例示的な実施形態は、組み立てられる具体的な構成要素に組立てプロセスを合致させるために組立てプロセス中に受ける力を監視する組立てシステム、デバイス、および方法を提供することによって自動注入デバイスを組み立てるための従来の技法の欠点に対処する。これにより、組み立てられる構成要素の材料およびプロセスの変化に関係のない、シリンジハウジングサブアセンブリ、発射機構サブアセンブリ、または自動注入デバイス全体の構成要素の適切で一貫した、確実な組立てが確実になる。
シリンジハウジングサブアセンブリを組み立てる例示的な自動化されたプロセスでは、シリンジキャリアを組立てシステムによって所定の位置に保持することができ、近位ハウジング構成要素の遠位部分はシリンジキャリアの上に配置される。付勢機構および段付きシュラウドは、近位ハウジング構成要素の近位部分の内部に配置されうる。組立てプロセス中に、この段付きシュラウドを、付勢機構がシリンジキャリアとシュラウドとの間で圧縮されるように、近位ハウジング構成要素に挿入することができる。組立てプロセスは、付勢機構の圧縮に対して受ける力を自動的に検出および監視することができる。この検出された力は、組立てプロセスの1つまたは複数の態様を自動的に制御するまたは変えるために、フィードバック機構で使用することができる。この力フィードバック機構によって、組立てシステムは、シュラウドの挿入の終点を自動的かつ確実に決定することができる。
すなわち、例示的な実施形態では、シュラウドは、シリンジハウジングサブアセンブリを組み立てるために、固定された所定の距離にわたって挿入されない。そうではなく、例示的な組立てプロセスは、プロセス中に検出されてシリンジキャリアとの組み付けを目的としたシュラウドの挿入を加速、減速、開始、および/または停止させるためにフィードバックとして使用できる1つまたは複数の力に基づいて、自動的に制御される。これによって、例示的な組立てプロセスは、シリンジハウジングサブアセンブリの構成要素のばらつきに自動的に対応すること、およびそれによって、任意の組の構成要素の信頼性の高い組立てを達成することができる。反対に、機械的カムを使用する従来の組立てプロセスでは、1つまたは複数の構成要素を1つまたは複数の他の構成要素と組み付けるために、固定された所定の距離にわたって挿入する。力測定からのフィードバックの利点を得ることなく、固定された所定の挿入プロセスを使用することによって、従来のプロセスが構成要素のばらつきに対応することができず、その結果、シリンジハウジングサブアセンブリの不適切な組立てが行われることがある。
発射機構サブアセンブリを組み立てる例示的な自動化されたプロセスでは、発射ボタンは、遠位キャップと発射体との間に配置されうる。付勢機構の遠位部分は、発射体の中空円筒部分の中に配置されうる。シリンジ作動構成要素は、発射体の近位端に配置されうる。自動化された組立てプロセス中に、シリンジ作動構成要素は、組立てシステムによって発射体の中空円筒部分に挿入され、付勢機構の圧縮を引き起こすことができる。
自動化された組立てプロセスは、付勢機構の圧縮に対して受ける力を自動的に検出および監視することができる。この検出された力は、組立てプロセスの1つまたは複数の態様を制御するまたは変えるために、自動化されたフィードバック機構で使用することができる。この力フィードバック機構によって、組立てシステムは、シリンジ作動構成要素の発射体への挿入の終点を自動的かつ確実に決定することができる。すなわち、例示的な実施形態では、シリンジ作動構成要素は、発射機構サブアセンブリを組み立てるために、固定された所定の距離にわたって挿入されない。そうではなく、例示的な組立てプロセスは、プロセス中に検出されてシリンジ作動構成要素の発射体への挿入を加速、減速、開始、および/または停止させるためにフィードバックとして使用できる1つまたは複数の力に基づいて、自動的に制御される。これによって、例示的な組立てプロセスは、シリンジハウジングサブアセンブリの構成要素のばらつきに対応すること、およびそれによって、任意の組の構成要素の信頼性の高い組立てを達成することができる。反対に、機械的カムを使用する従来の組立てプロセスでは、1つまたは複数の構成要素を1つまたは複数の他の構成要素と組み付けるために、固定された所定の距離にわたって挿入する。力測定からのフィードバックの利点を得ることなく、固定された所定の挿入プロセスを使用することによって、従来のプロセスが構成要素のばらつきに対応することができず、その結果、シリンジハウジングサブアセンブリの不適切な組立てが行われることがある。
自動注入デバイスを組み立てる例示的な自動化されたプロセスでは、シリンジアセンブリを、制御され自動化された方法でハウジングアセンブリと組み付けることができる。このハウジングアセンブリは、注射針を覆うための近位キャップが装着されたデバイスのハウジングを含むことができる。シリンジアセンブリは、シリンジに結合されたシリンジハウジングサブアセンブリと、発射機構サブアセンブリとを含むことができる。シリンジの近位端は注射針に結合させることができ、この注射針は、剛性針シールドと、任意選択で軟性針シールドとによって覆われる。組立て中に、シリンジアセンブリはハウジングアセンブリに向かって動かされ、および/またはハウジングアセンブリはシリンジアセンブリに向かって動かされ、したがって、剛性針シールドは、適切な挿入深さまで近位キャップに挿入される。例示的な実施形態では、シリンジアセンブリをハウジングアセンブリに一貫して確実に望ましい距離挿入するために、組立てプロセス中に生成される1つまたは複数の力値および/または力プロファイルを検出することができる。一例では、1つまたは複数の力値または特徴的な力特徴(characteristic force feature)が検出され、アセンブリがいつ完了するかまたは完了に近いかをリアルタイムで判断するために使用することができる。
例示的な実施形態により提供される自動注入デバイスは、液体治療薬、たとえばアダリムマブ(HUMIRA(R))、ゴリムマブなどを含むがこれらに限定されない任意のタイプの物質を患者の身体に投与するために使用することができる。
I.例示的な用語の定義
この節では、例示的な実施形態の理解を促進するために、特定の用語が定義される。
「自動注入デバイス」、「自動注入装置」、および「自動注入ペン」という用語は、患者が液体薬などの物質の投与量を自己投与することを可能にするデバイスを指し、自動注入デバイスは、発射機構サブアセンブリが係合されたときに注入により物質を患者の身体に自動的に送達するための発射機構サブアセンブリを含むことによって、標準的なシリンジと異なる。例示的な実施形態では、自動注入デバイスは、患者の身体に装着可能とすることができる。
例示的な実施形態の自動注入デバイス、たとえば自動注入ペンは、「治療上有効量」または「予防上有効量」の本発明の抗体または抗体部分を含むことができる。「治療上有効量」とは、所望の治療結果を達成するために必要な用量および期間で有効な量を指す。抗体、抗体部分、または他のTNFα阻害薬の治療上有効量は、患者の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに抗体、抗体部分、または他のTNFα阻害薬が患者において所望の反応を誘発する能力などの要因によって変化することがある。治療上有効量はまた、抗体、抗体部分、または他のTNFα阻害薬の任意の毒性作用または有害な作用を治療上有益な効果が上回る量である。「予防上有効量」とは、所望の予防結果を達成するために必要な用量および期間で有効な量を指す。一般的には、予防的投与量は発病前または疾患の早期段階で患者に使用されるので、予防上有効量は治療上有効量より少ない。
「物質」という用語は、例示的な自動注入デバイスを用いて患者に治療上有効量で投与されることが可能な任意のタイプの薬、生物学的活性薬、生物学的物質、化学物質、または生化学物質を指す。例示的な物質としては、液体状態の薬剤があるが、これらに限定されない。このような薬剤としては、アダリムマブ(HUMIRA(R))、ならびに溶液状態であるタンパク質、たとえば融合タンパク質および酵素がありうるが、これらに限定されない。溶液状態であるタンパク質の例としては、プルモザイム(ドルナーゼアルファ)、レグラネクス(Regranex)(ベカプレルミン(Becaplermin))、アクチバーゼ(Activase)(アルテプラーゼ)、アウドラザイム(ラロニダーゼ)、アメビブ(Amevive)(アレファセプト(Alefacept))、アラネスプ(Aranesp)(ダルベポエチンアルファ)、ベカプレルミン濃縮物、ベータセロン(Betaseron)(インターフェロンベータ−1b)、ボトックス(A型ボツリヌス毒素)、エリテック(Elitek)(ラスブリカーゼ)、エルスパー(Elspar)(アスパラギナーゼ)、エポゲン(Epogen)(エポエチンアルファ)、エンブレル(エタネルセプト)、ファブラザイム(アガルシダーゼベータ)、インファージェン(Infergen)(インターフェロンアルファコン−1)、イントロンA(インターフェロンアルファ−2a)、キネレット(Kineret)(アナキンラ(Anakinra))、マイオブロック(MYOBLOC)(B型ボツリヌス毒素)、ニューラスタ(Neulasta)(ペグフィルグラスチム(Pegfilgrastim))、ニューメガ(Neumega)(オプレルベキン(Oprelvekin))、ニューポジェン(Neupogen)(フィルグラスチム)、オンタック(Ontak)(デニロイキンジフチトクス(Denileukin diftitox))、ペガシス(ペグインターフェロンアルファ−2a)、プロリュウキン(Proleukin)(アルデスロイキン(Aldesleukin))、プルモザイム(ドルナーゼアルファ)、レビフ(Rebif)(インターフェロンベータ−1a)、レグラネクス(ベカプレルミン)、レタバーゼ(Retavase)(レテプラーゼ(Reteplase))、ロフェロン−A(Roferon−A)(インターフェロンアルファ−2)、TNKアーゼ(TNKase)(テネクテプラーゼ(Tenecteplase))、およびザイグリス(Xigris)(ドロトレコギンアルファ(Drotrecogin alfa))、アーカリスト(Arcalyst)(リロナセプト(Rilonacept))、Nプレート(NPlate)(ロミプロスチム)、ミルセラ(メトキシポリエチレングリコール−エポエチンベータ)、シンライズ(Cinryze)(C1エステラーゼインヒビター)、エラプレース(イデュルスルファーゼ(idursulfase))、マイオザイム(アルグルコシダーゼアルファ)、オレンシア(アバタセプト)、ナグラザイム(ガルスルファーゼ)、ケピバンス(Kepivance)(パリフェルミン(palifermin))、およびアクティミューン(Actimmune)(インターフェロンガンマ−1b)があるが、これらに限定されない。
溶液状態であるタンパク質はまた、抗体またはその抗原結合断片など、免疫グロブリンまたはその抗原結合断片であってもよい。例示的な自動注入デバイスで使用できる抗体の例としては、キメラ抗体、非ヒト抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、およびドメイン抗体(dAb)があるが、これらに限定されない。例示的な実施形態では、免疫グロブリンまたはその抗原結合断片は、抗TNFαおよび/または抗IL−12抗体である(たとえば、免疫グロブリンまたはその抗原結合断片は、二重可変領域型免疫グロブリン(DVD:dual variable domain) Ig(TM)であってよい)。例示的な実施形態の方法および構成で使用できる免疫グロブリンまたはその抗原結合断片の他の例としては、1D4.7(抗IL−12/IL−23抗体;Abbott Laboratories)、2.5(E)mg1(抗IL−18;Abbott Laboratories)、13C5.5(抗IL−13抗体;Abbott Laboratories)、J695(抗IL−12;Abbott Laboratories)、アフェリモマブ(Afelimomab)(Fab2抗TNF;Abbott Laboratories)、HUMIRA(アダリムマブ)Abbott Laboratories)、キャンパス(Campath)(アレムツズマブ(Alemtuzumab))、CEA−スキャンアルシツモマブ(CEA−Scan Arcitumomab)(fab断片)、アービタックス(セツキシマブ)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、ミオシント(Myoscint)(イムシロマブペンテテート(Imciromab Pentetate))、プロスタシント(ProstaScint)(カプロマブペンデチド(Capromab Pendetide))、レミケード(インフリキシマブ)、レオプロ(ReoPro)(アブシキシマブ(Abciximab))、リツキサン(リツキシマブ)、シムレクト(バシリキシマブ)、シナジス(パリビズマブ)、ベルルマ(Verluma)(ノフェツモマブ(Nofetumomab))、ゾレア(オマリズマブ)、ゼナパックス(Zenapax)(ダクリズマブ(Daclizumab))、ゼヴァリン(イブリツモマブチウキセタン)、オルソクローンOKT3(ムロモナブ−CD3)、パノレックス(Panorex)(エドレコロマブ(Edrecolomab))、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ゴリムマブ(Centocor)、シムジア(Cimzia)(セルトリズマブペゴル(Certolizumab pegol))、ソリリス(Soliris)(エクリズマブ)、CNTO1275(ウステキヌマブ)、ベクティビックス(パニツムマブ)、ベキサール(Bexxar)(トシツモマブ(tositumomab)およびI131トシツモマブ)、およびアバスチン(ベバシズマブ)があるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態の方法および構成で使用できる免疫グロブリンまたはその抗原結合断片の追加の例としては、以下の、すなわちD2E7軽鎖可変領域(配列番号1)、D2E7重鎖可変領域(配列番号2)、D2E7軽鎖可変領域CDR3(配列番号3)、D2E7重鎖可変領域CDR3(配列番号4)、D2Eおよび軽鎖可変領域CDR2(配列番号5)、D2E7重鎖可変領域CDR2(配列番号6)、D2E7軽鎖可変領域CDR1(配列番号7)、D2E7重鎖可変領域CDR1(配列番号8)、2SD4軽鎖可変領域(配列番号9)、2SD4重鎖可変領域(配列番号10)、2SD4軽鎖可変CDR3(配列番号11)、EP B12軽鎖可変CDR3(配列番号12)、VL10E4軽鎖可変CDR3(配列番号13)、VL100A9軽鎖可変CDR3(配列番号14)、VLL100D2軽鎖可変CDR3(配列番号15)、VLL0F4軽鎖可変CDR3(配列番号16)、LOE5軽鎖可変CDR3(配列番号17)、VLLOG7軽鎖可変CDR3(配列番号18)、VLLOG9軽鎖可変CDR3(配列番号19)、VLLOH1軽鎖可変CDR3(配列番号20)、VLLOH10軽鎖可変CDR3(配列番号21)、VL1B7軽鎖可変CDR3(配列番号22)、VL1C1軽鎖可変CDR3(配列番号23)、VL0.1F4軽鎖可変CDR3(配列番号24)、VL0.1H8軽鎖可変CDR3(配列番号25)、LOE7.A軽鎖可変CDR3(配列番号26)、2SD4重鎖可変領域CDR(配列番号27)、VH1B11重鎖可変領域CDR(配列番号28)、VH1D8重鎖可変領域CDR(配列番号29)、VH1A11重鎖可変領域CDR(配列番号30)、VH1B12重鎖可変領域CDR(配列番号31)、VH1E4重鎖可変領域CDR(配列番号32)、VH1F6重鎖可変領域CDR(配列番号33)、3C−H2重鎖可変領域CDR(配列番号34)、およびVH1−D2.N重鎖可変領域CDR(配列番号35)のうちの1つまたは複数を含むタンパク質があるが、これらに限定されない。
「ヒトTNFα」(本明細書ではhTNFα、または単にhTNFと省略される)という用語は、生物学的活性型が非共有結合17kD分子の三量体から構成される17kDの分泌型および26kDの膜結合型(membrane associated form)として存在するヒトサイトカインを指す。hTNFαの構造は、たとえば、Pennica,D.ら(1984)Nature312:724−729、Davis,J.M.ら(1987)Biochem.26:1322−1326、およびJones,E.Y.ら(1989)Nature 338:225−228でさらに説明されている。ヒトTNFαという用語は、標準的な組換え発現法により調製されるかまたは商業的に購入される(R&D Systems、カタログ番号210−TA、Minneapolis、MN)ことができる組換え型ヒトTNFα(rhTNFα)を含むことを意図する。TNFαはTNFとも呼ばれる。
「TNFα阻害薬」という用語は、TNFα活性を妨げる薬剤を指す。この用語は、抗TNFαヒト抗体(本明細書では、TNFα抗体と同義で使用される)および本明細書において説明される抗体部分、ならびに米国特許第6,090,382号、第6,258,562号、第6,509,015号、第7,223,394号、および第6,509,015号で記載されるもののそれぞれも含む。一実施形態では、本発明で使用されるTNFα阻害薬は、インフリキシマブ(Remicade(R)、Johnson and Johnson;米国特許第5,656,272号に記載されている)、CDP571(ヒト化モノクローナル抗TNFαIgG4抗体)、CDP870(ヒト化モノクローナル抗TNFα抗体断片)、抗TNF dAb(Peptech)、CNTO148(ゴリムマブ;Centocor、WO02/12502およびU.S.7,521,206およびU.S.7,250,165を参照されたい)、およびアダリムマブ(HUMIRA(R)Abbott Laboratories、ヒト抗TNF mAb、US6,090,382ではD2E7として記載されている)を含む抗TNFα抗体またはその断片である。本発明で使用することができる追加のTNF抗体が、米国特許第6,593,458号、第6,498,237号、第6,451,983号、および第6,448,380号に記載されている。別の実施形態では、TNFα阻害薬は、TNF融合タンパク質、たとえばエタネルセプト(Enbrel(R)、Amgen、WO91/03553およびWO09/406476に記載されている)である。別の実施形態では、TNFα阻害薬は、組換え型TNF結合タンパク質(r−TBP−I)(Serono)である。
一実施形態では、「TNFα阻害薬」という用語は、インフリキシマブを除く。一実施形態では、「TNFα阻害薬」という用語は、アダリムマブを除く。別の実施形態では、「TNFα阻害薬」という用語は、アダリムマブおよびインフリキシマブを除く。
一実施形態では、「TNFα阻害薬」という用語は、エタネルセプト、ならびに任意選択でアダリムマブ、インフリキシマブ、アダリムマブとインフリキシマブを除く。
一実施形態では、「TNFα抗体」という用語は、インフリキシマブを除く。一実施形態では、「TNFα抗体」という用語は、アダリムマブを除く。別の実施形態では、「TNFα抗体」という用語は、アダリムマブおよびインフリキシマブを除く。
「処置」という用語は、TNFαが有害な障害、たとえば関節リウマチなどの障害の処置のための、治療上の処置、ならびに予防手段または抑制手段を指す。
「患者」という用語は、例示的な自動注入デバイスを使用してある物質を注入することができる、任意のタイプの動物、ヒト、またはヒト以外を指す。
「プレフィルドシリンジ/デバイス」および「あらかじめ充填可能なシリンジ/デバイス」という用語は、ある物質を患者に投与する直前にこの物質で充填されるシリンジ/デバイスと、ある物質で充填され、このあらかじめ充填された形態で、この物質を患者に投与する前のある期間保管されるシリンジ/デバイスとを包含する。
「発射機構」という用語は、発射係合機構によって係合されるとき、自動注入デバイスに含まれる物質を患者の身体に自動的に送達する機構を指す。発射係合機構は、発射機構をトリガするために患者が押すことができる発射ボタンを含むがこれに限定されない発射機構と係合およびトリガする任意のタイプの機構とすることができる。
「遠位」という用語は、例示的な自動注入デバイスが注入のためまたは注入を模倣するために患者に対して保持されるときに患者の身体上の注入部位から最も遠い、デバイスの一部分、端、または構成要素を指す。
「近位」という用語は、例示的な自動注入デバイスが注入のためまたは注入を模倣するために患者に対して保持されるときに患者の身体上の注入部位に最も近い、デバイスの一部分、端、または構成要素を指す。
「摩擦点」という用語は、第2の構成要素の1つまたは複数の構造上の特徴が摩擦点を越えて入るのに摩擦力により抵抗する自動注入デバイスの第1の構成要素内またはその上の場所または領域を指す。例示的な実施形態では、摩擦点は、第1の構成要素の中何も示していない内部孔の直径を局所的に減少させる局所的狭窄部を含むことができる。例示的な実施形態では、摩擦点は、第1の構成要素の内壁から第1の構成要素の孔または空洞の中へ内側に延在する突出部を含むことができる。この突出部は、内壁の円周全体に沿って径方向に連続的に延在してもよいし、内壁の円周に沿って2つ以上の不連続な区間で径方向に延在してもよい。例示的な実施形態では、摩擦点は、第1の構成要素の内壁に設けられた1つまたは複数の装飾的構成要素、たとえば隆起したレタリングなどを含むことができる。
「力プロファイル」という用語は、組立てプロセス中に検出される力値のグラフ、トレース、またはプロットを指す。
「トリガ条件」という用語は、測定または検出されるときに組立てプロセスの1つまたは複数の態様において設定または変更するために使用される力プロファイルにおける1つまたは複数の力特徴を指す。例示的な「トリガ条件」は、「トリガ力」、1組の「トリガ力」、または「トリガ力」と「トリガヒステリシス」の両方を満たすことを含むことができる。
「トリガ力」という用語は、力プロファイル内で測定または検出されるときにトリガ条件の少なくとも一部を満たす力値を指す。
「トリガヒステリシス」または「差動式トリガ力(differential trigger force)」という用語は、トリガ力値の測定または検出の前に力プロファイル内で測定または検出されるとき、トリガ条件の一部を満たす、以前の力値を直接的または間接的に指す。この以前の力は、トリガ力より大きくても小さくてもよい。例示的な実施形態では、トリガヒステリシスは、以前の力を直接的に指す。別の例示的な実施形態では、トリガヒステリシスは、以前の力とトリガ力との間の力差を指す。
以前の力がトリガ力より大きい場合、例示的な実施形態では、トリガ条件は、測定または検出された力が中間の上昇なしに以前の力からトリガ力に低下した場合に満たされうる。以前の力がトリガ力より小さい場合、例示的な実施形態では、トリガ条件は、測定または検出された力が中間の低下なしに以前の力からトリガ力に上昇した場合に満たされうる。
「トリガ」という用語は、トリガ条件が満たされることに応じて例示的な実施形態で生成される出力または命令を指す。例示的な実施形態では、トリガは、一般に、トリガ条件が満たされたことを示すことができる。いくつかの例示的な実施形態では、トリガは、シリンジ挿入プロセスを駆動する、たとえば、モーションジェネレータを始動、停止、加速、減速させるなど、モーションジェネレータを制御するための1つまたは複数の命令の生成を含むまたはこれをもたらすことができる。
II.例示的な自動注入デバイス
例示的な実施形態は、特定の図示の実施形態を参照して以下で説明される。例示的な実施形態は、液体物質の投与量の注入を提供するために自動注入デバイスを使用することに関して説明されるが、例示的な実施形態が図示の実施形態に限定されないこと、および例示的な自動注入デバイスは任意の適切な物質を患者に注入するために使用できることが当業者には理解されよう。さらに、例示的な自動注入デバイスの構成要素および例示的な自動注入デバイスを組み立て使用する方法は、以下で説明される図示の実施形態に限定されない。
例示的な自動注入デバイスのシリンジは、TNFα阻害薬の投与量を含むことができる。例示的な実施形態では、TNFα阻害薬は、ヒトTNFα抗体またはその抗原結合断片とすることができる。例示的な実施形態では、このヒトTNFα抗体またはその抗原結合断片は、アダリムマブまたはゴリムマブとすることができる。
図1および2は、液体薬などの物質の投与量を患者に注入するのに適した例示的な自動注入デバイス10を示す。図1は、ハウジングの近位端および遠位端を覆うキャップが取り外された例示的な自動注入デバイス10の斜視図を示す。図2は、近位キャップおよび遠位キャップを使用してハウジングの近位端および遠位端にキャップが被された図1の例示的な自動注入デバイス10の斜視図を示す。
図1を参照すると、自動注入デバイス10は、患者の身体に注入されるべき物質の投与量を含む、シリンジなどの容器を収容するためのハウジング12を含む。ハウジング12は管状構成を有するが、ハウジング12はシリンジまたは他の容器を収容可能な任意の大きさ、形状、および構成を有することができることが当業者には理解されよう。例示的な実施形態は、ハウジング12内に装填されるシリンジに関して説明されるが、自動注入デバイス10は物質を貯蔵および分注するための他の任意の適切な容器、たとえばカートリッジを用いることができることが当業者には理解されよう。
例示的なシリンジは、好ましくは、以下で詳細に説明されるように、ハウジング12内に摺動可能に装填される。デバイス10が非作動位置にあるとき、シリンジは、ハウジング12内部に収められ格納される。デバイス10が作動されると、シリンジの近位端に結合された針がハウジング12の近位端20から突き出し、シリンジから患者の身体への物質の吐出を可能にする。図示されるように、ハウジング12の近位端20は、デバイス10が作動されるとシリンジの針が突出する開口28を含む。
さらに図1を参照すると、ハウジング12の遠位端30は、発射機構を作動させるように構成された発射係合機構、たとえば発射ボタン32を含む。ハウジング12は、ハウジング12内部に収められた位置すなわち格納位置(針はハウジング12から突き出さない)から突出位置(針がハウジング12から突出する)にシリンジを駆動するように構成された発射機構、たとえば1つまたは複数のアクチュエータも収容する。発射機構は、その後、シリンジから針を通して患者の身体に物質を吐出するように構成される。
例示的な自動注入デバイス10は、ハウジング12の近位端20を覆って注入前の針の露出を防止するための着脱可能な近位キャップ24(または針キャップ)を含むことができる。図示の実施形態では、近位キャップ24は、患者がデバイス10を作動させる準備ができるまで近位キャップ24をハウジング12にロックおよび/または接合するための突起26を含むことができる。あるいは、近位キャップ24は、ねじ切りされたねじ部分を含むことができ、開口28におけるハウジング12の内部表面はねじ山を含むことができる。任意の適切な嵌合機構は、例示的な実施形態の教示に従って使用することができる。
例示的な自動注入デバイス10は、注入前の発射ボタン32の露出および誤った係合を防止するために発射ボタン32を覆うように構成された着脱可能な遠位キャップ34を含むことができる。段29を、遠位キャップ34を収納するためにハウジング12の遠位端に形成することができる。例示的な実施形態では、遠位キャップ34は、スナップ嵌めで発射ボタン32に結合させることができる。別の例示的な実施形態では、遠位キャップ34は、患者がデバイス10を作動する準備ができるまで遠位キャップ34をデバイス10の発射ボタン32にロックおよび/または接合するための突起を含むことができる。別の例示的な実施形態では、遠位キャップ34は、ねじ切りされたねじ部分を含むことができ、発射ボタン32の表面はねじ山を含むことができる。任意の適切な嵌合機構は、例示的な実施形態の教示に従って使用することができる。
ハウジング12およびキャップ24、34は、自動注入デバイス10の使用を容易にするために図形、記号、および/または数字を含むことができる。たとえば、ハウジング12は、デバイス10が患者に対してどのように保持されるべきか(すなわち、近位端20が注入部位上に置かれる)を示すためにデバイス10の近位端20の方を向く矢印125を外表面上に含むことができる。さらに、近位キャップ24には、患者がデバイスの近位キャップ24を最初に取り外すべきであることを示す「1」のラベルが付けられ、遠位キャップには、注入に備えて近位キャップ24が取り外された後で遠位キャップ34が取り外されるべきであることを示す「2」のラベルが付けられる。自動注入デバイス10は患者への指示を容易にするために任意の適切な図形、記号、および/または数字を有してもよいし、自動注入デバイス10はこのような図形、記号、および/または数字を省略してもよいことが当業者には理解されよう。
ハウジング12は、ハウジング12の内部に収容されたシリンジの内容物を患者が見ることを可能にする表示窓130を含むことができる。窓130は、ハウジング12の側壁内の開口であってもよいし、デバイス10の内部を見ることを可能にするためにハウジング12に設けられる透明材料または透明層を含んでもよい。
ハウジング12は、プラスチックおよび他の知られている材料を含むがこれらに限定されない任意の適切な外科用材料から形成されてもよい。
図3および4(従来技術)は、例示的な自動注入デバイス10の構成要素の概略断面図である。図3(従来技術)は、使用前の例示的な自動注入デバイス10の概略断面図を示す。図4(従来技術)は、動作の注入後段階中の図3の例示的な自動注入デバイス10の概略断面図を示す。
図3および4に示されるように、シリンジ50または物質のための他の適切な容器がデバイス10のハウジング12の内部の内側に配設される。例示的なシリンジ50は、患者の身体に注入されるべき液体物質の投与量を保持するための中空円筒部分53を含むことができる。例示的な円筒部分53は、形状が略円筒状であるが、円筒部分53は任意の適切な形状または構成を有することができることが当業者には理解されよう。栓54として示されるシールが、円筒部分53内部の投与量を密封する。シリンジ50は、円筒部分53に接続されこれと流体連通する中空針55も含むことができ、栓54に圧力を加えることによって、投与量を、中空針55を通して吐出することができる。中空針55は、円筒部分53の近位端53aから延在する。円筒部分53の遠位端53bは、以下で説明されるように、ハウジング12内部でのシリンジ50の動きを制限するようにハウジング12内の止め部123に当接するためのフランジ56または他の適切な機構を含む。例示的な実施形態は図示のシリンジ50に限定されないこと、および注入されるべき物質の投与量を含むための任意の適切な容器は例示的な実施形態の教示に従って使用できることが当業者には理解されよう。
図3および4に示される自動注入デバイス10は、シリンジ50に含まれる投与量を患者の身体に選択的に注入するための、プランジャとして示されるシリンジ作動構成要素70を含むことができる。例示的なプランジャ70は、圧力を栓54に選択的に加えて針55を通して投与量を吐出するための、栓54に接続されるおよび/またはこれと流体連通する第1の端71aを有するロッド部分71を含むことができる。プランジャ70は、フランジ付きの第2の端72を含むことができる。例示的な実施形態では、プランジャ70は、図3および4に示される構成要素より多いまたは少ない構成要素を含むことができる。例示的な実施形態では、デバイス10は、図3および4に示されるアクチュエータより多いまたは少ないアクチュエータを含むことができる。
プランジャ70は、プランジャ70のフランジ付きの第2の端72の周りまたはこの上に配設された、コイルばね88として示される第1の付勢機構によって、デバイス10の近位端20に向かって前方に付勢されうる。コイルばね88の近位端88aは、圧力をプランジャ70に選択的に加えるため、および患者の身体上の注入部位に向かってプランジャ70を動かすために、プランジャ70のフランジ付きの第2の端72に当接することができる。あるいは、プランジャ70は、ばね88の中心を通って延在することができる。
図3に示されるように、デバイス10を使用する前に、コイルばね88(または別の適切な機構)は、プランジャ70とハウジング12との間で圧縮され、したがってエネルギーを蓄積することができる。発射ボタン32などの任意の適切な作動手段によって作動することができるトリガ91は、発射ボタン32が作動される前に、プランジャ70および第1の付勢機構88を格納された係止された位置に保持することができる。トリガ91は、プランジャ70のフランジ付きの第2の端72を係止することができる。発射ボタン32または他の作動手段が作動されると、トリガ91はプランジャ70のフランジ付きの第2の端72を解放することができ、コイルばね88がプランジャ70をデバイス10の第1の端に向かって進ませることを可能にすることができる。
例示的なコイルばね89として示される第2の付勢機構は、図3に示されるように、使用前に、ハウジング12内部に格納位置にシリンジ50を保持することができる。この格納位置では、針55をハウジング12の内部に完全に収めることができることが好ましい。例示的なシリンジコイルばね89は、円筒部分53の遠位部分の周りに配設することができ、ハウジング12の内部に形成される棚121内に着座させることができる。コイルばね89の遠位端は、シリンジ50のフランジ付き遠位端56に当接することができる。第2の付勢機構89のばね力によって、シリンジ50のフランジ付き遠位端56が押されてハウジング12の近位端20から離れ、それによって、作動されるまでシリンジ50を格納位置に保持することができる。デバイス10の他の構成要素も、ハウジング12に対してシリンジ50を配置するために使用することができる。
第1の付勢機構88および第2の付勢機構89は、デバイスの特定の構成要素を付勢する際に使用するに適した任意の適切な構成および張力を有することができる。たとえば、第1の付勢機構88は、解放または作動されたときにプランジャ70およびシリンジ50を前方に駆動するのに適した任意の適切な大きさ、形状、エネルギー、および性質を有することができる。第2の付勢機構89は、第1の付勢機構88の作動前にシリンジ50を格納するのに適した任意の適切な大きさ、形状、エネルギー、および性質を有することができる。プランジャ70および/またはシリンジ50の動きを容易にするための他の適切な手段も使用することができる。
