JP2014510760A - 三叉神経因性痛に伴う疼痛の治療用タペンタドール - Google Patents

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Abstract

本発明は、三叉神経の疾患に伴う疼痛の治療において使用するためのタペンタドール、特に、三叉神経因性痛に伴う疼痛の治療において使用するためのタペンタドールに関する。

Description

本発明は、中枢神経因性痛、好ましくは三叉神経の疾患に伴う疼痛の治療において使用するためのタペンタドール、特に、三叉神経因性痛に伴う疼痛の治療において使用するためのタペンタドールに関する。
三叉神経因性痛(TN)又は疼痛性顔面けいれん(顔面痛;prosopalgiaとしても知られる)は、一つ又は両方の顔面三叉神経の神経障害性疾患である。これは以下の幾つか又はすべてにおいて激しい疼痛の症状を引き起こす:耳、目、唇、鼻、頭皮、ひたい、歯、顔面の片方のあご。三歳の患者に出ることもあるが、三叉神経因性痛は、通常50歳以降、特に女性に共通に出現する。
身体の多くの疾患が疼痛を引き起こす。一般的に、皮膚及び特定の内部組織中の痛みレセプターを構成する自由神経末端が、熱、機械、化学、又は他の有害な刺激を受けた場合に、疼痛が生じる。痛みレセプターは、求心性神経に沿って中枢神経にシグナルを伝達し、そして脳に伝達する。
疼痛の原因としては、怪我、炎症、筋肉痙攣、及び神経障害もしくは神経障害症状の兆候が含まれる。非効率的な治療に疼痛治療により、患者は機能が制限、睡眠障害、動きの制限、生活の質の大きな低下を経験させられる。
炎症および筋肉痙攣による疼痛は初期感覚神経の熱的刺激とは関係なく機械的もしくは化学的刺激により生じるが、神経因性痛は、末梢の自由神経末端の初期刺激を必要としない。神経因性痛は、神経系、末梢神経、後根神経節、後根、中枢神経系の疾患により生じえる永続性もしくは慢性の疼痛症状である。
神経因性痛症状としては、異痛、神経因性痛、例えば、ポスト疱疹神経因性痛および三叉神経因性痛、幻覚痛、多発性疼痛症、例えば、反射交感神経ジストロフィー、および灼熱痛を含む。
思わしくないことに、神経因性痛に対する現在の治療方法は、罹患した疼痛を減少もしくは消失させるものではなく、単に心理学的治療もしくは作業療法を通じて患者環境を補助することから構成されているにすぎず、適切に、予測通りにそして特異的に確立された神経因性痛を治療する方法は存在しない。
中枢神経因性痛は、脳、脳幹、および脊髄を含む中枢神経系(CNS)の疾患もしくは機能障害により引き起こされる。例えば、発作、多発性硬化、癌、てんかん、脳もしくは脊髄の外傷もしくはパーキンソン病により引き起こされる。同様に、末梢神経因性痛は、脳および脊髄の外側の神経および神経節で構成される末梢神経系(PNS)の疾患により引き起こされる。鎮痛性物質として中心的に使用されているということが、鎮痛性物質が中枢神経因性痛に有効である、ということを必ずしも意味するわけではない。
末梢および中枢の神経因性痛は、動物実験において、目的とする個々の神経の破壊により引き起こして観察することができる。神経因性痛の症状の進行は、熱的もしくは機械的異痛の手段によって続けて観察、評価することができる。
末梢の神経因性痛の可能な動物モデルは、Bennett and Xie (Bennett G.J. and Xie Y.K.(1988),Pain 33,87−107)による坐骨神経の緩んだ結紮(loose ligature)に一側性に結合させる神経破壊である。一方、Vos et al. (Vos BP, Strassman AM, Maciewicz RJ(1994),J.Neurosci.14:2708−2723)に記載されている眼窩下の神経結紮(ligature)は、中枢神経因性痛を調査するための既知の動物モデルである。このラットのモデルにおいて、眼窩下の疾患(三叉神経の3つの枝のうちの一つ)により、動物に三叉神経因性痛の典型的な症状を引き起こす。例えば、音(共鳴パッド)による刺激による機械的および熱的痛覚過敏である。
末梢および中枢神経因性痛の治療において、通常、鎮痛薬がそれほど効果的でないことは一般に知られている。例えば、モルヒネなどの多くのオピオイドは、末梢神経因性痛をコントロールするために効果的に使用できるが、中枢神経因性痛の症状に対する治療には大きくない効果しか示さない。さらに、最近の研究が示唆するところでは、三叉神経コンプレックスの疾患により引き起される神経因性痛の生理学的薬学的な特性は、頭部以外の領域の神経疾患により引き起こされる疼痛と完全に一致しない(Kayser et al.(2002),Br. J. Pharmacol. 137: 1287−1297; Kayser et al. (2010), Neuropharmacology, 58: 474−487; Latremoliere et al. (2008),J.Neurosci.28:8489−8501)。このような文脈において、さらにこれが示すところは、少ない投与量のモルヒネ、テトロドトキシン、HT7受容体アゴニストが、坐骨神経(CCI−SN)への慢性の圧迫損傷による機械的異痛を十分に弱めるが、しかしながら、眼窩神経(CCI−ION)への慢性の圧迫損傷による機械的異痛には効果がないということである。
それゆえ、中枢神経因性痛の治療、特に、三叉神経の疾患に起因する疼痛の治療、特に三叉神経因性痛に起因する疼痛の治療のための、効果的な疼痛の制御および副作用プロフィールの減少に特徴付けられる代替の薬物療法の方法が必要とされている。
三叉神経(第5の脳神経)は顔面の感覚を司る。顔面と身体からの感覚情報は、中枢神経系においてパラレルな経路で伝達される。第5の神経は本来感覚神経であるが、しかし、特定の運動機能(噛みあわせる、噛む、および嚥下)も有する。
Bennett and Xie (Bennett G.J. and Xie Y.K.(1988),Pain 33,87−107) Vos et al. (Vos BP, Strassman AM, Maciewicz RJ(1994),J.Neurosci.14:2708−2723) (Kayser et al.(2002), Br. J. Pharmacol. 137: 1287−1297; Kayser et al.(2010),Neuropharmacology, 58: 474−487; Latremoliere et al.(2008),J.Neurosci. 28: 8489−8501)
本発明の課題は、特定の神経因性痛の治療のための薬剤を提供することを目的とし、当該薬剤は従来の薬剤、例えば鎮痛剤、特にオピオイドを超える利点を有する。特に、三叉神経の疾患に関連する疼痛の制御、特に三叉神経因性痛に有効であり、従来技術よりも優れた化合物を見出すことを目的とする。
当該課題は、特許請求の範囲の発明特定事項により達成される。
図1は、坐骨神経への片側の慢性の圧迫損傷を有するラット(CCI−SNラット)におけるタペンタドールによる急性治療の抗痛覚過敏効果を示す。後肢引き込み(A)または発声(B)を引き起こす圧力閾値はRandall−Selittoテストを使用して測定した。 図2は、CCI−SNラットにおけるタペンタドールによる急性(A)または亜慢性(B)治療の抗異痛効果を示す。圧力閾値は、Freyフィラメントテストを使用して測定した。 図3、眼窩神経への片側の慢性の圧迫損傷を有するラット(CCI−IONラット)におけるタペンタドールによる急性(A)または亜慢性(B)治療の抗異痛効果を示す。 図4は、CCI−SNおよび偽性手術ラットの神経節(A)および中枢組織(B)中のATF3、IL−6、BDNFまたはiNOSをコードするmRNAレベルにおけるタペンタドールによる亜慢性治療の効果を示す。 図5は、CCI−IONおよび偽性手術ラットの神経節(A)および中枢組織(B)中のATF3、IL−6、BDNFまたはiNOSをコードするmRNAレベルにおけるタペンタドールによる亜慢性治療の効果を示す。 図6は、CCI−SN、CCI−IONまたは偽性手術後1(D1)および20(D20)日目の神経節および中枢組織におけるBDNFをコードするmRNAレベルを示す。 図7は、健康なラットにおけるBDNFの鞘内注射による機械的異痛の誘導、およびBDNFに誘導された異痛(B)のタペンタドールによる急性治療の効果を示す。圧力閾値は、Freyフィラメントテストを使用して測定した。 図8は、ラットにおいてBDNFの鞘内投与(A)またはCCI−SN外科手術(B)のいずれか一方により誘導された機械的異痛に対する、レボキセチンと比較したタペンタドールの効果を示す。 図9は、CCI−SNラットにおけるモルヒネの用量依存的抗異痛効果を示す。圧力閾値は、Freyフィラメントテストを使用して測定した。 図10は、CCI−SNラットにおける低用量のレボキセチンおよびモルヒネの相乗的抗異痛効果(A)を示し:圧力閾値は、Freyフィラメントテストを使用して測定し、AUC値(B)は各経時変化曲線から計算された。 図11は、CCI−SNラットにおけるレボキセチンおよびモルヒネの単独もしくは組合せによる急性治療の抗異痛効果を示す。圧力閾値は、Freyフィラメントテストを使用して測定し(A)、AUC値は各経時変化曲線から計算された(B)。 図12は、CCI−IONラットにおけるレボキセチンおよびモルヒネの相乗的抗異痛効果を示す。圧力閾値は、Freyフィラメントテストを使用して測定し(A)、AUC値は各経時変化曲線から計算された(B)。
