JP2014510039A - フラバントレン誘導体および有機半導体としてのそれらの使用 - Google Patents

フラバントレン誘導体および有機半導体としてのそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)、式中個々の基は本出願中に定義されるような意味を有する、のフラバントレン誘導体、それらの調製方法、有機電子(OE)装置における半導体としてのそれらの使用、およびそれらを含むOE装置に関する。

Description

本発明の分野
本発明は、ベンゾ[h]ベンズ[5,6]アクリジノ[2,1,9,8−klmna]アクリジン、それらの調製方法、有機電子(OE)装置における半導体としてのそれらの使用、および、それらを含むOE装置に関する。
背景および先行技術
有機半導体(OSC)は、ディスプレイ技術に使用される薄膜電界効果トランジスタ(TFT)の作製方法に革命をもたらすものと期待されている。Siをベースとした古典的な電界効果トランジスタ(FET)と比べ、有機TFTは、スピンコーティング、ドロップキャスティング、ディップコーティング、およびより効率的にはインクジェット式印刷などの溶液コーティング方法により、はるかによりコスト的に効果的に製作することができる。OSCの溶液処理には、分子材料が、1)非毒性溶媒中十分に溶解でき;2)溶液状態で安定し;3)溶媒を蒸発させた場合に結晶化し易いこと;および、最も重要なことは、4)低いオフ電流で高い電荷担体移動度を提供することが求められる。この状況において、可溶化させる置換基を有するペンタセンおよびヘテロアセンが、p型OSC材料の有望な部類であることを示している。特に、WO 2009/155106 A1に開示されているように、非対称に置換されたペンタセンが3cm/Vsを超えた正孔移動度を示したのに対して、US 2008/0128680 A1およびPayne et al., J. Am. Chem. Soc., 2005, 127 (14), 4986;およびSubramanian et al., J. Am. Chem. Soc. 2008, 130(9), 2706-2707に開示されているように、フッ素化されたアントラセノジチオフェン(anthracenodithiophene)誘導体(F−ADT)は1cm/Vsを超えた正孔移動しか示さなかった。
しかしながら、いくつかの主要な欠点はこれら材料にあり続け、該欠点には、特に溶液状態における低い光安定性および環境安定性、ならびに低い温度の相転移および融点が含まれる。より高いソース電流およびドレイン電流が求められるOLEDの今後のバックプレーンへの応用においても、現在利用可能な材料の移動度および処理可能性がさらに改善される必要がある。
ペンタセンより大きいアセンは、再組織化エネルギーがより低いと予測され(Deng et al., J. Phys. Chem. B, 2004, 108, 8614を参照)、かつ電荷担体移動度がより高い可能性があることから、新規OSCを追い求め、関心を引き続けている。しかしながら、さらなるベンゼン環の縮合による芳香族中核部の線形の伸長は、有機溶媒中の安定性および溶解性が低下することが証明されており、このことは、OSC材料としてのこれら類似体の実際の適用を危うくさせた(Purushothaman et al., Org. Lett., 2010, 12(9), 2060を参照)。興味深いことに、ペンタセンよりはるかに大きい多環芳香族炭化水素はナノ材料として合成される(Yang et al., J. Am. Chem. Soc., 2008, 130 (13), 4216を参照)か、または、それらの2−D縮合特徴による安定性の問題なく、自然界に染料として存在するかのいずれかである。このタイプの構造物は、中でも注目すべきは、固有の2−D多環芳香族系の部類である独立のグラフェンに代表され、その10cm/Vsを超える大きな電荷担体移動度が、周囲条件下で観察され(Geim et al., Nat. Mater., 2007, 6(3), 183-191;およびAllen et al., Chem. Rev., 2010, 110(1), 132-145を参照)、2×10cm/Vsを超えるものは、至適条件下で達成された(Bolotin et al., Solid State Commun., 2008 , 146 , 351を参照)。
従って、良好な電子特性、特に、高い電荷担体移動度、良好な処理可能性ならびに高い熱的安定性および環境安定性、ならびに特に有機溶媒中の高い溶解性を示す新しいOSC材料に対して、依然としてニーズが大きい。
上述した先行技術の材料の決定を有さず、かつ良好な電子特性、特に、高い電荷担体移動度、良好な処理可能性ならびに高い熱的安定性および環境安定性、ならびに特に有機溶媒中の高い溶解性を特に示す、有機半導体材料として使用するための化合物を提供することが、本発明の目的であった。本発明の他の目的は、専門家に利用可能な有機電導性材料のプールを拡張することであった。
これらの目的が、本発明においてクレームされているような化合物を提供することによって達成することができることを見出した。これらの化合物は、以下に示すような縮合多環芳香族の環構造を有し、出発材料として工業的に入手可能な染料であるフラバントロンに基づく。
本発明の目的において、そのキノイド構造の新しい中核部単位への芳香族化を介した可溶化官能基の導入により、フラバントロンが溶解するようになるように、それを有機溶媒中に可溶化させた。すなわち、ベンゾ[h]ベンズ[5,6]アクリジノ[2,1,9,8−klmna]アクリジン(以下簡潔に「フラバントレン」ともいう)である。本発明の発明者らは、これらフラバントレン誘導体が、有機溶媒、特に有機電子装置作製に典型的に使用されるものに高い溶解性を呈し、さらに良好な熱的安定性および高い電荷担体移動度を示すことを見出した。
フラバントレンをベースとした材料の例が報告された文献は今日まで知られていない。
本発明の要旨
本発明は、式I
式中、個々の基は以下の意味を有する。
およびRは、互いに独立して、非置換であるか、または、1個もしくは2個以上の基Lで置換されている、1〜40個のC原子を有する直鎖の、分岐の、あるいは、環状のアルキル、ここで1個もしくは2個以上の非近接のCH基が、いずれの場合も互いに独立して、O原子および/またはS原子が互いに直接結合されないように−O−、−S−、−NR−、−SiR00−、−CY=CY00−または−C≡C−で任意に置き換えられていてもよい、を示すか、あるいは、非置換であるか、または、1個もしくは2個以上の基Lで置換されている、4〜20個の環原子を有するアリールまたはヘテロアリールを示し、
〜Xは、互いに独立し、かつ、それぞれの出現は同じか、または異なっており、Hを示すか、またはLに付与された意味の1つを有し、
Lは、P−Sp−、F、Cl、Br、I、−OH、−CN、−NO、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)R、−NR00、C(=O)OH、任意に置換されていてもよいシリルまたはゲルミル、任意に置換されていてもよい4〜20個の環原子を有するアリールまたはヘテロアリール、随意に置換されていてもよい直鎖の、分岐の、または、環状のアルキル、非置換であるか、あるいは、1個もしくは2個以上のF原子もしくはCl原子またはOH基で置換されている1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルコキシ、オキサアルキルまたはチオアルキル、および、非置換であるか、あるいは、1個もしくは2個以上のF原子もしくはCl原子またはOH基で置換されている2〜30個、好ましくは2〜12個のC原子を有する直鎖の、分岐の、もしくは、環状の、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシから選択され、
Pは、重合可能な基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
は、ハロゲンであり、
、R00は、互いに独立して、H、または1〜20個のC原子を有するアルキルを示し、
、Y00は、互いに独立して、H、F、ClまたはCNを表す、
の化合物に関する。
本発明はさらに、1種または2種以上の式Iの化合物と、好ましくは有機溶媒から選択される1種または2種以上の溶媒とを含む処方物に関する。
本発明はさらに、1種または2種以上の式Iの化合物と、1種もしくは2種以上の有機バインダーまたはその前駆体、好ましくは1,000Hzでの誘電率εが3.3以下のものと、任意に1種または2種以上の溶媒とを含む、有機半導体処方物に関する。
本発明はさらに、光学の、電気光学の、電子の、エレクトロルミネッセンス性の、もしくはフォトルミネッセンス性のコンポーネントまたは装置における、電荷輸送の、半電導性の、電気伝導性の、光伝導性の、もしくは、発光性の材料としての、本発明に従う化合物および処方物の使用に関する。
本発明はさらに、本発明に従う化合物もしくは処方物の1種または2種以上を含む、電荷輸送の、半電導性の、電気伝導性の、光伝導性の、もしくは、発光性の材料またはコンポーネントに関する。
本発明はさらに、本発明に従う化合物、処方物、コンポーネントもしくは材料の1種または2種以上を含む、光学の、電気光学の、または電子のコンポーネントあるいは装置に関する。
光学の、電気光学の、電子の、エレクトロルミネッセンス性の、もしくはフォトルミネッセンス性のコンポーネントまたは装置は、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、集積回路(IC)、論理回路、コンデンサー、無線自動識別(RFID)タグ、装置またはコンポーネント、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、フラットパネルディスプレイ、ディスプレイのバックライト、有機光起電力装置(OPV)、太陽電池、レーザーダイオード、光伝導体、光検出器、電子写真装置、電子写真記録装置、有機記憶装置、センサー装置、ポリマー発光ダイオード(PLED)における電荷注入層、電荷輸送層または中間層、有機プラズモン放出ダイオード(organic plasmon-emitting diode)(OPED)、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、ポリマー電解質膜(PEM)、電導性基板、電導性パターン、バッテリー中の電極材料、配向層、バイオセンサー、バイオチップ、セキュリティ標識、セキュリティ装置、ならびに、DNA配列を検出および判別するための化合物または装置を含む。
本発明の詳細な説明
本発明は、式Iに示すような一般的な構造により表される化合物の新しい部類に関する。新規であることは別として、これらの化合物は、1または2以上の下記の特性を実証する:
i)それらは、良好な半電導特性、特に電界効果トランジスタにおいて高い電荷担体移動度および低いオフ電流値を示す。
ii)それらは、固体状態と溶液状態との両方において優れた光安定性および熱的安定性を呈する。
iii)それらは、非毒性有機溶媒への良好な溶解性を有し、これによって、それらが溶液処理可能であり得る。
本発明の化合物は合成するのが容易であり、かつ、高い電荷担体移動度、高い融点、有機溶媒への高い溶解性、装置の作製方法における良好な処理可能性、高い酸化安定性および光安定性ならびに電子装置の長い寿命のような、いくつかの有利な特性を呈する。さらに、それらは以上以下の有利な特性を示す。
式Iの化合物において、RおよびRは、好ましくは同じ基である。
式I、式中RおよびRが−C≡C−Rを示し、ここでRは、任意に置換されていてもよいシリル基またはゲルミル基であるか、あるいは、任意に置換されていてもよいアルキル基、または、非置換であるか、または前に定義した1個もしくは2個以上の基Lで置換された4〜20個の環原子を有するアリール基あるいはヘテロアリール基である、の化合物が極めて好ましい。
またはLが任意に置換されていてもよいアルキル基、シリル基またはゲルミル基である場合、それは好ましくは式II
−AR’R’’R’’’ II
式中、
Aは、C、SiまたはGe、好ましくはSiであり、かつ、
R’、R’’、R’’’は、H、1〜20個のC原子を有する直鎖の、分岐の、もしくは環状のアルキル基またはアルコキシ基、1〜20個のC原子を有する直鎖の、分岐の、または環状のアルケニル基、2〜20個のC原子を有する直鎖の、分岐の、または環状のアルキニル基、2〜20個のC原子を有する直鎖の、分岐の、または環状のカルボニル基、4〜20個の環原子を有するアリール基またはヘテロアリール基、4〜20個の環原子を有するアリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基、4〜20個の環原子を有するアリールオキシ基またはヘテロアリールオキシ基、あるいは、4〜20個の環原子を有するアリールアルキルオキシ基またはヘテロアリールアルキルオキシ基からなる基から選択される同じか、または異なる基であり、前記のすべての基は1個または2個以上の基L’で任意に置換されていてもよく、かつ、
