JP2014510169A - 多接触プロ触媒によって嵩密度を改善するための方法及び製品 - Google Patents

多接触プロ触媒によって嵩密度を改善するための方法及び製品 Download PDF

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Abstract

置換フェニレン芳香族ジエステル及び少なくとも1つのその他の内部電子供与体の存在下での複数の接触工程を含む、プロ触媒組成物を調製するための方法が本明細書で開示される。本発明の方法から製造される多接触プロ触媒組成物は、ポリマー特性及び重合パラメータを改善する。特に、本発明の多接触プロ触媒組成物は、ポリマー嵩密度を改善する。

Description

本開示は、プロ触媒及び触媒特性を増強するための方法を提供する。本開示は、これらのプロ触媒/触媒により製造されたフォルマントポリマーを提供する。
オレフィン系ポリマー対する世界的な需要は、これらのポリマーに対する用途がより多様でより高度になるにつれて増大し続けている。公知のものは、オレフィン系ポリマーの製造のためのチーグラー・ナッタ触媒組成物である。チーグラー・ナッタ触媒組成物には、一般に、遷移金属ハライド(すなわち、チタン、クロム、バナジウム)を含有するプロ触媒、共触媒例えば有機アルミニウム化合物など、及び任意選択で外部電子供与体が含まれる。チーグラー・ナッタ触媒によるオレフィン系ポリマーは、一般に狭い範囲の分子量分布を示す。オレフィン系ポリマーの新しい用途が永続的に出現するのであれば、当分野は改善された多様な特性をもつオレフィン系ポリマーに対する必要性を認識する。
公知のものは、オレフィン系ポリマーの製造に使用される内部電子供与体として置換フェニレン芳香族ジエステルを含有する触媒組成物である。望ましいものは、フォルマントポリマー粒子の嵩密度を増加させる置換フェニレン芳香族ジエステルを含有するチーグラー・ナッタ型プロ触媒組成物であろう。さらに望ましいものは、重合中に高い触媒活性を提供する置換フェニレン芳香族ジエステルを含有するチーグラー・ナッタ型プロ触媒組成物である。
本開示は、混合内部電子供与体を含有するチーグラー・ナッタ型プロ触媒組成物を製造するための方法を提供し、その混合内部電子供与体の1つの成分が置換フェニレン芳香族ジエステルである。本出願者らは、(i)多重接触工程を(ii)置換フェニレン芳香族ジエステル及び別の内部電子供与体の存在下で含むプロ触媒合成が、驚くことに、触媒特性及び重合パラメータを改善することを発見した。本発明の方法は、触媒選択性及び触媒活性を改善する。本発明の方法は、重合中に改善されたポリマー嵩密度をもたらすプロ触媒/触媒組成物を製造する。本発明のプロ触媒/触媒組成物から製造したプロピレン系ポリマーは、低いキシレン可溶物(xylene solubles)、高TMF、良好な形態及び反応器内のメルトフロー域の拡大を示す。
本開示は、方法を提供する。一実施形態では、プロ触媒組成物を製造するための方法が提供され、それには、プロ触媒前駆体とハロゲン化剤を内部電子供与体の存在下で接触させる第1の接触が含まれる。内部電子供与体は、置換フェニレン芳香族ジエステル、ベンゾエート系成分(benzoate-based component)、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せから選択される。第1の接触工程は、プロ触媒中間体を形成する。この方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤を内部電子供与体の存在下で接触させる第2の接触が含まれる。内部電子供与体は、置換フェニレン芳香族ジエステル、ベンゾエート系成分、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せから選択される。接触工程の少なくとも1つは、置換フェニレン芳香族ジベンゾエートの存在下で起こる。この方法には、多接触プロ触媒組成物(multi-contact procatalyst composition)を形成する工程が含まれる。
一実施形態では、この方法には、残留組成物(residual composition)を形成することが含まれる。
本開示は、別の方法を提供する。一実施形態では、プロ触媒組成物を製造するための方法が提供され、それには、プロ触媒組成物とハロゲン化剤を、置換フェニレン芳香族ジベンゾエート及びアルコキシアルキルエステルの存在下で接触させてプロ触媒中間体を形成する第1の接触が含まれる。この方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤を内部電子供与体の存在下で接触させる第2の接触が含まれる。内部電子供与体は、置換フェニレン芳香族ジエステル、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せから選択される。この方法には、多接触プロ触媒組成物を形成することが含まれる。多接触プロ触媒組成物には、置換フェニレン芳香族ジエステル及びアルコキシアルキルエステルが含まれる。
本開示は、別の方法を提供する。一実施形態では、プロ触媒組成物を製造するための方法が提供され、それには、プロ触媒組成物とハロゲン化剤を、ベンゾエート系成分の存在下で接触させてプロ触媒中間体を形成する第1の接触が含まれる。この方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤を置換フェニレン芳香族ジエステルの存在下で接触させる第2の接触が含まれる。この方法には、多接触プロ触媒組成物を形成することが含まれる。多接触プロ触媒組成物には、置換フェニレン芳香族ジエステル及びベンゾエート系成分が含まれる。
本開示は、組成物を提供する。一実施形態では、触媒組成物が提供され、それには多接触プロ触媒組成物、共触媒、及び任意選択で外部電子供与体が含まれる。さらなる実施形態では、触媒組成物には、残留組成物が含まれる。
本開示は、別の方法を提供する。一実施形態では、重合方法が提供され、それには重合条件下で、プロピレン及び任意選択で1又はそれ以上のコモノマーを触媒組成物と接触させることが含まれる。触媒組成物には、多接触プロ触媒組成物、共触媒及び外部電子供与体が含まれる。この方法には、0.30g/ccよりも大きい嵩密度を有するプロピレン系ポリマーの粒子を形成することが含まれる。
本開示の利点は、多接触プロ触媒組成物の製造のための方法の提供である。
本開示の利点は、多接触プロ触媒組成物を含有する触媒組成物の提供である。
本開示の利点は、改善された嵩密度をもつポリマー粒子を製造する多接触プロ触媒組成物の提供である。
本開示の利点は、多接触プロ触媒組成物を利用してポリマー嵩密度を改善する重合方法である。
本開示の利点は、フタル酸塩を含まない多接触プロ触媒/触媒組成物である。
本開示の利点は、フタル酸塩を含まない触媒組成物及びそれから製造されたフタル酸塩を含まないオレフィン系ポリマーの提供である。
本開示の実施形態による多接触プロ触媒組成物製造プロセス中に起こる反応スキームを示す。
本開示の実施形態によるプロ触媒組成物製造プロセス中に起こる反応スキームを示す。
本開示は、プロ触媒組成物を製造するための方法を提供し、それには(i)複数の(すなわち2又はそれ以上の)接触工程及び(ii)少なくとも置換フェニレン芳香族ジエステルで構成される内部電子供与体が含まれる。本方法は、次のプロ触媒の特性:活性、選択性、水素応答、及び/又は触媒粒子の形態の1又はそれ以上を改善する。本方法は、次の重合プロセスパラメータ:ポリマー嵩密度及び/又は反応器スループット率/質量をさらに改善する。