本発明は、好ましくは三叉神経の疾患に起因する中枢神経因性痛の治療に使用するためのタペンタドール、特に三叉神経因性痛に起因する疼痛の治療に使用するためのタペンタドールに関する。
タペンタドールは、行動から読み取れるモノ−およびポリ−神経因性痛のげっ歯類のモデルにおけるタペンタドールの分析において、末梢神経因性痛に強い鎮痛作用がることが示唆されている(例えば、国際公報第2008/110323号)一方で、中枢神経因性痛の治療、特に三叉神経の疾患に起因する疼痛の治療、特に三叉神経因性痛に起因する疼痛の治療におけるタペンタドールの効果に関する知見は欠けている。
神経因性痛におけるタペンタドールの鎮痛作用は、さらに以下のように知られている;DE 10 2007 012 165 A1; Lange et al., Osteoarthritis and Cartilage 18, Supplement 2 (2010), S147−S148; Tzschentke et al., Drugs of the Future 2006, 31(12): 1053−1061; Tzschentke et al., Der Schmerz 2011, 25 (1): 19−25; Schroder et al., Eur. J. Pain 2010, 14: 814−821; and from Christoph et al., Eur. J. Pain 2009, 13: S205。
驚くべきことに、タペンタドールが、中枢神経因性痛の治療、特に三叉神経の疾患に起因する疼痛の治療への優れた有効性とともに副作用の広がりを減少させるという組み合わせを示すことを見出した。さらに、驚くべきことに、頭部外の領域よりも頭部の領域における神経障害に誘発される機械的異痛の減少に対してより有効であることをさらに見出した。
タペンタドール、すなわち、(−)−(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)−フェノール(CAS番号.175591−23−8)は、合成品であり、主に、穏やかな疼痛から激しい疼痛まで、急性もしくは慢性の疼痛の治療において有効な鎮痛性の作用を有する。
タペンタドールは、一方ではμ−オピオイド受容体アゴニストとして、一方では、ノルアドレナリントランスポーター阻害剤として、二重のメカニズムで作用を示す。ヒトにおいては、タペンタドールの組み換えにより精製されたμ−オピオイドへのアフィニティー(親和力)は、モルヒネの18分の1である。しかしながら、慢性の研究においては、疼痛軽減作用はモルヒネの2〜3分の1に過ぎないことが示されている。組み換えμ−オピオイド受容体へのアフィニティーの18分の1の減少と共にこのわずかに減少する鎮痛作用が示すところは、タペンタドール特性を阻害するノルアドレナリントランスポーターもまたその鎮痛作用に貢献しているということである。結果として、タペンタドールが純粋なμ−オピオイド受容体アゴニストと同様の鎮痛作用を有するが、μ−オピオイド受容体に起因する副作用がより少ない、ということが推測できる。さらに、この作用のその二重のメカニズムのために、純粋なμ−オピオイド受容体アゴニストが緩い作用しか示さない、または完全に作用を示さないような疾患および/または疾病に関連する疼痛の治療において、それが鎮痛作用を示すかもしれない。当該化合物は遊離塩基の形態で、または塩として、または溶媒化合物として使用することができる遊離塩基の製造物は、例えば欧州特許第693475A号から既知である。
当該記載の範囲において、「タペンタドール」は、(−)−(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)−フェノール、ならびに生理学的に許容できるその塩および溶媒化合物を示し、特に塩酸塩を示す。好ましくは、タペンタドールは、プロドラックの形態、例えば、アミノ酸もしくはペプチドとのカルバメートの形態では提供されない。
適切な生理学的に許容できる塩としては、無機酸、例えば、塩酸塩、臭化水素塩および硫酸塩、ならびに、有機酸の塩、例えば、メタン硫酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、乳酸、クエン酸、グルタミン酸、アセチルサルチル酸、ニコチン酸、アミノ安息香酸、α−リポ酸、馬尿酸およびアスパラギン酸である。
もっとも好ましい塩は、塩酸塩である。
タペンタドールは、所望の割合の上記の有機および無機塩の塩混合物として、存在することもできる。
好ましい実施形態例においては、タペンタドールは固体の形態で存在する。液体もしくはペースト状の医薬形態でも可能である。
好ましくは、タペンタドールは経口投与向けに形成される。しかしながら、他の投与ルートに適用できる製薬形態もまた可能であり、例えば、頬面投与、舌下投与、経粘膜投与、直腸投与、腰椎内投与、腹膜内投与、経皮投与、静脈投与、筋肉内投与、臀筋内投与、皮内投与、皮下投与である。
製剤に応じて、タペンタドール調製品は適切な添加剤および/または賦形剤を含むことが好ましい。本発明の目的の範囲において適切な添加剤および/または賦形剤としては、製薬製剤を達成できる当該分野の当業者に既知のすべての物質である。それらの賦形剤の選択と使用量については、製薬製品の投与の仕方、例えば、経口投与、静脈投与、腹膜内投与、皮内投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、頬面投与または局所投与、に依存する。
錠剤、糖衣錠、チューイングタブレット、カプセル剤、顆粒剤、点滴剤、液剤又はシロップ剤の形態の調製品が経口投与に好適であり:液体、懸濁液、容易に還元できる乾燥調製品、および
噴霧が、非経口、局所および吸入投与に好適である。さらに、直腸での使用であれば座薬が可能である。適切なプレ皮下投与の形態としては、可溶性形態での携行使用、キャリアホイルまたはギプス、任意に皮膚への投与を促進する他の手段を加える。
経口投与形態での賦形剤および添加剤の例としては、錠剤分解物質(disintegrants)、潤滑剤、バインダー、フィラー、型放出剤(mould release agents)、任意に溶剤、香料、糖、特に、キャリア、希釈剤、着色料、抗酸化剤などである。
座薬には、とりわけ、ワックスまたは脂肪酸エステルを使用することができ、非経口投与の適用手段としては、キャリア、保存剤、懸濁手段などを使用することができる。
賦形剤の例としては以下のものをあげることができる:水、エタノール、2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グルコース、フルクトース、ラクトース、スクロース、デキストロース(dextrose)、糖蜜、デンプン、加工デンプン、ゼラチン、ソルビトール、イノシトール、マンニトール、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロース、セラック、セチルアルコール、ポリビニルピロリドン、パラフィン、ワックス、天然および合成ゴム、アカシアガム、アルギン酸、デキストラン、飽和および不飽和脂肪酸、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、食用油、胡麻油、ココナッツオイル、落花生類油、大豆油、レシチン、乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンおよびプロピレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビン酸、安息香酸、クエン酸、アスコルビン酸、タンニン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、酸化チタン、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸カルシウム、灰汁(potash)、リン酸カルシウム、リン酸ジカルシウム、臭化カリウム、沃化カリウム、タルクカオリン、ペクチン、クロスポビドン、寒天とベントナイト。