図3および4の図示の実施形態をさらに参照すると、プランジャ70は、ロッド部分71と、プランジャ70の中心でロッド部分71の近位中実部分と遠位中実部分との間に径方向に圧縮可能な例示的な拡張部分76とを含むことができる。例示的な実施形態では、この拡張部分76は、ロッド部分71の中心軸に沿って位置合わせさせることができる。図示の実施形態では、ロッド71は、1対の突出するエルボ78を形成するように分割および拡張することができ、エルボ78は長手方向のスリットまたは空隙を囲み、径方向に圧縮可能な拡張部分76を画定する。突出するエルボ78は、成形されたプランジャ70の一部としてあらかじめ形成されてもよいし、あるいは、プランジャ70に個別に取り付けられてもよい。突出するエルボ78は、ロッド71のその部分にロッド71の残りと同様の円周を取るように径方向内側に動かすことができるように圧縮可能とすることができる。圧縮可能な拡張部分76は、シリンジ50の動きを容易にする。
作動手段320がトリガ91を作動してプランジャ70を解放するとき、コイルばね88のばね力がプランジャ70を前方に進ませる。作動手段320は、プランジャ70を解放するまたは別の方法でデバイス10を作動するのに適した任意の適切な大きさ、形状、構成、および場所を有することができる。たとえば、作動手段320は、ハウジング12の遠位端30に形成された発射ボタン32を含むことができ、および/またはラッチ、ねじりによって作動される(twist−activated)スイッチ、および当技術分野で知られている他のデバイスなどの別の適切なデバイスを含むことができる。図示の作動手段320はデバイス10の遠位端30に向かって位置するが、作動手段320はデバイス10上の任意の適切な場所に配置できることが当業者には理解されよう。
第1の動作段階中に、プランジャ70は、針55の先端がハウジング12の近位端20から突出するように、シリンジ50を前方に押す。第1のコイルばね88によって提供される初期付勢力は、第2のコイルばね89の付勢力に打ち勝って第2のコイルばね89の後ろ向きの付勢力に逆らったシリンジ50の動きを可能にするのに十分である。第1の動作段階では、突出するエルボ78によって形成されるプランジャ70の拡張領域76は、円筒部分53のフランジ付き遠位端56に載置されてもよいし、最初に円筒部分53に部分的に入り、次に、静摩擦力により少なくとも一時的に休止してもよい。これによって、プランジャ70がシリンジ円筒部分53内部で移動することが防止される。このようにして、フランジ付き遠位端56の静摩擦または当接によって、第1のコイルばね88からのすべての付勢力が、シリンジ50をデバイス10の近位端20に向かって前方に動かすために加えられる。
デバイス10の近位端20に向かってのシリンジ50の前方へのモーションは、円筒部分53のフランジ付き遠位端56がハウジング12内の止め部123に当接し、それによって停止機構56、123を形成するまで、コイルばね89の付勢力に引き続き逆らうことができる。他の停止機構を用いることができること、および例示的な実施形態が図示の停止機構に限定されないことが当業者には理解されよう。
第1の動作段階では、デバイス10の近位端20にある開口28を通して針55の先端を進ませることができ、その結果、針55は患者の皮膚を穿刺することができる。この段階において、シリンジ円筒部分53は、好ましくは、針55を通して物質を吐出することなく密封されたままであることができる。停止機構56、123によって引き起こされる妨害によって、以降のステップ中にデバイス10の近位開放端28から延在する選択された位置に針55を維持することができる。停止機構56、123がシリンジ50の動きを停止させるまで、プランジャ70の圧縮可能な拡張部分76は、円筒部分53に対するプランジャ70の動きを防止することができる。停止機構56、123は、シリンジ50が注入に適した任意の適切な深さまで皮膚に侵入するために開放近位端20に対して任意の適切な場所に配置されうる。
第2の動作段階は、ハウジング12の止め部123がフランジ付き部分56を捕捉した後で始まり、円筒部分53のさらなる動きを停止させる。この段階では、コイルばね88の継続的な付勢力によって、図5に示されるように、プランジャ70をハウジング12に対して押し続けることができる。付勢力により、プランジャ70のエルボ78は、径方向内側に圧縮され、円筒部分53の内部に摺動することができる。構成要素123と56との間の妨害によって、円筒部分53は、選択された位置に保持され(針55は露出される)、エルボ78がつぶされた段階では、コイルばね88は、円筒部分53の内部でプランジャ70を押すことができる。プランジャ70が、エルボ78が圧縮され円筒部分53に延在することを可能にするのに必要な力に打ち勝った後、プランジャ70は、圧力を栓54に加え、それによってシリンジ50内に含まれる物質を、突出する針55を通して吐出させることができる。針55は第1の動作段階で患者の皮膚に侵入するように作製されたので、シリンジ50の円筒部分53に含まれる物質は、患者の身体の一部分に直接的に注入される。
図5は、例示的なシリンジハウジングサブアセンブリ121と例示的な発射機構サブアセンブリ122とを含む例示的な自動注入デバイス10の斜視図を示す。例示的な実施形態では、自動注入デバイス10は、2つのインターロッキング構成要素、すなわち、デバイス10の近位構成要素(たとえば、近位ハウジング構成要素12a、シリンジ円筒53、コイルばね89、針55、および他の近位構成要素など)を含むシリンジハウジングサブアセンブリ121と、デバイス10の遠位構成要素(たとえば、発射体12b、発射機構サブアセンブリ122の近位端122aにおいて開口228から延在する加圧部754’を有するシリンジ作動構成要素700’など)を含む発射機構サブアセンブリ122とを含むことができる。シリンジハウジングサブアセンブリ121と発射機構サブアセンブリ122は、任意の適切な手段によって結合させることができる。例示的な実施形態では、発射機構サブアセンブリ122の近位端122aは、シリンジハウジングサブアセンブリ121の遠位端121bに挿入されるような大きさおよび構成に設定することができる。さらに、発射機構サブアセンブリ122の近位端122aにある1つまたは複数のタブ127は、シリンジハウジングアセンブリ122の遠位端121bにある対応する開口126にスナップ嵌めされ、2つのアセンブリ121、122およびその中に収容される構成要素が確実に位置合わせおよび結合されるようにすることができる。
図6は、図5の例示的な自動注入デバイスの発射機構アセンブリ122の分解斜視図を示す。図7は、例示的なシリンジ作動構成要素700’の斜視図を示す。発射機構サブアセンブリ122は、付勢機構88およびシリンジ作動構成要素700’の遠位部分を収容するための中何も示していない内部孔を有する発射体12b(遠位ハウジング構成要素とも呼ばれる)を含むことができる。発射体12bは、発射機構サブアセンブリ122の組立て中に付勢機構88およびシリンジ作動構成要素700’が入ることを可能にするために、開口228を近位端122aに含むことができる。発射体12bは、発射体12bを識別するために、およびデバイス10の握持を容易にするために、その外表面128上に1つまたは複数の隆起または溝を有することができる。発射体12bは、シリンジハウジングアセンブリ122の遠位端121bにおいて対応する開口126にスナップ嵌めするように構成された1つまたは複数のタブ127を発射機構サブアセンブリ122の近位端122aにまたはその近くに含むことができる。発射体12bは、ばね88の遠位端を支持するための狭くなった遠位壁1234も含むことができる。発射体12bは遠位アンカリングキャップ12cも含むことができ、遠位アンカリングキャップ12c上にシリンジ作動構成要素700’のアンカリング部分789’を支持することができる。
発射機構サブアセンブリ122は、第1の動作段階でシリンジ50をハウジング12内部で前方に駆動するため、および第2の動作段階でシリンジ50の内容物を吐出するように栓54を作動させるために、発射体12bの近位端122aから延在するシリンジ作動構成要素700’として示されるシリンジアクチュエータも含むことができる。シリンジ作動構成要素700’の近位端は、栓54と係合および駆動するための加圧部754’として構成することができる。加圧部754’の遠位には、1対のエルボ76が、中央の長手方向のスリットまたは空隙を備えることができる。エルボ76は、シリンジ作動構成要素700’の中心軸に沿って位置合わせさせることができ、シリンジ作動構成要素700’の加圧部754’と中実のロッド部分70との間に延在することができる。シリンジ作動構成要素700’は、エルボ78の遠位にある中実のロッド部分70にインジケータ190を含むことができる。デバイス10の動作中、および注入の完了後、インジケータ190は、ハウジング12上の窓130と位置合わせし、注入の少なくとも部分的な完了を示すように構成される。インジケータ190は、好ましくは、注入の完了を表す独特な色または設計を有する。
図示のシリンジ作動構成要素700’は、圧縮された位置に作動コイルばね88を作動まで保持するための保持フランジ720’をさらに含む。保持フランジ720’は、デバイス10が作動されたときにハウジング12の内部で好ましくはシリンジ作動構成要素700’が摺動可能かつ容易に動くことを可能にするような大きさ、寸法に設定され、このような材料から形成される。保持フランジ720’から遠位方向に延在して、シリンジ作動構成要素700’は、作動コイルばね88のための基部788’を形成する。基部788’は、トリガアンカリング部分789’の中で終わる。図示の基部788’は、その周りにばね88が巻きつく可撓性アーム788a’、788b’を備えることができる。トリガアンカリング部分789’はタブ付き足部7891’を備えることができ、タブ付き足部7891’は基部788’から延在し、発射体12bのアンカリングキャップ12cと選択的に係合するように構成される。発射体12bの遠位端に結合される発射ボタン32は、格納されたトリガアンカリング部分789’を作動まで保持するように構成される。作動されると、発射ボタン32はトリガアンカリング部分789’を解放し、コイルばね88がデバイス10の近位端20に向かってシリンジ作動構成要素700’を進ませることを可能にする。
図6および7に示される格納されアンカリングされた位置では、トリガアンカリング部分789’はハウジング12と相互作用し、それによって、タブ付き足部7891’がコイルばね88の付勢力に逆らって係止された位置に保持され、格納位置にシリンジ作動構成要素700’を維持する。この位置では、フランジ720’は、発射体12bの遠位壁1234に対してばね88を格納する。アンカリングキャップ12c内の開口によって、発射ボタン32は、シリンジ作動構成要素700’のアンカリング部分789’にアクセスすることができる。格納位置では、シリンジ作動構成要素700’の加圧部754’は、発射体12bの近位端122aにおいて開口228から延在する。
発射体12bが、対応するシリンジ作動機構121に結合するとき、加圧部754’は、その中に収容されるシリンジの円筒部分の中へ延在する。加圧部754’は、デバイス10内に収容されるシリンジ50の栓54と一体化されてもよいし、栓54と同じであってもよいし、栓54に接続されてもよいし、別の方法で栓54と連通してもよく、圧力を栓54に加えるのに適した任意の適切な大きさ、形状、および構成を有することができる。一実施形態では、加圧部754’は、円筒部分53を実質的に密封するように、対応するシリンジ50の円筒部分53の形状に対応する断面を有し、加圧部754’は、円筒部分53の内部で摺動可能に動き、栓54に圧力を加えて、シリンジ50を作動させるように構成される。
図6および7の図示の実施形態では、シリンジ作動構成要素700’は、対応するシリンジ50、ばね88、および他の構成要素をアンカリングし、シリンジ50を作動させて引き延ばされた位置に動かし、シリンジ50の内容物を個別に吐出するための単一の統合された機構を構成する。
図8は、図7の発射機構サブアセンブリ122に結合しこれと相互作用するように構成された例示的なシリンジハウジングサブアセンブリ121の分解斜視図である。シリンジハウジングサブアセンブリ121の構成要素は、注入されるべき物質を含むシリンジ50を収容するように、および上記で説明された2つの異なる動作段階におけるデバイス10の動作を容易にするように協働可能に構成される。シリンジハウジングサブアセンブリ121は、シリンジを動かせるように保持するように構成されたシリンジキャリア1000を含む。図9は、例示的なシリンジキャリア1000の斜視図を示す。シリンジハウジングサブアセンブリ121は、注入で使用する前、その間、またはその後で針55を保護するように覆うように構成されたシュラウド1110も含む。シリンジキャリア1000とシュラウド1110は互いに結合されてよく、第2の付勢部材89がそれらの間に配置される。シリンジキャリア1000、シュラウド1110、および付勢部材89は、近位ハウジング構成要素12aの中空孔の中に配置することができ、近位ハウジング構成要素12aの近位端を近位キャップ24により覆うことができる。
近位ハウジング構成要素12aは、シリンジハウジングサブアセンブリ121の第2の付勢機構89、シリンジキャリア1000、およびシュラウド1110を収納するための中何も示していない構造部材を設けるシリンジハウジング12の一部分である。近位ハウジング構成要素12aは、管状の側壁を有する管状部材とすることができる、すなわち、略円形の断面を有する略円筒状の形状を有することができる。近位ハウジング構成要素12aは、自動注入デバイスの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在することができる。近位ハウジング構成要素12aは、遠位端またはその近くで発射体12bに結合させることができ、近位端またはその近くで近位キャップ24に結合させることができる。近位ハウジング構成要素12aは、近位ハウジング構成要素12aの内部に配設されたシリンジ50の内容物を使用者が見ることを可能にするために、その側壁内に形成されたまたは設けられた1つまたは複数の窓130を含むことができる。
シュラウド1110は、展開されると、注入において針を使用する前、その間、および/またはその後で針を覆う保護を提供する構造部材である。シリンジハウジングサブアセンブリ121の構成要素は、注入中に近位ハウジング構成要素12aに対して格納位置にシュラウド1110を保持するように、および注入中またはその後で近位ハウジング構成要素12aに対してシュラウド1110を自動的に展開するように協働可能に構成される。例示的な実施形態では、シュラウド1110は、ハウジング12の近位端20に配置されてもよいし、ハウジング12の近位端20を形成してもよい。シュラウド1110は、管状の側壁を有する主要管状本体部分1116を含むことができる、すなわち、略円形の断面を有する略円筒状の形状を有することができる。主要管状本体部分1116は、自動注入デバイスの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在することができる。
主要管状本体部分1116は、本体部分に沿って長手方向に延在する1つまたは複数のスロット1118を含むことができる。例示的な実施形態では、シリンジキャリア1000および/またはシュラウド1110が互いに対して動くので、スロット1118は、シリンジキャリア1000の隆起したレール状の縁すなわちタブ付き足部1006の動きのための長手方向の軌道(track)を提供することができる。シュラウド1110がシュラウドの引き込み中にシリンジキャリア1000に向かって動くとき、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006は、スロット1118に沿ってデバイスの近位端に向かって移動することができる。逆に、シュラウド1110がシュラウドの展開中にシリンジキャリア1000から離れるとき、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006は、スロット1118に沿ってデバイスの遠位端に向かって移動することができる。
主要管状本体部分1116の遠位端は、リムとして構成することができ、互いから離隔された1つまたは複数の遠位アーム1114に結合させることができる。例示的な実施形態では、2つの離隔された遠位アーム1114は、主要管状本体部分1116の遠位端に結合される。遠位アーム1114は任意の適切な形状を取ることができ、この形状は、円形の断面を有する略円筒状の形状、方形または正方形の断面を有する大幅に延長された箱形の形状などを含むが、これらに限定されない。例示的な実施形態では、遠位アーム1114は、互いに略平行に、およびデバイスの長手方向軸と略平行に延在することができる。別の例示的な実施形態では、遠位アーム1114は、シュラウド1110上の取り付け点に対して互いから分岐するように、デバイスの長手方向軸に対してある角度で延在することができる。
主要管状本体部分1116の近位端は、近位管状部分1112に結合させることができる。例示的な実施形態では、近位管状部分1112は、注入後に針55の一部またはすべてを覆うことができる。例示的な実施形態では、主要管状部分1116は、注入後に針55の一部またはすべてを覆うことができる。シュラウド1110の近位管状部分1112は、管状の側壁を有する管状部材とすることができる、すなわち、略円形の断面を有する略円筒状の形状を有することができる。近位管状部分1112は、自動注入デバイスの長手方向軸に沿って近位端から遠位端まで延在することができる。近位管状部分1112の近位端は、近位開口28を有することができる。近位開口28があることによって、シリンジ針55が外側に突出すること、およびデバイス10の動作中にシリンジ針55が注入部位に侵入することを可能にすることができる。近位管状部分1112の遠位端は、シュラウド1110の主要管状本体部分1116の近位端に結合されてもよいし、この近位端から延在してもよい。
例示的な実施形態では、シュラウド1110の近位管状部分1112は、主要管状本体部分1116の断面直径より小さい断面直径を有することができる。この例示的な実施形態では、段付き部分1113は、近位管状部分1112の遠位端と主要管状本体部分1116の近位端との間の結合部に形成されてもよい。段付き部分1113は、シュラウド1110の内部に少なくとも部分的に配設される付勢部材89のための前方止め部を形成することができる。段付き部分1113は、付勢部材89を限定し、デバイス10の近位端に向かっての付勢部材89のさらなる前方への動きを防止することができる。
シリンジキャリア1000は、デバイス10で使用されるシリンジ50の遠位の半分を包む構造部材である。シリンジキャリア1000は、シリンジ50が注入部位に前方に動くことを可能にするためにハウジング12の内部でシリンジ50を保持および案内するように構成することができる。シリンジ50は、シリンジキャリア1000内で静止することができ、シリンジ50とシリンジキャリア1000の両方は、近位ハウジング構成要素12aの内部に含まれうる。デバイス10の動作中に、シリンジ50およびシリンジキャリア1000は、近位ハウジング構成要素12aの内部で近位方向および前方に動く。
例示的な実施形態では、シリンジキャリア1000は近位ハウジング構成要素12aの内部で静止し、シリンジ50は、シリンジキャリア1000の内部でシリンジキャリア1000に対して選択的かつ制御可能に摺動する。別の例示的な実施形態では、シリンジキャリア1000は、近位ハウジング構成要素12aの内部で摺動可能に配設され、ハウジング12の内部でシリンジ50を選択的に搬送する。シリンジキャリア1000は、近位ハウジング構成要素12aの内部でシリンジ50を搬送または案内するのに適した任意の適切な構成、形状、および大きさを有することができる。シリンジキャリア1000はまた、注入中および/またはその後でシュラウド1110を自動的に展開するためにシュラウド1110と協働するように構成される。
シリンジキャリア1000は近位管状部分1002を含むことができ、近位管状部分1002は略管状であり、管状の側壁を有する、すなわち、略円形の断面を有する略円筒状の形状を有する。近位管状部分1002の側壁は、任意選択で、1つまたは複数の隆起した構造、たとえば長手方向に延在するレール1007を含むことができる。レール1007は、タブ付き足部1006を含むことができる。シリンジキャリア1000がシュラウド1110に組み付けられるとき、タブ付き足部1006はシュラウド1110のスロット1118の内部に嵌まることができ、その結果、2つの構成要素は、シリンジキャリア1000およびシュラウド1110のためのロック機構を協働可能に形成する。組み立てられた構成では、タブ付き足部1006は、スロット1118の内部で長手方向に移動することができるが、スロット1118からの係合解除が制限される。すなわち、キャリア1000のタブ付き足部1006の前方への動きは、シュラウド1100のスロット1118の近位端で停止させることができる。同時に、レール1007は、シュラウド1110の主要管状本体部分1116内に設けられた内部の長手方向の溝に沿って嵌まり、溝によって形成される軌道に沿って長手方向に動く。例示的な実施形態では、この溝は、シュラウド1110の遠位端の近くに設けることができ、約2mmの例示的な長さにわたって延在することができる。
近位管状部分1002の近位端は、近位アンカ部分1003に結合されてもよいし、近位アンカ部分1003の中へ延在してもよい。例示的な実施形態では、近位アンカ部分1003は、約12.60mmの例示的な外径を有することができる。シリンジキャリア1000の近位アンカ部分1003は、遠位後方方向でのシリンジ50の動きを制限することができる。例示的な実施形態では、近位アンカ部分1003の近位端は、近位方向に近位アンカ部分1003を越えて延在して付勢部材89の遠位端およびシュラウド1110の遠位端とのシリンジキャリア1000の結合を容易にするシリンジキャリア結合部1004を含むことができる。
近位管状部分1002の遠位端は遠位管状部分1005の近位部分に結合させることができ、遠位管状部分1005は略管状であり、管状の側壁を有する、すなわち、略円形の断面を有する略円筒状の形状を有する。遠位管状部分1005の遠位端は、シリンジ50のためのダンパとして働くことができるフランジ付き遠位端1062に結合されてもよいし、延在して遠位端1062を形成してもよい。フランジ付き遠位端1062は、遠位管状部分1005から径方向に延在することができ、遠位管状部分1005より大きな断面直径を有することができる。
遠位管状部分1005の側壁は、ハウジング12の内側に配設されたシリンジ50の内容物を使用者が見ることを可能にする1つまたは複数の窓1001を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、窓1001は、近位管状部分1002の中へ延在することができる。他の例示的な実施形態では、窓1001は、近位管状部分1002または遠位管状部分1005のどちらかに制限されてもよい。
例示的な実施形態では、遠位管状部分1005の断面直径は、近位管状部分1002の断面直径より小さくすることができる。この実施形態では、近位管状部分1002の遠位端と遠位管状部分1005の近位端との間の結合部に形成された段付き部分1064があることがある。段付き部分1064は、略垂直な表面を管状部分の面同士の間に形成してもよいし、管状部分の面に対してある角度で傾斜した表面を形成してもよい。
近位管状部分1002と遠位管状部分1005との間の領域は、管状部分から径方向に延在する中間フランジ1063を含むことができる。中間フランジ1063は、径方向に連続した構造であってもよいし、径方向に不連続な構造であってもよく、管状部分より大きな断面直径を有することができる。中間フランジ1063は、近位ハウジング構成要素12aの内部止め部すなわちフランジ256と係合して、近位前方方向でのシリンジ50の動きを制限するように構成することができる。シリンジキャリア1000が作動すると、シリンジキャリア1000の中間フランジ1063が近位ハウジング構成要素12aの内部止め部すなわちフランジ256に当接するまで、シリンジキャリア1000がデバイスの近位端に向かって動く。これにより、近位前方方向へのシリンジキャリア1000およびシリンジ50のさらなる動きが制限される。
注入を目的として針を露出させるために、シュラウド1110は、付勢部材89の付勢力に逆らって遠位後方方向に格納される。注入中にシリンジ針が使用されているとき、シュラウド1110は、格納位置までデバイスの遠位端に向かって押されてもよいし、格納位置で保持されてもよい。引き込み中に、シュラウド1110がシリンジキャリア1000に対して動くので、シリンジキャリア1000のレール1007のタブ付き足部1006は、シュラウド1110のスロット1118に沿ってデバイスの近位端に向かって長手方向に相対的に動く。同時に、シリンジキャリア1000のレール1007は、シュラウド1110内の内側溝に沿って長手方向に相対的に動く。シュラウド引き込みプロセスは完了する。タブ付き足部1006がスロット1118の近位端に到達すると、シュラウド1110のさらなる動きは停止される。タブ付き足部1006は、ロックするようにスロット1118の中に嵌まるので、タブ付き足部1006は、スロット1118から係合解除せず、シュラウド1110のさらなる後方または遠位へのモーションを防止する。
シュラウド1110の格納位置では、主要管状本体部分1116の遠位リムまたは遠位端は、近位ハウジング構成要素12aの内表面上に設けられた止め部すなわちフランジ256の近位側に当接することができる。例示的な実施形態では、格納位置において、遠位アーム1114は、シリンジキャリア1000の中間フランジ1063を越えて遠位方向に延在することができる。
注入前および/またはその後に針を覆うために、シュラウド1110は、付勢部材89の付勢力に沿って近位前方方向に展開される。展開された位置では、シュラウド1110は、使用中またはその後でシリンジ針を保護するように覆い、誤って針を刺すことによる負傷を防止する。展開中に、シュラウド1110がシリンジキャリア1000に対して動くので、シリンジキャリア1000のレール1007のタブ付き足部1006は、シュラウド1110のスロット1118に沿ってデバイスの遠位端に向かって長手方向に相対的に動く。同時に、シリンジキャリア1000のレール1007は、シュラウド1110内の内側溝に沿って長手方向に相対的に動く。シュラウド展開プロセスは完了する。タブ付き足部1006がスロット1118の遠位端に到達すると、シュラウド1110のさらなる動きは停止される。タブ付き足部1006は、ロックするようにスロット1118の中に嵌まるので、タブ付き足部1006は、スロット1118から係合解除せず、シュラウド1110のさらなる近位または前方へのモーションを防止する。
シュラウド1110が展開された後、遠位アーム1114は、遠位方向にシュラウドに加えられる後ろ向きの力により、シュラウド1110が確実に再度格納されないようにする。例示的な実施形態では、例示的なシュラウド1110の遠位アーム1114は、「オーバライド力(override force)」として知られる最大の力に逆らってシュラウドを引き込むことに抵抗することができる。例示的な実施形態では、展開中に、シュラウド1110は、デバイスの近位ハウジング構成要素12aの内部で捩じるように(twistingly)動き、その結果、シュラウド1110の遠位アーム1114の遠位端はハウジングの内部止め部すなわちフランジ256に載置される。したがって、内部止め部すなわちフランジ256は、シュラウドが展開された後でのシュラウド1110のさらなる遠位または後方への動きを防止する。このロック機構は、デバイスが使用された後にシリンジ針が保護するように確実に覆われるようにし、シュラウドを誤って引き込むことによって引き起こされる、誤って針を刺すことによる負傷を防止する。例示的なオーバライド力は約80Nから約200Nまでの範囲とすることができるが、オーバライド力は、この例示的な範囲に限定されない。
図8に示されるように、付勢部材89は、シリンジキャリア1000のシリンジキャリア結合部1004の近位端とシュラウド1110の段付き部分1113との間に延在する。例示的な実施形態では、付勢部材89は、使用前にハウジング12内部の格納位置にシリンジ50を保持することができる。別の例示的な実施形態では、シリンジ50を保持するシリンジキャリア1000は、ハウジング内の内部フランジ256にロックされてもよい。この相互作用によって、使用前にハウジングの内部の格納位置にシリンジ50を保持することができる。近位キャップ24の突起26を用いると、この相互作用は、輸送中、衝撃中、落下中、振動中などに、シリンジキャリア1000およびシリンジ50を所定の位置にロックすることが可能である。
格納位置では、針55をハウジング12の内部に完全に収めることができることが好ましい。例示的なシリンジコイルばね89は、シリンジ50の円筒部分53の近位部分の周りに配設することができ、ハウジング内部12の内部に形成された棚内に着座させることができる。コイルばね89の上端は、シリンジ50のフランジ付き遠位端56に当接することができる。第2の付勢機構89のばね力は、シリンジ50のフランジ付き遠位端56を押してハウジング12の近位端20から離れさせ、それによって、格納位置にシリンジ50を作動されるまで保持することができる。デバイス10の他の構成要素も、ハウジング12に対してシリンジ50を配置させることができる。
図10Aおよび10Bは、組み立てられた自動注入デバイスを示す、互いから90°ずれた角度での断面図であり、図5のシリンジハウジングサブアセンブリ121と発射機構サブアセンブリ122は互いに結合され、その結果、シリンジ作動構成要素700’の加圧部754’は、シリンジハウジングサブアセンブリ121内に収容されるシリンジ50の円筒部分53の中へ延在し、シリンジ50の栓54と連通する。図7および10Bを再度参照すると、シリンジ作動構成要素700’は、以下で説明されるように、栓54に圧力を加えるための加圧端754’と、圧縮可能な拡張部分76(プランジャエルボ78として示される)を有するプランジャロッド部分70と、ならびにシリンジ作動構成要素700’にコイルばね88をアンカリングするための構成要素などの他の構成要素をその近位端700a’に含む。圧縮可能な拡張部分76は、突出位置への対応するシリンジ50の動きおよびシリンジ50の内容物の吐出を容易にする。あるいは、シリンジ作動構成要素700’は、シリンジ50を動かすおよび/またはシリンジ50の作動を促進するための複数のアクチュエータを備えることができる。
図10Bに示されるように、シリンジ作動構成要素700’のトリガアンカリング部分789’は、発射ボタン32によってハウジング12の遠位端にアンカリングされる。患者が発射ボタン32を作動すると、発射ボタン32に接続された駆動アーム32aは、トリガアンカリング部分789’のタブ付き足部7891’を内側に圧縮し、それによって、プランジャアーム788a’、788b’のタブ付き足部の間の距離(プランジャアーム幅)を減少させる。これによって、シリンジ作動機構700’およびばね88が解放される。
例示的な実施形態では、第1の動作段階中に、プランジャ70は、ばね88のばね力を受けて進み、シリンジ50の孔に入る。プランジャ70がシリンジ50の孔に入るとき、プランジャ70のエルボ78は、少なくとも部分的に、径方向内側に圧縮されうる。例示的な実施形態では、エルボ78が径方向内側に圧縮されることによって、プランジャ70を長手方向軸に沿って細長くするまたは長くすることができる。例示的な実施形態では、プランジャ70の加圧端754’は、最初は栓54から離隔させることができ、プランジャ70は、第1の動作段階中、プランジャ70の加圧端754’が栓54と初めて接触するまで、栓54に向かって動くことができる。
第2の動作段階中に、プランジャ70の加圧端754’は栓54を押す。この段階では、プランジャ70のエルボ78はシリンジの内壁に対して摩擦力を及ぼし、それによって、栓54に対する加圧端754’の前方への動きが妨げられる。そのうえ、シリンジ内の液体治療物質の投与量の非圧縮性は、栓54に対する加圧端754’の前方への動きに逆らうように作用する。その結果、エルボ78によって及ぼされる摩擦力とシリンジ50内部の液体の抵抗力が組み合わさって、栓54に対する加圧端754’のさらなる動きが妨げられる。これらの力の組合せが、シリンジキャリア1000を所定の位置に保持する力を上回るとき、シリンジ50およびシリンジキャリア1000は、ばね88の力を受けてデバイスの近位端に向かって前方に動かされる。シリンジが前方に動く間、第1のコイルばね88によって提供される初期付勢力は、第2のコイルばね89の付勢力に打ち勝って、第2のコイルばね89の後ろ向きの付勢力に逆らうシリンジ50の動きを可能にするのに十分である。シリンジ50が前方に動くことによって、針55の先端がハウジング12の近位端20から突出する。
この例示的な実施形態では、第3の動作段階中に、シリンジキャリア1000がデバイスのハウジング内で十分に延在するとき、プランジャ70は、さらにシリンジ50の孔の中へ動く。例示的な実施形態では、エルボ78が径方向内側に圧縮されることによって、プランジャ70を長手方向軸に沿って細長くするまたは長くすることができる。プランジャ70がシリンジ50の中へ動くとき、プランジャ70の加圧端754’は栓54をシリンジ50に押し込み、針55を通してシリンジからシリンジ50の内容物を吐出させる。
別の例示的な実施形態では、ばね88が解放された後、プランジャ70は、ばね88のばね力を受けて進み、シリンジ50の孔に入ることができ、プランジャがシリンジ50の孔に入るとき、プランジャ70のエルボ78は、少なくとも部分的に、径方向内側に圧縮されうる。例示的な実施形態では、エルボ78が径方向内側に圧縮されることによって、プランジャ70を長手方向軸に沿って細長くするまたは長くすることができる。
例示的な実施形態では、プランジャ70の加圧端754’は、最初は栓54から離隔させることができ、プランジャ70は、プランジャ70の加圧端754’が栓54と初めて接触するまで、栓54に向かって動くことができる。プランジャ70の加圧端754’は、その後、栓54を押すことができる。プランジャ70のエルボ78はシリンジの内壁に対して摩擦力を及ぼすことができ、それによって、栓54に対する加圧端754’の前方への動きが妨げられる。そのうえ、シリンジ内の液体治療物質の投与量の非圧縮性は、栓54に対する加圧端754’の前方への動きに逆らうように作用する。その結果、エルボ78によって及ぼされる摩擦力とシリンジ50内部の液体の抵抗力が組み合わさって、栓54に対する加圧端754’のさらなる動きを妨げることができる。