L’は、シリル基およびゲルミル基が異なるが、式IのLに付与された意味の1つを有する、
の中から選択される。
好ましくは、式Iの化合物において、RおよびRは、−C≡C−R、式中Rの両基は式IIのAR’R’’R’’’の同じ基を示す、を示す。
式II中のAは、好ましくはSiである。
好ましくは、式IIの基におけるR’、R’’およびR’’’は、
任意に置換されていてもよく、かつ1〜10個のC原子を有する直鎖の、分岐の、もしくは環状のアルキルまたはアルコキシ(それは例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、2,3−ジメチルシクロプロピル、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピル、tert−ブチル、シクロブチル、シクロペンチル、メトキシまたはエトキシである)、任意に置換されていてもよく、かつ2〜12個のC原子を有する直鎖の、分岐の、もしくは環状のアルケニル、アルキニルまたはアルキルカルボニル(それは例えば、アリル、イソプロペニル、2−ブタ−1−エニル、cis−2−ブタ−2−エニル、3−ブタ−1−エニル、プロピニルまたはアセチルである)、任意に置換されていてもよい5〜10個の環原子を有するアリール、ヘテロアリール、アリールアルキルもしくはヘテロアリールアルキル、アリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ(それは例えば、フェニル、p−トリル、ベンジル、2−フラニル、2−チエニル、2−セレノフェニル、N−メチルピロール−2−イルまたはフェノキシである)からそれぞれ独立して選択される。
さらに好ましくは、式IIの基AR’R’’R’’’、式中1個または2個以上のR’、R’’およびR’’’は、Si原子またはGe原子とともに、環状の基、好ましくは2〜8個のC原子を有する該基を形成する、である。
他の好ましい態様において、式IIの基AR’R’’R’’’におけるすべての置換基R’、R’’およびR’’’は同じものである。
他の好ましい態様において、式IIの基AR’R’’R’’’におけるR’、R’’およびR’’’の少なくとも2個の置換基は同じものではない。これは、R’、R’’およびR’’’のうち少なくとも1個の置換基が、R’、R’’およびR’’’のうちの他の置換基の意味とは異なる意味を有することを意味する。
他の好ましい態様において、式IIの基AR’R’’R’’’におけるR’、R’’およびR’’’のそれぞれが、他のR’’およびR’’’とは異なる意味を有する。さらに好ましくは、式IIの基AR’R’’R’’’、式中R’、R’’およびR’’’の2個が同じ意味を有し、かつR’、R’’およびR’’’の1個が、R’、R’’およびR’’’の他の2個から異なる意味を有する、である。
さらに好ましくは、式IIの基AR’R’’R’’’、式中R’、R’’およびR’’’の1個または2個以上が、アルケニル基またはアリール基もしくはヘテロアリール基を示すか、あるいは含む、である。
極めて好ましくは、式I、式中X〜XのすべてがHである、の化合物である。
他の好ましい態様において、式Iの化合物中、X、X、X、X、XおよびXは、H、F、Cl、Br、I、CN、および、非置換であるか、あるいは1もしくは2以上のF原子またはCl原子あるいはOH基で置換されているか、あるいは全フッ素置換された、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有する、直鎖の、分岐の、または環状の、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミド、アルキルアミドカルボニルあるいはアルコキシカルボニルオキシからなる群から選択される。
他の好ましい態様において、式Iの化合物中、1個または2個以上のX、X、X、X、XおよびXは、単環式のまたは多環式の、4〜25個の環原子を有する芳香族基およびヘテロ芳香族基(すなわち、単結合を介して互いに連結した2または3以上の個々の環を含んでも、2または3以上の縮合環を含んでもよい、ここで各環は非置換であるか、または請求項1で定義された1個もしくは2個以上の基Lで置換されている)からなる基から選択される。
極めて好ましくは、これら前述した芳香族基およびヘテロ芳香族基が、1個または2個以上の前述した環および任意に1個または2個以上のベンゼン環を含む、フェニル、フラン、チオフェン、セレノフェン、N−ピロール、ピリジン、ピリミジン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、セレナゾール、および、ビ−、トリ−もしくはテトラ環状のアリール基またはヘテロアリール基、ここで個々の環は互いに単結合で連結または縮合され、ここで前述したすべての基は非置換であるか、または前に定義した1個もしくは2個以上の基Lで置換されている、からなる群から選択される。
極めて好ましくは、これら前述したビ−、トリ−もしくはテトラ環状のアリール基またはヘテロアリール基が、チエノ[3,2−b]−チオフェン、ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン、セレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[2,3−b]セレノフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、2,2−ジチオフェン、2,2−ジセレノフェン、ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール−5,5−シロール、4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[b]セレノフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾセレナゾール、ここで前述したすべての基が非置換であるか、または前に定義した1個もしくは2個以上の基Lで置換されている、からなる群から選択される。
式Iの好ましい化合物は、下記式:
式中、R’、R’’およびR’’’は、式IIで定義されたか、または以上以下に付与された好ましい意味の1つを有する、から選択される。
以上以下、アルキル基またはアルコキシ基(すなわち、末端のCH基が−O−で交換されているアルキル)は、直鎖または分岐であり得る。好ましい直鎖は、2個、3個、4個、5個、6個、7個または8個の炭素原子を有し、従って、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシまたはオクトキシ、さらに、例えば、メチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシが好ましい。
アルケニル基、すなわち1または2以上のCH基が−CH=CH−で交換されているアルキル、は直鎖または分岐であり得る。好ましい直鎖は、2〜10個のC原子を有し、従って、ビニル、プロパ−1−もしくはプロパ−2−エニル、ブタ−1−、2−もしくはブタ−3−エニル、ペンタ−1−、2−、3−もしくはペンタ−4−エニル、ヘキサ−1−、2−、3−、4−もしくはヘキサ−5−エニル、ヘプタ−1−、2−、3−、4−、5−もしくはヘプタ−6−エニル、オクタ−1−、2−、3−、4−、5−、6−もしくはオクタ−7−エニル、ノナ−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくはノナ−8−エニル、デカ−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくはデカ−9−エニルが好ましい。
特に好ましいアルケニル基は、C−C−1E−アルケニル、C−C−3E−アルケニル、C−C−4−アルケニル、C−C−5−アルケニルおよびC−6−アルケニル、とりわけC−C−1E−アルケニル、C−C−3E−アルケニルおよびC−C−4−アルケニルである。特に好ましいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどである。5個までのC原子を有する基は一般に好ましい。
オキサアルキル基、すなわち非末端のCH基が−O−で交換されているアルキルは、好ましくは、例えば、直鎖の2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)もしくは3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−、もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−、もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−、もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニルまたは2−、3−、4−、5−、6−,7−、8−もしくは9−オキサデシルである。
1個のCH基が−O−で交換され、かつ他のCH基が−CO−で交換されたアルキル基において、これらのラジカルは好ましくは近傍にある。従って、これらのラジカルはともに、カルボニルオキシ基−CO−O−またはオキシカルボニル基−O−CO−を形成する。好ましくは、この基が直鎖であり、2〜6個のC原子を有する。よって、好ましくは、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセチルオキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセチルオキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニル−メチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニル−メチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピル、4−(メトキシ−カルボニル)ブチルである。
2個または3個以上のCH基が−O−および/または−COO−で交換されたアルキルは、直鎖または分岐であり得る。好ましくは、直鎖かつ3〜12個のC原子を有する。従って、好ましくは、ビス−カルボキシ−メチル、2,2−ビス−カルボキシ−エチル、3,3−ビス−カルボキシ−プロピル、4,4−ビス−カルボキシ−ブチル、5,5−ビス−カルボキシ−ペンチル、6,6−ビス−カルボキシ−ヘキシル、7,7−ビス−カルボキシ−ヘプチル、8,8−ビス−カルボキシ−オクチル、9,9−ビス−カルボキシ−ノニル、10,10−ビス−カルボキシ−デシル、ビス−(メトキシカルボニル)−メチル、2,2−ビス−(メトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(メトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(メトキシカルボニル)−ブチル、5,5−ビス−(メトキシカルボニル)−ペンチル、6,6−ビス−(メトキシカルボニル)−ヘキシル、7,7−ビス−(メトキシカルボニル)−ヘプチル、8,8−ビス−(メトキシカルボニル)−オクチル、ビス−(エトキシ−カルボニル)−メチル、2,2−ビス−(エトキシカルボニル)−エチル、3,3−ビス−(エトキシカルボニル)−プロピル、4,4−ビス−(エトキシカルボニル)−ブチル、5,5−ビス−(エトキシカルボニル)−ヘキシルである。
チオアルキル基、すなわち1個のCH基が−S−で交換されたものは、好ましくは、直鎖のチオメチル(−SCH)、1−チオエチル(−SCHCH)、1−チオプロピル(=−SCHCHCH)、1−(チオブチル)、1−(チオペンチル)、1−(チオヘキシル)、1−(チオヘプチル)、1−(チオオクチル)、1−(チオノニル)、1−(チオデシル)、1−(チオウンデシル)または1−(チオドデシル)、ここで好ましくはspハイブリダイズされたビニルの炭素原子に近接したCH基が交換されている、である。
〜X、R〜R、R’、R’’およびR’’’は、アキラルまたはキラルの基であり得る。とりわけ好ましいキラルの基は、例えば、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、2−メチル−ブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、特に2−メチルブチル、2−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチル−ペントキシ、2−エチル−ヘキソキシ、1−メチルヘキソキシ、2−オクチルオキシ、2−オキサ−3−メチルブチル、3−オキサ−4−メチル−ペンチル、4−メチルヘキシル、2−ヘキシル、2−オクチル、2−ノニル、2−デシル、2−ドデシル、6−メトキシオクトオキシ、6−メチルオクトオキシ、6−メチルオクタノイルオキシ、5−メチルヘプチル−オキシカルボニル、2−メチルブチリルオキシ、3−メチルバレロイルオキシ、4−メチル−ヘキサノイルオキシ、2−クロルプロピオニルオキシ、2−クロロ−3−メチルブチリルオキシ、2−クロロ−4−メチル−バレリルオキシ、2−クロロ−3−メチルバレリルオキシ、2−メチル−3−オキサペンチル、2−メチル−3−オキサヘキシル、1−メトキシプロピル−2−オキシ、1−エトキシプロピル−2−オキシ、1−プロポキシプロピル−2−オキシ、1−ブトキシプロピル−2−オキシ、2−フルオロオクチルオキシ、2−フルオロデシル−オキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシ、1,1,1−triフルオロ−2−オクチル、2−フルオロメチルオクチルオキシである。極めて好ましくは、2−ヘキシル、2−オクチル、2−オクチルオキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキシル、1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシである。