一実施形態では、プロ触媒組成物を製造するための方法が提供される。この方法には、プロ触媒前駆体とハロゲン化剤を、次の:置換フェニレン芳香族ジエステル、ベンゾエート系成分、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せの1又はそれ以上から選択される内部電子供与体の存在下で接触させる第1の接触が含まれる。第1の接触工程でプロ触媒中間体が形成される。この方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤を、次の:置換フェニレン芳香族ジエステル、ベンゾエート系成分、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せの1又はそれ以上から選択される内部電子供与体の存在下で接触させる第2の接触がさらに含まれる。第1の接触工程及び/又は第2の接触工程の少なくとも1つは、置換フェニレン芳香族ジエステルの存在下で行われる。この方法は、多接触プロ触媒組成物を形成する工程をさらに含む。
一実施形態では、多接触プロ触媒組成物は、残留組成物を含有する。残留組成物は、(i)複数の接触が(ii)複数の内部電子供与体の存在下で起こる結果である。
プロ触媒前駆体
プロ触媒前駆体は、マグネシウムを含有し、マグネシウム部分化合物(MagMo)、混合マグネシウムチタン化合物(MagTi)、又はベンゾエート含有マグネシウムクロライド化合物(BenMag)であってよい。一実施形態では、プロ触媒前駆体は、マグネシウム部分(「MagMo」)前駆体である。「MagMo前駆体」は、マグネシウムを唯一の金属成分として含有する。MagMo前駆体には、マグネシウム部分が含まれる。適したマグネシウム部分の限定されない例としては、無水マグネシウムクロライド及び/又はそのアルコール付加物、マグネシウムアルコキシドもしくはアリールオキシド、混合マグネシウムアルコキシハライド、及び/又は炭酸マグネシウムジアルコキシドもしくはアリールオキシドが挙げられる。一実施形態では、MagMo前駆体は、マグネシウムジ(C1−4)アルコキシドである。さらなる実施形態では、MagMo前駆体は、ジエトキシマグネシウムである。
一実施形態では、プロ触媒前駆体は、混合マグネシウム/チタン化合物(「MagTi」)である。「MagTi前駆体」は、式MgTi(OR(式中、Rは、1〜14個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基、又は、R’が1〜14個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基であるCOR’であり;各々のOR基は、同じ又は異なり;Xは、独立に、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくは塩素であり;dは、0.5〜56、又は2〜4であり;fは、2〜116又は5〜15であり;かつ、gは、0.5〜116、又は1〜3である)を有する。MagTi前駆体は、その調製で使用した前駆体反応媒質からアルコールを除去することによる、制御された沈殿によって調製される。一実施形態では、反応媒質は、芳香族液体、例えば塩素化芳香族化合物、又はクロロベンゼンと、アルカノール、特にエタノールとの混合物を含む。適したハロゲン化剤としては、四臭化チタン、四塩化チタン又は三塩化チタン、特に四塩化チタンが挙げられる。ハロゲン化で使用した溶液からアルカノールを除去すると、望ましい形態及び表面積を有する固体前駆体が沈殿する。さらなる実施形態では、結果として得られるプロ触媒前駆体は、粒度が均一な複数の粒子である。
一実施形態では、プロ触媒前駆体は、ベンゾエート含有マグネシウムクロライド材料である。本明細書において、「ベンゾエート含有マグネシウムクロライド」(「BenMag」)は、ベンゾエート内部電子供与体を含有するプロ触媒(すなわちハロゲン化プロ触媒前駆体)であり得る。BenMag材料にもチタン部分、例えばチタンハライドが含まれ得る。ベンゾエート内部供与体は不安定であるので、プロ触媒及び/又は触媒合成中に他の電子供与体に置き換えられることができる。適したベンゾエート基の限定されない例としては、エチルベンゾエート、メチルベンゾエート、エチルp−メトキシベンゾエート、メチルp−エトキシベンゾエート、エチルp−エトキシベンゾエート、エチルp−クロロベンゾエートが挙げられる。一実施形態では、ベンゾエート基は、エチルベンゾエートである。適したBenMagプロ触媒前駆体の限定されない例としては、ミシガン州ミッドランドのThe Dow Chemical Companyより入手可能なSHAC(商標)103及びSHAC(商標)310の商標名のプロ触媒が挙げられる。一実施形態では、BenMagプロ触媒前駆体は、ベンゾエート化合物の存在下、任意のプロ触媒前駆体(すなわち、MagMo前駆体又はMagTi前駆体)のハロゲン化生成物であり得る。
第1の接触
本発明の方法には、次の:置換フェニレン芳香族ジエステル、ベンゾエート系成分、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せの1又はそれ以上から選択される内部電子供与体の存在下で、プロ触媒前駆体をハロゲン化剤と接触させる第1の接触が含まれる。第1の接触により、プロ触媒中間体が形成される。用語「接触させること」又は「接触」又は「接触工程」は、プロ触媒合成の状況において、プロ触媒前駆体/中間体、ハロゲン化剤(随意のチタン化剤(titanating agent)を含む)内部電子供与体、及び溶媒を含有する(任意選択で加熱された)反応混合物で起こる化学反応である。「接触させること」の反応生成物は、内部電子供与体と複合体を形成した、マグネシウム部分、チタン部分の組合せであるプロ触媒組成物(又はプロ触媒中間体)である。
ハロゲン化(又はハロゲン化すること)は、ハロゲン化剤によって起こる。「ハロゲン化剤」は、本明細書において、プロ触媒前駆体(又はプロ触媒中間体)をハロゲン化物の形態に変換する化合物である。「チタン化剤」は、本明細書において、触媒活性チタン種を提供する化合物である。ハロゲン化及びチタン化(titanation)によって、プロ触媒前駆体に存在するマグネシウム部分がマグネシウムハライド担体に変換され、その上にチタン部分(例えばチタンハライドなど)が被着する。
一実施形態では、ハロゲン化剤は、式Ti(ORを有するチタンハライドであり、式中、R及びXは上に定義される通りであり、fは0〜3の整数であり;hは1〜4の整数であり;かつ、f+hは4である。このように、チタンハライドは、同時にハロゲン化剤であってチタン化剤である。さらなる実施形態では、チタンハライドは、TiClであり、ハロゲン化は、TiClによるプロ触媒前駆体の塩素化によって起こる。塩素化(及びチタン化)は、塩素化又は非塩素化芳香族又は脂肪族液体、例えばジクロロベンゼン、o−クロロトルエン、クロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、オクタン、又は1,1,2−トリクロロエタンなどの存在下で行われる。さらに別の実施形態では、ハロゲン化及びチタン化は、40〜60容積パーセントのハロゲン化剤、例えばTiClなどを含むハロゲン化剤及び塩素化芳香族液体の混合物を用いることによって実施される。
一実施形態では、反応混合物は、ハロゲン化(塩素化)の間の約2分〜約100分の持続時間の間、約30℃〜約150℃の温度に加熱される。
内部電子供与体
