求項33に記載の方法。
  40. 第3グリッドで前記イオン流束を受け取る段階;及び、
    前記の受け取られたイオン流束を表す信号を送信する段階;
    をさらに有する、請求項33に記載の方法。
  41. 前記の測定されたイオン流束を表す信号を送信する段階をさらに有する、請求項33に記載の方法。
  42. 複数のイオンを含むプラズマのイオンエネルギー分布を表す信号を生成する方法であって:
    入射グリッドを通過する前記複数のイオンを、前記電位障壁を超えるのに十分なエネルギーを有するイオンに制限するように、前記入射グリッドと前記プラズマとの間に及び前記入射グリッドと前記プラズマに対して電位障壁を印加する段階;
    選択グリッドを通過する前記複数のイオンをさらに制限するように、前記入射グリッドに対して選択的かつ可変となるように前記選択グリッドをバイアス印加する段階;
    前記選択グリッドを通過するイオン流束をイオンコレクタで受け取らる段階;
    前記イオン流束をイオン電流計によって測定する段階;並びに、
    前記の測定されたイオン流束を表す信号を送信する段階;
    を有する方法。
  43. 前記第1グリッドとプラズマとの間に前記電位障壁を印加する前に、前記第1グリッドの電位を検出する段階をさらに有する、請求項42に記載の方法。
  44. 第1基板を処理して、内部に存在する第1チャネル及び該第1チャネルを貫通する第1複数の開口部を有する入射グリッドを形成する段階;
    第2基板を処理して、内部に存在する第2チャネル及び該第2チャネルを貫通する第2複数の開口部を有する入射グリッドを形成する段階;
    第3基板を処理して、内部に第3チャネルを有するイオンコレクタを形成する段階;並びに、
    前記選択グリッドと前記入射グリッドとをDC絶縁し、かつ、前記選択グリッドと前記イオンコレクタとをDC絶縁することによって、前記入射グリッドと前記選択グリッドとを操作可能なように結合させる段階;
    を有する方法によって製造される、プラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられるイオンエネルギーアナライザ。
  45. 前記第1複数の開口部と第2複数の開口部とを垂直方向に位置合わせする段階をさらに有する、請求項44に記載の方法。
  46. 前記入射グリッドに対して前記イオンコレクタを可変となるようにバイアス印加するように構成される第1電源によって、前記イオンコレクタと前記入射グリッドとを電気的に結合する段階;及び、
    前記入射グリッドに対して前記選択グリッドを選択的かつ可変となるようにバイアス印加するように構成される第2電源によって、前記選択グリッドを電気的に結合する段階;
    をさらに有する、請求項44に記載の方法。
  47. 前記入射グリッドのバイアス電位が、プラズマ電位によって浮遊するように構成される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記入射グリッドが、基準電位に対してバイアス印加される、請求項46に記載の方法。
  49. 前記第1基板、第2基板、及び第3基板のうちの少なくとも1つを処理する段階が、微小電気機械に基づく方法を有する、請求項44に記載の方法。
  50. 前記第1基板、第2基板、及び第3基板のうちの少なくとも1つを処理する段階が、レーザードリル法、電荷加工法、及び電子ビーム加工法のうちの1つ以上を有する、請求項44に記載の方法。
  51. 前記第1基板、第2基板、及び第3基板のうちの少なくとも1つを処理する段階が、伝導性基板を有する、請求項44に記載の方法。
  52. 前記伝導性基板がドーピングされたシリコンを含む、請求項44に記載の方法。
  53. 前記伝導性基板が伝導性シリコンを含む、請求項44に記載の方法。
  54. 第1プラチナ−ガラスフリットを堆積する段階;
    前記第1プラチナ−ガラスフリットを焼成してコンタクトパッドを形成する段階;
    導体及び第2プラチナ−ガラスフリットを前記コンタクトパッドに堆積する段階;並びに、
    前記第2プラチナ−ガラスフリットをを焼成することで、前記導体と前記コンタクトパッドとを結合させる段階;