タペンタドール調製品の製造には、例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”, ed AR Gennaro, 17th edition, Mack Publishing Company, Easton, pa. (1985),特に、Part 8, Chapters 76〜93に示されるように、製薬製剤の分野で既知の技術である手段、装置、方法およびプロセスで行うことができる。
例えば、錠剤などの固体製剤のためには、タペンタドールは製薬キャリア、すなわち、一般に使用される錠剤成分、トウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウムもしくは生理学的に許容できる合成ゴム、および、生理学的な希釈液、例えば、水と共に粒状化することができ、例えば、均一に分布したタペンタドールを含む固体組成物を得ることができる。ここで、均一に分布とは、タペンタドールが組成物全体に一様に分布することを意味し、これにより、例えば錠剤、カプセル、糖衣錠などの形態で効果的に単一の容量形態に容易に分割することができる。そして、固体組成物は単一の容量形態にはけられる。さらに、遅効性(delayed release)の投薬形態を製造するために、錠剤もしくは丸薬は、あらゆる方法で被膜されるか調合される。適切な被膜方法としては、とりわけ、ポリマー酸もしくはシェラック、例えば、セチルアルコールおよび/または酢酸セルロースとのポリマー性酸の混合物である。
本発明の好ましい実施形態においては、タペンタドールは即時放出形態で存在する。
本発明の他の好ましい実施形態においては、タペンタドールは制御放出形態で存在する。
ここで使用される用語、制御放出(controlled release)は、即時放出、例えば、遅効性放出、長期放出、徐放性放出、緩効性放出、延長放出などの即時放出以外のあらゆる放出形態を示す。これらの用語はその意味、これらの放出形態を得るための装置、方法およびプロセスと共に問う業者に既知である。
タペンタドールの制御放出は、経口、直腸、軽皮的投与のための製剤により可能となる。好ましくは、タペンタドールは、1日1回の投与、1日2回の投与(bid)、1日3回の投与のために調剤されるが、1日2回の投与(bid)が特に好ましい。
タペンタドールの制御放出は、例えば、マトリックの手段による遅滞、被膜、または浸透作用により達成される。(米国特許公開第2005−58706A号参照)。
さらに、本発明は、中枢神経因性痛、好ましくは三叉神経の疾患に起因する神経因性痛の治療に使用、特に三叉神経因性痛に起因するための疼痛の治療に使用するためのタペンタドールを含む製薬調剤物に関する。
製薬調剤物は、1日1回の投与、1日2回の投与(bid)、1日3回の投与に適用するのが好ましいが、1日2回の投与(bid)が特に好ましい。
製薬調剤物は、タペンタドールに加えてさらに一つまたは二つ以上の薬剤を含むことができる。しかしながら、タペンタドール製剤は、ただ一つの薬剤としてタペンタドールを含むことが好ましい。
好ましい実施形態例においては、製薬調剤物は、ビタミン、好ましくはビタミンB錯体を含む。
タペンタドールの患者への投与量は、患者の体重、投与方法、および疾患および/または疼痛の重篤性による変化する。当業者に既知の最大投与量まで、タペンタドールを投与することができる。好ましい実施形態例においては、製薬調剤物は、遊離塩基をベースとした当量投与量として、10〜300mgの量、好ましくは20〜290mg、さらに好ましくは30〜280mg、最も好ましくは40〜260mgの量でタペンタドールを含む。
好ましい実施形態例においては、タペンタドールの平均血清濃度は、少なくとも3日間を超える、より好ましくは4日間、特に5日間の1日2回の投与の後で、少なくとも5.0ng/ml、少なくとも10ng/ml、少なくとも15ng/mlもしくは少なくとも20ng/ml、より好ましくは少なくとも25ng/mlもしくは少なくとも30ng/ml、さらにより好ましくは少なくとも35ng/mlもしくは少なくとも40ng/ml、最も好ましくは少なくとも45ng/mlもしくは少なくとも50ng/ml、ならびに特に、少なくとも55ng/mlもしくは少なくとも60ng/mlである。この平均は、少なくとも3日間を超える投与の後、投与の後好ましくは2時間後に、血清濃度を測定したものである。このように調査するすべての患者の平均値として、信頼ある数値が得られる。
好ましい実施形態例においては、少なくとも3日間を超える、より好ましくは4日間、特に5日間の1日2回の投与の後で、タペンタドールの平均血清濃度は、好ましくは少なくとも100人の患者を含む患者人口の最高で50%、より好ましくは患者人口の最高で40%、さらにより好ましくは患者人口の最高で30%、最も好ましくは患者人口の最高で20%および特に患者人口の最高で10%において、平均5.0ng/ml未満、好ましくは平均7.5ng/ml未満、さらにより好ましくは平均10ng/m未満、最も好ましくは平均15ng/ml未満、特に平均20ng/ml未満である。
好ましい実施形態例においては、少なくとも3日間を超える、より好ましくは4日間、特に5日間の1日2回の投与の後で、タペンタドールの平均血清濃度は、好ましくは少なくとも100人の患者を含む患者人口の最高で50%、より好ましくは患者人口の最高で40%、さらにより好ましくは患者人口の最高で30%、最も好ましくは患者人口の最高で20%および特に患者人口の最高で10%において、平均300ng/mlより大きく、より好ましくは平均275ng/mlより大きく、さらにより好ましくは平均250ng/mlより大きく、最も好ましくは平均225ng/mより大きく、特に平均200ng/mlより大きい。
好ましい実施形態例においては、少なくとも3日間を超える、より好ましくは4日間、特に5日間の1日2回の投与の後で、タペンタドールの平均血清濃度は、好ましくは少なくとも100人の患者を含む患者人口の最高で50%または55%、より好ましくは患者人口の最高で60%または65%、さらにより好ましくは患者人口の最高で70%または75%、最も好ましくは患者人口の最高で80%または85%および特に患者人口の最高で90または95%において、平均1.0〜500ng/mlの範囲、より好ましくは平均2.0〜450ng/mlの範囲、さらにより好ましくは平均3.0〜400ng/mlの範囲、最も好ましくは平均4.0〜350ng/mlの範囲、特に平均5.0〜300ng/mlの範囲である。
好ましい実施形態例においては、少なくとも3日間を超える、より好ましくは4日間、特に5日間の1日2回の投与の後で、タペンタドールの%標準偏差(変動係数)は、好ましくは少なくとも100人の患者において、最高で±90%、より好ましくは最高で±70%、さらにより好ましくは最高で±50%、最高で±45%もしくは最高で±40%、最も好ましくは最高で±35%、最高で±30%もしくは最高で±25%および特に最高で±20%、最高で±15%もしくは最高で±10%である。
好ましくは、タペンタドールの濃度は、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも25、さらにより好ましくは少なくとも50、さらにより好ましくは少なくとも75、最も好ましくは少なくとも100および特に少なくとも250人の患者人口の測定から計算される平均値である。当分野の当業者であれば、タペンタドールの血清濃度の測定方法は周知である。例えば、TM Tschentke et al, Drugs of the Future, 2006, 31(12), 1053を参照することができる。