本方法には、プロ触媒前駆体とハロゲン化剤を内部電子供与体の存在下で接触させる第1の接触が含まれる。本明細書において、「内部電子供与体」(又は「IED」)は、プロ触媒組成物の形成の間に添加されたか、又はその反対に形成された、得られるプロ触媒組成物中に存在する1又はそれ以上の金属に少なくとも1対の電子を供与する化合物である。いかなる特定の理論にも縛られることを望むものではないが、ハロゲン化(及びチタン化)の間、内部電子供与体は(1)活性部位の形成を調節し、それにより触媒の立体選択性を強化し、(2)マグネシウム系担体上のチタンの位置を調節し、(3)マグネシウム部分及びチタン部分のそれぞれのハライドへの変換を促進し、かつ(4)変換中にマグネシウムハライド担体の微結晶サイズを調節すると考えられる。従って、内部電子供与体の供給により、立体選択性が強化されたプロ触媒組成物が得られる。
内部電子供与体は、反応混合物の加熱前、加熱中、又は加熱後に添加される。内部電子供与体は、ハロゲン化剤のプロ触媒前駆体への添加前、添加中、又は添加後に添加されてよい。プロ触媒前駆体の少なくとも一部のハロゲン化は、内部電子供与体の存在下で進行する。
A.置換フェニレン芳香族ジベンゾエート
内部電子供与体には、置換フェニレン芳香族ジエステルが含まれる。置換フェニレン芳香族ジエステルは、第1の接触及び/又は第2の接触の成分である。置換フェニレン芳香族ジエステルは、置換1,2−フェニレン芳香族ジエステル、置換1,3−フェニレン芳香族ジエステル、又は置換1,4−フェニレン芳香族ジエステルであってよい。一実施形態では、1,2−フェニレン芳香族ジエステルが提供される。置換1,2−フェニレン芳香族ジエステルは下の構造(I)を有する。
Figure 2014510169
−R14は、同じであるか又は異なっている。R−R14の各々は、水素、1〜20個の炭素原子を有する置換ヒドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基、ヘテロ原子、及びそれらの組合せから選択される。R−R14の少なくとも1つは水素ではない。「置換フェニレン芳香族ジエステル」(又は「SPAD」)は、本明細書において、R−R14の少なくとも1つが水素でない、構造(I)の1,2−フェニレン芳香族ジエステルである。
本明細書において、用語「ヒドロカルビル」及び「炭化水素」は、水素原子及び炭素原子だけを含有する置換基をさし、それには、分枝もしくは非分枝、飽和もしくは不飽和、環式、多環式、縮合、又は非環式種、及びそれらの組合せが含まれる。ヒドロカルビル基の限定されない例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基、及びアルキニル基が挙げられる。
本明細書において、用語「置換ヒドロカルビル」及び「置換炭化水素」は、1又はそれ以上の非ヒドロカルビル置換基で置換されているヒドロカルビル基をさす。非ヒドロカルビル置換基の限定されない例は、ヘテロ原子である。本明細書において、「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の原子をさす。ヘテロ原子は、周期表の第IV族、V族、VI族、及びVII族の非炭素原子であり得る。ヘテロ原子の限定されない例としては、ハロゲン(F Cl、Br、I)、N、O、P、B、S、及びSiが挙げられる。また、置換ヒドロカルビル基には、ハロヒドロカルビル基及びケイ素含有ヒドロカルビル基が含まれる。本明細書において、用語「ハロヒドロカルビル」基とは、1又はそれ以上のハロゲン原子で置換されているヒドロカルビル基をさす。本明細書において、用語「ケイ素含有ヒドロカルビル基」は、1又はそれ以上のケイ素原子で置換されているヒドロカルビル基である。ケイ素原子は、炭素鎖中にあってもよいし、なくてもよい。
一実施形態では、置換フェニレン芳香族ジエステルは、3−メチル−5−t−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾエートである。
B.ベンゾエート系成分
内部電子供与体にはベンゾエート系成分が含まれてよい。「ベンゾエート系成分」は、本明細書において、以下の1又はそれ以上である:エチルベンゾエート、ベンゾイルクロライド、安息香酸無水物、及びp−エチオキシ(ethyoxy)−エチルベンゾエート。
C.アルコキシアルキルエステル
内部電子供与体には、アルコキシアルキルエステルが含まれてよい。一実施形態では、アルコキシアルキルエステル(又は「AE」)は、アルコキシエチルエステルである。アルコキシアルキル(alkoxyakyl)エステルは、下に示す構造(II)を有する。
Figure 2014510169
R、R及びRは、同じであるか又は異なっている。R、R及びRの各々は、水素(水素でないRは除く)、C−C20ヒドロカルビル基、及び置換C−C20ヒドロカルビル基から選択される。一実施形態では、R及びRの各々は、置換/非置換C−C20第一級アルキル基から、又は下の構造(III)を含む置換/非置換アルケン基から選択される。
Figure 2014510169
11及びR12は、同じであるか又は異なっている。R11及びR12の各々は、水素及びC−C18ヒドロカルビル基から選択される。
一実施形態では、アルコキシアルキルエステルは、芳香族アルコキシアルキルエステル(又は「AAE」)である。芳香族アルコキシアルキルエステルは、ベンゾエート系成分を含まない。芳香族アルコキシアルキルエステルは、下の構造(IV)を含む芳香族アルコキシエチルエステルであってよい。
Figure 2014510169
及びRは、同じであるか又は異なっている。Rは、C−C20第一級アルキル基及び置換C−C20第一級アルキル基から選択される。Rは、水素、C−C20第一級アルキル基、及び置換C−C20第一級アルキル基から選択される。一実施形態では、R及びRの各々は、C−C20第一級アルキル基から、又は下の構造(III)を含むアルケン基から選択される。
Figure 2014510169
11及びR12は、同じであるか又は異なっている。R11及びR12の各々は、水素及びC−C18ヒドロカルビル基から選択される。
構造(IV)のR、R、Rは、同じであるか又は異なっている。R、R、Rの各々は、水素、ヘテロ原子、C−C20ヒドロカルビル基、置換C−C20ヒドロカルビル基、及びC−C20ヒドロカルビルオキシ基、及びそれらの任意の組合せから選択される。
一実施形態では、AAEは、1−メトキシプロパン−2−イルベンゾエートである。
一実施形態では、AAEは、2−メトキシエチルベンゾエートである。
一実施形態では、アルコキシアルキルエステルはアクリレート部分を含み、下の構造(V)を有する。
Figure 2014510169
及びRは、同じであるか又は異なっている。R及びRの各々は、水素(水素でないRは除く)、C−C20ヒドロカルビル基、及び置換C−C20ヒドロカルビル基及びそれらの組合せから選択される。一実施形態では、R及びRの各々は、置換/非置換C−C20第一級アルキル基から、又は下の構造(III)を含むアルケン基から選択される。
Figure 2014510169
11及びR12は、同じであるか又は異なっている。R11及びR12の各々は、水素及びC−C18ヒドロカルビル基から選択される。
構造(V)のR、R、Rは、同じであるか又は異なっている。R、R、及びRの各々は、水素、ヘテロ原子、C−C20ヒドロカルビル基、及び置換C−C20ヒドロカルビル基、及びそれらの任意の組合せから選択される。R、R及び/又はRは、1又はそれ以上の環を形成することができる。
一実施形態では、第1の接触工程は反応混合物中で起こる。この方法には、ハロゲン化剤とプロ触媒前駆体を反応混合物中で反応させること、及び反応後0分よりも大きく約30分までにアルコキシアルキルエステルを反応混合物に添加することが含まれる。反応混合物は、内部電子供与体の反応混合物への添加前、添加中、又は添加後に、30℃〜150℃の温度に加熱されてよい。
第2の接触