これらの力の組合せが、シリンジキャリア1000を所定の位置に保持する力を上回るとき、シリンジ50およびシリンジキャリア1000は、ばね88の力を受けてデバイスの近位端に向かって前方に動かされる。シリンジが前方に動く間、第1のコイルばね88によって提供される初期付勢力は、第2のコイルばね89の付勢力に打ち勝って、第2のコイルばね89の後ろ向きの付勢力に逆らうシリンジ50の動きを可能にするのに十分である。シリンジ50が前方に動くことによって、針55の先端がハウジング12の近位端20から突出する。この例示的な実施形態では、シリンジキャリア1000がデバイスのハウジング内で十分に延在するとき、プランジャ70のエルボ78は径方向内側により大きく圧縮され、プランジャ70は、さらにシリンジ50の孔の中へ動くことができる。例示的な実施形態では、エルボ78が径方向内側に圧縮されることによって、プランジャ70を長手方向軸に沿って細長くするまたは長くすることができる。プランジャ70がシリンジ50の中へ動くとき、プランジャ70の加圧端754’は栓54をシリンジ50に押し込み、針55を通してシリンジからシリンジ50の内容物を吐出させることができる。
別の例示的な実施形態では、動作の前に、エルボ78として示されるシリンジ作動構成要素700’の圧縮可能な拡張部分76は、シリンジ50のフランジ付き遠位端56の上方に静止し、解放されたコイルばね88によって押されると、圧縮可能な拡張部分76がシリンジ円筒部分53に圧力を加えることを可能にし、それによって、作動されたときにシリンジ50をハウジング12の内部で前方に動かす。この例示的な実施形態では、第1の動作段階において、突出するエルボ78によって形成されるプランジャ70の拡張領域76は、円筒部分53のフランジ付き遠位端56に載置される。これにより、プランジャ70がシリンジ円筒部分53の内部で移動するのが防止される。
このようにして、第1のコイルばね88からのすべての付勢力が、シリンジ50およびシリンジキャリア1000をデバイス10の近位端20に向かって前方に動かすように加えられる。デバイス10の近位端20に向かってのシリンジ50およびシリンジキャリア1000の前方へのモーションは、円筒部分53のフランジ付き遠位端56が、図10Bに示される近位ハウジング構成要素12a上の止め部256などの停止機構に当接するまで、コイルばね88の付勢力に引き続き逆らうことができる。代替の停止機構を用いることができること、および例示的な実施形態は図示の停止機構に限定されないことが当業者には理解されよう。
第1の動作段階では、デバイス10の近位端20にある開口28を通して針55の先端を進ませることができ、その結果、針55は患者の皮膚を穿刺することができる。この段階中、シリンジ円筒部分53は、好ましくは、針55を通して物質を吐出することなく密封されたままであることができる。停止機構によって引き起こされる妨害によって、以降のステップ中にデバイス10の近位開放端28から延在する選択された位置に針55を維持することができる。停止機構がシリンジ50の動きを停止させるまで、プランジャ70の圧縮可能な拡張部分76は、円筒部分53に対するプランジャ70の動きを防止することができる。停止機構は、シリンジ50が注入に適した任意の適切な深さまで皮膚に侵入するために開放近位端20に対して任意の適切な場所に配置されうる。
この例示的な実施形態では、第2の動作段階は、ハウジング12の停止機構がフランジ付き部分56を捕捉した後で始まり、円筒部分53のさらなる動きを停止させる。この段階中、継続的なばね88の付勢力によって、シリンジ作動構成要素700’は引き続き前方に動かされ、圧縮可能な拡張部分76は径方向内側に圧縮され、シリンジ50の円筒部分53の中へ動く。例示的な実施形態では、エルボ78の径方向内側の圧縮によって、プランジャ70を長手方向軸に沿って細長くすることができる。シリンジ作動構成要素700’が円筒部分53の内部で前方に動くことによって、加圧部754’が栓54に圧力を加え、シリンジ内容物の注入部位への吐出が引き起こされる。針55は、第1の動作段階で患者の皮膚に侵入するように作製されたので、シリンジ50の円筒部分53に含まれる物質は、患者の身体の一部分に直接的に注入される。
同様に図10Aおよび10Bに示されるように、遠位キャップ34は、発射ボタン32を通ってシリンジ作動構成要素700’のタブ付き足部7891’の間に延在して作動の前にデバイスの構成要素を安定化させる安定化突出部340を含むことができる。
図10Aに示される例示的な実施形態では、着脱可能な剛性針シールド1406は、シリンジ針55を保護するように覆うためにシリンジ50の近位端に結合される。剛性針シールド1406は、使用前にシリンジ針55を無菌に保つ軟性針シールドを覆って保護する。剛性針シールド1406および軟性針シールドは、全体として、露出された針によって引き起こされることがある、誤って針を刺すことによる負傷を防止することが意図される。例示的な実施形態では、剛性針シールド1406は、略円形の断面を有する内側孔を有する略円筒状の壁を有する中何も示していない管状部材である。円筒状の壁の外側断面直径は、剛性針シールド1406の長さにわたって実質的に一定であってもよいし、剛性針シールド1406の長さにわたって変化してもよい。例示的な剛性針シールド1406は、ポリプロピレンを含むがこれに限定されない1つまたは複数の剛性材料から形成されてもよい。
例示的な実施形態では、着脱可能な軟性針シールド(図示されず)は、剛性針シールド1406の孔の中に設けられ、シリンジ針55と剛性針シールド1406との間に密封層を設ける。例示的な軟性針シールドは、ゴムを含むがこれに限定されない1つまたは複数の弾性材料から形成されてもよい。
図10Aおよび10Bに示されるシリンジ針アセンブリでは、シリンジ針55は、軟性針シールドおよび剛性針シールド1406によって覆われる。剛性針シールド1406は、自動注入デバイスの着脱可能な近位キャップ24によって覆われる。着脱可能な近位キャップ24は、自動注入デバイスのハウジングの近位端を覆って注入前の針の露出を防止するために自動注入デバイス内に設けられる。
図11は、組み立てられた自動注入デバイス10’の断面図である。自動注入デバイス10’の図示の実施形態は、2つの嵌合する近位ハウジング構成要素および遠位ハウジング構成要素12a、12bを含む。近位ハウジング構成要素および遠位ハウジング構成要素12a、12bは、嵌合して完全なハウジングを形成する。図示されるように、ハウジングの近位端を形成する近位ハウジング構成要素12aは、遠位ハウジング構成要素12bの近位端を受け入れる。
着脱可能な剛性針シールド1406は、シリンジ針(図示されず)を保護するように覆うためにシリンジ50’の近位端に結合される。
協働する1つの出っ張り312と溝313、または複数の協働する出っ張り312と溝313は、図示の実施形態における近位ハウジング構成要素および遠位ハウジング構成要素12a、12bの嵌合を容易にする。あるいは、他の適切な嵌合機構を用いることもできる。棚29は、着脱可能な遠位キャップ34用の止め部を形成するように、遠位ハウジング構成要素12bの外表面上に形成される。
図示されるように、発射ボタン32’は、遠位ハウジング構成要素12bの遠位端を覆うキャップとすることができる。図示の発射ボタン32’は、遠位ハウジング構成要素12bに対して摺動して、プランジャ70などのシリンジアクチュエータを作動させる。図示の発射ボタン32’は、プランジャ70’の可撓性のアンカリングアーム172を解放可能に保持する。発射ボタン32’は、押し下げられたとき、可撓性のアンカリングアーム172を解放し、ばね88’として示される第1の付勢機構が、デバイス10’の近位端に向かってプランジャ70’を進ませることを可能にする。
図11の実施形態では、プランジャ70’は、圧縮可能な拡張部分78’とプランジャロッド71’の遠位端との間に位置するフランジ72’をさらに含む。第1の付勢機構88’は、ハウジングの近位端に向かってプランジャ70を付勢するために、ハウジングの内部遠位端とフランジ72’との間に着座される。発射ボタン34’がアンカリングアーム172を解放すると、コイルばね88’または他の適切な付勢機構が、デバイス10の近位端20に向かってプランジャ70’を進ませる。
プランジャ70’は、フランジ72’と可撓性エルボ78’として示される圧縮可能な拡張部分との間のプランジャロッド71の中間部分に形成されるインジケータ190をさらに含む。インジケータ190は、シリンジ50からの投与量がいつ完全にまたは実質的に完全に吐出されたかをデバイス10’の患者に示すことができる。図示の実施形態では、インジケータ190は、圧縮可能な拡張中心部分76とフランジ72’との間のプランジャロッド71’の一部分に形成される。プランジャロッド71が動作中に動くにつれて、インジケータ190は、ハウジング内の窓130に向かって進み、投与量がシリンジからなくなったとき、窓130と位置合わせする。インジケータ190は、好ましくは注入されている物質と異なる色またはパターンであり、用量が吐出されたことを示すために窓130を完全に満たす。任意の適切なインジケータが使用することができる。
図11のシリンジ50’は、突出部、またはハウジング12’内部でのシリンジの制御された動きを容易にする他の適切な構成要素を含むことができる。たとえば、図11を参照すると、シリンジ50’は、ハウジング12’の内部で遠位方向でのシリンジ50’の動きを制限するためにハウジング12’の内表面上に形成された第1の突出部168の近位側に当接するための近位突出部158を形成するスリーブ157を含む。スリーブ157は、第1の突出部168の遠位側に当接して注入中の近位方向でのシリンジ50’の動きを制限できるフランジ159も形成することができる。
図12の実施形態では、コイルばね89’として示される第2の付勢機構が、シリンジ50’の近位部分の周りに配設される。ハウジング12’の近位内表面に形成される棚169が、コイルばね89’の近位端を受け入れる。シリンジスリーブ157の近位突出部158、または別の適切に配設された機構が、コイルばね89’の遠位端を受け入れる。上記で説明されるように、第2の付勢機構89’は、デバイス10の作動までハウジング12’内部の格納位置にシリンジ50’を付勢する。
図12は、例示的なシリンジ1400を収容する自動注入デバイスのハウジング1300の長手方向軸Lに沿った断面図を示す。自動注入デバイスのハウジング1300は、近位端1302と遠位端1304との間で長手方向軸Lに実質的に沿って延在する。ハウジング1300は、シリンジ1400および他の関連する構成要素、たとえばシリンジ針、シリンジ針を覆う軟性針シールド、シリンジ針および軟性針シールドを覆う剛性針シールド1406などを収納するための中空内部孔1306を含む。
ハウジング1300の近位端1302は、着脱可能な近位キャップ1308を含むまたはこれを装着する。近位キャップ1308は、近位端1310と遠位端1312との間で長手方向軸Lに実質的に沿って延在する。近位キャップ1308は、剛性針シールド1406の一部または全長を収納するための中空内部孔1314を含む。例示的な実施形態では、近位キャップ1308の中空内部孔1314は、シリンジ本体1400の近位部分も収納することができる。
シリンジ1400は、近位端1402と遠位端1404との間で長手方向軸Lに実質的に沿って延在する。シリンジ1400の近位端1402は、着脱可能な剛性針シールド1406によって覆うことができるシリンジ針に結合される。いくつかの例示的な実施形態では、このシリンジ針は着脱可能な軟性針シールドによって覆うことができ、この軟性針シールドは剛性針シールド1406によって覆われる。剛性針シールド1406は、閉鎖された近位端1408とシリンジ1400の近位端1402に当接する開放された遠位端1410との間で長手方向軸Lに実質的に沿って延在する。剛性針シールド1406の例示的な長さは約5mmから約30mmの範囲とするが、この範囲に限定されない。例示的な実施形態では、シリンジ1400を自動注入デバイスのハウジング1300の内部に収容することができ、その結果、剛性針シールド1406は近位キャップ1308の内部に部分的または完全に配設される。
例示的な実施形態では、近位キャップ1308の内部孔1314は、近位キャップ1308の孔1314への剛性針シールド1406の挿入に対する摩擦抵抗が増加する区域を作り出す摩擦点1316、たとえば局所的狭窄部または突出部を含む。例示的な実施形態では、摩擦点1316は、近位キャップ1308の近位端1310より近位キャップ1308の遠位端1312の方に近く位置することができる。例示的な実施形態では、摩擦点1316は、近位キャップ1308の近位端1310と遠位端1312から実質的に等距離に位置することができる。
例示的な組立てプロセス中に、その近位端1402に剛性針シールド1406を装着するシリンジ1400は自動注入デバイスのハウジング1300に挿入され、その結果、シリンジおよび剛性針シールドの近位端はハウジング1300の近位端1302に向かって動く。
例示的な組立てプロセス中に、近位端に剛性針シールド1406を装着するシリンジ1400は、近位端に近位キャップ1308を装着するハウジング1300に挿入される。例示的な実施形態で使用される力プロファイルは、剛性針シールド1406が装着されたシリンジ1400が近位キャップ1308にシリンジ挿入プロセス中に挿入されるとき、シリンジ1400および/または剛性針シールド1406上での1つまたは複数の異なる構造上または装飾上の特徴が摩擦点1316を越えて入ることに対して摩擦点1316によって及ぼされる抵抗力のプロファイルを構成する。例示的な実施形態では、例示的な自動注入デバイスの近位キャップは、図12に示される場所以外の異なる場所に摩擦点を含むことができる。例示的な実施形態では、例示的な自動注入デバイスの近位キャップは、剛性針シールド1406の内壁上の単一の場所に位置するまたは異なる場所に位置する2つ以上の摩擦点を含むことができる。いくつかの例示的な実施形態では、摩擦点1316は、ハウジング1300自体の内壁に位置することができる。
例示的な実施形態では、剛性針シールド1406は、その長さにわたって特徴的な外側断面直径を有する。例示的な実施形態では、剛性針シールド1406の外表面は、1つまたは複数の摩擦点、たとえば剛性針シールド1406の外側断面直径の1つまたは複数の局所的な増加を含むことができる。例示的な実施形態では、直径の局所的な増加は、剛性針シールド1406の外表面から突出する1つまたは複数の構造上または装飾上の特徴に起因することがある。シリンジ挿入プロセス中に、剛性針シールド1406の複数の部分で直径が増加する結果、それらの部分が近位キャップ1308内の摩擦点1316を越えて入ることは、より小さな直径を有する剛性針シールド1406の部分が入ることより高い摩擦力によって抵抗されるとき、力プロファイル内の特徴的な力のピークが発生することがある。
例示的な実施形態では、剛性針シールド1406の外表面は、外側断面直径の1つまたは複数の局所的な減少を含むことができる。例示的な実施形態では、直径の局所的な減少は、剛性針シールド1406の外表面上に設けられた1つまたは複数の構造上のへこみまたはくぼみに起因することがある。シリンジ挿入プロセス中に、剛性針シールド1406の複数の部分で直径が減少する結果、それらの部分が近位キャップ1308内の摩擦点1316を越えて入ることは、より大きな直径を有する剛性針シールド1406の部分が入ることより低い摩擦力によって抵抗されるとき、力プロファイル内の特徴的な力のトラフが発生することがある。
III.シリンジハウジングサブアセンブリの例示的な組立て
自動注入デバイスを組み立てる例示的な自動化された方法では、図8に示されるシリンジハウジングサブアセンブリ121の組立ては、図6に示される発射機構サブアセンブリ122の組立てとは別個に実行されてもよい。組み立てられたシリンジハウジングサブアセンブリ121は、次に、組み立てられた発射機構サブアセンブリ122に組み付けられて、自動注入デバイスを形成することができる。
シリンジハウジングサブアセンブリ121を組み立てる例示的な自動化された組立てプロセスは、すばやく効率的に実行することができる。シリンジハウジングサブアセンブリ121を組み立てることができる例示的な期間は、約1秒から約30秒の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。
シリンジハウジングサブアセンブリ121を組み立てる例示的な自動化された方法では、シリンジキャリア1000を組立てシステムによって所定の位置に保持することができ、近位ハウジング構成要素12aの遠位部分はシリンジキャリア1000の上に配置される。付勢機構89および段付きシュラウド1110は、近位ハウジング構成要素12aの近位部分の内部に配置されうる。組立てプロセス中に、段付きシュラウド1110を近位ハウジング構成要素12aに挿入することができ、段付きシュラウド1110の遠位アーム1114は、段付きシュラウド1110をシリンジキャリア1000に結合するために内側に強制的に動かすことができる。段付きシュラウド1110を近位ハウジング構成要素12aの内部でシリンジキャリア1000に向かって挿入することによって、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006がシュラウド1110のスロット1118の中に嵌まることができ、その結果、この2つの構成要素は、シリンジキャリア1000およびシュラウド1110のためのロック機構を協働可能に形成する。この組み立てられた構成では、タブ付き足部1006は、スロット1118の内部で長手方向に動くことができるが、スロット1118からの係合解除は制限される。これは、キャリア1000のタブ付き足部1006の前方移動がシュラウド1100のスロット1118の近位端で停止させることができるからである。同時に、レール1007は、シュラウド1110の主要管状本体部分1116内に設けられた内部の長手方向の溝に沿って嵌まり、溝によって形成される軌道に沿って長手方向に移動する。
組立てプロセスでは、シリンジキャリア1000へのシュラウド1110の挿入に対して及ぼされる摩擦力を自動的に検出および監視することができる。この検出された力は、組立てプロセスの1つまたは複数の態様を制御するまたは変えるために、フィードバック機構で使用することができる。この力フィードバック機構によって、組立てシステムは、シリンジキャリア1000と組み付けることを目的としたシュラウドの挿入の終点を自動的かつ確実に決定することができる。すなわち、シュラウド1110は、シリンジハウジングサブアセンブリ121を組み立てるために、固定された所定の距離にわたって挿入されない。そうではなく、組立てプロセスは、プロセス中に検出され、シリンジキャリア1000との組み付けを目的としたシュラウド1110の挿入を加速、減速、開始、および/または停止させるためにフィードバックとして使用できる1つまたは複数の力に基づいて制御される。これによって、例示的な組立てプロセスは、シリンジハウジングサブアセンブリの構成要素のばらつきに対応すること、およびそれによって、任意の組の構成要素の信頼性の高い組立てを達成することができる。反対に、機械的カムを使用する従来の組立てプロセスでは、1つまたは複数の構成要素を1つまたは複数の他の構成要素と組み付けるために、固定された所定の距離にわたって1つまたは複数の構成要素を挿入する。力測定からのフィードバックの利点を得ることなく、固定の所定の挿入距離を使用することによって、従来のプロセスが構成要素のばらつきに対応することができず、その結果、シリンジハウジングサブアセンブリの不適切な組立てが行われることがある。
一例では、1つまたは複数の検出された力値が1つまたは複数のあらかじめ定義された力値に実質的に等しいと判断されると、例示的な組立てシステムでは、シュラウド1110が完全に挿入され、シリンジキャリア1000と組み付けられていると判断することができ、組立てプロセスを終了することができる。あるいは、またはこれに加えて、1つまたは複数の検出された力値が1つまたは複数のあらかじめ定義された力値に実質的に等しいと判断されると、組立てシステムでは、シュラウド1110がシリンジキャリア1000に向かっての完全な挿入に近付きつつあると判断することができ、組立てプロセスを減速させることができる。
別の例では、検出された力プロファイルの一部分が、あらかじめ定義された力プロファイルに実質的に合致すると判断されると、組立てシステムでは、シュラウド1110が完全に挿入され、シリンジキャリア1000と組み付けられていると判断することができ、組立てプロセスを終了することができる。あるいは、またはこれに加えて、検出された力プロファイルの一部分が、あらかじめ定義された力プロファイルに実質的に合致すると判断されると、組立てシステムでは、シュラウド1110がシリンジキャリア1000に向かっての完全な挿入に近付きつつあると判断することができ、組立てプロセスを減速させることができる。力プロファイルは、例示的な実施形態では、力値を検出して、この力値を、組立てプロセス中にシュラウド1110が挿入される徐々に増加する距離(incremental distance)に対してプロットすることによって、生成することができる。
例示的な実施形態では、力値は、組立てプロセスで使用される1つまたは複数のロードセル、たとえばKistler Groupにより製造されるロードセルで検出することができる。例示的な実施形態では、検出された力は、1つまたは複数の視覚的表示インターフェース、たとえばKistler Groupにより製造されるCoMo View(R)インターフェース上に表示することができる。
例示的な実施形態では、付勢機構89の圧縮は、組立てプロセス中に監視することができる。
例示的な実施形態では、組立てシステムは、シュラウド1110がシリンジキャリア1000に完全に組み付けられる間またはその後でシュラウド1110の機能および展開を監視することができる。組立てシステムは、自動注入デバイスの動作中にシュラウド1110が正常かつ確実に展開されるかどうかを判断するために、シュラウド1110をその完全に展開された距離のあるパーセンテージにわたって展開するのに必要とされる力を監視することができる。シュラウド1110は、シュラウド1110の完全で不可逆的なロックアウトを防止するために、この試験フェーズ中に部分的にのみ展開される。監視される、完全に展開される距離のパーセンテージは、いくつかの例示的な実施形態では、約50%から約98%の範囲とすることができる。監視される、完全に展開される距離のパーセンテージは、例示的な一実施形態では、約95%である。
シュラウド1110を展開するのに必要とされる力が、1つまたは複数のあらかじめ定義された力値以下である場合、例示的な実施形態では、シュラウド1110が確実に展開されると判断することができ、シュラウドをその展開されない状態に戻すためにシリンジキャリア1000に向かってシュラウド1110を再配置することができる。一方、シュラウド1110を展開するのに必要とされる力が1つまたは複数のあらかじめ定義された力値より大きい場合、例示的な実施形態では、シュラウド1110が不適切に組み立てられている、すなわち不完全であると判断することができる。この場合、一例では、シュラウド1110を廃棄することができる。
図13Aは、例示的なシリンジハウジングサブアセンブリ121を組み立てるために使用できる組立てシステム1350の例示的な斜視図を示す。図13Aでは、組立てシステム1350は、シリンジハウジングサブアセンブリ121の構成要素は組立ての準備ができているがまだ組み立てられていない、組立て前の状態である。例示的な組立てシステム1350は、ATS Automationの関連会社sortimatにより生産される組立てシステムとすることができる。
組立てシステム1350は、組立てプロセス中にシリンジハウジングサブアセンブリ121の1つまたは複数の構成要素を垂直方向に支持および保持するためのアセンブリパレット(assembly pallet)1352を含むことができる。例示的な実施形態では、アセンブリパレット1352は、構成要素を収納し支持するための中央の凹部部分1354を有する略円筒状の構成要素として構成することができる。例示的な実施形態では、アセンブリパレット1352は、近位ハウジング構成要素12aの底部部分(図13Aでは透明に描かれる)および近位ハウジング構成要素12aの孔の中に配置されるシリンジキャリア1000を支持することができる。例示的な実施形態では、シュラウド1110は、近位ハウジング構成要素12aの孔の中でシリンジキャリア1000の上方に配置することができ、付勢機構89は、シリンジキャリア1000とシュラウド1110との間に並べることができる。
組立てシステム1350は、組立てプロセス中に方向が垂直方向に保たれるようにシリンジハウジングサブアセンブリ121の1つまたは複数の構成要素の側面部分を支持するための把持機構1356を含むことができる。例示的な実施形態では、把持機構1356は中実機構として構成することができ、この中実機構は、水平方向に向けられ、中心孔の側壁が構成要素の側面部分を支持するように1つまたは複数の構成要素を収納するための中心孔を含む。例示的な実施形態では、把持機構1356は、シュラウド1110の側面部分を支持することができる。
組立てシステム1350は、プレスヘッド1360として構成される末端部(terminal end)を有する機械的部材1358を含むことができる。プレスヘッド1360は、シュラウド1110の近位端と接触し、これを下方に押して、シュラウド1110を近位ハウジング構成要素12a内部でシリンジキャリア1000と結合させるように構成することができる。プレスヘッド1360は、組立てプロセス中に受ける力および/または圧力を検出および監視するための1つまたは複数の力および/または圧力センサ、たとえば1つまたは複数の圧電型ロードセルを含んでもよいし、これらと結合されてもよい。例示的な実施形態では、圧電センサは、水晶振動子と、機械的な力または応力にさらされると電荷を発生する2つの鋼製リングとを含む。センサによって発生される電荷は、センサに加えられる機械的な力に正比例することができる。例示的な実施形態では、力センサによって検出される力は摩擦力とすることができ、この摩擦力によって、組立てプロセス中にシリンジキャリア1000に向かってのシュラウド1110の挿入が抵抗される。例示的な力センサは、Kistler Groupによって製造される直接的圧電型ロードセル(direct piezoelectric load cell)がありうるが、これに限定されない。
組立てシステム1350は、機械的部材1358を動かすためのモーションを提供する1つまたは複数のモーションジェネレータ(図示せず)を含むことができる。例示的なモーションジェネレータとしては、垂直軸に沿って上向きまたは下向きの方向に機械的部材1358を駆動するサーボモータがありうるが、これに限定されない。例示的な実施形態では、モーションジェネレータは、駆動システム(図示せず)を介して機械的部材1358に結合可能とすることができる。いくつかの実施形態では、この駆動システムは、ウォーム駆動として構成することができる。この駆動システムは、フランジまたは他の結合部を介して機械的部材1358に結合させることができる。例示的な実施形態では、駆動システムは、約1mm程度の、垂直軸Vに沿った機械的部材1358のプレスヘッド1360の大きな漸進的な動きを可能にする。例示的な実施形態では、駆動システムは、約0.1mm程度の、垂直軸Vに沿った機械的部材1358のプレスヘッド1360の小さな漸進的な動きを可能にする。
例示的な実施形態では、組立てシステム1350は、シュラウド1110の遠位アーム1114の側面と接触するため、および近位ハウジング構成要素12aの中空孔の中に収納されるように水平方向内側にアーム1114を押すための1つまたは複数のシュラウドアーム組立て機構1362を含むことができる。例示的な実施形態では、シュラウドアーム組立て機構1362は、シュラウド1110の周りに離隔されシュラウド1110のアーム1114に向かって略水平方向に延在する1つまたは複数のピンとして構成することができる。シュラウドアーム組立て機構1362は、組立てプロセス中に作動されると、アーム1114に向かって内側に動き、アーム1114と接触し、内側にアーム1114を押すことができ、その結果、アーム1114を、近位ハウジング構成要素12aの孔の中に収納することができる。組立てシステム1350は、シュラウドアーム組立て機構1362を駆動するためのアクチュエータ1364も含むことができる。
図13Bは、例示的なシリンジハウジングサブアセンブリ121を組み立てるために使用できる別の組立てシステム1370の例示的な斜視図を示す。図13Bでは、組立てシステム1370は、シリンジハウジングサブアセンブリ121の構成要素が組み立てられた、組立て後の状態である。これは、その中でシリンジキャリア1000、付勢機構89、およびシュラウド1110が組み立てられている近位ハウジング構成要素12aの中空孔によって示されている。図13Aの組立てシステム1350と同様に、組立てシステム1370は、プレスヘッドとして構成された末端部を有する機械的部材1374を駆動するように構成されたモーションジェネレータ1372と、1つまたは複数の他の適切な構成要素とを含むことができる。図13Aと13Bとの間で共通する構成要素は、図13Aを参照して説明される。
例示的な組立てシステム1350および1370は、シリンジキャリア1000に向かってシュラウド1110を挿入するように説明されているが、シリンジキャリア1000がシュラウド1110に向かって挿入されながらシュラウド1110を所定の位置に保持するために、同じまたは異なる組立てシステムが使用することができる。
図13Aおよび13Bの組立てシステム1350および1370はそれぞれ、モーションジェネレータのための1つまたは複数の制御パラメータを制御するためのモーション制御コンピューティングデバイスを含むことができる。このモーション制御コンピューティングデバイスは、モーションジェネレータと一体的に用意されてもよいし、モーションジェネレータとは個別に用意されてもよい。モーション制御コンピューティングデバイスを使用して制御可能なモーションジェネレータの例示的な制御パラメータとしては、モーションジェネレータの始動/停止、移動される距離、残されている移動距離、速度、加速度、減速度、モーションジェネレータのモーションの異なるフェーズなどがあるが、これらに限定されない。1つまたは複数の制御パラメータは、1つまたは複数の制御因子に基づいて、モーション制御コンピューティングデバイスによって設定または変更することができ、この制御因子としては、力プロファイル内で特定の力特徴が検出されるとき(たとえば、モーションジェネレータは、トリガ命令またはトリガ信号が受け取られるとき、停止させることができる)、シュラウド1110が近位ハウジング構成要素12aに挿入されるあらかじめ定義された距離の横断の後(たとえば、シュラウド1110の挿入速度は、シュラウド1110があらかじめ定義された距離にわたって近位ハウジング構成要素12aに挿入された後、低下させることができる)、あらかじめ定義された期間の経過後(たとえば、シュラウド1110の挿入速度は、あらかじめ定義された期間が経過した後、低下させることができる)などに生成されるトリガ命令またはトリガ信号があるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態では、組立てプロセスは1つまたは複数のフェーズに分けることができ、各フェーズは関連付けられた1組の制御パラメータを有し、この制御パラメータは、所与の時刻における組立てプロセスの特定のフェーズに基づいて、モーション制御コンピューティングデバイスによって自動的に設定および/または変更することができる。
例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスを、アセンブリ挿入プロセス中にモーションジェネレータを望ましく制御するようにあらかじめプログラムしておくことができる。モーション制御コンピューティングデバイスのプリプログラミングは、組立てプロセスの前またはその間に使用者によって上書きまたは変更することができる。別の例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスは、あらかじめプログラムされなくてもよく、使用者は、モーション制御コンピューティングデバイスを使用して、組立てプロセスの前またはその間にモーションジェネレータのプログラミングを入力および制御することができる。
組立てシステム1350および1370は、組立てプロセス中に及ぼされる力および/または圧力を測定するため、および力/圧力センサからの出力に基づいて組立てプロセス中のプレスヘッドの変位を測定するために、力/圧力センサに接続可能な1つまたは複数のトリガ生成コンピューティングデバイスを含むことができる。トリガ生成コンピューティングデバイスは、1つまたは複数の機能を実行することができ、この機能としては、力/圧力センサによって検出される力のリアルタイム測定、力/圧力センサによって検出される圧力のリアルタイム測定、1つまたは複数のトリガ条件が力プロファイルによって満たされるかどうかのリアルタイム判断、1つまたは複数のトリガ条件が満たされるときのトリガ命令またはトリガ信号の生成、モーション制御コンピューティングデバイスへの、モーションジェネレータを制御するトリガ命令またはトリガ信号の送信などがあるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイスを、生成されたときにトリガ条件を満たす、力プロファイル内の1つまたは複数の特徴的な力特徴を認識するように、あらかじめプログラムしておくことができる。トリガ生成コンピューティングデバイスのプリプログラミングは、組立てプロセスの前またはその間に使用者によって上書きまたは変更することができる。別の例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイスは、あらかじめプログラムされなくてもよく、使用者は、生成されたときに組立てプロセスの前またはその間にトリガ条件を満たす1つまたは複数の特徴的な力特徴を設定することができる。
図77は、例示的な実施形態においてモーション制御コンピューティングデバイスおよび/またはトリガ生成コンピューティングデバイスとして使用できる例示的なコンピューティングデバイスのブロック図を示す。この例示的なコンピューティングデバイスは、図77に関連して以下で説明される。
図14Aおよび14Bは、自動注入デバイスで使用するためのシリンジハウジングサブアセンブリを組み立てるための例示的な方法を示す流れ図である。プレスヘッドで受ける力は、組立て方法中に検出および監視することができる。