好ましい実施形態例において、タペンタドールまたは製薬調剤物は、おのおの、
−経口投与のために調剤され
−固体および/またはプレスおよび/または被膜された薬物形態で存在し;および/または
−制御放出形態で存在し;および/または
−製薬調剤物の全質量をベースとして、タペンタドールを0.001〜99.999質量%、より好ましくは0.1〜99.9質量%、さらにより好ましくは1.0〜99.0質量%、さらにより好ましくは2.5〜80質量%、最もは好ましくは5.0〜50質量%、および特に7.5〜40質量%を含み;および/または
−生理学的に許容できるキャリアおよび/または生理学的に許容できる賦形剤を含み;および/または
−全質量が25〜2,000mg、より好ましくは50〜1,800mg、さらにより好ましくは60〜1,600mg、さらにより好ましくは70〜1,400mg、最も好ましくは80〜1,200mg、および特に100〜1,000mgであり、および/または
−錠剤、カプセル錠、ペレット、および顆粒からなる群から選択される。
製薬調剤物は、単純錠剤および被膜錠剤(例えば、膜被膜錠剤もしくは糖衣錠)として提供することができる。錠剤は、通常、丸薬および両凸薬であるが、長円形もまた可能である。小袋もしくはカプセルに入れるか、またはプレスして分解された錠剤として使用する顆粒、長円形錠、ペレット、もしくはマイクロカプセルも、また使用可能である。
製薬調剤物は、特に低活性用量のとき、副作用を避けるために、少なくとも0.001〜99.999%タペンタドールを含む。製薬調剤物は、好ましくは0.01質量%〜99.99質量%のタペンタドール、より好ましくは0.1〜90質量%、さらにより好ましくは0.5〜80質量%、最も好ましくは1.0〜50質量%、および特に5.0〜20質量%のタペンタドールを含む。副作用を避けるためには、治療の開始時から、身体をゆっくりと活性物質になれるように投与するタペンタドールの量を徐々に(滴定)増やすことが有利である。最初は鎮痛活性用量未満の用量からタペンタドールを投与することが好ましい。
特に好ましくは、製薬調剤物は、1日2回の投与に調剤され、遊離塩基をベースとした当量投与量として、20〜260mgの量でタペンタドールを含む経口投与形態である。
その実施形態例の一つにおいては、本発明は、三叉神経の疾患に起因する疼痛の治療、特に三叉神経因性痛に起因する疼痛の治療において使用するためのタペンタドールに関する。
好ましくは、疼痛は、耳、目、唇、鼻、頭皮、ひたい、歯、顔面の片方もしくは両方のあごの疼痛である。
さらに、本発明は、好ましくは哺乳類である患者の特定の疼痛を治療する方法に関し、ここに示した有効量で生理学的に許容できる量のタペンタドールを、神経因性痛、好ましくは三叉神経の疾患に起因する神経因性痛の治療、特に三叉神経因性痛に起因する疼痛の治療のために患者に投与することを含む。
好ましい実施形態例において、タペンタドールは、三叉神経の疾患に起因する治療の使用のためのものである。
好ましくは、三叉神経の疾患は、三叉神経因性痛および非定型顔面痛からなる群から選択され;特に三叉神経の疾患は、三叉神経因性痛である。
好ましくは、タペンタドールは、以下の全てか何れかにおける三叉神経の疾患に起因する疼痛の治療の使用のためのものである:耳、目、唇、鼻、頭皮、ひたい、顔面の皮膚、歯、顔面の片方もしくは両方のあごの疼痛。
好ましくは、ICD−10(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems, WHO edition,好ましくは2007 version)に規定される三叉神経の疾患は、三叉神経因性痛[G50.0]、非定型顔面痛[G50.1]、他の三叉神経の疾患[G50.8]および非特定の三叉神経の疾患[G50.9]から選択される。括弧はICD−10参照名を示す。
三叉神経の疾患は三叉神経因性痛[G50.0]であり、それは、好ましくは第5の脳神経の疾患を含む。さらに三叉神経の疾患は三叉神経因性痛[G50.0]である場合、これは、好ましくは発作性の顔面痛および疼痛性顔面けいれんから成る群から選択される。
他の好ましい実施形態例においては、中枢神経因性痛は、発作、例えば脳卒中後の中枢疼痛(視床症候群)に起因する中枢神経因性痛であり、および/または多発硬化、癌、癲癇、脳または脊髄疾患および/またはパーキンソン病に起因する中枢神経因性痛である。
好ましくは、疼痛は中庸から強い(痛烈な)ものである。
本発明のタペンタドールがわずかな副作用のみを示す場合であっても、例えば、タペンタドールに加えて、モルヒネアンタゴニスト、特に、ナロキソン、ナルトレキソンおよび/またはレバロルファンの使用の特定の種類の依存を避けることができる点で有利である。
さらに、本発明は、本発明の製薬調剤物を含むキットに関する。
本発明のキットは、それに含まれる製薬調剤物を1日1回、2回または3回投与するいずれの場合にも適した設計であることが好ましい。
以下の例は本発明をさらに説明するためのものであり、それに限定することを意図するものではない。
例:
眼窩神経と坐骨神経の結紮によるラットの異痛/痛覚過敏へのタペンタドールの効果
Bennett and Xie(Bennett G.J. and Xie Y.K.(1988),Pain 33,87−107)に記載されている坐骨神経結紮は、末梢−神経因性痛のモデルを提供する。一方、Vos et al.(Vos BP, Strassman AM, Maciewicz RJ (1994), J.Neurosci.14に記載されている眼窩神経結紮は、三叉神経因性痛の一面を代表する中枢(モノ−)神経因性痛のモデルを提供する。
以下の実験においては、両方の疼痛モデルにおけるタペンタドールの鎮痛性能を分析し、レボキセチン(reboxetine)、モルヒネ、およびその二つの薬剤の組み合わせのそれと比較した。レボキセチンは、ノルエピネフリン(NA)の再取り込みを阻害することが知られており、ここでモルヒネは、有効なμ−オピオイド受容体アゴニストの例として取り上げた。
I.動物
到着時体重150〜200gの雄のSprague−Dawleyラット (Breeding center: Charles River Laboratories, L’Arbresle, France)を使用した。あらゆる治療/中断の前に実験室に導入して少なくとも1週間は、動物は制御された条件(22±V C、60%相対湿度、12時間/12時間の明/暗サイクル、任意に食料および水)で管理し、そして最終的には安楽死させた。
II.外科的手順(CCI−SNまたはCCI−IONの導入)
a)坐骨神経への慢性の圧迫損傷(CCI−SN)
ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg腹腔内投与(以下i.p.とも示す))によりラットを麻酔した。片側のCCI−IONは、Zeissの顕微鏡(10−25x)を使用して直接的な目視制御のもとで、Bennett and Xie (G.J. Bennett et al.,Pain,33(1988)87−107)に記載のように行った。
b)眼窩神経への慢性の圧迫損傷(CCI−ION)
ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg腹腔内投与)によりラットを麻酔した。片側のCCI−IONは、Zeissの顕微鏡(10−25x)を使用して直接的な目視制御のもとで、Vos et al (Vos BP, Strassman AM, Maciewicz RJ (1994),J.Neurosci.14:2708−2723)に記載のように行った。簡潔言うと、頭をHorsley−Clarke定位フレームに固定し、頭皮中線切開を作成し、頭蓋骨および鼻骨を露出させた。上顎骨、前頭骨,涙骨、および頬骨により形成された眼窩の縁を切り取った。眼窩の内容物を穏やかに下を向かせ、まさに眼窩下の尾部である、眼窩腔中最も鼻に近い領域である切開していない眼窩神経にアクセスできるようにする。5mmのみ神経を自由にし(Vos et al.)、その周りに2つの第二クロムのガット(5−0)緩んだ結紮(約2mmの空間)に置換する空間を提供する。望ましい程度の狭窄を得るために、Bennett and Xie (Bennett GJ, Xie YK (1988), Pain 33: 87−107)により定型化された基準を使用した:すなわち、結紮によりちょうど目に見える量によって神経の直径を減少させ、神経上膜の循環を遅らせるが、妨げはしなかった。最終的に、頭皮切開を絹の縫合(4−0)で閉じた。偽性手術(ham−operated)ラットにおいては、IONをSaureの手順で露出したが、しかし結紮をしていない。