第1の接触工程は、プロ触媒中間体を形成する。この方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤との、次の:置換フェニレン芳香族ジエステル、ベンゾエート系成分、及びアルコキシアルキルエステルの1又はそれ以上から選択される内部電子供与体の存在下での第2の接触が含まれる。言い換えれば、ハロゲン化剤及びさらなる内部電子供与体がプロ触媒中間体に添加されてプロ触媒組成物を形成する。プロ触媒中間体は、第2の接触工程(又は第3の接触工程)に供する前に最初の反応混合物から単離されてよい。第2の接触で用いるハロゲン化剤は、第1の接触のハロゲン化剤と同じであっても異なっていてもよい。第2の接触工程で用いる内部電子供与体は、1つ、2つ、又はそれ以上の異なる内部電子供与体であってよい。
第2の接触の間、内部電子供与体は、第2の反応混合物の加熱前、加熱中、又は加熱後に添加することができる。内部電子供与体は、プロ触媒中間体へのハロゲン化剤の添加前、添加中、又は添加後に添加されてよい。第2の接触の反応混合物は、約2分〜約100分の持続時間の間、30℃〜150℃の温度に加熱される。
第1の接触工程及び第2の接触工程は、多接触プロ触媒組成物を形成する。「多接触プロ触媒組成物」は、本明細書において、(i)チタン部分、(ii)マグネシウム部分、(iii)SPAD、(iv)ベンゾエート系成分及び/又はアルコキシアルキルエステル及び(v)を含有するプロ触媒組成物であり、プロ触媒合成中の2又はそれ以上の接触工程によって形成される。
残留組成物
一実施形態では、多接触プロ触媒組成物は、1又はそれ以上の残留組成物を含有する。用語「残留組成物」は、本明細書において、チタン又はマグネシウム部分と化学結合していてもしていなくてもよいSPAD以外の芳香族組成物である。
残留組成物の限定されない例としては、下に示す次の構造(VI)〜(X)が挙げられる。
Figure 2014510169
構造(VI)〜(X)に関して、R−Rは、同じであるか又は異なっている。R−Rの各々は、水素及びC−Cヒドロカルビル基から選択される。一実施形態では、R−Rの各々は、水素である。Mは、マグネシウム又はチタンである。Mがマグネシウムである場合、nは1である。Mがチタンである場合、nは3である。Xは、ハロゲン(F、Cl、Br、I)原子である。
図1及び2は、プロ触媒合成の間に起こる反応を表す。図1及び2に示されるものは、置換フェニレン芳香族ジエステルの残留組成物への変換の限定されない例である。
本出願者らは驚くことに、(i)複数の接触を(ii)置換フェニレン芳香族ジエステル及び少なくとも1つのその他の内部電子供与体の存在下で行うことにより、予想外に、改善された形態をもつプロ触媒組成物が製造されることを発見した。特定の理論に縛られるものではないが、複数の接触によって、非多接触プロ触媒組成物と比較して、より滑らかな、又はより丸みを帯びたプロ触媒組成物粒子が製造されると考えられる。多接触プロ触媒組成物を含有する触媒組成物は、多接触プロ触媒組成物を含有していない触媒から製造したポリマー粒子と比較した場合に、より滑らかで丸みを帯びたポリマー粒子を製造する。多接触プロ触媒組成物に起因する滑らかで球形のポリマー粒子の形態は、多接触プロ触媒組成物を含有する触媒組成物から形成されるポリマー粒子の嵩密度を予想外に改善する。その上、多接触プロ触媒組成物は、触媒活性も改善する。
一実施形態では、本発明の方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤の、次の:置換フェニレン芳香族ジエステル、ベンゾエート系成分、及びアルコキシアルキルエステルの1又はそれ以上から選択される内部電子供与体の存在下での第3の接触が含まれる。第3の接触工程の内部電子供与体は、第1の接触工程及び/又は第2の接触工程の内部電子供与体と同じであっても異なっていてもよい。反応混合物は、第1の接触及び/又は第2の接触の反応混合物と同じであっても異なっていてもよい。第3の接触工程の間の反応混合物は、約2分〜約100分の持続時間の間、30℃〜150℃の温度に加熱され得る。第3の接触工程において、内部電子供与体は、加熱前、加熱中、又は加熱後に添加することができる。この方法には、4、5又はそれ以上の接触工程が含まれてよい。
本開示は、別の方法を提供する。一実施形態では、プロ触媒組成物を製造するための方法が提供され、それには、プロ触媒前駆体とハロゲン化剤を、置換フェニレン芳香族ジエステル及びアルコキシアルキルエステルの存在下で接触させてプロ触媒中間体を形成する第1の接触が含まれる。この方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤を、フェニレン芳香族ジエステル、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せから選択される内部電子供与体の存在下で接触させる第2の接触が含まれる。この方法には、マグネシウム部分、チタン部分、置換フェニレン芳香族ジエステル及びアルコキシアルキルエステルの組合せを含む多接触プロ触媒組成物を形成することが含まれる。
一実施形態では、この方法には、1.0重量%よりも多くのアルコキシアルキルエステルを含有するプロ触媒組成物を形成することが含まれる。
一実施形態では、この方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤の、アルコキシアルキルエステルの存在下での第2の接触が含まれる。
一実施形態では、この方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤の、置換フェニレン芳香族ジベンゾエート及びアルコキシアルキルエステルの存在下での第2の接触が含まれる。
一実施形態では、この方法には、プロ触媒中間体とアルコキシアルキルエステルの第3の接触が含まれる。
本開示は、別の方法を提供する。一実施形態では、プロ触媒組成物を製造するための方法が提供され、それには、プロ触媒組成物とハロゲン化剤をベンゾエート系成分の存在下で接触させてプロ触媒中間体を形成する第1の接触が含まれる。この方法には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤の、置換フェニレン芳香族ジエステルの存在下、及び/又は任意選択でベンゾエート系成分の存在下での第2の接触が含まれる。この方法には、置換フェニレン芳香族ジエステル及びベンゾエート系成分で構成される多接触プロ触媒組成物を形成する工程が含まれる。
第1の接触工程は、SPADの不在下で起こる。言い換えれば、第1の接触工程は、SPADを含まない。本出願者らは驚くことに、接触の前にSPADの存在下でのプロ触媒前駆体、ハロゲン化剤、及びベンゾエート系成分の事前接触により、驚くことに、プロ触媒の形態及び特にポリマーの嵩密度が改善されることを見出した。
一実施形態では、第2の接触工程には、プロ触媒中間体とハロゲン化剤を置換フェニレン芳香族ジエステルの存在下で接触させることが含まれる。
一実施形態では、この方法には、置換フェニレン芳香族ジエステルの存在下での、プロ触媒中間体とベンゾエート系成分の第2の接触及びプロ触媒中間体とハロゲン化剤の第3の接触が含まれる。
プロ触媒組成物中のエトキシド含量は、前駆体金属エトキシドの金属ハライドへの変換の完全性を示す。複数の接触工程は、ハロゲン化の間のエトキシドのハライドへの変換を促進する。一実施形態では、この方法には、約0.01重量%、又は0.05重量%から約1.0重量%、又は約0.7重量%のエトキシドを有するプロ触媒組成物を形成することが含まれる。重量パーセントは、プロ触媒組成物の総重量に基づく。