好ましいアキラルの分岐基は、イソプロピル、イソブチル(=メチルプロピル)、イソペンチル(=3−メチルブチル)、第三ブチル、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシおよび3−メチルブトキシである。
−CY=CY00−は、好ましくは−CH=CH−、−CF=CF−または−CH=C(CN)−である。
ハロゲンは、F、Cl、BrまたはIであり、好ましくはF、ClまたはBrである。
Lは、好ましくは、P−Sp−、F、Cl、Br、I、−OH、−CN、−NO、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)R、−NR00、C(=O)OH、非置換であるか、あるいは1個もしくは2個以上のF原子もしくはCl原子またはOH基で置換されているか、あるいは全フッ素置換されている、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有する直鎖の、分岐の、もしくは環状のアルキル、アルコキシ、オキサアルキルまたはチオアルキル、および、非置換であるか、あるいは1個もしくは2個以上のF原子もしくはCl原子またはOH基で置換されているか、あるいは全フッ素置換されている、2〜20個、好ましくは2〜12個のC原子を有する直鎖の、分岐の、もしくは環状のアルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシから選択される。
式Iの化合物はまた、ポリマー形成の処理の最中に任意に保護される重合可能な基または反応性の基で置換されてよい。とりわけ好ましいこのタイプの化合物は、P−Sp、式中Pは重合可能な基または反応性の基であり、Spはスペーサー基または単結合である、を示す1個または2個以上の置換基Lを含む式Iの化合物である。これらの化合物は、半導体または電荷輸送材料としてとりわけ有用である。それは、例えばポリマーが半導体部品用の薄膜に処理される最中または処理された後に、インシチュでの重合により、それらが基Pを介して架橋され得り、高い電荷担体移動度ならびに高い熱的、機械的および化学的な安定性を有する架橋ポリマー膜を生じるからである。
好ましくは、重合可能なまたは反応性の基Pは、CH=CW−COO−、CH=CW−CO−、



CH=CW−(O)k1−、CH−CH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH−CHCH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、(CH=CH−CHN−、(CH=CH−CHN−CO−、HO−CW−、HS−CW−、HWN−、HO−CW−NH−、CH=CW−CO−NH−、CH=CH−(COO)k1−Phe−(O)k2−、CH=CH−(CO)k1−Phe−(O)k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−およびWSi−から選択され、ここでWが、H、F、Cl、CN、CF、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特にH、ClまたはCHであり、WおよびWが、互いに独立して、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキル、特にH、メチル、エチルまたはn−プロピルであり、W、WおよびWが、互いに独立して、Cl、1〜5個のC原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルであり、WおよびWが、互いに独立して、H、Clまたは1〜5個のC原子を有するアルキルであり、Pheが、前に定義した1個または2個以上の基であるLで任意に置換されていてもよい1,4−フェニレンであり、ならびにkおよびkが、互いに独立して、0または1である。
代わりに、Pは、本発明に従う方法について説明された条件下で非反応性である、これらの基の保護された誘導体である。好適な保護基は、並みの専門家に知られており、例えばアセタールまたはケタールのように、文献、例えばGreen, "Protective Groups in Organic Synthesis", John Wiley and Sons, New York (1981)に記載されている。
特に好ましい基であるPは、CH=CH−COO−、CH=C(CH)−COO−、CH=CH−、CH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、
および

または保護されたそれらの誘導体である。
基Pの重合は、並みの専門家に知られ、文献、例えばD. J. Broer; G. Challa; G. N. Mol, Macromol. Chem, 1991, 192, 59に記載された方法に従い実行され得る。
「スペーサー基」という用語は、先行技術において知られており、好適なスペーサー基Spは、並みの専門家に知られている(例えばPure Appl. Chem. 73(5), 888 (2001) を参照)。スペーサー基Spは、好ましくは、P−Sp−がP−Sp’−X’であるような式Sp’−X’からなり、式中、
Sp’は、非置換であるか、あるいはF、Cl、Br、IもしくはCNで一置換または多置換された30個までのC原子を有するアルキレンであり、1または2以上の非近接のCH基を、いずれの場合も互いに独立して、O原子および/またはS原子が互いに直接結合しないように−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−C≡C−で交換することも可能であり、
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR00−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY00−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
およびR00は、互いに独立に、Hまたは1〜12個のC原子を有するアルキルであり、ならびに、
およびY00は、互いに独立に、H、F,ClまたはCNである。
X’は、好ましくは、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY00−、−C≡C−または単結合、特に−O−、−S−、−C≡C−、−CY=CY00−または単結合である。他の好ましい態様において、X’は、−C≡C−または−CY=CY00−などの共役系を形成することができる基または単結合である。
典型的な基Sp’は、例えば、−(CH−、−(CHCHO)−CHCH−、−CHCH−S−CHCH−もしくは−CHCH−NH−CHCH−または−(SiR00−O)−であり、ここでpが2から12までの整数であり、qが1から13までの整数であり、RおよびR00が前に付与された意味を有する。
好ましい基であるSp’は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
式Iの化合物は、当業者に知られ、文献に記載された方法に従うか、またはそれに類似して合成することができる。他の調製方法は、例から選び取ることができる。特に好ましく、かつ好適な合成方法は、後にさらに説明する。
溶解性ベンゾ[h]ベンズ[5,6]−アクリジン[2,1,9,8−klmna]アクリジン(フラバントレン)の好適かつ好ましい合成経路は、代表的に、(ブチルジイソプロピル)シリルエチニル基で二置換されたフラバントレンについての以下のスキーム1に示される。
ジクロロジイソプロピルシラン1を、テトラヒドロフラン溶液中のn−ブチルリチウムで処置し、ブチルジイソプロピル−クロロシラン2を生じ、その後、それをインシチュでリチウム(トリメチルシリル)アセチリドと反応させ、トリメチルシリルで保護されたエチニルブチルジイソプロピルシラン3を生じる。炭酸カリウムによるTMS基の選択的除去によって、エチニルブチルジイソプロピルシラン4が得られる。標準的な手順を使用して、このエチニルシランをn−ブチルリチウムでリチウム化した後、商用のフラバントロンと反応させ、ジオール中間体5を生じ、それを酸性条件下で還元的に芳香族化し、6が得られる。
異なる置換基によるさらなる誘導体は、類似したやり方で合成することができる。
本発明はさらに、1種または2種以上の式Iの化合物と、1種または2種以上の溶媒、好ましくは有機溶媒から選択される溶媒とを含む処方物に関する。
好ましい溶媒は、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテルおよびそれらの混合物である。使用することができるさらなる溶媒は、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラ−メチルベンゼン、ペンチルベンゼン、メシチレン、クメン、シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、テトラリン、デカリン、2,6−ルチジン、2−フルオロ−m−キシレン、3−フルオロ−o−オキシレン、2−クロロベンゾ三フッ化物、ジメチルホルムアミド、2−クロロ−6フルオロトルエン、2−フルオロアニソール、アニソール、2,3−ジメチルピラジン、4−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、3−トリフルオロ−メチルアニソール、2−メチルアニソール、フェネトール、4−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−フルオロ−3−メチルアニソール、2−フルオロベンゾニトリル、4−フルオロベラトロール、2,6−ジメチルアニソール、3−フルオロベンゾニトリル、2,5−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール、ベンゾニトリル、3,5−ジメチルアニソール、N,N−ジメチルアニリン、エチルベンゾアート、1−フルオロ−3,5−ジメトキシベンゼン、1−メチルナフタレン、N−メチルピロリジノン、3−フルオロベンゾ三フッ化物、ベンゾ三フッ化物、ベンゾ三フッ化物、ジオキサン、トリフルオロメトキシベンゼン、4−フルオロベンゾ三フッ化物、3−フルオロピリジン、トルエン、2−フルオロトルエン、2−フルオロベンゾ三フッ化物、3−フルオロトルエン、4−イソプロピルビフェニル、フェニルエーテル、ピリジン、4−フルオロトルエン、2,5−ジフルオロトルエン、1−クロロ−2,4−ジフルオロベンゼン、2−フルオロピリジン、3−クロロフルオロベンゼン、3−クロロフルオロベンゼン、1−クロロ−2,5−ジフルオロベンゼン、4−クロロフルオロベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、2−クロロフルオロベンゼン、p−キシレン、m−キシレン、オキシレンまたはo−、m−およびp−異性体の混合物を含む。比較的低極性の溶媒が一般に好ましい。インクジェット式印刷においては、高い沸騰温度を有する溶媒および溶媒混合物が好ましい。スピンコーティングにおいては、キシレンおよびトルエンのようなアルキル化ベンゼンが好ましい。
本発明はさらに、1種または2種以上の式Iの化合物と、1種もしくは2種以上の有機バインダーまたはその前駆体、好ましくは1,000Hzでの誘電率εが3.3以下のものと、任意に1種または2種以上の溶媒とを含む有機半電導性処方物に関する。
式Iの特定の溶解性化合物、特に以上以下で説明したような好ましい式の化合物を、有機バインダー樹脂(以下「バインダー」ともいう)と組み合わせると、式Iの化合物の電荷移動度の低下がほとんど、またはまったくない、場合によっては上昇しさえする、という結果となる。例として、式Iの化合物を、バインダー樹脂(例えばポリ(α−メチルスチレン))中に溶解し、堆積させ(例えば、スピンコーディングにより)、高い電荷移動度を生じる有機半電導性層を形成してもよい。さらに、そのようにして形成された半電導性層は、優れた膜形成性状を示し、とりわけ安定である。