III.薬物治療および行動テスト(一般的手順)
CCIラットの異痛/痛覚過敏検出が安定した場合、手術後14日で薬物治療を開始した(Latremoliere A, Mauborgne A, Masson J, Bourgoin S, Kayser V, Hamon M, Pohl M.(2008),J.Neurosci.28:8489−8501)。
すべての行動学的アッセイは、静かな室内で9時から17時の間に行った。ラットは個々に小さい(35×20×15cm)プラスチックゲージに2時間の馴化期間(habituation period)でおいた。
a)CCI−IONラットのRandall−Selittoテスト
ラットの後肢にせん孔機(0.2mm先端径)により圧力(0−450g/mm)を高めることで疼痛を生じさせる。後肢引き込み反応または発声反応のいずれかが動物に生じた圧力を測定された測定値とした。
b)CCI−IONラットのvon Freyフィラメントテスト
機械的感受性は、段階的に連続する11のvon Freyフィラメント((Bioseb,Bordeaux、フランス)により測定される。フィラメントは、各々0.07,0.16,0.40,0.60,1.00,2.00,4.00,6.00,8.00,10.00および12.00gの曲げ力を生み出す。刺激は、神経破壊側において、IONテリトリー(触毛パッド)内に3回与え、その後、ラットあたり各々のフィラメントに計6回反対側に与え、常にフィラメントが最も小さい力を生じるように開始する。最初の休息状態からラットが帰ってきた後、von Freyフィラメントを少なくとも3秒行う。各々のセッションにおいて、力を増大させつつvon Freyフィラメントの完全に連続してテストする。行動侵害反応は以下のいずれかから構成される、
(1)明確な引き込み反応:ラットが足早に後ろに引き返す;または
(2)回避/攻撃:ラットは、ケージの壁に対して屈む姿勢(時々、体の下に頭が埋もれるように)をとるために刺激対象からその体を離すことにより受動的に、あるいは、噛みつきおよび掴み取り行動を行い、刺激対象を攻撃することにより積極的に、フィラメントとさらに接触することを回避した;または
(3)非対称の顔のグルーミング:刺激された顔面エリアに向けられる連続する少なくとも3回の洗顔行動発作を示す。
Vos et alに最初に記載されているようなランク付けされた反応スコアシステムにおいて後者の反応が最も高いスコアを示す。(各側3つのうち少なくとも2つに対する)これらの反応のうち少なくとも一つを生じさせる最少の力のフィラメントを、機械的反応の閾値の測定値とした。12.00gフィラメントは遮断閾値である(この押圧で組織破壊が生じない)。
c)CCI−SNラットの von Frey フィラメントテスト
機械的感受性は、段階的な連続するvon Freyフィラメント(Bioseb,Bordeaux,フランス;曲げ力:0.07−60.0g)により測定する。刺激は、神経破壊側(同側、右)において、SNテリトリー(右後肢の中間足底表面)内に3回与え、その後、ラットあたり各々のフィラメントに計6回反対側に与え、常にフィラメントが最も小さい力を生じるように開始する。最初の休息状態からラットが帰ってきた後、von Freyフィラメントを少なくとも3秒行う。各々のセッションにおいて、力を増大させつつvon Freyフィラメントの完全に連続してテストする。後肢引き込み反応を生じさせる最少の力のフィラメントを、機械的反応の閾値の測定値とした。60gフィラメントは遮断閾値である
V.統計的分析
データは平均±S.E.M.で示される。行動学的反応における薬剤効果の研究において時間効果とグループの差を比較するために、適切な場合、繰り返し測定の分散分析(ANOVA)もしくはワンウェイANOVAが使用される。グループ間でANOVAが有意差を示した場合、データをさらにFisherのPLSD法(post hoc Fisher’s protected least significant difference)試験によりさらに分析する。経時曲線下面積(AUC)を台形法則を使って計算した。二つのグループのAUC値間の差は、Studentのtテストを使用した計算した。有意レベルをP<0.05にセットした。
例1
CCI−SNラットにおけるタペンタドールによる急性または亜慢性治療の効果
Randall−Selittoテスト
タペンタドール(10mg/kg腹腔内投与)またはその賦形剤(0.9%NaCI腹腔内投与)を外科手術後14日後にCCI−SNラットに急激に投与した。後肢引き込み(A)または発声(B)が生じる圧力閾値を、タペンタドールまたは生理食塩水の急性腹腔内投与(時間=0)の後、複数の時間において、Randall−Selittoテストを使用して、測定した。
結果をまとめ、図1に示す(AおよびB)。それぞれの点は3〜4回の独立した測定の平均±S.E.M.である。*P<0.05は外科手術の前(横座標におけるC)の同じラットにおける圧力閾値との比較;Dunnettのテスト。
図1は、坐骨神経の片側の結紮後2週間において、CCI−SNと同側の後肢引き込み(図1A)および発声(図1B)を引き起こす圧力閾値が有意に減少したことの、証拠となる。この時において、生理食塩水の急性腹腔内投与によっては、両方の圧力閾値(図1A、B)において、CCI−SNが引き起こす減少に有意に影響を与えなかった。それとは反対に、10mg/kg腹腔内投与の用量において、タペンタドールによりこれらの値が急激に増加しており、これは薬剤投与後少なくとも60分間は継続する。実際、タペンタドール治療1時間の間に、後肢引き込みを引き起こす圧力閾値が、神経結紮(図1A)のための外科手術の前の無傷の健康なラットで測定した値と有意に異なるわけではない。発声に関しては、この反応を引き起こす圧力閾値は、CCI−SNラットにおけるタペンタドール投与後45分間において未治療の健康なラットよりもごくわずかに高く(+20%)(図1B)、CCI−SNが引き起こす痛覚過敏の拮抗に加えて鎮静効果が生ずることを示唆される。
von Freyフィラメントテスト
CCI−SNラットにおけるタペンタドールによる急性治療の効果を調べるために、タペンタドール(1.3および10mg/kg腹腔内投与)またはその賦形剤(0.9%NaCI腹腔内投与)を外科手術後14日後にCCI−SNラットに急激に投与した。偽性手術ラットも並行して治療した。同側の後肢の足底表面上へのvon Freyフィラメントの適用への疼痛反応を引き起こす圧力閾値を、タペンタドールまたは生理食塩水の急性注射の後、複数の時間において測定した。遮断は60g圧力に固定した。
CCI−SNラットにおけるタペンタドールによる亜慢性治療効果を調べるために、外科手術後16日後(時間=D)に開始し、タペンタドール(10mg/kg、毎日2回、午前10:00および午後6:00)または生理食塩水(薬剤と1日に同じ時間に)の腹腔内への注射を、ラットに4日間受けさせた。その後(外科手術後20日後)、タペンタドールおよび生理食塩水で前治療したCCI−SNラットに、タペンタドール(10mg/kg;時間=0)を腹腔内への注射を行い、その後、その後の複数の時間いおいて圧力閾値を決定するために同側の後肢にvon Freyフィラメントテストを行った。
結果をまとめ、図2A(急性治療)および図2B(亜慢性治療)に示す。(丸括弧中に示されるように)それぞれの点は5〜10回の独立した測定の平均±S.E.M.である。*P<0.05は、タペンタドールまたは生理食塩水の注射前(矢印、横座標における0)の同じラットにおける圧力閾値との比較;Dunnettのテスト。