先の方法のいずれかで、ハロゲン化工程の後又は前に、プロ触媒組成物を液体希釈剤ですすぐか又は洗浄して未反応のTiClを除去することができ、さらに、乾燥させて残留する液体を除去することができる。一般に、得られる固体プロ触媒組成物は、液体炭化水素、例えば脂肪族炭化水素など、例えばイソペンタン、イソオクタン、イソヘキサン、ヘキサン、ペンタン、又はオクタンなどである「洗浄液」で1回又はそれ以上洗浄される。いかなる特定の理論にも縛られることを望むものではないが、(1)さらなるハロゲン化及び/又は(2)さらなる洗浄の結果、おそらく先の希釈剤に溶ける特定の望ましくない金属化合物が除去されることによって、プロ触媒組成物の望ましい改質がもたらされると考えられる。
先の方法のいずれもが本明細書に開示される2又はそれ以上の実施形態を含み得る。
本開示は、先の方法のいずれかによって製造される多接触プロ触媒組成物を提供する。結果として生じる多接触プロ触媒組成物のチタン含量は、約1.0重量%、又は約1.5重量%、又は約2.0重量%から、約6.0重量%、又は約5.5重量%、又は約5.0重量%である。固体プロ触媒組成物中のチタンのマグネシウムに対する重量比は、好適には約1:3〜約1:160の間、又は約1:4〜約1:50の間、又は約1:6〜1:30の間である。内部電子供与体は、内部電子供与体のマグネシウムに対するモル比が約0.005:1〜約1:1、又は約0.01:1〜約0.4:1でプロ触媒組成物中に存在し得る。重量パーセントは、プロ触媒組成物の総重量に基づく。
一実施形態では、マグネシウム部分はマグネシウムクロライドである。チタン部分は、チタンクロライドである。
一実施形態では、多接触プロ触媒組成物が提供され、それには、マグネシウム部分、チタン部分、置換フェニレン芳香族ジエステル及び残留組成物の組合せが含まれる。残留組成物は、すでに開示される、上記の構造(VI)〜(X)を含むいずれの残留組成物であってもよい。プロ触媒組成物は、約0.1重量%〜約20重量%の残留組成物を含有する。重量パーセントは、プロ触媒組成物の総重量に基づく。
別の多接触プロ触媒組成物が提供される。一実施形態では、プロ触媒組成物が提供され、それには、マグネシウム部分、チタン部分、置換フェニレン芳香族ジエステル及びベンゾエート系成分の組合せが含まれる。ベンゾエート系成分は、すでに上に開示されるいずれのベンゾエート系成分であってもよい。プロ触媒組成物は、約0.1重量%〜約20重量%のベンゾエート系成分を含有する。重量パーセントは、プロ触媒組成物の総重量に基づく。一実施形態では、置換フェニレン芳香族ジエステルは、3−メチル−5−t−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾエートである。
別の多接触プロ触媒組成物が提供される。一実施形態では、プロ触媒組成物が提供され、それには、マグネシウム部分、チタン部分、置換フェニレン芳香族ジエステル及びアルコキシアルキルエステルの組合せが含まれる。アルコキシアルキルエステルは、すでに開示される、上記の構造(IV)〜(V)を含むいずれのアルコキシアルキルエステルであってもよい。プロ触媒組成物は、約0.1重量%〜約20重量%のアルコキシアルキルエステルを含有する。重量パーセントは、プロ触媒組成物の総重量に基づく。一実施形態では、置換フェニレン芳香族ジエステルは、3−メチル−5−t−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾエートである。
一実施形態では、アルコキシアルキルエステルは、2−メトキシエチルベンゾエートである。
一実施形態では、アルコキシアルキルエステルは、1−メトキシプロパン−2−イルベンゾエートである。
多接触プロ触媒組成物は、本明細書に開示される2又はそれ以上の実施形態を含み得る。
触媒組成物
本開示は、別の組成物を提供する。一実施形態では、触媒組成物が提供され、それには多接触プロ触媒組成物、共触媒及び任意選択で外部電子供与体が含まれる。多接触プロ触媒組成物は、本明細書においてすでに開示されるいずれの多接触プロ触媒組成物であってもよい。
本明細書において、「共触媒」は、プロ触媒を活性重合触媒に変換することのできる物質である。共触媒としては、アルミニウム、リチウム、亜鉛、スズ、カドミウム、ベリリウム、マグネシウム、及びそれらの組合せの水素化物、アルキル、又はアリールを挙げることができる。一実施形態では、共触媒は、式RAlX3−n(式中、n=1、2、又は3であり、Rはアルキルであり、Xは、ハライド又はアルコキシドである)で表されるヒドロカルビルアルミニウム化合物である。一実施形態では、共触媒は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及びトリ−n−ヘキシルアルミニウムから選択される。
適したヒドロカルビルアルミニウム化合物の限定されない例は次の通りである:メチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、テトラエチルジアルミノキサン、テトライソブチルジアルミノキサン、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムクロライド、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムヒドリド、イソブチルアルミニウムジヒドリド、n−ヘキシルアルミニウムジヒドリド、ジイソブチルヘキシルアルミニウム、イソブチルジヘキシルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリ−n−ドデシルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、及びジ−n−ヘキシルアルミニウムヒドリド。
一実施形態では、共触媒はトリエチルアルミニウムである。アルミニウムのチタンに対するモル比は、約5:1〜約500:1、又は約10:1〜約200:1、又は約15:1〜約150:1、又は約20:1〜約100:1である。もう一つの実施形態では、アルミニウムのチタンに対するモル比は、約45:1である。
触媒組成物には、任意選択で外部電子供与体が含まれる。本明細書において、「外部電子供与体」(又は「EED」)は、プロ触媒形成とは独立に付加される化合物であり、それには、1対の電子を金属原子に供与する能力のある少なくとも1つの官能基が含まれる。特定の理論に縛られるものではないが、触媒組成物中に1又はそれ以上の外部電子供与体を提供することは、フォルマントポリマーの次の特性:立体規則性(すなわちキシレン可溶物)のレベル、分子量(すなわちメルトフロー)、分子量分布(MWD)、及び融点に影響を及ぼすと考えられる。
一実施形態では、EEDは、一般式(XI)を有するケイ素化合物である:
Figure 2014510169
上式で、Rは、独立に各出現で、水素であるか、あるいは任意選択で1又はそれ以上の第14族、15族、16族、又は17族のヘテロ原子を含有する1又はそれ以上の置換基で置換されているヒドロカルビル又はアミノ基である。Rは、水素及びハロゲンを数えずに、20個までの原子を含有する。R’は、C1−20アルキル基であり、mは、0、1、2、又は3である。一実施形態では、Rは、C6−12アリール、アルキル又はアルキルアリール、C3−12シクロアルキル、C3−12分枝アルキル、又はC2−12環状アミノ基であり、R’は、C1−4アルキルであり、mは1又は2である。
一実施形態では、ケイ素化合物は、ジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン(MChDMS)、又はn−プロピルトリメトキシシラン(NPTMS)、及びその任意の組合せである。さらなる実施形態では、EEDは、DCPDMSである。
触媒組成物は、本明細書において開示される2又はそれ以上の実施形態を含み得る。
重合