高移動度の有機半電導性層処方物が、式Iの化合物をバインダーと組み合わせることによって得られる場合、得られた処方物はいくつかの利点がもたらされる。例えば、式Iの化合物が溶解性であるから、それらを、例えば溶液から液体形態で堆積させてもよい。バインダーのさらなる使用により、処方物を、極めて均一なやり方で、広い面積にコートすることができる。さらに、バインダーを処方物中に使用する場合、処方物の特性、例えば粘度、固形分、表面張力を印刷方法に対して調整するために制御することができる。特定の理論のいずれにも拘泥するつもりはないが、処方物中バインダーの使用により、結晶粒間の容積が満たされ、さもなければ中空であり、外気および湿気に対して有機半電導性層の感受性を低下させることも予測される。例えば、本発明の方法に従い形成された層は、OFET装置において外気中の安定性が極めて良好であることが示される。
本発明はまた、有機半導体または有機半電導性層処方物を含む有機半電導性層も提供する。
本発明はさらに、有機半電導性層を調製する方法を提供するものであり、該方法は、以下のステップを含む:
(i)以上以下で説明するような1種または2種以上の式Iの化合物と、1種もしくは2種以上の有機バインダー樹脂またはそれらの前駆体と、任意に1種または2種以上の溶媒とを含む処方物の液体層を、基板上に堆積させること、
(ii)液体層から、有機半電導性層である固体層を形成すること、
(iii)任意に、基板から層を取り去ること。
この方法について、以下でさらに詳細に説明する。
本発明はさらに、当該有機半電導性層を含む電子装置を提供する。電子装置は、限定せずに、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機発光ダイオード(OLED)、光検出器、センサー、論理回路、記憶素子、コンデンサーまたは光起電性(PV)電池を含んでもよい。例えば、OFET中のドレインとソースとの間の活性化した半導体チャネルは、本発明の層を含んでもよい。他の例として、OLED装置中の電荷(正孔もしくは電子)注入層または輸送層は、本発明の層を含んでもよい。本発明に従う処方物およびそれらから形成される層は、OFETにおいて、特に本明細書に記載の好ましい態様に関して、とりわけ有用である。
式Iの半電導性化合物は、好ましくは、0.001cm−1−1以上の、極めて好ましくは0.01cm−1−1以上の、特に好ましくは0.1cm−1−1以上の、最も好ましくは0.5cm−1−1以上の電荷担体移動度μを有する。
バインダーは、典型的にはポリマーであるが、絶縁性バインダーもしくは半電導性バインダー、またはそれらの混合物のいずれかを含んでもよく、本明細書中、有機バインダー、ポリマーバインダーまたは単にバインダーといってもよい。
本発明に従う好ましいバインダーは、低誘電率の材料、すなわち、1,000Hzでの誘電率εが3.3以下である。有機バインダーは、1,000Hzでの誘電率εが、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.9以下である。好ましくは、有機バインダーは、1,000Hzでの誘電率εが、1.7以上である。特に好ましくは、バインダーの誘電率が2.0から2.9までの範囲内である。特定の理論のいずれにも拘泥するつもりはないが、1,000Hzでの誘電率εが3.3を超えるバインダーの使用により、電子装置、例えばOFETにおけるOSC層の移動度が低下することがもたらされ得ると考えられる。さらに、高誘電率バインダーはまた、望ましくない装置の電流ヒステリシスが上昇する結果にもなり得る。
好適な有機バインダーの例はポリスチレンである。好適なバインダーのさらなる例は、例えばUS 2007/0102696 A1に開示されている。特に好適かつ好ましいバインダーは、以下に記載されている。
好ましい態様の1タイプにおいて、有機バインダーは、少なくとも95%の原子、より好ましくは少なくとも98%の原子、特にすべての原子が水素原子、フッ素原子および炭素原子からなるものである。
バインダーは通常、共役結合、特に共役二重結合および/または芳香環を含むことが好ましい。
バインダーは、好ましくは膜、より好ましくは可とう膜を形成できるはずである。スチレンおよびα−メチルスチレンのポリマー、例えばスチレン、α−メチルスチレンおよびブタジエンを含むコポリマーを、好適に使用してもよい。
本発明における低誘電率のバインダーの使用は、さもなければ分子部位エネルギー(molecular site energy)の不規則変動をもたらし得る永久双極子をほとんど有さない。誘電率ε(絶縁定数)は、ASTM D150の試験方法により決定することができる。
このタイプの材料として低い極性と水素結合寄与とを有する溶解性パラメータを有する、本発明に使用されるバインダーが小さい永久双極子を有することも好ましい。本発明に従う使用のためのバインダーの溶解性パラメータ(「Hansenパラメータ」)の好ましい範囲は以下の表1に与えられる。
上にリスト化した3つの次元の溶解性パラメータには以下が含まれる:分散(δ)、極性(δ)および水素結合(δ)の成分である(C.M. Hansen, Ind. Eng. and Chem., Prod. Res. and Devl., 9, No3, p282., 1970)。これらのパラメータは、Handbook of Solubility Parameters and Other Cohesion Parameters ed. A.F.M. Barton, CRC Press, 1991に記載されているように、実験的に決定するか、知られているモル濃度のグループ寄与(molar group contribution)から算出してもよい。多くの知られているポリマーの溶解性パラメータもまた、この刊行物にリスト化されている。
バインダーの誘電率は周波数にほとんど依存しないことが望ましい。これは、非極性材料の典型である。ポリマーおよび/またはコポリマーは、それらの置換基の誘電率により、バインダーとして選択することができる。好適かつ好ましい低極性バインダーのリストを表2に与える(これらの例に限定されない):
さらなる好ましいバインダーは、ポリ(1,3−ブタジエン)およびポリフェニレンである。
特に好ましくは、バインダーが、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレンおよびポリトリアリールアミンから選択されるか、またはこれらのコポリマーであり、溶媒が、キシレン(キシレン類)、トルエン、テトラリンおよびシクロヘキサノンから選択される処方物である。
先のポリマーの繰り返し単位を含むコポリマーもまた、バインダーとして好適である。コポリマーは、式Iの化合物との相溶性を改善し、最終的な層組成物の形態および/またはガラス転移温度を変更する可能性を提供する。当然のことながら、上表において、ある材料は、層を調製する際に一般的に使用される溶媒に不溶性である。これらの場合、類似物をコポリマーとして使用することができる。コポリマーのいくつかの例を表3に示す(これらの例に限定されない)。ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーのいずれも使用することができる。組成物全体の極性が低いままである限り、より多くの極性モノマーコンポーネントを加えることも可能である。
他のコポリマーは以下を含んでもよい:分岐または非分岐のポリスチレン−ブロック−ポリブタジエン、ポリスチレン−ブロック(ポリエチレン−ran−ブチレン)−ブロック−ポリスチレン、ポリスチレン−ブロック−ポリブタジエン−ブロック−ポリスチレン、ポリスチレン−(エチレン−プロピレン)−ジブロック−コポリマー(例えばKRATON(登録商標)-G1701E, Shell)、ポリ(プロピレン−co−エチレン)およびポリ(スチレン−co−メタクリル酸メチル)。
本発明に従う有機半電導性層処方物に使用される好ましい絶縁性バインダーは、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ桂皮酸ビニル、ポリ(4−ビニルビフェニル)、ポリ(4−メチルスチレン)およびTopas(商標)8007(Ticona, Germanyから入手可能な線状オレフィン、シクロ−オレフィン(ノルボルネン)コポリマー)である。最も好ましい絶縁性バインダーは、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ桂皮酸ビニルおよびポリ(4−ビニルビフェニル)である。
バインダーはまた、例えばアクリル酸、エポキシ、ビニルエーテル、チオレンなどのような架橋可能なバインダー、好ましくは誘電率が十分に低いもの、極めて好ましくは誘電率が3.3以下のものから選択することもできる。バインダーはまた、メソゲンまたは液晶でもあり得る。
前述のように、有機バインダーはそれ自体が半導体であってもよく、その場合、それを本明細書中、半電導性バインダーという。半電導性バインダーは、より好ましくは、本明細書に定義されるような低誘電率のバインダーである。本発明に使用される半電導性バインダーは、数平均分子量(M)が少なくとも1500〜2000、より好ましくは少なくとも3000、さらにより好ましくは少なくとも4000、最も好ましくは少なくとも5000である。半電導性バインダーは、好ましくは、電荷担体移動度μが、少なくとも10−5cm−1−1、より好ましくは少なくとも10−4cm−1−1である。
半電導性バインダーの好ましい部類は、US 6,630,566に開示されたポリマー、好ましくは式1の繰り返し単位を有するオリゴマーまたはポリマーである:
式中、
Ar11、Ar22およびAr33は、同じでも異なっていてもよいが、異なる繰り返し単位中にある場合は独立して、単環または多環である、任意に置換されていてもよい芳香族基を表し、
mは、≧1、好ましくは≧6、好ましくは≧10、より好ましくは≧15、最も好ましくは≧20の整数である。
Ar11、Ar22およびAr33に照らして、単環芳香族基は、例えばフェニルまたはフェニレンのように、たった1個の芳香環しか有さない。多環芳香族基は、縮合しても(例えばナフチルまたはナフタレン)、個々に共有結合しても(例えばビフェニル)、および/または、縮合芳香環と個々に結合した芳香環との両方の組み合わせであってもよい、2個または3個以上の芳香環を有する。好ましくは、Ar11、Ar22およびAr33のそれぞれが、実質的にすべての基にわたって実質的に共役している芳香族基である。
半電導性バインダーのさらに好ましい部類は、実質的に共役している繰り返し単位を含むものである。半電導性バインダーポリマーは、一般式2のホモポリマーまたはコポリマー(ブロック−コポリマーを含む)であってもよい:
式中、A、B、…、Zのそれぞれは、モノマー単位を表し、(c)、(d)、…(z)のそれぞれは、ポリマー中の各モノマー単位のモル分率を表す、すなわち(c)、(d)、…(z)は、0から1までの数値であり、合計(c)+(d)+…+(z)=1である。
好適かつ好ましいモノマー単位A、B、…Zの例として、上の式1の単位および下に示す式3〜8(式中、mは式1で定義したとおりである)の単位が挙げられる:
式中、mは上で定義したとおりであり、
およびRは、それぞれ独立に、H、F、CN、NO、−N(R)(R)または任意に置換されていてもよいアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アシル、アリールから選択され、
およびRは、独立に、または互いに、H、任意に置換されていてもよいアルキル、アリール、アルコキシもしくはポリアルコキシまたは他の置換基から選択され、
ならびに式中、アスタリスク(*)は、Hを含む任意の末端または終端のキャッピング基であり、アルキル基およびアリール基は任意にフッ素化されていてもよい:
式中、mは上で定義したとおりであり、
Yは、Se、Te、O、Sまたは−N(R)−、好ましくはO、Sまたは−N(R)−であり、
は、H、任意に置換されていてもよいアルキルまたは任意に置換されていてもよいアリールであり、
およびRは、式3に定義したとおりである;
式中、R、RおよびYは、式3および4に定義したとおりであり、mは式1で定義したとおりである;
式中、R、RおよびYは、式3および4で定義されたとおりであり、mは、式1で定義されたとおりであり、
Zは、−C(T)=C(T)−、−C≡C−、−N(R)−、−N=N−、(R)=N−、−N=C(R)−であり、
およびTは、それぞれ独立に、H、Cl、F、−CNまたは1〜8個のC原子を有するアルキルを表し、
は、Hまたは任意に置換されていてもよいアルキルもしくはアリールである;
式中、RおよびRは、式3で定義されたとおりであり、mは式1で定義されたとおりである;
式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、式3におけるRおよびRの意味の1つを有し、mは、式1で定義されたとおりである。
式1〜8などの本明細書に記載の重合式の場合、ポリマーは、Hを含む、任意の終端キャッピング基または脱離基である任意の末端基で終えられてもよい。