図2Aは、結紮された側におけるvon Freyフィラメントの足底への適用に対する後肢引き込みを引き起こす圧力閾値が、無傷の健康なラットと比較して(図2A中の横座標のCに対する0に対応する圧力値を比較)90%減少したことの、証拠となる。1mg/kgの用量のタペンタドール腹腔内投与においては、不連続な効果しかなく、注射後最初の15〜30分間において圧力閾値の増加は約40%(有意でない)であった(図2A)。それに対して、薬剤投与の後15〜30分間のCCI−SNラットにおいて、健康な対象の値(横座標におけるC)とはもはや異ならない圧力閾値を有しているので(図2A)、タペンタドール10mg/kg腹腔内への投与後は大きな効果があることが示されている。その後、タペンタドールの効果は段階的に消失し、そして薬剤注射後90分において、機械的異痛は、生理食塩水で治療されたCCI−SNラットのそれと有意に異なることはなかった。3mg/kg腹腔内投与の用量においては、タペンタドールは、また圧力閾値を増大させたが、しかし、10mg/kg腹腔内投与に比べて狭い範囲であり、CCI−SNラットにおける1〜10mg/kg腹腔内投与の用量範囲においては、明らかな用量依存の薬剤の抗異痛効果が示された(図2A)。
図2Bのデータは、タペンタドールの最後の投与により、生理食塩水−前治療およびタペンタドール−前治療において同じ抗異痛効果生み出すことが示されている。事前の実験シリーズにおける急性時治療の後(図2A)、タペンタドールは亜慢性の治療条件下での最後の注射の後、最初の45分において著しく圧力閾値を増加させ、そして、この効果はCCI−SNラットが薬剤により前処理されているかどうかに関わらず、この効果は同様の経時変化で段階的に消失する。
例2
CCI−IONラットにおけるタペンタドールによる急性または亜慢性治療の効果
CCI−IONラットにおけるタペンタドールによる急性治療効果を調べるために、タペンタドール(1または10mg/kg腹腔内投与)またはその賦形剤(0.9%NaCI腹腔内投与)を外科手術後14日後にCCI−SNラットに急激に投与した。偽性手術ラットも並行して治療した。同側の後肢の足底表面上へのvon Freyフィラメントの適用への疼痛反応を引き起こす圧力閾値を、タペンタドールまたは生理食塩水の急性注射の後、複数の時間において測定した。遮断は12g圧力に固定した。
CCI−IONラットにおけるタペンタドールによる亜慢性治療効果を調べるために、外科手術後16日後(時間=D)に開始し、タペンタドール(10mg/kg、毎日2回、午前10:00および午後6:00)または生理食塩水(薬剤と1日に同じ時間に)の腹腔内への注射を、ラットに4日間受けさせた。その後(外科手術後20日後)、タペンタドールおよび生理食塩水で前治療したCCI−SNラットに、タペンタドール(10mg/kg;時間=0)を腹腔内への注射を行い、その後、その後の複数の時間いおいて圧力閾値を決定するために同側の後肢にvon Frey フィラメントテストを行った。
結果をまとめ、図3A(急性治療)および図3B(亜慢性治療)に示す。それぞれの点は丸括弧中に示される回数の独立した測定の平均±S.E.M.である。*P<0.05は、タペンタドールまたは生理食塩水の注射前(矢印、横座標における0)の同じラットにおける圧力閾値との比較;Dunnettのテスト。
図3Aに示されるように、外科手術後2週間において、CCI−IONラットにおける触毛パッド上のvon Freyフィラメントの適用に対する疼痛反応を引き起こす圧力閾値は、無傷の健康なラットで測定されたそれの5%にも満たない(横座標における0とCの比較)。この時において、生理食塩水の急性時の腹腔内投与は有効でないが、しかしタペンタドールの1mg/kg腹腔内投与によって、生理食塩水で治療したCCI−IONラットと比較して、圧力閾値を6倍まで増加させた。この増加は、段階的にタペンタドール注射の最初の45分間は大きくなり、そしてその後45分内に圧力閾値がもとに戻り、生理食塩水で治療したCCI−IONラットに見られるそれと同じ底辺レベルにまで下がる(図3A)。10mg/kg腹腔内投与の用量において、薬剤注射後30〜60分後において、圧力閾値が注射前のそれと比較して15〜20倍高いので、タペンタドールの抗異痛効果は、その振幅と継続時間の両方で非常に大きかった。さらに、この用量において、圧力閾値の薬剤の誘導による増加を通じて評価したタペンタドールの抗異痛効果は、薬剤注射後2時間よりも長く統計的に優位に持続された(図3A)。
図3は、タペンタドールの抗異痛効果(10mg/kg腹腔内投与)は、CCI−IONラットが先だつ4日間において生理食塩水(1日2回、10:00及び18:00)もしくはタペンタドール(10:00及び18:00の10mg/kg腹腔内投与)の繰り返し注射のいずれであっても、同じ特性(振幅、継続時間)を有している。
したがって、CCI−SNラットでもCCI−IONラットでも、亜慢性の治療条件下におけるタペンタドールへの感作または脱感作は見られなかった(例えば、図2Bおよび3B)。
例3
各偽性手術ラットに対するCCI−SNラットにおける神経節および中枢組織におけるATF3、IL−6、iNOSおよびBDNFをコードするmRNAレベルにおけるタペンタドールの亜慢性治療の効果
CCI−SN又は偽性手術の後20日に、リアルタイムqRT−PCR測定を行った。生理食塩水またはタペンタドールを例2による治療条件(亜慢性治療条件)下で16〜20日間投与した。20日目の最終注射の後ラットを頭部除去し、直ぐに組織を冷却中(0℃)で解剖し、Latremoliere et al.(J.Neurosci.2008,28,8489−8501)に記載のように、mRNA抽出および定量化を進めた。
結果を図4にまとめた。
mRNAレベルは、レセプター遺伝子GaPDH(グリセルアルデヒド3−フォスフェイトデヒドロゲナーゼ)をコードする転写物に対応して表現される。各棒は4〜6回の独立した測定の平均値±S.E.M.である。
*P<0.05各々偽性手術における値と比較した;Fisherの最少有意差法post hocテスト(Fisher’s protected least significant difference post hoc test)。.
偽性手術ラットに比較してATF3のmRNA(約7倍)およびIL−6のmRNA(約15倍)の著しい過剰発現が、CCI−SNラットの(結紮された坐骨神経と)同側のL4−L6後根神経節(DRG)において、見いだされた。それに加えて、BDNFのmRNAレベルおよびiNOSのmRNAレベルもまた偽性手術ラットに比較して高かったが、しかし、それらの過剰発現は前2つのマーカーのそれよりも小さいものであった(図4A)。
L4−L6における脊髄の腰膨大の同側の背中四分円(dorsal quadrant)において、偽性手術ラットに比較してCCI−SNラットにおいてはATF3−およびBDNF−mRNAレベルの明確な増大が見いだされた(図4B)。それとは対照的に、IL−6およびiNOSをコードするmRNAレベルについては、CCI−SNによって有意に影響を受けていなかった。
図4Aおよび4Bに示されるように、同側のDRGおよび脊髄の腰膨大の同側の背中四分円におけるATF3、IL−6、iNOSおよびBDNFをコードするmRNAレベルは、タペンタドール治療ラット対生理食塩水治療ラットにおいて、有意な差がなかった、これらのデータは、亜慢性治療に使用される条件下において、タペンタドールはCCI−SNによって引き起こされる神経炎症因子および栄養因子の過剰発現を阻害しなかった、ということを示唆している。
例4
各偽性手術ラットに対するCCI−IONラットにおける神経節および中枢組織におけるATF3、IL−6、iNOSおよびBDNFをコードするmRNAレベルにおけるタペンタドールの亜慢性治療の効果
CCI−SN又は偽性手術の後20日に、リアルタイムqRT−PCR測定を行った。生理食塩水またはタペンタドールを例2による治療条件(亜慢性治療条件)下で16〜20日間投与した。20日目の最終注射の後ラットを頭部除去し、直ぐに組織を冷却中(0℃)で解剖し、Latremoliere et al.(2010,Neuropharmacology,58,474−487)に記載のように、mRNA抽出および定量化を進めた。
結果を図5にまとめた。
mRNAレベルは、レセプター遺伝子GaPDH(グリセルアルデヒド3−フォスフェイトデヒドロゲナーゼ)をコードする転写物に対応して表現される。各棒は4〜6回の独立した測定の平均値±S.E.M.である。
*P<0.05各々偽性手術における値と比較した;Fisherの最少有意差法post hocテスト(Fisher’s protected least significant difference post hoc test)。.