本開示は、重合方法を提供する。先の触媒組成物のいずれかを重合方法に使用することができる。一実施形態では、重合方法が提供され、それには、重合条件下で、プロピレン及び任意選択で1又はそれ以上のオレフィンを、多接触プロ触媒組成物、共触媒、及び外部電子供与体で構成される触媒組成物に接触させることが含まれる。重合方法には、0.30g/ccよりも大きい、又は0.30g/ccよりも大きく0.5g/ccまでの嵩密度を有するプロピレン系ポリマーの粒子を形成することが含まれる。
多接触プロ触媒組成物は、本明細書においてすでに開示されるいずれの多接触プロ触媒組成物であってもよい。一実施形態では、この方法には、0.30g/ccよりも大きく0.5g/ccまでの嵩密度を有するプロピレンホモポリマーを形成することが含まれる。
一実施形態では、この方法には、触媒組成物をプロピレン及びエチレンと接触させること、ならびに0.30g/ccよりも大きく0.5g/ccまでの嵩密度を有するプロピレン/エチレン共重合体を形成することが含まれる。
本明細書において、「重合条件」は、所望のポリマーを形成するための触媒組成物とオレフィンとの間の重合を促進するのに適した重合反応器内の温度及び圧力パラメータである。重合方法は、気相、スラリー、又はバルク重合方法であってよく、1又は2以上の重合反応器で稼動する。従って、重合反応器は、気相重合反応器、液相重合反応器、又はそれらの組合せであってよい。
一実施形態では、重合方法には、6重量%未満、又は4重量%未満、又は2.5重量%未満、又は2重量%未満、又は0.1重量%から6重量%未満のキシレン可溶物(XS)を有するプロピレン系ポリマーを形成することが含まれる。重量パーセントXSは、ポリマーの総重量に基づく。
重合反応は、プロピレンホモポリマー又はプロピレン共重合体を形成する。任意選択で、1又はそれ以上のオレフィンモノマーを、プロピレンとともに重合反応器に導入して、プロ触媒、共触媒、及びEEDと反応させて、ポリマー、又はポリマー粒子の流動床を形成することができる。適したオレフィンモノマーの限定されない例としては、エチレン、C4−20α−オレフィン、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン及び同類のものなどが挙げられる。
一実施形態では、重合方法には、前重合工程及び/又は前活性化工程が含まれ得る。
一実施形態では、この方法には、外部電子供与体をプロ触媒組成物と混合することが含まれる。外部電子供与体は、触媒組成物とオレフィンとの接触の前に、共触媒と複合体化してプロ触媒組成物と混合することができる(プレミックス)。もう一つの実施形態では、外部電子供与体は、独立に重合反応器に添加され得る。
一実施形態では、この方法には、置換フェニレン芳香族ジエステルを残留組成物、及び/又はベンゾエート系成分及び/又はアルコキシアルキルエステルとともに含有するプロピレン系ポリマー(プロピレンホモポリマー又はプロピレン共重合体)を形成することが含まれる。このプロピレン系ポリマーは、次の特性の1又はそれ以上を有する:
・約0.01g/10分〜約800g/10分、又は約0.1g/10分〜約200g/10分、又は約0.5g/10分〜約150g/10分のメルトフローレート(MFR);及び/又は
・約0.5%〜約10%、又は約1.0%〜約8%、又は約1.0%〜約6%、又は0.1%から5%未満までのキシレン可溶物含量;及び/又は
・約3.0〜約8.0の多分散指数(PDI)、及び/又は
・0.30g/ccよりも大きく約0.50g/ccまでの嵩密度をもつその粒子。
プロピレン系ポリマーは、本明細書において開示される2又はそれ以上の実施形態を含み得る。
一実施形態では、プロ触媒組成物、触媒組成物、及び/又はそれから製造されたポリマーは、フタル酸塩フリーであるか、又はそうでなければフタル酸塩及びその誘導体を含まないか欠いている。
一実施形態では、この方法は、プロピレン系ポリマー(プロピレンホモポリマー、プロピレン/α−オレフィン共重合体)の粒子で構成されるポリマー組成物を製造し、該粒子は0.30g/ccよりも大きいか、又は0.3g/ccよりも大きく0.5g/ccまでの嵩密度を有する。プロピレン系ポリマーには、置換フェニレン芳香族ジエステル及び残留組成物が含まれる。
一実施形態では、この方法は、プロピレン系ポリマーの粒子で構成されるポリマー組成物を製造し、該粒子は0.3g/ccよりも大きいか又は0.3g/ccよりも大きく0.5g/ccまでの嵩密度を有する。プロピレン系ポリマーには、置換フェニレン芳香族ジエステルベンゾエート系成分及び/又はアルコキシアルキルエステルが含まれる。
定義
本明細書中の元素の周期表への全ての言及は、2003年にCRC Press,Inc.が出版し著作権を有する元素周期表をさすものとする。また、族へのいずれの言及も、族の番号付けにIUPACシステムを使用するこの元素の周期表において反映される族に対するものとする。それに反する記述のない限り、文脈から暗示されない限り、又は当分野で慣用されていない限り、全ての部及びパーセントは重量に基づく。米国特許実務の目的上、本明細書において参照されるあらゆる特許、特許出願、又は刊行物の内容は、特に、合成技法、定義(本明細書に提供されるあらゆる定義とも矛盾しない程度まで)及び当分野の一般知識の開示に関して、参照によりその全文が本明細書に援用される(又はその同等の米国特許が同様に参照により援用される)。
本明細書に列挙されるいずれの数値範囲も、任意の下方値と任意の上方値との間に少なくとも2単位の隔たりがあるという条件で、1単位の増分で、下方値から上方値までの全ての値が含まれる。一例として、成分の量、あるいは組成特性又は物理的特性の値、例えば、ブレンド成分の量、軟化温度、メルトインデックスなどが1〜100の間であると述べられている場合、全ての個々の値、例えば、1、2、3など、及び全ての下位範囲、例えば、1〜20、55〜70、197〜100などが、本明細書において明示的に列挙されることが意図される。1未満の値に関して、1単位は、必要に応じて0.0001、0.001、0.01又は0.1であると見なされる。これらは具体的に意図されるもののほんの例であり、列挙される最低値と最高値との間の数値のあらゆる可能性のある組合せが、本出願において明示的に述べられていると見なされる。言い換えれば、本明細書に列挙されるいずれの数値範囲にも、述べられた範囲内の任意の値又は下位範囲が含まれる。数値範囲は、本明細書において考察されるように、メルトインデックス、メルトフローレート及びその他の特性に関して列挙されている。
用語「アルキル」は、本明細書において、分枝状又は非分枝状、飽和又は不飽和の非環状炭化水素基をさす。適したアルキルラジカルの限定されない例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル(又は2−メチルプロピル)などが挙げられる。アルキルは、1及び20個の炭素原子を有する。
用語「アリール」は、単一の芳香環であってもよいし、あるいは、一緒に縮合している、共有結合している、又は、共通の基、例えばメチレン又はエチレン部分などに結合している複数の芳香環であってもよい、芳香族置換基をさす。芳香環としては、数ある中でも、フェニル、ナフチル、アントラセニル、及びビフェニルが挙げられ得る。アリールは、1及び20個の炭素原子を有する。
用語「ブレンド」又は「ポリマーブレンド」は、本明細書において、2又はそれ以上のポリマーのブレンドである。そのようなブレンドは、混和性(分子レベルで相分離していない)であってもなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離していてもしていなくてもよい。そのようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、及びその他の当分野で公知の方法により測定される1又はそれ以上のドメイン配置を有していてもいなくてもよい。