ステップ1452では、シリンジキャリア1000は、近位ハウジング構成要素12aの中空孔の中に配置されうる。ステップ1454では、付勢機構89は、近位ハウジング構成要素12aの孔の中でシリンジキャリア1000の上方に配置されうる。ステップ1456では、シュラウド1110は、付勢機構89がシリンジキャリア1000とシュラウド1110との間に収納されるように、付勢機構89およびシリンジキャリア1000の上方に配置されうる。
ステップ1458では、プレスヘッドは、第1のより速い速度で、近位ハウジング構成要素12aの孔の中でシリンジキャリア1000に向かってシュラウド1110を挿入することができる。ステップ1460では、シュラウド1110が所定の距離にわたって挿入された後、組立てプロセスが完了に近付いていると判断することができ、プレスヘッドの動きを減速することができる。ステップ1462では、プレスヘッドは、第2のより遅い速度で、近位ハウジング構成要素12aの孔の中でシリンジキャリア1000に向かってシュラウド1110を挿入することができる。
ステップ1464では、シュラウド1110の遠位アーム1114は、径方向内側に押されて、近位ハウジング構成要素12aの孔の中に嵌まることができる。
ステップ1466において、例示的な実施形態では、付勢機構89が存在し、シュラウド1110の側壁と適切に位置合わせされているかどうかを判断することができる。一例では、付勢機構89が存在しないことによって、プレスヘッドによって受ける力が、1つまたは複数の所定の閾値より下に低下することがある。別の例では、付勢機構89がシュラウド1110の側壁に不適切に組み付けられている場合、プレスヘッドは、1つまたは複数の所定の閾値より大きな力を受けることができる。例示的な実施形態では、付勢機構89の圧縮中に受ける力が1つまたは複数の所定の閾値より小さい場合、付勢機構89が存在しないと判断することができる。例示的な実施形態ではまた、付勢機構89の圧縮中に受ける力が1つまたは複数の所定の閾値より大きい場合、付勢機構89は存在するが不適切に組み付けられていると判断することができる。例示的な実施形態で、ステップ1468において、付勢機構89が存在しないまたは不適切に組み付けられていると判断された場合、ステップ1470において、組立てプロセスを終了することができ、構成要素を廃棄することができる。そうでない場合、方法はステップ1472に進むことができる。
ステップ1472において、例示的な実施形態では、シュラウド1110がシリンジキャリア1000に適切に結合されているかどうかを判断することができる。例示的な実施形態では、プレスヘッドによって受ける1つまたは複数の力が、所定の挿入距離範囲内の減少しつつある力プロファイルを示す場合、シュラウド1110がシリンジキャリア1000に適切に結合されていると判断することができ、この力プロファイルは、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006がシュラウド1110のスロット1118内の所定の位置にスナップ嵌めされており、その結果、この2つの構成要素がシリンジキャリア1000およびシュラウド1110のためのロック機構を協働可能に形成することを示す。例示的な実施形態で、ステップ1474において、シュラウド1110がシリンジキャリア1000に不適切に結合されていると判断された場合、ステップ1476において、組立てプロセスを終了することができ、構成要素を廃棄することができる。そうでない場合、方法はステップ1478に進むことができる。
ステップ1478において、例示的な実施形態では、シュラウド挿入の終点、すなわちシュラウド1110がシリンジキャリア1000に対して適切な位置に挿入されていると判断することができる。
次に、例示的な実施形態では、シュラウド1110の展開を試験することができる。ステップ1480において、例示的な実施形態では、シリンジキャリア1000に向かっての動きを停止するようにプレスヘッドに指示し、シュラウド1110の部分的な展開を引き起こすように組立てシステムに指示し、シリンジキャリア1000から遠ざかるようにプレスヘッドに指示することができる。シュラウド1110の展開は、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006が依然としてシュラウド1110のスロット1118に結合されていながらシュラウド1110がシリンジキャリア1000から遠ざかるようにシュラウド1110を部分的に展開することによって、試験することができる。シュラウド1110の展開中に、タブ付き足部1006がスロット1118の内部で前後に摺動できることによって、シュラウド1110とシリンジキャリア1000は、互いに対して動くが、依然として結合されていることが可能になる。
ステップ1482において、例示的な実施形態では、シュラウド1110が部分的に展開されようとして成功したかどうかを判断することができる。例示的な実施形態では、プレスヘッドで受ける1つまたは複数の力が所定の閾値より小さい場合、シュラウド1110が展開されようとして失敗したと判断することができる。プレスヘッドで発生される1つまたは複数の力が所定の閾値より小さいことは、プレスヘッドがシリンジキャリア1000から遠ざかるときにプレスヘッドがシュラウド1110との接触を失ったことを示す。例示的な実施形態で、ステップ1484において、シュラウド1110が展開されていないと判断された場合、ステップ1486において、組立てプロセスを終了することができ、構成要素を廃棄することができる。そうでない場合、方法はステップ1488に進むことができる。
ステップ1488では、例示的な実施形態において、シリンジキャリア1000に向かって再び動き、展開されたシュラウドをシリンジキャリア1000に向かってその展開されていない位置に挿入するようにプレスヘッドに指示することができる。ステップ1488の間に、タブ付き足部1006がスロット1118の内部で前後に摺動できることによって、シュラウド1110およびシリンジキャリア1000は結合されたままであることができる。
ステップ1490では、シュラウド1110がその展開されていない状態に戻ると、組立てプロセスは完了することができる。例示的な実施形態では、シリンジキャリア1000に向けての動きを停止するように、およびその元の位置に戻るようにプレスヘッドに指示することができる。ステップ1492では、組立てシステムは、シリンジハウジングサブアセンブリ121が正常かつ適切に組み立てられているという視覚的および/または聴覚的標識を提供することができる。シリンジハウジングサブアセンブリ121は、その後、自動注入デバイスを形成するように使用することができる。
図15は、シリンジハウジングサブアセンブリ121の組立て中にプレスヘッドで受ける力の例示的な力プロファイル1570を示す。力プロファイルのy軸は、例示的な力センサによってプレスヘッドで検出される摩擦力(N単位)を表す。力プロファイルのx軸は、シリンジキャリアに向かう(プロファイル上では、左から右に動いていると示される)ように、および/またはシリンジキャリアから遠ざかる(プロファイル上では、右から左に動いていると示される)ようにプレスヘッドによって動かされる距離(mm単位)を表す。
力プロファイルの第1の部分1572は、シリンジキャリア1000に向かってシュラウド1110の動きによって付勢機構89が圧縮されるときに受ける、次第に増加する力を示す。第1の部分1572内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約97mmから約103mmの例示的な挿入距離にわたる約0Nから約11Nまでの範囲とすることができる。
シリンジキャリアに向かってのプレスヘッドの動きは、プレスヘッドが所定の距離にわたって、たとえば103mm挿入された後で減速させることができる。例示的な実施形態では、所定の距離が通過されたと検出することができ、減速するようにプレスヘッドに指示することができる。力プロファイルの第2の部分1574は、プレスヘッドの速度が減少されるときに受ける力の急速な減少を示す。第2の部分1574内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約103mmから約104mmの例示的な挿入距離にわたって約11Nから約−2Nに低下することができる。
力プロファイルの第3の部分1576は、シュラウド1110の遠位アーム1114が近位ハウジング構成要素12aの孔の中に収納されるように径方向内側に強制的に動かされるときに受ける力の増加を示す。第3の部分1576内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約106mmから約107mmの挿入距離にわたる約2.5Nから約5Nまでの範囲とすることができる。
力プロファイルの第4の部分1578は、シュラウド1110がシリンジキャリア1000に向かってさらに動かされるときの実質的に安定した力(すなわち、力は急速な増加または減少を受けない)を示す。第4の部分1578において、例示的な実施形態では、付勢機構89が存在し、シュラウド1110の側壁内で適切に位置合わせされているかどうかを判断することができる。例示的な実施形態では、約108mmから約111mmの挿入距離にわたってプレスヘッドによって受ける力が約0Nから約0.6Nの範囲内に含まれる場合、付勢機構89の存在および圧縮によって、力プロファイルの第4の部分1578内での力が大きくなる結果になるので、モーション制御コンピューティングデバイスは、付勢機構89がアセンブリ内に存在しないと判断することができる。例示的な実施形態において、力がこの禁じられた範囲内に含まれると判断される場合、プレスヘッドにその元の位置に戻るように指示することができ、組立てプロセスを終了することができ、構成要素を廃棄することができる。
力プロファイルの第5の部分1580は、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006がシュラウド1110の遠位端に当たって抵抗するときに受ける力の急速な増加を示す。第5の部分1580内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約110mmから約112mmの挿入距離にわたって約2Nから約15Nに増加することができる。
力プロファイルの第6の部分1582は、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006がシュラウド1110のスロット1118内部の所定の位置にスナップ嵌めするとき受ける力の急速な減少を示す。スロット1118内のタブ付き足部1006の摺動可能な配置によって、シュラウド1110とシリンジキャリア1000との間の相対的な動きが可能になり、これによって、シリンジキャリア1000に向かってのプレスヘッドのさらなる動きに対して及ぼされる摩擦力が低下する。第6の部分1582内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約112mmから約114mmの挿入距離にわたって約15Nから約0Nに低下することができる。
第6の部分1582において、例示的な実施形態では、組立てプロセス中に検出される1つまたは複数の力値が、シュラウド1110の挿入の終点が到達されたまたは到達されるのが近いことを示すトリガ条件に合致するかどうかを判断することができる。例示的な実施形態では、このトリガ条件は、力プロファイルの第6の部分1582に出現する1つまたは複数の力値、たとえば約6Nであるように設定することができる。トリガヒステリシスは、小さな力値、たとえば約2Nであるように設定することができる。トリガ力およびトリガヒステリシスが検出または測定されるx軸範囲は、約112mmから約115mmの間であるように設定することができる。この手法は「上方から(from above)」であると示され、これは、112mmから約115mmの間のx軸範囲内で約8Nから約6Nに力が低下する場合にトリガ条件が満たされることを示す。トリガ条件が満たされる場合、例示的な実施形態では、組立てプロセスが完了されたとき、その元の位置に戻るようにプレスヘッドに指示することができる。
例示的な力プロファイル1570は構成要素間の相互作用に対応する上記より少ないまたは追加の特徴を有することができることが当業者には理解されよう。図1570の例示的な方法で使用される力値および挿入距離値は例示であること、ならびに任意の適切な力値および挿入距離値は、組立てプロセスがいつ停止されるべきかを判断するため、および構成要素が適切に組み立てられているかどうかを判断するために使用することができることが当業者には理解されよう。
図16は、シリンジハウジングサブアセンブリ121の組立て中にプレスヘッドで受ける力の別の例示的な力プロファイル1650を示す図である。力プロファイルのy軸は、例示的な力センサによってプレスヘッドのところで検出される摩擦力(N単位)を表す。力プロファイルのx軸は、シリンジキャリアに向かう(プロファイル上では、左から右に動いていると示される)ように、および/またはシリンジキャリアから遠ざかる(プロファイル上では、右から左に動いていると示される)ようにプレスヘッドによって動かされる距離(mm単位)を表す。図16の力プロファイル1650は、図15の力プロファイル1550と異なる組立てシステムによって生成された。
力プロファイルの第1の部分1652は、シリンジキャリア1000に向かってのシュラウド1110の動きによって付勢機構89が圧縮されるときに受ける、次第に増加する力を示す。第1の部分1652内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約0mmから約20mmの例示的な挿入距離にわたる約0Nから約3.5Nまでの範囲とすることができる。
力プロファイルの第1の部分1652において、例示的な実施形態では、付勢機構89が存在し、シュラウド1110の側壁の中で適切に位置決めされているかどうかを判断することができる。例示的な実施形態において、検出された力が約2mmから約18mmの挿入距離にわたって8Nを上回る場合、例示的な実施形態では、付勢機構89が不適切に組み立てられていると判断することができる。この場合、プレスヘッドにその元の位置に戻るように指示することができ、組立てプロセスを終了することができ、構成要素を廃棄することができる。例示的な実施形態において、検出された力が約15mmから約17.5mmの挿入距離にわたって約1.5Nから約5.5Nの範囲を下回る場合、例示的な実施形態では、付勢機構89が存在しないと判断することができる。この場合、プレスヘッドにその元の位置に戻るように指示することができ、組立てプロセスを終了することができ、構成要素は廃棄することができる。
力プロファイルの第2の部分1654は、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006がシュラウド1110の遠位部分に当たって抵抗するとき、受ける力の急速な増加を示す。第2の部分1654内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約20mmから約22.5mmの挿入距離にわたって約4Nから約20Nに増加することができる。
力プロファイルの第3の部分1656は、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006がシュラウド1110のスロット1118内の所定の位置にスナップ嵌めするとき、受ける力の急速な減少を示す。スロット1118内のタブ付き足部1006の摺動可能な配置によって、シュラウド1110とシリンジキャリア1000との間の相対的な動きが可能になり、これによって、シリンジキャリア1000に向かってのプレスヘッドのさらなる動きに対して及ぼされる摩擦力が低下する。第3の部分1656内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約22.5mmから約27mmの挿入距離にわたって約20Nから約0Nに低下することができる。
例示的な実施形態では、力プロファイルの第2の部分および第3の部分1654、1656中に検出される1つまたは複数の力値が、シュラウド1110とシリンジキャリア1000が適切に組み付けられていることを示す1つまたは複数のトリガ条件と合致するかどうかを判断することができる。例示的な実施形態では、検出された力が、約19.5mmから約24mmの挿入距離にわたって約12Nより大きく上昇し、約12Nより下に低下する場合(約25Nを上回ることは決してないが)、例示的な実施形態では、これが、シリンジキャリア1000のタブ付き足部1006とシュラウド1110のスロット1118の適切な結合に対応する力のピークに対応すると判断することができる。検出された力が上記の範囲に含まれない場合、これは、構成要素が適切に組み立てられていないことを示すことができる。この場合、プレスヘッドにその元の位置に戻るように指示することができ、組立てプロセスを終了することができ、構成要素を廃棄することができる。
力プロファイルの第2の部分および第3の部分1654、1656において、例示的な実施形態では、組立てプロセス中に検出された1つまたは複数の力値が、シュラウドの挿入の終点が到達されたことを示すトリガ条件に合致するかどうかを判断することができる。例示的な実施形態では、このトリガ条件は、力プロファイルの第3の部分1656に出現する1つまたは複数の力値、たとえば約12Nであるように設定することができる。トリガ力が検出または測定されるx軸範囲は、約20mmから約24mmの間であるように設定することができる。この手法は「上方から」であると示され、これは、力が約12Nであり、約20mmから約24mmの間のx軸範囲内で減少していく傾向がある場合に、トリガ条件が満たされることを示す。トリガ条件が満たされる場合、プレスヘッドにその元の位置に戻るように指示することができ、組立てプロセスは完了される。
例示的な実施形態では、組立てプロセス中のいかなるときでも、検出された力が約30Nの最大閾値を上回る場合、組立てプロセスを終了することができ、構成要素を廃棄することができる。
例示的な力プロファイル1650は構成要素間の相互作用に対応する上記より少ないまたは追加の特徴を有することができることが当業者には理解されよう。図16の例示的な方法で使用される力値および挿入範囲値は例示であること、ならびに任意の適切な力値および挿入範囲値は、組立てプロセスがいつ停止されるべきかを判断するため、および構成要素が適切に組み立てられているかどうかを判断するために使用することができることが当業者には理解されよう。
例示的な実施形態では、トリガ条件が力プロファイルの第3の部分1656において満たされる場合、シュラウド1110の展開は、シュラウド1110を部分的に、たとえばその展開距離全体の約95%展開させることによって試験することができる。シュラウド1110は、シュラウド1110の完全で不可逆的なロックアウトを防止するために、この試験フェーズ中に部分的にのみ展開される。組立てシステムは、プレスヘッドにシリンジハウジングサブアセンブリ全体121をアセンブリパレット内へ押し下げさせることによって、シュラウド1110の部分的な展開を引き起こすことができる。これによって、シリンジキャリア1000はシュラウド1112に向かって進み、それによって付勢機構89を圧縮することができる。近位ハウジング構成要素12aは所定の位置に保持され、プレスヘッドは、力センサによって受ける力を監視しながら、シリンジキャリア1000から持ち上げられる。これによって、シュラウド1110が展開される。
図17は、シュラウド1110の展開中にプレスヘッドで受ける力を示す例示的な力プロファイル1750を示す。力プロファイルのy軸は、例示的な力センサによってプレスヘッドで検出される摩擦力(N単位)を表す。力プロファイルのx軸は、シリンジキャリアから遠ざかる(プロファイル上では、右から左に動いていると示される)ようにプレスヘッドによって動かされる距離(mm単位)を表す。力プロファイル1750で見られる振動は、プレスヘッドの移動の速度が速い結果である。
付勢機構89はシュラウド展開の初期段階においてほとんど完全に圧縮され、これによりプレスヘッドに対して及ぼされる高い摩擦力が発生するので、力プロファイルの第1の部分1752は高いレベルの力を示す。例示的な実施形態において、第1の部分1752内の力は、いくつかの例示的な実施形態では、約143mmから約140mmの挿入距離にわたる約4Nから約6Nまでの範囲とすることができる。力プロファイルの第2の部分1754は、付勢機構89がシュラウド1110の展開により減圧されるときの上記より低いレベルの力を示す。例示的な実施形態では、第2の部分1754における力の平均値は、約0.5Nから約1.5Nの範囲とすることができる。
図18は、シュラウド1110の展開中にプレスヘッドで受ける力を示す別の例示的な力プロファイル1850を示す。力プロファイルのy軸は、例示的な力センサによってプレスヘッドで検出される摩擦力(N単位)を表す。力プロファイルのx軸は、シリンジキャリアから遠ざかる(プロファイル上では、右から左に動いていると示される)ようにプレスヘッドによって動かされる距離(mm単位)を表す。
例示的な実施形態において、力プロファイルが右から左に進むとき、いくつかの例示的な実施形態では、検出された力が約17mmから約16mmの挿入距離にわたって約0.1Nから約2Nの間に含まれる場合、シュラウド1110が展開されて成功したと判断することができる。この検出された力が0.1Nより小さい場合、これは、シュラウド1110とプレスヘッドとの間の接触が失われたことを示すことができ、シュラウドが展開するのに失敗したことを示す。一方、力が2Nより大きい場合、これは、付勢機構89内に異常が存在することがあることを示すことができる。
検出された力が上記の例示的な範囲を満たさない場合、シュラウド1110が展開するのに失敗したので、シリンジハウジングサブアセンブリを廃棄することができる。一方、検出された力がこの範囲を満たす場合、例示的な実施形態では、シュラウド1110が確実に展開されると判断することができ、シュラウド1110をその展開されていない状態に戻すためにプレスヘッドを使用してシリンジキャリア1000に向かってシュラウド1110を再配置することができる。次に、シリンジハウジングサブアセンブリ121は、自動注入デバイスを形成する他の構成要素との組み付けの準備ができている。
シリンジハウジングサブアセンブリの例示的な組立ては、シリンジキャリア1000に向かってシュラウド1110を挿入することに関して説明されているが、例示的な実施形態は、シュラウド1110に向かってシリンジキャリア1000を挿入するため、および/またはシリンジハウジングサブアセンブリを組み立てるためにシリンジキャリア100およびシュラウド1110を互いに向かって挿入するためにも使用することができることが当業者には理解されよう。
IV.発射機構サブアセンブリの例示的な組立て
自動注入デバイスを組み立てる例示的な自動化された方法では、図6に示される発射機構サブアセンブリ122の組立ては、図8に示されるシリンジハウジングサブアセンブリ121のアセンブリから個別に実行されてもよい。組み立てられた発射機構サブアセンブリ122は、次に、組み立てられたシリンジハウジングサブアセンブリ121に組み付けられて、自動注入デバイスを形成することができる。発射機構サブアセンブリ122を組み立てることができる例示的な期間は、約1秒から約30秒の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。
発射機構サブアセンブリ122を組み立てる例示的な自動化された方法では、発射ボタン32は、遠位キャップ34と発射体12bとの間に配置されうる。付勢機構88の遠位部分は発射体12bの中何も示していない円筒部分の内部に配置することができ、シリンジ作動構成要素700’は発射体12bの近位端で配置されうる。組立てプロセス中に、シリンジ作動構成要素700’を、自動組立てシステムによって発射体12bの中空円筒部分に挿入することができる。発射体12bにシリンジ作動構成要素700’を挿入することによって、シリンジ作動構成要素700’のアーム788’を、発射体12bの中に配置された付勢機構88内に収納することができる。シリンジ作動構成要素700’のフランジ720’は、シリンジ作動構成要素700’を挿入することによって付勢機構88が圧縮されて発射体12bの円筒に入るように、付勢機構88に停止機構を提供することができる。例示的な実施形態では、発射ボタン32は、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに挿入される前に、(たとえば、発射体12bに向かって遠位キャップ34を押し、遠位キャップ34を所定の位置にスナップ嵌めしてカチッと音を立てることによって)遠位キャップ34と発射体12bとの間に組み付けられてもよい。別の例示的な実施形態では、発射ボタン32は、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに挿入された後に、(たとえば、発射体12bに向かって遠位キャップ34を押し、遠位キャップ34を所定の位置にスナップ嵌めするかまたはカチッと音を立てることによって)遠位キャップ34と発射体12bとの間に組み付けられてもよい。
自動化された組立てプロセスは、シリンジ作動構成要素700’を発射体12bに押し込む結果として受ける力を自動的に検出および監視することができる。この検出された力は、組立てプロセスの1つまたは複数の態様を制御するまたは変えるために、フィードバック機構で使用することができる。この力フィードバック機構によって、アセンブリステーションは、シリンジ作動構成要素700’の発射体12bへの挿入の完了を自動的かつ確実に判断すること、およびサブアセンブリが適切に組み立てられているかどうか判断することができる。すなわち、シリンジ作動構成要素700’は、発射機構サブアセンブリ122を組み立てるために固定された所定の距離にわたって挿入されない。そうではなく、例示的な組立てプロセスは、プロセス中に検出されてシリンジ作動構成要素700’の発射体12bへの挿入を加速、減速、開始、および/または停止させるためにフィードバックとして使用できる1つまたは複数の力に基づいて、自動的に制御される。これによって、例示的な組立てプロセスは、発射機構サブアセンブリ122の構成要素のばらつきに対応し、それによって、任意の組の構成要素の信頼性の高い組立てを達成することができる。反対に、機械的カムを使用する従来の組立てプロセスでは、1つまたは複数の構成要素を1つまたは複数の他の構成要素と組み付けるために、固定された所定の距離にわたって1つまたは複数の構成要素を挿入する。力測定からのフィードバックの利点を得ることなく、固定された所定の挿入距離を使用することによって、従来のプロセスが構成要素のばらつきに対応することができず、その結果、発射機構サブアセンブリの不適切な組立てが行われることがある。
一例では、1つまたは複数の検出された力値が1つまたは複数のあらかじめ定義された力値に実質的に等しいと判断されると、組立てシステムでは、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに完全に挿入されていると判断することができ、挿入プロセスを終了させることができる。あるいは、またはこれに加えて、1つまたは複数の検出された力値が1つまたは複数のあらかじめ定義された力値に実質的に等しいと判断されると、組立てシステムでは、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bへの完全な挿入に近付きつつあると判断することができ、挿入プロセスを減速させることができる。
別の例では、検出された力プロファイルの一部分が、あらかじめ定義された力プロファイルに実質的に合致すると判断されると、組立てシステムでは、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに完全に挿入されていると判断することができ、挿入プロセスを終了することができる。あるいは、またはこれに加えて、検出された力プロファイルの一部分が、あらかじめ定義された力プロファイルに実質的に合致すると判断されると、組立てシステムでは、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bへの完全な挿入に近付きつつあると判断することができ、挿入プロセスを減速させることができる。力プロファイルは、例示的な実施形態では、力値を検出し、組立てプロセス中にシリンジ作動構成要素700’が移動するように作られる増分距離に対してプロットすることによって、生成することができる。
例示的な実施形態では、力は、1つまたは複数のロードセル、たとえばKistler Groupにより製造されるロードセルで検出することができる。例示的な実施形態では、検出された力は、1つまたは複数の視覚的表示インターフェース、たとえばKistler Groupにより製造されるCoMo View(R)インターフェース上に表示することができる。
例示的な実施形態では、付勢機構88の圧縮は、組立てプロセス中に監視することができる。
図19Aおよび19Bは、例示的な発射機構サブアセンブリ122を組み立てるために使用できる組立てシステム1950の例示的な斜視図を示す。図19Bは、図19Aの例示的な組立てシステム1950の拡大図である。例示的な組立てシステム1950は、ATS Automationの関連会社sortimatにより生産される組立てシステムとすることができる。
組立てシステム1950は、組立てプロセス中に垂直方向に発射機構サブアセンブリ122の1つまたは複数の構成要素を支持および保持するためのアセンブリパレット1952を含むことができる。例示的な実施形態では、アセンブリパレット1952は、1つまたは複数の構成要素の底部部分を収納し支持するための中央の凹部部分を有する略円筒状の構成要素として構成することができる。例示的な実施形態では、アセンブリパレット1952は、発射体12bの遠位部分を支持することができる。
組立てシステム1950は、組立てプロセス中に構成要素が垂直方向に保たれるように発射機構サブアセンブリ122の1つまたは複数の構成要素の側面部分を支持するための把持機構1954を含むことができる。例示的な実施形態では、把持機構1954は中実機構として構成することができ、この中実機構は、水平方向に向けられ、構成要素を収納するための中心孔を含む。例示的な実施形態では、把持機構1954は、付勢機構88が組立てプロセス中に垂直方向に位置合わせされるように、付勢機構88の側面部分を支持することができる。これによって、組立てプロセス中の付勢機構88のぐらつきが最小になり、付勢機構88の発射体12bとの適切な位置合わせが確実になる。
組立てシステム1950は、プレスヘッド1958として構成される末端部を有する機械的部材1956を含むことができる。プレスヘッド1958は、シリンジ作動構成要素700’の近位端と接触し、これを下方に押して、シリンジ作動構成要素700’を発射体12bと結合させるように構成することができる。プレスヘッド1958は、組立てプロセス中に受ける力および/または圧力を検出および監視するための1つまたは複数の力および/または圧力センサ、たとえば1つまたは複数の圧電ロードセルを含んでもよいし、これらと結合されてもよい。例示的な実施形態では、圧電センサは、水晶振動子と、機械的な力または応力にさらされると電荷を発生する2つの鋼製リングとを含む。センサによって発生される電荷は、センサに加えられる機械的な力に正比例することができる。例示的な実施形態では、力センサによって検出される力は摩擦力とすることができ、この摩擦力によって、組立てプロセス中に発射体12bに向かってのシリンジ作動構成要素700’の挿入が抵抗される。例示的な力センサは、Kistler Groupによって製造される直接的圧電型ロードセルがありうるが、これに限定されない。
組立てシステム1950は、機械的部材1956を動かすためのモーションを提供する1つまたは複数のモーションジェネレータ(図示せず)を含むことができる。例示的なモーションジェネレータとしては、垂直軸に沿って上向きまたは下向きの方向に機械的部材1956を駆動するサーボモータがありうるが、これに限定されない。例示的な実施形態では、モーションジェネレータは、駆動システム(図示せず)を介して機械的部材1956に結合可能とすることができる。いくつかの実施形態では、この駆動システムは、ウォーム駆動として構成することができる。この駆動システムは、フランジまたは他の結合部を介して機械的部材1956に結合させることができる。例示的な実施形態では、駆動システムは、約1mm程度の、垂直軸Vに沿ったプレスヘッド1958の大きな漸進的な動きを可能にする。例示的な実施形態では、駆動システムは、約0.1mm程度の、垂直軸Vに沿ったプレスヘッド1958の小さな漸進的な動きを可能にする。
図20Aおよび20Bは、例示的な発射機構サブアセンブリ122を組み立てるために使用できる別の組立てシステム2050の例示的な斜視図を示す。図20Aは例示的な組立てシステム2050の側面図であり、図20Bは例示的な組立てシステム2050の正面図である。例示的な組立てシステム2050は、ATS Automationの関連会社sortimatにより生産される組立てシステムとすることができる。
組立てシステム2050は、遠位キャップ34および発射ボタン32を垂直方向に保持するために構成されたキャップホルダ2052を含むことができる。組立てシステム2050はアセンブリパレット2054を含むことができ、アセンブリパレット2054はキャップホルダ2052の上方に位置合わせされ、発射体12bの遠位部分を支持するように構成される。組立てシステム2050は、アセンブリパレット2054に結合された第1の機械的部材2056を含むことができ、第1の機械的部材2056は、発射体12bを発射ボタン32および遠位キャップ34に結合させるためにキャップホルダ2052に向かってアセンブリパレット2054を摺動させるように構成される。
組立てシステム2050は、プレスヘッド2060として構成される末端部を有する第2の機械的部材2058を含むことができる。プレスヘッド2060は、シリンジ作動構成要素700’の近位端と接触し、これを下方に押して、シリンジ作動構成要素700’を発射体12bと結合させるように構成することができる。図20Aおよび20Bは、組立てプロセスの開始前のシリンジ作動構成要素700’の初期位置2062と、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに結合される組立てプロセスの後のシリンジ作動構成要素700’の最終位置2064を示す。