ブロック−コポリマーの場合、A、B、…Zのそれぞれのモノマーは、式3〜8の単位の、例えば2〜50の数を含む共役オリゴマーまたはポリマーであってもよい。半電導性バインダーは、好ましくは、以下を含む:アリールアミン、フルオレン、チオフェン、スピロビフルオレンおよび/または任意に置換されていてもよいアリール(例えばフェニレン)基、より好ましくはアリールアミン、最も好ましくはトリアリールアミン基。前述の基は、例えばビニレンなどの共役基によりさらに結合していてもよい。
さらに、半電導性バインダーは、前述したアリールアミン、フルオレン、チオフェンおよび/もしくは任意に置換されていてもよいアリール基の1種または2種以上を含むポリマー(ホモポリマーまたはブロック−コポリマーを含むコポリマーのいずれか)を含むことが好ましい。好ましい半電導性バインダーは、アリールアミン(好ましくはトリアリールアミン)および/またはフルオレン単位を含むホモポリマーまたはコポリマー(ブロック−コポリマーを含む)を含む。他の好ましい半電導性バインダーは、フルオレンおよび/もしくはチオフェン単位を含むホモポリマーまたはコポリマー(ブロック−コポリマーを含む)を含む。
半電導性バインダーはまた、カルバゾールまたはスチルベンの繰り返し単位も含んでもよい。例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリスチルベンまたはそれらのコポリマーを使用してもよい。半電導性バインダーには、式の溶解性化合物との相溶性を改善するためにDBBDTセグメント(例えば、先の式1について記載したとおりの繰り返し単位)が任意に含まれてもよい。
本発明に従う有機半電導性処方物における使用のための極めて好ましい半電導性バインダーは、ポリ(9−ビニルカルバゾール)、および下記式のポリトリアリールアミンPTAA1である。
式中、mは式1で定義されたとおりである。
p−チャネルFETにおける半電導性層の適用において、望ましくは、半電導性バインダーは式Iの半電導性化合物より高いイオン化ポテンシャルを有するべきであり、さもなければバインダーは正孔トラップを形成し得る。n−チャネル材料において、半電導性バインダーは、電子捕獲を避けるために、n型半導体より低い電子親和性を有するべきである。
本発明に従う処方物を、以下を含む方法により調製してもよい:
(i)最初に、式Iの化合物と有機バインダーまたはその前駆体とを混合すること。好ましくは、この混合は、溶媒または溶媒混合物中に2種のコンポーネントをともに混合することを含む。
(ii)式Iの化合物および有機バインダーを含む溶媒(溶媒混合物)を基板に塗布すること;ならびに、本発明に従う固体の有機半電導性層を形成するために溶媒(溶媒混合物)を任意に蒸発させること、
(iii)ならびに、任意に、基板から固体層を取り去るか、または固体層から基板を取り去ること。
ステップ(i)において、溶媒は単一の溶媒であってもよいし、式Iの化合物および有機バインダーをそれぞれ別個の溶媒に溶解させた後に化合物を混合するために2種の得られた溶液を混合してもよい。
バインダーは、任意に溶媒の存在下、バインダーの前駆体(例えば、液体モノマー、オリゴマーまたは架橋可能性のポリマー)に式Iの化合物を混合または溶解させること、および、液体層を形成するための基板上に混合物または溶液を、例えばそれを浸漬、スプレー、塗装または印刷することにより堆積させること、および、その後、固体層を製造するために、液体モノマー、オリゴマーまたは架橋可能性のポリマーを、例えば放射線、熱または電子ビームへの曝露によって硬化させること、によってインシチュで形成してもよい。予め形成されたバインダーを使用する場合、それを、好適な溶媒に式Iの化合物とともに溶解させ、その溶液を、液体層を形成するための基板上に、例えば浸漬、スプレー、塗装または印刷することによって堆積させ、その後、固体層を残すために溶媒を除去してもよい。当然のことながら、バインダーと式Iの化合物との両方を溶解させることができ、かつ溶液ブレンドからの蒸発の際、コヒーレントで欠陥のない層を与える溶媒を選択する。
バインダーまたは式Iの化合物に好適な溶媒は、ASTM Method D 3132に記載されているような材料について、混合物に用いられる濃度でのコンターダイアグラム(contour diagram)を調製することにより決定することができる。その材料は、ASTMの方法に記載されているような多種多様な溶媒に追加される。
これも当然のことながら、本発明に従い、処方物はまた、2種もしくは3種以上の式Iの化合物、および/あるいは、2種もしくは3種以上のバインダーまたはバインダー前駆体も含んでもよく、処方物を調製するための方法を、かかる処方物にも適用してもよい。
好適かつ好ましい有機溶媒の例としては、限定されずに、ジクロロメタン、トリクロロメタン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、モルホリン、トルエン、オキシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラリン、デカリン、インダンおよび/またはそれらの混合物が挙げられる。
適切な混合および熟成の後、溶液を、以下のカテゴリー:完全溶液、境界溶液または不溶性溶液、の1つとして評価する。コンターライン(contour line)を、溶解性と不溶性とを分ける溶解性パラメータ−水素結合の限界の概要を示すために、引く。溶解性の範囲内にある「完全」溶媒は、「Crowley, J.D., Teague, G.S. Jr and Lowe, J.W. Jr., Journal of Paint Technology, 1966, 38(496), 296」に公開された文献値などから選択することができる。溶媒ブレンドもまた使用してもよく、「Solvents, W.H.Ellis, Federation of Societies for Coatings Technology, p9-10, 1986」に記載されているように同定することができる。ブレンド中には少なくとも1つの本当の溶媒を有することが望ましいが、かかる手順は、バインダーと式Iの化合物との両方を溶解するだろう「非」溶媒のブレンドをもたらし得る。
本発明に従う処方物において、絶縁性または半電導性のバインダーおよびそれらの混合物とともに使用するための特に好ましい溶媒は、キシレン(キシレン類)、トルエン、テトラリンおよびo−ジクロロベンゼンである。
本発明に従う処方物または層における式Iの化合物に対するバインダーの割合は、典型的には重量で20:1〜1:20、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは5:1〜1:5、さらにより好ましくは3:1〜1:3、さらに好ましくは2:1〜1:2、特に1:1である。驚くべきことに、そして有利には、バインダー中の式Iの化合物を希釈することは、先行技術から予想されるものと比較して、電荷移動度に対する悪影響がほとんど、またはまったくないことが見出された。
本発明に従い、有機半電導性層処方物における固形分のレベルもまた、OFETなどの電子装置における改善された移動数値を達成することにおける因子であることもさらに見出した。処方物の固形分は、一般に次のように表される:
式中、a=式Iの化合物の質量、b=バインダーの質量、c=溶媒の質量。
処方物の固形分は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
本発明に従う化合物もまた、例えば、電荷輸送、半電導性の、電気伝導性の、光伝導性の、および/または発光半電導性の特性を有する他の化合物とともに、混合物またはブレンドにおいて使用することができる。よって、本発明の他の側面は、式Iの化合物を1種もしくは2種以上と、前述した特性の1種もしくは2種以上を有するさらなる化合物を1種または2種以上とを含む混合物あるいはブレンドに関する。これらの混合物は、先行技術において説明され、当業者に知られている従来の方法により調製することができる。典型的には、化合物を互いに混合するか、または好適な溶媒中に溶解させ、それら溶液を合わせる。
本発明に従う処方物はさらに、例えば表面活性化合物、平滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気器、反応性であっても非反応性であってもよい希釈剤、助剤、着色料、染料もしくは顔料、増感剤、安定剤、ナノ粒子または阻害剤のような、1種または2種以上のさらなる成分を含むことができる。
コスト(より多くの装置/単位面積)および電力消費を軽減するために、最新のマイクロエレクトロニクスにおいて小さい構造物を生み出すことが望ましい。本発明の層のパターニングは、フォトリソグラフィーまたは電子ビームリソグラフィーにより実行してもよい。
電界効果トランジスタなどの有機電子装置の液体コーティングは、真空蒸着技術より望ましい。本発明の処方物は、多くの液体コーティング技術の使用を可能にする。有機半電導性層を、例えば、制限せずに、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、活版印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、リバースローラー印刷、オフセットリソグラフィー印刷、フレキソ印刷、輪転印刷、スプレーコーティング、刷毛コーティングまたはパッド印刷により、最終の装置構造物に取り込んでもよい。本発明は、最終の装置構造物における有機半導体をスピンコーティングする際に使用することがとりわけ好適である。
本発明の選択された処方物は、インクジェット印刷またはマイクロディスペンシング(microdispensing)により、予め製作された装置構造物に適用してもよい。好ましい工業用圧電性印字ヘッドは、例えば、限定されずにAprion、Hitachi-Koki、InkJet Technology、On Target Technology、Picojet、Spectra、Trident、Xaarにより供給されるものなどがあるが、有機半電導性層を基板に塗布するために使用してもよい。加えて、準工業用ヘッド、例えばBrother、Epson、Konica、Seiko Instruments Toshiba TECにより作製されるものなど、または単一ノズルマイクロディスペンサー、例えばMicrodropおよびMicrofabにより製造されたものなど、も使用してもよい。
インクジェット印刷またはマイクロディスペンシングに適用するために、式Iの化合物とバインダーとの混合物を最初に好適な溶媒に溶解するべきである。溶媒は前述した要件を満たす必要があり、選択した印刷ヘッドにいかなる悪影響も与えてはならない。
加えて、溶媒は、印刷ヘッド内部で溶媒が乾燥することに起因する操作性の問題を防ぐために、沸点が>100℃、好ましくは>140℃、より好ましくは>150℃であるべきである。好適な溶媒は、置換および非置換のキシレン誘導体、ジ−C1〜2−アルキルホルムアミド、置換および非置換のアニソールならびに他のフェノール−エーテル誘導体、置換されたピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピロリジノンなどの置換ヘテロ環、置換および非置換のN,N−ジ−C1〜2−アルキルアニリンならびに他のフッ素化または塩素化の芳香族化合物を含む。
インクジェット印刷により本発明に従う処方物を堆積させるのに好ましい溶媒は、1個または2個以上の置換基で置換されたベンゼン環を有するベンゼン誘導体、ここで該1個または2個以上の置換基の中の炭素原子の総数は少なくとも3個である、を含む。例えば、前記ベンゼン誘導体は、プロピル基または3個のメチル基で置換されてもよく、いずれの場合も合計少なくとも3個の炭素原子である。かかる溶媒は、インクジェット流体が、ジェットの目詰まりおよびスプレー最中のコンポーネントの分離を減らすか、または防ぐバインダーと式Iの化合物とともに溶媒を含むように形成されることを可能にする。溶媒は、以下のリストの例から選択されるもの:ドデシルベンゼン、1−メチル−4−tert−ブチルベンゼン、テルピネオール、リモネン、イソズレン、テルピノレン、シメン、ジエチルベンゼンを含んでもよい。溶媒は、溶媒混合物、すなわち2種または3種以上の溶媒の組み合わせであってもよく、各溶媒としては、好ましくは>100℃、より好ましくは>140℃の沸点を有する。かかる溶媒はまた、堆積された層における膜形成も促進し、該層における欠陥も減らすものである。
インクジェット流体(すなわち溶媒、バインダーおよび半電導性化合物の混合物)は、好ましくは、20℃での粘度が、1〜100mPa・s、より好ましくは1〜50mPa・s、最も好ましくは1〜30mPa・sである。
本発明におけるバインダーの使用は、特定の印刷ヘッドの要件を満たすために、コーティング溶液の粘度を調整することができる。
本発明の半電導性層は、典型的には、最大でも1ミクロン(=1μm)の厚さを有するが、必要ならさらに厚くてもよい。層の正確な厚さは、例えば、層を使用する電子装置の要件によって決まるものである。OFETまたはOLEDにおける使用のために、層の厚さは典型的には500nm以下であってもよい。