偽性手術ラットに比較してATF3のmRNA(約15倍)およびIL−6のmRNA(約20倍より大きい)の著しい過剰発現が、CCI−IONラットの障害のある側における三叉神経節において、観察された(図5A)。偽性手術ラットに対してION結紮されたラットにおける同側の三叉神経節において、iNOS遺伝子転写物にはなくBDNF遺伝子転写物の明らかな上方調節もまた観察された。
三叉神経の同側の脊髄核の尾側部分(Sp5c)において、対となる偽性動物に対してCCI−ION動物において、ATF3、IL−6、BDNFをコードするmRNAのレベルのわずかな、有意でない変化が見られた(図5B)。特に、ATF3のmRNAレベルの増加傾向およびIL−6のmRNAの減少傾向が見られたが、偽性ラットと比較してCCI−IONラットにおいて、BDNFのmRNAレベルは明確に変化しなかった
興味深いことに、タペンタドールの亜慢性治療は、CCI−IONラットにおける神経結紮と同側の三叉神経節および三叉神経脊髄核の両方におけるATF3、IL−6、BDNFおよびiNOSのmRNAレベルにおいて有意な効果がなかった(図5Aおよび5B)。
例3および4に従うリアルタイムqRT−PCR測定により、CCI−SNおよびCCI−IONラットの両方の同側の末梢神経節においてBDNFのmRNAレベルの有意な増加が見られたが、しかし、CCI−SNラットの中枢組織(同側の脊髄の腰膨大の背中四分円)においては偽性動物に比べてわずかであった。実際、BDNFのmRNAレベルは、同側のCCI−ION−ラットのSp5cおいては、対となる偽性ラットに対して、有意な変化がなかった(図5B)。
しかしながら、特異的mRNAレベルのこれらのリアルタイムqRT−PCR測定は20日おいてのみ行われ(すなわち、外科手術後2週間の回復期間と、それに続く5日間の生理食塩水またはタペンタドールによる治療)、したがって、CCI−ION−ラットの外科手術後早期における、さらなるSp5cにおけるBDNF発現の誘導の可能性に関する情報は与えられない。したがって、次の研究においては、外科手術後24時間(1日)においてリアルタイムqRT−PCRのmRNA測定を行った:
例5
外科手術後24時間におけるCCI−ION−ラットと比較したCCI−SN−ラットの中枢組織におけるBDNFのmRNAの発現
例3および4にしたがい、外科手術後24時間においてリアルタイムqRT−PCR測定を行った。
この研究の結果を図6に要約し、そして例3および4の結果と比較した。
図6は、CCI−SN後1日ですでに同側のL4−L6のDRGおよび脊髄の腰膨大の背中四分円の両方においてBDNFのmRNAレベルが上方調節されていたことの証拠となる。この効果は見出されている外科手術20日後の効果と同等のものである。同様に、CCI−SN後わずか1日において、BDNFのmRNAレベルの上方調節が同側の三叉神経節において観察された(図6B)。しかしながら、すでに示した20日後−CCIのそれと同様に、外科手術後1日の偽性ラットと比較してCCI−ION−ラットにおける同側のSp5CにおいてBDNFのmRNAレベルの有意な変化は見られなかった(図6B)。
これらのデータは、BDNF発現は、末梢神経結紮後の頭部外に対して、頭部の中枢神経においては異なって誘導されることを、示唆する。したがって、BDNFの過剰発現は、Sp5cにおいてではなく、(Merighi et al., 2008;Wang et al., 2009と一致するように)脊髄レベルで痛みシグナル感作に寄与すると仮定できた。
例6
健康なラットにおけるBDNFの鞘内投与による誘導される機械的異痛におけるタペンタドールによる急性治療の効果
この研究の第一の部分においては、BDNF(ラットあたり25μlの生理食塩水中0.3ng)または生理食塩水(25μl)を、イソフルレン(Mestre et al. (1994), J. Pharmacol. Toxicol. Meth.,32,197−200に従う)によりわずかに麻酔した大人の雄のラットに、鞘内に注射し、そして、その後、複数回にわたって動物の後肢にvon Freyフィラメントテストを行った。
結果をまとめ、図7Aに示した。圧力閾値は丸括弧中に示される独立した測定回数の平均±S.E.M.である。*P<0.05は、鞘内注射のための麻酔の前の同じラット(横座標における0)における圧力閾値と比較;Dunnettのテスト.
図7Aは、BDNFの固有の鞘内注射が、von Freyフィラメントテストにおける後肢引き込みを引き起こす圧力閾値の段階的および長期にわたる減少を引き起こすことの証拠となる。その後、この治療後4日〜8日において、圧力閾値は、CCI−SNラットにおいて外科手術2週間に測定した以前の値と同様の低さとなった(図2参照)。その後、圧力閾値は段階的に増加したが、しかし、それらはBDNFの急性鞘内注射後11日における未治療の健康なラットの値の未だ半分にすぎなかった(図7A)。それとは反対に、触毛パッド内に適用されたvon Freyフィラメントに対する痛み反応を引き起こす圧力閾値は、BDNFの鞘内投与後11日までいずれの期間も有意に変化しなかった(閾値は12g近くで安定し、無傷の健康なラットで見られたのと同様であった;データは示していない)。したがって、注射されたBDNFは脊柱上の部位において拡散していないか、または、この神経栄養因子は頭部レベルにおいて異痛を引き起こさないと仮定できる。
この研究の第二の部分においては、上記のようにBDNF(時間=C)の鞘内注射後7日目(横座標において時間=0)にタペンタドール(3又は10mg/kg腹腔内投与)または生理食塩水を投与した。後肢に適用したvon Freyフィラメントテストを使用して、圧力閾値を測定した。
結果をまとめ、図7Bに示した。圧力閾値は丸括弧中に示される独立した測定回数の平均±S.E.M.である。*P<0.05は、タペンタドールまたは生理食塩水注射前(横座標における0)における圧力閾値と比較;Dunnettのテスト.
図7Bに示されるように、注射後15〜30分において10mg/kg腹腔内投与用量により圧力閾値を未治療の健康なラット(横軸におけるC)と同じレベルまで戻し、タペンタドールは用量依存的にBDNFにより誘導される異痛を無効にした。その後、タペンタドールの抗異痛作用は、以前に観察したCCI−SNラット(図2参照)と同じく時間経過と共に、段階的に消失した。
例7
BDNFの鞘内投与により誘導される異痛(A)または坐骨神経への慢性の圧迫損傷(B)におけるタペンタドールと比較したレボキセチンの効果
この研究(A)の第一の部分においては、BDNF(ラットあたり25μlの生理食塩水中0.3ng)の鞘内投与後7日目に、レボキセチン(10mg/kg腹腔内投与;メシラート,Ascent Scientific,Bristol,UK)、タペンタドール(10mg/kg腹腔内投与)または生理食塩水(ラットあたり0.5ml腹腔内投与)を注射した。その後、複数の時間において後肢に適用したvon Freyフィラメントテストを使用して圧力閾値を測定した。
結果をまとめ、図8Aに示した。各点は丸括弧中に示される独立した測定回数の平均±S.E.M.である。*P<0.05は、レボキセチン、タペンタドールまたは生理食塩水注射前(横座標における0)における圧力閾値と比較;Dunnettのテスト.
図8Aに示されるように、レボキセチンの急性投与は、7日前のBDNF(25μlの生理食塩水中0.3ng)の固有の固有の鞘内注射による引き起こされる機械的異痛の、有意にしかし部分的な解消を生み出した。von Freyフィラメントテストにおけるレボキセチンに誘導された圧力閾値の増加は、その最大値において、タペンタドールの10mg/kg腹腔内投与により引き起こされるそれのわずか3分の1であった(図8A)。レボキセチンおよびタペンタドールにより引き起こされる最大値に各々45分および15分で到達しており、したがって、レボキセチンの効果はタペンタドールのそれと比較して比較的遅く進む(図8A)。
この研究(B)の第二の部分においては、レボキセチン(10mg/kg腹腔内投与)、タペンタドール(10mg/kg腹腔内投与)または生理食塩水(ラットあたり0.5ml腹腔内投与)の前2週間に、坐骨神経に片側の慢性の圧迫損傷を与えた。その後、複数の時間において後肢に適用したvon Freyフィラメントテストを使用して圧力閾値を測定した。
結果をまとめ、図8Aに示した。各点は丸括弧中に示される独立した測定回数の平均±S.E.M.である。*P<0.05は、レボキセチン、タペンタドールまたは生理食塩水注射前(横座標における0)における圧力閾値と比較;Dunnettのテスト.