プレスヘッド2060は、組立てプロセス中に受ける力および/または圧力を検出および監視するための1つまたは複数の力および/または圧力センサ2066、たとえば1つまたは複数の圧電ロードセルを含んでもよいし、これらと結合されてもよい。例示的な実施形態では、圧電センサは、水晶振動子と、機械的な力または応力にさらされると電荷を発生する2つの鋼製リングとを含む。センサによって発生される電荷は、センサに加えられる機械的な力に正比例することができる。例示的な実施形態では、力センサ2066によって検出される力は摩擦力とすることができ、この摩擦力によって、組立てプロセス中に発射体12bに向かってシリンジ作動構成要素700’の挿入が抵抗される。例示的な力センサ2066は、Kistler Groupによって製造される直接的圧電型ロードセルがありうるが、これに限定されない。
組立てシステム2050は、第1の機械的部材および第2の機械的部材2056、2058を駆動するためのモーションを提供する1つまたは複数のモーションジェネレータ(図示せず)を含むことができる。例示的なモーションジェネレータとしては、垂直軸に沿って上向きまたは下向きの方向に機械的部材を駆動するサーボモータがありうるが、これに限定されない。例示的な実施形態では、モーションジェネレータは、駆動システム(図示せず)を介して機械的部材に結合可能とすることができる。いくつかの実施形態では、この駆動システムは、ウォーム駆動として構成することができる。この駆動システムは、フランジまたは他の結合部を介して機械的部材に結合させることができる。例示的な実施形態では、駆動システムは、約1mm程度の、垂直軸Vに沿った機械的部材の大きな漸進的な動きを可能にする。例示的な実施形態では、駆動システムは、約0.1mm程度の、垂直軸Vに沿った機械的部材の小さな漸進的な動きを可能にする。
例示的な組立てシステム2050は、発射体12bに向かってシリンジ作動構成要素700’を挿入するように説明されているが、発射体12bがシリンジ作動構成要素700’に向かって挿入されながらシリンジ作動構成要素700’を所定の位置に保持するために、同じまたは異なる組立てシステムが使用することができる。
組立てシステム2050は、モーションジェネレータのための1つまたは複数の制御パラメータを制御するためのモーション制御コンピューティングデバイスを含むことができる。このモーション制御コンピューティングデバイスは、モーションジェネレータと一体的に用意されてもよいし、モーションジェネレータとは個別に用意されてもよい。モーション制御コンピューティングデバイスを使用して制御可能なモーションジェネレータの例示的な制御パラメータとしては、モーションジェネレータの始動/停止、移動される距離、残されている移動距離、速度、加速度、減速度、モーションジェネレータのモーションの異なるフェーズなどがあるが、これらに限定されない。1つまたは複数の制御パラメータは、1つまたは複数の制御因子に基づいて、モーション制御コンピューティングデバイスによって設定または変更することができ、この制御因子としては、力プロファイル内で特定の力特徴が検出されるとき(たとえば、モーションジェネレータは、トリガ命令またはトリガ信号が受け取られるとき、停止させることができる)、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに挿入されるあらかじめ定義された距離の横断の後(たとえば、シリンジ作動構成要素700’の挿入速度は、シリンジ作動構成要素700’があらかじめ定義された距離にわたって発射体12bに挿入された後、低下させることができる)、あらかじめ定義された期間の経過後(たとえば、シリンジ作動構成要素700’の挿入速度は、あらかじめ定義された期間が経過した後、低下させることができる)などに生成されるトリガ命令またはトリガ信号があるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態では、組立てプロセスは、各フェーズが関連付けられた1組の制御パラメータを有する1つまたは複数のフェーズに分けることができ、この制御パラメータは、所与の時刻に組立てプロセスの特定のフェーズに基づいて、モーション制御コンピューティングデバイスによって自動的に設定されるおよび/または変更することができる。
例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスを、アセンブリ挿入プロセス中にモーションジェネレータを望ましく制御するようにあらかじめプログラムしておくことができる。モーション制御コンピューティングデバイスのプリプログラミングは、組立てプロセスの前またはその間に使用者によって上書きまたは変更することができる。別の例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスは、あらかじめプログラムされなくてもよく、使用者は、モーション制御コンピューティングデバイスを使用して、組立てプロセスの前またはその間にモーションジェネレータのプログラミングを入力および制御することができる。
組立てシステム2050は、組立てプロセス中に及ぼされる力および/または圧力を測定するため、および力/圧力センサ2066からの出力に基づいて組立てプロセス中のプレスヘッド2060の変位を測定するために、力/圧力センサ2066に接続可能な1つまたは複数のトリガ生成コンピューティングデバイスを含むことができる。トリガ生成コンピューティングデバイスは、1つまたは複数の機能を実行することができ、この機能としては、力/圧力センサ2066によって検出される力のリアルタイム測定、力/圧力センサ2066によって検出される圧力のリアルタイム測定、1つまたは複数のトリガ条件が力プロファイルによって満たされることのリアルタイム検出、1つまたは複数のトリガ条件が満たされるときのトリガ命令またはトリガ信号の生成、モーション制御コンピューティングデバイスへの、モーションジェネレータを制御するトリガ命令またはトリガ信号の送信などがあるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイスを、生成されたときにトリガ条件を満たす、力プロファイル内の1つまたは複数の特徴的な力特徴を認識するように、あらかじめプログラムしておくことができる。トリガ生成コンピューティングデバイスのプリプログラミングは、組立てプロセスの前またはその間に使用者によって上書きまたは変更することができる。別の例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイスは、あらかじめプログラムされなくてもよく、使用者は、生成されたときに組立てプロセスの前またはその間にトリガ条件を満たす1つまたは複数の特徴的な力特徴を設定することができる。
図77は、例示的な実施形態においてモーション制御コンピューティングデバイスおよび/またはトリガ生成コンピューティングデバイスとして使用できる例示的なコンピューティングデバイスのブロック図を示す。この例示的なコンピューティングデバイスは、図77に関連して以下で説明される。
図21Aおよび21Bは、自動注入デバイスで使用するための発射機構サブアセンブリ122を組み立てるための例示的な方法を示す流れ図である。プレスヘッドで受ける力は、組立て方法中に検出および監視することができる。
ステップ2152では、シリンジ作動構成要素700’は、シリンジ作動構成要素700’の中心軸が発射体12bの中心軸に沿って位置合わせされるように、発射体12bの近位端に配置されうる。ステップ2154では、プレスヘッドは、第1のより速い速度で、発射体12bに向かってシリンジ作動構成要素700’を挿入することができる。
ステップ2156において、例示的な実施形態では、付勢機構88が存在し、発射体12bとシリンジ作動構成要素700’との間に適切に位置合わせされているかどうかを判断することができる。一例では、付勢機構88が存在しないことによって、プレスヘッドで受ける力が、1つまたは複数の所定の閾値より下に低下することがある。別の例では、付勢機構88が、機構88がシリンジ作動構成要素700’の遠位アーム788’の外側で圧迫されるように不適切に組み付けられている場合、プレスヘッドは、1つまたは複数の所定の閾値より大きな力を受けることができる。例示的な実施形態では、付勢機構88の圧縮中に受ける力が1つまたは複数の所定の閾値を下回る場合、付勢機構88が存在しないと判断することができる。例示的な実施形態では、付勢機構88の圧縮中に受ける力が1つまたは複数の所定の閾値を上回る場合、付勢機構88が不適切に組み付けられていると判断することができる。ステップ2158において、付勢機構88が存在しないまたは不適切に組み付けられていると判断された場合、ステップ2160において、組立てプロセスを終了することができ、構成要素を廃棄することができる。そうでない場合、方法はステップ2162に進むことができる。
ステップ2162では、シリンジ作動構成要素700’が所定の距離にわたって挿入された後、組立てプロセスが完了に近付いていると判断することができ、プレスヘッドの動きを減速することができる。ステップ2164では、プレスヘッドは、第2のより遅い速度で、発射体12bの孔の中にシリンジ作動構成要素700’を挿入することができる。
ステップ2166において、例示的な実施形態では、シリンジ作動構成要素700’が適切かつ確実に発射体12bに結合されているかどうかを判断することができる。例示的な実施形態では、プレスヘッドで受ける1つまたは複数の力が所定の挿入距離内の減少しつつある力プロファイルを示す場合、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに適切に結合されていると判断することができる。この力プロファイルは、シリンジ作動構成要素700’のトリガアンカリング部分789’が発射体12bのアンカリングキャップ12cの上で所定の位置にスナップ嵌めされていることを示す。例示的な実施形態で、ステップ2168において、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに不適切に結合されていると判断された場合、ステップ2170において、組立てプロセスを終了することができ、構成要素を廃棄することができる。そうでない場合、方法はステップ2172に進むことができる。
ステップ2172において、例示的な実施形態では、シリンジ作動構成要素700’の発射体への挿入の終点、すなわちさらなる挿入が停止できる点を判断することができる。この終点が到達されると、プレスヘッドには、発射体12bに向かってのシリンジ作動構成要素700’の動きを停止するように、およびサブアセンブリから離れるように指示することができる。
ステップ2174では、プレスヘッドがサブアセンブリから離れるので、例示的な実施形態では、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bから結合解除されているかどうかを判断することができる。シリンジ作動構成要素700’が発射体12bから結合解除されていることは、発射機構サブアセンブリの組立ての失敗を示す。プレスヘッドがその元の位置に戻ると、プレスヘッドを押圧する構成要素がないので、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bにしっかりと結合される場合、プレスヘッドで受ける力は低くなる。この場合、例示的な実施形態では、検出された力が、許容可能な低い範囲に含まれる場合、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bにしっかりと結合されていると判断することができる。一方、シリンジ作動構成要素700’が(付勢機構88の作用を受けて)発射体12bから遠ざかるとき、プレスヘッドがその元の位置に戻ると、シリンジ作動構成要素700’がプレスヘッドを押圧するので、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bから結合解除される場合、プレスヘッドで受ける力は大きくなる。この場合、ステップ2176において、例示的な実施形態では、検出された力が、許容可能な低い範囲より大きい場合、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bから結合解除されていると判断することができる。結合解除の場合、例示的な実施形態では、ステップ2178でサブアセンブリの構成要素を廃棄することができる。
ステップ2180では、発射ボタン32は、遠位キャップ34と発射体12bとの間に配置されうる。遠位キャップ34は、発射体12bに向かって押されて、1つのモーションで遠位キャップ34および発射ボタン32を発射体12bに結合することができる。
ステップ2182では、例示的な実施形態は、組立てプロセスを終わらせることができる。ステップ2184では、組立てシステムは、発射機構サブアセンブリ122が正常かつ適切に組み立てられたという視覚的および/または聴覚的標識を提供することができる。発射機構サブアセンブリ122は、その後、自動注入デバイスを形成するように使用することができる。
図22および23は、発射機構サブアセンブリ122の組立て中にプレスヘッドで受ける力の例示的な力プロファイル2250、2350を示す。力プロファイルのy軸は、例示的な力センサによってプレスヘッドで検出される摩擦力(N単位)を表す。力プロファイルのx軸は、発射体12bに向かう(プロファイル上では、左から右に動いていると示される)ように、および/または発射体12bから遠ざかる(プロファイル上では、右から左に動いていると示される)ようにプレスヘッドによって動かされる距離(mm単位)を表す。
力プロファイルの第1の部分2252は、発射体12bに向かうシリンジ作動構成要素700’の動きによって付勢機構88が圧縮されるときに受ける、次第に増加する力を示す。第1の部分2252内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約129mmから約198mmの挿入距離にわたる約4.8Nから約14.5Nまでの範囲とすることができる。力プロファイルの第1の部分2252における振動またはランダムなスパイクは、付勢機構88の座屈(buckling)および圧縮の結果である。
力プロファイルの第1の部分2252において、例示的な実施形態では、シリンジ作動構成要素700’が適切かつ確実に発射体12bに結合されているかどうかを判断することができる。図22および23は、この判断を行う2つの例示的な方法を示す。図22の例示的な方法では、プレスヘッドで受ける力が、シリンジ作動構成要素700’の挿入中の1つまたは複数の別個の点において、あらかじめ定義された力の範囲内に含まれる場合、例示的な実施形態では、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに適切かつ確実に結合されていると判断することができる。約130mmの挿入距離で行われる第1の判断は、力のトレースが左から右に進むとき、その距離での力が約3Nから約9Nの範囲にある場合、ばねが存在しており、適切に位置合わせされていると判断するために使用することができる。約150mmの挿入距離で行われる第2の判断は、力のトレースが左から右に進むとき、その距離での力が約6Nから約12Nの範囲にある場合、ばねが存在しており、適切に位置合わせされていると判断するために使用することができる。約170mmの挿入距離で行われる第3の判断は、力のトレースが左から右に進むとき、その距離での力が約9Nから約15Nの範囲にある場合、ばねが存在しており、適切に位置合わせされていると判断するために使用することができる。力が、第1の判断、第2の判断、および第3の判断のいずれかで許容可能な範囲内に含まれない場合、サブアセンブリは不合格品と考えられ、プレスヘッドはその元の位置に戻るように指示され、組立てプロセスは終了され、アセンブリの構成要素を廃棄することができる。第1の判断、第2の判断、および第3の判断は、付勢機構88の漸進的な圧縮を最もよく捕捉するように、力プロファイルの第1の部分2252に沿って間隔があけられている。第1の判断、第2の判断、および第3の判断は力プロファイル内の任意の適切な点において実行されてもよいこと、および上記より多いまたは少ない判断が行われてもよいことが当業者には理解されよう。
図23の例示的な方法では、プロファイル2350の第1の部分2352における力が、許容可能な方形範囲内に含まれる場合、例示的な実施形態では、シリンジ作動構成要素700’は発射体12bに適切かつ確実に結合されていると判断することができる。方形の左側は、約130mm、4Nと約130mm、7Nとの間に延在し、その中で、力のトレースは左から右に進む。方形の右は、約170mm、10.5Nと約170mm、14Nとの間に延在し、その中で、力のトレースは左から右に進む。方形の上側は、約130mm、7Nと約170mm、14Nとの間に延在する。方形の下側は、約130mm、4Nと約170mm、10.5Nとの間に延在する。プレスヘッドで受ける力がこの方形範囲より小さい場合、これは、付勢機構88が存在しないことを示すことができる。それは、付勢機構88の存在および圧縮が、力プロファイルの第1の部分2352における力が高くなるという結果になるからである。一方、プレスヘッドで受ける力がこの方形範囲より大きい場合、これは、付勢機構88がシリンジ作動構成要素700’および発射体12bに対して不適切に位置合わせされていることを示すことができる。いずれの場合にも、プレスヘッドにその元の位置に戻るように指示することができ、組立てプロセスを終了することができ、アセンブリの構成要素を廃棄することができる。
図22を参照すると、力プロファイルの第2の部分2254は、シリンジ作動構成要素700’のトリガアンカリング部分789’が発射ボタン12bの中空孔の中にある狭くなったまたは首のある領域に当たって抵抗するときに引き起こされる、プレスヘッドで受ける力の小さいが急速な増加を示す。力プロファイルの第2の部分2254内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約186mmから約188mmの挿入距離にわたって約14.4Nから約18.2Nに増加することができる。図25Aおよび25Bに示されるように、例示的な実施形態では、狭くなったまたは首のある部分は、発射体12bの中空孔の中に形成される内側円筒形チューブ2550によって形成されてもよい。内側円筒形チューブ2550は、発射体12bの内径より狭い内径を有することができる。図25Aは、シリンジ作動構成要素700’のトリガアンカリング部分789’が発射体12b内の内側円筒形チューブ2550に当たって抵抗する発射機構サブアセンブリ122の組立て中の第1の組立て状態の概略図である。図25Bは、図25Aの図から約90度だけ回転させた、図25Aの第1の組立て状態の概略図である。
さらに図22を参照すると、力プロファイルの第3の部分2256は、トリガアンカリング部分789’のタブ付き足部7891’が内側に圧迫されて発射体12bの内側円筒形チューブ2550の内側に嵌まるときに引き起こされる、プレスヘッドで受ける力の小さいが急速な減少を示す。力プロファイルの第3の部分2256内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約188mmから約190mmの挿入距離にわたって約18.2Nから約16.3Nまで減少することができる。
シリンジキャリアに向かうプレスヘッドの動きは、プレスヘッドが所定の距離にわたって、たとえば約195mm挿入された後で減速させることができる。例示的な実施形態では、プレスヘッドが所定の距離を通過したことを検出することができ、それに応じて、減速するようにプレスヘッドに指示することができる。力プロファイルの第4の部分2258は、プレスヘッドが所定の距離移動してプレスヘッドの速度が減少されるときに受ける力の急速な減少を示す。第4の部分2258内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約195mmから約196mmの例示的な挿入範囲にわたって約19Nから約6.8Nに低下することができる。
力プロファイルの第5の部分2260は、トリガアンカリング部分789’のタブ付き足部7891’が発射体12bの内側円筒形チューブ2550の遠位端で圧迫されるときに引き起こされる、プレスヘッドで受ける力の小さいが急速な減少を示す。第5の部分2260内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約202mmから約204mmの挿入距離にわたる約18.5Nから約22Nまでの範囲とすることができる。図26Aは、トリガアンカリング部分789’のタブ付き足部7891’が発射体12bの内側円筒形チューブ2550の遠位端を通る、発射機構サブアセンブリ122の組立て中の第2の組立て状態の概略図である。図26Bは、図26Aの図から約90度だけ回転させた、図26Aの第2の組立て状態の概略図である。
力プロファイルの第6の部分2262は、トリガアンカリング部分789’のタブ付き足部7891’が内側円筒形チューブ2550の遠位端の上にスナップ嵌めして発射体12dの遠位端の上に載せられるときに引き起こされる、プレスヘッドで受ける力の急速な減少を示す。第6の部分2262内の例示的な力は、いくつかの例示的な実施形態では、約204mmから約205mmの挿入距離にわたる約22Nから約17Nまでの範囲とすることができる。
例示的な実施形態では、組立てプロセス中に検出される1つまたは複数の力値が、シリンジ作動構成要素700’の挿入の終点が到達されたことを示すトリガ条件に合致するかどうかを判断することができる。このトリガ条件は、力プロファイルの第6の部分に出現する1つまたは複数の力値であるように設定することができる。図22に示される例示的な実施形態では、トリガ力は約15Nから約17Nに設定することができ、トリガ力が検出または測定されるx軸範囲は約204mmから約205mmの間に設定することができる。図23に示される例示的な実施形態では、トリガ力は約18Nに設定することができ、トリガ力が検出または測定されるx軸範囲は約204mmから約206mmの間に設定することができる。この手法は「上方から」であると示され、これは、力が約204mmから約206mmの間のx軸範囲内で約18Nである場合にトリガ条件が満たされることを示す。図22および23の力プロファイルにおいてトリガ条件が満たされる場合、例示的な実施形態では、組立てプロセスが完了されたのでその元の位置に戻るようにプレスヘッドに指示することができる。
例示的な実施形態は、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bから結合解除されたかどうかを試験するために、プレスヘッドがその元の位置に戻ると、プレスヘッドで受ける力を引き続き検出することができる。x軸の右から左に進む力プロファイルの第7の部分2264は、プレスヘッドの復帰中に受ける力を示す。例示的な実施形態において、力プロファイルが右から左に進むとき、いくつかの例示的な実施形態では、検出された力が約200mmから約203mmの挿入距離範囲にわたって約−9Nから約1Nの間に含まれる場合、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bから結合解除されたと判断することができる。一例では、力プロファイルが右から左に進むとき、力は、いくつかの例示的な実施形態では、約200mmから約201mmの挿入距離範囲にわたって検出することができる。次に、約200mmから約203mmの挿入距離範囲にわたって約−9Nから約1Nの間の禁じられた範囲内に含まれるかどうかを判断するために、この検出された力を比較することができる。
力プロファイルの第7の部分2264内の検出された力が上述の禁じられた範囲内に含まれる場合、これは、シリンジ作動構成要素700’が発射体12dから結合解除されており、プレスヘッドを押圧して正常より大きな力を生じさせることを示す。この場合、発射機構サブアセンブリ122の構成要素を廃棄することができる。そうでない場合、力プロファイルの第7の部分2264内の検出された力が禁じられた範囲より小さい場合、これは、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに確実に固着されていることを示す。次に、発射機構サブアセンブリ122は、自動注入デバイスを形成する他の構成要素との組み付けの準備ができている。
例示的な力プロファイル2250および2350は構成要素間の相互作用に対応する上記より少ないまたは追加の特徴を有することができることが当業者には理解されよう。図22および23の例示的な方法で使用される力値および挿入範囲値は例示であり、任意の適切な力値および挿入範囲値が、組立てプロセスがいつ停止されるべきかを判断するため、および構成要素が適切に組み立てられているかどうかを判断するために使用することができることが当業者には理解されよう。
図24は、発射機構サブアセンブリ122の組立て中に実行される例示的な力検出のグラフを示す。力プロファイルのy軸は、例示的な力センサによってプレスヘッドで検出される摩擦力(N単位)を表す。力プロファイルのx軸は、発射体12bに向かう(プロファイル上では、左から右に動いていると示される)ように、および/または発射体12bから遠ざかる(プロファイル上では、右から左に動いていると示される)ようにプレスヘッドによって動かされる距離(mm単位)を表す。
図24の例示的な方法では、プレスヘッドによって受ける力が、シリンジ作動構成要素700’の挿入中の1つまたは複数の別個の点において、例示的な範囲内に含まれる場合、例示的な実施形態では、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに適切かつ確実に結合されていると判断することができる。約88mmの挿入距離で行われる第1の判断2452は、力のトレースが左から右に進むとき、その距離での力が約0Nから約9Nの範囲にある場合、ばねが存在しており、適切に位置合わせされていると判断するために使用することができる。約115mmの挿入距離で行われる第2の判断2454は、力のトレースが左から右に進むとき、その距離での力が約4Nから約13Nの範囲にある場合、ばねが存在しており、適切に位置合わせされていると判断するために使用することができる。約132mmの挿入距離で行われる第3の判断2456は、力のトレースが左から右に進むとき、その距離での力が約7Nから約15Nの範囲にある場合、ばねが存在しており、適切に位置合わせされていると判断するために使用することができる。
力が、第1の判断、第2の判断、および第3の判断のいずれかで許容可能な範囲内に含まれない場合、サブアセンブリは不合格品と考えられ、プレスヘッドはその元の位置に戻るように指示され、組立てプロセスは終了され、アセンブリの構成要素を廃棄することができる。第1の判断、第2の判断、および第3の判断は、付勢機構88の漸進的な圧縮を最もよく捕捉するように、間隔があけられている。第1の判断、第2の判断、および第3の判断は力プロファイル内の任意の適切な点において実行されてもよいこと、および上記より多いまたは少ない判断が行われてもよいことが当業者には理解されよう。
例示的な実施形態では、検出された力がいくつかの例示的な実施形態において約169mmから約185mmの挿入距離範囲にわたって約10Nから約26Nの指定された範囲に合致するかどうかを判断することによって、シリンジ作動構成要素700’が発射体12bに結合されているかどうかを判断することができる。検出された力が特定の範囲内に含まれる場合、これは、発射機構サブアセンブリ122が適切に組み立てられていることを示す。そうでない場合、発射機構サブアセンブリ122は不適切に組み立てられていると判断され、サブアセンブリの構成要素は廃棄される。
例示的な実施形態では、組立てプロセス中に検出される1つまたは複数の力値がトリガ条件2458に合致するかどうかを判断することができ、合致することは、シリンジ作動構成要素700’の挿入の終点が到達されたことを示す。図24に示される例示的な実施形態では、トリガ力は約22Nに設定することができ、トリガ力が検出または測定されるx軸範囲は約165mmから約178mmの間に設定することができる。この手法は「下方から」であると示され、これは、力が、約165mmから約178mmの間のx軸範囲内で約18Nである場合にトリガ条件が満たされることを示す。図24の力プロファイルにおいてトリガ条件が満たされる場合、例示的な実施形態では、組立てプロセスが完了されたのでその元の位置に戻るようにプレスヘッドに指示することができる。
発射機構サブアセンブリの例示的な組立ては、発射体12bに向かってシリンジ作動構成要素700’を挿入することに関して説明されているが、例示的な実施形態は、シリンジ作動構成要素700’に向かって発射体12bを挿入するため、および/または発射機構サブアセンブリを組み立てるためにシリンジ作動構成要素700’および発射体12bを互いに向かって挿入するためにも使用することができることが当業者には理解されよう。
V.自動注入デバイスのハウジングへのシリンジの例示的な組立て
自動注入デバイスを組み立てる例示的な方法では、シリンジアセンブリを、制御され自動化された方法でハウジングアセンブリと組み付けることができる。ハウジングアセンブリは、注射針を覆うための近位キャップが装着されたデバイスのハウジングを含むことができる。シリンジアセンブリは、シリンジに結合されるシリンジハウジングサブアセンブリと、発射機構サブアセンブリとを含むことができる。シリンジの近位端は注射針に結合させることができ、この注射は、剛性針シールドと、任意選択で軟性針シールドとによって覆われる。組立て中に、シリンジアセンブリはハウジングアセンブリに向かって動かされ、および/またはハウジングアセンブリはシリンジアセンブリに向かって動かされ、したがって、剛性針シールドは、適切な挿入深さまで近位キャップに挿入される。
図27は、例示的な剛性針シールド1500の斜視図と、剛性針シールド1500の遠位端1504が針の局所摩擦点にぴったりまたはほぼ配設される剛性針シールド1500の近位キャップへの挿入に関連付けられた特徴的な力プロファイルグラフ1550を示す。特徴的な力プロファイルグラフ1550は、剛性針シールド1500の近位キャップへの挿入と関連付けられる。グラフ1550では、y軸はシリンジ挿入中に摩擦点によって及ぼされる力(N単位)を示し、x軸は、近位キャップ内の摩擦点を越えた剛性針シールド1500の近位端1502の変位を示す。力プロファイルグラフ1550は、剛性針シールド1500が近位キャップの近位端に向かって摩擦点を越えて挿入されるとき、剛性針シールド1500の外表面上の異なる構造上または装飾上の特徴に対して近位キャップ内の摩擦点によって及ぼされる摩擦力をトレースする。
例示的な実施形態で使用可能な例示的な剛性針シールドは、図27に示される剛性針シールド1500に限定されず、他の適切な大きさ、形状、および構成で構成することができる。たとえば、他の例示的な剛性針シールドは、図27に示される特徴より多いまたは少ない構造上または装飾上の特徴を含むことができる。特徴的な力プロファイルは関連する剛性針シールドの特定の大きさ、形状、および構成ならびに関連する近位キャップの特定の大きさ、形状、および構成に基づいて変化することが当業者には理解されよう。
剛性針シールド1500の外表面は、外表面から突出する特徴1505を含むことができる。剛性針シールド1500の近位端1502と特徴1505の近位端1508との間に延在する剛性針シールド1500の長さは、剛性針シールドの長さが近位キャップ内の摩擦点を通過するとき生成される力プロファイル1550内の比較的小さいが増加する力1552と関連付けられうる。特徴1505は、特徴1505が近位キャップ内の摩擦点を通過するとき生成される力プロファイル1550内の「第1の特徴的なピーク」1554と関連付けられうる。力プロファイル上の力プロファイルの始まりと第1の特徴的なピーク1554との間に1つまたは複数の中間のピークが出現できることが当業者には理解されよう。
剛性針シールド1500の外表面は、外表面から突出する特徴1506、たとえば剛性針シールド1500の製造業者のロゴ(図27に示される「BDロゴ」)を含むことができる。特徴1506は、長手方向軸Lに実質的に沿って近位端1508と遠位端1510との間に延在することができる。例示的な実施形態では、特徴1506は約6mmの長さを有することができ、長手方向軸Lに沿って剛性針シールド1500の近位端1502から約12mmのところから剛性針シールド1500の近位端1502から約18mmのところまで延在することができる。特徴1506の遠位端1510のところまたはその近くにある隆起は、その隆起が近位キャップ内の摩擦点を通過するとき生成される力プロファイル1550内の「第2の特徴的なピーク」1556と関連付けられうる。力プロファイル上の第1の特徴的なピーク1554と第2の特徴的なピーク1556との間に1つまたは複数の中間のピークが出現できることが当業者には理解されよう。
例示的な実施形態では、シリンジが自動注入デバイスのハウジング内で所望の挿入深さに近いとき、特徴1506の遠位端1510のところまたはその近くにある隆起が近位キャップ内の摩擦点を通過する。この例示的な実施形態では、特徴1506の遠位端1510の場所に対応するx軸範囲内に第2の特徴的なピーク1556の力プロファイル1550が出現することは、シリンジ挿入プロセスは完了していないが完了に近いことを示すことができる。第2の特徴的なピーク1556の出現は、シリンジを自動注入デバイスのハウジング内へ駆動するモーションジェネレータを低速化、停止、または別の方法で制御するために使用することができる。
例示的な実施形態では、第2の特徴的なピーク1556のすべてまたは一部の検出は、モーションジェネレータを駆動するために使用することができ、したがって、第2の特徴的なピークの検出の後、シリンジは、さらに遠い所定の距離ハウジングに挿入される。例示的な実施形態では、最終的な所望の構成において、剛性針シールド1500の遠位端1504は、近位キャップ内の摩擦点のところまたはその近くに着座する。この実施形態では、さらに遠い所定の距離は、所望の最終的な構成を達成するために、特徴1506の遠位端1510のところまたはその近くにある隆起と剛性針シールド1500の遠位端1504との間の距離であるように設定することができる。