用語「嵩密度」(又は「BD」)は、本明細書において、製造したポリマーの密度である。嵩密度は、ASTM D 1895B又は同等物に従って、ポリマー樹脂を標準粉末漏斗に通してステンレス製標準シリンダーに注入し、充填したシリンダーの所与容積に対する樹脂の重量を測定することにより決定される。
用語「組成物」には、本明細書において、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物及び分解生成物が含まれる。
用語「含む」及びその派生語は、任意のさらなる成分、工程又は手順の存在を、それが本明細書において開示されていようといまいと、排除することを意図するものではない。いかなる疑義も回避するため、本明細書において用語「含む」を用いて特許請求される全ての組成物には、それに反する記述のない限り、任意のさらなる添加剤、アジュバント、又は化合物(重合体であろうと又は別のものであろうと)が含まれ得る。対照的に、用語「から本質的になる」は、任意の後続の詳述の範囲から、実施可能性に必須でないものを除いて、任意のその他の成分、工程又は手順を排除する。用語「からなる」は、具体的に描写又は列挙されない任意の成分、工程又は手順を排除する。用語「又は」は、特に明記されない限り、列挙した要素を個別に、ならびに任意の組合せでさす。
用語「エチレン系ポリマー」は、本明細書において、過半数重量パーセントの重合エチレンモノマー(重合可能なモノマーの総重量に基づく)を含むポリマーをさし、任意選択で少なくとも1つの重合コモノマーを含み得る。
用語「インターポリマー」は、本明細書において、少なくとも2種類の異なるモノマーの重合により調製されるポリマーをさす。従って、一般名のインターポリマーには、2つの異なるモノマーから調製されるポリマーをさすために通常用いられる共重合体、及び2以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマーが含まれる。
用語「オレフィン系ポリマー」は、重合形態で、ポリマーの総重量に基づいて過半数重量パーセントのオレフィン、例えばエチレン又はプロピレンを含有するポリマーである。オレフィン系ポリマーの限定されない例としては、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーが挙げられる。
用語「ポリマー」は、同じ又は異なる種類のモノマーを重合することにより調製される高分子化合物である。「ポリマー」には、ホモポリマー、共重合体、ターポリマー、インターポリマーなどが含まれる。用語「インターポリマー」は、少なくとも2種類のモノマー又はコモノマーの重合により調製されるポリマーを意味する。それには、限定されるものではないが、共重合体(2種類の異なるモノマー又はコモノマーから調製されるポリマーを通常さす)、ターポリマー(3種類の異なるモノマー又はコモノマーから調製されるポリマーを通常さす)、テトラポリマー(4種類の異なるモノマー又はコモノマーから調製されるポリマーを通常さす)、及び同類のものが含まれる。
「第一級アルキル基」は、構造−CHを有し、式中、Rは、水素又は置換/非置換ヒドロカルビル基である。
用語「プロピレン系ポリマー」は、本明細書において、過半数重量パーセントの重合プロピレンモノマー(重合可能なモノマーの総量に基づく)を含むポリマーをさし、任意選択で少なくとも1つの重合コモノマーを含み得る。
「第二級アルキル基」は、構造−CHRを有し、式中、R及びRは、置換/非置換ヒドロカルビル基である。
用語「置換アルキル」は、本明細書において、アルキルの任意の炭素に結合した1又はそれ以上の水素原子が、別の基、例えばハロゲン、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、ホスフィド、アルコキシ、アミノ、チオ、ニトロ、及びそれらの組合せなどによって置き換えられている、今述べたようなアルキルをさす。適した置換アルキルとしては、例えば、ベンジル、トリフルオロメチル及び同類のものが挙げられる。
「第三級アルキル基」は、構造−CRを有し、式中、R、R及びRの各々は、置換/非置換ヒドロカルビル基である。
試験法
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D 1238−01試験法に従って、プロピレン系ポリマーについて230℃、荷重2.16kgで測定される。
キシレン可溶物(XS)は、その全内容が参照により本明細書に援用される米国特許第5,539,309号に記載される、H NMR法を用いて測定される。XSVは、Viscotekにより測定されるキシレン可溶物である。XSHは、H NMR(プロトンNMR)により測定されるキシレン可溶物である。
例であって制限するものではない、本開示の実施例をこれから記載する。
1.プロ触媒成分
A.プロ触媒前駆体
MagTi−1は、平均粒度50μmの、MgTi(OEt)l2の組成をもつ混合Mag/Ti前駆体(米国特許第6,825,146号実施例1に従って調製したMagTiプロ触媒前駆体)である。SHAC(商標)310は、米国特許第6,825,146号実施例2に従って調製した、エチルベンゾエートを内部電子供与体として含むベンゾエート含有触媒(平均粒度27μmのBenMagプロ触媒前駆体)であり、参照によりその全内容が本明細書に援用される。
B.内部電子供与体
1.置換フェニレン芳香族ジエステル
置換フェニレン芳香族ジエステルは、その全内容が参照により本明細書に援用される、2008年12月31日出願の米国特許出願第61/141,959号(事件番号68188)に従って合成することができる。適した置換フェニレン芳香族ジエステルの限定されない例は、下の表1に記載される。
Figure 2014510169
2.ベンゾエート系成分
適したベンゾエート系成分の限定されない例を下の表2に記載する。
Figure 2014510169
3.アルコキシアルキルエステル
適したアルコキシアルキルエステルの限定されない例を下の表3に記載する。
Figure 2014510169
2.触媒の調製
窒素下、指定された質量のMagTi(混合マグネシウム/チタンハライドアルコラート;CAS番号173994−66−6;米国特許第5,077,357号)又はSHAC(商標)310触媒(BenMag;ベンゾエート含有マグネシウムクロライド化合物)、及び3−メチル−5−t−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾエート及び/又は下の表に示されるような随意のその他の内部電子供与体、及び60mLの四塩化チタン及びクロロベンゼンの50/50(容積/容積)混合物を、積分フィルタ(integral filter)を装備した容器に装入する。指定された温度まで60分間、撹拌しながら加熱した後、混合物を濾過する。固体に、60mLの新鮮な50/50(容積/容積)混合四塩化チタン/クロロベンゼンでの2回目の処理を、任意選択で3−メチル−5−t−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾエート及び/又は随意のその他の内部電子供与体の2回目の装入を行って、指定された温度で30分間撹拌しながら行う。混合物を濾過する。固体に、60mLの新鮮な50/50(容積/容積)混合四塩化チタン/クロロベンゼンでの3回目の処理を、任意選択で3−メチル−5−t−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾエート及び/又は随意のその他の内部電子供与体の3回目の装入を行って、指定された温度で30分間撹拌しながら行う。混合物を濾過する。周囲温度で、固体を70mLのイソオクタンで3回洗浄した後、窒素流下で乾燥させる。固体触媒成分を粉末として収集し、一部を鉱油と混合して2.5又は5.0重量%のスラリーを生成する。使用した内部電子供与体のアイデンティティー(identity)、それらの量、添加のタイミング、及びその他の反応条件は、下の表に詳述される。