図8Bに示されるように、外科手術後2週間におけるレボキセチン(10mg/kg腹腔内投与)の急性体系的投与の後、圧力閾値におけるCCI−SNに引き起こされる減少からの有意ではあるが部分的でしかない回復が示された。興味深いことに、BDNFの鞘内注射を受けた手術していないラットにおいても見られるように(図8A)、レボキセチンの抗異痛作用はよりゆっくり進み、そしてCCI−SNラットにおけるタペンタドール(10mg/kg腹腔内投与)により引き起こされるそれよりも非常に小さい(図8B)。
例8
CCI−SNラットにおける機械的異痛に対するレボキセチンおよびモルヒネによる組合せの急性治療の効果
CCI−SNラットにおける機械的異痛に対するレボキセチンおよびモルヒネによる組合せの急性治療の効果を研究する前に、最初に、CCI−SNラットにおける機械的異痛に対するモルヒネによる急性治療の用量依存性効果を測定した。
モルヒネによる治療
CCI−SN外科手術後14日目に、モルヒネ(1、3および10mg/kg皮下注射(以下s.c.とも示す))またはその賦形剤(0.9%NaCI)を急速に注射した。偽性手術ラットも並行して治療した。モルヒネまたは生理食塩水の急性の注射の後、複数の時間において、同側の後肢の足底表面上に適用されるvon Freyフィラメントに対する痛み反応を引き起こす圧力閾値を測定した。
結果をまとめ、図9に示した。各点は(丸括弧中に示される)独立した5〜7回の測定の平均±S.E.M.である。*P<0.05は、モルヒネまたは生理食塩水注射前(矢印、横座標における0)におけるCCI−SNラットにおいて測定された圧力閾値と比較;Dunnettのテスト.
図9に示すように、モルヒネは、10mg/kg皮下注射の用量において、薬剤注射の後30分においてすぐにCCI−SNにより引き起こされる機械的異痛を完全に無効にさせ、そしてこの効果は少なくとも1時間持続した。1および3mg/kg皮下注射の他の二つのテスト用量においては、モルヒネにより異痛は完全に無効にはならず、薬剤効果は短いものであった。したがって、レボキセチンがモルヒネンの効果を促進するかしないかを調べるために、これらの後者二つの用量を選択した。
低用量のレボキセチンおよびモルヒネによる治療
CCI−SN外科手術の後14日目に、レボキセチン(10mg/kg腹腔内投与)またはその賦形剤(0.9%NaCI)を注射し、その15分後に、モルヒネ(1mg/kg皮下注射)またはその賦形剤(0.9%NaCI)を注射し、その4時間後にvon Freyフィラメントテストを行った。偽性手術ラットも並行して治療した。
得られた閾値の経時変化曲線を図10A中に示す。各点は(丸括弧中に示される)独立した5〜6回の測定の平均±S.E.M.である。*P<0.05は、第二の注射前(矢印、横座標における0)におけるCCI−SNラットにおいて測定された圧力閾値と比較;Dunnettのテスト.
図10Aに示すように、どちらか一方の薬剤単独の投与の後において、圧力閾値の不連続な増加しか見られない。それとは対照的に、組合せ治療の後、CCI−SNラットにおいてレボキセチン+モルヒネの明確な抗異痛効果を示した。
経時曲線下における各面積(AUC値)の(台形法則による)計算により、レボキセチンまたはモルヒネの単独投与の各々の値の合計[R+M]よりも、レボキセチン+モルヒネの組合せ[RM]が80%高い値を示し、これは、薬剤組合せの得られた抗異痛効果が、別々に考えられる各薬剤の効果の単純な足し算から予測される効果を超えるものである(図10B参照)。
中用量のレボキセチンおよびモルヒネによる治療
レボキセチンおよびモルヒネにおけるこのような明白な相乗効果がモルヒネ、3.0mg/kg皮下注射の中用量でもまた生じるか否かを、上記と同じ条件でしかし他のCCI−SNラットを使用して、テストした。その結果を図11に示した。
図11Aは、レボキセチン+モルヒネの組合せ治療が、どちらか一つの薬剤の単独投与よりもより効果的にvon Freyフィラメントテストにおける後肢引き込みを生じさせる圧力閾値を増加させることの証拠となる。しかしながら、AUC値に対応する計算では、レボキセチン+モルヒネの組合せ[RM]の全体の抗異痛効果は、別々に各々の薬剤の投与により生じる効果の合計[R+M]よりもわずか25%(P>0.05)高いにすぎない(図11B参照)。したがって、モルヒネの3.0mg/kg皮下注射によっては、この鎮静アゴニストおよびレボキセチン(10mg/kg腹腔内投与)におけるそれとの間に確かな相乗効果ないことが示された。
例9
CCI−IONラットにおける機械的異痛に対するレボキセチンおよびモルヒネによる組合せの急性治療の効果
CCI−IONラットの頭部レベルにおいてレボキセチンおよびモルヒネの抗異痛効果における相乗効果がまた生じるか否かを調べることを目的とした一連の最後の実験のために、モルヒネを3.0mg/kg皮下注射の用量で使用した。
CCI−ION外科手術後14日目に、レボキセチン(10mg/kg腹腔内投与)またはその賦形剤(0.9%NaCI)を注射し、その15分後に、モルヒネ(3mg/kg皮下注射)またはその賦形剤(0.9%NaCI)を注射し、その4時間後にvon Freyフィラメントテストを行った。偽性手術ラットも並行して治療した。
得られた閾値の経時変化曲線を図12A中に示す。各点は(丸括弧中に示される)独立した3〜6回の測定の平均±S.E.M.である。*P<0.05は、第二の注射前(矢印、横座標における0)におけるCCI−IONラットにおいて測定された圧力閾値と比較;Dunnettのテスト.
図11および12を比較すると、この用量においてCCI−SNラットにおいて強い抗異痛効果を示すにも関わらず、CCI−IONラットにおいて、モルヒネは不連続の効果しか生じなかった。その最大値において、得られた圧力閾値の増加は、健康な無傷のラットにおいて測定された圧力閾値の20%に達したに過ぎない(図12A)。他方、レボキセチン(10mg/kg腹腔内投与)は完全に不活性であった(図12A)。
これとは逆に、レボキセチンおよびモルヒネの組合せは、いずれか一つの薬剤単独により引き起こされる効果よりも非常に高い明確な抗異痛効果を示した。実際個々の経時変化曲線に対応するAUC値においては、レボキセチン+モルヒネの組合せ[RM]の全体の効果は、別々に各々の薬剤の投与により生じる効果の合計[R+M]よりも295%高いことが示された(図12B)。
後者のデータは、μ−オピオイド受容体アゴニスト、モルヒネおよNA再取り込阻害剤、レボキセチンとの間の相乗効果が存在するだけでなく、CCI−SNラットと比較してCCI−IONラットにおいてより強いことが、強く示唆された。
レボキセチンおよびモルヒネの間に観察された相乗効果は、ノルアドレナリン再取り込の阻害およびタペンタドールの単分子によりなされるμ−オピオイド受容体の組合せが、特に中枢神経因性痛の治療に関する著しいこの薬剤の抗神経因性痛効果に寄与していることを示唆している。

Claims (9)

  1. 三叉神経の疾患に起因する疼痛の治療に使用するためのタペンタドール。
  2. タペンタドールが固体である、請求項1に記載の使用するためのタペンタドール。
  3. 経口投与のために調剤される、請求項1または2に記載の使用するためのタペンタドール。
  4. 三叉神経の疾患が、三叉神経因性痛および非定型顔面痛から成る群から選択される、請求項1〜3のいずか一つに記載の使用するためのタペンタドール。
  5. 疼痛が中庸から強いものである、請求項1〜4のいずか一つに記載の使用するためのタペンタドール。
  6. 製薬調剤物の形態で提供される、請求項1〜5のいずか一つに記載の使用するためのタペンタドール。
  7. 製薬調剤物が錠剤である、請求項6に記載の製薬調剤物。
  8. 1日2回の投与(bid)に適用される、請求項6または7に記載の製薬調剤物。
  9. タペンタドールを10〜300mgの量で含む、請求項6〜8のいずか一つに記載の製薬調剤物。
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