剛性針シールド1500の外表面は、外表面内のくぼみ、たとえば、剛性針シールド1500を剛性針シールドの中の軟性の剛性針シールドハウジングにしっかりと嵌合する窓(図27に示される「窓」)を生じる特徴1512を含むことができる。特徴1512は、長手方向軸Lに実質的に沿って近位端1514から遠位端1516まで延在することができる。例示的な実施形態では、特徴1512は約3mmの長さを有することができ、長手方向軸Lに沿って剛性針シールド1500の近位端1502から約20mmのところから剛性針シールド1500の近位端1502から約23mmのところまで延在することができる。特徴1512は、特徴1512が近位キャップ内の摩擦点を通過するとき生成される力プロファイル1550内の「第1の特徴的なトラフ」1558と関連付けられうる。力プロファイル上の力プロファイルの始まりと第1の特性トラフ1558との間に1つまたは複数の中間のトラフすなわちくぼみが出現できることが当業者には理解されよう。
例示的な実施形態では、シリンジが所望の挿入深さに近いとき、特徴1512が近位キャップ内の摩擦点を通過する。この例示的な実施形態では、特徴1512の場所に対応するx軸範囲内に第1の特徴的なトラフ1558の力プロファイル1550が出現することは、シリンジ挿入プロセスは完了していないが完了に近いことを示すことができる。第1の特徴的なトラフ1558の出現は、シリンジを自動注入デバイスのハウジング内へ駆動するモーションジェネレータを低速化、停止、または別の方法で制御するために使用することができる。
例示的な実施形態では、第1の特徴的なトラフ1558のすべてまたは一部の検出は、モーションジェネレータを駆動するために使用することができ、したがって、シリンジは、さらに遠い所定の距離ハウジング内へ挿入される。例示的な実施形態では、最終的な所望の構成において、剛性針シールド1500の遠位端1504は、近位キャップ内の摩擦点に着座する。この例示的な実施形態では、さらに遠い所定の距離は、所望の最終的な構成を達成するために、おおよそ、特徴1512と剛性針シールド1500の遠位端1504との間の距離であるように設定することができる。
剛性針シールド1500の外表面は、その遠位端1504のところまたはこれに隣接して、突き出している部分1518を含むことができる。したがって、剛性針シールド1500の遠位端1504は、遠位端1504が近位キャップ内の摩擦点を通過するとき生成される力プロファイル1550内の「第3の特徴的なピーク」1560と関連付けられうる。力プロファイル上の第2の特性ピーク1556と第3の特徴的なピーク1560との間に1つまたは複数の中間のピークが出現できることが当業者には理解されよう。
例示的な実施形態では、シリンジが所望の挿入深さのところまたはその近くにあるとき、剛性針シールド1500の遠位端1504が近位キャップ内の摩擦点を通過する。この例示的な実施形態では、剛性針シールド1500の遠位端1504の場所に対応するx軸範囲内に第3の特徴的なピーク1560の力プロファイル1560が出現することは、シリンジ挿入プロセスが完了しているまたは完了に近いことを示すことができる。第3の特徴的なピーク1560の出現は、シリンジを自動注入デバイスのハウジング内へ駆動するモーションジェネレータを低速化、停止、または別の方法で制御するために使用することができる。
例示的な実施形態では、最終的な所望の構成において、剛性針シールド1500の遠位端1504は、近位キャップ内の摩擦点のところまたはその近くに着座する。この例示的な実施形態では、第3の特徴的なピークは、最終的な所望の構成が達成されたことを示すので、モーションジェネレータは、第3の特徴的なピーク1560のすべてまたは一部の検出の直後に停止させることができる。
シリンジ挿入プロセス中に、例示的な実施形態では、力プロファイル内の1つまたは複数の特徴的な力特徴の検出または測定を使用して、シリンジ挿入プロセスが完了したまたは完了に近い点を判断することができる。したがって、例示的な実施形態では、1つまたは複数の特徴的な力特徴の検出を使用してシリンジ挿入プロセスを制御することができる。例示的な実施形態で使用可能な例示的な力特徴としては、第1の特徴的なピークの一部または全体、第2の特徴的なピークの一部または全体、第1の特徴的なトラフの一部または全体、第3の特徴的なピークの一部または全体、第4の特徴的なピークの一部または全体、上述の力特徴の2つ以上の組合せなどがあるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態では、力プロファイル内の特徴的な力特徴のいずれかを検出するために任意の適切な技法を使用することができる。例示的な実施形態では、シリンジ挿入プロセス中に生成される力は検出および分析され、これらの力がトリガ条件を満たすかどうかを判断することができる。このトリガ条件では、1つまたは複数のあらかじめ定義されたトリガ力値および1つまたは複数のあらかじめ定義されたトリガヒステリシス値を指定することができる。シリンジ挿入プロセス中に生成される力がトリガ条件を満たす場合、シリンジ挿入プロセスの態様を制御するためにトリガ命令またはトリガ信号を生成することができる。
図28は、例示的な剛性針シールド1500の斜視図と、剛性針シールド1500の遠位端1504が近位キャップ内の局所摩擦点を越えて近位キャップの近位端の方へ配設される剛性針シールド1500の挿入に関連する特徴的な力プロファイルグラフ1550を示す。
図28に示される例示的な実施形態では、近位キャップ内の組み立てられた剛性針シールドの構成において、剛性針シールド1500の遠位端1504は、近位キャップ内の摩擦点を越えて近位キャップの近位端に向かって移動した場合がある。シリンジ挿入プロセス中に、剛性針シールド1500の長さ全体が近位キャップ内の摩擦点を通過した後、シリンジ本体(図示されず)は、近位キャップ内の摩擦点を通過し始める。シリンジ本体は、シリンジ本体が近位キャップ内の摩擦点を通過し始めるとき生成される力プロファイル1550内の「第4の特徴的なピーク」1562と関連付けられうる。力プロファイル上の第3の特徴的なピーク1560と第4の特徴的なピーク1562との間に1つまたは複数の中間のピークが出現できることが当業者には理解されよう。
例示的な実施形態では、近位キャップ内の摩擦点を越えて近位キャップの近位端に向かって剛性針シールドを挿入すること(図28に示される)は望ましくない。この場合、第4の特徴的なピーク1562のすべてまたは一部の検出は、シリンジ挿入プロセスが失敗したこと、およびシリンジがあまりにも深くハウジングに挿入されていることを判断するために使用することができる。例示的な実施形態では、失敗が検出されると、シリンジおよびハウジングアセンブリを廃棄することができる。別の例示的な実施形態では、失敗が検出されると、挿入プロセスは、再び開始されるか、またはハウジング内でのシリンジの所望の挿入深さを達成するように調整されてもよい。
図29は、シリンジ1602を自動注入デバイスのハウジング1604に挿入することによって自動注入デバイスを組み立てるために例示的な実施形態において使用できる例示的なシリンジ挿入システム1600を示すブロック図である。挿入システム1600は、ハウジング1604の近位端に向かってシリンジ1602を駆動するための、および/またはいくつかの実施形態では、1つまたは複数の機械的部材1630のモーションによりシリンジ1602の遠位端に向かってハウジング1604を駆動するための、1つまたは複数のモーションジェネレータ1606を含む。
挿入システム1600は、シリンジ挿入プロセス中にハウジング1604を解放可能に固着するためのワークピースホルダ1626と、シリンジ1602を解放可能に固着するためのシリンジホルダ1628とを含むことができる。挿入システム1600は、挿入システム1600の1つまたは複数の構成要素、たとえば、ワークピースホルダ1626、シリンジホルダ1628、モーションジェネレータ1606、機械的部材1630などを支持するためのプラットフォーム1632を含むことができる。
挿入システム1600は、モーションジェネレータ1606の1つまたは複数の制御パラメータを制御するための1つまたは複数のモーション制御コンピューティングデバイス1608を含むことができる。モーション制御コンピューティングデバイス1608は、モーションジェネレータ1606と一体的に用意されてもよいし、モーションジェネレータ1606とは個別に用意されてもよい。モーション制御コンピューティングデバイス1608を使用して制御可能なモーションジェネレータ1606の例示的な制御パラメータとしては、モーションジェネレータの作動/非作動の時間、移動される距離、残されている移動距離、速度、加速度、減速度、モーションジェネレータのモーションの異なるフェーズなどがあるが、これらに限定されない。1つまたは複数の制御パラメータは、1つまたは複数の制御因子に基づいて、モーション制御コンピューティングデバイス1608によって設定または変更することができ、この制御因子としては、力プロファイル内で特定の力特徴が検出されるとき(たとえば、モーションジェネレータは、トリガ命令またはトリガ信号が受け取られるとき、停止させることができる)、シリンジがハウジングに挿入されるあらかじめ定義された距離の横断の後(たとえば、挿入速度は、シリンジがあらかじめ定義された距離にわたってハウジングに挿入された後、低下させることができる)、あらかじめ定義された期間の経過後(たとえば、挿入速度は、あらかじめ定義された期間が経過した後、低下させることができる)などに生成されるトリガ命令またはトリガ信号があるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態では、シリンジ挿入プロセスは、各フェーズが関連付けられた1組の制御パラメータを有する1つまたは複数のフェーズに分けることができ、この制御パラメータは、所与の時刻に挿入プロセスの特定のフェーズに基づいて、モーション制御コンピューティングデバイス1608によって自動的に設定されるおよび/または変更することができる。
例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイス1700を、シリンジ挿入プロセス中にモーションジェネレータ1606を望ましく制御するようにあらかじめプログラムしておくことができる。モーション制御コンピューティングデバイス1700のプリプログラミングは、シリンジ挿入プロセスの前またはその間に使用者によって上書きまたは変更することができる。別の例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイス1608は、あらかじめプログラムされなくてもよく、使用者は、モーション制御コンピューティングデバイス1608を使用して、シリンジ挿入プロセスの前またはその間にモーションジェネレータ1606のプログラミングを入力および制御することができる。
モーション制御コンピューティングデバイス1608は、使用者が、モーションジェネレータ1606を制御するための1つまたは複数の制御パラメータを入力するまたは変えることを可能にするために、1つまたは複数の入力デバイス1610、たとえばタッチスクリーンディスプレイデバイス、キーボードなどを含むことができる。モーション制御コンピューティングデバイス1608は、モーションジェネレータ1606の1つまたは複数の制御パラメータ値またはシリンジ挿入プロセスに関連付けられた他の任意の情報を出力するために、1つまたは複数の出力デバイス1612、たとえばディスプレイデバイス、プリンタなどを含むことができる。例示的な実施形態では、入力デバイス1610および出力デバイス1612は、1つの一体的なデバイスとして設けられてよく、したがって、使用者は、モーションジェネレータ1606に関連付けられた任意のパラメータを同じデバイス上で見て変えることができる。別の例示的な実施形態では、入力デバイス1610と出力デバイス1612は、別個のデバイスとして設けられてもよい。
モーション制御コンピューティングデバイス1608は、挿入システム1600内の他のデバイスから命令、データ、および/またはトリガ命令もしくはトリガ信号を受け取るための1つまたは複数の通信ポート1614、たとえばネットワークデバイスのポートを含むことができる。たとえば、モーション制御コンピューティングデバイス1608は、通信ポート1614を使用して、シリンジ挿入プロセスの力プロファイルに基づいてトリガ生成コンピューティングデバイス1618によって生成されるトリガ命令またはトリガ信号を受け取ることができる。例示的なトリガ命令またはトリガ信号は、モーションジェネレータ1606を特定の方法で制御するようにモーション制御コンピューティングデバイス1608に指示することができ、この特定の方法には、始動、停止、加速、減速、所定の固定距離の移動、所定の固定期間の間の移動などがあるが、これらに限定されない。
モーション制御コンピューティングデバイス1608がモーションジェネレータ1606と別個に用意される例示的な実施形態では、通信ポート1614は、無線で、またはワイヤまたはもしくはケーブルを介して、モーション制御コンピューティングデバイス1608からモーションジェネレータ1606に命令、データ、および/またはトリガ命令もしくはトリガ信号を送信するために使用することができる。
例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイス1608を、モーションジェネレータ1606のモーションの態様を変更するためのトリガ命令またはトリガ信号に応じて、モーション制御コンピューティングデバイス1608がモーションジェネレータ1606のモーションの変更を即時に実施するようにプログラムしておくことができる。たとえば、モーションジェネレータ1606のモーションを停止するトリガ命令またはトリガ信号に応じて、モーション制御コンピューティングデバイス1608は、モーションジェネレータ1608のモーションを自動的かつ即時に停止することができる。
例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイス1608を、モーションジェネレータ1606のモーションの態様を変更するためのトリガ命令またはトリガ信号に応じて、モーション制御コンピューティングデバイス1608が、トリガ命令またはトリガ信号を受け取ってから、所定の固定された時間遅延した後またはシリンジが所定の固定された距離移動した後、モーションジェネレータ1606のモーションの変更を実施するようにプログラムしておくことができる。たとえば、モーションジェネレータ1606のモーションを停止するトリガ命令またはトリガ信号に応じて、トリガ命令またはトリガ信号を受け取ってからシリンジが所定の固定された距離または所定の固定された期間移動した後、モーション制御コンピューティングデバイス1608は、モーションジェネレータ1606のモーションを停止することができる。
例示的なモーション制御コンピューティングデバイス1608としては、Bosch Rexroth AGから入手可能な、タッチスクリーンを装備したRexroth IndraControl VCP25コンピュータシステムがありうるが、これらに限定されない。
図77は、例示的な実施形態においてモーションジェネレータ1606を制御するためにモーション制御コンピューティングデバイス1608として使用できる例示的なコンピューティングデバイスのブロック図を示す。この例示的なコンピューティングデバイスは、図77に関連して以下で説明される。
挿入システム1600は、シリンジ挿入プロセス中に近位キャップ内の摩擦点によって及ぼされる力および/または圧力をリアルタイムで検出および監視するための1つまたは複数の力および/または圧力センサ1616を含むことができる。例示的な実施形態では、力センサ1616は、力プロファイルを検出および監視するための圧電センサを用いる1つまたは複数の圧電型ロードセルを含む。例示的な実施形態では、圧電センサは、水晶振動子と、機械的な力または応力にさらされると電荷を生じる2つの鋼製リングとを含む。センサによって発生される電荷は、センサに加えられる機械的な力に正比例することができる。例示的な実施形態では、力センサ1616によって検出される力は、シリンジ挿入プロセス中に自動注入デバイスの近位キャップ内の摩擦点がシリンジおよび/または剛性針シールド上の異なる構造上の特徴の挿入に抵抗する摩擦力とすることができる。例示的な力センサ1616は、Kistler Groupによって製造される直接的圧電型ロードセルを含むことができるが、これに限定されない。
挿入システム1600は、シリンジ挿入プロセス中に及ぼされる力および/または圧力を測定するため、および力/圧力センサ1616からの出力に基づいてシリンジ挿入プロセス中のシリンジの変位を測定するために、力/圧力センサ1616に接続可能な1つまたは複数のトリガ生成コンピューティングデバイス1618を含むことができる。トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、1つまたは複数の機能を実行することができ、この機能としては、力/圧力センサ1616によって検出される力のリアルタイム測定、力/圧力センサ1616によって検出される圧力のリアルタイム測定、1つまたは複数のトリガ条件が力プロファイルによって満たされることのリアルタイム検出、1つまたは複数のトリガ条件が満たされるときのトリガ命令またはトリガ信号の生成、モーション制御コンピューティングデバイス1608への、モーションジェネレータ1606を制御するトリガ命令またはトリガ信号の送信などがあるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイス1618を、生成されたときにトリガ条件を満たす、力プロファイル内の1つまたは複数の特徴的な力特徴を認識するように、あらかじめプログラムしておくことができる。トリガ生成コンピューティングデバイス1618のプリプログラミングは、シリンジ挿入プロセスの前またはその間に使用者によって上書きまたは変更することができる。別の例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、あらかじめプログラムされなくてもよく、使用者は、生成されたときにシリンジ挿入プロセスの前またはその間にトリガ条件を満たす1つまたは複数の特徴的な力特徴を設定することができる。トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、使用者が1つまたは複数のトリガ条件の仕様を入力するまたは変えることを可能にするために、1つまたは複数の入力デバイス1620、たとえばタッチスクリーンディスプレイデバイス、キーボードなどを含むことができる。
トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、力センサ1616から命令および/またはデータを受け取るための1つまたは複数の通信ポート1624、たとえばネットワークデバイスの1つまたは複数のポートを含むことができる。トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、有線ネットワークまたは無線ネットワークによって力センサ1616に接続することができ、このネットワークとしては、TCP/IPプロトコルスイート、イーサネット(登録商標)、ならびに他のネットワーク形態およびプロトコルがあるが、これらに限定されない。トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、通信ポート1624を使用して、電気信号(たとえば、電圧信号)内で符号化されたデータおよび/または命令を力センサ1616から受け取ることができる。力センサ1616から受け取られるデータおよび/または命令は、関連付けられた力値をリアルタイムで測定および監視するため、およびシリンジ挿入プロセスの力プロファイルをトレースするために、トリガ生成コンピューティングデバイス1618によって使用することができる。トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、トリガ条件に関連付けられた1つまたは複数の特徴的な力特徴を検出するために力プロファイルを監視することができる。トリガ条件が満たされるもしくは検出されると、または何らかの他の条件が満たされるもしくは検出されると、トリガ生成コンピューティングデバイス1618はトリガ命令またはトリガ信号を生成することができる。トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、トリガ命令またはトリガ信号をモーション制御コンピューティングデバイス1608に送信してモーションジェネレータ1606のモーションの態様を制御するために、通信ポート1624を使用することができる。トリガ命令またはトリガ信号は、シリンジを自動注入デバイスのハウジング内で所望の深さまで挿入することを目的として、シリンジ挿入プロセス中にモーションジェネレータ1606のモーションを加速、減速、開始、停止、または別の方法で制御するために使用することができる。
トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、1つまたは複数のトリガ条件の仕様、トリガ条件の検出、またはシリンジ挿入プロセスに関連付けられた他の任意の情報を出力するために、1つまたは複数の出力デバイス1622、たとえばディスプレイデバイス、プリンタなどを含むことができる。例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、シリンジ挿入プロセスに関連付けられた未加工データ、たとえば生成される力ならびに関連付けられた挿入距離および時間を出力することができる。例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、シリンジ挿入プロセスに関連付けられた処理され書式設定されたデータ、たとえばシリンジ挿入プロセス中のリアルタイムでの力プロファイルグラフの表示、シリンジ挿入プロセスのその他の可視化などを判断および出力することができる。トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、シリンジ挿入プロセス中に力センサ1616から受け取られたリアルタイムデータまたは記憶デバイスに記憶された非リアルタイムデータを出力することができる。
トリガ生成コンピューティングデバイス1618は、シリンジ挿入プロセスが成功した(すなわち、シリンジが所望の深さまでハウジングに挿入された)かどうかまたはシリンジ挿入プロセスが成功しなかった(すなわち、シリンジがあまりにも遠いまたは十分遠くなくハウジングに挿入される)かどうかを示すために、シリンジ挿入プロセスが完了すると出力デバイス1622を使用することができる。出力デバイス1622上に提供される標識は他の情報も示すことができ、この情報としては、ハウジング内のシリンジの実際の挿入深さ、所望の挿入深さ、所望の挿入深さと実際の挿入深さの差、シリンジのタイプ、剛性針シールドのタイプ、自動注入ハウジングのタイプなどがあるが、これらに限定されない。この標識によって、使用者は、組み立てられた自動注入デバイスが患者による使用に適したかどうか、たとえばいつシリンジが所望の挿入深さまでぴったりまたはほぼ挿入されるかを判断することができる。また、標識によって、使用者は、組み立てられた自動注入デバイスは患者による使用の前に再調整される必要があるかどうか、または組み立てられたデバイスがスクラップにされるべきか、たとえばいつシリンジが所望の挿入深さよりかなり大きくまたはかなり小さく挿入深さまで挿入されるかを判断することができる。
例示的な実施形態では、入力デバイス1620と出力デバイス1622は1つの一体的なデバイスとして設けられてよく、したがって、使用者は、トリガ条件に結合された任意のパラメータを同じデバイス上で見て変えることができる。別の例示的な実施形態では、入力デバイス1620および出力デバイス1622は、別個のデバイスとして設けられてもよい。
例示的なトリガ生成コンピューティングデバイス1618は、Kistler Groupによって製造されるControlMonitor CoMo View(R)制御モニタを含むことができるが、これに限定されない。
図77は、例示的な実施形態においてトリガ生成コンピューティングデバイス1618として使用できる例示的なコンピューティングデバイスのブロック図を示す。この例示的なコンピューティングデバイスは、図77に関連して以下で説明される。
図30Aは例示的な挿入システム1600の概略図であり、図30Bは図30Aの例示的な挿入システム1600の斜視図である。挿入システム1600は、モーション制御コンピューティングデバイスとして、および/またはトリガ生成コンピューティングデバイスとして実行できる、1つまたは複数のコンピューティングデバイス1700を含むことができる。
挿入システム1600は、垂直軸Vに沿って垂直方向に自動注入デバイスのハウジング1604を支持するためのハウジングプラットフォーム1634と、シリンジのハウジングへの挿入中にハウジングプラットフォーム1634上で垂直方向にハウジング1604を解放可能に固着するためのワークピースホルダ1626とを含むことができる。例示的な実施形態では、ワークピースホルダ1626は、シリンジの自動注入デバイスのハウジング1604への挿入中に垂直軸Vに沿って垂直方向にシリンジを解放可能に固着するための解放可能なシリンジホルダ1628を含むことができる。シリンジホルダ1628は、挿入システム1600の垂直軸Vに対して略垂直に延在することができる。
挿入システム1600は、シリンジ挿入プロセスを実行するためのモーションを提供する1つまたは複数のモーションジェネレータ1606を含むことができる。例示的なモーションジェネレータ1606としては、垂直軸Vに沿って上向きまたは下向きの方向に機械的部材1630を駆動するサーボモータを含むことができるが、これに限定されない。モーションジェネレータ1606は、水平な機械的部材1630に直接的にまたは1つもしくは複数の他の機械的部材によって結合させることができる。機械的部材1630の末端部1642は、モーションジェネレータ1606のモーションによって垂直軸Vに沿って上向きおよび/または下向きに動かすことができる。
モーションジェネレータ1606は、駆動システム1636を介して機械的部材1630に結合可能とすることができる。いくつかの実施形態では、駆動システム1636は、ウォーム駆動として構成することができる。駆動システム1636は、フランジまたは他の結合部を介して機械的部材1630に結合させることができる。駆動システム1636は、垂直軸Vに沿って水平部材1630を案内するために、および垂直軸Vに対して水平方向または接線方向の水平部材1630の動きを防止するために、1つまたは複数の垂直案内部材1638、1640を含むことができる。例示的な実施形態では、駆動システム1636は、約1mm程度の、垂直軸Vに沿った機械的部材1630の末端部1642の大きな漸進的な動きを可能にする。例示的な実施形態では、駆動システムは、約0.1mm程度の、垂直軸Vに沿った機械的部材1630の末端部1642の小さな漸進的な動きを可能にする。
機械的部材1630の末端部1642は、末端部1642をプレスヘッド1617から離す離隔設置(distancing)部材1615に結合させることができる。プレスヘッド1617は、シリンジが自動注入デバイスのハウジングに挿入されるように、シリンジに向かって下向きに駆動することができる。シリンジ挿入プロセス中に生成される力および/または圧力を検出および測定するために、力および/または圧力センサ1616、たとえば1つまたは複数の圧電型ロードセルを設けることができる。図30Aに示される例示的な実施形態では、力センサ1616は、離隔設置部材1615とプレスヘッド1617の間に設けられる。力センサ1616は他の任意の適切な場所に設けてもよいことが当業者には理解されよう。
例示的な実施形態では、力センサ1616を備える機械的部材1630の末端部1642は、最初は、シリンジの遠位端から離隔され、シリンジの遠位端の上方に垂直方向に配設することができる。シリンジ挿入プロセス内の「アプローチ段階」中、機械的部材1630は、モーションジェネレータ1606によってプラットフォーム1632の方向に向かって垂直軸Vに沿って垂直方向下向きに駆動することができ、その結果、力センサ1616は、最初にシリンジの遠位端と接触し、その後でシリンジを垂直方向下向きに自動注入デバイスのハウジング1604内に駆動する。
上述のように、いくつかの例示的な実施形態では、機械的部材1630の末端部1642は、シリンジに向かって自動注入デバイスのハウジングを、および/または自動注入デバイスのハウジングに向かってシリンジを駆動するために、ワークピースホルダ1626および/またはシリンジホルダ1628に結合させることができる。これらの例示的な実施形態では、力センサ1616は、静止したままであってよいが、シリンジの遠位端および/またはハウジングと接触して、自動注入デバイスのハウジングがシリンジに向かって駆動されるときにシリンジ挿入プロセス中に及ぼされる力および/または圧力を記録してもよい。
他の例示的な実施形態では、モーションジェネレータ1606は、シリンジホルダ1628によって保持されるシリンジをワークピースホルダ1626によって保持されるハウジング1604内へ駆動するために互いに向かって動くように力センサ1616とワークピースホルダ1626の両方を駆動することができる。
図31は、自動注入デバイスのハウジングにシリンジを挿入するための例示的な方法1900を示す流れ図である。ステップ1902では、自動注入デバイスのシリンジおよびハウジングを、挿入システム内に用意することができる。例示的な実施形態では、ハウジングは、挿入システムのワークピースホルダ内に用意されてもよい。例示的な実施形態では、挿入システムの機械的部材は、シリンジをハウジング内へ駆動するために、上向きまたは下向きに動かすことができる。機械的部材の末端部は、力および/または圧力センサを備えることができる。例示的な実施形態では、機械的部材の末端部は、最初は、シリンジの遠位端から離隔させることができる。
ステップ1904では、シリンジ挿入プロセスの「アプローチフェーズ」において、取り付けられた力センサを有する機械的部材がシリンジの遠位端に向かって動かされる。例示的な実施形態では、機械的部材のアプローチ速度は、実質的に一定とすることができる。別の例示的な実施形態では、機械的部材のアプローチ速度は、アプローチフェーズ中に可変とすることができる。例示的なアプローチ速度は、約30,000mm/分から約35,000mm/分の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的な実施形態では、例示的なアプローチ速度は約33,000mm/分とすることができる。アプローチフェーズにおける例示的な加速度または減速度は、約5,000mm/s2から約10,000mm/s2の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的な実施形態では、例示的な加速度/減速度は約7,000mm/s2である。
ステップ1906では、力センサがシリンジの遠位端と接触すると、アプローチフェーズが休止される。例示的な実施形態では、力センサは、その接触を力の増加または力の初期検出に基づいて検出することができる。この場合、力センサによって検出される力は、モーションのアプローチフェーズを終えるようにモーションジェネレータをトリガするために使用することができる。力センサが最初はシリンジの遠位端から所定の距離だけ離隔される別の例示的な実施形態では、モーションジェネレータをトリガし、機械的部材が所定の距離移動した後でモーションのアプローチフェーズを終えることができる。機械的部材が、所定の距離に対応する時間間隔(持続時間は、アプローチフェーズの平均速度によって割られる所定の距離に等しい)の間移動すると、別の例示的な実施形態では、モーションジェネレータをトリガし、モーションのアプローチフェーズを終えることができる。
ステップ1908では、シリンジ挿入プロセスの「挿入フェーズ」において、力センサの先端は、モーションジェネレータと共にシリンジを自動注入デバイスのハウジング内へ駆動する。機械的部材と次いで力センサのいくつかの例示的なアプローチ速度は、約3,500mm/分から約10,000mm/分の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。他の例示的なアプローチ速度は、約5,000mm/分から約7,500mm/分の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。シリンジが所望の挿入深さで停止されるように、挿入フェーズ中にトリガ条件が検出されたときにモーションジェネレータをより正確に停止することを可能にするために、例示的な挿入速度は、例示的なアプローチ速度より小さくてもよい。機械的部材と次いで力センサの例示的な加速速度/減速速度は、挿入フェーズにおいて、約75,000mm/s2から約85,000mm/s2の範囲であるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的な加速度/減速度は約80,000mm/s2である。例示的な挿入加速度/減速度は、トリガ条件が挿入フェーズ中に検出されたときにモーションジェネレータの高速または即時の停止を可能にするために、例示的なアプローチ加速度/減速度より大きくてもよい。例示的な実施形態では、機械的部材と次いで力センサは、モーションのアプローチフェーズにおけるより高い速度から挿入フェーズにおけるより低い速度に、停止することなくスムーズに減速する。
ステップ1910では、休止トリガ条件が満たされたとき、たとえば、休止トリガ条件を構成する所定のトリガ力および所定のトリガヒステリシスがシリンジ挿入プロセス中にシリンジの挿入深さの所望の範囲内で検出されたとき、挿入フェーズは終わらせられる。トリガ力の値、トリガヒステリシスの値、および挿入深さの範囲は、シリンジが所望の挿入深さに近いまたはぴったりもしくはほぼ所望の挿入深さであることをトリガ条件の検出が示すように、シリンジおよび自動注入デバイスのタイプの特徴的力プロファイルに基づいて選択される。
例示的な実施形態では、ステップ1912において、シリンジがぴったりまたはほぼ所望の挿入深さであることを示す休止トリガ条件が満たされる場合、モーションジェネレータをトリガし、機械的部材のさらなる動きを即座に停止することができる。この場合、シリンジは、動くのを即時に停止してもよいし、モーションジェネレータに到達または作用するトリガ命令またはトリガ信号の遅延により、短い距離、たとえば約0.1から約0.3mm、さらに動いてもよい。