活性重合触媒の生成
不活性雰囲気のグローブボックス内で、活性触媒混合物を、表4〜12に示される量の外部供与体(SCA)、トリエチルアルミニウム(0.28M溶液として)、担持触媒成分(鉱油スラリーとして)、及び5〜10mLのイソオクタン希釈剤(随意)を20分間、プレミックスすることにより調製する。調製後、空気に曝さずに、活性触媒混合物を下に記載されるように重合反応器に注入する。
3.重合
バッチ反応器プロピレン重合(ホモポリマー)
重合は、撹拌した、1ガロンのステンレス鋼製オートクレーブ内で実施する。温度制御は、Budzarオイルシステムを用いて統合型反応器ジャケットを加熱又は冷却することによって維持される。重合又は触媒調製に用いる試薬を精製カラムに通して不純物を除去する。プロピレン及び窒素を、1本目がCopper UT 2000を含有し、2本目が活性化モレキュラーシーブスを含有する2本のカラムに通す。イソオクタンを、活性化モレキュラーシーブスを含有する単一のカラムに通す。水素は超高純度等級の気体であり、受け取ったまま使用される。
反応器に、約300グラムのプロピレン及び500グラムの水素を50℃に加熱しながらパージした後、暫く約30℃に冷却する(反応器を状態調整するため)。反応器に1375gのプロピレンを充填し、質量流量計を用いて適切な量の水素を添加し、反応器を62℃にする。活性触媒混合物を、油又は軽質炭化水素中のスラリーとして注入し、注射器をイソオクタンで3回フラッシュして完全な送達を確保する。触媒の注入後、反応器温度を5分間で67℃に急上昇させるか、又は発熱量が大きい場合には冷却によって67℃に維持する。1時間の実行時間の後、反応器の内容物を第2の圧力容器にフラッシュし、過剰なプロピレンを放出し、周囲温度で45分間窒素パージする。次に、ポリマーサンプルを収集し、一晩乾燥させた後、又は換気式ドラフトチャンバーで恒量となった後にポリマー重量を測定する。反応器は各実行後にイソオクタンを用いて清掃し、その後の重合実行まで窒素ブランケット下に置く。
Figure 2014510169
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Figure 2014510169
表4〜12に示されるように、SPAD、ベンゾエート系成分、及び/又はアルコキシアルキルエステルの存在下での多接触は、(i)触媒活性及び(ii)ポリマー嵩密度を予想外に改善する。
本開示は、本明細書に含まれる実施形態及び例証に制限されるものでなく、以下の特許請求の範囲内にある実施形態の部分及び異なる実施形態の要素の組合せを含むそれらの実施形態の変更形態を含むことが特に意図される。

Claims (12)

  1. プロ触媒組成物を製造するための方法であって、
    プロ触媒前駆体とハロゲン化剤を、置換フェニレン芳香族ジエステル、ベンゾエート系成分、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せからなる群から選択される内部電子供与体の存在下で接触させて、プロ触媒中間体を形成する第1の接触工程と;
    前記プロ触媒中間体とハロゲン化剤を、置換フェニレン芳香族ジエステル、ベンゾエート系成分、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せからなる群から選択される内部電子供与体の存在下で接触させる第2の接触工程と、前記接触工程の少なくとも1つが置換フェニレン芳香族ジベンゾエートの存在下で起こり;
    多接触プロ触媒組成物を形成する工程
    を含む、方法。
  2. 前記第1の接触工程及び前記第2の接触工程を、3−メチル−5−t−ブチル−1,2−フェニレンジベンゾエートの存在下で実施することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. (VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、及びそれらの組合せからなる群から選択される構造を有する残留組成物を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
    Figure 2014510169
    (式中、R−Rの各々は、同じ又は異なり、R−Rの各々は、水素及びC−Cヒドロカルビル基からなる群から選択され;
    Mは、マグネシウム又はチタンであり;
    Mがマグネシウムである場合に、nは1であり、Mがチタンである場合に、nは3であり;かつ、
    Xは、ハロゲン原子である)
  4. プロ触媒組成物を製造するための方法であって、
    プロ触媒組成物とハロゲン化剤を、置換フェニレン芳香族ジベンゾエート及びアルコキシアルキルエステルの存在下で接触させて、プロ触媒中間体を形成する第1の接触工程と;
    前記プロ触媒中間体とハロゲン化剤を、置換フェニレン芳香族ジエステル、アルコキシアルキルエステル、及びそれらの組合せからなる群から選択される内部電子供与体の存在下で接触させる第2の接触工程と;
    置換フェニレン芳香族ジエステル及びアルコキシアルキルエステルを含む多接触プロ触媒組成物を形成する工程と
    を含む、方法。
  5. 前記プロ触媒中間体とハロゲン化剤の、アルコキシアルキルエステルの存在下での第2の接触を行うことを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記プロ触媒中間体とハロゲン化剤の、置換フェニレン芳香族ジベンゾエート及びアルコキシアルキルエステルの存在下での第2の接触を行うことを含む、請求項4から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記プロ触媒中間体とアルコキシアルキルエステルの第3の接触を行うことを含む、請求項4から6のいずれかに記載の方法。
  8. プロ触媒組成物を製造するための方法であって、
    プロ触媒組成物とハロゲン化剤を、ベンゾエート系成分の存在下で接触させて、プロ触媒中間体を形成する第1の接触工程と;
    前記プロ触媒中間体とハロゲン化剤を、置換フェニレン芳香族ジエステルの存在下で接触させる第2の接触工程と;
    置換フェニレン芳香族ジエステル及びベンゾエート系成分を含む多接触プロ触媒組成物を形成する工程と
    を含む、方法。
  9. 前記プロ触媒中間体とハロゲン化剤及び置換フェニレン芳香族ジエステルの第3の接触を行うことを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 請求項1に記載の前記多接触プロ触媒組成物と;
    共触媒と;
    任意選択で外部電子供与体と
    を含む、触媒組成物。
  11. 残留組成物を含む、請求項10に記載の触媒組成物。
  12. 重合条件下、プロピレン及び任意選択で1又はそれ以上のコモノマーを、請求項1に記載の前記多接触プロ触媒組成物、共触媒及び外部電子供与体を含む触媒組成物と接触させる工程と;
    0.30g/ccよりも大きい嵩密度を有するプロピレン系ポリマーの粒子を形成する工程と
    を含む、重合方法。
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