本発明の半電導性層において、2種または3種以上の異なる式Iの化合物を使用してもよい。追加で、または、代わりに、半電導性層において、2種または3種以上の本発明の有機バインダーを使用してもよい。
前述のとおり、本発明はさらに、有機半電導性層を調製する方法を提供し、該方法には、(i)1種または2種以上の式Iの化合物、1種もしくは2種以上の有機バインダーまたはその前駆体、および任意に1種または2種以上の溶媒を含む処方物の液体層を基板上に堆積すること、ならびに(ii)有機半電導性層である固体層を液体層から形成すること、を含む。
前記方法において、固体層は、溶媒を蒸発させることによるか、および/または、バインダー樹脂をインシチュで形成するためにバインダー樹脂前駆体(存在する場合)を反応させることにより、形成してもよい。基板としては、例えば、任意の基本的な装置層、電極、または、シリコンウェハもしくはポリマー基板などの別個の基板を挙げてもよい。
本発明の特定の態様において、バインダーは、例えば液晶相を形成することができるなど、整列可能であってもよい。この場合、例えばそれらの芳香族中心が優先的に電荷輸送の方向に沿って整列するように、バインダーが式Iの化合物の整列に貢献してもよい。バインダーを整列させるのに好適な方法は、ポリマー性有機半導体を整列するために使用され、先行技術、例えばUS 2004/0248338 A1に記載されたそれらの方法を含む。
加えて、本発明に従う処方物には、例えば表面活性化合物、平滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水化剤、接着剤、流動性向上剤、消泡剤、脱気器、希釈剤、反応性もしくは非反応性の希釈剤、助剤、着色料、染料もしくは顔料、さらに架橋可能なバインダーを使用する場合は特に、触媒、増感剤、安定剤、阻害剤、連鎖移動剤または共反応性(co-reacting)モノマーのような、さらなる成分の1種または2種以上が含まれる。
本発明はまた、電子装置における半電導性化合物、処方物または層の使用も提供する。処方物は、様々な装置および機器において、高移動度の半電導性材料として使用してもよい。処方物は、例えば、半電導性の層または膜の形態で使用してもよい。従って、他の側面において、本発明は、電子装置における使用のための半電導性層を提供し、該層は、本発明に従う処方物を含む。層または膜は約30ミクロンより薄いものであってもよい。様々な電子装置への適用において、厚さは約1ミクロンより薄いものであってもよい。前述した溶液コーティングまたは印刷の技術のいずれかにより、例えば電子装置の一部の上に層を堆積させてもよい。
本発明に従う化合物および処方物は、光学の、電気光学の、電子の、エレクトロルミネッセンス性の、もしくはフォトルミネッセンス性のコンポーネントまたは装置における電荷輸送、半電導性の、電気伝導性の、光伝導性の、または発光性の材料として有用である。特に好ましい装置は、OFET、TFT、IC、論理回路、コンデンサー、RFIDタグ、OLED、OLET、OPED、OPV、太陽電池、レーザーダイオード、光伝導体、光検出器、電子写真装置、電子写真記録装置、有機記憶装置、センサー装置、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止膜、電導性基板および電導性パターンである。これらの装置において、本発明の化合物は典型的には薄い層または膜として適用される。
例えば、処方物の化合物は、例えば半電導性チャネルとしての電界効果トランジスタ(FET)、例えば正孔もしくは電子の注入層または輸送層あるいはエレクトロルミネッセンス性の層、光検出器、化学検出器、光電池(PV)、コンデンサー、センサー、論理回路、ディスプレイ、記憶装置などとしての有機発光ダイオード(OLED)において、層または膜として使用してもよい。本化合物または処方物はまた、電子写真(EP)機器においても使用してよい。
本化合物または処方物は、好ましくは、作製のコストおよび多用途性における利点を提供するために、前述の装置または機器における層または膜を形成するためにコートされる溶液である。本発明の化合物または処方物の改善された電荷担体移動度は、かかる装置または機器が、より早く、および/またはより効率的に操作されることを可能にする。
特に好ましい電子装置は、OFET、OLEDおよびOPVの装置、特にバルクヘテロ接合(BHJ)OPV装置である。OFETにおいて、例えば、ドレインとソースとの間の活性半導体チャネルは、本発明の層を含んでもよい。他の例として、OLED装置において、電荷(正孔もしくは電子)注入層または輸送層あるいは発光層は、本発明の層を含んでもよい。
OPV装置における使用において、本発明に従うポリマーは、好ましくは、p型(電子供与体)半導体およびn型(電子受容体)半導体を含むか、または含有する、より好ましくは本質的に当該半導体からなる、極めて好ましくは当該半導体のみからなる、処方物に使用される。p型半導体は、本発明に従う化合物により構成される。n型半導体は、酸化亜鉛またはセレン化カドミウムなどの無機材料、あるいは、例えばG. Yu, J. Gao, J.C. Hummelen, F. Wudl, A.J. Heeger, Science 1995, 270, 1789 ffに開示されているとおり、以下に示す構造を有し、例えば「PCBM」または「C60PCBM」としても知られている(6,6)−フェニル−酪酸メチルエステル誘導体化メタノC60フラーレンなどの、フラーレン誘導体、または例えばC70フラーレン群(C70PCBM)に類似した構造の化合物、またはポリマー(例えばCoakley, K. M. and McGehee, M. D. Chem. Mater. 2004, 16, 4533を参照)などの有機材料であり得る。
このタイプの好ましい材料は、C60もしくはC70のフラーレンまたはPCBMのような修飾フラーレンと、本発明に従うアセン化合物とのブレンドあるいは混合物である。好ましくは、アセン:フラーレンの比率は、重量で2:1から1:2まで、より好ましくは重量で1.2:1から1:1.2まで、最も好ましくは重量で1:1である。ブレンドされた混合物において、任意のアニーリングステップは、ブレンドのモルホロジー、および、その結果としてOPV装置の性能を最適化するために必要であってもよい。
OPV装置は、例えば、文献[例えばWaldauf et al., Appl. Phys. Lett., 2006, 89, 233517を参照]から知られている任意のタイプであり得る。
本発明に従う第一に好ましいOPV装置は以下を含む:
− 低仕事関数の電極(例えばアルミニウムなどの金属)および高仕事関数の電極(例えばITO)のうち1つが透明なもの、
− 電極間に位置する正孔輸送性材料および電子輸送性材料、好ましくはOSC材料から選択されるものを含む層(「活性層」ともいう);活性層は、例えば、バルクヘテロ接合(BHJ)を形成する、p型およびn型の半導体の二重層もしくは2つの異なる層またはブレンドもしくは混合物として存在し得る(例えばCoakley, K. M. and McGehee, M. D. Chem. Mater. 2004, 16, 4533を参照)。
− 任意に電導性ポリマー層、例えば、正孔の抵抗接点を提供するよう高仕事関数の電極の仕事関数を修飾するために、活性層と高仕事関数の電極との間に位置するPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホナート))のブレンドを含む、
− 電子の抵抗接点を提供するよう、活性層に面する低仕事関数の電極側への任意のコーティング(例えばLiFの)。
本発明に従う第二に好ましいOPV装置は、反転型(inverted)OPV装置であって、以下を含む:
− 低仕事関数の電極(例えば金などの金属)および高仕事関数の電極(例えばITO)のうち1つが透明なもの、
− 電極間に位置する正孔輸送性材料および電子輸送性材料、好ましくはOSC材料から選択されるものを含む層(「活性層」ともいう);活性層は、例えば、BHJを形成する、p型およびn型の半導体の二重層もしくは2つの異なる層またはブレンドもしくは混合物として存在し得る、
− 任意に伝導性ポリマー層、例えば、電子の抵抗接点を提供するために、活性層と低仕事関数の電極との間に位置するPEDOT:PSSのブレンドを含む、
− 正孔の抵抗接点を提供するために、活性層に面する低仕事関数の電極側への任意のコーティング(例えばLiFの)。
本発明のOPV装置において、p型およびn型の半導体材料は、好ましくは、前記のように、p型化合物/フラーレン系のような材料から選択される。二重層がブレンドの場合、任意のアニーリングステップは、装置性能を最適化するために必要であってもよい。
本発明の化合物、処方物および層はまた、半電導性チャネルとしてのOFETにおける使用にも好適である。従って、本発明はまた、ゲート電極、絶縁性(ゲート絶縁体)層、ソース電極、ドレイン電極、ならびに、ソース電極およびドレイン電極を連結する有機半電導性チャネルを含むOFETも提供する。ここで有機半電導性チャネルは、本発明に従う化合物、処方物または有機半電導性層を含む。OFETの他の特徴は当業者に周知なものである。
OSC材料がゲート誘電体とドレインとソース電極との間に薄膜として配置されているOFETは、一般に知られており、例えばUS 5,892,244、US 5,998,804、US 6,723,394およびその背景セクションに引用された参考文献に記載されている。その利点により、本発明に従う化合物の溶解特性と、よって大表面の処理可能性とを使用する低コスト生産のように、これらFETの好ましい適用は、集積回路、TFTディスプレイおよびセキュリティ応用(security application)などである。
ゲート電極、ソース電極およびドレイン電極ならびにOFET装置における絶縁性層および半電導性層は、ソース電極とドレイン電極とが絶縁性層によりゲート電極から分離され、ゲート電極と半電導性層とがともに絶縁性層と接触し、かつソース電極とドレイン電極がともに半電導性層と接触するという条件で、任意の順序で配置されてもよい。
本発明に従うOFET装置は好ましくは以下を含む:
− ソース電極、
− ドレイン電極、
− ゲート電極、
− 半電導性層、
− 1つまたは2つ以上のゲート絶縁性層、
− 任意に基板、
ここで半電導性層は、好ましくは、以上以下で記載されたような化合物または処方物を含む。
OFET装置は、トップゲート装置またはボトムゲート装置であり得る。OFET装置の好適な構造物および作製方法は、当業者に知られており、文献、例えばUS 2007/0102696 A1に記載されている。
ゲート絶縁体層は、好ましくは、例えば市販のCytop 809M(登録商標)またはCytop 107M(登録商標)(Asahi Glassから)のようなフルオロポリマーを含む。好ましくは、ゲート絶縁体層は、絶縁体材料と、1種もしくは2種以上のフルオロ原子(フルオロ溶媒)を有する1種または2種以上の溶媒、好ましくは全フッ素置換された溶媒とを含む処方物から、例えば、スピンコーティング、ドクターブレーディング、ワイヤーバーコーティング、スプレーもしくは浸漬コーティングまたは他の知られている方法により、堆積される。好適な全フッ素置換された溶媒は、例えばFC75(登録商標)(Acrosから入手可能、カタログナンバー12380)である。他の好適なフルオロポリマーおよびフルオロ溶媒は、例えば、全フッ素置換されたポリマーであるTeflon AF(登録商標)1600もしくは2400(DuPontから)またはFluoropel(登録商標)(Cytonixから)または全フッ素置換された溶媒であるFC 43(登録商標)(Acros、No. 12377)のように、先行技術において知られている。特に好ましいものは、例えばUS 2007/0102696 A1またはUS 7,095,044に開示されているように、1.0〜5.0、極めて好ましくは1.8〜4.0(「低k材料」)の低誘電率(絶縁定数)を有する有機誘電性材料である。
セキュリティ応用において、トランジスタまたは電極のような、本発明に従う半電導性材料を有するOFETおよび他の装置は、紙幣、クレジットカードもしくはIDカード、国家ID文書、免許証、または、印紙、切符、株、小切手などのような貨幣価値を有する任意の製品のような有価文書が本物であることを証明し、その偽造を防ぐために、RFIDタグまたはセキュリティ標識に使用され得る。
代わりに、本発明に従う材料は、例えばフラットパネルディスプレイにおける活性ディスプレイ材料として、または例えば液晶ディスプレイのようなフラットパネルディスプレイのバックライトとして、OLEDにおいて使用することができる。一般的なOLEDは、多層構造物を使用して実現されている。発光層は、一般的に、1種もしくは2種以上の電子輸送層および/または正孔輸送層の間に挟まれている。電圧を印加することによって、電荷担体としての電子および正孔は、それらの再結合により励起がもたらされる発光層へ向かい、それ故に、ルモホア(lumophore)単位のルミネッセンスは発光層に含まれる。本発明の化合物、材料および膜は、それらの電気特性および/または光特性に対応する、1種もしくは2種以上の電荷輸送層および/または発光層において採用されてもよい。さらに、発光層内のそれらの使用は、本発明に従う化合物、材料および膜が、それ自体がエレクトロルミネッセンス特性を示すか、またはエレクトロルミネッセンス性の基もしくは化合物を含む場合、特に有利であるOLEDにおける使用のための好適なモノマー性、オリゴマー性およびポリマー性の化合物または材料の選択、特徴付けならびに処理は、一般に、当業者に知られており、例えば、Muller, Synth. Metals, 2000, 111-112, 31, Alcala, J. Appl. Phys., 2000, 88, 7124およびそれに引用された文献を参照されたい。