別の例示的な実施形態では、ステップ1914において、シリンジは所望の挿入深さに近いが所望の挿入深さではないことを示す休止トリガ条件が満たされる場合、モーションジェネレータは、トリガ条件が満たされた後にさらなる所定の距離、たとえば約1mmから約5mm機械的部材を引き続き動かすことができる。これによって、シリンジは、ほぼ所望の挿入深さになるまで、ハウジング内へ引き続き動くことができる。所定の距離は、使用されるシリンジおよびハウジングのタイプの特徴的力プロファイルに基づいて決定することができる。たとえば、特徴的力プロファイルでは、シリンジが所望の挿入深さから所定の距離だけ離隔されると、トリガ条件が満たされうる。この場合、トリガ条件が満たされた後、モーションジェネレータは、機械的部材を所定の距離動かすように動作させることができる。ステップ1916では、シリンジがハウジング内で所望の挿入深さまで動かされた後、モーションジェネレータのモーションは停止され、シリンジ挿入プロセスは完了する。
ステップ1918では、シリンジ挿入プロセスが完了すると、標識が、シリンジ挿入プロセスが成功した(すなわち、シリンジが所望の深さまでハウジングに挿入された)かどうかまたはシリンジ挿入プロセスが成功しなかった(すなわち、シリンジがあまりにも遠いまたは十分遠くなくハウジングに挿入される)かどうかに関して、出力デバイス、たとえばディスプレイデバイス上で使用者に提供することができる。標識は他の情報も示すことができ、この情報としては、ハウジング内へのシリンジの実際の挿入深さ、所望の挿入深さ、所望の挿入深さと実際の挿入深さの差、シリンジのタイプ、剛性針シールドのタイプ、自動注入ハウジングのタイプなどがあるが、これらに限定されない。これらの標識によって、使用者は、組み立てられた自動注入デバイスが患者による使用に適したかどうか、たとえばいつシリンジが所望の挿入深さまでぴったりまたはほぼ挿入されるかを判断することができる。また、これらの標識によって、使用者は、組み立てられた自動注入デバイスは患者による使用の前に再調整される必要があるかどうか、または組み立てられたデバイスがスクラップにされるべきか、たとえばいつシリンジが所望の挿入深さより大きくまたは小さく挿入深さまで挿入されるかを判断することができる。
図32および33は、図31に示される例示的な方法1900に対応するシリンジ挿入方法を示し、このシリンジ挿入方法では、トリガ条件は、トリガ条件の検出がシリンジはぴったりもしくはほぼ所望の挿入深さにあるまたは所望の挿入深さから特定の距離離れていることを示すように選択される。
図32は、ユーザインターフェースおよび自動注入デバイスのハウジングへのそれの挿入中に生成される約25mmの例示的な長さを有する剛性針シールドの特徴的力プロファイル2000を示すグラフを示す。グラフのy軸は、剛性針シールド上またはその中にある異なる構造上または装飾上の特徴が自動注入デバイスの近位キャップ内の摩擦点を通過するとき例示的な力センサによって検出される摩擦力(N単位)を表す。グラフのx軸は、剛性針シールドの近位端が摩擦点を越えて近位キャップの近位端に向かって挿入される距離(mm単位)を表す。
剛性針シールド上の第1の特徴が近位キャップ内の摩擦点を通過するとき、第1の特徴的ピーク2002、たとえば約24Nが発生する。第1の特徴的ピークは、約10mmから約15mmの間のx軸範囲内で発生する。第2の特徴的ピーク2004、たとえば約23Nは、その後の、シールド上の第2の特徴が近位キャップ内の摩擦点を通過する時刻に発生する。第2の特徴的ピークは、約18mmから約19mmの間のx軸範囲内で発生する。第3の特徴的ピーク2006、たとえば約24Nは、その後の、剛性針シールドの遠位端が近位キャップ内の摩擦点を通過する時刻に発生する。第3の特徴的ピークは、約22mmから約25mmの間のx軸範囲内で発生する。
図33は、自動注入デバイスのハウジングにシリンジを駆動するモーションジェネレータに関連するユーザインターフェース2100を示す。ユーザインターフェース2100は休止トリガ条件の仕様を表示し、使用者が休止トリガ条件の仕様を入力することを可能にする。例示的な休止トリガ条件の仕様には、トリガ力2102、トリガヒステリシス2104、ならびにトリガ力およびトリガヒステリシスが検出または測定されるx軸範囲2106の値を指定することができる。この例示的な実施形態では、第2の特徴的ピーク2004の上方への傾斜部分がその特徴的x軸範囲内に出現することは、シリンジがぴったりもしくはほぼ所望の挿入深さにあるまたは所望の挿入深さから特定の距離離れていることを示すためにトリガ条件として使用される。
例示的な実施形態では、トリガ力は、第2の特徴的ピークの上方への傾斜に出現する力値、たとえば約21Nであるように設定される。トリガヒステリシスは、これより低い力値、たとえば約10Nに設定される。トリガ力およびトリガヒステリシスが検出または測定されるx軸範囲は、約18mmから約25mmの間であるように設定される。このアプローチ2108は「下方から」であると示され、これは、18mmから約25mmの間のx軸範囲内で約11Nから約21Nに力が上昇する場合にトリガ条件が満たされることを示す。
図32および33に示される例示的な実施形態では、挿入フェーズ中に、力が約18mmから約25mmの間のx軸範囲内で約11N(トリガ力値−トリガヒステリシス値)から約21N(トリガ力値)に上昇したとき、トリガ条件が検出される。この力特徴的は、近位キャップ内の摩擦点を通過する第2の特徴に関連付けられた第2の特徴的ピーク2004の一部分に対応する。
例示的な実施形態では、所望の組み立てられたデバイスにおいて、剛性針シールドの第2の特徴は、近位キャップ内の摩擦点に着座する。この例示的な実施形態では、トリガ条件としての第2の特徴的ピーク2004のすべてまたは一部分の検出は、シリンジがぴったりまたはほぼ所望の挿入深さにあることを示すことができる。この例示的な実施形態では、トリガ条件が検出されると、モーションジェネレータは即時に停止させることができ、シリンジ挿入プロセスは完了する。しかし、例示的な実施形態では、トリガ命令の生成とモーションジェネレータの停止との間の遅延により、シリンジは、短い距離、たとえば約0.1から約0.5mm、ハウジング内へさらに引き続き動くことができる。
別の例示的な実施形態では、所望の組み立てられたデバイスにおいて、剛性針シールドの第2の特徴は、摩擦点から近位キャップの近位端に向かってさらに内側に着座する。この例示的な実施形態では、トリガ条件としての第2の特徴的ピーク2004のすべてまたは一部分の検出は、シリンジが所望の挿入深さから特定の距離離れていることを示すことができる。この例示的な実施形態では、トリガ条件が検出されると、モーションジェネレータは、特定の距離または特定の期間(挿入速度に応じて)シリンジを自動注入デバイスのハウジング内へ引き続き動かすことができる。この距離は、剛性針シールドの第2の特徴がその最終的な所望の場所に到達するために近位キャップ内の摩擦点を越えて移動しなければならない、さらに遠い距離とすることができる。例示的な距離は約1mmから約10mmの範囲とすることができるが、この例示的な実施形態に限定されない。その後、モーションジェネレータが停止され、シリンジ挿入プロセスは完了する。
図34および35は、図31に示される例示的な方法1900に対応するシリンジ挿入方法を示し、このシリンジ挿入方法では、トリガ力の値、トリガヒステリシスの値、および挿入深さの範囲は、トリガ力およびトリガヒステリシスの検出はシリンジがぴったりもしくはほぼ所望の挿入深さにあるまたは所望の挿入深さから特定の距離離れていることを示すように選択される。
図34は、ユーザインターフェースおよび自動注入デバイスのハウジングへのそれの挿入中に生成される約26mmの例示的な長さを有する剛性針シールドの特徴的な力プロファイル2200を示すグラフを示す。グラフのy軸は、剛性針シールド上の異なる構造上の特徴が近位キャップ内の摩擦点を通過するとき力センサによって検出される力(N単位)を表す。グラフのx軸は、剛性針シールドの近位端が近位キャップ内の摩擦点を越えて挿入される距離(mm単位)を表す。
剛性針シールド上の第1の特徴が近位キャップ内の摩擦点を通過するとき、第1の特徴的ピーク2202、たとえば約23Nが発生する。第1の特徴的ピークは、約12mmから約14mmの間のx軸範囲内で発生する。第2の特徴的ピーク2204、たとえば約20Nは、その後の、剛性針シールド上の第2の特徴が近位キャップ内の摩擦点を通過する時刻に発生する。第2の特徴的ピークは、約18mmから約20mmの間のx軸範囲内で発生する。第3の特徴的ピーク2206、たとえば約24Nは、その後の、剛性針シールドの遠位端が近位キャップ内の摩擦点を通過する時刻に発生する。第3の特徴的ピークは、約20mmから約23mmの間のx軸範囲内で発生する。第4の特徴的ピーク2208、たとえば約30N超は、その後の、シリンジ本体の近位端を近位キャップ内の摩擦点通過し始める時刻に発生する。第4の特徴的ピークは、約25mmから約30mmの間のx軸範囲内で発生する。
図35は、自動注入デバイスのハウジングにシリンジを駆動するモーションジェネレータに関連するユーザインターフェース2300を示す。ユーザインターフェース2300はトリガ条件の仕様を表示し、トリガ条件の仕様を入力するために使用することができる。例示的なトリガ条件の仕様には、トリガ力2302、トリガヒステリシス2304、ならびにトリガが検出されるx軸範囲2306の値を指定することができる。この例示的な実施形態では、第3の特徴的ピークの上向きの傾斜部分がその特徴的なx軸範囲内に出現することは、シリンジがぴったりまたはほぼ所望の挿入深さにあるまたは所望の挿入深さから特定の距離離れていることを示すためにトリガ条件として使用される。
例示的な実施形態では、トリガ力は、第3の特徴的ピークの上方への傾斜に出現する力値、たとえば約15Nであるように設定される。トリガヒステリシスは、これより低い力値、たとえば約1Nに設定される。トリガ力およびトリガヒステリシスが検出されるx軸範囲は、約20mmから約23mmの間であるように設定される。この手法2308は「下方から(from below)」であると示され、これは、20mmから約23mmの間のx軸範囲内で約14Nから約15Nに力が増加する場合にトリガ条件が満たされることを示す。
図34および35に示される例示的な実施形態では、挿入フェーズ中に、力が約20mmから約23mmの間のx軸範囲内で約14N(トリガ力値−トリガヒステリシス値)から約15N(トリガ力値)に上昇したとき、トリガ条件が検出される。トリガ条件の検出は、近位キャップ内の摩擦点を通過する剛性針シールドの遠位端に対応する。
例示的な実施形態では、所望の組み立てられたデバイスにおいて、剛性針シールドの遠位端は、近位キャップ内の摩擦点に着座する。この例示的な実施形態では、トリガ条件としての第3の特徴的ピーク2006のすべてまたは一部分の検出は、シリンジがぴったりまたはほぼ所望の挿入深さにあることを示すことができる。この例示的な実施形態では、トリガ条件が検出されると、モーションジェネレータは即時に停止させることができ、シリンジ挿入プロセスは完了する。しかし、例示的な実施形態では、トリガ命令の生成とモーションジェネレータの停止との間の遅延により、シリンジは、短い距離、たとえば約0.1から約0.5mm、ハウジング内へさらに引き続き動くことができる。
別の例示的な実施形態では、所望の組み立てられたデバイスにおいて、剛性針シールドの遠位端は、摩擦点から近位キャップの近位端に向かってさらに内側に着座する。この例示的な実施形態では、トリガ条件としての第3の特徴的ピーク2006のすべてまたは一部分の検出は、シリンジが所望の挿入深さから特定の距離離れていることを示すことができる。この例示的な実施形態では、トリガ条件が検出されると、モーションジェネレータは、特定の距離または特定の期間(挿入速度に応じて)シリンジを自動注入デバイスのハウジング内へ引き続き動かすことができる。この距離は、剛性針シールドの遠位端が近位キャップ内の摩擦点を越えて移動してその最終的な所望の場所に到達しなければならない、さらに遠い距離とすることができる。例示的な距離は約1mmから約10mmの範囲とすることができるが、この例示的な実施形態に限定されない。その後、モーションジェネレータが停止され、シリンジ挿入プロセスは完了する。
図36は、自動注入デバイスのハウジングにシリンジを挿入するための例示的な方法2400を示す流れ図である。ステップ2402では、自動注入デバイスのシリンジおよびハウジングを、挿入システム内に用意することができる。例示的な実施形態では、ハウジングは、挿入システムのワークピースホルダ内に用意されてもよい。例示的な実施形態では、挿入システムの機械的部材の末端部は、シリンジをハウジング内に駆動するために、上向きまたは下向きに動かすことができる。機械的部材の末端部は、力および/または圧力センサを備えることができる。例示的な実施形態では、力センサを備える機械的部材の末端部は、最初は、シリンジの遠位端から離隔させることができる。
ステップ2404では、シリンジ挿入プロセスの「アプローチフェーズ」において力センサを備える機械的部材がシリンジの遠位端に向かって動かされる。例示的な実施形態では、機械的部材のアプローチ速度は、アプローチフェーズ中は実質的に一定とすることができる。別の例示的な実施形態では、アプローチ速度は、アプローチフェーズ中は可変とすることができる。モーションジェネレータの例示的なアプローチ速度は、約30,000mm/分から約35,000mm/分の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的なアプローチ速度は約33,000mm/分である。アプローチフェーズにおけるモーションジェネレータの例示的な加速度または減速度は、約5,000mm/s2から約10,000mm/s2の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的な加速度/減速度は約7,000mm/s2である。
ステップ2406では、力センサがシリンジの遠位端と接触すると、アプローチフェーズは終わらせられる。例示的な実施形態では、力センサは、その接触を力の増加または力の検出に基づいて検出することができる。この場合、力センサによって検出される力は、モーションのアプローチフェーズを終えるようにモーションジェネレータをトリガするために使用することができる。機械的部材が最初はシリンジの遠位端から所定の距離だけ離隔される別の例示的な実施形態では、モーションジェネレータをトリガし、機械的部材が所定の距離移動した後でモーションのアプローチフェーズを終えることができる。機械的部材が、所定の距離に対応する時間間隔(持続時間は、アプローチフェーズの平均速度によって割られる所定の距離に等しい)の間移動すると、別の例示的な実施形態では、モーションジェネレータをトリガし、モーションのアプローチフェーズを終えることができる。
例示的な方法2400は、「挿入フェーズ」は前半の「高速挿入フェーズ」と後半の「低速挿入フェーズ」に分割することができ、したがって、トリガ条件は後半の低速挿入フェーズ中に検出される。これによって、低速挿入フェーズ中にモーションジェネレータをより遅い速度で動作させることによってモーションジェネレータを停止するのに必要とされる距離が減少し、したがって、停止距離がより正確になる。これにより、例示的な実施形態では、より小さなトリガ力が第3の特徴的ピークの端の近くで使用されることが可能になり、これはシリンジ挿入プロセスが完了に近いことを示す。シリンジの遠位端で生成されるこのトリガ力の選択によって、剛性針シールドの長さを変化させることによって引き起こされうる挿入深さのばらつきが低下する。たとえば、トリガ条件が第2の特徴的ピークであるように選択された場合、これは、剛性針シールドの長さのばらつきにより、挿入深さのばらつきを潜在的にもたらす可能性がある。
ステップ2408では、シリンジ挿入プロセスの前半の高速挿入フェーズにおいて、機械的部材に結合された力センサは、シリンジを自動注入デバイスのハウジング内へ駆動する。モーションジェネレータの例示的な高速挿入速度は、約5,000mm/分から約10,000mm/分の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的な高速挿入速度は約7,000mm/分である。トリガ条件が検出されたときにモーションジェネレータをより正確に停止することを可能にするために、例示的な高速挿入速度は例示的なアプローチ速度より小さくてもよく、これによって、シリンジは確実に所望の挿入深さで停止される。高速挿入フェーズにおけるモーションジェネレータの例示的な加速速度/減速速度は、約10,000mm/s2から約50,000mm/s2の範囲であるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的な加速度/減速度は約30,000mm/s2である。例示的な高速挿入加速度/減速度は、トリガ条件が検出されたときにモーションジェネレータの高速または即時の停止を可能にするために、例示的なアプローチ加速度/減速度より大きくてもよい。例示的な実施形態では、モーションジェネレータは、モーションのアプローチフェーズにおけるより高い速度から前半の高速挿入フェーズにおけるより低い速度に、停止することなくスムーズに減速することができる。
ステップ2410では、モーションジェネレータがハウジング内部でシリンジを特定の距離動かした後で、高速挿入フェーズが終わらせられる。この距離は、シリンジが所望の挿入深さに到達するためにハウジング内で動かされなければならない合計距離より短くなるように選択することができる。この距離は約5mmから約20mmの範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的な実施形態では、この距離は約15mmである。
ステップ2412では、シリンジ挿入プロセスの後半の低速挿入フェーズにおいて、機械的部材に結合された力センサは、シリンジを自動注入デバイスのハウジング内へ駆動する。モーションジェネレータの例示的な低速挿入速度は、約500mm/分から約1,500mm/分の範囲とすることができるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的な低速挿入速度は約1,000mm/分である。トリガ条件が検出されたときにモーションジェネレータをより正確に停止することを可能にするために、例示的な低速挿入速度は例示的な高速挿入速度より小さくてもよく、これによって、シリンジは確実に所望の挿入深さで停止される。低速挿入フェーズにおけるモーションジェネレータの例示的な加速速度/減速速度は、約60,000mm/s2から約100,000mm/s2の範囲であるが、この例示的な範囲に限定されない。例示的な加速度/減速度は約80,000mm/s2である。例示的な低速挿入加速度/減速度は、トリガ条件が検出されたときにモーションジェネレータの高速または即時の停止を可能にするために、例示的な高速挿入加速度/減速度より大きくてもよい。例示的な実施形態では、モーションジェネレータは、モーションの高速挿入フェーズにおけるより高い速度から低速挿入フェーズにおけるより低い速度に、停止することなくスムーズに減速することができる。
ステップ2414では、トリガ条件を構成する所定のトリガ力および所定のトリガヒステリシスがシリンジの挿入深さの所望の範囲内で検出または測定されたとき、低速挿入フェーズが終わらせられる。トリガ力の値、トリガヒステリシスの値、および挿入深さの範囲は、シリンジが所望の挿入深さに近いまたはぴったりもしくはほぼ所望の挿入深さであることをトリガ条件の検出が示すように選択される。
例示的な実施形態では、ステップ2416において、シリンジがぴったりまたはほぼ所望の挿入深さであるとき、トリガ条件が生成される場合、モーションジェネレータは、動きを即時に停止するようにトリガされる。この場合、シリンジは、動くのを即時に停止してもよいし、モーションジェネレータに到達または作用するトリガ命令またはトリガ信号の遅延により、トリガ条件を満たした後に短い距離、たとえば約0.1から約0.3mmさらに動いてもよい。
別の例示的な実施形態では、ステップ2418において、シリンジが所望の挿入深さに近いが所望の挿入深さではないとき、トリガ条件が生成される場合、モーションジェネレータは、トリガ条件が満たされた後ですら、さらなる所定の距離、たとえば約1mmから約10mm、シリンジをハウジング内へ引き続き動かすことができる。これによって、シリンジは、ほぼ所望の挿入深さになるまで引き続き動くことができる。所定の距離は、使用されるシリンジおよびハウジングのタイプの特徴的力プロファイルに基づいて決定することができる。たとえば、特徴的力プロファイルでは、シリンジが所望の挿入深さから所定の距離だけ離隔されると、トリガを生成することができる。この場合、トリガ条件が満たされた後、シリンジがハウジング内へさらなる所定の距離を移動するまで、モーションジェネレータを動作させることができる。ステップ2420では、モーションジェネレータのモーションが停止され、シリンジ挿入プロセスは完了する。
ステップ2422では、シリンジ挿入プロセスが完了すると、標識が、シリンジ挿入プロセスが成功した(すなわち、シリンジが所望の深さまでハウジングに挿入された)かどうかまたはシリンジ挿入プロセスが成功しなかった(すなわち、シリンジがあまりにも遠いまたは十分遠くなくハウジングに挿入される)かどうかに関して、出力デバイス、たとえばディスプレイデバイス上で提供することができる。標識は他の情報も示すことができ、この情報としては、ハウジングへのシリンジの実際の挿入深さ、所望の挿入深さ、所望の挿入深さと実際の挿入深さの差、シリンジのタイプ、剛性針シールドのタイプ、自動注入ハウジングのタイプなどがあるが、これらに限定されない。これらの標識によって、使用者は、組み立てられた自動注入デバイスが患者による使用に適したかどうか、たとえばいつシリンジが所望の挿入深さまでぴったりまたはほぼ挿入されるかを判断することができる。また、これらの標識によって、使用者は、組み立てられた自動注入デバイスは患者による使用の前に再調整される必要があるかどうか、または組み立てられたデバイスがスクラップにされるべきか、たとえばいつシリンジが所望の挿入深さより大きくまたは小さく挿入深さまで挿入されるかを判断することができる。
図37および38は、図36に示される例示的な方法2400に対応する例示的なシリンジ挿入力プロファイルを示し、トリガ条件は、トリガ条件の検出がシリンジはぴったりまたはほぼ所望の挿入深さにあるまたは所望の挿入深さから特定の距離離れていることを示すように選択される。
図37は、ユーザインターフェースおよび自動注入デバイスのハウジングへのそれの挿入中の約25mmの例示的な長さを有する剛性針シールドの特徴的な力プロファイル2500を示すグラフを示す。グラフのy軸は、剛性針シールド上の異なる構造上の特徴が近位キャップ内の摩擦点を通過するとき力センサによって検出される力(N単位)を表す。グラフのx軸は、剛性針シールドの近位端が摩擦点を越えて近位キャップの近位端に向かって挿入される距離(mm単位)を表す。
剛性針シールド上の第1の特徴が近位キャップ内の摩擦点を通過するとき、第1の特徴的ピーク2502、たとえば約17Nが発生する。第1の特徴的ピークは、約11mmから約14mmの間のx軸範囲内で発生する。第2の特徴的ピーク2504、たとえば約22Nは、その後の、剛性針シールド上の第2の特徴が近位キャップ内の摩擦点を通過する時刻に発生する。第2の特徴的ピークは、約18mmから約20mmの間のx軸範囲内で発生する。第3の特徴的ピーク2506、たとえば約26Nは、その後の、剛性針シールドの遠位端が近位キャップ内の摩擦点を通過する時刻に発生する。第3の特徴的ピークは、約21mmから約25mmの間のx軸範囲内で発生する。
図38は、自動注入デバイスのハウジングにシリンジを駆動するモーションジェネレータに関連するユーザインターフェース2600を示す。ユーザインターフェース2600はトリガ条件の仕様を表示し、使用者が休止トリガ条件の仕様を入力することを可能にする。例示的なトリガ条件の仕様には、トリガ力2602、トリガヒステリシス2604、ならびにトリガ力およびトリガヒステリシスが検出されるx軸範囲2606の、入力された値を指定することができる。この例示的な実施形態では、第3の特徴的ピーク2506の後半の下向きの傾斜部分がその特徴的なx軸範囲内に出現することは、シリンジがぴったりまたはほぼ所望の挿入深さにあるまたは所望の挿入深さから特定の距離離れていることを示すためにトリガ条件として使用される。
例示的な実施形態では、トリガ力2602は、第3の特徴的ピーク2506の最終の下向きの傾斜に出現するより小さな力値、たとえば約1Nであるように設定され、トリガヒステリシス2604は約1Nであるように設定される。トリガが検出されるx軸範囲2606は、約21mmから約25mmの間であるように設定される。この手法2608は「上方から」であると示され、これは、21mmから約25mmの間のx軸上の範囲内で約2Nから約1Nに力が低下する場合にトリガ条件が満たされることを示す。
図37および38に示される例示的な実施形態では、低速挿入フェーズ中に、力が約21mmから約25mmの間のx軸範囲内で約2N(トリガヒステリシス値−トリガ力値)から約1N(トリガ力値)に低下したとき、トリガ条件が検出される。トリガ条件の検出は、近位キャップ内の摩擦点を通過する剛性針シールドの遠位端に対応する。
例示的な実施形態では、所望の組み立てられたデバイスにおいて、剛性針シールドの遠位端は、近位キャップ内の摩擦点に着座する。この例示的な実施形態では、トリガ条件としての第3の特徴的ピーク2506のすべてまたは一部分の検出は、シリンジがぴったりまたはほぼ所望の挿入深さにあることを示すことができる。この例示的な実施形態では、トリガ条件が検出されると、モーションジェネレータは即時に停止させることができ、シリンジ挿入プロセスは完了する。しかし、例示的な実施形態では、トリガ命令の生成とモーションジェネレータの停止との間の遅延により、シリンジは、短い距離、たとえば約0.1から約0.5mm、ハウジング内へさらに引き続き動くことができる。
別の例示的な実施形態では、所望の組み立てられたデバイスにおいて、剛性針シールドの遠位端は、摩擦点から近位キャップの近位端に向かってさらに内側に着座する。この例示的な実施形態では、トリガ条件としての第3の特徴的ピーク2506のすべてまたは一部分の検出は、シリンジが所望の挿入深さから特定の距離離れていることを示すことができる。この例示的な実施形態では、トリガ条件が検出されると、モーションジェネレータは、特定の距離または特定の期間(挿入速度に応じて)シリンジを自動注入デバイスのハウジング内へ引き続き動かすことができる。この距離は、剛性針シールドの遠位端がその最終的な所望の場所に到達するために近位キャップ内の狭窄部を越えて移動しなければならない、さらに遠い距離とすることができる。例示的な距離は約1mmから約10mmの範囲とすることができるが、この例示的な実施形態に限定されない。その後、モーションジェネレータが停止され、シリンジ挿入プロセスは完了する。
VI.例示的なコンピューティングデバイス
例示的な実施形態では、組立てプロセス中にモーションジェネレータのための1つまたは複数の制御パラメータを制御するためのモーション制御コンピューティングデバイスを含むことができる。例示的なモーション制御コンピューティングデバイスは、使用者が、モーションジェネレータを制御するための1つまたは複数の制御パラメータを入力するまたは変えることを可能にするために、1つまたは複数の入力デバイス、たとえばタッチスクリーンディスプレイデバイス、キーボードなどを含むことができる。モーション制御コンピューティングデバイスは、モーションジェネレータの1つまたは複数の制御パラメータ値または組立てプロセスに関連付けられた他の任意の情報を出力するために、1つまたは複数の出力デバイス、たとえばディスプレイデバイス、プリンタなどを含むことができる。例示的な実施形態では、入力デバイスおよび出力デバイスは、1つの一体的なデバイスとして設けられてよく、したがって、使用者は、モーションジェネレータに関連付けられた任意のパラメータを同じデバイス上で見て変えることができる。別の例示的な実施形態では、入力デバイスおよび出力デバイスは、別個のデバイスとして設けられてもよい。
モーション制御コンピューティングデバイスは、組立てシステム内の他のデバイスから命令、データ、および/またはトリガ命令またはトリガ信号を受け取るための1つまたは複数の通信ポート、たとえばネットワークデバイスのポートを含むことができる。たとえば、モーション制御コンピューティングデバイスは、通信ポートを使用して、組立てプロセス中に生成される力プロファイルに基づいてトリガ生成コンピューティングデバイスによって生成されるトリガ命令またはトリガ信号を受け取ることができる。例示的なトリガ命令またはトリガ信号は、モーションジェネレータを特定の方法で制御するようにモーション制御コンピューティングデバイスに指示することができ、この特定の方法には、始動、停止、加速、減速、所定の固定距離の移動、所定の固定期間の間の移動などがあるが、これらに限定されない。
モーション制御コンピューティングデバイスがモーションジェネレータと別個に用意される例示的な実施形態では、通信ポートは、無線で、またはワイヤまたはもしくはケーブルを介して、モーション制御コンピューティングデバイスからモーションジェネレータに命令、データ、および/またはトリガ命令もしくはトリガ信号を送信するために使用することができる。
例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスを、モーションジェネレータのモーションの態様を変更するためのトリガ命令またはトリガ信号に応じて、モーション制御コンピューティングデバイスがモーションジェネレータのモーションの変更を即座に実施するようにプログラムしておくことができる。たとえば、モーションジェネレータのモーションを停止するトリガ命令またはトリガ信号に応じて、モーション制御コンピューティングデバイスは、モーションジェネレータのモーションを自動的かつ即座に停止することができる。例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスを、モーションジェネレータのモーションの態様を変更するためのトリガ命令またはトリガ信号に応じて、モーション制御コンピューティングデバイスが、トリガ命令またはトリガ信号を受け取ってから、所定の固定された時間遅延した後またはプレスヘッドが所定の固定された距離移動した後、モーションジェネレータのモーションの変更を実施するようにプログラムしておくことができる。たとえば、モーションジェネレータのモーションを停止するトリガ命令またはトリガ信号に応じて、モーション制御コンピューティングデバイスは、トリガ命令またはトリガ信号を受け取ってからプレスヘッドが所定の固定された距離または所定の固定された期間を移動した後、モーションジェネレータのモーションを自動的かつ停止することができる。
例示的なモーション制御コンピューティングデバイスとしては、Bosch Rexroth AGから入手可能な、タッチスクリーンを装備したRexroth IndraControl VCP25コンピュータシステムがありうるが、これらに限定されない。
例示的な実施形態は、組立てプロセス中に及ぼされる力および/または圧力を測定するため、ならびに力/圧力センサからの出力に基づいて組立てプロセス中にプレスヘッドの変位を測定するための、トリガ生成コンピューティングデバイスを提供することができる。このトリガ生成コンピューティングデバイスは、使用者が1つまたは複数のトリガ条件の仕様を入力するまたは変えることを可能にするために、1つまたは複数の入力デバイス、たとえばタッチスクリーンディスプレイデバイス、キーボードなどを含むことができる。トリガ生成コンピューティングデバイスは、力センサから命令および/またはデータを受け取るための1つまたは複数の通信ポート、たとえばネットワークデバイスの1つまたは複数のポートを含むことができる。トリガ生成コンピューティングデバイスは、有線ネットワークまたは無線ネットワークによって力センサに接続することができ、このネットワークとしては、TCP/IPプロトコルスイート、イーサネット、ならびに他のネットワーク形態およびプロトコルがあるが、これらに限定されない。トリガ生成コンピューティングデバイスは、通信ポートを使用して、電気信号(たとえば、電圧信号)内で符号化されたデータおよび/または命令を力センサから受け取ることができる。
力センサから受け取られるデータおよび/または命令は、関連付けられた力値をリアルタイムで測定および監視するため、および組立てプロセスの力プロファイルをトレースするために、トリガ生成コンピューティングデバイスによって使用することができる。トリガ生成コンピューティングデバイスは、トリガ条件に関連付けられた1つまたは複数の特徴的な力特徴を検出するために力プロファイルを監視することができる。トリガ条件が満たされるもしくは検出されると、または何らかの他の条件が満たされるもしくは検出されると、トリガ生成コンピューティングデバイスはトリガ命令またはトリガ信号を生成することができる。トリガ生成コンピューティングデバイスは、トリガ命令またはトリガ信号をモーション制御コンピューティングデバイスに送信してモーションジェネレータのモーションの態様を制御するために、通信ポートを使用することができる。トリガ命令またはトリガ信号は、組立てプロセス中にモーションジェネレータのモーションを加速、減速、開始、停止、または別の方法で制御するために使用することができる。
トリガ生成コンピューティングデバイスは、1つまたは複数のトリガ条件の仕様、トリガ条件の検出、または組立てプロセスに関連付けられた他の任意の情報を出力するために、1つまたは複数の出力デバイス、たとえばディスプレイデバイス、プリンタなどを含むことができる。例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイスは、組立てプロセスに関連付けられた未加工データ、たとえば生成される力ならびに関連付けられた挿入距離および時間を出力することができる。例示的な実施形態では、トリガ生成コンピューティングデバイスは、組立てプロセスに関連付けられたデータ、たとえば組立てプロセス中のリアルタイムでの力プロファイルグラフの表示、組立てプロセスのその他の可視化などを判断および出力することができる。トリガ生成コンピューティングデバイスは、組立てプロセス中に力センサから受け取られたリアルタイムデータまたは記憶デバイスに記憶された非リアルタイムデータを出力することができる。
例示的な実施形態では、入力デバイスと出力デバイスは1つの一体的なデバイスとして設けられてよく、したがって、使用者は、トリガ条件に関連付けられた任意のパラメータを同じデバイス上で見て変えることができる。別の例示的な実施形態では、入力デバイスと出力デバイスは、別個のデバイスとして設けられてもよい。