    を有する方法によって生成される少なくとも1つの電気的接続を内部に有するプラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられるイオンエネルギーアナライザ。
  55. 前記第1プラチナ−ガラスフリットと第2プラチナ−ガラスフリットを焼成する段階が、950℃で実行される、請求項54に記載の方法。
  56. プラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられるイオンエネルギーアナライザ内部に少なくとも1つの電気的接続を形成する方法であって:
    第1プラチナ−ガラスフリットを堆積する段階;
    前記第1プラチナ−ガラスフリットを焼成してコンタクトパッドを形成する段階;
    導体及び第2プラチナ−ガラスフリットを前記コンタクトパッドに堆積する段階;並びに、
    前記第2プラチナ−ガラスフリットをを焼成することで、前記導体と前記コンタクトパッドとを結合させる段階;
    を有する方法。
  57. 前記第1プラチナ−ガラスフリットと第2プラチナ−ガラスフリットを焼成する段階が、950℃で実行される、請求項56に記載の方法。
  58. イオンエネルギーアナライザを製造する方法であって:
    第1基板を処理して、内部に存在する第1チャネル及び該第1チャネルを貫通する第1複数の開口部を有する入射グリッドを形成する段階;
    第2基板を処理して、内部に存在する第2チャネル及び該第2チャネルを貫通する第2複数の開口部を有する選択グリッドを形成するように処理する段階;
    第3基板を処理して、内部に第3チャネルを有するイオンコレクタを形成する段階;並びに、
    前記入射グリッドと前記選択グリッドとを操作可能なように結合して電気的に絶縁し、かつ、前記選択グリッドと前記イオンコレクタとを操作可能なように結合して電気的に絶縁する段階;
    を有する方法。
  59. 前記第1複数の開口部と第2複数の開口部とを垂直方向に位置合わせする段階をさらに有する、請求項58に記載の方法。
  60. 前記入射グリッドに対して前記イオンコレクタを可変となるようにバイアス印加するように構成される第1電源によって、前記イオンコレクタと前記入射グリッドとを電気的に結合する段階;及び、
    前記入射グリッドに対して前記選択グリッドを選択的かつ可変となるようにバイアス印加するように構成される第2電源によって、前記選択グリッドを電気的に結合する段階;
    をさらに有する、請求項58に記載の方法。
  61. 前記第1基板、第2基板、及び第3基板のうちの少なくとも1つが、伝導性基板を有する、請求項58に記載の方法。
  62. 前記伝導性基板がドーピングされたシリコンを含む、請求項58に記載の方法。
  63. 前記伝導性基板が伝導性シリコンを含む、請求項58に記載の方法。
  64. 処理チャンバ内のプラズマのイオンエネルギー分布を決定するのに用いられるイオンエネルギーアナライザからイオンエネルギーアナライザ制御装置へ送信される高周波信号をフィルタリングするRC回路であって:
    前記イオンエネルギーアナライザの入射グリッドと前記イオンエネルギーアナライザ制御装置との間で操作可能なように結合する第1フィルタ;及び、
    前記イオンエネルギーアナライザの選択グリッドと前記イオンエネルギーアナライザ制御装置との間で操作可能なように結合する第2フィルタ;
    を有し、
    前記第1フィルタと第2フィルタはそれぞれ、ルテニウム酸化物を含むバンドパスフィルタ又はローパスフィルタを有する、
    RC回路。
  65. 前記ルテニウム酸化物がアルミニウム酸化物上で層を形成する、請求項64に記載のRC回路。
  66. 前記イオンエネルギーアナライザのイオンコレクタと前記イオンエネルギーアナライザ制御装置との間で操作可能なように結合する第3フィルタをさらに有する請求項64に記載のRC回路であって、
    前記第3フィルタは、ルテニウム酸化物を含むバンドパスフィルタ又はローパスフィルタを有する、
    RC回路。
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