他の使用に従い、本発明に従う材料は、特にフォトルミネッセンス特性を示すものであるが、EP 0889350 A1またはC. Weder et al., Science, 1998, 279, 835に記載されているとおり、例えばディスプレイ装置における光源の材料として採用してもよい。
本発明のさらなる側面は、本発明に従う化合物の酸化型および還元型の両方に関する。電子の損失または獲得のいずれかにより、高電導性の高度に非局在化したイオン化型の形成がもたらされる。これは、一般的なドーパントへの曝露を生じ得る。ドーピングの好適なドーパントおよび方法は、例えばEP 0 528 662、US 5,198,153またはWO 96/21659から当業者に知られている。
ドーピング方法は、典型的には、適用したドーパントに由来する対応の対イオンにより材料中で非局在化したイオン化中心を形成するために、酸化還元反応において酸化剤または還元剤により半電導性材料を処置することを暗示する。好適なドーピング方法は、例えば、大気圧中または減圧下でドーピング蒸気に曝露すること、ドーパントを含む溶液中で電気化学的にドーピングをすること、熱的拡散のために半導体材料にドーパントを接触させること、および、半導体材料にドーパントのイオンを注入すること、を含む。
電子を担体として使用する場合、好適なドーパントは、例えば、ハロゲン(例えば、I、Cl、Br、ICl、ICl、IBrおよびIF)、ルイス酸(例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、SbCl、BBrおよびSO)、プロトン酸(例えば、HF、HCl、HNO、HSO、HClO、FSOHおよびClSOH)、有機酸、またはアミノ酸、遷移金属化合物(例えば、FeCl、FeOCl、Fe(ClO、Fe(4−CHSO、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、MoCl、WF、WCl、UFおよびLnCl(ここでLnはランタノイドである))、アニオン(例えば、Cl、Br、I、I 、HSO 、SO 2−、NO 、ClO 、BF 、PF 、AsF 、SbF 、FeCl 、Fe(CN) 3−、およびアリール−SO などの様々なスルホン酸のアニオン)である。正孔を担体として使用する場合、ドーパントの例は、カチオン(例えば、H、Li、Na、K、RbおよびCs)、アルカリ金属(例えば、Li、Na、K、RbおよびCs)、アルカリ土類金属(例えば、Ca、SrおよびBa)、O、XeOF、(NO )(SbF )、(NO )(SbCl )、(NO )(BF )、AgClO、HIrCl、La(NO・6HO、FSOOOSOF、Eu、アセチルコリン、R、(Rはアルキル基である)、R(Rはアルキル基である)、RAs(Rはアルキル基である)、ならびにR(Rはアルキル基である)である。
電導性形態の本発明の化合物は、適用の際に有機「金属」として使用することができ、以下に限定されないが、OLEDの適用における電荷注入層およびITO平坦化層、フラットパネルディスプレイ用の膜およびタッチスクリーン、帯電防止膜、印刷されたサーキットボードおよびコンデンサーなどの電子工学における印刷された電導性基板、パターンまたはトラクト(tract)を含む。
本発明に従う化合物および処方物はまた、例えばKoller et al., Nat. Photonics, 2008, 2, 684に記載されているように、有機プラズモン放出ダイオード(organic plasmon-emitting diode)(OPED)における使用にも好適であり得る。
他の使用に従い、本発明に従う材料は、例えばUS 2003/0021913に記載されているように、LCDまたはOLEDの装置における配向層中または配向層として、単独で使用することも、他の材料とともに併用することもできる。本発明に従う電荷輸送化合物の使用により、配向層の電気伝導率を上昇させることができる。LCDに使用する場合、この上昇された電気伝導率は、切り替え可能なLCD電池において不都合な残余のdc効果を低減し、残像(image sticking)を抑制するか、または、例えば強誘電性LCDにおいて、強誘電性LCの自発分極の切り替えにより生じる残余の電荷を低減することができる。配向層上へ提供された発光材料を含むOLED装置に使用する場合、この上昇した電気伝導率は、発光材料のエレクトロルミネッセンスを促進することができる。メソゲン特性または液晶特性を有する本発明に従う化合物または材料は、前述したような方向付けられた異方性膜を形成することができ、それらは、該異方性膜上へ提供された液晶媒体における配向を誘導または促進する配向層として特に有用である。本発明に従う材料はまた、US 2003/0021913に記載されているように、光配向層における使用または光配向層としての使用のための、光異性化可能な化合物および/または発色団とも組み合わせてもよい。
他の使用に従い、本発明に従う材料、特にそれらの水溶性誘導体(例えば極性基またはイオン性側基を有する)またはイオン的にドープされた形態は、DNA配列を検出および識別するための化学的なセンサーまたは材料として採用することができる。かかる使用は、例えば、L. Chen, D. W. McBranch, H. Wang, R. Helgeson, F. Wudl and D. G. Whitten, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1999, 96, 12287;D. Wang, X. Gong, P. S. Heeger, F. Rininsland, G. C. Bazan and A. J. Heeger, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2002, 99, 49;N. DiCesare, M. R. Pinot, K. S. Schanze and J. R. Lakowicz, Langmuir 2002, 18, 7785; D. T. McQuade, A. E. Pullen, T. M. Swager, Chem. Rev. 2000, 100, 2537に記載されている。
文脈上他を意味しない限り、本明細書中に使用されるとおり、本明細書中の用語の複数形は、単数形を含むものとして解釈されるべきであり、逆もまた同様である。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」および「含む(contain)」という単語ならびにその単語のバリエーション、例えば「含むこと(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むが限定されない」を意味し、他の成分を排除する意図はない(および排除しない)。
当然のことながら、本発明の前記態様に対するバリエーションは、本発明の範囲内に依然として含まれつつなされ得る。本明細書に開示されているそれぞれの特徴は、特に明記しない限り、同じであるか、均等なものであるか、または類似する目的を果たす代替的な特徴と交換してもよい。よって、特に明記しない限り、開示された各特徴は、一連の包括的な均等または類似の特徴の一例にしか過ぎない。
本明細書に開示された特徴のすべては、少なくともいくつかのかかる特徴および/またはステップが相互排他的である組み合わせを除いて、いずれの組み合わせで組み合わせてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての側面に適用可能であり、任意の組み合わせで使用してもよい。同様に、本質的でない組み合わせで記載された特徴は、別個に(組み合わせずに)使用してもよい。
当然のことながら、前記特徴、とりわけ好ましい態様の前記特徴の多くは、それら自体で独創的であり、本発明の態様の一部だけではない。目下クレームされたいかなる発明に加えて、または該発明に代わって、これらの特徴に対し、独立した保護を求めてもよい。
さて、本発明は、以下の例を参照することによって、より詳細に説明される。該例は、一例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
特に明記しない限り、以上以下のパーセンテージは、重量パーセントであり、温度はセルシウス度で与えられる。

例1
化合物(1)は以下に記載されるとおりに調製する:
前駆体1:デシルジメチルエチニルシラン
丸底フラスコにクロロデシルジメチルシラン(12.362g;50.00mmol)を入れ、該フラスコを氷水槽により0℃まで冷却した。エチニル臭化マグネシウム(THF中0.5M、125.0cm、62.50mmol)を、30minにわたり該フラスコに加えた。冷却槽を取り去り、混合物を50℃でさらに1時間撹拌した。
混合物を、真空蒸発により、乾燥するまで濃縮した。石油エーテル40-60(50cm)を加え、混合物をシリカ栓(silica plug)(石油エーテル40-60で洗浄した)に通して吸引ろ過し、無色の溶液を得た。溶媒を再度真空蒸発により除去し、残渣をKugelrohr装置により真空蒸留(8mbarで200℃)し、無色の液体を得た(10.10g、89%)。
化合物1:8,16−ビス(デシルジメチルシリルエチニル)フラバントレン
無水THF(30cm)中デシルエチニルジメチルシラン(1.851g、8.00mmol)の溶液に、0℃のn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、3.2cm;8.00mmol)を5分以内で滴加し、無色透明の溶液を得た。冷却槽を取り去り、溶液を22℃でさらに30分間撹拌した。反応混合物は透明な無色の溶液のままであった。フラバントロン(0.817g、2.00mmol)を一塊の個体(濃い黄色)として加え、混合物をおよそ2分間超音波処理した後、22℃で2時間撹拌した。その後、混合物を油槽中に設置し、55℃で20時間撹拌し、薄茶色の懸濁液を得た。
反応を飽和塩化アンモニウム溶液(50cm)でクエンチし、2層の混合物を22℃で30分間撹拌した。上の有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで抽出した(2×20cm)。合わせた有機抽出液の溶媒を真空蒸発により除去し、茶色い残渣をクロロホルムに溶解した後、シリカ栓(クロロホルムで洗浄した)に通して吸引ろ過した。ろ過物(赤茶色の溶液)を乾燥するまで真空蒸発し、赤茶色の油状の残渣を得た。それをシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶出液:DCM)で精製し、赤茶色の固体を得た。固体を、他のシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶出液:1:1のクロロホルム−シクロヘキサン)に供し、暗赤色の微結晶固体を得た(0.245g、15%)。
例2
化合物(2)を以下に記載されているように調製する:
前駆体2:ブチル-ジイソプロピル(トリメチルシラニルエチニル)シラン
無水THF(25.0cm)中ジクロロジイソプロピルシラン(9.545g;50.00mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム溶液(2.5M、20.4cm;51.00mmol)を−78℃で30minにわたって加え、白色懸濁液を得た。懸濁液を低温でさらに1h撹拌した後、冷却槽を取り去り、22℃で1h撹拌した。混合物は白色懸濁液のままであった。
リチウムトリメチルシリルアセチリド溶液(THF中1.5M、36.7cm;55.00mmol)を、シリンジを介して22℃で素早く加えた。混合物を22℃でさらに1時間撹拌し続けた(白色懸濁液のままであった)。懸濁液の白色固体を吸引ろ過により除去した。ろ過物を真空蒸発し、淡黄色の油状残渣を、シリカ栓(0.5cm、ジエチルエーテルで洗浄した)に通してろ過した。ろ過物を真空蒸発し、残渣の油を、Kugelrohr機器により150℃、6mbarで真空蒸留し、無色の液体を得た(12.60g、94%)。
前駆体3:ブチルエチニルジイソプロピルシラン
ジクロロメタン(30cm)およびメタノール(30cm)中の前駆体2(15.000g;49.15mmol)の溶液に、細かくしたKCO(13.019g;94.20mmol)を一塊として加えた。混合物を22℃で2h撹拌した。固体を、シリカパッドを介して吸引ろ過して除いた。ろ過物を乾燥するまで真空蒸発し、無色の液体を得た。液体を20mbarで真空分画し、生成物を95〜99℃の間で無色の液体(7.69g、59%)として回収した。