例示的なトリガ生成コンピューティングデバイスは、Kistler Groupによって製造されるControlMonitor CoMo View(R)制御モニタを含むことができるが、これに限定されない。
図77は、例示的な実施形態においてトリガ生成コンピューティングデバイスおよび/またはモーション制御コンピューティングデバイスとして使用できる例示的なコンピューティングデバイス1700のブロック図を示す。例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスとトリガ生成コンピューティングデバイスは、同じコンピューティングデバイスとして一体的に提供されてもよい。別の例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスとトリガ生成コンピューティングデバイスは、別個のコンピューティングデバイスとして個別に提供されてもよい。
例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスおよび/またはトリガ生成コンピューティングデバイスは、組立てシステムと一体的に提供されてもよい。別の例示的な実施形態では、モーション制御コンピューティングデバイスおよび/またはトリガ生成コンピューティングデバイスは、組立てシステムとは個別に提供されてもよい。
コンピューティングデバイス1700は、例示的な実施形態を実施するための1つまたは複数のコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアを記憶するための1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含む。このコンピュータ可読媒体としては、1つまたは複数のタイプのハードウェアメモリ、一時的でない有形媒体などがありうるが、これらに限定されない。たとえば、コンピューティングデバイス1700内に含まれるメモリ1706は、例示的な実施形態を実施するためのコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアを記憶することができる。コンピューティングデバイス1700は、メモリ1706に記憶されたコンピュータ実行可能命令またはソフトウェアとシステムハードウェアを制御するための他のプログラムとを実行するための、プロセッサ1702および1つまたは複数のプロセッサ(複数可)1702’を含む。プロセッサ1702およびプロセッサ(複数可)1702’はそれぞれ、シングルコアプロセッサであってもよいし、マルチコア(1704および1704’)プロセッサであってもよい。
視覚化は、インフラストラクチャおよびコンピューティングデバイス内のリソースが動的に共有できるように、コンピューティングデバイス1700において用いることができる。仮想マシン1714は、プロセスが複数のコンピューティングリソースではなく唯一の1つのコンピューティングリソースを使用するように見えるように、複数のプロセッサ上で実行されるプロセスを扱うために用意することができる。複数の仮想マシンも1つのプロセッサと共に使用することができる。
メモリ1706としては、DRAM、SRAM、EDO RAMなどのコンピュータシステムメモリまたはランダムアクセスメモリがありうる。メモリ1706としては、他のタイプのメモリも、またはそれらの組合せもありうる。
使用者は、1つまたは複数のユーザインターフェース1720または組立てプロセスに関する他の任意の情報を表示できる、コンピュータモニタなどのビジュアルディスプレイデバイス1718を介して、コンピューティングデバイス1700と相互作用することができる。ビジュアルディスプレイデバイス1718は、例示的な実施形態の他の態様または要素も表示することができる。コンピューティングデバイス1700は、使用者から入力を受け取るための、キーボードまたはマルチポイントタッチインターフェース1708およびポインティングデバイス1710、たとえばマウスなどのその他のI/Oデバイスを含むことができる。キーボード1708およびポインティングデバイス1710は、ビジュアルディスプレイデバイス1718に接続することができる。コンピューティングデバイス1700は、他の適切な従来のI/O周辺機器を含むことができる。コンピューティングデバイス1700は、例示的な実施形態を実施するデータおよびコンピュータ可読命令またはソフトウェアを記憶するための、ハードドライブ、CD−ROM、または他のコンピュータ可読媒体などのストレージデバイス1724も含むことができる。
コンピューティングデバイス1700は、さまざまな接続によって1つまたは複数のネットワークデバイス1722を介して1つまたは複数のネットワーク、たとえばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはインターネットと接続するように構成されたネットワークインターフェース1712を含むことができ、さまざまな接続としては、標準的な電話回線、LANリンク、またはWANリンク(たとえば、802.11、T1、T3、56kb、X.25)、ブロードバンド接続(たとえば、ISDN、フレームリレー、ATM)、無線接続、コントローラエリアネットワーク(CAN)、または上記のいずれかまたはすべての何らかの組合せがあるが、これらに限定されない。ネットワークインターフェース1712としては、内蔵ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード、PCMCIAネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、USBネットワークアダプタ、モデム、または通信および本明細書において説明される動作の実行が可能な任意のタイプのネットワークにコンピューティングデバイス1700を接続するのに適した他の任意のデバイスがありうる。さらに、コンピューティングデバイス1700は、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、サーバ、ラップトップ、ハンドヘルドコンピュータ、または通信が可能で、本明細書において説明される動作を実行するのに十分なプロセッサパワーおよびメモリ容量を有する他の形態のコンピューティングデバイスもしくは電気通信デバイスなどの任意のコンピュータシステムとすることができる。
コンピューティングデバイス1700は、Microsoft(R)Windows(登録商標)オペレーティングシステムのいずれかのバージョン、Unix(登録商標)オペレーティングシステムおよびLinux(登録商標)オペレーティングシステムの異なるリリース、マッキントッシュコンピュータ用のMacOS(R)の任意のバージョン、任意の組み込みオペレーティングシステム、任意のリアルタイムオペレーティングシステム、任意のオープンソースオペレーティングシステム、任意の専用+オペレーティングシステム、モバイルコンピューティングデバイス用の任意のオペレーティングシステム、またはコンピューティングデバイス上での実行および本明細書において説明される動作の実行が可能な他の任意のオペレーティングシステムなどの任意の適切なオペレーティングシステム1716を実行することができる。オペレーティングシステム1716は、ネイティブモードまたはエミュレートモードで実行されてもよい。
VII.自動注入デバイスのハウジングとのシリンジの組立ての例示
以下の例示的な例は、自動注入デバイスのハウジングとシリンジを組み付ける例示的なシステム、デバイス、および方法に関連付けられる。
A.第1の組の実験
A.(i)概要
例示的なシリンジ挿入システムは、システムが力プロファイルに基づいて適切な深さまでプレフィルドシリンジを自動注入デバイスのハウジングに挿入することが可能であるかどうかを判断するために試験された。3つの例示的なシリンジタイプ(第1のタイプすなわちタイプ1、第2のタイプすなわちタイプ2、および第3のタイプすなわちタイプ3)は、挿入プロセスを制御するために力プロファイルを利用する例示的な挿入ステーションを使用して、自動注入装置内で適切な深さまで挿入された。
試験結果は、例示的なシリンジ挿入システムは3つのシリンジタイプすべてを自動注入装置に適切な深さまで繰り返しかつ確実に挿入したことを示した。近位キャップ内での剛性針シールドの角度方向には、シリンジの挿入に対する観察可能な影響はないと判断された。いくつかの例示的な実施形態では、約2Nのトリガ力が使用され、最適な挿入深さは、タイプ2シリンジでは約7.89mm(±0.09)、タイプ1シリンジでは約8.06mm(±0.07)、タイプ3シリンジでは約8.00mm(±0.03)という結果をもたらした。約81.8mm(±1.3)のシリンジ長さの仕様を越える(+2mm、−5mm)長さを有する例示的なシリンジも、例示的な挿入ステーションを使用して適切な長さまで挿入され、例示的なシリンジ挿入プロセスのロバストネスはシリンジのばらつき、製造、およびプロセスのばらつき、材料のばらつきの原因となりうることを示した。
A.(ii)実験方法および結果
表1および2はそれぞれ、例示的な自動注入デバイスのハウジングへの例示的なシリンジの挿入を試験する際に使用された例示的な機器およびデバイス構成要素を要約したものである。
各シリンジの挿入プロセスにより、力プロファイルが生成され、この力プロファイルは、ComoView(R)制御モニタ上に設けられたユーザインターフェースに表示され、コンピュータ可読ストレージデバイス上の適切なコンピュータファイル、たとえばexcelファイルまたは元の.binファイルに保存された。図39は、ComoView(R)制御モニタ上に設けられたユーザインターフェースからの何も示していないスクリーン印刷を示す。力プロファイルは、シリンジ挿入プロセス中に、図39に示されるユーザインターフェース上に表示されるために生成することができ、1つまたは複数のトリガ条件を指定することができ、トリガ条件の検出を示すことができる。図40、41、および42はそれぞれ、3つの試験されるシリンジタイプ、すなわちタイプ1シリンジ、タイプ2シリンジ、およびタイプ3シリンジの、シリンジ挿入プロセス中に生成された力プロファイルを示す。
合計450本のシリンジ(各タイプ150本のシリンジ、各トリガ条件50本のシリンジ)が、表3に要約されているように、3つの例示的なトリガ条件を使用して最適な深さに挿入された。各トリガ条件は、トリガ力(Y2)を満たすことと、トリガヒステリシス(YHysteresis)により間接的に示される以前の力を満たすことを含んでいた。
いずれの場合においても、シリンジ挿入プロセスの完了後に、剛性針シールドの近位端の挿入深さが近位キャップ24(「キャップ1」)の近位端から測定された。図43は、表3に要約された3つの例示的なトリガ条件に対して、mm単位の異なる例示的な挿入深さ(x軸)を達成した、試験されたタイプ2シリンジの数(y軸)のヒストグラムを示す。図44は、表3に要約された3つの例示的なトリガ条件に対して、mm単位の異なる例示的な挿入深さ(x軸)を達成した、試験されたタイプ1シリンジの数(y軸)のヒストグラムを示す。図45は、表3に要約された3つの例示的なトリガ条件に対して、mm単位の異なる例示的な挿入深さ(x軸)を達成した、試験されたタイプ3シリンジの数(y軸)のヒストグラムを示す。
実験結果から、約2Nのトリガ力および約5Nのトリガヒステリシスを有するトリガ条件が、剛性針シールドの一貫した挿入深さを達成する再現性が最も良かったことが示された。実験結果から、異なるシリンジタイプに関する挿入深さの違いもいくつか示された。図46は、上述のトリガ条件(2Nのトリガ力および5Nのトリガヒステリシス)に対して、mm単位の異なる例示的な挿入深さ(x軸)を達成した、試験されたタイプ1シリンジ、タイプ2シリンジ、およびタイプ3シリンジの数(y軸)のヒストグラムを示す。
試験されるシリンジの挿入後、剛性針シールドの遠位端が近位キャップ(「キャップ1」)内の摩擦点のところまたはその近くで静止するように、各シリンジタイプ用の剛性針シールドが極めてわずかに押し戻された。軽微な調整は、約0.1mmの距離にわたって剛性針シールドを押すことを伴った。これは、シリンジ挿入プロセスは、最小距離剛性針シールドの遠位端を近位キャップ内の摩擦点を越えて押すことであったが、剛性針シールドの遠位端の望ましい静止点は実質的には摩擦点にあったことを示した。次に、挿入深さが再び測定された。図47は、この軽微な調整を行った後の、mm単位の異なる例示的な挿入深さ(x軸)を達成した試験されたタイプ1シリンジ、タイプ2シリンジ、およびタイプ3シリンジの数(y軸)のヒストグラムを示す。
A.(iii)近位キャップ内の剛性針シールドの異なる角度方向の評価
合計300本の例示的なシリンジ(各シリンジタイプから100本のシリンジ、各方向で25本のシリンジ)が試験され、これらのシリンジの中で、剛性針シールドは、近位キャップに対して異なる例示的な角度方向(約0°、45°、90°、10°)を取った。図48は、試験された異なる角度方向を示す。
例示的なシリンジ挿入システムが、近位キャップ内の摩擦点を越えて300本のシリンジすべて挿入し、試験された異なる角度方向に関して、力プロファイルに大きな違いは見られなかった。しかし、45°の方向では、タイプ1シリンジおよびタイプ3シリンジに関して、近位キャップ内の摩擦点と係合される剛性針シールドの円錐状部上のリブにより、のこぎり歯状の挿入力プロファイルが得られる。タイプ2シリンジの挿入により、4つの方向すべてで、のこぎり歯状の力プロファイルが得られる。図49から51はそれぞれ、タイプ1シリンジ、タイプ2シリンジおよびタイプ3シリンジに対して4つの例示的な方向で生成される例示的な力プロファイルを示す。
図52から54はそれぞれ、4つの例示的な方向で異なる例示的な最大力値(x軸)を示す、試験されたタイプ1シリンジ、タイプ2シリンジ、およびタイプ3シリンジ(y軸)の数のヒストグラムを示す。タイプ3シリンジは挿入中に最も高い最大力を受け、最大力は約44.60N(±2.9)であり、タイプ1シリンジは中程度の最大力を受け、最大力は約34.08N(±2.8)であり、タイプ2シリンジは最も低い最大力を受け、最大力は約32.35N(±2.7)である。試験された4つの異なる方向に関して、実質的な力の差は認められなかった。タイプ2シリンジおよびタイプ3シリンジによって受ける最大力は0°の方向であるが、タイプ1シリンジによって受ける最大力は90°の方向である。
試験されるタイプ1シリンジでは、90°の方向では約34.08N(±2.8)の最も高い挿入力となり、10°の方向では、これに匹敵する約34.03N(±1.7)の力が見られた。0°の方向で0.5Nの低下が認められ、45°の方向では2Nの低下が認められた。試験されたタイプ1シリンジのANOVA分析から、図55に示すように、異なる方向が45°の方向と10°/45°/90°の方向の間に大きな差をもたらすことが示された。
試験されるタイプ2シリンジでは、0°の方向では約32.35N(±2.7)の最も高い挿入力となった。タイプ2シリンジでは、45°および90°の方向で2Nの低下が認められ、10°の方向では1Nの低下が認められた。試験されたタイプ2シリンジのANOVA(分散分析)分析から、図56に示すように、異なる方向が0°の方向と10°/45°/90°の方向の間に大きな差をもたらすことが示された。
試験されるタイプ3シリンジでは、0°の方向では約44.60N(±2.9)の最も高い挿入力となった。45°および90°の方向で3Nの低下が認められ、10°の方向では1Nの低下が認められた。試験されたタイプ3シリンジのANOVA分析から、図57に示すように、異なる方向が0°/10°の方向と45°/90°の方向の間に大きな差をもたらすことが示された。
方向の間で大きな視覚的な差が認められなかったので、自動注入デバイスのハウジングから近位キャップを外すのに必要とされる例示的な力を判断する4つの方向すべてが評価される。25の自動注入装置サブアセンブリは、各シリンジタイプの近位キャップを取り外す力に関して試験され、4つの方向すべては試験で示された。
図58は、3つの試験されるシリンジタイプに対して、N単位の近位キャップを取り外す異なる力(x軸)に対する試験されるシリンジの数(y軸)のヒストグラムを示す。タイプ1シリンジは最も高い全体的な取り外す力を示し、平均力は約11.2N(±4.08)であり、タイプ3シリンジは中程度の取り外す力を示し、平均力は約10.6Nであり(±1.50)、タイプ2シリンジは平均力の約5.6N(±0.79)を有する最も低い取り外す力を示す。
A.(iv)異なる長さのシリンジの挿入の試験
例示的なシリンジ挿入システムが、剛性針シールドおよびシリンジをシリンジ長さに関係なく指定の深さまでを正確に挿入できることを保証するために、種々の例示的な長さのシリンジを試験した。
1つの方法では、試験の目的でいくつかの試験されるシリンジの長さを増加させるために、グロメット(ゴムのOリング)がシリンジの遠位端に取り付けられた。例示的なゴムグロメットは、約1.75mm、2.60mm、および3.63mmの幅を有する。別の方法では、試験の目的でいくつかの試験されるシリンジの長さを増加させるために、鋼製リングがシリンジの近位端の剛性針シールドの下に置かれた。例示的な鋼製リングは、約1.57mm、2.67mm、および3.65mmの幅を有する。例示的なシリンジを伸長する際に使用された例示的なゴムグロメットおよび鋼製リングが、表4に要約されている。
図59は、シリンジ挿入を試験する際に使用される、剛性針シールド、例示的なゴムグロメット、および例示的な鋼製リングを装着した例示的なシリンジを示す。
図60は、シリンジの長さを増加させるために例示的なシリンジの遠位端に置かれる例示的なゴムグロメットを示す。
図61は、シリンジの長さを増加させるために、例示的なシリンジの近位端の剛性針シールドの下に置かれた鋼製リングを示す。
別の方法では、試験の目的でいくつかの試験されるシリンジの長さを減少させるために、剛性針シールドが近位端で切断され、全体的なシリンジ挿入距離を減少させた。表5は、例示的なシリンジを長くする際に使用されたさまざまな品目と、剛性針シールドに加えられた切断を要約したものである。表5は、伸長/短縮前およびその後のシリンジの長さ、ならびに例示的なシリンジ挿入プロセスによって達成される近位キャップ内の剛性針シールドの挿入深さを含む。
実験結果から、試験されたシリンジのすべては、約84mmより長い長さを有するシリンジを除いて、指定された挿入深さまで挿入されたことが示された。これらの長い長さでは、通常の開始点の前に挿入が開始され、これにより、剛性針シールドが近位キャップ内の摩擦点を通過した後でトリガ条件が検出させられる。その結果、システムはトリガ条件を登録せず、シリンジをハウジングにさらに挿入するように進む。全体的な試験結果から、シリンジが供給業者の仕様内にあるとき、シリンジのばらつき、製造およびプロセスのばらつき、ならびに材料のばらつきは例示的なシリンジ挿入システムにおいて対応することができることが示される。
故障したフランジを有するシリンジは、例示的なシリンジ挿入システムを使用して試験され、故障したフランジを有さないシリンジを制御するために比較された。故障したフランジを有するシリンジは、例示的な挿入システムによって最適な挿入深さまで挿入され、故障したシリンジのための力プロファイルは、制御シリンジと比較して著しい差を示さない。試験結果から、例示的な挿入システムの機能および性能はシリンジ内の故障したフランジの影響を受けないことが示される。
シリンジラベルによって一緒に保持されるひび割れたシリンジは、例示的なシリンジ挿入システムを使用して試験され、故障のない制御シリンジと比較された。ひび割れたシリンジは、例示的な挿入システムによって最適な挿入深さまで挿入され、ひび割れたシリンジのための力プロファイルは、制御シリンジと比較して著しい差を示さない。試験結果から、例示的な挿入システムの機能および実行はひび割れたシリンジの影響を受けないことが示される。
B.第2の組の実験
B.(i)1ステップの挿入フェーズ
1組の実験では、例示的なシリンジ挿入システムは、2つのフェーズ、すなわち前半のアプローチフェーズと後半の挿入フェーズで動作するように構成された。シリンジ挿入プロセスの速度および加速度/減速度の設定は、この2つのフェーズに基づいて設定された。いくつかの例示的な実施形態では、アプローチフェーズは約20,000mm/s2の加速度/減速度および約2,200mm/分の速度を有し、挿入フェーズは約80,000mm/s2の加速度/減速度および約7,500mm/分の速度を有した。いくつかの例示的な実施形態では、挿入フェーズは約80,000mm/s2の加速度/減速度および約3,750mm/分の速度を有した。
例示的なトリガ条件は、Kistler Groupによって製造されたComoView(R)制御モニタを使用して設定された。トリガ条件はそれぞれ、トリガ力(Y2)およびトリガヒステリシス(YHysteresis)を含んでいた。
図62は、「下方」アプローチからの約21Nのトリガ力の設定および約10Nのトリガヒステリシスの設定を示すユーザインターフェースを示す。この試験では、挿入速度は高速であったので、トリガ条件は、図63に示されるように、剛性針シールド上のBecton Dickinson(BD)ロゴの遠位端に対応する力のピークに関して設定された(「BDの上部(Top of BD)」)。
図64は、例示的な剛性針シールドおよび対応する力プロファイルを示し、シールド上の異なる特徴は、力プロファイル内の異なる特徴に対応する。トリガ+動き(move)は約4.0mmに設定され、すなわち、モーションジェネレータは、トリガ条件の検出後にシリンジをさらに4.0mm動かすように動作された。このトリガ+動きによって、より正確な停止点が可能になった。
以下のステップは、指定のパラメータを使用して例示的なシリンジ挿入システムを試験する際に続けられた。第1のステップでは、シリンジは、シリンジ挿入システムにアセンブリを置く前に、自動注入デバイスのハウジングに挿入された。第2のステップでは、アセンブリは、シリンジ挿入システム内に置かれて、シリンジ挿入システムに結合された。第3のステップでは、アプローチフェーズが実行され、力センサを備える機械的部材がシリンジの遠位端にアプローチした。第4のステップでは、力センサがシリンジの遠位端に到達すると、アプローチフェーズが終わらせられた。第5のステップでは、挿入フェーズが実行され、力センサを有する機械的部材が、シリンジをハウジング内へ駆動するために使用された。第6のステップでは、トリガ条件が検出されると、挿入フェーズが終わらせられた。第7のステップでは、トリガ+動きが、トリガ条件の検出後にシリンジをハウジング内へさらに4.0mm動かすために実行された。第8のステップでは、シリンジ挿入プロセスがその後で終わらせられ、ハウジング内のシリンジの挿入深さがキャリパを用いて測定された。
100本のシリンジが、剛性針シールドの遠位端を近位キャップ内の摩擦点に着座させるように指定の深さまで挿入された。最終的な特徴的ピークの前に力プロファイル内のピークを選択し、トリガ+動きを使用して、トリガ条件の後でシリンジをさらなる距離動かすことによって、より正確な挿入深さが達成された。近位キャップ内の剛性針シールドの挿入深さが各サンプルに対して測定され、力プロファイルからのパラメータが識別された。
図63は、タイプ1シリンジのシリンジ挿入プロセス中に生成された例示的な力プロファイルを示す。図66は、タイプ2シリンジのシリンジ挿入プロセス中に生成された例示的な力プロファイルを示す。図67は、タイプ3シリンジのシリンジ挿入プロセス中に生成された例示的な力プロファイルを示す。
図65は、上記で説明されたシリンジ挿入設定に基づいてmm単位の(x軸)異なる例示的な挿入深さを達成した試験されたシリンジの数(y軸)のヒストグラムを示す。
表6は、実験結果を要約するものである。
7,000mm/分の挿入速度では、タイプ1シリンジの平均挿入深さは約7.94mm(±0.30)、タイプ2シリンジの平均挿入深さは約7.77mm(±0.29)、タイプ3シリンジの平均挿入深さは約8.11mm(±0.45)であった。3,750mm/分の挿入速度では、タイプ1シリンジの平均挿入深さは約7.94mm(±0.31)、タイプ2シリンジの平均挿入深さは約7.69mm(±0.20)、タイプ3シリンジの平均挿入深さは約8.19mm(±0.36)であった。すべての試験された剛性針シールドは、近位キャップ内の摩擦点を越えて挿入された。挿入深さの差は、剛性針シールドのばらつきと、モーションジェネレータが停止する速度によるものであった。
異なる組の試験では、図68のユーザインターフェースに示されるように、トリガ条件の設定は、Y2に関して20Nから15Nに、YHysteresisに関して10Nから1Nに変更された。新しい設定によって、約6.0mmの開始深さを設定すること、および各所望の挿入深さに対して、トリガ条件を越えて動かされる距離を調整することが可能になった。表7に要約されるように、異なる所望の挿入深さに対して、モーションジェネレータの設定は、トリガ+動き内のトリガ条件を検出した後でシリンジおよび剛性針シールドをさらなる距離動かすように変更された。この例における所望の挿入深さは、組み立てられた自動注入デバイスにおいて近位キャップの近位端から剛性針シールドの近位端まで測定される。このさらなる距離は「サーボ設定ゾーンE」として示されている。
約6.0mmから約10.0mmの所望の挿入深さの範囲が0.5mm刻みで使用された。これによって、公称深さより上の4つの例示的な設定値と、公称深さより下の4つの例示的な設定値が提供された。20本のタイプ1シリンジが各0.5mm間隔で挿入された。試験された各シリンジの剛性針シールドが、近位キャップ内の剛性針シールドの挿入深さと共に測定された。
7mmの挿入深さを越えて挿入された試験されたシリンジは、シリンジ円筒が近位キャップ内の摩擦点を越えて挿入されたとき、より大きな誤差を示した。シリンジ本体のガラスは滑らかであったので、シリンジは、摩擦点から遠位方向に強制的に戻すことができた。
図69は、6.0mmの所望の深さによって生成された力プロファイルを示す。図69は、シリンジ円筒が近位キャップ内の摩擦点を通過し始めることに対応する大きく鋭い最後のピークを示す。最後のピーク直前の第3のピークは、剛性針シールドの遠位端が近位キャップ内の摩擦点を通過することに対応する。
剛性針シールドの全長は、達成される挿入深さのばらつきにおける重要な要因ではなかった。
約10mmの所望の挿入深さでは、20本のタイプ1シリンジの平均的な実際の挿入深さは約9.93mm(±0.13)であった。約9.5mmの所望の挿入深さでは、20本のタイプ1シリンジの平均的な実際の挿入深さは約9.65mm(±0.17)であった。約9.0mmの所望の挿入深さでは、平均的な実際の挿入深さは約9.13mm(±0.18)であった。約8.5mmの所望の挿入深さでは、平均的な実際の挿入深さは約8.14mm(±0.47)であった。約8.0mmの所望の挿入深さでは、平均的な実際の挿入深さは約7.78mm(±0.22)であった。約7.5mmの所望の挿入深さでは、平均的な実際の挿入深さは約7.21mm(±0.31)であった。約7.0mmの所望の挿入深さでは、平均的な実際の挿入深さは約7.21mm(±0.15)であった。約6.5mmの所望の挿入深さでは、平均的な実際の挿入深さは約7.31mm(±0.25)であった。約6.0mmの所望の挿入深さでは、平均的な実際の挿入深さは約6.17mm(±0.63)であった。
図70は、異なる所望の挿入深さに対するmm単位の(x軸)達成された実際の挿入深さに対する試験されたシリンジの数(y軸)のヒストグラムを示す。表8は、図70に示される実験結果を要約するものである。
B.(ii)2ステップの挿入フェーズ
上記で説明された1ステップの挿入フェーズにおいて挿入に使用される速度は、トリガ命令またはトリガ信号をComoView(R)制御モニタから受け取った後でモーションジェネレータを停止するのに必要とされる時間がより長かったことを示した。1ステップの挿入フェーズでは、最後のピークの前にピークプロファイルが選択され、トリガ+動きは、トリガ条件を検出した後でシリンジをハウジング内へさらなる距離動かすために使用された。
実験によって、例示的なシリンジ挿入システムが3つのフェーズで動作するように構成された場合に、シリンジ挿入深さの正確さ、信頼性、および再現性が改善されうることが見出された。1組の実験では、前半のアプローチフェーズ、中間の高速挿入フェーズおよび後半の低速挿入フェーズが実施された。シリンジ挿入プロセスの速度および加速度/減速度の設定は、この3つのフェーズに基づいて設定された。高速挿入フェーズはアプローチフェーズの後で始まり、約30,000mm/s2の加速度/減速度および約7,000mm/分の速度で約15mmの挿入深さを含んでいた。次に、低速挿入フェーズは、約80,000mm/s2の加速度/減速度および約1,000mm/分の速度で必要とされた距離の残りを進んだ。低速挿入フェーズでの挿入速度が遅いほど、モーションジェネレータを停止するのに必要とされる距離が大きく減少し、これにより、シリンジ挿入プロセスの停止がより正確になった。挿入方法は、3つのステップを有するように再構成された。低速であることによって、トリガ条件の検出後に約0.2mmで停止することが可能になった。
停止に関する精度が改善されると、最後の力のピークの終わり近くでのより小さな力の設定がトリガ条件として使用することができる。このトリガ条件は、剛性針シールドの遠位端が近位キャップ内の摩擦点を通過することに対応する。これにより、最後の力のピークの下向きの傾斜で小さな力を使用することによって、剛性針シールドおよびシリンジの深さの留置の正確さが改善された。以前は、1ステップの挿入段階では、トリガ条件は最後のピークの前にピークに設定され、これによって、変化する剛性針シールドの長さに基づいた不正確な深さの留置がもたらされることがあった。
新しい2段階の挿入設定を使用して、合計60のサンプルが近位キャップの摩擦点より上または下に挿入された。公称値の近位方向約1.0mm向こうという摩擦点より下の深さの設定と、公称値の遠位方向1.0mm手前という摩擦点より上の深さの設定が使用された。上記の公称設定では、ComoView(R)制御モニタに関して異なるトリガ条件の設定が必要であった。10本のシリンジが各シリンジタイプ(タイプ1、タイプ2、タイプ3)の公称設定より上に挿入され、10本のシリンジが公称設定より下に挿入された。
図71は、トリガ力が約1N、トリガヒステリシスが上から約1N、およびx軸範囲が約21mmから約25mmである例示的なトリガ条件の設定を示すユーザインターフェースを示す。
図72は、シリンジ挿入プロセスによって生成される力プロファイルをプロットするために使用される何も示していないユーザインターフェースおよびグラフを示す。図72は、図71に示されるトリガ条件の設定を示す。
図73は、ユーザインターフェースおよびシリンジ挿入プロセス中に例示的なタイプ1シリンジによって生成された力プロファイルのグラフを示す。
表9は、60本の試験されたシリンジ(各シリンジタイプにつき20本)に基づいて2ステップの挿入プロセスによって達成された最適な挿入深さを要約するものである。
タイプ1シリンジの平均挿入深さは約8.03mm(±0.12)、タイプ2シリンジの平均挿入深さは約7.87mm(±0.12)、タイプ3シリンジの平均挿入深さは約8.01mm(±0.06)であった。2ステップの挿入プロセスの挿入深さの標準偏差は、以前に試験された1ステップの挿入プロセスと比べて、約2倍から4倍よくなった。
図74は、1ステップの挿入プロセスと2ステップの挿入プロセスの両方に関する、mm単位の(x軸)の達成された挿入深さに対するシリンジタイプごとに試験されたシリンジの数(y軸)の比較ヒストグラムを示す。
2ステップの挿入プロセスの正確さを確認するため、例示的なトリガ力より1.0mm上のトリガヒステリシスと、例示的なトリガ力より1.0mm下のトリガヒステリシスが評価された。公称値より下の場合、1.0mmのトリガ+動きが使用された。
図75は、公称値より1.0mm上でのタイプ1シリンジの挿入によって生成された力プロファイルを示し、図76は、公称値より1.0mm下でのタイプ2シリンジの挿入によって生成された力プロファイルを示す。例示的な挿入システムは、試験されるシリンジを最適な挿入深さに挿入することが可能であった。
表10は、例示的な2ステップの挿入プロセスを使用して挿入された異なる例示的なシリンジに対して達成された挿入深さを要約するものである。
表11は、例示的な2ステップの挿入プロセスを使用して挿入された異なる例示的なシリンジに対して達成された挿入深さを要約するものである。
挿入深さの改善は、1ステップの挿入プロセスと比較して、2ステップの挿入プロセスを使用して達成された。
VIII.参照による組み込み
本出願の全体にわたって引用される、特許および特許出願を含むすべての参照の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。それらの参照の適切な構成要素および方法は、本発明およびその実施形態のために選択されてよい。またさらに、「背景技術」で特定される構成要素および方法は、本開示の一部をなし、本発明の範囲内で本開示の他の場所で説明される構成要素および方法と共に使用されるかまたはこれの代替とすることができる。
IX.等価物
例示的な実施形態を説明する際、わかりやすくするため、具体的な用語が使用されている。説明のため、それぞれの具体的な用語は、少なくとも、同様の目的を遂行するために同様に動作するあらゆる技術的等価物および機能的等価物を含むことを意図する。さらに、特定の例示的な実施形態が複数のシステム要素または方法ステップを含むいくつかの例では、これらの要素またはステップは、単一の要素またはステップに置き換えられてもよい。同様に、単一の要素またはステップは、同じ目的を果たす複数の要素またはステップに置き換えられてもよい。さらに、例示的な実施形態に関して、本明細書において種々の性質についてのパラメータが指定される場合、これらのパラメータは、別段の指定がない限り、1/20、1/10、1/5、1/3、1/2など、または丸められたその近似値で、上下方向に調節されてもよい。さらに、例示的な実施形態について、その特定の実施形態を参照して図示し説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細のさまざまな置き換えおよび変更をその中で行うことができることが当業者には理解されよう。さらにまた、他の態様、機能、および利点も本発明の範囲内に含まれる。
例示的な流れ図は、例示の目的で本明細書において提供されており、方法の非限定的な例である。例示的な方法は、例示的な流れ図で示されるステップより多いまたは少ないステップを含むことができること、および例示的な流れ図内のステップは、示される順序と異なる順序で実行されてもよいことが、当業者には理解されよう。