化合物2:8,16−ビス(ブチルジイソプロピルシリルエチニル)フラバントレン
1,4−ジオキサン(無水、30cm)中のブチルエチニルジイソプロピルシラン(1.654g;8.00mmol)の溶液に、0℃でn−ブチルリチウム(3.2cm;8.00mmol)を5min以内に滴加し、乳白色の溶液を得た。冷却槽を取り去り、溶液を22℃でさらに30min撹拌した。
フラバントロン(0.817g;2.00mmol)を一塊として加え、混合物をおよそ2min間超音波処理した後、22℃で4.5h撹拌した。黄色い混合物を、油槽中に設置し、50℃でさらに60h撹拌し、赤色懸濁液を得た。
反応混合物をRTまで冷却した後、飽和NHCl溶液(50cm)でクエンチし、透明な水溶液上に浮かんだ黄色のスラリーを得た。スラリーをTHF中に取り込ませ(3×30cm)、THF懸濁液を乾燥するまで真空蒸発した。メタノール(100cm)を残渣に加え、混合物を吸引ろ過し、橙黄色の粉末状固体を得た。
固体を、酢酸(40cm)、KI(1.660g;10.00mmol)、次亜リン酸ナトリウム(0.880g;10.00mmol)と混合し、混合物を120℃(外側)で2h撹拌し、赤茶色の懸濁液を得た。懸濁液を22℃まで冷却し、続いてメタノール(50cm)を加えた。赤褐色の固体を吸引ろ過して除き、メタノールで洗浄し、風乾した。固体をシリカ上のフラッシュカラムにかけ、3:2のシクロヘキサン−クロロホルムで溶出し、赤茶色の微結晶固体を得た(1.39g、90.3%)。
例3
化合物(3)を以下に記載されているように調製する:
化合物3:8,16−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)フラバントレン
無水1,4−ジオキサン(30cm)中エチニルトリイソプロピルシラン(1.536g;8.00mmol)の溶液に、0℃で、n−BuLi(ヘキサン中2.5M、3.2cm;8.00mmol)を5minにわたり滴加し、白色懸濁液を得た。冷却槽を取り外し、懸濁液を22℃でさらに30min間撹拌した。フラバントロン(0.817g;2.00mmol)を一塊として加え、混合物をおよそ2min超音波処理した後、22℃で55h撹拌し、橙黄色の乳状の溶液を得た。黄色の混合物を油槽中に設置し、55℃でさらに4h撹拌した。反応混合物をRTまで冷却した後、飽和NHCl溶液(50cm)でクエンチし、透明な水溶液上に浮いている黄色いスラリーを得た。スラリーをTHF(100cm)中に吸収させ、黄色い懸濁液を得て、これをブラインで1回洗浄した。THF懸濁液を、乾燥するまで回転蒸発させた。メタノール(100cm)を残渣に加え、混合物を吸引ろ過し、黄色い固体を得た。
固体を、酢酸(40cm)、ヨウ化カリウム(1.660g;10.00mmol)、次亜リン酸ナトリウム(0.880g;10.00mmol;500)と混合し、混合物を120℃(外側)で1h撹拌し、紫がかった茶色の懸濁液を得た。懸濁液をRTまで冷却し、続いてメタノール(50cm)を加えた。沈殿物を吸引ろ過して除き、メタノールで洗浄し、風乾した後、シリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィにかけ(溶出液は3:2のv/vでシクロヘキサン−クロロホルム、Rf=0.5)、コーヒー色の固体を得た。固体を、クロロホルム−エタノールから再結晶化し、赤茶色の毛髪状の針晶を得た(1.16g、78%)。
例4:トランジスタの製作および測定
トップゲート薄層有機電界効果トランジスタ(OFET)を、熱的に蒸発させたAuソース−ドレイン電極によりガラス基板上に製作した。各化合物の0.5wt.%溶液(溶媒は表1を参照)をその上にスピンコートした。膜を100℃で30秒間焼きなました。次に、フルオロポリマー誘電性材料(D139)をスピンコートした。最後に、Auゲート電極を、熱的蒸発により堆積させた。トランジスタ装置の電気的な特徴付けを、大気圧雰囲気下、コンピュータ制御されたAgilent 4155C Semiconductor Parameter Analyserを使用して実行した。飽和レジーム(μsat)中の電荷担体移動度を、化合物について算出し、その結果を表1にまとめる。電界効果移動度を、方程式(1)を使用して、飽和レジーム(V>(V−V))において算出した:
式中、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Ciは絶縁性層の静電容量、Vはゲート電圧、Vは立ち上がり電圧、および、μsatは飽和レジームにおける電荷担体移動度である。立ち上がり電圧(V)は、ソース−ドレインの開始電流として決定した。

Claims (12)

  1. 式I

    式中、個々の基は以下の意味を有する:
    およびRは、互いに独立して、非置換であるか、または、1個もしくは2個以上の基Lで置換されている、1〜40個のC原子を有する直鎖の、分岐の、あるいは、環状のアルキル、ここで1個もしくは2個以上の非近接のCH基は、各場合において互いに独立して、O原子および/またはS原子が互いに直接結合されないように−O−、−S−、−NR−、−SiR00−、−CY=CY00−または−C≡C−で任意に置き換えられていてもよい、を示すか、あるいは、非置換であるか、または、1個もしくは2個以上の基Lで置換されている、4〜20個の環原子を有するアリールまたはヘテロアリールを示し、
    〜Xは、互いに独立し、かつ、それぞれの出現は同じか、または異なっており、Hを示すか、またはLに付与された意味の1つを有し、
    Lは、P−Sp−、F、Cl、Br、I、−OH、−CN、−NO、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)R、−NR00、C(=O)OH、任意に置換されていてもよいシリルまたはゲルミル、任意に置換されていてもよい4〜20個の環原子を有するアリールまたはヘテロアリール、任意に置換されていてもよい直鎖の、分岐の、または、環状のアルキル、非置換であるか、あるいは、1個もしくは2個以上のF原子もしくはCl原子またはOH基で置換されている1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有するアルコキシ、オキサアルキルまたはチオアルキル、および、非置換であるか、あるいは、1個もしくは2個以上のF原子もしくはCl原子またはOH基で置換されている2〜30個、好ましくは2〜12個のC原子を有する直鎖の、分岐の、もしくは、環状の、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシから選択され、
    Pは、重合可能な基であり、
    Spは、スペーサー基または単結合であり、
    は、ハロゲンであり、
    、R00は、互いに独立して、H、または1〜20個のC原子を有するアルキルを示し、
    、Y00は、互いに独立して、H、F、ClまたはCNを示す、
    の化合物。
  2. 式中、RおよびRが、−C≡C−R、ここでRは、任意に置換されていてもよいアルキル基、シリル基またはゲルミル基、あるいは、非置換であるか、または、基Lで1個もしくは2個以上置換された、1〜20個の環原子を有するアリール基またはヘテロアリール基である、を示す、請求項1に記載の化合物。
  3. 式中、Rが、式II
    −AR’R’’R’’’ II
    ここで、
    Aは、C、SiまたはGe、好ましくはSiであり、
    R’、R’’、R’’’は、H、1〜20個のC原子を有する直鎖の、分岐の、もしくは、環状のアルキル基またはアルコキシ基、1〜20個のC原子を有する直鎖の、分岐の、または、環状のアルケニル基、2〜20個のC原子を有する直鎖の、分岐の、または、環状のアルキニル基、2〜20個のC原子を有する直鎖の、分岐の、または、環状のカルボニル基、4〜20個の環原子を有するアリール基またはヘテロアリール基、4〜20個の環原子を有するアリールアルキル基またはヘテロアリールアルキル基、4〜20個の環原子を有するアリールオキシ基またはヘテロアリールオキシ基、あるいは、4〜20個の環原子を有するアリールアルキルオキシ基またはヘテロアリールアルキルオキシ基からなる基から選択される同じか、または異なる基であり、前記のすべての基は1個または2個以上の基L’で任意に置換されていてもよく、
    L’は、シリル基およびゲルミル基で異なる、式IのLに付与された意味の1つを有する、
    の基である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 、X、X、X、XおよびXが、Hであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 、X、X、X、XおよびXが、H、F、Cl、Br、I、−CN、および、非置換であるか、あるいは、1個もしくは2個以上のF原子もしくはCl原子またはOH基で置換されているか、あるいは全フッ素置換された、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子を有する直鎖の、分岐の、もしくは、環状のアルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミド、アルキルアミドカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシ、および、単環式または多環式である4〜25個の環原子を有する芳香族基およびヘテロ芳香族基(すなわち、単結合を介して互いに連結した2個または3個以上の個々の環を含んでも、2個または3個以上の縮合環を含んでもよい、ここで各環は非置換であるか、または請求項1で定義されたような基Lで1個もしくは2個以上置換されている)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物であって、それらが、下記式:
    式中、R’、R’’およびR’’’は、請求項3で定義されたとおりである、
    から選択されることを特徴とする、前記化合物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載された1種または2種以上の化合物と、1種または2種以上の有機溶媒とを含む処方物。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載された1種または2種以上の化合物と、1種もしくは2種以上の有機バインダーまたはその前駆体、好ましくは1,000Hzでの誘電率εが3.3以下のものと、任意に1種または2種以上の溶媒とを含む処方物。
  9. 光学の、電子光学の、電子の、エレクトロルミネッセンス性の、もしくは、フォトルミネッセンス性のコンポーネントまたは装置における、電荷輸送の、半伝導性の、電気伝導性の、光伝導性の、もしくは、発光性の材料としての、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物または処方物の使用。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載された1種もしくは2種以上の化合物または処方物を含む、電荷輸送の、半電導性の、電気伝導性の、光伝導性の、もしくは、発光性の材料またはコンポーネント。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載された1種もしくは2種以上の化合物、処方物、材料またはコンポーネントを含む、光学の、電子光学の、電子の、エレクトロルミネッセンス性の、もしくは、フォトルミネッセンス性のコンポーネントまたは装置。
  12. 請求項11に記載のコンポーネントまたは装置であって、それが、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、集積回路(IC)、論理回路、コンデンサー、無線自動識別(RFID)タグ、装置またはコンポーネント、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、フラットパネルディスプレイ、ディスプレイのバックライト、有機光起電力装置(OPV)、太陽電池、レーザーダイオード、光伝導体、光検出器、電子写真装置、電子写真記録装置、有機記憶装置、センサー装置、ポリマー発光ダイオード(PLED)における電荷注入層、電荷輸送層または中間層、有機プラズモン放出ダイオード(OPED)、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止膜、ポリマー電解質膜(PEM)、電導性基板、電導性パターン、バッテリー中の電極材料、配向層、バイオセンサー、バイオチップ、セキュリティ標識、セキュリティ装置、ならびに、DNA配列を検出および判別するためのコンポーネントまたは装置からなる群から選択されることを特徴とする、前記コンポーネントまたは前記装置。
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